JP2021132569A - 拡散制御機構及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】信号応答性部材を支持部材に簡便に支持させることができる拡散制御機構及びその製造方法を提供する。【解決手段】拡散制御機構1は、物質2が2つの媒質3間で拡散する速度を制御する拡散制御機構1であって、媒質3間で物質2を通過させる通路4を備える支持部材5と、通路4内に配置されるとともに、信号6を受けることで膨潤又は収縮する信号応答性部材7とを有し、支持部材5は、信号応答性部材7を一方の媒質3の側から支持する第1支持面11を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、拡散制御機構及びその製造方法に関する。
物質が2つの媒質間で拡散する速度を制御する拡散制御機構として、媒質間で物質を通過させる通路を備える支持部材と、通路内に配置されるとともに、信号を受けることで膨潤又は収縮する信号応答性部材とを有するものが知られている(例えば特許文献1、2参照)。信号応答性部材は例えば温度応答性材料(例えば特許文献1〜3参照)で構成される。
また、温度応答性材料を培養容器の底面や光ファイバの先端などに共有結合で固定する技術が知られている(例えば特許文献4、5参照)。特許文献4では、プラスチックからなる培養容器の底面を電子線で前処理することで、プラスチック表面を共有結合が可能となるように活性化している。特許文献5では、光ファイバの先端をシランカップリング剤で前処理することで官能基を導入し、温度応答性材料中の官能基と共有結合させている。
国際公開第2019/146531号 国際公開第2019/146444号 特開2019−83761号公報 特許第6468714号公報 特表2019−514892号公報
信号応答性部材を支持部材に支持させるために、特許文献4、5に記載されるような共有結合を用いる場合、支持部材に前処理を施す必要があるため煩雑である。信号応答性部材を支持部材に支持させるために共有結合を用いる必要性をなくし、又は低減することが望ましい。
本開示の目的は、信号応答性部材を支持部材に簡便に支持させることができる拡散制御機構及びその製造方法を提供することにある。
幾つかの実施形態に係る拡散制御機構は、物質が2つの媒質間で拡散する速度を制御する拡散制御機構であって、前記媒質間で前記物質を通過させる通路を備える支持部材と、前記通路内に配置されるとともに、信号を受けることで膨潤又は収縮する信号応答性部材とを有し、前記支持部材は、前記信号応答性部材を一方の前記媒質の側から支持する第1支持面を有する。このような構成によれば、信号応答性部材の膨潤又は収縮により、通路を通過する物質の量を制御することができる。また、このような構成によれば、信号応答性部材を第1支持面によって一方の媒質の側から簡便に支持することができる。したがって、信号応答性部材を支持部材に簡便に支持させることができる。通路の形状及び大きさは、通路を物質が通過できる限り、特に限定されない。通路は、途中で分岐又は集約する形状でもよい。支持部材は複数の部材で構成されてもよい。
一実施形態において、前記第1支持面は、前記通路の周方向に連続又は断続して延びる。このような構成によれば、信号応答性部材を第1支持面によってより確実に支持することができる。通路の周方向とは、通路の中心軸線を周回する方向を意味する。通路の中心軸線とは、一方の媒質の側から他方の媒質の側へ延び、通路の中心を通る軸線を意味する。
一実施形態において、前記支持部材は、前記信号応答性部材を他方の前記媒質の側から支持する第2支持面を有する。このような構成によれば、信号応答性部材をより確実に支持することができる。
一実施形態において、前記第2支持面は、前記通路の周方向に連続又は断続して延びる。このような構成によれば、信号応答性部材を第2支持面によってより確実に支持することができる。
一実施形態において、前記支持部材は、前記信号応答性部材を前記通路の径方向内側から支持する第3支持面を有する。このような構成によれば、信号応答性部材をより確実に支持することができる。通路の径方向とは、通路の中心軸線に直交する方向を意味する。
一実施形態において、前記第3支持面は、前記通路の周方向に連続又は断続して延びる。このような構成によれば、信号応答性部材を第3支持面によってより確実に支持することができる。
一実施形態において、前記支持部材は、前記信号応答性部材を前記通路の径方向外側から支持する第4支持面を有する。このような構成によれば、信号応答性部材をより確実に支持することができる。
一実施形態において、前記第4支持面は、前記通路の周方向に連続又は断続して延びる。このような構成によれば、信号応答性部材を第4支持面によってより確実に支持することができる。
一実施形態において、前記信号応答性部材は、少なくとも最収縮時に、前記支持部材との間に前記物質が前記信号応答性部材を通らずに前記通路を通過する隙間を形成する。このような構成によれば、信号応答性部材の膨潤又は収縮によって信号応答性部材と支持部材との間の隙間の大きさを制御することができるので、隙間を通って通路を通過する物質の量を制御することができる。
