JP2021093900A - 風車制御装置、風車制御プログラム及び風車制御方法 - Google Patents

風車制御装置、風車制御プログラム及び風車制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマを発生させている場合における運転履歴とプラズマを発生させていない場合における運転履歴との関係に合わせてプラズマ電極が取り付けられている風車及び当該風車の近くに設置されている別の風車を制御すること。【解決手段】風車制御装置は、プラズマ電極によりプラズマを発生させていた場合における第一風車の運転履歴を示すプラズマ発生時運転履歴データ及びプラズマ電極によりプラズマを発生させていなかった場合における第一風車の運転履歴を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得し、プラズマ発生時運転履歴データとプラズマ停止時運転履歴データとを比較する運転履歴比較処理を実行し、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしているか否かを判定する運転履歴判定処理を実行し、運転履歴判定処理の結果に基づいて、第一風車及び第一風車と異なる第二風車の少なくとも一方と、プラズマ電極との少なくとも一方を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、風車制御装置、風車制御プログラム及び風車制御方法に関する。
近年、風車を使用した風力発電の重要性が高まっている。特に、風車を使用した風力発電は、枯渇することが無い、発電する際に二酸化炭素を排出しない、再生可能エネルギーの中では発電コストが低く、発電効率が高い等の利点を有する。
ところが、風車が備える翼の翼面で剥離が発生した場合、発電機のトルクが急激に低下することにより、発電機の回転数が低下する。この場合、風車が備えるパワートレインに急激な荷重変動が加わり、風車を故障させてしまうことがある。そこで、風車は、迎角が失速角を超えることにより翼の翼面で剥離が発生しないよう、翼のピッチ角や発電機のトルクを制御している。また、特許文献1には、プラズマ誘起流を発生させることにより剥離を抑制し、翼面上の流れの最適化及び発電出力の向上を図る風力発電システムが開示されている。
特許文献1に係る風力発電システムは、ロータと、ナセルと、タワーと、気流発生装置と、電圧印加機構と、計測装置と、制御手段とを具備する。ロータは、ハブおよびハブに取り付けられた少なくとも2枚以上の翼を備える。ナセルは、ハブに接続された回転軸を介してロータを軸支する。タワーは、ナセルを支持する。気流発生装置は、翼の前縁部に設けられ、第1の電極と第2の電極とを誘電体を介して離間して備え、プラズマ誘起流を発生可能である。電圧印加機構は、気流発生装置の第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加可能である。計測装置は、風力発電システムにおける出力、ロータにおけるトルクおよび翼の回転数のうち少なくとも1つに係る情報を検知する。また、計測装置は、翼に流入する風の速度をナセルの上に設置された風速計により計測する。制御手段は、計測装置からの出力に基づいて、電圧印加機構を制御する。
また、制御手段は、風力発電システムにおける実出力、ロータにおける実トルクまたは翼の実回転数が、実出力、実トルクまたは実回転数が得られたときの軸方向風速における、予め設定された、風力発電システムにおける設定出力、ロータにおける設定トルクまたは翼の設定回転数よりも、所定時間に亘って低い完全失速状態と判定したときに、電圧印加機構を制御して、気流発生装置に電圧を印加し、プラズマ誘起流を発生させることを特徴とする。
また、特許文献1に係る風力発電システムは、計測装置により取得された風速、発電機の回転数等の情報から迎角を算出し、この迎角が失速角を超えているか否かを判定することにより、失速が発生しているか否かを判定する。また、この風力発電システムは、失速が発生していると判定した場合、プラズマ誘起流を発生させて失速を緩和する。
ところが、風車が受ける風は、翼51、翼52及び翼53の回転面内で一様ではなく、不規則に変化するため、ナセルの上に設置された風速計による測定値のみで予測され得ない。また、ライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging)を使用して風向及び風速を計測する技術もあるが、スキャンや平均化に一定の時間が必要であるため、翼素各々における迎角及びその分布を正確に把握することは困難である。したがって、特許文献1に係る風力発電システムは、計測装置により計測された風速、回転数等の情報から計算した迎角に基づいて失速が発生しているか否かを判定し得ないことがある。
一方、失速の発生は、発電機の回転数の急激な低下を検知することによっても検知され得る。ただし、風車に連結されている発電機の回転数が低下する現象は、常に剥離により引き起こされているとは限らず、風況、すなわち風向及び風速の変化により引き起こされることもある。また、剥離ではなく風況の変化により風車に連結されている発電機の回転数が低下する現象が発生した場合、上述した気流発生装置を使用しても当該現象を抑制することができず、気流発生装置を動作させるために消費された電力も無駄になってしまうことがある。このため、当該現象の要因又は有無を把握する技術が望まれている。
当該現象の要因又は有無を把握する技術として、例えば、特許文献2に係る風力発電システムが挙げられる。特許文献2に係る風力発電システムは、所定の時間に亘って電圧印加機構から気流発生装置に電圧を印加し、電圧を印加する前後の風力発電システムにおける実出力、ロータにおける実トルク又は翼の実回転数を比較する。そして、当該風力発電システムは、実出力、実トルクまたは実回転数が、電圧を印加したことによって増加したと判定した場合には、さらに所定の時間、電圧印加機構を制御して、気流発生装置に電圧を印加し、プラズマ誘起流を発生させる。これにより、当該風力発電システムは、風況の影響を受けること無く剥離が発生しているか否かを判定することができる。
特開2016−015882号公報 特許第5881491号公報
しかし、特許文献2に係る風力発電システムは、例えば、風車に適用されている制御、プラズマを発生させている場合の風況とプラズマを停止させている場合の風況との差異の程度により、剥離が発生しているか否かを判定し得ないことがある。また、風車を運転する際には、当該風車に取り付けられているプラズマ電極によりプラズマを発生させている場合における運転履歴とプラズマを発生させていない場合における運転履歴との関係に基づいて当該風車や当該風車の近くに設置されている別の風車を制御する必要が発生することがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、プラズマを発生させている場合における運転履歴とプラズマを発生させていない場合における運転履歴との関係に合わせてプラズマ電極が取り付けられている風車及び当該風車の近くに設置されている別の風車を制御することができる風車制御装置、風車制御プログラム及び風車制御方法を提供することを課題とする。
本発明の一態様は、翼に設置されたプラズマ電極によりプラズマを発生させていた場合における第一風車の運転履歴を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていなかった場合における前記第一風車の運転履歴を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得する取得部と、前記プラズマ発生時運転履歴データと前記プラズマ停止時運転履歴データとを比較する運転履歴比較処理を実行し、前記運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしているか否かを判定する運転履歴判定処理を実行する判定部と、前記運転履歴判定処理の結果に基づいて、前記第一風車及び前記第一風車と異なる第二風車の少なくとも一方と、前記プラズマ電極との少なくとも一方を制御する制御部と、を備える風車制御装置である。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていた場合における風況を示すプラズマ発生時風況データを前記プラズマ発生時運転履歴データと同時に取得し、前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていなかった場合における風況を示すプラズマ停止時風況データを前記プラズマ停止時運転履歴データと同時に取得する。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていた場合における風況を示すプラズマ発生時風況データ及び前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていなかった場合における風況を示すプラズマ停止時風況データを更に取得し、前記判定部は、前記プラズマ発生時風況データと前記プラズマ停止時風況データとを比較する風況比較処理を実行し、前記風況比較処理の結果が所定の風況条件を満たしているか否かを更に判定し、前記取得部は、前記風況比較処理の結果が前記所定の風況条件を満たしていると判定された場合に、前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記プラズマ停止時運転履歴データを取得する。
また、上述した風車制御装置において、前記判定部は、前記運転履歴比較処理において前記プラズマ発生時運転履歴データに含まれる物理量の統計値と前記プラズマ停止時運転履歴データに含まれる物理量の統計値とを比較する。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、少なくとも二種類の物理量同士の関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び少なくとも二種類の物理量同士の関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、前記判定部は、前記運転履歴判定処理において、前記プラズマ発生時運転履歴データにより示されている少なくとも二種類の物理量同士の関係と、前記プラズマ停止時運転履歴データにより示されている少なくとも二種類の物理量同士の関係とが所定の範囲内で一致しているという前記所定の第一条件が満たされているか否かを判定する。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、前記第二風車の運転履歴を示す第二風車運転履歴データを更に取得し、前記制御部は、前記運転履歴判定処理の結果に基づいて、前記第一風車の制御のみを変更する処理の実行と、前記第二風車の制御のみを変更する処理の実行と、前記第一風車の制御及び前記第二風車の制御を変更する処理の実行とのいずれか一つを選択する。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、前記第一風車の周速比とパワー係数との関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記第一風車の周速比とパワー係数との関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記周速比、前記第一風車のトルク、前記第一風車のピッチ角及び前記第一風車のヨー制御特性の少なくとも一つに関する制御パラメータを調整する調整部を更に備え、前記制御部は、前記第一風車の制御のみを変更する処理の実行を選択し、前記調整部により調整された前記制御パラメータを使用して前記第一風車を制御する。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、前記第一風車の出力と風速との関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記第一風車の出力と風速との関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記出力の制御特性に関する制御パラメータを調整する調整部を更に備え、前記制御部は、前記第一風車の制御のみを変更する処理の実行を選択し、前記調整部により調整された前記制御パラメータを使用して前記第一風車を制御する。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、前記第一風車の回転数とトルクとの関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記第一風車の回転数とトルクとの関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記トルクの制御特性に関する制御パラメータを調整する調整部を更に備え、前記制御部は、前記第一風車の制御のみを変更する処理の実行を選択し、前記調整部により調整された前記制御パラメータを使用して前記第一風車を制御する。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、前記第一風車の回転数とピッチ角との関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記第一風車の回転数とピッチ角との関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記ピッチ角の制御特性に関する制御パラメータを調整する調整部を更に備え、前記制御部は、前記第一風車の制御のみを変更する処理の実行を選択し、前記調整部により調整された前記制御パラメータを使用して前記第一風車を制御する。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、前記第一風車の周速比とパワー係数との関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記第一風車の周速比とパワー係数との関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記周速比の制御特性に関する制御パラメータを調整する調整部を更に備え、前記制御部は、前記第一風車の制御のみを変更する処理の実行を選択し、前記調整部により調整された前記制御パラメータを使用して前記第一風車を制御する。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、前記第一風車の周速比と風速との関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記第一風車の周速比と風速との関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記周速比の制御特性に関する制御パラメータを調整する調整部を更に備え、前記制御部は、前記第一風車の制御のみを変更する処理の実行を選択し、前記調整部により調整された前記制御パラメータを使用して前記第一風車を制御する。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、前記第二風車の風速と前記第二風車の風速の頻度との関係を示す前記第二風車運転履歴データを更に取得し、前記判定部は、前記第二風車運転履歴データにより示される前記第二風車の運転履歴が所定の第二条件を満たしているか否かを更に判定し、前記制御部は、前記第二風車の制御のみを変更する処理の実行を選択する。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、前記第二風車の出力と風速との関係を示す前記第二風車運転履歴データを更に取得し、前記判定部は、前記第二風車運転履歴データにより示される前記第二風車の運転履歴が所定の第二条件を満たしているか否かを更に判定し、前記制御部は、前記第二風車の制御のみを変更する処理の実行を選択する。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、前記第二風車の回転数、トルク又は風速と前記第二風車の振動又は歪みとの関係を示す前記第二風車運転履歴データを更に取得し、前記判定部は、前記第二風車運転履歴データにより示される前記第二風車の運転履歴が所定の第二条件を満たしているか否かを更に判定し、前記制御部は、前記第二風車の制御のみを変更する処理の実行を選択する。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、前記第一風車の風速と前記第一風車の風速の頻度との関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記第一風車の風速と前記第一風車の風速の頻度との関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、前記第二風車の風速と前記第二風車の風速の頻度との関係を示す前記第二風車運転履歴データを更に取得し、前記判定部は、前記第二風車運転履歴データにより示される前記第二風車の運転履歴が所定の第二条件を満たしているか否かを更に判定し、前記制御部は、前記第一風車の制御及び前記第二風車の制御を変更する処理の実行を選択する。
また、上述した風車制御装置は、前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記プラズマ電極を前記翼に設置したままにすることを推奨することを報知する報知部を更に備える。
また、上述した風車制御装置は、前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記プラズマ電極によりプラズマを発生させている状態を継続させることを推奨することを報知する報知部を更に備える。
また、上述した風車制御装置は、前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていないと判定された場合、前記プラズマ電極を前記翼から撤去してもよいことを報知する報知部を更に備える。
