JP2021125359A - 線状発光体、発光装置および線状発光体の製造方法 - Google Patents

線状発光体、発光装置および線状発光体の製造方法 Download PDF

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博文 宮田
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【課題】全長が長い場合においても全長に亘って適切に発光可能な線状発光体、当該線状発光体を備える発光装置および線状発光体の製造方法を提供する。【解決手段】線状発光体10は、金属製の第1導電線100と、金属製の芯線部の外側に絶縁層が形成され、第1導電線100に沿って配置された第2導電線200と、少なくとも第2導電線200の外側に配置され、第1導電線100と第2導電線200との間に印加された交流電圧によって発光する発光材と、を備える。たとえば、第2導電線200は、絶縁層の外側に、発光材を含有する発光層が形成され、第1導電線100と第2導電線200とが撚り合わせられている。【選択図】図2

Description

本発明は、発光体を線状に形成してなる線状発光体、当該線状発光体を備える発光装置、および、線状発光体の製造方法に関する。
電界を印加して発光層を発光させる線状発光体が、特許文献1、2に記載されている。これらの線状発光体では、線状導体の外周に、絶縁層、発光層、透明電極が順番に形成されている。
特開平4−334893号公報 特開平7−235375号公報
透明電極は、透過性を維持しつつ導電性を有するように形成されるため、銅等の金属よりも導電性に劣る。このため、上記構成の線状発光体では、その全長が長くなると、透明電極の電気抵抗が大きくなり、発光層の全長に亘って発光に必要な電界を印加することが困難となる。したがって、上記構成の線状発光体は、自ずとその全長が制限され、限られた用途にしか利用できないものであった。
かかる課題に鑑み、本発明は、全長が長い場合においても全長に亘って適切に発光可能な線状発光体、当該線状発光体を備える発光装置、および、線状発光体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、線状発光体に関する。この態様に係る線状発光体は、金属製の第1導電線と、金属製の芯線部の外側に絶縁層が形成され、前記第1導電線に沿って配置された第2導電線と、少なくとも前記第2導電線の外側に配置され、前記第1導電線と前記第2導電線との間に印加された交流電圧によって発光する発光材と、を備える。
本態様に係る線状発光体によれば、第1導電線と、第2導電線の芯線部が、何れも、金属により構成されているため、これら部材の電気抵抗を小さくできる。よって、線状発光体の全長が長くても、発光に必要な交流電圧を発光材に印加でき、線状発光体を全長に亘って適切に発光させることができる。
本態様に係る線状発光体において、前記第2導電線は、前記絶縁層の外側に前記発光材を含有する発光層が形成され、前記第1導電線と前記第2導電線とが撚り合わせられた構成とされ得る。
この構成によれば、第1導電線と第2導電線との間に交流電圧を印加することにより、発光層を発光させることができる。また、第1導電線と第2導電線が撚り合わせられているため、線状発光体の曲げ強度を高くできる。よって、線状発光体を適宜自由な形状に曲げつつ円滑に利用できる。
本態様に係る線状発光体は、複数の前記第2導電線が前記第1導電線に撚り合わせられた構成とされ得る。
このように、第2導電線を複数撚り合わせることにより、発光面積を広げることができ、総発光光量を高めることができる。また、複数の第2導電線の総断面積が広がるため、第2導電線のトータルの抵抗値を低くできる。このため、第2導電線の長さをより長くしても、発光に必要な電界を発光層に印加できる。よって、線状発光体の長さをより一層拡張できる。
この場合、一の前記第2導電線に形成された前記発光層の発光色と、他の前記第2導電線に形成された前記発光層の発光色とが互いに異なっていてもよい。
この構成によれば、1つの線状発光体を複数の色で発光させることができ、線状発光体の面白みを高めることができる。
あるいは、本態様に係る線状発光体は、前記第1導電線と前記第2導電線とが撚り合わせられて構造体が形成され、前記構造体の外周に前記発光材を含有する発光層が形成された構成とされ得る。
この構成によれば、第1導電線と第2導電線との間に交流電圧を印加することにより、発光層を発光させることができる。また、第1導電線と第2導電線が撚り合わせられているため、線状発光体の曲げ強度を高くできる。よって、線状発光体を適宜自由な形状に曲げつつ円滑に利用できる。
本態様に係る線状発光体は、前記第1導電線の断面積と前記第2導電線の断面積が互いに異なるように構成され得る。
この構成によれば、断面積が大きい方の導電線によって、線状発光体の引っ張り強度が高められる。よって、不所望な引っ張り力によって線状発光体が断線することを抑止でき、線状発光体を安定的に利用できる。
この構成において、複数の前記第2導電線が前記第1導電線に撚り合わせられている場合、前記第1導電線の断面積が前記第2導電線の断面積よりも大きいことが好ましい。
この構成によれば、第1導電線により引っ張り強度が高められる。また、第2導電線の断面積が小さいため、第2導電線に形成された発光層の外側の部分と第1導電線との距離を短くできる。このため、発光層の外側の部分に交流電界を適切に印加でき、外側の発光層を円滑かつ安定的に発光させることができる。また、第2導電線が複数あるため、1つの第2導電線の断面積が小さくでも、複数の第2導電線の総断面積を広くでき、第2導電線のトータルの抵抗値を低くできる。このため、線状発光体の長さが長くなっても、発光に必要な電界を発光層に円滑に印加できる。
本態様に係る線状発光体は、前記構造体の外周を保護する透明な保護部材を備えることが好ましい。
この構成によれば、発光層が保護部材によって保護されるため、不所望な外力により発光層の剥離または損傷することを防ぐことができる。よって、線状発光体を長期に亘って安定的に発光させることができる。
あるいは、本態様に係る線状発光体は、前記第1導電線および前記第2導電線を収容する透明なチューブを備え、前記第1導電線および前記第2導電線を収容した前記チューブに前記発光材を含有する液状の発光流体が充填された構成とされ得る。
本態様に係る線状発光体によれば、発光流体が液状であるため、線状発光体が曲げられて用いられた場合に発光層が剥がれ落ちて発光能力が低下するといった不具合が生じることがない。よって、線状発光体を安定的に発光させることができる。
この場合、線状発光体は、前記第1導電線および前記第2導電線の少なくとも一方が複数配置された構成とされ得る。
