JP2021107047A - 濾過器の試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば腹水処理装置に使用される濾過器の濾過性能を高精度で確定できる新規の濾過器の試験方法を提供する。【解決手段】本発明は、第1期間において、濾過器の入力ポートへ試験液を入力して濾過し、第1期間が経過した後の第2期間において、濾過器の出力ポートから濾過器によって濾過された濾液をサンプリングする濾過器の試験方法を提供している。これにより、前期(第1期間)において濾過器の濾過性能が安定して発揮されていないときにサンプリングされた濾液が濾過器の濾過性能を正確に反映できないという問題が避けられる。また、濾過器が濾過性能を安定して発揮できる期間(第2期間)においてサンプリングされたサンプルが濾過器の濾過性能を正確に反映できるため、濾過器の濾過性能を高精度で確定するのに寄与する。【選択図】図1

Description

本発明は、濾過器の試験方法に関する。
現在、腹水が貯留する患者は、大別すると肝硬変などの疾患で貯留する肝性腹水患者と、胃癌、卵巣癌、大腸癌などのがんで貯留するがん性腹水患者と、に分けられる。これらの患者を治療する過程で、一般的に腹水処理装置が用いられている。この腹水処理装置には、腹水バッグと、ろ過器と、濃縮器と、濃縮腹水バッグと、をこの順で直列的に接続し、落差或いはポンプにより腹水を流して腹水をろ過、濃縮するものが用いられている。
このような腹水処理装置の治療能力を確定するためには、濾過器の濾過性能を事前に確認する必要がある。しかしながら、従来の技術では、濾過器の濾過性能を測定するための試験方法が存在しないため、関連する濾過器の試験方法が必要となる。
上記従来技術の欠陥に鑑みて、本発明の目的は、例えば腹水処理装置に使用される濾過器の濾過性能を高精度で確定できる新規の濾過器の試験方法を提供することにある。
上記発明の目的を達成するために、本発明は、以下の技術的手段を採用している。
本発明は、濾過膜と、濾過膜の一次側に連通する入力ポートと、濾過膜の二次側に連通して濾液が出力される出力ポートと、を有する濾過器の試験方法であって、
第1期間において、入力ポートへ試験液を入力して濾過するステップと、
第1期間が経過した後の第2期間において、出力ポートから濾液をサンプリングするステップと、
を含む濾過器の試験方法を提供している。
ここで、濾液の吸光度を所定時間ごとに測定し、前回の測定値(An-1)に対する測定値(An)の変化率Eaの絶対値が5%以下に収まった場合に、濾液をサンプリングするステップに移行することが好ましい。変化率Eaは、以下の式で算出される。
変化率Ea={(An−An-1)/An-1}×100[%]
また、濾液の阻止率を所定時間ごとに測定し、前回の測定値(Bn-1)に対する測定値(Bn)の変化率Ebの絶対値が12%以下に収まった場合に、濾液をサンプリングするステップに移行することがより好ましい。変化率Ebは、以下の式で算出される。
変化率Eb={(Bn−Bn-1)/Bn-1}×100[%]
試験液は、第1期間及び第2期間において、予め定められた流量で入力されることがより好ましい。
予め定められた流量は、200mL/minであることがより好ましい。
濾過器の試験方法は、第1期間において、濾液を破棄するステップをさらに備えることがより好ましい。
試験液は、HAAKE粘度計による粘度が10.9〜13.4mPa・sであることがより好ましい。
試験液がPVPを含む水溶液であることがより好ましい。
PVPのK値が81〜97であることがより好ましい。
濾過器の試験方法は、サンプリングされた濾液と予め定められた基準とに基づいて、濾過器の限外濾過性能と阻止率の少なくともいずれかを評価するステップをさらに備えることがより好ましい。
