JP2021089208A - 掘削支援システム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、極めて実用性に秀れた掘削支援システムを提供することを目的とする。【解決手段】土木作業現場における掘削作業において、掘削途次の領域Rに設けられた既知座標点に配設され夫々が区別可能な被撮影物1と、前記被撮影物1及びその周囲を撮影する撮影手段2と、この撮影手段により取得した画像から前記掘削途次の領域Rの形状を特定する形状特定手段3と、この形状特定手段3により得られた前記掘削途次の領域Rの形状及び位置と予め記録した設計上の形状及び位置とを比較し、掘削過不足度合いを検出する比較検出手段とを備えたものである。【選択図】図1
Description
本発明は、掘削支援システムに関するものである。
従来、トンネルを掘削する際、掘削途次の領域の形状が、計画している形状(計画断面)通りに掘削できているか否かの認識は、作業者の目視により行われていた。
しかし、客観的な判断基準がないため誤差が生じ、これにより種々の問題が生じる。即ち、アタリ(掘削が足りない状態)のまま次工程に進むと、吹付コンクリートまたは覆工コンクリートの厚さ不足の問題が生じたり、これを防ぐための手戻り作業(掘削のやり直し)が生じる。一方、過掘り(掘削し過ぎた状態)となるとズリ出しの作業量が増え施工コストの増大に繋がる。
そこで、本出願人は、特開2019−15040号に開示されるように、実際の掘削途次の領域の形状と設計上の形状との比較を行い、掘削不足領域を示すマーカーを作業者が容易に認識できるように掘削途次の領域に直接投影表示することができ、掘削作業を適切に支援するための掘削支援システムを提案している。
本発明は、前述した掘削支援システムを更に改良したもので、掘削途次の領域の形状の測定が簡易且つ迅速に行え、ひいては掘削作業を適切に支援できるなど、極めて実用性に秀れた掘削支援システムを提供する。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
土木作業現場における掘削作業において、掘削途次の領域Rに設けられた既知座標点に配設され夫々が区別可能な被撮影物1と、前記被撮影物1及びその周囲を撮影する撮影手段2と、この撮影手段により取得した画像から前記掘削途次の領域Rの形状を特定する形状特定手段3と、この形状特定手段3により得られた前記掘削途次の領域Rの形状及び位置と予め記録した設計上の形状及び位置とを比較し、掘削過不足度合いを検出する比較検出手段とを備えたことを特徴とする掘削支援システムに係るものである。
また、請求項1記載の掘削支援システムにおいて、前記複数の被撮影物1は、夫々異なる色が付されたものであることを特徴とする掘削支援システムに係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載の掘削支援システムにおいて、前記被撮影物1は、適宜な金属製の球状体であることを特徴とする掘削支援システムに係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の掘削支援システムにおいて、前記既知座標点は3つ以上であることを特徴とする掘削支援システムに係るものである。
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の掘削支援システムにおいて、前記掘削途次の領域Rの過不足度合いを該領域Rに直接投影表示するマーカー表示手段を備えたことを特徴とする掘削支援システムに係るものである。
また、請求項5記載の掘削支援システムにおいて、前記マーカー表示手段は前記掘削途次の領域Rにプロジェクションマッピングを行うプロジェクターを含むことを特徴とする掘削支援システムに係るものである。
また、請求項5,6いずれか1項に記載の掘削支援システムにおいて、前記マーカー表示手段は、前記掘削不足度合いに応じて色分けされたマーカーを表示するように構成されていることを特徴とする掘削支援システムに係るものである。
また、請求項3〜6いずれか1項に記載の掘削支援システムにおいて、前記比較検出手段は、リアルタイムで実行されるものであり、前記マーカー表示手段は、リアルタイムで得られる前記比較検出結果に基づいてリアルタイムにマーカー表示を更新するように構成されていることを特徴とする掘削支援システムに係るものである。
また、請求項1〜8いずれか1項に記載の掘削支援システムにおいて、前記形状特定手段及び前記比較検出手段は、作業者が持ち運び可能なものであることを特徴とする掘削支援システムに係るものである。
