JP2021118528A - 電子機器及びアンテナ装置 - Google Patents

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宏充 伊藤
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Abstract

【課題】第1アンテナ装置と第2アンテナ装置との結合を弱める。【解決手段】電子機器1は、第1アンテナ装置2と、第2アンテナ装置3と、第1面状導体とを備える。第1アンテナ装置2は、コイル導体21と、磁性体22と、第2面状導体23とを備える。コイル導体21は、第1導体部211及び第2導体部212を有する。第2面状導体23は、磁性体22の第2主面222に対向するように配置されている。第1導体部211及び第2導体部212の少なくとも一方は、磁性体22に対して磁性体22の第1主面221側に配置されている。第2面状導体23の平面視において、第2導体部212は、第1導体部211よりも第2アンテナ装置3の放射素子31に近接し、かつ、第2面状導体23と重なる。第2面状導体23の平面の平行方向から視て、第2面状導体23は、第1面状導体と第2導体部212との間に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、一般に電子機器及びアンテナ装置に関し、より詳細には、互いに異なる周波数帯の搬送周波数を使用する複数のアンテナ装置を備える電子機器、及び、他のアンテナ装置が使用する周波数帯と異なる周波数帯を使用するアンテナ装置に関する。
特許文献1には、UHF帯の逆F型アンテナの一部をHF帯のループアンテナとして利用するアンテナが記載されている。
特許第5708897号公報
ところで、近年、5G規格など無線システムの進化に伴い、利用する周波数帯が増加し、アンテナの設計が複雑化しているため、特許文献1に記載された従来の電子機器では、両方のアンテナの性能を同時に確保することが難しいという問題があった。
一方、共用しない場合、他のシステムのアンテナやカメラ、センサなどその他の機能部品も増加するため、アンテナの配置スペースの確保が難しく、HF帯のアンテナとUHF帯のアンテナとを近接して配置しなければならない場合がある。
しかしながら、近接して配置した場合、HF帯のアンテナがUHF帯のアンテナに影響を与え、UHF帯のアンテナの性能が劣化してしまう。
本発明は上記の点に鑑みてなされた発明であり、本発明の目的は、第1アンテナ装置と第2アンテナ装置との結合を弱めることができる電子機器及びアンテナ装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る電子機器は、第1アンテナ装置と、第2アンテナ装置と、第1面状導体とを備える。前記第1アンテナ装置は、第1周波数帯の搬送周波数を使用し、放射素子を有する。前記第2アンテナ装置は、前記第1周波数帯と異なる第2周波数帯の搬送周波数を使用する。前記第1アンテナ装置は、コイル導体と、磁性体と、第2面状導体とを備える。前記コイル導体は、第1導体部及び第2導体部を有する。前記第2導体部は、前記第1導体部とコイル開口を挟んで対向する。前記磁性体は、互いに対向する第1主面及び第2主面を有する。前記第2面状導体は、前記第2主面に対向するように配置されている。前記第1導体部及び前記第2導体部の少なくとも一方は、前記磁性体に対して前記第1主面側に配置されている。前記第2面状導体の平面視において、前記第2導体部は、前記第1導体部よりも前記第2アンテナ装置の前記放射素子に近接し、かつ、前記第2面状導体と重なる。前記第2面状導体の平面の平行方向から視て、前記第2面状導体は、前記第1面状導体と前記第2導体部との間に配置されている。
本発明の一態様に係るアンテナ装置は、放射素子を有する他のアンテナ装置及び第1面状導体と共に用いられ、前記他のアンテナ装置が使用する周波数帯と異なる周波数帯を使用する。前記アンテナ装置は、コイル導体と、磁性体と、第2面状導体とを備える。前記コイル導体は、第1導体部及び第2導体部を有する。前記第2導体部は、前記第1導体部とコイル開口を挟んで対向する。前記磁性体は、互いに対向する第1主面及び第2主面を有する。前記第2面状導体は、前記第2主面に対向するように配置されている。前記第1導体部及び前記第2導体部の少なくとも一方は、前記磁性体に対して前記第1主面側に配置されている。前記第2面状導体の平面視において、前記第2導体部は、前記第1導体部よりも前記他のアンテナ装置の前記放射素子に近接し、かつ、前記第2面状導体と重なる。前記第2面状導体の平面の平行方向から視て、前記第2面状導体は、前記第1面状導体と前記第2導体部との間に配置されている。
本発明の上記態様に係る電子機器及びアンテナ装置によれば、第1アンテナ装置と第2アンテナ装置との結合を弱めることができる。
図1は、実施形態1に係る電子機器の要部の平面図である。 図2は、同上の電子機器における図1のA1−A1線断面図である。 図3は、実施形態1の変形例に係る電子機器の断面図である。 図4は、実施形態2に係る電子機器の断面図である。 図5は、実施形態3に係る電子機器の断面図である。 図6は、実施形態4に係る電子機器の断面図である。 図7は、実施形態5に係る電子機器の断面図である。 図8は、実施形態6に係る電子機器の断面図である。 図9は、実施形態6の変形例に係る電子機器の断面図である。 図10Aは、実施形態7に係る電子機器の断面図である。図10Bは、実施形態7の変形例1に係る電子機器の断面図である。 図11Aは、実施形態7の変形例2に係る電子機器の断面図である。図11Bは、実施形態7の変形例3に係る電子機器の断面図である。 図12は、実施形態8に係る電子機器の断面図である。 図13は、実施形態8の変形例1に係る電子機器の断面図である。 図14は、実施形態8の変形例2に係る電子機器の断面図である。 図15は、実施形態9に係る電子機器の断面図である。 図16は、実施形態8の変形例2に係る電子機器の断面図である。 図17は、実施形態9の変形例に係る電子機器の断面図である。 図18は、実施形態10に係る電子機器の断面図である。 図19は、実施形態10の変形例1に係る電子機器の断面図である。 図20は、実施形態10の変形例2に係る電子機器の断面図である。 図21は、実施形態10の変形例3に係る電子機器の断面図である。 図22は、実施形態10の変形例4に係る電子機器の断面図である。 図23は、実施形態11に係る電子機器の断面図である。 図24は、実施形態12に係る電子機器の断面図である。 図25は、実施形態12の変形例1に係る電子機器の断面図である。 図26は、実施形態12の変形例2に係る電子機器の断面図である。 図27は、実施形態13に係る電子機器の断面図である。 図28は、実施形態14に係る電子機器の断面図である。 図29は、実施形態14の変形例に係る電子機器の断面図である。 図30は、実施形態15に係る電子機器の平面図である。 図31は、同上の電子機器における第1制御回路のブロック図である。 図32は、同上の電子機器における第2制御回路のブロック図である。 図33は、実施形態15の変形例1に係る電子機器の平面図である。 図34は、実施形態15の変形例2に係る電子機器の平面図である。
以下、実施形態1〜15に係る電子機器及びアンテナ装置について、図面を参照して説明する。下記の実施形態等において参照する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比は、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
各実施形態に係る「アンテナ装置」は、「無線伝送システム」に用いられるアンテナ装置である。ここで、「無線伝送システム」は、伝送相手(外部機器のアンテナ)と、磁界結合による無線伝送を行うシステムである。「伝送」は、信号の送受信と電力の送受信との両方の意味を含む。また、「無線伝送システム」は、近距離無線通信システムと無線給電システムとの両方の意味を含む。アンテナ装置は磁界結合による無線伝送を行うため、アンテナ装置の電流経路の長さつまり後述のコイル導体の線路長は、無線伝送で使用する周波数における波長λに比べて十分に小さく、λ/10以下である。したがって、無線伝送の使用周波数帯においては電磁波の放射効率は低い。コイル導体の両端は、給電回路に接続され、アンテナ装置の電流経路つまりコイル導体には、ほぼ一様な大きさの電流が流れる。
また、各実施形態に係る「アンテナ装置」に用いられる近距離無線通信としては、例えばNFC(Near Field Communication)がある。近距離無線通信で使用される周波数帯は、例えばHF帯であり、特に13.56MHz及びその近傍の周波数帯である。
