JP2021135774A - 回転電機の場予測装置、予測モデルの学習方法、及び回転電機制御システム - Google Patents

回転電機の場予測装置、予測モデルの学習方法、及び回転電機制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】回転電機の内部に形成される場の量を予測モデルによって予測する回転電機の場予測装置を提供すること。【解決手段】回転電機の場予測装置は、三相交流電流が流れると回転磁場を生成する固定子と回転磁場によって回転する回転子とを備える回転電機の内部における場の量を予測する。場予測装置は、回転電機のd軸電流、q軸電流及び機械角又はこれらパラメータに基づいて生成される入力データが入力されるとニューラルネットワークに基づいて回転電機の内部におけるベクトルポテンシャルの予測量を含む出力データを出力する予測モデル62を備える。予測モデル62は、オートエンコーダ65の第1学習デコーダ652に基づいて構築される予測デコーダ622と、第2学習エンコーダ661に基づいて構築される予測エンコーダ621と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、回転電機の場予測装置、予測モデルの学習方法、及び回転電機制御システムに関する。より詳しくは、回転電機の内部における場の量を予測モデルによって予測する回転電機の場予測装置、予測モデルの学習方法、及び場予測装置を備える回転電機制御システムに関する。
ある構造物の内部においてエネルギ源(例えば、熱源や電流等)によって形成される場(例えば、温度や磁場等)の量を解析する技術の一つとして、有限要素法(以下、「FEM(Finite Element Method)」との略称を用いる)に基づく数値解析方法が広く用いられている。一般的にFEMに基づく数値解析方法は、節点数が多くなるほど計算量も増加するため、大型の計算サーバや高性能なワークステーションを必要とする。またFEMに基づく数値解析を行うためには、ソフトウェアの知識やモデリング技術も必要とされる。また1ショットにかかる計算時間も膨大であるため、エネルギ源の条件を僅かに変更して再計算を行うだけでも膨大な時間がかかる。
本願出願人による特許文献1には、熱源から供給される熱が伝達するアルミ板に定められた予測エリア内の温度分布を、ニューラルネットワークによって構築された予測モデルで予測する状態予測装置に関する発明が示されている。特許文献1に示された発明では、熱源位置及び熱源温度等の熱源の条件に関する正解ラベルデータと、この熱源の条件の下でシミュレーションを行うことによって算出される温度分布に関する分布データとを含むサンプルデータを用いて予測モデルの学習を行うことにより、FEMに基づく演算を経ることなくアルミ板における温度分布の予測を可能としている。
特願2019−133999号
以上のように特許文献1には、エネルギ源を熱源とし、この熱源によってアルミ板に形成される温度分布を予測する技術について記載されている。ところで固定子と回転子とを備える回転電機の内部には、コイルを流れる三相交流電流や永久磁石等によって様々な場が形成され、また回転電機の内部に形成される場は回転子の位置によって変化すると考えられるが、特許文献1ではこのような回転電機への応用については具体的に検討されていない。
本発明は、回転電機の内部に形成される場の量を予測モデルによって予測する回転電機の場予測装置、この予測モデルを学習する予測モデルの学習方法、及びこの場予測装置を備える回転電機制御システムを提供することを目的とする。
(1)本発明に係る回転電機(例えば、後述の回転電機2)の場予測装置(例えば、後述の場予測装置6,6A,6B)は、三相交流電流が流れると回転磁場を生成する固定子(例えば、後述の固定子22)と回転磁場によって回転する回転子(例えば、後述の回転子21)とを備える回転電機の内部における場の量を予測するものであって、前記回転電機のd軸電流、q軸電流及び機械角又はこれらパラメータに基づいて生成される入力データが入力されるとニューラルネットワークに基づいて前記回転電機の内部における場の予測量を含む出力データを出力する予測モデル(例えば、後述の予測モデル62,62A,7)を備えることを特徴とする。
(2)この場合、前記回転電機の内部には、前記回転子の軸線に対し直交する断面視で格子状に区画することによって、複数の節点と、互いに隣接する前記節点によって囲まれる複数の面要素と、が定義され、前記予測モデルは、前記節点又は前記面要素におけるスカラー場又はベクトル場の予測量を算出することが好ましい。
(3)この場合、前記予測モデルは、前記節点におけるスカラー場であるベクトルポテンシャルの予測量を算出することが好ましい。
(4)この場合、前記予測モデルの出力データに基づいて、前記面要素におけるベクトル場である磁束密度の予測量の分布を算出する磁束密度分布算出部(例えば、後述の磁束密度分布算出部63)をさらに備えることが好ましい。
(5)この場合、複数の前記節点は、前記固定子上に定められる固定子節点と、前記回転子上に定められる回転子節点と、前記固定子の内周面と前記回転子の外周面との間に定められるギャップ節点と、に分けられ、複数の前記面要素は、互いに隣接する前記固定子節点によって囲まれる固定子面要素と、互いに隣接する前記回転子節点によって囲まれる回転子面要素と、互いに隣接する前記ギャップ節点によって囲まれるギャップ面要素と、に分けられ、複数の前記固定子節点の一部及び複数の前記ギャップ節点の一部は前記回転子の回転中心を中心とした円周上に定められ、前記固定子節点及び前記固定子面要素は、前記回転中心を原点とした静止座標系に定められ、前記回転子節点、前記ギャップ節点、前記回転子面要素、及び前記ギャップ面要素は、前記回転中心を原点としかつ前記静止座標系に対し前記機械角に比例する角度で傾斜する回転座標系に定められ、前記予測モデルの出力データは、前記各節点におけるベクトルポテンシャルの予測量を要素とした配列であり、前記磁束密度分布算出部は、前記静止座標系での前記回転子面要素及び前記ギャップ面要素の位置と、前記予測モデルの出力データのうちこれら面要素における磁束密度と相関のある要素番号とを関連付ける変換マップと、前記予測モデルの出力データとに基づいて前記固定子面要素、前記回転子面要素、及び前記ギャップ面要素における磁束密度の予測量の前記静止座標系における分布を算出することが好ましい。
(6)この場合、前記変換マップは、前記機械角に対するサンプリング角と関連付けた状態で記憶媒体に複数記憶されており、前記磁束密度分布算出部は、前記機械角と複数の前記サンプリング角の何れかと一致する場合には、当該サンプリング角と関連付けられた前記変換マップを参照して磁束密度の予測量の前記静止座標系における分布を算出し、前記機械角と複数の前記サンプリング角の何れかとも一致しない場合には、補間演算を行うことによって磁束密度の予測量の前記静止座標系における分布を算出することが好ましい。
(7)この場合、前記予測モデルは、前記面要素におけるベクトル場である磁束密度の予測量を算出することが好ましい。
(8)この場合、複数の前記節点は、前記固定子上に定められる固定子節点と、前記回転子上に定められる回転子節点と、前記固定子の内周面と前記回転子の外周面との間に定められるギャップ節点と、に分けられ、複数の前記面要素は、互いに隣接する前記固定子節点によって囲まれる固定子面要素と、互いに隣接する前記回転子節点によって囲まれる回転子面要素と、互いに隣接する前記ギャップ節点によって囲まれるギャップ面要素と、に分けられ、複数の前記固定子節点の一部及び複数の前記ギャップ節点の一部は前記回転子の回転中心を中心とした円周上に定められ、前記固定子節点及び前記固定子面要素は、前記回転中心を原点とした静止座標系に定められ、前記回転子節点、前記ギャップ節点、前記回転子面要素、及び前記ギャップ面要素は、前記回転中心を原点としかつ前記静止座標系に対し前記機械角に比例する角度で傾斜する回転座標系に定められ、前記予測モデルの出力データは、前記各面要素における磁束密度の予測量を要素とした配列であり、前記静止座標系での前記回転子面要素又は前記ギャップ面要素の位置と、前記予測モデルの出力データの要素番号とを関連付ける変換マップと、前記予測モデルの出力データとに基づいて前記固定子面要素、前記回転子面要素及び前記ギャップ面要素における磁束密度の予測量の前記静止座標系における分布を算出する磁束密度分布算出部を備えることが好ましい。
(9)この場合、前記変換マップは、前記機械角に対するサンプリング角と関連付けられた状態で記憶媒体に複数記憶されており、前記磁束密度分布算出部は、前記機械角と複数の前記サンプリング角の何れかと一致する場合には、当該サンプリング角と関連付けられた前記変換マップを参照して磁束密度の予測量の前記静止座標系における分布を算出し、前記機械角と複数の前記サンプリング角の何れかとも一致しない場合には、補間演算を行うことによって磁束密度の予測量の前記静止座標系における分布を算出することが好ましい。
(10)この場合、前記入力データは、前記d軸電流、前記q軸電流、前記機械角の正弦及び余弦、並びに前記回転電機の電気角の正弦及び余弦を含み、前記予測モデルは、前記入力データが入力されると特徴量を出力する予測エンコーダ(例えば、後述の予測エンコーダ621,621A)と、前記特徴量が入力されると前記回転電機の内部における場の予測量に関する情報を含む出力データを出力する予測デコーダ(例えば、後述の予測デコーダ622,622A)と、を備えることが好ましい。
(11)この場合、前記入力データは、前記d軸電流、前記q軸電流、前記機械角に比例する前記回転電機の電気角の正弦及び余弦を含む第1入力データと、前記機械角の正弦及び余弦、並びに前記機械角の整数倍の正弦及び余弦を含む第2入力データと、に分けられ、前記予測モデルは、前記第1入力データが入力されると第1特徴量を出力する第1予測エンコーダ(例えば、後述の第1予測エンコーダ72)と、前記第1特徴量が入力されると前記回転電機の内部における場の予測量に関する情報を含む第1出力データを出力する第1予測デコーダ(例えば、後述の第1予測デコーダ73)と、前記第2入力データが入力されると第2特徴量を出力する第2予測エンコーダ(例えば、後述の第2予測エンコーダ75)と、前記第2特徴量が入力されると前記回転電機の内部における場の予測量に関する情報を含む第2出力データを出力する第2予測デコーダ(例えば、後述の第2予測デコーダ76)と、前記第1出力データと前記第2出力データとを合成する合成部(例えば、後述の合成部77)と、を備えることが好ましい。
(12)本発明に係る予測モデルの学習方法は、(10)に記載の予測モデルをコンピュータによって学習する方法であって、複数組の異なる前記入力データの下でシミュレーションを行うことによって前記回転電機の内部における場の予測量を算出し、複数の学習データを生成する工程と、前記入力データと前記学習データとを関連付けて保存する工程と、第1学習エンコーダ及び第1学習デコーダを備えるオートエンコーダを準備し、前記第1学習エンコーダに前記学習データを入力した場合に前記第1学習デコーダから出力される出力データと前記学習データとの差が所定値以下になるまで前記第1学習エンコーダ及び前記第1学習デコーダを学習する工程と、前記入力データと、当該入力データと関連付けられた前記学習データと、当該学習データを学習済みの前記第1学習エンコーダに入力した場合に当該第1学習エンコーダから出力される特徴量と、を関連付けて保存する工程と、第2学習エンコーダを準備し、当該第2学習エンコーダに前記入力データを入力した場合に当該第2学習エンコーダから出力される出力データと前記入力データと関連付けられた前記特徴量との差が所定値以下になるまで前記第2学習エンコーダを学習する工程と、学習済みの前記第2学習エンコーダを前記予測エンコーダとし、学習済みの前記第1学習デコーダを前記予測デコーダとし、前記予測エンコーダ及び前記予測デコーダを組み合わせることによって前記予測モデルを構築する工程と、前記予測エンコーダに前記入力データを入力した場合に前記予測デコーダから出力される出力データと前記入力データと関連付けられた前記学習データとの差が所定値以下になるまで、前記予測エンコーダに対しては重みを凍結しないファインチューニング学習を行うとともに前記予測デコーダに対しては重みを凍結した転移学習を行うことを特徴とする。
