JP2021127183A - 作業車用のワイヤロープ点検システム、作業車、方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤロープに生じた異常を、異常の種別及び検出範囲を定めなくとも簡易に検出し、オペレータに提示することができる作業車用のワイヤロープ点検システム、作業車、方法、及びプログラムを提供する。【解決手段】作業車用のワイヤロープ点検システム100は、カメラで撮影した画像から取得した判定の対象となるワイヤロープの画像と、正常なワイヤロープの画像とを比較して画像の乖離度を求める画像比較部312と、画像比較部312で求めた乖離度が、予め定められた基準値を超え、かつ、基準値を超えた数が予め定められた所定数以上である場合、判定の対象となるワイヤロープが劣化しているものと判断する劣化判断部315と、劣化判断部315からの指示に基づいて、オペレータに判定の対象となるワイヤロープが劣化していることを報知する報知部33と、を備える。また、作業車は作業車用のワイヤロープ点検システム100を備える。【選択図】図4
Description
本発明は、作業車用のワイヤロープ点検システム、作業車、方法、及びプログラムに関する。
作業車であるクレーンに用いられるワイヤロープは、安全規則により、定期的に点検をして正常な状態を維持しておくことが求められている。ワイヤロープの点検は、点検員により目視で行われる。ワイヤロープは、クレーンによっては数十メートルから数百メートルに及ぶ。このため、ワイヤロープの全長に亘って、検査員が目視でキンク、扁平、摩耗、発錆、素線切れ等のワイヤロープの異常の有無を検出するには膨大な時間がかかる。また、検査員が目視で検査すると、ワイヤロープの異常を見逃す場合もある。
そこで、検査員の負担の軽減または見逃しを防ぐ技術が検討されており、例えば、特許文献1には、ワイヤロープの画像から素線切れ、発錆、摩耗等を検出する技術が開示されている。また、特許文献2には、ワイヤロープの画像から直径算出と形状認識をすることにより、素線の摩耗足の大きさと数とを検出する技術が開示されている。
特許文献1に開示された技術では、予め入力されているワイヤロープの素線切れ、発錆、摩耗等のパターンと、TVカメラで撮影したワイヤロープの画像とを比較し、ワイヤロープの欠陥を判定している。しかし、ワイヤロープの素線切れ、発錆、摩耗等のパターンは多種多様であり、全てのパターンを網羅して入力することは難しい。このため、ワイヤロープの欠陥を判定できない可能性がある。
また、特許文献2に開示された技術では、ワイヤロープを巻き上げる巻き上げ機の綱車、または、そらせ車と擦れて摩耗する所定範囲におけるワイヤロープの画像を撮影し、素線の摩耗足の大きさと数とを検出している。しかし、ワイヤロープの摩耗、キンク、発錆等の異常は、一定の範囲内のみで起きるわけではなく、ワイヤロープの全長で生じる可能性がある。このため、ワイヤロープの所定範囲外に生じた異常を見逃す可能性がある。
本発明はこれらの課題を解決するものであり、ワイヤロープに生じた異常を、異常の種別及び検出範囲を定めなくとも簡易に検出し、オペレータに提示することができる作業車用のワイヤロープ点検システム、作業車、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達するため、本発明に係る作業車用のワイヤロープ点検システムは、
カメラで撮影した画像から取得した判定の対象となるワイヤロープの画像と、正常なワイヤロープの画像とを比較して画像の乖離度を求める画像比較部と、
前記画像比較部で求めた乖離度が、予め定められた基準値を超え、かつ、前記基準値を超えた数が予め定められた所定数以上である場合、前記判定の対象となるワイヤロープが劣化しているものと判断する劣化判断部と、
前記劣化判断部からの指示に基づいて、オペレータに前記判定の対象となるワイヤロープが劣化していることを報知する報知部と、
を備える。
カメラで撮影した画像から取得した判定の対象となるワイヤロープの画像と、正常なワイヤロープの画像とを比較して画像の乖離度を求める画像比較部と、
前記画像比較部で求めた乖離度が、予め定められた基準値を超え、かつ、前記基準値を超えた数が予め定められた所定数以上である場合、前記判定の対象となるワイヤロープが劣化しているものと判断する劣化判断部と、
前記劣化判断部からの指示に基づいて、オペレータに前記判定の対象となるワイヤロープが劣化していることを報知する報知部と、
を備える。
また、上記目的を達するため、本発明に係る作業車は、作業車用のワイヤロープ点検システムを備えている。
本発明における作業車用のワイヤロープ点検システム、作業車、方法、及びプログラムによれば、カメラで撮影した画像から取得した判定の対象となるワイヤロープの画像と、正常なワイヤロープの画像とを比較して画像の乖離度を求め、基準値を超えた乖離度が所定数以上ある場合、オペレータに判定の対象となるワイヤロープが劣化していることを報知することができる。これにより、ワイヤロープに生じた異常を、異常の種別、検出範囲を定めず簡易に検出し、オペレータに提示することができる。
本発明の実施の形態に係るワイヤロープ点検システムは、作業車である移動式クレーンに備えられる。ワイヤロープ点検システムは、ブームの先端に取り付けられたブーム先端カメラにより撮影されたワイヤロープの画像から、ニューラルネットワークにより正常なワイヤロープの画像との乖離度を求め、予め定められた基準値を超えた乖離度の数が、予め定められた所定数以上あった場合に、クレーンのオペレータにワイヤロープの異常を提示することができるシステムである。