一実施形態において、前記信号応答性部材は、最収縮時においても、前記支持部材との間に前記物質が前記信号応答性部材を通らずに前記通路を通過する隙間を形成しない。このような構成によれば、信号応答性部材の膨潤又は収縮により、信号応答性部材を通過する物質の量を制御し、それにより、通路を通過する物質の量を制御することができる。
一実施形態において、前記信号は光である。このような構成によれば、信号応答性部材の膨潤又は収縮を簡便に制御することができる。
一実施形態において、前記支持部材は、前記光の進路上に光調節機構を有する。このような構成によれば、信号応答性部材における、光を受けると支持部材からの支持力の低下を招く部分への光の入射量を簡便に抑制することができる。光調節機構は例えば、光を散乱させる凹凸面で簡便に構成することができる。
一実施形態において、前記信号応答性部材は前記光を受けることで収縮し、前記光調節機構は、前記信号応答性部材における前記支持部材に接する部分への前記光の入射を抑制する。このような構成によれば、信号応答性部材における支持部材に接する部分が光を受けることで収縮し、それにより支持部材からの支持力が低下することを抑制することができる。
一実施形態において、前記信号応答性部材はゲル状である。このような構成によれば、信号応答性部材をゲル化前の流動性を有する状態で支持部材に配置し、ゲル化させることで、信号応答性部材を支持部材に簡便に配置することができる。
一実施形態において、前記信号応答性部材は、ゲル状であるとともに、ゲル化により液体を吸収することによって膨潤することで前記支持部材に圧迫される。このような構成によれば、信号応答性部材を支持部材に簡便且つより確実に支持させることができる。またこの場合、信号応答性部材が光を受けることで収縮し、光調節機構が信号応答性部材における支持部材に圧迫される部分への光の入射を抑制する構成とすることで、圧迫による支持部材からの支持力が光によって低下することを簡便に抑制することができる。
一実施形態において、前記信号応答性部材は、刺激を受けることで膨潤又は収縮する刺激応答性材料で構成される。このような構成によれば、信号応答性部材を簡便に構成することができる。
一実施形態において、前記信号応答性部材は、刺激を受けることで膨潤又は収縮する刺激応答性材料と、前記信号を受けて前記刺激を発生させる変換材とで構成される。このような構成によれば、1つの刺激応答性材料に対して変換材を変えることで信号に対する信号応答性部材の応答性を容易に変えることができる。したがって、信号応答性部材を簡便に構成することができ、また、信号応答性部材の膨潤又は収縮を簡便に制御することができる。
一実施形態において、前記信号応答性部材は、刺激を受けることで膨潤又は収縮する刺激応答性材料としての温度応答性材料と、前記信号としての光を受けて前記刺激としての熱を発生させる光熱変換材とで構成される。このような構成によれば、信号応答性部材を簡便に構成することができ、また、信号応答性部材の膨潤又は収縮を簡便に制御することができる。
一実施形態において、前記第1支持面は、前記信号応答性部材を鉛直下方から支持する。このような構成によれば、信号応答性部材を第1支持面によってより確実に支持することができる。
一実施形態において、前記信号応答性部材に載置される錘部材を有する。このような構成によれば、膨潤又は収縮による信号応答性部材の移動を錘部材によって規制することができるので、物質が2つの媒質間で拡散する速度をより確実に制御することができる。
一実施形態において、前記支持部材は2つの開口を有し、前記信号応答性部材は、前記2つの開口を順に通って周回するように延びる周回部を有する。このような構成によれば、信号応答性部材を支持部材に強固に連結することができるので、信号応答性部材を支持部材に、より確実に支持させることができる。
一実施形態において、前記支持部材は、中央開口と、前記中央開口の周縁部に沿って並ぶ複数の周縁開口とを有し、前記信号応答性部材は、前記中央開口と前記周縁開口との各々の対に対し、前記中央開口と前記周縁開口とを順に通って周回するように延びる周回部を有する。このような構成によれば、信号応答性部材を支持部材に、より強固に連結することができるので、信号応答性部材を支持部材に、より一層確実に支持させることができる。
一実施形態において、前記信号応答性部材は、前記通路の径方向内側に凹むとともに前記通路の周方向に連続又は断続して延びる周溝を有し、前記支持部材は、前記信号応答性部材の前記周溝内に延びる。このような構成によれば、信号応答性部材を支持部材に、より確実に支持させることができる。
一実施形態において、前記支持部材及び前記信号応答性部材の一方は、前記周溝内で前記一方の媒質の側又は他方の前記媒質の側に凹むとともに前記通路の周方向に連続又は断続して延びる更なる周溝を有し、前記支持部材及び前記信号応答性部材の他方は、前記信号応答性部材の前記周溝内の前記更なる周溝内に延びる。このような構成によれば、信号応答性部材を支持部材に、より一層確実に支持させることができる。
一実施形態において、前記支持部材は、前記通路の径方向外側に凹むとともに前記通路の周方向に連続又は断続して延びる周溝を有し、前記信号応答性部材は、前記支持部材の前記周溝内に延びる。このような構成によれば、信号応答性部材を支持部材に、より確実に支持させることができる。
