JP2021114150A - 防災システム - Google Patents
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Abstract
Description
(1)入力手段を備えている。入力手段は、マウスやキーボード等の入力装置である。入力手段は、端末に配置することが好ましい。
(2)記憶手段を備えている。記憶手段は、メモリやデータベース等の記憶装置である。記憶手段は、サーバ内又はサーバ外に配置することが好ましい。
(3)表示手段を備えている。表示手段は、ディスプレイ等の表示装置である。表示手段は、端末に配置することが好ましい。
(4)制御手段を備えている。制御手段は、上記(1)の入力手段、上記(2)の記憶手段及び上記(3)の表示手段のうち、少なくとも1つの手段を制御することができる。制御手段は、サーバに配置することが好ましい。
(6)制御手段は、環境情報に基づいて、地図情報における平常時の立地候補地を決定する。
(8)制御手段は、入力手段により、所定の地域における災害時の時系列の交通実績情報が入力されると、交通実績情報を記憶手段に記憶する。
(9)制御手段は、観測情報及び交通実績情報に基づいて、立地候補地の中から、地図情報における災害時にも安全な特定立地候補地を決定し、特定立地候補地を表示手段に表示する。
(1)制御手段は、環境情報に基づいて、地図情報の各ポイントに目標時間内に到達することができる住民の人数又は割合を算出し、算出した住民の人数又は割合に基づいて、立地候補地を決定する。立地候補地は、複数決定することが好ましい。
(4)制御手段は、観測情報及び通行不能確率に基づいて、災害時に利用可能な利用可能道路を特定する。
(5)制御手段は、立地候補地及び利用可能道路に基づいて、立地候補地に対して、災害種別ごとの一定時間内で到達することができる住民の人数又は割合に関する災害時情報を算出する。
(6)制御手段は、災害時情報に基づいて、災害時において一定時間内に到達することができる到達可能性マップを生成し、到達可能性マップとハザードマップに関する情報とを重ね合わせ、災害に対して安全でかつ災害時にも一定時間で主要な場所に到達することができるエリアを特定立地候補地として決定し、決定した特定立地候補地を表示手段に表示する。
図1は、本実施形態の防災システム100を示す図である。
防災システム100は、防災GISプラットフォーム10、ネットワーク20、及び、複数の端末30を備えている。
防災GISプラットフォーム10と複数の端末30とは、インターネット等のネットワーク20を介して、通信可能に接続されている。
防災GISプラットフォーム10は、3Dデータ、人流データ、衛星画像、オープンデータ、屋外データ、屋内データを収集し、これらのデータを本プラットフォームに適した内容に自動で変換し、変換したデータを蓄積し、蓄積したデータを整理し(カタログ化し)、利用者は整理されたデータ利用すること(視認すること)ができる。
防災GISプラットフォーム10は、災害時に各地の災害拠点(避難所等)に必要な物資を、様々な拠点(本社、支店、事業部、営業所、作業所)から供給するために、拠点に適切な備蓄品量を算出する。
一方、建築や土木の作業所は現場であり、作業が終わると撤去されるため、変動する拠点である。
そして、防災GISプラットフォーム10は、変動する拠点が存在していても、最適な備蓄品の量を算出することができる。
以下に示す手順例は、サーバ12(サーバのCPU)又は制御装置34(端末のCPU)が実行する。
ステップS100:サーバ12又は制御装置34は、地域の基本データの収集・入力を行う。具体的には、入力装置31により、地域の基本データとして、自治体発行のハザードマップ、避難所情報等が入力されると、端末30は、これらの情報をサーバ12に送信し、サーバ12は、これらの情報をデータベース14に記憶する(アップロードする)。
地域の基本データは、自治体発行のハザードマップ、避難所情報のうち少なくとも1つを含んでいればよい。
