JP2021088471A - 磁歪部材、磁歪部材の製造方法、及び、磁歪部材の評価方法 - Google Patents

磁歪部材、磁歪部材の製造方法、及び、磁歪部材の評価方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021088471A
JP2021088471A JP2019218549A JP2019218549A JP2021088471A JP 2021088471 A JP2021088471 A JP 2021088471A JP 2019218549 A JP2019218549 A JP 2019218549A JP 2019218549 A JP2019218549 A JP 2019218549A JP 2021088471 A JP2021088471 A JP 2021088471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetostrictive
magnetostrictive member
parallel
single crystal
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019218549A
Other languages
English (en)
Inventor
聖志 泉
Kiyoshi Izumi
聖志 泉
佐藤 昌明
Masaaki Sato
昌明 佐藤
和彦 大久保
Kazuhiko Okubo
和彦 大久保
祥太郎 川村
Shotaro Kawamura
祥太郎 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2019218549A priority Critical patent/JP2021088471A/ja
Publication of JP2021088471A publication Critical patent/JP2021088471A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

【課題】平行磁歪量が高く、部材間における平行磁歪量のばらつきが少ない磁歪部材及び磁歪部材の製造方法を提供すること。【解決手段】磁歪部材の製造方法は、磁歪特性を有する鉄系合金の単結晶からなり、かつ、長手方向及び短手方向を有する形状の磁歪部材の製造方法であって、単結晶の磁区構造を取得することと、磁区の延びる方向が、磁歪部材の長手方向と平行になるように、単結晶を切断することと、を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、磁歪部材、磁歪部材の製造方法、及び、磁歪部材の評価方法に関する。
磁歪材料は、機能性材料として注目されている。例えば、鉄系合金であるFe−Ga合金は、磁歪効果および逆磁歪効果を示す材料であり、100〜350ppm程度の大きな磁歪を示す。そのため、近年、エネルギーハーベスト分野の振動発電用材料として注目され、ウェアラブル端末やセンサ類などへの応用が期待されている。Fe−Ga合金の単結晶の製造方法として、引き上げ法(チョクラルスキー法、以下「Cz法」と略記する)による単結晶の育成方法が知られている(例えば、特許文献1)。また、Cz法以外の製造方法として、垂直ブリッジマン法(VB法)や垂直温度勾配凝固法(VGF法)が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3)。
Fe−Ga合金は、結晶の<100>方位に磁化容易軸を持ち、この方位に大きな磁気歪みを現出させることができる。従来、Fe−Ga合金の磁歪部材は、Fe−Ga合金の多結晶から<100>方位に配向した単結晶部分を所望サイズに切断することにより製造されているが(例えば、非特許文献1)、結晶方位は磁歪特性に大きく影響するため、磁歪部材の磁歪を必要とする方向と結晶の磁気歪みが最大となる<100>方位とを一致させた単結晶が磁歪部材の材料として最適であると考えられる。
Fe−Ga合金の単結晶は、単結晶の<100>方位に対して平行に磁場を印加したとき、正の磁歪が現出する(以下、「平行磁歪量」と称す)。一方、<100>方位に対して垂直に磁場を印加したとき、負の磁歪が現出する(以下、「垂直磁歪量」と称す)。印加する磁場の強度を徐々に強めていくと、平行磁歪量あるいは垂直磁歪量がそれぞれ飽和する。磁歪定数(3/2λ100)は、飽和した平行磁歪量と、飽和した垂直磁歪量の差で決定され、下記の式(1)によって求められる(例えば、特許文献4、非特許文献2)。
3/2λ100=ε(//)― ε(⊥) ・・・式(1)
3/2λ100:磁歪定数
ε(//):<100>方向に対して平行に磁場をかけて飽和したときの平行磁歪量
ε(⊥) :<100>方向に対して垂直に磁場をかけて飽和したときの垂直磁歪量
Fe−Ga合金の磁歪特性は、磁歪・逆磁歪効果および磁歪式振動発電デバイスの特性に影響を与えると考えられており、デバイス設計をする上で重要なパラメータとなる(例えば、非特許文献4)。特に、磁歪定数は、Fe−Ga合金単結晶のGa組成に依存し、Ga組成が18〜19at%と27〜28at%で磁歪定数が極大になることが知られており(例えば、非特許文献2)、このようなGa濃度のFe−Ga合金をデバイスに用いることが望ましいとされる。さらに近年、磁歪定数が大きいことに加えて、平行磁歪量が大きいほど出力電圧等のデバイス特性が高い傾向にあることが報告されている(例えば、非特許文献3)。
磁歪式振動発電デバイスは、例えば、コイルに巻かれたFe−Ga磁歪部材、ヨーク、界磁用永久磁石で構成されている(例えば、特許文献5、非特許文献4)。この磁歪式振動発電デバイスでは、デバイスの可動部のヨークを振動させると、ヨークの中央に固定したFe−Ga磁歪部材が連動して振動し、逆磁歪効果によってFe−Ga磁歪部材に巻かれたコイルの磁束密度が変化し、電磁誘導起電力が発生して発電する仕組みとなる。磁歪式振動発電デバイスでは、ヨークの長手方向に力が加わって振動が起こるため、デバイスに用いるためのFe−Ga磁歪部材は、磁化容易軸である<100>を長手方向になるように加工することが望ましい。
特開2016−28831号公報 特開2016−138028号公報 特開平4−108699号公報 特表2015−517024号公報 国際公開第2011/158473号
Etrema社,State of the Art of Galfenol Processing. A. E. Clark et al., Appl. Phys. 93(2003)8621. Jung Jin Park, Suok−Min Na, Ganesh Raghunath, and Alison B. Flatau., AIP ADVANCES 6, 056221(2016). 上野敏幸, 精密工学会誌 Vol. 79, No.4, (2013) 305−308.
