JP2021119912A - フィルム及び衛生用品 - Google Patents

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Rentei Rin
蓮貞 林
俊巳 福井
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俊巳 福井
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Ayako Maruta
彩子 丸田
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Yui Ito
結 伊東
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Abstract

【課題】通気性、水漏れ防止性と水中分解性が並立可能な生分解性フィルム、および前記フィルムを用いた衛生用品の提供。【解決手段】本発明のフィルムは、平均繊維径が3nm〜500nmのセルロースナノファイバーより構成され、平均細孔径5〜100nmの細孔を有する水中分解性と水漏れ防止性を具備することを特徴とする。好ましくは、前記セルロースナノファイバーのアスペクト比が50倍以上である。また、本発明の衛生用品(おむつ、生理用ナプキン等)は、本発明のフィルムを防漏材に使用したことを特徴とする。【選択図】 図1

Description

水中分解性、生分解性、ガス透過性と水漏れ防止性を有するフィルムに関する。また、これらフィルムを使用することで水中分解と生分解が可能なおむつ、生理用品に関する。
近年、人工物であるプラスチックごみの増大が社会的に大きな問題となっており、生分解性を有する素材への期待が高まっている。しかし、生分解性を有する素材の多くは従来用いられているポリマー材料と同等の各種特性を発現することが容易ではない。このような中、各種機能性を付与した生分解性材料への要求が高まっている。耐水性、通気性、実用的な使用に耐えうる機械特性を有するフィルム材料としてポリオレフィンがあげられるが、同等の機能を有する生分解材料はいまだ開発されていない。例えば、生物由来のセルロースは生分解性を有するが、耐水性や機械特性に課題があるため薄いフィルム形成には適用できない。
具体的な生分解性フィルムの適用が求められる分野として、おむつや生理用品があげられる。今後おむつなどの使用量は、将来的な高齢化社会を迎えにあたり大幅な需要の増加が見込まれる。簡便な処理方法が提供できなければ、その廃棄物処理が今後の大きな社会的な問題となり、おむつなどの簡便な処理方法の開発が求められている。
おむつは、表面材(トップシート)、立体ギャザー、吸水材、防水材(バックシート)より構成されている。一般的なおむつは、表面材(トップシート)としてポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、不織布と伸縮性素材で構成された立体ギャザー、吸水材として綿状パルプ、高分子吸水材、ポリオレフィン不織布などでの構成物、防水材(バックシート)として通気性のあるポリオレフィンシートが用いられている。
また、ナプキンは、表面材、吸水材、防漏材、固定材より構成されている。一般的なナプキンは、表面材として不織布と開口フィルム(メッシュポリエチレン)、コットンなど、吸水材として綿状パルプ、高分子吸水材、ポリオレフィン不織布などの構成物、防漏材として不織布と伸縮性素材、フィルム素材や撥水性不織布、固定材は、粘着テープなどが用いられている。
ここで、生分解性を利用した処理が可能となれば、前記問題の重要な解決策の一つとなり、その技術開発への期待が高まっている。しかし、前記のようにその構成材料に一つでも生分解性を有さない素材が用いられた場合、その素材の分離などを行わない限り、生分解処理槽への投入は実施不可能である。
生分解性を有する防水フィルムに関しては、水溶性防水フィルムの技術としてポリビニルアルコールと基材ポリマーをセラック樹脂誘導体とする生分解性防水層からなる防水フィルムに関する技術(特許文献1)及び米糠成分を除去したコメの外層組織成分を主成分とする所定粒径の固形粒を合成生分解性樹脂により結合された生分解性樹脂組成物をシート状に成型した生分解性シートに関する技術(特許文献2)等の先行技術がある。
