JP2021097042A - 被覆粒子及びそれを含む導電性材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁性粒子と導電性粒子との密着性が向上した被覆粒子を提供すること。【解決手段】 芯材粒子の表面に金属皮膜が形成された導電性粒子の表面を、絶縁性粒子で被覆した被覆粒子であって、前記絶縁性粒子が、イオン液体が粒子表面に固定されたシリカ粒子であることを特徴とする被覆粒子。前記芯材粒子は樹脂又は有機物と無機物との複合材料であることが好ましい。また、前記金属皮膜が、ニッケル、パラジウム、金、ニッケル合金、パラジウム合金、金合金から選ばれる少なくとも1種の皮膜であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性粒子が絶縁層で被覆された被覆粒子及びそれを含む導電性材料に関するものである。
樹脂粒子の表面にニッケルや金などの金属を形成させた導電性粒子は、導電性接着剤、異方性導電膜、異方性導電接着剤等の導電性材料として使用されている。
近年、電子機器類の一層の小型化に伴い、電子回路の回路幅やピッチはますます小さくなっている。それに伴い、上述の導電性接着剤、異方性導電膜、異方性導電接着剤等に用いられる導電性粒子として、その粒径が小さいものが求められている。このような小さい粒径の導電性粒子を使用した場合、その接続性を高めるためには導電性粒子の配合量を増加させなければならない。しかしながら、導電性粒子の配合量を増加させると、意図しない方向への導通、すなわち対向電極間とは異なる方向への導通により短絡が生じてしまい、該方向における絶縁性が得難いことが問題となっている。この問題を解決するために、導電性粒子の表面を絶縁性の物質で被覆して、導電性粒子の金属層同士の接触を防止した絶縁被覆導電性粒子が使用されている。
例えば特許文献1には、導電性の金属からなる表面を有する粒子を核とし、その表面を、該金属に対して結合性を有する官能基を含有する有機化合物からなる有機粒子により部分的に修飾してなる被覆粒子が記載されており、前記有機化合物は正又は負の電荷を有していることが記載されている。
また特許文献2では、特許文献1と同様の被覆粒子が記載されている。同文献には、該被覆粒子が、絶縁微粒子が金属に対して結合性を有する官能基を介して導電性の金属からなる表面を有する粒子に化学結合することにより、単層の被覆層を形成していると記載されている。同文献には、このような構成の被覆粒子は、該被覆粒子を電極間で熱圧着することで絶縁微粒子が溶融、変形又は剥離することにより金属被覆粒子の金属表面が露出することで電極間での導通を可能とし接続性が得られる旨が記載されている。特許文献1及び2では、前記の官能基としてアンモニウム基やスルホニウム基が例示されている。
また特許文献3には、金属との結合力を有するヘテロ元素又は官能基を表面に含む絶縁性樹脂微粒子を金属被覆粒子の表面に塗布した後、これを加熱することにより、金属被覆粒子の表面に粒子形状を有しない絶縁層を有する異方性絶縁導電性粒子が得られることが記載されている。
国際公開第2002/035555号パンフレット 国際公開第2003/025955号パンフレット 国際公開第2005/109448号パンフレット
絶縁性粒子に被覆された導電性粒子では、絶縁性粒子と導電性粒子との密着性の向上が課題であった。絶縁性粒子と導電性粒子との密着性は、対向電極とは異なる方向での絶縁性を得ながら対向電極間で導通を図る(以下、単に接続信頼性ともいう)上で重要であるため、更に絶縁性粒子と導電性粒子との密着性に優れた被覆粒子の開発が要望されている。
従って、本発明の目的は、絶縁性粒子と導電性粒子との密着性が向上した被覆粒子及びそれを含む導電性材料を提供することにある。
本発明者らは上記実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、芯材表面に金属皮膜が形成された導電性粒子の表面を、絶縁性粒子で被覆した被覆粒子において、前記絶縁性粒子が、イオン液体が粒子表面に固定されたシリカ粒子を用いると、絶縁性粒子と導電性粒子との密着性に優れた被覆粒子になることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明が提供しようとする第1の発明は、芯材粒子の表面に金属皮膜が形成された導電性粒子の表面を、絶縁性粒子で被覆した被覆粒子であって、前記絶縁性粒子が、イオン液体が粒子表面に固定されたシリカ粒子であることを特徴とする被覆粒子である。
また、本発明が提供しようとする第2の発明は、前記第1の発明の被覆粒子と絶縁性樹脂とを含む導電性材料である。
本発明の被覆粒子は、絶縁性粒子として用いるシリカ粒子の表面に存在するイオン液体に起因して、導電性粒子に対して優れた密着性を有する。
このような本発明の被覆粒子は、高い接続信頼性を有しうる。
以下、本発明を好ましい実施形態に基づき説明する。
本実施形態の被覆粒子は、芯材粒子の表面に金属皮膜が形成された導電性粒子の表面を、絶縁性粒子で被覆した被覆粒子であって、前記絶縁性粒子が、イオン液体が粒子表面に固定されたシリカ粒子を用いることを特徴とするものである。
(導電性粒子)
導電性粒子としては、導電性接着剤、異方性導電膜、異方性導電接着剤に従来用いられている公知のものを用いることができる。
導電性粒子における芯材粒子としては、無機物であっても有機物であっても特に制限なく用いることができる。無機物の芯材粒子としては、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、ハンダ等の金属粒子、合金、ガラス、セラミック、シリカ、金属又は非金属の酸化物(含水物も含む)、アルミノ珪酸塩を含む金属珪酸塩、金属炭化物、金属窒化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属リン酸塩、金属硫化物、金属酸塩、金属ハロゲン化物及び炭素等が挙げられる。一方、有機物の芯材粒子としては、例えば、天然繊維、天然樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブテン、ポリアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルニトリル、ポリアセタール、アイオノマー、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、有機物と無機物との複合材料を用いることもできる。例としてはスチレンシリカ複合樹脂、アクリルシリカ複合樹脂、、架橋したアルコキシリルポリマー−アクリル樹脂、ポリオルガノシロキサン−シリカなどが挙げられる。これらの中でも、金属からなる芯材粒子に比べて比重が小さくて沈降し難く、分散安定性に優れ、樹脂の弾性により電気接続を維持し易いという点で、樹脂或いは有機物と無機物との複合材料からなる芯材粒子が好ましい。また、有機物と無機物との複合材料は、コア・シェル構造を有するものであってもよい。
芯材粒子として有機物を用いる場合、ガラス転移温度を有しないか、或いは、そのガラス転移温度は100℃超であることが、異方導電接続工程において芯材粒子の形状が維持されやすいことや金属皮膜を形成する工程において芯材粒子の形状を維持しやすい点から好ましい。また芯材粒子がガラス転移温度を有する場合、ガラス転移温度は、200℃以下であることが、異方導電接続において導電性粒子が軟化しやすく接触面積が大きくなることで導通が取りやすくなる点から好ましい。この観点から、芯材粒子がガラス転移温度を有する場合、ガラス転移温度は、100℃超180℃以下であることがより好ましく、100℃超160℃以下であることが特に好ましい。
芯材粒子として有機物を用いる場合において、その有機物が高度に架橋した樹脂であるときは、ガラス転移温度は下記実施例に記載の方法にて200℃まで測定を試みても、ほとんど観測されない。本明細書中ではこのような粒子をガラス転移点を有しない粒子ともいい、本発明においては、このような芯材粒子を用いてもよい。前記のこのようなガラス転移温度を有しない芯材粒子材料の具体例としては、前記で例示した有機物を構成する単量体に架橋性の単量体を併用して共重合させて得ることができる。架橋性の単量体としては、テトラメチレンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンオキシド(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメテロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の多官能ビニル系単量体、ビニルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン含有系単量体、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル等の単量体が挙げられる。特にCOG(Chip on Glass)分野ではこのような硬質な有機材料による芯材粒子が多く使用される。
