JP2021104923A - 光ファイバの製造方法、及び光ファイバの製造装置 - Google Patents

光ファイバの製造方法、及び光ファイバの製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱硬化性樹脂が均一に硬化した被覆層を有する光ファイバを製造し得る光ファイバの製造方法及び当該光ファイバの製造装置を提供することを目的とする。【解決手段】 光ファイバ1の製造方法は、光ファイバ用母材1Pを線引炉101において線引きする線引工程P1と、線引炉101線引された光ファイバ裸線1Nに熱硬化性樹脂をコーティングするとともに、当該光ファイバ裸線1Nを少なくとも1つの加熱炉140に通して熱硬化性樹脂を架橋反応させて被覆層12を形成する被覆層形成工程P4と、備える。被覆層形成工程P4において、光ファイバ裸線1Nが線引炉101で線引きされる線速vの変化に応じて加熱炉140内の温度Tを変化させる。【選択図】図2

Description

本発明は、光ファイバの製造方法、及び光ファイバの製造装置に関し、具体的には、被覆層が熱硬化性樹脂からなる光ファイバの製造方法、及び、当該光ファイバの製造装置に関する。
一般的に、光ファイバは、コア及びクラッドを含む光ファイバ裸線が樹脂からなる被覆層によって覆われた構成を有する。この被覆層は、例えば紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂から形成される場合がある。下記特許文献1には、光ファイバ裸線に紫外線硬化性樹脂からなる被覆層を形成する方法が記載されている。この特許文献1によれば、光ファイバ裸線にコーティングされた紫外線硬化性樹脂に対して所定の強度の紫外線を所定の時間照射することによって、紫外線硬化性樹脂を硬化させ得るとされる。
特開2018−179815号公報
ところで、一般的に、上記光ファイバ裸線は光ファイバ用母材を線引炉で線引きすることによって形成されるが、線引炉で光ファイバ裸線を線引きする線速が変化すると、上記紫外線硬化性樹脂を硬化させる装置内における光ファイバ裸線の滞留時間が変化し得る。このように滞留時間が変化すると、紫外線の照射時間が変わり得るため、樹脂の硬化度合いが不均一になる懸念がある。上記特許文献1では、このような線速が変化した場合の問題が考慮されていない。なお、被覆層が熱硬化性樹脂から形成される場合でも、線速が変化すると熱硬化性樹脂に加えられる熱量が変化するため、樹脂の硬化度合いが不均一になり得る。上記特許文献1では、被覆層が熱硬化性樹脂から形成される場合における硬化度合いが不均一になる問題について考慮されていない。
そこで、本発明は、熱硬化性樹脂が均一に硬化した被覆層を有する光ファイバを製造し得る光ファイバの製造方法及び当該光ファイバの製造装置を提供することを目的とする。
上記目的の達成のため、本発明の光ファイバの製造方法は、光ファイバ用母材を線引炉において線引きする線引工程と、前記線引炉で線引きされた光ファイバ裸線に熱硬化性樹脂をコーティングするとともに、当該光ファイバ裸線を少なくとも1つの加熱炉に通して前記熱硬化性樹脂を架橋反応させて被覆層を形成する被覆層形成工程と、を備え、前記被覆層形成工程において、前記光ファイバ裸線が前記線引炉で線引きされる線速の変化に応じて前記加熱炉内の温度を変化させることを特徴とするものである。
また、上記目的の達成のため、本発明の光ファイバの製造装置は、光ファイバ用母材を線引きする線引炉と、前記線引炉で線引きされた光ファイバ裸線に熱硬化性樹脂をコーティングするコーティング部と、前記光ファイバ裸線にコーティングされた前記熱硬化性樹脂を架橋反応させて被覆層を形成する少なくとも1つの加熱炉と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記光ファイバ裸線が前記線引炉で線引きされる線速の変化に応じて前記加熱炉内の温度を変化させることを特徴とするものである。
光ファイバ裸線が線引炉で線引きされる線速が変化する場合、熱硬化性樹脂によってコーティングされた光ファイバ裸線の上記加熱炉内における滞留時間が変化する。すなわち、上記線速が変わることによって、熱硬化性樹脂に加えられる熱量が変化し得るため、熱硬化性樹脂の硬化度合いが不均一になる傾向がある。しかし、上記光ファイバの製造方法及び上記光ファイバの製造装置によれば、線速が変化して光ファイバ裸線の加熱炉内における滞留時間が変化した場合でも、線速の変化に応じて加熱炉が制御されて加熱炉内の温度が変化するため、線速が変化しない場合と同等の熱量を熱硬化性樹脂に加え得る。したがって、熱硬化性樹脂の硬化度合いが不均一になることが抑制され得る。こうして、熱硬化性樹脂が均一に硬化した被覆層を有する光ファイバが製造され得る。
また、上記光ファイバの製造方法及び上記光ファイバの製造装置において、前記加熱炉は、当該加熱炉内を通る前記光ファイバ裸線の長手方向に沿って複数のヒータが並ぶ構成を有してもよい。
このようにすることで、加熱炉に単一のヒータを設ける場合と比較して、加熱炉内の温度分布を細かく調整し得る。
また、上記光ファイバの製造装置は、前記光ファイバ裸線の外径を測定する外径測定部をさらに備え、前記制御部は、前記外径のデータに基づいて前記線速を変化させてもよい。
この場合、線引炉から引き出される光ファイバ裸線の外径の変化に応じて線速を適宜変えることができるため、光ファイバ裸線の外径を光ファイバ裸線の長手方向に沿ってより均一にすることができる。
また、上記光ファイバの製造方法において、加熱炉が複数のヒータを備える場合、最上流に位置する前記ヒータの温度を最も高温にしてもよい。
最上流に位置するヒータの温度を最も高温にすることで、加熱炉の上流側の温度を高温にすることができる。このようにすることで、光ファイバ裸線が加熱炉に進入した初期の段階で光ファイバ裸線及び熱硬化性樹脂が当該熱硬化性樹脂の架橋温度に到達し得る。このため、最上流に位置するヒータの温度を他のヒータよりも高温にしない場合に比べて、架橋温度下における熱硬化性樹脂の硬化時間を長くすることができる。したがって、熱硬化性樹脂をより効果的に硬化させることができる。
また、上記光ファイバの製造方法及び上記光ファイバの製造装置において加熱炉が複数のヒータを備える場合、最上流に位置する前記ヒータの温度のみを変化させてもよい。
この場合、他のヒータの温度を変化させないため、制御負荷や消費電力などを抑制することができる。ところで、熱硬化性樹脂の硬化度合いは、熱硬化性樹脂を架橋温度までいかに早く昇温させるかによって決まる傾向にある。このため、加熱炉の最上流における温度変化が熱硬化性樹脂の硬化に影響を及ぼし易い。したがって、最上流のヒータの温度を変化させることによって、他のヒータの温度を変化させる場合に比べて、熱硬化性樹脂の硬化度合いを効果的に調整し得る。
また、上記光ファイバの製造方法及び上記光ファイバの製造装置において、少なくとも1つの前記加熱炉は複数の前記加熱炉であってもよい。