一実施形態において、前記支持部材及び前記信号応答性部材の一方は、前記支持部材の前記周溝内で前記一方の媒質の側又は他方の前記媒質の側に凹むとともに前記通路の周方向に連続又は断続して延びる更なる周溝を有し、前記支持部材及び前記信号応答性部材の他方は、前記支持部材の前記周溝内の前記更なる周溝内に延びる。このような構成によれば、信号応答性部材を支持部材に、より一層確実に支持させることができる。
一実施形態において、前記支持部材及び前記信号応答性部材の一方は、少なくとも1つの前記周溝内で凹む凹部を有し、前記支持部材及び前記信号応答性部材の他方は、前記凹部内に延びる。このような構成によれば、信号応答性部材を支持部材に、より一層確実に支持させることができる。
一実施形態において、前記支持部材は、前記2つの媒質をそれぞれ収容する収容部を有する。このような構成によれば、支持部材に2つの媒質を収容する容器としての機能を持たせることができる。
幾つかの実施形態に係る拡散制御機構の製造方法は、前記拡散制御機構を製造する方法であって、前記信号応答性部材をゲル化前の流動性を有する状態で前記支持部材に配置し、ゲル化させる信号応答性部材配置工程を有する。このような構成によれば、信号応答性部材を支持部材に簡便に支持させることができる。
本開示によれば、信号応答性部材を支持部材に簡便に支持させることができる拡散制御機構及びその製造方法を提供することができる。
一実施形態に係る拡散制御機構を示す断面図である。 拡散制御機構の変形例を示す図である。 拡散制御機構の変形例を示す図である。 拡散制御機構の変形例を示す図である。 拡散制御機構の変形例を示す図である。 拡散制御機構の変形例を示す図である。 図4AのA−A線に沿う断面図である。 拡散制御機構の変形例を示す図である。 図5AのB−B線に沿う断面図である。 拡散制御機構の変形例を示す図である。 拡散制御機構の変形例を示す図である。 拡散制御機構の変形例を示す図である。 実施例として制作した拡散制御機構の模式図である。 実施例として制作した拡散制御機構の通路を信号応答性部材の配置前に下方から撮影した画像である。 実施例として制作した拡散制御機構の通路を信号応答性部材の配置後に下方から撮影した画像である。 実施例として制作した拡散制御機構のリーク率の試験結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本開示に係る実施形態について詳細に例示説明する。全図を通じて、対応する部分には同一の符号を付している。
図1に示す本実施形態に係る拡散制御機構1は、物質2が2つの媒質3間で拡散する速度を制御する機構である。拡散制御機構1は、媒質3間で物質2を通過させる通路4を備える支持部材5と、通路4内に配置されるとともに、信号6を受けることで膨潤又は収縮する信号応答性部材7とを有している。信号応答性部材7の膨潤又は収縮により、通路4を通過する物質2の量を制御することができる。
本実施形態において、通路4の中心軸線Oを周回する方向を通路4の周方向といい、通路4の中心軸線Oに直交する方向を通路4の径方向という。通路4の中心軸線Oとは、一方の媒質3の側から他方の媒質3の側へ延び、通路4の中心を通る軸線を意味する。通路4の形状及び大きさは、通路4を物質2が通過できる限り、特に限定されない。通路4は、途中で分岐又は集約する形状でもよい。
本実施形態では、支持部材5は、2つの媒質3をそれぞれ収容する収容部8を有している。つまり、支持部材5は、2つの収容部8を有する容器としての機能も備えている。各々の収容部8は、拡散制御機構1の外部空間Sから媒質3を密封しているが、これに限らない。つまり、一方又は両方の収容部8は、外部空間Sに連通する開口を有していてもよい。また支持部材5は、2つの収容部8を有するものに限らない。例えば、支持部材5は、一方の媒質3を収容する収容部8と、他方の媒質3を流通させる配管部とを有する構成であってもよい。
物質2は、物質2の濃度が高い方の媒質3から低い方の媒質3に拡散する。以下、濃度が高い方の媒質3を第1媒質3aといい、第1媒質3aを収容する収容部8を第1収容部8aという。また、濃度が低い方の媒質3を第2媒質3bといい、第2媒質3bを収容する収容部8を第2収容部8bという。
支持部材5は、第1収容部8aと第2収容部8bの一部とを有する第1部材5aと、第2収容部8bの残りの一部を有する第2部材5bとの2つの部材からなっている。しかし支持部材5はこのような構成に限らず、3つ以上の部材からなっていてもよいし、1つの部材からなっていてもよい。
支持部材5の製造方法は特に限定されない。支持部材5は例えば、三次元積層造形(3Dプリンタ)技術を用いて形成される。3Dプリンタ技術を用いることで、支持部材5の部品点数を低減することができる。支持部材5は物質2を実質的に透過させない材料からなっている。支持部材5を形成する材料は例えば、合成樹脂、又は金属等であり、物質2の大きさ以下の孔径を有する多孔質材料であってもよい。多孔質材料は例えば、半透膜、ハイドロゲル等である。支持部材5を形成する合成樹脂材料はとしては例えば、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)等のポリオレフィン樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂や、ポリアセタール樹脂(POM)や、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)等のフッ素樹脂や、アクリル樹脂などが挙げられる。ポリエチレン樹脂やポリテトラフルオロエチレン樹脂などの表面エネルギーが小さい材料で支持部材5を形成する場合には、信号応答性部材7を支持部材5に支持させる手段として、共有結合などの化学的な接合手段を用い難い。したがってこの場合には、本実施形態で用いる構造的な支持手段が特に有効である。
