JP2021121603A - 多発性硬化症を処置するための併用療法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多発性硬化症(MS)の経口処置に適した医薬組成物を提供する。【解決手段】処置を必要とするヒト患者においてMSを処置する方法であって、該患者に、フマル酸ジメチルと、テリフルノミド(またはそのプロドラッグであるレフルノミド)、フィンゴリモドおよびラキニモドから選択される1種の薬物の1回経口投与形(例えば錠剤またはカプセル剤)の併用治療剤を投与することを含む方法に関する。この組み合わせは、1種の薬物単独よりも有効であり、および/または1種の薬物単独よりも副作用が少なく、耐容性が良好であり、および/または少ない頻度で投与できる。さらに、本発明は、活性成分としてフマル酸ジメチルと、テリフルノミド、フィンゴリモドおよびラキニモドから選択される1種の薬物、ならびに1種以上の薬学的に許容される添加物からなる。【選択図】なし

Description

本発明の分野
本発明は、フマル酸ジメチルである第1医薬活性成分またはその薬学的に許容される投与形と、テリフルノミド、フィンゴリモドおよびラキニモド(laquinimod)から選択される第2医薬活性成分またはその薬学的に許容される投与形の固定された組み合わせを含む、経口用医薬組成物、ならびに、多発性硬化症の処置における当該組成物の使用に関する。本発明によるフマル酸ジメチルとテリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドの組み合わせの使用は、フマル酸ジメチル、および/または、テリフルノミド、フィンゴリモドおよびラキニモドから選択される薬物の用量を、以前に有効性のために必要と考えられていたレベルよりも減らすことを可能にすると同時に、個々の薬物で見られるものと同等の有害作用でより良い有効性を達成する。選択された用量に依存して、併用療法は、個々の薬物それぞれを単独で最適有効投与量で与えたときと比べて、付随する副作用が少なく、劣らない有効性も達成できる。本発明による併用は、投与頻度を減らすことも可能にし得る。
背景
多発性硬化症(MS)は、中枢神経系(CNS)のミエリン化軸索を攻撃する慢性炎症性疾患である。MSは、T細胞が誘発する自己免疫性炎症反応と、それに伴うB細胞活性化、単球およびマクロファージの関与、サイトカインの分泌および血液脳関門の崩壊が原因であると考えられている。ミエリンが失われたとき、神経は、もはや有効にシグナルを伝達できず、感覚消失、運動機能不全、視力障害、膀胱および腸の障害、性機能不全、疲労および認知障害さえ含む多くの臨床症状を起こし得る。
初期は、MS症例の大部分は、神経学的増悪の短期間事象は完全に寛解するが、再発を起こすという再発寛解型経過をたどる(再発寛解型MS, RRMS)。その後、約半数の患者が、しばしば永続的身体障害を伴う連続的進行型に移行する(二次性進行型MS, SPMS)。MSの一部症例は、初期から寛解期を伴わない連続的進行型に従う(一次性進行型MS, PPMS)。残りの症例は、急性増悪期があり、同時に寛解なく神経障害が拡大する経過をとって進行する(進行再発型MS, PRMS)。疾患の発症は通常若年成人層であり、女性に多い。全世界で約200〜250万人がMS罹病者である。
増悪に対して選択される治療は、一般的に、高用量のコルチコステロイドである。MSの慢性進行の治療は、再発の頻度を低下させ、身体障害の進行を軽減し、脳構造を保護する目的で、基礎疾患である免疫障害を標的とする。利用可能な処置は、一般的に、免疫抑制および免疫調節機構に基づくものであり、その上、一部の薬物には、さらに直接的神経保護効果が求められる。
臨床試験における処置の成功は、主に年間再発率(ARR)の低下によって判定されるが、他の一般的に用いられるエンドポイントは、総合障害度評価尺度(EDSS)によって評価される身体障害の進行時間、または、脳磁気共鳴画像法(MRI)によって評価される脳の新規病変域の減少を含む。
現在利用可能な薬物は全て、再発寛解型MSについてのみ承認されている。最初の薬物は、全て注射剤(FDA承認薬は、インターフェロンβ−1a(Avonex, Rebif)、インターフェロンβ−1b(Betaseron, Extavia)、グラチラマー酢酸塩(Copaxone)およびナタリズマブ(Tysabri))であり、ごく最近2種の経口薬がMS適応を受けた(フィンゴリモド(Gilenya)(2010年)およびテリフルノミド(Aubagio)(2012年))。さらに、MSは、化学療法剤、例えばFDA承認薬のミトキサントロン(Novantrone)または適応外アザチオプリン、メトトレキサート、クラドリビンおよびシクロホスファミドで処置される。
承認された経口薬のフィンゴリモドおよびテリフルノミド以外に、種々の他の経口薬が、MS用に臨床開発中であり、最も進んでいるのはフマル酸ジメチル(Panaclar (BG-12), Biogen Idec)およびラキニモド(SAIK-MS, Active Biotech)であり、これらは全て第III相試験を完了している。
フマル酸ジメチル(“DMF”;trans−1,2−エチレンジカルボン酸ジメチルエステル)(式1)は、フマル酸エステル(FAE)群に属し、合計2600人を超える患者での2種の無作為化二重盲験プラセボ対照用量比較第III相試験(DEFINE試験(Gold R. et al, N Engl J Med. 2012 Sep 20;367(12):1098-107)およびCONFIRM試験(Fox RJ et al., N Engl J Med. 2012 Sep 20;367(12):1087-97))によれば、最も魅力的な安全性プロファイルおよび良好な有効性を有するようである。両方の試験は、フマル酸ジメチル(BG-12)240mg、1日2回(BID)および1日3回(TID)投与対プラセボを評価し、CONFIRM試験はまた、グラチラマー酢酸塩(GA)20mg、1日1回皮下投与も活性比較対象薬として含む。
有効性に関して、フマル酸ジメチル240mg1日2回および240mg1日3回投与は、最も広く用いられている従来の薬物であるインターフェロン(間接比較に基づく)およびグラチラマー酢酸塩(CONFIRM試験での直接比較に基づく)より優れているようであるが、未だ多くの患者が再発と身体障害の進行を経験しており、より有効であるがおそらくより有害でもある静注薬、例えばナタリズマブ(タイサブリ, Biogen Idec)または適応外アレムツズマブ(キャンパス, Sanofi)による後続治療を必要とし得る。
安全性に関して、治験により有害事象の発生率、重度感染を含む重篤有害事象、および、有害作用が原因の中止は、プラセボを含む全ての試験群に亘って同様であることが判明した。この優れた安全性プロファイルは、他のDMF含有薬、すなわちドイツで1994年に乾癬用に承認されたFumadermでの延べ150,000人を超える患者のこれまでの経験によって支持される(Morwietz et al., J Dtsch Dermatol Ges. 2007 Aug;5(8):716-7)。有望な長期間安全性データにもかかわらず、フマル酸ジメチルは幾つかの短期間耐容性の問題、主に下痢や紅潮を伴い、そのため一部患者で投薬中止に至り得る。
より詳細には、1430人のRRMSを有する患者において、フマル酸ジメチル240mg po(per os=経口)カプセル剤1日2回または1日3回投与の安全性と有効性をプラセボに対しておよびグラチラマー酢酸塩20mg sc(皮下)1日1回投与に対して分析したCONFIRMは、フマル酸ジメチルが、1日2回および1日3回投与で、それぞれ年間再発率をプラセボに対して44%および51%まで有意に低下させて主要エンドポイントを満たすことを示した。また、フマル酸ジメチルは、両方の投与レジメンで、再発およびMRI二次エンドポイントを全て満たした。フマル酸ジメチル1日2回および1日3回投与は、新規または新規拡大T2高強度病変の数をそれぞれ71%および73%まで減少させ、新規T1高強度病変数を57%および65%まで減少させ、かつ、再発する患者の割合を34%および45%まで減少させ、それと比較してグラチラマー酢酸塩の値はそれぞれ54%、41%および29%であった。また、フマル酸ジメチルは、2年目にEDSSによって判定した12週確認身体障害進行を、プラセボおよびグラチラマー酢酸塩における値7%と比較して、1日2回投与で21%まで、1日3回投与で24%まで低下させた。フマル酸ジメチル群の最も一般的な有害作用は紅潮および消化管(GI)事象であった。フマル酸ジメチル群で悪性病変はなかった。これらの事象の発生率は、フマル酸ジメチル群で、1月後に大幅に減少した。最も頻繁に報告される重篤有害作用はMSの再発であり、何れの群でも2人を超えて報告される他の事象はなかった(Press releases, Biogen, および Fox RJ et al., N Engl J Med. 2012 Sep 20;367(12): 1087-97)。
