JP2021117217A - センサ素子、及びセンサシステム - Google Patents

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Masami Takai
正巳 高井
和人 岸
Kazuto Kishi
和人 岸
瑞樹 小田切
Mizuki Odagiri
瑞樹 小田切
淳 大島
Atsushi Oshima
淳 大島
崇尋 今井
Takahiro Imai
崇尋 今井
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Abstract

【課題】消費電力を低減すること。【解決手段】本発明の一態様に係るセンサ素子は、検出部又は演算部の少なくとも一方と、電源と、を有するセンサシステムに用いられるセンサ素子であって、外部刺激に対して電荷を発生する電荷発生素子と、前記電荷を所定の出力信号に変換する信号変換部と、を備え、前記信号変換部は、受動素子のみで構成され、前記信号変換部の駆動力は前記電源から供給される。【選択図】図2

Description

本発明は、センサ素子、及びセンサシステムに関する。
従来から、物理的な変形量に応じて電荷が発生する圧電素子を使用した圧力センサや加速度センサ等のセンサ素子が知られている。
また、圧電素子の出力を積分する積分回路と、積分回路の出力を増幅する増幅回路と、増幅回路のオフセット電圧を規定する基準電圧源とを備えるセンサ素子が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1のセンサ素子は、圧電素子等の電荷発生素子で得られた信号を所定の出力信号に変換する信号変換回路を、電力を消費する能動素子を用いて構成しているため、消費電力が大きいという点で改良の余地があった。
本発明は、消費電力を低減することを課題とする。
本発明の一態様に係るセンサ素子は、検出部又は演算部の少なくとも一方と、電源と、を有するセンサシステムに用いられるセンサ素子であって、外部刺激に対して電荷を発生する電荷発生素子と、前記電荷を所定の出力信号に変換する信号変換部と、を備え、前記信号変換部は、受動素子のみで構成され、前記信号変換部の駆動力は前記電源から供給される。
本発明によれば、消費電力を低減できる。
第1実施形態に係るセンサシステムの構成例を示すブロック図である。 実施形態に係る信号変換回路の第1例を示す図であり、(a)は構成例を示す図、(b)は出力信号例を示す図である。 実施形態に係る信号変換回路の第2例を示す図であり、(a)は構成例を示す図、(b)は出力信号例を示す図である。 実施形態に係る信号変換回路の第3例を示す図であり、(a)は構成例を示す図、(b)は出力信号例を示す図である。 実施形態に係る信号変換回路の第4例を示す図であり、(a)は構成例を示す図、(b)は出力信号例を示す図である。 実施形態に係る検出部による検出方法例を示す図であり、(a)は電圧値サンプリングによる方法を示す図、(b)はスレッシュ電圧による方法を示す図、(c)はピークホールドによる方法を示す図、(d)はスレッシュ微分電圧による方法を示す図である。 比較例に係る信号変換部の構成を示す図である。 比較例に係る出力信号を示す図である。 第2実施形態に係るセンサシステムの構成の一例を示すブロック図である。 第2実施形態に係るセンサシステムの構成の他の例を示すブロック図である。 第3実施形態に係るセンサシステムの構成例を示すブロック図である。 2次電池の電圧出力特性例を示す図である。 第4実施形態に係るインソールの全体構成例を示す図である。 第4実施形態に係る処理部の構成例を示すブロック図である。 処理部の出力データ例を示す図であり、(a)はその場で足踏みした場合を示す図、(b)は一歩前進した場合を示す図である。 第5実施形態に係る履物の全体構成例を示す図である。 第6実施形態に係る圧力式通過センサによる検知例の図である。 第7実施形態に係る接触状態センサによる検知例の図である。 第8実施形態に係る曲げ伸ばしセンサによる検知例の図である。 第9実施形態に係る変形式通過センサによる検知例の図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。下記、各図面において、同一構成部には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
実施形態に係るセンサ素子は、検出部又は演算部の少なくとも一方と、電源と、を有するセンサシステムに用いられるセンサ素子であって、外部刺激に対して電荷を発生する電荷発生素子と、電荷発生素子による電荷を所定の出力信号に変換する信号変換部とを備えている。
実施形態では、信号変換部を受動素子のみで構成し、センサシステムにおける電源から信号変換部の駆動力を供給する。信号変換部を受動素子のみで構成することで、信号変換部の消費電力を低減し、センサ素子の消費電力を低減する。
以下では、第1〜第3実施形態で、実施形態に係るセンサ素子を備えるセンサシステムの例を説明し、第4実施形態でセンサ素子を備えるインソールの一例を、第5実施形態でセンサ素子を備える履物の一例をそれぞれ説明する。
[第1実施形態]
<センサシステム1の構成例>
まず、第1実施形態に係るセンサシステム1について、図1を参照して説明する。図1は、センサシステム1の構成の一例を説明するブロック図である。
図1に示すように、センサシステム1は、センサ素子10と、電源20と、検出部30と、演算部40とを備えている。
これらのうち、センサ素子10は、電荷発生ゴム11と、信号変換回路12とを備え、圧力等の外部刺激に応じて発生した電荷を所定の出力信号Sに変換して出力する素子(デバイス)である。この出力信号Sは、センサ素子10による圧力等の検出信号に該当する。
電荷発生ゴム11は、圧力等の外部刺激に応じて変形することで電荷を発生する発電ゴムである。この電荷発生ゴム11は電荷発生素子の一例であり、外部からの力に由来し、電荷を発生する。但し、電荷発生素子は電荷発生ゴム11に限定されるものではなく、外部からの力に由来し、電荷を発生することができれば、圧電素子等の他の素子であってもよく、例えば圧電素子やエレクトレットなどが挙げられる。ただし、これらの電荷発生素子は出力インピーダンスが高いため、出力電力の電圧波形の最高電圧値がダイナミックレンジ(有効電圧範囲)の最大値以上になってしまう可能性がある。外部からの力としては例えば剥離力、摩擦の力、振動の力、変形の力等といった物理的なエネルギーの他、光エネルギーや熱エネルギーなどが挙げられる。
電荷発生ゴム11が発生した電荷による信号SEHは、信号変換回路12に入力される。
信号変換回路12は、電荷発生ゴム11による信号SEHを入力し、所定のオフセット電圧とダイナミックレンジ(有効電圧範囲)を有する出力信号Sに変換して、検出部30に出力する電気回路である。また、信号変換回路12は、検出部30が入力できるように出力信号Sのインピーダンスを変換するインピーダンスマッチング回路としても機能させることができる。
信号変換回路12は、受動素子(パッシブ素子)のみから構成され、電源20から供給される電圧VDD1により駆動する。換言すると、信号変換回路12は電源20から駆動力を供給される。
電源20は信号変換回路12に電力を供給する電源であり、1次電池や2次電池、コンデンサ等により電源20を構成することができる。一例として、電源20は信号変換回路12に3.6Vの電圧を印加して電力を供給する。この場合に信号変換回路12は、電荷発生ゴム11から入力した信号SEHに基づいて、オフセット電圧が1.8Vでダイナミックレンジが0Vから3.6Vの信号を生成する。
そして信号変換回路12は、生成信号のオフセット電圧は0Vから3.6Vの基準電圧としても良く、ダイナミックレンジが0Vから3.6Vになるように出力信号Sに生成信号を変換して検出部30に出力する。この信号変換回路12の具体的な構成は、図2〜図5を参照して次述する。ここで、信号変換回路12は、信号変換部の一例である。
検出部30は、信号変換回路12から入力するアナログ信号である出力信号SをA/D(Analog/Digital)変換することで検出し、検出したデジタル信号Sを演算部40に出力する電気回路である。検出部30は、任意の電源から供給される電圧VDD2により駆動する。この電圧VDD2は、電圧VDD1以上であると好適である。
演算部40は、CPU(Central Processing Unit)等で構成され、検出部30から入力されるデジタル信号Sに対して解析処理を実行し、解析データSを出力するプロセッサである。演算部40は、任意の電源から供給される電圧VDD3により駆動する。この電圧VDD3は、デジタル信号Sを演算部40に入力可能な電圧に調整できるため、任意の電圧値に設定されてもよい。