また、各実施形態に係る「アンテナ装置」に用いられる無線給電の方式としては、例えば、電磁誘導方式及び磁界共鳴方式のような磁界結合方式がある。電磁誘導方式の無線給電規格としては、例えばWPC(Wireless Power Consortium)の策定する規格「Qi(登録商標)」がある。電磁誘導方式で使用される周波数帯は、例えば110kHz以上205kHz以下の範囲及び上記範囲の近傍の周波数帯に含まれている。磁界共鳴方式の無線給電規格としては、例えば、AirFuel(登録商標) Allianceの策定する規格「AirFuel Resonant」がある。磁界共鳴方式で使用される周波数帯は、例えば6.78MHz帯又は100kHz帯である。
本明細書において、「第1構成が第2構成と重なる」とは、第1構成の少なくとも一部が第2構成の少なくとも一部と重なっていればよい。言い換えると、「第1構成が第2構成と重なる」とは、第1構成の全部が第2構成と重なっている場合と、第1構成の一部のみが第2構成と重なっている場合とを含む。一方、「第1構成が第2構成と重ならない」とは、第1構成が第2構成と全く重ならないことをいう。
(実施形態1)
(1)電子機器
実施形態1に係る電子機器1の構成について、図面を参照して説明する。
実施形態1に係る電子機器1は、図1に示すように、第1アンテナ装置2と、第2アンテナ装置3と、回路基板4(第1面状導体)とを備える。
第1アンテナ装置2は、第1周波数帯(例えばHF帯)の搬送周波数を使用して外部装置(例えばリーダ・ライタ装置)との間で用いる電波の送受信を行うためのアンテナ装置である。第1アンテナ装置2は、例えば、近距離無線通信(NFC)用のアンテナ装置又は無線充電用のアンテナ装置として使用可能である。
第2アンテナ装置3は、第1周波数帯とは異なる第2周波数帯(例えばUHF帯、SHF帯等)の搬送周波数を使用して別の外部装置との間で用いる電波の送受信を行うためのアンテナ装置である。第2アンテナ装置3は、例えば、WiFi(登録商標)、BlueTooth(登録商標)、GPS又はセルラー用のアンテナ装置として使用可能である。
電子機器1では、第1アンテナ装置2及び第2アンテナ装置3は、それらの間で磁界が干渉することを抑制して、例えば互いに隣り合うように、配置されている。より詳細には、電子機器1では、第1アンテナ装置2が、例えば第2アンテナ装置3に隣り合うように配置されたとき、第2アンテナ装置3との間で磁界が干渉することを抑制するように構成されている。以下、電子機器1の詳細について詳しく説明する。
(2)電子機器の各構成要素
以下、実施形態1に係る電子機器1の各構成要素について、図面を参照して説明する。
(2.1)第1アンテナ装置
第1アンテナ装置2は、図1に示すように、平面状に構成された平面アンテナである。第1アンテナ装置2の平面視の寸法は、例えば、横寸法W1が15mm以上25mm以下であり、縦寸法W2が25mm以上40mm以下である(図1参照)。第1アンテナ装置2は、コイル導体21と、磁性体22(図2参照、図1では図示省略)と、第2面状導体23とを備える。
(2.2)第2アンテナ装置
第2アンテナ装置3は、図1に示すように、放射素子31を備える。放射素子31は、例えば、モノポールアンテナである。
(2.3)回路基板
回路基板4には、例えば、第1アンテナ装置2及び第2アンテナ装置3を制御する制御回路が設けられている。すなわち、回路基板4は、第1アンテナ装置2及び第2アンテナ装置3を制御する制御回路を含む。回路基板4は、例えば、平板状である。回路基板4は、厚さ方向の両側に主面を有する。第1アンテナ装置2及び第2アンテナ装置3は、例えば、回路基板4の一方の主面の側において、回路基板4の平面視で、並んで(例えば互いに隣り合うように)配置されている。第1アンテナ装置2は、回路基板4とは反対側を主な通信面側としている。
(3)第1アンテナの各構成要素
次に、第1アンテナの各構成要素について、図面を参照して説明する。
(3.1)コイル導体
コイル導体21は、通信相手の外部装置(例えばリーダ・ライタ装置)と磁界結合する部材である。コイル導体21は、導電性を有する材料(例えば銅又は銅合金)で形成されている。コイル導体21は、線状に延びた金属線素が複数回巻回されて構成されている。コイル導体21は、面状(すなわち2次元的)に広がるように渦巻き状に複数巻回されている。コイル導体21の1巻回分を1つの巻回部と呼ぶと、コイル導体21は、複数の巻回部で構成されている。コイル導体21の両端には、制御回路などと接続可能なように接続端子21a,21bが接続されている。接続端子21a,21bは、例えばパッドである。
なお、本実施形態では、コイル導体21は、2次元的に複数回巻回されるが、3次元的にヘリカル状に複数回巻回されてもよい。
図1に例示する本実施形態では、コイル導体21は、四角形の環状に形成されている。すなわち、コイル導体21の平面視で、コイル導体21の外形は四角形であり、コイル開口2aも四角形である。コイル導体21を構成する各巻回部も、四角形である。すなわち、各巻回部は、コイル導体21の多角形の各辺に対応する複数の線素部分で構成されている。本実施形態では、コイル導体21の外形は四角形であるが、四角形に限定されず、その他の多角形、円、楕円などそれに類する形状であっても良い。なお、本実施形態では、コイル導体21は平面状である。ただし、コイル導体21は、平面が湾曲した面を含んでもよい。
図1に例示する本実施形態では、コイル導体21は、第1導体部211と、第2導体部212と、2つの第3導体部213とを有する。第1導体部211、第2導体部212及び2つの第3導体部213は、コイル導体21の四角形の複数の辺に一対一に対応している。第1導体部211は、コイル導体21の複数の巻回部の各々のうち、第1導体部211に対応する区間の線素部分を束ねた部分である。第2導体部212は、コイル導体21の複数の巻回部の各々のうち、第2導体部212に対応する区間の線素部分を束ねた部分である。2つの第3導体部213の各々は、コイル導体21の複数の巻回部の各々のうち、第3導体部213に対応する区間の線素部分を束ねた部分である。本実施形態では、第1導体部211、第2導体部212及び2つの第3導体部213の各々は、直線状であるが、直線状に限定されず、例えば湾曲状であってもよい。
第1導体部211と第2導体部212は、互いに対向して間隔(コイル開口2a)を空けて配置されている。言い換えれば、第2導体部212は、第1導体部211とコイル開口2aを挟んで対向している。第3導体部213の両端は、第1導体部211及び第2導体部212の各々の一端に連結されている。また、本実施形態の例示では、つまり、コイル導体21が四角形状である場合では、各第3導体部213と第1導体部211の境界、各第3導体部213と第2導体部212の境界は、コイル導体21のコーナー部に位置する。なお、コイル導体21が円状である場合、コイル導体21と第2アンテナ装置3とが並んでいる方向に対してコイル導体21の中心から例えば45°の範囲で囲まれている範囲において、第2アンテナ装置3から離れている部分を第1導体部211とし、第2アンテナ装置3に近い部分を第2導体部212とする。コイル導体21が上記以外の形状である場合であっても、コイル導体21と第2アンテナ装置3とが並んでいる方向に対してコイル導体21の重心から例えば45°の範囲で囲まれている範囲において、第2アンテナ装置3から離れている部分を第1導体部211とし、第2アンテナ装置3に近い部分を第2導体部212とする。
第1導体部211、第2導体部212及び2つの第3導体部213のうち、第2導体部212は第2アンテナ装置3に一番接近して配置されており、第1導体部211は第2アンテナ装置3から一番離れて配置されている。すなわち、第2導体部212は、第1導体部211よりも第2アンテナ装置3に近接している。コイル導体21は、第2導体部212が第2アンテナ装置3と隣り合うように配置されている。その際、第2導体部212における長手方向の少なくとも一部が第2アンテナ装置3と隣り合っていればよい。
実施形態1では、第1導体部211の線間隔D1は、第2導体部212の線間隔D2よりも大きい。また、各第3導体部213の線間隔D3は、線間隔D2と同じである。なお、線間隔D1は、第1導体部211を構成する金属線素の幅と、第1導体部211において互いに隣接する金属線素の間隔(隙間)との和である。線間隔D2は、第2導体部212を構成する金属線素の幅と、第2導体部212において互いに隣接する金属線素の間隔(隙間)との和である。線間隔D3は、第3導体部213を構成する金属線素の幅と、第3導体部213において互いに隣接する金属線素の間隔(隙間)との和である。実施形態1では、一例として、第1導体部211の金属線素の幅は、第2導体部212及び第3導体部213の金属線素の幅よりも大きい。また、第1導体部211、第2導体部212及び2つの第3導体部213において、金属線素の間隔は、一定である。換言すれば、金属線素の間隔は、各巻回部の間で同じであり、かつ、第1導体部211、第2導体部212及び2つの第3導体部213の間で同じである。なお、金属線素の幅は、実施形態1の幅に限定されない。また、金属線素の間隔も、実施形態1の間隔に限定されない。