磁歪式振動発電デバイス等のデバイス特性は、磁歪部材の磁歪特性によって影響を受けるため、磁歪部材は、高い磁歪特性を有し、磁歪特性のばらつきの少ないものが要求される。このような中で、Fe−Ga合金の単結晶の結晶方位が<100>であり、Ga濃度が均一であるならば、磁歪定数の均一な磁歪部材が得られると思われていた。しかし、非特許文献3に記載されるように、デバイス特性は、磁歪定数だけでなく平行磁歪量の影響があることが開示されている。本発明者の調査の結果、上記のように製造した磁歪部材は、磁歪定数が均一であっても平行磁歪量(あるいは垂直磁歪量)にばらつきがあることが判った。
そこで、本発明は、平行磁歪量が高く、部材間の平行磁歪量のばらつきが少ない磁歪部材を提供することを目的とする。
本発明の態様によれば、磁歪特性を有する鉄系合金の単結晶からなり、かつ、長手方向及び短手方向を有する形状の磁歪部材の製造方法であって、単結晶の磁区構造を取得することと、磁区の延びる方向が、磁歪部材の長手方向と平行になるように、単結晶を切断することと、を含む、磁歪部材の製造方法が提供される。
また、本発明の態様によれば、磁歪特性を有する鉄系合金の単結晶からなり、かつ、長手方向及び短手方向を有する形状の磁歪部材の製造方法であって、単結晶の磁区構造を取得することと、磁区の延びる方向が磁歪部材の長手方向と平行な領域の面積を調整することにより、平行磁歪量を所定量以上とした磁歪部材を得ることと、を備える、磁歪部材の製造方法が提供される。
また、磁区の延びる方向が磁歪部材の長手方向と平行な領域の面積は、領域を含む面において、領域を含む面の全体の面積に対して30%以上である構成でもよい。また、磁歪部材は、単結晶の育成方向と平行な方向に切断して得られる構成でもよい。また、磁区構造の取得は、ビッター法により行う構成でもよい。また、鉄系合金の単結晶は、Fe−Ga合金であり、磁歪部材の面の結晶の方位が{100}である構成でもよい。また、複数の磁歪部材を得ることを含み、複数の磁歪部材は、平行磁歪量が200ppm以上である構成でもよい。また、複数の磁歪部材は、平行磁歪量のばらつきが15%以内である構成でもよい。
本発明の態様によれば、磁歪特性を有する鉄系合金の単結晶からなり、かつ、長手方向及び短手方向を有する形状の磁歪部材の評価方法であって、磁歪部材において、長手方向と平行な方向に延びる複数の磁区が並ぶ領域の面積が基準値を超える場合に、磁歪部材の平行磁歪量が良好であると評価することと、を含む、磁歪部材の評価方法が提供される。
また、本発明の態様によれば、磁歪特性を有する鉄系合金の単結晶からなり、かつ、長手方向及び短手方向を有する形状の磁歪部材であって、長手方向と平行な方向に延びる複数の磁区が並ぶ領域を有し、領域は、平行磁歪量が所定量以上となる面積を有する、磁歪部材が提供される。
また、所定量が200ppmである構成でもよい。また、領域は、領域を含む面において、領域を含む面の全体の面積に対して30%以上である構成でもよい。また、鉄系合金の単結晶は、Fe−Ga合金であり、磁歪部材の面の結晶の方位が{100}である構成でもよい。また、領域は、ビッター法による磁区構造の観察においてストライプ状に検出される構成でもよい。
本発明の態様の磁歪部材の製造方法は、平行磁歪量が高く、部材間における平行磁歪量のばらつきが少ない磁歪部材を確実に製造することができる。本発明の態様の磁歪部材は、平行磁歪量が高く、部材間における平行磁歪量のばらつきが少ない。本発明の態様の磁歪部材の評価方法は、平行磁歪量が高位で、且つ部材間のばらつきが少ない磁歪部材を判別することができる。
実施形態に係る磁歪部材の一例を示す図である。 ビッター法による磁区構造の観察結果の一例を示す図である。 磁歪部材の他の例を示す図である。 実施形態に係る磁歪部材の製造方法の一例を示すフローチャートである。 単結晶及び薄板部材の第1の例を示す図である。 単結晶及び薄板部材の第2の例を示す図である。 単結晶及び薄板部材の第3の例を示す図である。 磁区構造取得工程の一例を示す図である。 磁区構造取得工程の一例を示す図である。 単結晶を育成方向に対し垂直方向に切断した部材における磁区構造の一例を模式的に示す図である。 単結晶を育成方向に対し平行方向に切断した部材における磁区構造の一例を模式的に示す図である。 (A)及び(B)は、切断工程の一例を示す図である。 実施例で用いた歪みゲージ法を示す図である。 実施例及び比較例における領域R1と平行磁歪量との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して説明する。なお、各図面においては、適宜、一部又は全部が模式的に記載され、縮尺が変更されて記載される。
[実施形態]
以下、本実施形態の磁歪部材及び磁歪部材の製造方法について説明する。まず、本実施形態の磁歪部材について説明する。図1は、本実施形態の磁歪部材の例を示す斜視図である。
磁歪部材1は、例えば図1に示すように、長手方向D1及び短手方向D2を有する板状体である。板状体は、平面視において長方形状である。板状体は、表面(おもて面)4及び裏面5を有する。表面4及び裏面5は、互いに平行であるのが好ましいが、互いに平行でなくてもよい。
磁歪部材1は、鉄系合金の単結晶からなる。磁歪部材1に用いる結晶は、磁歪部材1の磁化容易方向の方位集積度を高め、磁歪材料としての特性を高めるために、多結晶よりも単結晶の使用することが好ましい。鉄系合金は、磁歪特性を有するものであれば、特に限定されない。磁歪特性とは、磁場を印加したときに形状の変化が生じる特性を意味する。鉄系合金は、例えば、Fe−Ga、Fe−Ni、Fe−Al、Fe−Co、Tb−Fe、Tb−Dy−Fe、Sm−Fe、Pd−Fe等の合金である。これらの鉄系合金の中でも、Fe−Ga合金は、他の合金と比較して磁歪特性が大きく加工も容易であるため、エネルギーハーベスト分野の振動発電用材料やウェアラブル端末やセンサ類などへ応用されている。以下の説明では、磁歪部材1の一例として、磁歪部材1がFe−Ga合金の単結晶からなる構成の例を説明する。
Fe−Ga合金の単結晶は、体心立方格子構造を有しており、ミラー指数における方向指数のうち第1〜第3の<100>軸(図5から図8参照)が等価であり、ミラー指数における面指数のうち第1〜第3の{100}面(図5から図8参照)が等価(すなわち、(100)、(010)および(001)は等価)であることを基本とするものである。また、Fe−Ga合金は、結晶の特定方位に大きな磁気歪みを現出させる特性を有する。この特性を磁歪式振動発電デバイスに利用する場合、デバイスにおいて磁歪部材1の磁歪を必要とする方向と、結晶の磁気歪みが最大となる方位(方向)とを一致させることが望ましい。具体的には、上述したように、単結晶における磁化容易方向である<100>方向を、磁歪部材1の長手方向D1に設定することが、磁歪特性の観点から望ましい。また、磁歪部材1の面の結晶の方位を{100}とするのが、磁歪特性の観点から好ましい。単結晶における磁化容易方向である<100>方向を、磁歪部材1の長手方向D1とすること、及び、磁歪部材1の面の結晶の方位を{100}とすることは、例えば、単結晶の結晶方位を公知の結晶方位解析により取得し、取得した単結晶の結晶方位に基づいて単結晶を切断することにより、実施することができる。
