JP2021115166A - 移植材料 - Google Patents

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隆 横尾
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明男 林
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Abstract

【課題】生着及び尿産生に優れた移植材料を提供する。【解決手段】腎臓原基と、前記腎臓原基を包む薬剤含有徐放性ゲルと、を備える移植材料。【選択図】なし

Description

本発明は、移植材料に関する。
高齢化や適応疾患の拡大等により、人工透析患者は急速に増加している。透析医療によりこれらの患者を救命することは可能であるが、人工透析では全ての腎機能を代償できないため、患者の心血管疾患が増加し、致死率が上昇してしまう傾向にある。また、透析患者の時間的負担や精神的負担は非常に大きく、社会復帰が困難な場合も多い。
また、腎臓移植を必要とする末期腎不全の患者は世界に約2百万人存在しており、ドナー臓器の不足から、その数は更に増加する傾向にある。したがって、末期腎不全は医療上の重大な問題である。
このような背景のもと、発明者らは、腎機能を長期間持続することができる移植材料を開発してきた(特許文献1参照。)。
特許第6220991号公報
開発した移植材料の実用化にあたり、移植材料の生着率や尿産生能の改善等、更なる改良が必要であった。
そこで、本発明は、生着及び尿産生に優れた移植材料を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を含む。
[1]腎臓原基と、前記腎臓原基を包む薬剤含有徐放性ゲルと、を備える移植材料。
[2]前記薬剤は、増殖因子、免疫抑制剤、及び細胞除去薬剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[1]に記載の移植材料。
[3]前記増殖因子は、VEGFファミリーである、[2]に記載の移植材料。
[4]前記薬剤は、更に前記増殖因子の増強剤を含む、[2]又は[3]に記載の移植材料。
[5]前記増強剤は、PR1Pである、[4]に記載の移植材料。
[6]前記免疫抑制剤は、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、及びメチルプレドニゾンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[2]〜[5]のいずれか一つに記載の移植材料。
[7]前記細胞除去薬剤は、タモキシフェンである、[2]〜[6]のいずれか一つに記載の移植材料。
[8]前記腎臓原基は、レシピエントの細胞に対して実質的に自家又は同種他家の細胞からなるか、レシピエントの細胞に対して実質的に自家又は同種他家の細胞に置換され得る遺伝子改変非ヒト動物由来である、[1]〜[7]のいずれか一つに記載の移植材料。
[9]前記遺伝子改変非ヒト動物は、コンディショナルに、少なくとも前記腎臓原基の少なくとも一部を除去するシステムを備えた、[8]に記載の移植材料。
[10]前記レシピエントがヒトである、[8]又は[9]に記載の移植材料。
[11]前記レシピエントがネコある、[8]又は[9]に記載の移植材料。
[12]前記非ヒト動物がブタである、[8]〜[11]のいずれか一つに記載の移植材料。
[13]前記非ヒト動物がマウスである、[8]〜[11]のいずれか一つに記載の移植材料。
本発明によれば、生着及び尿産生に優れた移植材料を提供することができる。
実験例の移植材料の移植プロトコールを示す図である。 実験例の写真である。 実験例の写真である。 実験例の写真である。 実験例の写真である。
本発明は、1実施形態において、腎臓原基と、前記腎臓原基を包む薬剤含有徐放性ゲルと、を備える移植材料を提供する。
≪腎臓原基≫
腎臓原基とは、胎仔期の腎臓をいい、哺乳類では、後腎にあたる。解剖学用語で、鳥類等、直腸、生殖器、尿路系が1つの排泄口を兼ねているものを総排泄口という。発明者らは、この胎仔期の膀胱−尿管−後腎組織をクロアカグラフトと名付けた。腎臓原基を動物の腹腔内に移植すると、レシピエントからクロアカに血管が侵入し、発育が継続し、尿を生産する。