コイル導体21では、コイル導体21に電流が流されることで、第1導体部211、第2導体部212及び2つの第3導体部213の回りに磁界H1が発生する。磁界H1を用いて、通信相手である外部装置と磁界結合する。
(3.2)磁性体
磁性体22は、コイル導体21の通信面側とは反対側に配置される。第1アンテナ装置2の通信面側とは、コイル導体21の厚さ方向において、通信相手である外部装置が存在する側である。以後、コイル導体21における通信面側とは反対側をコイル導体21の裏側とも記載する。つまり、磁性体22は、コイル導体21の裏側に配置されるといえる。
磁性体22は、例えばフェライトによって、平板状又はシート状に形成されている。フェライトは、酸化鉄を主成分として焼結して形成された磁性部材である。磁性体22は、例えば、MnZn(マンガン亜鉛)フェライト、又は、NiZn(ニッケル亜鉛)フェライトによって形成されてもよい。磁性体22の平面視形状は、例えば、コイル導体21の平面視形状(矩形形状)と同じ位の大きさの矩形形状である。
磁性体22は、第1主面221と、第2主面222とを有する。第1主面221及び第2主面222は、磁性体22の厚さ方向の両側の主面である。つまり、第1主面221及び第2主面222は、磁性体22の厚さ方向において、互いに対向する。第1主面221は、第1アンテナ装置2の通信面側の主面である。第2主面222は、第1主面221とは反対側の主面である。
磁性体22は、上述のとおり、コイル導体21の裏側に配置される。平面状のコイル導体21は、磁性体22の第1主面221と平行になるように配置されている。第1導体部211、第2導体部212及び2つの第3導体部213の全てが、磁性体22の第1主面221側に配置されている。ここで、「第1主面221側に配置されている」とは、第1主面221の平面視で第1主面221と重なって配置されており、かつ、第1主面221の法線方向において第2主面222に比べて第1主面221に近接することをいう。より詳細には、コイル導体21の平面視で、磁性体22は、第1導体部211の全部、第2導体部212の全部及び2つの第3導体部213の全部に重なるように配置されている。なお、第1導体部211の全部とは、磁性体22の平面視で、第1導体部211の幅方向(図1の紙面左右方向)の全部である。第2導体部212の全部とは、磁性体22の平面視で、第2導体部212の幅方向(図1の紙面左右方向)の全部である。
(3.3)第2面状導体
第2面状導体23は、図1に示すように、平面状に構成された平面状の導体である。第2面状導体23は、図2に示すように、第2面状導体23の厚さ方向において、磁性体22の第2主面222に対向するように配置されている。
第2面状導体23の例としては、ポリイミドに銅が形成されている構成、ポリエチレンテレフタレートにアルミニウムが形成されている構成、銅箔、及びアルミニウム箔がある。
(4)配置状態
上記のような構成の電子機器1では、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3とが近接して配置されている。
コイル導体21の第1導体部211及び第2導体部212は、磁性体22に対して第1主面221側に配置されている。つまり、磁性体22の厚さ方向において、磁性体22は、第1導体部211及び第2導体部212と第2面状導体23との間に配置されている。
第2面状導体23の平面視において、第2導体部212は、第1導体部211よりも第2アンテナ装置3に近接している。つまり、第2導体部212は、第2面状導体23の平面視において、第1導体部211と第2アンテナ装置3との間に配置されている。
さらに、第2導体部212は、第2面状導体23の平面視において、第2面状導体23と重なる。ここで「第2導体部212が第2面状導体23と重なる」とは、第2導体部212の少なくとも一部が第2面状導体23の少なくとも一部が重なっていればよい。
そして、第2面状導体23の平面の平行方向から視て、第2面状導体23は、第1面状導体である回路基板4とコイル導体21の第2導体部212との間に配置されている。言い換えると、第2面状導体23は、磁性体22の第2主面222側に配置されている。第2面状導体23は、磁性体22に対して、コイル導体21が配置されている第1主面221側とは反対側である第2主面222に配置されている。
これにより、第2面状導体23により第2アンテナ装置3の磁界H2が第2導体部212と交差しないようになるため、第2アンテナ装置3が第1アンテナ装置2と結合することを抑制できる。また、逆に、第1アンテナ装置2の磁界H12が第2アンテナ装置3の放射素子31と交差しないようになるため、第1アンテナ装置2が第2アンテナ装置3と結合することが抑制できる。したがって、第2アンテナ装置3の放射素子31と第1アンテナ装置2のコイル導体21との磁界結合を弱めることができる。その結果、第1アンテナ装置2による第2アンテナ装置3の放射効率の劣化を抑制することができる。ここで、第1アンテナ装置2の磁性体22の透磁率は高周波数帯では低いため、コイル導体21と第2面状導体23との間に磁性体22が配置されていても、結合は弱い。また、磁界H11,H12,H2については、効果の概念を図示したものであり、実際に大きさの差の関係が生じるわけではない。
上記のようにコイル導体21が磁性体22の第1主面221側に配置されており、第2面状導体23が磁性体22の第2主面222側に配置されていることによって、第2アンテナ装置3から放射された磁界H2(図2参照)が磁性体22に進入することを抑制できる。これにより、第2アンテナ装置3から放射された磁界H2の磁性体22における磁気損失を低減できる。このように、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との間で干渉することを抑制できる。
また、磁性体22と回路基板4との間に第2面状導体23が配置されていることによって、例えば回路基板4から放射される電磁波のような、第2面状導体23に対して磁性体22とは反対側からの電磁波が磁性体22に吸収されることも抑制できる。その結果、磁性体22が配置されている部分に第2面状導体23が配置されていることによって、放射効率の劣化をより抑制することができる。
また、本実施形態では、回路基板4からのコイル導体21の高さが回路基板4からの第2アンテナ装置3の高さと同程度の場合であっても、放射効率の劣化が抑制することができる。
ところで、第2面状導体23の平面視において、第2面状導体23は、第1アンテナ装置2のコイル開口2aと重なる。これにより、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3の結合を効果的に低減させることができる。
また、第2面状導体23の平面視において、第2面状導体23は、コイル導体21の第1導体部211と重なる。これにより、効果的に結合を低減させることができる。
ところで、実施形態1に係る電子機器1では、図2に示すように、第2面状導体23と磁性体22との間の距離a1(図3参照)は、第1面状導体である回路基板4と第2面状導体23との間の距離b1よりも短いことが好ましい。なお、図2の例では、第2面状導体23と磁性体22とが接触しているので、第2面状導体23と磁性体22との間の距離a1はゼロである。
距離a1よりも距離b1の方を長くすることによって、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との間の結合を低く抑えることができる。
また、実施形態1に係る電子機器1では、図2に示すように、第2面状導体23と第2アンテナ装置3との間の距離c1は、第1面状導体である回路基板4と第2面状導体23との間の距離d1よりも短いことにより、第2面状導体23の効果がより顕著になる。ここで、距離c1は、より詳細には、第2面状導体23における最も第2アンテナ装置3に近い側の外縁と、第2アンテナ装置3における最も第2面状導体23に近い側の(放射素子の)外縁との間の距離をいう。距離d1は、回路基板4のグランド層と第2面状導体23の主面23aとの間の距離をいう。
(5)効果
実施形態1に係る電子機器1では、コイル導体21の第1導体部211及び第2導体部212の少なくとも一方が、磁性体22に対して第1主面221側に配置されている。また、第2面状導体23の平面視において、第2導体部212が、第1導体部211よりも第2アンテナ装置3に近接し、かつ、第2面状導体23と重なる。さらに、第2面状導体23の平面の平行方向から視て、第2面状導体23が、回路基板4(第1面状導体)と第2導体部212との間に配置されている。これにより、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との磁界結合を低減させることができるので、第1アンテナ装置2による第2アンテナ装置3の放射効率の劣化を低減させることができる。また、第2アンテナ装置3から放射される電波が磁性体22で吸収されることを低減できるので、第2アンテナ装置3の磁性体22による損失を低減させることができる。
