<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠(図示略)と、その内枠の前方に配置される前扉枠14と、内枠の後方に配置される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
遊技機本体12のうち内枠が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠には、裏パックユニットが回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置(図示略)が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠には遊技盤24が搭載されている。ここで、遊技盤24の構成を図2に基づいて説明する。図2は、遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33,下作動口34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34はともに上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aの閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)となることで下作動口34への入賞が可能となる。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後で詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が行われることとなる開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
ちなみに、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応して保留数を発光表示するメイン保留発光部45が設けられている。メイン保留発光部45はLEDで構成されている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、メイン保留発光部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム42の右上部分には、役物用表示部44に対応して保留数を発光表示する役物用保留発光部46が設けられている。役物用保留発光部46はLEDで構成されている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、役物用保留発光部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、内枠において遊技盤24の下方に搭載された遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構は、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種発光部等の発光手段が設けられている。当該各種発光部の一部として表示発光部63が窓部61の上方に設けられている。これら各種発光部はLEDから構成されている。また、表示発光部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニットに搭載された払出装置から払い出された遊技球が排出される。
前扉枠14における発射ハンドル54の上方には、遊技者が操作可能な操作部75が設けられている。操作部75は後述する演出制御装置に接続されており、操作部75が操作されることにより所定の演出が実行される。
内枠の背面側には、主制御装置と、演出制御装置と、表示制御装置とが搭載されている。また、内枠の背面に対しては既に説明したとおり裏パックユニットが設けられており、当該裏パックユニットには、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源及び発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機10の電気的な構成について説明する。
<パチンコ機10の基本的な電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図3のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU202に対してROM203及びRAM204が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた電断監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211などが接続されている。この場合に、電断監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には電断監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211の一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に対して1対1で対応させて設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、電断監視基板205、払出制御装置97及び演出制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
電断監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、主制御基板201から出力された発射許可信号に基づいて遊技球発射機構の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
演出制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45,46及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64を駆動制御する。また、演出制御装置82は、表示制御装置212を制御する。表示制御装置212では、演出制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図4に基づいて説明する。図4は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図4(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、複数の変動表示領域が設定されている。具体的には、複数の変動表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。
詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図4(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組合せが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組合せが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄の種類は上記のように数字が付された図柄に限定されることはなく、例えば、数字そのものが変動表示される構成としてもよく、図柄そのものが変動表示される構成としてもよい。
表示画面Gの下部には、保留表示領域Gaが設定されている。保留表示領域Gaは、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並べて区画表示されるようにして設けられている。具体的には、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
さらに表示画面Gの下部には、保留表示領域Gaと並列させて実行用表示領域Gbが設定されている。実行用表示領域Gbには、現在実行している遊技回に対応する上記所定の保留用画像が表示される。
<各種カウンタ及び保留球格納エリアについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図5に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア232は、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜299)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。これにより、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果と、確変大当たり結果とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなる大当たり結果である。また、確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなる大当たり結果である。
振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。例えば、「200〜239」がリーチ発生当選に対応した数値情報となるようにリーチ用テーブルが設定されている。
ちなみに、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32が開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図4の表示内容について具体的に説明すると、先ず全図柄列Z1〜Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄が表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が表示されている図柄を認識することができる又は認識し易い低速変動表示に切り換わる。そして、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。その後、下図柄列Z3の変動表示が終了する。この場合、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、中図柄列Z2の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換わり、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。なお、変動種別カウンタCSを用いて上記変動表示時間を決定する場合には、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶された変動表示時間テーブルが参照される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリアに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<主制御基板201のMPU202にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板201のMPU202にて各遊技回の遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。
なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行されるとともに、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断監視基板205からの電断信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、主制御装置81に接続されている上作動口33及び下作動口34に対応したセンサの状態を読み込むとともに、当該センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
ステップS101にて読み込み処理を実行した後は、ステップS102に進む。ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、演出制御装置82に対して、役物保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の役物用保留発光部46を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
作動口用の入賞処理について図7のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、RAM204の各種フラグ格納エリア234における上作動口入賞フラグ格納エリアに上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。当該上作動口入賞フラグは、上作動口33への遊技球の入賞が発生した場合に、上記タイマ割込み処理(図6)の読み込み処理(ステップS101)にて格納される。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS202〜ステップS206の処理を実行することなくステップS207に進む。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS202に進む。
ステップS202では、上作動口入賞フラグを消去する。続くステップS203では、保留球格納エリア232の保留数記憶エリアNAに格納された値を読み出し、保留用エリアREに保留記憶されている保留記憶数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。保留記憶数Nが上限値以上である場合には、そのままステップS207に進む。保留記憶数Nが上限値未満である場合には、ステップS204に進み、保留記憶数Nを1加算する。
続くステップS205では、前回のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値(各数値情報)を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS204にて1加算した保留記憶数Nと対応する保留エリアに格納する。
続くステップS206では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である演出制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに、演出制御装置82において保留予告を実行させるための処理である保留予告用の確認処理を実行する。かかる処理については、後で詳細に説明する。
ステップS201にて否定判定した場合、ステップS203にて否定判定した場合又はステップS206の処理を実行した後には、ステップS207にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における下作動口入賞フラグ格納エリアに下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。当該下作動口入賞フラグは、下作動口34への遊技球の入賞が発生した場合に、上記タイマ割込み処理(図6)の読み込み処理(ステップS101)にて格納される。下作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS208にて下作動口入賞フラグを消去した後に、ステップS203〜ステップS206の処理を実行する。この場合、ステップS203〜ステップS206の処理後におけるステップS207の処理にて否定判定をすることで、本入賞処理を終了する。
遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが設けられ両作動口33,34への入賞が同時に発生し得る構成において、タイマ割込み処理の1回の処理回で、上作動口33への入賞が発生したか否か及び下作動口34への入賞が発生したか否かが判定されるとともに、両作動口33,34への入賞が同時に発生している場合には、それぞれの入賞に対して、ステップS203〜ステップS205の情報取得処理と、ステップS206の入賞に基づくサブ側の制御装置への情報送信処理とが実行される。これにより、両作動口33,34への入賞が同時に発生した場合であっても、上作動口33への入賞に基づく保留情報の取得及び下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得を正確に行うことができるとともに、サブ側の制御装置への情報送信処理を早いタイミングで実行することができる。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図8のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS301〜S306の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS308,S309のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS301では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、各種保留コマンド、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS302では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS303では、払出制御装置97より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS304では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、及びメイン表示部43の表示制御などを行う。遊技回制御処理については、後で詳細に説明する。
その後、ステップS305では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モードなどに移行する。
その後のステップS306では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、役物用表示部44の表示制御などを行う。この場合、既に説明した通り、スルーゲート35への入賞を契機に抽選を行い、当該抽選結果に基づいて電動役物34aの駆動制御を行う。
続くステップS307では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS308,S309)。つまり、ステップS308では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS309では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS301〜S306の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS304の遊技回制御処理を図9〜図11のフローチャートを参照して説明する。
図9に示す遊技回制御処理では、先ずステップS401にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS402以降の処理、すなわちステップS402〜ステップS405の遊技回開始用処理及びステップS406〜ステップS409の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS402にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア234における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、メイン表示部43において変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS403〜ステップS405の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS403にて、保留記憶数Nが「0」であるか否かを判定する。保留記憶数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア232に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS404にて保留球格納エリア232に記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS405にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。変動開始処理を実行したら本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS404のデータ設定処理及びステップS405の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、ステップS404のデータ設定処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS501にて、保留記憶数Nを1減算する。続くステップS502にて、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS503にて、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS504では、保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。ステップS504にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS301にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、シフト時コマンドを受信することで、メイン保留発光部45における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。また、演出制御装置82は、表示制御装置212を制御して、図柄表示装置41の保留表示領域Gaにおける表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、ステップS405の変動開始処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS601にて、今回の変動開始処理に対応した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア221に記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る値が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア221に記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る値が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
ステップS601にて当否判定処理を実行した後は、ステップS602にて大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、MPU202のレジスタに大当たり情報が記憶されているか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合には、ステップS603にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM203の振分テーブルから確変大当たり情報に対応した情報を取得する。そして、両情報を比較し、確変大当たり情報に対応しているか否かを特定する。
続くステップS604では、ステップS603における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS605にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS606にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS602にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS607にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS605〜ステップS607の各停止結果設定処理では、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM203に予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。また、ステップS605及びステップS606では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア234に格納する(対応するエリアに「1」の情報を記憶する)。具体的には、ステップS605では確変大当たりフラグを格納し、ステップS606では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS605〜ステップS607のいずれかの処理を実行した後は、ステップS608にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
ここで、変動表示時間の設定処理について、図12及び図13を参照しながら説明する。
図12のフローチャートに示すように、変動表示時間の設定処理では、先ずステップS701にて、大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234に確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。大当たり当選である場合には、続くステップS702にて、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222から大当たり時の変動表示時間テーブルを取得する。大当たり当選ではなく外れ結果である場合には、ステップS703にて、変動表示時間テーブル記憶エリア222から外れ時の変動表示時間テーブルを取得する。
各変動表示時間テーブルでは、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS及び変動開始時の保留記憶数Nによって変動表示時間が定められている。すなわち、図13に示すように、リーチ乱数カウンタC3の値によってリーチ発生の有無が定められ、また、変動種別カウンタCSの値によって変動パターンが決定される。本実施形態では、この変動パターンには、変動開始時の保留記憶数Nにかかわらず変動表示時間が決定する保留数非対応パターンと、変動開始時の保留記憶数Nによって変動表示時間が決定する保留数対応パターンと、が定められている。
より具体的には、大当たり時に変動表示時間テーブルでは、リーチ乱数カウンタC3の値が0〜4の場合にリーチ非発生の遊技回に設定される。そのうち変動種別カウンタCSの値が0〜24の場合がリーチ非発生Aの変動パターンとして設定されており、これが保留数非対応パターンの変動パターンとなっている。この場合、変動開始時の保留記憶数Nの値にかかわらず、変動表示時間は10secに設定される。また、リーチ非発生のうち変動種別カウンタCSの値が25〜49の場合がリーチ非発生Bの変動パターンとして設定されており、これが保留数対応パターンの変動パターンとなっている。この場合、変動開始時の保留記憶数Nが0〜1の場合には変動表示時間は10secに設定され、保留記憶数Nが2〜3の場合には変動表示時間は5secに設定される。
大当たり時の変動表示時間テーブルにおいて、リーチ乱数カウンタC3の値が5〜99の場合にはリーチ発生の遊技回に設定される。そして、そのうちリーチ乱数カウンタC3の値が5〜19の場合にはノーマルリーチが発生する遊技回に設定され、リーチ乱数カウンタC3の値が20〜99の場合にはスーパーリーチが発生する遊技回に設定される。
ここでスーパーリーチとは、ノーマルリーチよりも大当たり当選の期待度が高く設定されたリーチ表示である。さらにスーパーリーチには、スーパーリーチAとスーパーリーチBとスーパーリーチCとが設定されている。スーパーリーチA〜Cは、スーパーリーチCが大当たり当選の期待度が最も高く設定されており、C、B、Aの順で大当たり当選の期待度が高くなるように設定されている。これらスーパーリーチA〜Cは演出内容も相違しており、スーパーリーチAとBではアニメーションのムービーが再生されるように設定されており、スーパーリーチCでは実写のムービーが再生されるように設定されている。なお、スーパーリーチAとBとでは異なるアニメーションのムービーが設定されている。そして、スーパーリーチA〜Cは変動表示時間が相違しており、スーパーリーチCが変動表示時間が最も長く設定されており、C、B、Aの順で変動表示時間が長く設定されている。より具体的には、スーパーリーチAが45sec、スーパーリーチBが60sec、スーパーリーチCが90secに設定されている。これらスーパーリーチA〜Cが発生する遊技回は、変動開始時の保留記憶数Nの値にかかわらず設定されている変動表示時間にて遊技回が行われる保留数非対応パターンの変動パターンである。
大当たり時にノーマルリーチが発生する遊技回において、変動種別カウンタCSが0〜24の場合がノーマルリーチAの変動パターンとして設定されており、これが保留数非対応パターンの変動パターンとなっている。この場合、変動開始時の保留記憶数Nの値にかかわらず、変動表示時間は20secに設定される。また、ノーマルリーチが発生する遊技回のうち変動種別カウンタCSの値が25〜49の場合がノーマルリーチBの変動パターンとして設定されており、これが保留数対応パターンの変動パターンとなっている。この場合、変動開始時の保留記憶数Nが0〜1の場合には変動表示時間は20secに設定され、保留記憶数Nが2〜3の場合には変動表示時間は15secに設定される。これらノーマルリーチAとノーマルリーチBとでは、リーチ発生後の演出パターンは同じであるものの、リーチ発生までの演出、すなわち、上下の図柄列Z1、Z3が停止するまでの演出として予告演出等の内容が異なっている。すなわち、ノーマルリーチAとノーマルリーチBとの変動表示時間の長短はリーチ発生までの時間の長短に基づいており、リーチ開始から終了までの時間の長さは、いずれのノーマルリーチA、Bであっても同じに設定されている。
一方、外れ時の変動表示時間テーブルにおいては、リーチ非発生A、リーチ非発生B、ノーマルリーチA、ノーマルリーチB、スーパーリーチA、スーパーリーチB及びスーパーリーチCのいずれもが設定されているものの、その発生確率が相違している。すなわち、外れ時においては、リーチ乱数カウンタC3が0〜59の場合がリーチ非発生に設定され、60〜99の場合がリーチ発生に設定され、リーチ発生の確率が大当たり時よりも低く設定されている。リーチ非発生時において変動種別カウンタCSの値が0〜24の場合がリーチ非発生Aとして設定され、25〜49の場合がリーチ非発生Bとして設定される。
外れ時のリーチ発生のうち、リーチ乱数カウンタC3が60〜89の場合がノーマルリーチに設定され、90〜99の場合がスーパーリーチに設定され、リーチ発生のうちのスーパーリーチの発生率が大当たり時よりも低く設定されている。ノーマルリーチでは、変動種別カウンタCSが0〜24の場合がノーマルリーチAとして設定され、25〜49がノーマルリーチBとして設定されている。また、スーパーリーチでは、変動種別カウンタCSの値が0〜15の場合がスーパーリーチAとして設定され、16〜33の場合がスーパーリーチBとして設定され、34〜49の場合がスーパーリーチCとして設定されている。
なお、本明細書において変動表示時間について図柄表示装置41における表示との関係で説明すると、変動表示時間(動作期間)とは、各図柄列Z1〜Z3の変動表示が開始してから当該変動表示が終了するまでの時間に加えて、変動表示が終了して停止結果(遊技結果)を表示する所謂確定時間を含むものとする。
変動表示時間の設定処理(図12)の説明に戻り、ステップS702又はステップS703にていずれかの変動表示時間テーブルを取得した後は、ステップS704にて、取得した変動表示時間テーブルと、各パラメータ(リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS、保留記憶数N)に対応する変動表示時間(動作期間)を、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられた変動表示時間カウンタにセットする。その後、変動表示時間の設定処理を終了する。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、遊技結果、リーチ乱数カウンタC3の値、変動種別カウンタCSの値をパラメータとして決定される。決定される変動パターンとしては、上記のとおり、リーチ非発生A、リーチ非発生B、ノーマルリーチA、ノーマルリーチB、スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCが設定されている。さらに、保留記憶数Nがパラメータとして加わる保留数対応パターンと、保留記憶数Nがパラメータとして加わらない保留数非対応パターンと、が設定されており、上記のリーチ非発生B及びノーマルリーチBの変動パターンが保留数対応パターンであり、それ以外の変動パターンは保留数非対応パターンである。
なお、各遊技回の変動表示時間の設定方法については上記のものに限定されない。例えば、大当たり時にはリーチ非発生が含まれない構成、すなわち大当たり時にはリーチ乱数カウンタC3の値にかかわらずリーチが発生する構成としてもよい。また、リーチ発生及びその種類について、リーチ乱数カウンタC3だけでなく他のカウンタを用いて決定する構成としてもよい。他のカウンタとしては、例えば、外れ時であれば所定ライン(例えば中ラインL2)の停止図柄を決定する停止パターンカウンタが考えられ、大当たり時であれば同一の図柄組合せを停止表示させる図柄を決定する大当たり図柄カウンタ等が考えられる。この場合、例えば、リーチ乱数カウンタC3ではリーチ発生の有無を決定し、上記他のカウンタにてその種類を決定する構成とするとよい。
また、サポートモードの高低や当否抽選モードの高低によって、変動表示時間が相違する構成としてもよい。例えば、高頻度サポートモード時においては、低頻度サポートモード時と比較して、同じ遊技結果であっても短い変動表示時間が選択され易い構成としてもよく、長い変動表示時間が選択され易い構成としてもよい。高頻度サポートモード時においては、保留情報が比較的高頻度に取得されるため、短い変動表示時間が選択され易い構成とすることで円滑な遊技を実現することができる。この場合、変動表示時間の設定処理においてサポートモードの高低を判定する処理を加え、サポートモードに対応する変動表示時間テーブルを取得する構成とするとよい。
変動開始処理(図11)の説明に戻り、ステップS608にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS609にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS609にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS301にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。その後、ステップS610にてメイン表示部43において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図9)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS406〜ステップS409の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS406にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(ステップS608)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図6)が起動される度に、1減算される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS407にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS408にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS605〜ステップS607のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様がメイン表示部43にて表示されるように当該メイン表示部43を表示制御する。
続くステップS409では、変動終了コマンドを設定する。ここで設定された変動終了コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS301にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、演出制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。ステップS409の実行後は、本遊技回制御処理を終了する。
次に、図14を参照して、通常処理のステップS305にて実行される遊技状態移行処理について説明する。
先ず、ステップS801では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS802に進み、1の遊技回の絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS803にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS804にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置32の大入賞口32aの開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図6)が実行される度に1ディクリメントされる。
続くステップS805では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM203に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
続くステップS806では、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図8)におけるステップS301にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
続くステップS807では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子99に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS801にて肯定判定をし、ステップS808に進む。ステップS808では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS809にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、各ラウンドの単位開放時間及びラウンド間の待機時間に応じて大入賞口32aを開閉制御するとともに、各ラウンドにおいて大入賞口32aへの入賞個数が上限入賞個数に達している場合には単位開放時間が経過していなくても大入賞口32aを閉鎖状態とするよう可変入賞駆動部32cを駆動制御する。
ステップS809にて大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS810にてラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS811にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS812にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS901にて、RAM204に確変大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。確変大当たりフラグが格納されている場合には、ステップS902にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS903にて、高確率モードフラグを格納するとともに、ステップS904にて高頻度サポートフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態(以下、当該遊技状態を特別有利状態ともいう)に移行する。ステップS904の処理を実行した後は、本移行処理を終了する。
ステップS901にて、確変大当たりフラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS905にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS906にて、高頻度サポートフラグを格納するとともに、ステップS907にて、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。ステップS907の処理を実行した後は、本移行処理を終了する。
遊技状態移行処理(図14)の説明に戻り、ステップS812の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS813にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSが消灯されるように当該ラウンド表示部RSの表示制御を終了する。その後、ステップS814にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、確変大当たりフラグや通常大当たりフラグを消去する。
<保留予告について>
ここで、本パチンコ機10では、保留球格納エリア232に記憶されている保留情報の内容に対応する保留予告が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前のタイミングにおいて所定の確率で行われる構成となっている。かかる保留予告は、主制御装置81から送信された所定のコマンドに基づいて演出制御装置82にて所定の制御が実行されることにより行われる。当該保留予告に係る電気的構成及び処理構成を以下に説明する。
図16に示すように、演出制御装置82に設けられた演出制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、シフトコマンドや後述する保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45、46及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化されたMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。
MPU252は、演出制御装置82から、保留表示制御を行うための保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、図柄の変動表示を行うための遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)、開閉実行モード中の動画表示を行うための開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)などを受信する。そして、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM254の各エリアに記憶される。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
<保留予告に関する処理について>
次に、主制御装置81のMPU202及び演出制御装置82のMPU242にて実行される保留予告に関する処理について説明する。主制御装置81側の保留予告に関する処理としては、作動口用の入賞処理(図7)における保留予告用の確認処理(ステップS206)が設定されている。この処理はタイマ割込み処理(図6)の一部の処理として実行され、作動口33,34への入賞が発生したタイミングで実行される。
以下に、保留予告用の確認処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1001では、保留用エリアREに記憶されている保留情報であって、上作動口33及び下作動口34の今回の入賞に基づきステップS205で取得した保留情報である、大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり判定用の情報)や、大当たり種別カウンタC2の値(大当たり種別判定用の情報)、リーチ乱数カウンタC3の値(リーチ発生の判定用の情報)、変動種別カウンタCSの値(変動種別に関する情報)を把握する。
続くステップS1002では、RAM204に保留用高確率フラグが格納されているか否かを判定する。
ここで、保留用高確率フラグについて説明する。保留用エリアREに格納された保留情報は順次消化されるのに対して、保留予告用の確認処理は当該保留情報の消化タイミングとは異なるタイミングにて実行される。この場合、所定の保留情報について保留予告用の確認処理の対象となったタイミングと当該保留情報が消化されるタイミングとで抽選モードが異なる状況が発生し得る。例えば、所定の保留情報が保留予告用の確認処理の対象となったタイミングで抽選モードが低確率モードであっても、そのタイミングから所定の保留情報が消化されるタイミングまでの間に確変大当たりに対応した保留情報が消化された場合には抽選モードは高確率モードとなる。保留用高確率フラグは、上記抽選モードの変化をMPU202にて把握し、その内容を保留予告用の確認処理における当否判定に反映するためのフラグである。
保留用高確率フラグを設けたことで、保留用エリアREに格納された保留情報によってその後に消化される保留情報について抽選モードが変わる場合にも、正しい抽選モードにて保留予告用の確認処理が行え、当否判定の把握を正確に行うことが可能となる。
ステップS1002にて肯定判定をした場合には、ステップS1003にて高確率モードに対応した当否判定処理を実行する。また、ステップS1002にて否定判定をした場合には、ステップS1004にて低確率モードに対応した当否判定処理を実行する。
ステップS1003又はステップS1004の実行後は、ステップS1005にてステップS1003又はステップS1004における当否判定の判定結果情報をRAM204に設けられた判定結果記憶エリアに一時記憶させる処理を実行する。これにより、当該判定結果記憶エリアに記憶されている判定結果情報を把握することにより、今回の当否判定の判定結果を把握することができる。
続くステップS1006では、今回の保留情報が確変大当たりに対応したものか否かを判定する。具体的には、判定結果情報が大当たり情報で且つ大当たり種別カウンタC2の値が確変大当たり結果に対応する値であるか否かを判定する。ステップS1006にて肯定判定をした場合、ステップS1007にて保留用高確率フラグに「1」を格納することによりフラグをセットする。
ステップS1006にて否定判定をした場合、ステップS1008にて今回の保留情報が通常大当たりに対応したものか否かを判定する。具体的には、判定結果情報が大当たり情報で且つ大当たり種別カウンタC2の値が通常大当たり結果に対応する値であるか否かを判定する。ステップS1008にて肯定判定をした場合、ステップS1009にて保留用高確率フラグを「0」クリアする。
ステップS1007,S1009のいずれかを実行した後か、ステップS1008にて否定判定をした場合には、ステップS1010にて、保留コマンドの設定処理を実行して本保留予告用の確認処理を終了する。
ステップS1010にて実行される保留コマンドの設定処理は、保留情報の内容として遊技結果の情報と変動表示時間の情報とを演出制御装置82へ把握させるための処理である。
具体的には、図18のフローチャートに示すように、先ずステップS1101にて、今回取得した保留情報のうち、遊技結果に関する情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2の値を把握する処理を実行する。続くステップS1102では、今回取得した保留情報のうち、変動表示時間に関する情報、すなわちリーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの値を把握する処理を実行する。そして、ステップS1103にて、ステップS1101及びステップS1102にて把握した情報を含む保留コマンドを演出制御装置82への出力対象として設定する処理を実行し、保留コマンドの設定処理を終了する。この保留コマンドは、通常処理(図8)のステップS301にて演出制御装置82へ出力される。なお、保留コマンドに、遊技結果に関する情報や変動表示時間に関する情報として、各カウンタC1,C2,C3,CS等の値を設定する構成に代えて、遊技結果や変動表示時間そのものの情報を設定する構成としてもよい。このようにすることで、主制御装置81と演出制御装置82との間で入出力されるコマンドから各カウンタC1,C2,C3,CSの値を読み取られる不正行為を抑制することができる。これは、主側の主制御装置81とサブ側の演出制御装置82との間で入出力される他のコマンド(変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等)においても同様であり、カウンタの値そのものではなく、カウンタの値から設定される情報をこれらのコマンドに設定する構成とするとよい。これらのコマンドであっても、遊技者の利益に関与する主側の乱数カウンタの値をサブ側に出力する構成とすると、乱数更新タイミングを把握されて不正行為が行われる可能性があるからである。
次に、演出制御装置82側の保留予告に係る処理について説明する。演出制御装置82側の処理としては、大別して、保留制御用コマンド対応処理と、特別保留予告制御処理と、が設定されている。保留制御用コマンド対応処理は主制御装置81からの保留制御用のコマンド(保留コマンドやシフト時コマンド)に対応するための処理であり、特別保留予告制御処理は保留予告において設定されている特別保留予告を制御するための処理である。これら各処理は、予め定められた周期(例えば2msec)毎に起動されるよう設定されている。そして、演出制御装置82では、これら各処理のほか、遊技回用の演出を制御するための変動表示制御処理が設定されている。この変動表示制御処理も、予め定められた周期(例えば2msec)毎に起動されるよう設定されている。
先ず、保留制御用コマンド対応処理について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1201では、保留コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS1201にて肯定判定をした場合には、ステップS1202にて、RAM244の各種カウンタエリア249に記憶されている副側保留記憶数SNを1加算する。続くステップS1203では、保留表示設定処理を実行する。
ここで、本実施形態では、保留予告の一種である先読み演出として、保留情報に対応させて図柄表示装置41の保留表示領域Gaに表示する保留用画像Pを異ならせる演出が設定されている。保留用画像Pは、保留情報の大当たり期待度に対応させて複数種類設定されており、先読み演出として、保留情報の大当たり期待度に対応させた保留用画像Pが表示される。
具体的には、図20(a)に示すように、保留用画像Pとして第1保留用画像P1(A)、第2保留用画像P2(B)、第3保留用画像P3(C)、第4保留用画像P4(D)、第5保留用画像P5(E)が設定されており、これら各保留用画像P1〜P5はそれぞれ見分けがつくように例えば色や形が異なるように設定されている。本実施形態では、例えば、第1保留用画像P1を虹色、第2保留用画像P2を金色、第3保留用画像P3を赤色、第4保留用画像P4を黄色、第5保留用画像P5を青色で表示するように設定されている。なお、図においては、それぞれハッチの設定を異ならせて表示している。
ステップS1203の保留表示設定処理では、受信した保留コマンドに対応する保留用画像Pをこれらの各保留用画像P1〜P5のうちから設定する処理を行う。この場合、ROM243に記憶されている保留表示パターンテーブルを取得して、保留コマンドに含まれる情報から対応する保留用画像P1〜P5を設定する。保留表示パターンテーブルとしては、図21に示すように、大当たり時の保留表示パターンテーブルと外れ時の保留表示パターンテーブルとが設定されている。そして、保留コマンドに含まれる情報のうちの遊技結果の情報(大当たり乱数カウンタC1)に基づいて、当該保留コマンドに対応する保留情報が大当たり結果であるか否かの判定が行われ、大当たり結果である場合には大当たり時の保留表示パターンテーブルが取得され、そうではない場合(外れ結果である場合)は外れ時の保留表示パターンテーブルが取得される。
大当たり時の保留表示パターンテーブルでは、各種変動パターン(リーチ非発生A、リーチ非発生B、ノーマルリーチA、ノーマルリーチB、スーパーリーチA、スーパーリーチB及びスーパーリーチC)に応じて、それぞれ保留用画像P1〜P5の選択率が異なるように設定されている。そして、第1保留用画像P1が最も選択される確率が低くなるように設定されており、P1、P2、P3、P4、P5の順で選択される確率が低くなるように設定されている。また、スーパーリーチA〜CとノーマルリーチA、Bとを比較すると、スーパーリーチA〜Cのほうが番号が小さい側の保留用画像が選択され易く、ノーマルリーチA、Bとリーチ非発生A、Bとを比較するとノーマルリーチA、Bのほうが番号が小さい側の保留用画像が選択され易くなるように設定されている。
スーパーリーチA〜Cにおいて番号が小さい側の保留用画像の選択され易さを比較すると、スーパーリーチCが最も選択され易く、C、B、Aの順で選択され易くなるように設定されている。ノーマルリーチA、Bでは、ノーマルリーチAのほうがノーマルリーチBよりも選択され易く、また、リーチ非発生A、Bではリーチ非発生Aのほうがリーチ非発生Bよりも選択され易くなるように設定されている。なお、リーチ非発生Bにおいては、第1保留用画像P1は選択されないように設定されている。
外れ時の保留表示パターンテーブルでは、大当たり時の保留表示パターンテーブルと比較して、同じ変動パターン(リーチ非発生A、リーチ非発生B、ノーマルリーチA、ノーマルリーチB、スーパーリーチA、スーパーリーチB及びスーパーリーチC)であっても、番号が小さい側の保留用画像が選択されにくくなるように設定されている。例えば、外れ時のリーチ非発生A、Bにおいては第1保留用画像P1〜第3保留用画像P3は選択されず、第4保留用画像P4と第5保留用画像P5とでは第5保留用画像P5のほうが第4保留用画像P4よりも選択され易くなっている。また、外れ時のノーマルリーチA、Bにおいては第1保留用画像P1及び第2保留用画像P2は選択されず、第3保留用画像P3〜第5保留用画像P5では第5保留用画像P5が最も選択され易く、P5、P4、P3の順で選択され易くなっている。さらに、いずれの変動パターンであっても、外れ時には第1保留用画像P1は選択されないように設定されている。
すなわち、これら大当たり時の保留表示パターンテーブル及び外れ時の保留表示パターンテーブルにおいて、大当たり期待度が高いほど番号が小さい保留用画像が選択され易く設定されているとともに、変動表示時間が長いほど番号が小さい保留用画像が選択され易く設定されている。そのため、番号が小さい側の保留用画像が表示されることで、遊技者はその保留用画像に対応する遊技回において大当たり結果となることに期待し、当否判定が保留されている遊技回についての注目度をその遊技回の実行前に好適に高めることが可能となっている。
一方、番号が大きい側の保留用画像が表示されている保留情報については、大当たり結果ではなく外れ結果であることを予測し得る。そのため、このような保留情報に関する遊技回は、遊技者にとっては消化待ちの遊技回となり得る。特に、このような遊技回において変動表示時間が長い演出パターンが選択されると、遊技者は外れ結果であると予測しているのにもかかわらず長時間に亘って演出が行われ、その演出を冗長なものと感じてしまう可能性がある。さらに、この番号が大きい側の保留用画像に対応する保留情報よりも後に当否判定の対象となる保留情報について、それよりも番号が小さい保留用画像が表示されている場合などについては、この番号が小さい側の保留情報に係る遊技回への注目度が高まる一方で、番号が大きい側の保留情報に係る遊技回を冗長なものと感じさせてしまう効果は高まるものと考えられる。逆に、大当たり結果であると予測している遊技回において変動表示時間が短い演出パターンが選択されると、せっかく大当たり結果であると予測させたのにもかかわらずその結果が異なる(外れ結果である)のでは、と疑わせる結果となり得る。そこで本パチンコ機10では、変動表示時間の長短による上記の不都合を解消すべく、保留予告の一種として特別保留予告が設定されている。
すなわち、保留制御用コマンド対応処理(図19)におけるステップS1203にて保留表示設定処理を実行した後は、ステップS1204に進む。ステップS1204では、RAM244の各種カウンタエリア249に設けられた保留予告カウンタYKが「3」未満であるか否かを判定する。保留予告カウンタYKは、上記の特別保留予告の実行回数を調節するためのカウンタである。
ここで、本実施形態における特別保留予告について、図20(b)〜(d)を参照しながら説明する。
保留予告の一種である特別保留予告では、所定の保留用画像が、予め定められた条件成立に基づいて、他の保留用画像に変化するように設定されている。より具体的には、所定の保留用画像が、予め定められた条件成立に基づいて、当該所定の保留用画像よりも番号が小さい側の保留用画像に変化する。
この保留用画像を変化させる条件について具体的には、特別保留予告の開始から終了までの時間経過に関係する条件となっている。特別保留予告は、保留用画像の表示の開始時、すなわち保留情報の取得時から開始され、その特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技回において、下図柄列Z3が高速変動表示から低速変動表示に切り換わるタイミングで終了するように設定されている。そして、この特別保留予告の開始時に、所定の設定時間が表示され、特別保留予告が終了するよりも前にこの所定の設定時間が経過すること、すなわち、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技回において下図柄列Z3が低速変動表示に切り換わるよりも前にこの所定の設定時間が経過することで、特別保留予告の対象となっている保留情報について表示されている保留用画像が当該表示されている保留用画像よりも番号が小さい側の保留用画像に変化する。なお、以下の説明では、この特別保留予告における保留用画像を変化させる条件を特別条件ともいう。
特別保留予告としては、図20(b)において例えば第3単位保留表示領域Ga3の保留用画像に対応させて表示するように、保留用画像の上方に上記の所定の設定時間を表示する時間表示領域GEが設定され、当該時間表示領域GEに時間表示画像Gpが表示される。この時間表示領域GEは、いずれの保留用画像が特別保留予告の対象となっている保留情報かを遊技者が認識可能なように、例えばふきだし等にて、時間表示画像Gpと保留用画像とが対応付けて表示される。この時間表示画像Gpは所定の設定時間に対応付けられ、例えば「68.40」と0.01sec単位で更新可能に表示され、特別保留予告の開始時から終了時まで、0.01sec毎にカウントダウン形式で表示が更新される。
そして、特別保留予告では、その開始時には一律で保留用画像が第4保留用画像P4が表示され、当該第4保留用画像P4がそれよりも番号が小さい側の保留用画像(例えば第3保留用画像P3)に変化し得る構成となっている。例えば、図20(c)に示すように、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技回において、下図柄列Z3が高速変動表示から低速変動表示に切り換わるよりも前のタイミングで時間表示画像Gpが「00.00」となり特別条件が成立すると、実行用表示領域Gbにおいて特別保留予告の対象となっている保留用画像が、第4保留用画像P4から第3保留用画像P3に変化する。
一方、図20(d)に示すように、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技回において、下図柄列Z3が高速変動表示から低速変動表示に切り換わるよりも前のタイミングで時間表示画像Gpが「00.00」となることができず特別条件が成立しなかった場合には、実行用表示領域Gbにおいて特別保留予告の対象となっている保留用画像は、第4保留用画像P4のままで変化しない。
この場合、特別保留予告の終了後、すなわち、下図柄列Z3の高速変動表示の終了後においても、当該高速変動表示の終了時の時間表示画像Gpが継続して表示される。但し、時間表示画像Gpのカウントダウンは停止しており、この特別保留予告の終了時の残り時間がそのまま継続して表示される。
このように、本実施形態では、特別保留予告として、表示している保留用画像が特別条件成立に基づいて大当たり期待度が高い側(番号が小さい側)の保留用画像に変化するため、当該変化した保留用画像に対応する保留情報について大当たり期待度が高まったかのような演出とすることができる。そして、この特別条件を、特別保留予告の開始から終了までに所定の設定時間が経過することとしたため、特別保留予告の開始から終了までの遊技回の変動表示時間が長ければ長いほど、この所定の設定時間は経過し易くなり、特別条件が成立し易くなる。そのため、遊技者としては、特別保留予告が開始されるとその特別保留予告が終了するまでに消化される遊技回の変動表示時間が長いことを期待することになる。
ここで、遊技回中に大当たり期待度の高い所定の演出(例えばスーパーリーチ表示など)を設定することは、遊技への注目度を高めることに貢献するものと考えられる。そして、その所定の演出を派手なものにするほど、注目度が高まるものと考えられる。しかし、その遊技回の演出が派手なものとなり、その演出が長時間に亘って継続したとしても、遊技結果が変化するわけではなく、その遊技結果を早く知りたい遊技者にとっては、このような演出の長時間化は好ましくないこともある。
さらに、本パチンコ機10では、既に説明したとおり、保留予告との関連性から大当たり期待度が予測可能となっており、単に所定の演出が発生しただけでは大当たりに期待することができない場合もある。すなわち、例えば、上記の保留予告の保留用画像Pが大当たり期待度が低い側の保留用画像Pである遊技回においてス−パーリーチが発生しても、大当たり期待度が高い側の保留用画像Pである遊技回においてスーパーリーチが発生した場合と比較して、大当たりに期待することはできない。そのため、このように外れ結果であることを予測している場合においてスーパーリーチが繰り広げられていると、その間の時間は遊技者にとっては単に消化待ちの時間となり、演出の長時間化による不都合はより顕著なものとなり得る。
そこで、本実施形態では、特別保留予告が行われる期間中に消化される遊技回の変動表示時間が長ければ、特別条件が成立しやすくなるように設定することで、遊技回の変動表示時間の長時間化による不都合を回避することが可能となっている。
保留制御用コマンド対応処理(図19)の説明に戻り、ステップS1204にて保留予告カウンタが「3」未満である場合には、ステップS1205にて特別保留予告設定処理を実行する。特別保留予告設定処理は、上記の特別保留予告を実行する場合にその演出用の各種設定を行う処理である。以下、図22のフローチャートを参照しながら、特別保留予告設定処理について説明する。
先ずステップS1301では、今回受信した保留コマンドに含まれる情報に基づいて、当該保留コマンドの契機となった保留情報がいずれかの大当たり結果であるか否かを把握する。いずれかの大当たり結果である場合には、ステップS1302へ進み、記憶済みの保留情報の把握処理を実行する。
ステップS1302の保留情報の把握処理は、RAM244に設けられた保留用記憶エリア250に記憶されている保留情報の変動表示時間を把握する処理である。保留用記憶エリア250は、主制御装置81側の保留球格納エリア232と対応する記憶領域であり、受信する保留コマンドに含まれる情報をそれぞれの保留情報に対応付けて記憶可能となっている。
ステップS1302の保留情報の把握処理では、図23のフローチャートに示すように、先ずステップS1401にて保留用記憶エリア250に未確認の保留情報が存在するか否かを判定する。未確認の保留情報が存在している場合には、ステップS1402にて変動表示時間テーブルを取得するとともに、ステップS1403にて未確認の保留情報について変動表示時間を把握する処理を実行する。ここで、演出制御装置82のROM243における各種テーブル記憶エリア245には、主制御装置81側の変動表示時間テーブル(図13)と同じ変動表示時間テーブルが記憶されている。そして、保留コマンドに含まれる変動表示時間に関する情報、すなわちリーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSは、後述する保留増加用処理(図19におけるステップS1208)にて保留用記憶エリア250に記憶される。そのため、この保留用記憶エリア250に記憶されている情報又は受信した保留コマンドに含まれる情報と、各種テーブル記憶エリア245の情報と、に基づいて、演出制御装置82側でも保留情報の変動表示時間を把握することが可能となっている。
但し、既に説明したとおり、各遊技回における演出パターンには、保留数対応パターンと保留数非対応パターンとが設定されており、保留数対応パターンの場合には、遊技回の開始時における保留記憶数N(副側保留記憶数SN)に基づいて変動表示時間が決定する。そして、保留情報の把握処理(図23)の起動タイミングでの保留記憶数Nは、記憶されている保留情報の遊技回の開始タイミングでの保留記憶数Nとは異なり得る。そのため、ステップS1403にて、変動表示時間を特定(把握)できない可能性がある。
そこで、ステップS1404では、ステップS1403の処理結果に基づいて、変動表示時間を特定可能であったか否かを判定する。特定できた場合、すなわち今回確認している保留情報に係る遊技回が保留数非対応パターンの演出パターンである場合には、ステップS1401に戻り、未確認の保留情報の有無を判定し、未確認の保留情報があれば再びステップS1402側へ進み、未確認の保留情報がなければ保留情報の把握処理を終了する。
なお、ステップS1401の判定処理の具体例としては、例えば、確認用のカウンタを設定し、ステップS1401の判定を行うたびに当該カウンタを1加算する。そして、当該カウンタの値に対応する保留用記憶エリア250のエリア(例えば、カウンタの値が2であれば2番目に当否判定の対象となる保留情報が記憶されるエリア)に保留情報が記憶されているか否かを確認する。カウンタの値に対応するエリアに保留情報が記憶されていれば、ステップS1401にて肯定判定し、カウンタの値に対応するエリアに保留情報が記憶されていなければ、それ以降のエリアには保留情報が記憶されていないとしてステップS1401にて否定判定する。なお、ステップS1401にて否定判定する場合には、上記カウンタを初期値(1)に設定する。これにより、次の処理回で、保留用記憶エリア250の最初のエリアから確認処理を行うことが可能となる。
ステップS1404にて変動表示時間を特定不可能と判定した場合、すなわち今回確認している保留情報に係る遊技回が保留数対応パターンの演出パターンである場合には、ステップS1405へ進み、RAM244の各種フラグ格納エリア234に時間特定不可能フラグを格納してから、保留情報の把握処理を終了する。時間特定不可能フラグは、保留数対応パターンの保留情報が含まれていることをMPU242が把握するためのフラグである。
特別保留予告設定処理(図22)の説明に戻り、ステップS1302にて保留情報の把握処理を実行した後は、ステップS1303にて記憶済みの保留情報の変動表示時間を特定可能であるか否かを判定する処理を実行する。具体的には、RAM244の各種フラグ格納エリア234に時間特定不可能フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS1303にて時間特定不可能フラグが格納されておらず、記憶済みの保留情報の変動表示時間を特定可能である場合には、ステップS1304にて時間特定可能時の演出設定処理を実行してから、本特別保留予告設定処理を終了する。また、ステップS1303にて時間特定不可能フラグが格納されており、記憶済みの保留情報の変動表示時間を特定不可能である場合には、ステップS1305にて時間特定不可能時の演出設定処理を実行してから、本特別保留予告設定処理を終了する。一方、ステップS1301にて、今回受信した保留コマンドに係る保留情報がいずれかの大当たり結果ではなく外れ結果である場合には、ステップS1306にて外れ時の演出設定処理を実行してから、本特別保留予告設定処理を終了する。
以下、ステップS1304の時間特定可能時の演出設定処理、ステップS1305の時間特定不可能時の演出設定処理、ステップS1306の外れ時の演出設定処理をそれぞれ説明する。
<時間特定可能時の演出設定処理>
先ず、時間特定可能時の演出設定処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1501では、ROM243の各種テーブル記憶エリア245から、大当たり時の特別保留予告テーブルのうち、時間特定可能時の特別保留予告テーブルを取得する。また、ステップS1501では、RAM244の各種カウンタエリア249から演出パターンカウンタEKを取得する。この時間特定可能時の特別保留予告テーブルには、図25(a)に示すように、特別保留予告の演出内容として、時間特定パターンと、通常パターンと、プレミアパターンと、が設定されている。これらの演出内容については、それぞれの処理の説明をする際にあわせて説明する。演出パターンカウンタEKは、例えば0〜999の範囲内で順に所定周期で1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。そして、ステップS1502では、ステップS1501にて取得した時間特定可能時の特別保留予告テーブルと、演出パターンカウンタEKと、に基づいて、今回の特別保留予告の演出内容が、通常パターンである(EK=500〜699)か否かを判定する。
通常パターンである場合には、ステップS1503側に進み、通常パターン用の演出の設定を行う処理として、通常パターン時のタイマ入力処理を実行する。
ここで、通常パターン時のタイマ入力処理について、図26のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1601では、特別保留予告の概要を設定する処理を実行する。すなわち、本実施形態では、特別保留予告として通常パターンが選択された場合には、通常パターンとしての特別保留予告の概要を先ず設定してから、その後、特別保留予告の開始時において時間表示領域GEの時間表示画像Gpとして表示する詳細な所定の設定時間を設定する構成としている。そして、このステップS1601では、設定する保留予告の概要として、今回の保留コマンドの受信直前、すなわち保留情報の取得直前の保留記憶数N(副側保留記憶数SN)と、RAM244の各種カウンタエリア249に設けられた特別保留用カウンタTKと、ROM243の各種テーブル記憶エリア245に記憶された大当たり時の特別保留予告テーブル(図27(a))と、に基づいて、特別保留予告の実行の有無、及び特別保留予告を実行する場合には所定の設定時間の大まかな長さ(短時間、中時間、長時間)を設定する。特別保留用カウンタTKは、例えば0〜999の範囲内で順に所定周期で1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
具体的には、大当たり時の特別保留予告テーブルでは、図27(a)に示すように、保留情報の取得直前の保留記憶数Nが0である場合(今回の保留情報の取得後の保留記憶数Nが1である場合)であって、特別保留用カウンタTKが0〜699である場合には、特別保留予告を実行しないように設定されている。また、保留情報の取得直前の保留記憶数Nが0である場合であって、特別保留用カウンタTKが700〜999である場合には特別保留予告を実行し、このうち、特別保留用カウンタTKが700〜799である場合には所定の設定時間が中時間となり、800〜999である場合には短時間となるように設定されている。
また、保留情報の取得直前の保留記憶数Nが1である場合(今回の保留情報の取得後の保留記憶数Nが2である場合)であって、特別保留用カウンタTKが0〜399である場合には、特別保留予告を実行しないように設定されている。また、保留情報の取得直前の保留記憶数Nが1である場合であって、特別保留用カウンタTKが400〜999である場合には特別保留予告を実行し、このうち、特別保留用カウンタTKが400〜499である場合には所定の設定時間が長時間となり、500〜699である場合には中時間となり、700〜999である場合には短時間となるように設定されている。
保留情報の取得直前の保留記憶数Nが2である場合(今回の保留情報の取得後の保留記憶数Nが3である場合)であって、特別保留用カウンタTKが0〜299である場合には、特別保留予告を実行しないように設定されている。また、保留情報の取得直前の保留記憶数Nが2である場合であって、特別保留用カウンタTKが300〜999である場合には特別保留予告を実行し、このうち、特別保留用カウンタTKが300〜599である場合には所定の設定時間が長時間となり、600〜899である場合には中時間となり、900〜999である場合には短時間となるように設定されている。
保留情報の取得直前の保留記憶数Nが3である場合(今回の保留情報の取得後の保留記憶数Nが4である場合)であって、特別保留用カウンタTKが0〜199である場合には、特別保留予告を実行しないように設定されている。また、保留情報の取得直前の保留記憶数Nが3である場合であって、特別保留用カウンタTKが200〜999である場合には特別保留予告を実行し、このうち、特別保留用カウンタTKが200〜549である場合には所定の設定時間が長時間となり、550〜899である場合には中時間となり、900〜999である場合には短時間となるように設定されている。
すなわち、特別保留予告テーブルでは、保留情報の取得直前の保留記憶数Nが少ないほど、特別保留予告を実行する確率が低くなるように設定されている。言い換えると、記憶されている保留情報の数が多いほど、特別保留予告を実行する確率が高くなるように設定されている。保留情報の数が多ければ多いほど特別保留予告の開始から終了するまでの時間は長くなり得るため、特別条件が成立する可能性は高くなる。そこで、上記のようにすることで、特別条件が成立しにくい特別保留予告が発生することが抑制されている。
通常パターン時のタイマ入力処理(図26)では、ステップS1601にて保留予告の概要を設定した後、続くステップS1602にて、ステップS1601の処理結果に基づいて特別保留予告を実行するか否かを判定する。実行しないと判定した場合には、そのまま本タイマ入力処理を終了する。実行すると判定した場合には、ステップS1603に進み、ステップS1601にて設定された大まかな設定時間と、RAM244の各種カウンタエリア249に設けられた時間選択カウンタJKと、ROM243の各種テーブル記憶エリア245に記憶された大当たり時の時間選択テーブル(図27(b))と、に基づいて、特別保留予告における所定の設定時間の詳細を設定する。時間選択カウンタJKは、例えば0〜19の範囲内で順に所定周期で1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
ステップS1603にて詳細な設定時間を設定した後は、ステップS1604にて、RAM244の各種カウンタエリア249に設けられたタイマカウンタTに、上記ステップS1603にて設定した設定時間に対応する数値情報を入力する処理を実行する。ステップS1604の処理を実行した後は、本タイマ入力処理を終了する。このタイマカウンタTは、特別保留予告において所定の設定時間の減算更新を管理するためのカウンタである。
時間特定可能時の演出設定処理(図24)の説明に戻り、ステップS1503の処理を実行した後は、ステップS1504にて、上記ステップS1503の処理において特別保留予告を実行することに設定されたか否かを判定する。非実行に設定された場合には、そのまま本演出設定処理を終了する。実行することに設定された場合には、ステップS1505へ進む。
すなわち、本実施形態では、特別保留予告を実行するか否かを決定する処理(ステップS1503の通常パターン時のタイマ入力処理におけるステップS1601)を、特別保留予告の演出パターンを設定する処理(ステップS1501及びステップS1502)よりも後に行う構成としている。ここで、遊技機分野における通常の演出の設定処理の構成としては、その演出を実行するか否かの処理を行ってから、その演出を実行する場合にはその後にその演出の演出パターンを設定する処理を行う構成が一般的である。これは、その演出を実行しない場合にも演出パターンの設定処理を行うと、その分、無駄な処理を行うことになり、処理の煩雑化が懸念されるためである。
これに対して本実施形態では、上記のように、演出パターンの設定処理後に、演出を実行するか否かの処理を行うようにしている。演出実行の有無を初期の段階で決定する構成とすると、演出不実行とする場合と演出実行とする場合との処理数の差が大きくなり得る。そしてこの場合、処理に要する時間の差も大きくなり、演出実行の場合であっても演出発生タイミングに遅れが生じるなどして、演出発生前に演出実行の有無が悟られてしまう可能性がある。そうすると、せっかく用意した演出の効果を好適に奏することができなくなることが懸念される。そこで、演出実行の有無の決定を演出パターンの設定処理後に行う構成とすることで、処理数や処理時間の差を小さくして、演出開始前に演出の実行の有無が悟られてしまう可能性を小さくすることができ、特別保留予告を実行することによる注目度を向上させる効果を好適に奏することが可能となる。
ステップS1504にて特別保留予告を実行すると判定した場合、ステップS1505に進み、大当たり用の減算パターンテーブルを取得する。大当たり用の減算パターンテーブルは、図28(a)に示すように、上記ステップS1604にてタイマカウンタTに入力した値の減算パターンとして、デフォルト減算と、シフト時減算と、特定タイミング減算と、のいずれかがRAM244の各種カウンタエリア249に設けられた減算用カウンタGKの値に基づいて選択されるように設定されている。
デフォルト減算とは、特別保留予告において時間表示画像Gpの減算が実際の時間の経過に合わせて減算される方法であり、例えば1sec経過すれば時間表示画像Gpの表示も1sec分減算されて更新される。減算単位は、時間表示画像Gpの最小表示単位に対応させて0.01secである。シフト時減算とは、一遊技回が終了して保留情報が保留球格納エリア232における下位エリアにシフトされるタイミングで、所定数減算する減算方法であり、このシフト時減算が選択された場合には、デフォルト減算による減算に加えて減算が行われる。特定タイミング減算とは、時間表示画像Gpの表示が予め定められた所定の表示時間となり特定タイミングとなったことに基づいて所定数減算する減算方法であり、この特定タイミング減算が選択された場合には、デフォルト減算による減算に加えて減算が行われる。
減算用カウンタGKは、例えば0〜999の範囲内で順に所定周期で1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。減算パターンテーブルについてより具体的には、減算用カウンタGKが0〜249である場合にデフォルト減算が選択され、250〜699である場合にシフト時減算が選択され、700〜999である場合に特定タイミング減算が選択されるように設定されている。ステップS1506では、これらのパラメータに基づいて、タイマカウンタTの減算パターンを設定する。
ステップS1506の処理を実行した後は、ステップS1507にて、ステップS1506にて設定した減算パターンがシフト時減算であるか否かを判定する。シフト時減算である場合には、ステップS1508にてRAM244の各種フラグ格納エリア234にシフト時フラグを格納する処理を実行する。シフト時フラグは、減算パターンとしてシフト時減算が選択されていることをMPU242が把握するためのフラグである。
ステップS1507にて否定判定した場合、又はステップS1508の処理を実行した後は、ステップS1509にて、ステップS1505にて設定した減算パターンが特定タイミング減算であるか否かを判定する。特定タイミング減算である場合には、ステップS1510にてRAM244の各種フラグ格納エリア234に特定タイミングフラグを格納する処理を実行する。特定タイミングフラグは、減算パターンとして特定タイミング減算が選択されていることをMPU242が把握するためのフラグである。
ステップS1509にて否定判定した場合、又はステップS1510の処理を実行した後は、ステップS1511に進む。ステップS1511では、特別保留コマンドを表示制御装置212への出力対象として設定する。この特別保留コマンドには、上記各処理で設定された特別保留予告の演出内容の情報が含まれており、所定周期で起動されるコマンド出力処理にて表示制御装置212へ出力される。特別保留コマンドを受信した表示制御装置212は、同コマンドに含まれる情報に基づいて表示画面Gにて特別保留予告の表示が行われるように図柄表示装置41を制御する。ステップS1511の処理を実行した後は、本演出設定処理を終了する。
ステップS1502にて、今回の特別保留予告の演出パターンが通常パターンではない場合には、ステップS1512に進み、時間特定パターンであるか否かを判定する。時間特定パターンである場合には、ステップS1513に進み、時間特定パターン時のタイマ入力処理を実行する。
本タイマ入力処理では、保留用記憶エリア250に記憶されている各保留情報と、今回受信した保留コマンドに対応する保留情報と、現在実行中の遊技回における残りの変動表示時間と、に基づいて、特別保留予告の開始から終了までの時間を把握し、その把握した情報に基づいて上記タイマカウンタTを設定する処理を行う。
具体的には、図29のフローチャートに示すように、先ずステップS1701にて保留用記憶エリア250に未確認の保留情報が存在するか否かを判定する。未確認の保留情報の確認のための具体的な構成としては、上記ステップS1401の構成と同様の構成が考えられる。未確認の保留情報が存在している場合には、ステップS1702にて外れ時の変動表示時間テーブルを取得する。本実施形態では、いずれかの大当たり結果に対応する保留情報が保留球格納エリア232(保留用記憶エリア250)に複数存在する場合に、これらの大当たり結果に基づく特別保留予告が重複する事象は発生しない構成としている。また、これら大当たり結果に対応する保留情報が複数存在する場合には、先に当否判定の対象となる保留情報についてのみ特別保留予告が実行され得る構成としている。このようにするための処理については後述するが、このように設定しているため、本時間特定パターン時のタイマ入力処理において把握する各保留情報は、いずれも外れ結果である。そこで、ステップS1702では、外れ時の変動表示時間テーブル(図13(b)を参照)を取得する処理を実行する。そしてステップS1703では、ステップS1702にて取得した変動表示時間テーブルに基づいて保留情報の変動表示時間を把握する処理を実行する。続くステップS1704では、ステップS1703にて把握した変動表示時間をタイマカウンタTに加算する処理を実行する。
ステップS1704の処理を実行した後は、ステップS1701に戻り、未確認の保留情報が存在するか否かを判定し、存在する場合には、ステップS1702〜ステップS1704の処理を繰り返す。未確認の保留情報が存在しない場合には、ステップS1705に進み、今回取得した保留情報に対応する変動表示時間を把握すべく、大当たり時の変動表示時間テーブル(図13(a)を参照)を取得する処理を実行する。続くステップS1706では、ステップS1705にて取得した変動表示時間テーブルに基づいて演出パターンを把握して、この保留情報に係る遊技回において下図柄列Z3の高速変動表示が終了するまでの時間を把握する処理を実行する。
ここで、本実施形態では、遊技結果の情報と変動表示時間の情報とから、対応する遊技回の演出パターンのうち、少なくとも、下図柄列Z3の高速変動表示が終了するまでの時間のパターンを把握することが可能となっている。この構成について具体的には、演出制御装置82のROM243の各種テーブル記憶エリア245には、各遊技回の演出パターンを決定する演出パターンテーブルが記憶されている。そして、この演出パターンテーブルは、遊技結果の情報と変動表示時間の情報から、下図柄列Z3の高速変動表示が終了するまでの時間のパターンが一義的に定まるように設定されている。ステップS1706では、この演出パターンテーブルに基づいて、下図柄列Z3の高速変動表示が終了するまでの時間を把握する。なお、この演出パターンテーブルには、下図柄列Z3の高速変動表示が終了するまでの時間のほか、各遊技回の詳細な演出パターンも定められている。そして、後述する変動表示制御処理における変動開始用処理では、リーチ発生の有無の情報、変動表示時間の情報、遊技結果の情報等に基づいて各図柄列Z1〜Z3の停止結果の設定を行い、その停止結果の情報と変動表示時間の情報と、に基づいて、対応する演出パターンの詳細を上記演出パターンテーブルから読み出して、今回の遊技回における演出パターンとして設定する。
すなわち、ステップS1706の処理は、遊技回の演出パターンを遊技回の開始よりも先のタイミングで特定する処理であり、遊技回の開始時に行われる演出パターンの設定処理(変動開始用処理)を遊技回の開始タイミングよりも先のタイミングで行うものである。このような構成を備えていることで、遊技回が行われるよりも先のタイミングでその遊技回の演出パターンに応じた演出を行うことが可能となる。そして、本実施形態では、遊技回の開始時に演出パターンを設定するための演出パターンテーブルを用いて、その遊技回の開始よりも先のタイミングで演出パターンを特定する構成としているため、演出パターンを先に特定するための構成の簡素化が図られている。
なお、遊技回の演出パターンを遊技回の開始よりも先のタイミングで特定するための構成は、上記のものに限定されず、他の構成であってもよい。例えば、演出パターンテーブルを、高速変動表示が終了するまでの時間用のテーブルと、詳細な演出パターンが設定されたテーブルと、で別々に用意しておく構成としてもよい。また、先のタイミングで遊技回の演出パターンの一部ではなく全部を特定する構成としてもよい。さらに、カウンタ等を用いて高速変動表示が終了するまでの時間を抽選等によって決定する構成とし、先のタイミングでこの抽選等を行い、遊技回の開始時にはその抽選等の結果を踏まえて詳細な演出パターンを決定する構成としてもよい。すなわち、演出パターンを遊技回の開始時に決定する構成であれば、それよりも先のタイミングでその決定する演出パターンの少なくとも一部を特定可能であればよく、また演出パターンを遊技回の開始時よりも先のタイミングで決定する構成であれば、その先のタイミングで決定した演出パターンを特定可能とするとともに、遊技回の開始時にはその決定した演出パターンを踏まえた演出を設定する構成とすればよい。
そしてステップS1707にて、ステップS1706で把握した時間をタイマカウンタTに加算する処理を実行する。
ステップS1707の処理を実行した後は、ステップS1708にて、現在実行中の遊技回の残りの変動表示時間を把握する処理を実行する。ちなみにRAM244の各種カウンタエリア249には、実行中の遊技回の変動表示時間の経過状況を把握するための経過カウンタが設けられており、遊技回の開始に際して変動表示時間に対応する数値情報がこの経過カウンタに入力される。また、この経過カウンタは、所定周期毎に減算更新され、遊技回の終了時に0となる。ステップS1708では、この経過カウンタの数値情報を把握することで、実行中の遊技回の残りの変動表示時間を把握することが可能となっている。ステップS1708の処理を行った後は、ステップS1709にて、上記ステップS1708にて把握した残り時間をタイマカウンタTに加算する処理を実行する。
ステップS1709の処理を実行した後は、ステップS1710にて所定時間調節処理を実行してから、本タイマ入力処理を終了する。この所定時間調節処理では、ステップS1701〜ステップS1709にて特定した所定の設定時間を増減させて調節を行う。すなわち、特定した実際の時間を抽選等によって増減させることで、所定の設定時間が高速変動終了までに経過するか否か、すなわち特別条件の成否にランダム性を持たせることが可能となる。
なお、ステップS1710にて増減させる時間を抽選等によりランダムに決定する構成に限定されず、例えば、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技結果や大当たりの種別に応じて決定してもよいし、遊技状況(例えば保留個数や当否抽選モードなど)に応じて決定してもよい。また、ステップS1710にて増減させることを、抽選等によりランダムに決定する構成としてもよいし、特別保留予告の実行中の遊技状況に応じて決定する構成としてもよい。このようにすることで、特別条件の成立可能性に対して遊技状況をより反映させることが可能となり、所謂出来レースのような印象を与えることを抑制することができる。
時間特定可能時の演出設定処理(図24)の説明に戻り、ステップS1513にて時間特定パターン時のタイマ入力処理を実行した後は、ステップS1511にて特別保留予告コマンドを出力設定した後、本演出設定処理を終了する。ステップS1512にて時間特定パターンではなくプレミアパターンである場合には、ステップS1514にてプレミアパターン時のタイマ入力処理を実行する。ステップS1514の処理後は、上記ステップS1511を実行してから、本演出設定処理を終了する。
ステップS1514のプレミアパターン時のタイマ入力処理では、複数設定されているプレミア演出のうちのいずれの演出を実行するかを設定し、その設定した演出に対応する各処理を行う。具体的には、図30のフローチャートに示すように、先ずステップS1801にてプレミア演出抽選処理を実行する。プレミア演出抽選処理では、ROM243の各種テーブル記憶エリア245に記憶されているプレミアパターン時の演出選択テーブル(図25(b))と、RAM244の各種カウンタエリア249からプレミア演出抽選用のプレミアカウンタPKと、を取得して、いずれのプレミア演出を実行するかを設定する。プレミアパターン時の演出選択テーブルでは、プレミア演出として、特別保留予告の開始時の表示時間で大当たり結果であることが把握可能となる確定時間表示演出と、減算中の所定の末尾となる時間にて大当たり確定の演出が行われる末尾特定変化演出と、減算中の所定タイミングにて大幅な減算を行って特別条件を強制的に成立させる一発逆転演出と、が設定されている。プレミアカウンタPKは、例えば0〜999の範囲内で順に所定周期で1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。プレミアパターン時の演出選択テーブルでは、プレミアカウンタPKが0〜333である場合が確定時間表示演出に対応し、334〜666である場合が末尾特定変化演出に対応し、667〜999である場合が一発逆転演出に対応するように設定されている。
ステップS1801にて演出抽選処理を実行した後は、この処理結果に基づいてステップS1802にて一発逆転演出に設定されたか否かを判定する。一発逆転演出は、上記のように減算中の所定のタイミングとして、特別保留予告の終了よりも前のタイミングであって、例えば、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技回の開始時に、設定時間が0となるまで減算して強制的に特別条件を成立させる演出である。この一発逆転演出に設定されている場合には、ステップS1803にてMPU242がこの一発逆転演出に設定されていることを把握可能なように、RAM244の各種フラグ格納エリア234に一発逆転フラグを格納する処理を実行する。
なお、一発逆転演出の実行タイミングは特別保留予告の終了以前のタイミングであれば上記のものに限定されない。例えば、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技回の開始前(当該対象となっている保留情報よりも先に消化される保留情報の遊技回中)であってもよい。また、特別保留予告の実行中に新たな保留情報が取得されたタイミングであってもよい。但し、特別保留予告の終了間近のタイミングであるほど、一発逆転演出が発生した場合の意外性を高めることができる。
続くステップS1804では、一発逆転用の演出時間設定処理を行う。この演出時間設定処理では、ROM243の各種テーブル記憶エリア245から一発逆転演出時の時間選択テーブルを取得して、今回の保留情報の取得直前の保留記憶数Nに対応する時間を把握する。図25(c)に示すように、一発逆転時の時間選択テーブルでは、保留記憶数Nに対応させて演出時間が設定されており、保留記憶数Nが多くなるほど演出時間が長くなるように設定されている。なお、同じ保留記憶数であっても選択される演出時間が異なり得るよう複数の演出時間が設定されており、いずれの演出時間を設定するかは抽選等によりランダムに選択される。これらの演出時間は、一の遊技回における変動表示時間が、通常選択され易い変動表示時間よりも長く設定されており、この一発逆転時の時間選択テーブルにて選択された演出時間で特別保留予告を実行すると、通常のデフォルト減算のみでは特別条件が成立しにくくなるように設定されている。なお、いずれの演出時間が選択されてもデフォルト減算のみでは特別条件が成立しない構成としてもよい。
ステップS1804の処理を実行した後は、ステップS1805にて、上記ステップS1804にて把握した時間をタイマカウンタTに入力する処理を実行する。ステップS1805の処理を実行した後は、本タイマ入力処理を終了する。
ステップS1802にて一発逆転演出ではない場合、ステップS1806にて、ステップS1801にて設定された演出が末尾特定変化演出であるか否かを判定する。末尾特定変化演出は、上記のように、減算中の所定の時間表示画像Gpの表示が所定の末尾として本実施形態では「7」とし、時間表示画像Gpの表示が「X7.77」(Xは任意の数字)となるタイミング(以下の説明では、末尾特定タイミングともいう)で、大当たり確定の演出が発生するように設定されている。ステップS1806にて末尾特定変化演出に設定されていると判定した場合には、ステップS1807にてMPU242がこの末尾特定変化演出に設定されていることを把握可能なように、RAM244の各種フラグ格納エリア234に末尾特定変化フラグを格納する処理を実行する。
なお、末尾特定タイミングは上記のものに限定されず、例えば「X7.70」、「X7.00」、「XY.70」や「XY.Z7」(Y、Zは任意の数字)のように所定の末尾がぞろ目ではなくてもよい。また、所定の末尾は1種類に限定されず複数種類であってもよい。この場合、末尾特定タイミングが発生する回数を増やすことができる。
