JP2021124853A - 複数の属性値を持つメンバをグループ化するプログラム、装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1によれば、アグリゲータ装置(電力仲介事業者)1は、需要家の各蓄電池3における電力利用情報を予め取得しているとする。
電力会社システム2は、アグリゲータ装置1へ、需給調整電力量に基づく需給調整要求を送信する。これに対し、アグリゲータ装置1は、需給調整電力量に基づいて、各需要家の蓄電池3における充放電電力量を計算し、その充放電電力量を各蓄電池3へ送信する。蓄電池3は、受信した充放電電力量に応じて、電力を充放電する。
即ち、最新の電力利用情報を用いて計算しない場合、需給調整電力量と各蓄電池の充放電電力量の総和との間に、誤差を生じることとなる。
しかしながら、前述したように既存のデンドログラムでは、複数の要素値同士を適用してグループ化することはできない。
n個のメンバを含むm個のグループを構成する制約条件を予め定義したグループ定義手段と、
1つ以上のメンバを1つのグループとして、第1の属性値に基づく第1のグループの群と、第2の属性値に基づく第2のグループの群と、第1の属性値及び第2の属性値に基づく第3のグループの群を設定する初期設定手段と、
第1の属性値同士が最も近い第1のグループ同士を組み合わせて第1のグループの群を再構成し、任意の第2のグループが任意の第1のグループに包含される場合、制約条件を満たす限り、その共通集合を第3のグループとして再構成する第1のグループ再構成手段と、
第2の属性値同士が最も近い第2のグループ同士を組み合わせて第2のグループの群を再構成し、任意の第1のグループが任意の第2のグループに包含される場合、制約条件を満たす限り、その共通集合を第3のグループとして再構成する第2のグループ再構成手段と
して、第1のグループ再構成手段及び第2のグループ再構成手段を交互に繰り返す
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする。
初期設定手段は、1つのメンバを1つのグループとして、第1の属性値に基づく第1のグループの群と、第2の属性値に基づく第2のグループの群と、第1の属性値及び第2の属性値に基づく第3のグループの群を予め設定する
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
第1のグループ再構成手段及び第2のグループ再構成手段は、デンドログラムに基づいてグループ同士を1段ずつ組み合わせる
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
グループ定義手段は、以下のように定義し、
グループのメンバ数 :n、nmin≦n≦nmax
nmin≧1、nmax>1
同一メンバ数nのグループ数 :m
同一メンバ数nのグループの段階:k(メンバ数が少ないグループからの昇順)
グループの段階間のメンバ増分率:U(1<U≦2)
k=1のグループのメンバ数 :scale(1)=nmin
k番目のグループのメンバ数 :scale(k)=floor{U×scale(k−1)}
floor{}:切り上げ整数
K番目のグループのメンバ数 :scale(K)≦nmax
nを増分させつつK段階繰り返す
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
メンバは、蓄電池を持つ需要家であり、
第1の属性値は、消費電力に基づく属性値であり、
第2の属性値は、発電電力に基づく属性値である
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
アグリゲータ機能として、需給調整電力量に応じて、複数の蓄電池それぞれの充放電電力量を制御するために、
各蓄電池の充放電可能電力量の総和が、需要調整電力量から算出可能な、依頼全体の充放電電力量に近くなるように、第3のグループの組み合わせを選択するグループ選択手段と、
組み合わされたグループの各蓄電池に、充放電電力量を指示する蓄電池制御手段と
してコンピュータを機能させることも好ましい。
グループ選択手段は、
同一の需要調整電力量に対して、グループの複数の組み合わせを選択し、
同一の需要調整電力量の要求を受信する毎に、グループの組み合わせを変更する
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