なお、検出部30と演算部40のそれぞれは、PC(Personal Computer)等の外部装置を用いて実現することもできる。また演算部40が検出部30の機能を備えたり、検出部30が演算部40の機能を備えたりするように、センサシステム1を構成することもできる。
<信号変換回路12の構成例>
次に、信号変換回路12の構成について説明する。この信号変換回路12には、電力を消費しない種々の受動素子を用いた種々の構成及び配置を適用できるため、以下では図2〜図5のそれぞれを参照して4つの構成例を説明する。
(第1構成例)
図2は、信号変換回路の第1例を示す図であり、(a)は構成の一例を示す図、(b)は出力信号の一例を示す図である。
なお、図2(b)は、電荷発生ゴム11に外部刺激が付与された場合の出力信号を示している。より具体的には、センサシステムを利用するユーザ(以下ではユーザという)が電荷発生ゴム11を足で踏むことで電荷発生ゴム11に外部刺激を付与する場合に、電荷発生ゴム11が1回踏まれて加圧され、その後、電荷発生ゴム11から足を離して減圧された時の出力信号を示している。ユーザが電荷発生ゴム11を踏む動作を繰り返した場合には、動作の繰り返し回数に応じて、図2(b)に示す出力信号が繰り返し得られる。これらの点は、以下で出力信号を示す他の図においても同様である。
図2(a)に示すように、信号変換回路12は、抵抗R1と、出力端子122と、GND端子123とを備えている。
抵抗R1は、電荷発生ゴム11に対して並列に接続されている。また抵抗R1の一端は出力端子122に接続され、他端はGND端子123に接続されている。電荷発生ゴム11が出力する電流(電荷)が抵抗R1に流れることで、電流(電荷)の流れる方向に沿って、抵抗R1の一端に接続されたGND電圧を基準とした電圧が発生する。
図2(a)における信号変換回路12の出力電圧はGND電位に対して、正電圧と負電圧となるため、検出部30の電源は±電源で駆動する構成にする必要がある。
出力端子122は、信号変換回路12で変換された出力信号Sを出力する。GND端子123は電位の基準となる接地端子である。
電荷発生ゴム11は、第1電極111と、第2電極112と、中間層113とを備えている。中間層113は、ゴム又はゴム組成物から形成され、可撓性を備える層である。中間層113を挟むように第1電極111と第2電極112を積層して、電荷発生ゴム11を構成している。
電荷発生ゴム11が外部刺激に応じて変形することで発生する信号SEHにおける電荷と電流との関係は、次の(1)式のように表される。
EH=QEH/t ・・・ (1)
ここで、(1)式におけるIEHは電流を表し、QEHは電荷を表し、tは時間を表している。
電流IEHは図2(a)の矢印114で示す方向に流れ、出力端子122はGND電圧を基準とした電圧信号である出力信号Sを出力する。なお、矢印114とは反対方向は電荷QEHが変化する方向に該当する。
また図2(b)に示すように、出力信号Sは、GND電圧(0V)を基準電圧SABとし、負方向へのピーク電圧SAVと、正方向へのピーク電圧SAPとを含む信号である。実施形態では、正方向と負方向の2方向にピークを持つ信号を信号変換回路12により取得することで、電荷発生ゴム11に対して外部刺激が付与される方向を検知できるようになっている。
より具体的には、電荷発生ゴム11をユーザが足で踏むことで電荷発生ゴム11に外部刺激を付与する場合に、電荷発生ゴム11が足で踏まれた時に負方向へのピーク電圧SAVが得られ、電荷発生ゴム11から足が離れた時に正方向へのピーク電圧SAPが得られる。このような出力信号Sにより、電荷発生ゴム11に付与される外部刺激の方向と大きさの情報を取得できる。
ここで、正方向へのピーク電圧SAPは正方向への極値の一例であり、負方向へのピーク電圧SAVは負方向への極値の一例である。
なお、図2(b)における矢印115は、負方向へのピーク電圧SAVの時に電流が流れる方向を示し、矢印116は、正方向へのピーク電圧SAPの時に電流が流れる方向を示している。
(第2構成例)
次に、図3は、信号変換回路の第2例を示す図であり、(a)は構成の一例を示す図、(b)は出力信号の一例を示す図である。
図3(a)に示すように、信号変換回路12aは、ダイオードD1〜D4と、抵抗R2と、コンデンサC1とを備えている。
ダイオードD1〜D4は、ブリッジ状に配置されて全波整流回路を構成し、信号変換回路12aへの入力電圧における負電圧分を整流して正電圧を生成する。
抵抗R2及びコンデンサC1は、それぞれ電荷発生ゴム11に対して並列に接続され、その一端は出力端子122に、他端はGND端子123にそれぞれ接続されている。抵抗R2及びコンデンサC1は、ダイオードD1〜D4による全波整流後の直流電圧に対してノイズ処理と波形整形を施し、出力信号SAaを生成する。
また図3(b)に示すように、出力信号SAaは、GND電圧を基準電圧SABとし、正方向への第1ピーク電圧SAP1と、正方向への第2ピーク電圧SAP2とを含む信号である。全波整流回路により負電圧分が正電圧に変換整流されることで、正方向への2つのピーク電圧が得られる。
なお、図3(b)における矢印115aは、第1ピーク電圧SAP1の時に電流が流れる方向を示し、矢印116aは、第2ピーク電圧SAP2の時に電流が流れる方向を示している。
このように全波整流回路を含んで信号変換回路12aを構成することで、ノイズの低減と出力電圧レベル(ダイナミックレンジ)の調整等を図ることができる。
(第3構成例)
次に、図4は、信号変換回路の第3例を示す図であり、(a)は構成の一例を示す図、(b)は出力信号の一例を示す図である。
図4(a)に示すように、信号変換回路12bは、ダイオードD5と、抵抗R3と、コンデンサC2とを備えている。
ダイオードD5は、電荷発生ゴム11に直列に接続されて半波整流回路を構成し、電荷発生ゴム11から入力される交流電流のうち、正方向及び負方向の両方向に流れている電流の何れか一方のみを流すことで整流を行う。
抵抗R3及びコンデンサC2は、それぞれ電荷発生ゴム11に接続され、その一端は出力端子122に、他端はGND端子123にそれぞれ接続されている。抵抗R3及びコンデンサC2は、ダイオードD5による半波整流後の直流電圧に対してノイズ処理と波形整形を施し、出力信号SAbを生成する。
また図4(b)に示すように、出力信号SAbは、GND電圧を基準電圧SABとし、正方向へのピーク電圧SAPbを含む信号である。半波整流回路の作用によって、正方向及び負方向の両方向に流れている電流のうちの正方向分のみが流れることで、正方向へのピーク電圧SAPbのみが得られる。
なお、図4(b)における矢印115bは、ピーク電圧SAPbの時に電流が流れる方向を示し、矢印116aは、半波整流前の出力信号Sでピーク電圧が得られる時に電流が流れる方向を示している。
このように半波整流回路を含んで信号変換回路12bを構成することで、少ない部品点数で信号変換回路を構成することができる。
半波整流回路を使うことで電荷発生ゴム11、電荷発生ゴム11を足で踏んだ時のみ正方向へのピーク電圧SAPが得られるようにすることも、足が離れたのみ正方向へのピーク電圧SAPが得られるようにすることもでき、電荷発生ゴム11に付与される外部刺激の方向と大きさの情報を取得できる。
(第4構成例)
次に、図5は、信号変換回路の第4例を示す図であり、(a)は構成の一例を示す図、(b)は出力信号の一例を示す図である。
図5(a)に示すように、信号変換回路12cは、抵抗R4〜R7と、コンデンサC3と、VDD端子124とを備え、RC回路を構成している。
これらのうち、抵抗R4は電荷発生ゴム11に対して直列に接続され、電荷発生ゴム11側の一端が抵抗R5に接続され、他端がコンデンサC3にそれぞれ接続されている。また抵抗R5及びコンデンサC3のそれぞれは、電荷発生ゴム11に対して並列に接続されている。
抵抗R6は、一端がVDD端子124に接続され、他端が出力端子122にそれぞれ接続されている。また抵抗R7は一端が出力端子122に接続され、他端がGND端子123にそれぞれ接続されている。
VDD端子124から入力される電圧VDD1と信号変換回路12cにより、基準電圧SABを基準にした出力信号SAcが生成される。
また信号変換回路12cは、信号変換回路12cの出力信号SAcを検出部30が入力できるように、信号変換回路12cの出力インピーダンスと、検出部30の入力インピーダンスとを整合させるインピーダンスマッチング回路としても機能する。信号変換回路12cの出力インピーダンスは、抵抗R4〜R7の抵抗値とコンデンサC3の容量値により調整できる。
