以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態(第1実施形態)を、図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する固定枠としての外枠11を備えており、この外枠11の一側部に遊技盤取付枠としての内枠12が開閉可能に支持されている。尚、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される遊技部材(釘や役物等)、前枠としての前面枠14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠14が開閉可能に取付けられている。前面枠14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。尚、前面枠14は、内枠12を介してではなく、外枠11に直接開放可能に支持されるように構成してもよい。
前面枠14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1、図2に示すように、前面枠14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、下払出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した操作手段(発射操作手段)としての遊技球発射ハンドル(以下「ハンドル18」と称する)が設けられている。尚、ハンドル18には、回動可能に設けられた操作部としての回転操作体18aが設けられるとともに、図示されない位置において、ハンドル18に人手が触れたことを検知可能なタッチ検知手段としてのタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検知するための操作量検知手段としての可変抵抗器が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な停止操作手段としてのストップレバー18bが設けられている。当該ストップレバー18bを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
図2に示すように、下皿15の上方には、パチンコ機10の内部から上払出口17を介して遊技者に付与(払出)された遊技球を貯留可能な上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び下払出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19の上面側(貯留部の周辺部)には、貸出スイッチ121と、返却スイッチ122と、残高表示部124とが設けられている。遊技ホール等において、パチンコ機10の(左)側方に配置されるCRユニットに対して残高のある遊技カードが投入(挿入)された状態で貸出スイッチ121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却スイッチ122は、CRユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。また、残高表示部124では、CRユニットに挿入されているカードの残高がいくらあるのかが表示される。
さらに、上皿19の上面側には、球抜きボタン123が上下に出没可能に構成され、図示しない付勢手段によって常には上皿19上面から突出する側へと付勢されている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19と下皿15との間が開通し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内されるようになっている。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
加えて、上皿19の上面側には、演出操作手段としての演出ボタン125、及び、十字ボタン126が設けられている。演出ボタン125にはLEDが内蔵されているとともに、演出ボタン125、及び、十字ボタン126を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
また、前面枠14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、遊技状態の変化等に応じて発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12には、窓孔39の後側において、遊技盤30が樹脂ベース38の裏側に当接した状態で装着されている。従って、遊技盤30前面の略中央部分が窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60によって発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。さらに、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30(遊技領域)の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞装置31、可変入球手段としての第1可変入賞装置32a(第1可変入球手段)、及び、第2可変入賞装置32b(第2可変入球手段)、始動入球手段としての第1始動入賞装置33a(第1始動入球手段)、及び、第2始動入賞装置33b(第2始動入球手段)、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35等が配設されている。周知の通り、一般入賞装置31、可変入賞装置32a、32b、始動入賞装置33a、33b等の各種入賞装置に遊技球が入球(入賞)すると、各種検知スイッチにより検知され、上皿19又は下皿15へ所定数の賞球が払い出される。
本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの入球があった場合には3個、一般入賞装置31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32a、32bへの入球があった場合には10個の遊技球が払出されるように構成されている。また、遊技領域において遊技球が通過するだけの(遊技盤30の裏面側に排出されることのない)スルーゲート34に遊技球が通過しても、遊技球の払出しは行われない。加えて、第1始動入賞装置33a、一般入賞装置31、及び、スルーゲート34には、遊技領域を移動する遊技球が常に入球可能、又は、通過可能に構成されているのに対し、第2始動入賞装置33b、及び、可変入賞装置32a、32bに関しては、遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態とに状態変化するように構成されている。
尚、詳しくは後述するが、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33bには、それぞれ入賞した遊技球を検知する条件成立検知手段、始動入球検知手段としての第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合には、第1可変入賞装置32a、及び、第2可変入賞装置32bが開放される特別遊技状態としての大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選等が行われるとともに、後述する特別表示装置43a、43b、及び、装飾図柄表示装置42にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態が付与されることとなる。
その他に、遊技盤30には、遊技領域の最下部に対応してアウト口36が設けられており、一般入賞装置31等の各種入賞装置に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘(遊技釘)が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技領域の略中央部には、可変表示装置ユニット35が配設されている。可変表示装置ユニット35には、後述する装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には左右一対の入球口151が設けられており、該入球口151を介してセンターフレーム47の内部に入球した遊技球は、装飾図柄表示装置42の左右側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。加えて、ポケット154は、第1始動入賞装置33aの直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で、後述する第1始動入賞装置33aに入球するようになっている。
可変表示装置ユニット35の下方位置には、第1始動入賞装置33aが配設されている。第1始動入賞装置33aは、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口(始動入賞口)が開口している。尚、本実施形態の第1始動入賞装置33aには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球し易さを変化させるような構成(開閉部材等)は設けられていない。
第1始動入賞装置33aの右下方位置には、第1可変入賞装置32aが設けられている。本実施形態の第1可変入賞装置32aは、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な第1特定領域141aと、第1特定領域141aへの入口となる第1入球開口部142a(大入賞口)を開閉させる第1開閉部材143a(シャッタ)と、第1開閉部材143aを開閉動作させる図示しないソレノイドとを備え、当該ソレノイドを(後述の主制御装置261が)駆動制御し、第1開閉部材143aを開閉させることで、第1可変入賞装置32aを閉状態と開状態とに切替えている。第1可変入賞装置32aは、通常は遊技球が入球できない閉状態になっており、対応する大当たり状態の際に、遊技球が入球可能な開状態とされる。
尚、本実施形態の第1可変入賞装置32aは上方に開口する(上面側に第1入球開口部142aが設けられる)構成となっており、第1入球開口部142aの前後の幅は遊技球の直径よりも広く、第1入球開口部142aの左右の幅は遊技球の直径の3倍よりも広く構成されている。さらに、第1開閉部材143aは、略矩形板状をなすとともに、遊技領域に突出して第1入球開口部142aを塞ぐ閉位置と、遊技盤30側に引き込むことで遊技領域から退避して第1入球開口部142aを開放する開位置との間を前後にスライド変位可能に構成されている。つまり、第1開閉部材143aが開位置となることで第1可変入賞装置32aが開状態とされ、第1開閉部材143aが閉位置となることで第1可変入賞装置32aが閉状態とされる。
また、閉位置にある第1開閉部材143aの上面は、左方(遊技領域の横幅方向中央部側)に向けて下方傾斜している。このため、第1可変入賞装置32aの閉状態において、第1開閉部材143aに遊技球が載置されたとしても、該遊技球が第1開閉部材143aの上に停留することはなく、遊技領域の下流側に案内される。
さらに、第1可変入賞装置32aは、第1特定領域141aに入球した全ての遊技球を検知可能な前検知手段としての第1入球カウントスイッチ226aと、第1特定領域141aに入球し、第1入球カウントスイッチ226aに検知された遊技球が入球可能な特別領域としての第1特別入球部145a、及び、第1非特別入球部146aと、第1特別入球部145aに入球した遊技球を検知する到達検知手段としての第1特別入球検知スイッチ223aと、第1非特別入球部146aに入球した遊技球を検知する第1非特別入球検知スイッチ222aと、第1入球カウントスイッチ226aに検知された遊技球を第1特別入球部145a、又は、第1非特別入球部146aのうち一方に案内する切替手段、影響手段としての第1振分け装置149aとを備えている。尚、第1特別入球検知スイッチ223a、及び、第1非特別入球検知スイッチ222aにより排出検知手段が構成される。
第1振分け装置149aは、第1特別入球部145aへの入球を規制する閉位置(規制状態)と、第1特別入球部145aへの入球を許容する開位置(許容状態)との間を前後にスライド変位可能に構成されている。つまり、第1特定領域141aに入球した遊技球が第1振分け装置149aへ到達した際に第1振分け装置149aが開位置にあれば、当該遊技球が第1特別入球部145aに入球し、第1振分け装置149aが閉位置にあれば、当該遊技球が第1非特別入球部146aに入球することとなる。第1振分け装置149aは、後述の主制御装置261が駆動制御する。さらに、詳しくは後述するが、本実施形態では、大当たり状態において、第1可変入賞装置32aの第1特別入球部145aに遊技球が3つ以上入球して、第1特別入球検知スイッチ223aによる3回以上の検知が行われた場合に、後述する確変モードが付与されるようになっている。
加えて、本実施形態では、基本的には、遊技球が第1可変入賞装置32aの第1入球開口部142aに入球してから第1特別入球検知スイッチ223aに検知されるまでに約0.5秒程要するようになっている。
また、本実施形態では、遊技領域に設けられた遊技釘等の配置により、遊技球を第1始動入賞装置32aへ入球させる場合には、当該遊技球を、遊技領域のうち可変表示装置ユニット35の左側方に位置する領域(左側方領域)に通過させる(左打ちする)必要があり、可変表示装置ユニット35の右側方に位置する領域(右側方領域)に通過させても(右打ちしても)、第1始動入賞装置32aには入球させることができないようになっている。その一方で、遊技球を第1可変入賞装置32aへ入球させる場合には、当該遊技球を右側方領域に通過させる必要があり、左側方領域に通過させても、第1可変入賞装置32aにはほぼ入球させることができないようになっている。
右側方領域の下部において、第1可変入賞装置32aの右上方位置には、第2始動入賞装置33bが設けられている。第2始動入賞装置33bは、遊技球が入球可能な入賞口(始動入賞口)の左右両側に隣接して、回動変位可能に設けられた一対の羽根部材37を備えている。本実施形態では、羽根部材37が上下に延びる閉位置とされている場合には、一対の羽根部材37の先端部と、遊技釘との間に遊技球が通過する余地がなく、第2始動入賞装置33bは、遊技球を入球させることが不可能な閉状態となっている。一方、羽根部材37が外側に開く開位置に変化することで、第2始動入賞装置33bは、羽根部材37と遊技釘との間に遊技球が通過する隙間が確保されて遊技球の入球が許容されるとともに、羽根部材37によって第2始動入賞装置33bの始動入賞口の側方を移動する遊技球が始動入賞口へと案内される(遊技球が入球し易くなる)開状態となる。
右側方領域の上部において、第2始動入賞装置33bの上方位置には、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能なスルーゲート34が設けられている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えている。尚、本実施形態では、左側方領域には、スルーゲート34が設けられていない。
また、スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合に、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選(開放抽選)が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて当該入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球サポート抽選にて当選した場合には、当該変動表示の終了後に第2始動入賞装置33bが規定時間だけ開状態とされる。
本実施形態では、当否抽選にて所定の確率で大当たりに当選する「低確率状態」と、当否抽選にて低確率状態よりも高確率で大当たりに当選する「高確率状態」とがある。さらに、第2始動入賞装置33bの羽根部材37が比較的頻繁に開放され、遊技球を第2始動入賞装置33bへ入球させ易くなる第2入球状態としての「高入球状態」と、高入球状態よりも羽根部材37が開放される時間帯が減少する第1入球状態としての「低入球状態」とがある。以下、当否抽選が行われる通常遊技状態のうち、低確率状態かつ低入球状態である状態を「通常モード」と称し、低確率状態かつ高入球状態である状態を「時間短縮モード(或いは、時短モード)」と称し、高確率状態かつ高入球状態である状態を「確変モード」と称する。尚、これらの遊技モードの他に、高確率状態、かつ、低入球状態である状態(潜確モード)を設けることも可能である。
尚、高入球状態としては、例えば、(1)普通図柄表示装置41における変動表示時間が低入球状態時よりも短い状態、(2)第2始動入賞装置33bの一回の開放時間(規定時間)が低入球状態時に比べて長い状態、(3)第2始動入賞装置33bの一回の開放につき入球可能となる遊技球の規定個数が低入球状態時に比べて多い状態、(4)入球サポート抽選の当選一回当たりの第2始動入賞装置33bの開放回数が低入球状態時に比べて多い状態、(5)入球サポート抽選の当選確率が低入球状態時よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高入球状態は、上記(1)、(2)、(4)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高入球状態」として、構成(1)〜(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)〜(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、第2始動入賞装置33bに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、当否抽選の実行される回数が増えると共に、遊技者の持ち球の減少が抑制される球持ちのよい状態となる。
さらに、本実施形態では、通常モード、及び、確変モードは、大当たり状態が発生するまで継続されるのに対し、時間短縮モードは大当たり状態が発生しなくても特別表示装置43a、43bにおける変動表示が予め設定された規定回数(本例では、100回)行われると終了し、通常モードに移行する構成となっている。
センターフレーム47の右下部において、第2始動入賞装置33bの上方、かつ、スルーゲート34の下方の位置には、第2可変入賞装置32bが設けられている。本実施形態の第2可変入賞装置32bは、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な第2特定領域141bと、第2特定領域141bへの入口となる第2入球開口部142b(大入賞口)を開閉させる第2開閉部材143bと、第2開閉部材143bを開閉動作させる図示しないソレノイドとを備え、当該ソレノイドを(後述の主制御装置261により)駆動制御し、第2開閉部材143bを開閉させることで、第2可変入賞装置32bを閉状態と開状態とに切替えている。第2可変入賞装置32bは、通常は遊技球が入球できない閉状態になっており、対応する大当たり状態の際に、遊技球が入球可能な開状態とされる。
尚、本実施形態の第2開閉部材143bは、第2入球開口部142bの下部において前後方向に延びる軸部(図示略)を中心として回動可能に軸支されており、第2可変入賞装置32bの閉状態では、第2開閉部材143bが上下に延びて第2入球開口部142bを閉塞する。一方、第2可変入賞装置32bの開状態では、第2開閉部材143bが右方に開き(上面が右方に向けて若干上方傾斜している)、第2可変入賞装置32bの右方に流下してきた遊技球を第2開閉部材143bの裏面(上面)で受けて第2入球開口部142bへと案内するようになっている。
さらに、第2可変入賞装置32bは、第2特定領域141bに入球した全ての遊技球を検知可能な第2入球カウントスイッチ226bと、第2特定領域141bに入球し、第2入球カウントスイッチ226bに検知された遊技球が入球可能な特別領域としての第2特別入球部145b、及び、第2非特別入球部146bと、第2特別入球部145bに入球した遊技球を検知する第2特別入球検知スイッチ223bと、第2非特別入球部146bに入球した遊技球を検知する第2非特別入球検知スイッチ222bと、第2入球カウントスイッチ226bに検知された遊技球を第2特別入球部145b、又は、第2非特別入球部146bのうち一方に案内する第2振分け装置149bとを備えている。
第2振分け装置149bは、第2特別入球部145bへの入球を規制する閉位置(規制状態)と、第2特別入球部145bへの入球を許容する開位置(許容状態)との間を前後にスライド変位可能に構成されている。つまり、第2特定領域141bに入球した遊技球が第2振分け装置149bへ到達した際に第2振分け装置149bが開位置にあれば、当該遊技球が第2特別入球部145bに入球し、第2振分け装置149bが閉位置にあれば、当該遊技球が第2非特別入球部146bに入球することとなる。第2振分け装置149bは、後述の主制御装置261が駆動制御する。さらに、詳しくは後述するが、本実施形態では、大当たり状態において、第2可変入賞装置32bの第2特別入球部145bに遊技球が1つ以上入球して、第2特別入球検知スイッチ223bによる1回以上の検知が行われた場合に、確変モードが付与されるようになっている。
また、本実施形態の大当たり種別としては、13ラウンド確変大当たり(以下「13RS」と言う)と、8ラウンド確変大当たり(以下「8RS」と言う)と、8ラウンド通常大当たり(以下「8RN」と言う)とがある。「13RS」に関しては、第1可変入賞装置32a、又は、第2可変入賞装置32bが、28秒間、或いは、1.8秒間開状態とされること、又は、第1可変入賞装置32a、又は、第2可変入賞装置32bに8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、それが13回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。
特に、図47に示すように、本実施形態の「13RS」には、第1ラウンド、及び、第3〜第13ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で28秒間開状態とされ、第2ラウンドにおいて第2可変入賞装置32bが最長で28秒間開状態とされるパターンである「13RS−1」と、第1,3,5,7,9,11ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で28秒間開状態とされ、第2,4,6,8,10,12ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で1.8秒間開状態とされ、第13ラウンドにおいて第2可変入賞装置32bが最長で28秒間開状態とされるパターンである「13RS−2」と、第1,3,5,7,9,11ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で28秒間開状態とされ、第4,6,8,10,12ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で1.8秒間開状態とされ、第2ラウンドにおいて第2可変入賞装置32bが最長で1.8秒間開状態とされ、第13ラウンドにおいて第2可変入賞装置32bが最長で28秒間開状態とされるパターンである「13RS−3」とが設けられている。
本実施形態では、第2可変入賞装置32bが28秒間開状態とされるラウンドの間は、第2振分け装置149bについても開位置とされる構成となっており、遊技球を遊技領域の右側方領域に打ち出していれば(右打ちしていれば)、当該ラウンドにおいてほぼ確実に遊技球を第2可変入賞装置32bの第2特別入球部145bに入球させることができ、大当たり状態終了後には、確変モードが付与される。
また、可変入賞装置32a、32bが1.8秒間開状態とされるラウンドでは、該可変入賞装置32a、32bに遊技球が1つ入球するかどうかの遊技性であり、たまに2つ入球したり、ごく稀に3つが入球したりすることは考えられるものの、遊技者が獲得する遊技球(遊技価値)を増やす点については、あまり望めない。このため、「13RS−2」及び「13RS−3」は、「13RS−1」に比べ、獲得できる遊技価値の数は少ない(遊技球の増加が見込めるラウンドは実質7ラウンドである)ものの、第13ラウンドにおいて第2可変入賞装置32bが28秒間開状態とされることから、実質的に大当たり状態終了後に確変モードが付与されるようになっている。
「8RS」に関しては、第1可変入賞装置32a、又は、第2可変入賞装置32bが28秒間開状態とされること、或いは、第1可変入賞装置32aが1.8秒間開状態とされてから1秒間閉状態とされた後に28秒間開状態とされること、若しくは、第1可変入賞装置32a、又は、第2可変入賞装置32bに8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、それが8回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。
特に、図48に示すように、本実施形態の「8RS」には、第1,7ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で28秒間開状態とされ、第2〜第6ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で1.8秒間開状態とされてから1秒間閉状態とされた後28秒間開状態とされ、第8ラウンドにおいて第2可変入賞装置32bが最長で28秒間開状態とされるパターンである「8RS−1」と、第1,6,7ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で28秒間開状態とされ、第2〜第5ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で1.8秒間開状態とされてから1秒間閉状態とされた後28秒間開状態とされ、第8ラウンドにおいて第2可変入賞装置32bが最長で28秒間開状態とされるパターンである「8RS−2」とが設けられている。「8RS」についても、第8ラウンドにおいて遊技球を第2可変入賞装置32bの第2特別入球部145bに入球させることができ、大当たり状態終了後には、「確変モード」が付与されるようになっている。
「8RN」に関しては、第1可変入賞装置32aが28秒間開状態とされること、第1可変入賞装置32aが1.8秒間開状態とされてから1秒間閉状態とされた後に28秒間開状態とされること、若しくは、第1可変入賞装置32aに8個の遊技球が入球することを1ラウンドとして、それが8回繰り返されてから、大当たり状態が終了する。
特に、図49に示すように、本実施形態の「8RN」には、第1,7,8ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で28秒間開状態とされ、第2〜第6ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で1.8秒間開状態とされてから1秒間閉状態とされた後28秒間開状態とされるパターンである「8RN−1」と、第1,6〜8ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で28秒間開状態とされ、第2〜第5ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で1.8秒間開状態とされてから1秒間閉状態とされた後28秒間開状態とされるパターンである「8RN−2」と、第1,3,7,8ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で28秒間開状態とされ、第2,4〜6ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で1.8秒間開状態とされてから1秒間閉状態とされた後28秒間開状態とされるパターンである「8RN−3」と、第1,4,7,8ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で28秒間開状態とされ、第2,3,5,6ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で1.8秒間開状態とされてから1秒間閉状態とされた後28秒間開状態とされるパターンである「8RN−4」と、第1,5,6,8ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で28秒間開状態とされ、第2〜4,7ラウンドにおいて第1可変入賞装置32aが最長で1.8秒間開状態とされてから1秒間閉状態とされた後28秒間開状態とされるパターンである「8RN−5」とが設けられている。
「8RN」については、第2可変入賞装置32bが開状態とされる機会がない。その一方で、本実施形態では、「8RN」の大当たり状態において、第1可変入賞装置32aが1.8秒間開状態とされる間は、第1振分け装置149aが開位置とされるようになっている。「8RN−1」では、第1可変入賞装置32aが1.8秒間開状態とされる機会が5回あり、「8RN−2」〜「8RN−5」では、第1可変入賞装置32aが1.8秒間開状態とされる機会が4回ある。さらに、本実施形態では、「8RN」の大当たり状態において、第1特別入球検知スイッチ223aの検知が3回以上行われた場合に、大当たり状態終了後に確変モードが付与される構成となっている。第1可変入賞装置32bが1.8秒間開状態とされる1回の機会において3つの遊技球を第1特別入球検知スイッチ223aに検知させなくてもよく、大当たり状態の開始から終了までの間に(第1可変入賞装置32bが1.8秒間開状態とされる最後の機会の終了までに)3つの遊技球を第1特別入球検知スイッチ223aに検知させることができれば、確変モードの権利を得ることができる。
以上の構成により、「8RN」の大当たり状態では、第1可変入賞装置32aが28秒間開状態とされている間は、ラウンドの上限まで遊技球をしっかりと入球させつつ、第1可変入賞装置32aが1.8秒間開状態とされる機会を狙って遊技球を第1可変入賞装置32a、ひいては、第1特別入球部145aに3回入球させることを目標として大当たり状態を進行させることとなる。尚、遊技球を第1可変入賞装置32aに入球させてから第1特別入球検知スイッチ223aに検知させるまでに約0.5秒ほどかかることから、第1開閉部材143aの開放直後〜1.3秒経過するまでが実質的に遊技球を第1可変入賞装置32aに入球させて第1特別入球検知スイッチ223aに検知させるチャンスとなる。また、遊技球は発射装置60により0.6秒毎に発射可能であり、第1可変入賞装置32bが1.8秒間開状態とされる1回の機会において複数の遊技球を特別入球部146aに入球させる可能性もある。「8RN」の大当たり状態において第1特別入球検知スイッチ223aの検知回数が3回未満だった場合には、大当たり状態終了後に「時間短縮モード」が付与されるようになっている。尚、「13RS」及び「8RS」の大当たり状態では、第2特別入球検知スイッチ223bの検知が1回行われるだけで、大当たり状態終了後に「確変モード」が付与されることとなるが、「13RS」及び「8RS」の大当たり状態であっても、第2特別入球検知スイッチ223bの検知が1回も行われなかった場合には、大当たり状態終了後に「時間短縮モード」が付与される。
図4に示すように、略楕円形状の遊技領域の右上部に隣接して、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示(結果教示表示)が行われる特別表示手段、抽選結果教示手段としての第1特別表示装置43aと、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示(結果教示表示)が行われる特別表示手段、抽選結果教示手段としての第2特別表示装置43bと、特別表示装置43a、43bにおける変動表示中に始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球があった場合に、当該入球に対応する変動表示を保留記憶したことを示す保留表示手段としての第1保留表示装置46a及び第2保留表示装置46bと、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる普通表示手段としての普通図柄表示装置41と、普通図柄表示装置41における変動表示中にスルーゲート34への遊技球の通過があった場合に、当該通過に対応する変動表示を保留記憶したことを示す普通保留表示装置44とが、パチンコ機10の前方から視認可能に設けられている。本実施形態では、第1特別表示装置43a、第2特別表示装置43b、第1保留表示装置46a、第2保留表示装置46b、普通図柄表示装置41、及び、普通保留表示装置44は、後述する主制御手段としての主制御装置261により直接的に表示制御される。
第1特別表示装置43aは、4個のLED(第1特図ランプ)により構成されている。そして、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として、第1特別表示装置43aにて第1特図ランプの切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。
第2特別表示装置43bは、4個のLED(第2特図ランプ)により構成されている。そして、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43bにて第2特図ランプの切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。
また、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにて変動表示が所定時間行われた後、当否抽選の結果に基づいて、変動表示が停止されることとなる。つまり、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している特図ランプの組合せ)と、当否抽選の各種結果とが対応付けられており、変動表示が停止したときの点灯態様により、当否抽選の結果、すなわち、「大当たり」、又は、「外れ」であることが確定的に表示されるようになっている。
さらに、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおいては、停止させる点灯態様(停止態様)によって、大当たり種別、すなわち、「13RS」、「8RS」、及び、「8RN」のうちいずれであるかについても教示される。また、各種大当たり種別や、外れであることをそれぞれ教示する第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの停止態様は1つではなく複数存在し、それらのいずれかが選択されて停止表示される。
尚、図43に示すように、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として行われる当否抽選では、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として行われる当否抽選に比べ、大当たり状態に当選した場合に「13RS」及び「8RS」に振り分けられる割合が高くなっている上、「8RN」に当選した場合でも、比較的遊技球を第1特別入球検知スイッチ223aに3回以上検知させ易くなる「8RN−1」に振り分けられる割合が高くなっている。
また、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにおける停止表示は規定時間維持されるように構成されており、規定時間経過後(変動インターバル後)に次の変動表示を開始可能に構成されている。さらに、第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43bにおける停止表示後、規定時間が経過しても、次の変動表示が行われない場合には、当該第1特別表示装置43a又は第2特別表示装置43bにおいて、当否抽選の結果を示す点灯態様から、変動表示が行われていない待機状態であることを示す点灯態様へと切替えられるように構成されている。尚、当否抽選の結果を示す点灯態様がそのまま維持される構成としてもよい。
第1保留表示装置46a及び第2保留表示装置46bは、それぞれ2個のLED(第1保留ランプ、第2保留ランプ)によって構成されている。本実施形態では、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第1変動表示」と称する)を4回分まで保留記憶可能に構成されている。さらに、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく変動表示(以下、「第2変動表示」と称する)についても4回分まで保留記憶可能に構成されている。
また、例えば、第1変動表示が1回分保留されている場合には、左側(遊技領域内周側)の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が2回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が3回分保留されている場合には、左側の第1保留ランプが点滅するとともに、右側の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が4回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプが点滅する。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞装置33a、33bに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
本実施形態では、保留された変動表示は、基本的に、保留された順番で消化されるのであるが、第1変動表示及び第2変動表示の両方が保留されている場合には、第2変動表示が優先的に消化されるようになっている。すなわち、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする第2変動表示が全て消化された状態でなければ、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプが1つ点灯している状態において、第2始動入賞装置33bに遊技球が入球し、第2保留ランプが1つ点灯した場合、第1変動表示が後回しにされ、先に第2変動表示が行われることとなる。
普通図柄表示装置41は、2個のLED(普図ランプ)により構成されている。そして、普通図柄表示装置41では、スルーゲート34への遊技球の通過を契機として、例えば、右側(遊技領域外周側)の普図ランプが点滅表示される(変動表示される)構成となっている。また、普通図柄表示装置41にて変動表示が所定時間行われた後、入球サポート抽選の結果に基づいて、変動表示を停止させる。つまり、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している普図ランプの組合せ)と、入球サポート抽選の各種結果とが対応付けられており、変動表示が停止したときの点灯態様により、入球サポート抽選の結果が確定的に表示される。例えば、左右の普図ランプを両方とも点灯させることで「当選」を示し、左側の普図ランプのみを点灯させることで「外れ」を示す。
普通保留表示装置44は、2個のLED(普通保留ランプ)により構成されている。本実施形態では、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる普通図柄表示装置41の変動表示を4回分まで保留記憶可能に構成されている。例えば、普通図柄表示装置41の変動表示が1回分保留されている場合には、左側(遊技領域内周側)の普通保留ランプが点灯し、2回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプが点灯し、3回分保留されている場合には、左側の普通保留ランプが点滅するとともに、右側の普通保留ランプが点灯し、4回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプが点滅する。尚、大当たり状態中に新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合、その分の変動表示についても保留される。
また、可変表示装置ユニット35には、液晶表示装置によって構成され、装飾図柄を表示可能な演出表示手段としての装飾図柄表示装置42が設けられている。装飾図柄表示装置42は、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bによる変動表示に合わせて、演出として装飾図柄を変動表示させるように構成されている。以下、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示のことを「演出変動表示」とも称し、当該演出変動表示が教示対応演出に相当する。さらに、装飾図柄表示装置42は、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、当該決定に基づき、表示制御装置45によって表示が行われる。
図41に示すように、装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中、下の3つの図柄表示領域(上図柄表示領域、中図柄表示領域、下図柄表示領域)が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(例えば1〜9の数字が付された数字図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たり状態の発生が確定すると、第1又は第2特別表示装置43a、43bにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合せで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域において所定の有効ライン上に同一の装飾図柄が並ぶようにして停止表示され)、大当たり状態が開始される。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合せで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が所定の有効ライン上に停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて所定の有効ライン上に同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。勿論、リーチ状態が発生したからといって必ずしも大当たりとなるわけではなく、外れる場合もある。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が同じ有効ライン上に停止表示された場合(ゾロ目が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。また、装飾図柄の数字柄が奇数のゾロ目となる場合には、「13RS」、又は、「8RS」が発生し、偶数のゾロ目となる場合には、「13RS」、「8RS」、又は、「8RN」のいずれかが発生し、「7」のゾロ目となる場合には、「13RS」が発生する。
尚、本実施形態では、滞在している遊技モードを教示又は示唆する演出として、装飾図柄表示装置42において(背景等が異なる)複数の演出ステージが用意されている。より具体的には、確変モードに滞在していることが確定する「確変ステージ」と、通常モードに滞在していることが確定する「通常ステージ」と、時間短縮モードに滞在している「引き戻しステージ」とがある。つまり、「13RS」、及び、「8RS」に当選した場合には、その大当たり状態終了後に「確変ステージ」に移行する。また、「8RN」に当選した場合には、その大当たり状態終了後に「引き戻しステージ」に移行する。さらに、引き戻しステージにおいて変動表示が100回行われた場合には、「通常ステージ」に移行する。尚、「8RS」に当選した場合において確変モードが付与されることを教示せず、引き戻しステージに移行する場合もあるように構成してもよい(確変モードで引き戻しステージにおいて変動表示が100回行われた場合に、確変モードであることを教示するようにしてもよい)。
また、本実施形態では、始動入賞装置33a、33bへの遊技球の入球に基づいて行われる変動表示が保留されていること(変動表示を実行させる権利を得ていること)が、装飾図柄表示装置42においても教示されるようになっている。本実施形態では、装飾図柄表示装置42の下部(保留表示エリア462)において、変動表示が保留記憶されていることを示す保留アイコン461が表示されるようになっている。
左側方領域の下部には、遊技領域の周縁部に沿って一般入賞装置31が配設されている。一般入賞装置31は、遊技盤30の前面部から前方へ突出し、その上側に遊技球が常時入賞可能な入賞口が開口している。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の下払出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
さらに、上皿19と、球送り装置63との間を連通させ、上皿19に貯留された遊技球を球送り装置63へと案内する発射球通路74が設けられている。加えて、発射球通路74(上皿19の下流部でも可)には、下皿連通路71と連通する連通孔(図示略)が形成されるとともに、当該連通孔を開閉させる第1シャッタ(図示略)が設けられている。第1シャッタは、図示しない付勢手段によって常には連通孔を閉鎖する閉位置側へと付勢されている。さらに、第1シャッタは、球抜きボタン123と連動し、球抜きボタン123が押圧操作された場合には、連通孔を開口させる開位置へと変位するように構成されている。
また、図2に示すように、下皿15には、下皿15に貯留されている遊技球をパチンコ機10の外部へと排出可能な排出口15aが形成されるとともに、当該排出口15aを開閉させる第2シャッタ15bが設けられている。第2シャッタ15bは、図示しない付勢手段によって常には排出口15aを閉鎖する閉位置側へと付勢されている。さらに、第2シャッタ15bは、球抜きレバー25と連動するように構成されており(例えば、連結、又は、一体形成されており)、球抜きレバー25が(左側へ)押圧操作された場合には、排出口15aを開口させる開位置へと変位するように構成されている。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、装飾図柄表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞装置31、可変入賞装置32a、32b、及び、始動入賞装置33a、33b等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞装置に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10の外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、一般入賞装置31等の各種入賞装置に対応して、当該各種入賞装置へ入球した遊技球を検知する入球検知スイッチが設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞装置31に対応する位置には一般入賞スイッチ221が設けられ、第1可変入賞装置32aには、第1入球カウントスイッチ226a、第1特別入球検知スイッチ223a、及び、第1非特別入球検知スイッチ222aが設けられ、第2可変入賞装置32bには、台2入球カウントスイッチ226b、第2特別入球検知スイッチ223b、及び、第2非特別入球検知スイッチ222bが設けられている。また、第1始動入賞装置33a、及び、第2始動入賞装置33bには、第1始動入賞スイッチ224a、及び、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、一般入賞スイッチ221、入球カウントスイッチ226a,226b、特別入球検知スイッチ223a,223b、非特別入球検知スイッチ222a,222b、及び、スルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、一般入賞スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検知スイッチにて各々検知された検知結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検知された場合を除く)。
この他、図示は省略するが、遊技盤30の裏面には、可変入賞装置32a、32bの大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドや、振分け装置149a,149bのソレノイドや、第2始動入賞装置33bの羽根部材37を開閉させるソレノイド等が設けられている。さらに、裏枠セット215には、これらソレノイドやモータと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(変動表示の開始、大当たり状態の開始、確変モードの開始、確変モードの継続等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91、92によって検知される前面枠14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。また、本実施形態では外部端子板240において、(大当たり状態中は)第1特別入球部145a、及び、第2特別入球部145bの検知情報を出力する端子も設けられている。尚、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)、第1可変入賞装置32a(第1開閉部材143a)、第2可変入賞装置32b(第2開閉部材143b)、第1振分け装置149a、及び、第2振分け装置149bの状態を示す情報や等を出力するための端子を備えることとしてもよい。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞装置31等の各入賞装置に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞装置にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、電源・発射制御装置310、払出制御装置311、及び、CRユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。電源・発射制御装置310は、発射制御回路312と、電源回路313とを備え、基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(電源・発射制御装置310)の背面側に固定されている。払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、CRユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(電源・発射制御装置310)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源回路313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠14の閉鎖時において検知部が前面枠14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御手段としての主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても、電源回路313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43a、43b、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43a、43b、及び、普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、一般入賞スイッチ221、特別入球検知スイッチ223a,223b、非特別入球検知スイッチ222a,222b、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225、入球カウントスイッチ226a、226b等の各種検知スイッチや、保留表示装置46a、46b、普通保留表示装置44等の情報表示装置や、電源・発射制御装置310、払出制御装置311、サブ制御装置262等の各種基板や、可変入賞装置32a、32bを開閉させるためのソレノイド、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)を開閉させるためのモータ等の各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、十字ボタン126、環状電飾部102、及び、エラー表示ランプ104等が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43a、43bにて大当たりに当選したことを教示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、特別表示装置43a、43bにおける特別図柄の変動表示に合わせて、演出表示として装飾図柄の変動表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源回路313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、電源・発射制御装置310(発射制御回路312)、払出装置358、CRユニット接続基板314等がそれぞれ接続されている。
CRユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(貸出スイッチ121及び返却スイッチ122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるCRユニット(カードリーダーユニット、球貸しユニット)と、払出制御装置311とにそれぞれ電気的に接続されている。そして、遊技者による貸球操作部、又は、CRユニットへの球貸し操作に関する情報がCRユニットに入力され、かつ、CRユニットに挿入されている記録媒体であるカードに遊技価値の残高が記憶されている場合には、カードの残高が減算されるとともに、減算に対応する数の遊技球の払出要求信号が払出制御装置311に出力される。なお、CRユニットの記録媒体は、カードタイプに限定されず、コインタイプやスティックタイプのものであってもよい。
また、払出制御装置311は、CRユニット接続基板314と、CRユニットとが電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を電源・発射制御装置310の発射制御回路312に対して定期的(例えば、2msec毎)に出力するように構成されている。
電源・発射制御装置310の発射制御回路312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものである。発射制御回路312には、ハンドル18、払出制御装置311、主制御装置261が電気的に接続されている。また、発射制御回路312は、ハンドル18から、ハンドル18(回転操作体18a)の回動操作量(回転角度)を示す可変抵抗器からのダイヤル位置信号と、遊技者がハンドル18をタッチしていることを示すタッチセンサからのタッチ信号と、遊技者がストップレバー18bを操作していないことを示す発射スイッチ信号とを入力可能に構成されている。さらに、発射制御回路312は、払出制御装置311から、CRユニット接続基板314と、CRユニットとが電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を入力可能に構成されている。
そして、発射制御回路312は、タッチ信号、発射スイッチ信号、及び、CRユニット接続信号が入力されていることを条件に、発射状態信号を主制御装置261に出力し、主制御装置261では、発射状態信号が入力されていることを条件に、発射許可信号、及び、球送り信号を発射制御回路312に出力する。主制御装置261は、発射状態信号が入力されている状態において、0.6秒間隔で、発射許可信号が出力されるようになっている。
また、発射制御回路312は、球送り信号が入力された場合に、球送り装置63を駆動させ、遊技球を発射位置に送るように構成されている。尚、球送り装置63に設けられ、発射位置に遊技球が存在するか否かを検知可能な準備球検知センサによって発射位置に既に遊技球が存在すると検知される状態においては、球送り装置63を駆動させない(球送り信号を受信しても、遊技球を発射位置に送らない)ようになっている。
さらに、発射制御回路312は、タッチ信号、発射スイッチ信号、CRユニット接続信号、(ダイヤル位置信号、)及び、発射許可信号が入力されていることを条件に、発射装置60(発射ソレノイド)を駆動させるように構成されている。これにより、発射位置にセットされた遊技球が、発射装置60により、ダイヤル位置信号に基づく強さで打ち出されるようになっている。
また、電源回路313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(VDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段、当否抽選手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選に使用する当否乱数生成手段としての当否乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定(種別抽選)に使用する種別決定カウンタC2と、装飾図柄表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定に使用する変動選択カウンタC3と、当否乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する第1変動種別カウンタCS1、第2変動種別カウンタCS2と、第2始動入賞装置33bを開状態とさせるか否かの入球サポート抽選に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際のリーチパターンの抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1、CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。
カウンタC1、C2、C3、CINI、CS1、CS2、C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値(当否関連情報)が記憶される保留記憶手段としての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、普通図柄表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア、及び、第2特別変動保留エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、特別表示装置43a、43bにおける変動表示(第1変動表示、及び、第2変動表示)をそれぞれ4回まで保留可能としている。尚、第1、及び、第2特別変動保留エリアにそれぞれ設けられた4つの保留エリアには、第1保留エリア〜第4保留エリアのように保留エリア番号が付されており、新たに取得された当否関連情報は、当否関連情報が記憶されていない保留エリアのうち保留エリア番号の小さい保留エリアに記憶される。
各カウンタについて詳しく説明すると、当否乱数カウンタC1は、例えば0〜437の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり437)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、当否乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該当否乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、当否乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜437)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、当否乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、当否乱数カウンタC1の値が当否乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、当否乱数カウンタバッファに格納されている当否乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
また、本実施形態では、低確率状態(通常モード、時間短縮モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は2つで、その値は「7、177」であり、高確率状態(確変モード)であれば大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値の数は8で、その値は「7〜10、177〜180」である。本実施形態では、ROM502に対し、当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当選値記憶手段としての当否判定テーブルが2つ設けられており、「7、177」を大当たり値として記憶した第1当否判定テーブルと、「8〜10、178〜180」を大当たり値として記憶した第2当否判定テーブルとがある。
種別決定カウンタC2は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり599)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。また、ROM502には、種別決定カウンタC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される種別判定テーブルが2つ設けられており、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく当否抽選で大当りに当選した場合に参照される第1種別判定テーブルと、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく当否抽選で大当たりに当選した場合に参照される第2種別判定テーブルとがある。そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合に、種別決定カウンタC2の値に基づいて付与される大当たり状態の種別が決定され(種別抽選が行われ)、決定された種別の大当たり状態が付与されることとなる。
尚、種別決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、種別決定カウンタC2の値が種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、種別決定カウンタバッファに格納されている種別決定カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ状態が発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ状態が発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、変動選択カウンタC3の値とリーチパターンとの対応関係を記憶しているリーチ判定テーブルが1つであるが、例えば、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球を契機として取得された変動選択カウンタC3の値に基づいて(大当たりしない場合の)リーチパターンを決定する際に参照される第1リーチ判定テーブルと、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球を契機として取得された変動選択カウンタC3の値に基づいて(大当たりしない場合の)リーチパターンを決定する際に参照される第2リーチ判定テーブルとを設けることとしてもよい。
変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1、CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜255の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり255)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜31の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり31)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。加えて、特別表示装置43a、43bにおける変動表示の変動時間と、装飾図柄表示装置42における変動表示の大まかな変動パターン(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチパターン)とが対応付けられており、特別表示装置43a、43bの変動時間が決まれば、装飾図柄表示装置42の変動パターンも決まる(特別表示装置43a、43bにおける変動表示の変動時間に丁度収まるような装飾図柄表示装置42における変動パターンを選択させる)ようになっている。例えば、変動種別カウンタCS1に基づいて変動時間が決定され、変動種別カウンタCS2によって、特別表示装置43a、43bにおける停止表示態様が決定される(例えば、13RSの大当たりに対応する場合には、13RSの大当たりに対応する停止表示態様のうちいずれかを決定する)ように構成してもよい。
尚、変動時間や変動パターンを決定するために使用されるカウンタ等は特に限定されるものではなく、機種毎に適宜変更可能である。例えば、第1変動種別カウンタCS1だけで装飾図柄のリーチパターンを決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合せて装飾図柄のリーチパターンを決定したりすることも可能である。
また、変動種別カウンタCS1、CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1、CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜232の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり232)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。低入球状態の際の当選となる乱数の値の数は31であり、その範囲は「1〜31」である。一方、高入球状態の際の当選となる乱数の値の数は232であり、その範囲は「1〜232」である。つまり、本実施形態では、ROM502に対し、低入球状態での入球サポート抽選において参照される低入球時サポート判定テーブルと、高入球状態での入球サポート抽選において参照される高入球時サポート判定テーブルとが用意されている。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、(普通図柄表示装置41を構成する普図ランプが交互に点滅した後)、当選に対応する態様(点灯パターン)で停止表示され、第2始動入賞装置33bがそのときの遊技モードに応じたパターンで開放される。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検知情報(入賞検知情報)を保存する。一方、検知情報がない場合には、そのまま次の処理に移行する。
尚、各種入賞スイッチの検知情報があった場合、対応する賞球カウンタの値を加算する。また、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力され、賞球コマンドに基づいて賞球が付与される(遊技球が払出される)。さらに、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3、及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1、C2、C3、C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、第1及び第2始動入賞装置33a、33bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。続くステップS306では、電源・発射制御装置310の発射制御回路312に対して発射許可信号を送信する等の処理を行うための発射許可コマンド設定処理を行う。その後、ステップS307において、第2可変入賞装置32b内の遊技球を監視する残存球監視処理を行ってから、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。尚、RAM503には、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする第1変動表示の保留数(第1特別変動保留エリアの保留エリアのうち当否関連情報が保留記憶された保留エリアの数)をカウントする第1保留カウンタNa、第2始動入賞装置33bへの入賞を契機とする第2変動表示の保留数(第2特別変動保留エリアの保留エリアのうち当否関連情報が保留記憶された保留エリアの数)をカウントする第2保留カウンタNbが設けられている。尚、保留されている変動表示の総数(第1変動表示の保留数と、第2変動表示の保留数とを合わせた数)をカウントする保留総数カウンタを設けることとしてもよい。