この場合、加熱炉が1つである場合に比べて、熱硬化性樹脂を加熱する時間を長くし得る。
また、上記光ファイバの製造方法及び上記光ファイバの製造装置において少なくとも1つの加熱炉が複数の加熱炉である場合、最上流に位置する加熱炉の温度のみを変化させてもよい。
この場合、他の加熱炉の温度を変化させないため、制御負荷や消費電力などを抑制することができる。ところで、熱硬化性樹脂の硬化度合いは、熱硬化性樹脂を架橋温度までいかに早く昇温させるかによって決まる傾向にある。このため、最上流の加熱炉の温度変化が熱硬化性樹脂の硬化に影響を及ぼし易い。したがって、最上流の加熱炉の温度を変化させることによって、他の加熱炉の温度を変化させる場合に比べて、熱硬化性樹脂の硬化度合いを効果的に調整し得る。
また、上記光ファイバの製造方法において、前記被覆層の貯蔵弾性率が300Pa以上3000Pa以下になるように前記加熱炉内の温度を変化させてもよい。
光ファイバは所定のボビンに巻回されて保管される場合がある。このような場合に、被覆層を形成する熱硬化性樹脂の硬化が不十分であると、光ファイバがボビンに巻回された際に、隣接する被覆層同士が癒着するブロッキングが生じる場合がある。しかし、被覆層の貯蔵弾性率が300Pa以上程度であれば、上記ブロッキングが生じ難くなる傾向がある。また、被覆層の貯蔵弾性率が3000Pa以下であれば、被覆層が過度に滑り易くなることが抑制され、作業性の低下などを抑制することができる。したがって、被覆層の貯蔵弾性率が300Pa以上3000Pa以下になるように加熱炉内の温度を変化させることで、ブロッキングが生じにくく作業性の容易な光ファイバを製造し得る。
また、上記光ファイバの製造方法において、前記被覆層の貯蔵弾性率及び損失弾性率が等しくなるように前記加熱炉内の温度を変化させてもよい。あるいは、上記光ファイバの製造装置において、前記制御部は、前記被覆層の貯蔵弾性率及び損失弾性率が等しくなるように前記加熱炉内の温度を変化させてもよい。
一般的に、熱硬化性樹脂の貯蔵弾性率は、熱硬化性樹脂が加熱されるに従って大きくなる。一方、一般的に、熱硬化性樹脂の損失弾性率は、加熱の初期において次第に大きくなって貯蔵弾性率と概ね同値になり、その後、次第に小さくなる。つまり、熱硬化性樹脂の貯蔵弾性率と損失弾性率とが等しくなる時点は、熱硬化性樹脂の固体としての挙動が支配的になり始める時点であり、熱硬化性樹脂の架橋反応が十分に進行して、熱硬化性樹脂が十分に硬化した時点であると考えることができる。したがって、上記のように、被覆層の貯蔵弾性率及び損失弾性率が等しくなるように前記加熱炉内の温度を変化させることで、熱硬化性樹脂が均一に硬化しているだけでなく、固体としての挙動が支配的である被覆層を形成し得る。すなわち、上記ブロッキングなどが生じにくい被覆層を有する光ファイバを製造し得る。
また、上記光ファイバの製造方法において、前記加熱炉内の温度をT、前記線速をv、前記加熱炉を通る前記光ファイバ裸線の長手方向に沿った前記加熱炉の全長をLとしたときに、前記温度Tを下記式に基づいて変化させてもよい。また、上記光ファイバの製造装置において、前記制御部は、前記加熱炉内の温度をT、前記線速をv、前記加熱炉を通る前記光ファイバ裸線の長手方向に沿った前記加熱炉の全長をLとしたときに、前記温度Tを下記式に基づいて変化させてもよい。
In(L/v)=(a/T)+b
ただし、上記式において、a及びbは前記熱硬化性樹脂の種類に応じて定まる定数である。
このような構成により、熱硬化性樹脂が均一に硬化した被覆層を有する光ファイバをより効果的に製造し得る。
以上のように、本発明によれば、熱硬化性樹脂が均一に硬化した被覆層を有する光ファイバを製造し得る光ファイバの製造方法及び当該光ファイバの製造装置が提供され得る。
本発明の第1実施形態に係る光ファイバの長手方向に垂直な断面の構造を示す図である。 図1に示される光ファイバを製造するための製造装置を概略的に示す図である。 図1に示される光ファイバを製造する工程を示すフローチャートである。 所定の温度環境下における図1に示される被覆層の貯蔵弾性率及び損失弾性率の時間変化を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る光ファイバの製造装置を図2と同様にして示す図である。 本発明の第3実施形態に係る光ファイバの製造装置を図2と同様にして示す図である。 本発明の第4実施形態に係る光ファイバの製造装置を図2と同様にして示す図である。 本発明の第5実施形態に係る光ファイバの長手方向に垂直な断面の構造を示す図である。 図8に示される光ファイバを製造するための製造装置を概略的に示す図である。
以下、本発明に係る光ファイバの製造方法、及び光ファイバの製造装置を実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。また、本明細書では、理解を容易にするために、各部材の寸法が誇張して示されている場合がある。
(第1実施形態)
図1は、実施形態に係る光ファイバ1の長手方向に垂直な断面の構造を示す図である。図1に示すように、光ファイバ1は、コア10と、コア10を隙間なく囲むクラッド11と、クラッド11を被覆する被覆層12と、を主な構成として備える。光ファイバ1において、クラッド11はコア10よりも低い屈折率を有する。
コア10は、ドーパントが添加されていない純粋石英から形成されてもよく、あるいは、屈折率を上昇させるゲルマニウム(Ge)等がドーパントとして添加された石英から形成されてもよい。
クラッド11は、上述のように、コア10よりも低い屈折率を有する。したがって、クラッド11は、例えば、コア10が純粋石英から形成される場合には、屈折率を低下させるフッ素(F)やホウ素(B)等がドーパントとして添加された石英から形成されてもよく、コア10が屈折率を上昇させるゲルマニウム(Ge)等がドーパントとして添加された石英から形成される場合には、ドーパントが添加されていない純粋石英から形成されてもよい。
被覆層12は、例えばシリコーン樹脂のような熱硬化性樹脂から形成される。被覆層12がこのような熱硬化性樹脂から形成されることによって、光ファイバ1は耐熱性に優れている。したがって、光ファイバ1は、例えば、高温環境下で光を伝送させる場合やファイバレーザのような高出力光を導波させる場合等において、特に好適に用いることができる。
次に、光ファイバ1の製造装置について説明する。
図2は、光ファイバ1の製造装置100を概略的に示す図である。図2に示すように、製造装置100は、線引炉101と、外径測定部110と、冷却部120と、コーティング部130と、加熱炉140と、ターンプーリ150と、巻取部160と、制御部170と、を主な構成として備える。
