JP2021134600A - 排尿情報測定装置 - Google Patents

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桂也 笹垣
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洋式 山崎
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【課題】校正・検量に影響する水洗大便器の寸法や施工現場の状況は、排尿情報測定部を取り外ししても大きく変化しないことを考慮し、校正・検量の煩雑さを解消することである。【解決手段】排尿情報測定装置によれば、使用者の排尿を受けると共に溜水が形成されたボウル面を備える水洗大便器と、水を供給することによりボウル面を洗浄するとともに前記溜水を下水配管に排出する洗浄水供給手段と、一端が前記ボウル面に開口して前記溜水に連通した測定管路を備え溜水の水位を測定する溜水水位測定手段と、溜水水位測定手段で得られる溜水水位の排尿に伴う変化量と予め記憶された検量線とから排泄された尿量を求める尿量算出手段とを有する排尿情報測定部とを備える、排尿情報測定装置において、検量線作成時に水洗大便器の情報と作成された検量線の情報を紐づけて保存する。【選択図】 図1

Description

本発明は、排尿情報を測定する排尿情報測定装置に関するものである。
従来、水洗大便器に尿量測定機能を付与した排尿情報測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような医療機器や医療機器に準ずる測定機器は、使用前後に校正や検量などが行われるのが一般的である。このような排尿情報測定装置は、排泄された尿の量を溜水水位の変化によって測定するためには、溜水量と水位との関係を校正や検量することにより測定が行われる。
測定の基準となる溜水量と水位は、一般的に寸法バラツキの大きな陶器製などの水洗大便器の形状と施工現場特有の床傾きなどのバラツキ、給水圧、気圧などの設置環境により影響されてしまうため、製品毎・現場毎で校正・検量する必要がある。しかし、排尿情報測定装置を定期的に校正・検量するのは、煩雑であった。水洗大便器は、一度設置された後に移動などが行われず、設置環境も周辺工事などの外的な要因がない限り大きく変化しない。校正・検量結果への影響が小さい排尿情報測定部は、機械のメンテナンスや修理更新のために交換が行われる。校正・検量の結果は尿量測定機能部に保存されているため、排尿情報測定部を交換した場合は、校正・検量に影響する水洗大便器や設置場所の給水圧や気圧が変化していないにもかかわらず、再度検量を行う必要があった。
特開2006−126165号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、校正・検量に影響する水洗大便器の寸法や施工現場の状況は、排尿情報測定部を取り外ししても大きく変化しないことを考慮し、校正・検量の煩雑さを解消することである。
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る排尿情報測定装置によれば、使用者の排尿を受けると共に溜水が形成されたボウル面を備える水洗大便器と、水を供給することによりボウル面を洗浄するとともに前記溜水を下水配管に排出する洗浄水供給手段と、一端が前記ボウル面に開口して前記溜水に連通した測定管路を備え溜水の水位を測定する溜水水位測定手段と、溜水水位測定手段で得られる溜水水位の排尿に伴う変化量と予め記憶された検量線とから排泄された尿量を求める尿量算出手段とを有する排尿情報測定部とを備える、排尿情報測定装置において、検量線作成時に水洗大便器の情報と作成された検量線の情報を紐づけて保存する。
この構成によれば、検量に主要な影響を及ぼす水洗大便器のボウル面の形状に紐づいて検量線は保存されるため、検量結果への影響が小さい排尿情報測定部を交換したとしても、検量線への影響が少ないためを再測定する必要がなく、簡便に検量線を引継ぐことができる。また、検量線を誤って別の水洗大便器に適用してしまうことを抑制することができるため、検量線の適用間違いによる排泄された尿量の誤算出を防ぐことができる。
また、本発明の一態様に係る排尿情報測定装置において、好ましくは、検量線に加えて尿量測定の項目情報を水洗大便器に紐づけて保存する。
この構成によれば、排尿情報測定装置の設置された場所によって、尿量以外の必要な情報が異なる。特に排尿情報測定装置は、病院などの医療機関に設置されており、排尿情報測定部を交換した際にそれぞれの医療機関ごとに必要な情報を再設定する必要がある。そのような尿量測定の項目情報は、水洗大便器の設置場所を変えない限り変更されないため、排尿情報測定部を交換したとしても、水洗大便器に紐づいた尿量以外の測定項目を引き継ぐことがないため測定項目を再測定する必要がなく、簡便に引継ぐことができる。また、測定項目を誤って別の水洗大便器に適用してしまうことを抑制することができるため、測定項目の適用間違いによる排尿情報の記録漏れなどを防ぐことができる。また、一度に複数の排尿情報測定装置を設置する場合に、一台一台設定する必要があり煩雑であり、誤入力の原因になっている。そのような測定項目情報を出力、入力することにより、設定の手間やそれに伴う誤入力を減らすことができる。
また、本発明の一態様に係る排尿情報測定装置において、好ましくは、検量線の作成日時から所定の有効期間内であるかを判断する検量線の有効性判断手段を有する。
この構成によれば、排尿情報測定部を複数回交換・メンテナンスを行ったとしても、影響を受けていない水洗大便器を基準に検量線の有効性を判断することができるため、環境の変化などを考慮して定期的に行う検量線の再設定のタイミングを把握することができるため、不要な検量線の測定を抑制しつつ高い精度での尿量測定を行うことができる。
また、本発明の一態様に係る排尿情報測定装置において、好ましくは、検量線作成手段は、作業者の動作で溜水量を変化させることによって前記溜水の水位を変化させる手動検量モードを有し、動作によって溜水量を変化させたときの溜水水位を前記溜水水位測定手段で測定して所定時間の放置によって得られる、溜水量と溜水水位との関係から検量線を作成する。