ステップS101:サーバ12は、データベース14に記憶されているデータを参照する。防災GISプラットフォーム10の運用を開始した当初は、データベース14に、防災GISプラットフォーム10の運営者の拠点情報が記憶されている。拠点情報とは、備蓄品を配置する拠点に関する情報であり、例えば、位置、従業員数、必要資源量、保管スペース等の情報である。
ステップS102:制御装置34は、顧客データの入力を行う。具体的には、入力装置31を用いて、顧客データの入力を受け付ける。顧客データは、顧客の拠点情報(自社拠点リスト、拠点位置)や、備蓄品情報(保管数量、更新期限等)である。
ステップS103:サーバ12は、データベース14のデータを更新する。具体的には、入力装置31により、顧客データが入力されると、端末30は、顧客データをサーバ12に送信し、サーバ12は、顧客データをデータベース14に記憶する。これにより、例えば、データベース14に、顧客の拠点情報(拠点データ)が追加される。
ステップS104:サーバ12は、災害種別ごとのシミュレーションを実行する。具体的には、サーバ12は、追加された拠点情報を考慮して災害種別ごとに最適備蓄量の計算を行う。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS105:サーバ12は、備蓄品の管理の見直しを行う。具体的には、サーバ12は、全ての災害種別を考慮した最適備蓄計画の検討を行う。最適備蓄計画を検討する際には、オープンデータを利用することができる。
ステップS107:サーバ12は、運営者へアラートを行う。具体的には、サーバ12は、運営者の端末30の表示装置33に、備蓄品管理の見直しが必要である旨の警告情報を表示する。警告情報には、いずれの顧客のいずれの拠点について、備蓄品管理の見直しが必要であるかの情報を含ませることができる。なお、このような警告情報は、顧客の端末30の表示装置33に表示してもよい。
ステップS108:サーバ12は、他社拠点の備蓄品管理の見直しの協力依頼、提案を行う。この協力依頼、提案により、備蓄品の最適化が完了した場合には、防災GISプラットフォームにおける目標時間内に必要数量の物資(備蓄品)が各拠点まで届く状態となる。
ステップS110:サーバ12は、顧客自社拠点の備蓄品管理の見直しの協力依頼、提案を行う。この協力依頼、提案により、備蓄品の最適化が完了した場合には、防災GISプラットフォームにおける目標時間内に必要数量の物資が各拠点まで届く状態となる。
(1)サーバが備蓄品不足数を自動計算する。→サーバが追加に必要な保管スペースを自動計算する。→サーバがスペース確保の提案を行う。
(2)サーバが備蓄品不足数を自動計算する。→サーバが備蓄品到着目標時間を何時間延長すれば遠方の他社拠点でカバーできるかを自動シミュレーションする。→サーバが暫定運用の提案を行う。
(3)顧客は、上記(1)か上記(2)のいずれか又は両方を選択して備蓄品管理を見直す。
その結果、最適化が完了したことを確認した場合(Yes)、サーバ12は、ステップS113を実行する。一方、最適化が完了したことを確認できない場合(No)、サーバ12は、ステップS112を実行する。
ステップS112:サーバ12は、暫定運用を行うと判断する。なお、近隣に新規顧客が出現した場合、ステップS108に戻り、ステップS108〜ステップS111までの処理を繰り返し実行する。
ステップS113:サーバ12は、通常運用を行うと判断する。
通常運用を行っている場合において、地域の基本データや拠点情報等の各種情報の更新契機が発生した場合、サーバ12は、上記のステップS100以下の任意の位置からステップS112又はステップS113までの処理を実行することができる。
防災GISプラットフォーム10のサーバ12は、以下に示す手順例に従って、災害種別ごとのシミュレーションを実行する。
ステップS150:サーバ12は、災害種別の選定を行う。具体的には、サーバ12は、地震、津波、豪雨、土砂災害、浸水等から、ここで想定する災害種別を1つ選定する。
災害種別は、1つずつ選定され、最終的には、全ての災害種別が選定されることになる。ただし、端末30の入力装置31を操作して、選定する災害種別を限定することもできる。
ステップS151:サーバ12は、ハザードマップを参照する。具体的には、サーバ12は、データベース14にアクセスし、選定した災害種別に対応するハザードマップを参照する。
