しかしながら、従来のボトルキャップカバーは、種類の異なるボトルの間で使用することができないという問題がある。
ボトルの注ぎ口の径は、ボトルにより様々である。ボトルキャップカバーは、ボトルの注ぎ口を覆うことを目的としているから、ボトルキャップカバーが有する開口における内径の寸法は、ボトルの注ぎ口の径に合わせて決定される。したがって、従来のボトルキャップカバーは、定まった種類のボトルに対応したものなのであって、別の種類のボトルに使用することができない。すなわち、ボトルキャップカバーにおける開口の内径よりもボトルの注ぎ口の径が大きければ、ボトルキャップカバーの開口にボトルの注ぎ口を挿入することができない。一方、ボトルキャップカバーにおける開口の内径よりもボトルの注ぎ口の径が小さければ、ボトルキャップカバーの開口にボトルの注ぎ口を挿入することはできるものの、ボトルキャップカバーとボトルの間にクリアランスが生じ、ボトルキャップカバーがボトル上でグラついてしまう。したがって、従来のボトルキャップカバーは、一種類のボトルに対してしか用いることができない。
ボトルの種別によらないで同一のボトルキャップカバーを使用することができれば、ボトルの種別に応じてボトルキャップカバーを作成する手間を省くことができるが、従来構成ではボトルの種別毎に異なるボトルキャップカバーを用意するしかない。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ボトルの種類によらず注ぎ口を被覆することができるボトルキャップカバーを提供することにある。
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係るボトルキャップカバーは、ボトルの先端を挿入させる開口を有するボトルキャップカバーにおいて、栓をしたボトルの先端を位置させる柱状の空間を有する第1部材と、第1部材の空間よりも径が大きな柱状の空間を有し、一端が第1部材の空間と連続し他端が開口となっている第2部材を備え、第2部材の空間を規定する第2部材の側壁は、ボトルの先端を当接させる当接面を有し、第2部材の当接面は、第1部材に向かうに従い第2部材の空間に向けて突出する形状となっていることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明によれば、ボトルの種類によらず注ぎ口を被覆することができるボトルキャップカバーを提供できる。すなわち、本発明によれば、栓をしたボトルの先端を位置させる空間を有する第1部材と、第1部材の空間に挿入できない広い注ぎ口を有するボトルの先端を当接させる第2部材とを有している。したがって、本発明によれば、第1部材と第2部材とにより複数のボトルに対応することができる。また、第2部材が有する当接面は、第1部材に向かうに従い空間に向けて突出している。したがって、第2部材は、多様なボトルの先端と当接することができ、対応できるボトルは一層多いものとなる。
また、上述のボトルキャップカバーにおいて、第1部材の空間を規定する第1部材の側壁は、栓をしたボトルの先端を当接させる当接面を有し、第1部材の当接面は、第2部材から遠ざかるに従い第1部材の空間に向けて突出する形状となっていればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の望ましい例を示すものとなっている。第1部材の当接面が第2部材から遠ざかるに従い空間に向けて突出する形状となっていれば第1部材だけで多様なボトルに対応できるようになり、ボトルキャップカバー全体として対応できるボトルの種類は更に増すことになる。
また、上述のボトルキャップカバーにおいて、第2部材の側壁は、テーパ状となっていればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の望ましい例を示すものとなっている。第2部材の側壁がテーパ状となっていれば、当接面を確実に内側に向けて突出させることができる。
また、上述のボトルキャップカバーにおいて、第1部材の側壁は、テーパ状となっていればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の望ましい例を示すものとなっている。第1部材の側壁がテーパ状となっていれば、当接面を確実に内側に向けて突出させることができる。
