JP2021139847A - 引火性スパーク評価システム及び引火性スパーク評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の材料で構成される構造体から生じるスパークに引火性があるか否かを適切に評価できるようにすることである。【解決手段】実施形態に係る引火性スパーク評価システムは、複数の材料で構成される構造体で発生したスパークによって生じる放電光の強度を測定する光検出器と、前記構造体を構成し得る複数の材料でそれぞれ引火性を有するスパークが発生した場合に生じる各放電光の波長スペクトルの波形の特徴に基づいて決定された判定情報を参照し、前記光検出器で検出された前記放電光の強度に基づいて、前記構造体で発生したスパークが引火性を有するか否かと、前記構造体で発生したスパークが引火性を有すると判定される場合には、前記構造体で発生したスパークが前記構造体を構成する前記複数の材料のうちどの材料から発生したのかを判定するデータ処理系とを有するものである。【選択図】 図6

Description

本発明の実施形態は、引火性スパーク評価システム及び引火性スパーク評価方法に関する。
従来、航空機では静電気や落雷によって燃料タンク内でスパーク(火花放電)が発生し、爆発することが無いようにスパークによる放電光の確認試験が実施されている。典型的な航空機の放電確認試験は、燃料が充填されていない燃料タンクの供試体に電流を流し、多数のカメラや鏡を設置して撮影することによって行われる。供試体に電流が流れることによって放電が生じると、放電光がカメラで撮影される。このため、検査員が撮影結果の目視によって放電光を発見すれば、放電の発生箇所を特定することができる。
このような写真撮影法によるスパークの確認試験では、航空燃料に引火しないようなエネルギが小さいスパークであっても、スパークによる放電光が撮影されれば不合格と判定されることになる。このため、スパークの発生を防止するための過剰な対策が要求される恐れがある。また、写真撮影法では、カメラが異なると、放電光の写りが変わる場合があるという問題がある。
そこで、スパークにより生じる放電光の光強度を受光素子で測定することによって放電及びスパークのエネルギの大きさを評価する技術が提案されている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。また、スパークにより生じる放電光の波長スペクトルを観測し、特定の波長帯域にピークが出現するか否かに基づいて、スパークに爆発性があるか否か、すなわちスパークに航空燃料や引火性ガスへの引火性があるか否かを判定する方法も提案されている(例えば特許文献3及び特許文献4参照)。
他に、静電気によるスパークの着火能力を評価する方法を開発するために、静電エネルギと発光スペクトルとの関係を調べる研究もなされている(例えば非特許文献1参照)。
特開2014−137227号公報 特開2013−152155号公報 特開2017−049025号公報 特開2017−181332号公報
三浦 崇、「平等電界火花放電における静電エネルギーと発光スペクトルの関係−非接触光測定による静電スパークの着火能力評価方法の開発−」、労働安全衛生総合研究所、労働安全衛生総合研究所特別研究報告 JNIOSH−SRR−No. 47 (2017)、p.75−81、[平成31年3月26日検索]、インターネット<URL:https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/doc/srr/SRR−No47−2−2.pdf>
航空機の燃料タンク等の放電確認試験の対象となる供試体は、異なる複数の材料で構成される場合がある。具体例として、供試体が金属で構成される場合であれば、アルミニウム、チタン或いはステンレス等の複数の金属で構成される場合がある。また、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)や炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)等の繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)で供試体が構成される場合やCFRPの一部をGFRPで覆った供試体或いは金属とFRPの双方で構成される共試体も存在する。尚、FRPは一般に複合材と呼ばれる。
そこで、本発明は、複数の材料で構成される構造体から生じるスパークに引火性があるか否かを適切に評価できるようにすることを目的とする。
本発明の実施形態に係る引火性スパーク評価システムは、複数の材料で構成される構造体で発生したスパークによって生じる放電光の強度を測定する光検出器と、前記構造体を構成し得る複数の材料でそれぞれ引火性を有するスパークが発生した場合に生じる各放電光の波長スペクトルの波形の特徴に基づいて決定された判定情報を参照し、前記光検出器で検出された前記放電光の強度に基づいて、前記構造体で発生したスパークが引火性を有するか否かと、前記構造体で発生したスパークが引火性を有すると判定される場合には、前記構造体で発生したスパークが前記構造体を構成する前記複数の材料のうちどの材料から発生したのかを判定するデータ処理系とを有するものである。
また、本発明の実施形態に係る引火性スパーク評価方法は、上述した引火性スパーク評価システムを用いて、前記構造体で発生したスパークが引火性を有するか否かと、前記構造体で発生したスパークが引火性を有すると判定される場合には、前記構造体で発生したスパークが前記構造体を構成する前記複数の材料のうちどの材料から発生したのかを判定するものである。
また、本発明の実施形態に係る引火性スパーク評価方法は、複数の材料で構成される構造体で発生したスパークによって生じる放電光の強度を光検出器で測定するステップと、前記構造体を構成し得る複数の材料でそれぞれ引火性を有するスパークが発生した場合に生じる各放電光の波長スペクトルの波形の特徴に基づいて決定された判定情報を参照し、前記光検出器で検出された前記放電光の強度に基づいて、前記構造体で発生したスパークが引火性を有するか否かと、前記構造体で発生したスパークが引火性を有すると判定される場合には、前記構造体で発生したスパークが前記構造体を構成する前記複数の材料のうちどの材料から発生したのかを判定するステップとを有するものである。