本実施形態の移植材料において、腎臓原基は、レシピエントの細胞に対して実質的に自家又は同種他家の細胞からなるか、レシピエントの細胞に対して実質的に自家又は同種他家の細胞に置換され得る遺伝子改変非ヒト動物由来であることが好ましい。
≪遺伝子改変非ヒト動物≫
本実施形態の移植材料において、腎臓原基のドナーとして、遺伝子改変非ヒト動物を用いることが好ましい。係る遺伝子改変非ヒト動物は、調節的にプログラム細胞死を誘導可能なもの等、コンディショナルに、腎臓原基の少なくとも一部を除去するシステムを備えていることが好ましい。この腎臓原基と、腎臓原基を包む薬剤含有徐放性ゲルと、を備える移植材料をレシピエントに移植した後、ドナー細胞特異的に細胞死を誘導することにより、ドナー細胞を完全に取り除くことができる。
係るシステムとしては、例えば、Creリコンビナーゼ活性依存的にジフテリア毒素受容体(diphteria toxin receptor,DTR)を発現するiDTR非ヒト動物と、Six2のプロモーターの下流にCreリコンビナーゼ遺伝子を導入したSix2−Cre非ヒト動物とを交配し、得られた子孫の後腎組織に細胞除去薬剤となるジフテリア毒素を接触させるシステムが挙げられる。
iDTR非ヒト動物は、ジフテリア毒素受容体をコードする遺伝子の上流に2つのloxP配列で挟まれた転写停止配列を有している。このため、そのままではジフテリア毒素受容体を発現しない。しかしながら、Creリコンビナーゼにより、2つのloxP配列で挟まれた転写停止配列が除去されると、ジフテリア毒素受容体を発現するようになる。
例えばマウス等の非ヒト動物はジフテリア毒素受容体を有しないため、本来、ジフテリア毒素をマウス等の細胞に接触させても細胞が死滅することはない。しかしながら、ジフテリア毒素受容体を発現させたマウス等の細胞にジフテリア毒素を接触させると死滅することが知られている。上記の例ではこの現象を利用している。
まず、iDTR非ヒト動物と後腎間葉特異的にCreリコンビナーゼを発現するSix2−Cre非ヒト動物とを交配すると、得られた子孫の中に後腎組織で組織特異的にジフテリア毒素受容体を発現する非ヒト動物が出現する。なお、Six2は、後腎間葉で特異的に発現する転写因子である。
続いて、上記の非ヒト動物の後腎にジフテリア毒素を接触させると、後腎間葉特異的に細胞を死滅させ、後腎間葉の腎臓幹細胞を特異的に除去することができる。
上述した例において、尿管芽特異的プロモーターの下流にCre−ERタンパク質をコードする遺伝子を更に導入した非ヒト動物を用いる場合には、尿管芽を特異的に除去することができる。
ここで、尿管芽特異的プロモーターとしては、サイトケラチン8のプロモーター、HoxB7のプロモーター等が挙げられる。
このようなマウスとしては、例えば、Six2−Cretg/wtサイトケラチン8−Cre−ERtg/wtの遺伝子型を有するiDTR非ヒト動物、Six2−Cretg/wtHoxB7−Cre−ERtg/wtの遺伝子型を有するiDTR非ヒト動物が挙げられる。ここで、「tg」はトランスジェニックであることを表し、「wt」は野生型であることを表す。
Cre−ERタンパク質とは、Creリコンビナーゼと変異エストロゲン受容体の融合タンパク質である。上記非ヒト動物は尿管芽のマーカーであるサイトケラチン8又はHoxB7のプロモーター依存的にCre−ERを発現する。
Cre−ERタンパク質は通常細胞質に存在するが、エストロゲン誘導体であるタモキシフェンと結合することにより核内に移行し、loxP配列に対して組換えを起こす。これを利用してCre−loxPシステムの働く時期をタモキシフェン依存的に調節することが可能である。したがって、Cre−ER及びCreが同時に発現していても、タモキシフェンを投与するか否かにより、Cre−ERの活性発現を制御することができる。ここで、Cre−ERの代わりに、Cre−ERの改変体である、Cre−ERT、Cre−ERT2等を用いてもよい。