また、上述のボトルキャップカバーにおいて、柱状となっている第1部材の空間と柱状となっている第2部材の空間は中心軸を共有していればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の望ましい例を示すものとなっている。第1部材の空間と第2部材の空間が中心軸を共有していれば、ボトルに装着しやすいボトルキャップカバーを提供することができる。
また、本発明に係るボトルキャップカバーは、ボトルの先端を挿入させる開口を有するボトルキャップカバーにおいて、柱状の空間を有する部材を備え、部材の空間の少なくとも一端は開口となっており、部材の空間を規定する側壁が弾性を有していることを特徴とするものである。
[作用・効果]上述の発明によれば、ボトルの種類によらず注ぎ口を被覆することができるボトルキャップカバーを提供できる。弾性を有しているボトルキャップカバーは、変形することにより、多様なボトルに対応することができる。
また、上述のボトルキャップカバーにおいて、部材における外観が所定の形状を模したものとなっていればより望ましい。
また、上述のボトルキャップカバーにおいて、部材を挿入する開口を有し、外観が所定の形状を模したものとなっている外装部材を備えればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の望ましい例を示すものとなっている。部材における外観が所定の形状を模したものとなっていれば、人目を惹きつけ購買意欲を増大させるボトルキャップカバーが提供できる。
本発明によれば、ボトルの種類によらず注ぎ口を被覆することができるボトルキャップカバーを提供できる。すなわち、本発明によれば、栓をしたボトルの先端を位置させる空間を有する第1部材と、第1部材の空間に挿入できない広い注ぎ口を有するボトルの先端を当接させる第2部材とを有している。したがって、本発明によれば、第1部材と第2部材とにより複数のボトルに対応することができる。また、第2部材が有する当接面は、第1部材に向かうに従い空間に向けて突出している。したがって、第2部材は、多様なボトルの先端と当接することができ、対応できるボトルは一層多いものとなる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。なお、後述のボトルB1は例えばワインボトル、ボトルB2は例えばペットボトル、ボトルB3は例えば一升瓶である。
図1は、本実施形態に係るボトルキャップカバー10を説明する斜視図である。ボトルキャップカバー10は、兜の形状を模した外形を有し、その内部にワインボトル、ペットボトル、一升瓶など口径が異なるボトルの先端を嵌合させるものである。ボトルキャップカバー10は、これらの口径が異なるボトルの先端を嵌合させるための2段の略円筒状の部材(後述する第1部材11と第2部材12)を備えている。
図2(a)〜(f)は、その順にボトルキャップカバー10の上面図、左側面図、正面図、右側面図、背面図、下面図である。後述する第1部材11と第2部材12は、兜の頭部の内側に備えられており、兜の下方からボトルが挿入される。
また、第1部材11と第2部材12の左右外側には、異なる大きさの文房具を立てるための後述する孔14c,14cが備えられており、兜の上方から文房具が挿入される。なお、孔14c,14cは、ボトルキャップカバー10に備えられていなくてもよい。また、孔14c,14cいずれか一方のみボトルキャップカバー10に備えられていてもよい。
図3(a)はボトルキャップカバー10の図2に示したA−A線断面図であり、(b)はボトルキャップカバー10の図2に示したB−B線断面図である。ボトルキャップカバー10は、例えばプラスチックなどの合成樹脂で一体成型されている。後述する第1部材11と第2部材12は、その内部がテーパ状となっている。第1部材11と第2部材12のテーパの角度は、例えば1.7度である。テーパの角度は、0.5度から10度までの範囲から選択されるのが好ましい。また、ボトルキャップカバー10を構成する素材としては、プラスチックを選択する必要はなく、例えば金属等他の材料を用いることもできる。金属を用いた場合、割れにくく、強い強度のボトルキャップカバー10が提供できる。