本発明の第1の実施形態に係る引火性スパーク評価システムの構成図。 CFRPからなる構造体で生じたスパークの放電光を分光器で分光することによって測定された光の波長スペクトルの一例を示す図。 図1に示す引火性スパーク評価システムで材料ごとの放電光の波長スペクトルを観測する方法の例を示す図。 ある材料から生じたスパークからの放電光の波長スペクトルの波形の一例を示す図。 CFRPで生じたスパークSからの放電光がGFRPを透過した場合における透過光の波長スペクトルの一例を示す図。 図1に示す引火性スパーク評価システムを用いて構造体で発生したスパークの引火性を評価する処理の流れの一例を示すフローチャート。
本発明の実施形態に係る引火性スパーク評価システム及び引火性スパーク評価方法について添付図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
(引火性スパーク評価システムの構成及び機能)
図1は本発明の第1の実施形態に係る引火性スパーク評価システムの構成図である。
引火性スパーク評価システム1は、複数の材料で構成される構造体Oで発生したスパークSが引火性を有するか否か、すなわち航空機燃料や引火性ガス等の引火物に引火して爆発する性質を有するスパークあるか否かと、構造体Oで発生したスパークSが引火性を有すると判定される場合には、構造体Oで発生したスパークが構造体Oを構成する複数の材料のうちどの材料から発生したのかを判定するシステムである。そのために、引火性スパーク評価システム1は、電流印加回路2、光強度測定系3及びデータ処理系4を有する。
スパークSの検査対象となる構造体Oは、航空機の燃料タンクを模擬した供試体等の所望の構造を有し、かつ所望の複数の材料で構成される物体とすることができる。図1に示す例では、第1の材料M1と第2の材料M2を重ね合わせた構造体Oが、窓5を有する暗室6内に設置されている。
航空機の構造体が検査対象となる構造体Oであれば、アルミニウム、チタン及びステンレス等の金属の他、CFRPやGFRP等の複合材で構成される構造体Oを対象として、構造体Oで発生したスパークSの引火性を評価することができる。すなわち、金属や複合材等の複数の材料で構成される構造体Oを対象として、スパークSの引火性の判定と、引火性を有するスパークSが発生した材料の特定を行うことができる。
スパークSには、電位差を起因として生じるボルテージスパークと、熱が溜まることに起因するサーマルスパークがある。航空機の構造体の場合、ボルテージスパークは、主に静電気や被雷による電位差が原因で生じる。一方、サーマルスパークは、複合材に熱が溜まることに起因して生じる。また、複合材の端部において電荷の増大によって生じるサーマルスパーク又はボルテージスパークは、エッジグローと呼ばれる。
このため、航空機の構造体の場合、CFRPに含まれる炭素や金属等の導体間に空気、絶縁性塗料、樹脂或いはGFRP等の絶縁体が介在する場合や複合材周辺においてスパークSが発生する可能性が高い。航空機の構造体の場合、スパークSが発生して航空機燃料や引火性ガス等の引火物に引火すると大事故に繋がる。従って、スパークSが発生するか否かに加えて、スパークSに引火性があるか否かを、試験を行って評価することが重要である。また、引火性を有するスパークSが発生した場合に、どの材料からスパークSが発生したのかを特定できれば、引火性を有するスパークSを発生させないために設計変更すべき構造体Oの部位や部品を速やかに決定することができる。
電流印加回路2は、構造体Oに電流を印加する電気回路である。電流印加回路2は、電源2Aの他、構造体Oに印加される電流の波形を測定するための電流計測器並びに抵抗やキャパシタ等の電流の印加条件を調整するための必要な回路要素で構成することができる。電流印加回路2で構造体Oに所定の電流を印加すると、構造体Oに生じる静電気放電や構造体Oへの落雷を模擬することができる。このため、静電気や雷電流に対応する電流が構造体Oに印加された場合に構造体OにスパークSが発生するか否かを確認することができる。
光強度測定系3は、構造体Oで発生したスパークSによって生じる放電光の強度を測定するシステムである。光強度測定系3は、図1に例示されるように、分光器7を前段に設けた光検出器8で構成することができる。
分光器7は、構造体Oで発生したスパークSによって生じる放電光を入射させて分光するための光学装置である。従って、分光器7は、構造体Oで発生したスパークSによって生じる放電光を入射させることが可能な位置に配置される。そして、光検出器8では分光器7で分光された波長別の放電光の強度が検出される。尚、光検出器8を含めて分光器(スペクトロメータ)と称される場合もある。
分光器7の後段に設けられる光検出器8の具体例としては、光電子増倍管(PMT:Photomultiplier tube)、電荷結合素子(CCD:Charged−coupled device)センサや相補性金属酸化膜半導体(CMOS:Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の光素子が挙げられる。
尚、構造体Oで生じたスパークSからの放電光を入射させることが可能な位置に光ファイバの一端を光の入射用に配置し、光ファイバの他端に分光器7を接続するようにしてもよい。この場合、分光器7を任意の位置に設置することができる。このため、ノイズを抑制するために、分光器7を構造体Oから離れた場所に設置されたシールドボックス内に配置することも可能となる。
上述のような構成を有する光強度測定系3では、構造体Oで発生したスパークSによって生じる放電光の強度を光検出器8で波長別に測定することができる。光検出器8の出力側は、データ処理系4と接続される。そして、光検出器8で測定された放電光の強度は、データ処理系4に出力されるように構成されている。
データ処理系4は、光強度測定系3において測定された波長別の放電光の強度に基づいて、構造体Oで発生したスパークSが引火性を有するか否かと、構造体Oで発生したスパークSが引火性を有すると判定される場合には、構造体Oで発生したスパークが構造体Oを構成する複数の材料のうちどの材料から発生したのかを判定するシステムである。
データ処理系4は、コンピュータにデータ処理プログラムを読込ませて構築することができる。すなわち、データ処理系4は、単一又は複数の電子回路を構成要素とする処理回路類によって構成することができる。また、光強度測定系3から出力される放電光の強度を示す電気信号がアナログ信号である場合には、A/D(analog−to−digital)変換器をデータ処理系4に設けてデジタル信号を処理できるように構成することができる。
データ処理系4は、入力装置9、表示装置10、記憶装置11及び演算装置12を有する。演算装置12は、データ処理プログラムを読込むことによってスペクトル取得部4A、引火性判定部4B、材料特定部4C及び判定情報設定部4Dとして機能する。
