JP2021090721A - 決定装置、生体磁気計測装置及び決定方法 - Google Patents

決定装置、生体磁気計測装置及び決定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生体磁気計測の計測結果である混合信号の中から目的信号を分離する信号分離アルゴリズムの最適なパラメータを導出することが可能な決定装置、生体磁気計測装置及び決定方法を提供する。【解決手段】決定装置は、複数の信号源から発せられた信号が混合された混合信号の中から目的信号を分離する信号分離アルゴリズムのパラメータを決定する決定装置であって、混合信号に対して実行された複数の信号分離アルゴリズムによる各信号分離結果を比較し、複数の信号分離アルゴリズムの各パラメータを決定する決定部を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、決定装置、生体磁気計測装置及び決定方法に関する。
生体磁気計測においては、地磁気等の環境磁場や計測行為自体に起因して発生する妨害磁場信号(アーチファクト)が非常に大きい。妨害磁場信号は、精度の良い計測データ取得の大きな妨げとなる。このため、妨害磁場信号の除去(ノイズ除去)が大きな課題となっている。
妨害磁場信号を除去する手法としては、計測装置を磁気シールドで覆う手法が知られている(磁気シールド室)。また、妨害磁場信号を除去する他の手法として、計測した信号に何らかの処理を施すことで目的とする信号を取り出す手法が知られている。
この信号処理による妨害磁場信号の除去手法(目的信号の分離手法)では、信号分離アルゴリズムについて、決めなければいけないパラメータが多い。このため、十分な効果を得るためには、習熟者が手作業でパラメータの調整を行う必要がある。
上記課題に対し、最適なパラメータを自動的に導出する方法が提案されている。具体的には、目的信号を分離した際に、分離後の信号から特徴的な棘波(スパイク波)を検出し、等価電流双極子(Equivalent Current Dipole:ECD)推定(ダイポール推定)を行う。そして、これにより得られた評価結果に基づいて、最適なパラメータを自動的に導出し、妨害磁場信号を除去する手法である。
しかしながら、棘波を検出して等価電流双極子推定を行う手法の適用対象は、特徴的な棘波が現れるてんかん患者の脳磁計測に限定される。また、この手法は、棘波を検出するために同時計測された脳波データも必要となる。このため、脳磁計測の手軽さがスポイルされてしまう。そもそも、この手法は、等価電流双極子推定を利用することから、脳磁計測に限定される手法である。このため、例えば脊椎、心臓又は筋肉などの、他の部位の活動による磁場計測には適用することが困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、生体磁気計測の計測結果である混合信号の中から目的信号を分離する信号分離アルゴリズムの最適なパラメータを導出することが可能な決定装置、生体磁気計測装置及び決定方法を提供することを目的とする。
前述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の決定装置は、複数の信号源から発せられた信号が混合された混合信号の中から目的信号を分離する信号分離アルゴリズムのパラメータを決定する決定装置であって、混合信号に対して実行された複数の信号分離アルゴリズムによる各信号分離結果を比較し、複数の信号分離アルゴリズムの各パラメータを決定する決定部を有することを特徴とする。
本発明によれば、混合信号の中から目的信号を分離する信号分離アルゴリズムの最適なパラメータを導出することが可能になる。
図1は、第1の実施形態に係る生体信号計測システムの概略図である。 図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。 図3は、第1の実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。 図4は、図3に示す除去部の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。 図5は、DSSP法とTSSP法とを除去アルゴリズムとして用いた際の妨害信号除去結果の変化を説明する図である。 図6は、妨害信号を除去する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
(第1の実施形態)
以下に、図面を参照しながら、本発明に係る決定装置、生体磁気計測装置及び決定方法の実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、及びいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施の形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更、及び組み合わせを行うことができる。