これにより、ワインボトル、ペットボトル、一升瓶の先端を強く嵌合させることができ、真横や逆さに向けてもボトルキャップカバー10が容易に落ちない。また、第1部材11は、より細いボトルの先端や開封後のワインボトルに装着されたコルク栓であっても、ある程度嵌合させることができ、真横や逆さに向けてもボトルキャップカバー10が落ち難くすることができる。なお、第1部材11と第2部材12のテーパの角度は、同じ角度でなくてもよい。また、ボトルキャップカバー本体と第1部材11,第2部材12とを別々に形成してもよい。
また、図1〜図3では、ボトルキャップカバー10は、三日月状の飾り(剣)を備えているが、剣を備えていないボトルキャップカバー10であってもよい。図4(a)〜(f)は、その順に剣を備えないボトルキャップカバー10の上面図、左側面図、正面図、右側面図、背面図、下面図である。
なお、上述した図3(b)に示すように剣を着脱可能に構成していてもよいし、異なる形状の剣に変えてもよい。ボトルキャップカバー10の兜の形状や模様は、本実施形態に係る形状や模様に限定されない。ボトルキャップカバー10を兜の形状のままで、眉庇の菊の文様や吹き返しの菱形の文様、背面のしころのバツ印の文様、頭頂部の飾りを無くしてもよいし、異なる文様に変えてもよい。
次に、上述した本実施形態に係るボトルキャップカバー10から、第1部材11と第2部材12を概念的に取り出して説明する。見た目を分かり易くするために、第1部材11と第2部材12のテーパの角度は、上述した本実施形態のものよりも大きくされている。
図5は、実施例1に係るボトルキャップカバー10を説明する斜視図である。図5に示すように、ボトルキャップカバー10は、高さ方向に伸びた略円筒状の第1部材11と、高さ方向に伸びた略円筒状の第2部材12と、第1部材11,第2部材12を連結するリング状の連結部材13とを備えている。したがって、第1部材11の内部空間は、高さ方向に伸びた略円柱状であり、第2部材12の内部空間は、高さ方向に伸びた略円柱状である。第1部材11および第2部材12は、略円柱状をした内部空間の中心軸を共有した状態で高さ方向に連接している。したがって、略円筒形状となっている第1部材11の中心軸を高さ方向に延長すると、それがそのまま略円筒形状となっている第2部材12の中心軸となる。略円柱状となっている第1部材11の空間と略円柱状となっている第2部材12の空間は中心軸を共有している。
ボトルキャップカバー10には、ボトルの先端を挿入させる開口10aを有している。ボトルキャップカバー10の下端には開口10aが形成され、開口10aから第2部材12が有する内部空間に進入することができる。また、ボトルキャップカバー10の上端には開口10bが形成され、開口10bから第1部材11が有する内部空間に進入することができる。
図5を見れば分かるように、第2部材12は、高さ方向について第1部材11よりも長い構成となっている。このようにすることでボトルキャップカバー10全体の高さを抑制することができるが、この点については後述する。
図6は、実施例1に係るボトルキャップカバー10の断面図である。図6に示すように第1部材11の内部空間は、第2部材12の内部空間と連続しており、後述するように開口10aから挿入したボトルの先端を第1部材11の内部空間に導入できるようになっている。第2部材12の一端は、第1部材11の内部空間と連続し他端が開口10aとなっている。
ボトルキャップカバー10を構成する各部材は傾斜した構成となっているのでこの点について説明する。第1部材11は、開口10bから第2部材12に向かうに従って、円筒の内径が大きくなるように構成されている。したがって、第1部材11の外観及び内部(より正確には後述する当たり面)は、テーパ状となっている。同様に、第2部材12は、第1部材11側の一端から開口10a側の他端に向かうに従って、円筒の内径が大きくなるように構成されている。したがって、第2部材12の外観および内部(より正確には後述する当たり面)は、テーパ状となっている。
図7を参照しながらボトルキャップカバー10の内径の幅について説明する。第1部材11の内径は、最も狭い幅w1aから最も広い幅w1bまで変化する。同様に第2部材12の内径は最も狭い幅w2aから最も広い幅w2bまで変化する。第1部材11は、内径が最も広い幅w1bとなっている箇所で第2部材12と連接し、第2部材12は、内径が最も狭い幅w2aとなっている箇所で第1部材11と連接している。図7を参照すれば分かるように、第1部材11の幅w1bは、第2部材12の幅w2aよりも狭い。したがって、第1部材11の内部空間の径よりも第2部材12の内部空間の径のほうが大きい。