しかし、単一材料で生分解性と水中分解性を有するフィルムではなかった。
特開2004−142426号 特開2013−142153号
本発明が解決しようとする課題は、水中分解性、生分解性、ガス透過性と水漏れ防止性を有し、水中解砕できるフィルムを提供する事にある。更には、水中分解性と生分解性を有する衛生用品(おむつの表面材、生理用品の防漏材等)を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究の結果、水中分解性、生分解性、ガス透過性と水漏れ防止性を有するセルロースナノファイバーフィルム及び、これらフィルムを用いた衛生用品(おむつ、生理用品等)の防漏材を見出した。
本発明の課題の一つである水中分解性、生分解性を達成するためには、基本材料として生分解性を有しつつ、適度な繊維幅と繊維長を持つセルロースナノファイバーを用いる必要がある。一方、通気性と水漏れ防止性を両立するためには、繊維径の制御による適度な細孔が必要である。さらに、吸液しても一定時間、形状を保持可能な機械強度を保つためには、ナノファイバーの長さ又はアスペクト比が重要である。
つまりは、上記課題を解決する本発明は、以下の技術的手段から構成される。
〔1〕 平均繊維径が3nm〜500nmのセルロースナノファイバーより構成され、平均細孔径5〜100nmの細孔を有する水中分解性と水漏れ防止性を具備することを特徴とするフィルム。
〔2〕 前記セルロースナノファイバーのアスペクト比が50倍以上であることを特徴とする前記〔1〕記載のフィルム。
〔3〕 前記〔1〕又は〔2〕に記載のフィルムを防漏材に使用したことを特徴とする衛生用品。
〔4〕 前記衛生用品がおむつ又は生理用ナプキンであることを特徴とする前記〔3〕に記載の衛生用品。
本発明によれば、本来並立しにくい水中分解性、生分解性、通気性、水漏れ防止性を達成することが可能になる。生分解性を有するセルロースナノファイバーをフィルムの基本部材とし、セルロースナノファイバーの繊維径とアスペクト比を制御することにより達成される。
また、本発明のフィルムが、従来おむつや生理用ナプキンに用いる防漏材のポリオレフィンシートに代えて用いることで、機能性を損なうことに加えて、水中分解と生分解性を付与することが可能となる。
本発明のフィルムを用いた生理用ナプキンの概略図 本発明のフィルムを用いたおむつの断面の概略図 実施例1のセルロースナノファイバーフィルムのSEM写真 実施例1のセルロースナノファイバーフィルムの細孔分布
本発明のフィルムは、セルロースナノファイバーを構成素材とする。セルロースナノファイバーを用いることにより、フィルムへの水中分解性及び生分解性の付与が可能となる。また、セルロースナノファイバーの繊維径とアスペクト比を本発明の範囲にすることで水中分解性、水漏れ防止性、ガス透過性をフィルムに付与できる。
これらの特性を満たすために、平均繊維径が3nm〜500nmのセルロースナノファイバーが好ましい。より好ましくは4〜400nm、最も好ましくは5〜300nmである。3nmより細くなると、セルロースナノファイバーの結晶性が失う恐れがあるため好ましくない。結晶性が失うとフィルムの機械強度と通気性が低下したり、セロファンのように水中分解ができなくなったりするため好ましくない。一方、500nm以上になると形成されるフィルムの細孔が大きいため水漏れ防止効果が低下し、防漏材として適用できなくなるため好ましくない。
セルロースナノファイバーのアスペクト比は、50倍以上であることを望ましい。さらに好ましくは60、もっと好ましくは70以上である。フィルムの機械強度、特に吸湿後フィルムの機械強度はアスペクトに大きく依存する。アスペクト比が50より小さくなるとフィルムが使用さる際に亀裂したり、水漏れしたりする恐れがあるため好ましくない。
本発明で用いられるセルロースナノファイバーは特に制限しない。市販セルロースナノファイバーを用いても良い。また、その製造方法も特に制限しないが、例えば、セルロースパルプをジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶媒または、水などのプロトン性媒に分散させて、機械解繊法により解繊する方法が挙げられる。解繊用溶媒として特に好ましくはジメチルスルホキシドと水である。また、機械解繊装置として、例えば、グラインダー、高圧ホモジナイザー、ビーズミールなどが挙げられる。
