JP2021128936A - 異方性導電フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】端子列の各端子の軸が同方向に並列している場合にも、放射状のファンアウト型の場合にも、各端子で十分な導電粒子が挟持されて良好な導通状態を確保し、各端子での導電粒子の捕捉状態を一様とし、また、ファインピッチ化した端子を接続する場合にもショートの発生を防止する。【解決手段】導電粒子2が絶縁性樹脂層3に配置された異方性導電フィルム10Aであって、異方性導電フィルム10Aを平面視したxy平面に、導電粒子2が正の傾きに配列した配列Rbと導電粒子2が負の傾きに配列した配列Rcとがy方向に所定間隔をあけ、繰り返し設けられたジグザグ状配列Rが、y方向の位置を周期的に変えながらx方向に所定ピッチで配列している。これにより導電粒子は擬似ランダム型規則配置1Aとなる。【選択図】図1A−1

Description

本発明は、異方性導電フィルムに関する。
ICチップなどの電子部品を実装する基板には軽量化と屈曲性が求められるようになったことからプラスチック基板やFPC(Flexible Printed Circuits)が多用されている。また、ICチップなどの電子部品では端子のファインピッチ化が進んでおり、プラスチック基板やFPCの熱膨張が電子部品の実装時に問題になる場合がある。そこで、電子部品の実装時の温度変動により端子の位置がずれても電子部品の接続を確実に行えるようにするため、電子部品の端子列を構成する各端子を、従前の同方向に並列させることに代えて、放射状に並列させること(所謂、ファンアウト配線)が行われている(特許文献1)。
また、ファンアウト配列以外にも、LED素子(所謂マイクロLED、ミニLED)などにおいては、従来とは異なるユニークな電極配列が求められている。
一方、電子部品の実装には、導電粒子を絶縁性樹脂層に分散させた異方性導電フィルムが広く使用されている。異方性導電フィルムを用いた電子部品の接続において、電子部品の端子のファインピッチ化が進んでも、異方性導電フィルムの導電粒子が電子部品の端子で安定して捕捉されるようにするため、異方性導電フィルムにおいて導電粒子を6方格子等の格子状に配置し、その配列軸を端子の長手方向に対して傾けることが提案されている(特許文献2)。また、異方性導電フィルムの粒子配置として、導電粒子をフィルムの長手方向に対して斜行する第1方向に配列し、その第1方向の粒子列を、その配列方向と異なる第2方向に複数並列させ、第1方向の粒子列を1本の直線状とせず、その粒子列に導電粒子の粒子径の2.5倍未満の幅をもたせること(特許文献3)や、導電粒子が所定の間隔で配列したユニットを繰り返し配置すること(特許文献4、5)等も提案されている。
特開2015-232660号公報 特開平9-320345号公報 特開2017-168465号公報 特開2017-04462号公報 特開2017-04463号公報
しかしながら、異方性導電フィルムを用いて、例えばFOG(Film On Glass)接続を行うにあたり、図11Aに示すように、接続する各端子20が同方向に並列しており、異方性導電フィルムの導電粒子2が6方格子に配置し、その配列軸が端子20の長手方向(配列方向xに垂直な方向)に対して角度δで傾いていても、接続時の熱圧着により端子間に矢印方向の樹脂流動が生じるため、条件によっては接続後には図11Bに示すように、端子間に導電粒子2の密集領域Aが生じ、ショートの原因となる。
また、図12Aに示すように、導電粒子2が6方格子に配置されている異方性導電フィルムを6方格子の配列軸がフィルムの長手方向に傾斜(傾斜角γ)するように用いてファンアウト型の端子列を接続しようとすると、ファンアウト角β(即ち、端子の配列方向xに対する端子20の長手方向の角度)が全体的には端子ごとに少しずつ異なるため、ファンアウト型の端子列の右側と左側とでは、一つの端子に捕捉される導電粒子2の数や分布状態が異なり、接続後の圧痕の見え方も異なる。加えて、同図に示した導電粒子の配置では、端子列の熱圧着前の仮貼状態において、紙面左側の端子20a上では導電粒子2が端子の縁部のみでしか捉えられていないので、接続後に導通不良の起こることが懸念される。
また、導電粒子が6方格子に配置されている異方性導電フィルムを使用して端子列を接続すると、端子の配列方向xと垂直な配列軸の何列分の導電粒子が捕捉に関わるかが端子ごとに異なり、一つの端子で捕捉される導電粒子の捕捉数にばらつきが多く、捕捉数の分布が二山となる場合もある。これは6方格子に限らず、正方格子や斜方格子でも生じ得る。例えば、図12Bに示すように、端子20bで捕捉される導電粒子2は、端子の配列方向xと垂直な1つの配列軸y1に属するものとなるが、端子20cでは、2つの配列軸y2、y3に属する導電粒子2が捕捉されることとなる。このような現象は、図12Cに示すように、端子列がファンアウト型ではなく、各端子の軸が同方向の端子列では更に顕著となり、1つの配列軸y1が接続に関わる端子20bと2つの配列軸y2、y3が接続に関わる端子20cとがそれぞれ相当数存在し、一つの端子で捕捉される導電粒子数のバラツキが大きくなる。そのため、一つの端子における導電粒子の捕捉数と、その捕捉数の端子の出現頻度とをグラフ化すると複数ピークになることがある。即ち、端子幅と端子間スペース、および粒子径と粒子間距離など複数の要因により、例えば二山ピークが発現する場合がある。二山ピークであることにより直ちに実用上の問題が生じるわけではないが、一山ピークの方が導電粒子の捕捉数の制御を行い易い。
また、接続時の熱圧着により、端子上では導電粒子の間隔が、端子の長手方向に比して短手方向に大きく広がり、端子上の導電粒子が端子間に押し出され、押し出された導電粒子も含めて端子間に存在する導電粒子は熱圧着時の樹脂流動により移動する。そのため、端子列の右側と左側で端子に対する導電粒子の分布が異なり、端子間に導電粒子の密集部分が形成されると、その部分でショートが起こりやすいという問題が生じる。