また図5(b)に示すように、出力信号SAcは、基準電圧SABを基準とし、負方向へのピーク電圧SAVcと、正方向へのピーク電圧SAPcとを含む信号である。この正方向と負方向の2方向にピークを持つ信号により、図2(b)を用いて説明した出力信号Sと同様の作用を得ることができる。
図5(b)における電圧SADは電圧VDD1に対応し、電圧SAGはGND電圧に対応する。また電圧SAG〜SADの範囲がダイナミックレンジに対応し、基準電圧SABは電圧SAGと電圧SADの中間値となる電圧値に対応する。
ダイナミックレンジは、抵抗R4〜R7の抵抗値とコンデンサC3の容量値によって、検出部30がA/D変換を行うために入力可能な範囲内に調整される。また基準電圧SABは、抵抗R4〜R7の抵抗値の組合せによって、検出部30がA/D変換を行うために入力可能な範囲内に調整される。
なお、図5(b)における矢印115cは、負方向へのピーク電圧SAVcの時に電流が流れる方向を示し、矢印116cは、正方向へのピーク電圧SAPcの時に電流が流れる方向を示している。
<検出部30による検出方法例>
次に、検出部30による検出方法について、図6を参照して説明する。なお、検出部30は、以下の図6(a)〜(d)に説明する4つの検出方法を何れも実行可能である。また検出部30に出力信号を供給する信号変換回路として、信号変換回路12及び12a〜12cを何れも適用可能であるが、以下では信号変換回路12を適用する場合を一例として説明する。
ここで、図6は、検出部30による検出方法の一例を説明する図であり、(a)は電圧値サンプリングによる方法を説明する図、(b)はスレッシュ電圧による方法を説明する図、(c)はピークホールドによる方法を説明する図、(d)はスレッシュ微分電圧による方法を説明する図である。
なお、図6(a)〜(d)に示す各グラフの横軸は時間を表し、縦軸は電圧を表している。また各グラフにおける黒丸のプロットは、検出部30により検出されるデジタル信号Sを表し、実線で示すグラフは検出部30に入力される出力信号Sを表している。
図6(a)の電圧値サンプリングによる方法では、検出部30は、所定のサンプリング間隔Δtで出力信号Sの電圧値vaをサンプリングしてA/D変換し、電圧値とその時の時間データを対応付けて検出(取得)する。
具体的には、検出部30は、(ta0、va1)、(ta0+Δt、va2)、(ta0+2・Δt、va3)、・・・、(ta0+n・Δt、van)を検出する。ここで、ta0はサンプリングの開始時刻を示し、vaは電圧値を示し、nはサンプリングの総回数を示し、vaの添字の数値はカウンタを示している。この例では、1〜n回のサンプリングが行われている。
時間データでは、開始時刻ta0を初期データとし、この初期データにサンプリング間隔Δtがサンプリングを行う度に加算されて検出される。電圧値では、時間データに対応付いて電圧値vanが検出される。
次に、図6(b)のスレッシュ電圧による方法では、検出部30は、出力信号Sの電圧が予め定められたスレッシュ電圧値を横切った(クロスした)場合に、電圧値とその時の時間データを対応付けて検出する。
図6(b)に示す例では、下位側スレッシュ電圧値Vth1と、上位側スレッシュ電圧値Vth2が予め定められている。出力信号Sが下位側スレッシュ電圧値Vth1を横切った時の電圧値va1とその時の時間データta1が対応付いて検出される。また出力信号Sが上位側スレッシュ電圧値Vth2を横切った時の電圧値va2とその時の時間データta2が対応付いて検出される。
なお、図6(b)では2点のデータのみを示しているが、下位側スレッシュ電圧値Vth1及び上位側スレッシュ電圧値Vth2の何れかを横切った回数に応じた点数のデータが検出される。
次に、図6(c)のピークホールドによる方法では、検出部30は、出力信号Sにおける電圧値が最も小さくなった時及び最も大きくなった時に、電圧値をホールドして電圧値とその時の時間データを対応付けて検出する。
図6(c)に示す例では、最小値Vminになった時の電圧値va1とその時の時間データta1が対応付いて検出され、また最大値Vmaxになった時の電圧値va2とその時の時間データta2が対応付いて検出されている。
次に、図6(d)の微分電圧による方法では、電圧値の時間微分値を検出する。
図6(d)に示す例では、時間データta1(あらかじめ決められた時間)に対応する微小時間dtでの電圧変化量であるΔva1(=va1−va1')が検出されている。また時間データta2に対応する時間における微小時間dtでの電圧変化量であるΔva2(=va2−va2')が検出されている。
Δva1/ta1及びΔva2/ta2により、足で踏んだ強さや足が離れた速さが判別でき歩行の状態を知ることができる。
以上説明したようにして、検出部30は信号変換回路の出力信号を検出し、検出したデジタル信号Sを演算部40に出力することができる。
<第1実施形態に係る作用効果>
(信号変換回路12の作用効果)
次に、センサ素子10の備える信号変換回路12の作用効果について説明する。まず、信号変換回路12の作用効果の説明に先立ち、比較例に係る信号変換回路12Xを説明する。ここで、図7は信号変換回路12Xの構成を説明する図である。
図7に示すように、信号変換回路12Xは、圧電素子101と、積分回路71と、増幅回路72とを備えている。電荷発生素子としての圧電素子101による電荷に応じて発生する信号は、積分回路71に入力する。
積分回路71は積分用演算アンプ108を備え、積分用演算アンプ108の入出力間に設けられた充電容量104に蓄積され、積分された電圧信号Vo1に変換される。
積分用演算アンプ108の後段には増幅回路72が設けられ、積分用演算アンプ108の出力する電圧信号Vo1を増幅する正転増幅回路107が接続されている。また正転増幅回路107は基準電圧源106に接続されている。
基準電圧源106は、積分用演算アンプ108および正転増幅回路107に所定のバイアス電圧を与えるためのものである。これらの積分用演算アンプ108、正転増幅回路107、基準電圧源106は集積化され、集積回路を構成している。
信号変換回路12Xは、圧電素子101による電荷に応じて発生する信号を所定の信号に変換して出力する機能を備える。しかし信号変換回路12Xは、能動素子(アクティブ素子)としての積分回路71と増幅回路72を用いて信号変換を行うため、信号変換のための消費電力が大きくなる場合がある。
このような比較例に対し、本実施形態では、信号変換回路12を受動素子のみで構成する。受動素子は能動素子よりも電力の消費量が少ない素子であるため、信号変換回路12は消費電力を低減して、電荷発生ゴム11による電荷に応じて発生する信号SEHを所定の出力信号Sに変換することができる。受動素子の中でもローインピーダンスの受動素子よりもハイインピーダンスの受動素子であることが好ましい。ハイインピーダンスの受動素子としては例えば、抵抗やコンデンサ、コイルが挙げられる。ハイインピーダンスの受動素子を用いることにより、ローインピーダンスの受動素子を用いた場合に比べて消費電力をより抑制することができる。
(センサシステム1の作用効果)
本実施形態に係るセンサシステム1は、センサ素子10の出力信号を検出する検出部30を備える。より具体的には、検出部30は、アナログ信号であるセンサ素子10の出力信号SをA/D変換することで、デジタル信号Sを検出して出力する。これにより、センサ素子10の出力信号Sのデジタル処理による解析を可能にし、またデジタルデータとしてPC等の外部装置に送信したり、記憶装置に格納したりすることができる。
また、センサシステム1は、センサ素子10の出力信号を解析する演算部40を備える。演算部40は、例えばセンサ素子10の出力信号Sをデジタル処理により解析し、解析データを出力する。これにより、センサ素子10の出力信号Sに基づき、種々の情報を取得可能になる。
なお、本実施形態では、検出部30と演算部40の両方を備えるセンサシステム1の例を示したが、センサシステム1が検出部30又は演算部40の何れか一方を備える構成にしてもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るセンサシステム1aについて説明する。
ここで、図9はセンサシステム1aの構成の一例を説明するブロック図である。図9に示すように、センサシステム1aは、電源20aを備える。
電源20aは、センサ素子10における信号変換回路12と検出部30の両方に電力を供給する電源である。換言すると、信号変換回路12の電力供給源と検出部30の電力供給源は、同じ電源20aである。