ステップS152:サーバ12は、被災が予測される拠点を選定する。具体的には、サーバ12は、ハザードマップに基づき、被災が予測される拠点を選定する。被災拠点は、被災しない拠点からの物資を受け取る側となり、被災しない拠点は、被災拠点に物資を送る側となる。なお、被災拠点に備蓄品が少ない場合はできるだけ早く支援物資(備蓄品)を届ける必要が生じるため、このような状況を考慮して、サーバ12は、被災が予測される拠点を選定する。
ステップS153:サーバ12は、配送シミュレーションを行う。
サーバ12は、大規模データ(主に人流データ)を蓄積している。例えば、トラックの軌跡データ(自動車運行データ)は、人と車の移動データ(携帯型情報処理端末から取得した利用者の位置情報)からトラックターミナルに一定時間滞在したIDを抽出し、トラックの軌跡を記憶し、このようなデータを一定期間(例えば3ヶ月)にわたり蓄積し、大規模データとしている。
サーバ12は、蓄積している大規模データを参照して、配送シミュレーションを行う。
配送シミュレーションでは、災害種別ごとの拠点からの配送シミュレーション(豪雨時、地震時等の所要時間等)を行う。配送シミュレーションでは、オープンデータを利用することができる。
ステップS154:サーバ12は、支援拠点(被災拠点に物資を送る側)の選定を行う。具体的には、サーバ12は、支援拠点として、被災拠点ごとに防災GISプラットフォーム10で目標とする時間内に備蓄品を届けられる拠点を選定する。
ステップS155:サーバ12は、被災拠点の物資不足数量の算出を行う。具体的には、サーバ12は、あらかじめ入力された拠点情報から備蓄品の項目ごとに必要量と備蓄数量を参照し、不足数量を算出する。
ステップS156:サーバ12は、支援拠点からの配送計画シミュレーションを行う。具体的には、サーバ12は、複数の被災拠点、支援拠点の情報を統合し、全ての被災拠点の不足数量を補完できるように支援拠点からの支援物資配送数量をシミュレーションで求める。
ステップS157:サーバ12は、必要備蓄量の計算を行う。具体的には、サーバ12は、支援拠点ごとに、全ての被災拠点への支援物資配送数量を合計して、当該災害種別に対するその拠点の必要備蓄量とする。なお、あらかじめ入力された保管スペースを考慮することが好ましい。
ステップS157:サーバ12は、最適備蓄量の計算を行う。具体的には、サーバ12は、以上の計算を全ての災害種別ごと(災害種別を限定している場合には、限定している災害種別ごと)に行い、それぞれによって求められた必要備蓄量の最大値を最適備蓄量とする。
そして、以上の処理を終えると、サーバ12は、呼び出し元に復帰してそれ以降の処理を継続する。
以下に示す手順例は、サーバ12又は制御装置34が実行する。
ステップS200:サーバ12又は制御装置34は、地域の基本データの収集・入力を行う。具体的には、入力装置31により、地域の基本データとして、自治体発行のハザードマップ、避難所情報等が入力されると、端末30は、これらの情報をサーバ12に送信し、サーバ12は、これらの情報をデータベース14に記憶する(アップロードする)。
ステップS201:サーバ12は、災害情報の収集を行う。具体的には、サーバ12は、災害種別ごとに、被害があった過去の被災例をリストアップする。
災害情報の収集をサーバが行う場合、サーバは所定のサーバやデータベース等にアクセスし、災害情報の収集を行う。
ステップS202:サーバ12又は制御装置34は、災害時観測データの収集・入力を行う。具体的には、入力装置31により、時系列の観測データが入力されると、端末30は、時系列の観測データをサーバ12に送信し、サーバ12は、時系列の観測データをデータベース14に記憶する。時系列の観測データは、震度、波高、降雨量、気圧、河川水位等の位置情報及び観測データである。ここでは、複数の災害データを入力することもできる。