(生体信号計測システムの概略構成)
図1は、第1の実施形態に係る生体信号計測システムの概略図である。図1を用いて、本実施形態に係る生体信号計測システム1の概略構成を説明する。
生体信号計測システム1は、被検者の複数種類の生体信号(例えば、脳磁(MEG:Magneto-Encephalography)信号、及び脳波(EEG:Electro-Encephalography)信号)を計測し、表示するシステムである。なお、計測対象となる生体信号は、脳磁信号及び脳波信号に限られるものではなく、脳活動に係るその他の信号の他、例えば脊椎、心臓又は筋肉などの、他の部位の活動による磁場を計測した信号であってもよい。
図1に示すように、生体信号計測システム1は、被検者の1以上の生体信号を計測する計測装置3と、計測装置3で計測された生体信号を記録するサーバ装置40と、サーバ装置40に記録された生体信号を解析する情報処理装置50と、を含む。なお、図1では、サーバ装置40と情報処理装置50とを別々に記載しているが、例えば、サーバ装置40が有する機能の少なくとも一部が情報処理装置50に組み込まれる形態であってもよい。なお、情報処理装置50は、決定装置、生体磁気計測装置の一例である。
図1の例では、被検者は、頭に脳波計測用の電極(又はセンサ)を付けた状態でテーブル4に横たわり、計測装置3のデュワ31の窪み32に頭部を入れる。デュワ31は、液体ヘリウムを用いた極低温環境の保持容器である。デュワ31の窪み32の内側には脳磁計測用の多数の磁気センサが配置される。計測装置3は、電極からの脳波信号と、磁気センサからの脳磁信号とを収集する。そして、計測装置3は、収集した脳波信号及び脳磁信号を含むデータ(以下、「計測データ」と称する場合がある)をサーバ装置40へ出力する。サーバ装置40へ出力された計測データは、情報処理装置50に読み出されて表示され、解析される。なお、磁気センサを内蔵するデュワ31及びテーブル4は、一般的には磁気シールドルームに配置されるが、図1では便宜上、磁気シールドルームの図示を省略している。
情報処理装置50は、複数の磁気センサからの脳磁信号の波形と、複数の電極からの脳波信号の波形を、同じ時間軸上に同期させて表示する装置である。脳波信号とは、神経細胞の電気的な活動(シナプス伝達の際のニューロンの樹状突起で起こるイオン電荷の流れ)を電極間の電圧値として表した信号である。脳磁信号とは、脳の電気活動により生じた微小な電場変動を表す信号である。脳磁場は、高感度の超伝導量子干渉計(SQUID:Superconducting Quantum Interference Device)センサで検知される。これらの脳波信号及び脳磁信号は、「生体信号」の一例である。脳磁信号は、「生体磁気計測信号」の一例である。
(情報処理装置のハードウェア構成)
図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すハードウェアブロック図である。図2を用いて、本実施形態に係る情報処理装置50のハードウェア構成を説明する。
図2に示すように、情報処理装置50は、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、補助記憶装置104と、ネットワークI/F105と、入力装置106と、表示装置107とを備える。そして、これらのハードウェアは、バス108で相互に接続される。
CPU101は、情報処理装置50の全体の動作を制御し、各種の情報処理を行う演算装置である。CPU101は、ROM103又は補助記憶装置104に記憶された情報表示プログラムを実行して、計測収集画面及び解析画面(時間周波数解析画面等)の表示動作を制御する。
RAM102は、CPU101のワークエリアとして用いられ、主要な制御パラメータ及び情報を記憶する揮発性の記憶装置である。ROM103は、基本入出力プログラム等を記憶する不揮発性の記憶装置である。例えば、前述の情報表示プログラムがROM103に記憶されてもよい。
補助記憶装置104は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。補助記憶装置104は、例えば、情報処理装置50の動作を制御する制御プログラム、及び情報処理装置50の動作に必要な各種のデータ及びファイル等を記憶する。
ネットワークI/F105は、サーバ装置40等のネットワーク上の機器と通信を行うための通信インタフェースである。ネットワークI/F105は、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)に準拠したNIC(Network Interface Card)等によって実現される。
