JP2021136765A - 回転電機及び回転電機の製造方法 - Google Patents

回転電機及び回転電機の製造方法 Download PDF

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清香 上野
隆之 河口
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隆之 河口
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瞬 松田
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太郎 松前
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Abstract

【課題】高温環境下で使用した場合でも、ケーシングとステータとの締め付け荷重を適切に保つ。【解決手段】回転電機100は、ロータ30と、鉄系の部材で構成され、ロータ30の外周に設けられるステータ20と、アルミニウム合金の部材で構成され、ロータ30及びステータ20を収納し、内周面がステータ20の外周面に接触することでステータ20を固定するケーシング10と、を備える。回転電機100は、前記ケーシングが永久生長前の状態においてケーシング10からステータ20を取り出した際の、ステータ20の外径をA、ケーシング10の内径をBとすると、0.18%≦(A−B)/A≦0.38%である。【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機及び回転電機の製造方法に関する。
例えばパワーステアリングシステム用の回転電機(モータ)として、特許文献1に記載の回転電機が知られている。特許文献1に示すように、回転電機は、ロータと、ステータと、ロータ及びステータを収納するケーシングとを備える。ステータは、外周面がケーシングの内周面に接触して固定されるように、ケーシング内に圧入される。また、特許文献1には、ケーシングは、アルミニウム合金で構成される旨が記載されている。
特開2017−208872号公報
ここで、回転電機は、高温環境下で使用される場合がある。高温環境下で使用された場合、アルミニウム合金製のケーシングは、永久生長という不可逆の膨張を起こす場合がある。この場合、回転電機の使用中にケーシングの内径が大きくなって、ケーシングとステータとの締め代が小さくなってしまい、ケーシングとステータとの締め付け荷重を適切に保つことが出来なくなるおそれが生じる。そのため、高温環境下で使用した場合でも、ケーシングとステータとの締め付け荷重を適切に保つことが求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高温下で使用した場合でも、ケーシングとステータとの締め付け荷重を適切に保つことが可能な回転電機及び回転電機の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る回転電機は、ロータと、鉄系の部材で構成され、前記ロータの外周に設けられるステータと、アルミニウム合金の部材で構成され、前記ロータ及び前記ステータを収納し、内周面が前記ステータの外周面に接触することで前記ステータを固定するケーシングと、を備え、前記ケーシングが永久生長前の状態において、前記ケーシングから前記ステータを取り出した際の、前記ステータの外径をA、前記ケーシングの内径をBとすると、0.18%≦(A−B)/A≦0.38%以下である。
前記ケーシングは、ADC12の部材で構成されることが好ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る回転電機の製造方法は、ロータと、鉄系の部材で構成され、前記ロータの外周に設けられるステータと、アルミニウム合金の部材で構成され、前記ロータ及び前記ステータを収納するケーシングと、を備える回転電機の製造方法であって、前記ステータを前記ケーシング内に挿入して、前記ケーシングの内周面を前記ステータの外周面に接触させて前記ステータを前記ケーシングに固定する挿入ステップと、を有し、前記挿入ステップにおいては、前記ケーシングから前記ステータを取り出した際の、前記ステータの外径をA、前記ケーシングの内径をBとすると、0.18%≦(A−B)/A≦0.38%となるように、前記ステータを前記ケーシングに固定する。