また、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、種別決定カウンタC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリア、変動選択カウンタC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。
さらに、特別変動保留エリアの実行エリアには、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく第1変動表示であるのか、或いは、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく第2変動表示であるのかを示す情報が記憶される変動記憶エリアが設けられている。以下、「変動記憶エリアに第1変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第1変動フラグがオン設定される」とも称し、「変動記憶エリアに第2変動表示であることを示す情報が記憶されること」を「第2変動フラグがオン設定される」とも称する。
先ず、ステップS501では、遊技球が第2始動入賞装置33bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。当該ステップS501で肯定判別された場合、ステップS502において、第2保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。ステップS501又はS502で否定判別された場合には、ステップS511に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合には、ステップS503に進み、第2保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップS504では、第2変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する第2保留表示装置46b(第2保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の第2保留ランプが両方とも消灯状態であった場合には左側の第2保留ランプを点灯させ、左側の第2保留ランプが点灯状態であり右側の第2保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを点灯させ、左右両方の第2保留ランプが点灯状態であった場合には右側の第2保留ランプを点灯させたまま左側の第2保留ランプを点滅させ、左側の第2保留ランプが点滅状態であり右側の第2保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを点滅させるための処理を行う。
ステップS504の後、ステップS505において、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、及び、変動選択カウンタC3の各値(当否乱数カウンタバッファ、種別決定カウンタバッファ、及び変動選択カウンタバッファに記憶されている各値)を、第2特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS505の後、ステップS506に移行する。
ステップS506では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。尚、当否判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、ステップS506で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たりの種別を判別する種別判定処理を行う。尚、種別判定処理の詳細については後述する。
続くステップS508では、ステップS506で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、外れ変動時のリーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
ここで、ステップS506の当否判定処理の詳細について、図14を参照して説明する。先ず、ステップS5101では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された値である「7」、「177」のどちらかと一致するか否かを判別する。ちなみに、「7」、「177」は、低確率状態でも、高確率状態でも大当たりとなる値である。
尚、図14では便宜上、当該ステップS5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、当否乱数カウンタC1の値が「7」であるか否かを判別するとともに、当該判別で否定判別された場合には、当否乱数カウンタC1の値が「177」であるか否かを判別し、これらどちらかの判別で肯定判別された場合に、当該ステップS5101で肯定判別され、どちらの判別においても否定判別された場合に、当該ステップS5101で否定判別されることとなる。
ステップS5101で肯定判別された場合には、ステップS5102において第1当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が第2当否判定テーブルに記憶された値である「8〜10、178〜180」のいずれかであるか否かを判別する。ちなみに、「8〜10、178〜180」は、高確率状態(確変モード)でのみ大当たりとなる値である。尚、当該判別処理に際しても、実際には、上記のように当否乱数カウンタC1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判別する。
ステップS5103で肯定判別された場合には、ステップS5104において第2当否フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5103で否定判別された場合、すなわち、高確率状態でも「外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。尚、本実施形態では、(新たに当否関連情報が保留記憶された保留エリアの)当否乱数記憶エリアに対して、特定の値を記憶(上書き)することで第1当否フラグ、及び、第2当否フラグがオン設定されたこととするが、当否乱数記憶エリアとは別に、第1当否フラグ、及び、第2当否フラグを設けることも可能である。
次に、ステップS507の第2種別判定処理について、図16、図43(第2始動入賞時割合の欄参照)を参照して説明する。先ず、ステップS5301では、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5301で否定判別された(大当たり状態が発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5301で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5302において、第2種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「13RS−1」に対応する値「0〜119」と一致するか否かを判別する。ステップS5302で肯定判別された場合には、ステップS5303において13RS−1フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5302で否定判別された場合には、ステップS5304において、前記種別決定カウンタC2の値が、「13RS−2」に対応する値「120〜149」と一致するか否かを判別する。ステップS5304で肯定判別された場合には、ステップS5305において13RS−2フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5304で否定判別された場合には、ステップS5306において、前記種別決定カウンタC2の値が、「13RS−3」に対応する値「150〜179」と一致するか否かを判別する。ステップS5306で肯定判別された場合には、ステップS5307において13RS−3フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5306で否定判別された場合には、ステップS5308において、前記種別決定カウンタC2の値が、「8RS−1」に対応する値「180〜239」と一致するか否かを判別する。ステップS5308で肯定判別された場合には、ステップS5309において8RS−1フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5308で否定判別された場合には、ステップS5310において、前記種別決定カウンタC2の値が、「8RS−2」に対応する値「240〜299」と一致するか否かを判別する。ステップS5310で肯定判別された場合には、ステップS5311において8RS−2フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5310で否定判別された場合には、ステップS5312において、前記種別決定カウンタC2の値が、「8RN−1」に対応する値「300〜479」と一致するか否かを判別する。ステップS5312で肯定判別された場合には、ステップS5313において8RN−1フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5312で否定判別された場合には、ステップS5314において、前記種別決定カウンタC2の値が、「8RN−2」に対応する値「480〜539」と一致するか否かを判別する。ステップS5314で肯定判別された場合には、ステップS5315において8RN−2フラグをオンにしてから、本処理を終了する。一方、ステップS5314で否定判別された場合には、ステップS5316において8RN−5フラグをオンにしてから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、(新たに当否関連情報が保留記憶された保留エリアの)当選種別乱数記憶エリアに対して、特定の値を記憶(上書き)することで13RS−1フラグ等の各種大当たり種別を示すフラグがオン設定されたこととするが、当選種別乱数記憶エリアとは別に、各種大当たり種別を示すフラグを設けることも可能である。
次に、ステップS508のリーチ判定処理について、図17を参照して説明する。先ず、ステップS5401では、直前に行われた当否判定処理にて、第1当否フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5401で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態及び高確率状態のどちらにおいても大当たりとなる(必ず大当たり状態が発生する)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5401で否定判別された場合、すなわち、少なくとも低確率状態においては大当たり状態が発生しない(外れとなる可能性がある)場合には、ステップS5402において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップS5402で肯定判別された場合には、ステップS5403において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップS5402で否定判別された場合には、ステップS5404において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2〜21」のいずれかと一致するか否かを判別する。当該ステップS5404で肯定判別された場合には、ステップS5405において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5404で否定判別された場合、すなわち、リーチ状態を経ることなく変動表示が終了する「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。尚、本実施形態では、(新たに当否関連情報が保留記憶された保留エリアの)リーチ乱数記憶エリアに対して、特定の値を記憶(上書き)することで前後フラグ、及び、前後以外フラグがオン設定されたこととするが、リーチ乱数記憶エリアとは別に、前後フラグ、及び、前後以外フラグを設けることも可能である。
図13の説明に戻り、ステップS508に続くステップS509では、第2変動表示の第2変動時間を判定する変動時間判定処理を行う。つまり、遊技モード(ここでは、確変モード又は時間短縮モードである可能性が高い)に対応する変動時間決定テーブルを参照し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、変動時間を把握する。さらに、把握された変動時間は、第2特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアに記憶する(同保留エリアの第1変動種別カウンタCS1の値は消さない)。
ステップS509に続くステップS510では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、先発コマンドには、当否判定処理、種別判定処理、リーチ判定処理、及び、変動時間判定処理の結果を示す変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される情報)や、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bのどちらへの入球を契機とする変動情報であるのかを示す情報が含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ステップS510の処理の後、又は、ステップS501、或いはステップS502で否定判別された場合には、ステップS511において、遊技球が第1始動入賞装置33に入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224aの検知情報により判別する。当該ステップS511で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS512において、第1始動入賞装置33aへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS512で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS512で肯定判別された場合には、ステップS513に進み、第1保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS514では、第1変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する第1保留表示装置46a(第1保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の第1保留ランプが両方とも消灯状態であった場合には左側の第1保留ランプを点灯させ、左側の第1保留ランプが点灯状態であり右側の第1保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点灯させ、左右両方の第1保留ランプが点灯状態であった場合には右側の第1保留ランプを点灯させたまま左側の第1保留ランプを点滅させ、左側の第1保留ランプが点滅状態であり右側の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点滅させるための処理を行う。
ステップS514の後、ステップS515において、当否乱数カウンタC1、種別決定カウンタC2、変動選択カウンタC3の各値を、第1特別変動保留エリアの空いている保留エリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア)に格納する。ステップS515の後、ステップS516に移行する。
ステップS516では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。当否判定処理の詳細については既に上述している。
続くステップS517では、ステップS514で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を判別する第1種別判定処理を行う。
ここで、ステップS517の第1種別判定処理について、図15、図43(第1始動入賞時割合の欄参照)を参照して説明する。先ず、ステップS5201では、直前に行われた当否判定処理にて、第1又は第2当否フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップS5201で否定判別された(大当たり状態の発生する可能性がない)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS5201で肯定判別された(大当たり状態の発生する可能性がある)場合には、ステップS5202において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタC2の値が、「13RS−1」に対応する値「0,1」と一致するか否かを判別する。ステップS5202で肯定判別された場合には、ステップS5203において13RS−1フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5202で否定判別された場合には、ステップS5204において、第1種別判定テーブルを参酌し、前記種別決定カウンタC2の値が「13RS−2」に対応する値「2,3」と一致するか否かを判別する。ステップS5204で肯定判別された場合には、ステップS5205において、13RS−2フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5204で否定判別された場合には、ステップS5206において、第1種別判定テーブルを参酌し、前記種別決定カウンタC2の値が「13RS−3」に対応する値「4,5」と一致するか否かを判別する。ステップS5206で肯定判別された場合には、ステップS5207において、13RS−3フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5206で否定判別された場合には、ステップS5208において、第1種別判定テーブルを参酌し、前記種別決定カウンタC2の値が「8RS−1」に対応する値「6〜81」と一致するか否かを判別する。ステップS5208で肯定判別された場合には、ステップS5209において、8RS−1フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5208で否定判別された場合には、ステップS5210において、第1種別判定テーブルを参酌し、前記種別決定カウンタC2の値が「8RS−2」に対応する値「82〜119」と一致するか否かを判別する。ステップS5210で肯定判別された場合には、ステップS5211において、8RS−2フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5210で否定判別された場合には、ステップS5212において、第1種別判定テーブルを参酌し、前記種別決定カウンタC2の値が「8RN−1」に対応する値「120〜159」と一致するか否かを判別する。ステップS5212で肯定判別された場合には、ステップS5213において、8RN−1フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5212で否定判別された場合には、ステップS5214において、第1種別判定テーブルを参酌し、前記種別決定カウンタC2の値が「8RN−2」に対応する値「160〜239」と一致するか否かを判別する。ステップS5214で肯定判別された場合には、ステップS5215において、8RN−2フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5214で否定判別された場合には、ステップS5216において、第1種別判定テーブルを参酌し、前記種別決定カウンタC2の値が「8RN−3」に対応する値「240〜359」と一致するか否かを判別する。ステップS5216で肯定判別された場合には、ステップS5217において、8RN−3フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5216で否定判別された場合には、ステップS5218において、第1種別判定テーブルを参酌し、前記種別決定カウンタC2の値が「8RN−4」に対応する値「360〜479」と一致するか否かを判別する。ステップS5218で肯定判別された場合には、ステップS5219において、8RN−4フラグをオンにしてから、本処理を終了する。一方、ステップS5218で否定判別された場合には、ステップS5220において、8RN−5フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS517に続くステップS518では、ステップS516で当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタC3の値に基づいて、リーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。リーチ判定処理(図16参照)の詳細については既に上述している。
ステップS518に続くステップS519では、第1変動表示の第1変動時間を判定する変動時間判定処理を行う。つまり、遊技モード(ここでは、通常モードである可能性が高い)に対応する変動時間決定テーブルを参照し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第1変動時間を把握する。さらに、把握された変動時間は、第1特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアに記憶する(同保留エリアの第1変動種別カウンタCS1の値は消さない)。
ステップS519の後、ステップS520において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。尚、本実施形態では、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bに遊技球が入球すると、当否乱数カウンタC1の値等が直接特別変動保留エリアに記憶され、その後、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理が実行される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、当否乱数カウンタC1の値等を取得した際にこれらのカウンタ値を一時的に記憶する仮記憶エリアを設け、当該仮記憶エリアに記憶された情報に関し、当否判定処理、種別判定処理、及びリーチ判定処理を実行した後、対応する特別変動保留エリアの保留エリアに記憶する構成を採用してもよい。
尚、ステップS505、ステップS515の当否乱数カウンタC1の値を抽出する処理が判別値抽出処理を構成し、同じくステップS505、ステップS515の抽出した当否乱数カウンタC1の値を特別変動保留エリアに記憶する処理が判別値格納処理を構成する。さらに、当否乱数カウンタC1の値を抽出し、記憶する機能が情報取得手段を構成する。また、ステップS506、ステップS516(ステップS5101、ステップS5103)の当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否かを判別する処理が第1当否判別処理を構成し、その判別結果を記憶する(対応フラグをセットする)ステップS5102、ステップS5104の処理が結果記憶処理を構成する。
次に、タイマ割込み処理(図11参照)のスルーゲート通過処理(ステップS305)について図18のフローチャートを参照して説明する。ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検知情報により判別する。ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、普通図柄表示装置41における変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する普通保留表示装置44(普通保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の普通保留ランプが両方とも消灯状態であった場合には左側の普通保留ランプを点灯させ、左側の普通保留ランプが点灯状態であり右側の普通保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを点灯させ、左右両方の普通保留ランプが点灯状態であった場合には右側の普通保留ランプを点灯させたまま左側の普通保留ランプを点滅させ、左側の普通保留ランプが点滅状態であり右側の普通保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを点滅させるための処理を行う。
ステップS604の後、ステップS605において、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理(図11参照)の残存球監視処理(ステップS307)について説明する。特に、本実施形態では、当該残存球監視処理において、第1可変入賞装置32aに対応する第1残存球監視処理と、第2可変入賞装置32bに対応する第2残存球監視処理とが順次行われるようになっている。
先ず、第1残存球監視処理について図29を参照して説明する。ステップS1301では、第1可変入賞装置32aの第1特定領域141aにおける遊技球の監視を行う状態であることを示す第1残存球監視フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1301で肯定判別された場合には、ステップS1302において、第1入球カウントスイッチ226aの検知情報に基づいて、第1可変入賞装置32aの第1特定領域141aに遊技球が入球したか否かを判別する。ステップS1302で肯定判別された場合には、ステップS1303において、第1可変入賞装置32aの第1特定領域141aに存在する遊技球の数を計数する第1入球カウンタの値を1加算する。ステップS1303の後、ステップS1304において、第1特定領域141aへの入球をサブ制御装置262に伝える第1入球カウントコマンドを設定する。
ステップS1304の後、又は、ステップS1302で否定判別された場合には、ステップS1305において、第1特別入球検知スイッチ223aの検知情報に基づいて、第1特別入球部145aに遊技球が入球したか否かを判別する。ステップS1305で肯定判別された場合には、ステップS1306において、大当たり状態中に第1特別入球部145aに遊技球が入球した回数をカウントするためのカウント手段としての第1特別入球カウンタを1加算する。
さらに、ステップS1307において、第1特別入球部145aへの入球をサブ制御装置262に伝える到達コマンドとしての第1特別入球コマンドを設定する。加えて、ステップS1307の後、ステップS1308において、第1入球カウンタの値を1減算する。
また、ステップS1308の後、又は、ステップS1305で否定判別された場合には、ステップS1309において、第1非特別入球検知スイッチ222aの検知情報に基づいて、第1非特別入球部146aに遊技球が入球したか否かを判別する。ステップS1309で肯定判別された場合には、ステップS1310において、第1入球カウンタの値を1減算する。
ステップS1310の後、又は、ステップS1309で否定判別された場合には、ステップS1311において、大当たりラウンド中であるか否かを判別する。尚、大当たりラウンド中であるか否かについては、後述する当たり状況記憶エリアに対してラウンド期間のときに設定される値である「2」が記憶されているか否かにより判別する。ステップS1311で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1311で否定判別された場合には、ステップS1312において、第1入球カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1312で肯定判別された場合には、ステップS1313で第1残存球監視フラグをオフしてから、本処理を終了する。
また、ステップS1312で否定判別された場合には、ステップS1314において、第1監視タイマの値を「1」減算する。尚、第1監視タイマには、第1可変入賞装置32aが開状態とされたラウンド終了時(続くインターバル開始時)において、第1可変入賞装置32aに入球した遊技球が第1特定領域141aの外部に排出されるのに十分な時間(本例では3秒)に相当する値が設定される。
ステップS1314の後、ステップS1315において、第1監視タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1315で否定判別された(遊技球が第1特定領域141aに残存しているが、残存していてもおかしくない期間である)場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1315で肯定判別された場合には、ステップS1316において、エラー表示ランプ104を点灯させるとともに、環状電飾部102等のその他の電飾部を対応する態様とし、外部端子板240を介して遊技ホールのホールコンピュータ等へエラー情報信号を出力し、遊技を中断させる(記憶情報を維持しつつ(新たな記憶もしない)、遊技を進行させない状態とする)エラー処理を行った後、本処理を終了する。尚、エラー処理については、機種毎に適宜設定されるものであり、例えば、ステップS1316のエラー処理では、第1特定領域141aにおいて球詰りが発生している可能性を示すような構成としてもよい。さらに、入球カウンタがマイナスの値も取得るようにして、マイナスの値の場合に不正行為に対応するエラー処理が行われるように構成してもよい。
また、ステップS1301で否定判別された場合には、ステップS1317において、第1入球カウントスイッチ226aの検知情報に基づいて、第1可変入賞装置32aの第1特定領域141aに遊技球が入球したか否かを判別する。ステップS1317で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1317で肯定別された場合には、ステップS1318において、エラー表示ランプ104を点灯させるとともに、環状電飾部102等のその他の電飾部を対応する態様とし、外部端子板240を介して遊技ホールのホールコンピュータ等へエラー情報信号を出力し、遊技を中断させる(記憶情報を維持しつつ(新たな記憶もしない)、遊技を進行させない状態とする)エラー処理を行ってから、本処理を終了する。
次に、(例えば、第1残存球監視処理に続いて行われる)第2残存球監視処理について図30を参照して説明する。ステップS1501では、第2可変入賞装置32bの第2特定領域141bにおける遊技球の監視を行う状態であることを示す第2残存球監視フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1501で肯定判別された場合には、ステップS1502において、第2入球カウントスイッチ226bの検知情報に基づいて、第2可変入賞装置32bの第2特定領域141bに遊技球が入球したか否かを判別する。ステップS1502で肯定判別された場合には、ステップS1503において、第2可変入賞装置32bの第2特定領域141bに存在する遊技球の数を計数する第2入球カウンタの値を1加算する。ステップS1503の後、ステップS1504において、第2特定領域141bへの入球をサブ制御装置262に伝える第2入球カウントコマンドを設定する。
ステップS1504の後、又は、ステップS1502で否定判別された場合には、ステップS1505において、第2特別入球検知スイッチ223bの検知情報に基づいて、第2特別入球部145bに遊技球が入球したか否かを判別する。ステップS1505で肯定判別された場合には、ステップS1506において、第2入球カウンタの値を1減算する。
ステップS1506の後、ステップS1507において、第2特別入球部145bに遊技球が入球したことを示す第2特定入球フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1507で否定判別された場合には、ステップS1508において、第2特定入球フラグをオン設定する。さらに、ステップS1509において、第2特別入球部145bへの入球をサブ制御装置262に伝える第2特別入球コマンドを設定する。
また、ステップS1509の後、又は、ステップS1505で否定判別された場合には、ステップS1510において、第2非特別入球検知スイッチ222bの検知情報に基づいて、第2非特別入球部146bに遊技球が入球したか否かを判別する。ステップS1510で肯定判別された場合には、ステップS1511において、第2入球カウンタの値を1減算する。
ステップS1511の後、又は、ステップS1510で否定判別された場合には、ステップS1512において、大当たりラウンド中であるか否かを判別する。ステップS1512で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1512で否定判別された場合には、ステップS1513において、第2入球カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1513で肯定判別された場合には、ステップS1514で第2残存球監視フラグをオフしてから、本処理を終了する。
また、ステップS1513で否定判別された場合には、ステップS1515において、第2監視タイマの値を「1」減算する。尚、第2監視タイマには、第2可変入賞装置32bが開状態とされたラウンド終了時(続くインターバル開始時)において、第2可変入賞装置32bに入球した遊技球が第2特定領域141bの外部に排出されるのに十分な時間(本例では3秒)に相当する値が設定される。
ステップS1515の後、ステップS1516において、第2監視タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1516で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1516で肯定判別された場合には、ステップS1517においてエラー処理を行った後、本処理を終了する。
また、ステップS1501で否定判別された場合には、ステップS1518において、第2入球カウントスイッチ226bの検知情報に基づいて、第2可変入賞装置32bの第2特定領域141bに遊技球が入球したか否かを判別する。ステップS1518で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1518で肯定判別された場合には、ステップS1519において、エラー表示ランプ104を点灯させるとともに、環状電飾部102等のその他の電飾部を対応する態様とし、外部端子板240を介して遊技ホールのホールコンピュータ等へエラー情報信号を出力し、遊技を中断させる(記憶情報を維持しつつ(新たな記憶もしない)、遊技を進行させない状態とする)エラー処理を行ってから、本処理を終了する。
図12は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図12のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源・発射制御装置310の電源回路313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信する。ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の通常処理で更新された特別表示装置43a、43bや始動入賞装置33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドは、第1及び第2特別表示装置43a、43bにて行われる表示(特別図柄の変動表示)に合わせた表示(演出表示)を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドである。これに対し、変動パターンコマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかるコマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様(当否抽選の結果を教示又は示唆する装飾図柄の変動表示、及び、装飾図柄の変動表示とともに行われる演出表示等)を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに基づいて、変動表示の演出パターン等を決定し、表示制御装置45や音声等の制御を行う。
ここで、装飾図柄の変動種別について説明する。「ノーマルリーチ」は、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。尚、確変モード時及び時間短縮モード時においては、各種リーチとなる場合においても、通常モード時に比べ、変動表示時間が短縮されている。例えば、ノーマルリーチが導出される変動表示の時間(変動時間)は、通常モード時には「12秒」、又は、「15秒」、確変モード時及び時間短縮モード時には「9秒」、又は、「12秒」となっている。尚、通常モードにおいても、第1変動表示が4つ保留されている状態から開始される第1変動表示についても、一時的な時間短縮状態となり、該第1変動表示の変動時間がノーマルリーチであれば「9秒」、又は、「12秒」に設定される。
「スーパーリーチ」は、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチが導出される変動表示の変動時間は、通常モード時には「25秒」、又は、「30秒」、確変モード時及び時間短縮モード時には「22秒」、又は、「27秒」となっている。尚、スーパーリーチが発生する場合の変動表示の変動時間はいずれの遊技モードにおいても「25秒」、又は、「30秒」に設定されるように構成してもよい。
「プレミアムリーチ」は、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチが導出される変動表示は、スーパーリーチが導出される変動表示よりも変動時間が長く、また、高入球状態及び低入球状態のどちらの状態においても同じ長さ(例えば、60秒)となっている。
加えて、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」となる変動表示の変動時間は通常モード時「10秒」、確変モード及び時間短縮モード時「6秒」に設定されている。
また、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに含まれる変動パターン、及び、変動時間の情報に基づき、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示の停止図柄(停止図柄の組合せ)を決定して、変動時間経過後に停止表示させる。つまり、「13RS」に当選した場合には、1〜9のいずれかのゾロ目からなる装飾図柄の組合せ(大当たり図柄の組合せ)で変動表示が停止表示され、「8RS」に当選した場合には、1〜6、8,9のいずれかのゾロ目からなる装飾図柄の組合せ(大当たり図柄の組合せ)で変動表示が停止表示され、通常大当たり(「8RN」)に当選した場合には、2,4,6,8のいずれかの偶数のゾロ目からなる装飾図柄の組合せ(大当たり図柄の組合せ)で変動表示が停止表示される。
前後外れ図柄の組合せは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものである。前後外れ以外図柄の組合せは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものである。完全外れ図柄の組合せは、リーチすら発生しない「完全外れ」に対応するものである。また、詳しくは後述するが、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドを受信した場合、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合せを停止図柄として決定する。尚、主制御装置261において、大当たり図柄の組合せ、確変大当たり図柄の組合せ、13RS大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合せ、前後外れ以外図柄の組合せ、及び、完全外れ図柄の組合せのいずれかを決定し、それを指定する図柄コマンドを設定し、変動パターンコマンドとともにサブ制御装置262に出力するような構成としてもよい。
ステップS201の後、ステップS202では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では255、31)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、特別表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43a、43bに関する制御が行われると共に、大当たりの判定や特別表示装置43a、43b及び装飾図柄表示装置42における変動表示の設定などが行われる。この特別表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32に関する制御が行われる。当該可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、普通表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41に関する制御が行われる。当該普通表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、始動入賞装置制御処理を実行する。この処理では、第2始動入賞装置33b(羽根部材37)に関する制御が行われる。当該始動入賞装置制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1、CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211、ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では437)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では255、31)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1、CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち当否乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、CS2についてもランダムに更新することができる。
また、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。
その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211、S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の特別表示制御処理について図19のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステップS801では、特別表示装置43a、43bの変動表示の後に設定される変動インターバルの残り時間を計測するための変動インターバルタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS801で否定判別された場合、すなわち、変動インターバルの期間内である場合には、ステップS802において、変動インターバルタイマの値を1つ減算してから、本処理を終了する。つまり、例えば、変動インターバルを1秒(1000msec)として、変動インターバルタイマに「249(ステップS801の前にステップS802が行われる構成とする場合には「250」)」が設定されていた場合には、当該処理において、4msec毎に変動インターバルタイマの値が「1」減算され、1秒後に「0」となる。
一方、ステップS801で肯定判別された場合、すなわち、変動インターバル期間ではない場合には、ステップS803において、当たり状況記憶エリアを参照し、今現在、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。
尚、大当たり状態中には、特別表示装置43a、43bにおいて大当たりに対応する表示態様が停止表示されてから第1可変入賞装置32a(本例では、第1ラウンドに第2可変入賞装置32bが開状態とされるパターンがない)が開放されるまでの間の期間であるオープニング期間と、(1回のラウンドの上限として予め定められた制限時間の経過、又は、入賞上限に到達するまで)第1可変入賞装置32a、又は、第2可変入賞装置32bが開状態とされる期間であるラウンド期間と、(各ラウンド期間に続いて設定される)第1可変入賞装置32a、及び、第2可変入賞装置32bが閉状態とされる期間であるインターバル期間と、最終ラウンドの後のインターバル期間の後、特別表示装置43a、43bの変動表示が開始可能となるまでの期間であるエンディング期間とがある。
本実施形態の当たり状況記憶エリアは、大当たり状態以外の状態のときには「0」が記憶されており、大当たり状態においては、オープニング期間のときに「1」、ラウンド期間のときに「2」、インターバル期間のときに「3」、エンディング期間のときに「4」が記憶されている。すなわち、当該ステップS803では、当たり状況記憶エリアに「0」が記憶されているか否かを判別して、大当たり状態中であるか否かを判別する。
ステップS803で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップS803で肯定判別された場合には、ステップS804において、詳しくは後述する特図表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、特図表示中フラグがオン状態の場合には変動表示中とみなされ、特図表示中フラグがオフ状態の場合には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、特図表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43a、43bの変動表示を開始する際にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43a、43bの変動表示が停止表示される際にオフにされる。
ステップS804で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS805に進み、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする第2変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNbの値が「0」よりも大きいか否かを判別する。
ステップS805で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS806において、第2保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップS805の判別処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
続くステップS807では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS807の後、ステップS808において、特別変動保留エリアの実行エリアの第2変動フラグをオン設定する。続くステップS809では、第2変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する第2保留表示装置46b(第2保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の第2保留ランプが両方とも点滅状態であった場合には左側の第2保留ランプを点滅させたまま右側の第2保留ランプを点灯させ、左側の第2保留ランプが点滅状態であり右側の第2保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを点灯させ、左右両方の第2保留ランプが点灯状態であった場合には左側の第2保留ランプを点灯させたまま右側の第2保留ランプを消灯させ、左側の第2保留ランプが点灯状態であり右側の第2保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第2保留ランプを消灯させるための処理を行う。
ステップS809の後、ステップS810において、詳しくは後述する変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS805で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップS811において、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判別する。
当該ステップS811で否定判別された場合には、ステップS812に移行し、第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bの両方において、それぞれ変動表示が行われていない変動待機状態であることに対応する表示態様(例えば、下列の右から1番目及び2番目の第1特図ランプ、又は、第2特図ランプのみが点灯する態様)を導出するための待機表示設定を行う。つまり、本実施形態の第1特別表示装置43a及び第2特別表示装置43bは、変動停止後、その停止態様が変動インターバルの間は(当否抽選の結果を示す態様で)維持されることとなるが、変動インターバルが終了すると(さらに所定時間の経過を条件としてもよい)、変動待機状態であることを示す表示態様に切替えられるようになっている。ステップS812の後、本処理を終了する。
一方、ステップS811で肯定判別された場合には、ステップS813において、第1保留カウンタNaから1を減算する。続くステップS814では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS814の後、ステップS815において、特別変動保留エリアの実行エリアの第1変動フラグをオン設定する。続くステップS816では、第1変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する第1保留表示装置46a(第1保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の第1保留ランプが両方とも点滅状態であった場合には左側の第1保留ランプを点滅させたまま右側の第1保留ランプを点灯させ、左側の第1保留ランプが点滅状態であり右側の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点灯させ、左右両方の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左側の第1保留ランプを点灯させたまま右側の第1保留ランプを消灯させ、左側の第1保留ランプが点灯状態であり右側の第1保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを消灯させるための処理を行う。
ステップS816の後、ステップS810において変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、当該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ここで、ステップS810の変動表示設定処理の詳細について、図20を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、詳しくは後述するモード記憶エリアを参照し、高確率状態(確変モード)であるか否かを判別する。尚、モード記憶エリアには、遊技モードを判別するための判別情報が記憶されている。本実施形態では、モード記憶エリアには、「11」、「12」、及び、「21」のいずれかの値が記憶されており、「11」は通常モードに対応し、「12」は時間短縮モードに対応し、「21」は確変モードに対応している。つまり、当該ステップS901では、モード記憶エリアに「21」が記憶されているか否かを判別することで、高確率状態であるか否かを判別している。
ステップS901で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態(確変モード)である場合には、ステップS902において、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアを参酌して、第1又は第2当否フラグ(図14の当否判定処理参照)のどちらかがオン設定されているか否かを判別する。当該ステップS902で肯定判別された場合、すなわち、高確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
また、ステップS901で否定判別された場合、すなわち低確率状態(通常モード、時間短縮モード)である場合には、ステップS903において、当否乱数記憶エリアを参酌し、第1当否フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS903で肯定判別された場合、すなわち、低確率状態において当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS904に移行する。
ステップS904では、大当たり状態の発生を確定させたことを示す大当たり確定フラグをオン設定する。尚、本実施形態では、当否乱数記憶エリアに対して、大当たり状態の発生を確定させたことに対応する値を記憶させることを、大当たり確定フラグをオン設定することと称している。
続くステップS905では、特別変動保留エリアの実行エリアを参酌して、13RS−1フラグ、13RS−2フラグ、及び、13RS−3フラグ(図15、図16の種別判定処理参照)のいずれかがオン設定されている否かを判別する。
ステップS905で肯定判別された場合、すなわち「13RS」である場合には、ステップS906にて13RSパターン設定処理を行う。13RSパターン設定処理は、「13RS」の発生を教示するための変動表示を実行させるための処理であり、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて、特別表示装置43a、43bや装飾図柄表示装置42の変動パターン(変動表示時間、特別表示装置43a、43b及び装飾図柄表示装置42の変動表示の停止態様、装飾図柄表示装置42の変動表示の演出パターン等)を決定し、当該決定や各種フラグ等に基づいて、変動パターンコマンドの設定等を行う。
なお、第1変動種別カウンタCS1、及び、第2変動種別カウンタCS2の数値と、変動パターン、及び、変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。すなわち、13RSパターン設定処理では、リーチパターンを、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチの中から決定し、決定されたリーチパターンと、時間短縮状態(確変モード、時間短縮モード、又は、第1変動表示の保留が4つある状態)であるか否かの判別結果とに基づいて、特別表示装置43a、43b、装飾図柄表示装置42における変動時間を決定する。そして、13RSであること、決定されたリーチパターン、及び、変動時間を含む情報を変動パターンコマンドに設定するとともに、変動時間を把握可能な情報を対応する記憶エリアに記憶する。また、13RSに対応する特別表示装置43a、43bの停止態様の中からいずれを停止させるかを決定し、対応する記憶エリアに記憶する。
尚、説明の便宜上、「13RS−1」、「13RS−2」、及び、「13RS−3」の大当たりに対応する変動パターンの設定をまとめて記載しているが、プレミアムリーチは「13RS−1」の場合にのみ設定されたり、「13RS−1」の場合と、「13RS−2」、及び、「13RS−3」の場合とで選択されるリーチ種別の割合が異なったりする等、各大当たり種別に対応した設定が行われる(後述の8RS、8RNのパターン設定処理に関しても同様)。ステップS906の後、後述するステップS915に移行する。
また、ステップS905で否定判別された場合には、ステップS907において、特別変動保留エリアの実行エリアの当選種別乱数記憶エリアを参酌して、8RS−1フラグ、又は、8RS−2フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS907で肯定判別された場合、すなわち「8RS」である場合には、ステップS908にて8RSパターン設定処理を行った後、ステップS915に移行する。
一方、ステップS907で否定判別された場合、すなわち、8RN−1フラグ、8RN−2フラグ、8RN−3フラグ、8RN−4フラグ、及び、8RN−5フラグのいずれかがオン設定されている場合には、ステップS909において、8RNパターン設定処理を行った後、ステップS915に移行する。
また、ステップS902で否定判別された場合、すなわち、高確率状態において大当たりに当選しなかった場合、又は、ステップS903で否定判別された場合、すなわち、低確率状態で大当たりに当選しなかった場合には、ステップS910において、特別変動保留エリアの実行エリアを参酌し、前後フラグ(図17のリーチ判定処理参照)がオンであるか否かを判別する。ステップS910で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップS911にて前後リーチパターン設定処理を行った後、ステップS915へ移行する。
さらに、ステップS910で否定判別された場合には、ステップS912において、特別変動保留エリアの実行エリアを参酌し、前後以外フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS912で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップS913にて前後以外リーチパターン設定処理を行った後、ステップS915へ移行する。
加えて、ステップS912で否定判別された場合には、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS914において外れ変動パターン設定処理を行った後、ステップS915に移行する。
ステップS915では、特別表示装置43a、43bにて変動表示中であるか否かを示す特図表示中フラグをオン設定する。これにより、特別表示装置43a、43bにおいて切替表示(変動表示)を行う条件が成立したことが示される。続くステップS916では、特別表示装置43a、43bにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する特図表示タイマの設定処理を行う。当該特図表示タイマは、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
尚、本実施形態における特別表示装置43a、43bの変動時間は、上記変動種別カウンタCS1、CS2により選出される変動パターンに対応した値が設定される。このような特図表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43a、43bに対し切替表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43a、43bにおいて切替表示(変動表示)が開始される。また、変動パターンコマンドを受信したサブ制御装置262は、特別表示装置43a、43bの変動開始と(ほぼ)同時に、変動パターンコマンドに基づいて装飾図柄表示装置42において変動表示を開始させ、特別表示装置43a、43bの停止表示と(ほぼ)同時に、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を停止表示させる。ステップS916の終了後、変動表示設定処理を終了する。
尚、本実施形態では、始動入賞処理において、ステップS505、S515の当否乱数カウンタC1の値を取得して特別変動保留エリアに記憶する処理と、ステップS506、516の当否判定処理と、変動表示設定処理において、当否フラグと、そのときの状況とに基づいて当否を判別するステップS901〜ステップS903の処理等とによって当否抽選が構成される。また、ステップS901〜S903の処理等によって第2当否判別処理が構成され、ステップS906、ステップS908、ステップS909、ステップS911、ステップS913、ステップS914の処理等によって変動表示設定処理が構成される。
図19の説明に戻り、ステップS804で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS817に進み、特図表示タイマの減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に特図表示タイマの値が4msec分ずつ減算されていく。例えば変動時間が12秒(12000msec)の場合には、特図表示タイマに対して「3000」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS818に進み、上記減算後の特図表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち特図表示タイマの値が「0」となった時にステップS818が肯定判別される。
ステップS818で否定判別された場合には、ステップS823において、特別表示装置43a、43bの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43a、43bに対し切替表示を行う制御信号が出力される。これによって、特別表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43a、43bの切替表示(変動表示)が実現される。ステップS823の後、本処理を終了する。
一方、ステップS818で肯定判別された場合には、ステップS819において特図表示中フラグをオフし、ステップS820において特別表示装置43a、43bにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43a、43bに対し停止表示を行う制御信号が出力される。すなわち、特別表示装置43a、43bにおいて、変動表示設定処理にて設定された各大当たり種別や外れ等に対応する態様が停止表示されることとなる。
また、ステップS820の後、ステップS821において、サブ制御装置262に対して、装飾図柄表示装置42の停止表示を行わせる停止コマンドの設定を行う。これにより、特別表示装置43a、43b及び装飾図柄表示装置42の停止タイミングの同期が確実に図られる。但し、装飾図柄表示装置42の停止態様については変動表示の開始時に出力された変動パターンコマンドによって既にサブ制御装置262で決定されているため、再度装飾図柄表示装置42の停止態様に関する情報を付加する必要はない。また、繰り返しとなるが、特別表示装置43a、43bによる停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なもの(演出用)となっている。
続いて、ステップS822において、当たり状態の初期設定や遊技モードの切替設定を行うための判別情報設定処理を行ってから、本処理を終了する。
ここで、ステップS822の判別情報設定処理について、図21を参照して説明する。先ず、ステップS1001において、特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、大当たり確定フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1001で肯定判別された場合には、ステップS1002において大当たり確定フラグをオフし、ステップS1003において大当たり状態中であることを示す大当たり中フラグをオンする。さらに、ステップS1004において、特別変動保留エリアの実行エリアを参酌し、13RSフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1004で肯定判別された場合、すなわち、「13RS」の大当たりである場合には、ステップS1005において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(可変入賞装置32の開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「13」を設定する。
続くステップS1006では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。さらに、ステップS1007では、当たり状態中の制御(可変入賞装置32の開閉制御)に用いられる特別可変タイマに対して、例えば8秒のオープニング期間に対応する値「2000」を設定する。続いて、ステップS1008では、大当たり状態の各ラウンド中に第1可変入賞装置32a、又は、第2可変入賞装置32bに入球した遊技球の数をカウントするため(ラウンドの入賞上限に達したか否かを把握するため)の入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である8個を示す「8」を設定する。尚、入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11参照)に際して、可変入賞装置32a、32bへの入球があったか否かを入球カウントスイッチ226a、226bの検知情報により判別し、可変入賞装置32a、32bへの入球があったと判別されると1減算される。
それから、ステップS1009では、サブ制御装置262に対して大当たり状態の開始を伝えるためのオープニングコマンドを設定する。当該オープニングコマンドには、当たり種別の情報等が含まれ、サブ制御装置262でも当たり状態の全ラウンド数や可変入賞装置32a、32bの開閉パターン等が把握できるようになっている。ステップS1009の後、本処理を終了する。
尚、大当たり状態において見た目の大当たり種別の昇格の演出等(例えば、装飾図柄表示装置42で偶数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「8RS」、又は、「13RS」に当選したことを教示したり、装飾図柄表示装置42で「7図柄」以外の奇数のゾロ目が停止表示された場合に、直後の大当たり状態中において「13RS」に当選したことを教示したりする)を行うこととしてもよい。
ステップS1004で肯定判別された場合には、ステップS1010において、ラウンド数カウンタに「8」を設定する。ステップS1010の後、上記したステップS1006に移行する。また、ステップS1001にて否定判別された場合には、ステップS1011で変動インターバルタイマに対して変動インターバル(例えば、1秒)に相当する値を設定する。
尚、装飾図柄表示装置42では、基本的に、特別表示装置43a、43bの変動表示の停止表示のタイミングで装飾図柄の変動表示が停止表示され、特別表示装置43a、43bにおいて停止表示された図柄がそのまま表示され続ける変動インターバルが終わるまで(次回の特別表示装置43a、43bの変動表示が開始されるまで)は、停止表示された装飾図柄が表示され続ける。そして、変動インターバルが終わり、変動表示が保留記憶されている場合には、特別表示装置43a、43bにおける変動表示と、装飾図柄表示装置42における変動表示とが(ほぼ)同時に開始される。一方、変動インターバルが終わっても、変動表示が保留記憶されていない場合には、装飾図柄表示装置42における停止図柄がしばらく導出され続け、その後、遊技を待機する表示(デモ画面表示)に切替わる。また、装飾図柄表示装置42の変動表示において装飾図柄が偶数のゾロ目の組合せで停止表示された場合、変動インターバル期間において、装飾図柄の組合せが奇数のゾロ目に変換されるかもしれない(導出された場合には必ず変換される構成でも可)といった再抽選演出が行われる場合がある。
ステップS1011の後、ステップS1012において、モード記憶エリアに「12」が記憶されているか否か、すなわち、時間短縮モードであるか否かを判別する。ステップS1012で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1012で肯定判別された場合には、ステップS1013において、通常大当たりの大当たり状態の終了後に付与される時間短縮モードの継続期間を計測するため変動回数カウンタの値を1減算する。詳しくは後述するが、本実施形態では、大当たり状態終了時において、変動回数カウンタに対し、時間短縮モードの期間に相当する変動表示の回数(例えば100回)が設定され、特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示が1回行われる毎に当該ステップS1013において1減算される。
