JP2021122911A - アシスト装置 - Google Patents

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孔孝 吉見
俊貴 粂野
Toshiki Kumeno
俊貴 粂野
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Abstract

【課題】アシスト装置において、アシストトルクの目標値と実際の値との間のずれを抑制する。【解決手段】アシスト装置10は、利用者の上半身に装着される第一装着具11と、利用者の左右の大腿部に装着される左右の第二装着具12L,12Rと、利用者の腰部を通る左右方向の仮想線Liを中心としたトルクを第一装着具11と第二装着具12L,12Rとを通じて利用者に与えるアシスト動作を行うためのアクチュエータユニット13L,13Rと、第二装着具12に設けられ利用者の身体の一部との間に作用する荷重を検出するためのセンサと、アシスト動作のための目標アシストパラメータを求めると共に、目標アシストパラメータに対してセンサの検出結果を用いて補正処理を行う処理部16と、補正処理されたアシストパラメータに応じた信号に基づいてアクチュエータユニット13L,13Rを動作させる動作制御部と、を備える。【選択図】 図1

Description

本開示は、アシスト装置に関する。
利用者(人)の身体に装着され、その利用者の作業を補助するアシスト装置が様々提案されている。アシスト装置によれば、利用者は、例えば重量物を持ち上げる場合であっても、小さな力(小さな負担)で作業を行うことが可能となる。このようなアシスト装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
特開2018−199205号公報
特許文献1に開示されているアシスト装置は、利用者の上半身に装着される第一装着具と、その利用者の左右の大腿部に装着される左右の第二装着具と、アクチュエータユニットとを備える。アクチュエータユニットは、利用者の腰部を通る左右方向の仮想線を中心としたトルクを第一装着具と第二装着具とを通じて利用者に与えるアシスト動作を行うことができる。
アクチュエータユニットは、モータ及びモータの回転を減速する減速機等を有する。このようなアクチュエータユニットは、各部の摩擦等によって出力に関し非線形な特性を有する。また、第一装着具及び第二装着具と利用者の身体の各部との間には滑りが発生する。その結果、アシスト装置に出力させるトルクの目標値と、利用者に与えるトルクの実際の値との間にずれが発生する可能性がある。
そこで、本開示は、前記のようなアシストトルクの目標値と実際の値との間のずれを抑制することが可能となるアシスト装置を提供することを目的とする。
本開示のアシスト装置は、利用者の上半身に装着される第一装着具と、前記利用者の左右の大腿部に装着される左右の第二装着具と、前記利用者の腰部を通る左右方向の仮想線を中心としたトルクを前記第一装着具と前記第二装着具とを通じて利用者に与えるアシスト動作を行うためのアクチュエータユニットと、前記第一装着具又は前記第二装着具に設けられ前記利用者の身体の一部との間に作用する荷重を検出するためのセンサと、前記アシスト動作のための目標アシストパラメータを求めると共に、当該目標アシストパラメータに対して前記センサの検出結果を用いて補正処理を行う処理部と、前記補正処理されたアシストパラメータに応じた信号に基づいて前記アクチュエータユニットを動作させる動作制御部と、を備える。
前記アシスト装置によれば、アクチュエータユニットによるアシスト動作のためのアシストパラメータが、利用者の身体の一部との間に作用する荷重を検出するためのセンサの検出結果に基づいて補正処理される。補正処理されたアシストパラメータに応じた信号に基づいてアクチュエータユニットが動作する。このため、実際に利用者に対して与えられるアシスト動作のためのアシストパラメータを、目標アシストパラメータに近づけることが可能となる。その結果、アシスト装置が出力するアシストトルクの目標値と、利用者に与えるアシストトルクの実際の値との間のずれを抑制することが可能となる。
また、好ましくは、前記処理部は、前記補正処理として、前記センサの検出結果を用いて補正アシストパラメータを求めると共に、前記目標アシストパラメータに対する当該補正アシストパラメータの差を小さくするフィードバック制御を行う。
この構成により、センサの検出結果に基づく補正アシストパラメータと、目標アシストパラメータとの差に応じて、アクチュエータユニットによるアシスト動作のためのアシストパラメータが求められる。
また、好ましくは、前記処理部は、前記センサの検出結果、及び、前記仮想線から前記センサの位置までのモーメントアームに基づいて、前記補正アシストパラメータとして前記仮想線を中心としたトルクを求める。
この構成により、容易に補正アシストパラメータを求めることが可能となる。
本開示のアシスト装置によれば、アシストトルクの目標値と実際の値との間のずれを抑制することが可能となる。
アシスト装置の全体構成を示す斜視図である。 図1に示すアシスト装置の分解斜視図である。 図1に示すアシスト装置が装着された利用者を示す側面図である。 図1に示すアシスト装置が装着された利用者を示す側面図である。 右のアクチュエータユニットの分解図である。 右のアクチュエータユニットの断面図である。 アシスト装置が備える制御装置等を示すブロック図である。 図1に示すアシスト装置が装着された利用者を示す側面図である。 アシストトルクを決定するため処理を示す説明図である。 アシストトルクを決定するため処理及び補正処理を示す説明図である。 アシストトルクを決定するため処理を示す説明図である。
〔アシスト装置の全体構造〕
図1は、アシスト装置の全体構成を示す斜視図である。図2は、図1に示すアシスト装置の分解斜視図である。図3及び図4は、図1に示すアシスト装置が装着された利用者を示す側面図である。なお、図3及び図4では、アシスト装置を略図として示している。図3は、利用者が直立姿勢にあり、図4は、利用者が前傾姿勢にある。図3に示す直立姿勢は、利用者の腰部BWから頭部BHに向かう上半身の長手方向(背骨の長手方向)が鉛直線Vに沿った姿勢である。図4に示す前傾姿勢は、前記上半身の長手方向が鉛直線Vに対して前方に傾斜した姿勢である。前傾姿勢には、利用者が脚BLをまっすぐに伸ばした状態(膝を伸ばした状態)の姿勢以外に、図4に示すように脚BLを曲げた状態の姿勢が含まれる。図4では、鉛直線Vに対する利用者の上半身の前傾姿勢の角度がθaで示されている。
