JP2021106524A - 植物育成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に小型化することができる植物育成システムを提供する。【解決手段】植物育成システム1021は、少なくとも1つの植物育成装置100dと、システムタンク220と、システムタンク220に溜められている養液2を、供給経路を介して少なくとも1つの植物育成装置100dのそれぞれに供給するシステムポンプ210とを備える。植物育成装置100dは、栽培棚110と、棚用タンク130と、棚用タンク130に溜められている養液を、システムタンク220に供給することなく、棚用タンク130および栽培棚110を含む循環経路内で循環させる棚用ポンプ140とを備える。循環経路は、養液2の一部を外に排出するための排出口として配管157を有し、供給経路には、その供給経路に流される養液2の一部をシステムタンク220に戻すための戻し経路として配管156が接続されている。【選択図】図5

Description

本開示は、植物を水耕栽培するための植物育成システムに関する。
従来、植物を水耕栽培するための植物育成システムが植物栽培装置として提案されている(特許文献1参照)。このような植物栽培装置では、栽培棚の各段に設置されている栽培槽に養液が満たされ、その栽培棚の養液はポンプによって循環される。
特開2004−73003号公報
しかしながら、上記特許文献1の植物栽培装置では、その装置に含まれる栽培棚の数が多い場合には、その装置を構成するための設備が大型化するという課題がある。
そこで、本開示は、容易に小型化することができる植物育成システムを提供する。
本開示の一態様に係る植物育成システムは、それぞれ植物を水耕栽培するための少なくとも1つの植物育成装置と、養液を溜めるシステムタンクと、前記システムタンクに溜められている養液を、供給経路を介して前記少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれに供給するシステムポンプとを備え、前記少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれは、前記植物が配置される栽培棚と、前記システムポンプによって前記システムタンクから供給される養液を溜める棚用タンクと、前記棚用タンクに溜められている養液を、前記システムタンクに供給することなく、前記棚用タンクおよび前記栽培棚を含む循環経路内で循環させる棚用ポンプとを備え、前記少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれの前記循環経路は、当該循環経路内の養液の一部を外に排出するための排出口を有し、前記供給経路には、前記システムポンプによって当該供給経路に流される養液の一部を前記システムタンクに戻すための戻し経路が接続されている。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、方法などで実現されてもよい。
本開示の植物育成システムは、容易に小型化することができる。
図1は、実施の形態1における植物育成システムに含まれる植物育成装置の基本構成の一例を示す図である。 図2は、実施の形態1における植物育成システムと比較するための他の植物育成システムを示す図である。 図3は、実施の形態1における植物育成システムの一例を示す図である。 図4は、実施の形態1における植物育成システムの他の例を示す図である。 図5は、実施の形態2における植物育成システムの一例を示す図である。 図6は、実施の形態2における植物育成システムの他の例を示す図である。
本開示の一態様に係る植物育成システムは、それぞれ植物を水耕栽培するための少なくとも1つの植物育成装置と、養液を溜めるシステムタンクと、前記システムタンクに溜められている養液を、供給経路を介して前記少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれに供給するシステムポンプとを備え、前記少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれは、前記植物が配置される栽培棚と、前記システムポンプによって前記システムタンクから供給される養液を溜める棚用タンクと、前記棚用タンクに溜められている養液を、前記システムタンクに供給することなく、前記棚用タンクおよび前記栽培棚を含む循環経路内で循環させる棚用ポンプとを備え、前記少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれの前記循環経路は、当該循環経路内の養液の一部を外に排出するための排出口を有し、前記供給経路には、前記システムポンプによって当該供給経路に流される養液の一部を前記システムタンクに戻すための戻し経路が接続されている。
これにより、棚用タンクに溜められている養液は、システムタンクに供給されることなく、その棚用タンクおよび栽培棚を含む循環経路内で循環する。そして、システムポンプによってシステムタンクから供給される養液は、少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれに供給され、その植物育成装置の循環経路内の養液の一部は排出口から外に排出される。つまり、システムポンプによってシステムタンクから供給される養液は、少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれにかけ流される。したがって、システムポンプが各植物育成装置の栽培棚に、その栽培棚に必要とされる全ての養液を供給することがないため、システムポンプによってシステムタンクから各植物育成装置に供給される養液の流量を抑えることができる。その結果、システムポンプと、システムタンクと、そのシステムタンクから汲み出された養液を流すための配管とを小型化することができる。さらに、養液が各植物育成装置の棚用タンクからシステムタンクに戻ることがないため、その養液を戻すための配管を削減することができる。したがって、栽培棚の数が多くても、システム全体を容易に小型化することができる。さらに、システムポンプによって供給経路に流される養液の一部は、戻し経路を介してそのシステムタンクに戻される。したがって、少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれの棚用タンクから棚用ポンプによって養液がシステムタンクに戻されなくても、その戻し経路を介してシステムタンクに戻される養液によって、システムタンク内の養液をかき混ぜることができる。その結果、システムタンク内において養液のpHなどの液質が調整される場合には、その液質をシステムタンク内において均一にすることができる。
また、前記少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれでは、前記排出口は、前記循環経路に含まれる前記棚用タンクに設けられていてもよい。
これにより、棚用タンクに排出口が設けられているため、棚用タンク内の養液の液量を安定させることができる。
