JP2021105472A - 空気調和機、空気調和システム、およびサーバ - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的に室外ファンのモータを制御するための技術を提供する。【解決手段】空気調和機100が提供される。空気調和機100は、室外ファン16と、制御部162と、を備える。制御部162は、室外ファン16のモータ169の電流の測定値が基準電流値よりも大きい場合に室外ファン16のモータ169の駆動を停止して室外ファン16を自由回転させる。【選択図】図4

Description

本発明は、空気調和機の技術に関し、特に室外ファンの制御の技術に関する。
ファンモータを制御する技術が知られている。たとえば、特開2000−125584号公報(特許文献1)には、空気調和機の室外ファン用ブラシレスモータの駆動装置が開示されている。特許文献1によると、ブラシレスモータのロータの磁極位置を検出する単一のホール素子と、複数のスイッチング素子がブリッジ接続され、ブラシレスモータのステータ巻線に対する電流の供給、遮断を行うインバータ回路と、ホール素子の出力信号に基づいてインバータ回路のスイッチング素子をオン、オフ制御する制御手段とを備え、制御手段は、ブラシレスモータの起動前に、ホール素子の出力信号に同期させて、運転時に切替え通電する複数の通電パターンの少なくとも一つの通電パターンにてPWM電流をステータ巻線に流すようにスイッチング素子をオン、オフ制御して制動、停止及び位置決めを行う。
また、特開2003−148788号公報(特許文献2)には、空気調和機の室外機が開示されている。特許文献2によると、回転子の位置検出素子を有するファンモータにより駆動される送風機を搭載した空気調和機の室外機において、室外機停止中に外風により回転するファンモータの回転数を回転子の位置検出素子からの信号により検出しておき、ファンモータの回転数が、室外機の運転を開始した場合に室外機が必要とする回転数以上の場合は、ファンモータを駆動せずに室外機の運転を開始するものである。
特開2000−125584号公報 特開2003−148788号公報
本発明の目的は、効率的に室外ファンのモータを制御するための技術を提供することにある。
この発明のある態様に従うと、空気調和機が提供される。空気調和機は、室外ファンと、制御部と、を備える。制御部は、室外ファンのモータの電流の測定値が基準電流値よりも大きい場合に室外ファンのモータの駆動を停止して室外ファンを自由回転させる。
以上のように、この発明によれば、効率的に室外ファンのモータを制御するための技術が提供される。
第1の実施の形態にかかる空気調和機の概略構成図である。なお、本図では、四路切換弁が冷房運転状態および除霜運転状態となっている。 第1の実施の形態にかかる空気調和機の概略構成図である。なお、本図では、四路切換弁が暖房運転状態となっている。 第1の実施の形態にかかる空気調和機の機能構成を表わす機能ブロック図である。 第1の実施の形態にかかる、室外ファンの構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態にかかる室外ファンのモータの回転数と、下側から順に、無風時の室外ファンの電流値と、風速1m/s時の室外ファンの電流値と、風速3m/s時の室外ファンの電流値と、の関係を示すグラフである。 第1の実施の形態にかかる制御部における室外ファンのモータの制御処理を示すフローチャートである。 第2の実施の形態にかかる、室外ファンのモータの回転数と、下側から順に、無風時の室外ファンの電流値と、風速1m/s時の室外ファンの電流値と、風速3m/s時の室外ファンの電流値と、直線的に示されている基準電流値と、の関係を示すグラフである。 第3の実施の形態にかかる空気調和システムの全体構成を示すイメージ図である。 第3の実施の形態にかかるサーバの構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<空気調和機の全体構成>
まず、図1および図2を参照して、本実施の形態にかかる空気調和機100の全体構成について説明する。本実施の形態にかかる空気調和機100は、セパレート式の空気調和機であって、主に、室外機10、室内機30およびリモートコントローラ50から構成されている。なお、空気調和機100は、室内機30と室外機10とが冷媒配管17および18を介して接続されることによって構成されている。以下、室外機10、室内機30、リモートコントローラ50、冷媒配管17および18について詳述する。