アシスト装置10は、利用者が例えば荷物を持ち上げる際及び荷物を持ち下げる際に、その利用者の腰部BWに対する大腿部BFの回動を支援したり、対象者が歩行する際に、その利用者の腰部BWに対する大腿部BFの回動を支援したりする装置である。利用者の身体に対してアシスト装置10が支援する動作を「アシスト動作」と称する。
各図中のX軸、Y軸、Z軸は、互いに直交しており、アシスト装置10を装着し直立姿勢にある利用者にとって、X軸方向は前方向、Y軸方向は左方向、Z軸方向は上方向にそれぞれ対応する。アシスト動作に関して、前記のような、腰部BWに対する大腿部BFの回動の支援は、大腿部BFに対する腰部BWの回動の支援と同じである。アシスト動作は、利用者の腰部BWを通る利用者の左右方向の仮想線Liを中心としたトルクを、その利用者に与える支援動作である。このトルクを「アシストトルク」とも称する。
図1に示すアシスト装置10は、第一装着具11、左右の第二装着具12L,12R、及び、左右のアクチュエータユニット13L,13Rを備える。第一装着具11は、腰サポート部21及びジャケット部22を有していて、利用者の腰部BWを含む上半身に装着される。左右の第二装着具12L,12Rは、利用者の左右の大腿部BFに装着される。左右のアクチュエータユニット13L,13Rは、第一装着具11と第二装着具12L,12Rとの間に介在し、アシスト動作を行うために駆動する駆動部となる。
アシスト装置10は、操作ユニット14及び制御装置15を更に備える。操作ユニット14は、いわゆるリモートコントローラであり、利用者がアシスト動作の仕様、利用者の身長体重等の体格の属性、疲労度等を入力するための装置である。アシスト動作の仕様として、アシスト動作の動作モード、アシスト動作の強弱、アシスト動作の速度等が含まれる。動作モードとして、例えば「歩行」「持ち下げ動作」及び「持ち上げ動作」が含まれる。操作ユニット14には、アシスト動作の仕様を利用者が選択する選択ボタンが設けられている。操作ユニット14は、第一装着具11の例えばジャケット部22に装着される。操作ユニット14と制御装置15とは有線又は無線で繋がっていて通信可能である。制御装置15は、操作ユニット14に入力された情報に応じて、アクチュエータユニット13L,13Rの動作を制御する。
第一装着具11は、腰サポート部21、ジャケット部22、フレーム23、及び、バックパック部24を有する。腰サポート部21は、利用者の腰部BWの周りに装着される。腰サポート部21は、ベルト25を有する。ベルト25は、腰サポート部21の腰部BW周りの周長を変更可能としていて、腰サポート部21を腰部BWに固定するために用いられる。腰サポート部21は、樹脂等の硬質の芯材及び革製又は布製の部材により構成されている。腰サポート部21の左右両側には、アクチュエータユニット13L,13Rのケース36が取り付けられている。腰サポート部21とケース36とは、左右方向の仮想線Liを中心として、一方向及び他方向に回動自在となって取り付けられている。
ジャケット部22は、利用者の肩部BS及び胸BBの周りに装着される。ジャケット部22は第一取付具26と第二取付具27とを有する。第一取付具26によって、ジャケット部22はフレーム23と連結される。第二取付具27によって、ジャケット部22は、腰サポート部21と連結される。ジャケット部22は、樹脂等の硬質の芯材及び革製又は布製の部材により構成されている。
フレーム23は、アルミ合金等の金属製の部材により構成されている。フレーム23は、メインフレーム28と、左サブフレーム29Lと、右サブフレーム29Rとを有する。メインフレーム28は、利用者の背中に当てる当て部材30を有する。左サブフレーム29L及び右サブフレーム29Rは、メインフレーム28と左右のアクチュエータユニット13L,13Rの一部とを繋ぐ柱状の部材である。左サブフレーム29Lの上端は、メインフレーム28の一部に連結され、左サブフレーム29Lの下端は、左アクチュエータユニット13Lのケース36に連結される。右サブフレーム29Rの上端は、メインフレーム28の他部に連結され、右サブフレーム29Rの下端は、右アクチュエータユニット13Rのケース36に連結される。これにより、左右のアクチュエータユニット13L,13Rと、第一装着具11のフレーム23とは一体化されていて、左右のアクチュエータユニット13L,13Rとフレーム23(第一装着具11)とは相対的な変位が不能となる。
バックパック部24は、メインフレーム28の後部に取り付けられている。バックパック部24は、コントロールボックスとも呼ばれ、箱状であり、その内部に、制御装置15、電源(バッテリ)20等が設けられている。電源20は、制御装置15、左右のアクチュエータユニット13L,13R等の各機器に必要な電力を供給する。
左右の第二装着具12L,12Rは、利用者の左右の大腿部BFの周りに装着される。左の大腿部BF用の第二装着具12Lと、右の大腿部BF用の第二装着具12Rとは、左右反対形状であるが、同じ構成を有する。第二装着具12L(12R)は、樹脂等の硬質の芯材により構成されるパッド状の本体部31と、革製又は布製の部材により構成されるベルト32とを有する。本体部31には、アクチュエータユニット13Lが有するアシストアーム37の一部が連結されている。本体部31は、大腿部BFの前面に接触する。ベルト32は、第二装着具12R(12L)の大腿部BF周りの周長を変更可能としていて、本体部31を大腿部BFに固定するために用いられる。
左右のアクチュエータユニット13L,13Rは、腰サポート部21の左右に取り付けられている。左のアクチュエータユニット13Lと、右のアクチュエータユニット13Rとは、左右反対形状であるが、同じ構成を有し、同じ機能を有する。ただし、左のアクチュエータユニット13Lと右のアクチュエータユニット13Rとは、相互が独立して動作可能であり、同期して同じ動作を行う他に、異なる動作を行うことが可能である。
