(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。
大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点灯/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(本実施形態の特徴部207SGに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部207SGについて説明する。図8−1は、本実施の形態の特徴部207SGにおけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。図8−1及び図8−7に示すように、パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、縦長の方形枠状に形成された外枠207SG001aと、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)207SG003とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠207SG003には、ガラス窓を有するガラス扉枠207SG003aが左側辺を中心として遊技機用枠207SG003の前面を開放する扉開放位置と該前面を閉鎖する扉閉鎖位置との間で回動可能に設けられ、該ガラス扉枠207SG003aにより遊技領域を開閉できるようになっており、ガラス扉枠207SG003aを閉鎖したときにガラス窓を通して遊技領域を透視できるようになっている。
また、遊技機用枠207SG003は、遊技場の店員等が所有する扉キーを図示しない錠前に挿入して解錠することで開放可能となり、店員以外の遊技者等は遊技機用枠207SG003及びガラス扉枠207SG003aを開放することはできないようになっている。
また、図8−1に示すように、パチンコ遊技機(遊技機)1の遊技盤2における画像表示装置5の左側は、遊技球が流下可能な左遊技領域207SG002Lに形成されており、遊技盤2における画像表示装置5の右側は、遊技球が流下可能な右遊技領域207SG002Rに形成されている。
左遊技領域207SG002Lは、打球操作ハンドル30の操作によって比較的弱く打ち出された(左打ち)遊技球が流下する遊技領域であり、右遊技領域207SG002Rは、打球操作ハンドル30の操作によって左遊技領域207SG002Lを流下する遊技球よりも強く打ち出された(右打ち)遊技球が、画像表示装置5の上方経路207SG002Cを通過して流下する遊技領域である。
また、左遊技領域207SG002Lには、一般入賞口10が配置されており、右遊技領域207SG002Rには、該右遊技領域207SG002Rの上流方から下流側にかけて、通過ゲート41、可変入賞球装置6B、一般入賞口10、特別可変入賞球装置7が配置されている。つまり、左遊技領域207SG002Lを流下する遊技球は、一般入賞口10と入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に入賞可能となっており、右遊技領域207SG002Rを流下する遊技球は、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口、一般入賞口10及び特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口に入賞可能となっているとともに、通過ゲート41を通過可能となっている。
図8−1に示すように、入賞球装置6Aと可変入賞球装置6B及び特別可変入賞球装置7の間には、複数の障害釘207SGK1が配設されている。このため、左遊技領域207SG002Lを流下する遊技球は、第2始動入賞口や大入賞口に入賞不能であるとともに、右遊技領域207SG002Rを流下する遊技球は、第1始動入賞口に入賞不能となっている。
図8−2及び図8−7に示すように、本実施の形態の特徴部207SGにおける主基板11は、第1部材と第2部材とにより開放可能に構成された基板ケース207SG201に収納された状態でパチンコ遊技機1の背面に搭載されている。また、主基板11には、パチンコ遊技機1の設定値を変更可能な設定値変更状態に切り替えるための錠スイッチ207SG051と、設定値変更状態において後述する大当りの当選確率(出玉率)等の設定値を変更するための設定スイッチとして機能する設定切替スイッチ207SG052と、遊技機用枠207SG003の開放を検知する開放センサ207SG090と、が設けられている。尚、詳細は後述するが、本実施の形態の特徴部207SGにおける設定値変更状態は、遊技場の店員等がパチンコ遊技機1に設定されている設定値を確認可能な状態(設定値確認状態)でもある。
これら錠スイッチ207SG051及び設定切替スイッチ207SG052といった遊技者が操作可能な操作部が設けられた設定切替本体部は、主基板11とともに基板ケース207SG201内に収容されており、錠スイッチ207SG051及び設定切替スイッチ207SG052は、基板ケース207SG201を開放しなくても操作可能となるように基板ケース207SG201の背面に形成された開口を介して背面側に露出している。
錠スイッチ207SG051及び設定切替スイッチ207SG052を有する基板ケース207SG201は、パチンコ遊技機1の背面に設けられているため、遊技機用枠207SG003を閉鎖した状態では操作が極めて困難であり、所定の扉キーを用いて遊技機用枠207SG003を開放することで操作が可能となる。また、錠スイッチ207SG051は、遊技場の店員等が所有する設定キーの操作を要することから、設定キーを所持する店員のみ操作が可能とされている。また、錠スイッチ207SG051は、設定キーによって、後述するONとOFFの切替操作を実行可能なスイッチでもある。尚、本実施の形態の特徴部207SGでは、扉キーと設定キーとが別個のキーである形態を例示しているが、これらは1のキーにて兼用されていてもよい。
また、基板ケース207SG201には、設定値や後述するベース値を表示可能な表示モニタ207SG029が配置されている。該表示モニタ207SG029は、主基板11に接続されているとともに、基板ケース207SG201の上部に配置されている。つまり、表示モニタ207SG029は、基板ケース207SG201における主基板11を視認する際の正面に配置されている。主基板11は、遊技機用枠207SG003を開放していない状態では視認できないので、主基板11を視認する際の正面とは、遊技機用枠207SG003を開放した状態における遊技盤2の裏面側を視認する際の正面であり、パチンコ遊技機1の正面とは異なる。ただし、主基板11を視認する際の正面とパチンコ遊技機1の正面とが共通するようにしてもよい。
また、図8−1及び図8−2に示すように、本実施の形態の特徴部207SGにおけるパチンコ遊技機1の遊技盤2の所定位置(例えば、遊技領域の左下方位置)には、第1特図の変動表示を実行可能な第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特図の変動表示を実行可能な第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留記憶数を表示可能な第1保留表示器207SG025A、第2保留記憶数を表示可能な第2保留表示器207SG025B、普通図柄の変動表示を実行可能な普通図柄表示器207SG020、普図保留記憶数を表示可能な普図保留表示器207SG025C、大当り遊技中に当該大当り遊技のラウンド数(大当り種別)を表示可能なラウンド表示器207SG131、高ベース状態(時短状態)や大当り遊技状態等の遊技球を右遊技領域207SG002Rに向けて打ち出す遊技状態において点灯する右打ちランプ207SG132、確変状態であるとき点灯する確変ランプ207SG133、高ベース状態(時短状態)において点灯する時短ランプ207SG134が纏めて配置されている遊技情報表示部207SG200が設けられている。
図8−3及び図8−4に示すように、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bとは、それぞれ8セグメントのLEDから構成されている。また、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bとでは、特別図柄の変動表示結果がハズレや小当りである場合は、共通の組合せで該変動表示結果を導出表示可能となっている。
第1特別図柄の変動表示において該変動表示結果が大当りとなる場合について、第1特別図柄表示装置207SG004Aは、大当り種別毎に2種類の大当り図柄(点灯するLEDの組合せ)にて変動表示結果と導出表示可能となっている。また、第2特別図柄の変動表示において該変動表示結果が大当りとなる場合について、第2特別図柄表示装置207SG004Bは、大当り種別毎に2種類の大当り図柄(点灯するLEDの組合せ)にて変動表示結果と導出表示可能となっている。
尚、本実施の形態の特徴部207SGにおいては、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bとで導出表示可能な大当り図柄は全て異なっているが、第1特別図柄表示装置207SG004Aで導出表示可能な大当り図柄と第2特別図柄表示装置207SG004Bで導出表示可能な大当り図柄は少なくとも一部が重複していてもよい。
図8−5に示すように、第1保留表示器207SG025Aと第2保留表示器207SG025Bとは、それぞれ4セグメントのLEDが左右方向に並列して配置されている。
これら第1保留表示器207SG025Aと第2保留表示器207SG025Bとでは、保留記憶数が1個であれば左端部のLEDのみが点灯し、保留記憶数が増加していく毎に左から2番目、左から3番目、左から4番目のLEDが順次点灯する。そして、変動表示が実行される毎に、保留記憶が減少する(消費される)ことに応じて、該変動表示に対応する保留表示器でのLEDが所定のシフト方向(本実施の形態の特徴部207SGでは左方向)に向けて消灯していく。
尚、本実施の形態の特徴部207SGでは、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とが両方存在する場合は、第2特図保留記憶にもとづく変動表示が優先して実行される様になっている。このため、図8−6に示すように、例えば第1特図保留記憶が1個存在するとともに第2特図保留記憶が2個存在する場合(第1保留表示器207SG025Aの左端部のLEDのみが点灯しているとともに、第2保留表示器207SG25Bの左2個のLEDが点灯している場合)は、第2特図保留記憶にもとづく変動表示の実行によって第2特図保留記憶が0個となった後に、第1特図保留記憶にもとづく変動表示が実行される。
また、図8−6に示すように、ラウンド表示器207SG131は5個のセグメント(LED)から構成されている。尚、本実施の形態の特徴部207SGにおける大当り種別としては、5ラウンド大当りである大当りA、10ラウンド大当りである大当りB、15ラウンド大当りである大当りCの計3個の大当り種別が設けられており、これら大当り種別に応じてラウンド表示器207SG131を構成するセグメントのうちいずれのセグメントが点灯するかが異なっている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
尚、本実施の形態の特徴部207SGにおける演出制御基板12には、変動表示中等にそれぞれの原点位置と演出位置との間で動作可能な第1可動体207SG321及び第2可動体207SG322と、第1可動体207SG321が該第1可動体207SG321の原点位置に位置していることを検出可能な原点検出センサ207SG331と、第2可動体207SG322が該第2可動体207SG322の原点位置に位置していることを検出可能な原点検出センサ207SG332と、が接続されている。
図8−8(A)は、本実施の形態における特徴部207SGで用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図8−8(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図8−8(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置207SG004Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置207SG004Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される飾り図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や飾り図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図8−8(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図8−8(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を通知する第5変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
コマンド96XXHは、パチンコ遊技機1においてエラー(異常)の発生および発生したエラー(異常)の種別を指定するエラー(異常)指定コマンドである。エラー(異常)指定コマンドでは、例えば、各エラー(異常)に対応するEXTデータが設定されることにより、演出制御基板12側において、いずれのエラー(異常)の発生が判定されたのかを特定することができ、特定したエラー(異常)の発生が、後述するエラー報知処理によって報知される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置207SG004Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置207SG004Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、画像表示装置5などにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、画像表示装置5などにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドD0XXHは、新たに設定された設定値を主基板11から演出制御基板12(演出制御用CPU120)に指定するための設定値指定コマンドである。コマンドE101Hは、パチンコ遊技機1がRAM102の内容をクリアせずに起動したこと(電断復旧したこと、ホットスタートとも言う)を通知するホットスタート通知コマンドである。コマンドE102Hは、パチンコ遊技機1がRAM102の内容をクリアして起動したこと(コールドスタート)を通知するコールドスタート通知コマンドである。コマンドE103Hは、パチンコ遊技機1において設定値の変更操作が開始されたこと(パチンコ遊技機1が設定値変更状態で起動したこと)を通知する設定値変更開始通知コマンドである。コマンドE104Hは、パチンコ遊技機1において設定値の変更操作が終了したことを通知する設定値変更終了通知コマンドである。コマンドE105Hは、パチンコ遊技機1において設定値の確認操作が開始されたこと(パチンコ遊技機1が設定値確認状態で起動したこと)を通知する設定値確認開始通知コマンドである。コマンドE106Hは、パチンコ遊技機1の設定値の確認操作が終了したことを通知する設定値変更終了通知コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、時刻情報を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)106とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図8−9は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。
図8−9に示すように、この実施の形態の特徴部207SGでは、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1の他、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR5は、CPU103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
尚、本実施の形態では各乱数値MR1〜MR5をそれぞれ図8−9に示す範囲の値として用いる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら各乱数値MR1〜MR5の範囲は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて異ならせてもよい。
図8−10は、本実施の形態における変動パターンを示している。本実施の形態では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。また、変動表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、1の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施の形態では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行し、RAM102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、図8−11〜図8−13などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば図8−11(A)に示す表示結果判定テーブル(設定値1)、図8−11(B)に示す表示結果判定テーブル(設定値2)、図8−11(C)に示す表示結果判定テーブル(設定値3)、図8−12(A)に示す表示結果判定テーブル(設定値4)、図8−12(B)に示す表示結果判定テーブル(設定値5)、図8−12(C)に示す表示結果判定テーブル(設定値6)、図8−13(A)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、図8−13(B)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)の他、大当り変動パターン判定テーブル、小当り変動パターン判定テーブル、ハズレ変動パターン判定テーブル、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)などが含まれている。
本実施の形態の特徴部207SGのパチンコ遊技機1は、設定値に応じて大当りの当選確率(出玉率)が変わる構成とされている。詳しくは、後述する特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブル(当選確率)を用いることにより、大当りの当選確率(出玉率)が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も出玉率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど出玉率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。換言すれば、設定値とは、最も大きい値である6が最も遊技場側にとって不利な値であり、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技場側にとって有利な値となる。
図8−11(A)〜図8−11(C)及び図8−12(A)〜図8−12(C)は、各設定値に対応する表示結果判定テーブルを示す説明図である。本実施の形態の特徴部207SGでは、図8−11、図8−12に示すテーブルのように判定値が割り当てられている。表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。本実施の形態の特徴部207SGでは、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
