JP2021134000A - 物流用ボックス及び物流用ボックス収容体 - Google Patents

物流用ボックス及び物流用ボックス収容体 Download PDF

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Hitoshi Yoshimi
仁志 吉見
康之 浅井
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康之 浅井
光洋 斉藤
Mitsuhiro Saito
光洋 斉藤
翔 中村
Sho Nakamura
翔 中村
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【課題】緩衝材を入れて隙間を埋めたり粘着テープで封印したりする梱包作業が不要で、荷物の配送に繰り返し使用することが可能な物流用ボックス及び物流用ボックス収容体を提供する。【解決手段】物流用ボックス収容体に設けられた複数の物流用ボックス30は、それぞれ荷物を収容する収容空間41と電子錠を有する開閉扉32とを有する。収容空間41内には、第1袋状体33が設けられている。第1袋状体33は、収縮することで収容空間41を形成する天井面42に寄せられた待機状態と、内部にエアが導入されることにより膨張し、収容空間41に収容された荷物をその上方から押さえ付ける押さえ状態とに変更可能となっている。【選択図】 図3

Description

本発明は、物流用ボックス及び物流用ボックス収容体に関する。
荷物を配送するための梱包資材として、段ボール等の紙製梱包箱を用いることが主流となっている。紙製梱包箱を用いる場合、粘着テープを用いて組み立てた後、そこに、送付対象となる荷物を緩衝材で包んで入れたり、荷物と紙製梱包箱内面との間の隙間を緩衝材で埋めたりして荷物が梱包される。配送後に開封された後、紙製梱包箱は解体されて廃棄されたりリサイクル処理用として回収されたりする。一方、荷物を包んでいたり隙間を埋めていたりしていた緩衝材は廃棄される。
段ボール等の紙製梱包箱は断熱性能に劣り、組立てや解体作業も煩雑であるとし、それらの課題を解消すべく、エア充填された多数の袋状部を用いて形成された梱包資材が提案されている(特許文献1参照)。この梱包資材を用いた場合、袋状部に充填されたエアによって断熱性が高められ、また、袋状部同士の接続部によって簡単に折り曲げることができるため、組み立てや解体作業も容易となると指摘されている。
国際公開第2018/225758号公報
段ボール等の紙製梱包箱であっても、それに代わる上記梱包資材でも、荷物を配送する場合には組み立て作業等の梱包作業が必要となる。また、いったん使用したものは、リサイクル処分又は廃棄処分されることが想定されている。そのため、梱包作業が必要であったり、リサイクルや廃棄する必要があったりするという点での煩雑さは解消されていない。
本発明は、上記事情に鑑み、緩衝材を入れて隙間を埋めたり粘着テープで封印したりする梱包作業が不要で、荷物の配送に繰り返し使用することが可能な物流用ボックス及び物流用ボックス収容体を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、第1の発明の物流用ボックスでは、
荷物を収容する収容空間と、前記収容空間に連通して荷物を出し入れする開口部とが形成されたボックス本体と、
前記開口部を開閉するとともに、閉状態で施錠可能な開閉扉と、
前記収容空間内に設けられ、前記収容空間を形成する前記ボックス本体の壁部に寄せられた待機状態と、前記待機状態から前記収容空間に収容された前記荷物を押さえ付ける押さえ状態とに変更可能な物押さえ部と、
前記収容空間に前記荷物が収容された場合に、前記物押さえ部の状態を変更させる状態変更手段と、
を備えたことを特徴とする。
第2の発明の物流用ボックスでは、前記物押さえ部は、流体が内部に導入されることにより前記待機状態から前記荷物の側へ向けて突出するように膨張し、内部の流体を排出することにより前記待機状態まで収縮する袋状体であることを特徴とする。
第3の発明の物流用ボックスでは、前記袋状体が配置される前記壁部には、当該壁部と前記袋状体とに挟まれるようにして押圧受止め部材が設けられており、
前記押圧受止め部材は、前記収容空間に前記荷物が収容された状態で前記袋状体が前記物押さえ状態となる場合に、前記袋状体による前記壁部への押圧を受け止めることを特徴とする。
第4の発明の物流用ボックスでは、前記壁部の一部に補強部が設けられ、
前記補強部に前記押圧受止め部材が取り付けられていることを特徴とする。
第5の発明の物流用ボックスでは、前記押圧受止め部材の両端は前記補強部に取り付けられ、前記収容空間の側に向けて凸となるように撓んでいることを特徴とする。
第6発明の物流用ボックスでは、前記状態変更手段は、遠心ポンプと、容積式ポンプと、前記袋状体の内部圧力を検知する圧力検知部と、前記遠心ポンプ及び前記容積式ポンプの駆動をそれぞれ制御するポンプ制御部とを有し、
前記袋状体を前記待機状態から前記押さえ状態に変更する場合に、前記ポンプ制御部は、前記遠心ポンプを前記容積式ポンプよりも先に駆動して前記袋状体の内部に流体を導入し、前記圧力検知部によって検知された圧力値が所定の閾値を超えた場合に、前記遠心ポンプに代えて前記容積式ポンプを駆動し、前記容積式ポンプを用いて前記袋状体の内部に流体を導入するよう制御することを特徴とする。
第7の発明の物流用ボックスでは、前記袋状体は、前記ボックス本体の壁部のうち、前記荷物が置かれる床側と反対側の天井側に設けられた壁部から前記床側に向かって柱状をなすように膨張可能なものであり、かつ複数設けられていることを特徴とする。
第8の発明の物流用ボックスでは、前記天井側の壁部において当該壁部の側縁側に設けられ、流体が内部に導入されることにより床面の側に向けて膨張する複数の補助袋を有していることを特徴とする。
第9の発明の物流用ボックスでは、
前記物押さえ部は、前記ボックス本体の壁部に寄せられた前記待機状態で前記ボックス本体の壁部と対峙するように延びる帯状体であり、
前記帯状体を前記待機状態と前記物押さえ状態との間で移動させる駆動機構を備えたことを特徴とする。
第10の発明の物流用ボックスでは、前記物押さえ部が押さえ状態にある場合に、前記荷物の押さえ付けの強度を調整する押さえ強度調整手段を備えたことを特徴とする。
第11の発明の物流用ボックス収容体は、
上記第10の発明の物流用ボックスを複数備え、
前記複数の物流用ボックスはそれぞれがボックス収容部に取り出し可能に収容されており、
前記複数の物流用ボックスがそれぞれ有する前記状態変更手段及び前記押さえ強度調整手段が共通化されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、荷物を送る場合は、収容空間に荷物を収容した後、物押さえ部を押さえ状態に変更させることにより、荷物は物押さえ部によって押さえ付けられて固定される。この場合、緩衝材を入れて隙間を埋めたり粘着テープで封印したりする梱包作業が不要となる。物押さえ部を待機状態に変更すれば、荷受人は収容空間から荷物を取り出すことができる。空になった物流用ボックスは、再び別の荷物を受け入れることができるし、廃棄される緩衝材も生じない。そのため、廃棄物が生じることなく荷物の配送に繰り返し使用できる。これにより、段ボール等の梱包資材を用いた場合と異なり、ゴミの削減やリサイクルコストの低減に寄与できる。
第2の発明によれば、流体の給排によって物押さえ部としての袋状体が押さえ状態と待機状態とに変更されるため、両状態への相互の変更において、機械的な駆動機構を必要としない。機械的な駆動機構が必要となれば、構成の複雑化を招き、また、駆動機構を設置するだけのスペースも必要となって収容空間がその分狭くなってしまう。その点、流体の給排によって膨張、収縮する袋状体を用いることで、物流用ボックスの構成を簡素化したり、収容空間における収容スペースを確保したりすることができる。
第3の発明によれば、膨張状態にある袋状体から壁部の側に向かって生じる押圧力は、壁部と袋状体との間に設けられた押圧受止め部材によって受け止められ、その押圧力が壁部に作用することを防止できる。これにより、膨張する袋状体から受ける押圧力に耐えられるだけの強度や剛性を壁部に確保させる必要がなくなり、物流用ボックスの軽量化を図ることができる。