1237人のRRMS患者において、フマル酸ジメチル240mg経口カプセル剤1日2回および1日3回投与の有効性および安全性を解析したDEFINEは、プラセボと比較して、2年目で再発したRRMS患者の割合が有意に減少することを示した(主要エンドポイント、プラセボに対して1日2回投与で49%減少、1日3回投与で50%減少)。フマル酸ジメチルの両方の投与は、年間再発率(プラセボに対して1日2回投与で53%低下、1日3回投与で48%低下)、新規または新規拡大T2高強度病変数、新規ガドリニウム強調(Gd)病変数、および、2年間の総合障害度評価尺度(EDSS)によって測定された身体障害進行の有意な低下を示した(二次エンドポイント)(Gold R. et al., N Engl J Med. 2012 Sep 20;367(12):1098-107)。
FAEの正確な作用メカニズムは確立されていないが、一般的に、効果は、炎症性Th1から高い抗炎症性のTh2への免疫応答への切り替え、アポトーシスによる末梢CD4+およびCD8+Tリンパ球の減少、および、炎症性サイトカインおよび接着分子発現の核内因子κB(NF−κB)依存性下方制御と関係する細胞間グルタチオン(GSH)貯蔵の欠乏によって媒介されると考えられている(Mrowietz et al, Trends Mol. Med. 2005 Jan; 11(1):43-8)。最近、DMFは、II型樹状細胞の誘発によって作用し得ることも提唱された(Ghoreschi et al., J Exp Med. 2011; 208(11):2291-303)。さらに、データはまた、nrf2が介在する直接的抗酸化作用および神経保護作用も示唆する(Gold et al, Clin Immunol. 2012 Jan; 142(1):44-8)。
Figure 2021121603
本発明によってDMFと組み合わせて使用し得る1つの候補であるテリフルノミド(Genzyme)((Z)−2−シアノ−3−ヒドロキシ−ブタ−2−エン酸(4'−トリフルオロ−メチルフェニル)−アミド)(式2)はまた、2500人を超える患者のデータがすでに示されている第III相試験で優れた安全性プロファイルを有する(TEMSO試験についてはO'Connor et al, N Engl J Med. 201; 365(14): 1293-303、TENERE試験についてはPress release, Sanofi, 20 Dec 2012、TOWER試験についてはPress release, Sanofi, 1 Jun 2012)。第III相試験で見られた最も重要な副作用は下痢、毛髪菲薄化およびトランスアミナーゼ上昇であった。
テリフルノミドの安全性は、関節リウマチにおけるそのプロドラッグレフルノミド(Arava)の1998年の最初の承認以来の広範な使用によって支持される。しかし、MSに対するテリフルノミドの臨床有効性は、従来薬物の範囲を超えず(インターフェロンとの間接比較およびグラチラマー酢酸塩との直接比較)、多くの患者は、再発および身体障害の進行を経験する。事実、7mgの用量で、TENERE試験によりインターフェロンよりも高い再発率であることが判明し、そして、TOWER試験により、プラセボと比較して身体障害の12週持続累積に有意差がないことさえ判明した。
より具体的には、1088人のRRMS患者におけるテリフルノミド7mgおよび14mg経口1日1回の無作為化二重盲プラセボ対照第III相試験であるTEMSOは、テリフルノミド7mgおよび14mgが、2年目で年間再発率(ARR)を、プラセボと比較して31.2%および31.5%まで有意に減少させることを示した(主要エンドポイント)。テリフルノミド7mgおよび14mgでそれぞれ、身体障害進行のリスクを24%および30%まで減少させた。テリフルノミドはまた、テリフルノミド7mgおよび14mgでプラセボと比較してそれぞれ39%および67%の疾患負荷減少を含む、磁気共鳴画像尺度の範囲での脳疾患活動度も減少させた。テリフルノミド7mgおよび14mgの投与は良好な耐容性を示し、下痢、悪心およびアラニントランスフェラーゼ上昇を含む治療原因有害作用が、同程度の人数の患者で報告された。テリフルノミドで処置した患者に、重篤な日和見感染は起こらなかった。さらなる結果は、2年間の試験で、テリフルノミド7mgおよび14mgが、プラセボでの45.6%と比較して、それぞれ53.7%および56.5%まで最初の再発までの期間を有意に延長させることを示した(TEMSO試験, O'Connor et al, N Engl J Med. 201;365(14):1293-303 および Press release, Sanofi-Aventis, 30 Aug 2010 および Press release, Sanofi, 5 Oct 2011)。
他方、テリフルノミド7mgおよび14mg経口1日1回錠剤の2用量 対 インターフェロン−β1aの有効性を評価するためのRRMSを有する324人の患者における無作為化非盲検第III相試験であるTENEREは、再発の確認または何らかの理由での処置の永続的な中止のいずれか先に起こった事象で定義される処置不成功のリスクに対して、レビフ群とテリフルノミド群(7mgおよび14mg)の間に統計的有意差は示さなかった。しかし、テリフルノミド7mgの投与(0.410)は、14mgの1日1回投与(0.259)およびレビフ(0.216)より再発率が高いことが示された。テリフルノミド群で見られたほとんどの有害事象の重症度は軽微であり、上咽頭炎、下痢、毛髪菲薄化および背痛であった。これらは、レビフ群より高い発現率で起こった。レビフ群で観察された最も一般的な有害作用は、アラニンアミノトランスフェラーゼレベル上昇、頭痛およびインフルエンザ様症状であった。これらは、テリフルノミド群より高い発現率で起こった。試験中死亡例はなかった(Press release, Sanofi, 20 Dec 2012)。
テリフルノミド7mgおよび14mg経口1日1回錠剤の2用量 対 プラセボを評価するための1169人のRRMS患者における多施設無作為化二重盲験プラセボ対照第III相試験であるTOWERは、テリフルノミド14mgを与えられた患者が、プラセボと比較して年間再発率における36.3%の有意な減少および12週身体障害持続性累積リスクにおける31.5%の減少を示した。7mg投与群では、プラセボと比較して、年間再発率の有意な減少が観察されたが、12週身体障害持続性累積リスクでは有意差は観察されなかった。テリフルノミド群でより頻繁に報告された有害事象の最も一般的なタイプは、頭痛、ALT上昇、毛髪菲薄化、下痢、悪心および好中球減少症であった(Press release, Sanofi, 1 Jun 2012)。
上記試験において、7mgの投与は14mgの投与より有効性が幾らか低いようだが、両方の投与が、2012年にRRMS処置のためにFDAによって承認された。
他の第III相試験であるTOPICは、早期MSまたは最初の事象からなる症候群(clinically isolated syndrome)で進行中である。テリフルノミドはまた、第III相のTERACLES試験でインターフェロン−βと共に評価中である。10年におよぶ第II相延長試験における連続使用によって、テリフルノミドは、あらゆる経口MS治験薬で最も長い臨床経験を有する。
また、テリフルノミドは、IFN付加治療として第II相併用試験で用いられ、7mgおよび14mgの投与において、MRIエンドポイントについて有意な効果が観察されたが、年間再発率の減少について有意な効果が見られなかった(Freedman, Neurology. 2012 Jun 5;78(23):1877-1885)。他の第II相併用試験において、グラチラマー酢酸塩に追加したテリフルノミド7mgまたは14mgは、T1−Gd病変の減少においてプラセボの追加より有効であった(Freedman et al. Neurology. 2010;74(9):A293.)。
テリフルノミドは、ピリミジン新規合成に必要なミトコンドリアの酵素であるジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ(DHODH)を選択的かつ可逆的に阻害する。ピリミジン新規合成は、DNA、脂質および糖代謝における要求を満たすために、活性化リンパ球のような急速に増殖する細胞で必要とされる。これらの効果は、最終的に、明白な細胞毒性なく自己抗原に応答するT細胞およびB細胞の活性化および増殖を制限することにより、強力な抗炎症性をもたらす。テリフルノミドはまた、T細胞依存性抗体産生阻害における有効性を示し、テリフルノミドがT細胞とB細胞の相互作用を調節することが示唆される。他の効果は、T細胞の遊走能の減少、露出T細胞の単球活性化能の低減、抗炎症Th−2分化を支持するためのナイーブT細胞の誘発を含む。ピリミジン合成のためのDHODH非依存的サルベージ経路を利用する細胞(例えば造血系および胃腸内面の細胞)は、テリフルノミドの抗増殖効果にほとんど影響されない。
Figure 2021121603