図8−13(A)及び図8−13(B)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す説明図である。このうち、図8−13(A)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、図8−13(B)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を大当りA〜大当りCのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。本実施の形態の特徴部207SGにおいては、図8−13に示す判定値が各大当りに割り当てられている。
ここで、本実施の形態の特徴部207SGにおける大当り種別について、図8−14を用いて説明する。本実施の形態の特徴部207SGでは、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する大当りA(非確変大当りともいう)と、大当り遊技の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する大当りBや大当りC(確変大当りともいう)が設定されている。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、変動表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
図8−15(A)及び図8−15(B)に示すように、大当り用変動パターン判定テーブルとしては、大当り種別が大当りAである場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(大当りA用)と、大当り種別が大当りB、大当りC用である場合に使用される大当り用変動パターン判定テーブル(大当りB、大当りC用)が予め用意されており、これら大当り用変動パターン判定テーブル(大当りA用)と大当り用変動パターン判定テーブル(大当りB、大当りC用)には、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
また、図8−16に示すように、ハズレ用変動パターン判定テーブルには、遊技状態が時短制御の実施されていない低ベース状態において保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルAと、低ベース状態において合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、低ベース状態において合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
ハズレ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として図8−16に示すように割り当てられている。
図8−1に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、図示しない遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、第1特図保留記憶部と、第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、遊技制御フラグ設定部と、遊技制御タイマ設定部と、遊技制御カウンタ設定部と、遊技制御バッファ設定部とを備えている。
第1特図保留記憶部は、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置207SG004Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。第2特図保留記憶部は、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置207SG004Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。
普図保留記憶部は、通過ゲートを通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。遊技制御フラグ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。遊技制御タイマ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。遊技制御カウンタ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR1〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。遊技制御バッファ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。
次に、本実施の形態の特徴部207SGにおける表示モニタ207SG029の表示について説明する。
図8−17(A)に示すように、表示モニタ207SG029は、第1表示部207SG029A、第2表示部207SG029B、第3表示部207SG029C、第4表示部207SG029Dを備えている。第1表示部207SG029A〜第5表示部207SG29Eは、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。これらの第1表示部207SG029A〜第5表示部207SG29Eは、それぞれ種々の色、例えば赤色、青色、緑色、黄色、白色等で点灯、点滅可能とされている。また、これらの色を極短周期で変化させながら異なる色やいわゆるレインボーで表示させることも可能である。
尚、本実施の形態の特徴部207SGにおける表示モニタ207SG029の表示制御は、パチンコ遊技機1の試験時においてROM101やRAM102の全領域における試験対象外の領域を用いて実行されるようになっている。
表示モニタ207SG029には、図8−17(B)及び図8−17(C)に示すように、全遊技状態のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値(計測中のリアルタイム値)であるベースLと、全遊技状態における1回目のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値であるベース1と、全遊技状態における2回目のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値であるベース2と、全遊技状態における3回目のアウト6000球毎の通常状態(低確低ベース状態)で算出されたベース値であるベース3と、を表示可能となっている。ベースL、ベース1、ベース2、ベース3は、百分率にて表示モニタ207SG029に表示される。
実際に表示モニタ207SG029にてベースLを表示する場合は、該ベースLの略記である「bL.」を表示するために第1表示部207SG029Aに「b」、第2表示部207SG029Bに「L.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」〜「99」の値)が第3表示部207SG029Cと第4表示部207SG029Dとにおいて表示される。また、表示モニタ207SG029にてベース1を表示する場合は、該ベースの略記である「b1.」を表示するために第1表示部207SG029Aに「b」、第2表示部207SG029Bに「1.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」〜「99」の値)が第3表示部207SG029Cと第4表示部207SG029Dとにおいて表示される。また、表示モニタ207SG029にてベース2を表示する場合は、該ベースの略記である「b2.」を表示するために第1表示部207SG029Aに「b」、第2表示部207SG029Bに「2.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」〜「99」の値)が第3表示部207SG029Cと第4表示部207SG029Dとにおいて表示される。また、表示モニタ207SG029にてベース3を表示する場合は、該ベースの略記である「b3.」を表示するために第1表示部207SG029Aに「b」、第2表示部207SG029Bに「3.」が表示されるとともに、算出した値の上位2桁(「00」〜「99」の値)が第3表示部207SG029Cと第4表示部207SG029Dとにおいて表示される。
本実施の形態の表示モニタ207SG029では、主基板11(CPU103)の制御によってこれらベースL、ベース1、ベース2、ベース3を順次表示する制御を実行するようになっている。例えば、図8−19に示すように、主基板11は、ベースL→ベース1→ベース2→ベース3の順番で表示モニタ207SG029の表示を5秒間隔で切り替える制御を実行する。尚、これら表示モニタ207SG029における各ベース値の表示は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値に応じて表示色が異なるようになっている。具体的には、図8−18に示すように、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「1」である場合は表示モニタ207SG029における各ベース値を白色にて表示し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「2」である場合は表示モニタ207SG029における各ベース値を青色にて表示し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「3」である場合は表示モニタ207SG029における各ベース値を黄色にて表示し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「4」である場合は表示モニタ207SG029における各ベース値を緑色にて表示し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「5」である場合は表示モニタ207SG029における各ベース値を赤色にて表示し、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が「6」である場合は表示モニタ207SG029における各ベース値を紫色にて表示する。このため遊技場の店員等は、CPU103が後述する設定値変更処理を実行せずとも、表示モニタ207SG029の表示色を確認するのみでパチンコ遊技機1に設定されている設定値を特定可能となっている。
次に、本実施の形態の特徴部207SGにおける遊技制御メイン処理について説明する。図8−20は、CPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理では、CPU103は、先ず、割込禁止に設定する(207SGSa001)。続いて、必要な初期設定を行う(207SGSa002)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、CPU103は、RAM102にバックアップデータが記憶されているか否か(107SGSa003)や、RAM102(バックアップRAM)が正常であるか否か(107SGSa004)を判定する。バックアップデータが記憶されていない場合(207SGSa003;N)やRAM102が正常でない場合(207SGSa004;N)は、207SGSa017に進み、バックアップデータが記憶されており、且つRAM102が正常である場合(207SGSa003;Y、207SGSa004;Y)は、更にRAM102に格納されている設定値が1〜6のいずれかであるか、つまり、RAM102に正常な値の設定値が格納されているか否かを判定する(207SGSa005)。
RAM102に格納されている設定値が1〜6のいずれかではない場合(207SGSa005;N)は、207SGSa017に進み、RAM102に格納されている設定値が1〜6のいずれかである場合(207SGSa005;Y)は、電断前に後述する設定値変更処理の実行中であったこと(設定値変更処理の実行中に電断が発生したこと)を示す設定値変更中フラグがセットされているか否かを判定する(207SGSa006)。
設定値変更中フラグがセットされている場合(207SGSa006;Y)は、207SGSa017に進み、設定値変更中フラグがセットされていない場合は、後述するRAMクリア処理を実行したことを示すRAMクリアフラグがセットされていれば該RAMクリアフラグをクリアし(207SGSa007)、クリアスイッチがONであるか否か、つまり、クリアスイッチが操作されている状態でパチンコ遊技機1が起動したか否かを判定する(207SGSa008)。
クリアスイッチがONである場合(207SGSa008;Y)は、RAM102をクリアするRAMクリア処理を実行し(207SGSa009)、RAMクリアフラグを改めてセットして207SGSa011に進む(207SGSa010)。尚、クリアスイッチがOFFである場合(207SGSa008;N)は、207SGSa009及び207SGSa010を実行せずに207SGSa011に進む。
207SGSa011においてCPU103は、錠スイッチ207SG051がONであるか否かを判定する(207SGSa011)。錠スイッチ207SG051がONである場合(207SGSa011;Y)は、更に開放センサ207SG090がONであるか否かを判定する(207SGSa012)。開放センサ207SG090がONである場合、つまり、錠スイッチ207SG051がON且つ遊技機用枠207SG003が開放されている状態でパチンコ遊技機1が起動した場合(207SGSa012;Y)は、RAMクリアフラグがセットされているか否かを判定する(207SGSa013a)。
RAMクリアフラグがセットされている場合(207SGSa013a;Y)は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を変更するための設定値変更処理(207SGSa013b)を実行して207SGSa014に進み、RAMクリアフラグがセットされていない場合(207SGSa013a;N)は、パチンコ遊技機1に設定されている設定値を確認するための設定値確認処理(207SGSa013c)を実行して207SGSa014に進む。
尚、錠スイッチ207SG051がOFFである場合(207SGSa011;N)や開放センサがOFFである場合(207SGSa012;N)は、207SGSa013a〜207SGSa013cの処理を実行せずに207SGSa014に進む。
207SGSa014においてCPU103は、RAMクリアフラグがセットされているか否か、つまり、今回のパチンコ遊技機1の起動に際してRAM102をクリアしたか(RAMクリア処理(207SGSa009)を実行したか)否かを判定する(207SGSa014)。RAMクリアフラグがセットされている場合(207SGSa014;Y)は207SGSa022に進み、RAMクリアフラグがセットされていない場合(207SGSa014;N)は、主基板11の内部状態を電力供給停止(電断)時の状態に戻すための復旧処理を行う(207SGSa015)。
復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。そして、CPU103は、パチンコ遊技機1が電断前の状態で復旧(ホットスタートで起動)したとして、演出制御基板12に対してホットスタート通知コマンドを含む復旧時のコマンドを送信し、207SGSa028に進む(207SGSa016)。
また、207SGSa017においてCPU103は、クリアスイッチがONであるか否か、つまり、クリアスイッチが操作されている状態でパチンコ遊技機1が起動したか否かを判定する(207SGSa017)。クリアスイッチがONである場合(207SGSa017;Y)は、更に錠スイッチ207SG051がONであるか否か(207SGSa018)や、開放センサ207SG090がONであるか否かを判定する(207SGSa019)。
錠スイッチ207SG051がONであり(207SGSa018;Y)、且つ開放センサ207SG090がONである場合、つまり、RAM102にバックアップデータが存在しない、RAM102が正常ではない、または、正常な設定値が設定されていないが、遊技場の従業員等の操作により正式な手順によりパチンコ遊技機1を起動した場合(遊技機用枠207SG003を開放し、錠スイッチ207SG051をONとした状態でクリアスイッチを操作しつつパチンコ遊技機1を起動した場合)は、RAM102に記憶されている設定値をクリアするとともに(207SGSa020)、設定値変更中フラグがセットされていれば該設定値変更中フラグをクリアする(207SGSa021)。そして、前述した207SGSa009〜207SGSa016の処理を実行する。
尚、クリアスイッチがOFFである場合(207SGSa017;N)、錠スイッチ207SG051がOFFである場合(207SGSa018;N)、開放センサ207SG090がOFFである場合(207SGSa019;N)は、207SGSa031に進む。
また、2078SGSa022においてCPU103は、パチンコ遊技機1がコールドスタートにて起動したとして、演出制御基板12に対してコールドスタート通知コマンドを含む復旧時のコマンドを送信する(207SGSa022)。そして、パチンコ遊技機1のコールドスタートを報知するための期間に応じたコールドスタート報知タイマをセットし(207SGSa023)、図8−26(A)に示すように、表示モニタ207SG029を構成する全セグメントの点滅を開始することによってコールドスタートの報知を開始する(207SGSa024)。
207SGSa024の実行後、CPU103は、コールドスタート報知タイマの値を−1し(207SGSa025)、該コールドスタート報知タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(207SGSa026)。コールドスタート報知タイマがタイマアウトしていない場合(207SGSa026;N)は、207SGSa025と207SGSa026の処理を繰り返し実行し、コールドスタート報知タイマがタイマアウトした場合(207SGSa026;Y)は、表示モニタ207SG029における全セグメントの点滅を終了し(207SGSa027)、207SGSa028に進む。
尚、本実施の形態の特徴部207SGでは、パチンコ遊技機1のコールドスタート時にコールドスタート報知タイマの期間(例えば、5秒間)に亘って表示モニタ207SG029を構成する全セグメントを点滅させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1のコールドスタート時には、表示モニタ207SG029を構成する全セグメントのうち一部のセグメントのみを点滅させるようにしてもよいし、また、表示モニタ207SG029を構成する全セグメントのうち少なくとも一部のセグメントを点灯させるようにしてもよい。
そして、207SGSa028においてCPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理(207SGSa028)を実行し、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(207SGSa029)、割込みを許可する(207SGSa030)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
また、207SGSa031においてCPU103は、RAM102に異常な設定値が記憶されていること(設定値異常エラー)や、後述する設定変更中の電断から復帰したこと等にもとづいて、演出制御基板12に対して設定値の異常に応じたエラー指定コマンドを送信する(207SGSa031)。更に、エラー報知実行待ちタイマをセットする(207SGSa032)。そして、CPU103は、エラー報知実行待ちタイマの値を−1し(207SGSa033)、該エラー報知実行待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(207SGSa034)。エラー報知実行待ちタイマがタイマアウトしていない場合(207SGSa034;N)は、207SGSa033と207SGSa034の処理を繰り返し実行し、エラー報知実行待ちタイマがタイマアウトした場合(207SGSa034;Y)は、図8−26(B)に示すように、設定値異常エラーの発生や設定変更中の電断から復帰しことの報知(エラー報知)として、表示モニタ207SG029を構成する第1表示部207SG029A、第2表示部207SG029B、第3表示部207SG029C、第4表示部207SG029Dのそれぞれにおいて「E.」を表示する(207SGSa035)。
