JP2021093796A - 絶縁形dc−dcコンバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】共振回路動作周波数の制御自由度を向上させた絶縁形DC−DCコンバータの制御方法を提供する。【解決手段】絶縁形DC−DCコンバータ回路200は、方形波インバータ210と、高周波変圧器220と、整流回路230と、LC共振回路240と、LCフィルタ回路250と、を備える。方形波インバータ210を、LC共振回路240の共振周期にほぼ一致する時間幅の正負の電圧と零電圧期間を含む1周期単位の連続する方形波電圧波形の零電圧期間を調整する事により、スイッチング損失の低減とスイッチングノイズの低減および変圧器の小型軽量化や高効率化と出力電圧、出力電流の制御を可能とする。【選択図】図12

Description

本発明は、広範な直流出力電圧設定が可能な節煙型DC-DCコンバータの小型・軽量・高効率化とスイッチングノイズの低減化に貢献する技術である。
近年、パワーエレクトロニクス装置の急激な発達と、リチウムイオン電池などの蓄電池の発達普及とも相まって、小型・軽量・高効率の小中容量の様々な出力電圧レベルの直流電源装置から、容量の大きなものでは周波数変換電源やモータドライブ用のインバータの直流電源など幅広い応用分野でDC-DCコンバータの需要が高まってきた。
DC-DCコンバータは、大幅な電圧変換制御が求められる場合、スイッチングデューティだけで電圧制御を行うと効率が著しく低下するとともに、DC-DCコンバータで直流電源と直流出力間で絶縁がとられていない場合は、適用できる範囲も限定されるなどの課題がある。
このため、直流電源を一度交流に変換して、変圧器で必要な電圧出力が得られる電圧に変換した後、整流回路、フィルタ回路を介して直流出力を得る絶縁形DC-DCコンバータが用いられている。
この変圧器の小型化軽量化のため、高い周波数の交流電圧が要求されるが、インバータで高周波電圧を流れている電流に関係なくスイッチングするハードスイッチングで発生させると、スイッチング損失やスイッチングノイズなどの課題を生じる。
このため、ハードスイッチング制御に代わり電圧あるいは電流が零あるいはこれに近い状態でスイッチングさせるソフトスイッチング制御を用いた様々なDC-DCコンバータが提案されているが、LC共振作用による振動電流損失の増加や素子耐圧の増加や、部分共振によるものは回路構成や制御システムが複雑化するなどの傾向にある。
特開平1−157273:「直列共振型DC-DCコンバータ」 フォワードDCDC 特開平1−218352:「スイッチング電源回路」 同じ回路構成 特開平4−368464:「直流電源装置」変圧器+スイッチ回路 特開2003−259643:「電流共振型ソフトスイッチング電源回路」C 特願2016−181995:「DC-DCコンバータ」 変圧器、零電圧スイッチ
ソフトスイッチング制御には、代表的なものに電圧共振型のもの電流共振型のものがあり、前者は電圧共振により、電圧が零のときにオン、オフするゼロ電圧スイッチング (ZVS: Zero Voltage Switching )を実現し、後者は電流共振により、電流が零のときにオン、オフするゼロ電流スイッチ(ZCS: Zero Current Switching)を実現して、いずれもスイッチング損失やスイッチングノイズを低減することを目的とするスイッチング制御手法であり、通常のハードスイッチング制御と区別されている。
ソフトスイッチング制御は、電圧共振型では大きな振動電圧が素子の耐圧に、電流共振型では大きな共振電流が素子の電流容量の増大と通電損失の増加につながるため、これらのスイッチング制御の適用可能範囲は限られている。
このため、スイッチングの瞬間だけ共振させる部分共振手法の研究も進み、一部で実用化されているが、一般に回路構成が複雑化するなどの課題と適用分野が限られることから、現在も様々なソフトスイッチング制御DによるDC-DCコンバータ回路や、上述した高周波変圧器を用いた絶縁用DC-DCコンバータの実用化研究、応用研究が行われている。
本発明は、新しいソフトスイッチング制御法を中核としたDC-DCコンバータや、高周波変圧器を組み合わせた絶縁形DC-DCコンバータに関するものであり、スイッチング損失の低減、スイッチングノイズの低減に加えて、特に大幅な電圧変換制御を高効率で実現することを目指したものである。
これまでの共振ソフトスイッチング制御手法に関する先行技術文献のうち、特徴的な先行技術文献を公開年代順に挙げたが、本発明の電流共振型ソフトスイッチング制御手法とは以下の点で異なっている
本発明は零電流スイッチ作用によっており、先行技術文献のうち、(特許文献1)から(特許文献4)は零電流スイッチ作用であるが、(特許文献5)は零電圧スイッチ作用によるもので、ソフトスイッチの制御手段そのものが異なっている。
次に、(特許文献1)は、フォワードコンバータであり、また、(特許文献4)は、共振用キャパシタが交流回路に入れられており、共に、共振動作を利用しているが、本発明の回路構成によるDC-DCコンバータとは、回路構成及び制御手法が全く異なっている。
そして、(特許文献2)は、変圧器を用いない場合の主回路構成としては同じであるが、共振動作を利用しているが、共振キャパシタの電圧を毎周期零電圧まで下げている点で、スイッチング制御手法が異なっている。
また、(特許文献3)は、変圧器を用いた本発明の回路構成によるDC-DCコンバータと類似している回路構成となっているが、共振キャパシタに直列にスイッチ回路が設けられており、そのスイッチ動作により、これも共振キャパシタの電圧を毎周期零電圧まで下げているなど、回路構成とソフトスイッチング制御手法が異なっている。
一般の電流共振形ソフトスイッチング回路の制御法は、(特許文献2)、(特許文献3)の制御手法で見られるように、いずれも共振キャパシタの電圧が制御周期毎に零電圧まで放電した時点で、LC共振回路に給電スイッチが入るため、大きな共振電流が負荷の軽重に関係なく流れることによる大きな電流損失が課題となっている、
ここで、ソフトスイッチング制御を実現するために、一般の電流共振形ソフトスイッチング回路による一般的な制御法では、負荷の軽重に関係なく常時大きな振動電流を伴う原因を次に示す。
図1は、電流共振によりソフトスイッチング制御を実現する代表的な回路であり、一般には、直流電源に対してスイッチSをLCで構成されるLC共振回路の共振周波数に同期させてオンオフ制御することにより、図2に示すようにスイッチ素子Sをオンさせると電流がダイオードD1を通して流れた後、ダイオードD2を通して流れる共振回路が形成されるため、スイッチ素子Sがオン時点とオフ時点では零電流となっているため零電流スイッチング(ZCS)が実現できている。
そして、負荷電流ioは、Ld,Cdで構成されるLCフィルタ回路のインダクタLdによりほぼ一定の電流源として供給されるとともに、直流出力電圧Voは、共振キャパシタCrの平均電圧として出力される。
ここで、共振キャパシタCrの電圧は、共振回路電流により一度充電された後、零電圧となるため、スイッチングの度に負荷の重軽にかかわらず大きな振動電流を伴うため、ソフトスイッチングが実現できていても、特に軽負荷時においても大きな振動電流による回路損失を生じるため、効率低下につながり、これが実用化に向けての大きなネックとなっている。
次に、出力電圧を制御する場合、これまでのソフトスイッチング制御手法では毎周期、共振キャパシタの電圧が零まで低下させているため、その期間を調整することでLCフィルタを介した出力電圧を変えることができるが、本発明の制御手法は後述するが毎周期、共振キャパシタの電圧が零まで低下させないため、如何に出力電圧制御するかが課題となる。
