JP2021123306A - 水中移動体 - Google Patents

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【課題】水中移動体本体の大型化を抑制しつつ浮力を増大させることができる、水中移動体を提供する。【解決手段】水中移動体1の浮力補助装置4は、密封された空間を形成する耐圧部41と、水中に晒される暴露部42と、耐圧部41内に配置された膨縮可能な内部袋体43と、暴露部42内に配置された膨縮可能な外部袋体44と、内部袋体43と外部袋体44とを流通可能に連結する流路45と、流路45に配置された弁体46と、内部袋体43及び外部袋体44の内部に封入された作動流体と、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、水中移動体に関し、特に、水中と水面との間を往来可能な水中移動体に関する。
水圏(海洋、湖沼、河川等)は、地球表面の約70%を占めており、その熱容量は大気の約1000倍といわれている。特に、最も広大な海洋の水温が大きく変化した場合には、大気の状態に大きな影響を及ぼし、世界各地の天候や気候に大きな変化をもたらすこととなる(例えば、エルニーニョ現象等)。そこで、海洋データの変動を把握するために、水温を含む海洋データを調査する必要がある。また、航海安全、防災・環境保全、海洋権益保全等のために、潮流観測、海底地殻変動観測、海底活断層調査、大陸棚調査等を行う必要もある。
これらの海洋調査では、例えば、特許文献1に記載されたように、海底に配置されるアンカーと、該アンカーに接続され海中に浮遊する中間ブイと、該中間ブイに一端が接続された係留索と、該係留索の他端に接続された水中移動体 と、を有する海洋データ収集システムが用いられる。かかる特許文献1に記載された水中移動体は、自身の浮力を調整することによって、水中と水面との間を往来することができるように構成されている。
特開2016−155392号公報
しかしながら、上述した水中移動体は水中で係留索に繋がれていることから、水面近くに浮上するにしたがって係留索が海流に対して抵抗となり、水中移動体の浮上を妨げてしまうという問題がある。特に、海流の勢いが強く、水中移動体が水面に浮上できない場合には、水中移動体の通信を行うことができず、海洋データを収集することができないこともあり得る。また、水中移動体本体の浮力を大きくしようとすれば、水中移動体の本体が大型化してしまうという問題もある。
本発明は、かかる問題点に鑑み創案されたものであり、水中移動体本体の大型化を抑制しつつ浮力を増大させることができる、水中移動体を提供することを目的とする。
本発明によれば、水中と水面との間を往来可能な水中移動体であって、係留索に連結された本体部と、前記本体部の内部に配置された浮力調整部と、前記本体部の外部に配置された浮力補助装置と、を備え、前記浮力補助装置は、密封された空間を形成する耐圧部と、水中に晒される暴露部と、前記耐圧部内に配置された膨縮可能な内部袋体と、前記暴露部内に配置された膨縮可能な外部袋体と、前記内部袋体と前記外部袋体とを連結する流路と、該流路に配置された弁体と、前記内部袋体及び前記外部袋体の内部に封入された作動流体と、を備えている、ことを特徴とする水中移動体が提供される。
前記本体部は略円筒形状を有し、前記耐圧部及び前記暴露部は前記本体部の軸心方向に沿って隣接するように配置されていてもよい。
前記浮力補助装置は、前記本体部の外径よりも小さい外径を有していてもよく、できるだけ小さくすることが好ましい。
前記浮力補助装置は、前記本体部の上半部に配置されていてもよい。
前記浮力補助装置は、前記本体部の前方側に配置された第一浮力補助装置と、前記本体部の後方側に配置された第二浮力補助装置と、を備え、前記第一浮力補助装置の耐圧部と前記第二浮力補助装置の耐圧部とが隣接するように配置されていてもよい。
前記作動流体は、例えば、ポリトロープ変化可能な圧縮性流体である。
前記内部袋体は、前記外部袋体よりも小さい容積を有していてもよい。