この構成によれば、作業者の動作で溜水量を変化させることによって前記溜水の水位を変化させ、前記動作によって溜水量を変化させたときの溜水水位を前記溜水水位測定手段で測定して所定時間の放置によって得られる、溜水量と溜水水位との関係から前記検量線を作成する検量線作成手段を有することを特徴とすることにより、更新・校正を担うポンプ等の部材の持つ器差・環境温度差によるバラツキによるバラツキを抑制し、安定して検量線を得ることができるようになった。また、不定期に実施される治験に対して、ポンプなどを利用する場合に比べて高い精度や異なった条件で検量線を作成することができる。
また、本発明の一態様に係る排尿情報測定装置において、好ましくは、手動検量モードの溜水水位の変化を所定の回数行うことにより、溜水量と溜水水位との関係から検量線を作成し、前記溜水水位の変化量を変化させる。
この構成によれば、高い精度で検量線を作成することができる。水洗大便器のボウル面は、上方から下方に向けて水平断面積が徐々に小さくなるように設けられており、一定の給水による水位変化は、最初の方の水の供給時の水位の変化に比べて徐々に水平断面積が大きくなっていくため水位の変化量が小さくなり、検量線の精度が落ちていく。ボウル面の水平断面積に合わせて供給する水の量を徐々に増加させることにより水位の変化量を大きくして検量線を作成することができ高い精度で検量線を作成することができる。
本発明によれば、排尿情報測定装置の校正・検量の煩雑さを解消することができる。
本発明を実施した第1の実施例における排尿情報測定装置全体を示す斜視図である。 本実施例の構成を示すブロック図である。 本発明の排尿情報測定装置の洋風大便器4と排尿情報測定部5の構成を示した第一の実施例である。 本発明の排尿情報測定装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の排尿情報測定部の交換・メンテナンスを示すフローチャートである。
図1は本発明を実施した第1の実施例における排尿情報測定装置全体を示す斜視図である。図1を使用して、本実施例における排尿情報測定装置の全体構成について以下に述べる。
本実施例における排尿情報測定装置1は、便器洗浄機能などの通常の便器機能を備えた洋風大便器4と、洋風大便器4に一体的に組み込まれた衛生洗浄装置7と、洋風大便器4の背後に設置されたキャビネット18と、使用者がそれらの各種の動作を指示する操作を行い、得られた測定結果等を表示するために壁に設けられた操作・排泄される尿の一部を直接採取して含まれる操作・表示部70とで構成されている。
洋風大便器4は、陶器製でありボウル20の上部には樹脂製の便座171が回動自在に取り付けられている。本実施例では、一般的に採用される便ふたを省略して示している。医療機関で使用される場合などでは、便ふたを回動させるための動作が、身体に疾病を抱えている患者にとっては負担になるということに配慮し、患者の上半身を支えることを配慮した背もたれ172をキャビネット18に設置することもできる。
キャビネット18の内部には、使用者が洋風大便器4に排泄する尿の量である尿量や単位時間当たりの排泄速度である尿流率等の尿量情報の測定を行うために溜水の水位変化を計測する機構部等を備えた尿量計測部50と、尿量計測部50の動作制御や情報処理等を行う尿量計測制御部60と、が収納されている。その他、必要に応じて尿中の特定成分濃度等を計測する尿成分測定部などを、キャビネット18の内部に収納しても良い。収納するものの占有体積により、キャビネット18の大きさ・形状は変更が可能である。
操作・表示部70は、排尿情報測定用のリモコン72と、衛生洗浄装置7の操作用のリモコン71とを備え、排尿情報測定結果等を出力するプリンター73はキャビネット18の上方に配置している。使用者の操作性・視認性を配慮した時に、操作・表示部70と排尿情報測定用のリモコン72を壁に取り付けることが推奨され、操作の動線を配慮し、プリンター73も壁に取り付けとすることも可能である。
リモコン72は、使用者が排尿情報測定装置の設置された空間に入室し、排尿情報を測定する時に操作するものであり、図示しないが測定開始を指示する測定開始スイッチと、排尿が終了したことを指示する排尿終了スイッチとが設置されている。さらに、リモコン72には使用者の測定履歴などの個人情報を取得するために必要な個人別スイッチやIDカードやIDタグの読み込み手段等の個人認証手段、及び、電子データの入出力装置等が設けられている。
測定結果は、プリンター73によって使用者に開示されるようになっているが、リモコン72の表示部で使用者に開示しても良い。さらにまた、本排尿情報測定装置を医療機関に設置した場合は、複数の使用者のデータを医療従事者が所定の時刻にリモコン72を操作して、プリンター73からデータを取り出すことも可能である。加えて、プリンター73の代わりに通信手段を設け、別の端末を介して複数の使用者のデータを管理してもよい。
施工時やメンテナンス実施時の操作は、リモコン71またはリモコン72のスイッチに所定手順の操作を実施することで切替設定されるようになっている。方法としては、普段使われないスイッチであることからカバーを開いて操作スイッチを露出させたり、所定のスイッチを長時間押したりすることで1つのスイッチを複数の用途に使用するものである。施工時やメンテナンス実施時のみに実施される行為としては、本発明の示す溜水水位と溜水量の検量関係を修正するために必要な所定値を校正値として入力する検量線作成モードなどが該当する。この場合、尿流量計測値を入力したり、または排尿情報測定装置1の設置された床の傾斜情報を入力したりすることで行われる。更新・校正の有効期間判定や、更新・校正に係わる検量線の作成作業は、リモコン72などを使用して、メンテナンス担当者が所定の操作を実施して行うことになる。