熱圧着時の樹脂流動により端子間の導電粒子がショートを引き起こす現象は、端子列が放射状のファンアウト型の場合にもストレートな端子が同方向にストレートに並列している場合(ストレートな平行配列)にも生じる。これに対しては、異方性導電フィルムの絶縁性樹脂層に光硬化性樹脂を使用して導電粒子の樹脂流動による移動を低減させることが考えられる。しかしながら、光硬化性樹脂の使用により、接続時に硬化する樹脂層中に、光硬化した樹脂が混在した状態とすることで導電粒子の樹脂流動を抑制すると、熱圧着時に導電粒子への加圧が不十分になり易く、端子と導電粒子とに接続不良が生じることが懸念される。そこで、特許6187665号公報に記載のように絶縁性樹脂層にフィラーを含有させること等により絶縁性樹脂層の溶融粘度を上昇させ、熱圧着時に十分に加圧しつつ樹脂流動を抑制することも考えられる。しかしながら、ストレートな平行配列型の端子列に対しても、ファンアウト型の端子列に対しても、ショートを更に発生しにくくすることが求められている。これは導電粒子を保持する絶縁性樹脂の硬化性や粘度だけで導電粒子のショートを完全に防止することが難しいためである。特に、接続工程を担う生産ライン等において多数の接続構造体を連続的に製造する場合にイレギュラーな樹脂流動やアラインメントずれが生じたときにはショートの発生を防止しきれないことが懸念される。更に、端子レイアウトや電子部品の材質が多様化すると、任意の端子レイアウトや電子部品の材質において導通の確保とショートの防止を両立させることは一層難しくなる。
各端子における導電粒子の捕捉数を安定させ、かつ樹脂流動によるショートを抑制するために特許文献3に記載されているように導電粒子の第1粒子列を直線状とせずに粒子列に粒子径以上の幅をもたせると、厳密に粒子配置をコントロールすることができないため、各端子における導電粒子の捕捉数を所定の範囲に収めることが難しくなり、この場合にも接続構造体を連続的に製造する生産ライン等においてイレギュラーな樹脂流動やアラインメントずれが生じると導電粒子の捕捉数を所定の範囲に収めることが更に難しくなる。この難易度は、連続的に製造する接続構造体の数が多くなるほど高くなる。
また、粒子配置を特許文献4、5に記載されているように導電粒子のユニットを繰り返し配置しても、ファンアウト側の端子列の右側と左側で導電粒子の分布を同等にすることは難しく、特に、端子長が短くなるとこの傾向が強まり、各端子における導電粒子の捕捉数のばらつきを低減させることが難しい。
上述した問題に対し、本発明は、接続する端子列の各端子の軸が同方向に並列し、端子列がストレートである場合にも、放射状のファンアウト型の場合にも、電子部品の材質によらず、圧痕等で確認できる接続後の端子における導電粒子の捕捉状態が一様となり、各端子で十分な導電粒子が挟持されて良好な導通状態を確保することができ、また、ファインピッチ化した端子を接続する場合にもショートの発生を防止できるようにすることを課題とする。
本発明者は、異方性導電フィルムにおける導電粒子の配置を、xy平面においてy方向に伸びる導電粒子のジグザグ状配列Rを、y方向の位置を周期的に変えながらx方向に所定ピッチで配列させると導電粒子は擬似ランダム型規則配置となり、これにより上述の課題を解決できることを想到し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、導電粒子が絶縁性樹脂層に配置された異方性導電フィルムであって、異方性導電フィルムを平面視したxy平面に、導電粒子が正の傾きに配列した配列Rbと導電粒子が負の傾きに配列した配列Rcとがy方向に所定間隔をあけ、繰り返し設けられたジグザグ状配列Rが、y方向の位置を周期的に変えながらx方向に所定ピッチで配列している異方性導電フィルムを提供する。
また本発明は、上述の異方性導電フィルムを用いて、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とを異方性導電接続する接続構造体の製造方法を提供する。
更に本発明は、上述の異方性導電フィルムを介して第1の電子部品と第2の電子部品とが異方性導電接続されている接続構造体を提供する。
なお、本発明において、異方性導電フィルムとは異方性導電接続を形成し得るフィルムをいう。また、異方性導電接続状態とは、複数の端子を備えた電子部品同士の対向する端子同士は電気的に接続されているが、隣接する端子同士は電気的に接続されていない状態をいう。
本発明の異方性導電フィルムは平面視における導電粒子の配置が擬似ランダム型規則配置となっている。ここで、擬似ランダム型規則配置とは、導電粒子の配置が規則性や再現性がないランダムな一様な配置に見えるが、実際には再現性や規則性がある配置をいう。本発明の異方性導電フィルムによれば導電粒子の配置が擬似ランダム型規則配置になっており、顕微鏡観察してもムラを認識できない程度に導電粒子が一様に分布しているので、接続する端子列の各端子の軸が同方向に並列し、端子列がストレートである場合にも、放射状のファンアウト型の場合にも、横長の端子でも、異形配線バンプでも、十分な導電粒子が一様に捕捉され、良好な導通状態を得ることが可能となる。
また、端子に対して異方性導電フィルムをいずれの向きで貼っても、良好な導通状態を得ることができる。
更に、導電粒子がムラ無く分散していることにより、ファインピッチ化した端子を接続する場合にもショートが発生することを抑制できる。
加えて、擬似ランダム型規則配置は所定の周期性を有するので、異方性導電フィルムの製品検査においては、導電粒子が所定の擬似ランダム型規則配置に配置されているか否かを容易に検査することができる。
図1A−1は、実施例の異方性導電フィルム10Aが有する導電粒子の擬似ランダム型規則配置1Aである。 図1A−2は、図1A−1の拡大図である。 図1Bは、実施例の異方性導電フィルム10Aが有する導電粒子の擬似ランダム型規則配置1Aの作成方法の説明図である。 図2は、実施例の異方性導電フィルム10Aの断面図である。 図3Aは、実施例の異方性導電フィルム10Bの断面図である。 図3Bは、実施例の異方性導電フィルム10Cの断面図である。 図4Aは、実施例の異方性導電フィルムが有する導電粒子の擬似ランダム型規則配置1Bである。 図4Bは、実施例の異方性導電フィルムが有する導電粒子の擬似ランダム型規則配置1Bの作成方法の説明図である。 図5Aは、実施例の異方性導電フィルムが有する導電粒子の擬似ランダム型規則配置1Cである。 図5Bは、実施例の異方性導電フィルムが有する導電粒子の擬似ランダム型規則配置1Cを作成する方法の説明図である。 図6は、実施例の異方性導電フィルムが有する導電粒子の擬似ランダム型規則配置1Dである。 