本実施形態において、線引炉101は、内部に挿通孔102が形成された筒状の外形を有している。この挿通孔102には、長手方向が垂直となるように懸架された光ファイバ用母材1Pを挿通させることができる。なお、光ファイバ用母材とは、光ファイバの原料となるガラス体である。したがって、光ファイバ1の原料となる光ファイバ用母材1Pは、コア10と同一の材料から形成されるコアガラス体と、クラッド11と同一の材料から形成されるクラッドガラス体とから形成される。また、挿通孔102の周囲には加熱部103が設けられている。したがって、この加熱部103を発熱させることにより、挿通孔102に配置された光ファイバ用母材1Pを加熱することができる。後に再び説明するが、この加熱によって光ファイバ用母材1Pが溶融し、所定の外径を有する光ファイバ裸線1Nが線引炉101で線引きされる。なお、光ファイバ裸線が線引炉で線引きされる速さを線速vと呼ぶことがある。
外径測定部110は、線引炉101の下方に配置されており、制御部170に接続されている。外径測定部110は、線引炉101において光ファイバ用母材1Pから線引きされる光ファイバ裸線1Nの外径を測定することができる。外径測定部110で測定された光ファイバ裸線1Nの外径データは、制御部170へと送られる。このような外径測定部110として、例えば、既存のレーザ式外径測定器を用いてもよい。
冷却部120は、外径測定部110の下方に配置されており、線引炉101で線引きされる光ファイバ裸線1Nを冷却する。
コーティング部130は、冷却部120の下方に配置されている。例えば、このコーティング部130は、所定の熱硬化性樹脂を収容する不図示のダイスを含んでおり、このダイスからコーティング部130を通過する光ファイバ裸線1Nに一定量ずつ上記熱硬化性樹脂が供給される。こうして、冷却部120で冷却された光ファイバ裸線1Nの外面に熱硬化性樹脂が塗布される。
本実施形態において、加熱炉140は、コーティング部130の下方に配置されており、内部に挿通孔140Hが形成された筒状の外形を有している。熱硬化性樹脂でコーティングされた光ファイバ裸線1Nは、この挿通孔140H内を通過することができる。挿通孔140Hの周囲には、挿通孔140H内を通る光ファイバ裸線1Nの長手方向に沿って上流側から下流側に向かって、第1ヒータ141、第2ヒータ142、及び第3ヒータ143が配置されている。これら第1ヒータ141、第2ヒータ142、及び第3ヒータ143による加熱によって、光ファイバ裸線1Nにコーティングされた熱硬化性樹脂の架橋反応が進行し、熱硬化性樹脂の硬化度合いが大きくなる。こうして、熱硬化性樹脂から被覆層12が形成されて、光ファイバ裸線1Nが被覆層12で覆われた光ファイバ1となる。なお、この点については後に詳細に説明する。
また、挿通孔140Hの周囲には、上流側から下流側に向かって、第1温度測定部144、第2温度測定部145、及び第3温度測定部146が配置されている。つまり、第1温度測定部144は、第1ヒータ141によって昇温する挿通孔140Hの上流領域における温度を測定する。第2温度測定部145は、第2ヒータ142によって昇温する挿通孔140Hの中流領域における温度を測定する。第3温度測定部146は、第3ヒータ143によって昇温する挿通孔140Hの下流領域における温度を測定する。第1温度測定部144、第2温度測定部145、及び第3温度測定部146は、例えば熱電対によって構成されてもよい。本実施形態において、第1ヒータ141、第2ヒータ142、及び第3ヒータ143は、最上流に位置する第1ヒータ141が最も高温となるように構成される。
なお、後に記載する「加熱炉内の温度」とは、本実施形態のように温度測定部が複数配置される場合には、各温度測定部によって測定された各温度の平均値を意味する。
第1温度測定部144、第2温度測定部145、及び第3温度測定部146は、それぞれ制御部170に接続されている。第1温度測定部144、第2温度測定部145、及び第3温度測定部146で測定される各温度データは、制御部170へと送られる。また、本実施形態において、第1ヒータ141は制御部170に接続されている。第1ヒータ141の温度は、後述する制御部170からの信号に基づいて変化する。
ターンプーリ150は、加熱炉140の下方に配置されている。このターンプーリ150によって、加熱炉140から出た光ファイバ1が異なる方向へと送り出される。
巻取部160は、ターンプーリ150を通過した光ファイバ1を巻き取ることができるように構成されている。この巻取部160は、制御部170に接続されており、制御部170からの信号に基づいて所定の回転速度で回転する。巻取部160がこのように回転することによって、光ファイバ裸線1Nが線引炉101において線速vで線引きされる。基本的に、ターンプーリ150は、外径測定部110で計測される光ファイバ裸線1Nの外径が予め定められた設計値になるような一定の回転速度で回転する。この回転速度は、後述するような場合を除いて維持される。なお、当該回転速度に対応する線速vを基準線速v0と記載することがある。
制御部170としては、例えば、マイクロコントローラ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路やNC(Numerical Control)装置を用いることができる。また、制御部170は、NC装置を用いた場合、機械学習器を用いたものであってもよく、機械学習器を用いないものであってもよい。上述のように、この制御部170は、外径測定部110、第1ヒータ141、第1温度測定部144、第2温度測定部145、及び第3温度測定部146、及び巻取部160に接続されている。これにより、制御部170は、外径測定部110からの外径データに基づいて巻取部160の回転速度を制御する信号を発したり、第1ヒータの温度を制御する信号を発したり、加熱炉140内の温度を算出したり等することができる。
次に、光ファイバ1の製造方法について説明する。より具体的には、上記製造装置100を用いた光ファイバ1の製造方法について説明する。
図3は、光ファイバ1を製造する工程を示すフローチャートである。図3に示すように、光ファイバ1の製造方法は、線引工程P1と、外径測定工程P2と、冷却工程P3と、被覆層形成工程P4と、巻取工程P5と、を含んでいる。
<線引工程P1>
本工程は、光ファイバ用母材1Pを線引炉101において加熱して、コア10とクラッド11とを有する光ファイバ裸線1Nを形成する工程である。本工程では、光ファイバ用母材1Pの長手方向が垂直となるように光ファイバ用母材1Pが不図示の懸架装置に懸架され、光ファイバ用母材1Pが下端部から線引炉101の挿通孔102に挿入される。その後、線引炉101の加熱部103を発熱させて、光ファイバ用母材1Pの下端部を加熱する。その結果、光ファイバ用母材1Pの下端部は溶融状態になり、粘性が下がって下方に行くほど径が先細りになる。こうして、光ファイバ用母材1Pの下端部が縮径し、光ファイバ用母材1Pのコアガラス体がコア10となるとともに、クラッドガラスがクラッド11となり、光ファイバ裸線1Nが形成される。なお、線引炉101から引き出された直後の光ファイバ裸線1Nの温度は、例えば1800℃〜2000℃であってもよい。