左のアクチュエータユニット13Lは、第一装着具11と左の第二装着具12Lとの間に設けられている。具体的には、左のアクチュエータユニット13Lは、第一装着具11が有する腰サポート部21及びフレーム23(左サブフレーム29L)と、左の第二装着具12Lとの間に設けられている。右のアクチュエータユニット13Rは、第一装着具11と右の第二装着具12Rとの間に設けられている。具体的には、右のアクチュエータユニット13Rは、第一装着具11が有する腰サポート部21及びフレーム23(右サブフレーム29R)と、右の第二装着具12Rとの間に設けられている。
左のアクチュエータユニット13Lは、仮想線Liを中心としたトルクを第一装着具11と左の第二装着具12Lとを通じて利用者に与えるための構成を備える。右のアクチュエータユニット13Lは、仮想線Liを中心としたトルクを第一装着具11と右の第二装着具12Rとを通じて利用者に与えるための構成を備える。前記のとおり、アシスト動作として与える前記トルクが「アシストトルク」である。左右のアクチュエータユニット13L,13Rが出力するアシストトルクによって、アシスト装置10は、利用者の腰部BWに対する大腿部BFの回動を支援することが可能となる。
図5は、右のアクチュエータユニット13Rの分解図である。図6は、右のアクチュエータユニット13Rの断面図である。左のアクチュエータユニット13Lと右のアクチュエータユニット13Rとは構成が同じであることから、ここでは右のアクチュエータユニット13Rの構成を説明し、左のアクチュエータユニット13Lの説明を省略する。アクチュエータユニット13Rは、駆動機構部35、駆動機構部35を収容するケース36、及び、駆動機構部35から出力されるトルクが伝達されるアシストアーム37を有する。図5及び図6では、アシストアーム37の一部(第一アーム部37a)のみが示されている。
アシストアーム37(第一アーム部37a)の上端にはアシスト軸38が固定されていて、アシストアーム37とアシスト軸38とは一体回転する。アシスト軸38は、仮想線Liを中心とするようにしてアクチュエータユニット13Rに設けられている。図1に示すように、アシストアーム37(第三アーム部37c)の下端は第二装着具12Rと連結されている。
駆動機構部35は次のように構成されている。すなわち、駆動機構部35は、アシストアーム37を仮想線Liを中心として回動させることで、前記アシストトルクを利用者に与えることができる。また、利用者が主体的に姿勢を変化させると(図3及び図4参照)アシストアーム37はケース36に対して仮想線Liを中心として回動することができる。
駆動機構部35の具体的構成を説明する。図5及び図6に示すように、駆動機構部35は、ケース36に固定されているサブフレーム41、モータ42、減速機43、フランジ部44aを有する第一プーリ44、伝達ベルト45、第二プーリ46、渦巻ばね47、軸受48、第一検出器51、及び、第二検出器52を有する。
モータ42、減速機43、第二検出器52がサブフレーム41に取り付けられている。モータ42の出力軸42aに軸受48を介して第一プーリ44が取り付けられていて、第一プーリ44は出力軸42aと相対回転が自在である。出力軸42aの先部に渦巻ばね47の内周端部が取り付けられている。第一プーリ44のフランジ部44aに渦巻ばね47の外周端部が取り付けられている。減速機43の減速軸43bにアシスト軸38が固定されている。減速機43の増速軸43aに第二プーリ46が取り付けられている。第一プーリ44と第二プーリ46との間に伝達ベルト45が掛けられている。アシスト軸38、減速機43、及び第二プーリ46の各中心線は、仮想線Liと一致する。
第一検出器51は、モータ42の出力軸42aの回転角度を検出する。第二検出器52は、第二プーリ46の回転角度を直接的に検出しているが、減速機43の減速比は一定であることから、アシスト軸38の回動角度を検出することができる。アシスト軸38の回動角度とアシストアーム37の回動角度とは同じであることから、第二検出器52は、アシストアーム37の回動角度を検出することも可能である。第一検出器51及び第二検出器52はエンコーダ、角度センサ等により構成される。第一検出器51及び第二検出器52の検出結果は、制御装置15に出力される。
前記のとおり(図1参照)、第一装着具11のフレーム23と左右のアクチュエータユニット13L,13Rとは、一体的であって、相対的な変位が不能である。利用者が姿勢を変化させると(図3及び図4参照)、左右のアクチュエータユニット13L,13Rのケース36に対して左右のアシストアーム37,37が仮想線Liを中心として回動する。つまり、利用者が姿勢を変化させると、アシストアーム37,37にトルクが付与される。そのトルクは、アシストアーム37からアシスト軸38及び減速機43を介して第二プーリ46に伝達される。第二プーリ46に伝達された前記トルクは伝達ベルト45及び第一プーリ44を通じて渦巻ばね47に伝達される。利用者の姿勢変化により、アシストアーム37からアシスト軸38を介して伝わるトルクは渦巻ばね47に蓄積される。
また、モータ42が回転すると、そのモータ42のトルク(モータトルク)は渦巻ばね47に蓄えられる。このように、渦巻ばね47には、モータ42のアシストトルクが蓄積されると共に、利用者の動作によってアシスト38を通じて伝達された利用者のトルクが蓄積される。アシストトルクトルクと利用者のトルクとを合成した合成トルクが渦巻ばね47に蓄積される。渦巻ばね47に蓄積された合成トルクは、第一プーリ44、伝達ベルト45、第二プーリ46、減速機43を通じて、アシスト軸38に出力され、アシストアーム37を回動させる。モータ42のトルクによってアクチュエータユニット13L,13Rが出力するトルクが、アシスト装置10による「アシストトルク」である。
前記合成トルクは、渦巻ばね47の無負荷状態からの角度変化量と、渦巻ばね47のばね定数とに基づいて求められる。前記角度変化量は、モータ42の出力軸42aの回転角度の変化量と、アシスト軸38の回動角度の変化量との合計と相関がある。このため、前記合成トルクは、第一検出器51の検出結果と、第二検出器52の検出結果と、渦巻ばね47のばね定数とに基づいて求められる。第一検出器51及び第二検出器52の検出結果は、制御装置15が備える処理部16に与えられることから、処理部16は前記合成トルクを求めることが可能である。