また、CPU103は、図8−27(B)に示すように、第1特別図柄表示装置207SG004A及び第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全てのLEDを点滅させるとともに(207SGSa036)、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないターミナル基板を介して遊技場の管理コンピュータ等の管理装置に対してセキュリティ信号を出力し207SGSa032に進む(207SGSa037)。以降、CPU103は、パチンコ遊技機1の電断発生まで(遊技場の店員等の操作によってパチンコ遊技機1の電源がOFFになるまで)207SGSa032〜207SGSa037の処理を繰り返し実行することで、表示モニタ207SG029、第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004Bによるエラーの発生報知を実行する。
このように、本実施の形態の特徴部207SGにおけるパチンコ遊技機1は、異常な設定値が設定されていることや設定値の変更中の電断から復帰した場合に、表示モニタ207SG029、第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004Bによるエラーの発生報知を実行するので、遊技場の店員等は、パチンコ遊技機1の正面側と背面側の両面からエラーの発生や設定値の変更中の電断から復帰したことを認識することが可能となっている。加えて、パチンコ遊技機1のエラーの発生や設定値の変更中の電断からの復帰は遊技場の管理装置においても認識することができるので、パチンコ遊技機1のセキュリティ性を向上できるようになっている。
尚、本実施の形態の特徴部207SGの遊技制御メイン処理では、図8−20に示すように、207SGSa008においてクリアスイッチがONであると判定した場合(207SGSa008;Y)や207SGSa021において設定値変更中フラグをクリアした後にRAMクリア処理(207SGSa009)を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明はこれに限定されるものではなく、該RAMクリア処理は、207SGSa008においてクリアスイッチがONであると判定した場合(207SGSa008;Y)や207SGSa021において設定値変更中フラグをクリアした後ではなく、207SGSa014においてRAMクリアフラグがセットされていると判定した場合(207SGSa014;Y)に実行してもよい。
図8−21(A)は、CPU103が遊技制御面処理において実行するRAMクリア処理(207SGSa009)を示すフローチャートである。RAMクリア処理では、CPU103は、先ず、RAM102における先頭から2番目のアドレスを指定する(207SGSa041)。次いで、指定したアドレスに「00H」をセット(格納)する(207SGSa042)。そして、指定されたアドレスがRAM102の最後のアドレス(後述するFXXX)であるか否かを判定する(207SGSa043)。指定されたアドレスがRAM102の最後のアドレスでない場合(207SGSa043;N)は、RAM102における次のアドレスを指定し(207SGSa044)、該指定したアドレスがRAMクリアフラグを格納しているアドレス(F002)であるか否かを判定する(207SGSa45)。
指定したアドレスがRAMクリアフラグを格納しているアドレスでない場合(207SGSa045;N)は207SGSa042に進み、指定したアドレスがRAMクリアフラグを格納しているアドレスである場合(207SGSa045;N)は、更に次のアドレスを指定して207SGSa042に進む(207SGSa046)。尚、指定されたアドレスがRAM102の最後のアドレスである場合(207SGSa043;Y)は、RAMクリア処理を終了する。
尚、本実施の形態の特徴部207SGにおけるRAM102は、図8−21(B)に示すように、格納領域毎にアドレス(F000〜FXXX)が割り当てられている。これら格納領域のうち、RAM102の先頭のアドレス(F000)には、パチンコ遊技機1に設定されている設定値が格納されており、RAM102の先頭から2番目のアドレス(F001)には、後述する仮設定値が格納されている。更に、3番目のアドレス(F002)には、RAMクリアフラグが格納されている。その他のアドレス(F003以降)には、特図保留記憶や普図保留記憶、各種カウンタの値、各種タイマ、各種フラグ、パチンコ遊技機1にて発生したエラー情報を含む遊技情報が格納されている。尚、バックアップデータ(バックアップフラグを含む)は、その他の情報が記憶される領域のうち、特定のバックアップデータ記憶領域に記憶される。また、工場出荷時におけるRAM102の先頭のアドレス(F000)には、工場出荷状態を示す値(例えば、設定値「0」)がセットされている。尚、RAM102の先頭のアドレス(F000)に工場出荷状態を示す値がセットされている状態においてパチンコ遊技機1を起動した場合は、必ず設定変更処理が実行されるようにしてもよいし、画像表示装置5での表示等によって設定変更処理を実行するためのパチンコ遊技機1を再起動するように促してもよい。
つまり、本実施の形態の特徴部207SGにおけるRAMクリア処理とは、設定値を除くアドレスに「00H」を格納することによって設定値とRAMクリアフラグ以外のデータをクリアする処理である。
尚、本実施の形態における特徴部207SGでは、RAMクリア処理において設定値以外のデータをクリアする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1がコールドスタートで起動した場合は、RAM102の所定のアドレス(本実施の形態の特徴部207SGではアドレスF003以降)に格納されている遊技情報のみをクリアするようにしてもよい。
また、本実施の形態における特徴部207SGでは、RAM102にRAMクリアフラグを記憶する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、RAMクリアフラグを、遊技制御用マイクロコンピュータ100のレジスタ(例えば、演算の中心となるアキュームレータ、アキュームレータの状態を記憶するフラグレジスタ、汎用レジスタのいずれか)に記憶することで、RAM102にRAMクリアフレアグを記憶したり読み出したりする処理を省略し、CPU103の処理負荷を軽減できるようにしてもよい。尚、RAM102にRAMクリアフラグを記憶する場合は、RAMクリアフラグを遊技制御用マイクロコンピュータ100のレジスタに記憶する場合よりも該レジスタの自由度を向上できるので、RAMクリアフラグがCPU103の処理によって他の情報(データ)に上書きされてしまうことを防ぐことができる。
図8−22は、CPU103が遊技制御メイン処理で実行する設定値変更処理(207SGSa013b)を示すフローチャートである。設定値変更処理においてCPU103は、先ず、第1特別図柄表示装置207SG004A及び第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全セグメントの点灯を開始するとともに(207SGSa051)、右打ちランプ207SG132及び第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025Bの点滅を開始する(207SGSa052、図8−27(A)参照)。更にCPU103は、設定値変更処理に応じた態様(図8−6に示す大当りA、大当りB、大当りCのいずれでもない態様)として、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントのうち、1のセグメントのみの点灯を開始する(207SGSa052a)。
また、CPU103は、演出制御基板12に対して設定値変更開始通知コマンドを送信し(207SGSa053)、RAM102のアドレスF000に設定値として1〜6のいずれかの値が記憶されているか否かを判定する(207SGSa053a)。RAM102に設定値として1〜6以外の値が記憶されている場合や、RAM102に設定値が記憶されていない場合(207SGSa020において設定値がクリアされている場合)は、RAM102におけるアドレスF000に設定値として「1」をセット(設定値を「1」にリセット)して207SGSa054に進む(207SGSa053b)。尚、RAM102に設定値として1〜6のいずれかの値が記憶されている場合(207SGSa053a;Y)は、207SGSa053bの処理を実行せずに207SGSa054に進む。
207SGSa054においてCPU103は、電源断検出処理を実行するまで待機するための電源断検出処理実行開始待ちタイマをセットする。そして、該電源断検出処理実行開始待ちタイマの値を−1し(207SGSa055)、電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(207SGSa056)。電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトしていない場合(207SGSa056;N)は、207SGSa055と207SGSa056の処理を繰り返し実行し、電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトした場合(207SGSa056;Y)は、電源断検出処理を実行する(207SGSa057)。
電源断検出処理の実行後、CPU103は、RAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の表示を表示モニタ207SG029において開始し(207SGSa058)、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないターミナル基板を介して遊技場の管理コンピュータ等の管理装置に対してセキュリティ信号を出力する(207SGSa059)。
そしてCPU103は、設定値変更中フラグをセットし(207SGSa061)、設定切替スイッチ207SG052の操作が有りか否かを判定する(207SGSa062)。設定切替スイッチ207SG052の操作が無い場合(207SGSa062;N)は207SGSa065に進み、設定切替スイッチ207SG052の操作が有る場合(207SGSa062;Y)は、該設定切替スイッチ207SG052の操作にもとづいてRAM102におけるアドレスF001の内容を更新する(207SGSa063)。
具体的には、表示モニタ207SG029に表示されている設定値が「1」である場合は、該「1」よりも遊技者にとって1段階有利な設定値である「2」を仮の設定値としてRAM102のアドレスF001に格納し、表示モニタ207SG029に表示されている設定値が「2」である場合は、該「2」よりも遊技者にとって1段階有利な設定値である「3」を仮の設定値としてRAM102のアドレスF001に格納する等、表示モニタ207SG029に表示されている設定値よりも1大きい数値を借りの設定としてRAM102のアドレスF001に格納する。尚、表示モニタ207SG029に表示されている設定値が「6」である場合は、「1」を仮の設定値としてRAM102のアドレスF001に格納すればよい。
そして、CPU103は、RAM102におけるアドレスF001格納されている設定値(仮の設定値)を表示モニタ207SG029に表示し(207SGSa064)、錠スイッチ207SG051がONであるか否かを判定する(207SGSa065)。
錠スイッチ207SG051がONである場合(207SGSa065;Y)、CPU103は、207SGSa062〜207SGSa065の処理を繰り返し実行することによってRAM102のアドレスF001に新たな仮の設定値を格納する処理や、アドレスF001に格納されている設定値を表示モニタ207SG029に表示する処理を実行する。
また、207SGSa065において錠スイッチ207SG051がOFFである場合(207SGSa065;N)は、CPU103は、設定値変更中フラグをクリアする(207SGSa066)とともに、表示モニタ207SG029における設定値(または仮の設定値)の表示を終了し(207SGSa067)、第1特別図柄表示装置207SG004A及び第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全セグメントを消灯する(207SGSa067a)。更に、CPU103は、右打ちランプ207SG132、第1保留表示器207SG025A及び第2保留表示器207SG025Bの点滅と、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントの点灯を終了する(207SGSa068、207SGSa068a)。
そしてCPU103は、RAM102におけるアドレスF001に仮の設定値が格納されているか否かを判定する(207SGSa069)。RAM102におけるアドレスF001に仮の設定値が格納されていない場合(207SGSa069;N)は207SGSa072に進み、RAM102におけるアドレスF001に仮の設定値が格納されている場合(207SGSa069;Y)は、更にRAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の値とアドレスF001に格納されている仮の設定値の値とが異なっているか否かを判定する(207SGSa070)。
RAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の値とアドレスF001に格納されている仮の設定値の値とが同一である場合(207SGSa070;N)は207SGSa072に進み、RAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の値とアドレスF001に格納されている仮の設定値の値とが異なっている場合(207SGSa070;Y)は、RAM102におけるアドレスF001に格納されている仮の設定値をアドレスF000に格納し(207SGSa071)、207SGSa072に進む。つまり、207SGSa071の処理では、仮の設定値を実際の設定値としてRAM102に更新記憶する。
また、CPU103は、演出制御基板12に対して設定値変更終了通知コマンドを送信し(207SGSa073)、設定値変更処理を終了する。
図8−23は、CPU103が遊技制御メイン処理で実行する設定値確認処理(207SGSa013c)を示すフローチャートである。設定値確認処理においてCPU103は、先ず、第1特別図柄表示装置207SG004A及び第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全セグメントの点灯を開始するとともに(207SGSa101)、右打ちランプ207SG132及び第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025Bの点滅を開始する(207SGSa102、図8−27(A)参照)。更にCPU103は、設定値確認処理に応じた態様(図8−6に示す大当りA、大当りB、大当りCのいずれでもない態様)として、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントのうち、1のセグメントのみの点灯を開始する(207SGSa103)。
また、CPU103は、演出制御基板12に対して設定値確認開始通知コマンドを送信し(207SGSa104)、電源断検出処理を実行するまで待機するための電源断検出処理実行開始待ちタイマをセットする(207SGSa105)。そして、該電源断検出処理実行開始待ちタイマの値を−1し(207SGSa106)、電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(207SGSa107)。電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトしていない場合(207SGSa107;N)は、207SGSa106と207SGSa107の処理を繰り返し実行し、電源断検出処理実行開始待ちタイマがタイマアウトした場合(207SGSa107;Y)は、電源断検出処理を実行する(207SGSa108)。尚、本電源断検出処理(207SGSa108)は、前述した設定値変更処理の電源断検出処理(207SGSa057)と同一の処理である。
電源断検出処理の実行後、CPU103は、RAM102におけるアドレスF000に格納されている設定値の表示を表示モニタ207SG029において開始し(207SGSa109)、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないターミナル基板を介して遊技場の管理コンピュータ等の管理装置に対してセキュリティ信号を出力する(207SGSa110)。
そしてCPU103は、錠スイッチ207SG051がONであるか否かを判定する(207SGSa111)。錠スイッチ207SG051がONである場合(207SGSa111;Y)、CPU103は、207SGSa111の処理を繰り返し実行することによって錠スイッチ207SG051がOFFとなるまで待機する。また、207SGSa111において錠スイッチ207SG051がOFFである場合(207SGSa111;N)は、表示モニタ207SG029における設定値の表示を終了するとともに(207SGSa112)、第1特別図柄表示装置207SG004A及び第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全セグメントを消灯する(207SGSa112a)。更に、CPU103は、右打ちランプ207SG132、第1保留表示器207SG025A及び第2保留表示器207SG025Bの点滅と、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントの点灯を終了する(207SGSa113、207SGSa114)。
そしてCPU103は、演出制御基板12に対して設定値確認終了通知コマンドを送信し(207SGSa115)、設定値確認処理を終了する。
このように、設定値変更処理や設定値確認処理の開始時から第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207Sg004B及びラウンド表示器207SG131の点灯と、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207Sg025B及び右打ちランプ207SG232の点滅とを開始することによって、遊技者や遊技場の店員等は、パチンコ遊技機1の正面側から該パチンコ遊技機1が設定値の変更中または設定値の確認中であることを認識可能となっている。
尚、本実施の形態の特徴部207SGでは、設定値変更処理や設定値確認処理の開始時に、設定値変更処理や設定値確認処理に応じた態様として、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントのうち1のLEDのみを点灯する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントの点灯パターンは、図8−6に示す大当りA、大当りB、大当りCのいずれにも該当しない態様であれば特にその点灯態様は問わない。
また、本実施の形態の特徴部207SGでは、図8−27(A)に示すように、設定値変更処理や設定値確認処理の開始時に、設定値変更処理や設定値確認処理に応じた態様として、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントが同一態様にて点灯する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントは、設定値変更処理の開始時と設定値確認処理の開始時とで異なる態様にて点灯してもよい。
以上のように本実施の形態の特徴部207SGでは、パチンコ遊技機1の電源を一旦OFF(電断)した後に再起動する際に、遊技機用枠207SG003が開放されている状態で錠スイッチ207SG051とクリアスイッチとをONとすることで設定値変更処理を実行するようになっている。