上記技術的手段を採用することにより、本発明は、第1期間において、濾過器の入力ポートへ試験液を入力して濾過し、第1期間が経過した後の第2期間において、濾過器の出力ポートから濾過器によって濾過された濾液をサンプリングする新規の濾過器の試験方法を提供している。これにより、前期(第1期間)において濾過器の濾過性能が安定して発揮されていないときにサンプリングされた濾液が濾過器の濾過性能を正確に反映できないという問題が避けられる。また、濾過器が濾過性能を安定して発揮できる期間(第2期間)においてサンプリングされたサンプルが濾過器の濾過性能を正確に反映できるため、濾過器の濾過性能を高精度で確定するのに寄与する。
本発明の実施形態に係る濾過器の試験方法に用いられる濾過器の試験装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る濾過器の試験方法の実施段階における濾過器の試験装置の構成を示す概略図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の例示的な実施形態を説明する。これら具体的な説明は、本発明をどのように実施するかを当業者に教示するためのものに過ぎず、本発明のすべての実施可能な形態を枚挙するものではなく、本発明の範囲を限定するものでもないと理解すべきである。
以下、まず、図面に基づいて本発明の実施形態に係る濾過器の試験方法に用いられる濾過器の試験装置の構成を説明する。
(濾過器の試験装置の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る濾過器の試験方法に用いられる濾過器の試験装置を示している。濾過器の試験装置は、濾過器20によって濾過された濾液に所望のサンプリングを行い、濾液の所定パラメータ(例えば限外濾過性能や阻止率)を測定・評価することができる。
図1に示すように、濾過器の試験装置は主に、試験液を貯留する試験液貯留容器10と、一端が試験液貯留容器10に接続され、他端が濾過器20の入力ポート21に接続され、試験液貯留容器10内の試験液を濾過器20の濾過膜の一次側に送液する試験液送液ライン11と、腹水濾過器であってもよい濾過器20と、濾過器20によって濾過された濾液を収集する濾液収集容器30と、一端が濾過器20の第1出力ポート22に接続され、他端が濾液収集容器30に接続され、濾液を濾過器20から濾液収集容器30に送液する濾液送液ライン31と、濾過器20から生成された廃液を収集する廃液収集容器40と、一端が濾過器20の第2出力ポート23に接続され、他端が廃液収集容器40に接続され、廃液を濾過器20から廃液収集容器40に送液する廃液送液ライン41と、調整液を貯留する調整液貯留容器50と、調整液貯留容器50内の調整液を試験液貯留容器10に送液する調整液送液ライン51と、を備える。
具体的には、試験液貯留容器10は、十分な容積を有する様々な容器(例えばフラスコ)であってもよい。
さらに、試験液送液ライン11は、一端が試験液貯留容器10に接続され、他端が後述する第1圧力測定手段60の第1チャンバー62の入力ポートに接続され、試験液を試験液貯留容器10から第1チャンバー62に送液する第1送液ラインと、一端が第1チャンバー62の出力ポートに接続され、他端が濾過器20の入力ポート21に接続される第2送液ラインであって、試験液が第1チャンバー62の出力ポートから第2送液ラインを介して濾過器20に吸引される第2送液ラインと、を有する。
さらに、濾過器20は、濾過膜と、濾過膜の一次側(例えば、中空繊維の内側)に連通する入力ポート21と、濾過膜の二次側(例えば、中空繊維の外側)に連通して濾液が出力される第1出力ポート22と、を有する。濾過器20は、濾過膜の一次側に連通し、廃液が出力される第2出力ポート23と、濾過膜の二次側に連通し、かつ試験において封止可能な通液ポート24と、をさらに有してもよい。ここでの濾過膜は、薄膜に限定されず、中空繊維膜などを含む濾過素子であってもよいと理解すべきである。濾過器20は、円柱状の本体を有し、入力ポート21は、本体の軸方向の一端に設けられてもよく、第2出力ポート23は、本体の軸方向の他端に設けられてもよい。第1出力ポート22と通液ポート24は、本体の外周に設けられて本体の外周から伸びてもよい。濾過器20は、その本体の中心軸が水平となるように設けられている。例えば、濾過膜が中空繊維を含む場合には、濾過器20の本体の中心軸における圧力は、濾過膜の受けた圧力を表すことができる。このような濾過器20の配置形態により、濾過膜の受けた圧力をより容易かつ正確に取得し得る。
