JP2021105949A - 光センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象物に対する均一な光照射を実現し、かつ、解像度の高い画像情報を得ることができる、反射型の光センサを提供する。【解決手段】測定対象物に対する均一な光照射を行う光照射部と、測定対象物での反射光の方向を、所定の方向に限定する視野角制御板と、視野角制御板を経て得られた反射光の分布を示す画像情報を取得する光検出部とを備えて構成される。視野角制御板が、ルーバーアレイフィルム又はファイバオプティクプレートである。【選択図】図1
Description
この発明は、光センサに関するものである。
生体認証技術の中で、静脈パターンを用いて認証を行う静脈認証は、高精度の認証を行える技術として知られている。静脈認証を行う光センサとして、透過型センサ(例えば、特許文献1参照。)及び反射型センサ(例えば、特許文献2参照。)がある。
透過型センサでは、測定対象物の一方の側に光源部が配置され、他方の側に受光部が配置される。光源部で生成された光が、測定対象物を透過して、受光部で受光される。このとき、測定対象物を透過する光の一部が、静脈で吸収又は散乱されることにより、静脈パターンが得られる。
反射型センサでは、測定対象物の一方の側に、光源部及び受光部が配置される。光源部で生成された光が、静脈で吸収又は散乱されることにより、受光部において、静脈パターンが得られる。
しかしながら、上述の従来例の透過型センサでは、測定対象物において、静脈以外の部分での吸収や散乱が大きい場合は、受光部に光が届かず、測定できない場合がある。
一方、上述の従来例の反射型センサでは、光源部が受光部周辺に設けられているため、均一な光照射ができない場合がある。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものである。この発明の目的は、測定対象物に対する均一な光照射を実現し、かつ、解像度の高い画像情報を得ることができる、反射型の光センサを提供することにある。
上述した目的を達成するために、この発明の光センサは、測定対象物に対する均一な光照射を行う光照射部と、測定対象物からの反射光の方向を所定の方向に限定する視野角制御板と、視野角制御板を経て得られた反射光の分布を示す画像情報を取得する光検出部とを備えて構成される。
この発明の光センサの好適実施形態によれば、視野角制御板が、ルーバーアレイフィルム又はファイバオプティクプレートである。また、視野角制御版が、光照射部と、光検出部の間に設けられ、光照射部は測定対象物と視野角制御板の間に設けられるのが好適である。
また、この発明の光センサの好適実施形態では、光照射部が、光源と、導光板とを備え、光源が発した光は、導光板の内部の全体にわたって広がる。また、導光板の一方の主表
面に、全面にわたって規則的に変調部が形成され、変調部と、変調部以外の部分である非変調部とは、全反射の条件が異なる。
面に、全面にわたって規則的に変調部が形成され、変調部と、変調部以外の部分である非変調部とは、全反射の条件が異なる。
さらに、導光板は、ヤング率が1[MPa]以上1000[MPa]以下の材質で構成されるのが良い。また、導光板の厚みが、100[μm]以上1[mm]以下であるのが良い。
また、視野角制御板が、ヤング率が1[MPa]以上1000[MPa]以下の材質で構成されるのが良い。また、視野角制御板の厚みが、1[mm]以下であるのがよい。
この発明の光センサによれば、上述の構成により、測定対象物に対する均一な光照射を実現し、かつ、解像度の高い画像情報を得ることができる。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
図1を参照して、この発明の光センサを説明する。図1は、この発明の光センサを説明するための模式図である。
この発明の光センサは、光照射部10、視野角制御板20、及び、光検出部30を備えて構成される、反射型の光センサである。光照射部10、視野角制御板20、及び、光検出部30は、測定対象物100の一方の側に配置される。光センサでは、光照射部10から測定対象物100に照射された光の、測定対象物100での反射光が、光検出部30で検出される。
光照射部10は、光源12と導光板14を備えて構成される。
光源12は、例えば、赤外線を発するLED(Light Emission Diode)である。光源12は、導光板14の側面に取り付けられる。赤外線を発するLED(赤外LED)が発した光は、導光板14に送られる。