このため、電圧制御手法として、ソフトスイッチング動作をさせる電源からの給電共振動作モードに対して、無給電期間を設けて共振キャパシタの電圧を低下させることにより、LCフィルタ回路の出力を制御する方法が考えられる毎ではないが、大きなスパイク状の電流が流れる恐れがあるのでその対策が課題となる。
さらに、大幅な電圧制御と絶縁出力を得るために、変圧器を用いた絶縁形DCDCコンバータの構成においては、変圧器が偏磁して大きな電流が流れる恐れがあり、その対策も実用化する上での課題となる。
また、これまでに提案されているソフトスイッチング制御手法においては、LC共振回路の共振周波数にほぼ同期してスイッチング制御動作をさせることを前提としているため、スイッチング動作周波数はLC共振周波数で決まってしまい動作周波数に制約を伴う。
先ず、これまでのソフトスイッチング手法を用いたDC-DCコンバータがスイッチング周期毎に大きな共振電流が流れ電流回路損失を伴う大きな課題を解決するための手段として、本発明の基本となるDCDCコンバータ回路構成と制御手段を示し、次いでスイッチ回路に電圧型インバータと変圧器を用いた構成として絶縁と大幅な電圧変換を可能とする絶縁型DC-DCコンバータの回路構成と基本的な制御手法を示すと共に、出力電圧制御に伴う給電時の電流パルスの問題、変圧器の偏磁の問題および共振回路動作周波数の制約等の課題を克服するための手段を述べる。
図3は本発明の電流型ソフトスイッチング制御絶縁形DC−DCコンバータの基本回路であり、図1の回路と比較すると、共振回路電流の返りの電流をダイオードD1でブロックするとともに、スイッチSがオフになったときのフリーフォイーリングダイオードD2で共振インダクタLrの電流経路を確保する回路構成となっている。
なお、同じ回路構成をとる(特許文献2)においては、類似する回路構成が示されているが、制御手段としては、スイッチをオンすることによる振動電流が流れ終えても共振キャパシタの電圧が零になるまでスイッチのオン状態を維持している制御手法をとっているため、LCフィルタ回路電流により共振キャパシタCrが逆充電されないようにフリーフォイーリングダイオードを共振キャパシタの両端に追加接続することが不可欠となっており、毎周期共振キャパシタの電圧を零に低下させる制御手段がとられており、これまでのソフトスイッチング制御と同様に、スイッチング周期毎に、負荷の軽重に関係なく大きな共振電流が流れる、大きな電流損失が課題となっている。
これに対して、本発明の制御手法は、LC共振電流が零あるいはほぼ零に近い値でスイッチオフしてLC共振動作が継続できるに必要な無給電期間を設けた後、共振キャパシタの電圧は維持した状態で再度スイッチを投入する制御手法を採っているため、スイッチ投入時点での電源電圧と共振キャパシタの電圧差が小さくできるため、LC共振による振動電流を小さくできるところに大きな特徴がある。
図4は、図3の回路で本発明の制御手段による動作波形を示しており、スイッチSがオンした時点で直流電源EBからダイオードD1を通してLC共振回路に振動電流が零から流れ始め、スイッチがオフする時点では電流が零となっているため、零電流スイッチング(ZCS)を実現している、
この制御手段によると、電源からの振動電流は共振キャパシタCrを充電するだけで、その端子電圧Vrは、LCフィルタ回路のインダクタLdを通して流れる負荷電流ioにより低下するものの、これまでの制御手段では共振キャパシタの端子電圧Vrが毎周期、零電圧まで低下していたのに対して、電圧が残存し、電源電圧EBと共振キャパシタの端子電圧Vrの差電圧は小さく抑えられることから共振回路電流の振幅は抑えられ、負荷が軽いときは共振キャパシタの端子電圧Vrは電源電圧EBに近い値に保持しているため、振動電流も小さくなり、無負荷時には振動電流は零となる。
同図(a)は重負荷時、同図(b)は軽負荷時の動作波形であり、重負荷時には負荷電流は大きくなるので、共振キャパシタ端子電圧Vrの平均値は多少低下するものの、これまでの制御方式と違って、スイッチオン時点で電源電圧との差電圧は小さく、振動電流の大きさも抑えられ、負荷が軽いときは、同図(b)に示すように共振キャパシタ端子電圧の低下は少なくなり、さらに無負荷時には共振回路電流は零となるので、これまでの大きな共振電流による通電損失の問題は解消することができる。
次に、本発明のDC-DCコンバータで直流電圧を制御する手段として、上述した零電流スイッチング(ZCS)動作によって共振キャパシタへの給電する動作モードに対して、無給電期間を設けて共振キャパシタの電圧を低下させる動作モードを付加することにより、LCフィルタ回路を介したフィルタキャパシタの端子電圧は、共振キャパシタ端子電圧の平均値で脈動に少ない可変の直流出力電圧を得ることができる。
しかしながら、本発明による通常の共振動作モードにおいて、出力電圧を制御するために無給電期間を設けて共振キャパシタの電圧を低下させると、給電期間に戻る時点で、電源電圧と共振キャパシタの端子電圧差が大きくなるので、従来の手法でみられるスイッチング周期毎ではないが、電圧制御のタイミング毎に大きな振動電流が流れる恐れがある。
図5はこのときの回路状態を示したもので、フィルタインダクタンスの値の大小によって、図示する2つのケースが考えられる。
同図(a)は、ソフトスイッチング制御DCDCコンバータのLC共振回路とLCフィルタ回路部における電流の流れが、フィルタインダクタを大きく選ぶことによりほぼ負荷方向のみに電流が流れるケースであり共振キャパシタが逆充電されることもあるので、場合によっては逆充電防止用のダイオードを接続する必要が生じるが、同図(b)は、フィルタインダクタを小さく選ぶことにより共振キャパシタの電圧によってはインダクタの電流が逆方向にも流れる回路状態を生じる。
同図(a)のケースでは、フィルタインダクタが大きく、ほぼ一定の電流(id>0)が流れているときに、電圧制御するために無給電期間を設けて共振キャパシタの電圧を低下させている状態で、スイッチがオンされると、共振キャパシタへの大きな振動電流に加えて、フィルタインダクタンスの電流も加わった電流(ir)が流れ込む。
これに対して、同図(b)は、LCフィルタ回路のインダクタの値をある程度小さく選んだ同図(b)のケースであり,無給電期間に共振キャパシタの電圧が大幅に低下すると、今度は、フィルタインダクタと共振キャパシタとで共振して、LCフィルタ回路の出力キャパシタCdの負荷電圧側から逆流(id<0)することにより、スイッチがオンしても電源側からパルス的に流れ込む大きな電流を抑制できる。
次に、絶縁形DC-DCコンバータを構成する場合、図3に示す本発明の基本回路に対して、電源からの共振回路への給電部分にあるオンオフスイッチ回路部を電圧形インバータで構成し、その交流出力を変圧器を介して必要とする電圧レベルへの電圧変換を行った後整流回路を介してLC共振回路に接続した後、共振キャパシタの両端をLCフィルタに導くことにより、直流電源と絶縁した直流出力を得る事ができる。
図6は、この回路構成による高周波変圧器の出力電圧eaと電流iaの波形と、インバータのスイッチング素子にかかる電圧eswと流れる電流iswのスイッチング動作の概要波形を示している。
同図より、零電圧期間を含む方形波電圧eaがLC共振回路に印加されると、図示する共振電流iaが流れるので、インバータのスイッチング素子にかかる電圧eswが零電圧の期間に電流iswが流れるので零電流スイッチ(ZCS)でDC-DCコンバータを働かせる事ができる。
なお、DC-DCコンバータを構成制御する上で、共振インダクタに抵抗成分があり、スイッチング素子の電圧効果等を伴うので、共振電流irが完全に零でスイッチング制御することは難しいが、完全なZCSでのスイッチングができていなくても、スイッチング損失を十分に低減させる事ができる程度のほぼ零に近い値に制御できれば、実用上では十分であり、このようなスイッチング動作をここではソフトスイッチングとして呼ぶこととする。