芯材粒子の形状に特に制限はない。一般に、芯材粒子は球状である。しかし、芯材粒子は球状以外の形状、例えば、繊維状、中空状、板状又は針状であってもよく、その表面に多数の突起を有するもの又は不定形のものであってもよい。本発明においては、充填性に優れ、金属を被覆しやすいといった点で、球状の芯材粒子が好ましい。
芯材粒子からなる粉体の前述の方法によって測定された粒度分布には幅がある。一般に、粉体の粒度分布の幅は、下記式(1)で示される変動係数により表される。
変動係数(%)=(標準偏差/平均粒径)×100 (1)
この変動係数が大きいことは分布に幅があることを示し、一方、変動係数が小さいことは粒度分布がシャープであることを示す。本発明では、芯材粒子として、この変動係数が30%以下、特に20%以下、とりわけ10%以下のものを使用することが好ましい。この理由は、本発明の導電性粒子を異方性導電フィルム中の導電粒子として用いた場合に、接続に有効な寄与割合が高くなるという利点があるからである。
また、芯材粒子のその他の物性は、特に制限されるものではないが、芯材粒子が樹脂粒子である場合は、下記式(2)で定義されるKの値が、20℃において100N/mm〜100000N/mmの範囲であり、かつ10%圧縮変形後の回復率が20℃において1%〜100%の範囲であることが好ましい。これらの物性値を満足することで、電極どうしを圧着するときに電極を傷つけることなく、電極と十分に接触させることができるからである。
K値(N/mm2)=(3/√2)×F×S-3/2×R-1/2・・・(2)
式(2)で示されるF及びSは、微小圧縮試験機MCTM−500((株)島津製作所製)で測定したときの、それぞれ該微球体の10%圧縮変形における荷重値(N)及び圧縮変位(mm)であり、Rは該微球体の半径(mm)である。
導電性粒子の形状は、芯材粒子の形状にもよるが、特に制限はない。例えば、繊維状、中空状、板状又は針状であってもよいが、充填性、接続性に優れるという点で、球状のもの好ましい。
また、導電性粒子は、その表面が平滑であってもよい。あるいは導電性粒子は、その表面から突出する複数の突起を有していてもよい。この突起は、金属皮膜と同一材料から構成された連続体であると、導電性が更に一層向上するので好ましい。更に詳細には、金属皮膜が、平坦部と、該平坦部から突出し、かつ該平坦部からの連続体になっている複数の突起部とを有し、該平坦部と該突起部とが同一の材料から構成されていることが好ましい。「連続体」とは、金属皮膜の突起部と平坦部とが単一の工程によって形成され、かつ金属皮膜の平坦部と突起部との間に、継ぎ目等の一体感を損なうような部位が存在しないことを意味する。ただし突起部に関しては、該突起部が、金属皮膜を構成する材料からなる粒子が列状に複数個連結してなる粒子連結体から構成され、該粒子間に粒界が観察されることは許容される。したがって、例えば芯材粒子の表面に突起形成用のコア粒子、例えば金属、金属酸化物、黒鉛等の非金属無機物、導電性ポリマー等を付着させ、該コア粒子を成長の起点として形成された突起は、平坦部と突起とが単一の工程によって形成されたものではないので、本発明にいう連続体に含まれない。尤も、かかるコア粒子を芯材粒子に付着させ、該コア粒子を成長の起点として形成された突起を有する導電性粒子も、本発明の範囲内であることに留意すべきである。
導電性粒子が上述した構成の突起を有すると、電極の導通をとる場合、電極表面に形成されている酸化皮膜を該突起が突き破ることができ、接続抵抗の低減を図ることができる。
突起はその高さHが、平均して20nm以上、特に50nm以上であることが好ましい。突起の数は、導電性粒子の粒径にもよるが、1つの粒子当たり、1〜20000個、特に5〜5000個であることが、導電性粒子の導電性の一層の向上の点から好ましい。突起のアスペクト比は、好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上である。突起のアスペクト比が大きいと、上述した酸化皮膜を容易に突き破ることができるので有利である。また、導電性粒子を用いて異方性導電フィルムを形成した場合には、突起のアスペクト比が大きいと、樹脂排除性が高くなるので、導電性が高くなると考えられる。アスペクト比とは、突起の高さHと突起の基部の長さDとの比、すなわちH/Dで定義される値である。
突起のアスペクト比は上述のとおりであるところ、導電性粒子の突起の基部の長さD自体は5〜500nm、特に10〜400nmであることが好ましく、突起の高さHについては5〜500nm、特に10〜400nmであることが好ましい。
導電性粒子における金属皮膜は、導電性を有するものであり、その構成金属としては、例えば、金、白金、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、コバルト、インジウム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、アルミニウム、クロム、パラジウム、タングステン、モリブデン等の金属又はこれらの合金のほか、ITO、ハンダ等の金属化合物等が挙げられる。中でも金、銀、銅、ニッケル、パラジウム又はハンダが抵抗が少ないため好ましく、とりわけ、ニッケル、パラジウム、金、ニッケル合金、パラジウム合金又は金合金が、絶縁性粒子との結合性が高いために好適に用いられる。導電性粒子における金属は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、ニッケル合金はニッケルーリン、ニッケルーホウ素、ニッケル―ホウ素―リンも含み、パラジウム合金は、パラジウム―リン、パラジウム―ホウ素も含む。
金属皮膜は、単層構造であっても、複数層からなる積層構造であってもよい。複数層からなる積層構造である場合には、特に無電解めっき法により金属皮膜を形成したときに、下地層をニッケル又はニッケル合金とし、最表層が、ニッケル、パラジウム、金、ニッケル合金、パラジウム合金又は金合金であることが、接続抵抗の低減を図る観点から好ましい。
また、芯材粒子の表面の金属皮膜の厚さは0.001μm〜2μm、特に0.005〜1μmであることが好ましい。
芯材粒子の表面に金属皮膜を形成する方法としては、蒸着法、スパッタ法、メカノケミカル法、ハイブリダイゼーション法等を利用する乾式法、電解めっき法、無電解めっき法等を利用する湿式法が挙げられる。また、これらの方法を組み合わせて芯材粒子の表面に金属皮膜を形成してもよいが、芯材粒子の表面を無電解めっきにより金属皮膜を形成した導電性粒子が、粒子表面を均一かつ濃密に被覆できる点で好ましい。
導電性粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上50μm以下、より好ましくは1μm以上30μm以下である。導電性粒子の平均粒子径が上記範囲内であることで、得られる被覆粒子が対向電極間とは異なる方向での短絡を発生させることなく、対向電極間での導通を確保しやすい。なお、本発明において、導電性粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて測定した粒子径の平均値である。なお走査型電子顕微鏡画像において導電性粒子が球状である場合は、SEMを用いて測定する粒子径とは、円形の導電性粒子像の径である。絶縁性微粒子が球状でない場合、SEMを用いて測定する粒子径は、導電性粒子の像を横断する線分のうち最も大きい長さ(最大長さ)をいう。
具体的には、導電性粒子の平均粒子径は実施例に記載の方法にて測定される。
また、導電性粒子は、溶出するアルカリ金属イオン、ハロゲンイオン、有機酸イオン等の不純物イオンが少ないものが、電極等の腐食を抑制する観点から好ましい。
(絶縁性粒子)
本発明で用いる絶縁性粒子は、イオン液体が粒子表面に固定されたシリカ粒子であり、該イオン液体が粒子表面に固定されたシリカ粒子は、シリカ粒子の表面にイオン液体がアルコキシシランの縮合物により固定されているものである。