洋風大便器4のボウル20内の溜水は、排水ソケット15を介して下水排水口16に排出される。下水排水口16は建物の建築作業によって構成されるものであるが、その位置精度は一般的に考えられる機械工作品よりも大きな公差が必要である。洋風大便器4の位置は、下水排水口16と一体になるため、下水排水口16の位置ばらつきによって移動することになる。キャビネット18は、前面の前板181と、左右に設けられた側板182と、天井部を覆う甲板183で構成されることになるが、洋風大便器4の位置がずれるということは、その位置に合わせて前板181と側板182と甲板183の大きさを変えなければならないことを示している。
本実施例では、特に全長が長く加工の難しい側板182の加工を省略する方法を示している。先ず、前板181の形状を固定寸法とし、洋風大洋風大便器4と一体化する。前板181は図示しないフレームと一体になっており、側板182と甲板183はフレームに取り付ける構成としている。側板182の奥行き方向寸法は、洋風大便器4に発生する前後方向の位置ずれに対して、その前方公差上限位置でも前板181が側板182の前方端よりはみ出さない寸法で形成されている。従って、側板182に対して、洋風大便器4と前板181が前後方向にずれるだけである。
側板182の前方端部(木口)には、R形状を有する軟質部材が設けられており、使用者の腕や肘が前方端部(木口)にあたってもけがをしないように配慮されている。医療機関で使用することを想定した場合、視覚に疾病を持っている場合や、高齢になって視力の低下した使用者も想定される。そのような使用者の使用を想定した場合は、側板182の前方端部(木口)と面材を別の色、つまりコントラストのある黒と白を採用すると、洋風大便器4の位置を明確に判別することができるという利点も持っている。
図2は、本発明を適用した排尿情報測定装置1の実施例の構成を示すブロック図である。 なお、ここで各構成要素を繋いでいる実線は水管路を示し、破線は水以外の情報等の接続経路を示す。
排尿情報測定装置1は、大きくは洋風大便器4と、排尿情報測定部5と、操作・表示部70と、に分かれている。洋風大便器4と排尿情報測定部5とが分けられて構成されているのは、両者の製造拠点が異なることと、施工業者が異なることに配慮されている。即ち、複数の製造拠点で各々梱包されて輸送されてきた両者は施行現場において、一般的には、給排水を担当する設備業者が洋風大便器4の設置及び上下水道との接続を行ない、医療機器の施工工事を担当する業者が排尿情報測定部5を設置して洋風大便器4と排尿情報測定部5とを結ぶ給排水配管と信号経路の接続を行なって排尿情報測定装置1を完成させた後に、排尿情報測定装置1のシステムとしての動作確認を実施することができるようにしている。そのために、この洋風大便器4の動作と排尿情報測定部5の動作との連携を図る連係動作制御手段80が、この両者にまたがって設けられている。
洋風大便器4は、排泄物を受けてこれを下水配管に搬送する通常の便器としての機能を備えた洋風大便器4と、洋風大便器4に一体的に組み込まれ用便後の使用者の局部を洗浄するための衛生洗浄手段7aを備えた衛生洗浄装置7と、洋風大便器4と衛生洗浄装置7の動作を制御する便器制御部40とで構成されている。
洋風大便器4は、使用者が排泄を行うボウル20と、下水配管との連通を水封する溜水23をボウル20に貯留するためにボウル20に連接されたトラップ14と、ボウル20への給水を行う便器給水手段30とを備え、トラップ14は排水ソケット15を介して排尿情報測定装置1が設置された空間に設けられた下水配管に連通する下水配管口16に接続されている。
外部の給水源からの排尿情報測定装置1への給水は、装置給水手段12を経て、分岐金具131によって、衛生洗浄手段7aと、洋風大便器4のボウル20に給水するリム給水手段31と、ゼット給水手段32と、補水手段33に分岐された給水路で供給される。
トラップ14は排水ソケット15に対して、溜水23を排出するようになっている。便器洗浄を行う場合、リム吐水手段32の給水によってボウル20の内面を洗浄した後、ゼット吐水口22から大給水量でゼット給水手段32が給水することにより、トラップ14は満水水位Wとなってサイホン現象が誘引され、溜水23は排水ソケット15を経て下水排水口16に排出され、空水位X1になる。前述のサイホン現象によって溜水23が排出された後、通常の便器はリム給水手段31からの給水によって、後述の溢流水位Hに復帰するが、本発明の排尿情報測定装置1は、排泄された尿をそのまま排水配管に流出させることなく、一端ボウル20内に溜める必要がある。そのため後述の破封水位X2を越えた位置までしか、リム給水手段31からの給水は行わず、補水手段33の動作によって、溢流水位Hよりも所定量だけ水位が低い測定開始水位Yを得るようになっている。
また、測定開始水位を作成する場合、補水手段33からの給水は前述の便器洗浄時より少ない給水率で水を供給することで、測定開始水位Yの再現性を高めている。本実施例では、溜水23の水面が波立つことを防止するために、ゼット吐水口22から給水を行う事例で示したが、リム吐水口21とボウル20が形状的に波立ち難いのであれば、補水動作をリム吐水口21から実施しても良い。
便器制御部40には、衛生洗浄手段7aと便器給水手段30の給水動作とを制御する給水制御手段41と、排尿情報測定装置1全体の連携動作を制御するために設けられた後述する連係動作制御手段80を構成する状態表示手段82a及び状態受信手段82bと、が設けられている。
また、排尿情報測定部5は、尿量測定部6で構成されており、尿量測定部6はさらに、溜水23の水位変化を計測するために必要な機構を備えた尿量計測部50と、尿量計測部50の動作の制御や得られた計測情報を加工し尿量等の測定情報の算出等を行なう尿量計測制御部60と、を備えている。
尿量計測部50には、使用者の排泄による排尿量等を測定するために溜水23の水位変化を計測する溜水水位計測手段51と、下水配管内の圧力変動によって溜水23の水位が受ける影響量を計測する下水圧変動量計測手段52と、ボウル20内の溜水23の水位と水量との関係(以下、この関係を「検量関係」と呼ぶ)を計測する検量関係計測手段53と、尿量計測部50と下水配管との連絡管路を水封することによって空気の流通を遮断するための配管縁切り手段55と、が設けられている。