磁歪部材1は、例えばエネルギーハーベスト分野の振動発電デバイス用の材料(部品)、ウェアラブル端末やセンサ類などの材料(部品)として使用される。例えば、上記の特許文献5に示すような磁歪式振動発電デバイスは、コイル、コイルに巻かれたFe−Ga合金の磁歪部材、ヨーク、及び、界磁用永久磁石により構成されている。この磁歪式振動発電デバイスは、デバイスの可動部であるヨークを振動させると、ヨークの中央部に固定された磁歪部材が連動して振動し、逆磁歪効果によって磁歪部材に巻かれたコイルの磁束密度が変化し、電磁誘導起電力が発生することにより発電する仕組みとなっている。このような仕組みで用いられる場合、磁歪部材1の形状は、薄板状であり、平面視において細長い長方形状に設定されることが好ましい。磁歪部材1の形状及び大きさは、目的とするデバイスの大きさに応じて適宜設定される。例えば、磁歪部材1の大きさは、長手方向D1の長さ(寸法)L1が16mm、短手方向D2の幅(寸法)L2が4mm、厚さが1mmである。
なお、磁歪部材1の形状及び寸法は、それぞれ、特に限定されない。例えば、磁歪部材1は、平面視において長方形状でなくてもよく、例えば、磁歪部材1の形状は、平面視において、正方形状、楕円状、トラック状、不定形でもよい。また、磁歪部材1の形状は、板状体に限定されず、例えば円柱状でもよい。なお、磁歪部材1の形状が平面視において正方形状である場合等、長手方向D1と短手方向D2とが同じであってもよい。なお、磁歪部材1の形状が平面視において長方形状以外の場合等において、長手方向D1は長径方向、長軸方向等であり、短手方向D2は長手方向D1に直交する方向である。
次に、本発明の特徴である磁歪部材1の磁区構造3について説明する。発明者らは上述したように主面が{100}面であり、磁化容易方向である<100>方向を磁歪部材の長手方向とした平面視の形状が長方形である板状の磁歪部材を製作した。Ga濃度の均一なFe−Ga合金の単結晶から切り出して作成した複数の磁歪部材について磁歪特性を確認した結果、磁歪定数のばらつきはほとんど見られなかったが、平行磁歪量にばらつきがあることが判った。特に、単結晶より磁歪部材を切り出す位置により平行磁歪量にばらつきがあることを見出した。さらに調査した結果、平行磁歪量のばらつきは、磁区構造3の影響を受けていることを見出した。本発明は、上記の知見を元になされたものである。
本実施形態の磁歪部材1は、図1に示すように、磁歪特性を有する鉄系合金の単結晶からなり、かつ、長手方向D1及び短手方向D2を有する形状の磁歪部材であって、長手方向D1と平行な方向に延びる複数の磁区2が並ぶ領域R1を有することを特徴としている。
磁区構造3は、例えば、ビッター法を用いて取得する。ビッター法は、磁性コロイド粒子を用いて磁区構造3(磁区2)を観察する方法である。図2は、ビッター法による磁区構造3の観察結果の一例を示す図である。ビッター法は、磁区構造3を観察する簡易的な方法であるため好ましい。ビッター法としては、例えば、特開平11−211805号公報に記載される方法等を用いることができる。この方法は、例えば、観察する面を鏡面状に加工し、鏡面状に加工した面に磁性粒子を含むコロイド液L(磁性コロイド液)を滴下し、カバーガラス等の薄いガラスの薄板を被せること等により、磁性コロイド液Lを薄く均一に塗布し、光学顕微鏡によってその磁性粒子の描く磁区の像を観察する方法である。ビッター法によりFe−Ga合金の単結晶を観察した場合、例えば図2に示すように、[100]、[010]、[001]方位のいずれかの方位に沿って、濃淡に現れるストライプ状(縞状)の像Im(以下、「ストライプ像」と称す場合もある)が検出される。上記のストライプ状の像Imにおけるストライプが延びる方向は、磁区(磁壁)が延びる方向を意味する。図2に示す結果は、図の上下方向に延びる複数の磁区2がストライプ状に並ぶ磁区構造3であることを示す。なお、ストライプ状の像Imにおけるストライプが延びる方向(複数の磁区2が延びる方向)は、直線状でもよいし、曲線状でもよい。なお、図面においては、ストライプ像Imにおけるストライプ(縞)を模式的に、2点鎖線又は点線等で表している。
なお、以下の説明では、ストライプ像Imに対し濃淡が連続する方向を「ストライプ像の垂直方向」とし、ストライプ像の濃淡が一定である方向を「ストライプ像の平行方向」と称す。また、以下の説明では、磁歪部材1の面における磁区構造3を示すストライプ像Imの平行方向(複数の磁区2が並ぶ磁区構造3において複数の磁区2が延びる方向)が磁歪部材1の長手方向D1と平行な方向である領域R1を、「領域R1」と略すこともある。領域R1は、複数の磁区2が磁歪部材1の長手方向D1と平行な方向に延び、且つ、複数の磁区2が長手方向D1と直交する方向(短手方向D2)に並ぶ磁区構造3である。
本発明者らは、後述する実施例で説明するように、ビッター法によって、磁歪部材1の表裏面のうちの1面についての磁区構造3を観察し、磁区構造3を示すストライプ像Imの平行方向(複数の磁区2が並ぶ磁区構造3における複数の磁区2が延びる方向)が磁歪部材1の長手方向D1と平行な方向である領域R1の面積と磁歪部材1の表裏面のうちの1つの面全体の面積との比(以下、「領域R1の割合」と略すこともある)を求め、その磁歪部材1の平行磁歪量を測定した。その結果を表1及び図14に示す。
本発明者らは、表1及び図14等の結果から、磁歪部材1において、磁区構造3を示すストライプ像Imの平行方向(複数の磁区2が並ぶ磁区構造3における複数の磁区2が延びる方向)を磁歪部材1の長手方向D1と平行な方向に揃えることにより、平行磁歪量が高位で且つ部材間のばらつきが少なくなることを見出した。磁区構造3を示すストライプ像Imの平行方向を磁歪部材1の長手方向D1と平行な方向に揃えることにより、磁気モーメントが均一に配列して、平行磁歪量のばらつきが少なく均一化すると推測される。
また、本発明者らは、表1及び図14等の結果から、磁歪部材1において、領域R1の割合と平行磁歪量とは相関関係があることを見出した。表1及び図14に示すように、領域R1の割合が大きいほど、平行磁歪量が高位(200ppm以上)で安定するため、好ましい。磁歪部材1において、領域R1を含む面における領域R1の割合が、領域R1を含む面の全体の面積に対して30%以上である場合、磁歪部材1の平行磁歪量を高位で且つばらつきの少なく安定して得られるので好ましく、70%以上である場合、さらにばらつきが少なくなるためより好ましい。磁歪部材1において、領域R1を含む面における領域R1の割合が、領域R1を含む面の全体の面積に対して10%未満の場合、磁歪部材1の平行磁歪量の値が安定せずばらつきが大きくなる。磁区構造3は、後述するように、育成された単結晶から磁歪部材を切り出す位置により変動することが確認されている(図11、図12参照)。単結晶から磁歪部材1を切り出す際の位置については後述する。
図3は、実施形態に係る磁歪部材1の他の例を示す図である。上記の結果から、本実施形態の磁歪部材1は、上記の領域R1とは異なる領域R2を含んでいても、平行磁歪量を高位で、ばらつきが少なくなることも判る。なお、領域R1以外の領域R2とは、領域R1に該当しない磁区構造3の領域を意味する。例えば、磁歪部材1において、領域R1以外の領域R2の面積が、領域R1を含む面において、領域R1を含む面の全体の面積に対して70%未満の場合、平行磁歪量が高位で、且つばらつきが少なくなるため好ましく、30%未満である場合、さらにばらつきが少なくなるためより好ましい。なお、領域R2の磁区構造3は、限定されない。また、上述の説明では、磁歪部材1において、領域R1が1つの連続した領域である例を説明したが、領域R1は、不連続の複数の領域であってもよい。