電源20aは、信号変換回路12と検出部30の両方に電圧VDD4を印加して電力を供給する。電源20aは、1次電池や2次電池、コンデンサ等により構成することができる。
このように信号変換回路12の電力供給源と、検出部30の電力供給源を同じ電源20aにすることで、信号変換回路12は、信号変換回路12の出力信号Sを検出部30が入力するために要求されるダイナミックレンジで、出力信号Sを出力できる。
ここで、図9では、センサシステム1aにおける信号変換回路12の電力供給源と、検出部30の電力供給源が同じ電源20aである例を示したが、これに限定されるものではない。信号変換回路12の電力供給源と、演算部40の電力供給源が同じ電源であるようにセンサシステム1aを構成してもよい。この場合、信号変換回路12は、信号変換回路12の出力信号Sを演算部40が入力するために要求されるダイナミックレンジで、出力信号Sを出力できる。
また、信号変換回路12、検出部30及び演算部40の全部の電力供給源が同じ電源であるようにセンサシステムを構成してもよい。ここで図10は、センサシステム1bの構成の他の例を説明するブロック図である。このセンサシステム1bにおける信号変換回路12、検出部30及び演算部40の全ての電力供給源は同じ電源である。
図10に示すように、センサシステム1bは、信号変換回路12、検出部30及び演算部40の全部に電力を供給する電源20bを備えている。換言すると、信号変換回路12、検出部30及び演算部40の全部の電力供給源は、同じ電源20bである。
電源20bは、信号変換回路12、検出部30及び演算部40の全部に電圧VDD5を印加して電力を供給する。また1次電池や2次電池、コンデンサ等により電源20bを構成することができる。
このような構成により、センサシステム1bにおける信号変換回路12、検出部30及び演算部40のダイナミックレンジを容易に整合させることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るセンサシステム1cについて説明する。ここで、図11は、センサシステム1cの構成の一例を説明するブロック図である。
図11に示すように、センサシステム1cは、センサ素子10における信号変換回路12に電力を供給する電源として2次電池21を備えている。2次電池21は、リチウムイオン電池、又は鉛蓄電池等により構成される。
ここで、2次電池21は、キャパシタやコンデンサ等の他の蓄電素子と比較して、蓄電素子の残容量であるSOC(State Of Charge)等の変化に伴う出力信号の電圧変化が小さい電圧出力特性(放電特性)を備えている。換言すると、2次電池21は、2次電池21の充電や放電によりSOCが変化する場合にも、出力電圧の変化を抑制できる。
図12は、2次電池21の電圧出力特性の一例を説明する図である。図12の横軸は2次電池21のSOCを示し、縦軸は2次電池21の出力電圧を示している。また図12におけるWrangeは、2次電池21による供給電力のうち、信号変換回路12が使用する電力使用範囲を示している。またVrangeは、電力使用範囲Wrangeに対応する出力電圧の変化範囲を示している。
図12に示すように、2次電池21の電圧出力特性では、SOCに伴う電圧変化の傾きが小さくフラットな領域がある。例えば図12の例では、SOCが10%以上で90%以下の範囲等がSOCに伴う電圧変化の傾きが小さくフラットな領域に該当する。
この領域を利用し、信号変換回路12が使用する電力使用範囲Wrangeとして、SOCが10%以上で90%以下の範囲を予め定めておくと、電圧変化範囲Vrangeを3.5V以上で3.7V以下という狭い範囲に収めることができる。これによりSOCに伴う出力電圧の変化を抑制できるようになっている。ここで、「SOCが10%以上で90%以下の範囲」は「所定範囲」の一例である。
信号変換回路12に電力を供給する電源の出力電圧の変化が大きいと、信号変換回路12に供給する駆動電圧が変化するため、信号変換回路12が正常に動作しなくなる場合がある。これに対し、本実施形態では、電源として2次電池21を利用し、SOCに伴う電圧変化の傾きが小さい電力使用範囲Wrangeを電力使用範囲として予め定めている。この電力使用範囲Wrangeで電力を使用することにより、SOC等に伴う出力電圧の変化を抑制し、信号変換回路12を安定して正常に動作させることができる。
なお、本実施形態では、2次電池21が信号変換回路12に電力を供給する構成を例に説明したが、これに限定されるものではない。信号変換回路12の他に、検出部30又は演算部40の少なくとも一方に2次電池21が電力を供給するようにセンサシステム1cを構成してもよい。つまり、図9における電源20a又は図10における電源20bを2次電池21で構成することができる。この場合は、SOCに伴う出力電圧の変化を抑制することで、信号変換回路12の他、検出部30又は演算部40の少なくとも一方を安定して正常に動作させることができる。
また、本実施形態では、信号変換回路12を例に説明したが、信号変換回路12a〜12cに本実施形態を適用した場合にも同様の効果を得ることができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係るインソール200について説明する。
ここで、インソールとは、靴等の履物で使用され、弾力を有するクッションをいい、中敷きともいう。インソールは、ポリウレタンや、ポリエステル、ウール、革、活性炭等の素材を用いて構成できる。
<インソール200の全体構成例>
図13は、本実施形態に係るインソール200の全体構成の一例を説明する図である。なお、図13に示すX方向はインソール200の短手方向(幅方向)に対応し、Y方向はインソール200の長手方向に対応する。またZ方向はX方向及びY方向の両方に直交する方向である。
図13に示すように、インソール200は、センサ素子10A及び10Bと、処理部50と、発電部60とを備えている。なお、本構成例においてはセンサ素子として10Aおよび10Bの2つの素子を用いているが、センサ素子の数は複数であれば特に限定されない。インソール200の正のY方向側に対応するつま先側の部分(以下ではつま先部という)は上記のインソール素材で形成された素材部70で構成されている。インソール200の負のY方向側に対応するかかと側の部分(以下ではかかと部という)は発電部60(斜線のハッチング部分)で構成されている。また素材部70と発電部60とを接続するようにして、Y方向における素材部70と発電部60との間に処理部50が設けられている。
センサ素子10A及び10Bのそれぞれは、第1〜第3実施形態で説明したセンサ素子10と同様の機能を備え、外部刺激、本実施形態においては圧力などの外部応力、に応じて発生した電荷を所定の出力信号に変換して出力する素子である。センサ素子10Aは出力信号SA1を出力し、センサ素子10Bは出力信号SA2を出力する。この出力信号S及びSは、圧力等の検出信号に該当する。
センサ素子10Aは、インソール200のかかと部における発電部60の正のZ方向側の面に設置されている。またセンサ素子10Bは、インソール200のつま先部における素材部70の正のZ方向側の面に設置されている。ここで、インソール200における正のZ方向側の面は、インソール200が装着された履物をユーザ(以下ではインソールユーザという)が履いた際に、インソールユーザの足裏が接触する側の面である。またインソール200における負のZ方向側の面は、インソール200が装着された履物に接触する側の面である。
センサ素子10Aを発電部60の表面に固定することで、センサ素子10Aをインソール200に設置できる。またセンサ素子10Bを素材部70の表面に固定することで、センサ素子10Bをインソール200に設置できる。この固定は接着剤や両面テープ等により行える。
処理部50は、センサ素子10A及び10Bの出力信号を入力し、出力信号に対して所定の処理を実行する電気回路である。処理部50の構成及び機能の詳細は、次の図14を用いて詳述する。
発電部60は、発電ゴム等を含んで構成され、外部刺激に応じて電力を発生する。より具体的には、発電部60は、ゴム又はゴム組成物から形成され、可撓性を備える層である中間層を1対の電極で挟んで構成された発電素子を複数積層して構成されている。この発電素子の層数は例えば10層である。
発電部60は、インソールユーザの歩行等に伴って、圧力が加えられることで発電し、発電した電力を処理部50に備えられた2次電池に供給する。