また、上述した風車制御装置は、前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていないと判定された場合、前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていない状態を継続させることを推奨することを報知する報知部を更に備える。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、第一風車の回転面が向いている方向を示す方向データ、前記第一風車の後流に関する情報を示す後流データ及び前記第一風車と異なる第二風車に関する情報を示す風車データを更に取得し、前記判定部は、前記方向データ、前記後流データ及び前記風車データを使用して、前記第二風車が前記第一風車の後流の影響を受けるか否かを更に判定し、前記制御部は、前記第二風車が前記第一風車の後流の影響を受けると判定された場合、前記第一風車の翼に取り付けられているプラズマ電極がプラズマを発生させている状態における前記第一風車のパワー係数と前記プラズマ電極がプラズマを発生させていない状態における前記第一風車のパワー係数との差が所定の閾値を超える範囲に前記第一風車の周速比が含まれるよう前記第一風車を制御し、かつ、プラズマを発生させるよう前記プラズマ電極を制御する。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、前記第一風車の後流が通過する後流通過領域を示す後流通過領域データを前記後流データとして取得し、前記第二風車の位置を示す風車位置データを前記風車データとして取得し、前記判定部は、前記風車位置データにより示される前記第二風車の位置が前記後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれる場合に、前記第二風車が前記第一風車の影響を受けると判定する。
また、上述した風車制御装置において、前記制御部は、前記翼の所定の半径位置の翼素において、迎角が失速角を超える範囲に含まれるよう前記第一風車を制御することにより、前記差が前記所定の閾値を超える範囲に前記第一風車の周速比が含まれるよう前記第一風車を制御する。
また、上述した風車制御装置において、前記制御部は、前記翼の翼型が後縁剥離型であり、かつ、前記プラズマ電極がプラズマを発生させない場合、前記翼の所定の半径位置の翼素において、迎角が失速角以下となる範囲に含まれるよう前記第一風車を制御する。
また、上述した風車制御装置において、前記制御部は、前記翼の翼型が前縁剥離型であり、かつ、前記プラズマ電極がプラズマを発生させない場合、前記翼の所定の半径位置の翼素において、迎角が失速角以下となる範囲に含まれるよう前記第一風車を制御する。
また、上述した風車制御装置において、前記取得部は、第一風車の回転面が向いている方向を示す方向データ、前記第一風車の後流が通過する後流通過領域を示す後流通過領域データ及び前記第一風車と異なる第二風車の位置を示す風車位置データを更に取得し、前記判定部は、前記方向データ、前記後流通過領域データ及び前記風車位置データを使用して、前記風車位置データにより示される前記第二風車の位置が前記後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれるか否かを更に判定し、前記制御部は、前記風車位置データにより示される前記第二風車の位置が前記後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれると判定された場合、前記風車位置データにより示される前記第二風車の位置が前記後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれなくなるよう、前記第一風車の回転面が向く方向を制御し、かつ、プラズマを発生させるよう前記プラズマ電極を制御する。
本発明の一態様は、コンピュータに、翼に設置されたプラズマ電極によりプラズマを発生させていた場合における第一風車の運転履歴を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていなかった場合における前記第一風車の運転履歴を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得するデータ取得機能と、前記プラズマ発生時運転履歴データと前記プラズマ停止時運転履歴データとを比較する運転履歴比較処理を実行し、前記運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしているか否かを判定する運転履歴判定処理を実行する判定機能と、前記運転履歴判定処理の結果に基づいて、前記第一風車及び前記第一風車と異なる第二風車の少なくとも一方と、前記プラズマ電極との少なくとも一方を制御する制御機能と、を実現させる風車制御プログラムである。
本発明の一態様は、翼に設置されたプラズマ電極によりプラズマを発生させていた場合における第一風車の運転履歴を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていなかった場合における前記第一風車の運転履歴を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得し、前記プラズマ発生時運転履歴データと前記プラズマ停止時運転履歴データとを比較する運転履歴比較処理を実行し、前記運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしているか否かを判定する運転履歴判定処理を実行し、前記運転履歴判定処理の結果に基づいて、前記第一風車及び前記第一風車と異なる第二風車の少なくとも一方と、前記プラズマ電極との少なくとも一方を制御する、風車制御方法である。
本発明によれば、プラズマを発生させている場合における運転履歴とプラズマを発生させていない場合における運転履歴との関係に合わせてプラズマ電極が取り付けられている風車及び当該風車の近くに設置されている別の風車を制御することができる風車制御装置、風車制御プログラム及び風車制御方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る第一風車の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る風車制御装置の一例を示す図である。 第一風車の発電機が稼働する場合における回転数とトルクとの関係の一例を示す図である。 第一風車の発電機が稼働する場合における風速と回転数との関係及び風速とピッチ角との関係の一例を示す図である。 第一風車が稼働する場合における風速と出力との関係及び風速と推力との関係の一例を示す図である。 剥離が発生していない場合における翼の所定の半径位置の翼素の断面における実風速ベクトルと、相対回転速度ベクトルと、流入風速ベクトルとの関係を示す図である。 剥離が発生している場合における翼の所定の半径位置の翼素の断面における実風速ベクトルと、相対回転速度ベクトルと、流入風速ベクトルとの関係を示す図である。 第一風車が設置されている場所で風速が時間と共に増加し、かつ、迎角が失速角を超えない場合における風速、回転数、周速比、迎角、トルク及びピッチ角の時間変化の一例を示す図である。 第一風車が設置されている場所で風速が増加しており、迎角が失速角を超える場合における風速、回転数、周速比、迎角、トルク及びピッチ角の時間変化の一例を示す図である。 迎角が失速角を超える場合におけるトルクの時間変化の一例を示す図である。 プラズマ運転データ及び第一風車の回転数データの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させている場合における風速のヒストグラム及びプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させていない場合における風速のヒストグラムの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させている場合における風向のヒストグラム及びプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させていない場合における風向のヒストグラムの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るプラズマ電極に印加される電圧の時間変化の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させている場合における風速及び出力の一分間の平均と、プラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させていない場合における風速及び出力の一分間の平均とのヒストグラムの一例を示す散布図である。 図15に示した各点を第一風速範囲から第六風速範囲に分け、六つの風速範囲各々について算出された風速及び出力の平均及び95%信頼区間を示す図である。 本発明の実施形態に係るプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させている場合における風速と周速比との関係及びプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させていない場合における風速と周速比との関係の一例を示す散布図である。 本発明の実施形態に係るプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させている場合における風速と回転数との関係及びプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させていない場合における風速と回転数との関係の一例を示す散布図である。 本発明の実施形態に係るプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させている場合における風速とピッチ角との関係及びプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させていない場合における風速とピッチ角との関係の一例を示す散布図である。 本発明の実施形態に係る第一風車制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る第二風車が第一風車の後流の影響を受ける場合の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る第二風車が第一風車の後流の影響を受けない場合の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るプラズマ電極がプラズマを発生させている場合における周速比とパワー係数との関係及びプラズマ電極がプラズマを発生させていない場合における周速比とパワー係数との関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るプラズマ電極がプラズマを発生させている場合における周速比とスラスト係数との関係及びプラズマ電極がプラズマを発生させていない場合における周速比とスラスト係数との関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る第一風車が備える翼素の翼型が後縁剥離型である場合における迎角と揚力係数との関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る第一風車が備える翼素の翼型が前縁剥離型である場合における迎角と揚力係数との関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る風車制御装置が実行する処理の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る第一風車、第二風車及びこれら二つの風車の周辺を真上から俯瞰した図である。 本発明の実施形態に係るプラズマ電極がプラズマを発生させている場合における第一風車の後流の風速分布及びプラズマ電極がプラズマを発生させていない場合における第一風車の後流の風速分布の一例を示す図である。
[実施形態]
図面を参照しながら、実施形態に係る風車制御装置の一例について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る第一風車の一例を示す図である。図1に示すように、第一風車1aは、例えば、風力発電に使用されるプロペラ型風車でありタワー2と、ナセル3と、ハブ4と、翼51と、翼52と、翼53と、風向計6と、風速計7とを備える。
タワー2は、ナセル3を支持する柱であり、内側及び外側の少なくとも一方にケーブル等が敷設されている。ナセル3は、回転軸により伝達されたハブ4の回転の回転速度を増加させる増速機、増速機により伝達されたハブ4の回転力を電力に変換する発電機等が収納されている筐体である。また、発電機のトルクTg及びロータの角速度Ωは、適宜、センサ等により測定されている。なお、ロータの角速度Ωの代わりに、ロータの回転数がセンサ等により測定されてもよい。或いは、ロータの角速度Ωに加えて、ロータの回転数がセンサ等により測定されてもよい。ハブ4は、回転軸により増速機と連結している。また、ハブ4は、翼51、翼52及び翼53が取り付けられ、ナセル3に支持されることにより、ロータを構成している。
翼51、翼52及び翼53は、いずれも図1に示した矢印で表される風Wを受けて揚力を発生させ、ロータを回転させる。翼51と翼52との間の角度、翼52と翼53との間の角度及び翼53と翼51との間の角度は、いずれも120度である。また、翼51、翼52及び翼53は、後縁剥離型の翼型を有していることが一般的であるが、前縁剥離型の翼型を有していてもよい。後縁剥離型の翼型は、一般的に前縁剥離型の翼型よりも厚くて前縁の曲率が小さい。
また、翼51、翼52及び翼53は、いずれも翼型に関わらず、前縁にプラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530が着脱可能な態様で取り付けられている。プラズマ電極510は、誘電体を挟んで対向する一組の電極であり、二つの対向する電極間に電圧が印加されることにより電極間にプラズマを発生させる。プラズマ電極510は、翼51の前縁でプラズマを発生させることにより、翼51の前縁で擾乱を発生させる。これにより、プラズマ電極510は、翼51の前縁付近で剥離が発生している場合における翼の揚力を向上させる。これらは、プラズマ電極520及びプラズマ電極530についても同様である。また、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530の少なくとも一つは、前縁以外の場所に取り付けられていてもよい。
風向計6は、風Wが吹いている向きを測定する。風速計7は、風Wの風速を測定する。ただし、風Wの風速は、風速計7ではなく、風況マストやライダーにより測定されてもよい。
図2は、本発明の実施形態に係る風車制御装置の一例を示す図である。図2に示すように、風車制御装置10は、取得部11と、判定部12と、調整部13と、制御部14と、報知部15とを備える。風車制御装置10が設置される場所は、特に限定されない。風車制御装置10は、例えば、タワー2の内部、ナセル3の内部、第一風車1aとは別の場所に建造された建屋の内部に設置される。
取得部11は、ナセル3に収納されている発電機のトルクTgを示すトルクデータ、当該発電機の回転数ωを示す回転数データ、風向計6が測定した風向を示す風向データ及び風速計7が測定した風速を示す風速データを取得する。制御部14は、運転履歴判定処理の結果に基づいて、第一風車1a及び第一風車1aと異なる第二風車1bの少なくとも一方と、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530の少なくとも一つとの少なくとも一方を制御する。制御部14は、例えば、PI制御(Proportional-Integral Controller)により翼51、翼52及び翼53のピッチ角βを制御する。制御部14は、例えば、PI制御により発電機のトルクTgを制御する。制御部14が実行する制御の詳細は、後述する。
図3は、第一風車が稼働する場合における回転数とトルクとの関係の一例を示す図であり、「Jonkman J,et.al., Definition of a 5-MW Reference Wind Turbine for Offshore System Development,NREL/TP-500-38060」に掲載されている図を引用した図である。図3に示した点線C3は、回転数ωを測定した結果に基づいて、翼51、翼52及び翼53からなるロータのパワー係数Cpを最大にする周速比λOPTを実現させる回転数ω及びトルクTgを示している。パワー係数Cpは、風車の出力P、空気の密度ρ、風速U及び翼51、翼52及び翼53の回転面の面積Aを含む次の式(1)で表される。
Figure 2021093900
点線C3上の回転数ω及びトルクTgで発電機が稼働するように第一風車1aを稼働させる制御は、周速比一定制御と呼ばれる。風車制御装置10は、周速比一定制御を実行することにより、風Wの風速が増加した場合、制御部14によりトルクTgを増加させ、回転数ωが上昇し過ぎないようにする。なお、点線C3は、次の式(2)で表される。
Figure 2021093900
ただし、実際には、風車制御装置10は、図3に示した回転数領域R10、回転数領域R15、回転数領域R20、回転数領域R25及び回転数領域R30各々において互いに異なる制御を実行する。すなわち、風車制御装置10は、図3に示した実線S3上の回転数及びトルクTgで発電機が稼働するように第一風車1aを制御する。
回転数領域R10において、風車制御装置10は、制御部14により翼51、翼52及び翼53のピッチ角βを開いて風Wを逃がし、発電機を稼働させないようにする。ここで、ピッチ角βを開くとは、ピッチ角βをフェザリング位置にして風を逃がすことをいう。