ケース36は、分割構造を有する。ケース36は、外側ケース54と中央ケース55と内側ケース56とを有する。内側ケース56が腰サポート部21に仮想線Li回りに回動自在となって取り付けられている。外側ケース54に設けられている孔54aを、アシスト軸38が貫通して配置されている。中央ケース55が、右サブフレーム29Rを取り付ける取付部55aを有する。
図1及び図2に示すように、アシストアーム37は、複数のアーム部と、これらアーム部を連結する関節部とを有する。本開示では、アシストアーム37は、第一アーム部37a、第二アーム部37b、第三アーム部37c、第一関節部39a、及び第二関節部39bを有する。第一関節部39aは、その両側の第一アーム部37aと第二アーム部37bとを、仮想線Liとねじれの位置にある中心線回りに折れ曲がり可能として連結していて、仮想線Liに平行な中心線回りに折れ曲がり不能としている。第二関節部39bは、その両側の第二アーム部37bと第三アーム部37cとを仮想線Liとねじれの位置にある中心線回りに折れ曲がり可能として連結していて、仮想線Liに平行な中心線回りに折れ曲がり不能としている。第三アーム部37cの下端部が、第二装着具12R(12L)の本体部31に首振り可能となって取り付けられている。この構成により、利用者の体格に応じて第二装着具12R(12L)は大腿部BFに確実に取り付けられ、また、歩行動作等行い易くなる。
アシストアーム37は、関節部39a,39bを有するが、仮想線Li回りのトルクを第二装着具12R(12L)に伝達することができる。また、利用者が姿勢を変化させると(図3及び図4参照)第二装着具12R(12L)が大腿部WFに押されて、アシストアーム37は仮想線Liを中心として回動する。つまり、アシストアーム37は、利用者の動作(姿勢の変化)により第二装着具12R(12L)に作用する力を仮想線Li回りのトルクとしてアシスト軸38に伝達することができる。なお、アシストアーム37は図示する形態以外であってもよい。
アシスト装置10は、圧力センサである第一センサ33及び第二センサ34を更に備える。第一センサ33及び第二センサ34はひずみセンサ(ひずみゲージ)であってもよい。
第一センサ33は、第一装着具11に設けられていて、利用者の身体の一部である背中との間に作用する荷重を検出する。本開示では、第一装着具11は当て部材30を有することから、その当て部材30に第一センサ33が設けられている。利用者の背中が第一センサ33の検出ヘッドに接触し、背中が第一センサ33の検出ヘッドを押した際の荷重(力)を第一センサ33は検出する。
第二センサ34は、左右の第二装着具12L,12Rそれぞれに設けられていて、利用者の身体の他の一部である大腿部BFとの間に作用する荷重を検出する。本開示では、第二装着具12L,12Rはパッド状の本体部31を有することから、その本体部31に第二センサ34が設けられている。利用者の大腿部BFの前面が第二センサ34の検出ヘッドに接触し、大腿部BFが第二センサ34の検出ヘッドを押した際の荷重(力)を第二センサ34は検出する。
第一センサ33及び第二センサ34の検出結果は、制御装置15に出力される。
図7は、アシスト装置10が備える制御装置15等を示すブロック図である。制御装置15は、演算処理ユニット(CPU)を含む処理部(処理装置)16と、各種プログラム及びデータベース等の情報を記憶する不揮発性メモリ等からなる記憶装置17と、モータドライバ18と、通信インターフェース19とを有する。
処理部16は、記憶装置17に記憶されているプログラムを実行することで、各種の機能部を有することができる。その機能部として、処理部16は、演算部61、補正部62、及び実行部63を有する。演算部61は、アシスト動作のためのアシストパラメータを求める機能を有する。前記アシストパラメータは、アシスト動作のための力等であってもよいが、本開示では、アシストトルク(トルク)である。そのアシストトルクを求めるために、演算部61は、利用者が動作する(例えば後に説明する持ち上げ動作する)際のその利用者の出力を推定する機能を有する。以下の説明では、利用者が動作する際のその利用者の出力を「自力出力」と称することがある。自力出力は、第一センサ33と第二センサ34とのうちの一方の検出結果を用いて求められる。本開示では、第一センサ33の検出結果に基づいて自力出力が求められる。更に、演算部61は、推定した自力出力に基づいてアシスト動作のためのアシストパラメータを求める機能を有する。本開示では、アシストパラメータとして、アクチュエータユニット13L,13Rそれぞれが出力するアシストトルクが求められる。
補正部62は、演算部61が求めたアシストトルクに対して補正処理を行う機能を有する。補正処理は、第一センサ33又は第二センサ34の検出結果を用いて行われる。本開示では、第二センサ34の検出結果を用いて補正処理が行われる。
演算部61が有する、自力出力を推定する機能、及び、その自力出力に基づいてアシストトルクを求める機能、並びに、補正部62が有する補正処理については、後に説明する。
実行部63は、操作ユニット14の選択ボタンが利用者によって選択されると、その選択ボタンに対応する動作用のプログラムにしたがってアシスト動作を実行する。実行部63は、「歩行」「持ち下げ動作」及び「持ち上げ動作」等のためのアシスト動作を、記憶装置17に記憶されているプログラムにしたがって実行する機能を有する。前記プログラムとして、歩行用のプログラム、持ち上げ動作用のプログラム、持ち下げ用のプログラムが、記憶装置17に記憶されている。例えば、操作ユニット14において例えば「持ち上げ動作」に対応するボタンが利用者の操作によって選択されると、実行部63は、持ち上げ動作用のプログラムにしたがって持ち上げ動作のためのアシスト動作を実行する。