なお、インソール200におけるセンサ素子10A及び10Bや、処理部50、発電部60等の各構成の配置は、上述したものに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、センサ素子10A及び10Bが設置される部分は、インソール200の正のZ方向側の面に限定されるものではなく、インソール200の負のZ方向側の面でもよいし、インソール200の基材(素材)の内部でもよい。またセンサ素子10Aがインソール200の正のZ方向側に設置され、センサ素子10Bがインソール200の内部に設置される等、センサ素子10Aとセンサ素子10Bがインソール200の異なる部分に設置されてもよい。但し、センサ素子10Aとセンサ素子10Bで検出条件を合致させるために、固定する部分を合わせることが好ましい。
また、インソール200の全体を素材部70で構成し、処理部50又は発電部60の少なくとも一方を素材部70の表面又は内部に設置してもよい。センサ素子10A及び10Bや、処理部50、発電部60は、それぞれを収容する部材で覆われていてもよい。収容する部材の材質、形状、大きさ、及び構造としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
<処理部50の構成例>
次に、処理部50について説明する。図14は、インソール200の備える処理部50の構成の一例を説明するブロック図である。図14に示すように、処理部50は、蓄電部51と、検出部30aと、演算部40aと、格納部52と、通信部53とを備え、電気回路を構成している。
またセンサ素子10Aは、外部刺激に対して電荷を発生する電荷発生ゴム11Aと、電荷発生ゴム11Aによる電荷を所定の出力信号に変換する信号変換回路12Aとを備えている。センサ素子10Bは、外部刺激に対して電荷を発生する電荷発生ゴム11Bと、電荷発生ゴム11Bによる電荷を所定の出力信号に変換する信号変換回路12Bとを備えている。
蓄電部51は、2次電池21を備え、発電部60が発電した電力を2次電池21に蓄電し、蓄電した電力をセンサ素子10A、センサ素子10B、検出部30a、演算部40a、格納部52及び通信部53に供給する。
蓄電部51がセンサ素子10A及び10B、検出部30a及び演算部40aに電力を供給する機能は、第2実施形態で説明した電源20bがセンサ素子10、検出部30及び演算部40に電力を供給する機能と同様である(図10参照)。また2次電池21の機能は、第3実施形態で説明したものと同様である(図11、12参照)。
蓄電部51は、電圧VDD6を印加することでセンサ素子10Aに電力を供給でき、また電圧VDD7を印加することでセンサ素子10Bに電力を供給できる。蓄電部51が検出部30a、演算部40a、格納部52及び通信部53に電力を供給するためのVDD端子と設置用のGND端子は、図14では図示を省略する。
また蓄電部51は、2次電池21の他に、コンデンサ等の複数の蓄電デバイスと、複数の蓄電デバイスの接続状態を直列又は並列に相互に切り替える直並切替部とを備えて構成することもできる。複数の蓄電デバイスと、直並切替部とを備えることで蓄電部51による蓄電効率を上げることができる。このような構成には、特開2019−161975号公報等に開示された公知技術を適用できるため、ここではさらに詳細な説明を省略する。
検出部30aは、信号変換回路12Aの出力信号SA1をA/D変換することで検出してデジタル信号SD1を演算部40に出力し、また信号変換回路12Bの出力信号SA2をA/D変換することで検出してデジタル信号SD2を演算部40に出力する電気回路である。
演算部40aは、CPU等で構成され、検出部30aから入力されるデジタル信号SD1及びSD2に対して解析処理を実行し、対応する解析データSC1及びSC2を格納部52及び通信部53に出力するプロセッサである。
この解析処理は、インソール200に加えられる圧力のセンサ素子10A及び10Bによる検出信号に基づき、かかと着地率を求める処理等である。ここで、かかと着地率とはインソールユーザが歩行している間にかかとが地面に着地する割合をいう。
検出部30a及び演算部40aの機能を低電圧低消費電流で動作するプロセッサを用いることで演算のための消費電力を低減できるため、インソール200や、センサ素子10A及び10B、処理部50等を含んで構成されるセンサシステムを、IoT(Internet of Things)用途等に適用する場合に好適である。
格納部52は、解析データSC1及びSC2を格納するためのメモリである。格納部52を半導体メモリで構成してもよいし、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬性メモリで構成してもよい。可搬性メモリで構成すると、格納した解析データSC1及びSC2をPC等の外部装置に移動させる場合に好適である。
通信部53は、解析データSC1及びSC2をスマートフォン80に無線送信するNFC(Near Field Communication)又はBluetooth(登録商標)等の通信回路である。通信部53は、スマートフォン80から信号やデータを無線で受信することもできる。無線通信プロトコルとしてBLE(Bluetooth Low Energy)規格を用いると、通信のための消費電力の低減を図ることができ、IoT用途等に好適である。ここで、通信部53は送信部の一例である。
スマートフォン80には、インソール200から受信した解析データSC1及びSC2に基づき、インソールユーザの歩行時や走行時、自立時等における足裏への体重のかかり方等の解析及び分析を行うためのアプリケーションがインストールされている。
インソールユーザは、スマートフォン80と上記のアプリケーションを用いて、解析データSC1及びSC2に基づき、体重のかかり方や歩き方、走り方等の特徴の解析及び分析を行うことができる。
なお、通信部53が通信する対象機器は、上記のスマートフォン80に限定されるものではなく、PCやサーバ、ディスプレイ等の外部装置であってもよい。
<解析データの一例>
次に、センサ素子10A及び10Bで検出され、処理部50から出力される解析データSC1及びSC2について説明する。
ここで、図15は、処理部50による解析データSC1及びSC2の一例を説明する図である。(a)はインソールユーザがその場で足踏みした場合を示す図、(b)はインソールユーザが一歩前進した場合を示す図である。
グラフの横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示している。また実線のグラフ151はセンサ素子10a(かかと部)の出力信号SA1に基づく解析データSC1を示し、破線のグラフ152はセンサ素子10b(つま先部)の出力信号SA2に基づく解析データSC2を示している。
インソールユーザがその場で足踏みした場合には、インソールユーザの足裏は全体的にほぼ同じタイミングで地面に対して離接し、足裏全体にかかる力も同程度となる。従って、インソール200のかかと部とつま先部には、同程度の圧力が加えられるため、センサ素子10aの出力信号SA1とセンサ素子10bの出力信号SA2はほぼ同じとなる。その結果、図15(a)に示すように、グラフ151とグラフ152はほぼ重なっている。また図15(a)の例では、繰り返し5回行った足踏みに応じて、圧力を示す電圧信号は5つの波形が繰り返して表示されている。
一方、インソールユーザが一歩前進した場合には、始めにインソールユーザが足を持ち上げる際に、足裏におけるつま先部が地面に圧力をかけ、かかと部は地面から離間する。その後、持ち上げた足を地面に着地させる際に、かかと部が先に地面に接触し、その後つま先部が地面に接触する。
このような地面に対する足裏の挙動に応じて、インソールユーザが足を持ち上げる際にはつま先部に圧力が加わり、かかと部は圧力が低下する。その後、持ち上げら足を地面に着地させる際に、かかと部への圧力が大きくなり、その後つま先部への圧力が大きくなる。かかと部とつま先部にかかる圧力の違いに応じて、図15(b)に示すように、グラフ151とグラフ152は分離して表示されている。
このような解析データSC1及びSC2に基づき、スマートフォン80は、インソールユーザの歩行時や走行時、自立時等における足裏への体重のかかり方や、歩き方、走り方の特徴の解析及び分析を行うことができる。
なお、図13〜図15に示した例では、片足にインソール200を適用する例を示したが、両足に同じインソール200を適用することもできる。インソールユーザの歩行時や走行時、自立時等における両足の解析データを取得することで、歩き方等をより詳細に解析及び分析可能になる。
<第4実施形態に係る作用効果>