回転数領域R15において、風車制御装置10は、制御部14により翼51、翼52及び翼53のピッチ角βを閉じて風Wを受け、発電機を稼働させる。ここで、ピッチ角βを閉じるとは、ピッチ角βをファイン位置にして風を受けることをいう。
回転数領域R20において、風車制御装置10は、制御部14により周速比一定制御を実行する。また、回転数領域R20において、風車制御装置10は、制御部14によりピッチ角βを0度のままにする。或いは、回転数領域R20において、風車制御装置10は、制御部14によりピッチ角βをファイン位置にする。
回転数領域R25において、風車制御装置10は、制御部14により回転数ωが翼端騒音の制限値等などから決まる最大回転数ωmaxを大きく超えないようにトルクTgを制御する。すなわち、風車制御装置10は、取得部11が取得した回転数データが示す回転数ωが増加した場合、制御部14によりトルクTgを増加させることにより、回転数ωを図3に示した実線S3上で維持する。また、風車制御装置10は、取得部11が取得した回転数データが示す回転数ωが減少した場合、制御部14によりトルクTgを減少させることにより、回転数ωを実線S3上で維持する。このような制御は、回転数制限制御と呼ばれる。風車制御装置10は、トルクTgが発電機の定格トルクに達した場合又は発電機出力が定格出力に達した場合、次に説明する制御を実行する。
回転数領域R30において、風車制御装置10は、制御部14により発電機の出力、すなわち回転数ωとトルクTgとの積が一定となるように回転数ωを制御し、或いは、制御部14によりトルクTgが発電機の定格トルクと一致し続けるようにトルクTgを制御する。なお、風況によっては、回転数制限制御を行う回転数領域R25においてもピッチ角制御を行う場合もある。
図4は、第一風車の発電機が稼働する場合における風速と回転数との関係及び風速とピッチ角との関係の一例を示す図であり、「Hansen M H,et.al., Control design for a pitch-regulated, variable speed wind turbine,Riso-r-1500」に掲載されている図を引用した図である。
図4に示した点線D4は、図3に示した実線S3上の回転数ω及びトルクTgで発電機が稼働するように第一風車1aが制御された場合における翼51、翼52及び翼53のピッチ角βの風速依存性を表している。風車制御装置10は、図3に示した回転数領域R25から回転数領域R30に移行する際に、制御部14によりピッチ角βを開き、風Wを逃がし始める。
図4に示した実線S4は、図3に示した実線S3上の回転数ω及びトルクTgで発電機が稼働するように第一風車1aが制御された場合における回転数ωの風速依存性を表している。風車制御装置10は、図3に示した回転数領域R20から回転数領域R25に移行する際に、制御部14によりトルクTgを制御し、回転数ωを一定に保とうとし始める。
図5は、第一風車の発電機が稼働する場合における風速と出力との関係及び風速と推力との関係の一例を示す図であり、「Hansen M H,et.al., Control design for a pitch-regulated, variable speed wind turbine,Riso-r-1500」に掲載されている図を引用した図である。
図5に示した点線D5は、図3に示した実線S3上の回転数ω及びトルクTgで発電機が稼働するように第一風車1aが制御された場合における発電機の出力、すなわち回転数ωとトルクTgとの積の風速依存性を表している。風車制御装置10は、図3に示した回転数領域R25から回転数領域R30に移行する際に、制御部14により発電機の出力を一定に保とうとし始める。
図5に示した実線S5は、図3に示した実線S3上の回転数ω及びトルクTgで発電機が稼働するように第一風車1aが制御された場合において第一風車1aが受ける推力の大きさの風速依存性を表している。この推力は、翼51、翼52及び翼53の回転面に垂直な方向における力である。図5に示すように、推力は、図3に示した回転数領域R25で最大となる。
次に、図6及び図7を参照しながら、迎角と、失速角と、剥離との関係について説明する。
図6は、剥離が発生していない場合における翼の所定の半径位置の翼素の断面における実風速ベクトルと、相対回転速度ベクトルと、流入風速ベクトルとの関係を示す図である。所定の半径位置は、翼の根元から先端までのうちの任意の位置である。以下の説明では、翼51を例に挙げて説明するが、翼52及び翼53についても同様である。
図6に示すように、翼51の翼素は、第一風車1aのロータが風Wを受けて回転している場合、風Wに起因する実風速ベクトルVaxで表される風を受けている。実風速ベクトルVaxは、風Wの第一風車1aの回転軸方向成分の風速U及び第一風車1aの回転軸方向の誘導係数aを含む次の式(3)で表される。誘導係数aは、風Wの第一風車1aの回転軸方向成分の風速Uが第一風車1aの影響を受けて減少することを考慮した係数であり、第一風車1aの設計に関する事項、第一風車1aの運転に関する物理量に依存する。第一風車1aの設計に関する事項は、例えば、翼の枚数、翼の形状である。また、第一風車1aの運転に関する物理量は、例えば、翼のピッチ角、ロータの回転数、ロータのトルク、発電機のトルクである。なお、風速Uは、マスト風速から換算する方法やライダーを使用する方法等により測定される。
Figure 2021093900
また、図6に示すように、翼51の翼素は、第一風車1aのロータの回転による回転速度ベクトルR´により回転している。このため、当該翼素は、相対回転速度ベクトルVrotで表される風を受けている。相対回転速度ベクトルVrotは、第一風車1aのロータの角速度Ω、翼素の半径位置r及び第一風車1aの回転面の接線方向の誘導係数a´を含む次の式(4)で表される。誘導係数a´は、第一風車1aのロータを通過する流れが第一風車1aの影響を受けてロータと逆向きに回転することを考慮した係数であり、第一風車1aの設計に関する事項、第一風車1aの運転に関する物理量に依存する。
Figure 2021093900
したがって、図6に示した翼素は、相対回転速度ベクトルVrotと実風速ベクトルVaxとを合成した流入風速ベクトルAで表される風を受けているといえる。流入風速ベクトルAは、回転及び風Wの第一風車1aの回転軸方向成分の風速Uにより図6に示した翼素の前縁付近に流入する風の速度を表している。また、相対回転速度ベクトルVrotと翼素への流入風速ベクトルAのなす角φは、相対回転速度ベクトルVrot及び実風速ベクトルVaxと次の式(5)で表される関係を有する。
Figure 2021093900
図6に示した翼素の翼弦線WSと、相対回転速度ベクトルVrotとの間の角度βは、ハブ4への翼51の取付角、翼51の捻り角及び翼51のピッチ角に依存する。
図6に示した翼素の翼弦線WSと、当該翼素への流入風速ベクトルAとの間の角度は、迎角αと呼ばれる。当該翼素に加わる揚力及び抗力は、いずれも迎角αに依存する。なお、第一風車1aのロータのトルクTrotは、ロータ当該翼素に加わる揚力及び抗力の回転方向成分の合力Fと、当該翼素の半径位置rとの積を、全ての翼、すなわち翼51、翼52及び翼53各々に含まれる全ての翼素に亘って積分することにより算出される。迎角αが失速角αを超えていない場合、翼素は、失速すること無く十分に大きな揚力を発生させることができる。
また、相対回転速度ベクトルVrotと翼素への流入風速ベクトルAのなす角φ、上述した角度β及び迎角αは、次の式(6)で表される関係を有する。
Figure 2021093900
式(6)は、相対回転速度ベクトルVrotと翼素への流入風速ベクトルAのなす角φに応じて上述した角度βを調整することにより迎角αを調整することが可能であることを示している。
また、相対回転速度ベクトルVrot、実風速ベクトルVax及び流入風速ベクトルAの幾何学的な関係を考慮すると次の式(7)が成立することが分かる。
Figure 2021093900
式(7)は、次の式(8)で示される局所周速比λを含んでいる。局所周速比λは、翼素の半径位置rにおける周速rΩと上述した風速Uとの比である。
Figure 2021093900
これに対し、第一風車1aの周速比λは、翼端における翼素の半径位置Rを含む次の式(9)で表される。式(9)は、翼端における周速RΩを含んでいる。
Figure 2021093900
図7は、剥離が発生している場合における翼の所定の半径位置の翼素の断面における実風速ベクトルと、相対回転速度ベクトルと、流入風速ベクトルとの関係を示す図である。図7に示すように、翼51が図6と同様の回転速度ベクトルR´で表されるように回転していても、風Wが突然強くなった場合、すなわち実風速ベクトルVaxが突然長くなった場合、迎角αが突然大きくなり、失速角αを超えてしまうことがある。この場合、剥離が発生することにより、翼51が発生させる揚力が低下し、翼51が失速してしまう。したがって、ハブ4に連結されている発電機の回転数は、低下する。
次に、図8及び図9を参照しながら、剥離が発生しない場合及び剥離が発生する場合それぞれにおける風速U、回転数ω、周速比λ、迎角α、トルクTg及びピッチ角βの時間変化について説明する。
図8は、第一風車が設置されている場所で風速が時間と共に増加し、かつ、迎角が失速角を超えない場合における風速、回転数、周速比、迎角、トルク及びピッチ角の時間変化の一例を示す図である。迎角αが失速角αを超えない場合、第一風車1aは、次のように動作する。
回転数領域R25において、回転数ωは、制御部14によりトルクTgが制御されることにより、回転数ωが発電機の最大回転数ωmax付近で制御される。周速比λは、回転数ωが略一定であるのに風速Uが増加しているため、減少する。迎角αは、周速比λが減少しているため、増加する。トルクTgは、回転数ωの増加にあわせて図3に示した実線S3に従って増加する。なお、ピッチ角βは、一定に保たれている。
回転数領域R30において、ピッチ角βは、風Wを逃がすために増加する。回転数ωは、ピッチ角βが増加し、風Wを逃がしているため、上昇しなくなる。トルクTgは、回転数によって図3に示した実線S3で決まる値に維持される。迎角αは、ピッチ角βが増加しているため、失速角αを超える前に低下する。
図9は、第一風車が設置されている場所で風速が時間と共に増加し、かつ、迎角が失速角を超える場合における風速、回転数、周速比、迎角、トルク及びピッチ角の時間変化の一例を示す図である。迎角αが失速角αを超える場合、第一風車1aは、次のように動作する。
回転数領域R25において迎角αが増加し続け、失速角αを超えた場合、回転数ωは、翼51、翼52及び翼53各々が発生させる揚力が低下することにより急激に低下する。周速比λは、風速Uが増加し、回転数ωが急激に低下することにより急激に低下する。迎角αは、周速比λが急激に低下することにより急激に増大する。図9に示すように、迎角αが失速角αを超える場合、回転数ωが回転数領域R20のレベルに低下しており、トルクTgも制御部14が実行する制御により低下するため、回転数ωは、増大に転じる。そして、この時点で風速Uは当初の風速より増大しているため、回転数ωは、当初の回転数領域R20に比べて速い速度で増大する。それに従って、周速比λが増加し、迎角αが減少する。迎角αが失速角αを十分下回った場合、剥離が抑制されて空気の流れが再び翼51、翼52又は翼53に付着するため、翼51、翼52及び翼53は、いずれも十分な揚力を発生させることができるようになる。
回転数ωが再び回転数領域R25に入った場合、トルクTgは、増大して回転数ωの上昇速度が抑制される。この場合も依然として風速Uが増加し続けているため、再び迎角αが増加し始め再び失速角αを超え、上述した現象と同様の現象が繰り返される。
つまり、迎角αが失速角αを超える場合、迎角α、回転数ω、周速比λ及びトルクTgが大きく変動を繰り返す現象が発生する。回転数ωの上昇は図8に示した場合に比べて遅く、回転数領域R25から回転数領域R30になかなか移行することができない現象が発生する。また、この回転数領域R25では、図5に示したように、第一風車1aに大きな推力がかかっており、第一風車1aの運転状態が変動すると推力も大きく変動する。この推力は、翼51、翼52及び翼53に加わった力がハブ4、ナセル3に収納されている増速機、発電機、タワー2等に伝達されるため、第一風車1a全体に疲労を蓄積させ、第一風車1aを頻繁にメンテナンスする必要が生じたり、第一風車1aの寿命を縮めてしまったりすることがある。
図10は、迎角が失速角を超える場合におけるトルクの時間変化の一例を示す図である。上述した迎角α、回転数ω、周速比λ及びトルクTgの大きな変動の原因は、図10に示すように、回転数ωが制限される回転数領域R25において迎角αが増大し失速が発生しやすい領域があることに起因している。そこで、回転数領域R25において、まだ回転数ωが回転数領域R30の領域に入らないうちに、早めにピッチ角βを駆動させて迎角αが失速角αを超えるのを防ぐ方法が考えられる。
例えば、図9において、失速が発生して回転数ωが急激に低下する場合には失速が発生していると判断し、この回転数領域になった時点で徐々にピッチ角βを開き始めるように調整すれば、ピッチ角βの制御の効果で迎角αの増大を防ぐことが可能となる。
しかし、一般に風速Uが、図8及び図9に示したように、一定の割合で増加するようなことは少ない。風速Uが変動していると、回転数ωも上昇と低下とを繰り返すため、回転数ωの急低下の原因が失速角αを超えたことであるか、風況の変動であるかを判定することができない。
回転数領域R25での失速は、特に風速Uの変動が大きい場所に第一風車1aが設置されている場合に発生し易い。回転数ωは、慣性の影響で変化の時定数が大きいため、風速Uの変動に追随できず、周速比λ、すなわち迎角αの変動が発生するためである。また、風速Uの変動が大きい場所では、ロータ面内の風速Uの不均一性も大きいため、翼素ごとに風速Uの変動量も異なり迎角αの変動も不均一である。このため、翼51、翼52及び翼53の回転面内の様々な箇所で頻繁に失速が発生する現象が発生することがある。したがって、上述したピッチ角βの制御は、第一風車1aが設置されている場所に応じて、ピッチ角βの制御を開始するタイミング、ピッチ角βを動かす速度等の制御パラメータをチューニングする必要がある。第一風車1aが設置されている場所に応じたピッチ角βのチューニングを適切に行うために失速が発生しているかどうかの判定ができれば有効であるが、上述したように風速Uが変動している状況の下で、失速の有無を判定することは困難である。
図2に戻り、風車制御装置10は、翼51、翼52及び翼53の少なくとも一つにおいて剥離が発生しているか否かを判定する。
取得部11は、所定の期間、それぞれ時系列で取得されている風況データを取得する。ここで言う風況データは、プラズマ発生時風況データ及びプラズマ停止時風況データを含む。ここで言う所定の期間は、例えば、数週間から数か月である。
図11は、プラズマ運転データ及び第一風車の回転数データの一例を示す図である。図11(a)は、プラズマ電極510、プラズマ電極520又はプラズマ電極530におけるプラズマ運転データの一例である。プラズマ発生とプラズマ停止を10分ごとに繰り返す運転を行っているが、途中、プラズマ電源の不良によりプラズマ停止が続いている期間がある。ここではプラズマ状態としては、10分ごとにプラズマ発生と停止が繰り返されている部分のみを採用する。
ここでいうプラズマ発生とは、例えば電圧Vppが5〜20kV、基本周波数fが5〜100kHzの交番電圧を、デューティ比D=0.1%〜50%、変調周波数F[Hz]のパルス変調制御で印加し続けている状態をいう。変調周波数Fは、例えば、対象となるプラズマ電極510、プラズマ電極520又はプラズマ電極530が設置されている位置の平均周速度V、同位置の平均翼弦長cを含む次の式(10)で規定されるStが0.1から100の値をとるように設定される。
Figure 2021093900
次に、図11(b)は、第一風車1aの回転数データである。第一風車1aは、風速U、回転数ω等により運転状態が変化するため、ここでは回転数XがXminからXmaxまでの間の状態を正常状態として採用する。取得部11は、風況データ及び第一風車1aの回転数Xを示す回転数データの両方が採用される時間帯を、分析対象の時間帯として取得する。このようにデータ取得部は、複数のデータのすべてが採用され得る時間帯を取得する機能を有する。
取得部11は、上述した機能によって、例えば、第一風車1aが回転数制限制御の下で運転している場合のみを取得することができる。
取得部11は、上述した手順で取得したデータの中から、プラズマ発生時風況データ及びプラズマ停止時風況データを取得する。例えば、取得部11は、風速計7により生成されたプラズマ発生時風速データ及びプラズマ停止時風速データを収集する。また、取得部11は、風向計6により生成されたプラズマ発生時風向データ及びプラズマ停止時風速データを収集する。
プラズマ発生時風況データは、プラズマ電極によりプラズマを発生させていた場合における風況を示すデータである。プラズマ停止時風況データは、プラズマ電極によりプラズマを発生させていなかった場合における風況を示すデータである。ここで言う風況は、風Wの風速及び風向の少なくとも一方を含む。したがって、プラズマ発生時風況データは、プラズマ電極によりプラズマを発生させていた場合における風速を示すプラズマ発生時風速データ及びこのような場合における風向を示すプラズマ発生時風向データの少なくとも一方を含む。同様に、プラズマ停止時風況データは、プラズマ電極によりプラズマを停止させていた場合における風速を示すプラズマ停止時風速データ及びこのような場合における風向を示すプラズマ停止時風向データの少なくとも一方を含む。
判定部12は、プラズマ発生時風況データとプラズマ停止時風況データとを比較する風況比較処理を実行する。例えば、判定部12は、次のような風況比較処理を実行する。