続くステップS1014では、変動回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1014で否定判別された場合、すなわち、「8RN」の大当たり状態終了後に、時間短縮モードの期間として設定された規定回数分の特別表示装置43a、43b(装飾図柄表示装置42)の変動表示が未だ行われていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1014で肯定判別された場合には、ステップS1015において、モード記憶エリアに対し、通常モードであることを示す「11」を設定する。すなわち、特別表示装置43a、43bにおいて変動表示が規定回数行われた時点で時間短縮モードが終了し、通常モードへと移行するようになっている。当該ステップS1015の後、ステップS1016において、サブ制御装置262に対して時間短縮モードの終了を知らせるサポート終了コマンドの設定を行ってから、本処理を終了する。
次に、上記ステップS206(図10参照)の第1、及び、第2可変入賞装置32a、32bを開閉させるための可変入賞装置制御処理について図22、図23を参照して説明する。
まず、ステップS1201では、当たり状況記憶エリアに設定されている値が「0」であるか否かを判別することで、当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS1201で肯定判別された場合、すなわち、当たり状態ではない場合には、そのまま本処理を終了する。ちなみに、当たり状態の開始時にあっては、上記判別情報設定処理にて当たり状況記憶エリアに「1」が設定されている。
一方、ステップS1201で否定判別された場合、すなわち、当たり状態中である場合(当たり状況記憶エリアに「1」〜「4」のいずれかが設定されている場合)には、ステップS1202に移行し、特別可変タイマの値を1減算する。ちなみに、大当たり状態の開始時にあっては、判別情報設定処理にて特別可変タイマに対し、オープニング演出の時間に対応する値である「2000」が設定されている。
続くステップS1203では、特別可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1203で肯定判別された場合には、ステップS1204において、当たり状況記憶エリアにおいてオープニング期間を示す「1」が設定されているか否かを判別する。
ステップS1204で肯定判別された場合には、ステップS1205において、当たり状況記憶エリアに対してラウンド期間を示す「2」を設定する。尚、詳しくは後述するが、本実施形態では1つのラウンド中において第1可変入賞装置32aが複数回開放される場合がある。すなわち、ラウンド中であっても第1可変入賞装置32aが閉鎖されている期間が存在する場合がある。
また、本実施形態では、可変入賞装置32a、32bの開閉制御において、図43に示すE1テーブル、図44に示すE2テーブル、図45に示すE3テーブル、図46に示すE4テーブルを使用することとしている。本実施形態では、開閉制御管理テーブルが第1の記憶手段に相当し、E3テーブルが第2の記憶手段に相当し、E2テーブルが第3の記憶手段に相当する。
図46に示すように、E4テーブルには、「PTN4−1」〜「PTN4−11」の11個のアドレス(以下、E4アドレスと言う)と、各E4アドレスに対応して、可変入賞装置32a、32bの開閉動作に関する具体的な制御データが記憶されている。より具体的には、「PTN4−1」に対応して、第1可変入賞装置32aを28秒間開放させる第1開放制御データと、第1振分け装置149aを閉鎖させる第1規制制御データと、第1残存球監視フラグをオン設定させる第1監視制御データとが記憶されている。
「PTN4−2」に対応して、第1可変入賞装置32aを28秒間開放させる第1開放制御データと、第1振分け装置149aを閉鎖させる第1規制制御データと、サブ制御装置262に対してラウンド中に第1可変入賞装置32aが開状態とされた旨を伝えるラウンド中開放コマンドを設定させる中間開コマンド設定データとが記憶されている。
「PTN4−3」に対応して、第1可変入賞装置32aを1.8秒間開放させる第1開放制御データと、第1振分け装置149aを閉鎖させる第1規制制御データと、第1残存球監視フラグをオン設定させる第1監視制御データとが記憶されている。
「PTN4−4」に対応して、第1可変入賞装置32aを1.8秒間開放させる第1開放制御データと、第1可変入賞装置32aが開状態とされる期間と同じ期間だけ第1振分け装置149aを開放させる第1許容制御データと、第1残存球監視フラグをオン設定させる第1監視制御データとが記憶されている。
「PTN4−5」に対応して、第2可変入賞装置32bを28秒間開放させる第2開放制御データと、第2可変入賞装置32bが開状態とされる期間と同じ期間だけ第2振分け装置149bを開放させる第2許容制御データと、第2残存球監視フラグをオン設定させる第2監視制御データとが記憶されている。
「PTN4−6」に対応して、第2可変入賞装置32bを1.8秒間開放させる第2開放制御データと、第2振分け装置149bを閉鎖させる第2規制制御データと、第2残存球監視フラグをオン設定させる第2監視制御データとが記憶されている。
「PTN4−7」に対応して、第1可変入賞装置32aを4秒間閉鎖させる第1閉鎖制御データと、当たり状況記憶エリアに対してインターバル期間を示す値「3」を設定する終期設定データと、第1監視タイマに3秒に相当する値「1500」を設定する第1監視タイム設定データとが記憶されている。
「PTN4−8」に対応して、第1可変入賞装置32aを1秒間閉鎖させる第1閉鎖制御データと、サブ制御装置262に対してラウンド中に第1可変入賞装置32aが閉状態とされた旨を伝えるラウンド中閉鎖コマンドを設定させる中間閉コマンド設定データとが記憶されている。
「PTN4−9」に対応して、第1可変入賞装置32aを1秒間閉鎖させる第1閉鎖制御データと、当たり状況記憶エリアに対してインターバル期間を示す値「3」を設定する終期設定データと、第1監視タイマに3秒に相当する値「1500」を設定する第1監視タイム設定データと、詳しくは後述するE2テーブルを使用した制御方法を指定する交互フラグをオン設定させる交互フラグ設定データとが記憶されている。
「PTN4−10」に対応して、第2可変入賞装置32bを4秒間閉鎖させる第2閉鎖制御データと、当たり状況記憶エリアに対してインターバル期間を示す値「3」を設定する終期設定データと、第2監視タイマに3秒に相当する値「1500」を設定する第2監視タイム設定データとが記憶されている。
「PTN4−11」に対応して、第2可変入賞装置32bを1秒間閉鎖させる第2閉鎖制御データと、当たり状況記憶エリアに対してインターバル期間を示す値「3」を設定する終期設定データと、第2監視タイマに3秒に相当する値「1500」を設定する第2監視タイム設定データとが記憶されている。
図45に示すように、E3テーブルには、「PTN3−1」〜、「PTN3−6」といった6個のアドレス(以下、E3アドレスと言う)と、各E3アドレスに対応して、E4テーブルのE4アドレスのうち「PTN4−1」〜「PTN4−6」を選択させる開放選択制御データ、「PTN4−7」〜「PTN4−11」を選択させる閉鎖選択制御データ、及びE4アドレスを選択する処理を実行する回数を示す実行回数設定データとが記憶されている。開放選択制御データ、閉鎖選択制御データ、及び実行回数設定データは、実行回数設定データ→開放選択制御データ→閉鎖選択制御データの順に3つ1セットで記憶されており、各E3アドレスに対して1セット又は2セットが記憶されている。本実施形態では、各E3アドレスに対して記憶された制御データ群に基づく処理を完了することで1つ(1回)のラウンドが終了することとなる。つまり、E3テーブルには、各E3アドレスに対応して、どのような開閉制御を組合わせる(重ねる)ことで1つのラウンドを構成するのかが記憶されている。
図44に示すように、E2テーブルには、「PTN2−1」〜「PTN2−10」といった10個のアドレス(以下、E2アドレスと言う)と、各E2アドレスに対応して、E3アドレスを選択させるためのラウンド選択制御データ、及び、E3アドレスを選択する処理を実行する回数を示すラウンド回数設定データとが記憶されている。ラウンド選択制御データ及びラウンド回数設定データは、基本的には、ラウンド回数設定データ→ラウンド選択制御データの順に2つ1セットで記憶されており、各E2アドレスに対応して1乃至5セットが記憶されている。本実施形態では、各E2アドレスに対応して記憶された制御データ群に基づく処理を完了することで大当たり状態(全15ラウンド又は8ラウンド)が終了することとなる。つまり、E2テーブルには、各E2アドレスに対応して、どのような開閉制御を行うラウンドを組合わせる(重ねる)ことで大当たり状態を構成するのかが記憶されている。尚、連続するラウンドが2つのパターンを交互に繰り返すところに関しては、ラウンド回数設定データ→ラウンド選択制御データ⇔ラウンド選択制御データのように3つ1セットとしてまとめて記憶されている。
図43に示すように、E1テーブルには、各種大当たり種別とE2アドレスとの対応関係が記憶されている。
さて、ステップS1206では、E2ポインタの設定処理を行う。当該処理では、先ず、特別変動保留エリアの実行エリアの当否乱数記憶エリアに設定されている大当たりフラグ(13RS−1フラグ、13RS−2フラグ、13RS−3フラグ、8RS−1フラグ、8RS−2フラグ、8RN−1フラグ、8RN−2フラグ、8RN−3フラグ、8RN−4フラグ、及び、8RN−5フラグのいずれかがオン設定されている)を参酌し、大当たり種別を把握する。続いて、E1テーブルを参酌し、今回の大当たり種別に対応するE2アドレスを取得する。
そして、取得されたE2アドレスに対応して記憶されている制御データのうち先頭の制御データに基づく処理を実行するべく、当該先頭の制御データ(が記憶された領域)を指し示すポインタ(以下、E2ポインタ)を設定する。尚、以下の説明では、便宜上、複数の制御データが連続して記憶されている各領域を、図44の記載に合わせて、「行」と称する。
例えば、「13RS−1」に当選した場合、E1テーブルを参酌し、E2アドレス「PTN2−1」を取得する。そして、E2テーブルの「PTN2−1」に対応して記憶されている制御データのうち先頭のもの(図44では「1」が記載されている)を指し示すようにE2ポインタを設定する。
続く、ステップS1207では、E2ポインタで示されている(行の)制御データに基づく処理(E2処理)を行う。本実施形態では、各E2アドレスに対応して記憶されている制御データ群の先頭にはいずれもラウンド回数設定データが記憶されている。また、本実施形態では、ラウンド選択制御データに基づくE3アドレスを選択する処理の実行回数をカウントダウンするためのE2カウンタが設けられている。そして、当該ステップS1207では、E2カウンタに対して、ラウンド回数設定データに記憶されている数値を記憶する。
ステップS1207の後、ステップS1208において、E2ポインタを次の行に移行させる(E2ポインタで指し示される制御データが次の制御データとなるように設定する)。当該ステップS1207の処理によって、E2ポインタが、E3アドレスを選択させるためのラウンド選択制御データを指し示すこととなる。
その後、ステップS1209では、E3ポインタの設定処理を行う。当該処理では、E2ポインタで指し示されたE3アドレスに対応して記憶されている制御データのうち先頭の制御データに基づく処理を実行するべく、当該先頭の制御データ(が記憶された領域)を指し示すポインタ(以下、E3ポインタ)を設定する。尚、以下の説明では、便宜上、複数の制御データが連続して記憶されている各領域を、図45の記載に合わせて、「行」と称する。
続く、ステップS1210では、E3ポインタで示されている(行の)制御データに基づく処理(E3処理)を行う。本実施形態では、各E3アドレスに対応して記憶されている制御データ群の先頭にはいずれも実行回数設定データが記憶されている。また、本実施形態では、実行回数設定データに基づくE4アドレスを選択する処理の実行回数をカウントダウンするためのE3カウンタが設けられている。そして、当該ステップS1210では、E3カウンタに対して、実行回数設定データに記憶されている数値を記憶する。
ステップS1210の後、ステップS1211において、E3ポインタを次の行に移行させる(E3ポインタで指し示される制御データが次の制御データとなるように設定する)。当該ステップS1211の処理によって、E3ポインタが、E4アドレス、特に、E4アドレスのうち開放選択制御データを指し示すこととなる。その後、ステップS1212において、サブ制御装置262に対してラウンドの開始を伝えるためのラウンドコマンドを設定してから、ステップS1213に移行する。
尚、サブ制御装置262には、各大当たり種別に対応して可変入賞装置32a、32bがどのようなパターンで開閉されていくかの情報が予め記憶されており、大当たり種別の情報を含むオープニングコマンド(図21参照)を受信した時点で可変入賞装置32a、32bの開閉パターンを把握することができる構成となっている。また、サブ制御装置262に対し、ラウンド期間の開始時にラウンドコマンドが出力され、インターバル期間の開始時に後述するインターバルコマンドが出力されることで、各ラウンドに対応する演出のタイミングを確実に合わせることができる。
ステップS1213では、E3ポインタで示されている制御データに基づく処理(E3処理)を行う。当該ステップS1213を実行する段階では、E3ポインタは、ラウンド回数設定データではなく、E4アドレスを選択させるための開放選択制御データ又は閉鎖選択制御データを指し示している。従って、ステップS1213では、E3ポインタで指定されたE4アドレスに対応する制御データに基づく処理を実行する。より具体的には、各制御データに基づいて、可変入賞装置32a、32bの開放又は閉鎖を行うとともに、開状態を維持する時間(開放時間)又は閉状態を維持する時間(閉鎖時間)を特別可変タイマに設定する。また、E3ポインタで示されている制御データが終期設定データ(当たり状況記憶エリアに「3」を設定する制御データ)を含む制御データ(「PTN4−7」、「PTN4−9」〜「PTN4−11」に対応する制御データ)である場合には、大当たり状況記憶エリアに「3」を設定する。さらに、第1残存球監視フラグや第2残存球監視フラグをオン設定したり、第1振分け装置149a及び第2振分け装置149bを開閉させたり、交互フラグをオン設定したりする等、指定されている動作(制御)を適宜実行させる処理を行う。
尚、本実施形態では、ラウンド中開放コマンド、及び、ラウンド中閉鎖コマンドをサブ制御装置262に出力することで、サブ制御装置262側でラウンド期間中の第1可変入賞装置32aの閉鎖、及び、ラウンド期間中の第1可変入賞装置32aの再開放を把握することが可能に構成されているが、ラウンド中開放コマンド、及び、ラウンド中閉鎖コマンドを省略することも可能である。
続くステップS1214では、当たり状況記憶エリアの値が「3」であるか否かを判別する。ステップS1214で否定判別された場合、すなわち、未だラウンドの終了時期が到来していない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1214で肯定判別された場合、すなわちラウンドの終了時(インターバルの開始時)である場合には、ステップS1215において、サブ制御装置262に対してインターバルが開始される旨の情報を伝えるためのインターバルコマンドを設定する処理を行う。その後、本処理を終了する。
尚、上記のように、サブ制御装置262は、オープニングコマンドを受信した時点で大当たり状態中における可変入賞装置32a、32bの開閉パターンを把握しているのであるが、1回のラウンド中に可変入賞装置32a、32bに対して遊技球が8個以上入球した場合には、開放期間が経過していなくてもその時点で当該ラウンドが終了する。また、詳しくは後述するが、可変入賞装置32a、32bへの8個の入賞でラウンドが終了した場合にもステップS1214を経由する構成となっている。このため、このタイミングでサブ制御装置262にラウンドの終了を伝えることで、可変入賞装置32a、32bの閉鎖のタイミング(ラウンドとインターバルとの間の切替わりタイミング)と、装飾図柄表示装置42等における演出等の切替えのタイミングとを合わせることができるのである。
また、ステップS1204で否定判別された場合、すなわち、大当たり状況記憶エリアに記憶されている値が、「2」、「3」、「4」のいずれかである場合には、ステップS1216においてE3カウンタの値を1減算する。続くステップS1217では、E3カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS1217で否定判別された場合、ステップS1218においてE3ポインタを次の行に移行させてから、ステップS1213に移行する。この場合、E3ポインタは閉鎖選択制御データを指し示すこととなり、ステップS1213では、可変入賞装置32a、32bを閉鎖させる処理が行われる。
また、ステップS1203で否定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32a、32bの開状態又は閉状態を維持するべき時間(開放時間又は閉鎖時間)が残っている場合には、ステップS1219に移行し、可変入賞装置32a、32bへの入球個数を計測する入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。尚、入賞カウンタには、大当たり状態の開始時、及び、ラウンドの開始時において、1回のラウンドあたりの入賞数の上限(規定個数)である「8」が設定される。そして、可変入賞装置32a、32bに遊技球が1つ入球する毎に1減算される。
ステップS1219で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1219で肯定判別された場合、すなわち、ラウンドの終了契機の1つである遊技球の可変入賞装置32a、32bへの入賞上限に達した場合には、ステップS1220において入球カウンタに対して所定値(例えば「8」等)を設定してから、ステップS1216に移行する。
尚、ステップS1221で肯定判別されてステップS1216に移行した場合には、ステップS1216でE3カウンタの値が「2」→「1」とされ、ステップS1217で否定判別され、ステップS1218でE3ポインタを終期設定データを含む制御データが記憶されている次の行に移行させ、ステップ1213にて大当たり状況記憶エリアに「3」が記憶されるといったラウンド終了の処理が実行されることとなる。すなわち、可変入賞装置32a、32bへの8個の入球があった後、速やかにラウンドが終了することとなる。
さらに、ステップS1219で肯定判別された場合に、入球カウンタの値を「0」のままにしておくと、上記のようにラウンドを終了させた後のインターバルの制御(次回の可変入賞装置制御処理)において、いきなりステップS1219で肯定判別されてしまい、インターバル期間を全うさせることができない。このため、ステップS1220で入球カウンタに対して「0」以外の仮の数値を入れておくことで、インターバル期間を全うさせるようになっている。
また、ステップS1217で肯定判別された場合(1つのラウンドが終了した場合)には、ステップS1221に移行し、当たり状況記憶エリアの値が「4」であるか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、最終のラウンドが終了し、さらにその後のインターバル期間が終了した時点で当たり状況記憶エリアの値が「4」に設定されることとなる。
ステップS1221で否定判別された場合、すなわち、未だ大当たり状態を終了させる段階に至っていない場合には、ステップS1222に移行し、当たり状況記憶エリアの値が「3」であるか否かを判別する。尚、上記のように、図45に示すE3テーブルの各E3アドレスに対応する制御データのうち最後のものは、E4アドレスの「PTN4−7」、「PTN4−9」〜「PTN4−11」のいずれかを指し示す終期設定データを含む制御データとなっており、E3ポインタがこれらいずれかの終期設定データを含む制御データを指し示す状態でステップS1213のE3処理(ラウンド終了後のインターバルを開始させる処理)が行われれば、大当たり状況記憶エリアに「3」が設定される。
ステップS1222で否定判別された場合、すなわち、未だラウンドを終了させる段階に至っていない場合には、ステップS1223に移行し、E3ポインタを次の行に移行させる。尚、ステップS1223で否定される可能性があるのは、E3アドレスのうち、対応する制御データとして、3つ1セットの実行回数設定データ、開放選択制御データ、及び閉鎖選択制御データが複数セット記憶されているE3アドレスが選択されている場合である。つまり、ステップS1222で否定判別された場合には、選択されたE3アドレスに対応する制御データ群のうち実行されていない制御データが残存している場合であり、ステップS1223では残りの制御データを実行させるべく、E3ポインタを次のセットの実行回数設定データを指し示すように移行させている。
続くステップS1224では、E3処理として、E3ポインタが示す(行の)実行回数設定データに記憶された数値をE3カウンタに設定する。その後、ステップS1225でE3ポインタを次の行に移行させてから、ステップS1213に移行する。尚、この場合のステップS1213では、第1可変入賞装置32aを開放させる処理が行われる。
また、ステップS1222で肯定判別された場合、すなわち、ラウンドが終了し、さらにその後のインターバル期間も終了した場合には、ステップS1226に移行して、ラウンド数カウンタを1減算する。続くステップS1227では、E2カウンタを1減算する。
その後、ステップS1228において、E2カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1228で否定判別された場合、すなわち、E2テーブルの1セットの制御データに基づく処理が完了していない場合には、ステップS1229に移行する。
ステップS1229では、交互フラグ(図46のE4テーブルのPTN4−9参照)がオン設定されているか否かを判別する。ステップS1229で肯定判別された場合には、ステップS1230において、E2ポインタがPTN3−2を指しているか否かを判別する(図44のE2テーブルのPTN2−2,PTN2−3参照)。ステップS1230において肯定判別された場合には、ステップS1231においてE2ポインタを次の行に移行させる。一方、ステップS1330で否定判別された場合には、ステップS1332において、E2ポインタを前の行に移行させる。
ステップS1231及びステップS1232の後、又は、ステップS1229で否定判別された場合には、ステップS1233において、E2ポインタが示すE3アドレスに対応して記憶されている制御データ群のうち先頭の制御データを指し示すようにE3ポインタを設定する。さらに、ステップS1234において、E3ポインタが示す実行回数設定データに記憶された数値をE3カウンタに設定し、ステップS1235において、E3ポインタを次の行に移行させ、ステップS1236において、E3ポインタが示すE4アドレスに対応する制御データに基づくE3処理を実行させる(ここではE3ポインタが開放選択制御データを示し、E3処理では第1可変入賞装置32aを開放させる処理を実行させることとなる)。
ステップS1236の後、ステップS1237において、当たり状況記憶エリアに対してラウンド中であることを示す「2」を設定する。続くステップS1238では、入賞カウンタに対して1回のラウンド中における遊技球の可変入賞装置32a、32bへの入球の上限値(1ラウンドあたりの最大入賞個数)である「8」を設定する。さらに、ステップS1239において、サブ制御装置262に対してラウンド期間の開始を伝えるラウンドコマンドを設定し、本処理を終了する。
また、ステップS1228で肯定判別された場合には、ステップS1240において交互フラグを(オンの場合には)オフ設定する。続くステップS1241では、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS1241で否定判別された場合、すなわち、全ラウンドを消化しておらず、未だ大当たり状態を終了させる段階に至っていない(選択されたE2アドレスに対応する制御データ群のうち未だ実行されていない制御データがある)場合には、ステップS1242に移行し、E2ポインタを次の行に移行させる。続いて、ステップS1243において、E2ポインタが示すラウンド回数設定データに記憶された数値をE2カウンタに設定するとともに、ステップS1244においてE2ポインタを次の行に移行させ、E2ポインタがラウンド選択制御データを示す状態とする。ステップS1244の後、ステップS1233に移行する。
また、ステップS1241で肯定判別された場合、すなわち、全ラウンドが終了し、さらに、その後のインターバル期間が終了した場合には、ステップS1245に移行し、特別可変タイマに対して、装飾図柄表示装置42等においてエンディング演出を行うためのエンディング時間を設定する。
ステップS1245の後、ステップS1246において当たり状況記憶エリアに対して当たり状態が終了することを示す「4」を設定する。続くステップS1247において、サブ制御装置262に対して大当たり状態の終了を示すエンディングコマンドを設定してから、本処理を終了する。
尚、詳しくは後述するが、装飾図柄表示装置42のエンディング演出は、当該エンディング時間が設定された時点から行われるのではなく、最終のラウンドが終了した時点(可変入賞装置32a、32bが閉鎖された時点)から開始される。つまり、サブ制御装置262は、最終ラウンドが終了した時点(最終ラウンドの後のインターバル期間が開始される時点)で出力されるインターバルコマンド(ステップS1215参照)の受信を契機としてエンディング演出を開始する。
また、ステップS1221で肯定判別された場合、すなわち、当たり状況記憶エリアに「4」が設定されている場合には、ステップS1248に移行し、終了設定処理を行う。終了設定処理では、モード記憶エリアの設定や変動回数カウンタの設定が行われる。
ここで、終了設定処理について、図24を参照して説明する。先ず、ステップS1401では、第2特別入球フラグ(図30の第2残存球監視処理参照)がオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1401で肯定判別された場合には、ステップS1402において、第2特別入球フラグをオフする。さらに、ステップS1403において、モード記憶エリアに対し確変モードに対応する値「21」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に確変モードが付与されることとなる。
続くステップS1404では、サブ制御装置262に対して確変モードの開始(確変ステージへの移行)を知らせる確変開始コマンドを設定する。その後、ステップS1405で大当たり中フラグをオフしてから、本処理を終了する。
また、ステップS1401で否定判別された場合には、ステップS1406において、第1特別入球カウンタ(図29の第1残存球監視処理参照)の値が「3」以上であるか否かを判別する。ステップS1406で肯定判別された場合には、ステップS1407において、第1特別入球カウンタをリセットする。その後、ステップS1403に移行し、モード記憶エリアに対して「21」を設定する等の処理を行う。
また、ステップS1406で否定判別された場合には、ステップS1408において、モード記憶エリアに対し時間短縮モードに対応する値「12」を設定する。これにより、大当たり状態終了後に時間短縮モードが付与されることとなる。ステップS1408の後、ステップS1409において、変動回数カウンタに対して「100」を設定する。尚、変動回数カウンタとは、変動回数に上限が設定された時間短縮モードにおいて、変動回数の上限に達したことを把握するためのものである。
続いて、ステップS1410において、サブ制御装置262に対して時間短縮モードの開始(引き戻しステージへの移行)を知らせる時短開始コマンドを設定する。その後、ステップS1405で大当たり中フラグをオフしてから、本処理を終了する。
図22、図23の説明に戻り、ステップS1248の終了設定処理の後、ステップS1249において、当たり状況記憶エリアに対して大当たり状態ではないことを示す「0」を設定する。その後、ステップS1250において、サブ制御装置262に対して大当たり状態を終了する旨の情報を伝える当たり終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。尚、当たり終了コマンドには、上記終了設定処理で設定された変動回数カウンタの回数情報等が含まれている。
次に、前記ステップS208の普通表示制御処理について図25のフローチャートを参照して説明する。
先ず、先ず、ステップS2101では、普通図柄表示装置41の変動表示の後に設定されるインターバル(普図インターバル)の残り時間を計測するための普図インターバルタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2101で否定判別された場合、すなわち、普図インターバルである場合には、ステップS2116において、普図インターバルタイマの値を減算してから、本処理を終了する。つまり、例えば、普図インターバルを1秒(1000msec)として、普図インターバルタイマに「249(ステップS2101の前にステップS2116が行われる構成とする場合には「250」)」が設定されていた場合には、当該処理において、4msec毎に普図インターバルタイマの値が「1」減算され、1秒後に「0」となる。
一方、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち、普図インターバル期間ではない場合には、ステップS2102において、第2始動入賞装置33bの開閉制御の最中であることを示すサポート期間中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS2102で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2102で否定判別された場合には、ステップS2103において、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す普図表示中フラグがオンであるか否かを判別する。尚、普図表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされる。
ステップS2103で否定判別された場合には、ステップS2104に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。ステップS2104で否定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41の変動表示が1つも保留されていない場合には、そのまま本処理を終了する。尚、例えば、ステップS2104で否定判別された場合に、普通図柄表示装置41において、変動表示が行われていない変動待機状態であることに対応する表示態様を導出するための待機表示設定を行うこととしてもよい。つまり、普通図柄表示装置41は、変動停止後、その停止態様が普図インターバル期間の間は(入球サポート抽選の結果を示す態様で)維持されることとなるが、普図インターバル期間が終了すると、変動待機状態であることを示す表示態様に切替えられるように構成してもよい。
一方、ステップS2104で肯定判別された場合には、ステップS2105において、普通保留カウンタNcから1を減算する。続くステップS2106では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2107では、普通図柄表示装置41の変動表示を設定し、開始させるための普図変動設定処理を実行する。
ここで、普図変動設定処理について、図26を参照して説明する。先ず、ステップS2301では、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示中であることを示す普図表示中フラグをオン設定する。続くステップS2302では、当たり状況記憶エリアを参照し、「0」が記憶されているか否か、すなわち、今現在、大当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップS2302で肯定判別された場合、つまり、大当たり状態ではない場合には、ステップS2303において、モード記憶エリアに対し「12」、又は、「21」の値が記憶されているか否か、すなわち、高入球状態(時間短縮モード又は確変モード)であるか否かを判別する。
ステップS2303で肯定判別された場合には、ステップS2304において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。
その後、ステップS2305において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「0」であるか否かを判別する。尚、高入球状態では、「0〜232」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1〜232」の場合に当選となる。
ステップS2305で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2305で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bを開状態とするか否かの入球サポート抽選に当選した場合には、ステップS2306において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップS2306の後、本処理を終了する。
また、ステップS2302、又は、ステップS2303で否定判別された場合、つまり、大当たり状態、又は、低入球状態にある場合には、ステップS2307において、普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を8秒にするために「2000」を設定する。さらに、ステップS2308において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタC4が「1〜31」であるか否かを判別する。尚、低入球状態では、「0〜232」の範囲の値を取る普通図柄乱数カウンタC4の値が「1〜31」の場合に当選となる。また、普通図柄の変動表示時間を抽選によって決定することとしてもよい。
ステップS2308で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2308で肯定判別された場合、すなわち、入球サポート抽選に当選した場合には、上記ステップS2306において、入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定した後、本処理を終了する。尚、普通図柄の変動表示時間や、入球サポート抽選での当選確率等については、パチンコ機の機種毎に適宜設定可能であり、例えば、高入球状態時における入球サポート抽選の当選確率を、低入球状態における入球サポート抽選の当選確率よりも高くなるように構成してもよい。
図25の説明に戻り、ステップS2107の後、ステップS2108において、普通図柄表示装置41の変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する普通保留表示装置44(普通保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の普通保留ランプが両方とも点滅状態であった場合には左側の普通保留ランプを点滅させたまま右側の普通保留ランプを点灯させ、左側の普通保留ランプが点滅状態であり右側の普通保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを点灯させ、左右両方の普通保留ランプが点灯状態であった場合には左側の普通保留ランプを点灯させたまま右側の普通保留ランプを消灯させ、左側の普通保留ランプが点灯状態であり右側の普通保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを消灯させるための処理を行う。ステップS2108の後、本処理を終了する。
また、ステップS2103で肯定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2109に進み、普図表示タイマを減算する処理を行う。この処理が1回行われる毎に普図表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2110に進み、普図表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2110で肯定判別された場合には、ステップS2111において普図表示中フラグをオフし、ステップS2112において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普図停止表示設定を行う。つまり、入球サポート抽選に当選した場合(入球サポートフラグがオン設定されている場合)には、普通図柄表示装置41の左右一対の普図ランプの両方を点灯させ、外れである場合には左側の普図ランプのみを点灯させる。
続いてステップS2113に進み、普図判別情報設定処理を行う。ここで、普図判別情報設定処理について、図27を参照して説明する。
先ず、ステップS2401では、入球サポートフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS2401で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2401で肯定判別された場合には、ステップS2402において、第2始動入賞装置33bが開状態中であるか否かを判別するための普通可変フラグをオン設定する。
続くステップS2403では、モード記憶エリアにおいて「12、21」のどちらかが記憶されているか否か、すなわち、高入球状態であるか否かを判別する。ステップS2403で肯定判別された場合には、ステップS2404において、第2始動入賞装置33bの開放時間(残余時間)を計測するための普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を1.8秒にするべく「450」を設定する。
さらに、ステップS2405では、第2始動入賞装置33bを開放させる回数(残り回数)を計数する開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを3回開放させるべく「3」を設定する。ステップS2405の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンにする。さらに、ステップS2410において、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS2403で否定判別された場合、すなわち、低入球状態にある場合には、ステップS2406において、普通可変タイマに対し、第2始動入賞装置33bの開放時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。続く、ステップS2407では、開放回数カウンタに対し、第2始動入賞装置33bを1回開放させるべく「1」を設定する。ステップS2407の後、ステップS2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップS2409において、サポート期間中フラグをオンし、ステップS2410において、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
図25の説明に戻り、ステップS2113の後、ステップS2114において、普図インターバルタイマに対して普図インターバル期間(例えば、1秒)に相当する値を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS2110で否定判別された場合には、ステップS2115において、普通図柄表示装置41の変動表示(左右一対の普図ランプを交互に点灯させる切替表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、普通表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)が実現される。ステップS2115の後、本処理を終了する。
次に上記ステップS208の始動入賞装置制御処理について図28のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2201では、サポート期間中フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2201で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ステップS2201で肯定判別された場合には、ステップS2202において、普通可変タイマの値を1減算する。
続くステップS2203では、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2203で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bの開閉の状態を維持する期間である場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2203で肯定判別された場合には、ステップS2204において、普通可変フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2204で肯定判別された場合、すなわち、現在、第2始動入賞装置33bが開状態にあって、閉状態とするタイミングが到来した場合には、ステップS2205において、普通可変フラグをオフする。続くステップS2206では、開放回数カウンタの値を1減算し、ステップS2207では、第2始動入賞装置33bを閉状態とする設定を行う。
その後、ステップS2208において、開放回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2208で肯定判別された場合には、ステップS2209においてサポート期間中フラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS2208で否定判別された場合、すなわち、当選した入球サポート抽選が確変モード又は時間短縮モードで行われたものであって、それに基づいて第2始動入賞装置33bが3回開放されるうちの残り回数がある場合には、ステップS2210で普通可変タイマに対してインターバル時間に相当する値(例えば「250」)を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS2204で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞装置33bが3回開放される間のインターバル期間(第2始動入賞装置33bは閉状態)にあって、インターバル期間を終了させるタイミングが到来した場合には、ステップS2211で普通可変フラグをオンし、ステップS2212で普通可変タイマに対して開放時間に相当する値(本例では、高入球状態時;「450」)を設定し、ステップS2213で、第2始動入賞装置33bを開状態とする設定を行う。その後、本処理を終了する。
尚、第2始動入賞装置33bが開状態とされている場合に、第2始動入賞装置33bに対して遊技球が規定数(例えば1個)入球した場合には、第2始動入賞装置33bが直ちに閉状態とされるように構成してもよい(例えば、ステップS2203で否定判別された場合に、第2始動入賞スイッチ224bの検知が行われたか否かの判別を行い、肯定判別された場合に、ステップS2205に移行するように構成してもよい。)。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図31を参照して受信割込み処理を説明し、その後、図32を参照してメイン処理を説明する。
図31は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。
受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図30に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図32を参照して説明する。図32は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、払出制御装置311のタイマ割込み処理について、図33を参照して説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図34を参照して以下に説明する。
図34は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図28参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図33のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、CRユニット接続基板314から、CRユニットと電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を受信しているか否かを判別する。ステップS3202で肯定判別された場合には、ステップS3203において、CRユニットと電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を電源・発射制御装置310の発射制御回路312に送信する。
ステップS3203の後、又は、ステップS3202で否定判別された場合には、ステップS3204において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3204で肯定判別されれば、ステップS3205で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3206では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、満杯検知スイッチの検知信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3207では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検知信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3208では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3209で払出個数設定処理を行い、ステップS3210においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3211においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3212では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3213では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図35を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、主制御装置261から出力された先発コマンドの情報を、サブ制御装置262のRAM553に設けられた保留情報記憶エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、第1始動入賞装置33a又は第2始動入賞装置33bのどちらの入球を契機とする変動表示であるかを示す情報、大当たりに対応する変動情報であるかを示す情報、大当たり種別を示す情報、リーチの種別を示す情報等が含まれる。
サブ制御装置262の保留情報記憶エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアと同様に、それぞれ4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)を備える第1保留情報記憶エリア、及び、第2保留情報記憶エリアと、1つの実行エリアとを備えている。第1保留情報記憶エリアには、第1変動表示(第1特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、大当たりか否かの情報、大当たり種別、リーチパターン、及び、変動時間等の変動表示に関する情報(変動情報)が時系列的に格納される。また、第2保留情報記憶エリアには、第2変動表示(第2特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、変動情報が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、第1始動入賞装置33aへの入球を契機とする第1変動表示に関する変動情報、及び、第2始動入賞装置33bへの入球を契機とする第2変動表示に関する変動情報をそれぞれ4つ保留記憶することができる。結果的に、サブ制御装置262において主制御装置261の特別変動保留エリアの変動情報(保留情報)を把握可能となっている。尚、第1、及び、第2保留情報記憶エリアにそれぞれ設けられた4つの保留エリアには、第1保留エリア〜第4保留エリアのように保留エリア番号が付されており、新たに格納される変動情報(保留情報)は、変動情報が記憶されていない保留エリアのうち保留エリア番号の小さい保留エリアに記憶される。
ここで保留情報格納処理について、図38を参照して説明する。先ず、ステップS4101では、先発コマンドを受信したか否か(先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。当該ステップS4101で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において先発コマンドが第2始動入賞装置33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであるか否かを判別する。ここで否定判別された場合、すなわち、先発コマンドが第1始動入賞装置33aの入球(第1特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4103において、第1保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第1変動保留カウンタNdを1インクメントする。
続くステップS4104では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、リーチパターンの情報、及び、変動時間情報等を、第1保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリア(保留エリア番号の小さい保留エリア)に記憶する。
また、続くステップS4105では、予告情報格納処理を行う。すなわち、本実施形態では、連続する複数の変動表示において互いに関連する演出表示を意図的に導出する(所謂、「連続予告」が行われる)場合がある。ここでは、連続予告を行うか否かを決定するための連続予告カウンタの値、及び、連続予告の種別を決定するための予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第1保留情報記憶エリアのうち上記ステップS4104にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
連続予告カウンタは、例えば0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり49)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。連続予告カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(連続予告カウンタバッファ)に連続予告カウンタの値が記憶される。
予告種別カウンタは、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。予告種別カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(予告種別カウンタバッファ)に予告種別カウンタの値が記憶される。
そして、当該予告情報格納処理において、保留情報記憶エリアに変動情報が格納されると、連続予告カウンタバッファ及び予告種別カウンタバッファに記憶されている連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値が取得されることとなる。さらに、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアには、連続予告が導出されることが決定された場合にオンされる連続予告フラグがそれぞれ設けられている。
また、本実施形態では、ROM552に対し、連続予告を行うか否かの決定に際して参酌される予告当否判定テーブルと、連続予告の態様の決定に際して参酌される予告テーブルとが設けられている。予告当否判定テーブル及び予告テーブルはそれぞれ複数設けられており、変動情報に応じて、参酌される予告当否判定テーブル及び予告テーブルが選択される。
ステップS4105の後、ステップS4106では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行う。ステップS4106の連続予告抽選処理では、既に連続予告フラグがオン設定された保留エリアが存在するか否かを確認する。そこで連続予告フラグが設定された保留エリアの存在が確認されない場合であって、さらに、第1保留エリアにおいて完全外れ(リーチ状態が発生しない外れ)に対応する変動情報のみが記憶されている場合に、連続予告の抽選を行うようになっている。その一方で、連続予告フラグが設定された保留エリアの存在が確認された場合には、連続予告の抽選を行わないようになっている。
尚、ステップS4106の連続予告抽選処理では、第1変動保留カウンタNdの値が「2」以上である場合に、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された連続予告カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチパターンや遊技モードにそれぞれ対応する予告当否判定テーブル(大当たりに対応するものの方が外れに対応するものよりも当選し易い)を参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。さらに、連続予告を実行することが決定された場合には、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された予告種別カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチパターンや遊技モードに対応する予告テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。加えて、第1保留情報記憶エリアの保留エリアのうち変動情報が記憶されている全ての保留エリアの連続予告フラグをオンにする。但し、実行エリアの連続予告フラグはオンにしない。
ステップS4106の後、ステップS4107では、装飾図柄表示装置42において変動表示が保留記憶されていることを示す保留アイコン461を1つ追加表示するための保留アイコン設定処理を行う。
図41に示すように、装飾図柄表示装置42の下部に設けられた保留表示エリア462には、「浮き輪」を模した保留アイコン461が表示されるようになっている。本実施形態の保留表示エリア462は、保留情報記憶エリアの実行エリアに対応する実行対応エリア462aと、保留情報記憶エリア(第1及び第2保留情報記憶エリア)の保留エリアに対応する保留対応エリア462bとを備えている。但し、本実施形態では、第1変動表示、及び、第2変動表示を4つずつ、合計8つ保留記憶可能になっているのに対し、保留表示エリア462の保留対応エリア462bは、先に消化される順(左にある保留アイコン461が先に消化される変動表示に対応しており、一番左側の保留アイコン462は、実行中の変動表示に対応している)に変動表示を最大で4つまで表示可能となっている。
また、保留アイコン461は、対応する変動表示の大当たり期待度を示唆する態様で導出される場合(例えば、キャラクタが「浮き輪」を使用している態様)がある。さらに、保留アイコン461に対応する変動表示が消化されるまでの間に、当該保留アイコン461のパターンが変化する(保留変化演出が導出される)場合がある。ステップS4107の後、本処理を終了する。
また、ステップS4102で肯定判別された場合、すなわち、先発コマンドが第2始動入賞装置33bへの入球(第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報)に対応するものであった場合には、ステップS4108に進み、第2保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第2変動保留カウンタNeを1インクリメントする。
その後、ステップS4109では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、リーチパターンの情報、変動時間情報等を、第2保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。続くステップS4110では、連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値を取得し、当該カウンタ値を第2保留情報記憶エリアのうち上記ステップS4109にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
ステップS4110の後、ステップS4111において、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行う。ステップS4111の連続予告抽選処理では、既に連続予告フラグがオン設定された保留エリアが存在するか否かを確認する。そこで存在が確認された場合には、連続予告の抽選を行わない上、連続予告フラグがオンされた保留エリアが第1保留エリアであるか否かを判別する。第1保留エリアであると判別された場合には、第1保留エリアの連続予告フラグをオフするとともに、新しく変動情報が保留記憶された第2保留エリアに連続予告の最終回の表示態様を導出させるためのフラグをセットする。つまり、第1変動表示に関して連続予告が行われている途中で、第2変動表示が保留された場合には、第2変動表示により、第1変動表示の連続予告演出が途切れることになることから、当該第2変動表示において、連続予告演出を終わらせる表示態様が導出されるようになっている。
その一方で、連続予告フラグが設定された保留エリアの存在が確認されない場合であって、さらに、第2保留エリアにおいて完全外れ(リーチ状態が発生しない外れ)に対応する変動情報のみが記憶されている場合に連続予告の抽選を行う。尚、ステップS4111の連続予告抽選処理は、ステップS4106の連続予告抽選処理を第2始動入賞装置33bへの入球に対応させるだけであり、説明は省略する。
ステップS4111の後、ステップS4112において、保留アイコン設定処理を行ってから、本処理を終了する。
図35の説明に戻り、ステップS3903の後、又は、ステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では2msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3913へと移行する。
ステップS3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図36に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCOと、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタCOは、大当たり状態が発生する際に、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、大当たり時装飾図柄カウンタCOとしては、9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCOは、0〜8の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり8)に達した後0に戻る構成となっている。
そして、主制御装置261から確変大当たりに対応する変動パターンコマンドを受信した場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合せを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタCOはステップS3906のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が変動パターンコマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。尚、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCOはRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、変動パターンコマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
また、通常大当たりに対応する変動パターンコマンドを受信した場合、例えば、カウンタ値が0、1であれば「2」(のゾロ目)、2〜4であれば「4」(のゾロ目)、5、6であれば「6」(のゾロ目)、7、8であれば「8」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合せを決定する。
上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRは、当否抽選が外れとなったときに、上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄の組合せを決定するものであり、各列では9個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に9個(0〜8)のカウンタ値が用意されている。上図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に8減算されて今回値が決定される。各図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ、及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図37に示すように、ステップS4001では、上図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に8を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した図柄カウンタCL,CM,CRの組合せがリーチ図柄の組合せ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じ)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合せである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、大当たり図柄の組合せ(左右の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが同じ)であるか否かを判別する。ステップS4007で肯定判別された場合には、図柄カウンタCL,CM,CRの組合せをRAM553に記憶することなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS4007で否定判別された場合には、ステップS4008において、図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが前後外れ図柄の組合せであるか否かを判別する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ図柄(前後外れリーチ)の組合せである場合(S4008がYES)、ステップS4009に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合せをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外図柄(前後外れ以外リーチ)の組合せである場合(S4008がNO)には、ステップS4010に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合せをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
また、リーチ図柄以外の組合せである場合(S4006がNO)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが外れ図柄(完全外れ図柄)の組合せになっているため、ステップS4011において、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
図35の説明に戻り、ステップS3906では保留処理を行う。以下、保留処理について図39を参照して説明する。
先ず、ステップS4201では、変動パターンコマンドを受信したか否か(変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4201で肯定判別された場合には、ステップS4202において、第2変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別する。当該ステップS4202で否定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が保留記憶されていない場合には、ステップS4203に進み、第1変動保留カウンタNdの値を1減算する。
尚、上記のように、本実施形態では、第1変動表示よりも第2変動表示が優先的に消化され、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示が消化されることはない。すなわち、第2保留情報記憶エリアに第2変動表示の変動情報が保留記憶されている場合には、第1変動表示に対応する変動パターンコマンドは送られてこない。このため、本実施形態では、ステップS4202において、第2変動保留カウンタNeの値が「0」よりも大きいか否かを判別することで、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別している。もちろん、変動パターンコマンドに対して第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報に対応しているかの情報を持たせ、変動パターンコマンドに基づいて、当該変動パターンコマンドが第1変動表示及び第2変動表示のどちらの変動情報を有しているかを判別してもよい。
ステップS4203の後、ステップS4204において、第1保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留情報記憶エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータ(連続予告フラグも含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS4204の後、ステップS4207に移行する。
また、ステップS4202で肯定判別された場合、すなわち、第2変動表示の変動情報が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS4205において、第2変動保留カウンタNeの値を1減算する。
続くステップS4206では、第2保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留情報記憶エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップS4206の後、ステップS4207に移行する。尚、本実施形態では、保留情報記憶エリアの実行エリアは1つであり、第1保留情報記憶エリア及び第2保留情報記憶エリアに格納されているデータは、当該データに対応する変動表示が行われる際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ステップS4207では連続予告に使用される表示演出の種別を決定する予告設定処理が行われる。ステップS4207の予告設定処理では、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4106の連続予告抽選処理参照)がオンであるか否かを判別し、否定判別された場合には、連続予告は行われないため、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、大当たりか否か、大当たりの場合には種別は何か、大当たりではない場合には、リーチパターンは何か等を判別し、それぞれに対応するテーブルを参照して、連続予告の種別を決定する。ここで決定された種別の連続予告は、対応する変動表示に際して所期のタイミングで導出されることとなる。