第1部材11の内部空間を規定する側壁11aは、ボトルB1の先端(ボトルの先端を構成する円形となっている面の縁)を当接させる当たり面を有し、第1部材11の当たり面は、第2部材12から遠ざかるに従い第1部材11の内部空間に向けて突出する形状となっている。このような形状となっていることにより、実施例1に係るボトルキャップカバー10は多様な種類のボトルに対応できるようになるのでこの点について説明する。
図8は、実施例1に係るボトルキャップカバー10の使用状況を示す模式図である。図8は、第1部材11の側壁11aが栓をしたボトルB1の先端に当接している例を表している。ボトルB1は、注ぎ口にコルク栓C1を入れ込んだ状態となっている。コルク栓C1は、ボトルB1に栓をするために設けられており、一部がボトルB1における注ぎ口の開口に埋没し、一部がボトルB1の注ぎ口から露出している。この栓をしたボトルB1の先端をボトルキャップカバー10の開口10aに導入すると、栓をしたボトルB1の先端(コルク栓C1の先端)は、まず第2部材12の内部空間に進入する。コルク栓C1における先端の径は第2部材12の内径よりも十分に小さいので、コルク栓C1の先端は第2部材12に当接せずに第1部材11の内部空間まで移動することが可能である。第1部材11の内部空間は、栓をしたボトルの先端を位置させる構成となっている。
この状態のボトルキャップカバー10は、ボトルB1に対して回転自在となっている。これは、テーパ状となっている第1部材11の側壁11aの角度が栓をしたボトルB1先端の回転を支持する軸受けとして機能する程度に小さいことによる。言い換えれば、側壁11aの形状は、回転軸受けとして機能する程度に円筒形に近い。
栓をしたボトルB1の先端をボトルキャップカバー10の更に奥まで押し込むと、コルク栓C1の先端は、第1部材11の内部空間に進入し、やがて、図8に示すように、コルク栓C1の先端が第1部材11の側壁11aに当接する。図8は、コルク栓C1の先端における右端と、コルク栓C1の先端における左端とのそれぞれが側壁11aに当接している図となっている。実際の当接箇所は円形となっているコルク栓C1の先端を縁取るような円環状に存在しているので、栓をしたボトルB1とボトルキャップカバー10はコルク栓C1および第1部材11を通じて堅固に密着する。これにより、ボトルキャップカバー10がボトルB1に対して左右に移動することはない。ボトルキャップカバー10はボトルB1に対してボトルB1から離れる方向にしか移動しない。
また、側壁11aは、栓をしたボトルB1の進入方向に先細りとなるように傾斜しているので、栓をしたボトルB1の先端(コルク栓C1)は、確実に側壁11aに当接することになる。すなわち、径が異なるコルク栓をコルク栓C1の代わりに用いたとしても、コルク栓C1の先端は、側壁11aに当接することになる。例えば、図8で示したコルク栓C1よりも径が幾分か小さいコルク栓をコルク栓C1の代わりに用いるとすれば、コルク栓はその分、第1部材11の深い位置で当接することになる。
また、例えば、図8で示したコルク栓C1よりも径が幾分か大きいコルク栓をコルク栓C1の代わりに用いるとすれば、コルク栓はその分、第1部材11の浅い位置で当接することになる。このように、実施例1のボトルキャップカバー10は、多様な種類のコルク栓を有するボトルに対応することができる。しかも、どの場合でも、コルク栓とボトルキャップカバー10は第1部材11を通じて堅固に密着し、ボトルキャップカバー10がコルク栓に対して左右に移動することがない。ボトルキャップカバー10はボトルに対してボトルから離れる方向にしか移動しない。
コルク栓C1と第1部材11とによって形成される隙間について説明する。コルク栓C1の先端は、第1部材11の開口10bから突出することなく、第1部材11の途中で側壁11aに当接している。したがって、この状態においては、第1部材11の開口10bからコルク栓C1の先端までの間には隙間が存在することになる。また、第1部材11とボトルB1との当接箇所は円環状となっているので、その他の部位ではコルク栓C1は、第1部材11には当接しない。つまり、それ以外の部分である当接箇所よりも第2部材12側の部分では、第1部材11とコルク栓C1との間には隙間が存在することになる。このように円環状となっている当接箇所は、上側の隙間と下側の隙間に挟まれている。