判定部12は、プラズマ発生時風速データにより示される風速及びプラズマ停止時風速データにより示される風速各々についてヒストグラムの作成及び平均の算出を実行する。
図12(a)は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530に電圧を印加してプラズマを発生させている場合における風速のヒストグラムを示す図である。図12(a)に示したヒストグラムから算出される風速の平均は、3.1883m/sである。図12(b)は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530に電圧を印加してプラズマを発生させていない場合における風速のヒストグラムの一例を示す図である。図12(b)に示したヒストグラムから算出される風速の平均は、3.1644m/sである。
判定部12は、プラズマ発生時風向データにより示される風向及びプラズマ停止時風向データにより示される風向各々についてヒストグラムの作成及び平均の算出を実行する。
図13(a)は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530に電圧を印加してプラズマを発生させている場合における風向のヒストグラムを示す図である。図13(b)は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530に電圧を印加してプラズマを発生させていない場合における風向のヒストグラムの一例を示す図である。図13(a)及び図13(b)では、風Wが北から南に吹いている場合の風向を0度とし、風Wが南から北に吹いている場合の風向を180度としている。図13(a)に示したヒストグラムから算出される風向の平均は、183.1469度である。図13(b)に示したヒストグラムから算出される風向の平均は、183.7531度である。
判定部12は、風況比較処理として、図12に示した二つのヒストグラムを比較する処理、これら二つのヒストグラム各々から算出した風速の平均を比較する処理、図13に示した二つのヒストグラムを比較する処理及びこれら二つのヒストグラム各々から算出した風向の平均を比較する処理の少なくとも一つを実行する。
そして、判定部12は、風況比較処理の結果が所定の風況条件を満たしているか否かを判定する。例えば、判定部12は、図12に示した二つのヒストグラムの差異を評価する指標が所定の閾値以下であるか否かを判定したり、二つのヒストグラム各々から算出した風速の平均の差が所定の閾値以下であるかを判定したりする。或いは、判定部12は、図13に示した二つのヒストグラムの差異を評価する指標が所定の閾値以下であるか否かを判定したり、二つのヒストグラム各々から算出した風向の平均の差が所定の閾値以下であるかを判定したりする。或いは、判定部12は、ウェルチのt検定等の統計的検定手法によって両者の平均値の差が有意かどうかを判定する。判定部12は、二つの比較対象同士の差が一定以下の範囲に収まっている場合、風況比較処理の結果が所定の風況条件を満たしていると判定する。パワーカーブ等の第一風車の運転特性は、風況の影響を大きく受けるが、上記した判定部12による風況比較処理を行うことで、プラズマ発生時とプラズマ停止時の第一風車の運転特性を、略同じ風況下で比較することができる。
取得部11は、風況比較処理の結果が所定の風況条件を満たしていると判定された場合に、プラズマ発生時運転履歴及びプラズマ停止時運転履歴を取得する。プラズマ発生時運転履歴は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530によりプラズマを発生させていた場合における第一風車1aの運転履歴である。プラズマ停止時運転履歴は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530によりプラズマを発生させていなかった場合における第一風車1aの運転履歴である。
また、ここで言う風車の運転履歴は、第一風車1aの出力、回転数ω、ピッチ角β、トルクTg、周速比λ等の履歴を示すデータであり、取得部11により取得される風速データや風向データと対応付けられていてもよい。例えば、取得部11は、プラズマ発生時運転履歴及びプラズマ停止時運転履歴として第一風車1aの出力と風速Uとの関係を示す運転履歴を取得する。或いは、取得部11は、プラズマ発生時運転履歴及びプラズマ停止時運転履歴として第一風車1aの回転数ωとトルクTgとの関係を示す履歴を取得する。或いは、取得部11は、プラズマ発生時運転履歴及びプラズマ停止時運転履歴として第一風車1aの回転数ωとピッチ角βとの関係を示す運転履歴を取得する。ここで、取得部11は、風況データを取得する際に同時に取得されていた第一風車1aの運転履歴の中から、プラズマ発生時運転履歴データ及びプラズマ停止時運転履歴データを取得してもよい。
以下の説明では、第一風車1aが10%負荷運転、プラズマ状態が基本周波数F=15kHz、デューティ比5%、St=1である場合を例に挙げて説明する。10%負荷運転とは、第一風車1aが備えるハブ4に連結されている発電機の定格出力の10%に出力が到達した段階でピッチ角βを開き始め、定格出力の10%の出力を維持するような運転を意味する。また、上述したStは、上述した式(10)で表される。
また、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530は、電圧が印加されてプラズマを発生させている期間と、電圧が印加されずプラズマを発生させていない期間とを10分間隔で繰り返す。図14は、本発明の実施形態に係るプラズマ電極に印加される電圧の時間変化の一例を示す図である。例えば、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530は、図14に示すように、期間Eが開始した時点で0Vから13kVまで上昇を開始し、13kVに到達した後、期間Eが終了する時点まで13kVの電圧が印加される。この場合、期間Eの長さは、10分である。期間Eが終了した時点で13kVから0Vまで低下を開始する。図14に示した期間Eが終了した時点から10分が経過した時点で次の期間Eが開始する。
判定部12は、プラズマ発生時運転履歴とプラズマ停止時運転履歴とを比較する運転履歴比較処理を実行し、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしているか否かを判定する判定処理を実行する。
例えば、判定部12は、運転履歴比較処理においてプラズマ発生時運転履歴に含まれる物理量の統計値とプラズマ停止時運転履歴に含まれる物理量の統計値とを比較する。より具体的には、判定部12は、プラズマ発生時運転履歴及びプラズマ停止時運転履歴として第一風車1aの出力と風速Uとの関係を示す運転履歴が取得された場合、次のような運転履歴比較処理及び判定処理を実行する。
図15は、本発明の実施形態に係るプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させている場合における風速及び出力の一分間の平均と、プラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させていない場合における風速及び出力の一分間の平均との一例を示す散布図である。図15に示した白点は、プラズマ発生時における風速及び出力の一分間の平均を示している。図15に示した黒点は、プラズマ停止時における風速及び出力の一分間の平均を示している。
判定部12は、取得部11により取得された運転履歴から図15に示した散布図を作成し、第一風速範囲B1、第二風速範囲B2、第三風速範囲B3、第四風速範囲B4、第五風速範囲B5及び第六風速範囲B6を設定する。そして、判定部12は、プラズマ発生時及びプラズマ停止時各々について、これら六つの風速範囲ごとに風速の平均及び95%信頼区間と、出力の平均及び95%信頼区間とを算出する。
図16は、図15に示した各点を第一風速範囲から第六風速範囲に分け、六つの風速範囲各々について算出された風速及び出力の平均及び95%信頼区間を示す図である。図16に示した円は、プラズマ発生時における風速の平均及び出力の平均を示している。図16に示した正方形は、プラズマ停止時における風速の平均及び出力の平均を示している。また、図16は、風速の95%信頼区間及び出力の95%信頼区間をエラーバーで示している。
図16に示した第一風速範囲B1から第六風速範囲B6では、風速の平均は、プラズマ発生時とプラズマ停止時とで略一致している。また、図16に示した第一風速範囲B1から第五風速範囲B5では、出力の平均は、プラズマ発生時とプラズマ停止時とで略一致している。一方、第六風速範囲B6では、出力の平均は、プラズマ発生時とプラズマ停止時とで相違している。判定部12は、第六風速範囲B6におけるプラズマ発生時とプラズマ停止時とでの出力の平均の相違に基づいて運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていると判定する。この場合、所定の第一条件は、プラズマ発生時とプラズマ停止時とでの出力の平均の差が所定の閾値を超えていることである。
図17から図19は、図16に示した第六風速範囲B6において、出力の平均の差が所定の閾値を超えている原因が剥離の発生であることを裏付けるデータを示す図である。
図17は、本発明の実施形態に係るプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させている場合における風速と周速比との関係及びプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させていない場合における風速と周速比との関係の一例を示す散布図である。
図18は、本発明の実施形態に係るプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させている場合における風速と回転数との関係及びプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させていない場合における風速と回転数との関係の一例を示す散布図である。
図19は、本発明の実施形態に係るプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させている場合における風速とピッチ角との関係及びプラズマ電極に電圧を印加してプラズマを発生させていない場合における風速とピッチ角との関係の一例を示す散布図である。
図17に示した第一風速範囲B1から第五風速範囲B5を参照すると、風速Uが増加しても周速比λが略一定に保たれていることが分かる。また、図18に示した第一風速範囲B1から第五風速範囲B5を参照すると、風速Uが増加するに従い回転数ωが増加していることが分かる。さらに、図19に示した第一風速範囲B1から第五風速範囲B5を参照すると、風速Uが増加してもピッチ角βが一定の角度に略固定されて変化していないことが分かる。したがって、第一風速範囲B1から第五風速範囲B5では、周速比一定制御が実行されており、迎角αが増加しないため、剥離が発生している可能性は低いと推定できる。この状態では、図17のように第一風速範囲B1から第五風速範囲B5までの出力の平均値がプラズマ発生時とプラズマ停止時で略一致していることから、剥離は発生していないと考えられる。
一方、図17に示した第六風速範囲B6を参照すると、風速Uが増加するに従い周速比λが減少していることが分かる。また、図18に示した第六風速範囲B6を参照すると、風速Uが増加しても回転数ωが略一定に保たれていることが分かる。さらに、図19に示した第六風速範囲B6を参照すると、風速Uが増加するに従いピッチ角βが増加し始めていることが分かる。したがって、第六風速範囲B6では、回転数制限制御が実行されており、迎角αが失速角αを超えて剥離が発生する可能性があることが分かる。ピッチ角βは、増加し始めているものの、失速を防止するには不十分である。また、第六風速範囲に含まれるデータは、第一風車1aが回転数制限制御の下で運転している場合におけるプラズマ発生時運転履歴又はプラズマ停止時運転履歴に含まれるデータである。この状態では、図17のように第六風速範囲B6の出力の平均値がプラズマ発生時とプラズマ停止時で相違していることから、剥離が発生している可能性が高いといえる。
或いは、判定部12は、プラズマ発生時運転履歴及びプラズマ停止時運転履歴として第一風車1aの回転数ωとトルクTgとの関係を示す運転履歴が取得された場合、次のような運転履歴比較処理及び判定処理を実行する。
判定部12は、運転履歴比較処理としてプラズマ発生時における回転数ω及びトルクTgの毎秒データの分布とプラズマ停止時における回転数ω及びトルクTgの毎秒データの分布とを比較する処理を実行する。そして、判定部12は、判定処理としてプラズマ発生時における回転数ω及びトルクTgの毎秒データの分布とプラズマ停止時における回転数ω及びトルクTgの毎秒データの分布とが所定の範囲内で一致しているか否かを判定する処理を実行する。例えば、プラズマ発生時における回転数ω及びトルクTgの毎秒データ及びプラズマ停止時における回転数ω及びトルクTgの毎秒データがほぼ同じように分布している場合、判定部12は、これら二つの分布が所定の範囲内で一致していると判定する。
報知部15は、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていると判定された場合、剥離が発生していることを報知する。一方、報知部15は、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていないと判定された場合、剥離が発生していないことを報知する。報知部15がこれらの内容を報知する態様としては、例えば、これらの内容をディスプレイに表示する態様、スピーカから音声として出力する態様が挙げられる。
報知部15は、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていると判定された場合、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530をそれぞれ翼51、翼52及び翼53に設置したままにすることを推奨することを報知する。一方、報知部15は、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていないと判定された場合、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530をそれぞれ翼51、翼52及び翼53から撤去してもよいことを報知する。報知部15がこれらの内容を報知する態様としては、例えば、これらの内容をディスプレイに表示する態様、スピーカから音声として出力する態様が挙げられる。
調整部13は、トルクTgの制御特性に関する制御パラメータを調整する。ここで調整される制御パラメータは、例えば、トルクTgの制御に適用されているPI制御のパラメータである。
或いは、調整部13は、ピッチ角βの制御特性に関する制御パラメータを調整する。ここで調整される制御パラメータは、例えば、ピッチ角βの制御に適用されているPI制御のパラメータである。
次に、図20を参照しながら、風車制御装置10が実行する処理の一例を説明する。図20は、本発明の実施形態に係る風車制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、図20に示した処理は、くりかえし実行されてもよい。
ステップS10において、取得部11は、所定の期間、風況データを取得する。ここで、取得部11は、風況データに加えて、風況と同じ時間帯の風車運転データを取得してもよい。
ステップS20において、取得部11は、回転数制限制御の下で運転されている場合におけるプラズマ発生時風況データ及びプラズマ停止時風況データを取得する。ここで、取得部11は、風況と同じ時間帯の風況と同じ時間帯のプラズマ発生時風車運転データ及びプラズマ停止時風車運転データを取得してもよい。ここで、取得部11は、回転数制限運転の下でない状態で運転されている場合において同様の操作を行ってもよい。
ステップS30において、判定部12は、プラズマ発生時風況データとプラズマ停止時風況データとを比較する風況比較処理を実行する。
ステップS40において、判定部12は、ステップS30で実行された風況比較処理の結果が所定の風況条件を満たしているか否かを判定する。判定部12は、風況比較処理の結果が所定の風況条件を満たしていると判定した場合(ステップS40:YES)、処理をステップS40に進める。一方、判定部12は、風況比較処理の結果が所定の風況条件を満たしていないと判定した場合(ステップS40:NO)、処理を終了させる。
ステップS50において、取得部11は、プラズマ発生時運転履歴データ及びプラズマ停止時運転履歴データを取得する。ここで、上述したステップS10及びステップS20の少なくとも一方において、運転履歴データを既に取得している場合にはそれを利用してもよい。
ステップS60において、判定部12は、プラズマ発生時運転履歴データとプラズマ停止時運転履歴データとを比較する運転履歴比較処理を実行する。
ステップS70において、判定部12は、ステップS60で実行された判定処理の結果が所定の第一条件を満たしているか否かを判定する。判定部12は、ステップS60で実行された判定処理の結果が所定の第一条件を満たしていると判定した場合(ステップS70:YES)、処理をステップS80に進める。一方、判定部12は、ステップS60で実行された判定処理の結果が所定の第一条件を満たしていないと判定した場合(ステップS70:NO)、処理をステップS110に進める。
ステップS80において、報知部15は、剥離が発生していることを報知する。
ステップS90において、報知部15は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530をそれぞれ翼51、翼52及び翼53に設置したままにすることを推奨することを報知する。
ステップS100において、調整部13は、制御パラメータを調整し、処理を終了させる。ただし、調整部13は、ステップS100において、制御パラメータを調整すること無く処理を終了させてもよい。