蓄電池制御手段は、グループ毎に、当該グループの充放電電力量を、各蓄電池に等分する
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
n個のメンバを含むm個のグループを構成する制約条件を予め定義したグループ定義手段と、
1つ以上のメンバを1つのグループとして、第1の属性値に基づく第1のグループの群と、第2の属性値に基づく第2のグループの群と、第1の属性値及び第2の属性値に基づく第3のグループの群とを予め構成する初期設定手段と、
第1の属性値同士が最も近い第1のグループ同士を組み合わせて第1のグループの群を再構成し、任意の第2のグループが任意の第1のグループに包含される場合、制約条件を満たす限り、その共通集合を第3のグループとして構成する第1のグループ再構成手段と、
第2の属性値同士が最も近い第2のグループ同士を組み合わせて第2のグループの群を再構成し、任意の第1のグループが任意の第2のグループに包含される場合、制約条件を満たす限り、その共通集合を第3のグループとして構成する第2のグループ再構成手段と
を有し、第1のグループ再構成手段及び第2のグループ再構成手段を交互に繰り返すように機能させることを特徴とする。
装置は、
n個のメンバを含むm個のグループを構成する制約条件を予め定義し、
1つ以上のメンバを1つのグループとして、第1の属性値に基づく第1のグループの群と、第2の属性値に基づく第2のグループの群と、第1の属性値及び第2の属性値に基づく第3のグループの群とを予め構成しており、
第1の属性値同士が最も近い第1のグループ同士を組み合わせて第1のグループの群を再構成し、任意の第2のグループが任意の第1のグループに包含される場合、制約条件を満たす限り、その共通集合を第3のグループとして構成する第1のステップと、
第2の属性値同士が最も近い第2のグループ同士を組み合わせて第2のグループの群を再構成し、任意の第1のグループが任意の第2のグループに包含される場合、制約条件を満たす限り、その共通集合を第3のグループとして構成する第2のステップと
を実行し、第1のステップ及び第2のステップを交互に繰り返すように実行する
ことを特徴とする。
これによって、需給調整電力量に応じた各蓄電池に対する充放電電力量の決定について、制御対象となる蓄電池の数が増加しても、蓄電池の選択及び充放電電力量の決定における計算量を抑制することができる。
電力会社システム2は、アグリゲータ装置1へ「需給調整要求」を送信する。
需給調整要求には、「需給調整電力量」及び「時間」が含まれる。例えば以下のようなものである。
時刻2018/4/1 12:00 需給調整要求「2018/4/1 13:00-13:30、140kWh、放電」
充放電電力量の更新の時間間隔を、30分単位としているが、勿論、いずれの時間間隔(例えば5分、10分、15分など)であってもよい。また、需給調整電力量は、電力量であるkWhでなく、電力であるkWでもよい。
尚、需給調整外の時間帯については、例えば、23:00-翌06:59までは充電、07:00-22:59までは放電といったように、スケジュールが予め既定されたものであってもよい。
「需給調整電力量」とは、具体的には、需給調整要求のない通常時を基準とした差分(調整量)をいう。
以下では、需給調整要求のない通常時に、蓄電池が充放電を行っていない場合を想定した説明とする。従って、需給調整要求のない通常時は、蓄電池からの充放電電力がゼロであるため、需給調整量と蓄電池からの充放電電力量は一致する。
但し、蓄電池が通常時から充放電を行っている場合は、その充放電電力量も考慮した上で、どの程度調整できるのか、を見積もり、蓄電池の充放電制御を行う必要がある。
蓄電池3は、グループ毎に構成され、受信した充放電電力量に従って充放電する。また、蓄電池の電力利用情報を、適宜、アグリゲータ装置1へ送信する。
蓄電池3は、HEMS-GW(Home Energy Management System - GateWay)やHOME-GW(HOME GateWay)、スマートメータ(通信機能が搭載された電力メータ、又は、分電盤に設置されたHEMS-GWと通信可能な電力計)によって管理されるものでもよい。アグリゲータ装置1は、各蓄電池の充放電電力量を、HEMS-GW等へ送信する。そして、HEMS-GW等は、各蓄電池の充放電を制御する。
尚、HEMS-GW又はHOME-GWは、アグリゲータ装置1からOpenADRのデータ形式で受信し、蓄電池へECHONet-Liteのデータ形式で送信するものであってもよい。