この構成によれば、チューブの内側面が円形である場合に、第1導電線および第2導電線を束ねた断面積の形状がチューブの内側面の形状に接近し、1導電線および第2導電線とチューブの内側面との距離を一定に近づけやすくなる。よって、線状発光体の周方向における発光ムラを抑制することができる。
この構成において、前記チューブは、所定の作用が付与されることにより内径が収縮し、前記第1導電線および前記第2導電線が収容された前記チューブに前記作用が付与されて、前記チューブの内側面が前記第1導電線および前記第2導電線に近づけられるよう構成され得る。
たとえば、前記チューブは、熱収縮性の材料からなっており、前記第1導電線および前記第2導電線が収容された前記チューブに熱が付与されて、前記チューブの内側面が前記第1導電線および前記第2導電線に近づけられるよう構成され得る。
この構成によれば、所定の作用を付与してチューブを収縮させることにより、第1導電線および第2導電線とチューブの内側面との間の隙間を最小に近づけることができる。このため、チューブ内において第1導電線および第2導電線が径方向に大きく位置ずれすることを抑制でき、結果、第1導電線および第2導電線とチューブの内側面との間の隙間の変化による発光ムラを抑制することができる。
この構成において、線状発光体は、前記チューブに充填される前記発光流体の発光色が、前記チューブの長手方向の途中で切り替えられるよう構成され得る。
この構成によれば、線状発光体から異なる色の光を発光させることができるため、線状発光体の面白みを高めることができる。
また、線状発光体は、前記第1導電線と前記第2導電線が撚り合わされた状態で、前記チューブに収容されているように構成され得る。
この構成によれば、第1導電線と第2導電線が密着に組み合わされて一体化されるため、第1導電線および第2導電線とチューブの内側面との間の相対的な位置関係にばらつきが生じにくくなる。よって、たとえば、上記のようにチューブを熱収縮させることにより、第1導電線および第2導電線とチューブの内側面との間の隙間をより円滑に最小に近づけることができ、隙間の変化による発光ムラをより効果的に抑制することができる。
本態様に係る線状発光体において、前記発光材は、無機エレクトロルミネセンスであることが好ましい。
この構成によれば、第1導電線と第2導電線との間に所定の交流電圧を印加することにより発光材を円滑に発光させることができる。
本発明の第2の態様は、発光装置に関する。この態様に係る発光装置は、上記第1の態様または第2の態様の線状発光体と、前記第1導電線と前記第2導電線との間に交流電圧を印加する回路ユニットと、を備える。
本態様に係る発光装置によれば、上記第1の態様または第2の態様の線状発光体と同様の効果が奏され得る。
本態様に係る発光装置において、複数の前記第2導電線が配置された場合、前記回路ユニットは、前記複数の第2導電線に交流電圧を選択的に印加するためのスイッチ回路を備え得る。
この構成によれば、複数の第2導電線の発光色が異なる場合に、スイッチ回路によって、線状発光体の発光色を制御できる。よって、線状発光体の面白みを高めることができる。
本発明の第3の態様は、線状発光体の製造方法に関する。この態様に係る線状発光体の製造方法は、金属製の第1導電線と、金属製の芯線部、前記芯線部の外側に形成された絶縁層および前記絶縁層の外側に形成され、交流電圧により発光する発光材を含有する発光層を有する第2導電線とを撚り合わせて、前記第1導電線と前記第2導電線とが一体化された構造体を形成する工程を含む。
本態様に係る線状発光体の製造方法によれば、第1導電線と第2導電線とを撚り合わせるといった簡単な工程によって、交流電圧により発光する構造体を形成できる。また、形成された構造体は、撚り線構造であるため、曲げ強度が高い。よって、線状発光体を適宜自由な形状に曲げつつ円滑に利用できる。
本発明の第4の態様は、線状発光体の製造方法に関する。この態様に係る線状発光体の製造方法は、金属製の第1導電線と、金属製の芯線部および前記芯線部の外側に形成された絶縁層を有する第2導電線とを撚り合わせて、構造体を形成する工程と、前記構造体の外周に、交流電圧により発光する発光材を含有する発光層を形成する工程とを含む。
本態様に係る線状発光体の製造方法によれば、第1導電線と第2導電線とを撚り合わせるといった簡単な工程によって構造体を形成でき、形成された構造体の外周に塗布等により発光層を形成することにより、交流電圧により発光する構造体を形成できる。また、形成された構造体は、撚り線構造であるため、曲げ強度が高い。よって、線状発光体を適宜自由な形状に曲げつつ円滑に利用できる。
本発明の第5の態様は、線状発光体の製造方法に関する。この態様に係る線状発光体の製造方法は、金属製の第1導電線と、金属製の芯線部および前記芯線部の外側に形成された絶縁層を有する第2導電線とを、チューブに収容する工程と、交流電圧により発光する発光材を含有する液状の発光流体を前記チューブに充填する工程とを含む。
この態様に係る線状発光体の製造方法によれば、第1導電線と第2導電線をチューブに収容して発光流体をチューブに充填するといった簡単な工程により、線状発光体を形成できる。また、発光流体が液状であるため、線状発光体が曲げられて用いられた場合に発光層が剥がれ落ちて発光能力が低下するといった不具合が生じることがない。よって、線状発光体を安定的に発光させることができる。
第5の態様に係る線状発光体の製造方法において、前記チューブは、所定の作用が付与されることにより内径が収縮するよう構成される。この場合、当該製造方法は、前記第1導電線および前記第2導電線を前記チューブに収容した後、前記作用を前記チューブに付与して、前記チューブの内側面を前記第1導電線および前記第2導電線に近づける工程をさらに含み得る。
この構成によれば、第1導電線および第2導電線を収縮前のチューブに円滑に収容できる。また、その後、チューブに所定の作用を付与することにより、第1導電線および第2導電線とチューブの内側面との間の隙間を最小に近づけることができる。このため、第1導電線および第2導電線とチューブの内側面との間の隙間の変化による発光ムラを抑制することができる。
以上のとおり、本発明によれば、全長が長い場合においても全長に亘って適切に発光可能な線状発光体、当該線状発光体を備える発光装置、および、線状発光体の製造方法を提供できる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