以上説明したように、本実施形態では、外部刺激に対して電荷を発生する電荷発生ゴム11Aと、電荷発生ゴム11Aによる電荷を所定の出力信号に変換する信号変換回路12Aとを備えるセンサ素子10Aを含んでインソール200を構成する。これにより、信号変換回路12Aの出力信号SA1に基づき、インソール200に加わる圧力を検出でき、圧力を検出可能なインソールを提供できる。
また本実施形態では、電荷発生ゴム11Aを含んでセンサ素子10Aを構成する。電荷発生ゴム11Aは弾力があって柔らかいため、インソールユーザは、インソール200を装着した履物を履き心地よく履くことができる。また電荷発生ゴム11Aの弾力性や柔らかさはセンサ素子10Aを壊れにくくするため、センサ素子10Aの故障や破損等を抑制し、センサ素子10Aの交換や修理等を低減してメンテナンス性を向上させることができる。
また、信号変換回路12Aはパッシブ素子のみで構成されているため、信号変換のため電力消費が非常に小さい。これにより、インソール200の消費電力を抑制できる。なお、本発明において「パッシブ素子」とは、抵抗及びコンデンサ、コイルといった増幅や電気エネルギーの変換のような能動的機能をもたない素子を意味し、アクティブ素子とはオペアンプやボルテージフォロアなどの、増幅や電気エネルギーの変換のような能動的機能をもつ素子を意味する。パッシブ素子の中でもローインピーダンスのパッシブ素子よりもハイインピーダンスのパッシブ素子であることが好ましい。ハイインピーダンスのパッシブ素子としては例えば、抵抗やコンデンサ、コイルが挙げられる。ハイインピーダンスのパッシブ素子を用いることにより、ローインピーダンスのパッシブ素子を用いた場合に比べて消費電力をより抑制することができる。また、ハイインピーダンスのパッシブ素子を用いることにより、信号変換回路12Aのインピーダンスを高くすることができ、電荷発生ゴムなどの出力インピーダンスが高い電荷発生弾性体を用いた場合でも、電荷発生弾性体により出力された電力の電圧波形の全てをダイナミックレンジ(有効電圧範囲)に含めやすくすることができる。
さらに、インソール200におけるセンサ素子10A、センサ素子10B、検出部30a、演算部40a、格納部52及び通信部53は、発電部60で発電した電力を蓄電する蓄電部51から駆動電力を供給される。これにより、該各構成の駆動電力を供給するための外部電源を不要とすることができる。
低消費電力であることと、外部電源が不要であることは、IoT用途等にインソール200を適用する場合に特に好適となる。
また本実施形態では、センサ素子10A及びセンサ素子10Bの複数(ここでは2個)のセンサをインソール200の異なる位置に設けている。これによりインソール200の異なる位置に加えられる圧力を検出でき、足裏への体重のかかり方や、歩き方、走り方の特徴の解析及び分析をより詳細に行うことができる。
但し、設置するセンサ素子の個数は2個に限定されるものではなく、3個以上であってもよい。個数が増えるほど、より詳細な解析及び分析が可能になる。
また本実施形態では、センサ素子10A及びセンサ素子10Bの2個のセンサをインソール200の異なる位置に設けているが、さらに多くのセンサ素子を複数箇所に配置することによって、より詳細に歩き方、走り方の特徴解析および分析等を行うことができる。これによりインソール200の異なる位置に加えられる圧力変化を検出でき、足裏への体重のかかり方や、歩き方、走り方の特徴の解析及び分析をより詳細に行うことができる。
もちろん上述のとおり、センサ素子のインソール200への設置箇所は、つま先側とかかと側に限定されるものではなく、取得したい解析データに応じて任意の箇所に設置してもよい。
また本実施形態では、センサ素子10A及び10Bの出力信号SA1及びSA2に基づき取得される解析データSC1及びSC2を出力するプロセッサを備える。これにより、出力信号SA1及びSA2のデジタルデータに対し所望の処理を実行することができる。またセンサ素子10A及び10Bや検出部30a等の各部の制御も可能になる。
また本実施形態では、解析データSC1及びSC2を格納するための格納部52を備えている。これにより解析データSC1及びSC2の保存や、保存したデータの取り出しが可能になる。
また本実施形態では、解析データSC1及びSC2を無線送信する通信部53を備えている。これによりスマートフォン80等の外部装置に解析データSC1及びSC2を提供でき、外部装置への解析データSC1及びSC2の蓄積や、外部装置による歩き方や走り方等の詳細な解析及び分析が可能になる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る履物について説明する。
ここで、履物としては、例えばスニーカー、革靴、パンプス、ハイヒール、スリッポン、サンダル、スリッパ、ブーツ、登山靴、スポーツシューズ、上履き、下駄、草履、足袋等が挙げられる。
<履物300の全体構成例>
図16は、本実施形態に係る履物300の全体構成の一例を説明する図である。なお、図16に示すX方向は履物300の短手方向(幅方向)に対応し、Y方向は履物300の長手方向に対応する。またZ方向はX方向及びY方向の両方に直交する方向である。
図16に示すように、履物300は、センサ素子10A及び10Bと、処理部50と、発電部60とを備えている。履物300の正のY方向側に対応するつま先側の部分には、センサ素子10Bが設けられている。また履物300の負のY方向側に対応するかかと側の部分には、発電部60(斜線のハッチング部分)とセンサ素子10Aが設けられている。またY方向におけるセンサ素子10Aとセンサ素子10Bの間に処理部50が設けられている。
センサ素子10Aは、履物300のかかと部における内底部に設けられた発電部60の正のZ方向側の面に設置されている。なお内底部とは、履物300の底部の内側をいう。またセンサ素子10Bは、履物300のつま先部における内底部に設置されている。履物300における内底部は、履物300をユーザ(以下では履物ユーザという)が履いた際に、履物ユーザの足裏が接触する側の部分である。また履物300における外底部は、履物300が地面に接触する側の部分である。なお外底部とは、履物300の底部の外側をいう。
センサ素子10Aを発電部60の正のZ方向側の面に固定することで、センサ素子10Aを履物300に設置でき、またセンサ素子10Bを内底部に固定することで、センサ素子10Bを履物300に設置できる。この固定は接着剤や両面テープ等により行える。
なお、履物300におけるセンサ素子10A及び10Bや、処理部50、発電部60等の各構成の配置は、上述したものに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、センサ素子10A及び10Bが設置される部分は、履物300の内底部に限定されるものではなく、履物300の外底部でもよいし、履物300の底部を構成する基材(素材)の内部でもよい。
またセンサ素子10Aが履物300の内底部に設置され、センサ素子10Bが履物300の内底部に設置される等、センサ素子10Aとセンサ素子10Bが履物300の異なる部分に設置されてもよい。但し、センサ素子10Aとセンサ素子10Bで検出条件を合致させるために、固定する部分を合わせることが好ましい。
また、センサ素子10A及び10Bや、処理部50、発電部60は、それぞれを収容する部材で覆われていてもよい。収容する部材の材質、形状、大きさ、及び構造としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
また、第4実施形態で説明したインソール200を履物300に装着することで、履物300にセンサ素子10A及び10B、処理部50及び発電部60を設置することもできる。
センサ素子10A及び10B、処理部50、発電部60のそれぞれの構成及び機能、出力信号及び解析データ等は、第4実施形態で説明したものと同様であるため、ここでは重複した説明を省略する。
<第5実施形態に係る作用効果>
以上説明したように、本実施形態では、外部刺激に対して電荷を発生する電荷発生ゴム11Aと、電荷発生ゴム11Aによる電荷を所定の出力信号に変換する信号変換回路12Aとを備えるセンサ素子10Aを含んで履物300を構成する。これにより、信号変換回路12Aの出力信号SA1に基づき、履物300に加わる圧力を検出することができる。
また本実施形態では、電荷発生ゴム11Aを含んでセンサ素子10Aを構成する。電荷発生ゴム11Aは弾力があって柔らかいため、履物ユーザは、履物300を履き心地よく履くことができる。また電荷発生ゴム11Aの弾力性や柔らかさは、センサ素子10Aを壊れにくくするため、センサ素子10Aの故障や破損等を抑制し、センサ素子10Aの交換や修理等を低減してメンテナンス性を向上させることができる。