第4の発明によれば、押圧受止め部材に加えられた押圧力は、押圧受止め部材が取り付けられた補強部に作用するため、その押圧力が壁部の板面に作用することを防止できる。
第5の発明によれば、補強部間の壁部に膨張する袋状体から押圧力が作用することを防止できる。そのため、ボックス本体が直方体形状をなして四角形状をなす壁部を有し、壁部の辺部分に補強部が設けられている場合は、壁部全体に対して袋状体から押圧力が作用することを防止できる。
第6の発明によれば、袋状体へ流体を導入する際に、導入当初で袋状体の内部圧力が比較的低い場合は、大きな吐出流量が得られる遠心ポンプによってまず流体が袋状体に導入される。その後、袋状体の膨張が進んで袋状体の内部圧力が高圧状態となると、そのような高圧状態でも流体導入可能な容積式ポンプによって流体が導入される。このように、導入圧力が低くてもよい流体導入の当初と、閾値まで内部圧力が高められた段階とで流体を導入するポンプを使い分けることにより、袋状体へ短時間で効率よく流体を導入することができる。
第7の発明によれば、収容空間を形成する天井側から床側に向かって柱状をなすように膨張する袋状体が複数設けられている。これら複数の袋状体によって荷物が押さえ付けられるため、一つの袋状体によって広範囲に押さえ付けるよりも、複数の袋状体一つ一つの押さえ付ける力を強めることができる。これにより、荷物をより確実に固定できる。
第8の発明によれば、複数の補助袋が荷物と収容空間を形成する壁部との間の隙間に入り込み、緩衝材としても機能する。荷物を押さえつけるだけでなく、荷物の周囲に緩衝材が設けられるため、荷物をより確実に固定できる。
第9の発明によれば、帯状体によって荷物が押さえ付けられることにより、流体が導入されて膨張した袋状体による押さえ付けよりも、より強固に荷物を押さえ付けることが可能となる。そのため、金属や樹脂製品等の強度や重さが比較的大きい荷物である場合に、収容空間内に荷物を固定する方法として好適となる。
第10の発明によれば、物押さえ部による荷物の押さえ付けが過剰になって荷物が破損したり、物押さえ部が袋状体である場合に流体の過剰供給によって破れてしまって、荷物を固定できなくなったりすることを防止できる。
第11の発明によれば、物流用ボックスが複数ある場合に、荷物が収容された物流用ボックスをボックス収容部から取り出すことで、当該物流用ボックスだけを配送することができる。これにより、物流用ボックスごとにそれぞれの配送先へ配送することができる。また、状態変更手段及び押さえ強度調整手段が共通化されていることにより、物流用ボックスそれぞれの構成を簡素化、軽量化することができる。
物流の全体像を示す概略図。 第1実施形態の物流用ボックス収容体を示す概略図。 第1実施形態の物流用ボックスを示す斜視図。 第1実施形態の袋状体が膨張して押さえ位置にある状態を示す斜視図。 第1実施形態の管理制御装置の電気的構成を示すブロック図。 第1実施形態における配送受付処理を示すフローチャート。 第1実施形態における解錠認証処理を示すフローチャート。 第2実施形態の物流用ボックス収容体を示す概略図。 第2実施形態の物流用ボックスのボックス本体及び開閉扉の構造を示す斜視図。 第2実施形態の物流用ボックスにおいて、ボックス本体に設けられた袋状体及び押圧受止め板を示す斜視図。 第2実施形態の物流用ボックスにおいて、ボックス本体内の袋状体の配置とエア給排装置との接続構成を示す側断面。 第2実施形態の物流用ボックスにおいて、袋状体へエアを給排する構成を示すブロック図。 第2実施形態の物流用ボックスにおいて、開閉扉が開かれた状態の正面図。 第2実施形態の物流用ボックスにおいて、袋状体が膨張して荷物を押さえ付けている様子を説明する説明図。 物押さえ部の別形態を示す概略図。
以下、本発明を具体化した一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
はじめに、本実施形態の物流用ボックス収容体を使用して行われる物流の全体像について説明する。
図1に示すように、物流用ボックス収容体10,80は、スーパーやコンビニエンスストア等の店舗、駅構内、大規模集合住宅等に設けられた集配ステーション61−1〜61−n(nは2以上の整数)に設置される。集配ステーション61−1〜61−nには、複数の物流用ボックス30が設置された物流用ボックス収容体10,80が設けられている。物流用ボックス収容体10,80は、複数の物流用ボックス30,90をそれぞれ収容する複数のボックス収容部23を有している。なお、図1では、物流用ボックス30,90とボックス収容部23とを区別するため、物流用ボックス30,90にはハッチングを付している。また、図1には、物流用ボックス30,90が設けられていないボックス収容部23が示されている。これは一例を示しており、すべてのボックス収容部23に物流用ボックス30,90が設けられていてもよいし、空のボックス収容部23がある場合でもその数や位置は任意である。
荷送人は、発送しようとする荷物Nを特定の集配ステーション61−1に持参した上で、特定の物流用ボックス30,90に荷物Nを収容して預け入れる。以下、荷物Nが預け入れられた物流用ボックス30,90を、荷入りボックス30a,90aとする。荷物Nを預け入れる際、物流用ボックス収容体10,80に設けられた管理制御装置13,82を用いて、荷送人によって宛先や物品名等の配送情報を入力する配送受付処理が行われる。配送受付処理がされると、荷入りボックス30a,90aの識別情報と配送情報とが、管理制御装置13,82から運送業者のサーバ62等の外部サーバに送信される。
運送業者は、荷入りボックス30a,90aをボックス収容部23から取り出し、各集配ステーション61−1〜61−nから荷入りボックス30a,90aを集荷する。集荷された荷入りボックス30a,90aは所定の集荷場に運ばれ、そこで各荷入りボックス30a,90aの宛先近くの集配ステーション61−1〜61−nごとに仕分けされる。仕分けされた荷入りボックス30a,90aは配達先の集配ステーション61−2に運ばれ、配達員は配達した荷入りボックス30a,90aを物流用ボックス収容体10,80のうち、空いたボックス収容部23に収容し、配達を完了する。配達が完了すると、配達完了情報が外部サーバから荷受人に送信され、荷受人は自らに宛てた荷物Nが届いたことを把握する。
荷受人は、荷入りボックス30a,90aが収容された集配ステーション61−2に赴き、管理制御装置13,82を用いて解錠認証処理を行う。これにより、荷入りボックス30a,90aが解錠され、荷受人は荷物Nを受け取ることができる。荷物Nが受け取られて空になった物流用ボックス30,90はそのまま物流用ボックス収容体10,80に置かれ、荷受用の物流用ボックス30,90として再度利用される。
[第1実施形態]
次に、以上の物流に用いられる、第1実施形態の物流用ボックス収容体10及び物流用ボックス30について説明する。
図2に示すように、物流用ボックス収容体10は、棚フレーム11と、エア給排装置12と、管理制御装置13とを備えている。なお、物流用ボックス収容体10は、台車に載せられる場合もある。台車に載せられた場合には、台車を利用して物流用ボックス収容体10を移動させることが可能となる。例えば、荷入りボックス30aだけを取り出すのではなく、物流用ボックス30の全部または一部が荷入りボックス30aとなった物流用ボックス収容体10をそのまま輸送トラックへ積んで運搬したり、運搬先(集荷場や集配ステーション61−1〜61−n等)で輸送トラックから荷下ろしたりすることが容易となる。
棚フレーム11は、スチールやステンレス材等の金属材料によって形成された縦材21や横架材22が多数組み合わされ、立方体形状又は直方体形状をなすように形成されている。棚フレーム11には、複数又は多数のボックス収容部23が設けられている。各ボックス収容部23の奥行きは統一されている。一方、各ボックス収容部23の正面開口部24の大きさは統一されておらず任意である。縦、横、高さの寸法が同じ正面開口部24を有するもの、各寸法が他と異なる正面開口部24を有するものがそれぞれ設けられている。なお、図2は組み合わせの一例を示したものである。