図7は、実施例の異方性導電フィルムが有する導電粒子の擬似ランダム型規則配置1Eである。 図8Aは、実施例の異方性導電フィルムが有する導電粒子の擬似ランダム型規則配置1Fである。 図8Bは、実施例の異方性導電フィルムが有する導電粒子の擬似ランダム型規則配置1Fである。 図9は、実施例の異方性導電フィルムが有する導電粒子のパターン1B1である。 図10は、比較例の異方性導電フィルムが有する導電粒子のパターン1Xである。 図11Aは、導電粒子が6方格子に配置されている粒子配置の説明図である。 図11Bは、導電粒子が6方格子に配置されている異方性導電フィルムを用いて端子列を接続した後の状態の説明図である。 図12Aは、ファンアウト型の端子列に、導電粒子が6方格子(傾斜角γ)に配置されている異方性導電フィルムを重ねた状態の平面図である。 図12Bは、ファンアウト型の端子列に、導電粒子が6方格子(傾斜角γ=0°)に配置されている異方性導電フィルムを重ねた状態の平面図である。 図12Cは、各端子の端子軸が同方向の端子列に、導電粒子が6方格子(傾斜角γ=0°)に配置されている異方性導電フィルムを重ねた状態の平面図である。
以下、本発明の一実施例の異方性導電フィルムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
<異方性導電フィルムの全体構成>
図1A-1は実施例の異方性導電フィルム10Aの導電粒子の配置を示す平面図であり、この異方性導電フィルムが有する擬似ランダム型規則配置1Aを表している。図1A-2は、図1A-1の拡大図である。図2はこの異方性導電フィルム10Aを厚み方向に切った断面図である。
異方性導電フィルム10Aは、導電粒子2が絶縁性樹脂層3の表面又はその近傍に単層で配置され、その上に低粘度樹脂層4が積層された層構成を有している。なお、本発明において、低粘度樹脂層4は必要に応じて設けられ、図3Aに示す異方性導電フィルム10Bの断面図のように、低粘度樹脂層4を省略した層構成としてもよい。この異方性導電フィルム10Bの導電粒子2の平面配置は、低粘度樹脂層4を有する異方性導電フィルム10Aと同様とすることができる。異方性導電フィルムの層構成としては、図3Bに示す異方性導電フィルム10Cのように、貫通孔3hを有する絶縁性フィルム3の貫通孔3hに導電粒子2を保持させ、その上面と下面に低粘度樹脂層4A、4Bが積層されているものとしてもよい。この場合、絶縁性フィルム3は、低粘度樹脂層4A、4Bよりも加熱加圧によって変形し難い樹脂層とする。
<導電粒子>
・粒子材料
導電粒子2としては、ニッケル、コバルト、銀、銅、金、パラジウムなどの金属粒子、ハンダなどの合金粒子、金属被覆樹脂粒子などが挙げられる。2種以上を併用することもできる。中でも、金属被覆樹脂粒子が、接続された後に樹脂粒子が反発することで端子との接触が維持され易くなり、導通性能が安定する点から好ましい。また、導電粒子の表面には導通特性に支障を来さない絶縁処理が施されていてもよく、例えば公知の技術により絶縁性微粒子が付着していてもよく、絶縁性樹脂により絶縁コートされていてもよい。
・粒子径
導電粒子2の粒子径は、用途によって適宜選択される。通常、導通抵抗の上昇を抑制し、且つショートの発生を抑制するために、好ましくは1μm以上30μm以下、ファインピッチ用途であれば、好ましくは2μm以上10μm未満とすることができ、更にファインピッチが求められる場合には粒子径2μm未満とすることもできる。絶縁性樹脂層に分散させる前の導電粒子の粒子径は、一般的な粒度分布測定装置により測定することができ、また、平均粒子径も粒度分布測定装置を用いて求めることができる。測定装置としては、一例として画像型のFPIA−3000(マルバーン・パナリティカル社)を挙げることができる。この場合、導電粒子径を測定するサンプル数を1000以上、好ましくは2000以上とすることが望ましい。異方性導電フィルムにおける導電粒子の粒子径は、SEMなどの電子顕微鏡観察から求めることができる。この場合、導電粒子径を測定するサンプル数を200以上、好ましくは1000以上とすることが望ましい。
また、粒子径のバラツキに関し、粒子径のCV値(変動係数=標準偏差/平均)は20%以下であることが好ましい。粒子径のバラツキが小さいことにより、熱圧着時の加熱加圧条件のマージンを大きくとることができる。
微粒子の集合を一つの導電粒子の配置と見なすこともできる。その場合、この集合の径が20%以下のCV値を満たせばよい。
なお、導電粒子として、その表面に上述の絶縁処理が施されたものを使用する場合、本発明における導電粒子の粒子径は、絶縁処理の部分を含めない粒子径を意味する。
<導電粒子の平面配置>
図1A-1は異方性導電フィルム10Aが有する導電粒子2の擬似ランダム型規則配置1Aであり、図1Bはその作成方法の説明図であって、ジグザグ配列Rのy方向の位置を周期的に変える前の状態を表している。
この擬似ランダム型規則配置1Aは次のように作成することができる。まず、xy平面において、導電粒子2が正の傾きに配列した配列Rbと導電粒子2が負の傾きに配列した配列Rcとがy方向に所定間隔をあけ、繰り返し設けられたジグザグ状配列Rを考え(図1B)、次にこのジグザグ状配列Rのy方向の位置を周期的に変えながらx方向に所定ピッチで配列させる(図1A-1)。この場合、予めジグザグ状配列Rをx方向に所定ピッチで配列させた導電粒子のパターンを考え、この導電粒子のパターンを構成するジグザグ状配列Rのy方向の位置を周期的に変えても良い。
より具体的には、例えば図1A-1に示した擬似ランダム型規則配置1Aを作成するために、まず、3個の導電粒子2がx方向に対して角度αで配列した配列Rbと、この配列方向をx方向に対して反転させた方向に3個の導電粒子を配列させた配列Rcを考える。この配列Rcにおける導電粒子の配列方向は、x方向に対して角度−αの方向となる(図1B)。配列Rbにおける導電粒子のy方向のピッチL1と配列Rcにおける導電粒子のy方向のピッチL2は同一でも異なっていてもよい。
次に配列Rbと配列Rcとが、y方向に所定間隔L31、L32をあけて繰り返し配置されたジグザグ状配列Rを考える(図1B)。本発明においてジグザグ状配列Rは、配列Rbと配列Rcが繰り返し配置されたものであれば、必ずしもこれらが交互に配置されている必要はないが、本実施例では配列Rbと配列Rcが交互に配置されている。