また、信号変換回路12Aは受動素子のみで構成されているため、信号変換のため電力消費が非常に小さい。これにより、履物300の消費電力を抑制できる。パッシブ素子の定義及び意義は第4実施形態で述べたものと同様である。
また、履物300におけるセンサ素子10A、センサ素子10B、検出部30a、演算部40a、格納部52及び通信部53は、発電部60による発電電力を蓄電する蓄電部51から駆動電力を供給される。これにより、該各構成の駆動電力を供給する外部電源を不要とすることができる。
低消費電力であることと、外部電源が不要であることは、IoT用途等にインソール200を適用する場合に特に好適となる。
また本実施形態では、センサ素子10A及びセンサ素子10Bの複数(ここでは2個)のセンサを履物300の異なる位置に設けている。これにより履物300の異なる位置に加えられる圧力を検出でき、足裏への体重のかかり方や、歩き方、走り方の特徴の解析及び分析をより詳細に行うことができる。
但し、設置するセンサ素子の個数は2個に限定されるものではなく、3個以上であってもよい。個数が増えるほど、より詳細な解析及び分析が可能になる。
また本実施形態では、センサ素子10A及びセンサ素子10Bの複数(ここでは2個)のセンサを履物300の異なる位置に設けているが、さらに多くのセンサ素子を複数箇所に配置することによって、より詳細に歩き方、走り方の特徴解析および分析等を行うことができる。これにより履物300の異なる位置に加えられる圧力変化を検出でき、足裏への体重のかかり方や、歩き方、走り方の特徴の解析及び分析をより詳細に行うことができる。
もちろん上述のとおり、センサ素子の履物300への設置箇所は、つま先側とかかと側に限定されるものではなく、取得したい解析データに応じて任意の箇所に設置してもよい。
また本実施形態では、センサ素子10A及び10Bの出力信号SA1及びSA2に基づき取得される解析データSC1及びSC2を出力するプロセッサを備えている。これにより、出力信号SA1及びSA2のデジタルデータに対し所望の処理を実行することができる。またセンサ素子10A及び10Bや検出部30a等の各部の制御も可能になる。
また本実施形態では、解析データSC1及びSC2を格納するための格納部52を備えている。これにより解析データSC1及びSC2の保存や、保存したデータの取り出しが可能になる。
また本実施形態では、解析データSC1及びSC2を無線送信する通信部53を備えている。これによりスマートフォン80等の外部装置に解析データSC1及びSC2を提供でき、外部装置への解析データSC1及びSC2の蓄積や、外部装置による歩き方や走り方等の詳細な解析及び分析が可能になる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態に係る圧力式通過センサについて説明する。ここで、圧力式通過センサとは、人間又は車両等の物体による圧力に基づき、人間又は物体の通過を検知するセンサをいう。
例えば、圧力式通過センサは、建物の内部、又は建物付近の建物の外部のフロア(床)に設けられ、建物又は部屋に入退場する人間が圧力式通過センサを足で踏んだ圧力を検出することで、建物又は部屋への人間の入退場を検知する。但し、圧力式通過センサは、入退場の検知に限定されるものではなく、人間が通過の際に足で踏んだ圧力を検出できれば、人間の様々な通過を検知可能である。このような圧力式通過センサをフロアセンサと称することもできる。
また、圧力式通過センサが検知する対象は、人間だけでなく車両等の移動体であってもよい。例えば、圧力式通過センサは、駐車場の地面に設けられ、駐車場に入退場する自動車が圧力式通過センサをタイヤで踏んだ圧力を検出することで、駐車場への自動車の入退場を検知できる。また入退場に限定されるものでもなく、例えば駐車場内で自動車が駐車する駐車スペース近傍に設けられ、駐車スペースへの車両の入出庫を圧力式通過センサで検知することもできる。
また移動体は、自動車に限定されるものではなく、例えば自動搬送車両等であってもよい。圧力式通過センサは、自動搬送車の通過経路の床又は地面に設けられ、自動搬送車のタイヤ等が圧力式通過センサを踏んだ圧力を検出することで、自動搬送車の通過を検知できる。
<圧力式通過センサによる通過検知の代表例>
ここで、図17は、本実施形態に係る圧力式通過センサによる検知の代表的な一例を説明する図である。図17は、通路を歩行する人間を視た図であり、図17(a)は側方から視た図、図17(b)は前方(進行方向側)から視た図、図17(c)は上方から視た図である。
図17に示すように、圧力式通過センサ400は1つ1つが短冊状の形状をしており、複数の圧力式通過センサ400が、通路の床401全体を覆うように配列して設けられている。
圧力式通過センサ400は、通路を歩く人間402が圧力式通過センサ400を踏んだ圧力に基づく出力信号を信号変換回路12a乃至12c(図3〜図5参照)で検出し、演算部40(図1参照)で信号処理する。この処理結果から人間402の通過を検知できる。
また圧力式通過センサ400は、通過の状態の判断も可能である。例えば、通過した人間の人数、特定の動物、特定の移動体が通過したのかを判断できる。圧力式通過センサ400とは別に設けたカメラの撮影結果等と組み合わせて、上記の通過の状態を判断してもよい。また、複数の圧力式通過センサ400の検出結果を用いて、人間等の物体の通過方向を検知することもできる。
実施形態に係るセンサ素子を、このような圧力式通過センサに適用することで、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態に係る接触状態センサについて説明する。ここで、接触状態センサとは、人間又は車両等の物体による圧力に基づき、人間又は物体による接触状態を検知するセンサをいう。
例えば、接触状態センサは椅子に設けられ、椅子に対する人間の圧力を検出することで、人間が椅子に着座したか、椅子から離れたか、背もたれによりかかっているか、或いは背もたれから離れたか等の接触状態を検知できる。
また他に、接触状態センサはベッドに設けられ、ベッドに対する人間の圧力を検出することで、人間がベッドに横たわったか、又はベッドから起き上がったか等の接触状態を検知できる。
また、接触状態センサはテーブルマットに設けられ、テーブルマットにコーヒーカップ等のカップを置いたか、カップを持ち上げたか等の接触状態を検知できる。さらに接触状態センサはドアノブに設けられ、人間がドアノブを握ったか、又はドアノブから手を離したか等の接触状態を検知できる。
また、人間が指でオン又はオフを操作するスイッチに接触状態センサを設け、操作における接触状態を検知したり、ドアとドア枠の接触部に接触状態センサを設け、ドアの開閉における接触状態を検知したりすることもできる。
さらに、接触状態センサを用いて、ロボットアームの把持部における接触状態を検知したり、ロボットアームの各部位の接触状態を検知することで安全装置の一部として機能させたり、車両又はドローン等の移動体との接触状態を検知したり、人型ロボット又は手袋型センサ等との接触状態を検知したりすることもできる。
<接触状態センサによる接触状態検知の代表例>
ここで、図18は、本実施形態に係る接触状態センサによる接触状態検知の代表的な一例を説明する図である。図18に示すように、椅子501は座面501aと、背もたれ501bとからなり、接触状態センサ500は座面501aに設けられている。接触状態センサ500は座面501aの表面に設けられてもよいし、座面501aの内部に埋め込まれるように設けられてもよい。
人間502が椅子501に着座すると、接触状態センサ500は、人間502が座った圧力に基づく出力信号を信号変換回路12c(図5参照)で検出し、演算部40(図1参照)で信号処理する。この処理結果から椅子501への人間502の着座を検知できる。
また人間502が椅子501から立ち上がると、接触状態センサ500は人間502による圧力の減少に基づく出力信号を信号変換回路12c(図5参照)で検出し、演算部40(図1参照)で信号処理する。この処理結果から椅子501から人間502が離れたことを検知できる。
背もたれ501bに接触状態センサ500を設けると、人間502が背もたれ501bに寄りかかったか否かを検知できる。
人間が指で操作するオン又はオフのスイッチに接触状態センサ500を設けた場合には、接触状態センサ500は、スイッチに加わる圧力に基づく出力信号を信号変換回路12c(図5参照)で検出し、演算部40(図1参照)で信号処理する。これにより、スイッチのオン操作、スイッチオンの継続操作、スイッチのオフ操作等を判別でき、また長押しを判別できる。