図1(a)は、実施形態1に係る、第1導電線および第2導電線の外観構成を模試的に示す斜視図である。図1(b)は、実施形態1に係る、第2導電線の断面構造を模式的に示す断面図である。図1(c)は、実施形態1に係る、第1導電線の断面構造を模式的に示す断面図である。 図2(a)は、実施形態1に係る、構造体の構成を模式的に示す斜視図である。図2(b)は、実施形態1に係る、線状発光体の構成を模式的に示す斜視図である。 図3(a)、(b)は、実施形態1に係る、構造体の断面構造を示す断面図である。 図4は、実施形態1に係る、発光装置の構成を示す図である。 図5は、実施形態1の変更例1に係る、発光装置の構成を示す図である。 図6(a)〜図6(c)は、それぞれ、実施形態1の変更例2に係る、線状発光体の製造工程を示す斜視図である。 図7(a)、(b)は、それぞれ、実施形態1の変更例2に係る、第1構造体および第2構造体の断面構造を示す断面図である。 図8(a)〜(c)は、それぞれ、実施形態2に係る、線状発光体の製造工程を示す斜視図である。 図9(a)、(b)は、それぞれ、実施形態2に係る、構造体および線状発光体の断面構造を示す断面図である。 図10(a)、(b)は、それぞれ、実施形態2に係る、第2導電線が1つである場合と2つである場合における構造体とチューブの内側面との間の隙間を示す図である。 図11(a)、(b)は、それぞれ、実施形態2に係る、2つの第2導電線を周方向に接触させた場合と2つの第2導電線を周方向に離間させた場合における構造体とチューブの内側面との間の隙間を示す図である。 図12(a)、(b)は、それぞれ、実施形態2の変更例1に係る、線状発光体の製造工程を示す断面図である。 図13(a)、(b)は、それぞれ、実施形態2の変更例2に係る、発光流体の充填形態を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<実施形態1>
図1(a)は、第1導電線100および第2導電線200の外観構成を模試的に示す斜視図である。図1(b)は、第2導電線200の断面構造を模式的に示す断面図である。図1(c)は、第1導電線100の断面構造を模式的に示す断面図である。
図1(a)を参照して、第1導電線100は、断面が円形の細長い線形状を有する。第1導電線100の径は全長に亘って一定である。第1導電線100は、可撓性を有する導電性の金属からなっている。第1導電線100は、たとえば、銅線である。第1導電線100が、アルミニウム等、銅以外の導電性の金属からなっていてもよい。また、第1導電線100が、複数の導電線(銅線等)を撚り合わせた構成であってもよい。
第2導電線200は、断面が円形の細長い線形状を有する。第2導電線200の径は全長に亘って一定である。図1(b)に示すように、第2導電線200は、導電性の金属からなる芯線部201と、芯線部201の外側に形成された絶縁層202と、絶縁層202の外側に形成された発光層203と、を有する。
芯線部201は、可撓性を有する導電性の金属からなっている。芯線部201は、たとえば、銅線である。芯線部201が、アルミニウム等、銅以外の導電性の金属からなっていてもよい。芯線部201の外周面に絶縁処理が施されることにより絶縁層202が形成されている。絶縁層202で被覆された芯線部201として、たとえば、モータ用のコイル巻き線等が用いられ得る。
さらに、絶縁層202の外周面に、塗布やディップ処理により、発光層203が形成されている。これらの処理により、発光材を含有する液状の発光流体が絶縁層202の外周面に付設された後、当該液体を乾燥させることにより、発光材を含有する所定の厚みの発光層203が形成される。発光材は、交流電圧に基づく電界により発光する材料である。ここでは、発光材は、無機エレクトロルミネセンス(無機EL)である。
なお、絶縁層202と発光層203は、芯線部201に対して順番に積層されなくてもよく、発光層203が発光可能である限りにおいて、中間層が介在してもよい。また、発光層203が発光可能である限りにおいて、発光層203の外周面に他の層が形成されてもよい。
図1(b)、(c)を参照して、第1導電線100の径D11は、たとえば0.3mm程度である。これに対し、第2導電線200の芯線部201の径D21は、たとえば0.1mm程度であり、絶縁層202の厚みD22は、たとえば0.002mm程度であり、発光層203の厚みD23は、たとえば0.01〜0.1mm程度である。したがって、第1導電線100の断面積は、第2導電線200の断面積よりも大きい。
以上の構成を有する第1導電線100と第2導電線200とを撚り合わせて、交流電圧により発光する構造体が形成される。
図2(a)は、構造体10aの構成を模式的に示す斜視図である。図2(a)には、構造体10aの長手方向の一部分が切り出されて図示されている。
図2(a)の構成では、第1導電線100の外周に、2つの第2導電線200が巻き付けられるようにして、第1導電線100と2つの第2導電線200が撚り合わせられている。たとえば、第1導電線100および2つの第2導電線200の一方の端部を結束した状態で、第1導電線100および2つの第2導電線200の他方の端部を所定の荷重で引っ張りつつ、これら他方の端部を一方の端部(結束点)を通る軸線の回りに回転させる。これにより、図2(a)に示すように、第1導電線100と2つの第2導電線200が撚り合わせられて、構造体10aが形成される。
なお、第1導電線100と第2導電線200とを撚り合わせる方法は、図2(a)に示した方法に限られるものではない。たとえば、三つ編みにより、第1導電線100と2つの第2導電線200が撚り合わせられてもよく、その他の編み込み方法が用いられてもよい。また、図2(a)では、2つの第2導電線200が互いに接触しているが、2つの第2導電線200が離間するように、第1導電線100と2つの第2導電線200が撚り合わせられてもよい。
こうして構造体10aが形成された後、図2(b)に示すように、構造体10aの外周を保護するための透明な保護部材300が付設される。これにより、線状発光体10が形成される。図2(b)には、線状発光体10の長手方向の一方の端部付近が切り出されて図示されている。
保護部材300は、たとえば、透明な熱収縮性の樹脂部材により構成される。この場合、筒状の保護部材300に構造体10aが通された後、保護部材300全体に熱が付与される。これにより、保護部材300が収縮して構造体10aの外周面に密着する。この他、クリア塗装やウレタンの塗布、樹脂カバーの装着等によって、保護部材300が構造体10aの外周面に付設されてもよい。
図3(a)、(b)は、図2(a)に示した構造体10aの断面構造を示す断面図である。図3(a)、(b)には、構造体10aの長手方向の異なる位置で構造体10aを長手方向に垂直な平面で切断した場合の断面図が示されている。
図3(a)、(b)に示すように、2つの第2導電線200は、第1導電線100の外周面との接触を維持した状態で、第1導電線100の外周を旋回する。したがって、2つの第2導電線200は、長手方向の何れの位置においても、常に、外周面の何れかの箇所が、第1導電線100の外周面に接触する。