次に、変圧器が偏磁させないためには、同図で正の電圧期間T1と負の電圧期間T2を同じとした正負電圧の対象性が求められるが、変圧器の飽和レベルが低い場合は、電圧変動や過渡的なバランスが崩れると等で電圧時間積がバランスしないと変圧器が偏磁して大きな励磁電流が流れる。
本発明では、その対策として、インバータからの変圧器への一次電流を検出してその電流に直流成分が生じないように、正負電圧の時間幅を調整することで、種々の動作条件のもとでも変圧器が偏磁することを避ける制御手段を付加することで解決できる。
ここで、本発明による絶縁形DC-DCコンバータにおいて、出力電圧制御する場合の制御手法を図7に示す。
同図(a)は、出力電圧制御を全く行わない場合の交流電圧波形であり、ソフトスイッチング動作をさせる動作モードのみを行う図6に示した必要な零電圧期間を含む正負対称でLC共振回路の共振周期以上のパルス幅を有するスイッチング周期Tsの1周期単位の方形波電圧の連続波形を示しており、ソフトスイッチング制御で100%の出力電圧を得ることができる。
これに対して、同図(b),(c)は、出力電圧を制御するために、方形波電圧を出力してLC共振回路に給電する期間に対して、方形波出力を出力しない無給電期間設けることにより共振キャパシタの電圧を低下させ、制御周期Tsに対する無給電期間Toを調整することによりLCフィルタ回路を通した直流出力電圧の平均値を制御することができる。
なお、この制御において、無給電期間により共振キャパシタの電圧が低下させて後、給電期間に電圧がLC共振回路にかかるとしに大きな電流が流れることに対する課題については、上述したように平滑用インダクタンスの値を小さく選ぶことにより解決することができる。
次に、本発明による絶縁形DC-DCコンバータにおける方形波電圧を発生する電圧形インバータの動作周波数を制御する制御手法を図8に示す。
同図(a)は、周波数制御を全く行わない場合の交流電圧波形であり、上述の電圧制御手法において100%出力をだすときと同じ波形であり、必要な零電圧期間を含む正負対称でLC共振回路の共振周期以上のパルス幅を有するスイッチング周期ソフトスイッチング制御にTsの1周期単位の方形波電圧の連続波形を示している。このため、インバータの動作周波数は、LC共振周波数によって決まることとなる。
これに対して、零電圧期間Toを調整すれば、同図(b),(c)に示すようにインバータの正負電圧波形の周期が自由に変えることができる。
以上により、本発明の電流共振型ソフトスイッチング制御DCDCコンバータは、共振キャパシタの電圧を大きく低下させないで働かせることができるため、ソフトスイッチングで従来から問題となっていた共振電流によるスイッチング周期毎の大きな振動電流を抑えることができる。
また、出力電圧制御は共振キャパシタに対して無給電期間を設けることにより可能となるが、共振キャパシタ電圧が零になっている状態で給電スイッチが入るときの大きなパルス電流が流れることについては、LCフィルタ回路のフィルタインダクタンスの値を小さくすることで抑制できる。
さらに、図3に示す基本回路に対して、電圧形インバータで、高周波変圧器を介する構成にすることにより大幅な電圧変換が可能で絶縁した直流出力を得る事ができる実用的な絶縁形DCDCコンバータとして働かすことができるなど、DCDCコンバータの効率改善、スイッチングノイズの低減はもとより、小型軽量で絶縁出力が得られ、大幅な電圧制御が高い効率で働かせることが期待できる。
この場合、電圧形インバータから出力する場合、変圧器に接続すると偏磁の問題が懸念されるが、偏磁による直流成分電流が生じないように、インバータの正負電圧の印加期間を制御することにより防ぐ事ができるので、変圧器の飽和レベルを下げることができることで変圧器の小型化につながる。
また、電圧形インバータで出力する正負の出力電圧の出力期間をほぼLC共振周期として、零電圧期間を制御することで、インバータの動作周波数を調整する事ができるので、インバータで用いるスイッチング素子の選定も容易になる。
従来形の電流共振型DC-DCコンバータの回路 図1の基本動作波形 本発明の電流共振型絶縁形DC-DCコンバータの基本回路 図2の基本動作波形 平滑用インダクタンス値による共振キャパシタの充電電流の比較 絶縁形DC−DCコンバータにおけるソフトスイッチング電流動作波形 方形波電圧波形の休止期間による電圧制御 方形波電圧波形の零電圧期間による動作周波数制御 共振インダクタを直流回路に配置した絶縁形DC-DCコンバータ回路 共振インダクタを変圧器の二次側に配置した絶縁形DC-DCコンバータ回路 共振インダクタを変圧器の一次側に配置した絶縁形DC-DCコンバータ回路 絶縁形DC-DCコンバータ回路のソフトスイッチング動作制御システム 絶縁型DC-DCコンバータの直流電流制御システム 絶縁型DC-DCコンバータで直流電圧制御システム 絶縁形DC-DCコンバータとPWM制御インバータの組み合わせ制御システム 従来形の電流共振型ソフトスイッチング回路のシミュレーション回路 図16のシミュレーション結果 (a) Rd=5 Ω、 (b) Rd=100 Ω 本発明のの電流共振型ソフトスイッチング基本回路のシミュレーション回路 図18のシミュレーション結果 (a) Rd=5 Ω、 (b) Rd=100 Ω 絶縁形DC-DCコンバータのソフトスイッチング制御動作波形例(EB=100V,N1/N2=1/0.5) 絶縁形DC-DCコンバータのソフトスイッチング制御動作波形例(EB=50V,N1/N2=1/3) 絶縁形DC-DCコンバータの電流制御動作波形(Idr=10A) 絶縁形DC-DCコンバータの電流制御動作波形(Idr=7.5A) 絶縁形DC-DCコンバータの電圧制御動作波形(Edr=100V) 絶縁形DC-DCコンバータの電圧制御動作波形(Edr=80V) 絶縁形DC-DCコンバータの動作周波数制御波形(fs=12kHz) 絶縁形DC-DCコンバータの電圧制御動作波形(fs=6kHz) 絶縁形DC-DCコンバータとPWM制御インバータの組み合わせ制御動作波形(M=1.0) 絶縁形DC-DCコンバータとPWM制御インバータの組み合わせ制御動作波形(M=0.5) 絶縁形DC-DCコンバータの実験動作波形
本発明の電流共振型ソフトスイッチング制御絶縁形DCDCコンバータの動作を可能とする図3の基本回路構成に対して、スイッチング回路部を電圧形インバータで構成し、その交流出力を変圧器を介して必要とするレベルの電圧変換を行ったのち整流回路を介してLC共振回路に接続しLCフィルタを通して直流電源と絶縁した直流出力を得ることで、より実用的な絶縁形DCDCコンバータとして働かすことができる。
図9は、共振インダクタを整流回路の直流側に配置し、これに共振キャパシタを接続してLC共振回路を形成し、その両端にLCフィルタ回路を接続する絶縁形DC-DCコンバータの主回路構成を示している。
なお、この回路構成では、フィルタ用インダクタが大きくLCフィルタの電流が定電流状態になるときは、無給電時において共振キャパシタが逆充電される恐れがあるので、防止用フリーフォイーリングダイオードを共振キャパシタの両端に接続することが望ましいが、上述したように、電圧制御時の大きな共振電流を抑制する観点からフィルタ用インダクタを大きくしなければこのダイオードは不要である。
また、LC共振回路を構成する共振インダクタを、整流回路の交流側に配置してもLC共振動作が可能であり図10は交流回路側の変圧器の二次側に配置した回路構成、図11は変圧器の一次側に配置した回路構成であり、共振キャパシタの逆充電を防ぐダイオードを必要とする場合が生じても整流回路のダイオードでカバーすることができる。
なお、これらの共振インダクタは、変圧器の漏れインダクタンスも含めることができ、整流回路の交流側のインダクタと直流側のインダクタとの合成値を共振インダクタンスとしてLC共振動作をさせる事ができ、変圧器の漏れインダクタンスを共振インダクタンスとして必要なインダクタンス値とした場合は、共振用インダクタとしては特に用いる必要がなく、回路構成の簡単化が期待できる。