用いることができるシリカ粒子としては、例えば、ケイ酸ソーダ又は活性ケイ酸溶液から粒子成長を行って製造されたものや、有機珪素化合物を原料として製造されたものや、気相法シリカ、沈降性シリカ等を用いることができる。
シリカ粒子の好ましい物性は、動的光散乱法による求めた平均粒子径が5〜500nm、好ましくは10〜300nmである。シリカ粒子の平均粒子径が上記範囲にあることにより、絶縁性粒子が導電性粒子の粒子表面に均一に分散した状態で吸着しやすくなる。
シリカ粒子に固定させるイオン液体としては、カチオンとアニオンとの塩であり、常温(25℃)、常圧(0.1MPa)で液体であり、且つ沸点を持たない物質であれば、特に制限されない。例えば、イオン液体を構成するカチオンとしては、アミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオン及び3級アンモニウムカチオン、4級アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン等が挙げられる。
前記アミジニウムカチオンとしては、例えばイミダゾリニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジウムカチオン、ジヒドロピリミジウムカチオン等が挙げられる。
前記グアニジニウムカチオンとしては、例えばイミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン、イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン等が挙げられる。
3級アンモニウムカチオンとしては、例えばメチルジラウリルアンモニウム等が挙げられる。
4級アンモニウムカチオン又はホスホニウムカチオンとしては、下記一般式(1)で表されるものを用いることができる。
Figure 2021097042
(式中、QはP原子又はN原子を示す。)
前記一般式(1)の式中、R、R、R及びRは、炭素数1〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はフェニル基を示す。また、R、R、R及びRはシリカ原子を含む基であってもよい。R、R、R及びRが、シクロアルキル基又はフェニル基の場合、例えば、4−メチルシクロヘキシル基、4−メチルフェニル基のように、シクロアルキル環又はベンゼン環の水素原子の一部が、アルキル基で置換されていてもよい。また、R、R、R及びRは、同一の基であっても異なる基であってもよい。また、R、R、R及びRは、炭素数1〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はフェニル基の水素原子の一部が、ヒドロキシル基、アミノ基、アルコキシ基等の置換基で置換されて
いる基であってもよい。
また、イオン性液体を構成するアニオンとしては、例えば、ベンゾトリアゾールイオン、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、BF 、PF 、PO(OMe) 、PS(OEt) 、(COMe)PhSO 、CFSO、HSO 、(CFSO等が挙げられ、ここに例示したアニオンが、製造が易いという点で好ましい。
本発明において、好ましいイオン液体は、下記一般式(2)で表されるオニウム塩が好ましい。該一般式(2)で表されるシリル基を有するオニウム塩は、加水分解性のシリル基の部位を有する。後述するイオン液体が粒子表面に固定されたシリカ粒子の調製方法において、アルカリによりアルコキシシランと同様に、加水分解する部位が加水分解されてシリカ粒子と直接結合するようになるため、一層金属皮膜との密着性が向上する観点から好ましい。
Figure 2021097042
(式中、QはP原子又はN原子を示す。R、R及びRは炭素数1〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。Rは炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。nは1〜5の整数を示す。Xはアニオン基を示す。)
一般式(2)の式中のQはP原子又はN原子を示し、好ましくはP原子である。一般式(2)の式中のR〜Rは、好ましくは炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。Rは、好ましくは炭素数1〜2のアルキル基である。nは好ましくは2〜4である。
なお、Xのアニオンの種類は特に制限されないが、例えば、ベンゾトリアゾールイオン、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、BF 、PF 、PO(OMe) 、PS(OEt) 、(COMe)PhSO 、CFSO、HSO 、(CFSO等が挙げられ、ここに例示したアニオンが、製造が易いという点で好ましい。
絶縁性粒子におけるイオン液体の含有量は、0.001〜50質量%、好ましくは0.1〜30質量%、いっそう好ましくは0.1〜10質量%であることが金属皮膜との密着性も高くなる観点から好ましい。
前記イオン液体をシリカ粒子に固定化する方法としては、シリカ粒子、アルコキシシラン、イオン液体、及び反応溶媒を含む反応原料液に、アルカリを添加してアルコキシシランの加水分解を行い、シリカ粒子の表面処理を行う表面処理工程を行うことにより調製することができる。
表面処理工程に係るシリカ粒子及びイオン液体は前述したものを用いることができる。
表面処理工程に係るアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン、ヘキシルオキシトリメチルシラン等のアルコキシトリアルキルシランが挙げられる。これらのアルコキシシランにおけるアルキル基の炭素鎖長は1〜6であることが好ましい。アルコキシ基の炭素鎖長も1〜6であることが好ましい。これらのうち、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシランが、製造上、取り扱い易い点で好ましい。また、アルコキシシランは、1種単独でも、2種以上の組み合せでもよい。
表面処理工程に係る反応溶媒は、アルコキシシラン及びイオン液体を溶解するものが用いられる。表面処理工程に係る反応溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコールが挙げられ、この中で、メタノールが反応効率が高い観点から特に好ましい。また、水と低級アルコールとの混合溶媒であってもよい。
反応原料液中のシリカ粒子の含有量は、特に制限されないが、好ましくは1〜80質量%、特に好ましくは3〜50質量%である。反応原料液中のシリカ粒子の含有量が、上記範囲にあることにより、イオン液体を固定したシリカ粒子の分散安定性が高くなる。
反応原料液中のアルコキシシランの含有量は、シリカ粒子1gに対して、0.05〜1.5mmol、好ましくは0.08〜1.05mmolである。反応原料液中のアルコキシシランの含有量が上記範囲にあることにより、シリカ粒子表面へのイオン液体の固定化率が高くなる。
反応原料液中のイオン液体の含有量は、シリカ粒子1gに対して0.001ml以上、好ましくは0.005〜1.5ml、特に0.01〜1.0mlである。反応原料液中のイオン液体の含有量が上記範囲にあることにより、シリカ粒子表面へのイオン液体の固定化率が高くなり、また金属皮膜との密着性も高くなる。
表面処理工程において、反応原料液に加えるアルカリとしては、アルコキシシランの加水分解を行うことができるものであれば、特に制限されず、例えば、アルカリとしては、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等が挙げられるが、反応性が高く、目的物を高純度で得ることができる観点で、水酸化アンモニウムが特に好ましい。
反応原料液に加えるアルカリの混合量は、特に制限されず、適宜選択される。
反応原料液に、アルカリを混合して、アルコキシシランの加水分解を行う際の反応温度は、15〜60℃、好ましくは20〜35℃である。反応温度が上記範囲にあることにより、シリカ粒子表面へのイオン液体の固定化率が高くなり、また金属皮膜との密着性も高くなる。
反応時間は、特に制限されず、適宜選択されるが、好ましくは1〜72時間、特に好ましくは1〜24時間である。