溜水水位計測手段51は、後述する計測管路57で溜水23と接続されており、この管路を介して両者は連通している。なお、計測管路57には、溜水水位計測手段51の破損防止等のために不要時に管路の閉止を行なう計測管路開閉手段57aが設けられている。
また、下圧変動量計測手段52も、排水ソケット15の内部と連通する後述する下水配管連絡管路522で下水配管に接続されているが、こちらは空気の流通を遮断して下水配管からの汚臭逆流を防止する配管縁切り手段55を介して接続されている。
なお、本実施例では、溜水水位計測手段51には、溜水23の水位をその時に生じる水柱の圧力である水頭圧として計測する水頭圧計測手段51aと、実際の溜水23の水位測定に際して、予め基準となる水頭圧を作成して水頭圧計測手段51aの出力を校正する計測出力校正手段51bも合わせて内蔵されている。なお、この計測出力校正手段51bは溜水23の波立ちが溜水水位計測手段51の水位計測に与える影響を取り除く除振手段としても機能させている。
また、尿量計測制御部60には、溜水水位計測手段51によって計測される水位情報に基づいて使用者が溜水23に排泄した尿等の排泄物の量やその他の測定項目として排尿速度などの尿量情報を求める尿量情報算出手段61と、検量関係計測手段53が行なう検量関係等の計測に必要な情報や計測結果等の測定情報を記憶する測定情報記憶手段62と、前述した便器給水手段30を給水制御手段41を介して制御することによって、溜水23の水位を測定開始水位に形成する測定開始水位形成制御手段63と、が設けられている。術前・術後の代謝管理のために測定される尿量(mL)は一般的な測定項目であるが、集積する時刻帯は医療機関毎で異なる勤務体制に準じなければならない。排泄される尿量は分泌されるホルモンの影響を受けるため、疾病に合わせた時刻帯の排泄尿量を積算したいという要望が出ることもある。泌尿器科の代表的な疾病である前立腺肥大等の下部尿路障害の場合は、単位時間当たりの排泄尿量である尿流率(mL/s)や排泄開始から終了までの排尿時間(秒)を測定することもある。医療機関だけでなく、対象としている疾病毎に測定される測定項目は、設置場所や目的に合わせて個別に定めなければならない。
計測管路開閉手段57aには溜水水位測定手段51と共に検量関係計測手段53が併設されており、検量関係計測手段53が所定量ずつ複数回に渡って溜水23を減じながら、溜水水位測定手段51が水位を測定し、得られる減水量と水位との複数対の関係から水位と水量との対応関係である検量関係を求め、これを測定情報記憶手段62に含まれる検量線記憶手段621が仮の検量線として記憶する。検量線校正手段622は検量線記憶手段621に記憶されたこの仮検量線を、校正して真の検量線とするものである。検量線記憶手段621の考え方として、後述する図3の方式は、ボウル20の溜水23水位に合わせて所定量毎の給水と水位変化、および、水位毎の固定振動数を配慮した安定時間を持って(例えば、友成弘志他;トラップ内の封水流動の数値解析 : 第1報-モデルトラップの封水の固有振動数算定法の検討,空気調和・衛生工学会 論文集,26,82,2001参照。)、両者の検量関係を表す検量線を作成するようになっている。なお、作成された検量線は、精度確認結果に合わせた補正値を手動でも実施することが可能になっている。
作成された検量線は、検量を行った日時と検量を行った洋風大便器4、洋風大便器4の設置状況に関する情報と紐づけされて検量線記憶手段621に記録される。検量結果に主要な影響を及ぼすものは、洋風大便器4のボウル20の形状や設置場所の給水圧や気圧などであり、これらの要因により給水した際の水位変化量の大きさが異なる。一度、設置した洋風大便器4を取り外すことは、基本的に行われず、陶器製のボウル20の形状は、破損などがない限り変化がないため、水位変化量は、ほとんど変わらない。設置場所の給水圧や気圧なども何らかの外的な要因が生じない限り安定している。言い換えれば、作成された検量線これらの検量結果に影響を及ぼすが、大きく変化しない情報と検量結果を紐づけて記憶されている。ここで言う紐づけとは、情報と情報を関連又は連携付けし、情報と情報を対応付けることを指す。
洋風大便器4は、一度設置された後に移動などが行われず、設置環境も周辺工事などの外的な要因がない限り大きく変化しないが、検量結果への影響が小さい排尿情報測定部5は、機械のメンテナンスや修理更新のために交換が行われる。排尿情報測定部5の検量線記憶手段621は、検量を行った日時と検量を行った洋風大便器4、洋風大便器4の設置状況に関する情報と紐づけて保存しているため、洋風大便器4や設置状況が変わらず、排尿情報測定部5のみの変更の場合は、検量を行う必要がないため、不要な検量を行う回数を減らすことができる。検量結果と紐づけて保存される情報は、洋風大便器4に割り当てられた番号や洋風大便器4の設けられた給水圧情報や平均温度、大気圧など洋風大便器4または設置環境を特定できる情報であれば、任意の情報を選択できる。また、検量結果に紐づけられる情報は、測定値入力手段74を使用して手動で入力してもよく、洋風大便器4にQRコード(登録商標)などを使用してもよい。
検量を行った日時を洋風大便器4と紐づけて保存しているため、一定期間毎に行う検量タイミングを正確に確認することができる。排尿情報測定部5ではなく、洋風大便器4に紐づいているため、排尿情報測定部5をメンテナンスで交換した場合などであっても正確に予定していたタイミングで検量を行うことができる。図示しないが、排尿情報測定部5に検量タイミングを通知する検量タイミング通知手段を設けられていてもよく、排尿情報測定部5に保存されている洋風大便器4に紐づけられた検量日から一定の期間が経過しているか、日付を参照することで次の検量タイミングまでの期間を算出し、その期間の例えば1週間前に検量タイミングが近づいていることを通知する。なお、通知手段は、LEDを使用した点灯や点滅のような目視手段でも良いし、スピーカーを使用した音声手段やプリンター75から出力物として通知するなど任意の通知手段を採用することができる。