入力装置106は、タッチパネル、キーボード、マウス及び操作ボタン等の入力機能を備えたユーザインタフェース装置である。表示装置107は、各種の情報を表示するディスプレイ装置である。表示装置107は、例えば、タッチパネルの表示機能、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro-Luminescence)等によって実現される。表示装置107は、計測収集画面及び解析画面を表示し、入力装置106を介した入出力操作に応じて画面を更新する。
なお、図2に示す情報処理装置50のハードウェア構成は一例であり、これ以外の装置が備えられるものとしてもよい。また、図2に示す情報処理装置50は、例えば、PC(Personal Computer)を想定したハードウェア構成であるが、これに限定されるものではなく、タブレット等のモバイル端末であってもよい。この場合、ネットワークI/F105は、無線通信機能を有する通信インタフェースであればよい。
(情報処理装置の機能構成)
図3は、実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図3を用いて、本実施形態に係る情報処理装置50の機能構成を説明する。
図3に示すように、情報処理装置50は、収集表示制御部201と、解析表示制御部202と、通信制御部203と、センサ情報取得部204とを有する。また、情報処理装置50は、除去部205(決定装置、決定部)と、解析部206と、記憶部207と、情報入力部208とを有する。
収集表示制御部201は、センサ情報の収集動作時の画面表示を制御する機能部である。
解析表示制御部202は、センサ情報取得部204により取得されたセンサ情報(脳波信号及び脳磁信号)から解析部206により算出された生体信号の信号強度等の画面表示を制御する機能部である。解析表示制御部202は、例えば、ヒートマップ表示、立体画像表示、断面画像表示、及び、再生表示を制御する。
通信制御部203は、計測装置3又はサーバ装置40等とデータ通信を行う機能部である。通信制御部203は、図2に示すネットワークI/F105によって実現される。
センサ情報取得部204は、計測装置3又はサーバ装置40から、通信制御部203を介して、センサ情報(脳波信号及び脳磁信号)を取得する機能部である。
除去部205は、信号分離アルゴリズム(除去アルゴリズム)を使用し、複数のセンサによって計測された生体磁気計測信号から妨害磁場信号(妨害信号)を除去した信号を生成する。生体磁気計測信号は、複数のチャネル時系列のセンサ信号である。除去アルゴリズムは、生体磁気計測信号から妨害信号を除去することで、妨害信号が除去されたセンサ信号を、目的信号として分離するアルゴリズムである。
除去部205は、生体磁気計測信号(脳磁信号)に対し、複数の除去アルゴリズムを実行して、各除去アルゴリズムにそれぞれ対応する複数の信号分離結果を取得する。そして、除去部205は、生体磁気計測信号に対して実行された複数の除去アルゴリズムによる各信号分離結果を比較し、複数の信号分離アルゴリズムの各パラメータを決定する。除去部205は、決定した各パラメータを、複数の信号分離アルゴリズムの最適なパラメータとして出力する。
解析部206は、除去部205により妨害磁場信号が除去されたセンサ信号を解析し、脳内の各部における信号強度を示す信号を算出する機能部である。
記憶部207は、除去部205により妨害磁場信号が除去されたセンサ信号、及び、解析部206により算出された信号強度を示す信号のデータ等を記憶する機能部である。記憶部207は、図2に示すRAM102又は補助記憶装置104によって実現される。
情報入力部208は、センサ情報に対して、関連する情報を注釈として付加するアノテーション情報の入力操作、及び時間周波数解析画面601に対する各種入力操作を受け付ける機能部である。情報入力部208は、図2に示す入力装置106によって実現される。
前述の収集表示制御部201、解析表示制御部202、センサ情報取得部204、除去部205、及び解析部206は、CPU101がROM103等に記憶されたプログラムをRAM102に展開して実行することにより実現される。なお、収集表示制御部201、解析表示制御部202、センサ情報取得部204、除去部205、及び解析部206の一部又は全部は、ソフトウェアであるプログラムではなく、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって実現されてもよい。
また、図3に示した各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、図3で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、図3の1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
(除去部の構成)