このとき、表示モニタ207SG029では、図8−25(A)〜図8−25(E)に示すように、パチンコ遊技機1の電源をOFFとすることによって第1表示部207SG029A、第2表示部207SG029B、第3表示部207SG029C、第4表示部207SG029Dを用いた表示(図8−17に示すベース値の表示)が終了する。つまり、本実施の形態における表示モニタ207SG029は、起動時に設定値変更処理を実行する場合と、起動が終了した後にベース値を表示する場合とでは、使用する表示部数が異なっている。
次に、パチンコ遊技機1の再起動によってCPU103が設定値変更処理を開始すると、第4表示部207SG029Dにおいてパチンコ遊技機1に設定されている設定値の表示が開始される。そして、このように第4表示部207SG029Dにおいて設定値が表示されている状態で設定切替スイッチ207SG052が操作されると、第4表示部207SG029Dでの表示が更新されていくようになっている。尚、この状態にて錠スイッチ207SG051がOFFとなった場合は、第4表示部207SG29Dに表示されている数値が新たな設定値として設定される。
また、本実施の形態の特徴部207SGでは、パチンコ遊技機1の電源を一旦OFF(電断)した後に再起動する際に、遊技機用枠207SG003が開放されている状態で錠スイッチ207SG051をON(クリアスイッチはOFF)とすることで設定値確認処理を実行するようになっている。
このとき、表示モニタ207SG029では、図8−25(A)、図8−25(B)及び図8−25(E)に示すように、パチンコ遊技機1の電源をOFFとすることによって第1表示部207SG029A、第2表示部207SG029B、第3表示部207SG029C、第4表示部207SG029Dを用いた表示(図8−17に示すベース値の表示)が終了する。つまり、本実施の形態における表示モニタ207SG029は、起動時に設定値確認処理を実行する場合と、起動が終了した後にベース値を表示する場合とでは、使用する表示部数が異なっている。
次に、パチンコ遊技機1の再起動によってCPU103が設定値確認処理を開始すると、第4表示部207SG029Dにおいてパチンコ遊技機1に設定されている設定値の表示が開始される。尚、該第4表示部207SG029Dにおける設定値の表示は、錠スイッチ207SG051がOFFとなることによって終了し、パチンコ遊技機1が遊技可能な状態となる。
図8−24は、CPU103が設定値変更処理や設定値確認処理で実行する電断検出処理(207SGSa013c)を示すフローチャートである。設定値確認処理においてCPU103は、先ず、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号の入力が有るか否かを判定する(207SGS081)。電源断信号の入力が無い場合は(207SGS081;N)、処理を終了し、電源断信号の入力が有る場合は(207SGS081;Y)、RAM122に記憶されている設定値情報を含むバックアップデータを特定し(207SGS082)、該特定したバックアップデータをRAM122に設けられたバックアップデータ記憶領域に格納する(207SGS083)。
そして、バックアップデータを復旧させるときに用いるチェックデータを作成し、バックアップデータ記憶領域に格納した後(207SGS084)、パチンコ遊技機1が電断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。
尚、本実施の形態の特徴部207SGにおける遊技制御用タイマ割込処理では、図8−28に示すように、CPU103は、前述した207SGSa057及び207SGSa108と同一の電源断検出処理(207SGS200)を実行した後にS21〜S27(図4参照)を実行するようになっている。
以上、本実施の形態における特徴部207SGを図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態の特徴部207SGでは、遊技情報表示部207SG200を、第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025B、普通図柄表示器207SG020、普図保留表示器207SG025C、ラウンド表示器207SG131、右打ちランプ207SG132、確変ランプ207SG133、時短ランプ207SG134から構成する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技情報表示部207SG200は、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bとを含まなくとも含んでいればよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、CPU103が設定値変更処理を実行中(設定値変更状態)である場合と設定値確認処理を実行中(設定値確認状態)である場合とで第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bとを同一態様にて点灯させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、CPU103が設定値変更処理を実行中である場合と設定値確認処理を実行中である場合とで、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bとを異なる態様で点灯または点滅させるようにしてもよい。このようにすることで、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bとの点灯態様または点滅態様によりパチンコ遊技機1が設定値変更状態と設定値確認状態とのどちらの状態であるのかを分かり易く報知できる。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、設定値変更状態や設定値確認状態では、第1特別図柄表示装置207SG004Aや第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全セグメントを点灯させることによって、第1特別図柄表示装置207SG004Aや第2特別図柄表示装置207SG004Bの表示態様(点灯態様)を第1特別図柄表示装置207SG004Aや第2特別図柄表示装置207SG004Bが変動表示結果を導出表示する場合の表示態様と異ならせる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定値変更状態や設定値確認状態における第1特別図柄表示装置207SG004Aや第2特別図柄表示装置207SG004Bの表示態様(点灯態様)は、第1特別図柄表示装置207SG004Aや第2特別図柄表示装置207SG004Bが変動表示結果を導出表示する場合の表示態様と異なっていれば、これら第1特別図柄表示装置207SG004Aや第2特別図柄表示装置207SG004Bを構成する全セグメントのうち一部のセグメントを点灯させなくともよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGにおいて、設定値変更状態や設定値確認状態では、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bと構成する全セグメント及びラウンド表示器207SG131を構成する1のセグメントの点灯、右打ちランプ207SG132及び第1保留表示器207SG025Aと第2保留表示器207SG025Bとを構成する全セグメントの点滅を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定値変更状態や設定値確認状態では、ラウンド表示器207SG131を構成する1のセグメントの点灯、右打ちランプ207SG132の点滅、第1保留表示器207SG025Aと第2保留表示器207SG025Bとを構成する全セグメントの点滅については、実行しない、もしくは一部のみ実行してもよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGにおいて、設定値変更状態や設定値確認状態では、ラウンド表示器207SG131を構成するセグメントのうち1のセグメントのみを点灯する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図8−6に示す大当り種別に該当する組合せでなければ、設定値変更状態や設定値確認状態におけるラウンド表示器207SG131を構成するセグメントの点灯数は複数であってもよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、第1特別図柄表示装置207SG004Aと第2特別図柄表示装置207SG004Bを用いて設定値異常エラーの報知を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機1にエラー報知用のLEDを個別に設け、該LEDを点灯または点滅させることによって設定値異常エラーが発生したことを報知してもよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGにおいては、パチンコ遊技機1にベース値を表示するための表示モニタ207SG029を備える形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1には表示モニタ207SG029を備えないようにしてもよい。尚、このようにパチンコ遊技機1に表示モニタ207SG029を備えない場合は、設定値変更状態や設定値確認状態において設定値(または仮の設定値)を表示する表示手段を新たに備えればよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、第1可動体初期化処理や第2可動体初期化処理の実行中に設定値の変更や設定値の確認が終了した場合は、第1可動体初期化処理の実行中であるか否か、つまり、第1可動体207SG321の確認動作が既に終了したか否かに応じて新たな第1可動体初期化処理や第2可動体初期化処理を実行するか否かを決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、新たな第1可動体初期化処理や第2可動体初期化処理を実行するか否は、各可動体の動作距離や各可動体の確認動作に要する残り期間等に応じて決定してもよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、遊技情報表示部207SG200を構成する第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025B、ラウンド表示器207SG0131、右打ちランプ207SG132等を、遊技中とは異なる態様とすることによってパチンコ遊技機1が設定値変更状態や設定値確認状態であることを報知する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技情報表示部207SG200を構成する第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025B、ラウンド表示器207SG0131、右打ちランプ207SG132等は、パチンコ遊技機1が設定値変更状態や設定値確認状態であることを報知可能であれば遊技中において表示(点灯または点滅)される態様であってもよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、遊技情報表示部207SG200を構成する第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025B、ラウンド表示器207SG0131、右打ちランプ207SG132等を、遊技中とは異なる態様とすることによってパチンコ遊技機1が設定値変更状態や設定値確認状態であることを報知する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、『遊技中とは異なる態様』には、点滅周期が異なることや輝度、各セグメントの発光色が異なること等を含んでいてもよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、演出制御用CPU120が設定値変更開始通知コマンドや設定値確認開始通知コマンドを受信した時点から、第1可動体初期化処理や第2可動体初期化処理として、各可動体の非検出時動作制御と実動作確認動作制御とを実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120が設定値変更開始通知コマンドや設定値確認開始通知コマンドを受信した時点から、各可動体の非検出時動作制御を実行し、演出制御用CPU120が設定値変更終了通知コマンドや設定値確認終了通知コマンドを受信した時点から、各可動体の実動作確認動作制御を実行してもよい。
また、前記実施の形態の特徴部207SGでは、遊技情報表示部207SG200を構成する第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025B、ラウンド表示器207SG131、右打ちランプ207SG132を点灯または点滅させることによってパチンコ遊技機1が設定値変更状態または設定値確認状態であることを報知する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1が設定値変更状態や設定値確認状態であるときに第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025B、ラウンド表示器207SG131、右打ちランプ207SG132の点灯や点滅が実行されることの説明書きをパチンコ遊技機1の所定箇所(例えば、遊技情報表示部207SG200の近傍位置)に設けてもよい。このようにすることで、当該パチンコ遊技機1について熟知していない遊技場の店員等が、第1特別図柄表示装置207SG004A、第2特別図柄表示装置207SG004B、第1保留表示器207SG025A、第2保留表示器207SG025B、ラウンド表示器207SG131、右打ちランプ207SG132の点灯や点滅をパチンコ遊技機1の故障等と誤認してしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施の形態の特徴部207SGの遊技制御メイン処理では、図8−20に示すように、207SGSa008においてクリアスイッチがONであると判定した場合(207SGSa008;Y)や207SGSa021において設定値変更中フラグをクリアした後にRAMクリア処理(207SGSa009)を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明はこれに限定されるものではなく、該RAMクリア処理は、207SGSa008においてクリアスイッチがONであると判定した場合(207SGSa008;Y)や207SGSa021において設定値変更中フラグをクリアした後ではなく、207SGSa014においてRAMクリアフラグがセットされていると判定した場合(207SGSa014;Y)に実行してもよい。
(特徴部092F、093Fに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部092F、093Fについて説明する。
特徴部092Fについては、CPU103が、入賞時乱数値判定処理(S101の始動入賞判定処理内で実行される処理)および特別図柄通常処理(S110)において、設定値情報を確認して、現在の設定値に対応した当否判定テーブルを読出し、その当否判定テーブルのデータに基づいて、現在の遊技状態から判定値の範囲を特定し、特定された判定値と、始動入賞時に保留記憶された乱数値MR1とを比較することにより、大当りに関する当否を判定する例を主に説明する。
特徴部093Fについては、CPU103が、設定値の格納時に、設定値に対応した当否判定テーブルを予め記憶設定しておき、入賞時乱数値判定処理(S101の始動入賞判定処理内で実行される処理)および特別図柄通常処理(S110)において、予め設定値に対応して記憶された当否判定テーブルでの判定値の情報を参照し、その当否判定テーブルのデータに基づいて、現在の遊技状態から判定値の範囲を特定し、特定された判定値と、始動入賞時に保留記憶された乱数値MR1とを比較することにより、大当りに関する当否を判定する例を主に説明する。
さらに、特徴部092F、093Fについては、変動表示の開始条件が成立する前に大当り遊技状態に制御される否かを判定するときと、変動表示の開始条件が成立したときに大当り遊技状態に制御されるか否かを判定するときとで、共通の判定処理を実行する例も説明する。
特徴部092Fの技術と特徴部093Fの技術との主な相違点は、特徴部092Fが大当りの判定等に用いる当否判定テーブルが、設定値(前述の設定値1〜設定値6)の格納時(例えば207SGSa071等)に選択されるのではなく、実際の大当り判定時に選択されて用いられる技術であり、一方、特徴部093Fが大当りの判定等に用いる当否判定テーブルが、設定値の格納時(例えば207SGSa071等)に選択されて用いられる技術であることである。
特徴部092F、093Fでは、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかの大当りに選択決定される設定を一例として説明する。なお、大当り種別は、このような複数の種別の組合せとは異なる複数の種別の組合せから選択決定可能となるようにしてもよい。
また、特徴部092F、093Fでは、特別図柄(飾り図柄)の変動表示の変動パターンを決定する処理の例として、CPU103が、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数の変動パターンのうちから実行する変動パターンを決定する処理を実行する例を説明する。
なお、特徴部092F、093Fにおいては、特別図柄の変動表示の変動パターンを決定する処理の例として、変動パターン種別決定用の乱数値と、変動パターン決定用の乱数値とを設けてもよい。そして、CPU103が、変動パターン種別決定用の乱数値に基づいて、複数種類の変動パターン種別のうちから変動パターン種別を先に決定した後、変動パターン決定用の乱数値に基づいて、決定した変動パターン種別に属する複数の変動パターンのうちから実行する変動パターンを決定する処理を実行するようにしてもよい。
この実施の形態では、CPU103が、入賞時乱数値判定処理(図9−1参照)において、始動入賞の発生に基づき、特図表示結果決定用の乱数値MR1に応じて可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当り種別決定用の乱数値MR2に応じて大当りの種別がいずれの種別になるか、変動パターン決定用の乱数値MR3がいずれの変動パターンの決定値になるかを判定する。そして、入賞時乱数値判定処理においては、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドのEXTデータに、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。入賞時乱数値判定処理においては、変動パターン判定用乱数値MR3の値に基づいて決定された変動パターンを通知する入賞時変動パターン通知コマンドのEXTデータに変動パターンの判定結果としての乱数値MR3に対応する変動パターンを指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、入賞時変動パターン通知コマンドに設定されている値に基づいて、変動パターンを認識できる。なお、演出制御基板12において、入賞時変動パターン通知コマンドから可変表示結果を特定する場合には、図柄指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、可変表示結果通知コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
〔特徴部092Fの制御〕
