JP2021122272A - 細胞培養装置およびこれを用いた細胞培養方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、細胞培養装置とそれを用いた細胞培養方法に関するもので、構成の簡素化と、細胞培養作業の簡素化を目的とする。【解決手段】細胞培養装置は、細胞が培養される培養室36を有する培養容器35と、培養室36に接続され培養液を培養室へ注入する注入ポンプ18と、培養室36に接続され培養液を培養室36から排出する排出ポンプ20と、培養室36に連結され可撓性を有する空気袋39と、を備えている。【選択図】図13

Description

本発明は、例えば、培養液中の浮遊細胞を培養する細胞培養装置とそれを用いた細胞培養方法に関するものである。
従来の細胞培養装置は、培養容器の培養室内に細胞を含む培養液を入れ、この培養液の液面上に存在する気相の圧力を管理する。具体的には、圧力センサ、ポンプ、気圧調整弁、気圧調整管、流量調整器などを設けることで前記気相の圧力を管理する(例えば、下記特許文献1)。
特開2019−154343号公報
上記従来例によれば、培養液上の気相の圧力を管理することで細胞にストレスがかかるのを抑制し、細胞培養がスムーズに行えるようになる。
しかしながら、この従来例においては、細胞にストレスがかからないようにするために、圧力センサ、ポンプ、気圧調整弁、気圧調整管、流量調整器を設ける必要があり、構成が複雑となる。さらに、実際の細胞培養作業においては、これらの調整も必要となり作業も繁雑化してしまう。
そこで本発明は、構成を簡素化し、細胞培養作業も簡素化することが可能な細胞培養装置およびこれを用いた細胞培養方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の細胞培養装置は、細胞が培養される培養室を有する培養容器と、培養室に接続され、培養液を培養室へ注入する培養液の注入ポンプと、培養室に接続され、培養液を培養室から排出する培養液の排出ポンプと、培養室に連結され可撓性を有する空気袋と、を備えている。
以上のように本発明の細胞培養装置は、細胞が培養される培養室を有する培養容器を備え、この培養室に可撓性を有する空気袋が接続されている。このため、培養室内の圧力は可撓性を有する空気袋によって調整され、これにより、細胞にストレスがかからない状態で細胞を培養することができる。
また、培養室に可撓性を有する空気袋を連結するだけの構成となるので、構成が簡素化される。しかも圧力調整のための調整作業も不要となるので、細胞培養作業も極めて簡素化される。
実施の形態1に係る細胞培養装置の斜視図。 図1の細胞培養装置の要部拡大断面図。 図2の培養カートリッジを示す斜視図。 図3の培養カートリッジの蓋を解放した斜視図。 図4の培養容器の斜視図。 図5の培養容器の断面図。 図2の培養カートリッジ内の各部品の配置を示す図。 図1の細胞培養装置を構成する各部品の接続を示すブロック図。 図1の細胞培養装置を構成する各部品の電気的な接続を示すブロック図。 図1の細胞培養装置の要部の動作を説明する図。 図1の細胞培養装置の要部の動作を説明する図。 図1の細胞培養装置の動作フローチャート。 実施の形態2に係る培養容器の斜視図。 図13の培養容器の断面図。 図13の培養容器に接続される各部品の接続を示すブロック図。 図13の培養容器に接続される部品の動作を説明する図。 図13の培養容器が配置された培養カートリッジ内の各部品の配置を示す図。 図13の培養容器に接続される部品の動作を説明する図。 図13の培養容器に接続される部品の動作を説明する図。 実施の形態2に係る細胞培養装置の動作フローチャート。
以下に、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、細胞培養装置本体1を示している。細胞培養装置本体1は、柱状で上端に開閉自在の蓋2が設けられている。この蓋2の内方には、図2に示すように、培養カートリッジ3が設けられている。
培養カートリッジ3は、図3、図4に示すように、上面に開口部4を備えた下容器5と、下容器5の開口部4に開閉自在に設けた蓋6と、を備えている。また、図4に示すように、下容器5内には、培養容器7が着脱自在に配置されている。
