JP2021096244A - Rfタグ位置検出装置 - Google Patents

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剛之 前田
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Abstract

【課題】RFIDシステムに於いて、RFタグの3次元的な位置を検出するRFタグ位置検出装置を提供する。【解決手段】筺体と、面状に配列された複数のアンテナ素子を具備するアレイアンテナ23を複数個備えるとともに、各アレイアンテナ23が、筺体内に同一平面内となるように配置されているアンテナユニット3と、アンテナユニット3内のそれぞれのアレイアンテナ23について、該アレイアンテナ23で受信されるRFタグ4からの到来電波の受信信号、及び該アレイアンテナ23の受信信号に対する応答特性関数に基づき、該到来波の到来方向を推定する到来方向検出手段11と、到来方向検出手段11により推定される、それぞれのアレイアンテナ23における到来電波の到来方向、及び各アレイアンテナ23の相対的な位置座標に基づき、該到来電波を発したRFタグ4のアンテナユニット3に対する相対座標を算出するタグ位置算出手段12と、を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、RFID(Radio Frequency Identification:電波個体識別)システムにおいて、RFタグの3次元的な位置を検出する技術に関する。
一般に、RFIDシステムは、RFIDリーダライタ(RFID reader/writer)又はRFID質問器(RFID interrogator)と呼ばれるRFIDリーダ(RFID reader)と、一乃至複数のRFタグ(RF tag)とを有している。そして、RFIDリーダにより、一乃至複数のRFタグに対して無線周波数の電波信号である質問信号を送信し、これに対してRFタグは同じ周波数帯の電波信号である応答信号を返信する。RFタグには、アクティブタグ(active tag)、パッシブタグ(passive tag)、半アクティブタグ(semi-active tag)がある。アクティブタグは、内部電池を有して自発的に応答信号を発信するRFタグである。これは、主に数十メートルという長距離通信に用いられる。パッシブタグは、内部電池を持たず、RFIDリーダから送信される電波の一部を後方散乱(backscatter)として知られる手法により反射させると共にこれを変調することにより、反射波に応答信号を載せて発信するRFタグである。通信距離は1メートル程度とされる。半アクティブタグは、内部電池を内蔵し、外部からの特定の信号を検知した時にアクティブタグとして機能するRFタグである。パッシブタグよりも読み取り可能な通信距離が長く、アクティブタグよりも電力消費が少ない。
斯かるRFIDシステムに於いてRFタグの存在方向(応答信号の到来方向)を検出する技術としては、特許文献1,2に記載のものが公知である。特許文献1には、RFIDリーダの送受信アンテナにアレイアンテナ(array antenna)を使用した構成が開示されている。
図11に、特許文献1,2に記載のRFIDリーダ用のアレイアンテナ100を示す。アレイアンテナ100は、平板状の接地面101の表面に、9つのアンテナ素子(antenna element)E0〜E8が配置されている。各アンテナ素子は、アンテナ素子E0を対称中心としてアンテナ素子の組(E1,E5),(E2,E6),(E3,E7),(E4,E8)が、其々、45度の角度間隔で、アンテナ素子E0を中心とする略円上に対称に配置されている(図11(a)(b))。各アンテナ素子の放射方向ベクトルdは、通常、接地面101に垂直な方向とされる。アレイアンテナ100から電波を送信する場合、各アンテナ素子に通電する送信波電流の位相及びゲインを調整することにより、送信波の指向性を高めるとともに、指向性曲線におけるメインローブ(main lobe)のビーム方向を自在に制御することが可能である。これを、ビームの「ステアリング(steering)」という。
送信波の位相とゲインは、合成ビームリーダ(SBR:synthesized-beam reader)により制御される。SBRが、主にアンテナ素子E1,E0,E5を使用して送信した場合、アレイアンテナ100のメインローブの方向は直線L105を通る紙面に垂直な面上となり、主にアンテナ素子E2,E0,E6を使用して送信した場合、メインローブの方向は直線L206を通る紙面に垂直な面上となり、主にアンテナ素子E3,E0,E7を使用して送信した場合、メインローブの方向は直線L307を通る紙面に垂直な面上となり、主にアンテナ素子E4,E0,E8を使用して送信した場合、メインローブの方向は直線L408を通る紙面に垂直な面上となる(図11(b))。さらに、直線状に並ぶ3つのアンテナ素子に加えて、それ以外のアンテナ素子の位相及びゲインを制御することにより、ビームのステアリングを任意に制御することができる。
一例として、主にアンテナ素子E2,E0,E6を使用して送信する場合を考える。この場合、図11(c)(d)に示すように、アレイアンテナ100のメインローブは直線L206を通る紙面に垂直な平面S206上となる。図11(d)は図11(c)を直線L206で切断して真横から視た図(平面S206上の図)である。アンテナ素子E2,E0,E6の位相とゲインを変化させることによって、アレイアンテナ100のメインローブはML1L,ML,ML1Hのように、ビーム中心方向を平面S206上で連続的に変化させることが出来る。