(1)室外機
室外機10は、主に、筐体11、圧縮機12、四路切換弁13、室外熱交換器14、膨張弁15、室外ファン16、冷媒配管17、冷媒配管18、二方弁19、三方弁20、室外熱交換器温度センサ21、吐出温度センサ22、吸入温度センサ23、出口温度センサ24、外気温度センサ25および室外制御部29から構成されている。なお、この室外機10は、屋外に設置されている。
筐体11には、圧縮機12、四路切換弁13、室外熱交換器14、膨張弁15、室外ファン16、冷媒配管17、冷媒配管18、二方弁19、三方弁20、温度センサ21〜25および室外制御部29等が収納されている。
圧縮機12は、吐出管12aおよび吸入管12bを有している。吐出管12aおよび吸入管12bは、それぞれ、四路切換弁13の異なる接続口に接続されている。また、圧縮機12は、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。圧縮機12は、運転時、吸入管12bから低圧の冷媒ガスを吸入し、その冷媒ガスを圧縮して高圧の冷媒ガスを生成した後、その高圧の冷媒ガスを吐出管12aから吐出する。なお、本実施の形態において、この圧縮機12の制御形式は、特に限定されず、定速式の圧縮機であってもよいし、インバータ式の圧縮機であってもよいものである。
四路切換弁13は、冷媒配管を介して圧縮機12の吐出管12aおよび吸入管12b、室外熱交換器14ならびに室内熱交換器32に接続されている。そして、この四路切換弁13は、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。これによって、四路切換弁13は、運転時、室外制御部29から送信される制御信号に従って、圧縮機12の吐出管12aを室外熱交換器14に連結させると共に圧縮機12の吸入管12bを室内熱交換器32に連結させる冷房運転状態(図1参照)と、圧縮機12の吐出管12aを室内熱交換器32に連結させると共に圧縮機12の吸入管12bを室外熱交換器14に連結させる暖房運転状態(図2参照)とを切り換える。
室外熱交換器14は、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたもの(フィン&チューブ型)であって、冷房運転時(図1参照)には凝縮器として機能し、暖房運転時(図2参照)には蒸発器として機能する。なお、熱交換器としてパラレルフロー型熱交換器やサーペン型熱交換器を用いてもよい。
膨張弁15は、後述するステッピングモータを介して開度制御が可能な電子膨張弁であって、一方が冷媒配管17を介して二方弁19に接続されると共に、他方が室外熱交換器14に接続されている。また、この膨張弁15のステッピングモータは、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。膨張弁15は、運転時において、凝縮器(冷房時は室外熱交換器14であり、暖房時は室内熱交換器32である)から流出する高温高圧の液冷媒を蒸発しやすい状態に減圧すると共に、蒸発器(冷房時は室内熱交換器32であり、暖房時は室外熱交換器14である)への冷媒供給量を調節する役目を担っている。
室外ファン16は、主に、プロペラファンおよびモータから構成されている。プロペラファンは、モータによって回転駆動され、屋外の外気を室外熱交換器14に供給する。本実施の形態においては、室外熱交換器14の方から空気を引き込んで、逆方向に空気を吹き出すように構成されている。後述するモータは、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、室外制御部29から送信される制御信号に従って動作する。
二方弁19は、冷媒配管17に配設されている。なお、二方弁19は、室外機10から冷媒配管17が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機10から外部に漏れることを防ぐ。
三方弁20は、冷媒配管18に配設されている。なお、三方弁20は、室外機10から冷媒配管18が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機10から外部に漏れることを防ぐ。また、室外機10から、あるいは室内機30を含めた冷凍サイクル全体から、冷媒を回収する必要があるときは、三方弁20を通じて冷媒の回収が行われる。