以下、実施の形態に係るワイヤロープ点検システムについて、図面を参照しつつ説明する。なお、同一または同等の部分に同一の符号を付す。
最初に、本実施の形態におけるワイヤロープ点検システム100が適用されるクレーン1の全体的な構成を、図1を参照しつつ説明する。クレーン1は、走行機能を有する車両本体部分の上に旋回台を介してブラケット2とキャビン3とを備えている。キャビン3には、後述するワイヤロープWの異常を判定する処理を行う制御部31と、ワイヤロープWの異常を判定するためのデータ、プログラム等を保存する記憶部32、キャビン3に搭乗するオペレータにワイヤロープWの異常を提示する報知部33とが内蔵されている。報知部33は、キャビン3に搭乗するオペレータが、クレーン1を操作中に視認可能な場所に配置されている。なお、制御部31と記憶部32とは、オペレータが、クレーン1を操作中に視認可能な場所または視認不可能な場所のどちらに配置されていてもよい。
また、ブラケット2には、ブーム4が、ブーム4の基端部の支持軸を介して取り付けられている。ブーム4は、この支持軸を中心にして起伏することができる。ブーム4は、ブラケット2とブーム4との間に設けられた起伏用シリンダが伸縮することにより、起伏することができる。また、ブーム4の先端には、ブーム先端部6が備えられている。ブーム先端部6の内部には、シーブが備えられている。
ブーム4の基端部の近傍には、回転することにより、ワイヤロープWの繰り出し及び巻き上げを行うウインチドラム5が設けられている。ウインチドラム5から延びたワイヤロープWは、ブーム4に沿ってブーム先端部6内のシーブに掛けられ、シーブを経由してフックブロック7を吊り下げる。また、ブーム先端部6には、フックブロック7を吊り下げているワイヤロープWを撮影することができるブーム先端カメラ8が備えられている。
ここで、図1において、フックブロック7を吊り下げるワイヤロープWのうち、ブーム先端カメラ8側のワイヤロープWを第1ワイヤロープW1と呼び、ブーム4側のワイヤロープWを第2ワイヤロープW2と呼ぶ。また、フックブロック7がブーム先端部6に向かう方向を上方向とし、フックブロック7が地面に向かう方向を下方向とする。
ブーム先端カメラ8による、フックブロック7を吊り下げているワイヤロープWの撮影方法について、図2を参照しつつ説明する。まず、図2(A)に示すブーム先端カメラ8は、自らの撮影領域fa内にあるものの動画及び静止画を撮影することができるカメラである。本実施の形態において、ブーム先端カメラ8は、第1ワイヤロープW1を撮影することができる位置及び角度で、ブーム先端部6に設けられているものとする。ブーム先端カメラ8は、P方向から見た第1ワイヤロープW1を撮影する。
第1ワイヤロープW1は、図1に示したウインチドラム5からワイヤロープWが繰り出されると、第2ワイヤロープW2と共に繰り出された長さに応じて伸びる。これにより、フックブロック7が下方向に向かう。また、第1ワイヤロープW1は、ウインチドラム5によりワイヤロープWが巻き上げられると、第2ワイヤロープW2と共に巻き上げられた長さに応じて縮む。これにより、フックブロック7が上方向に向かう。
ブーム先端カメラ8は、上方向または下方向に向かう第1ワイヤロープW1の連続した動きを捉えられるようにするため、動画で第1ワイヤロープW1を撮影する。ブーム先端カメラ8により撮影される動画の一例を、図2(B)に示す。第1ワイヤロープW1の動画は、時間tに応じて動く画像である。後述するワイヤロープ点検システム100では、ブーム先端カメラ8により撮影された動画像の一部の区間を切り取って静止画とし、静止画に含まれる第1ワイヤロープW1の像をもとにワイヤロープWの異常の有無を判定する。以下では、ブーム先端カメラ8により撮影された動画像を切り取る区間を、区間sとする。区間sで動画を切り取るタイミングは、図1に示したウインチドラム5が3分の1回転した時、一定の時間毎など、任意のタイミングである。なお、区間sを切り取るタイミングは、第1ワイヤロープW1における異常の有無を漏れなく判定できるように、前後の区間sが途切れない、もしくは、前後の区間sの一部分が被るタイミングであると、より好ましい。
ワイヤロープWは、金属線である素線の束を撚り合わせたストランドを複数本、天然及び合成の繊維、または、鋼材により構成される心綱を中心に撚り合わせること構成されている。例えば、正常なワイヤロープWの一例を、図3(A)に示す。正常なワイヤロープWは、ストランドの撚りが均一であり、素線の飛び出し、変形等も無い状態である。
ワイヤロープWには、使用している間に様々な異常が生じる。例えば、図3(B)の矢印aの差し示す部分のストランドのように、局部的にストランド同士の撚りが戻る場合がある。これを、プラスキンクという。なお、逆に、局部的にストランド同士の撚り詰まる場合もあり、これをマイナスキンクという。以下では、プラスキンクとマイナスキンクとを総称して、キンクと呼ぶ。その他にも、図3(C)の矢印bの差し示す部分のように、形くずれしてストランドが飛び出す場合、図3(D)の矢印cの差し示す部分のように、ワイヤロープ同士、シーブ等に擦れて摩耗する場合、図3(E)の矢印dの差し示す部分のように素線が断線する場合等がある。なお、ここでの摩耗は、ストランドを構成する素線と素線の隙間が無くなることをいう。