また、ジグザグ状配列Rにおいて、隣り合う配列Rb、配列Rcの最近接導電粒子同士のx方向のズレ量Ld1、Ld2(図1B)は適宜設定することができる。本実施例では、y方向に繰り返し設けられる配列Rb同士のx方向のズレ量や、配列Rc同士のx方向のズレ量がゼロであるため、Ld1=Ld2=Ldである。
次に、ジクザク状配列Rをx方向に所定ピッチpaで配列させることを想定するが(図1B)、この場合にジグザグ状配列Rのy方向の位置を、図1A-1において二点鎖線の屈曲線Fで示したように、周期的(1周期:R1,R2,R3,R4,R5,R6)に変え、擬似ランダム型規則配置1Aを得る。
本発明において、配列Rbを構成する導電粒子数と配列Rcを構成する導電粒子数に特に制限はないが、粒子配置の設計の便宜上、配列Rbを好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜6個、更に好ましくは2〜4個、特に2〜3個の導電粒子で形成し、配列Rcも好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜6個、更に好ましくは2〜4個、特に2〜3個の導電粒子で形成する。
本実施例において、配列Rbがx方向となす角度はαで、配列Rcがx方向となす角度は−αであるから、配列Rbの配列方向と配列Rcの配列方向はx軸に対して対称である。本発明において、配列Rbがx方向となす角度と配列Rcがx方向となす角度とは、それらの絶対値が厳密に一致していなくてもよいが、設計の便宜上、配列Rbがx方向となす角度と配列Rcがx方向となす角度の絶対値同士の差と、配列Rbがx方向となす角度の絶対値との比率が20%以下が好ましい。これにより導電粒子同士の重なりがなく、導電粒子の分布が一様な擬似ランダム型規則配置を作成しやすくなる。一方、ピッチL1、ピッチL2、ピッチpa、間隔L3等の設定により、上述の比率が20%を超えても、導電粒子の分布が一様な擬似ランダム型規則配置を作成することができる。また、角度αの絶対値は、見た目の不規則性を確保するため5〜85°とすることが好ましく、10〜80°がより好ましく、15〜75°が更により好ましい。
また、本実施例では、x方向に配列したジグザグ状配列Rのy方向の位置が一定であるとした場合の該ジグザグ状配列Rのx方向のピッチpa(図1B)は一定であるが、本発明においてこのピッチpaには規則性があればよく、必ずしも一定である必要はない。例えば、ピッチpa1とピッチpa2が所定の周期で現れるようにしてもよい。ただし、擬似ランダム型規則配置の設計の便宜上、図1Bに示すように、x方向に配列したジグザグ状配列Rのy方向の位置が一定であるとした場合の該ジグザグ状配列Rのx方向のピッチpaは一定とすることが好ましい。
本発明では、隣り合う配列Rbと配列Rcを含む、ジグザグ状配列Rの繰り返し最小単位Ru(図1A-2)を形成する屈曲線のx方向の振れ幅をLxとした場合に、pa>Lxとすることが好ましい。これにより、擬似ランダム型規則配置の作成にあたり、ジグザグ状配列Rのy方向の位置を周期的に変化させても、導電粒子同士が重なることを防止できる。一方、例えばx方向の導電粒子を密にしたい場合は、pa≦Lxとしてもよい。
配列Rbの導電粒子のy方向のピッチL1と、配列Rcの導電粒子のy方向のピッチL2と、図1Bに示すようにジグザグ状配列Rのy方向の位置が一定であるとした場合の該ジグザグ状配列Rのx方向のピッチpaは、互いに異なってもよい。導電粒子のばらつきを一様にする点及び擬似ランダム型規則配置の設計を容易にする点からは、これらは実質的に等しいことが好ましい。ここで、これらが実質的に等しいとは、最終的に得られる擬似ランダム型規則配置の不規則性や均一性が実質的に等しくなることをいう。
配列Rbと配列Rcとをy方向に交互に配置する場合のこれらのy方向における間隔L3については、配列Rbの上に配列Rcがあるときの間隔L31と、配列Rcの上に配列Rbがあるときの間隔L32とが同一でも異なっていても擬似ランダム型規則配置は形成することができる。導電粒子のばらつきを一様にする点及び擬似ランダム型規則配置の設計を容易にする点からは、これらの間隔L31、L32にも規則性があることが好ましく、特にこれらが一定で等しいことがより好ましい。また、間隔L31、L32と上述のピッチL1、L2やピッチpaとは同一でも異なっていてもよいが、間隔L31、L32が一定で等しく、この間隔L3(L31、L32)と上述のピッチL1、L2、paが等しいことが更に好ましい。
ジグザグ状配列Rのy方向の位置を周期的に変化させるにあたり、周期的変化のパターンは特に限定されないが、隣り合う配列Rbと配列Rcを含む、ジグザグ状配列Rの繰り返し最小単位Ruを形成する屈曲線に対し、これと、y=xに対して対称な屈曲線を形成し、それをジグザグ状配列Rのx方向の1周期分に対応させた屈曲線F0とし、この屈曲線F0に沿わせてジグザグ状配列Rのy方向の位置を変化させることが好ましい(図1A-2)。これにより、擬似ランダム型規則配置における繰り返しユニットでの導電粒子の配置を、y=xに対して対称な粒子配置に近づけ、導電粒子の配置の一様性を向上させることができる。なお、ジグザグ状配列Rのy方向の位置を周期的に変化させる時のx軸方向に伸びる周期的な屈曲線は後述するようにFに限られない。x軸方向に伸びる周期的な屈曲線の繰り返し単位として、ジグザグ状配列Rの繰り返し最小単位Ruを形成する屈曲線と対称な屈曲線又はそれを変形した屈曲線を使用するときに、対称の軸をy≠xとしてもよい。
また、屈曲線Fのy方向の変化幅をLyとした場合に、Ly<L3(L31、L32)とすることが好ましい。これにより、擬似ランダム型規則配置の繰り返しの最小単位Ruを、x方向がジグザグ状配列Rの1周期分の長さL0xで、y方向がジグザグ状配列Rのy方向の繰り返し最小単位Ruのy方向の長さL0yの矩形Uに含まれる導電粒子のパターン(図1A-1、図1A-2において導電粒子を濃色に塗り潰したパターン)とすることができる。よって、擬似ランダム型規則配置の異方性導電フィルムを製造した場合に、該フィルムの導電粒子が擬似ランダム型規則配置に配置されているかの検査が容易になる。特に、隣り合う配列Rbと配列Rcを含む、ジグザグ状配列Rの繰り返し最小単位Ruの導電粒子数と、ジグザグ状配列Rのx方向の1周期分の配列数が等しいことが好ましい。この場合に、ピッチL1=ピッチL2=間隔L3=ピッチpaとすると、擬似ランダム型規則配置の繰り返しの最小単位となる導電粒子のパターンをy=xに対称なパターンとすることができる。これにより、異方性導電フィルムにおいて導電粒子が擬似ランダム型規則配置に配置されているか否かの検査が容易になるので好ましい。