拡散速度の制御は例えば、拡散が促進される状態と、拡散が抑制された状態(拡散が実質的にゼロの場合を含む)との間で状態を切替えるように行われる。
拡散制御機構1は、1種類のみの物質2が、2つの媒質3間で拡散する速度を制御するように構成されている。しかし拡散制御機構1は、複数種類の物質2が2つの媒質3間で拡散する速度を制御するように構成してもよい。
拡散制御機構1は、物質2が1対のみの媒質3間で拡散する速度を制御するように構成されている。しかし拡散制御機構1はこれに限らず例えば、物質2が複数対の媒質3間で拡散する速度を制御するように構成してもよい。この場合、拡散制御機構1は例えば、各々の対の媒質3に対し、信号応答性部材7が配置された通路4を有する。
拡散制御機構1は例えば、1つの第1媒質3aに対して複数の第2媒質3bが設けられるように構成してもよい。この場合、拡散制御機構1は例えば、各々の第2媒質3bに対し、信号応答性部材7が配置された通路4を有する。拡散制御機構1は例えば、1つの第2媒質3bに対して複数の第1媒質3aが設けられるように構成してもよい。この場合、拡散制御機構1は例えば、各々の第1媒質3aに対し、信号応答性部材7が配置された通路4を有する。
拡散制御機構1は、細胞等の培養に用いられる。つまり、拡散制御機構1は培養容器として用いられる。しかし、拡散制御機構1はこれに限らず例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等の化学反応の実施に用いられてもよい。
拡散制御機構1を培養に用いる場合、物質2は例えば、酵素、サイトカイン、分化誘導因子、タンパク質、ペプチド、抗生物質、アミノ酸、グルコース、レチノイン酸、核酸又はリポソームである。分化誘導因子は例えば、FGF2等の繊維芽細胞成長因子である。タンパク質は例えば抗体である。ペプチドは例えば、インスリン等のホルモンである。核酸は例えばDNAである。
またこの場合、媒質3は例えば、細胞の種類や培養の目的に応じて選択される培地である。培地は例えば、MEM培地、DMEM培地又はRPMI−1640培地である。培地は、液体状でもゲル状でもよい。
培地がゲル状である場合には例えば、信号応答性部材7を事前に培養液、生理食塩水等の生物適合性のある液体に浸す。信号応答性部材7を事前に生物適合性のある液体に浸すことにより、該液体が信号応答性部材7に浸透して2つの媒質3に接液し、物質2が第1媒質3aから第2媒質3bへと好適に拡散される。
細胞等の培養対象は第2媒質3b内に配置されている。つまり、拡散制御機構1は、培養対象に物質2を添加するために用いられている。しかし拡散制御機構1は、培養対象から物質2を回収するように構成してもよい。
第2部材5bは培養皿である。しかし第2部材5bは例えば、培養プレート、培養フラスコ、ディスポーザブルチューブ、マイクロチューブ又はマイクロ流体デバイスとして構成されてもよい。第2部材5bとして汎用品を用いることで、拡散制御機構1を簡便に製造することができる。
信号6は近赤外光等の光9である。このような構成によれば、信号応答性部材7の膨潤又は収縮を簡便に制御することができる。信号6は、信号供給装置10によって信号応答性部材7に供給される。信号応答性部材7に信号6が進入する方向、又は信号供給装置10の配置は特に限定されない。信号供給装置10は光源である。支持部材5は光9を透過させる透光性を有している。信号6を供給するタイミング及び強度は例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータによって制御される。信号応答性部材7は例えば、温度応答性材料と、光9を受けて熱を発生させる光熱変換材とで構成される。温度応答性材料は例えば温度応答性高分子である。信号応答性部材7は光応答性材料で構成されてもよい。光応答性材料は例えば光応答性高分子である。
温度応答性高分子は例えば、下限臨界溶液温度(LCST;Lower Critical Solution Temperature)型高分子又は上限臨界溶液温度(UCST;Upper Critical Solution Temperature)型高分子である。水溶液中において、LCST型高分子は、LCST以下の温度では親水性(コイル状;膨潤状態)であり、LCSTより高い温度となると、疎水性(グロビュール状;収縮状態)へと相転移する。水溶液中において、UCST型高分子は、UCST未満の温度では疎水性(グロビュール状;収縮状態)であり、UCST以上の温度となると、親水性(コイル状;膨潤状態)へと相転移する。LCST型高分子は例えば、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)である。UCST型高分子は例えば、ポリ(アリルアミン−コ−アリルウレア)又はポリ(アクリルアミド−コ−アクリロニトリル)である。