図3(B)から図3(E)に示した異常等がワイヤロープWに生じると、ワイヤロープWの強度が低下する。そのまま使用し続けると、例えば、吊り荷を支え切れず滑落させる場合、ストリングが切れる場合等、重大な事故につながる可能性が高い。しかし、クレーン1の作業中にワイヤロープWに異常が生じたことが分かっても、クレーン1で行っている作業を直ぐに中断しワイヤロープWを点検及び交換することは、実際の作業の工程上難しい場合が多い。また、図3(B)から図3(E)に示した異常等の状態が、直ぐに対処しないと不味い状態になっていない場合、クレーン1における作業が終わった後でワイヤロープWを点検し、必要であれば交換しても大きな支障はない。
そこで、本実施の形態では、ブーム先端カメラ8により撮影された第1ワイヤロープW1の画像をもとに、ニューラルネットワークにより正常なワイヤロープWの画像との乖離度を求め、閾値以上の乖離度が予め定められた回数以上あった場合に、クレーン1のオペレータにワイヤロープWの異常を提示することができるワイヤロープ点検システム100を提供する。
本実施の形態に係るワイヤロープ点検システム100の構成を、図4に示す。ワイヤロープ点検システム100は、ブーム先端カメラ8から第1ワイヤロープW1の動画を取得し各種の処理を行う制御部31と、制御部31の処理で使用されるデータ及びプログラム等を保存する記憶部32と、キャビン3に搭乗するオペレータにワイヤロープWの異常を提示する報知部33とを含む。
制御部31は、第1ワイヤロープW1の動画を取得する画像取得部311と、第1ワイヤロープW1と正常なワイヤロープWとの乖離度を求める画像比較部312と、ワイヤロープWの繰り出し量を取得する繰出量検出部313と、記憶部32の評価データベース324にデータを保存する評価結果保存部314と、第1ワイヤロープW1の劣化を判断する劣化判断部315とを備える。画像取得部311は、ブーム先端カメラ8から第1ワイヤロープW1の動画を取得する。
画像取得部311は、取得した動画を、図2(B)に示した区間sで切り取り、静止画を生成する。なお、画像取得部311により第1ワイヤロープW1の動画を区間sで切り取るタイミングは任意のタイミングであり、例えば、図1に示したウインチドラム5が3分の1回転した時、一定の時間毎である。続いて、画像取得部311は、生成した静止画から第1ワイヤロープW1の画像を検出して切り取り、第1ワイヤロープW1の周囲に写り込んだものを除去する。なお、切り取った第1ワイヤロープW1の画像に対して平滑化、先鋭化、エッジ抽出、二値化等の画像処理を加えても良い。
画像比較部312は、画像取得部311から第1ワイヤロープW1の画像を取得する。画像比較部312は、取得した第1ワイヤロープW1の画像の特徴ベクトルを、ニューラルネットワークを用いて求める。画像比較部312の備えるニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワークである。以下では、畳み込みニューラルネットワークのことをCNN(Convolutional Neural Network)と呼ぶ。画像比較部312は、予め教師データ321により学習を行い、CNNの畳み込み処理に使用するカーネルの重みと、分類を行う多層パーセプトロンの係数とを定める。定められたCNNのカーネルの重みのデータと係数のデータとは、記憶部32にカーネル及び係数のデータ322として保存される。画像比較部312は、後述する記憶部32の基準特徴ベクトルのデータ323を取得し、求めた静止画の特徴ベクトルと比較して類似度を求める。画像比較部312は、求めた類似度を1から引き、正常なワイヤロープWとの乖離度を求める。
繰出量検出部313は、ウインチドラム5から回転数を取得する。繰出量検出部313は、取得した回転数をもとにして、ワイヤロープWの位置を求める。なお、本実施の形態においてワイヤロープWの位置は、図1に示したブーム4を構成するセカンドブームからトップブームまで全てベースブームに収納され、起伏用シリンダが縮小してキャビン3横に折り畳まれた状態を0メートルとし、ウインチドラム5の回転数に応じて変化するものとする。
評価結果保存部314は、画像比較部312から正常なワイヤロープWとの乖離度を取得する。また、評価結果保存部314は、画像取得部311により第1ワイヤロープW1の静止画を取得されたタイミングのワイヤロープWの位置を、繰出量検出部313から取得する。評価結果保存部314は、取得した正常なワイヤロープWとの乖離度と、ワイヤロープWの位置とを対応付けて、記憶部32の評価データベース324に保存する。
劣化判断部315は、記憶部32に保存された評価データベース324を取得する。劣化判断部315は、取得した正常なワイヤロープWとの乖離度が、予め定められていた基準値を超える場合、基準値を超えた数が予め定められた所定数以上であるか否かを判定する。劣化判断部315は、基準値を超えた数が所定数以上である場合、ワイヤロープWが劣化しているものと判断し、クレーン1のオペレータに対して、ワイヤロープWが劣化していることを、報知部33から報知させる。
報知部33は、音声により報知をする音声出力部33aと、表示による報知をする表示部33bとを含む。音声出力部33aにより報知される音声は、単一の音からなる警告音、メッセージを読み上げる人の声等である。表示部33bにより報知される表示は、警告の旨を示す文字列、記号等である。
制御部31に備えられた画像取得部311と、画像比較部312と、繰出量検出部313と、評価結果保存部314と、劣化判断部315とは、ソフトウエアとして構成される処理ブロックである。この処理ブロックを実現するためのハードウエア構成の一例を、図5に示す。