温度センサ21〜25は、サーミスタである。室外熱交換器温度センサ21は室外熱交換器14に配置されており、吐出温度センサ22は圧縮機12の吐出管12aに配置されており、吸入温度センサ23は圧縮機12の吸入管12bに配置されており、出口温度センサ24は室外熱交換器14の出口付近の冷媒配管17に配置されており、外気温度センサ25は外気温度測定用であって筐体11の内部の所定箇所に配置されている。これらの温度センサ21〜25は、全て、通信線を介して室外制御部29に通信接続されており、計測された温度に関する情報を室外制御部29に送信している。
室外制御部29は、通信線を介して圧縮機12、四路切換弁13、膨張弁15、室外ファン16および温度センサ21〜25に通信接続されている。たとえば、室外制御部29のプロセッサは、随時、温度センサ21〜25の出力情報や、メモリに記憶される種々の制御パラメータ等を演算処理して適切な制御パラメータを導出し、その制御パラメータを、圧縮機12や、四路切換弁13、膨張弁15、室外ファン16に送信する。また、プロセッサは、必要に応じて、制御パラメータ等を室内制御部35に送信したり、受信したりする。
(2)室内機
室内機30は、主に、筐体31、室内熱交換器32、室内ファン33、フラップ36、室内熱交換器温度センサ34、室内温度センサ37および室内制御部35から構成されている。なお、この室内機30は、一般的に室内の壁面に設置されている。
筐体31には、室内熱交換器32、室内ファン33、室内熱交換器温度センサ34、室内温度センサ37および室内制御部35等が収納されている。フラップ36は、筐体31の一部を構成している。
室内熱交換器32は、3個の熱交換器32A、32B、32Cを、室内ファン33を覆う屋根のように組み合わせたものである。なお、各熱交換器32A、32B、32Cは、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたものであって、冷房運転時(図1参照)には蒸発器として機能し、暖房運転時(図2参照)には凝縮器として機能する。
室内ファン33は、主に、クロスフローファンおよびモータから構成されている。クロスフローファンは、モータによって回転駆動され、室内の空気を筐体31に吸い込んで室内熱交換器32に供給すると共に、室内熱交換器32で熱交換された空気を室内に送出する。モータは、通信線を介して室内制御部35に通信接続されており、室内制御部35から送信される制御信号に従って動作する。
フラップ36は、風向板およびモータから構成されている。フラップは、モータによって回動され、クロスフローファンによって室内に送出される空気の送出方向を調節する。モータは、通信線を介して室内制御部35に通信接続されており、室内制御部35から送信される制御信号に従って動作する。
温度センサ34,37は、サーミスタである。室内熱交換器温度センサ34は室内熱交換器32に配置されており、室内温度センサ37は、室内温度を測定するものであって筐体31内の吸込口付近に配置されている。温度センサ34,37は、通信線を介して室内制御部35に通信接続されており、計測された温度に関する情報を室内制御部35に送信している。
室内制御部35は、通信線を介して室内ファン33、フラップ36、温度センサ34,37、人感センサ39などに通信接続されている。室内制御部35のプロセッサは、随時、リモートコントローラ50からの制御信号や、温度センサ34,37の出力情報等を演算処理して適切な制御パラメータを導出し、その制御パラメータ等を、室内ファン33や、フラップ36に送信する。また、プロセッサは、必要に応じて、制御パラメータ等を室外制御部29に送信したり、制御パラメータ等を室外制御部29から受信したりする。赤外線受光部35aは、リモートコントローラ50から発生される点滅赤外線を受光するものである。この赤外線受光部35aは、点滅赤外線を信号化処理し、生成した信号を室内制御部35に受け渡す。
なお、室外機10の圧縮機12、四路切換弁13、室外熱交換器14および膨張弁15、ならびに室内機30の室内熱交換器32は、冷媒配管17,18によって順次接続され、冷媒回路を構成している。本実施の形態において、この冷媒回路、室外ファン16、室内ファン33およびフラップ36を併せて空気調和機構と称し、図1および図2中において符号2で示す。
(3)リモートコントローラ
リモートコントローラ50は、点滅赤外線を利用してユーザの様々な指令を室内機30の室内制御部35に伝達するためのものであって、主に、赤外線発光部、表示パネル、運転停止ボタン、モード切換ボタン、温度上昇ボタン、温度下降ボタン、風量上昇ボタン、風量下降ボタン、風向調節ボタン、自動運転ボタン等から構成されている。