培養容器7は、図5に示すように、平坦な四角箱状で、非伸縮の素材(例えば、硬い樹脂)で作られている。この培養容器7には、図6に示すように、半透膜8を介して上方の灌流室9と下方の培養室10が対向配置されている。灌流室9の対向壁面には、培養液注入口11と培養液排出口12が設けられている。
一方、培養室10の対向壁面には、培養液注入口13と液口14とが設けられている。さらに、培養室10では、培養液注入口13と液口14とが設けられた壁面とは異なる壁面に、ガス透過膜15、グルコースセンサ16、乳酸センサ17が設けられている。なお、ガス透過膜15は、培養室10内に大気中の酸素を取り込むために設けられている。グルコースセンサ16および乳酸センサ17は、一端側が培養室10内に突出している。
図7、図8は、培養液注入口11、培養液排出口12、培養液注入口13、液口14に、各種構成用品を連結した状態を示している。
具体的には、灌流室9の培養液注入口11には、注入ポンプ18を介して培地袋19が連結されている。灌流室9の培養液排出口12には、排出ポンプ20を介して廃液袋21が連結されている。
また、培養室10の培養液注入口13には、可撓性のチューブ22を介して接続コネクタ23が接続されている。接続コネクタ23には、図8に示すように、接続コネクタ24を介して細胞袋25が接続される。細胞袋25内には、細胞を含む培養液が保持されている。そして、細胞袋25内の細胞が接続コネクタ24,23およびチューブ22を介して培養室10に供給された後は、接続コネクタ23、24の結合は解除される。
次に、培養室10の液口14には、可撓性のチューブ26を介して空気袋27(圧力バッファ手段の一例)が接続されている。空気袋27は、薄い合成樹脂やゴムで作られた可撓性を有する袋状の形態を有している。
空気袋27は、この空気袋27内外に流入あるいは流出する空気により活用され、この空気袋27を構成する袋材料が非伸縮状態で使用される。つまり、空気袋27は、袋材料を伸縮させて使用されるのではなく、単に、空気袋27が有する内部空間を拡げたり狭めたりする程度に使用される。
また、空気袋27の内部空間は、大気に解放されていないが、空気袋27内に流入出する空気が内部空間を拡げたり狭めたりすることにより、内部空間の圧力は、実質的に大気圧と同じになる。つまり、内部空間の圧力は、細胞にストレスが掛からない範囲に調えられる。
図9は、各構成部品の電気的な接続を示している。
グルコースセンサ16および乳酸センサ17は、測定部28を介して制御部29に接続されている。制御部29には、注入ポンプ18、排出ポンプ20、電源30、記憶部31も接続されている。
以上のように、本実施形態の細胞培養装置では、細胞培養装置本体1内に、図7に示すように、半透膜8を介して灌流室9と培養室10が対向配置された培養容器7と、灌流室9に設けられた培養液注入口11および培養液排出口12と、培養室10に設けられた培養液注入口13と、を備えている。培養室10には、液口14が設けられている。液口14には、圧力バッファ手段として空気袋27が連結されている。
空気袋27は、可撓性を有している。また、空気袋27は、空気袋27内外に流入あるいは流出する空気によって使用され、空気袋27を構成する袋材料が非伸縮状態で使用される。
さらに、空気袋27は、チューブ26を介して培養室10の液口14に連結されている。培養室10の培養液注入口13には、チューブ22を介して接続コネクタ23が接続されている。なお、チューブ26,22は、可撓性を有している。
以上の構成において、細胞培養を行う場合には、使用者は、先ず、細胞袋25内の細胞を接続コネクタ23,24を介して培養室10に流入させる細胞流入工程を実施する。具体的には、図8に示すように、接続コネクタ23,24を連結し、細胞袋25を培養室10に連結した状態とする。この状態で細胞袋25を培養室10よりも上方に持ち上げると、細胞袋25内の培養液は、重力により培養室10内に流入し、培養室10内は、培養液で充填される。そして、図10に示すように、培養液は、培養室10の液口14を介してチューブ26内へと溢れ出す。
この時、図10に示すように、培養室10に連結された空気袋27は、培養室10よりも上方に配置した状態としている。このため、チューブ26内に溢れ出た培養液が、空気袋27内にまで流入してしまうことはない。