実施形態1に係る電子機器1では、第2面状導体23が第1アンテナ装置2のコイル開口2aと重なる。これにより、効果的に結合を低減させることができる。
実施形態1に係る電子機器1では、第2面状導体23がコイル導体21の第1導体部211と重なる。これにより、効果的に結合を低減させることができる。
(6)変形例
以下、実施形態1の変形例について説明する。
実施形態1の変形例に係る電子機器1では、図3に示すように、第2面状導体23と磁性体22とが離れていてもよい。このような場合であっても、第2面状導体23と磁性体22との間の距離a1は、第1面状導体である回路基板4と第2面状導体23との間の距離b1よりも短いことが好ましい。
変形例に係る電子機器1では、回路基板4が存在するため、回路基板4が存在しない場合に比べて、磁界結合が強くなるが、第2面状導体23によって回路基板4による影響を抑制することができる。
距離a1よりも距離b1の方を長くすることによって、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との間の結合を低く抑えることができる。
(実施形態2)
実施形態2に係る電子機器1は、図4に示すように、第2アンテナ装置3と近接する部分の磁性体22が除去されている点で、実施形態1に係る電子機器(図2参照)と相違する。なお、実施形態2に係る電子機器1に関し、実施形態1に係る電子機器1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
(1)構成
実施形態2の第1アンテナ装置2は、図4に示すような磁性体22を備える。実施形態2の磁性体22は、第2面状導体23の平面視において、コイル導体21の第1導体部211と重なるが、コイル導体21の第2導体部212とは重ならない。言い換えると、第2面状導体23の平面視において、コイル導体21の第2導体部212の少なくとも一部は、磁性体22と重ならない。なお、実施形態2の磁性体22に関し、実施形態1の磁性体22(図2参照)と同様の構成及び機能については説明を省略する。
ところで、実施形態2に係る電子機器1では、図6に示すように、磁性体22と第2面状導体23との間の距離e1が第2アンテナ装置3と第2面状導体23との間の距離f1よりも長い方が好ましい。これにより、磁性体22による損失を効果的に抑制することができる。
(2)効果
実施形態2に係る電子機器1では、コイル導体21の第2導体部212が磁性体22と重ならない。これにより、磁性体22を小さくすることができるので、第1アンテナ装置2をより小型化することができ、電子機器1内のスペースを有効に活用することができる。
また、実施形態2に係る電子機器1によれば、第2アンテナ装置3に近い部分の磁性体22がないため、磁性体22による第2アンテナ装置3の放射効率の劣化を抑制することができる。
さらに、実施形態2に係る電子機器1によれば、磁性体22のない部分に第2面状導体23が配置されているから、金属の上に実装されたときの第1アンテナ装置2のインダクタンスのばらつきも低減させることができる。
(実施形態3)
実施形態3に係る電子機器1は、図5に示すように、磁性体22がコイル導体21の第1導体部211と重ならない点で、実施形態1に係る電子機器(図2参照)と相違する。なお、実施形態3に係る電子機器1に関し、実施形態1に係る電子機器1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
(1)構成
実施形態3の第1アンテナ装置2は、図5に示すような磁性体22を備える。実施形態3の磁性体22は、第2面状導体23の平面視において、コイル導体21の第1導体部211と重ならない。一方、実施形態3の磁性体22は、第2面状導体23の平面視において、コイル導体21の第2導体部212と重なる。言い換えると、第2面状導体23の平面視において、コイル導体21の第1導体部211は、磁性体22と重ならない。なお、実施形態3の磁性体22に関し、実施形態1の磁性体22(図2参照)と同様の構成及び機能については説明を省略する。
ところで、実施形態3に係る電子機器1では、図5に示すように、コイル導体21の第2導体部212と磁性体22又は第2面状導体23との間の距離g1が第2アンテナ装置3と磁性体22又は第2面状導体23との間の距離h1よりも長い方が好ましい。これにより、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との間の結合を効果的に抑制することができる。
(2)効果
実施形態3に係る電子機器1では、コイル導体21の第1導体部211が磁性体22と重ならない。これにより、第1アンテナ装置2をより小型にすることができ、電子機器1内のスペースを有効に活用することができる。
また、実施形態3に係る電子機器1によれば、第2アンテナ装置3に近いコイル導体21の第2導体部212を内側にずらすことで、第1アンテナ装置2はより良い性能を得ることができ、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との結合もより低くすることができる。
さらに、実施形態3に係る電子機器1によれば、磁性体22のない部分に第2面状導体23が配置されていることで、金属の上に実装されたときの第1アンテナ装置2のインダクタンスのばらつきも低減させることができる。
(実施形態4)
実施形態4に係る電子機器1は、図6に示すように、コイル導体21の第1導体部211が磁性体22の第1主面221側に配置されており、コイル導体21の第2導体部212が磁性体22の第2主面222側に配置されている点で、実施形態1に係る電子機器(図2参照)と相違する。なお、実施形態4に係る電子機器1に関し、実施形態1に係る電子機器1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
(1)構成
実施形態4の第1アンテナ装置2は、図6に示すようなコイル導体21を備える。コイル導体21は、第1導体部211と、第2導体部212と、2つの第3導体部とを有する。第1導体部211は、磁性体22の第1主面221側に配置されている。第2導体部212は、磁性体22の第2主面222側に配置されている。なお、実施形態4のコイル導体21に関し、実施形態1のコイル導体21(図2参照)と同様の構成及び機能については説明を省略する。
ところで、実施形態4に係る電子機器1では、図6に示すように、コイル導体21の第2導体部212と磁性体22又は第2面状導体23との間の距離g2が第2アンテナ装置3と磁性体22又は第2面状導体23との間の距離h2よりも長い方が好ましい。これにより、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との間の結合を効果的に抑制することができる。
(2)効果
実施形態4に係る電子機器1によれば、第1アンテナ装置2をより小型化することができ、電子機器1内のスペースを有効に活用することができる。
また、第2面状導体23が配置されていることによって、金属の上に実装されたときの第1アンテナ装置2のインダクタンスのばらつきを低減させることができる。
(実施形態5)
実施形態5に係る電子機器1は、図7に示すように、コイル導体21の第2導体部212が磁性体22の第1主面221側に配置されており、コイル導体21の第1導体部211が磁性体22の第2主面222側に配置されている点で、実施形態4に係る電子機器(図6参照)と相違する。なお、実施形態5に係る電子機器1に関し、実施形態4に係る電子機器1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
(1)構成
実施形態5の第1アンテナ装置2は、図7に示すようなコイル導体21を備える。実施形態5のコイル導体21は、第1導体部211と、第2導体部212と、2つの第3導体部とを有する。第1導体部211は、磁性体22の第2主面222側に配置されている。第2導体部212は、磁性体22の第1主面221側に配置されている。第1導体部211及び第2導体部212は、第2面状導体23の平面視において、磁性体22と重なっている。一方、第1導体部211は、第2面状導体23の平面視において、第2導体部212と重なっていない。なお、実施形態5のコイル導体21に関し、実施形態4のコイル導体21(図6参照)と同様の構成及び機能については説明を省略する。
ところで、実施形態5に係る電子機器1では、図7に示すように、コイル導体21の第2導体部212と磁性体22又は第2面状導体23との間の距離g3が第2アンテナ装置3と磁性体22又は第2面状導体23との間の距離h3よりも長い方が好ましい。これにより、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との間の結合を効果的に抑制することができる。
(2)効果
実施形態5に係る電子機器1によれば、相手側コイルアンテナとの通信可能エリアを広げることができる。