スペクトル取得部4Aは、光検出器8から波長別の光強度の検出信号を入力してスパークSに対応する放電光の波長スペクトルを取得する機能を有する。引火性判定部4Bは、放電光の波長スペクトルと、記憶装置11に保存された判定情報に基づいて構造体Oから生じたスパークSが引火性のスパークSであるか否かを判定する機能を有する。材料特定部4Cは、構造体Oで発生したスパークSが引火性を有すると判定される場合において、記憶装置11に保存された判定情報に基づいて、引火性を有するスパークSが発生した材料を特定する機能を有する。
図2は、CFRPからなる構造体Oで生じたスパークSの放電光を分光器7で分光することによって測定された光の波長スペクトルの一例を示す図である。
図2において横軸は放電光の波長を示し、縦軸は放電光の相対強度を示す。スパークSから生じる放電光の波長スペクトルの波形と、CFRPから生じたスパークSが引火性を有するか否かとの関係性を実験によって調べた。その結果、CFRPから生じたスパークSが燃料等の引火物に引火する性質を有する場合には、図2に示されるように特定の波長帯域λ1、λ2、λ3において、光の波長スペクトルにピークが出現することが判明した。つまり、特定の波長帯域λ1、λ2、λ3において、光の波長スペクトルにピークが出現すれば、CFRPから生じたスパークSが引火性のスパークSであるという関係が、経験的に確認された。
また、GFRP、アルミニウム及びチタン等の他の材料からなる構造体Oから生じたスパークSについても同様に、スパークSから生じる放電光の波長スペクトルの波形と、構造体Oから生じたスパークSが引火性を有するか否かとの関係性を実験によって調べた。その結果、スパークSが引火性を有する場合には、スパークSから生じる放電光の波長スペクトルにおいて、材料に関わらず同一の波長帯域λ1、λ2、λ3にピークが現れることが判明した。
具体的には、588nm以上591nm以下の第1の波長帯域λ1、552nm以上555nm以下の第2の波長帯域λ2及び619nm以上623nm以下の第3の波長帯域λ3の少なくとも1つの波長帯域において波長スペクトルにピークが観測されれば、スパークSが発生した材料に関わらずスパークSは引火性を有するという関係が確認された。スパークSが引火性を有する場合に観測される放電光の波長スペクトルのピークの数は、放電光のエネルギによって変化すると考えられる。図2は、588nm以上591nm以下の第1の波長帯域λ1、552nm以上555nm以下の第2の波長帯域λ2及び619nm以上623nm以下の第3の波長帯域λ3の全てにおいてピークが観測された例を示している。
従って、放電光の波長スペクトルの第1の波長帯域λ1、第2の波長帯域λ2及び第3の波長帯域λ3の少なくとも1つの波長帯域においてピークが現れた否かを判定すれば、スパークSが引火性を有するか否かを判定することができる。
そこで、放電光の波長スペクトルの第1の波長帯域λ1、第2の波長帯域λ2及び第3の波長帯域λ3と各波長帯域λ1、λ2、λ3においてピークが生じる場合のピーク強度に対する閾値等をスパークSの引火性を判定するための判定情報として記憶装置11に保存することができる。そして、引火性判定部4Bには、記憶装置11に保存された判定情報を参照した公知のピーク検出処理により、放電光の波長スペクトルの第1の波長帯域λ1、第2の波長帯域λ2及び第3の波長帯域λ3の少なくとも1つの波長帯域においてピークが現れた否かを判定する機能と、ピークが現れたか否かの判定結果に基づいてスパークSが引火性を有するか否かを判定する機能が備えられる。
具体的な例として、スパークSによって生じる放電光の波長スペクトルの第1の波長帯域λ1、第2の波長帯域λ2及び第3の波長帯域λ3からなる各特定の波長帯域λ1、λ2、λ3においてピークに該当しないための強度のそれぞれの上限値を判定情報として記憶装置11に保存することができる。そして、引火性判定部4Bでは、光検出器8で検出された放電光の各特定の波長帯域λ1、λ2、λ3における強度が、判定情報として保存された対応する上限値を超えている場合には、ピークが出現していることになることから、構造体Oで発生したスパークSは引火性を有すると判定することができる。
スパークSが引火性を有する場合に放電光の波長スペクトルにピークが現れる特定の波長帯域λ1、λ2、λ3は、異なる材料間で共通であるが、放電光の波長スペクトルの波形は材料ごとに異なる。すなわち、放電光の波長スペクトルの波形は、材料に固有の波形となる。従って、放電光の波長スペクトルの波形を観測すれば、引火性を有するか否かを問わずスパークSが発生した材料を特定することができる。具体例として、ある材料に固有のピークが放電光の波長スペクトルに出現したり、逆にある材料に固有の強度が減少する波長帯域が放電光の波長スペクトルに出現すれば、スパークSがその材料から発生したと判定することができる。
そこで、構造体Oを構成し得る複数の材料でそれぞれ引火性を有するスパークSが発生した場合に生じる各放電光の波長スペクトルの波形の特徴を試験等によって把握し、放電光の波長スペクトルの波形の特徴に基づいてスパークSが発生した材料を特定するための判定情報を決定することができる。
図3は、図1に示す引火性スパーク評価システム1で材料ごとの放電光の波長スペクトルを観測する方法の例を示す図である。
材料ごとの放電光の波長スペクトルを観測する場合には、図3に示すように窓5を有するチャンバ等の暗室6内に観測対象となる材料Mxを設置することができる。また、電圧印加回路13を設置し、直流電源13Aに針状の電極13Bを接続して非接触で材料Mxに近接配置する一方、材料Mxを接地することができる。そうすると、直流電源13Aで電極13Bと材料Mxとの間に電圧を印加することによって意図的かつ強制的にスパークSを発生させることができる。
そして、材料Mxから発生させたスパークSによって生じる放電光の強度を、分光器7を前段に設けた光検出器8で波長別に検出し、スペクトル取得部4Aにおいて材料Mxに対応する放電光の波長スペクトルを取得することができる。同様な放電光の波長スペクトルの取得を第1の材料M1及び第2の材料M2等の複数の材料Mxについて行えば、材料Mxごとの放電光の波長スペクトルを取得することができる。
判定情報設定部4Dは、材料ごとの放電光の波長スペクトルの波形の特徴に基づいて、スパークSが発生した材料を特定するための判定情報を設定する機能と、設定した判定情報を記憶装置11に保存する機能を有する。このため、記憶装置11は、スパークSの引火性の判定情報のみならず、スパークSが発生した材料を特定するための判定情報を保存する判定条件データベース11Aとして機能する。