ここで、第1導電線100と第2導電線200との間に交流電圧を印加すると、第2導電線200の発光層203に、交流電圧に応じた電界が印加され、この電界の作用により、発光層203が発光する。このとき、上記のように、第2導電線200の径は0.1〜0.2mm程度と小さいため、200ボルト程度の交流電圧を印加すると、電界の作用が、発光層203と第1導電線100との接触領域のみならず、発光層203全体に及ぶ。これにより、発光層203は、第1導電線100との接触領域のみならず、その他の範囲W1においても発光する。
発明者は、線径0.32mmの銅線を第1導電線100として用い、絶縁層で被覆された線径0.12mmの銅線に発光層をディップ処理により形成した線材を第2導電線200として用いて、構造体10aを形成した。ここでは、第2導電線200が第1導電線100の外周に沿って旋回するように、第1導電線100と第2導電線200とを撚り合わせた。第2導電線200の絶縁層は、0.01mm以下であると推定した。そして、この構造体10aにおいて、第1導電線100と第2導電線200との間に、実効値200ボルトの交流電圧を印加して、発光状態を検証した。これにより、絶縁層が絶縁破壊することなく、第2導電線200の外部に露出する外周面から光が発せられることが確認できた。
このように、図2(a)に示した構造体10aでは、第2導電線200の外周面のうち外部に露出する領域から光が発せられる。これにより、線状発光体10の全長に亘って、第2導電線200に沿って旋回する発光が得られる。
図4は、発光装置1の構成を示す図である。便宜上、図4では、第1導電線100と2つの第2導電線200とが撚り合わせられていない状態で図示されている。
図4に示すように、発光装置1は、上述の線状発光体10と、回路ユニット400とを備える。回路ユニット40は、第1導電線100と第2導電線200との間に交流電圧を印加する。印加される交流電圧は、周波数が60Hz〜2kHz程度に設定され、実効値が60V〜200Vの範囲に設定される。交流電圧の周波数および実効値は、線状発光体10側で必要とされる輝度に応じて設定される。
回路ユニット40は、電池等の直流電源401と、直流電源401から供給される直流電圧により交流電圧に生成する交流生成回路402と、交流生成回路402により生成された交流電圧を昇圧させる昇圧回路403と、昇圧回路403で昇圧された交流電圧を第2導電線200に供給するためのスイッチ回路404とを備える。
スイッチ回路404の出力線は、2つの第2導電線200の芯線部201に並列に接続されている。スイッチ回路404がオン状態に切り替えられることにより、昇圧回路403で昇圧された交流電圧が第2導電線200に供給されて、第2導電線200の発光層203が発光する。これにより、線状発光体10が全長に亘って発光する。
なお、スイッチ回路404は、たとえば、回路ユニット400に配置された操作ボタンによってオン状態とオフ状態に切り替えられてもよい。あるいは、回路ユニット400がマイクロコンピュータ等の制御部を備える場合、制御部が時刻等の所定の条件が満たされたと判定したことに応じて、スイッチ回路404をオン状態に切り替えてもよい。
また、図4の構成では、回路ユニット400に電池等の直流電源が配置されたが、商用電源からの交流電圧が回路ユニット400に引き込まれる構成であってもよい。この場合、回路ユニット400は、商用電源からの交流電圧を上述の周波数および実効値に調整して、第2導電線200に供給する。
使用者は、所望の長さの線状発光体10を所望の箇所に付設して使用できる。上記のように、第1導電線100および第2導電線200は可撓性を有するため、使用者は、適宜、線状発光体10を屈曲させて使用できる。構造体10aは、第1導電線100および第2導電線200の撚り線構造となっているため、曲げ強度が高い。よって、使用者が線状発光体10を屈曲させて使用しても、線状発光体10に損傷が生じにくく、安定的に線状発光体10を発光させることができる。
<実施形態1の効果>
実施形態1によれば、以下の効果が奏され得る。
第1導電線100と、第2導電線200の芯線部201が、何れも、導電性の金属により構成されているため、これら部材の電気抵抗を小さくできる。よって、線状発光体10の全長が長くても、発光に必要な交流電圧を発光層203に適切に印加できる。また、第1導電線100と第2導電線200が撚り合わせられているため、線状発光体10の曲げ強度を高くできる。よって、線状発光体10を適宜自由な形状に曲げつつ円滑に利用できる。
また、図2(a)に示したように、構造体10aは、2つの第2導電線200が第1導電線100に撚り合わせられて形成されている。このため、構造体10aの発光面積を広げることができ、総発光光量を高めることができる。また、このように2つの第2導電線200を用いることにより、交流電圧を印加する際に一方の電極となる第2導電線200の総断面積が広がるため、第2導電線200のトータルの抵抗値を低くできる。このため、第2導電線200の長さをより長くしても、発光に必要な電界を発光層203に印加できる。よって、線状発光体10の長さをより一層拡張できる。
また、図3(a)、(b)に示したように、第1導電線100の断面積と第2導電線200の断面積が互いに異なっている。これにより、断面積が大きい方の部材によって、線状発光体10の引っ張り強度を高めることができる。よって、不所望な引っ張り力によって線状発光体10が断線することを抑止でき、線状発光体10を安定的に利用できる。
具体的には、実施形態1では、図3(a)、(b)に示したように、第1導電線100の断面積が第2導電線200の断面積よりも大きいため、第1導電線100により引っ張り強度が高められる。この場合、第2導電線200の径が小さいため、第2導電線200の外側の表面と第1導電線100との距離を短くできる。このため、発光層203の外側の部分に交流電界を適切に印加でき、発光層203の外側の部分を円滑かつ安定的に発光させることができる。また、第2導電線200が2つあるため、このように1つの第2導電線200の断面積が小さくても、2つの第2導電線200の総断面積を広くでき、第2導電線200のトータルの抵抗値を低くできる。このため、線状発光体10の長さが長くなっても、発光に必要な電界を発光層203に円滑に印加できる。
図2(b)に示したように、線状発光体10は、構造体10aの外周を保護する透明な保護部材300を備える。これにより、発光層203の外周が保護部材300によって保護されるため、不所望な外力により発光層203に剥離や損傷等が生じることを防ぐことができる。よって、線状発光体10を長期に亘って安定的に発光させることができる。