本発明者らは、上記した知見等から、本実施形態の磁歪部材1を、長手方向D1と平行な方向に延びる複数の磁区2が並ぶ領域R1を有する構成とし、領域R1の割合と平行磁歪量との相関関係に基づいて、領域R1を平行磁歪量が所定量以上となる面積に設定している。本実施形態の磁歪部材1は、上記の構成を備えることにより、平行磁歪量が高く、部材間における平行磁歪量のばらつきが少ない特性を有する。
なお、本実施形態では、磁歪部材1の長手方向D1と平行な方向に延びる複数の磁区2が並ぶ領域R1は、ビッター法による磁区構造3の観察においてストライプ状に検出される領域とする。上記したように、領域R1の割合及び平行磁歪量が所定量は、それぞれ、上記領域R1の割合と平行磁歪量とは相関関係に基づいて設定することができる。また、本実施形態において、領域R1における磁区構造3は、ビッター法による磁区構造3の観察においてストライプ状に検出される領域であれば、任意であり、例えば、磁区2の数及び磁区2の大きさ(ビッター法により観察されたストライプの数及び大きさ)等は、任意である。
また、上記の説明では、領域R1の割合と平行磁歪量との相関関係として、VB法で製造したFe−Ga単結晶における例を一例として示したが、領域R1の割合と平行磁歪量との相関関係は、上記以外の単結晶の成分及び単結晶の製造方法においても適用できる。領域R1の割合と平行磁歪量との相関関係は、例えば、実施例に示すような予備実験を行うことにより求めることができる。
また、本実施形態において、磁区構造3を示すストライプ像Imの平行方向が磁歪部材1の長手方向D1に延びる(複数の磁区2が磁歪部材1の長手方向D1に延びる)とは、ストライプ像Imの平行方向(複数の磁区2が並ぶ磁区構造3において複数の磁区2が延びる方向)が長手方向D1に対して±10°以内の方向に延びることを意味する。なお、磁歪部材1の長手方向D1は、上記したように、磁歪部材1の磁化容易軸と平行であるのが好ましい。例えば、磁歪部材1がFe−Ga合金の単結晶で形成される場合、磁歪部材1の長手方向D1は、磁化容易軸である<100>軸と平行な方向であるのが好ましい。
次に、本実施形態の磁歪部材1の特性について説明する。本実施形態の磁歪部材1は、上記の構成により、磁歪定数が200ppm以上、好ましくは250ppm以上とすることができる。また、磁歪部材1は、上記の構成により、平行磁歪量が200ppm以上、好ましくは250ppm以上とすることができる。磁歪部材1の磁歪定数及び平行磁歪量を上記の範囲にする場合、単結晶材料が有する磁歪特性の観点から、磁歪部材1をFe−Ga合金の単結晶で形成するのが好ましい。
なお、平行磁歪量は磁歪部材1の長手方向D1に対して平行な磁場を印加し、長手方向D1の磁歪量が飽和したときの磁歪量である。また、垂直磁歪量は磁歪部材1の短手方向D2に対して平行な磁場を印加し、短手方向D2の磁歪量が飽和したときの磁歪量である。本実施形態の磁歪部材1における磁歪定数、平行磁歪量、及び垂直磁歪量は、後に説明する実施例の記載の通りに求めた値であり、磁歪量は式(3)に従い実際の歪検出値をゲージ率で補正して求めた値であり、磁場方向が歪みゲージの長手方向に対して平行であるときの磁歪量を、平行磁歪量とし、磁場方向が歪みゲージ長手方向に対して垂直であるときの磁歪量を、垂直磁歪量とし、磁歪定数は式(1)に従い、平行磁歪量と垂直磁歪量の差で求めた値である。
また、本実施形態の磁歪部材1は、上記の構成により、1つの結晶から製造された複数の磁歪部材1の場合、複数の磁歪部材1における平行磁歪量のばらつきを15%以内とすることができる。
なお、本実施形態において、複数の磁歪部材1における平行磁歪量等のばらつきは、下記の式(2)により算出した値である。
ばらつき(%)=|平均値と最大の外れ値との差|/平均値・・・式(2)
以上のように、本実施形態の磁歪部材1は、磁歪特性を有する鉄系合金の単結晶からなりかつ長手方向D1及び短手方向D2を有する形状の磁歪部材であって、長手方向D1と平行な方向に延びる複数の磁区2が並ぶ領域R1を有し、領域R1は、平行磁歪量が所定量以上となる面積を有する。なお、本実施形態の磁歪部材1において、上記以外の構成は任意の構成である。本実施形態の磁歪部材1は、平行磁歪量が高く、部材間の平行磁歪量のばらつきが少ない特性を有する。また、本実施形態の磁歪部材1は、磁区構造3に基づいて製造するため、従来の同一の単結晶から製造された磁歪部材における平行磁歪量のばらつきが抑制され、歩留まりが高く安定に生産することができる。
次に、磁歪部材の製造方法について説明する。本実施形態の磁歪部材の製造方法は、上記した本実施形態の磁歪部材1の製造方法である。本実施形態の磁歪部材の製造方法は、磁歪特性を有する鉄系合金の単結晶からなりかつ長手方向D1及び短手方向D2を有する磁歪部材1の製造方法であって、単結晶の磁区構造3を取得することと、磁区2の延びる方向が、磁歪部材1の長手方向D1と平行になるように、単結晶を切断することと、を含む。なお、以下の説明では、Fe−Ga合金の単結晶のインゴットから磁歪部材1を製造する方法を一例として説明するが、本実施形態の磁歪部材の製造方法は、以下の説明に限定されない。また、本明細書中の記載のうち、本実施形態の磁歪部材の製造方法に適用可能なものは、本実施形態の磁歪部材の製造方法でも適用されるとする。
図4は、本実施形態に係る磁歪部材の製造方法の一例を示すフローチャートである。図5から図7は、単結晶及び薄板部材の第1から第3の例を示す図である。図8及び図9は、磁区構造取得工程の一例を示す図である。本実施形態の磁歪部材の製造方法は、単結晶用意工程(ステップS1)、単結晶切断工程(ステップS2)、磁区構造取得工程(ステップS3)、及び、切断工程(ステップS4)を備える。
本実施形態の磁歪部材の製造方法では、まず、結晶用意工程(ステップS1)において、磁歪特性を有する鉄系合金の結晶を用意する。用意する結晶は、単結晶が好ましい。また、用意する結晶は、育成したものでもよいし、市販品を用いてもよい。例えば、結晶用意工程では、Fe−Ga合金の単結晶を用意する。Fe−Ga合金の単結晶の育成方法は、特に限定はない。Fe−Ga合金の単結晶の育成方法は、例えば、引き上げ法や一方向凝固法等でもよい。例えば、引き上げ法ではCz法、一方向凝固法ではVB法、VGF法およびマイクロ引き下げ法等を用いることができる。
Fe−Ga合金の単結晶は、ガリウムの含有量を18.5at%又は27.5at%にすることで磁歪定数が極大になる。このため、Fe−Ga合金の単結晶は、ガリウムの含有量が16.0〜20.0at%または25.0〜29.0at%、好ましくは17.0〜19at%または26.0〜28.0at%になるように育成されたものが好ましい。育成された単結晶の形状は、特に限定はなく、例えば、円柱状でもよいし、四角柱状でもよい。なお、育成した単結晶は、必要に応じて種結晶、増径部または肩部(種結晶から所定の単結晶の径まで増やす部分)等を切断装置で切断することによって、円柱状の単結晶にしてもよい。育成する単結晶の大きさは、磁歪部材1が確保できる大きさであれば、特に限定はない。Fe−Ga合金単結晶を育成する場合、単結晶の育成軸の方向が<100>になるように種結晶の上面又は下面を{100}面に加工した種結晶を使用して育成する。育成されるFe−Ga合金単結晶は、種結晶の上面又は下面に対し垂直方向に結晶が育成され、かつ種結晶の方位が継承される。