導光板14に送られた光は、導光板14の側面から、導光板14の内部に入力され、導光板14の内部を2つの主表面で全反射しながら伝搬する。この結果、導光板14の内部に入力された光は、導光板14の内部の全体にわたって広がる。なお、図1では、光源12が、導光板14の側面に取り付けられる例を示しているが、導光板14の内部に入力された光が、導光板14の内部の全体にわたって広がればよく、光源12が導光板14の主表面に取り付けられていてもよい。
導光板14の一方の主表面には、全面にわたって、変調部16が規則的に設けられている。図2は、導光板14の構成例を示す平面図であり、一方の主表面を示している。
導光板14に、規則的に設けられた変調部16では、変調部16以外の部分である非変調部18とは、全反射の条件が異なる。このため、変調部16に達した光は、導光板14の外部に出力される。導光板14の外部に出力された光は、生体などの測定対象物100に送られる。導光板14の主表面に、全面にわたって変調部16が規則的に設けられた変調パターンを備えることにより、導光板14の一方の主表面全体から均一に光が照射される。この結果、測定対象物100に対する、均一な光照射が実現される。なお、均一に光を照射するために、光源12から遠くなるにしたがって密になるように、変調部16を設けるのがよい。
導光板14は、ポリウレタン、シリコーン、アクリルなど、光源12が発する光を伝搬可能な、任意好適な材質で構成される。また、変調パターンの形成は、インクジェット技術でレンズ状の凸部を変調部16として形成するなど、従来公知の方法で行うことができる。
ここでは、測定対象物100が人間の手首であり、光センサが手首の静脈パターンを測定する例を説明する。この場合、導光板14が手首に密着するように、可撓性を有しているのが好ましい。このため、導光板14の材質として、ヤング率が1[MPa]以上1000[MPa]以下のものを用い、導光板14の厚みを、100[μm]以上1[mm]以下とするのが良い。
導光板14から測定対象物100に照射された光は、測定対象物100の表面又は内部で反射する。反射した光は、導光板14を透過して、光検出部30に送られる。測定対象物100が手首の場合、手首内部の静脈の存在する部分は赤外光を吸収するため、静脈の存在しない部分よりも反射強度が弱くなる。この結果、静脈が存在する部分の画像が、他の部分の画像よりも暗くなり、静脈画像として光センサで認識される。
光検出部30には、測定対象物100で反射した光が入力される。光検出部30は、入力された光から静脈パターンを示す画像情報を取得し、画像情報を出力する。光検出部30は、任意好適な従来公知の構成にすることができ、例えば、光信号を電気信号に変換するCMOSイメージセンサが用いられる。ここでは、図示及び詳細な説明を省略するが、光検出部30の入力側には、CMOSイメージセンサを保護するための保護ガラスが設けられる。
なお、COMSイメージセンサで得られた電気信号を、画像情報として光センサの外部に出力する構成にすることができる。この場合、画像情報を、外部に設けられたパーソナルコンピュータ(PC)などで、表示すればよい。
光検出部30の入力側には、視野角制御板20が設けられる。視野角制御板20は、光検出部30に入力される、測定対象物100からの反射光の方向を、所定の方向の光に限定する。視野角制御板20を光検出部30の入力側に設けることにより、光検出部30の受光面に入力される光の方向が、受光面にほぼ直交する方向に限定されるので、より鮮明な静脈パターンが得られる。
鮮明な画像を得る方法としては、この発明で用いられる視野角制御板を用いるものの他に、ピンホールカメラの原理を用いるものがある。ただし、ピンホールカメラでは、測定物とピンホールとの間、及び、ピンホールと光センサとの間に、相当な距離を設ける必要
がある。このため、この発明の光センサの様な、薄型の光センサは実現できない。また、ピンホールカメラで得られる画像は倒立画像であり、この発明で得られる画像とは異なる。
がある。このため、この発明の光センサの様な、薄型の光センサは実現できない。また、ピンホールカメラで得られる画像は倒立画像であり、この発明で得られる画像とは異なる。
視野角制御板20は、ルーバーアレイフィルム(LAF)、又は、ファイバオプティクプレート(FOP)で構成される。LAFは、プライバシーフィルム又はプライバシーシートとして知られており、アレイ状に遮光部を有しており、所定の方向の光を透過させるフィルムである。LAFは、所定の方向の光として、遮光部の間隔及びLAFの厚みで定まる視野角の範囲の光を透過させる。