一方、培養室10内に存在していた空気は、流入する培養液によって液口14から押し出され、チューブ26を介して空気袋27内に流入する。空気袋27は、この空気袋27を構成する袋材料が非伸縮状態の範囲内で、容積を拡げた状態となる。
換言すれば、培養室10内の空気が空気袋27に流入する前の状態では、空気袋27は萎んだ状態となっている。そして、培養室10内の空気が空気袋27に流入した後の状態では、空気袋27は膨らんだ状態となる。
なお、培養室10内の空気を空気袋27内に流入させるため、空気袋27が膨らんだ状態で、空気袋27の内容積は培養室10の容積よりも大きい。
この状態で、使用者は、接続コネクタ23を接続コネクタ24から取り外す。この接続コネクタ23は、接続コネクタ24から取り外されることで外気を遮断する機能を備えている。
次に、使用者は、図7に示すように、下容器5内に培地袋19と廃液袋21を配置する。この時には、すでに、培地袋19は、注入ポンプ18を介して培養液注入口11に接続され、廃液袋21は排出ポンプ20を介して培養液排出口12に接続されている。
そして、使用者により、培地袋19、廃液袋21の上方に培養容器7が配置され、この培養容器7の上方に空気袋27と注入ポンプ18、排出ポンプ20が配置される。なお、空気袋27を培養容器7よりも上方に配置するために、空気袋27の保持手段32を設けている。
そして、使用者が制御部29を用いて注入ポンプ18と排出ポンプ20を駆動すれば、図11に示すように、培地袋19内の培養液が、注入ポンプ18を介して灌流室9に流入する。
この状態で、培養室10内において細胞が培養される細胞培養工程が開始される。
なお、培養室10内の培養液には細胞、細胞活性剤(例えば、タンパク質)、グルコース、ビタミンなどが混入され、灌流室9内の培養液には、グルコースとビタミンが混入されている。このため、培養室10内の細胞は、グルコースを栄養源として細胞培養が進行し、その活動によって乳酸が発生する。発生した乳酸は、半透膜8を介して灌流室9へと拡散する。一方、培養室10内のグルコースが減少すると、灌流室9のグルコースが半透膜8を介して培養室10へと拡散する。なお、培養室10内の細胞活性剤は、半透膜8に遮られて培養室10には拡散しない。
本実施形態においては、培養室10内の培養液には、細胞および細胞活性剤が混入されているので、培養室10の培養液の濃度は、灌流室9の培養液の濃度より高くなる。すると、浸透圧によって、灌流室9の培養液が半透膜8を介して培養室10に流入する。
その結果、培養室10内の圧力が高くなり、細胞にストレスが掛かるおそれがある。
そこで、本実施形態の細胞培養装置では、培養室10の液口14に空気袋27が連結されている。このため、図11からも理解されるように、培養室10内の圧力が変化するとチューブ26内の培養液の液位Aが変動し、チューブ26内の空気は、空気袋27に流入出する。この空気が空気袋27の内部空間を拡げたり狭めたりすることにより、内部空間の圧力を実質的に大気圧と同じにする。その結果、培養室10内の圧力は空気袋27によって調整され、培養室10内の細胞にストレスが掛からない状態で細胞を培養することができる。
このように、培養室10内に細胞袋25から培養液をスムーズに流入させる時にも活躍した空気袋27を使用し、この培養室10内における細胞培養時の圧力上昇による細胞培養活動への影響を防止することができる。
このように、培養室10の液口14に空気袋27を連結するだけの構成となるので、構成が簡素化される。この時、圧力センサを設ける必要もなく、圧力を制御するためのポンプ、気圧調整弁、気圧調整管、流量調整器なども必要でなく、極めて構成が簡便でしかも動作は適切に行うことができる。この点も、大きな特徴となる。
なお、図10、図11に示すように、液口14を介して培養室10と空気袋27が連結されると、培養室10内と空気袋27内は、チューブ26によって繋がった状態となる。この状態は、細胞培養活動が終了し、詳細は後述するが、培養室10内の培養液が回収されるまで維持される。
図12は、細胞培養装置の動作フローチャートで、制御部29によって各部品の制御が行われる。