ステップS4207の後、ステップS4208において、装飾図柄表示装置42に表示されている保留アイコン461をシフトさせるための保留アイコンシフト処理を行う。尚、保留情報記憶エリアの各保留エリア、及び、実行エリアには、保留アイコン461の種別を記憶する保留アイコン記憶エリアが設けられており、当該保留アイコン461に関する情報についても、上記した保留情報記憶エリアのデータシフト処理にてシフトされるようになっている。
当該保留アイコンシフト処理は、かかるデータシフトに応じて保留アイコン461を再描画させるための処理であり、装飾図柄表示装置42では、変動表示が1つ消化される(実行される)毎に、最も左に位置していた保留アイコン461が消去されるとともに、その右側に配置されていた保留アイコン461が一つ左にシフトされる(表示場所が移動する)ようになっている。ステップS4208の後、本処理を終了する。
図35の説明に戻り、ステップS3908では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。つまり、ここでは、装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定されることとなる。例えば、変動パターンコマンドを受信した場合、サブ制御装置262は、遊技状態(遊技モード)、変動種別(大当たりの場合には大当たりの種別、外れの場合にはリーチパターン)、及び、変動時間等に基づいて、対応するテーブルを参照し、装飾図柄の変動表示の図柄構成、装飾図柄の変動表示とともに行われる演出表示の演出パターン等を決定する。そして、決定事項を表示コマンドとして表示制御装置45に出力する等の制御を行う。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での装飾図柄の変動表示を開始する。また、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまでの間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
また、変動表示を開始させる際には、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップS4106の連続予告抽選処理参照)がオンである場合に、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、各状況に対応するテーブルを参照して、変動表示に導出させる連続予告の種別を決定したり、連続予告とは別の予告演出の導出を決定したり、演出ボタン125等の操作に対応する表示を行ったりする。さらに、当該ステップS3908の表示設定処理では、大当たり中の演出制御を行う処理(当たり表示処理)についても行われる。
ここで、ステップS3907の表示設定処理において行われる当たり表示処理について、図40を参照して説明する。
先ず、ステップS4701では、主制御装置261から大当たり状態の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4701で肯定判別された場合には、ステップS4702において、サブ制御装置262側で大当たり状態中であることを確認するためのサブ側大当たり中フラグをオン設定する。ステップS4702の後、ステップS4703において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、「13RS」であれば「13」を設定し、「8RS」、「8RN」であれば「8」を設定する。
その後、ステップS4704において、オープニングコマンドに含まれる情報に基づいて、大当たり状態における装飾図柄表示装置42や音声出力装置(スピーカSP等)による演出のシナリオを設定する。つまり、どのラウンドに対応してどの演出を実行するかの設定であり、表示制御装置45は、かかるシナリオに基づいて、演出表示を順次生成する。例えば、「13RS−1」の第2ラウンド、「13RS−2,3」の第13ラウンド、並びに、「8RS−1,2」の第8ラウンドに対応しては、第2可変入賞装置32bを狙って遊技球を発射させ、第2特別入球部145bに遊技球を入球させることができれば、確変モードが付与されることを伝える演出(確変演出)が導出されるようにする。「8RN−1」〜「8RN−4」、及び、「8RS」、並びに、「13RS−1,2」の第1ラウンドに関しては、第1可変入賞装置32aが1.8秒間のショート開放をした際に、該第1可変入賞装置32aに遊技球を入球させて、第1特別入球部145aに遊技球を3回以上入球させることができれば、確変モードが付与されることを伝える演出(V入賞チャレンジ演出)が導出されるようにする。「13RS−1,2」では、ショート開放が1つのラウンドであるのに対し、「8RS」、「8RN」では、ショート開放だけで1ラウンドではなく、それに続くインターバル、及び、28秒間のロング開放を含めて1ラウンドとなっているが、演出としては同様の態様を導出するようにする。
ステップS4704の後、ステップS4705において、8秒間のオープニング演出の設定(装飾図柄表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行う。その後、本処理を終了する。
また、ステップS4701で否定判別された場合には、ステップS4706において、サブ側大当たり状態中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS4806で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4706で肯定判別された場合には、ステップS4707において、ラウンドコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4707で肯定判別された場合には、ステップS4708において、ラウンド把握カウンタの値に対応するラウンドのラウンド演出の設定を行う。尚、表示制御装置45では、当該設定(により出力されるコマンド)を契機として、シナリオに対応する演出表示を導出させる。さらに、現在のラウンド数についても表示する。ステップS4708の後、本処理を終了する。
また、ステップS4707で否定判別された場合には、ステップS4709において、インターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4709で肯定判別された場合には、ステップS4710において、ラウンド把握カウンタの値を「1」減算する。続いて、ステップS4711において、最終ラウンドが終了したか否か(ラウンド把握カウンタの値が「0」か否か)を判別する。
ステップS4711で否定判別された場合には、ステップS4712において、ラウンド把握カウンタの値に対応するインターバルのインターバル演出の設定を行い、本処理を終了する。一方、ステップS4711で肯定判別された場合には、ステップS4713において、エンディング演出の設定を行い、本処理を終了する。尚、第1可変入賞装置32aがショート開放される直前のインターバルに関するインターバル演出の設定では、第1可変入賞装置32aを狙って遊技球を発射させる旨の表示演出が導出される。本例では、かかる表示演出を導出させる機能が報知手段を構成する。
また、ステップS4709で否定判別された場合には、ステップS4714において、当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップS4714で肯定判別された場合には、ステップS4715において、サブ側大当たり中フラグをオフ設定する。その後、ステップS4716において、詳しくは後述するサブ側第1特別入球カウンタ、サブ側第2特別入球フラグ、及び、払出表示カウンタをリセットし、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、最終ラウンドに続くインターバル期間が設けられ、該インターバル期間〜エンディング演出が開始されるように構成されている。このため、図示は省略するが、サブ制御装置262では、エンディングコマンドを受信した場合にエンディング演出のタイミングの同期を確認し、ずれていた場合には同期を図るように構成されているのであるが、エンディングコマンドを省略することも可能である。或いは、最終ラウンドの後のインターバル期間を省略し、エンディングコマンドの受信を契機としてエンディング演出を開始させるように構成してもよい。
また、ステップS4714で否定判別された場合には、ステップS4717において、第1特別入球コマンド(図29の第1残存球監視処理参照)を受信したか否かを判別する。ステップS4717で肯定判別された場合には、ステップS4718において、サブ制御装置262において、第1特別入球部145aへの遊技球の入球数をカウントするためのサブ側到達カウント手段としてのサブ側第1特別入球カウンタの値を「1」加算する。
さらに、ステップS4719において、遊技球が第1特別入球部145aに入球したことに対応する(示す)第1特別入球表示463(図42参照)を導出する。ここで、第1特別入球表示463の態様は、サブ側第1特別入球カウンタの値に応じて変化する(該値が「1」よりも「2」の方が派手になり、「2」よりも「3」の方が派手になり、特に「3」の場合には、確変モードの付与が教示される)。但し、サブ側第1特別入球カウンタの値が「4」以上の場合、第1特別入球表示463は行わない(3回目の第1特別入球表示463から表示され続ける遊技球が第1特別入球部145aに3回入球したことを示す態様は継続表示される)。
加えて、本実施形態では、「13RS−1」及び「8RN−5」以外の大当たり状態において、装飾図柄表示装置42にて、遊技球が第1特別入球部145aに3回入球するまでの残り回数を示す残情報表示464(図42参照)が導出される。例えば、第1ラウンドの装飾図柄表示装置42において、鍵を3つ見付ければ確変モードが獲得される旨、及び、鍵を見付けるには、第1可変入賞装置32aがショート開放された際に遊技球を第1可変入賞装置32aに入球させる旨を伝える案内表示を導出し、装飾図柄表示装置42の右上に3つの鍵のマークを模した残情報表示464を表示する(未取得は白抜き、取得後は色付き)。そして、第1特別入球部145aに遊技球が入球した場合、装飾図柄表示装置42では、第1特別入球表示463として、キャラクタが鍵を見付けた表示を導出し、残情報表示464としては、見つけた鍵が1つ増えた態様とし、それを継続表示する。尚、残情報表示464は、遊技球があと何回第1特別入球部145aに入球することで確変モードが付与されるかが把握可能になっていればよく、遊技球が第1特別入球部145aに入球した数を残情報表示464(3回で確変モード付与ということが併記されることがより望ましい)としてもよい。
尚、「13RS−1」及び「8RN−5」では、それぞれ固有の大当たり演出が導出される。特に、「8RN−5」では、残情報表示464が導出されないが、その他の「8RN」の大当たりと同様に、第1可変入賞装置32aのショート開放時に遊技球が入球することで第1特別入球部145aへの入球が可能であり、3回の入球で確変モードが付与される。但し、第1特別入球部145aへ遊技球が3回入球した教示については、第7ラウンドに導出されるジャッジ演出で行われ、第7ラウンドのショート開放の際に3回に達した場合には第8ラウンドで逆転演出として導出される。
また、本実施形態の「13RS」及び「8RS」のショート開放では、第1振分け装置149aは開状態とされず、従って、第1可変入賞装置32aに遊技球を入球させても第1特別入球部145aには入球しない(その代わりに、第2可変入賞装置32bが最終ラウンドにロング開放される)。ここで、本実施形態では、「13RS」及び「8RS」のショート開放に際して第1非特別入球検知スイッチ222aの検知が行われた場合であって、かつ、サブ側第1特別入球カウンタ(別途のカウンタを設けることとしてもよい)の値が「0,1」の場合に、フェイク演出抽選を行って当選した場合に、フェイクの第1特別入球表示を導出するとともに、サブ側第1特別入球カウンタを1加算することとしてもよい。但し、「13RS」及び「8RS」のショート開放に際して第1非特別入球検知スイッチ222aの検知が行われた場合であっても、サブ側第1特別入球カウンタ(別途のカウンタを設けることとしてもよい)の値が「2」の場合には、フェイク演出抽選を行わないこととする。
ステップS4719の後、又は、ステップS4717で否定判別された場合には、ステップS4720において、第2特別入球コマンド(図30の第2残存球監視処理参照)を受信したか否かを判別する。ステップS4720で肯定判別された場合には、ステップS4721において、サブ制御装置262において、第2特別入球部145bへの遊技球の入球を記憶するためのサブ側第2特別入球フラグをオン設定する。続くステップS4722では、遊技球が第2特別入球部145bに入球したこと、すなわち、確変モードが付与されることを教示する第2特別入球表示を導出する。尚、第2特別入球表示が導出された場合には、残情報表示は消去される。
ステップS4722の後、又は、ステップS4720で否定判別された場合には、ステップS4723において、第1入球カウントコマンド(図29の第1残存球監視処理参照)を受信したか否かを判別する。ステップS4723で否定判別された場合には、ステップS4724において、第2入球カウントコマンド(図30の第2残存球監視処理参照)を受信したか否かを判別する。ステップS4723、又は、ステップS4724で肯定判別された場合には、ステップS4725において、所定期間において遊技者に付与した遊技球の数をカウントするための払出表示カウンタの値を「15」加算する。
尚、本実施形態では、図42に示すように、大当たり状態、及び、それに続く確変モード、並びに、時間短縮モードの通常遊技状態において遊技者に付与した遊技球の数を、払出表示カウンタの値に基づいて、装飾図柄表示装置42において表示する(獲得球数表示465を導出する)ようになっている。また、獲得球数表示465では、可変入賞装置32a、32bへの入球に基づいて付与された遊技価値(遊技球)だけでなく、始動入賞装置33a、33bや一般入賞口31への入球に基づいて付与された遊技価値の数も含まれる。さらに、本例では説明を省略しているが、装飾図柄表示装置42において、大当たり状態の各ラウンドでの第1可変入装置32a、第2可変入賞装置32bへの入球数を表示するように構成し、第1特定入球カウントスイッチ226a、及び、第2特定入球カウントスイッチ226bの検知回数への入球が行われた場合に、主制御装置261からサブ制御装置262に対応するコマンドが出力され、かかるコマンドが入力された場合に、前記入球数の表示を増加させる(或いは、ラウンド開始時に1回のラウンドの入賞上限を表示し、特定入球カウントスイッチ226a、226bのカウントで減算する構成でもよい)ように構成してもよい。
図35の説明に戻り、ステップS3908では、装飾図柄表示装置42の変動表示の停止に関する変動停止処理を実行する。ここで、停止コマンド(特別表示制御処理のステップS821参照)を受信した場合には、装飾図柄表示装置42における変動表示を停止表示させる処理を行う。また、サポート終了コマンド(判別情報設定処理のステップS1016参照)を受信した場合には、装飾図柄表示装置42に表示されている演出ステージを、「引き戻しステージ」から、「通常ステージ」に変更させる処理を行う。
ステップS3909のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3910の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3911で行われる。
ステップS3911では、客待ち演出の制御設定等その他の処理を行う。つまり、遊技者が遊技していない状態が規定時間継続した場合に、客寄せモード又は省エネモードに移行する構成であって、装飾図柄表示装置42では、客待ち演出として、装飾図柄が表示されない(代わりに一連の動画が表示される、或いは、静止画が表示される)、画面が暗めになる等するデモ画面表示が導出されるようになっている。
ステップS3912では、上記ステップS3906〜S3913の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
2msec毎に行われるステップS3905〜S3912の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3913に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3914に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3913で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3915において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
以上詳述したように、第1実施形態によれば、特定期間(大当たり状態、特に、大当たり状態の第1ラウンドの開始から最終ラウンドの終了まで)において遊技球を特別領域(第1特別入球部145a)に複数回到達(3回入球)させることで特典(確変モード)が得られるといった具合に、遊技者の操作で特典の付与に近付けていく(そして、特典の付与に次第に近付いていく)という遊技性を付与することができる。従って、特典付与により近い段階に至った場合により高い高揚感が得られる等、より感情移入して遊技を堪能してもらうことができる。また、特定期間に対応して特別領域に到達した遊技球の回数が規定複数回未満の場合には特典は付与されないことから、遊技者が高揚感を得られる時間帯、及び、演出を行える機会を増やすとともに、遊技性の向上を図ることができる。結果として、興趣の向上を図ることができる。
さらに、本実施形態では、大当たり状態の第1残存球監視フラグ、又は、第2残存球監視フラグがオンされた状態(基本的にはラウンド期間)以外の状態で到達検知手段(第1特別入球検知スイッチ223a、及び、第2特別入球検知スイッチ223b)の検知が行われた場合には、エラー処理が実行されるようになっている(図29のステップS1317、図30のステップS1518参照)。このため、ラウンド期間のような遊技球が特定領域141a、141bに存在し得る状態以外のときに到達検知手段に誤検知させて特典(確変モード)を得るといった不正行為を防止することができる。尚、本実施形態では、エラー処理を行う主制御装置261の機能がエラー処理手段を構成する。
さらに、サブ制御装置262側でも第1特別入球部145aに遊技球が入球した回数を把握するためのサブ側第1特別入球カウンタ(到達カウント手段)が設けられ、主制御装置261から第1特別入球部145aへの遊技球の入球を示す第1特別入球コマンドを受信すると、サブ側第1特別入球カウンタの値が「1」加算されるようになっている(図40のステップS4717参照)。加えて、サブ制御装置262は、第1特別入球コマンドを受信すると、遊技球が第1特別入球部145aに入球したことを示す第1特別入球表示463(図42参照)を装飾図柄表示装置42において導出させるための処理を行う。ここで、第1特別入球表示463に関しては、サブ側第1特別入球カウンタの値に対応した態様となり、サブ側第1特別入球カウンタの値が「1」→「2」→「3」の順に派手になり、「3」のときには確変モードの付与が教示される(「4」以降の第1特別入球表示463はない)。
また、第1特別入球表示463の設定とともに、遊技球が第1特別入球部145aに3回入球するまでの残り回数を示す残情報表示464(図42参照)を装飾図柄表示装置42にて導出させるための設定が行われる。
このように、残情報表示464に基づいて確変モードの付与に関する現状を把握することができ、現状からの理想を抱きつつ遊技を進行させる等、大当たり状態における遊技への興味をより高めることができる。また、第1特別入球部145aへの遊技球の入球(第1特別入球検知スイッチ223aの検知)の度に、サブ側第1特別入球カウンタの値に適した演出を装飾図柄表示装置42で導出可能とされることで、演出機会を増やし、興趣の向上を図るといった作用効果がより確実に奏される。
尚、第1特別入球表示463を導出させる機能が演出手段を構成する。また、残情報表示464が残情報に相当し、残情報表示464を導出させる機能が残情報教示手段を構成する。
また、上記実施形態では、第1特別入球部145aに遊技球を3回入球させるという遊技を行う「8RN」の大当たり状態に関し、「8RN−1」〜「8RN−4」については残情報表示464が導出される一方で、「8RN−5」については残情報表示464が導出されないようになっている。このため、第1特別入球部145aに遊技球を3回入球させるまでの残り回数が次第に減ること(残情報)を確認しながら大当たり状態を進行させる場合と、第1特別入球部145aに遊技球を3回入球させるまでの残り回数がいくつなのかが分かり難いまま大当たり状態を進行させる場合とを設けることができ、遊技性の多様化を図ることができる。つまり、残情報の教示(残情報表示464)が行われる場合には、第1特別入球部145aへの遊技球の入球が3回に近付くにつれて所定のミッションの成功が近付くような演出を導出し、残情報表示464が行われない場合には、途中経過ではなく、最終結果を教示するような演出を行うといった具合に、演出の多様化等を図ることができる。
本実施形態では、遊技球を3回(規定複数回)入球させることで確変モードが付与される第1特別入球部145aを有する第1可変入賞装置32aと、遊技球を1回(規定複数回よりも少ない特殊規定回数)入球させることで確変モードが付与される特殊特別領域としての第2特別入球部145bを有する第2可変入賞装置32bとが設けられている。
これにより、遊技性の多様化を図ることができる上、不利だと思われる状況(例えば、「13RS−2」及び「13RS−3」の13ラウンド開始までに第1特別入球部145aに入球したとされる第1特別入球表示463がない、或いは、「8RS−1」及び「8RS−2」の8ラウンド開始までに第1特別入球部145aに入球したとされる第1特別入球表示463がない場合)を一変させるような展開(第2可変入賞装置32bがロング開放される)を導出させることもでき、遊技意欲の向上を図ることができる。尚、「特殊規定回数」は「1回」でもよいし、「複数回」でもよい。
さらに、第1特別入球部145a、及び、第2特別入球部145bは、それぞれ別の可変入賞装置32a、32bに設けられ、第1特別入球部145aに入球可能な第1特定期間と、第2特別入球部145bに入球可能な第2特定期間とが重複することもない。
このため、現在、第1特別入球部145a、及び、第2特別入球部145bのうちどちらに遊技球を到達させられる状況なのかを遊技者に分かり易くすることができる。従って、盛り上がるタイミングでしっかりと盛り上がってもらうことができる。また、第1特別入球部145a、及び、第2特別入球部145bのどちらか一方に遊技球を到達させ、他方には遊技球を到達させないという区別を確実に行うことができ、遊技性の多様化や、設計上の「8RS」における確変モードの付与率と、実際の「8RS」における確変モードの付与率との間に大きな開きが生じてしまうといった事態を抑制することができる。
加えて、本実施形態では、第2可変入賞装置32b(第2特定領域141b)がロング開放されることをその前段階で第2可変入賞装置32bをショート開放させることで示唆(教示)するようになっている。つまり、第2可変入賞装置32bがロング開放されることで、ほぼ確実に第2特別入球部145bに遊技球を1回入球させて、確変モードを得ることができる。このため、第2可変入賞装置32bがロング開放されることは遊技者にとって好ましいことであり、遊技者にとって興味のある(知りたい)ことでもある。そこで、本実施形態によれば、第2可変入賞装置32bがロング開放とされることがその前段階で示唆されることで、第2可変入賞装置32bがロング開放されることだけでなく、第2特定領域が開状態とされる教示又は示唆についても楽しみにすることができ、結果として、遊技性や演出性の向上を図ることができる。尚、本実施形態では、第2可変入賞装置32bをロング開放の前にショート開放させる機能が第2開放教示手段を構成する。
また、上記実施形態では、第1可変入賞装置32a(第1特定領域141a)に入球した遊技球の全てが第1特別入球部145aに入球するのではなく、第1可変入賞装置32aに入球した遊技球は、第1特別入球部145aに入球する場合と、第1特別入球部145aに入球しない場合とがある。例えば、遊技球が第1可変入賞装置32aに入球してから第1特別入球部145aに入球するまでに概ね0.5秒がかかるように構成されているのに対し、第1振分け装置149aが開状態とされる期間は、第1可変入賞装置32aが開状態とされる期間と一致しているため、第1可変入賞装置32aが閉鎖される0.5秒前〜閉鎖されるまでに遊技球が入球しても、遊技球が第1特別入球部145aに入球しない可能性もある(勿論、第1特定領域141aを移動する遊技球の速度によって、第1可変入賞装置32aが閉鎖される0.5秒前よりも前に入球した遊技球が第1特別入球部145aに入球しない場合もあるし、第1可変入賞装置32aが閉鎖される0.5秒前よりも後に入球した遊技球が第1特別入球部145aに入球する場合もある)。このため、第1特定領域141aに進入した遊技球が第1特別入球部145aに入球したか否かの演出等を行うことができ、演出機会の増加、遊技性の多様化等を図ることができる。
さらに、上記実施形態では、「8RN−1」〜「8RN−5」の大当たり状態において、第1可変入賞装置32aの第1特別入球部145aに遊技球を3回入球させれば確変モードが付与される構成となっているが、ショート開放の回数やタイミングが「8RN−1」〜「8RN−5」の大当たり種別ごとに異なるようになっている。
つまり、「8RN−1」〜「8RN−5」の大当たり状態では、確変モードを得るために第1特別入球部145aに遊技球を3回入球させる必要があり、さらには、第1可変入賞装置32aがショート開放されるタイミング(ラウンド)も一様ではない。このため、第1特別入球部145aに遊技球が入球した毎に演出(第1特別入球表示463)を行う等して演出機会の増加を図るとともに、マンネリ化を抑制しつつ大当たり状態における遊技性を飛躍的に高めることができ、結果として、興趣の向上等を図ることができる。
加えて、本実施形態では、第1可変入賞装置32aの第1特定領域141aが開状態とされる開放期間(第1期間)と、第1特別入球部145a(第1振分け装置149a)が開状態とされる許容期間(第2期間)とが重なる等することで遊技球を第1特別入球部145aに入球可能な状態(第1状態)とされることとなる。従って、基本的には、大当たり状態では、開状態とされた第1可変入賞装置32aに遊技球を入球させつつ、(前記第1状態となる期間である)ショート開放時には、第1可変入賞装置32aへの入球、ひいては、遊技球の第1特別入球部145aへの入球に期待するという、遊技者の動作としては比較的分かり易いが、単純でもない遊技性を付加することができる。結果として、取っ付き難い遊技性を回避しつつ、すぐに飽きられてしまうことを防止することができる。
また、第1可変入賞装置32aの開放期間(第1期間)とは別に第1特別入球部145aの許容期間(第2期間)が設けられることで、第1期間として好適な長さ(大当たり状態中に可変入賞装置32a、32bに遊技球を入球させて、比較的多くの遊技球を遊技者が獲得可能とする時間を確保したい)と、第2期間として好適な長さ(長くし過ぎると、大当たり状態中に第1特別入球部145aに遊技球を3個入球させる等といった条件が簡単に達成されてしまうので長くしたくない)とをそれぞれ設定することができ、例えば、第1期間の全体を第2期間としたのでは長過ぎてしまうといった事態を回避することができる。さらに、第1期間に対する第2期間の相対的な導出タイミングや長さのパターンが複数設けられること等によって遊技性の多様化等を図ることができ、マンネリ化等を抑制することができる。
また、第1振分け装置149a(切替手段)を備えることで、第1特定領域141aの構成を比較的簡単なものとした場合においても、開放期間として好適な長さと、許容期間として好適な長さとをそれぞれ設定することができる。加えて、第1特別入球部145aに遊技球が入球する筈のない期間を第1特別入球部145aへの遊技球の入球を規制する規制状態とする等して、防犯性の向上等を図ることができる。
また、本実施形態では、「8RN」の第1ラウンドにおいて装飾図柄表示装置42において第1可変入賞装置32aがショート開放された際に遊技球を入球させて、第1特別入球部145aに遊技球を3回入球させる旨の案内表示を行い、第1特別入球部145aが開状態とされる場合に、第1可変入賞装置32aがショート開放されるようになっている。つまり、第1特別入球部145aが開状態とされる際の第1可変入賞装置32aの開放の態様を第1特別入球部145aが開状態とされないロング開放とは異ならせ、かつ、案内表示を事前に行うことで、第1特別入球部145aへの入球が可能な状態であることを確実に認識させることができる。尚、本実施形態では、装飾図柄表示装置42の案内表示と、第1可変入賞装置32aがショート開放される態様が報知手段を構成する。
このように、報知手段を備えることで、第1特定領域141aに第1振分け装置149aを備える構成においても、どのタイミングで第1特別入球部145aに遊技球を到達させるチャンスがあるのかを遊技者が把握することができる。つまり、遊技者としては、先ず、第1可変入賞装置32a(第1特定領域141a)に遊技球を入球させる必要があるため、第1特定領域141aの入口(第1開閉部材143a)に注目しており、第1振分け装置149aにはそれ程注意を払えないことが考えられる。それ以前に、第1特定領域141aが開状態とされたことに比べ、第1特定領域141aにおいて第1特別入球部145aに遊技球が到達したか否かが比較的分かり難くなっている(視認し難い)。この点、報知手段によって第1特別入球部145aが開状態とされる許容期間を遊技者に分かり易く伝えることが可能であり、第1特定領域141aへの遊技球の入球を狙う大当たり状態の遊技をスムースに進行させつつ、許容期間を把握或いは想定して、特典(確変モード)の付与に関する遊技性をより確実に楽しむことができる。
加えて、本実施形態では、「8RN」のショート開放期間(第1開放期間)は、遊技球を第1特定領域141aに入球させた場合に、当該遊技球が第1特別入球部145aに入球する可能性があり、ロング開放期間(第2開放期間)は、遊技球を第1特定領域141aに入球させても、当該遊技球が第1特別入球部145aに入球する可能性がない。本実施形態では、ショート開放期間とロング開放期間との間に、第1可変入賞装置32aが閉状態とされる閉鎖期間が介在するように構成されている。このように、第1開放期間と第2開放期間とが区別されることで、大当たり状態における遊技のメリハリをつけることができる。さらに、第1開放期間と、第2開放期間との間に閉鎖期間が介在することで、第1開放期間の区別がし易くなり、遊技者が集中すべきポイント、或いは、盛り上がるポイントを把握して、遊技をより積極的に堪能することができる。
また、本実施形態では、「13RS」、「8RS」の大当たり状態において、第1特別入球部145aは開状態とされないものの、ショート開放と同様にして第1可変入賞装置32a(第1特定領域141a)が1.8秒間開状態とされるフェイクショート開放が行われる。本実施形態では、フェイクショート開放で遊技球を第1可変入賞装置32aに入球させても第1特別入球部145aに遊技球が入球することはないが、当該大当たり状態において、最終的に第1可変入賞装置32aがロング開放され、第2特別入球部145bに遊技球を入球させることで、確変モードが得られるようになっている。このようなフェイクの演出を行うことで、大当たり状態の多様化を図り、ひいては、大当たり状態の遊技性の多様化を図ることができる。尚、本実施形態では、フェイクショート開放を行わせる機能がフェイク導出手段を構成する。また、フェイクショート開放を「8RN」の大当たり状態に際して導出可能に構成してもよい。
加えて、「8RN」の大当たり状態に関し、期間中において第1特別入球部145aが開状態とされる許容期間があるラウンド期間(好機ラウンド期間)に関しては、当該ラウンド期間の開始直後が許容期間となるように構成されている(ラウンド期間において第1ショート開放が先頭に導出されるようになっている)。これにより、例えば、ラウンド期間とラウンド期間との間の第1可変入賞装置32aが閉状態とされる閉鎖期間(インターバル期間)において遊技球の発射を控えるという行為をした場合に、第1ショート開放において遊技球を第1可変入賞装置32aに入球させる機会を減らす可能性がある。このため、インターバル期間において遊技球の発射を控えて、遊技球の低減を抑制するといった遊技の技術を駆使する遊技者と、そうではない遊技者との間の差を抑制することができ、どの遊技者でも遊技を極力同じような条件で堪能することができる。
また、サブ制御装置262にも、遊技球が第1特別入球部145aに入球した回数を把握可能とするサブ側第1特別入球カウンタが設けられていることから、サブ側第1特別入球カウンタの記憶情報に基づいて、遊技球の第1特別入球部145aの到達回数が規定複数回となるまでの残り回数に応じた残情報表示を確実に導出することができる上、主制御装置261側では、第1特別入球検知スイッチ223aの検知の段階では第1特別入球カウンタの記憶情報を確認する処理を行わなくても済む(確変モードの付与を決定する際に1回確認すればよい)。従って、主制御装置261の処理の簡素化を図りつつ、演出機会を増やして遊技を盛り上げるといった上記作用効果が確実に奏される。
さらに、本実施形態では、1つのラウンド期間における第1特別入球カウンタのカウントの上限はなく、1つのラウンド期間において第1特別入球カウンタのカウンタが複数回増える可能性がある。このため、例えば、第1特別入球部145aが開状態とされる第1ショート開放が残り1回の段階で、第1特別入球カウンタの値が「1」であるような状況であっても、最後まで希望を持って第1可変入賞装置32aのショート開放を狙って遊技を進行させることができる。
尚、第1実施形態では、大当たり状態において第1可変入賞装置32aの第1特別入球部145aに遊技球が3つ入球することを条件として、大当たり状態終了後に確変モードが付与される権利が得られるように構成されている。つまり、大当たり状態(、或いは、第1可変入賞装置32aの開状態、若しくは、第1特別入球部145aの開状態が第1条件状態に相当する)において第1特別入球部145aに遊技球を入球させるという特定条件を達成させることで、先ず、1回目、及び、2回目は、大当たり状態において第1特別入球部145aに遊技球をあと1つ入球させることで確変モードの権利が付与される状態とされるまで状態を更新させることが可能(第1条件を達成可能)であり、大当たり状態において第1特別入球部145aに遊技球を入球させるという特定条件が2回達成された状態(第2条件状態)において、該特定条件をもう1回達成させる、すなわち、前記特定条件の達成が3回目となる(第2条件が達成される)ことで、確変モードの権利が付与される。
ここで、特定条件を達成させることで第1条件を達成可能な第1条件状態と、前記第1条件が達成されることで移行し、前記特定条件を達成させることで第2条件を達成可能な第2条件状態とに状態変化可能な構成としては特に限定されるものではなく、適宜、応用可能である。例えば、遊技領域において遊技球が入球可能な特定領域を設け、特定領域において特別領域としての特別入球部を設け、特別入球部に規定複数回の遊技球が入球することで特別遊技状態としての大当たり状態が発生する構成としてもよい。つまり、同じ特定条件を達成させる行為を行ったとしても、該達成によって、第1条件を達成可能な第1条件状態と、第2条件を達成可能な第2条件状態とが設けられることによって、構成の複雑化を極力抑制しつつ、より多彩な演出性、遊技性を得ることができる。尚、第1条件状態は、特定条件を達成させることで、第1条件を達成可能ではあるが、第2条件を達成不可能な状態である。
また、いつでも第1条件や第2条件を達成可能(大当たり状態等のまとまった当たり状態のないもの)、又は、大当たり状態以外ならいつでも第1条件や第2条件を達成可能としてもよいが、第1条件や第2条件を達成可能な特定期間を極力限定することで、防犯性を高めるとともに、より抑揚のある遊技を行うことができる。尚、特定条件を規定複数回達成させることで第1条件が達成される構成において、「前記規定複数回」は複数パターン設けられていることとしてもよい。この場合、より一層の遊技性や演出性の多様化を図ることができる。例えば、特定領域に入球した遊技球が第1地点に案内される状態と、第2地点に案内される状態とを切替える手段が設けられ、遊技球が第1地点に案内される場合には第1地点への2回の到達で第1条件が達成され、遊技球が第2地点に案内される場合には第2地点への1回の到達で第1条件が達成されるように構成してもよい。さらに、例えば、特定領域を移動する遊技球が到達可能な特別領域に到達した遊技球は、特別通路に案内され、特別通路には分岐があり、該分岐には遊技球を振り分ける振分け手段(電気的に一定のタイミングで動作する、或いは、機械的に一定の動作を行う)が設けられ、特別通路には検知手段が複数設けられ、特別通路を移動する遊技球のルートによって該遊技球が検知される検知手段の数が異なり、該検知の数が規定複数回以上となることで第1条件が成立するような構成としてもよい。
加えて、第2条件状態とされたことを遊技者に認識してもらうべく、第2条件状態を教示する教示手段(残情報表示464を表示可能な装飾図柄表示装置42(図42参照))を設けることが望ましく、さらに、第1条件状態において第2条件状態に移行させるまでの現在の段階についても教示することが望ましい。この場合、遊技性の理解を高めてもらうとともに、遊技を盛り上げる演出を行うことができる。また、かかる教示については、装飾図柄表示装置42において所定の表示オブジェクトをステップアップ表示したり、カウントダウンしたり、穴埋めをしたりするようなものが上げられる。さらに、かかる表示態様の変化の契機が、第1可変入賞装置32a(第1特別入球部145a)への遊技球の入球(第1特別入球検知スイッチ223aの検知)によるものであることが把握されるような表示を伴うこと(第1特別入球検知スイッチ223aの検知に基づいて第1可変入賞装置32aやその周りから装飾図柄表示装置42に続くように設けられた発光手段が第1可変入賞装置32a側から装飾図柄表示装置42側に順次発光し、装飾図柄表示装置42でかかる発光を引き継いで「Vゾーン入球成功・表示オブジェクトを進化させます」等の表示を行うこと)が望ましい。尚、大当たり状態の第1ラウンドにおいて、特定条件、第1条件、第2条件、並びに、第2条件が達成された場合の特典の内容を教示する「案内表示」の導出タイミングや表示内容については適宜変更可能である。
第1特別入球部145aへの遊技球の入球が可能とされた状態のうち少なくとも第1特別入球部145aへ遊技球を2つ入球させた状態において第1特別入球部145aへの遊技球の入球が可能とされた状態とされることを教示するアシスト教示手段を設けることとしてもよい。つまり、上記実施形態では、装飾図柄表示装置42においてそれを教示することとしているが、かかる構成に変えて、又は、加えて、第1可変入賞装置32aやその周りに設けられた発光手段や音声等で第1可変入賞装置32がショート開放されたことを教示するように構成してもよい。
かかる構成により、特定条件を達成させることが可能な状態(第1特別入球部145aへの遊技球の入球が可能とされた状態)に対応する意識付けや遊技(動作)を行ってもらうことができ、遊技の進行を案内するとともに、遊技を盛り上げることができる。また、いよいよ第2条件を達成させる条件が整ったことを教示することができ、遊技をより一層盛り上げることができる。尚、アシスト教示手段による教示は、特定条件を達成させることが可能な状態とされてから開始されるのではなく、事前に開始されて、特定条件を達成させることが可能な状態にかけて行われるようにすることが望ましい。
また、第1実施形態では、遊技性等を高めるべく、大当たり状態(特定期間)において、第1特別入球部145aが開状態とされる期間(ショート開放のタイミング)が複数パターン設けられている。ここで、特定期間に対応して、特定条件を達成させること(第1特別入球部145aに遊技球を3つ入球させること)で遊技者にとって有利な特典(確変モード)が付与され、特定期間において、特定条件を達成させ得る第1状態(第1可変入賞装置32a、及び、第1特別入球部145aが開状態とされている状態)と、特定条件を達成させ得ない第2状態とが設けられ、特定期間において第1状態とされるタイミングが複数パターン設けられている構成としては特に限定されるものではなく、適宜、応用可能である。例えば、第1可変入賞装置32aがロング開放される際に第1特別入球部145aが開状態とされる大当たり種別が設けられていてもよい。さらに、第1可変入賞装置32aが開状態とされてから一律同じタイミングで第1特別入球部145aが開状態とされる構成でもよいし、第1可変入賞装置32aが開状態とされてから第1のタイミング(例えば、開始〜2秒経過まで)で第1特別入球部145aが開状態とされる場合と、第1可変入賞装置32aが開状態とされてから第2のタイミング(例えば、開始後4秒経過から〜6秒経過まで)で第1特別入球部145aが開状態とされる場合とがあり、かかる開状態とされるタイミングが異なる複数の大当たり種別が設けられてもよいし、第1特別入球部145aが予め定められた間隔(例えば、電源立ち上げ時から、或いは、大当たり状態の開始から3秒閉じて0.5秒開くの繰り返し、又は、(大当たりラウンドの最長時間よりも長い)40秒閉じて1秒開くの繰り返し、或いは、3秒閉じて0.5秒開いて2秒閉じて0.8秒開くの繰り返し等)で開閉され、大当たりラウンドの長さが一定ではないこと(入球上限の規定によりラウンドが終了する)に起因して、第1可変入賞装置32aが開状態とされている期間における第1特別入球部145aが開状態とされる期間がランダムとなるような構成としてもよいし、第1特別入球部145aが開状態とされる際、大当たり状態を開始させる際、或いは、大当たり状態の種別を決定する際に第1特別入球部145aが開状態とされるタイミングを抽選で決定するように構成してもよい。
このような構成を採用する場合においても、特定条件を達成させ得る第1状態とされるタイミングは一様ではない。このため、特定条件が達成された毎に演出を行う等して演出機会の増加を図るとともに、マンネリ化を抑制しつつ特定期間における遊技性を飛躍的に高めることができ、結果として、興趣の向上等を図ることができる。
また、例えば、特別表示装置43a、43bの変動表示に対応して行われる装飾図柄表示装置42の演出変動表示において演出ボタン125を操作させるボタン演出があり、ボタン演出の導出のタイミング(装飾図柄の演出変動表示のどのタイミングに伴って導出されるのか、或いは、何回導出されるのか等)によって、ボタン演出が成功の態様となるか否かの示唆が行われるように構成してもよい。
さらに、上記実施形態では、特定条件を達成させ得る第1状態、すなわち、第1可変入賞装置32a、及び、第1特別入球部145aが開状態とされている状態の教示(有効教示手段の教示)が行われるように構成されているが、教示しないような構成としてもよい。例えば、大当たり状態の開始に際して、第1可変入賞装置32aがショート開放した際に遊技球を第1可変入賞装置32aに入球させることで、確変モードが付与されるかもしれない旨を教示しておき、ショート開放(フェイクショート開放も含む)が開始される場合には全て同じような演出が導出される、或いは、ショート開放に個別に対応した演出は導出されないように構成してもよい。この場合、大当たり状態において緊張感を保ちつつ遊技を行うことができる。また、第1可変入賞装置32aのショート開放(フェイクショート開放も含む)において第1可変入賞装置32aに遊技球が入球したことの教示を行っても行わなくても遊技者が選択できてもよいし、第1特別入球部145aに遊技球が入球したことの教示(達成教示手段の教示)を行っても(必ず行う、又は、対応する抽選で当選した場合に行う、或いは、第1特別入球部145aに遊技球を3つ入球させるまでの所定の入球の教示を行う;1つ目2つ目は行って3つ目は行わない、抽選で1つ目だけ、2つ目だけ、3つ目だけ、1つ目と2つ目だけ、1つ目と3つ目だけ、2つ目と3つ目だけ、1つ目2つ目3つ目の全てのパターンのいずれかを決める、大当たりラウンドのうち所定ラウンド(第1ラウンド)から所定ラウンド(第5ラウンド)までは行ってそれ以降のラウンドでは行わない)行わなくても遊技者が選択できてもよいし、第2条件が達成されたこと(第1特別入球部145aに遊技球が3つ入球したこと)の教示を行っても(必ず行う、又は、対応する抽選で当選した場合に行う、或いは、対応するボタン演出において演出ボタン125が操作された場合に行う)行わなくても遊技者が選択できてもよい。上記した有効教示手段や達成教示手段による教示の対象とされる第1状態や特定条件が1パターンで決まっている(例えば全てを対象として教示する)のではなく、複数パターンとなるように構成することで、遊技性の多様化、マンネリ化の抑制等を図ることができる。
尚、ラウンド数が同じである大当たり状態において、第1特別入球部145aが開状態とされる期間(ショート開放のタイミング)が1パターンしかないような構成とすることも可能である。或いは、総ラウンド数が幾つであるかに関係なく、特定ラウンド(例えば、2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド)にショート開放があるように構成してもよい(対象のラウンドがない場合にはそれに伴って省略)。
また、上記実施形態では、大当たり状態において第1可変入賞装置32aの第1特別入球部145aに遊技球が3つ入球することを条件として、大当たり状態終了後に確変モードが付与される権利が得られるように構成されているが、例えば、予め定められた大当たりラウンドにおいて、第1可変入賞装置32aに遊技球が規定(複)数入球した(第1入球カウントスイッチ226aの検知が規定(複)数行われた)場合に第1振分け装置149aが開状態とされ(かつ、第1特別入球部145aへの入球、ひいては、第1特別入球検知スイッチ223aの検知が有効な状態とされ)、第1特別入球部145aに遊技球が1球でも入球した(規定複数個に設定することも可能)場合に確変モードの権利が付与されるように構成してもよい(当該構成を採用する場合、第1振分け装置149aが開状態とされている場合には、第1可変入賞装置32aに入球した遊技球がほぼ第1特別入球部145aに入球するような構成とすることが望ましい)。
かかる構成を採用する場合、第1振分け装置149aが開状態とされ得る大当たりラウンドとして設定されているラウンドの開始時において、第1可変入賞装置32aに遊技球が入球した(第1入球カウントスイッチ226aの検知が行われた)場合にカウントされるV入賞準備カウンタに対して規定数に対応する値を設定し(例えば、3回に対応する値である「3」を設定し)、ラウンド開始後に、確変モードの権利が付与されたことを示すV入賞フラグがオン設定されていない場合には、第1入球カウントスイッチ226aの検知が行われる毎にV入賞準備カウンタの値を1減算し、V入賞準備カウンタの値が「0」になった場合に、V入賞フラグをオン設定する(サブ制御装置262に対応するコマンドを出力して対応する演出を導出させる)。尚、第1振分け装置149aが開状態とされ得る大当たりラウンドとして設定されていないラウンドで第1可変入賞装置32aに遊技球がいくら入球しても第1振分け装置149aは開状態とされない。さらに、かかる構成の変形例として、大当たりラウンドの遊技球の入賞上限(例えば8個)をカウントした場合に第1振分け装置149aが開状態とされ、当該入賞上限に対応する(例えば8個目の)遊技球、或いは、入賞上限を超えて第1可変入賞装置32aに入賞した(オーバー入賞した例えば9個目の)遊技球が第1特別入球部145aに入球し得る(入球しない場合もある、或いは、入賞上限に対応する遊技球よりもオーバー入賞した遊技球の方が第1特別入球部145aに入球し易い)ように構成してもよい。尚、第1振分け装置149aを省略し、第1特別入球部145aへの入球、ひいては、第1特別入球検知スイッチ223aの検知が確変モードの付与の条件として有効な状態と、無効な状態とに切り替える構成としてもよい。
さらに、例えば、大当たり状態の所定ラウンドにおいて、第2可変入賞装置32bに遊技球が規定数入球した場合に、第1可変入賞装置32aが開状態とされるとともに、第1振分け装置149aが開状態とされる(第1特定入球部145aに遊技球が規定数入球すると確変モードが付与される権利が得られる)ように構成してもよい。
また、例えば、大当たり種別として、大当たり状態において第1特別入球部145aに遊技球が3つ入球することにより確変モードの権利が得られる「3回必須大当たり」と、大当たり状態において第1特別入球部145aに遊技球が2つ入球することにより確変モードの権利が得られる「2回必須大当たり」と、大当たり状態において第1特別入球部145aに遊技球が1つ入球することにより確変モードの権利が得られる「1回必須大当たり」とが設けられるような構成としてもよい(4回以上の所定回数を必須とするような大当たりがあってもよい)。当該構成を採用する場合には、特別表示装置43a、43bの停止態様(停止図柄)と、各種大当たり種別とが対応付けられるように構成する。その一方で、装飾図柄表示装置42では、大当たり種別をそのまま教示する場合と、教示しない場合とがあるように構成してもよい(特別表示装置43a、43bの停止態様を確認すれば、大当たり種別を把握することが可能であるが、各大当たり種別に対応する停止態様のパターンを複数とすることで、把握が比較的難しくなり、装飾図柄表示装置42等による大当たり状態中の第1特別入球部145aへの入球の進行に伴う演出を純粋に堪能してもらうことができる)。また、かかる構成を採用する場合に、実際には「1回必須大当たり」であるが、「3回必須大当たり」(デフォルト)のような装飾図柄表示装置42の表示態様とし、確変モードの権利が得られることの教示についても、確変モードの権利が得られたタイミングだけではなく、その後のタイミング(第1特別入球部145aへの2回目の入球、3回目の入球、或いは、1球又は2球は入球したものの3球は入球せずに第1特別入球部145aへの入球機会が終了した後の確変モードが付与されないかと思われるようなタイミング)でも教示され得るような構成としてもよい。尚、本構成は、大当たり種別として、予め定められた特定の大当たりラウンドで、第1可変入賞装置32aに遊技球が7つ入球した(第1入球カウントスイッチ226aの検知が7回行われた)場合に第1振分け装置149aが開状態とされる「7回必須大当たり」と、特定の大当たりラウンドで第1可変入賞装置32aに遊技球が6つ入球した場合に第1振分け装置149aが開状態とされる「6回必須大当たり」と、特定の大当たりラウンドで第1可変入賞装置32aに遊技球が3つ入球した場合に第1振分け装置149aが開状態とされる「3回必須大当たり」とがあるような構成において適用することも可能である。
さらに、大当たり種別として、大当たり状態において第1特別入球部145a(第1振分け装置149a)が開状態とされる期間が異なる大当たりが複数設けられることとしてもよい。例えば、第1特別入球部145a(第1振分け装置149a)が開状態とされる大当たりラウンドの回数は同じであるものの、第1ラウンドに開状態とされる大当たりと、第8ラウンドに開状態とされる大当たりと、第14ラウンドに開状態とされる大当たりとが設けられるように構成してもよい。また、例えば、第1特別入球部145a(第1振分け装置149a)が、第3ラウンドのみ開状態とされる大当たりと、第3ラウンド及び第5ラウンドに開状態とされ得る大当たりと(第1特別入球部145aへの入球数が規定数に達した後は、第1特別入球部145aを開状態としない構成としてもよいし、開状態とする構成としてもよい)、第3ラウンド、第5ラウンド、及び、第7ラウンドに開状態とされ得る大当たりと、第3ラウンド、第5ラウンド、第7ラウンド、第11ラウンド、及び、第12ラウンドに開状態とされ得る大当たりとが設けられるような構成としてもよい。当該構成を採用する場合には、特別表示装置43a、43bの停止態様(停止図柄)と、各種大当たり種別とが対応付けられるように構成する。その一方で、装飾図柄表示装置42では、大当たり種別をそのまま教示する場合と、教示しない場合とがあるように構成してもよい(特別表示装置43a、43bの停止態様を確認すれば、大当たり種別を把握することが可能であるが、各大当たり種別に対応する停止態様のパターンを複数とすることで、把握が比較的難しくなり、装飾図柄表示装置42等による大当たり状態中の第1特別入球部145aへの入球の進行に伴う演出を純粋に堪能してもらうことができる)。また、かかる構成を採用する場合に、実際には「5つの異なるラウンドで第1特別入球部145aが開状態とされる大当たり」であるが、「ラウンドが開始されてみなければ第1特別入球部145aが開状態とされるか分からない」(デフォルト態様)ような装飾図柄表示装置42の表示態様としてもよい(示唆や教示があるパターンを設けてもよい)。
尚、第1残存球監視処理、及び、第2残存球監視処理のエラー処理では、遊技の進行を一時停止させる(大当たり終了時や大当たり終了後では変動表示を開始させない、大当たりラウンド中であれば、当該ラウンド終了後に次のラウンドを開始させない、大当たりインターバル中であれば次のラウンドを開始させない)ように構成してもよいし(パチンコ機10の裏面側のエラー状態を解除する操作に基づいて再開可能)、遊技を進行させはするが、パチンコ機10でのエラー報知やパチンコ機10の外部へのエラー情報の出力(エラー表示ランプ104の点灯、装飾図柄表示装置42におけるエラー対応表示、エラー対応の音声出力、パチンコ機10が設置される設備でのエラー態様を導出させるための出力、パチンコ機10が設置される遊技ホール等が管理するコンピュータへの出力等)が行われる構成としてもよい(勿論、遊技を停止させ、かつ、エラー情報を出力する構成でもよい)。また、例えば、図29の第1残存球監視処理のステップS1305において、第1特別入球部145aへの遊技球の入球が確認された場合に、直接ステップS1306で第1特別入球カウンタの加算処理を行うのではなく、第1入球カウンタの値を参照して異常がないことが確認された場合(「1」以上の場合)に、ステップS1306に移行する(以上が確認された場合にはエラー処理に移行する)ように構成してもよい(ステップS1505についても同様)。尚、エラー状態を解除する操作としては、本例では、RAM消去スイッチ323を操作しながら電源を再起動とされているが、RAM消去スイッチ323とは別にエラー状態に対応する操作手段を設けて、該操作手段に特定の操作を行うことでエラー状態を解消可能としてもよい。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、特徴部分を中心に図50等を参照しつつ説明する。第2実施形態では、遊技領域の中央部を含む範囲において、中央ユニット471が設けられる。中央ユニット471は、上下に長い略楕円形枠状のハウジング472を備えており、その内側には、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域473が設けられている。遊技球が特定領域473へ入球する入口となる入球開口部474は、ハウジング472の上辺部に近い左辺部に設けられている。
また、中央ユニット471は、略鉛直方向に延在して入球開口部474を閉鎖する閉位置と、入球開口部474の下縁部から中央ユニット471の外方に向けて斜め上方に延在して入球開口部474を開放する開位置との間を変位する開閉部材475を備えている。これに対し、遊技領域のうち中央ユニット471の左側方に位置する左側方領域には、第1始動入賞装置491が設けられている。第1始動入賞装置491には常時遊技球を入球させることが可能である。そして、第1始動入賞装置491への遊技球の入球に基づく当否抽選にて小当たりに当選した場合に、開閉部材475が開位置へと変位する(中央ユニット471が開状態とされる)ように構成されている。
特定領域473の下部には、契機入球手段としてのV入賞装置476が設けられている。本実施形態の基本的な遊技性としては、特定領域473に流入させた遊技球を、V入賞装置476に入球させることを目標とするものである。V入賞装置476に遊技球が入球すると、可変入賞装置482が開状態とされる特別特典としての大当たり状態が発生する(可変入賞装置482が開状態とされる大当たり状態に継続する)ようになっている。尚、可変入賞装置482は、第1実施形態のような第1特別入球部145aを備える構成でもよいし、備えない構成でもよい。また、大当たり状態を発生させる機能が付与手段を構成する。
ところで、特定領域473に入球した遊技球の全てがV入賞装置476に入球するのではなく、特定領域473には、特定領域473に入球した全ての遊技球が案内される第1振分け装置477と、第1振分け装置477を通過した遊技球が案内される第2振分け装置478と、第2振分け装置478を通過した遊技球が案内される第3振分け装置479と、第3振分け装置479を通過した遊技球が案内される第4振分け装置480とが設けられている。
また、本実施形態の第1振分け装置477、第2振分け装置478、第3振分け装置479、及び、第4振分け装置480は、略丸皿状をなしており、遊技球が1球ずつ通過(落下)可能な円形状の孔部が中央部寄りの均等位置に、第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479は6つ、第4振分け装置480は3つ設けられる構成となっている。そして、振分け装置477〜480に案内された遊技球は、孔部の外方側の領域を何周か旋回した後、いずれかの孔部に落下するようになっている。
本実施形態では、第1振分け装置477に設けられた6つの孔部のうち、2つが第2振分け装置478に通じるセーフ孔481であり、他の4つが遊技領域の外部に遊技球を排出するアウト孔482である。第2振分け装置478に設けられた6つの孔部のうち、2つが第3振分け装置479に通じるセーフ孔481であり、他の4つが遊技領域の外部に遊技球を排出するアウト孔482である。第3振分け装置479に設けられた6つの孔部のうち、2つが第4振分け装置480に通じるセーフ孔481であり、他の4つが遊技領域の外部に遊技球を排出するアウト孔482である。第4振分け装置480に設けられた3つの孔部のうち、1つがV入賞装置476に通じるセーフ孔481であり、他の2つが遊技領域の外部に遊技球を排出するアウト孔482である。
第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479に2つずつ設けられたセーフ孔481は、手前側の通常セーフ孔481aと、奥側の特別セーフ孔481bとを備えている。本実施形態では、各特別セーフ孔481bが特別領域に相当する。
また、図示は省略するが、入球開口部474に対応して、特定領域473に入球し、第1振分け装置477に案内される前の遊技球の全てを検知する前検知手段としての入球検知スイッチが設けられている。さらに、第1振分け装置477に対応して、第1振分け装置477の通常セーフ孔481aに入球した遊技球を検知する第1通常通過検知スイッチと、第1振分け装置477の特別セーフ孔481bに入球した遊技球を検知する第1特別通過検知スイッチと、第1振分け装置477のアウト孔482に入球した遊技球を検知する第1排出検知スイッチとが設けられている。加えて、第2振分け装置478に対応して、第2振分け装置478の通常セーフ孔481aに入球した遊技球を検知する第2通常通過検知スイッチと、第2振分け装置478の特別セーフ孔481bに入球した遊技球を検知する第2特別通過検知スイッチと、第2振分け装置478のアウト孔482に入球した遊技球を検知する第2排出検知スイッチとが設けられている。また、第3振分け装置479に対応して、第3振分け装置479の通常セーフ孔481aに入球した遊技球を検知する第3通常通過検知スイッチと、第3振分け装置479の特別セーフ孔481bに入球した遊技球を検知する第3特別通過検知スイッチと、第3振分け装置479のアウト孔482に入球した遊技球を検知する第3排出検知スイッチとが設けられている。さらに、第4振分け装置480に対応して、第4振分け装置480のセーフ孔481に入球した遊技球を検知する第4通過検知スイッチと、第4振分け装置480のアウト孔482に入球した遊技球を検知する第4排出検知スイッチとが設けられている。尚、各特別通過検知スイッチが到達検知手段を構成する。
加えて、第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479には、各セーフ孔481を囲うようにして設けられた案内発光部483が設けられている。本実施形態では、通常セーフ孔481aに対応する案内発光部483は白色に発光し、特別セーフ孔481bに対応する案内発光部483は赤色に発行している。また、第1振分け装置477、第2振分け装置478、第3振分け装置479、及び、第4振分け装置480のそれぞれに対応して、上面側を転動する遊技球を照らすための図示しない照明部材が設けられている。遊技球が存在する第1振分け装置477、第2振分け装置478、第3振分け装置479、及び、第4振分け装置480に対応する照明部材、及び、案内発光部483のみが発光するようになっている。尚、案内発光部483の上面側は、第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479のその他の上面と面一となっている。
さらに、ハウジング472の前面側には、第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479のそれぞれ両側方に対応する位置において、遊技球が対応する第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479の特別セーフ孔481bを通過したことを示す到達教示手段としての通過報知ランプ484が設けられている。通過報知ランプ484は、特定領域473における遊技球の数を把握する残存球把握手段としての入球カウンタの値が「0」になった場合に消灯されるようになっている。尚、入球カウンタは、入球検知スイッチの検知で1加算され、第1〜第4排出検知スイッチ、及び、V入賞装置476に入球した遊技球を検知する図示しない契機検知手段としてのV入賞検知スイッチの検知で1減算される。
第2実施形態の遊技としては、先ず、第1始動入賞装置491に遊技球を入球させると、例えば、可変入賞装置482が開状態とされる大当たり状態に1/300の確率で当選する当否抽選が行われ、ここで外れた場合に、中央ユニット471が開状態とされる小当たり状態に298/300で当選する当否抽選が行われる。小当たり状態に当選することで、中央ユニット471が開状態とされ、そこで遊技球を中央ユニット471に入球させることができた場合には、該遊技球は第1振分け装置477に案内される。第1振分け装置477において、遊技球は通常セーフ孔481a、及び、特別セーフ孔481bのどちらに入球しても第2振分け装置478に到達するが、特別セーフ孔481bを通過した場合には、主制御装置261のRAM503に設けられた第1特別フラグがオン設定され、対応する通過報知ランプ484が発光する。
第2振分け装置478についても、第1振分け装置477と基本的に同様であり、遊技球は通常セーフ孔481a、及び、特別セーフ孔481bのどちらに入球しても第3振分け装置479に到達するが、特別セーフ孔481bを通過した場合には、第2特別フラグがオン設定され、対応する通過報知ランプ484が発光する。
第3振分け装置479についても、第1振分け装置477及び第2振分け装置478と基本的に同様であり、遊技球は通常セーフ孔481a、及び、特別セーフ孔481bのどちらに入球しても第4振分け装置480に到達するが、特別セーフ孔481bを通過した場合には、第3特別フラグがオン設定され、対応する通過報知ランプ484が発光する。尚、各特別フラグが到達情報記憶手段を構成する。
また、本実施形態では、第1〜第3特別通過検知スイッチの検知に基づいて、第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグの設定状況に応じた到達演出が行われるようになっている。つまり、遊技球が特別セーフ孔481bを通過した(第1〜第3特別通過検知スイッチの検知が行われた)場合、第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグのうち対応するものをオン設定とした後で、効果音を発生させ、対応する照明部材を明暗させるとともに、3つの特別フラグのうち幾つがオン設定されているかを判別する。ここで、1つの場合、対応する通過報知ランプを青色発光させ、2つの場合、対応する通過報知ランプと、既に点灯されている通過報知ランプとを緑色発光させ、3つの場合、全ての通過報知ランプを赤色発光させる。
加えて、入球検知スイッチの検知に基づいて、入球カウンタの値、並びに、第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグの設定状況に応じた入球演出が行われるようになっている。つまり、遊技球が入球検知スイッチに検知された場合、3つの特別フラグのうち幾つがオン設定されているかを判別する。ここで、1つの場合、全ての照明部材を一旦青色発光させてから元に戻し、2つの場合、全ての照明部材を一旦緑色発光させてから元に戻し、3つの場合、全ての照明部材を一旦赤色発光させてから元に戻す。さらに、入球カウンタの値が「(自信を含めた値として)2」の場合に、第1効果音を発生させ、入球カウンタの値が「3」以上の場合に、第1効果音よりも派手な第2効果音を発生させる。
さて、第4振分け装置480において、遊技球がセーフ孔481に入球すると、該遊技球は、V入賞装置476に案内されて入球することとなる。ここで、大当たり状態が付与されることとなるが、第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグを確認し、全ての特別フラグがオン設定されている場合には、確変大当りが選択され(大当たり状態後に確変モードが付与され)、第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグのうち1つでもオフ設定となっていた場合には、通常大当たりが選択される(大当たり状態後に通常モードに移行する)。
尚、確変モードでは、遊技領域の右側方領域に設けられたスルーゲート493を遊技球が通過することで行われる入球サポート抽選に比較的高確率で当選し、入球サポート抽選で当選した場合に、スルーゲート493の下方に設けられた第2始動入賞装置494が開状態とされる。第2始動入賞装置494への遊技球の入球に基づく当否抽選(1/30で当選)において当選すると、大当たり状態が発生する。尚、大当たり状態を2回で1セットとする場合には、当該大当たり状態の終了後に通常モードに移行するような構成としてもよいが、上記第1実施形態の第1可変入賞装置32aを使用した「8RN」の大当たり状態のように、確変モードが付与される可能性があるように構成してもよい。
また、第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグは、特定領域473に遊技球が存在しなくなった場合、及び、大当たり状態が発生した場合にオフ設定される。
加えて、不正対策として、中央ユニット471の特定領域473に存在する遊技球のカウントを行う残存球カウンタ、第1振分け装置477の遊技球数をカウントする第1カウンタ、第2振分け装置478の遊技球数をカウントする第2カウンタ、第3振分け装置479の遊技球数をカウントする第3カウンタ、第4振分け装置440の遊技球数をカウントする第4カウンタ、及び、第4振分け装置440を通過してV入賞装置476に入球する遊技球をカウントする最終カウンタが設けられ、特定領域473の入口に設けられた入球検知スイッチの検知で残存球カウンタ、及び、第1カウンタが1加算され、第1振分け装置477のアウト孔482への入球(対応するスイッチの検知)で、残存球カウンタ、及び、第1カウンタが1減算され、第1振分け装置477のセーフ孔481への入球(対応するスイッチの検知)で、第1カウンタが1減算、かつ、第2カウンタが1加算され、第2振分け装置478のアウト孔482への入球(対応するスイッチの検知)で、残存球カウンタ、及び、第2カウンタが1減算され、第2振分け装置478のセーフ孔481への入球(対応するスイッチの検知)で、第2カウンタが1減算、かつ、第3カウンタが1加算され、第3振分け装置479のアウト孔482への入球(対応するスイッチの検知)で、残存球カウンタ、及び、第3カウンタが1減算され、第3振分け装置479のセーフ孔481への入球(対応するスイッチの検知)で、第3カウンタが1減算、かつ、第4カウンタが1加算され、第4振分け装置480のアウト孔482への入球(対応するスイッチの検知)で、残存球カウンタ、及び、第4カウンタが1減算され、第4振分け装置480のセーフ孔481への入球(対応するスイッチの検知)で、第4カウンタが1減算、かつ、最終カウンタが1加算され、V入賞装置476への入球(対応するスイッチの検知)で、残存球カウンタ、及び、最終カウンタが1減算される。ここで、V入賞装置476への入球(対応するスイッチの検知)の確認が行われ、V入賞装置476への入球(対応するスイッチの検知)が行われたと確認された場合に、対応する残存球カウンタ、及び、最終カウンタの減算処理が行われる前に、残存球カウンタ、及び、最終カウンタの値を確認する処理が行われ、両方とも、それぞれ「1」以上の場合に、V入賞装置476への入球に基づいて大当たり状態を付与する処理に移行し、どちらか一方でも「0」であった場合にエラー状態とするエラー処理を行うこととする。