さて、本発明の電流共振形ソフトスイッチング制御絶縁形DCDCコンバータとして、図10の回路を例に、このようなソフトスイッチング制御を実現するためのいくつかの制御システムの構成例を次に示す。
図12は、方形波インバータの正電圧の出力期間をT1、負電圧の出力期間をT2および零電圧期間Toを設定して動作させるためのスイッチング信号発生回路で構成した本発明によるソフトスイッチング動作のみを行うDC-DCコンバータの基本制御システムを示している。
なお、ソフトスイッチング制御の休止期間制御は、同図のゲート信号入力によりコントロールすることができる。
次に、図13は、直流電流を検出して、基準電流と一致させる電流制御器の出力をソフトスイッチング動作のみをさせる図12の制御システムのゲート入力にスイッチングパルスに同期して加えることにより、直流電流制御システムである。
また、図14は、直流出力電圧を検出して、基準電圧と一致するように電圧制御器の出力をこの図13に示す直流電流制御システムの電流基準値とすることにより、直流電圧一定制御システムの構成例を示している。
図15は、本発明による絶縁形DC−DCコンバータは、直流電源からソフトスイッチング動作のみで必要とする電圧レベルの絶縁した直流出力を得た後、電圧形PWMインバータを接続することにより、DC−DCコンバータ部とは独立して交流出力電圧を発生させ制御できる交流電源装置を構成することができ、制御自由度と制御特性の向上が期待できる。
本発明の電流型ソフトスイッチング制御手法の基本動作を従来形のソフトスイッチング動作と比較すると共に、本発明によるDC-DCコンバータおよび絶縁形DC-DCコンバータの実施回路例をシミュレーション解析結果から確認し、最後に実験によりソフトスイッチング制御手法の基本動作を確認し、その有効性を確認する。
図16は、図1に示した従来形の電流型ソフトスイッチング回路のシミュレーション回路である。
図17は、従来形ソフトスイッチング回路のシミュレーション解析による動作波形であり、図2で述べたように、零電流スイッチング動作は確認できるが、直流負荷の重軽にかかわらず、大きな共振振動電流irが流れている事がわかる。
図18は、図3に示した本発明のソフトスイッチング制御のシミュレーション回路である。
図19は、そのシミュレーション解析結果であり、同図(a)に示すように、重負荷においても共振キャパシタの電圧Vrが零とはならないため、スイッチがオンしたときの共振電流の大きさは抑えられ、同図(b)に示すように軽負荷で負荷電流が小さくなると、共振キャパシタの端子電圧変動は少なくなり、直流電源電圧との差電圧も小さくなるため、共振振動電流irは負荷電流と共に大変小さくなっていることがわかる。
図20は、直流電源電圧EB=200Vで図中に示す回路定数のもと図12に示す制御システムで、LC共振回路の共振周期幅の正負電圧に零電圧期間を含む方形波電圧をインバータで発生させたときのシミュレーション結果であり、LC共振電流ir、共振キャパシタ電圧Vrおよびインバータのスイッチング素子にかかる電圧と流れる電流波形から、ソフトスイッチング制御のもと変圧比で決まる約100Vの直流出力が得られていることを示している。
図21は、直流電源電圧EB=50Vで直流出力電圧150Vを得る回路定数のもとでのシミュレーション結果例を示している。
次に、図22は直流電源電圧EB=200Vで図中に示す回路定数のもと図13に示す電流制御システムのシミュレーション結果であり、基準電流10Aに一致した電流が負荷に流れていることが確認できる。
図23は、直流電源電圧EB=200Vで基準電流を7.5Aとしたときの電流制御システムのシミュレーション結果であり、共振キャパシタの電圧がインバータの休止期間に低下することにより電流値が制御できていることを示している。
また、図24は、直流電源電圧EB=200Vで、直流基準電圧を100Vとしたときの電圧制御システムのシミュレーション結果であり、出力電圧は100Vと100%の電圧が出力できている。
図25は、直流電源電圧EB=200Vで、直流基準電圧を80Vに設定したときの電圧制御システムのシミュレーション結果であり、共振キャパシタの電圧がインバータの休止期間に低下することにより電圧値が制御できていることを示している。
さらに、図26は直流電源電圧EB=200Vで、方形波インバータの出力電圧のパルス幅をLC共振周期としたときの動作周波数となる12kHzにおけるシミュレーション結果を示している。
図27は、方形波インバータの動作周波数を6kHzとしたときのシミュレーション結果であり、零電圧期間が長くなることにより、動作周波数が低くできているが、一方で零電圧期間が長くなると共振電流のパルスが大きくなるとともに共振キャパシタ電圧は低下することに留意する必要がある。
図28は、直流電源電圧50VをDC−DCコンバータ部に接続し150Vの直流電圧を得て、正弦波PWMインバータで変調度M=1で働かせたときのシミュレーション結果であり、最大値141Vの正弦波、実効値で約100Vの交流出力電圧が発生できていることがわかる。
図29は、変調度をM=0.5と設定したときのシミュレーション結果であり、DC−DCコンバータの動作とは独立して制御でき、最大値70Vの正弦波、実効値で約50Vの交流電圧が発生できていることがわかる。
最後に、図30に試作した絶縁形DC−DCコンバータを直流電源電圧EB=100Vで、図中の回路定数と動作条件のもとで働かせたときの変圧器の交流電圧と交流電流の実験波形であり、電流が零のとき電圧が立ち上がっており、電流が小さいときに零電圧が出力されており、ほぼソフトスイッチング制御が実現できていることがわかる。
100 … 直流電圧源
200 … DC-DCコンバータ回路
210 … 方形波インバータ
220 … 高周波変圧器
230 … 整流回路
240 … LC共振回路
250 … LCフィルタ回路
300 … 負荷
400 … ソフトスイッチング制御回路
410 … スイッチングパルス発生回路
420 … 電流制御器
430 … 電圧制御器
500 … 交流電圧制御回路
510 … PWM制御信号発生回路
本発明は、広範な直流出力電圧設定が可能な絶縁形DC-DCコンバータの小型・軽量・高効率化とスイッチングノイズの低減化に貢献する技術である。
近年、パワーエレクトロニクス装置の急激な発達と、リチウムイオン電池などの蓄電池の発達普及とも相まって、小型・軽量・高効率の小中容量の様々な出力電圧レベルの直流電源装置から、容量の大きなものでは周波数変換電源やモータドライブ用のインバータの直流電源など幅広い応用分野でDC-DCコンバータの需要が高まってきた。
DC-DCコンバータは、大幅な電圧変換制御が求められる場合、スイッチングデューティだけで電圧制御を行うと効率が著しく低下するとともに、DC-DCコンバータで直流電源と直流出力間で絶縁がとられていない場合は、適用できる範囲も限定されるなどの課題がある。
このため、変圧器を介在させることで絶縁する装置の一つとして、直流電源を一度交流に変換して、変圧器で必要な電圧出力が得られる電圧に変換した後、整流回路、フィルタ回路を介して直流出力を得る絶縁形DC-DCコンバータが用いられている。
この変圧器の小型化軽量化のため、高い周波数の交流電圧が要求されるが、インバータで高周波電圧を発生するとき、流れている電流に関係なくスイッチングするハードスイッチングすると、スイッチング損失やスイッチングノイズなどの課題を生じる。
このため、課題となるハードスイッチング制御する代わりに、電圧あるいは電流が零あるいはこれに近い状態でスイッチングするソフトスイッチング制御を用いた様々なDC-DCコンバータが提案されているが、LC共振作用による振動電流損失の増加や素子耐圧の増加を招くなどの問題があり、その対策として部分共振によるものも提案されているが、回路構成や制御システムが複雑化するなどの傾向にある。