ステップS203:サーバ12又は制御装置34は、災害時被害実績データの収集・入力を行う。具体的には、入力装置31により、時系列の災害時被害実績データが入力されると、端末30は、時系列の災害時被害実績データをサーバ12に送信し、サーバ12は、災害時被害実績データをデータベース14に記憶する。時系列の災害時被害実績データは、被災戸数(全壊、半壊)、避難所への避難者数、運休、通行止め箇所、道路交通量等から等から推定される渋滞、通行止め箇所、浸水深等のデータである。ここでは、複数の災害データを入力することができる。時系列の災害時被害実績データには、オープンデータを利用することができる。
ステップS204:サーバ12は、観測データに対する被害規模の算出を行う。具体的には、サーバ12は、観測データと被害実績の相関を時系列で整理し、観測実績値に対する被害規模の係数を統計的に算出することにより、観測データの階級に応じた被災戸数や避難者数の期待値、交通が遮断される確率を地図上の各メッシュで求め、コンターマップ(地図上の等しい数値を等高線で結んで表示するマップ)等で可視化し、被災可能性マップとする。例えば、サーバ12は、累積降雨量100mmで30cm浸水する確率等を算出・出力(表示)する。なお、処理の詳細は、後述する。
ステップS205:サーバ12は、ハザードマップの検証を行う。具体的には、サーバ12は、自治体発行のハザードマップと上記により求めた被災可能性マップを照らし合わせて、ハザードマップの妥当性を災害種別ごとに検証する。
ステップS206:サーバ12は、ハザードマップの見直しを行う。具体的には、サーバ12は、自治体発行のハザードマップと被災可能性マップに不整合があるエリアを地図上で特定し、近年の災害傾向等を考慮の上、見直し、新たなハザードマップを作成する。作成した新たなハザードマップは、データベース14に記憶したり、端末30の表示装置33に表示したりすることができる。
サーバ12は、以下に示す手順例に従って、観測データに対する被害規模の算出を行う。
ステップS250:サーバ12は、災害種別の選定を行う。具体的には、サーバ12は、洪水・浸水、地震、津波、土砂災害等から、ここで対象とする災害種別を1つ選定する。災害種別は、1つずつ選定され、最終的には、全ての災害種別が選定されることになる。ただし、端末30の入力装置31を操作して、選定する災害種別を限定することもできる。
ステップS251:サーバ12は、過去の被災事例を抽出する。具体的には、サーバ12は、対象とする災害種別について、収集した災害情報(過去の被災例)の中から1つの事例を選定する。
災害情報(過去の被災例)は、防災GISプラットフォーム10の運用開始時に、あらかじめデータベース14に記憶されている。実際の災害により新しい災害情報が発生した場合には、サーバ12が自動的に災害情報を収集したり、端末30を用いて災害情報をデータベース14にアップロードしたりすることができる。
ステップS252:サーバ12は、観測データと被害実績を時系列で対比する。具体的には、サーバ12は、観測データと被害実績の対応を分析する。例えば、サーバ12は、時間降雨量、累積降雨量、降雨継続時間等の観測データと浸水深等の災害時被害実績データの相関をそれぞれグラフにプロットする。
なお、収集した災害情報が複数ある場合には、収集した災害情報の分だけ、ステップS251及びステップS252の処理を繰り返し実行する。
ステップS253:サーバ12は、データ集積を行う。具体的には、サーバ12は、対象とする災害種別について、一つ一つの災害における観測データと災害時被害実績データの関係を集積する。
ステップS254:サーバ12は、観測データと被害実績の相関分析を行う。具体的には、サーバ12は、集積されたデータから近似式を推定する。例えば、浸水深=係数K×累積降雨量における係数Kを求める。
ステップS255:サーバ12は、観測データの階級を区分する。具体的には、サーバ12は、降雨(時間降雨、累積降雨、降雨継続時間)、地震(震度、卓越周期)、河川水位(水位、水位上昇速度、HWL(計画高水位)継続時間)、各種センサ(地すべり計、地下水位計、傾斜計等)等の観測データをいくつかの階級に区分する。例えば、累積雨量であれば、0〜50mm、50〜100mm、100〜150mm、150〜200mm・・等である。