本発明によれば、高温環境下で使用した場合でも、ケーシングとステータとの締め付け荷重を適切に保つことができる。
図1は、本実施形態に係る回転電機の断面図である。 図2は、本実施形態に係る回転電機の一部の分解図である。 図3は、ケーシングの内径とステータの外径とを示す模式図である。 図4は、回転電機の製造方法を説明する図である。 図5は、本実施形態の他の例に係る回転電機の断面図である。 図6は、実施例に係るテストピースの模式図である。 図7は、テストピースの永久生長量を示すグラフである。 図8は、テストピースの永久生長量を示すグラフである。 図9は、テストピースの永久生長量を示すグラフである。 図10は、テストピースの永久生長量を示すグラフである。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る回転電機の断面図であり、図2は、本実施形態に係る回転電機の一部の分解図である。本実施形態に係る回転電機100は、モータ、さらに言えばブラシレスモータである。回転電機100は、例えば車両の電動ステアリング装置に用いられ、車両のステアリングシャフトに操舵補助力を付与する。ただし、回転電機100の用途はそれに限られない。
図1に示すように、回転電機100は、ケーシング10と、ステータ20と、ロータ30と、バスバーユニット40と、保持部材50と、基板60と、カバー部材70と、ベアリングB1、B2とを備える。なお、図2は、ケーシング10、ステータ20、ロータ30、バスバーユニット40、及び保持部材50の分解図であり、基板60及びカバー部材70については記載を省略している。以下、ロータ30、より詳しくは後述の駆動軸32の軸方向に沿った方向を、Z方向とする。そして、Z方向に沿った方向のうちの一方の方向を、Z1方向とし、Z方向に沿った方向のうちの他方の方向を、すなわちZ1方向の反対の方向を、Z2方向とする。
図1に示すように、ケーシング10は、ステータ20、ロータ30、バスバーユニット40、保持部材50、及び基板60を内部に収納する筐体である。ケーシング10は、Z1方向側が開口する中空の部材であり、本実施形態ではZ方向から見て円形となる円筒状の部材である。ケーシング10は、底部12と側部14とを含む。底部12は、ケーシング10のZ2方向側の底面を構成する。底部12には、後述の駆動軸32が挿通される開口12Aが形成されている。また、底部12のZ1方向側の表面には、軸受けであるベアリングB1が設けられている。ベアリングB1は、Z方向から見て開口12Aを囲うように設けられ、底部12に対して固定されている。側部14は、ケーシング10の側面を構成する。側部14は、底部12の外縁を囲うように設けられ、底部12の外縁からZ1方向に延在する。ケーシング10は、底部12と側部14とで囲われる空間SPに、ステータ20、ロータ30、バスバーユニット40、保持部材50、及び基板60を収納する。ケーシング10は、Z1方向側の端部が開口しているため、空間SPが、Z1方向側で外部と連通している。
ケーシング10は、アルミニウム合金の部材で構成される。より詳しくは、ケーシング10は、JISで規格されるADC12の部材で構成される。ただし、ケーシング10は、ADC12で構成されることに限られず、永久生長を起こすアルミニウム合金で構成されていてよい。
ステータ20は、回転電機100の固定子である。ステータ20は、ケーシング10内、すなわち、ケーシング10の空間SP内に設けられる。ステータ20は、ステータコア22と、ステータコイル24とを含む。ステータコア22は、ステータ20のコアであり、Z方向から見た中央位置に、Z方向に貫通する貫通孔22Aが形成されている。ステータコア22は、磁性体で構成されており、さらに言えば、鉄系の部材で構成される。鉄系の部材とは、鉄を主成分とする部材である。より詳しくは、本実施形態に係るステータコア22は、電磁鋼板で構成されている。ステータコア22は、電磁鋼板製の部材がZ方向に積層されて構成されている。ただし、ステータコア22は、電磁鋼板で構成されることに限られず、部材がZ方向に積層されて構成されることにも限られない。ステータコア22は、永久生長しない鉄系の部材であってよい。
ステータコイル24は、ステータ20のコイルである。ステータコイル24は、U相、V相、及びW相の電磁コイルを含む。ステータコイル24は、ステータコア22に巻回されている。