上述した本発明に係る水中移動体によれば、本体部内に配置された浮力調整部に加えて、浮力補助装置を本体部に外付けしたことにより、本体部の大型化を抑制することができる。また、浮力補助装置は、耐圧部内に内部袋体を配置し、暴露部内に外部袋体を配置し、水圧に合わせて作動流体を内部袋体と外部袋体との間で流通させるだけで浮力を増大させることができる。また、既存の水中移動体の浮沈能力を簡便に増強することもできる。
本発明の一実施形態に係る水中移動体を示す全体構成図であり、(a)は浮上状態、(b)は降下状態、を示している。 図1に示した水中移動体の使用状態を示す概念図である。 浮力補助装置の作用を示す図であり、(a)は水中に待機している状態、(b)は浮上中又は降下中の中間部に位置する状態、(c)は水面付近に位置する状態、を示している。 浮力補助装置の浮力の変化を示す図である。 浮力補助装置の変形例を示す図であり、(a)は第一変形例、(b)は第二変形例、(c)は第三変形例、(d)は第四変形例、である。
以下、本発明の実施形態について図1(a)〜図5(d)を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の一実施形態に係る水中移動体を示す全体構成図であり、(a)は浮上状態、(b)は降下状態、を示している。図2は、図1に示した水中移動体の使用状態を示す概念図である。
本発明の一実施形態に係る水中移動体1は、図1(a)及び図1(b)に示したように、係留索21に連結された本体部2と、本体部2の内部に配置された浮力調整部3と、本体部2の外部に配置された浮力補助装置4と、を備えている。なお、図1(a)及び図1(b)において、説明の便宜上、本体部2及び浮力補助装置4については断面を図示してある。また、図2において、水中移動体1が水面に浮上した状態を実線で図示し、水中移動体1が水中に待機した状態を一点鎖線で図示してある。
水中移動体1は、例えば、海洋、湖沼、河川等の水圏に配置される、ブイ、水中航走体、水中グライダー、水中曳航体等であって、水中と水面との間を往来可能、すなわち、水中で浮沈可能に構成された水中機器である。
かかる水中移動体1は、配置された水圏における、現在位置、水温、塩分濃度、水圧、磁力、放射線濃度等のデータを取得するデータ取得部5及び地上基地局と通信するアンテナ部6を有している。以下、水中移動体1を海洋に配置して、海洋データを取得する場合について説明する。
水中移動体1の本体部2は、例えば、略円筒形状の筐体を有している。本体部2の内部には、浮力調整部3、制御部7、蓄電池8等が格納されている。また、本体部2の外部には、データ取得部5、アンテナ部6、安定翼9等が配置されている。
データ取得部5は、例えば、塩分濃度等の基礎情報を取得するCTDセンサ(電気伝導度:Conductivity、温度:Temperature、深度:Depthを計測するセンサ)、圧力センサ、磁気センサ、放射線測定器、ソナー等、種々の計測・観測用のセンサや装置により構成される。
これらのセンサ及び装置は、観測又は計測を行う海洋において取得したい海洋データの種類に応じて適宜選択される。また、データ取得部5は、海水をサンプリング採取する海水採取装置を含んでいてもよい。なお、データ取得部5は、センサや装置の種類に応じて、本体部2の後尾部に配置されていてもよいし、下部や上部に配置されていてもよい。
アンテナ部6は、データ取得部5により取得した海洋データを地上基地局や観測船等の主装置にデータ伝送する通信機器である。アンテナ部6は、主装置のアンテナと直接的に交信してもよいし、通信衛星を介して主装置と交信するようにしてもよい。なお、アンテナ部6は、水中移動体1の種類や形状に応じて、本体部2の後尾部に配置されていてもよいし、上部に配置されていてもよい。
浮力調整部3は、例えば、膨縮可能な浮袋31と、浮袋31に液体を供給するポンプユニット32と、ポンプユニット32を介して浮袋31に供給される作動液を貯留する液体タンク33と、浮袋31の外周を覆うカバー34と、を有している。なお、浮力調整部3の構成は単なる一例であり、図示した構成に限定されるものではない。