反応原料溶液に、アルカリを添加して、アルコキシシランの加水分解を行う表面処理工程を行った後、反応液から固形分を遠心分離等により分離し、必要に応じ、得られた固形分を溶媒に分散させて、再び遠心分離を行うという操作を、数回繰り返し、次いで、乾燥して、イオン液体が粒子表面に固定されたシリカ粒子が得られる。
また、表面処理工程を行った後、反応液を常圧又は減圧下で、反応溶媒が蒸発する温度に加熱して、反応液からそのままイオン液体が粒子表面に固定されたシリカ粒子を回収してもよい。
なお、イオン液体として前記一般式(2)で表されるオニウム塩を用いる場合は、該オニウム塩は、加水分解性のシリル基の部位を有しているため、前記表面処理工程において、アルコキシシランを用いることなく、前記表面処理工程をそのまま行ってもよい。
(被覆粒子)
前記導電性粒子の粒子表面に前記絶縁性粒子を被覆する方法としては、湿式又は乾式で行うことができる。
乾式法としては、強力な剪断力が作用する機械的手段にて調製される。乾式法で使用する装置としては、ハイスピードミキサー、スーパーミキサー、ターボスフェアミキサー、アイリッヒミキサー、ヘンシェルミキサー、ハイブリダイゼイションシステム、ナウターミキサー、リボンブレンダー、ジェットミル及びコスモマイザー等の装置を用いることができる。
湿式法は、絶縁性粒子と、導電性粒子との混合を溶媒中で行う。溶媒としては、水及び親水性有機溶媒並びにその混合物が挙げられ、水が好ましい。
絶縁性粒子と、導電性粒子とを溶媒中で混合させる際、これらの粒子と溶媒からなる分散液は無機塩、有機塩又は有機酸を含有することが、被覆率が一定以上の被覆粒子を得やすい点から好ましい。無機塩、有機塩又は有機酸としては、陰イオンを解離するものが好適に用いられ、この陰イオンとしては、Cl、F、Br、I、SO 2−、CO 2−、NO 、COO、RCOO(Rは有機基)等が好適である。無機塩としては、例えばNaCl、KCl、LiCl、MgCl、BaCl、NaF、KF、LiF、MgF、BaF、NaBr、KBr、LiBr、MgBr、BaBr、NaI、KI、LiI、MgI、BaI、NaSO、KSO、LiSO、MgSO、NaCO、NaHCO、KCO、KHCO、LiCO、LiHCO、MgCO、NaNO、KNO、LiNO、MgNO、BaNO等を用いることができる。また有機塩としては、コハク酸Na、シュウ酸Na、酢酸Na、クエン酸Na、マロン酸Na、酒石酸Na、フマル酸Na、マレイン酸Na、等を用いることができる。有機酸としてはグリシン等のアミノ酸や、コハク酸、シュウ酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸等を用いることができる。
好ましい無機塩、有機塩及び有機酸の濃度は、導電性粒子表面積において絶縁性粒子が占める被覆面積としてどの程度とするかにより異なるが、絶縁性粒子及び導電性粒子を含む分散液中において、例えば、5mmol/L以上100mmol/L以下となる濃度であると、好適な被覆率を有し、また絶縁性粒子が単層である被覆粒子を得やすいために好ましい。この観点から、当該分散液中の無機塩、有機塩及び有機酸の濃度は7mmol/L以上90mmol/L以下であることがより好ましく、10mmol/L以上80mmol/L以下であることが特に好ましい。
絶縁性粒子及び導電性粒子を液媒中で混合させるにあたっては、絶縁性粒子を含む分散液と導電性粒子とを混合してもよく、導電性粒子を含む分散液と絶縁微粒子とを混合してもよく、或いは、溶媒に絶縁性粒子及び導電性粒子をそれぞれ投入してもよく、絶縁性粒子を含む分散媒と導電性粒子を含む分散媒とを混合してもよい。導電性粒子と絶縁性粒子とを含む分散液中に、導電性粒子は質量基準で100ppm以上100,000ppm以下含有されていることが好ましく、500ppm以上80,000ppm以下含有されていることがより好ましい。
導電性粒子と絶縁性粒子とを含む分散液中に、絶縁性粒子は質量基準で10ppm以上50,000ppm以下含有されていることが好ましく、250ppm以上10,000ppm以下含有されていることがより好ましい。
導電性粒子と絶縁性粒子とを含む分散液の温度は、一般に、20℃以上100℃以下とすることが、品質が一定な被覆粒子が得やすい点から好ましく、40℃以上90℃以下であることが特に好ましい。この範囲であると絶縁性粒子と導電性粒子との間に好適な接触面積を得やすいため好ましい。
導電性粒子混合後の分散液において、絶縁性粒子の導電性粒子への付着に供する時間は、好ましくは0.1時間以上24時間以下である。この間、分散液を撹拌することが好ましい。次いで、分散液の固形分を必要に応じ、洗浄、乾燥し、イオン液体が粒子表面に固定されたシリカ粒子からなる絶縁性粒子が導電性粒子表面に付着した被覆粒子が得られる。
また、同一分子内に導電性粒子中の金属皮膜と反応性を有する官能基(A)と、絶縁性粒子中のイオン液体のカチオンと反応性を有する官能基(B)とを有する化合物(以下、「反応性化合物」ということがある)を、導電性粒子の金属皮膜と反応させる第1工程、次いで、絶縁性粒子と反応させる第2工程を行う方法により本発明の被覆粒子を得てもよい。
前記官能基(A)としては、例えば、シラン基、シラノール基、カルボキシルキ基、アミノ基、アンモニウム基、ニトロ基、水酸基、カルボニル基、チオール基、スルホン酸基、スルホニウム基、ホウ酸基、オキサゾリン基、ピロリドン基、リン酸基、ニトリル基等が挙げられる。
前記官能基(B)としては、例えば、アミノ基、ハライド基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基等が挙げられる。
なお、前記第1工程は、公知の方法により行うことができ、例えば、WO2003/025955号パンフレット、特開2001−342377号公報、特開2003−26813号公報等に記載の方法が挙げられる。
前記第2工程は、湿式又は乾式で行うことができる。
乾式法としては、強力な剪断力が作用する機械的手段にて調製される。乾式法で使用する装置としては、ハイスピードミキサー、スーパーミキサー、ターボスフェアミキサー、アイリッヒミキサー、ヘンシェルミキサー、ハイブリダイゼイションシステム、ナウターミキサー、リボンブレンダー、ジェットミル及びコスモマイザー等の装置を用いることができる。
湿式法としては、絶縁性粒子と、反応性化合物で被覆処理された導電性粒子とを溶媒を介して撹拌下に接触させて、反応性化合物で被覆処理された導電性粒子の表面に絶縁性粒子を付着させる方法である。用いることができる溶媒としては、例えば、水、アセトン、メタノール、エタノール或いはこれらの混合溶媒等が挙げられる。絶縁性粒子と反応性化合物で被覆処理された導電性粒子を接触させる温度は、特に制限されるものではないが5〜100℃、好ましくは10〜50℃であり、室温(25℃)付近でも十分である。溶媒から常法により、固形分を回収し必要により洗浄、乾燥を行うことで本発明の被覆粒子を得ることができる。
なお、必要により、絶縁性粒子と、反応性化合物で被覆処理された導電性粒子とを溶媒中で混合させる際、得られる分散液に前述した無機塩、有機塩又は有機酸を含有させることができる。
本発明に係る被覆粒子は、絶縁性粒子の被覆率が30%以上、好ましくは30〜100%、特に30〜80%であることが、該被覆粒子を用いて上下の電極間を電気的に接続したときに、電気信頼性が優れたものになる観点から好ましい。
なお、被覆率とは、SEMにて導電性粒子に付着した絶縁性粒子の個数nを数え、以下の式から被覆率を算出した。評価に用いた被覆率は、被覆粒子20個の平均値である。
被覆率(%)=(n/N)×100
N:導電性粒子の表面に、絶縁粒子が最密充填で配列したときの絶縁性粒子の個数
N=4π(R+r)/2√3r
(R:導電性粒子の半径(nm)、r:絶縁性粒子の半径(nm))
また、本発明に係る被覆粒子は、前記導電性粒子として、該導電性粒子を疎水化剤で表面処理したものを用いることができる。導電性粒子の表面に疎水化剤を存在させると、絶縁性粒子との親和性に優れ、絶縁性粒子の被覆率をいっそう高めることができる。
前記疎水化剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、チタネート系カップリング剤、高級脂肪酸又はその誘導体、リン酸エステル及び亜リン酸エステル等が挙げられる。これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
なお、この場合、記絶縁性粒子は、1)該導電性粒子の粒子表面に存在する疎水化剤を介して導電性粒子と結合していていもよく、2)疎水化剤を介さないで、該導電性粒子の粒子表面と直接結合していてもよく、前記1)と2)が混在して結合しても良い。