また、前記少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれでは、前記排出口は、前記棚用タンクから前記栽培棚へ前記養液を流すための、前記循環経路の一部を構成する配管に設けられていてもよい。
これにより、棚用タンクから栽培棚へ養液を流すための配管に排出口が設けられているため、棚用ポンプによって棚用タンクからその配管に流し出された養液の一部が、その排出口から循環経路の外に排出される。したがって、安定した流量で養液の一部を排出することができる。
また、前記戻し経路に用いられる配管の口径は、前記供給経路に用いられる配管の口径よりも大きくてもよい。
これにより、システムポンプによってシステムタンクから各植物育成装置に供給される養液の流量を抑えながら、戻し経路を介してシステムタンクに戻される養液の流量を増やすことができる。その結果、システムタンク内の養液を十分にかき混ぜることができ、システムタンク内における養液の液質をさらに均一にすることができる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態1)
本実施の形態における植物育成システムは、それぞれ栽培棚を有する複数の植物育成装置を備える。
図1は、本実施の形態における植物育成システムに含まれる植物育成装置の基本構成の一例を示す図である。
植物育成装置は、例えばレタスなどの植物1を水耕栽培するための装置であって、栽培棚110と、光源制御部120と、養液タンク130と、ポンプ140と、配管150とを備える。
なお、本実施の形態において、鉛直方向をZ軸方向と称し、水平方向において互いに直交する2つの方向をX軸方向およびY軸方向と称す。例えば、X軸方向は、栽培棚110の幅方向であって、Y軸方向は、栽培棚110の奥行き方向である。また、鉛直方向の上向きを単に上または上側といい、鉛直方向の下向きを単に下または下側という。また、図1に示す植物育成装置では、配管150の一部は省略されている。
栽培棚110には、複数の植物1が配置される。このような栽培棚110は、複数の栽培ユニット115がZ軸方向に積み上げられた構成を有する。なお、複数の栽培ユニット115のそれぞれは段とも呼ばれる。このような栽培棚110は、例えば植物栽培工場の建屋内に配置される。なお、栽培棚110に備えられる栽培ユニット115の数は、1つであっても2つ以上であってもよい。
複数の栽培ユニット115のそれぞれは、実質的に同一の構成を有する。具体的には、これらの栽培ユニット115は、栽培槽113と、栽培プレート112と、天井板114と、複数の光源111とを備える。
栽培槽113には、例えば一列に沿って配列された複数の植物1が配置される。そして、栽培槽113は、配管150を介して供給される養液2を溜める。その養液2は、上述の複数の植物1の栽培のために用いられる。このような栽培槽113は、上端部に開口を有する矩形状の容器であって、例えば樹脂成型品として構成されている。また、本実施の形態における栽培槽113のX軸方向の幅は、Y軸方向の奥行きよりも長い。
栽培プレート112は、栽培槽113の開口部に取り付けられる。そして、この栽培プレート112は、栽培槽113の開口を覆い、植物1の根が養液2に浸けられた状態で植物1を保持する。このような栽培プレート112は、例えば樹脂成型品として構成されている。具体的には、栽培プレート112は、X軸方向に長い長尺状の部材であって、栽培プレート112の長手方向(すなわちX軸方向)に沿って並ぶ複数の植物1を保持する。つまり、栽培槽113には、この栽培プレート112を用いて複数の植物1が配置される。
天井板114は、栽培槽113の底面との間に栽培プレート112を挟んで、その栽培プレート112に対向するように配置されている。また、天井板114は、その栽培プレート112および栽培槽113の開口部から離間して配置されている。
複数の光源111はそれぞれ、LED(light emitting diode)などによって構成され、天井板114の下面側に配置されている。このような光源111は、光源制御部120から供給される電力に応じて点灯し、栽培プレート112に保持されている複数の植物1に光を照射する。光は、赤色の光であっても、青色の光であってもよい。また、複数の光源111は、互いに異なる複数種の色の光を植物1に照射してもよい。
光源制御部120は、栽培棚110に取り付けられている各光源111に電力を供給することによってそれらの光源111を点灯させる。例えば、光源制御部120は、各光源111の点灯と消灯とを周期的に切り替える。つまり、光源制御部120は、複数の光源111のそれぞれを同時に点灯させたり、消灯させたりすることによって、栽培棚110における明るさを切り換える。複数の光源111が点灯している期間は、明期であり、複数の光源111が消灯している期間は、暗期である。このような明期と暗期とは交互に繰り返される。
養液タンク130は、養液2を溜める。つまり、養液タンク130は、各栽培ユニット115の栽培槽113から配管150を介して養液タンク130に流れ込む養液2を溜める。養液2には、例えば、カリウムイオン、カルシウムイオン、硝酸イオン、マグネシウムイオン、およびリン酸イオンなどが養液成分として含まれている。
ポンプ140は、養液タンク130に溜められている養液2をその養液タンク130から汲み出して配管150に流し出す。このようにポンプ140によって汲み出された養液2は、栽培棚110に再び供給される。
なお、このような植物育成装置の周辺は、その植物育成装置が設置されている部屋のエアコンなどによって空調制御されていてもよい。
図2は、本実施の形態における植物育成システムと比較するための他の植物育成システムを示す図である。
上述の他の植物育成システムである植物育成システム9000は、図2に示すように、複数の植物育成装置100aと、システムポンプ210と、システムタンク220と、pH調整部221と、EC調整部222と、弁231および232とを備える。また、この植物育成システム9000は、それぞれ養液2を流すための配管150として配管151〜156を備えている。
複数の植物育成装置100aのそれぞれは、図1に示す植物育成装置と同様の基本構成を有し、栽培棚110と、養液タンク130と、ポンプ140とを備える。また、複数の植物育成装置100aのそれぞれは、ポンプ制御部161を備える。ポンプ制御部161は、例えば複数の電極棒を用いることによって、養液タンク130内に溜まっている養液2の量を養液量として計測し、その養液量が閾値以上の場合に、ポンプ140を稼働させ、養液量が閾値未満の場合に、ポンプ140の稼働を停止させる。
システムタンク220は、複数の植物育成装置100aのそれぞれに供給される養液2を溜める。なお、システムタンク220には、必要に応じて給水が行われる。
pH調整部221は、システムタンク220内の養液2のpH(すなわち水素イオン指数)を一定の値に保つための処理を行う。具体的には、pH調整部221は、pHを一定に保つために、システムタンク220内の養液2のpHを計測し、その計測結果に応じたpH調整剤をその養液2に投入する。