以上詳述したように、第2実施形態では、中央ユニット471に入球した遊技球が、第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479の全ての特別セーフ孔481bに通過し、V入賞装置476に入球することで、大当たり状態とともに、確変モードが得られるように構成されている。このように、複数の特別セーフ孔481bに遊技球を通過させていくことで、特典(確変モード)の付与に次第に近付いていくという遊技性を付与することができ、より感情移入して遊技を堪能してもらうことができる。従って、遊技者が高揚感を得られる時間帯、及び、演出を行える機会を増やすとともに、遊技性の向上を図ることができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。特に、中央ユニット471に遊技球が1つでも入りさえすれば、該遊技球が第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479の全ての特別セーフ孔481bに通過する可能性があることから、特定領域473に入球した遊技球(遊技球が特定領域473に入球すること)に対して常に期待を持つことができる。
さらに、第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479の全ての特別セーフ孔481bに遊技球を通過させるだけでは、実質的に特典(確変モード)を得ることはできず、遊技球をV入賞装置476に入球させる必要があることから、第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479の全ての特別セーフ孔481bに遊技球を通過させた後の遊技球の挙動に非常に強い興味を抱かせることができる。従って、遊技により大きな抑揚を付加することができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。
尚、特定領域473に遊技球が存在する場合には当否抽選(開放抽選)が行われない構成であり、入球検知スイッチの検知が行われてから第1規定時間を経過しても特定領域473に遊技球が存在すると判別される場合にエラー処理を行う構成であって、V入賞検知スイッチの検知が行われてから大当たり状態が発生するまでの第2規定時間が経過するまでの間に、前記第1規定時間が経過するように設定されていることとしてもよい。この場合、不正にV入賞検知スイッチの検知を行わせたかもしれない状況において、大当たり状態の付与をより確実に防止することができる。
さらに、第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグは、特定領域473に遊技球が存在しなくなった場合、及び、大当たり状態が発生した場合にオフ設定される。このため、例えば、特定領域473に複数の遊技球が立て続けに入球した場合には、前記遊技球のいずれかが特定領域473から排出されたとしても、別の遊技球が特定領域473に存在する限り、オン設定された第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグはオン設定されたままである。つまり、例えば、特定領域473にほぼ同時に入球した2つの遊技球のうち、先行する遊技球が、第1振分け装置477の特別セーフ孔481b、及び、第3振分け装置479の特別セーフ孔481bを通過したが、第4振分け装置480のアウト孔482に入球してしまった場合であっても、後続の遊技球が、第2振分け装置478の特別セーフ孔481bを通過して、V入賞装置476に入球すれば、確変大当りが付与される。
このため、特定領域473に複数の遊技球が入球した状態とすることで、確変大当りの付与の期待度を大幅に高める(確変大当たりの付与の高確率状態とする)ことができ、また、その状態の遊技球の挙動により興味を抱かせることができる。従って、遊技により多くの抑揚を付ける等、遊技性の向上等を図ることができる。さらには、遊技者が自力で確変大当たりの付与の高確率状態を引き延ばすことができ(全ての遊技球が特定領域473から排出される前に遊技球を特定領域473に入球させ続ければよい)、遊技性の多様化、遊技に際しての抑揚の増加等を図ることができる。尚、V入賞装置476への入球があった場合に、残存球カウンタ、及び、最終カウンタの値がそれぞれ「1」以上であるという遊技球のV入賞装置476への入球が行われて当然な状況であるということが確認されなければ、勿論、大当たりは付与されない(エラー状態とされる)。
また、特定領域473に遊技球が存在しない状態となることで、第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグがオフ設定されることから、その時点で確変モードを付与しないことを確定させることができる。従って、防犯性の向上、遊技性の分かり易さの向上等を図ることができる。
さらに、遊技球が対応する第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479の特別セーフ孔481bを通過したことを示す通過報知ランプ484が設けられている。このため、どの特別セーフ孔481bに遊技球が既に通過した状態であるのか、及び、残りどの特別セーフ孔481bに遊技球を通過させればよい状態であるのかをより明確に把握することができる。
加えて、入球検知スイッチの検知に基づいて入球演出が行われ、第1〜第3特別通過検知スイッチの検知に基づいて到達演出が行われ、入球演出のパターンは、入球カウンタの値、及び、第1〜第3特別フラグの設定状況に応じて決定され、到達演出のパターンは、第1〜第3特別フラグの設定状況に応じて決定されるようになっている。このため、特典(確変モード)の付与にどれほど近い状態かを認識し易くすることができ、また、特典の付与、及び、特別特典(大当たり状態)の付与への期待が高まるほど演出を派手にする等して、遊技を大いに盛り上げることができる。
尚、第2実施形態において、中央ユニット471に入球した遊技球が、第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479の全ての特別セーフ孔481bに通過し、V入賞装置476に入球することで、大当たり状態とともに、確変モードが得られるように構成されている。ここで、特定条件を達成可能な条件達成手段を複数(第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479の特別セーフ孔481b、並びに、V入賞装置476)備え、予め定められた複数の特定条件を達成させることで(到達させない場合に比べて)遊技者にとって有利な特典が付与される構成としては特に限定されるものではなく、適宜、応用可能である。
例えば、第2実施形態の中央ユニット471の開閉部材475を省略する代わりに、遊技球の入球開口部474への通過を検知する検知手段を設け、当該検知手段の検知に基づいて抽選が行われ、当該抽選により、第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479の全ての特別セーフ孔481bに通過し、V入賞装置476に入球することで、確変モードが付与される大当たりとなる場合と、第1振分け装置477、及び、第2振分け装置478の特別セーフ孔481bに通過し(別の2つの組合せとしてもよいし、どれでも2つ通過すれば許容されるようにしてもよい)、V入賞装置476に入球することで、確変モードが付与される大当たりとなる場合と、第3振分け装置479の特別セーフ孔481bに通過し(別の特別セーフ孔481bとしてもよいし、どれでも1つ通過すれば許容されるようにしてもよい)、V入賞装置476に入球することで、確変モードが付与される大当たりとなる場合とのいずれとするかが決定されるように構成してもよい。
また、例えば、開閉式(閉状態時では、遊技球が入球不可能となっていてもよいし、遊技球が開状態時に比べて入球困難となっていてもよい)の始動入賞装置の内部に第1作動口と、第2作動口と、始動入賞装置に入球した遊技球を第1作動口及び第2作動口のどちらかに振分ける振分け装置とを設け、スルーゲートへの遊技球の通過を契機として行われる入球サポート抽選において、羽根部材が開放され、かつ、振分け装置により遊技球を第1作動口側に案内する状態となる第1当選と、羽根部材が開放され、かつ、振分け装置により遊技球を第2作動口側に案内する状態となる第2当選とがあり、振分け装置は第2当選に当選した場合にのみ遊技球を第2作動口側に案内する状態となり、遊技領域を移動する遊技領域が入球した場合に第1確率で大当たり状態に当選する第1特別始動入賞装置と、遊技領域を移動する遊技球が入球した場合に第1確率よりも高い第2確率で大当たり状態に当選する第2特別始動入賞装置とが設けられ、第1作動口に遊技球が入球した場合に第1特別始動入賞装置が開状態とされ、開状態の第1特別始動入賞装置に遊技球が入球した場合に第1特別始動入賞装置が遊技球の入球が不可能になる閉状態とされ、第2作動口に遊技球が入球した場合に第2特別始動入賞装置が開状態とされ、開状態の第2特別始動入賞装置に遊技球が入球した場合に第2特別始動入賞装置が遊技球の入球が不可能になる閉状態とされ、第1特別始動入賞装置への入球(第1特別始動入賞装置の内部に設けられた第1特別入球部への入球)に基づいて大当たり状態に当選した場合には、確変モードが付与される場合と付与されない場合とがあり、第2特別始動入賞装置への入球(第2特別始動入賞装置の内部に設けられた第2特別入球部への入球)に基づいて大当たり状態に当選した場合には、確変モードが付与されることとしてもよい。
かかる構成を採用する場合においても、特典付与までの階段を1段ずつ上がっていく(特典の付与に次第に近付いていく)という遊技性を付与することができ、より感情移入して遊技を堪能してもらうことができる。従って、遊技者が高揚感を得られる時間帯、及び、演出を行える機会を増やすとともに、遊技性の向上を図ることができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。
また、特典(確変モード)を得るために達成させる特定条件の組合せが複数パターン設けられる場合において、どの条件達成手段の特定条件を達成させればよいのかについて分かり易くすることを鑑みれば、特典の付与のために特定条件を達成させる対象となる条件達成手段を教示する対象教示手段を備え、特典の付与のために特定条件を達成させる対象となる条件達成手段を教示することが望ましい。尚、対象教示手段で特典の付与のために特定条件を達成させる対象となる条件達成手段を教示する場合と教示しない場合とがあるように構成してもよいし、対象教示手段を省略することも可能である。
上記第2実施形態では、特定領域473に遊技球が存在する状態をキープすることができれば、オン設定された第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグはオン設定されたままとなり、例えば、先の遊技球が第1特別フラグ、及び、第3特別フラグをオンした後、第4振分け装置480において転動している状態において、後続の遊技球が第2特別フラグをオンし、前記先の遊技球又は前記後続の遊技球がV入賞装置476に入球することで、確変モードが付与される。これに対し、予め定められた複数の特定条件(第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479の全ての特別セーフ孔481bに遊技球を通過させ、遊技球をV入賞装置476に入球させる)を指定の順番で達成させることで特典(確変モード)が付与されるように構成してもよい。例えば、第2振分け装置478の特別セーフ孔481bに遊技球が通過したとしても第1特別フラグがオン設定されていなければ第2特別フラグはオン設定されず、第3振分け装置479の特別セーフ孔481bに遊技球が通過したとしても第2特別フラグがオン設定されていなければ第3特別フラグはオン設定されない構成としてもよい。この場合、遊技者が集中したり盛り上がったりすることのできる機会を増やすことができる。
また、第2実施形態において、中央ユニット471に入球した遊技球が、第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479の全ての特別セーフ孔481bに通過するという前提条件を達成させた状態で、遊技球をV入賞装置476に入球させるという特定条件を達成させることで、大当たり状態とともに、確変モードが得られるように構成されている。ここで、前提条件と、特定条件とがあり、前提条件を達成させた状態で特定条件を達成させた場合には、前提条件を達成せずに特定条件を達成させた場合に比べ遊技者にとって有利な特典が付与される構成としては特に限定されるものではなく、適宜、応用可能である。
また、例えば、第1始動入賞装置491の入球に基づく当否抽選に際して、第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479のいずれの特別セーフ孔481bに通過させた上でV入賞装置476に遊技球を入球させればよいかについても抽選されることとしてもよい。組合せのパターンとしては、第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479の全ての特別セーフ孔481bの通過を必要とするパターン、第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479のうち指定の2つ、或いは、いずれか2つの特別セーフ孔481bの通過を必要とするパターン、第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479のうち指定の1つ、或いは、いずれか1つの特別セーフ孔481bの通過を必要とするパターン、第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479のいずれにも通過させなくてよいパターン等が挙げられ、これらを機種毎に適宜設定することが可能である。
このように、特定条件を達成した場合であっても、前提条件を達成させているか否かによって付与される特典が異なる。これによってより多様な遊技性を付加することができ、興趣の向上等を図ることができる。また、勿論、振分け装置477〜479、V入賞装置476等の条件達成手段の数、配置、構造等の各種構成については特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、入賞口を横並びで12個設け、これらのうちの5つに遊技球が入球した時点で、その入球した入賞口の組合せに応じた賞球が行われるような構成としてもよい。尚、前提条件を達成した上で特定条件を達成した場合にも、前提条件を達成せずに特定条件を達成した場合に付与される特典と同じ特典が付与される場合があり、但し、前提条件を達成している場合には、前記同じ特典よりも遊技者にとって有利な特典が付与される可能性がある、又は、該有利な特典が付与される可能性が高いこととしてもよい。この場合にも、十分に前提条件を狙う価値を付加することができる。
また、特典の付与のための前提条件を教示する前提教示手段を備えていることが望ましく、その場合、どのような前提条件を達成させればよいのかを認識し易くすることができる。特に、前提条件が複数パターン設けられる場合には、かかる作用効果がより顕著に奏される。例えば、第1振分け装置477、及び、第3振分け装置379の特別セーフ孔481bに遊技球を通過させた上でV入賞装置476に遊技球を入球させると確変モードが付与される状況において、第1振分け装置477、及び、第3振分け装置379の案内発光部483を点滅させ、第2振分け装置478の案内発光部483を点灯させ、第2振分け装置478の通過報知ランプ484を点灯させるように構成してもよい。さらに、液晶表示装置やドット表示装置を設け、遊技球の通過を望むべき特別セーフ孔481bの教示を行うこととしてもよい。
加えて、前提条件を達成した上での特定条件の達成による付与される特典の内容を教示する特典教示手段を備えていることが望ましい。つまり、遊技者にとって有利な特典が付与され得る状態とされた場合における遊技に高揚感等を付与することができ、遊技性の向上等を図ることができる。尚、特定条件を達成させる機会が付与される場合に前提条件を達成させる機会が必ず付与される構成であってもよいし、付与される場合と付与されない場合とがあるように構成してもよい。さらに、前提教示手段、及び、特典教示手段による教示が行われる場合と、行われない場合とがあるように構成してもよい。すなわち、実際には、前提条件が設定されていて、遊技者が知らぬ間に前提条件を達成し、特定条件が達成された場合に、サプライズ的に特典が付与されることを教示するように構成してもよい。また、実際には前提条件が設定されているもののそのことが教示されないパターンが存在することで、前提条件が設定されていない状況であっても、実は、前提条件がこっそりと設定されているのではないかと期待をもって遊技を行ってもらうこともできる。
加えて、前提条件を達成させる機会を発生させる契機の導出タイミングは1パターンであってもよいし、複数パターン設けられていてもよい。つまり、例えば、第1振分け装置477の特別セーフ孔481bを通過させるだけで前提条件の達成とされるパターンと、第3振分け装置479の特別セーフ孔481bを通過させるだけで前提条件の達成とされるパターンとがあるように構成してもよい。また、例えば、振分け装置477〜479が回転する、又は、周期的に変位して特定領域473を移動する遊技球の移動方向を振分ける振分け手段を設け、前提条件を達成可能な状態と、達成不可能な状態とに状態変化するとともに、遊技球の挙動や到達のタイミングにより、前提条件を達成する場合と達成しない場合とがあるように構成してもよい。
また、遊技者にとってより有利な特典が付与される場合には、比較的達成が困難な前提条件を設定することも考えられる。但し、たとえ遊技者にとって有利な特典が付与される可能性があるとしても、前提条件を達成し難くなってしまい、前提条件を達成できない場合には、遊技者にとって通常の特典が付与される場合よりも不利になるような構成となってしまうと、遊技者にとってより有利な特典が付与される状況に移行することが遊技者にとって望ましくない状況となってしまう。このため、どの種別の特典であっても、達成のし易さが同じような前提条件が選択される、又は、遊技者に取っており有利な特典が付与される状況の方が達成のし易い前提条件が選択され易くなるような構成としてもよい。
また、前提条件が達成された状態であることを教示する前提達成教示手段(通過報知ランプ484)を備えていることが望ましい。この場合、特定条件を達成させることの価値が高まっている状態であることを認識し易くすることができ、かかる状態の高揚感を堪能してもらうことができる。
さらに、前提条件が達成されたか否かを若干認識し難くなる場合があるように構成し(特別セーフ孔481bの通過を報知しない、遊技球が存在する振分け装置を煌びやかに電飾発光する等)、前提達成教示手段により前提条件が達成されたことが教示される達成教示状態と、教示されない達成非教示状態とがあるように構成してもよい。この場合、あえて前提条件が達成されたか否かが分かり難い状態を発生させることで、より多様な遊技性を付加することができる。
加えて、指定期間における遊技者の指定操作に基づいて、達成教示状態への移行の機会が付与されるように構成してもよい。指定操作としては、所定期間に操作を行うことで前記所定期間に対応する演出手段の挙動を導出させる演出操作手段(演出ボタン125等)の操作や、パチンコ機10であれば、遊技領域に設けられた特定の入球部への入球等が挙げられる。例えば、装飾図柄表示装置42の一部で表示されるミニゲームがあり、タイミングよく演出ボタン125を操作することで該ミニゲームを成功させることができ、該ミニゲームを成功させることで達成教示状態とされるように構成してもよい。また、例えば、遊技領域の所定部位を狙って遊技球を発射させることで遊技球を第1始動入賞装置、及び、第2始動入賞装置のどちらにも入球可能な構成であり、また、かかる始動入賞装置の上流側にはスルーゲートが設けられるとともに、第2始動入賞装置は、入球サポート抽選に当選した場合にのみ遊技球が入球可能とされ、第1始動入賞装置への遊技球の入球に基づいて中央ユニット471が開放された場合には、達成教示状態又は達成非教示状態とされ、第2始動入賞装置への遊技球の入球に基づいて中央ユニット471が開放された場合には達成教示状態とされるように構成してもよい。これらの構成のように、達成教示状態への移行を遊技者の意思や行動の結果によって実行可能とすることで、遊技意欲の向上等を図ることができる。
尚、前提教示手段の教示、及び、前提達成教示手段の教示等をあえて実行しない場合には、通常に(遊技の指示に従って)遊技を行っていれば前提条件が必ず、又は、ほぼ必ず達成されるように構成してもよく、さらに、通常に遊技を行っていれば特定条件が比較的高確率で、又は、ほぼ達成されるように構成してもよい。但し、通常に遊技を行っていなければ前提条件等は達成されないことから、通常の遊技を行っていないことを把握した(例えば、右打ちをするべき状態であるのに右打ちを行っていない等)場合には、通常の遊技を行ってほしい旨を指示する表示や警告音等を導出するように構成することが望ましい。
また、前提条件の達成が有効とされる前提有効期間と、特定条件の達成が有効とされる特定有効期間とが設けられ、前提条件、及び、特定条件が達成されていない状態で前提有効期間、及び、特定有効期間が終了する場合があるように構成されていることが望ましい。上記第2実施形態では、遊技球が特定領域473に存在する限りは前提有効期間、及び、特定有効期間が継続する(かかる期間は、遊技領域473に遊技球が存在しなくなる以外にも、V入賞装置476への入球に基づいて大当たり状態が発生する場合に終了する)ようになっている。これにより、例えば、特定条件が達成されるまでは前提条件がクリアされない構成であったり、前提条件を達成するためには複数のステップを達成する必要があり、前提条件を達成するまでは前記各ステップの達成情報がクリアされない構成であったりする場合に比べ、遊技にメリハリと抑揚を付加することができるとともに、必要以上に射幸性を煽ってしまうといった事態を回避することができる。尚、前提有効期間や特定有効期間は、時間で定められることとしてもよいし、特定領域473に遊技球が存在しなくなる以外の所定の挙動の検知(所定の操作手段の規定回数の検知、特定の領域を通過した遊技球の規定回数の検知等)で定められることとしてもよい。
さらに、上記第2実施形態のように、前提有効期間、及び、特定有効期間の終了タイミングが分かり易い場合はそれほど使用はないが、前提有効期間、及び、特定有効期間の終了タイミングが規定時間の経過や、所定の入賞口への遊技球の入球、所定の入賞口への遊技球の規定複数個の入球、遊技球の発射数、大当たりラウンドや変動表示等の区切りのある期間の終了などに対応している場合には、前提有効期間、及び、特定有効期間の残りの期間を教示可能に構成することが望ましい。この場合、遊技性を理解してもらって適正に遊技を実行してもらうことができる。尚、前記残り期間が教示される場合と、教示されない場合とがあることとしてもよい。
加えて、前提条件が達成された状態で特定条件が達成された場合に前提条件が達成された状態が解消される場合と、解消されない場合とがあることとしてもよい。例えば、前提条件が達成された情報を複数保留記憶可能とし、特定条件達成時に特典を付加する1回の価値と、前提条件の規定数の価値とを対応させて、例えば、1対1の場合で特定条件の達成の数を記憶する達成ストック記憶手段に「2」が記憶されている場合に特定条件が達成された場合に達成ストック記憶手段の値を「1」として特典を付与するように構成してもよい。この場合、特典が連続で付与され易い状態を設けることができ、遊技にメリハリと抑揚を付加することができる。
上記第2実施形態では、V入賞装置476に遊技球が入球した場合に、前提条件(全ての特別セーフ孔481bへの遊技球の通過)が達成されている場合と、達成されていない場合とで、確変モードが付与されているか否かの違いだけとなっているが、前提条件を達成して特定条件を達成した場合に付与される特典として第1の特典と、第2の特典とが設けられ、第2特典は第1の特典よりも遊技者にとって有利な特典であるように構成してもよい。例えば、V入賞装置476の内側に第1入球部と、第2入球部と、振分け装置とがあり、振分け装置が一定のリズムで遊技球の案内先を第1入球部と第2入球部とに切り替える、或いは、第1始動入賞装置491への入球に基づく当否抽選に際して振分け装置による案内先を決定する、若しくは、前提条件が複数パターン設けられ、例えば、第1〜第3の振分け装置477〜479のいずれか2つの特別セーフ孔481bの通過で第1前提条件が達成され、第1〜第3の振分け装置477〜479の全ての特別セーフ孔481bの通過で第2前提条件が達成され、第2前提条件が達成された場合に振分け装置が遊技球を第2入球部に案内する状態とされる等のように構成してもよい。さらに、V入賞装置476の第1入球部又は第2入球部に遊技球が入球することで特定条件が達成された場合の特典として、第2入球部に遊技球が入球した場合には、当否抽選にて決定されたラウンド数の大当たり状態と、それに続く100回の変動表示を上限とする確変モードとが付与される第1大当たり種別が付与され、第1入球部に遊技球が入球した場合には、当否抽選にて決定されたラウンド数の大当たり状態と、それに続く50回の変動表示を上限とする確変モードとが付与される第2大当たり種別が付与されるように構成してもよい。尚、特典については特に限定されるものではなく、機種ごとに適宜変更可能である。例えば、確変モードがなく、通常モードと時間短縮モードとがある構成においては、時間短縮モードの付与を特典として適用してもよい。尚、通常モードと、時間短縮モードと、確変モードとがあり、時間短縮モードと、確変モードとには変動表示規定回数まで継続可能とする上限が設定され、大当たり状態終了後には、時間短縮モード、及び、確変モードのどちらかに移行する構成において、時間短縮モードにおいて大当たり状態に当選した場合には、大当たり状態終了後に必ず確変モードが付与されるように構成してもよい。
上記第2実施形態では、前提条件の達成が近づいたことを通過報知ランプ484(接近把握手段)で教示しているが、別の方法で前提条件の達成に近付いたこと、及び、前提条件が達成された後の特定条件の達成に近付いたことのうち少なくとも一方を把握し、当該把握情報に基づいて対応する演出が導出されるように構成してもよい。例えば、特別セーフ孔481bの近傍、及び、第4振分け装置480のセーフ孔481の近傍を通過する遊技球を検知可能な接近把握検知センサを設け、該検知センサの検知に基づいて効果音を発生させる(近づく程、音が大きくなる)、電飾等(案内発光部483等)の発光態様を変化させる等してもよい。この場合、状況に的確な演出で盛り上げることができ、演出性の比較的な向上を図ることができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、特徴部分を中心に図51等を参照しつつ説明する。第3実施形態では、透過型液晶表示装置である装飾図柄表示装置42(図4参照)の表示部の裏側において、図51に示すような確変モード(特典)を付与するか否かの確変付与抽選を行うための抽選手段としての抽選ユニット801が設けられている。装飾図柄表示装置42の表示部を透過状態とすることで抽選ユニット801を前方から視認可能となる。
抽選ユニット801は、略立方体形状の変位手段としてのサイコロ部材802と、サイコロ部材802が設置される抽選台803と、サイコロ部材802を動作させる(振る)ための動作装置804と、サイコロ部材802の左右位置を調整可能な左右調整装置805と、サイコロ部材802の前後位置を調整可能な前後調整装置806と、サイコロ部材802の向きを把握するための読取り手段としての向き把握センサ807とを備えている。
動作装置804は、抽選台803から上方に出没可能に設けられた第1押圧部808、及び、第2押圧部809を備えている。第1押圧部808は、平面視で略正方形状をなし、第2押圧部809は、平面視で、第1押圧部808を囲うような四角枠状をなしている。第1押圧部808、及び、第2押圧部809の基準の姿勢では、その上面が、抽選台803の上面と略面一となっている。さらに、サイコロ部材802が基準位置に配置されることで、サイコロ部材802の下方に第1押圧部808、及び、第2押圧部809が位置するようになっている。
また、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、可変表示装置ユニット35の右部において第2可変入賞装置32bを具備するが(図4参照)、第2特別入球部145bに遊技球が入球しただけでは、確変モードは付与されない。その代わりに、第2特別入球部145bに入球した遊技球と、第1押圧部808とを連動させる連動機構810が設けられ、遊技球が第2特別入球部145bに入球すると、連動機構810を介して、第1押圧部808が上方に変位するようになっている。
さらに、第1押圧部808の変位を検知する第1動作検知センサ811が設けられており、第1動作検知センサ811の検知に基づいて、図示しない電気的駆動手段(モータやソレノイド等)が、第2押圧部809を上方に変位させるようになっている。すなわち、サイコロ部材802は、第1押圧部808、及び、第2押圧部809によって上方に押上げられ、宙に浮くような格好とされる。第1押圧部808の動作に関しては、第2特別入球部145bに入球した遊技球の勢いに応じたものとなり、一様ではない。第2押圧部809の動作に関しては、一定であり、サイコロ部材802を宙に浮かせる力を安定的に付与するものであるが、第1押圧部808の動作が先行することから、サイコロ部材802への力の作用の具合については一様ではない。このため、サイコロ部材802の動作のランダム性が生じることとなる。尚、第1押圧部808は上方に変位した後、自重で元の位置に戻る。また、本例では、第1動作検知センサ811の検知に基づく第2押圧部809の上方への動作は1回であるが、第2押圧部809が複数回上下に動作する構成としてもよい。
左右調整装置805は、サイコロ部材802の左右両側方において一対で設けられ、図示しないモータが駆動制御されることで、左右方向にスライド変位可能に構成されている。サイコロ部材802を動作させる際には、一対の左右調整装置805の間の距離が、サイコロ部材802の幅の2倍以上となり、サイコロ部材802の転動が許容される。その一方で、動作後のサイコロ部材802の位置及び向きの調整を行う場合には、一対の左右調整装置805が互いに近付くようにして、一対の左右調整装置805間の距離が、サイコロ部材802の幅よりも若干広くなるまで比較的ゆっくりと変位する。その後、左右調整装置805が左右に開いて元の位置に戻る。
前後調整装置806は、サイコロ部材802よりも後方に設けられ、図示しないモータが駆動制御されることで、前後方向にスライド変位可能に構成されている。尚、サイコロ部材802よりも前方(抽選台803の最前部)には、抽選台803から上方に出没可能に設けられた図示しない衝立部が設けられている。サイコロ部材802を動作させる際には、衝立部が上方に突出した状態とされ、前後調整装置806が衝立部からサイコロ部材802の幅の2倍以上を離れた距離をとるようになっている。その一方で、動作後のサイコロ部材802の位置及び向きの調整を行う場合には、左右調整装置805の互いに近付く動作がほぼ終わる頃から終わった後にかけて、前後調整装置806が前方に突出し、サイコロ部材802を前方に押し出すような格好となる。その後、前後調整装置806が後退して元の位置に戻るとともに、衝立部が抽選台803に没入する。
また、サイコロ部材802には、各外表面の中央部に対応して、各外表面の数字を示す情報を有するRFIDタグ(例えば、パッシブタグ)が埋設されている。これに対し、向き把握センサ807は、サイコロ部材802が変位する領域の上方、及び、後方を区画する図示しない壁部にそれぞれ対応して設けられており、サイコロ部材802の位置及び向きが左右調整装置805及び前後調整装置806で調整された後、サイコロ部材802の後面及び上面のRFIDタグを読み取ることで、サイコロ部材802の前面の出目を把握するようになっている。尚、当該サイコロ部材802の出目を把握する機能が判定手段を構成する。また、サイコロ部材802の中央部に金属片を埋設する等して、意図しないRFIDタグを読み込み難くするように構成してもよい。
本実施形態の「8RN」の大当たり状態としては1パターンであり、「8RN」の大当たり状態の第6ラウンドにおいて、第2可変入賞装置32bが開状態とされ、「8RN」の大当たり状態のその他のラウンドでは第1可変入賞装置32aが開状態とされる。尚、本実施形態の第1可変入賞装置32aは、第1特別入球部145aが省略されており、第1可変入賞装置32aに遊技球を入球させても確変モードが付与されることはない。
「8RN」の大当たり状態の第6ラウンドでは、第2可変入賞装置32bが開状態とされるとともに第2特別入球部145bが開状態とされ、第2特別入球検知スイッチ223bの検知が行われた場合に、第2開閉部材143bが規制位置とされ、第2特別入球部145bが閉状態とされる。また、第2特別入球検知スイッチ223bの検知に基づいて、確変モードが付与される当選に対応するサイコロ部材802の出目を決める当選態様決定抽選が行われる。
その後、装飾図柄表示装置42の表示部の中央部を含む範囲が透過状態に切替わり、抽選ユニット801が視認される状態となる上、装飾図柄表示装置42の表示部の外周を含む範囲では、当選態様決定抽選の結果、すなわち、サイコロ部材の当たりとなる出目を教示する表示が導出される。そして、上記のように、第2特別入球部145bに入球した遊技球が、連動機構810を介して、第1押圧部808を押し上げるとともに、第1押圧部808の変位を契機として、電気的駆動手段により第2押圧部809が上方に変位させられることで、サイコロ部材802が転動することとなる。
向き把握センサ807の検知情報に基づいてサイコロ部材802の停止が確認された場合には、上記のように左右調整装置805でサイコロ部材802の左右方向の位置等が調整され、前後調整装置806でサイコロ部材802の前後方向の位置等が調整される(サイコロ部材802の変動開始から規定時間の経過で左右調整装置805及び前後調整装置806によるサイコロ部材802の位置調整が行われる構成としてもよい)。尚、向き把握センサ807の検知情報に基づいてサイコロ部材802の停止を判断する機能が停止判断手段を構成する。さらに、左右調整装置805及び前後調整装置806が変位制限手段を構成する。
その後、左右調整装置805及び前後調整装置806と、サイコロ部材802とが略当接した状態において、向き把握センサ807により、サイコロ部材802の前面の出目を把握する。そして、左右調整装置805及び前後調整装置806をサイコロ部材802から離間させるとともに、向き把握センサ807により把握されたサイコロ部材802の前面の出目が当選の出目と一致する場合には、確変モードの付与に対応する処理を行う(例えば、第1実施形態の第2特別入球フラグをオン設定する場合と同様の設定を行い、装飾図柄表示装置42において、確変モードの付与を教示する表示を導出させるための設定を行う)。
尚、「8RN」の大当たり状態の第5ラウンドでは、装飾図柄表示装置42において、次のラウンドでは第2可変入賞装置32bが開状態とされるのでそこに遊技球を入球させると確変モードが付与されるか否かの確変付与抽選が行われる旨、パチンコ機10に振動を与えると確変付与抽選が無効になる旨の案内表示が導出される。第6ラウンドでは、遊技盤30の裏面側等の複数箇所に設けられた振動検知手段の検知情報を利用する不正警戒レベルが高められる。通常時は、振動検知手段の検知が行われた場合に注意の表示を導出し、それから一定期間内に複数の振動検知手段が複数回検知を行った場合にエラー状態と判別してエラー処理を行う。第6ラウンドでは、その他の振動検知手段よりも感度が高く、通常時は参照されない特別振動検知手段の検知を契機として注意の表示を導出し、それから一定期間内に特別振動検知手段を含む振動検知手段の検知がもう1回行われた場合にエラー状態と判別してエラー処理を行う。その他にも、サイコロ部材802が設置される領域に対応して磁気を検知可能な磁気検知手段が設けられ、磁気を用いた不正行為の抑止が図られる。
尚、サイコロ部材802の変位のさせ方については特に限定されるものではない。第2可変入賞装置32bに入球した遊技球の力学的エネルギーのみを利用してサイコロ部材802を動作させてもよいが、基本的には難しい(サイコロ部材802が軽くて小さいものなら動かせるがサイコロ部材802が視認し難くなる)ことが考えられ、電気を使用して動作する動力手段を利用(併用)することが望ましい。但し、第2可変入賞装置32bに入球した遊技球の勢いやタイミング等に応じて、動力手段の動作や、動力手段の力のサイコロ部材802への伝わり方等が異なるように構成する。例えば、第2特別入球部145bへの入球に基づいてサイコロ部材802に対し送風手段から風が吹付けられるのであるが、第2特別入球部145bに入球した遊技球の勢いに応じて、送風手段から送られる風がサイコロ部材802に向けて吹出される吹出し口の位置や大きさが変更される(抽選台が格子状をなし、抽選台と送風手段との間に形状の異なる複数の吹出し口が設けられた回転板を設け、該回転板が第2特別入球部145bに入球した遊技球と連動して回動変位する)ように構成してもよい。
以上のように、第3実施形態では、大当たり状態中にサイコロ部材802を変位させることで大当たり状態終了後に確変モードを付与するか否かの確変付与抽選が行われ、サイコロ部材802の停止態様によって、確変付与抽選の結果(当否)が決定される。このため、確変付与抽選が開始されてから確定に至るまでの経過を見守ることができ、サイコロ部材802の停止態様の予測をして楽しむことができる。特に、例えば、乱数発生手段を用いて確変付与抽選を行い、既に決まっている確変付与抽選の結果を教示する演出を行うものに比べ、サイコロ部材802の変位の仕方からサイコロ部材802の停止態様のパターンをある程度絞ることができたり、サイコロ部材802の停止タイミングの予測を停止の少し前の段階から付け易くなったりする等、確変付与抽選の経過そのものを堪能してもらうことができる。
また、第3実施形態では、第2特別入球部145bに入球した遊技球と、サイコロ部材802を変位させるための第1押圧部808とが、連動機構810を介して機械的に連動するようになっており、第2特別入球部145bに到達した遊技球の速度等に応じて、サイコロ部材802の変位量が変化するようになっている。このため、サイコロ部材802の変位量をランダムなものとし、ひいては、確変付与抽選の結果をランダムとすることができる。従って、サイコロ部材802を使用しての確変付与抽選において、第2特別入球部145bに入球した遊技球の速度で確変付与抽選の結果を予想したり、或いは、遊技者が確変付与抽選に当選し易いと思う速度で遊技球を第2特別入球部145bに至らせることを意図的に狙ったりするといった新たな遊技性を確実に付与することができる。
さらに、確変付与抽選に先立って、確変付与抽選における当選に対応するサイコロ部材802の態様を決定する当選態様決定抽選が行われるようになっている。このため、確変付与抽選に当選するサイコロ部材802の態様も一様ではなく、当選態様決定抽選の結果に応じて変更される。従って、例えば、第2可変入賞装置32bに入球させる遊技球の勢いを調整することで実際にサイコロ部材802による確変付与抽選で当選し易くなるといった調整ができてしまうことを抑制することができ、どのような遊技者でも比較的平等に遊技を進行させることができる。
加えて、当選態様決定抽選は、第2特別入球部145bに入球した遊技球を検知する第2特別入球検知スイッチ223bの検知に基づいて行われ、当選態様決定抽選の結果は、サイコロ部材802が停止されるよりも前に教示される(基本的には、サイコロ部材802の変位よりも前の段階から教示される)。このため、確変付与抽選の結果や該結果の予想に基づいて当選に対応するサイコロ部材802の態様を決定したのではないかという疑惑がかけられることを極力抑制しつつ、当選に対応するサイコロ部材802の態様を把握しつつ、サイコロ部材802の変位を見守るといった遊技を堪能してもらうことができる。
また、サイコロ部材802が停止に相当する状態と判断された場合に、サイコロ部材802と接触して、サイコロ部材802の変位を制限する左右調整装置805及び前後調整装置806が設けられている。さらに、左右調整装置805及び前後調整装置806によりサイコロ部材802の変位が制限された状態とされた後に、向き把握センサ807の検知情報に基づいて、サイコロ部材802の前面の出目の判定を行う。
このような構成を採用することで、例えば、サイコロ部材802が停止して確変付与抽選の結果が確定したかに見えたが、サイコロ部材802が不用意に変位してしまい、確変付与抽選の結果が変わることになってしまうといった事態を防止することができる。従って、サイコロ部材802の態様(出目)と、向き把握センサ807の検知情報に基づくサイコロ部材802の出目の判定に基づく確変付与抽選の結果とが矛盾するといった事態を回避することができ、トラブルの発生等を抑制することができる。また、例えば、遊技者がパチンコ機10を揺らす等の行為によって確変付与抽選の結果が変わってしまうといった事態を回避することができる。加えて、サイコロ部材802が停止して、確変付与抽選の結果が確定したことを遊技者に分かり易くすることができる。さらに、左右調整装置805及び前後調整装置806によって、停止されたサイコロ部材802の姿勢や位置を、確変付与抽選の結果が変わらない範囲で整えることができ、向き把握センサ807による判定を行い易くする(正確かつ迅速に判定可能とする)とともに、遊技者が判断に迷うといった事態を回避することができる。
また、サイコロ部材802には、各外表面に対応してRFIDタグが埋設され、向き把握センサ807はRFIDタグを読取り、RFIDタグの情報に基づいてサイコロ部材802の態様を判定している。このため、例えば、サイコロ部材802の出目の判定にカメラ等を用いる場合に比べ、サイコロ部材802の態様の判定を正確かつ迅速に行うことができる。さらに、サイコロ部材802の表面が経年使用により損傷したり、摩耗等して表示態様が認識し難くなったりしても、RFIDタグ(及び向き把握センサ807)の損傷がなければ、確変付与抽選の結果を確実に把握することができる。加えて、サイコロ部材802のように、抽選ユニット801の本体側と全く連結されていないもの(リンクさせるアームのような構造物や配線等がないもの)を抽選に使用することができ、演出性の向上、抽選ユニット801の設計の自由度の向上等を図ることができる。
加えて、パチンコ機10の振動を検知する振動検知手段が設けられており、サイコロ部材802が変位している状態において振動検知手段の検知が行われた場合にエラー処理が行われる。このため、サイコロ部材802が不正に変位させられることを抑止することができる。また、サイコロ部材802が変位していない状況であれば、故意ではなくパチンコ機10に遊技者がぶつかった可能性等を考慮して、エラー状態としないように構成することで、パチンコ機10が設置された遊技ホール等の関係者の手間を抑制することができる。但し、振動を検知したことについては、該検知情報がパチンコ機10から遊技ホールのコンピュータ等に出力されることが望ましい。
また、第2特別入球部145bの開状態において、第2特別入球検知スイッチ223bの検知が行われた場合に、第2開閉部材143bが規制位置とされて第2特別入球部145bが閉状態とされる。このため、例えば、サイコロ部材802の挙動から確変付与抽選にて当選する可能性が高いと思われるような状況で、別の遊技球が第2特別入球部145bに入球し、サイコロ部材802が再び勢いよく変位し始めてしまうといった興趣の低下を招きかねない状況を回避することができる。
尚、第3実施形態において、第2可変入賞装置32bの第2特別入球部145bに遊技球が入球する(特定条件を達成させる)とサイコロ部材802(変位手段)が変位し、サイコロ部材802の出目によって確変モード(特典)が付与されるか否かが決定される(抽選される)ようになっている。ここで、特定条件を達成させることで抽選が行われ、抽選に当選することで遊技者にとって有利な特典が付与され、抽選を行う抽選手段は、特定条件の達成に基づいて抽選領域を変位させられる変位手段を備え、変位手段の抽選領域における停止態様、又は、抽選領域からの排出パターンに基づいて抽選の結果が決定される構成としては特に限定されるものではなく、適宜、応用可能である。
例えば、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づいて大当たり状態及び小当たり状態のうち小当たり状態に当選した場合に第2可変入賞装置32bが規定時間(例えば、1.8秒間)、規定回数(例えば、1回)開状態とされ、第2可変入賞装置32bの第2特別入球部145bに遊技球が入球すると、大当たり状態の権利が付与されるとともに、擬似球が抽選領域に導出されて抽選領域をある程度転動し、第1入球部ではなく第2入球部に入球して抽選領域から排出されることで確変モードが付与されるような構成としてもよい。また、例えば、大当たり状態中において第2可変入賞装置32bが開状態とされて第2特別入球部145bに入球する機会が複数回付与され、第2特別入球部145に遊技球が入球することで、1ラウンドにつき1回だけサイコロ部材802を変位させる権利が付与され、大当たり状態の開始時に、導出させることで確変モードが付与されるサイコロ部材802の出目の組合せが教示され、大当たり状態中にかかる組合せのサイコロ部材802の出目を導出させることで確変モードが付与されるように構成してもよい。
これらのように、変位手段を変位させることで抽選が行われ、変位手段の停止態様、又は、抽選領域からの排出パターンによって、抽選の結果(当否)が決定される。このため、抽選が開始されてから確定に至るまでの経過を見守ることができ、変位手段の挙動の予測をして楽しむことができる。特に、例えば、乱数発生手段を用いて抽選を行い、既に決まっている抽選の結果を教示する演出を行うものに比べ、変位手段の変位の仕方から変位手段の挙動の展開をある程度絞ることができたり、変位手段の結果が出るタイミングをその少し前から把握したりする等、抽選の経過そのものを堪能してもらうことができる。
尚、上記態様例の擬似球に代えて第2特別入球部145bに入球した遊技球を利用することとしてもよい。また、例えば、第2可変入賞装置32bの第2特別入球部145bに入球した遊技球が抽選領域に案内され、該遊技球が抽選領域に設置されたボウリングのピンを模した役物を何本倒すかに応じて確変モードが付与されるように構成してもよい。
さらに、第3実施形態では、先ず、第2可変入賞装置32bを開状態とする(第2可変入賞装置32bを開状態とする大当たり状態を発生させる)か否かについては、始動入賞装置33a、33bへの入球に基づく当否抽選及び種別抽選(第1契機に基づいてソフトウェアによる第1抽選)により行われ、当該抽選で当選した場合に第2可変入賞装置32bの第2特別入球部145bに遊技球を入球させることが可能(第2契機として特定条件が達成可能)とされ、第2特別入球部145bに遊技球を入球させること(第2契機)に基づいてサイコロ部材802を具備する抽選ユニット801(抽選手段)を使用した抽選(抽選としての第2抽選)が実行され、当該抽選で当選した場合に確変モード(特典)が付与される。つまり、第1抽選をソフトウェアにすることで、抽選手段の構成の複雑化を回避しつつ、特典が付与される確率を適度なものとすることができる。また、第1段階の方をソフトウェアとすることで、抽選手段の負担を軽減し、劣化等を抑制することができる。
加えて、上記第3実施形態では、変位手段が抽選領域において変位している状態と、それ以外の状態とを判別可能な変位判別手段(向き把握センサ807)を備え、変位手段が停止したことを把握し、変位手段の停止態様を判別するように構成されているが、例えば、変位手段が停止したことは確認せず、変位手段の変位を開始させてから規定時間後に変位手段を規定の姿勢として静止させる手段(左右調整装置805)で前記規定時間後に変位手段が停止していても変位していても規定の姿勢として静止させ、その停止態様を判別するように構成してもよい。但し、変位判別手段で変位手段の停止を待つことにより、抽選手段による抽選をより堪能してもらうことができるとともに、例えば強制停止させる場合に比べて公正感を向上させる(八百長ではないかという疑いの発生を抑制する)ことができる。また、変位手段を用いた抽選の結果を判断して教示するタイミングか否かを迅速に認識して次の処理に移行することができたり、変位手段の変位状態において遊技機の振動等の不正行為を監視する期間を好適に設定することができたりする。
上記第3実施形態において、抽選領域を初期状態にすることのできるリセット手段を備えることが望ましい。つまり、抽選ユニット801による抽選を開始させる際の抽選ユニット801の状態としては、サイコロ部材802が規定の位置において、所定の面がパチンコ機10の前方に正対する基準姿勢とされていればよいが、遊技場の営業開始時やエラーが生じた場合等に、サイコロ部材802の規定の面(例えば、「1」の出目の面)がパチンコ機10の前方に正対する初期姿勢としたい場合の利便性の向上を図ることができる。
変位手段として使用される部材を複数備え、変位手段として使用される部材を交換可能に構成されていることとしてもよい。例えば、第3実施形態の抽選ユニット801において、サイコロ部材802が転動する領域(抽選領域)の裏側にサイコロ部材802を3つ上下に格納する格納部が設けられ、サイコロ部材802の抽選が終わると該サイコロ部材802を抽選台803の上(抽選領域)から格納部の上部に回収し、抽選が開始される場合には格納部の下部からサイコロ部材802を1つ抽選領域に取出して抽選を行うような構成としてもよい。この場合、変位手段として使用される部材の劣化を抑制することができる。
変位手段による抽選の結果が第1の結果となり易い第1抽選状態と、第1の結果よりも遊技者にとって有利な第2の結果となり易い第2抽選状態とがあることとしてもよい。例えば、抽選領域に擬似球が転動した後、擬似球が第1入球部に入球するよりも第2入球部に入球する方が遊技者にとって有利な特定が付与され、第2抽選状態とされることで、第1入球部の一部、又は、全部が可動被覆手段により覆われ、第2入球部に入球し易い状態とされるような構成としてもよい。このように、第1抽選状態と第2抽選状態とに状態変化することで、遊技に対して大きな抑揚をつけることができる。
尚、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく当否抽選、及び、種別抽選において、大当たり状態に当選する場合(例えば、1/259)と、サイコロ部材802による抽選によって大当たり状態に当選する場合(小当たり状態に当選する場合、例えば、1/259)とがあり、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく当否抽選、及び、種別抽選において、大当たり状態に当選する場合はなく、小当たり状態にのみ当選するように構成してもよい。尚、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく当否抽選、及び、種別抽選でも大当たり状態に当選する場合もあってよいが、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球が許容される状態は小当たり状態の確率が高められて、ほとんどが大当たり状態(例えば、1/259)となる前に、小当たり状態(小当たり状態に当選する場合、例えば、1/29)に当選するように構成してもよい。また、サイコロ部材802を使用した抽選に代えて、第2可変入賞装置32bの内側に設けられ、遊技球が転動可能な特定領域に遊技球を入球させ、該遊技領域が特定入球部に入球するか否かによって、(確変)大当たり状態とするか否かを決定することとしてもよい。尚、第2可変入賞装置32bの特定領域には、当該特定領域に入球した遊技球を検知する検知スイッチ(この検知に基づいて賞球を行う)と、特定領域から遊技球を排出する排出部と、遊技球を転動させて該遊技球が特定入球部に入球するか、或いは、非特定入球部に入球するかといった抽選を行わせる抽選領域と、抽選領域の入口に設けられ、第2可変入賞装置32bの開状態においては、第2可変入賞装置32bに入球した遊技球を1つ停留させることが可能に構成され、第2可変入賞装置32bが閉状態とされた際に前記停留させていた遊技球を前記抽選領域に案内する停留案内手段を備えていることとしてもよい。尚、停留案内手段で複数の遊技球を停留可能としてもよいし、停留案内手段を省略することとしてもよい。また、小当たり状態は、高確率状態、及び、低確率状態のどちらでも当選確率が同じであることとしてもよい。
また、液晶表示装置等により構成される装飾図柄表示装置を設け、サイコロ部材802の抽選と並行して装飾図柄表示装置において当否抽選の結果を教示又は示唆する演出表示を導出可能に構成してもよい。
さらに、サイコロ部材802の視認性を変化させる視認程度変更手段(抽選ユニット801の前方を含む領域に透過型の液晶表示装置、EL表示装置、又は、偏光板を配置する、後方領域の透視が可能であるが視認性が低下する格子状、半透明、或いは、摺りガラスのような表面加工が施されたシャッタを抽選ユニット801の前方を含む領域に対して出没可能(前方に位置したり、側方に退避したりする)に設ける)を設け、サイコロ部材802の抽選が行われる場合に、視認程度変更手段でサイコロ部材802の視認性をサイコロ部材802の抽選が終了するまで低下させるとともに、装飾図柄表示装置でサイコロ部材802の抽選の結果を教示する(サイコロ部材802の抽選結果を把握し、該結果に対応する演出表示を行う)ように構成してもよい(装飾図柄表示装置又は抽選ユニット801の少なくとも一方を移動可能に構成して、例えば、装飾図柄表示装置を抽選ユニット801の前方領域に出没可能とする)。また、装飾図柄表示装置でサイコロ部材802の抽選の結果を教示する構成に代えて、最終的な態様を制御により決定して実現させることのできる可動役物等(例えば、擬似の遊技球が複数の孔が設けられた転動領域に導出され、かかる複数の孔には開閉板が設けられていて、都合の悪い孔(外れの状況の当たりに対応する孔、或いは、当たりの状況の外れに対応する孔)に擬似の遊技球が入球しないように構成する等)によりサイコロ部材802の抽選の結果を教示する(パターンもある)構成としてもよい。以上のような構成を採用することで、演出性の向上、演出の多様化等を図ることができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a;特典、特典付与の条件)上記第1実施形態では、大当たり状態において第2可変入賞装置32bの第2特別入球部145bに遊技球が1つ入球する、或いは、第1可変入賞装置32aの第1特別入球部145aに遊技球が3つ入球することを条件として、大当たり状態終了後に確変モードが付与される権利が得られるように構成されているが、特にかかる構成に限定されるものではない。例えば、第2特別入球部145bに遊技球が2つ入球することで確変モードが付与されるように構成し(或いは、確変大当り、及び、通常大当たりという区別をなくし)、第2可変入賞装置32bのロング開放では第2特別入球部145b(第2振分け装置149b)は開状態とされず、第1可変入賞装置32aのように、ショート開放に際して第2特別入球部145bへの入球を可能とすることで、確変モードが付与されない可能性が若干高まったような構成としてもよい。また、第2特別入球部145bに遊技球が規定複数回入球することで確変モードが付与される構成とするとともに、第1可変入賞装置32aの第1特別入球部145aを省略し、第1可変入賞装置32aに遊技球が入球しても確変モードが付与されないような構成(第1可変入賞装置32aを賞球専用の可変入賞装置とする)としてもよい。
さらに、確変モードが設けられておらず(大当たり確率の変動がなく)、大当たり終了後に時間短縮モード又は通常モードに移行する構成においては、「時間短縮モードの付与」を第1特別入球部145aへの遊技球の規定複数回の入球に応じた「特典」としてもよい。
また、例えば、当否抽選において大当たり状態に当選しないと判別された(第1当否フラグ及び第2当否フラグのどちらもオン設定されない)場合に小当たり状態に当選するか否かが判別され、小当たり状態に当選した場合に、第1可変入賞装置32aが例えば、1.8秒ずつ、4回、0.5秒〜3秒間の閉状態を挟みつつ開状態とされ、第1振分け装置149aが小当たり状態中に第1可変入賞装置32aに入球した遊技球のうち8割が第1特別入球部145aに入球可能となる動作を行い、小当たり状態中に第1特別入球部145aに遊技球を例えば4回入球させた場合に、確変モードが付与されるように構成してもよい。ここで、確変モードの付与の代わりに大当たり状態が発生するようにしてもよい。また、小当たり状態のオープニング期間で小当たり状態の説明(案内表示)を行い、第1可変入賞装置32aの開状態の教示や示唆を行うことが望ましい。
尚、上記第1実施形態において、第2可変入賞装置32bの内部構造として、第2特別入球部145bと第2非特別入球部146bとに分けることなく、第2可変入賞装置32bに入球した遊技球は、共通の排出孔から遊技領域外部に排出される(該排出孔の上流側又は下流側に第2入球カウントスイッチ226bを設け、遊技球が検知された場合に賞球が行われる)ような構成(賞球専用の可変入賞装置)としてもよい。第2可変入賞装置32bを賞球専用とする場合には、第1特別入球部145aへの入球を許容する大当たりラウンド以外では、基本的に第2可変入賞装置32bが開状態とされるように構成してもよい。例えば、15ラウンド確変大当たりの場合には、第1ラウンドでは第1可変入賞装置32aが最大で約29秒間開状態とされた後、若干のインターバルを挟んで第2可変入賞装置32bが0.1秒間、若干のインターバルを挟んで2回開状態とされ、第2ラウンド〜第15ラウンドではそれぞれ第2可変入賞装置32bが最大で約29.5秒間開状態とされ、15ラウンド通常大当たりの場合には、第1ラウンドでは、第1可変入賞装置32aが最大で0.1秒間、若干のインターバルを挟んで2回開状態とされた後、若干のインターバルを挟んで第2可変入賞装置32bが、約29秒間開状態とされ、第2ラウンド〜第15ラウンドではそれぞれ第2可変入賞装置32bが最大で約29.5秒間開状態とされるような構成としてもよい。
さらに、第2可変入賞装置32bを省略することも可能である。また、確変モードに関し、変動回数の上限を設定すること(例えば、確変モードにおいて10回の変動表示が行われることで通常モードに移行すること)としてもよい。さらに、第1始動入賞装置33a、第2始動入賞装置33b、スルーゲート34、可変入賞装置32a、32b等の配置、数についても特に限定されるものではなく、機種毎に適宜配置可能である。
また、上記第1実施形態において、特典が複数種類存在(大当たり状態終了後に移行する遊技モードが異なる、大当たり状態のラウンド数が異なる等)し、特定期間(第1可変入賞装置32aの一回の開放時に第1可変入賞装置32aに入球した遊技球が第1可変入賞装置32aから排出されるまで、大当たり状態中ならいつでも、大当たり状態の特定ラウンド等)に遊技球を第1特別入球部145aに到達させた回数に応じて付与される前記特典が決定される(異なる前記特典を付与可能に構成されている)こととしてもよい。例えば、特定期間における遊技球の第1特別入球部145aへの到達回数が2回以下なら大当たり状態後に通常モードに移行し、3回又は4回なら大当たり状態終了後に時間短縮モードに移行し、5回以上なら大当たり状態終了後に確変モードに移行するように構成してもよい。この場合、特定期間の遊技性をより一層向上させることができる。
尚、第1実施形態や第2実施形態のパチンコ機10にも振動検知手段や時期検知手段が設けられ、振動を検知する振動検知手段の検知による警戒レベルを複数段階で設定可能に構成してもよい。例えば、第1実施形態の第1可変入賞装置32aや第2実施形態の中央ユニット471の内側(特定領域)に遊技球が存在している状態は、存在していない状態に比べ、より小さい振動で振動を検知したとする状態(エラー状態)とされ、装飾図柄表示装置42や音声で警告の態様が導出されるように構成してもよい。警戒レベルを高める状態として、特定領域に遊技球が存在している状態とするのではなく、特定領域に遊技球が存在し得る状態(特定領域が開状態とされてから、特定領域に遊技球が存在しない場合には特定領域が閉状態とされるまで、又は、特定領域に遊技球が存在する場合には、特定領域に遊技球が存在しなくなるまで)としてもよい。加えて、警戒レベルが高められた状態では、エラー状態は遊技場関係者が解除操作を行うことで解消可能とし、警戒レベルが通常の状態では、規定時間後にエラー状態が解消されるように構成してもよい(頻度が多い、振動が大きい等の場合には自動解消不可能としてもよい)。
尚、振動を検知する等して移行するエラー状態では、前記抽選手段の抽選が無効とされる。また、エラー状態は、遊技場関係者が対応する操作を行わない限り解消されないように構成してもよいし、振動等の検知から規定時間後に自動で解消されるように構成してもよいし、振動や磁力等の検知の程度により(例えば、振動の大きさを検知可能にしたり、振動の長さや回数を計測可能にしたりして、規定の閾値を超えるか超えないかによって判断する)自動で解消される場合と、自動では解消されない場合とに分かれるように構成してもよい。尚、磁気を使用した不正行為対策に関しても同様に構成してもよい。
上記実施形態では、大当たり状態中に第1特別入球部145aに対し規定数(3つ)の遊技球の入球が行われて、確変モードの権利が付与された後も、予め第1振分け装置149aが開状態とされる期間とされていた期間については、第1振分け装置149aが開状態とされるように構成されているが(規定数を超える数の遊技球が第1特別入球部145aに入球しても、別途の特典が付与されるわけではない)、大当たり状態中に第1特別入球部145aに対し規定数(3つ)の遊技球の入球が行われた後は、第1振分け装置149aが閉状態とされるように構成してもよい。尚、大当たり状態中に第1特別入球部145aに対し規定数(上記例では、3つであるが、3つ以外、例えば、1つでも可能)の遊技球の入球が行われた後も第1振分け装置149aが開状態とされるような構成であっても、確変モードを付与するか否かについては、大当たり終了時に、第1特別入球部145aに入球した遊技球の数をカウントする第1特別入球カウンタの値が規定数以上であるか否かを確認することで行われることから(遊技者に確変モードが付与されることの報知については、主制御装置261からサブ制御装置262に対して第1特別入球部145aへの入球があったことを示す第1特別入球コマンドが3回送られた時点で行われる)、特に支障は生じない。
また、例えば、大当たり状態中に第1特別入球部145aに対し規定数の遊技球の入球が行われる前と、後とで、第1特別入球検知スイッチ223aの検知に基づく処理が変更される(異なる)ように構成してもよい。つまり、例えば、規定数の遊技球の入球が行われた旨を示す確変獲得フラグを設け、第1特別入球検知スイッチ223aの検知が行われた場合であって、確変獲得フラグがオフの場合、すなわち、大当たり状態中に第1特別入球部145aに対し規定数の遊技球の入球が行われる前までは、第1特別入球カウンタの加算処理を行う(減算方式にしてもよい)とともに、第1特別入球カウンタの値が規定値を示す値とされたかを確認し、第1特別入球カウンタの値が規定値を示す値とされた場合には確変獲得フラグをオン設定する(確変獲得フラグは大当たり状態の終了時の確変モードの設定後にオフされる)。尚、第1特別入球検知スイッチ223aの検知が行われる毎の第1特別入球コマンドは出力せず、確変獲得フラグがオン設定された旨のコマンドを出力するようにする。また、第1特別入球検知スイッチ223aの検知が行われた場合であって、確変獲得フラグがオンの場合には、第1特別入球カウンタのカウントを行わない(第1入球カウンタの減算は行う)。
さらに、上記実施形態では、第1入球カウントスイッチ226aの検知に基づいて遊技球の付与(賞球)が行われるように構成されているが、第1特別入球検知スイッチ223aや第1非特別入球検知スイッチ222aの検知に基づいて遊技球の付与(賞球)が行われるように構成してもよい。
(b;特別領域、及び、特定領域)上記第1実施形態では、遊技球を規定複数回到達させることで特典(確変モード)が得られる特別領域として、第1可変入賞装置32aの第1特別入球部145aが採用されているが、例えば、第1特定領域141aに設けられてはいるが、入球した遊技球が遊技領域(第1特定領域141a)の外部に排出される入球部ではなく、遊技球が通過可能な(通過後も第1特定領域141aに存在する)ゲート部により特別領域を構成してもよいし、明確な区切り等は無くても、遊技球の当接又は近接を検知する検知手段(スイッチやセンサ)が検知可能な領域を特別領域としてもよい。
加えて、特別領域が設けられる特定領域(第1特定領域141a)の構成についても特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、第1特別入球部145aが開状態であれば、第1可変入賞装置32aに入球した遊技球の全てが入球可能な構成としてもよいし、第1特別入球部145aが開状態であっても、遊技球が第1特別入球部145aに入球する場合と、入球しない場合とがあるように構成してもよい。また、例えば、第1可変入賞装置32aに入球した遊技球が第1特別入球部145aに至るルートが複数設けられ、第1特別入球部145aに至るまでの時間や、第1特別入球部に到達する可能性等が異なるように構成してもよい。尚、上記実施形態のように、第1振分け装置149aを備えて、第1特定領域141aに入球した遊技球が第1特別入球部145aに入球する場合と、入球しない場合とがあることで、演出機会を増大させることができる。
(c;第1可変入賞装置32aの開状態と、第1振分け装置149aの許容状態との関係)上記第1実施形態では、8RSの大当たり状態において第1可変入賞装置32aが小開放される場合には、その際に遊技球が第1可変入賞装置32aに入球しても該遊技球が第1特別入球部145aに入球する可能性がなく(切替手段としての第1振分け装置149aが許容状態とされない第1フェイクショート)、8RNの大当たり状態において第1可変入賞装置32aが小開放される場合には、その際に遊技球が第1可変入賞装置32aに入球すると該遊技球が第1特別入球部145aに入球する可能性が高い(第1振分け装置149aが第1可変入賞装置32aの開放期間と同じ期間だけ許容状態とされる第1ショート)構成となっているが、特にかかる構成に限定されるものではない。
例えば、8RNの大当たり状態において第1可変入賞装置32aが開状態とされる1回の開放期間(第1可変入賞装置32aが開状態とされてから閉状態とされるまで)に対応して、第1特別入球部145aに入球可能な期間と、入球不可能な期間とが設けられるように構成してもよい。さらに、第1可変入賞装置32aが閉状態とされた後も第1振分け装置149aの許容状態が所定期間継続される(第1可変入賞装置32aが閉状態とされた後に第1振分け装置149aが規制状態とされる)ように構成してもよい。すなわち、例えば、第1可変入賞装置32aが2秒間開状態とされる大当たりラウンドであって(遊技球が第1可変入賞装置32aの入口から第1特別入球部145aに入球して第1特別入球検知スイッチ223aに検知されるまでに約0.5秒かかる構成であり)、第1可変入賞装置32aが開状態とされた0.5秒後〜1.5秒後の期間に第1振分け装置149aが許容状態とされる第1開放パターンと、第1可変入賞装置32aが開状態とされた1.5秒後〜2.5秒後の期間に第1振分け装置149aが許容状態とされる第2開放パターンと、第1可変入賞装置32aが開状態とされてから2.8秒が経過するまでの期間に第1振分け装置149aが許容状態とされる第3パターンと、第1可変入賞装置32aが開状態とされた1.0秒後〜1.5秒後の期間に第1振分け装置149aが許容状態とされる第4開放パターンと、第1可変入賞装置32aが開状態とされた2.0秒後〜2.5秒後の期間に第1振分け装置149aが許容状態とされる第5開放パターンと、第1可変入賞装置32aが開状態とされてから0.5秒が経過するまでの期間に第1振分け装置149aが許容状態とされる第6開放パターンとが設けられるように構成してもよい。
加えて、かかる構成を採用する場合に、第1振分け装置149aが許容状態とされている期間を報知手段としての装飾図柄表示装置42等で教示又は示唆可能としてもよい。さらに、かかる教示又は示唆が必ず行われるのではなく、行う場合と、行わない場合とが設けられていてもよい。
尚、上記第1実施形態では、第1可変入賞装置32aに第1第1振分け装置149aが設けられているが、第1振分け装置149aを省略し、第1可変入賞装置32a(第1特定領域141a)に入球した遊技球が第1特別入球部145aに必ず入球する構成としてもよいし、常時、第1可変入賞装置32a(第1特定領域141a)に入球した遊技球が第1特別入球部145aに入球する場合もあるし、入球しない場合もあるように構成してもよい。さらに、第1振分け装置149aとしても、第1特別入球部145aへの入球を許容する状態と、規制する状態とに状態変化するのではなく、遊技球が第1特別入球部145aに入球し易くなる状態と、入球し難くなる状態とに状態変化するように構成してもよい。