第2部材12の内部空間を規定する側壁12aは、第1部材11の内部空間の径よりも径の大きなボトルB2,B3の先端(ボトルの先端を構成する円形となっている面の縁)を当接させる当たり面を有し、当たり面は、第1部材11に向かうに従い第2部材12の内部空間に向けて突出する形状となっている。このような形状となっていることにより、実施例1に係るボトルキャップカバー10は多様な種類のボトルに対応できるようになるのでこの点について説明する。
図9は、実施例1に係るボトルキャップカバー10の使用状況を示す模式図である。図9左側は、第2部材12の側壁12aがボトルB2の先端に当接している例を表している。ボトルB2は、注ぎ口にキャップC2を有した状態となっている。キャップC2は、ボトルB2に栓をするために設けられている。この状態のボトルB2の先端をボトルキャップカバー10の開口10aに導入すると、ボトルB2の先端は、まず第2部材12の内部空間に進入する。ボトルB2における先端の径は第1部材11の内径よりも十分に大きいので、ボトルB2の先端は第1部材11の内部空間まで移動することができない。
この状態のボトルキャップカバー10は、ボトルB2に対して回転自在となっている。これは、テーパ状となっている第2部材12の側壁12aの角度がボトルB2先端の回転を支持する軸受けとして機能する程度に小さいことによる。言い換えれば、側壁12aの形状は、回転軸受けとして機能する程度に円筒形に近い。例えば上述したテーパの角度が1.7度に形成されている場合は第2部材12がこの回転軸受けとして機能する。また、図9に示すような1.7度によりも多少大きい角度や小さい角度でも、第2部材12の側壁12aの角度がボトルB2先端の回転を支持する軸受けとして機能すればよい。これにより、ボトルキャップカバー10がボトルB2に対してぐらつかず、均等のとれた(水平に近い)姿勢を採り易くなるので、ボトルキャップカバー10が被せられたボトルB2の見た目を良くすることができる。
ボトルB2の先端をボトルキャップカバー10の更に奥まで押し込むと、やがて、図9左側に示すように、ボトルB2の先端が第2部材12の側壁12aに当接する。図9は、ボトルB2の先端における右端と、ボトルB2の先端における左端とのそれぞれが側壁12aに当接している図となっている。実際の当接箇所は円形となっているボトルB2の先端を縁取るような円環状に存在しているので、ボトルB2とボトルキャップカバー10は第2部材12を通じて堅固に密着している。これにより、ボトルキャップカバー10がボトルB2に対して左右に移動することはない。ボトルキャップカバー10はボトルB2に対してボトルB2から離れる方向にしか移動しない。
また、側壁12aは、ボトルB2の進入方向に先細りとなるように傾斜しているので、ボトルは、確実に側壁12aに当接することになる。すなわち、注ぎ口の径が異なるボトルB3をボトルB2の代わりに用いたとしても、ボトルB3の先端は、側壁12aに当接することになる。例えば、図9左側で示したボトルB2よりも注ぎ口の径が幾分か小さいボトルB3をボトルB2の代わりに用いるとすれば、ボトルB3は図9右側に示すように、第2部材12の深い位置で当接することになる。なお、このときのボトルB3は、注ぎ口にキャップC3を有した状態となっている。キャップC3は、ボトルB3に栓をするために設けられている。なお、ボトルB3の先端をボトルキャップカバー10の開口10aに導入した状態で当該先端を側壁12aに当接させない場合、ボトルキャップカバー10がボトルB3に対して回転自在となっている点については、ボトルキャップカバーB2のときと同様である。
また、例えば、図9左側で示したボトルB2よりも注ぎ口の径が幾分か大きいボトルをボトルB2の代わりに用いるとすれば、ボトルはその分、第2部材12の浅い位置で当接することになる。このように、実施例1のボトルキャップカバー10は、多様な種類のボトルに対応することができる。しかも、どの場合でも、ボトルとボトルキャップカバー10は第2部材12を通じて堅固に密着し、ボトルキャップカバー10がボトルに対して左右に移動することがない。ボトルキャップカバー10はボトルに対してボトルから離れる方向にしか移動しない。