アグリゲータ装置1は、電力会社システム2から需給調整要求を受信し、需給調整電力量を知る。
アグリゲータ装置1は、需給調整電力量に応じて、複数の蓄電池それぞれの充放電電力量を制御する。そのために、複数の蓄電池をグループ化し、需給調整電力量に応じて各蓄電池に等分した充放電電力量を決定する。そして、その充放電電力量を、各蓄電池3へ通知する。
これによって、蓄電池の数が増加しても、計算量の増加を抑制し、需給調整電力量に応じた各蓄電池の充放電電力量を算出することができる。
特に、本発明のアグリゲータ装置1は、各需要家をメンバとして、各メンバが持つ第1の属性値及び第2の属性値に基づいて、複数のメンバをグループ化するものである。
蓄電池データベース10は、蓄電池毎に、電力利用情報を対応付けたものである。電力利用情報は、各蓄電池3から定期的に受信して収集したものである。
第1の属性値:消費データ(消費電力に基づく属性値)
(例えば平均消費電力、家族人数、オール電化の有無)
第2の属性値:発電データ(発電電力に基づく属性値)
(例えば平均発電電力、住所ID、発電装置種別)
尚、消費電力及び発電電力は、時間帯(例えば1日単位の日付)によって変化するものであるのために、所定時間帯における平均値として表す。
グループ定義部11は、n個のメンバを含むm個のグループを構成する制約条件を予め定義したものである。具体的には、グループ規模を設定するものであり、n個のメンバを含むm個のグループを構成することを、nを増分させつつk段階繰り返し、各グループを定義する。
グループのメンバ数 :n、nmin≦n≦nmax
nmin≧1、nmax>1
同一メンバ数nのグループ数 :m
同一メンバ数nのグループの段階:k(メンバ数が少ないグループからの昇順)
グループの段階間のメンバ増分率:U(1<U≦2)
k=1のグループのメンバ数 :scale(1)=nmin
k番目のグループのメンバ数 :scale(k)=floor{U×scale(k−1)}
floor{}:切り上げ整数
K番目のグループのメンバ数 :scale(K)≦nmax
scale(k) グループID(メンバ数)
k=1 A1(1),A2(1),A3(1)
1台の蓄電池で構成されるグループが最大3個
k=2 B1(2),B2(2),B3(2)
2台の蓄電池で構成されるグループが最大3個
k=3 C1(4),C2(4),C3(4)
4台の蓄電池で構成されるグループが最大3個
K=k=4 D1(8),D2(8),D3(8)
8台の蓄電池で構成されるグループが最大3個
各グループの蓄電池の上限数kを段階的に設定することによって、制御対象となる蓄電池の数が増加しても、グループ数の増加を抑制することができる。
例えばメンバ数が多いグループのみを作成した場合、それらグループを組み合わせると、需給調整電力量に近い値に調整することが難しい。例えば需給調整電力量140kWhの場合、グループの組み合わせによって1kWhや2kWhのように細かく調整することが難しい。そのために、あえて、少ないメンバ数のグループから多数のメンバ数のグループまで、様々な規模のグループを作成しておく。
例えば、全蓄電池の半数以上に依頼しないと需給調整電力量に満たない場合、メンバ数が最大となるグループが常に選択されることなる。そのためにも、メンバ数が最大となるグループを複数個用意しておくことによって、1つのグループに集中して選択されることがなくなる。
初期設定部12は、1つ以上のメンバを1つのグループとして、以下の3つのグループを最初に設定する。
第1の属性値に基づく第1のグループの群
第2の属性値に基づく第2のグループの群
第1の属性値及び第2の属性値に基づく第3のグループの群
ここで、1つのメンバを1つのグループとして予め設定してもよいし、グループ毎に異なるメンバ数として予め設定してもよい。即ち、ある程度、グループが構成された段階から、グループの再構成をすることもできる。
(t0)メンバ数1の6個の第1のグループと、メンバ数1の6個の第2のグループとが予め設定されている。
第1のグループ(消費) :{a}{b}{c}{d}{e}{f}
第2のグループ(発電) :{a}{b}{c}{d}{e}{f}
第3のグループ(消費/発電):{a}{b}{c}{d}{e}{f}
第1のグループ再構成部13は、定義されたグループの制約の下、第1の属性値(例えば消費電力)が類似するメンバ(蓄電池)をクラスタ化したグループ同士を、階層型クラスタ(デンドログラム)に基づいて1段ずつ組み合わせていく。