ステップS110において、報知部15は、剥離が発生していないことを報知する。
ステップS120において、報知部15は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530をそれぞれ翼51、翼52及び翼53から撤去してもよいことを報知し、処理を終了させる。なお、ステップS120において、報知部15は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530をオフにすることを報知してもよい。
次に、第一風車1aが第二風車1bとの関係で実行する処理の一例について説明する。
取得部11は、方向データ、後流データ及び風車データを取得する。
方向データは、第一風車1aの回転面が向いている方向を示すデータである。方向データは、タワー2とナセル3とが連結されている部分に取り付けられ、例えば、第一風車1aの回転面が向く方向を調整するヨー駆動装置、ヨー駆動装置により調整された方向の確度を検出するヨーカウンターにより生成され、任意の場所に設置されている記憶媒体に格納される。取得部11は、ヨー駆動装置又は当該記憶媒体から方向データを取得する。
後流データは、第一風車1aの後流に関する情報を示すデータであり、例えば、物理量データ、周辺環境データ及び後流通過領域データを含む。
物理量データは、第一風車1aの後流の性質に関する物理量を示すデータである。例えば、物理量データは、例えば、第一風車1aの周辺の現在又は過去の気温、湿度、風速、風向、乱流強度等を示すデータである。物理量データは、第一風車1aに取り付けられた温度計、湿度計、風向計6、風速計7等のセンサで計測したり、センサで計測した値を使用したシミュレーションを実行したりすることにより生成され、任意の場所に設置されている記憶媒体に格納される。取得部11は、これらのセンサ又は当該記憶媒体から物理量データを取得する。
周辺環境データは、第一風車1aの周囲の地形及び第一風車1aの周囲に位置する建造物の少なくとも一方に関する情報を示すデータである。周辺環境データは、第一風車1aの周囲の地形及び第一風車1aの周囲に位置する建造物の少なくとも一方を事前に任意の方法で計測することにより生成され、任意の場所に設置されている記憶媒体に格納される。取得部11は、当該記憶媒体から周辺環境データを取得する。
後流通過領域データは、第一風車1aの後流が通過する後流通過領域を示すデータである。例えば、後流通過領域データは、周辺環境データと、第一風車1aの周辺の現在及び過去の少なくとも一方の気温、湿度、風速、風向、乱流強度等を示す物理量データとの少なくとも一方を使用して導出され、任意の場所に設置されている記憶媒体に格納される。取得部11は、当該記憶媒体から後流通過領域データを取得する。
なお、後流通過領域は、必ずしも海面及び地表面の少なくとも一方を俯瞰した一つの面上の領域のみで定義されるわけではなく、海面及び地表面の少なくとも一方を俯瞰した複数の平面各々について定義されてもよい。すなわち、後流通過領域は、二次元であってもよいし、三次元であってもよい。
また、後流通過領域は、必ずしも第一風車1aの回転軸に沿って一様に延びていくわけではない。例えば、後流通過領域は、第一風車1aの風下を横切る風等により曲げられつつ広がったり、第一風車1aの風下を横切る風等により掻き消されたり、島、山、建造物等に第一風車1aの後流が衝突して枝分かれしたりすることもある。
風車データは、第一風車1aと異なる第二風車1bに関する情報を示すデータであり、例えば、風車位置データ、風車設計データ及び風車制御データを含む。第二風車1bは、第一風車1aと同じ型の風車であってもよいし、第一風車1aと異なる型の風車であってもよい。
風車位置データは、第二風車1bの位置を示すデータであり、任意の場所に設置されている記憶媒体に事前に格納されている。取得部11は、当該記憶媒体から風車位置データを取得する。
風車設計データは、例えば、第二風車1bの構成要素、各部の寸法及び材質を示すデータであり、任意の場所に設置されている記憶媒体に事前に格納されている。取得部11は、当該記憶媒体から風車設計データを取得する。
風車制御データは、第二風車1bの制御に関する情報を示すデータであり、第二風車1bを制御する風車制御装置により生成され、任意の場所に設置されている記憶媒体に格納される。ここで言う第二風車1bの制御は、例えば、ピッチ角制御、トルク制御、周速比一定制御、回転数制限制御、出力一定制御、第二風車1bの翼の前縁に取り付けられたプラズマ電極の制御である。取得部11は、当該風車制御装置又は当該記憶装置から風車制御データを取得する。
ピッチ角制御は、PI制御(Proportional-Integral Controller)等により翼51、翼52及び翼53の角度βを調整する制御である。トルク制御は、PI制御等により発電機のトルクTgを調整する制御である。周速比一定制御は、流入風の風速が増加した分だけ発電機のトルクTgを増加させることにより、設計上の周速比λDESに周速比を一致させ続けようとする制御である。回転数制限制御は、発電機のトルク、翼51、翼52及び翼53各々のピッチ角を制御することにより、ロータの回転数を所定の値に維持しようとする制御である。プラズマ電極の制御は、二つのプラズマ電極の間に印加する電圧の基本周波数、デューティ比及び変調周波数の少なくとも一つを調整する制御である。
判定部12は、方向データ、後流データ及び風車データを使用して、第二風車1bが第一風車1aの後流の影響を受けるか否かを判定する。例えば、判定部12は、風車位置データにより示される第二風車1bの位置が後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれる場合に、第二風車1bが第一風車1aの影響を受けると判定する。
図21は、本発明の実施形態に係る第二風車が第一風車の後流の影響を受ける場合の一例を示す図である。図21に示した矢印A3は、第一風車1aの回転面に対して正面から吹き付けている流入風を示している。図21に示した点線BR3と点線BL3とに挟まれた領域は、第一風車1aの後流が通過する後流通過領域である。一方、図21において点線BR3よりも上側の領域及び点線BL3よりも下側の領域は、自由流れが通過する自由流れ領域である。判定部12は、例えば、図21に示すように、風車位置データにより示される第二風車1bの位置が後流通過領域に含まれている場合、第二風車1bが第一風車1aの影響を受けると判定する。
図22は、本発明の実施形態に係る第二風車が第一風車の後流の影響を受けない場合の一例を示す図である。図22は、矢印A4で示すように風が流入している場合を示している。図22に示した点線BR4と点線BL4とに挟まれた領域は、第一風車1aの後流が通過する後流通過領域である。一方、図22において点線BR4よりも上側の領域及び点線BL4よりも下側の領域は、自由流れが通過する自由流れ領域である。判定部12は、例えば、図22に示すように、風車位置データにより示される第二風車1bの位置が後流通過領域に含まれていない場合、第二風車1bが第一風車1aの影響を受けないと判定する。
ただし、判定部12は、風車位置データにより示される第二風車1bの位置が後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれる場合であっても、第二風車1bが第一風車1aの影響を受けないと判定してもよい。
例えば、判定部12は、風車位置データにより示される第二風車1bの位置が後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれていても、第一風車1aの流入風又は後流の乱流強度が比較的大きい場合、第二風車1bが第一風車1aの影響を受けないと判定してもよい。或いは、判定部12は、風車位置データにより示される第二風車1bの位置が後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれていても、風車設計データにより示される情報を考慮すると第一風車1aの後流の影響が軽微であると考えられる場合、第二風車1bが第一風車1aの影響を受けないと判定してもよい。或いは、判定部12は、風車位置データにより示される第二風車1bの位置が後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれていても、風車制御データにより示される情報を考慮すると第一風車1aの後流の影響が軽微であると考えられる場合、第二風車1bが第一風車1aの影響を受けないと判定してもよい。
図23は、本発明の実施形態に係るプラズマ電極がプラズマを発生させている場合における周速比とパワー係数との関係及びプラズマ電極がプラズマを発生させていない場合における周速比とパワー係数との関係の一例を示す図である。図23は、横軸が第一風車1aの周速比λを示しており、縦軸が第一風車1aのパワー係数Cpを示している。パワー係数Cpは、上述した風速Uの流入風が第一風車1aに流入した場合に第一風車1aのロータに連結されている発電機が発電する電力を示す物理量である。パワー係数Cpは、発電機の出力P、空気の密度ρ、風速U及び第一風車1aの回転面の面積Sを含む次の式(11)で表される。
Figure 2021093900
図23に示した実線S6は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530がプラズマを発生させている場合における周速比λとパワー係数Cpとの関係を示している。一方、図23に示した破線D6は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530がプラズマを発生させていない場合における周速比λとパワー係数Cpとの関係を示している。実線S6で示した関係及び破線D6で示した関係は、いずれも実験的により得られた関係である。
実線S6が示す関係及び破線D6が示す関係は、例えば、以下の方法で取得することができる。第一風車1aは、プラズマを発生させている状態とプラズマを発生させていない状態とを所定の周期で切り替えながら、発電機の出力P、上述した風速U及びロータの角速度Ωを計測して取得する。なお、第一風車1aは、上述した風速Uを計測することができない場合、風向計6及び風速計7により計測される風速で代用してもよい。プラズマを発生させている状態におけるプラズマ条件は、二つの対向する電極間に印加される電圧の基本周波数、デューティ比及び変調周波数がいずれも固定されていてもよいし、何らかの条件で制御されていてもよい。さらに、これら二つの状態において、第一風車1aの流入風の風向、吹上角、乱流強度、ウィンドシア、ウィンドビア、ピッチ角等は、略等しい。なお、二つの状態において以上のような各種条件が等しい条件でのみデータを取得することが難しい場合には、各種条件が等しくない条件も含めてデータを取得しておき、後処理として各種条件が等しいデータのみを抽出して比較することもできる。
吹上角は、水平面に対する第一風車1aの流入風の角度である。ウィンドシアは、第一風車1aの高さ方向における第一風車1aの流入風の風速分布であり、第一風車1aの風上側の海面又は地表面の粗度の影響を受ける。ウィンドビアは、第一風車1aの高さ方向における第一風車1aの流入風の風向分布であり、第一風車1aが洋上に設置されている場合、一定であることが多い。
図23に示すように、第一風車1aの周速比λが周速比λ´よりも小さくなる範囲R61では、プラズマを発生させている状態におけるパワー係数Cp(ОN)とプラズマを発生させている状態におけるパワー係数Cp(ОFF)との差が所定の閾値を超える。一方、第一風車1aの周速比λが周速比λ´以上となる範囲R62では、当該差が当該所定の閾値以下となる。また、ここで言う所定の閾値は、第一風車1aのパワー係数Cp(ОN)とパワー係数Cp(ОFF)との差が有意の大きさを有するか否かの判定に使用され得る閾値である。図23に示した周速比λ1は、周速比λ´よりも小さな周速比の一例である。また、図23に示した周速比λ2は、周速比λ´以上である周速比の一例である。
制御部14は、第二風車1bが第一風車1aの後流の影響を受けると判定された場合、第一風車1aのパワー係数Cp(ОN)とパワー係数Cp(ОFF)との差が所定の閾値を超える範囲R61に第一風車1aの周速比λが含まれるよう第一風車1aを制御する。また、制御部14は、この制御を実行すると同時に、プラズマを発生させるようプラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530を制御する。これら二つの制御により、第一風車1aのパワー係数Cpは、図23に示した実線S6のうち範囲R61に属する実線S6上の点で示される値になる。
図24は、本発明の実施形態に係るプラズマ電極がプラズマを発生させている場合における周速比とスラスト係数との関係及びプラズマ電極がプラズマを発生させていない場合における周速比とスラスト係数との関係の一例を示す図である。図24は、横軸が第一風車1aの周速比λを示しており、縦軸が第一風車1aのスラスト係数Ctを示している。スラスト係数Ctは、風速Uの流入風が第一風車1aに流入した場合に第一風車1aが受ける推力の大きさを示す物理量である。スラスト係数Ctは、風速Uを有する流入風から第一風車1aが受ける推力T、空気の密度ρ、風速U及び第一風車1aの回転面の面積Sを含む次の式(12)で表される。
Figure 2021093900
図24に示した実線S7は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530がプラズマを発生させている場合における周速比λとスラスト係数Ctとの関係を示している。一方、図24に示した破線D7は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530がプラズマを発生させていない場合における周速比λとスラスト係数Ctとの関係を示している。また、実線S7で示した関係及び破線D7で示した関係は、いずれも実験的に得られた関係である。
図24に示した範囲R71は、第一風車1aの周速比λが周速比λ´よりも小さくなる範囲であり、図23に示した範囲R61に相当する。一方、図24に示した範囲R72は、第一風車1aの周速比λが周速比λ´以上となる範囲であり、図23に示した範囲R62に相当する。図24に示した周速比λ1は、図23と同様、周速比λ´よりも小さな周速比の一例である。また、図24に示した周速比λ2は、図23と同様、周速比λ´以上である周速比の一例である。図24に実線S7及び破線D7で示すように、スラスト係数Ctは、範囲R71及び範囲R72のいずれにおいてもプラズマを発生させているか否かに関わらず略等しいことが分かる。
一方、図23に実線S6及び破線D7で示すように、パワー係数Cpは、範囲R61ではプラズマを発生させていない場合よりもプラズマを発生させている場合の方が大きく、範囲R62ではプラズマを発生させているか否かに関わらずパワー係数Cpの大きさが略等しいことが分かる。例えば、図23に実線S6及び破線D6で示すように、パワー係数Cpは、第一風車1aが周速比λ´よりも小さい周速比λ1で運転されていると、プラズマを発生させている方が、大きくなる。また、図23に実線S6及び破線D6で示すように、パワー係数Cpは、第一風車1aが周速比λ´以上である周速比λ2で運転されていると、プラズマを発生させているか否かに関わらず略等しい。
つまり、図23及び図24を参照すると、プラズマを発生させ、かつ、周速比λを周速比λ´よりも小さくすることにより、第一風車1aのロータに連結されている発電機の出力Pをプラズマ停止時に比べて上昇させつつ、第一風車1aが流入風から受ける推力Tの上昇を抑制し得ることが分かる。また、例えば、図23及び図24を参照すると、周速比λを周速比Λ2から周速比Λ1に変化させた場合、第一風車1aは、パワー係数Cpを維持しつつ、スラスト係数Ctを低下させ得ることが分かる。この場合において、プラズマを発生させないと、翼51、翼52及び翼53は、いずれも迎角αが失速角αを超えて剥離が発生することにより振動し、疲労を蓄積させてしまう。さらに、この振動は、ナセル3に収納されている支軸、歯車、軸受、発電機等及びハブ4にも伝達され、これらの機械要素を疲労させてしまう。一方、この場合において、プラズマを発生させると、翼51、翼52及び翼53は、いずれも迎角αが失速角αを超えてもプラズマにより剥離が抑制されるため、振動により疲労を蓄積させてしまうことが無い。したがって、第一風車1aは、プラズマを発生させることにより、剥離による不利益を被ることを避けつつ、パワー係数Cpを維持し、スラスト係数Ctを低下させ得る。
図25は、本発明の実施形態に係る第一風車が備える翼素の翼型が後縁剥離型である場合における迎角と揚力係数との関係の一例を示す図である。図25は、翼素の迎角αを示しており、縦軸が翼素の揚力係数CLを示している。図25に示した破線D8は、プラズマを発生させている場合における迎角αと揚力係数CLとの関係を示している。一方、図25に示した実線S8は、プラズマを発生させていない場合における迎角αと揚力係数CLとの関係を示している。
図25に示した範囲R81は、翼素の迎角αが失速角αを超えている範囲である。一方、図25に示した範囲R82は、翼素の迎角αが迎角α´未満である範囲R821及び当該迎角αが迎角α´以上であり失速角α以下である範囲R822を含んでいる。
また、翼51、翼52及び翼53の少なくとも一つにおいて、所定の半径位置の翼素における迎角が図25に示した範囲R81に入る場合、第一風車1aのパワー係数Cpが図6に示した範囲R61に入るように調整し、第一風車1aのスラスト係数Ctが図7に示した範囲R71に入るように調整することが可能である。同様に、当該迎角が図25に示した範囲R82に入る場合、第一風車1aのパワー係数Cpが図6に示した範囲R62に入るように調整し、第一風車1aのスラスト係数Ctが図7に示した範囲R72に入るように調整することが可能である。