ボトルB2,B3と第2部材12とによって形成される隙間について説明する。ボトルB2,B3の先端は、連結部材13に当接することなく、第2部材12の途中で側壁12aに当接している。したがって、この状態においては、第2部材12の上側の終端である連結部材13からボトルB2,B3の先端までの間には隙間が存在することになる。また、第2部材12とボトルB2,B3との当接箇所は円環状となっているので、その他の部位ではボトルB2,B3は、第2部材12には当接しない。つまり、それ以外の部分である当接箇所よりも開口10a側の部分では、第2部材12とボトルB2,B3との間には隙間が存在することになる。このように円環状となっている当接箇所は、上側の隙間と下側の隙間に挟まれている。
実施例1のボトルキャップカバー10は多段構造となっており、ボトルに対する当たり面として側壁11aと側壁12aとが用意されている。これは、普及しているボトルに合わせた仕様となっているのでこれについて説明する。普及しているボトルとしては、例えばワインボトル、ペットボトル、一升瓶がある。ワインボトルは、3種類のボトルのうち特に注ぎ口が狭い。したがって、実施例1のボトルキャップカバー10は、ワインボトルのコルク栓C1に対する当たり面として側壁11aを有する構成となっている。また、ペットボトル、一升瓶は、注ぎ口の広さは似通っているが同じではない。したがって、実施例1のボトルキャップカバー10は、当たり面として側壁11aよりも深めの側壁12aを有する構成とし、側壁12aでペットボトル、一升瓶のどちらにも対応できるようにしている。
また、実施例1のボトルキャップカバー10は多段構造となっていることにより高さを抑制することができるのでこの点について説明する。実施例1は、使用の目的としているボトルは、主としてワインボトル、ペットボトル、一升瓶がある。ワインボトルと一升瓶との間には、三種類のボトルのいずれにも使用されない径が存在する。そこで、実施例1によれば、この使用されない径についての当たり面を省略する構成となっている。当たり面を設けるようにすると、図6を参照すれば分かるように、ボトルキャップカバー10をそれだけ高さ方向に伸ばした構成としなければならない。実施例1によれば、連結部材13を設けることにより不要な径についての当たり面を省略しているので、高さが抑制されたボトルキャップカバー10を提供することができる。
また、実施例1のボトルキャップカバー10は、上述したように、第2部材12が高さ方向について第1部材よりも長い構成となっている。このようにすることにより、ボトルキャップカバー10の高さを更に抑制することができるのでこの点について説明する。上述したように、第1部材11の側壁11aは、最も径が小さいワインボトルのコルク栓用であり、第2部材12の側壁12aは、ワインボトルのコルク栓よりも注ぎ口の径が大きいペットボトル、一升瓶の兼用である。実施例1に係るボトルキャップカバー10によれば、兼用となっている側壁12aの高さをワインボトル用となっている側壁11aの高さよりも高くなるようにしている。側壁11aは、ワインボトル用であるので、当接するボトル先端の径にさほど大きなバラツキはない。したがって、側壁11aの内径は広い範囲に亘って変化させる必要がなく、側壁11aの高さを低く抑えても問題は生じない。その一方で、側壁12aは、ペットボトル、一升瓶の兼用であるので、当接する種々のボトル先端の径に大きな違いがある。したがって、側壁12aの内径を広い範囲に亘って変化させる必要があることから側壁12aの高さはそれに見合うだけのものとなっている。側壁11aの高さが低く抑えられている分だけボトルキャップカバー10全体の高さは低いものとなる。
ボトルキャップカバー10の高さが低ければ、それだけ外装部材14を設計するときの自由度が増す。実施例1の構成によれば、ボトルキャップカバー10の高さが十分に抑制されたものとなっているので、外装部材14の形状を自由に変更することができる。
図10は、ボトルキャップカバー10を被覆する外装部材14について説明している。外装部材14は、外観が例えば兜の形状を模したものとなっており、ボトルキャップカバー10を挿入することができる開口14aを有している。開口14aは、外装部材14の内部に設けられた円柱状の空間15に連絡している。第1部材11側を先頭にしてボトルキャップカバー10を外装部材14の開口14aに差し込むと、ボトルキャップカバー10は、空間15に位置することになる。また、外装部材14は、ボトルキャップカバー10と例えば接着材により一体化している。ボトルキャップカバー10の開口10aにボトルの先端を挿入すれば、外装部材14は、ボトルキャップカバー10を通じてボトルに固定される。