また、例えば、Creリコンビナーゼ活性依存的にジフテリア毒素受容体(DTR)を発現するコンストラクト、及び後腎間葉特異的なプロモーターの下流にCreリコンビナーゼ遺伝子を接続したコンストラクトに加えて、更に、尿管芽特異的なプロモーターの下流にCreリコンビナーゼ遺伝子を接続したコンストラクトを有する遺伝子改変非ヒト動物を用いることにより、遺伝子改変非ヒト動物由来の腎臓原基をレシピエントの細胞に対して実質的に自家又は同種他家の細胞に置換することができる。
係る遺伝子改変非ヒト動物由来の腎臓原基を、レシピエントの細胞に対して実質的に自家又は同種他家の細胞に置換する方法の一例としては、以下の方法が挙げられる。先ず、ジフテリア毒素を、後腎に接触させることで、後腎間葉の腎臓幹細胞を特異的に除去する。後腎間葉の腎臓幹細胞除去の後、又は同時に、レシピエントの細胞に対して実質的に自家又は同種他家の腎臓幹細胞を移植し、移植した細胞を分化成熟させ、腎臓原基の一部を形成させる。次いで、タモキシフェンを後腎に接触させることで、尿管芽を特異的に除去する。尿管芽除去の後、又は同時に、レシピエントの細胞に対して実質的に自家又は同種他家の腎臓幹細胞を移植し、移植した細胞を分化成熟させ、腎臓原基の一部を形成させる。係る方法により、遺伝子改変非ヒト動物由来の腎臓原基が、レシピエントの細胞に対して実質的に自家又は同種他家の細胞に置換される。
ここで、「実質的に」とは、レシピエントの細胞に対して実質的に自家又は同種他家の腎臓幹細胞以外の細胞が混入することを排除しないという意味である。
また、コンディショナルに、腎原基の少なくとも一部を除去するシステムとしては、ジフテリア毒素又はジフテリア毒素受容体以外のシステムにより細胞を死滅させる構成であってもよい。例えば、組織特異的なプロモーターの下流で、ガンシクロビルの投与によってアポトーシスを誘導するヘルペスウイルス由来チミジンキナーゼ遺伝子(HSV−TK)を発現させるシステムが挙げられる。HSV−TKを発現させた細胞はガンシクロビル投与下で細胞死が誘導される。
あるいは、AP20187等のB/B Homodimerizerの投与により、Caspase3、Caspase8、Caspase9等を二量体化させてアポトーシスを誘導するシステムを用いてもよい。
上述した遺伝子改変非ヒト動物における非ヒト動物としては、例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ等の有蹄動物;ハムスター、モルモット、ラット、マウス等のげっ歯類が挙げられる。
本実施形態の移植材料のレシピエントとしては、ヒト、サル、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ(特に競馬ウマ)、イヌ、ネコ、ウサギ、ハムスター、モルモット、ラット、マウス等が挙げられる。
≪薬剤含有徐放性ゲル≫
本実施形態に用いられる徐放性ゲルとしては、含有した薬剤を生体内で徐放できるものであれば、特に限定されず、細胞外マトリクスが挙げられる。
細胞外マトリクスとしては、コラーゲン(I型、II型、III型、V型、XI型等)、マウスEHS腫瘍抽出物(IV型コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン等を含む)より再構成された基底膜成分(商品名:マトリゲル)、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、プロテオグリカン、ゼラチン等が挙げられる。
ゲルの徐放性は、例えば、細胞外マトリクスにカルボキシル基を導入することにより付与される。カルボキシル基の導入は、細胞外マトリクス中の官能基を化学反応させることにより行われる。
本実施形態に用いられる徐放性ゲルとしては、生体内に毒性の少ないものが好ましい。また、本実施形態に用いられる徐放性ゲルとしては、ビーズ上、シート状、ファイバー状などの形状があげられるが、腎臓原基を包む観点から、シート状が好ましい。
徐放性ゲルに含有させる薬剤としては、増殖因子、免疫抑制剤、及び細胞除去薬剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましい。