EC調整部222は、システムタンク220内の養液2のEC(すなわち電気伝導率)を一定の値に保つための処理を行う。ECは、肥料濃度の目安として用いられる。つまり、EC調整部222は、ECを一定に保つために、システムタンク220内の養液2のECを計測し、その計測結果に応じた肥料または水をその養液2に投入する。
システムポンプ210は、システムタンク220内の養液2を、配管152と複数の配管153のそれぞれとを介して複数の植物育成装置100aに供給する。なお、配管152は、システムポンプ210に接続されている。複数の配管153は、複数の植物育成装置100aにそれぞれ対応し、上述の配管152から分岐するようにその配管152に接続されている。
したがって、複数の植物育成装置100aのそれぞれでは、システムタンク220から配管152および配管153を介して供給される養液2が、栽培棚110の各栽培ユニット115に流れる。つまり、各栽培ユニット115の栽培槽113に養液2が流入される。その結果、それらの栽培槽113に既に溜められていた養液2は、配管154を介して養液タンク130に押し流される。
また、弁231は、配管152とシステムタンク220との間に接続される配管156に取り付けられている。弁231が開いている場合には、システムポンプ210によって配管152に流される養液2の一部は、その弁231を介して再びシステムタンク220に戻される。これにより、そのシステムタンク220に戻される養液2の流れによって、システムタンク220内の養液2をかき混ぜることができる。なお、後述のように、システムタンク220には、複数の植物育成装置100aのそれぞれからも配管151を介して養液2が戻される。このように戻される養液2の流れによっても、システムタンク220内の養液2をかき混ぜることができる。したがって、pH調整部221によって投入されるpH調整剤と、EC調整部222によって投入される肥料または水とを、システムタンク220内で拡散させることができる。言い換えれば、システムタンク220内の養液2においてpHとECとを均一化することができる。
弁232は、配管152に取り付けられている。弁232が開いている場合には、システムポンプ210によって配管152に流される養液2の一部は、植物育成システム9000の外に排出される。図2に示す植物育成システム9000の場合、各植物育成装置100aで用いられる養液2を、この弁232によって一括して廃液することができる。
複数の植物育成装置100aのそれぞれの養液タンク130に溜められた養液2は、ポンプ140によって配管155および配管151を介してシステムタンク220に戻される。つまり、ポンプ140は、ポンプ制御部161による制御に応じて、養液タンク130内の養液2を汲み出して配管155に流す。この配管155は、複数の植物育成装置100aからシステムタンク220に養液2を戻すための配管151に接続されている。したがって、養液タンク130から汲み出されて配管155に流された養液2は、配管151を介してシステムタンク220に戻る。
したがって、この植物育成システム9000では、システムポンプ210によってシステムタンク220から養液2が複数の植物育成装置100aに供給される。さらに、その複数の植物育成装置100aに供給された養液2は、複数の植物育成装置100aのそれぞれのポンプ140によってシステムタンク220に戻される。このようにシステムタンク220に戻された養液2の液質は、使用済みであるために低下しているが、pH調整部221およびEC調整部222のそれぞれによる処理と給水などによって向上される。つまり、システムタンク220では養液2の液質が調整される。そして、液質が調整された養液2は、システムポンプ210によって複数の植物育成装置100aに再び供給される。
ここで、複数の植物育成装置100aのそれぞれには、例えば100[L/min]の流量の養液2が流される。したがって、植物育成システム9000がN個(Nは1以上の整数)の植物育成装置100aを備えている場合、システムポンプ210は、弁231および弁232が閉じていても、養液2をN×100[L/min]の流量で配管152に流し出す必要がある。また、その流し出された養液2の殆どは、システムタンク220に戻される。したがって、例えば、N=20の場合には、外径300mm以上の大きな配管152を吊り下げる必要があり、さらに、システムポンプ210およびシステムタンク220を大型化する必要がある。
また、この植物育成システム9000では、ポンプ140においてチャタリングが比較的頻繁に発生する。つまり、ポンプ140は、養液タンク130に養液2が十分に満たされていないにもかかわらず、その養液2を汲み出すように動作しないように、ポンプ制御部161によって制御される。養液タンク130への養液2の流入量は、システムポンプ210によって調整され、養液タンク130からの養液2の排出量は、システムポンプ210とは独立したポンプ140によって調整される。したがって、その流入量と排出量とを一致させておくことは難しいため、ポンプ140のオンとオフとの切り替え、すなわち上述のチャタリングが頻繁に発生する。そのため、ポンプ140の寿命が短くなってしまう可能性がある。
そこで、本実施の形態における植物育成システムにおける植物育成装置のそれぞれでは、ポンプ140は、養液タンク130内の養液2の一部を、栽培棚110の各栽培ユニット115に供給し、残りの一部だけを、システムタンク220に戻す。
図3は、本実施の形態における植物育成システムの一例を示す図である。
本実施の形態における植物育成システム1011は、複数の植物育成装置100bと、システムポンプ210と、システムタンク220と、pH調整部221と、EC調整部222と、弁231とを備える。また、この植物育成システム1011は、それぞれ養液2を流すための配管150として配管151〜156を備えている。なお、植物育成システム1011におけるpH調整部221、EC調整部222、および弁231は、図2に示す植物育成システム9000に備えられているそれらの構成要素と同様の機能を有する。また、なお、図3に示す例では、植物育成システム1011は、3の植物育成装置100bを備えているが、その植物育成システム1011に備えられている植物育成装置100bの数は、複数であればよく、2つだけであってもよく、4つ以上であってもよい。
つまり、本実施の形態における植物育成システム1011は、それぞれ植物1を水耕栽培するための複数の植物育成装置100bと、養液2を溜めるシステムタンク220と、システムタンク220に溜められている養液2を複数の植物育成装置100bのそれぞれに供給するシステムポンプ210とを備える。
複数の植物育成装置100bのそれぞれは、図1に示す植物育成装置と同様の基本構成を有し、栽培棚110と、養液タンク130と、ポンプ140とを備える。また、本実施の形態における養液タンク130およびポンプ140は、棚用タンク130および棚用ポンプ140ともそれぞれ呼ばれる。さらに、複数の植物育成装置100bのそれぞれは、ポンプ制御部161を備える。ポンプ制御部161は、棚用タンク130内に溜まっている養液2の量を養液量として計測し、その養液量が閾値以上の場合に、棚用ポンプ140を稼働させ、養液量が閾値未満の場合に、棚用ポンプ140の稼働を停止させる。