(4)冷媒配管
冷媒配管17は、冷媒配管18よりも細い管であって、冷房運転時および除霜運転時に液冷媒が流れる。冷媒配管18は、冷媒配管17よりも太い管であって、冷房運転時にガス冷媒が流れる。なお、冷媒としては、例えば、HFC系のR410AやR32等が用いられる。
<空気調和機100の機能構成>
次に、図3を参照しながら、本実施の形態にかかる空気調和機100の機能構成について説明する。なお、図3は、第1の実施の形態にかかる空気調和機100の機能構成を表わす機能ブロック図である。
まず、上述したように、空気調和機100は、室外制御部29と室内制御部35とを含む。以下では、説明のために、室外制御部29と室内制御部35とを合わせて制御部101という。なお、室外制御部29と室内制御部35とは、配線によって通信可能である。そして、制御部101が実行する処理は、室外制御部29によって実行されてもよいし、室内制御部35によって実行されてもよく、限定されるものではない。
また、空気調和機100が室内制御部35を有さずに、制御部101のほとんど全ての機能が室外制御部29に搭載されてもよい。あるいは、空気調和機100が室外制御部29を有さずに、制御部101のほとんど全ての機能が室内制御部35に搭載されてもよい。
制御部101は、例えば、各種演算処理を行なうためのプロセッサ110と、各種プログラムやデータを記憶するためのメモリ120とを含む。プロセッサ110は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成される。プロセッサ110は、メモリ120内に格納されたプログラムに従って各種の処理を実行する。メモリ120は、各種のRAM(Random Access Memory)、各種のROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリーなどによって実現される。
空気調和機100は、さらに、コンピュータが読取可能な一時的でない(non-transitory)記録媒体28からデータやプログラムの読出しや書き込みを行なうためのインターフェイス部40を備えていてもよい。この場合、プロセッサ110は、インターフェイス部40が記録媒体41から読出したプログラムをメモリ120に格納することで、あるいは既存のプログラムをアップデートすることで、各種の処理を実行してもよい。
より具体的には、本実施の形態においては、たとえば、プロセッサ110は、メモリ120に格納されているプログラムに従って、四路切換弁13を制御することによって、後述するように暖房運転や冷房運転を行う。また、プロセッサ110は、メモリ120に格納されているプログラムに従って、冷房運転や暖房運転や除霜運転を切り替えたり、圧縮機12のモータの回転数を制御したり、ステッピングモータ38を制御することによって膨張弁15の開度の制御を行なったり、室外ファン16の回転数を制御したりする。
<空気調和機の基本的な動作>
次に、図1から図3を参照して、本実施の形態にかかる空気調和機100の冷房運転、暖房運転、および除霜運転について詳述する。
(1)冷房運転
冷房運転では、四路切換弁13が図1に示される状態、すなわち、圧縮機12の吐出管12aが室外熱交換器14に接続され、かつ、圧縮機12の吸入管12bが室内熱交換器32に接続された状態となる。また、このとき、二方弁19および三方弁20は開状態とされている。この状態で、圧縮機12が起動されると、ガス冷媒が、圧縮機12に吸入され、圧縮された後、四路切換弁13を経由して室外熱交換器14に送られ、室外熱交換器14において冷却され、液冷媒となる。その後、この液冷媒は、膨張弁15に送られ、減圧されて気液二相状態となる。気液二相状態の冷媒は、二方弁19を経由して室内熱交換器32に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。最後に、そのガス冷媒は、三方弁20および四路切換弁13を経由して、再び、圧縮機12に吸入される。
(2)暖房運転