次に、図4を用いて除去部205の機能構成を説明する。図4は、図3に示す除去部の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、除去部205は、計測信号入力部301、妨害信号除去部302−1〜302−n(複数の信号分離部)、妨害信号除去パラメータ生成部303(生成部)、及び、妨害信号除去結果比較部304(決定部)を有する。除去部205は、内部に、それぞれ異なる除去アルゴリズムに基づいて動作する複数の妨害信号除去部302−1〜302−nを有する。
計測信号入力部301は、複数チャネルの時系列センサ信号(計測されたセンサ信号)の入力を外部から受け付け、それを分配(コピー)して各妨害信号除去部302−1〜302−nに送信する。
妨害信号除去部302−1〜302−nは、複数の除去アルゴリズムのいずれかを使用して、計測されたセンサ信号の中から妨害信号を除去する。妨害信号除去部302−1〜302−nは、それぞれ異なる除去アルゴリズムに基づいて動作し、計測されたセンサ信号の中から妨害信号を除去する。
妨害信号除去部302−1〜302−nは、妨害信号除去パラメータ生成部303が生成した各パラメータのうち、使用する除去アルゴリズムに対応するパラメータを使用して、信号分離を行い、センサ信号から妨害信号を除去する。妨害信号除去部302−1〜302−nは、妨害信号を除去した信号を妨害信号除去結果比較部304に送信する。妨害信号除去部302−1〜302−nは、この妨害信号の除去処理を、妨害信号除去パラメータ生成部303によって生成されたパラメータが送られてくる間、複数回実行する。
妨害信号除去パラメータ生成部303は、妨害信号除去部302−1〜302−nが使用する複数の除去アルゴリズム固有のパラメータを生成する。妨害信号除去パラメータ生成部303は、生成したパラメータを、各妨害信号除去部302−1〜302−nに送信する。
妨害信号除去パラメータ生成部303が各妨害信号除去部302−1〜302−nに送信するパラメータは、除去アルゴリズムに依存するため、同じものではない。また、妨害信号除去パラメータ生成部303は、1つの妨害信号除去部302−1〜302−nに複数のパラメータの組み合わせを送る場合もある。
妨害信号除去パラメータ生成部303は、パラメータ生成処理を、妨害信号除去結果比較部304からの指示によりパラメータの値を変更しながら複数回繰り返して実行する。妨害信号除去パラメータ生成部303は、例えば、各除去アルゴリズムのパラメータの初期値をデータセットとして有している。妨害信号除去パラメータ生成部303は、妨害信号除去結果比較部304からパラメータ生成処理が指示されると、所定ルールにしたがって、各パラメータを変更する。
妨害信号除去結果比較部304は、妨害信号除去部302−1〜302−nによって妨害信号を除去されたセンサ信号、すなわち、各妨害信号除去結果を受信し、受信したセンサ信号を比較し、複数の除去アルゴリズムの各パラメータを決定する。
妨害信号除去結果比較部304は、妨害信号を除去されたセンサ信号が所定の誤差範囲内であるか否かを判定する。所定の誤差範囲は、予め設定される。例えば、所定の誤差範囲は、解析部206の解析性能に合わせて設定される。なお、所定の誤差範囲は、過去の妨害信号除去処理結果を基に設定及び変更してもよい。
妨害信号除去結果比較部304は、妨害信号を除去されたセンサ信号が所定の誤差範囲内である場合、この妨害信号除去処理時時に使用された複数の除去アルゴリズムの各パラメータを、複数の除去アルゴリズムの各パラメータとして決定する。妨害信号除去結果比較部304は、妨害信号を除去されたセンサ信号が所定の誤差範囲内である場合、これらの各信号分離結果を解析部206に出力する。
これに対し、妨害信号除去結果比較部304は、妨害信号を除去されたセンサ信号が所定の誤差範囲外である場合、妨害信号除去パラメータ生成部303に対し、複数の除去アルゴリズムの各パラメータを生成し、生成した各パラメータを妨害信号除去部302−1〜302−nに出力することを指示する。そして、妨害信号除去結果比較部304は、妨害信号除去部302−1〜302−nに再度、妨害信号の除去処理を実行させ、新たな妨害信号除去結果を受信する。
妨害信号除去結果比較部304は、この比較処理を、各妨害信号除去結果が所定の誤差範囲内となるまで、繰り返し実行する。そして、妨害信号除去結果比較部304は、最終的には、所定の誤差範囲内である妨害信号除去結果と、その妨害信号除去処理時に各妨害信号除去部302−1〜302−nにおいて使用された各パラメータP1〜Pnと、を外部に出力する。
(除去アルゴリズムの例)
妨害信号除去部302−1〜302−nで使われる除去アルゴリズムには、パラメータを変化させることによる除去結果の変化が、異なった系列として現れるようなものが選ばれる。例えば、除去アルゴリズムとして、DSSP法(例えば、非特許文献1参照)と、TSSP法(例えば、特許文献3参照)との組み合わせが選択される。また、除去アルゴリズムとして、他にも、tSSS法(例えば、非特許文献2参照)、主成分分析(PCA(Principal Component Analysis))/独立成分分析(ICA(Independent Component Analysis))を応用してもよい。そして、3つ以上の妨害信号除去部をもつ構成でも同様に、適宜除去アルゴリズムを選択する。