また、請求項1〜9いずれか1項に記載の掘削支援システムにおいて、前記掘削途次の領域Rは、トンネル20のインバート施工領域であることを特徴とする掘削支援システムに係るものである。
本発明は上述のように構成したから、掘削途次の領域の形状の測定が簡易且つ迅速に行え、ひいては掘削作業を適切に支援できるなど、極めて実用性に秀れた掘削支援システムとなる。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
本発明は、掘削途次の領域Rにおける予め測量により得られた複数の既知座標点に夫々区別可能な被撮影物1を配設し、この各被撮影物1と及びその周囲を撮影手段2で撮影し、この撮影手段2により取得した画像は形状特定手段3により掘削途次の領域Rの形状が特定される。
また、本発明は、形状特定手段3により得られた掘削途次の領域Rの形状及び位置と予め記録した設計上の形状及び位置を比較し、掘削過不足度合いを検出する比較検出手段とを備えているから、例えばこの比較検出手段の情報を基に、掘削途次の領域Rの過不足度合いを、該領域Rに直接投影されるようにしたり、掘削機に設けた表示部に表示される掘削途次の領域Rに重ねてマーカーを表示するようにしたりすれば、掘削機による掘削作業者は、このマーカーが表示された部分を掘削する必要があることを作業を中断することなく一目で認識でき、例えばマーカーがリアルタイムに更新表示されるように構成した場合には、掘削途次の領域Rに投影若しくは表示部に表示されるマーカーがなくなるように掘削機で掘削するだけで適正な掘削作業を完了することが可能となる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、土木作業現場における掘削作業において、掘削途次の領域Rに設けられた既知座標点に配設され夫々が区別可能な被撮影物1と、前記被撮影物1及びその周囲を撮影する撮影手段2と、この撮影手段2により取得した画像から掘削途次の領域Rの形状を特定する形状特定手段3と、この形状特定手段3により得られた掘削途次の領域Rの形状及び位置と予め記録した設計上の形状及び位置を比較し、掘削過不足度合いを検出する比較検出手段とを備えた掘削支援システムである。
尚、本実施例は掘削途次の領域Rとして、トンネル20のインバート施工領域に実施した場合であるが、掘削途次のトンネル20の切羽領域においても使用できるなど、各種掘削作業において掘削作業者を補助・支援するために用いられる。掘削作業者は、掘削ショベル等の掘削機21を用いて掘削途次の領域Rを掘削する。
図1,2は本実施例の概略説明図であり、図中、符号20はトンネル、Rは掘削途次の領域、21は掘削機、1は被撮影物、2は撮影手段、3は形状特定手段である。
以下、本実施例に係る構成各部について具体的に説明する。
被撮影物1は、ステンレス製の球体1a,1b,1c,1dを複数(4つ)設け、この各球体1a,1b,1c,1dの表面を異なる色に塗装したものである。尚、この被撮影物1の数は3つ以上であれば良い。
この各被撮影物1は、通信機能を備えた座標計測装置4(プリズム測量)により座標点が計測された位置に配置される。
撮影手段2は、公知構造のデジタルビデオカメラであり、後述する形状特定手段3へ画像データを送信する通信機能/wifi(登録商標)を備えている。
形状特定手段3としては、前述した撮影手段2から送信される画像データを受信する通信機能を備えたタブレット型携帯端末である。
また、この形状特定手段3には、撮影手段2により取得した画像から掘削途次の領域Rの形状を測定する写真測量機構を備えている。
具体的には、各色の被撮影物1と既知座標点とを関係付けて事前に記録しておくと、画像撮影後、画像認識技術により画像データ上の各色の被撮影物1の位置を識別することにより、この画像データから写真測量機構により測定時の掘削形状を測定することができる。尚、画像撮影から形状算出までは人間の手を介在せずに自動で処理できる。
比較検出手段としては、前述した形状特定手段3に備えられるもので、この形状特定手段3で測定した掘削途次の領域Rの三次元形状を取り込んで、画像処理ソフトにより、予め記録されている設計上の掘削途次の領域Rの三次元形状(計画断面)と比較し、座標点ごとに掘削の過不足度合いを算出して各座標点(領域)の掘削の過不足を判定することができるように構成している。そして、掘削量が不足している座標点(領域)を掘削不足領域と判定して検出する。
マーカー表示手段としては、形状特定手段3に接続される映像光(マーカー)を照射するプロジェクターと形状特定手段3中のプロジェクションマッピングソフトを採用できる。このプロジェクションマッピングソフトにより掘削途次の領域Rの掘削不足領域と判定された部分に直接マーカーを投影表示するように設定する。即ち、画像処理ソフト中で掘削不足領域と判定された部分に対応する現実の掘削途次の領域Rの切削不足領域に相当する部分にマーカーを表示する。