細胞培養活動が開始されると、制御部29は、グルコースセンサ16を用いて培養室10内のグルコース濃度を検出し、グルコース濃度が基準値以下か否かを判定する。そして、グルコース濃度が基準値以下の時には、培養液が交換される培地交換行程が行われる。具体的には、注入ポンプ18、排出ポンプ20を駆動することで培地袋19内の培養液を、注入ポンプ18を介して灌流室9内に流入させる。これにより、培地交換が行われる(図12のS1、S2)。
また、グルコース濃度が基準値よりも高い時には、制御部29は、乳酸センサ17を用いて培養室10内の乳酸濃度を検出し、乳酸値が基準値以上か否かを判定する。そして、乳酸濃度が基準値以上の時には、注入ポンプ18と排出ポンプ20を駆動することで培地袋19内の培養液を、注入ポンプ18を介して灌流室9内に流入させる。つまり、培地交換が行われる(図12のS3、S2)。
また、乳酸濃度が基準値よりも低い時には、細胞培養を開始した日から所定日数経過したか否かを判定し、まだ所定日数経過していなければ上記S1からS3の動作を継続する(図12のS4)。
そして、所定日数経過すれば、制御部29は、細胞培養の動作を停止する。使用者は、培養室10内から接続コネクタ23、24を介して回収袋34内に細胞を回収する細胞回収工程を開始する。
具体的には、使用者は、培養容器7を下容器5から取り出し、図8に示す接続コネクタ23に接続コネクタ33を介して回収袋34を連結する。この状態で培養室10を回収袋34よりも高い状態に保持すれば、培養室10内の培養液が回収袋34へと回収される。つまり、培養室10内の細胞が回収袋34へと回収される。
この時、空気袋27内には、培養初期に培養室10内から押し出された空気が存在している。このため、ここに空気が存在していることにより、培養室10内の培養液を回収袋34にスムーズに回収することができる。
なお、本実施形態においては、図11に示すように、細胞培養時の培養室10は、チューブ22を介して接続コネクタ23に接続されると共に、チューブ26を介して空気袋27に接続されている。接続コネクタ23は、外気を遮断する機能を備えており、空気袋27の内部空間は、大気に解放されていない。
このため、チューブ22、培養室10、チューブ26は外気と遮断された状態となり、外部から細菌やウイルスなどが培養室10内に侵入することがない。したがって、培養室10内で適切な細胞培養を実施することができる。
(実施の形態2)
図13、図14は、実施の形態2における培養容器35を示している。この培養容器35は、実施の形態1の培養容器7(図6参照)から半透膜8を取り除いた構成となっている。
以下に実施の形態2について図面を用いて詳細に説明するが、実施の形態1と同じ機能をもつ構成要素には同じ符号を付して説明する。
培養容器35は、平坦な四角箱状で、非伸縮の素材(例えば、硬い樹脂)で作られている。図14に示すように、培養容器35内の培養室36には、対向する壁面に培養液注入口13と液口14とが設けられている。
さらに、培養室36の上面(天面)には空気口37が設けられ、図15に示すように、チューブ38を介して空気袋39(圧力バッファ手段の一例)に連結されている。
また、培養室36の上面には、図13、図14に示すように、グルコースセンサ16、乳酸センサ17が設けられている。グルコースセンサ16および乳酸センサ17は、一端側が培養室36内に突出している。
培養室36の下面には、ガス透過膜15が、培養室36内に大気中の酸素を取り込むために設けられている。
図15は、培養液注入口13、液口14、空気口37に、各種構成用品を連結した状態を示している。
培養室36に空気口37を介して連結されている空気袋39は、実施の形態1の空気袋27と同様に、薄い合成樹脂やゴムで作られており、可撓性を有する袋状の形態を有している。空気袋39は、この空気袋39内外に流入あるいは流出する空気により活用され、この空気袋39を構成する袋材料が非伸縮状態で使用される。つまり、空気袋39は、袋材料を伸縮させて使用されるのではなく、単に、空気袋39が有する内部空間を拡げたり狭めたりする程度に使用される。
また、空気袋39の内部空間は、大気に解放されていないが、空気袋39内に流入出する空気が内部空間を拡げたり狭めたりすることにより、内部空間の圧力は、実質的に大気圧と同じになる。つまり、内部空間の圧力は、細胞にストレスが掛からない範囲に調えられる。