各ボックス収容部23の全部又は一部には、物流用ボックス30が収容されている。図2では、例示として、物流用ボックス30が収容されていないボックス収容部23も示されている。物流用ボックス30の外形は、物流用ボックス30が収容されたボックス収容部23の形状と略同じである。物流用ボックス30は、正面開口部24からボックス収容部23に入れることで当該ボックス収容部23に収容されている。いったんボックス収容部23に収容された物流用ボックス30を正面側へ引き出すことにより取り出したり、正面開口部24から再び収容したりすることが可能となっている。
物流用ボックス30は、図3及び図4に示すように、ボックス本体31と、開閉扉32と、物押さえ部としての袋状体33,34とを有している。
ボックス本体31は、ポリプロピレン等の樹脂又はスチールやステンレス材等の金属材料により形成されている。収容本体としてのボックス本体31は、図3に示すように、有底筒状をなす箱体であり、内部に収容空間41が設けられている。収容空間41はボックス本体31を形成する壁部によって、天井面42、床面43、左右の側面44及び奥側の面(図示略)を有して形成され、床面43には配送される荷物Nが置かれる。なお、床面43には緩衝材シート(図示略)が設けられていてもよい。開閉扉32は、ボックス本体31の正面開口部45を開閉する。開閉扉32には、電子錠35が設けられている。
袋状体33,34は非伸縮性の樹脂フィルムを素材とし、収縮時には収容空間41内の天井面42側に寄せた位置に設けられている。図4に示すように、袋状体33,34は、その内部にエア等の流体が導入されると、天井面42から床面43側に向かって突出し、柱状をなすように膨張する。膨張した袋状体33,34の内部からエアを排出すると、袋状体33,34は収縮し、元の天井面42側に寄せた位置に戻る。なお、本実施形態では、流体としてエアが用いられる。
図2に戻り、物流用ボックス30には、このような各袋状体33,34に対して個別にエア給排を行うための第1流通路36が形成されている。第1流通路36には開閉弁37が設けられ、開閉弁37の開閉動作により、第1流通路36は開放されたり閉鎖されたりする。また、各袋状体33,34には、それぞれの内部のエア圧力を検出する圧力センサ38が設けられている。
図3及び図4に示すように、袋状体33,34は複数設けられている。複数の袋状体33,34は、複数の第1袋状体33と、複数の第2袋状体34とで構成されている。複数の第1袋状体33は、天井面42の中央部周辺に設けられている。各第1袋状体33は、天井面42及び床面43と平行をなす下端面を有している。複数の第2袋状体34は、膨張した際の横断面積が第1袋状体33よりも小さく、天井面42の側縁側に、その側縁に沿って設けられている。第2袋状体34は補助袋にも相当する。なお、図3及び図4では、第1袋状体33については2つ設けられ、第2袋状体34については片側に3つずつ設けられた構成が示されているが、これは一例であって、各袋状体33,34の数は任意である。
再度図2に戻り、エア給排装置12は、エアポンプ、吸引装置及び切替弁(いずれも図示略)等を有して構成され、棚フレーム11の外側に設置されている。エア給排装置12は、ボックス収容部23に収容された物流用ボックス30において、その袋状体33,34へのエア給排を行うための装置である。棚フレーム11には、エア給排装置12と、ボックス収容部23に収容された物流用ボックス30の第1流通路36との間を接続する第2流通路25が設けられている。第1流通路36と第2流通路25とは、各物流用ボックス30が有する複数の袋状体33,34それぞれに対して個別にエアを給排可能となるように、数や経路が形成されている。なお、図2では、第2流通路25が簡略化されている。
エア給排装置12は、物流用ボックス収容体10に設置された複数の物流用ボックス30それぞれについて選択的にエアの給排を行うことが可能となっている。その上、個別の物流用ボックス30においても、各袋状体33,34それぞれについて選択的にエアの給排を行うことが可能となっている。
物流用ボックス30が有する各袋状体33,34が収縮し、天井面側に寄せた位置にある状態(これを待機状態とする。)で、エア給排装置12が、各袋状体33,34の内部にエアを供給する供給状態に切り替えられると、各袋状体33,34は床面側に向けて突出すように柱状に膨張する。図4に示すように、各第1袋状体33が膨張すると、その下端面が収容空間41の床面43に置かれた荷物Nの上端部に当接し、荷物Nが各第1袋状体33によって上方から押さえ付けられる。この状態を押さえ状態とする。また、各第2袋状体34は、荷物Nと収容空間41の左右の側面44との間の隙間に入り込みながら床面43側まで突出し、荷物Nの周囲に配置されるとともに、荷物Nが各第2袋状体34によって側方から押さえ付けられる。この状態も押さえ状態とする。一方、エア給排装置12が、膨張状態にある各袋状体33,34の内部からエアを排出する排出状態に切り替えられると、各袋状体33,34は収縮して元の待機状態に復帰する。エア給排装置12は状態変更手段に相当する。
図2に示す管理制御装置13は、物流用ボックス収容体10における各種制御、例えば、電子錠35の施解錠動作、エア給排装置12のエア給排動作、配送受付処理、荷物Nの配送情報管理等を司る。管理制御装置13は、図5に示すように、管理制御部51と、記憶部52と、送受信部53と、入力部54と、表示部55とを備えている。管理制御部51はCPU等で構成されるマイクロコンピュータであり、記憶部52と、送受信部53と、入力部54と、表示部55とにそれぞれ接続されている。
管理制御部51は、エア給排装置12並びに個々の物流用ボックス30に設けられた電子錠35、第1流通路36に設けられた開閉弁37及び圧力センサ38とも接続されている。管理制御部51は、エア給排装置12によるエア給排、電子錠35による施解錠、開閉弁37の流路開閉をそれぞれ制御する。また、各袋状体33,34にエアを供給して膨張させる際には、圧力センサ38によって検出された圧力値が管理制御部51に逐次入力される。エア給排装置12の動作を制御する管理制御部51も、状態変更手段に相当する。
記憶部52には、管理制御部51が行う制御処理の実施プログラム、袋状体33,34の内部圧力の閾値、解錠認証情報、荷物Nに関する配送情報、集配ステーション61−1〜61−nの識別情報及び個々の物流用ボックス30の識別情報等が記憶されている。圧力センサ38から逐次入力される圧力値も、この記憶部52に記憶される。
解錠認証情報とは、複数桁の数字、記号、アルファベット等の文字が組み合わされてなるパスワードであり、文字列それ自体、バーコードやバーコードの一種であるQRコード(登録商標)等にコード化されたものである。解錠認証情報は、指紋、虹彩、顔等の生体認証情報であってもよい。解錠認証情報は、荷物Nが収容空間41に収容されて開閉扉32が閉じられた際に、管理制御装置13が実施する配送受付処理において荷送人によって任意に設定されたり、自動的に発行されたりする。解錠認証情報は、電子錠35の解錠認証のために利用される。
配送情報は、荷送人の住所及び氏名、荷受人の住所及び氏名、荷物Nの物品名、荷送人から荷受人に宛てた伝言メッセージ等、物流用ボックス30に収容された荷物Nの配送に関する情報である。配送情報は、入力部54を用いて入力されたり、外部装置、例えば運送業者のサーバ62、荷送人が保有するスマートフォンやタブレット等の携帯情報端末から、送受信部53を通じて入力されたりする。配送情報の入力にあたっては、入力された情報が表示部55に表示される。
袋状体33,34の内部圧力の閾値は、収容空間41に収容された荷物Nが第1袋状体33及び第2袋状体34によって押さえ付けられる場合に、その押さえ付けが過剰にならないように、また、各袋状体33,34がエアの過剰供給によって破れてしまわないような値に設定されている。なお、閾値は、収容された荷物Nの種類等によって変更してもよい。例えば、荷物Nが傷ついたり破損しやすかったりするもの(精密機器、生鮮食料品、紙製箱に入れられた物品等)であった場合は、閾値を比較的に低めに設定することが好ましい。荷物Nが壊れにくいもの(書籍、樹脂や金属等からなる物品本体等)であった場合は、閾値を比較的高めに設定することが好ましい。この場合、荷物Nの種類等を閾値と紐づけたテーブルが予め記憶部52に記憶されている。管理制御装置13は、荷物Nの物品名情報に応じた閾値を記憶部52から読み出して設定する。