増殖因子としては、VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、VEGF−E、胎盤成長因子(PLGF−1)、PLGF−2等の血管内皮細胞成長因子(VEGF)ファミリー;繊維芽細胞増殖因子−1、2、3、4、5、6、7、8、又は9(FGF−1、2、3、4、5、6、7、8、9)等のFGFファミリー;アンギオポエチン;、血小板由来成長因子(PDGF);トランスフォーミング増殖因子−β(TGF−β)、トランスフォーミング成長因子−α(TGF−α)等のTGFファミリー;上皮細胞増殖因子(EGF)、マクロファージ炎症蛋白質−1α(MIP−1α)、神経細胞増殖因子(NGF)肝細胞増殖因子(HGF)、白血病阻止因子(LIF)、プロテアーゼネキシンI、プロテアーゼネキシンII、血小板由来成長因子(PDGF)、コリン作動性分化因子(CDF)、ケモカイン、Notchリガンド;、Wnt蛋白質、アンジオポエチン様蛋白質2、3、5または7(Angpt2、3、5、7)、インスリン様成長因子(IGF)、インスリン様成長因子結合蛋白質(IGFBP)、プレイオトロフィン(Pleiotrophin)等が挙げられ、VEGFファミリーが好ましく、VEGF−Aがより好ましい。
更に、増殖因子に結合して、増殖因子と受容体との結合を強める増強剤を加えてもよい。係る増強剤としては、PR1Pが挙げられる。PR1Pは、VEGFと結合して、VEGFのVEGFRとの結合を強めるペプチドである。
ドナー由来の腎臓原基をレシピエントに移植した際に、免疫拒絶反応を引き起こす可能性があるため、徐放性ゲルは、免疫抑制剤を含有していることが好ましい。
免疫抑制剤としては、特に限定されず、副腎皮質ステロイド、アルキル化剤、代謝拮抗剤、アルカロイド系薬剤、カルシニューリン阻害剤、サイクリン依存性カイネース阻害剤、抗胸腺細胞グロブリン、CD抗原に対するモノクローナル抗体が挙げられる。
具体的には、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ハイドロコルチゾン、トリアムシノロン、ベタメサゾン、デキサメサゾン、シクロフォスファミド、メトトレキサート、アザチオプリン、ミコフェノレート、ミゾリビン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド、マイトマイシンC、シクロスポリン、FK506、シロリムス、ラパマイシン、アトガム、チモグロブリン、Muromonab−CD3、リツキシマブ、バシリキシマブ、ダクリツマブ、ミコフェノレート、アザチオプリン、タクロリムス、シロリムス、ラパマイシン、バシキキシマブ、ダクリツマブ、インフリキシマブ、ルプリズマブ、グスペリムス、抗リンパ球グロブリン、エタネルセプト、ミコフェノール酸モフェチル、ダクリズムマブ等が挙げられ、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、及びメチルプレドニゾンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
細胞除去薬剤としては、上述したように、本実施形態の移植材料の移植後に、レシピエントの細胞に置換させるためのスイッチング薬剤が好ましい。係る薬剤としては、タモキシフェン、ジフテリア毒素、ガンシクロビル、B/B Homodimerizer等が挙げられる。
この腎臓原基をドナーから摘出する時期としては血管迷入期直前が好ましい。
摘出した腎臓原基を用いて作製した移植材料をレシピエントの腹腔内に移植する。移植箇所としては、腹腔内であれば限定されず、大網、傍大動脈等が挙げられる。大網とは、胃の下側から下方へエプロンの様に垂れ下がった腹膜である。
例えば、ヒトを含む哺乳類の大網や傍大動脈等への腎臓原基の移植は、通常の外科的処方等により行うことができる。例えば、鋭利な鑷子で移植する腎臓原基をつまみ、鑷子の先で大網の脂肪組織の表面にわずかに切り口を作りその中に組織を埋め込む方法等が挙げられる。また、内視鏡を利用して大網や傍大動脈等に移植することもできる。
≪治療方法≫
1実施形態において、本発明は、腎臓原基と、前記腎臓原基を包む薬剤含有徐放性ゲルと、を備える移植材料を、患者又は患畜の体内に移植する工程を備える、腎臓の移植方法を提供する。