暖房運転では、四路切換弁13が図2に示される状態、すなわち、圧縮機12の吐出管12aが室内熱交換器32に接続され、かつ、圧縮機12の吸入管12bが室外熱交換器14に接続された状態となる。また、このとき、二方弁19および三方弁20は開状態とされている。この状態で、圧縮機12が起動されると、ガス冷媒が、圧縮機12に吸入され、圧縮された後、四路切換弁13および三方弁20を経由して室内熱交換器32に供給され、室内空気を加熱すると共に凝縮されて液冷媒となる。その後、この液冷媒は、二方弁19を経由して膨張弁15に送られ、減圧されて気液二相状態となる。気液二相状態の冷媒は、室外熱交換器14に送られて、室外熱交換器14において蒸発させられてガス冷媒となる。最後に、そのガス冷媒は、四路切換弁13を経由して、再び、圧縮機12に吸入される。
(3)除霜運転
暖房運転時には、室外熱交換器14に霜が付き熱交換能力が落ちる場合がある。そこで、室外制御部29が、室外熱交換器用の温度センサ21からの温度に基づいて、室外熱交換器14に霜が付いたか否かを判定する。室外制御部29は、霜が付いたと判断した場合に、四路切換弁13を切り換えて上述の冷房運転を行なうことによって除霜する(リバース除霜)。なお、室外制御部29は、室外熱交換器用の温度センサ21からの温度に基づいて、適切に室外熱交換器14の霜が除かれたか否かを判定する。
<室外ファン16の具体的な構成>
ここで本実施の形態にかかる室外ファン16の具体的な構成について説明する。図4を参照して、本実施の形態にかかる室外ファン16は、主に、マイコン161と、モータ169とを含む。モータ169は、回転軸を介して室外ファン16のプロペラファン本体を回転させる。
マイコン161は、室外ファン制御部162と、PWM発生回路165と、電流検知部166とを含む。
室外ファン制御部162は、プロセッサ163や、メモリ164を含む。プロセッサ163は、室外制御部29からのモータ169の回転数の指示に従って、PWM発生回路165にPWMパルス幅を支持する。なお、本実施の形態においては、PWM発生回路165にモータ169の駆動の停止命令を送信することによって、室外ファン16のプロペラファンが風などによって自由に回転するようになる。
PWM発生回路165は、室外ファン制御部162から指定されたPWMパルス幅に従って、モータ169の回転速度を制御する。
電流検知部166は、モータ169に流れる電流値を測定して、室外ファン制御部162に入力する。
特に、本実施の形態にかかる室外ファン制御部162のメモリ164は、モータ169を流れる電流値とモータの回転数との対応関係を記憶する。たとえば、メモリ164は、図5に示すような対応関係のデータを記憶する。より詳細には、メモリ164は、図5の下側の曲線から順に、室外ファン16のモータ169の回転数と無風時のモータ169の電流値との対応関係や、室外ファン16のモータ169の回転数と風速1m/s時のモータ169の電流値との対応関係や、室外ファン16のモータ169の回転数と風速3m/s時のモータ169の電流値との対応関係を記憶する。なお、本実施の形態においては、室外ファン16は、室外熱交換器14の方から空気を引き込んで、逆側に空気を吹き出すように構成されている。そして、上記の風速は、ファン16によって作り出す風とは逆方向へ流れる空気の風速をいうものである。
これによって、本実施の形態においては、プロセッサ163は、第1の所定の期間(30秒など)の間において、第2の所定の期間(20秒など)以上、モータ169の回転数に対するモータ169の電流値が基準とする電流値よりも大きい場合に、モータ169を停止して、室外ファン16のプロペラを風によって自由回転させるものである。
<室外ファンモータの制御処理>
以下では、本実施の形態における、室外ファン制御部162による、室外ファン16のモータ169の制御処理について説明する。本実施の形態においては、室外ファン16のプロセッサ163は、メモリ164のプログラムに従って、定期的に、たとえば1分毎に、図6に示す処理を実行する。
まず、プロセッサ163は、電流検知部166から室外ファン16のモータ169に流れる電流の実測値を取得する(ステップS102)。
プロセッサ163は、PWM発生回路165に対する指令に対応するモータ169の回転数を取得する(ステップS104)。
プロセッサ163は、メモリ164の対応関係データに基づいて、基準電流値としての、モータ169の回転数に対する風速3m/s時の電流値を取得する(ステップS106)。
プロセッサ163は、モータ169の電流の実測値が、風速3m/s時の電流値よりも大きいか否かを判断する(ステップS108)。
プロセッサ163は、判断結果をメモリ164に蓄積する(ステップS110,ステップS112)。