ステータ20は、外周面20Aがケーシング10の内周面10Aに接触することで、ケーシング10に対して固定されている。すなわち、ステータ20は、ケーシング10に締り嵌めされることにより、ケーシング10と嵌め合っている。ステータ20の外周面20Aとケーシング10の内周面10Aとが、嵌め合っている部分であるといえる。なお、外周面20Aは、ステータコア22の外周面であり、内周面10Aは、ケーシング10の側部14の内周面であるともいえる。
ロータ30は、回転電機100の回転子である。ロータ30は、ケーシング10の空間SP内に設けられる。ロータ30は、駆動軸32と、ロータコア34とを備える。ロータコア34は、ロータ30のコアである。ロータコア34は、周方向に並ぶ複数の磁極を備える。ロータコア34は、Z方向から見た中央位置に、Z方向に貫通する貫通孔が形成されている。駆動軸32は、シャフトであり、ロータコア34の貫通孔に挿入されて、ロータコア34に対して固定されている。すなわち、駆動軸32は、ロータコア34に締り嵌めされている。ロータ30は、ロータコア34の外周面が、ステータコア22の貫通孔22A内に設けられる。ロータ30は、駆動軸32の軸方向がZ方向に沿うように、貫通孔22A内に設けられる。また、ロータ30は、ステータ20に対して回転可能に、貫通孔22A内に設けられる。このように、ロータ30が貫通孔22Aに挿入されるため、ステータ20がロータ30の外周に設けられているともいえる。ロータ30は、ステータ20との電磁作用により、駆動軸32のZ方向に沿った中心軸を回転軸として、回転する。
また、駆動軸32のZ2方向側の端部には、ギア部36が取り付けられている。ギア部36は、ステアリングシャフトに連絡する相手側のギヤ(図示略)に噛み合い、駆動軸32の回転をステアリングシャフトに伝達する。また、駆動軸32のZ1方向側の端部には、検出体38が取り付けられている。検出体38は、ロータ30の回転数を検出するための部材であり、例えばマグネットや磁気センサである。
バスバーユニット40は、ケーシング10の空間SP内において、ステータコイル24のZ1方向側に設けられる。バスバーユニット40は、複数のバスバーとバスバーホルダとを備える板状(ここでは円板状)の部材である。バスバーは、導電性の部材であり、ステータコイル24のU相、V相、W相のそれぞれに接続されている。バスバーホルダは、絶縁性の部材であり、バスバーを覆う。
保持部材50は、ケーシング10の空間SP内において、バスバーユニット40のZ1方向側に設けられる。保持部材50は、ベアリングB2を保持する、板状(ここでは円板状)の部材である。保持部材50は、例えば外周面がケーシング10の内周面10Aに対して接触して、ケーシング10に対して固定されている。すなわち、保持部材50は、ケーシング10に締り嵌めされている。ただし、保持部材50は、ケーシング10に締り嵌めされることに限られない。保持部材50は、Z方向から見た中央位置に、貫通孔50Aが形成されている。貫通孔50Aには、軸受けであるベアリングB2が設けられている。ベアリングB2は、保持部材50に対して固定されているため、保持部材50を介して、ケーシング10に対して固定されているともいえる。なお、保持部材50は、ケーシング10と同じ材料(部材)で構成されているが、それに限られず、ケーシング10と異なる材料で構成されていてもよい。
なお、ロータ30の駆動軸32は、ベアリングB1、B2に回転可能に支持されている。すなわち、駆動軸32は、Z2方向側の部分が、ベアリングB1内に回転可能に挿入され、ベアリングB1に挿入された部分よりもZ1方向側の部分が、ベアリングB2内に回転可能に挿入されている。
基板60は、ケーシング10の空間SP内において、保持部材50のZ1方向側に設けられる。基板60は、回転電機100のECU(Electronic Control Unit)の回路が設けられる回路基板である。基板60は、基板60とバスバーユニット40との間に設けられる接続部52を介して、バスバーユニット40のバスバーに電気的に接続されている。
カバー部材70は、ケーシング10のZ1方向側の端部に設けられる。カバー部材70は、カバー72と端子部74とを含む。カバー72は、ケーシング10の空間SPのZ1方向側の開口を閉塞するカバーである。カバー72は、ケーシング10のZ1方向側の端部の開口を覆うように、ケーシング10に取付けられる。端子部74は、カバー72に取付けられている。端子部74は、基板60の回路に電気的に接続される配線(図示略)と、配線に接続される端子とを含む。