セルロースナノファイバーをセルロースパルプから製造する場合は、用いるセルロースパルプは特に制限しないが、木材パルプ、リンターパルプ又は農産物に由来するパルプが挙げられる。汎用性と流通の面から特に好ましくは木材パルプである。解繊溶媒におけるパルプの濃度は特に制限しないが、解繊効果を考慮して1〜10重量%が好ましい。
本発明のフィルムの成形法は特に制限しないが、例えば、セルロースナノファイバー分散液を流延して乾燥することにより作製できる。セルロースナノファイバーの分散溶媒として、例えば、水、アルコール類、アミド類、セロソルブ類などセルロースとの親和性が高い溶媒が好ましい。特に好ましくは、水、エタノールとジメチルアセトアミドである。分散液中のセルロースナノファイバー濃度は、流延性を考慮して0.2〜10%が好ましい。もっと好ましくは、0.5%〜5%、最も好ましくは0.7%〜4%である。0.2より低くなると、生産性が低いことに加え、できたフィルムの機械強度と外観が良くないため好ましくない。また、10%を超えると、粘度が高くなり、流動性や流延性が低下し、フィルムの均一性が低下する恐れがあるため好ましくない。フィルムを成形する時、溶媒を蒸発させる温度は溶媒の種類に応じて調整すればよい。例えば、30〜150℃、もっと好ましくは50〜120℃である。温度が低すぎると乾燥時間が長い、逆に温度が高すぎると溶媒の激しく蒸発により気泡が発生し、物性が低下する恐れがある。
本発明のフィルムは、適度な細孔を有するためガス透過できる。また、セルロースから得られたナノファイバーであるため、分解酵素と接触することにより分解できる。そのため、環境や地球にやさしい。このようなフィルムをおむつや生理用ナプキンの防漏材として用いると、トイレットに直接に流されて、自然界で生分解性させることも可能である。
セルロースナノファイバーより構成されたフィルムの細孔径は、通気性は動的分子直径以上の細孔があれば良いが、小さすぎると通気性が低下するため平均細孔径が5nm以上であることが好ましい。水が通過可能であるかは、素材の水に対する親和性と細孔径により決定される。従って、水漏れ防止性を付与するためには、平均細孔径が500nm以下であることが必要である。より好ましくは、平均細孔径が100nm以下である。
本発明で記載する細孔径は、下記の手法により計測されたものである。フィルムの電子顕微鏡(SEM)により得られた観察像を、画像処理ソフトImageJ(https://imagej.nih.gov/ij/)を用いて、二値化により細孔部のみをピックアップした後、細孔径と数を計測した。計測された細孔径と数を細孔径分布としてプロットとした。
フィルムを廃棄した後の生分解性を効率的に行うためにフィルムの水中での物理的に分解又は解砕できる特性が重要となる。水中分解性は、素材の水に対する親和性が大きく影響し、本発明のフィルムは親水性の高いセルロースの集合体であるので水中粉砕性に優れる。
一方、通気性を確保するためには、細孔径を5〜500nmとすることが好ましい。この細孔径を達成するためには、使用するセルロースナノファイバーの繊維径は3〜100nmであることが好ましい。より好ましくは、細孔径を5〜100nmであり、セルロースナノファイバーの繊維径は3〜50nmである。更に好ましくは、細孔径を5〜50nmであり、セルロースナノファイバーの繊維径は3〜10nmである。
形成されたフィルムの機械的強度を維持するためには、セルロースナノファイバーの絡み合い構造の形成が重要となる。そのためには、セルロースナノファイバーの繊維長が重要となり、アスペクト比が50倍以上であることが好ましい。
セルロースナノファイバーフィルムの膜厚は1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。この範囲より薄くなると使用の間に破れたり、亀裂生じたりする恐れがある。一方、この範囲より厚くなると水中分解し難くなったり、着用の風合が悪くなったりする恐れがあるため、好ましくない。