同様に、第2のグループ再構成部14は、定義されたグループの制約の下、第2の属性値(例えば発電電力)が類似するメンバ(蓄電池)をクラスタ化したグループ同士を、階層型クラスタ(デンドログラム)に基づいて1段ずつ組み合わせていく。
また、第2のグループ再構成部14は、第2の属性値同士が最も近い第2のグループ同士を組み合わせて第2のグループの群を再構成する。このとき、任意の第1のグループが任意の第2のグループに包含される場合、制約条件を満たす限り、その共通集合を第3のグループとして再構成する。
そして、第1のグループ再構成部13及び第2のグループ再構成部14を交互に繰り返す。
最終的に同一グループに属する複数の蓄電池(メンバ)は、電力利用情報(消費データ及び発電データ)が類似しているため、同一の充放電電力量を依頼することができる。即ち、アグリゲータ装置1は、グループの選択及び充放電電力量のみを計算すればよく、計算量を抑制することができる。
メンバ数1以下のグループを3個:{1}{1}{1}
メンバ数2以下のグループを3個:{2}{2}{2}
メンバ数4以下のグループを3個:{4}{4}{4}
尚、初期設定段階では、メンバ数1のグループが3個以上あっても許容するものとする。最終的に、グループ定義部11のグループ群の制約に収まるようにする。
メンバ数の制約の集合C(ただし、Cはメンバ数で降順にソート済み)(例:C={4,4,4,2,2,2,1,1,1})と、
再構成中における第3のグループの群のメンバ数の集合S(ただし、Sはメンバ数で降順にソート済み)(例:S={2,1,1,1,1})を比較し、
Sの各要素siのすべてについて、Cの各要素ci≧siを満たす場合に、再構成の結合処理を継続し、
それ以外の場合は結合作業を停止し、結合前の状態に戻って、再構成を再開する。
(t1)第1の属性値同士が最も近い第1のグループ同士を組み合わせて第1のグループの群を再構成する。このとき、第2のグループ{a}{b}はそれぞれ、第1のグループ{a,b}に包含されるが、メンバ数1{a}{b}であるために、第3のグループとしてはt0と全く同様となる。
第1のグループ(消費) :{a,b} {c}{d}{e}{f}
第2のグループ(発電) :{a}{b}{c}{d}{e}{f}
第3のグループ(消費/発電):{a}{b}{c}{d}{e}{f}
第3のグループ群のメンバ数の集合S={1,1,1,1,1,1}
制約のメンバ数の集合C={4,4,4,2,2,2,1,1,1}
ci≧siであるため、再構成処理を継続する。
第1のグループ(消費) :{a,b} {c}{d}{e}{f}
第2のグループ(発電) :{a,b} {c}{d}{e}{f}
第3のグループ(消費/発電):{a,b} {c}{d}{e}{f}
第3のグループ群のメンバ数の集合S={2,1,1,1,1}
制約のメンバ数の集合C={4,4,4,2,2,2,1,1,1}
ci≧siであるため、再構成処理を継続する。
第1のグループ(消費) :{a,b} {c,d} {e}{f}
第2のグループ(発電) :{a,b} {c}{d}{e}{f}
第3のグループ(消費/発電):{a,b} {c}{d}{e}{f}
第3のグループ群のメンバ数の集合S={2,1,1,1,1}
制約のメンバ数の集合C={4,4,4,2,2,2,1,1,1}
ci≧siを満たすため、再構成処理を継続する。
第1のグループ(消費) :{a,b} {c,d} {e}{f}
第2のグループ(発電) :{a,b} {c} {d,e}{f}
第3のグループ(消費/発電):{a,b} {c}{d}{e}{f}
第3のグループ群のメンバ数の集合S={2,1,1,1,1}
制約のメンバ数の集合C={4,4,4,2,2,2,1,1,1}
ci≧siを満たすため、再構成処理を継続する。
第1のグループ(消費) :{a,b} {c,d} {e,f}
第2のグループ(発電) :{a,b} {c}{d,e}{f}
第3のグループ(消費/発電):{a,b} {c}{d}{e}{f}
第3のグループ群のメンバ数の集合S={2,1,1,1,1}
制約のメンバ数の集合C={4,4,4,2,2,2,1,1,1}
ci≧siを満たすため、再構成処理を継続する。
第1のグループ(消費) :{a,b} {c,d} {e,f}
第2のグループ(発電) :{a,b,c} {d,e} {f}