処理部16は、更に、求めたアシストトルク(又は補正されたアシストトルク)をアクチュエータユニット13L,13Rに出力させるための指令信号を生成する。その指令信号がモータドライバ18へ与えられる。モータドライバ18は、例えば電子回路を含んで構成されていて、処理部16からの指令信号に基づいて、モータ42を駆動する駆動電流を出力する。モータドライバ18は、前記指令信号に基づいてアクチュエータユニット13L,13Rを動作させる。モータドライバ18は、アクチュエータユニット13L,13Rを動作させる動作制御部として機能する。
通信インターフェース19は、操作ユニット14、第一検出器51、第二検出器52、第一センサ33、及び第二センサ34それぞれからの信号を入力し、処理部16へ与える。操作ユニット14に入力された前記アシスト動作の仕様等の情報は、通信インターフェース19を通じて処理部16に入力され、処理部16は入力された情報を用いた処理を行う。なお、図示しないが、例えば無線通信を用いたネットワークを通じて管理装置から与えられる指令情報等が通信インターフェース19を通じて処理部16に入力されてもよく、処理部16は入力された情報を用いた処理を行う。
〔アシスト動作の概要〕
アシスト装置10は、前記のとおり、左右のアクチュエータユニット13L,13Rを動作させることでアシスト動作を行う。そのアシスト動作は、利用者の腰部BWを通る左右方向の仮想線Liを中心としたアシストトルクを第一装着具11と第二装着具12L,12Rとを通じて利用者に与える動作である。
利用者の動作として、例えば、利用者が、荷物を持ち上げるために、上半身を前傾姿勢から直立姿勢に姿勢変化させる直立動作(「持ち上げ動作」とも称する。)と、利用者が、荷物を持ち下げるために、上半身を直立姿勢から前傾姿勢に姿勢変化させる前傾動作(「持ち下げ動作」とも称する。)と、利用者が歩行する動作とが存在する。
利用者が、直立動作を行う場合であっても、前傾動作を行う場合であっても、アシスト装置10が発生させるアシストトルクは、利用者を前傾姿勢から直立姿勢へと変化させる方向のトルクである。つまり、左右のアクチュエータユニット13L,13Rが、仮想線Li(図8参照)を中心としてアシストアーム37を回動させようとする方向は、矢印R1方向であり、また、左右のアクチュエータユニット13L,13Rが、仮想線Liを中心として第一装着具11(フレーム23)を回動させようとする方向は、矢印R2方向である。
例えば、直立動作(持ち上げ動作)の際、前記矢印R1方向のアシストトルクにより、左右の第二装着具12L,12Rが有するパッド状の本体部31は、左右の大腿部BFを後方へ押す。大腿部BFを押す力が図8において「Faf」で示される。前記矢印R2方向のアシストトルクにより、第一装着具11が有するフレーム23は利用者の上半身を背面側(後方側)に引く。アクチュエータユニット13L,13Rが、利用者の上半身を背面側に引く力が図8において「Fau」で示される。
〔アシストトルクの決定について〕
アシストトルクを決定する処理の概略を説明する。
前記構成を備えるアシスト装置10がアシスト動作を行うため、アクチュエータユニット13L,13Rが出力するアシストトルクは、処理部16によって決定される。アクチュエータユニット13L,13Rが利用者に与えるアシストトルクは、モータ42の出力トルクに基づく。利用者に与えるアシストトルクを大きくするためには、モータ42の出力トルクを大きくすればよく、利用者に与えるアシストトルクを小さくするためには、モータ42の出力トルクを小さくすればよい。アシストトルクは、後に例を説明するが、第一検出器51、第二検出器52、第一センサ33、第二センサ34、及び図外の姿勢センサ等から得られる様々な情報に基づいて、処理部16によって求めることが可能である。
図9は、アシストトルクを決定するため処理を示す説明図である。左のアクチュエータユニット13Lに出力させるアシストトルクと、右のアクチュエータユニット13Rに出力させるアシストトルクとは、同じ処理によって決定される。以下の説明では、右のアクチュエータユニット13Rに出力させるアシストトルクを決定するための処理について説明する。なお、左右のアクチュエータユニット13L,13Rによるアシストトルクは同じ値であってもよいが、例えば利用者が斜め前方に前屈した場合等、利用者の姿勢によって異なる場合もある。
図9のステップS1では、アクチュエータユニット13Rのアシストトルクの指令値(指令アシストトルクτA)が求められる。この指令アシストトルクτAからアシストトルクの目標値(目標アシストトルクτB)が求められる(図9のステップS2)。目標アシストトルクτBを求めるために、前記自力出力(利用者が動作する際のその利用者の出力)が用いられる(図9のステップS10)。自力出力に基づいて目標アシストトルクτBが求められ、その目標アシストトルクτBに応じた指令信号に基づいてアクチュエータユニット13Rが動作する。これにより、アシスト装置10は、利用者の出力に応じたアシスト動作が、その利用者に対して行われる。その結果、アシスト装置10は、例えば体格等の違いにより利用者によって様々である作業能力や利用者が出す力に応じてアシストトルクを与えることが可能となる。
指令アシストトルクτA及び目標アシストトルクτBは演算部61によって求められる。指令アシストトルクτA及び目標アシストトルクτBは仮想線Liを中心としたトルクである。
目標アシストトルクτBを出力するようにアクチュエータユニット13Rのモータ42が動作しても、利用者に対して、その目標アシストトルクτB通りのトルクが実際に与えられない場合がある。そこで、本開示では、目標アシストトルクτBを利用者に実際に与えるための補正処理が補正部62によって行われる(図9のステップS3)。
処理部16は、補正されたアシストトルクを発生させるモータ42の駆動電流値の指令値を決定する。その指令値を示す信号(指令信号)に基づいてモータドライバ18はモータ42を動作させる。本開示では、モータドライバ18は、演算部61によって求められ更に補正部62によって補正されたアシストトルクに応じた信号に基づいて、アクチュエータユニット13L,13Rを動作させることが可能である。
アシストトルクの決定する処理の具体例を説明する。
指令アシストトルクτAを求める処理(図9のステップS1)の例を説明する。