マーカーは視認し易いように赤色等、掘削途次の領域R(地山)の色とは明らかに異なる色とするのが好ましい。また、マーカーは領域の外形線だけを表示するのではなく、領域全体に重ねて表示するようにするのが好ましい。プロジェクターにより掘削途次の領域Rにプロジェクションマッピングすることで、作業者の掘削機21による掘削作業を極めて効率的に支援できる。
また、比較検出手段及びマーカー表示手段は、掘削し過ぎた部分を掘削過剰領域として検出し、掘削不足領域とは異なる色のマーカーで掘削途次の領域Rに直接投影表示する構成としても良い。この場合、掘り過ぎを抑制することが可能となる。
更に、マーカー表示手段は、形状特定手段3及び比較検出手段によりリアルタイムに得られる比較検出結果に基づいてリアルタイムにマーカー表示を更新するように構成されている。プロジェクションマッピングソフトを用いて比較検出手段による検出結果に応じてリアルタイムにマーカーの表示箇所を更新することで、作業効率を飛躍的に向上させることが可能となる。なお、リアルタイムに限らず、所定の時間間隔(例えば30秒おき等)で測定・更新する構成としても良い。
また、マーカー表示手段は、掘削不足領域の掘削不足度合いに応じて色分けされたマーカーを表示するように構成しても良い。この場合、例えば掘削不足度合いを掘削不足量に応じて5〜10段階程度に分け、段階毎に色を変えて表示するように構成すると良い。
以上の構成の本実施例を用いたインバート施工における掘削工程を図2に示す。
掘削途次の領域Rの形状を測定するにあたり、例えば掘削途次の領域Rの近傍(水平方向、奥行き方向及び高さ方向で掘削途次の領域Rを概ね取り囲む周囲)に3つ以上の被撮影物1を設置する。この被撮影物1が配設される位置は予め測定された既知座標点である。尚、この被撮影物1を付加的に掘削途次の領域Rの中に設置しても良いが、演算した三次元データを現地の測量座標系に座標変換する際、被撮影物1の座標が基準となり、その外側では座標変換の精度が低下する為、被撮影物1は掘削途次の領域Rの外側若しくは該領域Rの境界近傍に設置するのが望ましい。
続いて、掘削途次の領域Rと該掘削途次の領域Rに設置された被撮影物1とを同時に撮影手段2で撮影する。作業者は移動しながら異なる角度で10枚程度撮影する。
続いて、この撮影手段2により取得した画像データは形状特定手段3に送られ、この形状特定手段3の写真測量機構により掘削途次の領域Rの形状が測定される。
各被撮影物1は、座標点が既知であり互いに異なる色が付与されており、形状特定手段3ではこの色により各被撮影物1を認識して処理する構成の為、その色ごとの座標情報を一度入力しておけば(色と座標とを関係付けしておけば)、改めて掘削途次の領域Rの形状を特定したい場合、その都度、座標点を計測し直したり、その座標情報を入力する必要が無く、掘削途次の領域Rの形状を簡易且つ迅速に測定することができる。
また、予め形状特定手段3に計画断面(設計上の掘削途次の領域Rの形状)を取り込み、前述したように形状特定手段3により現実の掘削途次の領域Rの形状を測定して三次元データを取得した後、これらを比較して差分から掘削の過不足度合い(アタリ・余堀り)を算出して切削不足領域を検出し、現実の掘削途次の領域Rの切削不足領域にマーカーをプロジェクションマッピング照射により投影し、このマーカーを目安に逐次掘削を行うことで、良好に掘削作業を行えることになる。
尚、本実施例は上述のように構成しているが、マーカーを掘削途次の領域Rに直接投影するのではなく、掘削機21に設けた表示部に表示される掘削途次の領域Rに重ねて表示するようにして、作業者はこの表示部を見ながら作業を行うようにしても良い。この場合、マーカー表示手段は、掘削機21の操縦席に設ける表示部(ディスプレイ)、及び、表示部と接続される形状特定手段3(タブレット)の比較検出手段による比較検出結果に基づいてマーカー表示部位を決定し表示部中の掘削途次の領域Rに重ねて表示する画像処理ソフトで構成する。また、直接投影及び表示部への表示の双方を行う構成としても良い。
また、前述した座標計測装置4による座標点の計測、既知座標点への被撮影物1の配設、撮影手段2による撮影、形状特定手段3による掘削途次の領域Rの形状特定、比較検出手段による掘削途次の領域Rにおける掘削過不足度合いの検出、という一連の作業は、掘削進行して移動する度に行われる。
本実施例は上述のように構成したから、掘削途次の領域Rの形状の測定が簡易且つ迅速に行える。