また、発光層203は、無機エレクトロルミネセンスを発光材として含有している。このため、第1導電線100と第2導電線200との間に所定の交流電圧を印加することにより、発光層203を円滑に発光させることができる。
以上、実施形態1について説明したが、本発明は、上記実施形態1によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
<変更例1>
図5は、変更例1に係る、発光装置1の構成を示す図である。
変更例1では、発光層203の発光色が互いに異なる2つの第2導電線200a、200bが用いられる。これら2つの第2導電線200a、200bは、上記実施形態1と同様、第1導電線100に撚り合わせられる。これにより、図2(a)と同様の構造体10aが形成される。上記実施形態1と同様、第1導電線100と第2導電線200a、200bを撚り合わせる方法は、図2(a)に示した方法に限られるものではない。
図5に示すように、回路ユニット400は、互いに発光色が異なる第2導電線200a、200bに交流電圧を選択的に印加するためのスイッチ回路404a、404bを備える。スイッチ回路404aがオン状態に設定されると、第2導電線200aが発光し、スイッチ回路404bがオン状態に設定されると、第2導電線200bが発光する。
変更例1の構成によれば、1つの線状発光体10を複数の色で発光させることができる。また、スイッチ回路404a、404bによって、線状発光体10の発光色を制御できる。よって、線状発光体10の面白みを高めることができる。スイッチ回路404a、404bは、たとえば、回路ユニット400に配置された操作ボタンによってオン/オフが切り替えられてもよい。あるいは、回路ユニット400がマイクロコンピュータを備える場合、マイクロコンピュータからの制御によって、スイッチ回路404a、404bのオン/オフが切り替えられてもよい。
<変更例2>
上記実施形態1では、予め第2導電線200に発光層203が形成された。これに対し、変更例2では、第2導電線に発光層は形成されず、第1導電線100と第2導電線200とを撚り合わせた構造体に対して、発光層が形成される。
図6(a)〜(c)は、それぞれ、変更例2に係る、線状発光体10の製造工程を示す斜視図である。また、図7(a)、(b)は、それぞれ、変更例2に係る、第1構造体10bおよび第2構造体10cの長手方向の同じ位置の断面構造を示す断面図である。図6(a)〜(c)には、それぞれ、第1構造体10b、第2構造体10cおよび線状発光体10の長手方向の一部分が切り出されて図示されている。
図7(a)に示すように、第2導電線210は、芯線部211および絶縁層212からなっている。すなわち、第2導電線210は、図1(b)の第2導電線200から発光層203が省略された構造である。芯線部211は、図1(b)の芯線部201と同様、銅等の可撓性を有する導電性の金属材料からなっている。第1導電線100の構造は、図1(c)と同様である。第2導電線210および第1導電線100の径および絶縁層212の厚みの設定範囲は、図1(b)、(c)において例示した設定範囲と同様である。
2つの第2導電線210と第1導電線100が撚り合わせられて、図6(a)の第1構造体10bが形成される。上記実施形態1と同様、これら導電線を撚り合わせる方法は、図6(a)に示した方法に限られない。その後、図6(b)および図7(b)に示すように、第1構造体10bの外周に、塗布またはディップ処理により、発光層220が形成される。これにより、第2構造体10cが形成される。
図7(b)において、2つの芯線部211と第1導電線100との間に交流電圧が印加されると、電界の作用により、第2導電線210の外周に形成された発光層220が発光する。このとき、交流電圧による電界の作用により、第1導電線100の外周に形成された発光層220も発光する。したがって、変更例2では、図6(b)に示す第2構造体10cの外周面全体が発光する。
こうして形成された第2構造体10cの外周に保護部材300が形成される。保護部材300の形成方法は、上記実施形態1と同様である。これにより、線状発光体10が形成される。発光装置1の構成は、図4と同様である。
発明者は、線径0.32mmの銅線を第1導電線100として用い、絶縁層で被覆された線径0.12mmの銅線を第2導電線210として用いて、第1構造体10bを形成した。ここでは、第2導電線210が第1導電線100の外周に沿って旋回するように、第1導電線100と第2導電線210とを撚り合わせた。第2導電線210の絶縁層は、0.01mm以下であると推定した。さらに、第1構造体10bの表面にディップ処理により発光層を付設して第2構造体10cを形成した。そして、この第2構造体10cにおいて、第1導電線100と第2導電線210との間に、実効値200ボルトの交流電圧を印加して、発光状態を検証した。これにより、絶縁層が絶縁破壊することなく、第2構造体10cの外部に露出する外周面から光が発せられることを確認できた。
変更例2の構成においても、第1導電線100と、第2導電線210の芯線部211が、何れも、導電性の金属により構成されているため、これら部材の電気抵抗を小さく設定できる。よって、線状発光体10の全長が長くても、発光に必要な交流電圧を発光層220に適切に印加できる。また、第1導電線100と第2導電線210が撚り合わせられているため、線状発光体10の曲げ強度を高くできる。よって、線状発光体10を適宜自由な形状に曲げつつ円滑に利用できる。
また、第2導電線210の外側の領域のみならず、第1導電線100の外側の領域も発光するため、上記実施形態1に比べて、線状発光体10の総発光面積を広げることができる。
なお、変更例2では、第2導電線210ごとに発光色を変えるためには、第1構造体10bにおいて、第2導電線210ごとに異なる発光色の発光層を形成する必要がある。このため、変更例2の構成では、上記実施形態1のように第2導電線200ごとに発光色を変えることは困難である。ただし、変更例2では、線状発光体10を長手方向に複数の領域に区分し、領域ごとに異なる発光色の発光層220を形成することにより、長手方向に発光色を変更することができる。これにより、線状発光体10の面白みを高めることができる。
<実施形態2>
上記実施形態1では、第2導電線200に発光層203が形成され、実施形態1の変更例2では、第1構造体10bの外周面に発光層220が形成された。これに対し、実施形態2では、発光材を含有する液状の発光流体を用いて発光が行われる。
図8(a)〜(c)は、それぞれ、実施形態2に係る、線状発光体10の製造工程を示す斜視図である。図8(a)には、構造体10dの長手方向の一部分が切り出されて図示されている。また、図9(a)、(b)は、それぞれ、実施形態2に係る、構造体10dおよび線状発光体10の断面構造を示す断面図である。