特開平1−157273号公報 特開平1−218352号公報 特開平4−368464号公報 特開2011−211886号公報 特開2013−201833号公報 国際公開第2017/090118号 特開2010−4724号公報 特開2003−259643 特願2016−181995
ソフトスイッチング制御には、代表的なものに電圧共振型のもの電流共振型のものがあり、前者は電圧共振により、電圧が零のときにオン、オフするゼロ電圧スイッチング (ZVS: Zero Voltage Switching )を実現し、後者は電流共振により、電流が零のときにオン、オフするゼロ電流スイッチ(ZCS: Zero Current Switching)を実現して、いずれもスイッチング損失やスイッチングノイズを低減することを目的とするスイッチング制御手法であり、通常のハードスイッチング制御と区別されている。
ソフトスイッチング制御は、電圧共振型では大きな振動電圧が素子の耐圧に、電流共振型では大きな共振電流が素子の電流容量の増大と通電損失の増加につながるため、これらのスイッチング制御の適用可能範囲は限られている。
このため、スイッチングの瞬間だけ共振させる部分共振手法の研究も進み、一部で実用化されているが、一般に回路構成が複雑化するなどの課題と適用分野が限られることから、現在も様々なソフトスイッチング制御によるDC-DCコンバータ回路や、上述した高周波変圧器を用いた絶縁DC-DCコンバータの実用化研究、応用研究が行われている。
本発明は、新しいソフトスイッチング制御法を中核としたDC-DCコンバータや、高周波変圧器を組み合わせた絶縁形DC-DCコンバータに関するものであり、スイッチング損失の低減、スイッチングノイズの低減に加えて、特に大幅な電圧変換制御を高効率で実現することを目指したものである。
これまでの共振ソフトスイッチング制御手法に関する先行技術文献のうち、絶縁形DC-DCコンバータで特徴的な先行技術文献として、回路形態や制御方式に分類して挙げたが、本発明の絶縁形DC-DCコンバータとは、以下の点で異なっている
本発明は零電流スイッチ作用によっており、先行技術文献のうち、(特許文献1)から(特許文献8)までは零電流スイッチ(ZCS)作用を用いているが、(特許文献9)は零電圧スイッチ(ZVS)作用によるもので、ソフトスイッチの基本的な制御手段そのものが本発明のものと異なっている。
次に、(特許文献1)と(特許文献2)は、共にフォワードコンバータ構成によっているので、本発明とは回路構成が異なっており、制御原理においても共振キャパシタの電圧を毎周期零電圧まで下げているなどの点も大きな違いとなっている。
また、(特許文献3)から(特許文献6)までは、インバータ、変圧器、共振インダクタ、ダイオードブリッジ整流回路、共振キャパシタを用いた共振回路とLCフィルタ回路で主回路が構成されている点では、本発明の回路構成と類似しているが、いずれも共振キャパシタと直列あるいは並列に共振動作をさせるためのスイッチ回路を接続することによる零電流スイッチの制御手段がとられている点で、本発明とは回路構成と制御手段が異なっている。
そして、(特許文献7)と(特許文献8)は、インバータ、変圧器、共振インダクタ、ダイオードブリッジ整流回路、共振キャパシタを用いて共振回路が構成されているが、共振キャパシタのが交流回路に直列に接続され平滑用キャパシタのみが接続された構成となっていていることから主回路構成と制御手法が本発明とは異なっている。
電流共振形ソフトスイッチング回路の多くは、(特許文献2)、(特許文献3)の制御手法で見られるように、いずれも共振キャパシタの電圧が制御周期毎に零電圧まで放電した時点で、LC共振回路に給電スイッチが入るため、大きな共振電流が負荷の軽重に関係なく流れることによる大きな電流損失が課題となっている、
ここで、ソフトスイッチング制御を実現するために、一般の電流共振形ソフトスイッチング回路による_制御法では、負荷の軽重に関係なく常時大きな振動電流を伴うが、その原因を以下に示す。
図1は、電流共振によりソフトスイッチング制御を実現する代表的な回路であり、一般には、直流電源に対してスイッチSをLCで構成されるLC共振回路の共振周波数に同期させてオンオフ制御することにより、図2に示すようにスイッチ素子Sをオンさせると電流がダイオードD1を通して流れた後、ダイオードD2を通して流れる共振回路が形成されるため、スイッチ素子Sがオン時点とオフ時点では零電流となっているため零電流スイッチング(ZCS)が実現できている。
そして、負荷電流ioは、Ld,Cdで構成されるLCフィルタ回路のインダクタLdによりほぼ一定の電流源として供給されるとともに、直流出力電圧Voは、共振キャパシタCrの平均電圧として出力される。
ここで、共振キャパシタCrの電圧は、共振回路電流により一度充電された後、スイッチング周期毎に零電圧となるため、負荷の重軽にかかわらず共振キャパシタへの共振振動電流は大きく、ソフトスイッチングが実現できていても、特に軽負荷時においてもこの大きな振動電流による回路損失が、効率低下につながり、これが実用化に向けての大きなネックとなっている。
次に、出力電圧を制御する場合、これまでのソフトスイッチング制御手法では毎周期、共振キャパシタの電圧が零まで低下させているため、その期間を調整することでLCフィルタを介した出力電圧を変えることができるが、本発明の制御手法は毎周期、共振キャパシタの電圧が零まで低下させないように如何に出力電圧制御するかが課題となる。
このため、電圧制御手法として、ソフトスイッチング動作をさせる電源からの給電共振動作モードに対して、無給電期間を設けて共振キャパシタの電圧を低下させることにより、LCフィルタ回路の出力を制御する方法が考えられるが、大きなスパイク状の共振振動電流が流れる恐れがあるのでその対策が課題となる。
さらに、大幅な電圧制御と絶縁出力を得るために、変圧器を用いた絶縁形DCDCコンバータの構成においては、変圧器に加わる正負電圧の対称性が少しでも崩れると偏磁して大きな電流が流れる恐れがあり、その対策も実用化する上での課題となる。
また、これまでに提案されているソフトスイッチング制御手法においては、LC共振回路の共振周波数にほぼ同期してスイッチング制御動作をさせることを前提としているため、スイッチング動作周波数はLC共振周波数で決まってしまい動作周波数に制約を伴う。
先ず、これまでのソフトスイッチング手法を用いたDC-DCコンバータがスイッチング周期毎に大きな共振電流が流れ電流回路損失を伴う大きな課題を解決するための手段として、本発明の基本となるDC-DCコンバータの回路構成と制御手段を示し、次いでスイッチ回路に電圧インバータと変圧器を用いた絶縁と大幅な電圧変換を可能とする絶縁型DC-DCコンバータの回路構成と基本的な制御手法を示すと共に、出力電圧制御に伴う給電時の共振振動電流パルスの問題、変圧器の偏磁の問題および共振回路動作周波数の制約等の課題を克服するための手段を述べる。
図3は本発明の電流共振型ソフトスイッチング制御による絶縁形DC−DCコンバータの基本回路であり、図1の回路と比較すると、共振回路電流の返りの電流をダイオードD1でブロックするとともに、スイッチSがオフになったときのフリーフォイーリングダイオードD2で共振インダクタLrの電流経路を確保する回路構成となっている。
なお、変圧器を用いない場合には本発明の基本回路と同じ回路構成となる(特許文献2)においては、制御手段として、スイッチSをオンすることによる振動電流が流れ終えても共振キャパシタの電圧が零になるまでスイッチのオン状態を維持すると共に、LCフィルタ回路電流により共振キャパシタCrが逆充電されないようにフリーフォイーリングダイオードを共振キャパシタの両端に追加接続すること、毎周期共振キャパシタの電圧を零に低下させる制御手段がとられているため、これまでのソフトスイッチング制御と同様に、スイッチング周期毎に、負荷の軽重に関係なく大きな共振電流が流れることによる大きな電流損失が課題となる。