(13)本発明に係る予測モデルの学習方法は、(10)に記載の予測モデルをコンピュータによって学習する方法であって、複数組の異なる前記入力データの下でシミュレーションを行うことによって前記回転電機の内部における場の予測量を算出し、複数の学習データを生成する工程と、前記入力データと前記学習データとを関連付けて保存する工程と、第1学習エンコーダ及び第1学習デコーダを備えるオートエンコーダを準備し、前記第1学習エンコーダに前記学習データを入力した場合に前記第1学習デコーダから出力される出力データと前記学習データとの差が所定値以下になるまで前記第1学習エンコーダ及び前記第1学習デコーダを学習する工程と、学習済みの前記第1学習デコーダを前記予測デコーダとし、当該予測デコーダと前記予測エンコーダとを組み合わせることによって前記予測モデルを構築する工程と、前記予測エンコーダに前記入力データを入力した場合に前記予測デコーダから出力される出力データと前記入力データと関連付けられた前記学習データとの差が所定値以下になるまで、前記予測エンコーダに対しては重みを凍結せずに学習を行うとともに前記予測デコーダに対しては重みを凍結した転移学習を行うことを特徴とする。
(14)本発明に係る予測モデルの学習方法は、(11)に記載の予測モデルをコンピュータによって学習する方法であって、複数組の異なる前記入力データの下でシミュレーションを行うことによって前記回転電機の内部における場の予測量を算出し、複数の学習データを生成する工程と、前記第1入力データと前記学習データとを関連付けて保存する工程と、第1学習エンコーダ及び第1学習デコーダを備えるオートエンコーダを準備し、前記第1学習エンコーダに前記学習データを入力した場合に前記第1学習デコーダから出力される出力データと前記学習データとの差が所定値以下になるまで前記第1学習エンコーダ及び前記第1学習デコーダを学習する工程と、前記第1入力データと、当該第1入力データと関連付けられた前記学習データと、当該学習データを学習済みの前記第1学習エンコーダに入力した場合に当該第1学習エンコーダから出力される第1特徴量と、を関連付けて保存する工程と、第2学習エンコーダを準備し、当該第2学習エンコーダに前記第1入力データを入力した場合に当該第2学習エンコーダから出力される出力データと前記第1入力データと関連付けられた前記第1特徴量との差が所定値以下になるまで前記第2学習エンコーダを学習する工程と、学習済みの前記第2学習エンコーダと学習済みの前記第1学習デコーダとを組み合わせることによって第1予測モデルを構築する工程と、前記第1予測モデルの前記第2学習エンコーダに前記第1入力データを入力した場合に前記第1学習デコーダから出力される出力データと前記第1入力データと関連付けられた前記学習データとの差が所定値以下になるまで、前記第2学習エンコーダに対しては重みを凍結しないファインチューニング学習を行うとともに前記第1学習デコーダに対しては重みを凍結した転移学習を行う工程と、ファインチューニング学習後の前記第2学習エンコーダを前記第1予測エンコーダとし、転移学習後の前記第1学習デコーダを前記第1予測デコーダとし、これら前記第1予測エンコーダ及び前記第1予測デコーダと、前記第2予測エンコーダと、前記第2予測デコーダと、前記合成部と、を組み合わせることによって前記予測モデルを構築する工程と、前記第1予測エンコーダに前記第1入力データを入力しかつ前記第2予測エンコーダに前記第1入力データと関連付けられた前記第2入力データを入力した場合に前記合成部から出力される出力データと前記第1入力データと関連付けられた前記学習データとの差が所定値以下になるまで、前記第1予測エンコーダ及び前記第1予測デコーダに対しては重みを凍結した転移学習を行い、前記第1予測エンコーダ及び前記第1予測デコーダに対しては重みを凍結した転移学習を行うとともに、前記第2予測エンコーダ及び前記第2予測デコーダに対しては重みを凍結せずに学習を行う工程と、を備えることを特徴とする。
(15)本発明に係る回転電機制御システムは、三相交流電流が流れると回転磁場を生成する固定子と回転磁場によって回転する回転子とを備える回転電機と、前記回転電機を流れる三相交流電流を検出する電流センサと、前記回転電機の機械角を取得する機械角取得手段と、(1)から(11)の何れかに記載の場予測装置と、前記電流センサの検出信号に基づいて算出される前記回転電機のd軸電流及びq軸電流、並びに前記機械角取得手段によって取得される前記回転電機の機械角に基づいて生成した入力データを前記場予測装置に入力した場合に前記場予測装置から出力される出力データに基づいて前記回転電機の制御パラメータを算出する制御パラメータ算出部と、前記電流センサの検出信号及び前記制御パラメータに基づいて前記回転電機を流れる三相交流電流を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
(1)本発明に係る場予測装置は、回転電機のd軸電流、q軸電流及び機械角又はこれらパラメータに基づいて生成される入力データが入力されるとニューラルネットワークに基づいて回転電機の内部における場の予測量を含む出力データを出力する予測モデルを備える。本発明によれば、このような予測モデルを用いることにより、固定子及び回転子を備える回転電機の内部における場の量を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(2)本発明において、予測モデルは、回転電機の内部に回転子の軸線に対し直交する断面視で格子状に区画することによって複数の節点及び面要素を定義し、これら節点又は面要素におけるスカラー場又はベクトル場の予測量を算出する。これにより、回転電機の内部におけるスカラー場やベクトル場の分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(3)本発明において、予測モデルは、節点におけるベクトルポテンシャルの予測量を算出する。これにより、回転電機の内部におけるベクトルポテンシャルの分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(4)本発明は、予測モデルの出力データに基づいて、面要素における磁束密度の予測量の分布を算出する磁束密度分布算出部を備える。これにより、回転電機の内部における磁束密度の分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(5)固定子によって形成される回転磁場の下、回転子はその軸線を中心として回転する。そこで本発明では、固定子節点及び固定子面要素を回転子の回転中心を原点とした静止座標系に定義し、回転子節点、ギャップ節点、回転子面要素、及びギャップ面要素を、上記回転中心を原点とした回転座標系に定義する。しかしながらこのような回転座標系に回転子面要素やギャップ面要素を定義すると、各節点におけるベクトルポテンシャルの予測量を要素とした配列である予測モデルの出力データと各面要素との対応関係が不明になる。そこで磁束密度分布算出部は、静止座標系での回転子面要素又はギャップ面要素の位置と予測モデルの出力データのうちこれら面要素における磁束密度と相関のある要素番号とを関連付ける変換マップと、予測モデルの出力データとに基づいて、固定子面要素、回転子面要素、及びギャップ面要素における磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出する。これにより、所定の機械角における回転電機の内部の磁束密度の分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(6)本発明において、磁束密度分布算出部は、機械角と複数のサンプリング角の何れかと一致する場合には、このサンプリング角と関連付けられた変換マップを参照して磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出し、機械角と複数のサンプリング角の何れかとも一致しない場合には、補間演算を行うことによって磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出する。これにより、サンプリング角以外の任意の機械角における回転電機の内部の磁束密度の分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(7)本発明において、予測モデルは、面要素における磁束密度の予測量を算出する。これにより、回転電機の内部における磁束密度の分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(8)本発明において、磁束密度分布算出部は、静止座標系での回転子面要素又はギャップ面要素の位置と予測モデルの出力データのうちこれら面要素における磁束密度と相関のある要素番号とを関連付ける変換マップと、予測モデルの出力データとに基づいて、固定子面要素、回転子面要素、及びギャップ面要素における磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出する。これにより、所定の機械角における回転電機の内部の磁束密度の分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(9)本発明において、磁束密度分布算出部は、機械角と複数のサンプリング角の何れかと一致する場合には、このサンプリング角と関連付けられた変換マップを参照して磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出し、機械角と複数のサンプリング角の何れかとも一致しない場合には、補間演算を行うことによって磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出する。これにより、サンプリング角以外の任意の機械角における回転電機の内部の磁束密度の分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(10)本発明では、予測モデルを予測エンコーダと予測デコーダとを組み合わせることによって構成する。また予測エンコーダへの入力データには、d軸電流、q軸電流、機械角の正弦及び余弦、並びに電気角の正弦及び余弦を含める。ニューラルネットワークとして広く用いられる多層パーセプトロンは周期成分を学習することができない。そこで本発明では、周期的に変化する機械角や電気角については、各々の正弦及び余弦を予測エンコーダへの入力とすることにより、機械角や電気角に応じて周期的に変動する回転電機の内部の場の量を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(11)回転電機の内部における回転子は、周期的に変動する回転磁場の下で回転する。このため、回転電機の内部に形成される場の量は、直流成分及び基本波成分の他、回転子や固定子の構造に起因する空間的な周波数や、電源電流の時間変化に起因する時間的な周波数等の様々な周波数の下で変動する成分を含んだものとなっている。これに対し本発明では、予測モデルを、第1予測エンコーダ及び第1予測デコーダを組み合わせた第1チャネルと、第2予測エンコーダ及び第2予測デコーダを組み合わせた第2チャネルと、これら第1チャネル及び第2チャネルの出力を合成する合成部と、によって構成する。また第1チャネルへの第1入力データには、d軸電流、q軸電流、電気角の正弦及び余弦を含め、第2チャネルへの第2入力データには、機械角の整数倍の正弦及び余弦を含める。これにより、第1チャネルでは回転電機の内部に形成される場の量のうち直流成分及び基本波成分を予測し、第2チャネルでは回転電機の内部に形成される場の量のうち固定子や回転子の構造に起因する周波数成分を予測することができる。これにより、回転電機の内部の場の量を、シミュレーションを経ることなく速やかかつ精度良く予測することができる。
(12)本発明に係る学習方法は、シミュレーションを行うことによって複数の学習データを生成する工程と、これら学習データと入力データとを関連付けて保存する工程と、予め準備したオートエンコーダの第1学習エンコーダに学習データを入力した場合に第1学習デコーダから出力される出力データと学習データとの差が所定値以下になるまでこれら第1学習エンコーダ及び第1学習デコーダを学習する工程と、入力データと学習データと特徴量とを関連付けて保存する工程と、予め準備した第2学習エンコーダに入力データを入力した場合に、この第2学習エンコーダから出力される出力データと上記特徴量との差が所定値以下になるまで第2学習エンコーダを学習する工程と、これら学習済みの第2学習エンコーダ及び第1学習デコーダをそれぞれ予測エンコーダ及び予測デコーダとして予測モデルを構築する工程と、この予測エンコーダに入力データを入力した場合に予測デコーダから出力される出力データと学習データとの差が所定値以下になるまで、予測エンコーダに対しては重みを凍結しないファインチューニング学習を行うとともに予測デコーダに対しては重みを凍結した転移学習を行う工程と、を備える。これにより、回転電機の内部の場の量の予測精度の高い場予測装置を構築することができる。