以上のような構成の回転電機100は、例えば105℃以上の高温環境下で使用される。ケーシング10は、アルミニウム合金で構成されるため、高温環境下におかれることで加熱されて、永久生長する。永久生長とは、高温環境下で過固溶元素が析出することによる、寸法変化を指す。永久生長は、不可逆の膨張である為、永久生長した部材は、加熱後に冷却されても、永久生長した分の膨張が戻らない。そのため、永久生長するアルミニウム合金で構成されるケーシング10を用いた回転電機100は、高温環境下で用いられることで、ケーシング10の内径が膨張する。一方、鉄系の部材で構成されるステータ20は、永久生長しない。その為、回転電機100は、高温環境下で用いられた場合、ケーシング10とステータ20との締め代が減少して、嵌め合っている部分の締め付け荷重を適切に保つことが出来なくなるおそれがある。締め付け荷重とは、ケーシング10の内周面10Aとステータ20の外周面20Aとの接触により作用する力を指し、ステータ20をケーシング10に対して固定する力を指す。締め付け荷重を適切に保てない場合、ステータ20がケーシング10から抜け出して、回転電機100の破損や、回転電機100の駆動不良などが生じる可能性がある。それに対し、本実施形態に係る回転電機100は、ケーシング10とステータ20との締め代をケーシング10の永久生長による不可逆膨張量を考慮した値に設定する。これにより、回転電機100が高温環境下で使用されてケーシング10が永久生長した場合にも、ケーシング10とステータ20との嵌め合い部の締め代が小さくなり過ぎることを抑制して、締め付け荷重を適切に保つことが可能となる。以下、具体的に説明する。
回転電機100の使用前においては、ケーシング10は、永久生長前の状態となっている。一方、ステータ20は、鉄系の部材で構成されることから、永久生長しない。永久生長前の状態とは、永久生長済みとなっておらず、加熱により永久生長可能な状態であることを指す。さらに言えば、永久生長前の状態とは、ケーシング10が全く永久生長していない状態を指すことが好ましい。また、永久生長済みの状態とは、ケーシング10が既に永久生長している状態を指す。さらに言えば、永久生長済みの状態とは、ケーシング10が最大限まで永久生長して、これ以上永久生長しない状態(すなわち永久生長が飽和している状態)を指すことが、より好ましい。また、ここでの回転電機100の使用前とは、回転電機100が、回転電機100が搭載される車両などの対象物に搭載される前の状態(回転電機100が対象物に搭載されていない状態)であることを指す。さらに言えば、永久生長前の状態のケーシング10が永久生長済みとなる環境を、永久生長環境とすると、回転電機100の使用とは、ケーシング10が組み付けられた回転電機100を、永久生長環境下に配置することを指す。すなわち、回転電機100の使用前とは、ケーシング10が組み付けられた回転電機100を、これまで永久生長環境下に配置していない状態を指す。永久生長環境は、部材を、所定温度に所定時間配置することを指し、ここでの所定温度は、例えば、105℃以上であり、所定時間は、例えば、5時間以上である。
図3は、ケーシングの内径とステータの外径とを示す模式図である。図3に示すように、以下、ケーシング10の内径を、内径D1とし、ステータ20の外径を、外径D2とする。内径D1は、ケーシング10の側部14の内径であり、外径D2は、ステータコア22の外径であるともいえる。ここで、ステータ20をケーシング10から取り外した際の、外径D2と内径D1との差分を、寸法差Dとする。すなわち、寸法差Dは、ステータ20がケーシング10に挿入されて固定された後に、ステータ20をケーシング10から取り外した際の、ステータ20の外径D2からケーシング10の内径D1を差し引いた値ともいえる。この場合、回転電機100は、回転電機100の使用前における、ステータ20をケーシング10から取り外した際のステータ20の外径D2に対する、寸法差Dの比率が、0.18%以上0.38%以下となっている。この比率が0.18%以上となることで、締め付け荷重を適切に保ち、0.38%以下となることで、組み付けの為の手段として、圧入を選択した場合の圧入力が高すぎることによるケーシング10やステータ20の破損を抑制できる。