特許文献2では、このように、SBRによってメインローブのビーム中心方向を走査しながらRFタグに対して質問信号を送信し、RFタグからの応答信号を受信できたビーム中心方向から、RFタグ存在方向(応答信号の到来方向)を検出する手法が記載されている。図12において、アレイアンテナ100は接地面101を床面に対し平行となるように設置されている。メインローブのビーム中心方向を真下(接地面101に垂直)の方向Lとすると、メインローブは図12(a)のMLのようになる。この場合、床面上でのメインローブを上から視ると、図12(b)のようになる。メインローブのビーム中心方向を真下方向Lから角度θだけ傾いた方向とすると、メインローブは図12(a)のMLのようになる。この場合、床面上でのメインローブを上から視ると、図12(c)のようになる。メインローブのビーム中心方向を真下方向Lから角度θだけ傾いた方向とすると、メインローブは図12(a)のMLのようになる。この場合、床面上でのメインローブを上から視ると、図12(d)のようになる。これらを合わせると、図12(e)のようになり。このように、メインローブのビーム中心方向を、真下方向Lからの角度(垂直角)θを変化させるとともに、水平方向の方位角(水平角)φを変化させて、全方位に亘り走査することにより床面上のRFタグの方位を検出することができる。この方法は、一般的なアレイアンテナにおける到来方向推定方法であるビームフォーマ法(beamformer method)と呼ばれる手法であり、アレイアンテナの到来波の到来方向推定方法として従前より知られている手法である(非特許文献1,pp.47-48,非特許文献2参照)。
尚、一般的なアレイアンテナにおける到来波の到来方向推定方法としては、これ以外にも、Capon法(Capon's beamformer method)(非特許文献1,pp.49-51参照)、線形予測法(Linear Prediction (LP) method)(非特許文献1,pp.51-52参照)、最尤推定法(maximum likelihood method)(非特許文献1,pp.52-54参照)、部分空間ベース法(subspace-based method)(非特許文献1,pp. 54-56参照)、MUSIC(Multiple Signal Classification)(非特許文献1,pp. 57-61参照)、最小ノルム法(minimum norm method)(非特許文献1,p. 61参照)、ESPRIT(Estimation of Signal Parameter via Rotational Invariance Techniques)(非特許文献1,p. 62参照)などが知られている。これらは、主にRFタグとしてアクティブタグを用いるようなRFIDシステムに対して適用が可能と考えられる。
米国特許第9954278号明細書 米国特許第10430623号明細書
Z.Chen, G.Gokeda, and Y.Yu, "Introduction to Direction-of-Arrival Estimation (Artech House Remote Sensing Library)", 初版, Artech House, 2010年2月. S. N. Bhuiya, F. Islam, and M. A. Matin, "Analysis of Direction of Arrival Techniques Using Uniform Linear Array", International Journal of Computer Theory and Engineering, 2012年12月, Vol.4, No.6, pp.931-934.
実際に、人や物の移動の探知、出入場管理など様々な用途でRFタグを用いる場面に於いて、RFタグの位置をリアルタイムに検出する技術が求められている。特許文献2に示された技術を用いれば、RFIDリーダのアレイアンテナに対するRFタグの相対的な方位を検出することが可能である。また、アレイアンテナの受信範囲がオーバーラップするようにアレイアンテナを室内に間隔をあけて複数設けることによって、連続的に移動するRFタグの追跡が可能となる(特許文献2,Fig.20−22参照)。
然し乍ら、特許文献2に記載の手法では、アレイアンテナに対するRFタグの相対的な方位は検出できるが、RFタグの高さ(3次元空間内の位置)までは検出することができない。また、上述した、各種のアレイアンテナにおける到来波の到来方向推定方法においても、到来波の到来方向の推定は行うが、到来波の電波源までの距離の推定を行うものではない。従って、例えば、商品の管理を、RFタグを用いて行う場合、RFタグが付された商品がどの方向に存在するかは検出可能であるが、多数の商品棚が並んであると、どの商品棚のどの段にその商品があるのかまでは検出できない。
そこで、本発明の目的は、RFIDシステムに於いて、RFタグの3次元的な位置を検出するRFタグ位置検出装置を提供することにある。
本発明に係るRFタグ位置検出装置の第1の構成は、筺体と、面状に配列された複数のアンテナ素子を具備するアレイアンテナを複数個備えるとともに、前記各アレイアンテナが、前記筺体内に同一平面内となるように配置されているアンテナユニットと、
前記アンテナユニット内のそれぞれの前記アレイアンテナについて、該アレイアンテナで受信されるRFタグからの到来電波の受信信号、及び該アレイアンテナの受信信号に対する応答特性関数に基づき、該到来波の到来方向を推定する到来方向検出手段と、
前記到来方向検出手段により推定される、それぞれの前記アレイアンテナにおける前記到来電波の到来方向、及び各アレイアンテナの相対的な位置座標に基づき、該到来電波を発したRFタグの前記アンテナユニットに対する相対座標を算出するタグ位置算出手段と、を備えていることを特徴とする。