浮袋31は、海水に対して耐性を有する柔らかい素材(例えば、樹脂等)により構成される。カバー34は、浮袋31の破損を抑制する部品であり、外周面に複数の開口部34aが形成されている。したがって、カバー34内は、水中移動体1を海中に沈めたときに海水で満たされるように構成されている。なお、液体タンク33に収容された作動液は、例えば、シリコーンオイルである。
ポンプユニット32は、例えば、オイルポンプと駆動モータとにより構成される。オイルポンプは、浮袋31と配管32aを介して接続されており、液体タンク33内の作動液を浮袋31に注液したり排液したりすることができるように構成されている。
配管32aの中間部には逆止弁32bが配置されている。すなわち、逆止弁32bは、液体タンク33外の浮袋31とポンプユニット32との間に配置されている。かかる逆止弁32bを配置することにより、浮袋31にかかる水圧による作動液の逆流を抑制することができる。
液体タンク33は、例えば、筒形状のシリンダ33aと、シリンダ33aの先端に配置されたヘッダ部33bと、シリンダ33aの内周面に沿って移動可能に配置されたピストン33cと、を有し、ポンプユニット32に接続される配線及び配管32aはヘッダ部33bに集約されて配置されている。シリンダ33a、ヘッダ部33b及びピストン33cにより囲まれた空間に作動液が充填されている。
また、ヘッダ部33bの中心部からシリンダ33aに沿ってガイドロッド33dが配置されており、ピストン33cはガイドロッド33dに嵌装されている。ピストン33cは、作動液の増減に応じて、ガイドロッド33dに沿ってシリンダ33a内を摺動する。ピストン33cとガイドロッド33d及びシリンダ33aとの間にはOリング等のシール材が必要に応じて適宜配置される。
また、ピストン33c内にはマグネット33eが配置されており、ガイドロッド33dは通電可能に構成されている。ガイドロッド33dに通電すると、ピストン33c内のマグネット33eの磁界が歪み、その位置を計測することができる。すなわち、液体タンク33は、ピストン33cの位置を計測する位置センサ(例えば、磁歪式リニアセンサ)を有している。
上述した浮力調整部3によれば、ポンプユニット32を作動させて、液体タンク33から浮袋31に作動液を注液すると、浮袋31はカバー34内で膨張し、カバー34内の海水が海中に押し出される。その結果、水中移動体1の見かけ上の体積を増大させることができ、水中移動体1の比重が低下して浮力が増大し、水中移動体1を浮上させることができる。
また、ポンプユニット32を作動させて、浮袋31から液体タンク33に作動液を排液すると、浮袋31はカバー34内で収縮し、カバー34内に海水が流入する。その結果、水中移動体1の見かけ上の体積を減少させることができ、水中移動体1の比重が上昇して浮力が低下し、水中移動体1を降下させることができる。
蓄電池8は、制御部7、ポンプユニット32、ガイドロッド33d、逆止弁32b、データ取得部5、アンテナ部6等に接続されており、各機器に必要な電力を供給する。また、制御部7は、蓄電池8、ポンプユニット32、ガイドロッド33d、逆止弁32b、データ取得部5、アンテナ部6等に接続されており、水中移動体1の浮沈、海洋データの取得、データ通信等の処理に応じて各機器を制御する。
具体的には、制御部7に接続された記憶部(メモリ)には、データ取得部5の各センサ等の操作スケジュールや水中移動体1の浮沈スケジュール等が保存されており、これらのスケジュールに従って制御部7が計測や浮沈に必要な所定の操作を行う。
ここで、図2は、図1に示した水中移動体1を用いた海洋データ収集システムの一例を示している。かかる海洋データ収集システムは、例えば、海底に配置されるアンカー10と、アンカー10に接続され海中に浮遊する中間ブイ11と、中間ブイ11に一端が接続された係留索21と、係留索21の他端に接続された水中移動体1と、を有している。
アンカー10は、水中移動体1を海底に繋ぎ留めておくための部品である。中間ブイ11は、水中移動体1の浮沈の起点を構成する部品である。中間ブイ11は、索体12によりアンカー10と接続されている。係留索21は、中間ブイ11と水中移動体1とを接続する部品である。