つまり、複数の植物育成装置100bのそれぞれは、植物1が配置される栽培棚110と、養液2を溜める棚用タンク130と、棚用タンク130に溜められている養液2を汲み出す棚用ポンプ140とを備える。
ここで、本実施の形態では、システムポンプ210は、システムタンク220内の養液2を、配管152および配管153を介して複数の植物育成装置100bのそれぞれの棚用タンク130に供給する。つまり、配管152から分岐された複数の配管153のそれぞれは、弁234を介して棚用タンク130に接続されている。したがって、システムポンプ210によってシステムタンク220から供給される養液2は、複数の植物育成装置100bのそれぞれの栽培棚110を介さずに、その植物育成装置100bの棚用タンク130に流入される。
さらに、本実施の形態における複数の植物育成装置100bのそれぞれでは、棚用ポンプ140は、棚用タンク130内の養液2を栽培棚110の各栽培ユニット115に、配管155を介して供給する。その配管155から供給される養液2が、栽培棚110の各栽培ユニット115に流れることによって、それらの栽培槽113に既に溜められていた養液2は、配管154を介して棚用タンク130に押し流される。
したがって、本実施の形態における複数の植物育成装置100bのそれぞれでは、配管153および配管154のそれぞれから養液2が棚用タンク130に流入される。つまり、システムポンプ210によってシステムタンク220から供給される養液2と、棚用ポンプ140によって栽培棚110の各栽培ユニット115に供給された養液2とが、棚用タンク130に流入される。
さらに、棚用ポンプ140によって棚用タンク130から汲み出された養液2が流される配管155は、配管151に弁233を介して接続されている。この配管151は、複数の植物育成装置100bからシステムタンク220に養液2を戻すための配管である。なお、弁233は、例えば定流量弁である。したがって、棚用ポンプ140によって棚用タンク130から汲み出されて配管155に流された養液2の一部は、栽培棚110の各栽培ユニット115に供給され、残りの一部は、システムタンク220に戻される。
つまり、本実施の形態における棚用ポンプ140は、棚用タンク130に溜められている養液2の一部を栽培棚110の各栽培ユニット115に供給し、残りの一部をシステムタンク220に戻す。
なお、本実施の形態における植物育成システム1011であっても、図2に示す植物育成システム9000と同様、システムタンク220内では養液2の液質の調整が行われる。そして、配管151および配管156のそれぞれからシステムタンク220に流れ込む養液2の流れによって、そのシステムタンク220内の養液2がかき混ぜられる。
ここで、複数の植物育成装置100bのそれぞれの栽培棚110には、例えば100[L/min]の流量の養液2が流される。つまり、本実施の形態における植物育成システム1011では、図2に示す植物育成システム9000と異なり、システムポンプ210に代わって棚用ポンプ140が、100[L/min]の流量の養液2を栽培棚110に流す。具体的には、棚用ポンプ140は、100[L/min]の流量の養液2が栽培棚110に流れるように、棚用タンク130内の養液2を汲み出して配管155に流す。
その結果、システムポンプ210によってシステムタンク220から配管152および配管153を介して棚用タンク130に供給される養液2の流量、すなわち液質が調整された養液2の流量を、例えば、3〜5[L/min]に抑えることができる。同様に、各植物育成装置100bからシステムタンク220に戻す養液2の流量を、例えば、3〜5[L/min]に抑えることができる。なお、この場合には、棚用ポンプ140は、100[L/min]の流量の養液2が栽培棚110に流れ、3〜5[L/min]の流量の養液2がシステムタンク220に戻るように、103〜105[L/min]の流量の養液2を棚用タンク130から汲み出して配管155に流す。このように、棚用タンク130から汲み出される養液2の90%以上は、栽培棚110に供給されるが、残りの一部の養液2は、システムタンク220に戻される。
これにより、植物育成システム1011がN個の植物育成装置100bを備えている場合、システムポンプ210は、弁231が閉じていれば、N×(3〜5)[L/min]の流量で養液2を配管152に流し出せばよい。したがって、本実施の形態における植物育成システム1011では、システムポンプ210によってシステムタンク220から流し出される養液2の流量を、植物育成システム9000と比べて、(3〜5)/100以下に抑えることができる。つまり、システムポンプ210およびシステムタンク220を小型化することができる。同様に、配管151および配管152に流れる養液2の流量も、植物育成システム9000と比べて、(3〜5)/100以下に抑えることができる。例えば、N=20の場合には、植物育成システム9000では、外径300mm以上の大きな配管152を吊り下げる必要がある。しかし、本実施の形態における植物育成システム1011では、N=20であっても、その配管152を例えば約43〜49mmに抑えることができる。
したがって、本実施の形態では、システムポンプ210、システムタンク220、配管151および配管152のそれぞれを容易に小型化することができる。言い換えれば、それらの大型化を抑えながら、備えられる植物育成装置100b、すなわちその植物育成装置100bが有する栽培棚110の数を増やすことができる。
また、本実施の形態における植物育成システム1011では、棚用ポンプ140におけるチャタリングの発生頻度を抑えることができる。具体的には、棚用ポンプ140のオンおよびオフは、棚用タンク130に養液2が十分に満たされていないにもかかわらず、その養液2を汲み出さないように、ポンプ制御部161によって制御される。一方、植物育成システム1011の植物育成装置100bでは、棚用タンク130と栽培棚110との間での養液2の循環が棚用ポンプ140によって行われる。つまり、棚用ポンプ140による動作は、棚用タンク130に溜められている養液2の量のコントロールに対して支配的に行われる。なお、このコントロールは、棚用タンク130への養液2の流入量と、棚用タンク130からの養液2の排出量とを等しくして、棚用タンク130内に溜められている養液2の量を一定に保つためのコントロールである。例えば、棚用ポンプ140の動作が停止されると、棚用タンク130と栽培棚110との間での養液2の循環が行われないように、棚用ポンプ140による動作は、上述のコントロールに対して支配的に行われる。一方、図2に示す植物育成システム9000では、棚用タンク130への養液2の流入量と、棚用タンク130からの養液2の排出量とは、それぞれ異なるポンプによって行われる。つまり、棚用タンク130に溜められている養液2の量のコントロールには、システムポンプ210と棚用ポンプ140とのそれぞれの動作が寄与する。したがって、図3に示す植物育成システム1011では、このような図2に示す植物育成システム9000のように、2つのポンプが上述のコントロールを行うことなく、1つのポンプがそのコントロールを支配的に行うため、チャタリングの発生頻度を抑制することができる。また、植物育成システム1011では、棚用タンク130に溜められている養液2の量が、棚用ポンプ130の養液2の排出能力に応じた量よりも十分に大きい。これによっても、棚用ポンプ140におけるチャタリングの発生頻度を抑えることができる。したがって、棚用ポンプ140のチャタリングの発生頻度を抑えて、棚用ポンプ140の長寿命化を図ることができる。