図25に実線S8及び破線D8で示すように、範囲R821では、翼51、翼52及び翼53の揚力係数CLは、プラズマを発生させているかプラズマを発生させていないかに関わらず、迎角αが増加するに従って増加する。範囲R822では、揚力係数CLは、プラズマを発生させているかプラズマを発生させていないかに関わらず、迎角αが増加するに従って増加するものの、範囲R821に比べて迎角αの増加分に対する増加率が小さい。これは、範囲R822では、翼素の後縁で発生した剥離点が次第に前縁へ移動していく後縁剥離の状態になっているためである。また、翼型によっては、範囲R822において迎角αが増加しても揚力係数CLが略一定になったり、若干減少したりする場合もある。
また、図25に実線S8で示すように、範囲R81では、揚力係数CLは、プラズマを発生させていない場合、迎角αが失速角αを超えて増加すると、流れが剥離することにより急激に減少する。一方、図25に破線D8で示すように、範囲R81では、揚力係数CLは、プラズマを発生させている場合、迎角αが失速角αを超えて増加しても翼素の前縁で発生する擾乱の作用で流れが翼面に引き寄せられるため、ある程度維持される。
制御部14は、翼51、翼52及び翼53各々の所定の半径位置の翼素において、迎角αが失速角αを超える範囲に含まれるよう第一風車1aを制御する。すなわち、制御部14は、翼51、翼52及び翼53各々の所定の半径位置の翼素において、迎角αが図25に示した範囲R81に含まれるよう第一風車1aを制御する。これにより、制御部14は、上述したように、第一風車1aのパワー係数Cp(ОN)とパワー係数Cp(ОFF)との差が所定の閾値を超える範囲に第一風車1aの周速比λが含まれるよう第一風車1aを制御する。
また、制御部14は、翼51、翼52及び翼53の翼型が後縁剥離型であり、かつ、プラズマを発生させない場合、翼51、翼52及び翼53各々の所定の半径位置の翼素において、迎角αが失速角α以下となる範囲に含まれるよう第一風車1aを制御してもよい。すなわち、制御部14は、このような場合、翼51、翼52及び翼53各々の所定の半径位置の翼素において、迎角αが図25に示した範囲R82に含まれるよう第一風車1aを制御する。例えば、制御部14は、第一風車1aが備える発電機のトルク又は翼51、翼52及び翼53のピッチ角を制御することにより、翼51、翼52及び翼53各々の所定の半径位置の翼素において、迎角αが図25に示した範囲R82に含める。これにより、制御部14は、プラズマを発生させない場合において、翼51、翼52及び翼53が失速し、第一風車1aが備える発電機の出力Pが急激に低下してしまう事態を回避する。
さらに、制御部14は、翼51の翼型が後縁剥離型であり、かつ、プラズマを発生させない場合、翼51、翼52及び翼53各々の所定の半径位置の翼素において、迎角αが図25に示した範囲R821よりも範囲R822に含まれるよう第一風車1aを制御した方が好ましい。なぜなら、図25に示すように、範囲R821よりも範囲R822の方が迎角αの変化量に対する揚力係数CLの変化量が小さく、第一風車1aが備える発電機の出力Pをより安定させ得るからである。
ここで言うプラズマを発生させない場合は、例えば、プラズマ電極510、プラズマ電極520、プラズマ電極530及びこれらのプラズマ電極に付帯している設備の少なくとも一つが故障、不具合等を抱えていることなどにより正常にプラズマを発生させ得なくなっている場合である。或いは、ここで言うプラズマを発生させない場合は、天候上の制約、第一風車1aの制御上の制約等によりプラズマを発生させない方が好ましい場合などである。或いは、ここで言うプラズマを発生させない場合は、プラズマを使用した第一風車1aの運転に不慣れである場合などである。
図26は、本発明の実施形態に係る第一風車が備える翼素の翼型が前縁剥離型である場合における迎角と揚力係数との関係の一例を示す図である。図26は、横軸が翼素の迎角αを示しており、縦軸が翼素の揚力係数CLを示している。図26に示した破線D9は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530がプラズマを発生させている場合における迎角αと揚力係数CLとの関係を示している。一方、図26に示した実線S9は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530がプラズマを発生させていない場合における迎角αと揚力係数CLとの関係を示している。
図26に示した範囲R91は、翼素の迎角αが失速角αSを超えている範囲である。一方、図26に示した範囲R92は、翼素の迎角αが失速角αS以下となる範囲である。
また、翼51、翼52及び翼53の少なくとも一つにおいて、所定の半径位置の翼素における迎角が図26に示した範囲R91に入る場合、第一風車1aのパワー係数Cpが図6に示した範囲R61に入るように調整し、第一風車1aのスラスト係数Ctが図24に示した範囲R71に入るように調整することが可能である。同様に、当該迎角が図26に示した範囲R92に入る場合、第一風車1aのパワー係数Cpが図23に示した範囲R62に入るように調整し、第一風車1aのスラスト係数Ctが図24に示した範囲R72に入るように調整することが可能である。
図26に実線S9及び破線D9で示すように、範囲R92では、翼51、翼52及び翼53の揚力係数CLは、プラズマを発生させているかプラズマを発生させていないかに関わらず、迎角αが増加するに従って増加する。また、範囲R92のうち図25に示し範囲R822に相当する領域における揚力係数CLは、翼51、翼52及び翼53の翼型が後縁失速型である場合における揚力係数CLよりも大きい。
また、図26に実線S9で示すように、範囲R91では、揚力係数CLは、プラズマを発生させていない場合、迎角αが失速角αを超えて増加すると、流れが剥離することにより急激に減少する。一方、図26に破線D9で示すように、範囲R91では、揚力係数CLは、プラズマを発生させている場合、迎角αが失速角αを超えて増加しても翼素の前縁で発生する擾乱の作用で流れが翼面に引き寄せられるため、ある程度維持される。
制御部14は、翼51、翼52及び翼53各々の所定の半径位置の翼素において、迎角αが失速角αを超える範囲に含まれるよう第一風車1aを制御する。すなわち、制御部14は、迎角αが図26に示した範囲R91に含まれるよう第一風車1aを制御する。これにより、制御部14は、上述したように、第一風車1aのパワー係数Cp(ОN)とパワー係数Cp(ОFF)との差が所定の閾値を超える範囲に第一風車1aの周速比λが含まれるよう第一風車1aを制御する。
制御部14は、翼51、翼52及び翼53各々の翼型が前縁剥離型であり、かつ、プラズマを発生させない場合、翼51、翼52及び翼53各々の所定の半径位置の翼素において、迎角αが失速角α以下となる範囲に含まれるよう第一風車1aを制御してもよい。すなわち、制御部14は、このような場合、翼51、翼52及び翼53各々の所定の半径位置の翼素において、迎角αが図26に示した範囲R92に含まれるよう第一風車1aを制御する。これにより、制御部14は、プラズマを発生させない場合において、翼51、翼52及び翼53が失速し、第一風車1aが備える発電機の出力Pが急激に低下してしまう事態を回避する。
ここで言うプラズマを発生させない場合は、図25を参照しながら例示した三つの場合と同様である。
次に、図27を参照しながら、風車制御装置が実行する処理の一例を説明する。図27は、本発明の実施形態に係る風車制御装置が実行する処理の一例を説明するためのフローチャートである。風車制御装置10は、第二風車1bが複数存在する場合、第二風車1bごとに図27に示した処理を実行する。
ステップS11において、取得部11は、方向データ、後流データ及び風車データを取得する。
ステップS12において、判定部12は、第二風車1bが第一風車1aの後流の影響を受けるか否かを判定する。判定部12は、第二風車1bが第一風車1aの後流の影響を受けると判定した場合(ステップS12:YES)、処理をステップS13に進める。一方、判定部12は、第二風車1bが第一風車1aの後流の影響を受けないと判定した場合(ステップS12:NO)、処理を終了させる。
ステップS13において、制御部14は、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530がプラズマを発生させている状態におけるパワー係数Cp(ON)とプラズマを発生させていない状態におけるパワー係数Cp(OFF)との差が所定の閾値を超える範囲に周速比λが含まれるよう第一風車1aを制御する。同時に、ステップS30において、制御部14は、プラズマを発生させるようプラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530を制御する。
以上、実施形態に係る風車制御装置10について説明した。風車制御装置10は、プラズマ発生時運転履歴データとプラズマ停止時運転履歴データとを比較する運転履歴比較処理を実行する。そして、風車制御装置10は、運転履歴判定処理の結果に基づいて、第一風車1a及び第一風車1aと異なる第二風車1bの少なくとも一方を制御する。したがって、風車制御装置10は、プラズマを発生させている場合における運転履歴とプラズマを発生させていない場合における運転履歴との関係に合わせてプラズマ電極が取り付けられている第一風車を制御することができる。
また、風車制御装置10は、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていると判定された場合、剥離が発生していることを報知する。一方、風車制御装置10は、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていないと判定された場合、剥離が発生していないことを報知する。また、風車制御装置10は、第一風車1aが回転数制限制御の下で運転している場合におけるプラズマ発生時運転履歴データ及びプラズマ停止運転履歴データを取得する。したがって、風車制御装置10は、より正確に剥離が発生しているか否かを把握することができる。
また、風車制御装置10は、プラズマ発生時風況データとプラズマ停止時風況データとを比較する風況比較処理を実行し、風況比較処理の結果が所定の風況条件を満たしていると判定された場合に、プラズマ発生時運転履歴データ及びプラズマ停止時運転履歴データを取得する。したがって、風車制御装置10は、風況の差異が一定の範囲内に収まっている状態で上述した処理を実行し、剥離が発生しているか否かを更に正確に把握することができる。
また、風車制御装置10は、運転履歴比較処理においてプラズマ発生時運転履歴データに含まれる物理量の統計値とプラズマ停止時運転履歴データに含まれる物理量の統計値とを比較する。したがって、風車制御装置10は、プラズマ発生時運転履歴データとプラズマ停止運転履歴データとを比較しただけでは有意な差があるか否かを判定し得ない場合でも両者に有意な差があるか否かを判定することができる。このため、風車制御装置10は、剥離が発生しているか否かを更に正確に把握することができる。
また、風車制御装置10は、少なくとも二種類の物理量同士の関係を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び少なくとも二種類の物理量同士の関係を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、運転履歴判定処理において、プラズマ発生時運転履歴データにより示されている少なくとも二種類の物理量同士の関係と、プラズマ停止時運転履歴データにより示されている少なくとも二種類の物理量同士の関係とが所定の範囲内で一致しているという所定の第一条件が満たされているか否かを判定する。したがって、風車制御装置10は、プラズマ発生時とプラズマ停止時とにおける少なくとも二種類の物理量同士の関係に有意な差があるか否かを判定することができる。このため、風車制御装置10は、剥離が発生しているか否かを更に正確に把握することができる。
また、風車制御装置10は、第二風車1bの運転履歴を示す第二風車運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、運転履歴判定処理の結果に基づいて、第一風車の制御のみを変更する処理の実行と、第二風車の制御のみを変更する処理の実行と、第一風車の制御及び第二風車の制御を変更する処理の実行とのいずれか一つを選択する。したがって、風車制御装置10は、プラズマ発生時運転履歴データ及びプラズマ停止時運転履歴データに加えて、第二風車運転履歴データに応じて、制御を変更する風車を選択することができる。
また、風車制御装置10は、第一風車1aの出力と風速との関係を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び第一風車1aの出力と風速との関係を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていると判定された場合、出力の制御特性に関する制御パラメータを調整する。そして、風車制御装置10は、第一風車1aの制御のみを変更する処理の実行を選択し、調整された制御パラメータを使用して第一風車1aを制御する。したがって、風車制御装置10は、第一風車1aに連結されている発電機の回転数ωに直接的な影響を与える第一風車1aの出力と風速Uを上述した処理に使用することにより、剥離が発生しているか否かを更に正確に把握しつつ、第一風車1aを制御することができる。
また、風車制御装置10は、第一風車1aの回転数とトルクTgとの関係を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び風車の回転数とトルクTgとの関係を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていると判定された場合、トルクTgの制御特性に関する制御パラメータを調整する。そして、風車制御装置10は、第一風車1aの制御のみを変更する処理の実行を選択し、調整された制御パラメータを使用して第一風車1aを制御する。したがって、風車制御装置10は、剥離の要因がトルクTgの制御にあることを明らかにし、当該現象の発生を抑制しつつ、第一風車1aを制御することができる。
また、風車制御装置10は、第一風車1aの回転数ωとピッチ角βとの関係を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び風車の回転数ωとピッチ角βとの関係を示すプラズマ停止時運転履歴を取得する。次に、風車制御装置10は、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていると判定された場合、ピッチ角βの制御特性に関する制御パラメータを調整する。そして、風車制御装置10は、第一風車1aの制御のみを変更する処理の実行を選択し、調整された制御パラメータを使用して第一風車1aを制御する。したがって、風車制御装置10は、剥離の要因がピッチ角βの制御にあることを明らかにし、当該現象の発生を抑制しつつ、第一風車1aを制御することができる。
また、風車制御装置10は、第一風車1aの周速比λとパワー係数Cpとの関係を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び第一風車1aの周速比λとパワー係数Cpとの関係を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていると判定された場合、周速比λの制御特性に関する制御パラメータを調整する。そして、風車制御装置10は、第一風車1aの制御のみを変更する処理の実行を選択し、調整された制御パラメータを使用して第一風車1aを制御する。したがって、風車制御装置10は、剥離の要因が周速比λの制御にあることを明らかにし、当該現象の発生を抑制しつつ、第一風車1aを制御することができる。
また、風車制御装置10は、第一風車1aの周速比λと風速との関係を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び第一風車1aの周速比λと風速との関係を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていると判定された場合、周速比λの制御特性に関する制御パラメータを調整する。そして、風車制御装置10は、第一風車1aの制御のみを変更する処理の実行を選択し、調整された制御パラメータを使用して第一風車1aを制御する。したがって、風車制御装置10は、剥離の要因が周速比λの制御にあることを明らかにし、当該現象の発生を抑制しつつ、第一風車1aを制御することができる。
また、風車制御装置10は、第一風車1aの出力と風速との関係を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び第一風車1aの出力と風速との関係を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、出力の制御特性に関する制御パラメータ、トルクTgの制御特性に関する制御パラメータ、ピッチ角βの制御特性に関する制御パラメータ又は周速比λの制御特性に関する制御パラメータのうち少なくとも一つの制御パラメータを調整する。そして、風車制御装置10は、第一風車1aの制御のみを変更する処理の実行を選択し、調整された制御パラメータを使用して第一風車1aを制御する。これにより、風車制御装置10は、運転履歴データを総合的に判断して剥離が発生しているか否かを更に正確に把握しつつ、第一風車1aを制御することができる。
また、風車制御装置10は、第一風車1aの回転数とトルクTgとの関係を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び風車の回転数とトルクTgとの関係を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、出力の制御特性に関する制御パラメータ、トルクTgの制御特性に関する制御パラメータ、ピッチ角βの制御特性に関する制御パラメータ又は周速比λの制御特性に関する制御パラメータのうち少なくとも一つの制御パラメータを調整する。そして、風車制御装置10は、第一風車1aの制御のみを変更する処理の実行を選択し、調整された制御パラメータを使用して第一風車1aを制御する。これにより、風車制御装置10は、運転履歴データを総合的に判断して剥離が発生しているか否かを更に正確に把握しつつ、第一風車1aを制御することができる。