図9(a)に示すように、第2導電線230は、芯線部231および絶縁層232からなっている。芯線部231は、図1(b)の芯線部201と同様、銅等の可撓性を有する導電性の金属材料からなっている。第1導電線100の構造は、図1(c)と同様である。第2導電線230および第1導電線100の径および絶縁層212の厚みの設定範囲は、図1(b)、(c)において例示した設定範囲と同様である。
2つの第2導電線230と第1導電線100が上記実施形態1と同様の方法で撚り合わせられる。これにより、図8(a)の構造体10dが形成される。上記実施形態1と同様、撚り合わせの方法は、図8(a)に示した方法に限られない。その後、図8(b)に示すように、構造体10dがチューブ500に収容される。チューブ500は、熱収縮性の透明な材料からなっている。チューブ500の内径は、たとえば、1.2〜0.5mmである。
その後、図9(b)に示すように、チューブ500の内側面と構造体10dとの間の隙間に、発光材を含有する液状の発光流体240が、チューブ500の全長に亘って充填される。発光流体240は、たとえば、上記実施形態1において発光層203を形成するために第2導電線200の絶縁層202の外周面に塗布される発光流体が用いられる。発光流体240は、所定の粘性を有する。発光流体240に含まれる発光材は、無機エレクトロルミネッセンスである。
こうして、発光流体240がチューブ500に充填された後、チューブ500の両端がシーリングされる。具体的には、チューブ500の両端に熱が付与されて、チューブ500の両端が収縮される。
ここで、2つの第2導電線230および第1導電線100が引き出される方のチューブ500の一方の端部は、熱収縮により2つの第2導電線230および第1導電線100の外周面に密着する。その後、この端部に、さらに隙間を埋めるために接着剤が塗布される。また、2つの第2導電線230および第1導電線100が引き出されない方のチューブ500の他方の端部は、捻られた状態で焼付処理が行われて密封される。こうしてチューブ500の両端がシーリングされ、発光流体240がチューブ500の内部に封入される。これにより、図8(c)に示すように、線状発光体10が形成される。
なお、チューブ500は、必ずしも熱収縮性の材料からなっていなくてもよい。この場合、たとえば、チューブ500の両端に接着剤を充填することにより、チューブ500の両端がシーリングされる。
実施形態2の構成によれば、2つの第2導電線230と第1導電線100との間に交流電圧を付与することにより、発光流体240に電界が作用し、発光流体240が発光する。よって、線状発光体10の全長に亘って、線状発光体10を発光させることができる。実施形態2における発光装置1は、図4と同様に構成され得る。
発明者は、線径0.32mmの銅線を第1導電線100として用い、絶縁層で被覆された線径0.12mmの銅線を第2導電線230として用いて、構造体10dを形成した。ここでは、第2導電線230が第1導電線100の外周に沿って旋回するように、第1導電線100と第2導電線230とを撚り合わせた。第2導電線230の絶縁層は、0.01mm以下であると推定した。さらに、構造体10dをチューブ500に収容し、さらに、チューブ500に発光材を含有する発光流体240を充填して両端をシーリングし、線状発光体10を形成した。そして、この線状発光体10において、第1導電線100と第2導電線230との間に、実効値200ボルトの交流電圧を印加して、発光状態を検証した。これにより、絶縁層が絶縁破壊することなく、線状発光体10(チューブ500)の外周面から光が発せられることが確認できた。
<実施形態2の効果>
実施形態2においても、上記実施形態1と同様、第1導電線100と、第2導電線200の芯線部201が、何れも、導電性の金属により構成されているため、これら部材の電気抵抗を小さくできる。よって、線状発光体10の全長が長くても、発光に必要な交流電圧を発光層203に適切に印加できる。
また、実施形態2では、発光流体240が液状であるため、線状発光体10が曲げられて用いられた場合に発光層が剥がれ落ちて発光能力が低下するといった不具合が生じることもない。よって、線状発光体10を安定的に発光させることができる。
また、実施形態2では、発光流体が液状であるため、線状発光体10の柔軟性を高く維持できる。
なお、第2導電線230は必ずしも2つでなくてもよく、たとえば、図10(a)に示すように、第2導電線230が1つだけチューブ500に収容されていてもよい。この場合も、第2導電線230と第1導電線100との間に交流電圧を付与することにより、発光流体240に電界が作用し、発光流体240が発光する。
ただし、この構成では、第2導電線230および第1導電線100とチューブ500の内側面との間の隙間G0が、図10(b)の構成における隙間G1よりも大きい。第2導電線230および第1導電線100とチューブ500との間の隙間が変化すると、発光流体240に作用する電界の強度が変化するため、線状発光体10の周方向に発光ムラが生じやすくなる。このため、発光ムラを抑制するためには、第2導電線230を複数配置して、第2導電線230および第1導電線100とチューブ500の内側面との間の隙間をなるべく小さくすることが好ましい。
なお、第1導電線100の数は、必ずしも1つである必要はなく、2つ以上であってもよい。第2導電線230および第1導電線100とチューブ500の内側面との間の隙間がなるべく抑制され且つ均一となるように、第2導電線230および第1導電線100の数および径が調整されることが好ましい。これにより、線状発光体10の発光ムラを効果的に抑制できる。
また、図11(a)、(b)に対比して示すように、2つの第2導電線230を周方向に離間させて撚り合わせた場合の隙間G2は、2つの第2導電線230を周方向に離間させずに撚り合わせた場合の隙間G1よりも小さくなる。よって、第2導電線230および第1導電線100とチューブ500の内側面との間の隙間がなるべく抑制され且つ均一となるように、第2導電線230間の周方向の離間距離が調整されることが好ましい。これにより、線状発光体10の発光ムラをより効果的に抑制できる。
実施形態2の構成では、必ずしも、第1導電線100と第2導電線230とが撚り合わせられていなくてもよい。第1導電線100と第2導電線230とが撚り合わせられていない場合も、第1導電線100と第2導電線230との間に交流電圧を印加することにより、発光流体240に電界を作用させることができ、発光流体240を発光させることができる。但し、第1導電線100と第2導電線230とが撚り合わせられていない場合は、第1導電線100および第2導電線230とチューブ500との隙間が不安定となるため、発光ムラが生じ易い。