ステップS256:サーバ12は、階級ごとの被害状況の期待値を求める。具体的には、サーバ12は、観測データの階級に応じた被災期待値(被災戸数や避難者数の期待値(予測数)、交通が遮断される確率等)を地図上の各メッシュで求める。例えば、累積雨量50mm以下で30cm浸水する確率、50〜100mmで30cm浸水する確率等を求める。
ステップS257:サーバ12は、結果を地図上に表示する。具体的には、サーバ12は、地図上の各メッシュで求められた被災期待値をコンターマップ等で示し、端末30の表示装置33に表示する。
そして、以上の処理を終えると、サーバ12は、呼び出し元に復帰してそれ以降の処理を継続する。
以下に示す手順例は、サーバ12又は制御装置34が実行する。また、以下に示す手順例は、病院の最適立地の検討例である。
ステップS300:サーバ12又は制御装置34は、地域の基本データ収集・入力を行う。具体的には、入力装置31により、地域の基本データとして、居住人数、道路等の入った基本地図データ及び公共交通網データ、ハザードマップ等の情報が入力されると、端末30は、これらの情報をサーバ12に送信し、サーバ12は、これらの情報をデータベース14に記憶する(アップロードする)。
地域の基本データは、居住人数、道路等の入った基本地図データ、公共交通網データ、ハザードマップの情報のうち少なくとも1つを含んでいればよい。
ステップS301:サーバ12は、平常時の到達圏シミュレーションを行う。具体的には、サーバ12は、地図上の各メッシュで(地図情報の各ポイントに)目標時間内に到達することができる住民の人数や割合等をシミュレーション(経路検索シミュレーション等)で算出する。例えば、地図上のメッシュにおいて、1時間以内に住民の8割以上が到達することができるメッシュ(場所)を特定し、リストアップし、立地候補地とする。
ステップS302:サーバ12は、ハザードマップと照合を行う。具体的には、サーバ12は、ハザードマップと上記により求めた立地候補地を照合し、被災の危険性が無い又は低いエリアを特定する。このようにして、平常時に、都市計画等で目標とする人数が目標時間内に到達することができるエリアのうち、被災の危険性が無い又は低いと見込まれる場所を特定することができる。
ステップS301及びステップS302の処理を実行することにより、サーバ12は、地域の基本データに基づいて、地図情報における平常時の立地候補地を決定することができる。
ステップS303:サーバ12又は制御装置34は、災害時観測データの収集・入力を行う。具体的には、入力装置31により、時系列の観測データが入力されると、端末30は、時系列の観測データをサーバ12に送信し、サーバ12は、時系列の観測データをデータベース14に記憶する。時系列の観測データは、震度、波高、降雨量、気圧、河川水位等の位置情報及び観測データである。ここでは、複数の災害時観測データを入力することができる。
ステップS304:サーバ12又は制御装置34は、災害時交通実績データの収集・入力を行う。具体的には、入力装置31により、時系列の交通実績データが入力されると、端末30は、時系列の交通実績データをサーバ12に送信し、サーバ12は、時系列の交通実績データをデータベース14に記憶する。時系列の交通実績データは、公共交通の運休状況、道路の通行止め箇所、道路交通量等から推定される渋滞時間等のデータである。ここでは、複数の災害時交通実績データを入力することができる。
なお、このような配送ルート又は配送時間に関するシミュレーションは、図3のステップS153やステップS156において実行することもできる。
ステップS305:サーバ12は、通行不能となる確率の算出を行う。具体的には、サーバ12は、災害時観測データと災害時交通実績データの相関を整理し、観測実績値に対して通行不能となる確率等を階級別に求める。例えば、累積降雨量100mm、150mm、200mmの時に通行不能となる確率(通行不能確率)等を求める。
ステップS306:サーバ12は、災害時に期待できる交通網の選択を行う。具体的には、サーバ12は、観測データに対する通行不能確率の閾値(目標値)を設定し、災害が発生すると遮断する可能性が高い道路等は考慮に入れず、通行が期待できる交通網(災害時に利用可能な利用可能道路)を選別する。