続くステップS1808では、末尾特定変化用の演出時間設定処理を行う。この演出時間設定処理では、ROM243の各種テーブル記憶エリア245から末尾特定変化演出時の時間選択テーブルを取得して、今回の保留情報の取得直前の保留記憶数Nに対応する時間を把握する。図25(d)に示すように、末尾特定変化時の時間選択テーブルでは、保留記憶数Nに対応させて演出時間が設定されており、保留記憶数Nが多くなるほど演出時間が長くなるように設定されている。なお、同じ保留記憶数であっても選択される演出時間が異なり得るよう複数の演出時間が設定されており、いずれの演出時間を設定するかは抽選等によりランダムに選択される。これらの演出時間は、上記の所定の末尾となるタイミングが、少なくとも1回は含まれるように設定されている。具体的には、所定の末尾となる時間よりも短い演出時間は設定されてない。また、減算中に所定の末尾となる末尾特定タイミングが単数となる確率よりも複数となる確率のほうが高くなるように設定されている。より具体的には、例えば、末尾特定タイミングを「XY.Z7」とすると、「XY.Z8〜XY.Z9」が選択される確率のほうが、「XY.Z0〜XY.Z6」が選択される確率よりも高くなるように設定されている。
ステップS1808において減算中に末尾特定タイミングが複数存在する演出時間が選択された場合には、いずれのタイミングで大当たり確定の演出を発生させるかを、抽選等によってランダムに設定する処理も行われる。なお、複数の末尾特定タイミングのうち、発生タイミングが遅い側のタイミングのほうが大当たり確定演出を発生させる確率が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、大当たり確定演出が行われるまでに、末尾特定タイミングを複数回経由する確率が高くなり、遊技者がこの末尾特定タイミングにおいて同大当たり確定演出が行われるか否かについて注目する回数も高くなり得る。また、この場合、末尾特定タイミングを経るごとにステップアップする煽り演出を設定すると、遅い側のタイミングに向けての注目度をより好適に高めることができる。なお、大当たり確定演出として、上記の末尾特定タイミングにおいて時間表示画像Gpの減算を終了し、その後に減算を行わないようにしてもよい。このようにすれば、遊技者は末尾特定タイミングにて減算が終了することに期待すると考えられ、特別保留予告に対する注目度を高めることができる。減算を終了させるタイミングとしては、上記のように複数の末尾特定タイミングが存在する場合には、「XY.Z7」よりも「XY.77」のように、当たりをより示唆する値であったり、偶数(通常大当たり結果に対応)よりも奇数(確変大当たり結果に対応)のように他の値と比較して遊技者に有利なことを示唆する値に対応するタイミングであってもよい。さらに、末尾特定タイミングにおいて時間表示画像Gpを拡大したり、色を目立つ色に変えたり、形をシャープにするなどして、強調する構成としてもよい。このようにすることで、より時間表示画像Gpへの関心を高めることができる。この強調表示を、上記のように減算を停止させる構成と組み合わせることも可能である。この場合、末尾特定タイミング(減算を終了し得るタイミング)の所定時間前(例えば2sec前)から行う構成としてもよく、このようにすれば、末尾特定タイミング(減算が終了し得るタイミング)が近付いていることを、時間表示画像Gpの変化によって遊技者は容易に把握することが可能となる。
ステップS1808の処理を実行した後は、ステップS1809にて、上記ステップS1808にて把握した時間をタイマカウンタTに入力する処理を実行する。ステップS1809の処理を実行した後は、本タイマ入力処理を終了する。
ステップS1806にて末尾特定変化演出が設定されていないと判定した場合は、ステップS1810に進む。ステップS1806にて否定判定する場合とは、プレミア演出として確定時間表示演出が設定されている場合である。確定時間表示演出は、特別保留予告の開始時の表示時間で大当たり結果であることが把握可能となる確定時間として、例えば、「77.77」と、「7.77」と、「3.41」とが設定されており(図25(e)参照)、これらの確定時間のうちのいずれかが特別保留予告の開始時に表示されることで、遊技者は、この特別保留予告の対象となっている保留情報がいずれかの大当たり結果であることを把握することが可能となる。
なお、確定時間表示における確定時間の種類は上記のものに限定されないことは、言うまでもない。また、上記末尾特定変化演出の場合と同様に、確定時間表示のまま減算が行われない構成としてもよく、確定時間表示において時間表示画像Gpを変化させる(強調する)構成としてもよい。
そして、ステップS1810では、MPU242がこの確定時間表示演出に設定されていることを把握可能なように、RAM244の各種フラグ格納エリア234に確定時間表示フラグを格納する処理を実行する。続くステップS1811では、確定時間表示用の演出時間設定処理を行う。この演出時間設定処理では、ROM243の各種テーブル記憶エリア245から確定時間表示演出時の時間選択テーブルを取得して、今回表示する確定時間を選択する。複数の確定時間のうち、いずれの確定時間を設定するかは、抽選等によってランダムに決定する。なお、複数の大当たり結果と表示する確定時間とを対応付けて設定してもよい。このようにすることで、確定時間を表示することによって単に大当たり結果であることを把握させるだけでなく、その種類をも把握させることが可能となり、この確定時間表示への注目度をより好適に高めることが可能となる。
ステップS1811の処理を実行した後は、ステップS1812にて、上記ステップS1811にて把握した時間をタイマカウンタTに入力する処理を実行する。ステップS1812の処理を実行した後は、本タイマ入力処理を終了する。
<時間特定不可能時の演出設定処理>
次に、特別保留予告設定処理(図22)におけるステップS1305の時間特定不可能時の演出設定処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。
時間特定不可能時の演出設定処理は、上記時間特定可能時の演出設定処理と概ね同様の処理である。すなわち、先ずステップS1901では、ROM243の各種テーブル記憶エリア245から、大当たり時の特別保留予告テーブルのうち、時間特定不可能時の特別保留予告テーブルを取得する。また、ステップS1901では、RAM244の各種カウンタエリア249から演出パターンカウンタEKを取得する。時間特定不可能時の特別保留予告テーブルは、図25(a)に示すように、特別保留予告の演出内容として、通常パターンと、プレミアパターンと、が設定されている。すなわち、上記時間特定可能時の特別保留予告テーブルと比較して、時間特定不可能時の特別保留予告テーブルでは、時間特定パターンが選択されないように設定されている。
ステップS1901にて特別保留予告の演出パターンを設定した後は、ステップS1902にて通常パターンに設定されているか否かを判定して、通常パターンに設定されている場合には、ステップS1503〜ステップS1511の処理と同様に、ステップS1903〜ステップS1911の処理を実行してから、本演出設定処理を終了する。また、ステップS1902にて通常パターンに設定されていないと判定した場合には、プレミアパターンに設定されており、この場合、ステップS1912にて上記ステップS1514の処理と同様の処理を実行し、その後、ステップS1911の処理を実行してから、本演出設定処理を終了する。
<外れ時の演出設定処理>
次に、特別保留予告設定処理(図22)におけるステップS1306の外れ時の演出設定処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。
外れ時の演出設定処理は、上記大当たり時の各演出設定処理(ステップS1304、ステップS1305)において、通常パターンの特別保留予告が設定されている場合の処理と概ね同様である。すなわち、ステップS2001にて、今回の保留コマンドの受信直前、すなわち保留情報の取得直前の保留記憶数Nと、RAM244の各種カウンタエリア249に設けられた特別保留用カウンタTKと、ROM243の各種テーブル記憶エリア245に記憶された外れ時の特別保留予告テーブル(図33(a))と、を取得する処理を実行する。そしてステップS2002にて、特別保留予告の概要を設定する処理を実行する。
外れ時の特別保留予告テーブルでは、図33(a)に示すように、保留情報の取得直前の保留記憶数Nが0である場合(今回の保留情報の取得後の保留記憶数Nが1である場合)であって、特別保留用カウンタTKが0〜679である場合には、特別保留予告を実行しないように設定されている。また、保留情報の取得直前の保留記憶数Nが0である場合であって、特別保留用カウンタTKが800〜999である場合には特別保留予告を実行し、このうち、特別保留用カウンタTKが800〜949である場合には所定の設定時間が長時間となり、950〜989である場合には中時間となり、990〜999である場合には短時間となるように設定されている。
また、保留情報の取得直前の保留記憶数Nが1である場合(今回の保留情報の取得後の保留記憶数Nが2である場合)であって、特別保留用カウンタTKが0〜599である場合には、特別保留予告を実行しないように設定されている。また、保留情報の取得直前の保留記憶数Nが1である場合であって、特別保留用カウンタTKが600〜999である場合には特別保留予告を実行し、このうち、特別保留用カウンタTKが600〜799である場合には所定の設定時間が長時間となり、800〜969である場合には中時間となり、970〜999である場合には短時間となるように設定されている。
保留情報の取得直前の保留記憶数Nが2である場合(今回の保留情報の取得後の保留記憶数Nが3である場合)であって、特別保留用カウンタTKが0〜399である場合には、特別保留予告を実行しないように設定されている。また、保留情報の取得直前の保留記憶数Nが2である場合であって、特別保留用カウンタTKが400〜999である場合には特別保留予告を実行し、このうち、特別保留用カウンタTKが400〜699である場合には所定の設定時間が長時間となり、700〜949である場合には中時間となり、950〜999である場合には短時間となるように設定されている。
保留情報の取得直前の保留記憶数Nが3である場合(今回の保留情報の取得後の保留記憶数Nが4である場合)であって、特別保留用カウンタTKが0〜199である場合には、特別保留予告を実行しないように設定されている。また、保留情報の取得直前の保留記憶数Nが3である場合であって、特別保留用カウンタTKが200〜999である場合には特別保留予告を実行し、このうち、特別保留用カウンタTKが200〜599である場合には所定の設定時間が長時間となり、600〜949である場合には中時間となり、950〜999である場合には短時間となるように設定されている。
すなわち、外れ時と大当たり時の特別保留予告テーブルを比較すると、外れ時のほうが非実行に設定される確率が高くなっている。また、外れ時のほうが所定の設定時間として長時間が選択され易くなっており、その結果、特別保留予告が実行されても外れ時のほうが特別条件が成立しにくくなっている。
ステップS2002の処理を実行した後は、続くステップS2003にて、上記ステップS2002の処理結果に基づいて特別保留予告を実行するか否かを判定する。実行しない場合には、そのまま本演出設定処理を終了する。実行する場合には、ステップS2004にて、上記ステップS1603の処理と同様に、設定時間の詳細を設定する処理を実行する。すなわち、ステップS2004では、ステップS2002にて設定された大まかな設定時間と、RAM244の時間選択カウンタJKと、ROM243の外れ時の時間選択テーブル(図33(b))と、に基づいて、特別保留予告における所定の設定時間の詳細を設定する。ステップS2004にて詳細な設定時間を設定した後は、ステップS2005にて、RAM244のタイマカウンタTに、上記ステップS2004にて設定した設定時間に対応する数値情報を入力する処理を実行する。
続くステップS2005では、外れ用の減算パターンテーブルを取得する。外れ用の減算パターンテーブルは、図28(a)に示すように、大当たり用の減算パターンテーブルと同様に、RAM244の減算用カウンタGKの値に基づいて、デフォルト減算と、シフト時減算と、特定タイミング減算と、のいずれかが選択されるように設定されている。
外れ用の減算パターンテーブルについてより具体的には、減算用カウンタGKが0〜749である場合にデフォルト減算が選択され、750〜874である場合にシフト時減算が選択され、875〜999である場合に特定タイミング減算が選択されるように設定されている。すなわち、大当たり時と比較して外れ時は、デフォルト減算が選択される確率が高く設定されている。換言すると、大当たり時は外れ時よりもシフト時減算又は特定タイミング減算が選択される確率が高い。
そしてステップS2006では、上記ステップS2005にて取得した減算パターンテーブルと減算用カウンタGKとの値に基づいて、タイマカウンタTの減算パターンを設定する。
ステップS2007〜ステップS2011の処理は、上記ステップS1507〜ステップS1511の処理と同様であり、シフト時減算又は特定タイミング減算が選択されている場合の処理(対応するフラグを格納する処理)を実行する。
ステップS2011の処理を実行した後は、ステップS2012にて保留予告カウンタYKに「1」を加算して更新する処理を実行してから、本演出設定処理を終了する。
保留制御用コマンド対応処理(図19)の説明に戻り、ステップS1205にて特別保留予告設定処理を実行した後は、ステップS1206に進む。ステップS1206では、今回受信した保留コマンドがいずれかの大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。いずれかの大当たり結果に対応するものである場合は、ステップS1207に進み、保留予告カウンタYKに「3」を加算して更新する処理を実行する。これにより、ステップS1204の処理で否定判定することになる。
すなわち、いずれかの大当たり結果に対応する保留情報が記憶されている場合には、その保留情報以降に消化される保留情報では特別保留予告は実行されない。これは、上記のように特別保留予告は、特別保留予告の開始からその対象となっている保留情報に係る遊技回における所定のタイミングまでの時間に基づいて、特別保留予告の対象となっている保留情報に係る保留用画像を変化させるか否かの演出を行うものであり、その開始から終了までの間に消化される保留情報にいずれかの大当たり結果が含まれると、終了までの間に開閉実行モードが含まれることになる。すなわち、開閉実行モードの長さによっては特別条件が成立する可能性が極めて高くなり、興趣が低下する可能性がある。そこで本実施形態では、このような場合を回避するために、特別保留予告の実行中に開閉実行モードが行われる場合には、特別保留予告を行わない構成としている。
但し、特別保留予告中に開閉実行モードが行われる構成としても、開閉実行モード中は特別保留予告における設定時間の減算を行わない構成とすれば、特別条件の成立可能性を極端に高めることにはつながらないため、このような場合に特別保留予告を実行しても興趣の低下を回避することが可能であると考えられる。このようにすることで、特別保留予告が実行される頻度を高めることも可能である。
また、開閉実行モードと特別保留予告とが重なる場合において特別保留予告を行う構成とし、開閉実行モードにおいても特別保留予告の減算が行われる構成としてもよい。この場合、例えば、この開閉実行モードが行われる時間の長さを利用して特別条件の成立確率を設定する構成とすると、遊技回中の変動表示時間の長さだけでなく、開閉実行モードの長さによって保留情報の特別条件の成立確率が異なる、という新たな演出とすることができる。特に、開閉実行モードにおいては、遊技機側の設定だけでなく、遊技者の遊技態様によって、その実行にかかる長さが異なり得る。具体的には、開閉実行モードでは、大入賞口32aへの入賞個数が、各ラウンドの入賞上限個数に達した場合に当該ラウンドが終了する構成であるため、遊技者の発射操作によってそのラウンドの継続期間が異なり得る。そのため、遊技者側の操作によって入賞上限個数に達するタイミングを遅くすればするほど特別条件が成立し易くなる、という斬新な遊技とすることができる。これにより、開閉実行モードを存分に楽しませることができる。
ステップS1204若しくはステップS1206にて否定判定した場合、又はステップS1207の処理を実行した後は、ステップS1208にて保留増加用処理を実行してから、保留制御用コマンド対応処理を終了する。この処理では、保留情報の増加に対応させて保留発光部45の発光制御を行うとともに、表示制御装置212に対して保留情報の増加に対応するコマンドを出力する。このコマンドには、上記ステップS1203にて決定した保留用画像の情報やステップS1205にて決定した特別保留予告に関する情報、副側保留記憶数SNの情報とが含まれている。表示制御装置212は、受信したコマンドに基づいて、キャラクタROM256に記憶されている保留用画像データ記憶エリアから対応する保留用画像に対応するデータを読み出し、副側保留記憶数SNに対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4へ表示させるように図柄表示装置41を制御する。
ステップS1201にて否定判定した場合、ステップS1209に進む。ステップS1209では、シフトコマンドを受信しているか否かを判定する。シフトコマンドを受信していない場合には、そのまま保留制御コマンド対応処理を終了する。シフトコマンドを受信している場合には、ステップS1210に進み、副側保留記憶数SNを1減算する処理を実行する。
続くステップS1211では、シフト時減算フラグが格納されているか否かを判定する。シフト時減算フラグは、上記のように特別保留予告における減算パターンとしてシフト時減算が選択されている場合に格納されるフラグである。このフラグが格納されている場合には、ステップS1212に進み、シフト時減算処理を実行する。このシフト時減算処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1211にてシフト時減算フラグが格納されていない場合、又はステップS1212の処理を実行した後は、ステップS1213へ進む。ステップS1213では、シフト処理を実行する。シフト処理では、保留用記憶エリア250における各記憶エリアのデータをシフトさせる。すなわちシフト処理では、保留用記憶エリア250の各記憶エリアに記憶されている保留情報を、上位エリアから下位エリアにシフトさせる。またシフト処理では、保留情報の減少に対応させて保留発光部45の発光制御を行うとともに、表示制御装置212に対して保留情報の減少に対応するコマンドを出力する。表示制御装置212は、受信したコマンドに基づいて、対応する単位保留表示領域Ga1〜Gs4の表示を変更させるように図柄表示装置41を制御する。ステップS1213の処理を実行した後は、保留制御用コマンド対応処理を終了する。
<特別保留予告制御処理>
次に、特別保留予告制御処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。
図34のフローチャートに示すように、特別保留予告制御処理では、ステップS2101にて特別保留予告を実行中であるか否かを判定し、実行中である場合には、ステップS2102にて所定の設定時間の減算に関する処理であるタイマ管理処理を実行し、ステップS2103にて保留用画像Pに関する処理である保留表示用処理を実行する。ステップS2101にて否定判定した場合又はステップS2103の処理を実行した後は、特別保留予告制御処理を終了する。
以下、タイマ管理処理及び保留表示用処理について、図35及び図36のフローチャートを参照しながら説明する。
タイマ管理処理では、図35に示すように、先ず、ステップS2201にて、RAM244の各種フラグ格納エリア247に経過済みフラグが格納されているか否かを判定する。経過済みフラグは、タイマカウンタTが「0」となって特別条件が成立したことをMPU242が把握するためのフラグである。経過済みフラグが格納されている場合には、そのままタイマ管理処理を終了する。
経過済みフラグが格納されていない場合には、ステップS2202に進み、RAM244の各種フラグ格納エリア247に減算終了フラグが格納されているか否かを判定する。減算終了フラグは、特別条件が成立せずに特別保留予告における所定の設定時間の減算が終了したことをMPU242が把握するためのフラグである。減算終了フラグが格納されている場合には、そのままタイマ管理処理を終了する。
減算終了フラグが格納されていない場合には、ステップS2203に進み、タイマ減算処理を実行する。この処理では、タイマカウンタTを「1」減算して更新する処理を行う。続くステップS2204では、減算時コマンドを、表示制御装置212への出力対象として設定する。この減算時コマンドには、上記ステップS2203にて更新したタイマカウンタTの情報が含まれており、所定周期でMPU242おいて起動されるコマンド出力処理により表示制御装置212へ出力される。表示制御装置212のMPU252では、当該減算時コマンドを受信したことに基づいて、減算時コマンドに含まれるタイマカウンタTの情報に対応する画像をキャラクタROM256から読み出して、特別保留予告における時間表示領域GEの時間表示画像Gpが更新されるように図柄表示装置41を制御する。
続くステップS2205では、特定タイミング減算フラグが格納されているか否かを判定する。特定タイミング減算フラグが格納されており、減算パターンとして特定タイミング減算が選択されている場合には、ステップS2206にて当該特定タイミング減算を行うべきタイミングであるか否かについて判定する。すでに説明したとおり、特定タイミング減算とは、時間表示画像Gpの表示が予め定められた所定の表示時間となり特定タイミングとなったことに基づいて所定数減算する減算方法である。
図28(c)に示すように、ROM243の各種テーブル記憶エリア245に記憶された特定タイミング減算テーブルには、所定の表示時間である特定タイミングと、その特定タイミングでの減算確率と、減算を行う場合の減算時間と、が特別保留予告の契機となった保留情報の遊技結果毎に設定されている。具体的には、遊技結果にかかわらず、特別保留予告の設定時間が残り10sec、20sec、40sec及び60secのいずれかである場合が特定タイミングとして設定されている。また、減算確率は、遊技結果が大当たり結果である場合にはいずれの特定タイミングであっても一律でその当選確率が25%と設定されており、遊技結果が外れ結果である場合には特定タイミングが遅くなるほど(設定時間の残り時間が少ない特定タイミングほど)当選確率は低くなるように設定されている。減算時間は、遊技結果にかかわらず、特定タイミングが遅くなるほど(設定時間の残り時間が少ない特定タイミングほど)短い減算時間となるように設定されている。
ステップS2206では、上記特定タイミング減算テーブルを取得して、特定タイミング(残り10sec、20sec、40sec及び60secのいずれか)であるか否かを判定する。特定タイミングである場合には、ステップS2207にて減算抽選処理を実行する。この処理では、RAM244の各種カウンタエリア249から抽選用のカウンタを取得して、ROM243の特定タイミング減算テーブルの減算確率に基づいて今回の特定タイミングにて減算を実行するか否かの抽選を行う。そしてステップS2208では、ステップS2207の処理結果に基づいて、減算抽選に当選したか否かを判定する。減算抽選に当選した場合には、ステップS2209にて、タイマ減算処理を実行する。この処理では、特定タイミング減算テーブルにて設定されている今回の減算時間に対応する数値を、現状のタイマカウンタTから減算する処理を行う。続くステップS2210では、特定減算時コマンドを表示制御装置212への出力対象に設定する。この特定減算時コマンドには、上記ステップS2209にて減算した減算時間及び減算後のタイマカウンタTの情報が含まれている。特定減算時コマンドの出力態様や、当該減算時コマンドを受信した場合の表示制御装置212側の処理については、上述した減算時コマンドの場合と同様である。
このように本実施形態では、通常のデフォルト減算時の情報を減算時コマンドとして出力し、特定タイミング減算時の情報を特定減算時コマンドとして出力するといったように、減算契機ごとに異なるコマンドを設けた。これにより、表示制御装置212側では、コマンドの種類を把握することでその減算契機を把握することが可能となるので、その減算契機に対応した演出を設定するうえで処理構成の簡素化を図ることができる。ただし、設定するコマンドの種類を少なくして演出制御装置82側の記憶容量を削減したり、演出制御装置82と表示制御装置212間の入出力コマンドを削減する、という観点からすると、これらのコマンドを共通ものとする構成としてもよい。具体的には、ステップS2210では、上記ステップS2204にて設定した減算時コマンドを更新する構成としてもよい。例えば、ステップS2204にてタイマカウンタTを「1」減算した情報(ステップS2203)を減算時コマンドに設定したとすると、ステップS2210では、その「1」減算した情報と特定タイミングで減算した情報(ステップS2209)とを合わせた減算値に関する情報を減算時コマンドに設定し直す構成とする。このようにすれば、いずれの減算契機であっても、減算時コマンドを利用することができるし、1回のタイマ管理処理で設定されるコマンド数も1種類のみとなり、入出力コマンド数を上記構成よりも減らすことができる。
ステップS2205、ステップS2206及びステップS2208のいずれかで否定判定した場合、又はステップS2210の処理を実行した後は、ステップS2211に進む。ステップS2211では、タイマカウンタTが「0」となったか否かを判定する。タイマカウンタTが「0」となった場合には、ステップS2212にてRAM244の各種フラグ格納エリア247に経過済みフラグを格納する処理を実行してから、本タイマ管理処理を終了する。
ステップS2211にてタイマカウンタTが「0」ではないと判定した場合には、ステップS2213に進む。ステップS2213では、RAM244に末尾特定変化フラグ及び一発逆転フラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、ステップS2214にて、その格納されているフラグに対応する演出の実行タイミングであるか否かを判定する。具体的には、末尾特定変化フラグが格納されている場合には今回の演出パターンとして末尾特定変化演出が設定されており、ステップS2214では、この末尾特定変化演出を実行すべきタイミング(時間表示領域GEの表示が「X7.77」となるタイミング)か否かを判定する。また、一発逆転フラグが格納されている場合には今回の演出パターンとして一発逆転演出が設定されており、ステップS2214では、この一発逆転演出を実行すべきタイミング(特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技回の開始タイミング)であるか否かを判定する。
ステップS2214にて肯定判定し、格納されているフラグに対応する演出の実行タイミングである場合には、ステップS2115に進み、対応する演出を実行するための演出設定処理を実行する。この処理では、タイマカウンタTを「0」とするとともに、末尾特定変化フラグが格納されている場合には末尾特定変化演出を実行するように、また一発逆転フラグが格納されている場合には一発逆転演出を実行するように、表示発光部63及びスピーカ部64の駆動制御を実行するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより図柄表示装置41にて対応する演出が実行されるようにする。その後、ステップS2212にて経過済みフラグを格納してから、タイマ管理処理を終了する。ステップS2213又はステップS2214にて否定判定した場合は、そのままタイマ管理処理を終了する。
上記のように、タイマ管理処理では、タイマカウンタTの定期的な減算処理と、特定タイミングにおける減算処理と、確定時間表示演出、末尾特定変化演出及び一発逆転演出といったプレミア演出における処理と、を実行する。そして、特別条件が成立した場合には、経過済みフラグが格納される。特別保留予告制御処理(図34)における保留表示用処理(ステップS2103)では、この経過済みフラグが格納されたこと(特別条件が成立したこと)に基づく処理を行う。
既に説明したとおり、本実施形態では、減算パターンとして、デフォルト減算及び特定タイミング減算の他、シフト時減算が設定されている。そこで、保留表示用処理の説明に先立って、シフト時減算のためのシフト時減算処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。シフト時減算処理は、保留制御用コマンド対応処理(図19)においてシフトコマンドを主制御装置81から受信したことに基づいて実行される処理である(ステップS1212)。
シフト時減算処理では、ステップS2301にて、RAM244の各種フラグ格納エリア247にシフト時当選フラグが格納されているか否かを判定する。シフト時当選フラグは、シフト時減算が既に行われている状態であることをMPU242が把握するためのフラグである。ステップS2301にてシフト時当選フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS2302に進む。
ステップS2302では、シフト時減算抽選処理を実行する。この処理では、ROM243の各種テーブル記憶エリア245からシフト時減算テーブルと、RAM244の各種カウンタエリア249から抽選用のカウンタと、を取得して、今回のシフト時に減算を実行するか否かを抽選する。シフト時減算テーブルは、図28(b)に示すように、シフト後の保留個数と、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技結果と、に基づいて、シフト時減算の当選確率と、当選時の減算時間と、が設定されている。具体的には、シフト時減算の当選確率は、シフト後の保留個数にかかわらず、遊技結果が大当たり結果である場合には外れ結果である場合よりも高い確率でシフト時減算が行われるように設定されている。また当選時の減算時間は、遊技結果にかかわらずシフト後の保留個数が多いほど長い時間が減算されるように設定されている。
ここで、図28(b)に示すように、本実施形態では、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技結果によって、シフト時の減算時間が異なるように設定している。具体的には、シフト後の保留数が2個又は3個の場合において、当該対象となっている保留情報の遊技結果が大当たり結果であれば減算時間は20secであり、外れ結果であれば10secとしている。このようにすることで、シフト時の減算時間から保留情報の結果を把握する、という遊技が追加され、特別保留予告を存分に楽しませることができる。なお、シフト時の減算時間から保留情報の結果の把握を困難とするためには、遊技結果によらず同じ減算時間が設定され得る構成としてもよい。さらに、シフト時の減算時間から保留情報の結果を予測する、という楽しみを追加するためには、例えば、減算時間を抽選等によって設定する構成として、遊技結果によって異なる減算時間が設定され易くなるようにしてもよい。
ステップS2303では、上記ステップS2302の処理結果に基づいてシフト時減算の抽選に当選したか否かを判定する。シフト時減算の抽選に当選している場合には、ステップS2304にて、シフト時当選フラグを格納する処理を実行する。これにより、次回以降のシフト時にはステップS2301にて肯定判定することになる。
続くステップS2305では、タイマ減算処理を実行する。この処理では、シフト時減算テーブルに基づいて、シフト後の保留個数と遊技結果とに応じた減算時間に対応する数値情報を把握し、その把握した数値情報をタイマカウンタTの数値情報から減算する処理を実行する。そして、ステップS2306にて、減算時コマンドを表示制御装置212への出力対象として設定する。この減算時コマンドには、ステップS2305にて減算する減算時間の情報と、減算後のタイマカウンタTの情報とが含まれている。減算時コマンドが表示制御装置212側へ出力される処理や、その後の表示制御装置212側の処理については、上述したとおりである。
ステップS2301にてシフト時当選フラグが格納されている場合、ステップS2303にて減算抽選に当選していないと判定した場合、又はステップS2306の処理を実行した後は、ステップS2307へ進む。ステップS2307では、タイマカウンタTが「0」となったか否かを判定する。タイマカウンタTが「0」である場合にはステップS2308にて経過済みフラグを格納してから、タイマカウンタTが「0」ではない場合にはそのまま、シフト時減算処理を終了する。
次に、特別保留予告制御処理(図34)におけるステップS2103の保留表示用処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2401では、経過済みフラグが格納されているか否かを判定する。経過済みフラグが格納されていない場合とは、未だ特別条件が成立していない状況であり、この場合は、そのまま保留表示用処理を終了する。経過済みフラグが格納されている場合には、ステップS2402へ進む。ステップS2402では、RAM244の各種フラグ格納エリア247に変化済みフラグが格納されているか否かを判定する。変化済みフラグは、特別条件が成立したこと(経過済みフラグが格納されたこと)に基づいて、保留用画像を変化させた場合に格納されるフラグである(後述するステップS2406)。変化済みフラグが格納されている場合は、そのまま保留表示用処理を終了する。変化済みフラグが格納されていない場合には、ステップS2403に進む。
ステップS2403では、変化後の保留表示を設定する。この処理では、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技結果に基づいて、特別条件成立に基づいて第4保留用画像P4から変化させる保留用画像を設定する。例えば、ROM243には特別条件成立後の保留用画像についてのパターンテーブルが記憶されており、このパターンテーブルには、遊技結果に応じて特別条件成立時に変化させる保留用画像のパターンが複数設定されている。そして、RAM244からカウンタを取得して、いずれの保留用画像に変化させるかを抽選等により決定する。なお、本実施形態では、変化後の保留用画像を一律で第3保留用画像P3として設定している。このようにすると、保留用画像を変化させる場合の処理負荷の低減を図ることが可能となる。但し、変化のパターンの多様化を図るうえでは、変化後の保留用画像を複数設定して、いずれの保留用画像に変化させるかを決定する構成のほうが好ましい。これらの場合、変化後の保留用画像は、変化前の保留用画像と比較して大当たり期待度が高い側の保留用画像となるように設定するとよい。
なお、本実施形態における第1保留用画像P1は大当たり結果である場合のみ選択される構成であるため、変化後の保留用画像を設定する場合には、変化後の保留用画像として第1保留用画像P1が選択されないようにする、又は特別保留予告の対象となっている保留情報が大当たり結果である場合にのみ第1保留用画像P1が選択され得るようにする、とよい。また、本実施形態では、変化前の保留用画像を一律で第4保留用画像P4としているが、これを抽選等によって各保留用画像P1〜P5からランダムに決定する構成としてもよい。この場合、変化前の保留用画像として第1保留用画像P1が選択されないようにする、又は特別保留予告の対象となっている保留情報が大当たり結果である場合にのみ第1保留用画像P1が選択され得るようにする、とよい。また、変化前の保留用画像として第2保留用画像P2が選択されると、変化後は大当たり結果が確定する(第1保留用画像P1に変化する)ため、仮に特別保留予告の対象となっている保留情報が外れ結果であるのにもかかわらず特別条件が成立してしまうと、遊技結果と保留用画像との矛盾が生じ得る。そこで、当該第2保留用画像P2は時間特定可能時のみ選択され得る構成としたうえで、大当たり結果である場合には特別条件が成立し得るように時間を設定し、また、外れ結果である場合には特別条件が成立しないように時間を設定すれば、遊技結果との矛盾を回避することができる。なお、変化前の保留用画像として、第2保留用画像P2が選択されないようにする、又は特別保留予告の対象となっている保留情報が大当たり結果である場合にのみ第2保留用画像P2が選択され得るようにする、としてもよい。
続くステップS2404では、変化時の演出パターンを設定する。この処理では、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技結果等に基づいて、保留用画像を変化させる場合の演出パターンを設定する。例えば、ROM243には変化時の演出パターンについてのパターンテーブルが記憶されており、このパターンテーブルには、遊技結果や、特別条件成立時の遊技状況に応じた演出パターンが複数設定されている。そして、RAM244からカウンタを取得して、いずれの演出パターンにて保留用画像を変化させるかを抽選等により決定する。演出パターンとしては、例えば、変化前の保留用画像を煙等の表示によって一旦視認困難又は視認不可能な状態とし、その後、変化後の保留用画像を視認可能とする演出パターンや、変化先の候補となる保留用画像を複数表示してその複数の保留用画像を変動させるなどしてから一の候補を確定表示して変化させる演出パターン等が考えられる。
続くステップS2405では、上記ステップS2403及びステップS2404にて設定した情報に基づいて特別条件成立時の演出設定処理を行う。この処理では、変化時の演出パターン、変化後の保留用画像に対応する演出を行うように表示発光部63及びスピーカ部64を制御する。また、ステップS2405では、変化時コマンドを表示制御装置212への出力対象として設定する。変化時コマンドには、上記ステップS2403にて設定した変化後の保留用画像の情報と、ステップS2404にて設定した変化時の演出パターンの情報と、が含まれており、定期的に起動されるコマンド出力処理で表示制御装置212へ出力される。表示制御装置212では、この変化時コマンドを受信したことに基づいて、特別条件が成立したこと、変化後の保留用画像、及び変化時の演出パターンを把握する。そしてこれらの演出に相当する画像データをキャラクタROM256から読み出して、表示画面Gにて当該演出が表示されるよう図柄表示装置41を制御する。
続くステップS2406では、変化済みフラグをRAM244の各種フラグ格納エリア247に格納する処理を実行する。この処理を行うことによって、次回以降の保留表示用処理では、ステップS2402にて肯定判定することになる。ステップS2406の処理を実行した後は、保留表示用処理を終了する。
上記のように、特別条件が成立したこと、すなわち特別保留予告における時間表示領域GEの時間表示画像Gpが「00.00」となることに基づいて、保留用画像Pがそれまでの画像から異なる画像に変化する(図20(c)参照)。より具体的には、大当たり期待度に対応させて複数設定されている保留用画像Pのうち、大当たり期待度が低い側の保留用画像Pから高い側の保留用画像Pに変化する。そのため、遊技者としては、特別保留予告が開始されたらその終了までに時間表示画像Gpが「00.00」となること、すなわち特別保留予告が開始されてから対象となっている保留情報の遊技回において下図柄列Z3の高速変動表示が終了する(低速変動表示に切り換わる)までの期間がなるべく長くなることを期待する。そのため、一遊技回の変動表示時間が長くなっても、遊技者にとって与える不快感を低減することが可能となる。よって、一遊技回中の演出を十分に行うことができ、遊技への注目度を好適に高めることができる。
一方で、特別条件が成立しなかった場合、すなわち、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技回において下図柄列Z3の高速変動表示が終了するまでに時間表示画像Gpが「00.00」にならなかった場合は、保留用画像Pは変化しない。以下、特別条件が成立しなかった場合の処理について説明する。この処理は、遊技回中の演出を制御する変動表示制御処理における一部の処理として行われる。そこで、先ず、変動表示制御処理について説明して、その後、上記特別条件が成立しなかった場合の処理について説明する。
<変動表示制御処理>
変動表示制御処理について、図38のフローチャートを参照しながら説明する。
変動表示制御処理では、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信している場合に、図柄表示装置41において1遊技回分の図柄の変動表示を開始させるとともに、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信している場合に、図柄の変動表示を最終停止表示(確定停止表示)させる処理を実行する。
すなわち、図38のフローチャートに示すように、ステップS2501にて、1遊技回の実行中であるか否かを判定する。1遊技回の実行中ではない場合にはステップS2502にて、変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンドを受信していない場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。変動用コマンドを受信している場合には、ステップS2503にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
変動開始用処理では、主制御装置81から受信したコマンドに基づいて、リーチ発生の有無の情報、変動表示時間の情報、遊技結果の情報を把握し、その把握した情報をMPU242のレジスタに記憶する。そしてその把握した情報に基づいて、今回の遊技回における各図柄列Z1〜Z3の停止結果の設定を行う。具体的には、図柄表示装置41の表示画面Gに5つの有効ラインL1〜L5が設定されており、いずれかの大当たり結果となる場合には、いずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せが停止表示されように停止結果の設定を行う。また、いずれの大当たり結果ではない場合であってもリーチ表示となる場合には、いずれかの有効ライン上にリーチ図柄の組合せが停止表示されるとともに、その有効ライン上にリーチ図柄と異なる図柄が停止するように停止結果の設定を行う。さらに、リーチ表示とならない場合には、いずれの有効ラインにおいてもリーチ図柄の組合せが停止表示されないように停止結果の設定を行う。そして設定した停止結果に対応するアドレス情報をROM243の各種テーブル記憶エリア245に記憶された停止情報テーブルから読み出して、そのアドレス情報をRAM244の停止情報アドレスの記憶エリアに記憶する。
また、変動開始用処理では、今回の遊技回の演出パターンの設定も行う。この演出パターンの設定処理では、ROM243の各種テーブル記憶エリア245に設けられた演出パターンテーブルを参照して、今回の遊技回における変動表示時間の情報と、停止情報アドレスの記憶エリアに記憶したアドレス情報との両方に対応した演出パターンを特定して、今回の遊技回における演出パターンとして設定する。そして、これら停止結果の情報と演出パターンの情報とに基づいて表示発光部63及びスピーカ部64の制御を開始するとともに、表示制御装置212へこれらの情報を含むコマンドを出力することにより表示制御装置212を制御して遊技回用の表示演出を実行させる。
変動表示制御処理においてステップS2501にて、1遊技回の実行中である場合には、ステップS2104にて、変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合にはステップS2105にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。また、変動終了コマンドを受信している場合には、ステップS2106にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了用処理では、遊技回における変動表示を終了させて遊技結果に対応する報知を実行するとともに、遊技回中に設定された各種カウンタやフラグを消去することにより遊技回を終了するための処理を実行する。
特別保留予告において特別条件が成立しなかった場合の処理は、上記の変動中用処理において行われる。そこで、以下、変動中用処理について、図39のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2601では、全図柄列の変動開始タイミングか否かを把握する。ちなみに、RAM244の各種カウンタエリア249には、遊技回の開始からの経過時間を把握するための経過時間カウンタが設けられており、遊技回の開始に際して(より詳しくは変動開始用処理の起動時に)、当該経過時間カウンタの更新が開始される。そして、上記変動開始用処理にて決定する演出パターンは、当該経過時間カウンタの情報と対応付けられており、MPU242は当該経過時間カウンタを参照することで、各種演出の実行タイミングを特定することができる。ステップS2601では、この経過時間カウンタと実行中の遊技回における演出パターンから、変動開始タイミングか否かを判定する。なお、以下の説明において、各演出の実行タイミングか否かの判定処理では、当該ステップS2601の処理と同様に、経過時間カウンタと演出パターンとを参照する。
全図柄列の変動開始タイミングである場合には、ステップS2602にて全図柄列の高速変動開始処理を実行する。この処理では、高速変動表示の開始に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて全図柄列の高速変動表示を開始させる。ステップS2602の処理を実行した後は、変動中用処理を終了する。
ステップS2601にて全図柄列の変動開始タイミングではない場合、ステップS2603にて上図柄列Z1の減速タイミングであるか否かを判定する。減速タイミングである場合には、ステップS2604にて上図柄列Z1の減速処理を実行してから、変動中用処理を終了する。当該減速処理では、上図柄列Z1の減速に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて上図柄列Z1の変動表示を高速変動から低速変動に切り換えさせる。
ステップS2603にて上図柄列Z1の減速タイミングではない場合、ステップS2605にて下図柄列Z3の減速タイミングであるか否かを判定する。減速タイミングである場合には、ステップS2606にて下図柄列Z3の減速処理を実行する。当該減速処理では、下図柄列Z3の減速に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて下図柄列Z3の変動表示を高速変動から低速変動に切り換えさせる。
ステップS2606にて下図柄列Z3の減速処理を実行した後は、ステップS2607にて特別保留予告用処理を実行してから、変動中用処理を終了する。特別保留予告用処理については、後に詳細に説明する。
ステップS2605にて下図柄列Z3の減速タイミングではない場合、ステップS2608にて中図柄列Z2の減速タイミングであるか否かを判定する。減速タイミングである場合には、ステップS2609にて中図柄列Z2の減速処理を実行してから、変動中用処理を終了する。当該減速処理では、中図柄列Z2の減速に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて中図柄列Z2の変動表示を高速変動から低速変動に切り換えさせる。
ステップS2608にて中図柄列Z2の減速タイミングではない場合、ステップS2610にて上図柄列Z1の停止タイミングであるか否かを判定する。停止タイミングである場合には、ステップS2611にて上図柄列Z1の停止処理を実行してから、変動中用処理を終了する。当該停止処理では、上図柄列Z1の停止に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて上図柄列Z1の変動表示を停止させる。
ステップS2610にて上図柄列Z1の停止タイミングではない場合、ステップS2612にて下図柄列Z3の停止タイミングであるか否かを判定する。停止タイミングである場合には、ステップS2613にて下図柄列Z3の停止処理を実行してから、変動中用処理を終了する。当該停止処理では、下図柄列Z3の停止に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて下図柄列Z3の変動表示を停止させる。
ステップS2612にて下図柄列Z3の停止タイミングではない場合、ステップS2614にて中図柄列Z2の停止タイミングであるか否かを判定する。停止タイミングである場合には、ステップS2615にて中図柄列Z2の停止処理を実行してから、変動中用処理を終了する。当該停止処理では、中図柄列Z2の停止に対応させて表示発光部63やスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置212へコマンド出力することにより、図柄表示装置41にて中図柄列Z2の変動表示を停止させる。
ステップS2614にて中図柄列Z2の停止タイミングではない場合、ステップS2616にて、変動中の各種演出用の処理を実行してから、変動中用処理を終了する。
ここで、各図柄列Z1〜Z3の変動表示において、高速変動表示から低速変動表示に切り換えられてから停止するまでの時間、すなわち低速変動表示が行われる時間は、基本的には予め定められた時間となっている。具体的には、リーチ表示における中図柄列Z2の低速変動表示が行われる期間以外は、予め定められた時間(例えば1sec)となっている。低速変動表示では、変動中の図柄を遊技者は明確に把握することができる。そのため、高速変動表示から低速変動表示に切り換わったタイミングで、いずれの図柄がいずれのラインに停止するかを遊技者はある程度把握することができる。したがって、下図柄列Z3が低速変動表示で上図柄列Z1とリーチラインが形成されるか否か、すなわちリーチ表示が発生するか否かについて遊技者は把握可能となっており、このタイミングは遊技者の高い関心が寄せられるタイミングといえる。そこで、このタイミングで、特別保留予告の特別条件の判定を行う構成としたため、遊技者が目を逸らしたりして見逃されてしまう事態を回避することが可能となる。また、このように毎遊技回注目されるタイミングであるため、このタイミング(下図柄列Z3の切り換えタイミング)は、遊技者にとっては経験上、図柄列Z1〜Z3の変動表示を見なくてもある程度把握することが可能であると考えられる。そのため、特別条件の判定が見逃される事態が更に抑制されているといえる。
次にステップS2607の特別保留予告用処理について、図40のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2701では、特別保留予告を実行中であるか否かを判定する。実行中ではない場合には、そのまま特別保留予告用処理を終了する。特別保留予告を実行中である場合には、続くステップS2702にて、今回の遊技回が実行中の特別保留予告の対象となっている遊技回であるか否かについて判定する。対象となっている遊技回ではない場合には、そのまま特別保留予告用処理を終了する。対象となっている遊技回である場合には、続くステップS2703にて経過済みフラグが格納されているか否か、すなわち特別条件が成立しているか否かを判定する。経過済みフラグが格納されている場合には、特別保留予告の対象となっている遊技回であっても特別条件が成立しており、上記保留表示用処理(図37)において保留用画像Pを変化させるための処理が行われている。そのため、経過済みフラグが格納されている場合には、そのまま特別保留予告用処理を終了する。なお、この場合においては、既に保留用画像が変化しているため、時間表示領域GEの表示を終了してから、本特別保留予告用処理を終了する構成としてもよい。
経過済みフラグが格納されていない場合、すなわち、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技回において特別条件が成立しないまま下図柄列Z3の高速変動表示が終了した場合には、ステップS2704にて特別保留予告の終了処理を実行してから、特別保留予告用処理を終了する。この終了処理では、タイマカウンタTの減算を停止させるべく減算終了フラグを格納する。これによりタイマ管理処理(図35)では、タイマ減算処理(ステップS2203)が行われなくなり、タイマカウンタTの減算が停止する。
ここで、本実施形態では、ステップS2704の終了処理として、タイマカウンタTの減算を停止させる一方で、時間表示領域GEの時間表示画像Gpの表示はそのまま継続して表示させる構成としている。したがって、時間表示画像GpはタイマカウンタTの減算が停止した時点での時間を示す画像がそのまま表示される(図20(c)参照)。そのため、特別保留予告において所定の設定時間の減算が行われたものの、特別条件が成立しなかったことを、減算の終了後(特別保留予告の終了後)においても遊技者は把握することができる。つまり、特別保留予告の対象となっている遊技回において下図柄列Z3の高速変動表示が終了した後であっても、それまで特別保留予告が行われていたこと、特別条件が成立しなかったこと、及び特別条件成立までに必要であった時間と、をそれぞれ把握することが可能となる。このようにすることで、特別条件が成立せずに保留用画像Pを変化させなくても、その余韻を残して当該遊技回への注目度の低下を抑制することができる。
すなわち、保留情報の遊技回よりも前のタイミングで実施され、当該保留情報に対応する演出である保留予告において、この保留予告の演出として大当たり期待度の高い演出(本実施形態における特別保留予告)を設定すると保留予告への注目度を高めることが可能となる反面、この大当たり期待度の高い演出が例えば演出中の分岐点で外れ側の演出に分岐してしまった場合(本実施形態では特別条件不成立の場合)には、この保留予告だけでなく保留予告の対象となっている保留情報の遊技回への注目度が極端に低下し得る。
これに対して本実施形態では、演出中の分岐点として外れ側の演出に分岐した場合であっても、あとどれくらいで当たり側の演出に分岐したか否かを示す指標(本実施形態では、所定の設定時間の残り時間)が表示される構成としている。つまり、演出上の分岐点において単に当たり側と外れ側とに分岐するだけでなく、分岐点において当たり側への分岐のし易さやしにくさの程度をその分岐後においても表示することで、外れ側へ分岐した場合であっても期待感を持続させることが可能となり、その後に注目度が極端に低下してしまうことを抑制することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
所定の設定時間が経過して特別条件が成立したことに基づいて、遊技者に特典として保留用画像Pを変化させる特別保留予告を設定した。これにより、特別保留予告が行われている状況において所定の設定時間が経過して特別条件が成立すること、すなわち、特別保留予告が行われている状況で実行される遊技回の変動表示時間が長いこと、を遊技者は期待する。よって、遊技回中の変動表示時間が長くなることにより遊技回を冗長なものと感じさせてしまうことを抑制することができる。
特に、本遊技機においては、保留予告として保留用画像Pの種類を用いて遊技結果を遊技回の終了よりも先に予測させる演出が設定されている。そのため、この保留予告により外れ結果であると予測してしまった遊技回においては、たとえリーチ表示が行われたとしても、遊技者はそれに大きな期待を寄せることなく、単なる消化待ちの時間として捉えられてしまう可能性もある。そこで、上記構成のように特別保留予告における特別条件を変動表示時間と関連付けることで、上記単なる消化待ちと捉えられがちな時間でさえも特別条件の成立に寄与させることが可能となり、遊技への注目度が極端に低下してしまうことを回避することができる。
上記構成において、特別保留予告として特別条件に関する表示(時間表示領域GEにおける時間表示画像Gp)を行う構成としたことで、遊技者はこの特別条件の成立し易さや成立の過程を把握することができる。このようにすることで、特別条件と変動表示時間の関係を明確に理解させることができ、上記変動表示時間が長くなることによる不都合を回避するという効果を好適に奏することが可能となる。
特に、時間表示画像Gpを時間経過とともに更新する構成としているため、特別条件の成立可能性(成立確率)が変化する過程を明確に把握させることができ、この成立可能性が変化する過程を十分に楽しませることができる。そして、時間表示画像Gpは、特別保留予告の開始から終了まで更新して表示する構成としているため、上記成立可能性を最長で楽しませることが可能となっている。
特別保留予告において特別条件が成立しなかった場合には、特別保留予告の終了後においても特別条件の判定時点(高速変動表示の終了時点)での残り時間を時間表示画像Gpとして表示する構成としたため、特別条件が成立しなかった場合であっても、遊技者はあとどれくらいで成立したかを明確に理解することができ、例えばあと少しで特別条件が成立した場合などにおいては、単に成立しなかったという結果だけなく惜しい程度が表示されるため、特別保留予告の余韻を残し、期待度が極端に低下してしまうことを抑制することが可能となる。
特別保留予告において、所定の設定時間を、特別保留予告の対象となっている保留情報だけでなく、当該対象となっている保留情報よりも先に消化される保留情報に基づいて設定する構成とした。このようにすることで、特別保留予告においてその対象となっている保留情報だけでなく、その他の保留情報に関しても関心を寄せさせることができ、それぞれの注目度を好適に高めることができる。
特別保留予告の対象となっている保留情報よりも先に消化される保留情報に係る遊技回の変動表示時間を、当該先に消化される保留情報に係る遊技回の開始前の把握する処理(時間特定パターン時のタイマ入力処理)を設けたことで、変動表示時間の長短を利用した特別保留予告の演出を好適に実行することが可能となる。
一方で、特別保留予告の対象となっている保留情報よりも先に消化される保留情報に係る遊技回の変動表示時間は、その遊技回の開始時の遊技状況(例えば保留個数)によって変化し得る。すなわち、遊技回の変動表示時間には、保留数対応パターンと保留数非対応パターンとが設定されており、保留数対応パターンの場合にはその変動表示時間を先に把握することが困難である。そこで、上記先に消化される保留情報に保留数対応パターンの保留情報が含まれる場合には、変動表示時間の特定を行わない構成とした。これにより、変動表示時間を利用した演出において、先に特定した変動表示時間が実際の時間と相違することによる演出上の不都合の発生を極力回避することが可能となる。
ここで、特別保留予告において特別条件の成立に基づく特典(保留用画像Pの変化)は、演出上の特典であり、出球等の遊技者の直接的な利益には関与しない。つまり、例えば特別保留予告の対象となっている保留情報が大当たり結果である場合に特別条件が成立しなくてもよいし、当該対象となっている保留情報が外れ結果である場合に特別条件が成立してもよく、これらの逆であっても遊技者の直接的な利益には影響を及ぼさない。そのため、特別保留予告の開始時に特別条件の成否が確定していなくてもよく、上記のように特別保留予告の開始時に変動表示時間のすべてを把握する必要性もない。そこで、上記先に消化される保留情報に保留数対応パターンが含まれる場合には、変動表示時間を把握しないで特別条件の設定時間を設定する構成とした。つまり、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技結果にかかわらず、その特別保留予告を実行中の遊技状況(保留情報の取得状況)によって、特別保留予告の開始時に設定されてた特別条件の成否が異なることになる。このようにすることで、遊技状況に応じて特別条件の成否が定まる印象を強め、結果が先に決まっている所謂出来レースのように中途で注目度が極端に低下してしまうことを抑制することが可能となる。
特別保留予告において、その特別条件の設定は、主に、その特別保留予告の対象となっている保留情報とは異なる保留情報に基づいて行われる。このようにすることで、特別保留予告において対象となっている保留情報だけでなく、他の保留情報についても関心を寄せさせることが可能となり、遊技への注目度をバランスよく高めることが可能となる。
この場合、当該他の保留情報の変動表示時間は、上記のように特別保留予告の開始後に設定され得るものであるため、特別条件の成立確率も特別保留予告の開始後に設定され得るものといえる。そのため、特別保留予告において開始時など初期の段階のみ注目させるのではなく、他のタイミングにおいても注目させることができる。
さらに、特別条件について所定の設定時間の残りの時間を減算する方法として、定期的な減算であるデフォルト減算に加えて、残るの時間を途中で変化させる方法として、シフト時減算や特定タイミング減算を設けた。上記のデフォルト減算のみであると、特別保留予告の開始時やその途中の段階で、遊技者によっては経験上、保留情報の数や現状の残り時間から特別条件が成立し易いか否かを判断することも可能となり得る。このような場合、特別保留予告への注目度が極端に低下してしまうことが考えられる。そこで、シフト時減算や特定タイミング減算のように予期しないタイミングでまとまった時間が減算されるパターンを含ませることで、最後まで特別保留予告に関心を寄せさせることが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、特別保留予告における設定時間の減算パターンのうち、シフト時減算の構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、本実施形態におけるシフト時減算処理について、図41及び図42を参照しながら説明する。
本実施形態では、上記第1の実施形態におけるステップS2301の処理と同様に、ステップS2801にてシフト時当選フラグが格納されているか否かを判定する。シフト時当選フラグが格納されていない場合にはステップS2802へ進む。ステップS2802では、今回のシフトにおいて実行用表示領域Gbへシフトされる保留用画像Pを把握する処理を実行する。そして、ステップS2803にて、今回のシフト時に減算処理を実行するか否かの抽選を行う。
ステップS2803では、ROM243からシフト時抽選テーブルを取得して、上記の減算処理を実行するか否かの抽選を行う。ステップS2803の処理を実行した後は、上記第1の実施形態におけるステップS2303〜ステップS2308の処理と同様に、ステップS2804〜ステップS2809の処理を実行してから、シフト時減算処理を終了する。
本実施形態におけるシフト時抽選テーブルでは、図42に示すように、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技結果と、シフト後の保留個数と、今回実行用表示領域Gbにシフトされる保留用画像Pと、によって、減算を行う確率と、減算を行う場合の減算時間と、が定められている。具体的には、実行用表示領域Gbにシフトされる保留用画像Pで比較すると、大当たり期待度が高い保留用画像Pがシフトされるよりも大当たり期待度が低い保留用画像Pがシフトされたほうが、遊技結果にかかわらず減算を行う確率が高くなるように設定されている。この確率は、遊技結果が外れ結果であるよりも大当たり結果である場合のほうが高くなるように設定されている。
ここで、本パチンコ機10において、各遊技回の変動表示時間は、基本的には大当たり期待度に応じて設定されており、大当たり期待度が高くなるほど変動表示時間が長くなり得るように設定されている。また、既に説明したとおり、保留用画像Pは大当たり期待度に応じて異なる画像が表示されるように設定されている。そのため、大当たり期待度が低い側の保留用画像Pに対応する遊技回においては、基本的には変動表示時間が短くなる。つまり、特別保留予告が行われている状況で、大当たり期待度が低い側の保留用画像Pに対応する遊技回が存在すると、この遊技回においては大当たり結果となることが期待できないだけでなく、この遊技回の変動表示時間の長さは短い可能性が高く、特別条件が成立するために寄与する率も低くなる。そこで、本実施形態では、このような大当たり期待度が低い保留用画像Pに対応する遊技回が実行される場合にシフト時減算が行われる確率を高めることで、少なくとも特別保留予告においては特別条件が成立し易くすることが可能となる。このようにすることで、特別保留予告が行われる場合に、それよりも前に消化される保留情報の大当たり期待度が低いものであっても、特別保留予告についての注目度が極端に低下してしまうといった事象を回避することができる。
なお、本実施形態では、変動表示時間が短い場合にシフト時減算が行われる確率を高くしたが、シフト時減算が行われた場合の減算時間を長くするようにしてもよい。また、デフォルト減算の減算スピードを速くして特別条件を成立し易くしてもよい。このようにしても、上記と同様の効果を奏することができる。
また、上記構成とは逆に、変動表示時間が長いほど、シフト時減算が行われる確率を高くする、シフト時減算が行われた場合の減算時間を長くする、又は減算スピードを速くして、特別条件を成立し易くしてもよい。この場合、変動表示時間が長くなることによる効果に加えて更に特別条件が成立し易くなり、遊技者にとっては好ましくなる。
さらに、シフト時減算が行われる確率を低くする、シフト時減算が行われた場合の減算時間を短くする、又は減算スピードを遅くする、ことで、特別条件を成立しにくくする構成としてもよい。このような場合を設定しておくことで、特別保留予告の初期の段階で特別条件が成立するものと予測した場合であっても、成立させないようにすることが可能となり、最後まで特別保留予告へ注視させることが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、保留情報の変動表示時間を特定可能な場合に、特別保留予告が実行される。図43は、本実施形態における変動表示時間の設定処理を示すフローチャートである。
先ずステップS2901では、特殊モード中であるか否かを判定する。この特殊モードとしては、本実施形態では高頻度サポートモード中は特殊モードに設定され、具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234に特殊モードフラグが格納されている状況が特殊モードであり、この特殊モードフラグは、開閉実行モード終了時の移行処理(図15)において高頻度サポートモードに設定する場合(ステップS903、ステップS906)に格納され、低頻度サポートモードに設定する場合(遊技回数カウンタが0となる場合)に消去される。また、特殊モードフラグが格納又は消去される場合には、主制御装置81側から演出制御装置82側へその情報を含むコマンドが出力される。これにより、特殊モード中であることを演出制御装置82側においても把握することが可能とっている。
ステップS2901にて特殊モードフラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS2902〜ステップS2905にて、上記ステップS701〜ステップS704と同様の処理を実行して、変動表示時間の設定処理を終了する。
ステップS2901において特殊モードフラグが格納されていると判定した場合には、ステップS2906にて特殊モード時の変動表示時間テーブルを取得して、ステップS2905へ進む。特殊モード時の変動表示時間テーブルは、図44に示すように、保留数対応パターンが設定されておらず、いずれの場合であっても保留数非対応パターンが選択されるように設定されている。すなわち特殊モード時においては、保留情報の取得時の情報(遊技結果、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS)に基づいて、その保留情報の遊技回の開始前に変動表示時間を特定することが可能となっている。
本実施形態における保留制御用コマンド対応処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態では、上記第1,第2の実施形態におけるステップS1201〜ステップS1203の処理と同様に、ステップS3001〜ステップS3003の処理を実行する。そしてステップS3004では、特殊モード中であるか否かを判定する。特殊モード中である場合には、ステップS3005へ進み、ステップS1204の処理と同様に、保留予告カウンタYKが「3」未満であるか否かを判定する。「3」未満である場合には、ステップS3006にて特別保留予告設定処理を実行する。
本実施形態における特別保留予告設定処理では、図46のフローチャートに示すように、ステップS3101にて、今回受信した保留コマンドがいずれかの大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。いずれかの大当たり結果である場合には、ステップS3102にて時間特定可能時の演出設定処理を実行してから、特別保留予告設定処理を終了する。また、ステップS3101にて大当たり結果ではなく外れ結果であると判定した場合には、ステップS3103にて外れ時の演出設定処理を実行してから、特別保留予告設定処理を終了する。これら時間特定可能時の演出設定処理と、外れ時の演出設定処理は、上記図24及び図32にて示したとおりである。
このように、本実施形態では保留情報の変動表示時間を特定可能な状況において特別保留予告を実行する構成としたため、特別保留予告の開始時において時間特定が不可能な場合(保留数対応パターンの保留情報が含まれる場合)のための処理が必要なく、処理構成の簡素化を図ることができる。遊技回の変動表示時間を保留予告に利用する構成において、この変動表示時間が事前に特定可能であれば、それに応じた保留予告を事前に設定することができるため、演出設定の猶予が生じる分、処理負荷の極端な増加を回避することができる。そのため、上記構成のように変動表示時間が事前に特定可能な特殊モード時に特別保留予告を行う構成とすれば、いずれの場合であっても特別保留予告の演出を事前に設定することが可能となり好ましい。
一方で、このような演出の全てを事前に設定されたものとしてしまうと、その後の遊技状況によって演出が変化する余地がなくなり、その演出の結果をある程度事前に把握してしまうとそれ以降は注目度が極端に低下してしまう可能性もある。そこで本実施形態では、上記のように時間特定が可能な場合に特別保留予告を実行する構成としつつも、その時間を直接的に利用する場合(時間特定パターン時のタイマ入力処理)とそうではない場合(通常パターン時のタイマ入力処理)とを設定することで、演出内容からその結果が事前に把握されてしまうことを抑制することが可能となっている。
<第4の実施形態>
本実施形態では、特別保留予告の開始時に、保留情報に保留数対応パターンの保留情報が含まれている場合には、その変動表示時間を仮の変動表示時間として所定の設定時間を設定する。
本実施形態における保留制御用コマンド対応処理は、上記第1,第2の実施形態における保留制御用コマンド対応処理(図19)と概ね同様であり、特別保留予告設定処理の構成のみが異なっている。本実施形態における特別保留予告設定処理は、上記第3の実施形態における特別保留予告設定処理(図46)と同様の処理となっている。
ここで、時間特定可能時の演出設定処理(図24)において特別保留予告の演出パターンとして時間特定パターンが選択された場合であっても、上記第3の実施形態とは異なり、保留情報の変動表示時間を事前に特定不可能である場合(保留数対応パターンである場合)が含まれている。そこで、本実施形態では、この保留数対応パターンの保留情報については、仮の変動表示時間として変動表示時間を特定して演出を設定する。
すなわち、本実施形態における変動表示時間テーブルでは、図47に示すように、保留数対応パターンとしてリーチ非発生BとノーマルリーチBとが含まれており、これらに対応する仮の変動表示時間が設定されている。この場合、仮の変動表示時間としては、実際に設定され得る時間以下、より具体的には実際に設定され得る時間のうち最も短い時間に設定されている。そのため、このような仮の変動表示時間を特別保留予告における所定の設定時間に組み込んだとしても、最終的な特別条件の成否には影響が及ばない。つまり、保留数対応パターンの保留情報について、実際の変動表示時間が最も長い時間が設定されても最も短い時間が設定されても、いずれの場合であっても仮の変動表示時間としては最も短い時間が設定されているため、特別条件の成否には影響が及ばない。このようにすることで、保留予告の演出の設定のための変動表示時間の把握タイミングと、実際の変動表示時間の設定タイミングと、が異なることにより変動表示時間の差が生じ得る構成であっても、上記演出の設定に不都合が生じることを回避することが可能となる。
なお、本実施形態において、仮の変動表示時間を実際に設定され得る時間以下となるように設定したが、実際に設定され得る時間以上となるように設定したうえで、保留制御用コマンド対応処理を以下のように変更してもよい。
すなわち、図48のフローチャートに示すように、ステップS1201〜ステップS1208の処理と同様に、ステップS3201〜ステップS3208の処理を実行する。ステップS3201にて保留コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS3209にてシフトコマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合にはステップS3210にて副側保留記憶数SNの減算処理を行う。そしてステップS3211にて、シフト時の調整処理として、今回の実行エリアAEにシフトされる保留情報が保留数対応パターンの保留情報か否かを判定する。保留数対応パターンではない場合には、ステップS3212にてシフト時減算フラグが格納されているか否かを判定し、格納されていればステップS3213にてシフト時減算処理を実行する。また、ステップS3211にて保留数対応パターンである場合には、シフト時減算フラグの有無にかかわらず、ステップS3213にてシフト時減算処理を実行する。ステップS3213の処理の実行後は、ステップS3214にてステップS1213の処理と同様にシフト処理を実行してから、保留制御用コマンド対応処理を終了する。
ステップS3213のシフト時減算処理では、図49のフローチャートに示すように、ステップS3301にて上記ステップS3211と同様に保留数対応パターンか否かを判定する。保留数対応パターンではない場合には、上記ステップS2301〜ステップS2308の処理と同様に、ステップS3302〜ステップS3309の処理を実行する。ステップS3301にて保留数対応パターンである場合には、ステップS3310に進み、特別保留予告を実行中であるか否かを判定する。
特別保留予告を実行中である場合には、ステップS3311に進み、特別保留予告において上記のように仮設定した変動表示時間から短縮された変動表示時間となるか否かを判定する。この変動表示時間は、副側保留記憶数SNの値を参照することで、実際の変動表示時間を把握することが可能であり、仮設定した変動表示時間から短縮されたか否かも判定可能である。なお、主制御装置81からシフトコマンドが出力される場合には変動コマンドも出力されるため、この変動コマンドに基づいて実際の変動表示時間を把握する構成としてもよい。
ステップS3311にて短縮されたと判定した場合には、ステップS3312にてタイマ減算処理として、タイマカウンタTから上記短縮された時間に対応する数値情報を減算する処理を実行する。そしてステップS3313にてこれら減算時間と減算後のタイマカウンタTの情報を含む減算時コマンドを表示制御装置212への出力対象としてから、ステップS3308側へ進む。ステップS3310又はステップS3311にて否定判定した場合は、そのままシフト時減算処理を終了する。
以上のように、特別保留予告の設定時においては仮の変動表示時間として演出を設定した場合であっても、事後的な調節手段としてシフト時減算を行うことで、演出上の不都合が発生することを回避することができる。
そしてこの調節手段を、通常時においても発生し得るシフト時減算としたことで、調節に際して遊技者に与える違和感を低減することが可能であるし、また、調節手段として新たな処理を設ける必要もなく処理構成の複雑化を抑制することも可能である。
<第5の実施形態>
本実施形態では、タイマカウンタTの減算方法が上記実施形態のものと異なっている。以下、異なる構成について説明する。図50は、本実施形態におけるタイマ管理処理を説明するためのフローチャートである。
本実施形態におけるタイマ管理処理では、上記各実施形態におけるステップS2201〜ステップS2215の処理と同様に、ステップS3401〜ステップS3415の処理を実行する。ステップS3413にて末尾特定変化フラグ及び一発逆転フラグのいずれもが格納されていないと判定した場合、又はステップS3414にて特定変化のタイミング及び一発逆転演出のタイミングではないと判定した場合は、ステップS3416にて減算値調整処理を実行してから、タイマ管理処理を終了する。
ここで、本実施形態におけるデフォルト減算の減算処理(ステップS3404)においては、1処理回での減算値(減算幅)を設定可能となっている。そしてステップS3404では、設定された減算値をタイマカウンタTから減算する処理を行う。ステップS3416の減算値調整処理では、この減算値の設定を行う。なお、通常の減算値は、上記各実施形態と同様に「1」である。
ステップS3416の減算値調整処理について、図51のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS3501では、現在実行中の遊技回が特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技回か否かを判定する。ステップS3501にて否定判定した場合には、そのまま減算値調整処理を終了する。ステップS3501にて肯定判定し、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技回である場合には、ステップS3502に進み、RAM244の各種フラグ格納エリア247に調整済みフラグが格納されているか否かを判定する。調整済みフラグは、当該遊技回において減算値の調整が既に行われたことをMPU242が特定するためのフラグである。調整済みフラグが格納されている場合には、そのまま減算値調整処理を終了する。
調整済みフラグが格納されていない場合には、ステップS3503に進む。ステップS3503では、所定の設定時間の残り時間(設定残余時間)を把握する処理を実行する。具体的には、現状のタイマカウンタTの値を把握する。続くステップS3504にて、今回の遊技回において高速変動表示の終了までの残り時間(実残余時間)を把握する処理を実行する。具体的には、遊技回用の演出パターンのアドレス情報を参照して、高速変動表示の終了までに要する時間を把握する。そしてステップS3505にて、上記ステップS3503にて把握した設定残余時間と、ステップS3504にて把握した実残余時間と、を比較して、設定残余時間から実残余時間を減算した値(S1)が0よりも大きくなるか、すなわち、設定残余時間が実残余時間よりも長いか否かを判定する。
ステップS3505にてS1が0よりも大きい場合とは、設定残余時間のほうが実残余時間よりも長く、このままデフォルト減算が行われても特定条件が成立しない場合である。その場合、ステップS3506に進み、減算値増加抽選処理を実行する。この処理では、ROM243から抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM244から抽選用のカウンタを取得して、デフォルト減算において1処理回でのタイマカウンタTの減算値(通常は「1」)を増加させるか否かの抽選を実行する。
本実施形態では、特別保留予告の契機となった保留情報の遊技結果によってその当選確率が異なるように設定されており、具体的には、大当たり結果である場合には30%、外れ結果である場合には10%の確率で減算値増加抽選に当選するように設定されている。なお、当選確率をS1の長さに応じて異なるように設定してもよい。例えば、S1が長ければ長いほど当選確率が高くなるようにすると、特定条件が成立した場合の意外性を高めることができる。又逆にS1が短ければ短いほど当選確率が高くなるようにすると、あと少しで特定条件が成立する状況を救済する(減算値を増加させて特定条件を成立させる)ことが可能となる。
ステップS3506にて減算値増加抽選処理を実行した後は、ステップS3507にて、ステップS3506の処理結果に基づいて、減算値増加抽選に当選したか否かを判定する。当選していない場合には、そのまま減算値調整処理を終了する。当選している場合には、ステップS3508に進む。ステップS3508では、S1から実残余時間を更に減算した値(S2)が0よりも大きくなるか、すなわち、設定残余時間は実残余時間の2倍よりも長いか否かを判定する。ステップS3508にてS2が0よりも大きい場合は、ステップS3509にて、S2から実残余時間を更に減算した値(S3)が0よりも大きくなるか、すなわち、設定残余時間は実残余時間の3倍よりも長いか否かを判定する。ステップS3509にてS3が0よりも小さい場合、すなわち、設定残余時間が実残余時間の2倍〜3倍である場合には、ステップS3510に進み、減算用の減算値を「3」に設定する処理を実行する。この処理が行われることにより、以後のステップS3404では、「3」ずつタイマカウンタTから減算する処理を行うことになる。つまり、所定の設定時間の減算速度がそれまでの3倍の速度に変更される。
ステップS3508にてS2が0以下である場合、すなわち、設定残余時間が実残余時間の1倍〜2倍である場合には、ステップS3511に進み、減算用の減算値を「2」に設定する処理を実行する。この処理が行われることにより、以後のステップS3404では、「2」ずつタイマカウンタTから減算する処理を行うことになる。つまり、所定の設定時間の減算速度がそれまでの速度の2倍の速度に変更される。
ステップS3510又はステップS3511の処理を実行した後は、ステップS3512へ進み、タイマ演出変更処理を実行してから、減算値調整処理を終了する。このタイマ演出変更処理では、上記ステップS3510又はステップS3511にて変更した減算値の情報を含むコマンドを、表示制御装置212への出力対象に設定する。そのコマンドを受信した表示制御装置212は、時間表示領域GEにおける時間表示画像Gpによる設定時間の報知態様をそれまでの報知態様とは異なる報知態様となるように図柄表示装置41を制御する。
この異なる報知態様として、具体的には、例えば、図52(a)に示すように、スタートとゴールとが表示されて、予め設定されたキャラクタがスタートからゴールに向かって乗り物で移動する演出を行う。そして、下図柄列Z3の高速変動表示が終了するまでに、当該キャラクタがゴールに到達すれば特別条件が成立して保留用画像Pが異なる画像に変化し、ゴールに到達しなければ特別条件が成立しないものとする。そして、上記ステップS3510にて減算値が「3」に設定された場合には乗り物をロケットに設定し(図52(a1))、上記ステップS3511にて減算値が「2」に設定された場合には乗り物をバイクに設定する(図52(a2))。すなわち、乗り物の種類(速度)によって、ゴールへの到達期待度(特別条件の成立期待度)を示唆する演出とする。
このようにすることで、設定残余時間が実残余時間よりも明らかに長い場合であっても、特別条件が成立し得る可能性を残すことで、特別条件の成立を早々に諦めてしまうことによる注目度の低下を抑制することが可能となる。この場合、時間表示画像Gpのように特別条件の成否が絶対的な時間表示によって報知される態様から、スタートからゴールまでのキャラクタが移動するという特別条件の成否が相対的な距離の表示によって報知される態様に変更されるため、設定時間を進行させる速度を変更しても遊技者に違和感を与える可能性を低減することが可能となる。
ステップS3509にてS3が0よりも大きい場合、すなわち、設定残余時間が実残余時間の3倍よりも長い場合には、そのまま減算値調整処理を終了する。つまりこの場合、減算値の調整は行わない。これは、設定残余時間と実残余時間とがあまりにかけ離れている場合にも減算値の調整を行って特別条件を成立させてしまうと、そもそも、この特別保留予告に対する注目度が低下してしまう可能性があり、その注目度の低下を回避するための工夫である。
ステップS3505においてS1が0よりも大きくないと判定した場合、すなわち、設定残余時間よりも実残余時間のほうが長い場合には、ステップS3513に進む。ステップS3513に進む場合とは、特別条件が成立する場合であり、ステップS3513では、S1の絶対値が予め定められた設定値(例えば2secに相当する値)以上であるか否かを判定する。S1の絶対値が設定値未満である場合には、そのまま減算値調整処理を終了する。
S1の絶対値が設定値以上である場合、すなわち、設定残余時間よりも実残余時間のほうが長く、その差が設定値(2sec)以上である場合には、ステップS3514に進む。ステップS3514では、減算値減少抽選処理を実行する。この処理では、ROM243から抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM244から抽選用のカウンタを取得して、デフォルト減算において1処理回でのタイマカウンタTの減算値(通常は「1」)を減少させるか否かの抽選を実行する。
本実施形態では、特別保留予告の契機となった保留情報の遊技結果によってその当選確率が異なるように設定されており、具体的には、大当たり結果である場合には10%、外れ結果である場合には30%の確率で減算値減少抽選に当選するように設定されている。なお、当選確率をS1の長さに応じて異なるように設定してもよい。例えば、S1が長ければ長いほど当選確率が高くなるようにすると、早々に特定条件が成立してしまうことを抑制することが可能となるし、逆にS1が短ければ短いほど当選確率が高くなるようにすると、設定残余時間と実残余時間との差をより短くしてギリギリ特定条件が成立する状況を作り出すことが可能となる。
ステップS3514にて減算値減少抽選処理を実行した後は、ステップS3515にて、ステップS3514の処理結果に基づいて、減算値減少抽選に当選したか否かを判定する。当選していない場合には、そのまま減算値調整処理を終了する。当選している場合には、ステップS3516に進む。ステップS3516では、S1の絶対値から設定残余時間を減算した値(S4)が0よりも大きくなるか、すなわち、実残余時間は設定残余時間の2倍よりも長いか否かを判定する。ステップS3516にてS4が0よりも大きい場合、すなわち実残余時間が設定残余時間の2倍よりも長い場合には、ステップS3517にて、減算用の減算値を「0.5」に設定する処理を実行する。この処理が行われることにより、以後のステップS3404では、「0.5」ずつタイマカウンタTから減算する処理を行うことになる。つまり、所定の設定時間の減算速度がそれまでの0.5倍の速度に変更される。
ステップS3516にてS4が0以下である場合、すなわち、実残余時間が設定残余時間の1倍〜2倍である場合には、ステップS3518に進み、減算用の減算値を「0.8」に設定する処理を実行する。この処理が行われることにより、以後のステップS3404では、「0.8」ずつタイマカウンタTから減算する処理を行うことになる。つまり、所定の設定時間の減算速度がそれまでの速度の0.8倍の速度に変更される。
ステップS3517又はステップS3518の処理を実行した後は、ステップS3519へ進み、タイマ演出変更処理を実行してから、減算地調整処理を終了する。このタイマ演出変更処理では、上記ステップS3517又はステップS3518にて変更した減算値の情報を含むコマンドを、表示制御装置212への出力対象に設定する。そのコマンドを受信した表示制御装置212は、時間表示領域GEにおける時間表示画像Gpによる設定時間の報知態様をそれまでの報知態様とは異なる報知態様となるように図柄表示装置41を制御する。
この異なる報知態様として、具体的には、図52(b)に示すように、スタートとゴールとが表示されて、予め設定されたキャラクタがスタートからゴールに向かって乗り物で移動する演出を行う。そして、下図柄列Z3の高速変動表示が終了するまでに、当該キャラクタがゴールに到達すれば特別条件が成立して保留用画像Pが異なる画像に変化し、ゴールに到達しなければ特別条件が成立しないものとする。そして、上記ステップS3517にて減算値が「0.5」に設定された場合には乗り物をロケットに設定し、上記ステップS3518にて減算値が「0.8」に設定された場合には乗り物をバイクに設定する。すなわち、減算値を増加させた場合と同じ演出を行う。但し、ステップS3517にて減算値が「0.5」に設定された場合には、スタートからゴールまでの間に例えば隕石群が出現するなどして、その間ロケットが高速移動できずにそのスピードが遅くなる演出が行われる(図52(b1))。また、ステップS3518にて減算値が「0.8」に設定された場合には、例えばゴール付近にてガソリンスタンドが出現してそこで給油をするなどして、その間バイクがゴール直前で停止してしまう演出が行われる(図52(b2))。
このようにすることで、設定残余時間が実残余時間よりも明らかに短い場合であっても、特別条件が成立しない可能性を残すことで、特別条件が成立するものとして途中で特別保留予告の行方に注目しなくなってしまうことを抑制することが可能となる。この場合、時間表示画像Gpのように特別条件の成否が絶対的な時間表示によって報知される態様から、スタートからゴールまでのキャラクタが移動するという特別条件の成否が相対的な距離の表示によって報知される態様に変更されるため、設定時間を進行させる速度を変更しても遊技者に違和感を与える可能性を低減することが可能となる。また、減算値を増加させた場合の演出と対応付けたことで、減算値の増減のうちいずれの調整が行われるかについて注目させることが可能となる。
なお、減算値を減少させるための処理(ステップS3514〜ステップS3521)の実行タイミングを、上記のものよりも早くなるように設定してもよい。すなわち、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技回の開始タイミングよりも早いタイミングとして、当該対象となっている保留情報よりも1つ前に消化される保留情報や2つ前に消化される保留情報の遊技回における所定タイミング(例えば開始時)で上記減算値を減少させるための処理を行う構成としてもよい。このようにすることで、早々に成立し得る特別条件を、特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技回まで長引かせることができる。
<第6の実施形態>
上記第1〜第5の実施形態では、特別保留予告において特別条件が成立したことに基づいて特典として保留用画像Pを大当たり期待度の高い側の保留用画像に変化させる演出を行う構成としたが、本実施形態ではこの特別条件が成立したことに基づいて付与する特典を変更する。
本実施形態では、変動表示を行う各図柄列Z1〜Z3とは別途、表示画面G中の所定位置(例えば右下)にキャラクタPMが表示される(図53(a)参照)。キャラクタPMは、遊技回の演出に関与し、例えば、リーチ表示においてリーチラインを形成するリーチ図柄と同じ図柄が、中図柄列Z2においてリーチラインに停止することを補助するような(例えば変動先側から図柄を押して変動を停止させようとする)演出に登場する。
本実施形態の特別保留予告において特別条件が成立すると、遊技者に付与される特典として、キャラクタPMが装備するアイテムAが表示され(図53(b)参照)、以後、キャラクタPMはこのアイテムAを装備した状態で表示される。キャラクタPMがこのアイテムAを装備すると、装備していない場合と比較して、上記のリーチラインにリーチ図柄が停止することを補助するような演出が異なる態様で(具体的には派手になる)行われる。そのため、キャラクタPMにこのアイテムAを装備させることで、遊技者はリーチ表示の演出を自らがカスタマイズする満足感を得ることができ、より遊技に没頭することが可能となる。なお、特別保留予告において特別条件が成立しなければ、アイテムAは表示されない。
本実施形態では、遊技機本体12の前面部に遊技者が操作可能な操作部75が設けられており(図1参照)、この操作部75を操作することで、キャラクタPMの状態を遊技者の有する携帯端末等にて読み取り可能な出力情報が出力される。また、この出力情報を携帯端末等で読み取ることでその情報がその携帯端末又は管理サーバー等に記憶される。そして、その記憶されている情報を操作部75を介して本パチンコ機10に入力することで、キャラクタPMはその記憶されている情報に対応する状態で表示される。そのため、例えば遊技の開始時から、特別条件が成立してアイテムAを装備したキャラクタPMを表示させることも可能であり、同じ機種間であれば異なる遊技台であっても携帯端末又は管理サーバーに記憶された情報の流用が可能となっている。
上記操作部75は、演出制御装置82と接続されており、操作部の操作情報は演出制御装置82へ出力される。この操作部75は、例えば回転操作が可能な回転操作部を有しており、回転操作部の回転方向によってキャラクタPMの情報を出力する出力状態とするか、キャラクタPMの情報を入力する入力状態とするかを選択可能となっている。また、操作部75は、キャラクタPMの情報を入力するための入力部として例えば十時キーが設けられている。そして上記入力状態においては、表示画面Gにスクリーンキーボード等が表示され、十字キーを操作してカーソルを移動することで、キャラクタPMの情報(例えば8桁のパスワード)を入力することが可能となっている。なお、操作部75の構成はこれに限定されず任意である。
以下、演出制御装置82のMPU242にて実行される操作用処理について、図54のフローチャートを参照しながら説明する。操作用処理は、MPU242において所定周期(例えば2msec周期)で起動される操作部75の操作に対応するための対応処理の一部の処理であり、当該対応処理において上記出力状態又は入力状態の設定用に起動される。なお、この対応処理では、操作用処理の他、例えば、操作部75の操作に基づく演出用の処理(例えばキャラクタPMの動作やアイテムAによる攻撃などの演出を行うための処理)や、特別保留予告以外の演出や設定における操作部75の操作に対応するための処理等が行われる。
先ずステップS3601にて、操作部75の操作が行われたか否かを判定する。なお、ステップS3601では、一旦操作が検知されると当該操作に基づく処理が完結するまで肯定判定される。操作が行われた場合には、ステップS3602に進み、出力状態に設定するための操作が行われた(回転操作部の回転方向が出力状態に設定する方向に対応するものである)か否かを判定する。出力状態に設定するための操作である場合、ステップS3603に進み、RAM244の各種フラグ格納エリア247に出力状態フラグを格納して出力状態に設定する。またステップS3603では、出力のための情報を把握する。すなわち、キャラクタPMの有するアイテムAの情報を把握する処理を実行する。そしてステップS3604にて、情報出力用コマンドを表示制御装置212への出力対象として設定する。この情報出力用コマンドは、出力状態に設定されたことの情報、及びキャラクタPMの有するアイテムAの情報が含まれており、この情報出力用コマンドを受信した表示制御装置212は、キャラクタROM256からキャラクタPMの有するアイテムAの情報に対応するコード画像CG(例えばQRコード(登録商標))を読み出し、そのコード画像CGを表示画面Gにて表示するように図柄表示装置41を制御する(図53(c)参照)。
ステップS3602にて出力状態に設定するための操作ではないと判定した場合には、ステップS3605に進み、入力状態に設定するための操作が行われた(回転操作部の回転方向が入力状態に設定する方向に対応するものである)か否かを判定する。入力状態に設定するための操作である場合、ステップS3606に進み、RAM244の各種フラグ格納エリア247に入力状態フラグを格納して入力状態に設定する。そしてステップS3607にて、情報入力用コマンドを表示制御装置212への出力対象として設定する。この情報入力用コマンドは、入力状態に設定されたことの情報が含まれており、この情報入力用コマンドを受信した表示制御装置212は、キャラクタROM256から入力状態用の画像(例えば、コードの入力を促す画像)を読み出し、その入力状態用の画像を表示画面Gにて表示するように図柄表示装置41を制御する(図53(d)参照)。