さらに、図2に示す植物育成システム9000では、システムタンク220内の養液2の液質は、全ての栽培棚110の養液2の液質に直接的に大きく影響する。したがって、例えば、pH調整部221およびEC調整部222が故障し、システムタンク220内の養液2のpHおよびECが異常な値になった場合には、全ての栽培棚110の養液2が、その異常な値を有する養液2に入れ替わってしまう。その結果、全ての栽培棚110の植物1が全滅してしまう可能性が高い。一方、本実施の形態における植物育成システム1011では、システムタンク220から植物育成装置100bに供給される養液2の流量は、植物育成システム9000の場合よりも少ない。したがって、全ての栽培棚110の養液2に対する、システムタンク220内の養液2の液質の影響度合いは低い。その結果、例えば、pH調整部221およびEC調整部222が故障し、システムタンク220内の養液2のpHおよびECが異常な値になっても、全ての栽培棚110の養液2の液質のpHおよびECは、ゆっくりとその異常な値に近づく。これにより、異常なpHおよびECへの対策に係る時間を十分に確保することができる。
また、本実施の形態では、システムポンプ210によってシステムタンク220から供給される養液2が、栽培棚110を介さずに棚用タンク130に流入されるため、液質が調整された養液2を安定して棚用タンク130に流入させることができる。
しかし、そのシステムタンク220から供給される養液2は、栽培棚110を介して棚用タンク130に流入されてもよい。
図4は、本実施の形態における植物育成システムの他の例を示す図である。図4に示す植物育成システム1012では、システムタンク220から供給される養液2は、栽培棚110を介して棚用タンク130に流入される。
具体的には、本実施の形態における植物育成システム1012は、図4に示すように、複数の植物育成装置100cと、システムポンプ210と、システムタンク220と、pH調整部221と、EC調整部222と、弁231とを備える。また、この植物育成システム1011は、それぞれ養液2を流すための配管150として配管151〜156を備えている。
複数の植物育成装置100cのそれぞれは、図1に示す植物育成装置と同様の基本構成を有し、栽培棚110と、棚用タンク130と、棚用ポンプ140とを備える。また、複数の植物育成装置100cのそれぞれは、図3に示す植物育成装置100bと同様、ポンプ制御部161を備える。そして、複数の植物育成装置100cのそれぞれでは、図3に示す植物育成装置100bと異なり、配管152に接続されている配管153は、棚用タンク130に接続されることなく、弁234を介して栽培棚110の各栽培ユニット115に接続されている。
したがって、植物育成システム1012では、システムポンプ210によってシステムタンク220から配管152を介して送り出された養液2は、植物育成システム1011とは異なる経路を通って各植物育成装置100cの棚用タンク130に流入される。つまり、システムタンク220から配管152に送り出された養液2は、各植物育成装置100cの配管153と、その配管153に取り付けられている弁234とを介して、その植物育成装置100cの栽培棚110に含まれる各栽培ユニット115に流れる。その結果、それらの各栽培ユニット115の栽培槽113に既に溜められていた養液2は、配管154を介して棚用タンク130に押し流される。
このように、本実施の形態における植物育成システム1012では、システムポンプ210によってシステムタンク220から供給される養液2は、複数の植物育成装置100cのそれぞれの栽培棚110、すなわち栽培棚110の各栽培ユニット115を介して棚用タンク130に流入される。この点で植物育成システム1012は図3に示す植物育成システム1011と異なるが、その他の点については、植物育成システム1012は図3に示す植物育成システム1011と同様の構成を有する。
なお、その栽培棚110に含まれる各栽培ユニット115には、棚用ポンプ140によって棚用タンク130から供給された養液2も流し込まれる。つまり、その栽培棚110の各栽培ユニット115には、システムタンク220および棚用タンク130のそれぞれから供給された養液2が流し込まれる。そして、そのシステムタンク220および棚用タンク130のそれぞれから供給された養液2は、その栽培棚110の各栽培ユニット115から配管154を介して棚用ポンプ140に流入される。
このような植物育成システム1012であっても、図3に示す植物育成システム1011と同様の効果を奏することができる。例えば、システムポンプ210、システムタンク220、配管151および配管152のそれぞれを容易に小型化することができる。また、植物育成システム1012では、システムタンク220から供給される養液2が栽培棚110に直接流れるため、棚用ポンプ140による栽培棚110への養液2の供給負荷を低減することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1の植物育成システム1011および1012では、棚用ポンプ140は、棚用タンク130内の養液2の一部を栽培棚110の各栽培ユニット115に供給し、残りの一部をシステムタンク220に戻す。一方、本実施の形態における植物育成システムでは、棚用ポンプ140は、棚用タンク130内の養液2をシステムタンク220に戻すことを行わない。したがって、本実施の形態では、システムポンプ210によってシステムタンク220から供給される養液2は、各植物育成装置にかけ流される。
図5は、本実施の形態における植物育成システムの一例を示す図である。
本実施の形態における植物育成システム1021は、複数の植物育成装置100dと、システムポンプ210と、システムタンク220と、pH調整部221と、EC調整部222と、弁231とを備える。また、この植物育成システム1021は、それぞれ養液2を流すための配管150として配管152〜157を備えている。なお、図5に示す例では、植物育成システム1021は、3の植物育成装置100dを備えているが、その植物育成システム1021に備えられている植物育成装置100dの数は、1つだけであってもよく、2つだけ、または4つ以上であってもよい。
ここで、本実施の形態における植物育成システム1021は、実施の形態1の植物育成システム1011および1012に備えられている配管151、すなわち、複数の植物育成装置100dからシステムタンク220に養液2を戻すための配管151を備えていない。
複数の植物育成装置100dのそれぞれは、図1に示す植物育成装置と同様の基本構成を有する。また、複数の植物育成装置100dのそれぞれは、図3に示す植物育成装置100bと同様に、栽培棚110と、棚用タンク130と、棚用ポンプ140とを備えるが、ポンプ制御部161を備えていない。