この方法によれば、到来方向検出手段は、アンテナユニットの筺体内に同一平面内に配置された複数のアレイアンテナの其々に対して、RFタグの到来波の到来方向を推定する。到来方向は、アレイアンテナ平面(各アレイアンテナが配置された平面)に対する垂直前方向からの角度(垂直角)θ、及び水平方向の方位角(水平角)φの組として得られ、i番目(i=1,…,N)(Nはアレイアンテナの数)のRFタグに対する到来方向は(θ,φ)として得られる。タグ位置算出手段は、これらの各アレイアンテナに対して検出される到来方向(θ,φ)(i=1,…,N)と、アレイアンテナ平面上での各アレイアンテナの相対的な位置座標(x,y)(i=1,…,N)に基づき、到来電波を発したRFタグのアンテナユニットに対する相対座標(3次元座標)を算出する。各アレイアンテナはアンテナユニットの筺体内に固定されているので、位置座標(x,y)(i=1,…,N)は既知であるため、タグ位置算出手段はRFタグのアンテナユニットに対する相対座標を計算することが可能であり、これにより、RFタグの3次元的な位置を検出することが可能となる。
ここで、「面状に配列」とは、平面内での配列のみならず、曲面(例えば、球面)内の配列も含む。「アレイアンテナの受信信号に対する応答特性関数」とは、到来信号に対するアレイアンテナの受信信号の関係を表す応答関数(インパルス応答関数)をいう。アレイアンテナの受信信号に対する応答特性関数は、アンテナユニットの構造及び材質により一意に決まるため、各アレイアンテナに対して既知の関数である。到来方向検出手段が到来波の到来方向を推定する方法としては、前述のビームフォーマ法(特許文献1,2,非特許文献1,pp.47-48,非特許文献2参照)、Capon法(非特許文献1,pp.49-51参照)、線形予測法(非特許文献1,pp.51-52参照)、最尤推定法(非特許文献1,pp.52-54参照)、部分空間ベース法(非特許文献1,pp. 54-56参照)、MUSIC(非特許文献1,pp. 57-61参照)、最小ノルム法(非特許文献1,p. 61参照)、ESPRITなどの公知の手法を使用することができる。RFタグがパッシブタグ又は半アクティブタグの場合には、ビームフォーマ法が適していると考えられるが、アレイアンテナの放射ビーム方向の走査と、Capon法,線形予測法,最尤推定法,部分空間ベース法,MUSIC,最小ノルム法,ESPRITなどとを組合わせて適用することも可能である。
本発明に係るRFタグ位置検出装置の第2の構成は、前記第1の構成に於いて、前記アンテナユニットは、2つ以上の前記アレイアンテナが、同一直線上となるように配列されていることを特徴とする。
これにより、タグ位置算出手段によるRFタグのアンテナユニットに対する相対座標を計算が簡略化され、少ない計算コストで相対座標の計算を行うことが可能となる。従って、多数のRFタグの3次元位置をリアルタイムで検出するのに適した構成となる。
本発明に係るRFタグ位置検出装置の第3の構成は、前記第1の構成に於いて、前記アンテナユニットは、4つの前記アレイアンテナが、四角形の頂点上に位置するように配列されていることを特徴とする。
これにより、タグ位置算出手段によるRFタグのアンテナユニットに対する相対座標を計算が簡略化され、少ない計算コストで相対座標の計算を行うことが可能となる。従って、多数のRFタグの3次元位置をリアルタイムで検出するのに適した構成となる。また、4つのアレイアンテナを用いることによって、RFタグの3次元位置の推定精度を向上させることが出来る。
以上のように、本発明のRFタグ位置検出装置によれば、RFタグの3次元的な位置を検出することが可能となるため、移動するRFタグの立体空間内での追跡が可能となる。
本発明の実施例1に係るRFタグ位置検出装置の全体構成を表すブロック図である。 図1のアンテナユニット3(ステレオアレイアンテナ)の構造を説明する図である。 アンテナユニット3の無線通信モジュール22の基本構成を表す図である。 N素子リニアアレイアンテナの受信側モデルを示す図である。 N=8,θ=45度の場合のアレイファクタ|D(θ)|の指向性パターンを示す図である。 図6にアレイアンテナA,AとRFタグ4の位置関係を示す図である。 実施例2に係るRFタグ位置検出装置のアンテナユニットの筺体内を表側から視た平面図である。 図7のマルチアレイアンテナの相対座標系を表す図である。 実施例3に係るRFタグ位置検出装置のアンテナユニット3の筺体20内を表側から視た平面図である。 実施例4に係るRFタグ位置検出装置のアンテナユニット3の筺体20内を表側から視た平面図である。 特許文献1,2に記載のRFIDリーダ用アレイアンテナである。 特許文献2に記載のRFIDリーダ
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
(1)装置構成
図1は、本発明の実施例1に係るRFタグ位置検出装置の全体構成を表すブロック図である。本実施例で説明するRFタグ位置検出装置1は、床面Fと天井Cの間の探査空間Rの空間内に存在する一乃至複数のRFタグ4の3次元位置を検出する装置である。
RFタグ位置検出装置1は、リモートコンポーネント2と、1乃至複数のアンテナユニット3を備えている。其々のアンテナユニット3は、通信回線5によりリモートコンポーネント2と接続されている。各アンテナユニット3は、探査空間Rの上部の天井Cに設置されている。アンテナユニット3は、探査空間R内に存在する一乃至複数のRFタグ4と無線通信を行う装置である。アンテナユニット3は、筐体の内部に複数のアレイアンテナ21、無線通信モジュール22、及び通信回線インタフェースモジュール(以下「通信回線I/Fモジュール」)23を備えている。アレイアンテナ21は、複数のアンテナ素子により構成されており、探査空間R内に存在する一乃至複数のRFタグ4と無線通信を行うアンテナである。無線通信モジュール22は、アレイアンテナ21の各アンテナ素子の移相器のゲイン及び位相の制御を行うとともに、RFタグ4との無線送受信の制御を行うモジュールである。通信回線I/Fモジュール23は、通信回線5を介したリモートコンポーネント2との間のデータ通信の制御を行うモジュールである。