培養室36の培養液注入口13には、可撓性のチューブ22を介して接続コネクタ23が接続されている。接続コネクタ23には、接続コネクタ24を介して細胞袋25が接続される。細胞袋25内には、細胞を含む培養液が保持されている。さらに、培養液注入口13には、注入ポンプ18を介して培地袋19が連結されている。
次に、培養室36の液口14には、排出ポンプ20を介して廃液袋21が連結されている。
実施の形態2における各構成部品の電気的な接続は、図9に示すように、実施の形態1と同じである。グルコースセンサ16および乳酸センサ17は、測定部28を介して制御部29に接続されている。制御部29には、注入ポンプ18、排出ポンプ20、電源30、記憶部31も接続されている。
以上の構成において、細胞培養を行う場合には、使用者は、先ず、接続コネクタ23,24を介して、細胞袋25内の細胞を培養室36に流入させる細胞流入工程を実施する。具体的には、図15に示すように、接続コネクタ23,24を連結し、細胞袋25を培養室36に連結した状態とする。この状態で細胞袋25を培養室36よりも上方に持ち上げると、細胞袋25内の培養液は、重力により、図16に示すように、接続コネクタ23および培養液注入口13を介して培養室36内に流入し、培養室36内は培養液で充填される。そして、培養液は、培養室36の空気口37を介してチューブ38内へと溢れ出す。
この時、培養室36に連結された空気袋39は、培養室36よりも上方に配置した状態としている。このため、チューブ38内に溢れ出た培養液が、空気袋39内にまで流入してしまうことはない。
一方、培養室36の上面(天面)に空気口37を設けているので、培養室36内に存在していた空気は、流入する培養液によって上方の空気口37に向けて適切に押し出され、チューブ38を介して空気袋39内に流入する。空気袋39は、この空気袋39を構成する袋材料が非伸縮状態の範囲内で、容積を拡げた状態となる。
換言すれば、培養室36内の空気が空気袋39に流入する前の状態では、空気袋27は萎んだ状態となっている。そして、培養室36内の空気が空気袋39に流入した後の状態では、空気袋39は膨らんだ状態となる。
なお、培養室36内の空気を空気袋39内に流入させるため、空気袋39が膨らんだ状態で、空気袋39の内容積は培養室36の容積よりも大きくなっている。
この状態で、使用者は、接続コネクタ23を接続コネクタ24から取り外す。この接続コネクタ23は、接続コネクタ24から取り外されることで外気を遮断する機能を備えている。
次に、使用者は、図17に示すように、下容器5内に培地袋19と廃液袋21を配置する。この時には、すでに、培地袋19は、注入ポンプ18を介して培養液注入口13に接続され、廃液袋21は排出ポンプ20を介して液口14に接続されている。
そして、使用者により、培地袋19、廃液袋21の上方に培養容器35が配置され、この培養容器35の上方に空気袋39と注入ポンプ18、排出ポンプ20が配置される。なお、空気袋39を培養容器35よりも上方に配置するために、空気袋39の保持手段32を設けている。
この状態で、培養室36内において細胞が培養される細胞培養工程が開始される。
なお、培養室36内の培養液には細胞、細胞活性剤(例えば、タンパク質)、グルコース、ビタミンなどが混入されている。このため、培養室36内の細胞は、グルコースを栄養源として細胞培養が進行し、その活動によって乳酸が発生することになる。
本実施形態においては、培養室36内の圧力を適切に保持することにより、細胞にストレスが掛かることを抑制している。
すなわち、本実施形態の細胞培養装置では、図16に示すように、培養室36に可撓性を有する空気袋39が連結されている。このため、培養室36内の圧力が変化するとチューブ38内の培養液の液位Bが変動し、チューブ38内の空気は、空気袋39に流入出する。この空気が空気袋39の内部空間を拡げたり狭めたりすることにより、内部空間の圧力を実質的に大気圧と同じにする。その結果、培養室36内の圧力は空気袋39によって調整され、培養室36内の細胞にストレスが掛からない状態で細胞を培養することができる。