ステップS307:サーバ12は、災害時の到達圏シミュレーションを行う。具体的には、サーバ12は、ステップS301及びステップS302の処理で求めた立地候補地に対して、災害種別ごとの一定時間内に到達することができる住民の人数や割合等をシミュレーション(経路検索シミュレーション等)で算出する(災害時情報を算出する)。
ステップS305、ステップS306及びステップS307は、災害時にも機能する立地の選定である。
ステップS308:サーバ12は、最適拠点配置の検討を行う。具体的には、サーバ12は、ある拠点からの到達時間をコンターマップ等で地図上に示し(到達可能性マップを生成して表示し)、ハザードマップと重ね合わせて、災害に対して安全であり、かつ、災害時にも病院等(主要な場所)へ一定時間に到達することができるエリア(特定立地候補地)を可視化する。可視化した情報は、データベース14に記憶したり、端末30の表示装置33に表示したりすることができる。そして、そのような地域を都市計画において住居地域に定めて居住を誘導する。
図7中(A)に示すように、リアルタイムデータは、災害時リアルタイムデータを含んでいる。災害時リアルタイムデータは、気象データ、河川水位データ、潮位データ、浸水マップ、土砂災害マップ等を含んでいる。これらのデータは、端末30からサーバ12に送信され、サーバ12によってデータベース14に随時追加され、更新される。リアルタイムデータは、災害時に運営者が提供する。
気象データ、河川水位データ、潮位データは「観測データ」に含まれており、浸水マップ、土砂災害マップは「災害時被害実績データ」に含まれている。
そして、図7中(A)〜図7中(D)に示すデータは、これらが組み合わされて、データベース14に記憶される。
運営者の端末30は、防災GISプラットフォーム10にアクセスし、自動更新のメンテナンスを行う。
自動更新のメンテナンスは、防災GISプラットフォーム10の運営者が行っているメンテナンス作業である。具体的には、システムやソフトウェアのアップデート、顧客からの不具合情報、バグ情報への対応、通信トラブルがあった際の復旧対応等である。
また、運営者の端末30は、本支店、工場・倉庫、作業所の備蓄品に関する備蓄品データDを含む拠点情報を定期的に防災GISプラットフォーム10に送信し、サーバ12は受信した情報をデータベース14にアップロードする。
そうすると、防災GISプラットフォーム10のサーバ12は、アップロードされた情報に基づいて最適備蓄計画に関する情報を生成し、顧客Aの端末30に送信する。顧客Aの端末30では、最適備蓄計画を確認することができ、必要に応じて備蓄品の量等を変更する。
そうすると、防災GISプラットフォーム10のサーバ12は、アップロードされた情報に基づいて最適備蓄計画に関する情報を生成し、顧客Bの端末30に送信する。顧客Bの端末30では、最適備蓄計画を確認することができ、必要に応じて備蓄品の量等を変更する。
そうすると、防災GISプラットフォーム10のサーバ12は、アップロードされた情報に基づいて最適備蓄計画に関する情報を生成し、顧客Cの端末30に送信する。顧客Cの端末30では、最適備蓄計画を確認することができ、必要に応じて備蓄品の量等を変更する。
ここでは、大きく分けて3つのグループを表示している。
1つ目のグループは、防災ネットワークグループ310である。
防災ネットワークグループ310は、運営会社311、顧客A〜顧客Hにより構成されている。
国・地方グループ320は、避難所I、自治体J、政府Kにより構成されている。
アライアンスグループ330は、コンサルタント会社L〜N、防災用品商社O〜Qにより構成されている。
この場合、運営会社311は、顧客A〜顧客Hと協定を結ぶことができ、顧客A〜顧客Hから年間使用料を受け取ることができる(矢印X参照)。
この場合、共助や近助により、顧客Eは、顧客Fに対して備蓄品の融通・補完等を行い(矢印Y参照)、顧客Gは、顧客Fに対して人材や運送手段を提供することができる(矢印Z参照)。必要な備蓄品の量等は、防災GISプラットフォームにより計算することができる。
災害が落ち着いた後等には、顧客Fは、運営会社311を通じて、顧客E及び顧客Gに、支援に対する対価を支払うことができる(矢印M1参照)。