検量線記憶手段621に記憶された検量線は、検量線書出し手段622によって取り出すことが可能であるため、排尿情報測定部5を交換、メンテナンスしたとしても検量結果を交換した別の排尿情報測定部5に適用することができる。また、検量結果は、洋風大便器4に紐づけられて保存されているため、誤って検量結果を別の洋風大便器4に適用することがないため、その洋風大便器4に適した検量結果に基づいて測定を行うことができる。
補正値の入力方法としては、この操作が施工時や定期的な検定時にしか実施されないことを配慮し、操作・表示部70に設けられたメンテナンスカバーを開いて校正値入力手段74としてのスイッチを露出させてから操作したり、所定のスイッチを長時間押したりすることで1つのスイッチを測定値入力手段74としての別スイッチとして複数の用途に使用するものであってもよい。
さらに、排尿情報測定装置1の各機能の連係動作を制御する後述の連係動作制御手段80を構成している状態表示手段83aと状態受信手段83bと、が設けられている。
尿量情報算出手段61には、溜水水位計測手段51によって計測される溜水23の水位から、検量線記憶手段621に記憶されている水位と水量との検量関係を利用して溜水23の水量を演算によって求める溜水量算出手段61aと、下水圧変動量計測手段52の計測結果を用いて溜水水位計測手段51が計測した水位計測値を溜水水位測定開始時の下水圧の状態での値に修正する下水圧変動補正手段61bと、が備えられている。
尿量情報算出手段61は、上述した構成で、溜水水位計測手段51が計測する溜水水位値を下水圧変動補正手段61bによって修正した補正後の溜水水位値に基づいて、溜水量算出手段61aがその時の溜水量を算出することによって、排尿量他の尿量情報を求めている。
本実施例の排尿情報測定装置1は前述したように、洋風大便器4と排尿情報測定部5とを各々独立した構成とするために、動作指示を行なう操作部も各々別体の操作部としてリモコン71とリモコン72とを設ける構成とし、これらのリモコンはお互いの操作情報をやり取りしない独立のリモコンとしている。そして他方では、通常の便器のボウル20を排尿情報測定時の排尿収集容器としても利用しているが、これらの装置の各動作間には、例えば通常の便器としての便器洗浄動作と尿量測定動作との間のように、一方の動作によって他方の動作が影響を受けて測定誤差を生じたり、器具が破損したりするものもある。
従って、使用者によって行なわれる任意のリモコン操作による動作指示に対して、洋風大便器4と排尿情報測定部5との間で、その時の動作状況に応じて各々をどのように動作させるかを規定する連係動作制御を行なう手段が必要であり、そのために本実施例でも、前述したように連係動作制御手段80を設けている。なお、この連係動作制御を行うためには具体的な制御回路が必要となるが、この中継基板81を介して排尿情報測定部5と洋風大便器4とを接続した構成としている。
なお、この中継基板81のように両者の制御回路基板とは別に回路基板を設ける代わりに、連係動作制御の対象となる洋風大便器4の制御手段である便器制御部40、あるいは同じく対象となる排尿情報測定部5の制御手段である計測制御部40の、いずれかの制御回路基板にこの制御回路を一体的に組み込むことも、あるいは、さらに別な実施形態として、これら複数の制御回路を一つの回路基板として構成することも可能である。
本実施例での連係動作制御手段80は、洋風大便器4と排尿情報測定部5との間に制御回路基板として設けられた中継基板81と、尿量計測制御部60に設けられた状態表示手段83aと状態受信手段83b、便器制御部40に設けられた状態表示手段82aと状態受信手段82bと、を備えている。以下にその制御動作について説明する。
状態表示手段82a・83aは、各々洋風大便器4または排尿情報測定部5の動作情報を中継基板81に送信する。中継基板81は送られてきた洋風大便器4または排尿情報測定部5の動作情報を基にして、その時点の動作状態に応じて予め定められた連係動作情報を生成して記憶する。即ち、中継基板81が常時、両者の動作状態を集約して記憶する構成としている。
そして、尿量計測制御部60または便器制御部40は各々の動作を開始するに際しては、各々に設けられている状態受信手段82b・83bによって中継基板81によって生成され記憶された前記の連係動作情報を参照し、洋風大便器4または尿量測定部6の動作を各々予め定められた通りに制御する。前記の連係動作情報は、排尿情報測定装置1全体として干渉動作が予見される時には干渉防止動作に切替を行ったり、駆動信号を遅滞させて伝送する等の整合・調整を行なうことで相互の干渉動作が生じないように予め定められている。
図3は、図2で示した本発明の実施例であり、排尿情報測定装置1の洋風大便器4と排尿情報測定部5の水管路関係の具体的な構成を示したものである。ただし、衛生洗浄装置7の詳細は省略している。
洋風大便器4は排水ソケット15を介して下水配管口16に接続されている。トラップ14によって形成される溜水23には、下水配管との連通を遮断する封水の役割を持たせることで、下水配管内で発生した臭気や害虫がトイレ内に侵入しないよう衛生面に配慮されている。
上水道などの外部給水源からの給水は、装置給水手段12を構成する止水栓121を設けている。給水管路分岐手段である分岐金具131と三方弁132によって、リム吐水口21に向けたリム給水管路311と、ゼット吐水口22に向けたゼット給水管路321と、補水管路331に分岐されて供給されている。
ゼット給水管路321は、ボウル20内の下部のトラップ14に向けて開口したゼット吐水口22に供給されている。
便器洗浄を実施する場合は、ゼット吐水によって誘引したサイホン現象によって溜水23を全て排出した後、リム吐水によってトラップ14の破封水位X2を超え、次いでゼット吐水口22からの給水により測定開始水位Yが得られるようになっている。
測定開始水位を作成する測定開始水位形成動作時には、給水ポンプ324を作動させ、補水タンク322から所定の給水率で所定の時間給水して測定開始水位作成動作の制御を行う。給水動作時間および/または給水率に関する給水制御は、前述の測定開始水位形成制御手段63が行なっている。