また、実施形態5に係る電子機器1によれば、実施形態4に係る電子機器1と同様、第1アンテナ装置2をより小型化することができ、電子機器1内のスペースを有効に活用することができる。
さらに、実施形態5に係る電子機器1によれば、実施形態4に係る電子機器1と同様、第2面状導体23が配置されていることによって、金属の上に実装されたときのインダクタンスのばらつきを低減させることができる。
(実施形態6)
実施形態6に係る電子機器1は、図8に示すようなコイル導体21が設けられている点で、実施形態1に係る電子機器(図1参照)と相違する。なお、実施形態6に係る電子機器1に関し、実施形態1に係る電子機器1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
(1)構成
実施形態6の第1アンテナ装置2は、図8に示すようなコイル導体21を備える。実施形態6のコイル導体21は、第2面状導体23の平面視において、L字状である。なお、実施形態6のコイル導体21に関し、実施形態1のコイル導体21(図1参照)と同様の構成及び機能については説明を省略する。
実施形態6の第2面状導体23は、例えば長方形状である。なお、実施形態6の第2面状導体23に関し、実施形態1の第2面状導体23(図1参照)と同様の構成及び機能については説明を省略する。
(2)効果
実施形態6に係る電子機器1においても、実施形態1に係る電子機器1と同様、第1アンテナ装置2を小型化することができ、電子機器1内のスペースを有効に活用することができる。
(3)変形例
実施形態6の変形例に係る電子機器1は、図9に示すようなコイル導体21を備えてもよい。変形例に係る電子機器1においても、実施形態6に係る電子機器1と同様、第1アンテナ装置2を小型化することができ、電子機器1内のスペースを有効に活用することができる。
要するに、コイル導体21の形状は、必ずしも矩形である必要はなく、実施形態6のようなL字状であってもよいし、実施形態6の変形例のようにU字状であってもよいし、L字状及びU字状以外の形状であってもよい。
(実施形態7)
実施形態7に係る電子機器1は、図10Aに示すような第2面状導体23が設けられている点で、実施形態2に係る電子機器(図4参照)と相違する。なお、実施形態7に係る電子機器1に関し、実施形態2に係る電子機器1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
(1)構成
実施形態7の第1アンテナ装置2は、図10Aに示すような第2面状導体23を備える。実施形態7の第2面状導体23は、第2面状導体23の平面視において、磁性体22の一部と重ならない。また、第2面状導体23は、第2面状導体23の平面視において、コイル導体21の第1導体部211の少なくとも一部と重ならない。一方、第2面状導体23は、第2面状導体23の平面視において、コイル導体21の第2導体部212及びコイル開口2aと重なる。なお、実施形態7の第2面状導体23に関し、実施形態2の第2面状導体23(図4参照)と同様の構成及び機能については説明を省略する。
(2)効果
実施形態7に係る電子機器1によれば、実施形態2に係る電子機器1に比べて、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との間の結合が強くなるものの、第2面状導体23の共振周波数を変更させることができる。また、第1アンテナ装置2の厚さが増加する領域を低減させることができる。
(3)変形例
(3.1)変形例1
実施形態7の変形例1として、電子機器1は、図10Bに示すような第2面状導体23を備えてもよい。変形例1の第2面状導体23は、第2面状導体23の平面視において、磁性体22の一部と重ならない。また、第2面状導体23は、第2面状導体23の平面視において、コイル導体21の第1導体部211の全部及びコイル開口2aの少なくとも一部と重ならない。変形例1に係る電子機器1においても、実施形態7に係る電子機器1と同様、第2面状導体23の共振周波数を変更させることができ、かつ、第1アンテナ装置2の厚さが増加する領域を低減させることができる。
(3.2)変形例2
実施形態7の変形例2として、電子機器1は、図11Aに示すような第2面状導体23を備えてもよい。変形例2の第2面状導体23は、第2面状導体23の平面視において、磁性体22の全部と重ならない。また、第2面状導体23は、第2面状導体23の平面視において、コイル導体21の第1導体部211の全部及びコイル開口2aの全部と重ならない。変形例2に係る電子機器1においても、実施形態7に係る電子機器1と同様、第2面状導体23の共振周波数を変更させることができ、かつ、第1アンテナ装置2の厚さが増加する領域を低減させることができる。
(3.3)変形例3
実施形態7の変形例3として、電子機器1は、図11Bに示すような第2面状導体23を備えてもよい。変形例3の第2面状導体23は、第2面状導体23の平面視において、磁性体22の全部と重ならない。また、第2面状導体23は、第2面状導体23の平面視において、コイル導体21の第1導体部211の全部及びコイル開口2aの全部と重ならない。さらに、第2面状導体23と磁性体22との間に隙間が存在する。変形例3に係る電子機器1においても、実施形態7に係る電子機器1と同様、第2面状導体23の共振周波数を変更させることができ、かつ、第1アンテナ装置2の厚さが増加する領域を低減させることができる。
(実施形態8)
実施形態8に係る電子機器1は、図12に示すような第2面状導体23が設けられている点で、実施形態1に係る電子機器(図2参照)と相違する。なお、実施形態8に係る電子機器1に関し、実施形態1に係る電子機器1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
(1)構成
実施形態8の第1アンテナ装置2は、図12に示すような第2面状導体23を備える。実施形態8の第2面状導体23は、複数(図示例では2つ)の面状導体部24を含む。複数の面状導体部24は、第2面状導体23の平面視において、互いに分離している。複数の面状導体部24において、互いに隣り合う2つの面状導体部24の間には隙間24aが形成されている。隙間24aが小さい方が第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との間の結合を低くすることができる。したがって、隙間24aは小さい方が好ましい。なお、実施形態8の第2面状導体23に関し、実施形態1の第2面状導体23(図2参照)と同様の構成及び機能については説明を省略する。
(2)効果
実施形態8に係る電子機器1では、第2面状導体23が複数の面状導体部24を含む。これにより、第2面状導体23における各面状導体部24のサイズを小さくすることができるので、面状導体部24のサイズに起因する不要な共振周波数を高くすることができる。その結果、第2アンテナ装置3への影響を小さくすることができる。
(3)変形例
(3.1)変形例1
実施形態8の変形例1として、電子機器1の第1アンテナ装置2は、図13に示すような第2面状導体23を備えてもよい。変形例1の第2面状導体23は、4つの面状導体部24を含む。第2面状導体23の平面視において、4つの面状導体部24は、2×2で配置されている。
(3.3)変形例2
実施形態8の変形例2として、電子機器1の第1アンテナ装置2は、図14に示すような第2面状導体23を備えてもよい。変形例2の第2面状導体23は、異なる大きさの複数の面状導体部24を含む。複数の面状導体部24は、面状導体部241と、複数の面状導体部242とを有する。面状導体部241は、第2面状導体23の平面視において、コイル開口2aを覆うように配置されている。複数の面状導体部242は、面状導体部241の周囲に配置されている。
(実施形態9)
実施形態9に係る電子機器1は、図15に示すように、第3面状導体25が設けられている点で、実施形態8に係る電子機器(図12参照)と相違する。なお、実施形態9に係る電子機器1に関し、実施形態8に係る電子機器1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
(1)構成
実施形態9の第1アンテナ装置2は、図15に示すように、第3面状導体25を備える。第3面状導体25は、第2面状導体23の平面視において、複数の面状導体部24の間の隙間24aと重なる。より詳細には、第3面状導体25は、第2面状導体23の平面視において、複数の面状導体部24において隣り合う2つの面状導体部24の間の隙間の一部を覆うように配置されている。
第3面状導体25は、絶縁基材(図示せず)に形成されている。第3面状導体25は、例えばPET−AL基板(ポリエチレンテレフタレート−アルミニウム基板)で構成される。ここで、PETのような絶縁基材の第1面に第2面状導体23の複数の面状導体部24が形成され、絶縁基材の第2面に第3面状導体25が形成されることによって、第3面状導体25を含む第1アンテナ装置2を容易かつ低コストで製造することができる。