(ランダム型規則配置の変形態様)
図4Aに示した擬似ランダム型規則配置1Bは、配列Rb、配列Rcがそれぞれ2個の導電粒子からなり、ピッチL1=ピッチL2=間隔L3=ピッチpa、ズレ量Ld/ピッチpa=0.25、角度α=60°としたものである。
この擬似ランダム型規則配置1Bの作成方法としては、まず、図4Bに示したようにジグザグ状配列Rをピッチpaでx方向に配列させたものを考え、次にジグザグ状配列Rの繰り返し最小単位Ruを形成する屈曲線と、y=xに対して対称な屈曲線F0を考え、ピッチpaで配列したジグザグ状配列Rを、順次屈曲線F0に沿ってy方向に移動させ、これを繰り返すことにより図4Aに示した導電粒子のパターンを得る。
このように、ピッチL1=ピッチL2=間隔L3=ピッチpaとし、ジグザグ状配列Rの繰り返し最小単位Ruを形成する導電粒子数と、ジグザグ状配列Rのx方向の1周期分の配列数とを等しくすることにより、極めて簡便に導電粒子の擬似ランダム型規則配置を形成することができる。
図5Aに示した擬似ランダム型規則配置1Cは、配列Rb、配列Rcがそれぞれ2個の導電粒子からなり、ピッチL1=ピッチL2=間隔L3=ピッチpa、ズレ量Ld/ピッチpa=0.5、角度α=60°としたものである。
この擬似ランダム型規則配置1Cの作成方法においても、まず図5Bに示したようにジグザグ状配列Rをピッチpaでx方向に配列させたものを考え、このジグザグ状配列Rのy方向の位置を、ジグザグ状配列Rの繰り返し最小単位Ruを形成する屈曲線とy=xに対して対称な屈曲線F0に沿わせて変えながらy方向に順次移動させ、これを繰り返す。
なお、図5Bに示した導電粒子のパターンは、配列Rbがx方向にピッチpaで配列した第1領域と、配列Rcがx方向にピッチpaで配列した第2領域とがy方向に交互に繰り返され、第1領域の配列Rbの軸の延長線が第2領域の配列軸の延長線ともなっているパターンである(即ち、第1領域の配列軸の延長線上に第2領域の導電粒子が位置する)。しかしながら、本実施例の図5Aに示した擬似ランダム型規則配置は、ジグザグ状配列Rのy方向の位置を変えながらジグザグ状配列Rをx方向にピッチpaで配列したものであるため、本実施例では、配列Rbがx方向にピッチpaで配列した第1領域の配列軸の延長線が、配列Rcがx方向にピッチpaで配列した第2領域の配列軸の延長線となることはない。
本発明においてジグザグ状配列Rのy方向の位置を変化させるにあたり、基準とする屈曲線F0は、ジグザグ状配列Rの繰り返し最小単位Ruを形成する屈曲線とy=xに対して対称であるものに限られない。例えば、図6に示した擬似ランダム型規則配置1Dは、図5Bに示したジグザグ状配列Rをピッチpaでx方向に配列させたものを、図4Aと同形状の屈曲線F0に沿わせて変えながらy方向に移動させたものである。
図7に示した擬似ランダム型規則配置1Eは、図4Aに示した擬似ランダム型規則配置1Bにおいて、ジグザグ状配列Rで繰り返されている配列Rb1、Rb2同士又は配列Rc1、Rc2同士にx方向のズレ量Leを設けたものである。この配置では、隣り合う配列Rb1、配列Rc1の最近接導電粒子同士のx方向のズレ量がLdであるのに対し、隣り合う配列Rc1、配列Rb2の最近接導電粒子同士のx方向のズレ量はゼロとなっている。
図8Aに示した擬似ランダム型規則配置1Fは、図7に示した擬似ランダム型規則配置1Eに対し、配列Rb1と配列Rb2のx方向のズレ量Leを更に大きくしたものである。このようにズレ量Leの大きさに応じてジグザグ状配列Rが伸びる方向をy軸に対して斜行させることができる。
なお、本発明においてxy座標は直交座標に限られない。例えば、図8Bは、上述の図8Aに示した擬似ランダム型規則配置1Fを、x方向とy方向が直交しない非直交座標で表示したものである。設計の便宜上は直交座標を使用することが好ましい。
<導電粒子の個数密度>
本発明の異方性導電フィルムにおいて導電粒子の個数密度は、異方性導電フィルムで接続する電子部品の端子の形状、大きさ、配列ピッチなどに応じて定めることができる。通常、導電粒子の個数密度は接続する電子部品の組み合わせや用途によって好ましい条件が変わるために特に制限はないが、下限は実用上30個/mm2以上であればよく、150個/mm2以上としてもよく、1000個/mm2以上としてもよい。個数密度が低ければコスト削減効果が見込まれる。また上限は実用上500000個/mm以下、350000個/mm以下、70000個/mm以下が好ましく、42000個/mm以下がより好ましい。ファインピッチ用途の場合には、そのファインピッチの程度に応じて、例えば6000〜35000個/mmとしてもよく、120000個/mm2以上350000個/mm2以下、特に150000個/mm2以上300000個/mm2以下としてもよい。また、導電粒子の平均粒子径が10μm以上の場合は、50〜2000個/mmの範囲にすることが好ましい。
個数密度を測定する場合の測定領域としては、1辺が100μm以上の矩形領域を任意に複数箇所(好ましくは5箇所以上、より好ましくは10箇所以上)設定し、測定領域の合計面積を2mm2以上とすることが好ましい。矩形領域の辺の長さや合計面積は、平均粒子径に応じて調整すればよい。個々の測定領域の大きさや数は、個数密度の状態によって適宜調整すればよい。例えば、一つの矩形領域に数十個以上の導電粒子があればよい。より具体的な例としては、ファインピッチ用途で導電粒子の個数密度が比較的大きい異方性導電フィルムの場合には、面積100μm×100μmの領域の200箇所(2mm2)について、金属顕微鏡、電子顕微鏡等(例えばSEMやTEM)などによる観察画像を用いて個数密度を測定し、それを平均することにより求めることができる。個数密度は、三次元表面測定装置を用いて計測してもよく、画像解析ソフト(例えば、三谷商事株式会社製WinROOF、旭化成エンジニアリング株式会社製「A像くん」(登録商標)等)により観察画像を計測して求めてもよい。