本発明に従ってDMFと組み合わせて使用され得る他の候補薬物は、フィンゴリモド(式3)である。フィンゴリモドは、すでに、RRMSについて、米国、欧州の多くの国および日本で、0.5mg経口1日1回用量で承認されている(ジレニア, Novartis)。フィンゴリモドは、二次リンパ器官からのリンパ球放出を遮断する経口スフィンゴシン−1−リン酸受容体(S1PR)モジュレーターである。摂取後、フィンゴリモドは、スフィンゴシンキナーゼによって活性型にリン酸化され、これがS1PRに高親和性で結合できる。リン酸化フィンゴリモドの結合は、受容体の内部移行および分解を起こし、また、S1PRメッセンジャーRNAの下方制御をもたらす。これは、リンパ系組織から末梢血へのリンパ球放出を構成的に阻害する細胞表面のS1PRの減少、および脳脊髄液(CSF)中のリンパ球レベルの低減をもたらし、これは、最終的に中枢神経系での炎症事象の軽減に寄与する。末梢血リンパ球への作用に加えて、フィンゴリモドはまた、オリゴデンドロサイト、アストロサイトおよびミクログリア上のS1PRとの相互作用によって、直接的神経保護作用を有すると考えられる。
RRMSにおけるフィンゴリモドの大規模第3相臨床試験プログラムは、強い有効性結果および許容される全般的な安全性プロファイルを示した。
詳細には、1292人のRRMSおよび少なくとも1回の再発病歴を有する患者を経口フィンゴリモド(0.5mg/日または1.25mg/日)または筋肉内(i.m.)IFN−b−1a(アボネックス, 30μg/週)に無作為化した12ヶ月実薬対照第III相試験TRANSFORMSにより、フィンゴリモドでの1年再発率が、アボネックスより低い52%(0.5mg/日)および38%(1.25mg/日)であり、フィンゴリモドの患者の83%(0.5mg/日)および80%(1.25mg/日)が無再発を維持するのに対し、アボネックスの患者でわずか69%であることが判明した。さらに、IFN−b−1aの患者と比較して、フィンゴリモドの患者は、MRIで、新規のまたは拡大した高強度T2病変およびガドリニウム強調T1病変が有意に少なくなった。EDSSスコアに関して、群間で有意な差異はなかった。フィンゴリモドは良好な耐容性を有し、フィンゴリモド群とIFN−b−1a群間でAE総数に有意な差異がないが、1.25mg群のSAEの総数は上昇するように見えた(1.25mg群において10.7% 対 0.5mg群において7.0% 対 IFN−b−1a群において5.8%)。試験薬物投与の中止となるAEも、1.25mg群で最も高頻度であり(1.25mg群において10.0% 対 0.5mg群において5.6% 対 IFN−b−1a群において3.7%)、主に徐脈および房室ブロックであった。全体として、フィンゴリモドの最初の投与後1時間以内に発現する一過性用量依存性心拍数減少があり、これは先の治験での所見と一致した。1.25mg群の患者の1%および0.5mg群の患者の0.5%が黄斑浮腫を発症した。フィンゴリモドの作用機序を反映して、リンパ球数は、1月後、1.25mg群で77%まで、0.5mg群で73%まで減少した。軽度および中程度の上部および下部気道感染症は、フィンゴリモドを与えられた患者で、僅かに頻度が高かった(Press releases Novartis および Cohen JA et al., N Engl J Med. 2010 Feb 4; 362(5):402-15)。
24ヶ月二重盲験プラセボ対照FREEDOMS試験は、0〜5.5のEDSSスコアを有し、1年以内に少なくとも1回の再発または2年以内に少なくとも2回の再発を有する1272人の患者で、フィンゴリモド0.5mg/日および1.25mg/日の用量 対 プラセボについて調べた。この治験では、フィンゴリモドは、プラセボに対して、MS再発頻度を54%および60%まで低下させ、24ヶ月期間中3月後に確認した身体障害進行リスクを30%および32%まで、24ヶ月期間中6月後に確認した身体障害進行リスクを37%および40%まで低下させた。これらの所見は、MRIスキャンでの脳病変に対する陽性効果によって支持された。フィンゴリモドは良好な耐容性を示し、フィンゴリモド群とプラセボ群の間で、AE、SAEおよび死亡数に違いはなかった。しかし、試験薬物の中止に至るAEは、0.5mgの用量のフィンゴリモド(患者の7.5%)またはプラセボ(患者の7.7%)よりも、1.25mgの用量のフィンゴリモド(患者の14.2%)で多く見られ、主に、徐脈、房室伝導ブロック、黄斑浮腫、肝酵素レベル上昇および高血圧からなった。この場合も、先の試験で見られたように、2つのフィンゴリモド群の徐脈事象のリスクが増大したが、最初の投与後のみであった。心拍数および房室状態に対する効果は用量相関であるように見え、心臓組織における1型スフィンゴシン−1−リン酸受容体の調節に起因する。全員が1.25mgのフィンゴリモドを受けた7人の患者で、黄斑浮腫が診断された。0.2×10/L未満のリンパ球減少症が、1.25mg用量、0.5mg用量およびプラセボで、それぞれ5.4%、3.5%および0.5%で発症した。気道下部感染症はプラセボよりフィンゴリモドで多かったが、それ以外では、感染発生率は同程度であった(Press releases Novartis および Kappos L et al., N Engl J Med, 2010 Feb 4;362(5):387-401 および Gergely P, Mult Scler 2009; 15: Suppl 2: S125-S126.)。
FREEDOMS−II試験の追跡調査およびTRANSFORMSの延長試験により、上で論じたデータが全体的に確認された(Press releases Novartis および Kathri B et al, Lancet Neurol. 2011 Jun; 10(6): 520-9)。0.5mgで有害事象の総発症生率は低く、有効性に有意な差がなかったため、この用量がさらなる開発に好ましい用量として選択され、そして最終的に規制当局によって承認された用量である。
Figure 2021121603
本発明においてDMFと組み合わせ得るさらなる候補は、ラキニモド(式4)である。ラキニモドは、2種の大規模第III相試験(2400人を超えるRRMS患者でのALLEGRO試験およびBRAVO試験)に合格し、2012年にEUで販売承認を申請したが、US提出を支持する確証第III相試験(1800人のRRMS患者におけるCONCERTO)は進行中である(Press releases Teva and Active Biotech および Comi G et al., N Engl J Med. 2012 Mar 15; 366(ll): 1000-9)。
2種の終了した第III相試験のうちの最初の1つであるALLEGROにおいて、患者を無作為化し、ラキニモド1日1回経口0.6mgまたは対応させたプラセボを24ケ月間投与した。主要エンドポイントは24ケ月間二重盲験試験期間の間に確認された再発回数であり、二次エンドポイントは身体障害の進行およびMRIの変化の確認を含んだ。本治験には1106人のRRMS患者が登録された(Press releases Teva and Active Biotech および Comi G et al., N Engl J Med. 2012 Mar 15; 366(ll): 1000-9)。ALLEGROにおいて、ラキニモドは、ARRにおける統計的に有意な23%減少(p=0.0024)およびEDSS進行リスクにおける36%の減少(p=0.0122)、ならびに脳萎縮進行における33%の有意な減少(p<0.0001)を示した。ラキニモドは一般的に安全であり、良好な耐容性を示した。全AE頻度は活性剤群とプラセボ群で同様であり、ラキニモドについて87%、プラセボについて81%であった。ラキニモド群の最も一般的な4種の有害事象は、正常範囲上限の3倍を超えるが上限の5倍以下のALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)上昇(ラキニモドについて3.6% 対 プラセボについて0.4%)、腹痛(5.8% 対 2.9%)、背痛(16.4% 対 9.0%)および咳(7.5% 対 4.5%)であった。SAEは、ラキニモドを受けた患者の11.1%、および、プラセボを受けた患者の9.5%で起こった。
第3相BRAVO試験は、同様にRRMS患者(n=1331)におけるラキニモド0.6mg1日1回経口投与の2年間無作為化二重盲験プラセボ対照試験であるが、今回予備的インターフェロンβ−1a群を追加した。BRAVOにおいて、プラセボに対するARR減少の主要エンドポイントは、統計的有意に至らず(p=0.075)、活性剤群とプラセボ群の間の基本特性不均衡を補正するための事前に設定された感度分析を行った後にのみ統計学的有意差となり、21%のARR減少であった。この補正した分析において、ラキニモドはまたEDSS進行リスクの34%減少(p=0.044)および脳喪失体積の28%減少(p=<0.0001)を示した。ラキニモドの安全性および耐容性は、ALLEGROと同様であり、免疫抑制の徴候はなかった。インターフェロンβ−1aでは、ARRはプラセボと比較して29%まで減少し(p=0.002)、身体障害の進行は29%まで減少した(p=0.089)が、脳萎縮については処置の効果は観察されなかった。
BRAVOで主要エンドポイントを満たさなかったという事実のために、1800人のRRMS患者におけるラキニモド0.6mgまたは1.2mgの第III相試験であるCONCERTOを開始した。