プロセッサ163は、判断結果が所定の個数以上メモリ164に蓄積されたか否かを判断する(ステップS114)。
判断結果が第1の個数以上メモリ164に蓄積されていない場合(ステップS114にてNOである場合)、プロセッサ163は、ステップS102からの処理を繰り返す。
なお本実施の形態においては、上記の第1の個数の回数だけ、たとえば30秒程度の間だけ、ステップS102からステップS114までの処理を返すことが好ましい。たとえば、1秒毎にステップS102からステップS114までの処理を繰り返す構成の場合は、第1の個数は30となる。
判断結果が所定の個数以上メモリ164に蓄積されている場合(ステップS114にてYESである場合)、プロセッサ163は、モータ169の電流の実測値が、風速3m/s時の電流値よりも大きいと判断された回数が、第1の個数の70%以上であるか否かを判断する(ステップS116)。
モータ169の電流の実測値が、風速3m/s時の電流値よりも大きいと判断された回数が、第1の個数の70%以上である場合(ステップS116にてYESである場合)、プロセッサ163は、室外ファン16のモータ169を停止させて、室外ファン16のプロペラを風による自由回転に切り替える(ステップS118)。
モータ169の電流の実測値が、風速3m/s時の電流値よりも大きいと判断された回数が、第1の個数の70%未満である場合(ステップS116にてNOである場合)、プロセッサ163は、今回の処理を終了して待機する。すなわち、モータ169による室外ファン16の駆動を継続する。
なお、室外ファン16を停止させた後、再度駆動するための条件や制御に関しては特に限定するものではない。
<第2の実施の形態>
上記の実施の形態においては、モータ169の電流の実測値が、風速3m/s時の電流値よりも大きいか否かを判断することによって、室外ファン16のモータ169の駆動を停止するか否かを判断するものであった。しかしながら、このような形態には限られない。
たとえば、風速3m/s時以外の電流値を基準電流値として利用して判断してもよいし、基準電流値として1つの固定値を用いてもよい。
あるいは、回転数に応じて、電流予測値からの差分が大きくなるような基準電流値を利用してもよい。たとえば、メモリ164は、図7に示すような対応関係のデータを記憶する。より詳細には、メモリ164は、室外ファン16のモータ169の回転数と、回転数が増えるにしたがって風速1m/s時のモータ169の電流値からの補正値が大きくなるような基準電流値と、の対応関係を記憶する。図7における直線的な対応関係のように、モータ169の回転数が上がるにつれて、風速1m/s時のモータ169の電流値からの差が大きくなる基準電流値である。
そして、プロセッサ163は、図6のステップS106において、メモリ164の対応関係データに基づいて、モータ169の回転数に対する、回転数が増えるにしたがって風速1m/s時のモータ169の電流値からの補正値が大きくなるように設定される基準電流値を取得する。
ステップS108において、プロセッサ163は、モータ169の電流の実測値が、当該基準電流値よりも大きいか否かを判断する。
<第3の実施の形態>
上記の実施の形態においては、室外ファン16のモータ169の制御を室外ファン制御部162が実行するものであったが、室外制御部29や室内制御部35やその他の制御部が実行するものであってもよい。
たとえば、図8に示すクラウド上のサーバ300が、空気調和機100やその他の機器から必要な情報を取得して、空気調和機100の室外ファン16を制御してもよい。つまり、空気調和機100やサーバ300やルータ400などによって空気調和システム1が構成される。
より詳細には、図9に示すように、サーバ300は、主たる構成要素として、CPUなどのプロセッサ310と、メモリ320と、操作部340と、通信インターフェイス360とを含む。
プロセッサ310は、メモリ320に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ300の各部を制御する。
メモリ320は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、サーバ300に内包されているものであってもよいし、サーバ300の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ300からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ320は、プロセッサ310によって実行されるプログラムや、プロセッサ310によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、上記の室外ファン16のモータ169の回転数と基準電流値との対応関係データなど、本実施の形態にかかる処理やサービスに利用されるデータベースなどを記憶する。