特徴部092Fにおいて、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、特別図柄通常処理(図5のS110、図9−2)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、変動パターン設定処理(図5のS111)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定が行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103が図5のS101において、図9−1の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄が導出表示するか否かの判定を乱数値MR1に基づいて行うとともに、飾り図柄の変動パターンの判定を乱数値MR3に基づいて行うこと等を行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120等により、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図9−1は、入賞時乱数値判定処理として、図15のS101(以下、フローチャートについて、「ステップS」は「S」という略称で説明する)にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図9−1に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部等に設けられた確変フラグ等の状態を確認すること等により、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(92FS001)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定すればよい。
92FS001の処理に続いて、大当りの判定および小当りの当否判定を行うことが可能である当否判定モジュールを実行する(92FS002)。当否判定モジュールは、大当り等の当否判定を行うサブルーチンプログラムである。具体的には、現在格納されている設定値に対応する大当り当選確率(大当り確率)および小当り当選確率(小当り確率)等の設定値に関する情報である設定値情報に基づき当否判定テーブルを複数種類のテーブルのうちから選択する処理である。次に、当否判定モジュールの判定結果により、特図表示結果が「大当り」と判定されたか否かを確認する(92FS003)。
92FS003にて「大当り」でない場合には(92FS003;No)、当否判定モジュールの判定結果により、特図表示結果が「小当り」と判定されたか否かを確認する(92FS004)。92FS004にて「小当り」でない場合には(92FS004;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(92FS005)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「00H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
92FS004にて「小当り」である場合には(92FS004;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(92FS006)。一例として、CPU103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「03H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。図柄指定コマンドは、始動入賞時において、大当り判定および小当り判定のような当否判定による判定結果に基づいて、大当り、小当り、ハズレのような当否判定の判定結果に加え、大当り種別の判定結果を示すことが可能なコマンドである。
92FS003にて大当りである場合には(92FS003;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(92FS007)。このとき、CPU103は、始動入賞時の保留データ記憶時において「第1特図」と「第2特図」とのどちらの始動入賞であるかを区別可能なデータである始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブルを構成するテーブルデータから変動特図に対応する大当り種別決定用テーブルデータを選択する。大当り種別決定用テーブルは、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき大当り種別を「非確変」、「確変」のような複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルであり、「第1特図」に対応するテーブルデータと「第2特図」に対応するテーブルデータとが設けられており、「始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(可変表示をする特図)に対応して、いずれかのデータテーブルが選択されて、大当り種別判定のために用いられる。
次に、92FS007の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(92FS008)。一例として、92FS008にて大当り種別が「確変」の大当りに決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「01H」とし、大当り種別が「非確変」の大当りに決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「02H」とすればよい。
92FS005、92FS006、92FS008の処理のいずれかを実行した後には、保留データから乱数値MR3を示す数値データを読出し、複数種類の変動パターンのうちから実行する変動パターンを選択決定するために設けられた変動パターン決定テーブルを用いて、読出した乱数値MR3の数値データに応じた変動パターンを判定(決定)する(92FS009)。そして、92FS009による判定結果に応じた変動パターンを指定する入賞時変動パターン指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(92FS010)。
図9−2は、特別図柄通常処理として、図5のS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9−2に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(92FS020)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、92FS020の処理では、遊技制御カウンタ設定部に記憶されている第2保留記憶数カウント値(第2保留記憶数を計数するカウンタの計数値)を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
92FS020にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(92FS020;No)、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(92FS021)。
このとき読み出された数値データは、例えばRAM102に設けられた変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。第2特図保留記憶部では、最大4つの保留データについて、古いデータから順番に保留番号「1」〜「4」が付与されている。この場合の保留番号「1」の保留データは、最も古いデータであり、新たな可変表示に用いられることとなるデータである。
92FS021の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(92FS022)。また、92FS022の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて合計保留記憶数カウンタ(第1特図および第2特図の保留記憶数の合計数を計数するカウンタ)が記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、可変表示をする特図が第1特図と第2特図とのいずれであるかを特定可能な変動特図指定バッファ値(変動特図指定バッファの格納値である)を「2」に更新する(92FS023)。
92FS020にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(92FS020;Yes)、第1特図保留記憶数(第1保留記憶数を計数するカウンタの計数値)が「0」であるか否かを判定する(92FS024)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、92FS024の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、92FS024の処理は、92FS020にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。
これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図とのいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
92FS024にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(92FS024;No)、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(92FS025)。
このとき読み出された数値データは、例えばRAM122の変動用乱数バッファ等に格納されて、一時記憶されればよい。第1特図保留記憶部では、最大4つの保留データについて、古いデータから順番に保留番号「1」〜「4」が付与されている。この場合の保留番号「1」の保留データは、最も古いデータであり、新たな可変表示に用いられることとなるデータである。
92FS025の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新すること等により、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(92FS026)。また、92FS026の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて合計保留記憶数カウンタ(保留記憶数の合計数を計数するカウンタ)が記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(92FS027)。
92FS023、92FS027の処理のいずれかを実行した後には、現在の設定値情報に基づき当否判定テーブルを複数種類のテーブルのうちから選択して大当りの当否判定を行うとともに、小当りの当否判定を行うことが可能である92FS002と同様の当否判定モジュールを実行する(92FS028)。
そして、当否判定モジュールの判定結果により、特図表示結果が「大当り」と判定されたか否かを確認する(92FS029)。そして、92FS029にて「大当り」である場合には(92FS029;Yes)、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(92FS030)。このときに、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブルを構成するテーブルデータから変動特図に対応する大当り種別決定用テーブルデータを選択する(92FS031)。この大当り種別決定用テーブルは、前述の92FS007で用いられるデータと同じテーブルである。
次に、92FS031で選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する(92FS032)。具体的に、大当り種別決定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データが、「非確変」、「確変」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する。
92FS032の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、非確変状態と、非確変状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するか、および、大当り遊技状態の開放パターンが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定すること等により(92FS033)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とすればよい。
92FS029にて「大当り」ではない場合には(92FS029;No)、当否判定モジュールの判定結果により、特図表示結果が「小当り」と判定されたかを確認する(92FS034)。そして、「小当り」であるときには(92FS034;Yes)、遊技制御フラグ設定部に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(92FS035)。
92FS034にて「小当り」ではない場合や(92FS034;No)、92FS033、92FS035の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(92FS036)。一例として、92FS034にて特図表示結果が「小当り」ではない場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、92FS034にて特図表示結果が「小当り」である場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、92FS029にて特図表示結果が「大当り」である場合には、92FS032における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
92FS036にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(92FS037)、特別図柄通常処理を終了する。92FS024にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(92FS024;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(92FS038)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示すること等によるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図9−3は、特図表示結果判定用乱数の判定値範囲を示す図である。図9−3(A)は、設定値1〜設定値3における大当り判定値および小当り判定値の範囲を示す図である。
図9−3(B)は、設定値3の低確率時と高確率時とにおける判定値の範囲を示す図である。図9−3(C)〜(E)は、その他の変形例を示す図である。
前述した図8−11〜図8−12に示すように、設定値1〜設定値6に応じて異なる表示結果判定テーブルが用いられる。図8−11〜図8−12の表示結果判定テーブルに示すように、設定値に応じて大当り表示結果となる判定値の範囲が異なっている。図9−3(A)では、この判定値のうち、設定値1〜設定値3について説明する。
図9−3(A)に示すように、特図表結果判定用の乱数値MR1は、0〜65535の範囲で乱数値の範囲が設定されている。設定値1では、このような乱数値MR1のうち1020〜1237の範囲が大当り判定値として設定され、65208〜65535の範囲が小当り判定値として設定されている。また、設置値2では、乱数値MR1のうち1020〜1253の範囲が大当り判定値として設定され、65208〜65535の範囲が小当り判定値として設定されている。また、設置値3では、乱数値MR1のうち1020〜1272の範囲が大当り判定値として設定され、65208〜65535の範囲が小当り判定値として設定されている。大当り判定値および小当り判定値以外の判定値は、はずれに設定されている。
図9−3(A)に示すように、大当りの判定値は、設定値が高くなるにつれて範囲が増加するように設定されているが、大当りの基準値となる1020の判定値は設定値によらずに共通である。このような大当りの基準値となる判定値は、図9−3(A)に示す設定1〜3に限らず全設定で共通である。また、小当りの判定値の範囲が全設定で共通(一定)であるとともに、設定値によらず65208の判定値が小当りの基準値となるように設定されている。
このように、大当り判定をするための判定値の基準値となる大当り基準値が全設定で共通であるため、大当り判定を実行する当否判定モジュールにおいて処理負担を低減させることができ、メイン側の制御負担を軽減することができる。具体的には、大当り判定をするための判定値が飛び飛びの範囲で設定されている場合には、抽出した乱数値と判定値とを比較するための処理が複雑になってしまうが、図9−3(A)に示すような判定値の範囲が設定されている場合には、予め決められた基準値から判定値を連続して比較することができるため処理が複雑になってしまうことを防止できる。
次に、図9−3(B)について説明する。図9−3(B)は、設定値3の低確率時と高確率時とにおける判定値の範囲を説明するための図である。図8−11〜図8−12に示すように、遊技状態により大当り表示結果となる判定値の範囲が異なっている。具体的には、通常状態または時短状態のような低確率時には、確変状態のような高確率時と比べ判定値の範囲が狭くなっている。また、全設定において、低確率時の方が高確率時よりも設定値の範囲が狭くなるようになっている。
図9−3(B)に示すように、同じ設定値3において、低確時には、乱数値MR1のうち1020〜1272の範囲が大当り判定値として設定され、高確時には、乱数値MR1のうち1020〜1348の範囲が大当り判定値として設定されている。このように、設定値が同じ場合に判定値の範囲は低確時と高確時とで異なっている。しかし、図9−3(B)に示すように、大当り基準値となる判定値は、1020で遊技状態によらず同じである。よって、大当り判定を実行する当否判定モジュールにおいて処理負担を低減させることができ、メイン側の制御負担を軽減することができる。
図9−3(C)は、第1変形例における判定値の範囲を示す図である。図9−3(C)に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄とにおいて、大当り判定値の範囲は同じであるが、小当り判定値の範囲を第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも多くしてもよい。なお、小当りの判定値の範囲が変わったとしても小当り基準値となる判定値は、10000で特別図柄によらず同じである。
図9−3(D)は、第2変形例における判定値の範囲を示す図である。図9−3(D)に示すように、大当り判定値の範囲のすぐ後に小当り判定値が設定されていてもよい。例えば、設定値2においては、乱数値MR1のうち1020〜1253の範囲が大当り判定値として設定され、そのすぐ後の1254〜1581の範囲が小当り判定値として設定されている。また、設定値3においては、乱数値MR1のうち1020〜1272の範囲が大当り判定値として設定され、そのすぐ後の1273〜1600の範囲が小当り判定値として設定されている。このような場合であっても、大当り基準値となる判定値は、1020で設定値によらず同じである。
図9−3(E)は、第3変形例における判定値の範囲を示す図である。図9−3(E)に示すように、大当り判定値の範囲が設定値2の場合は、連続して設定されているが、設定値3の場合は、飛び飛びで設定されているようにしてもよい。例えば、設定値2においては、乱数値MR1のうち1020〜1253の範囲が大当り判定値として設定され、間を空け1300〜1627の範囲が小当り判定値として設定されている。また、設定値3においては、乱数値MR1のうち1020〜1253の範囲が大当り判定値として設定され、間を空け1300〜1627の範囲が小当り判定値として、さらに間を空け60000〜60019が大当り判定値として設定されている。このような場合であっても、大当り基準値となる判定値は、1020で設定値によらず同じである。また、小当り基準値となる判定値も、1300で設定値によらず同じである。なお、設定値2の大当り判定値を基準として説明しているが、設定値1を大当り基準値として設定し、設定値2以外の大当り判定値の値が飛び飛びの範囲で設置されるようにしてもよい。