送受信部53は、前記外部装置との間で情報を送受信する。入力部54は、タッチパネル、画像読取装置等であり、入力部54を用いて配送受付処理や解錠処理において入力が求められる各種情報が入力される。表示部55は、タッチパネル式の入力部54と兼用のディスプレイ、入力部54とは別に設けられたモニタ等であり、配送受付処理や解錠処理を実施する上での画面表示がなされる。
管理制御装置13の管理制御部51は、図6のフローチャートに示す配送受付処理及び図7のフローチャートに示す解錠認証処理を実施する。これらの制御処理は、入力部54を用いて荷送人による開始操作が行われた場合に実行される。
初めに、配送受付処理について説明する。図6に示すように、ステップS11において、物流用ボックス30の選択処理が行われる。ここでは、物流用ボックス収容体10に設けられた複数の物流用ボックス30のうち、空いている物流用ボックス30の番号をモニタに表示する。荷送人が入力部54を用いて所定の物流用ボックス30を選択することで、この処理は終了する。
続くステップS12では、荷物預入処理を行う。ここでは、選択された物流用ボックス30について電子錠35を解錠するとともに、入力部54に預入完了ボタンを表示させる。この段階で、荷送人は、選択した物流用ボックス30の収容空間41に荷物Nを入れ、床面43の中心部に置く。次いで、荷送人は、開閉扉32を閉じ、入力部54に表示された預入完了ボタンを操作する。
その後、ステップS13にて、預入完了ボタンが操作されたか否かを判定し、操作された場合には、次のステップS14に進み、配送情報入力処理を行う。ここでは、入力部54を用いて、荷送人の住所及び氏名、荷受人の住所及び氏名、荷物Nの物品名、荷送人から荷受人に宛てた伝言メッセージ等を順次入力したり、荷送人が保有する携帯情報端末や外部サーバに記憶されている配送情報を受信したりするようにしてもよい。入力された配送情報は記憶部52に記憶する。
次のステップS15では、解錠認証情報の設定処理を行う。ここでは、入力部54を用いて荷送人が任意の文字列を設定したり、自動的に発行したりする。解錠認証情報を自動発行する場合は、任意の文字列を組み合わせたものを自動発行する他、バーコードやバーコードの一種であるQRコード(登録商標)等を発行してもよい。荷送人により設定されたり自動発行されたりした解錠認証情報を表示部55に表示するともに、ステップS14での配送情報入力処理にて、予め登録された電子メールアドレス宛に送信される。
続くステップS16では電子錠35の施錠を行い、その後のステップS17にて荷物Nの固定処理を行う。ここでは、選択された物流用ボックス30において、第1流通路36に設けられた開閉弁37を開状態に切り替え、さらに、エア給排装置12を駆動して第2流通路25及び第1流通路36にエアを供給する。これにより、当該物流用ボックス30の各袋状体33,34にエアが供給され、各袋状体33,34は、図4に示すように、天井面42側から床面43側に向けて膨張する。
各第1袋状体33が膨張するとそれぞれの下端面が荷物Nの上端に当接し、さらに膨張することで荷物Nは上方から押さえ付けられる。これにより、荷物Nが収容空間41内で固定される。各第2袋状体34が膨張すると、荷物Nと収容空間41の左右の側面44との間の隙間に入り込みながら床面43側まで突出し、荷物Nの周囲に配置されるとともに、荷物Nが各第2袋状体34によって側方から押さえ付けられる。これら第2袋状体34は緩衝材としても機能する。
各袋状体33,34にエアを供給して膨張させる際には、圧力センサ38から圧力値が入力される。入力された圧力値が閾値を超えた場合、エア給排装置12を制御して、閾値を超える圧力値が検知された袋状体33,34へのエア供給を停止させる。エア供給が停止された袋状体33,34については、当該袋状体33,34につながる第1流通路36の開閉弁37を閉状態に切り替える。これにより、当該袋状体33,34は膨張した状態が保持される。そのため、管理制御部51は押さえ強度調整手段に相当する。
続いて、ステップS18に進み、受付完了情報の発信処理を行う。ここでは、配送受付された荷入りボックス30aを特定する識別情報、配送受付済を示す情報、配送情報、解錠認証情報等の荷入りボックス30aに関する情報を、運送業者のサーバ62等の外部サーバに送信し、配送受付処理を終了する。外部サーバが取得した配送情報は、運送業者による荷入りボックス30aの集荷、仕分け、配送等のために用いられる。なお、配送情報や解錠認証情報は、配送情報のうちの荷受人の住所情報に基づいて、荷入りボックス30aの配送先となる特定の集配ステーション61−1〜61−nの管理制御装置13にも送信される。
次に、解錠認証処理について説明する。解錠認証処理は、配送受付処理がされた物流用ボックス収容体10とは異なり、荷入りボックス30aが配送された先の集配ステーション61−2に置かれた物流用ボックス収容体10において行われる。解錠認証処理が行われる物流用ボックス収容体10では、配送受付処理がされた物流用ボックス収容体10から外部サーバを介して解錠認証情報とそれに紐づけられた荷入りボックス30aの識別情報を取得し、これらの情報が管理制御装置13の記憶部52に記憶されている。
図7に示すように、ステップS21では、解錠認証番号の入力画面を表示部55に表示する。荷受人は、解錠認証情報が文字列であれば入力部54のタッチパネル式ボタンを用いて入力し、バーコードであればそれを入力部54の画像読取装置に読み取らせることによって入力する。なお、荷受人は、口頭、電子メール、SNS(Social Networking Service)等を用いて荷送人から伝達されることで解錠認証情報を知る。
続くステップS22にて、入力された情報が記憶部52に記憶された解錠認証情報と一致するか否かを判定し、一致しない場合は判定を否定してステップS23に進む。ステップS23では、認証NGであることを表示部55に表示し、解錠認証処理を終了する。一方、一致する場合は判定を肯定してステップS24に進む。ステップS24では、解錠認証情報と紐づけられた荷入りボックス30aの電子錠35を解錠する。それとともに、エア給排装置12を制御して、解錠認証処理がなされた荷入りボックス30aにおいて、袋状体33,34からエアを排気させて収縮させる。これにより、荷物Nの押さえ付けや周囲に緩衝用の第2袋状体34が存在しなくなる。電子錠35が解錠され、袋状体33,34が収縮することにより、荷受人は、荷入りボックス30aの開閉扉32を開いて中の荷物Nを取り出すことが可能となる。
続くステップS25では、配送情報に伝言メッセージが含まれるか否かを判定し、含まれない場合は判定を否定してステップS27に進む。一方、伝言メッセージが含まれる場合は判定を肯定して次のステップS26に進み、表示部55に伝言メッセージを表示したり、登録された電子メールアドレスに対して伝言メッセージを送信したりする。
ステップS26に続いて、又は先のステップS25で判定を否定された場合はステップS27に進み、配送完了処理を行う。ここでは、荷入りボックス30aとされていた物流用ボックス30は空になったとして、配送受付処理を行う上で当該物流用ボックス30を選択可能とする。併せて、受領完了情報を外部サーバに送信する。これにより、空になった物流用ボックス30はそのまま物流用ボックス収容体10に置かれ、荷受用の物流用ボックス30として再度利用される。また、運送業者は荷物Nの受領が完了したことを把握できる。
以上詳述したように、第1実施形態の物流用ボックス収容体10によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)天井面42側に設けられた第1袋状体33へのエアの導入により第1袋状体33が膨張すると、物流用ボックス30の収容空間41に収容された荷物Nは、膨張した第1袋状体33によって上方から押さえ付けられ、その状態で保持される。これにより、荷物Nは収容空間41に置かれた状態で固定されるため、緩衝材を入れて隙間を埋めたり粘着テープで封印したりする荷物Nの梱包作業が不要となる。
また、物流用ボックス30が所定の集配ステーション61−1〜61−nの物流用ボックス収容体10へ運搬された後、膨張した第1袋状体33に導入されたエアを排出して収縮させれば、荷受人は、収容空間41から荷物Nを取り出すことができる。その後、空になった物流用ボックス30は、再び別の荷物Nを受け入れることができるし、廃棄される緩衝材も生じない。そのため、廃棄物が生じることなく、荷物Nの配送に繰り返し使用することができる。これにより、段ボール等の梱包資材を用いた場合と異なり、ゴミの削減やリサイクルコストの低減に寄与できる。