これに対して、本発明の制御手法は、LC共振電流が零あるいはほぼ零に近い値でスイッチオフしてLC共振動作が継続できるに必要な無給電期間を設けた後、共振キャパシタの電圧は維持した状態で再度スイッチを投入する制御手法を採っているため、スイッチ投入時点での電源電圧と共振キャパシタの電圧差が小さくできるため、LC共振による振動電流を小さくできるところに大きな特徴がある。
図4は、図3の回路で本発明の制御手段による動作波形を示しており、スイッチSがオンした時点で直流電源EBからダイオードD1を通してLC共振回路に振動電流が零から流れ始め、スイッチSがオフする時点では電流が零となっているので零電流スイッチング(ZCS)が実現できている
この制御手段によると、電源からの振動電流は共振キャパシタCrを充電するだけで、その端子電圧Vrは、LCフィルタ回路のインダクタLdを通して流れる負荷電流ioにより少し低下するものの、これまでの制御手段では共振キャパシタの端子電圧Vrが毎周期、零電圧まで低下していたのに対して、電圧が残存できるため、電源電圧EBと共振キャパシタの端子電圧Vrの差電圧は小さく抑えられることからスイッチS投入時の共振回路の電流振幅は抑えられ、負荷が軽いときは共振キャパシタの端子電圧Vrは電源電圧EBに近い値に保持できるため、共振振動電流はさらに小さくなり、無負荷時には共振振動電流を零にすることができる
同図(a)は重負荷時、同図(b)は軽負荷時の動作波形であり、重負荷時には負荷電流は大きくなるので、共振キャパシタ端子電圧Vrの平均値は多少低下するものの、これまでの制御方式と違って、スイッチオン時点で電源電圧との差電圧は小さく、振動電流の大きさも抑えられ、負荷が軽いときは、同図(b)に示すように共振キャパシタ端子電圧の低下は少なくなり、さらに無負荷時には共振回路電流は零となるので、これまでの大きな共振電流による通電損失の問題は解消することができる。
次に、本発明のDC-DCコンバータで直流電圧を制御する手段として、上述した零電流スイッチング(ZCS)動作によって共振キャパシタへの給電する動作モードに対して、スイッチSをオフすることで無給電期間を設けて共振キャパシタの電圧を低下させる動作モードを付加することにより、LCフィルタ回路を介したフィルタキャパシタの端子電圧は、共振キャパシタ端子電圧の平均値で脈動少ない可変の直流出力電圧を得ることができる。
しかしながら、本発明による通常の共振動作モードにおいて、出力電圧を制御するために無給電期間を設けて共振キャパシタの電圧を低下させると、給電期間に戻る時点で、電源電圧と共振キャパシタの端子電圧差が大きくなるので、従来の手法でみられるスイッチング周期毎ではないが、電圧制御のタイミング毎に大きな振動電流が流れる恐れがある。
図5はこのときの回路状態を示したもので、LCフィルタのインダクタンスLdの値の大小によって、図示する2つのケースが考えられる。
同図(a)は、LCフィルタのインダクタLdを大きく選んだときの電流経路を示しており、スイッチSをオフしても、LC共振回路とLCフィルタ回路部における電流の流れが負荷方向のみにほぼ一定の電流が流れるため、共振キャパシタの端子電圧は、逆充電防止用のダイオードDfが接続されているときは零まで、接続されていないときは負値まで大きく低下する。
このとき、スイッチSが再度オンされると、電源電圧とキャパシタ電圧の差電圧が大きいため、共振キャパシタに大きな共振振動電流icrが流れ、これにLCフィルタインダクタンスの電流idも加わるので、大きな電流irが電源側からパルス的に流れ込むこととなる。
これに対して、LCフィルタのインダクタLdを小さく選ぶと同図(b)に示すように、スイッチSをオフした無給電期間にインダクタの電流id、一時的に負荷方向に流れて共振キャパシタCrの端子電圧が低下した後、出力キャパシタCdに充電されている電圧Voにより、インダクタの電流方向は逆流(id<0)して共振キャパシタCrが充電されるので、共振キャパシタCrの電圧低下は抑えられることから、再度スイッチSがオンした時点での共振振動電流icrは小さくなり、電源側からのパルス電流irの抑制することができる。
図3に示す_基本回路に対して、直流スイッチ回路部を電圧形インバータと変圧器、ダイオードブリッジ回路で構成したのち、LC共振回路、LCフィルタ回路に導くことで、ソフトスイッチング制御による絶縁形DC-DCコンバータを構成する事ができる。
図6は、この絶縁形DC-DCコンバータの主回路構成(同図(a))に対するソフトスイッチング制御の基本動作波形(同図(b))であり、電圧形インバータを構成するスイッチング素子にかかる電圧eswと流れる電流iswの動作波形と、高周波変圧器にかかる電圧eaと電流iaの動作波形である。
同図より、零電圧期間を含む方形波電圧eaがLC共振回路に印加されると、図示する共振電流iaが流れることにより、電圧形インバータのスイッチング素子にかかる電圧eswが零電圧の期間に電流iswが流れるためDC-DCコンバータは零電流スイッチ(ZCS)動作で働かせられる事ができる。
なお、DC-DCコンバータを構成制御する上で、共振インダクタに抵抗成分があると、スイッチング素子の電圧降下等を伴うので、共振電流irが完全に零でスイッチング制御することは難しいが、スイッチング損失を十分に低減させる事ができる程度のほぼ零に近い値でスイッチング制御が可能となり実用上からは十分なスイッチング制御動作が実現できるので、このようなスイッチング動作をここではソフトスイッチングとして呼ぶこととする。
次に、変圧器偏磁させないためには、同図で正の電圧期間T1と負の電圧期間T2を同じとした正負電圧の対称性が求められるが、変圧器の飽和レベルが低い場合は、電圧変動や過渡的な電圧バランスが崩れるなどの理由で正負の電圧時間積がバランスしないと変圧器が偏磁して大きな励磁電流が流れる。
本発明では、その対策として、インバータからの変圧器への一次電流を検出してその電流に直流成分が生じないように、正負電圧の時間幅を調整する制御手段を付加することにより、種々の動作条件のもとでも変圧器が偏磁することを避けることができる。
ここで、本発明による絶縁形DC-DCコンバータにおいて、出力電圧の制御手法を図7に示す。
同図(a)は、出力電圧制御を全く行わない場合の交流電圧波形であり、_ソフトスイッチング制御により100%の出力電圧を得ることができる。
これに対して、同図(b),(c)は、出力電圧を制御するために、方形波電圧を出力してLC共振回路に給電する期間に対して、方形波電圧を出力しない無給電期間Toの制御周期Tsに対する割合を調整することにより共振キャパシタの電圧を低下させ、LCフィルタ回路を通した直流出力電圧の平均値を制御することができる。
なお、この制御において、無給電期間により共振キャパシタの電圧が低下させて後、給電期間に電圧がLC共振回路にかかるとしに大きな電流が流れることに対する課題については、上述したように平滑用インダクタンスLdの値を小さく選ぶことにより解決することができる。
次に、本発明による絶縁形DC-DCコンバータにおける方形波電圧を発生する電圧形インバータの動作周波数を制御する制御手法を図8に示す。
同図(a)は、周波数制御を全く行わず100%の出力電圧を出すときの交流電圧波形を示しておりインバータの正負電圧波形の最小制御周期Tsは、LC共振回路の共振周期幅と共振動作で必要な零電圧期間によるので、インバータの動作周波数は、ほぼLC共振周波数によって決まることとなる。
これに対して、同図(b),(c)に示すように正あるいは負の一定パルス幅の電圧を出力する毎に挿入する零電圧期間Toを、共振動作が維持できる最小時間幅以上に調整すれば、インバータの正負電圧波形の制御周期Tsあるいは動作周波数fs(=1/Ts)は自由に変えることができる。