尚、特別表示装置43a、43bの変動表示を複数回保留記憶可能な構成において、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bが互いに近くに配置されるとともに、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な入口部に入球した遊技球を第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bに交互に(高確率で、又は、ほぼ必ず)案内可能な案内手段を備える構成であり、特別表示装置43a、43bの変動表示の保留数が0個〜7個の状態では、前記入口部に遊技球を入球させる(特定条件を達成させる)ことで特別表示装置43a、43bの変動表示が保留されるとともに、装飾図柄表示装置42に保留アイコン461が通常の態様で表示され、特別表示装置43a、43bの変動表示の保留数が8個の状態では、始動入賞装置33a、33bに遊技球を入球させる(特定条件を達成させる)ことで特別表示装置43a、43bの変動表示が保留されるとともに、装飾図柄表示装置42において、その時点で保留記憶されている変動表示に対応する保留アイコン461に関し、保留表示エリア462や保留アイコン461の態様が通常の態様とは異なる態様で表示されるように構成してもよい。この場合、可変入賞装置33a、33bに遊技球を入球させることが特定条件を達成させることに相当し、変動表示をもう1つ保留させることで保留アイコン461の態様を変化させられる状態とすること(7つ保留させること)が第1条件に相当し、変動表示を第1変動表示及び第2変動表示を合わせて8つ保留させることが第2条件に相当し、変動表示が終了するまでの期間が特定期間に相当する。加えて、保留アイコン461の態様を変更させる回数は保留上限に限定されず、その他の複数回でもよい(第1条件が1回の保留で達成されてもよいし複数回の保留で達成されてもよい)。
また、例えば、演出ボタン125を使用し、所定の情報(例えば、スーパーリーチが発生するか否か、大当たり状態が発生するか否か、確変モードが付与されるか否か等)を教示又は示唆可能とするボタン演出であって、ボタン演出のボタン操作受付期間中に演出ボタン125を規定複数回以上操作すること(演出ボタン125の操作を検知する演出操作検知手段の検知が規定複数回以上となること)に基づいて、前記所定の情報の教示又は示唆が行われるような構成としてもよい。また、第1条件の達成回数を異ならせる構成とするべく、演出ボタン125を操作する場合に、内部的に第1センサに対応する連動が行われる状態と、第2センサに対応する連動が行われる状態とに切替わるといったような別の構成とし、第1センサは10回の検知で第1条件が達成され、第2センサは1回の検知で第1条件が達成されることとしてもよい。尚、例えば、サブ制御装置262での変動パターンの決定に際して演出ボタン125を規定回数操作することで所定の教示が行われる連打ボタン演出の導出が決定された場合に、抽選で第1段階(第1条件状態)に対応して1回〜30回、第2段階(第2条件状態)に対応して1回〜50回の規定回数のいずれかが選択され、ボタン連打演出開始後の第1段階の有効期間中に規定回数の操作が行われることで第1の教示が行われ(ノーマルリーチの場合にはスーパーリーチに発展しない教示が行われ、ボタン連打演出の第2段階には移行しない)、第1の教示でスーパーリーチへの発展が教示された場合に、ボタン連打演出の第2段階の有効期間中に規定回数の操作が行われることで大当たり期待度を示す第2の教示が行われるように構成してもよい。また、装飾図柄表示装置42では、見た目上、ボタン連打演出の第1の教示が行われた時点でスーパーリーチ演出に移行する構成であって、ボタン連打演出の第2段階は遊技の隠し要素であり、演出ボタン125の操作を促すような表示は導出されないものの、例えば、ボタン連打演出の第1段階からの流れで演出ボタン125を連打し続けると、遊技の結果のさらなる示唆が導出されるといった遊技者にとっての楽しみを増やすことができる。尚、遊技の隠し要素として演出ボタン125の操作に基づいて特定の演出を導出させる構成については特に限定されるものではない。例えば、ボタン連打演出の第1段階の終了後から変動表示の停止までに規定回数の演出ボタン125の操作が行われることで第2の教示が行われるのではなく、第2段階に移行するボタン連打演出の設定に際して、ボタン連打演出の第1段階の終了後のどのタイミングで演出ボタン125の操作をボタン連打演出の第2段階の操作として有効にするのかの抽選を行い(例えば、第1段階の終了後の1秒後〜5秒後の間、5秒後〜8秒後の間、8秒後〜10秒後の間、10秒後〜11秒後の間、8秒後〜13秒後の間のいずれかが選択され)、選択された期間に演出ボタン125の操作が行われることで第2の教示が行われるように構成してもよい。
さらに、例えば、特別表示装置43a、43bの変動表示に対応して行われる装飾図柄表示装置42の演出変動表示において演出ボタン125を操作させるボタン演出を複数回介在させるスーパーリーチ演出があり、該スーパーリーチ演出の各ボタン演出の機会(全て、或いは、規定複数回以上)で演出ボタン125を操作していくことに基づいて(或いは、演出ボタン125の操作に基づく抽選で所定の演出が導出される抽選に当選した場合に)、最後のボタン演出の機会で専用の演出が導出されるように構成してもよい。つまり、所定の変動表示の1回目のボタン演出に対応して(演出ボタン125を操作することで)ボタン演出A(演出表示が良展開する)が導出され、2回目のボタン演出に対応してボタン演出B(演出表示が良展開する)が導出され、3回目のボタン演出に対応してボタン演出C(演出表示が良展開する)が導出された場合に、4回目のボタン演出に対応して大当たりが教示されるボタン演出Dが導出され、1回目〜3回目のボタン演出でそれぞれボタン演出A〜C(ボタン演出A〜Cがそれぞれ1パターンでなく、複数パターンあってもよい)が導出されなかった場合には、たとえ大当たりが教示される場合でも、ボタン演出Dが導出されないように構成してもよい。当否抽選により確変モードが付与されるか否かについても確定する構成において、ボタン演出Dが導出された場合に確変モードが付与されるか否かの教示や、大当たり確率等の遊技場関係者による設定が可能な構成において設定の示唆や教示がなされる(ボタン演出Dが導出されない場合には教示されない又はされ難い)こととしてもよい。
加えて、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な開状態と、入球不可能な閉状態とに状態変化可能な第1開閉式入球装置、第2開閉式入球装置、及び、第3開閉式入球装置を設けるとともに、遊技領域を移動する遊技球が常時入球可能な作動入球装置を設け、作動入球装置に遊技球が入球した場合に、該遊技球に連動する第1開放連動部材が第1開閉式入球装置を開状態とし、第1開閉式入球装置に遊技球が入球した場合に、該遊技球に連動する第1閉鎖連動部材が第1開閉式入球装置を閉状態とするとともに、第1開閉式入球装置に入球した遊技球に連動する第2開放連動部材が第2開閉式入球装置を開状態とし、第2開閉式入球装置に遊技球が入球した場合に、当該遊技球に連動する第2閉鎖連動部材が第2開閉式入球装置を閉状態とするとともに、第2開閉式入球装置に入球した遊技球に連動する第3開放連動部材が第2開閉式入球装置を開状態とし、第3開閉式入球装置に遊技球が入球した場合に、該遊技球に連動する第3閉鎖連動部材が第3開閉式入球装置を閉状態とするように構成してもよい。ここで、第1及び第2開閉式入球装置に遊技球が入球した場合と、第3開閉式入球装置に遊技球が入球した場合とで、遊技者に付与される特典が異なる(例えば、第1及び第2開閉式入球装置に遊技球が入球した場合には、続いて連動する開閉式入球装置が開状態とされるだけであるが、第3開閉式入球装置に遊技球が入球した場合には、第3開閉式入球装置の内部に設けられた特別入球部に遊技球が入球することを契機として、可変入賞装置が複数回開放される特別遊技状態が発生する)ように構成してもよい。尚、各連動部材を省略して、第1開閉式入球装置、第2開閉式入球装置、及び、第3開閉式入球装置を電動式(ソレノイド等で開閉される)とし、作動入球装置、第1開閉式入球装置、第2開閉式入球装置、及び、第3開閉式入球装置に遊技球が入球した場合に抽選が行われ、該抽選で当選した場合に対応する開閉式入球装置又は可変入賞装置が開状態とされるように構成してもよい。また、開閉式入球装置の数等は特に限定されるものではなく、例えば、1つでもよい。さらに、作動入球装置を開閉式とし、入球サポート抽選の当選で解放されるように構成してもよい。
(d;第1特別入球部145aに遊技球が複数入球することで確変モードが付与される構成の変形例)8ラウンド(8RN、8RS)の大当たり状態において、第1ラウンド、第3ラウンド、6ラウンドにおいて、第1振分け装置149aが開位置と、閉位置との間を変位することを繰り返し(ここでは、1回のラウンド期間中に第1特別入球部145aが複数回開状態とされることを意図しているが、1回だけ開状態とされるような構成としてもよい)、第1可変入賞装置32aに入球した遊技球が約1/8の割合で第1特別入球部145aに入球するように構成する(本例の各大当たりラウンドは、第1可変入賞装置32aに遊技球が8個入球した時点で終了する)。但し、第2ラウンド、第4ラウンド、第5ラウンド、第7ラウンド、第8ラウンドでは、第1可変入賞装置32aに入球した遊技球が第1特別入球部145aに入球する可能性はない。本態様例では、8ラウンドの大当たり状態中に、第1特別入球部145aに遊技球が3個入球すれば、大当たり状態終了後に「確変モード」が付与される。
装飾図柄表示装置42では、「確変モード獲得演出」が行われる。第1ラウンドでは、大当たり状態の解説などを含む導入演出(案内表示)が導出される。ここでは、第1可変入賞装置32aに遊技球を入球させなければ、確変モードを獲得できなくなる旨の情報を伝えることとする。
続く第2、第3ラウンドでは、第1ラウンドにおいて遊技球が第1特別入球部145aに入球したか否かの第1結果演出が導出される。ここで、第1ラウンドに遊技球が第1特別入球部145aに入球していなければ、第3ラウンドに対応して、「確変モード獲得演出」がバッドエンドとなる(確変モードに移行しない)旨の不成立演出が導出され、その後、第4〜第8ラウンドでは、専用の大当り中動画が導出される。
その一方で、第1ラウンドで遊技球が第1特別入球部145aに入球していた場合、第3ラウンドの第1結果演出で、「確変モード獲得演出」が継続する旨の継続演出が導出される。続く第4、第5ラウンドでは、第3ラウンドにおいて遊技球が第1特別入球部145aに入球したか否かの第2結果演出が導出される。ここで、第3ラウンドに遊技球が第1特別入球部145aに入球していなければ、第5ラウンドに対応して、「確変モード獲得演出」がバッドエンドとなる(確変モードに移行しない)旨の不成立演出が導出され、その後、第6〜第8ラウンドでは、専用の大当り中動画が導出される。
その一方で、第3ラウンドで遊技球が第1特別入球部145aに入球していた場合、第5ラウンドの第2結果演出で、「確変モード獲得演出」が継続する旨の継続演出が導出される。続く第6、第7ラウンドでは、第5ラウンドにおいて遊技球が第1特別入球部145aに入球したか否かの第3結果演出が導出される。ここで、第5ラウンドに遊技球が第1特別入球部145aに入球していなければ、第7ラウンドに対応して、「確変モード獲得演出」がバッドエンドとなる(確変モードに移行しない)旨の不成立演出が導出され、その後、第8ラウンドでは、専用の大当り中動画が導出される。
その一方で、第5ラウンドで遊技球が第1特別入球部145aに入球していた場合、第7ラウンドの第3結果演出で、「確変モード獲得演出」がハッピーエンドとなる(確変モードに移行する)旨の成立演出が導出され、その後の第8ラウンドでは、(成功時)専用の大当り中動画が導出される。
尚、「8RS」の場合、確変モードへの移行が確定しているので、「8RS」と全く同じような「確変モード獲得演出」を行ってもよいし、所定のタイミング(第1ラウンドの開始時、第1結果演出や第2結果演出の最後タイミング、或いは、第1結果演出や第2結果演出や第3結果演出の途中のタイミング)で「確変モード獲得演出」がハッピーエンドとなる旨の成立演出を導出することも可能である。
尚、第1特別入球部145aに複数の遊技球が立て続けに入球した場合、すなわち、例えば、第1ラウンドにおいて遊技球が第1特別入球部145aに2つ入球していた場合、第3ラウンドにおいて遊技球が第1特別入球部145aに1つ入球するだけで「確変モード」の付与が確定する。このため、第2結果演出で成立演出を行ってもよいし、第3結果演出まで成立演出を持ち越してもよい。
(e;大当たり状態のパターン)上記第1実施形態において、大当たり状態における第1可変入賞装置32a、及び、第2可変入賞装置32bの開閉パターンは特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、インターバルの長さが複数パターン用意されており、第1ショートが開始されるタイミングが分かり難くなるような構成としてもよい。また、1回の大当たり状態において、第1フェイクショートと、第1ショートとが混在するように構成してもよい。この場合にも、第1振分け装置149aが許容状態とされているという教示や示唆がなければ、第1ショートであることがより分かり難くなり、演出や遊技性の多様化等を図ることができる。
また、上記第1実施形態では、複数回のラウンド期間において第1特別入球部145aに遊技球を入球させるチャンスが設けられるように構成されているが、1回のラウンド期間にのみ遊技球を第1特別入球部145aに入球させるチャンスが設けられるような構成(例えば、第1ロング開放に際して第1特別入球部145aが比較的短い時間を複数回開状態とされるパターンと、第1ロング開放に際して第1特別入球部145aが比較的長い時間を1回だけ開状態とされるパターンと、1回のラウンド期間において第1ショート開放が複数回行われる間に第1特別入球部145aが開状態とされ続ける、或いは、一部で開状態とされるパターンとが設けられる)としてもよい。
さらに、大当たり状態において第1振分け装置149a(第2振分け装置149b)が開状態とされるタイミングについても一様ではなく、複数パターン設けられることとしてもよい。例えば、第2振分け装置149bが開状態とされ得るタイミングとして第1ラウンド、第3ラウンド、第5ラウンド、第7ラウンドのいずれかの所定期間(一定でもよいし、複数パターンのなかから選択されてもよい)が設定され、大当たり状態中に確変モードの権利を獲得した教示・示唆が行われる、又は、行われ得る構成としてもよいし、第2振分け装置149bが開状態とされるタイミングや、第2特別入球部145bに遊技球が入球したことを教示せず(教示する場合もあるように構成してもよい)、大当たり状態後も、確変モード及び時間短縮モードのどちらなのかを装飾図柄表示装置42では教示しない(教示する場合もあるように構成してもよい)といった構成を採用してもよい。尚、当該構成を、第1振分け装置149aに適用することも可能である。また、第1振分け装置149a(第2振分け装置149b)が開状態とされるタイミングが異なる大当たり状態は、それぞれ個別の大当たり種別とされ、特別表示装置43a、43bの停止図柄と対応付けされていることとしてもよい。
(f;案内手段)上記第1実施形態において、遊技領域の(第1特定領域141aを有する)第1可変入賞装置32aよりも上流側において遊技球を一列に並べて第1可変入賞装置32aへと案内可能な案内手段としての整流部を備えていることとしてもよい。例えば、遊技釘や役物等を使用して、右打ちされた遊技球のうち第2可変入賞装置32bや第2始動入賞装置33bに入球しなかった遊技球は、必ず第1可変入賞装置32aの第1開閉部材143aの上面を右から左に移動する(当然第1開閉部材143aが開いていれば第1可変入賞装置32aに入球する)ように構成してもよい。
この場合、遊技球を安定して第1可変入賞装置32aに案内させることができる。従って、パチンコ機10ごとに遊技球の第1可変入賞装置32aへの到達し易さに違いがあることによって、遊技球を第1可変入賞装置32aに到達させられるか否かが大きく変わり(比較的大きなばらつきが生じ)、第1開閉部材143aに遊技球を複数回入球させるといった遊技性を台無しにしてしまうといった事態を防止することができる。
尚、第1可変入賞装置32aへの遊技球の入球を整流部を介しての入球に制限する(その他のルートから入らないようにする入路制限手段を設ける)場合には、例えば、開状態とされた第1可変入賞装置32aに規定数の遊技球が入球することで閉状態とされるような構成において、規定数がカウントされるタイミングで、遊技球を複数同時に第1可変入賞装置32aに進入させる(所謂、オーバー入賞させる)ことを意図的に行う遊技者と、行わない遊技者との間の遊技進行上の有利不利の差を極力なくすことができる。
(g;残情報等の表示)上記第1実施形態では、第1特別入球表示463や残情報表示464が装飾図柄表示装置42等で行われるように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、装飾図柄表示装置42に代えて、又は、加えて設けられたその他の表示手段(液晶表示装置やセグメント表示装置等)で導出されることとしてもよいし、サブ側第1特別入球カウンタの値に応じて態様を変化させる可動役物を設け、該可動役物で遊技球が第1特別入球部145aに3回入球するまでの残り回数を示すこととしてもよい。例えば、装飾図柄表示装置42の両側方において、略鉛直に延在する姿勢から装飾図柄表示装置42の前方側に傾倒変位可能な左右一対の可動役物を設け、サブ側第1特別入球カウンタの値(が「3」のなるまでの残り回数)に応じて傾き、サブ側第1特別入球カウンタの値が規定複数回(3回)に達した場合に、該可動役物が所定のオブジェクトとして完成するように(例えば、上方からさらに別の可動役物が降下して、前記左右一対の可動役物と一体となった視認態様となる、又は/及び、装飾図柄表示装置42で、前記左右一対の可動役物と関連する、或いは、該可動役物と一体として認識されるような表示オブジェクトを導出する等)構成してもよい。
(h;残情報の表示の示唆)特別表示装置43a、43bの変動表示(装飾図柄表示装置42の演出変動表示)に際し、当該変動表示に対応して大当たり状態が発生した場合に、該大当たり状態において残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)が導出されるのか否かの教示又は示唆を行う教示対応演出を導出可能に構成してもよい。例えば、装飾図柄表示装置42の一部で所定のキャラクタが表示されることを教示対応演出としてもよいし、所定の可動役物が動作することを教示対応演出としてもよいし、装飾図柄表示装置42の下部で演出変動表示の途中で完結するミニゲーム演出が導出され、成功するミニゲーム演出を教示対応演出としてもよいし、演出変動表示のメインの表示態様として、例えば、キャラクタAがミッションを単独で成功させた場合には残表示はなく、キャラクタAがキャラクタBを伴ってミッションを成功させた場合には残表示が導出されるとした場合のキャラクタBを伴う成功表示が教示対応演出であることとしてもよい。さらに、教示対応演出を伴う変動表示は、教示対応演出を伴わない変動表示よりも当否抽選に当選する期待度が高められていることとしてもよい。
そのような構成を採用する場合、変動表示に伴って教示対応演出が行われるか否かによって、その後に大当たり状態が発生した場合に残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)が導出されるか否かを把握可能であり、変動表示と、大当たり状態とのつながりをより強め、遊技者の想像力を引き出すようなより興味深い(意味のある)演出機会を増やすことができる。また、変動表示の時点から大当たり状態への連想を高めさせた期待に応えるようにして、教示対応演出が導出された場合には、当否抽選に当選する、すなわち、大当たり状態が発生する期待度が高められている。このため、大当たり状態の内容を示唆する教示対応演出を導出しておきながら当否抽選に当選しておらず大当たり状態が発生しないといった事態が頻繁に発生し、教示対応演出自体を不快に思うといった事態を防止することができる。尚、「期待度が高められる」とは、当否抽選に当選した場合に導出される可能性があり、当否抽選に当選していない場合には比較的導出され難いように設定されていることが挙げられる。
尚、教示対応演出が行われなくても、残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)が導出される場合があってもよい。
(i;残情報の表示の可否)上記第1実施形態では、「8RN−1〜4」については残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)を導出し、「8RN−5」については残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)を導出しないとして、残情報表示464を導出する大当たり状態と導出しない大当たり状態とを明確に区別しているが、例えば、大当たり状態の開始に際して残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)を導出するか否かの残情報教示抽選を行い、当選した場合に残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)を導出し、否当選の場合に残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)を導出しない構成としてもよい。さらに、残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)を導出するとした場合でも、第1特別入球部145aへの遊技球の3回目の入球に対応するときのみ導出したり、第1特別入球部145aへの遊技球の2回目及び3回目の入球に対応するときのみ導出したり、第1特別入球部145aへの遊技球の1回目及び3回目の入球に対応するときのみ導出したり、第1特別入球部145aへの遊技球の1回目〜3回目の入球に対応するときに導出したりする場合があるように構成してもよい。
加えて、残情報教示抽選を第1特別入球コマンドを受信する毎に行う(サブ側第1特別入球カウンタの値が「4」以上の場合は行わない)こととしてもよい。尚、大当たり状態の開始時にも残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)を毎回行うか否かの特殊残情報教示抽選を行い、そこで否当選とされた場合に、第1特別入球コマンドを受信する毎に残情報教示抽選を行うこととしてもよい。
また、上記第1実施形態では、第1特別入球コマンドを受信した場合に(そのタイミングで)残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)を導出するように構成されているが、第1特別入球コマンドを受信したタイミング(サブ側第1特別入球カウンタの値が更新されるタイミング)とは別のタイミングで残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)を導出する場合があるように構成してもよい。例えば、「8RN−1」の大当たりの5回の第1可変入賞装置32aのショート開放に際し、1回目のショート開放に際し残情報教示抽選に当選し、かつ、第1特別入球部145aへの入球もあって、残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)を導出を導出し、2回目のショート開放に際し残情報教示抽選に当選したが、第1特別入球部145aへの入球がなく、残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)は導出せず、3回目及び4回目のショート開放に際し第1特別入球部145aへの入球があったが、残情報教示抽選に否当選であり、残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)は導出せず、ショート開放としては最終回である5回目のショート開放に際し残情報教示抽選に当選した場合、第1特別入球部145aへの入球がないとしても、既に第1特別入球部145aへの3回の遊技球の入球が達成されていることを残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)で導出するように構成してもよい。尚、最終回のショート開放で遊技球が第1特別入球部145aに3回到達したか否かを必ず教示しなくてもよく、その後のラウンドやエンディングに際して第1特別入球部145aへの3回の遊技球の入球が達成されていることの第1特別入球表示463を行うこととしてもよい。
加えて、残情報表示464(及び、第1特別入球表示463)の導出契機として、演出ボタン125の操作で導出され(る場合があっ)てもよい。
尚、第1特別入球コマンドを受信した場合(サブ側第1特別入球カウンタの値が「4」以上の場合は除く)には、必ず、残情報表示464、及び、第1特別入球表示463を行うこととしてもよい。
また、上記実施形態では特に言及していないが、「13RS−2,3」、「8RS」の大当たり状態において表示される「残情報」の管理についても特に限定されるものではないが、極力「8RN」ではないことが分かり難くなるように構成されることが望ましい。例えば、第1フェイクショート開放に際し、第1入球カウントスイッチ226aの検知(に対応する主制御装置261からのコマンド)に基づいて、残情報を更新する(減らす)演出を行うか否かの抽選を行い、当選した場合に残情報を更新するように構成してもよい。
さらに、「13RS−2,3」、「8RS」の大当たり状態において、第2ロング開放の前の段階で、残情報を「0」にして見せる表示を導出してもよい。つまり、第2ロング開放で遊技球を第2特別入球部145bに入球させてもらえれば確変モードが付与されるため、確変モードがほぼ得られる状態であることの示唆として残情報を「0」にすることとしてもよい。尚、残情報を「0」で表示した後の第2ロング開放に際して、装飾図柄表示装置42において、第2可変入賞装置32bに(遊技球を入球させて第2特別入球部145bに)遊技球を入球させないと確変モードが付与されない点の注意事項を表示することが望ましい。
(j;エラー状態発生時の第1特別入球部に関する対応)第1残存球監視処理や第2残存球監視処理において、大当たり状態が終了してから規定時間が経過したにもかかわらず第1特定領域141aや第2特定領域141bに遊技球が存在すると判別される場合等に移行するエラー状態において、第1特別入球検知スイッチ223aや第2特別入球検知スイッチ223bの検知が行われたことを記憶するエラー中到達検知記憶手段を設けることとしてもよい。さらに、遊技者が操作不可能な位置に設けられ、エラー中到達検知記憶手段の記憶を消去させる操作が可能な記憶消去操作手段を設けることとしてもよい。
例えば、エラー状態が発生した場合に、エラー状態の原因を解消した後、電源を再起動することでエラー状態を解消する場合、RAM消去スイッチ323を操作しながら電源を再起動させることで、エラー中到達検知記憶手段の記憶が消去され、RAM消去スイッチ323を操作せずに電源を再起動させることで、エラー中到達検知記憶手段の記憶情報に基づいて、第1特別入球カウンタの値を加算したり、第2特別入球フラグをオン設定したりするように構成してもよい。
また、エラー状態を解消する際に操作されるエラー解除スイッチが設けられる場合には、RAM消去スイッチ323を操作しながらエラー解除スイッチが操作されることで、エラー中到達検知記憶手段の記憶が消去され、RAM消去スイッチ323を操作せずにエラー解除スイッチが操作されることで、エラー中到達検知記憶手段の記憶情報に基づいて、第1特別入球カウンタの値を加算したり、第2特別入球フラグをオン設定したりするように構成してもよい。
以上のように、遊技者に瑕疵の無い球詰り等の発生によってエラー状態となり、遊技が中断された場合に、エラー状態中の第1特別入球検知スイッチ223aや第2特別入球検知スイッチ223bの検知をエラー状態解消後に第1特別入球カウンタや第2特別入球フラグのカウントに加味することができる。従って、遊技者に不利のないように遊技を再開させることができ、遊技者の興趣の低下等を抑制することができる。
尚、上記第1実施形態では、第1特別入球カウンタが、第1特別入球検知スイッチ223aの検知に基づいて「1」ずつ加算されるように構成されているが、大当たり状態の開始時に第1特別入球カウンタに「3」が設定され、第1特別入球検知スイッチ223aの検知に基づいて「1」ずつ減算されるように(「0」で確変モードが付与される)構成してもよい。
また、例えば、第1特別入球検知スイッチ223aの検知が行われた場合に、第1入球カウンタの値を「1」減算する前に第1入球カウンタの値が「1」以上であるか否かを判別し、否定判別された場合には、エラー状態を発生させるように構成してもよい。
さらに、上記実施形態では特に言及していないが、第1入球カウントスイッチ226a(第2入球カウントスイッチ226b)の検知に基づいて対応する効果音を発生させることとしてもよいし、装飾図柄表示装置42において対応する演出表示を導出させるように構成してもよい。
(k;第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置の変形例)上記第1実施形態では、第1可変入賞装置32a及び第2可変入賞装置32bが両方とも遊技領域の右側方領域に設けられているが、可変入賞装置32a、32bの配置、構成等は特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、第1可変入賞装置32aを左側方領域に配置し、第2可変入賞装置32bを右側方領域に配置することとしてもよい。さらに、例えば、所定の大当たり状態において、第1可変入賞装置32aの第1特別入球部145a、及び、第2可変入賞装置32bの第2特別入球部145bに対し、遊技球を合計で3回入球させることで、確変モードが付与される構成であって、第1特別入球部145a、及び、第2特別入球部145bには、第1可変入賞装置32a、及び、第2可変入賞装置32bがショート開放された際に入球可能に構成され、前記所定の大当たり状態では、第1可変入賞装置32a、及び、第2可変入賞装置32bのうち一方が3回ショート開放され、他方が2回ショート開放されるように構成されていることとしてもよい。この場合、基本的には、遊技球を左側方領域、及び、右側方領域に打ち分けて、特別入球部145a、145bへの3回の入球を目指して、大当たり状態を消化するという遊技性が付与される。
また、かかる構成を採用する場合に、次にショート開放される第1可変入賞装置32a、及び、第2可変入賞装置32bを事前に教示・示唆する演出を導出可能とする(必ず教示する構成でもよいし、抽選で教示可能(例えば、装飾図柄表示装置42で左向き矢印や右向き矢印を伴う表示で示唆し、教示のない場合はハテナマークを表示)としてもよい)ことで、遊技性の多様化等を図ることができる。
尚、第1特別入球部145aに入球した遊技球のカウントと、第2特別入球部145bに入球した遊技球のカウントとを別々に行い、どちらかのカウントが一方でも、それぞれに設定された規定値に到達した場合に確変モードが付与されるように構成してもよい。例えば、左側方領域に設けられた第1可変入賞装置32aに関しては、遊技球が到達し易い、或いは、比較的ショート開放の回数が多い構成とするとともに、第1特別入球部145aへの遊技球の入球が4回で確変モードが付与され、右側方領域に設けられた第2可変入賞装置32bに関しては、遊技球が到達し難い、或いは、比較的ショート開放の回数が少ない構成とするとともに、第2特別入球部への遊技球の入球が2回で確変モードが付与されるように構成してもよい。
(l;第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置の動作確認)上記第1実施形態において、第1入球カウントスイッチ226a(第2入球カウントスイッチ226b)の検知の総回数をカウントする入球数蓄積記憶手段と、第1特別入球検知スイッチ223a(第2特別入球検知スイッチ223b)の検知の総回数をカウントする到達数蓄積記憶手段とを設け、入球数蓄積記憶手段、及び、到達数蓄積記憶手段に蓄積記憶された情報に基づいて、第1特定領域141a(第2特定領域141b)に入球した遊技球の第1特別入球部145a(第2特別入球部145b)への到達割合が予め設定された数値の範囲内であるか否かを判定するように構成してもよい(当該判定機能が適正値判定手段を構成する)。この場合、第1可変入賞装置32a(第2可変入賞装置32b)への遊技球の入球が適正に行われているか否かを判定することができ、行われていないと判定されるような場合に、不正や故障等のチェックを行うことができる。
(m;1つのラウンド期間における第1特別入球カウンタのカウント上限の設定)1回のラウンド期間における第1特別入球カウンタのカウントの上限を、第1特別入球部145aに遊技球が入球することで確変モードが付与される回数(上記例では3回)よりも少ない数で設定することとしてもよい(尚、上記実施形態では、1ラウンドの第1特別入球カウンタのカウントの上限を設けていない)。例えば、1回のラウンド期間では、第1特別入球カウンタの値が最大で「1」増えるのみとするべく、第1特別入球検知スイッチ223aの検知が行われた場合に許容位置にある第1振分け装置149aを規制位置に戻す構成としてもよいし(1つのラウンドで第1特別入球カウンタの値が最大で「2」増える構成とする場合には、専用のカウンタを設けてラウンド期間の第1特別入球検知スイッチ223aの検知回数をカウントする)、1つのラウンドにおいて第1特別入球検知スイッチ223aの検知回数が「2」を超えた場合には第1特別入球カウンタの値をそれ以上カウントしない構成としてもよい。
このように、1ラウンドあたりの第1特別入球カウンタのカウントの上限を設けることで、遊技球を第1特別入球部145aに入球させるといった遊技を確実に複数ラウンドにわたって楽しむことができる。また、1ラウンド中の複数(例えば、規定複数回よりも少ない複数回である2回)の遊技球の第1特別入球部145aへの遊技球の入球が認められる(カウントされる)構成とすることで、(第1ショート開放が残り1回の段階で、第1特別入球部145aへの遊技球の入球回数が1回しかないような状態でも)最後まで希望を持って第1特別入球部145aへの入球を狙って遊技を行うことができる。
尚、基本的に、どのラウンドにおいても第1特別入球カウンタのカウント上限を一律にすることが考えられるが、例えば、最後の第1ショート開放だけ第1特別入球カウンタのカウント上限なしとしてもよいし、前半の第1ショート開放に比べ後半の第1ショート開放のときの方が第1特別入球カウンタのカウント上限が多いとしてもよいし、第1ショート開放が後のものになるにつれて第1特別入球カウンタのカウント上限が多くなるような構成としてもよい。
(n;切替手段、影響手段)上記第1実施形態では、第1可変入賞装置32aにおいて、第1特別入球部145aへの遊技球の入球を許容する許容状態と、入球を規制する規制状態とに状態変化する第1振分け装置149aが設けられているが、第1振分け装置149aの構成や動作のタイミング等は特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、第1可変入賞装置32a(図4参照)の第1特別入球部145aと、第1非特別入球部146aとの位置が入替えられるとともに、第1振分け装置149aが第1非特別入球部146aを開状態と閉状態とに切替可能に設けられ、第1特定領域141aに入球した遊技球を第1特別入球部145aに入球可能な状態とする場合には、第1振分け装置149aを閉状態とするような構成としてもよい。
また、例えば、第1振分け装置149aは第1特別入球部145aへの遊技球の入球を規制する状態になることがなく、第1特定領域141aに入球した遊技球が第1特別入球部145aに比較的入球し易い状態(遊技球が第1振分け装置149aによって第1特別入球部145a側に案内される状態、或いは、第1振分け装置149aによって第1特別入球部145a側への移動が阻害され難い状態)と、第1特定領域141aに入球した遊技球が第1特別入球部145aに比較的入球し難い状態とに状態変化させるように第1振分け装置149aを構成してもよい。
(o;第1可変入賞装置32aの開放期間と、第1特別入球部145aの許容期間との相対的なタイミング)上記第1実施形態では、「8RN」の第1可変入賞装置32aのショート開放に際し、第1可変入賞装置32aの開放期間と同じ期間だけ第1振分け装置149aが開状態とされ、第1可変入賞装置32aのその他の開放機会では、第1振分け装置149aは開状態とされないように構成されているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、適宜変更可能である。つまり、第1可変入賞装置32aの第1特定領域141aに遊技球を入球させること(第1条件)のできる第1特定領域141a(第1開閉部材143a)の開放期間(第1期間)と、第1特別入球部145aに遊技球を入球させること(第2条件)のできる第1特別入球部145a(第1振分け装置149a)が開状態とされる許容期間(第2期間)とが設けられており、第1特定領域141aに入球した遊技球は、第1振分け装置149aが開位置にあれば、第1特定領域141aに入球してから概ね0.5秒後に第1振分け装置149aに入球する。従って、上記実施形態では、第1可変入賞装置32aのショート開放に際し、第1特定領域141aが開状態とされてから第1特定領域141aが閉状態とされるよりも0.5秒前に遊技球を第1特定領域141aに入球させると、第1特別入球部145aに遊技球が入球する可能性が高い。ここで、上記実施形態の第1振分け装置149aは、第1特定領域141aが開状態とされる期間の全期間が開状態とされるパターンと、第1特定領域141aが開状態とされる期間の全期間が閉状態とされるパターンとが設けられているのみであったが、第1特定領域141aが開状態とされる期間に対する、第1振分け装置149aが開状態とされる期間の相対的なタイミングを複数パターン設けることとしてもよい。
例えば、第1可変入賞装置32aの開状態とされる期間に対する第1特別入球部145aの開状態とされる期間として、第1可変入賞装置32aが開状態とされてから1.2秒が経過するまでの間のパターン1と、第1可変入賞装置32aが開状態とされた後に1秒経過してから1.8秒が経過するまでの間のパターン2と、第1可変入賞装置32aが開状態とされた後に1.5秒が経過してから2.5秒が経過するまでの間のパターン3と、第1可変入賞装置32aが開状態とされてから2.5秒が経過するまでの間のパターン4と、第1可変入賞装置32aが開状態とされても閉状態が維持されるパターン5とが設けられることとしてもよい。
尚、遊技領域を移動する遊技球を第1特別入球部145aに入球可能な状態(第1状態)としては、第1可変入賞装置32a(第1特定領域141a)が開状態とされ、かつ、第1特別入球部145a(第1振分け装置149a)が開状態とされている状態だけでなく、第1可変入賞装置32aが開状態とされ、かつ、第1特別入球部145aが閉状態とされている状態から、第1可変入賞装置32aが閉状態とされ、かつ、第1特別入球部145aが開状態とされている状態(或いは、第1可変入賞装置32a及び第1特別入球部145aが両方開状態とされている状態)に切り替わる際も第1状態に含まれる。この場合、演出機会の増加や遊技性の多様化等をより一層図ることができる。さらに、大当たり状態において第1特別入球部145aが開状態とされる許容期間が一様ではない上、許容期間に合わせて第1可変入賞装置32aを狙って遊技球を発射していないと大きく不利になる可能性が高いことから、第1可変入賞装置32aに入球する可能性があるときだけ遊技球を発射させるという技術が使い難く、かかる技術の有無に関して遊技者間の有利不利の差を極力なくすことができる。従って、どの遊技者も遊技をわだかまりなく楽しむことができる。
また、例えば、上記第1実施形態では、第1可変入賞装置32aのショート開放に際して第1特別入球部145a(第1振分け装置149a)が開状態とされるように構成されているが、かかる構成に代えて(ショート開放を省略)、又は、加えて、第1可変入賞装置32aがロング開放される際に第1特別入球部145aが開状態とされるように構成してもよい。尚、第1可変入賞装置32aがロング開放される期間の全期間を第1特別入球部145aの開状態とする場合、「8RN」の大当たり状態において確変モードを得るべく遊技球を第1特別入球部145aに入球させる回数として、全ラウンドにおいて遊技球を第1可変入賞装置32aに入球可能な数の上限の合計よりも大きな数を設定するようなことになってしまう。つまり、ラウンドの遊技球の入球上限を超える入球(所謂、オーバー入賞)が前提となり、オーバー入賞を意図的に狙う技術を有する遊技者との格差が生じるおそれがある。このため、第1振分け装置149aを設けて第1特別入球部145aが開状態とされる期間を第1可変入賞装置32aがロング開放される期間よりも短く設定することが望ましく、さらに、第1特別入球部145aが開状態とされる期間を、その期間中、さらには、事前に、装飾図柄表示装置42等で示唆・教示することが望ましい。
加えて、上記第1実施形態では、第1特別入球部145aが開状態とされるタイミングが第1可変入賞装置32aが開状態とされるタイミングを基準として設定されているが、例えば、第1特別入球部145a(第1振分け装置149a)は、大当たり状態の開始時から予め定められたタイミングで開状態とされること(例えば、第1特別入球部145aは、15秒間閉状態とされることと、1秒間開状態とされることが繰り返されること)としてもよいし、大当たり状態の所定のタイミングで第1特別入球部145aが開状態とされるか否かの抽選が行われて、当選した場合に適宜開状態とされるように構成してもよい。
(p;第1特別入球部145aの許容期間の教示)また、第1特別入球部145a(第1振分け装置149a)が開状態とされている許容期間を教示する表示や音声態様等を導出可能に構成してもよい。但し、例えば、第1特別入球部145aが第1可変入賞装置32aが閉状態とされている期間にも開状態とされ得る構成を採用する場合、第1特別入球部145aが開状態とされる許容期間のうち、第1特定領域141aに遊技球が存在し得る期間に対応しては、許容期間を教示する態様を導出する場合がある一方で、第1特定領域141aに遊技球が存在し得ない期間(第1可変入賞装置32aが閉状態の期間、及び、開状態とされていた第1可変入賞装置32aが閉状態とされてから概ね0.5秒経過後)に対応しては許容期間を教示する態様が導出されないように構成することが望ましい。
つまり、許容期間の教示が行われても、それが第1特定領域141aに遊技球を入球させることができないような状態であっては、遊技者はどうすることもできず、興趣の低下を招くおそれがある。このため、遊技球を第1特定領域141aに到達させる可能性が見込まれる状況のみ許容期間の教示を行うことで、かかるおそれを回避することができる。
尚、第1可変入賞装置32aが開状態とされるよりも前のタイミングで、第1特別入球部145aが開状態とされることの示唆を行うこととしてもよく、該示唆が行われた場合には、直後のラウンド期間で必ず第1特別入球部145aが開状態とされるように構成してもよいし、該示唆が行われた場合であっても、直後のラウンド期間で第1特別入球部145aが開状態とされる場合と、開状態とされない場合との両方の場合があるように構成してもよい。さらに、必ずしも第1特別入球部145aが開状態とされないパターンを採用する場合には、示唆の種類によって、第1特別入球部145aが開状態とされる期待度が異なるように構成してもよい。
また、開状態とされている第1可変入賞装置32aに遊技球を入球させた場合に、当該遊技球が必ず第1特別入球部145aに入球する特別第1開放期間が設けられていることとしてもよく、さらに、当該特別第1開放期間を教示又は示唆する専用の態様を導出可能としてもよい。この場合、第1特定領域141aに遊技球を入球させたら必ず第1特別入球部145aに入球させられるという分かり易い開放期間(第1開放期間)を設けることによって、遊技意欲の向上等を図ることができる。
加えて、上記第1実施形態では、「8RN」の大当たり状態において第1可変入賞装置32aのショート開放が導出可能とされ、「13RS」及び「8RS」の大当たり状態において第1可変入賞装置32aのフェイクショート開放が導出可能とされているが、「8RN」の大当たり状態においても第1可変入賞装置32aのフェイクショート開放を導出可能としてもよいし、「13RS」及び「8RS」の大当たり状態においても第1可変入賞装置32aのショート開放を導出可能としてもよい。
(q;第1特別入球部145aと第1非特別入球部146aとの配置)第1特別入球部145aと、第1非特別入球部146a(特定排出部)との配置については特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、第1特別入球部145aと、第1非特別入球部146aとが前後に(どちらが前でもよい)並ぶようにして配置されることとしてもよい。この場合、遊技さから見て、第1特別入球部145aと、第1非特別入球部146aとが前後に重なることから、第1特定領域141aに入球した遊技球が第1特別入球部145aに入球したか否かを分かり難くすることができ、その点に関して、別の演出手段により(第1特別入球部145aに遊技球が入球したか否か、或いは、第1特別入球部145aに遊技球が3回入球していたか否か等)演出を行うことができ、演出性の向上等を図ることができる。
(r;第1ショート開放の残り回数の教示・示唆)上記第1実施形態において、当該大当たり状態において第1可変入賞装置32aのショート開放の残り回数を教示又は示唆するような構成を採用してもよい。すなわち、「8RN−1」の第1ラウンドにおいて、装飾図柄表示装置42の右部の上下方向中間部位に対し第1特別入球部145aへの遊技球の入球機会(鍵ゲットのチャンス)が残り5回である残り回数表示を行い、ショート開放の直前のインターバル期間において、第1可変入賞装置32aを狙う旨の示唆を行い、第1ショート開放が終了する毎に、残り回数表示の値を1減算するように構成してもよい。尚、残り回数表示を導出する機能が残り開放回数報知手段を構成する。
この場合、特典(確変モード)の付与となるまでに必要な第1特別入球部145aへの遊技球の到達回数と、残りの第1ショート開放の回数とを比べて現状を把握し易くなり、かかる情報に基づいて遊技に興味を抱いてもらうことができる。
尚、残り回数表示でショート開放の回数と必ずしも一致しない示唆を行うこととした場合、例えば、残り「0回」となるところで「?回」と表示し、ラウンドが進んでショート開放が所定回数行われたところで残り「0回」と表示してもよい(この場合、初期の残り回数表示が実際の回数よりも少なく表示されていることとなる)。この場合、残っていないと思われた第1ショート開放が残っていたというサプライズ演出を堪能してもらうことができる上、該サプライズ演出の可能性があることにより、実際には該演出が導出されない場合にも、最後まで該演出が導出される希望を持って遊技を行うことができる。さらに、「?回」と表示されてからショート開放が導出されることなくエンディングとなるパターンも設けられることとしてもよい。
(s;8RNの演出の見せ方)上記第1実施形態では、8RNの第1ラウンドに必ず第1可変入賞装置32aがショート開放した場合に遊技球を合計3回入球させると確変モードを獲得可能な旨の案内表示を導出するが、例えば、第1ショートと、第1フェイクショートとを組合わせて(例えば、第1ショートのみで4回、第1フェイクショートのみで4回、第1ショート2回かつ第1フェイクショート2回、第1ショート3回かつ第1フェイクショート1回等)、第1可変入賞装置32aを4回ほど開状態とし、その後のラウンドで案内表示を行い、さらにその後のラウンドで第1ショート開放又は及び第1フェイクショート開放を含むように第1可変入賞装置32aを開閉させ、最終ラウンドで第1特別入球部145aに遊技球が規定複数回(例えば3回)入球したか否かの結果表示を導出するように構成してもよい。
(t;第1振分け装置の作動条件の変形例)上記第1実施形態では、第1可変入賞装置32aが開状態とされることと同期して第1振分け装置149aが開状態とされるように構成されているが、例えば、第1可変入賞装置32aに遊技球が規定数入球することに基づいて、第1振分け装置149aが開状態とされるように構成してもよい。例えば、かかる規定数をラウンドの入球上限である10個に設定した場合、ラウンドの入球上限を超えて遊技球を第1可変入賞装置32aに入球させないと、特典(確変モード)を得られないこととなる。
この場合、遊技球を規定数(10個)入球させることで閉状態とされる第1特定領域141aに対して規定数を超える数の遊技球を入球させた場合に、該遊技球が第1特別入球部145aに入球するようになる。このため、各開放期間において、規定数よりも多い数の遊技球を第1特定領域141aに入球させること(規定数個目の遊技球と、それを超える数の遊技球とがほぼ同時に第1特定領域141aに入球すること)を狙って遊技を行うといった遊技性を追加することができる。
(u;第1特別入球部145aへの遊技球の入球が規定複数回(3回)を超えた場合)上記第1実施形態では特に言及していないが、第1特別入球部145aに規定複数回(3回)を超える遊技球の入球が行われた場合に、専用の演出が導出可能に構成されていることとしてもよい。
この場合、第1特別入球部145aに遊技球が規定複数回を超えて入球した場合の特典として専用の演出を導出することができる。従って、第1特別入球部145aに遊技球が規定複数回を超えて入球したことが全くの無駄であるという印象になることを抑制することができる。尚、パチンコ機10(内枠12等)の後面側に設けられ、当否抽選の当選確率を複数段階で設定可能な設定変更装置を備える構成において、前記専用の演出として、前記当選確率の設定を示唆、又は、教示する演出を導出可能に構成されていること」としてもよい。例えば、大当たり確率を6段階で設定変更可能に構成され、前記専用の演出として、特に設定の示唆が含まれない態様(例えば6種類)と、大当たり確率の高い方から3つまでの設定であることを示す態様(例えば1種類)と、大当たり確率の高い方から3つまでの設定である可能性が高いことを示唆する態様(例えば2種類)と、大当たり確率の高い方から2つまでの設定であることを示す態様(例えば1種類)と、大当たり確率の最も高い設定であることを示す態様(例えば1種類)と、大当たり確率の高い方から1番目、3番目、及び、5番目のいずれかであることを示す態様(例えば1種類)とが設けられていることとしてもよい。
尚、第1特別入球部145aへの入球が比較的分かり難い場合には、規定複数回を超えて遊技球が第1特別入球部145aに入球したことも把握し難くなるため、その場合には、前記専用の演出を行わないことで、遊技球が第1特別入球部145aに規定複数回を超えて入球してしまったことを遊技者が知らなくても済む。
(v;第1特別入球カウンタを使用せずに、第1特別入球部に遊技球を規定複数回入球させることで特典を付与する構成)
(v−1)図52に示すように、第1特別入球部145aにおいて、遊技球が入球することに基づいて確変モードを付与するV入賞口821と、第1特別入球部145aに入球した遊技球をV入賞口821に入球させることなく遊技領域の外部に排出するアウト孔822とを設けるとともに、遊技球を1回だけV入賞口821に案内することと、アウト孔822に案内することとを繰り返す到達カウント手段としての規定回数振分け装置823を設けることとしてもよい。
第1特別入球部145aは、第1特定領域141aと連通し、第1振分け装置149aにより開閉される入口通路部824と、入口通路部824を通過した遊技球が案内される振分け領域825とを備える。規定回数振分け装置823は、振分け領域825に配置され、図52の反時計回り方向に回転する送り部材826を備える。また、前記V入賞口821は、振分け領域825の左下方に連接して設けられ、前記アウト孔822は、振分け領域825の左下の後方に連接して設けられる。
送り部材826は、前後方向に延びる軸部827と、軸部827から遠心方向に延出し、均等位置に設けられる4つの送り板部828とを備えている。4つの送り板部828のうち3つは、先端側の部位が時計回り方向に湾曲形成されている。4つの送り板部828のうち残りの1つは、正面視で軸部827の遠心方向に直線状に延びており、当該送り板部828と、当該送り板部828の時計回り方向側の隣に位置する送り板部828との間の領域(以下、当該領域を「セーフ送り領域829」と称し、その他の送り板部828間の領域を「アウト送り領域830」と称する)には、送り板部828の後縁部間を連結するようにして設けられる閉塞板部831が設けられている。
さらに、送り部材826の反時計回り方向への変位を防止するストッパ833と、入口通路部824に設けられ、ストッパ833の機能を解除する解除スイッチ834と、ストッパ833を機能させる状態に戻すロックスイッチ835と、送り部材826の時計回り方向への変位(逆行)を規制する位置決め部836とが設けられている。
ストッパ833は、送り部材826の軸部827の下方の若干左方の位置において、振分け領域825に対して前後に出没可能に設けられ、送り板部828の反時計回り方向側の面に当接可能に構成されている。所定の送り板部828の反時計回り方向側の面と、ストッパ833とが当接、又は、近接した状態では、入口通路部824の出口と、セーフ送り領域829、及び、3つのアウト送り領域830のうちいずれかとの位置が一致し、入口通路部824の出口から排出された遊技球が、セーフ送り領域829、及び、3つのアウト送り領域830のうちいずれかに流入するようになっている。
そして、遊技球が入口通路部824に進入すると、当該遊技球により入口通路部824の出口近傍に設けられた解除スイッチ834が操作され、ストッパ833が振分け領域825の外部に退避するようになっている。これにより、送り部材826の反時計回り方向への回動変位が許容される状態となる。
遊技球が送り部材826のセーフ送り領域829、又は、アウト送り領域830に収容されると、遊技球の重さにより、送り部材826が反時計回り方向に回動変位する。当該送り部材826の回動変位の途中で、所定の送り板部828により、ロックスイッチ835が操作され、ストッパ833が振分け領域825に突出するようになっている。これにより、所定の送り板部828がストッパ833に当接した段階で、送り部材826のそれ以上の反時計回り方向への回動変位が規制されるようになっている。尚、ストッパ833は、解除スイッチ834、及び、ロックスイッチ835と機械的に連動する構成としてもよいし、解除スイッチ834、及び、ロックスイッチ835がセンサにより構成され、該センサの検知に基づいてストッパ833を電気的制御で出没させるように構成してもよい。
また、位置決め部836は、振分け領域825に対して前後に出没可能に設けられ、反時計回り方向側に向けて前方への突出長が次第に大きくなる略三角形板状をなし、バネによって振分け領域825に突出した状態に維持されている。そして、所定の送り板部828がストッパ833に当接するよりも若干前の段階で、別の送り板部828が、位置決め部836を位置決め部836のばねに抗して振分け領域825の外側(後方)に押し出すような格好で、位置決め部836の前方を通過する。該別の送り板部828が位置決め部836の前方を通過すると、前記所定の送り板部828がストッパ833に当接するとともに、位置決め部836が振分け領域825に突出した状態に戻る。これにより、送り部材826が時計回り方向に回動しようとしても、送り板部828の時計回り方向側の面と、位置決め突部836とが当接し、それ以上の時計回り方向側への変位が規制されるようになっている。
また、入口通路部824を通過した遊技球が、送り部材826のセーフ送り領域829に収容された場合、該遊技球の重さにより送り部材826が反時計回り方向に90度回動して(ストッパ833等の働きにより)停止し、セーフ送り領域829と、V入賞口821とが合致する(連通する)こととなる。これにより、セーフ送り領域829に収容されていた遊技球がV入賞口821に入球することとなる。尚、セーフ送り領域829に収容された遊技球は、セーフ送り領域829に設けられた閉塞板部831によってアウト孔822に入球しないようになっている。
その一方で、入口通路部824を通過した遊技球が、送り部材826のアウト送り領域830に収容された場合、該遊技球の重さにより送り部材826が反時計回り方向に90度回動して(ストッパ833等の働きにより)停止し、アウト送り領域830と、アウト孔822とが合致する(連通する)こととなる。これにより、アウト送り領域830に収容されていた遊技球が、送り板部828の先端の湾曲形状によりV入賞口821側への移動を規制されつつ、アウト孔822に入球することとなる。
本実施形態では、上記のように、送り部材826において、1つのセーフ送り領域829と、3つのアウト送り領域830とが設けられ、遊技球が規定回数振分け装置823に1つ入球する毎に、送り部材826が90度ずつ回動して、V入賞口821、又は、アウト孔822に合致するセーフ送り領域829、及び、アウト送り領域830が順番に変更される。つまり、規定回数振分け装置823は、遊技球を1回だけV入賞口821に案内することと、遊技球を3回だけ遊技領域の外部に排出することとを交互に繰り返す構成となっており、規定回数振分け装置823に遊技球が4つ入球する毎に1つがV入賞口821に案内される構成となっている。
また、送り部材826の前面側には、図53に示すような回数連動手段としての表示板837が設けられている。表示板837は前面側に数字が記載された透明な板状体により構成される。本実施形態では、セーフ送り領域829の前方の一部を閉塞する表示板837に対し「0」の文字が記載され、セーフ送り領域829の反時計回り方向側の隣に位置するアウト送り領域830の前方の一部を閉塞する表示板837に対し「1」の文字が記載され、セーフ送り領域829の時計回り方向側の隣に位置するアウト送り領域830の前方の一部を閉塞する表示板837に対し「3」の文字が記載され、残りのアウト送り領域830の前方の一部を閉塞する表示板837に対し「2」の文字が記載されている。本実施形態では、振分け領域825のうち入口通路部824と隣接している部位に光を照射可能なランプ(図示略)が設けられており、セーフ送り領域829、及び、アウト送り領域830のうち、入口通路部824と連通する領域の数字(残情報)が、その他の領域の数字に比べて視認し易いようになっている。尚、送り部材826の姿勢(向き、回転位相)を把握可能な手段(例えば、送り部材826の各アウト送り領域830、セーフ送り領域829に対応してRFIDチップを埋設して読取手段で読取る)を設け、送り部材826の姿勢に応じて装飾図柄表示装置42にて対応する演出を行うこととしてもよい(残り2回、残り1回とか表示してもよいし、キャラクタがゴールに近付くような演出を導出してもよい)。さらに、規定回数振分け装置823の前方において、表示板837を前方から視認可能又は容易な状態と、視認不可能又は困難な状態とに状態変化可能な視認態様変更手段(透過式の表示手段、ハーフミラー+照明、シャッタ等)を設け、残情報が視認不可能な状態を設けることができるように構成してもよい。
また、本例では、大当たり状態の終了時に、ストッパ833、及び、位置決め部836が強制的に振分け領域825の外に退避させられるようになっている。さらに、送り部材826は、重心が軸部827からずれた位置にあり、ストッパ833、及び、位置決め部836が振分け領域825の外に退避させられた状態となった場合に、「3」の文字が記載された表示板837が入口通路部824と連通する位置とされる向きとなるまで変位して、静止するようになっている。大当たり状態の開始時には、ストッパ833、及び、位置決め部836が振分け領域825に突出する位置に戻されるようになっている。以上の構成を採用することで、大当たり状態において第1特別入球部145aに遊技球を4つ入球させることで、確変モードが付与されることとなる。
(v−2)また、別の態様例として、第1入球カウントスイッチ226aの下方に第1非特別入球部146aを配置するとともに、第1非特別入球部146aの入口に第1振分け装置149aを設け、第1振分け装置149aの左方に特別領域及び到達カウント手段としての停留装置を設ける。第1振分け装置149aが第1非特別入球部146aの上方に突出することで、第1非特別入球部146aへの遊技球の入球が規制され、第1振分け装置149aが第1特定領域141aから退避することで、第1非特別入球部146aへの遊技球の入球が許容される。第1振分け装置149aの上面は左側に下方傾斜しており、第1振分け装置149aが第1特定領域141aに突出した位置にある場合には、第1特定領域141aに入球した遊技球は、停留装置に案内される。
停留装置は、左側に下方傾斜した略板状のベース部を備え、ベース部には、その延在方向において、互いに所定距離を隔てて3箇所に遊技球が入球可能で、ベース部を上下に貫通する停留孔部が設けられている。さらに、ベース部の下方には、前後方向にスライド変位可能なスライド板が設けられ、スライド板がベース部の下方に突出した状態では、停留孔部に入球した遊技球が、停留孔部にて留まる状態でスライド板に支持されるようになっている。その一方で、スライド板がベース部の下方から退避した状態では、停留孔部に停留されていた遊技球が下方に落下して遊技領域外に排出されるようになっている。
また、停留孔部のうち上流側から3つ目の停留孔部の下方には、第1特別入球検知スイッチ223aが設けられている(スライド板がベース部の下方に突出している場合には、第1特別入球検知スイッチ223aはスライド板よりも下方に位置し、第1特別入球検知スイッチ223aによる遊技球の検知は行われない)。
大当たり状態において、スライド板がベース部の下方に突出した状態とされ、第1ショート開放に対応して第1振分け装置149aが第1特定領域141aに突出した状態とされる。かかる第1ショート開放に際して遊技球が第1特定領域141aに入球すると、該遊技球は停留装置に案内され、先ず、停留孔部のうち上流側から1つ目の停留孔部に入球し、停留させられる。停留孔部に停留された遊技球の上端部は、ベース部の上面と略面一とされる。
第1ショート開放に際して2つ目の遊技球が第1特定領域141aに入球した場合には、停留装置に案内された遊技球は1つ目の停留孔部に停留されている遊技球を足がかりにして1つ目の停留孔部を乗り越えて、上流側から2つ目の停留孔部に入球して停留させられ、3つ目の遊技球が第1特定領域141aに入球した場合には、上流側から3つ目の停留孔部に入球して停留させられる。尚、ベース部の最下流側には、遊技球を遊技領域外に排出する排出孔が設けられており、当該排出孔については、スライド板で閉鎖されないようになっている。また、各停留孔部に停留された遊技球を検知する検知手段を設け、該検知情報に基づいて各種演出や確変モード付与までの停留装置への入球回数(残情報)の教示等を行うこととしてもよい。
最後の第1ショート開放の後のタイミングで、スライド板をベース部の下方から退避した位置とし、第1特別入球検知スイッチ223aの検知が行われた場合に確変モードを付与する。以上の構成を採用することで、大当たり状態において停留装置に遊技球を3つ以上到達させることで、確変モードが得られるようになっている。尚、停留装置の前方において、停留装置(停留されている遊技球)を前方から視認可能又は容易な状態と、視認不可能又は困難な状態とに状態変化可能な視認態様変更手段(透過式の表示手段、ハーフミラー+照明、シャッタ等)を設けてもよい。
(w;獲得球数表示)上記実施形態では、大当たり状態の発生から通常モードに移行するまでの状態(連チャン状態)において、可変入賞装置32a、32b等への入球に基づいて付与された(一部、付与の途中の場合もある)遊技価値(遊技球)の総数がカウントされ、その数が装飾図柄表示装置42で表示される(獲得球数表示465が導出される)ように構成されているが、かかる構成に代えて、又は、加えて、大当たり状態の期間に付与された遊技価値の数を表示可能としてもよい。また、付与された遊技価値の総数が規定数(例えば、5000個)増加する毎に、付与総数が所定数を超えたことを教示する特定数超過表示を装飾図柄表示装置42の中央で大々的に表示するように構成してもよい。尚、大当たり状態の発生から通常モードに移行するまでの間に獲得球数表示465が表示されない期間(例えば、スーパーリーチ演出中、ジャッジ演出中)が存在することとしてもよい。加えて、付与総数のカウントは、増加だけでなく、減少する場合もある(発射された遊技球の数を減算する)ように構成してもよい。また、例えば、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて行われる当否抽選において「小当たり」に当選する場合があり、小当たりに当選した場合には、第1可変入賞装置32a、又は、第2可変入賞装置32bのどちらかが短時間開状態とされる(特別入球部145a、145bには入球させないようにする)ように構成してもよい。尚、獲得球数表示の導出機能を省略することも可能である。
(x;保留連演出)上記実施形態において、大当たり状態中に、大当たり状態の所定の時点で保留されている変動情報の中に大当たりとなるものが含まれていることを示唆・教示する保留連チャレンジ演出を行うように構成してもよい。但し、本実施形態では、第2特別入球部145bに遊技球を1回以上入球させる、或いは、第1特別入球部145aに遊技球を3回以上入球させることで確変モードの付与が決定されることから、第1特別入球部145aや第2特別入球部145bに遊技球が入球する可能性のあるタイミングよりも前に保留チャレンジ演出を行う場合には、高確率状態、及び、低確率状態のどちらでも大当たりとなる当否乱数カウンタC1の値が取得されている場合にのみ行うこととする(後のタイミングであれば、対応する遊技モードに応じて大当たりとなる場合に保留連チャレンジを導出可能である)。
(y;ボタン演出)上記実施形態において、大当たり状態中に演出ボタン125等の遊技者が操作可能なボタン等を使用した当たり中ボタン演出を導出可能に構成してもよい。例えば、第1可変入賞装置32a、及び、第2可変入賞装置32bのショート開放の後(例えば、ショート開放に続くロング開放時)に演出ボタン125の操作を促す表示を導出し、演出ボタン125の操作を契機として、前記ショート開放時に第1特別入球部145a、又は、第2特別入球部145bに遊技球が入球したか否かの教示、又は、示唆を行うように構成してもよい。
尚、ショート開放が複数回連続して行われる、ショート開放の期間と、第1振分け装置149aが開状態とされる期間との相対的なタイミングが一様ではない、ショート開放と、ロング開放との間の閉鎖期間が短い等の場合には、遊技球が可変入賞装置32a、32bに入球したか否かや、遊技球が特別入球部145a、145bに入球したか否かが分かり難くなり、前記当たり中ボタン演出への興味(演出価値)が高まることとなる。
(z;第2実施形態の中央ユニットの開閉部材が省略された構成)第2実施形態では、中央ユニット471の入球開口部474を開閉する開閉部材475が設けられ、中央ユニット471の外部に設けられた第1始動入賞装置491への遊技球の入球に基づく当否抽選にて小当たりに当選した場合に、開閉部材475が開状態とされるように構成されているが、開閉部材475を省略して常に特定領域473に遊技球を入球させることが可能に構成し(例えば、入球開口部474を狙って遊技球を250個発射したうちの2〜4個程度が入球するような構成とし)、特定領域473の最下部に第1始動入賞装置491を設け、10/10の確率で当選する当否抽選が行われ、当該当否抽選で当選すると大当たり状態が発生するように構成してもよい。この場合にも、第1振分け装置477の特別セーフ孔481b、第2振分け装置478の特別セーフ孔481b、及び、第3振分け装置479の特別セーフ孔481bの全てを遊技球が通過した状態で第1始動入賞装置491に遊技球が入球した場合には、確変モードが付与され、第1特別通過孔477、第2特別通過孔478、及び、第3特別通過孔479の特別セーフ孔481bのいずれか1つでも遊技球が通過していない状態で第1始動入賞装置491に遊技球が入球した場合には、通常モードが付与されることとする。
(aa;特定領域が開閉するVアタッカータイプの特定領域に特別領域を複数設けた構成)上記第1実施形態の第1可変入賞装置32aの第1特定領域141aにおいて(第1特定領域141aを比較的広く構成し)、第1特別入球部として、第1−1特別入球部、第1−2特別入球部、及び、第1−3特別入球部を複数設けるとともに、第1−1特別入球部、第1−2特別入球部、及び、第1−3特別入球部に遊技球が入球したことを検知する到達検知手段としての第1−1特別入球検知スイッチ、第1−2特別入球検知スイッチ、及び、第1−3特別入球検知スイッチを設ける。さらに、第1特定領域141aを移動する遊技球の第1特別入球部側への移動を規制する規制状態と、許容する許容状態とに状態変化する第1振分装置を設ける。大当たり状態では、所定ラウンド(例えば、複数ラウンド)で第1振分装置が許容状態とされる機会が付与される。そして、大当たり状態において第1−1特別入球部、第1−2特別入球部、及び、第1−3特別入球部の全てに遊技球を入球させることができた場合に、大当たり状態終了後に確変モードが付与されるように構成してもよい。
さらに、第1−1特別入球検知スイッチ、第1−2特別入球検知スイッチ、及び、第1−3特別入球検知スイッチの各検知情報を記憶する到達情報記憶手段と、第1特定領域141aに存在する遊技球の数を把握可能な残存球把握手段とを備え、第1特定領域141aに遊技球が存在しなくなった場合に前記到達情報記憶手段の記憶情報を消去することとしてもよい。
当該構成を採用する場合においても、大当たり状態において、確変モードの付与に遊技者の操作で一歩ずつ近づいていくような遊技を付与することができ、興趣の向上等を図ることができる。さらに、例えば、第1特定領域141aに複数の遊技球が立て続けに入球した場合には、前記遊技球のいずれかが第1特定領域141aから排出されたとしても、別の遊技球が第1特定領域141aに存在する限り、到達情報記憶手段の記憶情報は消去されない。つまり、例えば、第1特定領域141aにほぼ同時に入球した2つの遊技球のうち、先行する遊技球が第1−1特別入球部に到達したが、第1−2特別入球部、及び、第1-3特別入球部に到達しなかった場合であっても、後続の遊技球が第1−2特別入球部、及び、第1-3特別入球部に到達した場合には、特典(確変モード)が付与される。このため、第1特定領域141aに複数の遊技球が入球した状態とすることで、特典の付与の期待度を大幅に高める(特典付与の高確率状態とする)ことができ、また、その状態の遊技球の挙動により興味を抱かせることができる。従って、遊技により多くの抑揚を付ける等、遊技性の向上等を図ることができる。さらには、遊技者が自力で特典付与の高確率状態を引き延ばすことができ(全ての遊技球が第1特定領域141aから排出される前に遊技球を第1特定領域141aに入球させ続ければよい)、遊技性の多様化、遊技に際しての抑揚の増加等を図ることができる。