また、スパークSが発生した材料を特定するための判定情報を設定するための材料ごとの波長スペクトルの波形やピーク検出結果等の情報を判定情報設定部4Dから表示装置10に表示させる一方、スパークSが発生した材料を特定するための判定情報を設定するための情報を入力装置9の操作によって判定情報設定部4Dに入力できるように構成されている。
スパークSが発生した材料を特定するための判定情報は、構造体Oを構成し得る複数の材料に対応する各放電光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値とすることができる。具体例として、材料に固有のピークが出現する波長又は波長帯域とピーク強度の組合せを材料に固有の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値とすることができる。また、別の具体例として、放電光の波長スペクトルにおいて強度が顕著に減衰する波長帯域が存在する場合であれば、放電光の閾値と波長帯域の組合せ等を材料に固有の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値とすることができる。もちろん、放電光の波長スペクトルの波形自体を指標値とする他、ピークの数、最大値や最小値と波長の組合せ、積分値等の所望のパラメータを指標値とすることができる。
従って、判定情報設定部4Dには、図3に例示されるような観測方法で材料ごとの放電光の波長スペクトルが取得されると、放電光の波長スペクトルの波形自体或いはピーク値とピーク波長との組合わせ等の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値を、材料の識別情報と関連付けて判定情報として記憶装置11に書き込む機能が備えられる。
このような指標値を含む判定情報を記憶装置11に保存すると、構造体Oで発生したスパークSが引火性を有すると判定される場合において、材料特定部4Cでは、記憶装置11に保存された判定情報を参照し、光検出器8で検出された放電光の強度に基づいて取得される放電光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値と、判定情報に含まれる指標値との間における一致度に基づいて構造体Oで発生したスパークSが構造体Oを構成する複数の材料のうちどの材料から発生したのかを判定することが可能となる。
具体例として、放電光の波長スペクトルの波形自体が材料ごとに判定情報として記憶装置11に保存されている場合であれば、評価対象となる構造体Oで発生したスパークSからの放電光の波長スペクトルの波形と、記憶装置11に保存された放電光の波長スペクトルの波形とを比較することによって構造体Oで発生したスパークSがどの材料で発生したのかを特定することができる。波形間の一致度は、最小2乗誤差や相互相関値等の指標値で評価することができる。
別の具体例として、ある材料について放電光の波長スペクトルのピーク値の下限値とピーク波長の組合せが判定情報として記憶装置11に保存されている場合であれば、評価対象となる構造体Oで発生したスパークSからの放電光の波長スペクトルにおいて同じピーク波長で下限値以上のピークが検出された場合に、その材料からスパークSが発生したと判定することができる。
図4は、ある材料Mxから生じたスパークSからの放電光の波長スペクトルの波形の一例を示す図である。
図4において横軸は放電光の波長を示し、縦軸は放電光の相対強度を示す。例えば、図4に例示されるような波形を有する放電光の波長スペクトルが観測された場合であれば、第1乃至第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3についてピークの有無を検出することによって、スパークSに引火性があるか否かを判定することができる。
図4に示す例では、588nm以上591nm以下の第1の波長帯域λ1と619nm以上623nm以下の第3の波長帯域λ3において顕著なピークが出現しており、552nm以上555nm以下の第2の波長帯域λ2では強度か小さいピークが出現している。従って、スパークSに引火性無しと判定されるための第1乃至第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3における放電光の強度の各上限値をそれぞれ適切に設定すれば、第2の波長帯域λ2における放電光の強度が仮に第2の波長帯域λ2に設定した上限値以下であったとしても、第1の波長帯域λ1及び第3の波長帯域λ3における放電光の強度の少なくとも一方が、第1の波長帯域λ1及び第3の波長帯域λ3にそれぞれ設定された上限値を超えるため、スパークSに引火性があると判定することができる。
スパークSに引火性があると判定された場合には、記憶装置11に保存されている判定情報に基づいてスパークSが生じた材料Mxを特定することができる。例えば、図4に示す例では、第1乃至第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3とは別の波長帯域、具体的には第2の波長帯域λ2よりも更に低い波長λmxにおいて材料Mxに固有のピークが出現している。
従って、材料Mxから生じた放電光の波長スペクトルの波形自体が判定情報として記憶装置11に保存されている場合であれば、第1乃至第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3を除いた波長帯域における波形同士の比較によって、スパークSが生じた材料Mxを特定することができる。或いは、波長λmxとピーク強度の下限値の組合せが材料Mxと関連付けられて判定情報として記憶装置11に保存されている場合であれば、図4に例示されるような放電光の波長スペクトルから波長λmxにおけるピークを検出することによって、スパークSが生じた材料Mxを特定することができる。
引火性判定部4Bにおいて自動判定されたスパークSの引火性の有無の判定結果は、ユーザが確認できるように表示装置10に表示させることができる。同様に、スパークSが引火性を有すると判定された場合に材料特定部4Cにおいて自動的に特定された材料Mxについてもユーザが確認できるように表示装置10に表示させることができる。
尚、スパークSに引火性があるか否かの判定と、スパークSが発生した材料の特定は、引火性判定部4B及び材料特定部4Cにおけるデータ処理によって自動的に実行せずに、ユーザが目視で行えるようにしても良い。ユーザが目視でスパークSの引火性の判定を行う場合には、スペクトル取得部4Aにおいて取得された放電光の波長スペクトルの波形を、表示装置10に表示させる処理を引火性判定部4Bが実行するようにすれば良い。一方、ユーザが目視でスパークSが発生した材料の特定を行う場合には、材料ごとの放電光の波長スペクトルの波形等の判定情報を表示装置10に並列表示、重畳表示又は切換表示させる処理を材料特定部4Cが実行するようにすれば良い。