また、ステータ20をケーシング10に挿入する前の、外径D2と内径D1との差分(ステータ20の外径D2からケーシング10の内径D1を差し引いた値)を、寸法差D0とする。寸法差D0は、ステータ20とケーシング10との締め代ともいえる。なお、ステータ20をケーシングに挿入する前のケーシング10は、回転電機100の使用前なので、永久生長前の状態となっている。寸法差D0は、挿入前のステータ20の外径D2に対して、0.22%以上0.42%以下となっていることが好ましい。寸法差D0をこの数値範囲とすることで、締め付け荷重を適切に保ちつつ、圧入力が高すぎることによるケーシング10やステータ20の破損を抑制できる。なお、ステータ20がケーシング10に締り嵌めされると、ケーシング10及びステータ20の少なくとも一方が塑性変形する。すなわち、寸法差D0は、締り嵌めされる前の、すなわち塑性変形する前の外径D2と内径D1との差分であり、寸法差Dは、締り嵌めされた後の、すなわち塑性変形した後の、外径D2と内径D1との差分と言える。その為、寸法差D0は、締り嵌めされた後の寸法差Dに対して、塑性変形分を加算した値となる。
また、回転電機100は、回転電機100の使用後における、ケーシング10からステータ20を取り出した際のステータ20の外径D2に対する、寸法差Dの比率が、0.06%以上0.26%以下であることが好ましい。すなわち、使用後においては、ケーシング10の内径が永久生長により膨張するため、外径D2に対する寸法差Dの比率は小さくなる。しかし、本実施形態に係る回転電機100は、永久生長を考慮して、使用前における外径D2に対する寸法差Dの比率を高く設定しているため、使用後でも締め代を適切な値に保つことができる。そのため、回転電機100によると、回転電機100の使用に伴いケーシング10が永久生長しても、寸法差Dが小さくなり過ぎることが抑制されて、締め付け荷重を適切に保つことができる。
また、回転電機100の使用前のケーシング10は、永久生長前の状態であるため、加熱により永久生長する。ここで、回転電機100の使用前の状態のケーシング10の、常温における内径D1を、基準内径とする。ここでの常温は、例えば25℃である。また、回転電機100の使用前の状態のケーシング10を200℃で5時間加熱した後、常温に戻した場合のケーシング10の内径D1を、永久生長後内径とする。この場合、基準内径に対する永久生長後内径の比率は、100.1%以上100.14%以下であることが好ましい。
次に、回転電機100の製造方法について説明する。図4は、回転電機の製造方法を説明する図である。回転電機100を製造する際には、ケーシング10などの、回転電機100の各部材を準備する。本製造方法においては、ケーシング10の内径D1とステータ20の外径D2との寸法差D0が、ステータ20の外径D2に対して、0.22%以上0.42%以下となっているケーシング10及びステータ20を準備する。例えば、鋳造によりケーシング10を製造した後、ケーシング10の内径を機械加工することで、ケーシング10を準備する。なお、ケーシング10は、回転電機100に組み込まれる前においては、永久生長前の状態となっている。
本実施形態においては、焼嵌めによりケーシング10にステータ20を挿入するため、永久生長前の状態のケーシング10を電気炉等で加熱し、ケーシング10を熱膨張させる(ステップS10)。焼嵌めの際のケーシング10の加熱条件は、ケーシング10が永久生長済みとならない条件、より詳しくは永久生長前の状態のままとなる条件になっている。例えば、焼嵌めの際のケーシング10の加熱条件は、永久生長環境での加熱温度より低い加熱温度であり、永久生長環境での加熱時間より短い時間であることが好ましい。例えば、焼嵌めの際のケーシング10の加熱温度は、180℃以上であり、加熱時間は、5分以下であることが好ましい。次に、加熱後のケーシング10にステータ20を挿入し(ステップS12)、ケーシング10の内周面10Aとステータ20の外周面20Aとを接触させて、ステータ20をケーシング10に固定する(ステップS14)。ステップS12、S14が挿入ステップに相当する。ステップS12においては、ケーシング10のZ1方向側の端部の開口から、空間SP内に、ステータ20を挿入する。そして、焼嵌めの場合は、ケーシング10内にステータ20が配置された状態で、ケーシング10を冷却することで、ケーシング10の内径が元に戻り、ケーシング10の内周面10Aとステータ20の外周面20Aとが接触して、ステータ20がケーシング10に固定された、締り嵌めされた状態となる。本実施形態においては、ステータ20がケーシング10に固定された状態の後で、回転電機100の使用前にステータ20をケーシング10から取り外した際に、外径D2に対する寸法差Dの比率が、0.18%以上0.38%以下となる。なお、ケーシング10にステータ20を挿入する方法は、焼嵌めに限られない。例えば、加熱していないケーシング10にステータ20を圧入してもよい。圧入を選択する場合は、ステップS10を省略する。