第II相試験はまた、低用量の0.3mgの臨床効果も確立した(Comi G et al., Lancet. 2008 Jun 21;371(9630):2085-92 および Polman C et al., Neurology. 2005 Mar 22;64(6):987-91)が、0.1mgの用量は、活性CNS病変の累積数により測定して、疾患活性に有意に作用できなかった(Polman C et al.. Neurology. 2005 Mar 22;64(6):987-91)。
作用機序に関して、ラキニモドは、中枢神経系内で免疫調節性を有し、直接的神経保護作用も有し得ると考えられている(Giacomini PS, Clin Immunol. 2012 Jan; 142(1):38-43でレビューされている)。ラキニモドの分子標的は明確には定義されていないが、幾つかの研究により、それが細胞シグナル伝達に影響するカルシウム結合タンパク質であるS100A9に結合できることが示唆されている。前臨床試験により、ラキニモドの効果は、一部、炎症促進性サイトカインであるIFN−γおよびTNFαの減少を伴うTh1およびTh17応答減少および制御性T細胞増加と、さらに抗炎症性サイトカインであるIL−4、IL−10およびTGF−βの産生を促進することが介在することを示すことができた。さらに、ラキニモドは、特異的接着分子との相互作用によって、中枢神経系へのリンパ球移動を妨げることができるようである。他のデータにより、ラキニモドは、おそらく脳由来神経栄養因子(BDNF)などの神経因子の上方制御によって、直接的に脱髄を軽減し、軸索保護を誘発し得ることも示唆される(Thoene J, Am J Pathol. 2012 Jan; 180(1): 267-74 および Schulze-Topphoff U, PLoS One. 2012; 7(3): e33797. Published online on March 30, 2012. doi: 10.1371/journal.pone.0033797)。
Figure 2021121603
上記の研究および進歩(部分的ではあるが)にもかかわらず、全ての利用可能な薬物が、MSの進行中の炎症性組織損傷および臨床的進行の停止に部分的にしか有効でないことは今もなお事実である。治療が中程度にしか有効でない理由は、MSの一面のみを標的とすることが、該疾患過程の完全な停止には不十分である可能性があるという意味で、複雑で不均一な該疾患の病因にある。処置の有効性を向上させる可能性を有する1つの戦略は、異なる作用機序を有する2種以上の薬物を組み合わせることである。当該組み合わせは、例えば、一般的に、WO 2007/006307に記載され(フマル酸モノアルキルエステルの塩と多数の他の薬物, 20〜25頁参照)、WO 2011/100589に具体的に請求されている(フマル酸エステル、例えばフマル酸ジメチルとグラチラマー酢酸塩またはインターフェロンβの何れか)。上記のテリフルノミドとの実験的併用治療はさらなる例であるが、明確な良い結果とはなっていない。
従って、MS治療は既に大きく前進しているが、有効性が改善され、副作用が少なく、耐容性がよく、より簡便な薬物に対する大きな未だ満たされていない要求がある。テリフルノミドとフマル酸ジメチルの固定化された組み合わせ、または、フィンゴリモドとフマル酸ジメチルの組み合わせ、または、ラキニモドとフマル酸ジメチルの組み合わせでMSを処置する本発明は、これらの要求に対処するものである。
本発明の概要
本発明は、その最も広い局面において、多発性硬化症を処置するための経口薬の新規組み合わせ、すなわち、テリフルノミド、フィンゴリモドまたはラキニモドとフマル酸ジメチルとの組み合わせを目的とする。
テリフルノミド、フィンゴリモドおよびラキニモドは、フマル酸ジメチルと部分的に重複しない作用機序および概して重複しない副作用プロファイルのために、フマル酸ジメチルと組み合わせるべき強力なパートナーとして選択された。
組み合わせ製剤に含まれるこの2種の活性成分、すなわち、フマル酸ジメチルとテリフルノミド、フィンゴリモドまたはラキニモドの組み合わせは、そのいずれかの任意の薬学的に許容される投与形で存在し得る。このような薬学的に許容される投与形は、本明細書で用いられるとき、あらゆる薬学的に許容され、治療上有効な結晶形および非結晶形、溶媒和物または水和物、テリフルノミドの場合はZおよびE−エノール型およびそれらの混合物、そのプロドラッグであるレフルノミドを含む。請求する本発明の経口医薬組成物のさらなる成分は、1種以上の薬学的に許容される添加物である。用語“添加物”は、本明細書で用いられるとき、経口の医薬投与形に存在し得るあらゆる薬学的に許容される不活性物質を包含すると理解され、充填剤、希釈剤、結合剤、マトリックス形成剤、崩壊剤、滑沢剤、持続性放出剤、コーティング剤などを含むが、これらに限定されない。
また、本発明は、1日1回投与に適した、フマル酸ジメチルとテリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドの組み合わせのみを活性成分として、1種または数種の薬学的に許容される添加物と共に含む医薬組成物も提供する。
本発明の1つの好ましい態様は、フマル酸ジメチルである第1活性成分を単独で用いられるときに治療上有効な用量で、およびテリフルノミドである第2活性成分を単独で用いられるときに治療有効性を示さない用量で、1日1回経口使用するための新規固定用量組み合わせ剤の投与を目的とする。従って、本発明の好ましい局面によると、この医薬組成物は、500mg〜750mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび1mg〜6mgの用量範囲のテリフルノミドを含む。
他の本発明の好ましい態様は、フマル酸ジメチルである第1活性成分を単独で用いられるときに治療上有効な用量で、およびフィンゴリモドである第2活性成分を単独で用いられる場合に治療有効性を示さない用量で、1日1回経口使用するための新規固定用量組み合わせ剤の投与を目的とする。従って、本発明の好ましい局面によると、この医薬組成物は、500mg〜750mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび0.05mg〜0.45mgの用量範囲のフィンゴリモドを含む。
また、他の本発明の好ましい態様は、フマル酸ジメチルである第1活性成分を単独で用いられるときに治療上有効な用量で、およびラキニモドである第2活性成分を単独で用いられるときに治療有効性を示さない用量で、1日1回経口使用するための新規固定用量組み合わせ剤の投与を目的とする。従って、本発明の好ましい局面によると、この医薬組成物は、500mg〜750mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび0.05mg〜0.25mgの用量範囲のラキニモドを含む。
本発明によると、本明細書に記載の組み合わせ製品は、フマル酸ジメチル単独より良好な有効性を示す(年間再発率および/または身体障害の進行および/または同様に許容されるエンドポイントによって判定したとき)。さらに、本発明の組み合わせ製品は、フマル酸ジメチル単独および個々の組み合わせパートナー単独と比較して、重篤有害事象の増大を示さない。
本発明のさらなる態様は、フマル酸ジメチルである第1活性成分をDEFINE試験およびCONFIRM試験でMSに治療上有効であることが示された1日用量より少ない1日用量で、およびテリフルノミド、フィンゴリモドまたはラキニモドである第2活性成分を単独で用いられる場合に治療有効性を示さない用量で、1日1回経口使用するための新規固定用量組み合わせ剤の投与を目的とする。本発明のこの好ましい局面による組み合わせ製品は、単独で治療有効量で用いたときのフマル酸ジメチル、テリフルノミド、フィンゴリモド、ラキニモドのそれぞれと比較して、有効性は劣らない(年間再発率の減少および/または身体障害の進行および/または同様に許容されるエンドポイントによって判定したとき)が、それぞれの用量で単独で与えたときの個々の薬物よりも有害作用が少ない。従って、本発明の好ましい局面において、本組成物は、125mg〜500mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび1mg〜6mgの用量範囲のテリフルノミドを含む。他の本発明の好ましい局面において、本組成物は、125mg〜500mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび0.05mg〜0.45mgの用量範囲のフィンゴリモドを含む。また、他の本発明の好ましい局面において、本組成物は、125mg〜500mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび0.05mg〜0.25mgの用量範囲のラキニモドを含む。