結晶用意工程(ステップS1)の次に、結晶切断工程(ステップS2)を実施する。結晶切断工程は、結晶を切断し薄板部材を作成する工程である。薄板部材は、本実施形態の磁歪部材1の材料となる部材である。結晶切断工程は、例えば、磁歪特性を有するFe−Ga合金の単結晶を切断装置を用いて切断し、{100}面を主面とする薄板部材を作製する工程である。切断装置は、ワイヤー放電加工機、内周刃切断装置、ワイヤーソー等の切断装置を用いることができる。中でも、特にマルチワイヤーソーを使用することが、同時に複数の薄板部材を切断することができるため好ましい。単結晶の切断方向は、Fe−Ga合金の単結晶の場合、<100>であり、切断面すなわち薄板部材の主面が{100}面となるように切断するのが、磁歪特性を向上させる観点から好ましい。単結晶の切断方向は、例えば、図5から図7に示すように、単結晶の育成方向(結晶が育成される方向)に対し、垂直方向でもよいし、平行方向でもよいが、単結晶の切断方向は、育成方向(結晶が育成される方向)に対し平行方向に切断することが好ましい。この詳細は後述する。
結晶切断工程(ステップS2)の次に、磁区構造取得工程(ステップS3)を実施する。磁区構造取得工程は、薄板部材(単結晶)の磁区構造3を取得する工程である。磁区構造取得工程は、例えば、ビッター法により行う。ビッター法は、簡易的な方法であるため好ましい。なお、磁区構造3の取得は、ビッター法以外の方法により行ってもよく、例えば、Kerr効果顕微鏡による磁区構造3の観察方法、電子顕微鏡による磁区構造3の観察方法等により行ってもよい。また、磁区構造3の取得は、所定の方法及び所定の実験結果等に基づいて予測した磁区構造3を取得することにより行ってもよい。また、磁区構造3の取得は、予め取得された単結晶の磁区構造3の情報を取得してもよく、例えば、他によって取得された単結晶の磁区構造3の情報を取得してもよい。
以下、磁区構造取得工程における磁区構造の取得をビッター法により行う例を説明する。図8及び図9は、ビッター法を用いた磁区構造取得工程の一例を示す図である。
磁区構造取得工程は、例えば、薄板部材(単結晶)を所定の厚さで鏡面状に加工し、その後、ビッター法等により磁区構造3を観察することにより実施する。上記薄板部材の鏡面状の加工は、薄板部材(単結晶)において磁区構造3を観察する面に対して実施する。上記薄板部材の鏡面状の加工は、薄板部材(単結晶)の一面において実施してもよいし、薄板部材の表裏面において実施してもよい。なお、上記薄板部材を鏡面状にする加工の方法は、薄板部材の一面を鏡面状にすることが可能な方法であれば、特に限定されない。例えば、上記薄板部材の鏡面状の加工は、鏡面研磨加工により実施してもよいし、電解研磨により実施してもよい。鏡面研磨加工は、例えば、コロイダルシリカ等を用いて実施してもよいし、バフ研磨仕上げにより実施してもよい。なお、鏡面研磨加工の前に、両面ラップ装置、平面研削盤等を使用して研削加工を行い、薄板部材の厚みや表面状態を整えてもよい。上記のような処理によって薄板部材の面を鏡面状に加工した後、ビッター法による磁区構造3の観察を行う。ビッター法では、例えば、図8に示すように鏡面状に加工した薄板部材の面に磁性粒子を含むコロイド液L(磁性コロイド液)を滴下し、図9に示すようにカバーガラス等の薄いガラス板Gを被せて磁性コロイド液Lを薄く均一に塗布する。そして、図9に示すように、光学顕微鏡MSによってその磁性粒子の描く磁区の像を観察する。
ビッター法により磁区構造3を観察した場合、図2に示すような、[100]、[010]、[001]方位のいずれかに沿って濃淡のストライプ状の像(ストライプ像)が見える。なお、磁区構造3の観察は、薄板部材の両面を行ってもよいが、薄板部材の厚みは薄く磁区構造3は表裏ほぼ同一であるため薄板部材の表裏面のうち1面のみ観察すれば、薄板部材の磁区構造3を十分把握できる。また、磁区構造3の取得(観察)は、薄板部材のうち1枚毎に行ってもよい。また、磁区構造3の取得(観察)は、単結晶における複数の異なる位置から得られた複数枚の薄板部材の磁区構造3を取得し、その結果から単結晶全体の磁区構造3を予測してもよい。例えば、単結晶を複数の薄板部材としたときに、所定の間隔でサンプリングした薄板部材の磁区構造3を取得し、その結果から単結晶全体の磁区構造3を予測してもよい。
ここで、VB法で育成した円柱形状の単結晶を、育成方向に対し垂直方向に切断した薄板部材と、育成方向に対し平行方向に切断した薄板部材とを作製し、それぞれビッター法により磁区構造の観察を行った結果の例を示す。
図10は、単結晶を育成方向に対し垂直方向に切断した薄板部材における磁区構造の一例を模式的に示す図である。ビッター法による観察では、単結晶の育成方向に対して垂直方向に切断した薄板部材の面における磁区構造3A(3)は、例えば図10に示すように、磁区境界B1に隔てられる複数の領域M1〜M5が見られる。磁区境界B1は、平面視において、薄板部材の中央部に四角形状の核を形成する境界と、前記四角形の4つの角のそれぞれから放射方向に4方に延びる形状の境界と、薄板部材の外縁の内側に位置し且つ薄板部材と同心円状の境界と、を有する。領域M1は、平面視において四角形状である。領域M2〜M5は、それぞれ、略扇形の形状である。各領域M1〜M5では、それぞれ、図10に示すような[100]、[010]、[001]方位のいずれかの方位に沿って、濃淡が現れるストライプ像Im1〜Im5(Im)が見られる。
図11は、単結晶を育成方向に対し平行方向に切断した薄板部材における磁区構造の一例を模式的に示す図である。ビッター法による観察では、単結晶の育成方向に対して平行方向に切断した薄板部材の面における磁区構造3B(3)は、例えば図11に示すように、磁区境界B2に隔てられる複数の領域M6、M7が見られる。磁区境界B1は、平面視において、薄板部材の中央部に四角形状の境界を有する。領域M6は、四角形状の領域M7の外側に形成される。各領域M6、M7では、それぞれ、図11に示すような[100]、[010]、[001]方位のいずれかの所定の方位に沿って、濃淡が現れるストライプ像Im6〜Im7(Im)が見られる。
上記したGa濃度の均一なFe−Ga合金の単結晶から切り出して作成した複数の磁歪部材に関する平行磁歪量のばらつきは、図10及び図11に示すような不均一な磁区構造が単結晶に存在するためであると推定される。
磁区構造取得工程(ステップS3)の次に、切断工程(ステップS4)を実施する。切断工程は、薄板部材を切断して、上記した本実施形態の磁歪部材1を得る工程である。切断工程は、磁区構造取得工程において取得した単結晶(薄板部材)の磁区構造3に基づいて行う。切断工程は、例えば、切断装置を用いて行う。切断装置は、特に限定されず、例えば、外周刃切断装置、ワイヤー放電加工機、ワイヤーソー等使用できる。
切断工程では、磁歪部材1の長手方向D1が磁化容易軸に対して平行となるように、薄板部材を切断することが、磁歪特性の観点から好ましい。切断工程により得る磁歪部材1の形状は、本発明の趣旨を逸脱しないものであれば、特に限定されず、例えば、平面視において長方形状又は正方形状でもよいし、全体の形状が板状、円柱状、不定形のいずれでもよい。磁歪部材1の形状は、平面視において長方形状である板状であるのが、磁歪特性の観点から好ましい。また、切断工程により得る磁歪部材1の大きさも、本発明の趣旨を逸脱しないものであれば、特に限定されない。