ステータ20をケーシング10に固定したら、ロータ30、バスバーユニット40、保持部材50、基板60、及びカバー部材70をケーシング10に組み付けることで、回転電機100の製造が完了する(図示略)。なお、ロータ30は、ステータ20をケーシング10に挿入した後に、ステータ20に取付けられてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る回転電機100は、ロータ30と、ステータ20と、ケーシング10とを備える。ステータ20は、鉄系の部材で構成され、ロータ30の外周に設けられる。ケーシング10は、アルミニウム合金の部材で構成される。ケーシング10は、ロータ30及びステータ20を収納し、内周面10Aがステータ20の外周面20Aに接触することで、ステータ20を固定する。回転電機100は、回転電機100の使用前において、すなわちケーシング10が永久生長前の状態において、ケーシング10からステータ20を取り出した際の、ステータ20の外径(外径D2)をA、ケーシング10の内径(内径D1)をBとすると、0.18%≦(A−B)/A≦0.38%となっている。すなわち、寸法差Dが、ステータ20の外径D2に対して、0.18%以上0.38%以下となっている。ここで、永久生長するケーシングを用いた回転電機は、高温環境下で使用されることで、ケーシングが永久生長してしまい、ケーシングとステータとの締め代が減少して、締め付け荷重を適切に保つことが出来なくなるおそれがある。それに対し、本実施形態に係る回転電機100は、使用前における外径D2に対する寸法差Dの比率が上述の数値範囲となるように、ステータ20の外径D2、及び、ケーシング10の内径D1の寸法を設定している。すなわち、本実施形態においては、永久生長でケーシング10の内径D1が膨張した場合にも、締め付け荷重を適切な範囲に保つことが出来るように、寸法差Dを予め大きく設定している。そのため、本実施形態に係る回転電機100は、高温環境下で使用されてケーシング10が永久生長した場合であっても、ケーシング10とステータ20との締め代が少なくなり過ぎることを抑制できる。従って、本実施形態に係る回転電機100によると、高温環境下で使用した場合でも、ケーシング10とステータ20との締め付け荷重を適切に保つことが可能となる。さらに、本実施形態の回転電機100によると、永久生長を見越して寸法差Dを予め大きく設定しているため、例えばケーシング10への熱処理などの処理を施さなくても、ケーシング10とステータ20との締め付け荷重を適切に保つことが可能となる。
また、回転電機100は、回転電機100の使用後においてケーシング10からステータ20を取り出した際の、ステータ20の外径D2に対するケーシング10の内径D1の寸法差Dが、ステータ20の外径D2に対して、0.06%以上0.26%以下であることが好ましい。本実施形態に係る回転電機100によると、回転電機100の使用後、すなわち永久生長済みとなった場合にも、外径D2に対する寸法差Dの比率をこの範囲に保つことで、ケーシング10とステータ20との締め付け荷重を適切に保つことが可能となる。
また、ケーシング10は、ADC12の部材で構成されることが好ましい。本実施形態に係る回転電機100は、ADC12製のケーシング10を用いることで、車両に適切に搭載することができる。また、ケーシング10を永久生長済みとすることで、ADC12製のケーシング10を用いた場合でも、ケーシング10とステータ20との締め付け荷重を適切に保つことが可能となる。
また、ステータ20は、電磁鋼板を含むことが好ましい。本実施形態に係る回転電機100は、電磁鋼板のステータ20を用いた場合でも、ケーシング10を永久生長済みとすることで、ケーシング10とステータ20との締め付け荷重を適切に保つことが可能となる。