リモートコンポーネント2は、到来方向検出モジュール11、タグ位置算出モジュール12、及び通信回線I/Fモジュール13を備えている。到来方向検出モジュール11は、各アンテナユニット3内のそれぞれのアレイアンテナ21について、該アレイアンテナ21で受信されるRFタグ4からの到来電波の受信信号、及び該アレイアンテナ21の受信信号に対する応答特性関数に基づき、該到来波の到来方向を推定するモジュールである。タグ位置算出モジュール12は、到来方向検出モジュール11により推定される、それぞれのアレイアンテナ21における到来電波の到来方向、及び各アレイアンテナ21のアンテナユニット3内での相対的な位置座標に基づき、該到来電波を発したRFタグ4のアンテナユニット3に対する相対座標を算出するモジュールである。通信回線I/Fモジュール13は、通信回線5を介した各アンテナユニット3との間のデータ通信の制御を行うモジュールである。
尚、本実施例では、到来方向検出モジュール11及びタグ位置算出モジュール12を、アンテナユニット3とは別のリモートコンポーネント2に設けた例を示すが、本発明では、到来方向検出モジュール11及びタグ位置算出モジュール12もアンテナユニット3の筺体20内に全て内蔵した構成とすることもできる。また、到来方向検出モジュール11及びタグ位置算出モジュール12は、回路としてハードウェア的に構成してもよいし、CPUやマイコンを設けプログラムを読み込ませて実行することにより機能的に構成するようにしてもよい。また、FPGAなどの再構成可能論理回路にプログラムすることにより構成するようにしてもよい。
図2は、図1のアンテナユニット3の構造を説明する図である。図2(a)はアンテナユニット3の要部斜視図、図2(b)(c)はアンテナユニット3の要部平面図を表している。尚、図2では、アンテナユニット3の筐体20及びアレイアンテナ21のみを示しており、無線通信モジュール22,通信回線I/Fモジュール23は省略している。アンテナユニット3は、図2(a)に示しているように、筺体20と、2つのアレイアンテナ21,21を備えている。2つのアレイアンテナ21,21は、筺体内に同一平面内となるように配置され、その向きも同方向となるように揃えられている。各アレイアンテナ21は、平板状のグランド板21aと、グランド板21a上の同一平面内に配列された9つのアンテナ素子21bを具備する。グランド板21aは電気的に接地されている。アンテナ素子21bは、パッチアンテナ(マイクロストリップアンテナ)、スロットアンテナ、ワイヤアンテナ、ホーンアンテナ、ヘリカルアンテナ等を用いることができる。アンテナユニット3の小形化の観点からは、パッチアンテナを使用するのが好適である。尚、本実施例ではグランド板21aは平面板としているが、グランド板21aは平面状以外に、凸曲面状(例えば、切断球面状)とすることもできる。また、本実施例ではアンテナ素子21bの数は9つとしているが、本発明では、アンテナ素子21bの数は、十分なメインローブのビーム中心方向のステアリングを可能とする数であれば、9つに限るものではない。
図2(b)は、図2(a)のアンテナユニット3を表側面の側から視た平面図である。図2(a),(b)に示すように、2つのアレイアンテナ21,21の上面を含む平面をxy平面とし、アレイアンテナ21,21の中心点O,Oを結ぶ直線をx軸、これに直交するxy平面内の軸をy軸とし、xy平面に垂直でアンテナユニット3を裏側面から表側面に向かう方向の軸をz軸とする。各アレイアンテナ21,21の中心点O,Oの中点を原点Oとする。アレイアンテナ21,21の中心点O,O間の距離を2aとする。図2(b)では、各アレイアンテナ21内の9つのアンテナ素子21bは、3行×3列の格子状に配列されており、各アレイアンテナ21はアンテナ素子21bの行・列の向きが揃うように配置されている。各アンテナ素子21bは、メインローブの方向がz軸方向となるように配置されている。
尚、アレイアンテナ21内におけるアンテナ素子21bの配列については、必ずしも格子状でなくてもよい。例えば、図2(c)に示した様に、9つのアンテナ素子21bを、其々、E,E,…,Eとし、中心のアンテナ素子をEとしたとき、8つの周辺のアンテナ素子E,…,Eを中心のアンテナ素子をEに対する距離が略等しくなるように配置することもできる。このような配置とすると、其々、直線L105,L206,L307,L408上に並ぶアンテナ素子列(E,E,E),(E,E,E),(E,E,E),(E,E,E)の間で素子間隔が等しくなるので、ステアリング制御の際のアンテナ素子間の位相シフト量が、これらのアンテナ素子列間で等しくなり、無線通信モジュール22によるステアリング制御が容易となる。
尚、複数のアンテナ素子21bが並ぶ直線軸を「アレイ軸」(array axis)又は「ベースライン」(baseline)という。例えば、図2(b)(c)では、4つのアレイ軸L105,L206,L307,L408が存在する。アンテナ素子21bが並ぶ面に対して垂直に立てられた軸の方向を「ブロードサイド」(broadside)という。