レシピエントとは、患者又は患畜であり、患者又は患畜としては、例えば、ヒト、ネコが挙げられる。
本実施形態の方法は、腎疾患の治療方法であるともいえる。移植材料としては上述したものを用いることができる。
本実施形態の方法により、効率よく腎臓移植をすることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[薬剤の事前調整]
carrier−free recombinant human VEGF (R&D Systems社製、CatalogNumber: 293−VE)10μgを62.5μlの生理食塩水で、160ng/μl に調製した。PR1P(受託合成品、アミノ酸配列:DRVQRQTTTVVA) 1mgを50μlの生理食塩水で、20μg/μl に調製した。シート状のメドジェル(新田ゼラチン株式会社製)をおよそ2mmに切った。
[実験例]
妊娠ラットよりE15の胎仔を取り出し、クロアカ(腎臓原基)を実体顕微鏡下で調製した。実体顕微鏡下で、調製済みVEGF2μlと PR1P10μlをシート状のメドジェル約2mmの上にのせ、VEGFとPR1P10μlをメドジェルに完全吸収させ、メドジェルをゼリー状にした。
8週齢以降のラットを麻酔、除毛後、皮膚と腹壁を切開し、後腹膜に移植用のスペースを作り、薬匙上にクロアカと薬剤含有ゲルをのせ、後腹膜腔に同時に移植した。移植後に後腹膜を数針縫合し閉腹した。15日間ラットを飼育した後、移植片を回収した(図1参照。)。
図2は、クロアカのみを移植したラットの移植後の体内を示した写真であり、図3は、メドジェルで包んだクロアカを移植したラットの移植後の体内を示した写真である。図2及び図3から、メドジェルが生体内に影響を及ぼさないことが確認された。
図4及び図5は、回収した移植片の免疫染色結果である。図4及び5に示すように、VEGFを含むゲルで包まれたクロアカでは、血管新生および血管新生増強に伴う尿産生能増加で非薬剤含有群と比較し糸球体ボーマン腔と尿細管腔の拡張が観察された。
本発明によれば、生着及び尿産生に優れた移植材料を提供することができる。

Claims (13)

  1. 腎臓原基と、前記腎臓原基を包む薬剤含有徐放性ゲルと、を備える移植材料。
  2. 前記薬剤は、増殖因子、免疫抑制剤、及び細胞除去薬剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の移植材料。
  3. 前記前記増殖因子は、VEGFファミリーである、請求項2に記載の移植材料。
  4. 前記薬剤は、更に前記増殖因子の増強剤を含む、請求項2又は3に記載の移植材料。
  5. 前記増強剤は、PR1Pである、請求項4に記載の移植材料。
  6. 前記免疫抑制剤は、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、及びメチルプレドニゾンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項2〜5のいずれか一項に記載の移植材料。
  7. 前記細胞除去薬剤は、タモキシフェンである、請求項2〜6のいずれか一項に記載の移植材料。
  8. 前記腎臓原基は、レシピエントの細胞に対して実質的に自家又は同種他家の細胞からなるか、レシピエントの細胞に対して実質的に自家又は同種他家の細胞に置換され得る遺伝子改変非ヒト動物由来である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の移植材料。
  9. 前記遺伝子改変非ヒト動物は、コンディショナルに、前記腎臓原基の少なくとも一部を除去するシステムを備えた、請求項8に記載の移植材料。
  10. 前記レシピエントがヒトである、請求項8又は9に記載の移植材料。
  11. 前記レシピエントがネコである、請求項8又は9に記載の移植材料。
  12. 前記非ヒト動物がブタである、請求項8〜11のいずれか一項に記載の移植材料。
  13. 前記非ヒト動物がマウスである、請求項8〜11のいずれか一項に記載の移植材料。
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