ステップS3601にて操作されていないと判定した場合、ステップS3605にて入力状態に設定するための操作ではないと判定した場合、又はステップS3604若しくはステップS3607の処理を実行した後は、ステップS3608に進む。ステップS3608では、上記出力状態フラグを確認することで出力状態中であるか否かを判定する処理を実行する。出力状態中である場合には、ステップS3609に進み、出力状態に設定されてから予め定められた所定時間(例えば10sec)が経過したか否かを判定する。なお、上記ステップS3603又はステップS3606において出力/入力状態に設定する場合には、時間経過を把握可能なタイマカウンタの更新を開始する。そしてステップS3609では、このタイマカウンタの値が上記所定時間に対応する数値情報となっていることに基づいて、所定時間が経過したことを特定することが可能となる。所定時間が経過していない場合には、そのまま操作用処理を終了する。
所定時間が経過している場合には、ステップS3610に進み、状態復帰用処理を実行する。この処理では、出力状態から通常状態に復帰させるために出力状態フラグを消去する。そしてステップS3611にて、状態復帰コマンドを表示制御装置212への出力対象に設定してから、操作用処理を終了する。この状態復帰用コマンドには、出力状態から通常状態に復帰したことの情報が含まれており、状態復帰用コマンドを受信した表示制御装置212は、キャラクタROM256から通常状態に対応する画像(キャラクタPMの画像等)を読み出し、その画像を表示画面Gにて表示するように図柄表示装置41を制御する。
ステップS3608にて出力状態ではないと判定した場合、ステップS3612に進み、入力状態フラグを確認することで入力状態中であるか否かを判定する。入力状態中である場合には、ステップS3613に進み、入力状態に設定されてから予め定められた所定時間(例えば20sec)が経過したか、又は入力操作がなされたか、のいずれかであるか否かを判定する。なお、この所定時間の経過の判定については、上記のタイマカウンタが用いられる。また、入力状態と出力状態とでは、所定時間が入力状態のほうが長く設定されている。これは、コード入力に要する時間とコード読み取りに要する時間とを比較すると、コード入力のほうが操作量が多く、長時間必要であると考えられるからである。また、入力操作がなされたか否かについては、操作部75における十字キーからの信号を把握することで判定することが可能となっている。なお、コード入力を、例えば複数の桁数のコードの入力とする場合など、操作部75の操作回数が複数回数必要な構成とする場合には、操作のたびに上記所定時間が延長される構成とするとよい。このようにすることで、所定時間の経過間近に操作を開始した場合において、操作が完了するよりも先に入力状態が解除されてしまう事象の発生を抑制することが可能となる。
ステップS3613にて、所定時間が経過した又は入力操作がなされた場合には、ステップS3614にて状態復帰用処理を実行する。この処理では、入力状態から通常状態に復帰させるために入力状態フラグを消去する。そしてステップS3615にて、状態復帰コマンドを表示制御装置212への出力対象に設定してから、操作用処理を終了する。この状態復帰用コマンドには、入力状態から通常状態に復帰したことの情報に加えて、入力されたコードに対応するアイテムAの情報が含まれており、状態復帰用コマンドを受信した表示制御装置212は、キャラクタROM256から通常状態に対応する画像(キャラクタPMの画像等)とアイテムAの画像を読み出し、その画像を表示画面Gにて表示するように図柄表示装置41を制御する。これにより、キャラクタPMがアイテムAを装備した状態で遊技を行うことが可能となる(図53(e)参照)。
以上、本実施形態のように、特別保留予告において特定条件が成立することによって、何らかの特典が遊技者に付与される構成であれば、遊技者は特定条件が成立すること、すなわち特別保留予告が行われている期間に実行される遊技回の変動表示時間が長いこと、を期待するため、遊技回の変動表示時間を長くしてもそれが単に冗長なものとはならず、遊技への注目度を低下してしまうことを抑制することが可能となる。
なお、アイテムAを複数設定しておき、特定条件成立のたびに抽選等によっていずれのアイテムAを特典として付与するかを設定すると、アイテムAを収集するという楽しみも追加され、遊技の興趣向上という観点でより好ましい。この場合、図55(a)に示すように、特定条件の難易度(所定の設定時間の長さ)に応じて付与するアイテムAの種類が異なるように設定してもよい。このようにすることで、より困難な特別条件が成立した場合の希少性を高め、アイテムAを収集する楽しさを増加させることができる。
また、付与するアイテムAの種類を、特別保留予告の実行中の遊技回演出に応じて異ならせてもよい。例えば、図55(a)に示すように、特別保留予告の実行中の遊技回において特定の図柄(例えば7が付された主図柄)の停止回数に応じて異ならせる構成としてもよい。このようにすることで、特別保留予告や実行中の遊技回への注目度をより高めることが可能となる。
さらに、上記実施形態では、キャラクタPMがアイテムAを装備することで、リーチ表示の態様が異なる構成としたが、特別条件の成立確率が変化する構成としてもよい。すなわち、例えば図56のフローチャートに示す操作対応減算処理のように、演出制御装置82のMPU242にて所定周期(2msec周期)で起動される処理において、操作に基づいて特別条件の調整を行う構成としてもよい。
具体的には、ステップS3701にて特別保留予告を実行中であるか否かを判定し、実行中である場合には、ステップS3702にて操作部75の操作が行われたか否かを判定する。操作が行われた場合には、ステップS2703にてアイテムAが表示されているか否かを判定する。ステップS3701〜ステップS3703のいずれかで否定判定した場合には、そのまま操作対応減算処理を終了する。
ステップS3703にてアイテムAが表示されている場合には、ステップS3704に進み、アイテムAの種類を選択する処理を実行する。この処理では、例えば、複数のアイテムAから今回選択するアイテムAの種類を表示する選択画面を表示する(図55(b)参照)。この選択画面では、これまでに付与されたアイテムA(携帯端末から入力された情報を含む)と、アイテムAの種類に対応する減算値情報とが表示される。減算値情報とは、図55(a)に示すように、アイテムAの種類に応じて設定された情報のうち、所定の設定時間から減算する時間の情報である。なお、変動表示中の図柄列Z1〜Z3は、例えば選択画面と重ならない領域で縮小表示される。そして、操作部75の操作信号に基づいてアイテムAの種類を選択する。
続くステップS3705では、選択されたアイテムAの減算値情報を把握する処理を実行する。そしてステップS3706にて、上記ステップS3705にて把握した減算値情報に基づくタイマカウンタTの減算処理を行い、ステップS3708にて減算時コマンドを表示制御装置212して、操作対応減算処理を終了する。減算時コマンドを受信した表示制御装置212側の処理については、上記のとおりである。
このように、付与された特典としてのアイテムAを特別条件に反映することが可能な構成とすることで、アイテムAを収集する楽しみを増加させるだけでなく、そのアイテムAを使用する楽しみを加え、そしてアイテムAを使用することで更にアイテムAを得やすい状況とする(特別条件に反映させる)楽しみも加わる。つまり、特別条件の成否をもちいて、連鎖的な楽しみが設定された遊技とすることができ、遊技への積極参加を促して遊技へより没頭させることが可能となる。
この場合、アイテムAの情報は、特別保留予告中に使用することで使用した分は消去される構成とするとよい。このようにすることで、さらなるアイテムAの収集意欲を掻き立てることができる。
また、今回の特別保留予告でアイテムAを使用しなければ、そのアイテムAは次の特別保留予告の実行までその使用を保留できる構成とするとよい。このようにすることで、例えば特別保留予告における特別条件に応じて、アイテムAを使用するか否かを考えたり、使用するアイテムAの種類を工夫したりさせることができ、より遊技への積極参加を促すことが可能となる。
さらに、特別保留予告の実行権利を保留可能な構成としてもよい。具体的には、例えば、特別保留予告設定処理において、特別保留予告の実行抽選に当選した場合に、特別保留予告の実行権利を得られる構成とする。実行権利を得た場合は、例えば表示画面G中に権利を保留している状態であることを示す権利画像を表示する。そして、この実行権利を遊技者の意図するタイミングで行使可能とし、具体的には、操作部75の操作に基づいて特別保留予告を実行可能とする。このようにすることで、特別保留予告において特別条件が成立し易い遊技状況(例えば、保留情報が複数存在する場合や、保留用画像Pの種類等によって変動表示時間が長いことが予想される場合)であったり、保留用画像Pの変化やアイテムAといった特典を得たいタイミング(保留情報の種類)など、特別保留予告の実行を遊技者の意志に委ねることができ、より遊技への積極参加を促すことができる。
この特別保留予告の実行権利を得られる契機としては、保留コマンド受信時の抽選に限定されず、例えば、遊技回数が所定数(例えば500回)に達した場合であってもよいし、所定の演出(例えばプレミア演出)が実行された場合であってもよいし、その所定の演出の実行回数が所定数に達した場合であってもよい。これらの場合、上記携帯端末等との連動を図る構成においては、複数台の延べ回数であってもよい。このようにすることで、様々な場面で特別保留予告の実行権利が得られ、遊技の多様化が図られる。
また、保留している特別保留予告の特別条件は、権利取得時の抽選等により設定されるものであってもよいし、権利行使時(特別保留予告の開始時)の遊技状況に応じて上記各実施形態のように設定する構成としてもよい。権利取得時に設定される構成の場合は、その特別条件(所定の設定時間)を遊技者が把握可能な構成(例えば、上記権利画像に合わせて特別条件を表示する構成)とするとよい。このようにすることで、権利行使のタイミングをより工夫することが可能となる。但し、特別条件について把握困難、又は把握不可能な構成としても、権利行使時の意外性を高めるという効果を見込むことができる。
<第7の実施形態>
本実施形態では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが区別される構成とし、いずれか一方への入賞(例えば下作動口34への入賞)に基づく保留情報の当否抽選が、他方への入賞に基づく保留情報の当否抽選よりも優先して実行される構成としている。
本実施形態における保留球格納エリア232の構成について図57を参照して説明する。
本実施形態における保留球格納エリア232は、第1取得情報記憶手段として設けられた第1結果表示部用保留エリアRaと、第2取得情報記憶手段として設けられた第2結果表示部用保留エリアRbと、を備えている。第1結果表示部用保留エリアRaは、上作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を時系列的に格納するための保留エリアである。なお、当該第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの1組の組み合わせが、上作動口33に係る保留情報に相当し、当該保留情報が本実施形態における特別情報に相当する。
また第2結果表示部用保留エリアRbは、下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を時系列的に格納するための保留エリアである。なお、当該第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの1組の組み合わせが、下作動口34に係る保留情報に相当し、当該保留情報が本実施形態における特別情報に相当する。
第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbは、それぞれ第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアと、保留数記憶領域とより構成されている。各記憶エリアは、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのC1記憶領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するためのC2記憶領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するためのC3記憶領域と、変動種別カウンタCSの値を格納するためのCS記憶領域とより構成されている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。
そして、本実施形態における作動口用の入賞処理(図7)では、上作動口33への入賞が発生した場合には、第1結果表示部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが4未満であることを条件に、対応する記憶エリアへ大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各バッファ値を格納する。また、下作動口34への入賞が発生した場合には、第2結果表示部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが4未満であることを条件に、対応する記憶エリアへ大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各バッファ値を格納する。
また、図による詳細な説明は省略するが、本実施形態では、メイン保留発光部45が上作動口33用の発光部(第1保留発光部)と、下作動口34用の発光部(第2保留発光部)と、に区別されて設けられている。図柄表示装置41の表示画面Gにおける保留表示領域Gaも、上作動口33用の保留表示領域(第1保留表示領域)と、下作動口34用の保留表示領域(第2保留表示領域)と、に区別されて設定されている。各保留発光部は、各保留記憶数RaN,RbNの最大記憶数に対応させて4つずつ設けられ、各保留表示領域も最大記憶数に対応させて4つずつに区画されている。
そして、上記の作動口用の入賞処理で設定される各保留コマンドには、いずれの作動口33,34への入賞に基づく保留コマンドであるかの情報が含まれている。さらに、演出制御装置82側の保留用記憶エリア250も、上作動口33に対応する第1記憶エリア〜第4記憶エリアと、下作動口34に対応する第1記憶エリア〜第4記憶エリアとが設定されており、保留表示制御用コマンド対応処理(図19)では各保留コマンドを受信したことに基づいて、対応する記憶エリアへ保留情報に関する情報が記憶される。そして、当該保留コマンドを受信した演出制御装置82は、対応する保留発光部を、保留記憶数の増加に対応させて制御する。表示制御装置212の保留表示用エリア271も、上作動口33に対応する第1単位エリア〜第4単位エリアと、下作動口34に対応する第1単位エリア〜第4単位エリアとが設定されている。演出制御装置82は、表示制御装置212を制御して、対応する保留表示領域に保留用画像を表示させるための処理を実行する。
次に、本実施形態におけるデータ設定処理について図58のフローチャートを参照して説明する。既に説明したとおり、データ設定処理は遊技回制御処理(図11)において各遊技回の開始に際して実行される処理である。
本実施形態におけるデータ設定処理では、先ずステップS3801にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS3802〜ステップS3807の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS3808〜ステップS3813の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNと第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNの合計数である共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS3802にて、第1結果表示部用保留エリアRaの保留記憶数RaNを1減算する。続くステップS3803では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS3804では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS3805にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS3806では、シフト時コマンドを設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS3807にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS301にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、第1保留発光部における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。さらに演出制御装置82は、表示制御装置212を制御して、対応する保留表示領域の保留用画像を変更させるための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS3807にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1減算する。続くステップS3808では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS2509では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS3810にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS3811では、シフト時コマンドを設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS3811にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS301にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、第2保留ランプ部における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。さらに演出制御装置82は、表示制御装置212を制御して、対応する保留表示領域の保留用画像を変更させるための処理を実行する。
したがって、本実施形態では、上作動口33への入賞に基づく保留情報が記憶されている場合であっても、当該保留情報が当否判定の対象となる前のタイミングで下作動口34への入賞が発生した場合には、下作動口34への入賞に基づく保留情報が先に当否判定の対象となる構成となる。そして、例えば上作動口33への入賞に基づく保留情報について特別保留予告を実行している場合に、下作動口34への入賞が発生すると、所定の設定時間が経過するための時間が増加する。すなわち、特別条件の成立確率が変化する(高くなる)。このように、特別保留予告を実行中の所定の入球部(下作動口34)への入球に基づいて、特別条件の成立確率が変化し得る構成とすることで、特別保留予告が開始された場合に、単にそれを見守らせるだけでなく、当該特別保留予告の実行中であっても上記所定の入球部へ入球させるべく、遊技球の発射を積極的に継続させることが可能となる。
<第8の実施形態>
上記各実施形態では、特別保留予告の対象となっている保留情報だけでなく、その他の保留情報の変動表示時間の情報が、特別保留予告における特別条件の成立に寄与する構成としたが、本実施形態ではこれを変更して、上記その他の保留情報における遊技回中の演出が特別保留予告における特別条件の成立に寄与する構成とする。
すなわち、遊技回中の各図柄列Z1〜Z3の停止結果が、特別保留予告における特別条件の成否に寄与する構成とする。具体的には、特別保留予告を、例えばビンゴゲームのように、所定の図柄の組合せを提示して、遊技回において当該提示した図柄の組合せの全部又は一部が停止した場合に特別条件が成立するようにする。このようにすることで、特別保留予告が発生した場合において、各遊技回の停止図柄に関心を寄せさせることができる。
本パチンコ機10のように、所定の入球部(上作動口33又は下作動口34)へ遊技球が入球したことに基づいて当否抽選の基となる保留情報を取得し、その保留情報を所定数を上限として記憶可能とした遊技機において、各保留情報の当否抽選に対応する遊技回演出に加えて、当否抽選前の保留情報についての保留予告(特別保留予告だけでなく保留用画像を用いた演出も含まれる)を行う構成とすると、この保留予告において大当たり期待度が高い演出が発生した場合には、その演出に対応する保留情報への注目度が高まる反面、それ以外の保留情報についての遊技回演出への注目度が低下してしまう可能性がある。そこで、上記のように、大当たり期待度の高い保留予告が発生した場合に、その保留予告を契機として発生する特別保留予告の演出を、実行中の遊技回の停止図柄と関連付ける構成とすれば、特別保留予告への注目度を高めることで、保留予告の対象となっている保留情報だけでなく、それ以外の保留情報についての遊技回演出への注目度を高めることが可能となる。
なお、本実施形態では、特別保留予告において特別条件の成否を各遊技回の停止図柄と関連付ける構成を例示したが、これに限定されず、保留予告(保留用画像の変化)を開始契機として、その保留予告の対象となっている保留情報以外の保留情報についての遊技回で所定の演出(特別保留予告)が行われる構成とし、その所定の演出において設定される特別条件の成否を、当該保留予告の対象となっている保留情報以外の保留情報に基づいて決定する構成とすればよい。
特別条件の成否は、当該保留予告の対象となっている保留情報以外の保留情報についての各遊技回の停止図柄の他、例えば、第2の実施形態のようにその保留情報の遊技結果と関連付けてもよいし、上記各実施形態における特別保留予告テーブル(例えば図27(a)や図33(a))のように保留情報の数と関連付けてもよく、保留情報取得の契機となった作動口33,34と関連付けてもよい。また、その保留情報の取得タイミングと関連付けてもよい。この取得タイミングとしては、例えば、対象とする保留情報と他の保留情報との取得タイミングの差であったり、RTC等を用いた内部時計と関連付けたタイミングであってもよい。
この具体的な構成について、以下、説明する。図60〜図63は、本実施形態における特別保留予告の概要を説明するための説明図である。
本実施形態における特別保留予告は、所定の保留情報の取得に基づいて開始され、当該開始の契機となった保留情報に係る遊技回とは異なる(契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に当否判定の対象となる)保留情報に係る遊技回が行われる状況で実行される。そして、その遊技回における各図柄列Z1〜Z3の停止結果を用いて、特別保留予告における特別条件の成否が判定される。
本実施形態では、特別保留予告として、各遊技回の停止結果を用いてビンゴゲームを行う特別演出Aと、各遊技回の停止結果を用いてロトゲームを行う特別演出Bと、が設けられている。特別演出Aと特別演出Bとでは、特別演出Aでは3つの図柄の組合せによって特別条件が成立し、特別演出Bでは2つの図柄の組合せによって特別条件が成立するように設定されており、基本的には特別演出Bのほうが特別演出Aよりも特別条件が成立し易くなっている。
先ず、特別演出Aについて説明する。図60(a)に示すように、第2単位保留表示領域Ga2に表示された保留用画像P2(B)についての保留情報を契機として特別演出Aが開始されたものとする。既に説明したとおり、保留用画像P2(B)は、遊技結果が大当たり結果であっても外れ結果であっても選択され得るものの、いずれかのスーパーリーチA〜Cが行われることが確定する保留用画像である。
この特別演出Aでは、ビンゴゲームにおいてビンゴが成立すれば、特別条件が成立したものとして、遊技者に特典が付与される。具体的には、特別演出Aが行われる場合には、「1」〜「9」のいずれかの数字(図柄)が配置されたビンゴカード300と、ビンゴゲームの進行状況を説明する説明部310と、が表示画面Gに表示される。この場合、各図柄列Z1〜Z3は、ビンゴカード300及び説明部310と重ならない領域として、表示画面Gの上部に縮小された上表示部GUに表示されるとともに、縦の各図柄列Z1〜Z3が横に並べて表示される(上図柄列Z1が左図柄列Y1、中図柄列Z2が中図柄列Y2、下図柄列Z3が右図柄列Y3)。また、各図柄列Y1〜Y3の変動方向も上から下へスクロールするように変更される。各図柄列Y1〜Y3は、左図柄列Y1、右図柄列Y3、中図柄列Y2の順で停止する。実施形態では、図柄列Y1〜Y3は主図柄(「1」〜「9」の数字が付された図柄)のみから構成され、上記各実施形態における副図柄(「1」〜「9」の数字が付されていない図柄)は含まれていない。そして、各図柄列Y1〜Y3において停止する図柄(「1」〜「9」)が、ビンゴカード300において各マスに配置される数字と対応する。
ビンゴカード300の内容(数字の配列)は抽選等によって決定され、その決定された内容によって特別条件が決定される。すなわち、9マスのビンゴカード300において、縦3列、横3列、斜め2列の合計8列の数字の組合せに対応する図柄が特別条件に相当する。図60(a)に示すビンゴカード300では、「1」、「2」、「3」の組合せ、「4」、「5」、「6」の組合せ、「7」、「8」、「9」の組合せ、「1」、「4」、「7」の組合せ、「2」、「5」、「8」の組合せ、「3」、「6」、「9」の組合せ、「1」、「5」、「9」の組合せ、「3」、「5」、「7」の組合せ、のそれぞれが特別条件となる。そして、各遊技回において図柄が停止する度に、停止した図柄に対応する数字のマスが成立済みのマスに切り換わり、8列のうちのいずれかの列のマスがすべて成立済みのマスに切り換わることでビンゴとなり、特別条件が成立する。なお、図柄列Y1〜Y3に副図柄が含まれる構成としてもよく、この場合、特別条件(ビンゴ)を成立させにくくすることができる。
本実施形態においては、成立済みのマスに切り換わった遊技回が終了して次の遊技回に移行しても、特別保留予告が継続している限り成立済みマスの情報は持ち越される構成としている。そのため、特別保留予告が実行されている状況で行われる遊技回が多いほど、特別条件は成立し易くなる。
例えば、図60(b)に示すように、特別演出Aが行われている状況で実行される遊技回において、各図柄列Y1〜Y3の停止結果として、左から主図柄「5」、「8」、「6」が停止した場合、ビンゴカード300におけるこれらの図柄に対応する数字のマスを、成立済み表示として、成立前後を遊技者が識別可能なように、例えば成立前とは異なる色で表示する。図60(b)におけるビンゴカード300の場合、「5」、「8」、「6」が成立済み表示されると、今回の遊技回では、ビンゴとはならずに特別条件が成立しないものの、ビンゴ成立の直前の状態として条件成立前状態(リーチ状態)となる。この条件成立前状態では、次回以降の遊技回で、「2」又は「4」に対応する図柄が停止すれば、ビンゴが成立して特別条件が成立し得る。そこで、そのような条件成立前状態である旨が、図60(c)に示すように、説明部310に表示されるとともに、リーチラインがビンゴカード300に重ねて表示される。
次の遊技回では、例えば、図61(a)に示すように、各図柄列Z1〜Z3の停止結果として、左から主図柄「3」、「2」、「3」が停止した場合、中図柄「2」によってビンゴが成立し、特別条件が成立した特典として、遊技者に例えば、レア画像のデータが1枚分付与される。また、次の遊技回において、例えば図61(b)に示すように、各図柄列Z1〜Z3の停止結果として、左から主図柄「3」、「7」、「9」が停止した場合、左図柄「3」と右図柄「9」によってビンゴが3列成立する。この場合、ビンゴの成立列の数(特別条件の成立の数)に応じて遊技者に付与する特典も多くなる(より遊技者にメリットのある特典となる)ように、例えばレア画像のデータを3枚分付与する。一方、次の遊技回において、例えば図61(c)に示すように、各図柄列Z1〜Z3の停止結果として、左から主図柄「3」、「1」、「3」が停止した場合、今回の遊技回ではビンゴが成立せず、且つ特別保留予告の開始の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に当否判定の対象となる保留情報に係る遊技回がもうないことから、特別条件は成立しなかったものとして、今回の特別保留予告(特別演出A)は終了する。そして、その旨の報知が説明部310によって行われる(例えば、「残念」といった文字表示、図61(c)参照)。
特別演出Bでは、図62(a)に示すように、ロトゲームにおいてロトが成立すれば、特別条件が成立したものとして、遊技者に特典が付与される。具体的には、特別演出Bが行われる場合には、複数の数字(図柄)が配置されたロトカード320と、ロトカードの進行状況を説明する説明部310と、が表示される。なお、説明部310については、特別演出Aのものと共用する構成としている。これは、演出用の画像データの記憶容量の削減を図る工夫である。この場合、各図柄列Z1〜Z3は、ロトカード320及び説明部310と重ならない領域として、表示画面Gの上部に縮小されて表示される(上表示部GU)。
ロトカード320の内容(数字の配列)は抽選等によって決定され、その決定された内容によって特別条件が決定される。すなわち、2マスのロトカード320において、2つの数字の組合せに対応する図柄が特別条件に相当する。図62(a)に示すロトカード320では、「1」及び「6」の図柄が停止することが特別条件となる。そして、各遊技回において図柄が停止する度に、停止した図柄に対応する数字のマスが成立済みのマスに切り換わり、ロトカード320の2マスいずれもが成立済みのマスに切り換わることでロトとなり、特別条件が成立する。
特別演出Bが行われている状況で実行される遊技回で、例えば図62(b)に示すように、各図柄列Y1〜Y3の停止結果が、左から主図柄「1」、「6」、「3」であった場合、「1」及び「6」が停止することでロトとなり、特別条件が成立し、遊技者に特典として例えばレア画像のデータ1枚分が付与される。一方、図62(c)に示すように、各図柄列Y1〜Y3の停止結果として、左から主図柄「1、「8」、「3」が停止した場合、今回の遊技回ではロトとならず、且つ特別保留予告の開始の契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に当否判定の対象となる保留情報に係る遊技回がもうないことから、特別条件は成立しなかったものとして、今回の特別保留予告(特別演出B)は終了する。そして、その旨の報知が説明部310によって行われる(例えば、「残念」といった文字表示、図62(c)参照)。
ここで、上記のとおり、特別条件Aと特別条件Bとでは、特別条件が成立するための図柄数が異なっている。すなわち、特別演出Aでは3つの図柄の組合せで特別条件が成立するのに対して、特別演出Bでは特別演出Aよりも少ない数である2つの図柄の組合せで特別条件が成立する。そのため、特別演出Aよりも特別演出Bのほうが、基本的には、特別条件が成立し易くなっている。
但し、特別演出Aであっても、ビンゴカード300に配置される数字の配列(図柄の組合せ)の種類によっては、特別演出Bよりも特別条件が成立し易くなり得る。例えば、特別演出Aのビンゴカード300におけるいずれかの列の数字が、「1」、「1」、「6」のように、3つの数字(図柄)のうちの2つの数字(図柄)が同じ数字で、もう1つの数字(図柄)が異なる列が存在する場合、この列における特別条件の成立確率は、図62の例における特別演出Bの成立確率と同じである。但し、この場合、特別演出Aでは、他の列が存在し、当該その他において他の数字の組合せによっても特別条件は成立し得る。そのため、このような場合には、特別演出Bよりも特別演出Aのほうが、特別条件の成立確率は高くなる。
特別演出A,Bの演出パターンの詳細について、以下、説明する。
図63(a)に示すように、特別演出Aの演出パターンとしては、ビンゴカード300の数字の配列が異なるように、特別演出A1、A2、A3が設定されている。特別演出A1では、9マスすべての数字が異なるように、各マスに数字が配置される。この数字の配置は、抽選等によってランダムに決定される。上記のように9マスすべての数字が異なるように設定するため、この特別演出Aにおいては、ビンゴカード300のいずれの列においても3つの数字の組合せによって特別条件の成否が判定される。
特別演出A2では、所定のマス(本実施形態では中央のマス)が演出開始時から成立済みのマスとなっており、具体的には当該成立済みのマスとして所定のマスに「F」と表示される。そのため、当該成立済みのマスを含む列(本実施形態ではすべての列)が、2つの数字の組合せによって特別条件が成立する。その結果、特別演出A2は特別演出Bと比較して、特別条件が成立するための組合せる数字の数は同じであるものの特別演出Aのほうが列(組合せの種類)が多いため、特別条件は成立し易くなる。さらに特別演出A2では、3つの数字の組合せのうちの2つの数字が同じ数字となるように設定されている。そのため、特別演出A2では、成立済みのマスを含む列においては、当該同じ数字である1種類の数字によって特別条件が成立する。
特別演出A3では、いずれのマスも演出開始時から成立済みのマスとなっており、具体的にはすべてのマスに「F」と表示される。つまり、特別演出A3は、演出開始時で特別条件が成立することが確定するプレミア演出となっている。
図63(b)に示すように、特別演出Bでは、ロトカード320の数字の配列が異なるように、特別演出B1、B2、B3が設定されている。特別演出B1では、2マスの数字が異なるように、各マスに数字が設定される。この数字の配置は、抽選等によってランダムに決定される。上記特別演出A1〜A3との関係からすると、特別演出B1は、特別演出A1より特別条件が成立し易く、特別演出A2,A3よりは特別条件が成立しにくい。
特別演出B2では、2マスの数字が同じ数字となるように設定されている。そのため、特別演出B2では、当該同じ数字である1種類の数字によって特別条件が成立する。特別演出A2と比較すると、両者は同じように1種類の数字によって特別条件する構成であるものの、ビンゴカード300の列の数の分だけ特別演出A2のほうが特別演出B2よりも特別条件が成立し易い。なお、特別演出B2において、左右いずれか一方のマスを「F」としても、同様の効果を奏する。
特別演出B3では、いずれのマスも演出開始時から成立済みのマスとなっており、具体的には左右のマスに「F」と表示される。つまり、特別演出B3は、演出開始時で特別条件が成立することが確定するプレミア演出となっている。
各遊技回において、各図柄列Y1〜Y3の図柄が停止する回数は変動表示時間の長さによって異なっており、変動表示時間が長くなるほど図柄が停止する回数が多くなり得る。すなわち、図63(c)に示すように、変動表示時間が5sec〜10secに設定される遊技回(通常外れ)はリーチが発生しない遊技回に相当し、各図柄列Y1〜Y3は左、右、中の順で停止して、各図柄列Y1〜Y3はそれぞれ1回ずつ停止するため、合計の停止回数は3回である。この場合、停止図柄の種類(以下、停止図柄種数という)は、2種類(左と中が同じであったり、中と右が同じであったりする場合)又は3種類となる。
変動表示時間が15sec〜20secに設定される遊技回(ノーマルリーチ)の場合には、先ず、左、右の順で図柄が停止し、これら左右に同じ種類の図柄が停止することでリーチラインが形成される。このノーマルリーチでは、中図柄列Y2は、大当たり図柄(リーチラインを形成する図柄)の3つ手前の図柄からコマ送りとなる。すなわち、大当たり図柄の3つ手前の図柄、2つ手前の図柄、1つ手前の図柄、が順番に停止する。そして、大当たり図柄の1つ手前の図柄が停止してから、次の図柄(大当たり図柄)に変動するか、それともそのまま遊技回が終了するか、の煽り演出が行われる。この場合、遊技結果が大当たり結果であれば煽り演出後に次の図柄に変動して大当たり図柄が停止して、外れ結果であればそのまま1つ手前の図柄で停止して遊技回が終了する。中図柄列Y2において大当たり図柄が停止した場合には、リーチラインを形成している図柄と同じ図柄が停止することになり、停止図柄種数は増加しない。また、中図柄列Y2において大当たり図柄の1つ手前の図柄が停止した場合であっても、停止図柄種数は増加しない。そのため、遊技結果がいずれの場合であっても、停止図柄種数は4種類となる。
変動表示時間が45sec〜60secに設定される遊技回(スーパーリーチA,B)の場合には、上記のノーマルリーチにおける煽り演出後に、スーパーリーチA又はスーパーリーチBに発展する。すなわち、ノーマルリーチにおいて、大当たり図柄の1つ手前の図柄が停止した後に煽り演出が行われ、その後、スーパーリーチA,Bとして、中図柄列Y2が高速変動表示が行われてから、ムービー演出やアニメーション演出のリーチ演出が行われる。なお、これらムービー演出やアニメーション演出は、ビンゴカード300や説明部310、ロトカード320等の背景の演出として行われる。スーパーリーチAとスーパーリーチBとでは、演出の内容及び大当たり期待度が異なるように設定されている。そして、これらスーパーリーチA,Bでは、いずれも、大当たり図柄又は大当たり図柄の1つ先の図柄のいずれかが停止する演出を経て、大当たり結果であれば最終的に大当たり図柄が停止し、外れ結果であれば大当たり図柄の1つ先の図柄が停止する。すなわち、外れ結果であれば停止図柄種数は1つ増える。そのため、停止図柄種数は、大当たり結果であれば4種類であり、外れ結果であれば5種類である。
変動表示時間が90secに設定される遊技回(スーパーリーチC)の場合には、上記のスーパーリーチA,Bが行われて中図柄列Y2が大当たり図柄の1つ先で一旦停止した後(停止図柄種数が5種類となった後)、更に中図柄列Y2が再変動を行って、遊技結果に対応する図柄が停止する。この場合、大当たり結果であれば再変動後に大当たり図柄が停止し、外れ結果であればリーチラインを形成している図柄とは関係なく大当たり図柄以外の図柄がランダムに停止する。すなわち、外れ結果であれば停止図柄種数は1つ増えることがある(ノーマルリーチ等で、それ以前に停止した図柄が再停止する場合もある)。そのため、停止図柄種数は、大当たり結果であれば5種類であり、外れ結果であれば5種類又は6種類である。
以上のとおり、各遊技回において停止図柄種数は変動表示時間が長くなればなるほど多くなり易くなるように設定されており、遊技回の変動表示時間が長くなると、特別保留予告においてビンゴやロトが成立し易く、特別条件が成立し易くなる。
次に、本実施形態における保留制御用コマンド対応処理について、図64のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3901〜ステップS3903では、上記ステップS1201〜ステップS1203の処理と同様の処理を実行する。ステップS3904では、保留予告カウンタが「1」未満であるか否かを判定する。「1」未満である場合には、ステップS3905にて特別保留予告設定処理を実行する。この設定処理については、後に詳細に説明する。ステップS3904にて否定判定した場合、又はステップS3905の処理を実行した後は、ステップS3906にてステップS1208の処理と同様に保留増加用処理を実行した後、本コマンド対応処理を終了する。
なお、本実施形態における保留増加用処理では、特別保留予告を実行する場合には、ステップS3903にて決定した保留用画像に関わらず第2保留用画像P2(B)を表示するように表示制御装置212を制御する。後述するように、本実施形態では、特別保留予告は、大当たり結果である場合又は外れ結果であってもスーパーリーチA〜Cが発生する場合に実行される。
ステップS3901にて否定判定した場合には、ステップS1209〜ステップS1213の処理と同様にステップS3907〜ステップS3911の処理を実行してから、本コマンド対応処理を終了する。
次に、本実施形態における特別保留予告設定処理について、図65のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS4001では、今回の保留情報を取得する前の保留個数を把握する処理として、今回取得した保留情報以外の保留情報の記憶数、具体的には副側保留記憶数SNから「1」を減じた数値を把握する処理を実行する。続くステップS4002では、今回受信した保留コマンドにおける保留情報の遊技結果を把握する処理を実行する。そして、ステップS4003にて、特別保留予告用の抽選処理を実行する。当該抽選処理では、ステップS4001にて把握した今回取得した保留情報以外の保留情報の数と、ステップS4002にて把握した今回取得した保留情報の遊技結果と、ROM243に記憶されている特別保留予告用の抽選テーブルと、に基づいて、特別保留予告を実行するか否かを判定する。
ここで、ステップS4003にて行う抽選処理で参照される抽選テーブルについて説明する。
図66(a)に示すように、本実施形態では、特別保留予告を実行するか否かは、保留情報を取得した時点での他の保留情報の記憶数と、当該取得した保留情報についての遊技結果と、によって決定されるように設定されている。すなわち、取得した保留情報がいずれの場合であっても、他の保留情報の記憶数が0個(副側保留記憶数SN=1)の場合には、特別保留予告は実行されない。また、他の保留情報の記憶数が1個〜3個の場合には、今回取得した保留情報の遊技結果に関わらず、他の保留情報の記憶数が多いほど特別保留予告の実行確率(特別保留予告を実行するか否かの抽選処理における当選確率)は高くなる。そして、同じ保留情報の記憶数であっても、今回取得した保留情報が大当たり結果である場合には、外れ結果である場合よりも、特別保留予告の実行確率が高くなる。なお、遊技結果が外れ結果である場合には、変動表示時間の情報を特定して、スーパーリーチに対応する場合に外れ時の抽選処理を実行し、そうでない場合には抽選処理そのものを実行しない。
本実施形態では、今回取得した保留情報の遊技結果を特別保留予告の実行確率に反映させる構成としたが、今回取得した保留情報に係る変動表示時間を先に特定し(上記第1の実施形態を参照)、その変動表示時間が特定可能であって比較的長時間の変動表示時間となる遊技回である場合(例えばスーパーリーチに対応する変動表示時間である場合)に特別保留予告を実行し易い構成としてもよいし、所定の時間以上の変動表示時間の場合のみ特別保留予告を実行する構成としてもよい。このようにすることで、特別保留予告が行われることによって当該特別保留予告の契機となった保留情報と、それ以外の保留情報と、への注目度の高低の差が大きくなり得るため、当該特別保留予告の契機となった保留情報とは異なる保留情報に係る遊技回にて特別保留予告(特別演出Aや特別演出B)を実行する意義を高めることが可能となる。
また、全ての保留情報についての変動表示時間を特定する構成ではなく、今回取得した保留情報以外の保留情報についての変動表示時間を先に特定し、そのうちのいずれかの保留情報についての変動表示時間が比較的長時間の変動表示時間である場合に、特別保留予告を実行し易くなる構成としてもよい。上記のように変動表示時間が長くなれば停止図柄種数も多くなり得る構成であるため、このような比較的長時間の変動表示時間である保留情報が含まれていれば、特別条件は成立し易くなる。
ここで、本実施形態では、上記のように第2保留用画像P2(B)を特別保留予告の実行の契機となった保留情報に係る保留用画像として表示する構成としている。ただし、特別保留予告の実行の契機となった保留情報とそれ以外の保留情報とを明確に区別可能とすべく、当該実行の契機となった保留情報についての保留用画像を、他の保留用画像とは異なる(識別可能な)画像としてもよい。
なお、通常出現し得る保留用画像P1〜P5を特別保留予告の実行時にも用いる構成とすれば、専用の保留用画像を記憶するよりも記憶容量の削減が図られるし、通常の保留用画像が表示された場合であっても、特別保留予告が発生するのでは、と期待させることができ、演出への関心を途切れさせない、といった効果も期待できる。本実施形態では、特別保留予告におけるビンゴカード300やロトカード320を、特別保留予告の契機となった保留情報の取得後に開始される遊技回の開始時に表示させる構成としており、保留用画像の表示タイミング(保留取得時)よりも特別保留予告の開始のほうが後のタイミングとなっている。そのため、上記のように通常の保留用画像が表示された場合であっても、その後に特別保留予告が実行され得るのでは、という期待感はより一層高められることになる。
図65の説明に戻り、ステップS4003にて抽選処理を実行した後は、当該抽選処理の結果に基づいてステップS4004にて特別保留予告を実行するか否かを判定する。実行しない場合には、そのまま本設定処理を終了する。実行する場合には、ステップS4005に進む。
ステップS4005では、今回の特別保留予告における演出パターンを設定する処理を実行する。この処理では、ROM243に記憶されている大当たり用の演出パターンテーブル又は外れ用の演出パターンテーブルを参照して演出パターンを設定する。これら演出パターンテーブルでは、今回取得した保留情報についての遊技結果と、当該保留情報を取得した時点での他の保留情報の記憶数と、によって、今回の特別保留予告において実行する演出パターンが異なるように設定されている。
具体的には、図66(b)及び図66(c)に示すように、大当たり用の演出パターンテーブルと外れ用の演出パターンテーブルとを比較すると、大当たり用のほうが外れ用よりも特別保留予告における特別条件が成立し易い演出パターンが選択され易くなっている。演出の開始時に特別条件が成立することが確定する特別演出A3や特別演出B3は、大当たり用の演出パターンテーブルのみ選択されるようになっている。また、演出開始時から成立済みのマスが含まれる特別演出A2や特別演出B2は、大当たり用のほうが外れ用よりも選択され易くなっている。そして、既に説明したとおり、特別演出Aよりも特別演出Bのほうが特別条件が成立し易くなっており、外れ用よりも大当たり用のほうが特別演出Bが選択される割合が高くなるようになっている。そのため、今回取得された保留情報の遊技結果との関係で、大当たり結果であるほうが外れ結果である場合よりも特別条件が成立し易い特別保留予告が行われる。これにより、特別保留予告において特別条件が成立することと、その予告の契機となった保留情報の遊技結果とをリンクさせ、単に特別条件が成立することで特典(レア画像のデータ)が付与される喜びだけでなく、大当たりに結びつくのでは、と期待させることが可能となり、各遊技回の演出及び特別保留予告を関連付けながらいずれに対しても関心を寄せさせることができる。
保留記憶数との関係では、特別演出Aは保留記憶数が多いほうが選択され易く、特別演出Bは保留記憶数が少ないほうが選択され易い。そのため、保留記憶数の多い少ないに関わらず、状況に応じて成立し易さを柔軟に変更することが可能となり、特別保留予告の開始時に保留記憶数が少ないことによって、遊技者が早々に諦めてしまう事象を抑制することができる。
ここで、上記のように、特別条件の成立し易さ、という観点からすると、同じ保留記憶数である場合には、特別演出Aよりも特別演出Bのほうが成立し易い。但し、これらの特別演出Aや特別演出Bにおいてその詳細な演出パターンと、特別条件の成立し易さと、の関係からすると、特別演出A3や特別演出B3を除いて、特別演出A2が最も成立し易く、特別演出A1が最も成立しにくく、A2、B2、B1、A1の順で成立し易い。そして、本実施形態では、これらの詳細な成立し易さの順番と、選択され易さと、が一対一で対応していない構成としている。このようにすることで、例えば、特別演出Aが開始された時点では特別条件が成立しないのでは、と思わせつつ、より詳細に各マスのパターンを見て特別演出A2(やA3)であった場合の喜び(特別条件が成立するのでは、という逆の感情)を与え、演出の抑揚をつけてより遊技へ没頭させることが可能となる。
なお、特別保留予告の契機となった保留情報の遊技結果に関わらず特別保留予告の演出パターン(特別演出A1〜A3,B1〜B3)を抽選等で決定する構成としてもよく、上記のように遊技結果に基づいて演出パターンを決定する構成とを両者を備える構成としてもよい。遊技結果に関係なく演出パターンを決定する構成を備えることで、各遊技回の演出と特別保留予告とが別々の演出である印象をより強めることができ、例えば、遊技回側の演出から特別保留予告側の演出の結果(特別条件の成否)が予測されてしまう、といった事象の発生を抑制することが可能となる。また、上記両者を備える構成とすれば、遊技回の演出上、特別条件を成立させたほうがよい状況(変動表示時間が長いのにも関わらず外れ結果が続いて注目度の低下が懸念される状況や、単位時間当たりの特別条件の成立確率が低い状況等)や成立させないほうがよい状況(遊技回の変動表示時間が短い等により特典付与に対する時間を確保することが困難な状況や、単位時間当たりの特別条件の成立確率が高い状況等)において、演出上の矛盾や不都合を回避することが可能となり、演出設計の容易化が図られる。
図65の説明に戻り、続くステップS4006では、ステップS4005にて決定した演出パターンに基づいて、特別条件の設定、すなわち各マスに配置する数字(図柄)を抽選等によって決定する。そしてステップS4007にて、上記ステップS4005及びステップS4006にて決定した内容を含む特別保留予告コマンドを表示制御装置212への出力対象として設定する。表示制御装置212では、この特別保留予告コマンドを受信することに基づいて、対応する演出パターンの画像データをキャラクタROM256から読み出し、そのデータに基づいて特別保留予告を実行するように図柄表示装置41を制御する。なお、本実施形態では、特別保留予告は遊技回の開始時から行われる構成としている。そのため、特別保留予告コマンドを受信した表示制御装置212は、その受信したタイミングで実行している遊技回の次の遊技回から、特別保留予告を行うよう、図柄表示装置41を制御する。
ステップS4007の処理を実行した後は、ステップS4008にて保留予告カウンタYKに「1」を加算する処理を実行してから、本設定処理を終了する。ステップS4008の処理を行うことにより、次の保留制御用コマンド対応処理においてステップS3904にて否定判定することになる。すなわち、本実施形態では、特別保留予告が同時に重複して行われることがないように設定されている。このようにすることで、遊技の極端な複雑化によって逆に注目度が低下してしまうといった事象を回避することができる。ちなみに、保留予告カウンタYKは、特別保留予告の契機となった保留情報が当否判定の対象となる遊技回の開始時(特別保留予告の終了時)に初期値「0」にクリアされる。
次に、本実施形態における変動中用処理について、図67のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態では、ステップS4101にて特別保留予告を実行中の遊技回か否かを判定する。この処理では、RAM244に実行中フラグが格納されているか否かによって、特別保留予告を実行中であるか否かの判定を行う。この実行中フラグは、特別保留予告の開始時にRAM244に格納され、終了時に消去されるフラグである。特別保留予告を実行中ではない場合には、ステップS4102にて通常の変動中用処理を実行してから、本処理を終了する。ステップS4102の処理では、図39の変動中用処理におけるステップS2607の処理を除く他の処理が行われる。
また、上記のように本実施形態において特別保留予告は、各遊技回の開始時から実行されるものとしている。この特別保留予告の開始処理は、変動表示制御処理(図38)の変動開始用処理(ステップS2503)にて行われる。図による具体的な説明は省略するが、変動開始用処理(ステップS2503)では、当該開始用処理の起動時に保留予告カウンタYKが「1」であるか否かの判定を行うとともに、「1」である場合には、特別保留予告を実行中であるか否かの判定を行い、実行中ではない場合には、特別保留予告の開始処理を実行する。この特別保留予告の開始処理では、RAM244に上記の実行中フラグを格納するとともに、上記ステップS4007にて出力設定された特別保留予告コマンドに基づく特別保留予告(各図柄列Z1〜Z3の変動表示から上表示部GUでの各図柄列Y1〜Y3変動表示に変更するとともに、上記特別保留予告設定処理で設定された演出パターンや特別条件の特別保留予告)を行うように図柄表示装置41の表示制御等を行う。また、保留予告カウンタYKが「1」であっても特別保留予告の実行中である場合には当該特別保留予告の演出を継続して実行するよう、図柄表示装置41の表示制御等を行う。なお、特別保留予告の終了処理は、その特別保留予告の契機となった保留情報に係る遊技回へのシフト時に実行される。この処理については、後に詳細に説明する。
ステップS4101にて特別保留予告を実行中の遊技回であると判定した場合には、図39におけるステップS2607を除く処理、具体的には、上記ステップS2601〜ステップS2606、ステップS2608〜ステップS2616の処理と同様に、ステップS4103〜ステップS4117にて、各図柄列Y1〜Y3の減速タイミングにて減速処理を行ったり、停止タイミングにて停止処理を行ったり、変動中のその他の演出を実行したりする。ちなみに、本実施形態におけるステップS4115の処理では、中図柄列Y2の停止タイミングであるか否かの判定だけではなく、中図柄列Y2の仮停止タイミングであるか否かの判定も行い、いずれかのタイミングであれば肯定判定する構成としている。仮停止タイミングとは、既に説明したリーチ演出において、中図柄列Y2を一旦停止させるタイミング(コマ送り演出時等の一旦停止タイミング)を意味する。
なお、上記のように特別保留予告を実行中の遊技回では、上図柄列Z1が左図柄列Y1に、中図柄列Z2が中図柄列Y2に、下図柄列Z3が右図柄列Y3に対応し、減速順序や停止順序もそれぞれ通常時の変動表示における順序に対応している(通常時の変動表示における順序と同じである)。また、減速タイミングや停止タイミングについてもそれぞれ通常時の変動表示におけるタイミングに対応している(通常時の変動表示におけるタイミングと同じである)。
そして、本実施形態では、各図柄列Y1〜Y3の停止処理(ステップS4112、ステップS4114、ステップS4116)を実行した後に、ステップS4118にて停止時の特別保留予告用処理を実行して、変動中用処理を終了する。なお、上記のように本実施形態では、下図柄列Z3の減速処理後の特別保留予告用処理(ステップS2607)は行わない。
停止時の特別保留予告用処理(ステップS4118)について、図68のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS4201では、今回の停止処理で停止させた図柄列の停止図柄を把握する処理を実行する。なお、この処理では、各遊技回の開始時に実行される変動開始用処理(ステップS2503)において今回の遊技回用に設定された演出パターン及び停止図柄を把握することで、今回停止させた図柄列の停止図柄を把握することができる。なお、上記のように設定済みの演出パターン及び停止図柄を確認する構成に代えて、又は加えて、停止時に実際に停止している図柄を確認する構成としてもよい。例えば、直前の停止処理(ステップS4112、ステップS4114、ステップS4116)にて停止又は仮停止させた図柄を一時的にRAM244やレジスタに記憶しておき、それを参照する構成としてもよいし、例えば各図柄列Y1〜Y3(Z1〜Z3)の変動に合わせて変化するカウンタ等を設け、当該カウンタによって変動中の各図柄の位置を把握可能とし、そのカウンタを確認することで今回停止させた図柄を把握可能な構成としてもよい。
続くステップS4202では、実行中の特別保留予告における特別条件を把握する処理を実行する。すなわち、特別条件として各マスに配置されている数字(図柄)を把握するとともに、それらのマスが成立済みのマスか否かを把握する。この処理の具体的な構成としては、例えばRAM244に特別保留予告において設定されるマスの数(9個又は2個)の記憶領域を設け、それらの各記憶領域にて、そのマスの位置と、特別条件として配置される数字(図柄)を記憶可能する。また、それぞれの記憶領域に対応させて、成立済みのマスか否かを把握するためのフラグを格納する領域を設ける。各記憶領域とマスの位置の対応付けには、例えば1〜9まで更新可能で最大値(9)まで更新されると初期値(1)に戻るループカウンタを利用する。ステップS4202では、例えば、1の番号に対応するマスの記憶領域から9の番号に対応するマスの記憶領域まで、各記憶領域に記憶されている数字(図柄)の情報とそれが成立済みのマスか否かの情報と、を繰り返し収集する。なお、実行中の特別保留予告が特別演出Bであれば、各記憶領域のうち1〜2の番号の記憶領域に数字の情報とそれらが成立済みのマスか否かの情報を収集する。
上記構成において、各記憶領域の情報のうち、成立済みのマスか否かの把握処理を、当該マスに配置される数字(図柄)の情報を把握する処理よりも先に実行する構成とするとよい。成立済みのマスに関しては、数字(図柄)の情報を把握する必要がないため、当該処理を省略することが可能となり、処理構成の簡素化を図ることができる。
ステップS4202にて特別条件の把握処理を実行した後は、続くステップS4203にて、今回停止させた図柄が特別条件の一部を構成する図柄か否かを判定する。なお、この処理では、特別条件の一部を構成する図柄であっても、成立済みのマスに対応するものである場合には、否定判定するものとする。ステップS4203にて肯定判定した場合にはステップS4204にて対応用処理を実行し、ステップS4203にて否定判定した場合にはステップS4205にて非対応用処理を実行する。
ステップS4204の対応用処理では、今回停止させた図柄に対応するマスを、成立済みのマスに変更するための処理を実行する。具体的には、当該対応するマスの情報を含むコマンドを表示制御装置212へ出力設定する。当該コマンドを受信した表示制御装置212は、その対応するマスを成立前とは識別可能に変更するように、例えばその対応するマスの背景を成立前の背景とは異なる色の背景とするなど、キャラクタROM256から画像データを読み取り、その画像データを表示するように図柄表示装置41を制御する。
一方、ステップS4205の非対応用処理では、今回停止させた図柄列の図柄に対応するマスがないことを報知するための処理を実行する。具体的には、対応するマスがないことの情報を含むコマンドを表示制御装置212へ出力設定する。当該コマンドを受信した表示制御装置212は、対応するマスがないことを示す演出(例えば、所定のキャラクタが残念がっている画像を表示する演出や、説明部310で「あれれ・・・」といった表示演出等)を行うよう、キャラクタROM256から画像データを読み取り、その画像データを表示するように図柄表示装置41を制御する。
なお、今回停止させた図柄に対応するマスがないものの、既に成立済みのマスには対応している場合には、上記の演出とは異なる演出を行う構成としてもよい。具体的には、例えば、今回停止させた図柄と、その図柄に対応する成立済みのマスと、を比較しながら所定のキャラクタが残念がる画像を表示する演出としてもよいし、説明部310にて「それは成立済みだよ」と表示する演出としてもよい。このようにすることで、単に今回は対応するマスがないだけではなく、以前に停止した図柄と重複していたことを遊技者は明確に把握することができ、より特別保留予告に関心を寄せさせることができる。
また、以前に停止した図柄と重複していた、ということは、例えば、右図柄列Y3の停止処理においてこの事象が発生した場合には、その以前に停止した図柄が左図柄列Y1に対応するものであれば、左右の図柄列によってリーチラインが形成されるため、今回の遊技回ではリーチ表示が発生することになる。そのため、この以前に停止した図柄と重複していた事象が発生する、ということは、特別条件の成否という観点からすると特別条件の成否には寄与しないものの、遊技回の遊技結果という観点からすると遊技結果が大当たり結果となる可能性が高くなる。そのため、上記のように、以前に停止した図柄と重複していた場合には、それを報知する構成とすれば、特別保留予告から遊技回への関心の対象を移させることができ、これら特別保留予告と遊技回とをより密接に関係付けながら演出を楽しませることが可能となる。
なお、上記のように以前に停止した図柄と重複していた場合に、遊技回の遊技結果が大当たり結果となる可能性が高くなる構成としては、リーチ表示が発生する場合に限定されず、同じ図柄や同じ種類の図柄が連続して停止する所謂チャンス目表示(連続演出)によって、大当たり結果となる確率が高くなる構成としてもよい。すなわち、大当たり結果となる可能性が高くなる遊技回は、上記重複が発生した遊技回に限定されず、それ以降の遊技回であってもよい。そして、停止図柄の重複も複数の遊技回に亘って停止する図柄を対象とするものであってもよい。
ステップS4204又はステップS4205の処理を実行した後は、ステップS4206に進む。ステップS4206では、今回の停止処理によって特別条件が成立したか否かを判定する。具体的には、特別演出Aであれば、今回成立済みのマスに切り換えられたことによってビンゴラインが形成されたか否かを判定し、特別演出Bであれば、今回成立済みのマスに切り換えられたことによってロトが成立したか否かを判定する。そして、ステップS4206にて肯定判定した場合には、特別条件が成立したことを示す条件成立フラグをRAM244に格納する処理を実行するとともに、ステップS4207にて特別条件の成立に基づいて特典を付与するための特典付与処理を実行する。ステップS4206にて特別条件が成立していないと判定した場合、又はステップS4207の処理を実行した後は、停止時の特別保留予告用処理を終了する。
特典付与処理(ステップS4208)について具体的には、図69のフローチャートに示すように、先ず、ステップS4301にて今回停止させた図柄列を把握する処理を実行する。すなわち、今回停止させた図柄列が、左図柄列Y1なのか、右図柄列Y3なのか、中図柄列Y2なのかを把握する処理を実行する。
続くステップS4302では、ステップS4301の処理結果に基づいて、今回停止させた図柄列が左図柄列Y1であるかを判定する。左図柄列Y1である場合には、ステップS4303にて付与処理を実行する。この付与処理では、特別条件が成立したことを示すコマンドを表示制御装置212へ出力設定する。当該コマンドを受信した表示制御装置212は、成立した特別条件に応じた特典を付与するよう、特典としてのレア画像等のデータを読み取らせるための画像データをキャラクタROM256から読み出し、その画像を表示するよう図柄表示装置41を制御する。
ステップS4302にて左図柄列Y1ではない場合、ステップS4304にて右図柄列Y3であるか否かを判定する。右図柄列Y3である場合には、ステップS4305にて左右の図柄列Y1,Y3にてリーチラインが形成されているか否かを判定する。リーチラインが形成されていない場合には、上記のステップS4303に進み、付与処理を実行する。
ステップS4304にて右図柄列Y3ではなく中図柄列Y2である場合、又はステップS4305にて左右の図柄列Y1,Y3にてリーチラインが形成されてリーチ表示となっている場合には、ステップS4306に進む。ステップS4306では、付与持越し処理を実行する。この処理では、今回の遊技回中では特別条件成立に応じた特典を付与せずに、それ以降に付与するように持ち越すための処理を行う。本実施形態では、今回の遊技回中ではなく、今回の遊技回の終了時に上記の特別条件成立に応じた特典を付与することとしている。そして、その持ち越すための処理として、RAM244に、特別条件が成立したものの、未だ特典が付与されていない持越し状態であることを示す持越しフラグを格納する処理を実行する。
また、この持越し処理では、上記の持越し状態であることを示すコマンドを、表示制御装置212へ出力設定する。当該コマンドを受信した表示制御装置212は、持越し状態であることを報知するように、例えば、キャラクタを表示したり、説明部310にて「後で特典をあげるね」といった文字表示を行うよう、それらの画像データをキャラクタROM256から読み出し、その画像を表示するよう図柄表示装置41を制御する。
ステップS4303にて付与処理を実行した後、又はステップS4306にて付与持越し処理を実行した後は、本特典付与処理を終了する。
次に、本実施形態における保留制御用コマンド対応処理(図64)におけるシフト時の特別保留予告用処理(ステップS3910)を、図70のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS4401では、既に特別条件が成立しているか否かを判定する。この処理では、上記のステップS4206にて肯定判定した場合に格納する条件成立フラグを確認することで、特別条件の成否を把握することができる。特別条件が成立している場合には、ステップS4402に進み、特典が付与されたか否かを判定する。この処理では、上記の持越しフラグ(ステップS4306の持越し処理にて格納)の有無を把握し、当該持越しフラグが格納されていれば特典が付与されておらず、持越しフラグが格納されていなければ特典が付与されていると判定する。持越しフラグが格納されており、特典が付与されていなければ、ステップS4403にて付与処理を実行する。この処理は、上記ステップS4303の処理と同様の処理である。
但し、ステップS4403の付与処理にて特典を付与する場合、シフト後の遊技回が開始された後も所定期間(例えば10sec)に亘って、特典を付与するための画像を継続して表示する。このようにすることで、特典が付与された(コードが表示された)のにもかかわらず、その特典(コード)を読み取ることができないといった不都合の発生を回避することができる。この場合、当該シフト後の遊技回の変動表示時間の長さに関わらず、特典を付与するための画像を継続して表示する構成とするとよい。このようにすれば、シフト後の遊技回が終了することに基づいて当該付与するための画像表示が終了してしまう、といった不都合を回避することができる。
ステップS4401にて特別条件が成立していないと判定した場合、ステップS4402にて特典付与済みである場合(持越しフラグが格納されていない場合)、又はステップS4403の処理を実行した後は、ステップS4404に進む。ステップS4404では、今回のシフトが特別保留予告の契機となった保留情報へのシフトか否か、すなわち、次の遊技回が特別保留予告の契機となった保留情報に係る遊技回か否かを判定する。ステップS4404にて肯定判定した場合には、ステップS4405に進み、特別保留予告の終了処理を実行する。具体的には、特別保留予告が終了することを示すコマンドを、表示制御装置212への出力対象として設定する。当該コマンドを受信した表示制御装置212は、特別保留予告を終了するための処理を行う。例えば、説明部310等にて「また遊んでね!」といった特別保留予告が終了することの説明を示す画像データをキャラクタROM256から読み出し、その画像データを表示するよう図柄表示装置41を制御する。また、特別保留予告の終了処理では、今回の特別保留予告において用いた各種フラグ(実行中フラグ、成立済みフラグ、持越しフラグ等)や各種カウンタ(保留予告カウンタYK等)の初期化(クリア)処理を行う。その後、シフト時の特別保留予告用処理を終了する。
なお、この特別保留予告の終了時の演出については、シフト後(次の遊技回の開始後)も所定期間(例えば3sec)に亘って継続される構成とするとよい。これにより、当該終了時の演出が見逃されることが抑制されるだけでなく、その終了時の演出が行われる遊技回が特別保留予告の契機となった保留情報に係る遊技回であることを、遊技者に明確に把握させることができる。
また、この特別保留予告の終了時の演出と、上記ステップS4403の付与処理と、が重なる場合には、付与処理の演出を優先し、その後に特別保留予告の終了時の演出を行う。この場合、特別保留予告の抽選処理(ステップS4003)において、今回取得した保留情報に係る遊技回の変動表示時間を特定して、上記の特典を付与するための画像を継続して表示する期間以上の長さである場合に、特別保留予告を実行可能とする構成(すなわち、直当たりBの変動表示時間が短い場合を除く他の場合に特別保留予告を実行可能とする構成)としてもよい。このようにすれば、特別保留予告の契機となった保留情報に係る遊技回の終了前に、特典を付与するための表示を終了することができ、例えば、次の遊技回にて新たな特別保留予告を発生させる場合など、処理や表示が重複してしまう不都合の発生を回避することができる。また、保留用画像によってスーパーリーチA〜Cが発生すると期待している遊技者にとっては、スーパーリーチ前のノーマルリーチが行われている状況は、比較的注目度が低下し得る所謂待ち時間となる可能性がある。そこで、このような状況(すなわちスーパーリーチへの発展前の状況)で特典を付与する構成とすれば、その待ち時間を特別保留予告側で有効利用し、注目度をバランスよく高めることができる。
ステップS4404にて否定判定した場合には、ステップS4406に進み、次の遊技回中に特別条件が成立し得る状態である条件成立前状態であるか否かを判定する。条件成立前状態である場合には、続くステップS4407にて条件成立前状態であることを報知するための処理を実行する。具体的には、条件成立前状態であることを示すコマンドを、表示制御装置212への出力対象として設定する。当該コマンドを受信した表示制御装置212は、条件成立前状態であることを説明部310にて示すための画像データ(例えば、「リーチ」という表示、図60(c)参照)をキャラクタROM256から読み出し、その画像データを表示するよう図柄表示装置41を制御する。その後、シフト時の特別保留予告用処理を終了する。
ここで、条件成立前状態を、例えば、あと1マスでビンゴ又はロトが成立する状態を条件成立前状態としてもよいし、次の遊技回の停止図柄種数に応じて条件成立前状態として設定する構成としてもよい。この場合、シフトコマンドを受信する場合には遊技回のコマンド(変動用コマンドや種別コマンド)も受信するためそれらのコマンドに含まれる情報に基づいて、停止図柄種数を把握するとよい。本実施形態では上記のように変動表示時間が長いほど停止図柄種数が多くなる構成であるため、把握した停止図柄種数が多いほど条件成立前状態に設定され易くすると、条件成立前状態に設定されることで次の遊技回が大当たり期待度が高くて変動表示時間が長いことを予測することが可能となる。
また、上記のように、特別保留予告において条件成立前状態の報知を、遊技回中に行うのではなく、シフト時に行う構成としたため、各遊技回においては遊技回用の演出と、特別保留予告についての特別条件が成立するか否かと、に関心を集中させることができる。つまり、特別保留予告における条件成立前状態の報知を遊技回の途中で行う構成とすると、各遊技回において大当たり結果が報知される前段階を報知するリーチ表示と、当該条件成立前状態の報知と、が混同される恐れがある。そこで、上記構成のようにすることで、各演出(遊技回用の演出と特別保留予告)が並行して行われる構成において、それぞれの演出に集中させることが可能となる。
なお、上記の条件成立前状態の報知を行うタイミングを、保留情報の数に応じて変更する構成としてもよい。具体的には、特別保留予告において条件成立前状態となった場合に、当該特別保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回がまだ存在するのであれば、本実施形態のように当該前に実行される遊技回へのシフト時に条件成立前状態の報知を行う構成とし、当該前に実行される遊技回が存在しないのであれば条件成立前状態となったことに基づいてその遊技回中にその旨の報知を行う構成としてもよい。但しこの場合、条件成立前状態となった時点で、その遊技回中に更に図柄が停止する可能性を判定し、更に図柄が停止しない場合には、特別条件が成立する可能性はないものとして、条件成立前状態の報知を行わない構成とするとよい。このようにすることで、条件成立前状態の報知が行われたのにもかかわらず、その後に図柄が停止せず特別条件が全く成立しない、といった不都合を回避することができる。
さらに、上記のシフト時の特別保留予告用処理では、シフト前の遊技結果を参照しない構成としている。これは、例えば特別保留予告を実行中の遊技回において大当たり結果となった場合であっても、その大当たり結果となった遊技回及び開閉実行モード後に、特別保留予告の続きが実行されることを意味している。このようにすることで、例えばもう少しで特別条件が成立する状態(条件成立前状態)であったのにも関わらず遊技回側の遊技結果によって(大当たり結果となることで)特別保留予告が終了してしまう、といった事象を回避することができるし、特別条件が成立して欲しいあまりに遊技回側の遊技結果が外れ結果となることを願う、といった事象も回避することができる。また、このようにすれば、特別保留予告において付与される特典(画像データ)と各遊技回において付与される特典(賞球)とを明確に区別させることができ、各遊技回において付与される特典の多い少ないといった遊技者の利益に直結する遊技条件の変更等を行うにあたって、特別保留予告側の特別条件までもを設定し直す必要が生じず、遊技機の設計、遊技ホールの出球管理等、の容易化が図られる。
また、特別条件成立に基づく特典を付与するタイミングとして、遊技回中に付与する場合と、保留情報のシフト時に付与する場合と、を設けた。具体的には、左図柄列Y1が停止したタイミング、又はリーチが発生することなく右図柄列Y3が停止したタイミングである場合には、その遊技回中に特別条件成立に基づく特典を付与する構成とし、それ以外についてはシフト時に付与する構成とした。遊技回において、遊技者としてはまずはリーチ表示が発生することを期待するものであり、リーチ表示が右図柄列Y3が停止してから発生することに鑑みると、左図柄列Y1が停止してから右図柄列Y3が停止するまでの間は、遊技者にとっての待ち時間となり得る。また、右図柄列Y3が停止したものの、リーチ表示が発生しなかった場合には、中図柄列Y2が停止して当該遊技回が終了するまでの間も、遊技者にとっての待ち時間となり得る。特に、上記のように特別保留予告を実行中は、各図柄列Z1〜Z3の変動表示を上表示部GUにて縮小表示する構成であるため、特別保留予告を実行していない状況と比べると、図柄変動を見て楽しむという要素は少なくなり得る。そこで、これらの待ち時間を利用して特別条件成立に基づく特典を付与する構成とすれば、遊技回中の待ち時間を効率よく利用して、遊技への関心が薄れてしまうことを抑制することが可能となる。
一方、右図柄列Y3が停止してリーチ表示が発生した場合には、当該遊技回にて大当たり結果が報知され得るものとして、遊技回側の演出への関心が高まるものと考えられる。そこで、右図柄列Y3が停止してリーチ表示が発生した場合には、特別条件が成立してその成立に基づく特典を付与する時間が残っていても(その後に当該遊技回の変動表示時間が残っていても)、当該遊技回中には特典を付与しない(次の遊技回へのシフト時に付与する)構成とした。そのため、遊技回のリーチ表示と特別保留予告とで注意が分散してしまって、かえって演出を楽しむことができない、といった不都合を回避することが可能となる。
中図柄列Y2が停止したことにより特別条件が成立した場合には、当該遊技回ではなく、次の遊技回へのシフト時に付与する構成とした。中図柄列Y2が停止した後は、当該遊技回の変動表示時間の残り時間はわずかであり、特典を付与するとしても遊技者がそれを認識できなかったり、特典を示すコードを読み取ることができないなどしてその特典を受け取れない可能性がある。そこで、次の遊技回のシフト時(開始時)に特典を付与する構成とすれば、上記のような不都合を回避することができる。
なお、特別保留予告の終了処理(ステップS4405)は、変動開始用処理(ステップS2503)や変動終了用処理(ステップS2506)にて行う構成としてもよい。このようにすれば、保留情報シフト時といった処理負荷が極端に増加し得るタイミングで、特別保留予告用の処理を行う必要が生じず、処理負荷の分散化を図ることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施形態では、保留予告として所定の保留用画像(第2保留用画像P2)が選択された場合に、所定の確率で特別保留予告として特別演出A又は特別演出Bが実行される。この特別保留予告は、特別保留予告の契機となった保留情報に係る遊技回とは異なる遊技回として、当該契機となった保留情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回において実行される。ここで、保留予告を行うことによって、当該保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回への注目度を高めることが可能となる一方で、その対象となっている保留情報に係る遊技回への注目度が高まるほど、その他の遊技回への注目度が低下し得る可能性がある。すなわち、その遊技回の結果として特典(賞球)が付与される可能性が高いため、遊技者としては、早くその遊技回が行われることを期待し、そうすると、それ以前の遊技回については、煩わしいものと感じてしまう可能性がある。そこで、上記のように、保留予告の契機となった保留情報に係る遊技回とは異なる(それよりも前に実行される)遊技回において特別保留予告を行うことで、この特別保留予告へ遊技者の関心を寄せさせれば、煩わしいと感じ得る遊技回中であっても遊技を楽しませることが可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
この特別保留予告において特別条件を設定し、その特別条件が成立したことに基づいて特典を付与する構成としたため、この特別保留予告への注目度を好適に高めることが可能となる。そして、この特別条件を、実行中の遊技回における停止結果との関係で成立し得るものとしたことにより、遊技回側の停止結果への注目度をも高めることが可能となる。
遊技回側の遊技結果と停止結果との関係で、遊技回側の遊技結果が外れ結果であるほうが大当たり結果である場合よりも停止結果としての停止図柄の種類は多くなる。そのため、遊技回側の遊技結果が外れ結果であるほうが、大当たり結果である場合よりも、特別条件が成立し易い構成となる。これにより、遊技回側への注目度が低下し得る状況であっても特別保留予告側へ関心を寄せさせることができ、注目度をバランスよく高めることができる。
各遊技回における各図柄列Y1〜Y3が停止する回数は、遊技回の変動表示時間が長いほど多くなるように設定されている。そのため、特別保留予告が行われている状況で実行される遊技回の変動表示時間が長いほど、その特別保留予告において特別条件は成立し易くなる。このようにすることで、遊技回が長引くことによる中だるみを抑制することができる。特に、特別保留予告が行われている状況とは、その契機となった保留予告(第2保留用画像P2)の対象となっている遊技回がその後に控えている状況であり、遊技者は、その保留予告の対象となっている遊技回へ期待するあまり、それ以前の遊技回が長引けば長引くほどその遊技回を煩わしいものと感じてしまう可能性がある。そこで、上記のように、その遊技回が長引けば長引くほど、特別保留予告側の特別条件が成立し易い構成とすれば、特別保留予告の実行中の遊技回が長引くことによる不都合を回避することが可能となる。
なお、上述した本実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に他の実施形態やその変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて他の実施形態やその変形例に対して適用してもよい。また、各実施形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
上記実施形態において、変動表示時間に応じて図柄が停止する回数が異なることによって特別条件の成立確率が異なり得る構成としたが、変動表示時間は同じでも図柄が停止する回数を異ならせて特別条件の成立確率が異なり得る構成としてもよい。例えば、一遊技回中に各図柄列Z1〜Z3の変動表示と停止を複数回行う所謂疑似連演出において、一の変動表示の時間を短くすれば一遊技回中の変動表示時間を変更することなく図柄停止の回数を増やすことが可能となる。一般的に上記のような疑似連演出は、一遊技回中の変動表示と停止の回数が多いほどその遊技回が大当たり結果となる期待度が高くなるものとして設定されている。そこで、このような構成を前提とすると、変動表示時間の長短に関わらず、特別保留予告を実行中の遊技回において大当たり結果となる期待度が高い演出が発生すれば特別条件が成立し易くなる構成となる。そのため、その大当たり結果となる期待度が高い演出が、仮に外れ結果となった場合であっても、特別条件側の成立し易さについては担保され(特別条件は成立し易くなり)、遊技回側の演出において注目度が低下し得る状況を特別保留予告側で補てんして、全体的な注目度のバランスを保つことが可能となる。
遊技回側の演出において、大当たり結果となる期待度の高いスーパーリーチに発展することで図柄の停止回数(停止図柄種数)が多くなる構成としたが、大当たり結果となる期待度の低いリーチのほうが図柄の停止回数(停止図柄種数)が多くなる構成としてもよい。例えば、上記のスーパーリーチA,B,Cの他にスーパーリーチDを設け、当該スーパーリーチDに振り分けられる場合には大当たり結果となる期待度が低いものの、中図柄列Y2のコマ送り演出(一旦停止演出)が長く繰り返される(多い回数一旦停止する)構成となるように設定する。このようにすれば、期待度が低い演出が行われることによって遊技回側の注目度が低下し得る状況であっても、特別保留予告側に関心を寄せさせることが可能となる。
リーチ中の図柄(特に中図柄列Y2)がコマ送りとなる演出において、そのコマ送りの開始位置(図柄)又は終了位置(図柄)によって、停止図柄種数が異なる構成としてもよい。すなわち、例えば、リーチラインを形成している図柄の3つ前から1つ前までの図柄がコマ送りとなる演出の場合には、中図柄列Y2の停止図柄種数は3つであるが、リーチラインを形成している図柄の5つ前から1つ前までの図柄がコマ送りとなる場合には、中図柄列Y2の停止図柄種数は5つとなる。このようにすることで、リーチの種類を増やさずに、特別条件の成立確率を変化させることが可能となり、演出の多様化が図られる。このような構成として、コマ送りの開始位置(図柄)を当該遊技回の大当たり期待度と関連付けてもよい。例えば、コマ送りとなる位置が早いほど(停止図柄種数が多くなるほど)大当たり期待度が低くなる構成とすれば、遊技回側の注目度の低下を特別保留予告側で補う構成となるし、逆にコマ送りとなる位置が早いほど(停止図柄種数が多くなるほど)大当たり期待度が高くなる構成とすれば、両演出の注目度を高めることができる。これらの構成において、コマ送りの開始/終了位置(図柄)と変動表示時間とを関連付けてもよい。すなわち、コマ送り演出が行われる期間が長いほど変動表示時間は長くなり得るし、停止図柄種数も多くなる。そのため、コマ送り演出を長くすることで、特別保留予告の契機となった保留情報以外の保留情報に係る遊技回の変動表示時間が長くなることに対する注目度の低下を回避する効果も期待することができる。
遊技回用の演出として、複数回の遊技回に亘って又は一遊技回中の疑似連演出等において、同じ図柄又は同じ種類の図柄が停止することで大当たり結果となり易いことを示唆する演出を備えた構成としてもよい。この演出を行うことにより、遊技回側の停止図柄又はその種類に対して注目度は高まる一方、異なる図柄や異なる種類の図柄が停止すると注目度が低下し得る。その一方で、特別保留予告においては、停止する図柄の種類が多いほど特別条件が成立し易くなるため、上記のように遊技回側の注目度が低下し得る状況ほど、特別保留予告側の注目度が高まる構成となり、全体的な注目度をバランスよく高めることが可能となる。
各遊技回における停止図柄種数を特別条件に反映させる構成としたが、特別保留予告の演出は上記のもの(BINGOやLOTO)に限定されず、他の演出であってもよく、遊技回中の演出が特別条件に反映される構成であればよい。例えば、所定の演出の回数を特別条件に反映させる構成としてもよく、所定の演出としては、遊技者が介入(操作部75の操作や発射ハンドル54の操作、モーションセンサ等による遊技者の所定動作の検知結果を利用するなど)可能な演出であってもよいし、介入できない演出であってもよい。遊技者が介入可能な演出の場合、例えば、操作部75の操作回数や操作タイミングに基づいて特別条件の成立確率が変化する構成や、パチンコ機10側からの指示(ミッション)に基づいて操作部75を操作できた/できなかった回数によって特別条件の成立確率が変化する構成等が考えられる。
特別保留予告における演出として、当該特別保留予告の開始時には所定の画像(例えばレア画像等)を視認困難/視認不可能な状態で表示し、操作部75の操作により当該所定の画像が視認し易い/視認可能な状態に変化する所謂スクラッチ演出としてもよい。このように遊技者が介入可能な演出を、特別保留予告の契機となった保留情報以外の保留情報に係る遊技回において実行すれば、操作部75等の操作を行えば行うほど特別条件が成立し易いのであればその操作に熱中させ、当該契機となった保留情報以外の保留情報に係る遊技回への注目度が仮に低下し得るものであっても、トータル的に遊技への注目度の低下は回避することができる。これらの場合であっても、変動表示時間とこれらの演出の発生回数や操作回数とが関連付けられている構成であってもよいし、変動表示時間とは無関係にこの演出の発生回数や操作回数によって特別条件の成立確率が変化する構成であってもよい。
遊技者が介入できない演出であっても、例えば、遊技回中の演出として出現するキャラクタ等の種類を特別条件の成否に反映させる構成であってもよい。具体的には、例えば、遊技回中の演出として複数のキャラクタが出現し得る構成とし、その出現するキャラクタの種類によって遊技回の結果が大当たり結果となる期待度が異なる構成とする。そして、上記特別演出Aであればビンゴカードに、特別演出Bであればロトカードに、上記の複数のキャラクタを配置させ、遊技回中に出現したキャラクタが配置されたマスを成立済みマスとする。そして、その成立済みマスが揃ってビンゴ(ロト)が成立すれば、特別条件が成立したものとして特典を付与する構成とする。このようにすれば、各遊技回の変動図柄とは異なる演出であっても、特別保留予告と関連付けることができ、遊技回中の演出と特別保留予告とを関連付けることが可能となる。なお、上記構成において、遊技回の結果として大当たり結果となる期待度が低いキャラクタが出現するほど特別条件が成立し易いようにすると、当該遊技回の注目度が低下し得る状況を特別保留予告側で補う構成となり好ましい。
特別保留予告として、例えば、特別条件の成否に関わらず所定の画像(例えばレア画像等)の特典を付与する構成としてもよい。このようにすれば、少なくとも所定の画像を見るといった遊技回側の演出とは異なる楽しみを付与することができ、遊技回側の注目度の低下を特別保留予告側で担保することができる。
特別保留予告の開始タイミングを、当該特別保留予告の契機となる保留情報の取得以後の遊技回の開始時としたが、それよりも前に開始してもよいし、それよりも後に開始してもよい。特別保留予告の開始タイミングによって停止図柄種数は異なり得るため、それを利用して特別条件の成立確率を変化させる構成としてもよい。具体的には、例えば、特別保留予告が行われることは先に報知するものの、その開始タイミングを遅らせることで停止図柄種数が少なくなり得る構成としてもよい。そのようにすれば、特別保留予告の開始タイミングに関心を寄せることが考えられ、より一層の注目度の向上を見込むことができる。
特別保留予告の演出として、所定の期間に亘って継続される演出(例えばムービー演出等)を表示する構成としてもよい。具体的には、特別保留予告の契機となった保留情報の取得に基づいて、上記ムービー演出を開始させ、当該契機となった保留情報以外の保留情報に係る遊技回の変動表示時間に応じてムービー演出を見れる期間が異なる構成とする。このようにすれば、ムービー演出を長時間見たい遊技者にとっては、遊技回の変動表示時間が長くなることはかえって好ましいことになり、変動表示時間が長くなることによる不都合を回避することができる。この場合、各遊技回の変動表示時間の長さに応じて複数のムービー演出を記憶しておき、変動表示時間と同じ時間のムービー演出を選択する構成としてもよいし、変動表示時間に近い長さのムービー演出を選択して長さの相違分をムービー演出側で調節する(例えば開始タイミングや終了タイミングを調節したり、短時間の調節用ムービー演出を当該選択したムービー演出に加えたり減らしたりする等)構成としてもよい。
特別保留予告として、所定の保留予告を契機として、遊技者が特典を取得できる取得状態に移行する構成としてもよい。具体的には、例えば、所定の保留用画像(第2保留用画像P2)が表示されたことに基づいて、遊技者が所定の特典(レア画像やアイテム等)を取得可能な取得状態に移行し、その特典を選択させたり取得させたりする構成としてもよい。このようにすれば、特別保留予告の契機となった保留情報以外の保留情報に係る遊技回の変動表示時間が長ければ長いほど、上記特典を選択/取得する状態の期間が長くなるため、遊技者にとっては好ましくなる。この場合、その状態以外でも特典を選択/取得可能であってもよく、その状態以外で選択/取得可能な特典とその状態中に選択/取得可能な特典とを異ならせることで、当該状態となることの優位性を高めることができる。特典の選択/取得には操作部75を用いて行う構成とすると、遊技者の積極参加を促すことができる。さらに、遊技者が保有するポイント等によって選択/取得できる特典を異ならせる構成としてもよい。この場合、ポイント等は遊技回の回数に基づいて付与されたり、遊技回中の所定の演出の発生に基づいて付与されたり、遊技ホールへの来店回数に基づいて付与されたりする構成としてもよい。上記ポイントは、異なる遊技台間や異なる日でも流用可能であるとよく、遊技者の有する携帯端末等にてポイント数を読み取り、携帯端末等又は管理サーバーにて当該ポイント数を記憶する構成とするとよい。上記取得した特典は、遊技回中に使用可能なもの(例えば、取得したアイテムを使用すると遊技回演出が通常とは異なる演出に変化する)であると、特別保留予告側の特典と遊技回側の演出との関連性を高めることが可能となる。
特別条件成立に基づいて付与する特典としては、例えば特別演出Aでは成立したビンゴラインの数に応じて特典の数(レア画像データの数)や特典の質(レア画像のレア度)を異ならせたり、成立した特別条件(ビンゴラインやロト)を形成する図柄の種類によって付与する特典を異ならせたり(大当たりを連想し易い7図柄が含まれる場合には、より高い特典を付与するなど)してもよい。
成立時の遊技状況(サポートモードや抽選モードの高低や、保留記憶数など)に応じて今回付与する特典を異ならせたり、それより以前に成立した特別条件に応じて今回付与する特典を異ならせてもよい。遊技状況に応じて付与する特典を異ならせる構成としては、各遊技回側(作動口33,34への入賞に基づく当否抽選の結果として)の特典(賞球)の期待度が低いほど特別条件成立に基づく特典を高くすると、各遊技回側の特典の期待度が低いことに伴う当該遊技回への注目度の低下を特別保留予告によって補うことができるし、逆に各遊技回側の特典の期待度が高いほど特別条件成立に基づく特典を高くすると、比較的注目度が高まっている状況で特別保留予告が行われることになり、特別保留予告への注目度を容易に高めることが可能となるし、上記実施形態では大当たり結果やスーパーリーチが確定する第2保留用画像P2を特別保留予告の実行条件としているため、特別保留予告の実行率も高めることができる。また、以前に成立した特別条件に応じて今回付与する特典を異ならせる構成においては、付与済みの特典のデータを遊技機内(RAM244)に記憶しておき、そのデータに基づいて今回付与する特典を決定する構成(例えば、付与済みの特典が付与されにくくなるようにする構成)や、遊技者が携帯端末や外部サーバー等に記憶されている遊技データ等を遊技機に入力可能な構成において、遊技者の携帯端末やサーバーに記憶されている特典を参照して今回付与する特典を決定する構成としてもよい。また、リアルタイムクロック(RTC)機能を用いて、時間帯、曜日、日付等に応じて付与される特典が異なる構成としてもよい。
特別保留予告設定処理(図65)における特別条件の設定(ステップS4006)では、保留個数や特別保留予告の契機となった保留情報の遊技結果に基づいて、各マスに配置する数字(図柄)を決定する構成としたが、既に記憶されている保留情報を参照する構成としてもよい。例えば、上記第1の実施形態における時間特定パターン時のタイマ入力処理(図29)のように、保留情報の演出パターンを先特定する構成を用いる。そして、特別条件の設定に際して、記憶済みの保留情報の演出パターンと停止結果を先特定し、それに基づいて、各マスに配置する数字(図柄)を決定する。このようにすることで、先特定した結果に基づいて、特別条件が成立する演出とすることも可能であるし、特別条件が成立しない演出とすることも可能となる。
特別保留予告において特別条件が成立しなかった場合に、特別保留予告が延長し得る構成としてもよい。具体的には、例えば、特別保留予告の契機となった保留情報に係る遊技回へのシフト時(ステップS4405)にて、後続の保留情報に基づいて特別保留予告をその後続の保留情報に係る遊技回(のシフト時)まで延長するか否かの抽選を行う。そして、当該抽選に当選した場合に、特別保留予告を延長する構成とする。例えば、後続の保留情報が大当たり結果である場合には、特別保留予告が延長され易い構成とすると、特別保留予告が延長されることで、当該特別保留予告の契機となった保留情報だけでなく、それ以降の保留情報が大当たり結果となるのでは、と期待させることができ、注目度を好適に高めることができる。
特別保留予告として、特別演出Aや特別演出Bのように、当該特別保留予告中に特別条件が成立するか否かの演出を行う構成としたが、特別条件は一の特別保留予告中に成立し得るものでなくてもよい。例えば、特別保留予告が行われることによって、ポイントが付与され、そのポイントを貯めることで、特典が付与され易くなる構成としてもよい。また、特別保留予告が行われることによって、その時点での保留数によって上記付与されるポイントが異なる構成としてもよい。さらに、ポイントを付与するか否かの抽選を行い、その抽選に当選した場合にポイントが付与される構成としてもよい。これらの場合、ポイントの多い少ないによって、付与される特典が異なる(レア度が異なる画像データが付与される)構成としてもよい。
特別保留予告を実行中において、当該特別保留予告の契機となった保留情報に係る遊技回が開始されるまでに実行されるすべての遊技回を、特別条件の成否の対象としたが、例えば、その対象となる遊技回を選択可能な構成としてもよい。例えば、保留用画像によって対象となる(選択される)確率が異なる構成とする。より具体的には、大当たり期待度が低い保留用画像ほど、対象となる(選択される)確率が高くなる構成とする。このようにすれば、大当たり期待度が低いことを前もって保留用画像として予測している遊技回への注目度を、特別保留予告側で好適に補うことができる。
特別演出Aや特別演出Bにおけるビンゴカード300やロトカード320の桁数(マスの数)が上記のものに限定されないことは言うまでもない。特別条件の成立確率を変更する場合に、これらの桁数を変更する構成としてもよい。例えば、保留記憶数が多いほど桁数(マスの数)の多いビンゴカード300やロトカード320が選択され易く、保留記憶数が少ないほど桁数(マスの数)が少ないビンゴカード300やロトカード320が選択され易い構成としてもよい。また、ビンゴカード300又はロトカード320において、マスが1つだけとなる演出を設定してもよい。
各マスに配置する図柄(数字)は、変動表示の主図柄と1対1で対応するものとしたが、例えば、複数の図柄に対応するマスを設けてもよい。この場合、例えば、「奇数」や「偶数」といった数字の種類によるものでもよいし、「1〜5」、「6〜9」といったように範囲が定められたものであってもよい。
特別保留予告の開始時から成立済みのマス(「F」が表示されるマス)を設けたが、開始後の所定のタイミングで、この成立済みのマスに切り換わる構成としてもよい。例えば、特別保留予告の実行中に所定の演出(例えばリーチ表示)が発生した、保留記憶数が上限に達した、などを契機として、成立済みではないマスを成立済みのマスに切り換える構成としてもよい。この場合、その切り換えるタイミングで実行中の遊技回の停止図柄を変動パターンから読み取り、停止させない図柄に対応するマスを成立済みのマスに切り換える構成とするとよい。せっかく成立済みのマスに切り換わっても、そのマスが、当該遊技回で停止表示されるはずであった図柄に対応するマスであると、遊技者にとって損をした気分となるからである。