<外径測定工程P2>
次に、線引炉101から引き出された光ファイバ裸線1Nの外径が外径測定部110によって測定される。そして、測定された光ファイバ裸線1Nの外径データが制御部170へと送られる。なお、この外径測定部110を通過する間に溶融状態にあるガラスが概ね固化する。
<冷却工程P3>
次に、線引炉101から引き出された光ファイバ裸線1Nが冷却部120によって例えば30℃〜50℃程度まで冷却される。
<被覆層形成工程P4>
本工程は、線引炉101から引き出された光ファイバ裸線1Nに熱硬化性樹脂をコーティングするとともに、当該光ファイバ裸線1Nを加熱炉140に通して熱硬化性樹脂を架橋反応させることによって被覆層12を形成する工程である。図3に示すように、本工程は、コーティング工程P41と、加熱工程P42とを含んでいる。
コーティング工程P41では、光ファイバ裸線1Nがコーティング部130を通ることによって、光ファイバ裸線1Nの外周に熱硬化性樹脂が塗布される。なお、上記冷却工程P3において光ファイバ裸線1Nが予め冷却されているため、コーティング部130を出てから加熱炉140に到達する前に、光ファイバ裸線1Nの熱に起因して熱硬化性樹脂の硬化が開始することが抑制される。
加熱工程P42では、熱硬化性樹脂でコーティングされた光ファイバ裸線1Nが加熱炉140の挿通孔140Hに通されることによって熱硬化性樹脂が硬化し、被覆層12が形成される。本実施形態では、熱硬化性樹脂の硬化を以下のように定める。
図4は、加熱炉140内の温度を80℃にして本実施形態で使用される熱硬化性樹脂を加熱炉140で加熱した場合における、当該熱硬化性樹脂の貯蔵弾性率G´及び損失弾性率G´´のそれぞれの時間変化を表したグラフである。ここで、貯蔵弾性率G´は、熱硬化性樹脂の弾性体としての傾向を示す指標であり、貯蔵弾性率G´の値が大きくなる程、熱硬化性樹脂の弾性体としての傾向が大きいことを示す。一方、損失弾性率G´´は、熱硬化性樹脂の粘性体としての傾向を示す指標であり、損失弾性率G´´の値が小さくなる程、熱硬化性樹脂の粘性体としての傾向が小さくなる。
図4に示すように、本実施形態で使用される熱硬化性樹脂の貯蔵弾性率G´は、加熱時間が長くなる程大きくなる傾向にある。また、本実施形態で使用される熱硬化性樹脂の損失弾性率はG´´は、加熱後暫くの間次第に大きくなり、概ね2425秒経過後に貯蔵弾性率G´と概ね同値になり、その後に次第に小さくなる傾向にある。つまり、貯蔵弾性率G´と損失弾性率G´´とが概ね等しくなる時間を基準時間t0とすれば、この基準時間t0は、熱硬化性樹脂の弾性体としての挙動が支配的になり始める時点であり、熱硬化性樹脂の架橋反応が十分に進行して、熱硬化性樹脂が十分に硬化した時点であると考え得る。そこで、本実施形態では、例えば、熱硬化性樹脂が硬化した状態を貯蔵弾性率G´と損失弾性率G´´とが等しくなった以後の状態と考える。
ここで、光ファイバ裸線1Nが線引炉101において基準線速v0で線引きされる場合、加熱炉140の上下方向の全長をLとすると、光ファイバ裸線1Nのある部分が加熱炉140を通過するのに要する時間t、すなわち当該部分が加熱炉140内に滞在して加熱される加熱時間tは、
t=L/v0
である。本実施形態において、加熱炉140の全長Lは、上記式においてt=t0として算出される長さt00とされる。したがって、加熱炉140内の温度が上記基準温度T0(例えば、80℃)であれば、加熱炉140を通過した熱硬化性樹脂の貯蔵弾性率G´と損失弾性率G´´とが等しい値となり、上述のように、熱硬化性樹脂が硬化した状態となる。
こうして、加熱工程P42によって熱硬化性樹脂の架橋反応が進行して、被覆層12が形成される。その結果、光ファイバ裸線1Nが被覆層12によって被覆された光ファイバ1が形成される。
<巻取工程P5>
上述のように、巻取部160は、所定の回転速度で回転している。したがって、加熱炉140を出た光ファイバ1は、ターンプーリ150で方向転換された後、巻取部160によって巻き取られる。上述のように、光ファイバ1の被覆層12の熱硬化性樹脂は、加熱工程P42において十分に硬化した状態にある。したがって、光ファイバ1が巻取部160に巻き取られることによって被覆層12同士が接触し合っても、隣接する被覆層12同士が癒着するブロッキングが生じることが抑制される。
ところで、上述の線引工程P1では、線引炉101内の温度が外乱等によって変化して、光ファイバ裸線1Nの外径が変化する場合がある。なお、上記外乱としては、例えば、線引炉101のヒータの出力変動や線引炉101内に供給されるガスの気流変化などを挙げることができる。本実施形態の製造装置100は、上述のように外径測定部110を備える。したがって、光ファイバ裸線1Nの外径の変化は外径測定部110によって検知され、変化後の外径データが制御部170へと送られる。制御部170は、変化後の外径データが入力すると、所定の制御信号を巻取部160へと送り、巻取部160の回転速度を変える。その結果、光ファイバ裸線1Nの線速vが基準線速v0から新たな線速v1に変化する。製造装置100は、このように線速を変化させることにより、光ファイバ裸線1Nの外径が上記設計値に維持されるように構成される。なお、制御部170は、PID制御に基づいて線速vを新たな線速v1に変化せてもよい。
しかし、このように線速vが基準線速v0から新たな線速v1に変わることによって、光ファイバ裸線1Nが加熱炉140内で加熱される加熱時間tが変化する。具体的には、上述のように、加熱時間tは、
t=L/v
であるため、線速vが基準線速v0から新たな線速v1に変化することによって、加熱時間tは、基準時間t0から新たな時間t1に変化する。したがって、加熱炉140内の温度Tが一定(例えば、80℃)のままであると、加熱炉140において熱硬化性樹脂が受ける熱量が変化して、加熱炉140から出た被覆層12の貯蔵弾性率G´の値と損失弾性率G´´の値とが等しくなくなり得る。この場合、被覆層12の硬化度合いが基準線速v0であった場合から変わり、被覆層12における熱硬化性樹脂の硬化度合いの均一性が崩れ得る。
しかし、本実施形態の光ファイバ1の製造方法及び製造装置100では、線速vが上記のように変化する場合でも、制御部170の制御に基づいて、被覆層12においてG´=G´´の関係が維持され得る。以下、この点について詳細に説明する。
加熱炉140内の温度を第1温度に設定した場合における上記熱硬化性樹脂の貯蔵弾性率G´と損失弾性率G´´とが等しくなる時間、及び、加熱炉140内の温度を第2温度に設定した場合における上記熱硬化性樹脂の貯蔵弾性率G´と損失弾性率G´´とが等しくなる時間等、加熱炉140内の温度を複数の温度に設定し、各温度条件下における上記熱硬化性樹脂の貯蔵弾性率G´と損失弾性率G´´とが等しくなる時間を計測し、これらをアレニウスプロットすると、以下のアレニウスの式(1)が得られる。