また、本実施例は、掘削途次の領域Rを掘削する際、掘削途次の領域Rの形状が測定され設計上の掘削途次の領域Rの形状と比較されて掘削不足領域を示すマーカーが掘削途次の領域Rに直接投影される。従って、このマーカーが表示された部分を掘削する必要があることが作業を中断することなく一目で認識でき(表示されていない部分は掘削不要である)、例えばマーカーがリアルタイムに更新表示されるように構成した場合には、掘削途次の領域Rに投影されるマーカーがなくなるように掘削するだけで適正な掘削作業を完了することが可能となる。
よって、本実施例は、客観的に実際の掘削途次の領域Rの形状と設計上の掘削途次の領域Rの形状との比較を行えるだけでなく、掘削不足領域を示すマーカーを作業者が容易に認識できるように掘削途次の領域Rに直接投影表示でき、掘削作業を適切に支援できる極めて実用性に秀れたものとなる。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
R 掘削途次の領域
1 被撮影物
2 撮影手段
3 形状特定手段
20 トンネル
1 被撮影物
2 撮影手段
3 形状特定手段
20 トンネル
Claims (10)
- 土木作業現場における掘削作業において、掘削途次の領域に設けられた既知座標点に配設され夫々が区別可能な被撮影物と、前記被撮影物及びその周囲を撮影する撮影手段と、この撮影手段により取得した画像から前記掘削途次の領域の形状を特定する形状特定手段と、この形状特定手段により得られた前記掘削途次の領域の形状及び位置と予め記録した設計上の形状及び位置とを比較し、掘削過不足度合いを検出する比較検出手段とを備えたことを特徴とする掘削支援システム。
- 請求項1記載の掘削支援システムにおいて、前記複数の被撮影物は、夫々異なる色が付されたものであることを特徴とする掘削支援システム。
- 請求項1,2いずれか1項に記載の掘削支援システムにおいて、前記被撮影物は、適宜な金属製の球状体であることを特徴とする掘削支援システム。
- 請求項1〜3いずれか1項に記載の掘削支援システムにおいて、前記既知座標点は3つ以上であることを特徴とする掘削支援システム。
- 請求項1〜4いずれか1項に記載の掘削支援システムにおいて、前記掘削途次の領域の過不足度合いを該領域に直接投影表示するマーカー表示手段を備えたことを特徴とする掘削支援システム。
- 請求項5記載の掘削支援システムにおいて、前記マーカー表示手段は前記掘削途次の領域にプロジェクションマッピングを行うプロジェクターを含むことを特徴とする掘削支援システム。
- 請求項5,6いずれか1項に記載の掘削支援システムにおいて、前記マーカー表示手段は、前記掘削不足度合いに応じて色分けされたマーカーを表示するように構成されていることを特徴とする掘削支援システム。
- 請求項3〜6いずれか1項に記載の掘削支援システムにおいて、前記比較検出手段は、リアルタイムで実行されるものであり、前記マーカー表示手段は、リアルタイムで得られる前記比較検出結果に基づいてリアルタイムにマーカー表示を更新するように構成されていることを特徴とする掘削支援システム。
- 請求項1〜8いずれか1項に記載の掘削支援システムにおいて、前記形状特定手段及び前記比較検出手段は、作業者が持ち運び可能なものであることを特徴とする掘削支援システム。
- 請求項1〜9いずれか1項に記載の掘削支援システムにおいて、前記掘削途次の領域は、トンネルのインバート施工領域であることを特徴とする掘削支援システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019219743A JP2021089208A (ja) | 2019-12-04 | 2019-12-04 | 掘削支援システム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN117664077A (zh) * | 2023-12-11 | 2024-03-08 | 河北玖森工程技术有限公司 | 一种用于基坑支护的位移监测检测装置 |
CN117664077B (zh) * | 2023-12-11 | 2024-06-04 | 河北玖森工程技术有限公司 | 一种用于基坑支护的位移监测检测装置 |
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2019
- 2019-12-04 JP JP2019219743A patent/JP2021089208A/ja active Pending
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A521 | Written amendment |
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