これに対し、図8(a)〜(c)に示した構成では、第1導電線100と第2導電線230とを撚り合わせることにより、第1導電線100と第2導電線230が密着に組み合わされて一体化されるため、第1導電線100および第2導電線230とチューブ500の内側面との間の相対的な位置関係にバラツキが生じにくくなる。よって、第1導電線100および第2導電線230とチューブ500との隙間を円滑に均一化させることができ、隙間の変化に基づく発光ムラをより効果的に抑制することができる。
<変更例1>
上記実施形態2では、図9(b)に示すように、チューブ500の内側面が第1導電線100および第2導電線230に接近するように、チューブ500の内径が設定される。これにより、第1導電線100および第2導電線230とチューブ500の内側面との間の隙間のばらつきを抑制でき、チューブ500における発光ムラを抑制できる。
しかしながら、このように小さな内径のチューブ500の内部に、細い線材である第1導電線100および第2導電線230を挿入して収容する作業は、極めて困難である。細い線材である第1導電線100および第2導電線230を小さな内径のチューブ500に挿入する際に、これら線材がチューブ500の内側面に接触すると、触抵抗により、これら線材を円滑に挿入することができない。
そこで、変更例1では、図12(a)に示すように、構造体10dの外径よりもチューブ500の内径を数段大きく調整しておき、構造体10dをチューブ500の内部に収容した後に、チューブ500の全範囲に所定熱量の熱を付与してチューブ500を収縮させる。これにより、図12(b)のように、チューブ500の内側面を構造体10dに接近させる。
ここでは、図12(a)の状態でチューブ500の内部に発光流体240が充填された後に、チューブ500に熱が付与されて、チューブ500が収縮される。これにより、収縮時にチューブ500内を発光流体240が移動して、チューブ500の内部に密封される発光流体240の量を最小量に保つことができる。
変更例1の構成によれば、構造体10d(第1導電線100および第2導電線230)を収縮前のチューブ500に円滑に収容でき、作業性を高めることができる。また、構造体10dをチューブ500に収容した後、チューブ500を熱収縮させることにより、第1導電線100および第2導電線230とチューブ500の内側面との間の隙間を最小に設定できる。よって、作業性を向上させながら、線状発光体10の発光ムラを効果的に抑制することができる。
収縮前のチューブ500の内径は、1.2〜0.5mm程度が好ましく、収縮後のチューブ500の内径は、0.7〜0.4mm程度が好ましい。また、収縮後のチューブ500の内側面と構造体10dとの間の隙間は、0.1〜0mm程度が好ましい。すなわち、収納後のチューブ500の内側面と構造体10dとが軽く接触してもよい。このように各数値を調整することにより、作業性を向上させながら、線状発光体10の発光ムラを効果的に抑制することができる。
なお、発光流体240の充填は、チューブ500を熱収縮させた後に行われてもよい。ただし、チューブ500の内部により円滑に発光流体240を充填させるためには、チューブ500が熱収縮される前の内径が大きい状態において、発光流体240を充填することが好ましい。
<変更例2>
上記実施形態2の構成では、チューブ500に充填される発光流体240の発光色が、チューブ500の長手方向の途中で切り替えられるように、異なる発光色の発光流体240がチューブ500に充填されてもよい。
図13(a)、(b)は、それぞれ、実施形態2の変更例2に係る、発光流体240の充填形態を模式的に示す図である。
図13(a)の充填形態では、線状発光体10が長手方向に4つの領域A1〜A4に区分され、領域A1〜A4に異なる発光色の発光流体240が充填されている。図13(b)の充填形態では、上記4つの領域A1〜A4のうち、領域A1、A3に同じ発光色の発光流体240が充填され、領域A2、A4に、同じ発光色で且つ領域A1、A3と異なる発光色の発光流体240が充填されている。
変更例2の構成によれば、線状発光体10の長手方向に発光色が変化するため、線状発光体10の面白みを高めることができる。
なお、上記実施形態1の変更例2の構成において、線状発光体10の長手方向に発光色が異なるように、発光層220を形成した場合、発光色が切り替わる位置において、異なる発光色の発光層220が塗り重ねられると、その位置では、何れの発光色の発光も生じない現象が起こる。これに対し、図13(a)、(b)の構成では、発光色が切り替わる位置において、異なる発光色の発光流体240が混ざりあった場合も、その位置において発光が生じる。この場合、その位置では、混ざり合った2つの発光流体240の発光色の中間的な色の発光が生じる。よって、変更例2の構成によれば、線状発光体10の長手方向において、発光が途切れなく連続的に生じるとの効果も奏され得る。
<その他の変更例>
上記実施形態1、2およびその変更例では、第1導電線100が導電性の金属材料からなる芯線部のみからなっていたが、第1導電線100は、必ずしも芯線部のみにより構成されなくてもよく、たとえば、芯線部の周囲が絶縁体で被覆された構成であってもよい。
また、上記実施形態1では、2つの第2導電線200が第1導電線100に撚り合わされたが、第1導電線100に撚り合わされる第2導電線200の数は2つでなくてもよく、1つまたは3つ以上であってもよい。
また、上記実施形態1の変更例1では、発光色が異なる第2導電線200a、200bが1つずつ用いられたが、発光色が異なる第2導電線が複数ずつ用いられてもよい。この場合、同一発光色の第2導電線の組は互いに電気的に接続され、組みごとにスイッチ回路が設けられてもよい。また、発光色の種類は2つに限らず、3つ以上であってもよい。
また、上記実施形態2の変更例1では、熱の作用によりチューブ500が収縮されたが、熱以外の作用によりチューブ500が収縮されてもよい。たとえば、チューブ500を長手方向に引っ張ることで、チューブ500の内径を収縮させてもよい。また、チューブ500の製造過程で、第1導電線100および第2導電線230をインサートしながらチューブ500を製造してもよい。
さらに、上記実施形態1およびその変更例では、発光層203、220の発光材が無機エレクトロルミネッセンスにより構成されたが、発光層203、220の発光材が無機エレクトロルミネッセンス以外のエレクトロルミネセンス、たとえば、無機エレクトロルミネッセンスと有機エレクトロルミネッセンスとを混合させたエレクトロルミネセンスにより構成されてもよい。同様に、実施形態2およびその変更例における発光流体240の発光材も、無機エレクトロルミネッセンス以外のエレクトロルミネセンス、たとえば、無機エレクトロルミネッセンスと有機エレクトロルミネッセンスとを混合させたエレクトロルミネセンスにより構成されてもよい。