光熱変換材は例えば、有機化合物、金属構造体又はカーボン構造体である。有機化合物は例えば、有機色素である。金属構造体は例えば、金ナノロッド又は金ナノ粒子である。カーボン構造体は例えば、カーボンナノチューブ、フラーレン又はカーボンナノワイヤーである。
光応答性材料は例えば、アゾベンゼン基とシクロデキストリン基とを含む高分子、アゾベンゼン結合ポリアクリル酸、又はニトロ桂皮酸エステル化ポリエチレングリコールである。
信号6は光に限らず例えば、温度、pH、磁場、電場、音波、酸化還元又は分子濃度であってもよい。信号応答性部材7は上記以外の刺激応答性材料で構成してもよい。刺激応答性材料は刺激を受けることで膨潤又は収縮する材料である。刺激応答性材料は例えば、温度応答性高分子、光応答性高分子、pH応答性高分子又は分子応答性高分子である。信号応答性部材7は、刺激応答性材料を用いることで簡便に構成することができる。
信号6を刺激として用いてもよいし、信号6を刺激に変換する変換材を刺激応答性材料に含有させてもよい。つまり、信号応答性部材7は、刺激応答性材料と、信号を受けて刺激を発生させる変換材とで構成してもよい。変換材を用いると、1つの刺激応答性材料に対して変換材を変えることで信号6に対する信号応答性部材7の応答性を容易に変えることができる。したがって、信号応答性部材7を簡便に構成することができ、また、信号応答性部材7の膨潤又は収縮を簡便に制御することができる。
信号応答性部材7はゲル状である。つまり信号応答性部材7は温度応答性ゲルで構成されている。このような構成によれば、例えば、信号応答性部材7をゲル化前の流動性を有する状態で支持部材5に配置し、ゲル化させる信号応答性部材配置工程を経ることにより、信号応答性部材7を支持部材5に簡便に支持させることができるので、拡散制御機構1を簡便に製造することができる。流動性を有する状態の信号応答性部材7は例えば、支持部材5の所定部分に供給し、接触させることで毛細管現象によって配置することができる。なお信号応答性部材7はゲル状のものに限らない。
信号応答性部材7は例えば、ゲル化後に適切な溶媒に浸漬することでゲル化時点より膨潤させることで支持部材5に圧迫される。つまり、信号応答性部材7は例えば、ゲル化により液体を吸収することによって膨潤することで支持部材5に圧迫される。このような構成によれば、信号応答性部材7を支持部材5に簡便且つより確実に支持させることができる。またこの場合、信号応答性部材7をLCST型高分子で構成すると、例えば、ゲル化点以上の室温を越える温度で調製した流動性を有する状態の信号応答性部材7を支持部材5に配置した後、室温まで冷ますことで、信号応答性部材7を支持部材5に圧迫状態で容易に支持させることができる。
支持部材5は、信号応答性部材7を一方の媒質3の側から支持する第1支持面11と、信号応答性部材7を他方の媒質3の側から支持する第2支持面12とを有している。本実施形態では、信号応答性部材7を第2媒質3bの側から支持している面を第1支持面11といい、信号応答性部材7を第1媒質3aの側から支持している面を第2支持面12という。しかしこの逆に、信号応答性部材7を第2媒質3bの側から支持している面を第2支持面12といい、信号応答性部材7を第1媒質3aの側から支持している面を第1支持面11ということもできる。支持部材5は、第2支持面12を有さない構成であってもよい。
支持部材5が第1支持面11を有する構成によれば、信号応答性部材7を第1支持面11によって一方の媒質3の側から簡便に支持することができる。したがって、信号応答性部材7を支持部材5に簡便に支持させることができる。支持部材5が第2支持面12を有する構成によれば、信号応答性部材7をより確実に支持させることができる。
第1支持面11は、通路4の周方向に連続して延びている。しかし第1支持面11はこれに限らず例えば、通路4の周方向に断続して延びていてもよい。第1支持面11が通路4の周方向に延びる構成によれば、信号応答性部材7を第1支持面11によってより確実に支持することができる。第2支持面12は、通路4の周方向に連続して延びている。しかし第2支持面12はこれに限らず例えば、通路4の周方向に断続して延びていてもよい。第2支持面12が通路4の周方向に延びる構成によれば、信号応答性部材7を第2支持面12によってより確実に支持することができる。
支持部材5は、信号応答性部材7を通路4の径方向内側から支持する第3支持面13を有している。このような構成によれば、信号応答性部材7をより確実に支持することができる。第3支持面13は、通路4の周方向に連続して延びている。しかし第3支持面13はこれに限らず例えば、通路4の周方向に断続して延びていてもよい。第3支持面13が通路4の周方向に延びる構成によれば、信号応答性部材7を第3支持面13によってより確実に支持することができる。
支持部材5は、信号応答性部材7を通路4の径方向外側から支持する第4支持面14を有している。このような構成によれば、信号応答性部材7をより確実に支持することができる。第4支持面14は、通路4の周方向に連続して延びている。しかし第4支持面14はこれに限らず例えば、通路4の周方向に断続して延びていてもよい。第4支持面14が通路4の周方向に延びる構成によれば、信号応答性部材7を第4支持面14によってより確実に支持することができる。