以上のように、実施例1によれば、ボトルの種類によらず注ぎ口を被覆することができるボトルキャップカバーを提供できる。すなわち、実施例1によれば、栓をしたボトルの先端を位置させる空間を有する第1部材11と、第1部材11の空間に挿入できない広い注ぎ口を有するボトルの先端を当接させる第2部材12とを有している。したがって、実施例1によれば、第1部材11と第2部材12とにより複数のボトルに対応することができる。また、第2部材12が有する当たり面は、第1部材11に向かうに従い空間に向けて突出している。したがって、第2部材12は、多様なボトルの先端と当接することができ、対応できるボトルは一層多いものとなる。
続いて、本発明を実施するための別形態について説明する。図11は、実施例2に係るボトルキャップカバー20は、スポンジなどの弾性体で構成される円筒状となっている。したがって、ボトルキャップカバー20は、略円柱状の内部空間を有する。ボトルキャップカバー20の下端には、ボトルの注ぎ口を挿入させる開口20aが設けられており、ボトルキャップカバー20の上端には開口20bが設けられている。ボトルキャップカバー20は、弾性体で構成されているので、ボトルキャップカバー20の内部空間を規定する側壁が弾性を有している。これにより、ボトルキャップカバー20に注ぎ口の径が異なるボトルを挿入することができる。すなわち、注ぎ口の径が大きいボトルをボトルキャップカバー20の開口20bに差し込むと、ボトルキャップカバー20は、強く圧縮されながらもボトルの導入を許容する。また、注ぎ口の径が小さいボトルをボトルキャップカバー20の開口20bに差し込むと、ボトルキャップカバー20は、弱く圧縮されてボトルの導入を許容する。
また、ボトルキャップカバー20の内壁にボトルキャップカバー20の中心軸に沿う切り込みを設ける構成とすることもできる。このような構成とすることで、ボトルキャップカバー20はより容易に変形をすることができるので、ボトルキャップカバー20が許容するボトルの種類は更に多くなる。
実施例2は図11のような構成に限られない。すなわち、開口20bが閉塞された構成としてもよい。また、内径の小さな円筒形の弾性部材と内径の大きな円筒形の弾性部材を円筒の中心軸に沿って配列して一体化したような構成としてもよい。ボトルキャップカバー20を覆う様に図10で説明した外装部材14を結合することも可能である。
実施例2の構成によれば、ボトルの種類によらず注ぎ口を被覆することができるボトルキャップカバー20を提供できる。弾性を有しているボトルキャップカバー20は、変形することにより、多様なボトルに対応することができる。
本発明は、上述の構成に限られず下記の様に変形実施が可能である。下記の各変形例は、実施例1についてのものであるが、実施例2についても同様の変形実施が適宜可能である。
(1)実施例1の構成では外装部材14とボトルキャップカバー10とが別体となっていたが、本発明はこの構成に限られない。図12に示すように、ボトルキャップカバー30の外形を例えば兜の形状を模したものとしてもよい。このボトルキャップカバー30は、ボトルの注ぎ口を導入する開口30aと、先端に向かって先細りの形状となっている空間31を有している。空間31の形状は、図6で説明したボトルキャップカバー10の形状と同様である。このような構成とすることにより、ボトルキャップカバー10と外装部材14とを個別に生産する工程と、これらを一体化させる工程を省くことができるので、生産コストが抑制されたボトルキャップカバーを提供することができる。
(2)実施例1の構成のボトルキャップカバー10は、内部空間の形状に合わせて外形が決定されていたが、本発明はこの構成に限られない。素材の厚みを変化させることにより、ボトルキャップカバーの外形を例えば円柱としても、実施例1で説明した効果を奏するボトルキャップカバーが提供できる。本変形例に係るボトルキャップカバーは、円柱の空間15を有する外装部材14に隙間なく嵌合することになり、ボトルキャップカバーと外装部材14との接着面を広くすることができる。また、ボトルキャップカバーの外形を多角形柱としてもよい。
(3)実施例1の構成では外装部材14についての特徴についての言及が無かったが、外装部材14に様々な工夫を加えることもできる。図13は、外装部材14の斜視図である。外装部材14は、深さ方向に伸び先端が閉塞した底部となっているペン立て穴14cを有している。ペン立て穴14cには、ペンの先端を導入することができる。また、ペン立て穴14cという名称は理解しやすいように付されているに過ぎず、印鑑などペン以外の物品も立てることができる。