停止時の特別保留予告用処理におけるステップS4205の非対応処理において、今回停止させた図柄列の図柄に対応するマスがないものの、今回停止させた図柄が既に成立済みに切り換えたマスに対応している場合には、当該成立済みのマスを非成立のマスに切り換える(戻す)構成としてもよいし、非成立のマスに切り換えるか否かを抽選等によって決定する構成としてもよい。このようにすると、特別条件が成立しにくくなるとともに、特別演出の多様化を図ることができる。なお、非成立のマスに切り換えるか否かを抽選により決定する構成の場合には、停止させた図柄や遊技状態によってその確率が異なるようにしてもよい。
本実施形態では、特別保留予告は重複して実行されない構成としたが、重複して実行され得る構成としてもよい。例えば、今回取得した保留情報が所定の結果(大当たり結果)であれば重複が許容されるが、そうではない場合には重複が制限される構成とすると、特別保留予告の重複の有無と、取得された保留情報の遊技結果と、を関連付けることができる(遊技者は、特別保留予告が重複することによって、所定の結果であることを把握することができる)。なお、特別保留予告の重複の有無に関しては、他の実施形態でも同様のことが言える。
本実施形態では、特別演出Aや特別演出Bを、その特別演出A,Bの契機となる保留情報の取得後に開始される遊技回の開始時(変動開始用処理)に開始する構成としたが、遊技回の各図柄列Z1〜Z3の停止タイミングとの関係で、少なくとも遊技回の開始後であって最初の図柄が停止するまで(上図柄列Z1が停止するまで)に開始する構成であればよい。すなわち、特別保留予告における特別条件の提示タイミングは、遊技回の開始時に限定されず、少なくとも最初の図柄が停止するまでに提示される構成であればよい。また、遊技回においていずれかの図柄列Z1〜Z3が停止した後であっても、変動中の図柄列が残っていれば、その遊技回中に特別演出A,Bを開始する(特別条件を提示する)構成としてもよい。これらの場合、既に停止済みの図柄を特別演出A,Bに反映させる(停止済みの図柄に対応するマスがあればそれを成立済みのマスに切り換える)構成としてもよいし、反映させない構成としてもよい。但し、遊技回において残りの停止図柄種数が多ければ多いほど特別演出A,Bを存分に楽しませることができることから、上記のように少なくとも最初の図柄が停止するまでに開始する構成とするほうが好ましい。
<第9の実施形態>
上記第8の実施形態では、特別保留予告を契機として、その契機となった保留情報に係る遊技回以外の遊技回の演出を、特別保留予告における特別条件に反映させる構成としたが、本実施形態では、遊技回の演出だけでなく、特別保留予告の契機となった保留情報以外の保留情報に関する情報を特別条件に反映させる。
図71(a)に示すように、特別演出Aにおいて、各マスに保留用画像P1〜P5のいずれかをそれぞれ配置する。そして、特別保留予告を実行中に取得された保留情報に係る保留用画像がビンゴカードに対応する保留用画像であれば、そのマスを成立済みマスとする。成立済みマスの列が揃ってビンゴが成立すれば、対応する特典を付与する構成とする。
例えば、図71(a)において、第1単位保留表示領域Ga1の第4保留用画像P4(D)が特別保留予告の対象となっているとする(本実施形態では、特別保留予告の実行契機を第2保留用画像P2と限定しない)。そして、ビンゴカード300には、例えば、第2保留用画像P2(B)、第3保留用画像P3(C)、第4保留用画像P4(D)、第5保留用画像P5(E)がそれぞれ配置されている。説明部310では、保留用画像で特別条件(BINGO)を成立させる特別保留予告についての説明が行われる。
図71(b)に示すように、特別保留予告の実行契機となっている保留情報に係る保留用画像が第4保留用画像P4(D)であり、また、実行中の遊技回の保留情報に係る保留用画像(実行用表示領域Gbの保留用画像)が第5保留用画像P5(E)であるため、特別保留予告の開始時に、ビンゴカード300における第4保留用画像P4(D)及び第5保留用画像P5(E)のマスは成立済みのマスとなる。この例では、特別保留予告の開始時に条件成立前状態(リーチ状態)となっているため、その旨の説明が説明部310にて行われる。なお、本実施形態では、遊技回の開始時ではなく、保留情報の取得時に特別保留予告が開始される。そのため、特別保留予告を実行することが決定された状況で実行中の遊技回の情報(当該遊技回に係る保留用画像)も反映することができる。
そして、図71(c)に示すように、その後に取得された保留情報に対応する保留用画像が、第2単位保留表示領域Ga2に表示され、その保留用画像が第2保留用画像P2(B)である場合には、ビンゴカード300における第2保留用画像P2(B)のマスが成立済みのマスに変更される。その結果、この例の場合には、成立済みのマスが揃ったことによりBINGOとなり、特別条件が成立したことの報知、及びその成立に基づく特典が付与される(説明部310にて報知される)。
このようにすれば、特別保留予告の開始後に保留情報を取得させる楽しみを付与することが可能となる。特別保留予告の開始時に、既に取得されている保留情報に係る保留用画像を特別条件に反映させる(取得済みの保留情報であって当否判定の対象となるよりも前の保留情報に係る保留用画像や、取得済みの保留情報であって当否判定の対象となっており実行中の遊技回に係る保留用画像に対応するマスを成立済みマスとする)構成としてもよく、特別保留予告の契機となった保留情報に係る保留用画像もその対象としてもよいし対象としなくてもよい。このようにすれば、特別保留予告の開始時に記憶されている保留情報が多いほど特別条件が成立し易い構成となり、遊技中に多くの保留情報を記憶させる意義を高めることができる。
この場合の処理を、図72のフローチャートを参照しながら説明する。
上記の図64の保留制御用コマンド対応処理におけるステップS3901〜ステップS3904と同様に、ステップS4501〜ステップS4504の処理を実行する。そして、ステップS4505の特別保留予告設定処理では、特別保留予告を実行するか否かを決定する処理を行い、実行する場合には、各マスに保留用画像が配置されたビンゴカード300の種類を決定する処理を行い、それらの情報を表示制御装置212へ出力する。
ビンゴカード300における各マスの保留用画像の種類や配置については、抽選等で決定する構成としてもよいし、取得済みの保留情報に係る保留用画像との関係で決定してもよい。特別条件(BINGO)を成立し易くするのであれば、取得済みの保留情報に係る保留用画像がなるべく配置されるように各マスの配置を決定すればよいし、特別条件(BINGO)を成立しにくくするのであれば、取得済みの保留情報に係る保留用画像がなるべく配置されないように各マスの配置を決定すればよい。
また、遊技状態によっても、各マスの保留用画像の種類や配置を変更する構成としてもよい。例えば、既に説明したとおり本パチンコ機10においては、遊技状態として、当否抽選の確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとが設定されており、高確率モードのほうが大当たり結果となる確率が高くなるため、選択される保留用画像の種類は大当たり結果となる可能性の高い保留用画像(第1保留用画像P1(A)や第2保留用画像P2(B)など)が選択され易くなるものと考えられし、逆に低確率モードのほうが大当たり結果となる確率が低くなるため、選択される保留用画像の種類は大当たり結果となる可能性の低い保留用画像(第5保留用画像P5(E)や第4保留用画像P4(D)など)が選択され易くなるものと考えられる。そこで、これらのモードに応じてビンゴカード300に配置する保留用画像の種類や配置を決定すれば、特別条件の成立し易さ/しにくさを特別保留予告の開始時に遊技機側である程度調節することができる。
また、ビンゴカード300の中央のマスのように特別条件の成立に寄与し易いマスに、選択され易い保留用画像を配置する構成とすると特別条件は成立し易くなるし、選択されにくい保留用画像を配置する構成とすると特別条件は成立しにくくなる。このように、配置するマスの位置によって、特別条件の成立確率を変化させる構成としてもよい。
ステップS4506の処理は、上記ステップS3906の処理と同様である。ステップS4501にて主制御装置81から受信したコマンドが保留コマンドではない場合には、ステップS3907の処理と同様にステップS4507の処理にてシフトコマンドであるか否かを判定し、シフトコマンドである場合には、ステップS3908及びステップS3911の処理と同様に、ステップS4508にて副側保留記憶数SNを減少させる処理、ステップS4509にてシフト処理を行う。ステップS4506の保留増加用処理を行った後、又はステップS4509のシフト処理を実行した後は、ステップS4510にて保留判定用処理を実行してから、本コマンド対応処理を終了する。ステップS4510の保留判定用処理では、増加/減少した保留情報に係る保留用画像に対応するマスの有無を判定し、その対応するマスが存在する場合には、成立済みマスとして設定する処理を行う。
なお、ステップS4510において、減少した保留情報に係る保留用画像(減少前に実行用表示領域Gbに表示されていた保留用画像)が成立済みマスに対応するものであった場合には、保留情報が消化されても成立済みマスである状態として継続させる構成としてもよいし、保留情報が消化された成立済みマスは成立済みマスではないもとの状態のマスに戻す構成としてもよい。前者の場合では特別条件が成立し易くなるし、特別保留予告自体の遊技もわかり易くなるため、遊技に慣れていない初心者等であってもこの特別保留予告の遊技を十分に楽しませることが可能となる。また、後者の場合では特別条件が成立しにくくなることでより遊技に没頭させることが可能となるだけでなく、成立済みマスが成立済みマスではなくなる前に特別条件を成立させるように、新たな保留情報を取得させるよう遊技球の発射を継続させることが考えられ、所謂止め打ちを抑制することができる。
特に上記第7の実施形態のように、後から取得された保留情報を先に付与判定及び遊技回を行う優先手段を備えた遊技機に、本実施形態の構成を適用すると、保留予告の契機となった保留情報に係る遊技結果が報知されるまでの期間をより有効に活用することができる。すなわち、保留予告によって大当たり期待度が高い保留情報が存在することを把握した遊技者にとっては、その保留情報に係る遊技回が早く行われて欲しいものと考えられる。そのため、上記のように優先手段を備える構成の場合には、その保留予告を実行中に保留情報を更に取得させてしまうと、当該保留予告に係る遊技回は後回しになってしまう可能性があり、保留情報を更に取得させたくない動機付けとなり得る。そこで、上記のように、特別保留予告において後から取得された保留情報についても、特別条件の成否に反映させる構成とすれば、保留情報を更に取得させる意義を生じさせることができ、所謂止め打ちをより好適に抑制することが可能となる。
上記実施形態において、保留用画像をBINGOゲーム(特別演出A)に適用する構成としたが、特別保留予告中の保留用画像の種類に応じてポイントが付与され、当該ポイントに応じて特典が付与される構成としてもよい。例えば、第1保留用画像P1よりも第5保留用画像P5のほうが付与されるポイントが多いなど、大当たり期待度が低いほど付与されるポイントが高くなる構成とすれば、特別保留予告の契機となった保留情報以外の保留情報に係る保留用画像が大当たり期待度の低いものであったとしても、大当たり結果とは別の喜び(多くのポイントが付与される)を与えることができ、注目度をバランスよく高めることができる。保留用画像に基づくポイントを抽選等によって付与する構成としてもよく、このポイントが特別保留予告の終了後も持越し可能な構成としてもよい。
なお、保留制御用コマンド対応処理(図72)の保留表示設定処理(ステップS4503)では、特別保留予告の実行の有無に関わらず保留用画像を抽選等によって決定する構成であってもよいし、特別保留予告における各マスの保留用画像を参照して、今回の保留用画像を決定する構成としてもよいし、遊技状態等の条件によって両者を使い分ける構成としてもよい。
上記実施形態において、他の実施形態で示した保留用画像の変化に関する構成を適用してもよい。すなわち、所定のタイミングで保留用画像が変化した場合に、その変化後の保留用画像に対応するマスが存在すればそのマスを成立済みのマスに切り換える構成とする。このようにすれば、本実施形態における各マスと保留用画像とを利用した演出と、他の実施形態における保留用画像の変化に関する演出と、を好適に関連付けることができる。そして、保留用画像が変化することによってその保留用画像に対応する保留情報の遊技結果を予測させる、という保留情報と一対一で対応付けられた遊技だけではなく、その変化後の保留用画像を他の演出(本実施形態における特別保留予告)に利用して特典を付与するといった多段階の遊技を行うことが可能となり、仮に変化後の保留用画像に対応する保留情報についての遊技結果が遊技者にとって好ましくないものであったとしても、遊技者を落胆させないようにすることができる。
<第10の実施形態>
上記第9の実施形態では、特別保留予告の契機となった保留情報以外の保留情報に関する情報として保留用画像を特別条件に反映させる構成としたが、本実施形態では、実行中の保留情報の数を特別条件に反映させる構成とする。
図73(a)に示すように、ビンゴカード300に1〜4の数字を配置する。そして、例えば、特別保留予告の開始時の保留情報の数が「2」であれば、「2」が配置されたマスを成立済みマスとする。この場合、特別保留予告の契機となった保留情報に係る遊技回までに保留情報の追加がなければ、保留情報の数は上記の「2」から「1」と推移する。そのため、図73(b)に示すように、保留情報の追加がなければ「2」のマス以外にも「1」のマスも成立済みマスとなる。特別保留予告の実行中に保留情報の追加があって(作動口33,34への入球が発生して)、保留情報の数が「3」や「4」となれば、その数字に対応するマスを成立済みマスとする。図73(c)では、保留情報が1つになってから(図73(b)の状態から)さらに保留情報が2つ追加されて保留情報の数が「3」となり、それに対応するマスが成立済みマスに変化してBINGOが成立したことを示している。
このようにすると、特別保留予告の実行中に、保留情報の数の増減といった単純な構成で特別保留予告を楽しませることができる。そして、上記のように、特別保留予告の開始後に保留情報を追加させる意義も生じ、特別保留予告中の遊技への注目度を好適に高めることができる。
さらに、この保留情報の数は、保留情報のシフト(遊技回の消化)によって変化するものであるため、特別保留予告が開始された後、仮に保留情報の追加がなくても(作動口33,34への入球が発生しなくても)、特別条件が成立し得る構成となる。すなわち、例えば、特別保留予告の開始時の保留情報の数が「3」であった場合において、ビンゴカード300の各マスのいずれかの列が「3」、「2」、「1」が並ぶ列であれば、特別保留予告の開始後に保留情報の追加がなければ特別条件が成立する。このようにすれば、作動口33,34への入球がなかなか発生せずに、遊技者がイライラしてしまう事象の発生を抑制することができるし、開始時に既に特別条件が成立している演出(例えば、上記第8の実施形態における特別演出A3,B3)と比較して、(保留情報の追加がないことを条件として)特別条件が成立することを確定させつつも、特別条件が成立していく様を楽しませることが可能となる。
また、特別保留予告の開始時の保留情報の数が多いほど、特別条件が成立し易い(例えば、保留情報の記憶上限である「4」を複数のマスに配置したり、「4」をビンゴカード300の中央のマスに配置する)構成としてもよい。このようにすれば、特別保留予告の開始前から保留情報をなるべく多く記憶させておく動機付けとすることができるし、開始後であっても保留情報を追加させる動機付けともできる。
上記のように、特別保留予告の開始後に取得した保留情報を特別条件に反映させる構成において、保留情報の記憶上限を超える保留情報の取得契機(作動口33,34への入球)が発生した場合には、保留情報の取得は行わない一方で、その取得契機が発生したことは特別条件に反映させる構成としてもよい。この場合、ビンゴカード300には、当該記憶条件を超える数「5」、「6」、、、を配置させる。
図74のフローチャートに示すように、主制御装置81側の作動口用の入賞処理において、上記ステップS201〜ステップS208の処理と同様にステップS4601〜ステップS4608の処理を行う構成とする。そして、ステップS4603にて、保留記憶数Nが「4」以上と判定した場合には、ステップS4609に進む。ステップS4609では、記憶上限を超える保留情報の取得契機が発生したことを示す上限コマンドを演出制御装置82への送信対象として設定する処理を実行する。ステップS4609の処理を実行した後は、ステップS4607の下作動口用の処理へ進む。
なお、上作動口33と下作動口34への入賞が重複した場合には、上記の上限コマンドが複数設定される構成としてもよいし、一の上限コマンドに当該重複した情報が含まれる構成としてもよい。処理構成の簡素化という観点からすると前者の構成が好ましく、コマンドの入出力数の増加を抑制するという観点からすると後者の構成が好ましい。
演出制御装置82側の処理としては、図75の保留制御用コマンド対応処理において、保留コマンドを受信した場合の処理(ステップS4501〜ステップS4506と同様の処理であるステップS4701〜4706)、シフトコマンドを受信した場合の処理(ステップS4507〜ステップS4509と同様の処理であるステップS4707〜ステップS4709)の他に、主制御装置81側から受信したコマンドが保留コマンドやシフトコマンドではない場合には、ステップS4710にて上記の上限コマンドであるか否かの判定を行う。上限コマンドである場合には、ステップS4711にて、記憶上限を超えた保留情報の取得契機が発生した情報を特別保留予告に反映させるための処理として、例えば、記憶上限を超えた分の数を記憶するためのカウンタに「1」を加算する処理を実行する。なお、このカウンタはシフト処理(ステップS4709)において「0」にクリアされるものとする。
そして、ステップS4706、ステップS4709及びステップS4711のいずれかの処理をした後は、ステップS4712にて保留判定用処理として、保留用画像や保留数の他、記憶上限を超えた分のマスの有無を判定するとともに、それらが存在する場合には成立済みのマスに変更する処理を実行する。
このようにすることで、特別保留予告の契機となった保留情報以外の保留情報に関する情報を用いた演出を行う構成において、保留情報が取得されないことによって関心が極端に低下してしまうことを抑制することが可能となる。
一般的な遊技機として、例えば作動口33,34への入球に基づいて当否抽選が行われるとともに、当該入球に基づいて賞球が付与される構成の場合、当否抽選のための保留情報が記憶上限である状況では、作動口33,34への入球に基づいて当否抽選が行われず賞球のみが得られる。この場合、作動口33,34への入球に基づく賞球が多ければ、仮に当否抽選が行われなくてもこれらの作動口33,34へ入球させるメリットは少なからずあるものと考えられる。しかし、この作動口33,34への入球に基づく賞球が少なかったり、入球と同数の賞球(1個の入球に対して1個の賞球)であったり、賞球がない構成の場合には、記憶上限である状況で作動口33,34へ入球させるメリットは極端に低下し得る。その一方で、賞球を増やしたり、記憶上限を増やしたりする構成とすることは、遊技機の出球率の管理上好ましくないこともある。そこで、上記のように、記憶上限を超える入球に基づいて、賞球といった直接的な利益に関与しない特典(画像データや遊技用のアイテム等)が付与され易くなるような構成とすれば、記憶上限を超える入球であっても遊技者にメリットを感じさせることが可能となる。
<第11の実施形態>
本実施形態では、上記第1の実施形態等で説明した時間表示画像Gp等を用いた特別保留予告において、特別条件成立に基づく特典を、対象となっている保留情報についての保留画像の変化ではなく、第6の実施形態に示したようなアイテムAを付与する構成とする。そして、特別保留予告の設定を、主制御装置81側で行う。以下、その構成について説明する。
図76は、本実施形態における保留予告の確認処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、保留予告の確認処理は、主制御装置81において作動口用の入賞処理(図7)のうちの一処理(ステップS206)として行われる処理であり、保留情報の取得時に起動される処理である。
本実施形態における保留予告の確認処理では、上記ステップS1001〜ステップS1009と同様に、ステップS4801〜ステップS4809の処理において、今回取得した保留情報の当否判定処理、及び保留情報についての当否抽選モードの移行処理を行う。ステップS4807、ステップS4809の処理を実行した後、又はステップS4808にて外れ結果であると判定した場合には、ステップS4810に進む。
ステップS4810では、主側特別保留予告設定処理を実行する。この処理については後に詳細に説明するが、当該処理により主制御装置81側にて特別保留予告の設定が行われる。そして、ステップS4811にて保留コマンドの設定処理を実行し、本保留予告用の確認処理を終了する。
次に、主側特別保留予告設定処理について、図77のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS4901では、保留情報の把握処理を実行する。この処理では、今回の保留情報だけでなく、保留球格納エリア232に格納済みの他の保留情報についても把握する。具体的には、図23の演出制御装置82側の保留情報の把握処理と同様に、先ず、保留球格納エリア232に記憶されている保留情報のうち、未確認の保留情報があるか否かを判定する。未確認の保留情報があれば、その保留情報の当否判定用情報(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2)や変動表示時間についての情報(リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS)について把握する処理を行う。この把握した内容は、MPU202のレジスタに一時的に記憶する構成としてもよいし、RAM204に設けられた保留情報の確認用のエリアにそれぞれ記憶する構成としてもよい。これらレジスタや保留情報の確認用のエリアとしては、保留球格納エリア232における各保留情報をそれぞれ別々に記憶可能な構成とするとよい。そして、未確認の保留情報が存在するまで、当該把握処理を繰り返し、未確認の保留情報がなくなることで当該把握処理を終了する構成とする。
ステップS4901にて保留情報の把握処理を実行した後は、ステップS4902にて、今回の保留情報よりも先に付与判定の対象となる保留情報に、いずれかの大当たり結果が存在するか否かを判定する。いずれかの大当たり結果が存在する場合には、今回取得した保留情報に基づいては特別保留予告を実行しないものとして、主側特別保留予告設定処理を終了する。いずれかの大当たり結果が存在しない場合には、ステップS4903に進む。
ステップS4903では、保留予告実行フラグが格納されているか否かを確認する。この保留予告実行フラグは、主制御装置81側の処理で特別保留予告を実行する状態となったことを、MPU202が把握するためのフラグであり、後のステップS4914にて格納されるフラグである。保留予告実行フラグが格納されている場合には、そのまま主側特別保留予告設定処理を終了する。すなわち、主制御装置81側で設定する特別保留予告は、重複して実行されることはない。
ステップS4903にて保留予告実行フラグが格納されていないと判定した場合は、ステップS4904に進む。ステップS4904では、今回取得した保留情報が、いずれかの大当たり結果であるか否かを判定する。いずれかの大当たり結果である場合には、ステップS4905にて大当たり用の特別保留予告抽選処理を実行し、外れ結果である場合には、ステップS4906にて外れ用の特別保留予告抽選処理を実行する。これらの抽選処理における当選確率としては、本実施形態では、大当たり用のものが70%で当選し、外れ用のものが1%で当選する構成としている。なお、外れ用の抽選処理において、ステップS4901にて把握した保留情報のうちリーチ乱数カウンタC3がリーチ発生に対応するものである場合の方が、そうではない場合よりも当選確率が高くなるように設定されていてもよい。
また、ステップS4905、ステップS4906の抽選処理では、特別保留予告を実行することに当選した場合において、今回の特別保留予告において特別条件を成立させるか否かを判定する。具体的には、アイテムAを付与するか否かを判定する。特別条件を成立させる確率としては、本実施形態では、大当たり時の特別保留予告においては90%とし、外れ時の特別保留予告においては50%としている。なお、外れ時において、上記のようにリーチ乱数カウンタC3がリーチ発生に対応するものである場合の方が、そうではない場合よりも特別条件の成立確率が高くなるように設定されていてもよい。これらの構成において、特別条件を成立させる場合にはRAM204の各種フラグ格納エリア234に成立フラグを格納し、成立させない場合には当該成立フラグを格納しないことで、特別条件の成否を記憶する構成とするとよい。
ステップS4905又はステップS4906の処理を実行した後は、ステップS4907にてこれらステップS4905,S4906の処理結果に基づき、特別保留予告を実行するか否かを判定する。特別保留予告を実行しないと判定した場合、すなわち、上記抽選処理にて非当選であった場合には、そのまま主側特別保留予告設定処理を終了する。特別保留予告を実行すると判定した場合には、ステップS4908に進む。
ちなみに、本実施形態では、今回取得した保留情報以外に保留情報が存在しない場合、すなわち、今回取得した保留情報が直後の遊技回制御処理(図9)における遊技回の開始契機となる場合には、ステップS4907にて特別保留予告を実行しないと判定する構成としている。そのため、ステップS4905やステップS4906の抽選処理にて当選した場合であっても、特別保留予告が行われない場合がある。なお、例えばステップS4901にて把握対象となる保留情報が存在しない場合に、以降の処理を行わない(特別保留予告の実行抽選等の処理すら行わない)構成とすることも可能である。このようにすれば、処理構成の簡素化を図ることが可能である。一方で、本実施形態のように、保留情報の数に関わらず同様の処理を進行させる構成とすれば、例えば処理の有無によって演出発生タイミングにズレが生じたりして、それにより特別保留予告の発生の有無が把握されてしまう、といった事象を回避することが可能となる。
ステップS4908では、今回取得した保留情報を除く保留個数の把握処理を実行する。この処理では、現状の保留記憶数Nの値を取得して、その保留記憶数Nから1減算することで、今回取得した保留情報を除く保留個数の把握を行う。既に説明したとおり、保留記憶数Nは直前のステップS204の処理にて今回取得した保留情報の数が加算された状態となっている。続くステップS4909では、保留個数に対応する設定時間テーブルをROM203から取得する処理を実行する。設定時間テーブルは、特別保留予告を実行する際に演出制御装置82側でタイマカウンタTに入力される設定時間と、特別保留予告を実行中の各遊技回の変動表示時間と、が1対1の関係となるように複数のパターンが定められている。また、この複数のパターンを含むテーブルが、保留個数に応じてそれぞれ設定されている。
そしてステップS4910にて、RAM204から設定時間用のカウンタを取得して、そのカウンタと、上記ステップS4909にて取得した設定時間テーブルとを用いて、今回の特別保留予告に用いる設定時間及びそのパターンを決定する処理を実行する。
設定時間用のカウンタは、例えば、0〜999で所定周期で1ずつ更新可能なループカウンタとなっている。なお、このカウンタを、他のカウンタ(例えば、変動種別カウンタCSや電動役物開放カウンタC4)を用いることも可能である。このように使用するカウンタを共用すれば、記憶領域の削減を図ることができる。また、共用するカウンタとして、変動種別カウンタCSのように保留情報に含まれるカウンタを利用する構成とすれば、このカウンタについては、ステップS4901にて把握しているため、新たに取得する処理を設定する必要が生じず、処理構成の簡素化も図ることができる。
図78及び図79は、本実施形態における設定時間テーブルを示す説明図である。
例えば保留個数が1個であると、図78(a)に示す設定時間テーブルに示すように、設定時間として、50sec、55sec、60sec、・・・80sec、と、5sec刻みで複数の設定時間のパターンが設定されており、それらに1対1で対応させてアドレス情報A(1)〜A(8)が設定されている。そして、ステップS4910では、これらの設定時間のパターンから、取得する設定時間用のカウンタに応じてランダムに1のパターンを選択して、対応するアドレス情報をRAM204のアドレス情報記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、この選択したパターンの設定時間が、特別保留予告におけるタイマカウンタTに入力される値として設定される。
ちなみに、この設定時間とは異なる値がタイマカウンタTに入力される場合もあるが、それについては後に説明する。また、この選択されたパターンに、今回取得した保留情報を含め、特別保留予告中の各保留情報についての遊技回の変動表示時間のパターンが設定されている。また、特別保留予告を実行する場合、今回取得した保留情報については、スーパーリーチA〜Cのいずれかが実行されるように設定される。
既に説明した通り、各遊技回の変動表示時間は、通常であれば、リーチ乱数カウンタC3や変動種別カウンタCSに応じて設定される(図13参照)。これに対して、本実施形態では、特別保留予告を実行中の変動表示時間は、リーチ乱数カウンタC3や変動種別カウンタCSに関わらず当該設定時間テーブルを参照して設定される。そのため、変動表示時間の設定方法が、特別保留予告を実行中か否かによって異なる。
例えば、設定時間として55sec(A(2))のものが選択されると、特別保留予告においてタイマカウンタTには55secに対応する数値が入力される。そして、今回取得した保留情報についての遊技回の変動表示時間を45sec(スーパーリーチA)とし、更に、今回取得した保留情報の1つ前の保留情報についての遊技回の変動表示時間を10sec(リーチ非発生)として設定する。また、設定時間として、65sec(A(4)又はA(5))のものが選択されると、特別保留予告においてタイマカウンタTには65secに対応する数値が入力される。そして、選択したパターンがアドレスA(4)であれば、今回取得した保留情報についての変動表示時間を45sec(スーパーリーチA)とし、選択したパターンがアドレスA(5)であれば、今回取得した保留情報についての変動表示時間を60sec(スーパーリーチB)とする。今回取得した保留情報を45secとした場合、1つ前の保留情報は20sec(ノーマルリーチ)とし、今回取得した保留情報を60secとした場合、1つ前の保留情報は5sec(リーチ非発生)とする。
保留個数が2個である場合には、図78(b)に示すように、設定時間として、55sec、60sec、・・・100sec、と、5sec刻みで複数の設定時間のパターンが設定されており、それらに1対1で対応させてアドレス情報B(1)〜B(20)が設定されている。例えば、設定時間として55sec(B(1))が選択されると、今回取得した保留情報に係る変動表示時間は45sec(スーパーリーチA)として設定され、その1つ前の保留情報は5sec(リーチ非発生)として設定され、2つ前の保留情報も5sec(リーチ非発生)として設定される。
また、保留個数が3個である場合には、図79に示すように、設定時間として、65sec、70sec、・・・120sec、と、5sec刻みで複数の設定時間のパターンが設定されており、それらに1対1で対応させてアドレス情報C(1)〜C(39)が設定されている。例えば、設定時間として120sec(C(39))が設定されると、今回取得した保留情報に係る変動表示時間は60sec(スーパーリーチC)として設定され、その前3つの保留情報に係る変動表示時間はいずれも20sec(ノーマルリーチ)として設定される。
ここで、本実施形態における各設定時間テーブルでは、特別保留予告の対象となっている保留情報よりも前に消化される保留情報について、その保留情報の数が多いほど、リーチが発生し易くなっている。具体的には、変動表示時間が15sec以上に設定される保留情報がリーチ発生に対応するものであり(図13参照)、保留個数が1個の場合に当該特別保留予告の対象となっている保留情報よりも1つ前の遊技回でリーチが発生する割合は、4/8であり全体の50.0%である。また、保留個数が2個の場合に当該特別保留予告の対象となっている保留情報よりも1つ前の遊技回でリーチが発生する割合は、14/20であり全体の70%である。そして、保留個数が3個の場合に当該特別保留予告の対象となっている保留情報よりも1つ前の遊技回でリーチが発生する割合は、32/39であり全体の約82.1%である。このように、リーチが発生し易くなる状況とは、外れリーチが頻発することによる倦怠感を与えかねない状況といえる。その点、特別保留予告が行われることによって、アイテムA等が付与されるのでは、といった別の楽しみを与えることができ、上記のような倦怠感を軽減することが可能となる。そればかりか、特別保留予告が実行され、更に、外れリーチが頻発することこそ、大当たり期待度が高いのでは、と遊技者に予測させ、それを楽しませることも可能となる。したがって、特別保留予告を行いつつその前の遊技回でリーチを頻発させることで、本来ならば倦怠感を与えかねない状況を、逆に期待感を煽る状況とすることができ、より遊技への注目度を高めることが可能となる。
さらに、本実施形態における各設定時間テーブルでは、特別保留予告の設定時の保留個数が多いほど、今回取得した保留情報についての変動表示時間は長いものが選択され易くなっている。具体的には、今回取得した保留情報についての変動表示時間は、45sec(スーパーリーチA)か60sec(スーパーリーチB)のいずれかが選択される。そして、保留個数が1個の場合には、今回取得した保留情報についての変動表示時間として、長い側の60secが選択される割合は、3/8であり全体の37.5%である。また、保留個数が2個の場合には、今回取得した保留情報についての変動表示時間として、長い側の60secが選択される割合は、10/20であり全体の50.0%である。保留個数が3個の場合には、今回取得した保留情報についての変動表示時間として、長い側の60secが選択される割合は、21/39であり全体の約53.8%である。このように、保留個数が多いほど今回取得した保留情報について選択される変動表示時間が長くなるように設定したことにより、特別保留予告の対象となっている保留情報に係る変動表示時間が長くなり、最終的にアイテムAが付与されるか否かといった遊技を存分に楽しませることができる。
主側特別保留予告設定処理の説明に戻り、ステップS4910にて今回の特別保留予告に用いる設定時間のパターンを決定した後は、ステップS4911に進む。ステップS4911では、今回の特別保留予告において、特別条件を成立させるか否かを判定する。かかる判定では、上記ステップS4905又はステップS4906にて特別条件を成立させることを決定したか否かを把握する(成立フラグの有無を確認する)。特別条件を成立させない場合には、ステップS4912に進み、上記ステップS4910にて決定した設定時間(例えば60sec)に対して予め定められた所定時間(例えば5sec)を加算する処理を実行する。これにより、演出制御装置82側のタイマカウンタTに入力される値は設定時間から所定時間分だけ長い時間に対応する値となる(特別条件が成立しなくなる)。
ステップS4911にて特別条件を成立させると判定した場合、又は、ステップS4912の処理を実行した後は、ステップS4913にて、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられた保留個数カウンタHKに今回取得した保留情報を含めた現状の保留個数(保留記憶数N)の値を入力する処理を実行する。保留個数カウンタHKは特別保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回を、MPU202が把握するためのカウンタである。そして、ステップS4914にて、各種フラグ格納エリア234に保留予告実行フラグを格納する処理を行ってから、主側特別保留予告設定処理を終了する。この処理を行うことで、次回以降の上記ステップS4903にて肯定判定することになる。
次に、保留予告用の確認処理における保留コマンドの設定処理(ステップS4811)について、図80のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS5001では、今回取得した保留情報について、遊技結果に関する情報を把握する処理を実行する。ステップS5002では、今回取得した保留情報について、変動表示時間に関する情報を把握する処理を実行する。これらの処理は、上記ステップS1101及びステップS1102の処理と同様の処理である。
続くステップS5003では、保留予告実行フラグが格納されているか否かを判定する。格納されている場合、すなわち、上記主側特別保留予告設定処理により特別保留予告の設定が行われた場合は、ステップS5004に進む。ステップS5004では、設定時間の把握処理を実行する。かかる処理では、上記ステップS4910にて決定した今回の特別保留予告についての設定時間、又はステップS4912にて所定時間を加算後の設定時間を把握する処理を実行する。
ステップS5003にて否定判定した場合、すなわち、主制御装置81側では特別保留予告の設定が行われていない状況である場合、又はステップS5004の処理を実行した後は、ステップS5005に進む。ステップS5005では、保留コマンドの設定をする。この処理では、上記ステップS5001,S5002にて把握した各情報に加えて、上記ステップS5004にて設定時間(又は加算後の設定時間)を把握している場合には、その時間の情報、及び、今回取得した保留情報が特別保留予告の契機となった保留情報である場合にはその情報が保留コマンドに含まれるように、当該保留コマンドを設定する。その後、本設定処理を終了する。
次に、演出制御装置82側の処理として、保留制御用コマンド対応処理について、図81のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態における保留制御用コマンド対応処理では、上記ステップS1201と同様にステップS5101にて保留コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合にはステップS5102に進む。ステップS5102では、ステップS1202と同様に、副側保留記憶数SNの加算処理を行う。ステップS5103では、ステップS1203と同様に、保留表示設定処理を実行する。
続くステップS5104では、上記第1の実施形態等とは異なり、特別保留予告を実行中であるか否かを判定する。実行中ではない場合には、ステップS5105に進み、主制御装置81側で特別保留予告の実行が決定済みか否かを判定する。かかる処理では、今回受信した保留コマンドに、主制御装置81側で特別保留予告を実行する旨の決定がなされた情報が含まれているか否かを判定する。主制御装置81側で決定済みではない場合には、ステップS5106に進み、特別保留予告設定処理を実行する。この処理は、上記ステップS1205の処理と同様である。一方、ステップS5105にて、主制御装置81側で決定済みであると判定した場合には、ステップS5107に進み、主側で決定された特別保留予告の設定処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
ステップS5104にて特別保留予告を実行中であると判定した場合、又はステップS5106及びステップS5107のいずれかの処理を実行した後は、ステップS5108にて保留増加用処理を実行した後に、本対応処理を終了する。ステップS5108の処理は、上記ステップS1208の処理と同様である。また、ステップS5101にて否定判定した場合は、ステップS1209〜ステップS1213の処理と同様に、ステップS5109〜ステップS5113の処理を実行してから、本対応処理を終了する。
ステップS5107の主側で決定された特別保留予告の設定処理について、図82のフローチャートを参照しながら説明する。
本設定処理では、先ずステップS5201にて、今回受信した保留コマンドに含まれる、特別保留予告における設定時間の情報(又は加算後の設定時間の情報)を把握する処理を実行する。そして、ステップS5202にて、把握した設定時間の情報に対応する数値情報をタイマカウンタTに入力する処理を実行する。続くステップS5203では、特別保留予告コマンドを表示制御装置212への出力対象として設定する処理を実行して、本設定処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、主制御装置81側で特別保留予告の実行が決定される場合もあれば、演出制御装置82側で特別保留予告の実行が決定される場合もある。そして、演出制御装置82側で特別保留予告の実行が決定される場合には、上記のように特別条件の成否が主制御装置81側で決定されているため、その通りに、タイマカウンタTへの入力を行うだけで、特別保留予告における特別条件の成否が設定される。
なお、本実施形態においては、特別保留予告は、保留コマンド取得後の次の保留情報の消化時(次の遊技回の開始時)に開始される構成としている。そのため、タイマカウンタTへ入力した数値と、特別保留予告開始後の各遊技回の変動表示時間とが完全にリンクすることになる。
ちなみに、演出制御装置82側で設定された場合には、シフト時減算等の各種減算パターンが設定され得るものの、主制御装置81側で決定される場合には主制御装置81側で設定された設定時間をそのまま利用して特別保留予告を実行する。その点、処理構成の簡素化が図られている。
但し、主制御装置81側で決定された特別保留予告においても、シフト時減算や特定タイミング減算等を設定する構成としてもよい。この場合、例えば主制御装置81側で決定した設定時間が60secである場合において、シフト時に10sec減算するのであれば、タイマカウンタTに入力する数値情報を設定時間60secに対して10sec加算した70secに対応する数値情報とするなど、シフト時減算や特定タイミング減算の減算値の分を予め加算してタイマカウンタTに入力する構成とするとよい。なお、この場合、シフト時減算においてシフト時減算抽選処理に必ず当選する、又はその抽選処理を経ることなく減算する等の構成とし、上記予め加算した分が必ず減算される構成とするとよい。このようにすれば、遊技者からみて、主制御装置81にて決定された特別保留予告なのか、演出制御装置82にて決定された特別保留予告なのか、がわかりにくくなり、当該特別保留予告において特別条件の成否が予め定められたものなのか否か、すなわち、特別条件の成否を踏まえることなく設定した特別条件なのか否かを予測しにくくすることが可能となる。
次に、本実施形態における変動表示時間の設定処理について、図83のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、変動表示時間の設定処理は、主制御装置881側の処理として一の遊技回の開始時の変動開始処理において実行される処理(ステップS608)である。
本実施形態では、先ずステップS5301にて、保留予告実行フラグが格納されているか否かを判定する。特別保留予告が格納されておらず、少なくとも主制御装置81側で決定された特別保留予告は実行されていない状況であれば、ステップS5302〜ステップS5305にて、上記ステップS701〜ステップS704の処理と同様に、通常通りの変動表示時間の設定処理を行う。すなわち、遊技結果と、リーチ乱数カウンタC3と、変動種別カウンタCSと、に基づいて、変動表示時間を設定する処理を実行する。
一方、ステップS5301にて保留予告実行フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS5306にて保留予告実行時の変動表示時間の設定処理を実行する。そして、その設定処理にて設定した時間をステップS5305にてセットして、変動表示時間の設定処理を終了する。
保留予告実行時の変動表示時間の設定処理について、図84のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS5401にて今回の設定時間パターンの読み出し処理を実行する。具体的には、図78、図79の設定時間テーブルのうち、上記ステップS4910にて決定した設定時間パターンのアドレス情報(A、B,C)をRAM204のアドレス情報記憶エリアから読み出す処理を実行する。続くステップS5402では、保留個数カウンタHKを把握する処理を実行する。そして、ステップS5403にて、上記ステップS5401にて把握した設定時間のパターンと、ステップS5402にて把握した保留個数カウンタHKと、に対応する変動表示時間を、今回の遊技回の変動表示時間として把握する。
具体的には、例えば、ステップS5401にて読み出した設定時間パターンのアドレス情報がA(3)であり60secの設定時間で、現状の保留個数カウンタHKが2であるとすると、今回の変動表示時間として15secを設定する。この設定においては、今回の保留情報についての変動種別カウンタCSの値は参照されない。また、変動表示時間が15secであれば、ノーマルリーチBの発生に対応する変動表示時間であり、この場合、リーチ乱数カウンタC3の値に関わらず、ノーマルリーチBの発生に対応する遊技回の設定が行われる。
続くステップS5404では、保留個数カウンタHKを1減算する処理を実行する。そしてステップS5405にて、減算後の保留個数カウンタHKが0であるか否かを判定し、0であればステップS5406にて保留予告実行フラグを消去してから、0でなければそのまま本設定処理を終了する。
特別保留予告の実行の契機が異なることによる変動表示時間の設定方法の違いについて、図85の表を参照しながら説明する。
すなわち、特別保留予告を実行することが演出制御装置82により決定された場合、変動表示時間は通常通り、変動種別カウンタCS等の保留情報取得時のカウンタ及び変動表示時間テーブルに基づいて決定される。そして、演出制御装置82側で決定される特別保留予告における特別条件の設定に際しては、遊技回側の変動表示時間を参照して成否を決定する場合もあれば、あえて変動表示時間を参照せずに成否を決定する場合もあり、特別保留予告と遊技回の関連性を低く見せたり、関連性を高く見せたりすることに成功している。
その一方で、特別保留予告を実行することが主制御装置81により決定された場合、その間の各遊技回の変動表示時間は設定時間用のカウンタ及び設定時間テーブルに基づいて設定される。そして、この場合の特別保留予告における特別条件の設定に際しては変動表示時間は参照せず、特別条件の成否に応じて変動表示時間の設定が行われる。このようにすることで、特別保留予告における特別条件が、各遊技回の変動表示時間と完全にリンクすることになり、特別条件を成立させたい場合や成立させたくない場合など、設計通りの演出とすることが可能となる。
以上のように、本実施形態によれば、特別保留予告を実行することを主制御装置81側で決定する構成としたことにより、特別保留予告の実行時間と、特別保留予告の実行中の遊技回の変動表示時間と、をリンクさせることが可能となり、特別保留予告において特別条件の成否を意図的に調節することが可能となる。
ここで、本実施形態では、主制御装置81側で特別保留予告の設定を行う構成としつつも、演出制御装置82側でも特別保留予告の設定を行う構成を有している。そのため、各遊技回の変動表示時間とは関係なく、特別条件の成否を踏まえることなく当該特別条件が設定される場合もあれば、そうではなく、消化前の保留情報に基づいて特別条件の成否を踏まえて特別条件が設定される場合もある。このように、両者を備えることで、特別条件の成否についてランダム性を持たせつつも、特別条件を成立させたい場合や成立させたくない場合などにおいて不都合が生じないように調節することが可能となる。
特別条件の成否を踏まえて当該特別条件を設定する構成として、特別保留予告の契機となる保留情報の当否判定結果を把握したうえで、それに応じて特別条件を成立させるか否かを決定し、その特別条件に基づいて遊技回側の変動表示時間を決定する構成とした。すなわち、遊技回側の変動表示時間の長さに応じて成立確率が異なり得る特別条件を、遊技回の当否判定結果に基づいてその成否を決定するとともに、決定した成否に基づいて遊技回側の演出を行う構成とした。このようにすることで、特別保留予告について、遊技回の変動表示時間の長さと関連付けられた特別条件を、遊技回の遊技結果とも関連付けることが可能となる。すなわち、特別保留予告における特別条件が、仮に遊技結果と関連付けられていても、遊技回の変動表示時間との関係で矛盾が生じ得る場合もあるし、逆に変動表示時間と関連付けられていても、遊技回の遊技結果との関係で矛盾が生じ得る場合もある。そして、そのような事象を解消するために、上記各実施形態においては、演出制御装置82側で演出上の各種調整を行う構成としていた。これに対して、本実施形態では、そのような各種調整を必要とせず、変動表示時間及び遊技結果の両方を特別条件と関連付けることが可能となり、より簡素な構成で特別保留予告を実現することが可能となる。
特別条件の成否(設定時間)を主制御装置81側で決定し、それに基づいて、特別保留予告の実行中の変動表示時間を、主制御装置81側で決定する構成とした。仮に演出制御装置82側で特別条件の成否を決定し、主制御装置81側で遊技回側の変動表示時間をその特別条件に合わせて設定する構成とするならば、演出制御装置82から主制御装置81へ特別条件の成否についての情報を出力する必要が生じる。現状、主制御装置81と演出制御装置82との情報のやり取りは、主制御装置81から演出制御装置82への一方的な出力のみの構成としているところ、上記のように演出制御装置82から主制御装置81への情報の出力を可能としようとすると、新たな接続経路(ケーブル等)を設ける必要が生じ、構成の簡素化という観点から好ましくない。また、主制御装置81では、特に遊技者の利益に関与する当否判定処理を行っているところ、このような利益に関与する判定を行う主制御装置81に対して、他の装置から情報が入力される構成とすると、不正目的で上記当否判定処理の結果を操る行為等を発見しにくくなる、といった不都合も考えられる。そこで、上記のように主制御装置81において特別条件の成否を決定する構成とすれば、このような不都合の発生を回避しつつも、特別保留予告を実行することによる優れた効果を奏することが可能となる。
その一方で、演出制御装置82において遊技回の変動表示時間を参照せずに特別条件を設定する処理を行う構成とした。このようにすることで、特別条件の成否にランダム性を生じさせる、という効果を更に奏しつつも、特別条件の設定を各制御装置81,82で分担して行うため、処理負荷の局所的な増加を抑制することができる。
主側特別保留予告設定処理では、特別条件を設定する際に、特別条件を成立させるように設定することも可能である一方で、特別条件を成立させないように設定することも可能なように構成した。このようにすることで、例えば、保留情報の当否判定の結果が外れ結果であって遊技者にとって好ましくない結果であったとしても、特別条件を成立させるようにしてその外れ結果であることのフォローとする(アイテムAを付与する)ことができるし、逆に、保留情報の当否判定の結果が大当たり結果であって遊技者にとって好ましい結果である場合には、あえて特別条件を成立させずに大当たりに集中させる、といった調整をすることが可能となる。
なお、遊技結果として大当たり結果/外れ結果に応じて特別条件の成否を設定する構成に加えて/代えて、大当たり結果の種類や外れ結果の種類に応じて特別条件の成否を設定する構成としてもよい。大当たり結果の種類としては、例えば、確変大当たり結果であれば特別条件を成立させる一方、通常大当たり結果であれば特別条件を成立させない、といったように設定してもよいし、その逆としてもよい。また、大当たり結果の種類として、継続するラウンド数の異なる大当たり結果(例えば8ラウンド大当たり結果と16ラウンド大当たり結果等)を設定し、ラウンド数の多い側の大当たり結果であれば特別条件を成立させる一方、ラウンド数の少ない側の大当たり結果であれば特別条件を成立させない、といったように設定してもよいし、その逆としてもよい。遊技者にとって有利な結果(上記の例でいうと、確変大当たり結果や16ラウンド大当たり結果)の場合に特別条件を成立し易くすれば、特別保留予告への注目度をより一層高めることが可能となるし、その逆の構成として、遊技者にとって有利な結果の場合に特別条件を成立しにくくすれば、気落ちした遊技者を特別条件の成立(アイテムA等の特典の付与)によってフォローすることが可能となり、遊技への意欲の低下を抑制することが可能となる。
さらに、大当たり結果の種類として、得られる賞球が通常よりも少ない開閉実行モード(例えば2ラウンドの開閉実行モードや大入賞口32aへ入賞しにくい/入賞しない態様で開閉する開閉実行モード等)へ移行するとともに、その後、当否抽選モードが高確率モードに移行しサポートモードは低頻度サポートモードへ移行する又はそれまでのサポートモードを維持する結果(所謂、潜伏確変結果)や、上記の得られる賞球が通常よりも少ない開閉実行モードへ移行するとともに、その後、当否抽選モードが高確率モードに移行しサポートモードは高頻度サポートモードへ移行する又はそれまでのサポートモードを維持する結果(所謂、突然確変結果)を設定し、これらの結果も含めて、特別条件の成否を設定する構成としてもよい。例えば、上記の潜伏確変結果を大当たり結果の種類に追加することで、当否抽選モードが高確率モードへ移行したか否かを予測させる楽しみを付加できる一方で、特別条件の成否によって当該潜伏確変結果であることが把握されてしまうと、その楽しみが抹殺されてしまう可能性が生じ得る。そこで、当該潜伏確変結果となる場合には、特別条件を成立させない/成立しにくいようにすれば、特別保留予告からは当否抽選モードの移行を予測困難とすることが可能となり、遊技結果を多様として興趣向上を図る効果と特別保留予告を行うことにより興趣向上を図る効果とを両立させることが可能となる。また、上記の突然確変結果では、当否抽選モードやサポートモードは遊技者にとって有利な側へ移行する一方で、当該大当たり結果にて移行する開閉実行モード自体では得られる賞球は少ないため、遊技者としてはなるべく早く次の大当たり結果となることを期待するものと考えられる。そこで、その次の大当たり結果となるまでのつなぎの演出として特別条件の成立に基づく特典を付与する(アイテムAを選択させる等)構成とすると、演出の間延びを抑制することが可能となる。
さらに、外れ結果として、開閉実行モードへ移行しない通常外れ結果の他に、1ラウンドのみの開閉実行モードへ移行するとともに遊技状態(当否抽選モード及びサポートモード)は移行しない特別外れ結果を設定し、これらの結果も含めて、特別条件の成否を設定する構成としてもよい。この場合、大入賞口32aの開閉態様を上記の潜伏確変結果と同様又は同一とするとともに、開閉実行モード後の表示画面G等の演出を同様又は同一とすれば、遊技者としては、開閉実行モードの契機となった遊技結果が潜伏確変結果であったのかそれとも特別外れ結果であったのかを予測する楽しみが増加する。このような構成において、例えば潜伏確変結果や特別外れ結果であっても所定の確率で特別条件を成立させるようにするとともに、潜伏確変結果において特別条件が成立する確率と特別外れ結果において特別条件が成立する確率とを異ならせる(例えば潜伏確変結果のほうを高くする)構成とすれば、特別保留予告における特別条件の成否からも潜伏確変結果であったか特別外れ結果であったかを予測させることが可能となり、予測の枝を増やして遊技の多様化を図ることができる。
上記のように大当たり結果の種類に応じて特別条件の成否を異ならせる構成において、大当たり時や大当たり中、大当たり後の演出における昇格演出の有無に応じて、特別条件の成否を設定してもよい。例えば、遊技者にとって有利な大当たり結果(例えば、確変大当たり結果や16ラウンド大当たり結果)であっても、大当たり成立時には不利な大当たり結果(通常大当たり結果や8ラウンド大当たり結果)として表示画面Gにて報知するとともに、特別保留予告においては特別条件を成立し易くする。その後、大当たり中の演出として昇格演出を発生させて、遊技者にとって有利な大当たり結果であったことを報知する。このようにすれば、特別条件が成立したことによって昇格演出が発生するのでは、と期待させることができ、遊技者にとって不利な大当たり結果であったとしても遊技への関心の低下を抑制することができる。逆に、昇格演出が発生しない場合に特別条件が成立し易い構成としてもよい。これは、あまり期待のできない昇格演出(昇格失敗演出)を見せるよりも、遊技者に特典(アイテムA等)を付与するほうがかえって遊技者の関心を高めることにつながり得ると考えられるからである。
上記のように遊技結果の種類に応じて特別条件の成否確率を変化させる構成に代えて/加えて、遊技結果の種類に応じて特別保留予告の実行確率を変化させる構成としてもよい。具体的には、特別条件が成立しにくい状況となる場合であれば特別保留予告の発生確率を低くしてもよいし、特別条件が成立し易い状況となる場合であれば特別保留予告の発生確率を高くしてもよい。このようにすれば、そもそも、特別条件の成立しにくい状況(例えば潜伏確変結果である状況)においてわざわざ特別保留予告を実行しなくてもよくなり、特別保留予告の実行率に対する特別条件の成功率を担保することが可能となる。
主側特別保留予告設定処理において、遊技回における当否判定の対象となっていない保留情報についての遊技結果を当該当否判定前に把握し、その結果に基づいて、その後の遊技回の変動表示時間を決定する構成とした。このようにしたことで、主制御装置81側で上記の特別条件の成否の設定が可能となり、遊技演出の多様化を実現することができる。
主側特別保留予告設定処理において、特別保留予告が設定されてその特別条件の成否として設定時間が決定された場合、その後の変動表示時間の設定処理では、設定時間テーブルを参照して各遊技回の変動表示時間を決定する構成とした。通常、変動表示時間の設定は、保留情報として取得した変動種別カウンタCSやリーチ乱数カウンタC3と変動表示時間テーブルとに基づいて行われる構成であるところ、仮に、このように変動表示時間の設定を変更する場合に、これら変動種別カウンタCSやリーチ乱数カウンタC3を変更する構成とすると、上記のように特別条件の成否に基づいて各カウンタCS,C3の値が変更されたのか、それともノイズや何らかの不正行為によって変更されたのかを判定することが困難となり得る。そこで、これら各カウンタCS,C3を残しつつも、参照するテーブルを変更することで設定される変動表示時間を変更する構成としたことで、上記のような不都合の発生を回避しつつも、変動表示時間の変更を好適に実現することができる。
変動表示時間の設定処理(図83)においては、特別保留予告を実行中であるか否かの判定を行うことによって、選択される変動表示時間テーブルが異なる(通常の変動表示時間テーブル及び設定時間テーブルのうちのいずれかが選択される)構成とした。このようにすれば、非常に簡素な構成で、上記の変動表示時間の変更を実現することが可能となる。
特に、変動表示時間テーブルや設定時間テーブルによって変動表示時間を参照可能としたことから、特別保留予告の実行の有無に関わらず変動表示時間が遅くとも遊技回の開始タイミングにおいて決定される構成となっている。そのため、変動表示時間が遊技回の開始後に変更されたりする(延長される又は短縮される)ことがなく、処理負荷の増加を抑制することが可能となる。
各設定時間テーブルでは、設定時間の範囲内で特別保留予告の契機となった保留情報を含めて各遊技回の変動表示時間が予め割り振られる構成とした。このようにすることで、各遊技回の変動表示時間が特別保留予告の開始時に定まり、特別保留予告における特別条件の成否に矛盾が生じるなどの不都合の発生を回避しつつ、特別保留予告の実行中において各遊技回の変動表示時間を設定する処理を大幅に簡素なものとすることができる。
主側特別保留予告設定処理において、保留情報に大当たり結果が含まれている場合には、特別保留予告を実行しないようにした。これにより、特別保留予告において大当たり結果(開閉実行モード)を含んだ期間として特別条件を設定する必要が生じず、構成の簡素化を図ることができる。また、上記のようにしたことで、大当たり結果が含まれている場合には、主側特別保留予告設定処理では特別保留予告の設定は行われない。一方で、演出制御装置82において特別条件の成否を踏まえずに特別条件が設定されて特別保留予告が実行される場合もあるため、仮に特別保留予告において特別条件が成立しなくても、その後に大当たり結果が含まれているのでは、といった期待感を抱かせることも可能となる。
なお、上述した本実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に他の実施形態やその変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて他の実施形態やその変形例に対して適用してもよい。また、各実施形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
主側特別保留予告設定処理において、今回の設定時間に対応する設定時間テーブルのアドレス情報を記憶し、各遊技回においてそのアドレス情報を読み出すことで各遊技回の変動表示時間を設定する構成としたが、以下のように変更してもよい。図86は、本変形例のRAM204に設けられた特別保留用記憶エリア235を説明するための説明図である。
図86に示すように、特別保留用記憶エリア235は、保留球格納エリア232の第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3、第4保留エリアRE4に対応させて、第1保留用エリア235a、第2保留用エリア235b、第3保留用エリア235c、第4保留用エリア235dが設けられている。そして、ステップS4910にて今回の特別保留予告における設定時間が決定されたら、設定時間テーブルにおいて各保留情報に割り振られている変動表示時間の情報又はそれに対応する数値情報(専用の乱数)を、対応する保留用エリア235a〜235dに記憶する処理を行う。そして、保留予告実行時の変動表示時間の設定処理では、この特別保留用記憶エリア235から今回の遊技回の変動表示時間の情報を取得する構成とする。このようにすることでも、変動種別カウンタCSやリーチ乱数カウンタC3を変更することなく、別途特別保留予告の実行時の変動表示時間の情報を記憶させておくことが可能となる。
特に、本変形例のようにすることで、設定時間テーブルにおいて一義的に定まる構成と比較して、変動表示時間の設定処理の自由度が向上する。すなわち、例えば、特別保留予告の実行時であっても、変動表示時間を変更する場合(例えば保留記憶数Nの変化に応じて変更する場合など)であれば、その変更が行われる際に、当該保留用エリア235a〜235dの値を変更すればよくなる。なお、この場合、特別保留予告における特別条件との整合を取るべく、他の特別保留用記憶エリア235の変動表示時間をその分増減させる構成としたり、変動表示時間の変更が行われた情報を演出制御装置82へ出力等して演出制御装置82側で調整する構成とするとよい。
上記実施形態において、保留予告実行時の変動表示時間の設定処理であっても、保留球格納エリア232から変動種別カウンタCSやリーチ乱数カウンタC3の値を、一旦は取得する構成としてもよい。このようにすることで、変動種別カウンタCSやリーチ乱数カウンタC3が保留記憶されている意義が全くなくなってしまう、といった事象を回避することができる。この構成として、例えば、変動種別カウンタCSやリーチ乱数カウンタC3の値を取得し、これらカウンタの値が更新上限値を上回る所定値(例えば1000)以上であるか否かを判定し、保留実行フラグが格納され且つ所定値未満であれば、保留予告実行時の変動表示時間の設定を行う構成とし、保留実行フラグが格納されているものの所定値以上であれば、エラー処理を実行する構成とする。このようにすることで、そもそも保留情報の取得時の変動種別カウンタCSやリーチ乱数カウンタC3が異常な値であった場合に、それに対応する処理を行うことが可能となる。
設定時間テーブルとして、変動種別カウンタCSやリーチ乱数カウンタC3と、設定時間とが一義的に紐付けられており、保留個数別に変動表示時間が設定される構成としてもよい。このようにすれば、設定時間を決定するために新たな乱数を設ける必要が生じず、記憶容量の削減を図ることができる。
上記実施形態において、特別保留予告として第1の実施形態等における時間表示画像Gp等を用いた演出を例に説明したが、特別条件として他の条件が成立するか否かを設定し、それに応じて変動表示時間の変更が行われる構成であればよい。例えば、変動パターンとして変動表示時間とリーチ表示とが関係している点を利用し、リーチ表示が所定回数発生する(連続する)ことを特別条件としてその成否を決定し、それに合わせて変動表示時間を設定する構成としてもよい。また、変動表示時間が長ければ所定の演出(キャラクタの出現等)が発生し易い構成とし、当該所定の演出が所定回数発生することを特別条件としてその成否を決定し、それに合わせて変動表示時間を設定する構成としてもよい。
上記実施形態において、特別条件成立に基づいてアイテムAが付与される構成としたが、付与される特典はこれに限定されず他の特典であってもよい。例えば、特典として所定数の賞球が払い出されるように遊技者の利益に関与する特典としてもよいし、レア画像等であってもよい。また、第1の実施形態等のように、保留画像が変化する構成としてもよい。特に保留画像が変化する構成においては、当該特別保留予告の契機となった保留情報についての保留用画像を変化させるように特別条件を設定する、具体的には、特別保留予告の契機となった保留情報の1つ前の遊技回までを特別条件の対象として各遊技回の変動表示時間を設定するとよい。このようにすれば、特別保留予告の契機となった保留情報についての保留用画像が変化する意義が担保される。
上記第7の実施形態のように、保留情報の取得順序に関わらず優先的に当否判定の対象となる保留情報(第2結果表示部用保留エリアRbに記憶される保留情報)と、後回しとなる保留情報(第1結果表示部用保留エリアRaに記憶される保留情報)と、を有する構成においては、以下のようにしてもよい。例えば、特別保留予告を実行中に当該優先的に当否判定の対象となる保留情報が取得された場合には、タイマの減算処理(タイマ管理処理、図35におけるステップS2203)を停止する構成としてもよい。このようにすれば、比較的簡素な構成で、特別条件の矛盾を回避することができる。
当該優先的に当否判定の対象となる保留情報が取得された場合であって、当該保留情報が所定の結果(例えば大当たり結果)であった場合には、特別条件を強制的に成立させる演出(例えば、時間表示画像Gpを爆発させて「0:00」にする演出)を実行する構成としてもよい。
当該優先的に当否判定の対象となる保留情報が取得された場合、設定時間を変えないように保留情報の増加に対応させて記憶されている設定時間パターンのアドレス情報を変更する処理を行う構成としてもよい。例えば、アドレスA(8)が記憶され、設定時間として80secが設定されている状況で、優先的に当否判定の対象となる保留情報が1つ取得された場合、設定時間を80secで保持しつつ保留個数の増加に対応させて記憶されているアドレスをB(11)〜B(13)に変更する処理を実行する。このようにすれば、設定時間の変更がされないため、特別条件に矛盾が生じない。
当該優先的に当否判定の対象となる保留情報が取得された場合、特別保留予告の対象となっている保留情報がずれる構成としてもよい。すなわち、例えば、第1結果表示部用保留エリアRaに3つ保留情報が記憶されており、当該3つ目の保留情報が特別保留予告の対象となっている状況で、第2結果表示部用保留エリアRbに保留情報が1つ取得された場合、第1結果表示部用保留エリアRaにおける2つ目の保留情報を特別保留予告の対象としてずらす構成としてもよい。このようにすれば、設定時間パターンのアドレス情報を変更しなくても、特別条件の成否は変わらず、矛盾が生じない。
特別保留予告において、特別条件の終了タイミング、すなわち、タイマを「0:00」とするタイミングは、遊技回の変動終了時に限定されず、遊技回中の他のタイミングであってもよい。この場合、設定時間テーブルにおける設定時間を、当該他のタイミングに合わせて変更(減算/増加)させる構成とするとよい。
本実施形態では、タイマ減算処理の減算開始タイミングは、特別保留予告が設定されてから最初に消化される保留情報についての遊技回の開始時であったが、特別保留予告が設定されたタイミングやそのタイミングから所定期間ずらしてタイマ減算処理の減算や、特別保留予告自体が開始される構成としてもよい。この場合、主制御装置81の主側特別保留予告設定処理において、現在実行中の遊技回の残りの変動表示時間を把握する処理を加え、設定時間テーブルから決定した設定時間に当該残りの変動表示時間を加算する、又はその加算した時間から上記ずらす所定期間分を減算する、構成とするとよい。
<第12の実施形態>
本実施形態では、上記第11の実施形態のように変動表示時間を変更する構成を利用して、以下のような演出を設定する。図87は、本実施形態における特別遊技回を説明するための説明図である。
本実施形態では、取得した保留情報が大当たり結果であり、且つその1つ前の保留情報が外れ結果である場合、今回取得した保留情報を特別遊技回とし、当該特別遊技回の1つ前の遊技回において、図87(a)〜図87(b)に示すように、外れ結果となるスーパーリーチを実行する。そして、外れ結果となったスーパーリーチ後の次の特別遊技回として、図87(c)に示すように、当該外れ結果となったスーパーリーチにおいてリーチラインを形成していた上図柄列Z1と下図柄列Z3は停止させたまま、中図柄列Z2だけを変動表示させて、当該中図柄列Z2のリーチ図柄をリーチラインまで移動させて、当該特別遊技回を終了する。
すなわち、特別遊技回では、リーチ表示における所謂再変動演出を、異なる遊技回(後続の遊技回)によって実現可能とするものである。そして、この特別遊技回の実現に、上記第11の実施形態に示した変動表示時間を変更する構成を利用する。
図88は、本実施形態における作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。
本実施形態の入賞処理は、基本的には上記第1の実施形態において示した作動口用の入賞処理(図7)と同様であるが、ステップS205の処理とステップS206との処理の間に、特別遊技回を設定するための処理が加えられている。すなわち、本実施形態では、上記ステップS201〜ステップS205の処理と同様に、ステップS5501〜ステップS5505の処理を実行した後、ステップS5506にて、特別遊技回用処理を実行する。ステップS5506の処理を実行した後は、ステップS206〜ステップS208の処理と同様に、ステップS5507〜ステップS5509の処理を実行する。ステップS5508にて否定判定することで、本入賞処理を終了する。
図89は、ステップS5506の特別遊技回用処理を示すフローチャートである。
特別遊技回用処理の前半の処理は、上記保留予告用の確認処理と基本的には同様である。すなわち、ステップS5601〜ステップS5609では、例えば上記ステップS4801〜ステップS4809の処理と同様に、今回取得した保留情報の当否判定処理、及び保留情報についての当否抽選モードの移行処理を行う。なお、後続の保留予告用の確認処理(ステップS5507)との関係で、保留用高確率フラグを特別遊技回用処理用に別途設けるとよい。
今回取得した保留情報が外れ結果である場合(ステップS5608:NO)には、そのまま特別遊技回用処理を終了する。一方、いずれかの確変大当たり結果又は通常大当たり結果である場合には、ステップS5607又はステップS5609の処理後に、ステップS5610に進む。ステップS5610では、保留記憶数Nが1よりも大きいか(2以上か)否かを判定する。すなわち、今回取得した保留情報よりも前に当否判定の対象となる保留情報であって、未だ遊技回が開始されてない保留情報が存在するか否かを判定する。保留記憶数Nが1である場合には、そのまま特別遊技回用処理を終了する。
保留記憶数Nが1よりも大きい場合には、ステップS5611にて、今回取得した保留情報のよりも先に当否判定の対象となる保留情報に大当たり結果が含まれているか否かを判定する。大当たり結果が含まれている場合には、そのまま特別遊技回用処理を終了する。
大当たり結果が含まれていない場合には、ステップS5612にて、特別遊技回抽選処理を実行する。この抽選処理の当選確率としては、本実施形態では10%に設定されている。すなわち、大当たり結果の10回に1回は特別遊技回に設定される。
特別遊技回の当選確率は任意であり、10%よりも高くてもよいし低くてもよい。また、遊技状態によって当選確率が異なるように設定されていてもよい。特に、低確率モード中は、特別遊技回に設定されなくても外れ結果となる確率が高いことから、スーパーリーチの発生頻度が高確率モードよりも高い。そのため、低確率モード中の当選確率を高めることで、スーパーリーチへの期待感をより一層高めることが可能となる。逆に、高確率モード中の当選確率を低くすると、無駄な演出(大当たり結果となる遊技回の前に外れ結果となるスーパーリーチが行われる演出)の発生頻度を抑えることができ、遊技者にとっては好ましい。
ステップS5613では、特別遊技回に当選したか否かを判定する。当選していなかった場合には、そのまま特別遊技回用処理を終了する。当選していた場合には、ステップS5614にて、今回の特別遊技回用の設定時間を決定する処理を実行する。この処理では、今回取得した保留情報を除く保留個数を把握するとともに、ROM203から特別遊技回用の設定時間テーブルを取得して、今回の特別遊技回、及びその前に消化される遊技回の変動表示時間の設定を行う。本実施形態では、特別遊技回を行う場合の設定時間テーブルとして、図90(a)〜図90(c)に示すように、保留個数に応じた設定時間テーブルが設けられている。設定時間テーブルは、特別遊技回及びその前の遊技回の変動表示時間と、各遊技回の演出パターンと、が1対1の関係となるように複数のパターンが定められている。そして、それぞれのパターンと1対1の関係となるようにアドレス情報が記憶されている。
例えば、保留個数が1個である場合(今回取得した保留個数を加えると2個)に選択されるパターンとして、図90(a)のうち、アドレスD(1)が選択された場合、今回取得した保留情報についての遊技回を特別遊技回(変動表示時間は20sec、演出パターンは再変動演出)とし、その1つ前の遊技回にて外れ結果となるスーパーリーチA(変動表示時間は45sec)が実行されるように設定する。
例えば、保留個数が2個である場合(今回取得した保留個数を加えると3個)に選択されるパターンとして、図90(b)のうち、アドレスE(3)が選択されると、今回取得した保留情報についての遊技回を特別遊技回とし、その1つ前の遊技回にて外れ結果となるスーパーリーチC(変動表示時間は90sec)が実行されるようにし、更にその1つ前の遊技回ではリーチが発生しない完全外れの遊技回(変動表示時間は5sec)が実行されるように設定する。
例えば、保留個数が3個である場合(今回取得した保留個数を加えると4個)に選択されるパターンとして、図90(c)のうち、アドレスF(9)が選択されると、今回取得した保留情報についての遊技回を特別遊技回とし、その前の3つの遊技回いずれにおいても外れ結果となるスーパーリーチC(変動表示時間は90sec)が実行されるように設定する。
本実施形態では、保留個数が多くなると、特別遊技回前にリーチ外れが連続する演出パターンが選択され易くなっている。より具体的には、特別遊技回として設定される遊技回の前の遊技回が2回(保留個数が2個)である場合には、リーチ外れは3/6の確率(50.0%)で連続して発生する。一方、特別遊技回として設定される遊技回の前の遊技回が3回(保留個数が3個)である場合には、リーチ外れは6/9の確率(66.7%)で連続して発生する。さらに、当該前の遊技回が3回である場合にリーチ外れが連続する場合においては、3/6の確率(50.0%)でリーチ外れが3連続となる。このように、リーチ外れを連続させることにより、遊技者としては、次こそは当たるのでは、といった期待を寄せることが考えられ、外れとなるリーチにすら関心を寄せさせることが可能となる。
なお、例えば、アドレスF(7)〜F(9)のようにスーパーリーチが連続する構成において、大当たり期待度が順番に高くなるように、スーパーリーチA→スーパーリーチB→スーパーリーチCといった順番で、スーパーリーチの演出パターンを設定してもよい。このようにすれば、次こそは当たるのでは、といった期待感をより一層高めることが可能となる。
また、各遊技回においてスーパーリーチを実行するのではなく、複数回の遊技回を跨いだ演出(例えばストーリーリーチのようにアニメーションや動画等を利用した演出)を設定してもよい。このような複数回の遊技回を跨いだ演出を実行すれば、その遊技回(最後の遊技回)において大当たり結果となるのでは、といった期待感をより一層高めることが可能となる。
ステップS5614では、今回の特別遊技回用の設定時間を、保留情報の数と、抽選用の乱数カウンタと、を用いて、いずれの演出パターンとするかを決定し、決定した演出パターンに対応するアドレス情報を、RAM204のアドレス情報の記憶エリアに記憶する処理を実行する。
続くステップS5615では、保留個数カウンタHKに現状の保留個数を入力する処理を実行する。そして、ステップS5616にてRAM204の各種フラグ格納エリア234に特別遊技回フラグを格納する処理を実行してから、本特別遊技回用処理を終了する。特別遊技回フラグは、特別遊技回が設定されている状況であることを、MPU202が把握するためのフラグである。
図91は、本実施形態における変動表示時間の設定処理を示すフローチャートである。
本実施形態の設定処理では、基本的には上記第11の実施形態における変動表示時間の設定処理と同様の処理を行う。すなわち、ステップS5701〜ステップS5705にて、上記ステップS5301〜ステップS5305の処理と同様の処理を行う。なお、ステップS5701では、保留予告実行フラグの有無を確認する処理の代わりに、特別遊技回フラグの有無を確認する。ステップS5701にて特別遊技回フラグが格納されている場合には、ステップS5706にて特別遊技回実行時の変動表示時間の設定処理を行ってから、ステップS5705にて変動表示時間をセットする処理を行う。
図92は、ステップS5706の特別遊技回実行時の変動表示時間の設定処理を示すフローチャートである。
本設定処理では、基本的には、上記保留予告実行時の変動表示時間の設定処理(図84)の処理と同様の処理を行う。すなわち、ステップS5801にて、今回の設定時間パターンとして演出パターンに対応するアドレス情報の読み出し処理を行い、ステップS5802にて保留個数カウンタHKを把握する処理を行う。そして、ステップS5803にて、対応する変動表示時間を把握する処理を実行する。ステップS5804では、保留個数カウンタHKを1減算する処理を行い、ステップS5805では、減算後の保留個数カウンタHKが0となったか否かを判定する。0である場合にはステップS5806にて、特別遊技回フラグを消去してから、0ではない場合にはそのまま本設定処理を終了する。
ここで、本実施形態における変動開始処理(図11)にて設定する変動用コマンド又は種別コマンドには、今回の遊技回が特別遊技回か否かの情報を設定する。そして、演出制御装置82側の変動開始用処理では、図93のフローチャートに示すように、ステップS5901にて、今回開始する遊技回が特別遊技回か否かを判定し、特別遊技回ではない場合には、ステップS5902にて通常の変動開始用処理を実行する。この場合、変動用コマンド及び種別コマンドに含まれる遊技結果の情報や、変動表示時間の情報に応じた遊技回演出が実行されるように、各種設定を行う。一方、特別遊技回である場合には、ステップS5903にて、再変動用処理を実行する。再変動用処理では、今回の遊技回の前の遊技回にて外れ結果となるスーパーリーチが実行されていることを前提とし、中図柄列Z2のみの変動を行って大当たり図柄を揃えるように各種設定を行う。
以上のように、本実施形態では、保留情報の取得時に大当たり結果であったことに基づいて、その後の遊技回の演出パターンを変更するように、各遊技回の変動表示時間を変更する。その結果、遊技回用の演出をより一層多様なものとすることが可能となり、遊技への注目度を好適に高めることができる。
演出パターンの変更を行う場合、大当たり結果の前の遊技回において外れとなるスーパーリーチ表示が行われるようにし、そのスーパーリーチの内容に応じて変動表示時間を設定するようにした。この場合、演出制御装置82側では、変動表示時間と演出内容とが一義的に定まるように設定されているため、演出制御装置82に対して過度な処理変更を強要する必要がなく、簡素な構成で、変動表示時間の変更と演出パターンの変更とを紐付けることができる。
なお、上述した本実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に他の実施形態やその変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて他の実施形態やその変形例に対して適用してもよい。また、各実施形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
特定遊技回として再変動演出を実行する構成としたが、ノーマルリーチや直当たり演出を行う構成としてもよい。すなわち、通常であれば、遊技者が大当たり結果となることを期待しないような演出を、特別遊技回において実行して、それで大当たり結果とする構成としてもよい。このようにすれば、特別遊技回において大当たり結果となることの驚きの効果を高めることができる。
再変動演出を行う前段階の演出として、中図柄列Z2を搖動させる等して当該名が図柄列Z2が再変動することを期待させる煽り演出を設定してもよい。そして、この煽り演出を、次回が特別遊技回ではない遊技回における、通常の外れリーチ(外れとなるスーパーリーチ)後にも実行する構成としてもよい。このようにすれば、煽り演出後に、再変動演出が行われるかもしれない、といった期待を寄せさせることが可能となる。
スーパーリーチ後に特別遊技回を実行する構成としたが、ノーマルリーチ後に特別遊技回を実行する構成としてもよい。また、リーチ非発生の遊技回(通常外れ)後に特別遊技回を実行する構成としてもよい。リーチ非発生後の遊技回としては、例えば、所定の図柄組合せ(例えば、リーチラインを形成させず、且つ同一種の図柄が各図柄列Z1〜Z3に停止させる、所謂、チャンス目)となるように特別遊技回前の遊技回の停止結果を設定する。そして、特別遊技回において、各図柄列Z1〜Z3を再変動させて大当たり結果となるように設定する。これらの場合であっても、特別遊技回を実行することを決定した際(保留取得時)に、当該特別遊技回前の遊技回の変動表示時間を設定(変更)する構成とするとよい。
特別遊技回として、大当たり結果となる遊技回を前提として説明したが、外れ結果となる遊技回も特別遊技回として設定され得るようにしてもよい。このようにすれば、再変動演出が発生しても、大当たり確定とはならず、最後まで演出に注目させることができる。
大当たり結果の種類に応じて、特別遊技回として設定されない大当たり結果が含まれる構成としてもよい。例えば、確変大当たり結果であれば特別遊技回として設定され得るものの、通常大当たり結果であれば特別遊技回に設定されないようにする。このようにすれば、再変動演出で大当たりとなれば、確変大当たり結果であることが確定し、特別遊技回に対する注目度をより高めることが可能となる。
保留情報の取得時に、当該取得した保留情報よりも前に消化される保留情報に大当たり結果が含まれる場合には、特別遊技回の設定を行わない構成としたが、当該前に消化される保留情報に係る遊技回において、所定の演出(リーチ演出、予告演出等)が設定されている場合には、特別遊技回の設定を行わない構成としてもよい。このようにすれば、せっかく所定の演出が設定したのにもかかわらず、変動表示時間が変更されることによって、再度演出を設定し直さなければいけない、といった処理の煩雑さを回避することができる。
また、所定の演出が設定されている場合には、特別遊技回の設定を積極的に行う構成としてもよい。例えば、今回取得した保留情報の遊技結果が所定の結果(大当たり結果)であり、その1つ前に消化される遊技回に設定済みの演出が所定の演出(スーパーリーチ)である場合には、通常よりも特別遊技回とし易いように特別遊技回の抽選確率を設定してもよい。このようにすれば、特別遊技回を設定することによる遊技回の変動表示時間の書換え処理の頻度を少なくして、処理負荷の低減を図ることができる。
保留取得時に特別遊技回を設定しても、その後、所定条件が成立したことに基づいて、それを解除する構成としてもよい。例えば、第7の実施形態のように、保留情報の消化に優劣を設定する構成において、特別遊技回の設定後に、特別遊技回に設定した保留情報と当該保留情報の1つ前に消化されるはずであった保留情報との間に、優先的に消化される側の保留情報が割り込んで消化されるように取得されたとする。すなわち、特別遊技回に設定した保留情報の1つ前の保留情報については既に遊技回が開始されており、その遊技回の開始後であって、特別遊技回の開始前に、優先的に消化される側の保留情報が取得されたとする。この場合、当該1つ前の保留情報に係る遊技回においては、そのまま外れとなるスーパーリーチを行っても演出上の矛盾は生じないものの、続く優先的に消化される側の保留情報によっては、特別遊技回側の演出上に不都合が生じ得る。つまり、特別遊技回においては、リーチ外れの停止結果を前提として当該特別遊技回の再変動演出(中図柄列Z2のみの変動表示)を設定しているため、例えば、上記割り込んだ保留情報に係る遊技回がリーチ非発生であれば、再変動演出を実施する上で演出上の変更(当該割り込んだ側の遊技回をリーチ非発生からリーチ発生に変更したり、全ての図柄列Z1〜Z3において再変動演出を実行するように変更するなど)が必要になる。そこで、上記のような割り込みが発生したら、特別遊技回の設定を解除する(すなわち、保留情報の取得時に取得した変動種別カウンタCS等に基づいた通常の遊技回演出を実行する)構成とすれば、演出上の変更による処理負荷の極端な増加を回避することができる。
上記構成のように優先側の保留情報の割り込みが発生し得る構成では、特別遊技回を有効としたまま、当該割り込んだ保留情報について、上記第11の実施形態の変形例において示したように、保留個数カウンタHKを増加させてそれに対応するテーブルを参照する構成としてもよい。また、当該割り込んだ保留情報が特別遊技回の設定に対応する保留情報(大当たり結果)であれば、当該割り込んだ保留情報に係る遊技回を特別遊技回に設定してもよい。この場合、元の特別遊技回に係る保留情報についての特別遊技回の設定を解除する(通常の遊技回演出を経て大当たり結果となる遊技回に戻す)構成とするとよい。
上記構成のように優先側の保留情報の割り込みが発生し得る構成では、遊技回を実行中であって、今回取得した保留情報が次の遊技回に対応するもの(保留個数0個の状況で取得した保留情報)であり、当該保留情報が所定の結果等(大当たり結果)であれば、一旦、当該取得した保留情報に係る遊技回を特別遊技回とし、当該特別遊技回の開始前に割り込みが発生したら、当該割り込んだ保留情報に係る遊技回を特別遊技回の前の遊技回(スーパーリーチ)とし、割り込みが発生しなければ特別遊技回を解除する構成としてもよい。このようにすれば、保留個数0個で取得される保留情報についても特別遊技回とされる可能性を残し、特別遊技回が実行される頻度を高くすることができる。この場合、割り込みが発生し易い状況としにくい状況(サポートモードの高低)によって、保留個数0個の状況で特別遊技回とする確率を異ならせる構成としてもよい。より具体的には、割り込みが発生し易い状況(高頻度サポートモード)の方が、割り込みが発生しにくい状況(低頻度サポートモード)よりも、保留個数0個の際に取得した保留情報について特別遊技回とする確率を高めると、割り込みが発生せずに特別遊技回の設定が解除される頻度を低くすることができる。
第1の実施形態等のような特別条件成立に応じて特典を付与する特別保留予告と、上記実施形態における特別遊技回とを組み合わせて実施してもよい。例えば、特別条件が成立する特別保留予告を実行時には特別遊技回が設定され易く(特別遊技回の抽選に当選し易く)すると、特別保留予告と特別遊技回との関連性が高められ、先に実行されている特別保留予告側の注目度をより一層高めることができる。特別遊技回においては、その前の遊技回における演出(外れ結果の演出)が期待度の高いもの(例えばスーパーリーチ)であるほど、当該特別遊技回が発生した場合の驚きが高まるものと考えられる。そのため、特別保留予告において特別条件成立の特典として、第1の実施形態のように保留画像の種類を期待度の高い側に変化させる構成とする一方で、当該特別保留予告の対象となっていた遊技回の次の遊技回を特別遊技回とすると、特別保留予告の対象となっていた遊技回が外れとなった場合であっても、次の遊技回で当たるのでは、と期待感を持続させることが可能となる。
上記構成とは反対に、特別条件が成立しない特別保留予告を実行時に特別遊技回が設定され易い構成としてもよい。このようにすると、例えば、演出によって(設定時間によって)特別保留予告において早々に特別条件が成立しないと予測した場合であっても、その後に特別遊技回が発生するのでは、と期待させることができ、特別保留予告の実行中の注目度を維持することができる。
また、特別保留予告に対応する保留個数(特別保留予告の対象となっている保留情報までに消化される保留情報の数)に応じて、特別遊技回に設定され易くする/設定されにくくする構成としてもよい。保留個数が多いほどトータルの変動表示時間は長くなり易いため、特別保留予告における特別条件は成立し易くなる。そのため、例えば、特別保留予告に対応する保留個数が多いほど特別遊技回に設定され易くなる構成とすると、特別条件が成立し易い状況と特別遊技回への設定され易さとをリンクさせることができる。逆に、特別保留予告に対応する保留個数が多いほど特別遊技回に設定されにくくなる構成とすると、大当たり等による賞球とは異なる特典(アイテムA等)を付与することによる注目度を高める効果を好適に奏することが可能となる。この場合、例えば、特別遊技回の開始前(前の遊技回)において特別保留予告に対応する特典が付与される構成とすれば、特別遊技回と特別保留予告における特典付与とをバッティングさせなくすることができ、両演出をバランスよく楽しませることが可能となる。
特別保留予告において、取得済みの保留情報の個数に関わらず特別保留予告を実行可能な構成として、特別保留予告の対象となっている保留情報で遊技回が途切れ得る(終了し得る)構成とする。そして、特別保留予告の対象となっている保留情報の次の保留情報がない状況で、新たな保留情報を取得し、当該取得した保留情報が大当たり結果であった場合には、当該取得した保留情報に係る遊技回を特別遊技回とし易い/しにくい構成としてもよい。この場合、大当たり結果となる保留情報を取得するまでは特別保留予告が当該取得した保留情報よりも前に終了する予定であったのであるから、当該特別保留予告についての特別条件の成否は、新たに取得した保留情報によっては変更し得ない。そのため、特別保留予告が終了するまで当該演出のみを楽しむ行為、すなわち新たな保留情報を取得させないように、所謂止め打ちをする行為が行われることが懸念される。そこで、当該特別保留予告については、そのまま終了するとともに、当該新たに取得した保留情報について特別遊技回が発生し易い構成とすれば、特別保留予告の終了間際(終了する遊技回中)に新たな保留情報を取得させる特別感を感じさせることが可能となり、上記止め打ち行為を抑止することができる。反対に、特別保留予告が終了する遊技回中に取得した保留情報によっては特別遊技回が発生しにくい構成とすると、特別保留予告と特別遊技回とが別々の演出である印象を高めて、それぞれの演出を楽しませることが可能となるだけでなく、特別保留予告の終了後の次の遊技回の演出を特別遊技回といった限られた演出ではなく多様な種類の演出から選択することが可能となり、演出の多様化を図ることができる。また、特別保留予告における特典をアイテムA等の付与だけでなく、上記第1の実施形態のように保留画像の変化とすると、特別保留予告の終了間際に保留情報を取得させる意義を生じさせることが可能となり、これによっても上記止め打ち行為を抑制することが可能となる。
さらに、特別保留予告を実行中に取得した保留情報について、当該保留情報の遊技結果と実行中の特別保留予告における特別条件との関係で、当該取得した保留情報についての変動表示時間を設定する構成としてもよい。この場合、取得した保留情報についての変動表示時間が特別保留予告における特別条件に関与し得るように、取得した特別情報の付与判定の順序が優先される構成や、付与判定の順序は取得順としておいても実行中の特別保留予告を延長することが可能な構成とするとよい。そして、例えば、第1の実施形態等の特別保留予告において特別条件が成立しないものを実行している場合に、大当たり結果となる保留情報を取得した場合、実行中の特別保留予告における特別条件が成立し得るように、実行中の特別保留予告における残り時間を参照し、当該残り時間以上となるように当該取得した保留情報に係る遊技回の変動表示時間を設定する。このようにすれば、特別保留予告を実行中に新たに保留情報を取得させる意義を生じさせることができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。図94(a)は、本変形例の保留表示設定処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、保留表示設定処理は、演出制御装置82の保留制御用コマンド対応処理において、保留コマンドを受信した際に実行される処理であり、今回取得した保留情報に対応する保留用画像を設定するための処理である。
ステップS6001では、受信した保留コマンドに基づいて、遊技結果を把握する処理を実行し、ステップS6002では、変動表示時間を把握する処理を実行する。これらの処理により、今回取得した保留情報についての遊技回においてどのような演出(リーチの有無やその種類等)が実行されるかを把握することが可能である。ステップS6003では、ROM243の各種テーブル記憶エリア245から保留用画像選択テーブルを取得する処理を実行する。
保留用画像選択テーブルとしては、図94(b)〜図94(e)に示すように、遊技結果と、特別遊技回であるか否かと、によってそれぞれ異なるテーブルが設けられている。通常時の大当たり結果となる保留情報についての保留用画像選択テーブルでは、図94(b)に示すように、第1保留用画像P1(A)は2%、第2保留用画像P2(B)は30%、第3保留用画像P3(C)は40%、第4保留用画像P4(D)は20%、第5保留用画像P5(E)は8%の確率で選択される。これに対して、通常時の外れ結果となる保留情報についての保留用画像選択テーブルでは、図94(d)に示すように、第1保留用画像P1(A)は0%、第2保留用画像P2(B)は10%、第3保留用画像P3(C)は20%、第4保留用画像P4(D)は30%、第5保留用画像P5(E)は40%の確率で選択される。既に説明した通り、保留用画像は、第1保留用画像P1が最も大当たり期待度が高く、第5保留用画像P5が最も大当たり期待度が低くなるように設定れており、P1、P2、P3、P4、P5の順で大当たり期待度が高くなるように設定されている。そのため、通常時においては、大当たり結果となる保留情報のほうが、番号が小さい側の保留用画像が選択され易く、外れ結果となる保留情報のほうが、番号が大きい側の保留用画像が選択され易い。
一方、特別遊技回時の大当たり結果となる保留情報(当該特別遊技回の対象となっている保留情報)についての保留用画像選択テーブルでは、図94(c)に示すように、第1保留用画像P1(A)は0%、第2保留用画像P2(B)は0%、第3保留用画像P3(C)は10%、第4保留用画像P4(D)は30%、第5保留用画像P5(E)は60%の確率で選択される。つまり、特別遊技回時においては、大当たり結果であるのにもかかわらず、保留用画像が大当たり期待度の低いものが選択され易くなるように設定され、通常時の外れ結果よりも大当たり期待度が低いものが選択され易くなるように設定されている。