(13)本発明に係る学習方法は、シミュレーションを行うことによって複数の学習データを生成する工程と、これら学習データと入力データとを関連付けて保存する工程と、予め準備したオートエンコーダの第1学習エンコーダに学習データを入力した場合に第1学習デコーダから出力される出力データと学習データとの差が所定値以下になるまでこれら第1学習エンコーダ及び第1学習デコーダを学習する工程と、この学習済みの第1学習デコーダを予測デコーダとし、この予測デコーダと未学習の予測エンコーダとを組み合わせることによって予測モデルを構築する工程と、この予測エンコーダに入力データを入力した場合に予測デコーダから出力される出力データと学習データとの差が所定値以下になるまで、予測エンコーダに対しては重みを凍結しない学習を行うとともに予測デコーダに対しては重みを凍結した転移学習を行う工程と、を備える。これにより、回転電機の内部の場の量の予測精度の高い場予測装置を構築することができる。また上記(12)に係る発明と比較した場合、入力データと学習データと特徴量とを関連付けて保存する必要が無いので、その分必要な記憶領域を小さくできる。
(14)本発明に係る学習方法は、シミュレーションを行うことによって複数の学習データを生成する工程と、これら学習データと第1入力データとを関連付けて保存する工程と、予め準備したオートエンコーダの第1学習エンコーダに学習データを入力した場合に第1学習デコーダから出力される出力データと学習データとの差が所定値以下になるまでこれら第1学習エンコーダ及び第1学習デコーダを学習する工程と、第1入力データと学習データと第1特徴量とを関連付けて保存する工程と、予め準備した第2学習エンコーダに第1入力データを入力した場合に、この第2学習エンコーダから出力される出力データと上記第1特徴量との差が所定値以下になるまで第2学習エンコーダを学習する工程と、学習済みの第2学習エンコーダ及び第1学習デコーダを組み合わせて第1予測モデルを構築する工程と、この第1予測モデルに第1入力データを入力した場合に第1学習デコーダから出力される出力データと学習データとの差が所定値以下になるまで、第2学習エンコーダに対しては重みを凍結しないファインチューニング学習を行うとともに第1学習デコーダに対しては重みを凍結した転移学習を行う工程と、ファインチューニング学習後の第2学習エンコーダを第1予測エンコーダとし転移学習後の第1学習デコーダを第1予測デコーダとし、これら第1予測エンコーダ、第1予測デコーダ、未学習の第2予測エンコーダ、未学習の第2予測デコーダ、及び合成部を組み合わせることによって2チャネルの予測モデルを構築する工程と、第1予測エンコーダに第1入力データを入力しかつ第2予測エンコーダに第2入力データを入力した場合に合成部から出力される出力データと学習データとの差が所定値以下になるまで、第1予測エンコーダ及び第1予測デコーダ(すなわち、上述の第1チャネル)に対しては重みを凍結した転移学習を行い、第2予測エンコーダ及び第2予測デコーダ(すなわち、上述の第2チャネル)に対しては重みを凍結せずに学習を行う工程と、を備える。換言すれば、本発明に係る学習方法では、回転電機の内部に形成される場の量のうち大部分を占める直流成分及び基本波成分を予測する第1チャネルを先に学習した後、残りの周波数成分を予測する第2チャネルを学習する。これにより、回転電機の内部の場の量の予測精度の高い場予測装置を構築することができる。
(15)上述のように(1)〜(11)に係る場予測装置は、回転電機の内部における場の量を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。場予測装置のこのような特徴を利用して本発明に係る回転電機制御システムでは、場予測装置から出力される出力データに基づいて回転電機の制御パラメータを算出し、制御装置は、電流センサの検出信号及び制御パラメータに基づいて回転電機を流れる三相交流電流を制御する。換言すれば、制御装置は、電流センサによる検出信号とともに、場予測装置の出力を利用して算出される制御パラメータを利用して回転電機の三相交流電流を制御する。これにより、回転電機の内部の状態に応じて適切に三相交流電流を制御することができる。
本発明の第1実施形態に係る回転電機制御システムの構成を示す図である。 場予測装置の構成を示す図である。 出力データを構成する各要素の値を要素番号順でプロットした図である。 回転電機の断面図であり、場予測装置による場の予測範囲を示す図である。 回転電機の内部のうち、回転子とギャップ部と固定子とを含む一部に定義される節点及び面要素の一例を示す図である(機械角とサンプリング角とが一致しない場合)。 回転電機の内部のうち、回転子とギャップ部と固定子とを含む一部に定義される節点及び面要素の一例を示す図である(機械角とサンプリング角とが一致する場合)。 第1の学習方法の手順を示すフローチャートである。 第1の学習方法の手順を模式的に示す図である。 第2の学習方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る場予測装置の構成を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る場予測装置の構成を示す図である。 第1チャネルの構成を示す図である。 第2チャネルの構成を示す図である。 第3の学習方法の手順を示すフローチャートである。 第4の学習方法の手順を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係る回転電機2の場予測装置6、この場予測装置6が適用された回転電機制御システム1、及び場予測装置6の学習方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る回転電機制御システム1の構成を示す図である。
回転電機制御システム1は、回転電機2と、電流センサ3と、回転検出器4と、制御装置5と、場予測装置6と、を備える。
回転電機2は、三相交流電流が流れるとその電源周波数に応じた回転磁場を生成する固定子と、この固定子によって生成される回転磁場によって回転する回転子と、を備える。本実施形態では、回転電機2として、回転子に永久磁石が埋め込まれた永久磁石型同期電動機(IPMSM)を用いた場合について説明するが、本発明はこれに限らない。回転電機2は、上述のような固定子及び回転子を備えるものであればどのようなものであってもよい。
電流センサ3は、回転電機2を流れる三相交流電流Ia,Ib,Icを検出し、これら三相交流電流に応じた検出信号を制御装置5へ送信する。
回転検出器4は、回転電機2の回転子の位置に応じた信号を制御装置5へ送信する。以下では、回転検出器4として、回転電機2の回転子の所定の基準位置からの絶対位置に相当する機械角を検出し、この機械角に応じた検出信号を制御装置5へ送信するアブソリュートエンコーダを用いた場合について説明するが、本発明はこれに限らない。
回転検出器4としては、例えば回転子が回転するとその回転変位量に応じたパルス信号を発生し、このパルス信号を制御装置5へ送信するインクリメンタルエンコーダを用いてもよい。この場合、回転電機2の機械角は、インクリメンタルエンコーダからのパルス信号に基づく制御装置5における演算によって算出することができる。
また制御装置5としてエンコーダを用いない所謂センサレス制御によって回転電機2の制御を行うことが可能なものを用いる場合、回転電機2の機械角は、この制御装置5における演算によって算出することができる。またこの場合、回転検出器4は不要となる。
以上より、本実施形態において回転電機2の機械角を取得する機械角取得手段は、回転検出器4及び制御装置5又はこれら回転検出器4及び制御装置5の何れかによって実現される。
制御装置5は、交流電源Pから供給される交流電力を三相交流電力に変換し回転電機2へ供給するPWMインバータと、このPWMインバータを操作することにより回転電機2を流れる三相交流電流を制御するコンピュータであるベクトル制御用コントローラと、を備える。ベクトル制御用コントローラは、電流センサ3によって検出される三相交流電流を用いてdq変換を行うことにより、d軸電流とq軸電流との直流成分を算出するとともに、これらd軸電流とq軸電流と後述の場予測装置6によって逐次算出される制御パラメータとに基づくベクトル制御を行うことによって回転電機2を流れる三相交流電流を制御する。
場予測装置6は、制御装置5との間で通信可能なコンピュータである。場予測装置6は、回転電機2のd軸電流及びq軸電流、回転電機2の機械角及び電気角等によって構成される入力データが入力されると、ニューラルネットワークに基づいて回転電機2の内部における場の予測量を算出する予測モデルを備え、この予測モデルの出力に基づいて上述の制御パラメータを算出し、これを制御装置5へフィードバックする。
図2は、場予測装置6の構成を示す図である。
場予測装置6は、入力データ生成部61と、予測モデル62と、磁束密度分布算出部63と、制御パラメータ算出部64と、を備える。
入力データ生成部61は、制御装置5から送信されるデータに基づいて、上述のようにニューラルネットワークを備える予測モデル62に対する入力データを生成し、この入力データを予測モデル62へ入力する。入力データ生成部61によって生成される入力データは、少なくともd軸電流I、q軸電流I、及び機械角θ又はこれら電流I,I及び機械角θによって生成されるパラメータを含む。
本実施形態では、入力データは、d軸電流Iと、q軸電流Iと、機械角θの正弦sinθと、機械角θの余弦cosθと、電気角θの正弦sinθと、電気角θの余弦cosθと、を要素とした6次元の配列とした場合について説明するが、本発明はこれに限らない。入力データの次元数は、6以外であってもよい。なお電気角θは、回転電機2の極対数が分かれば既知の式を用いて機械角θに基づいて算出される。例えば回転電機2の極対数がNである場合、電気角θは機械角θのN倍である(θe=Nθ)。なお後述の予測モデル62において用いられる多層パーセプトロンは周期成分を学習することができない。このため入力データには、機械角θや電気角θの正弦及び余弦を含めることが好ましい。なお本実施形態では、機械角や電気角に対する正弦及び余弦の演算は、場予測装置6側において行う場合について説明するが、本発明はこれに限らない。これら機械角や電気角に対する正弦及び余弦の演算は、制御装置5側において行ってもよい。
予測モデル62は、入力データ生成部61によって生成された入力データが入力されると特徴量データを出力する学習済みの予測エンコーダ621と、この予測エンコーダ621から出力される特徴量データが入力されると回転電機2の内部における場の予測量に関する情報を含む出力データを出力する学習済みの予測デコーダ622と、を備える。これら予測エンコーダ621及び予測デコーダ622は、それぞれ後に図7〜図9等を参照して説明する学習方法を経た学習済みのニューラルネットワークによって構成される。
予測エンコーダ621は、入力データを受容する入力層と、この入力層と結合された中間層と、この中間層と結合され特徴量データを出力する出力層と、を備える。入力層の次元数は、入力データの次元数と同じであり、本実施形態では6である。中間層は所定次元数の多層パーセプトロンであり、その重みは、入力データから所定次元数の特徴量データが抽出されるように後述の学習方法によって調整されている。なお中間層の各層は、前層の全てと結合されている全結合層とすることが好ましい。出力層は、中間層によって入力データから抽出された特徴量データを出力する。なお特徴量データの次元数は、入力データの次元数や出力データの次元数等に応じて好ましい値に調整される。
予測デコーダ622は、特徴量データを受容する入力層と、この入力層と結合された中間層と、この中間層と結合され出力データを出力する出力層と、を備える。入力層の次元数は、特徴量データの次元数と同じである。中間層は所定次元数の多層パーセプトロンであり、その重みは、特徴量データから所定次元数の出力データが出力されるように後述の学習方法によって調整されている。出力層の次元数は、出力データの次元数と同じである。また出力データの次元数は、入力データの次元数、及び特徴量データの次元数よりも大きい。なお中間層の各層は、前層の全てと結合されている全結合層とすることが好ましい。出力層は、中間層によって特徴量データから展開された出力データを出力する。出力データは、回転電機2の内部の各部分における場の予測量を要素としたN次元の配列である。
次に、出力データの構成について図3〜図5を参照しながら詳細に説明する。
図3は、出力データを構成する各要素の値を要素番号順でプロットした図である。図3において、横軸は出力データの要素番号を示し、縦軸は各要素の値を示す。
図4は、回転電機2の断面図であり、場予測装置6による場の予測範囲を示す図である。より具体的には、図4は、回転電機2を回転子21の軸線を中心とした扇状に1/8に切断したものの軸線に対し直交する面に沿った断面図である。
回転電機2の内部に形成される場は周期性がある。このため場予測装置6では、図4に示すように回転電機2の内部のうち回転子21の軸線を中心とした所定の仰角(本実施形態では、45°)の範囲に含まれる部分に予測範囲を定め、この予測範囲内における場の量を予測する。