実施形態に係るセンサ素子を、このような接触状態センサに適用することで、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図3及び図4の信号変換回路12a及び12bでは、動作の検知は制約されるが接触検知としての機能が得らえる。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態に係る曲げ伸ばしセンサについて説明する。ここで、曲げ伸ばしセンサとは、人間の肘又は肩等の間接の曲げ伸ばし、或いは箱の開閉又はドアの開閉等に伴う曲げ伸ばしによる変形に基づき、人間又は物体の曲げ伸ばしを検知するセンサをいう。
<曲げ伸ばしセンサによる曲げ伸ばし検知の代表例>
ここで、図19は、本実施形態に係る曲げ伸ばしセンサによる曲げ伸ばし検知の代表的な一例を説明する図である。図19に示すように、曲げ伸ばしセンサ600は、人間601の肘601aに設けられ、肘601aの曲げ伸ばしに伴って変形可能になっている。
曲げ伸ばしセンサ600は、肘601aの曲げ伸ばしに伴って変形する。曲げ伸ばしセンサ600は、変形に基づく出力信号を信号変換回路12c(図5参照)で検出し、演算部40(図1参照)で信号処理する。この処理結果から人間601が肘601aを曲げたのか、曲げ状態を保持しているのか、又は伸ばしたのか等を検知できる。
曲げ伸ばしセンサ600による曲げ伸ばしの検知結果に基づき、人間が歩いているのか、走っているのか、又は屈伸運動をしているのか等を検知し、これらをリハビリテーション又は運動機能の検査等に適用することができる。またゲーム機における操作の検知等への応用も考えられる。
実施形態に係るセンサ素子を、このような曲げ伸ばしセンサに適用することで、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態に係る変形式通過センサについて説明する。ここで、変形式通過センサとは、人間又は車両等の物体による変形に基づき、人間又は物体の通過を検知するセンサをいう。
例えば、変形式通過センサは、暖簾等の薄いシート状の物体に設けられ、暖簾をくぐる動作による暖簾の変形等に基づき、人間又は動物等の通過を検知する。変形式通過センサは、暖簾をくぐる動作の他、物体をねじったり、ひねったり、引っ張ったりする動作等に伴う物体の変形に基づき、人間又は物体の通過を検知できる。
<変形式通過センサによる通過検知の代表例>
ここで、図20は、本実施形態に係る変形式通過センサによる通過検知の代表的な一例を説明する図である。図20に示すように、変形式通過センサ700はシート状に構成され、3つの変形式通過センサ700が暖簾701の異なる箇所に設けられている。変形式通過センサ700は、暖簾701の変形に伴って変形可能になっている。
変形式通過センサ700は、人間702が暖簾701をくぐる動作により暖簾701が変形することで変形する。変形式通過センサ700は、変形に基づく出力信号を信号変換回路12c(図5参照)で検出し、演算部40(図1参照)で信号処理する。この処理結果から暖簾701が設けられた場所(地点)を人間702が通過したことを検知できる。
なお、暖簾701は風のような空気の流れでも変形するため、演算部40は、信号変換回路12cの出力信号が空気の流れによるものか、又は人や動物の通過によるものかを判別することが好ましい。暖簾701は人間等がくぐる場合と、空気の流れで揺れる場合とで変形の仕方が異なるため、変形式通過センサ700からの出力信号の波形の特性も変形の仕方に応じて異なる。そのため、演算部40は、変形式通過センサ700からの出力信号の波形の特性に基づき、信号変換回路12cの出力信号が空気の流れによるものか、又は人や動物の通過によるものかを判別できる。
また、ねじる、ひねる、引っ張る等の動作も、出力信号が特徴的な波形になるため、演算部40で処理することにより、それぞれの動作を識別できる。これを応用して、ロボット制御におけるロボットの動作の検知や、ゲーム機等の操作の検知等を行うこともできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の実施形態の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
なお、信号変換部を能動素子(アクティブ素子)で増幅することで、発電ゴムで生体信号を信号処理することも可能である。
また、上記で説明した検出部及び演算部等の機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。この「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、検出部及び演算部の機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
1 センサシステム
10、10A、10B センサ素子
11 電荷発生ゴム(電荷発生素子の一例)
111 第1電極
112 第2電極
113 中間層
12 信号変換回路(信号変換部の一例)
122 出力端子
123 GND端子
124 VDD端子
20 電源
21 2次電池(蓄電素子の一例)
30 検出部
40 演算部
50 処理部
51 蓄電部
52 格納部
53 通信部
60 発電部
70 素材部
80 スマートフォン
200 インソール
300 履物
400 圧力式通過センサ
500 接触状態センサ
600 曲げ伸ばしセンサ
700 変形式通過センサ
出力信号
AP 正方向へのピーク電圧(正方向への極値の一例)
AV 負方向へのピーク電圧(負方向への極値の一例)
AB 基準電圧
EH 電荷による信号
デジタル信号
解析データ
VDD1〜VDD7 電圧
R1〜R7 抵抗
C1〜C3 コンデンサ
D1〜D5 ダイオード
range 電力使用範囲
range 電圧変化範囲
特許6538532号公報

Claims (12)

  1. 検出部又は演算部の少なくとも一方と、電源と、を有するセンサシステムに用いられるセンサ素子であって、
    外部刺激に対して電荷を発生する電荷発生素子と、
    前記電荷を所定の出力信号に変換する信号変換部と、を備え、
    前記信号変換部は、受動素子のみで構成され、前記信号変換部の駆動力は前記電源から供給される
    センサ素子。
  2. 前記電源は前記検出部又は前記演算部の少なくとも一方に電力を供給可能である
    請求項1に記載のセンサ素子。
  3. 前記電荷発生素子は、加えられる圧力に応じて前記電荷を発生する圧電素子である
    請求項1、又は2に記載のセンサ素子。
  4. 前記出力信号は、正方向及び負方向の2方向への極値を含む
    請求項1乃至3の何れか1項に記載のセンサ素子。
  5. 前記信号変換部の電力供給源と、前記検出部又は前記演算部の少なくとも一方の電力供給源と、が同じ前記電源である
    請求項1乃至4の何れか1項に記載のセンサ素子。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載のセンサ素子と、
    前記センサ素子の前記出力信号を検出する前記検出部と、を備える
    センサシステム。
  7. 請求項1乃至5の何れか1項に記載のセンサ素子と、
    前記センサ素子の前記出力信号を解析する前記演算部と、を備える
    センサシステム。
  8. 前記電源は、電力を蓄積する蓄電素子である
    請求項6、又は7に記載のセンサシステム。
  9. 前記蓄電素子は、2次電池である
    請求項8に記載のセンサシステム。
  10. 前記信号変換部が前記2次電池の電力を使用する範囲は、前記信号変換部に前記2次電池が出力する電圧値に基づき、所定範囲に定められている
    請求項9に記載のセンサシステム。
  11. 前記検出部又は前記演算部の少なくとも1つが前記2次電池の電力を使用する範囲は、前記検出部又は前記演算部の少なくとも1つに前記2次電池が出力する電圧値に基づき、所定範囲に定められている
    請求項9、又は10に記載のセンサシステム。
  12. 前記所定範囲は、10%以上で90%以下の範囲である
    請求項10、又は11に記載のセンサシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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