このようにすることで、特別遊技回に設定された遊技回について、事前にそれが大当たり結果であることが予測されてしまって、再変動演出自体を期待してしまうあまり、それよりも前の演出、すなわち、特別遊技回の1つ前の遊技回におけるスーパーリーチに注目できないといった事象を回避することができる。そして、特別遊技回に設定された遊技回を、そもそも、外れ結果として事前に予測させることで、特別遊技回として再変動演出が行われることによる驚きの効果を、より一層高めることが可能となる。
ここで、既に説明したとおり、特別遊技回ではなく通常の遊技回において大当たり結果となる保留情報に係る遊技回では、その変動表示時間が外れ結果となる保留情報に係る遊技回よりも長くなる(例えば、図13参照)。また、通常の遊技回において大当たり結果となる保留情報に係る遊技回では、リーチ非発生やノーマルリーチが選択される確率(リーチ乱数カウンタC3=0〜19)よりも、スーパーリーチA〜Cが選択される確率(リーチ乱数カウンタC3=20〜99)の方が高い。そのため、通常であれば、大当たり結果となる保留情報に係る遊技回では、スーパーリーチA〜Cに相当する変動表示時間(45sec〜60sec)が設定されるものと考えられる。その一方で、特別遊技回においては、スーパーリーチA〜Cに相当する変動表示時間よりも短い変動表示時間が設定される(20sec、図90参照)。つまり、特別遊技回は、大当たり結果となる他の遊技回よりも変動表示時間が短い遊技回といえる。
一方、遊技結果が外れ結果となる遊技回の変動表示時間は、上記のとおり、大当たり結果となる遊技回の変動表示時間よりも短いものが選択され易い。そして、通常であれば、リーチ非発生やノーマルリーチが選択される確率(リーチ乱数カウンタC3=0〜89)よりも、スーパーリーチA〜Cが選択される確率(リーチ乱数カウンタC3=90〜99)の方が低い。これに対して特別遊技回の前の遊技回では、遊技結果が外れ結果であるのにもかかわらず、スーパーリーチA〜Cが選択される。そのため、特別遊技回の前の遊技回(特に1つ前)は、外れ結果であっても、通常よりも長い変動表示時間となる遊技回といえる。
つまり、変動表示時間が長い→短いとなり、且つ遊技結果が外れ→当たりとなる順番に保留情報が連続する場合には、保留用画像は、大当たり期待度が高い保留用画像→低い保留用画像の順となるように設定され易い。このようにすることで、上記のように先の保留情報(外れ)側について遊技者は期待し、次の保留情報(当たり)側については遊技者は期待しなくなる。先の保留情報(外れ)について期待している遊技者にとっては、当該保留情報についての遊技回が長引いてもそれが大当たり結果であることを大いに期待しているのであるから、当該遊技回に対して感じる間延び感は薄れるものと考えられる。その一方で、その遊技回が外れで終わってしまうと、落胆度合は著しいものとなり得る。そして、その次の遊技回が長い変動表示時間の演出となると、その前の遊技回の結果(長時間且つ外れ)も相まって、どうせまた外れるのであろう、と勘繰ることも想定され、単に変動表示時間が長いだけでも、当該次の遊技回(当たり)への注目度が低下しかねない。その点、当該次の遊技回について変動表示時間を短く設定しているため、注目度の低下を抑止するだけでなく、落胆→驚き、といった感情を大きく揺さぶることが可能となり、興趣向上を大いに図ることができる。
なお、大当たり結果となる保留情報であって、且つ当該保留情報に係る遊技回の変動表示時間が所定の期間より(例えば、他の遊技回における平均的な変動表示時間より)も短い場合に低期待度側の保留用画像が選択され易くしてもよい。また、外れ結果となる保留情報であって、且つ当該保留情報に係る遊技回の変動表示時間が所定の期間より(例えば、他の遊技回における平均的な変動表示時間より)も長い場合に高期待度側の保留用画像が選択され易くしてもよい。
さらに、特別遊技回の1回前の外れ結果となる保留情報についての保留用画像選択テーブルでは、図94(d)に示すように、第1保留用画像P1(A)は0%、第2保留用画像P2(B)は30%、第3保留用画像P3(C)は40%、第4保留用画像P4(D)は20%、第5保留用画像P5(E)は10%の確率で選択される。つまり、特別遊技回の1回前の外れ結果となる遊技回についての保留用画像は、外れ結果であるのにもかかわらず、保留用画像が大当たり期待度の高いものが選択され易くなるように設定されている。
このようにすることで、特別遊技回の1回前にこそ大当たり結果となるのでは、と事前予測させ、特別遊技回前のスーパーリーチへ注目させることが可能となる。そして、その後に、特別遊技回として再変動演出を実行することで、その驚きの効果をより一層高めることが可能となる。
また、上記実施形態を第1〜第11の各実施形態に適用してもよい。図95(a)及び図95(b)は、本変形例における保留用画像選択テーブルを示す説明図であり、図95(c)は、本変形例における外れ時の特別保留予告テーブルの概要を示す説明図である。既に説明した通り、外れ時の特別保留予告テーブルは、演出制御装置82における外れ時の演出設定処理(図32)においてステップS2001にて参照されるテーブルである。
図95(a)は、上記図94(d)のテーブルと同じであり、通常時の外れ用の保留情報についての保留用画像の選択率を示している。図95(b)では、特別遊技回の1回前の保留情報についての保留用画像の選択率を示しており、本変形例では、第4保留用画像P4が高確率(100%の確率)で選択されるようになっている。そして、図95(c)に示すように、本変形例では、特別遊技回の1回前の遊技回において特別条件が成立し易い短時間の特別保留予告が実行され易くなっている。なお、本変形例において特別保留予告の特別条件成立に基づく特典としては、上記第1の実施形態等に示した保留用画像の変化とする。
以上のようにすることで、特別遊技回の1回前の遊技回において、特別保留予告の特別条件を成立させ易くし、それにより、保留用画像を変化させてあたかも当該1回前の遊技回が大当たり結果となるのでは、と期待させることが可能となる。これにより、その後に再変動演出を行うことによる驚きの効果を、より一層際立たせることができるし、その前の遊技回において、長々と演出が行われることによる倦怠感をも解消することが可能となる。
特別遊技回の演出パターンは上記のものに限定されず、以下のようにしてもよい。演出パターンの変形例等について図96〜図103を用いて説明する。なお、以後の図においては、表示画面Gの各種演出に用いられる図柄等を簡略化して示している。
図96では、特別遊技回前の遊技回において偶数の主図柄(通常大当たり結果に対応する非特定図柄)での外れリーチを発生させた場合を示している。図96(a)では、特別遊技回の遊技結果が確変大当たり結果である場合を示しているが、上記のとおり、特別遊技回前の遊技回においては特別遊技回の遊技結果とは異なる遊技結果に対応する外れリーチ表示が行われている。そこで、特別遊技回では、当該特別遊技回の遊技結果とは異なる遊技結果ではあるものの、前の遊技回の外れリーチ表示の停止結果を利用して偶数の主図柄の組合せを成立させるように再変動演出を行う。その後、通常大当たり結果として報知された結果を確変大当たり結果に昇格させて報知する所謂昇格演出を行い、特別遊技回の遊技結果に対応する図柄の組合せを停止表示させる。このようにすれば、特別遊技回における遊技結果によって特別遊技回前のリーチ表示の演出パターンが限定的になってしまうことを抑制することができる。さらに、確変大当たり結果や通常大当たり結果という大当たり結果のように遊技者が得られる特典が異なる種類のものが設定されている構成においては、再変動演出の発生が事前に察知されたとしても、遊技者が得られる特典が少ないものであることが察知された場合には、遊技者としてはせっかく大当たり結果となることを事前予測したとしてもそれを楽しめないであろうし、特に、特別遊技回前の遊技回の変動表示時間は長くなり易く設定されているため、上記の楽しめない期間は長くなり得る。そこで、上記のように昇格演出を設けておくことで、特別遊技回前の遊技回における演出(リーチ表示)が遊技者にとって好ましくない遊技結果を示唆するものであったとしても、中途で関心を途切れさせることなく、好適に注目度を維持することが可能となる。
また、図96(b)のように、再変動演出として、リーチラインを形成している主図柄とは異なる図柄(図では「V」図柄)を停止させる演出を行う。その後、大当たり種別を報知する演出(例えばバトル演出等のように、主人公がバトルに勝利すれば確変大当たり結果となり、バトルに負けると通常大当たり結果となるような演出)を行い、特別遊技回の遊技結果に対応する図柄の組合せを報知する。このようにしても、特別遊技回前の遊技回におけるリーチ表示の種類によって期待感が低下してしまうといった事象を回避することができる。
なお、上記の昇格演出や大当たり種別を報知する演出は、特別遊技回後に行ってもよい。すなわち、開閉実行モードの開始時のオープニング期間中や開閉実行モード中、終了時のエンディング期間中にこれらの演出を行ってもよい。
図97では、特別遊技回前のリーチ表示として、いずれの大当たり結果の可能性も有するリーチ表示(例えば、特定図柄によるリーチと非特定図柄によるリーチとが並行して実施されるクロスラインリーチ)を行う。そして、当該特別遊技回前の遊技回におけるリーチ表示は外れ結果に対応する停止結果とする。特別遊技回となると、当該特別遊技回の遊技結果に対応する図柄がリーチラインに揃うように再変動演出が行われ、大当たり結果の種別が報知される。すなわち、通常大当たり結果であれば偶数の主図柄が揃うように再変動演出が行われ、確変大当たり結果であれば奇数の主図柄が揃うように再変動演出が行われる。このようにすれば、再変動演出の発生により大当たり結果となることを察知させるとともに、いずれの図柄が揃うか、という観点でも再変動演出の注目度を高めることが可能となる。
図98では、特別遊技回において再変動演出を行わない演出パターンを示している。例えば図98(a)に示すように、特別遊技回前の遊技回において外れ結果に対応する図柄を表示させて遊技回を終了させる。特別遊技回となると、これらの図柄を表示演出(泡や煙等)や可動役物等によって遮蔽(視認困難又は視認不可能)する遮蔽演出を行い、その後、特別遊技回に対応する図柄の組合せを表示させて当該特別遊技回の遊技結果を報知する。このようにすれば、特別遊技回の前の遊技回におけるリーチ表示の図柄や、中図柄列Z2におけるリーチラインに対応する図柄の停止位置の自由度をより向上させることができる。つまり、リーチラインを形成する図柄が特別遊技回の遊技結果に影響を及ぼし得ることは上記のとおりであるし、例えば、特別遊技回における再変動演出において、中図柄列Z2を変動表示させる期間を所定期間とすると、その所定期間に応じて特別遊技回前の遊技回におけるリーチ表示においてリーチラインと中図柄列Z2のリーチ図柄のずれ量は所定期間に依存する。そうすると、その所定のずれ量となるリーチ表示しか特別遊技回前の遊技回にて発生させにくくなり、リーチ表示の演出パターンの単調化を招き、特別遊技回の有無の事前予測が容易となってしまって、特別遊技回による驚きの効果が低減しかねない。そこで、上記のよう遮蔽演出中に図柄を揃えてしまえば、中図柄列Z2におけるリーチ図柄の位置は関係なくなり、特別遊技回前の遊技回においていかようなリーチ表示の演出パターンであっても、その後の遊技回で図柄を揃えて表示させることが可能となる。
また、特別遊技回において遮蔽演出を行う構成とすれば、特別遊技回前の遊技回においてリーチ表示すら発生させる必要がなくなる。つまり、例えば図98(b)に示すように、特別遊技回前の遊技回においてチャンス目を停止表示させた場合であっても、次の遊技回(特別遊技回)において遮蔽演出を行ってから図柄を揃えて表示させることが可能となる。
上記遮蔽演出として、例えば、表示画面G全体を黒表示(ブラックアウト)させて、全図柄列Z1〜Z3だけでなく、背景等も含めて視認不可とする演出を行ってもよい。図柄が揃っている状態で視認可能となる前との視認性の差が大きければ大きいほど、視認可能となった場合の驚きの効果を高めることが可能となる。
なお、遮蔽演出等の演出前に煽り演出を設けてもよい。例えば、可動役物を使用して遮蔽演出を行う構成であれば、可動役物によって表示画面Gを遮蔽する動作が行われる可能性がある前動作として、例えば当該可動役物をガタガタ振動させる演出を行わせる。また、前動作として、可動役物付近の表示画面Gにてエフェクトを発生させる、等が考えられる。
図99では、特別遊技回において変動させる図柄列Z1〜Z3の別形態を示している。すなわち、上記実施形態では、中図柄列Z2を変動させる構成を示したが、これに限定されず全図柄列Z1〜Z3を変動表示させてから図柄を揃えて表示させる構成としてもよいし、複数の図柄列Z1〜Z3(例えば、上下の図柄列Z1,Z3)を変動表示させる構成としてもよいし、中図柄列Z2とは異なる図柄列Z1,Z3を変動表示させる構成としてもよい。また、変動させる図柄列Z1〜Z3の変動速度を異ならせる構成としてもよい。なお、図においては変動速度の違いを矢印の太さの違いによって表現している。更に、変動方向を各図柄列Z1〜Z3によって異ならせる構成としてもよい。なお、図においては変動方向の違いを矢印の向きの違いによって表現している。さらに、変動方向は左右方向(通常時の変動方向)のいずれかに限定されず、前後方向(奥側へ吸い込まれるように変動するパターンと、手前側へ飛び出すように変動するパターンと)に変動させる構成としてもよく、これらの奥側と手前側との変動方向が各図柄によって異なる構成としてもよい。そして、これらの各パターンを複合的に組み合わせてもよい。さらに、例えば、これら各パターンと、特別遊技回において揃う図柄の種類と、を対応させる(具体的には、変動する図柄列の数が多いと特定図柄(奇数図柄)が揃いやすいパターン、速度が速いと特定図柄が揃いやすいパターン、変動方向が異なると特定図柄が揃いやすいパターン、又はそれらの逆パターン、これらの組み合わせ)と、いずれのパターンによって再変動が行われるかに注目させることが可能となり、興趣向上に役立てることができる。
特別遊技回前の遊技回の停止結果によって、変動させる図柄列Z1〜Z3やその速度や方向を異ならせる構成としてもよい。図100は、例えば中ラインL2において上図柄列Z1に停止している「7」が付された主図柄を基準図柄として、他の図柄列Z2,Z3とのズレ量を算出し、その算出結果に基づいて、当該他の図柄列Z2,Z3の変動速度や方向を異ならせている。例えば、ズレ量が所定量より多ければ変動速度を速くしたり、左右のズレ量を比較してズレ量の少ない側を変動方向とする構成とすれば、再変動に要する時間の短縮化を図ることができる。図では、中図柄列Z2を左方向へ変動させ、下図柄列Z3を右方向へ変動させるとともに、中図柄列Z2の変動速度よりも下図柄列Z3の変動速度の方が早い速度であることを示している。
基準図柄は上記上図柄列Z1のものに限定されず、他の図柄列Z1〜Z3のものであってもよい。例えば、図100において、下図柄列Z3の中ラインL2に停止している「2」が付された主図柄を基準図柄としてもよい。この場合、上記「7」が付された主図柄を基準図柄とする場合とは、異なる図柄(「2」が付された主図柄)が揃うことになる。また、再変動する図柄列やその速度及び方向も上記のものとは異なる。図では、上図柄列Z1を左方向に変動させ、中図柄列Z2を右方向に変動させるとともに、両図柄列Z1,Z2の変動速度は同じ速度であることを示している。更に、表示画面G上に複数の主図柄が停止している図柄列(図100においては、中図柄列Z2)において、いずれかの主図柄を基準図柄とするかが選択される構成としてもよい。例えば、図100において中図柄列Z2の「6」が付された主図柄を基準図柄とする場合と、「7」が付された主図柄を基準図柄とする場合とでは、変動させる図柄列Z1,Z3の変動方向や速度は異なるし、揃う図柄も異なる。
いずれの停止図柄が基準図柄とされるかを遊技者に認識させる演出(例えば図柄を変色させる、変形させる、光らせる等)を伴う構成としてもよい。上記のように、基準図柄によって揃う図柄が異なるのであれば、基準図柄について遊技者が関心を寄せるところであるからである。
図101では、特別遊技回とその前の遊技回との間に、各遊技回が連続して行われる場合には発生し得ない演出を挟むことによって、特別遊技回の発生を示唆する演出パターンを示している。すなわち、各遊技回が連続して発生する場合には、変動表示開始→変動表示→確定停止→変動表示開始→・・・といった具合に、未消化の保留情報がなくなるまで変動表示による遊技回が繰り広げられる。これに対して、図101(a)の例では、特別遊技回の開始時において、当該特別遊技回に対応する保留情報が存在するのにもかかわらず各図柄列Z1〜Z3の変動表示が所定期間(例えば3sec)に亘って開始されない構成とする。つまり、特別遊技回においては、図柄列Z1〜Z3の変動表示が通常よりも所定期間遅れて開始される。このようにすれば、未消化の保留情報が存在するのにもかかわらず変動表示が開始されない、といった違和感を覚えさせることによって、再変動演出等の発生を察知させることが可能となり、斬新な演出とすることができる。
図101(b)の例では、特別遊技回の開始時にデモ画面の表示(例えばメーカーのロゴ表示であったり、省エネモードの表示)を行う。このようにすれば、未消化の保留情報が存在するのにもかかわらず変動表示が開始されないといった違和感を覚えさせるだけでなく、遊技者が遊技終了(保留情報が存在しない)と勘違いして席を立とうとした直後に再変動演出等が発生するようになり、特別遊技回による驚きの効果をより一層高めることが可能となる。なお、遊技者が遊技を終了して離席するまでの想定期間(例えば5sec)よりも短い期間で再変動演出等が発生するようにするとよい。
図101(c)の例では、特別遊技回の開始時に遊技者の有する携帯端末等と遊技機との情報通信画面を表示させる。このようにすれば、遊技者が携帯端末等を手に取って通信しようとした直後に再変動演出等が発生するようになり、上記の驚きの効果に加えて、再変動演出等を携帯端末等で撮影することの準備動作を、再変動演出等の発生を察知させずに行わせることが可能となる。なお、上記の情報通信画面は、未消化の保留情報が存在する場合には発生し得ないものとするとよい。
これらの特別遊技回開始時の演出を行う場合、表示画面Gでの変動表示は開始しないものの、メイン表示部43側の変動表示は通常通り開始する構成とするとよい。このようにすれば、特別遊技回の演出として、上記各演出が行われているのか、それとも、遊技機の故障等なのかを、メイン表示部43によって判断することが可能となる。これにより、主に表示画面Gに注視するであろう遊技者へは斬新な演出として遊技を楽しませつつ、主にメイン表示部43側を注視するであろう遊技ホールの管理者等へは遊技機の状態を明確に把握させることが可能となる。
また、図101の例では、特別遊技回の発生を示唆する演出パターンとして、各遊技回が連続して行われる場合には発生し得ない演出を説明したが、例えば、特別遊技回の発生を期待させる演出であればよく、遊技回の終了演出との差が明確に把握可能であればよい。すなわち、各遊技回において当該遊技回の終了演出としては、通常、各図柄列Z1〜Z3の図柄を完全に停止させた状態で確定表示が行われる構成となっている。具体的には、図柄列Z1〜Z3の変動表示を行った後であっても、その後当該遊技回の中で一旦停止後の発展演出や再変動演出が行われ得る可能性を残すように、図柄列Z1〜Z3の変動表示は終了しているものの搖動させる(完全停止しない)構成としたり、図柄や背景の一部が動作している構成等とする一方、当該遊技回の遊技結果と一致した図柄組み合わせ(少なくとも図柄の一部)が完全に停止した状態が保持される確定表示が行われることで、一の遊技回の終了が把握可能となっている(遊技結果が報知される)。その一方で、当該確定表示とは別に、次の遊技回への期待感を持続させる遊技回を跨いだ期待持続演出を行うことで、上記特別遊技回の発生を期待させることができる。期待持続演出としては、例えば、一部の図柄(主図柄、副図柄、背景等のキャラクタやその一部)が確定停止期間中も動作している演出も含まれる。この一部の図柄が確定停止期間中も動作する演出は、特別遊技回が発生する場合以外にも所定の確率で行う構成であるよい。これにより、特別遊技回が発生する遊技回前だけでなく、その他の遊技回においても、次回遊技回において特別遊技回が発生するのでは、と期待感を寄せさせることが可能となる。また、一部の図柄が動作する演出だけでなく、表示画面G全体において期待持続演出を行う構成としてもよい。この演出としては、例えば、背景を通常とは異なる背景にする、各図柄を通常とは異なる図柄(例えば通常は魚系の主図柄であるのに対して、期待持続演出では犬系の主図柄に変化)にて停止させる、等が考えられる。このようにすれば、特別遊技回が発生する期待感をより高めることができるだけでなく、当該期待持続演出が見逃されてしまう可能性を低減することができる。
図102の例では、特別遊技回と特別遊技回前の遊技回との間の期間を利用して、特別遊技回発生を示唆する演出を行う。すなわち、各遊技回は、上記のとおり、変動表示開始→変動表示→確定表示→変動表示開始・・・といった具合に連続して行われるところ、確定表示が行われてから次の変動表示が開始されるまでの期間に待機期間が存在する。この待機期間中に、特別遊技回発生を示唆する演出を行う。当該演出としては、図102(a)に示すように、例えば、操作部75の操作指示演出(例えば「ボタンを押せ!」という文字表示)を行う。この操作指示演出では、操作部75の操作を受け付ける操作指示期間が設けられており、当該操作指示期間中に操作部75が操作されれば演出が発展するようにする。発展演出としては、図98の遮蔽演出等を用いるとよい。そして、次の遊技回が特別遊技回であれば再変動演出を発生させたり図柄をそのまま揃えて表示させ、そうでなければ通常の遊技回と同様に各図柄列Z1〜Z3の変動表示を開始させる。このようにすれば、各遊技回の間の待機期間を利用した斬新な演出を行うことが可能となる。
メイン表示部43の変動表示との関係で説明すると、図102(b)に示すように、操作指示演出を、メイン表示部43の変動表示が停止している期間のうちの所定期間において実行してもよい。すなわち、t1のタイミングで特別遊技回前の遊技回の変動表示が終了し、メイン表示部43における変動表示も終了する。その後t2のタイミングからt3のタイミングを操作指示期間とする操作指示演出を発生させる。t3のタイミングよりも後のタイミングであるt4のタイミングで特別遊技回(又は通常の遊技回)に対応する変動表示を開始させる。このようにすれば、操作指示期間中に実施された操作部75の操作に対応する演出(遮蔽演出等)を行う期間(t3のタイミングからt4のタイミング)を確保することが可能となる。また、図102(c)に示すように、通常の待機期間(t1のタイミングからt4のタイミングまでの期間)とは異なる(よりも短い)待機期間(t1のタイミングから例えばt3のタイミングまでの期間)とすることで、特別遊技回の発生を示唆する演出としてもよい。すなわち、メイン表示部43側の待機期間の長さを変化させることで特別遊技回発生を示唆することも可能である。
なお、上記操作指示演出は待機期間において実行される構成に限定されず、確定表示やそれよりも以前の仮停止表示が行われているタイミングから開始される構成としてもよい。
図103では、各遊技回において発生し得るチャンス演出(期待度示唆演出)との関係を示している。すなわち、図103(a)に示すように、チャンス演出として、遊技回(リーチ表示)中の所定タイミングにおいて、例えば操作部75の操作に基づいて発生する演出であって、当該遊技回の期待度が相対的に高低となるように、高期待度であるチャンス演出Aと低期待度であるチャンス演出Bとが設けられているとする。すなわち、チャンス演出Aが発生すると当該遊技回において大当たり結果となり易く、チャンス演出Bが発生するとチャンス演出Aが発生した場合と比較すると大当たり結果となる確率は低くなる。そうすると、チャンス演出Aが発生した遊技回は大当たり結果となり易くその次の遊技回は、当該チャンス演出Aが発生して移行した大当たり(開閉実行モード)後に行われ易く、チャンス演出Bが発生した遊技回は外れ結果となり易くその次の遊技回は、当該チャンス演出Bが発生した遊技回に続けて(連続して)行われ易いといえる。このような前提のもと、図103(b)に示すように、特別遊技回前の遊技回においては、チャンス演出Aよりもチャンス演出Bが発生し易いように設定する。このようにすれば、チャンス演出Bが発生し、当該遊技回においては外れ結果となると予想しても、次の遊技回が特別遊技回となるのでは、と期待感を持続させることが可能となる。
ここで、上記のようなチャンス演出として、高期待度であるチャンス演出Aを発生させる方が遊技者の注目を集めやすいのは明らかである一方で、チャンス演出Aの発生頻度を高くすると、その分、チャンス演出Aの期待度は低下してしまい、結果的にチャンス演出Aを発生させても注目されなくなってしまう、といった不具合が考えられる。すなわち、チャンス演出Aは発生頻度が低いからこそ期待度が高く保たれるのであり、その点、チャンス演出としてチャンス演出Aとチャンス演出Bとのバランスが重要であり、チャンス演出Bの発生頻度を高くすればチャンス演出Aの期待度は相対的に高くなるといえる。そのため、チャンス演出Bを特別遊技回前の遊技回に発生し易い構成とすれば、チャンス演出Aとの関係で、期待度のバランスを良好なものとすることが可能となる。
さらに、チャンス演出Bであっても期待感を寄せさせるためには、多少は大当たり結果につながる場面で発生させる必要があると考えられる。但し、大当たり結果となる遊技回における発生頻度を高め過ぎると、これもチャンス演出Aとの関係で期待度のバランスが崩れかねない。そこで、特別遊技回前の遊技回における発生頻度を高めれば、当該特別遊技回前の遊技回の遊技結果は外れ結果であるため、チャンス演出Bの期待度を当該遊技回に限っては高めることなく、その一方で、大当たり結果につながる場面での発生頻度を高めることが可能となり、チャンス演出Bの期待度と発生頻度とのバランスを良好なものとすることができる。
ここで、上記のようなチャンス演出だけでなく、リーチ表示の種類(スーパーリーチA〜C、ノーマルリーチ等)や保留用画像のそれぞれの期待度を複合的に組み合わせることで、遊技回の期待度を示唆する示唆演出の高度化が図られる。そして、図104では、示唆演出の組み合わせの一部として、保留用画像とチャンス演出との組み合わせパターンを例示している。すなわち、図104(a)に示すように、特別遊技回前の遊技回についての保留用画像としては、高期待度である第1保留用画像P1(A)〜第3保留用画像P3(C)が70%の確率で選択され、低期待度である第4保留用画像P4(D)〜第5保留用画像P5(E)が30%の確率で選択され、高期待度の保留用画像の方が選択され易くなっている(より詳細には、図94参照)。そして、この特別遊技回前の遊技回におけるチャンス演出Aとチャンス演出Bとは、図104(b)に示すように、選択された保留用画像によって選択率が異なるように設定されている。具体的には、図104(b−1)では、高期待度である第1保留用画像P1(A)〜第3保留用画像P3(C)が選択された場合のチャンス演出の選択率を示しており、高期待度であるチャンス演出Aよりも低期待度であるチャンス演出Bの方が選択され易く設定されている。つまり、保留用画像によって期待度が高められている状況で実行される特別遊技回前の遊技回のリーチ表示では、期待度の低い側のチャンス演出Bが発生し易く、期待度の高低でいうと高い→低いの順番で示唆演出が発生する。また、図104(b−2)では、低期待度である第4保留用画像P4(D)〜第5保留用画像P5(E)が選択された場合のチャンス演出の選択率を示しており、高期待度であるチャンス演出Aの方が低期待度であるチャンス演出Bよりも選択され易く設定されている。つまり、保留用画像によって期待度がさほど高められていない状況で実行される特別遊技回前の遊技回のリーチ表示では、期待度の高い側のチャンス演出Aが発生し易く、期待度の高低でいうと低い→高いの順番で示唆演出が発生する。
一般的には、示唆演出の組み合わせとしては期待度が徐々に高くなるように組み合わせるパターンの方が、所謂チャンスアップ(ステップアップ)演出のようにトータル的な期待度は高くなり易く設定する。そして、遊技者としてもそのように設定されているものとして、複数の示唆演出の組み合わせについて、期待度が徐々に高くなるように期待して見るものと考えられる。その点、図104(b−2)のパターンは、期待度が徐々に高くなるパターンであるため、遊技者としても安心して当該遊技回の演出を楽しむことができる。但し、当該遊技回は外れ結果であるため、遊技者の期待に反する結果となる。そのような状況で、次の遊技回(特別遊技回)で再変動演出等が発生するため、驚きの効果を極度に高めることが可能となる。
その一方で、期待度が徐々に高くなる組み合わせばかりを発生させると、当該組み合わせの発生頻度が高くなることに起因してトータル的な期待度は低下し得る。つまり、徐々に期待度が高くなる組み合わせとは異なる組み合わせが発生するからこそ、徐々に期待度が高くなる組み合わせのトータル的な期待度が高くなる。その点、そもそも図104(b−2)のパターンは発生しにくく、図104(b−1)のパターンの方が発生し易くなっているため、特別遊技回とは関係のない遊技回における期待度のバランスを崩すことなく、図104(b−2)のパターンによる驚きの効果を奏することが可能となっている。
また、図104(b−1)のパターンのように期待度が高いものとして見ていた遊技回においてチャンス演出Bが発生すると、当該遊技回への関心は極度に低下し得るものと考えられる。特に、当該遊技回(特別遊技回前の遊技回)は長い変動表示時時間が選択され易くなっているため、注目度が低下した状況で消化される遊技回が長く続くことになり、遊技者は大きく落胆するものと考えられる。そのような状況で、次の遊技回(特別遊技回)で再変動演出等を発生させれば、驚きの効果をより高めることにつながると考えられる。
つまり、いずれのパターンであっても、次の遊技回における再変動演出等による驚きの効果は得られる一方で、その驚きまでの経路が異なり(期待感が極度に高められた状態で外れてから再変動演出が発生するパターンと、途中まで期待しつつもその期待が裏切られ、落胆した状態が長く継続してから再変動演出が発生するパターン)、様々なパターンで特別遊技回の演出効果を高めることが可能となっている。
なお、保留用画像とチャンス演出のような各遊技回の期待度を示唆する期待度示唆演出は、これら保留用画像やチャンス演出に限定されず他の演出であってもよい。そして、上記のような期待度の高低による効果を奏するためには、それらの順序が上記の関係(保留用画像→チャンス演出の順)となっていればよい。
図105(a)は、各遊技回の変動開始時に行われる変動開始用処理の変形例を示している。すなわち、ステップS6101では、今回の遊技回が特別遊技回であるか否かを判定し、特別遊技回ではない場合にはステップS6102にて通常の変動開始用処理を行い、特別遊技回である場合にはステップS6103にて再変動用処理を実行する。これらの処理は、上記ステップS5901〜ステップS5903の処理と同様である。ステップS6102にて通常の変動開始用処理を実行した後は、ステップS6104にて次変動が特別遊技回か否かを判定する。この処理は、保留個数カウンタHKの値を参照することで特別遊技回前の遊技回か否かを判定することが可能である。特別遊技回前の遊技回であれば、ステップS6105にて所定のキャラを当該遊技回にて発生させるようにするキャラ発生処理を実行してから、変動開始用処理を終了する。
一方、ステップS6104にて、次変動が特別遊技回ではないと判定した場合には、ステップS6106にて、次変動用の保留情報が存在するか否かを判定する。次変動用の保留情報が存在しない場合には、そのまま変動開始用処理を終了する。保留情報が存在する場合には、ステップS6107にて、当該遊技回で上記所定のキャラを発生させるか否かのキャラ発生抽選処理を実行し、ステップS6108にて当選したと判定した場合には、ステップS6105の処理を実行してから、変動開始用処理を終了する。また、ステップS6108にて非当選と判定した場合には、そのまま変動開始用処理を終了する。
このように、所定のキャラを特別遊技回前の遊技回において発生させれば、次の遊技回において再変動演出が発生し得ることを遊技者は把握することが可能となる。一方で、次変動に対応する保留情報が存在しない状況においても当該所定のキャラが発生してしまうと、所謂ガセ演出であることが容易に見抜かれてしまって、せっかく演出を行ってもかえって注目度を低下させる要因となってしまう。そこで、図105(b)のように、次変動に対応する保留情報が存在する場合には所定のキャラが発生し得る一方で、図105(c)のように、次変動に対応する保留情報が存在しない場合には所定のキャラが発生し得ない(発生を規制する/制限する)構成とすれば、上記所定のキャラを発生させることによる効果を好適に奏することが可能となる。
<第13の実施形態>
本実施形態では、第12の実施形態の特別遊技回を実行する構成において、取得した保留情報の種類によって消化順序に優先順序が定められている構成(第7の実施形態)を付加するとともに、優先側の保留情報が取得された場合についての演出パターンをより詳細に説明する。
具体的には、特別遊技回が設定されている状況で、優先側の保留情報が取得された場合において、当該優先側の保留情報に係る遊技回の演出パターンとして、後続の遊技回の演出パターン(より具体的には、後続の遊技回の変動表示時間)が参照されてそれに応じた演出が設定される。例えば、図106(a)に示すように、特別遊技回前の遊技回において優先側の保留情報が取得された場合、当該遊技回(リーチ表示を実行中の遊技回)については初期の設定どおりに外れ結果となるようにリーチ表示を終了させる。そして、次の遊技回(優先側の遊技回)においては、外れ結果となるように再変動演出を実行する(例えば、再変動させた中図柄列Z2がリーチラインを通り越して停止する)。この外れ再変動演出の変動表示時間としては、次の遊技回(特別遊技回)にて設定されるはずであった変動表示時間が設定される。そして、次の遊技回(特別遊技回)においては、大当たり結果となるように再変動演出を実行する。
また、図106(b)に示す例では、特別遊技回に設定された遊技回の遊技結果としては確変大当たり結果であるものの、特別遊技回前の遊技回では通常大当たり結果に対応するリーチ表示を行い、特別遊技回又はその後において昇格演出が設定されている状況とする。当該リーチ表示中に、優先側の保留情報が取得された場合、当該リーチ表示については、上記と同様に初期の設定どおり外れ結果となるように終了させる。そして、次の遊技回(優先側の遊技回)においては、リーチライン(上下の図柄列Z1,Z3)を再変動表示させ、外れ結果となるようにリーチラインを停止させるリーチライン再変動演出を実行する。このリーチライン再変動演出では、通常大当たり結果に対応する偶数の主図柄によるリーチ外れの停止結果を、確変大当たり結果に対応する奇数の主図柄によるリーチ外れの停止結果となるように、上下の図柄列Z1,Z3を再変動させる。その後、次の遊技回(特別遊技回)においては、確変大当たり結果に対応するリーチラインにリーチ図柄が停止するように中図柄列Z2を再変動させる。上記のリーチライン再変動演出についても、次の遊技回(特別遊技回)の変動表示時間を参照して当該リーチライン再変動演出に係る遊技回の変動表示時間が設定される。
上記図106の演出等を行うための処理の変更点について、図107〜図109を参照しながら説明する。
図107は、本実施形態における保留予告用の確認処理を示すフローチャートである。本実施形態では、上記ステップS4810の主側特別保留予告設定処理と、ステップS4811の保留コマンドの設定処理との間に、以下の処理を行う。すなわち、ステップS4810の処理を行った後、ステップS6201にて特別遊技回フラグが格納されているか否かを確認し、特別遊技回が設定済みであるか否かを判定する。特別遊技回が設定済みある場合には、ステップS6202へ進み、今回取得した保留情報が優先側の保留情報か否かを判定する。すなわち、下作動口34への入賞に基づく保留情報か否かを判定する。優先側の保留情報である場合には、ステップS6203へ進み、優先フラグをRAM204へ格納する処理を実行する。優先フラグは特別遊技回が設定済みである状況で優先側の保留情報を取得したことをMPU202が把握するためのフラグである。ステップS6201若しくはステップS6202にて否定判定した場合、又はステップS6203の処理を実行した後は、ステップS4811へ進む。なお、ステップS4811では、上記優先フラグが格納されたことを示す情報が含まれるように保留コマンドを設定する。
図による詳細な説明は省略するが、演出制御装置82側で当該保留コマンドを受信した場合において、上記優先フラグが設定されたことを示す情報が保留コマンドに含まれている場合には、主制御装置81側と同様にRAM244に優先フラグを格納するとともに、当該優先フラグの契機となった保留情報(遊技回)を把握可能に保留用記憶エリア250にその情報を記憶する処理を行う。
図108は、本実施形態における特別遊技回実行時の変動表示時間の設定処理を示すフローチャートである。図92の処理との変更点としては、ステップS5803にて保留個数カウンタHKに応じた変動表示時間を把握する処理を実行した後、ステップS6301にて優先フラグが格納されているか否かを判定する点である。ステップS6301にて優先フラグが格納されていなければ、図92の処理と同様にステップS5804以降の保留個数カウンタHKの減算等の処理を行う。一方、優先フラグが格納されていれば、ステップS5804以降の処理を行わずに、優先フラグを消去してから本設定処理を終了する。そして、図91のステップS5705にて変動表示時間をセットする。
つまり、今回実行する遊技回が、特別遊技回が設定されている状況で取得された優先側の保留情報に係る遊技回である場合(遊技回の割り込みが発生した場合)には、当該遊技回の変動表示時間として、割り込みが発生しなければ今回消化されるはずであった保留情報に係る遊技回の変動表示時間を、そのまま今回の変動表示時間として設定する。そのため、例えば、図106のように特別遊技回前の遊技回を実行中である状況、すなわち保留個数カウンタHK=1である状況であれば、次の特別遊技回にて設定するはずであった変動表示時間(20sec)を、割り込んだ遊技回の変動表示時間としてそのまま使用する。また、例えば、保留個数カウンタHK=3である状況であれば、次の遊技回にて設定するはずであった変動表示時間(図90の設定時間テーブルを参照、例えばアドレスF(6)が設定されていれば90sec)を、割り込んだ遊技回の変動表示時間としてそのまま使用する。
図109は、本実施形態における変動開始用処理を示すフローチャートである。ステップS6401では、今回開始する遊技回が特別遊技回であるか否かを判定し、そうではなければ、ステップS6402にて優先フラグが格納されているか否かを判定する。格納されていなければ、ステップS6403にて通常の変動開始用処理を実行する。優先フラグが格納されていれば、すなわち割り込んだ遊技回の開始処理であれば、ステップS6404にて特別遊技回準備演出を設定する。また、今回の遊技回が特別遊技回であれば、ステップS6405にて再変動用処理を実行する。ステップS6403〜ステップS6405のいずれかの処理を実行した後は、変動開始用処理を終了する。
特別遊技回準備演出としては、設定されている変動表示時間に応じて演出が選択される。換言すると、優先側の遊技回の割り込みが発生しなければ実行するはずであった遊技回の演出に応じた演出が選択される。例えば、保留個数カウンタHK=1である状況(図106の状況)で優先側の割り込みが発生した場合には、後続の特別遊技回に設定されるはずであった20secの変動表示時間が設定され、その変動表示時間に応じた演出が割り込んだ遊技回の演出として設定される。この演出としては、例えば図106に示した通りであり、外れ再変動演出であったり、リーチライン再変動演出等が考えられる。また、上記のように例えばアドレスF(6)であって、保留個数カウンタHK=3である状況で優先側の割り込みが発生した場合には、後続の遊技回に設定されるはずであった90secの変動表示時間が設定され、その変動表示時間に応じた演出が割り込んだ遊技回の演出として設定される。この演出としては、例えば、スーパーリーチCを実行すると、設定時間テーブルにて設定されているリーチ表示の連続演出をそのまま流用することができる。なお、ROM243に、割り込み用の演出パターンと割り込み時の後続の遊技回の演出パターン(変動表示時間)とを一対一で記憶した演出パターンテーブルを設定し、当該演出パターンテーブルを参照して、今回の特別遊技回準備演出を決定する構成とするとよい。
以上のように、複数の遊技回の変動表示時間が設定時間テーブルによって予め設定される構成において、優先側の保留情報が取得された場合には、後続の遊技回に設定される変動表示時間を参照して当該優先側の保留情報についての変動表示時間を設定する構成とした。これにより、特別遊技回用に各遊技回の変動表示時間の設定が行われている状況(設定時間テーブルがから一のアドレスが選択されている状況)であっても、優先側の保留情報についての変動表示時間を改めて設定したり、他の遊技回の変動表示時間を変更する必要がなく、処理負荷の低減が図られる。
また、後続の遊技回に設定されている変動表示時間や演出パターンを参照して、割り込んだ側(優先側)の遊技回の変動表示時間や演出パターンを設定する構成としたため、設定済みの遊技回(最終的に特別遊技回が発生する一連の演出の各遊技回)のいずれもが開始されていない状況に割り込みが生じた場合であっても、当該割り込んだ遊技回を後続の遊技回に関連付けて変動表示時間や演出パターンの設定を行うことが可能となる。例えば、前側の遊技回に設定されていた変動表示時間や演出パターンを参照する構成とすると、一連の演出が設定された各遊技回のいずれもが開始されていないのにもかかわらず割り込んだ側の遊技回を実行すべき状況(例えば、特別遊技回フラグが格納されてから新たに遊技回が開始されるよりも前に割り込みが発生したような状況)では、当該一連の演出とは関係のない遊技回を参照して割り込んだ側の遊技回の変動表示時間や演出パターンが設定されてしまうことになる。これに対して、本実施形態のように後続の遊技回を参照する構成とすれば、上記のような状況であっても一連の演出に関連した演出を行うことが可能となる。
特に、特別遊技回が設定されると、上記のとおり、遊技者の注目度は当該特別遊技回ではなく、その直前の遊技回に集中するように演出を設定し、且つ当該直前の遊技回を外れ結果として報知し、その直後に短い変動表示時間で再変動演出等を行って、遊技者へ意外性と驚きを提供できる構成となっている。そのため、例えば、特別遊技回の直前の遊技回に注目していたのにも関わらず、当該直前の遊技回と特別遊技回との間に割り込みが発生した場合に、前側(外れ結果が報知された遊技回)の遊技回を参照して演出を行ってしまうと、当該前側の遊技回へ関心を寄せていた遊技者に対して、また同じような演出を見せることになり、特別遊技回までの演出が間延びしてしまいかねない。そこで、上記のように後側を参照するようにしたことで、特別遊技回の直前に割り込んだ場合には特別遊技回直前用の演出(外れ再変動演出やリーチライン再変動演出)を行って、上記のような間延びを軽減でき、また、その変動表示時間も短くすることができる。そして、特別遊技回の直前ではなくそれ以前に割り込んだ場合には、特別遊技回の直前の遊技回に向けた連続リーチ表示が行われるため、特別遊技回直前の遊技回への注目度を高めるための一演出として利用することができる。そして、このように割り込みタイミングによって異なる演出が設定され、その演出の効果も異なるものの、後続の遊技回の変動表示時間や演出パターンを参照するといった同じ処理構成で上記のような異なる演出を設定可能であるため、簡素な処理構成で各演出による効果を奏することが可能といえる。
なお、割り込みが発生した場合に、後側の遊技回の変動表示時間と同じ変動表示時間を設定する構成としたが、当該後側の遊技回の変動表示時間を参照してそれに対応する(異なる)変動表示時間を設定する構成としてもよい。この場合、例えば後側の遊技回の変動表示時間の情報と、割り込んだ遊技回の変動表示時間の情報とを一対一で記憶させたテーブルを設定すれば、当該テーブルと後側の遊技回の変動表示時間を参照して、割り込んだ遊技回の変動表示時間を把握することが可能な構成となる。対応する変動表示時間としては、後側の遊技回の変動表示時間よりも短くなるように設定すると、連続リーチ表示の最中に割り込んだ場合には短い変動表示時間→長い変動表示時間の関係が維持され、特別遊技回直前に割り込んだ場合には短い変動表示時間の特別遊技回前にもっと短い変動表示時間の遊技回として特別遊技回前の演出の間延びを軽減できる。また、割り込んだ状況(連続リーチ表示の最中に割り込んだのか、特別遊技回直前に割り込んだのか等)によって、後側の遊技回の変動表示時間との関係(同じ長さなのか異なる長さなのか)が異なる構成としてもよい。
なお、上記実施形態では、特別遊技回が設定されている状況で取得される優先側の保留情報を1つとして説明したが、複数個取得される場合も考えられる。この場合、主制御装置81が優先フラグを消去する際(ステップS6301にて肯定判定した場合)に、他の優先側の保留情報の有無を確認し、他の優先側の保留情報が存在する場合には優先フラグを消去しない(他の優先フラグが存在しなければ優先フラグを消去する)構成とするとよい。
上記優先フラグを消去する構成に代えて又は加えて、特別遊技回が設定されている状況で取得される優先側の保留情報の数を把握するためのカウンタを設け、当該カウンタの増減によって、特別遊技回が設定されている状況における優先側の保留情報についての変動表示時間を設定する構成としてもよい。より具体的には、特別遊技回が設定されている状況で優先側の保留情報を取得した場合に上記カウンタを1加算し、ステップS6301にて肯定判定した場合に上記カウンタを1減算する構成とする。このようにすれば、当該カウンタを参照することで、特別遊技回が設定されている状況における優先側の保留情報の有無だけでなく、その数も把握することができる。なお、上記構成を、サブ側の制御装置(演出制御装置82)に適用してもよい。上記のとおり、サブ側の制御装置においても、特別遊技回が設定されている状況における優先側の保留情報に関する遊技回の演出を設定する必要があるためである。
優先側の遊技回を特別遊技回前に実行する構成において、その優先側の遊技回における演出態様は上記のものに限定されない。例えば、図110に示すように、特別遊技回前の遊技回を、「7」が付された主図柄にて行ったリーチ演出が外れ結果となる停止態様にて終了させる。そして、その後の特別遊技回前に割り込む優先側の遊技回において、中図柄列Z2における「7」が付された主図柄を、リーチライン(中ラインL2)を通り越すように再変動させて当該優先側の遊技回を終了させ、特別遊技回にて再度当該中図柄列Z2を再変動させてリーチラインに停止させて「7」が付された主図柄を揃わせる態様としてもよい。また、上記「7」が付された主図柄にて行ったリーチ外れ後において、優先側の外れ遊技回として、リーチラインを形成する一方の図柄列(図では上図柄列Z1)を再変動させて当該リーチラインを形成する図柄(「7」が付された主図柄)とは異なる図柄(「8」が付された主図柄)を表示画面Gに登場させる態様としてもよい。そうすると、特別遊技回において、上記リーチラインを形成していた図柄を揃えるように再変動させるパターンと、上記リーチラインを形成していた図柄とは異なる図柄を揃えるように再変動させるパターンと、を設定することが可能となる。
上記のように優先側の保留情報が複数取得された場合には、更なる演出の多様化が図られる。例えば、図111に示すように、複数の優先側の外れ遊技回において、それぞれ異なる図柄列Z1〜Z3を再変動させるとともに、外れ結果となるように停止させる構成とする。具体的には、特別遊技回前の遊技回として「7」が付された主図柄によるシングルラインのリーチ外れを停止させる。1回目の優先側の外れ遊技回においては、例えば、下図柄列Z3を再変動表示させて上記特別遊技回前の遊技回においてリーチラインを形成していた図柄とは異なる図柄(「8」が付された主図柄)を表示画面Gに登場させる。なお、上記リーチラインを形成していた主図柄(「7」が付された主図柄)も表示画面Gに残すように停止させる。2回目の優先側の外れ遊技回においては、上図柄列Z1を再変動表示させて上記リーチラインを形成していた図柄とは異なる図柄(「8」が付された主図柄)を登場させる。なお、上記リーチラインを形成していた主図柄(「7」が付された主図柄)も残すように停止させる。そうすると、2回の優先側の外れ遊技回によって、上下の図柄列Z1,Z3によるダブルライン(「7」及び「8」)のリーチ外れとなる停止結果が表示されたことになる。その後、特別遊技回において、ダブルラインのうちのいずれかの図柄を揃えるように再変動させる。上記ダブルラインを形成するパターンとして、1回目の優先側の外れ遊技回において上図柄列Z1を再変動させて「7」及び「8」を停止させるとともに、下図柄列Z3を再変動させて「8」を一旦登場させる(「7」を表示画面G上から表示させなくする)。2回目の優先側の外れ遊技回において、下図柄列Z3を再変動させて、「7」及び「8」を停止させる。このようにしても、2回の優先側の外れ遊技回によって、上下の図柄列Z1,Z3によるダブルラインのリーチ外れとなる停止結果が表示されたことになる。上記のように、各遊技回において再変動させる図柄列Z1〜Z3を異ならせたり、再変動させる方向やズレ量を異ならせることで、1回ずつの遊技回における再変動に要する期間をより短縮することが可能となる。なお、1回ずつの優先側の外れ遊技回における再変動パターンは、上記のものに限定されないことは言うまでもない。
また、上記実施形態では、通常遊技状態(低頻度サポートモード)のように下作動口34への入賞頻度が低い状態(優先側の保留情報が比較的取得されにくい状態)を前提として説明したが、下作動口34への入賞頻度が向上した状態(高頻度サポートモード、優先側の保留情報が比較的取得され易い状態)において実行してもよい。また、特別遊技回の設定が非優先側の保留情報に基づいて行われることを前提として説明したが、優先側の保留情報に基づいて行われ得る構成としてもよい。優先側の保留情報に基づいて特別遊技回の設定が行われた場合においては、ステップS5615の保留個数カウンタHKへ保留個数を入力する処理にて、優先側の保留情報の個数を入力するとよい。また、優先側の保留情報に基づいて特別遊技回の設定が行われたことを把握するためのフラグ等を格納する構成とする。この場合、その後に優先側の保留情報が取得されたとしても、当該取得された保留情報は、特別遊技回に設定された一連の演出に係る遊技回よりも後に消化される。また、その後に非優先側の保留情報が取得されたとしても、当該取得された保留情報も、特別遊技回に設定された一連の演出に係る遊技回よりも後に消化される。そこで、その後に保留情報を取得したとしても上記フラグ等に基づいて優先フラグを格納しない構成とする(ステップS6201やステップS6202にて強制的にNOへ進む)。これにより、優先側の保留情報に基づいて特別遊技回の設定を可能としつつも、優先/非優先の保留情報それぞれが存在する構成において特別遊技回に設定された一連の演出に係る遊技回の演出を好適に実現することができる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態に対して適用してもよい。また、上記各実施形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)演出制御装置82側の変動表示時間の特定処理において、保留数非対応パターンの保留情報については各カウンタC3,CSと変動表示時間テーブルに基づいて変動表示時間を特定する構成としたが、保留コマンドの受信時における処理(例えば保留増加用処理ステップS1208)において変動表示時間を保留用記憶エリア250に記憶する構成としてもよいし、主制御装置81から出力する保留コマンドに変動表示時間の情報を含ませる構成としてもよい。
(2)時間特定パターン時のタイマ入力処理(図29)において、ステップS1710では、ステップS1701〜ステップS1709にて特定した時間に基づいて、タイマカウンタTの減算開始タイミングを変更する構成としてもよい。すなわち、減算開始タイミングを遅くすることで特別条件は成立しにくくなるし、減算開始タイミングを速くすることで特別条件は成立し易くなる。このように減算開始タイミングを変更することで、特別条件の成否の確率を調節することで、特定した時間の変更を要することなく特別保留予告を好適に実行することが可能となる。
また、変動表示制御処理(図38)の変動開始用処理(ステップS1303)にて、特別保留予告において所定の設定時間の終了タイミングに合わせて、下図柄列Z3の高速変動表示が終了するように、演出パターンを設定する構成としてもよい。この場合、特別条件が成立するように演出パターンを設定してもよいし、成立しないように演出パターンを設定してよい。この場合、今回の遊技回の遊技結果に応じて特別条件の成否を決定してもよいし、他の保留情報の遊技結果に応じて特別条件の成否を決定してもよい。また、遊技状態(当否抽選モードやサポートモードの高低や、保留情報の数など)に基づいて特別条件の成否を決定する構成としてもよい。
(3)上記各実施形態では、変動表示時間に各遊技回における確定時間が含まれるものとして説明したが、含まれないものとして、確定時間についても別途把握して、タイマカウンタTの入力、減算等を行う構成としてもよい。例えば、各遊技回や遊技状態によって確定時間が変化し得る構成の遊技機に対しては、この構成を適用するとよい。
(4)時間表示領域GEの表示は上記のものに限定されず、他の表示であってもよい。例えば、特別保留予告の対象となっている保留情報についての保留用画像Pと離れた領域(例えば表示画面Gの右上部分など)で表示する構成としてもよい。また、例えば、表示画面G全体において各図柄列Z1〜Z3の変動表示と重ねて表示してもよい。この場合、各図柄列Z1〜Z3の視認性の低下を抑制すべく、時間表示領域GEを各図柄列Z1〜Z3の背後に表示する構成とするとよい。
また、時間表示画像Gpの表示も上記のものに限定されず、他の表示であってもよい。すなわち、表示の桁数は上記のものに限定されないし、つまり減算の最小単位は上記のものに限定されない。また、アラビア数字ではなく、漢数字で表示する構成としてもよいし、デジタル表示ではなくアナログ表示としてもよい。
(5)特別条件が成立したことに基づいて、保留用画像Pの種類を変化させる構成としたが、特別条件の成立の判定を複数回行う構成としてもよい。換言すると、上記実施形態では、所定の設定時間が経過して0となることを特別条件の成立としたが、これを変更して、所定の設定時間が経過して0となるか、所定のタイミングで抽選に当選することを特別条件の成立とする構成でもよい。
例えば、所定の設定時間の残り時間において複数の判定タイミングを設定する(例えば、残り30sec、20sec、10sec、5sec、0secの5種類の判定タイミングを設定する)。そして各判定タイミングで保留用画像Pの種類を変化させるか否かの判定を行い、変化させると判定した場合には、保留用画像Pを変化させる。つまり、判定タイミングを設けた数だけ変化させる可能性が高くなる。このようにすることで、特別条件が成立する機会が増え、それだけ特別保留予告が注視される回数も増加させることができる。
(6)保留用画像Pの変化を、所定の設定時間の経過に合わせて(特別条件の成立確率の変化に合わせて)徐々に行う構成としてもよい。例えば、第4保留用画像P4(黄色)から第3保留用画像P3(赤色)への変化が、段階的に行われるように、複数の保留用画像Pの画像データを設け、所定の設定時間が0に近付くにつれて第4保留用画像P4から第3保留用画像P3に近付くように保留用画像Pの画像データを更新する構成としてもよい。この場合、上記各実施形態のように保留用画像Pの種類によって色が異なる構成であれば、その色が変化前から変化後にかけて徐々に変化後の保留用画像Pの色に近付くように更新すればよいし、保留用画像Pの種類によって形が異なる構成であれば、その形が変化前から変化後にかけて徐々に変化後の保留用画像Pの形に近付くように更新すればよい。
これらの場合、特別保留予告の開始時にタイマカウンタTに入力する時間を、上記段階的に更新する数(例えば5)で分割し、その分割した単位時間が経過する度に保留用画像Pを更新する構成とするとよい。
このように保留用画像Pの色や形を段階的に変化させる構成とすることで、保留用画像Pの色や形に基づいて特別条件の成立確率を遊技者は把握することができる。そのため、時間表示領域GEにおける時間表示画像Gpを表示しない構成としてもよい。このようにすることで、時間表示画像Gpによるリアルタイムで残り時間が把握可能な構成と比較して、残り時間を直感的に把握させることが可能となり、演出をわかりやすくすることができる。またこのようにすることで、設定時間の残り時間の経過速度や残り時間を変化させても悟られにくくすることが可能となり、演出の途中での調節を好適に行うことも可能となる。また、時間表示領域GEや時間表示画像Gpを表示しない分、予め記憶しておく画像データ量を削減することも可能となる。
また、特別条件の成立確率を示す演出は、以下のようにも変更することができる。図58(a)に示すように、特別保留予告の特別条件の成立確率を示す演出として、富士山の日の出を模した演出を実行してもよい。この場合、開始タイミングでは富士山から日が出始めた画像を表示し(図59(a1))、終了タイミングでは富士山から日が完全に出終わった画像を表示する(図59(a2))。これにより、日の出具合によって、特別条件の成立確率を把握することができる。特に、日の出といった、遊技者が比較的長時間待たなくては見ることができないことを潜在的に認識しているであろう演出を、特別条件の成立確率を示す演出に適用することで、当該演出が長時間に亘って繰り広げられても違和感なく見させることが可能となる。
さらに、特別条件の成立確率を表示画面Gとは異なる報知手段(例えば、表示発光部63など)により行う構成としてもよい。また、異なる報知手段として、図59(b)に示すように、携帯端末の画面PGにて報知する構成としてもよい。この場合、第6の実施形態のように、特別条件のコードを読み取ることで、そのコードの表示時の特別条件が携帯端末に表示される構成としてもよいし、拡張現実(Augmented Reality、AR)技術等を利用して、リアルタイムで成立確率の変化の様を携帯端末の画面PGにて表示する構成としてもよい。この場合、拡張現実用のマーカーAR1〜AR4を特別保留予告用の画像(例えば時間表示領域GE)に表示してもよいし、通常の遊技回用の画像(例えば背景画像や図柄列Z1〜Z3)に表示してもよい。このマーカーAR1〜AR4を所定周期(例えば1sec周期)で更新すると、成立確率の変化の様を携帯端末にて表示することができる。
携帯端末等を用いて表示させる場合、特別条件の成立確率を表示画面Gでは直接的に表示するとともに携帯端末の画面PGでは抽象的に表示する構成(図59(b1))としてもよいし、その逆で、表示画面Gでは抽象的に表示して携帯端末の画面PGでは直接的に表示する構成(図59(b2))としてもよい。
(7)上記各実施形態では、特別保留予告が重複して実行可能な数を、保留予告カウンタYKを用いて調節する構成としたが、これを変更してもよい。すなわち、上記各実施形態では、外れ結果の保留情報に基づく特別保留予告は2個を上限に重複して実行され、大当たり結果の保留情報に基づく特別保留予告は1個を上限に実行される(重複しない)構成とした。これを、記憶されている保留情報の数だけ重複して実行可能としてもよい。但し、特別保留予告が重複することによる一の特別保留予告への注目度や理解度の低下を抑制する、という観点からすると、上記実施形態のように重複可能数を調節する構成のほうが好ましい。
(8)キャラクタPMやアイテムAは上記のものに限定されない。例えば、キャラクタPMについては、常時表示されるものでなくてもよいし、複数のキャラクタPMの種類を設定しておき、いずれのキャラクタPMを表示させるかを遊技者が選択可能としてもよい。また、キャラクタPMの表示される位置や大きさが上記のものに限定されないことは、言うまでもない。
特別条件が成立したことに基づいて特典として付与されるアイテムAについては、例えば、キャラクタPMのレベルであってもよいし、当該レベルを上げるための経験値であってもよい。
(9)特別条件として、所定の設定時間が経過して「00.00」となることを条件成立としたが、時間経過に基づいて条件成立確率が変化するものであれば、これに限定されない。例えば、「次遊技回で、30sec経過させること」や「2遊技回以内に40sec経過させること」など、遊技回単位で設定時間が設けられる構成としてもよい。
また、遊技回中に発生し得る所定の演出の実行回数が所定数に達することを特別条件としてもよい。具体的には、所定の演出として、リーチ表示であってもよいし、遊技回中の泡予告や魚群予告などの予告演出であってもよいし、一の遊技回において変動表示の実行と停止とを繰り返し行う所謂疑似連演出であってもよいし、操作ボタン等を有する遊技機においては当該操作ボタン等の操作指示演出であってもよい。これらの演出として、変動表示時間が長いほど発生回数が多くなるように設定されているとよい。これにより、時間経過に基づいて成立確率が変化する条件とすることができる。この場合、特別保留予告における特別条件の表示としては、例えば「○○演出をX回数出現させろ!保留が変化するぞ!」といった文字表示などが考えられる。
この場合、上記各実施形態のように、抽選用のカウンタと保留情報の数とに基づいて、上記条件成立に必要な所定の演出の発生回数を設定する構成としてもよいし、保留情報の変動種別カウンタCSの値等に基づいて演出パターンを把握して所定の演出の発生回数を把握してから条件成立に必要な回数を設定する構成としてもよい。いずれの場合であっても、条件が成立する場合と、しない場合とを設定可能とすることで、特別保留予告の多様化が図られる。
(10)特別保留予告の実行中は、特別条件(所定の設定時間)の表示を常に行う構成としたが、特別条件が表示されなくても、時間経過に基づいて成立確率が変化する何らかの条件に基づく判定が行われていることを遊技者が把握可能であれば、特別条件の詳細についての表示を行わない構成としてもよい。
また、表示を行う場合であっても、少なくとも特別保留予告の開始から終了までの間で遊技者がその特別条件を把握可能となるように表示される構成であればよい。例えば、特別保留予告の開始時のみ表示する構成であってもよいし、特別保留予告の途中の所定タイミングで表示する構成であってもよいし、表示と非表示とが繰り返し行われる構成であってもよい。なお、非表示時は、特別保留予告の視認性が表示時よりも相対的に低くなればよい。
非表示とする方法としては、単に時間表示領域GEにおける時間表示画像Gpを表示しない構成(例えば、時間表示領域GE又は表示画面Gが、部分的又は全面的に非表示とする構成)であってもよいし、他の画像によって隠される(背面に時間表示画像Gpが表示される)構成であってもよいし、可動役物等によって前方からの視認が困難又は不可能となるように遮蔽される構成であってもよい。
このようにすることで、時間表示画像Gpの視認が困難又は視認ができなくても、遊技者が自分の感覚で(頭の中で数を数えるなどして)時間経過を把握する、という新たな遊技を創出することが可能となる。この場合、自ら時間経過を把握している場合にはその遊技者のみが特別条件の成否を把握することができ、周囲の遊技者に対する優越感を得ることができる、といった楽しみも追加することができる。また、時間表示画像Gpが視認できない状況において、デフォルト減算以外の減算が行われる構成とすると、その後に視認可能となった場合に、上記のように自分の感覚で把握していた経過時間とは異なる時間が時間表示画像Gpに表示される可能性が高くなる。上記各実施形態のように、デフォルト減算以外の減算が大当たり期待度が高いほど発生し易い構成の場合には、遊技者は自分の感覚で把握していた時間とは異なる時間が表示されることを期待するようになるものと考えられる。そのため、時間表示画像Gpが視認できない状況で自ら時間経過を把握する楽しみをより高めることができる。
(11)特別条件の判定タイミングは、下図柄列Z3の高速変動終了タイミングに限定されず、他のタイミングであってもよい。例えば特別保留予告の対象となっている保留情報の遊技回の開始時(実行用表示領域Gbに保留用画像Pが移動するタイミング)であってもよいし、当該対象となっている保留情報の遊技回よりも前の遊技回における所定のタイミングであってもよい。但し、特別条件の判定タイミングを後にすればするほど、より多くの遊技回を特別条件の成否に関係づけることができるため、その関係づけた遊技回への注目度を好適に高めることが可能となる。また、当該判定タイミングを、遊技回中の演出の分岐点(上記各実施形態では、リーチ表示が発生するか否かの分岐点)とすることで、注目度が高まるタイミングで判定が行われるため、判定が見逃されることを抑制することができる。
(12)特別保留予告において、各減算パターン(デフォルト減算やシフト時減算など)に加え、又は代えて、遊技者の介入(例えば操作部75の操作)により減算されるパターンを設けてもよい。この場合、遊技者の参加度合や技量により減算度合いが異なる構成としてもよい。
具体的には、減算パターンとして、自力減算パターンを加える。この自力減算パターンが選択された場合には、特別保留予告の実行中に所定のゲーム演出が行われる。所定のゲーム演出では、例えばリズムゲーム、四択クイズ、アクションゲーム、シューティングゲームのように、操作部75の操作によって得られるポイント等が変化し得る構成とする。そして、得られたポイントに基づいて、タイマカウンタTの減算度合を変化させる。すなわち、リズムゲームであれば、所定期間(例えば15sec)に亘って表示画面Gでの指示タイミングと操作部75の操作タイミングを合わせる演出を実行する。指示タイミングに操作タイミングが合えば(第1所定範囲内のずれであれば)4secの減算が行われ、それよりもずれれば(第1所定範囲外であって第2所定範囲内のずれであれば)2secの減算が行われる。さらにそれよりもずれれば(第2所定範囲外のずれであれば)、減算は行われない(0secの減算が行われる)。この場合、指示タイミングの回数(ゲーム発生の回数)を遊技機側で調節可能であるため、遊技者側の操作のみに基づいて減算が行われる構成と比較して、特別条件の成否を遊技機側でもある程度管理することができる。
(13)減算パターンは上記のものに限定されない。例えば、上作動口33や下作動口34、スルーゲート35への入球を契機として所定時間減算するパターンを設定してもよい。この場合、上作動口33や下作動口34への入球に基づいて保留情報の取得がされるため、その保留情報(その遊技結果等の情報)に基づいて減算時間や減算確率を設定する構成としてもよい。なおこの場合、第7の実施形態のように、取得した保留情報が特別保留予告の対象となっている保留情報よりも先に当否判定の対象となり得る構成とすると、特別保留予告中の遊技回の変動表示時間との関連性が明確となる。
(14)特別保留予告の実行時に、所定の設定時間を遊技者が選択可能としてもよい。すなわち、特別保留予告の開始から終了までに要する時間を遊技者が予測して、その予測が当たれば、特典として保留用画像Pが変化する構成としてもよい。具体的には、特別保留予告の開始時に、複数の時間表示(例えば、30sec、45sec、60sec)を行い、これらの複数の時間表示のうちから一の時間表示を遊技者が選択する。この時間表示の選択は、操作部75の操作に基づく構成とするとよい。そして、選択された時間内に、対象となっている遊技回における下図柄列Z3の高速変動表示が終了した場合には、選択された時間表示に対応する減算を行う構成とする。例えば、30secが選択されていれば1secの減算を行い、45secであれば5secの減算を行い、60secであれば10secの減算を行う。なお、選択された時間に応じて減算確率が変化する構成としてもよい。自ら選択した時間が経過するか否かについて、遊技者は関心を寄せるであろうから、注目度を好適に高めることができる。
(15)特別保留予告において、所定の設定時間を、特別保留予告の対象となっている保留情報よりも先に消化される保留情報の遊技回の変動表示時間に基づいて設定する構成としたが、当該対象となっている保留情報以外の保留情報に基づいて設定する構成であれば、当該対象となっている保留情報よりも後に消化される保留情報に基づいて設定する構成としてもよい。この場合であっても、特別保留予告だけでなく、他の保留情報に関する遊技回への注目度を高めることができる。
(16)シフト時減算処理では、保留情報のシフトに合わせて所定の設定時間を減算する構成としたが、シフト時に所定の設定時間を加算する構成としてもよい。このように、事後的に減算されるパターンだけでなく加算されるパターンを設けることで、特別保留予告に最後まで注目させることができる。なお、加算するタイミングはシフト時に限定されず、他のタイミングであってもよい。
また、実行エリアARにシフトされる保留情報の種類(例えば遊技結果や保留用画像Pの種類)に応じて、加算する確率や加算時の時間を変更する構成としてもよい。
(17)特別保留予告における所定の設定時間の修正は、実行エリアARにシフトされる保留情報の種類や保留情報の数以外にも、例えば当否抽選モードやサポートモードの高低や、発射ハンドル54の操作状況(発射強度や発射継続時間)に応じて行う構成としてもよい。
(18)シフト時減算の実行の有無や減算時間を、保留情報のシフトが行われるたびに決定する構成としたが、特別保留予告の開始時やその他のタイミングで行う構成としてもよい。開始時に行う構成とすれば、シフト時減算を加味した時間の設定を行うことができる。但し、事後的に決定する構成とするほうが、遊技状況に応じて特別条件の成立確率が変化する様を遊技者に体感させることができ、所謂出来レースのように演出開始時に結果が予測されてしまう、といった不都合を回避することができる。
(19)特別条件成立に基づいて、第4保留用画像P4からの変化先の保留用画像を抽選等により決定する場合、開始時の特別条件の成立困難性(所定の設定時間の長さ)に応じて変化先の保留用画像を異ならせる構成としてもよい。また、変化先の保留用画像は、大当たり期待度が高い側の保留用画像に限定されず低い側の保留用画像となるパターンが含まれる構成であってもよい。
(20)特別保留予告において、当該特別保留予告の対象となっている保留情報とは異なる保留情報により所定の設定時間を設定する構成としたが、当該異なる保留情報により特別保留予告における実行態様を設定する構成であれば、当該異なる保留情報により設定する態様は上記のものに限定されない。例えば、特別保留予告において、所定の設定時間(特別条件)を当該異なる保留情報についての変動表示時間に基づいて設定し、特別条件成立に基づいて変化する保留用画像を当該異なる保留情報の遊技結果に基づいて設定する構成としてもよい。
また、特別保留予告を上記各実施形態における通常の保留予告と同様の演出とし、当該異なる保留情報に基づいて、各保留用画像P1〜P5のうちのいずれの保留用画像を表示させるかを設定する構成としてもよいし、通常の保留予告とは異なる保留予告として、その表示画像を当該異なる保留情報に基づいて設定する構成としてもよい。
これらの場合であっても、特別保留予告の開始時にその実行態様を設定する構成としてもよいし、開始後に実行態様を設定する構成としてもよい。開始後に設定する構成のほうが、遊技状況に応じて設定される様を如実に再現することができ、実行態様の多様化を図ることができる。
(21)特別保留予告について、保留取得時の保留数が多いほど実行する確率が高くなる構成としたが、保留数が多いほど実行する確率が低くなる構成としてもよい。また、保留されている保留情報又は実行中の遊技回の保留情報の変動表示時間が長いほど実行する確率が高くなる又は低くなる構成としてもよい。また、保留されている保留情報又は実行中の遊技回の保留情報の変動表示時間に応じて、特別保留予告の設定時間を設定する構成としてもよい。
(22)上記各実施形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、演出制御装置82により表示制御装置212が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置212が演出制御装置82を制御する構成としてもよい。また、演出制御装置82と表示制御装置212とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,212が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、演出制御装置82又は表示制御装置212の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよく、演出制御装置82及び表示制御装置212の両方の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよい。
(23)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、作動口33,34への入賞に基づいて、保留情報が取得される構成としたが、これに限られず、例えば、スタートレバーを設け、当該スタートレバーの操作に基づいて、保留情報が取得される構成としてもよい。要は、保留情報が取得される条件は任意である。
(24)弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、以下の各特徴に記載された発明は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の所定遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される(例えば特開2004−81853号公報参照)。」という技術背景について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題を持ってなされたものである。
また、以下の各特徴群に記載された発明は、異なる特徴群同士で個別に組み合わせてもよく、各発明の一部又は全部を組み合わせて異なる特徴群に記載された発明に対して適用してもよい。
<特徴A群>
特徴A1.遊技の結果に基づいて特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与可能な遊技機において、
遊技球を遊技領域に発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報に基づいて、遊技者に前記特典を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて行う演出(例えば遊技回演出や保留予告)を設定する演出設定手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記演出設定手段により設定された前記演出を、前記所定の報知手段にて実行する演出実行手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記演出設定手段により設定された前記演出が、予め定められた所定演出(保留予告)であった場合に、それとは別の特別演出(特別保留予告)を前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行することが可能な特別演出実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報が取得され、この特別情報に基づいて特典が付与されるか否かの付与判定が行われ、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて演出が実行される遊技機において、例えば、この演出が各付与判定の結果を報知するための所謂遊技回用の演出である場合に、その遊技回用の演出の所定演出が、その動作期間が長かったりして、その所定演出に対応する付与判定の結果が報知されるまでの期間が長いと、それまで遊技者は待たされることになり、この期間を冗長なものと感じてしまう可能性がある。また、例えば、特別情報を複数個記憶可能な遊技機では、この所定演出が複数個先の特別情報に対応する所謂先読み演出である場合には、その特別情報までに他の特別情報についての付与判定の結果が報知されため、その所定演出に対応する特別情報についての付与判定の結果が報知されるまで遊技者は待たされることになる。そこで、このような所定演出が設定された場合には、それとは別の特別演出を所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行する構成とすれば、所定演出に基づいて付与判定の結果が報知されるまでの間延び感による興趣低下を抑制することが可能となる。以上の結果、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、特別演出を、所定演出の代わりに実行されるものではなく、所定演出と並行して実行されるものとすれば、特別演出が実行されることによる上記効果を好適に奏することができる。
また、特別演出に基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて特典を付与する構成とすると、当該特別演出への注目度をより高めることが可能となる。この場合、上記特別情報に基づいて付与される特典を第1特典とし、特別演出に基づいて付与される特典を第2特典として表現すると、両者を明確に区別することが可能となる。そして、特別演出に基づいて付与される第2特典についての付与判定を、所定演出の契機となった第1特典の付与判定の結果とは異なる情報に基づいて行う構成とすれば、その所定演出と特別演出とが異なる演出であることが明確となり、それぞれの演出を好適に楽しませることが可能となる。
特徴A2.遊技の結果に基づいて特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与可能な遊技機において、
遊技球を遊技領域に発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報に基づいて、遊技者に前記特典を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて行う演出(遊技回演出)を設定する演出設定手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記演出設定手段により設定された前記演出を、前記所定の報知手段にて実行する演出実行手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記演出設定手段は、前記付与判定に基づいて前記演出としての遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として前記遊技回用動作を終了させることを1の遊技回として、各遊技回における前記遊技回用動作を設定するものであり、
前記遊技回用動作には、少なくとも動作期間が短期間となる短期間態様と当該短期間態様よりも動作期間が長い長期間態様とを含む複数の実行態様が設定されており、各遊技回において設定された実行態様にて前記遊技回用動作が行われるものであり、
前記演出設定手段により設定された前記遊技回用動作の動作態様が、前記長期間態様であった場合に、特別演出(特別保留予告)を前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行することが可能な特別演出実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報が取得され、この特別情報に基づいて特典が付与されるか否かの付与判定が行われ、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて遊技回用の演出としての遊技回用動作が実行される遊技機において、その遊技回用動作の動作態様の動作期間が長い長期間態様が設定された場合には、対応する付与判定の結果が報知されるまでの期間が長くなり、この期間を冗長なものと感じてしまう可能性がある。そこで、このような長期間態様となる遊技回用動作が設定された場合には、特別演出を所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行する構成とすれば、遊技回用動作に基づいて付与判定の結果が報知されるまでの間延び感による興趣低下を抑制することが可能となる。以上の結果、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、特別演出を、長期間態様の遊技回用動作の代わりに実行されるものではなく、当該遊技回用動作と並行して実行されるものとすれば、特別演出が実行されることによる上記効果を好適に奏することができる。
また、特別演出に基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて特典を付与する構成とすると、当該特別演出への注目度をより高めることが可能となる。この場合、上記特別情報に基づいて付与される特典を第1特典とし、特別演出に基づいて付与される特典を第2特典として表現すると、両者を明確に区別することが可能となる。そして、特別演出に基づいて付与される第2特典についての付与判定を、遊技回用動作の契機となった第1特典の付与判定の結果とは異なる情報に基づいて行う構成とすれば、その遊技回用動作と特別演出とが異なる演出であることが明確となり、それぞれの演出を好適に楽しませることが可能となる。
特徴A3.遊技の結果に基づいて特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与可能な遊技機において、
遊技球を遊技領域に発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報に基づいて、遊技者に前記特典を付与するか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報について、当該所定の特別情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングで、当該付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果に対応する情報を特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて、前記所定の特別情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングで行う演出(保留予告)を設定する演出設定手段(演出制御装置82による保留表示用処理を実行する機能)と、
前記演出設定手段により設定された前記演出を、前記所定の報知手段にて実行する演出実行手段(演出制御装置82による保留増加用処理を実行する機能)と、
前記演出設定手段により設定された前記演出が、予め定められた所定演出(例えば第2保留用画像P2)であった場合に、それとは別の特別演出(特別保留予告)を前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行することが可能な特別演出実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球することに基づいて特別情報が取得され、この特別情報に基づいて特典が付与されるか否かの付与判定が行われる遊技機において、この特別情報は複数の数である所定数を上限に記憶可能となっており、所定の特別情報について付与判定が行われるよりも先のタイミングで当該付与判定の結果に対応する情報が特定され、その特定された情報に基づく演出、所謂先読み演出が所定の報知手段にて行われる。そして、この演出が予め定められた所定演出であった場合は、それとは異なる特別演出が、所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて行われる。この場合、例えば、遊技者が、所定演出に基づいてその演出に対応する付与判定の結果が特典を得ることができる結果であったと予測又は把握し、その特典を早く得たいと思ったとしても、所定演出はその特別情報が付与判定の対象となるよりも先に行われるものであるため、その付与判定まで待たなくてはいけない。そのため、この期間を冗長なものと感じてしまう可能性がある。そこで、このような所定演出が設定された場合には、それとは別の特別演出を所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行する構成とすれば、所定演出に基づいて付与判定の結果が報知されるまでの間延び感による興趣低下を抑制することが可能となる。以上の結果、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、特別演出を、所定演出の代わりに実行されるものではなく、所定演出と並行して実行されるものとすれば、別の演出が実行されることによる上記効果を好適に奏することができる。
また、特別演出に基づいて、遊技者に特典を付与するか否かの判定を行い、その判定結果に基づいて特典を付与する構成とすると、当該特別演出への注目度をより高めることが可能となる。この場合、上記特別情報に基づいて付与される特典を第1特典とし、特別演出に基づいて付与される特典を第2特典として表現すると、両者を明確に区別することが可能となる。そして、特別演出に基づいて付与される第2特典についての付与判定を、所定演出の契機となった第1特典の付与判定の結果とは異なる情報に基づいて行う構成とすれば、その所定演出と特別演出とが異なる演出であることが明確となり、それぞれの演出を好適に楽しませることが可能となる。
さらに、所定演出を、第1特典が付与される期待度が他の演出と比して高い演出とすれば、この所定演出が行われた場合に、それに対応する特別情報についての付与判定が早く行われるよう、遊技者は考えるはずであり、このようにすることで、上記のように特別演出を行うことによる効果をより好適に奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技の結果に基づいて特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与可能な遊技機において、
遊技球を遊技領域に発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報に基づいて、遊技者に前記特典を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて行う演出(例えば遊技回演出や保留予告)を設定する演出設定手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記演出設定手段により設定された前記演出を、前記所定の報知手段にて実行する演出実行手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記演出設定手段により設定された前記演出が、予め定められた所定演出(保留予告)であった場合に、それとは別の特別演出(特別保留予告)を前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行することが可能な特別演出実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
前記特別演出実行手段により実行される前記特別演出において、所定の設定期間の経過に基づいて成立確率が変化する特別条件が成立したか否かを判定する判定手段(演出制御装置82によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報が取得され、この特別情報に基づいて特典が付与されるか否かの付与判定が行われ、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて演出が実行される遊技機において、例えば、この演出が各付与判定の結果を報知するための所謂遊技回用の演出である場合に、その遊技回用の演出の所定演出が、その動作期間が長かったりして、その所定演出に対応する付与判定の結果が報知されるまでの期間が長いと、それまで遊技者は待たされることになり、この期間を冗長なものと感じてしまう可能性がある。また、例えば特別情報を複数個記憶可能な遊技機では、この所定演出が複数個先の特別情報に対応する所謂先読み演出である場合には、その特別情報までに他の特別情報についての付与判定の結果が報知されるため、その所定演出に対応する特別情報についての付与判定の結果が報知されるまで遊技者は待たされることになる。また、逆に、所定演出の動作期間が短かったり記憶されている特別情報の数が少ないと、十分な演出を行うことが困難となり得るため、遊技者に演出上の不足感を与えかねない。
そこで、この所定演出が選択された場合には、所定の報知手段又はそれとは別の報知手段において特別演出を実行する構成とし、この特別演出において、所定の設定期間の経過に基づいて成立確率が変化する特別条件が成立したか否かの判定が行われる構成とした。そのため、例えばこの特別条件の成否によって演出を異ならせたり、特典を付与したりする構成とすると、この特別演出が行われる期間の長さへ関心を寄せさせることが可能となる。これにより、所定演出に基づいて付与判定の結果が報知されるまでの期間の間延び感を抑制し、興趣低下を好適に抑制することが可能となるし、逆に、所定演出の動作期間が短い場合において特別演出を行えば、当該所定演出に加えて特別演出が行われる分、注目度が高まることを期待でき、興趣低下を好適に抑制することができる。以上の結果、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、特別演出を、所定演出の代わりに実行されるものではなく、所定演出と並行して実行されるものとすれば、特別演出が実行されることによる上記効果を好適に奏することができる。
また、特別条件の成立(判定手段の判定結果)に基づいて特典を付与する構成とすると、この特別演出への注目度をより高めることが可能となる。この場合、上記特別情報に基づいて付与される特典を第1特典とし、特別条件の成立に基づいて付与される特典を第2特典として表現すると、両者を明確に区別することが可能となる。そして、特別条件の成立に基づいて付与される第2特典についての付与判定を、所定演出の契機となった第1特典の付与判定の結果とは異なる情報に基づいて行う構成とすれば、その所定演出と特別演出とが異なる演出であることが明確となり、それぞれの演出を好適に楽しませることが可能となる。
なお、「所定の設定期間の経過に基づいて成立確率が変化する特別条件」を、「所定の設定期間の経過に基づいて成立確率が高くなる特別条件」とすると、所定演出に基づく付与判定が行われるまでの期間が長くなるほど特別条件が成立し易くなり、それまでの期間を冗長なものと感じさせてしまう不都合を回避することができる。
また、「所定の設定期間の経過に基づいて成立確率が変化する特別条件」を、「所定の設定期間の経過に基づいて成立確率が低くなる特別条件」とすると、所定演出に基づく付与判定が行われるまでの期間が短くなるほど特別条件が成立し易くなり、それまでの期間が短くて十分な演出(特別演出)が実行できなくても、特別条件が成立し易くなるため、演出上の不足感を低減することができる。
さらに、特別条件の成立に基づいて、特典を付与する手段を設ける場合、「前記判定手段により前記特別条件が成立していないと判定された場合には特典を付与しない」構成とすることで、特別条件が成立するか否かについての注目度をより好適に高めることができる。
そして、「判定手段」の構成を、「前記特別演出実行手段により実行される前記特別演出において、所定の設定期間の経過に基づいて成立確率が変化する特別条件が前記所定演出における所定のタイミングで成立したか否かを判定する判定手段」とすることで、判定手段の判定タイミングがより明確になる。なお、この所定のタイミングを、「所定演出の終了タイミングよりも以前のタイミング」とすれば、特別条件の成否が判定された状況で所定演出の続きを楽しませることができ、例えば特別条件の成立に基づいて所定演出の内容を異ならせるなどすると、特別条件が成立することの優位性を所定演出を通じて明確に感じさせることが可能となる。
なお、「演出設定手段」の設定する演出を、遊技回用の演出とすれば、当該遊技回用の演出のうち所定演出が設定された場合に特別演出が行われる構成となり、この所定演出が行われる遊技回の注目度を好適に高めることができる。この場合の具体的な構成としては、「演出実行手段」及び「特別演出実行手段」の構成を、
「前記演出実行手段は、前記付与判定に基づいて前記演出としての遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として前記遊技回用動作を終了させることを1の遊技回として、各遊技回における前記遊技回用動作を前記所定の報知手段にて実行するものであり、
前記遊技回用動作には、少なくとも動作期間が短期間となる短期間態様と当該短期間態様よりも動作期間が長い長期間態様とを含む複数の実行態様が設定されており、各遊技回において設定された実行態様にて前記遊技回用動作が行われるものであり、
前記演出設定手段により設定された前記遊技回用動作の動作態様が、前記長期間態様であった場合に、特別演出(特別保留予告)を前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行することが可能な特別演出実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えている」
とするとよい。
また、「演出設定手段」の設定する演出を、所謂先読み予告(保留予告)の演出とすれば、この先読み予告において所定演出が設定された場合に特別演出が行われる構成となり、所定演出が行われた契機となった特別情報についての遊技回が行われるまでの期間の注目度を好適に高めることができる。この場合の具体的な構成としては、「前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)」を備えたうえで、「付与判定手段」の構成を「前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報に基づいて、遊技者に前記特典を付与するか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)」とし、
さらに、「前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報について、当該所定の特別情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングで、当該付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果に対応する情報を特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて、前記所定の特別情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングで行う演出(保留予告)を設定する演出設定手段(演出制御装置82による保留表示用処理を実行する機能)と、
前記演出設定手段により設定された前記演出を、前記所定の報知手段にて実行する演出実行手段(演出制御装置82による保留増加用処理を実行する機能)と、
前記演出設定手段により設定された前記演出が、予め定められた所定演出(例えば第2保留用画像P2)であった場合に、それとは別の特別演出(特別保留予告)を前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行することが可能な特別演出実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、を備えている」
とするとよい。
特徴B2.前記特別条件を、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて報知する条件報知手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者に特別条件を把握させることが可能となる。これにより、特別条件の成立確率に関与する所定の設定期間と、特別演出と、の関係が明確となり、特別演出の期間の長短、すなわち所定演出の期間の長短に応じて特別条件の成立確率が変化する様を十分に楽しませることができる。