(2)物流用ボックス30が複数設けられた物流用ボックス収容体10において、荷物Nが収容された荷入りボックス30aをボックス収容部23から取り出すことで、当該荷入りボックス30aだけを配送することができる。これにより、複数の収容空間41が設けられた物流用ボックス収容体10でも、物流用ボックス30ごとにそれぞれの配送先である集配ステーション61−1〜61−nへ配送し、配送先にある物流用ボックス収容体10のボックス収容部23に収容できる。再収容された荷入りボックス30aに対して、物流用ボックス収容体10の管理制御装置13を利用して解錠認証処理を行える。
また、物流用ボックス30ごとにエア給排装置12や管理制御装置13が設けられているのではなく、複数の物流用ボックス30についてそれらが共通化されているため、物流用ボックス30それぞれの構成を簡素化、軽量化することができる。これにより、集荷、仕分け、配送作業が行いやすい。
(3)荷物Nを押さえ付ける物押さえ部として、内部へのエアの給排による膨張、収縮する第1袋状体33及び第2袋状体34が用いられている。この場合、荷物Nを押さえ付けたり元の位置に戻したりする動作を行わせる上で、大掛かりな機械的な駆動機構を必要としない。大掛かりな機械的な駆動機構が必要となると、構成の複雑化を招き、また、駆動機構を設置するだけのスペースも必要となるため、収容空間41もその分狭くなってしまう。その点、エアの給排によって膨張、収縮する第1袋状体33及び第2袋状体34を用いることで、物流用ボックス30のボックス本体31の構成を簡素化したり、収容空間41の収容スペースを確保したりすることができる。
(4)収容空間41を形成する天井面42側から床面43側に向かって柱状をなすように膨張する第1袋状体33及び第2袋状体34が複数設けられ、これら各第1袋状体33及び各第2袋状体34によって荷物Nが押さえ付けられる。そのため、一つの袋状体によって広範囲に押さえ付けるよりも、複数の第1袋状体33及び複数の第2袋状体34について一つ一つの押さえ付ける力を強めることができる。これにより、荷物Nをより確実に固定できる。
(5)荷物Nを押さえ付ける第1袋状体33の他に、複数の第2袋状体34も有している。第2袋状体34は、荷物Nと収容空間41の左右の側面44との間の隙間に入り込み、荷物Nを側方から押さえ付けるだけでなく、緩衝材としても機能する。荷物Nを上方から押さえ付けるだけでなく、荷物Nの周囲に緩衝材が設けられることにより、収容空間41の荷物Nをより確実に固定できる。
(6)袋状体33,34にエアを供給する場合、内部圧力値が閾値を超えた場合は、閾値を超える圧力値を検知した袋状体33,34へのエア供給が停止される。これにより、各袋状体33,34による荷物Nの押さえ付けが過剰になったり、各袋状体33,34がエアの過剰供給によって破れてしまったりすることを防止できる。
(7)物流用ボックス30の開閉扉32には電子錠35が設けられ、管理制御装置13の管理制御部51が実施する解錠認証処理によって解錠認証された場合に限り、電子錠35が解錠される。これにより、カッターナイフ等で切断が容易な段ボール等の梱包資材を用いた場合と異なり、第三者によって開封されるおそれを低減できる。
(8)荷送人の住所や氏名、荷受人の住所や氏名、荷物Nの物品名は電子情報として送受信されるため、物流用ボックス30上には表示されない。そのため、これらの情報が配送中に第三者に知られることを防止できる。また、荷受人に対する伝言メッセージを予め登録しておけば、第三者に知られることなく荷受人に伝えることもできる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の物流用ボックス収容体80及び物流用ボックス90について説明する。この説明では、第1実施形態と共通する部分については同じ用語を用い、第1実施形態と異なる内容を中心に説明する。そのため、以下において説明が省略されていても、第1実施形態の説明において記載した事項は、矛盾しない範囲において第2実施形態にもあてはまる。
図8に示すように、物流用ボックス収容体80は、棚フレーム81と、管理制御装置82とを有している。棚フレーム81には、物流用ボックス90を収容する複数又は多数のボックス収容部83が設けられている。第1実施形態と異なり、物流用ボックス収容体80には、第1実施形態におけるエア給排装置12に相当する装置が設けられていない。管理制御装置82は入力機能付き表示部84を有しており、入力機能付き表示部84を用いながら物流用ボックス90のボックス収容部83からの着脱、配送受付等の各種管理を行う。
物流用ボックス90は、図9に示すように、ボックス本体91を有している。ボックス本体91は、一方の開口部が閉塞された四角筒状をなす箱体であり、天井側、床側及び左右の側面を形成する壁部92a〜92dと、開口部からみて奥側にある奥壁部93とを有している。各壁部92及び奥壁部93は、撓み変形可能な四角形状をなす板材によって形成されている。各壁部92a〜92dが互いに連結されて形成された4つの辺部分と、各壁部92a〜92dと奥壁部93とが連結される4つの辺部分と、正面開口部94を囲む4つの辺部分とには、それぞれの一辺全域にわたって補強部95が設けられている。補強部95は、壁部92a〜92dや奥壁部93を形成する板材とは別に設けられたフレーム材であってもよいし、板材の辺部に設けられて壁部92及び奥壁部93同士を連結するための連結部としての機能を有するものであってもよい。
天井側と左右の壁部92a,92c,92dの板面部分には、多数のリブ96が十字状をなすように設けられている。補強部95及びリブ96が設けられることにより、撓み変形可能な板材によって形成されたボックス本体91の剛性が確保されている。ボックス本体91の内部には収容空間97が設けられ、床側の壁部92bの内側には緩衝材98が設置されている。収容空間97に収容される荷物Nは、緩衝材98の上に置かれる。なお、左右とは正面開口部94の側から見た左右をいう。
ボックス本体91の正面開口部94には、当該正面開口部94を開閉する開閉扉99が設けられている。開閉扉99は四角形状をなす板材によって形成され、板面部分や周縁部分に設けられたリブ96等によって補強されている。
ボックス本体91の収容空間97では、図10及び図11に示すように、物押さえ部としての袋状体101が3つ設けられている。各袋状体101は、平面視において四角形状をなすように形成され、四角形状をなす平面に対して直交方向に突出する方向へ向かって膨張することが可能となっている。各袋状体101が収縮している場合において、袋状体101aの一つは、天井側の壁部92aの内側で当該壁部92aと平面部分が対峙するように、もう一つの袋状体101cは、左側の壁部92cの内側で当該壁部92cと平面部分が対峙するように、残り1つの袋状体101dは、右側の壁部92dの内側で当該壁部92dと平面部分が対峙するように設けられている。各袋状体101の内部にエアが導入されると、天井側の袋状体101aは天井側の壁部92aと床側の壁部92bとへ向かって膨張し、左側の袋状体101c及び右側の袋状体101dは、左右の壁部92c,92dに向かって膨張する。
このように各袋状体101にエア導入して膨張させたり、膨張した各袋状体101からエアを排気したりするためのエア給排装置120が、図11に示すように、ボックス本体91の収容空間97の奥側に設けられている。なお、図10では、図11に示すエア給排装置120の図示が省略されている。
図11に示すように、エア給排装置120は、天井側の袋状体101aの内部と第1配管102を介して接続されている。第1配管102は、天井側の袋状体101aの奥側端部において、当該袋状体101aの内部と接続されている。天井側の袋状体101aの内部は、左右の袋状体101c,101dそれぞれの内部と、第2配管103を介して接続されている。第2配管103は、天井側の袋状体101a及び左側の袋状体101cが隣り合う辺部分において、正面から奥への方向の中央部で、各袋状体101a,101cと接続されている。図11には示されていないが、天井側の袋状体101a及び右側の袋状体101dでも同様の構成で両者の内部同士が接続されている。