ベンゾトリアゾール系化合物は、下記一般式(3)で表されるものが好ましい。
Figure 2021097042
(式中、A1、A2は同一の又は異なるアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はカルボキシル基を示し、p1、q1は同一の又は異なる0〜2の整数を示す。)
前記一般式(3)の式中のA1及びA2は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基又はカルボキシル基を示す。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数が1〜5のものが好ましい。該アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基が好ましい。該ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。前記一般式(3)中のp1及びq1は、同一の又は異なる0〜2の整数を示す。また、A1とA2は同一の基でも異なる基であってもよい。
前記一般式(3)で表わされるベンゾトリアゾール系化合物の好ましい具体的な化合物としては、例えば、ベンゾトリアゾール、4−メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、4−エチルベンゾトリアゾール、5−エチルベンゾトリアゾール、4,5−ジメチルベンゾトリアゾール、4,6−ジメチルベンゾトリアゾール、5,6−ジメチルベンゾトリアゾール、4,5−ジエチルベンゾトリアゾール、4,6−ジエチルベンゾトリアゾール、5,6−ジエチルベンゾトリアゾール、4−フェニルベンゾトリアゾール、5−フェニルベンゾトリアゾール、4−クロロベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、4−カルボキシベンゾトリアゾール、5−カルボキシベンゾトリアゾール、4,5−ジカルボキシベンゾトリアゾール、4,6−ジカルボキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。
チタネート系カップリング剤の例としては、以下の式(i)又は式(ii)で表されるものが挙げられる。
(BO)Ti(OB)(OB)(OB) (i)
(式中、Bはアルキル基であり、B〜Bはそれぞれアルキル基、アルキル基中の末端以外のメチレン基が酸素原子で置換された基、アルケニル基、アルケニル基中の末端以外のメチレン基が酸素原子で置換された基、アルカノイル基、ジアルキルパイロホスフェート基及びアルキルベンゼンスルホニル基から選ばれる基である。ただし、B〜Bのいずれか1以上が、アルカノイル基、ジアルキルパイロホスフェート基又はアルキルベンゼンスルホニル基である。BとBが一緒になって環を形成してもよい。)
(BO)Ti(OB)(OB)(OB)・[P(OBOH] (ii)
(式中、B〜Bはそれぞれアルキル基、アルキル基中の末端以外のメチレン基が酸素原子で置換された基、アルケニル基、又はアルケニル基中の末端以外のメチレン基が酸素原子で置換された基である。Bはアルキル基である。)
上記で挙げた式(i)においてB〜Bのうち2又は3つの基が同一であってもよく、B〜Bが全て異なっていてもよい。式(ii)で表される化合物においてB〜Bのうち2又は3つの基が同一であってもよく、B〜Bが全て異なっていてもよい。2つ存在するBは同一であってもよく異なっていてもよい。式(i)で表される化合物において、アルカノイル基、ジアルキルパイロホスフェート基又はアルキルベンゼンスルホニル基の好ましい数は1〜3、更に好ましくは2〜3、特に好ましくは3である。
上記で挙げたアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル墓、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ラウリル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基(ステアリル基を含む)、ノナデシル基、エイコシル基、トリアコンチル基およびテトラコンチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、上記のアルキル基の炭素−炭素一重結合の一つ又は二つ以上を炭素−炭素二重結合に変更した基が挙げられる。
アルキル基中の末端以外のメチレン基が酸素原子で置換された基とは、アルコキシ基ではなく、アルキル基中のメチレン基同士の間を酸素原子で中断された基が挙げられる。アルケニル基中の末端以外のメチレン基が酸素原子で置換された基についても同様の基が挙げられる。
〜B、B〜Bで表されるアルキル基、アルキル基中の末端以外のメチレン基が酸素原子で置換された基、アルケニル基、及び、アルケニル基中の末端以外のメチレン基が酸素原子で置換された基の炭素原子数としては3〜40が好ましく、3〜32がより好ましい。B〜Bで表されるアルカノイル基としては炭素原子数2〜40のものが好ましい。B〜Bで表されるジアルキルパイロホスフェート基のアルキル基としては炭素原子数3〜40のものが好ましい。B〜Bで表されるアルキルベンゼンスルホニル基のアルキル基としては炭素原子数3〜40のものが好ましい。Bで表されるアルキル基としては、炭素原子数3〜40のものが好ましい。
とBが一緒になって形成する環としては−CH−CH−又は−CH−COO−等が式(i)における酸素原子及びチタン原子と構成する環が挙げられる。
上記式(i)又は式(ii)で表される各基は、置換基で置換されていてもよい。その場合の置換基としては、ハロゲン原子、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、アクリル基、イソシアネート基、メルカプト基が挙げられる。
本発明に用いられるチタネート系カップリング剤の具体例としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピル(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられ、これらは1種又は2種以上で用いることができる。
なお、これらのチタネート系カップリング剤は、例えば、味の素ファインテクノ株式会社から市販されている。
高級脂肪酸としては、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝鎖のモノ又はポリカルボン酸であることが好ましく、飽和又は不飽和の直鎖又は分枝鎖のモノカルボン酸であることが更に好ましく、飽和又は不飽和の直鎖モノカルボン酸であることが一層好ましい。脂肪酸は、その炭素数が好ましくは7以上である。また、誘導体とは、前記脂肪酸の塩又はアミドを指す。
本発明に用いられる脂肪酸又はその誘導体は、脂肪酸の炭素数が好ましくは7〜23であり、更に好ましくは10〜20である。このような脂肪酸又はその誘導体としては、例えばカプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸、又はこれらの金属塩若しくはアミド等が挙げられる。脂肪酸の金属塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Zr、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag等の遷移金属、及びAl、Zn等の遷移金属以外の他の金属の塩が挙げられ、好ましくはAl、Zn、W、V等の多価金属塩である。脂肪酸金属塩は、金属の価数に応じて、モノ体、ジ体、トリ体、テトラ体等であり得る。脂肪酸金属塩は、これらの任意の組み合わせであってもよい。
リン酸エステル及び亜リン酸エステルとしては、炭素数6〜22のアルキル基を有するものが、好ましく用いられる。
リン酸エステルとしては、例えば、リン酸ヘキシルエステル、リン酸ヘプチルエステル、リン酸モノオクチルエステル、リン酸モノノニルエステル、リン酸モノデシルエステル、リン酸モノウンデシルエステル、リン酸モノドデシルエステル、リン酸モノトリデシルエステル、リン酸モノテトラデシルエステル、リン酸モノペンタデシルエステル等が挙げられる。