図4に示すように、回転電機2の内部には、中空の円筒状の固定子22と、この固定子22の内部において回転自在に配置された円柱状の回転子21と、これら固定子22の内周面と回転子21の外周面との間の隙間であるギャップ部23と、が形成されている。回転子21には軸線に沿って延びる柱状の永久磁石24が埋め込まれている。固定子22には周方向に沿って延びる複数の溝状のスロット25が形成されている。また隣接する2つのスロット25の間に形成されるティース部26には、図示しないコイルが巻き付けられている。
場予測装置6は、回転電機2の内部の予測範囲内に、回転子21の軸線に対し直交する断面視で格子状に区画することによって、複数の節点と、互いに隣接する節点によって囲まれる複数の面要素と、を定義し、これら節点や面要素におけるスカラー場やベクトル場の予測量を算出する。
図5は、回転電機2の内部のうち、回転子21とギャップ部23と固定子22とを含む一部(図4中、破線28で示す部分)に定義される節点及び面要素の一例を示す図である。以下では、回転電機2の内部のうち、回転子21上に定められる節点及び面要素を回転子節点及び回転子面要素といい、固定子22上に定められる節点及び面要素を固定子節点及び固定子面要素といい、ギャップ部23上に定められる節点及び面要素をそれぞれギャップ節点及びギャップ面要素という。
図5において、番号n1〜n10で示す節点は回転子節点であり、番号n6〜n15で示す節点はギャップ節点である。なお番号n6〜n10で示す部分は、回転子節点でありかつギャップ節点でもある。また番号16〜n25で示す節点は固定子節点である。図5に示すように、固定子節点n16〜n25のうち回転子側の固定子節点n16〜n20と、ギャップ節点n6〜n15のうち固定子側のギャップ節点n11〜n15とは、それぞれ回転子21の中心軸線を中心とした円周であるスライド線L上に定められている。
また図5において、番号s1〜s4で示す面要素は、回転子節点によって囲まれる回転子面要素であり、番号s5〜s8で示す面要素は、ギャップ節点によって囲まれるギャップ面要素であり、番号s9〜s12で示す面要素は、固定子節点によって囲まれる固定子面要素である。
図5に示すように、場予測装置6は、複数の節点及び面要素のうち、固定子節点及び固定子面要素については回転子21の回転中心を原点とした静止座標系に定め、回転子節点、ギャップ節点、回転子面要素、及びギャップ面要素については、回転子21の回転中心を原点としかつ上記静止座標系に対し機械角だけ傾斜する回転座標系に定める。従ってスライド線L上に定められたギャップ節点n11〜n15は、機械角が変化するとスライド線Lに沿って移動する。
予測モデル62は、以上のようにして予測範囲内に定められた複数の回転子節点、複数のギャップ節点、複数の固定子節点におけるスカラー場であるベクトルポテンシャルの予測量を出力データとして出力する。すなわち本実施形態における予測モデル62の出力データは、回転座標系上に定められた複数の回転子節点及びギャップ節点におけるベクトルポテンシャルの予測量及び静止座標系上に定められた複数の固定子節点におけるベクトルポテンシャルの予測量を要素とした配列である。従って予測モデル62の出力データの要素番号(1〜N)は回転座標系及び静止座標系に定義される節点の番号と対応している。
図2に戻り、磁束密度分布算出部63は、予測モデル62の出力データに基づいて、上述の面要素におけるベクトル場である磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出する。図5を参照して説明したように、各面要素は、隣接する複数の節点によって囲まれる面として定義される。例えば図5において、回転子面要素s2は4つの回転子節点n2,n3,n7,n8によって囲まれている。そこで磁束密度分布算出部63は、対象とする面要素と、この面要素を取り囲む複数の節点とを特定し、特定した複数の節点におけるベクトルポテンシャルの予測量を予測モデル62の出力データから読み込み、読み込んだ各節点におけるベクトルポテンシャルの予測量を用いた既知の演算式に基づいて対象とする面要素における磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出する。従って磁束密度分布算出部63の出力データは、静止座標系での複数の固定子面要素、複数の回転子面要素、及び複数のギャップ面要素における磁束密度の予測量を要素とした配列である。従って磁束密度分布算出部63の出力データの要素番号は静止座標系に定義される面要素の番号と対応している。なお図2には、磁束密度分布算出部63の出力データの各要素の値を濃淡によって表示したものを図示する。
図5を参照して説明したように、静止座標系上に定められる固定子面要素の位置は機械角に応じて変化しない。このため固定子面要素における磁束密度の予測量を算出するために必要となる予測モデル62の出力データの要素番号は、機械角によらず普遍である。従って磁束密度分布算出部63は、固定子面要素における磁束密度の予測量の分布については、予測モデル62の出力データに基づいて機械角によらず一意的に算出することができる。
これに対し回転座標系上に定められる回転子面要素及びギャップ面要素の静止座標系での位置は、機械角に応じて変化する。このため回転子面要素及びギャップ面要素における磁束密度の予測量を算出するために必要となる予測モデル62の出力データの要素番号は、機械角に応じて変化する。このため磁束密度分布算出部63の記憶媒体には、静止座標系での回転子面要素及びギャップ面要素の位置と、予測モデル62の出力データのうちこれら面要素における磁束密度の予測量と相関のある要素番号とを関連付ける変換マップが複数記憶されている。より具体的には、複数の変換マップは、機械角に対するサンプリング角と関連付けられた状態で磁束密度分布算出部63の記憶媒体に記憶されている。
磁束密度分布算出部63は、機械角が複数のサンプリング角の何れかと一致する場合には、このサンプリング角と関連付けられた変換マップを参照することによって静止座標系での回転子面要素及びギャップ面要素における磁束密度の予測量を算出するために必要となる予測モデル62の出力データの要素番号を特定し、これら要素番号のベクトルポテンシャルの予測量を用いた既知の演算式に基づいて回転子面要素及びギャップ面要素における磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出する。また磁束密度分布算出部63は、機械角が複数のサンプリング角の何れかとも一致しない場合には、所定の補間演算を行うことによって静止座標系での回転子面要素及びギャップ面要素における磁束密度の予測量の分布を算出するために必要となる予測モデル62の出力データの要素番号を特定し、これら要素番号のベクトルポテンシャルの予測量を用いた既知の演算式に基づいて回転子面要素及びギャップ面要素における磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出する。
ここでサンプリング角とは、図6に示すように、スライド線L上に定められた複数のギャップ節点n11〜n15と固定子節点n16〜n20とが一致する機械角をいう。すなわち、スライド線L上に定められたギャップ節点n11〜n15は、機械角が変化するとスライド線Lに沿って移動する。このため、スライド線L上における節点の間隔に比例した所定のサンプリング角と機械角とが一致すると、図6に示すようにギャップ節点n11〜n15と固定子節点n16〜n20とが一致する。
また図5及び図6に示すように、回転座標系上に定義される回転子面要素及びギャップ面要素のうち、ギャップ面要素は回転座標系上に定義されるギャップ節点n11〜n15だけでなく静止座標系上に定義される固定子節点n16〜n20とも隣接する。そこで磁束密度分布算出部63は、ギャップ面要素における磁束密度の予測量を算出する場合において、図6に示すように機械角とサンプリング角とが一致する場合、スライド線L上におけるギャップ節点n11〜n15におけるベクトルポテンシャルの予測量とこれらギャップ節点n11〜n15と重複する固定子節点n16〜n20におけるベクトルポテンシャルの予測量とは等しいものとし、固定子節点n16〜n20におけるベクトルポテンシャルの予測量に基づいて対象とするギャップ面要素における磁束密度の予測量を算出する。より具体的には、例えば図6に示すような例において、ギャップ面要素s7における磁束密度の予測量を算出する場合、上述の変換マップは、ギャップ節点n8,n9及び固定子節点n18,n19におけるベクトルポテンシャルの予測量が読み込まれるように構成されている。
また磁束密度分布度算出部63は、ギャップ面要素における磁束密度の予測量を算出する場合において、図5に示すように機械角とサンプリング角とが一致しない場合、対象とするギャップ面要素を取り囲むギャップ節点のうちスライド線L上に定義されているものについては、これらスライド線L上に定義されているギャップ節点と隣接する固定子節点におけるベクトルポテンシャルの予測量に基づいて対象とするギャップ面要素における磁束密度の予測量を算出する。より具体的には、例えば図5に示すような例において、ギャップ面要素s7における磁束密度の予測量を算出する場合、上述の補間演算は、ギャップ節点n8,n9及びギャップ節点n13,n14と隣接する3つの固定子節点n18,n19,n20におけるベクトルポテンシャルの予測量を読み込まれるように構成されている。
図2に戻り、制御パラメータ算出部64は、磁束密度分布算出部63の出力データに基づいて制御装置5のベクトル制御用コントローラにおけるベクトル制御に用いられる制御パラメータを算出し、これを制御装置5へ送信する。ここで制御パラメータ算出部64において磁束密度分布算出部63の出力データに基づいて算出可能な制御パラメータの具体例としては、回転電機2のトルク、平均トルク、鉄損、トルクリプル率、及び変位等が挙げられる。
次に、以上のような場予測装置6の予測モデル62をコンピュータによって学習する学習方法の手順について、図7〜図9を参照しながら説明する。
図7は、第1の学習方法の手順を示すフローチャートである。
図8は、第1の学習方法の手順を模式的に示す図である。
始めにS1では、作業者は、複数組の異なる入力データの下でコンピュータを用いた数値シミュレーション(例えば、FEM)を行うことによって複数組の学習データを生成する(図8中、矢印8A参照)。より具体的には、作業者は、回転電機2の諸元や動作条件に基づいて、予測モデル62に対する入力データを構成する各パラメータ(d軸電流、q軸電流、及び機械角等)を所定範囲内でスイープさせることにより、複数組の異なる入力データを準備する。ここで機械角については、上述のサンプリング角間隔でスイープさせることが好ましい。次に作業者は、生成した各入力データの下で数値シミュレーションを行うことにより、回転電機の内部におけるベクトルポテンシャルの分布、より具体的には上述の回転座標系及び静止座標系上の各節点におけるベクトルポテンシャルを算出し、これを学習データとする。S1では、作業者は、準備した入力データ毎に以上のような作業を繰り返し行うことにより、複数組の入力データと、これら入力データに応じた複数組の学習データを生成する。
またS1では、複数組の学習データとともに、各学習データに基づいて、回転電機2の内部における磁束密度の分布、より具体的には上述の回転座標系及び静止座標系上の各面要素における磁束密度を算出する(図8中、矢印8B参照)。より具体的には、作業者は、学習データとして算出した各節点のベクトルポテンシャルの分布に基づいて既知の演算を行うことにより、回転座標系及び静止座標系上の各面要素における磁束密度を算出する。
ここで面要素に定義される磁束密度と節点に定義されるベクトルポテンシャルとの間で変換するためには、回転座標系における面要素と節点との対応関係を規定しておく必要がある。そこで作業者は、S1においてベクトルポテンシャルから磁束密度に変換する際に規定した対応関係に基づいて、上述の磁束密度分布算出部63における変換マップをサンプリング角毎に作成しておき、サンプリング角と変換マップとを関連付けて記憶媒体に保存しておくことが好ましい。
S2では、作業者は、S1で準備した複数組の入力データと、各入力データに基づいて生成された複数組の学習データと、を関連付けて記憶媒体に保存する。
S3では、作業者は、第1学習エンコーダ651及び第1学習デコーダ652を備えるオートエンコーダ65を準備し、複数組の学習データを正解ラベルとして用いることによってこれら第1学習エンコーダ651及び第1学習デコーダ652を学習する(図8中、矢印8C参照)。ここで第1学習エンコーダ651の入力層の次元数及び第1学習デコーダ652の出力層の次元数は、S1で生成した学習データと同じ次元数とする。作業者は、このような第1学習エンコーダ651に学習データを入力した場合に第1学習デコーダ652から出力される出力データと、第1学習エンコーダ651へ入力した学習データとの差が所定値以下になるまで既知のアルゴリズムに基づいて第1学習エンコーダ651及び第1学習デコーダ652を学習する。