さらに、濾液収集容器30は、十分な容積を有する様々な容器(例えばフラスコ)であってもよい。
さらに、試験液送液ライン11と同様に、濾液送液ライン31は、2本の送液ラインを有し、後述する第2圧力測定手段60Aの第2チャンバー62Aは、2本の送液ラインを接続する。濾液送液ライン31から出力された濾液(試験液から望ましくない成分が濾過された液体)は、濾液収集容器30に収集してサンプリングすることができる。
さらに、廃液収集容器40は、十分な容積を有する様々な容器(例えばフラスコ)であってもよい。
さらに、試験液送液ライン11と同様に、廃液送液ライン41は、2本の送液ラインを有し、後述する第3圧力測定手段60Bの第3チャンバー62Bは、2本の送液ラインを接続する。廃液送液ライン41から出力された廃液は、廃液収集容器40に収集可能である。
さらに、調整液貯留容器50は、十分な容積を有する様々な容器(例えばフラスコ)である。調整液と試験液は、同一種類の溶液であってもよい。これにより、試験の実施は、より簡単になる。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、調整液と試験液は、密度が異なり、かつ互いに溶さない2種類の液体であってもよい。この場合、濾過器20に送液された液体は常に試験液であり、調整液は試験液貯留容器10の液面に対する調整のみに用いられる。
さらに、調整液送液ライン51は、一端が調整液貯留容器50に接続され、他端が試験液貯留容器10に接続され、調整液貯留容器50内の調整液を試験液貯留容器10に送液する。
また、図1に示すように、濾過器の試験装置は、第1圧力測定手段60と、第2圧力測定手段60Aと、第3圧力測定手段60Bと、をさらに備える。
具体的には、第1圧力測定手段60は、試験液送液ライン11に設けられ、かつ後述する試験液送液ポンプ10Pの下流側に位置する。第1圧力測定手段60は、第1圧力計61と、第1チャンバー62と、第1圧力ライン63と、を有する。第1圧力計61は、試験液送液ライン11の外側に設けられ、第1チャンバー62は、試験液送液ライン11内に設けられている。第1圧力ライン63は、一端が第1圧力計61に接続され、他端が第1チャンバー62の接続端に接続されている。より具体的には、第1チャンバー62の接続端は、第1チャンバー62の鉛直方向上端に位置する。第1チャンバー62の鉛直方向上部は、空気などの気体を有してもよく、第1チャンバー62の鉛直方向下部は、試験液を有する。第2圧力測定手段60Aは、濾液送液ライン31に設けられ、かつ後述する濾液送液ポンプ30Pの上流側に位置する。第1圧力測定手段60と同様に、当該第2圧力測定手段60Aは、第2圧力計61Aと、第2チャンバー62Aと、第2圧力ライン63Aと、を有する。第2圧力測定手段60Aは、第1圧力測定手段60と同様であるため、ここでその詳細な説明を省略する。第3圧力測定手段60Bは、廃液送液ライン41に設けられ、かつ後述する廃液送液ポンプ40Pの上流側に位置する。第1圧力測定手段60と同様に、第3圧力測定手段60Bは、第3圧力計61Bと、第3チャンバー62Bと、第3圧力ライン63Bと、を有する。第3圧力測定手段60Bは、第1圧力測定手段60と同様であるため、ここでその詳細な説明を省略する。