第3のグループ(消費/発電):{a,b} {c}{d}{e}{f}
第3のグループ群のメンバ数の集合S={2,1,1,1,1}
制約のメンバ数の集合C={4,4,4,2,2,2,1,1,1}
ci≧siを満たすため、再構成処理を継続する。
第1のグループ(消費) :{a,b,c,d} {e,f}
第2のグループ(発電) :{a,b,c} {d,e} {f}
第3のグループ(消費/発電):{a,b,c}{d}{e}{f}
第3のグループ群のメンバ数の集合S={3,1,1,1}
制約のメンバ数の集合C={4,4,4,2,2,2,1,1,1}
ci≧siを満たすため、再構成処理を継続する。
第1のグループ(消費) :{a,b,c,d} {e,f}
第2のグループ(発電) :{a,b,c,d,e} {f}
第3のグループ(消費/発電):{a,b,c,d} {e}{f}
第3のグループ群のメンバ数の集合S={4,1,1}
制約のメンバ数の集合C={4,4,4,2,2,2,1,1,1}
ci≧siを満たすため、再構成処理を継続する。
第1のグループ(消費) :{a,b,c,d,e,f}
第2のグループ(発電) :{a,b,c,d,e} {f}
第3のグループ(消費/発電):{a,b,c,d,e}{f}
第3のグループ群のメンバ数の集合S={5,1}
制約のメンバ数の集合C={4,4,4,2,2,2,1,1,1}
ci≧siを満たさないため、(t8)の状態に戻り、再構成処理を継続する。
第1のグループ(消費) :{a,b,c,d} {e,f}
第2のグループ(発電) :{a,b,c,d,e,f}
第3のグループ(消費/発電):{a,b,c,d} {e,f}
ci≧siを満たすが、デンドログラムによる結合処理が終了したため、再構成処理も終了し、(t10)における、第1のグループ、第2のグループ、第3のグループを最終的な状態とする。
図9(b)によれば、例えば6個のグループが構成された例である。
図9(c)によれば、グループ毎に、全ての蓄電池における充放電可能電力量を表したものである。グループを表す矩形の大きさは、各グループの充放電可能電力量の大きさを表す。
図9(d)によれば、各グループを、充放電可能電力量に応じてソートしたものである。
B1={e,f}
C1={a,b,c,d}
グループ選択部15は、通常時の蓄電池からの充放電電力がゼロでなかった場合、各蓄電池の充放電可能電力量の総和が、需要調整電力量から算出可能な、依頼全体の充放電電力量に近くなるように、第3のグループの組み合わせを選択する。依頼全体の充放電電力量は、以下の式で計算される。
依頼全体の充放電電力量=
電力会社システムからの需給調整電力量+通常時の全体の充放電予測量
充放電電力量(プラスが放電、マイナスが充電)
需給調整電力量(プラスが削減依頼、マイナスが増加依頼)
通常時の全体の充放電予測量(プラスが放電、マイナスが充電)
通常時の全体の充放電予測量とは、需給調整がなかった場合に充放電すると予測した電力量である。
そして、例えば、充放電電力量の多い順を優先度として、図9(d)のように複数の蓄電池がソートされる。尚、複数の蓄電池におけるソートの優先順は、残量の加重平均であってもよい。
時刻2019/4/1 12:00 需給調整要求「2019/4/1 13:00-13:30、140kWh、放電」
尚、ここでは、図9(d)の6個のグループについて説明する。
(S2)次に、グループC2+C1を選択する。このとき、グループC2+C1の充放電可能電力量は、需要調整電力量以上となるために、その超える前に選択されたグループC2を確定する。また、グループC2+C1を組み合わせ候補をとして記憶する。
組み合わせ候補:C2+C1
(S3)次に、グループC2+A1を選択する。このとき、グループC2+A1の充放電可能電力量は、需要調整電力量と一致するために、グループC2+A1を組み合わせ候補をとして記憶する。
組み合わせ候補:C2+C1
C2+A1
(S4)次に、グループC2+B2を選択する。このとき、グループC2+B2の充放電可能電力量は、需要調整電力量よりも低いために、そのまま継続する。
(S5)次に、グループC2+B2+B3を選択する。このとき、グループC2+B2+B3の充放電可能電力量は、需要調整電力量以上となるために、その超える前に選択されたグループC2+B2を確定する。また、グループC2+B2+B3を組み合わせ候補をとして記憶する。
組み合わせ候補:C2+C1
C2+A1
C2+B2+B3