(2)効果
実施形態9に係る電子機器1では、第3面状導体25が第2面状導体23の複数の面状導体部24の間の隙間24aと重なる。これにより、第2面状導体23の隙間24aによる第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との結合の増加を抑制することができる。
実施形態9に係る電子機器1によれば、第2面状導体23と第3面状導体25とを両面構造にすることによって、第3面状導体25を含む第1アンテナ装置2を容易かつ低コストで製造することができる。
(3)変形例
(3.1)変形例1
実施形態9の変形例1として、電子機器1の第1アンテナ装置2は、図16に示すような第2面状導体23及び第3面状導体25を備えてもよい。変形例1の第2面状導体23は、4つの面状導体部24を含む。第2面状導体23の平面視において、4つの面状導体部24は、2×2で配置されている。変形例1の第3面状導体25は、4つの面状導体部24を跨ぐように配置されている。
(3.2)変形例2
実施形態9の変形例2として、電子機器1の第1アンテナ装置2は、図17に示すように、第3面状導体25を用いずに、第2面状導体23の平面視において、隣り合う2つの面状導体部24が重なる部分を有してもよい。
変形例に係る電子機器1において、第1アンテナ装置2は、図17に示すような第2面状導体23を備える。第2面状導体23は、複数の面状導体部24を含む。第2面状導体23の平面視において、一方の面状導体部24(第1面状導体部)の少なくとも一部と他方の面状導体部24(第2面状導体部)の少なくとも一部とが重なる。
変形例に係る電子機器1によれば、複数の面状導体部24が重ならない場合に比べて、第2面状導体23の平面視における隙間24aの面積を小さくすることができるので、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との間の結合の増加を抑制することができ、かつ、第2面状導体23の共振周波数が下がらないようにすることができる。
(実施形態10)
実施形態10に係る電子機器1は、図18に示すように、第1アンテナ装置2の内部に貫通孔26を有する点で、実施形態1に係る電子機器(図1参照)と相違する。なお、実施形態10に係る電子機器1に関し、実施形態1に係る電子機器1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
(1)構成
実施形態10に係る電子機器1は、図18に示すように、第1アンテナ装置2の内部に貫通孔26を有する。より詳細には、実施形態10では、コイル導体21が形成されている絶縁基材(図示せず)において、コイル開口2aの位置に貫通孔が形成されている。磁性体22及び第2面状導体23も貫通孔を有する。つまり、実施形態10では、磁性体22及び第2面状導体23は枠状である。
(2)効果
実施形態10に係る電子機器1によれば、貫通孔26に部品を配置させることができるので、電子機器1内のスペースを有効に活用することができる。
(3)変形例
(3.1)変形例1
実施形態10の変形例1として、図19に示すように、枠状の第2面状導体23にスリット27が設けられていてもよい。これにより、第1アンテナ装置2の特性を向上させることができる。なお、スリット27は、図19に示すように、第2アンテナ装置3から離れた位置に設けられていることが好ましい。
(3.2)変形例2
実施形態10の変形例2として、図20に示すように、スリット27を第2面状導体23とは異なる面状導体28で覆うことが好ましい。面状導体28は、第2面状導体23の平面視において、スリット27と重なるように配置されている。これにより、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との結合を抑制することができる。
(3.3)変形例3
実施形態10の変形例3として、図21に示すように、第2面状導体23は、複数(図示例では30個)の貫通孔231を有してもよい。図21の例では、複数の貫通孔231は格子状に設けられている。各貫通孔231は円状である。ここで、波長の2分の1の貫通孔231には電波が通りにくい。これにより、第2アンテナ装置3の波長によって第2面状導体23の透過のしやすさが変わり、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との結合を選択的に抑制することができる。
(3.4)変形例4
実施形態10の変形例4として、図22に示すように、第2面状導体23は、メッシュ状であってもよい。図22の例では、第2面状導体23は、複数の貫通孔232を有する。複数の貫通孔232は格子状に設けられている。各貫通孔232は四角形状である。上述のとおり、波長の2分の1の貫通孔232には電波が通りにくい。これにより、変形例3と同様、第2アンテナ装置3の波長によって第2面状導体23の透過のしやすさが変わり、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との結合を選択的に抑制することができる。
(実施形態11)
実施形態11に係る電子機器1は、図23に示すように、磁性体22の第1主面221側に面状導体29が配置されている点で、実施形態4に係る電子機器1(図6参照)と相違する。なお、実施形態11に係る電子機器1に関し、実施形態4に係る電子機器1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
(1)構成
実施形態11の第1アンテナ装置2は、図23に示すように、面状導体29を備える。面状導体29は、磁性体22の第1主面221側に配置されている。より詳細には、面状導体29は、コイル導体21の第1導体部211を覆うように、磁性体22の第1主面221側に配置されている。
実施形態11の第2面状導体23は、磁性体22の第2主面222側に配置されている。より詳細には、第2面状導体23は、コイル導体21の第2導体部212を覆うように、磁性体22の第2主面222側に配置されている。
上記より、コイル導体21が第2面状導体23及び面状導体29で覆われているので、例えばグラファイトシートのような損失の大きい材質がコイル導体21の近くにあっても、上記材質の影響を受けにくくすることができる。
ところで、実施形態11では、図23に示すように、第2面状導体23の平面視において、第2面状導体23と面状導体29とは、コイル開口2aの位置で重なる。言い換えると、第2面状導体23の平面視において、コイル導体21の存在しない部分で、第2面状導体23と面状導体29とは重なる。これにより、面状導体29が設けられている場合であっても、第1アンテナ装置2の厚さが増大することを抑制できる。
(2)効果
実施形態11に係る電子機器1によれば、コイル導体21が第2面状導体23及び面状導体29で覆われているので、損失の大きい材質がコイル導体21の近くにあっても、上記材質の影響を受けにくくすることができる。
実施形態11に係る電子機器1によれば、コイル導体21が存在しない領域のみ、第2面状導体23と面状導体29とが重なるように配置されることによって、面状導体29が設けられている場合であっても、第1アンテナ装置2の厚さの増大を抑制することができる。
以上説明した実施形態及び変形例は、本発明の様々な実施形態及び変形例の一部に過ぎない。また、実施形態及び変形例は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(実施形態12)
実施形態12に係る電子機器1は、図24に示すように、第2面状導体23の平面視において、第2アンテナ装置3の長手方向の全部で第2面状導体23が第2アンテナ装置3と対向する。なお、実施形態11に係る電子機器1に関し、実施形態4に係る電子機器1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
(1)構成
実施形態12に係る電子機器1では、図24に示すように、第2面状導体23は、第2アンテナ装置3の長手方向の全部に対向するように配置されている。つまり、第2面状導体23は、第2アンテナ装置3の給電点側から開放端側の全部に対して対向している。
(2)効果
実施形態12に係る電子機器1によれば、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との間の結合を抑制することができる。
(3)変形例
(3.1)変形例1
実施形態12の変形例1として、電子機器1は、図25に示すような第2面状導体23を備えてもよい。変形例1の第2面状導体23は、第2アンテナ装置3の全部と対向するのではなく、第2アンテナ装置3の給電点側の部分のみと対向する。
第2アンテナ装置3では、給電点側では電流が多く流れるのに対し、開放端側では電流があまり流れない。したがって、電流の多く流れる給電点に近い領域と対向し、電流があまり流れない開放端に近い領域とは対向しないように、第2面状導体23が配置されている。これにより、第2面状導体23のサイズを小さくすることができる。また、不要な共振周波数の抑制、コストを低減させることができる。