In(t)=(a/T)+b・・・(1)
ここで、a、bは、アレニウスの式における定数であり、上記1次式の傾き及び切片として求めることができる。
なお、上記のように、
t=L/v・・・(2)
であるため、上記式(1)に上記式(2)を代入すると、以下の式(3)を得ることできる。
In(L/v)=(a/T)+b・・・(3)
つまり、上記のように線速vを基準線速v0から新たな線速v1に変化させる場合、これに伴って、式(3)を満たすように加熱炉140内の温度Tを基準温度T0から新たな温度T1(例えば、80℃とは異なる温度)に変化させることによって、貯蔵弾性率G´=損失弾性率G´´の関係を維持し得る。
本実施形態では、制御部170は、不図示のメモリに接続されている。このメモリには、基準温度T0に設定された加熱炉140内で上記熱硬化性樹脂を加熱した場合における、G´=G´´となる基準時間t0の基準データが格納されている。また、このメモリには、上記式(3)のデータが格納されている。
制御部170は、巻取部160に回転速度を変化させる信号を送って線速を変化させると、上記メモリから上記基準データ及び上記式(3)のデータを読み出し、上記式(3)に基づいて、新たな線速v1に対応する温度T1を算出する。そして、制御部170は、第1ヒータ141に制御信号を送り、加熱炉140の温度が温度T1になるように第1ヒータ141の温度を変化させる。別言すれば、制御部170は、光ファイバ裸線1Nが線引炉101で線引きされる線速vの変化に応じて加熱炉140内の温度Tを変化させる。具体的には、線速v1の値が基準線速v0の値よりも大きい場合、加熱時間tが基準時間t0よりも短くなるため、熱硬化性樹脂の硬化度合いが小さくなる。そこで、このような場合には、制御部170は、第1ヒータ141の温度を上昇させる信号を第1ヒータ141へと送る。一方、線速v1の値が基準線速v0の値よりも小さい場合、加熱時間tが基準時間t0よりも長くなるため、熱硬化性樹脂の硬化度合いが大きくなる。そこで、このような場合には、制御部170は、第1ヒータ141の温度を下降させる信号を第1ヒータ141へと送る。つまり制御部170は、光ファイバ裸線1Nの線速が速くなる場合に第1ヒータ141の温度を高くし、光ファイバ裸線1Nの線速が遅くなる場合に第1ヒータ141の温度を低くする制御を行う。
なお、制御部170による第1ヒータ141の制御の仕方はこれに限られない。例えば、加熱炉140内の温度を様々に設定し、当該温度のそれぞれに対応する加熱時間を上記式(3)に基づいて算出して、当該各温度と算出された加熱時間とが対応付けられた第1テーブルをメモリに格納する。制御部170は、この第1テーブルに基づいて新たな温度T1を算出してもよい。あるいは、加熱炉140内の温度を様々に設定し、これら各温度においてG´=G´´となる加熱時間を実験により求めた上、当該各温度と実験により求められた加熱時間とが対応付けられた第2テーブルをメモリに格納する。制御部170は、この第2テーブルに基づいて新たな温度T1を算出してもよい。
また、制御部170は、PID制御によって第1ヒータ141の温度を新たな温度に変化させてもよい。
このように、本実施形態では、制御部170は、被覆層12の貯蔵弾性率G´の値と損失弾性率G´´の値とが等しくなるように、加熱炉140内の温度を変化させる。このような構成によって、熱硬化性樹脂が均一に硬化した被覆層12が形成され得る。
以上説明したように、本実施形態の光ファイバ1の製造方法は、光ファイバ用母材1Pを線引炉101において線引きする線引工程P1と、線引炉101で線引きされた光ファイバ裸線1Nに熱硬化性樹脂をコーティングするとともに、当該光ファイバ裸線1Nを加熱炉140に通して上記熱硬化性樹脂を架橋反応させて被覆層12を形成する被覆層形成工程P4と、備え、被覆層形成工程P4において、光ファイバ裸線1Nが線引炉101で線引きされる線速vの変化に応じて加熱炉140内の温度Tを変化させる。
また、本実施形態の光ファイバ1の製造装置100は、光ファイバ用母材1Pを線引きする線引炉101と、線引炉101で線引きされた光ファイバ裸線1Nに熱硬化性樹脂をコーティングするコーティング部130と、光ファイバ裸線1Nにコーティングされた熱硬化性樹脂を加熱して架橋反応させて被覆層12を形成する加熱炉140と、制御部170と、を備え、制御部170は、光ファイバ裸線1Nが線引炉101で線引きされる線速vの変化に応じて加熱炉140内の温度を変化させる。
光ファイバ裸線1Nを線引炉101で線引きされる線速vが変化する場合、熱硬化性樹脂によってコーティングされた光ファイバ裸線1Nの加熱炉140内における滞留時間が変化する。すなわち、線速vが変わることによって、熱硬化性樹脂に加えられる熱量が変化し得るため、熱硬化性樹脂の硬化度合いが不均一になる傾向がある。しかし、上記光ファイバ1の製造方法及び光ファイバ1の製造装置100によれば、線速vが変化して光ファイバ裸線1Nの加熱炉140内における滞留時間が変化した場合でも、線速vの変化に応じて加熱炉140内が制御されて加熱炉140内の温度が変化するため、線速vが変化しない場合と同等の熱量を熱硬化性樹脂に加え得る。したがって、熱硬化性樹脂の硬化度合いが不均一になることが抑制され得る。こうして、熱硬化性樹脂が均一に硬化した被覆層12を有する光ファイバ1が製造され得る。
また、本実施形態の光ファイバ1の製造装置100は、光ファイバ裸線1Nの外径を測定する外径測定部110を備えており、制御部170は、この外径のデータに基づいて線速vを変化させる。したがって、線引炉101で線引きされる光ファイバ裸線の外径の変化に応じて線速vを適宜変えることができ、光ファイバ裸線1Nの外径を長手方向に沿ってより均一にすることができる。
また、本実施形態の光ファイバ1の製造方法及び製造装置100では、被覆層12の貯蔵弾性率及び損失弾性率が等しくなるように加熱炉140内の温度を変化させる。上述のように、熱硬化性樹脂の貯蔵弾性率と損失弾性率とが等しくなる時点は、熱硬化性樹脂の固体としての挙動が支配的になり始める時点であり、熱硬化性樹脂の架橋反応が十分に進行して、熱硬化性樹脂が十分に硬化した時点であると考えることができる。したがって、上記のように被覆層の貯蔵弾性率及び損失弾性率が等しくなるように加熱炉140内の温度Tを変化させることで、熱硬化性樹脂が均一に硬化しているだけでなく、固体としての挙動が支配的な被覆層が形成され得る。すなわち、硬化度合いが均一であるとともにブロッキングなどが生じにくい被覆層が形成され得る。
また、本実施形態の光ファイバ1の製造方法及び製造装置100では、加熱炉140は、当該加熱炉140内を通る光ファイバ裸線1Nの長手方向に沿って第1ヒータ141、第2ヒータ142、及び第3ヒータ143が並ぶ構成を有する。このような構成により、加熱炉に単一のヒータを設ける場合と比較して加熱炉内の温度分布を細かく調整し得る。