このように、培養室36内に細胞袋25から培養液を流入させる時にも活躍した空気袋39を使用し、この培養室36内における細胞培養時の圧力上昇による細胞培養活動への影響を防止することができる。
さらに、培養室36の空気口37に空気袋39を連結するだけの構成となるので、構成が簡素化される。この時、圧力センサを設ける必要もなく、圧力を制御するためのポンプ、気圧調整弁、気圧調整管、流量調整器なども必要でなく、極めて構成が簡便でしかも動作は適切に行うことができる。この点も、大きな特徴となる。
なお、空気口37を介して培養室36と空気袋39が連結されると、培養室36内と空気袋39内は、チューブ38によって繋がった状態となる。この状態は、細胞培養活動が終了し、詳細は後述するが、培養室36内の培養液が回収されるまで維持される。
細胞培養活動が開始されると、制御部29は、グルコースセンサ16を用いて培養室36内のグルコース濃度を検出し、グルコース濃度が基準値以下か否かを判定する(図12のS1)。
そして、グルコース濃度が基準値以下の時には、培養液が交換される培地交換行程となり、培地交換が行われる(図12のS2)。
具体的には、制御部29は、図18に示すように、排出ポンプ20を駆動することで、排出ポンプ20を介して、培養室36内の培養液を廃液袋21へと流入させる(図20のS11)。この時、空気袋39内には、培養初期に培養室36内から押し出された空気が存在している。このため、ここに空気が存在していることにより、培養室36内の培養液を廃液袋21にスムーズに流入させることができる。
次に、制御部29が、図19に示すように、排出ポンプ20を停止させ(図20のS12)、注入ポンプ18を駆動する。すると、培地袋19内の培養液は、注入ポンプ18を介して培養室36へと流入する(図20のS13)。この時、培養室36内の空気は空気袋39内へと押し出されるので、培養液を培養室36内にスムーズに流入させることができる。
そして、培養液の交換時においても、培養室36内の圧力が変化するとチューブ38内の培養液の液位Bが変動し、チューブ38内の空気は、空気袋39に流入出する。この空気が空気袋39の内部空間を拡げたり狭めたりすることにより、内部空間の圧力を実質的に大気圧と同じにする。その結果、培養室36内の圧力は空気袋39によって調整され、培養室36内の細胞にストレスが掛からない状態で細胞を培養することができる。
培養液の交換後は、図12のS1に戻って、培養が継続される。
図12のS3において、グルコース濃度が基準値よりも高い時には、制御部29は、乳酸センサ17を用いて培養室36内の乳酸濃度を検出し、乳酸値が基準値以上か否かを判定する(図12のS3)。
そして、乳酸濃度が基準値以上の時には、上述したように、培養液の交換が行われる(図12のS2)。
また、乳酸濃度が基準値よりも低い時には、細胞培養を開始した日から所定日数経過したか否かを判定し、まだ所定日数経過していなければ上記S1からS3の動作を継続する(図12のS4)。
そして、所定日数経過すれば、制御部29は、細胞培養の動作を停止する。使用者は、培養室36内から接続コネクタ23、24を介して回収袋34内に細胞を回収する細胞回収工程を開始する。
具体的には、使用者は、図17に示す培養容器35を下容器5から取り出し、接続コネクタ23に、図15の接続コネクタ33を介して回収袋34を連結する。この状態で培養室36を回収袋34よりも高い状態に保持すれば、培養室36内の培養液が回収袋34へと回収される。つまり、培養室36内の細胞が回収袋34へと回収される。
この時、空気袋39内には、培養初期に培養室36内から押し出された空気が存在している。このため、ここに空気が存在していることにより、培養室36内の培養液を回収袋34にスムーズに回収することができる。
すなわち、本実施形態の空気袋39は、細胞が培養室36に充填される細胞流入工程では、培養室36内の空気を保管する空気バッファとして活用される。さらに、空気袋39は、細胞が培養される細胞培養工程では、この空気袋39内に保管した空気を用いて培養室36内の圧力調整を行う圧力バッファとして活用される。さらにまた、空気袋39は、培養室36内の培養液が交換される培地交換行程では、この空気袋39内に保管した空気が培養室36内に流入および流出する空気バッファとして活用される。