制御部31は、各種プログラムを実行するプロセッサ330と、各種プログラムを展開するためのメモリ331と、表示部33bに表示用データを出力する表示コントローラ332と、ブーム先端カメラ8、ウインチドラム5、音声出力部33a等を接続するためのI/Oポート333とを備えている。このプロセッサ330と、メモリ331と、表示コントローラ332と、I/Oポート333とは、データバス334を介して相互に接続している。また、制御部31は、各種プログラム及び各種データを保存する記憶部32とも、データバス334を介して接続している。
プロセッサ330は、記憶部32に保存された各種プログラムを読み出してメモリ331に展開し、実行する。プロセッサ330は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro−processing Unit)等の処理装置を用いて構成することができる。メモリ331は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の揮発性または不揮発性の半導体メモリ等の記憶素子および記憶媒体を用いて構成することができる。
表示コントローラ332は、表示部33bに対して、文字及び画像から構成される表示用データを表示させるため映像信号を出力するコントローラである。表示コントローラ332は、ビデオカード、GPU(Graphics Processing Unit)、グラフィックボードといった映像信号出力装置を用いて構成することができる。
また、ブーム先端カメラ8は、静止画及び動画を撮影することができるカメラであり、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いて構成することができる。また、ブーム先端カメラ8には、ピントの設定、パン機能、チルト機能といった一般的なデジタルカメラが備える機能を備える。
音声出力部33aは、クレーン1のオペレータに音声による報知を行うものであり、スピーカ、報知器等の音声出力機器を用いて構成することができる。表示部33bは、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro−Luminescence)パネル等の表示インターフェース装置から構成することができる。また、記憶部32は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、IC(Integrated Circuit)メモリ素子等の記憶装置または記憶素子を用いて構成することができる。
次に、図4に示した制御部31の画像比較部312が行う、第1ワイヤロープW1の静止画の特徴ベクトルを、ニューラルネットワークを用いて求める処理について、以下に説明する。まず、画像比較部312に組み込まれるニューラルネットワークであるCNNについての概要を、図6を参照しつつ説明する。
CNNは、入力された入力画像の特徴を畳み込む畳み込み層と、畳み込みされた画像の解像度を下げるプーリング層と、畳み込んだ画像を分類する全結合層と、結果を出力する出力層とを備える。畳み込み層は、入力画像の全画素に対して、カーネル(フィルタ)のデータと画素毎に比較し、その特徴量を求め、特徴マップを生成する。例えば、図7に示すように、高さ6×幅6の入力画像に対して、高さ3×幅3のカーネルを使用して特徴マップを生成するものとする。なお、カーネルは、白黒であれば1つであるが、カラーであれば色の数だけ用意する必要が。例えば、RGBの3色であれば、カーネルを3つ用意し、各カーネルにより入力画像を畳み込む。
入力画像内の数値は、画素を示している。また、カーネル内の数値は、カーネルの重みを示している。カーネルの重みは、CNNの学習により変化する値である。まず、入力画像の左上の3×3サイズの部分に、カーネルを使用する。入力画像の各画素に対して、対応する位置のカーネルの重みを掛ける。掛けた値を全て合算する。ここでは、(0×1)+(1×0)+(1×1)+(1×0)+(0×0)+(0×1)+(1×1)+(1×1)+(0×0)=3となる。合算した値「3」を、特徴マップの左の一番上に入力する。続いて、入力画像の画素に対して、カーネルを上下左右に一画素ずつずらし、特徴マップを生成する。
図6にもどる。次に、畳み込み層で生成した特徴マップをプーリング層に入力する。プーリング層は、入力された特徴マップに対して、画像の解像度を下げるプーリング処理を行う。プーリング処理には、平均プーリングという集約方法と、最大プーリングという集約方法がある。例えば、最大プーリングという集約方法をとる場合を図8に示す。
例えば、特徴マップが4×4サイズとする。この特徴マップを2×2サイズに縮小する場合、特徴マップの2×2サイズの領域の中で、一番大きな値を持つ画素を抽出する。まず、図8に示す特徴マップにおいて、左上の2×2サイズの領域の中で一番大きな値を持つ画素を探す。左上の2×2サイズの中では、「4」が一番大きいので、この値を抽出する。続いて、特徴マップの左下、右上、右下の2×2サイズの領域それぞれに対して、その領域の中で一番大きな値を持つ画素を抽出する。抽出した画素は、各領域の特徴量となる。
図6に戻る。畳み込み層とプーリング層とは、順番に複数配置される。最終のプーリング層におけるプーリング処理を終え、生成された入力画像の特徴量を、全結合層に入力する。全結合層は、多層パーセプトロンの入力層及び中間層である。多層パーセプトロンの入力層には、1次元のデータしか入力することができない。入力画像から生成された特徴量は、多次元のマトリックのデータである。そこで、入力画像から生成された特徴量のデータをフラット化し、一次元の列ベクトルにしてから、全結合層の入力層へ入力する。