S4では、作業者は、S1で準備した複数組の入力データと、各入力データに基づいて生成された複数組の学習データと、各学習データをS3における学習済みの第1学習エンコーダ651に入力した場合にこの第1学習エンコーダ651から出力される複数組の第1特徴量データと、を関連付けて記憶媒体に保存する。
S5では、作業者は、第2学習エンコーダ661を準備し、複数組の第1特徴量データを正解ラベルとして用いることによってこの第2学習エンコーダ661を学習する(図8中、矢印8D参照)。ここで第2学習エンコーダ661の入力層の次元数は入力データの次元数と同じとし、第2学習エンコーダ661の出力層の次元数は第1特徴量データの次元数と同じとする。作業者は、このような第2学習エンコーダ661に入力データを入力した場合にこの第2学習エンコーダ661から出力される出力データと、第2学習エンコーダ661に入力した入力データと関連付けて保存した第1特徴量データとの差が所定値以下になるまで第2学習エンコーダ661を学習する。
S6では、作業者は、学習済みの第2学習エンコーダ661と学習済みの第1学習デコーダ652とを組み合わせることにより予測モデル62を構築する。より具体的には、作業者は、S5における学習済みの第2学習エンコーダ661を予測エンコーダ621とし、S2における学習済みの第1学習デコーダ652を予測デコーダ622とし、これら予測エンコーダ621及び予測デコーダ622を組み合わせることによって予測モデル62を構築する。
S7では、作業者は、学習データを正解ラベルとして用いることによって、予測エンコーダ621のファインチューニング学習及び予測デコーダ622の転移学習を行う(図8中、矢印8E参照)。より具体的には、作業者は、予測エンコーダ621に入力データを入力した場合に予測デコーダ622から出力される出力データと、予測エンコーダ621への入力データと関連付けられた学習データとの差が所定値以下になるまで、予測エンコーダ621に対しては中間層の重みを凍結しないファインチューニング学習を行うとともに、予測デコーダ622に対しては中間層の重みを凍結した転移学習を行う。図2に示す予測モデル62には、以上のような工程を経て学習されたものが用いられる。
図9は、第2の学習方法の手順を示すフローチャートである。なお以下の図9の説明において、S11〜S13に示す処理は、図7のS1〜S3に示す処理と同じであるので、詳細な説明を省略する。
S14では、作業者は、学習済みの第1学習デコーダ652と未学習の予測エンコーダ621とを組み合わせることにより予測モデル62を構築する。より具体的には、作業者は、S12における学習済みの第1学習デコーダ652を予測デコーダ622とし、この予測デコーダ622と未学習の予測エンコーダ621とを組み合わせることによって予測モデル62を構築する。
S15では、作業者は、学習データを正解ラベルとして用いることによって、予測エンコーダ621の学習及び予測デコーダ622の転移学習を行う。より具体的には、作業者は、予測エンコーダ621に入力データを入力した場合に予測デコーダ622から出力される出力データと、予測エンコーダ621への入力データと関連付けられた学習データとの差が所定値以下になるまで、予測エンコーダ621に対しては中間層の重みを凍結せずに学習を行うとともに、予測デコーダ622に対しては中間層の重みを凍結した転移学習を行う。図2に示す予測モデル62には、以上のような工程を経て学習したものを用いることもできる。
なお上記第1実施形態では、回転電機2の場予測装置6を回転電機制御システム1に組み込んだ場合について説明したが、本発明はこれに限らない。上述のように場予測装置6は、d軸電流Iやq軸電流I等によって構成される入力データを入力すると、シミュレーションを経ることなく速やかに回転電機の内部における磁束密度の分布を出力する機能を備える。このため、場予測装置6は、回転電機の設計、開発時に利用することもできる。
なお上記第1実施形態では、第1及び第2の学習方法の手順について回転電機2の場予測装置6の予測モデル62を例に説明したが、本発明はこれに限らない。上述の第1及び第2の学習方法は、回転電機2の場予測装置6に限らず、一般的な場予測装置にも適用することができる。ここで一般的な場予測装置とは、何等かのエネルギ源(熱源、電流等)から供給されるエネルギ(熱、電場、磁場等)が伝達する構造物の内部における場の量をニューラルネットワークによって構築される予測モデルで予測するものをいう。またこのような予測モデルを、エネルギ源の状態に関する情報を含む入力データが入力されると特徴量データを出力する予測エンコーダと、この特徴量データが入力されると構造物の内部における場の予測量に関する情報を含む出力データを出力する予測デコーダと、によって構築した場合、これら予測エンコーダ及び予測デコーダは、上述の第1及び第2の学習方法と同じ手順によって学習することができる。
本実施形態に係る場予測装置6によれば、以下の効果を奏する。
(1)場予測装置6は、回転電機2のd軸電流、q軸電流及び機械角又はこれらパラメータに基づいて生成される入力データが入力されるとニューラルネットワークに基づいて回転電機2の内部における場の予測量を含む出力データを出力する予測モデル62を備える。場予測装置6によれば、このような予測モデル62を用いることにより、固定子22及び回転子21を備える回転電機2の内部における場の量を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(2)予測モデル62は、回転電機2の内部に回転子21の軸線に対し直交する断面視で格子状に区画することによって複数の節点及び面要素を定義し、これら節点又は面要素におけるスカラー場又はベクトル場の予測量を算出する。これにより、回転電機2の内部におけるスカラー場やベクトル場の分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(3)予測モデル62は、節点におけるベクトルポテンシャルの予測量を算出する。これにより、回転電機2の内部におけるベクトルポテンシャルの分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(4)場予測装置6は、予測モデル62の出力データに基づいて、面要素における磁束密度の予測量の分布を算出する磁束密度分布算出部63を備える。これにより、回転電機2の内部における磁束密度の分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(5)磁束密度分布算出部63は、静止座標系での回転子面要素又はギャップ面要素の位置と予測モデル62の出力データのうちこれら面要素における磁束密度と相関のある要素番号とを関連付ける変換マップと、予測モデル62の出力データとに基づいて、固定子面要素、回転子面要素、及びギャップ面要素における磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出する。これにより、所定の機械角における回転電機2の内部の磁束密度の分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(6)磁束密度分布算出部63は、機械角と複数のサンプリング角の何れかと一致する場合には、このサンプリング角と関連付けられた変換マップを参照して磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出し、機械角と複数のサンプリング角の何れかとも一致しない場合には、補間演算を行うことによって磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出する。これにより、サンプリング角以外の任意の機械角における回転電機2の内部の磁束密度の分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(7)場予測装置6では、予測モデル62を予測エンコーダ621と予測デコーダ622とを組み合わせることによって構成する。また予測エンコーダ621への入力データには、d軸電流、q軸電流、機械角の正弦及び余弦、並びに電気角の正弦及び余弦を含める。ニューラルネットワークとして広く用いられる多層パーセプトロンは周期成分を学習することができない。そこで場予測装置6では、周期的に変化する機械角や電気角については、各々の正弦及び余弦を予測エンコーダ621への入力とすることにより、機械角や電気角に応じて周期的に変動する回転電機2の内部の場の量を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
本実施形態に係る第1の学習方法によれば、以下の効果を奏する。
(8)第1の学習方法によれば、回転電機2の内部の場の量の予測精度の高い場予測装置6を構築することができる。
本実施形態に係る第2の学習方法によれば、以下の効果を奏する。
(9)第2の学習方法によれば、第1の学習方法と同様に、回転電機2の内部の場の量の予測精度の高い場予測装置6を構築することができる。また第1の学習方法と比較した場合、入力データと学習データと特徴量とを関連付けて保存する必要が無いので、その分必要な記憶領域を小さくできる。
本実施形態に係る回転電機制御システム1によれば、以下の効果を奏する。
(10)上述のように場予測装置6は、回転電機2の内部における場の量を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。場予測装置6のこのような特徴を利用して回転電機制御システム1では、場予測装置6から出力される出力データに基づいて回転電機2の制御パラメータを算出し、制御装置5は、電流センサ3の検出信号及び制御パラメータに基づいて回転電機2を流れる三相交流電流を制御する。換言すれば、制御装置5は、電流センサ3による検出信号とともに、場予測装置6の出力を利用して算出される制御パラメータを利用して回転電機2の三相交流電流を制御する。これにより、回転電機2の内部の状態に応じて適切に三相交流電流を制御することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る回転電機の場予測装置6Aについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
図10は、本実施形態に係る場予測装置6Aの構成を示す図である。場予測装置6Aは、第1実施形態に係る場予測装置6と、予測モデル62A及び磁束密度分布算出部63Aの構成が異なる。より具体的には、第1実施形態に係る場予測装置6と本実施形態に係る場予測装置6Aとでは、予測モデル62Aの出力データの構成が異なる。なお以下の場予測装置6Aの説明において、第1実施形態に係る場予測装置6と同じ構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
予測モデル62Aは、入力データ生成部61によって生成された入力データが入力されると特徴量データを出力する学習済みの予測エンコーダ621Aと、この予測エンコーダ621Aから出力される特徴量データが入力されると回転電機2の内部における場の予測量に関する情報を含む出力データを出力する学習済みの予測デコーダ622Aと、を備える。これら予測エンコーダ621A及び予測デコーダ622Aの構成は、第1実施形態に係る予測エンコーダ621及び予測デコーダ622とほぼ同じであるが、予測エンコーダ621Aから出力される特徴量データ及び予測デコーダ622Aから出力される出力データの構成が異なる。より具体的には、予測モデル62Aの予測デコーダ622Aは、図5等を参照して説明したように予測範囲内に定められた複数の回転子面要素、複数のギャップ面要素、複数の固定子面要素におけるベクトル場である磁束密度の予測量を出力データとして出力する。すなわち本実施形態おける予測モデル62Aの出力データは、回転座標系上に定められた複数の回転子面要素及びギャップ面要素における磁束密度の予測量及び静止座標系上に定められた複数の固定子面要素における磁束密度の予測量を要素とした配列である。従って予測モデル62Aの出力データの要素番号(1〜M)は回転座標系及び静止座標系に定義される面要素の番号と対応している。
磁束密度分布算出部63Aは、予測モデル62Aの出力データに基づいて磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出する。図5を参照して説明したように、静止座標系上に定められる固定子面要素の位置は機械角に応じて変化しない。このため磁束密度分布算出部63Aは、固定子面要素における磁束密度の予測量の分布については、予測モデル62Aの出力データに基づいて機械角によらず一意的に算出することができる。