亜リン酸エステルとしては、例えば、亜リン酸ヘキシルエステル、亜リン酸ヘプチルエステル、亜リン酸モノオクチルエステル、亜リン酸モノノニルエステル、亜リン酸モノデシルエステル、亜リン酸モノウンデシルエステル、亜リン酸モノドデシルエステル、亜リン酸モノトリデシルエステル、亜リン酸モノテトラデシルエステル、亜リン酸モノペンタデシルエステル等が挙げられる。
本発明において、疎水化剤は、絶縁性粒子との親和性に優れ、また、絶縁性粒子の被覆率を高める効果が高い点で、トリアゾール系化合物、チタネート系カップリング剤が好ましく、特にベンゾトリアゾール、4−カルボキシベンゾトリアゾール、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、テトライソプロピル(ジオクチルホスファイト)チタネートが特に好ましい。
本発明において、疎水化剤は、導電性粒子の表面に存在していればよく、その場合、導電性粒子の表面全体に存在していてもよく、表面の一部にのみ存在していてもよい。また、疎水化剤は、導電性粒子の表面の一部又は全体を被覆する層を形成していてもよい。
また、疎水化剤は、導電性粒子の表面に、その縮合物(加水分解生成物ともいう)として存在していてもよい。
該導電性粒子を疎水化剤で表面処理する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。その一例を示せば、導電性粒子と疎水化剤を溶媒中で混合する方法が挙げられる。
前記溶媒としては、水や有機溶媒が挙げられ、水と有機溶媒との混合溶媒であってもよい。有機溶媒としては、例えば、トルエン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。溶媒に導電性粒子と疎水化剤とを投入した分散液において、疎水化剤の濃度としては、0.01〜20質量%である。また、この分散液における導電性粒子の濃度としては1〜50質量%である。
処理後の分散液をろ過し、必要により乾燥することで表面に疎水化剤を有する導電性粒子を得ることができる。
また、疎水化剤で表面処理した導電性粒子の粒子表面に前記絶縁性粒子を被覆する方法としては、前述した導電性粒子の粒子表面に前記絶縁性粒子を被覆する方法と同様な方法を用いることができる。
本発明の被覆粒子は、被覆粒子間の絶縁性及び対向電極間での接続性を活かして、例えば異方性導電フィルム(ACF)やヒートシールコネクタ(HSC)、液晶ディスプレーパネルの電極を駆動用LSIチップの回路基板へ接続するための導電性材料などとして好適に使用される。特に、導電性接着剤の導電性フィラーとして好適に用いられる。
前記の導電性接着剤は、導電性基材が形成された2枚の基板間に配置され、加熱加圧によって前記導電性基材を接着して導通する異方導電性接着剤として好ましく用いられる。この異方導電性接着剤は、本発明の導電性粒子と接着剤樹脂とを含む。接着剤樹脂としては、絶縁性で、かつ接着剤樹脂として用いられているものであれば、特に制限なく使用できる。熱可塑性樹脂及び熱硬化性のいずれであってもよく、加熱によって接着性能が発現するものが好ましい。そのような接着剤樹脂には、例えば熱可塑性タイプ、熱硬化性タイプ、紫外線硬化タイプ等がある。また、熱可塑性タイプと熱硬化性タイプとの中間的な性質を示す、いわゆる半熱硬化性タイプ、熱硬化性タイプと紫外線硬化タイプとの複合タイプ等がある。これらの接着剤樹脂は被着対象である回路基板等の表面特性や使用形態に合わせて適宜選択できる。特に、熱硬化性樹脂を含んで構成される接着剤樹脂が、接着後の材料的強度に優れる点から好ましい。
接着剤樹脂としては、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−イソブチルアクリレート共重合体、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、SBSブロック共重合体、カルボキシル変性SBS共重合体、SIS共重合体、SEBS共重合体、マレイン酸変性SEBS共重合体、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム、カルボキシル変性クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(以下、NBRと表す。)、カルボキシル変性NBR、アミン変性NBR、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂又はシリコーン樹脂などから選ばれる1種又は2種以上の組合せにより得られるものを主剤として調製されたものが挙げられる。これらのうち、熱可塑性樹脂としては、スチレン−ブタジエンゴムやSEBSなどがリワーク性に優れるので好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好ましい。これらのうち接着力が高く、耐熱性、電気絶縁性に優れ、しかも溶融粘度が低く、低圧力で接続が可能であるという利点から、エポキシ樹脂が最も好ましい。
前記のエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多価エポキシ樹脂であれば、一般に用いられているエポキシ樹脂が使用可能である。具体的なものとしては、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、レゾルシン、ビスヒドロキシジフェニルエーテル等の多価フェノール類、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ポリプロピレングリコール等の多価アルコール類、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、アニリン等のポリアミノ化合物、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸等の多価カルボキシ化合物等とエピクロルヒドリン又は2−メチルエピクロルヒドリンを反応させて得られるグリシジル型のエポキシ樹脂が例示される。また、ジシクロペンタジエンエポキサイド、ブタジエンダイマージエポキサイド等の脂肪族及び脂環族エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上混合して使用することができる。
なお、上述した各種の接着樹脂としては、不純物イオン(NaやCl等)や加水分解性塩素などが低減された高純度品を用いることが、イオンマイグレーションの防止の観点から好ましい。
異方導電性接着剤における導電性粒子の使用量は、接着剤樹脂成分100質量部に対し通常0.1〜30質量部、好ましくは0.5〜25質量部、より好ましくは1〜20質量部である。導電性粒子の使用量がこの範囲内にあることにより、接続抵抗や溶融粘度が高くなることが抑制され、接続信頼性を向上させ、接続の異方性を十分に確保することができる。
前記の異方導電性接着剤には、上述した導電性粒子及び接着剤樹脂の他に、当該技術分野において、公知の添加剤を配合することができる。その配合量も当該技術分野において公知の範囲内とすることができる。他の添加剤としては、例えば粘着付与剤、反応性助剤、エポキシ樹脂硬化剤、金属酸化物、光開始剤、増感剤、硬化剤、加硫剤、劣化防止剤、耐熱添加剤、熱伝導向上剤、軟化剤、着色剤、各種カップリング剤又は金属不活性剤などを例示することができる。
粘着付与剤としては、例えばロジン、ロジン誘導体、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。反応性助剤すなわち架橋剤としては、例えばポリオール、イソシアネート類、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウトロピン類、アミン類、酸無水物、過酸化物などが挙げられる。エポキシ樹脂硬化剤としては、1分中に2個以上の活性水素を有するものであれば特に制限なく使用できる。具体的なものとしては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタフェニレンジアミン、ジシアンジアミド、ポリアミドアミン等のポリアミノ化合物;無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸等の有機酸無水物;フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、必要に応じて潜在性硬化剤を用いてもよい。使用できる潜在性硬化剤としては、例えば、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミンの塩、ジシアンジアミド等及びこれらの変性物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上の混合体として使用できる。