上述のように、植物育成システム1021は、複数の植物育成装置100dからシステムタンク220に養液2を戻すための配管151を備えていない。したがって、本実施の形態における複数の植物育成装置100dのそれぞれでは、棚用ポンプ140によって棚用タンク130から汲み出される全ての養液2は、配管155を介して栽培棚110の各栽培ユニット115に流される。つまり、その棚用タンク130から供給される養液2は、システムタンク220に戻されない。また、棚用タンク130から配管155を介して供給される養液2が、栽培棚110の各栽培ユニット115に流れることによって、それらの栽培ユニット115の栽培槽113に既に溜められていた養液2は、配管154を介して棚用タンク130に押し流される。
また、本実施の形態では、実施の形態1の図3に示す植物育成システム1011と同様、システムポンプ210は、システムタンク220内の養液2を、配管152および配管153を介して複数の植物育成装置100dのそれぞれの棚用タンク130に供給する。つまり、配管152から分岐された複数の配管153のそれぞれは、弁234を介して棚用タンク130に接続されている。したがって、システムポンプ210によってシステムタンク220から供給される養液2は、複数の植物育成装置100dのそれぞれの栽培棚110を介さずに、その植物育成装置100dの棚用タンク130に流入される。
したがって、本実施の形態における複数の植物育成装置100dのそれぞれでは、図3に示す実施の形態1の植物育成システム1011と同様、配管153および配管154のそれぞれから養液2が棚用タンク130に流入される。つまり、システムポンプ210によってシステムタンク220から供給される養液2と、棚用ポンプ140によって栽培棚110の各栽培ユニット115に供給された養液2とが、棚用タンク130に流入される。
ここで、本実施の形態における複数の植物育成装置100dのそれぞれでは、余分な養液2を植物育成装置100dの外に排出するための配管157が、棚用タンク130に接続されている。例えば、棚用タンク130の側壁の上側に配管157が接続されている。したがって、棚用タンク130は、その棚用タンク130に流入された養液2の液面がその配管157の高さに達するまで、所定容量の養液2を溜める。しかし、その所定容量を超える養液2が棚用タンク130に流入されても、その所定容量を超える分の養液2は、配管157を介して棚用タンク130の外に排出される。これにより、棚用タンク130内の養液2の量を安定させることができる。
また、上述のように、棚用ポンプ140によって棚用タンク130から供給される全ての養液2は、配管155を介して栽培棚110の各栽培ユニット115に流される。そして、その栽培棚110の各栽培ユニット115に流された全ての養液2は、配管154を介して棚用タンク130に戻される。したがって、システムポンプ210によってシステムタンク220から棚用タンク130に供給される養液2の流量と同じ流量だけ、棚用タンク130から養液2が配管157を介して外に排出される。このように、本実施の形態では、システムポンプ210によってシステムタンク220から供給される養液2は、棚用タンク130を介して栽培棚110の各栽培ユニット115にかけ流される。したがって、システムポンプ210および棚用ポンプ140のそれぞれが独立に稼働していても、棚用タンク130内の養液2の量を安定させることができる。例えば、システムポンプ210だけが稼働していても、あるいは、棚用ポンプ140だけが稼働していても、棚用タンク130内の養液2の量を安定させることができる。したがって、本実施の形態における複数の植物育成装置100dのそれぞれは、実施の形態1における植物育成装置100bおよび100cのそれぞれに含まれているポンプ制御部161を備えていなくてもよい。その結果、本実施の形態では、システム構成をより簡略化することができる。
また、本実施の形態における植物育成システム1021は、システムタンク220と配管152との間に、弁231を介して接続される配管156を有する。したがって、システムポンプ210によってシステムタンク220から配管152に流される養液2の一部は、その配管156および弁231を介してシステムタンク220に戻される。これにより、そのシステムタンク220に戻される養液2の流れによって、システムタンク220内の養液2をかき混ぜることができる。実施の形態1における植物育成システム1011および1012のそれでは、各植物育成装置から配管151を介してシステムタンク220に戻される養液2によっても、システムタンク220内の養液2がかき混ぜられる。しかし、本実施の形態では、そのような各植物育成装置100dから配管151を介してシステムタンク220に戻される養液2がなくても、配管156から流れ込む養液2によって、システムタンク220内の養液2をかき混ぜることができる。
したがって、本実施の形態では、配管151などがない簡単な構成であっても、pH調整部221によって投入されるpH調整剤と、EC調整部222によって投入される肥料または水とを、システムタンク220内で拡散させることができる。言い換えれば、システムタンク220内の養液2においてpHとECとを簡単な構成で均一化することができる。また、システムタンク220と配管152との間の配管156の口径は、システムタンク220から各栽培育成装置100dに養液2を流すための配管152の口径よりも大きくてもよい。これにより、システムタンク220内の養液2をシステムポンプ210の力によって十分に攪拌することができ、システムタンク220内のpHとECとをより均一化することができる。
このように、本実施の形態における植物育成システム1021は、少なくとも1つの植物育成装置100dと、システムタンク220と、システムポンプ210とを備える。システムポンプ210は、システムタンク220に溜められている養液2を、供給経路を介して上述の少なくとも1つの植物育成装置100dのそれぞれに供給する。例えば、図5に示す例では、供給経路は、配管152と少なくとも1つの配管153とによって構成されている。少なくとも1つの植物育成装置100dのそれぞれは、栽培棚110と、棚用タンク130と、棚用ポンプ140とを備える。棚用タンク130は、システムポンプ210によってシステムタンク220から供給される養液2を溜める。棚用ポンプ140は、棚用タンク130に溜められている養液2を、システムタンク220に供給することなく、棚用タンク130および栽培棚110を含む循環経路内で循環させる。例えば、図5に示す例では、循環経路は、配管154および配管155と、棚用タンク130と、栽培棚110とによって構成されている。