また、本実施形態の光ファイバ1の製造方法及び製造装置100では、加熱炉140のヒータのうち最上流に位置する第1ヒータ141の温度が最も高温にされる。このようにすることで、加熱炉140の上流側の温度を高温にすることができる。加熱炉140の上流側の温度が高温であれば、光ファイバ裸線1Nが加熱炉140に進入した初期の段階で光ファイバ裸線1N及び熱硬化性樹脂が当該熱硬化性樹脂の架橋温度に到達し得る。このため、第1ヒータ141の温度を他のヒータ142,143よりも高温にしない場合に比べて、架橋温度下における熱硬化性樹脂の硬化時間を長くすることができる。したがって、熱硬化性樹脂をより効果的に硬化させることができる
また、本実施形態の光ファイバ1の製造方法及び製造装置100では、最上流に位置する第1ヒータ141の温度のみを変化させる。この場合、他のヒータ142,143の温度を変化させないため、制御負荷や消費電力などを抑制することができる。ところで、熱硬化性樹脂の硬化度合いは、熱硬化性樹脂を架橋温度までいかに早く昇温させるかによって決まる傾向にある。このため、加熱炉140の最上流における温度変化が熱硬化性樹脂の硬化に影響を及ぼし易い。したがって、最上流のヒータ141の温度を変化させることによって、他のヒータ142,143の温度を変化させる場合に比べて、熱硬化性樹脂の硬化度合いを効果的に調整し得る。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図5を参照して説明する。図5は、本実施形態の製造装置200を図2と同様にして示す図である。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の製造装置200は、第1実施形態の製造装置100と概ね同じ構成を有しているが、加熱炉140の第1ヒータ141、第2ヒータ142、及び第3ヒータ143のすべてが制御部170に接続され、第1ヒータ141、第2ヒータ142、及び第3ヒータ143のそれぞれが制御部170によって制御される点において、第1実施形態の製造装置100と相違する。つまり、本実施形態では、線速vが変化した場合において、制御部170が第1ヒータ141、第2ヒータ142、及び第3ヒータ143の各温度を第1実施形態における第1ヒータの温度と同様に制御する。こうして、制御部170は、光ファイバ裸線1Nが線引炉101で線引きされる線速vの変化に応じて加熱炉140内の温度Tを変化させる。具体的には、制御部170は、光ファイバ裸線1Nの線速が速くなる場合に第1ヒータ141、第2ヒータ142、及び第3ヒータ143のそれぞれの温度を高くし、光ファイバ裸線1Nの線速が遅くなる場合に第1ヒータ141、第2ヒータ142、及び第3ヒータ143のそれぞれの温度を低くする制御を行う。このようにすることで、第1実施形態に比べて、より細やかに加熱炉140内の温度Tを制御し得る。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図6を参照して説明する。図6は、本実施形態の製造装置300を図2と同様にして示す図である。なお、上記実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の製造装置300は、第1実施形態の製造装置100と概ね同じ構成を有しているが、加熱炉140が上下方向に沿って2つ並べられる点において、加熱炉140が1つのみである第1実施形態の製造装置100と相違する。この製造装置300では、加熱炉140が2つ並べられるため、第1実施形態における上記式(3)は、
In(2L/v)=(a/T)+b・・・(4)
として表すことができる。
このような構成により、加熱炉が1つである第1実施形態と比べて、熱硬化性樹脂を加熱する時間を長くし得る。
なお、熱硬化性樹脂を加熱する時間を長くする観点から、加熱炉140を3つ以上並べてもよい。加熱炉140を3つ以上並べる場合、上記式(3)は、
In(NL/v)=(a/T)+b・・・(5)
ただし、N≧3
として表すことができる。
また、加熱炉を複数並べる場合、加熱炉の上下方向の長さがそれぞれ異なってもよい。この場合、例えば、加熱炉を2つ並べる場合において、各加熱炉の上下方向の全長をそれぞれLA、LBとすると、上記式(3)は、
In{(LA+LB)/v}=(a/T)+b・・・(6)
として表すことができる。
一方、製造装置100をコンパクトにする観点からは、加熱炉140が1つであることが好ましい。要するに、光ファイバ1の製造装置は、熱硬化性樹脂を加熱して熱硬化性樹脂の架橋反応を進行させる加熱炉を少なくとも1つ備えていればよい。
本実施形態では、制御部170は、それぞれの加熱炉140の温度を第1実施形態における加熱炉140の温度と同様に制御する。なお、制御部170は、上流側の加熱炉140の温度を下流側の加熱炉140の温度よりも高くする制御をしてもよい。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図7を参照して説明する。図7は、本実施形態の製造装置400を図2と同様にして示す図である。なお、上記実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の製造装置400は、第3実施形態の製造装置300と概ね同じ構成を有している。すなわち、加熱炉140が上下方向に沿って2つ並べられる点において、第3実施形態の製造装置300と同じ構成を有している。しかし、各加熱炉140が備えるヒータは、単一のヒータ441であり、このヒータ441に対応して1つの温度測定部144が配置される。各ヒータ441は、各加熱炉140の概ね上下方向の長さと同じ長さを有する。これらの点において、本実施形態の製造装置400は、第3実施形態の製造装置300と異なる。
また、本実施形態の製造装置400では、最上流に配置される加熱炉140のヒータ441が制御部170に接続されており、最上流に配置される加熱炉140のヒータ441のみが制御部170によって制御される。こうして、本実施形態の製造装置400では、複数の加熱炉140のうち最上流の加熱炉140の温度のみが変化する。
この場合、他の加熱炉140の温度を変化させないため、制御負荷や消費電力などを抑制することができる。ところで、熱硬化性樹脂の硬化度合いは、熱硬化性樹脂を架橋温度までいかに早く昇温させるかによって決まる傾向にある。このため、最上流の加熱炉140の温度変化が熱硬化性樹脂の硬化に影響を及ぼし易い。したがって、最上流の加熱炉140の温度を変化させることによって、他の加熱炉140の温度を変化させる場合に比べて、熱硬化性樹脂の硬化度合いを効果的に調整し得る。
なお、制御部170は、最上流に配置される加熱炉のヒータではなく、最下流に配置される加熱炉のヒータを制御してもよい。あるいは、制御部170は、2つの加熱炉のそれぞれのヒータを制御してもよい。