本発明のフィルムは、水中分解性、水漏れ防止性、ガス透過性等の特徴を有るため、衛生用品の防漏材に使用することができる。本発明のフィルムを使用する防漏性を必要とする衛生用品の種類には制限はないが、例示するとおむつ、生理用ナプキン、おりもの吸収パッド、失禁者用パッド、包帯、絆創膏、サージカルテープ、ベッドシーツ、エプロン、マスク、手袋等があり、その中でもおむつ、生理用ナプキン、おりもの吸収パッド及び失禁者用パッドに使用するのが好適である。
本発明のフィルムを用いた生理用ナプキンの一例として概略図を図1に示す。図1に示す生理用ナプキン1は、ガーゼを用いた透液性の表面シート層11と、脱脂綿を用いた吸液材層12とセルロースナノファイバー(CNF)を用いた防漏の裏シート層13を含んで構成される。表面シート層11は、着用者の排泄物の吸液材層への透過を促進する役割とする。吸液材層12は着用者の排泄物を吸収、吸着するためである。裏シート層13は着用者の排泄物の外への漏れを防止するためである。
本発明のフィルムを用いたおむつの一例としてその断面の概略図を図2に示す。図2に示すおむつ2は、ガーゼを用いた透液性の表面シート層21と、CMCを用いた吸液材層22とセルロースナノファイバー(CNF)を用いた防漏の裏シート層23を含んで構成される。表面シート層21は、着用者の排泄物の吸液材層への透過を促進する役割とする。吸液材層22は着用者の排泄物を吸収、吸着するためである。裏シート層23は着用者の排泄物の外への漏れを防止するためである。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、用いた原料の詳細は以下の通りであり、得られた修飾セルロースナノファイバーの特性は以下のようにして測定した。
(用いた原料と溶媒)
セルロースパルプ:市販針葉樹木材パルプ(Georgia Pacific社製、商品名:フラッフパルプARC48000GP)を用いた。1センチ角に千切ってから用いた。
ろ紙:アドバンテックのNo.5cを用いた
セルロースフィルム:市販針葉樹木材パルプを用いて、特許第5820688号の実施例2に記載したセルロースフィルムの調製方法に従って厚み15μmのセルロースフィルム(セロハンフィルム)を調製した。即ち、100mlのサンプル瓶にジメチルススルホキシド10gとテトラブチルアンモニウムアセテート(東京化成社製)4gを加え、60℃で磁性スターラーで攪拌しながらテトブチルアンモニウムアセテートを溶解した。該溶液を加熱スターラーで60℃に加熱し、撹拌しながら、前記の木材パルプ0.8gを溶解させた。得られたセルロース溶液を用いて湿式法によりセルロースフィルムを作製した。フィルムの厚みは14μmであった。
他の原料および溶媒:ナカライテスク(株)製の試薬を用いた。
(セルロースナノファイバーの繊維径とアスペクト比の評価)
セルロースナノファイバーの形状はFE−SEM(日本電子(株)製「JSM−6700F」、測定条件:20mA、60秒)を用いて観察した。なお、平均繊維径および平均繊維長は、SEM写真の画像からランダムに50個の繊維を選択し、加算平均して算出した。
(防漏試験)
20mlのガラスサンプル瓶に10mlの水を入れてから、サンプル瓶口に2.5cmの円形に裁断したセルロースナノファイバーフィルムを市販接着剤で粘着させて、サンプル瓶を逆置いた。サンプル瓶内の水量やセルロースフィルムの亀裂が生じるかを24時間観察し続いた。24時間が経ってもサンプル瓶内の水量が99%以上維持できるかつフィルムに亀裂が生じない場合、防漏性を◎で付けた。一方、8時間以上12時間以下の場合は〇で付けた。8時間以内の場合は×で付けた。
(水中分解性の評価)
3cm角(厚み15μm)のセルロースナノファイバーフィルムと6mlの蒸留水を20mlのサンプル瓶に入れて磁性スターラーで攪拌し、フィルムは細かく解砕するまでの攪拌時間を水中分解時間とする。
(フィルムの引張物性)
23℃、湿度60%の環境で24時間保持したフィルムの引張強度をMinebea社の LTS−1KNB−S50の引張試験機で測定した。
[実施例1]