そして、本実施の形態では、少なくとも1つの植物育成装置100dのそれぞれの循環経路は、その循環経路内の養液2の一部を外に排出するための排出口を有する。図5に示す例では、排出口は、配管157によって構成されている。つまり、本実施の形態における植物育成システム1021の植物育成装置100dでは、排出口は、上述の循環経路に含まれる棚用タンク130に設けられている。さらに、本実施の形態では、上述の供給経路には、システムポンプ210によってその供給経路に流される養液2の一部をシステムタンク220に戻すための戻し経路が接続されている。例えば、図5に示す例では、この戻し経路は、例えば配管156および弁231によって構成されている。
このような本実施の形態であっても、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。例えば、複数の植物育成装置100dのそれぞれの栽培棚110には、100[L/min]の流量の養液2が流される。つまり、本実施の形態における植物育成システム1021では、図2に示す植物育成システム9000と異なり、システムポンプ210に代わって棚用ポンプ140が、100[L/min]の流量の養液2を栽培棚110に流す。具体的には、棚用ポンプ140は、棚用タンク130内の養液2を汲み出して、その汲み出された全ての養液2を、100[L/min]の流量で配管155を介して栽培棚110に流す。
その結果、システムポンプ210によってシステムタンク220から配管152および配管153を介して棚用タンク130に供給される養液2の流量、すなわち液質が調整された養液2の流量を、例えば、3〜5[L/min]に抑えることができる。
これにより、植物育成システム1021がN個の植物育成装置100dを備えている場合、システムポンプ210は、弁231が閉じていれば、N×(3〜5)[L/min]の流量で養液2を配管152に流し出せばよい。したがって、本実施の形態における植物育成システム1021では、システムポンプ210によってシステムタンク220から流し出される養液2の流量を、植物育成システム9000と比べて、(3〜5)/100以下に抑えることができる。つまり、システムポンプ210およびシステムタンク220を小型化することができる。同様に、配管152に流れる養液2の流量も、植物育成システム9000と比べて、(3〜5)/100以下に抑えることができる。例えば、N=20の場合には、植物育成システム9000では、外径300mm以上の大きな配管152を吊り下げる必要がある。しかし、本実施の形態における植物育成システム1021では、N=20であっても、その配管152を例えば約43〜49mmに抑えることができる。
したがって、本実施の形態でも、実施の形態1と同様、システムポンプ210、システムタンク220、配管152のそれぞれを容易に小型化することができる。言い換えれば、それらの大型化を抑えながら、備えられる植物育成装置100d、すなわちその植物育成装置100dが有する栽培棚110の数を増やすことができる。
また、本実施の形態における植物育成システム1021は、配管151を備えていないため、実施の形態1の植物育成システム1011と比べてシステム構成をより簡略化することができる。
また、本実施の形態における植物育成システム1021では、実施の形態1と同様、棚用ポンプ140におけるチャタリングの発生頻度を抑えることができる。具体的には、棚用ポンプ140は、棚用タンク130に養液2が十分に満たされていないにもかかわらず、その養液2を汲み出さないように、ポンプ制御部161によって制御される。一方、植物育成システム1021の植物育成装置100dでは、棚用タンク130と栽培棚110との間での養液2の循環が棚用ポンプ140によって行われる。したがって、棚用ポンプ140によって棚用タンク130から養液2が汲み出されても、その汲み出された養液2の全てが棚用タンク130に流入される。その結果、棚用タンク130への養液2の流入量と、棚用タンク130からの養液2の排出量とを一致させやすくすることができる。これにより、棚用ポンプ140のチャタリングの発生頻度を実施の形態1よりも抑えて、棚用ポンプ140のさらなる長寿命化を図ることができる。
さらに、図2に示す植物育成システム9000では、システムタンク220内の養液2の液質は、全ての栽培棚110の養液2の液質に直接的に大きく影響する。したがって、例えば、pH調整部221およびEC調整部222が故障し、システムタンク220内の養液2のpHおよびECが異常な値になった場合には、全ての栽培棚110の養液2が、その異常な値を有する養液2に入れ替わってしまう。その結果、全ての栽培棚110の植物1が全滅してしまう可能性が高い。一方、本実施の形態における植物育成システム1011では、システムタンク220から植物育成装置100bに供給される養液2の流量は、植物育成システム9000の場合よりも少ない。したがって、全ての栽培棚110の養液2に対する、システムタンク220内の養液2の液質の影響度合いは低い。その結果、例えば、pH調整部221およびEC調整部222が故障し、システムタンク220内の養液2のpHおよびECが異常な値になっても、全ての栽培棚110の養液2の液質のpHおよびECは、ゆっくりとその異常な値に近づく。これにより、異常なpHおよびECへの対策に係る時間を十分に確保することができる。
また、本実施の形態の植物育成システム1021は、図2に示す植物育成システム9000と、実施の形態1の植物育成システム1011および1012とは異なり、配管151を備えていない。つまり、本実施の形態の植物育成システム1021では、各植物育成装置100dから使用済みの養液2がシステムタンク220に戻ってこない。したがって、汚れた養液2がシステムタンク220に入り込まないため、システムタンク220内で汚れが蓄積されることを抑えることができる。その結果、システムタンク220の清掃の頻度を低減することができる。
さらに、本実施の形態では、システムタンク220には、汚れた養液2がシステムタンク220に入り込まないため、その汚れた養液2に対するpHおよびECの調整を行わなくてもよい。つまり、システムタンク220では、pHおよびECが調整された新しい養液2が生成され、その新しい養液2が各植物育成装置100dに供給される。したがって、本実施の形態では、各植物育成装置100dにおける上述の排出口からの養液2の排出と、システムタンク220からの新しい養液2の供給とによって、上述の循環経路内の養液2の液質(すなわちpHおよびEC)が調整される。これにより、養液2の液質を継続的に安定させることができる。
ここで、図5に示す例では、排出口は棚用タンク130に設けられているが、配管155に設けられていてもよい。
図6は、本実施の形態における植物育成システムの他の例を示す図である。図6に示す植物育成システム1022では、排出口は配管155に設けられている。
具体的には、本実施の形態における植物育成システム1022は、図6に示すように、複数の植物育成装置100eと、システムポンプ210と、システムタンク220と、pH調整部221と、EC調整部222と、弁231とを備える。また、この植物育成システム1022は、図5に示す植物育成システム1021と同様、それぞれ養液2を流すための配管150として配管151〜157を備えている。