これにより、ユーザは表示装置10に表示された放電光の波長スペクトルの波形を観察し、ピークの有無に基づいてスパークSに引火性があるか否かを判定することができる。すなわち、放電光の波長スペクトルの第1から第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3の少なくとも1つにピークが観測されれば、構造体Oで発生したスパークSに引火性があると判定することができる。
また、逆に、放電光の波長スペクトルの第1から第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3のいずれにおいてもピークが観測されなければ、構造体Oで発生したスパークSに引火性が無いと判定することができる。
加えて、表示装置10に並列表示された放電光の波長スペクトルの波形と、材料ごとの参照波形等との目視による比較によって、スパークSが発生した材料を特定することができる。すなわち、観測される放電光の波長スペクトルの波形が最も類似する参照波形に対応する材料からスパークSが発生したと判定することができる。
ところで、図1に例示されるように、第1の材料M1と第2の材料M2が重なっている場合において、第2の材料M2が放電光に対して透明であると、第1の材料M1で発生したスパークSの放電光が第2の材料M2を透過して光強度測定系3で観測されることになる。すなわち、スパークSが構造体Oの内部で発生し、放電光が構造体Oを透過して外部から観測できる場合がある。
このようにスパークS自体が空間に放出されずに放電光のみが空間を伝播する場合には、スパークSに引火に必要なエネルギがあっても引火する恐れは無いと判定することが放電確認試験にて適切な場合が多い。しかしながら、スパークSのエネルギが大きいと、第2の材料M2を透過した放電光が光強度測定系3で観測され、放電光の波長スペクトルに引火性を表わすピークが出現する可能性がある。
そこで、引火性判定部4Bには、放電光が第2の材料M2の透過光である場合には、スパークSに引火性が無いと判定する機能を設けることができる。その場合には、放電光が第2の材料M2を透過したか否かを判定することが必要である。放電光が第2の材料M2を透過したか否かを判定する方法としては、第2の材料M2の透過に起因する放電光の波長スペクトルのピーク強度の減少を利用する方法と、第2の材料M2の透過に起因する放電光の波長スペクトルの波形変化を利用する方法が挙げられる。
第2の材料M2の透過に起因する放電光の波長スペクトルのピーク強度の減少を利用する方法は、第1の材料M1で発生した引火性を有するスパークSからの放電光が第2の材料M2を透過しない場合に放電光の波長スペクトルの第1乃至第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3において出現するピーク強度と、第1の材料M1で発生した引火性を有するスパークSからの放電光が第2の材料M2を透過した場合に放電光の波長スペクトルの第1乃至第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3において出現するピーク強度とを閾値処理によって峻別する方法である。
すなわち、放電光が第2の材料M2を透過すると、第2の材料M2の透過率に応じた強度だけ透過前に比べて放電光の強度が減少する。従って、引火性を有するスパークSからの放電光が第1の材料M1から空間に放出される場合に比べると、第2の材料M2を透過した場合における放電光の第1乃至第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3におけるピーク強度は減少する。
そこで、判定情報として記憶装置11に保存される、スパークSに引火性無しと判定するための第1乃至第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3における放電光のピーク強度の各上限値を、空間に放出される場合には引火性を有するスパークSが構造体Oを構成し得る第1の材料M1で発生した場合に生じる放電光が、強度の減衰を伴って第2の材料M2を透過した場合における強度の減衰後における透過光の各特定の波長帯域λ1、λ2、λ3における強度よりもそれぞれ大きく、第2の材料M2の透過に伴う強度の減衰前における放電光の各特定の波長帯域λ1、λ2、λ3における強度よりも小さい値に決定することができる。第1乃至第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3における放電光のピーク強度の各上限値は、図1に例示されるように実際に第1の材料M1と第2の材料M2を重ね合わせて放電試験を行うことによって決定することができる。
そうすると、第2の材料M2の透過によって減衰した第1の材料M1からの放電光の強度は、第1乃至第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3においていずれも上限値以下となり、スパークSに引火性無しと判定することができる。他方、第1の材料M1から第2の材料M2を透過せずに空間に放出された放電光の強度は、スパークSに引火性があれば、第1乃至第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3の少なくとも1つにおいて上限値を超え、スパークSに引火性有りと判定することができる。
一方、第2の材料M2の透過に起因する第1の材料M1からの放電光の波長スペクトルの波形変化を利用する方法は、第1乃至第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3以外の波長帯域における放電光の強度の変化を検出する方法である。すなわち、第1の材料M1で発生した放電光が第2の材料M2を透過すると、第2の材料M2に固有の波長帯域において強度が減少する場合がある。具体例として、第2の材料M2がガラスであれば、近赤外光の波長帯域における放電光の強度が顕著に低下する。そこで、第2の材料M2を透過した放電光の透過光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値を判定情報として決定し、指標値を評価することによって第1の材料M1で発生した放電光が第2の材料M2を透過したか否かを判定することができる。