支持部材5は、通路4の径方向外側に凹むとともに通路4の周方向に連続して延びる周溝15を有し、信号応答性部材7は、支持部材5の周溝15内に延びている。周溝15は通路4の周方向に連続して延びるものに限らず例えば、通路4の周方向に断続して延びていてもよい。支持部材5の周溝15を有する構成によれば、信号応答性部材7を支持部材5に、より確実に支持させることができる。
支持部材5は、支持部材5の周溝15内で第1媒質3aの側に凹むとともに通路4の周方向に連続して延びる更なる周溝16を有し、支持部材5の周溝15内の更なる周溝16内に延びている。しかしこのような構成に限らない。更なる周溝16は通路4の周方向に断続して延びていてもよい。更なる周溝16は第2媒質3bの側に凹んでいてもよい。信号応答性部材7が更なる周溝16を有し、支持部材5が更なる周溝16内に延びていてもよい。支持部材5と信号応答性部材7とがそれぞれ更なる周溝16を有していてもよい。支持部材5の周溝15内の更なる周溝16を有する構成によれば、信号応答性部材7を支持部材5に、より一層確実に支持させることができる。しかし、図2Aに示すように、更なる周溝16を設けない構成としてもよい。
図2Bに示すように、信号応答性部材7が周溝15内で凹む凹部17を有し、支持部材5が凹部17内に延びる構成としてもよい。この構成に代えて又は加えて、支持部材5が周溝15内で凹む凹部17を有し、信号応答性部材7が当該凹部17内に延びる構成としてもよい。支持部材5の周溝15内の凹部17は、周溝15内の更なる周溝16内に設けられてもよい。このように、第1支持面11と第2支持面12とのいずれか又は両方が、凹部17、又は凹部17内に延びる凸部17aを有してもよい。凹部17又は凸部17aが更に細かい凹凸部を有していてもよい。支持部材5の周溝15内の凹部17を有する構成によれば、信号応答性部材7を支持部材5に、より一層確実に支持させることができる。
図3Aに示すように、信号応答性部材7は、通路4の径方向内側に凹むとともに通路4の周方向に連続して延びる周溝18を有し、支持部材5は、信号応答性部材7の周溝18内に延びる構成としてもよい。周溝18は通路4の周方向に連続して延びるものに限らず例えば、通路4の周方向に断続して延びていてもよい。信号応答性部材7の周溝18を有する構成によれば、信号応答性部材7を支持部材5に、より確実に支持させることができる。
信号応答性部材7は、信号応答性部材7の周溝18内で一方の媒質3の側又は他方の媒質3の側に凹むとともに通路4の周方向に連続又は断続して延びる更なる周溝を有し、信号応答性部材7の周溝18内の更なる周溝内に延びる構成としてもよい。この構成に代えて又は加えて、支持部材5が信号応答性部材7の周溝18内の更なる周溝を有し、信号応答性部材7が当該更なる周溝内に延びていてもよい。信号応答性部材7の周溝18内の更なる周溝を有する構成によれば、信号応答性部材7を支持部材5に、より一層確実に支持させることができる。
図3Bに示すように、信号応答性部材7が周溝18内で凹む凹部19を有し、支持部材5が凹部19内に延びる構成としてもよい。この構成に代えて又は加えて、支持部材5が周溝18内で凹む凹部19を有し、信号応答性部材7が当該凹部19内に延びる構成としてもよい。つまり、第1支持面11と第2支持面12とのいずれか又は両方が、凹部19、又は凹部19内に延びる凸部19aを有してもよい。凹部19又は凸部19aが更に細かい凹凸部を有していてもよい。信号応答性部材7の周溝18内の凹部19を有する構成によれば、信号応答性部材7を支持部材5に、より一層確実に支持させることができる。
図4A、図4Bに示すように、支持部材5は2つの開口20を有し、信号応答性部材7は、2つの開口20を順に通って周回するように延びる周回部21を有する構成としてもよい。この場合、通路4は2つの開口20で構成されている。このような構成によれば、信号応答性部材7を支持部材5に強固に連結することができるので、信号応答性部材7を支持部材5に、より確実に支持させることができる。
図5A、図5Bに示す例では支持部材5は2つのみの開口20と1つのみの周回部21を有しているがこれに限らず、支持部材5は3つ以上の開口20と2つ以上の周回部21を有していてもよい。例えば、図5A、図5Bに示すように、支持部材5は、中央開口20aと、中央開口20aの周縁部に沿って並ぶ複数(図示の例では4つ)の周縁開口20bとを有し、信号応答性部材7は、中央開口20aと周縁開口20bとの各々の対に対し、中央開口20aと周縁開口20bとを順に通って周回するように延びる周回部21を有する構成としてもよい。このような構成によれば、信号応答性部材7を支持部材5に、より強固に連結することができるので、信号応答性部材7を支持部材5に、より一層確実に支持させることができる。
図6A〜図6Cに示すように、支持部材5の一部を、物質2が通過可能な多孔質部材5cで構成し、多孔質部材5cで通路4を構成してもよい。多孔質部材5cは例えば、金属製又は合成樹脂製等の網状部材、不織布又はハイドロゲルである。図6A〜図6Cに示す例では、多孔質部材5cが第1支持面11を有している。