(S6)次に、グループC2+B2+A2を選択する。このとき、グループC2+B2+A2の充放電可能電力量は、需要調整電力量と一致するために、グループC2+B2+A2を組み合わせ候補をとして記憶する。
組み合わせ候補:C2+C1
C2+A1
C2+B2+B3
C2+B2+A2
最終的に、全ての組み合わせ候補の中で、充放電可能電力量が最も低い(需給調整電力量に最も近い)グループの組み合わせを選択する。図8によれば、以下の2つの組み合わせが選択される。
最終的に選択された組み合わせ:C2+A1
C2+B2+A2
このように、グループ選択部15は、同一の需要調整電力量に対して、グループの複数の組み合わせを選択することができる。
蓄電池制御部16は、組み合わされたグループの各蓄電池に、充放電電力量を指示する。このとき、蓄電池制御部16は、グループ毎に、当該グループの充放電電力量を、各蓄電池に等分する。電力利用情報の類似度が高い蓄電池同士がグループ化されているために、充放電電力量も等分することができる。
グループのメンバ数 :nmin=1
nmax=32,768
同一メンバ数nのグループ数 :m=1
グループの段階間のメンバ増分率:U=2
ここで、図11によれば、蓄電池数65,535を制御しようとした場合、蓄電池毎の充放電電力量の計算時間は、6,553.5秒(約109分)必要になるのに対し、グループ毎の充放電電力量の計算時間では、1.6秒となる。例えば30分毎に蓄電池の電力利用情報を取得することができる場合、その充放電電力量の計算時間も30分以内とすることが好ましい。前述の例によれば、蓄電池毎に計算すると109分かかってしまい、30分以内に計算することもできず、需給調整電力量と各蓄電池の充放電電力量の総和との間の誤差も大きくなる。
これによって、需給調整電力量に応じた各蓄電池に対する充放電電力量の決定について、制御対象となる蓄電池の数が増加しても、蓄電池の選択及び充放電電力量の決定における計算量を抑制することができる。
特に、蓄電池の数が増大しても、計算量が抑制され、計算時間が長くならない。そのために、各蓄電池における新しい電力利用情報を用いて計算することができ、需給調整電力量と各蓄電池の充放電電力量の総和との間の誤差も小さくすることができる。
10 蓄電池データベース
11 グループ定義部
12 初期設定部
13 第1のグループ再構成部
14 第2のグループ再構成部
15 グループ選択部
15 蓄電池制御部
2 電力会社システム
3 蓄電池
Claims (10)
- 各メンバが第1の属性値及び第2の属性値を有し、複数のメンバをグループ化する装置に搭載されたコンピュータに実行させるプログラムであって、
n個のメンバを含むm個のグループを構成する制約条件を予め定義したグループ定義手段と、
1つ以上のメンバを1つのグループとして、第1の属性値に基づく第1のグループの群と、第2の属性値に基づく第2のグループの群と、第1の属性値及び第2の属性値に基づく第3のグループの群を設定する初期設定手段と、
第1の属性値同士が最も近い第1のグループ同士を組み合わせて第1のグループの群を再構成し、任意の第2のグループが任意の第1のグループに包含される場合、制約条件を満たす限り、その共通集合を第3のグループとして再構成する第1のグループ再構成手段と、
第2の属性値同士が最も近い第2のグループ同士を組み合わせて第2のグループの群を再構成し、任意の第1のグループが任意の第2のグループに包含される場合、制約条件を満たす限り、その共通集合を第3のグループとして再構成する第2のグループ再構成手段と
して、第1のグループ再構成手段及び第2のグループ再構成手段を交互に繰り返す
ようにコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。 - 初期設定手段は、1つのメンバを1つのグループとして、第1の属性値に基づく第1のグループの群と、第2の属性値に基づく第2のグループの群と、第1の属性値及び第2の属性値に基づく第3のグループの群を予め設定する
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。 - 第1のグループ再構成手段及び第2のグループ再構成手段は、デンドログラムに基づいてグループ同士を1段ずつ組み合わせる
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項1又は2に記載のプログラム。 - グループ定義手段は、以下のように定義し、
グループのメンバ数 :n、nmin≦n≦nmax