この場合、浸水災害時には山エリアから海エリアに対して備蓄品を供給することができ、土砂災害時には海エリアから山エリアに対して備蓄品を供給することができ、共助や近助が可能となる。
防災GISプラットフォームのサーバは、災害種別ごとに、いずれのエリアからいずれのエリアにどの程度の備蓄品を提供可能であるかに関する補完情報を生成し、補完情報を表示装置に表示することができる。
防災ネットワークグループ310に属している顧客Bは、グループ全体としてではなく単体で、例えば、国・地方グループ320の避難所Iに対して支援を行うこともできる(矢印Z2参照)。
そして、このような支援を行うことにより、防災ネットワークグループ310は、CSR(Corporate Social Responsibility)貢献に寄与することができる。
さらに、アライアンスグループ330の防災用品商社O〜Qは、提供された情報に基づいてサービス(最適な防災用品)を提供し(矢印S参照)、そのサービスに対する対価を受け取ることができる(矢印M3参照)。
(1)本実施形態によれば、拠点情報の変更により備蓄品情報の変更が必要であると判断した場合には、備蓄品情報の変更が必要である旨の警告情報を表示装置33に表示するため、拠点が変動(移動、追加、撤去等)しても、変動後の拠点に適した情報を表示することができ、結果として、変動する拠点に対応することができる。
本実施形態では、防災システムは、防災GISプラットフォームとネットワークと端末とにより構成する例で説明したが、1つの端末(パーソナルコンピュータ、携帯型情報処理端末等)だけで防災システムを構成してもよい。
12 サーバ
14 データベース
20 ネットワーク
30 端末
31 入力装置
32 記憶装置
33 表示装置
34 制御装置
100 防災システム
Claims (2)
- 入力手段、記憶手段、表示手段、及び、制御手段を備える防災システムであって、
前記制御手段は、
前記入力手段により、所定の地域の居住人数情報、道路情報、地図情報、公共交通情報、ハザードマップに関する情報のうち少なくとも1つを含む環境情報が入力されると、前記環境情報を前記記憶手段に記憶し、
前記環境情報に基づいて、前記地図情報における平常時の立地候補地を決定し、
前記入力手段により、前記所定の地域における災害時の時系列の観測情報が入力されると、前記観測情報を前記記憶手段に記憶し、
前記入力手段により、前記所定の地域における災害時の時系列の交通実績情報が入力されると、前記交通実績情報を前記記憶手段に記憶し、
前記観測情報及び前記交通実績情報に基づいて、前記立地候補地の中から、前記地図情報における災害時にも安全な特定立地候補地を決定し、前記特定立地候補地を前記表示手段に表示することを特徴とする防災システム。 - 請求項1に記載の防災システムにおいて、
前記制御手段は、
前記環境情報に基づいて、前記地図情報の各ポイントに目標時間内に到達することができる住民の人数又は割合を算出し、算出した前記住民の人数又は割合に基づいて、前記立地候補地を決定し、
前記ハザードマップに関する情報と前記立地候補地とを照合し、前記立地候補地の中から、被災の危険性が無い又は低いエリアを特定し、
前記観測情報及び前記交通実績情報に基づいて、前記地図情報の各ポイントが、災害時に通行不能となる通行不能確率を災害の階級別に算出し、
前記観測情報及び前記通行不能確率に基づいて、災害時に利用可能な利用可能道路を特定し、
前記立地候補地及び前記利用可能道路に基づいて、前記立地候補地に対して、災害種別ごとの一定時間内で到達することができる住民の人数又は割合に関する災害時情報を算出し、
前記災害時情報に基づいて、災害時において一定時間内に到達することができる到達可能性マップを生成し、前記到達可能性マップと前記ハザードマップに関する情報とを重ね合わせ、災害に対して安全でかつ災害時にも一定時間で主要な場所に到達することができるエリアを前記特定立地候補地として決定し、決定した前記特定立地候補地を前記表示手段に表示することを特徴とする防災システム。
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