より具体的には、空間に放出される場合には引火性を有するスパークSが構造体Oを構成し得る第1の材料M1で発生した場合に生じる放電光が第2の材料M2を透過した場合における透過光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値を判定情報として記憶装置11に保存することができる。そして、引火性判定部4Bでは、光検出器8で検出された放電光の強度に基づいて取得される放電光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値と、判定情報に含まれる第2の材料M2の透過光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値との一致度に基づいて、光検出器8で検出された放電光の強度が、第1の材料M1で発生し、かつ第2の材料M2を透過した透過光の強度であると判定される場合には、構造体Oで発生したスパークに引火性が無いと判定することができる。
第2の材料M2の透過光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値は、材料Mxに固有の放電光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値と同様に定義及び比較することができる。また、第2の材料M2の透過光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値は、図1又は図3に例示されるように引火性スパーク評価システム1を用いた放電試験の他、シミュレーションや文献値等に基づいて決定することができる。
第2の材料M2の透過光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値に基づいて光検出器8で検出された放電光が第2の材料M2の透過光であるか否かを判定すれば、第2の材料M2の透過前後での第1乃至第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3における放電光の強度変化が僅かであったりばらつきが大きい場合であっても、光検出器8で検出された放電光が第2の材料M2の透過光であるか否かを高精度に判定することが可能となる。
構造体Oが航空機構造体である場合において、可視光に対して透明な第2の材料M2と重ね合わされる第1の材料M1の典型例としては、CFRPが挙げられる。一方、構造体Oが航空機構造体である場合において、第1の材料M1と重ね合わされる、可視光に対して透明な第2の材料M2の典型例としては、GFRP及び可視光を透過させる接着剤が挙げられる。これは、CFRPの表面に腐食防止のために部分的にGFRPで覆われる場合があるためである。GFRPはエポキシ樹脂等の接着剤でCFRPの表面に貼付けられる場合もある。
GFRPで表面が覆われたCFRPでサーマルスパークが生じると、放電光のみがGFRPを透過する。この場合、放電は、CFRPとGFRPとの間で生じる内部放電であるため、スパークSに十分なエネルギがあっても引火する可能性を無視できる。しかしながら、エネルギが大きな放電光がGFRPを透過して光検出器8で検出されると、放電光の波長スペクトルの第1乃至第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3にはピークが生じる可能性がある。
そこで、第2の材料M2をGFRP及び可視光を透過させる接着剤の少なくとも一方として、透過光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値を記憶装置11に保存すれば、指標値を評価することによって、接着剤でCFRPに貼付けられたGFRPを透過した放電光と、CFRPから空間に放出された放電光を峻別することができる。そして、GFRPの透過光であれば、引火性無しと判定することができる。
エポキシ樹脂等の接着剤に固有の波長帯域において透過光が透過する場合であれば、接着剤に固有の波長帯域において透過光の波長スペクトルにピーク又は低強度帯域が観測されることになる。従って、接着剤の透過光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値と、光検出器8で検出された放電光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値を比較することによって、光検出器8で検出された放電光がGFRPの透過光であるか否かを判定すれば、GFRPの厚さが異なる場合であっても、GFRPの透過光であるか否かを高精度に判定することができる。
一方、GFRPは可視光領域に対しては透明であるものの、近赤外領域の光に対しては不透明な性質を有する。すなわち、放電光がGFRPを透過すると、近赤外領域における透過光の強度が著しく低下する。そこで、光検出器8で検出された放電光において、近赤外線の強度が著しく低下していれば、放電がCFRPとGFRPとの間において生じた内部放電であると判定することができる。
より具体的には、GFRPを透過した透過光の近赤外光の波長帯域における強度分布に基づいて、例えば、近赤外光の波長帯域における光強度の最大値のようなGFRPの透過光の強度分布を表す指標値の上限値を決定することができる。そして、GFRPの透過光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値として記憶装置11に保存することができる。
そうすると、引火性判定部4Bでは、光検出器8で検出された放電光の強度に基づいて取得される近赤外光の波長帯域における放電光の強度分布を表す指標値が、記憶装置11に保存されたGFRPの透過光の強度分布を表す指標値の上限値以下である場合には、構造体Oで発生したスパークSに引火性が無いと判定することができる。すなわち、光検出器8で検出された放電光の第1乃至第3の特定の波長帯域λ1、λ2、λ3にピークが観測された場合であっても、GFRPの透過光の波長スペクトルが呈する波形の特徴が観測されれば、スパークSに引火性が無いと判定することができる。
図5はCFRPで生じたスパークSからの放電光がGFRPを透過した場合における透過光の波長スペクトルの一例を示す図である。
図5において横軸は透過光の波長を示し、縦軸は透過光の相対強度を示す。CFRPで生じたスパークSからの放電光がGFRPを透過すると、図5に例示されるように近赤外光の波長領域λiである700nmから2500nm程度の波長帯域において顕著に透過光の強度が低下する。従って、放電光の波長スペクトルの第1乃至第3の波長帯域λ1、λ2、λ3においてピークが出現したとしても、近赤外光の波長領域λiにおいて強度が上限値以下となるまで減少していれば、放電光がGFRPの透過光であると判定することができる。このため、引火性判定部4BにおいてスパークSに引火性が無いと判定することができる。