(除去結果の一例)
図5は、DSSP法とTSSP法とを除去アルゴリズムとして用いた際の妨害信号除去結果の変化を説明する図である。図5は、2つの妨害信号除去部302−1,302−2において、妨害信号除去部302−1がDSSP法を使用し、妨害信号除去部302−2がTSSP法を使用した場合におけるパラメータの変化に対する除去結果の変化を概念的に表す。なお、図5の各グラフの横軸は時間(1.5秒)であり、縦軸は磁束密度(約0.5pT)である。
DSSP法とTSSP法は、いずれも妨害信号除去の度合いを表す強度パラメータ(例えば、非特許文献1の式(38)及び式(39)におけるr)を有するものの、図5に示すように、強度パラメータの変化に対する除去結果はまったく異なった系列となる。図5におけるDSSP法、TSSP法と示された破線上の信号グラフがそれぞれの除去結果に対応する。DSSP法、TSSP法のいずれも、元の波形(左端)から段階的に強度パラメータを強めていくと、段々と信号が除去され右端の波形に至る。ただし、右端波形は、DSSP法、TSSP法のいずれにおいても、目的とする測定したい波形も妨害信号と一緒に削られてしまっている状態であり、それよりも手前で強度パラメータの最適値を見つけ決定することが望ましい。
DSSP法とTSSP法との妨害信号除去結果系列を比較すると、双方の波形の差異が最も小さくなる最近接点が存在する。最近接点は、予め定められた値よりも妨害信号除去結果同士の差が小さい点、すなわち、所定の誤差範囲内となる点である。最近接点は、具体的には、図5において、「最近接」と記載された、破線が交わっている箇所である。
妨害信号除去結果比較部304は、妨害信号除去結果の差異の計算として、例えば、それぞれのセンサ波形で全計測時間点ごとに差分を取り、その絶対値の全センサでの総和を求める方法を用いる。または、妨害信号除去結果比較部304は、妨害信号除去結果の差異の計算として、同じセンサ同士の波形で相関係数を求め、その係数の全センサの総和を求める方法を用いてもよい。また、妨害信号除去結果比較部304は、信号の最も観測したい時間点(注目点)を予め指定し、その近傍時間点でのみ前述の差分総和計算を行う方法を用いてもよい。
除去部205は、この最近接となる点、すなわち、所定の誤差範囲内となる強度パラメータと妨害信号除去結果とを、それぞれ最適なパラメータと妨害信号除去結果として出力する。なお、除去部205は、最終的な妨害信号を除去した結果として、各センサ波形の平均値を採用するほか、予め妨害信号除去部302−1〜302−nの優先順位を決めておき、優先順位の高い方の妨害信号除去結果を採用してもよい。
また、妨害信号除去結果比較部304がDSSP法及びTSSP法以外の除去アルゴリズムを選択する場合も、同様の流れで処理を行う。すなわち、妨害信号除去結果比較部304は、対応するセンサの波形同士の比較を行う。そして、妨害信号除去結果比較部304は、最近接となる点、すなわち、所定の誤差範囲内となる妨害信号除去結果と、その際の除去アルゴリズムにおいて使用されたパラメータを求める。
以上のような最近接点の求め方から、各妨害信号除去部302−1〜302−nで使用される除去アルゴリズムは、パラメータを変化させることによる除去結果の変化が、異なった系列として現れる(除去結果の変化が異なる)組み合わせが望ましい。
また、3つ以上の妨害信号除去部を持つ場合も考え方は同様であるが、比較の方法として「多数決的」に結果を比較する方式も考えられる。すなわち、A,B,Cの3つの除去アルゴリズムを用いた3つの妨害信号除去部302−1〜302−3をもつ構成においては、まず3つのうちの2つを選んだ組み合わせの最近接における差を求める。
具体的には、妨害信号除去部302−1,302−2のおける最近接での差異を、diff(1-2)とする。また、妨害信号除去部302−2,302−3における最近接での差異を、diff(2-3)とする。また、妨害信号除去部302−3,302−1における最近接での差異を、diff(3-1)とする。
例えば、diff(1-2)<<diff(2-3)かつdiff(1-2)<<diff(3-1)であった場合、除去アルゴリズムCを用いた妨害信号除去部302−3の結果は、除去アルゴリズムA,Bを用いた妨害信号除去部302−1,302−2の結果に比べて差異が大きいことを意味する。
この場合、妨害信号除去結果比較部304は、妨害信号除去の結果として、妨害信号除去部302−1及び妨害信号除去部302−2の結果を採用し、妨害信号除去部302−3の結果は無視する。すなわち、妨害信号除去結果比較部304は、妨害信号除去部302−3の結果はもともとなかったものとして扱う。また、妨害信号除去結果比較部304は、4つ以上の妨害信号除去部302−1〜302−n(n≧4)がある場合も同様に、組み合わせで求めた差異が小さいもののみを採用し、差異の大きいな妨害信号除去部については結果を採用しないようにする。