これに対し回転座標系上に定められる回転子面要素及びギャップ面要素の静止座標系での位置は、機械角に応じて変化する。このため磁束密度分布算出部63Aの記憶媒体には、静止座標系での回転子面要素及びギャップ面要素の位置と、予測モデル62Aの出力データの要素番号とを関連付ける変換マップが複数記憶されている。より具体的には、複数の変換マップは、機械角に対するサンプリング角と関連付けられた状態で磁束密度分布算出部63Aの記憶媒体に記憶されている。
磁束密度分布算出部63Aは、機械角が複数のサンプリング角の何れかと一致する場合には、このサンプリング角と関連付けられた変換マップと予測モデル62Aの出力データとを参照することによって回転子面要素及びギャップ面要素における磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出する。また磁束密度分布算出部63Aは、機械角が複数のサンプリング角の何れかとも一致しない場合には、所定の補間演算を行うことによって回転子面要素及びギャップ面要素における磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出する。
以上のような予測モデル62Aの予測エンコーダ621A及び予測デコーダ622Aは、図7〜図9に示す第1の学習方法又は第2の学習方法とほぼ同じ手順によって好ましい入出力特性が得られるように学習することができる。より具体的には、第1の学習方法及び第2の学習方法では、回転座標系及び静止座標系における各節点のベクトルポテンシャルを学習データとした。これに対し本実施形態に係る予測エンコーダ621A及び予測デコーダ622Aは、上述の第1の学習方法及び第2の学習方法において、回転座標系及び静止座標系における各面要素の磁束密度を学習データとすることにより、ほぼ同じ手順によって学習することができる。
本実施形態に係る場予測装置6Aによれば、以下の効果を奏する。
(11)予測モデル62Aは、面要素における磁束密度の予測量を算出する。これにより、回転電機2の内部における磁束密度の分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(12)磁束密度分布算出部63Aは、静止座標系での回転子面要素又はギャップ面要素の位置と予測モデル62Aの出力データのうちこれら面要素における磁束密度と相関のある要素番号とを関連付ける変換マップと、予測モデル62Aの出力データとに基づいて、固定子面要素、回転子面要素、及びギャップ面要素における磁束密度の予測量の静止座標系における分布を算出する。これにより、所定の機械角における回転電機2の内部の磁束密度の分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
(13)磁束密度分布算出部63Aによれば、サンプリング角以外の任意の機械角における回転電機2の内部の磁束密度の分布を、シミュレーションを経ることなく速やかに予測することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る回転電機の場予測装置6Bについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
図11は、本実施形態に係る場予測装置6Bの構成を示す図である。場予測装置6Bは、第1実施形態に係る場予測装置6と、入力データ生成部61B及び予測モデル7の構成が異なる。より具体的には、第1実施形態に係る場予測装置6の予測モデル62は入力データを1系統とする1−チャネルのニューラルネットワークであったのに対し、本実施形態に係る場予測装置6Bの予測モデル7は入力データを2系統とする2−チャネルのニューラルネットワークである点において異なる。なお以下の場予測装置6Bの説明において、第1実施形態に係る場予測装置6と同じ構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
入力データ生成部61Bは、図示しない制御装置5から送信されるデータに基づいて、上述のように2−チャネルのニューラルネットワークを備える予測モデル7に対する第1入力データ及び第2入力データを生成し、これら第1及び第2入力データを予測モデル7へ入力する。これら第1及び第2入力データは、少なくともd軸電流I、q軸電流I、電気角θ、及び機械角θ又はこれら電流I,I及び角θ,θによって生成されるパラメータを含む。
第1入力データは、d軸電流Iと、q軸電流Iと、電気角θの正弦sinθと、電気角θの余弦cosθと、を要素とした4次元の配列とした場合について説明するが、本発明はこれに限らない。第1入力データの次元数は、4以外であってもよい。なお電気角θは、回転電機2の極対数が分かれば既知の式を用いて機械角θに基づいて算出される。例えば回転電機2の極対数がNである場合、電気角θは機械角θのN倍である(θe=Nθ)。
また第2入力データは、機械角θの正弦sinθと、機械角θの余弦cosθと、機械角θの整数M倍角の正弦sinMθと、機械角θの整数M倍角の余弦sinMθと、機械角θの整数N倍角の正弦sinNθと、機械角θの整数N倍角の余弦sinNθと、機械角θの整数S倍角の正弦sinSθと、機械角θの整数S倍角の余弦sinSθと、を要素とした8次元の配列とした場合について説明するが、本発明はこれに限らない。第2入力データの次元数は、8以外であってもよい。これら整数M,N,Sは、それぞれ回転電機の構造から定められる。より具体的には、整数Sは同期電動機特有の脈動トルクとして知られているコギングトルク成分(スロット数と極数の最小公倍数成分及びその整数倍成分)に相当し、整数Nは回転電機の相数と極数との積に相当し、整数Mは極対数当たりの永久磁石の数に相当する。なおこれら機械角θの倍角(Mθ,Nθ,Sθ)のうち電気角θと同じものについては、第2入力データから除いておくことが好ましい。
なお以下では、電気角θは機械角θの2倍(θ=2θ)とし、整数Sは24とし、整数Nは12とし、整数Mは2とした場合について説明する。この場合、機械角θの整数M倍角は、電気角θと等しいので、第2入力データのうち機械角θの整数M倍角については省略することができる。従って以下では、第1入力データは4次元とし、第2入力データは6次元とした場合について説明する。
予測モデル7は、第1入力データが入力される第1チャネル71と、第2入力データが入力される第2チャネル74と、これら第1チャネル71の第1出力データと第2チャネル74の第2出力データとを合成する合成部77と、を備える。
第1チャネル71は、第1入力データが入力されると第1特徴量データを出力する学習済みの第1予測エンコーダ72と、この第1予測エンコーダ72から出力される第1特徴量データが入力されると回転電機の内部における場の予測量に関する情報を含む第1出力データを出力する学習済みの第1予測デコーダ73と、を備える。これら第1予測エンコーダ72及び第1予測デコーダ73は、それぞれ後に図14及び図15を参照して説明する学習方法を経た学習済みのニューラルネットワークによって構成される。
図12は、第1チャネル71の構成を示す図である。第1予測エンコーダ72は、第1入力データを受容する入力層721と、この入力層721と結合された第1中間層722と、この第1中間層722の一部と結合された第2中間層723と、第1中間層722の一部及び第2中間層723と結合された第3中間層724と、この第3中間層724と結合された第4中間層725と、この第4中間層725と結合され第1特徴量データを出力する出力層726と、を備える。第1中間層722〜第4中間層725は、それぞれ所定次元数及び所定層数のパーセプトロンであり、その重みは、入力データから所定次元数の第1特徴量データが抽出されるように後述の学習方法によって調整されている。なお各中間層722〜725を構成する各層は、それぞれ前層の全てと結合されている全結合層とすることが好ましい。
入力層721は、第1入力データのうち直流成分の1つであるd軸電流Iを受容する入力層721aと、第1入力データのうち直流成分の1つであるq軸電流Iを受容する入力層721bと、第1入力データのうち基本波成分である電気角2θの正弦sin2θ及び余弦cos2θを受容する入力層721cと、を備える。従って入力層721の次元数は、第1入力データの次元数と同じ4である。
第1中間層722は、入力層721aのみと結合された中間層722aと、入力層721bのみと結合された中間層722bと、入力層721cのみと結合された中間層722cと、を備える。第1中間層722の次元数は、入力層721の次元数と同じ4であるが、本発明はこれに限らない。
第2中間層723は、第1中間層722のうち、基本波成分が入力される中間層722cのみと結合されている。第2中間層723の次元数は、第1中間層722の中間層722cの次元数と同じ2であるが、本発明はこれに限らない。
第3中間層724は、第1中間層722のうち直流成分が入力される中間層722a,722b及び第2中間層723と結合されている。第3中間層724の次元数は、入力層721の次元数よりも小さな4であるが、本発明はこれに限らない。
第4中間層725は、第3中間層724と結合されている。第4中間層725の次元数、出力層726の次元数、及び第1特徴量データの次元数は、それぞれ抽出したいパラメータの数以上であり、例えば8以上である。以下では、第4中間層725の次元数、出力層726の次元数、及び第1特徴量データの次元数を8とした場合について説明するが、本発明はこれに限らない。
第1予測デコーダ73は、第1特徴量データを受容する入力層731と、この入力層731と結合された中間層732と、この中間層732と結合され第1出力データを出力する出力層733と、を備える。入力層731の次元数は、第1特徴量データの次元数と同じである。中間層732は、所定次元数の多層パーセプトロンであり、その重みは、第1特徴量データから所定次元数の第1出力データが出力されるように後述の学習方法によって調整される。出力層733の次元数は、第1出力データの次元数と同じである。また第1出力データの次元数は、第1入力データの次元数、及び第1特徴量データの次元数よりも大きい。なお中間層732の各層は、前層の全てと結合されている全結合層とすることが好ましい。出力層733は、中間層732によって第1特徴量データから展開された第1出力データを出力する。
第1出力データは、回転電機の内部の各部分における場の予測量を要素としたN次元の配列である。なお本実施形態では、第1出力データは、第1実施形態と同様に、各節点におけるベクトルポテンシャルの予測量を要素とする配列とした場合について説明するが、本発明はこれに限らない。第1出力データは、第2実施形態と同様に、各面要素における磁束密度の予測量を要素とする配列としてもよい。
図11に戻り、第2チャネル74は、第2入力データが入力されると第2特徴量データを出力する学習済みの第2予測エンコーダ75と、この第2予測エンコーダ75から出力される第2特徴量データが入力されると回転電機の内部における場の予測量に関する情報を含む第2出力データを出力する学習済みの第2予測デコーダ76と、を備える。これら第2予測エンコーダ75及び第2予測デコーダ76は、それぞれ後に図14及び図15を参照して説明する学習方法を経た学習済みのニューラルネットワークによって構成される。
図13は、第2チャネル74の構成を示す図である。第2予測エンコーダ75は、第2入力データを受容する入力層751と、この入力層751と結合された第1中間層752と、この第1中間層752と結合された第2中間層753と、この第2中間層753と結合された第3中間層754と、この第3中間層754と結合され第2特徴量データを出力する出力層755と、を備える。第1中間層752〜第3中間層754は、それぞれ所定次元数及び所定層数のパーセプトロンであり、その重みは、入力データから所定次元数の第2特徴量データが抽出されるように後述の学習方法によって調整されている。なお各中間層752〜754を構成する各層は、それぞれ前層の全てと結合されている全結合層とすることが好ましい。
入力層751は、第2入力データのうち機械角θの正弦sinθ及び余弦cosθを受容する入力層751aと、第2入力データのうち機械角θの12倍角の正弦sin12θ及び余弦cos12θを受容する入力層751bと、第2入力データのうち機械角θの24倍角の正弦sin24θ及び余弦cos24θを受容する入力層751cと、を備える。従って入力層751の次元数は、第2入力データの次元数と同じ6である。
第1中間層752は、入力層751aのみと結合された中間層752aと、入力層751bのみと結合された中間層752bと、入力層751cのみと結合された中間層752cと、を備える。第1中間層752の次元数は、入力層751の次元数と同じ6であるが、本発明はこれに限らない。
第2中間層753は、中間層752aのみと結合された中間層753aと、中間層752bのみと結合された中間層753bと、中間層752cのみと結合された中間層753cと、を備える。第2中間層753の次元数は、入力層751の次元数と同じ6であるが、本発明はこれに限らない。