図3は、アンテナユニット3の無線通信モジュール22の基本構成を表す図である。図3において、E,E,…,Eはアンテナ素子21bである。ここでは、一般化のため、素子数をNと表記しているが、図2に示した例ではN=9である。また、図3はアンテナ素子21bのフロントエンド部分のみを示しており、信号処理モジュール、物理ドライバモジュール(物理層)、メディアアクセス制御モジュール(データリンク層)、アプリケーションモジュール(アプリケーション層)については省略している(例えば、特許文献1のFig.5参照)。これら省略した各階層のモジュールは、通常のRFリーダの無線通信インタフェースと同様である。無線通信モジュール22は、其々のアンテナ素子E(i=0,1,…,N−1)に一対一に対応して、サーキュレータ、可変移相器、振幅調整器を備えている。サーキュレータは、アンテナ素子Eの送信信号と受信信号を分波する。可変移相器は、アンテナ素子Eへ入力する送信信号ξ(t)又はアンテナ素子Eが出力する受信信号x(t)の移相(phase-shift)を行う。振幅調整器は、アンテナ素子Eへ入力する送信信号ξ(t)又はアンテナ素子Eが出力する受信信号x(t)のゲイン調整を行う。以下では、可変移相器と振幅調整器を合わせて「振幅調整移相器」と呼ぶ。本明細書では、受信信号x(t)及び送信信号ξ(t)は、振幅を実数、位相をe(ネピア数)の複素数乗で表す複素数表示を使用する。振幅調整移相器によって、送信信号ξ(t)又は受信信号x(t)には、複素ウエイト(complex weight)wが乗ぜられる。また、無線通信モジュール22は、各アンテナ素子Eが出力する受信信号x(t)に振幅調整移相器で複素ウエイトw が乗ぜられた移相処理信号を加算する加算器を備えている。この加算器の出力が、アレイ全体のアレイ出力信号y(t)となる。
(2)RFタグ位置検出装置1の動作
(2.1)アレイアンテナの動作の基本的事項
後で説明する到来方向検出モジュール11,タグ位置算出モジュール12の動作説明において必要であるため、最初に、アレイアンテナの動作の基本的な事項について簡単に説明しておく。ここでは、説明を簡単にするため、N素子リニアアレイアンテナについて説明する。図4に、N素子リニアアレイアンテナの受信側モデルを示す。図4では、図3と区別するため、アンテナ素子の符号法として、A,A,…,Aを用いている。リニアアレイアンテナでは、アンテナ素子は一直線(アレイ軸)上に配列している。このアレイ軸に対して垂直な方向を「ブロードサイド」(broadside)という。アレイ軸上の任意の位置に基準点Oを置き、各アンテナ素子A(i=1,…,N)の基準点Oからの距離をdとする。このN素子リニアアレイアンテナに対して到来する電波を「到来波」(arraival wave)と呼ぶ。到来波が到来する方向を「到来方向」(direction-of-arraival:DOA)と呼ぶ。
今、このN素子リニアアレイアンテナに対してM個の到来波s,…,sが入力する場合を考える。到来波sの到来方向がブロードサイドと成す角θを「到来角」(arraival angle)と呼ぶ。各アンテナ素子21bは同一構造・同一向きであるとし、その指向性関数をg(θ)(θはブロードサイドに対する角度)とする。アレイアンテナの幅に対して各到来波sが狭帯域の場合、アンテナ素子Aに誘起される受信信号x(t)は式(1)のようになる。ここで、λは到来波の波長、dは基準点Oからアンテナ素子Aまでの距離である。
Figure 2021096244
図4に示した様に、各アンテナ素子Aに対して振幅調整移相器が設けられており、この振幅調整移相器において、受信信号x(t)はw 倍に増幅される。ここで、( )は複素共軛を表す。wはアンテナ素子Aに対する重み係数であり「複素ウエイト」(complex weight)という。そして、各振幅調整移相器の出力は加算器で加算され、アレイ出力信号y(t)として出力される。従って、アレイ出力信号y(t)は式(2a)のように表される。
Figure 2021096244
上式に於いて、s(t)はj番目の到来波の信号である。W,δは、其々、振幅調整移相器のゲイン(振幅重み係数),移相量である。D(θ)は「アレイファクタ」(array factor)といい、アレイアンテナに対する固有の関数である。式(2a)より、アレイアンテナ全体の指向性は、アンテナ素子21bの指向性関数g(θ)とアレイファクタD(θ)の積で表されている。従って、各アンテナ素子21bは同一構造・同一向きの場合、アレイファクタD(θ)を制御することによって、アレイアンテナ全体の指向性を調整することができる。もし、到来角θの方向に対してアレイファクタD(θ)を最大としたい場合には、各振幅調整移相器の移相量δを次式(3)のように設定すればよい。
Figure 2021096244
このとき、到来角θの方向からの到来信号に対しては、各アンテナ素子の振幅調整移相器の出力の位相が揃うため、合成すると互いに強め合いアレイ出力信号y(t)は最大となる。到来角が角θの方向からずれると、各アンテナ素子の振幅調整移相器の出力の位相が一致せず、合成すると互いに相殺してアレイ出力信号y(t)は弱まる。このようにして、アレイアンテナでは、特定の方向の到来信号に対する利得が向上する。ここでは、受信信号の場合について説明したが、送信信号の場合についても全く同様のことがいえる。
一例として、図5に、N=8,θ=45度の場合のアレイファクタ|D(θ)|の指向性パターンを示す。この場合、到来角θが45度の周辺でアレイファクタ|D(θ)|の大きさは最大となる。図5の指向性パターンにおいて、幾つかの方向に対して|D(θ)|の極大値がみられるが、これらの極大値周辺の葉状曲線を「ローブ」(lobe)という。指向性パターンが最大となる方向(θ=45度)の周辺を「メインローブ」(main lobe)という。メインローブ以外のローブを「サイドローブ」(side lobe)という。また、ローブとローブの間の零点を「ヌル」(null)という。
尚、ここでは、簡単に説明を行うため、リニアアレイアンテナについて説明するが、アンテナ素子が一平面内に2次元状に配置された平面アレイアンテナの場合についても同様に考えることが出来る。この場合、到来角は2次元(θ,φ)となるので、アンテナ素子の指向性関数及びアレイファクタは、g(θ,φ),D(θ,φ)のように表される。ここで、θは到来波sの到来方向がブロードサイドと成す角、φは到来方向のxy平面上の方位角(到来方向ベクトルのxy平面内成分のx軸に対する角度)である(以下の説明ではθを「垂直角」、φを「水平角」という)。平面アレイアンテナに対して座標系を図2(a)のように設定した場合、アレイファクタD(θ,φ)は次式(4a)のように表される。ここで、ベクトルdは基準点Oに対するアンテナ素子Aの相対位置ベクトル、ベクトルuは到来方向の単位ベクトルである。