特徴部092F、093Fでは、大当りとするか否かの大当り判定および小当りとするか否かの小当り判定に関する当否判定をするためのモジュール(サブルーチン)としての当否判定モジュールが実行されるときに、図9−3(A)に示すような設定値情報に基づいて大当り判定値および小当り判定値の範囲が異なり、かつ、図9−3(B)に示すように低確率時および高確率時のような遊技状態に基づいて大当り判定値および小当り判定値の範囲が異なるようにデータが設定された複数種類の当否判定テーブルが選択的に用いられる。
当否判定テーブルは、設定値1〜設定値6の各設定値に対応して、当否判定テーブルが設けられている。具体的に、各設定値に対応した当否判定テーブルでは、遊技状態に基づいて大当り判定値および小当り判定値の範囲が異なるようにデータが設定されている。例えば、図9−3(B)に示すような低確率時の判定値が設定された当否判定テーブルと、高確率時の判定値が設定された当否判定テーブルとが、RAM102の当否判定テーブル記憶領域に記憶されている。
特徴部092Fの場合、このような当否判定テーブルは、例えばパチンコ遊技機1の起動時のような設定値の格納時に予め選択されて設定されずに、実際の当否判定の実行時に、RAM102の当否判定テーブル記憶領域から現在の設定値に応じたテーブルが選択されて当否判定に用いられる。一方、特徴部093Fの場合、このような当否判定テーブルは、例えばパチンコ遊技機1の起動時のような設定値の格納時に、当否判定に用いるテーブルがRAM102の当否判定テーブル記憶領域から予め選択されて、RAM102の使用テーブル記憶領域に記憶設定され、そのように予め記憶設定されたテーブルが実際の当否判定の実行時に用いられる。
図9−4は、特徴部092Fによる図9−1の92FS002および図9−2の92FS028で実行される当否判定モジュールの処理の一例を示すフローチャートである。
図9−1の92FS002および図9−2の92FS028で実行される当否判定モジュールは、図9−4に示すように、共通の処理(判定処理)が実行される。CPU103は、大当りの当選確率および小当りの当選確率等の設定値の情報としての設定値情報について、当否判定モジュールでの当否判定を実行する毎に、当否判定時の設定値情報を特定可能なデータを、次回の当否判定時において、「前回の当否判定時の設定値情報」として参照するために、「前回の当否判定時の設定値情報」のデータとして毎回更新する態様でRAM102の前回記憶領域に記憶する。
当否判定モジュールにおいては、まず、パチンコ遊技機1の起動時に設定され、RAM102に記憶された設定値情報を今回の設定値情報として読出すとともに、前述のように前回記憶領域に記憶された前回の当否判定時の設定値情報を読出し、これらが一致するか否かを確認することにより、今回の設定値情報が前回の当否判定時の設定値情報と同じであるか否かを判定する設定値情報一致判定をする(92FS050)。このように、1回の可変表示を実行するごとに、今回の設定値情報が前回の当否判定時の設定値情報と同じであるか否かの照合が行われる。このような設定値情報一致判定をするのは、例えば、パチンコ遊技機1が設置される遊技店においては、各種のノイズが発生し、このようなノイズにより、起動時に設定記憶された正常な設定値情報のデータが壊れて異常な設定値情報のデータに変化する場合があり、また、設定値情報を記憶している領域自体が物理的に壊れて正常なデータが記憶されなくなる場合がある等の理由による。
92FS050の設定値情報一致判定において設定値情報が同じでないときは、設定値情報が異常であるので、設定値に異常が生じたことを特定可能な情報としての設定値異常エラー情報を特定可能なコマンドを主基板11から演出制御基板12に送信する(92FS055)。そして、現在実行中の遊技制御の進行を停止させる(例えば遊技制御プログラムを停止させること等)ことにより遊技を停止する処理を行い(92FS056)、処理を終了する。これにより、遊技の継続が不可能となる。演出制御基板12では、設定値異常エラー情報を特定可能なコマンドを受信したときに、設定値が異常となった旨を報知するエラー情報を表示する処理等のエラー関連処理を実行する。
92FS056によって遊技を停止する処理が実行されて遊技が停止した後、パチンコ遊技機1で再度遊技を実行する場合には、一旦パチンコ遊技機1の電源を切断した後、電源を投入して再度起動するときに、前述の設定変更処理を実行しなければ、遊技停止状態が解消できないようにすればよい。
一方、92FS050の設定値情報一致判定において設定値情報が同じであるときは、設定値情報が正常であるので、前述のように設定値情報および遊技状態に応じて複数種類設けられた当否判定テーブルのうちから、設定値情報により特定可能な現在の設定値に対応した当否判定テーブル(低確率時当否判定テーブルおよび高確率時当否判定テーブル)を選択して読出す(92FS051)。
そして、読出した当否判定テーブルのデータに基づいて、現在の遊技状態(低確率状態または高確率状態)から、大当り判定値および小当り判定値のそれぞれについて、前述のような共通の基準値からの判定値の範囲(大当り判定値の範囲、小当り判定値の範囲)を特定する(92FS052)。例えば、現在の遊技状態が高確率状態のときは、高確率時当否判定テーブルを選択し、そのテーブルから、大当り判定値の範囲および小当り判定値の範囲を特定する。当否判定テーブルは、例えば、前述した図8−11,図8−12で示した設定値に応じた表示結果判定テーブルが用いられればよい。
次に、入賞時乱数値判定処理または特別図柄通常処理において読出された乱数値MR1の数値データと、92FS052で特定された共通の基準値からの判定値の範囲とを比較することにより、大当り判定および小当り判定に関する当否を判定する(92FS053)。具体的には、乱数値MR1の数値データが大当り判定値の範囲内の数値データと一致する場合には大当りとする判定をし、乱数値MR1の数値データが小当り判定値の範囲内の数値データと一致する場合には小当りとする判定をし、乱数値MR1の数値データが大当り判定値の範囲内および小当り判定値の範囲内以外の範囲の数値データと一致する場合にはハズレとする判定をする。そして、92FS053での当否判定の判定結果を、呼び出し元の入賞時乱数値判定処理または特別図柄通常処理に出力し(92FS054)、処理を終了する。
このような当否判定モジュールは、図9−1の入賞時乱数値判定処理と、図9−2の特別図柄通常処理とで共通の処理として実行され、共通に設けられた当否判定テーブルを、設定値情報および現在の遊技状態に応じて選択的に用いて、大当り判定および小当り判定を実行することができる。
〔特徴部093Fの制御〕
特徴部093Fの制御が、特徴部092Fの制御と異なるのは、次の点である。
図8−22の設定値変更処理における207SGSa071のステップ等で、格納される設定値に対応して、当否判定に用いるテーブルがRAM102の当否判定テーブル記憶領域から予め選択されて読出され、RAM102の使用テーブル記憶領域に記憶設定される。特徴部093Fの制御は、図9−1の入賞時乱数値判定処理および図9−2の特別図柄通常処理において、共通の処理として実行される当否判定モジュール(92FS002、92FS028)の処理内容の一部が特徴部092Fの制御と異なる。具体的には、当否判定モジュールでの当否判定に用いられる当否判定テーブルが、前述のように設定値の設定変更処理時において、使用テーブル記憶領域に記憶設定された当否判定テーブルが読出されて、当否判定に用いられる。
特徴部093Fの制御において、図9−1の入賞時乱数値判定処理および図9−2の特別図柄通常処理の流れは、特徴部093Fの制御と同様である。そして、特徴部093Fの制御においては、92FS002、92FS028で実行される当否判定モジュールの処理内容が図9−5のように特徴部092Fの制御と一部異なる。
図9−5は、特徴部093Fによる当否判定モジュールの処理の一例を示すフローチャートである。図9−5の当否判定モジュールにおいては、図9−4の当否判定モジュールの92FS050〜92FS056に対応する処理が、93FS001〜93FS007として示されている。図9−5の当否判定モジュールが図9−4の当否判定モジュールと異なるのは、93FS002の処理である。
93F002では、前述のようにして、図8−22の設定値変更処理時(207SGSa071)において設定値に対応して選択されて使用テーブル記憶領域に記憶設定された当否判定テーブル(低確率時当否判定テーブルおよび高確率時当否判定テーブル)が、読出される。当否判定テーブルは、例えば、前述した図8−11,図8−12で示した設定値に応じた表示結果判定テーブルが用いられればよい。そして、このように、読出された当否判定テーブルのデータに基づいて、現在の遊技状態(低確率状態または高確率状態)から、大当り判定値および小当り判定値のそれぞれについて、前述のような共通の基準値からの判定値の範囲(大当り判定値の範囲、小当り判定値の範囲)を特定する処理が実行される(93FS003)。その他の処理は、図9−4の当否判定モジュールと同様である。
なお、特徴部93Fでは、図8−22の設定値変更処理時(207SGSa071)において、設定値に対応して当否判定テーブル自体のデータを記憶しておき、その後、当否判定モジュールにおいて当否判定テーブルを読出して当否判定に用いる例を示した。しかし、これに限らず、図8−22の設定値変更処理時(207SGSa071)において、設定値に対応して当否判定テーブル自体のデータは記憶せずに、設定値に対応する当否判定テーブルを特定するための当否判定テーブル特定情報(例えばテーブル番号指定情報)を記憶しておき、その後、当否判定モジュールにおいて、記憶しておいた当否判定テーブル特定情報に基づいて、当否判定テーブル自体のデータを選択して読出し、当否判定に用いるようにしてもよい。
〔特徴部092F,093Fの主な構成および効果〕
次に、前述した特徴部092F,093Fの主な構成および効果を説明する。特徴部092F,093Fは、以下に示すような構成および効果を備える。
(1) 開始条件が成立したことに基づいて可変表示を実行し、複数段階の設定値(例えば、設定値1〜6)のうちいずれの設定値に設定されているかに応じて、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御される確率が異なる遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
設定値を特定するための設定値情報を記憶する記憶手段(例えば、RAM102)と、
前記開始条件が成立したことに基づいて、前記有利状態に制御するか否かを決定する決定手段(例えば、CPU103)と、
前記決定手段が前記有利状態に制御するか否かを決定するための数値データ(例えば、MR1)を抽出する数値データ抽出手段(例えば、CPU103)と、
前記決定手段の決定前に、前記数値データ抽出手段が抽出した数値データ(例えば、MR1)と、前記記憶手段に記憶された設定値情報に応じて設定される判定値(例えば、当否判定テーブル)と、に基づいて前記有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段(例えば、CPU103)とを備え、
前記判定手段が前記判定をするときに、前記記憶手段に記憶された設定値情報を特定し、該特定された設定値情報に応じて判定値を設定し、
前記開始条件が成立する前に前記有利状態に制御されるか否かを判定するときと、前記開始条件が成立したときに前記有利状態に制御されるか否かを判定するときとで、共通の判定処理を実行する(例えば、図9−1の92FS002、図9−2の92FS028において同じ当否判定モジュールを実行する)。
このような構成によれば、複数段階の設定値が設定された遊技機における有利状態の判定の際に、有利状態の判定を好適に行うことができる。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記判定手段が判定する判定値の範囲は、所定の基準値(例えば、図9−3に示すように1020)から判定値の範囲が設定され、
前記所定の基準値は、設定値によらず共通である(例えば、図9−3(A)に示すように、設定値によらず基準値は1020で共通)。
このような構成によれば、有利状態の判定の際の処理負担を低減させることができる。
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、
記憶されている設定値情報が前回の設定値情報と同じであるか否かを所定期間毎に照合する照合手段(例えば、図9−4の92FS050に示すように、当否判定モジュールが実行される毎に今回の設定値情報が前回の当否判定時の設定値情報と同じであるか否かを判定する設定値情報一致判定をする)をさらに備える。
このような構成によれば、設定値情報の正確性を担保することができる。
(4) 上記(3)の遊技機において、
前記照合手段は、前記数値データ抽出手段が抽出した数値データが前記有利状態に制御される数値データであるか否かを判定する毎に照合を実行する(例えば、数値データMR1の数値データが大当り遊技状態に制御される数値データであるか否かを判定する当否判定モジュールを実行する毎に設定値情報の照合を実行する)。
このような構成によれば、設定値情報の正確性を担保することができる。
(5) 上記(3)または(4)の遊技機において、
前記照合手段により照合された設定値情報が記憶されているはずの設定値情報と異なることに基づいてエラー報知を実行可能なエラー報知手段(例えば、図9−4の92FS055に示すように設定値異常エラー情報を特定可能なコマンドを主基板11から演出制御基板12に送信し、演出制御基板12側で、設定値が異常となった旨を報知するエラー情報を表示する処理等のエラー関連処理を実行する)をさらに備える。
このような構成によれば、設定値情報が不正確であることをエラー報知により報知することで、設定値情報の正確性を担保することができる。
(6) 上記(5)の遊技機において、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、CPU103)と、
前記遊技制御手段から送信される情報に基づいて演出を制御する演出制御手段(例えば、演出制御用CPU120)とをさらに備え、
前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から異常な設定値情報が送信されたことに基づいて前記エラー報知手段に前記エラー報知を実行するように制御し(例えば、設定値異常エラー情報を特定可能なコマンドを主基板11から演出制御基板12に送信し、演出制御基板12側で、設定値が異常となった旨を報知するエラー情報を表示する処理等のエラー関連処理を実行する)、
前記遊技制御手段は、異常な設定値情報に基づいて遊技の継続が不可能な遊技停止状態とする(例えば、主基板11側では、図9−4の92FS056に示すように、遊技の継続が不可能な遊技停止状態とする)。
このような構成によれば、異常な設定値情報に基づいて有利状態の判定が行われないため、遊技の公平性を担保することができる。
(7) 上記(1)〜(6)の遊技機において、
前記有利状態とは異なる特殊状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能な特殊状態制御手段(例えば、CPU103)をさらに備え、
前記特殊状態に制御される数値データの判定値の範囲は設定値によらず一定であり(例えば、小当り遊技状態に制御される数値データの判定値の範囲は設定値によらず一定である)、
前記判定手段は、一定の判定値の範囲に前記特殊状態に制御される数値データがあるか否かを判定する(例えば、CPU103は、一定の判定値の範囲に小当り遊技状態に制御される数値データがあるか否かを判定する)。
このような構成によれば、特殊状態の判定の際の処理を設定値によらず共通化できるため、処理負担を軽減することができる。
[1] 特徴部092Fでは、設定値1〜6のいずれであるかを特定するための設定値情報を記憶するパチンコ遊技機で、図9−1の92FS002、図9−1の92FS028、図9−4の92FS050〜92FS053等に示すように、入賞時乱数値判定処理および特別図柄通常処理において、設定値情報を確認して、現在の設定値に対応した当否判定テーブルを読出し、その当否判定テーブルのデータに基づいて、現在の遊技状態から判定値の範囲を特定し、特定された判定値と、始動入賞時に保留記憶された乱数値MR1とを比較することにより、大当りに関する当否を判定する。これにより、複数段階の設定値が設定されたパチンコ遊技機1における大当りの判定の際に、大当り遊技状態の判定を好適に行うことができる。例えば、当否判定をするときに、毎回設定値情報を確認して判定値を設定することで、毎回設定値情報を確認せずに判定値を設定するものと比較して、当否判定をするときの安全性を担保することができる。また、入賞時乱数値判定処理のように特図ゲームの可変表示の開始条件が成立する前に大当り遊技状態に制御されるか否かを判定するときと、特別図柄通常処理のように特図ゲームの可変表示の開始条件が成立したときに大当り遊技状態に制御されるか否かを判定するときとで、共通の判定処理が実行される。これにより、大当りの判定の際の処理負担を低減させることができる。
[2] 特徴部093Fでは、設定値1〜6のいずれかの設定値に設定されたことに基づいて、設定値に対応した当否判定テーブルのような判定値情報を記憶するパチンコ遊技機で、設定値の格納時に、設定値に対応した当否判定テーブルを予め記憶設定しておき、図9−1の92FS002、図9−1の92FS028、図9−5の93FS001〜93FS004等に示すように、入賞時乱数値判定処理および特別図柄通常処理において、予め設定値に対応して記憶された当否判定テーブルでの判定値の情報を参照し、その当否判定テーブルのデータに基づいて、現在の遊技状態から判定値の範囲を特定し、特定された判定値と、始動入賞時に保留記憶された乱数値MR1とを比較することにより、大当りに関する当否を判定する。これにより、複数段階の設定値が設定されたパチンコ遊技機1における大当りの判定の際に、大当り遊技状態の判定を好適に行うことができる。例えば、当否判定をするときに、予め設定値に対応した当否判定テーブルを用いて判定値の情報を参照して当否判定をすればよいので、設定値の情報を特定し、対応する判定値を設定して当否判定をする場合と比較して、当否判定に関する処理負担を軽減することができる。
また、入賞時乱数値判定処理のように特図ゲームの可変表示の開始条件が成立する前に大当り遊技状態に制御されるか否かを判定するときと、特別図柄通常処理のように特図ゲームの可変表示の開始条件が成立したときに大当り遊技状態に制御されるか否かを判定するときとで、共通の判定処理が実行される。これにより、大当りの判定の際の処理負担を低減させることができる。
[3] 図9−3(A)等に示すように、当否判定モジュールが判定する判定値の範囲は、例えば大当りの基準値のように、所定の基準値(例えば1020)から判定値の範囲が設定され、所定の基準値(例えば1020)は、設定値が設定値1〜6のいずれかによらずに共通である。これにより、大当りの判定の際の処理負担を低減させることができる。
[4] 図9−4の92FS050、図9−5の92FS001に示すように、当否判定モジュールにおいては、設定値情報が前回の設定値情報と同じであるか否かを、例えば1回の可変表示毎等の所定期間毎に照合する照合手段を備える。これにより、設定値情報の正確性を担保することができる。なお、照合手段が所定期間毎にする照合について、「所定期間」は1回の当否判定モジュール実行毎(始動入賞がされる所定期間毎、可変表示がされる所定期間毎)の期間に限らず、例えば、30分毎等の実時間ごとの期間であってもよい。また、「所定期間」は1回の可変表示毎の期間に限らず、30回の可変表示毎等の複数回の可変表示毎の期間であってもよい。
[5] 図9−4の92FS050、図9−5の92FS001に示すように、前記[3]の照合手段は、始動入賞判定処理(S101)が抽出した数値データMR1の数値データが大当り遊技状態に制御される数値データであるか否かを図9−4および図9−5の当否判定モジュールで当否判定を実行する毎に設定値情報の照合を実行する。これにより、設定値情報の正確性を担保することができる。