第3中間層754は、第2中間層753と結合されている。第3中間層754の次元数、出力層755の次元数、及び第2特徴量データの次元数は、例えば第2中間層753の次元数と同じ6であるが、本発明はこれに限らない。
第2予測デコーダ76は、第2特徴量データを受容する入力層761と、この入力層761と結合された中間層762と、この中間層762と結合され第2出力データを出力する出力層763と、を備える。入力層761の次元数は、第2特徴量データの次元数と同じである。中間層762は、所定次元数の多層パーセプトロンであり、その重みは、第2特徴量データから所定次元数の第2出力データが出力されるように後述の学習方法によって調整される。出力層763の次元数は、第2出力データの次元数と同じである。また第2出力データの次元数は、第1出力データの次元数と同じである。なお中間層762の各層は、前層の全てと結合されている全結合層とすることが好ましい。出力層763は、中間層762によって第2特徴量データから展開された第2出力データを出力する。
第2出力データは、第1出力データと同様、回転電機の内部の各部分における場の予測量を要素としたN次元の配列である。
図11に戻り、合成部77は、第1出力データと第2出力データとを合成し、出力データを出力する。より具体的には、合成部77は、第1出力データの各成分と第2出力データの各成分とを合算することによって出力データを出力する。
次に、以上のような場予測装置6Bの予測モデル7をコンピュータによって学習する学習方法の手順について、図14及び図15を参照しながら説明する。
図14は、第3の学習方法の手順を示すフローチャートである。
始めにS31では、作業者は、複数組の異なる入力データの下でコンピュータを用いた数値シミュレーションを行うことによって複数組の学習データを生成する。なおS21において複数組の学習データを生成する具体的な手順は、図7のS1における処理と同じであるので、詳細な説明は省略する。
S32では、作業者は、S31で準備した複数組の入力データを第1入力データと第2入力データに分けるとともに、複数組の第1入力データと、複数組の第2入力データと、各入力データに基づいて生成された複数組の学習データと、を関連付けて記憶媒体に保存する。
S33では、作業者は、第1学習エンコーダ及び第1学習デコーダを備えるオートエンコーダを準備し、複数組の学習データを正解ラベルとして用いることによってこれら第1学習エンコーダ及び第1学習デコーダを学習する。ここで第1学習エンコーダの入力層の次元数及び第1学習デコーダの出力層の次元数は、S31で生成した学習データと同じ次元数とする。作業者は、このような第1学習エンコーダに学習データを入力した場合に第1学習デコーダから出力される出力データと、第1学習エンコーダへ入力した学習データとの差が所定値以下になるまで既知のアルゴリズムに基づいて第1学習エンコーダ及び第1学習デコーダを学習する。
S34では、作業者は、S32で生成した複数組の第1入力データと、第2入力データと、各入力データに基づいて生成された複数組の学習データと、各学習データをS33における学習済みの第1学習エンコーダに入力した場合にこの第1学習エンコーダから出力される複数組の第1特徴量データと、を関連付けて記憶媒体に保存する。
S35では、作業者は、第2学習エンコーダを準備し、複数組の第1特徴量データを正解ラベルとして用いることによってこの第2学習エンコーダを学習する。ここで第2学習エンコーダの入力層の次元数は第1入力データの次元数と同じとし、第2学習エンコーダの出力層の次元数は第1特徴量データの次元数と同じとする。作業者は、このような第2学習エンコーダに第1入力データを入力した場合にこの第2学習エンコーダから出力される出力データと、第2学習エンコーダに入力した第1入力データと関連付けて保存した第1特徴量データとの差が所定値以下になるまで第2学習エンコーダを学習する。
S36では、作業者は、S35における学習済みの第2学習エンコーダと、S32における学習済みの第1学習デコーダと、を組み合わせることにより第1予測モデルを構築する。
S37では、作業者は、学習データを正解ラベルとして用いることによって、第2学習エンコーダのファインチューニング学習及び第1学習デコーダの転移学習を行う。より具体的には、作業者は、S36で構築した第1予測モデルの第2学習エンコーダに第1入力データを入力した場合に第1学習デコーダから出力される第1出力データと、第2学習エンコーダへの第1入力データと関連付けられた学習データとの差が所定値以下になるまで、第2学習エンコーダに対しては中間層の重みを凍結しないファインチューニング学習を行うとともに、第1学習デコーダに対しては中間層の重みを凍結した転移学習を行う。
S38では、作業者は、ファインチューニング学習後の第2学習エンコーダと、転移学習後の第1学習デコーダと、未学習の第2予測エンコーダ75と、未学習の第2予測デコーダ76と、合成部77と、を組み合わせることによって予測モデル7を構築する。より具体的には、作業者は、S37におけるファインチューニング学習後の第2学習エンコーダを第1予測エンコーダ72とし、S37における転移学習後の第1学習デコーダを第1予測デコーダ73とし、これら第1予測エンコーダ72と第1予測デコーダ73とを組み合わせることによって第1チャネル71を構築する。また作業者は、未学習の第2予測エンコーダ75と未学習の第2予測デコーダ76とを組み合わせることによって第2チャネル74を構築する。また作業者は、これら第1チャネル71と、第2チャネル74と、予め準備した合成部77と、を組み合わせることによって予測モデル7を構築する。
S39では、作業者は、学習データを正解ラベルとして用いることによって、第1予測エンコーダ72及び第1予測デコーダ73の転移学習並びに第2予測エンコーダ75及び第2予測デコーダ76の学習を行う。より具体的には、作業者は、第1予測エンコーダ72に第1入力データを入力しかつ第2予測エンコーダ75に第1入力データと関連付けられた第2入力データを入力した場合に合成部77から出力される出力データと第1入力データと関連付けられた学習データとの差が所定値以下になるまで、第1予測エンコーダ72及び第1予測デコーダ73に対しては重みを凍結した転移学習を行うとともに、第2予測エンコーダ75及び第2予測デコーダ76に対しては重みを凍結せずに学習を行う。図11に示す予測モデル7には、以上のような工程を経て学習されたものが用いられる。
図15は、第4の学習方法の手順を示すフローチャートである。なお以下の図15の説明において、S51〜S53、S56〜S57に示す処理は、図14のS31〜S33、S38〜S39に示す処理と同じであるので、詳細な説明を省略する。
S54では、作業者は、未学習の第2学習エンコーダを準備し、この第2学習エンコーダと学習済みの第1学習デコーダとを組み合わせることにより第1予測モデルを構築する。
S55では、作業者は、学習データを正解ラベルとして用いることによって、第2学習エンコーダの学習及び第1学習デコーダの転移学習を行う。より具体的には、作業者は、第2学習エンコーダに第1入力データを入力した場合に第1学習デコーダから出力される第1出力データと、第2学習エンコーダへの第1入力データと関連付けられた学習データとの差が所定値以下になるまで、第2学習エンコーダに対しては中間層の重みを凍結せずに学習を行うとともに、第1学習デコーダに対しては中間層の重みを凍結した転移学習を行う。
なお上記第3実施形態では、第3及び第4の学習方法の手順について回転電機の場予測装置6Bの予測モデル7を例に説明したが、本発明はこれに限らない。上述の第3及び第4の学習方法は、回転電機の場予測装置6Bに限らず、一般的な場予測装置にも適用することができる。ここで一般的な場予測装置とは、何等かのエネルギ源(熱源、電流等)から供給されるエネルギ(熱、電場、磁場等)が伝達する構造物の内部における場の量をニューラルネットワークによって構築される予測モデルで予測するものをいう。またこのような予測モデルを、エネルギ源の状態に関する情報を含む第1入力データが入力されると第1特徴量データを出力する第1予測エンコーダと、第1特徴量データが入力されると構造物の内部における場の予測量に関する情報を含む第1出力データを出力する第1予測デコーダと、第1入力データに基づいて生成される第2入力データが入力されると第2特徴量データを出力する第2予測エンコーダと、第2特徴量データが入力されると構造物の内部における場の予測量に関する情報を含む第2出力データを出力する第2予測デコーダと、第1出力データと第2出力データとを合成する合成部と、によって構築した場合、これら第1予測エンコーダ、第1予測デコーダ、第2予測エンコーダ、及び第2予測デコーダは、上述の第3及び第4の学習方法と同じ手順によって学習することができる。
本実施形態に係る場予測装置6Bによれば、以下の効果を奏する。
(14)回転電機2の内部における回転子21は、周期的に変動する回転磁場の下で回転する。このため、回転電機2の内部に形成される場の量は、直流成分及び基本波成分の他、回転子21や固定子22の構造に起因する空間的な周波数や、電源電流の時間変化に起因する時間的な周波数等の様々な周波数の下で変動する成分を含んだものとなっている。これに対し場予測装置6Bでは、予測モデル7を、第1予測エンコーダ72及び第1予測デコーダ73を組み合わせた第1チャネル71と、第2予測エンコーダ75及び第2予測デコーダ76を組み合わせた第2チャネル74と、これら第1チャネル71及び第2チャネル74の出力を合成する合成部77と、によって構成する。また第1チャネル71への第1入力データには、d軸電流、q軸電流、電気角の正弦及び余弦を含め、第2チャネル74への第2入力データには、機械角の整数倍の正弦及び余弦を含める。これにより、第1チャネル71では回転電機2の内部に形成される場の量のうち直流成分及び基本波成分を予測し、第2チャネル74では回転電機2の内部に形成される場の量のうち固定子22や回転子21の構造に起因する周波数成分を予測することができる。これにより、回転電機2の内部の場の量を、シミュレーションを経ることなく速やかかつ精度良く予測することができる。
本実施形態に係る第3の学習方法によれば、以下の効果を奏する。
(15)第3の学習方法によれば、回転電機2の内部に形成される場の量のうち大部分を占める直流成分及び基本波成分を予測する第1チャネル71を先に学習した後、残りの周波数成分を予測する第2チャネル74を学習する。これにより、回転電機2の内部の場の量の予測精度の高い場予測装置6Bを構築することができる。
以上、本発明の第1〜第3実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。
1…回転電機制御システム
2…回転電機
21…回転子
22…固定子
3…電流センサ
4…回転検出器(機械角取得手段)
5…制御装置(機械角取得手段)
6,6A,6B…場予測装置
61,61B…入力データ生成部
62,62A…予測モデル
621,621A…予測エンコーダ
622,622A…予測デコーダ
63,63A…磁束密度分布算出部
64…制御パラメータ算出部
7…予測モデル
71…第1チャネル
72…第1予測エンコーダ
73…第1予測デコーダ
74…第2チャネル
75…第2予測エンコーダ
76…第2予測デコーダ
77…合成部


Claims (15)

  1. 三相交流電流が流れると回転磁場を生成する固定子と回転磁場によって回転する回転子とを備える回転電機の内部における場の量を予測する回転電機の場予測装置であって、
    前記回転電機のd軸電流、q軸電流及び機械角又はこれらパラメータに基づいて生成される入力データが入力されるとニューラルネットワークに基づいて前記回転電機の内部における場の予測量を含む出力データを出力する予測モデルを備えることを特徴とする回転電機の場予測装置。
  2. 前記回転電機の内部には、前記回転子の軸線に対し直交する断面視で格子状に区画することによって、複数の節点と、互いに隣接する前記節点によって囲まれる複数の面要素と、が定義され、
    前記予測モデルは、前記節点又は前記面要素におけるスカラー場又はベクトル場の予測量を算出することを特徴とする請求項1に記載の回転電機の場予測装置。
  3. 前記予測モデルは、前記節点におけるスカラー場であるベクトルポテンシャルの予測量を算出することを特徴とする請求項2に記載の回転電機の場予測装置。
  4. 前記予測モデルの出力データに基づいて、前記面要素におけるベクトル場である磁束密度の予測量の分布を算出する磁束密度分布算出部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の回転電機の場予測装置。
  5. 複数の前記節点は、前記固定子上に定められる固定子節点と、前記回転子上に定められる回転子節点と、前記固定子の内周面と前記回転子の外周面との間に定められるギャップ節点と、に分けられ、