このように各袋状体101が接続されているため、図10及び後述する図13に示すように、左右の袋状体101c,101dは緩衝材98の上に起立し、その上端部間に天井側の袋状体101aが掛け渡されている。そのため、各袋状体101は、収容空間97においてコ字状をなす状態で緩衝材98の上に立って設けられている。
そして、エア給排装置120から各袋状体101に向けてエアが導入される場合は、第1配管102を通じて天井側の袋状体101aにまずエアが導入され、左右の袋状体101c,101dには天井側の袋状体101aから第2配管103を通じてエアが導入される。エアが袋状体101から排気される場合は、天井側の袋状体101aのエアは第1配管102を通じて、左右の袋状体101c,101dのエアは第2配管103、天井側の袋状体101a及び第1配管102を通じて外部に排気される。
図12に示すように、エア給排装置120は、エア給排制御部121と、遠心ポンプ122と、容積式ポンプ123と、吸引ポンプ124と、切替弁125と、圧力検知部としての圧力センサ126とを有している。
エア給排制御部121は、遠心ポンプ122と、容積式ポンプ123と、吸引ポンプ124と、切替弁125と、圧力センサ126と電気的に接続されている。エア給排制御部121は、予め定められたプログラムにしたがって、遠心ポンプ122、容積式ポンプ123、吸引ポンプ124及び切替弁125の駆動を制御する。プログラムには、袋状体101の内部圧力の値として、第1閾値とそれより高い第2閾値とが設定されている。エア給排制御部121は、物流用ボックス収容体80の管理制御装置82との間で情報通信が可能となっている。
遠心ポンプ122は、インペラの回転によってエアを送り出す仕組みを有し、吐出されるエア圧力が比較的低圧である一方で、大きな吐出流量が得られるものである。遠心ポンプ122は、第3配管104を介して切替弁125と接続されている。容積式ポンプ123は、所定の容積を有する領域にダイアフラム等によって圧力を加えてエアを送り出す仕組みを有し、遠心ポンプ122と比較して吐出流量は少ないが、遠心ポンプ122よりも高い吐出圧が得られるものである。容積式ポンプ123は、第4配管105を介して切替弁125と接続されている。吸引ポンプ124は、第5配管106を介して切替弁125と接続されている。
切替弁125は、天井側の袋状体101aにつながる第1配管102の一端と接続され、第1配管102と第3配管104又は第4配管105とが接続された状態と、第1配管102が閉られた状態と、第1配管102が吸引ポンプ124に接続された状態とに切り替え可能となっている。
エア給排制御部121は、切替弁125を制御して、第1配管102に遠心ポンプ122を用いてエアを導入する状態と、容積式ポンプ123を用いて第1配管102にエアを導入する状態と、吸引ポンプ124を用いて第1配管102からエアを排出する状態に切り替える。そのため、エア給排制御部121は状態変更手段、ポンプ制御部に相当する。圧力センサ126は第1配管102に設けられ、袋状体101の内部圧力を反映する第1配管102の内部圧力検知する。検知された圧力値は、エア給排制御部121に逐次入力される。
ここで、第2実施形態の物流用ボックス90では、エアの導入により膨張する袋状体101が天井側の壁部92a及び左右の壁部92c,92dを押圧することを防止するための構成が採用されている。その構成として、図10及び図13に示すように、各袋状体101と各壁部92a,92c,92dとの間には、押圧受止め部材としての押圧受止め板131がそれぞれ設けられている。各押圧受止め板131は、ポリプロピレン等の樹脂又はスチールやステンレス材等の金属材料により、壁部92及び奥壁部93を形成する板材よりも薄く形成されている。各押圧受止め板131は全体形状として略X字状をなし、中央板部132と4つの腕部133とを有している。各押圧受止め板131は、それぞれの内側に設けられた袋状体101と中央板部132とが、面ファスナ等を用いて取り外し可能な状態で接合している。
天井側の92aの内側に設けられた天井側の押圧受止め板131aは、天井側の壁部92aと左右の壁部92c,92dとが連結された一対の辺部分にある補強部95同士の間に、内側に撓みながら掛け渡されている。左側の壁部92cの内側に設けられた左側の押圧受止め板131cは、左側の壁部92cが天井側の壁部92aと床側の壁部92bとに連結された一対の辺部分にある補強部95同士の間に、内側に撓みながら掛け渡されている。右側の壁部92dの内側に設けられた右側の押圧受止め板131dは、右側の壁部92dが天井側の壁部92aと床側の壁部92bとに連結された一対の辺部分にある補強部95同士の間に、内側に撓みながら掛け渡されている。
各押圧受止め板131は、その撓みによって形成された山の頂上領域に中央板部132が配置されており、その部分で袋状体101と接合されている。各押圧受止め板131の撓み方向の両端部は、補強部95に各押圧受止め板131の腕部133が着脱自在に連結されている。その連結構成は任意であるが、例えば、腕部133の先端部に設けられた係止用突起を、補強部95に設けられた係止孔等の係止部に係止させる等の構成を採用することができる。なお、この押圧受止め板131は、図11では省略されている。
以上の構成を有する物流用ボックス90を用いて、収容空間97に入れた荷物Nを固定する場合、次の動作が実行される。この動作は、管理制御装置82において開閉扉99が施錠されたり、荷物Nを固定するための操作がされたりすること等を契機として実行される。
まず、エア給排制御部121は、遠心ポンプ122から袋状体101へエアが導入されるように切替弁125を切り替えるとともに、遠心ポンプ122を駆動する。これにより、遠心ポンプ122から第1配管102を介して天井側の袋状体101aの内部にエアが導入され、さらに第2配管103を通じて天井側の袋状体101aから左右の袋状体101c,101dの内部にエアが導入され、各袋状体101が膨張する。
各袋状体101へのエア導入による膨張が進み、圧力センサ126から入力される圧力値が第1閾値を超えるまで各袋状体101の内部圧力が高まると、遠心ポンプ122では袋状体101へのそれ以上のエアを導入することが困難となる。そこで、エア給排制御部121は、容積式ポンプ123から袋状体101へエアが導入されるように切替弁125を切り替えるとともに、容積式ポンプ123を駆動し、容積式ポンプ123からのエア導入に切り替える。併せて、エア給排制御部121は、遠心ポンプ122の駆動を停止する。これにより、容積式ポンプ123から第1配管102を介して天井側の袋状体101aの内部にエアが導入され、さらに第2配管103を通じて天井側の袋状体101aから左右の袋状体101c,101dの内部にエアが導入され、各袋状体101がより膨張する。
各袋状体101のうち天井側の袋状体101aは、図14に示すように、天井側の壁部92aの側と、床側の壁部92bの側とに向かって膨張する。そのため、荷物Nはその上方から床側の緩衝材98に向かって押さえ付けられる。左右の袋状体101c,101dは、左右の壁部92c,92dに向かって膨張するため、荷物Nはその左右方向から押さえ付けられる。このように上方及び左右から荷物Nは押さえ付けられ、収容空間97内で固定される。
その後も、各袋状体101へのエアの導入が継続され、袋状体101の内部圧力が第2閾値を超えると、エア給排制御部121は、切替弁125を閉状態に切り替えるとともに、容積式ポンプ123の駆動を停止する。これにより、当該袋状体101が膨張して荷物Nを押さえ付けている状態が保持され、荷物Nの物押さえ状態が維持される。そのため、エア給排制御部121は押さえ強度調整手段に相当する。
物流用ボックス90を輸送する途中において、外部からの振動や衝撃等によって袋状体101からエアが漏れ、内部圧力が第2閾値を下回ることが想定される。この場合、エア給排制御部121は、容積式ポンプ123から各袋状体101へエアが導入されるように切替弁125を切り替えるとともに、容積式ポンプ123を再駆動する。これにより、各袋状体101にエアが補給され、各袋状体101の内部圧力が第2閾値を超えて押さえ付ける状態が維持される。