本発明のさらなる態様は、フマル酸ジメチルである第1活性成分を単独で用いられるときに治療上有効な用量で、およびテリフルノミド、フィンゴリモドまたはラキニモドである第2活性成分を単独で用いられるときに治療有効性を示さない絶対1日用量で、1日2回経口使用するための新規固定用量組み合わせ剤の投与を目的とする。本発明によると、本組み合わせ製品は、フマル酸ジメチル単独よりも有意に良好な有効性を示し(年間再発率の減少および/または身体障害の進行および/または同様に許容されるエンドポイントによって測定したとき)。さらに、この組み合わせ剤は、フマル酸ジメチル単独と比較して、重篤有害事象の統計的に有意な増加を示さない。
本発明のさらなる態様は、フマル酸ジメチルである第1活性成分をDEFINE試験およびCONFIRM試験で治療上有効であることが示された用量より少ない用量で、およびテリフルノミド、フィンゴリモドまたはラキニモドである第2活性成分を単独で用いられるときに治療有効性を示さない絶対1日用量で、1日2回経口使用するための新規固定用量組み合わせ剤の投与を目的とする。この組み合わせ製品は、単独で治療有効量で用いたときのフマル酸ジメチル、テリフルノミド、フィンゴリモド、ラキニモドのそれぞれと比較して、有効性は劣らない(年間再発率の減少および/または身体障害の進行および/または同様に許容されるエンドポイントによって判定したとき)が、それぞれの用量で単独で与えたときの個々の薬物よりも有害作用が少ない。
本発明のさらなる態様において、テリフルノミドは、上記組み合わせの全てにおいて、生物学的同等量の(テリフルノミド薬物動態によって測定したとき)そのプロドラッグであるレフルノミドに置き換えられる。
本発明の詳細な説明
本発明は、処置を必要とするヒト患者においてMSを処置する方法であって、当該患者に、フマル酸ジメチルとテリフルノミド(またはそのプロドラッグであるレフルノミド)、フィンゴリモドまたはラキニモドの組み合わせの1回経口投与形(例えば錠剤またはカプセル剤)の併用治療剤を投与することを含む方法に関する。組み合わせ製剤は、単剤のみより有効であり、および/または、単剤のみより副作用が少なく、良好な耐容性を有し、および/または少ない頻度で投与し得る。
フマル酸ジメチル、ならびに、テリフルノミド、フィンゴリモドおよびラキニモドは、個々にMSの処置に使用されているが、これらの薬物は、組み合わせてMSの処置に用いられていない。本発明者らは、一方がフマル酸ジメチル、他方がテリフルノミド、フィンゴリモドまたはラキニモドの、相加効果または相乗効果が、フマル酸ジメチルと他の3種の薬物が異なる分子標的を有し、MSの病態生理において多くの非重複作用機序を有するという事実による可能性が高いことを認識している。フマル酸ジメチルは、GSH貯蔵の枯渇およびnrf2活性化によって作用し、これは顕著な神経保護性に介在するのに加えて、Th1/Th2分化の阻害を伴う主要な免疫調節効果を媒介するものの、大きな免疫抑制効果は観察されない。他方、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ(DHODH)の選択的阻害によって作用するテリフルノミド、細胞表面でのS1PR下方制御によって作用するフィンゴリモド、および、おそらくS100A9によって作用しているラキニモドは、免疫応答のさらなる局面、例えばリンパ球遊走、制御性T細胞応答および抗体産生に対して効果を有すると推測され、関係する免疫抑制活性を伴って、潜在的に、より広範な阻害効果をもたらす。本発明によると、これらの各薬物の特異的活性スペクトルと最適用量の選択は、組み合わせの特に有益な効力および副作用プロファイルを可能にする。
本発明による好ましい組み合わせにおいて、テリフルノミド、フィンゴリモドまたはラキニモドなどの薬物は、単独で用いたとき有意な臨床効果を有しないことが示された用量で、単独で有効な用量の他の薬物(フマル酸ジメチル)と組み合わせて用いたとき、著しい相加効果を有する。さらに、この組み合わせは、単剤と比較して、同等なまたは穏やかでさえある副作用プロファイルである。さらに、通常1日2回投与レジメで用いられる薬物、例えばフマル酸ジメチルと、通常1日1回投与レジメで用いられる薬物、例えばテリフルノミド、フィンゴリモドまたはラキニモドとの組み合わせは、単独で用いられたときの両方の薬物に劣らない有効性で、かつ、特異的副作用プロファイルおよび用量に依存して、副作用の増大なく、1日1回組み合わせ薬物を創成することを可能にし得る。
本発明による一つの好ましい組成物は、1日1回使用を意図し、成分1) 500mg〜750mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび成分2) 1mg〜6mgの用量範囲のテリフルノミドならびに医薬製剤に必要である成分3)(添加物)からなる。本発明のこの局面による特に好ましい組み合わせは、625mgのフマル酸ジメチルおよび5mgのテリフルノミドを含む。さらに好ましい組み合わせは、500mgのフマル酸ジメチルと6mgのテリフルノミド、500mgのフマル酸ジメチルと5mgのテリフルノミド、500mgのフマル酸ジメチルと4mgのテリフルノミド、500mgのフマル酸ジメチルと3mgのテリフルノミド、625mgのフマル酸ジメチルと4mgのテリフルノミド、625mgのフマル酸ジメチルと3mgのテリフルノミド、625mgのフマル酸ジメチルと2mgのテリフルノミド、および、625mgのフマル酸ジメチルと1mgのテリフルノミドを含む。さらに好ましい態様は、750mgのフマル酸ジメチルと1mg、2mg、3mg、4mgまたは5mgのテリフルノミドの組み合わせを含む。
本発明による他の好ましい組成物は、1日1回使用を意図し、成分1) 125mg〜500mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび成分2) 1mg〜6mgの用量範囲のテリフルノミドならびに医薬製剤に必要である成分3)(添加物)からなる。好ましくは、本発明のこの局面による組成物は、1日1回使用を意図し、成分1) 125mg〜375mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび成分2) 1mg〜6mgの用量範囲のテリフルノミドならびに医薬製剤に必要である成分3)(添加物)からなる。本発明のこの局面による特に好ましい組み合わせは、375mgのフマル酸ジメチルと2mg、3mg、4mg、5mgまたは6mgのテリフルノミドの組み合わせ、375mgのフマル酸ジメチルと1mg、2mg、3mg、4mgまたは5mgのテリフルノミドの組み合わせ、あるいは、375mgのフマル酸ジメチルと5mgのテリフルノミドの組み合わせ、あるいは、250mgのフマル酸ジメチルと2mg、3mg、4mg、5mgまたは6mgのテリフルノミドの組み合わせ、あるいは、125mgのフマル酸ジメチルと3mg、4mg、5mgまたは6mgのテリフルノミドの組み合わせを含む。
第3の好ましい組成物は、1日2回使用を意図し、成分1) 250mg1日2回〜375mg1日2回の用量範囲のフマル酸ジメチルおよび成分2) 0.5mg1日2回〜3mg1日2回の用量範囲のテリフルノミドならびに医薬製剤に必要である成分3)からなる。本発明のこの局面による特に好ましい組み合わせは、375mgのフマル酸ジメチルと2.5mgのテリフルノミドを含む。さらに好ましい組み合わせは、250mgのフマル酸ジメチルと3mgのテリフルノミド、250mgのフマル酸ジメチルと2.5mgのテリフルノミド、250mgのフマル酸ジメチルと2mgのテリフルノミド、250mgのフマル酸ジメチルと1.5mgのテリフルノミド、375mgのフマル酸ジメチルと2mgのテリフルノミド、375mgのフマル酸ジメチルと1.5mgのテリフルノミド、250mgのフマル酸ジメチルと1mgのテリフルノミド、および、375mgのフマル酸ジメチルと0.5mgのテリフルノミドを含む。さらに好ましい態様は、375mgのフマル酸ジメチルと0.5mg、1mg、1.5mg、2mgまたは2.5mgのテリフルノミドの組み合わせを含む。
第4の組成物は、1日2回使用を意図され、成分1) 60mg1日2回〜250mg1日2回の用量範囲のフマル酸ジメチルおよび成分2) 0.5mg1日2回〜3mg1日2回の用量範囲のテリフルノミドならびに医薬製剤に必要である成分3)からなる。本発明のこの局面による特に好ましい組み合わせは、150mgのフマル酸ジメチルと2.5mgのテリフルノミドを含む。さらに好ましい組み合わせは、125mgのフマル酸ジメチルと5mgのテリフルノミド、150mgのフマル酸ジメチルと3mgのテリフルノミド、125mgのフマル酸ジメチルと2.5mgのテリフルノミド、125mgのフマル酸ジメチルと2mgのテリフルノミド、125mgのフマル酸ジメチルと1.5mgのテリフルノミド、150mgのフマル酸ジメチルと2mgのテリフルノミド、150mgのフマル酸ジメチルと1.5mgのテリフルノミド、125mgのフマル酸ジメチルと1mgのテリフルノミド、および、150mgのフマル酸ジメチルと0.5mgのテリフルノミドを含む。さらに好ましい態様は、180mgのフマル酸ジメチルと0.5mg、1mg、1.5mg、2mgまたは2.5mgのテリフルノミドの組み合わせを含む。
本発明に従って1日1回または2回使用を意図される本発明による組成物は、テリフルノミドが、生物学的同等量(テリフルノミド薬物動態によって測定したとき)の、そのプロドラッグであるレフルノミドの形態で存在するものを含む。テリフルノミドは、レフルノミドから、転位および開環によって形成される。