例えば、第二検出器52の検出結果に基づいて、アシストアーム37の回動変化量が演算部61によって求められる。前記回動変化量は利用者の姿勢と相関がある。そこで、演算部61は、前記回動変化量に基づいて利用者の姿勢、つまり、上半身と下半身との成す角度θb(図4参照)を推定することができる。演算部61は、利用者の姿勢(角度θb)に基づいて、指令アシストトルクτAを決定することができる。その決定は、例えば、利用者の姿勢(角度θb)と指令アシストトルクτAとの関係が予め設定されている対応情報を用いて行うことができる。対応情報は、記憶装置17に記憶されている。対応情報は、例えば、利用者の姿勢(角度θb)と指令アシストトルクτAとの関係を示すマップ等のデータベースである。
または、図示しないが、アシスト装置10は、更に、利用者の姿勢を検出するためのジャイロセンサ等の姿勢センサを更に備えていてもよい。その姿勢センサの検出結果に基づいて、指令アシストトルクτAを決定してもよい。この場合、例えば、姿勢センサの検出結果と指令アシストトルクτAとの関係が予め設定されている対応情報を用いて、指令アシストトルクτAが決定される。
このように、指令アシストトルクτAは、利用者の姿勢(角度θb)に応じて求めることができるが、別の処理によって指令アシストトルクτAが求められてもよい。例えば、前記のように第一検出器51及び第二検出器52の検出結果を用いて求められた前記合成トルクに基づいて、指令アシストトルクτAが求められてもよい。
図9のステップS2で目標アシストトルクτBを求める処理の例を説明する。
本開示では、利用者の出力(前記自力出力)が推定され、その出力(自力出力)が更に用いられて目標アシストトルクτBは求められる。例えば、利用者が持ち上げ動作を行う場合にアシスト装置10はアシスト動作を行う。この場合、前記「自力出力」は、アシスト装置10を装着する利用者が上半身を後方へ自力で動かす力となる。図8において、自力出力を「Fhu」としている。
自力出力Fhuは、第一センサ33の検出結果(「Fu」とする。)に基づいて演算部61によって推定される。その推定する処理を、自力出力Fhu及び第一センサ33の検出結果Fuの単位を力(荷重)として説明する。検出結果Fuは、アクチュエータユニット13L,13Rが、所定のアシストトルク(例えば指令アシストトルクτA)で動作した際に取得される情報である。
第一センサ33の検出結果Fuは、アクチュエータユニット13L,13Rのアシスト動作によって第一装着具11が利用者の上半身を引き上げる力Fauと、利用者が上半身を後方へ自力で動かす力、つまり自力出力Fhuとに基づく値となる。その関係は次の式(1)のとおりである。式(1)を変形して式(2)が得られる。ただし、(自力出力:Fhu)>(アシスト動作による力:Fau)とする。
Fu=Fhu−Fau ・・・式(1)
Fhu=Fu+Fau ・・・式(2)
自力出力Fhuは、上半身の一部が第一センサ33を第一装着具11のフレーム23との間で挟んで、第一センサ33を圧縮する方向の力となる。これに対して、アシスト動作による力Fauは、第一センサ33を利用者の上半身から引き離す方向の力となる。
アシスト動作による力Fauは、アクチュエータユニット13L,13Rのアシスト動作によるアシストトルク(指令アシストトルクτA)と、仮想線Liからそのアシスト動作による力Fauの作用位置までのモーメントアームLuとにより、次の式(3)で表される。なお、アシスト動作による力Fauの作用位置は、第一センサ33の設置位置としていて、モーメントアームLuは、仮想線Liから第一センサ33の設置位置までのモーメントアームとする。
Fau=τA/Lu ・・・式(3)
式(2)と式(3)とにより、式(4)が得られる。
Fhu=Fu+τA/Lu ・・・式(4)
式(4)に示すように、自力出力Fhuは、第一センサ33の検出結果Fu、アクチュエータユニット13L,13Rのアシスト動作によるアシストトルク(指令アシストトルクτA)、及び、モーメントアームLuによって求められる。
前記の式(4)で用いられるアシストトルクの値は、演算部61が求めた値(指令アシストトルクτA)である場合を説明したが、第二センサ34の検出結果(「Ff」とする。)に基づいて求められるアシストトルクτAfであるのが好ましい。そこで、前記式(4)のアシストトルクτAの代わりに、第二センサ34の検出結果Ffに基づくアシストトルクτAfが用いられる場合を説明する。アシストトルクτAfを用いて前記式(4)を書き直すと、次の式(5)となる。
Fhu=Fu+τAf/Lu ・・・式(5)
第一センサ33の検出結果Fuを取得して、式(5)に基づいて自力出力Fhuを取得(推定)するためには、アシストトルクτAfを求める必要がある。なお、式(5)のモーメントアームLuは、既知の値である。
アシストトルクτAfを求める処理は次のとおりである。すなわち、第二センサ34の検出結果Ffと、アクチュエータユニット13L,13Rのアシスト動作によって第二装着具12Rが利用者の大腿部BFを押す力Fafとの関係は、次の式(6)を満たすはずである。第二センサ34の検出結果Ffの単位を力(荷重)する。
Ff=Faf ・・・式(6)
アクチュエータユニット13L,13Rのアシスト動作によるアシストトルクを「τAf」とすると、そのアシストトルクτAfと、前記押す力Fafと、仮想線Liからその押す力Fafの作用位置までのモーメントアームLfとの関係は、次の式(7)で表される。
Faf=τAf/Lf ・・・式(7)
押す力Fafの作用位置は、第二センサ34の設置位置としており、モーメントアームLfは、仮想線Liから第二センサ34の位置までのモーメントアームとする。
式(6)と式(7)とにより、次の式(8)が得られ、これを変形して式(9)が得られる。
Ff=τAf/Lf ・・・式(8)
τAf=Ff×Lf ・・・式(9)
このように、式(9)によれば、アクチュエータユニット13L,13Rのアシスト動作によるアシストトルクτAfは、第二センサ34の検出結果Ffと、仮想線Liから第二センサ34の位置までのモーメントアームLfとにより求められる。
第二センサ34の検出結果Ffを用いてアシストトルクτAfが求められると、前記の式(5)により、自力出力Fhuが、そのアシストトルクτAfと、第一センサ33の検出結果Fuと、モーメントアームLuとによって求められる。実際に利用者に作用する荷重に基づいてアシストトルクが求められることで、自力出力の推定精度が高くなる。