各袋状体101は、図14に示すように、荷物Nの側に膨張して荷物Nを押さえ付けるだけでなく、壁部92の側にも膨張する。壁部92の側へ膨張した各袋状体101は、それぞれと接合された押圧受止め板131の中央板部132を押圧する。各押圧受止め板131は内側に撓んで設けられているため、袋状体101の膨張によって壁部92の側へ向けて生じた押圧力は押圧受止め板131によって受け止められる。そして、押圧受止め板131に加えられた押圧力は、当該押圧受止め板131が取り付けられているボックス本体91の補強部95に作用する。そのため、膨張した袋状体101によって壁部92の側に向けた押圧力が生じても、その押圧力が壁部92の板面に対して作用することを防止できる。
次に、収容空間97において袋状体101によって固定された荷物Nを取り出す場合、次の動作が実行される。この動作は、管理制御装置82において、開閉扉99の解錠操作がされたり、荷物Nの固定を解除するための操作がされたりすること等を契機として実行される。エア給排制御部121は、吸引ポンプ124によって袋状体101からエアが排気されるように切替弁125を切り替え、吸引ポンプ124を駆動して袋状体101からエアを排気させる。すると、袋状体101は収縮して、壁部92の側に寄った元の位置に戻るため、袋状体101による荷物Nの押さえ付けがなくなる。これにより、収容空間97に入れられた荷物Nを取り出すことが可能となる。
以上詳述したように、第2実施形態における物流用ボックス90によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)膨張状態にある袋状体101から壁部92の側に向かって生じる押圧力は、壁部92と袋状体101との間に設けられた押圧受止め板131によって受け止められ、その押圧力が壁部92に作用することを防止できる。これにより、膨張する袋状体101から受ける押圧力に耐えられるだけの強度を壁部92に確保させる必要がなくなり、物流用ボックス90の軽量化を図ることができる。
(2)押圧受止め板131の両端は、ボックス本体91の補強部95に取り付けられている。そのため、押圧受止め板131に加えられた押圧力は、押圧受止め板131が取り付けられたボックス本体91の補強部95に作用する。これにより、その押圧力が壁部92の板面に作用することを防止できる。
(3)押圧受止め板131の両端は、補強部95に対して着脱自在に取り付けられている。そのため、押圧受止め板131の撓みが弱くなり押圧受止め力が低減した場合には、新たな押圧受止め板131と容易に交換することができる。
(4)押圧受止め板131は、その両端が、壁部92の辺部分に設けられた補強部95に取り付けられ、補強部95の間で内側に凸となるように撓んでいる。そのため、壁部92の内側領域の略全体において、膨張する袋状体101から押圧力が作用することを防止できる。
(5)袋状体101へエアを導入する場合に、大きな吐出流量が得られる遠心ポンプ122によってまずエアが導入され、その後、高圧状態でも吐出量を確保できる容積式ポンプ123によってエアが導入される。このように、導入圧力が低くてもエアの導入が可能な当初の段階と、閾値まで内部圧力が高められた段階とでエアを導入するポンプを使い分けることで、袋状体101に短時間で効率よくエアを導入できる。また、物流用ボックス90を輸送する途中で袋状体101からエアが漏れた場合でも、吐出圧の高い容積式ポンプ123を用いて袋状体101にエアを補給することができるため、袋状体101の内部圧力を所定の圧力に維持することができ、荷物Nの運搬中に荷物Nの固定に支障が生じることを防止できる。
(6)エア給排装置120はボックス本体91において収容空間97の奥側に設けられ、天井側の袋状体101aの奥側端部に接続された第1配管102を通じて当該天井側の袋状体101aへエアが導入される。そのため、エア給排装置120と各袋状体101の内部とをつなぐ配管の長さを短くし、配管の取り回しを容易なものとすることができる。
なお、本発明は、上記第1実施形態の物流用ボックス30及び物流用ボックス収容体10、第2実施形態の物流用ボックス90及び物流用ボックス収容体80に限らず、例えば次のような構成を採用してもよい。
(a)第1実施形態及び第2実施形態では、物押さえ部を袋状体33,34,101として具体化したが、可動板やベルト(帯状体)を物押さえ部としてもよい。
例えば、物押さえ部が可動板であれば、収容空間41の天井面42又は左右の側面44において、当該各面に寄せられた位置で当該各面と対峙するように設けられる。そして、可動板を対向面に向かって移動させることで、床面43に置かれた荷物Nを可動板によって上方又は側方から押さえ付けて固定することが可能となる。なお、この場合、可動板の荷物当接面の大きさや設置位置は、各可動板同士が相互に干渉しないように設定される。
物押さえ部がベルトであれば、その一例として、図15に示すように、天井面42に寄せられた位置に設けられる。ベルト71は、ゴム等の伸縮性素材や樹脂繊維等により形成されている。ベルト71は複数設けられ、それぞれ天井面42と対峙するように、同じ方向に延びた状態で前後に並んで設置される。各ベルト71の両端部は、対向する一対の側面44に支持されている。ボックス本体31には、その左右両側部に駆動機構としてのベルト移動機構72が設けられている。ベルト移動機構72は、各ベルト71の両端部を同期しながら上下方向へ移動させる。天井面42側にベルト71が寄せられた待機状態で床面43に荷物Nが置かれた後、ベルト移動機構72を駆動して各ベルト71の両端部を下方向へ移動させる。すると、各ベルト71の長尺方向中央部がまず荷物Nの上端に当接する。そこからさらに各ベルト71の両端部を下方向へ移動させると、荷物Nには各ベルト71が掛けられ、上方から押さえ付けられることによって固定される。
これらの構成においても、可動板による荷物Nの押さえ付けやベルト71による荷物Nの押さえ付けが過剰になることを防止する必要がある。そこで、可動板による押圧力やベルト71の張力を検知するセンサ等の検知部が設けられ、検知部から入力される値が閾値を超えた場合は、可動板の移動やベルト71の移動を停止させることが好ましい。可動板やベルト71の移動を停止させた場合に、その位置からさらに移動しないようにロックするロック機構も設けられる。
(b)第1実施形態では、物押さえ部として複数の第1袋状体33及び複数の第2袋状体34が天井面42の側に設けられている。これに代えて、天井面42側だけでなく、対向する一対の側面44や床面43のいずれかにもそれぞれ第1袋状体33及び第2袋状体34が設けられた構成を採用してもよい。この場合、各面42〜44のいずれか一つだけに第1袋状体33及び第2袋状体34の少なくとも一方が設けられてもよいし、すべての面42〜44に第1袋状体33及び第2袋状体34の少なくとも一方が設けられてもよい。
(c)第1実施形態では、物押さえ部としての第1袋状体33が複数設けられている。これに代えて、一つの袋状体が設けられた構成を採用してもよい。一つの袋状体だけでも、床面43に置かれた荷物Nを上方から押さえ付けて固定することができる。
この場合、第1袋状体33のように柱状をなすように膨張するのではなく、収容空間41と略同じ形状と大きさを有する袋状体が設けられるようにしてもよい。その程度の大きさの袋状体であれば、エアが内部に導入されると自在に形状を変更しながら膨張することが可能なため、膨張した袋状体の一部で荷物Nと収容空間41の内面との間の空間を埋めることが可能となり、荷物Nをより確実に固定できる。
(d)第1実施形態では、隙間を埋める機能を有する補助袋としての第2袋状体34が複数設けられているが、これを省略してもよい。また、補助袋としては、柱状をなすように膨張する第2袋状体34に代えて、3つの第2袋状体34が一体化されて壁状をなす袋状体とする等、膨張後の形状は任意である。また、天井面42における左右の側面44の側縁にだけでなく、正面開口部45の側や奥側にも補助袋が設けられた構成を採用してもよい。
(e)第1実施形態において、複数の第1袋状体33や複数の第2袋状体34の配置の仕方は任意であり、大きさが統一されていなくてもよい。大きさの異なる第1袋状体33又は第2袋状体34が設けられていてもよい。
(f)第1実施形態では、袋状体33,34が収容空間41内に設けられている。これに代えて、ボックス本体31を形成する天板部や側板部の内部に各袋状体33,34が収容され、天井面42や左右の側面44に設けられた孔部から各袋状体33,34が膨張して突出するように構成してもよい。この場合、収縮した各袋状体33,34が収容空間41に存在しないため、収容空間41全域を荷物用のスペースとして利用できる。