[6] 当否判定モジュールにおける設定値情報の照合において、前回と今回とで設定値情報が一致しない場合には、図9−4の92FS055、図9−5の92FS006に示すように、設定値異常エラー情報を特定可能なコマンドを主基板11から演出制御基板12に送信し、演出制御基板12側で、設定値が異常となった旨を報知するエラー情報を表示する処理等のエラー関連処理を実行する。これにより、設定値情報が不正確であることをエラー報知により報知することで、設定値情報の正確性を担保することができる。
[7] 当否判定モジュールにおける設定値情報の照合において、前回と今回とで設定値情報が一致しない場合には、図9−4の92FS055、図9−5の92FS006に示すように設定値異常エラー情報を特定可能なコマンドを主基板11から演出制御基板12に送信し、演出制御基板12側で、設定値が異常となった旨を報知するエラー情報を表示する処理等のエラー関連処理を実行する。さらに、主基板11側では、図9−4の92FS056、図9−5の92FS007に示すように、遊技の継続が不可能な遊技停止状態とする。これにより、異常な設定値情報に基づいて大当りの判定が行われないため、遊技の公平性を担保することができる。
[8] 図9−3(A)に示すように、小当り遊技状態に制御される数値データの判定値の範囲は設定値によらず一定であり、当否判定モジュール(図9−4の93FS053、図9−5の93FS004)は、一定の判定値の範囲に小当り遊技状態に制御される数値データがあるか否かを判定する。これにより、小当りの判定の際の処理を設定値によらず共通化できるため、処理負担を軽減することができる。
[9] 特徴部093Fでは、設定値を変更可能な設定値変更処理における207SGSa072のステップにおいて、当否判定テーブルとともに、設定値情報を記憶する。これにより、複数段階の設定値が設定されたパチンコ遊技機1における大当り判定の際に、大当り判定を好適に行うことができる。
〔特徴部092F,093Fの主な変形例〕
(1) 特徴部093Fにおいては、図8−22の設定値変更処理における207SGSa071のステップ等で、格納される設定値の情報に対応して、当否判定テーブルがRAM102の当否判定テーブル記憶領域から予め選択されて読出され、RAM102の使用テーブル記憶領域に記憶設定される例を示した。しかし、これに限らず、設定値の情報を格納せず、設定値に対応した当否判定テーブルの情報を格納するようにしてもよい。
(2) 図9−3に示すように、当否判定モジュールが判定する判定値の範囲は、例えば所定の基準値(例えば1020等)を始まりのデータとして共通のデータとし、正方向(数値が増える方向)に判定値のデータ範囲が設定される例を示した。しかし、これに限らず、当否判定モジュールが判定する判定値の範囲は、例えば所定の基準値(例えば1300等)を終りのデータとして共通のデータとし、逆方向(数値が減る方向)に判定値のデータ範囲が設定されるようにしてもよい。
(3) 図9−4および図9−5の当否判定モジュールについて、図9−4の92FS050、図9−5の92FS001に示す設定値情報一致判定は、実行しなくてもよい。
(4) 図9−4および図9−5の当否判定モジュールに関し、設定変更処理を実行するときに、設定値情報、および、設定値に対応する当否判定テーブルを予め記憶して当否判定モジュールを実行する場合には、記憶されている設定値情報に基づいて、当否判定テーブルが設定値に対応しているものであるか否かの整合性を確認し、整合性が確認できた当否判定テーブルを用いて、当否判定をするようにしてもよい。このようにすれば、当否判定をする場合における判定の安全性(正当性)が高くなるようにすることができる。
(5) 図9−5に示す当否判定モジュールの処理について、93FS002において読出した当否判定テーブルに付与されているテーブル番号のデータを記憶領域に別途記憶し、テーブル番号のデータを比較することによりテーブル番号が同じであるか否かを判定することに基づいて設定値情報が異常であるか否かを判定してもよい。その場合には、93FS001において設定値情報を比較しない。
(6) 特徴部093Fでは、いずれかの設定値(例えば、設定値1〜6のいずれか)に設定されたことに基づいて、少なくとも設定値に対応した前記有利状態に制御されることを判定する判定値情報(例えば、当否判定テーブル)を記憶する記憶手段(例えば、RAM102)が設けられている。その記憶手段には、例えば図8−22の設定値変更処理で当否判定テーブルとは別に格納される設定値情報等のその他の情報も、当否判定テーブルの判定値情報に加えて記憶しておくようにしてもよい。
(7) 当否判定モジュールにおいて当否判定をするときにおいて、設定値情報と当否判定テーブルとの整合性を確認するために、設定値情報および当否判定テーブルの情報との両方を用いて、当否判定をする処理を実行するようにしてもよい。このような処理を実行すれば、処理負担が若干増加するが、当否判定に用いる情報の整合性を担保することができる。
(特徴部110Fに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部110Fについて説明する。
特徴部110Fについては、特別図柄の表示結果が大当り表示結果となることに基づいて開状態に制御される特別可変入賞球装置7と、普通図柄の表示結果が普図当りとなったことに基づいて開状態に制御される可変入賞球装置6Bとを備えており、これら特別可変入賞球装置7や可変入賞球装置6Bが開状態に変化することを示唆する所定演出が実行される。
また、特徴部110Fでは、前述したように、設定変更操作に基づいて、遊技者にとっての有利度としての大当り確率等が異なる複数種類の設定値1〜6のうちからいずれかの設定値を設定可能な設定値変更状態に制御される。所定演出では、特別可変入賞球装置7や可変入賞球装置6Bが開状態に変化することを示唆する演出に加え、設定値に関する示唆をする演出も実行される。なお、設定値に関する示唆とは、設置されている設置値の示唆のみではなく、設定変更されたことの示唆を行うものであってもよい。
ここで、所定演出には、第1の結果となることを示す第1結果演出と、第2の結果となることを示す第2結果演出と、第3の結果となることを示す第3演出とが少なくとも含まれる。また、所定演出としては、第4の結果となることを示す第4結果演出が含まれてもよいし、それ以上の数の結果演出が含まれるようにしてもよい。
所定演出のうち、特別可変入賞球装置7が開状態に変化することにより大当りとなることを示す第1結果演出を特図連動演出と称し、可変入賞球装置6Bが開状態に変化することにより電チュー開放を示す第2結果演出を普図連動演出と称し、設定値を示唆する第3結果演出を設定示唆連動演出と称する。また、所定演出を開始した後に、第1結果演出、第2結果演出、および第3結果演出のいずれも実行せずに終了して、ハズレ結果となることを示す第4結果演出をハズレ演出と称する。また、特別可変入賞球装置7は、大当り表示結果が導出されることに基づいて開状態に変化するため、第1結果演出における特別可変入賞球装置7が開状態に変化することの示唆は、大当り表示結果が導出される可能性が高いことの示唆であるとも言える。以下では、このような所定演出について詳細に説明する。
図10−1は、特徴部110Fにおける演出例を示す図である。図10−1(A)に示すように、画像表示装置5において左中右の飾り図柄が変動(可変表示)している状態で、画像表示装置5の表示画面にキャラクタ画像9aが現れる表示制御が実行される。次いで、図10−1(B)に示すように、表示画面においてキャラクタがコインを回転させる演出のための画像を表示する制御が実行される。そして、図10−1(C)に示すように、キャラクタがコインを回転する演出が開始される。図10−1(C)の後は、図10−1(D1)〜(D4)、あるいは図10−1(E1)〜(E3)のうちからいずれかの結果となる結果演出が実行される。
例えば、可変入賞球装置6Bが遊技球が進入しやすい開状態に制御されず、大当り期待度を示唆する演出も実行されないことを示唆する第4結果演出としてのハズレ演出として、図10−1(D1)に示すように、「ハズレ」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。また、別のパターンとして、可変入賞球装置6Bが遊技球が進入しやすい開状態に制御されることを示唆する第2結果として、図10−1(D2)に示すように、「開」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。
図10−1(D2)に示すような「開」を示唆する第2結果演出が実行されることにより、普通図柄の表示結果が当り(普通図柄当り)となり、可変入賞球装置6Bが閉鎖状態から開放状態(遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい状態)となることを遊技者が認識可能に示唆される。こうした可変入賞球装置6Bが開放状態となることの示唆は、普通電動役物開放時間の設定に基づいて、可変入賞球装置6Bを閉鎖状態(閉状態)から開放状態(開状態)に変化させる制御が行われる期間が終了するまで、実行されるようにしてもよい。
なお、普通電動役物開放時間の設定に基づいて示唆の実行期間を決定するものに限定されず、例えば主基板11から送信される所定の演出制御コマンドに基づいて、示唆の実行期間が決定されるように構成されてもよい。より具体的には、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120に対して送信する演出制御コマンドとして、普通電動役物となる可変入賞球装置6Bを閉鎖状態から開放状態に変化させる制御の終了を指定する演出制御コマンド(例えば普通電動役物開放制御終了コマンド)を予め用意する。そして、普通電動役物開放時間が経過したとき、または普通電動役物開放時間が経過する前でも第2始動入賞口に進入(通過)した遊技球の検出個数が所定個数(例えば3)に達したときに、可変入賞球装置6Bを閉鎖状態にする。
こうして可変入賞球装置6Bを開放状態から閉鎖状態に戻すときに、普通電動役物開放制御終了コマンドが送信されるようにする。演出制御用CPU120では、普通電動役物開放制御終了コマンドを受信したと判定したときに、例えば図10−1(D2)に示すような「開」を示唆する第2結果演出の実行を終了させる制御を行い、可変入賞球装置6Bが開放状態となることの示唆を終了させればよい。これにより、普通電動役物開放時間が経過するより前に可変入賞球装置6Bを閉鎖状態にする場合でも、可変入賞球装置6Bが開放状態となることの示唆を適切に終了させることができ、遊技者に不信感を与えないようにすることができる。
また、別のパターンとして、大当り表示結果が導出される可能性が高いこと等を示唆する第1結果演出として、図10−1(D3)に示すように、「チャンス」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。また、第1結果演出では、大当り表示結果が導出される可能性が高いこと等を示唆する演出として、図10−1(D4)に示すように、「激熱」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行されることもある。なお、図10−1(D4)の「激熱」は、図10−1(D3)の「チャンス」よりも大当り表示結果となる期待度が高い演出である。
また、別のパターンとして、図10−1(E1)〜(E3)のような現在設定されている設定値に関する示唆を行う第3結果演出が実行されることがある。例えば、第3結果演出として、図10−1(E1)に示すように、「梅」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。「梅」と描かれたコインの画像は、現在の設定値が設定値1,3,5のような奇数である場合に高い割合で表示されるため、奇数設定を示唆する画像であると言える。
また、別の第3結果演出として、図10−1(E2)に示すように、「竹」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。「竹」と描かれたコインの画像は、現在の設定値が設定値2,4,6のような偶数である場合に高い割合で表示されるため、偶数設定を示唆する画像であると言える。また、別の第3結果演出として、図10−1(E3)に示すように、「松」と描かれたコインの画像を表示する制御が実行される。「松」と描かれたコインの画像は、現在の設定値が設定値2以上である場合に高い割合で表示されるため、遊技者にとっての有利度が最も低い設定値1の否定を示唆する画像であると言える。
このように、所定演出では、所定演出が開始されてから各結果演出となる画像の表示制御が終了するまでの期間が所定演出の実行期間に相当する。
図10−2は、特徴部110Fにおける演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。特徴部110Fにおいては、図7に示した演出制御プロセス処理において、普図連動演出制御処理110FS001が追加されたことに特徴がある。演出制御用CPU120は、普図連動演出制御処理110FS001を実行した後に、先読予告設定処理S161を実行し、その後、演出プロセスフラグの値に応じて、S170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
図10−3は、特徴部110Fにおける普図連動演出制御処理を示すフローチャートである。普図連動演出制御処理は、110FS001内において実行される処理である。演出制御用CPU120は、普図連動演出制御処理において、まず、特図連動演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(110FS011)。特図連動演出実行中フラグは、第1結果演出としての特図連動演出が開始されるときにセットされるフラグである。
110FS011において、特図連動演出実行中フラグがセットされている場合には(110FS011;Y)、110FS022の処理へ移行する。110FS011において、特図連動演出実行中フラグがセットされていない場合には(110FS011;N)、普図連動演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(110FS012)。普図連動演出実行中フラグは、第2結果演出としての普図連動演出が開始されるときにセットされるフラグである。
110FS012において、普図連動演出実行中フラグがセットされている場合には(110FS012;Y)、110FS022の処理へ移行する。110FS012において、普図連動演出実行中フラグがセットされていない場合には(110FS012;N)、設定示唆連動演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(110FS013)。設定示唆連動演出実行中フラグは、第3結果演出としての設定示唆連動演出が開始されるときにセットされるフラグである。
110FS013において、設定示唆連動演出実行中フラグがセットされている場合には(110FS013;Y)、110FS022の処理へ移行する。110FS013において、設定示唆連動演出実行中フラグがセットされていない場合には(110FS013;N)、普通図柄開始指定コマンド(普通図柄開始指定(当り)コマンドまたは普通図柄開始指定(はずれ)コマンドを受信したか否かを確認する(110FS014)。普通図柄変動開始指定コマンドは、遊技球が通過ゲート41を通過することにより送信される。そして、普通図柄変動開始指定コマンドを受信したか否かは、普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグ(普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグまたは普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグ)がセットされているか否かにより判定することができる。普通図柄変動開始指定コマンドを受信していない場合には(110FS014;N)、処理を終了する。
110FS014において、普通図柄変動開始指定コマンドがセットされている場合には(110FS014;Y)、遊技状態が高ベース状態となっているか否か確認する(110FS015)。遊技状態が高ベース状態であるか否かは、主基板11から送信された遊技状態指定コマンドに時短状態や確変状態を指定するデータがあるか否かにより判定する。110FS015において、高ベース状態である場合には(110FS015)、処理を終了する。
110FS015において、高ベース状態でない場合には(110FS015;N)、大当り遊技状態中であるか否かを確認する(110FS016)。大当り遊技中であるか否かは、例えば演出制御プロセスフラグの値で確認される。110FS016において、大当り遊技中である場合には(110FS016;Y)、処理を終了する。なお、小当り遊技中である場合の処理について説明を省略したが、小当り遊技中は、大当り遊技中と同様に所定演出が実行されないようにしてもよいし、小当り遊技中は所定演出が実行されるようにしてもよい。
110FS016において、大当り遊技中でない場合には(110FS016;N)、特別図柄変動中であるか否かを確認する(110FS017)。特別図柄変動中であるか否かは、例えば演出制御プロセスフラグの値で確認される。110FS017において、特別図柄変動中である場合には(110FS017;Y)、処理を終了する。なお、特図変動が開始されてから所定時間経過した後は、処理を終了するようにしてもよい。また、特別図柄が変動していない場合でも処理を終了しないようにしてもよい。
110FS017において、特別図柄変動中である場合には(110FS017;Y)、普図連動演出決定処理を実行する(110FS018)。普図連動演出決定処理については、後述する図10−5において詳細に説明する。110FS018の後は、普図連動演出実行中フラグがセットされたか否かを確認する(110FS019)。110FS019において、普図連動演出実行中フラグがセットされている場合には(110FS019;Y)、処理を終了する。
110FS019において、普図連動演出実行中フラグがセットされていない場合には(110FS019;N)、高期待度演出実行中であるか否かを確認する(110FS020)。例えば、各種の演出で実行される各種予告に関するデータ等はRAM122に記憶される。各種予告は、タイマによりいつ実行するか等が管理されている。演出制御用CPU120は、予告の種類とタイマの値とを確認することにより、大当り遊技状態に制御される期待度が高い高期待度演出が実行中であるか否かを確認すればよい。なお、高期待度演出を実行中であるか否かは、変動パターン指定コマンドの値が高期待度の演出を実行する変動パターン(例えば、スーパーリーチの変動パターン)であるか否かを確認するようにしてもよい。
110FS020において、高期待度演出実行中である場合には(110FS020;Y)、処理を終了する。110FS020において、高期待度演出実行中でない場合には(110FS020;N)、設定示唆連動演出決定処理を実行し(110FS021)、処理を終了する。設定示唆連動演出決定処理は、後述する図10−6において詳細に説明する。
特図連動演出実行中フラグがセットされている場合(110FS011;Y)、普図連動演出実行中フラグがセットされている場合(110FS012;Y)、あるいは設定示唆連動演出実行中フラグがセットされている場合(110FS013;Y)は、110FS022において、実行中の連動演出が終了したか否かを確認する(110FS022)。実行中の連動演出が終了していない場合には(110FS022)、処理を終了する。
実行中の連動演出が終了している場合には(110FS022;Y)、対応する連動演出実行中フラグをリセットし(110FS023)、処理を終了する。
図10−4は、特徴部110Fにおける普図連動演出決定テーブル、設定示唆連動演出決定テーブルを示す図である。図10−4(A)は、普図連動演出の内容を決めるための普図連動演出決定テーブルを示す図である。図10−4(B)は、設定示唆連動演出の内容を決めるための設定示唆連動演出決定テーブルを示す図である。これらのテーブルは、ROM121に記憶されている。