フラット化に方法について、図9を参照して説明する。最終プーリング層後の入力画像から生成された特徴量を、例えば、3×3のマトリックスのデータとする。このマトリックのデータを、1行目の1から3列目、2行目の1から3列目、3行目の1から3列目の順で、1列に並べる。1列に並べたデータは一次元の列ベクトルとなるため、列ベクトルの各値を全結合層の入力層へ入力することができる。なお、以下では、この列ベクトルのことを、特徴ベクトルと呼ぶ。
図6に戻る。全結合層は、入力層に特徴ベクトルの各値が入力されると、各ニューロンに設定された係数データを用いて、順次計算をし、計算結果を中間層に送る。中間層は、各ニューロンに設定された係数のデータを用いて、前の層から受信した計算結果を計算する。
CNNの出力層は、多層パーセプトロンの出力層である。中間層の計算結果を出力層に入力すると、出力層の各ニューロンに設定された値と比較する。比較した結果、設定された値が一致すればニューロンが発火し、不一致であればニューロンが発火しない。発火したニューロンに設定されていた値を基に、CNNの出力を定める。
上述したように、CNNでは、最終のプーリング層で生成された特徴量から生成された特徴ベクトルのデータを、全結合層に入力し分類している。CNNは、クラス識別のためのニューラルネットワークであり、全結合層へ入力されるデータを基にクラス識別することができるのであれば、全結合層へ入力されるデータを、入力画像を要約する特徴量のデータとしてみなすことができる。そこで、本実施の形態に係るワイヤロープ点検システム100では、全結合層へ入力されるデータ、すなわち、特徴ベクトルを基にブーム先端カメラ8で撮影する第1ワイヤロープW1の画像と正常なワイヤロープWの画像との乖離度を求め、求めた乖離度から第1ワイヤロープW1の劣化を判断するものとする。
ブーム先端カメラ8で撮影する第1ワイヤロープW1の画像と正常なワイヤロープWの画像との乖離度は、CNNにより抽出された各々の特徴ベクトルを比較して類似度を求め、求めた類似度を基に求めることができる。第1ワイヤロープW1の画像と正常なワイヤロープWの画像との特徴ベクトルは同じ次元のベクトルであるので、ベクトルの類似度を求めるコサイン類似度、ヒアソンの相関係数、偏差パターン類似度等の方法を用いて、特徴ベクトル同士の類似度を求める。
本実施の形態では、コサイン類似度を用いて、特徴ベクトル同士の類似度を求めるものとする。コサイン類似度は、ベクトルX、Yのなす角θの余弦COSθをいい、ベクトルの向きの近さを類似性の指標とするものである。コサイン類似度では、三角関数の普通のコサインの通り、1に近ければ類似し、0に近ければ類似しないものとされる。ここで、ベクトルX、Yの類似度をRとする。ベクトルX、Yの類似度Rは、下記の式(1)により求めることができる。
上記の式(1)のベクトルXに、第1ワイヤロープW1の画像の特徴ベクトルを代入し、ベクトルYに正常なワイヤロープWの画像との特徴ベクトルを代入し、第1ワイヤロープW1の画像と正常なワイヤロープWの画像との類似度Rを求める。第1ワイヤロープW1の画像と正常なワイヤロープWの画像との乖離度E[%]は、下記の式(2)により求めることができる。
乖離度E[%] =(1−類似度R)*100 (2)
乖離度E[%] =(1−類似度R)*100 (2)
乖離度Eは、0[%]に近いほど、第1ワイヤロープW1の画像と正常なワイヤロープWの画像とは似ており、すなわち、第1ワイヤロープW1の状態は正常な状態に近いことを示す。逆に、乖離度Eは、100[%]に近いほど、第1ワイヤロープW1の画像と正常なワイヤロープWの画像とは似ておらず、すなわち、第1ワイヤロープW1の状態は劣化した状態にあることを示す。
上述の第1ワイヤロープW1の画像と正常なワイヤロープWの画像との類似度及び乖離度E[%]は、図4に示した制御部31の画像比較部312により求められる。画像比較部312で求められた乖離度E[%]は、図4に示した制御部31の評価結果保存部314により、乖離度Eを求めた対象のワイヤロープWの位置及び対象のワイヤロープWの画像を撮影した日時と対応つけて、図4に示した記憶部32の評価データベース324に保存される。
記憶部32に保存された評価データベース324のテーブルの一例を、図10に示す。評価データベース324のテーブルは、項目として、乖離度Eを求めた対象のワイヤロープWの画像を撮影した日時と、乖離度Eと、乖離度Eを求めた対象のワイヤロープWの位置とを含む。図4に示した制御部31の劣化判断部315は、評価データベース324に保存された乖離度Eのデータのうち、所定値以上の乖離度Eが規定回数以上あった場合に、クレーン1のオペレータに警告を報知する。
次に、本実施の形態に係るワイヤロープ点検システム100の動作について、図11及び図12を参照しつつ説明する。図11は、図4に示したワイヤロープ点検システム100の制御部31の画像比較部312における学習処理のフローチャートであり、図12は、ワイヤロープ点検システム100におけるワイヤロープ点検処理のフローチャートである。図11示す学習処理のフローチャート及び図12に示すワイヤロープ点検処理のフローチャートとはそれぞれ、学習処理プログラム、ワイヤロープ点検処理プログラムとして、図4に示した記憶部32に保存されている。