また、FOPは、数μm径の光ファイバを束ねて構成されるプレートである。光ファイバの光の伝搬方向と、FOPの厚み方向が一致している。FOPは、FOPを構成する各光ファイバの全反射条件によって定まる角度の範囲内の方向の光を透過させる。
従って、ここでは、視野角制御板20を透過させる光の所定の方向とは、視野角制御板20と光検出部30の入射面の法線方向に、ほぼ平行な方向である。
導光板14と同様に、視野角制御板20の材質として、ヤング率が1[MPa]以上1000[MPa]以下のものを用い、視野角制御板20の厚みを、1[mm]以下とするのが良い。FOPの厚み、及び、FOPを構成する光ファイバの径など、FOPの設計条件は、要求される、可撓性及び解像度によって定めることができる。FOPに入射した光を伝搬させる角度範囲である開口数NAとして、NAが0.1以上0.7以下であることが望ましい。
また、光検出部30も可撓性を有するのが良い。光検出部30が備えるCMOSイメージセンサとして、基板にポリイミドフィルムなどを用いた可撓性を有するものが知られている。また、CMOSイメージセンサを動作させるのに用いられる回路についても、フィルム状の基板に演算素子を配置するなど可撓性を持たせることができる。このように、光検出部30にも可撓性を持たせることができる。
図1では、視野角制御板20が、光照射部10と光検出部30の間に設けられる例を示しているが、これに限定されない。
図3を参照して、光センサの他の構成例を説明する。図3は、この発明の光センサの他の構成例を示す模式図である。
光センサの他の構成例では、視野角制御板20が、光照射部10よりも測定対象物100側に設けられている。この場合、光照射部10から出力された光は、視野角制御板20を経て測定対象物100に送られる。そして、測定対象物100で反射された光は、視野角制御板20及び光照射部10をこの順に経て、光検出部30に送られる。
(実施例)
この光センサを、例えば、手首式血圧計に組み込むことができる。この場合、光センサは、手首式血圧計のカフ(腕帯)の部分に取り付けられる。このように構成すると、血圧を測る際に、静脈パターンによる生体認証を行うことができる。この結果、血圧の測定データと、被測定者との関連付けが、従来よりも、容易かつ確実に行われる。
この光センサを、例えば、手首式血圧計に組み込むことができる。この場合、光センサは、手首式血圧計のカフ(腕帯)の部分に取り付けられる。このように構成すると、血圧を測る際に、静脈パターンによる生体認証を行うことができる。この結果、血圧の測定データと、被測定者との関連付けが、従来よりも、容易かつ確実に行われる。
(実験結果)
図4及び図5を参照して、人体の静脈を模した検査用模型(ファントム)を用いた、実験結果を説明する。
図4及び図5を参照して、人体の静脈を模した検査用模型(ファントム)を用いた、実験結果を説明する。
図4は、実験で得られた画像を示す図である。図4(A)は、視野角制御板20を備えない場合に得られた静脈パターンを示し、図4(B)及び(C)は、視野角制御板20が、光照射部10と光検出部30の間に配置されている場合に得られた静脈パターンを示し、図4(D)及び(E)は,視野角制御板20が、光照射部10よりもファントム側に配置されている場合に得られた静脈パターンを示している。また、図4(B)及び(D)では、視野角制御板20として、開口数(NA)が0.43のFOPを用いており、図4(C)及び(E)では、視野角制御板20として、LAFを用いている。この場合、視野角制御板20は、遮光部を42μm間隔で周期的に配列した、厚さ150μmの2枚のLAFを、縦横に直交させた構造を有しており、接着層を含めた全体の厚さは360μmである。
図5は、実験で得られた画像の濃度プロファイルを示す図である。図5(A)〜(E)は、それぞれ、図4(A)〜(E)に対応する。図5(A)〜(E)は、代表して図4(A)に示す、I−I線に沿って得られたプロファイルである。図5(A)〜(E)は、横軸にI−I線に沿った位置を任意単位で取って示し、縦軸に、濃度を白濃度を0、黒濃度を255として、256階調で示している。
検査用模型は、人体内部と同等のレベルで赤外光を乱反射する樹脂で構成される。この樹脂の内部に、静脈血管を模した、赤外光を吸収する円筒状の材料を配置している。円筒状の材料の直径は1mmであり、検査用模型の表面から1mmの浅い場所に十字状の第1静脈パターンを配置している。また、検査用模型の表面から2mmの深い場所にX字状の第2静脈パターンを配置している。