300mlのビーカーに200gのジメチルスルホキシド(DMSO)と市販針葉樹パルプGP6gを加えて、30分浸漬させた後、増幸産業社のスーパーマスコロイダーMKCA6-5JR(砥石型番:MKE6-46とMKGC6-80)を用いて解繊し、セルロースナノファイバー(CNF)のDMSO分散液を調製した。次に、遠心分離により濃縮し、ジメチルアセトアミド(DMAc)を加えて、再分散した後再び遠心分離した。同じ作業を3回繰り返すことによりセルロースナノファイバーとDMAc混合ペースとが得られた。混合ペーストにDMAcを加えて、磁性スターラーでの攪拌により固形分濃度が約1.2%重量のCNF/DMAc分散液を調製した。DMAc分散液30mlを15cm×15cmのポリプロピレン基板の上に流延して、90℃のホットプレートの上にDMAcが全部揮発するまで静置することによりフィルムが得られた。得られたセルロースナノファイバーフィルムの厚さをマイクロメーターで測定した結果、15μmであった。フィルムの機械強度、防漏性、水中解砕を評価した結果を表1に示した。フィルムの電子顕微鏡(SEM)写真を図3、細孔分布の測定結果を図4に示す。セルロースナノファイバーの繊維径は20〜100nm、細孔分布はほとんど8〜28nmであることが確認できた。
表1に実施例1のセルロースナノファイバーフィルムの評価結果をまとめて示す。
Figure 2021119912
[実施例2]
実施例1のCNFフィルムを防漏材として用いたナプキンの評価について、実施例を用いて説明する。まず、図1に示すような構造を持つ生理用ナプキンの作製手順について説明する。実施例1で作製したセルロースナノファイバーフィルムを長15cm×幅8cmの形状に裁断してナプキンの裏面の防漏シートとして用いる。その上に吸液材の脱脂綿(厚さ5mm)を貼り付け、脱脂綿の上に表面シートのガーゼを貼り付けた後、三層の周りをビニル粘着テープで固定することにより評価用ナプキンを組み合わせた。ナプキンの液漏れを次の手法で評価した。ナプキンの表面を上向けて、その上にコンゴレットで着色した蒸留水10mlを滴下し、滴下後に30分毎に、裏面から水が染み出すかを確認続いた。8時間まで水漏れが見られなかった。
[実施例3]
実施例1のCNFフィルムを防漏材として用いたおむつの評価について、実施例を用いて説明する。まず、テープ止めタイプおむつの作製手順について説明する。表面シート(ガーゼシート)と吸液材(脱脂綿)に代えてガーゼカバーに高吸水性のカルボキシメチルセルロース(CMC)を入れて吸液材として用いた以外実施例2の手法と同様に、テープ止めタイプおむつを作製した。イメージを図2に示す。おむつの液漏れを実施例2と同じ手法で評価した。即ち、コンゴレットで着色した蒸留水10mlをガーゼの面から滴下後に30分毎に、裏面から水が染み出すかを確認続いた。8時間まで水漏れが見られなかった。
実施例2及び3のナプキンとおむつを水中に分散し、攪拌することでガーゼ以外は水中解砕が可能であることが確認された。
[比較例1]
セルロースナノファイバーフィルムに代えて、ろ紙No.5cを用いた以外、実施例2と同様にナプキンを作成し、水漏れを観察した結果、水を滴下した30分後水漏れが生じた。
[比較例2]
セルロースナノファイバーフィルムに代えて、セルロースフィルム(セロハンフィルム)を用いた以外、実施例2と同様にナプキンを作成し、水漏れを観察した結果、水漏れがないものの、水中解砕は不可能であった。
本発明のフィルムは、水中分解性、生分解性、水漏れ防止性、ガス透過性等の特徴を有るため、衛生用品の防漏材に使用することができる。本発明のフィルムを使用する防漏性を必要とする衛生用品の種類には制限はないが、おむつ又は生理用ナプキンに使用するのが好適である。
1 生理用ナプキン
2 おむつ
11、21 表面シート層
12、22 吸液材層
13、23 裏シート層

Claims (4)

  1. 平均繊維径が3nm〜500nmのセルロースナノファイバーより構成され、平均細孔径5〜100nmの細孔を有する水中分解性と水漏れ防止性を具備することを特徴とするフィルム。
  2. 前記セルロースナノファイバーのアスペクト比が50倍以上であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のフィルムを防漏材に使用したことを特徴とする衛生用品。
  4. 前記衛生用品がおむつ又は生理用ナプキンであることを特徴とする請求項3に記載の衛生用品。


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