学習処理プログラムは、図4に示した制御部31の画像比較部312に備えられたCNNに、正常な状態のワイヤロープWの画像を入力し、出力として正常な状態のワイヤロープWであることを判定できるように、畳み込み層のカーネルの重みと、全結合層の中間層及び出力層の重み係数とを定めさせる処理である。したがって、ワイヤロープ点検システム100におけるワイヤロープ点検処理を行う前に、制御部31の画像比較部312は、学習処理プログラムを実行し、畳み込み層のカーネルの重みと、全結合層の中間層及び出力層の重み係数とを定める。ワイヤロープ点検システム100は、ワイヤロープ点検処理を実行する前に、図5に示したプロセッサ330に記憶部32から学習処理プログラムをメモリ331に読み出し、実行する。学習処理プログラムの実行する処理の流れを、図11を参照しつつ、以下に説明する。
制御部31の画像比較部312は、CNNの畳み込み層のカーネルの重みと、全結合層の中間層及び出力層の各ニューロンの重み係数とに初期値を設定する(ステップS1)。画像比較部312は、図4に示した教師データ321から、一つ目の画像を読み込む(ステップS2)。この教師データ321は、正常な状態のワイヤロープWの画像である。画像比較部312は、誤差伝搬(Back Propagation)法を用いて、畳み込み層のカーネルの重みと、全結合層の中間層及び出力層の各ニューロンの重み係数とを更新する(ステップS3)。
続いて、画像比較部312は、全ての教師データ321について、学習処理を終了したか判定する(ステップS4)。画像比較部312は、全ての教師データ321について、学習処理を終了していない場合(ステップS4;NO)、ステップS2に戻り、次の教師データ321について誤差伝搬処理を実行する。一方、画像比較部312は、全ての教師データ321について、学習処理を終了した場合(ステップS4;YES)、その時点での、全結合層への入力値である特徴ベクトルのデータを、図4に示した記憶部32に基準特徴ベクトルのデータ323として保存する(ステップS5)。続いて、画像比較部312は、その時点での畳み込み層のカーネルの重みのデータと、全結合層の中間層及び出力層の各ニューロンの重み係数のデータとを、記憶部32にカーネル及び係数のデータ322として保存する(ステップS6)。
次に、図12に示すワイヤロープ点検処理の動作について説明する。ワイヤロープ点検システム100は、クレーン1で作業が開始されると、図5に示したプロセッサ330に記憶部32からワイヤロープ点検処理プログラムをメモリ331に読み出し、実行する。ワイヤロープ点検処理プログラムが実行されると、制御部31は、図4に示した各情処理ブロックとして機能する。ワイヤロープ点検処理プログラムの実行する処理の流れを、図12を参照しつつ、以下に説明する。
図4に示した制御部31の画像比較部312は、記憶部32に保存されているカーネル及び係数のデータ322から、畳み込み層のカーネルの重みのデータと、全結合層の中間層及び出力層の各ニューロンの重み係数のデータを取得する。画像比較部312は、自身に備えられたCNNに、畳み込み層のカーネルの重みのデータと、全結合層の中間層及び出力層の各ニューロンの重み係数のデータを読み込ませる(ステップS11)。続いて、画像比較部312は、記憶部32の基準特徴ベクトルのデータ323から、基準特徴ベクトルのデータを取得する(ステップS12)。この基準特徴ベクトルは、正常なワイヤロープWの画像から求めた特徴ベクトルのデータである。
図4に示した制御部31の画像取得部311は、ブーム先端カメラ8から図2(A)に示した第1ワイヤロープW1の動画を取得する。画像取得部311は、取得した動画を図2(B)に示した区間sで切り取り、静止画を生成する。画像取得部311は、生成した静止画から第1ワイヤロープW1の画像を取得する(ステップS13)。画像取得部311は、取得した第1ワイヤロープW1の画像を、画像比較部312に送信する。
評価結果保存部314は、図4に示した制御部31の繰出量検出部313を介してウインチドラム5の回転数を取得する。評価結果保存部314は、取得したウインチドラム5の回転数を基にして、ステップS13で画像取得部311が第1ワイヤロープW1の動画を取得した時のワイヤロープWの位置を求める。また、評価結果保存部314は、ステップS13で画像取得部311が第1ワイヤロープW1の動画を取得した時の日時を取得する(ステップS14)。
画像比較部312は、画像取得部311から受信した第1ワイヤロープW1の画像をCNNに入力し、特徴ベクトルを求める(ステップS15)。画像比較部312は、第1ワイヤロープW1の画像から求めた特徴ベクトルと、ステップS12で記憶部32から取得した基準特徴ベクトルとの類似度Rを、上述したコサイン類似度の式(1)を用いて求める。画像比較部312は、求めた類似度Rを上述した式(2)に当てはめ、乖離度Eを求める(ステップS16)。画像比較部312は、求めた乖離度Eを、図4に示した制御部31の評価結果保存部314に送信する。
評価結果保存部314は、画像比較部312から受信した乖離度Eを、ステップS14で求めたワイヤロープWの位置と、画像取得部311が第1ワイヤロープW1の動画を取得した時の日時とに対応づけ、図4に示した記憶部32の評価データベース324の末尾に追記し、保存する(ステップS17)。図4に示した制御部31の劣化判断部315は、記憶部32に保存された評価データベース324を読み込む。劣化判断部315は、評価データベース324に保存されている乖離度Eのデータのうち、予め定められている基準値を超えた乖離度Eのデータの数が、予め定められた所定数以下か判定する(ステップS18)。基準値を超えた乖離度Eのデータの数が、所定数以下である場合(ステップS18;YES)、劣化判断部315は処理を終了し、ステップS13に戻る。