なお、本実施形態では、単一のヒータ441を備える加熱炉140を2つ並べた例を説明したが、単一のヒータ441を備える加熱炉140を1つ配置して製造装置を構成してもよいし、3つ以上配置して製造装置を構成してもよい。
本実施形態では、制御部170は、それぞれの加熱炉140の温度を第1実施形態における加熱炉140の温度と同様に制御する。具体的には、制御部170は、光ファイバ裸線1Nの線速が速くなる場合にヒータ441の温度を高くし、光ファイバ裸線1Nの線速が遅くなる場合にヒータ441の温度を低くする制御を行う。なお、制御部170は、上流側の加熱炉140の温度を下流側の加熱炉140の温度よりも高くする制御をしてもよい。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について図8及び図9を参照して説明する。図8は本実施形態の製造方法及び製造装置を用いて製造される光ファイバ5の長手方向に垂直な断面図であり、図9は本実施形態の製造装置500を図2と同様にして示す図である。なお、上記実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態の光ファイバ5は、コア10と、クラッド11と、クラッド11を被覆する第1被覆層51と、第1被覆層51を被覆する第2被覆層52と、を主な構成として備える。すなわち、本実施形態の光ファイバ5は、2層の被覆層を有する点において、1層の被覆層を有する上記光ファイバ1と異なる。第1被覆層51及び第2被覆層52はいずれも熱硬化性樹脂から形成されるが、これら熱硬化性樹脂の種類が相違している。
光ファイバ5は、このように2層の被覆層を有しており、例えば、増幅用光ファイバとして用いることができる。なお、光ファイバ5が増幅用光ファイバとされる場合、コア10には活性元素として例えば希土類元素が添加されてもよい。
このような光ファイバ5は、例えば図9に示す製造装置500によって製造することができる。図9に示すように、製造装置500は、図2に示す第1実施形態に係る製造装置100と概ね同様の構成を有する。しかし、製造装置500は、2つのコーティング部(第1コーティング部130A、第2コーティング部130B)と2つの加熱炉(第1加熱炉140A、第2加熱炉140B)とを備える点において、コーティング部及び加熱炉を各1つ備える製造装置100と主に相違する。
第1コーティング部130Aは、第2コーティング部130Bよりも上流側に配置されており、第1被覆層51を形成するための第1熱硬化性樹脂を有している。第2コーティング部130Bは、第1コーティング部130Aよりも下流側に配置されており、第2被覆層52を形成するための第2熱硬化性樹脂を有している。
第1加熱炉140Aは、第1コーティング部130Aと第2コーティング部130Bとの間に配置され、上記加熱炉140と同一の構成を有する。すなわち、第1加熱炉140Aは、第1ヒータ141、第2ヒータ142、及び第3ヒータ143と、第1温度測定部144、第2温度測定部145、及び第3温度測定部146とを備え、最上流に位置する第1ヒータ141のみが制御部170によって制御される。第2加熱炉140Bも、加熱炉140と同一の構成を有する。
このため、光ファイバ裸線1Nが第1コーティング部130A及び第1加熱炉140Aを通過することにより、光ファイバ裸線1Nの外周に第1熱硬化性樹脂からなる第1被覆層51が形成される。すなわち、線引炉101から引き出された光ファイバ裸線1Nに第1熱硬化性樹脂をコーティングするとともに、当該光ファイバ裸線1Nを第1加熱炉140Aに通して第1熱硬化性樹脂の架橋反応を進行させることによって第1被覆層51を形成する第1被覆層形成工程が行われる。そして、この第1被覆層形成工程では、制御部170によって第1実施形態と同様の制御が行われる。したがって、硬化度合いが均一であるとともにブロッキングなどが生じにくい第1被覆層51が光ファイバ裸線1Nの外周面に形成され得る。
また、第1被覆層51が形成された光ファイバ裸線1Nが第2コーティング部130B及び第2加熱炉140Bを通過することにより、第1被覆層51の外周に第2熱硬化性樹脂からなる第2被覆層52が形成される。すなわち、第1被覆層51が形成された光ファイバ裸線1Nに第2熱硬化性樹脂をコーティングするとともに、当該光ファイバ裸線1Nを第2加熱炉140Bに通して第2熱硬化性樹脂の架橋反応を進行させることによって第2被覆層52を形成する第2被覆層形成工程が行われる。そして、この第2被覆層形成工程では、制御部170によって第1実施形態と同様の制御が行われる。したがって、硬化度合いが均一であるとともにブロッキングなどが生じにくい第2被覆層52が第1被覆層51の外周面に形成され得る。また、上記のように第1被覆層51も硬化度合いが均一でありブロッキングが生じにくく形成されているため、第1被覆層51上に第2被覆層52を形成しても、第1被覆層51の硬化の不具合に起因する第2被覆層52の不具合を抑制することができる。
このような第1被覆層形成工程と第2被覆層形成工程とを経て、光ファイバ5が形成される。
なお、第1加熱炉140A及び第2加熱炉140Bは、第1実施形態の製造装置100における加熱炉140と同様にして、制御部170により制御される。なお、制御部170は、上流側の加熱炉140の温度を下流側の加熱炉140の温度よりも高くする制御をしてもよく、上流側の加熱炉140の温度を下流側の加熱炉140の温度よりも低くする制御をしてもよい。
なお、本実施形態の製造装置の構成はこれに限られない。例えば、第1実施形態の製造装置100における加熱炉140と、第2実施形態の製造装置200の加熱炉140とを1つずつ用いてもよいし、第4実施形態の製造装置400において、2つの加熱炉140の間に第2コーティング部130Bを配置してもよい。
また、本実施形態では、第1被覆層51と第2被覆層52とを形成するために2つのコーティング部130A,130Bを配置する例を説明したが、2層一括コーティングが可能なコーティング装置を用いてもよい。この場合、第1加熱炉140Aの上方に当該コーティング装置を配置することで、第1熱硬化性樹脂と第2熱硬化性樹脂とを一括コーティングできるため、第2加熱炉140Bを省略し得る。
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記第1から第5実施形態では、加熱時間tを貯蔵弾性率G´と損失弾性率G´´とが等しくなる時間t0に設定して、加熱炉内の温度Tを上記式(3)等に基づいて変化させる例を説明した。しかし、このような加熱時間tは、適宜変更することができる。例えば、被覆層に求められる貯蔵弾性率G´の要求値を動的粘弾性測定(DMA)等によって予め把握しておき、加熱時間tを上記要求値以上になるまでの時間t0´に設定して、例えば上記式(3)に基づいて加熱炉内の温度を変化させてもよい。あるいは、被覆層の貯蔵弾性率が300Pa程度以上であれば、熱硬化性樹脂からなる被覆層に上記ブロッキングが生じ難くなる傾向がある。また、被覆層の貯蔵弾性率が3000Pa程度以下であれば、被覆層が過度に滑り易くなることが抑制され、作業性の低下などを抑制することができる。したがって、これらの点に着目して、加熱時間tを被覆層の貯蔵弾性率G´が300Pa以上3000Pa以下となる期間内の所定の時間t0´´に設定して、例えば上記式(3)に基づいて加熱炉内の温度を変化させてもよい。