そして、自力出力Fhuが求められると、その自力出力Fhuを用いて、利用者が仮想線Liを中心として上半身を後方へ自力で動かすトルクτhは、次の式(10)により表される。
τh=Fhu×Lu ・・・式(10)
以上より、前記式(5)に示すように、演算部61は、第一センサ33の検出結果Fuを用いて、利用者が動作する際のその利用者の出力(自力出力)として「利用者が上半身を後方へ自力で動かす力Fhu」を演算によって求めることができる。
自力出力Fhuが求められると、前記の式(10)に示すように、演算部61は、第一センサ33の検出結果Fuに基づく自力出力Fhuを用いて、利用者が動作する際のその利用者の出力(自力出力)として「利用者が仮想線Liを中心として上半身を後方へ自力で動かすトルクτh」を演算によって求めることができる。
前記の式(5)及び式(10)によって求められる値は、利用者が動作する際のその利用者の出力(自力出力)の推定値であると言える。このように、演算部61は、第一センサ33の検出結果Fuを用いて、利用者が動作する際のその利用者の出力(自力出力)を推定することができる。
説明したように、アクチュエータユニット13L,13Rが、指令アシストトルクτAで動作した際に、第一センサ33の検出結果Fuが取得される。その検出結果Fuに基づいて前記のとおり「利用者が仮想線Liを中心として上半身を後方へ自力で動かすトルクτh」が求められる。そして、演算部61は、そのトルクτhに基づいて目標アシストトルクτBを決定する。例えば、図10に示すように、トルクτhに係数(ゲイン)aを作用させて得られるトルクの値を、目標アシストトルクτBとして決定する。
本開示では、更に、図9のステップS3、図10に示すように、補正制御(補償制御)が補正部62により行われる。補正制御を行うことの意義についてまず説明する。
演算部61が求めた目標アシストトルクτBに応じた指令信号に基づいてアクチュエータユニット13L,13Rが動作する。しかし、そのアクチュエータユニット13L,13Rにおける摩擦等の損失、第二装着具12Rと利用者の大腿部BFとの間の滑り等によって、目標アシストトルクτBと等価のアシストトルクが、利用者には実際、作用しないことがある。つまり、演算部61が求めたアシストトルクτBに基づくアクチュエータユニット13L,13Rによるアシスト動作は、実際に利用者に与えられるアシスト動作と異なることがある。
そこで、目標アシストパラメータに対して補正処理を行う。本開示では、補正処理は、第二センサ34の検出結果Ffを用いて行われる。具体的に説明すると、実際に利用者に与えられるアシスト動作、つまり、利用者に実際に与えられるアシストトルク(実アシストトルクτD)は、第二センサ34の検出結果Ffと、モーメントアームLfとの演算により求められる。そこで、実アシストトルクτDが、補正アシストパラメータである補正アシストトルクとして採用され、補正処理が行われる。補正アシストパラメータ(実アシストトルクτD)は、補正部62によって求められる。補正アシストパラメータとしての実アシストトルクτDは、仮想線Liを中心としたトルクである。
第二センサ34の検出結果Ffを用いて利用者に実際に与えられるアシストトルク(実アシストトルクτD)を求めるための処理を、図8を参照して説明する。アクチュエータユニット13L,13Rによるアシスト動作により、第二装着具12Rが利用者の大腿部Bfを実際の押す力Fafと、第二センサ34の検出結果Ffとの関係は、次の式(11)を満たすはずである。
Ff=Faf ・・・式(11)
前記押す力Fafは、アクチュエータユニット13L,13Rの実際のアシスト動作によるアシストトルク(実アシストトルクτD)と、仮想線Liからその押す力Fafの作用位置までのモーメントアームLfとにより、次の式(12)で表される。
Faf=τD/Lf ・・・式(12)
なお、本開示では、押す力Fafの作用位置は、第二センサ34の設置位置としており、モーメントアームLfは、仮想線Liから第二センサ34の位置までのモーメントアームとする。式(11)と式(12)とにより、次の式(13)が得られ、これを変形して式(14)が得られる。
Ff=τD/Lf ・・・式(13)
τD=Ff×Lf ・・・式(14)
式(14)によれば、アクチュエータユニット13L,13Rの実際のアシスト動作による実アシストトルクτDは、第二センサ34の検出結果Ffと、モーメントアームLfとに基づいて求められる。なお、モーメントアームLfは、既知の値である。このようにして求められた実アシストトルクτDが、補正アシストトルク(補正アシストパラメータ)として採用される。実アシストトルクτDは目標アシストトルクτBと異なる。実アシストトルクτDが用いられて、次に説明する制御が行われる。
図10に示すように、補正制御として、目標アシストトルクτBに対する補正アシストトルクτDの差を小さくするフィードバック制御が、補正部62によって行われる。フィードバック制御として、比例制御、PI制御、PID制御等が採用される。
補正処理は、他の演算に基づく処理であってもよく、第二センサ34の検出結果Ff(又は第一センサ33の検出結果Fu)に応じて目標アシストトルクτBを増幅させる処理であってもよい。
以上のように、本開示では、補正部62は、補正処理として、第二センサ34の検出結果Ffを用いて式(14)により補正アシストトルク(実アシストトルクτD)を求めると共に、目標アシストトルクτBに対するその補正アシストトルクの差を小さくするフィードバック制御を行う。この補正処理により、第二センサ34の検出結果Ffに基づく補正アシストトルクと、目標アシストトルクτBとの差に応じて、アクチュエータユニット13L,13Rによるアシスト動作のためのアシストトルクが求められる。
補正されたアシストトルクに基づいて、モータ42への指令信号として、そのアシストトルクを発生させるモータ42の駆動電流値の指令値が生成される。その指令値を示す信号(指令信号)に基づいてモータドライバ18はモータ42を動作させる。このように、本開示では、モータドライバ18は、演算部61によって求められ更に補正部62によって補正されたアシストトルクに応じた信号に基づいて、アクチュエータユニット13L,13Rを動作させる。