また、本実施形態に係る回転電機100の製造方法は、挿入ステップを含む。挿入ステップにおいては、ケーシング10にステータ20を挿入して、ケーシング10の内周面10Aをステータ20の外周面20Aに接触させて、ステータ20をケーシング10に固定する。挿入ステップにおいては、ケーシング10からステータ20を取り出した際の、ステータ20の外径をA、ケーシング10の内径をBとすると、0.18%≦(A−B)/A≦0.38%となるように、ステータ20をケーシング10に固定する。本実施形態に係る回転電機100の製造方法によると、外径Aに対する寸法差(A−B)の比率がこの数値範囲となるようにケーシング10をステータ20に挿入するため、回転電機100を高温下で使用してケーシング10が永久生長した場合でも、ケーシング10とステータ20との締め付け荷重を適切に保つことが可能となる。
図5は、本実施形態の他の例に係る回転電機の断面図である。図1に示したように、回転電機100の保持部材50は、1つの部材で構成されていたが、例えば図5の他の例に示すように複数の部材で構成されていてもよい。図5に示すように、他の例に係る回転電機100aの保持部材50aは、ベアリングホルダ54とリング56とを含む。ベアリングホルダ54は、ケーシング10の空間SP内において、バスバーユニット40のZ1方向側に設けられる。ベアリングホルダ54は、板状の部材であり、ベアリングB2が挿入される貫通孔50Aが形成されている。本例においては、ベアリングホルダ54は、ケーシング10に対して締り嵌めされておらず、ベアリングホルダ54の外周面は、ケーシング10の内周面10Aに少なくとも一部が非接触となっている。なお、ベアリングホルダ54の材料は、任意であるが、例えばケーシング10と同じ材料であってよい。
リング56は、環状の部材である。リング56の材料は、任意であるが、例えばケーシング10と同じ材料であってよい。リング56は、ケーシング10の空間SP内において、ベアリングホルダ54のZ1方向側に設けられる。リング56は、Z2方向側の表面がベアリングホルダ54のZ1方向側の表面に接触している。リング56は、例えば外周面がケーシング10の内周面10Aに対して接触して、ケーシング10に対して固定されている。すなわち、リング56は、ケーシング10に圧入されている。リング56は、ベアリングホルダ54と接触することで、ベアリングホルダ54を、ケーシング10に対して固定する。すなわち、ベアリングホルダ54は、リング56を介して、ケーシング10に対して固定されている。
(実験例)
次に、実験例について説明する。実験例においては、ケーシング10と同じ材料(部材)で構成されるテストピースPの永久生長を測定した。図6は、実験例に係るテストピースの模式図であり、図7から図10は、テストピースの永久生長量を示すグラフである。図6に示すように、実験例においては、矩形の板状のテストピースPを用いて、テストピースPを永久生長させた。実験例においては、永久生長していない、すなわち永久生長環境下に配置していないテストピースPを、各温度に加熱して、テストピースPの寸法を測定した。具体的には、テストピースPの長辺の長さL1と、テストピースPの長辺方向での一方の端部における短辺の長さ(幅)W1と、テストピースPの長辺方向での中央位置における短辺の長さ(幅)W2と、テストピースPの長辺方向での他方の端部における短辺の長さ(幅)W3とを測定した。さらに言えば、実験例においては、永久生長していない状態のテストピースP、すなわち加熱前のテストピースPの、25℃における長さL1、W1、W2、W3を測定し、そのテストピースPを、設定した加熱温度で設定した時間加熱した後、25℃に戻して、長さL1、W1、W2、W3を測定した。そして、加熱前と加熱後とで、長さL1、W1、W2、W3の寸法差を算出して、寸法の変化率(%)を算出した。ここでの変化率は、加熱前の長さ(長さL1、W1、W2、W3)に対する、加熱後の長さと加熱前の長さとの差分の比率を指す。すなわち、変化率は、永久生長量を示した値であるといえる。