補水タンク322への給水は開閉弁323によって実施されるが、所定量はフロートスイッチ325で検知され、万一の動作不良発生時はオーバーフロー管路326によって下水配管口16に向けて排出を行い、装置外への漏水等が発生しないよう配慮されている。
待機中の溜水水位は測定開始水位Yであり、下水配管内で発生した圧力変動によって溜水切れ(破封)が発生する恐れが無いよう、建築基準法施工令に示された50mm以上100mm以下に設定しなければならない。所定量の封水深を確保することにより、下水配管内の臭気がトイレ内にもれたり、害虫がトイレ内に侵入するような、衛生上の問題に注意を計る必要がない。
尿量計測部50には、溜水23の水位を計測するためにボウル20の略底部の内面に設けられた水位計測口から溜水水位計測手段50に連通する計測管路57と、下水配管と連通する下水配管連絡管路522と、が接続されている。計測管路57と洋風大便器4との間には、管路を閉止する止水栓541が設けられている。
尿量計測部50には、測定管路57に接続された測定管511と、溜水23の水位を圧力として計測する水頭圧計測圧力センサ512と、が溜水水位計測手段50として配設されている。
水位測定管511は、溜水23を含めてU字管管路系を形成するために大気に開放された大気開放端514と、トラップタンク551の中に延出され縁切りのための封水中に水没する水封端515と、を有している。そして、圧力センサ512は、溜水23の水位をこのU字管路系の水頭圧として計測するために水位測定管511に設けられた構成となっている。
また、水頭圧計測圧力センサ512は、設置された環境の温度変化やセンサ自身の経時変化によって出力が変化するため、本実施例では圧力センサ512の出力を校正するための計測出力校正手段51bをも備えている。即ち、測定管路57の開閉弁571を閉めた状態で、給水貯留タンク322に貯留された水を、開閉弁582、開閉弁513を経て測定管511に導き、かつ、水封端515からトラップタンク551の中に溢れさせることで水位測定管511の中に一定の高さの水柱を作り出す構成となっている。そして、その一定の高さの水柱を水頭圧計測圧力センサ512によって、出力を計測することで、水頭圧計測圧力センサ512の出力と水位との関係を大気圧を基準とした水位に対応付ける出力校正を行なう。
なお、トラップタンク551は、この出力校正時の測定管511からのオーバーフロー水を下水配管に排出させるために、内部に封水を形成する位置から延出した下水配管連絡管路522で排水ソケット15に接続されて、下水配管との接続管路を水封して縁切りを行なう縁切り手段として機能している。
また、本実施例の排尿情報測定装置1も、溜水23の水位と溜水量との対応関係であり、本発明における検量関係を求める前述した検量関係計測手段53を備えている。従来の排尿情報測定装置にあっては、大洋風大便器4が物理的寸法のバラツキが比較的大きい陶器製である場合、多数のポイントで溜水水位と溜水水位の関係を測定して回帰直線を得ていた。個々の大洋風大便器4に固有の形状的バラツキや、給水圧、気圧などの設置環境や施工現場の床傾きを含む施工バラツキを配慮して、真の検量関係を設置現場で計測して求めていたことになる。
そのために、後述する図4のフローチャートで示す方法により、据付現場において、給水よる溜水23の水位によって発生する水頭圧を水頭圧計測センサ511で水位を計測することによって、溜水水位と溜水量の検量関係が取得されるようになっている。
本実施例において、後述の方法で検量関係が修正できることから、高い精度で測定が必要な場合に、手動作業部分を組み合わせることにより、更新・校正を担うポンプ等の部材の持つ器差・環境温度差によるバラツキによるバラツキを抑制し、安定して検量線を得ることができるようになり、特にメンテナンス時などで排尿情報測定部5を交換しなければならない時に施工・設定にかかる時間も短縮可能である手動検量モードを有している。
なお、溜水水位と溜水量の個体差が小さな場合は検量関係計測手段53全体を省略した構成とし、予め作成した検量線を検量関係記憶手段621に記憶させておき、この検量線を検量線校正手段622によって校正して装置個別の真の検量線としてもよい。素材の各成分配合量と焼成温度を調整した陶器製便器であったり、少なくともボウル部だけを樹脂製とした便器であった場合にこの構成を適用することが可能である。
本発明における下水圧変動量計測手段52としての下水圧計測センサ521はトラップタンク551に取り付けられ、トラップタンク551とソケット15とを連通する下水配管連絡管路522を介して下水配管内で発生している圧力変動状態を、圧力値として計測している。水圧変動補正手段61bによって、この下水圧影響量測定手段52による計測値に基づいて下水圧変動が溜水水位に与える影響量が算出され、溜水水位計測手段51が計測する水位計測値は常に下水圧変動が無い状態の値に換算される補正処理が行われるようになっている。
図4は、本発明の溜水水位と溜水量の検量線を作成するフローチャートである。S101で作成動作を開始する。S102は、詳説しない洋風大便器4の施工作業であり、同じくS103は、詳説しない排尿情報測定部5を洋風大便器4に組み付ける作業である。S104は、装置給水手段12を使用して洋風大便器4と排尿情報測定部5に給水接続する動作である。S105は、ゼット給水装置32を使用してサイホン現象を発生させ、ボウル20内部の溜水23を排出する作業である。
次いでS106で作業者はボウル20に手動で給水を行い、排尿情報測定部5の仕様に従って下限封水まで給水を行う。例えば、空気調和衛生工学会の基準では排水配管内の圧力変動対応として40mm水柱を定めているが、排尿情報測定部5の仕様として排水配管内の圧力変動対応として10mm水柱を定めているのであれば、S107において作業者はトラップ14の水位として10mmとなるように給水を行なう。S108で封水23の状態を確認し、破封が発生するようであれば排尿情報測定部5の要求仕様見達であるから、S201で排水配管に対して通気等の処置を依頼することになる。本ステップまでで準備は完了し、検量線の作成作業に移行する。