特徴B3.前記条件報知手段は、前記判定手段による判定が行われるよりも先のタイミングで前記特別条件の報知を実行する先報知手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件について遊技者はその成否の判定が行われるよりも先のタイミングで把握することができる。特別条件は、期間の経過によって成立確率が変化するものであるため、なるべく早いタイミングでその特別条件を把握させれば、その分、特別条件が成立するか否かについて十分に楽しませることができる。
特徴B4.前記先報知手段は、前記所定の設定期間の経過の開始に基づいて、前記特別条件の報知を実行する手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の経過期間の開始に基づいて特別条件の報知が行われるため、特別条件の成否に関与する期間について、最大限、その成否を楽しませることが可能となる。
特徴B5.前記先報知手段は、前記所定の設定期間の経過の途中で、前記特別条件の報知を実行する手段(演出制御装置82による特別保留予告制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B3又は特徴B4に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の設定期間の経過の途中で特別条件の報知が行われるため、その特別条件の成立確率の変化の様を遊技者に把握させることができる。これにより、遊技者に特別演出が行われる期間と特別条件の成立確率との関係を明確に把握させることができる。
特徴B6.前記条件報知手段は、前記判定手段による判定が行われた後のタイミングで前記特別条件の報知を実行する後報知手段(演出制御装置82によるステップS2701の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B2乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件について判定手段による判定後であっても把握することができる。つまり、特別条件の成否について、その判定タイミングよりも後であってもそれを把握することができる。このようにすることで、特別条件が成立するか否かについての関心を、その付与タイミング後においても余韻として残すことができ、判定後に注目度が極端に低下してしまうことを抑制することができる。
特徴B7.前記後報知手段は、前記特別条件の報知として前記判定手段の判定時の前記成立確率に関する報知を行うものであることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
上記構成によれば、判定時の成立確率に関する報知を行うため、単に特別条件の成否だけでなく、その程度を把握させることができる。そのため、例えば、特別条件が成立しなかった場合には、後どれくらいで成立したかを把握させることができ、特別条件が成立しなかったことに基づく注目度の極端な低下を抑制することができる。
特徴B8.前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)を備え、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報について、前記付与判定を順次行うものであり、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報についての情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果に基づいて、前記特別条件を設定する条件設定手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報の情報に基づいて特別条件が設定される。そのため、その特別条件から所定の特別情報を予測する、という遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。つまり、特別条件を、付与判定手段による付与判定の契機となる特別情報と関連付けることで、特別条件の成否に関する注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、条件設定手段により設定される「特別条件」を、単に「所定の設定期間」と言い換えることもできるし、また、「所定の設定期間の開始時における特別条件」とも言い換えることができる。
特徴B9.前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記遊技回用動作が行われるようにするものであり、
前記先特定手段は、前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間の情報を、当該動作期間設定手段による設定対象となる前記遊技回が前記遊技回制御手段により実行されるよりも先のタイミングで特定する先動作期間特定手段(演出制御装置82による時間特定可能時の演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記条件設定手段は、前記先動作期間特定手段の特定結果に基づいて、前記特別条件を設定する第1設定手段(演出制御装置82による時間特定パターン時のタイマ入力処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
上記構成によれば、先動作期間特定手段によって特定された動作期間の情報に基づいて特別条件の設定が行われる。そのため、特別条件と遊技回におけるその動作期間との関連性をより高めることができ、特別条件が成立するか否かの成立確率を動作期間の長さに対応付けることが可能となる。よって、演出を好適に実行することができる。
特徴B10.前記条件設定手段は、前記先動作期間特定手段による特定結果に関わらず、前記特別条件を設定する第2設定手段(演出制御装置82による通常パターン時のタイマ入力処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
上記構成よれば、先動作期間特定手段により動作期間を先に特定することができない場合、例えば、動作期間が遊技回の開始時にしか定まらない場合であっても、第2設定手段によって特別条件を設定することが可能となる。よって、演出を好適に実行することができる。
特徴B11.遊技状態には、いずれの特別情報であっても前記先動作期間特定手段により前記動作期間の特定が可能な特別遊技状態が設定されており、
前記特別条件は、前記特別遊技状態中に設定されるものであることを特徴とする特徴B9又は特徴B10に記載の遊技機。
上記構成によれは、特別遊技状態中であれば、いずれの特別情報が取得情報記憶手段に記憶されていてもその動作期間の情報が先特定可能であり、そのような状態において特別条件を設定するようにすれば、動作期間の情報が特定できない、といった不都合が生じない。これにより、特別条件を用いた演出を好適に実現することが可能となる。
特徴B12.前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間には、前記付与判定手段による前記付与判定が行われる場合の遊技状況(例えば保留個数)を反映する第1動作期間(保留数対応パターン)と、そうではない第2動作期間(保留数非対応パターン)と、が含まれており、
前記先動作期間特定手段は、前記第2動作期間となる前記特別情報について動作期間を特定する手段(演出制御装置82による時間特定可能時の演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B9乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
特別情報の取得時の遊技状況と付与判定時の遊技状況とは異なり得るため、付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいてその動作期間を特定しても、その先動作期間特定手段による特定時の動作期間と付与判定時の動作期間とは異なり得る。そこで、上記構成では、そのような遊技状況が反映された第1動作期間ではなく、第2動作期間について付与判定の対象となるよりも先のタイミングで特定するため、遊技状況の相違に基づく動作期間の先特定に関する不都合を回避することができる。これにより、動作期間を用いた演出を好適に行うことが可能となる。
なお、特徴B9に本構成を適用するならば、「前記第1設定手段は、前記第2動作期間となる前記特別情報について動作期間を特定する手段により特定された動作期間に基づいて、前記特別条件を設定する」構成とするとよい。
特徴B13.前記先動作期間特定手段は、その特定対象となっている前記特別情報についての前記動作期間が前記第1動作期間である場合には、仮の動作期間を当該特別情報についての動作期間として特定する仮特定手段(第4の実施形態における、演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
上記構成のように、遊技状況の相違に基づいて動作期間が異なり得る場合であっても、仮の動作期間として特定すれば、少なくとも特別条件の成否に基づく演出を行うことが可能となる。すなわち、動作期間を先特定できない場合であっても、演出を実行する余地を残すことで、演出の単調化を抑制することができる。
なお、特徴B10に本構成を適用するならば、「第2設定手段は、前記仮特定手段により特定された仮の動作期間に基づいて前記特別条件を設定する」構成とするとよい。
特徴B14.前記特別条件は、前記所定の設定期間が経過するほど成立確率が高くなるように設定されており、
前記仮特定手段は、前記動作期間設定手段により設定され得る前記第1動作期間のうち、最も短い期間以下となる期間を、前記仮の動作期間として特定するものであることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮特定する動作期間を予めパターン化しておくことが可能であるため、仮特定に関する処理構成の簡素化を図ることができる。また、仮特定の期間はその後変化し得る期間のうち最も短い期間以下であるため、特別条件の成立確率も最も高い成立確率以上のものとして設定することになる。ここで、特別条件の成立確率が極端に低くなると、そもそも特別演出とは異なる別の演出において特別条件が成立しないものと遊技者は慣れてしまい、特別条件の成否に対する関心が薄れてしまう可能性がある。そこで上記構成のように、特別条件が成立し易いものとすることで、仮特定によって成立確率が低くなることによる注目度の低下を回避することができる。
特徴B15.前記特別条件は、前記所定の設定期間が経過するほど成立確率が高くなるように設定されており、
前記仮特定手段は、前記動作期間設定手段により設定され得る前記第1動作期間のうち、最も長い期間以上となる期間を、前記仮の動作期間として特定するものであり、
前記仮特定手段による特定が行われたタイミングよりも後のタイミングであって、前記判定手段による判定が行われるよりも先のタイミングで、前記特別条件の修正を行う手段(第4の実施形態における、演出制御装置82によるシフト時減算処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B13又は特徴B14に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮特定する動作期間を予めパターン化しておくことが可能であるため、仮特定に関する処理構成の簡素化を図ることができる。また、仮特定の期間はその後変化し得る期間のうち最も長い期間以上であるため、特別条件の成立確率も最も低い成立確率以下のものとして設定することになる。そこで、上記構成では、その後に特別条件の修正を行うことで、仮特定によって成立確率が低くなることによる注目度の低下を回避することができる。
なお、「修正」とは、例えば、「前記所定の設定期間を短縮/延長する」構成が考えられ、より具体的には、「前記所定の設定期間について、前記仮の動作期間と、前記動作期間設定手段により設定された動作期間と、の差を短縮/延長する」構成が考えられる。
特徴B16.前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)を備え、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報に基づいて、遊技者に前記特典を付与するか否かの付与判定を順次行うものであり、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報について、当該所定の特別情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングで、当該付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果に対応する情報を特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)を備え、
前記演出設定手段は、前記先特定手段による特定結果に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて、前記所定の特別情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングで行う演出(保留予告)を設定するものであり、
前記演出実行手段は、前記先特定手段による特定結果が所定の結果となったことに基づいて、当該特定の対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果に対応する特別報知(保留予告)を、前記所定の特別情報についての前記付与判定の結果が報知されるよりも先のタイミングで、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行するものであり、
前記特別演出実行手段は、前記演出実行手段により実行される前記特別報知の内容が前記所定演出に対応するものであることに基づいて、前記特別演出を前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行するものであることを特徴とする特徴B1乃至B15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報について、それが付与判定の対象となるよりも前に特別報知が行われる可能性がある。これにより、先特定手段により特定対象となった所定の特別情報を、当該所定の特別情報の付与判定の結果が報知されるよりも前に予測する、という遊技を行うことが可能となり、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高めることができる。このような特別報知を行う場合、遊技者に特典が付与され易いものとする特別報知であれば、その特別報知への注目度が高まる一方でそれ以外の特別情報についての演出への注目度が低下してしまう可能性がある。また、特典が付与されにくいものとする特別報知であれば、その特別報知だけでなくその後の演出への注目度は極端に低下してしまう可能性がある。そこで、特別報知として例えば所定演出が設定された場合には、所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段において特別演出を行う構成とすれば、特別報知を行うことにより注目度が低下し得る状況において特別演出側に注目させ、興趣の低下を好適に回避することが可能となる。
特徴B17.前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記遊技回用動作が行われるようにするものであり、
前記先特定手段は、前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間の情報を、当該動作期間設定手段による設定対象となる前記遊技回が前記遊技回制御手段により実行されるよりも先のタイミングで特定する先動作期間特定手段(演出制御装置82による時間特定可能時の演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記先動作期間特定手段による特定結果に基づいて、前記特別条件を設定する条件設定手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B16に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の内容が所定演出であったことに基づいて実行される特別演出において、その特別条件が動作期間の情報に基づいて設定される。これにより、所定の特別情報に基づいて行われる特別報知と、動作期間の情報と、を関連付けることができる。
この場合、特別報知については所定の特別情報に関する報知を行うものであり、その特別報知に基づいて実行される特別演出における特別条件は、所定の特別情報以外の動作期間に基づいて設定される構成であってもよいし、所定の特別情報の動作期間に基づいて設定される構成であってもよい。前者の場合、特別報知によって所定の特別情報についての注目度を高めつつ、特別演出によってそれ以外の特別情報についての注目度を高めることができる。また、後者の場合、特別報知と特別演出とをより密接に関連付けることができ、例えば、特別報知において特典が付与されにくいことを示唆する演出を行う場合に、特別演出においては特別条件が成立し易い演出を行う構成とする、などして演出の多様化を図ることが可能となる。
特徴B18.前記条件設定手段は、前記特別演出実行手段による前記特別演出の実行の契機となった前記特別報知において、当該特別報知の対象となっている前記所定の特別情報以前に前記付与判定の対象となる前記特別情報について、前記先動作期間特定手段により特定された前記動作期間に基づいて前記特別条件を設定するものであることを特徴とする特徴B17に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の対象となっている特別情報以前に付与判定の対象となる特別情報の動作期間に基づいて特別条件を設定する構成としたため、特別報知の対象となっている特別情報以前に付与判定の対象となる特別情報についての遊技回の動作期間への関心を高めることができ、特別報知を行うことによる他の遊技回用の演出への注目度の低下を回避することが可能となる。
特徴B19.前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作には、前記付与判定手段の前記付与判定の結果を報知するよりも先のタイミングにおいて、第1動作(リーチ発生)と当該第1動作よりも前記特典の付与確率が低くなる第2動作(リーチ非発生)とに分岐する分岐タイミング(下図柄列Z3の高速変動終了タイミング)が設定されており、
前記判定手段は、前記特別条件の契機となった前記特別情報についての前記遊技回用動作における前記分岐タイミングにおいて前記特別条件の成否についての判定を行うものであることを特徴とする特徴B1乃至B18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1動作と第2動作との分岐タイミングにおいて、特別条件の成否の判定が行われる。また、この分岐タイミングでは、遊技回用動作が第1動作に分岐すれば特典が付与される確率が高まる一方、第2動作に分岐すればそれよりも付与確率は低くなる。この場合、特典に関して付与確率の高低が関連付けられた分岐演出を更に付加することも考えられるが、演出が複雑化しすぎると遊技者の理解度の低下が懸念され、その結果、遊技への関心も薄れてしまうことが考えられる。そこで、特典とは異なる特別条件に関してこの分岐タイミングにおいて判定する構成とすることで、遊技の複雑化を抑制しつつ、特典付与に関する複数の分岐演出を好適に実行することが可能となる。
特徴B20.前記所定の設定期間の経過速度をそれまでの経過速度から変化させる又は前記所定の設定期間の残り期間をそれまでの残り期間から変化させることが可能な変化手段(演出制御装置82による減算値調整処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B19のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の設定期間の経過速度又は残り期間が変化することにより、特別条件の成立確率が変化する。これにより、例えば特別条件が成立しそうにない場合であっても経過速度又は残り期間を変化させることにより特別条件が成立し得るようにすることができるし、また、例えば特別条件が成立しそうな場合であっても経過速度又は残り期間を変化させることにより特別条件が成立しないようにすることもできる。つまり、特別条件の成否の過程を多様なものとすることができ、演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴B21.前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記遊技回用動作が行われるようにするものであり、
前記変化手段は、前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間に応じて前記変化させるものであることを特徴とする特徴B20に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件の成立確率の動作期間との関連性をより高めることが可能となり、遊技回の動作期間の長短に基づく不都合を好適に回避することが可能となる。
特徴B22.前記特別条件は、前記所定の設定期間が経過するほど成立確率が高くなるように設定されており、
前記変化手段は、前記動作期間が短いほど、前記変化させる経過速度を速める又は前記変化させる残り期間を短くするものであることを特徴とする特徴B21に記載の遊技機。
上記構成によれば、動作期間が短い場合には所定の設定期間が経過する期間も短くなるため、特別条件の成立確率も低くなり得るため、そのような場合には、経過速度を速める又は残り期間を短くするように変化させれば、動作期間が短いことにより特別条件が成立しないと予測して関心が薄れてしまうことを抑制することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技球を遊技領域に発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報について、遊技者に特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与するか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、遊技者に前記特典を付与することに対応する付与対応結果であることに基づいて、遊技者に前記特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する先結果特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)と、
前記先結果特定手段による特定結果が所定の結果となったことに基づいて、当該特定の対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果に対応する特別報知を、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行する特別報知実行手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別報知実行手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記所定の特別情報とは異なる前記特別情報に基づいて前記特別報知の実行態様を設定することが可能な設定手段(第2の実施形態におけるシフト時減算処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報について、それが付与判定の対象となるよりも前に特別報知が行われる可能性がある。これにより、先結果特定手段により特定対象となった所定の特別情報を、当該所定の特別情報に対応する遊技回よりも前に予測する、という遊技を行うことが可能となり、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高めることができる。ここで、このような遊技回と特別報知とが並行して行われる遊技機では、特別報知に関して演出を派手なものにすればその特別報知への注目度は高められる反面、実行中の遊技回への注目度が低下してしまう可能性がある。そこで、本遊技機では、この特別報知について、特別報知の実行の契機となった所定の特別情報とは異なる特別情報に基づいて特別報知の実行態様を設定可能とする設定手段を備えていることで、特別報知に基づいて、所定の特別情報だけでなく他の特別情報についても関連付けることが可能となり、その他の特別情報についても注目度を高めることができる。これにより、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、「前記特別報知の実行態様を設定可能とする設定手段」を、「前記特別報知の実行態様を変更可能とする変更手段」と言い換えることができる。
特徴C2.前記設定手段は、前記特別報知の開始後に当該特別報知の実行態様を設定することが可能なものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の特別情報についての特別報知の実行中に、その他の特別情報に基づいてその特別報知の実行態様を設定することが可能となる。このようにすることで、特別報知の開始時の状況(他の特別情報の有無、種類など)だけでなく開始後の状況を加味して特別報知を実行することが可能となり、特別報知の実行態様の多様化を図ることができる。よって、特別報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記構成は、以下のように言い換えることも可能である。
「前記特別報知実行手段は、前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果に基づいて、前記特別報知の実行態様を設定する実行態様設定手段を備え、当該実行態様設定手段により設定された実行態様に基づいて前記特別報知を実行するものであり、
前記設定手段は、前記特別報知の開始後に、前記実行態様設定手段により設定された実行態様を変更可能とするものである」。
特徴C3.前記設定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報のうち、前記所定の特別情報よりも先に前記付与判定の対象となる前記特別情報に基づいて前記特別報知の実行態様を設定することが可能な手段(演出制御装置82によるステップS2802及びステップS2803の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の特別情報よりも先に付与判定の対象となる特別情報に基づいて実行態様が設定される。所定の特別情報よりも先に付与判定の対象となる特別情報とは、この特別報知の開始後に付与判定の対象となる特別情報であり、特別報知中に実行される遊技回に関する特別情報に基づいて特別報知の実行態様が設定されることになる。このようにすることで、特別報知だけでなく、この特別報知の実行中の遊技回への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴C4.前記付与判定手段は、前記情報取得手段により取得された一の特別情報についての前記付与判定を、当該一の特別情報よりも先に前記情報取得手段により取得された他の特別情報についての前記付与判定よりも先に行う先判定手段(第7の実施形態における主制御装置81によるデータ設定処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段は、前記先判定手段により前記所定の特別情報よりも先に前記付与判定が行われる特別情報に基づいて前記特別報知の実行態様を設定することが可能であることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の実行中に付与判定の対象となる特別情報の数が増えるため、設定手段による設定が行われる機会や対象も増加する。これにより、特別報知の実行態様の多様化を図ることが可能となる。
また、本構成を特徴C3に適用すれば、特別報知の開始後であって設定手段による設定前に取得された特別情報に基づいて設定手段による設定を行うことが可能となる。そのため、特別報知の開始後であっても特別情報を取得させる意義が生じ、遊技球の発射の継続を促すことが可能となる。
特徴C5.前記取得情報記憶手段により記憶されている前記特別情報に対応する記憶報知(保留用画像Pによる報知)を、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行する記憶情報報知手段(演出制御装置82による保留表示設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶され、設定手段による特別報知の実行態様の設定の契機となり得る特別情報について、記憶情報報知手段による記憶報知が行われる。そのため、例えば特別報知の実行態様の設定がなされるか否かについて、記憶情報報知手段による記憶報知から予測する、という遊技が追加され、所定の結果となったことに基づいて実行されている特別報知についてだけでなく、記憶済みの他の特別情報についても注目度を高めることが可能となる。
なお、「前記記憶情報報知手段による前記記憶報知は、前記先結果特定手段による特定結果に基づいて行われる」構成とすると、記憶報知が行われることにより先結果特定手段による特定結果を把握することが可能となり、その記憶報知から特別報知の実行態様を予測するという意義を明確にすることができる。
特徴C6.前記記憶情報報知手段は、複数の報知態様情報から対象となっている特別情報に対応する報知態様情報を設定する手段(演出制御装置82による保留表示設定処理において保留用画像Pを選択する機能)を備え、当該設定する手段により設定された前記報知態様情報を用いて前記記憶報知を実行するものであり、
前記特別報知実行手段は、前記報知態様情報を用いて前記特別報知を実行するものであり、
前記設定手段は、前記特別報知の対象となっている前記所定の特別情報よりも先のタイミングで前記付与判定の対象となる前記特別情報についての前記報知態様情報に基づいて、当該特別報知の対象となっている前記所定の特別情報についての前記報知態様情報を、それとは異なる報知態様情報に設定可能とするものであることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている状況において、報知態様情報がそれぞれ報知され、そのうちの一の報知態様情報が特別報知の対象となっている場合に、その特別報知の対象となっている報知態様情報よりも先に付与判定の対象となる特別情報に対応する報知態様情報に基づいて、当該特別報知の対象となっている報知態様情報をそれとは異なる報知態様情報に設定可能とされる。このようにすることで、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている状況において、各特別情報が単に付与判定の順番待ちとして記憶されているのではなく、その順番や特別情報(報知態様情報)の種類が特別報知に関係付けられ、それぞれの特別情報について関心を持たせることが可能となる。
特徴C7.前記設定手段は、前記所定の特別情報とは異なる前記特別情報のうちから前記特別報知の実行態様の設定を行う契機とする特別情報を選択可能とする選択手段(演出制御装置82による操作対応減算処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の特別情報とは異なる特別情報が複数存在する場合に、いずれの特別情報に基づいて特別報知の実行態様を設定するかが選択手段により選択される。このようにすることで、単に所定の特別情報とは異なる特別情報に基づいて特別報知の実行態様を設定する構成よりも、より設定を高度化することができる。すなわち、例えば、一の特別情報よりも他の特別情報のほうが特別報知の実行態様が遊技者にとって好ましいものに設定されるものとすると、選択手段によって当該一の特別情報が選択されることを遊技者は望むであろうし、例えば、遊技者にとって好ましくないものが設定され得る特別情報のみが存在する場合には、他の特別情報が記憶されるように遊技球を入球部に入球させることが考えられる。よって、特別報知への注目度をより好適に高めることが可能となる。
特徴C8.遊技者による操作が行われる操作手段(操作部75)を備え、
前記選択手段は、前記操作手段の操作に基づいて前記特別報知の実行態様の設定を行う契機とする特別情報を選択可能とするものであることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
上記構成によれは、遊技者の意志を特別報知の実行態様の設定に反映することが可能となる。これにより、遊技機側から一方的に行う演出ではなく、遊技者もその演出に関与させることが可能となり、遊技へより没頭させることできる。
特徴C9.前記設定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記所定の特別情報に基づいて前記特別報知の実行態様を設定することが可能なものであることを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の契機となった所定の特別情報とは異なる特別情報だけでなく、当該所定の特別情報も含めて特別報知の実行態様を設定する構成であることがより明確となる。
特徴C10.前記設定手段は、前記特別報知の開始後に前記入球部にて発生した遊技球の入球情報に基づいて、当該特別報知の実行態様を設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の開始後に発生した入球部への入球情報を当該特別報知の実行態様の設定に用いることで、特別報知が行われた後であっても遊技球の発射を継続させる意義を生じさせることができる。
上記のように、特別報知の注目度を高めることで遊技の興趣向上を図ることができる一方で、特別報知への注目度を高めるほど、遊技回側の演出への注目度は低下し得る。そして、開始された特別報知へ注目するあまり、遊技者は遊技球の発射を停止したりして演出に見入ってしまう(遊技を停止してしまう)可能性もある。
特別情報の記憶数が多い場合には遊技回の長さを短くする構成の遊技機においては、遊技中に遊技球の発射停止が繰り返されると、遊技者にとっては遊技の円滑な進行が妨げられ得るものとなる。また、遊技中に遊技球の発射停止が繰り返されると、遊技ホールの管理者にとっては不正行為(不正にタイミングをとって遊技球を発射させる等の行為)との見分けがつきにくく結果的に不正行為の発見が困難となり得る、といった不都合が考えられる。そこで、上記のように、特別報知の開始後に発生した入球部への入球情報に基づいてその特別報知の実行態様を設定可能とすれば、特別報知への注目度を高めつつも、その間、遊技球の発射を継続させる意義が生じ、上記の不都合を回避しつつも遊技への注目度を向上させることができる。
特徴C11.前記設定手段は、前記取得情報記憶手段に前記所定数の前記特別情報が記憶されている状況で前記入球部にて発生した遊技球の入球情報を用いて、前記特別情報の実行態様を設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶可能な上限数(所定数)の特別情報が記憶されている場合であっても、遊技球を入球部へ入球させる意義が生じる。特に、特別情報が上限数記憶されている場合には、それ以上の入球が発生しても付与判定が得られない(特別情報の取得/記憶が行われない)ため、一般的には、遊技者にとっては遊技球の発射を停止したくもなると考えられる。その一方で、このような状況であっても、上記のように、遊技球の発射停止が繰り返されると、遊技ホールにとっては不正行為の発見が困難となる、という不都合は残り得る。そこで、上記構成とすれば、特別情報の記憶数が上限に達している状況であっても遊技者的に遊技球の発射を継続させる意義が生じ、上記の不都合を回避しつつも遊技への注目度を向上させることができる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技球を遊技領域に発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報について、遊技者に特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与するか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、遊技者に前記特典を付与することに対応する付与対応結果であることに基づいて、遊技者に前記特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段を制御するものであり、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記遊技回制御手段による前記遊技回の対象となった場合の、前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間の情報を、当該所定の特別情報が前記遊技回の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する先動作期間特定手段(演出制御装置82による時間特定可能時の演出設定処理を実行する機能)と、
前記所定の特別情報が前記遊技回の対象となるよりも先のタイミングにおいて開始される特別報知(特別保留予告)を、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて実行可能な特別報知実行手段(演出制御装置82における特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別報知実行手段は、前記先動作期間特定手段により特定された前記動作期間に基づいて、前記特別報知の実行期間を設定する実行期間設定手段(演出制御装置82における時間特定パターン時のタイマ入力処理を実行する機能)を備え、当該実行期間設定手段により設定された実行期間に基づいて前記特別報知を実行するものであることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、先動作期間特定手段により特定された動作期間に基づいて実行期間が設定される特別報知が、その先動作期間特定手段による特定対象となった特別情報に係る遊技回が行われるよりも先のタイミングで開始される場合がある。つまり、一の特別情報について対応する動作期間の演出が、遊技回と特別報知とで別々の開始タイミングで行われる可能性がある。このように、一の特別情報についての演出の開始タイミングを複数設ければ、例えばその特別情報についての演出を行う上での不都合がある場合などは開始タイミングを異ならせることでその不都合を回避することができる。この不都合としては、例えば、複数の特別情報が取得されており更に特別情報が取得され易い状況などでは、それぞれの特別情報に対応する演出をスムーズに行う必要があり、一の特別情報についての遊技回を長くすると特別情報の取得にその消化が追い付かなくなること、や、逆に記憶されている特別情報の数が少ない場合に遊技回が途切れてしまうことを抑制すべく遊技回の動作期間を長くすると、特典付与の確率が高いのでは、と遊技者が勘違いしてしまうこと、などが挙げられる。この場合、例えば、開始タイミングを異ならせたうえで付与判定の結果のみを報知するなどする構成も考えられるが、演出の都合のみを優先しすぎて、一の特別情報についての演出をそれぞれ十分に行うという、遊技機本来の楽しみを逸脱することは好ましくない。その点、上記構成では、開始タイミングを異ならせても、動作期間は対応するものであるため、その特別情報についての演出は十分に行われているといえる。これにより、演出上の不都合を回避しつつも、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴D2.前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間には、前記付与判定手段による前記付与判定が行われる場合の遊技状況(例えば保留個数)を反映する第1動作期間(保留数対応パターン)と、そうではない第2動作期間(保留数非対応パターン)と、が含まれており、
前記先動作期間特定手段は、その特定対象となっている前記特別情報についての前記動作期間が前記第1動作期間である場合には、仮の動作期間として特定する仮特定手段(第4の実施形態における、演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成のように、遊技状況の相違に基づいて動作期間が異なり得る場合であっても、仮の動作期間として特定すれば、少なくともその特別情報についての遊技回よりも先に特別報知を開始することができる。このようにすることで、動作期間の先特定が困難である場合であっても、特別報知を実行する余地を残すことで、特別報知の実行機会を増加させることが可能となる。
特徴D3.前記特別報知実行手段は、前記特別報知の前記実行期間を当該特別報知の開始後に修正可能な修正手段(演出制御装置82によるステップS3310〜ステップS3313の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、先特定した動作期間と実際の動作期間とが異なる場合など、特別報知側の実行期間に不都合が発生した場合に、その期間を修正することができ、当該不都合を回避することができる。
なお、「修正」とは、「前記実行期間を短縮又は延長」と言い換えることもできる。
特徴D4.前記先動作期間特定手段は、前記所定の特別情報以外の特別情報についての前記動作期間に関する情報を特定する手段(演出制御装置82によるステップS1701〜ステップS1703の処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知実行手段は、前記所定の特別情報以外の特別情報についての前記動作期間に関する情報を特定する手段により特定された前記動作期間に関する情報を含めて前記特別報知の実行期間とする手段(演出制御装置82によるステップS1704の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知実行手段による特別報知の実行期間を、先動作期間特定手段による特定対象となった所定の特別情報以外の特別情報についての動作期間も含めた期間として設定することができる。つまり、特別報知が所定の特別情報についての遊技回よりも先に開始される構成において、特別報知の開始からその所定の特別情報についての遊技回の開始までに行われる他の特別情報についての遊技回中も、その特別報知を継続させることができる。換言すると、所定の特別情報以外に特別情報が含まれている場合であっても、特別報知を所定の特別情報についての遊技回まで継続させることができる。このようにすることで、特別報知と遊技回の関係を遊技者に明確に把握させることができ、更に特別報知がその遊技回前に終了してしまい関心が薄れてしまうことを抑制することができる。
特徴D5.遊技状態には、いずれの特別情報であっても前記先動作期間特定手段により前記動作期間の特定が可能な特別遊技状態が設定されており、
前記特別報知実行手段は、前記特別遊技状態中に前記特別報知を実行可能であることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれは、特別遊技状態中であれば、いずれの特別情報が取得情報記憶手段に記憶されていてもその動作期間の情報が先特定可能であり、そのような状態においては動作期間の情報が特定できない、といった不都合が生じない。これにより、動作期間の先特定を行う演出を好適に実現することが可能となる。
特徴D6.前記特別報知実行手段による前記特別報知は、前記所定の特別情報についての前記遊技回中の予め定められたタイミングで終了するように実行されるものであり、
前記先動作期間特定手段により特定された情報に基づいて、前記特別報知の開始タイミングを調節する手段(演出制御装置82によるステップS1710の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、開始タイミングを調節することで、先特定した動作期間に応じた特別報知を、その動作期間の修正やその終了タイミングの変更を要さずに行うことが可能となる。これにより、遊技回の動作期間の長さを報知する特別報知を好適に実現することができる。
特徴D7.前記特別報知実行手段による前記特別報知は、前記所定の特別情報についての前記遊技回中の所定のタイミングで終了するように実行されるものであり、
前記遊技回制御手段は、前記特別報知に応じて、前記所定の特別情報についての前記遊技回中の前記所定のタイミングでの前記遊技回用動作を調節する手段(演出制御装置82によるステップS2503の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定した動作期間を修正しなくても、終了タイミングにおける遊技回用動作を調節することで、特別報知の終了時の演出を遊技回用動作と対応付けることが可能となる。これにより、遊技回の動作期間の長さを遊技回用動作と対応付けながら的確に報知することができる。
<特徴E群>
特徴E1.遊技球を遊技領域に発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報に基づいて、遊技者に第1特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、遊技者に前記第1特典を付与することに対応する付与対応結果であることに基づいて、遊技者に前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段を制御するものであり、
予め定められた条件成立に基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて特別報知を実行する特別報知実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知実行手段は、
所定の設定期間を提示する期間提示手段(演出制御装置82による各種タイマ入力処理を実行する機能)と、
一又は複数の前記遊技回用動作が前記所定の設定期間以上継続したことに基づいて、前記第1特典とは異なる第2特典を遊技者に付与する第2特典付与手段(演出制御装置82による保留表示用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報が取得され、この特別情報に基づいて第1特典が付与されるか否かの付与判定が行われ、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて遊技回用の演出(遊技回用動作)が実行される遊技機においては、遊技回用の演出を派手にして長く行えば、その分当該遊技回への注目度は高められる反面、第1特典が付与されるまで待たされる期間が長くなり、遊技者に煩わしく感じさせてしまいかねない。そこで、上記構成のように、一又は複数の遊技回用動作が所定の設定期間以上継続した場合に、第1特典とは異なる第2特典を付与する構成とすることで、遊技回用の演出の動作期間が長くなることによる不都合を回避することができる。特に、所定の設定期間が、所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて提示されるため、遊技回の動作期間と所定の設定期間との関係を遊技者に明確に把握させることができ、第2特典が付与されることと、遊技回の演出に基づいて第1特典が付与されることと、を関連付けて楽しませることができる。以上の結果、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴E2.前記特別報知実行手段は、前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間が予め定められた所定期間以上である場合に、前記特別報知を実行するものであることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回の動作期間が予め定められた所定期間以上である場合に、所定の設定期間の提示が行われて、その設定期間以上、遊技回用動作が継続すると第2特典が付与される。このようにすることで、遊技回の動作期間が短い場合にも特別報知が行われて第2特典がなかなか付与されないようになる、といった不都合を生じさせることなく、遊技回の動作期間が長い場合の不都合を効率よく回避することができる。
特徴E3.前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)を備え、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報について、前記付与判定を順次行うものであり、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記遊技回制御手段による前記遊技回の対象となった場合の、前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間の情報を、当該所定の特別情報が前記遊技回の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する先動作期間特定手段(演出制御装置82による時間特定可能時の演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知実行手段は、前記先動作期間特定手段により特定された前記所定の特別情報についての前記動作期間が予め定められた所定期間以上である場合に、前記特別報知を実行するものであることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報についての遊技回の動作期間が予め定められた所定期間以上である場合に、所定の設定期間の提示が行われて、その設定期間以上、一又は複数の遊技回用動作が継続すると第2特典が付与される。このようにすることで、開始前の遊技回の遊技回用動作についても特別報知の対象とすることができ、特別報知の実行機会の増加を見込むことができる。
特徴E4.前記先動作期間特定手段により特定された一の前記所定の特別情報についての前記動作期間と、他の前記所定の特別情報についての前記動作期間と、を合算する合算手段(例えば演出制御装置82によるステップS1704の処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知実行手段は、前記合算手段により合算された期間が、前記所定期間以上である場合に、前記特別報知を実行するものであることを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の開始前の遊技回についての動作期間に基づいて、特別報知を行うことができる。これにより、動作期間の合算が所定期間以上となり易くなり、より特別報知の実行機会の増加を見込むことができる。
特徴E5.前記遊技回制御手段により実行中の前記遊技回において、残りの動作期間を把握する残期間把握手段(演出制御装置82によるステップS1708の処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知実行手段は、前記残期間把握手段により把握される残りの動作期間を加味して前記特別報知を実行するものであることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、実行中の遊技回の残りの動作期間も加味されるため、特別報知において対象となる一又は複数の遊技回用動作として、実行中の遊技回用動作を加えることができる。このようにすることで、所定の設定期間以上となる確率も高くなるし、特別報知の開始が遊技回の開始時だけに限定されず実行タイミングを多様化することができる。
なお、「残りの動作期間を加味」するとは、特徴E2のように動作期間の長さに応じて特別報知を行う構成に適用するならば、残りの動作期間が長い場合に特別報知を行う構成としてもよい。このようにすることで、遊技回の残りの動作期間が短い場合に特別報知が行われて第2特典が付与されにくくなる、といった不都合を生じさせないようにすることができる。
また、「残りの動作期間を加味」するとは、特徴E3のように動作期間を先特定する構成に適用する場合ならば、その先特定した動作期間と、残りの動作期間と、を合算する構成としてもよい。このようにすれば、実行中の遊技回も含めて所定の設定期間以上となるか否かに関心を寄せさせることができる。
特徴E6.前記特別報知実行手段は、前記付与判定手段による前記付与判定の結果に基づいて、前記特別報知を実行するものであることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、付与判定の結果と特別報知の実行とを関連付けることができる。これにより、特別報知が行われば第1特典が付与され易い/付与されにくい状況を作り出すことができ、遊技回用動作と合わせて遊技者に楽しませることが可能となる。
特徴E7.前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知実行手段は、前記先特定手段による特定結果に基づいて、前記特別報知を実行するものであることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、付与判定前の特別情報についての情報と特別報知の実行とを関連付けることができる。これにより、特別報知が行われば、その後に判定される特別情報に基づいて第1特典が付与され易い/付与されにくい状況を作り出すことができ、特別報知から付与判定の結果を予測する、という遊技を楽しませることができる。
本構成は、特に特徴E3の構成に適用すると、付与判定前の特別情報についての付与判定の結果の情報と動作期間の情報とを関連付けて特別報知を行うことができ、注目度の向上を図るうえでより好ましい。
特徴E8.前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)を備え、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報について、前記付与判定を順次行うものであり、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記遊技回制御手段による前記遊技回の対象となった場合の、前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間の情報を、当該所定の特別情報が前記遊技回の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する先動作期間特定手段(演出制御装置82による時間特定可能時の演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記期間提示手段は、前記先動作期間特定手段により特定された前記動作期間の情報に基づいて、所定の設定期間を提示するものであることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定した動作期間の情報に基づいて所定の設定期間の提示が行われるため、一又は複数の遊技回用動作が所定の設定期間以上継続するか否かを、予め把握しつつ特別報知を行うことができる。これにより、第2特典を付与すべきか否かを遊技機側で予め管理することができるため、それに合わせた演出、例えば第2特典が付与され易い/付与されにくいことを示唆する演出を行うことが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.遊技球を遊技領域に発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報について、遊技者に特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与するか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、遊技者に前記特典を付与することに対応する付与対応結果であることに基づいて、遊技者に前記特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報についての情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の結果となったことに基づいて、当該特定の対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果に対応する特別報知を、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行する特別報知実行手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記特別報知実行手段により前記特別報知が行われることに基づいて、当該特別報知の実行の契機となった前記所定の特別情報とは異なる前記特別情報に係る前記遊技回において、所定の演出を実行することが可能な所定演出実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報について、それが付与判定の対象となるよりも前に特別報知が行われる可能性がある。これにより、先特定手段により特定対象となった所定の特別情報を、当該所定の特別情報に対応する遊技回よりも前に予測する、という遊技を行うことが可能となり、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高めることができる。ここで、このような特別報知が行われる遊技機では、特別報知を派手なものとして所定の特別情報についての注目度を高めれば高めるほど、その他の特別情報についての遊技回への注目度は低下してしまう可能性がある。そのため、せっかく行われる遊技回が単に消化ゲームとなり、その期間においては遊技を十分に楽しませることが困難となる。そこで、当該その他の特別情報についての遊技回にて所定の演出を行う構成とすれば、その所定の演出について関心を持たせれば、当該その他の特別情報についての遊技回中の注目度を好適に高めることができる。
なお、所定の演出を、「当該特別報知の実行の契機となった前記所定の特別情報とは異なる前記特別情報に基づいて」行う構成とすれば、所定の演出の実行タイミングだけでなく演出の内容についても上記異なる特別情報と関係づけることができ、当該異なる特別情報への関心を好適に高めることができる。また、所定の演出を「前記特別報知とは異なる所定の演出」と表現してもよい。
特徴F2.前記所定演出実行手段は、前記所定の特別情報よりも先に前記付与判定の対象となる前記特別情報に係る前記遊技回において、前記所定の演出を実行するものであることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知が行われた場合に、特にその特別報知の対象となっている所定の特別情報についての遊技回までの遊技回が消化ゲームとなり易いため、そのような遊技回において所定の演出を行うことで、消化ゲームとして注目度が低下し易い遊技回の実行中であっても遊技への関心を寄せさせることが可能となる。
特徴F3.前記所定の演出の実行中の遊技状況次第で成立確率が異なり得る特別条件を、当該特別条件を成立させることを踏まえることなく設定する条件設定手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
前記特別条件が成立したか否かを判定する条件判定手段(演出制御装置82による停止時の特別保留予告用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の演出が行われると、その実行中の遊技状況に関心を寄せさせることができる。つまり、単にそれぞれの演出や遊技が行われるのではなく、所定の演出とその実行中の遊技状況との関連性を高め、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。そして、遊技状況次第で成立確率が異なり得る特別条件は、成否を踏まえることなく設定されるため、所謂出来レースのようにその他の情報から途中で結果がわかってしまうような事象を回避することができる。よって、遊技への注目度をバランスよく保つことが可能となる。
なお、条件判定手段により特別条件が成立したと判定された場合に、特典を付与する付与手段(演出制御装置82における付与処理を実行する機能)を備える構成とすると、特別条件の成否に対する注目度をより高めることができる。この場合、特別条件成立に基づいて付与される特典を、前記付与判定手段による付与判定に基づいて付与される特典と異なる特典とすることで、付与判定側の遊技回の演出と、所定演出実行手段側の所定の演出と、を関連付けながら、それぞれ別々の判定であることを明確に示すことができる。なお、「遊技状況次第で」とは、「遊技状況に関連して」や、「遊技状況によって」とも言い換えることができる。
特徴F4.前記条件判定手段は、前記遊技回制御手段による一又は複数の前記遊技回用動作に基づいて前記特別条件が成立したか否かを判定するものであることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報の先特定に基づく特別報知と、特別情報に基づいて順次行われる遊技回用動作とを所定の演出を通じて関連付けることが可能となる。このようにすることで、特別報知と遊技回用動作との注目度のバランスを保ち、遊技への関心を高めることができる。
なお、「前記遊技回用動作に基づいて」とは、「前記遊技回用動作の動作期間(の長さ)に基づいて」や、「前記遊技回用動作の動作態様(動作内容、演出内容)に基づいて」と言い換えてもよい。これらの場合、「前記遊技回用動作の動作期間を設定する動作期間設定手段」や「前記遊技回用動作の動作態様を設定する動作態様設定手段」を備える構成とすると、それらの設定手段により設定された遊技回用動作の動作期間や動作態様に基づいて特別条件の成否を判定する構成としてもよいし、それだけではなく、遊技回用動作の途中でこれらの動作期間や動作態様を変更し得る構成においては、変更後の動作期間や動作態様に基づいて特別条件の成否を判定する構成としてもよい。
特徴F5.前記特別条件は、前記所定の特別情報とは異なる前記特別情報に係る前記遊技回における前記遊技回用動作の動作期間が長いほど成立確率が高くなり得るものであることを特徴とする特徴F3又は特徴F4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の契機となった所定の特別情報とは異なる特別情報に係る遊技回の動作期間が長いほど、所定の演出における特別条件が成立し易くなるため、当該異なる特別情報に係る遊技回の動作期間が長くなってそれを冗長なものと感じ得る状況であっても、所定の演出側に関心を寄せさせ、演出に対する注目度をバランスよく保つことが可能となる。
特徴F6.前記所定の報知手段は、複数の絵柄を変動表示させることが可能な表示手段であり、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作として、前記複数の絵柄の変動表示を開始させ、当該各絵柄を停止表示させて前記付与判定手段による判定結果を報知するように前記表示手段を制御するものであり、
前記条件判定手段は、前記遊技回制御手段により停止表示される前記絵柄に基づいて前記特別条件が成立したか否かを判定するものであることを特徴とする特徴F3乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各遊技回において付与判定の結果として停止表示される絵柄を、特別報知に基づいて実行される所定の演出における特別条件の成否に関係付けることが可能となる。これにより、特別報知への注目度を高めつつも、各遊技回への注目度を高めることができる。
特に、上記のように特別報知が行われる状況では、その特別報知の契機となった特別情報に係る遊技回の遊技結果については強く関心が寄せられる一方で、その他の遊技回の遊技結果については関心が薄くなる可能性がある。これは、特別報知が行われることによって、当該その他の遊技回の遊技結果が外れである(特典が付与されない結果である)と、遊技者が予測してしまうから生じる問題と考えられる。かといって、これらのその他の遊技回の遊技結果が当たりである可能性を高め過ぎると、特別報知側への注目度が低下してしまう、といった問題も生じ得る。そこで、上記のように、その他の遊技回の遊技結果として報知される各絵柄を用いて特別条件の成否を判定する構成とすることで、当該その他の遊技回の遊技結果そのものについては変更することなく、外れ結果であっても演出上の変更だけで特別条件を成立させることができる。このようにすることで、特別報知と、所定の演出と、を並行して実行する構成において、両者の注目度をバランスよく高めることが可能となる。
特徴F7.前記条件設定手段により設定された前記特別条件を、前記遊技回用動作における前記複数の絵柄のうちの最初の絵柄が停止するよりも前のタイミングで提示する条件提示手段(演出制御装置82による変動開始用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止絵柄に基づいて特別条件の成否が判定される構成において、遊技回における最初の絵柄が停止するよりも前のタイミングで特別条件が提示される。そのため、遊技者としては、絵柄が停止してから特別条件の成否がわかるのではなく、停止前に変動表示が減速してある程度停止する絵柄がわかる構成などにおいては、停止するよりも若干前のタイミングで特別条件の成否を認識することができる。このようにすることで、絵柄の変動表示へ関心を寄せさせ、注目度を好適に高めることができる。
特徴F8.前記条件提示手段は、前記遊技回用動作において変動表示される前記絵柄に対応する対応情報(ビンゴカード300、ロトカード320)を提示することで、前記特別条件を提示するものであることを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
上記構成によれば、変動表示される絵柄と、特別条件と、が対応付けられるため、遊技者にとってわかり易くなる。これにより、所定の演出をより簡単に遊技者に楽しませることが可能となる。
特徴F9.前記遊技回用動作において、前記停止表示された前記絵柄に対応する前記対応情報を、当該停止表示される前の状態である第1態様(成立前のマス)から、当該第1態様と比較して遊技者が識別可能な第2態様(成立済みのマス)へ切り換える切換手段(演出制御装置82によるステップS4204の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件の成否を遊技者は明確に把握することができる。これにより、所定の演出をより一層、容易に楽しませることが可能となる。
特徴F10.前記条件判定手段は、前記第2態様となった前記対応情報が、予め定められた結果(ビンゴ成立、ロト成立)となったことに基づいて、前記特別条件が成立したものと判定する手段を備えていることを特徴とする特徴F9に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は対応情報が第2態様となること、そしてそれが予め定められた結果となること、に注目する。このようにすることで、所定の演出中の特別条件が成立していく様がわかり易くなり、遊技者にその遊技を存分に楽しませることが可能となる。
特徴F11.前記条件提示手段は、複数の対応情報を提示するものであることを特徴とする特徴F8乃至F10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の対応情報が提示されるため、単一の対応情報が提示される構成と比較して、変動表示の途中で当該単一の対応情報に対応する絵柄が停止しないと予測した/把握した場合であっても、その他の絵柄に対応する対応情報によって特別条件が成立するのでは、と思わせることができ、所定の演出に対しての注目度を維持することができる。
特徴F12.前記条件提示手段は、前記対応情報として、異なる対応情報が含まれる特別条件を提示する手段(演出制御装置82における特別演出A1や特別演出B1を実行する機能)と、同じ対応情報が含まれる特別条件を提示する手段(演出制御装置82における特別演出A2や特別演出B2を実行する機能)と、を備え、
前記切換手段は、一の前記絵柄の前記停止表示に対応する複数の対応情報を前記第2態様に切り換えることが可能な構成であることを特徴とする特徴F11に記載の遊技機。
上記構成によれば、同じ対応情報が含まれる特別条件が提示されている状況において、その対応情報に対応する絵柄が停止表示されれば、それらの対応情報が第2態様に切り換えられるため、一の絵柄停止に対する特別条件への寄与度が増え、絵柄停止への関心を高めることができる。よって、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特徴F13.前記条件提示手段は、複数の前記絵柄に対応する特別対応情報(成立済みのマス「F」)を一の前記対応情報として提示することが可能な構成であることを特徴とする特徴F8乃至F12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別対応情報に対応する絵柄であればどの絵柄が停止表示されても、特別条件成立に寄与することができる。よって、特別条件は成立し易くなり、遊技者に、その後の展開を楽しみにさせることができる。
特徴F14.前記条件判定手段は、前記停止表示される複数の前記絵柄に基づいて前記特別条件が成立したか否かを判定するものであることを特徴とする特徴F6乃至F13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の絵柄によって特別条件が成立するか否かといった遊技を楽しませることができる。例えば、一遊技回において各絵柄が異なるタイミングで停止表示される構成においては、上記構成のように複数の絵柄に基づいて特別条件の成否が判定されれば、各絵柄が停止表示されるそれぞれのタイミングでその特別条件の成否を楽しませることが可能となる。また、遊技回を跨いで停止される複数の絵柄によって特別条件の成否を判定する構成とすれば、一の遊技回で特別条件が成立しなくても、次の遊技回で成立するかもしれない、といったように期待感を持続させることができ、遊技への注目度をより好適に高めることが可能となる。
特徴F15.前記遊技回において停止表示された前記絵柄の情報を記憶して、複数回の前記遊技回に亘って当該記憶情報を保持することが可能な絵柄記憶手段(演出制御装置82による停止時の特別保留予告用処理を実行する機能)を備え、
前記条件判定手段は、前記絵柄記憶手段に記憶された前記記憶情報を利用して前記特別条件が成立したか否かを判定するものであることを特徴とする特徴F14に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の絵柄に基づいて特別条件の成否が判定される構成において、複数回の遊技回に亘って特別条件の成否を楽しませることができ、特別条件の成否に関心を持たせる期間を長引かせることが可能となる。
特徴F16.前記遊技回制御手段は、前記付与判定手段による判定結果が前記特典を付与することに対応する結果であることに基づいて、その遊技回において特定の絵柄組合せが停止表示されるように前記表示手段を制御するものであり、
前記特定の絵柄組合せが停止表示されるよりもされないほうが、前記特別条件は成立し易いものであることを特徴とする特徴F6乃至F15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、各遊技回において特定の絵柄組合せが停止表示されることを期待して表示手段に注目するものの、特別条件は特定の絵柄組合せが停止表示されないほうが成立し易い。そのため、特典付与に期待しつつも、特定の絵柄組合せが停止表示されなかった場合であっても、極端に注目度が低下してしまうことを回避することができる。
なお、「前記特定の絵柄組合せが停止表示されるよりもされないほうが、前記特別条件は成立し易いものである」ための具体的な構成としては、例えば、「前記特別条件は前記停止表示される前記絵柄の種類が多いほど成立し易い」構成を前提として、「前記特定の絵柄組合せとは、前記特典を付与しないことに対応する結果である場合の組合せよりも、前記絵柄の種類が少ない組合せである」構成が考えられる。
特徴F17.前記遊技回制御手段は、前記付与判定手段による判定結果が前記特典を付与することに対応する結果であることに基づいて、その遊技回において特定の絵柄組合せが停止表示されるように前記表示手段を制御するものであり、
前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作には、前記特定の絵柄組合せを停止表示させる前段階において当該特定の絵柄組合せが停止表示し易い状態であることを示唆する演出として、前記特定の絵柄組合せを構成する一部の絵柄(リーチラインを形成させる図柄、上下の図柄列Z1,Z3や、左右の図柄列Y1,Y3)を停止させるとともに、前記特定の絵柄組合せを構成する他の絵柄を含む絵柄群(リーチ中に変動表示させる中図柄列Z2,Y2)を変動表示させる特定演出(リーチ表示)が設定されており、
前記条件判定手段は、前記一部の絵柄と前記他の絵柄が停止表示されることに基づいて前記特別条件の成否を判定するものであることを特徴とする特徴F6乃至F16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せのうちの一部の絵柄が停止されるとともに、他の絵柄が変動表示される特定演出において、これら停止表示される一部の絵柄と変動表示される他の絵柄とによって特別条件の成否が判定される。そのため、例えば上記一部の絵柄によって特別条件の一部が成立しているとすると、変動表示中の他の絵柄を見る楽しみにおいて、特定の絵柄組合せが停止するか否か、といった楽しみの他にも、特別条件が成立するか否か、といった楽しみも追加される。これにより、絵柄を変動表示させて単に特典が付与されるか否かを報知する、といった従来の遊技とは異なり、より多面的な観点で絵柄の変動表示を見させることができ、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴F18.前記特定演出において、前記他の絵柄として前記特定の絵柄組合せを形成する絵柄が停止表示される場合よりも、前記特定の絵柄組合せを形成しない絵柄が停止表示される場合のほうが、前記特別条件が成立し易くなるように設定されていることを特徴とする特徴F17に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出において、他の絵柄として特定の絵柄組合せを形成する絵柄が停止表示されれば、遊技者は特典を得ることができるし、特定の絵柄組合せを形成しない絵柄が停止表示されれば、特別条件が成立する。このように、特定演出において通常であれば遊技者ががっかりしがちな側の結果であっても、遊技者に何らかのメリットを付与することで、演出への関心が極端に低下してしまうことを抑制することが可能となる。
特徴F19.前記遊技回制御手段は、前記絵柄の変動表示を前記付与判定手段による判定結果に対応させて停止表示させるよりも前の段階として、当該絵柄の変動表示の途中で前記絵柄を一旦停止させる停止処理を実行することが可能な停止手段(演出制御装置82におけるステップS4115及びステップS4116の処理を実行する機能)を備え、
前記条件判定手段は、前記停止手段により停止された前記絵柄も含めて前記特別条件の成否を判定するものであることを特徴とする特徴F6乃至F18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、最終的に付与判定の結果に対応する停止結果として表示されるよりも前に絵柄が一旦停止し得る構成において、この一旦停止した絵柄も含めて特別条件の成否が判定されるため、各遊技回の絵柄の変動/停止への関心を高め、その結果、特別条件の成否(所定の演出)への注目度を高めることができる。つまり、遊技回側の演出の一連の流れのなかの一部の演出を特別条件の成否に反映させることで、両者をより密接に関連付け、両者の注目度を相乗的に高めることが可能となる。
特徴F20.前記条件判定手段により前記特別条件が成立したと判定された場合に、前記特典付与手段により付与される前記特典とは異なる第2特典(レア画像等)を付与する第2特典付与手段(演出制御装置82における特典付与処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F3乃至F19のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件成立に基づいて付与判定手段による付与判定に基づく特典とは異なる第2特典が付与されるため、付与判定手段による付与判定側の遊技回の演出と、所定演出実行手段側の所定の演出と、を関連付けながら、それぞれ別々の判定であることを明確に示すことができる。これにより、遊技回側の演出と所定の演出のそれぞれの演出を好適に楽しませることが可能となる。
特徴F21.前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作の状況を把握する状況把握手段(演出制御装置82によるステップS4301、ステップS4302、ステップS4304〜ステップS4305の処理を実行する機能)と、
前記状況把握手段により把握された前記遊技回用動作の状況に基づいて前記第2特典を付与するタイミングを異ならせることが可能な第3特典付与手段(演出制御装置82によるステップS4306の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F20に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴F20の構成において、第2特典は、遊技回における遊技回用動作の状況によって付与されるタイミングが異なり得る。ここで、遊技回側の演出は付与判定手段による付与判定の結果を報知するためのものであり、その状況によっては、特別条件の成否よりも付与判定の結果の報知を優先すべき状況もあり得る。そこで、上記構成のように遊技回用動作の状況によって付与タイミングを異ならせることを可能とすることで、遊技回用の演出と、所定演出実行手段による演出と、が併存する構成において、両者が競合することによる不都合を回避することが可能となる。
特徴F22.前記第3特典付与手段は、前記条件判定手段により前記特別条件が成立したと判定された遊技回とは異なる遊技回において、前記第2特典を付与することが可能な構成であることを特徴とする特徴F21に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば遊技回の最終段階で特別条件が成立した場合などのように、特別条件が成立してから第2特典を付与するまでの期間が短い場合や、その遊技回で第2特典を付与するよりも遊技回用の演出を優先すべきである場合(例えば、付与判定手段の付与判定が特典を付与することに対応する結果である場合)などにおいて、特別条件が成立した遊技回とは異なる遊技回で第2特典を付与すれば、上記のような不都合を回避することが可能となる。
特徴F23.前記所定演出実行手段は、前記特別報知実行手段による前記特別報知の実行の契機となった前記所定の特別情報とは異なる前記特別情報に基づいて、前記所定の演出を実行することを設定する実行設定手段(演出制御装置82によるステップS4001〜ステップS4003の処理を実行する機能)を備え、当該実行設定手段により設定されたことに基づいて前記所定の演出を実行するものであることを特徴とする特徴F1乃至F22のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の演出は、特別報知の実行の契機となった特別情報とは異なる特別情報に基づいて実行するか否かが設定され、実行することが設定されれば当該異なる特別情報に係る遊技回において実行される。つまり、所定の演出の実行の契機を、特別報知が行われる事だけでなく、実行する遊技回に係る特別情報に基づく構成とすることで、例えば所定の演出を実行すべきではない状況にも所定の演出を実行してしまう、といった不都合を回避することができる。
ここで、このような特別報知の実行に基づいて所定の演出を行う構成においては、上記構成とは異なり、特別報知を実行するか否かを設定する際に所定の演出も実行するか否かを設定する構成も考えられる。この構成のほうが、処理構成の簡素化という観点からすると、好ましくも思える。しかし、所定の演出は、特別報知の実行の契機となった所定の特別情報とは異なる特別情報に係る遊技回であるため、特別報知については当該所定の特別情報を把握すればよいのに対して所定の演出はそれとは異なる特別情報についても把握する必要がある。そのため、特別報知の実行に際して、所定の演出についても実行するか否かを設定する構成とすると、特別報知にとっては余計な特別情報をも把握する必要が生じ、従来からある特別報知についての処理構成を大幅に変更する必要があるし、特別報知自体の処理については極端な処理負荷の増加が懸念される。そこで、本構成のように、所定の演出については実行設定手段によって実行の有無を設定する構成とすれば、特別報知側の処理についての不都合を回避しつつ、所定の演出を実行するという新たな構成を付加することが可能となる。
特徴F24.前記所定演出実行手段は、前記特別報知の契機となった前記所定の特別情報よりも後に取得された特別情報に係る前記遊技回であっても、前記所定の演出を実行することが可能な構成であることを特徴とする特徴F1乃至F23のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知を契機として所定の演出が開始され、その所定の演出中に取得された特別情報であってもその特別情報に係る遊技回まで当該所定の演出を継続させることができる。そのため、所定の演出が開始されてから、特別情報を取得させることでその所定の演出の内容(実行期間)を変えることも可能であり、遊技への積極的な参加が見込め、より遊技へ没頭させることができる。
特徴F25.前記付与判定手段は、前記情報取得手段により取得された一の特別情報についての前記付与判定を、当該一の特別情報よりも先に前記情報取得手段により取得された他の特別情報についての前記付与判定よりも先に行う先判定手段(第7の実施形態における主制御装置81によるデータ設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F24のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の演出が行われている状況で特別情報が取得されると、当該所定の演出の契機となった特別報知についての特別情報よりも先に上記取得された特別情報についての付与判定が行われ得る。そのため、特別報知についての特別情報に係る付与判定の結果が報知されるまでの期間がより長くなり得るため、当該付与判定の結果を早く知りたい遊技者にとっては、これらの期間がより一層冗長なものと感じてしまう可能性がある。そこで、このような構成の遊技機に対して、特徴F1の構成を適用することで、所定の特別情報よりも後に取得され且つ先に付与判定の対象となる特別情報についての遊技回において所定の演出を行うことが可能となり、上記のような不都合を回避しつつも、遊技への注目度をバランスよく高めることが可能となる。
特徴F26.前記所定演出実行手段は、前記所定の演出の開始後において前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、当該入球部への入球に基づく情報を前記所定の演出に反映させることが可能な構成であることを特徴とする特徴F1乃至F25のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の演出の開始後に、遊技球を入球部に入球させる意義を生じさせることができる。所定の演出は、先特定手段による特定結果に基づく特別報知を契機として実行されるため、この特別報知についての特別情報の付与判定の結果を知りたい場合には、遊技者は新たに遊技球を入球させずにその特別報知に係る遊技回まで遊技球の発射を停止する可能性がある。そこで、上記構成のように所定の演出の開始後の入球の意義を生じさせることで、遊技球の発射の継続を促すことができる。
特徴F27.前記所定演出実行手段は、前記取得情報記憶手段に前記所定数の特別情報が記憶されている場合であっても、前記入球部へ遊技球が入球した情報を前記所定の演出に反映させることが可能な構成であることを特徴とする特徴F26に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報が所定数に達している場合であっても、入球部に入球させればその情報が所定の演出側には反映されるため、所謂止め打ちを抑制することができる。ここで、遊技球の発射の継続を促す構成として、所定数の上限を増やしたり、上限を排除したりする構成も考えられる。しかし、そのような構成の場合には、例えば、遊技球の入球タイミングと遊技回の実行タイミングとの時間差が大きくなるため、遊技ホールの管理者にとっては、遊技球を入球させずに遊技回(付与判定)を行わせる不正行為を発見しにくくなる、といった不都合が考えられる。そこで、上記のように、遊技者の利益に直結する付与判定に関する遊技回側の演出ではなく、所定の演出側に、所定数を超える入球の情報を反映させる構成とすれば、上記のような不都合を回避しつつも、所定の演出を十分楽しませることが可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴F28.遊技球を遊技領域に発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報について、遊技者に特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与するか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、遊技者に前記特典を付与することに対応する付与対応結果であることに基づいて、遊技者に前記特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報についての情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の結果となったことに基づいて、当該特定の対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて特別報知を実行する特別報知実行手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記特別報知の契機となった前記所定の特別情報に係る遊技球の入球よりも後に発生した前記入球部への入球情報を、前記特別報知に反映させる手段(第10,第11の実施形態における保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報について、それが付与判定の対象となるよりも前に特別報知が行われる可能性がある。これにより、先特定手段により特定対象となった所定の特別情報を、当該所定の特別情報に対応する遊技回よりも前に予測する、という遊技を行うことが可能となり、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高めることができる。ここで、このような特別報知が行われる遊技機では、特別報知を派手なものとして所定の特別情報についての注目度を高めれば高めるほど、その特別報知に係る遊技回までの期間の遊技への関心が低下してしまう可能性があり、特別報知が発生した時点で、遊技者としては当該特別報知に係る遊技回が行われるまで、遊技球の発射を止めるなどして待つ(遊技を停止する)可能性もある。そこで、特別報知において、それよりも後に発生した入球部への入球情報を当該特別報知に反映させ得る構成とすれば、特別報知が行われた後であっても遊技球の発射を継続させる意義を生じさせることができる。以上の結果、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
<特徴G群>
特徴G1.遊技球を遊技領域に発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報について、遊技者に第1特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与するか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、遊技者に前記第1特典を付与することに対応する付与対応結果であることに基づいて、遊技者に前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技回制御手段は、前記各遊技回において前記遊技回用動作の動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段を制御するものであり、
前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間の情報を、当該動作期間設定手段による設定対象となる前記遊技回が前記遊技回制御手段により実行されるよりも先のタイミングで特定する先動作期間特定手段(演出制御装置82による時間特定可能時の演出設定処理を実行する機能)と、
前記先動作期間特定手段による特定結果が所定の結果となったことに基づいて、遊技者に前記第1特典とは異なる第2特典を付与することが可能な第2特典付与手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技回の動作期間が所定の結果となったことに基づいて、第1特典とは異なる第2特典が付与されることがある。そのため、動作期間についての関心を高めることが可能となる。この場合、動作期間の情報が遊技回の実行よりも先に特定されるため、上記第2特典も遊技回の実行よりも先に付与することが可能となる。このようにすることで、遊技回の動作期間を、単に遊技回用動作が行われた期間として最終的な長さが遊技回の終了時にしか把握できない構成と比較して、遊技者はその長さを事前に把握することが可能となるし、その長さに応じて第2特典も付与されるため、動作期間についてより関心を寄せさせることが可能となる。
特徴G2.前記遊技回用動作には、少なくとも動作期間が短期間となる短期間態様と当該短期間態様よりも動作期間が長い長期間態様とを含む複数の実行態様が設定されており、各遊技回において設定された実行態様にて前記遊技回用動作が行われるものであり、
前記第2特典付与手段は、前記先動作期間特定手段が特定した動作期間が、前記短期間態様となる動作期間である場合よりも前記長期間態様となる動作期間である場合のほうが、前記第2特典を付与し易い構成であることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成によれば、長い動作期間であることが特定された場合のほうが短い動作期間が特定された場合よりも特典が付与され易い。このようにすることで、遊技者は長い動作期間を望むようになり、動作期間を長くすることによる遊技の間延び感を低減することが可能となる。
<特徴H群>
特徴H1.遊技球を遊技領域に発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報について、遊技者に特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与するか否かの付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、遊技者に前記特典を付与することに対応する付与対応結果であることに基づいて、遊技者に前記特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるように前記所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報についての情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の結果となったことに基づいて、当該特定の対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果に対応する特別報知を、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行する特別報知実行手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定結果が所定の結果となったことに基づいて、前記先特定手段による前記特定を実行可能な実行可能状態に設定する実行可能状態設定手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記実行可能状態は、その設定の契機となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となった後も継続され得るものであることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報について、それが付与判定の対象となるよりも前に特別報知が行われる可能性がある。これにより、先特定手段により特定対象となった所定の特別情報を、当該所定の特別情報に対応する遊技回よりも前に予測する、という遊技を行うことが可能となり、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高めることができる。そして、その先特定手段による先特定を実行可能な実行可能状態には先特定手段の特定結果に基づいて設定され、その設定の契機となった所定の特別情報が付与判定の対象となった後であってもその実行可能状態は持ち越され得る。つまり、先特定手段による特定結果に基づいて実行可能な状態に設定され、その設定の契機となった特別情報の消化後に、他の特別情報に基づいた特別報知が行われ得る構成となる。よって、特別報知の多様化が図られ、遊技への注目度を好適に高めることができる。
<特徴I群>
特徴I1.所定の取得条件成立(例えば、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入球)に基づいて、付与判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報に基づいて、遊技者に第1特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて行う第1演出を設定する第1演出設定手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記第1演出設定手段により設定された前記第1演出を、前記所定の報知手段にて実行する第1演出実行手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
予め定められた所定条件が成立したこと(例えば、特別保留予告テーブルにおいて特別保留予告の実行に対応していること)に基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて、第2演出(特別保留予告)を実行可能な第2演出実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
前記第2演出が行われる期間の長さに応じて成立確率が異なる特別条件を設定する条件設定手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
前記特別条件が成立したか否かを判定する判定手段(演出制御装置82によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得条件が成立したことに基づいて付与判定用情報が取得され、この付与判定用情報に基づいて第1特典が付与されるか否かの付与判定が行われ、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出が実行される遊技機において、予め定められた所定条件が成立したことに基づいて、所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて第2演出が実行される。そのため、付与判定に基づいて行われる第1演出の他にも第2演出が行われることで、演出の多様化が図られる。