操作部340は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をプロセッサ310に入力する。
通信インターフェイス360は、プロセッサ310からのデータを、インターネット、キャリア網、ルータ400などを介して、空気調和機100や電気機器200や他のサーバなどの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェイス360は、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して他の装置からのデータを受信して、プロセッサ310に受け渡す。
次に、本実施の形態にかかるプロセッサ310による空気調和機100の室外ファン16の制御処理について説明する。プロセッサ310は、メモリ320のプログラムに従って、空気調和機100毎に、定期的に、以下のような処理を実行する。
図6を参照して、プロセッサ310は、通信インターフェイス360を介して、空気調和機100から室外ファン16のモータ169に流れる電流の実測値を取得する(ステップS102)。
プロセッサ310は、通信インターフェイス360を介して、空気調和機100からモータ169の回転数を取得する(ステップS104)。
プロセッサ310は、メモリ320の対応関係データに基づいて、モータ169の回転数に対する風速3m/s時の電流値を取得する(ステップS106)。
プロセッサ310は、モータ169の電流の実測値が、風速3m/s時の電流値よりも大きいか否かを判断する(ステップS108)。
プロセッサ310は、判断結果をメモリ320に蓄積する(ステップS110、ステップS112)。
プロセッサ310は、判断結果が所定の個数以上メモリ164に蓄積されたか否かを判断する(ステップS114)。
判断結果が第1の個数以上メモリ164に蓄積されていない場合(ステップS114にてNOである場合)、プロセッサ310は、ステップS102からの処理を繰り返す。
なお本実施の形態においては、上記の第1の個数に関して、ステップS102からステップS114までの処理を30秒程度返すことが好ましい。たとえば、1秒毎に、ステップS102からステップS114までの処理を繰り返す構成の場合は、第1の個数は30となる。
判断結果が所定の個数以上メモリ164に蓄積されている場合(ステップS114にてYESである場合)、プロセッサ310は、モータ169の電流の実測値が、風速3m/s時の電流値よりも大きいと判断された回数が、第1の個数の70%以上であるか否かを判断する(ステップS116)。
モータ169の電流の実測値が、風速3m/s時の電流値よりも大きいと判断された回数が、第1の個数の70%以上である場合(ステップS116にてYESである場合)、プロセッサ310は、通信インターフェイス360を介して、空気調和機100に、室外ファン16のモータ169を停止させて、室外ファン16を風による自由回転に切り替えさせる(ステップS118)。
モータ169の電流の実測値が、風速3m/s時の電流値よりも大きいと判断された回数が、第1の個数の70%未満である場合(ステップS116にてNOである場合)、プロセッサ310は、対象となる空気調和機100に関する今回の処理を終了して待機する。
<まとめ>
上記の実施の形態おいては、空気調和機が提供される。空気調和機は、室外ファンと、制御部と、を備える。制御部は、室外ファンのモータの電流の測定値が基準電流値よりも大きい場合に室外ファンのモータの駆動を停止して室外ファンを自由回転させる。
好ましくは、空気調和機は、室外ファンのモータの回転数と、室外ファンのモータの電流値と、の対応関係を記憶するメモリをさらに備える。制御部は、基準電流値として、室外ファンのモータの回転数に対応する室外ファンのモータの電流値を利用する。
好ましくは、室外ファンのモータの回転数に対する室外ファンのモータの電流値は、室外ファンのモータの回転数に対する無風時の室外ファンのモータの電流値に補正値を乗せて設定されるものである。当該補正値は室外ファンのモータの回転数が高くなるほど大きくなる。