S109は検量線を設定する下限値としての所定水位に、トラップ14の封水深を給水する作業である。建築基準法において便器の持つ封水深は50mm乃至100mmとされており、かつ、圧力変動による封水深の下限は封水深が1/2になることが推奨されているため、前記所定水位としては25mm乃至35mm程度が妥当である。S110で繰返し回数を先ず1回目と定め、繰り返すごとに数を増加させる。まずS111で現状の水位を水頭圧計測手段61aで計測する水位測定操作を実施する。S112は水位が安定するまでの時間を待つステップである。例えば友成弘志他;トラップ内の封水流動の数値解析 : 第1報-モデルトラップの封水の固有振動数算定法の検討,空気調和・衛生工学会 論文集,26,82,2001において、溜水23の面積と排水流路の面積によって固有振動数が変化することが記載されており、ボウル20への給水に合わせて溜水23の面積が変化するのだから、安定待ちの時間は変化させても良い。
S112は安定を待って水位を記録するステップである。S114は繰返しが所定回数に達したかを確認するステップであり、未達の場合はS115で定められた所定水量を計測し、S116でボウル20に給水を行う。所定回数の給水を行ったら、検量線を作成するステップS301に移行する。なお、所定回数の給水は、手動給水またはポンプなどを使用した自動給水の任意の手段で行うことができる。本実施例では、高精度検量のための手動検量モードを有しており、本ステップを行う際に手動検量モードと自動検量モードを選択できるようになっている。
S301で検量関係が把握されると、排尿情報測定部5を洋風大便器4に供給される水量を測定できるようになる。S302は精度を確認するステップであり、例えば患者の尿量として推定される200mL、400mL、および、800mLの水を供給し水位の測定を実施し、検量線を作成する。S303は検量線の補正要否を確認するステップであり必要な場合はS304で検量線の手動調整を実施し、再度、S302で精度を確認し、精度が要求仕様を満たしたら検量線作成工程を終了する。S302は、例えば200mLの一定の水量を繰り返しし、休止することで検量線を作成することができる。
洋風大便器4は、上方から溜水23に向けて水平断面積が徐々に小さくなるようなボウル20を有している。そのため、一定の量の給水を繰り返した場合、初期の給水時の水位の変化は大きいが、徐々に水平断面積が大きくなっていくため、水位の変化量も徐々に小さくなり、精度が落ちる可能性がある。より高い測定精度が必要な場合は、供給する水の量を徐々に増加させることにより水位の変化量を大きくまたは維持して検量線を作成することができる。
S305は、洋風大便器4の情報を入力するステップであり、S306は、入力された洋風大便器4の情報と作成された検量線を紐づけて検量線記憶手段621に保存する操作である。S306の操作の後にS307で検量線作成操作を終了する。なお、検量線作成後にS305として洋風大便器4の情報を入力したが、S103の排尿情報測定部取付ステップ時に洋風大便器4の情報を入力してもよい。なお、本実施例では、手動検量モードと自動検量モードを選択可能であるが、自動検量モードを備えず、手動検量モードのみを備えてもよい。
図5は、洋風大便器4を設置したまま、排尿情報測定部5を交換またはメンテナンスする際の検量線に関するフローチャート図である。S501で排尿情報測定部5の交換またはメンテナンスを開始する。排尿情報測定部5の交換またはメンテナンスを行う前に検量線記憶手段621に保存されている洋風大便器4と紐づけられている検量線を、検量線書出し手段622によって取り出す。検量線と同時に測定情報記憶手段62に保存されている計測結果や測定項目なども洋風大便器4に紐づけて取出す。測定項目は、その設置された場所や目的に基づいた単位時間当たりの排泄尿量(尿流率)や尿流時間、ためらい時間などの情報であり、尿量の測定と同時に測定または入力される。検量線の作成後または尿量の測定前に設置された環境や目的に基づいた測定項目を設定し、検量線と同様に洋風大便器4と紐づけしている。医療機関毎で異なる勤務時間帯の問題を配慮した積算時刻帯も対象である。
必要な情報を取り出した後、S503で排尿情報測定部5を取り外し、S504で排尿情報測定部5の交換やメンテナンスを行う。メンテナンスが終了した排尿情報測定部5または交換用の排尿情報測定部5をS505で取り付ける。本ステップは、詳説しない排尿情報測定部5を洋風大便器4に組み付ける作業である。S506で、取り付けた排尿情報測定部5にS503で取り出した保存されている洋風大便器4と紐づけられている検量線データなどの情報を取り込ませる(入力する)。
S507で、取り込んだ検量線に紐づけられた洋風大便器4と排尿情報測定部5が取り付けられている洋風大便器4の情報が一致するか否かの整合性の判定を行う。情報が一致する場合は、S508に取り込まれた検量線の作成日時の確認を行い取り込んだ検量線が有効期間内外であるかを判定する。本ステップは、検量線の作成日時が、別途定めた有効期間内であるかを判定する検量線の有効性判断ステップである。検量線の作成に大きく影響する洋風大便器4の設置状況が変わらない限り、検量線は、大きく変化しないが、尿量測定結果は、設置施設によっては診断や健康管理に利用されるため、測定結果の信頼性を担保するために定期的に検量線の再測定を行うことが望ましい。検量線の再測定は、例えば出願人の経験を踏まえ6か月毎に行うことが好ましく、使用環境や、臨床試験を行う場合などの目的に応じて任意の有効期間を設定することができる。有効期間内であれば、排尿情報測定部5に取り込んだ検量線データを適用し、操作を終了する。なお、検量線以外にも洋風大便器4に紐づけられた計測結果や測定条件情報などのその他の情報もS506で取り込んだ場合は、それらの情報も排尿情報測定部5に適用する。