図7は、テストピースPを105℃で加熱した場合の変化率を示している。図7においては、横軸が積算の加熱時間であり、縦軸が加熱時間毎の長さL1、W1、W2、W3の測定値を示している。図7に係る実験例では、永久生長前のテストピースPを、105℃の環境下(加熱温度)で加熱し、所定の加熱時間だけ加熱した後に長さL1、W1、W2、W3を測定した後、さらに加熱することで、積算の加熱時間毎に、長さL1、W1、W2、W3を測定した。そして、それぞれのテストピースPについて、加熱前と加熱後とで長さL1、W1、W2、W3を測定して、加熱時間毎の変化率を算出した。図7に示すように、加熱温度を105℃とした場合、テストピースPは永久生長し、加熱時間を長くするほど、永久生長量が大きくなっていることが分かる。なお、図8以降の実験例も、加熱温度以外は図7の実験例と同様の条件として、加熱時間毎の変化率を算出した。
図8は、テストピースPを125℃で加熱した場合の変化率を示している。図8の実験例においては、永久生長前のテストピースPを、125℃の環境下(加熱温度)で加熱し、加熱時間毎の変化率を算出した。図8に示すように、加熱温度を125℃とした場合、テストピースPは永久生長することが分かる。また、加熱時間を長くするほど、永久生長量が大きくなってゆき、約500時間で永久生長量がほぼ一定になることが分かる。
図9は、テストピースPを150℃で加熱した場合の変化率を示している。図9の実験例においては、永久生長前のテストピースPを、150℃の環境下(加熱温度)で加熱し、加熱時間毎の変化率を算出した。図9に示すように、加熱温度を150℃とした場合、テストピースPは永久生長することが分かる。また、加熱時間を長くするほど、永久生長量が大きくなってゆき、約150時間で永久生長量がほぼ一定になることが分かる。
図10は、テストピースPを200℃で加熱した場合の変化率を示している。図10の実験例においては、永久生長前のテストピースPを、200℃の環境下(加熱温度)で加熱し、加熱時間毎の変化率を算出した。図10に示すように、加熱温度を200℃とした場合、テストピースPは永久生長することが分かる。また、加熱時間を長くするほど、永久生長量が大きくなってゆき、約5時間で永久生長量がほぼ一定になることが分かる。
このように、ケーシング10と同じ材料を用いたテストピースPは、加熱温度が105℃以上200℃以下で加熱した場合に永久生長することが分かる。また、最大の変化量、すなわち永久生長する最大量は、0.12%程度であることが分かる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態等の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態等の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
10 ケーシング
10A 内周面
12 底部
14 側部
20 ステータ
20A 外周面
22 ステータコア
24 ステータコイル
30 ロータ
32 駆動軸
34 ロータコア
40 バスバーユニット
50 保持部材
60 基板
70 カバー部材
100 回転電機

Claims (3)

  1. ロータと、
    鉄系の部材で構成され、前記ロータの外周に設けられるステータと、
    アルミニウム合金の部材で構成され、前記ロータ及び前記ステータを収納し、内周面 が前記ステータの外周面に接触することで前記ステータを固定するケーシングと、を備え、
    前記ケーシングが永久生長前の状態において前記ケーシングから前記ステータを取り出した際の、前記ステータの外径をA、前記ケーシングの内径をBとすると、0.18%≦(A−B)/A≦0.38%である、
    回転電機。
  2. 前記ケーシングは、ADC12の部材で構成される、
    請求項1に記載の回転電機。
  3. ロータと、鉄系の部材で構成され、前記ロータの外周に設けられるステータと、アルミニウム合金の部材で構成され、前記ロータ及び前記ステータを収納するケーシングと、を備える回転電機の製造方法であって、
    前記ステータを前記ケーシング内に挿入して、前記ケーシングの内周面を前記ステータの外周面に接触させて前記ステータを前記ケーシングに固定する挿入ステップを有し、
    前記挿入ステップにおいては、前記ケーシングから前記ステータを取り出した際の、前記ステータの外径をA、前記ケーシングの内径をBとすると、0.18%≦(A−B)/A≦0.38%となるように、前記ステータを前記ケーシングに固定する
    回転電機の製造方法。
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