以上により、本発明の電流共振型ソフトスイッチング制御DCDCコンバータは、共振キャパシタの電圧を大きく低下させないで働かせることができるため、ソフトスイッチングで従来から問題となっていた共振電流によるスイッチング周期毎の大きな共振振動電流を抑えることができる。
また、出力電圧制御は共振キャパシタに対して無給電期間を設けることにより可能となるが、共振キャパシタ電圧が零になっている状態で給電スイッチが入るときの大きなパルスの共振振動電流が流れることについては、上述のようにLCフィルタ回路のフィルタインダクタンスの値を小さくすることで抑制できる。
そして、図3に示す基本回路に対して、電圧形インバータで高周波変圧器を介する構成にすることにより、大幅な電圧変換絶縁した直流出力が容易に得られ、優れたソフトスイッチング制御によるスイッチング損失やスイッチングノイズの低減ができ、実用的な小型絶縁形DC-DCコンバータとして働かせることが期待できる。
この場合、電圧形インバータから出力する場合、変圧器に接続すると偏磁の問題が懸念されるが、偏磁による直流成分電流が生じないように、インバータの正負電圧の印加期間を制御することにより直流偏磁を防ぐ事ができ、変圧器の飽和レベルを下げることができることから変圧器の小型化にも効果が期待できる
さらに、電圧形インバータで出力する正負の出力電圧の出力期間をほぼLC共振周期に保ち、零電圧期間を制御することで、インバータの動作周波数を調整する事ができることから、インバータで用いるスイッチング素子の選定も容易になる。
従来形の電流共振型DC-DCコンバータの回路 図1の基本動作波形 本発明の電流共振型絶縁形DC-DCコンバータの基本回路 図2の基本動作波形 平滑用インダクタンス値による共振キャパシタの充電電流の比較 絶縁形DC−DCコンバータの主回路構成とソフトスイッチング電流動作波形 方形波電圧波形の休止期間による電圧制御 方形波電圧波形の零電圧期間による動作周波数制御 共振インダクタを直流回路に配置した絶縁形DC-DCコンバータ回路 共振インダクタを変圧器の二次側に配置した絶縁形DC-DCコンバータ回路 共振インダクタを変圧器の一次側に配置した絶縁形DC-DCコンバータ回路 絶縁形DC-DCコンバータ回路のソフトスイッチング動作制御システム 絶縁型DC-DCコンバータの直流電流制御システム 絶縁型DC-DCコンバータで直流電圧制御システム 絶縁形DC-DCコンバータとPWM制御インバータの組み合わせ制御システム 従来形の電流共振型ソフトスイッチング回路のシミュレーション回路 図16のシミュレーション結果 (a) Rd=5 Ω、 (b) Rd=100 Ω 本発明の電流共振型ソフトスイッチング基本回路のシミュレーション回路 図18のシミュレーション結果 (a) Rd=5 Ω、 (b) Rd=100 Ω 絶縁形DC-DCコンバータのソフトスイッチング制御動作波形例(EB=100V,N1/N2=1/0.5) 絶縁形DC-DCコンバータのソフトスイッチング制御動作波形例(EB=50V,N1/N2=1/3) 絶縁形DC-DCコンバータの電流制御動作波形(Idr=10A) 絶縁形DC-DCコンバータの電流制御動作波形(Idr=7.5A) 絶縁形DC-DCコンバータの電圧制御動作波形(Edr=100V) 絶縁形DC-DCコンバータの電圧制御動作波形(Edr=80V) 絶縁形DC-DCコンバータの動作周波数制御波形(fs=12kHz) 絶縁形DC-DCコンバータの電圧制御動作波形(fs=6kHz) 絶縁形DC-DCコンバータとPWM制御インバータの組み合わせ制御動作波形(M=1.0) 絶縁形DC-DCコンバータとPWM制御インバータの組み合わせ制御動作波形(M=0.5) 絶縁形DC-DCコンバータの実験動作波形
本発明の電流共振型ソフトスイッチング制御絶縁形DCDCコンバータの動作を可能とする図3の基本回路構成に対して、スイッチング回路部を電圧形インバータで構成し、その交流出力を変圧器により必要とするレベルの電圧変換を行ったのち整流回路を介してLC共振回路に接続し、LCフィルタを通して直流電源と絶縁した直流出力を得ることで、より実用的な絶縁形DCDCコンバータとして働かすことができる。
図9は、共振インダクタを整流回路の直流側に配置し、これに共振キャパシタを接続してLC共振回路を形成し、その両端にLCフィルタ回路を接続する絶縁形DC-DCコンバータの主回路構成を示している。
なお、この回路構成では、フィルタ用インダクタが大きくLCフィルタの電流が定電流状態になるときは、無給電時において共振キャパシタが逆充電される恐れがあるので、逆充電防止用フリーフォイーリングダイオードを共振キャパシタの両端に接続することが望ましいが、上述したように、電圧制御時の大きな共振電流を抑制する観点からフィルタ用インダクタLdを共振キャパシタの電圧が低下したときは出力側から電流が逆流できる程度に小さく選べば、このダイオードは不要である。
また、LC共振回路を構成する共振インダクタは、整流回路の交流側に配置してもLC共振動作が可能であり、図10は交流回路側の変圧器の二次側に配置した回路構成、図11は変圧器の一次側に配置した回路構成であり、これらのケースでは、共振キャパシタの逆充電を防ぐダイオードを必要とする場合が生じても整流回路のダイオードでカバーすることができる。
なお、これらの共振インダクタは、変圧器の漏れインダクタンスも含めることができ、整流回路の交流側のインダクタと直流側のインダクタとの合成値を共振インダクタンスとしてLC共振動作をさせる事ができ、変圧器の漏れインダクタンスを共振インダクタンスとして必要なインダクタンス値として構成する場合は、共振用インダクタとしては特に用いる必要がなく、回路構成の更なる簡単化が期待できる。
さて、本発明の電流共振形ソフトスイッチング制御絶縁形DCDCコンバータとして、図10の回路を例に、このようなソフトスイッチング制御を実現するためのいくつかの制御システムの構成例を次に示す。
図12は、方形波インバータの正電圧の出力期間をT1、負電圧の出力期間をT2および零電圧期間Toを設定して動作させるためのスイッチング信号発生回路で構成した本発明によるソフトスイッチング動作のみを行うDC-DCコンバータの基本制御システムであり、T1,T2は通常LC共振回路の共振周期Tosに等しく設定するが、インバータから変圧器への一次電流の直流成分を検出してスイッチング信号発生回路にフィードバックする図中の点線で示すループにより変圧器の偏磁を抑制する場合は、T1,T2は独立に制御することとなる。
なお、零電圧期間Toは、図7、図8に示した出力電圧を制御する手段として用い、T1,T2の制御と共に同図のゲート信号発生部で処理することにより、電圧形インバータへの制御信号を発生するDC-DCコンバータの基本制御システムを示している。
次に、図13は、直流電流を検出して、基準電流と一致させる電流制御器の出力を_図12の基本制御システムに加えることにより構成する直流電流制御システムである。
また、図14は、直流出力電圧を検出して、基準電圧と一致するように電圧制御器の出力をこの図13に示す直流電流制御システムの電流基準値とする直流電圧一定制御システムの構成例を示している。
本発明による絶縁形DC−DCコンバータは、直流電源からソフトスイッチング動作のみで必要とする電圧レベルの絶縁した直流出力を得た後、電圧形PWMインバータを接続することにより、DC−DCコンバータ部とは独立して交流出力電圧を発生させ制御できる交流電源装置を構成することができ、図15に直流電源より高周波変圧器で絶縁して任意の周波数の交流出力を得る絶縁形交流電源制御システムの構成例を示している。
本発明の電流型ソフトスイッチング制御手法の基本動作を従来形のソフトスイッチング動作と比較すると共に、本発明によるDC-DCコンバータおよび絶縁形DC-DCコンバータの実施回路例をシミュレーション解析結果から確認し、最後に実験によりソフトスイッチング制御手法の基本動作を確認し、その有効性を確認する。