尚、GFRPの透過光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値を、近赤外光の波長領域λiにおける波形の特徴を表す指標値とする代わりに、GFRP固有の正又は負のピークを表す指標値としても良い。その場合には、光検出器8で検出された放電光の波長スペクトルにGFRP固有のピークが観測された場合には、放電が構造体Oの内部で生じた内部放電であり、スパークSに引火性が無いと判定することができる。
(引火性スパーク評価方法)
次に引火性スパーク評価システム1を用いた引火性スパーク評価方法について説明する。
図6は、図1に示す引火性スパーク評価システム1を用いて構造体Oで発生したスパークSの引火性を評価する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まずステップS1において、図1に例示されるように引火性スパーク評価システム1の電流印加回路2により静電気によって生じる電流や雷電流を模擬した電流が第1の材料M1及び第2の材料M2等の複数の材料で構成される構造体Oに印加される。このため、構造体OによってはスパークSが生じる。
構造体OでスパークSが生じるとスパークSによって生じる放電光の波長別の強度が光強度測定系3で測定される。具体的には、分光器7で分光された波長別の放電光の強度が光検出器8で検出される。検出された波長別の放電光の強度は光信号又は電気信号等の検出信号としてデータ処理系4に出力される。
次に、ステップS2において、データ処理系4のスペクトル取得部4Aにおける信号処理によって、放電光の波長スペクトルが取得される。取得された放電光の波長スペクトルは、引火性判定部4Bに与えられる。
次に、ステップS3において、引火性判定部4Bは、放電光の波長スペクトルのピーク検出処理を行い、図2に例示される第1乃至第3の波長帯域λ1、λ2、λ3にピークが存在するか否かを判定する。第1乃至第3の波長帯域λ1、λ2、λ3のいずれからも上限値を超える強度を有するピークが検出されず、ピークが存在しないと判定された場合には、ステップS4においてスパークSに引火性が無いと判定される。すなわち、構造体Oは放電試験に合格したと判定される。
一方、第1乃至第3の波長帯域λ1、λ2、λ3の少なくとも1つからピークが検出され、ピークが存在すると判定された場合には、ステップS5において、引火性判定部4Bにより、放電光の波長スペクトルに透過光特有の特徴があるか否かが判定される。
具体例として、図5に例示されるように近赤外光の波長領域λiにおいて放電光の強度の最大値、平均値或いは波長方向への積分値等の代表値が閾値以下又は閾値未満となるまでに減少している場合であれば、スパークSによって生じた放電光はGFRP等を透過したと判定することができる。すなわち、図1に示す例において、第1の材料M1がCFRPであり、第2の材料M2がGFRPであれば、CFRPで生じたスパークSの放電光がGFRPを透過したと判定することができる。
放電光の波長スペクトルに透過光特有の特徴があると判定された場合には、ステップS4においてスパークSに引火性が無しと判定される。すなわち、構造体Oは放電試験に合格したと判定される。逆に、放電光の波長スペクトルに透過光特有の特徴が無いと判定された場合には、ステップS6において、スパークSに引火性があると判定される。すなわち、構造体Oは放電試験に不合格であると判定される。
構造体Oで発生したスパークSに引火性があると判定された場合には、ステップS7において、材料特定部4Cにより、スパークSが生じた材料を特定することができる。すなわち、構造体Oで発生したスパークSが構造体Oを構成する第1の材料M1及び第2の材料M2等の複数の材料のうちどの材料から発生したのかを判定することができる。
その場合には、図1に例示されるような構造体Oの放電試験に先立って、図3に例示されるような構造体Oを構成し得る材料Mxごとの放電試験が行われる。そうすると、例えば、各材料Mxに対応する放電光の波長スペクトルの波形を表示装置10に表示させることによって、ユーザは各材料Mxに固有の波長スペクトルの波形の特徴を把握することができる。
そして、入力装置9の操作によって判定情報設定部4Dに必要な情報を入力することによって、構造体Oを構成し得る各材料Mxに固有の放電光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値を、スパークSが発生した材料Mxを特定するための判定情報として設定することができる。設定した判定情報は記憶装置11に保存することができる。
具体例として、図4に例示されるように、放電光の波長スペクトルにおいて、材料Mxに固有の波長λmxでピークが現れる場合であれば、材料Mxに固有の波長λmxと、ピーク強度の下限値等の閾値を材料Mxの識別情報と関連付けて判定情報として記憶装置11に保存することができる。
そうすると、引火性があると判定されたスパークSから生じた放電光の波長スペクトルの波形の特徴と、記憶装置11に保存された判定情報とを材料特定部4Cにおいて対比することによって、スパークSが生じた材料Mxを特定することができる。例えば、図1に例示されるように第1の材料M1及び第2の材料M2で構造体Oが構成されている場合はもちろん、3つ以上の複数の材料で構造体Oが構成されている場合には、どの材料からスパークSが生じたのかを特定することができる。
(効果)
以上のような引火性スパーク評価システム1及び引火性スパーク評価方法は、スパークSから生じる放電光の波長スペクトルを取得し、波長スペクトルの特徴を捉えることによってスパークSの引火性の判定みならず、スパークSが発生した材料の特定も実行できるようにしたものである。また、スパークSからの放電光が透明な物体を透過した場合には、透過光であることを検出し、スパークSに引火性無しと判定できるようにしたものである。
このため、引火性スパーク評価システム1及び引火性スパーク評価方法によれば、構造体Oが複数の材料で構成されている場合において、引火性を有するスパークSが観測された場合に、速やかにスパークSが発生した部位を特定することができる。その結果、引火性を有するスパークSを発生させないために設計変更すべき構造体Oの部位や部品を速やかに決定することができる。加えて、構造体Oの外部に放電光のみが透過した内部放電を検知し、引火性が無いスパークSが引火性有りと判定される誤検知を回避することができる。
(他の実施形態)