前記の異方導電性接着剤は、当該技術分野において通常使用されている製造装置を用いて製造される。例えば、導電性粒子及び接着剤樹脂並びに必要に応じ硬化剤や各種添加剤を配合し、接着剤樹脂が熱硬化性樹脂の場合は有機溶媒中で混合することにより、熱可塑性樹脂の場合は接着剤樹脂の軟化点以上の温度で、具体的には好ましくは約50〜150℃程度で溶融混練することにより製造される。このようにして得られた異方導電性接着剤は、塗布してもよいし、フィルム状にして適用してもよい。
以下、本発明を実施例により、詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
<イオン液体>
イオン液体は下記の(a)〜(d)のイオン液体を用いた。
Figure 2021097042
<絶縁性粒子試料の調製>
(絶縁性粒子1)
容器に、メタノール200mlを入れ、次いで、イオン液体(a)0.5ml、水性シリカゾル44.1g(SiO:22.7質量%、水:77.3質量%)を添加し分散液を得た。次いでテトラエトキシシラン23mmolを入れ、撹拌混合した。次いで、十分に撹拌しながら、25%アンモニウム水5mlを加え、30℃でそれぞれ一晩撹拌した後、濃縮した。濃縮後、固形分にメタノールを入れ、一晩撹拌して固形分を分散させた後、遠心分離を行うという操作を2回繰り返し、精製を行った。精製後の固形分を、減圧デシケーター内で真空乾燥させ、イオン液体(a)を固定したシリカ粒子を得た。また、得られたイオン液体(a)を固定したシリカ粒子について、元素分析をおこなったところ、イオン液体(a)の含有量は3.3質量%であった。
なお、水性シリカゾルは市販の動的光散乱法による求めた粒子径が219nmのものを使用した。
(絶縁性粒子2)
容器に、メタノール200mlを入れ、次いで、イオン液体(b)0.5ml、水性シリカゾル44.1g(SiO:22.7質量%、水:77.3質量%)を添加し分散液を得た。次いでテトラエトキシシラン23mmolを入れ、撹拌混合した。次いで、十分に撹拌しながら、25%アンモニウム水5mlを加え、25℃でそれぞれ一晩撹拌した後、濃縮した。濃縮後、固形分にメタノールを入れ、一晩撹拌して固形分を分散させた後、遠心分離を行うという操作を2回繰り返し、精製を行った。精製後の固形分を、減圧デシケーター内で真空乾燥させ、イオン液体(b)を固定したシリカ粒子を得た。また、得られたイオン液体(b)を固定したシリカ粒子について、元素分析をおこなったところ、イオン液体(b)の含有量は2.5質量%であった。
なお、水性シリカゾルは市販の動的光散乱法による求めた粒子径が219nmのものを使用した。
(絶縁性粒子3)
容器に、メタノール200mlを入れ、次いで、イオン液体(c)0.5ml、水性シリカゾル44.1g(SiO:22.7質量%、水:77.3質量%)を添加し分散液を得た。次いでテトラエトキシシラン23mmolを入れ、撹拌混合した。次いで、十分に撹拌しながら、25%アンモニウム水5mlを加え、30℃でそれぞれ一晩撹拌した後、濃縮した。濃縮後、固形分にメタノールを入れ、一晩撹拌して固形分を分散させた後、遠心分離を行うという操作を2回繰り返し、精製を行った。精製後の固形分を、減圧デシケーター内で真空乾燥させ、イオン液体(c)の反応残基を固定したシリカ粒子を得た。
また、得られたイオン液体(c)の反応残基を固定したシリカ粒子について、元素分析をおこなったところ、イオン液体(c)の反応残基の含有量は3.0質量%であった。
なお、水性シリカゾルは市販の動的光散乱法による求めた粒子径が219nmのものを使用した。
(絶縁性粒子4)
容器に、メタノール200mlを入れ、次いで、イオン液体(d)0.5ml、水性シリカゾル44.1g(SiO:22.7質量%、水:77.3質量%)を添加し分散液を得た。次いでテトラエトキシシラン23mmolを入れ、撹拌混合した。次いで、十分に撹拌しながら、25%アンモニウム水5mlを加え、25℃で5時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応液を減圧下に50℃で蒸留し溶媒を除去しイオン液体(d)の反応残基を固定したシリカ粒子を得た。また、得られたイオン液体(d)の反応残基を固定したシリカ粒子について、元素分析をおこなったところ、イオン液体(d)の反応残基の含有量は2.0質量%であった。
なお、水性シリカゾルは市販の動的光散乱法による求めた粒子径が219nmのものを使用した。
(絶縁性粒子5)
容器に、メタノール200mlを入れ、次いで、イオン液体(d)0.5ml、水性シリカゾル44.1g(SiO:22.7質量%、水:77.3質量%)を添加し分散液を得た。次いでテトラエトキシシラン23mmolを入れ、撹拌混合した。次いで、十分に撹拌しながら、25%アンモニウム水5mlを加え、25℃で5時間撹拌し反応を行った。反応終了後、反応液を減圧下に50℃で蒸留し溶媒を除去しイオン液体(d)の反応残基を固定したシリカ粒子を得た。また、得られたイオン液体(d)の反応残基を固定したシリカ粒子について、元素分析をおこなったところ、イオン液体(d)の反応残基の含有量は2.0質量%であった。
なお、水性シリカゾルは市販の動的光散乱法による求めた粒子径が144nmのものを使用した。
(絶縁性粒子6)
テトラエトキシシランを添加しない以外は、絶縁性粒子5と同様にしてイオン液体(d)の反応残基を固定したシリカ粒子を得た。また、得られたイオン液体(d)の反応残基を固定したシリカ粒子について、元素分析をおこなったところ、イオン液体(d)の反応残基の含有量は2.2質量%であった。
なお、水性シリカゾルは市販の動的光散乱法による求めた粒子径が219nmのものを使用した。
(絶縁性粒子7)
撹拌羽根を取り付けた200mlの4つ口フラスコに、純水を100ml投入した。その後、スチレンモノマー30.00mmol、4−(ビニルベンジル)トリエチルアンモニウムクロライド0.03mmol、及び重合開始剤として2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド0.50mmolを投入した。窒素を15分間通気し、溶存酸素を追い出した後、60℃に昇温し、6時間保持して重合反応を進行させた。重合後の微粒子の分散液を目開き150μmのSUS篩を通過させ、凝集物を除去した。凝集物を除去した分散液を、遠心分離機にて微粒子を沈降させ、上澄み液を除去した。得られた固形分に純水を加えて洗浄して、ポリ(スチレン/4−(ビニルベンジル)トリエチルアンモニウムクロライド)の球状の微粒子を得た。得られた微粒子の平均粒子径は272nmであった。
<導電性粒子試料の調製>
導電性粒子は、下記の市販の導電性粒子を使用した。
なお、導電性粒子の平均粒子径は走査型電子顕微鏡(SEM)写真(倍率100,000倍)から任意に200個の粒子を抽出して、それらの粒子径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。
(導電性粒子1)
球状の樹脂粒子の表面に厚さが0.125μmのニッケル皮膜を有する、平均粒子径が3μmのNiめっき粒子(日本化学工業株式会社製)を用意した。樹脂粒子は架橋性のアクリル樹脂からなり、ガラス転移温度が120℃であった。なお、平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)写真(倍率、100,000倍)から、任意に抽出して、それらの粒子径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。
(導電性粒子2)
球状の樹脂粒子の表面に、平均高さが0.1μm、平均の基部の長さが0.197μm、アスペクト比0.5である、1,030個の突起を有し且つ厚さが0.125μmのニッケル皮膜を有する、平均粒子径が3μmのNiめっき粒子(日本化学工業株式会社製)を用意した。樹脂粒子は架橋性のアクリル樹脂からなり、ガラス転移温度が120℃であった。なお、平均粒子径は、前記導電性粒子1と同様な方法で測定した。
(導電性粒子3)
球状の樹脂粒子の表面に金−ニッケルの導電層を有する平均粒子径が4.6μmである金めっき粒子(日本化学工業株式会社製)を使用した。樹脂粒子は架橋性のアクリル樹脂からなり、ガラス転移温度が120℃であった。