好ましくは、制御部は、所定の期間において、室外ファンのモータの電流の測定値が基準電流値よりも大きいタイミングが多いか否かを判断する。
上記の実施の形態おいては、空気調和機と、空気調和機と通信可能なサーバとを備える空気調和システムが提供される。サーバは、空気調和機の室外ファンのモータの電流の測定値が基準電流値よりも大きい場合に空気調和機の室外ファンのモータの駆動を停止させる。
上記の実施の形態おいては、空気調和機と通信するための通信インターフェイスと、通信インターフェイスを介して空気調和機の室外ファンのモータの電流の測定値を取得して、当該測定値が基準電流値よりも大きい場合に通信インターフェイスを介して空気調和機の室外ファンのモータの駆動を停止させるためのプロセッサとを備えるサーバが提供される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 :空気調和システム
10 :室外機
11 :筐体
12 :圧縮機
12a :吐出管
12b :吸入管
13 :四路切換弁
14 :室外熱交換器
15 :膨張弁
16 :室外ファン
17 :冷媒配管
18 :冷媒配管
19 :二方弁
20 :三方弁
21 :室外熱交換器温度センサ
22 :吐出温度センサ
23 :吸入温度センサ
24 :出口温度センサ
25 :外気温度センサ
28 :記録媒体
29 :室外制御部
30 :室内機
31 :筐体
32 :室内熱交換器
32A :熱交換器
32B :熱交換器
32C :熱交換器
33 :室内ファン
34 :室内熱交換器温度センサ
35 :室内制御部
35a :赤外線受光部
36 :フラップ
37 :室内温度センサ
38 :ステッピングモータ
39 :人感センサ
40 :インターフェイス部
41 :記録媒体
50 :リモートコントローラ
100 :空気調和機
101 :制御部
110 :プロセッサ
120 :メモリ
161 :マイコン
162 :室外ファン制御部
163 :プロセッサ
164 :メモリ
165 :PWM発生回路
166 :電流検知部
169 :モータ
200 :電気機器
300 :サーバ
310 :プロセッサ
320 :メモリ
340 :操作部
360 :通信インターフェイス
400 :ルータ

Claims (6)

  1. 空気調和機であって、
    室外ファンと、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記室外ファンのモータの電流の測定値が基準電流値よりも大きい場合に前記室外ファンのモータの駆動を停止して前記室外ファンを自由回転させる、空気調和機。
  2. 前記室外ファンのモータの回転数と、前記室外ファンのモータの電流値と、の対応関係を記憶するメモリをさらに備え、
    前記制御部は、前記基準電流値として、前記室外ファンのモータの回転数に対応する前記室外ファンのモータの電流値を利用する、請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記室外ファンのモータの回転数に対する前記室外ファンのモータの電流値は、
    前記室外ファンのモータの回転数に対する無風時の前記室外ファンのモータの電流値に補正値を乗せて設定されるものであって、当該補正値は前記室外ファンのモータの回転数が高くなるほど大きくなる、請求項2に記載の空気調和機。
  4. 前記制御部は、所定の期間において、前記室外ファンのモータの電流の測定値が基準電流値よりも大きいタイミングが多いか否かを判断する、請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
  5. 空気調和機と、
    前記空気調和機と通信可能なサーバとを備える空気調和システムであって、
    前記サーバは、前記空気調和機の室外ファンのモータの電流の測定値が基準電流値よりも大きい場合に前記空気調和機の室外ファンのモータの駆動を停止させる、空気調和システム。
  6. 空気調和機と通信するための通信インターフェイスと、
    前記通信インターフェイスを介して前記空気調和機の室外ファンのモータの電流の測定値を取得して、当該測定値が基準電流値よりも大きい場合に前記通信インターフェイスを介して前記空気調和機の室外ファンのモータの駆動を停止させるためのプロセッサと、を備えるサーバ。
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