したがって、水中移動体1は、係留索21、中間ブイ11及び索体12によって海底に繋がれている。係留索21の長さは、水中移動体1の海中待機位置の深度、水中移動体1が配置される海流の速度、索体12の長さ等の条件により、水中移動体1が浮上して海面に到達することができるように設定される。
また、係留索21は、水中移動体1の全長の中央部よりも前方かつ先端部よりも後方の位置の本体部2に接続される。かかる位置に係留索21を接続することにより、水中移動体1を海流の進行方向に対して略平行となるように支持しやすくすることができる。
図2において一点鎖線で示した待機状態では、水中移動体1は海中に沈降した状態に保持されており、海流によって中間ブイ11の下流側に位置している。水中移動体1が所定の海洋データを取得すると、そのデータを地上側に送信するために、アンテナ部6を海面上に露出させる必要がある。水中移動体1を浮上させる場合は、浮力調整部3により浮力を大きくすればよい。
図2において実線で示したように、アンテナ部6が海面上に露出すると、アンテナ部6は通信衛星等と通信を開始し、取得した海洋データを地上基地局に送信する。次に、再び観測状態に戻るためには、水中移動体1を降下させる必要がある。水中移動体1を降下させる場合は、浮力調整部3により浮力を小さくすればよい。
ところで、水中移動体1は海中で係留索21に繋がれていることから、海面近くに浮上するにしたがって係留索21が海流に対して抵抗となり、水中移動体1の浮上を妨げてしまう場合がある。例えば、黒潮のように海流の勢いが強い海域では、水中移動体1が海面に浮上できない場合も想定される。この場合、アンテナ部6を海面上に露出させることができず、水中移動体1から海洋データを送信することができなくなる。
このとき、浮袋31を大きくすることも考えられるが、その分だけ作動液の量も増え、液体タンク33も大きくせざるを得ない。したがって、水中移動体1の大型化・重量化を招くこととなる。水中移動体1が大型化すれば、運搬やメンテナンス等の取り扱いが困難になるだけでなく、海中における抵抗も大きくなる。また、水中移動体1が重量化すれば、その分だけ浮力が犠牲になってしまう。
そこで、本実施形態では、水中移動体1に浮力補助装置4を外付けしている。浮力補助装置4は、例えば、図1(a)に示したように、密封された空間を形成する耐圧部41と、水中に晒される暴露部42と、耐圧部41内に配置された膨縮可能な内部袋体43と、暴露部42内に配置された膨縮可能な外部袋体44と、内部袋体43と外部袋体44とを流通可能に連結する流路45と、流路45に配置された弁体46と、内部袋体43及び外部袋体44の内部に封入された作動流体(図示せず)と、を備えている。
また、本実施形態に係る浮力補助装置4は、本体部2の前方側に配置された第一浮力補助装置4aと、本体部2の後方側に配置された第二浮力補助装置4bと、を備え、第一浮力補助装置4aの耐圧部41と第二浮力補助装置4bの耐圧部41とが隣接するように配置されている。
耐圧部41は、略円筒形状の樹脂製又は金属製の筐体を備え、両端部を封止することによって、水圧に耐えうる密封された空間を形成している。内部袋体43は、耐圧部41によって形成された密封空間に配置されており、水圧による外圧を受けないように構成されている。
暴露部42は、略円筒形状の樹脂製のカバーを備え、表面に複数の開口部42aを形成することによって、内部に海水が流入できるように構成されている。外部袋体44は、暴露部42によって形成された暴露空間に配置されており、水圧による外力を受けるように構成されている。なお、本実施形態において、暴露部42は、浮力補助装置4の両端部に位置することから、暴露部42のカバーの端部を海流の抵抗を受け難い形状(例えば、球形、流線形等)に形成してもよい。
耐圧部41及び暴露部42は、それぞれの空間を形成する隔壁を介して、本体部2の軸心方向に沿って互いに隣接するように配置されている。この隔壁には流路45が貫通している。流路45は、内部袋体43の内部と外部袋体44の内部とを連通するように構成された配管である。流路45には、弁体46として流量弁が配置される。