切断工程では、上述の通り、薄板部材(単結晶)の磁区構造に対して、磁歪部材を採取する方向が重要となる。切断工程では、複数の磁区2の延びる方向が磁歪部材1の長手方向D1と平行になるように、薄板部材を切断する。切断工程では、磁歪部材1の長手方向D1と平行な方向に延びる複数の磁区2が並ぶ領域R1を含む磁歪部材1を得るように、薄板部材を切断する。切断工程では、磁歪部材1の平行磁歪量が所定量以上となるような領域R1の割合(面積)を有する磁歪部材1を得るように、薄板部材を切断するのが好ましい。上記したように、磁歪部材1において、領域R1の割合と平行磁歪量とは相関関係がある。上記領域R1の割合及び平行磁歪量が所定量は、それぞれ、領域R1の割合と平行磁歪量とは相関関係に基づいて設定することができる。例えば、切断工程では、領域R1を含む面において領域R1の割合が、領域R1を含む面の全体の面積に対して好ましくは30%以上、より好ましくは70%以上となる磁歪部材1を得るように、薄板部材を切断することにより、平行磁歪量が高位で、部材間のばらつきの少ない磁歪部材1を得ることができる。また、薄板部材(単結晶)から磁歪部材を採取する位置は、磁区構造取得工程により取得した磁区構造に基づいて設定することができる。本実施形態では、磁区構造取得工程により取得した磁区構造に基づいて薄板部材を切断することにより、上記のような複数の磁区2の延びる方向が長手方向D1と平行な磁歪部材1、及び、所定の領域R1を有する磁歪部材1を確実に得ることができる。
図12(A)及び(B)は、切断工程の例を示す図である。図12(A)は、図10に示した単結晶の育成方向に対し平行方向に切断した部材を切断して、磁歪部材1を得る例を示す。図12(B)は、図10に示した単結晶の育成方向に対し垂直に切断した部材を切断して、磁歪部材1を得る例を示す。
切断工程では、図12(A)に示すように単結晶の育成方向に対し平行方向に切断した部材を切断して磁歪部材1を得てもよいし、図12(B)に示すように単結晶の育成方向に対し垂直方向に切断した部材を切断して磁歪部材1を得てもよい。中でも、単結晶の育成方向に対し平行方向に切断した部材を切断して磁歪部材1を得ることが好ましい。この理由は、以下の通りである。単結晶の育成軸方向に対して平行に切断した部材の磁区構造は、図12(A)に示すように単結晶の育成軸方向において(図の上下方向において)2段様の構造となる領域M6、M7に分離される。このため、上段の部分を含む領域M6においては磁歪部材1の長手方向D1が単結晶の育成軸方向(図の上下方向)になるように単結晶(薄板部材)を切断し、下段部分を含む領域M7においては磁歪部材1の長手方向D1が単結晶の育成軸方向と直交する方向(図の左右方向、横方向)になるように単結晶(薄板部材)を切断すると、磁歪部材1の大きさにもよるが、単結晶の育成軸方向に対して平行に切断した薄板部材の方が、上記した2段様の構造の領域M6、M7のそれぞれの磁区構造3に対して、磁歪部材1における複数の磁区2の延びる方向を長手方向D1に設定しやすくなるため、磁歪部材1を効率よく薄板部材から採取できる。
以上のように、本実施形態の磁歪部材の製造方法は、磁歪特性を有する鉄系合金の単結晶からなりかつ長手方向D1及び短手方向D2を有する形状の磁歪部材1の製造方法であって、単結晶の磁区構造3を取得することと、磁区2の延びる方向が、磁歪部材1の長手方向D1と平行になるように、単結晶を切断することと、を含む。なお、本実施形態の磁歪部材の製造方法において、上記以外の構成は任意の構成である。本実施形態の磁歪部材の製造方法は、平行磁歪量が高く、部材間の平行磁歪量のばらつきが少ない特性を有する磁歪部材1を製造することができる。
従来、同一の単結晶から採取した磁歪部材において、単結晶からの磁歪部材の採取位置によって、平行磁歪量のばらつきがあり、平行磁歪量が高位の磁歪部材を選定していたが、本実施形態の磁歪部材の製造方法では、磁区構造を取得し、取得した磁区構造に基づいて、磁歪部材を製造するため、平行磁歪量が高く且つ部材間における平行磁歪量のばらつきが少ない特性を有する磁歪部材を、歩留まりが高く確実に生産することができる。
次に、磁歪部材の製造方法の他の例について説明する。なお、本明細書中の記載のうち、他の例に係る磁歪部材の製造方法に適用可能なものは、他の例に係る磁歪部材の製造方法でも適用されるとする。
他の例に係る磁歪部材の製造方法は、磁歪特性を有する鉄系合金の単結晶からなり、かつ、長手方向及び短手方向を有する形状の磁歪部材の製造方法であって、単結晶の磁区構造を取得することと、複数の磁区2の延びる方向が磁歪部材1の長手方向D1と平行な領域R1の面積(割合)を調整することにより、平行磁歪量を所定量以上とした磁歪部材1を得ることと、を含む。
複数の磁区2の延びる方向が磁歪部材1の長手方向D1と平行な領域R1の面積を調整することにより、平行磁歪量を所定量以上とした磁歪部材1を得ることは、上記した領域R1の割合と平行磁歪量との相関関係に基づいて、上記したステップS4の切断工程を行うことによって、実施することができ、例えば、磁歪部材1における領域R1の割合を、上述のように、領域R1を含む面の全体の面積に対して好ましくは30%以上、より好ましくは70%以上となる磁歪部材1を得るように調整して、薄板部材を切断することで実施することができる。なお、上記所定量は、上記した領域R1の割合と平行磁歪量との相関関係に基づいて設定される値であれば、任意である。
他の例に係る磁歪部材の製造方法においても、平行磁歪量が高く、部材間の平行磁歪量のばらつきが少ない特性を有する本実施形態の磁歪部材1を得ることができる。
次に、磁歪部材の評価方法について説明する。なお、本明細書中の記載のうち、磁歪部材の評価方法に適用可能なものは、磁歪部材の評価方法でも適用されるとする。
本実施形態に係る磁歪部材の評価方法は、磁歪特性を有する鉄系合金の単結晶からなり、かつ、長手方向及び短手方向を有する形状の磁歪部材の評価方法であって、磁歪部材において、長手方向D1と平行な方向に延びる複数の磁区2が並ぶ領域R1の面積が基準値を超える場合に、磁歪部材の平行磁歪量が良好であると評価することと、を備える。
磁歪部材において、長手方向D1と平行な方向に延びる複数の磁区2が並ぶ領域R1の面積が基準値を超える場合に、磁歪部材の平行磁歪量が良好であると評価することは、上記した領域R1の割合と平行磁歪量との相関関係に基づいて実施することができ、例えば、領域R1の割合と平行磁歪量との相関関係に基づいて上記の基準値を30%として、磁歪部材1における領域R1の割合が、基準値である30%を超える場合に、磁歪部材の平行磁歪量が良好であると評価することができる。なお、領域R1の割合は、上記したビッター法等による磁区構造3の観察方法により求めることができる。なお、上記基準値は、上記した領域R1の割合と平行磁歪量との相関関係に基づいて設定される値であれば、任意である。
本実施形態に係る磁歪部材の評価方法によれば、平行磁歪量が高位で、且つ部材間のばらつきが少ない磁歪部材を判別することができる。
以下、本発明の実施例を用いて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない
[実施例1]
化学量論比で鉄とガリウムの比率81:19で原料を調整し、垂直ブリッジマン(VB)法で育成した円柱状のFe−Ga合金の単結晶を用意した。単結晶の育成軸方向は<100>とした。結晶育成軸方向に垂直な単結晶の上面または下面の{100}面をX線回折により方位確認した。なお、この時、島津シーケンシャル形プラズマ発光分析装置(ICPS−8100)で結晶の上面及び下面サンプルを測定した結果、単結晶の濃度は、ガリウムの含有量が17.5〜19.0at%であった。
次のようにして、育成した単結晶から磁歪部材を製造した。初めに、遊離砥粒式ワイヤーソー装置を用いて、単結晶育成方向に対し平行方向(<100>方位に対して平行)に単結晶を切断し、切断面すなわち主面が{100}である薄板部材を作製した。次いで、得られた薄板部材に対して、平面研削盤により平面研削加工を施し、薄板部材の厚み及び表面を整えた。次いで、平面研削加工を施した薄板部材の両面に対して、コロイダルシリカを用いた鏡面研磨加工を施した。
鏡面研磨加工を施した薄板部材の磁区構造を観察し取得した。磁区構造の観察は、ビッター法により行った。ビッター法は、株式会社シグマハイケミカル製の磁性粒子を含むコロイド液を用いて行った。ビッター法による磁区構造の観察により、図11に示すような、薄板部材上に上方が<100>方位に沿って配列したストライプ像、下方が<100>方位に対し垂直方向に沿って配列したストライプ像を確認した。確認したストライプ像に磁歪部材の長手方向が沿うように長手方向の寸法16mm×短手の寸法4mm×厚み1mmの大きさの磁歪部材を切り出した。
次に、切り出した磁歪部材について磁歪特性を測定した。磁歪特性の測定は、歪みゲージ法で実施した。図13に示すように、製造した磁歪部材の主面である{100}面に、歪みゲージ(共和電業株式会社製)を接着剤により接着した。なお、歪みゲージの長手方向が磁歪の検出方向となるため、歪みゲージの長手方向を、磁歪部材の長手方向ならびに<100>方位と平行になるように接着した。
磁歪測定器(共和電業株式会社製)は、ネオジム系の永久磁石、ブリッジボックス、コンパクトレコーディングシステム、ストレインユニット、ダイナミックデータ集録ソフトウェアで構成した。
磁歪量は、実際の歪検出値をゲージ率で補正して決定した。
なお、ゲージ率は、下式の式(3)とした。
ε=2.00/Ks × εi ・・・式(3)
(ε:ゲージ率, εi:測定ひずみ値, Ks:使用ゲージのゲージ率)
また、磁場方向が歪みゲージの長手方向に対して平行であるときの磁歪量を、平行磁歪量とした。一方で、磁場方向が歪みゲージ長手方向に対して垂直であるときの磁歪量を、垂直磁歪量とした。磁歪定数は式(1)に従い、平行磁歪量と垂直磁歪量の差で決定した。その結果、磁歪部材の平行磁歪量は289ppmであった。なお、磁歪定数は294ppmであった。領域R1の割合及び平行磁歪量の結果を表1及び図14に示す。
また、得られた磁歪部材の表面(1つの面)の面積に対しての磁区構造を示すストライプ像の平行方向が磁歪部材の長手方向である面積の割合(領域R1の割合)を計測し算出した。その結果、領域R1の割合は、78.6%であった。
[実施例2〜13、比較例1〜3]
磁歪部材と同様、薄板部材より採取する位置を変更し実施例2〜13、比較例1〜3の磁歪部材を切り出し、磁区構造観察と磁歪測定を実施した。領域R1の割合及び平行磁歪量の結果を表1及び図14に示す。なお、磁歪定数は200ppm以上であった。また、実施例2〜13の平行磁歪量のばらつきを求めた。その結果を表2に示す。
この結果より、領域R1の割合が全体の面積の約30%以上であれば、平行磁歪量の高く、部材間のばらつきが少ない磁歪部材であることが確認された。
Figure 2021088471
Figure 2021088471
[まとめ]
実施例及び比較例の結果から、本実施形態の磁歪部材の製造方法は、平行磁歪量が高く、部材間における平行磁歪量のばらつきが少ない磁歪部材を製造することができることが確認される。また、実施例及び比較例の結果から、本実施形態の磁歪部材は、平行磁歪量が高く、部材間における平行磁歪量のばらつきが少ないことが確認される。また、実施例及び比較例の結果から、磁歪部材において、領域R1の割合と平行磁歪量との相関関係があることが確認される。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態等で説明した態様に限定されない。上述の実施形態等で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態等で説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態等で引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
1・・・磁歪部材
2・・・磁区
3、3A、3B・・・磁区構造
4・・・表面
5・・・裏面
Im、Im1〜Im7・・・ストライプ像
R1、M1〜M7・・・領域
B、B1、B2・・・磁区境界
D1・・・長手方向
D2・・・短手方向
MS・・・光学顕微鏡
S1・・・結晶用意工程
S2・・・結晶切断工程
S3・・・磁区構造取得工程
S4・・・切断工程

Claims (14)

  1. 磁歪特性を有する鉄系合金の単結晶からなり、かつ、長手方向及び短手方向を有する形状の磁歪部材の製造方法であって、
    前記単結晶の磁区構造を取得することと、
    複数の磁区の延びる方向が、前記磁歪部材の前記長手方向と平行になるように、前記単結晶を切断することと、を含む、磁歪部材の製造方法。
  2. 前記複数の磁区の延びる方向が前記磁歪部材の前記長手方向と平行な領域の面積は、前記領域を含む面において、前記領域を含む面の全体の面積に対して30%以上である、請求項1に記載の磁歪部材の製造方法。
  3. 前記磁歪部材は、前記単結晶の育成方向と平行な方向に切断して得られる、請求項1又は請求項2に記載の磁歪部材の製造方法。
  4. 前記磁区構造の取得は、ビッター法により行う、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の磁歪部材の製造方法。
  5. 前記鉄系合金の単結晶は、Fe−Ga合金であり、
    前記磁歪部材の面の結晶の方位は{100}である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の磁歪部材の製造方法。
  6. 複数の前記磁歪部材を得ることを含み、
    前記複数の磁歪部材は、平行磁歪量が200ppm以上である、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の磁歪部材の製造方法。
  7. 前記複数の磁歪部材は、平行磁歪量のばらつきが15%以内である、請求項6に記載の磁歪部材の製造方法。
  8. 磁歪特性を有する鉄系合金の単結晶からなり、かつ、長手方向及び短手方向を有する形状の磁歪部材の製造方法であって、
    前記単結晶の磁区構造を取得することと、
    磁区の延びる方向が前記磁歪部材の前記長手方向と平行な領域の面積を調整することにより、平行磁歪量を所定量以上とした前記磁歪部材を得ることと、を備える、磁歪部材の製造方法。