図6Aに示す例では、信号応答性部材7は、少なくとも最収縮時に、支持部材5との間に物質2が信号応答性部材7を通らずに通路4を通過する隙間Gを形成するように構成されている。図6Aにおいて最収縮時の信号応答性部材7を二点鎖線で示している。図1に示す本実施形態又は上述した様々な変形例においても、信号応答性部材7は、少なくとも最収縮時に、支持部材5との間に物質2が信号応答性部材7を通らずに通路4を通過する隙間Gを形成する構成としてもよい。このような構成によれば、信号応答性部材7の膨潤又は収縮によって信号応答性部材7と支持部材5との間の隙間Gの大きさを制御することができるので、隙間Gを通って通路4を通過する物質2の量を制御することができる。つまりこの場合、信号応答性部材7が収縮することにより隙間Gを通過する物質2の量が増加し、媒質3間での物質2の拡散速度が増加する。
図6Bに示す例では、信号応答性部材7は、最収縮時においても、支持部材5との間に物質2が信号応答性部材7を通らずに通路4を通過する隙間G(図6A参照)を形成しないように構成されている。図6Bにおいて最収縮時の信号応答性部材7を二点鎖線で示している。図1に示す本実施形態又は上述した様々な変形例においても、信号応答性部材7は、最収縮時においても、支持部材5との間に物質2が信号応答性部材7を通らずに通路4を通過する隙間G(図6A参照)を形成しない構成としてもよい。このような構成によれば、信号応答性部材7の膨潤又は収縮により、信号応答性部材7を通過する物質2の量を制御し、それにより、通路4を通過する物質2の量を制御することができる。つまりこの場合、信号応答性部材7が膨潤することにより信号応答性部材7を通過する物質2の量が増加し、媒質3間での物質2の拡散速度が増加する。
図1〜図6Bに示す例では、第1支持面11は、信号応答性部材7を鉛直下方から支持するように構成されているが、これに限らない。例えば、第1支持面11は、信号応答性部材7を水平方向から支持するように構成してもよい。
図6Cに示す例では、拡散制御機構1は信号応答性部材7に載置される錘部材22を有している。このような構成によれば、膨潤又は収縮による信号応答性部材7の移動を錘部材22によって規制することができるので、物質2が2つの媒質3間で拡散する速度をより確実に制御することができる。
図1に示す本実施形態では、支持部材5は、光9の進路上に光調節機構23を有している。このような構成によれば、信号応答性部材7における、光9を受けると支持部材5からの支持力の低下を招く部分への光9の入射量を簡便に抑制することができる。またこの場合、光9を信号応答性部材7全体に照射しても構わないので、光9の照射範囲を正確に調節する必要がなく簡便である。光調節機構23は、光9を散乱させる凹凸面で簡便に構成されている。しかし光調節機構23は、凹凸面で構成されるものに限らない。支持部材5は光調節機構23を有さない構成であってもよい。
信号応答性部材7は光9を受けることで収縮し、光調節機構23は、信号応答性部材7における支持部材5に接する部分への光9の入射を抑制する構成としてもよい。このような構成によれば、信号応答性部材7における支持部材5に接する部分が光9を受けることで収縮し、それにより支持部材5からの支持力が低下することを抑制することができる。またこの場合、信号応答性部材7は、ゲル状であるとともに、ゲル化により液体を吸収することによって膨潤することで支持部材に5圧迫され、光調節機構23が信号応答性部材7における支持部材5に圧迫される部分への光9の入射を抑制する構成としてもよい。このような構成によれば、圧迫による支持部材5からの支持力が光9によって低下することを簡便に抑制することができる。なおこの場合、信号応答性部材7は例えば、LCST型高分子と光熱変換材とで構成される。
前述した実施形態は本開示の一例であり、種々変更可能であることはいうまでもない。
前記の実施形態では、共有結合などの化学的な接合手段を用いていない。しかしこれに限らず、信号応答性部材7を支持部材5に支持させるために必要な場合には、このような化学的な接合手段を併用してもよい。
実施例として、図7に示す拡散制御機構1を制作し、通路4のリーク試験を行った。支持部材5の第1部材5aには、上下方向に延びる円筒状の筒壁24を設け、筒壁24の下端には、全周に亘って径方向内側に突出する環状凸部25を上下方向に並べて2つ設けた。2つの環状凸部25によって形成された通路4にゲル化前の流動性を有する状態で信号応答性部材7を供給し、毛細管現象によって隙間なく通路4に充填させ、ゲル化させた。信号応答性部材7としては、架橋剤比率0.5%の温度応答性ゲルを用いた。信号応答性部材7の配置前後の通路4を下方から撮影した画像を図8A、Bに示す。通路4の最小径φ(つまり、環状凸部25の内径)は1mmとした。さらに、通路4に配置した信号応答性部材7の上に第1媒質3aを充填した。第1媒質3aには、信号応答性部材7の網目サイズよりも十分大きい物質2として、2種類の蛍光標識デキストランを含有させた。第1蛍光標識デキストラン2aは、10kDaのFITCデキストランとした。第2蛍光標識デキストラン2bは、500kDaのTRITCデキストランとした。
これらの物質2が通路4を通過するということは、通路4において信号応答性部材7と支持部材5との間にその通過を許容する隙間ができてしまっていることを意味する。このような隙間がない方が、信号応答性部材7を用いたより高精度な拡散速度の制御が可能である。