Figure 2021121603
フィンゴリモドに関して、本発明による一つの好ましい組成物は、1日1回使用を意図し、成分1) 500mg〜750mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび成分2) 0.05mg〜0.045mgの用量範囲のフィンゴリモドならびに医薬製剤に必要である成分3)(添加物)からなる。本発明のこの局面による特に好ましい組み合わせは、625mgのフマル酸ジメチルと0.4mgのフィンゴリモドを含む。さらに好ましい組み合わせは、500mgのフマル酸ジメチルと0.4mgのフィンゴリモド、500mgのフマル酸ジメチルと0.3mgのフィンゴリモド、500mgのフマル酸ジメチルと0.2mgのフィンゴリモド、500mgのフマル酸ジメチルと0.1mgのフィンゴリモド、625mgのフマル酸ジメチルと0.3mgのフィンゴリモド、625mgのフマル酸ジメチルと0.2mgのフィンゴリモド、625mgのフマル酸ジメチルと0.1mgのフィンゴリモド、および、625mgのフマル酸ジメチルと0.05mgのフィンゴリモドを含む。さらに好ましい態様は、750mgのフマル酸ジメチルと0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.45mgのフィンゴリモドの組み合わせを含む。
本発明による他の好ましい組成物は、1日1回使用を意図し、成分1) 125mg〜460mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび成分2) 0.05mg〜0.45mgの用量範囲のフィンゴリモドならびに医薬製剤に必要である成分3)(添加物)からなる。好ましくは、本発明のこの局面による組成物は、1日1回使用を意図され、成分1) 125mg〜375mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび成分2) 0.05mg〜0.045mgの用量範囲のフィンゴリモドならびに医薬製剤に必要である成分3)(添加物)からなる。本発明のこの局面による特に好ましい組み合わせは、375mgのフマル酸ジメチルと0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.45mgのフィンゴリモドの組み合わせ、または、250mgのフマル酸ジメチルと0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.45mgのフィンゴリモドの組み合わせ、または、125mgのフマル酸ジメチルと0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.45mgのフィンゴリモドの組み合わせを含む。
また、他の好ましい組成物は、1日2回使用を意図され、成分1) 250mg1日2回〜375mg1日2回の用量範囲のフマル酸ジメチルおよび成分2) 0.025mg1日2回〜0.2mg1日2回の用量範囲のフィンゴリモドならびに医薬製剤に必要である成分3)からなる。本発明のこの局面による特に好ましい組み合わせは、375mgのフマル酸ジメチルと0.2mgのフィンゴリモドを含む。さらに好ましい組み合わせは、250mgのフマル酸ジメチルと0.1mgのフィンゴリモド、250mgのフマル酸ジメチルと0.3mgのフィンゴリモド、250mgのフマル酸ジメチルと0.4mgのフィンゴリモド、250mgのフマル酸ジメチルと0.45mgのフィンゴリモド、375mgのフマル酸ジメチルと0.2mgのフィンゴリモド、375mgのフマル酸ジメチルと0.3mgのフィンゴリモドを含む。さらに好ましい態様は、375mgのフマル酸ジメチルと0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.45mgのフィンゴリモドの組み合わせを含む。
第4の組成物は、1日2回使用を意図し、成分1) 60mg1日2回〜230mg1日2回の用量範囲のフマル酸ジメチルおよび成分2) 0.025mg1日2回〜0.2mg1日2回の用量範囲のフィンゴリモドならびに医薬製剤に必要である成分3)からなる。本発明のこの局面による特に好ましい組み合わせは、150mgのフマル酸ジメチルと0.2mgのフィンゴリモドを含む。さらに好ましい組み合わせは、125mgのフマル酸ジメチルと0.2mgのフィンゴリモド、150mgのフマル酸ジメチルと0.3mgのフィンゴリモド、125mgのフマル酸ジメチルと0.3mgのフィンゴリモド、125mgのフマル酸ジメチルと0.1mgのフィンゴリモド、125mgのフマル酸ジメチルと0.05mgのフィンゴリモド、150mgのフマル酸ジメチルと0.4mgのフィンゴリモド、150mgのフマル酸ジメチルと0.45mgのフィンゴリモド、125mgのフマル酸ジメチルと0.45mgのフィンゴリモドを含む。さらに好ましい態様は、180mgのフマル酸ジメチルと0.025mg1日2回〜0.2mgのフィンゴリモドの組み合わせを含む。
ラキニモドに関して、次の組成物が特に好ましい。本発明による一つの好ましい組成物は、1日1回使用を意図し、成分1) 500mg〜750mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび成分2) 0.05mg〜0.25mgの用量範囲のラキニモドならびに医薬製剤に必要である成分3)(添加物)からなる。本発明のこの局面による特に好ましい組み合わせは、625mgのフマル酸ジメチルと0.25mgのラキニモドを含む。さらに好ましい組み合わせは、500mgのフマル酸ジメチルと0.25mgのラキニモド、500mgのフマル酸ジメチルと0.2mgのラキニモド、500mgのフマル酸ジメチルと0.15mgのラキニモド、500mgのフマル酸ジメチルと0.1mgのラキニモド、625mgのフマル酸ジメチルと0.2mgのラキニモド、625mgのフマル酸ジメチルと0.15mgのラキニモド、625mgのフマル酸ジメチルと0.1mgのラキニモド、および、625mgのフマル酸ジメチルと0.05mgのラキニモドを含む。さらに好ましい態様は、750mgのフマル酸ジメチルと0.05mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mgのラキニモドの組み合わせを含む。
本発明による他の好ましい組成物は、1日1回使用を意図し、成分1) 125mg〜460mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび成分2) 0.05mg〜0.25mgの用量範囲のラキニモドならびに医薬製剤に必要である成分3)(添加物)からなる。好ましくは、本発明のこの局面による組成物は、1日1回使用を意図し、成分1) 125mg〜375mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび成分2) 0.05mg〜0.25mgの用量範囲のラキニモドならびに医薬製剤に必要である成分3)(添加物)からなる。本発明のこの局面による特に好ましい組み合わせは、375mgのフマル酸ジメチルと0.05mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mgのラキニモドの組み合わせ、または、250mgのフマル酸ジメチルと0.05mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mgのラキニモドの組み合わせ、または、125mgのフマル酸ジメチルと0.05mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mgのラキニモドの組み合わせを含む。
また、他の好ましい組成物は、1日2回使用を意図し、成分1) 250mg1日2回〜375mg1日2回の用量範囲のフマル酸ジメチルおよび成分2) 0.025mg1日2回〜0.125mg1日2回の用量範囲のラキニモドならびに医薬製剤に必要である成分3)からなる。本発明のこの局面による特に好ましい組み合わせは、375mgのフマル酸ジメチルと0.125mgのラキニモドを含む。さらに好ましい組み合わせは、250mgのフマル酸ジメチルと0.125mgのラキニモド、250mgのフマル酸ジメチルと0.1mgのラキニモド、250mgのフマル酸ジメチルと0.05mgのラキニモド、250mgのフマル酸ジメチルと0.025mgのラキニモド、375mgのフマル酸ジメチルと0.1mgのラキニモド、375mgのフマル酸ジメチルと0.05mgのラキニモド、および、375mgのフマル酸ジメチルと0.025mgのラキニモドの組み合わせを含む。
また、他の組成物は、1日2回使用を意図し、成分1) 60mg1日2回〜230mg1日2回の用量範囲のフマル酸ジメチルおよび成分2) 0.025mg1日2回〜0.125mg1日2回の用量範囲のラキニモドならびに医薬製剤に必要である成分3)からなる。本発明のこの局面による特に好ましい組み合わせは、150mgのフマル酸ジメチルと0.125mgのラキニモドを含む。さらに好ましい組み合わせは、125mgのフマル酸ジメチルと0.125mgのラキニモド、125mgのフマル酸ジメチルと0.1mgのラキニモド、125mgのフマル酸ジメチルと0.05mgのラキニモド、125mgのフマル酸ジメチルと0.025mgのラキニモド、150mgのフマル酸ジメチルと0.1mgのラキニモド、150mgのフマル酸ジメチルと0.05mgのラキニモド、150mgのフマル酸ジメチルと0.025mgのラキニモドを含む。