また、図1に示すように、濾過器の試験装置は、試験液送液ライン11内に設けられ、試験液貯留容器10内の試験液を濾過器20に送液する試験液送液ポンプ10Pと、濾液送液ライン31内に設けられ、濾過器20によって濾過された濾液を濾液収集容器30にポンピングする濾液送液ポンプ30Pと、廃液送液ライン41内に設けられ、濾過器20から生成された廃液を廃液収集容器40にポンピングする廃液送液ポンプ40Pと、をさらに備える。一方、図1に示すように、濾過器の試験装置は、第1温度調整装置12と、第2温度調整装置25と、をさらに備え、試験液貯留容器10は、第1温度調整装置12内に設けられ、試験液貯留容器10内の試験液が調整されて所定の第1温度に保持される。当該第1温度は、例えば人体の体温(37℃)である。第1温度調整装置12は、液体(例えば水)を収容する恒温槽であってもよく、試験液貯留容器10は、当該液体中に設けられている。濾過器20は、第2温度調整装置25内に設けられ、その温度が調整されて所定の第2温度に保持される。当該第2温度は、例えば人体の体温(37℃)である。第2温度調整装置25は、液体(例えば水)を収容する恒温槽であってもよく、濾過器20は、当該液体中に設けられている。これにより、試験液の温度を人体の体温に近づけることができるため、実際の腹水濾過器としての濾過器20の使用状況を容易にシミュレーションすることができる。
なお、調整液送液手段(調整液送液ライン51及び調整液送液ポンプ50P)は、試験液貯留容器10の液面と第1チャンバー62の液面とが面一になるように調整液を送液することができる。もちろん、試験液貯留容器10の液面の高さと第1チャンバー62の液面の高さとの間には差(高低差)があってもよいが、当該高低差(もしあれば)は、一定でなければならない。さらに、少なくとも安定した試験段階では、調整液送液ポンプ50Pは、試験液貯留容器10の液面の位置が変わらないように、連続的に作動することができる。原則としては、調整液送液手段は、試験液貯留容器10の液面における圧力と第1圧力測定手段60の測定箇所における圧力との差が一定となるように、調整液を送液する。
そして、試験液が濾過器20に吸引されるにつれて、試験液貯留容器10の液面が下がるため、第1圧力測定手段60の測定箇所における圧力が変化し続け、この変化する圧力により、試験はスムーズに実行されにくい。本発明では、調整液送液手段は、試験液貯留容器10の液面にける圧力と第1圧力測定手段60における測定箇所の圧力との差が一定となるように、調整液を試験液貯留容器10に送液する。このように、第1圧力測定手段60で測定された圧力が一定となる(すなわち、変化しない)ことで、試験をスムーズに実行できる。
また、濾過器20は、その中心が第1圧力測定手段60の第1チャンバー62の液面と面一になるように設けられていることが好ましい。第1チャンバー62内の密閉気体の圧力は、液面における圧力とほぼ等しく(気体は、液面の圧力を第1圧力計61に伝える)、液面は、濾過器20の中心と面一であるため、第1圧力計61で測定された圧力は、濾過膜の受けた圧力とほぼ等しい。これにより、濾過膜の受けた圧力を容易に得ることができる。第1チャンバー62を設けることにより、第1チャンバー62内の密閉気体の圧力が測定されるため、第1圧力計61は、試験液と接触する必要がなく、試験液が第1圧力計61を汚染することを避けることができる。よって、第1圧力計61を容易に繰り返し使用可能であり、試験コストが低減される。同様に、第2圧力測定手段60Bは、対応する作用及び効果を有する。
以上、本発明の実施形態に係る濾過器の試験方法を用いる濾過器の試験装置の構成を説明したが、以下、当該濾過器の試験装置を用いて本発明の実施形態に係る濾過器の試験方法をどのように実施するかを説明する。
(本発明の実施形態に係る濾過器の試験方法)
以下、図1及び図2の濾過器の試験装置に基づいて本発明の実施形態に係る濾過器の試験方法の例示を説明する。まず、当該試験方法の例示を以下のようにまとめる。