(妨害信号を除去する処理の流れ)
次に、図6を参照して、除去部205が行う、妨害信号を除去する処理の流れを説明する。図6は、妨害信号を除去する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
除去部205では、計測信号入力部301が、複数チャネルの時系列センサ信号(計測されたセンサ信号)の入力を受け付け(ステップS1)、受け付けたセンサ信号を分配して(ステップS2)、各妨害信号除去部302−1〜302−nに送信する。
妨害信号除去パラメータ生成部303は、妨害信号除去部302−1〜302−nが使用する複数の除去アルゴリズム固有のパラメータを生成し(ステップS3)、妨害信号除去部302−1〜302−nに、生成したパラメータを送信する。
妨害信号除去部302−1〜302−nは、妨害信号除去パラメータ生成部303によって生成されたパラメータを、各除去アルゴリズムを適用して、計測されたセンサ信号の中から妨害信号を除去する(ステップS4)。
妨害信号除去結果比較部304は、妨害信号除去部302−1〜302−nによって妨害信号を除去されたセンサ信号を比較する(ステップS5)。そして、妨害信号除去結果比較部304は、妨害信号を除去されたセンサ信号が所定の誤差範囲内であるか否かを判定する(ステップS6)。
妨害信号を除去されたセンサ信号が所定の誤差範囲内である場合(ステップS6:Yes)、妨害信号除去結果比較部304は、この妨害信号除去処理時時に使用された複数の除去アルゴリズムの各パラメータを、複数の除去アルゴリズムの各パラメータとして決定する。そして、妨害信号除去結果比較部304は、妨害信号除去結果と、この妨害信号除去処理時に各妨害信号除去部302−1〜302−nにおいて使用された各パラメータP1〜Pnとを外部に出力する(ステップS8)。
これに対し、妨害信号を除去されたセンサ信号が所定の誤差範囲外である場合(ステップS6:No)、妨害信号除去結果比較部304は、妨害信号除去パラメータ生成部303に対し、パラメータの生成指示を行う(ステップS7)。この処理において、妨害信号除去結果比較部304は、妨害信号除去パラメータ生成部303に対し、複数の除去アルゴリズムの各パラメータを生成し、生成した各パラメータを妨害信号除去部302−1〜302−nに出力することを指示する。除去部205では、ステップS3に戻り、ステップS3以降の処理を再度行う。このように、除去部205では、妨害信号を除去されたセンサ信号が所定の誤差範囲内になるまで、ステップS7,ステップS3〜S5の処理を繰り返す。
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、第1の実施形態の情報処理装置50(情報表示装置)は、除去部205の妨害信号除去結果比較部304が、複数の信号源から発せられた信号が混合された混合信号の中から目的信号を分離する信号分離アルゴリズムのパラメータを決定する。そして、妨害信号除去結果比較部304が、混合信号に対して実行された複数の信号分離アルゴリズムによる各信号分離結果を比較し、複数の信号分離アルゴリズムの各パラメータを決定する。
第1の実施形態の例では、妨害信号除去結果比較部304が、複数のセンサによって計測された生体磁気計測信号(センサ信号)から妨害磁場信号を除去して妨害磁場信号除去後の信号を分離する信号分離アルゴリズム(除去アルゴリズム)のパラメータを決定する。このとき、妨害信号除去結果比較部304は、センサ信号に対して実行された複数の除去アルゴリズムによる各信号分離結果を比較し、複数の信号分離アルゴリズムの各パラメータを決定する。言い換えると、第1の実施形態に係る除去部205は、複数のセンサによって計測されたセンサ信号に対し、複数の異なる除去アルゴリズムを実行し、それらの信号分離結果を直接比較することによって、複数の除去アルゴリズムのパラメータを決定する。
このため、第1の実施形態に係る除去部205は、パラメータの導出のために、センサ信号に特徴的な棘波パラメータが含まれずともよく、また、同時計測された脳波データを用いる必要はない。したがって、第1の実施形態に係る除去部205は、てんかん患者の脳磁計測のみならず、他の症例又は他の部位での生体磁気計測における妨害磁場の除去においても、適用可能なパラメータを自動的に導出することができる。すなわち、第1の実施形態によれば、例えば脊椎、心臓又は筋肉などの、他の部位の活動による磁場計測又は他の症例に関する磁場計測に適用できる。これにより、妨害磁場の除去アルゴリズムのパラメータを自動的に導出することができ、より有効性の高い生体磁場の計測を実現できる。