基準値を超えた乖離度Eのデータの数が、所定数を超えた場合(ステップS18;NO)、劣化判断部315は、ワイヤロープWが劣化しているものと判断する。劣化判断部315は、クレーン1のオペレータに対して、図4に示した報知部33からワイヤロープが劣化している旨を報知させる(ステップS19)。例えば、劣化判断部315は、報知部33の音声出力部33aから、音声によるメッセージ、警告音等を出力させる。また、劣化判断部315は、報知部33の表示部33bに、ワイヤロープWが劣化している旨と、劣化しているワイヤロープWの位置の情報とを表示させる。制御部31は、ステップS13に戻り、処理を繰り返す。
以上のように、実施の形態によれば、ブーム4の先端に取り付けられたブーム先端カメラ8により撮影されたワイヤロープWの画像から、ニューラルネットワークにより正常な状態のワイヤロープWの画像との乖離度Eを求め、基準値を超えた乖離度Eが所定数以上あった場合に、クレーン1のオペレータに対し、ワイヤロープWが劣化していることを提示することができる。これにより、ワイヤロープに生じた異常を、異常の種別、検出範囲を定めず簡易に検出し、オペレータに提示することができる。
また、本発明の実施の形態では、ワイヤロープ点検システム100における情報処理の各機能を実現する制御部31を、図5に示したプロセッサ330、メモリ331、表示コントローラ332、I/Oポート333、データバス334、記憶部32にて実現するものとした。しかしながら、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、上述の各機能を実現するためのプログラムを、コンピュータが読み取り可能なCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)などの記録媒体に格納して配布し、このプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担、またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合等には、アプリケーションのみを記録媒体に格納してもよい。
さらに、搬送波に各プログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板であるBBS(Bulletin Broad System)にプログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行できる構成としてもよい。
(変形例1)
上記の実施の形態においては、ブーム先端カメラ8により撮影されたワイヤロープWの画像を基に、ワイヤロープの異常を判定した。しかしながら、ウインチドラム5の動作を監視するために設けられているドラム監視カメラ、吊り荷を監視する吊り荷監視カメラ等により撮影されたワイヤロープWの画像を基に、ワイヤロープWの異常を判定してもよい。また、複数のカメラで撮影した画像を基にしたワイヤロープWの異常を判定の結果を組み合わせ、異常を判定してもよい。
上記の実施の形態においては、ブーム先端カメラ8により撮影されたワイヤロープWの画像を基に、ワイヤロープの異常を判定した。しかしながら、ウインチドラム5の動作を監視するために設けられているドラム監視カメラ、吊り荷を監視する吊り荷監視カメラ等により撮影されたワイヤロープWの画像を基に、ワイヤロープWの異常を判定してもよい。また、複数のカメラで撮影した画像を基にしたワイヤロープWの異常を判定の結果を組み合わせ、異常を判定してもよい。
(変形例2)
上記の実施の形態においては、制御部31の画像比較部312に備えるCNNに、正常なワイヤロープの画像を学習させ、ブーム先端カメラ8により撮影されたワイヤロープWの画像との乖離度Eを求めることにより、ワイヤロープWの異常を判定した。しかしながら、画像比較部312に備えるCNNに、正常なワイヤロープの画像だけでなく、各種の異常なワイヤロープWの画像を学習させ、異常の種別を判定できるようにしてもよい。
上記の実施の形態においては、制御部31の画像比較部312に備えるCNNに、正常なワイヤロープの画像を学習させ、ブーム先端カメラ8により撮影されたワイヤロープWの画像との乖離度Eを求めることにより、ワイヤロープWの異常を判定した。しかしながら、画像比較部312に備えるCNNに、正常なワイヤロープの画像だけでなく、各種の異常なワイヤロープWの画像を学習させ、異常の種別を判定できるようにしてもよい。
(変形例3)
上記の実施の形態においては、制御部31をクレーン1のキャビン3に内蔵するものとした、これに限らず、制御部31をクレーン1の外部に置き、ワイヤロープWの異常を判定させてもよい。
上記の実施の形態においては、制御部31をクレーン1のキャビン3に内蔵するものとした、これに限らず、制御部31をクレーン1の外部に置き、ワイヤロープWの異常を判定させてもよい。
(変形例4)
上記の実施の形態においては、制御部31の画像比較部312に備えるニューラルネットワークをCNNとした。これに限らず、いずれのニューラルネットワークを使用してもよい。
上記の実施の形態においては、制御部31の画像比較部312に備えるニューラルネットワークをCNNとした。これに限らず、いずれのニューラルネットワークを使用してもよい。
(変形例5)