Figure 2021096244
今、受信信号x(t),複素ウエイトw(i=1,…,N)を次式(5a),(5c)のようにベクトルx(t),wで表記し、其々、入力ベクトル(input vector),ウエイトベクトル(weight vector)と呼ぶ。
Figure 2021096244
ここで、式(5b)のベクトルa(θ)は「アレイ応答ベクトル」(array response vector)という。このベクトルx(t),wを用いて、アレイ出力信号y(t)は式(6)のように表される。ここで、( )は転置、( )は複素共軛転置(エルミート共軛)、( )は複素共軛を表す。
Figure 2021096244
実際の装置に於いては、各アンテナ素子の入力信号x(t)は、到来信号成分と雑音成分との和で表される。従って、実際に観測されるアレイ出力信号y(t)を議論する場合には、期待値(アンサンブル平均)を求める必要がある。式(6)より、到来角θ方向(メインローブ方向)に対するアレイアンテナのアレイ出力信号y(t)及び出力電力Poutは次式(7a),(7b)のようになる。
Figure 2021096244
ここで、E[ ]は期待値(アンサンブル平均)を表す。ベクトルn(t)は雑音ベクトルを表す。行列Rxxは相関行列(共分散行列)である。尚、ここでは、簡略化のため1つの到来波(M=1)の場合を考え、到来波の信号をs(t)とした。従って、アレイアンテナの出力SINR(Signal-to-Interference-pulse-Noise Ratio)は次のように表される。
Figure 2021096244
ここで、Ps=E[|s(t)|]は到来波の信号電力、Pは1つのアンテナ素子当たりの雑音電力である。ww=const.なので、式(8a)の分子が最大となるときに出力SINRが最大となる。従って、出力SINRが最大となる条件は、ウエイトベクトルwが受信波の振幅調整移相器出力の位相を揃える共相共振ベクトルとなる場合であり、次のように表される。
Figure 2021096244
この共相共振のウエイトベクトルwを用いるアレイを「フェイズドアレイ」(phased array)という。尚、平面アレイアンテナの場合には、共相条件(同相となるように位相を揃える条件)は次のように表される。
Figure 2021096244
ここで、(θ,φ)はメインローブの方向を表す垂直角及び水平角である。
(2.2)各到来方向検出モジュール11の動作
RFタグ4がパッシブタグである場合、RFタグ4は後方散乱の手法(アンテナユニット3から送信される電波の一部を反射させると共に、これを変調することにより反射波に応答信号を載せて発信する手法)により応答信号を送信する。従って、RFタグ4が応答信号を送信するには、アレイアンテナ21のメインローブがRFタグ4の方向を向いていなければならない。従って、到来方向検出モジュール11がRFタグ4の方向を検出する手法としては、ビームフォーマ法を用いるのが好適であると考えられる。一方、RFタグ4がアクティブタグや半アクティブタグの場合には、質問信号の電力がRFタグ4の受信限界電力を下回らなければ、必ずしも、アレイアンテナ21のメインローブがRFタグ4の方向を向いている必要はない。従って、到来方向検出モジュール11がRFタグ4の方向を検出する手法としては、アレイアンテナ21のビーム幅、サイドローブ、及びノイズに対してよりロバストな手法である、Capon法、線形予測法、最尤推定法、部分空間ベース法、MUSIC、最小ノルム法、ESPRITなどの最尤推定の手法を応用した公知の手法を使用することが好適である。これらの手法の詳細については、非特許文献1などに記載されており、既に公知であるため、ここでは説明を省略する。
本実施例では、RFタグ4がパッシブタグである場合を想定し、到来方向検出モジュール11がビームフォーマ法を用いてRFタグ4の方向の検出を行うものとする。この場合、到来方向検出モジュール11は、アレイアンテナ21のメインローブを、ステアリング範囲内で全方向に亘って走査し、アレイの出力電力が最も大きくなる方向を探査する。メインローブの走査は、基本的には、各振幅調整移相器の複素ウエイトwを制御することにより制御することができる。例えば、アレイアンテナ21のメインローブを、角度(θ,φ)の方向に向けるには、ウエイトベクトルwを式(10)のように設定すればよい。メインローブの角度θ,φを、其々、−90度から90度まで変化させ、アレイアンテナ21の出力電圧のピークを探索する。式(10)のa(θ,φ)は「モードベクトル」(mode vector)と呼ばれる。ウエイトベクトルをw=a(θ,φ)の共相条件に設定したとき、アレイアンテナ21の出力電力は次のようになる。
Figure 2021096244
従って、アレイアンテナ21の出力電力の角度スペクトラムPBF(θ,φ)は、この出力電力関数を次のように正規化することで計算することが出来る。
Figure 2021096244
到来方向検出モジュール11は、入力ベクトルの相関行列Rxxとモードベクトルa(θ,φ)を用いて角度スペクトラムPBF(θ,φ)を求め、角(θ,φ)を変化させたときのPBF(θ,φ)のピークの位置から、応答信号の到来方向の到来角(θ,φ)を求める。
(2.3)タグ位置算出モジュール12の動作
タグ位置算出モジュール12は、(2.2)で説明したようにして到来方向検出モジュール11により推定される、それぞれのアレイアンテナ21,21における応答信号の到来方向、及び各アレイアンテナの相対的な位置座標に基づき、該応答信号を発したRFタグ4のアンテナユニット3に対する3次元相対座標を推定算出する。以下、このタグ位置算出モジュール12によるRFタグ4の3次元相対座標の算出方法について説明する。