作動流体は、ポリトロープ変化可能な圧縮性流体であり、例えば、シリコーンオイルである。作動流体を内部袋体43と外部袋体44との間を流通させる設定圧力は、耐圧部41内の密封空間内に封入される気体又は液体の圧力によって設定される。
上述した構成を有する浮力補助装置4は、例えば、図1(a)に示したように、水中移動体1の本体部2の上部に配置される。具体的には、本体部2の外周に固定される環状部及び耐圧部41の外周に固定される環状部を備えた金具47により、浮力補助装置4が水中移動体1に固定される。このように浮力補助装置4を本体部2の上部に配置することにより、水中における本体部2の姿勢を安定させることができる。
なお、浮力補助装置4の配置は、本体部2の上部に限定されるものではなく、上半部(側部から上部の間)に配置することができる。また、浮力補助装置4を側部に配置する場合には左右対称に複数の浮力補助装置4を配置するようにしてもよい。
また、浮力補助装置4の外径は、水中移動体1の本体部2の外径よりも小さく形成されていてもよく、できるだけ小さくすることが好ましい。浮力補助装置4は、本体部2の上部空間を利用することができることから、大きな浮力が必要な場合であっても浮力補助装置4を軸心方向に延伸させることができ、その外径を小さくすることができる。浮力補助装置4の外径を小さくすることにより、水中における抵抗を低減することができる。
ここで、図3は、浮力補助装置の作用を示す図であり、(a)は水中に待機している状態、(b)は浮上中又は降下中の中間部に位置する状態、(c)は水面付近に位置する状態、を示している。また、図4は、浮力補助装置の浮力の変化を示す図である。なお、図3(a)〜図3(c)の各図において、説明の便宜上、暴露部42内に流入した海水を灰色に塗り潰して図示してある。
図3(a)に示したように、水中移動体1が水中に待機している状態では、水深が深く水圧が高いことから、外部袋体44は水圧によって圧縮されており、ほとんどの作動流体は内部袋体43に移動している。
その後、水中移動体1が浮上するに連れて、水圧が低くなることから、内部袋体43に移動していた作動流体が外部袋体44に移動し、図3(b)に示したように、外部袋体44が膨張して浮力が増大する。
さらに、水中移動体1が浮上して海面付近まで移動すると、ほとんどの作動流体が外部袋体44に移動し、図3(c)に示したように、外部袋体44が最大限まで膨張して浮力が最大値まで増大することとなる。
かかる浮力補助装置4の浮力と外部圧力(水圧)との関係は、図4に示したように表示される。図4において、横軸は外部圧力(MPa)、縦軸は浮力(N)を示している。いま、内部袋体43の初期圧力をP、内部袋体43の初期体積をVとし、内部袋体43の容量をViとし、外部袋体44の外部圧力をP′、外部袋体44の初期体積をV′とし、外部袋体44の容量をVoとすれば、PV=P′(V−Vi)の関係が成り立つ。ただし、nはポリトロープ係数である。また、Vo=V′−Viであるから、Vo=V′−V{1−(P/P′)1/n}の関係式が導かれる。図4は、この関係式においてn=1.2の場合を図示したものである。
図4に示したように、外部圧力が大きい場合、すなわち、水深が深い場合には、浮力補助装置4の浮力は小さくなる。また、外部圧力が小さい場合、すなわち、水深が浅い場合には、浮力補助装置4の浮力は急激に大きくなる。したがって、水中移動体1の浮上に伴って係留索21の抵抗が級数的に増大した場合であっても、それと同程度に浮力を増大させることができ、水中移動体1を海面まで浮上させることができる。
次に、浮力補助装置4の変形例について、図5(a)〜図5(d)を参照しつつ説明する。ここで、図5は、浮力補助装置の変形例を示す図であり、(a)は第一変形例、(b)は第二変形例、(c)は第三変形例、(d)は第四変形例、である。
図5(a)に示した浮力補助装置4の第一変形例は、内部袋体43を含む一つの耐圧部41と外部袋体44を含む一つの暴露部42とを有している。このように、浮力補助装置4は、少なくとも一つの内部袋体43と少なくとも一つの外部袋体44とを備えていれば、水中移動体1の浮力を増大させることができる。