本発明の好ましい局面によって、テリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドは、単独で用いられたとき治療有効性が証明された用量より少ない用量で用いられる。従って、好ましい本発明の組み合わせ剤の治療効果は、従前はおそらく有効でないと考えられていた用量のテリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドによって提供される、予測されない相加効果によって生じる。フマル酸ジメチルは、患者の年間再発率および身体障害の進行で測定して、疾患修飾効果および疾患介入効果を誘発することが証明されている。テリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドと異なる(直交性)作用機序と、主に下痢、悪心、胃痛のような軽度の耐容性問題からなる副作用での証明された安全性の状況の組み合わせを鑑みて、フマル酸ジメチルは、テリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドとの組み合わせに理想的なパートナーである。大部分の医薬品は、S字型用量応答曲線またはベル型用量応答曲線を有する。テリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドなどの他の医薬品の添加は、それゆえに、統合した用量応答曲線を好ましい方法でシフトさせ、それゆえに、大きな臨床有効性および治療有効性があると予測される。
本発明のさらなる局面は、フマル酸ジメチルと、テリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドの本発明の組み合わせの1日1回または2回の経口投与に適した医薬製剤である。製剤は、任意の経口製剤であってよいが、好ましくは、錠剤またはペレット製剤、またはカプセル製剤、例えばゼラチンカプセル剤である。錠剤、ペレットまたはカプセル剤は、腸溶性コートされていても腸溶性コートされていなくてもよい。
本発明の特定の局面に従って、2種の活性成分が、各活性成分を異なる速度で放出するよう設計された経口製剤の異なる部分に存在する。
従って、この局面において、本発明はまた、フマル酸ジメチルと、テリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドを活性成分として含む、MSに対して経口使用するための医薬組成物であって、フマル酸ジメチルが組成物の活性成分の持続性放出を提供する部分に含まれ、テリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドが、組成物の活性成分の急速放出を提供する部分に含まれる医薬組成物を提供する。
本発明の特定の態様において、フマル酸ジメチルは、錠剤の持続性放出マトリックス部分に含まれ、テリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドは、マトリックス部分を囲むコーティングに含まれる。特定の態様において、テリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドは、フマル酸ジメチルを包埋して囲む錠剤のマトリックス部分を囲む、外側の腸溶性コーティングに含まれる。他の態様において、テリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドは、コアと外側のコーティングの間の分離した水溶層または易水解層に含まれるか、または最も外側の層として含まれる。本発明による適当な錠剤は、乳糖(例えばtablettose)または微晶性セルロースを充填剤として、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースをマトリックス形成遅延剤として、および、ステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として含んでよく、フィルムコートまたは腸溶性コートまたは薬物含有層でコートされてもよい。有用なコーティング剤は、アクリルポリマー、例えばEudragitシリーズ、例えばEudragit L30D、および、セルロースエステル、例えばヒプロメロースを含む。
本発明の錠剤の持続性放出マトリックス部分として提供するのに適した持続性放出マトリックス製剤は、WO 2010/079222 (この開示はその全体が本願明細書に組み込まれる。)に開示されている。当該持続性放出マトリックス製剤に、テリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドを含む、さらなる急速放出コーティングを施し得る。あるいは、テリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドは、WO 2010/079222の多くの実施例に提供された通りに、腸溶性コーティングに添加され得る。
従って、コートされた浸食性マトリックス錠剤は、本発明に従って、フマル酸ジメチルと、テリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドの組み合わせを製剤するために使用できる。あるいは、2種の活性成分を、それぞれの制御放出(CR)および即時放出(IR)マイクロ錠剤またはペレットに入れてもよく、次いでゼラチンカプセルまたはサシェに充填できる。当該態様において、フマル酸ジメチルは同様にCRマイクロ錠剤またはペレット内に存在し、一方、テリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモドは、IRマイクロ錠剤またはペレット内に存在する。
DMFコア錠剤はまた、2層からなり、第1層は制御放出(CR)であり、第2層は即時放出(IR)であってよく、表は、CR層およびIR層へのDMFの選択された分布のための典型的な組成を示し、他のDMFの分布も可能である。
記載された2層の錠剤コアは、本願の他の場所に記載されたDMF錠剤としてコートして、組み合わせ製品を得ることができる。
Figure 2021121603

下記の実施例は、本発明の様々局面を説明するために提供し、決して本発明を限定するとして解釈されない。
実施例1〜3:提唱された相乗効果を証明するための臨床試験設計
臨床試験は、0〜5のベースライン総合障害度評価尺度(EDDS)を有し、無作為化前12月間に少なくとも1回の再発があって先のMRIスキャニングで多発性硬化症と一致する病変を示すか、または、無作為化前6月以内に行ったMRIスキャンでGdE病変を示す、マクドナルド診断基準で診断された寛解再発型多発性硬化症患者を含む。無作為化前50日以内に再発した患者または先の再発から安定化していない患者は除外する。1年以内にT細胞またはT受容体ワクチン接種、全身リンパ系放射線照射または治療用モノクローナル抗体処置で処置された患者、無作為化前1年以内にミトキサントロンまたはシクロホスファミドで処置された患者も除外した。同様に、無作為化前6月以内にシクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサートまたは血漿交感で処置された患者も除外する。同様に、胃腸の疾患、例えば十二指腸潰瘍、胃炎、または膵臓の疾患の既往歴を有する患者も除外する。リンパ球減少症の患者、白血球細胞数が低い患者、またはベースラインで<60ml/分のクレアチニンクリアランス計算値を有する患者も除外する。
本治験は、全ての関係する管轄当局及び全ての関係する倫理委員会によって承認される。本治験は、3種の活性処置群および1種のプラセボ群を試験する無作為化二重盲験ダブルダミープラセボ対照平行群設計である。
実施例1:
1.1: 単一調剤腸溶性コーティング錠の500mgの持続性放出DMFおよび6mgの即時放出テリフルノミドからなる組み合わせ錠剤;
1.2 :テリフルノミド6mg+プラセボDMF腸溶性コーティング錠;
1.3: 500mg用量のDMF+テリフルノミドプラセボ腸溶性コーティング錠;
1.4: プラセボDMF+プラセボテリフルノミド腸溶性コーティング錠。
実施例2:
2.1: 単一調剤腸溶性コーティング錠の500mg持続性放出DMFおよび即時放出0.3mgフィンゴリモドからなる組み合わせ錠剤;
2.2: フィンゴリモド0.3mg+プラセボDMF腸溶性コーティング錠;
2.3: 500mg用量のDMF+フィンゴリモドプラセボ腸溶性コーティング錠;
2.4: プラセボDMF+プラセボフィンゴリモド腸溶性コーティング錠。
実施例3:
3.1: 単一調剤腸溶性コーティング錠の500mgの持続性放出DMFおよび0.25mgの即時放出ラキニモドからなる組み合わせ錠剤;