また、導電粒子の個数密度に関し、次式で算出される導電粒子の面積占有率を、導通抵抗を下げる点から0.3%以上とすることが好ましい。一方、接続時に押圧治具に必要とされる推力を抑制する点からはこの面積占有率を40%以下としてもよく、35%以下とすることが好ましく、30%以下とすることがより好ましい。
導電粒子の面積占有率(%)=[平面視における導電粒子の個数密度]×[導電粒子2個の平面視面積の平均]×100
<導電粒子のフィルム厚方向の位置>
導電粒子2のフィルム厚方向の位置は揃っていることが好ましい。例えば、図2に示したように、導電粒子2のフィルム厚方向の埋込量Lbを揃えることができる。これにより、端子における導電粒子2の捕捉性が安定し易い。一方、本発明において、導電粒子2は、絶縁性樹脂層3から露出していても、完全に埋め込まれていてもよい。
ここで、埋込量Lbは、導電粒子2が埋め込まれている絶縁性樹脂層3の表面(絶縁性樹脂層3の表裏の面のうち、導電粒子2が露出している側の表面、又は導電粒子2が絶縁性樹脂層3に完全に埋め込まれている場合には、導電粒子2との距離が近い表面)であって、隣接する導電粒子間の中央部における接平面と、導電粒子2の最深部との距離をいう。
なお、埋込量Lbは、異方性導電フィルムのフィルム断面の一部をSEM画像で観察することにより求めることができる。この場合、異方性導電フィルムから面積30mm以上の領域を任意に10箇所以上抜き取り、好ましくは合計50個以上、より好ましくは200個以上の導電粒子の埋込量を計測し、その平均を求めることが好ましい。
<埋込率>
導電粒子2の平均粒子径Dに対する埋込量Lbの割合を埋込率(Lb/D)とした場合に、埋込率は30%以上105%以下が好ましい。埋込率(Lb/D)を30%以上とすることにより、導電粒子2を絶縁性樹脂層3によって所定の位置に維持し、また、105%以下とすることにより、異方性導電接続時に端子間の導電粒子を不用に流動させるように作用する絶縁性樹脂層の樹脂量を低減させることができる。
<絶縁性樹脂層>
本発明の異方性導電フィルムにおいて、絶縁性樹脂層3は、特許第6187665号公報に記載の異方性導電フィルムの絶縁性樹脂層と同様に、重合性化合物と重合開始剤から形成される硬化性樹脂組成物を用いて形成することができる。この場合、重合開始剤としては熱重合開始剤を使用してもよく、光重合開始剤を使用してもよく、それらを併用してもよい。例えば、熱重合開始剤としてカチオン系重合開始剤、熱重合性化合物としてエポキシ樹脂を使用し、光重合開始剤として光ラジカル重合開始剤、光重合性化合物としてアクリレート化合物を使用する。熱重合開始剤として、熱アニオン重合開始剤を使用してもよい。熱アニオン重合開始剤としては、イミダゾール変性体を核としその表面をポリウレタンで被覆してなるマイクロカプセル型潜在性硬化剤を用いることが好ましい。
<絶縁性樹脂層の最低溶融粘度>
絶縁性樹脂層3の最低溶融粘度は、特に限定はないが、1000Pa・s以上でもよく、特許第6187665号公報に記載の異方性導電フィルムの絶縁性樹脂層の最低溶融粘度と同様とすることができ、好ましくは1500Pa・s以上、より好ましくは2000Pa・s以上、更に好ましくは3000〜15000Pa・s、特に好ましくは3000〜10000Pa・sである。この最低溶融粘度は、一例として回転式レオメータ(TA Instruments社製)を用い、測定圧力5gで一定に保持し、直径8mmの測定プレートを使用し求めることができ、より具体的には、温度範囲30〜200℃において、昇温速度10℃/分、測定周波数10Hz、前記測定プレートに対する荷重変動5gとすることにより求めることができる。なお、最低溶融粘度の調整は、溶融粘度調整剤として含有させる微小固形物の種類や配合量、樹脂組成物の調整条件の変更などにより行うことができる。
<低粘度樹脂層>
低粘度樹脂層4は、30〜200℃の範囲の最低溶融粘度が絶縁性樹脂層3よりも低い樹脂層である。本発明において、低粘度樹脂層4は必要に応じて設けられるが、低粘度樹脂層4を絶縁性樹脂層3に積層することにより、異方性導電フィルム10Aを介して対峙する電子部品を熱圧着する場合に、電子部品の電極やバンプによって形成される空間を低粘度樹脂層4で充填し、電子部品同士の接着性を向上させることができる。
また、絶縁性樹脂層3の最低溶融粘度と低粘度樹脂層4の最低溶融粘度との差があるほど異方性導電フィルム10Aを介して接続する電子部品間の空間が低粘度樹脂層4で充填され、電子部品同士の接着性が向上しやすくなる。また、この差があるほど導電粒子2を保持している絶縁性樹脂層3の熱圧着時の移動量が低粘度樹脂層4に対して相対的に小さくなるため、端子における導電粒子2の捕捉性が向上しやすくなる。
絶縁性樹脂層3と低粘度樹脂層4との最低溶融粘度比は、絶縁性樹脂層3と低粘度樹脂層4の層厚の比率にもよるが、好ましくは2以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは8以上である。一方、この比が大きすぎると長尺の異方性導電フィルムを巻装体にした場合に、樹脂のはみだしやブロッキングが生じる虞があるので、実用上は15以下が好ましい。低粘度樹脂層4の好ましい最低溶融粘度は、より具体的には、上述の絶縁性樹脂層の最低溶融粘度比を満たし、かつ好ましくは3000Pa・s以下、より好ましくは2000Pa・s以下であり、更に好ましくは100〜2000Pa・sである。
なお、低粘度樹脂層4は、絶縁性樹脂層3と同様の樹脂組成物において、粘度を調整することにより形成することができる。また、別の樹脂組成物から形成されていてもよい。
<絶縁性樹脂層と低粘度樹脂層の層厚>
絶縁性樹脂層3の層厚は、後述する異方性導電フィルムの製造工程において、絶縁性樹脂層3へ導電粒子2を安定して押し込めるようにするため、導電粒子2の平均粒子径Dに対して、好ましくは0.3倍以上、より好ましくは0.6倍以上、更に好ましくは0.8倍以上、特に好ましくは1倍以上である。また、絶縁性樹脂層3の層厚の上限については接続する電子部品の端子形状、端子厚、配列ピッチ等に応じて定めることができるが、層厚が厚くなりすぎると接続時に導電粒子2が樹脂流動の影響を不用に受け易くなるため、導電粒子2の平均粒子径Dの好ましくは20倍以下、より好ましくは15倍以下である。