    複数の前記面要素は、互いに隣接する前記固定子節点によって囲まれる固定子面要素と、互いに隣接する前記回転子節点によって囲まれる回転子面要素と、互いに隣接する前記ギャップ節点によって囲まれるギャップ面要素と、に分けられ、
    複数の前記固定子節点の一部及び複数の前記ギャップ節点の一部は前記回転子の回転中心を中心とした円周上に定められ、
    前記固定子節点及び前記固定子面要素は、前記回転中心を原点とした静止座標系に定められ、
    前記回転子節点、前記ギャップ節点、前記回転子面要素、及び前記ギャップ面要素は、前記回転中心を原点としかつ前記静止座標系に対し前記機械角に比例する角度で傾斜する回転座標系に定められ、
    前記予測モデルの出力データは、前記各節点におけるベクトルポテンシャルの予測量を要素とした配列であり、
    前記磁束密度分布算出部は、前記静止座標系での前記回転子面要素及び前記ギャップ面要素の位置と、前記予測モデルの出力データのうちこれら面要素における磁束密度と相関のある要素番号とを関連付ける変換マップと、前記予測モデルの出力データとに基づいて前記固定子面要素、前記回転子面要素、及び前記ギャップ面要素における磁束密度の予測量の前記静止座標系における分布を算出することを特徴とする請求項4に記載の回転電機の場予測装置。
  6. 前記変換マップは、前記機械角に対するサンプリング角と関連付けた状態で記憶媒体に複数記憶されており、
    前記磁束密度分布算出部は、前記機械角と複数の前記サンプリング角の何れかと一致する場合には、当該サンプリング角と関連付けられた前記変換マップを参照して磁束密度の予測量の前記静止座標系における分布を算出し、前記機械角と複数の前記サンプリング角の何れかとも一致しない場合には、補間演算を行うことによって磁束密度の予測量の前記静止座標系における分布を算出することを特徴とする請求項5に記載の回転電機の場予測装置。
  7. 前記予測モデルは、前記面要素におけるベクトル場である磁束密度の予測量を算出することを特徴とする請求項2に記載の回転電機の場予測装置。
  8. 複数の前記節点は、前記固定子上に定められる固定子節点と、前記回転子上に定められる回転子節点と、前記固定子の内周面と前記回転子の外周面との間に定められるギャップ節点と、に分けられ、
    複数の前記面要素は、互いに隣接する前記固定子節点によって囲まれる固定子面要素と、互いに隣接する前記回転子節点によって囲まれる回転子面要素と、互いに隣接する前記ギャップ節点によって囲まれるギャップ面要素と、に分けられ、
    複数の前記固定子節点の一部及び複数の前記ギャップ節点の一部は前記回転子の回転中心を中心とした円周上に定められ、
    前記固定子節点及び前記固定子面要素は、前記回転中心を原点とした静止座標系に定められ、
    前記回転子節点、前記ギャップ節点、前記回転子面要素、及び前記ギャップ面要素は、前記回転中心を原点としかつ前記静止座標系に対し前記機械角に比例する角度で傾斜する回転座標系に定められ、
    前記予測モデルの出力データは、前記各面要素における磁束密度の予測量を要素とした配列であり、
    前記静止座標系での前記回転子面要素又は前記ギャップ面要素の位置と、前記予測モデルの出力データの要素番号とを関連付ける変換マップと、前記予測モデルの出力データとに基づいて前記固定子面要素、前記回転子面要素及び前記ギャップ面要素における磁束密度の予測量の前記静止座標系における分布を算出する磁束密度分布算出部を備えることを特徴とする請求項7に記載の回転電機の場予測装置。
  9. 前記変換マップは、前記機械角に対するサンプリング角と関連付けられた状態で記憶媒体に複数記憶されており、
    前記磁束密度分布算出部は、前記機械角と複数の前記サンプリング角の何れかと一致する場合には、当該サンプリング角と関連付けられた前記変換マップを参照して磁束密度の予測量の前記静止座標系における分布を算出し、前記機械角と複数の前記サンプリング角の何れかとも一致しない場合には、補間演算を行うことによって磁束密度の予測量の前記静止座標系における分布を算出することを特徴とする請求項8に記載の回転電機の場予測装置。
  10. 前記入力データは、前記d軸電流、前記q軸電流、前記機械角の正弦及び余弦、並びに前記回転電機の電気角の正弦及び余弦を含み、
    前記予測モデルは、前記入力データが入力されると特徴量を出力する予測エンコーダと、前記特徴量が入力されると前記回転電機の内部における場の予測量に関する情報を含む出力データを出力する予測デコーダと、を備えることを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の回転電機の場予測装置。
  11. 前記入力データは、前記d軸電流、前記q軸電流、前記機械角に比例する前記回転電機の電気角の正弦及び余弦を含む第1入力データと、前記機械角の正弦及び余弦、並びに前記機械角の整数倍の正弦及び余弦を含む第2入力データと、に分けられ、
    前記予測モデルは、
    前記第1入力データが入力されると第1特徴量を出力する第1予測エンコーダと、
    前記第1特徴量が入力されると前記回転電機の内部における場の予測量に関する情報を含む第1出力データを出力する第1予測デコーダと、
    前記第2入力データが入力されると第2特徴量を出力する第2予測エンコーダと、
    前記第2特徴量が入力されると前記回転電機の内部における場の予測量に関する情報を含む第2出力データを出力する第2予測デコーダと、
    前記第1出力データと前記第2出力データとを合成する合成部と、を備えることを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の回転電機の場予測装置。
  12. 請求項10に記載の予測モデルをコンピュータによって学習する予測モデルの学習方法であって、
    複数組の異なる前記入力データの下でシミュレーションを行うことによって前記回転電機の内部における場の予測量を算出し、複数の学習データを生成する工程と、
    前記入力データと前記学習データとを関連付けて保存する工程と、
    第1学習エンコーダ及び第1学習デコーダを備えるオートエンコーダを準備し、前記第1学習エンコーダに前記学習データを入力した場合に前記第1学習デコーダから出力される出力データと前記学習データとの差が所定値以下になるまで前記第1学習エンコーダ及び前記第1学習デコーダを学習する工程と、
    前記入力データと、当該入力データと関連付けられた前記学習データと、当該学習データを学習済みの前記第1学習エンコーダに入力した場合に当該第1学習エンコーダから出力される特徴量と、を関連付けて保存する工程と、
    第2学習エンコーダを準備し、当該第2学習エンコーダに前記入力データを入力した場合に当該第2学習エンコーダから出力される出力データと前記入力データと関連付けられた前記特徴量との差が所定値以下になるまで前記第2学習エンコーダを学習する工程と、
    学習済みの前記第2学習エンコーダを前記予測エンコーダとし、学習済みの前記第1学習デコーダを前記予測デコーダとし、前記予測エンコーダ及び前記予測デコーダを組み合わせることによって前記予測モデルを構築する工程と、
    前記予測エンコーダに前記入力データを入力した場合に前記予測デコーダから出力される出力データと前記入力データと関連付けられた前記学習データとの差が所定値以下になるまで、前記予測エンコーダに対しては重みを凍結しないファインチューニング学習を行うとともに前記予測デコーダに対しては重みを凍結した転移学習を行うことを特徴とする予測モデルの学習方法。
  13. 請求項10に記載の予測モデルをコンピュータによって学習する予測モデルの学習方法であって、
    複数組の異なる前記入力データの下でシミュレーションを行うことによって前記回転電機の内部における場の予測量を算出し、複数の学習データを生成する工程と、
    前記入力データと前記学習データとを関連付けて保存する工程と、
    第1学習エンコーダ及び第1学習デコーダを備えるオートエンコーダを準備し、前記第1学習エンコーダに前記学習データを入力した場合に前記第1学習デコーダから出力される出力データと前記学習データとの差が所定値以下になるまで前記第1学習エンコーダ及び前記第1学習デコーダを学習する工程と、
    学習済みの前記第1学習デコーダを前記予測デコーダとし、当該予測デコーダと前記予測エンコーダとを組み合わせることによって前記予測モデルを構築する工程と、
    前記予測エンコーダに前記入力データを入力した場合に前記予測デコーダから出力される出力データと前記入力データと関連付けられた前記学習データとの差が所定値以下になるまで、前記予測エンコーダに対しては重みを凍結せずに学習を行うとともに前記予測デコーダに対しては重みを凍結した転移学習を行うことを特徴とする予測モデルの学習方法。
  14. 請求項11に記載の予測モデルをコンピュータによって学習する予測モデルの学習方法であって、
    複数組の異なる前記入力データの下でシミュレーションを行うことによって前記回転電機の内部における場の予測量を算出し、複数の学習データを生成する工程と、
    前記第1入力データと前記学習データとを関連付けて保存する工程と、
    第1学習エンコーダ及び第1学習デコーダを備えるオートエンコーダを準備し、前記第1学習エンコーダに前記学習データを入力した場合に前記第1学習デコーダから出力される出力データと前記学習データとの差が所定値以下になるまで前記第1学習エンコーダ及び前記第1学習デコーダを学習する工程と、
    前記第1入力データと、当該第1入力データと関連付けられた前記学習データと、当該学習データを学習済みの前記第1学習エンコーダに入力した場合に当該第1学習エンコーダから出力される第1特徴量と、を関連付けて保存する工程と、
    第2学習エンコーダを準備し、当該第2学習エンコーダに前記第1入力データを入力した場合に当該第2学習エンコーダから出力される出力データと前記第1入力データと関連付けられた前記第1特徴量との差が所定値以下になるまで前記第2学習エンコーダを学習する工程と、
    学習済みの前記第2学習エンコーダと学習済みの前記第1学習デコーダとを組み合わせることによって第1予測モデルを構築する工程と、
    前記第1予測モデルの前記第2学習エンコーダに前記第1入力データを入力した場合に前記第1学習デコーダから出力される出力データと前記第1入力データと関連付けられた前記学習データとの差が所定値以下になるまで、前記第2学習エンコーダに対しては重みを凍結しないファインチューニング学習を行うとともに前記第1学習デコーダに対しては重みを凍結した転移学習を行う工程と、
    ファインチューニング学習後の前記第2学習エンコーダを前記第1予測エンコーダとし、転移学習後の前記第1学習デコーダを前記第1予測デコーダとし、これら前記第1予測エンコーダ及び前記第1予測デコーダと、前記第2予測エンコーダと、前記第2予測デコーダと、前記合成部と、を組み合わせることによって前記予測モデルを構築する工程と、
    前記第1予測エンコーダに前記第1入力データを入力しかつ前記第2予測エンコーダに前記第1入力データと関連付けられた前記第2入力データを入力した場合に前記合成部から出力される出力データと前記第1入力データと関連付けられた前記学習データとの差が所定値以下になるまで、前記第1予測エンコーダ及び前記第1予測デコーダに対しては重みを凍結した転移学習を行い、前記第1予測エンコーダ及び前記第1予測デコーダに対しては重みを凍結した転移学習を行うとともに、前記第2予測エンコーダ及び前記第2予測デコーダに対しては重みを凍結せずに学習を行う工程と、を備えることを特徴とする予測モデルの学習方法。
  15. 三相交流電流が流れると回転磁場を生成する固定子と回転磁場によって回転する回転子とを備える回転電機と、
    前記回転電機を流れる三相交流電流を検出する電流センサと、
    前記回転電機の機械角を取得する機械角取得手段と、
    請求項1から11の何れかに記載の場予測装置と、
    前記電流センサの検出信号に基づいて算出される前記回転電機のd軸電流及びq軸電流、並びに前記機械角取得手段によって取得される前記回転電機の機械角に基づいて生成した入力データを前記場予測装置に入力した場合に前記場予測装置から出力される出力データに基づいて前記回転電機の制御パラメータを算出する制御パラメータ算出部と、
    前記電流センサの検出信号及び前記制御パラメータに基づいて前記回転電機を流れる三相交流電流を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする回転電機制御システム。
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