また、第1特定領域141aに遊技球が存在しない状態となることで、到達情報記憶手段の記憶情報が消去されることから、その時点での特典を付与しないことを確定させることができる。従って、防犯性の向上、遊技性の分かり易さの向上等を図ることができる。
尚、特別入球部を入球した遊技球が遊技領域外に排出される入球部ではなく、遊技球が通過するだけで通過後も第1特定領域141aに残存するゲート部(通過する遊技球を検知する通過検知手段を具備する)により構成してもよい。さらに、第1−1特別入球部(ゲート部)を通過した遊技球が、第1−2特別入球部、及び、第1−3特別入球部をも通過可能としてもよいし、第1−1特別入球部(ゲート部)を通過した遊技球が、第1−2特別入球部、及び、第1−3特別入球部のどちらかを通過(入球)可能としてもよい。また、第1−1特別入球部、第1−2特別入球部、及び、第1−3特別入球部やその近傍に視認態様を変更可能な視認態様変更手段(ランプ等)を設け、入球(通過)が確認された第1−1特別入球部、第1−2特別入球部、及び、第1−3特別入球部の視認態様変更手段の視認態様を、対応する態様に変更するように構成することが望ましい。
尚、第1特定領域141aを閉状態とした場合に第1特定領域141aに遊技球が存在している状態であっても、第1特定領域141aを開状態とすることができるように構成してもよいし、第1特定領域141aを閉状態とした場合に第1特定領域141aに遊技球が存在している間は、第1特定領域141aを開状態としないように構成してもよい。
尚、前記到達情報記憶手段の記憶情報は、大当たり状態において第1特別入球部145aへの遊技球の到達の可能性がなくなった以降(最終ラウンドの後、或いは、第1特別入球部が開状態とされる最後の機会の終了後)に消去されるように構成することとしてもよい。
この場合、第1特定領域141aが1回開状態とされた際に第1−1特別入球部、第1−2特別入球部、及び、第1−3特別入球部の全てに遊技球を到達させなくても、大当たり状態が終了するまで(第1特別入球部145aへの遊技球の到達可能性がなくなるまで)に、第1−1特別入球部、第1−2特別入球部、及び、第1−3特別入球部の全てに遊技球を到達させることができれば、確変モードが付与される。従って、演出機会の増加が見込める上、遊技性の向上等を図ることができる。
(bb;第2実施形態の中央ユニットの入口に始動入賞装置を設けたような構成)上記第2実施形態の特定領域473の入球開口部474に対応して、開閉部材475を省略する一方で、遊技球が通過可能なゲートタイプにした始動入球手段としての第1始動入賞装置を設け(入球検知スイッチの代わりに配置される格好となり、開閉部材が省略されたために検知に基づく賞球はなされないが、入球カウントのカウントが行われる)、第1始動入賞装置を通過した遊技球を検知する始動入球検知手段の検知に基づいて、特別特典としての大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行う。また、特別表示装置43a、43b、及び、装飾図柄表示装置42では当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われ、所定時間後に変動表示が停止表示されることで当否抽選の結果が教示されると、大当たり状態に当選していた場合には、大当たり状態が開始される。さらに、第1始動入賞装置を通過した遊技球は特定領域473を移動することとなり、該遊技球が、第1振分け装置477の特別セーフ孔481b、及び、第3振分け装置479の特別セーフ孔481bを通過した場合には、対応する第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグがオン設定される。尚、上記第2実施形態の第4振分け装置480や、V入賞装置476は省略する。また、変動表示の保留を行う機能はない。
そして、第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグの全てがオン設定されている状況で、変動表示が停止表示されて大当たり状態が開始されることとなった場合に、確変大当たりが付与される。第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグは、特別表示装置43a、43b、及び、装飾図柄表示装置42の変動表示の終了時の判別情報設定処理(大当たり確定フラグがオンされていれば大当たりの設定を行い、さらに、第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグの全てがオン設定されていれば確変大当たりの設定を行う)を行う際にオフ設定される。装飾図柄表示装置42では、特別表示装置43a、43bの停止表示のタイミングでは確変モードに関する情報は表示せず、確変大当りを教示する場合には、大当たり状態開始後に教示する(変動表示に引き続いての表示でもよいし、所定のラウンド開始後の教示でもよい)。尚、大当たり状態中は、第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグのオフ設定が維持される構成としてもよいし、大当たり状態の開始時に、大当たり状態後の遊技モードを確定させてしまう(大当たり状態終了時に念のため第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグをオフ設定する)構成としてもよい。
また、演出手段としての装飾図柄表示装置42の結果教示演出としての変動表示が終了するタイミングは、当該変動表示が行われる契機とされた遊技球が特定領域473から排出されるタイミングよりも後になるように設定されている。例えば、特定領域473に入球した遊技球が特定領域473から排出されるまでにかかる時間が平均で20秒程度であり、特別図柄表示装置43a、43b、及び、装飾図柄表示装置42の変動時間が30秒〜1分に設定される。
以上のような構成を採用する場合、当否抽選に当選した場合に付与される大当たり状態のうち、遊技者にとってより有利な種別の確変大当りを発生させる権利をかけて、第1振分け装置477の特別セーフ孔481b、及び、第3振分け装置479の特別セーフ孔481bの全てに遊技球を通過させるミッションを行うといった遊技性を付与することができる。さらに、第1振分け装置477の特別セーフ孔481b、及び、第3振分け装置479の特別セーフ孔481bに遊技球を通過させるだけでは、実質的に確変モードを得ることはできず、当否抽選に当選する必要があることから、当否抽選の結果、及び、遊技球が特別セーフ孔481bを通過するか否かの両方に非常に強い興味を抱かせることができる。従って、遊技により大きな抑揚を付加することができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。
また、装飾図柄表示装置42の変動表示は、当該変動表示を行う契機とされた遊技球が特定領域473から排出された後に停止表示されるように設定されている。このため、特定領域473における遊技球の挙動を視認して確変モードの権利が得られているか否かを確認した後に、変動表示の教示を待つという遊技性を付与することができ、確変モードの権利が得られている状態における変動表示についてより強い関心を持ってもらうことができる。また、確変モードの権利を得た状態であっても、当否抽選で当選し、大当たりに当選しなければ、確変モードの権利の意味がない(大当たり状態の前後で遊技モードを切替可能となっており、単独で確変モードを付与することはできず、確変大当たりということで付与される)ことから、先に変動表示で否当選が教示された後に確変モードの権利が付与される(大当たりとなれば付与された筈だった)といった状況の発生を抑止することができる。
さらに、第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグは、変動表示の終了に際してオフ設定される。このため、変動表示に対応する処理が終了する毎に、各当否抽選に対応して確変モードを付与するか否かを確定させることができる。従って、防犯性の向上、遊技性の分かり易さの向上等を図ることができる。
また、変動表示が終了しない限り、オン設定された第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグはオン設定されたままである。つまり、例えば、特定領域473にほぼ同時に入球した2つの遊技球のうち、先行する遊技球が第1振分け装置477の特別セーフ孔481b、及び、第3振分け装置479の特別セーフ孔481bを通過したが、第2振分け装置478の特別セーフ孔481bを通過しなかった場合であっても、変動表示中であれば、後続の遊技球が第2振分け装置478の特別セーフ孔481bに通過した場合には、大当たり状態が発生した場合に確変大当りとなる。このため、特定領域473に複数の遊技球が入球した状態とすることで、確変モードの付与の期待度を大幅に高める(確変モードの付与の高確率状態とする)ことができ、また、その状態の遊技球の挙動により興味を抱かせることができる。従って、遊技により多くの抑揚を付ける等、遊技性の向上等を図ることができる。さらには、遊技者が自力で確変モードの付与の高確率状態を引き延ばすことができ(変動表示の終了前に遊技球を特定領域473に入球させ続ければよい)、遊技性の多様化、遊技に際しての抑揚の増加等を図ることができる。
尚、変動時間の残り時間を表示可能としてもよい。この場合、特定領域473において遊技球を第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479の特別セーフ孔481bに通過させて、第1特別フラグ、第2特別フラグ、及び、第3特別フラグの全てをオン設定する猶予時間が表示されているとも言える。このため、確変モードを発生させるために変動終了までに特別セーフ孔481bへの遊技球の通過を目指すという遊技性をより興味深いものとすることができる。
(cc;第2実施形態の遊技球が通過した特別領域の組合わせに応じて、大当たり種別が3種類以上の中から選択される構成)上記第2実施形態では、第1振分け装置477〜第3振分け装置479の特別セーフ孔481bの全てに遊技球が通過したとされている状態で(第1〜第3特別フラグの全てがオン設定の場合に)遊技球がV入賞装置476に入球することで、確変大当り(大当たり状態終了後に確変モードに移行)が付与され、第1〜第3特別フラグの1つでもオン設定されていない状態で遊技球がV入賞装置476することで通常大当たり(大当たり状態終了後に通常モードに移行)が付与される構成となっているが、遊技球が通過した特別セーフ孔481bの組合わせと、それに対応付けされる大当たり種別とのパターンについては、機種毎に適宜変更可能である。
例えば、特別領域として、第1〜第5特別セーフ孔があり、第1〜第3特別セーフ孔は1つの遊技球で全てを通過することが可能であるが、第4、第5特別セーフ孔は、第1〜第3特別セーフ孔を通過した遊技球が入球可能ではあるが、1つの遊技球ではどちらかしか通過することが不可能(例えば横並び)となっている。また、上記第1実施形態と同様の大当たり種別があることとし、さらに、第2実施形態の可変入賞装置482が第1実施形態の第1可変入賞装置32aに相当する(同様の構成を具備する)が、第1実施形態の第2可変入賞装置32bに相当するものはなく、第2可変入賞装置32bが開状態とされることとしていたものは可変入賞装置482が開状態とされることとする(第1可変入賞装置32aのロング開放の全期間に第1特別入球部145aを開状態とすれば比較的簡単に第1特別入球部145aに遊技球を3つ以上入球させることができる)。
全ての特別セーフ孔に遊技球が通過(5点満点通過)した場合「13RS−1」が選択され、第1〜第3特別セーフ孔と、第4又は第5特別セーフ孔のどちらかとに遊技球が通過(4点通過)した場合「8RS」が選択され、第1〜第3特別セーフ孔のいずれか2つと、第4及び第5特別セーフ孔とに遊技球が通過(4点通過)した場合「13RS−2,3」が選択され、第1〜第5特別セーフ孔のいずれか3つに遊技球が通過(3点通過)した場合「8RN−1,2」が選択され、第1〜第5特別セーフ孔のいずれか2つに遊技球が通過(2点通過)した場合「8RN−1〜5」が選択され(3点通過の場合よりも8RN−1,2の選択率は低い)、第1〜第3特別セーフ孔のいずれか1つに遊技球が通過(1点通過)した場合、又は、どの特別セーフ孔にも遊技球が通過していない場合「8RN−4,5」が選択され、第4特別セーフ孔のみに遊技球が通過(1点通過)した場合「8RN−1」が選択され、第5特別セーフ孔のみに遊技球が通過(1点通過)した場合「13RS−2,3」が選択される。
以上のように、特定領域473に入球した遊技球がどのような経路をとるかによって、付与される大当たり種別が変わることとなる。このため、特定領域473における遊技球の挙動により一層興味を持ってもらうことができ、興趣の向上等を図ることができる。
また、特典が複数種類存在(大当たり状態終了後に移行する遊技モードが異なる、大当たり状態のラウンド数が異なる等)し、特定期間(特定領域473の一回の開放時に特定領域473に入球した遊技球が特定領域473から排出されるまで、大当たり状態中ならいつでも、大当たり状態の特定ラウンド等)に遊技球を到達させた特別領域(セーフ孔)の組合わせに応じて付与される特典が決定される(異なる前記特典を付与可能に構成されている)という構成は特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、遊技球の到達で確変モードが付与される特別領域と、遊技球の到達で大当たり状態が継続する特別領域とが設けられることとしてもよい。さらに、例えば、遊技球の到達で大当たり状態が継続する特別領域に遊技球を到達させることで大当たり状態を継続させることで、遊技球の到達で確変モードが付与される特別領域に対して遊技球を到達させることが可能な構成としてもよい。このような構成を採用する場合、特定期間の遊技性をより一層向上させることができる。
(dd;特別領域の変位等)上記第1実施形態や第2実施形態において、第1特別入球部145aや第1振分け装置477、第2振分け装置478、及び、第3振分け装置479の特別セーフ孔481bの位置が変位し得るように構成してもよい。例えば、第1特別入球部145aを変位させる駆動手段が設けられ、例えば、第1開閉部材143aがなく、第1特別入球部145aが変位することで、第1特別入球部145aへの入球が可能又は容易な開状態と、入球不可能又は入球困難な閉状態とに状態変化するように構成してもよい。また、例えば、第1振分け装置477の孔部の全てに対応して案内発光部483が設けられるとともに、第1振分け装置477と、第2振分け装置478との間を繋ぐ通路の位置を変更可能とし、抽選や順番等で第1振分け装置477の6つの孔部のうち通常セーフ孔481a及び特別セーフ孔481bをどれにするかが決定されるように構成してもよい。さらに、例えば、開状態にある第1特別入球部145aの入口の面積が複数パターン設けられる(例えば、入口の前後幅及び左右幅が遊技球の直径の1.5倍程度で遊技球が1球ずつ入球可能な場合と、入口の左右幅が遊技球の直径の3倍程度となり、遊技球が2球同時に入球可能な場合とがある)ように構成してもよい。以上のような構成を採用することで、第1特別入球部145aや特別セーフ孔481bに遊技球が到達するか否かの遊技球の挙動等をより一層面白味のあるモノとすることができる。
(ee;第3実施形態の抽選手段、変位手段)上記第3実施形態では、大当たり状態において行われる確変モードを付与するか否かの確変付与抽選を行う抽選手段が変位手段としてのサイコロ部材802を備える抽選ユニット801によって構成されているが、別の変位手段を用いて確変付与抽選を行うこととしてもよい。つまり、変位手段を変位させて停止させたときの態様が姿勢、位置、向き、形状等の差異によって複数設けられ、当選に対応する態様と、否当選に対応する態様との区別が付くようになっていればよい。
例えば、抽選手段としてルーレットを採用してもよい。例えば、平面視略円盤状をなし、上面側の外周に沿って6つのポケット部が均等幅に設けられるとともに、1つのポケットにのみ対応して赤字で「当」の文字が記載されたホイールと、ホイールを回転自在に支持し、ホイールの外周側にボールが旋回可能なトラックを有する本体とを備え、第2特別入球検知スイッチ223bの検知に基づいてホイールが反時計回り方向に回転し、第2特別入球部145bに入球した遊技球に連動してボールがトラックを時計回り方向に旋回するようにして導出され、ボールの勢いが弱まることでボールがホイールのポケット部のいずれかに入球する。
ホイールの目視されない位置である外周面のうち「当」のポケット部に対応する位置にはRFIDタグが設けられ、本体側のホイール外周面と対向する所定位置(例えば奥側の位置)には、RFIDタグを読取る読取手段が設けられる。また、ホイールのポケット部の底部が開放可能となっている。そして、トラックを旋回していたボールがいずれかのポケットに収容された後(トラックを移動する遊技球を検知する手段を設けることとしてもよい)、ホイールを回転させ、RFIDタグが読取手段と正対する向きとされた位置でホイールを停止させる。続いて、ポケット部の底部を開放する。ここで、「当」のポケット部にボールが収容されていた場合には、専用の通路を通過する際に専用の検知手段に検知される。専用の検知手段の検知が行われた場合に、確変モードが付与される。
尚、例えば、ボールを使用しないタイプのルーレットを使用することとしてもよい。例えば、比較的薄型のホイール(変位手段)を前方に表示面が向くように配置する。ホイールの全周を8つに区切るような格好とし、区画された領域(以下、区画領域という)のそれぞれに「0〜2」のいずれかの数字を記載し、各区画領域の外周近傍の境界部に前方に突出するピンを設ける。8つの区画領域のうち4つ(1つおき)に「0」が付され、3つに「1」が付され、1つに「2」が付されている。ホイールの各区画領域の外周部にはRFIDタグが設けられている。
ホイールを回転自在に支持する本体には、ホイールの上方位置に対応して、下部がホイールの前方に突出する指示針部(弾性変形可能)が設けられ、指示針部に対応する位置においてRFIDタグを読取る読取手段が設けられる。指示針部が指し示す区画領域の数字に対応する値が第1特別入球カウンタに加算される(例えば、上記第1実施形態のように第1特別入球カウンタの値が「3」以上になれば確変モードが付与される)。
ホイールは、連動状態と、非連動状態とを切替えられる(例えば、所定のギアをその他のギアと噛み合う位置と、噛み合わない位置とに変位可能とする)駆動伝達機構を介して、ステッピングモータで回転させており、第1特別入球検知スイッチ223aの検知が行われた場合に、第1振分け装置149aを規制位置とし、ステッピングモータを駆動させてホイールを回転させてから、駆動伝達機構を非連動状態に切替える。尚、ホイールの回転を遅くしたり、止めたりすることのできるブレーキを設けることとしてもよい。
ホイールの停止後は、駆動伝達機構を連動状態とし、所定の「0」の区画領域が指示針部に対応する向きとなるまでホイールを回転させ(「2」が中央下部の「0」の左隣となる基準姿勢にして)、停止させる。尚、ホイールを基準姿勢(基準態様)に戻す機能がリセット手段を構成する。当該リセット手段により、確変付与抽選が開始される際のホイールの態様(姿勢や位置等)を一定にすることができる。従って、基本的に、常に同じ条件で確変付与抽選を行うことができ、公正性の向上等を図ることができる。また、ホイールにRFIDタグが埋設されていることで、ホイールを基準姿勢に戻す際にも、好適に利用することができる。
尚、ホイールの区画領域の境界部にRFIDタグが埋設されていてより正確な判断が可能に構成し、指示針部の針先が区画領域の境界に位置してどちらを示しているのか分かり難い場合、読取手段の判断に基づいて、指示針部が区画領域の真ん中に位置するようにステッピングモータでホイールを回動させることとしてもよい。
(ff;第3実施形態の第2特別入球部に入球した遊技球と、サイコロ部材との連動)上記第3実施形態では、第2特別入球部145bに入球した遊技球と、サイコロ部材802を変位させる第1押圧部808とが、連動機構810を介して機械的に連動する構成となっているが、連動の構成についても特に限定されるものではない。例えば、連動機構810のうち、第2特別入球部145bに入球した遊技球と当接し得る部位の面積が比較的広い、或いは、複数存在するという構成を採用し、連動機構810への遊技球の当たり所や、複数のうちどの連動機構810に当接するのか或いは当接する組合わせ等によって、第1押圧部808の変位動作に差異が生じるように構成してもよい。
さらに、例えば、第2特別入球部145bに入球した遊技球の速度を計測する手段や、第2特別入球部145bに入球した遊技球と接触した際に発生する圧力を計測する手段を設けて、かかる計測手段の計測値に応じた強さで、別途の駆動手段(モータ等)が第1押圧部808を変位させる構成としてもよい。
(gg;第3実施形態のサイコロ部材の動作の別例)上記第3実施形態のサイコロ部材802の動かし方等についても特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、抽選台803に回転板が載置されていて、サイコロ部材802がその上に落下させられるような構成としてもよいし、サイコロ部材802が設置されている部屋(変位領域)が前後方向を軸線として複数回回転してから止まるように構成してもよい。
また、確変付与抽選に複数種類のサイコロ部材802(4面、6面、8面)が使用され、サイコロ部材802が振られる部屋(変位領域)全体が上下に3段階で変位可能に構成され、上側の変位する程、少ない面のサイコロ部材802が使用されるように構成してもよい。加えて、例えば、サイコロ部材802の上面の出目で確変付与抽選の当否を決定する場合に、サイコロ部材802が振られる部屋(変位領域)を前方に傾動可能とし、サイコロ部材802が停止した場合に、左右調整装置805でサイコロ部材802を把持し、サイコロ部材802の部屋を前方に傾動させて、サイコロ部材802の上面の出目を見易くするように構成してもよい。
(hh;第3実施形態の抽選ユニットの動作確認)上記第3実施形態において主制御装置261が、確変付与抽選の結果を蓄積記憶する抽選結果記憶手段と、抽選結果記憶手段に蓄積記憶された情報に基づいて、確変付与抽選の当選確率が予め設定された数値の範囲内であるか否か(例えば、100回毎に1/3〜1/15の範囲内であるか否か、20回毎に1/2〜1/30の範囲内であるか否か)を判定する適正値判定手段とを備えることとしてもよい。
この場合、確変付与抽選が適正に行われているか否かを判定することができ、行われていないと判定されるような場合に、ホールコンピュータ等への通報を行い、不正(例えば、営業時間外にサイコロ部材802や、該サイコロ部材802が変位する領域に細工をして、サイコロ部材802が当選に対応する態様になり易くする等)や故障等のチェックを行うことができる。
尚、適正値判定手段の判定結果を装飾図柄表示装置42(判定結果表示手段)で表示可能としてもよい。この場合、(遊技者の操作により)確変付与抽選の当選確率をパチンコ機10において表示させて把握することができ、正常な確率で遊技を行えるパチンコ機10であるか否かを遊技前に確認することができる。ここで、遊技に関する計測値をパチンコ機10で表示するといった思想を別の構成にも適用し、例えば、通常モードの遊技球の発射総数に対する第1始動入賞装置33a等のどの入賞装置にも入らなかった遊技球の入球の割合を表示可能としたり、大当たり状態における遊技球の発射総数に対するどの入賞装置にも入らなかった遊技球の入球の割合を表示可能としたりすることとしてもよい。
(ii;第3実施形態の第1可変入賞装置)上記第3実施形態では、第2可変入賞装置32bは、第2特別入球部145bに入球した遊技球と、サイコロ部材802とを機械的に連動させる構成となっているのに対し、第1可変入賞装置32aは、第1特別入球部145aが省略されることとしているが、例えば、第1特別入球部145aと、第1振分け装置149aとを備えるとともに、大当たり状態の所定ラウンドにおいて所定のタイミングで第1特別入球部145aが開状態とされる構成において、前記所定のラウンドにおいて第1可変入賞装置32aに遊技球を入球させ続けた場合に遊技球が第1特別入球部145aに入球する確率が、サイコロ部材802を用いた確変付与抽選の当選確率とほぼ同じ確率となる(そのような確率になるような設定も可能である)こととしてもよい。
この場合、確変付与抽選を分担して行うことができ、抽選ユニット801の負担軽減を図り、抽選ユニット801の劣化などを抑制することができる。また、抽選ユニット801が故障してしまった場合、第2特別入球部145bが開状態とされるラウンドを、第1特別入球部145aが開状態とされるラウンドに切替えることで、応急処置を行うことができる。
(jj;演出手段)演出用の表示手段の数、形状、種別については特に限定されるものではなく、機種毎に適宜設定可能である。例えば、装飾図柄表示装置42の他に、可動式の表示装置や役物を設けることとしてもよい。また、ドットマトリックス表示装置やEL表示装置等を搭載してもよい。
さらに、上記実施形態において、演出表示手段としての装飾図柄表示装置42の(表示部の)前方に位置する機能位置と、装飾図柄表示装置42の(表示部の)前方から外れる退避位置との間を変位可能な演出手段としての可動式の役物(可動役物)を設け、演出ボタン125を使用したボタン演出等に対応して、可動役物を機能位置に変位可能に構成してもよい。
加えて、遊技領域の前方に導光板を設けるとともに、導光板に対して光を入射させる光源を設け、所定の契機に応じて光源を発光させ、導光板において所定の表示態様を視認させるように構成してもよい。尚、導光板の表示に関しても、機種毎に、不許可表示等の設定を行い、不許可表示とする場合には、特定キャラクタ表示との重複を回避するように構成することとしてもよい。
(kk;遊技領域前方の表示)遊技領域の前方(ガラスユニット137)において、遊技領域の前方のほぼ全体を覆うようにして透過型の表示装置(透過型液晶表示装置等)を設けることとしてもよい。例えば、遊技領域のうち(現在の状況では)遊技球が通過する可能性が低い領域の前方の範囲において、所定の表示(演出表示でもよいし、残情報表示や獲得球数表示を行ってもよいし、所定の案内表示、例えば、遊技球の狙い所をガイドする表示、すなわち、第1可変表示装置32aのショート開放が行われる場合には第1可変表示装置32の付近にかけて案内表示を行うこととしてもよい)が行われるように構成してもよい。尚、遊技球の軌道が定まっていない状態(ハンドル18が所定期間以内に所定量以上動いている、右打ちをするべき期間であるのに左打ちをしている等)では透過型表示装置を非表示とするように構成してもよい。
(ll;保留アイコン)装飾図柄表示装置42において表示される保留アイコン461の態様や表示位置や保留アイコン461を利用しての演出(変動情報が保留記憶された段階で変動情報の内容を把握し、保留アイコン461の態様で対応する演出(大当たり期待度の示唆等)を行う保留先読み演出)等は機種毎に適宜設定可能である。また、上記実施形態では、保留アイコン461の態様では、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bのどちらへの入球に基づく変動表示なのかが教示されない構成となっているが、例えば、保留アイコン461が第1変動表示及び第2変動表示のどちらに対応するものであるかの情報を有するような態様となる、或いは、そのような態様となる場合があるように構成してもよい。尚、保留アイコン461を省略することも可能である。
(mm;近接検知手段)また、上記実施形態において、装飾図柄表示装置42の複数箇所への物体の近接を検知可能であり、サブ制御装置262の入出力ポート554に接続される近接検知手段(例えば、発光部及び受光部を有する近接検知センサやタッチパネル等)を設けることとしてもよい。例えば、装飾図柄表示装置42の保留表示エリア462に表示された保留アイコン461に対し、遊技者が指等を近接させた場合に、かかる指等の検知に基づいて、かかる保留アイコン461の態様が変化したり移動したりする場合があるように構成してもよい。この場合、保留アイコン461への関心を向上させたりすることができる。
(nn;モバイル連動遊技)上記実施形態において、パチンコ機10と、遊技機メーカー等が運営するサーバとの間で、遊技者の所有する通信携帯端末等を介して、データのやりとり(所謂、モバイル連動遊技)を行えるように構成してもよい。さらに、モバイル連動遊技を終了させる場合に、今回の遊技情報を含む2次元コードを装飾図柄表示装置42に表示させ、遊技者がかかる2次元コードを携帯通信端末で読取るとともに、該携帯通信端末でサーバにアクセスすることで、前記遊技情報がサーバに送信される構成において、パチンコ機10は、特別表示装置43a,43bの変動回数をカウントする変動回数カウンタや、各種大当たり状態の発生回数をカウントする大当たりカウンタ等を備え、モバイル連動遊技の終了に際して装飾図柄表示装置42で表示される2次元コードに、各種前記カウンタの値を示す情報が含まれるように構成されていることとしてもよい。さらには、遊技球の発射総数の情報、導出された演出の種別、及び、その回数、遊技者がボタン演出中に演出ボタン125を操作した回数等についても、該2次元コードに含ませることとしてもよい。この場合、遊技機メーカー側で、遊技状況を把握することができる。
加えて、パチンコ機10から出力される情報(2次元コードに含まれる情報)には、各種大当たり種別の発生回数と、特別入球検知スイッチ223a、223bの検知回数との情報(第1特別入球検知スイッチ223aの3回の検知に基づいて確変モードが付与された回数)が含まれることとしてもよい。この場合、実際の大当たり状態中の状況を遊技機メーカー側で把握することができ、新機種の開発等に生かすことができる。
尚、上記カウンタの値は、2次元コード化されることで消去され、それ以外は(電源が落とされたとしても)蓄積される(RAM消去スイッチ323を操作しながらの電源オンで消去される)こととしてもよい。また、疑似羽根部材431の挙動パターンの傾向について、(モバイル連動遊技を行っている遊技者に関し、)遊技者が数種類のうちから選択することが可能に構成してもよい。
(oo;拡張現実)上記実施形態のパチンコ機10において、拡張現実や仮想現実(複合現実)の機能を設けることとしてもよい。つまり、遊技者が遊技機メーカーのサーバ等で提供されるARアプリケーションを携帯通信端末にインストールし、当該ARアプリケーションを起動させた状態で携帯通信端末をパチンコ機10に向けると、携帯通信端末の撮影手段(カメラ)で撮影されたパチンコ機10の画像に対し、ARアプリケーションの機能で追加される仮想の画像オブジェクト(キャラクタ動画等)が合成されて、携帯通信端末の表示手段(液晶等のディスプレイ)で表示されるようにする。また、ARアプリケーションに対し、導出する画像オブジェクトの種別及び場所を認識させるマーカを、例えば、装飾図柄表示装置42で表示可能としてもよい。そして、マーカが撮影範囲に含まるように、ARアプリケーションを起動させた状態で携帯通信端末をパチンコ機10に向けると、例えば、装飾図柄表示装置42の前方にキャラクタが飛び出したように表示され、例えば、第1可変入賞装置32aのショート開放時(直前のインターバル期間)には、第1可変入賞装置32aへの入球を促す態様が導出され、第1特別入球部145aに遊技球が入球すると、第1可変入賞装置32aから鳥が飛び出す等の態様を導出するように構成してもよい(但し、マーカが撮影範囲から外れると、表示が更新されず、かかる態様は導出されない)。
(pp;リアルタイムクロック)日時を把握可能なリアルタイムクロックを設け、リアルタイムクロックの日時の情報に応じた演出態様を導出可能に構成してもよい。また、時刻や日付によって、選択され易い演出に変化が生じる(選択され易い演出用のテーブルが変わる)ように構成してもよい。例えば、2時間に1回、15分程、専用の演出が導出され続ける構成であり、第1可変入賞装置32aの開状態とされる開放期間と、第1振分け装置149aの開状態とされる期間との相対的なタイミングが一様ではない構成であって、第1振分け装置149aが開状態とされる期間が教示される場合と、教示されない場合とがある構成において、前記専用の演出が導出される期間においては、第1振分け装置149aが開状態とされる期間(第1可変入賞装置32aの開放期間と重複する期間)が教示されるように構成してもよい。
尚、リアルタイムクロックを主制御装置261に設けるとともに、特別表示装置43a、43bの変動時間の決定に際して参照される変動時間決定テーブルを複数設け、夜(例えば、21時以降)になると、比較的短い変動時間が設定され易い変動時間決定テーブルが選択され易くなるように構成してもよい。
(qq;特図1特図2同時変動)上記実施形態では、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bのうち一方が変動表示を行っている場合、他方の変動表示は行われない(待機される)ように構成されているが、第1特別表示装置43a、及び、第2特別表示装置43bの変動表示を同時に実行可能に構成してもよい。つまり、第1変動表示、及び、第2変動表示のそれぞれに関して保留があれば、対応する変動表示を実行する(当たり状態中は除く)。尚、大当たり状態の発生を教示する変動表示が行われている状態では、当該変動表示に重複する変動表示が新たに開始されないように構成してもよい。さらに、一方の変動表示が大当たり状態の発生を教示する態様で停止表示された場合に、他方の変動表示が変動中であっても、当該他方の変動表示が中断される(大当たり状態終了後に再開)、又は、消去されることとしてもよい。
また、例えば、装飾図柄表示装置42では、第1変動表示、及び、第2変動表示にそれぞれ対応する装飾図柄による変動表示(以下、第1演出変動表示、及び、第2演出変動表示)を同時に表示してもよいし、どちらか一方(第2変動表示、或いは、先に停止表示される方)を優先的に表示するようにしてもよいし、両方が視認される状態と一方のみが視認される状態とに適宜切替わるように構成してもよい。
加えて、低入球状態では、第1変動表示の変動表示が比較的短く、第2変動表示の変動時間が比較的長く設定され、高入球状態では、第1変動表示の変動時間が比較的長く、第2変動表示の変動時間が比較的短く設定されることとしてもよい。尚、第1変動時間、及び、第2変動時間の残り時間を示唆又は教示する残り時間表示を行うこととしてもよい。
(rr)上記実施形態において大当たり確率や、大当たり種別の数や、各種大当たり種別の可変入賞装置32a、32bの開閉パターン等は特に限定されるものではなく、機種ごとに適宜設定可能である。また、高確率状態かつ低入球状態である状態(「潜確モード」)を設けることとしてもよい。さらに、潜確モードが付与される大当たり状態は、遊技球の増加が見込める大当たりではなく、第1可変入賞装置32aの開放時間が短く、かつ、大当たりラウンド数が少ない、遊技球の増加がそれほど見込めない大当たりとしてもよい。例えば、第1可変入賞装置32aが1.8秒間開放されることを1ラウンドとして、それが2回繰り返されてから、大当たり状態が終了するように構成してもよい。また、第1可変入賞装置32aが、潜確モードが付与される大当たり状態と同様のパターンで開閉される小当たり状態(大当たり状態が発生しなかった場合に所定の確率で当選する)を設けることとしてもよい。この場合、潜確モードの付与が分かり難くなることから、潜確モードが付与されているか否かを示唆する演出等を行うことができる。
加えて、「潜確モード」の大当たりとなる場合には、ゾロ目ではなく、装飾図柄が有効ライン上において特定の組合せ(特定当たり図柄の組合せ、例えば、上・中・下図柄表示領域で「3」・「4」・「1」が停止表示される態様)で停止表示されるようにしてもよい。また、装飾図柄表示装置42の演出ステージとして、「潜確モード」の大当たり状態終了後、及び、「小当たり」状態の終了後に移行する「前兆ステージ」を設け、当該「前兆ステージ」では、背景が通常ステージ等と比べて若干変化するとともに、演出バランス又は演出内容が変化する(例えば、通常は選択され難い演出パターンが選択され易くなる等)ように構成してもよい。
加えて、上記実施形態では、当否抽選での当選確率が変動する構成となっているが、当選確率が変動せず(一定であり)、大当たり状態終了後に付与される高入球状態の期間(変動回数)が複数パターン用意されているパチンコ機に上記構成を適用してもよい。さらに、入球サポート抽選における当選確率や、当選した場合の第2始動入賞装置33bの開閉パターン等についても、機種毎に適宜設定可能である。
(ss)上記実施形態では、既に保留されている第1変動表示よりも後に保留された第2変動表示が、前記第1変動表示よりも先に消化されるといった具合に、保留された順番を前後するようにして、第2変動表示が第1変動表示よりも優先的に消化されるよう構成されているが、第1始動入賞装置33aへの遊技球の入球に基づく第1変動表示、及び、第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球に基づく第2変動表示のどちらであるかに関係なく、第1始動入賞装置33a及び第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球順に、対応する変動表示が保留され、先に保留された変動表示から順に消化されるように構成してもよい。
さらに、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づいて行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合と、第2始動入賞装置33bへの入球に基づいて行われた当否抽選にて大当たりに当選した場合とで、付与され得る大当たり種別の振分け割合が異なるように構成されているが、同一となるように構成してもよい。加えて、上記実施形態では、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく賞球数と、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく賞球数とが同じとなっているが、一方が他方よりも多くなるように構成してもよい。
また、第1変動表示、及び、第2変動表示のうち、少なくとも一方の変動表示に関して保留記憶することができないように構成することも可能である。
(tt)上記実施形態では、主制御装置261にてメイン処理(図9参照)の後、通常処理(図10参照)を行う構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、メイン処理のステップS111の後に、上記実施形態で通常処理のステップS209〜ステップS218で行われていたカウンタ値の更新等の処理を行い、例えば、2msec毎に行われるタイマ割込み処理において、上記実施形態で通常処理のステップS201〜ステップS208で行われていた処理と、上記実施形態でNMI割込み処理として行われていたステップS401の処理とを行うこととしてもよい。尚、この場合のステップS401の処理としては、例えば、CPU501のNMI端子に停電監視回路542から停電信号SK1が出力されたか否かを判定し、停電信号SK1の出力が確認された場合に、停電の発生を示すフラグをオンにする構成が挙げられる。また、ステップS401の処理に関しては、上記実施形態と同様に、NMI割込み処理として別途行うこととしてもよい。
(uu)また、上記実施形態において、特別図柄の変動表示の開始時に、当否乱数カウンタC1の値が当選に対応する値であるか否か等を再度確認し、当該確認処理の結果(当否フラグ等の状態)に応じて大当たり状態を発生させるか否かや、変動表示のパターン等が決定されるように構成してもよい。
さらに、上記実施形態では、発射装置60の発射のタイミング(発射の間隔)を主制御装置261が決定しているが、特にかかる構成に限定されるものではなく、発射制御回路312によって、発射タイミング(発射の間隔)を計るように構成してもよい。この場合、主制御装置261の制御負担の抑制を図ることができる。
(vv)上記実施形態では、第2始動入賞装置33bが羽根部材37を具備する開閉式の始動入賞装置とされているが、開閉式の始動入賞装置をなくしてもよい。また、上記実施形態では、羽根部材37が閉位置とされて第2始動入賞装置33bが閉状態とされた場合に、第2始動入賞装置33bへの入球が不可能となっているが、第2始動入賞装置33bが閉状態にあっても遊技球が第2始動入賞装置33b(始動入賞口)に入球可能であること(一対の羽根部材37の間に遊技球が通過可能なスペースがあり、また、当該スペースが遊技領域に連通している)としてもよい。但し、第2始動入賞装置33bが閉状態にある場合には、開状態にある場合に比べ、該第2始動入賞装置33bへの遊技球の入球が困難となる(開状態にある場合には、遊技球の入球が容易であるといえる)。
(ww)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域と、特定領域への入球を許容する開状態と、特定領域への入球を禁止する閉状態とに変化可能な可動手段(羽部材)とを具備する可変入球手段と、特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段及び非特定入球手段と、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段(条件成立検知手段)と、特定領域の外部に設けられ、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特別始動手段と、特別始動手段に入球した遊技球を検知する特別始動検知手段と、可変入球手段の開閉制御を行う主制御手段とを備え、特定領域に遊技球が入球した場合には、当該遊技球が特定入球手段及び非特定入球手段のどちらに入球する場合であっても遊技者に所定数の遊技価値(遊技球)が付与され、主制御手段は、特別始動検知手段の検知に基づいて、可変入球手段を第1時間だけ1回又は複数回開状態とさせる小当たり状態、又は、可変入球手段を前記第1時間よりも長い第2時間開状態とさせる、又は、開状態とされた可変入賞手段に規定個数の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、これを規定回数繰り返す大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選を行い、当否抽選にて小当たりに当選した場合には小当たり状態を発生させ、当否抽選にて大当たりに当選した場合、及び、特定入球検知手段の検知があった場合には大当たり状態を発生させ、小当たり状態において特別入球検知手段の検知が行われた場合に大当たり状態を発生させるといった遊技機に適用してもよい。
加えて、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。
スロットマシン(回胴式遊技機)の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、スロットマシンにおいて、(マックス)ベットボタンを操作する等して遊技価値が別途された状態でスタートレバーを操作することに基づいて、複数(例えば3つ)の回転体を回転させ、当該操作に基づいて行われる抽選において、対応する回転体を停止させるための第1停止ボタン、第2停止ボタン、及び、第3停止ボタンの停止の順番を当てれば揃えることのできる小役に当選した場合に、該順番が教示される状態と、教示されない状態とが設けられるように構成してもよい。
さらに、入賞した場合に遊技価値の付与が伴う所定の小役の成立確率が大幅にアップした状態となり、第1規定ゲーム数の消化、又は、第1規定枚数の超過により終了するボーナス状態(第1特別遊技状態)と、ボーナス状態を発生させる当否抽選、及び、(当否抽選で外れた場合、又は、当否抽選と並行して行われる)小役の成立(小役の入賞を許可する)子役抽選が行われ、該当否抽選、及び、子役抽選の結果に基づく停止態様で停止可能に構成され、停止態様に応じてボーナス状態、及び、小役の入賞とする通常ゲーム(識別情報の変動表示)が行われる通常遊技状態と、通常ゲームを遊技価値を使用することなく再度実行可能とするリプレイ小役の成立・入賞確率がアップした状態、及び、通常ゲームにより使用される複数の回転体を停止させる順番を当てれば揃えることのできる小役に当選した場合に、該順番が教示される状態のうち少なくとも一方が付与され、第2規定ゲーム数の消化、又は、第2規定枚数の超過により終了する第2特別遊技状態(リプレイタイム、アシストタイム、又は、アシストリプレイタイム)とがあり、通常ゲーム、及び、ボーナス状態のうち少なくとも通常ゲームにおいて、第2特別遊技状態に移行させる抽選(例えば、移行契機とされる小役の抽選)も行われるように構成してもよい。尚、ボーナス状態や第2特別遊技状態に当選していても、対応する入賞役を入賞させない限り、ボーナス状態や第2特別遊技状態が開始されない(回転体をボーナス図柄の組合せで停止させ、ボーナス入賞役を入賞させるとボーナス状態が開始される)。ここで、ボーナス当選後、ボーナス入賞までの期間は、ボーナス抽選は行われないが、「ボーナス確定」等の表示でボーナス当選を教示するとともに、各ゲームでは、小役抽選、及び、第2特別遊技状態の抽選が行われる。また、第2特別遊技状態への移行の当選後、第2特別遊技状態が開始されるまでの期間は、「第2特別遊技状態準備中」等の表示をして第2特別遊技状態の当選を教示するとともに、ボーナス抽選、小役抽選、及び、第2特別遊技状態の期間に関する抽選(滞在上限となるゲーム数や遊技価値獲得枚数の上乗せ抽選、第2特別遊技状態が例えば所定ゲームを1セットとして行われる場合等、セット数の上乗せ抽選等)が行われ、第2特別遊技状態を開始させる抽選は行われない。
パチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機(球使用回胴式遊技機)の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用する(パチンコ機の遊技球を共用する)と共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
また、上記実施形態では、遊技者が遊技球を出し入れ可能な上皿19や下皿15に対して、遊技価値として遊技球が払出されるように構成されているが、例えば、発射装置60により発射されて遊技領域に案内される遊技球は、パチンコ機の内部で循環して使用され(或いは、遊技球のクリーニングのための装置を介在させることも可能)、遊技者が(パチンコ機10の前面側から)遊技球を取り出すことができない構成としてもよい。つまり、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が補給されるタンク355に関する構成が不要になる一方で、遊技領域から排出された遊技球を、発射装置60(球送り装置63)にまで至らせる機構(遊技球の貯留部、貯留部から発射装置60にまで遊技球を送る機構;貯留部を兼ねてもよいし、基本的に高低差のみで遊技球を送ることとしてもよいし、電動の送り装置で遊技球を送ることとしてもよい)、遊技球やパチンコ機のメンテナンスや移動のためにパチンコ機から遊技球を排出したり、充填したりする構成を具備することになる。また、遊技領域から排出された遊技球を、発射装置60(球送り装置63)にまで至らせる機構において、上記実施形態の上皿19のように遊技者に遊技球が見える位置に遊技球が(対応する数だけ)導出される構成を設け、該上皿19の遊技球には遊技者は触れられない(透明な板状体等で蓋がされている)ように構成されていることとしてもよい。
(xx)上記実施形態では、始動入賞装置33a、33bに遊技球が入球した場合に行われる当否抽選にて大当たりに当選した場合にのみ大当たり状態が発生するように構成されているが、別の条件装置により大当たり状態を発生させ得るように構成してもよい。例えば、当否抽選にて大当たりに当選しなかった場合に小当たりの抽選が行われ、小当たりに当選した場合に、第2可変入賞装置32bが開状態とされ、第2可変入賞装置32bに入球した遊技球が第2特別入球部145bに入球した場合にも、大当たり状態が発生する(第2特別入球部145bに遊技球が入球することで、確変モードではなく、大当たり状態の発生(継続)の権利が付与される)といったパチンコ機に適用することも可能である。
さらに、例えば、第1始動入賞装置33aへの入球に基づく第1当否抽選にて、第1確率で第1可変入賞装置32aが開状態とされる大当たり状態に当選し、通常モード及び時間短縮モードのうち時間短縮モードが付与される割合が第1の割合とされ、入球サポート抽選に当選し易く、第2可変入賞装置32bへの入球が容易となる時間短縮モードでは、第2始動入賞装置33bへの入球に基づく第2当否抽選にて、第2確率で第2可変入賞装置32bが開状態とされる小当たり状態に当選し、開状態とされた第2可変入賞装置32bに入球した遊技球が第2の割合で特別入球部145に入球し、大当たり状態が発生する(第1可変入賞装置32aが開状態とされる大当たり状態に継続する)といった遊技機に適用することも可能である。尚、当該構成を採用する場合、第1当否抽選や第2当否抽選で大当たり状態に当選する場合よりも、時間短縮モードで小当たり状態に当選し、かつ、特別入球部145に遊技球を入球させて大当たり状態を発生させる方が、大当たり状態を発生させ易く、また、小当たり状態に当選し、かつ、特別入球部145に遊技球を入球させた場合の方が、時間短縮モードが付与される大当たり種別が選択され易いといった構成にすることもできる。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
A.遊技機の一種として、例えば、パチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
ところで、遊技機としては、常に新たな構成を取り入れる等して、新たな興趣の向上が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段A−1.特定条件を達成させることで第1条件を達成可能な第1条件状態と、前記第1条件が達成されることで移行し、前記特定条件を達成させることで第2条件を達成可能な第2条件状態とに状態変化可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段A−1によれば、同じ特定条件を達成させる行為を行ったとしても、該達成によって、第1条件を達成可能な第1条件状態と、第2条件を達成可能な第2条件状態とが設けられることによって、構成の複雑化を極力抑制しつつ、より多彩な演出性、遊技性を得ることができる。結果として、興趣の向上を図ることができる。尚、第1条件状態は、特定条件を達成させることで、第1条件を達成可能ではあるが、第2条件を達成不可能な状態である。
手段A−2.前記特定条件を達成させることで、前記第1条件、及び、前記第2条件を達成可能な特定期間が設けられ、前記特定期間外では、前記特定条件を達成不可能、又は、前記特定条件を達成させても前記第1条件、及び、前記第2条件を達成不可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
手段A−2によれば、遊技にメリハリをつけることができ、遊技性の向上等を図ることができる。
手段A−3.前記第1条件状態において前記特定条件を規定複数回以上達成させることで前記第1条件が達成可能に構成され、
前記第1条件状態において前記特定条件が達成された回数に応じて異なる演出を導出可能に構成されていることを特徴とする手段A−1又はA−2に記載の遊技機。
手段A−3によれば、より多彩な演出を導出させることができる。尚、「前記規定複数回は複数パターン設けられていること」としてもよい。この場合、より一層の遊技性や演出性の多様化を図ることができる。例えば、入口に入球した遊技球が第1地点に案内される状態と、第2地点に案内される状態とを切替える手段が設けられ、遊技球が第1地点に案内される場合には第1地点への2回の到達で第1条件が達成され、遊技球が第2地点に案内される場合には第2地点への1回の到達で第1条件が達成されるように構成してもよい。また、第1条件の達成回数を異ならせる構成は、所定のボタンを操作する場合に、内部的に第1センサに対応する連動が行われる状態と、第2センサに対応する連動が行われる状態とに切替わるといったような別の構成にも適用可能である。さらに、例えば、特定領域を移動する遊技球が到達可能な特別領域に到達した遊技球は、特別通路に案内され、特別通路には分岐があり、該分岐には遊技球を振り分ける振分け手段(電気的に一定のタイミングで動作する、或いは、機械的に一定の動作を行う)が設けられ、特別通路には検知手段が複数設けられ、特別通路を移動する遊技球のルートによって該遊技球が検知される検知手段の数が異なり、該検知の数が規定複数回以上となることで第1条件が成立するような構成としてもよい。
手段A−4.前記第2条件状態において前記特定条件を1回達成させることで前記第2条件が達成可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−3のいずれかに記載の遊技機。
手段A−4によれば、第2条件状態の価値を高め、遊技により一層の抑揚を付与することができる。また、最後の1回に相応しい演出を確実導出することができ、演出性の向上を図ることができる。
手段A−5.前記第2条件状態とされたことを教示する教示手段を備えていることを特徴とする手段A−1乃至A−4のいずれかに記載の遊技機。
手段A−5によれば、遊技性の理解を高めてもらうとともに、遊技を盛り上げる演出を行うことができる。尚、「前記特定条件を達成させることが可能とされる状態が開始される場合(大当たり状態の第1ラウンド)に、前記教示手段により、前記特定条件、前記第1条件、及び、前記第2条件の内容が教示されること」としてもよい。また、その際に、第2条件が達成された場合の特典についても教示されることとしてもよい。
手段A−6.前記特定条件を達成させることが可能な状態と、不可能な状態とが設けられ、
前記特定条件を達成させることが可能な状態のうち少なくとも前記第2条件状態において前記特定条件を達成させることが可能な状態とされることを教示するアシスト教示手段を備えていることを特徴とする手段A−1乃至A−5のいずれかに記載の遊技機。
手段A−5によれば、特定条件を達成させることが可能な状態(第1特別入球部145aへの遊技球の入球が可能とされた状態)に対応する意識付けや遊技(動作)を行ってもらうことができ、遊技の進行を案内するとともに、遊技を盛り上げることができる。また、いよいよ第2条件を達成させる条件が整ったことを教示することができ、遊技をより一層盛り上げることができる。尚、アシスト教示手段による教示は、特定条件を達成させることが可能な状態とされてから開始されるのではなく、事前に開始されて、特定条件を達成させることが可能な状態にかけて行われるようにすることが望ましい。また、アシスト教示手段による教示(上記手段A−5の教示手段の教示)が行われない場合もあるように構成し、あえて特定条件に関する教示を行わないことで、遊技性の幅を広げることもできる。
手段A−7.前記特定条件の達成を事前に検知可能な事前検知手段を備え、
前記事前検知手段の検知に基づく演出を導出可能に構成されていることを特徴とする手段A−1乃至A−6のいずれかに記載の遊技機。
手段A−7によれば、例えば、特定条件をあと1回達成させることで、第2条件を成立させられる段階で、事前検知手段の検知に基づく演出を行う(これで第2条件が成立するという示唆が行われる)等、より多彩な演出を行うことができる。
手段A−8.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が到達可能な特別領域とを備え、
前記特別領域に遊技球を到達させることが前記特定条件であることを特徴とする手段A−1乃至A−7のいずれかに記載の遊技機。
手段A−8によれば、同じ特別領域に遊技球を到達させるとしても、該到達によって、第1条件を達成可能な第1条件状態と、第2条件を達成可能な第2条件状態とが設けられることによって、遊技領域等の構成の複雑化を極力抑制しつつ、より多彩な演出性、遊技性を得ることができる。
尚、「前記特別領域に遊技球を到達させること」が、上記手段A−1の「特定条件を達成させること」に相当する。また、「特別領域」に関し、「前記遊技領域を移動する遊技球が進入可能な特定領域と、前記特定領域を移動する遊技球が到達可能な特別領域とを備え」ることとしてもよい。その場合、「特定領域」は、「前記遊技領域を移動する遊技球が進入可能、又は、進入容易な開状態と、遊技球の進入が不可能、又は、進入困難な閉状態とに状態変化可能な特定領域」としてもよい。
手段A−9.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が進入可能な開状態と、遊技球の進入が不可能な閉状態とに状態変化可能な特定領域と、
前記特定領域を移動する遊技球が到達可能な特別領域とを備え、
前記特定領域が少なくとも1回は前記開状態とされる特定期間(大当たり状態の第1ラウンドの開始から最終ラウンドの終了まで)に対応して、前記特別領域に対し遊技球を規定複数回以上到達させることで遊技者にとって有利な特典(確変モード、時間短縮モード等)が付与されることを特徴とする遊技機。
手段A−9によれば、特定期間において遊技球を特別領域に複数回到達させることで特典が得られるといった具合に、遊技者の操作で特典の付与に近付けていく(そして、特典の付与に次第に近付いていく)という遊技性を付与することができる。従って、特典付与により近い段階に至った場合により高い高揚感が得られる等、より感情移入して遊技を堪能してもらうことができる。また、特定期間に対応して特別領域に到達した遊技球の回数が規定複数回未満の場合には特典は付与されないことから、遊技者が高揚感を得られる時間帯、及び、演出を行える機会を増やすとともに、遊技性の向上を図ることができる。結果として、興趣の向上を図ることができる。尚、本手段の構成に上記手段A−3乃至手段A−8の構成を適宜組み合わせることが可能である。
尚、特定領域に入球した遊技球が必ず特別領域に到達する構成としてもよいし、特定入球した遊技球が特別領域に到達する場合と、到達しない場合とがあるように構成してもよい。さらに、特定期間のうち特定のタイミングで特定領域に遊技球が入球した場合に該遊技球が必ず特別領域に到達するように構成してもよいし、特定期間のどのタイミングで特定領域に遊技球が入球しても、該遊技球が特別領域に到達する場合と、到達しない場合とが存在するように構成してもよい。また、特定領域が1回開状態とされる間(特定期間)に特定領域に入球した遊技球が特別領域に規定複数回到達することで特典が付与される構成に限定されるものではなく、特定領域が予め定められた複数回開状態とされる間(特定期間)に遊技球が特別領域に規定複数回到達することで特典が付与される構成としてもよい。加えて、特定期間に特定領域が複数回開状態とされる構成の場合に、1回の特定領域の開状態に際して遊技球が特別領域に到達可能な回数の上限、或いは、遊技球が特別領域に到達した回数として有効な数の上限を設定してもよいし、設定しなくてもよい。
また、「前記特典は複数種類存在し、前記特定期間に遊技球を前記特別領域に到達させた回数に応じて付与される前記特典が決定される(異なる前記特典を付与可能に構成されている)こと」としてもよい。この場合、特定期間の遊技性をより一層向上させることができる。
手段A−10.前記特別領域に遊技球が到達したことを検知する到達検知手段と、
前記特定期間以外に前記到達検知手段の検知が行われた場合にエラー状態と判別して対応する処理を行うエラー処理手段とを備えていることを特徴とする手段A−9に記載の遊技機。
手段A−10によれば、特定期間以外に到達検知手段に誤検知させて特典を得るといった不正行為を防止することができる。
手段A−11.前記到達検知手段の検知に基づいて前記特定期間における遊技球の前記特別領域への到達回数をカウントする到達カウント手段と、
前記到達カウント手段のカウントに基づいて前記特定期間における前記規定複数回の残り回数を示す残情報を教示可能な残情報教示手段と、
前記到達検知手段の検知に基づいて、前記到達カウント手段のカウントに対応する演出を導出可能な演出手段とを備えていることを特徴とする手段A−10に記載の遊技機。
手段A−11によれば、残情報に基づいて特典の付与に関する現状を把握することができ、現状からの理想を抱きつつ遊技を進行させる等、特定期間における遊技への興味をより高めることができる。また、到達検知手段の検知の度に、到達カウント手段のカウントに適した演出を導出可能とされることで、演出機会を増やし、興趣の向上を図るといった作用効果がより確実に奏される。
尚、「到達カウント手段は、前記特定期間の終了時にリセットされること」としてもよい。また、残情報教示手段の構成は特に限定されるものではなく、液晶表示装置やセグメント表示装置等の表示手段の規定複数回の残り回数、或いは、現在の特別領域への遊技球の到達回数を表示する構成としてもよいし、特別領域への遊技球の到達回数に応じて態様を変化させる可動役物を設ける等(例えば、液晶表示装置の両側方において、略鉛直に延在する姿勢から液晶表示装置の前方側に傾倒変位可能な左右一対の可動役物を設け、規定複数回の残り回数に応じて傾き、規定複数回に達した場合に、該可動役物が所定のオブジェクトとして完成する、例えば、上方からさらに別の可動役物が降下して、前記左右一対の可動役物と一体となった視認態様となる、又は/及び、液晶表示装置で、前記左右一対の可動役物と関連する、或いは、該可動役物と一体として認識されるような表示オブジェクトを導出する等)としてもよい。
手段A−12.前記特定期間において、前記残情報を教示する場合と、教示しない場合とを設けることを特徴とする手段A−11に記載の遊技機。
手段A−12によれば、規定複数回の残り回数が次第に減ること(残情報)を確認しながら特定期間を進行させる場合と、規定複数回の残り回数がいくつなのかが分かり難いまま特定期間を進行させる場合とを設けることができ、遊技性の多様化を図ることができる。つまり、残情報の教示が行われる場合には、規定複数回の残り回数が減るにつれて所定のミッションの成功が近付くような演出を導出し、残情報の教示が行われない場合には、途中経過ではなく、最終結果を教示するような演出を行うといった具合に、演出の多様化等を図ることができる。また、特定期間の前段階で、残情報が教示されるのか否かの演出(例えば、表示装置に表示されたキャラクタAがミッションを単独で成功させた場合には残表示はなく、キャラクタAがキャラクタBを伴ってミッションを成功させた場合には残表示が導出される等)を行うことができ、より興味深い(意味のある)演出を増やすことができる。
尚、例えば、特定期間において遊技球を特別領域に3回以上到達させると特典が付与される構成において、特定期間の開始時に残り3回の教示が行われ、特別領域に遊技球が到達した場合に残情報教示抽選を行い、当選した場合に残情報を教示し、否当選の場合には教示しない構成としてもよい。また、前記残情報が更新された場合に前記残情報を教示する場合と、前記残情報が更新された場合に残情報が更新されたタイミングとは別のタイミングで前記残情報を教示する場合とがあるように構成してもよい。例えば、残り3回のときの特別領域への遊技球の到達で残情報教示抽選に外れて残情報を教示せず、残り2回のときの特別領域への特別領域への遊技球の到達で残情報教示抽選に当選して残り1回を教示し、残り1回のときの特別領域への遊技球の到達で残情報教示抽選に外れて残情報を教示せず(ここで残情報教示抽選に当選していれば、残り0回で特典の権利は既に得られているため、特典の付与を教示することとなる)、残り0回のときの特別領域への特別領域への遊技球の到達で残情報教示抽選に当選した場合に、特典の付与を教示する。
また、「前記特定期間において、前記残情報を教示する場合と、教示しない場合」の意味合いとしては、(基本的に)特定期間の全期間において残情報を教示する場合と、特定期間において残情報を全く教示しない場合とがある構成でもよいし、全期間において残情報が教示される特定期間と、一部の期間で残情報が教示されない特定期間とがある構成でもよいし、全期間において残情報が教示されない特定期間と、一部の期間で残情報が教示される特定期間とがある構成でもよいし、特定期間において残情報が教示される期間と、残情報が教示されない期間とが存在する構成でもよい。
手段A−13.前記特定期間を発生させるか否かの当否抽選を行う当否抽選手段と、
前記当否抽選の結果を教示する結果教示表示を行う抽選結果教示手段とを備え、
前記当否抽選に当選したことを教示する前記結果教示表示に伴って教示対応演出が行われた場合に、対応する前記特定期間において前記残情報が導出され、
前記当否抽選に当選したことを教示する前記結果教示表示に伴って前記教示対応演出が行われなかった場合に、対応する前記特定期間において前記残情報が導出されない、又は、前記残情報が導出されない場合があるように構成され、
前記教示対応演出を伴う前記結果教示表示は、前記教示対応演出を伴わない前記結果教示表示よりも前記当否抽選に当選する期待度が高められていることを特徴とする手段A−12に記載の遊技機。
手段A−13によれば、結果教示表示に伴って教示対応演出が行われるか否かによって、その後に特定期間が発生した場合に残情報が導出されるか否かを把握可能であり、結果教示表示と、特定期間とのつながりをより強め、遊技者の想像力を引き出すようなより興味深い(意味のある)演出機会を増やすことができる。また、結果教示手段の時点から特定期間への連想を高めさせた期待に応えるようにして、教示対応演出が導出された場合には、当否抽選に当選する、すなわち、特定期間が発生する期待度が高められている。このため、特定期間の内容を示唆する教示対応演出を導出しておきながら当否抽選に当選しておらず特定期間が発生しないといった事態が頻繁に発生し、教示対応演出自体を不快に思うといった事態を防止することができる。尚、「期待度が高められる」とは、当否抽選に当選した場合に導出される可能性があり、当否抽選に当選していない場合には比較的導出され難いように設定されていることが挙げられる。
手段A−14.前記当否抽選手段、及び、前記到達カウント手段を有する主制御手段と、
前記主制御手段からのコマンドに基づいて前記抽選結果教示手段に前記結果教示表示を導出させ、前記残情報教示手段に前記残情報を導出させるサブ制御手段とを備え、
前記主制御手段は、前記到達検知手段の検知が確認された場合に前記到達カウント手段のカウントを更新するとともに、前記サブ制御手段に対し到達コマンドを出力し、
前記サブ制御手段は、前記特定期間において前記到達コマンドの受信回数を蓄積記憶するサブ側到達カウント手段を備え、前記サブ側到達カウント手段の記憶情報に基づいて前記残情報を送出させる構成であり、
前記主制御手段は、前記特定期間の終了に際して、前記到達カウント手段の記憶情報に基づいて前記特典の付与を決定することを特徴とする手段A−13に記載の遊技機。
手段A−14によれば、サブ制御手段を設けることで、演出面に関して主制御手段の負担軽減を図ることができる。特に、サブ制御手段にも、遊技球が特別領域に到達した回数を把握可能とするサブ側到達カウント手段が設けられていることから、サブ側到達カウント手段の記憶情報に基づいて、遊技球の特別領域の到達回数が規定複数回となるまでの残り回数に応じた残情報を確実に導出することができる上、主制御手段側では、到達検知手段の検知の段階では到達カウント手段の記憶情報を確認する処理を行わなくても済む(特典の付与を決定する際に1回確認すればよい)。従って、主制御手段の処理の簡素化を図りつつ、演出機会を増やして遊技を盛り上げるといった上記作用効果が確実に奏される。
手段A−15.前記特定領域に入球した全ての遊技球を前記特別領域よりも上流側において検知する前検知手段と、
前記特定領域から排出される遊技球を検知する排出検知手段と、
前記前検知手段、及び、前記排出検知手段の検知に基づいて、前記特定領域に存在する遊技球の数をカウントする入球カウント手段とを備え、
所定のエラー状態において前記到達検知手段の検知が行われたことを記憶するエラー中到達検知記憶手段と、
遊技者が操作不可能な位置に設けられ、前記エラー中到達検知記憶手段の記憶を消去させる操作が可能な記憶消去操作手段とを備え、
前記記憶消去操作手段による消去操作が行われることなくエラー状態が解消された場合に、前記エラー中到達検知記憶手段に記憶されている前記到達検知手段の検知情報が、前記到達カウント手段のカウントに加味されることを特徴とする手段A−11乃至A−14のいずれかに記載の遊技機。
手段A−15によれば、遊技者に瑕疵の無い球詰り等の発生によってエラー状態となり、遊技が中断された場合に、エラー状態中の到達検知手段の検知をエラー状態解消後に到達カウント手段のカウントに加味する(検知で加算される場合には加算し、検知で減算される場合には減算する)ことができる。従って、遊技者に不利のないように遊技を再開させることができ、遊技者の興趣の低下等を抑制することができる。
手段A−18.遊技球を前記規定複数回よりも少ない特殊規定回数到達させることで、前記特典が付与される特殊特別領域を備えていることを特徴とする手段A−9乃至A−15のいずれかに記載の遊技機。
手段A−16によれば、遊技性の多様化を図ることができる。また、不利だと思われる状況(特別領域に対し遊技球を規定複数回以上到達させることが不可能、又は、ほぼ不可能な状況)を一変させるような展開(特殊特別領域に遊技球が第2規定回数到達する等)を導出させることもでき、遊技意欲の向上を図ることができる。尚、「特殊規定回数」は「1回」でもよいし、「複数回」でもよい。
手段A−17.前記特定領域は、前記特別領域が設けられる第1特定領域と、前記第1特定領域とは別に設けられ、前記特殊特別領域が設けられる第2特定領域とを備え、
前記特定期間は、前記第1特定領域が前記開状態とされる第1特定期間と、前記第1特定期間とは異なる(重複しない)タイミングで前記第2特定領域が前記開状態とされる第2特定期間とのうち少なくとも前記第1特定期間を備えていることを特徴とする手段A−16に記載の遊技機。