今、アンテナユニット3の筺体内において、2つのアレイアンテナ21,21は図2に示した様に、距離2aの間隔を開けて配置されている。図2に示した様に、アンテナユニット3に対する相対的な3次元座標系(x,y,z)を設定し、2つのアレイアンテナ21,21の中心の位置座標をO(−a,0,0),O(a,0,0)とする。以下では2つのアレイアンテナ21,21を区別するため、位置OのアレイアンテナをA、位置OのアレイアンテナをAと付号する。また、到来方向検出モジュール11により応答信号の到来方向が推定されたRFタグ4は点Tにあるとし、点Tの座標を(x,y,z)とする。
図6にアレイアンテナA,AとRFタグ4の位置関係を示す。3次元座標系(x,y,z)は図2と同様であり、アレイアンテナA,Aの表側面をxy平面としている。図1に示した様にアンテナユニット3は天井Cに下向きに設置されるので、実際にはz軸は下向きとなるが、図6は上下反転して表している。RFタグ4がある点Tよりxy平面に下ろした垂線の足をT(x,y,0)とする。点O,O,T,Tの位置ベクトルをa,a,t,tとする。また、方向ベクトルr,r,r’,r’を、其々、次のように置く。
Figure 2021096244
方向ベクトルr’,r’がx軸と成す角を、其々、φ,φとする。また、方向ベクトルr,rがブロードサイドに対して成す角をθ,θとする。タグ位置算出モジュール12は、2つのアレイアンテナA,Aに対して推定した応答信号の到来方向(θ,φ),(θ,φ)を出力する。x,y,z軸方向の単位ベクトルをi,j,kとすると、次の関係が成り立つ。
Figure 2021096244
これを成分表示すると次の連立方程式になる。
Figure 2021096244
これを解くことにより、座標x,y,zは次のように算出される。
Figure 2021096244
尚、zは式(15a)又は式(15b)の何れか一方のみを用いても計算できるが、θ,θの検出誤差があることを考慮して、ここではθ,θの両方を用いて計算するようにしている。
以上より、タグ位置算出モジュール12は、次のようなアルゴリズムに従ってRFタグ4の相対座標(x,y,z)の推定を実行する。
(アルゴリズム1)
[1] まず、タグ位置算出モジュール12が出力する推定到来方向(θ,φ),(θ,φ)がタグ位置算出モジュール12に入力される。
[2] 次に、a,(θ,φ),(θ,φ)に基づき、次式により(x,y)を推定する。
Figure 2021096244
[3] 最後に、a,x,y,θ,θにより、式(16c)によりzを決定する。
(アルゴリズム終わり)
本実施例では、アンテナユニット3が3つのアレイアンテナ21を備えた例について説明する。図7は、実施例2に係るRFタグ位置検出装置のアンテナユニット3の筺体20内を表側から視た平面図である。尚、RFタグ位置検出装置の全体構成は図1と同様であるとする。本実施例では、アンテナユニット3では、筺体20内に3つのアレイアンテナ21,21,21が、其々同一平面内となるように設けられている。3つのアレイアンテナ21,21,21は、原点Oを重心とする正三角形の頂点A,A,Aの位置に其々配置されている。点A,A,Aのxy平面上の座標は、其々、(x,y),(x,y),(x,y)である。以下、頂点Aのアレイアンテナ21をアレイアンテナA,頂点Aのアレイアンテナ21をアレイアンテナA,頂点Aのアレイアンテナ21をアレイアンテナAと呼ぶ。また、図7において、点A,Aの中点をO12,点A,Aの中点をO23,点A,Aの中点をO31とする。
この場合、到来方向検出モジュール11は、其々のアレイアンテナA,A,Aについて、RFタグ4の応答信号の到来方向(θ,φ),(θ,φ),(θ,φ)を推定し出力する。そして、タグ位置算出モジュール12は、アンテナ対(A,A),(A,A),(A,A)の其々のアンテナ素子のペアに対して、(アルゴリズム1)と同様の手順により、中点O12,O23,O31を原点とする局所座標系に対するRFタグ4の3次元相対座標(xT (1),yT (1),zT (1)),(xT (2),yT (2),zT (2)),(xT (3),yT (3),zT (3))を決定し、これらを原点Oに対する相対座標にアフィン変換し、アフィン変換した各座標値の平均値をアンテナユニット3(原点O)に対するRFタグ4の相対位置座標(xT,yT,zT)として出力する。
この場合、3つの中点O12,O23,O31に対する相対座標系(x(1),y(1)),(x(2),y(2)),(x(3),y(3))は、其々、図8に示した様に設定される。尚、z軸は、何れもブロードサイド方向である。ここで、各アレイアンテナA,A,Aは、一辺の長さが2aの正三角形の頂点に配置されているとし、(x,y)=(−a,−a/√3),(x,y)=(a,−a/√3),(x,y)=(0,2a/√3)とする。この場合、相対座標系(x(1),y(1),z)は、原点Oの相対座標系(x,y,z)に対して(0,−a/√3,0)だけ平行移動した相対座標系である。相対座標系(x(2),y(2),z)は、原点Oの相対座標系(x,y,z)に対して(a/2,a/2√3,0)だけ平行移動し、z軸を回転軸として2π/3[rad]だけ回転した相対座標系である。相対座標系(x(3),y(3),z)は、原点Oの相対座標系(x,y,z)に対して(−a/2,a/2√3,0)だけ平行移動し、z軸を回転軸として4π/3[rad]だけ回転した相対座標系である。
アンテナ対(A,A)により相対座標系(x(1),y(1),z)におけるRFタグ4がある点Tの相対位置座標(xT (1),yT (1),zT (1))が得られる。アンテナ対(A,A)により相対座標系(x(2),y(2),z)におけるRFタグ4がある点Tの相対位置座標(xT (2),yT (2),zT (2))が得られる。アンテナ対(A,A)により相対座標系(x(3),y(3),z)におけるRFタグ4がある点Tの相対位置座標(xT (3),yT (3),zT (3))が得られる。