また、風車制御装置10は、第一風車1aの回転数ωとピッチ角βとの関係を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び風車の回転数ωとピッチ角βとの関係を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、出力の制御特性に関する制御パラメータ、トルクTgの制御特性に関する制御パラメータ、ピッチ角βの制御特性に関する制御パラメータ又は周速比λの制御特性に関する制御パラメータのうち少なくとも一つの制御パラメータを調整する。そして、風車制御装置10は、第一風車1aの制御のみを変更する処理の実行を選択し、調整された制御パラメータを使用して第一風車1aを制御する。これにより、風車制御装置10は、運転履歴データを総合的に判断して剥離が発生しているか否かを更に正確に把握しつつ、第一風車1aを制御することができる。
また、風車制御装置10は、第一風車1aの周速比λとパワー係数Cpとの関係を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び第一風車1aの周速比λとパワー係数Cpとの関係を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、出力の制御特性に関する制御パラメータ、トルクTgの制御特性に関する制御パラメータ、ピッチ角βの制御特性に関する制御パラメータ又は周速比λの制御特性に関する制御パラメータのうち少なくとも一つの制御パラメータを調整する。そして、風車制御装置10は、第一風車1aの制御のみを変更する処理の実行を選択し、調整された制御パラメータを使用して第一風車1aを制御する。これにより、風車制御装置10は、運転履歴データを総合的に判断して剥離が発生しているか否かを更に正確に把握しつつ、第一風車1aを制御することができる。
また、風車制御装置10は、第一風車1aの周速比λとパワー係数Cpとの関係を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び第一風車1aの周速比λとパワー係数Cpとの関係を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、出力の制御特性に関する制御パラメータ、トルクTgの制御特性に関する制御パラメータ、ピッチ角βの制御特性に関する制御パラメータ又は周速比λの制御特性に関する制御パラメータのうち少なくとも一つの制御パラメータを調整する。そして、風車制御装置10は、第一風車1aの制御のみを変更する処理の実行を選択し、調整された制御パラメータを使用して第一風車1aを制御する。これにより、風車制御装置10は、運転履歴データを総合的に判断して剥離が発生しているか否かを更に正確に把握しつつ、第一風車1aを制御することができる。
また、風車制御装置10は、第一風車1aの周速比λと風速との関係を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び第一風車1aの周速比λと風速との関係を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、出力の制御特性に関する制御パラメータ、トルクTgの制御特性に関する制御パラメータ、ピッチ角βの制御特性に関する制御パラメータ又は周速比λの制御特性に関する制御パラメータのうち少なくとも一つの制御パラメータを調整する。そして、風車制御装置10は、第一風車1aの制御のみを変更する処理の実行を選択し、調整された制御パラメータを使用して第一風車1aを制御する。これにより、風車制御装置10は、運転履歴データを総合的に判断して剥離が発生しているか否かを更に正確に把握しつつ、第一風車1aを制御することができる。
また、風車制御装置10は、第二風車1bの風速と第二風車1bの風速の頻度との関係を示す第二風車運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、第二風車運転履歴データにより示される第二風車1bの運転履歴が所定の第二条件を満たしているか否かを判定する。そして、風車制御装置10は、第二風車1bの制御のみを変更する処理の実行を選択する。したがって、風車制御装置10は、第二風車1bの風速と第二風車1bの風速の頻度との関係に応じて第二風車1bを制御することができる。
また、風車制御装置10は、第二風車1bの出力と風速との関係を示す第二風車運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、第二風車1b運転履歴データにより示される第二風車の運転履歴が所定の第二条件を満たしているか否かを判定する。そして、風車制御装置10は、第二風車1bの制御のみを変更する処理の実行を選択する。したがって、風車制御装置10は、第二風車1bの出力と第二風車1bの風速との関係に応じて第二風車1bを制御することができる。
また、風車制御装置10は、第二風車1bの回転数、トルク又は風速と第二風車1bの振動又は歪みとの関係を示す第二風車運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、第二風車運転履歴データにより示される第二風車1bの運転履歴が所定の第二条件を満たしているか否かを判定する。そして、風車制御装置10は、第二風車1bの制御のみを変更する処理の実行を選択する。したがって、風車制御装置10は、第二風車1bの回転数、トルク又は風速と第二風車1bの振動又は歪みとの関係に応じて第二風車1bを制御することができる。
また、風車制御装置10は、第一風車1aの風速と第一風車1aの風速の頻度との関係を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び第一風車1aの風速と第一風車1aの風速の頻度との関係を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得し、第二風車1bの風速と第二風車1bの風速の頻度との関係を示す第二風車1b運転履歴データを取得する。次に、風車制御装置10は、第二風車1b運転履歴データにより示される第二風車1bの運転履歴が所定の第二条件を満たしているか否かを判定する。そして、第一風車1aの制御及び第二風車1bの制御を変更する処理の実行を選択する。したがって、風車制御装置10は、第一風車1aの風速と第一風車1aの風速の頻度との関係及び第二風車1bの運転履歴に応じて第一風車1a及び第二風車1bを制御することができる。
また、風車制御装置10は、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていると判定された場合、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530をそれぞれ翼51、翼52及び翼53に設置したままにすることを推奨することを報知する。したがって、風車制御装置10は、これら三つのプラズマ電極を使用することにより、剥離の発生を抑制することができる。なお、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530をスパン方向に分割しておき、スパンごとに上述した処理を実行すれば、翼51、翼52又は翼53のどの位置で剥離が発生しているかを突き止めることができる。
また、風車制御装置10は、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていると判定された場合、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530によりプラズマを発生させている状態を継続させることを推奨することを報知する。したがって、風車制御装置10は、これら三つのプラズマ電極を使用することにより、剥離の発生を抑制することができる。
また、風車制御装置10は、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていないと判定された場合、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530をそれぞれ翼51、翼52及び翼53から撤去してもよいことを報知する。したがって、風車制御装置10は、これら三つのプラズマ電極の駆動に必要な電力を削減することを可能にすることができる。
また、風車制御装置10は、運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしていないと判定された場合、プラズマ電極510、プラズマ電極520及びプラズマ電極530によりプラズマを発生させていない状態を継続させることを推奨することを報知する。したがって、風車制御装置10は、これら三つのプラズマ電極の駆動に必要な電力を削減することを可能にすることができる。
また、風車制御装置10は、方向データ、後流データ及び風車データを使用して第二風車1bが第一風車1aの後流の影響を受けると判定する。例えば、風車制御装置10は、風車位置データにより示される第二風車1bの位置が後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれる場合に、第二風車1bが第一風車1aの影響を受けると判定する。そして、風車制御装置10は、翼51、翼52及び翼53の迎角αが失速角αを超える範囲に含まれるよう第一風車1aを制御して、パワー係数Cp(ON)とパワー係数Cp(OFF)との差が所定の閾値を超える範囲に周速比λが含まれるよう第一風車1aを制御する。
これにより、風車制御装置10は、第二風車1bの風上に位置する第一風車1aの後流が第二風車1bに流入し、第二風車1bが備える発電機の出力が低下することを抑制し得る。したがって、風車制御装置10は、第一風車1a及び第二風車1bを含むウィンドファーム全体の発電効率を向上させつつ、ウィンドファームの建設に必要な面積を削減することができる。さらに、風車制御装置10は、上述した制御により、第一風車1aが流入風から受ける推力Tを低下させるため、第一風車1aの各部に不必要な負荷が加わってしまう事態を回避することができる。
また、風車制御装置10は、プラズマを発生させない場合、翼51、翼52及び翼53各々の迎角αが失速角α以下となる範囲に含まれるよう第一風車1aを制御してもよい。これにより、風車制御装置10は、プラズマを発生させない場合であっても、第一風車1aを停止させて修理を行ったり、プラズマを発生させつつ、図25に示した範囲R81内又は図26に示した範囲R91内の迎角αを維持した状態での運転に熟練する期間を経たりすること無く、揚力係数CLを一定以上確保し、第一風車1aの運転を継続させることができる。
また、風車制御装置10は、翼51、翼52及び翼53の翼型が後縁剥離型であり、翼51、翼52及び翼53各々の迎角αが図25に示した範囲R822に含まれるよう第一風車1aを制御した場合、翼51、翼52及び翼53の揚力係数CLをより安定化させることも可能になる。一方、風車制御装置10は、翼51、翼52及び翼53の翼型が後縁剥離型である場合、翼51、翼52及び翼53の揚力係数CLをより大きくすることも可能になる。
次に、図28及び図29を参照しながら、実施形態に係る風車制御装置10が奏する効果について具体的に説明する。図28は、本発明の実施形態に係る第一風車、第二風車及びこれら二つの風車の周辺を真上から俯瞰した図である。
図28に示した点線BR11と点線BL11とに挟まれた領域は、第一風車1aの後流が通過する後流通過領域であり、第二風車1bを含んでいる。一方、図28において点線BR11よりも上側の領域及び点線BL11よりも下側の領域は、自由流れが通過する自由流れ領域である。また、自由流れ領域における風速は、後流通過領域における風速よりも速い。さらに、図28に示した一点鎖線AXは、第一風車1aのロータの回転中心を通る水平線を表している。図28に示した一点鎖線Lは、一点鎖線AXと点Qで直交し、第一風車1aが設置されている海面又は地表面に平行な線分である。
図29は、本発明の実施形態に係るプラズマ電極がプラズマを発生させている場合における第一風車の後流の風速分布及びプラズマ電極がプラズマを発生させていない場合における第一風車の後流の風速分布の一例を示す図である。図29の横軸は、第一風車1aのロータの回転軸からの距離を示している。すなわち、図29の横軸は、図28に示した点Qを基準とした一点鎖線L上の位置を示している。一方、図29の縦軸は、第一風車1aの後流の風速を第一風車1aの流入風の風速で除算した量を示している。
図29に示した実線C1は、プラズマを発生させている場合における第一風車1aの後流の風速分布を示している。一方、図29に示した実線C2は、プラズマを発生させていない場合における第一風車1aの後流の風速分布を示している。
図28に示すように、第一風車1aの後流は、第二風車1bの流入風である。また、第一風車1aの後流は、第一風車1aの周速比λが図23に示した範囲R61に含まれ、かつ、プラズマを発生させるよう第一風車1aが制御された場合、乱流強度が増加する。これにより、後流通過領域と自由流れ領域との境界で乱流による空気の混合が促進されるため、図29に示すように、第一風車1aの後流の風速は、後流通過領域全体に亘って増加する。したがって、風車制御装置10は、プラズマを発生させることにより、第一風車1aの後流の風速の低下を抑制し、第二風車1bが備える発電機の出力が低下することを抑制することができる。
なお、第一風車1aは、理想的には、パワー係数Cpが最大となる周速比ΛOPTで運転されることが好ましい。しかし、第一風車1aは、実際には、上述した風速Uが変動するため、例えば、周速比λが図23及び図24に示した周速比λ´から周速比Λ2となる範囲で運転される。第一風車1aは、周速比λが周速比λ´から周速比Λ2となる範囲で運転されている場合に、プラズマを発生させることにより、周速比λの範囲を図23及び図24に示した周速比Λ1から周速比Λ2の範囲まで広げてもプラズマを発生させていない場合と同程度のパワー係数Cpを得ることができる。
この場合、図24に示すように、スラスト係数Ctは、周速比λが周速比λ´から周速比Λ2となる範囲で第一風車1aが運転される場合よりも周速比λが周速比Λ1から周速比Λ2となる範囲で第一風車1aが運転される場合の方が低くなる。また、この場合、第一風車1aの風下側に位置する風車の流入風の風速が速くなるため、当該風車の出力が向上し、ウィンドファーム全体の効率が向上する。
一方、第一風車1aは、周速比λが周速比λ´よりも小さい周速比から周速比Λ2となる範囲で運転されてもよい。この場合、第一風車1aの出力は、パワー係数Cpが低下することにより運転範囲を広げない場合に比べて低下する。ただし、この場合、第一風車1aの風下側に位置する風車の流入風の風速の低下が緩和されるため、ウィンドファーム全体の効率が向上する。
なお、上述した実施形態では、風車制御装置10が図15に示した散布図を作成する場合を例に挙げたが、これに限定されない。風車制御装置10は、図15に示した散布図を作成せず、運転履歴比較処理として図18に示した白点の分布と図18に示した黒点の分布とを比較する処理を実行してもよい。
また、風車制御装置10は、第一風車1aの回転面が向いている方向を示す方向データ、第一風車1aの後流が通過する後流通過領域を示す後流通過領域データ及び第一風車1得と異なる第二風車1bの位置を示す風車位置データを取得する。次に、風車制御装置10は、方向データ、後流通過領域データ及び風車位置データを使用して、風車位置データにより示される第二風車1bの位置が後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれるか否かを判定する。
そして、風車制御装置10は、風車位置データにより示される第二風車1bの位置が後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれると判定された場合、風車位置データにより示される第二風車1bの位置が後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれなくなるよう、第一風車1aの回転面が向く方向を制御し、かつ、プラズマを発生させるようプラズマ電極を制御する。
これにより、風車制御装置10は、第一風車1aに加わる変動荷重を抑制しつつ、第二風車1bを後流通過領域から外すことができる。
また、取得部11は、プラズマ発生時風況データをプラズマ発生時運転履歴データと同時に取得してもよいし、プラズマ停止時風況データをプラズマ停止時運転履歴データと同時に取得してもよい。
また、風車制御装置10が有する機能の少なくとも一部は、回路部(circuitry)を含むハードウェアがプログラムを実行することにより実現されてもよい。ここで言うハードウェアは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)である。また、上述したプログラムは、記憶媒体を備える記憶装置に格納されている。ここで言う記憶媒体は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)である。さらに、上述したプログラムは、風車制御装置10が有する機能の一部を実現する差分プログラムであってもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明した。ただし、風車制御装置10は、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、置換、組み合わせ又は設計変更を加えることができる。