手段A−17によれば、第1特定領域と、第2特定領域とが分けられることで、現在、特別領域と、特殊特別領域とのうちどちらに遊技球を到達させられる状況なのかを遊技者に分かり易くすることができる。従って、盛り上がるタイミングでしっかりと盛り上がってもらうことができる。また、特別領域、及び、特殊特別領域のどちらか一方に遊技球を到達させ、他方には遊技球を到達させないという区別を確実に行うことができ、遊技性の多様化や、設計上の特典の付与率と、実際の特典の付与率との間に大きな開きが生じてしまうといった事態を抑制することができる。
手段A−18.前記第2特定領域が前記開状態とされることを前記第2特定期間が開始される前段階で教示又は示唆可能な第2開放教示手段を備えていることを特徴とする手段A−17に記載の遊技機。
第2特定領域が開状態とされることで、特典を得るまでに遊技球を到達させる回数が第1特別領域に比べて少なくて済む第2特別領域への到達が期待できることから、第2特定領域が開状態とされることは遊技者にとって好ましいことであり、遊技者にとって興味のある(知りたい)ことでもある。手段A−10によれば、第2特定領域が開状態とされることが第2特定期間の前段階で教示又は示唆可能とされることで、第2特定領域が開状態とされることだけでなく、第2特定領域が開状態とされる教示又は示唆についても楽しみにすることができ、結果として、遊技性や演出性の向上を図ることができる。
尚、「前記第2開放教示手段による前記第2特定領域が前記開状態とされることの教示又は示唆は、前記第2特定領域が短時間(遊技球の入球が困難な期間だけ)前記開状態とされることで行われること」としてもよい。この場合、第2特定領域が(遊技球の入球が可能な期間)開状態とされることとの関連付けを強めることができる。
手段A−19.前記特別領域は、第1特別領域と、第2特別領域とを備え、
前記特定領域は、前記第1特別領域が設けられる第1特定領域と、前記第1特定領域とは別に設けられ、前記第2特別領域が設けられる第2特定領域とを備え、
遊技者の操作に応じて前記発射手段による遊技球を発射する強さを変更可能な発射操作手段を備え、
前記第1特定領域、及び、前記第2特定領域は、前記発射操作手段の操作に応じて、遊技球を前記第1特定領域に到達させることなく前記第2特定領域に到達させることと、遊技球を前記第2特定領域に到達させることなく前記第1特定領域に到達させることとが可能に配置されていることを特徴とする手段A−9乃至A−18のいずれかに記載の遊技機。
手段A−19によれば、第1特定領域と、第2特定領域とに遊技球を打ち分けるといった遊技性を付加することが可能となり、遊技性の多様化等を図ることができる。
尚、「前記遊技領域は、前記第1特定領域に遊技球が入球し易い第1遊技領域と、前記第1特定領域に比べて、前記第1特定領域に遊技球が入球し難く、かつ、前記第2特定領域に遊技球が入球し易い第2遊技領域とを備えていること」としてもよい。この場合、第1特定領域、及び、第2特定領域のどちらが開状態とされてもいいように、両方を交互に狙って遊技球を発射させるといった遊技を行うことが、片方を狙って発射させ続けるといった遊技に比べて、遊技球を特定領域に入球させ易くなるといった事態を回避させる構成(例えば、0.6秒ごとに発射可能な遊技球を第1遊技領域と、第2遊技領域とに交互に流入させようとしても、切替えている途中で、どちらかに遊技球が2,3個流入してしまう等)とすることができる。
尚、第1特別領域、及び、第2特別領域のどちらに遊技球を到達させても、手段A−10の共通の到達カウント手段のカウントが更新されるように構成してもよいし、第1特別領域に遊技球を到達させた場合には第1到達カウント手段のカウントが更新され、第2特別領域に遊技球を到達させた場合には第2到達カウント手段のカウントが更新されるように構成してもよい。また、第1特定領域、及び、第2特定領域のうち開状態とされる第1特定領域、及び、第2特定領域を事前に示唆可能な開放教示手段を備えることとしてもよい。
手段A−20.前記特定領域に進入した遊技球は、前記特別領域に到達する場合と、前記特別領域に到達しない場合とがあることを特徴とする手段A−9乃至A−19のいずれかに記載の遊技機。
手段A−20によれば、特定領域に進入した遊技球が特別領域に到達したか否かの演出を行うことができ、演出機会の増加、遊技性の多様化等を図ることができる。
手段A−21.少なくとも前記特定領域の一部を含む範囲において変位可能に構成されるとともに、前記特定領域を移動する遊技球の移動経路に影響を与えることが可能な影響手段を備えていることを特徴とする手段A−20に記載の遊技機。
手段A−21によれば、影響手段の位置によって特定領域を移動する遊技球の特別領域への到達が規制されたり、アシストされたりする等、特定領域の遊技球の挙動にバリエーションを増やすことができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。尚、影響手段がどの位置にあっても特定領域に入球した遊技球が特別領域に到達するかの世があるように構成してもよいし、影響手段が特定領域に入球した遊技球の特別領域への到達を許容する位置と、規制する位置とに変位可能に構成してもよい。
手段A−22.前記特定領域に入球した全ての遊技球を前記特別領域よりも上流側において検知する前検知手段と、
前記前検知手段の検知情報を蓄積記憶する入球数蓄積記憶手段と、
前記特別領域に遊技球が到達したことを検知する到達検知手段と、
前記到達検知手段の検知情報を蓄積記憶する到達数蓄積記憶手段と、
前記入球数蓄積記憶手段、及び、前記到達数蓄積記憶手段に蓄積記憶された情報に基づいて、前記特定領域に入球した遊技球の前記特別領域への到達割合が予め設定された数値の範囲内であるか否かを判定する適正値判定手段とを備えていることを特徴とする手段A−9乃至A−21のいずれかに記載の遊技機。
手段A−22によれば、特定領域への遊技球の入球が適正に行われているか否かを判定することができ、行われていないと判定されるような場合に、不正や故障等のチェックを行うことができる。
B.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
ところで、遊技機としては、常に新たな構成を取り入れる等して、新たな興趣の向上が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段B−1.特定期間に対応して、特定条件を達成させることで遊技者にとって有利な特典が付与され、
前記特定期間において、前記特定条件を達成させ得る第1状態と、前記特定条件を達成させ得ない第2状態とが設けられ、
前記特定期間において前記第1状態とされるタイミングが複数パターン設けられていることを特徴とする遊技機。
手段B−1によれば、特定条件を達成させ得る第1状態とされるタイミングが一様ではない。このため、特定条件が達成された毎に演出を行う等して演出機会の増加を図るとともに、マンネリ化を抑制しつつ特定期間における遊技性を飛躍的に高めることができ、結果として、興趣の向上等を図ることができる。
手段B−2.前記特定期間において前記特定条件を規定複数回以上達成させることで前記特典が付与されることを特徴とする手段B−1に記載の遊技機。
手段B−2によれば、より多彩な演出を導出させることができる。
手段B−3.前記特定条件が達成されたことを教示する達成教示手段を備え、
前記達成教示手段による教示が行われる対象とされる前記特定条件を決定する手段を備えていることを特徴とする手段B−2に記載の遊技機。
手段B−3によれば、達成教示手段の教示で特定条件の達成を把握可能であるが、教示される場合と教示されない場合とがあり、これにより、遊技性の多様化、マンネリ化の抑制等を図ることができる。
手段B−4.前記特定期間において前記第1状態とされる機会が複数回設けられていることを特徴とする手段B−1乃至B−3のいずれかに記載の遊技機。
手段B−4によれば、より多彩な演出を導出させることができる。尚、手段B−2に対応して、「1回の前記第1状態とされる期間だけでは、前記特定期間において前記特定条件を前記規定複数回以上達成させることが困難、又は、不可能に構成されていること」としてもよい。例えば、パチンコ機において特定領域の特別領域に遊技球を規定回数入球させることで特定条件が達成され、特定領域が開閉されることで第1状態と第2状態とに状態変化する構成において、特定領域に遊技球を規定回数入球させた場合、或いは、遊技領域に遊技球を規定回数より1つ少ない回数(1つ多い回数でもよいし、2つ少ない回数でもよい)を入球させた場合に特定領域が閉状態とされるような構成としてもよい。
手段B−5.前記第1状態とされることを教示する有効教示手段を備え、
前記有効教示手段による教示が行われる対象とされる前記第1状態を決定する手段を備えていることを特徴とする手段B−4に記載の遊技機。
手段B−5によれば、有効教示手段の教示で第1状態の発生を把握可能であるが、教示される場合と教示されない場合とがあり、これにより、遊技性の多様化、マンネリ化の抑制等を図ることができる。
手段B−6.前記特定期間において前記第1状態とされる回数が複数パターン設けられていることを特徴とする手段B−1乃至B−5のいずれかに記載の遊技機。
手段B−6によれば、より一層の遊技性や演出性の多様化を図ることができる。尚、第1状態とされる期間が長い方が遊技者にとって有利である。
手段B−7.前記特典が付与されるまでに前記特定期間において前記特定条件を達成させる回数は複数パターン設けられていることを特徴とする手段B−1乃至B−6のいずれかに記載の遊技機。
手段B−7によれば、より一層の遊技性や演出性の多様化を図ることができる。
手段B−8.特定期間に対応して、特定条件を規定複数回以上達成させることで遊技者にとって有利な特典が付与され、前記特定期間に対応して前記特定条件の達成回数が前記規定複数回未満の場合には前記特典は付与されない構成であって、
前記特定期間において、前記特定条件を達成させ得る第1状態と、前記特定条件を達成させ得ない第2状態とが設けられ、
前記特定期間において前記第1状態とされるタイミングが複数パターン設けられていることを特徴とする遊技機。
手段B−8によれば、上記手段B−1、及び、手段B−2と同様の作用効果が奏される。すなわち、特典を得るためには特定期間において特定条件を規定複数回達成する必要があり、さらには、特定条件を達成させ得る第1状態とされるタイミングも一様ではない。このため、特定条件が達成された毎に演出を行う等して演出機会の増加を図るとともに、マンネリ化を抑制しつつ特定期間における遊技性を飛躍的に高めることができ、結果として、興趣の向上等を図ることができる。尚、本手段の構成に上記手段B−3乃至手段B−7の構成を適宜組み合わせることが可能である。
手段B−9.前記特定期間には、第1条件を達成し得る第1期間と、第2条件を達成し得る第2期間とが設けられ、
前記第2条件は、前記第1条件を達成することにより前記第1条件を達成してから所定期間以内に達成可能に構成され、
前記特定期間において前記第1期間、及び、前記第2期間が複数回設けられ、
前記第1期間に対する前記第2期間の相対的なタイミングが複数パターン設けられていることを特徴とする手段B−8に記載の遊技機。
手段B−9によれば、第1期間と、第2期間とが上手く重なる等することで第1状態とされることとなる。従って、基本的には、第1期間を狙って第1条件を達成させつつ、第2条件の達成に期待するという、遊技者の動作としては比較的分かり易いが、単純でもない遊技性を付加することができる。結果として、取っ付き難い遊技性を回避しつつ、すぐに飽きられてしまうことを防止することができる。
また、第1期間とは別に第2期間が設けられることで、第1期間として好適な長さと、第2期間として好適な長さとをそれぞれ設定することができ、例えば、第1期間の全体を第2期間としたのでは長過ぎてしまうといった事態を回避することができる。さらに、第1期間に対する第2期間の相対的な導出タイミングや長さのパターンが複数設けられること等によって遊技性の多様化等を図ることができ、マンネリ化等を抑制することができる。
尚、「前記特定期間において、前記第1条件を達成可能、かつ、前記第2条件を達成不可能な状態と、前記第1条件を達成不可能、かつ、前記第2条件を達成可能な状態と、前記第1条件、及び、前記第2条件を達成可能な状態と、前記第1条件、及び、前記第2条件を達成不可能な状態とが設けられること」としてもよい。また、第1状態としては、第1条件及び第2条件を達成可能な状態だけでなく、第1条件を達成可能、かつ、第2条件を達成不可能な状態から、第1条件を達成不可能、かつ、第2条件を達成可能な状態(或いは、第1条件及び第2条件を達成可能な状態)に切り替わる際も第1状態に含まれる。
手段B−10.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が進入可能な開状態と、遊技球の進入が不可能な閉状態とに状態変化可能な特定領域と、
前記特定領域を移動する遊技球が到達可能な特別領域と、
少なくとも前記特定領域の一部を含む範囲において変位可能に構成されるとともに、前記特定領域を移動する遊技球の前記特別領域への到達を許容する許容状態と、前記特定領域を移動する遊技球の前記特別領域への到達を規制する規制状態とに状態変化可能な切替手段とを備え、
前記特定期間では前記特定領域が複数回前記開状態とされ、
前記特別領域に対し遊技球を到達させることで前記特定条件が達成され、
前記特別領域に対し遊技球を前記規定複数回到達させることで前記特典が付与される構成であって、
前記特定領域が前記開状態とされてから前記閉状態とされるまでの開放期間に対する前記切替手段が前記許容状態とされる許容期間の相対的なタイミングが複数パターン設けられていることを特徴とする手段B−8に記載の遊技機。
手段B−10によれば、基本的に上記手段B−9と同様の作用効果が奏される。つまり、特定期間において遊技球を特別領域に複数回到達させることで特典が得られる構成であるが、特定領域には切替手段が設けられており、しかも、特定領域が開状態とされている開放期間と、切替手段が許容状態とされる許容期間とのタイミングが一様ではない。このため、遊技球を特定領域に入球させた後は、該遊技球が特別領域に到達することを願うといった遊技を、少なくとも規定複数回繰り返すこととなり、従来、基本的に、遊技球を一定の強さで発射させ続けるだけであった特定期間において、未だに付与されるか否かの結果が決められていない特典をかけた一様ではない遊技を付加することができる。結果として、特定期間における遊技意欲を向上させることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、切替手段を備えることで、特定領域の構成を比較的簡単なものとした場合においても、開放期間として好適な長さと、許容期間として好適な長さとをそれぞれ設定することができ、例えば、開放期間の全体を許容期間としたのでは長過ぎてしまうといった事態を回避することができる。さらに、許容期間の導出タイミングや長さのパターンを複数設けること等によって遊技性の多様化等を図ることができ、マンネリ化等を抑制することができる。加えて、特別領域に遊技球が入球する筈のない期間を規制状態とする等して、防犯性の向上等を図ることができる。
さらに、特定期間において特定領域が複数回開状態とされる構成の場合、特定領域が開状態とされる期間だけを狙って遊技球を発射させるという技術を有する遊技者と、かかる技術を有していない、或いは、実行しない遊技者との間で、遊技進行上の有利不利の差が生じてしまうことが懸念される。この点、本手段では、許容期間が一様ではない上、許容期間に合わせて特定領域を狙って遊技球を発射していないと大きく不利になる可能性が高いことから、前記技術が使い難く、遊技者間の有利不利の差を極力なくすことができる。従って、どの遊技者も遊技をわだかまりなく楽しむことができる。
尚、手段B−9に対応しては、特定領域に遊技球を入球させることが第1条件の達成であり、特定領域が開状態とされている期間、すなわち、開放期間が第1期間であり、特別領域に遊技球を到達させることが第2条件の達成であり、遊技球を特別領域に到達させることのできる状態、すなわち、許容期間が第2期間である。
手段B−11.前記許容期間であることの教示、及び、前記許容期間が開始されることの示唆のうち少なくとも一方を行う報知手段を備えていることを特徴とする手段B−10に記載の遊技機。
手段B−11によれば、報知手段を備えることで、切替手段を備える構成においても、どのタイミングで特別領域に遊技球を到達させるチャンスがあるのかを遊技者が把握することができる。つまり、遊技者としては、先ず、特定領域に遊技球を入球させる必要があるため、特定領域の入口に注目しており、切替手段にはそれ程注意を払えないことが考えられる。それ以前に、特定領域が開状態とされたことに比べ、遊技領域をさらに狭めた特定領域において特別領域に遊技球が到達したか否かが比較的分かり難くなっている(視認し難い)おそれがある。この点、報知手段によって許容期間を遊技者に分かり易く伝えることが可能であり、特定領域への遊技球の入球を狙う特定期間の遊技をスムースに進行させつつ、許容期間を把握或いは想定して、特典の付与に関する遊技性をより確実に楽しむことができる。
尚、「切替手段」は、特定領域に入球して特別領域に到達しなかった遊技球が入球し、特定領域の外部に排出される特定排出部を開閉可能に設けられ、切替手段が許容状態とされることで、特定排出部が閉塞される一方で、特定領域に入球した遊技球が特別領域に到達可能となるような構成としてもよいし、切替手段が特別領域を開閉可能に設けられ、切替手段が許容状態とされることで、特別領域(に通じる通路)が開放され、特定領域に入球した遊技球が特別領域に到達可能となるような構成としてもよい。
手段B−12.前記到達検知手段の検知に基づいて前記特定期間における遊技球の前記特別領域への到達回数をカウントする到達カウント手段を備え、
前記到達カウント手段のカウントに基づいて前記特典の付与が決定され、
前記特定期間は、前記特定領域が前記開状態とされてから規定時間の経過、又は、前記特定領域への遊技球の規定数以上の入球に基づいて終了するラウンド期間が複数回行われることで構成され、
1回の前記ラウンド期間における前記到達カウント手段のカウントの上限として、前記特典が付与されることとなる前記特別領域に対して遊技球を到達させる回数である前記規定複数回よりも小さい数が設定されることを特徴とする手段B−10又はB−11に記載の遊技機。
手段B−12によれば、1ラウンドあたりの到達カウント手段のカウントの上限を設けることで、遊技球を特別領域に入球させるといった遊技を確実に複数ラウンドにわたって楽しむことができる。
手段B−13.前記到達検知手段の検知に基づいて前記特定期間における遊技球の前記特別領域への到達回数をカウントする到達カウント手段を備え、
前記到達カウント手段のカウントに基づいて前記特典の付与が決定され、
前記特定期間は、前記特定領域が前記開状態とされてから規定時間の経過、又は、前記特定領域への遊技球の規定数以上の入球に基づいて終了するラウンド期間が複数回行われることで構成され、
1回の前記ラウンド期間において、前記到達カウント手段の複数回のカウントが可能に構成されていることを特徴とする手段B−10乃至B−12のいずれかに記載の遊技機。
手段B−13によれば、1ラウンド中の複数の遊技球の特別領域への遊技球の入球が認められる(カウントされる)構成とすることで、(例えば、特別領域へ遊技球を到達させる機会が残り1回の段階で、規定複数回まで2回足りない状態でも)最後まで希望を持って特別領域への入球を狙って遊技を行うことができる。
手段B−14.前記許容期間のうち、前記特定領域に遊技球が存在し得る期間に対応しては前記許容期間であることの教示が行われる場合があり、前記特定領域に遊技球が存在し得ない期間に対応しては前記許容期間であることの教示が行われないことを特徴とする手段B−10乃至B−13のいずれかに記載の遊技機。
許容期間の教示が行われても、それが特定領域に遊技球を入球させることができないような状態であっては、遊技者はどうすることもできず、興趣の低下を招くおそれがある。このため、手段B−14によれば、遊技球を特別領域に到達させる可能性が見込まれる状況のみ許容期間の教示を行うことで、かかるおそれを回避することができる。
手段B−15.前記特定領域に入球し、前記特別領域に到達した遊技球は前記特定領域から排出され、
前記特定領域に入球し、前記特別領域に到達しない遊技球が入球して前記特定領域から排出される特定排出部を備え、
前記特別領域と、前記特定排出部とが前後に並ぶようにして配置されることを特徴とする手段B−10乃至B−14のいずれかに記載の遊技機。
手段B−15によれば、特定領域に入球した遊技球が特別領域に到達したか否かを分かり難くすることができ、その点に関して、別の演出手段により(特別領域に遊技球が到達したか否か、或いは、特別領域に遊技球が規定複数回だけ到達していたか否か等)演出を行うことができ、演出性の向上等を図ることができる。
手段B−16.前記開放期間には、遊技球を前記特定領域に入球させた場合に、当該遊技球が前記特別領域に到達する可能性のある第1開放期間と、遊技球を前記特定領域に入球させても、当該遊技球が前記特別領域に到達する可能性のない第2開放期間とが設けられ、
前記特定期間において前記第1開放期間と、前記第2開放期間とが設けられる場合には、前記第1開放期間と、前記第2開放期間との間に、前記特定領域が前記閉状態とされる閉鎖期間が介在することを特徴とする手段B−10乃至B−15のいずれかに記載の遊技機。
手段B−16によれば、第1開放期間と第2開放期間とが区別されることで、特定期間における遊技のメリハリをつけることができる。さらに、第1開放期間と、第2開放期間との間に閉鎖期間が介在することで、第1開放期間の区別がし易くなり、遊技者が集中すべきポイント、或いは、盛り上がるポイントを把握して、遊技をより積極的に堪能することができる。
尚、「前記第1開放期間には、当該第1開放期間に遊技球を前記特定領域に入球させた場合に、当該遊技球が必ず前記特別領域に到達する特別第1開放期間が設けられていること」としてもよい。この場合、特定領域に遊技球を入球させたら必ず特別領域に到達させられるという分かり易い第1開放期間を設けることによって、遊技意欲の向上等を図ることができる。
手段B−17.前記特定期間において、前記第1開放期間、及び、前記第2開放期間が設けられるとともに、前記第1開放期間は複数回設けられ、
前記第2開放期間に対応して、前記報知手段による教示又は示唆に類似した態様を導出可能なフェイク導出手段を備えていることを特徴とする手段B−16に記載の遊技機。
手段B−17によれば、特定期間の多様化を図り、ひいては、特定期間の遊技性の多様化を図ることができる。
手段B−18.前記特別領域に遊技球が到達したことを検知する到達検知手段と、
前記到達検知手段の検知に基づいて前記特定期間における遊技球の前記特別領域への到達回数をカウントする到達カウント手段と、
前記到達カウント手段のカウントに基づいて前記特定期間における前記規定複数回の残り回数を示す残情報を教示可能な残情報教示手段と、
前記特定期間における残りの前記第1開放期間の回数を教示、又は、示唆可能な残り開放回数報知手段とを備えていることを特徴とする手段B−16又はB−17に記載の遊技機。
手段B−18によれば、特典の付与となるまでに必要な特別領域への遊技球の到達回数と、残りの第1開放期間の回数とを比べて現状を把握し易くなり、かかる情報に基づいて遊技に興味を抱いてもらうことができる。また、「前記残り開放回数報知手段は、前記特定期間における残りの前記第1開放期間の回数が残っている場合に、残っていないとして示唆する場合があること」としてもよい。この場合、残っていないと思われた第1開放期間が残っていたというサプライズ演出を堪能してもらうことができる上、該サプライズ演出の可能性があることにより、実際には該演出が導出されない場合にも、最後まで該演出が導出される希望を持って遊技を行うことができる。
手段B−19.前記特定期間は、前記特定領域が前記開状態とされてから規定時間の経過、又は、前記特定領域への遊技球の規定数以上の入球に基づいて終了するラウンド期間が複数回行われることで構成され、
前記ラウンド期間は、前記開放期間が前記第2開放期間のみで構成される通常ラウンド期間と、前記開放期間に前記第1開放期間が含まれる好機ラウンド期間とがあり、
前記好機ラウンド期間の開始直後は前記第1開放期間であることを特徴とする手段B−16乃至B−18のいずれかに記載の遊技機。
手段B−19によれば、好機ラウンド期間が開始されると先ず第1開放期間が導出されることになるため、例えば、ラウンド期間とラウンド期間との間の特定領域が閉状態とされる閉鎖期間において遊技球の発射を控えるという行為をした場合に、第1開放期間において遊技球を特定領域に入球させる機会を減らす可能性がある。このため、閉鎖期間において遊技球の発射を控えて、遊技球の低減を抑制するといった遊技の技術を駆使する遊技者と、そうではない遊技者との間の差を抑制することができ、どの遊技者でも遊技を極力同じような条件で堪能することができる。
手段B−20.前記ラウンド期間において前記特定領域に対して前記規定数の遊技球が入球した場合に前記切替手段が前記許容状態とされることを特徴とする手段B−19に記載の遊技機。
手段B−20によれば、遊技球を規定数入球させることで閉状態とされる特定領域に対して規定数を超える数の遊技球を入球させた場合に、該遊技球が特別領域に到達するようになる。このため、各開放期間において、規定数よりも多い数の遊技球を特定領域に入球させること(規定数個目の遊技球と、それを超える数の遊技球とがほぼ同時に特定領域に入球すること)を狙って遊技を行うといった遊技性を追加することができる。
手段B−21.前記特定期間に対応して、前記特別領域に対し前記規定複数回を超える遊技球の到達が行われた場合に、専用の演出が導出可能に構成されていることを特徴とする手段B−10乃至B−20のいずれかに記載の遊技機。
手段B−21によれば、特別領域に遊技球が規定複数回を超えて到達した場合の特典として専用の演出を導出することができる。従って、特別領域に遊技球が規定複数回を超えて到達したことが全くの無駄であるという印象になることを抑制することができる。尚、「所定の操作により所定の(前記特定期間を発生させるか否かの)抽選の当選確率を複数段階で設定可能な構成において、前記専用の演出として、前記当選確率の設定を示唆、又は、教示する演出を導出可能に構成されていること」としてもよく、この場合には、上記した手段B−18の作用効果がより顕著に奏される。
C.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
ところで、遊技機としては、常に新たな構成を取り入れる等して、新たな興趣の向上が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段C−1.特定条件を達成可能な条件達成手段を複数備え、
前記条件達成手段は、第1特定条件を達成可能な第1条件達成手段と、第2特定条件を達成可能な第2条件達成手段とを備え、
前記第1特定条件、及び、前記第2特定条件のうち少なくとも一方を含む予め定められた複数の前記特定条件を達成させることで(到達させない場合に比べて)遊技者にとって有利な特典が付与されることを特徴とする遊技機。
手段C−1によれば、特典付与までの階段を1段ずつ上がっていく(特典の付与に次第に近付いていく)という遊技性を付与することができ、より感情移入して遊技を堪能してもらうことができる。従って、遊技者が高揚感を得られる時間帯、及び、演出を行える機会を増やすとともに、遊技性の向上を図ることができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。尚、本手段は、条件達成手段が、第1条件達成手段及び第2条件達成手段のみであり、第1条件及び第2条件を達成させることで特典が付与される構成を含む趣旨である。
手段C−2.前記特典が付与されるまでに達成させる必要のある前記複数の特定条件の組合せは複数パターン設けられていることを特徴とする手段C−1に記載の遊技機。
手段C−2によれば、より一層の遊技性や演出性の多様化を図ることができる。
手段C−3.前記特典の付与のために前記特定条件を達成させる対象となる前記条件達成手段を教示する対象教示手段を備えていることを特徴とする手段C−1又はC−2に記載の遊技機。
手段C−3によれば、どの条件達成手段の特定条件を達成させればよいのか認識できないといった事態を防止することができる。
手段C−4.前記予め定められた複数の特定条件を指定の順番で達成させることで前記特典が付与されることを特徴とする手段C−1乃至C−3のいずれかに記載の遊技機。
手段C−4によれば、遊技者が集中したり盛り上がったりすることのできる機会を増やすことができる。尚、「前記特典が付与されるまでに達成させる必要のある前記複数の特定条件の達成の順番が複数パターン設けられていること」としてもよい。この場合、より一層の遊技性や演出性の多様化を図ることができる。
手段C−5.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が進入可能な特定領域とを備える遊技機において、
前記特定領域を移動する遊技球が到達する場合と、到達しない場合とがある位置に設けられた複数の特別領域を備え、
前記複数の特別領域として少なくとも第1特別領域、及び、第2特別領域を備え、
前記特定領域を移動する遊技球は、前記第1特別領域に到達せずに前記第2特別領域に到達する場合と、前記第2特別領域に到達せずに前記第1特別領域に到達する場合とがあり、
前記遊技機の前方から前記特定領域を移動する遊技球が視認可能に構成され、
遊技球を前記第1特別領域、及び、前記第2特別領域を含む予め定められた複数の前記特別領域に到達させることで遊技者にとって有利な特典が付与されることを特徴とする遊技機。
手段C−5によれば、予め定められた複数の特別領域に遊技球を到達させていくことで、特典の付与に次第に近付いていくという遊技性を付与することができ、より感情移入して遊技を堪能してもらうことができる。従って、遊技者が高揚感を得られる時間帯、及び、演出を行える機会を増やすとともに、遊技性の向上を図ることができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。尚、「遊技球を第1特別領域に到達させることが第1条件の達成に相当し、遊技球を第2特別領域に到達させることが第2条件の達成に相当する。また、本手段の構成に上記手段C−1乃至手段C−4の構成を適宜組み合わせることが可能である。
手段C−6.遊技球が前記第1特別領域、及び、前記第2特別領域の一方に到達してから他方に到達する場合があり、前記特定領域に入球した1つの遊技球が前記特定領域から排出されるまでの間に、前記予め定められた複数の特別領域に到達し、前記特典が付与可能に構成されていることを特徴とする手段C−5に記載の遊技機。
手段C−6によれば、複数の特別領域に到達していく遊技球の挙動により興味を抱いてもらうことができる上、特定領域に遊技球を1つでも入球させれば、特典付与の可能性があることから、特定領域に入球した遊技球(遊技球が特定領域に入球すること)に対して常に期待を持つことができる。
手段C−7.前記特定領域は、前記遊技領域を移動する遊技球が進入可能な開状態と、遊技球の進入が不可能な閉状態とに状態変化可能に構成され、
前記特定領域が複数回だけ前記開状態とされる特定期間に対応して、前記予め定められた複数の特別領域に遊技球を到達させた場合に、遊技者にとって有利な特典(確変モード、時間短縮モード等)が付与されることを特徴とする手段C−5又はC−6に記載の遊技機。
手段C−7によれば、特定領域が開状態とされる特定期間において、特典が付与されるか否かをかけて、予め定められた複数の特定領域に遊技球を到達させるミッションを行うといった遊技性を付与することができる。従って、特定期間における興趣の向上を図ることができる。
尚、「特典」としては、「前記特定期間の終了後に第1状態よりも遊技者にとって有利な第2状態(所定の抽選の当選確率がアップした状態等)が付与されること」等が挙げられる。この場合、前記特定期間に対応して、前記予め定められた複数の特別領域に遊技球を到達させられなかった場合には、前記特定期間の終了後に前記第1状態が付与されることとなる。
また、「前記特典は複数種類存在し、前記特定期間に遊技球を到達させた前記特別領域の組合わせに応じて付与される前記特典が決定される(異なる前記特典を付与可能に構成されている)こと」としてもよい。この場合、特定期間の遊技性をより一層向上させることができる。
手段C−8.前記各特別領域に遊技球が到達したことを検知する複数の到達検知手段と、
前記複数の到達検知手段の各検知情報を記憶する到達情報記憶手段と、
前記特定領域に存在する遊技球の数を把握可能な残存球把握手段とを備え、
前記特定領域に遊技球が存在しなくなった場合に前記到達情報記憶手段の記憶情報が消去されることを特徴とする手段C−7に記載の遊技機。
手段C−8によれば、例えば、特定領域に複数の遊技球が立て続けに入球した場合には、前記遊技球のいずれかが特定領域から排出されたとしても、別の遊技球が特定領域に存在する限り、到達情報記憶手段の記憶情報は消去されない。つまり、例えば、特別領域としての第1特別領域、及び、第2特別領域の両方に遊技球を到達(経由、通過)させることで特典が付与される構成において、特定領域にほぼ同時に入球した2つの遊技球のうち、先行する遊技球が第1特別領域に到達したが、第2特別領域に到達しなかった場合であっても、後続の遊技球が第2特別領域に到達した場合には、特典が付与される。このため、特定領域に複数の遊技球が入球した状態とすることで、特典の付与の期待度を大幅に高める(特典付与の高確率状態とする)ことができ、また、その状態の遊技球の挙動により興味を抱かせることができる。従って、遊技により多くの抑揚を付ける等、遊技性の向上等を図ることができる。さらには、遊技者が自力で特典付与の高確率状態を引き延ばすことができ(全ての遊技球が特定領域から排出される前に遊技球を特定領域に入球させ続ければよい)、遊技性の多様化、遊技に際しての抑揚の増加等を図ることができる。
また、特定領域に遊技球が存在しない状態となることで、到達情報記憶手段の記憶情報が消去されることから、その時点での特典を付与しないことを確定させることができる。従って、防犯性の向上、遊技性の分かり易さの向上等を図ることができる。
尚、特定領域を閉状態とした場合に特定領域に遊技球が存在している状態であっても、特定領域を開状態とすることができるように構成してもよいし、特定領域を閉状態とした場合に特定領域に遊技球が存在している間は、特定領域を開状態としないように構成してもよい。
手段C−9.前記各特別領域に遊技球が到達したことを検知する複数の到達検知手段と、
前記複数の到達検知手段の各検知情報を記憶する到達情報記憶手段とを備え、
前記特定期間において前記特別領域への遊技球の到達の可能性がなくなった以降に前記到達情報記憶手段の記憶情報が消去されるように構成されていることを特徴とする手段C−7に記載の遊技機。
手段C−9によれば、特定領域が1回開状態とされた際に予め定められた複数の特別領域に遊技球を到達させなくても、特定期間が終了するまで(特別領域への遊技球の到達可能性がなくなるまで)に、予め定められた複数の特別領域に遊技球を到達させることができれば、特典が付与される。従って、演出機会の増加が見込める上、遊技性の向上等を図ることができる。
手段C−10.前記特定領域を移動する遊技球が入球可能に構成され、前記複数の特別領域よりも下流側に配置された契機入球手段と、
前記契機入球手段に入球した遊技球を検知する契機検知手段と、
前記契機検知手段の検知に基づいて特別特典(大当たり状態)を付与する付与手段と、
前記各特別領域に遊技球が到達したことを検知する複数の到達検知手段と、
前記複数の到達検知手段の各検知情報を記憶する到達情報記憶手段とを備え、
前記特別特典は複数種類設けられ、
前記特典としては遊技者にとって有利な種別の前記特別特典が選択される構成であって、
前記契機検知手段の検知が行われ、前記特別特典の付与が決定された場合に、前記到達情報記憶手段の記憶情報に基づいて、前記特別特典の種別が決定されることを特徴とする手段C−5又はC−6に記載の遊技機。
手段C−10によれば、契機入球手段に遊技球が入球した場合に付与される特別特典のうち、遊技者にとってより有利な種別を選択させる権利をかけて、予め定められた複数の特別領域に遊技球を到達させるミッションを行うといった遊技性を付与することができる。さらに、予め定められた複数の特別領域に遊技球を到達させるだけでは、実質的に特典を得ることはできず、遊技球を契機入球手段に入球させる必要があることから、予め定められた複数の特別領域に遊技球を到達させた後の遊技球の挙動に非常に強い興味を抱かせることができる。従って、遊技により大きな抑揚を付加することができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。
尚、「前記特定領域は、前記遊技領域を移動する遊技球が進入可能な開状態と、遊技球の進入が不可能な閉状態とに状態変化可能に構成され、前記特定領域は、前記特定領域を前記開状態とするか否かの開放抽選にて当選した場合に前記開状態とされ、前記特定領域に遊技球が存在する場合には前記開放抽選が行われない構成であり、前記特定領域に入球した全ての遊技球を前記特別領域の上流側において検知する前検知手段の検知が行われてから第1規定時間を経過しても前記残存球把握手段に基づいて遊技球が存在すると判別される場合にエラー状態を発生させる構成であって、前記契機検知手段の検知が行われてから前記特別特典が付与されるまでの第2規定時間が経過するまでの間に、前記第1規定時間が経過するように設定されていること」としてもよい。この場合、不正に契機検知手段の検知を行わせたかもしれない状況において、特別特典の付与をより確実に防止することができる。
手段C−11.前記特定領域に存在する遊技球の数を把握可能な残存球把握手段を備え、
前記特定領域に遊技球が存在しなくなった場合に前記到達情報記憶手段の記憶情報が消去されることを特徴とする手段C−10に記載の遊技機。
手段C−11によれば、例えば、特定領域に複数の遊技球が立て続けに入球した場合には、前記遊技球のいずれかが特定領域から排出されたとしても、別の遊技球が特定領域に存在する限り、到達情報記憶手段の記憶情報は消去されない。つまり、例えば、特別領域としての第1特別領域、及び、第2特別領域の両方に遊技球を到達(経由、通過)させることで特典が付与される構成において、特定領域にほぼ同時に入球した2つの遊技球のうち、先行する遊技球が第1特別領域に到達したが、第2特別領域に到達しなかった場合であっても、後続の遊技球が第2特別領域に到達した場合には、特典が付与される。このため、特定領域に複数の遊技球が入球した状態とすることで、特典の付与の期待度を大幅に高める(特典付与の高確率状態とする)ことができ、また、その状態の遊技球の挙動により興味を抱かせることができる。従って、遊技により多くの抑揚を付ける等、遊技性の向上等を図ることができる。さらには、遊技者が自力で特典付与の高確率状態を引き延ばすことができ(全ての遊技球が特定領域から排出される前に遊技球を特定領域に入球させ続ければよい)、遊技性の多様化、遊技に際しての抑揚の増加等を図ることができる。
また、特定領域に遊技球が存在しない状態となることで、到達情報記憶手段の記憶情報が消去されることから、その時点で特典を付与しないことを確定させることができる。従って、防犯性の向上、遊技性の分かり易さの向上等を図ることができる。
手段C−12.前記特定領域の入口に対応して、遊技球が通過可能に構成された始動入球手段と、
前記始動入球手段を通過した遊技球を検知する始動入球検知手段と、
前記始動入球検知手段の検知に基づいて、遊技者にとって有利な特別特典を付与するか否かの当否抽選を行い、当該当否抽選に当選した場合に前記特別特典を付与する付与手段と、
前記各特別領域に遊技球が到達したことを検知する複数の到達検知手段と、
前記複数の到達検知手段の各検知情報を記憶する到達情報記憶手段とを備え、
前記特別特典は複数種類設けられ、前記特典としては、前記特別特典の付与が決定された場合に遊技者にとって有利な種別の前記特別特典が選択される構成であって、
前記付与手段は、前記当否抽選で当選した場合に前記到達情報記憶手段の記憶情報に基づいて前記特別特典の種別を決定することを特徴とする手段C−5又はC−6に記載の遊技機。
手段C−12によれば、当否抽選に当選した場合に付与される特別特典のうち、遊技者にとってより有利な種別の特別特典を発生させる権利をかけて、予め定められた複数の特別領域に遊技球を到達させるミッションを行うといった遊技性を付与することができる。さらに、予め定められた複数の特別領域に遊技球を到達させるだけでは、実質的に特典を得ることはできず、当否抽選に当選する必要があることから、当否抽選の結果、及び、遊技球が特別領域に到達するか否かの両方に非常に強い興味を抱かせることができる。従って、遊技により大きな抑揚を付加することができ、結果として、興趣の向上を図ることができる。
手段C−13.所定の遊技球が前記始動入球検知手段に検知されることに基づいて行われた前記当否抽選の結果を教示するための結果教示演出を実行する演出手段を備え、
前記結果教示演出の終了のタイミングは、前記所定の遊技球が前記特定領域から排出されるタイミングよりも後になるように設定されていることを特徴とする手段C−12に記載の遊技機。
手段C−13によれば、特定領域における遊技球の挙動を視認して特典付与の権利が得られているか否かを確認した後に、結果教示演出の教示を待つという遊技性を付与することができ、特典付与が得られている状態における結果教示演出についてより強い関心を持ってもらうことができる。また、特典の付与が確定した状態であっても、当否抽選で当選し、特別特典が付与されなければ、特典の付与の意味がないことから、先に結果教示演出で否当選が教示された後に特典の付与が確定するといった状況の発生を抑止することができる。
手段C−14.前記結果教示演出に対応する処理が終了した場合に前記到達情報記憶手段の記憶情報が消去されることを特徴とする手段C−12又はC−13に記載の遊技機。
手段C−14によれば、結果教示演出に対応する処理が終了する毎に、到達情報記憶手段の記憶情報が消去されることから、各当否抽選に対応して特典を付与するか否かを確定させることができる。従って、防犯性の向上、遊技性の分かり易さの向上等を図ることができる。
また、例えば、結果教示演出が終了しない限り、到達情報記憶手段の記憶情報は消去されない。つまり、例えば、特別領域としての第1特別領域、及び、第2特別領域の両方に遊技球を到達(経由、通過)させることで特典が付与される構成において、特定領域にほぼ同時に入球した2つの遊技球のうち、先行する遊技球が第1特別領域に到達したが、第2特別領域に到達しなかった場合であっても、後続の遊技球が第2特別領域に到達した場合には、特典が付与される。このため、特定領域に複数の遊技球が入球した状態とすることで、特典の付与の期待度を大幅に高める(特典付与の高確率状態とする)ことができ、また、その状態の遊技球の挙動により興味を抱かせることができる。従って、遊技により多くの抑揚を付ける等、遊技性の向上等を図ることができる。さらには、遊技者が自力で特典付与の高確率状態を引き延ばすことができ(結果教示演出の終了前に遊技球を特定領域に入球させ続ければよい)、遊技性の多様化、遊技に際しての抑揚の増加等を図ることができる。
手段C−15.前記到達情報記憶手段の記憶情報に基づいて、前記予め定められた複数の特別領域のそれぞれに対応して遊技球が到達したことを示す到達教示手段を備えていることを特徴とする手段C−8乃至C−14のいずれかに記載の遊技機。
手段C−15によれば、予め定められた複数の特別領域のうち、どの特別領域に遊技球が既に到達した状態であるのか、及び、残りどの特別領域に遊技球を到達させればよい状態であるのかをより明確に把握することができる。
手段C−16.前記特定領域に入球した全ての遊技球を前記特別領域よりも上流側において検知する前検知手段と、
前記各特別領域に遊技球が到達したことを検知する複数の到達検知手段と、
前記複数の到達検知手段の各検知情報を記憶する到達情報記憶手段と、
前記特定領域に存在する遊技球の数を把握可能な残存球把握手段とを備え、
前記前検知手段の検知に基づいて入球演出が行われ、
前記到達検知手段の検知に基づいて到達演出が行われ、
前記入球演出のパターンは、前記残存球把握手段、及び、前記到達情報記憶手段の記憶情報に応じて決定され、
前記到達演出のパターンは、前記到達情報記憶手段の記憶情報に応じて決定されることを特徴とする手段C−5乃至C−15のいずれかに記載の遊技機。
手段C−16によれば、特典の付与にどれほど近い状態かを認識し易くすることができ、また、特典の付与、及び、特別特典の付与への期待が高まるほど演出を派手にする等して、遊技を大いに盛り上げることができる。さらに、検知が行われた到達検知手段の数や組合せ等で異なる演出を導出することもでき、演出性の向上等を図ることができる。
手段C−17.前記複数の特別領域として、第1特別領域と、第2特別領域と、第3特別領域とを備え、
前記第1特別領域に到達した遊技球が、前記第2特別領域、及び、前記第3特別領域のうち一方に到達可能に構成され、
前記特定領域に入球した遊技球が前記第1特別領域、及び、前記第2特別領域に到達した場合に第1特典が付与され、前記特定領域に入球した遊技球が前記第1特別領域、及び、第3特定領域に到達した場合に、前記第1特典とは異なる第2特典が付与されることを特徴とする手段C−5乃至C−16のいずれかに記載の遊技機。
手段C−17によれば、特定領域に入球した遊技球がどのような経路をとるかによって、付与される特典が変わることとなる。このため、特定領域における遊技球の挙動により一層興味を持ってもらうことができ、興趣の向上等を図ることができる。
手段C−18.前記予め定められた複数の特別領域のうち少なくとも1つは、その他の前記特別領域に対して相対変位可能に構成されていることを特徴とする手段C−5乃至C−17のいずれかに記載の遊技機。
手段C−18によれば、予め定められた複数の特別領域に遊技球が到達するか否かの遊技球の挙動等をより一層面白味のあるモノとすることができる。
D.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
ところで、遊技機としては、常に新たな構成を取り入れる等して、新たな興趣の向上が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段D−1.前提条件と、特定条件とがあり、
前記前提条件を達成させた状態で前記特定条件を達成させた場合には、前記前提条件を達成せずに前記特定条件を達成させた場合に比べ遊技者にとって有利な特典が付与される、又は、付与され易いことを特徴とする遊技機。
手段D−1によれば、特定条件を達成した場合であっても、前提条件を達成させているか否かによって付与される特典が異なる。これによってより多様な遊技性を付加することができ、興趣の向上等を図ることができる。尚、特定条件を達成させた場合に、前提条件が達成されていなくても、前提条件が達成されている場合よりも恩恵の小さい特典が付与されるような構成でもよいし、特定条件を達成させた場合に、前提条件が達成されていなければ特典が一切付与されない構成であってもよい。
手段D−2.前記特典の付与のための前記前提条件を教示する前提教示手段を備えていることを特徴とする手段D−1に記載の遊技機。
手段D−2によれば、どのような前提条件を達成させればよいのかを認識し易くすることができる。尚、特定条件を達成させる機会が付与される場合に前提条件を達成させる機会が必ず付与される構成であってもよいし、付与される場合と付与されない場合とがあるように構成してもよい。また、前提条件を達成させる機会を発生させる契機の導出タイミングは1パターンであってもよいし、複数パターン設けられていてもよい。
手段D−3.前記前提条件が達成された状態であることを教示する前提達成教示手段を備えていることを特徴とする手段D−1又はD−2に記載の遊技機。
手段D−3によれば、特定条件を達成させることの価値が高まっている状態であることを認識し易くすることができ、かかる状態の高揚感を堪能してもらうことができる。
手段D−4.前記前提達成教示手段により前記前提条件が達成されたことが教示される場合と、教示されない場合とがあることを特徴とする手段D−3に記載の遊技機。
手段D−4によれば、あえて前提条件が達成されたか否かが分かり難い状態を発生させることで、より多様な遊技性を付加することができる。
手段D−5.前記前提達成教示手段により前記前提条件が達成されたことが教示される達成教示状態と、教示されない達成非教示状態とがあり、
指定期間における遊技者の指定操作に基づいて、前記達成教示状態への移行の機会が付与されることを特徴とする手段D−4に記載の遊技機。
手段D−5によれば、達成教示状態とされた方が遊技者にとって有利になることも考えられ、かかる状態への移行を遊技者の意思や行動の結果によって実行可能とすることで、遊技意欲の向上等を図ることができる。尚、指定操作としては、所定期間に操作を行うことで前記所定期間に対応する演出手段の挙動を導出させる演出操作手段の操作や、パチンコ機であれば、遊技領域に設けられた特定の入球部への入球等が挙げられる。
手段D−6.前記前提条件の達成が有効とされる前提有効期間と、前記特定条件の達成が有効とされる特定有効期間とが設けられ、
前記前提条件、及び、前記特定条件が達成されていない状態で前記前提有効期間、及び、前記特定有効期間が終了する場合があることを特徴とする手段D−1乃至D−4のいずれかに記載の遊技機。
手段D−6によれば、遊技にメリハリと抑揚を付加することができるとともに、必要以上に射幸性を煽ってしまうといった事態を回避することができる。尚、前提有効期間や特定有効期間は、時間で定められることとしてもよいし、所定の挙動の検知(所定の操作手段の規定回数の検知、特定の領域を通過した遊技球の規定回数の検知等)で定められることとしてもよい。
手段D−7.前記前提有効期間、及び、前記特定有効期間の残りの期間を教示可能に構成されていることを特徴とする手段D−6に記載の遊技機。
手段D−7によれば、遊技性を理解してもらって適正に遊技を実行してもらうことができる。尚、前記残り期間が教示される場合と、教示されない場合とがあることとしてもよい。
手段D−8.前記前提条件が達成された状態で前記特定条件が達成された場合に前記前提条件が達成された状態が解消される場合と、解消されない場合とがあることを特徴とする手段D−1乃至D−7のいずれかに記載の遊技機。
手段D−8によれば、特典が連続で付与され易い状態を設けることができ、遊技にメリハリと抑揚を付加することができる。
手段D−9.前記前提条件を達成して前記特定条件を達成した場合に付与される前記特典として第1の特典と、第2の特典とが設けられ、
前記第2特典は前記第1の特典よりも遊技者にとって有利な特典であることを特徴とする手段D−1乃至D−8のいずれかに記載の遊技機。
手段D−9によれば、遊技にメリハリと抑揚を付加することができる。
手段D−10.第1前提条件、及び、第2前提条件のどちらでも達成可能な機会が付与可能に構成され、
前記第2前提条件は前記第1前提条件を達成するよりも難しく、
前記第2前提条件が達成された場合には、前記第1前提条件が達成された場合に比べ、前記第2の特典が付与され易く構成されていることを特徴とする手段D−9に記載の遊技機。
手段D−10によれば、遊技にメリハリと抑揚を付加することができる。
手段D−11.前記前提条件の達成に近付いたこと、及び、前記前提条件が達成された後の前記特定条件の達成に近付いたことのうち少なくとも一方を把握する接近把握手段を備え、前記接近把握手段の把握に基づいて対応する演出が導出されることを特徴とする手段D−1乃至D−10のいずれかに記載の遊技機。
手段D−11によれば、状況に的確な演出で盛り上げることができ、演出性の比較的な向上を図ることができる。
E.遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、発射手段によって打ち出された遊技球が遊技盤に設けられた始動入球手段に入球すると、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、可変表示手段にて当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われるようになっている(例えば、特開2006−271480号公報参照)。
ところで、遊技機としては、常に新たな構成を取り入れる等して、新たな興趣の向上が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段E−1.特定条件を達成させることで抽選が行われ、前記抽選に当選することで遊技者にとって有利な特典が付与され、
前記抽選を行う抽選手段は、前記特定条件の達成に基づいて抽選領域を変位させられる変位手段を備え、
前記変位手段の前記抽選領域における停止態様、又は、前記抽選領域からの排出パターンに基づいて前記抽選の結果が決定されることを特徴とする遊技機。
手段E−1によれば、変位手段を変位させることで抽選が行われ、変位手段の停止態様、又は、抽選領域からの排出パターンによって、抽選の結果(当否)が決定される。このため、抽選が開始されてから確定に至るまでの経過を見守ることができ、変位手段の挙動の予測をして楽しむことができる。特に、例えば、乱数発生手段を用いて抽選を行い、既に決まっている抽選の結果を教示する演出を行うものに比べ、変位手段の変位の仕方から変位手段の挙動の展開をある程度絞ることができたり、変位手段の結果が出るタイミングをその少し前から把握したりする等、抽選の経過そのものを堪能してもらうことができる。結果として、興趣の向上を図ることができる。
手段E−2.第1契機に基づいてソフトウェアによる第1抽選が行われ、前記第1抽選で当選した場合に第2契機として前記特定条件が達成可能とされ、
前記第2契機に基づいて前記抽選としての第2抽選が実行され、前記第2抽選で当選した場合に前記特典が付与されることを特徴とする手段E−1に記載の遊技機。
手段E−2によれば、第1抽選をソフトウェアにすることで、抽選手段の構成の複雑化を回避しつつ、特典が付与される確率を適度なものとすることができる。また、第1段階の方をソフトウェアとすることで、抽選手段の負担を軽減し、劣化等を抑制することができる。
手段E−3.前記変位手段が前記抽選領域において変位している状態と、それ以外の状態とを判別可能な変位判別手段を備えていることを特徴とする手段E―1又はE−2に記載の遊技機。
手段E−3によれば、変位判別手段により変位手段が停止するまでを待つことができ、抽選手段による抽選をより堪能してもらうことができるとともに、例えば強制停止させる場合に比べて公正感を向上させることができる。また、変位手段を用いた抽選の結果を判断して教示するタイミングか否かを迅速に認識して次の処理に移行することができたり、変位手段の変位状態において遊技機の振動等の不正行為を監視する期間を好適に設定することができたりする。
手段E−4.前記抽選領域を初期状態にすることのできるリセット手段を備えていることを特徴とする手段E−1乃至E−3のいずれかに記載の遊技機。
手段E−4によれば、エラーが生じた場合や、遊技場の営業終了時のリセット作業等の利便性の向上を図ることができる。尚、初期状態とは、変位手段が抽選領域にない状態を初期状態とするのであれば変位手段を抽選領域から排出した状態であり、変位手段が抽選状態にある状態を初期状態とするのであれば、変位手段が規定位置で規定の姿勢をしているのが基準状態であり、変位手段の前後、左右、上下の表面が予め定められた方向に向いているのが初期状態である。
手段E−5.前記変位手段として使用される部材を複数備え、前記変位手段として使用される部材を交換可能に構成されていることを特徴とする手段E−1乃至E−4のいずれかに記載の遊技機。
手段E−5によれば、変位手段として使用される部材の劣化を抑制することができる。
手段E−6.前記変位手段による前記抽選の結果が第1の結果となり易い第1抽選状態と、前記第1の結果よりも遊技者にとって有利な第2の結果となり易い第2抽選状態とがあることを特徴とする手段E−1乃至E−5のいずれかに記載の遊技機。
手段E−6によれば、第1抽選状態と第2抽選状態とに状態変化することで、遊技に対して大きな抑揚をつけることができる。
手段E−7.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が進入可能な開状態と、遊技球の進入が不可能な閉状態とに状態変化可能な特定領域と、
前記特定領域を移動する遊技球が到達可能な特別領域と、
遊技者にとって有利な特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段とを備え、
前記抽選手段は、
前記特別領域に遊技球が到達したことに基づいて変位させられる変位手段と、
前記変位手段が変位した後に停止した場合の前記変位手段の態様を判定する判定手段とを備え、
前記変位手段の変位を前記抽選とし、前記判定手段の判定に基づいて、前記抽選の結果が決定されることを特徴とする遊技機。
手段E−7によれば、変位手段を変位させることで抽選が行われ、変位手段の停止態様によって、抽選の結果(当否)が決定される。このため、抽選が開始されてから確定に至るまでの経過を見守ることができ、変位手段の停止態様の予測をして楽しむことができる。特に、例えば、乱数発生手段を用いて抽選を行い、既に決まっている抽選の結果を教示する演出を行うものに比べ、変位手段の変位の仕方から変位手段の停止態様のパターンをある程度絞ることができたり、変位手段の停止タイミングの予測を停止の少し前の段階から付け易くなったりする等、抽選の経過そのものを堪能してもらうことができる。
尚、変位手段の態様とは、変位手段の姿勢、位置、向き、形状等が挙げられ、基本的に当選に対応する態様と、否当選に対応する態様との区別が付くようになっていればよい。また、「前記特別領域に遊技球が到達したこと」が上記手段E−1の「特定条件を達成させること」、手段E−2の「第2契機」に相当する。さらに、「前記特定領域を開状態とさせること」が上記手段E−2の「第1抽選で当選した場合」に相当する。また、本手段の構成に上記手段E−1乃至手段E−6の構成を適宜組み合わせることが可能である。
手段E−8.前記特別領域に到達した遊技球の速度に応じて、前記変位手段の変位量が変化することを特徴とする手段E−7に記載の遊技機。
手段E−8によれば、変位手段の変位量をランダムなものとし、ひいては、抽選の結果をランダムとすることができる。従って、変位手段を使用しての抽選において、特別領域に到達する遊技球の速度で抽選の結果を予想したり、或いは、遊技者が抽選に当選し易いと思う速度で遊技球を特別領域に至らせることを意図的に狙ったりするといった新たな遊技性を確実に付与することができる。
尚、前記特別領域に到達した遊技球と、前記変位手段とを連動させる連動手段を備え、前記特別領域に到達した遊技球が前記連動手段に接触し、当該連動手段が変位して変位手段を変位させる構成(遊技球の連動手段と接触した際の速度や、遊技球の連動手段との当接位置で変位手段の変位量が変化する)としてもよいし、特別領域に到達した遊技球の速度を計測する手段や特別領域に到達した遊技球と接触した際に発生する圧力を計測する手段を設けて、かかる計測手段の計測値に応じた強さで、別途の駆動手段が変位手段を変位させる構成としてもよい。
手段E−9.前記抽選における当選に対応する前記変位手段の態様を決定する当選態様決定抽選を実行可能に構成されていることを特徴とする手段E−7又はE−8に記載の遊技機。
手段E−9によれば、抽選に当選する変位手段の態様も一様ではなく、当選態様決定抽選の結果に応じて変更される。従って、例えば、特定領域に入球させる遊技球の勢いを調整して実際に変位手段による抽選で当選し易くなる等の事態を抑制し、どのような遊技者でも比較的平等に遊技を進行させることができる。
手段E−10.前記特別領域に遊技球が到達したことを検知する到達検知手段を備え、
前記当選態様決定抽選は、前記到達検知手段の検知に基づいて行われ、
前記当選態様決定抽選の結果は、前記変位手段の停止よりも前に教示されることを特徴とする手段E−9に記載の遊技機。
手段E−4によれば、抽選の結果や該結果の予想に基づいて当選に対応する変位手段の態様を決定したのではないかという疑惑がかけられることを極力抑制しつつ、当選に対応する変位手段の態様を把握しつつ、変位手段の変位を見守るといった遊技を堪能してもらうことができる。
手段E−11.前記特別領域に遊技球が到達したことに基づいて変位させられた前記変位手段が停止に相当する状態とされたか否かを判断する停止判断手段と、
前記停止判断手段により前記変位手段が停止に相当する状態と判断された場合に、前記変位手段と接触して、前記変位手段の変位を制限する変位制限手段とを備えていることを特徴とする手段E−7乃至E−10のいずれかに記載の遊技機。
手段E−11によれば、例えば、変位手段が停止して抽選の結果が確定したかに見えたが、変位手段が不用意に変位してしまい、抽選の結果が変わることになってしまうといった事態を防止することができる。また、例えば、遊技者が遊技機を揺らす等の行為によって抽選の結果が変わってしまうといった事態を回避することができる。加えて、変位手段が停止して、抽選の結果が確定したことを遊技者に分かり易くすることができる。さらに、変位制限手段によって、停止された変位手段の姿勢や位置を、抽選の結果が変わらない範囲で整えることも可能であり、判定手段による判定を行い易くする(正確かつ迅速に判定可能とする)とともに、遊技者が判断に迷うといった事態を回避することができる。
尚、抽選手段がルーレットのような構成の場合に、変位手段としての針先がどこを示しているのか分かり難い場合、変位制限手段によって分かり易くなる位置(同じマスの中央)に変位手段を動かすように構成してもよい。また、変位制限手段としては、抽選の結果が変わるような変位手段の変位を防止できるように構成されていればよく、変位手段を保持するような構成でもよいし、柵状のものをせり上げて変位手段を囲むように構成してもよい。
手段E−12.前記判定手段は、前記変位制限手段により前記変位手段の変位が制限された状態とされた後に、前記変位手段の判定を行うことを特徴とする手段E−11に記載の遊技機。
手段E−12によれば、変位手段の態様と、判定手段の判定に基づく抽選の結果とが矛盾するといった事態を回避することができ、トラブルの発生等を抑制することができる。
手段E−13.前記判定手段により前記変位手段の態様の判定が行われた後、前記変位手段の態様を基準態様に戻すリセット手段を備えていることを特徴とする手段E−7乃至E−12のいずれかに記載の遊技機。
手段E−13によれば、抽選が開始される際の変位手段の態様(姿勢や位置等)を一定にすることができる。従って、基本的に、常に同じ条件で抽選を行うことができ、公正性の向上等を図ることができる。
手段E−14.前記変位手段にはRFIDタグ(例えば、パッシブタグ)が設けられ、
前記判定手段は、前記RFIDタグを読取可能な読取り手段を備え、前記RFIDタグの情報に基づいて前記変位手段の態様を判定することを特徴とする手段E−7乃至E−13のいずれかに記載の遊技機。
手段E−14によれば、カメラ等を用いる場合に比べ、正確かつ迅速に変位手段の態様の判定を行うことができる。また、上記手段E−7のように変位手段を基準態様に戻す際にも、好適に利用することができる。さらに、変位手段の表面が損傷したり、摩耗等して表示態様が認識し難くなったりしても、RFIDタグ(及び読取手段)の損傷がなければ、抽選の結果を確実に把握することができる。加えて、例えば、サイコロのような、遊技機の本体側と全く連結されていないもの(リンクさせるアームのような構造物や配線等がないもの)を変位手段として採用することができ、演出性の向上、遊技機の設計の自由度の向上等を図ることができる。
尚、変位手段が設置される領域に対応して磁気を検知可能な磁気検知手段を設け、磁気を用いた不正行為を抑止することが望ましい。また、例えば、サイコロ状の変位手段を採用する場合であって、変位手段の前面に付されている数字に応じて当否が決定される構成において、変位手段の各面にRFIDタグを埋設し、指向性が高い(読取り範囲の狭い)読取り手段で、変位手段の後面(及び上面)のRFIDタグを読み取ることで、変位手段の前面の数字(及び変位手段の向き)を把握可能としてもよい。
手段E−15.前記変位手段が変位する変位領域が変位可能に構成されていることを特徴とする手段E−7乃至E−14のいずれかに記載の遊技機。
手段E−15によれば、例えば、変位手段が変位する抽選の演出の1つとして利用することが可能である。また、停止された変位手段を、上記手段E−3の変位制限手段で変位を制限し(変位手段を保持し)、変位領域ごと変位させて、変位手段の停止態様を遊技者に見易くなるようにすることも可能である。
手段E−16.前記抽選の結果を蓄積記憶する抽選結果記憶手段と、
前記抽選結果記憶手段に蓄積記憶された情報に基づいて、前記抽選の当選確率が予め設定された数値の範囲内であるか否かを判定する適正値判定手段とを備えていることを特徴とする手段E−7乃至E−15のいずれかに記載の遊技機。
手段E−16によれば、抽選が適正に行われているか否かを判定することができ、行われていないと判定されるような場合に、不正(例えば、営業時間外に変位手段や、該変位手段が変位する領域に細工をして、変位手段が当選に対応する態様になり易くする等)や故障等のチェックを行うことができる。尚、「前記適正値判定手段の判定結果を表示可能な判定結果表示手段を備えていること」としてもよい。この場合、(遊技者の操作により)抽選の当選確率を遊技機において表示させて把握することができ、正常な確率で遊技を行える遊技機であるか否かを遊技前に確認することができる。
手段E−17.振動を検知する振動検知手段を備え、
前記変位手段が変位している状態において前記振動検知手段の検知が行われた場合にエラー状態に対応する処理を行うことを特徴とする手段E−7乃至E−16のいずれかに記載の遊技機。
手段E−17によれば、変位手段が不正に変位させられることを抑止することができる。また、変位手段が変位していない状況であれば、故意ではなく遊技機に遊技者がぶつかった可能性等を考慮して、エラー状態としないように構成することで、遊技機が設置された遊技ホール等の関係者の手間を抑制することができる。但し、振動を検知したことについては、該検知情報が遊技機から遊技ホールのコンピュータ等に出力されることが望ましい。尚、エラー状態では、前記抽選手段の抽選が無効とされる。また、エラー状態は、遊技場関係者が対応する操作を行わない限り解消されないように構成してもよいし、振動等の検知から規定時間後に自動で解消されるように構成してもよいし、振動や磁力等の検知の程度により(例えば、振動の大きさを検知可能にしたり、振動の長さや回数を計測可能にしたりして、規定の閾値を超えるか超えないかによって判断する)自動で解消される場合と、自動では解消されない場合とに分かれるように構成してもよい。
手段E−18.前記特定領域を移動する遊技球の前記特別領域への到達が可能な許容状態と、前記特定領域を移動する遊技球の前記特別領域への到達を規制する規制状態とに状態変化可能な切替手段を備え、
少なくとも前記変位手段が変位している状態では、前記切替手段が前記規制状態とされることを特徴とする手段E−7乃至E−17のいずれかに記載の遊技機。
手段E−18によれば、例えば、変位手段の挙動から抽選にて当選する可能性が高いと思われるような状況で、別の遊技球が特別領域に到達し、変位手段が再び勢いよく変位し始めてしまうといった興趣の低下を招きかねない状況を回避することができる。
手段E−19.遊技球を到達させることで前記特典が付与される特殊特別領域を備え、
前記特定領域は、前記特別領域が設けられる第1特定領域と、前記第1特定領域とは別に設けられ、前記特殊特別領域が設けられる第2特定領域とを備え、
前記第2特定領域には、前記第2特定領域の一部を含む範囲において変位可能に構成されるとともに、前記第2特定領域を移動する遊技球の前記特殊特別領域への到達を許容する許容状態と、前記第2特定領域を移動する遊技球の前記特殊特別領域への到達を規制する規制状態とに状態変化可能な切替手段が設けられていることを特徴とする手段E−7乃至手段E−18のいずれかに記載の遊技機。
手段E−19によれば、抽選手段の負担軽減を図り、抽選手段の劣化などを抑制することができる。尚、「前記抽選手段が正常な動作を行っているか否かを判別する動作判別手段を備え、前記動作判別手段により前記抽選手段が正常な動作を行っていないと判別される場合に、前記第2特定領域に代えて前記第1特定領域を前記開状態とさせるとともに、前記第2特定領域が前記開状態とされた期間における前記切替手段の前記許容状態と、前記規制状態との割合を変更することで、前記第2特定領域に入球した遊技球が前記特殊特別領域に到達する確率を、前記第1特定領域に遊技球が入球することに基づいて行われる前記抽選で当選する確率に近似させた状態とすることが可能に構成されていること」としてもよい。この場合、抽選手段が故障してしまった場合の応急処置を行うことができる。
尚、上記各手段A、手段B、手段C、手段D、及び、手段Eに記載されている各技術事項を適宜組合せて実施することも可能(各手段の一部同士を組合せることも可能)である。また、上記各実施形態において、上記各手段A、手段B、手段C、手段D、及び、手段Eに記載されている各技術事項を適宜加えたり省略したりすることが可能である。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
a.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
b.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
c.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
d.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
e.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の球使用の回胴式遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。