図1を参照して、濾過器20を37℃の第2温度調整装置25(恒温槽)に入れ、2.7%(Wt/Vol)のポリビニルピロリドン(K値81〜97)(以下、「PVP」という)水溶液(以下、「試験液」という)を用い、腹水を引き込む方法で、流入側流量200mL/min(試験液送液ライン11の流量とするとともに、濾液送液ライン31と廃液送液ライン41の流量の和とする)、膜間差圧(以下、「TMP」という)6.6kPa(50mmHg)となる状態でサンプリングし、サンプル濾液のパラメータを測定して濾過器20の限外濾過性能[mL/h/m2/0.13kPa(mmHg)]及び阻止率(%)を確定する。
具体的には、本例示に係る濾過器の試験方法は、複数の段階を含む。
a.準備段階
準備段階では、試験液と調整液の調製及び試験環境の設定を実現する。
試験原液を調製する。本例示では、試験原液として、濃度2.7%(Wt/Vol)のPVP(ポリビニルピロリドン、K値81〜97)水溶液を用いる。調製中、天秤で必要量のPVPを秤量し、天秤で秤量されたPVPを対応量の蒸留水に加え、その後、室温で所定の時間(例えば15〜24時間)撹拌して当該試験原液を得る。必要な場合には、PVPの溶解時間(PVP全量を蒸留水に加えて撹拌を始めた時間から攪拌終了までの時間)を記録してもよい。さらに、HAAKE粘度計を用いて試験原液の粘度を複数回(少なくとも3回)測定し、測定値がすべて10.9mPa・s〜13.4mPa・sの範囲内であることを確認する。測定中、HAAKE粘度計の設定温度は24℃、回転数は20rpmとする。さらに、試験原液を試験液と液面調整用の調整液に分け、試験液と調整液の温度を37℃に保持することを確保する。
一方、第1温度調整装置12及び第2温度調整装置25(2つの恒温槽)に水を加えて37℃まで加熱し、試験液貯留容器10及び濾過器20に恒温環境を提供する。さらに、濾過器20をプライミングする。
1)ヘッダー側入口からヘッダー側出口へ、蒸留水500mLを流量50mL/minで送液する。
2)ヘッダー側入口から容器側出口(ヘッダー側出口に近い方の出口)へ、蒸留水500mLを流量50mL/minで送液し、塞ぐ。プライミングした濾過器20を第2温度調整装置25に1時間以上浸漬する。
準備段階の終了後、濾過器の試験装置を初期化する。
b.初期化段階
初期化段階では、図1に示す濾過器の試験装置で以下の操作を行う。
1.試験液送液ポンプ10PをONにし、試験液送液ライン11の流量が200mL/minであることを確認し、試験液送液ポンプ10PをOFFにする。調整液送液ポンプ50PをONにし、調整液送液ライン51の流量が200mL/minであることを確認し、調整液送液ポンプ50PをOFFにする。
2.廃液送液ポンプ40PをONにし、廃液送液ライン41の流量が150mL/minであることを確認し、廃液送液ポンプ40PをOFFにする。
3.濾液送液ポンプ30PをONにし、濾液送液ライン31の流量が50mL/minであることを確認し、濾液送液ポンプ30PをOFFにする。
4.試験液貯留容器10の液面、第1チャンバー62の液面、濾過器20の中心、第2チャンバー62Aの上端及び第3チャンバー62Bの上端が同じ高さとなるように調整を行う。調整液送液ポンプ50Pによって調整液貯留容器50内の調整液を試験液貯留容器10に送液し、試験液の液面が上記各部材において同じ高さになるように維持する。
初期化段階の終了後、濾過器の試験装置を用いて本発明に係る濾過器の試験方法を実施する。
c.実施段階
1.試験液送液ポンプ10Pと調整液送液ポンプ50PをONにし、流量が200mL/minとなる状態で所定の時間(例えば3分間)作動させた後、試験液送液ポンプ10Pと調整液送液ポンプ50PをOFFにする。そのあと、図2のように、試験液送液ライン11から試験液送液ポンプ10Pをはずし、濾液送液ポンプ30Pに濾液送液ライン31を接続し、廃液送液ポンプ40Pに廃液送液ライン41を接続する。