10…風車制御装置、11…取得部、12…判定部、13…調整部、14…制御部、15…報知部

Claims (28)

  1. 翼に設置されたプラズマ電極によりプラズマを発生させていた場合における第一風車の運転履歴を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていなかった場合における前記第一風車の運転履歴を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得する取得部と、
    前記プラズマ発生時運転履歴データと前記プラズマ停止時運転履歴データとを比較する運転履歴比較処理を実行し、前記運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしているか否かを判定する運転履歴判定処理を実行する判定部と、
    前記運転履歴判定処理の結果に基づいて、前記第一風車及び前記第一風車と異なる第二風車の少なくとも一方と、前記プラズマ電極との少なくとも一方を制御する制御部と、
    を備える風車制御装置。
  2. 前記取得部は、前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていた場合における風況を示すプラズマ発生時風況データを前記プラズマ発生時運転履歴データと同時に取得し、前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていなかった場合における風況を示すプラズマ停止時風況データを前記プラズマ停止時運転履歴データと同時に取得する、
    請求項1に記載の風車制御装置。
  3. 前記取得部は、前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていた場合における風況を示すプラズマ発生時風況データ及び前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていなかった場合における風況を示すプラズマ停止時風況データを更に取得し、
    前記判定部は、前記プラズマ発生時風況データと前記プラズマ停止時風況データとを比較する風況比較処理を実行し、前記風況比較処理の結果が所定の風況条件を満たしているか否かを更に判定し、
    前記取得部は、前記風況比較処理の結果が前記所定の風況条件を満たしていると判定された場合に、前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記プラズマ停止時運転履歴データを取得する、
    請求項1に記載の風車制御装置。
  4. 前記判定部は、前記運転履歴比較処理において前記プラズマ発生時運転履歴データに含まれる物理量の統計値と前記プラズマ停止時運転履歴データに含まれる物理量の統計値とを比較する、
    請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の風車制御装置。
  5. 前記取得部は、少なくとも二種類の物理量同士の関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び少なくとも二種類の物理量同士の関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、
    前記判定部は、前記運転履歴判定処理において、前記プラズマ発生時運転履歴データにより示されている少なくとも二種類の物理量同士の関係と、前記プラズマ停止時運転履歴データにより示されている少なくとも二種類の物理量同士の関係とが所定の範囲内で一致しているという前記所定の第一条件が満たされているか否かを判定する、
    請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の風車制御装置。
  6. 前記取得部は、前記第二風車の運転履歴を示す第二風車運転履歴データを更に取得し、
    前記制御部は、前記運転履歴判定処理の結果に基づいて、前記第一風車の制御のみを変更する処理の実行と、前記第二風車の制御のみを変更する処理の実行と、前記第一風車の制御及び前記第二風車の制御を変更する処理の実行とのいずれか一つを選択する、
    請求項5に記載の風車制御装置。
  7. 前記取得部は、前記第一風車の周速比とパワー係数との関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記第一風車の周速比とパワー係数との関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、
    前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記周速比、前記第一風車のトルク、前記第一風車のピッチ角及び前記第一風車のヨー制御特性の少なくとも一つに関する制御パラメータを調整する調整部を更に備え、
    前記制御部は、前記第一風車の制御のみを変更する処理の実行を選択し、前記調整部により調整された前記制御パラメータを使用して前記第一風車を制御する、
    請求項6に記載の風車制御装置。
  8. 前記取得部は、前記第一風車の出力と風速との関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記第一風車の出力と風速との関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、
    前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記出力の制御特性に関する制御パラメータを調整する調整部を更に備え、
    前記制御部は、前記第一風車の制御のみを変更する処理の実行を選択し、前記調整部により調整された前記制御パラメータを使用して前記第一風車を制御する、
    請求項6又は請求項7に記載の風車制御装置。
  9. 前記取得部は、前記第一風車の回転数とトルクとの関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記第一風車の回転数とトルクとの関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、
    前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記トルクの制御特性に関する制御パラメータを調整する調整部を更に備え、
    前記制御部は、前記第一風車の制御のみを変更する処理の実行を選択し、前記調整部により調整された前記制御パラメータを使用して前記第一風車を制御する、
    請求項6及び請求項8のいずれか一つに記載の風車制御装置。
  10. 前記取得部は、前記第一風車の回転数とピッチ角との関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記第一風車の回転数とピッチ角との関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、
    前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記ピッチ角の制御特性に関する制御パラメータを調整する調整部を更に備え、
    前記制御部は、前記第一風車の制御のみを変更する処理の実行を選択し、前記調整部により調整された前記制御パラメータを使用して前記第一風車を制御する、
    請求項6から請求項9のいずれか一つに記載の風車制御装置。
  11. 前記取得部は、前記第一風車の周速比とパワー係数との関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記第一風車の周速比とパワー係数との関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、
    前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記周速比の制御特性に関する制御パラメータを調整する調整部を更に備え、
    前記制御部は、前記第一風車の制御のみを変更する処理の実行を選択し、前記調整部により調整された前記制御パラメータを使用して前記第一風車を制御する、
    請求項6から請求項10のいずれか一つに記載の風車制御装置。
  12. 前記取得部は、前記第一風車の周速比と風速との関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記第一風車の周速比と風速との関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、
    前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記周速比の制御特性に関する制御パラメータを調整する調整部を更に備え、
    前記制御部は、前記第一風車の制御のみを変更する処理の実行を選択し、前記調整部により調整された前記制御パラメータを使用して前記第一風車を制御する、
    請求項6から請求項11のいずれか一つに記載の風車制御装置。
  13. 前記取得部は、前記第二風車の風速と前記第二風車の風速の頻度との関係を示す前記第二風車運転履歴データを更に取得し、
    前記判定部は、前記第二風車運転履歴データにより示される前記第二風車の運転履歴が所定の第二条件を満たしているか否かを更に判定し、
    前記制御部は、前記第二風車の制御のみを変更する処理の実行を選択する、
    請求項6に記載の風車制御装置。
  14. 前記取得部は、前記第二風車の出力と風速との関係を示す前記第二風車運転履歴データを更に取得し、
    前記判定部は、前記第二風車運転履歴データにより示される前記第二風車の運転履歴が所定の第二条件を満たしているか否かを更に判定し、
    前記制御部は、前記第二風車の制御のみを変更する処理の実行を選択する、
    請求項6又は請求項11に記載の風車制御装置。
  15. 前記取得部は、前記第二風車の回転数、トルク又は風速と前記第二風車の振動又は歪みとの関係を示す前記第二風車運転履歴データを更に取得し、
    前記判定部は、前記第二風車運転履歴データにより示される前記第二風車の運転履歴が所定の第二条件を満たしているか否かを更に判定し、
    前記制御部は、前記第二風車の制御のみを変更する処理の実行を選択する、
    請求項6、請求項12から請求項14のいずれか一つに記載の風車制御装置。
  16. 前記取得部は、前記第一風車の風速と前記第一風車の風速の頻度との関係を示す前記プラズマ発生時運転履歴データ及び前記第一風車の風速と前記第一風車の風速の頻度との関係を示す前記プラズマ停止時運転履歴データを取得し、前記第二風車の風速と前記第二風車の風速の頻度との関係を示す前記第二風車運転履歴データを更に取得し、
    前記判定部は、前記第二風車運転履歴データにより示される前記第二風車の運転履歴が所定の第二条件を満たしているか否かを更に判定し、
    前記制御部は、前記第一風車の制御及び前記第二風車の制御を変更する処理の実行を選択する、
    請求項6に記載の風車制御装置。
  17. 前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記プラズマ電極を前記翼に設置したままにすることを推奨することを報知する報知部を更に備える、
    請求項1から請求項16のいずれか一つに記載の風車制御装置。
  18. 前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていると判定された場合、前記プラズマ電極によりプラズマを発生させている状態を継続させることを推奨することを報知する報知部を更に備える、
    請求項1から請求項16のいずれか一つに記載の風車制御装置。
  19. 前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていないと判定された場合、前記プラズマ電極を前記翼から撤去してもよいことを報知する報知部を更に備える、
    請求項1から請求項16のいずれか一つに記載の風車制御装置。
  20. 前記運転履歴比較処理の結果が前記所定の第一条件を満たしていないと判定された場合、前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていない状態を継続させることを推奨することを報知する報知部を更に備える、
    請求項1から請求項16のいずれか一つに記載の風車制御装置。
  21. 前記取得部は、第一風車の回転面が向いている方向を示す方向データ、前記第一風車の後流に関する情報を示す後流データ及び前記第一風車と異なる第二風車に関する情報を示す風車データを更に取得し、
    前記判定部は、前記方向データ、前記後流データ及び前記風車データを使用して、前記第二風車が前記第一風車の後流の影響を受けるか否かを更に判定し、
    前記制御部は、前記第二風車が前記第一風車の後流の影響を受けると判定された場合、前記第一風車の翼に取り付けられているプラズマ電極がプラズマを発生させている状態における前記第一風車のパワー係数と前記プラズマ電極がプラズマを発生させていない状態における前記第一風車のパワー係数との差が所定の閾値を超える範囲に前記第一風車の周速比が含まれるよう前記第一風車を制御し、かつ、プラズマを発生させるよう前記プラズマ電極を制御する、
    請求項1から請求項20のいずれか一つに記載の風車制御装置。
  22. 前記取得部は、前記第一風車の後流が通過する後流通過領域を示す後流通過領域データを前記後流データとして取得し、前記第二風車の位置を示す風車位置データを前記風車データとして取得し、
    前記判定部は、前記風車位置データにより示される前記第二風車の位置が前記後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれる場合に、前記第二風車が前記第一風車の影響を受けると判定する、
    請求項21に記載の風車制御装置。
  23. 前記制御部は、前記翼の所定の半径位置の翼素において、迎角が失速角を超える範囲に含まれるよう前記第一風車を制御することにより、前記差が前記所定の閾値を超える範囲に前記第一風車の周速比が含まれるよう前記第一風車を制御する、
    請求項21又は請求項22に記載の風車制御装置。
  24. 前記制御部は、前記翼の翼型が後縁剥離型であり、かつ、前記プラズマ電極がプラズマを発生させない場合、前記翼の所定の半径位置の翼素において、迎角が失速角以下となる範囲に含まれるよう前記第一風車を制御する、
    請求項23に記載の風車制御装置。
  25. 前記制御部は、前記翼の翼型が前縁剥離型であり、かつ、前記プラズマ電極がプラズマを発生させない場合、前記翼の所定の半径位置の翼素において、迎角が失速角以下となる範囲に含まれるよう前記第一風車を制御する、
    請求項23に記載の風車制御装置。
  26. 前記取得部は、第一風車の回転面が向いている方向を示す方向データ、前記第一風車の後流が通過する後流通過領域を示す後流通過領域データ及び前記第一風車と異なる第二風車の位置を示す風車位置データを更に取得し、
    前記判定部は、前記方向データ、前記後流通過領域データ及び前記風車位置データを使用して、前記風車位置データにより示される前記第二風車の位置が前記後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれるか否かを更に判定し、
    前記制御部は、前記風車位置データにより示される前記第二風車の位置が前記後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれると判定された場合、前記風車位置データにより示される前記第二風車の位置が前記後流通過領域データにより示される後流通過領域に含まれなくなるよう、前記第一風車の回転面が向く方向を制御し、かつ、プラズマを発生させるよう前記プラズマ電極を制御する、
    請求項1から請求項20のいずれか一つに記載の風車制御装置。
  27. コンピュータに、
    翼に設置されたプラズマ電極によりプラズマを発生させていた場合における第一風車の運転履歴を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていなかった場合における前記第一風車の運転履歴を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得するデータ取得機能と、
    前記プラズマ発生時運転履歴データと前記プラズマ停止時運転履歴データとを比較する運転履歴比較処理を実行し、前記運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしているか否かを判定する運転履歴判定処理を実行する判定機能と、
    前記運転履歴判定処理の結果に基づいて、前記第一風車及び前記第一風車と異なる第二風車の少なくとも一方と、前記プラズマ電極との少なくとも一方を制御する制御機能と、
    を実現させる風車制御プログラム。
  28. 翼に設置されたプラズマ電極によりプラズマを発生させていた場合における第一風車の運転履歴を示すプラズマ発生時運転履歴データ及び前記プラズマ電極によりプラズマを発生させていなかった場合における前記第一風車の運転履歴を示すプラズマ停止時運転履歴データを取得し、
    前記プラズマ発生時運転履歴データと前記プラズマ停止時運転履歴データとを比較する運転履歴比較処理を実行し、前記運転履歴比較処理の結果が所定の第一条件を満たしているか否かを判定する運転履歴判定処理を実行し、
    前記運転履歴判定処理の結果に基づいて、前記第一風車及び前記第一風車と異なる第二風車の少なくとも一方と、前記プラズマ電極との少なくとも一方を制御する、
    風車制御方法。
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