ここで、取得条件が成立したことに基づく付与判定の結果によって第1特典が付与され、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出(例えば遊技回用の演出)が行われる構成においては、この付与判定に基づく第1演出が長く継続すると、第1特典が得られるかもしれない、と期待させることが可能となる一方で、例えば、この第1特典が得られるか否かについてのみ注目している遊技者や、何らかの事情(例えば予告演出の有無や強弱など)によってこの付与判定の結果をある程度把握している遊技者にとっては、所定の報知手段にて行われる第1演出が長く継続すると、それを冗長なものと感じてしまう可能性がある。また、逆に付与判定に基づく第1演出が短いと、上記のような不都合を回避することができる一方で、その第1演出を十分に楽しませる効果は低下してしまう。つまり、付与判定側の第1演出の長さは、長ければ長いほどよいわけではなく、逆に短くても不都合が生じ得るものといえる。
そこで、本構成のように、第2演出が行われる期間の長さに応じて成立確率が異なる特別条件を設定し、その特別条件の成否を判定する判定手段を備えれば、付与判定側の単純な第1演出の長さといった尺度とは別の尺度を持たせることができ、仮に付与判定側の第1演出において上記懸念されるような不都合が生じ得る場合であっても、特別条件が成立し易くなるのでは、と期待させることができ、遊技への注目度をバランスよく保つことが可能となる。
特徴I2.前記判定手段は、判定時における前記付与判定手段による前記付与判定の結果に関わらず、前記特別条件の成否を判定する手段(演出制御装置82による保留表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出における特別条件の成否と、付与判定の結果が反映される第1演出と、の関連性を低くすることができる。このようにすることで、第2演出において特別条件が成立するか否かを純粋に楽しませることができ、例えば、付与判定側の第1演出において第1特典が付与されにくい演出が行われている場合であっても、それとは関係なく特別条件の成否は判定されるため、注目度が極端に低下してしまうことを抑制することができる。
なお、上記構成は、例えば、
「前記判定手段は、判定時における前記特別条件以外の条件に関わらず前記判定を行う手段を備えている」や、
「前記特別条件とは、前記第2演出における所定期間の経過に基づいて成立確率が異なるものであり、
前記判定手段は、前記所定期間の経過を前記付与判定の結果に関わらず判定する手段を備えている」
と言い換えることができる。
特徴I3.前記判定手段により前記特別条件が成立したと判定されたことに基づいて、遊技者に前記第1特典とは異なる第2特典を付与する第2特典付与手段(演出制御装置82による保留表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I1又は特徴I2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件が成立するか否かについて、すなわち判定手段の判定結果により高い関心を寄せさせることが可能となる。特に、第2特典を第1特典とは異なるものとしたことにより、単に取得条件を成立させて第1特典を得る、といった従来の遊技とは異なる遊技を実現することも可能となり、遊技の多様化を図ることができる。
また、本構成を特徴I2に適用すれば、それぞれ別々の判定である印象を強めることができる。
特徴I4.前記条件設定手段は、前記第2演出が行われる期間が長いほど前記特別条件が成立し易くなるように当該特別条件を設定するものであることを特徴とする特徴I1乃至I3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出が行われる期間が長ければ長いほど、特別条件が成立し易くなる。このようにすることで、第2演出が長く行われることを遊技者は期待する。
特徴I1に記載したとおり、付与判定側の演出は、長ければ長いほど注目度が高まるわけではなく、それを冗長なものと感じさせてしまう可能性を有している。そこで、本構成を備えていることで、仮に付与判定側の第1演出が冗長なものと感じさせる可能性があっても、第2演出側では特別条件が成立するのでは、と期待させることができ、遊技への注目度をバランスよく保つことができる。
特徴I5.前記条件設定手段は、前記第1演出設定手段により設定される前記第1演出の長さに応じて前記特別条件を設定する手段(演出制御装置82におけるステップS1501の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I1乃至I4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、付与判定側の第1演出の長さと、第2演出側の特別条件の成立し易さと、を関連付けることが可能となる。このようにすることで、仮に付与判定に基づいて行われる第1演出の長短によって不都合が生じる場合であっても、第2演出側でその不都合を吸収させて、遊技への注目度の極端な低下を抑制することが可能となる。
この構成を特徴I2に適用すれば、特別条件の設定時には付与判定側の第1演出に関連させ、特別条件の判定時には付与判定の結果に関わらず判定を行わせる構成となる。このようにすることで、特別条件の設定から判定までの遊技状況の変化によって、判定の結果を変化させることが可能となる、という斬新な遊技とすることができる。遊技状況の変化とは、例えば、付与判定用情報を複数記憶可能な構成において、その記憶されている付与判定用情報の数の変化等が考えられる。
特徴I6.前記特別条件を、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて報知する条件報知手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I1乃至I5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者に特別条件を把握させることが可能となる。これにより、第2演出が行われる期間に応じてその特別条件の成立確率が異なる様を十分に楽しませることができる。
特徴I7.前記条件報知手段は、前記判定手段による判定が行われるよりも先のタイミングで前記特別条件の報知を実行する先報知手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件について遊技者はその成否の判定が行われるよりも先のタイミングで把握することができる。特別条件は、第2演出が行われる期間の長さによって成立確率が異なるものであるため、なるべく早いタイミングでその特別条件を把握させれば、その分、特別条件が成立するか否かについて楽しませることができる。
特徴I8.前記先報知手段は、前記第2演出の開始に基づいて、前記特別条件の報知を実行する手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出の開始に基づいて特別条件の報知が行われるため、特別条件の成否に関与する期間について、最大限、その成否を楽しませることが可能となる。
特徴I9.前記先報知手段は、前記第2演出が行われている途中で、前記特別条件の報知を実行する手段(演出制御装置82による特別保留予告制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I7又は特徴I8に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出が行われている途中で特別条件の報知が行われるため、その特別条件の成立確率が異なる様を遊技者に把握させることができる。これにより、遊技者に第2演出が行われる期間と特別条件の成立確率との関係を明確に把握させることができる。
特徴I10.前記条件報知手段は、前記判定手段による判定が行われた後のタイミングで前記特別条件の報知を実行する後報知手段(演出制御装置82によるステップS2701の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I6乃至I9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件について判定手段による判定後であっても把握することができる。つまり、特別条件の成否について、その判定タイミングよりも後であってもそれを把握することができる。このようにすることで、特別条件が成立するか否かについての関心を、その付与タイミング後においても余韻として残すことができ、判定後に注目度が極端に低下してしまうことを抑制することができる。
特徴I11.前記後報知手段は、前記特別条件の報知として前記判定手段の判定時における前記特別条件の成立確率に関する報知を行うものであることを特徴とする特徴I10に記載の遊技機。
上記構成によれば、判定時における特別条件の成立確率に関する報知を行うため、単に特別条件の成否だけでなく、その程度を把握させることができる。そのため、例えば、特別条件が成立しなかった場合には、後どれくらいで成立したかを把握させることができ、特別条件が成立しなかったことに基づく注目度の極端な低下を抑制することができる。
特徴I12.前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)を備え、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記付与判定用情報について、前記付与判定を順次行うものであり、
前記情報取得手段により取得された所定の付与判定用情報を、当該所定の付与判定用情報が前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)を備え、
前記条件設定手段は、前記先特定手段による特定結果に基づいて前記特別条件を設定するものであることを特徴とする特徴I1乃至I11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の付与判定用情報に基づいて特別条件が設定される。そのため、その特別条件から所定の付与判定用情報を予測する、という遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。つまり、特別条件を、付与判定手段による付与判定の契機となる付与判定用情報と関連付けることで、特別条件の成否に関する注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴I13.前記第1演出実行手段は、前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記遊技回用動作が行われるようにするものであり、
前記先特定手段は、前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間の情報を、当該動作期間設定手段による設定対象となる前記遊技回が前記遊技回制御手段により実行されるよりも先のタイミングで特定する先動作期間特定手段(演出制御装置82による時間特定可能時の演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記条件設定手段は、前記先動作期間特定手段の特定結果に基づいて、前記特別条件を設定する第1設定手段(演出制御装置82による時間特定パターン時のタイマ入力処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I12に記載の遊技機。
上記構成によれば、先動作期間特定手段によって特定された動作期間の情報に基づいて特別条件の設定が行われる。そのため、特別条件と遊技回におけるその動作期間との関連性をより高めることができ、特別条件が成立するか否かの成立確率を動作期間の長さに対応付けることが可能となる。よって、演出を好適に実行することができる。
特徴I14.前記条件設定手段は、前記先動作期間特定手段による特定結果に関わらず、前記特別条件を設定する第2設定手段(演出制御装置82による通常パターン時のタイマ入力処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I13に記載の遊技機。
上記構成よれば、先動作期間特定手段により動作期間を先に特定することができない場合、例えば、動作期間が遊技回の開始時にしか定まらない場合であっても、第2設定手段によって特別条件を設定することが可能となる。よって、演出を好適に実行することができる。
特徴I15.遊技状態には、いずれの付与判定用情報であっても前記先動作期間特定手段により前記動作期間の特定が可能な特別状態が設定されており、
前記特別条件は、前記特別状態中に設定されるものであることを特徴とする特徴I13又は特徴I14に記載の遊技機。
上記構成によれは、特別状態中であれば、いずれの付与判定用情報が取得情報記憶手段に記憶されていてもその動作期間の情報が先特定可能であり、そのような状態において特別条件を設定するようにすれば、動作期間の情報が特定できない、といった不都合が生じない。これにより、特別条件を用いた第2演出を好適に実現することが可能となる。
特徴I16.前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間には、前記付与判定手段による前記付与判定が行われる場合の遊技状況(例えば保留個数)を反映する第1動作期間(保留数対応パターン)と、そうではない第2動作期間(保留数非対応パターン)と、が含まれており、
前記先動作期間特定手段は、前記第2動作期間となる前記付与判定用情報について動作期間を特定する手段(演出制御装置82による時間特定可能時の演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I13乃至I15のいずれか1に記載の遊技機。
付与判定用情報が複数記憶されて、その付与判定用情報についての付与判定が順次行われる構成では、付与判定用情報の取得時の遊技状況と付与判定時の遊技状況とは異なり得るため、付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいてその動作期間を特定しても、その先動作期間特定手段による特定時の動作期間と付与判定時の動作期間とは異なり得る。そこで、上記構成では、そのような遊技状況が反映された第1動作期間ではなく、第2動作期間について付与判定の対象となるよりも先のタイミングで特定するため、遊技状況の相違に基づく動作期間の先特定に関する不都合を回避することができる。これにより、動作期間を用いた演出を好適に行うことが可能となる。
なお、特徴I13に本構成を適用するならば、「前記第1設定手段は、前記第2動作期間となる前記付与判定用情報について動作期間を特定する手段により特定された動作期間に基づいて、前記特別条件を設定する」構成とするとよい。
特徴I17.前記先動作期間特定手段は、その特定対象となっている前記付与判定用情報についての前記動作期間が前記第1動作期間である場合には、仮の動作期間を当該付与判定用情報についての動作期間として特定する仮特定手段(第4の実施形態における、演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I16に記載の遊技機。
上記構成のように、遊技状況の相違に基づいて動作期間が異なり得る場合であっても、仮の動作期間として特定すれば、少なくとも特別条件の成否に基づく演出を行うことが可能となる。すなわち、動作期間を先特定できない場合であっても、演出を実行する余地を残すことで、演出の単調化を抑制することができる。
なお、特徴I14に本構成を適用するならば、「第2設定手段は、前記仮特定手段により特定された仮の動作期間に基づいて前記特別条件を設定する」構成とするとよい。
特徴I18.前記特別条件は、前記第2演出が行われる期間が長くなるほど成立確率が高くなるように設定されており、
前記仮特定手段は、前記動作期間設定手段により設定され得る前記第1動作期間のうち、最も短い期間以下となる期間を、前記仮の動作期間として特定するものであることを特徴とする特徴I17に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮特定する動作期間を予めパターン化しておくことが可能であるため、仮特定に関する処理構成の簡素化を図ることができる。また、仮特定の期間はその後変化し得る期間のうち最も短い期間以下であるため、特別条件の成立確率も最も高い成立確率以上のものとして設定することになる。ここで、特別条件の成立確率が極端に低くなると、そもそも第2演出とは異なる別の演出において特別条件が成立しないものと遊技者は慣れてしまい、特別条件の成否に対する関心が薄れてしまう可能性がある。そこで上記構成のように、特別条件が成立し易いものとすることで、仮特定によって成立確率が低くなることによる注目度の低下を回避することができる。
特徴I19.前記特別条件は、前記第2演出が行われる期間が長くなるほど成立確率が高くなるように設定されており、
前記仮特定手段は、前記動作期間設定手段により設定され得る前記第1動作期間のうち、最も長い期間以上となる期間を、前記仮の動作期間として特定するものであり、
前記仮特定手段による特定が行われたタイミングよりも後のタイミングであって、前記判定手段による判定が行われるよりも先のタイミングで、前記特別条件の修正を行う手段(第4の実施形態における、演出制御装置82によるシフト時減算処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I17又は特徴I18に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮特定する動作期間を予めパターン化しておくことが可能であるため、仮特定に関する処理構成の簡素化を図ることができる。また、仮特定の期間はその後変化し得る期間のうち最も長い期間以上であるため、特別条件の成立確率も最も低い成立確率以下のものとして設定することになる。そこで、上記構成では、その後に特別条件の修正を行うことで、仮特定によって成立確率が低くなることによる注目度の低下を回避することができる。
なお、「修正」とは、例えば、「前記第2演出が行われる期間を短縮/延長する」構成が考えられ、より具体的には、「前記第2演出が行われる期間について、前記仮の動作期間と、前記動作期間設定手段により設定された動作期間と、の差を短縮/延長する」構成が考えられる。
特徴I20.前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)を備え、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記付与判定用情報に基づいて、遊技者に前記第1特典を付与するか否かの付与判定を順次行うものであり、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の付与判定用情報について、当該所定の付与判定用情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングで、当該付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果に対応する情報を特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)を備え、
前記第1演出設定手段は、前記先特定手段による特定結果に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて、前記所定の付与判定用情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングで行う演出(保留予告)を設定するものであり、
前記第1演出実行手段は、前記先特定手段による特定結果が所定の結果となったことに基づいて、当該特定の対象となった前記所定の付与判定用情報が前記付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果に対応する特別報知(保留予告)を、前記所定の特別情報についての前記付与判定の結果が報知されるよりも先のタイミングで、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行するものであり、
前記第2演出実行手段は、前記第1演出実行手段により実行される前記特別報知の内容が所定の内容(例えば第4保留用画像P4に対応する内容)であることに基づいて、前記第2演出を前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行するものであることを特徴とする特徴I1乃至I19のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の付与判定用情報について、それが付与判定の対象となるよりも前に特別報知が行われる可能性がある。これにより、先特定手段により特定対象となった所定の付与判定用情報を、当該所定の付与判定用情報の付与判定の結果が報知されるよりも前に予測する、という遊技を行うことが可能となり、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高めることができる。このような特別報知を行う場合、遊技者に第1特典が付与され易いものとする特別報知であれば、その特別報知への注目度が高まる一方でそれ以外の付与判定用情報についての演出への注目度が低下してしまう可能性がある。また、第1特典が付与されにくいものとする特別報知であれば、その特別報知だけでなくその後の演出への注目度は極端に低下してしまう可能性がある。そこで、特別報知として例えば所定の内容が設定された場合には、所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段において第2演出を行う構成とすれば、特別報知を行うことにより注目度が低下し得る状況において第2演出側に注目させ、注目度の低下を好適に回避することが可能となる。
特徴I21.前記第1演出実行手段は、前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記遊技回用動作が行われるようにするものであり、
前記先特定手段は、前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間の情報を、当該動作期間設定手段による設定対象となる前記遊技回が前記遊技回制御手段により実行されるよりも先のタイミングで特定する先動作期間特定手段(演出制御装置82による時間特定可能時の演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記条件設定手段は、前記先動作期間特定手段による特定結果に基づいて、前記特別条件を設定するものであることを特徴とする特徴I20に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の内容が所定の内容であったことに基づいて実行される第2演出において、その特別条件が動作期間の情報に基づいて設定される。これにより、所定の付与判定用情報に基づいて行われる特別報知と、動作期間の情報と、を関連付けることができる。
この場合、特別報知については所定の付与判定用情報に関する報知を行うものであり、その特別報知に基づいて実行される第2演出における特別条件は、所定の付与判定用情報以外の動作期間に基づいて設定される構成であってもよいし、所定の付与判定用情報の動作期間に基づいて設定される構成であってもよい。前者の場合、特別報知によって所定の付与判定用情報についての注目度を高めつつ、第2演出によってそれ以外の付与判定用情報についての注目度を高めることができる。また、後者の場合、特別報知と第2演出とをより密接に関連付けることができ、例えば、特別報知において第1特典が付与されにくいことを示唆する演出を行う場合に、第2演出においては特別条件が成立し易い演出を行う構成とする、などして演出の多様化を図ることが可能となる。
特徴I22.前記条件設定手段は、前記第2演出実行手段による前記第2演出の実行の契機となった前記特別報知において、当該特別報知の対象となっている前記所定の付与判定用情報以前に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報について、前記先動作期間特定手段により特定された前記動作期間に基づいて前記特別条件を設定するものであることを特徴とする特徴I21に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の対象となっている付与判定用情報以前に付与判定の対象となる付与判定用情報の動作期間に基づいて特別条件を設定する構成としたため、特別報知の対象となっている付与判定用情報以前に付与判定の対象となる付与判定用情報についての遊技回の動作期間への関心を高めることができ、特別報知を行うことによる他の遊技回用の演出への注目度の低下を回避することが可能となる。
特徴I23.前記第1演出実行手段は、前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作には、前記付与判定手段の前記付与判定の結果を報知するよりも先のタイミングにおいて、第1動作(リーチ発生)と当該第1動作よりも前記第1特典の付与確率が低くなる第2動作(リーチ非発生)とに分岐する分岐タイミング(下図柄列Z3の高速変動終了タイミング)が設定されており、
前記判定手段は、前記第2演出が行われる状況で前記付与判定が行われる前記付与判定用情報についての前記遊技回用動作における前記分岐タイミングにおいて前記特別条件の成否についての判定を行うものであることを特徴とする特徴I1乃至I22のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1動作と第2動作との分岐タイミングにおいて、特別条件の成否の判定が行われる。また、この分岐タイミングでは、遊技回用動作が第1動作に分岐すれば第1特典が付与される確率が高まる一方、第2動作に分岐すればそれよりも付与確率は低くなる。この場合、第1特典に関して付与確率の高低が関連付けられた分岐演出を更に付加することも考えられるが、演出が複雑化しすぎると遊技者の理解度の低下が懸念され、その結果、遊技への関心も薄れてしまうことが考えられる。そこで、第1特典とは異なる特別条件に関してこの分岐タイミングにおいて判定する構成とすることで、遊技の複雑化を抑制しつつ、特典付与に関する複数の分岐演出を好適に実行することが可能となる。
特徴I24.前記条件設定手段により設定された前記特別条件に対応する期間の経過速度を、それまでの経過速度から異ならせる又は前記期間の残り期間をそれまでの残り期間から異ならせることが可能な特別設定手段(演出制御装置82による減算値調整処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I1乃至I23のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件に対応する期間の経過速度又は残り期間が変化することにより、特別条件の成立確率が変化する。これにより、例えば特別条件が成立しそうにない場合であっても経過速度又は残り期間を異ならせることにより特別条件が成立し得るようにすることができるし、また、例えば特別条件が成立しそうな場合であっても経過速度又は残り期間を異ならせ得ることにより特別条件が成立しないようにすることもできる。つまり、特別条件の成否の過程を多様なものとすることができ、第2演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴I25.前記第1演出実行手段は、前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記遊技回用動作が行われるようにするものであり、
前記特別設定手段は、前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間に応じて前記異ならせるものであることを特徴とする特徴I24に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件の成立確率の動作期間との関連性をより高めることが可能となり、遊技回の動作期間の長短に基づく不都合を好適に回避することが可能となる。
特徴I26.前記特別条件は、前記第2演出が行われる期間が経過するほど成立確率が高くなるように設定されており、
前記特別設定手段は、前記動作期間が短いほど、前記異ならせる経過速度を速める又は前記異ならせる残り期間を短くするものであることを特徴とする特徴I25に記載の遊技機。
上記構成によれば、動作期間が短い場合には所定の設定期間が経過する期間も短くなるため、特別条件の成立確率も低くなり得る。そこで、そのような場合には、経過速度を速める又は残り期間を短くするように異ならせれば、動作期間が短いことにより特別条件が成立しないと予測して関心が薄れてしまうことを抑制することが可能となる。
<特徴J群>
特徴J1.所定の取得条件成立(例えば、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入球)に基づいて、付与判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報に基づいて、遊技者に第1特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて行う第1演出を設定する第1演出設定手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記第1演出設定手段により設定された前記第1演出を、前記所定の報知手段にて実行する第1演出実行手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
予め定められた所定条件が成立したこと(例えば、特別保留予告テーブルにおいて特別保留予告の実行に対応していること)に基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて、第2演出(特別保留予告)を実行可能な第2演出実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
前記第1演出が行われる期間の長さに応じて成立確率が異なる特別条件を設定する条件設定手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
前記特別条件が成立したか否かを判定する判定手段(演出制御装置82によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得条件が成立したことに基づいて付与判定用情報が取得され、この付与判定用情報に基づいて第1特典が付与されるか否かの付与判定が行われ、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出が実行される遊技機において、予め定められた所定条件が成立したことに基づいて、所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて第2演出が実行される。そのため、付与判定に基づいて行われる第1演出の他にも第2演出が行われることで、演出の多様化が図られる。
ここで、取得条件が成立したことに基づく付与判定の結果によって第1特典が付与され、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出(例えば遊技回用の演出)が行われる構成においては、この付与判定に基づく第1演出が長く継続すると、第1特典が得られるかもしれない、と期待させることが可能となる一方で、例えば、この第1特典が得られるか否かについてのみ注目している遊技者や、何らかの事情(例えば予告演出の有無や強弱など)によってこの付与判定の結果をある程度把握している遊技者にとっては、所定の報知手段にて行われる第1演出が長く継続すると、それを冗長なものと感じてしまう可能性がある。また、逆に付与判定に基づく第1演出が短いと、上記のような不都合を回避することができる一方で、その第1演出を十分に楽しませる効果は低下してしまう。つまり、付与判定側の第1演出の長さは、長ければ長いほどよいわけではなく、逆に短くても不都合が生じ得るものといえる。
そこで、本構成のように、この第1演出が行われる期間の長さに応じて成立確率が異なる特別条件を設定し、その特別条件の成否を判定する判定手段を備えれば、第1演出が設定される付与判定とは異なる判定をこの第1演出の長さによって行うことが可能となり、第1演出において上記懸念されるような不都合が生じ得る場合であっても、特別条件が成立し易くなるのでは、と期待させることができ、遊技への注目度をバランスよく保つことが可能となる。
なお、「前記第1演出実行手段は、前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記遊技回用動作が行われるようにする」遊技機に本特徴を適用するならば、
「第1演出が行われる期間の長さに応じて」とは、
「前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間の長さに基づいて」と言い換えることができる。
特徴J2.所定の取得条件成立(例えば、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入球)に基づいて、付与判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報に基づいて、遊技者に第1特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて行う第1演出を設定する第1演出設定手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記第1演出設定手段により設定された前記第1演出を、前記所定の報知手段にて実行する第1演出実行手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
予め定められた所定条件が成立したこと(例えば、特別保留予告テーブルにおいて特別保留予告の実行に対応していること)に基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて、第2演出(特別保留予告)を実行可能な第2演出実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
前記第1演出と前記第2演出との関係で成立確率が異なる特別条件を設定する条件設定手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
前記特別条件が成立したか否かを判定する判定手段(演出制御装置82によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得条件が成立したことに基づいて付与判定用情報が取得され、この付与判定用情報に基づいて第1特典が付与されるか否かの付与判定が行われ、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出が実行される遊技機において、予め定められた所定条件が成立したことに基づいて、所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて第2演出が実行される。そのため、付与判定に基づいて行われる第1演出の他にも第2演出が行われることで、演出の多様化が図られる。
ここで、取得条件が成立したことに基づく付与判定の結果によって第1特典が付与され、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出(例えば遊技回用の演出)が行われる構成においては、第1演出の内容によって注目度が高められる一方で、何らかの事情(例えば予告演出の有無や強弱など)によってこの付与判定の結果をある程度把握している遊技者にとっては、第1演出を冗長なものと感じてしまう可能性がある。
そこで、本構成のように、第1演出と第2演出との関係によって成立確率が異なる特別条件を設定し、その特別条件の成否を判定する判定手段を備えれば、付与判定側の単純な第1演出とは別の観点で演出を楽しませることができ、仮に付与判定側の第1演出において上記懸念されるような不都合が生じ得る場合であっても、特別条件が成立し易くなるのでは、と期待させることができ、遊技への注目度をバランスよく保つことが可能となる。
なお、「前記第1演出と前記第2演出との関係で成立確率が異なる」とは、「前記第1演出と前記第2演出とのそれぞれの期間の長さに応じて成立確率が異なる」と言い換えることができ、このようにすれば、第1演出が行われる期間による不都合(長すぎることによる不都合や短すぎることによる不都合)を第2演出との関係で解消することが可能となる。
特徴J3.所定の取得条件成立(例えば、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入球)に基づいて、付与判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報に基づいて、遊技者に第1特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて行う第1演出を設定する第1演出設定手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記第1演出設定手段により設定された前記第1演出を、前記所定の報知手段にて実行する第1演出実行手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
予め定められた所定条件が成立したこと(例えば、特別保留予告テーブルにおいて特別保留予告の実行に対応していること)に基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて、第2演出(特別保留予告)を実行可能な第2演出実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
前記演出設定手段により設定された前記第1演出に応じて、前記第2演出の種別を設定する第2演出設定手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得条件が成立したことに基づいて付与判定用情報が取得され、この付与判定用情報に基づいて第1特典が付与されるか否かの付与判定が行われ、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出が実行される遊技機において、予め定められた所定条件が成立したことに基づいて、所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて第2演出が実行される。そのため、付与判定に基づいて行われる第1演出の他にも第2演出が行われることで、演出の多様化が図られる。
ここで、取得条件が成立したことに基づく付与判定の結果によって第1特典が付与され、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出(例えば遊技回用の演出)が行われる構成においては、第1演出の内容によって注目度が高められる一方で、何らかの事情(例えば予告演出の有無や強弱など)によってこの付与判定の結果をある程度把握している遊技者にとっては、第1演出を冗長なものと感じてしまう可能性がある。
そこで、本構成のように、第1演出に応じて第2演出の種別を設定することで、付与判定側の単純な第1演出とは別の観点で演出を楽しませることができ、仮に付与判定側の第1演出において上記懸念されるような不都合が生じ得る場合であっても、第2演出においてその不都合を補完するような演出を行うことができ、遊技への注目度をバランスよく保つことが可能となる。
<特徴K群>
特徴K1.所定の取得条件成立(例えば、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入球)に基づいて、付与判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報に基づいて、遊技者に第1特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて行う第1演出を設定する第1演出設定手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記第1演出設定手段により設定された前記第1演出を、前記所定の報知手段にて実行する第1演出実行手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて、前記第1演出とは異なる第2演出(特別保留予告)を実行可能な第2演出実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
前記第2演出が行われる期間の長さ次第で成立確率が異なり得る特別条件を、当該特別条件を成立させることを踏まえることなく設定する第1条件設定手段(演出制御装置82による通常パターン時のタイマ入力処理を実行する機能)と、
前記第1条件設定手段による前記特別条件の設定後に、前記特別条件が成立したか否かを判定する判定手段(演出制御装置82によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得条件が成立したことに基づいて付与判定用情報が取得され、この付与判定用情報に基づいて第1特典が付与されるか否かの付与判定が行われ、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出が実行される遊技機において、予め定められた所定条件が成立したことに基づいて、所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて第2演出が実行される。そのため、付与判定に基づいて行われる第1演出の他にも第2演出が行われることで、演出の多様化が図られる。
ここで、取得条件が成立したことに基づく付与判定の結果によって第1特典が付与され、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出(例えば遊技回用の演出)が行われる構成においては、この付与判定に基づく第1演出が長く継続すると、第1特典が得られるかもしれない、と期待させることが可能となる一方で、例えば、この第1特典が得られるか否かについてのみ注目している遊技者や、何らかの事情(例えば予告演出の有無や強弱など)によってこの付与判定の結果をある程度把握している遊技者にとっては、所定の報知手段にて行われる第1演出が長く継続すると、それを冗長なものと感じてしまう可能性がある。また、逆に付与判定に基づく第1演出が短いと、上記のような不都合を回避することができる一方で、その第1演出を十分に楽しませる効果は低下してしまう。つまり、付与判定側の第1演出の長さは、長ければ長いほどよいわけではなく、逆に短くても不都合が生じ得るものといえる。
そこで、本構成のように、第2演出が行われる期間の長さ次第で成立確率が異なり得る特別条件を、その特別条件を成立させることを踏まえることなく設定し、その設定後に、その特別条件の成否を判定する判定手段を備えれば、付与判定側の単純な第1演出の長さといった尺度とは別の尺度を持たせることができ、仮に付与判定側の第1演出において上記懸念されるような不都合が生じ得る場合であっても、特別条件が成立し易くなるのでは、と期待させることができる。
特に、第1条件設定手段により設定される特別条件は、その特別条件を成立させることを踏まえることなく設定されるため、所謂出来レースのようにその他の情報から途中で結果がわかってしまうような事象を回避することができる。よって、遊技への注目度をバランスよく保つことが可能となる。なお、「期間の長さ次第で」とは、「期間の長さに関連して」や「期間の長さによって」とも言い換えることができる。また、「当該特別条件を成立させることを踏まえることなく」とは、「当該特別条件が成立するか否かを踏まえることなく」とも言い換えることができる。
特徴K2.前記特別条件を、当該特別条件が成立するか否かを踏まえて設定する第2条件設定手段(演出制御装置82による時間特定パターン時のタイマ入力処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば遊技状況に応じて、特別条件が成立するかを遊技機側である程度管理することができる。具体的には、演出的に特別条件が成立すべき状況であったり、特別条件が成立すべきではない状況であったりする場合には、それを踏まえて特別条件を設定すれば、特別条件の成否に基づく演出上の違和感を解消することができ、このようにすれば、設計通りの演出を好適に実行させることができる。
特に、特徴K1の遊技機に本構成を適用することで、第1条件設定手段による特別条件はそれが成立するか否かを踏まえることなく設定され、第2条件設定手段による特別条件はそれが成立するか否かを踏まえて設定される。そのため、特別条件が成立するか否かについて所謂出来レースのように途中でわかってしまうこともないし、遊技状態に合わせて特別条件が成立すべきような状況であるのに関わらず特別条件が成立しないといった不都合も回避することができる。よって、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴K3.所定の取得条件成立(例えば、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入球)に基づいて、付与判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報に基づいて、遊技者に第1特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて行う第1演出を設定する第1演出設定手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記第1演出設定手段により設定された前記第1演出を、前記所定の報知手段にて実行する第1演出実行手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて、前記第1演出とは異なる第2演出(特別保留予告)を実行可能な第2演出実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
前記第2演出が行われる期間の長さ次第で成立確率が異なり得る特別条件を、当該特別条件を成立させることを踏まえることなく設定する第1条件設定手段(演出制御装置82による通常パターン時のタイマ入力処理を実行する機能)と、
前記第1条件設定手段による前記特別条件の設定後に、前記特別条件が成立したか否かを判定する判定手段(演出制御装置82によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
前記特別条件を、当該特別条件が成立するか否かを踏まえて設定する第2条件設定手段(演出制御装置82による時間特定パターン時のタイマ入力処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得条件が成立したことに基づいて付与判定用情報が取得され、この付与判定用情報に基づいて第1特典が付与されるか否かの付与判定が行われ、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出が実行される遊技機において、予め定められた所定条件が成立したことに基づいて、所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて第2演出が実行される。そのため、付与判定に基づいて行われる第1演出の他にも第2演出が行われることで、演出の多様化が図られる。
ここで、取得条件が成立したことに基づく付与判定の結果によって第1特典が付与され、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出(例えば遊技回用の演出)が行われる構成においては、この付与判定に基づく第1演出が長く継続すると、第1特典が得られるかもしれない、と期待させることが可能となる一方で、例えば、この第1特典が得られるか否かについてのみ注目している遊技者や、何らかの事情(例えば予告演出の有無や強弱など)によってこの付与判定の結果をある程度把握している遊技者にとっては、所定の報知手段にて行われる第1演出が長く継続すると、それを冗長なものと感じてしまう可能性がある。また、逆に付与判定に基づく第1演出が短いと、上記のような不都合を回避することができる一方で、その第1演出を十分に楽しませる効果は低下してしまう。つまり、付与判定側の第1演出の長さは、長ければ長いほどよいわけではなく、逆に短くても不都合が生じ得るものといえる。
そこで、本構成のように、第2演出が行われる期間の長さ次第で成立確率が異なり得る特別条件を、その特別条件を成立させることを踏まえることなく設定し、その設定後に、その特別条件の成否を判定する判定手段を備えれば、付与判定側の単純な第1演出の長さといった尺度とは別の尺度を持たせることができ、仮に付与判定側の第1演出において上記懸念されるような不都合が生じ得る場合であっても、特別条件が成立し易くなるのでは、と期待させることができる。
特に、第1条件設定手段による特別条件はそれが成立するか否かを踏まえることなく設定され、第2条件設定手段による特別条件はそれが成立するか否かを踏まえて設定される。そのため、特別条件が成立するか否かについて所謂出来レースのように途中でわかってしまうこともないし、遊技状態に合わせて特別条件が成立すべきような状況であるのに関わらず特別条件が成立しないといった不都合も回避することができる。よって、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。なお、「期間の長さ次第で」とは、「期間の長さに関連して」や「期間の長さによって」とも言い換えることができる。また、「当該特別条件を成立させることを踏まえることなく」とは、「当該特別条件が成立するか否かを踏まえることなく」とも言い換えることができる。
特徴K4.前記第2条件設定手段は、前記付与判定用情報又は前記付与判定用情報に基づいて設定される特別情報(例えば、保留記憶数Nや当否判定結果、変動表示時間などの情報)を把握する把握手段(演出制御装置82による保留情報の把握処理を実行する機能)を備え、当該把握手段により把握された情報に基づいて、前記特別条件を設定するものであることを特徴とする特徴K2又は特徴K3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2条件設定手段は、第1演出側の情報(付与判定用情報又は付与判定用情報に基づいて設定される特別情報)に基づいて特別条件を設定する。そのため、第2演出を第1演出に関連付けることが可能となり、第2演出へ関心を寄せさせつつも第1演出側へも関心を寄せさせることができ、遊技への注目度をより好適に高めることが可能となる。
特徴K5.前記第2条件設定手段は、前記特別条件が成立するように当該特別条件を設定する手段(演出制御装置82による時間特定パターン時のタイマ入力処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1演出側の情報に基づいて、第2演出における特別条件が成立するように当該特別条件が設定されることがあるため、例えば第1演出側のみでは注目度が下がり得るような状況で第2演出における特別条件が成立するようにすれば、第1演出側の注目度の低下を第2演出側で補うような構成となる。このようにすれば、第1演出と第2演出とを用いて注目度をバランスよく高めることができる。
特徴K6.前記判定手段は、判定時における前記付与判定手段による前記付与判定の結果に関わらず、前記特別条件の成否を判定する手段(演出制御装置82による保留表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K1乃至K5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出における特別条件の成否と、付与判定の結果が反映される第1演出と、の関連性を低くすることができる。このようにすることで、第2演出において特別条件が成立するか否かを純粋に楽しませることができ、例えば、付与判定側の第1演出において第1特典が付与されにくい演出が行われている場合であっても、それとは関係なく特別条件の成否は判定されるため、注目度が極端に低下してしまうことを抑制することができる。
なお、上記構成は、例えば、
「前記判定手段は、判定時における前記特別条件以外の条件に関わらず前記判定を行う手段を備えている」や、
「前記特別条件とは、前記第2演出における所定期間の経過に基づいて成立確率が異なるものであり、
前記判定手段は、前記所定期間の経過を前記付与判定の結果に関わらず判定する手段を備えている」
と言い換えることができる。
特徴K7.前記判定手段により前記特別条件が成立したと判定されたことに基づいて、遊技者に前記第1特典とは異なる第2特典を付与する第2特典付与手段(演出制御装置82による保留表示用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K1乃至K6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件が成立するか否かについて、すなわち判定手段の判定結果により高い関心を寄せさせることが可能となる。特に、第2特典を第1特典とは異なるものとしたことにより、単に取得条件を成立させて第1特典を得る、といった従来の遊技とは異なる遊技を実現することも可能となり、遊技の多様化を図ることができる。
また、本構成を特徴K7に適用すれば、それぞれ別々の判定である印象を強めることができる。
特徴K8.前記条件設定手段は、前記第2演出が行われる期間が長いほど前記特別条件が成立し易くなるように当該特別条件を設定するものであることを特徴とする特徴K1乃至K7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出が行われる期間が長ければ長いほど、特別条件が成立し易くなる。このようにすることで、第2演出が長く行われることを遊技者は期待する。
特徴K1に記載したとおり、付与判定側の演出は、長ければ長いほど注目度が高まるわけではなく、それを冗長なものと感じさせてしまう可能性を有している。そこで、本構成を備えていることで、仮に付与判定側の第1演出が冗長なものと感じさせる可能性があっても、第2演出側では特別条件が成立するのでは、と期待させることができ、遊技への注目度をバランスよく保つことができる。
なお、本構成における条件設定手段とは、第1条件設定手段及び第2条件設定手段のいずれにおいても適用でき、又はいずれか一方のみを適用しても上記効果を奏することができる。
特徴K9.前記第1演出実行手段は、前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記所定の報知手段にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記遊技回用動作が行われるようにするものであり、
前記第2条件設定手段は、前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間の長さに基づいて前記特別条件を設定する手段(演出制御装置82におけるステップS1501の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K1乃至K8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1演出として遊技回における遊技回用動作が行われる構成において、この遊技回の動作期間の長さと、第2演出側の特別条件の成立し易さと、を関連付けることが可能となる。このようにすることで、仮に付与判定に基づいて行われる遊技回における動作期間の長短によって不都合が生じる場合であっても、第2演出側でその不都合を吸収させて、遊技への注目度の極端な低下を抑制することが可能となる。
特徴K10.前記特別条件を、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて報知する条件報知手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K1乃至K9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者に特別条件を把握させることが可能となる。これにより、第2演出が行われる期間に応じてその特別条件の成立確率が異なる様を十分に楽しませることができる。
特徴K11.前記条件報知手段は、前記第2演出の終了よりも前記第2演出の開始に近いタイミングで前記特別条件の報知を実行する先報知手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件について遊技者は比較的早いタイミングで把握することができる。特別条件は、第2演出が行われる期間の長さによって成立確率が異なるものであるため、なるべく早いタイミングでその特別条件を把握させれば、その分、特別条件が成立するか否かについて楽しませることができる。
特徴K12.前記先報知手段は、前記第2演出の開始に基づいて、前記特別条件の報知を実行する手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K11に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出の開始に基づいて特別条件の報知が行われるため、特別条件の成否に関与する期間について、最大限、その成否を楽しませることが可能となる。
特徴K13.前記先報知手段は、前記第2演出が行われている途中で、前記特別条件の報知を実行する手段(演出制御装置82による特別保留予告制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K11又は特徴K12に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出が行われている途中で特別条件の報知が行われるため、その特別条件の成立確率が異なる様を遊技者に把握させることができる。これにより、遊技者に第2演出が行われる期間と特別条件の成立確率との関係を明確に把握させることができる。
特徴K14.前記条件報知手段は、前記第2演出の終了よりも後のタイミングで前記特別条件の報知を実行する後報知手段(演出制御装置82によるステップS2701の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K10乃至K13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件について第2演出の終了後であっても把握することができる。このようにすることで、特別条件が成立するか否かについての関心を、その付与タイミング後においても余韻として残すことができ、第2演出の終了後に注目度が極端に低下してしまうことを抑制することができる。
特徴K15.前記後報知手段は、前記特別条件の報知として前記判定手段の判定時における前記特別条件の成立確率に関する報知を行うものであることを特徴とする特徴K14に記載の遊技機。
上記構成によれば、判定時における特別条件の成立確率に関する報知を行うため、単に特別条件の成否だけでなく、その程度を把握させることができる。そのため、例えば、特別条件が成立しなかった場合には、後どれくらいで成立したかを把握させることができ、特別条件が成立しなかったことに基づく注目度の極端な低下を抑制することができる。
特徴K16.前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)を備え、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記付与判定用情報について、前記付与判定を順次行うものであり、
前記情報取得手段により取得された所定の付与判定用情報を、当該所定の付与判定用情報が前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)を備え、
前記第2条件設定手段は、前記先特定手段による特定結果に基づいて前記特別条件を設定するものであることを特徴とする特徴K1乃至K15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の付与判定用情報に基づいて特別条件が設定される。そのため、その特別条件から所定の付与判定用情報を予測する、という遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。つまり、特別条件を、付与判定手段による付与判定の契機となる付与判定用情報と関連付けることで、特別条件の成否に関する注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴K17.前記第1演出実行手段は、前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記所定の報知手段にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記遊技回用動作が行われるようにするものであり、
前記先特定手段は、前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間の情報を、当該動作期間設定手段による設定対象となる前記遊技回が前記遊技回制御手段により実行されるよりも先のタイミングで特定する先動作期間特定手段(演出制御装置82による時間特定可能時の演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記第2条件設定手段は、前記先動作期間特定手段の特定結果に基づいて、前記特別条件を設定する第1設定手段(演出制御装置82による時間特定パターン時のタイマ入力処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K16に記載の遊技機。
上記構成によれば、先動作期間特定手段によって特定された動作期間の情報に基づいて特別条件の設定が行われる。そのため、特別条件と遊技回におけるその動作期間との関連性をより高めることができ、特別条件が成立するか否かの成立確率を動作期間の長さに対応付けることが可能となる。よって、演出を好適に実行することができる。
特徴K18.前記第2条件設定手段は、前記先動作期間特定手段による特定結果に関わらず、前記特別条件を設定する第2設定手段(演出制御装置82による通常パターン時のタイマ入力処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K17に記載の遊技機。
上記構成よれば、先動作期間特定手段により動作期間を先に特定することができない場合、例えば、動作期間が遊技回の開始時にしか定まらない場合であっても、第2設定手段によって特別条件を設定することが可能となる。よって、演出を好適に実行することができる。
特徴K19.遊技状態には、いずれの付与判定用情報であっても前記先動作期間特定手段により前記動作期間の特定が可能な特別状態が設定されており、
前記特別条件は、前記特別状態中に設定されるものであることを特徴とする特徴K17又は特徴K18に記載の遊技機。
上記構成によれは、特別状態中であれば、いずれの付与判定用情報が取得情報記憶手段に記憶されていてもその動作期間の情報が先特定可能であり、そのような状態において特別条件を設定するようにすれば、動作期間の情報が特定できない、といった不都合が生じない。これにより、特別条件を用いた第2演出を好適に実現することが可能となる。
特徴K20.前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間には、前記付与判定手段による前記付与判定が行われる場合の遊技状況(例えば保留個数)を反映する第1動作期間(保留数対応パターン)と、そうではない第2動作期間(保留数非対応パターン)と、が含まれており、
前記先動作期間特定手段は、前記第2動作期間となる前記付与判定用情報について動作期間を特定する手段(演出制御装置82による時間特定可能時の演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K17乃至K19のいずれか1に記載の遊技機。
付与判定用情報が複数記憶されて、その付与判定用情報についての付与判定が順次行われる構成では、付与判定用情報の取得時の遊技状況と付与判定時の遊技状況とは異なり得るため、付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいてその動作期間を特定しても、その先動作期間特定手段による特定時の動作期間と付与判定時の動作期間とは異なり得る。そこで、上記構成では、そのような遊技状況が反映された第1動作期間ではなく、第2動作期間について付与判定の対象となるよりも先のタイミングで特定するため、遊技状況の相違に基づく動作期間の先特定に関する不都合を回避することができる。これにより、動作期間を用いた演出を好適に行うことが可能となる。
なお、特徴K17に本構成を適用するならば、「前記第1設定手段は、前記第2動作期間となる前記付与判定用情報について動作期間を特定する手段により特定された動作期間に基づいて、前記特別条件を設定する」構成とするとよい。
特徴K21.前記先動作期間特定手段は、その特定対象となっている前記付与判定用情報についての前記動作期間が前記第1動作期間である場合には、仮の動作期間を当該付与判定用情報についての動作期間として特定する仮特定手段(第4の実施形態における、演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K20に記載の遊技機。
上記構成のように、遊技状況の相違に基づいて動作期間が異なり得る場合であっても、仮の動作期間として特定すれば、少なくとも特別条件の成否に基づく演出を行うことが可能となる。すなわち、動作期間を先特定できない場合であっても、演出を実行する余地を残すことで、演出の単調化を抑制することができる。
なお、特徴K18に本構成を適用するならば、「第2設定手段は、前記仮特定手段により特定された仮の動作期間に基づいて前記特別条件を設定する」構成とするとよい。
特徴K22.前記特別条件は、前記第2演出が行われる期間が長くなるほど成立確率が高くなるように設定されており、
前記仮特定手段は、前記動作期間設定手段により設定され得る前記第1動作期間のうち、最も短い期間以下となる期間を、前記仮の動作期間として特定するものであることを特徴とする特徴K21に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮特定する動作期間を予めパターン化しておくことが可能であるため、仮特定に関する処理構成の簡素化を図ることができる。また、仮特定の期間はその後変化し得る期間のうち最も短い期間以下であるため、特別条件の成立確率も最も高い成立確率以上のものとして設定することになる。ここで、特別条件の成立確率が極端に低くなると、そもそも第2演出とは異なる別の演出において特別条件が成立しないものと遊技者は慣れてしまい、特別条件の成否に対する関心が薄れてしまう可能性がある。そこで上記構成のように、特別条件が成立し易いものとすることで、仮特定によって成立確率が低くなることによる注目度の低下を回避することができる。
特徴K23.前記特別条件は、前記第2演出が行われる期間が長くなるほど成立確率が高くなるように設定されており、
前記仮特定手段は、前記動作期間設定手段により設定され得る前記第1動作期間のうち、最も長い期間以上となる期間を、前記仮の動作期間として特定するものであり、
前記仮特定手段による特定が行われたタイミングよりも後のタイミングであって、前記判定手段による判定が行われるよりも先のタイミングで、前記特別条件の修正を行う手段(第4の実施形態における、演出制御装置82によるシフト時減算処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K21又は特徴K22に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮特定する動作期間を予めパターン化しておくことが可能であるため、仮特定に関する処理構成の簡素化を図ることができる。また、仮特定の期間はその後変化し得る期間のうち最も長い期間以上であるため、特別条件の成立確率も最も低い成立確率以下のものとして設定することになる。そこで、上記構成では、その後に特別条件の修正を行うことで、仮特定によって成立確率が低くなることによる注目度の低下を回避することができる。
なお、「修正」とは、例えば、「前記第2演出が行われる期間を短縮/延長する」構成が考えられ、より具体的には、「前記第2演出が行われる期間について、前記仮の動作期間と、前記動作期間設定手段により設定された動作期間と、の差を短縮/延長する」構成が考えられる。
特徴K24.前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報を、予め定められた複数の数である所定数を上限に記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81によるステップS205の処理を実行する機能)を備え、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記付与判定用情報に基づいて、遊技者に前記第1特典を付与するか否かの付与判定を順次行うものであり、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の付与判定用情報について、当該所定の付与判定用情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングで、当該付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果に対応する情報を特定する先特定手段(主制御装置81による保留用の確認処理を実行する機能)を備え、
前記第1演出設定手段は、前記先特定手段による特定結果に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて、前記所定の付与判定用情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングで行う演出(保留予告)を設定するものであり、
前記第1演出実行手段は、前記先特定手段による特定結果が所定の結果となったことに基づいて、当該特定の対象となった前記所定の付与判定用情報が前記付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果に対応する特別報知(保留予告)を、前記所定の特別情報についての前記付与判定の結果が報知されるよりも先のタイミングで、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行するものであり、
前記第2演出実行手段は、前記第1演出実行手段により実行される前記特別報知の内容が所定の内容(例えば第4保留用画像P4に対応する内容)であることに基づいて、前記第2演出を前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行するものであることを特徴とする特徴K1乃至K23のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の付与判定用情報について、それが付与判定の対象となるよりも前に特別報知が行われる可能性がある。これにより、先特定手段により特定対象となった所定の付与判定用情報を、当該所定の付与判定用情報の付与判定の結果が報知されるよりも前に予測する、という遊技を行うことが可能となり、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高めることができる。このような特別報知を行う場合、遊技者に第1特典が付与され易いものとする特別報知であれば、その特別報知への注目度が高まる一方でそれ以外の付与判定用情報についての演出への注目度が低下してしまう可能性がある。また、第1特典が付与されにくいものとする特別報知であれば、その特別報知だけでなくその後の演出への注目度は極端に低下してしまう可能性がある。そこで、特別報知として例えば所定の内容が設定された場合には、所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段において第2演出を行う構成とすれば、特別報知を行うことにより注目度が低下し得る状況において第2演出側に注目させ、注目度の低下を好適に回避することが可能となる。
特徴K25.前記第1演出実行手段は、前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記所定の報知手段にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記遊技回用動作が行われるようにするものであり、
前記先特定手段は、前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間の情報を、当該動作期間設定手段による設定対象となる前記遊技回が前記遊技回制御手段により実行されるよりも先のタイミングで特定する先動作期間特定手段(演出制御装置82による時間特定可能時の演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記第2条件設定手段は、前記先動作期間特定手段による特定結果に基づいて、前記特別条件を設定するものであることを特徴とする特徴K24に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の内容が所定の内容であったことに基づいて実行される第2演出において、その特別条件が動作期間の情報に基づいて設定される。これにより、所定の付与判定用情報に基づいて行われる特別報知と、動作期間の情報と、を関連付けることができる。
この場合、特別報知については所定の付与判定用情報に関する報知を行うものであり、その特別報知に基づいて実行される第2演出における特別条件は、所定の付与判定用情報以外の動作期間に基づいて設定される構成であってもよいし、所定の付与判定用情報の動作期間に基づいて設定される構成であってもよい。前者の場合、特別報知によって所定の付与判定用情報についての注目度を高めつつ、第2演出によってそれ以外の付与判定用情報についての注目度を高めることができる。また、後者の場合、特別報知と第2演出とをより密接に関連付けることができ、例えば、特別報知において第1特典が付与されにくいことを示唆する演出を行う場合に、第2演出においては特別条件が成立し易い演出を行う構成とする、などして演出の多様化を図ることが可能となる。
特徴K26.前記第2条件設定手段は、前記第2演出実行手段による前記第2演出の実行の契機となった前記特別報知において、当該特別報知の対象となっている前記所定の付与判定用情報以前に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報について、前記先動作期間特定手段により特定された前記動作期間に基づいて前記特別条件を設定するものであることを特徴とする特徴K25に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知の対象となっている付与判定用情報以前に付与判定の対象となる付与判定用情報の動作期間に基づいて特別条件を設定する構成としたため、特別報知の対象となっている付与判定用情報以前に付与判定の対象となる付与判定用情報についての遊技回の動作期間への関心を高めることができ、特別報知を行うことによる他の遊技回用の演出への注目度の低下を回避することが可能となる。
特徴K27.前記第1演出実行手段は、前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記所定の報知手段にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作には、前記付与判定手段の前記付与判定の結果を報知するよりも先のタイミングにおいて、第1動作(リーチ発生)と当該第1動作よりも前記第1特典の付与確率が低くなる第2動作(リーチ非発生)とに分岐する分岐タイミング(下図柄列Z3の高速変動終了タイミング)が設定されており、
前記判定手段は、前記第2演出が行われる状況で前記付与判定が行われる前記付与判定用情報についての前記遊技回用動作における前記分岐タイミングにおいて前記特別条件の成否についての判定を行うものであることを特徴とする特徴K1乃至K26のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1動作と第2動作との分岐タイミングにおいて、特別条件の成否の判定が行われる。また、この分岐タイミングでは、遊技回用動作が第1動作に分岐すれば第1特典が付与される確率が高まる一方、第2動作に分岐すればそれよりも付与確率は低くなる。この場合、第1特典に関して付与確率の高低が関連付けられた分岐演出を更に付加することも考えられるが、演出が複雑化しすぎると遊技者の理解度の低下が懸念され、その結果、遊技への関心も薄れてしまうことが考えられる。そこで、第1特典とは異なる特別条件に関してこの分岐タイミングにおいて判定する構成とすることで、遊技の複雑化を抑制しつつ、特典付与に関する複数の分岐演出を好適に実行することが可能となる。
特徴K28.前記条件設定手段により設定された前記特別条件に対応する期間の経過速度を、それまでの経過速度から異ならせる又は前記期間の残り期間をそれまでの残り期間から異ならせることが可能な特別設定手段(演出制御装置82による減算値調整処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K1乃至K27のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件に対応する期間の経過速度又は残り期間が変化することにより、特別条件の成立確率が変化する。これにより、例えば特別条件が成立しそうにない場合であっても経過速度又は残り期間を異ならせることにより特別条件が成立し得るようにすることができるし、また、例えば特別条件が成立しそうな場合であっても経過速度又は残り期間を異ならせ得ることにより特別条件が成立しないようにすることもできる。つまり、特別条件の成否の過程を多様なものとすることができ、第2演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、本構成における条件設定手段とは、第1条件設定手段及び第2条件設定手段のいずれにおいても適用でき、又はいずれか一方のみを適用しても上記効果を奏することができる。
特徴K29.前記第1演出実行手段は、前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは異なる報知手段にて遊技回用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該遊技回用動作を終了させることを遊技回の1回とし、前記遊技回用動作が行われるようにする遊技回制御手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作の動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記遊技回用動作が行われるようにするものであり、
前記特別設定手段は、前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間に応じて前記異ならせるものであることを特徴とする特徴K28に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件の成立確率の動作期間との関連性をより高めることが可能となり、遊技回の動作期間の長短に基づく不都合を好適に回避することが可能となる。
特徴K30.前記特別条件は、前記第2演出が行われる期間が経過するほど成立確率が高くなるように設定されており、
前記特別設定手段は、前記動作期間が短いほど、前記異ならせる経過速度を速める又は前記異ならせる残り期間を短くするものであることを特徴とする特徴K29に記載の遊技機。
上記構成によれば、動作期間が短い場合には所定の設定期間が経過する期間も短くなるため、特別条件の成立確率も低くなり得る。そこで、そのような場合には、経過速度を速める又は残り期間を短くするように異ならせれば、動作期間が短いことにより特別条件が成立しないと予測して関心が薄れてしまうことを抑制することが可能となる。
特徴K31.所定の取得条件成立(例えば、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入球)に基づいて、付与判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報に基づいて、遊技者に第1特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて行う第1演出を設定する第1演出設定手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記第1演出設定手段により設定された前記第1演出を、前記所定の報知手段にて実行する第1演出実行手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて、第2演出(特別保留予告)を実行可能な第2演出実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
前記第2演出が行われる期間の長さ次第で成立確率が異なり得る特別条件を設定する条件設定手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得条件が成立したことに基づいて付与判定用情報が取得され、この付与判定用情報に基づいて第1特典が付与されるか否かの付与判定が行われ、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出が実行される遊技機において、予め定められた所定条件が成立したことに基づいて、所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて第2演出が実行される。そのため、付与判定に基づいて行われる第1演出の他にも第2演出が行われることで、演出の多様化が図られる。
ここで、取得条件が成立したことに基づく付与判定の結果によって第1特典が付与され、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出(例えば遊技回用の演出)が行われる構成においては、この付与判定に基づく第1演出が長く継続すると、第1特典が得られるかもしれない、と期待させることが可能となる一方で、例えば、この第1特典が得られるか否かについてのみ注目している遊技者や、何らかの事情(例えば予告演出の有無や強弱など)によってこの付与判定の結果をある程度把握している遊技者にとっては、所定の報知手段にて行われる第1演出が長く継続すると、それを冗長なものと感じてしまう可能性がある。また、逆に付与判定に基づく第1演出が短いと、上記のような不都合を回避することができる一方で、その第1演出を十分に楽しませる効果は低下してしまう。つまり、付与判定側の第1演出の長さは、長ければ長いほどよいわけではなく、逆に短くても不都合が生じ得るものといえる。
そこで、本構成のように、第2演出が行われる期間の長さ次第で成立確率が異なり得る特別条件を設定する手段を備えれば、付与判定側の単純な第1演出の長さといった尺度とは別の尺度を持たせることができ、仮に付与判定側の第1演出において上記懸念されるような不都合が生じ得る場合であっても、特別条件が成立し易くなるのでは、と期待させることができ、遊技への注目度をバランスよく保つことが可能となる。なお、「期間の長さ次第で」とは、「期間の長さに関連して」や「期間の長さによって」とも言い換えることができる。
特徴K32.所定の取得条件成立(例えば、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入球)に基づいて、付与判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する手段)と、
前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報に基づいて、遊技者に第1特典(例えば開閉実行モードや高頻度サポートモード)を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置41)にて行う第1演出を設定する第1演出設定手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記第1演出設定手段により設定された前記第1演出を、前記所定の報知手段にて実行する第1演出実行手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて、前記第1演出とは異なる第2演出(特別保留予告)を実行可能な第2演出実行手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
前記第2演出が行われる期間の長さ次第で成立確率が異なり得る特別条件を、当該特別条件が成立するか否かを踏まえて設定する第2条件設定手段(演出制御装置82による時間特定パターン時のタイマ入力処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得条件が成立したことに基づいて付与判定用情報が取得され、この付与判定用情報に基づいて第1特典が付与されるか否かの付与判定が行われ、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出が実行される遊技機において、予め定められた所定条件が成立したことに基づいて、所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて第2演出が実行される。そのため、付与判定に基づいて行われる第1演出の他にも第2演出が行われることで、演出の多様化が図られる。
ここで、取得条件が成立したことに基づく付与判定の結果によって第1特典が付与され、その付与判定に基づいて所定の報知手段にて第1演出(例えば遊技回用の演出)が行われる構成においては、この付与判定に基づく第1演出が長く継続すると、第1特典が得られるかもしれない、と期待させることが可能となる一方で、例えば、この第1特典が得られるか否かについてのみ注目している遊技者や、何らかの事情(例えば予告演出の有無や強弱など)によってこの付与判定の結果をある程度把握している遊技者にとっては、所定の報知手段にて行われる第1演出が長く継続すると、それを冗長なものと感じてしまう可能性がある。また、逆に付与判定に基づく第1演出が短いと、上記のような不都合を回避することができる一方で、その第1演出を十分に楽しませる効果は低下してしまう。つまり、付与判定側の第1演出の長さは、長ければ長いほどよいわけではなく、逆に短くても不都合が生じ得るものといえる。
そこで、本構成のように、第2演出が行われる期間の長さ次第で成立確率が異なり得る特別条件を、その特別条件が成立するか否かを踏まえて設定する第2条件設定手段を備えれば、付与判定側の単純な第1演出の長さといった尺度とは別の尺度を持たせることができ、仮に付与判定側の第1演出において上記懸念されるような不都合が生じ得る場合であっても、特別条件が成立し易くなるのでは、と期待させることができる。
特に、第2条件設定手段により設定される特別条件は、その特別条件が成立するか否かを踏まえて設定されるため、例えば遊技状況に応じて、特別条件が成立するかを遊技機側である程度管理することができる。具体的には、演出的に特別条件が成立すべき状況であったり、特別条件が成立すべきではない状況であったりする場合には、それを踏まえて特別条件を設定すれば、特別条件の成否に基づく演出上の違和感を解消することができ、このようにすれば、設計通りの演出を好適に実行させることができる。なお、「期間の長さ次第で」とは、「期間の長さに関連して」や「期間の長さによって」とも言い換えることができる。
なお、特徴K31又は特徴K32に対して、特徴K1乃至K30に記載した特徴的な構成をそれぞれ適用すると、当該適用する特徴的な構成の効果を相乗的に奏することが可能となる。
<特徴L群>
特徴L1.所定の取得条件成立に基づいて、付与判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報を、予め定められた複数の数である所定数(4個)を上限に記憶する情報記憶手段(取得情報記憶手段、保留球格納エリア232)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記付与判定用情報について、遊技者に第1特典(開閉実行モード等)を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて第1演出用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該第1演出用動作を終了させることを第1演出(例えば遊技回)の1回とし、前記第1演出用動作が行われるようにする第1演出設定手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記第1演出が行われる動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記第1演出用動作が行われるようにする第1演出実行手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて、第2演出を実行可能な第2演出実行手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記第2演出が行われる期間の長さ次第で成立確率が異なり得る特別条件を設定する条件設定手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の付与判定用情報についての情報を、当該所定の付与判定用情報が前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する処理を実行する先特定手段(演出制御装置82による保留情報の把握処理を実行する機能、主制御装置81による保留コマンドの設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記条件設定手段は、
前記特別条件を、当該特別条件が成立するか否かを踏まえることなく設定することが可能な第1手段(例えば、演出制御装置82による通常パターン時のタイマ入力処理を実行する機能)と、
前記特別条件を、当該特別条件が成立するか否かを踏まえて設定することが可能な第2手段(演出制御装置82による時間特定パターン時のタイマ入力処理を実行する機能、主制御装置81によるステップS4910の処理を実行する機能)と、
前記特別条件を、前記先特定手段による前記特定する処理の結果に基づいて設定することが可能な第3手段(演出制御装置82によるステップS1706,S1707の処理を実行する機能、主制御装置81による主側特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、動作期間設定手段によって設定された動作期間に応じて第1演出が繰り広げられ、その第1演出の契機となった付与判定用情報に係る付与判定の結果に基づいて第1特典が付与される遊技機において、期間の長さ次第で成立確率が異なり得る特別条件が設定された第2演出が実行されることがある。このようにすれば、単に付与判定用情報を取得させてその結果を、第1演出を通じて把握する、といった従来の遊技に加えて、それ以外の演出を楽しませることが可能となり、遊技の興趣を向上されることができる。
ここで、遊技機の演出としては、第1演出を派手にしたり、第1演出以外にも他の演出を実行して、それらにより第1演出の注目度を高めるようにする工夫が行われているものもある。しかし、これらは、あくまで第1演出自体又はそれに付随する演出である。これに対して、上記構成では、第2演出において、その演出の長さに応じて成立確率が異なり得る特別条件は、その条件が成立することを踏まえることなく設定される場合(第1手段)や、成立することを踏まえて設定される場合(第2手段)や、記憶されている付与判定用情報が付与判定の対象となるタイミングよりも先に特定する処理の結果に基づいて設定される場合(第3手段)などがある。つまり、第1演出とは無関係に、特別条件が成立するか否かを踏まえることなく当該特別条件が設定される場合があることを前提にしつつも、第1演出との関係で特別条件が成立させたい場合(させたくない場合)などの不都合が生じる場合にはそれに対応させるようにし、それらをうまく使い分けることで、第1演出と第2演出とをうまく両立させることが可能となる。以上の結果、第1演出側との関連性によって一義的に定まるような従来の演出とは全く異なった第2演出とすることができ、遊技への注目度を好適に高めることができる。
なお、上記特徴L1は以下のように表現することも可能である。この場合、以下の特徴L群の各構成を本構成に適用するのであれば、「付与判定用情報」を「判定用情報」と、「付与判定手段」を「判定手段」と、「先特定手段」を「先判定手段」と、「動作期間」を「期間」と、「動作期間設定手段」を「期間設定手段」と、それぞれ読み替えて適用するとよい。また、「予め定められた所定数」を「予め定められた複数の数である所定数」とすると、より「先判定手段」による判定対象を増やすことが可能となり、判定結果に基づく遊技の多様化を図ることができる。
「所定の取得条件成立に基づいて、判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記判定用情報を、予め定められた所定数(4個)を上限に記憶する情報記憶手段(取得情報記憶手段、保留球格納エリア232)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記判定用情報について、遊技者に第1特典(開閉実行モード等)を付与するか否かの判定を行う判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて第1演出を開始させ、前記判定手段による判定の結果に対応する報知結果として前記第1演出を終了させることを前記第1演出(例えば遊技回)の1回とし、前記第1演出が行われる期間を設定する期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記期間設定手段により設定された期間に亘って前記第1演出が行われるようにする第1演出実行手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて、第2演出を実行可能な第2演出実行手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記第2演出が行われる期間の長さ次第で成立確率が異なり得る特別条件を設定する条件設定手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の判定用情報を、当該所定の判定用情報が前記判定手段による判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて判定を行う先判定手段(演出制御装置82による保留情報の把握処理を実行する機能、主制御装置81による保留コマンドの設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記条件設定手段は、
前記特別条件を、当該特別条件が成立するか否かを踏まえることなく設定することが可能な第1手段(例えば、演出制御装置82による通常パターン時のタイマ入力処理を実行する機能)と、
前記特別条件を、当該特別条件が成立するか否かを踏まえて設定することが可能な第2手段(演出制御装置82による時間特定パターン時のタイマ入力処理を実行する機能、主制御装置81によるステップS4910の処理を実行する機能)と、