低粘度樹脂層4は、本発明において必要に応じて設けられるが、低粘度樹脂層4を設ける場合には、その層厚の下限としては、導電粒子2の平均粒子径Dの好ましくは0.2倍以上、より好ましくは1倍以上である。また、低粘度樹脂層4の層厚の上限については、厚くなりすぎると絶縁性樹脂層3との積層の困難性が増すことから、導電粒子2の平均粒子径Dの好ましくは50倍以下、より好ましくは15倍以下、更に好ましくは8倍以下である。
また、絶縁性樹脂層3と低粘度樹脂層4との総厚は、電子部品の接続時に導電粒子2の不用な流動を抑制する点、異方性導電フィルムを巻装体とする場合の樹脂のはみ出しやブロッキングを抑制する点、異方性導電フィルムの単位重量あたりのフィルム長を長くする点等からは、薄い方が好ましい。しかし、薄くなりすぎると異方性導電フィルムの取り扱い性が劣る。また、異方性導電フィルムを電子部品に貼着し難くなり、電子部品を接続する際の仮圧着において必要な粘着力を得られない虞があり、本圧着においても樹脂量の不足により必要な接着力を得られない虞がある。そのため、総厚は、導電粒子2の平均粒子径Dに対して好ましくは0.6倍以上、より好ましくは0.8倍以上、更に好ましくは1倍以上、特に好ましくは1.2倍以上である。
絶縁性樹脂層3と低粘度樹脂層4の厚みの比率については、接続に使用される電子部品の組み合わせや、そこで求められる性能などの関係から適宜調整することができる。これらの層厚は市販のデジタルシックネスゲージ等で測定することができる。デジタルシックネスゲージの分解能は0.1μm以下であることが好ましい。
絶縁性樹脂層及び低粘度樹脂層の少なくとも一方を複数層とした場合(例えば、図3Bに示したように、低粘度樹脂層4A、4Bで絶縁性樹脂層3を挟むことにより異方性導電フィルムを3層構成とした場合)、低粘度樹脂層と絶縁性樹脂層の総厚の関係は、上述の関係を満たすことが望ましい。
<異方性導電フィルムの巻装体>
本発明の異方性導電フィルムは、その製品形態において巻装体とすることができる。巻装体の長さについて特に制限はないが、出荷物の取り扱い性の点から好ましくは5000m以下、より好ましくは1000m以下、更に好ましくは500m以下である。一方、巻装体の量産性の点からは5m以上が好ましい。フィルム幅としては、特に制限はないが、実装体の小型化の観点からは狭いことが求められている。一方、一括して複数部品を異方性導電接続する、もしくはある程度大きいサイズで一括して異方性導電接続してから切削する、といった使用方法の観点からは面積が大きいことが求められることから、幅が広いものにも需要はある。
<異方性導電フィルムの製造方法>
本発明の異方性導電フィルムの製造方法自体には特に限定はないが、例えば、導電粒子を所定の配列に配置するための転写型を製造し、転写型の凹部に導電粒子を充填し、その上に、剥離フィルム上に形成した絶縁性樹脂層を被せて圧力をかけ、絶縁性樹脂層に導電粒子を押し込むことにより、絶縁性樹脂層に導電粒子を転着させ、あるいは更にその導電粒子上、もしくは導電粒子を転着した面と反対の面に低粘度樹脂層を積層することで、異方性導電フィルムを製造する。
また、転写型の凹部に導電粒子を充填した後、その上に絶縁性樹脂層を被せ、転写型では絶縁性樹脂層に導電粒子を押し込むことなく、転写型から絶縁性樹脂層の表面に導電粒子を転写させ、転写後に絶縁性樹脂層上の導電粒子を絶縁性樹脂層内に押し込むことにより異方性導電フィルムを製造してもよい。
なお、転写型としては、凹部に導電粒子を充填するものの他、凸部の天面に微粘着剤を付与してその天面に導電粒子が付着するようにしたものを用いても良い。これらの転写型は機械加工、フォトリソグラフィ、印刷法等の公知の技術を用いて製造することができる。
また、導電粒子を所定の配列に配置する方法としては、転写型を用いる方法に代えて、所定の配置で設けられた貫通孔に導電粒子を充填する方法(貫通孔に導電粒子を充填し、その両面に絶縁性樹脂フィルムを積層する方法)、フィルム上に導電粒子を直接的に散布する方法、導電粒子を密に配置したフィルムを延伸する方法等を使用してもよい。
<異方性導電フィルムを用いた電子部品の接続方法>
本発明の異方性導電フィルムを用いて電子部品を接続する方法としては、例えば、ステージに一方の電子部品を載置し、その上に異方性導電フィルムを介してもう一方の電子部品を載置し、圧着ツールで加熱押圧することにより双方の電子部品の端子同士を異方性導電接続して接続構造体を製造する。この場合、ステージに載置する電子部品をICチップ、ICモジュール、FPC、ガラス基板、プラスチック基板、リジッド基板、セラミック基板などの第2の電子部品とし、圧着ツールで加熱加圧する電子部品をFPC、半導体素子(ICチップ、ICモジュール、LED素子(ミニLEDやマイクロLEDなど))、センサー部品、バッテリー素子などの第1の電子部品とする。より詳細な方法としては、各種基板等の第2の電子部品に異方性導電フィルムを仮貼りして仮圧着し、仮圧着した異方性導電フィルムにICチップ等の第1の電子部品を合わせ、熱圧着することにより異方性導電接続して接続構造体を製造する。なお、第2の電子部品ではなく、第1の電子部品に異方性導電フィルムを仮貼りして接続構造体を製造することもできる。また、接続方法は熱圧着に限定されるものではなく、光硬化を利用した圧着や、熱と光を併用した圧着などを行っても良い。これらの電子部品の種類は、近年多様化しており、これらの圧着方法に限定されるものではない。また、接続構造体の製造方法についても、電子部品に合わせて最適なものを選択することが優先されるため、これらに限定されるものではない。
本発明の異方性導電フィルムは、第1の電子部品および第2の電子部品の少なくとも一方を、FPCやプラスチック基板などの熱膨張しやすい材質のものとする場合に意義が高い。端子列がファンアウト型の場合には、特に効果を発揮する。また、端子の配列方向に対して端子の長手方向が傾斜していない端子列の接続や、ペリフェラル配置の端子のように端子の配列方向が部品の各辺で異なる場合の接続であっても、更には端子形状が矩形であっても円形であっても、各端子に対して導電粒子が一様に配置されるので、これらを確実に接続し、かつショートの発生を抑えることができ、圧痕検査も容易となる。したがって、本発明の異方性導電フィルムは、接続する端子列の形状や配置を問わず汎用的に使用することができる。本発明は、本発明の異方性導電フィルムを用いて第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子を異方性導電接続する接続構造体の製造方法や、本発明の異方性導電フィルムを介して第1の電子部品と第2の電子部品とが異方性導電接続されている接続構造体を包含する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