なお、平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)写真(倍率、100,000倍)から、任意に抽出して、それらの粒子径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。
{実施例1〜12}
上記の導電性粒子5.0gに純水100mlを投入し、攪拌して導電性粒子の分散液を得た。この分散液に前記で調製した絶縁性粒子と、NaSOを投入し、40℃で30分間攪拌した。絶縁性粒子と、NaSOの投入後、分散液中、絶縁性粒子の固形分濃度は質量換算で10,000ppmであり、NaSOの濃度は5mmol/lであった。上澄み液を除去後、純水により洗浄した後、50℃で真空乾燥し、これを被覆粒子試料とした。
{比較例1}
上記で得られた絶縁性粒子7を固形分濃度基準で10,000ppmとなり、NaCl濃度が25mmolとなり、全体が20mlとなるように純水及びNaClを加えて絶縁性粒子分散液を調製した。この分散液に導電性粒子試料1を50mg投入し、室温(25℃)で15時間撹拌した。
次いで、撹拌後の分散液から目開きが10μmのメンブランフィルターにより固形分を分離し、水で洗浄、乾燥し、これを被覆粒子試料とした。
(被覆率の評価)
実施例及び比較例で得られた被覆粒子から、絶縁性粒子を導電性粒子に被覆するときの被覆率の差を評価した。その結果を表1に示す。なお、被覆率は次の方法により求めた。
<被覆率の測定方法>
導電性粒子の表面に、絶縁性粒子が最密充填で配列したときの絶縁粒子の個数Nを以下の計算式で算出した。
N=4π(R+r)/2√3r
(R:導電性粒子の半径(nm)、r:絶縁性微粒子の半径(nm))
SEMにて導電性粒子に付着した絶縁性粒子の個数nを数え、以下の式から被覆率を算出し、その結果を表1に示す。
被覆率(%)=(n/N)×100
評価に用いた被覆率は、導電性粒子20個の平均値とした。
(密着度の評価)
実施例及び比較例で得られた被覆粒子1gを純水100mLに加え、超音波装置(VELVO−CLEAR社製、VS−D100)にて発振周波数24kHzの条件で超音波処理を2分間行って得られた被覆粒子を、前記被覆率の評価と同じ方法で被覆率を算出し、下記式により密着度を算出して密着性の評価とし、その結果を表1に示す。密着度の数値が高いほど超音波処理による絶縁性粒子の脱落が少ないので、導電性粒子と絶縁性粒子との密着性が高いことを意味する。
密着度(%)=(超音波処理後の被覆率/超音波処理前の被覆率)×100
Figure 2021097042
{実施例13}
上記で得られた導電性粒子2(5g)に純水100mlを投入し、攪拌して導電性粒子2の分散液を得た。1質量%のベンゾトリアゾールの水溶液10mlをこの分散液に投入して5分間攪拌して表面処理を行った。その後、目開きが2.0μmのメンブレンフィルターでろ過し、ベンゾトリアゾールの層を表面に有する導電性粒子2を回収した。回収した導電性粒子2を純水で洗浄後、純水100mlを投入してベンゾトリアゾールの層を表面に有する導電性粒子2の分散液を得た。
この分散液に前記で調製した絶縁性粒子4と、NaSOを投入し、40℃で30分間攪拌した。絶縁性粒子と、NaSOの投入後、分散液中、絶縁性粒子の固形分濃度は質量換算で10,000ppmであり、NaSOの濃度は5mmol/lであった。上澄み液を除去後、純水により洗浄した後、50℃で真空乾燥して被覆粒子試料を得た。また、得られた被覆粒子試料について、実施例1〜12と同様にして被覆率及び密着度を評価し、その結果を表2に示す。
{実施例14}
上記で得られた導電性粒子2(5g)にトルエン25mlを投入し、攪拌して導電性粒子2の分散液を得た。イソプロピルトリイソステアロイルチタネート(味の素ファインテクノ製、プレンアクトKR−TTS)0.1gをこの分散液に投入して室温にて20分間攪拌し表面処理を行った。その後、目開きが2.0μmのメンブレンフィルターでろ過し、チタネート系カップリング剤の層を表面に有する導電性粒子2を回収した。回収した導電性粒子2に質量基準でエタノール:純水=75:25の混合液の100mlを投入してチタネート系カップリング剤層を表面に有する導電性粒子2の分散液を得た。
この分散液に前記で調製した絶縁性粒子4と、NaSOを投入し、40℃で30分間攪拌した。絶縁性粒子と、NaSOの投入後、分散液中、絶縁性粒子の固形分濃度は質量換算で10,000ppmであり、NaSOの濃度は5mmol/lであった。上澄み液を除去後、純水により洗浄した後、50℃で真空乾燥して被覆粒子試料を得た。また、得られた被覆粒子試料について、実施例1〜12と同様にして被覆率及び密着度を評価し、その結果を表2に示す。
Figure 2021097042
<導電性の評価>
エポキシ樹脂100質量部、硬化剤150質量部及びトルエン70質量部を混合した絶縁性接着剤と、実施例で得られた被覆粒子試料15質量部とを混合して、絶縁性ペーストを得た。このペーストをシリコーン処理ポリエステルフィルム上にバーコーターを用いて塗布し、その後、ペーストを乾燥して、フィルム上に薄膜を形成した。得られた薄膜形成フィルムを、全面がアルミニウムを蒸着させたガラス基板と、しと銅パターンが50μmピッチに形成されたポリイミドフィルム基板との間に配して、電気接続を行った。この基板間の導通抵抗を測定することで、被覆粒子の導通性を室温下(25℃、50%RH)で評価した。抵抗値が低いほど被覆粒子の導通性が高いものであると評価できる。被覆粒子の導通性評価は、抵抗値が2Ω未満であるものを「非常に良好」(表3中で、「〇」で示す)とし、抵抗値が2Ω以上5Ω未満であるものを「良好」(表3中で、「△」で示す)とし、抵抗値が5Ω以上であるものを「不良」(表3中で、「×」で示す)として評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2021097042

Claims (10)

  1. 芯材粒子の表面に金属皮膜が形成された導電性粒子の表面を、絶縁性粒子で被覆した被覆粒子であって、前記絶縁性粒子が、イオン液体が粒子表面に固定されたシリカ粒子であることを特徴とする被覆粒子。
  2. 前記芯材粒子が、樹脂、又は有機物と無機物との複合材料であることを特徴とする請求項1記載の被覆粒子。
  3. 前記金属皮膜が、ニッケル、パラジウム、金、ニッケル合金、パラジウム合金、金合金から選ばれる少なくとも1種の皮膜である、請求項1乃至2の何れか1項に記載の被覆粒子。
  4. 前記導電性粒子は、金属皮膜上に複数の突起を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の被覆粒子。
  5. 前記イオン液体が、ホスホニウム塩又はアンモニウム塩であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の被覆粒子。
  6. 前記イオン液体が粒子表面に固定されたシリカ粒子は、シリカ粒子の表面にイオン液体及びアルコキシシランの縮合物を含むものであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の被覆粒子。
  7. 前記イオン液体が粒子表面に固定されたシリカ粒子は、シリカ粒子の表面に下記一般式(2)で表されるオニウム塩の加水分解生成物を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の被覆粒子。
    Figure 2021097042
    (式中、QはP原子又はN原子を示す。R、R及びRは炭素数1〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。Rは炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。nは1〜5の整数を示す。Xはアニオン基を示す。)
  8. 前記導電性粒子は、疎水化剤で表面処理されたものであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の被覆粒子。
  9. 前記疎水化剤が、ベンゾトリアゾール系化合物、チタネート系カップリング剤であることを特徴とする請求項8に記載の被覆粒子。
  10. 請求項1乃至9の何れか1項に記載の被覆粒子と絶縁性樹脂とを含む導電性材料。
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