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
例えば、上述した例では、分光器7で分光された波長別の放電光を光検出器8で検出する構成について説明したが、波長フィルタで必要な波長帯域の放電光を抽出して光検出器8で検出する構成としても良い。
1 引火性スパーク評価システム
2 電流印加回路
2A 電源
3 光強度測定系
4 データ処理系
4A スペクトル取得部
4B 引火性判定部
4C 材料特定部
4D 判定情報設定部
5 窓
6 暗室
7 分光器
8 光検出器
9 入力装置
10 表示装置
11 記憶装置
11A 判定条件データベース
12 演算装置
13 電圧印加回路
13A 電源
13B 電極
M1 第1の材料
M2 第2の材料
Mx 材料
O 構造体
S スパーク
λ1 第1の波長帯域
λ2 第2の波長帯域
λ3 第3の波長帯域
λmx 波長
λi 近赤外光の波長領域

Claims (9)

  1. 複数の材料で構成される構造体で発生したスパークによって生じる放電光の強度を測定する光検出器と、
    前記構造体を構成し得る複数の材料でそれぞれ引火性を有するスパークが発生した場合に生じる各放電光の波長スペクトルの波形の特徴に基づいて決定された判定情報を参照し、前記光検出器で検出された前記放電光の強度に基づいて、前記構造体で発生したスパークが引火性を有するか否かと、前記構造体で発生したスパークが引火性を有すると判定される場合には、前記構造体で発生したスパークが前記構造体を構成する前記複数の材料のうちどの材料から発生したのかを判定するデータ処理系と、
    を有する引火性スパーク評価システム。
  2. 前記判定情報は、特定の波長帯域における放電光の強度の上限値と、前記構造体を構成し得る前記複数の材料に対応する前記各放電光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値とを含み、
    前記データ処理系は、前記光検出器で検出された前記放電光の前記特定の波長帯域における強度が、前記判定情報に含まれる前記上限値を超えている場合には、前記構造体で発生したスパークが引火性を有すると判定し、前記光検出器で検出された前記放電光の強度に基づいて取得される前記放電光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値と、前記判定情報に含まれる前記指標値との間における一致度に基づいて前記構造体で発生したスパークが前記構造体を構成する前記複数の材料のうちどの材料から発生したのかを判定するように構成される請求項1記載の引火性スパーク評価システム。
  3. 前記特定の波長帯域における放電光の強度の上限値を、空間に放出される場合には引火性を有するスパークが前記構造体を構成し得る第1の材料で発生した場合に生じる放電光が、強度の減衰を伴って第2の材料を透過した場合における強度の減衰後における透過光の前記特定の波長帯域における強度よりも大きく、前記第2の材料の透過に伴う強度の減衰前における前記放電光の前記特定の波長帯域における強度よりも小さい値に決定した請求項2記載の引火性スパーク評価システム。
  4. 前記判定情報は、空間に放出される場合には引火性を有するスパークが前記構造体を構成し得る第1の材料で発生した場合に生じる放電光が第2の材料を透過した場合における透過光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値を含み、
    前記データ処理系は、前記光検出器で検出された前記放電光の強度に基づいて取得される前記放電光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値と、前記判定情報に含まれる前記透過光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値との一致度に基づいて、前記光検出器で検出された前記放電光の強度が、前記第1の材料で発生した放電光の透過光であって、前記第2の材料を透過した透過光の強度であると判定される場合には、前記構造体で発生したスパークに引火性が無いと判定するように構成される請求項1又は2記載の引火性スパーク評価システム。
  5. 前記第1の材料は炭素繊維強化プラスチックであり、前記第2の材料はガラス繊維強化プラスチック及び可視光を透過させる接着剤の少なくとも一方である請求項3又は4記載の引火性スパーク評価システム。
  6. 前記判定情報は、前記透過光の波長スペクトルの波形の特徴を表す指標値として、ガラス繊維強化プラスチックを透過した透過光の近赤外光の波長帯域における強度分布に基づいて決定された前記強度分布を表す指標値の上限値を含み、
    前記データ処理系は、前記光検出器で検出された前記放電光の強度に基づいて取得される前記近赤外光の波長帯域における前記放電光の強度分布を表す指標値が、前記判定情報に含まれる前記透過光の前記強度分布を表す前記指標値の前記上限値以下である場合には、前記構造体で発生したスパークに引火性が無いと判定するように構成される請求項4記載の引火性スパーク評価システム。
  7. 前記構造体で発生したスパークによって生じる前記放電光を入射させて分光する分光器を更に有し、
    前記光検出器は前記分光器で分光された光の強度を測定するように構成される請求項1乃至6のいずれか1項に記載の引火性スパーク評価システム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の引火性スパーク評価システムを用いて、前記構造体で発生したスパークが引火性を有するか否かと、前記構造体で発生したスパークが引火性を有すると判定される場合には、前記構造体で発生したスパークが前記構造体を構成する前記複数の材料のうちどの材料から発生したのかを判定する引火性スパーク評価方法。
  9. 複数の材料で構成される構造体で発生したスパークによって生じる放電光の強度を光検出器で測定するステップと、
    前記構造体を構成し得る複数の材料でそれぞれ引火性を有するスパークが発生した場合に生じる各放電光の波長スペクトルの波形の特徴に基づいて決定された判定情報を参照し、前記光検出器で検出された前記放電光の強度に基づいて、前記構造体で発生したスパークが引火性を有するか否かと、前記構造体で発生したスパークが引火性を有すると判定される場合には、前記構造体で発生したスパークが前記構造体を構成する前記複数の材料のうちどの材料から発生したのかを判定するステップと、
    を有する引火性スパーク評価方法。
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