図4(A)及び図5(A)に示されるように、視野角制御板20を備えない場合は、浅い方の第1静脈パターンは確認できるが、深い方の第2静脈パターンは、画像がぼやけている。
また、図4(B)及び(C)並びに図5(B)及び(C)と、図4(D)及び(E)並びに図5(D)及び(E)を比較すると、図4(B)及び(C)並びに図5(B)及び(C)、すなわち、視野角制御板20が光照射部10と光検出部30の間に配置されている方が、静脈パターンが鮮明である。また、図4(B)及び(D)並びに図5(B)及び(D)と、図4(C)及び(E)並びに図5(C)及び(E)を比較すると、図4(B)及び(D)並びに図5(B)及び(D)、すなわち、視野角制御板20としてNAが0.43のFOPを用いている方が、静脈パターンが鮮明である。
特に、図4(B)の、光照射部10と光検出部30の間に、視野角制御板20としてNAが0.43のFOPを用いている場合は、浅い方の第1静脈パターンだけでなく、深い方の第2静脈パターンも鮮明に得られる。また、図5(B)を参照すると、第1静脈パターンに対応するピークと、その両側の第2静脈パターンに対応するピークが確認できる。
このように、この発明の光センサによれば、解像度の高い、静脈パターンを得ることができる。
なお、光照射部10から測定対象物100に光を照射する場合、測定対象物100の表面から反射する光も存在する。これは、光照射部10と測定対象物100の間に空気層が存在すると、空気と測定対象物の屈折率の違いから、光照射部10から測定対象物100に照射された光の一部が、空気と測定対象物100の界面で反射するためである。この界面での反射は、測定対象物100の内部の画像のコントラストを落とす原因になる。
この界面での反射の影響を抑えるために、光照射部10と測定対象物100の間に厚みが10μm〜300μmの柔らかい樹脂シートを設けて測定対象物100に密着させてもよい。
10 光照射部
12 光源
14 導光板
16 変調部
18 非変調部
20 視野角制御板
30 光検出部
12 光源
14 導光板
16 変調部
18 非変調部
20 視野角制御板
30 光検出部
Claims (8)
- 測定対象物に対する均一な光照射を行う光照射部と、
前記測定対象物での反射光の方向を、所定の方向に限定する視野角制御板と、
前記視野角制御板を経て得られた反射光の分布を示す画像情報を取得する光検出部と
を備えることを特徴とする光センサ。 - 前記視野角制御板が、ルーバーアレイフィルム又はファイバオプティクプレートであることを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
- 前記視野角制御板が、前記光照射部と、前記光検出部の間に設けられる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光センサ。 - 前記光照射部が、
光源と、
導光板と
を備え、
前記光源が発した光は、前記導光板の内部の全体にわたって広がり、
前記導光板の一方の主表面に、全面にわたって規則的に変調部が形成され、
前記変調部と、該変調部以外の部分である非変調部とは、全反射の条件が異なる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光センサ。 - 前記導光板が、ヤング率が1[MPa]以上1000[MPa]以下の材質で構成される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光センサ。 - 前記導光板の厚みが、100[μm]以上1[mm]以下である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光センサ。 - 前記視野角制御板が、ヤング率が1[MPa]以上1000[MPa]以下の材質で構成される
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光センサ。 - 前記視野角制御板の厚みが、1[mm]以下である
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光センサ。
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