(3.2)変形例2
実施形態12の変形例2として、電子機器1は、図26に示すような第2面状導体23を備えてもよい。変形例2では、第2アンテナ装置3は、直線状ではなく、折り返された形状である。第2アンテナ装置3は、開放端側が第1アンテナ装置2側に位置するように配置されている。
第2アンテナ装置3が折り返された形状である場合、第2面状導体23は、第2アンテナ装置3のうち第1アンテナ装置2に近い開放端に近い領域のみと対向するように配置されている。これにより、第2面状導体23のサイズを小さくすることができる。
(実施形態13)
実施形態13では、第1アンテナ装置2及び第2アンテナ装置3と回路基板4(第1面状導体)との接続について説明する。
(1)構成
図27に示すように、第1アンテナ装置2は、2つの接続部材41(図27では1つのみ図示)を用いて回路基板4に接続されている。また、第2アンテナ装置3は、2つの接続部材42(図27では1つのみ図示)を用いて回路基板4に接続されている。各接続部材41,42は、例えば、ばね端子である。
2つの接続部材41は、第1端にて回路基板4と電気的に接触し、第2端にてコイル導体21と電気的に接触している。より詳細には、2つの接続部材41の一方は、回路基板4及びコイル導体21の接続端子21aと接触し、2つの接続部材41の他方は、回路基板4及びコイル導体21の接続端子21bと接触している。これにより、コイル導体21は、回路基板4に配置されている第1制御回路95から給電される。
接続部材42は、第1端にて回路基板4と電気的に接触し、第2端にて第2アンテナ装置3と電気的に接触している。これにより、第2アンテナ装置3は、第2制御回路96から給電される。
なお、第2アンテナ装置3は、例えばモノポールアンテナの場合、回路基板4のグランド面に映る鏡像と共にダイポールアンテナを形成する。
(2)効果
実施形態13に係る電子機器1によれば、第1アンテナ装置2及び第2アンテナ装置3を回路基板4と電気的に接続させることができる。
(実施形態14)
実施形態14では、第1アンテナ装置2及び第2アンテナ装置3の形成方法について説明する。
(1)構成
実施形態14では、図28に示すように、第1アンテナ装置2のコイル導体21と第2アンテナ装置3とを同一の基材5で形成する。
(2)効果
実施形態14に係る電子機器1によれば、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との相対的な位置のばらつきを抑制することができる。特に第2アンテナ装置3の性能の安定化を図ることができる。また、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3とが同一の基材5に設けられていることによって、コストを低減させることができ、かつ、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3とを筐体に別々に貼り付ける必要がなくなるため、貼り付け工数も削減することができる。
(3)変形例
実施形態14の変形例として、図29に示すように、コイル導体21が形成されている基材5a上に第2面状導体23が形成されていてもよい。これにより、第2面状導体23とコイル導体21の第2導体部212との間の間隔を狭くすることができるので、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3との結合をより抑制することができる。また、第2面状導体と第2導体部212との相対的な位置を安定させることができるので、インダクタンスも安定させることができる。
さらに、コイル導体21とは別に第2面状導体23を用意する必要がないので、製造が容易であり、かつ、低コストにすることができる。
(実施形態15)
実施形態15では、電子機器1の全体構成について、図面を参照して説明する。
(1)構成
実施形態15に係る電子機器1は、図30に示すように、第1アンテナ装置2と、第2アンテナ装置3と、回路基板4(第1面状導体)とを備える。電子機器1は、制御部91と、バッテリ93と、筐体94とを更に備える。
電子機器1は、例えば、スマートフォン等の携帯端末、又は、スマートウォッチ等のウェアラブル端末、ヘッドフォン、又は補聴器である。図30は、電子機器1として、スマートフォンを示す。
制御部91は、回路基板4の表面に実装された複数の回路素子92で構成されており、第1アンテナ装置2及び第2アンテナ装置3を制御する。制御部91は、図31に示すような第1制御回路95と、図32に示すような第2制御回路96とを備える。第1制御回路95は、図31に示すように、RFIC951と、整合回路952とを有し、第1アンテナ装置2を制御する。第2制御回路96は、図32に示すように、RFIC961と、整合回路962とを有し、第2アンテナ装置3を制御する。
バッテリ93は、電子機器1を駆動するための電源である。筐体94は、直方体状であり、第1アンテナ装置2と第2アンテナ装置3と回路基板4と制御部91とバッテリ93とを収容する。つまり、筐体94には、第1アンテナ装置2及び第2アンテナ装置3が設けられている。筐体94の材料は、例えば、樹脂である。
(2)変形例
(2.1)変形例1
実施形態15の変形例1として、図33に示すように、第2アンテナ装置3は、折り返した形状のアンテナであってもよい。変形例1においても、第2アンテナ装置3がモノポールアンテナである場合と同様の効果を奏する。
(2.2)変形例2
実施形態15の変形例2として、図34に示すように、電子機器1は、筐体94の一部を第2アンテナ装置3として利用してもよい。変形例2の場合、筐体94の材料は、金属である。変形例2においても、第2アンテナ装置3がモノポールアンテナである場合と同様の効果を奏する。
(2.3)変形例3
実施形態15の変形例3として、第2アンテナ装置3は、図30に示すモノポールアンテナ、図33に示す折り返した形状のアンテナ、図34に示すアンテナに限定されず、いかなる形状及び構造のアンテナであってもよい。第2アンテナ装置3がいかなる形状及び構造のアンテナであっても、第2アンテナ装置3がモノポールアンテナである場合と同様の効果を奏する。
(態様)
本明細書には、以下の態様が開示されている。
第1の態様に係る電子機器(1)は、第1アンテナ装置(2)と、第2アンテナ装置(3)と、第1面状導体(回路基板4)とを備える。第1アンテナ装置(2)は、第1周波数帯の搬送周波数を使用し、放射素子(31)を有する。第2アンテナ装置(3)は、第1周波数帯と異なる第2周波数帯の搬送周波数を使用する。第1アンテナ装置(2)は、コイル導体(21)と、磁性体(22)と、第2面状導体(23)とを備える。コイル導体(21)は、第1導体部(211)及び第2導体部(212)を有する。第2導体部(212)は、第1導体部(211)とコイル開口(2a)を挟んで対向する。磁性体(22)は、互いに対向する第1主面(221)及び第2主面(222)を有する。第2面状導体(23)は、第2主面(222)に対向するように配置されている。第1導体部(211)及び第2導体部(212)の少なくとも一方は、磁性体(22)に対して第1主面(221)側に配置されている。第2面状導体(23)の平面視において、第2導体部(212)は、第1導体部(211)よりも第2アンテナ装置(3)の放射素子(31)に近接し、かつ、第2面状導体(23)と重なる。第2面状導体(23)の平面の平行方向から視て、第2面状導体(23)は、第1面状導体と第2導体部(212)との間に配置されている。
第1の態様に係る電子機器(1)によれば、第1アンテナ装置(2)と第2アンテナ装置(3)との磁界結合を低減させることができるので、第1アンテナ装置(2)による第2アンテナ装置(3)の放射効率の劣化を低減させることができる。また、第2アンテナ装置(3)から放射される電波が磁性体(22)で吸収されることを低減できるので、第2アンテナ装置(3)の磁性体(22)による損失を低減させることができる。
第2の態様に係る電子機器(1)では、第1の態様において、第2面状導体(23)の平面視において、第2面状導体(23)は、第1アンテナ装置(2)のコイル開口(2a)と重なる。
第2の態様に係る電子機器(1)によれば、小さいサイズで効果的に結合を低減させることができる。
第3の態様に係る電子機器(1)では、第1又は2の態様において、第2面状導体(23)の平面視において、第2面状導体(23)は、コイル導体(21)の第1導体部(211)と重なる。
第3の態様に係る電子機器(1)によれば、小さいサイズで効果的に結合を低減させることができる。
第4の態様に係る電子機器(1)では、第1〜3の態様のいずれか1つにおいて、第2導体部(212)は、第2面状導体(23)の平面視において、磁性体(22)と重ならない。
第4の態様に係る電子機器(1)によれば、第1アンテナ装置(2)をより小型化することができ、電子機器(1)内のスペースを有効に活用することができる。