2.濾液送液ポンプ30Pと廃液送液ポンプ40Pと調整液送液ポンプ50PとをONにし、濾液送液ポンプ30Pと廃液送液ポンプ40Pの合計流量を200mL/minに保ちながら、濾液送液ポンプ30P及び廃液送液ポンプ40Pを調整し、TMPを6.6±0.6kPaに合わせる。試験中圧力が上記TMP範囲内に保持されるよう濾液送液ポンプ30P及び廃液送液ポンプ40Pの流量を微調整することができる。試験中濾液送液ライン31と廃液送液ライン41の合計流量が200mL/minであることを確認する。
3.濾液送液ポンプ30P及び廃液送液ポンプ40PをONにしてから、所定の期間(第1期間)の間、試験中圧力が上記TMP範囲内に保持されることを確認しながら、第1圧力計61、第2圧力計61A及び第3圧力計61Bの圧力値を記録する。
4.上記第1期間の間、濾液送液ライン31得られた濾液を所定時間間隔(例えば1分ごと)で複数回予備サンプリングする。
5.紫外可視分光光度計で上記4.で得られたサンプル濾液の波長255nmの吸光度を測定し以下の式で変化率Eaを計算する、及び/又は、サンプル濾液の阻止率を測定し以下の式で変化率Ebを計算する。
変化率Ea={(An−An-1)/An-1}×100[%]
変化率Eb={(Bn−Bn-1)/Bn-1}×100[%]
6.吸光度の前回の測定値(An-1)に対する測定値(An)の変化率Eaの絶対値が5%以下に収まった場合、及び/又は、阻止率の前回の測定値(Bn-1)に対する測定値(Bn)の変化率Ebの絶対値が12%以下に収まった場合、n時点からn+1時点までの間(第2期間)濾液送液ライン31の流量を計量する。また、n+1時点における阻止率を計算する。
上記の発明を実施するための形態で本発明の具体的な手段を詳しく説明したが、以下、補足説明を行う。
i.本発明では、第2期間にサンプリングを行うこととは、濾過器の濾過性能(阻止率や
限外濾過性能)を測定/計算するために、濾液のサンプルを採取する操作である。例えば、上記発明を実施するための形態では、実行段階のステップ6.において、変化率Ea及び/又は変化率Ebが所定の範囲にある場合、第2期間の間濾液送液ライン31の流量を計量し、又は第2期間にサンプリングして阻止率を計算する。
なお、「n時点からn+1時点までの間」は、第2期間が第1期間以降にあることを説明するのみに用いられ、第2期間の長さを限定することではない。
さらに、上記の発明を実施するための形態では明確に説明されていないが、サンプリングする前に、第1期間において生成された濾液を破棄し、第2期間において生成された濾液のみをサンプリングすると理解すべきである。
ii.サンプリングされた濾液と予め定められた基準とに基づいて、濾過器の限外濾過性能と阻止率の少なくともいずれかをさらに評価し、濾過器の濾過性能を判断することができる。
iii.なお、下記計算式を参照して関連パラメータを算出できる。
a.TMPについて
TMP[kPa]={(Pin+Pout)÷2}−Pf
in:第1圧力計61が表示する試験液送液ライン側圧力
out:第2圧力計61Aが表示する廃液送液ライン側圧力
f:第3圧力計61Bが表示する濾液送液ライン側圧力
圧力をkPaで測定する場合、TMPを算出後に下記計算式によりkPaからmmHgへ換算する。
TMP[mmHg]=TMP[kPa]×7.5
なお、TMP[mmHg]は、小数第一位を四捨五入してもよい。
b.限外濾過性能について
限外濾過性能[mL/h/m2/0.13kPa(mmHg)]
=濾液送液ライン流量[mL/min]×60[min/Hr]÷1.5[m2]÷TMP[mmHg]
濾液送液ライン流量[mL/min]:第2期間の濾液送液ラインの流量
なお、限外濾過性能[mL/h/m2/0.13kPa(mmHg)]は、小数第一位を四捨五入してもよい。
c.試験原液に対する阻止率について
阻止率[%]
={試験原液の吸光度[Abs.]−サンプル濾液の吸光度[Abs.]}÷試験原液の吸光度[Abs.]×100
なお、阻止率[%]は、小数第一位を四捨五入してもよい。