前記のように補正処理が実行されることで、実際に利用者に対して与えられるアシスト動作のためのアシストトルクを、目標アシストトルクτBに近づけることが可能となる。
なお、補正アシストパラメータである補正アシストトルクは、第一センサ33及び第二センサ34のうち少なくとも一方の検出結果が用いられて、求められてもよい。
〔補正処理を行ってアシストトルクを決定する処理の他の形態〕
図9に示す方法では、第一検出器51及び第二検出器52や図外の姿勢センサ等から得られる情報に基づいて、指令アシストトルクτAを取得し、その指令アシストトルクτA及び自力出力に基づいて目標アシストトルクτBを取得し、補正処理を行う場合について説明した。しかし、その他の形態として、図11に示すように、第一検出器51及び第二検出器52や図外の姿勢センサ等から得られる情報に基づいて、アシストトルク(目標アシストトルクτB)を取得し、そのアシストトルクについて補正処理を行ってもよい。補正前のアシストトルク(目標アシストトルクτB)を決定する処理は任意であり、様々な方法による処理が適用される。
図11に示す補正処理は、図9に示す補正処理と同じである。つまり、図11に示すように、アシストトルク(目標アシストトルクτB)が求められると、そのアシストトルクに対する補正アシストトルクの差を小さくするフィードバック制御を行って、アシスト動作のためのアシストトルクが求められる。
図9及び図11に示すように、アシスト動作のためのアシストトルク(目標アシストトルクτB)が求められる。そして、そのアシストトルク(目標アシストトルクτB)に対してセンサの検出結果(第二センサ34の検出結果Ff)を用いて補正処理が行われる。このような補正処理を行う本開示のアシスト装置10によれば、アクチュエータユニット13L,13Rによるアシスト動作のためのアシストトルクが、利用者の身体との間に作用する荷重を検出するためのセンサ(第二センサ34)の検出結果に基づいて補正処理され、求められる。そして、そのアシストトルクに基づいてアクチュエータユニット13L,13Rが動作する。このため、実際に利用者に対して与えられるアシスト動作のためのアシストトルクを、目標アシストトルクτBに近づけることが可能となる。その結果、アシスト装置10が出力するアシストトルクの目標値と、利用者に与えるアシストトルクの実際の値との間のずれを抑制することが可能となる。つまり、目標アシストトルクを可能な限り利用者に与えることが可能となる。
〔その他〕
前記のとおり、利用者が前傾動作(持ち下げ動作)と直立動作(持ち上げ動作)とのいずれの動作を行う場合にも、アクチュエータユニット13L,13Rは、その利用者の上半身を前傾姿勢から直立姿勢に変更させる方向の仮想線Liを中心としたトルク(アシストトルク)をアシスト動作のために発生させる(図8の矢印R1,R2)。
この場合において、処理部16(演算部61)は、前記直立動作(持ち上げ動作)の場合に、自力出力を推定する処理を実行する(図9のステップS10参照)。そして、その自力出力を用いて目標アシストトルクτBが求められる。これに対して、前記前傾動作(持ち下げ動作)の場合に、自力出力を推定する処理を行わず、当該推定する処理を実行する処理とは別の処理によって、処理部16はアシストトルクを求めてもよい。前記別の処理の例として、図9において、単に自力出力を推定する処理をスキップして、指令アシストトルクを目標アシストトルクに置き換えたり、または、図11に示す処理によりアシストトルクを求めたりする。そして、モータドライバ18は、そのアシストトルクに応じた信号に基づいてアクチュエータユニット13L,13Rの動作を制御する。この場合、前記直立動作(持ち上げ動作)の場合に、補正処理が実行され、前記前傾動作の場合に、補正処理は実行されない。
前記の各形態では、処理部16は、アシスト動作のためのアシストパラメータをトルク値(アシストトルク)として求めているが、アシストパラメータは、トルク値以外の別のパラメータであってもよく、荷重(力)であってもよい。
アシスト装置10が備える各部の機構は、図示した構成以外であってもよい。例えば、アクチュエータユニット13L,13Rの渦巻ばね47は省略されていてもよい。また、第一装着具11及び第二装着具12L,12Rは他の形態であってもよい。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
10:アシスト装置 11:第一装着具 12L,12R:第二装着具
13L,13R:アクチュエータユニット 16 処理部
18 モータドライバ(動作制御部) 33 第一センサ
34 第二センサ BW:腰部 BF:大腿部
Li:仮想線

Claims (3)

  1. 利用者の上半身に装着される第一装着具と、
    前記利用者の左右の大腿部に装着される左右の第二装着具と、
    前記利用者の腰部を通る左右方向の仮想線を中心としたトルクを前記第一装着具と前記第二装着具とを通じて利用者に与えるアシスト動作を行うためのアクチュエータユニットと、
    前記第一装着具又は前記第二装着具に設けられ前記利用者の身体の一部との間に作用する荷重を検出するためのセンサと、
    前記アシスト動作のための目標アシストパラメータを求めると共に、当該目標アシストパラメータに対して前記センサの検出結果を用いて補正処理を行う処理部と、
    前記補正処理されたアシストパラメータに応じた信号に基づいて前記アクチュエータユニットを動作させる動作制御部と、
    を備える、アシスト装置。
  2. 前記処理部は、前記補正処理として、前記センサの検出結果を用いて補正アシストパラメータを求めると共に、前記目標アシストパラメータに対する当該補正アシストパラメータの差を小さくするフィードバック制御を行う、請求項1に記載のアシスト装置。
  3. 前記処理部は、前記センサの検出結果、及び、前記仮想線から前記センサの位置までのモーメントアームに基づいて、前記補正アシストパラメータとして前記仮想線を中心としたトルクを求める、請求項2に記載のアシスト装置。
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