S507で、検量線に紐づけられた洋風大便器4と排尿情報測定部5が取り付けられた洋風大便器4が不一致であった場合は、不一致であることを状態表示手段83aなどに表示させる。使用者は、別の洋風大便器4に紐づけられた検量線を不一致のまま適用させるためにS508へ進むか、S506に戻り別の検量線を取り込むか、S507aとして図4に記載のように検量線測定モードに進み、検量線を作成することを選択することができる。不一致であっても、検量線と同様に洋風大便器4に紐づけられて取り出された設定項目などは、一度に複数の排尿情報測定装置1を設置する場合に、他の排尿情報測定装置1に取り出された情報に紐づけた洋風大便器4と情報を適用させたい洋風大便器4が異なったとしても適用させることができ、入力の手間や誤入力を抑制することができる。
S508で有効期間外であると判定された場合も有効期間外であることを状態表示手段83aなどに表示させる。使用者は、有効期間外である検量線データをそのままS509で適用させるか、S506に戻り別の検量線データを取り込むか、S508aとして図4に記載のように検量線測定モードとして、検量線を作成することを選択することができる。
本実施形態では、洋風大便器4と紐づけられている検量線を取り出した後に排尿情報測定部5を取り外し交換やメンテナンスを行ったが、排尿情報測定部5取り外した後に検量線の取り出しを行ってもよく、簡易なメンテナンスなどで排尿情報測定部5を取り外す必要ない場合は、検量線を取り出すことなく行うことができる。言い換えれば、必要に応じてS502からS506のステップを短縮または順序を任意に変更することができる。加えて、S508の検量線データの作成日時の有効期限の確認ステップであるS508を短縮または順序を任意に変更することができる。
排尿情報測定装置1は、泌尿器科において単位時間当たりの排尿量を測定して下部尿路の状態を調査したり、病棟において尿量・排尿日誌を便器で自動測定することにより代謝管理を行うものとして活用されている。排尿日誌を作成することは、患者の排泄タイミングを推定することも可能であるため、介護者に排尿タイミングを事前に知らせたり、また、所定タイミングの排泄が無い場合は患者の異常を予知する介護分野での活用も可能である。排泄タイミングが予知できるのであれば、それに合わせた移動経路の照明や温度調節も可能であり、安心・安全な排泄を行うことを促す用途でも活用可能である。
1…排尿情報測定装置
4…洋風大便器
5…排尿情報測定部
6…尿量測定部
7…衛生洗浄装置
7a…衛生洗浄手段
12…装置給水手段
121…止水栓
131…分岐金具
132…三方弁
14…トラップ
141…排水トラップ
15…排水ソケット
16…下水配管口
171…便座
172…背もたれ
18…キャビネット
181…前板
182…側板
183…甲板
20…ボウル
21…リム吐水口
22…ゼット吐水口
23…溜水
30…便器給水手段
31…リム給水手段
311…リム給水管路
32…ゼット給水手段
321…ゼット給水管路
322…補水タンク
323…開閉弁
324…給水ポンプ
325…フロートスイッチ
326…オーバーフロー流路
33…補水手段
331…補水流路
40…便器制御部
41…便器給水制御手段
50…尿量計測部
51…溜水水位計測手段
51a…水頭圧計測手段
51b…計測出力校正手段
511…水位測定管
512…水頭圧計測センサ
513…開閉弁
514…開放端(水位測定管)
515…水封端(水位測定管)
52…下水圧変動量計測手段
521…下水圧計測センサ
522…下水配管連絡管路
53…検量関係計測手段
541…止水栓(給水源側)
55…下水配管縁切り手段
551…トラップタンク
57…計測管路
57a…計測管路開閉手段
571…開閉弁
581…尿量計測部給水管路
582…開閉弁
60…尿量計測制御部
61…尿量情報算出手段
61a…溜水量算出手段
61b…下水圧変動補正手段
62…測定情報記憶手段
621…検量線記憶手段
622…検量線書出手段
63…測定開始水位形成制御手段
70…操作・表示部
71…リモコン(便器部用)
72…リモコン(排尿情報測定部用)
73…プリンター
74…測定値入力手段
80…連係動作制御手段
81…中継基板
82a…状態表示手段(便器部用)
82b…状態受信手段(便器部用)
83a…状態表示手段(尿量測定部用)
83b…状態受信手段(尿量測定部用)
E…(水頭圧計測センサ512の)センサ出力
H…溢流水位
W…満水水位(トラップ14用)
X1…空水位
X2…封水水位
Y…測定開始水位

Claims (5)

  1. 使用者の排尿を受けると共に溜水が形成されたボウル面を備える水洗大便器と、水を供給することにより前記ボウル面を洗浄するとともに前記溜水を下水配管に排出する洗浄水供給手段と、一端が前記ボウル面に開口して前記溜水に連通した測定管路を備え前記溜水の水位を測定する溜水水位測定手段と、前記溜水水位測定手段で得られる溜水水位の排尿に伴う変化量と予め記憶された検量線とから排泄された尿量を求める尿量算出手段とを有する排尿情報測定部とを備える、排尿情報測定装置において、前記検量線作成時に前記水洗大便器の情報と作成された検量線の情報を紐づけて保存することを特徴とする排尿情報測定装置。
  2. 前記検量線に加えて尿量測定の項目情報を水洗大便器に紐づけて保存することを特徴とする請求項1に記載の排尿情報測定装置。
  3. 前記検量線の作成日時から所定の有効期間内であるかを判断する検量線データの有効性判断手段を有することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の排尿情報測定装置。
  4. 前記検量線作成手段は、作業者の動作で溜水量を変化させることによって前記溜水の水位を変化させる手動検量モードを有し、前記動作によって溜水量を変化させたときの溜水水位を前記溜水水位測定手段で測定して所定時間の放置によって得られる、溜水量と溜水水位との関係から前記検量線を作成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の排尿情報測定装置
  5. 前記手動検量モードの溜水水位の変化を所定の回数行うことにより、溜水量と溜水水位との関係から前記検量線を作成し、前記溜水水位の変化量を変化させることを特徴する請求項4に記載の排尿情報測定装置。
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