iv.上記発明を実施するための形態では、本発明に係る濾過器の試験方法は図1、2の濾過器の試験装置に基づいて実現されることが説明されたが、実際には、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明に係る濾過器の試験方法は、図1、2の濾過器の試験装置に基づくものでなくてもよく、任意の適切な試験装置に基づいて実現され得る。
10 試験液貯留容器
11 試験液送液ライン
10P 試験液送液ポンプ
12 第1温度調整装置
20 濾過器
21 入力ポート
22 第1出力ポート
23 第2出力ポート
24 通液ポート
25 第2温度調整装置
30 濾液収集容器
31 濾液送液ライン
30P 濾液送液ポンプ
40 廃液収集容器
41 廃液送液ライン
40P 廃液送液ポンプ
50 調整液貯留容器
51 調整液送液ライン
50P 調整液送液ポンプ
60 第1圧力測定手段
61 第1圧力計
62 第1チャンバー
63 第1圧力ライン
60A 第2圧力測定手段
61A 第2圧力計
62A 第2チャンバー
63A 第2圧力ライン
60B 第3圧力測定手段
61B 第3圧力計
62B 第3チャンバー
63B 第3圧力ライン

Claims (10)

  1. 濾過膜と、前記濾過膜の一次側に連通する入力ポート(21)と、前記濾過膜の二次側に連通して濾液が出力される出力ポート(22)と、を有する濾過器(20)の試験方法であって、
    第1期間において、前記入力ポート(21)へ試験液を入力して渡過するステップと、
    前記第1期間が経過した後の第2期間において、前記出力ポート(22)から前記濾液をサンプリングするステップと、
    を含む、濾過器の試験方法。
  2. 前記濾液の吸光度を所定時間ごとに測定し、前回の測定値(An-1)に対する測定値(An)の変化率Eaの絶対値が5%以下に収まった場合に、前記濾液をサンプリングするステップに移行し、前記変化率Eaは以下の式:
    変化率Ea={(An−An-1)/An-1}×100[%]
    で算出される、請求項1に記載の濾過器の試験方法。
  3. 前記濾液の阻止率を所定時間ごとに測定し、前回の測定値(Bn-1)に対する測定値(Bn)の変化率Ebの絶対値が12%以下に収まった場合に、前記濾液をサンプリングするステップに移行し、前記変化率Ebは以下の式:
    変化率Eb={(Bn−Bn-1)/Bn-1}×100[%]
    で算出される、請求項1に記載の濾過器の試験方法。
  4. 前記試験液は、前記第1期間及び前記第2期間において、予め定められた流量で入力される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の濾過器の試験方法。
  5. 前記予め定められた流量は、200mL/minである、請求項4に記載の濾過器の試験方法。
  6. 前記第1期間において、前記濾液を破棄するステップをさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の濾過器の試験方法。
  7. 前記試験液は、HAAKE粘度計による粘度が10.9〜13.4mPa・sである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の濾過器の試験方法。
  8. 前記試験液がPVPを含む水溶液である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の濾過器の試験方法。
  9. 前記PVPのK値が81〜97である、請求項8に記載の濾過器の試験方法。
  10. 前記サンプリングされた濾液と予め定められた基準とに基づいて、前記濾過器の限外濾過性能と阻止率の少なくともいずれかを評価するステップをさらに備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の濾過器の試験方法。
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