比較例1として、上記2種類の蛍光標識デキストランが透過可能な網目サイズを有する温度応答性ゲルを信号応答性部材7として用いたものを制作した。比較例2として、信号応答性部材7を設けず、通路4が第2媒質3bで充填されたものを制作した。比較例1、2のその他の条件は実施例と同じであった。
各例において、一定の温度で25時間放置した後に、第1媒質3a内から第2媒質3b内への蛍光標識デキストランの拡散量を測定した。その結果を図9に示す。図9においては、比較例1における第2蛍光標識デキストラン2bの拡散量を基準とし、この基準量に対する100分率で拡散量(リーク率)を示している。図9から分かるように、実施例の拡散制御機構1では2種類の蛍光標識デキストランのリークがほとんど生じていない。
本実施例により、ゲルの網目サイズよりも十分大きい分子が拡散する隙間なく、温度応答性ゲルを支持部材5に支持させることができることが確認された。
1 拡散制御機構
2 物質
2a 第1蛍光標識デキストラン
2b 第2蛍光標識デキストラン
3 媒質
3a 第1媒質
3b 第2媒質
4 通路
5 支持部材
5a 第1部材
5b 第2部材
5c 多孔質部材
6 信号
7 信号応答性部材
8 収容部
8a 第1収容部
8b 第2収容部
9 光
10 信号供給装置
11 第1支持面
12 第2支持面
13 第3支持面
14 第4支持面
15 支持部材の周溝
16 支持部材の周溝内の更なる周溝
17 支持部材の周溝内の凹部
17a 凸部
18 信号応答性部材の周溝
19 信号応答性部材の周溝内の凹部
19a 凸部
20 開口
20a 中央開口
20b 周縁開口
21 周回部
22 錘部材
23 光調節機構
24 筒壁
25 環状凸部
G 隙間
O 中心軸線
S 外部空間
φ 最小径

Claims (13)

  1. 物質が2つの媒質間で拡散する速度を制御する拡散制御機構であって、
    前記媒質間で前記物質を通過させる通路を備える支持部材と、
    前記通路内に配置されるとともに、信号を受けることで膨潤又は収縮する信号応答性部材とを有し、
    前記支持部材は、前記信号応答性部材を一方の前記媒質の側から支持する第1支持面を有する拡散制御機構。
  2. 前記第1支持面は、前記通路の周方向に連続又は断続して延びる、請求項1に記載の拡散制御機構。
  3. 前記支持部材は、前記信号応答性部材を他方の前記媒質の側から支持する第2支持面を有する、請求項1又は2に記載の拡散制御機構。
  4. 前記第2支持面は、前記通路の周方向に連続又は断続して延びる、請求項3に記載の拡散制御機構。
  5. 前記支持部材は、前記信号応答性部材を前記通路の径方向内側から支持する第3支持面を有し、
    前記第3支持面は、前記通路の周方向に連続又は断続して延び、
    前記支持部材は、前記信号応答性部材を前記通路の径方向外側から支持する第4支持面を有し、
    前記第4支持面は、前記通路の周方向に連続又は断続して延びる、請求項1〜4の何れか1項に記載の拡散制御機構。
  6. 前記信号応答性部材は、少なくとも最収縮時に、前記支持部材との間に前記物質が前記信号応答性部材を通らずに前記通路を通過する隙間を形成する、請求項1〜5の何れか1項に記載の拡散制御機構。
  7. 前記信号応答性部材は、最収縮時においても、前記支持部材との間に前記物質が前記信号応答性部材を通らずに前記通路を通過する隙間を形成しない、請求項1〜5の何れか1項に記載の拡散制御機構。
  8. 前記信号は光であり、
    前記支持部材は、前記光の進路上に光調節機構を有し、
    前記信号応答性部材は前記光を受けることで収縮し、
    前記光調節機構は、前記信号応答性部材における前記支持部材に接する部分への前記光の進入を抑制する、請求項1〜7の何れか1項に記載の拡散制御機構。
  9. 前記第1支持面は、前記信号応答性部材を鉛直下方から支持し、
    前記信号応答性部材に載置される錘部材を有する、請求項1〜8の何れか1項に記載の拡散制御機構。
  10. 前記支持部材は2つの開口を有し、
    前記信号応答性部材は、前記2つの開口を順に通って周回するように延びる周回部を有する、請求項1〜9の何れか1項に記載の拡散制御機構。
  11. 前記信号応答性部材は、前記通路の径方向内側に凹むとともに前記通路の周方向に連続又は断続して延びる周溝を有し、
    前記支持部材は、前記信号応答性部材の前記周溝内に延びる、請求項1〜10の何れか1項に記載の拡散制御機構。
  12. 前記支持部材は、前記通路の径方向外側に凹むとともに前記通路の周方向に連続又は断続して延びる周溝を有し、
    前記信号応答性部材は、前記支持部材の前記周溝内に延びる、請求項1〜11の何れか1項に記載の拡散制御機構。
  13. 物質が2つの媒質間で拡散する速度を制御する拡散制御機構を製造する方法であって、
    前記媒質間で前記物質を通過させる通路を備える支持部材と、前記通路内に配置されるとともに、信号を受けることで膨潤又は収縮する信号応答性部材とを有し、
    前記支持部材は、前記信号応答性部材を一方の前記媒質の側から支持する第1支持面を有し、
    前記信号応答性部材をゲル化前の流動性を有する状態で前記支持部材に配置する工程と、
    ゲル化させる信号応答性部材配置工程とを有する、
    拡散制御機構の製造方法。
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