複数の植物育成装置100eのそれぞれは、図1に示す植物育成装置と同様の基本構成を有し、栽培棚110と、棚用タンク130と、棚用ポンプ140とを備える。また、複数の植物育成装置100eのそれぞれでは、図5に示す植物育成装置100dと異なり、配管157は、棚用タンク130に接続されることなく配管155に接続されている。具体的には、配管157は、配管155から分岐するようにその配管155に接続されている。さらに、配管157には弁235が取り付けられている。この配管157は、上述の循環経路内の養液2の一部を外に排出するための排出口を構成する。したがって、図6に示す植物育成システム1022における植物育成装置100eでは、その排出口は、棚用タンク130から栽培棚110へ養液2を流すための、循環経路の一部を構成する配管155に設けられている。この点で植物育成システム1022は図5に示す植物育成システム1021と異なるが、その他の点については、植物育成システム1022は図5に示す植物育成システム1021と同様の構成を有する。
したがって、図6に示す植物育成システム1022における複数の植物育成装置100eのそれぞれは、棚用ポンプ140によって棚用タンク130から配管155に流し出された養液2の一部が、弁235の開度に応じて循環経路の外に排出される。したがって、これらの植物育成装置100eでは、安定した流量で養液2の一部を排出することができる。
このような植物育成システム1022であっても、図5に示す植物育成システム1021と同様の効果を奏することができる。例えば、システムポンプ210、システムタンク220、および配管152のそれぞれを容易に小型化することができる。
(変形例)
以上、一つまたは複数の態様に係る植物育成システムについて、各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記各実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
例えば、実施の形態1の図3に示す植物育成システム1011および図4に示す植物育成システム1012は、配管157を備えていないが、その配管157を備えていてもよい。つまり、実施の形態2の図5に示す植物育成システム1021における各植物育成装置100dは、余分な養液2を植物育成装置100dの外に排出するための配管157を有する。実施の形態2の図6に示す植物育成システム1022における各植物育成装置100eも、その配管157を有する。そこで、実施の形態1の図3に示す植物育成システム1011における各植物育成装置100bも、植物育成装置100dまたは植物育成装置100eと同様の配管157を備えてもよい。また、実施の形態1の図4に示す植物育成システム1012における各植物育成装置100cも、植物育成装置100dまたは植物育成装置100eと同様の配管157を備えてもよい。
また、実施の形態2の図5に示す植物育成システム1021では、実施の形態1の図4に示す植物育成システム1012と同様に、システムタンク220から供給される養液2が、栽培棚110を介して棚用タンク130に流入されてもよい。同様に、実施の形態2の図6に示す植物育成システム1022でも、システムタンク220から供給される養液2が、栽培棚110を介して棚用タンク130に流入されてもよい。
また、実施の形態1の図3に示す植物育成システム1011および図4に示す植物育成システム1012は、配管156および弁231を備えているが、これらを備えていなくてもよい。配管156および弁231が備えられていなくても、各植物育成装置から配管151を介してシステムタンク220に戻される養液2の流れによって、そのシステムタンク220内の養液2をかき混ぜることができる。
また、実施の形態2の図6に示す植物育成システム1022では、配管157は棚用タンク130に接続されていないが、さらに、他の配管157が図5に示すように棚用タンク130に接続されていてもよい。したがって、配管155、配管157および弁235を介して排出される養液2の排出量が不十分であって、棚用タンク130内の養液2が溢れそうな場合でも、余分な養液2を棚用タンク130に接続された別の配管157から排出することができる。その結果、棚用タンク130内の養液2が増加し過ぎることをより適切に抑えることができる。
なお、本開示では、数値範囲として、m〜n(mおよびmは互いに異なる整数)と記載されている場合があるが、このm〜nにおける数値範囲には、mおよびnが含まれる。また、その数値範囲は、m〜nだけでなく、そのm〜nに含まれる任意の範囲であってもよい。
本開示は、容易に小型化することができ、例えばレタスなどの植物を栽培するシステムまたは装置に利用可能である。
1 植物
2 養液
100a〜100e 植物育成装置
110 栽培棚
111 光源
112 栽培プレート
113 栽培槽
114 天井板
115 栽培ユニット
120 光源制御部
130 棚用タンク
140 棚用ポンプ
150〜157 配管
161 ポンプ制御部
210 システムポンプ
220 システムタンク
221 pH調整部
222 EC調整部
231〜235 弁
1011〜1022 植物育成システム

Claims (4)

  1. それぞれ植物を水耕栽培するための少なくとも1つの植物育成装置と、
    養液を溜めるシステムタンクと、
    前記システムタンクに溜められている養液を、供給経路を介して前記少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれに供給するシステムポンプとを備え、
    前記少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれは、
    前記植物が配置される栽培棚と、
    前記システムポンプによって前記システムタンクから供給される養液を溜める棚用タンクと、
    前記棚用タンクに溜められている養液を、前記システムタンクに供給することなく、前記棚用タンクおよび前記栽培棚を含む循環経路内で循環させる棚用ポンプとを備え、
    前記少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれの前記循環経路は、当該循環経路内の養液の一部を外に排出するための排出口を有し、
    前記供給経路には、前記システムポンプによって当該供給経路に流される養液の一部を前記システムタンクに戻すための戻し経路が接続されている、
    植物育成システム。
  2. 前記少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれでは、
    前記排出口は、前記循環経路に含まれる前記棚用タンクに設けられている、
    請求項1に記載の植物育成システム。
  3. 前記少なくとも1つの植物育成装置のそれぞれでは、
    前記排出口は、前記棚用タンクから前記栽培棚へ前記養液を流すための、前記循環経路の一部を構成する配管に設けられている、
    請求項1に記載の植物育成システム。
  4. 前記戻し経路に用いられる配管の口径は、前記供給経路に用いられる配管の口径よりも大きい、
    請求項1〜3の何れか1項に記載の植物育成システム。
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