したがって、第1の実施形態によれば、混合信号の中から目的信号を分離する信号分離アルゴリズムの最適なパラメータを導出することが可能になる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、前述した実施の形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能である。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。また、この実施の形態は、発明の範囲又は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 生体信号計測システム
3 計測装置
40 サーバ装置
50 情報処理装置
202 解析表示制御部
203 通信制御部
204 センサ情報取得部
205 除去部
206 解析部
207 記憶部
208 情報入力部
欧州特許出願公開第18178707号明細書 特開2009−188455号公報 特開2019−013284号公報
K. Sekihara, Y. Kawabata, S. Ushio, S.Sumiya, S. Kawabata, Y. Adachi, and S. S. Nagarajan, "Dual signal subspace projection(DSSP): a novel algorithm for removing large interference in biomagnetic measurements", Journal of Neural Engineering, vol.13, no.3, 036007, 2016. S. Taulu, J. Simola, "Spatiotemporal signal space separation method for rejecting nearby interference in MEG measurements", PHYSICS IN MEDICINE AND BIOLOGY, vol.51, 2006, 1759−1768.

Claims (7)

  1. 複数の信号源から発せられた信号が混合された混合信号の中から目的信号を分離する信号分離アルゴリズムのパラメータを決定する決定装置であって、
    前記混合信号に対して実行された複数の信号分離アルゴリズムによる各信号分離結果を比較し、前記複数の信号分離アルゴリズムの各パラメータを決定する決定部
    を有することを特徴とする決定装置。
  2. 前記決定部は、各信号分離結果が所定の誤差範囲内である場合の前記複数の信号分離アルゴリズムの各パラメータを、前記複数の信号分離アルゴリズムの各パラメータとして決定することを特徴とする請求項1に記載の決定装置。
  3. 前記決定部は、各信号分離結果が前記所定の誤差範囲内である場合、各信号分離結果を出力する
    ことを特徴とする請求項2に記載の決定装置。
  4. 前記複数の信号分離アルゴリズムの各パラメータを生成するパラメータ生成部と、
    前記複数の信号分離アルゴリズムのいずれかを使用し、前記パラメータ生成部が生成した各パラメータのうち、使用する信号分離アルゴリズムに対応するパラメータを使用して信号分離を行う複数の信号分離部と、
    を有し、
    前記決定部は、各信号分離結果が前記所定の誤差範囲外である場合、前記パラメータ生成部に対し、前記複数の信号分離アルゴリズムの各パラメータを生成し、生成した各パラメータを前記複数の信号分離部に出力することを指示する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の決定装置。
  5. 前記複数の信号分離部は、前記複数の信号分離アルゴリズムのいずれかを使用し、生体磁気計測において計測された計測信号から妨害磁場信号を除去し、妨害磁場信号除去後の信号を前記目的信号として分離する
    ことを特徴とする請求項4に記載の決定装置。
  6. 複数のセンサによって計測された生体磁気計測信号から妨害磁場信号を除去して妨害磁場信号除去後の信号を分離する信号分離アルゴリズムのパラメータを決定する決定部であって、前記生体磁気計測信号に対して実行された複数の信号分離アルゴリズムによる各信号分離結果を比較し、前記複数の信号分離アルゴリズムの各パラメータを決定する決定部
    を有することを特徴とする生体磁気計測装置。
  7. 複数の信号源から発せられた信号が混合された混合信号の中から目的信号を分離する信号分離アルゴリズムのパラメータを決定する決定装置が実行する決定方法であって、
    前記混合信号に対して実行された複数の信号分離アルゴリズムによる各信号分離結果を比較し、前記複数の信号分離アルゴリズムの各パラメータを決定するステップ
    を含んだことを特徴とする決定方法。
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