そして、細胞が回収袋34へ回収される細胞回収工程において、この空気袋39内に保管した空気が培養室36に戻されることにより培養室36内の細胞を回収袋34にスムーズに回収することができる。
なお、上述した細胞流入行程、細胞培養工程、培地交換行程、細胞回収工程において、空気袋39は培養容器7よりも上方に保持した状態で行われる。このため、培養室36内に存在していた空気は、チューブ38を介して空気袋39に適切に流入・流出する。
また、本実施形態においては、図16に示すように、細胞培養時の培養室36は、チューブ22を介して接続コネクタ23に接続されると共に、チューブ38を介して空気袋39に接続されている。接続コネクタ23は、外気を遮断する機能を備えており、空気袋39の内部空間は、大気に解放されていない。
このため、チューブ22、培養室36、チューブ38は、外気と遮断された状態となり、外部から細菌やウイルスなどが培養室36内に侵入することがない。したがって、培養室36内で適切な細胞培養を実施することができる。
本発明は、例えば、培養液中の浮遊細胞を培養する細胞培養装置とそれを用いた細胞培養方法として活用が期待される。
1 細胞培養装置本体
2 蓋
3 培養カートリッジ
4 開口部
5 下容器
6 蓋
7 培養容器
8 半透膜
9 灌流室
10 培養室
11 培養液注入口
12 培養液排出口
13 培養液注入口
14 液口
15 ガス透過膜
16 グルコースセンサ
17 乳酸センサ
18 注入ポンプ
19 培地袋
20 排出ポンプ
21 廃液袋
22 チューブ
23 接続コネクタ
24 接続コネクタ
25 細胞袋
26 チューブ
27 空気袋
28 測定部
29 制御部
30 電源
31 記憶部
32 保持手段
33 接続コネクタ
34 回収袋
35 培養容器
36 培養室
37 空気口
38 チューブ
39 空気袋
A 液位
B 液位

Claims (10)

  1. 細胞が培養される培養室を有する培養容器と、
    前記培養室に接続され、培養液を前記培養室へ注入する注入ポンプと、
    前記培養室に接続され、前記培養液を前記培養室から排出する排出ポンプと、
    前記培養室に連結され、可撓性を有する空気袋と、
    を備えている細胞培養装置。
  2. 前記空気袋は、非伸縮状態で使用される、
    請求項1に記載の細胞培養装置。
  3. 前記空気袋は、可撓性を有するチューブを介して前記培養室に連結されている、
    請求項1または2に記載の細胞培養装置。
  4. 前記空気袋は、前記培養室の上面に設けられた空気口に連結されている、
    請求項1から3のいずれか1つに記載の細胞培養装置。
  5. 前記空気袋の容積は、前記培養室の容積よりも大きい、
    請求項1から4のいずれか1つに記載の細胞培養装置。
  6. 前記空気袋を前記培養容器の上方にて保持する保持手段を、さらに備えている、
    請求項1から5のいずれか1つに記載の細胞培養装置。
  7. 前記培養室は、培養液注入口を有し、
    前記培養液注入口に接続された接続コネクタを、さらに備えている、
    請求項1から6のいずれか1つに記載の細胞培養装置。
  8. 請求項7に記載の細胞培養装置を用いた細胞培養方法であって、
    前記接続コネクタに細胞袋を連結し、前記接続コネクタを介して、前記細胞袋内の細胞を前記培養室に流入させる細胞流入工程と、
    前記培養室内において細胞を培養する細胞培養工程と、
    前記接続コネクタに回収袋を連結し、前記培養室内から前記接続コネクタを介して前記回収袋内に細胞を回収する細胞回収工程と、
    を備え、
    前記細胞流入工程は、前記空気袋を前記培養容器よりも上方に保持した状態で行われる、
    細胞培養方法。
  9. 前記細胞培養工程は、前記空気袋を前記培養容器よりも上方に保持した状態で行われる、
    請求項8に記載の細胞培養方法。
  10. 前記細胞回収工程は、前記空気袋を前記培養容器よりも上方に保持した状態で行われる、
    請求項8または9に記載の細胞培養方法。
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