また、上記第1から第5実施形態では、加熱炉に含まれるヒータの数が1つ又は3つの例を説明したが、ヒータの数は適宜変更することができる。すなわち、ヒータの数は2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
また、上記第1から第5実施形態では、アレニウスの式に基づいて加熱炉内の温度を制御する例を説明したが、その他のアルゴリズムによって加熱炉内の温度を制御してもよい。
本発明によれば熱硬化性樹脂が均一に硬化した被覆層を有する光ファイバを製造し得る光ファイバの製造方法及び当該光ファイバの製造装置が提供され、例えばファイバレーザなどの分野において利用可能である。
1・・・光ファイバ
5・・・光ファイバ
10・・・コア
11・・・クラッド
12・・・被覆層
51・・・第1被覆層
52・・・第2被覆層
100,200,300,400,500・・・製造装置
101・・・線引炉
110・・・外径測定部
130・・・コーティング部
130A・・・第1コーティング部
130B・・・第2コーティング部
140・・・加熱炉
140A・・・第1加熱炉
140B・・・第2加熱炉
141・・・第1ヒータ
142・・・第2ヒータ
143・・・第3ヒータ
144・・・第1温度測定部
145・・・第2温度測定部
146・・・第3温度測定部
160・・・巻取部
170・・・制御部
441・・・ヒータ

Claims (17)

  1. 光ファイバ用母材を線引炉において線引きする線引工程と、
    前記線引炉で線引きされた光ファイバ裸線に熱硬化性樹脂をコーティングするとともに、当該光ファイバ裸線を少なくとも1つの加熱炉に通して前記熱硬化性樹脂を架橋反応させて被覆層を形成する被覆層形成工程と、
    備え、
    前記被覆層形成工程において、前記光ファイバ裸線が前記線引炉で線引きされる線速の変化に応じて前記加熱炉内の温度を変化させる
    ことを特徴とする光ファイバの製造方法。
  2. 前記加熱炉は、当該加熱炉内を通る前記光ファイバ裸線の長手方向に沿って複数のヒータが並ぶ構成を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
  3. 最上流に位置する前記ヒータの温度を最も高温にする
    ことを特徴とする請求項2に記載の光ファイバの製造方法。
  4. 最上流に位置する前記ヒータの温度のみを変化させる
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の光ファイバの製造方法。
  5. 少なくとも1つの前記加熱炉は複数の前記加熱炉である
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
  6. 最上流に位置する加熱炉の温度のみを変化させる
    ことを特徴とする請求項5に記載の光ファイバの製造方法。
  7. 前記被覆層の貯蔵弾性率が300Pa以上3000Pa以下になるように前記加熱炉内の温度を変化させる
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
  8. 前記被覆層の貯蔵弾性率及び損失弾性率が等しくなるように前記加熱炉内の温度を変化させる
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
  9. 前記加熱炉内の温度をT、前記線速をv、前記加熱炉を通る前記光ファイバ裸線の長手方向に沿った前記加熱炉の全長をLとしたときに、前記温度Tを下記式に基づいて変化させる
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
    In(L/v)=(a/T)+b
    ただし、上記式において、a及びbは前記熱硬化性樹脂の種類に応じて定まる定数である。
  10. 光ファイバ用母材を線引きする線引炉と、
    前記線引炉で線引きされた光ファイバ裸線に熱硬化性樹脂をコーティングするコーティング部と、
    前記光ファイバ裸線にコーティングされた前記熱硬化性樹脂を加熱して架橋反応させることによって被覆層を形成する少なくとも1つの加熱炉と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記光ファイバ裸線が前記線引炉で線引きされる線速の変化に応じて前記加熱炉内の温度を変化させる
    ことを特徴とする光ファイバの製造装置。
  11. 前記光ファイバ裸線の外径を測定する外径測定部をさらに備え、
    前記制御部は、前記外径のデータに基づいて前記線速を変化させる
    ことを特徴とする請求項10に記載の光ファイバの製造装置。
  12. 前記加熱炉は、当該加熱炉内を通る前記光ファイバ裸線の長手方向に沿って複数のヒータが並ぶ構成を有する
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載の光ファイバの製造装置。
  13. 前記制御部は、最上流に位置する前記ヒータの温度のみを変化させる
    ことを特徴とする請求項12に記載の光ファイバの製造装置。
  14. 少なくとも1つの前記加熱炉は複数の前記加熱炉である
    ことを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の光ファイバの製造装置。
  15. 前記制御部は、最上流に位置する前記加熱炉の温度のみを変化させる
    ことを特徴とする請求項14に記載の光ファイバの製造装置。
  16. 前記制御部は、前記被覆層の貯蔵弾性率及び損失弾性率が等しくなるように前記加熱炉内の温度を変化させる
    ことを特徴とする請求項10から15のいずれか1項に記載の光ファイバの製造装置。
  17. 前記制御部は、前記加熱炉内の温度をT、前記線速をv、前記加熱炉を通る前記光ファイバ裸線の長手方向に沿った前記加熱炉の全長をLとしたときに、前記温度Tを下記式に基づいて変化させる
    ことを特徴とする請求項10から16のいずれか1項に記載の光ファイバの製造装置。
    In(L/v)=(a/T)+b
    ただし、上記式において、a及びbは前記熱硬化性樹脂の種類に応じて定まる定数である。

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