また、第4の態様に係る電子機器(1)によれば、第2アンテナ装置(3)に近い部分の磁性体(22)がないため、磁性体(22)による放射効率の劣化を抑制することができる。
第5の態様に係る電子機器(1)では、第1〜3の態様のいずれか1つにおいて、第1導体部(211)は、第2面状導体(23)の平面視において、磁性体(22)と重ならない。
第5の態様に係る電子機器(1)によれば、第1アンテナ装置(2)をより小型にすることができ、電子機器(1)内のスペースを有効に活用することができる。
第6の態様に係る電子機器(1)では、第1〜3の態様のいずれか1つにおいて、第1導体部(211)及び第2導体部(212)のうちの一方は、第1主面(221)側に配置されている。第1導体部(211)及び第2導体部(212)のうちの他方は、第2主面(222)側に配置されている。第1導体部(211)及び第2導体部(212)は、第2面状導体(23)の平面視において、磁性体(22)と重なっている。第1導体部(211)は、第2面状導体(23)の平面視において、第2導体部(212)と重なっていない。
第6の態様に係る電子機器(1)によれば、相手側コイルアンテナとの通信可能エリアを広げることができる。
第7の態様に係る電子機器(1)では、第1〜6の態様のいずれか1つにおいて、第2面状導体(23)は、互いに分離している複数の面状導体部(24)を含む。
第7の態様に係る電子機器(1)によれば、第2面状導体(23)における各面状導体部(24)のサイズを小さくすることができるので、面状導体部(24)のサイズに起因する不要な共振周波数を高くすることができる。その結果、第2アンテナ装置(3)への影響を小さくすることができる。
第8の態様に係る電子機器(1)では、第7の態様において、第1アンテナ装置(2)は、第3面状導体(25)を更に含む。第3面状導体(25)は、第2面状導体(23)の平面視において、複数の面状導体部(24)の間の隙間(24a)と重なる。
第8の態様に係る電子機器(1)によれば、第2面状導体(23)の隙間(24a)による第1アンテナ装置(2)と第2アンテナ装置(3)との結合の増加を抑制することができる。
第9の態様に係る電子機器(1)では、第7の態様において、複数の面状導体部(24)は、互いに隣り合っている第1面状導体部及び第2面状導体部を含む。第1面状導体部の少なくとも一部は、第2面状導体部の少なくとも一部と重なる。
第9の態様に係る電子機器(1)によれば、複数の面状導体部(24)が重ならない場合に比べて、第2面状導体(23)の平面視における隙間(24a)の面積を小さくすることができるので、第1アンテナ装置(2)と第2アンテナ装置(3)との間の結合の増加を抑制することができる。
第10の態様に係るアンテナ装置(第1アンテナ装置2)は、放射素子(31)を有する他のアンテナ装置(第2アンテナ装置3)及び第1面状導体(回路基板4)と共に用いられ、他のアンテナ装置が使用する周波数帯と異なる周波数帯を使用する。アンテナ装置は、コイル導体(21)と、磁性体(22)と、第2面状導体(23)とを備える。コイル導体(21)は、第1導体部(211)及び第2導体部(212)を有する。第2導体部(212)は、第1導体部(211)とコイル開口(2a)を挟んで対向する。磁性体(22)は、互いに対向する第1主面(221)及び第2主面(222)を有する。第2面状導体(23)は、第2主面(222)に対向するように配置されている。第1導体部(211)及び第2導体部(212)の少なくとも一方は、磁性体(22)に対して第1主面(221)側に配置されている。第2面状導体(23)の平面視において、第2導体部(212)は、第1導体部(211)よりも他のアンテナ装置の放射素子(31)に近接し、かつ、第2面状導体(23)と重なる。第2面状導体(23)の平面の平行方向から視て、第2面状導体(23)は、第1面状導体(回路基板4)と第2導体部(212)との間に配置されている。
第10の態様に係るアンテナ装置(第1アンテナ装置2)によれば、アンテナ装置と他のアンテナ装置(第2アンテナ装置3)との磁界結合を低減させることができるので、アンテナ装置による他のアンテナ装置の放射効率の劣化を低減させることができる。また、他のアンテナ装置から放射される電波が磁性体(22)で吸収されることを低減できるので、他のアンテナ装置の磁性体(22)による損失を低減させることができる。
1 電子機器
2 第1アンテナ装置
2a コイル開口
21 コイル導体
211 第1導体部
212 第2導体部
22 磁性体
221 第1主面
222 第2主面
23 第2面状導体
24 面状導体部
24a 隙間
25 第3面状導体
3 第2アンテナ装置
31 放射素子
4 回路基板(第1面状導体)

Claims (10)

  1. 第1周波数帯の搬送周波数を使用する第1アンテナ装置と、
    前記第1周波数帯と異なる第2周波数帯の搬送周波数を使用し、放射素子を有する第2アンテナ装置と、
    第1面状導体と、を備え、
    前記第1アンテナ装置は、
    第1導体部及び前記第1導体部とコイル開口を挟んで対向する第2導体部を有するコイル導体と、
    互いに対向する第1主面及び第2主面を有する磁性体と、
    前記第2主面に対向するように配置されている第2面状導体と、を備え、
    前記第1導体部及び前記第2導体部の少なくとも一方は、前記磁性体に対して前記第1主面側に配置されており、
    前記第2面状導体の平面視において、前記第2導体部は、前記第1導体部よりも前記第2アンテナ装置の前記放射素子に近接し、かつ、前記第2面状導体と重なり、
    前記第2面状導体の平面の平行方向から視て、前記第2面状導体は、前記第1面状導体と前記第2導体部との間に配置されている、
    電子機器。
  2. 前記第2面状導体の平面視において、前記第2面状導体は、前記第1アンテナ装置のコイル開口と重なる、
    請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記第2面状導体の平面視において、前記第2面状導体は、前記コイル導体の前記第1導体部と重なる、
    請求項1又は2に記載の電子機器。
  4. 前記第2面状導体の平面視において、前記第2導体部は、前記磁性体と重ならない、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器。
  5. 前記第2面状導体の平面視において、前記第1導体部は、前記磁性体と重ならない、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器。
  6. 前記第1導体部及び前記第2導体部のうちの一方は、前記第1主面側に配置されており、
    前記第1導体部及び前記第2導体部のうちの他方は、前記第2主面側に配置されており、
    前記第1導体部及び前記第2導体部は、前記第2面状導体の平面視において、前記磁性体と重なっており、
    前記第1導体部は、前記第2面状導体の平面視において、前記第2導体部と重なっていない、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器。
  7. 前記第2面状導体は、互いに分離している複数の面状導体部を含む、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子機器。
  8. 前記第1アンテナ装置は、
    前記第2面状導体の平面視において、前記複数の面状導体部の間の隙間と重なる第3面状導体を更に含む、
    請求項7に記載の電子機器。
  9. 前記複数の面状導体部は、
    互いに隣り合っている第1面状導体部及び第2面状導体部を含み、
    前記第1面状導体部の少なくとも一部は、前記第2面状導体部の少なくとも一部と重なる、
    請求項7に記載の電子機器。
  10. 放射素子を有する他のアンテナ装置及び第1面状導体と共に用いられ、前記他のアンテナ装置が使用する周波数帯と異なる周波数帯を使用するアンテナ装置であって、
    第1導体部及び前記第1導体部とコイル開口を挟んで対向する第2導体部を有するコイル導体と、
    互いに対向する第1主面及び第2主面を有する磁性体と、
    前記第2主面に対向するように配置されている第2面状導体と、を備え、
    前記第1導体部及び前記第2導体部の少なくとも一方は、前記磁性体に対して前記第1主面側に配置されており、
    前記第2面状導体の平面視において、前記第2導体部は、前記第1導体部よりも前記他のアンテナ装置の前記放射素子に近接し、かつ、前記第2面状導体と重なり、
    前記第2面状導体の平面の平行方向から視て、前記第2面状導体は、前記第1面状導体と前記第2導体部との間に配置されている、
    アンテナ装置。
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