図5(b)に示した浮力補助装置4の第二変形例は、それぞれ内部袋体43を含む二つの耐圧部41とそれぞれ外部袋体44を含む二つの暴露部42とを有し、二つの暴露部42を内側に配置して連結し、その外側に耐圧部41を配置したものである。
図5(c)に示した浮力補助装置4の第三変形例は、内部袋体43を含む二つの耐圧部41と外部袋体44を含む二つの暴露部42とを有し、耐圧部41と暴露部42とを交互に配置したものである。
このように、浮力補助装置4は、耐圧部41及び暴露部42を任意に配置して構成することができる。例えば、図示しないが、図5(a)に示した浮力補助装置4を本体部2に複数配置するようにしてもよいし、図5(c)に示した浮力補助装置4において三つ以上の耐圧部41及び三つ以上の暴露部42を交互に配置するようにしてもよい。
図5(d)に示した浮力補助装置4の第四変形例は、内部袋体43の長さL1を外部袋体44の長さL2よりも小さくしたものである。作動流体は、耐圧部41から暴露部42に流入すると膨張する性質を有することから、外部袋体44の容積と比較して内部袋体43の容積を小さくすることができる。そこで、外径が同じ大きさの場合には、L1<L2とすることにより、浮力補助装置4の全長Lを短くすることができ、浮力補助装置4の小型化を図ることができる。
また、図示しないが、水中移動体1の上部空間に余裕がある場合には、上述した実施形態及び変形例に係る浮力補助装置4を軸心方向又は外周方向に複数配置するようにしてもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 水中移動体
2 本体部
3 浮力調整部
4 浮力補助装置
4a 第一浮力補助装置
4b 第二浮力補助装置
5 データ取得部
6 アンテナ部
7 制御部
8 蓄電池
9 安定翼
10 アンカー
11 中間ブイ
12 索体
21 係留索
31 浮袋
32 ポンプユニット
32a 配管
32b 逆止弁
33 液体タンク
33a シリンダ
33b ヘッダ部
33c ピストン
33d ガイドロッド
33e マグネット
34 カバー
34a 開口部
41 耐圧部
42 暴露部
42a 開口部
43 内部袋体
44 外部袋体
45 流路
46 弁体
47 金具

Claims (7)

  1. 水中と水面との間を往来可能な水中移動体であって、
    係留索に連結された本体部と、
    前記本体部の内部に配置された浮力調整部と、
    前記本体部の外部に配置された浮力補助装置と、を備え、
    前記浮力補助装置は、密封された空間を形成する耐圧部と、水中に晒される暴露部と、前記耐圧部内に配置された膨縮可能な内部袋体と、前記暴露部内に配置された膨縮可能な外部袋体と、前記内部袋体と前記外部袋体とを連結する流路と、該流路に配置された弁体と、前記内部袋体及び前記外部袋体の内部に封入された作動流体と、を備えている、
    ことを特徴とする水中移動体。
  2. 前記本体部は略円筒形状を有し、前記耐圧部及び前記暴露部は前記本体部の軸心方向に沿って隣接するように配置されている、請求項1に記載の水中移動体。
  3. 前記浮力補助装置は、前記本体部の外径よりも小さい外径を有する、請求項1に記載の水中移動体。
  4. 前記浮力補助装置は、前記本体部の上半部に配置されている、請求項1に記載の水中移動体。
  5. 前記浮力補助装置は、前記本体部の前方側に配置された第一浮力補助装置と、前記本体部の後方側に配置された第二浮力補助装置と、を備え、前記第一浮力補助装置の耐圧部と前記第二浮力補助装置の耐圧部とが隣接するように配置されている、請求項1に記載の水中移動体。
  6. 前記作動流体は、ポリトロープ変化可能な圧縮性流体である、請求項1に記載の水中移動体。
  7. 前記内部袋体は、前記外部袋体よりも小さい容積を有する、請求項1に記載の水中移動体。

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