図10−4(A)の普図連動演出決定テーブルに示すように、普通図柄表示結果が普通図柄はずれの場合には、演出内容として、普図連動演出実行なしが90%の割合で決定され、普図連動演出として「ハズレ」を表示することが10%の割合で決定される。普通図柄表示結果が普通図柄当りの場合には、演出内容として、普図連動演出実行なしが10%の割合で決定され、普図連動演出として「開」を表示することに90%の割合で決定される。このように、普図当りの場合には、普図はずれの場合よりも普図連動演出が実行される割合が高くなるように決定される。なお、普図当りの場合には、普図連動演出が制限される期間以外の期間では、必ず「開」を表示するようにしてもよい。
図10−4(B)の設定示唆連動演出決定テーブルに示すように、設定値1〜6に対して決定される演出内容の割合が異なるように設定されている。設定値1の場合には、演出内容として、設定示唆連動演出なしが40%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「梅」を表示することが55%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「竹」を表示することが5%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「松」を表示することが0%の割合で決定される。ここで、「梅」の表示は奇数設定を示唆し、「竹」の表示は偶数設定を示唆し、「松」の表示は設定2以上確定することを示唆している。
設定値2の場合には、演出内容として、設定示唆連動演出なしが40%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「梅」を表示することが10%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「竹」を表示することが40%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「松」を表示することが10%の割合で決定される。設定値3の場合には、演出内容として、設定示唆連動演出なしが40%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「梅」を表示することが40%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「竹」を表示することが10%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「松」を表示することが10%の割合で決定される。
設定値4の場合には、演出内容として、設定示唆連動演出なしが40%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「梅」を表示することが5%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「竹」を表示することが40%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「松」を表示することが15%の割合で決定される。設定値5の場合には、演出内容として、設定示唆連動演出なしが40%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「梅」を表示することが40%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「竹」を表示することが5%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「松」を表示することが15%の割合で決定される。
設定値6の場合には、演出内容として、設定示唆連動演出なしが40%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「梅」を表示することが5%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「竹」を表示することが25%の割合で決定され、設定示唆連動演出として「松」を表示することが30%の割合で決定される。このように設定値に応じて設定示唆連動演出の実行割合が異なるため、実行される設定示唆連動演出から設定値を推測することができる。例えば、「松」が表示された場合には設定値1が否定されるため、遊技の継続を促す面白みを提供することができる。
また、図10−4(B)の設定示唆連動演出決定テーブルに示すように、設定値が上がるに連れて「松」の表示される割合が高くなっている。また、設定値が上がるに連れて、実際の設定値に応じた奇数設定示唆の「梅」、および偶数設定示唆の「竹」の表示される割合が高くなっている。また、設定示唆連動演出実行なしに決定される割合は、全設定値で同じになっているが異なるようにしてもよい。なお、演出内容として、設定値が確定するような表示を設けてもよい。また、奇数設定であれば偶数設定を示唆する「竹」が表示されることがなく、偶数設定であれば奇数設定を示唆する「梅」が表示されないようにしてもよい。
なお、演出制御用CPU120は、変動開始時に遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力される設定値情報、または、設定変更時に遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力され演出制御用CPU120側で記憶してある設定値情報に基づいて、図10−4(B)のテーブルの設定値のいずれかを選択し、演出内容を決定するようにすればよい。
図10−5は、特徴部110Fにおける普図連動演出決定処理を示すフローチャートである。普図連動演出決定処理は、110FS018内で実行される。演出制御用CPU120は、まず、図10−4(A)の普図連動出決定テーブルを用いて普図連動演出の演出内容を決定する(110FS031)。次いで、普図連動演出の実行があるか否かを確認する(110FS032)。110FS032において、普図連動演出を実行しない場合には(110FS032;N)、処理を終了する。
110FS032において、普図連動演出を実行する場合には(110FS032;Y)、普図連動演出タイマをセットする(110FS033)。次いで、普図連動演出を開始する(110FS034)。次いで、普図連動演出実行中フラグをセットし(110FS035)、処理を終了する。演出制御用CPU120は、普図連動演出実行中タイマにより、普図連動演出の実行時間を確認することができる。
図10−6は、特徴部110Fにおける設定示唆連動演出決定処理を示すフローチャートである。設定示唆連動演出決定処理は、110FS021内で実行される。演出制御用CPU120は、まず、図10−4(B)の設定示唆連動出決定テーブルを用いて設定示唆連動演出の演出内容を決定する(110FS041)。次いで、設定示唆連動演出の実行があるか否かを確認する(110FS042)。110FS042において、設定示唆連動演出を実行しない場合には(110FS042;N)、処理を終了する。
110FS042において、設定示唆連動演出を実行する場合には(110FS042;Y)、設定示唆連動演出タイマをセットする(110FS043)。次いで、設定示唆連動演出を開始する(110FS044)。次いで、設定示唆連動演出実行中フラグをセットし(110FS045)、処理を終了する。演出制御用CPU120は、設定示唆連動演出実行中タイマにより、設定示唆連動演出の実行時間を確認することができる。
図10−7は、特徴部110Fにおける特図連動演出決定テーブルを示す図である。このテーブルは、ROM121に記憶されている。特図連動演出決定テーブルでは、変動表示の内容により、特図連動演出として実行される演出内容の決定割合が異なっている。変動表示の内容がスーパーリーチ以外のはずれの変動であれば、演出内容として、特図連動演出実行なしが98%の割合で決定され、特図連動演出として「ハズレ」を表示することが1%の割合で決定され、特図連動演出として「チャンス」を表示することが1%の割合で決定され、特図連動演出として「激熱」を表示することが0%の割合で決定される。
変動表示の内容がスーパーリーチはずれの変動であれば、演出内容として、特図連動演出実行なしが80%の割合で決定され、特図連動演出として「ハズレ」を表示することが0%の割合で決定され、特図連動演出として「チャンス」を表示することが15%の割合で決定され、特図連動演出として「激熱」を表示することが5%の割合で決定される。変動表示の内容が大当りの変動であれば、演出内容として、特図連動演出実行なしが75%の割合で決定され、特図連動演出として「ハズレ」を表示することが0%の割合で決定され、特図連動演出として「チャンス」を表示することが15%の割合で決定され、特図連動演出として「激熱」を表示することが10%の割合で決定される。
このような決定割合であることから、大当りの変動では、はずれの変動よりも「チャンス」や「激熱」の表示に決定される割合が高い。よって、これらの表示に対して大当り表示結果となることに期待が持てる。特に「激熱」の表示は、大当りの場合に高い割合で決定され、はずれの場合にはほとんど決定されないため、大当りに対する期待を高く持つことができる。
図10−8は、特徴部110Fにおける特図連動演出決定処理を示すフローチャートである。特図連動演出決定処理は、S171内で実行される。演出制御用CPU120は、まず、図10−7の特図連動出決定テーブルを用いて特図連動演出の演出内容を決定する(110FS051)。次いで、特図連動演出の実行があるか否かを確認する(110FS052)。110FS052において、特図連動演出を実行しない場合には(110FS052;N)、処理を終了する。
110FS052において、特図連動演出を実行する場合には(110FS052;Y)、特図連動演出の開始タイミングを決定する(110FS053)。特図連動演出は、特図が変動表示中(可変表示中)のいずれかのタイミングで実行される。110FS053では、複数の実行タイミングの中からいずれかのタイミングに決定される。例えば、リーチ前、リーチ前半、リーチ中盤に実行タイミングが割振られているようにすればよい。
そして、変動パターンの種類により異なる割合でタイミングが決定されるようにすればよい。
次いで、演出制御用CPU120は、110FS053で決定された特図連動演出の開始タイミングの設定に関する設定情報をRAM122の記憶領域に記憶する(110FS054)。次いで、特図連動演出タイマをセットする(110FS055)。次いで、特図連動演出実行中フラグをセットし(110FS056)、処理を終了する。演出制御用CPU120は、110FS054において記憶された開始タイミング設定情報によって設定されたタイミングにおいて、特図連動演出を開始することができる。
〔特徴部110Fの主な構成および効果〕
次に、前述した特徴部110Fの主な構成および効果を説明する。特徴部110Fは、以下に示すよう構成および効果を備える。
(1) 図10−1に示すように、所定演出として、特図連動演出による特別可変入賞球装置7が開状態に変化することにより大当りとなることを示す第1結果演出と、普図連動演出による可変入賞球装置6Bが開状態に変化することにより電チュー開放を示す第2結果演出と、設定示唆連動演出として設定値を示唆する第3結果演出とが実行される。このようにすれば、所定演出の実行パターンのバリエーションを増加させることで、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図10−1(D1)に示すように、所定演出を開始した後に、第1結果演出〜第3結果演出のいずれも実行せずにハズレを示す表示をして演出を終了する第4結果演出が実行される。このようによれば、所定演出の実行パターンのバリエーションを増加させることで、遊技の興趣を向上させることができる。また、第4結果演出を実行することにより、所定演出全体の実行割合を高めることができ、遊技の興趣が向上する。具体的には、図10−4の普通図柄連動演出決定テーブルにおいて、普通図柄はずれとなる場合に「ハズレ」を表示するパターンを増加することができるとともに、図10−7の特図連動演出決定テーブルにおいて、所定の割合で「ハズレ」を表示するパターンを増加することができる。
(3) 図10−4,図10−7に示すように、ハズレを示す第4結果演出よりも設定示唆連動演出である第3結果演出が高い割合で実行される。具体的には、図10−4(B)の設定示唆連動演出は、少なくとも60%の割合で実行されるのに対し、図10−7に示すハズレを示す第4結果演出は40%が実行の上限である。よって、設定示唆連動演出である第3結果演出が実行されることに期待を持つことができる。
(4) 遊技球が通過ゲート41を通過するという普通始動条件が成立したことに基づいて、普通図柄開始指定コマンドが送信される。図10−3に示すように、普通図柄開始指定コマンドことにより以降の設定示唆連動演出決定処理において、第3結果演出が実行される。このように、普通始動条件が成立したことに基づいて、第3結果演出を実行するか否かの抽選が実行される。このようにすれば、大当りとは関係の無い普通始動条件の成立で設定示唆連動演出が実行されることとなるため、普通始動条件の成立に付加価値を持たせることができる。
(5) 図10−3の110FS020に示すように、高期待度演出実行中は、設定示唆連動演出決定処理に移行しないように制御される。このようにすれば、高期待度の演出の実行中に設定示唆連動演出が実行されることがないため、遊技者を高期待度の演出に集中させることができる。このような状況に応じた結果演出を実行することで、遊技の興趣を向上することができる。
(6) 第3結果演出が実行されることが制限される期間は、大当り遊技状態に制御される期待度が所定の閾値よりも相対的に高いことを示唆する高期待度演出が実行される期間である。このようにすれば、第3結果演出が、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される期待度が所定の閾値よりも相対的に高いことを示唆する期間の妨げとなることを防止できる。
(7) 図10−3の110FS011〜110FS013、および110FS022に示すように、特図連動演出実行中フラグがセットされている場合には、普図連動演出や設定示唆連動演出を実行する処理に移行することなく、実行中の特図連動演出が終了するまで、次の処理へ移行しないように制御される。このようにすれば、表示結果が大当りとなることを期待している状況で他の情報を与えることが無いため、実行されている可変表示中の演出に集中させることができる。
〔特徴部110Fの主な変形例〕
(1) 特徴部110Fにおいては、設定値を示唆する第3結果演出を実行した後に、電チュー開放を示す第2結果演出や大当り期待度を示唆する第1結果演出に切替るパターンを設けてもよい。具体的には、コインが設定を示唆する画像で停止した後に、さらに回転し、「開」や「激熱」等の画像が表示されるようにすればよい。このようにすれば、一度の結果演出において複数の情報を得ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 特徴部110Fにおいては、大当り期待度を示唆する第1結果演出や電チュー開放を示す第2結果演出を実行した後に、設定値を示唆する第3結果演出を実行するパターンを設けてもよい。具体的には、コインが「開」や「激熱」等の画像を表示して停止した後に、さらに回転し、設定を示唆する画像が表示されるようにすればよい。このようにすれば、一度の結果演出において複数の情報を得ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 特徴部110Fにおいては、第1結果演出や第2結果演出の表示態様に設定値を示唆する第3結果演出のパターンが含まれるようにしてもよい。具体的には、「チャンス」の文字が青文字のときは奇数設定示唆、「チャンス」の文字が赤文字のときは偶数設定示唆、「チャンス」の文字が金文字のときは設定値2以上確定の演出としてもよい。このようにすれば、2つの情報を同時に知ることができる。なお、「チャンス」の文字と「激熱」の文字とで設定示唆演出の実行割合が異なってもよいし、実行態様が異なってもよい。
(4) 特徴部110Fにおいては、第3結果演出としての設定示唆連動演出の実行割合を第4結果演出としてのハズレ演出の実行割合よりも低くしてもよい。また、可変表示の実行回数により第3結果演出の実行割合が異なるようにしてもよい。具体的には、可変表示回数が増加するに連れて第3結果演出が高い割合で実行されるようにしてもよい。また、第3結果演出の実行割合が高まる期間が設けられていてもよい。
(5) 特徴部110Fにおいては、第4結果演出として「ハズレ」の文字を表示する演出について説明した。しかし、第4結果演出としては、結果が出る前に演出がフェードアウトして消えてしまう演出が実行されるようにしてもよい。また、そもそもキャラクタ画像9aが素通りしてコインを回転させる演出を実行しないようにしてもよい。
(6) 特徴部110Fにおいては、特別可変入賞球装置7や可変入賞球装置6Bの開放態様として、左右や前方への回転動作により開状態になるものに限らず、前後方向にスライドする機構を備えるものであってもよい。そして、前後方向のスライド機構によって遊技球が進入し易い状態となってもよい。
(7) 特徴部110Fにおいては、特図連動演出を決定する処理において、設定示唆連動演出の実行が決定されるようにしてもよい。具体的には、図10−7に示す特図連動演出決定テーブルのパターン内に設定示唆演出のパターンが含まれるようにすればよい。
(8) 特徴部110Fにおいては、第4結果演出としてのハズレ演出が連続して実行されないようにしてもよい。例えば、たまたま抽選によりハズレ演出が連続して決定された場合に、禁則処理として2回目、あるいはそれ以降のハズレ演出を設定示唆のパターンに変更してもよい。このようにすれば、連続してハズレ演出が表示されることで興趣が低下してしまうことを防止することができる。
(9) 特徴部110Fにおいては、第3結果演出としての設定示唆連動演出が連続して実行されないようにしてもよい。例えば、たまたま抽選により設定示唆のパターンが連続して決定された場合に、禁則処理として2回目、あるいはそれ以降の設定示唆のパターンをハズレ演出に変更してもよい。また、設定示唆のパターンが連続して決定された場合に、所定演出自体の実行を禁止するようにしてもよい。このようにすれば、遊技の結果と直接関わりのない設定示唆のパターンが何度も実行されて煩わしく思わせてしまうことを防止できる。
(10) 特徴部110Fにおいては、第3結果演出の実行を制限する期間として、高期待度演出が実行される期間について説明した。高期待度演出が実行される期間については、スーパーリーチ等の期待度が高い可変表示における1回の可変表示全体の期間であってもよいし、可変表示中の一部の期間であってもよい。可変表示中の一部の期間として、例えば、擬似連1回目の期間は実行できるが擬似連2回目以降の期間では実行できないようなものでもよい。また、リーチ前に実行される激熱予告、ノーマルリーチから発展したSPリーチ中の期間では実行しないものでもよい。なお、第3結果演出以外の所定演出についても高期待度演出が実行される期間においては実行されないようにしてもよい。また、高期待度演出が実行される期間としては、例えば、大当りの期待度が所定の閾値として25%以上あるような大当りを期待できる状況であればよい。
(11) 特徴部110Fにおいては、110FS011〜110FS013に示すように、特図連動演出、普図連動演出、設定示唆連動演出の順に実行中フラグがセットされているか否かが確認されていた。つまり、演出の優先順位として特図連動演出>普図連動演出>設定示唆連動演出という順になっていた。しかし、実行中の演出を確認する順序はどのような順序であってもよい。また、所定演出の優先度は、第1結果演出>第2結果演出>第3結果演出>第4結果演出と固定的に決まっていてもよいし、所定演出の実行される期間によって、演出の優先順位が変化するようにしてもよい。
(12) 特徴部110Fにおいては、第4結果演出が図10−4(B)の設定示唆連動演出の演出内容のパターンとして決定されるようにしてもよい。また、第4結果演出は、第1結果演出〜第3結果演出の演出内容のパターンとして決定されるのではなく、第1結果演出〜第3結果演出の演出内容のパターンとして演出実行なしと決定されたパターンの中から抽選で実行の有無が決定されるようにしてもよい。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部に関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。