異方性導電フィルムにおける導電粒子の配置として、図4Aに示した擬似ランダム型規則配置をシミュレーションした。この場合、導電粒子2の直径3μm、L1=L2=L3=pa=8μm、導電粒子2の個数密度16000個/mm2とした。
この場合の導電粒子パターンを図9に示す。
比較例1
異方性導電フィルムにおける導電粒子の配置として、図4Bに示した規則配置をシミュレーションした。この場合、導電粒子2の直径3μm、L1=L2=L3=pa=8μm、導電粒子2の個数密度16000個/mm2とした。
この場合の導電粒子パターンを図10に示す。
比較例2
異方性導電フィルムにおける導電粒子の配置が6方格子で、格子軸とx方向とのなす角度γが15°、個数密度16000個/mm2のパターンをシミュレーションした。
比較例3
異方性導電フィルムにおける導電粒子の配置が6方格子で、格子軸とx方向とのなす角度γが0°、個数密度16000個/mm2のパターンをシミュレーションした。
(評価)
実施例1、比較例1〜3の異方性導電フィルムを、表1のCase1〜4の端子列と接続した場合の(i)個々の端子における導電粒子の最低捕捉数及び(ii)端子列に捕捉された導電粒子の上下又は左右の均一性をシミュレーションにより調べた。
ここで、(i)最低捕捉数と(ii)端子列に捕捉された導電粒子の上下又は左右の均一性は擬似ランダム性を評価する上で次の基準で評価した。
(i)最低捕捉数
OK:4個以上
NG:3個以下
(ii)均一性
均一:端子列において上下又は左右の対称の距離にある端子で捕捉された導電粒子の分布パターン同士が同一に見える場合
不均一:端子列において上下又は左右の対称の距離にある端子で捕捉された導電粒子の分布パターン同士が同一に見えない場合
結果を表2に示す。
Figure 2021128936
Figure 2021128936
表2から、実施例の異方性導電フィルムによれば、端子に対する向きが90°異なっても捕捉性を得られ、ファンアウト端子に対して捕捉される粒子も上下左右均一であることが確認できた。
また、図9及び図10を比較することにより、実施例のパターンが見た目の不規則性に優れていることがわかる。
1A、1B、1C、1D、1E、1F、1B 擬似ランダム型規則配置
2 導電粒子
3 絶縁性樹脂層、絶縁性フィルム
3h 貫通孔
4、4A、4B 低粘度樹脂層
10A、10B、10C 異方性導電フィルム
20 端子
F 屈曲線
F0 ジグザグ状配列Rの繰り返し最小単位Ruを形成する屈曲線と、y=xに対して対称な屈曲線
pa ジグザグ状配列Rのy方向の位置が一定であるとした場合の該ジグザグ状配列Rのx方向のピッチ
R ジグザグ状配列
Rb、Rc 配列
Ru ジグザグ状配列Rの繰り返し最小単位
U 擬似ランダム型規則配置の繰り返し最小単位
α 配列Rbがx方向となす角度

Claims (12)

  1. 導電粒子が絶縁性樹脂層に配置された異方性導電フィルムであって、異方性導電フィルムを平面視したxy平面に、導電粒子が正の傾きに配列した配列Rbと導電粒子が負の傾きに配列した配列Rcとがy方向に所定間隔をあけ、繰り返し設けられたジグザグ状配列Rが、y方向の位置を周期的に変えながらx方向に所定ピッチで配列している異方性導電フィルム。
  2. 配列Rbの配列方向をx方向に対して反転させた方向に配列Rcが配列している請求項1記載の異方性導電フィルム。
  3. x方向に配列したジグザグ状配列Rのy方向の位置が一定であるとした場合の該ジグザグ状配列Rのx方向のピッチpaが一定である請求項1記載の異方性導電フィルム。
  4. 配列Rbと配列Rcとのy方向の間隔L3が一定である請求項1〜3のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
  5. 配列Rbにおける導電粒子のy方向のピッチL1と、配列Rcにおける導電粒子のy方向のピッチL2と前記間隔L3が等しい請求項4記載の異方性導電フィルム。
  6. 前記ピッチpaと、配列Rbにおける導電粒子のy方向のピッチL1と、配列Rcにおける導電粒子のy方向のピッチL2と、前記間隔L3が等しい請求項4記載の異方性導電フィルム。
  7. ジグザグ状配列Rのy方向の位置の変化幅Lyが前記間隔L3未満である請求項4〜6のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
  8. ジグザグ状配列Rにおいて繰り返し最小単位を構成する導電粒子数と、ジグザグ状配列Rのy方向の位置の変化の1周期分に対応する該ジグザグ状配列のx方向の配列数が等しい請求項1〜7のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
  9. ジグザグ状配列Rにおいて繰り返し最小単位を構成する導電粒子を、y方向の位置を1周期分変えながらx方向に配列させた導電粒子配置が、y=xに対して対称である請求項1〜8のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
  10. ジグザグ状配列Rのx方向の振れ幅Lxが前記ピッチpaより小さい請求項3〜9いずれかに記載の異方性導電フィルム。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の異方性導電フィルムを用いて、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子を異方性導電接続する接続構造体の製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の異方性導電フィルムを介して第1の電子部品と第2の電子部品とが異方性導電接続されている接続構造体。
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