また、兜を模した外装部材14の剣14dは、外装部材14本体に対して着脱可能となっている。これにより、一体形成が難しい外装部材14本体と剣14dとを個別に生産して後で結合することにより、外装部材14の生産コストを抑制することができる。
(4)実施例1の構成では、ボトルキャップカバー10の先端が開口10bとなっていたが本発明はこの構成に限られない。図14左側に示すように、開口10bを有しないボトルキャップカバー40を構成することもできる。本変形例によれば、ボトルの注ぎ口を導入する開口40aを有する点は実施例1と同様である。本変形例に係るボトルキャップカバー40によれば、ボトルキャップカバー40の開口40aの反対側が閉塞部材46により閉塞しており、第1部材11の内部空間は直接には外部と連続していない。このような構成とすることにより、ボトルキャップカバー40の堅牢性を高めることができる。
(5)上述の変形例(4)の更なる変形例として、図14右側に示す様に、第1部材51の内部空間をテーパ状にしない構成を採用できる。本変形例によれば、ボトルの注ぎ口を導入する開口50aを有する点、ボトルキャップカバー50の開口50aの反対側が閉塞部材56により閉塞している点は、変形例(4)と同様である。本変形例によればこれに加えて、第1部材51の内部空間が円柱形となっている。したがって、当該内部空間は、第2部材52から遠ざかるに従って先細りの形状とはなっていない。
このような構成は、図8で説明したボトルB1におけるコルク栓C1の径が定まっている場合に採用できる。閉塞部材56の内側の面56aは、栓をしたボトルの先端(コルク栓の先端を構成する円形となっている面)が当接する当たり面となっている。このようなボトルキャップカバー50においても、第2部材52の当たり面に様々な種類のボトルの先端を当接させることができる。
(6)実施例1のボトルキャップカバー10は、2段構造となっていたが、本発明はこの構成に限られない。ボトルキャップカバー10内部を3段以上の段を有する構造とすることもできる。
(7)実施例1のボトルキャップカバー10の内壁にシリコン樹脂等の塗布剤が塗布された構成とすることもできる。
(8)実施例1の外装部材14は、兜を模していたが、本発明はこの構成に限られない。外装部材14を他の形状を模したものとしてもよい。また、外装部材14を球体や立方体などの形状とすることもできる。
(9)実施例1における第1部材11および第2部材12の側壁11a,12aは全域が当たり面となっていたが、本発明はこの構成に限られない。第2部材12の内側にテーパ状で当たり面を有するリブを設ける構成としてもよい。このような構成によれば、第2部材12の側壁12aの一部が当たり面であることになる。同様に、第1部材11の内側にテーパ状で当たり面を有するリブを設ける構成としてもよい。
(10)実施例1における第1部材11の側壁11aは、コルク栓が当接するようになっていたが、本発明はこの構成に限られない。コルク栓がワインボトルの注ぎ口に完全に埋没し、注ぎ口から突出していない状態のワインボトルの先端を側壁11aに当接させるようにしてもよい。この場合、ワインボトルは、コルク栓を介さず直接ボトルキャップカバー10に接触することになる。
(11)実施例1における第2部材12の高さは、第1部材11よりも高く構成されていたが、本発明はこのような構成に限られない。第1部材11の高さを第2部材12の高さよりも高い構成としてもよい。この場合、第1部材11を例えば、ワインボトル、一升瓶の兼用とし、第2部材12を例えばペットボトル用としてよい。また、例えば、第1部材11と第2部材12との高さを同じとすることもできる。
(12)実施例1における第1部材11,第2部材12は、略円柱状の空間を有していたが、本発明はこの構成に限られない。第1部材11,第2部材12の内部空間の形状を例えば、略正多角形柱状などの柱状としてもよい。これにより、ボトルキャップカバーとボトルキャップとを嵌合させた状態でのグリップ力が高まり、ボトルキャップを開封し易くなる。同様に、実施例2における略円柱状の内部空間も例えば略正多角形柱状などの柱状としてもよい。また、各実施例における内部空間の形状を略正多角形柱ではない略多角形柱とすることもできる。