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜変更可能である。
1 発光装置
10 線状発光体
10a、10d 構造体
10b 第1構造体
10c 第2構造体
100 第1導電線
200、200a、200b、210、230 第2導電線
201 芯線部
202 絶縁層
203、220 発光層
240 発光流体
400 回路ユニット
404a、404b スイッチ回路
500 チューブ

Claims (21)

  1. 金属製の第1導電線と、
    金属製の芯線部の外側に絶縁層が形成され、前記第1導電線に沿って配置された第2導電線と、
    少なくとも前記第2導電線の外側に配置され、前記第1導電線と前記第2導電線との間に印加された交流電圧によって発光する発光材と、を備える、
    ことを特徴とする線状発光体。
  2. 請求項1に記載の線状発光体において、
    前記第2導電線は、前記絶縁層の外側に前記発光材を含有する発光層が形成され、
    前記第1導電線と前記第2導電線とが撚り合わせられている、
    ことを特徴とする線状発光体。
  3. 請求項2に記載の線状発光体において、
    複数の前記第2導電線が前記第1導電線に撚り合わせられている、
    ことを特徴とする線状発光体。
  4. 請求項3に記載の線状発光体において、
    一の前記第2導電線に形成された前記発光層の発光色と、他の前記第2導電線に形成された前記発光層の発光色とが互いに異なっている、
    ことを特徴とする線状発光体。
  5. 請求項1に記載の線状発光体において、
    前記第1導電線と前記第2導電線とが撚り合わせられて構造体が形成され、
    前記構造体の外周に前記発光材を含有する発光層が形成されている、
    ことを特徴とする線状発光体。
  6. 請求項2ないし5の何れか一項に記載の線状発光体において、
    前記第1導電線の断面積と前記第2導電線の断面積が互いに異なる、
    ことを特徴とする線状発光体。
  7. 請求項6に記載の線状発光体において、
    複数の前記第2導電線が前記第1導電線に撚り合わせられており、
    前記第1導電線の断面積が前記第2導電線の断面積よりも大きい、
    ことを特徴とする線状発光体。
  8. 請求項2ないし7の何れか一項に記載の線状発光体において、
    前記構造体の外周を保護する透明な保護部材を備える、
    ことを特徴とする線状発光体。
  9. 請求項1に記載の線状発光体において、
    前記第1導電線および前記第2導電線を収容する透明なチューブを備え、
    前記第1導電線および前記第2導電線を収容した前記チューブに前記発光材を含有する液状の発光流体が充填されている、
    ことを特徴とする線状発光体。
  10. 請求項9に記載の線状発光体において、
    前記第1導電線および前記第2導電線の少なくとも一方が複数配置されている、
    ことを特徴とする線状発光体。
  11. 請求項9または10に記載の線状発光体において、
    前記チューブは、所定の作用が付与されることにより内径が収縮し、
    前記第1導電線および前記第2導電線が収容された前記チューブに前記作用が付与されて、前記チューブの内側面が前記第1導電線および前記第2導電線に近づけられている、
    ことを特徴とする線状発光体。
  12. 請求項11に記載の線状発光体において、
    前記チューブは、熱収縮性の材料からなっており、
    前記第1導電線および前記第2導電線が収容された前記チューブに熱が付与されて、前記チューブの内側面が前記第1導電線および前記第2導電線に近づけられている、
    ことを特徴とする線状発光体。
  13. 請求項9ないし12の何れか一項に記載の線状発光体において、
    前記チューブに充填される前記発光流体の発光色が、前記チューブの長手方向の途中で切り替えられている、
    ことを特徴とする線状発光体。
  14. 請求項9ないし13の何れか一項に記載の線状発光体において、
    前記第1導電線と前記第2導電線が撚り合わされた状態で、前記チューブに収容されている、
    ことを特徴とする線状発光体。
  15. 請求項1ないし14の何れか一項に記載の線状発光体において、
    前記発光材は、無機エレクトロルミネッセンスである、
    ことを特徴とする線状発光体。
  16. 請求項1ないし8の何れか一項に記載の線状発光体と、
    前記第1導電線と前記第2導電線との間に交流電圧を印加する回路ユニットと、を備える、
    ことを特徴とする発光装置。
  17. 請求項9に記載の発光装置において、
    複数の前記第2導電線が配置され、
    前記回路ユニットは、前記複数の第2導電線に交流電圧を選択的に印加するためのスイッチ回路を備える、
    ことを特徴とする発光装置。
  18. 金属製の第1導電線と、金属製の芯線部、前記芯線部の外側に形成された絶縁層および前記絶縁層の外側に形成され、交流電圧により発光する発光材を含有する発光層を有する第2導電線とを撚り合わせて、前記第1導電線と前記第2導電線とが一体化された構造体を形成する工程を含む、
    ことを特徴とする線状発光体の製造方法。
  19. 金属製の第1導電線と、金属製の芯線部および前記芯線部の外側に形成された絶縁層を有する第2導電線とを撚り合わせて、構造体を形成する工程と、
    前記構造体の外周に、交流電圧により発光する発光材を含有する発光層を形成する工程と、を含む、
    ことを特徴とする線状発光体の製造方法。
  20. 金属製の第1導電線と、金属製の芯線部および前記芯線部の外側に形成された絶縁層を有する第2導電線とを、チューブに収容する工程と、
    交流電圧により発光する発光材を含有する液状の発光流体を前記チューブに充填する工程と、を含む、
    ことを特徴とする線状発光体の製造方法。
  21. 請求項20に記載の線状発光体の製造方法において、
    前記チューブは、所定の作用が付与されることにより内径が収縮し、
    前記第1導電線および前記第2導電線を前記チューブに収容した後、前記作用を前記チューブに付与して、前記チューブの内側面を前記第1導電線および前記第2導電線に近づける、
    ことを特徴とする線状発光体の製造方法。
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