3.2: ラキニモド0.25mg+プラセボDMF腸溶性コーティング錠;
3.3: 500mg用量のDMF+ラキニモドプラセボ腸溶性コーティング錠;
3.4: プラセボDMF+プラセボラキニモド腸溶性コーティング錠。
プラセボ群1.4、2.4および3.4はまた、1.1〜1.3、2.1〜2.3および3.1〜3.2の全活性薬群の感受性も示す。
主要エンドポイントは、造影後T1強調画像の新規GdE病変の数および体積、ならびにT2強調拡大病変の数を用いたMRIスキャンに基づく。二次エンドポイントは、月毎にモニターした再発回数およびベースラインから12週間隔で評価するEDSSの数値ならびに脳萎縮である。安全性は、特に、白血球百分率、肝酵素値、消化管副作用および感染を厳密に追跡して行う。臨床検査は4週毎に行われ、一般的な安全性は、SAEおよびAEおよび神経学的検査および身体検査の報告によって評価される。主要エンドポイントの評価において、処置期間は主要エンドポイントを評価するために最初は24週であり、その後活性処置群は無作為化処置を続け、プラセボ群の患者は持続性放出製剤中の500mgのDMFおよび腸溶性コーティング錠中のテリフルノミド、フィンゴリモドまたはラキニモドからなる活性組み合わせ錠剤を投与される盲検式投与を続ける活性処置群に移される盲検24週追跡調査を行う。患者数は400人であり、DMF処置およびテリフルノミド、フィンゴリモドまたはラキニモドの何れかの処置による先に報告された平均MRI病変減少データ(有意水準両側5%に基づき処置の検出力80%で新規GdE病変数の20%減少と仮定する)に基づいて、群間を1:1:1:1で無作為化した。
全てのMRI評価を、熟練した1名の神経放射線科医が集中的に行う。全ての患者について最初の24週完了後に、プラセボに対して各活性薬群を比較し、さらに組み合わせ錠剤処置群を各単独処置群と比較する中間解析が実施される。有意水準の調節なしで、適応設計および閉解析(closed analysis)を用いて解析を行う。
スクリーニングおよび無作為化後に治験に入った患者は、無作為化/ベースラインから2週目、4週目およびその後全試験期間にわたり4週毎と、処置終了後8週目の追跡調査を行う調査スケジュールに従う。群毎の薬物動態試験のための血漿サンプルを、試験スケジュールのベースライン、4週目、8週目、12週目、24週目、36週目および48週目にサンプリングする。
早期に離脱する患者には、治験医の判断で代替処置を提供する。独立した安全性データモニタリング委員会は、安全性データを月毎にモニターし、全てのSAEおよび感染の可能性を検査し、スケジュール外臨床検査または安全性の理由における患者の早期中止を含む他の安全性測定を決定する。試験を、6〜8カ国の約50〜60箇所の施設で行う。
実施例4〜6:製剤例
フィルムコートを有する浸食性マトリックスコアを含む腸溶性コーティング錠を、本発明に従ってフマル酸ジメチルとテリフルノミド(実施例4)、フマル酸ジメチルとフィンゴリモド(実施例5)、および、フマル酸ジメチルとラキニモド(実施例6)の組み合わせを製剤するために使用する。
腸溶性コーティング錠は、テリフルノミド(実施例4)、フィンゴリモド(実施例5)およびラキニモド(実施例6)をそれぞれ有するフィルムコート、および、外側の薄い腸溶性コーティングによって覆われた、フマル酸ジメチルを有する浸食性マトリックスコアからなる。腸溶性コーティングは、小腸に到達したとき急速に溶解し、弱アルカリ性pH値の十二指腸で、テリフルノミド、フィンゴリモドおよびラキニモドをそれぞれ放出する。対照的に、浸食性マトリックスにより、フマル酸ジメチルは、数時間にわたって、持続性放出(制御放出)される。
125mg量のDMFのための錠剤コアの組成を、下記の表に示す(実施例4、実施例5および実施例6の全てで同じ)。
Figure 2021121603

次いで、これらの275mgのコアを、水と接触したとき急速に溶解するテリフルノミドまたはフィンゴリモドまたはラキニモド含有層が得られるように、例えば5mgのテリフルノミドまたは例えば0.3mgのフィンゴリモドまたは例えば0.25mgのラキニモドを含む5重量%のPVA水溶液でコートする。
続いて、薄い腸溶性コーティングを、コートされたコアに適用する。該コーティングは、次の組成を有する:
Figure 2021121603


* 固体含量を記載する(Eudragitは、30%固体を含む懸濁液である)
** 理論上適用されたコーティング組成物、実際に適用されたコーティングは、約2重量%である。
フィルムコーティングに包埋された60mg、125mg、150mg、250mg、375mgおよび500mgのDMFと1mg、1.5mg、2mg、2.5mg、3mg、4mg、5mgおよび6mgのテリフルノミドの組み合わせを含む持続性放出製剤を有する錠剤コアの種々の組み合わせを有するさらなる錠剤用量を適用する。フィンゴリモドに関して、次の組み合わせを調べる:フィルムコーティングに包埋された60mg、125mg、150mg、250mg、375mgおよび500mgのDMFと0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.45mgのフィンゴリモドの組み合わせを含む持続性放出製剤を有する錠剤コアの種々の組み合わせ。ラキニモドに関して、次の組み合わせを調べる:フィルムコーティングに包埋された60mg、125mg、150mg、250mg、375mgおよび500mgのDMFと0.025mg、0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.25mgのラキニモドの組み合わせを含む持続性放出製剤を有する錠剤コアの種々の組み合わせを適用する。
製造およびコーティング工程は、例えばWO 2010/079222の実施例21および22に記載された方法のような既知方法によって行う。

Claims (13)

  1. 活性成分としてフマル酸ジメチルとラキニモド、および1種以上の薬学的に許容される添加物からなる、多発性硬化症の治療のための医薬組成物であって、1日1回の経口投与に適していて、さらに
    a)500mg〜750mgの用量範囲のフマル酸ジメチルと、0.05mg〜0.25mgの用量範囲のラキニモド、または
    b)125mg〜500mgの用量範囲のフマル酸ジメチルと、0.05mg〜0.25mgの用量範囲のラキニモドを含む、医薬組成物。
  2. 500mg〜750mgの用量範囲のフマル酸ジメチルと、0.05mg〜0.25mgの用量範囲のラキニモドを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 625mgのフマル酸ジメチルおよび0.25mgのラキニモドを含む、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 125mg〜460mgの用量範囲のフマル酸ジメチルと、0.05mg〜0.25mgの用量範囲のラキニモドを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 375mgのフマル酸ジメチルと、0.25mgのラキニモドを含む、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 活性成分としてフマル酸ジメチルとラキニモド、および1種以上の薬学的に許容される添加物からなる、多発性硬化症の治療のための医薬組成物であって、1日2回の経口投与に適していて、さらに
    a)250mg〜375mgの用量範囲のフマル酸ジメチルと、0.025mg〜0.125mgの用量範囲のラキニモド、または
    b)60mg〜230mgの用量範囲のフマル酸ジメチルと、0.025mg〜0.125mgの用量範囲のラキニモドを含む、医薬組成物。
  7. 250mg〜375mgの用量範囲のフマル酸ジメチルと、0.025mg〜0.125mgの用量範囲のラキニモドを含む、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 375mgのフマル酸ジメチルおよび0.25mgのラキニモドを含む、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 60mg〜230mgの用量範囲のフマル酸ジメチルおよび0.025mg〜0125mgの用量範囲のラキニモドを含む、請求項6に記載の医薬組成物。
  10. 125mgのフマル酸ジメチルおよび0.125mgのラキニモドを含む、請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 錠剤の形態である、請求項1〜10のいずれかに記載の医薬組成物。
  12. フマル酸ジメチルが錠剤の持続性放出マトリックス部分に含まれ、ラキニモドが該マトリックス部分を囲むコーティング部分に含まれる、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. ラキニモドが、該マトリックス部分を囲む外側の腸溶コーティング部分に含まれる、請求項12に記載の医薬組成物。
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