図16は、図1に示従来形の電流型ソフトスイッチング制御回路に対するシミュレーション回路である。
図17は、従来形ソフトスイッチング回路のシミュレーション解析による動作波形であり、図2で述べたように、零電流スイッチング動作は確認できるが、直流負荷の重軽にかかわらず、常に大きな共振振動電流irが流れている事がわかる。
図18は、図3に示した本発明のソフトスイッチング制御回路に対するシミュレーション回路である。
図19は、そのシミュレーション解析結果であり、同図(a)に示すように、重負荷においても共振キャパシタの電圧Vrが零とはならないため電源電圧EBと共振キャパシタ電圧Vrの差電圧が小さく抑えられるため、スイッチがオンしたときの共振電流の大きさは抑えられ、同図(b)に示すように軽負荷で負荷電流が小さくなると、共振キャパシタの端子電圧変動はさらに少なくなり、直流電源電圧との差電圧も極僅かとなっており共振振動電流irの大きさは負荷によって大きく変化していることがわかる。
図20は、直流電源電圧EB=200Vで図中に示す回路件のもとで、図12に示す制御システムで、LC共振回路の共振周期幅の正負電圧に零電圧期間を含む方形波電圧をインバータで発生させたときのシミュレーション結果であり、LC共振電流ir、共振キャパシタ電圧Vrおよびインバータのスイッチング素子にかかる電圧Vs1と流れる電流is1の波形から、ソフトスイッチング制御のもと変圧比で決まる約100Vの直流出力が得られていることを示している。
図21は、動作電圧と変圧比を変え、直流電源電圧EB=50Vで直流出力電圧150Vを得る図中に示す回路条件のもとでのシミュレーション結果であり、同様のソフトスイッチング制御のもとで所期の電圧制御結果が得られている。
次に、図22は直流電源電圧EB=200Vで図中に示す回路条件のもとで、図13に示す電流制御システムに対するシミュレーション結果であり、基準電流10Aに一致した負荷電流が流れていることが確認できる。
図23は、直流電源電圧EB=200Vで基準電流を7.5Aとしたときの電流制御システムのシミュレーション結果であり、電流制御のためにインバータの出力に零電圧期間を入れることにより共振キャパシタの電圧を下げる動作においても、共振キャパシタへの大きな振動電流を伴うことなく基準電流値に制御できていることを示している。
また、図24は、直流電源電圧EB=200Vで、直流基準電圧を100Vとしたときの電圧制御システムのシミュレーション結果であり、出力電圧は100Vと100%の電圧が出力できている。
図25は、直流電源電圧EB=200Vで、直流基準電圧を80Vに設定したときの電圧制御システムのシミュレーション結果であり、共振キャパシタの電圧がインバータの休止期間に低下しても、電流制御の場合と同様に共振キャパシタへの大きな振動電流を伴うことなく基準電圧値に制御できていることを示している。
一方、図26は直流電源電圧EB=200Vで、方形波インバータの出力電圧のパルス幅をLC共振周期一定として動作周波数のみを12kHzとしたときのシミュレーション結果を示している。
これに対して、図27は、方形波インバータの動作周波数制御を半分の6kHzに下げたときしたときのシミュレーション結果であり、零電圧期間が長くなると共振キャパシタ電圧は大きく低下するため共振電流のパルスが大きくなることは留意する必要がある。
図28は、絶縁形交流電源への適用回路例として、動作電圧と変圧比を変え、直流電源電圧50Vのもと絶縁形DC−DCコンバータで150Vの直流電圧を得て、正弦波PWMインバータで変調度M=1で働かせたときのシミュレーション結果であり、最大値141Vの正弦波、実効値で約100Vの交流出力電圧が発生できていることがわかる。
これに対して、図29は、DC-DCコンバータでは制御をかけず変調度をM=0.5と設定したときのシミュレーション結果であり、最大値70Vの正弦波電圧、実効値で約50Vの交流電圧が、DC−DCコンバータのソフトスイッチング制御動作とは独立に安定に制御できていることがわかる。
最後に、図30に試作した絶縁形DC−DCコンバータを直流電源電圧EB=100Vで、図中の回路定数と動作条件のもとで働かせたときの変圧器の交流電圧と交流電流の実験波形であり、電流が零のとき電圧が立ち上がっており、電流が小さいときに零電圧が出力されており、ほぼソフトスイッチング制御が実現できていることがわかる。
100 … 直流電圧源
200 … DC-DCコンバータ回路
210 … 方形波インバータ
220 … 高周波変圧器
230 … 整流回路
240 … LC共振回路
250 … LCフィルタ回路
300 … 負荷
400 … ソフトスイッチング制御回路
410 … スイッチングパルス発生回路
420 … 電流制御器
430 … 電圧制御器
500 … 交流電圧制御回路
510 … PWM制御信号発生回路

Claims (5)

  1. 直流電圧源に接続した電圧形方形波インバータの交流出力から変圧器を介し、必要とする交流電圧に変圧した出力をダイオード整流回路で整流して、その直流回路側に配置した共振キャパシタと交流回路から直流回路のインダクタを共振インダクタとするLC共振回路に接続し、前記共振キャパシタの両端にLCフィルタ回路を接続して、前記LCフィルタのキャパシタの両端を負荷に導く直流―交流―直流変換回路において、前記電圧形方形波インバータで前記LC共振回路の共振周期にほぼ一致する同じ期間幅の正、負の出力電圧と前記LC共振回路の共振動作が継続できるに必要な零電圧出力期間を含む1周期単位の連続する方形波電圧を発生させて前記LC共振回路に加えることにより、前記電圧形方形波インバータのスイッチング素子の電流が零あるいはほぼ零に近い値でソフトスイッチング動作をさせて、前記LC共振電流を負荷電流の大きさに応じた大きさで働かせ、大きな共振電流が流れることによる不必要な電流損失を防ぐことを特徴とする電流共振型ソフトスイッチング制御絶縁形DC-Dコンバータ。
  2. 請求項1記載のDC-DCコンバータにおいて、前記電圧形方形波インバータで共振動作が継続できるに必要な零電圧期間を含む1周期単位からの連続する方形波電圧波形列に、零電圧のみを出力する期間を入れてその零電圧出力期間を調整することにより、前記共振キャパシタにかかる平均電圧を制御して、前記LCフィルタ回路からの出力電圧、出力電流を制御することを特徴とする電流共振型ソフトスイッチング制御絶縁形DC-DCコンバータ。
  3. 請求項1記載のDC-DCコンバータにおいて、前記電圧形方形波インバータで前記ソフトスイッチング動作をさせるために発生する1周期単位の連続する方形波電圧波形の零電圧出力期間を調整することにより、前記LC共振回路の定数を変えることなく方形波電圧の動作周波数が変えられることを特徴とする電流共振型ソフトスイッチング制御絶縁形DC-DCコンバータ。
  4. 請求項1から3記載のDC-DCコンバータにおいて、変圧器が偏磁しないように前記電圧形方形波インバータから前記変圧器への一次電流を検出してその電流に直流成分が生じないように、前記電圧形方形波インバータの出力電圧波形の正負電圧の時間幅を調整することを特徴とする電流共振型ソフトスイッチング制御絶縁形DC-DCコンバータ。
  5. 請求項1から4記載のDC-DCコンバータにおいて、前記電圧形方形波インバータのスイッチング動作により、前記共振キャパシタの電圧が下がったときの充電電流を前記平滑インダクタの電流を逆流させ負荷側からも給電できる程度の大きさの平滑インダクタで前記LCフィルタ回路を構成することにより、前記電圧形方形波インバータから給電される電流の大きさを抑制することを特徴とする電流共振型ソフトスイッチング制御絶縁形DC-DCコンバータ。
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