(g)第2実施形態では、物流用ボックス90のボックス本体91には、押圧受止め部材として、内側に撓むように補強部95間に掛け渡された押圧受止め板131が設けられている。押圧受止め部材は、これに代えて、壁部92から離間した状態で隣り合う補強部95間に掛け渡された、ゴム等よりなる弾性帯状体としてもよい。弾性帯状体の設置態様としては、1列でも複数列でも、十字状をなしてもよい。
(h)第2実施形態では、床側に緩衝材98を設置し、天井側の壁部92aと左右の壁部92c,92dとの内側に、それぞれ袋状体101が設けられているが、袋状体101を内側に設ける壁部92は任意である。また、奥壁部93の内側や開閉扉99の内側にも袋状体101が設けられた構成を採用してもよい。この場合、壁部92,93や開閉扉99には押圧受止め部材が設けられることが好ましい。
(i)第2実施形態において、遠心ポンプ122に代えてエアタンクが設けられた構成を採用してもよい。この場合、ボックス本体91の収容空間97に荷物Nが置かれていない時に容積式ポンプ123を駆動して予めエアタンクにエアを充填しておき、袋状体101へエアを導入する初期の第1段階では、エアタンクを開放してエアを導入する。これにより、エアタンクを遠心ポンプ122の代わりとして利用することができる。
(j)第2実施形態において、袋状体101にエアを供給する供給装置として、遠心ポンプ122及び容積式ポンプ123を用いているが、他のタイプのポンプを用いてもよい。例えば、遠心ポンプ122に代えて容積式ポンプ123を用い、容積式ポンプ123のみを用いて袋状体101にエアを供給してもよいし、遠心ポンプ122に代えて斜流ポンプや軸流ポンプを用いてもよい。
(k)第1実施形態及び第2実施形態の物流用ボックス30,90において、収容空間41,97内の温度、湿度、振動発生状況等の環境情報を検知する検知部と、当該検知部によって検知された環境情報を記憶する記憶部を備えてもよい。この場合、記憶部に記憶された環境情報を利用して、運送状態の適否を判断する情報として利用することができる。
(l)第1実施形態及び第2実施形態の物流用ボックス30,90において、GPS端末が設けられてもよい。GPS端末により物流用ボックス30の位置情報を逐次把握することができる。
(m)第1実施形態及び第2実施形態では、物流用ボックス収容体10,80は、複数の物流用ボックス30,90を備え、そのすべての物流用ボックス30,90に対する配送受付処理や解錠認証処理等を共通の管理制御装置13,82によって行うようにしている。そのため、上記各実施形態では、個々の物流用ボックス30,90に管理制御装置13,82が設けられていない。これに代えて、物流用ボックス30,90ごとに、配送受付処理や解錠認証処理等を行う管理制御装置13,82を設けてもよい。
(n)第1実施形態及び第2実施形態の物流用ボックス収容体10,80を台車で運搬する場合、次のような物流の流れを採用してもよい。例えば、すべての物流用ボックス30,90が荷入れされているか否かに関係なく、所定期間(例えば1日)ごとに物流用ボックス収容体10を運送業者が集荷する。集荷場にて、物流用ボックス30,90の入れ替えにより、同じ集配ステーション61−1〜61−nに送られる物流用ボックス30,90が一つ又は複数の物流用ボックス収容体10,80にまとめられる。その後、物流用ボックス収容体10,80を各集配ステーション61−1〜61−nに運送し、配送先の集配ステーション61−1〜61−nに設置する。
10,80…物流用ボックス収容体、12,120…エア給排装置(状態変更手段)、23,83…ボックス収容部、30,90…物流用ボックス、31,91…ボックス本体、32,99…開閉扉、33…第1袋状体(物押さえ部)、34…第2袋状体(物押さえ部、補助袋)、41,97…収容空間、42…天井面、43…床面、44…内側面、51…管理制御部(状態変更手段、押さえ強度調整手段、ポンプ制御部)、71…ベルト(帯状体)、72…ベルト移動機構(駆動機構)、92…壁部、93…奥壁部(壁部)、94…正面開口部、95…補強部、101…袋状体(物押さえ部)、121…エア給排制御部(ポンプ制御部、状態変更手段、押さえ強度調整手段)、122…遠心ポンプ、123…容積式ポンプ、126…圧力検知部(圧力センサ)、131…押圧受止め板(押圧受止め部材)、N…荷物。

Claims (11)

  1. 荷物を収容する収容空間と、前記収容空間に連通して荷物を出し入れする開口部とが形成されたボックス本体と、
    前記開口部を開閉するとともに、閉状態で施錠可能な開閉扉と、
    前記収容空間内に設けられ、前記収容空間を形成する前記ボックス本体の壁部に寄せられた待機状態と、前記待機状態から前記収容空間に収容された前記荷物を押さえ付ける押さえ状態とに変更可能な物押さえ部と、
    前記収容空間に前記荷物が収容された場合に、前記物押さえ部の状態を変更させる状態変更手段と、
    を備えたことを特徴とする物流用ボックス。
  2. 前記物押さえ部は、流体が内部に導入されることにより前記待機状態から前記荷物の側へ向けて突出するように膨張し、内部の流体を排出することにより前記待機状態まで収縮する袋状体であることを特徴とする請求項1に記載の物流用ボックス。
  3. 前記袋状体が配置される前記壁部には、当該壁部と前記袋状体とに挟まれるようにして押圧受止め部材が設けられており、
    前記押圧受止め部材は、前記収容空間に前記荷物が収容された状態で前記袋状体が前記物押さえ状態となる場合に、前記袋状体による前記壁部への押圧を受け止めることを特徴とする請求項2に記載の物流用ボックス。
  4. 前記壁部の一部に補強部が設けられ、
    前記補強部に前記押圧受止め部材が取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の物流用ボックス。
  5. 前記押圧受止め部材の両端は前記補強部に取り付けられ、前記収容空間の側に向けて凸となるように撓んでいることを特徴とする請求項4に記載の物流用ボックス。
  6. 前記状態変更手段は、遠心ポンプと、容積式ポンプと、前記袋状体の内部圧力を検知する圧力検知部と、前記遠心ポンプ及び前記容積式ポンプの駆動をそれぞれ制御するポンプ制御部とを有し、
    前記袋状体を前記待機状態から前記押さえ状態に変更する場合に、前記ポンプ制御部は、前記遠心ポンプを前記容積式ポンプよりも先に駆動して前記袋状体の内部に流体を導入し、前記圧力検知部によって検知された圧力値が所定の閾値を超えた場合に、前記遠心ポンプに代えて前記容積式ポンプを駆動し、前記容積式ポンプを用いて前記袋状体の内部に流体を導入するよう制御することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の物流用ボックス。
  7. 前記袋状体は、前記ボックス本体の壁部のうち、前記荷物が置かれる床側と反対側の天井側に設けられた壁部から前記床側に向かって柱状をなすように膨張可能なものであり、かつ複数設けられていることを特徴とする請求項2に記載の物流用ボックス。
  8. 前記天井側の壁部において当該壁部の側縁側に設けられ、流体が内部に導入されることにより前記床側の壁部に向けて膨張する複数の補助袋を有していることを特徴とする請求項7に記載の物流用ボックス。
  9. 前記物押さえ部は、前記ボックス本体の壁部に寄せられた前記待機状態で前記ボックス本体の壁部と対峙するように延びる帯状体であり、
    前記帯状体を前記待機状態と前記物押さえ状態との間で移動させる駆動機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の物流用ボックス。
  10. 前記物押さえ部が押さえ状態にある場合に、前記荷物の押さえ付けの強度を調整する押さえ強度調整手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の物流用ボックス。
  11. 請求項10に記載の物流用ボックスを複数備え、
    前記複数の物流用ボックスはそれぞれがボックス収容部に取り出し可能に収容されており、
    前記複数の物流用ボックスがそれぞれ有する前記状態変更手段及び前記押さえ強度調整手段が共通化されていることを特徴とする物流用ボックス収容体。
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