上記の実施の形態においては、画像の乖離度を求めるために、CNNの全結合層へ入力されるデータである、最終プーリング層の特徴量を列ベクトルにした特徴ベクトルを用いた。しかしながら、これに限らず、全結合層の中間層の各ニューロンへ入力される値を特徴ベクトルとして用いても良い。
上記の実施の形態においては、画像の乖離度を求めるために、CNNの全結合層へ入力されるデータである、最終プーリング層の特徴量を列ベクトルにした特徴ベクトルを用いた。しかしながら、これに限らず、全結合層の中間層の各ニューロンへ入力される値を特徴ベクトルとして用いても良い。
なお、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態と変形例によっては限定されない。本発明は特許請求の範囲に記載された技術的思想の限りにおいて、自由に応用、変形、あるいは改良して、実施することができる。
1 クレーン、2 ブラケット、3 キャビン、4 ブーム、5 ウインチドラム、6 ブーム先端部、7 フックブロック、8 ブーム先端カメラ、31 制御部、32 記憶部、33 報知部、33a 音声出力部、33b 表示部、100 ワイヤロープ点検システム、311 画像取得部、312 画像比較部、313 繰出量検出部、314 評価結果保存部、315 劣化判断部、321 教師データ、322 カーネル及び係数のデータ、323 基準特徴ベクトルのデータ、324 評価データベース、330 プロセッサ、331 メモリ、332 表示コントローラ、333 I/Oポート、334 データバス、fa 撮影領域、s 区間、W ワイヤロープ、W1 第1ワイヤロープ、W2 第2ワイヤロープ。
Claims (7)
- カメラで撮影した画像から取得した判定の対象となるワイヤロープの画像と、正常なワイヤロープの画像とを比較して画像の乖離度を求める画像比較部と、
前記画像比較部で求めた乖離度が、予め定められた基準値を超え、かつ、前記基準値を超えた数が予め定められた所定数以上である場合、前記判定の対象となるワイヤロープが劣化しているものと判断する劣化判断部と、
前記劣化判断部からの指示に基づいて、オペレータに前記判定の対象となるワイヤロープが劣化していることを報知する報知部と、を備える、
作業車用のワイヤロープ点検システム。 - 前記画像比較部は、前記判定の対象となるワイヤロープの画像と、正常なワイヤロープの画像とから生成される特徴量を基に、一次元の列ベクトルである特徴ベクトルを求めるニューラルネットワークを備え、
前記画像比較部は、前記ニューラルネットワークで求めた、前記判定の対象となるワイヤロープの特徴ベクトルと、前記正常なワイヤロープの特徴ベクトルとを比較した結果から前記画像の乖離度を求める、
請求項1に記載の作業車用のワイヤロープ点検システム。 - 作業車用のワイヤロープ点検システムは、前記画像比較部で求めた画像の乖離度のデータと、前記判定の対象となるワイヤロープの位置のデータとを対応づけて保存するための評価データベースをさらに備え、
前記劣化判断部は、前記評価データベースに保存された画像の乖離度のデータが、前記基準値を超え、かつ、前記基準値を超えた数が予め定められた所定数以上である場合、前記判定の対象となるワイヤロープが劣化しているものと判断する、
請求項1または2に記載の作業車用のワイヤロープ点検システム。 - 前記報知部は、表示部を備え、
前記報知部は、前記劣化判断部からの指示に基づいて、前記表示部にワイヤロープが劣化していることを示すメッセージと、劣化しているワイヤロープの位置の情報とを表示させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の作業車用のワイヤロープ点検システム。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の作業車用のワイヤロープ点検システムを備える、
作業車。 - 撮影した画像から取得した判定の対象となるワイヤロープの画像と、正常なワイヤロープの画像とを比較して画像の乖離度を求め、
求めた前記乖離度が、予め定められた基準値を超え、かつ、前記基準値を超えた数が予め定められた所定数以上である場合、前記判定の対象となるワイヤロープが劣化しているものと判断し、
オペレータに前記判定の対象となるワイヤロープが劣化していることを報知する、
方法。 - コンピュータに、
撮影した画像から取得した判定の対象となるワイヤロープの画像と、正常なワイヤロープの画像とを比較して画像の乖離度を求める処理、
求めた前記乖離度が、予め定められた基準値を超え、かつ、前記基準値を超えた数が予め定められた所定数以上である場合、前記判定の対象となるワイヤロープが劣化しているものと判断する処理、
オペレータに前記判定の対象となるワイヤロープが劣化していることを報知する処理、
を実行させるためのプログラム。
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JP2020020672A JP2021127183A (ja) | 2020-02-10 | 2020-02-10 | 作業車用のワイヤロープ点検システム、作業車、方法、及びプログラム |
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- 2020-02-10 JP JP2020020672A patent/JP2021127183A/ja active Pending
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