前記特別条件を、前記先判定手段による判定する処理の結果に基づいて設定することが可能な第3手段(演出制御装置82によるステップS1706,S1707の処理を実行する機能、主制御装置81による主側特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機」。
特徴L2.前記第2手段は、前記第3手段により設定される前記先特定手段による前記特定する処理の結果に基づいて、前記特別条件が成立するか否かを踏まえて当該特別条件を設定するものであることを特徴とする特徴L1に記載の遊技機。
上記構成によれば、情報記憶手段によって記憶されており、未だ付与判定の対象となっていない付与判定用情報について先特定手段による特定する処理が行われ、その結果に基づいて特別条件が成立するか否かを踏まえたうえで当該特別条件の設定が行われる。そのため、特別条件の成否に関して、上記記憶されている付与判定用情報を関連付けることができる。特別条件は、第2演出が行われる期間に応じて成立確率が異なり得るものであるところ、上記のように記憶されている付与判定用情報を関連付けるということは、当該付与判定用情報に係る第1演出の動作期間の情報が関連付けられて特別情報の成否が踏まえられることになる。このようにすることで、第2演出において、第1演出の動作期間の長さとの関連性を高めることが可能となる。
ここで、例えば、第1演出が長くなると、遊技者としてはその第1演出に係る付与判定用情報が付与対応結果であるのでは、という期待感を抱く一方で、そうではなかった場合や、そうではないことを事前に察知してしまった(例えば他の演出として保留画像などの演出から付与対応結果である可能性が極めて低いと察知した)場合などにおいては、その第1演出が長くなればなるほど、遊技者にとっては無駄な期間となり、遊技への関心が薄れてしまう可能性もある。また逆に、第1演出が短くなると、遊技者としては付与対応結果とはならない第1演出については短期間に効率よく消化されることは好ましい一方で、付与対応結果となる第1演出についてまで短期間となってしまうと、その付与対応結果に至るまでの演出を楽しむという遊技が損なわれてしまって、それも遊技への関心が薄れる要因となり得る。そのため、第1演出については、付与対応結果との関係で動作期間の長さを演出効果が最も高くなるように設定するものと考えられる。そして、このような関係で、第2演出側においてもその第1演出の動作期間に合わせて関連性を高めておけば、仮に第1演出において動作期間が長くなったり短くなったりして上記の不都合が発生したとしても、その分、第2演出においては特別条件の成立確率が変化するため、上記の第1演出側の動作期間による不都合を第2演出側でカバーすることが可能となり、特別条件が設定された第2演出を行う意義をより一層高めることができる。
特徴L3.前記先特定手段は、前記特定する処理として、前記所定の付与判定用情報が前記付与判定の対象となった場合の前記第1演出に係る前記動作期間の情報を特定する処理を実行する期間特定手段(演出制御装置82による保留情報の把握処理を実行する機能、主制御装置81によるステップS4908〜S4909の処理を実行する機能)を備え、
前記第2手段は、前記第3手段のうち前記期間特定手段による前記特定する処理の結果に基づいて前記特別条件が成立するか否かを踏まえて当該特別条件を設定するものであることを特徴とする特徴L1又は特徴L2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴L2に記載の効果を好適に奏することができる。
特徴L4.前記第2手段は、前記第3手段により設定される前記先特定手段による前記特定する処理の結果に基づいて、前記特別条件が成立するか否かを踏まえて当該特別条件を設定し、
前記動作期間設定手段は、前記第2手段により設定された前記特別条件を踏まえて、前記動作期間を設定可能な特別期間設定手段(主制御装置81によるステップS4907〜ステップS4914、保留予告実行時の変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴L1乃至L3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、情報記憶手段によって記憶されており、未だ付与判定の対象となっていない付与判定用情報について先特定手段による特定する処理が行われ、その結果に基づいて特別条件が成立するか否かを踏まえたうえで当該特別条件の設定が行われる。そのため、特別条件の成否に関して、上記記憶されている付与判定用情報を関連付けることができる。特別条件は、第2演出が行われる期間に応じて成立確率が異なり得るものであるところ、上記のように記憶されている付与判定用情報を関連付けるということは、当該付与判定用情報に係る第1演出の動作期間の情報が関連付けられて特別情報の成否が踏まえられることになる。このようにすることで、第2演出において、第1演出の動作期間の長さとの関連性を高めることが可能となる。
ここで、例えば、第1演出が長くなると、遊技者としてはその第1演出に係る付与判定用情報が付与対応結果であるのでは、という期待感を抱く一方で、そうではなかった場合や、そうではないことを事前に察知してしまった(例えば他の演出として保留画像などの演出から付与対応結果である可能性が極めて低いと察知した)場合などにおいては、その第1演出が長くなればなるほど、遊技者にとっては無駄な期間となり、遊技への関心が薄れてしまう可能性もある。また逆に、第1演出が短くなると、遊技者としては付与対応結果とはならない第1演出については短期間に効率よく消化されることは好ましい一方で、付与対応結果となる第1演出についてまで短期間となってしまうと、その付与対応結果に至るまでの演出を楽しむという遊技が損なわれてしまって、それも遊技への関心が薄れる要因となり得る。そのため、第1演出については、付与対応結果との関係で動作期間の長さを演出効果が最も高くなるように設定するべきものと考えられる。そして、このような関係で、第2演出側においてもその第1演出の動作期間との関連付けておけば、仮に第1演出において動作期間が長くなったり短くなったりして上記の不都合が発生したとしても、その分、第2演出においては特別条件の成立確率が変化するため、上記の第1演出側の動作期間による不都合を第2演出側でフォローすることが可能となり、特別条件が設定された第2演出を行う意義をより一層高めることができる。
さらに、上記構成においては、第2演出において設定される特別条件を踏まえて、第1演出の動作期間を設定する特別期間設定手段を備えているため、未だ付与判定の対象となっていない付与判定用情報について動作期間が定まっていなくても、それよりも先のタイミングで特別条件を設定することができる。このようにすれば、付与判定用情報に係る第1演出の動作期間について、当該付与判定用情報が付与判定の対象となった場合の遊技状況(例えば情報記憶手段に記憶されている付与判定用情報の数等)に応じて変化するような構成においても、先に第2演出側で特別条件の成否を踏まえて設定した結果とその後に付与判定の対象となる第1演出の動作期間との齟齬によって特別条件の成否が設定時と異なってしまう、といった事象を回避することが可能となる。
そればかりか、第1演出側では先に設定されている特別条件に基づいて動作期間を設定すればよいため、例えば付与判定用情報そのものに関して特別条件に基づいて変更する、といった複雑な構成を用いなくても、動作期間を特別条件に合うように設定することができ、演出の設定に関して大幅な処理構成の簡素化を図ることが可能となる。以上の結果、遊技への注目度を好適に図ることができる。
特徴L5.前記特別期間設定手段は、前記特別条件が成立するように前記動作期間を設定する手段(主制御装置81によるステップS4911の処理にて肯定判定する機能)を備えていることを特徴とする特徴L4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件が成立するように動作期間の設定が行われるため、仮に第1演出側で遊技者にとって好ましくない結果であったとしても、第2演出側では特別条件が成立するため遊技者にとって好ましい結果となり得る。このようにすることで、第1演出を第2演出によって好適にフォローすることが可能となる。
特徴L6.前記特別期間設定手段は、前記特別条件が成立しないように前記動作期間を設定する手段(主制御装置81によるステップS4912の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴L5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別条件が成立するように設定する場合もあれば、特別条件が成立しないように設定する場合もある。このようにすることで、演出をより多様なものとすることができ、興趣向上を図ることが可能となる。
特徴L7.予め定められた複数の動作期間の情報群を記憶する期間情報記憶手段(変動表示時間テーブル)を備え、
前記動作期間設定手段は、前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報に基づいて、前記期間情報記憶手段に記憶された動作期間の情報群を選択して今回の第1演出に係る動作期間を設定する構成であり、
前記特別期間設定手段は、前記選択される前記動作期間の情報群を異ならせることで、前記特別条件を踏まえた前記動作期間を設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴L4乃至L6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別期間設定手段により動作期間の設定が行われる場合には、選択される動作期間の情報群を異ならせれば、付与判定用情報については変更することなく、特別条件を踏まえた動作期間とすることができる。そのため、例えば、取得時と判定時とで、付与判定用情報が異なる、といった事象が発生しない。仮にそのような事象が発生すると、付与判定用情報が書き換えられることによる遊技の不公平性が高まるものと考えられる。また、仮にそのような事象を許容したとしても、遊技機として正常な処理によって付与判定用情報が異なるものとしたのか、それともノイズや何らかの不正行為によって付与判定用情報が異なるものとなったのか、を判断する必要が生じ、処理構成の複雑化が懸念される。そのため、付与判定用情報の変更を必要としない範囲で、動作期間の変更が可能なように、上記構成のようにすることで、遊技の公平性が担保されるし、処理構成の簡素化も図ることが可能となる。
上記特徴L7は、「動作期間」を「期間」と、「動作期間設定手段」を「期間設定手段」、「付与判定用情報」を「判定用情報」と読み替えたうえで、以下のように表現することも可能である。
「予め定められた複数の期間情報群を記憶する期間情報記憶手段(変動表示時間テーブル)を備え、
前記期間設定手段は、前記情報取得手段により取得された前記判定用情報に基づいて、前記期間情報記憶手段に記憶された一の期間情報群を選択して、当該期間情報群から今回の第1演出に係る期間を設定する構成であり、
前記特別期間設定手段は、前記特別条件を踏まえた前記第1演出に係る期間を設定することに対応する期間情報群を選択して、前記第1演出に係る期間を設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴L4乃至L6のいずれか1に記載の遊技機」。
特徴L8.前記付与判定手段及び前記動作期間設定手段を有する第1制御装置(主制御装置81)と、
前記第1演出実行手段及び前記第2演出実行手段を有する第2制御装置(演出制御装置82)と、
を備え、
前記第1制御装置は、前記付与判定手段による前記付与判定の結果の情報及び前記動作期間設定手段により設定された前記動作期間の情報を前記第2制御装置へ出力する出力手段(主制御装置81によるステップS5003〜S5005の処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御装置は、前記出力手段から受信する情報に基づいて前記第1演出を実行するものであり、
前記先特定手段は、前記特定する処理として、前記所定の付与判定用情報が前記付与判定の対象となった場合の前記第1演出に係る前記動作期間の情報を特定する処理を実行する期間特定手段(主制御装置81によるステップS4908〜S4909の処理を実行する機能)を備え、
前記第2手段は、前記第3手段のうち前記期間特定手段による前記特定する処理の結果に基づいて前記特別条件が成立するか否かを踏まえて当該特別条件を設定するものであり、
前記第2手段及び前記第3手段を前記第1制御装置が有する構成であることを特徴とする特徴L1乃至L7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1制御装置の動作期間設定手段に設定された動作期間に亘って第1演出が行われ、第2制御装置の第2演出事項手段により第2演出が実行される構成において、第2演出の特別条件について動作期間が関係する第2手段や第3手段については第1制御装置側で設定され、動作期間が関係しない第1手段については第2制御装置側で設定される。つまり、動作期間に関係する特別条件の場合には第1制御装置側で設定され、そうではない場合には第2制御装置側で設定される。仮に動作期間に関する特別条件についても第2制御装置側で行う構成としてしまうと、第2制御装置側で決定した特別条件についての情報を第1制御装置側に出力する必要が生じる。ところが、第1制御装置からはもともと付与判定手段による付与判定の結果の情報や動作期間の情報が第2制御装置へ出力される構成であり、第2制御装置においてはこれらの情報に基づいて第1演出を行うことを前提としている。そのため、上記のように第2制御装置から第1制御装置へ特別条件についての情報を出力する構成とすると、入出力が通常とは逆の経路となる。そうすると、入出力を行うための経路(ケーブル等)を別途設ける必要が生じ、遊技機の構成部品の増加(コスト増)や、構成の複雑化等が懸念される。そこで、上記構成のように、第2手段及び第3手段を第1制御装置側が有する構成とすれば、動作期間に関係する特別条件については第1制御装置側で設定することができ、第2制御装置側からその特別条件についての情報を第1制御装置側へ出力する必要がなくなる。
特徴L9.前記第1手段を前記第2制御装置が有する構成であることを特徴とする特徴L8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴L8の遊技機において、動作期間には関係しない第1手段については第2制御装置側が有する構成としたので、第1制御装置と第2制御装置とで、別々に特別条件が設定される構成となる。このようにすれば、処理負荷の分散化を図ることが可能となる。
特徴L10.前記第2手段は、前記第3手段によって前記先特定手段の前記特定する処理の結果が、前記所定の付与判定用情報が前記付与判定の対象となった場合に前記付与対応結果であることに対応する結果であったことに基づいて前記特別条件を成立するように当該特別条件を設定するものであることを特徴とする特徴L1乃至L9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、情報記憶手段に記憶されている所定の付与判定用情報が、付与判定の対象となるよりも先のタイミングで付与対応結果であることに対応するものであると特定された場合に、特別条件が成立するように第2手段(第3手段)によって設定され、それに基づいて第2演出が実行される。特別条件は、第2演出の長さに応じて成立確率が異なり得るようになっている。そのため、上記構成では、付与対応結果となる付与判定用情報に係る第1演出や、それよりも前に実行される付与判定用情報に係る第1演出の長さに応じて、特別条件が成立するように設定する構成となる。
ここで、情報記憶手段に記憶されている付与判定用情報についての付与判定の結果の情報が、何らかの事情(例えば所謂予告演出等)によって付与対応結果であると遊技者に予測されている状況では、以下のような不都合が考えられる。すなわち、例えば、その付与判定用情報についての第1演出が行われることに期待を寄せる一方で、早くその第1演出が行われて欲しいあまり、それ以前の付与判定用情報についての第1演出は煩わしく感じてしまう可能性もある。そこで、そのような状況で、特別条件が成立するような第2演出を行う構成とすれば、その第2演出の長さが長くても特別条件が成立するのでは、と別の楽しみを付与することができ、上記第1演出を煩わしく感じてしまう可能性を低減することができる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴L11.前記条件設定手段は、予め定められた特定条件が成立していることに基づいて、前記第3手段ではなく前記第1手段又は前記第2手段にて設定するようにする手段(主制御装置81によるステップS4902,S4903やステップS5610〜ステップS5612の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴L1乃至L10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば先特定手段による特定する処理を実行できない場合や、特定する処理の結果によって第3手段による特別条件の設定に不向きな場合などであっても、特別条件を設定することができる。これにより、無理に第3手段によって設定することで、特別条件やその他の演出に矛盾が生じることなく、他の手段(第1手段や第2手段)によって特別条件を好適に設定することが可能となる。
特徴L12.所定の取得条件成立に基づいて、付与判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報を、予め定められた複数の数である所定数(4個)を上限に記憶する情報記憶手段(取得情報記憶手段、保留球格納エリア232)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記付与判定用情報について、遊技者に第1特典(開閉実行モード等)を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて第1演出用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該第1演出用動作を終了させることを第1演出(例えば遊技回)の1回とし、前記第1演出用動作が行われるようにする第1演出設定手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記第1演出が行われる動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記第1演出用動作が行われるようにする第1演出実行手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて、第2演出を実行可能な第2演出実行手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記第2演出が行われる期間の長さ次第で成立確率が異なり得る特別条件を設定する条件設定手段(主制御装置81による主側特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記動作期間設定手段は、前記条件設定手段により設定された前記特別条件に基づいて、前記第1演出の動作期間を設定する特別設定手段(主制御装置81による保留予告実行時の変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、動作期間設定手段によって設定された動作期間に応じて第1演出が繰り広げられ、その第1演出の契機となった付与判定用情報に係る付与判定の結果に基づいて第1特典が付与される遊技機において、期間の長さ次第で成立確率が異なり得る特別条件が設定された第2演出が実行されることがある。このようにすれば、単に付与判定用情報を取得させてその結果を、第1演出を通じて把握する、といった従来の遊技に加えて、それ以外の演出(特別条件が成立するか否かという第2演出)を楽しませることが可能となり、遊技の興趣を向上されることができる。
さらに、上記構成では、第2演出側の特別条件に基づいて、第1演出の動作期間が設定される場合がある。すなわち、特別条件は第2演出が行われる長さに応じて成立確率が異なるものであるため、第2演出側において設定した特別条件に基づいて第1演出の動作期間が設定され、それに基づいて第2演出の長さが設定される。このようにすることで、
特別条件を成立させるように第1演出の動作期間を設定することもできるし、特別条件を成立しないように第1演出の動作期間を設定することもできる。そして、それに合わせて第2演出の実行期間も変化する。よって、付与判定に結果に対応する第1演出と、特別条件の成否に対応する第2演出と、といった異なる判定/条件成立についての演出を密接に関連付けることができ、例えば、第1演出側の都合で特別条件を成立させたい場合(成立させたくない場合)等において、第2演出側との関係で齟齬が生じてしまわないようにすることができる。よって、第1演出や第2演出を好適に実行することができ、遊技への注目度を高めることができる。
なお、特徴L12に対して、特徴L1乃至L11に記載した特徴的な構成をそれぞれ適用すると、当該適用する特徴的な構成の効果を相乗的に奏することが可能となる。
また、上記特徴L12は以下のように表現することも可能である。この場合、上記の特徴L群の各構成を本構成に適用するのであれば、「付与判定用情報」を「判定用情報」と、「付与判定手段」を「判定手段」と、「先特定手段」を「先判定手段」と、「動作期間」を「期間」と、「動作期間設定手段」を「期間設定手段」と、それぞれ読み替えて適用するとよい。また、「予め定められた所定数」を「予め定められた複数の数である所定数」とすると、より「先判定手段」による判定対象を増やすことが可能となり、判定結果に基づく遊技の多様化を図ることができる。
「所定の取得条件成立に基づいて、判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記判定用情報を、予め定められた所定数(4個)を上限に記憶する情報記憶手段(取得情報記憶手段、保留球格納エリア232)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記判定用情報について、遊技者に第1特典(開閉実行モード等)を付与するか否かの判定を行う判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて第1演出を開始させ、前記判定手段による判定の結果に対応する報知結果として前記第1演出を終了させることを前記第1演出(例えば遊技回)の1回とし、前記第1演出が行われる期間を設定する期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記期間設定手段により設定された期間に亘って前記第1演出が行われるようにする第1演出実行手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて、第2演出を実行可能な第2演出実行手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記第2演出が行われる期間の長さ次第で成立確率が異なり得る特別条件を設定する条件設定手段(主制御装置81による主側特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記期間設定手段は、前記条件設定手段により設定された前記特別条件に基づいて、前記第1演出の期間を設定する特別設定手段(主制御装置81による保留予告実行時の変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機」。
<特徴M群>
特徴M1.所定の取得条件成立に基づいて、付与判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報を、予め定められた複数の数である所定数(4個)を上限に記憶する情報記憶手段(取得情報記憶手段、保留球格納エリア232)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記付与判定用情報について、遊技者に第1特典(開閉実行モード等)を付与するか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて第1演出用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該第1演出用動作を終了させることを第1演出(例えば遊技回)の1回とし、前記第1演出用動作が行われるようにする第1演出設定手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記第1演出が行われる動作期間を設定することが可能な第1設定手段(主制御装置81によるステップS5302〜S5305の処理を実行する機能)と、
前記第1設定手段により設定された動作期間に亘って前記第1演出用動作が行われるようにする第1演出実行手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定に基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記情報取得手段により取得された所定の付与判定用情報についての情報を、当該所定の付与判定用情報が前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する処理を実行する先特定手段(主制御装置81による保留コマンドの設定処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による前記特定する処理の結果に基づいて、前記第1演出の動作期間を設定することが可能な第2設定手段(主制御装置81による保留予告実行時の変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、情報記憶手段に記憶されている付与判定用情報について、第1設定手段によって設定された動作期間に応じて第1演出が繰り広げられ、その第1演出の契機となった付与判定用情報に係る付与判定の結果に基づいて第1特典が付与される遊技機において、第1演出の動作期間が、当該第1演出の契機となる付与判定が行われるよりも先のタイミングで行われる先特定手段による特定する処理の結果に基づいて設定されることがある。つまり、第1演出の動作期間が、第1演出の開始前であって情報記憶手段に保留記憶されている状況で設定されることがある。このようにすれば、第1演出の開始前に、その動作期間が設定され得るため、例えば、第1演出の動作期間を用いた演出を、第1演出の開始前から実行することが可能となる。以上の結果、演出の多様化を図ることができ、遊技への注目度を好適に高めることができる。
なお、上記特徴M1は以下のように表現することも可能である。この場合、以下の特徴M群の各構成を本構成に適用するのであれば、「付与判定用情報」を「判定用情報」と、「付与判定手段」を「判定手段」と、「先特定手段」を「先判定手段」と、「動作期間」を「期間」と、それぞれ読み替えて適用するとよい。また、「予め定められた所定数」を「予め定められた複数の数である所定数」とすると、より「先判定手段」による判定対象を増やすことが可能となり、判定結果に基づく遊技の多様化を図ることができる。
「所定の取得条件成立に基づいて、判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記判定用情報を、予め定められた所定数(4個)を上限に記憶する情報記憶手段(取得情報記憶手段、保留球格納エリア232)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記判定用情報について、遊技者に第1特典(開閉実行モード等)を付与するか否かの判定を行う判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて第1演出を開始させ、前記判定手段による判定の結果に対応する報知結果として前記第1演出を終了させることを前記第1演出(例えば遊技回)の1回とし、前記第1演出が行われる期間を設定することが可能な第1設定手段(主制御装置81によるステップS5302〜S5305の処理を実行する機能)と、
前記第1設定手段により設定された期間に亘って前記第1演出が行われるようにする第1演出実行手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定に基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記情報取得手段により取得された所定の判定用情報について、当該所定の判定用情報が前記判定手段による判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて判定を行う先判定手段(主制御装置81による保留コマンドの設定処理を実行する機能)と、
前記先判定手段による判定の結果に基づいて、前記第1演出の期間を設定することが可能な第2設定手段(主制御装置81による保留予告実行時の変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機」。
特徴M2.前記第2設定手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記所定の付与判定用情報よりも先に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報に係る前記第1演出の動作期間について、前記特定する処理の結果に基づいて前記動作期間を設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴M1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段にて特定する処理が行われると、その特定する処理の対象となった付与判定用情報よりも先に付与判定の対象となる付与判定用情報についての第1演出の動作期間も設定することが可能となる。このようにすることで、例えば、特定する処理の対象となった付与判定用情報に係る第1演出だけでなく、それよりも先に行われる第1演出の動作期間を用いた演出を、当該特定する処理の対象となった第1演出の開始前から行うことが可能となる。よって、演出の多様化を図ることができ、遊技への注目度を好適に高めることができる。
なお、上記特徴M2は、「付与判定用情報」を「判定用情報」と、「先特定手段」を「先判定手段」と、「動作期間」を「期間」と、それぞれ読み替えたうえで、以下のように表現することも可能である。
「前記第2設定手段は、前記先判定手段による判定の対象となった前記所定の判定用情報よりも先に前記判定の対象となる前記判定用情報に係る前記第1演出の期間について、前記先判定手段による判定結果に基づいて設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴M1に記載の遊技機」。
特徴M3.前記第1演出実行手段は、前記第1設定手段又は前記第2設定手段により設定された動作期間を、今回の第1演出の動作期間として選択する処理を行うことが可能な選択手段(主制御装置81によるステップS5301の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴M1又は特徴M2に記載の遊技機。
上記構成によれば、選択手段を備えることで、先特定手段による特定する処理が行われず、又は特定する処理の結果が第2設定手段による設定が行われないものに対応する結果であった場合など、第2設定手段による設定が行われない場合であっても、第1設定手段により設定された動作期間を選択すればよくなり、第1演出を行う場合に動作期間が設定されないといった不都合が生じない。
特徴M4.前記選択手段は、少なくとも前記第1演出の開始時までに前記選択する処理を行うことが可能な構成であることを特徴とする特徴M3に記載の遊技機。
上記構成によれば、少なくとも第1演出の開始時までには動作期間が設定され得るため、開始後に設定される構成と比較して処理構成の簡素化を図ることができる。
ここで、第1演出では、付与判定の結果に応じた演出が繰り広げられるところ、演出の多様化を図るうえで、第1演出の開始時には様々な演出内容の設定が行われ得る。そのため、第1演出の開始時は、遊技機の制御上、処理負荷が極端に増加し得るものと考えられる。そして、例えば、動作期間が長ければそれに応じて長い演出が繰り広げられるように演出内容を設定するであろうし、動作期間が短ければそれに応じて短い演出となるように演出内容を設定するものと考えられる。すなわち、演出内容を設定する上で、第1演出の動作期間の設定が重要な要素となっており、その動作期間が定まっていなければ、その演出内容の設定が行えない、又は行うことが困難となり得る。そこで、上記のように、付与判定用情報の取得時に動作期間が定まり得る構成とすれば、第1演出の開始時にはその動作期間に応じて演出内容の設定を行えばよくなり、処理負荷の増加を大幅に軽減することが可能となる。
特徴M5.前記情報取得手段によって前記付与判定用情報が取得された段階で当該付与判定用情報に係る前記第1演出の動作期間が定まり得る特別付与判定用情報(リーチ発生に対応するリーチ乱数カウンタC3)が設定されており、
前記選択手段は、前記特別付与判定用情報に基づく前記動作期間を選択することが可能な構成であることを特徴とする特徴M3又は特徴M4に記載の遊技機。
上記構成によれば、動作期間を選択する処理を行う上で、第1,第2設定手段により設定された動作期間だけでなく、付与判定用情報の取得時に動作期間が定まり得る特別付与判定用情報に基づく動作期間も選択の対象となり得る。このようにすることで、動作期間を多様なものとすることが可能となるだけでなく、付与判定用情報の取得時に動作期間を設定する構成にも特徴M1の発明を適用することが可能となる。
特徴M6.予め定められた複数の動作期間の情報群が記憶された期間情報記憶手段(変動表示時間テーブル)を備え、
前記動作期間設定手段は、前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報に基づいて、前記期間情報記憶手段に記憶された動作期間の情報群を選択して今回の第1演出に係る動作期間を設定する構成であり、
前記第1設定手段により前記動作期間の設定が行われる場合と、前記第2設定手段により前記動作期間の設定が行われる場合と、で、選択される前記動作期間の情報群が異なる構成であることを特徴とする特徴M1乃至M5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1設定手段により動作期間の設定が行われる場合と、第2設定手段により動作期間の設定が行われる場合と、で、利用する動作期間の情報群を異ならせればよく、付与判定用情報については変更する必要が生じない。そのため、例えば、取得時と判定時とで、付与判定用情報が異なる、といった事象が発生しない。仮にそのような事象が発生すると、付与判定用情報が書き換えられることによる遊技の不公平性が高まるものと考えられる。また、仮にそのような事象を許容したとしても、遊技機として正常な処理によって付与判定用情報が異なるものとしたのか、それともノイズや何らかの不正行為によって付与判定用情報が異なるものとなったのか、を判断する必要が生じ、処理構成の複雑化が懸念される。そのため、付与判定用情報の変更を必要としない範囲で、動作期間の変更が可能なように、上記構成のようにすることで、遊技の公平性が担保されるし、処理構成の簡素化も図ることが可能となる。
特徴M7.前記第2設定手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の結果に基づいて前記動作期間の設定に利用される特定期間(設定期間)を設定する特定期間設定手段(主制御装置81によるステップS4910の処理を実行する機能)を備え、当該特定期間設定手段により設定された前記特定期間の範囲内で、前記第1演出の動作期間を設定するものであることを特徴とする特徴M1乃至M6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段による特定する処理の結果に基づいて特定期間が設定され、その特定期間の範囲内で各第1演出の動作期間が収まるように動作期間が設定される。このようにすることで、例えば特定期間に応じた演出を設定した場合に、その演出の実行期間と、第1演出の動作期間と、をリンクさせることが可能となる。以上の結果、第1演出の動作期間を用いて、演出の多様化を図り、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴M8.前記第2設定手段は、
前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記所定の付与判定用情報よりも先に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報に係る前記第1演出の動作期間について、前記特定する処理の結果に基づいて前記動作期間を設定することが可能な構成であり、
さらに、前記特定期間設定手段により設定された前記特定期間の範囲内で、前記特定する処理の対象となった前記所定の付与判定用情報よりも先に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報に係る前記第1演出の動作期間を設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴M7に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段による特定する処理の対象となった所定の付与判定用情報よりも先に付与判定の対象となる付与判定用情報に係る第1演出の動作期間と、特定期間と、を関連付けることが可能となる。その結果、上記特徴M7に記載したように、特定期間に応じた演出を設定する場合、この演出と関連付けることが可能となる。
特徴M9.前記第2設定手段は、前記特定する処理の対象となった前記所定の付与判定用情報よりも先に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報が複数存在する場合に、当該複数の前記付与判定用情報に係る前記第1演出の動作期間の合計が前記特定期間の範囲内となるように各付与判定用情報に係る前記第1演出の動作期間を設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴M8に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段による特定する処理の対象となった所定の付与判定用情報よりも先に付与判定の対象となる付与判定用情報が複数存在する場合には、それら複数の付与判定用情報に係る第1演出の動作期間の合計と、特定期間と、をリンクさせることができる。その結果、例えば、これら複数の付与判定用情報に係る第1演出の動作期間とリンクさせた演出を行うことが可能となり、演出の多様化を図ることができる。
特徴M10.前記付与判定手段は、前記情報取得手段により取得された第1の付与判定用情報について、当該第1の付与判定用情報よりも後に取得された第2の付与判定用情報についての付与判定を、前記第1の付与判定用情報についての付与判定よりも先に行うことが可能な先判定手段(主制御装置81によるステップS3801〜S3811の処理を実行する機能)を備え、
前記第2設定手段は、前記先判定手段により前記後に取得された第2の付与判定用情報も含めて、前記特定期間の範囲内で前記動作期間を設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴M8又は特徴M9に記載の遊技機。
上記構成によれば、後から取得されたものの先に付与判定の対象となる第2の付与判定用情報についての第1演出の動作期間も、特定期間の範囲内となるように設定される。このようにすれば、先特定手段による特定する処理が行われた後に、第2の付与判定用情報が取得された場合であっても、その第2の付与判定用情報についての第1演出の動作期間と特定期間とをリンクさせることが可能となる。
特徴M11.前記第2設定手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記所定の付与判定用情報に係る前記第1演出の動作期間を含めて、前記特定期間の範囲内となるように各付与判定用情報に係る前記第1演出の動作期間を設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴M7乃至M10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定する処理の対象となった所定の付与判定用情報に係る第1演出の動作期間と、それよりも前に付与判定の対象となる付与判定用情報に係る第1演出の動作期間と、が特定期間の範囲内となるように設定される。このようにすることで、特定する処理の対象となった付与判定用情報に係る第1演出が終了するまでの期間を、特定期間とリンクさせることが可能となり、当該特定期間を利用した演出を行うなど、演出の多様化を図ることができる。
特徴M12.前記第2設定手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の結果に基づいて、前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報のうち前記第1設定手段により動作期間の設定に利用される第1動作期間用情報(変動種別カウンタCS)を、前記特定する処理の結果に対応する第2動作期間用情報(特別変動種別カウンタ)として、当該第2動作期間用情報を前記第1動作期間用情報が記憶される領域とは異なる領域(特別保留用記憶エリア)に記憶することが可能な構成であることを特徴とする特徴M1乃至M11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段による特定する処理の結果に基づいて、付与判定用情報のうちの第1動作期間用情報を第2動作期間用情報として第1動作期間用情報とは異なる領域に記憶する。このようにすれば、第1動作期間用情報そのものは、もともとの記憶領域に記憶保持したままで済み、当該第1動作期間用情報を変更する必要が生じない。そのため、例えば、取得時と判定時とで、付与判定用情報のうちの第1動作期間用情報が異なる、といった事象が発生しない。仮にそのような事象が発生すると、付与判定用情報のうちの情報の一部が書き換えられることによる遊技の不公平性が高まるものと考えられる。また、仮にそのような事象を許容したとしても、遊技機として正常な処理によって付与判定用情報のうちの一部(第1動作期間用情報)が異なるものとしたのか、それともノイズや何らかの不正行為によって付与判定用情報のうちの一部(第1動作期間用情報)が異なるものとなったのか、を判断する必要が生じ、処理構成の複雑化が懸念される。そのため、付与判定用情報の変更を必要としない範囲で、動作期間の変更が可能なように、上記構成のようにすることで、遊技の公平性が担保されるし、処理構成の簡素化も図ることが可能となる。
特徴M13.前記第1演出が行われる前記動作期間として、相対的に長短となるように長動作期間(例えばスーパーリーチA〜Cに対応する変動表示時間)と短動作期間(例えば、特別遊技回に対応する変動表示時間)とが設定されており、
前記第2設定手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報よりも前に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報に係る前記第1演出の動作期間を前記長動作期間となり易くなるように設定することが可能な長期間設定手段(主制御装置81において、特別遊技回実行時の変動表示時間の設定処理における保留個数カウンタHK≧2である状況で変動表示時間を設定する機能)を備えていることを特徴とする特徴M1乃至M12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段による特定対象となった付与判定用情報よりも前に消化される付与判定用情報に係る第1演出は長い動作期間となり易い。第1演出について動作期間が長いほど、その期間を思う存分使用して演出を派手に行うことが可能となるところ、先特定手段による特定対象となった付与判定用情報よりも前に消化される付与判定用情報に係る第1演出を長い動作期間とすれば、当該特定対象となった側ではなく、それよりも前に消化される側の演出を派手に行い易くなり、当該前に消化される側の注目度を高めることが可能となる。そして、当該前に消化される側の注目度を高めるだけでなく、その後(すなわち、特定対象となった付与判定用情報に係る第1演出)に、第1特典が付与されるのでは、と予測しながら当該前に消化される側の第1演出を楽しませることができ、第1演出の間延び感を低減することが可能となる。
なお、上記特徴M13は、「先特定手段」を「先判定手段」と、「付与判定用情報」を「判定用情報」と、それぞれ読み替えたうえで、以下のように表現することも可能である。この場合、特徴M群の各構成を本構成に適用するのであれば、「長動作期間」を「長期間」と、「短動作期間」を「短期間」と、それぞれ読み替えて適用するとよい。
「前記第1演出が行われる前記期間として、相対的に長短となるように長期間(例えばスーパーリーチA〜Cに対応する変動表示時間)と短期間(例えば、特別遊技回に対応する変動表示時間)とが設定されており、
前記第2設定手段は、前記先判定手段による判定の対象となった前記判定用情報よりも先に前記判定の対象となる前記判定用情報に係る前記第1演出の期間を前記長期間となり易くなるように設定することが可能な長期間設定手段(主制御装置81において、特別遊技回実行時の変動表示時間の設定処理における保留個数カウンタHK≧2である状況で変動表示時間を設定する機能)を備えていることを特徴とする特徴M1乃至M12のいずれか1に記載の遊技機」。
特徴M14.前記第2設定手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報に係る前記第1演出の動作期間を前記短動作期間となり易くなるように設定することが可能な短期間設定手段(主制御装置81において、特別遊技回実行時の変動表示時間の設定処理における保留個数カウンタHK=1である状況で変動表示時間を設定する機能)を備えていることを特徴とする特徴M13に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段により特定対象となった付与判定用情報よりも前に消化される第1演出については長い動作期間となり(M13)、且つ当該特定対象となった側の第1演出については短い動作期間となり易い。そのため、当該前に消化される側の第1演出について、長く(派手に)第1演出を行った後、更に当該特定対象となった側の第1演出が長い第1演出となりにくくなる。長く派手な第1演出を行えば行うほど、その第1演出に対する注目度は高まる一方、それが仮に外れ結果(第1特典の付与の対象ではない結果)であった場合には、遊技者の落胆度合も大きくなる。その点、続く第1演出において、同じように長く派手な演出を行ってしまうと、仮にそれが当たり結果(第1特典の付与の対象となる結果)であったとしても、当該長く派手な演出が連続する分、どうせ外れるのであろう、と予感させてしまい、当該第1演出を増長なものと感じさせかねない。そもそも、先特定手段による特定対象となった付与判定情報に係る第1演出こそ注目させたいのであるから、上記のような不都合の発生は好ましくない。そこで、上記構成のように、長く派手な第1演出の後、特定対象となった第1演出については短い第1演出となり易くすることで、上記不都合の発生を回避することが可能となる。
特徴M15.前記長期間設定手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報の1つ前に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報に係る前記第1演出の前記動作期間を、前記長動作期間となり易く設定するものであることを特徴とする特徴M13又は特徴M14に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定対象となったものの第1演出の1つ前の第1演出が、長い動作期間となり易い。このようにすれば、最も注目させたい特定対象となった第1演出の1つ前の第1演出を派手に行うことが可能となる。そして、例えば、特徴M14の構成と組み合わせると、最も注目させたい特定対象の第1演出の1つ前を派手に行った後、当該特定対象の第1演出を地味に行う、といった斬新な演出とすることが可能となる。例えば、先特定手段による特定結果が第1特典を付与することに対応する結果(当たり)であった場合であれば、当該結果となる1つ前については、大いに派手な演出を行うとともに、第1特典を付与することに対応しない結果(外れ)を報知し、その後、短い動作期間の第1演出にて第1特典を付与することに対応する結果を地味に報知することとすれば、遊技者としては、がっかりしている間もなく当たりとなった、という驚きを感じることとなり、斬新な演出とすることが可能となる。
なお、上記構成において「長動作期間」として動作期間の長さが異なる複数のものが設定されていることを前提とし、「前記付与判定用情報の1つ前に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報に係る前記第1演出の前記動作期間を、前記長動作期間となり易く」を、「前記付与判定用情報の1つ前に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報に係る前記第1演出の前記動作期間を、最も長い前記長動作期間となり易く」する構成としてもよい。このようにすれば、上記優れた効果をより一層好適に奏することが可能となる。
特徴M16.前記第2設定手段による前記動作期間の設定が行われた場合、前記第1演出実行手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報の1つ前に前記付与判定の対象となった前記付与判定用情報に係る前記第1演出における前記第1演出用動作の前記報知結果を用いて、前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報に係る前記第1演出の前記第1演出用動作を実行することが可能な特定第1演出実行手段(演出制御装置82における特別遊技回時の変動表示時制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴M13乃至M15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段の特定対象となった第1演出の前の第1演出においては、大いに派手な演出を行う一方で、当該特定対象となった第1演出については地味に行いたいところ、当該特定対象となった第1演出の1つ前の第1演出における報知結果を利用して第1演出を行えば、当該特定対象となった第1演出についてさほど演出を派手にする必要が生じず好ましい。このようにすれば、派手な演出後に、ひっそりと地味な演出によって先特定手段の特定結果を報知する、といった斬新な演出を実現することが可能となる。
特徴M17.前記所定の報知手段は、複数の絵柄を変動表示させることが可能な表示手段であり、
前記第1演出実行手段は、前記第1演出用動作として、前記複数の絵柄の変動表示を開始させ、当該各絵柄を停止表示させて前記付与判定手段による判定結果を報知するように前記表示手段を制御するものであり、
前記特定第1演出実行手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報の1つ前に前記付与判定の対象となった前記付与判定用情報に係る前記第1演出における前記第1演出用動作の前記報知結果として停止表示させた前記各絵柄のうちの一部の絵柄を利用して、前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報に係る前記第1演出の前記第1演出用動作を実行することが可能な構成であることを特徴とする特徴M16に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1演出として複数の絵柄の変動表示が表示手段にて行われ、当該複数の絵柄の停止結果によって付与判定手段による付与判定の結果が報知される構成において、先特定手段による特定対象となった第1演出では、その1つ前の第1演出における停止絵柄のうちの一部の絵柄が利用されて第1演出用動作が行われる。つまり、その他の絵柄については変動表示させないため、所謂再変動演出のようにすることができる。それも、一般的な再変動演出では、一の第1演出中の演出として停止→再変動を行う構成であるところ、本構成のようにすれば、複数の第1演出を跨いで再変動演出を実現することが可能となり、斬新な演出を提供することができる。
特徴M18.前記第1演出用動作の動作態様として、前記複数の絵柄のうちの一部の絵柄を停止させるとともに残りの絵柄を変動表示させて前記第1特典が付与されることに対応する特定の絵柄組合せが停止し得ることを示唆するリーチ動作態様が含まれており、
前記特定第1演出実行手段は、前記1つ前に前記付与判定の対象となった前記付与判定用情報に係る前記第1演出の前記第1演出用動作として前記リーチ動作態様を前記残りの絵柄を前記特定の絵柄組合せとならないように停止させて終了し、前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報に係る前記第1演出の前記第1演出用動作として、前記残りの絵柄を変動表示させることが可能な構成であることを特徴とする特徴M17に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特典を付与しないことに対応する(外れの)リーチ動作態様後において、所謂再変動演出を好適に実現することが可能となる。
特徴M19.前記先特定手段による前記特定する処理の結果が所定の結果であったことに基づいて、前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングで、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて当該特定する処理の結果に対応する特別報知を実行する特別報知実行手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知実行手段による前記特別報知の報知態様として、前記所定の付与判定用情報が前記付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果が前記第1特典を付与することに対応する結果となる期待度が、相対的に高低となる高期待度態様と低期待度態様とが設定されており、
前記特別報知実行手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報についての前記特別報知の報知態様として前記低期待度態様の報知態様を選択することが可能な第1選択手段(演出制御装置82によるステップS6003、S6004にて低期待度側の保留用画像を選択する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴M13乃至M18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定対象となった付与判定用情報の前に付与判定の対象となる付与判定用情報については第1演出が長い動作期間で行われ、その後の付与判定用情報についての特別報知は低期待度態様となる。これにより、より一層、特定対象となった付与判定用情報よりも前側の演出に期待を寄せさせる(換言すると、特定対象となった付与判定用情報には期待を寄せさせない、集中させない)ことが可能となり、遊技者の関心を当該前側の演出に集中させることができる。よって、特定対象となった側の付与判定用情報についての演出を行うことによる効果(驚き等)をより高めることが可能となる。
なお、上記特徴M19は、「先特定手段」を「先判定手段」と、「付与判定手段」を「判定手段」と、「付与判定用情報」を「判定用情報」と、それぞれ読み替えたうえで、以下のように表現することも可能である。
「前記先判定手段による判定結果に対応する特別報知が、当該先判定手段による判定対象となった前記所定の判定用情報が前記判定手段による判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行されるようにする特別報知実行手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知実行手段による前記特別報知の報知態様として、前記所定の判定用情報が前記判定手段による判定の対象となった場合の当該判定の結果が前記第1特典を付与することに対応する結果となる期待度が、相対的に高低となる高期待度態様と低期待度態様とが設定されており、
前記特別報知実行手段は、前記先判定手段による判定の対象となった前記判定用情報についての前記特別報知の報知態様として、前記低期待度態様の報知態様を選択し易い第1選択手段(演出制御装置82によるステップS6003、S6004にて低期待度側の保留用画像を選択する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴M13乃至M18のいずれか1に記載の遊技機」。
特徴M20.前記特別報知実行手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報の1つ前に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報についての前記特別報知の報知態様として前記高期待度態様の報知態様を選択することが可能な第2選択手段(演出制御装置82によるステップS6003、S6004にて高期待度側の保留用画像を選択する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴M19に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定対象となった付与判定用情報の1つ前に付与判定の対象となる付与判定用情報については、第1演出が長い動作期間で行われるだけでなく、高期待度態様となる特別報知が行われる。このようにすれば、より一層、当該1つ前の第1演出に注目させることが可能となる。換言すると、特定対象となった側への関心を薄れさせることが可能となる。よって、特定対象となった側の付与判定用情報についての演出を行うことによる効果(驚き等)をより高めることが可能となる。
なお、上記特徴M20は、「先特定手段」を「先判定手段」と、「付与判定手段」を「判定手段」と、「付与判定用情報」を「判定用情報」と、それぞれ読み替えたうえで、以下のように表現することも可能である。
「前記特別報知実行手段は、前記先判定手段による判定の対象となった前記判定用情報の1つ前に前記判定の対象となる前記判定用情報についての前記特別報知の報知態様として、前記高期待度態様の報知態様を選択し易い第2選択手段(演出制御装置82によるステップS6003、S6004にて高期待度側の保留用画像を選択する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴M19に記載の遊技機」。
特徴M21.前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて、第2演出を実行可能な第2演出実行手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記第2演出が行われる期間の長さ次第で成立確率が異なり得る特別条件を設定する条件設定手段(演出制御装置82による特別保留予告設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2設定手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の結果と、前記特別条件とに基づいて、前記第1演出の動作期間を設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴M1乃至M20のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の報知手段等において、第1演出ではなく、第2演出が行われる場合があり、この第2演出が行われる期間の長さ次第で成立確率が異なる得る特別条件が設定されている。そして、第2設定手段は、先特定手段による特定結果だけでなく、特別条件についても考慮して、第1演出の動作期間を設定する。このようにすれば、一見、何ら関係のないように見える第1演出と第2演出とを関連付けることが可能となるだけでなく、先に実行中の演出における特別条件(第2演出の長さ)によってその後の第1演出の長さを決定する、という斬新な遊技機とすることができる。
特徴M22.前記第2設定手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の結果が所定の結果であったことに基づいて、実行中の前記第2演出における前記特別条件が成立するように、当該第2設定手段の設定対象となっている前記第1演出の動作期間を設定することが可能であることを特徴とする特徴M21に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出を実行中に取得条件が成立して付与判定用情報が取得されて、当該付与判定用情報についての情報が先特定手段により特定され、その結果が所定の結果(例えば、第1特典を付与することに対応する結果)であった場合、上記実行中の第2演出についての特別条件が成立するように、取得された付与判定用情報に関する第1演出の動作期間が設定される場合がある。例えば、第2演出が行われている状況で第1演出との関係で当該第2演出についての特別条件が成立しないであろうことを遊技者が途中で察知してしまうと、第2演出への注目度は大きく低下する。そこで、本構成のように、実行中の第2演出についての特別条件が成立するように第1演出の動作期間を設定可能であると、第2演出への注目度を好適に高めることができる。
この場合、例えば、先特定手段による特定する処理の結果が、「第1特典を付与することに対応する結果」であったことに基づいて、上記のように第2演出側の特別条件が成立するようにすると、第2演出において特別条件が成立することを、第1演出において第1特典が付与されることが報知されることと明確に関連付けることができる。したがって、第1演出と第2演出とをより関連付けて行うことができ、両演出いずれへの注目度も好適に高めることができる。
特徴M23.前記第2設定手段は、前記情報記憶手段により記憶されている前記付与判定用情報の数が特定数であることに基づいて、実行中の前記第2演出における前記特別条件が成立するように、当該第2設定手段の設定対象となっている前記第1演出の動作期間を設定することが可能であることを特徴とする特徴M21又は特徴M22に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2演出を実行中に取得条件が成立して、付与判定用情報が取得された結果、付与判定用情報の数が特定数であることに基づいて、実行中の第2演出についての特別条件が成立するように、取得された付与判定用情報に関する第1演出の動作期間が設定される場合がある。第2演出の特別条件は、第1演出が行われる期間の長さ次第で成立確率が異なり得るものであるため、第1演出の契機となる付与判定用情報の数は、特別条件の成否に直結しているものと考えられる。そして、例えば、この記憶されている付与判定用情報の数が報知される構成を有していると、遊技者は、報知された付与判定用情報の数に基づいて実行中の特別条件の成否を容易に予測することが可能である。そうすると、記憶されている付与判定用情報の数が少なくて、特別条件が成立し得ないであろう、と予測されてしまうと、第2演出への関心が大きく低下してしまう。そこで、記憶されている付与判定用情報の数が特定数である場合には第2演出の特別条件が成立するように、第1演出の動作期間が設定されるようにすれば、特別条件が成立しないであろう、と予測している遊技者にとっては予想外の結果となり、興趣向上につながるし、それにより、付与判定用情報の数が少なくてもまだ特別条件が成立するチャンスがあると期待感を維持させることが可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
なお、付与判定用情報の数が特定数であるタイミングとして、例えば、「前記情報取得手段により前記付与判定用情報が取得されたタイミングにおいて前記取得情報記憶されている前記付与判定用情報の数が特定数であることに基づいて」と記載してもよい。
また、「特定数」として、例えば「1個」と限定すると、情報取得手段によって付与判定用情報が取得される以前においては特定数が0個となる。このような状況では、後続の付与判定用情報が取得されなければ、実行中の第1演出のみが第2演出の特別条件の成否に関与するものとなってしまう。そして、遊技に慣れた遊技者にとっては、第1演出の長さを、演出パターンからある程度把握可能であると考えられ、そうすると、当該実行中の第1演出の終了を待たずに第2演出側の特別条件の成否をより明確に予測可能であると考えられる。その結果、上記のような第2演出側への注目度の低下は、より一層容易に発生し易くなると考えられる。その点、上記構成のようにするメリットはより大きくなる。
特徴M24.前記第2設定手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記所定の付与判定用情報よりも後に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報に基づいて、前記所定の付与判定用情報についての前記第1演出の動作期間を設定することが可能な後設定手段(第13の実施形態における特別遊技回実行時の変動表示時間の設定処理を行う機能)を備えていることを特徴とする特徴M1乃至M23のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の付与判定用情報に係る第1演出について、後続の第1演出と関連性を持たせて動作期間を設定することができる。所定の付与判定用情報よりも先に実行される/された第1演出の内容(演出パターンや動作期間)に合わせて、当該所定の付与判定用情報の動作期間を設定すれば、上記先に実行される/された第1演出との連続性を有する第1演出とすることができ、遊技者の関心を持続させることが可能と考えられる。一方で、例えば、上記連続性を有する演出として、付与判定用情報の取得タイミング等との関係から、どの第1演出までが連続性を有するものか、を遊技者がある程度把握可能である状況において、連続性を有する第1演出を新たに取得した付与判定用情報についての第1演出で更に連続させてしまうと、当該更に連続させた第1演出が所謂ガセの連続演出であることを容易に識別されてしまいかねず、注目度の極端な低下を招きかねない。その点、後続の付与判定用情報に基づいて所定の付与判定用情報に係る第1演出の動作期間を設定可能としておけば、未だ実施されておらず、後続の付与判定用情報の連続演出の前演出として、当該所定の付与判定用情報に係る第1演出を利用することができ、当該後続の付与判定用情報についての第1演出をより一層盛り上げることができる。よって、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴M25.前記付与判定手段は、前記情報取得手段により取得された一の付与判定用情報についての前記付与判定を、当該一の付与判定用情報よりも先に取得された他の付与判定用情報についての前記付与判定よりも優先して行う優先手段(第7の実施形態における主制御装置81によるデータ設定処理を実行する機能)を備え、
前記後設定手段は、前記優先手段による判定対象となる前記付与判定用情報に係る前記第1演出の前記動作期間を、前記先に取得された他の付与判定用情報に基づいて設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴M24に記載の遊技機。
上記構成によれば、優先手段を有することによって特徴M24の事象がより発生し易くなる。このような構成において、優先して先に付与判定が行われる付与判定用情報に係る第1演出を、後回しにされる側の付与判定用情報に係る第1演出と関連付けて実行することができ、特徴M24の効果をより好適に奏することができる。
なお、上記特徴M25は、「付与判定手段」を「判定手段」と、「付与判定用情報」を「判定用情報」と、「動作期間」を「期間」と、それぞれ読み替えたうえで、以下のように表現することが可能である。
「前記判定手段は、前記情報取得手段により取得された一の判定用情報についての前記判定を、当該一の判定用情報よりも先に取得された他の判定用情報についての前記判定よりも優先して行う優先手段を備え、
前記優先手段により優先される前記判定用情報に係る前記第1演出の期間を、前記先に取得された他の判定用情報に基づいて設定することが可能であることを特徴とする特徴M1乃至M24のいずれか1に記載の遊技機」。
特徴M26.前記後設定手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記所定の付与判定用情報よりも後に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報の種類に関わらず、前記所定の付与判定用情報についての前記第1演出の動作期間を設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴M24又は特徴M25に記載の遊技機。
上記構成によれば、後に付与判定の対象となる付与判定用情報の種類に関わらず、同じ処理構成を利用して後設定を行うことが可能となる。よって、より簡素な構成で特徴M24や特徴M25の効果を奏することができる。
特徴M27.前記付与判定の結果として、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる有利結果(確変大当たり結果)と不利結果(通常大当たり結果)とが含まれており、
前記特定第1演出実行手段は、前記先特定手段による前記特定する対象となった前記付与判定用情報についての前記付与判定の結果が前記有利結果であっても、前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報の前に前記付与判定の対象となった前記付与判定用情報に係る前記第1演出、又は前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報に係る前記第1演出として、前記不利結果となり得ることを報知する演出を実行することが可能な構成であって、その後、前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報の結果を報知することが可能な構成であることを特徴とする特徴M1乃至M26のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先の第1演出によって付与判定の結果が察知されることによる注目度の低下を回避することができる。すなわち、先の第1演出が遊技者にとって好ましくないこと(不利結果)となり易い演出であると、遊技者の注目度は高められにくい。その一方で、仮に遊技者にとって好ましくない結果が報知されたとしても、その後に好ましい側の結果が報知される余地を残せば、早々に結果が予測されてしまって注目度が低下してしまうことを回避することができる。
特徴M28.前記情報記憶手段により前記付与判定用情報が記憶されていない状況で実行される特定演出(デモ画面等)が設定されており、
前記第1演出実行手段は、前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報に係る前記第1演出と、当該特定する処理の対象となった前記付与判定用情報の1つ前に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報に係る前記第1演出と、の間に、前記特定演出を実行可能な構成であることを特徴とする特徴M1乃至M27のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段による特定する処理の対象となった第1演出とその前の第1演出との関連性を低くすることができる。すなわち、当該その前の第1演出後に特定演出が発生すると、遊技者としては付与判定用情報がもうないものだと判断し得る。その後に先特定手段による特定する処理の対象となった第1演出を行えば、当該対象となった第1演出をより際立たせた演出とすることができる。
特に特徴M16乃至M18のように、前の第1演出の報知結果を利用する構成に、本構成を適用すれば、上記のように一旦途切れたかのような演出が、再度関連性を有するように報知されることとなり、遊技者に対して驚きを提供することが可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴M29.前記付与判定の結果を示唆する演出として、第1期待度示唆演出(保留用画像)とそれよりも後に発生する第2期待度示唆演出(チャンス演出)とが設定されており、
前記第1期待度示唆演出には、前記付与判定の結果が前記第1特典を付与することに対応する結果である期待度が相対的に高低となるように第1高期待度示唆演出及び第1低期待度示唆演出が含まれており、
前記第2期待度示唆演出には、前記付与判定の結果が前記第1特典を付与することに対応する結果である期待度が相対的に高低となるように第2高期待度示唆演出及び第2低期待度示唆演出が含まれており、
前記先特定手段による前記特定する処理の対象となった前記付与判定用情報の1つ前に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報に係る前記第1演出を対象として、前記第1高期待度示唆演出と前記第2低期待度示唆演出とを実行することが可能であることを特徴とする特徴M1乃至M28のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段による特定する処理の対処となった第1演出の前の第1演出を対象として、期待度が高い演出(第1高期待度示唆演出)が行われた後、期待度が低い演出(第2低期待度示唆演出)が行われる。一般的には、期待度が順番に高くなる(ステップアップ演出)ような演出設計が行われるところ、本構成のようにすることで、遊技者の注目度は大きく低下し得る。ところが、本遊技機において本質的に注目させるべきは先特定手段の特定対象となった第1演出であり、その1つ前の第1演出の注目度が低下すればするほど、その次の第1演出にて行う演出が際立つものと考えられる。特に、上記1つ前の第1演出は、第1高期待度示唆演出によって一旦注目度が高められている状態であり、期待→落胆といった感情の起伏が生じた状態で、本来の特定対象となった第1演出に望ませることが可能となっている。よって、遊技者の感情の起伏を利用して、ポイントを絞って注目度を好適に高めることができる。
<特徴N群>
特徴N1.所定の取得条件成立に基づいて、付与判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記付与判定用情報を、予め定められた複数の数である所定数(4個)を上限に記憶する情報記憶手段(取得情報記憶手段、保留球格納エリア232)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記付与判定用情報について、遊技者に第1特典(開閉実行モード等)を付与することに対応する付与対応結果であるか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて第1演出用動作を開始させ、当該付与判定の結果に対応する報知結果として当該第1演出用動作を終了させることを第1演出(例えば遊技回)の1回とし、前記第1演出用動作が行われるようにする第1演出設定手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われることに基づいて、前記第1演出用動作が行われる動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記動作期間設定手段により設定された動作期間に亘って前記第1演出用動作が行われるようにする第1演出実行手段(演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が前記付与対応結果であったことに基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記情報取得手段により取得された所定の付与判定用情報についての情報を、当該所定の付与判定用情報が前記付与判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて特定する処理を実行する先特定手段(主制御装置81による保留コマンドの設定処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による前記特定する処理の結果が所定の結果であったことに基づいて、前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて当該特定する処理の結果に対応する特別報知を実行する特別報知実行手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
前記先特定手段は、
前記特定する処理として、前記所定の付与判定用情報が前記付与判定の対象となった場合の判定結果に対応する情報を特定する処理を実行する結果特定手段(演出制御装置82によるステップS6001の処理を実行する機能)と、
前記特定する処理として、前記所定の付与判定用情報が前記付与判定の対象となった場合において前記第1演出が行われる動作期間に対応する情報を特定する処理を実行する期間特定手段(演出制御装置82によるステップS6002の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別報知実行手段による前記特別報知の報知態様として、前記所定の付与判定用情報が前記付与判定の対象となった場合の当該付与判定の結果が前記付与対応結果となる期待度が、相対的に高低となる高期待度態様と低期待度態様とが設定されており、
前記特別報知実行手段により前記特別報知が実行される場合に、当該特別報知の報知態様として前記高期待度態様の報知態様を選択することが可能な第1選択手段(演出制御装置82によるステップS6003、S6004にて高期待度側の保留用画像を選択する処理を実行する機能)と、
前記特別報知実行手段により前記特別報知が実行される場合に、当該特別報知の報知態様として前記低期待度態様の報知態様を選択することが可能な第2選択手段(演出制御装置82によるステップS6003、S6004にて低期待度側の保留用画像を選択する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1選択手段及び前記第2選択手段は、前記結果特定手段による前記特定する処理の結果が前記付与対応結果であり、且つ前記期間特定手段による前記特定する処理の結果が所定期間よりも短いものである場合は、前記低期待度態様の前記特別報知を選択し易いように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、先特定手段による特定する処理の対象となった所定の付与判定用情報について、付与判定の結果が付与対応結果であり、且つ第1演出の動作期間が所定期間よりも短い場合には、特別報知の報知態様が低期待度態様に設定され易くなる。そのため、当該所定の付与判定用情報について、付与判定の対象となるよりも先のタイミングで、その結果が付与対応結果であることを予測することが遊技者にとっては困難となる。
ここで、付与判定の結果に応じた第1演出用動作の第1演出が行われる遊技機においては、遊技者に付与対応結果であることを期待させる演出を動作期間の長さに対応させて設定する構成が一般的と考えられる。具体的には、動作期間が長ければ期待度が高く、動作期間が短ければ期待度が低くなるように演出を設定する。その点、付与判定の結果が付与対応結果であっても、第1演出の動作期間が短いと、その分、演出用の期間を確保すること困難となり、付与対応結果であることを期待させる高期待度の演出(例えばスーパーリーチ)を遊技者に十分に楽しませることができない。その一方で、低期待度の演出であっても、完全に付与対応結果の可能性をなくしてしまうのではなく、付与対応結果である可能性を残すことで、そのような低期待度の演出であっても、遊技者の関心を低下させてしまわないようにすることができる。但し、このような低期待度の演出で付与対応結果となることは、あくまで稀に発生するからこそ、低期待度の演出として位置づけられるとともに、付与対応結果となった場合の驚きを提供することが可能となるものである。
上記のような状況において、付与判定用情報が付与判定の対象となるよりも先のタイミングで実行される特別報知においては、その特別報知の報知態様として付与対応結果である期待度が高い高期待度態様で特別報知が行われれば、遊技者は当該付与判定用情報に係る第1演出において付与対応結果である旨の報知が行われること、すなわち第1特典が付与されることを期待する。そして、高期待度態様で特別報知が行われていれば、遊技者としては、第1演出においても高期待度の演出(例えば上記のようにスーパーリーチ)が発生するものと予測し、その第1演出における高期待度の演出を存分に楽しむことができる。その一方で、高期待度態様で特別報知が行われているの状況で第1演出において低期待度の演出が発生した場合には、低期待度の演出であるのにも関わらずその時点で付与対応結果であるのでは、と遊技者は予測してしまう。そうすると、第1演出において低期待度の演出で付与判対応結果となる驚き、といった効果を抹殺してしまう可能性がある。
そこで、付与対応結果であっても第1演出において低期待度の演出を行うであろう状況、すなわち動作期間が所定期間よりも短い場合には、低期待度態様の特別報知が選択され易くすれば、遊技者に与える驚きの効果を抹殺してしまうことを回避するだけでなく、特別報知が低期待度態様であるからこそ、更に第1演出において低期待度の態様で付与対応結果となった場合の驚きを、より一層高めることが可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
また、上記特徴N1は以下のように表現することも可能である。この場合、以下の特徴N群の各構成を本構成に適用するのであれば、「付与判定用情報」を「判定用情報」と、「付与判定手段」を「判定手段」と、「先特定手段」を「先判定手段」と、「動作期間」を「期間」と、「動作期間設定手段」を「期間設定手段」と、それぞれ読み替えて適用するとよい。また、「予め定められた所定数」を「予め定められた複数の数である所定数」とすると、より「先判定手段」による判定対象を増やすことが可能となり、判定結果に基づく遊技の多様化を図ることができる。
「所定の取得条件成立に基づいて、判定用情報(保留情報)を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記判定用情報を、予め定められた所定数(4個)を上限に記憶する情報記憶手段(取得情報記憶手段、保留球格納エリア232)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記判定用情報について、遊技者に第1特典(開閉実行モード等)を付与することに対応する対応結果であるか否かの判定を行う判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定が行われることに基づいて、所定の報知手段にて第1演出を開始させ、前記判定手段による判定の結果に対応する報知結果として前記第1演出を終了させることを前記第1演出(例えば遊技回)の1回とし、前記第1演出が行われる期間を設定する期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
前記期間設定手段により設定された期間に亘って前記第1演出が行われるようにする第1演出実行手段(主制御装置81による遊技回制御処理を実行する機能、演出制御装置82による変動表示制御処理を実行する機能)と、
前記判定手段による判定が前記対応結果であったことに基づいて、前記第1特典を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記情報取得手段により取得された所定の判定用情報について、当該所定の判定用情報が前記判定手段による判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて判定を行う先判定手段(主制御装置81による保留コマンドの設定処理を実行する機能)と、
前記先判定手段による判定結果に対応する特別報知が、当該先判定手段による判定対象となった前記所定の判定用情報が前記判定手段による判定の対象となるよりも先のタイミングにおいて前記所定の報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行されるようにする特別報知実行手段(演出制御装置82による保留制御用コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
前記先判定手段は、
前記判定として、前記所定の判定用情報が前記判定手段による判定の対象となった場合の判定結果に対応する情報を判定する結果判定手段(演出制御装置82によるステップS6001の処理を実行する機能)と、
前記判定として、前記所定の判定用情報が前記判定手段による判定の対象となった場合において前記第1演出が行われる期間に対応する情報を判定する期間判定手段(演出制御装置82によるステップS6002の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別報知実行手段による前記特別報知の報知態様として、前記所定の判定用情報が前記判定手段による判定の対象となった場合の当該判定の結果が前記対応結果となる期待度が、相対的に高低となる高期待度態様と低期待度態様とが設定されており、
前記特別報知実行手段により前記特別報知が実行される場合に、当該特別報知の報知態様として前記高期待度態様の報知態様を選択することが可能な第1選択手段(演出制御装置82によるステップS6003、S6004にて高期待度側の保留用画像を選択する処理を実行する機能)と、
前記特別報知実行手段により前記特別報知が実行される場合に、当該特別報知の報知態様として前記低期待度態様の報知態様を選択することが可能な第2選択手段(演出制御装置82によるステップS6003、S6004にて低期待度側の保留用画像を選択する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1選択手段及び前記第2選択手段は、前記結果判定手段による判定結果が前記対応結果であり、且つ前記期間判定手段による判定結果が所定期間よりも短いものである場合は、前記低期待度態様の前記特別報知を選択し易いように設定されていることを特徴とする遊技機」。
特徴N2.前記第1選択手段及び前記第2選択手段は、前記特別報知の対象となっている前記所定の付与判定用情報よりも先に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報についての前記期間特定手段による前記特定する処理の結果が所定期間よりも長いものである場合に、当該特別報知の報知態様として前記低期待度態様を選択し易くなるように設定されていることを特徴とする特徴N1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴N1の遊技機において、特別報知の対象となっている所定の付与判定用情報よりも先に付与判定の対象となる付与判定用情報についての動作期間が所定期間よりも長ければ、特別報知の報知態様として低期待度態様を選択し易くなる。すなわち、特別報知の対象となっている所定の付与判定用情報についての第1演出の動作期間が短ければ短いほど、更に、その対象となっている所定の付与判定用情報よりも先に付与判定の対象となる付与判定用情報についての第1演出の動作期間が長ければ長いほど、低期待度態様の特別報知が選択され易くなる。上記のように、第1演出の動作期間が長ければ、高期待度の演出が行われ易いものであり、そうすると、当該先に付与判定の対象となる付与判定用情報についての第1演出では、高期待度の演出が行われ易くなるものと考えられる。そして、当該先に付与判定の対象となる付与判定用情報についての付与判定の結果が付与対応結果であれば、遊技者としては満足するものとなるものの、そうではなく付与対応結果ではなければ、遊技者としては非常にがっかりするものと考えられる。
そのような遊技者が落胆している状況において、その後に付与判定の対象となる(特別報知の対象となっている)付与判定用情報についての第1演出において、低期待度の演出で付与対応結果である旨が報知されるようにすれば、遊技者に与える驚きがより一層高まるものと考えられる。遊技者としては、そもそも、当該特別報知の対象となっている付与判定用情報についての付与判定の結果については、さほど期待を寄せていないはずだからである。以上のようにすることで、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴N3.前記特別報知実行手段は、前記低期待度態様の前記特別報知が選択された場合、それよりも先に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報について、前記高期待度態様となる特別報知が行われるようにすることが可能な別実行手段(演出制御装置82によるステップS6003,S6004において特別遊技回時における外れ保留の保留用画像を選択する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴N1又は特徴N2に記載の遊技機。
上記構成によれば、付与対応結果であるものの動作期間が短く、第1演出として低期待度の演出が行われる可能性の高い所定の付与判定用情報について、事前の期待感を低下させるだけでなく、それよりも前に付与判定の対象となる付与対応情報について、事前の期待感を高めることが可能となる。これにより、低期待度の演出で付与対応結果となったことによる驚きがより一層高まるものと考えられる。
特徴N4.前記別実行手段は、前記所定の付与判定用情報についての前記第1演出の開始よりも先のタイミングで前記高期待度態様の特別報知が終了するように前記特別報知を設定するものであることを特徴とする特徴N3に記載の遊技機。
上記構成によれば、高期待度態様の特別報知についての付与判定用情報への期待感が喪失感に変わってから、その後に、低期待度の演出を経て付与対応結果となるため、遊技者の感情の揺れを意図的に起させることが可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴N5.前記第1演出実行手段は、前記動作期間設定手段により設定された動作期間に基づいて、予め定められた複数の前記第1演出用動作の実行態様から今回の第1演出用動作の実行態様を設定する実行態様設定手段(演出制御装置82による変動開始用処理を実行する機能)を備え、当該実行態様設定手段により設定された実行態様で前記第1演出用動作が行われるようにするものであり、
前記実行態様設定手段は、前記低期待度態様の特別報知が選択されている場合とそうではない場合とで、設定する実行態様を異ならせることが可能な手段(演出制御装置82によるステップS5901〜S5903の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴N1乃至N4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、低期待度態様の特別報知が選択されている場合とそうではない場合とで、第1演出の実行態様を異ならせれば、特別報知といった事前の期待感だけでなく、第1演出といった付与判定の結果そのものの期待感をも調節することができる。このようにすれば、動作期間の短い第1演出にて付与対応結果となった場合の驚きを、より一層高めることができる。
特徴N6.前記実行態様設定手段により設定される前記第1演出用動作の実行態様として、前記付与対応結果となる期待度が相対的に高低となるように高期待度実行態様と低期待度実行態様とが設定されており、前記実行態様設定手段は、前記高期待度実行態様と前記低期待度実行態様とのうちから、前記動作期間設定手段により設定された動作期間に応じて今回の第1演出用動作の実行態様を設定するものであり、
前記低期待度態様の特別報知が選択されている場合は、当該特別報知の対象となっている前記所定の付与判定用情報に係る第1演出用動作の実行態様として、前記低期待度実行態様となる実行態様を設定し易いものであることを特徴とする特徴N5に記載の遊技機。
上記構成によれば、低期待度態様の特別報知が選択されている場合は、当該特別報知の対象となっている第1演出についての実行態様も低期待度実行態様となる実行態様を設定し易くなるため、特別報知といった事前の期待感だけでなく、第1演出といった付与判定の結果そのものを報知する演出に対する期待感についても低くすることで、付与対応結果となる驚きをより一層高めることができる。
特徴N7.前記実行態様設定手段により設定される前記第1演出用動作の実行態様として、前記付与対応結果となる期待度が相対的に高低となるように高期待度実行態様と低期待度実行態様とが設定されており、前記実行態様設定手段は、前記高期待度実行態様と前記低期待度実行態様とのうちから、前記動作期間設定手段により設定された動作期間に応じて今回の第1演出用動作の実行態様を設定するものであり、
前記低期待度態様の特別報知が選択されている場合は、当該特別報知の対象となっている前記所定の付与判定用情報よりも先に前記付与判定の対象となる前記付与判定用情報に係る第1演出用動作の実行態様として、前記高期待度実行態様となる実行態様を設定し易いものであることを特徴とする特徴N5又は特徴N6に記載の遊技機。
上記構成によれば、選択手段により低期待度態様の特別報知が選択されている場合は、当該特別報知の対象となっている所定の付与判定用情報よりも先に付与判定の対象となる付与判定用情報についての第1演出にて高期待度実行態様の第1演出用動作が行われ易くなる。その結果、当該高期待度実行態様に係る第1演出にて外れ結果となることで、遊技者に喪失感を与え、その後に付与対応結果となる驚きの効果をより一層高めることができる。
特徴N8.前記結果特定手段による前記特定する処理の結果が前記付与対応結果であり、且つ前記期間特定手段による前記特定する処理の結果が所定期間よりも短いものである場合であっても、予め定められた特定条件が成立している場合は、前記低期待度態様の前記特別報知が選択されることを制限する制限手段(主制御装置81によるステップS4902,S4903やステップS5610〜ステップS5613の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴N1乃至N7のいずれか1に記載の遊技機。
所定の付与判定用情報が、付与対応結果に対応するものであり、且つ係る第1演出の動作期間が短くても、低期待度態様の特別報知が行われると不都合が生じる場合がある。例えば、付与対応結果が連続して発生するような場合には、当該連続する付与対応結果において後側の付与対応結果にて遊技者にとって不利な状態に移行する場合(例えば抽選モードが高確率モードから低確率モードへ移行する場合)が考えられる。そのため、そのような状況であることを事前に報知しておけば、例えば、取得された付与判定用情報の種類によって付与判定の優先順序が異なるような構成において、優先側の付与判定用情報をなるべく取得させて上記の不利な状態に移行しないようにさせる等の措置を施すことができる。そこで、上記構成のように、特定条件が成立している場合は、低期待度態様の特別報知が選択されることを制限する構成とすれば、上記のような遊技者にとっての不利益の発生を回避することが可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。