nmin≧1、nmax>1
同一メンバ数nのグループ数 :m
同一メンバ数nのグループの段階:k(メンバ数が少ないグループからの昇順)
グループの段階間のメンバ増分率:U(1<U≦2)
k=1のグループのメンバ数 :scale(1)=nmin
k番目のグループのメンバ数 :scale(k)=floor{U×scale(k−1)}
floor{}:切り上げ整数
K番目のグループのメンバ数 :scale(K)≦nmax
nを増分させつつK段階繰り返す
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプログラム。 - メンバは、蓄電池を持つ需要家であり、
第1の属性値は、消費電力に基づく属性値であり、
第2の属性値は、発電電力に基づく属性値である
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のプログラム。 - アグリゲータ機能として、需給調整電力量に応じて、複数の蓄電池それぞれの充放電電力量を制御するために、
各蓄電池の充放電可能電力量の総和が、需要調整電力量から算出可能な、依頼全体の充放電電力量に近くなるように、第3のグループの組み合わせを選択するグループ選択手段と、
組み合わされたグループの各蓄電池に、充放電電力量を指示する蓄電池制御手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする請求項5に記載のプログラム。 - グループ選択手段は、
同一の需要調整電力量に対して、グループの複数の組み合わせを選択し、
同一の需要調整電力量の要求を受信する毎に、グループの組み合わせを変更する
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項6に記載のプログラム。 - 蓄電池制御手段は、グループ毎に、当該グループの充放電電力量を、各蓄電池に等分する
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項6又は7に記載のプログラム。 - 各メンバが第1の属性値及び第2の属性値を有し、複数のメンバをグループ化する装置であって、
n個のメンバを含むm個のグループを構成する制約条件を予め定義したグループ定義手段と、
1つ以上のメンバを1つのグループとして、第1の属性値に基づく第1のグループの群と、第2の属性値に基づく第2のグループの群と、第1の属性値及び第2の属性値に基づく第3のグループの群とを予め構成する初期設定手段と、
第1の属性値同士が最も近い第1のグループ同士を組み合わせて第1のグループの群を再構成し、任意の第2のグループが任意の第1のグループに包含される場合、制約条件を満たす限り、その共通集合を第3のグループとして構成する第1のグループ再構成手段と、
第2の属性値同士が最も近い第2のグループ同士を組み合わせて第2のグループの群を再構成し、任意の第1のグループが任意の第2のグループに包含される場合、制約条件を満たす限り、その共通集合を第3のグループとして構成する第2のグループ再構成手段と
を有し、第1のグループ再構成手段及び第2のグループ再構成手段を交互に繰り返すように機能させることを特徴とする装置。 - 各メンバが第1の属性値及び第2の属性値を有し、複数のメンバをグループ化する装置のグループ化方法であって、
装置は、
n個のメンバを含むm個のグループを構成する制約条件を予め定義し、
1つ以上のメンバを1つのグループとして、第1の属性値に基づく第1のグループの群と、第2の属性値に基づく第2のグループの群と、第1の属性値及び第2の属性値に基づく第3のグループの群とを予め構成しており、
第1の属性値同士が最も近い第1のグループ同士を組み合わせて第1のグループの群を再構成し、任意の第2のグループが任意の第1のグループに包含される場合、制約条件を満たす限り、その共通集合を第3のグループとして構成する第1のステップと、
第2の属性値同士が最も近い第2のグループ同士を組み合わせて第2のグループの群を再構成し、任意の第1のグループが任意の第2のグループに包含される場合、制約条件を満たす限り、その共通集合を第3のグループとして構成する第2のステップと
を実行し、第1のステップ及び第2のステップを交互に繰り返すように実行する
ことを特徴とする装置のグループ化方法。
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