xy平面内の其々の相対座標(x(1),y(1)),(x(2),y(2)),(x(3),y(3))を、原点Oの相対座標系(x,y)の相対座標(x(1)’,y(1)’),(x(2)’,y(2)’),(x(3)’,y(3)’)に変換するには、次のようなアフィン変換を行えばよい。
Figure 2021096244
この結果得られた3つの相対座標の平均をとることで、最終的な、アンテナユニット3(原点O)に対するRFタグ4の相対座標(xT,yT,zT)が次のように得られる。
Figure 2021096244
このように、3つのアレイアンテナ21を用いることで、2つの場合(実施例1)に比べて、RFタグ4の相対座標の推定誤差を小さくすることができる。
本実施例では、アンテナユニット3が3つのアレイアンテナ21を備えた例について説明する。図9は、実施例3に係るRFタグ位置検出装置のアンテナユニット3の筺体20内を表側から視た平面図である。本実施例では、アレイアンテナA,A,Aは同一直線上に等間隔で配置されている。この場合も、実施例2と同様に、到来方向検出モジュール11は、其々のアレイアンテナA,A,Aについて、RFタグ4の応答信号の到来方向(θ,φ),(θ,φ),(θ,φ)を推定し出力する。そして、タグ位置算出モジュール12は、アンテナ対(A,A),(A,A),(A,A)の其々のアンテナ素子のペアに対して、(アルゴリズム1)と同様の手順により、中点O12,O23,O31を原点とする局所座標系に対するRFタグ4の3次元相対座標(xT (1),yT (1),zT (1)),(xT (2),yT (2),zT (2)),(xT (3),yT (3),zT (3))を決定し、これらを原点Oに対する相対座標にアフィン変換し、アフィン変換した各座標値の平均値をアンテナユニット3(原点O)に対するRFタグ4の相対位置座標(xT,yT,zT)として出力する。図9のように、アレイアンテナA,A,Aを同一直線上に配置することにより、実施例2のような複雑な座標回転を伴う座標変換は必要なくなり、単純な平行移動の座標変換のみとなるので、計算コストが小さくなり、リアルタイムでRFタグの位置検出を行う際には有利である。
本実施例では、アンテナユニット3が4つのアレイアンテナ21を備えた例について説明する。図10は、実施例4に係るRFタグ位置検出装置のアンテナユニット3の筺体20内を表側から視た平面図である。本実施例では、アレイアンテナA,A,A,Aは、原点Oを中心とした方形の頂点上に配置されている。この場合も、実施例2と同様に、到来方向検出モジュール11は、其々のアレイアンテナA,A,A,Aについて、RFタグ4の応答信号の到来方向(θ,φ),(θ,φ),(θ,φ),(θ,φ)を推定し出力する。そして、タグ位置算出モジュール12は、アンテナ対(A,A),(A,A),(A,A),(A,A)の其々のアンテナ素子のペアに対して、(アルゴリズム1)と同様の手順により、中点O12,O23,O34,O41を原点とする局所座標系に対するRFタグ4の3次元相対座標(xT (1),yT (1),zT (1)),(xT (2),yT (2),zT (2)),(xT (3),yT (3),zT (3)),(xT (4),yT (4),zT (4))を決定し、これらを原点Oに対する相対座標にアフィン変換し、アフィン変換した各座標値の平均値をアンテナユニット3(原点O)に対するRFタグ4の相対位置座標(xT,yT,zT)として出力する。図10のように、アレイアンテナA,A,A,Aを方形の頂点上に配置することにより、実施例2のような複雑な座標回転を伴う座標変換は必要なくなり、単純な平行移動の座標変換及びx座標とy座標の入れ替え(90度回転)のみとなるので、計算コストが小さくなり、リアルタイムでRFタグの位置検出を行う際には有利である。また、4つのアレイアンテナ21を用いることで、2つの場合(実施例1)や3つの場合(実施例2,3)に比べて、RFタグ4の相対座標の推定誤差をより小さくすることができる。
1 RFタグ位置検出装置
2 リモートコンポーネント
11 到来方向検出モジュール
12 タグ位置算出モジュール
13 通信回線インタフェースモジュール
3 アンテナユニット
20 筐体
21 アレイアンテナ
21a グランド板
21b アンテナ素子
22 無線通信モジュール
23 通信回線インタフェースモジュール
4 RFタグ
5 通信回線

Claims (3)

  1. 筺体と、面状に配列された複数のアンテナ素子を具備するアレイアンテナを複数個備えるとともに、前記各アレイアンテナが、前記筺体内に同一平面内となるように配置されているアンテナユニットと、
    前記アンテナユニット内のそれぞれの前記アレイアンテナについて、該アレイアンテナで受信されるRFタグからの到来電波の受信信号、及び該アレイアンテナの受信信号に対する応答特性関数に基づき、該到来波の到来方向を推定する到来方向検出手段と、
    前記到来方向検出手段により推定される、それぞれの前記アレイアンテナにおける前記到来電波の到来方向、及び各アレイアンテナの相対的な位置座標に基づき、該到来電波を発したRFタグの前記アンテナユニットに対する相対座標を算出するタグ位置算出手段と、を備えていることを特徴とする、RFタグ位置検出装置。
  2. 前記アンテナユニットは、2つ以上の前記アレイアンテナが、同一直線上となるように配列されていることを特徴とする請求項1記載のRFタグ位置検出装置。
  3. 前記アンテナユニットは、4つの前記アレイアンテナが、四角形の頂点上に位置するように配列されていることを特徴とする請求項1記載のRFタグ位置検出装置。
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