  9. 磁歪特性を有する鉄系合金の単結晶からなり、かつ、長手方向及び短手方向を有する形状の磁歪部材の評価方法であって、
    前記磁歪部材において、前記長手方向と平行な方向に延びる複数の磁区が並ぶ領域の面積が基準値を超える場合に、前記磁歪部材の平行磁歪量が良好であると評価することと、を備える、磁歪部材の評価方法。
  10. 磁歪特性を有する鉄系合金の単結晶からなり、かつ、長手方向及び短手方向を有する形状の磁歪部材であって、
    前記長手方向と平行な方向に延びる複数の磁区が並ぶ領域を有し、
    前記領域は、平行磁歪量が所定量以上となる面積を有する、磁歪部材。
  11. 前記所定量は、200ppmである、請求項10に記載の磁歪部材。
  12. 前記領域は、前記領域を含む面において、前記領域を含む面の全体の面積に対して30%以上である、請求項11に記載の磁歪部材。
  13. 前記鉄系合金の単結晶は、Fe−Ga合金であり、
    前記磁歪部材の面の結晶の方位は{100}である、請求項11又は請求項12に記載の磁歪部材。
  14. 前記領域は、ビッター法による磁区構造の観察においてストライプ状に検出される、請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の磁歪部材。
JP2019218549A 2019-12-03 2019-12-03 磁歪部材、磁歪部材の製造方法、及び、磁歪部材の評価方法 Pending JP2021088471A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019218549A JP2021088471A (ja) 2019-12-03 2019-12-03 磁歪部材、磁歪部材の製造方法、及び、磁歪部材の評価方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019218549A JP2021088471A (ja) 2019-12-03 2019-12-03 磁歪部材、磁歪部材の製造方法、及び、磁歪部材の評価方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021088471A true JP2021088471A (ja) 2021-06-10

Family

ID=76219269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019218549A Pending JP2021088471A (ja) 2019-12-03 2019-12-03 磁歪部材、磁歪部材の製造方法、及び、磁歪部材の評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021088471A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Asano et al. Magnetic domain structure and magnetostriction of Fe-Ga single crystal grown by the Czochralski method
Fujieda et al. Growth of Fe-Ga alloy single crystals by the Czochralski method and their application to vibration power generator
Bran et al. Correlation between structure and magnetic properties in CoxFe100− x nanowires: The roles of composition and wire diameter
Kumar et al. Effect of annealing temperature and preparation condition on magnetic anisotropy in nanocrystalline cobalt ferrite
JP2017535062A (ja) Fe−Niに基づくレアアースフリー永久磁性材料
López-Ruiz et al. High temperature finite-size effects in the magnetic properties of Ni nanowires
Ito et al. Shape-controlled crystal growth of Fe-Ga alloys to apply a magnetostrictive vibration energy harvester
Błoch et al. Approach to Ferromagnetic Saturation for the Bulk Amorphous Alloy: (Fe_0.61Co_0.10Zr_0.025Hf_0.025Ti_0.02W_0.02B_0.20)_97Y_3
WO2022224974A1 (ja) 磁歪部材及び磁歪部材の製造方法
JP2021088471A (ja) 磁歪部材、磁歪部材の製造方法、及び、磁歪部材の評価方法
WO2021100467A1 (ja) 磁歪部材及び磁歪部材の製造方法
Nowosielski et al. Microstructure and magnetic properties of commercial barium ferrite powders
Fujieda et al. Influence of Co substitution on magnetostriction and on Young's modulus of Fe-Ga alloy single crystal
US20240099146A1 (en) Magnetostrictive member and method for manufacturing magnetostrictive member
CN109952621B (zh) 稀土-过渡金属系强磁性合金
Fu et al. Effects of annealing temperature on structure and magnetic properties of amorphous Fe61Co27P12 nanowire arrays
Huajun et al. Preparation and magnetic properties of Ni nanorod arrays
JP2022074526A (ja) 磁歪部材及び磁歪部材の製造方法
JP2023095318A (ja) 磁歪部材及び磁歪部材の製造方法
Fujieda et al. Performance of Vibration Power Generators Using Single Crystal and Polycrystal Magnetic Cores of Fe–Ga Alloys
US20240130241A1 (en) Magnetostrictive member and method for manufacturing magnetostrictive member
Prischepa et al. Synthesis and properties of Ni nanowires in porous silicon templates
Dai et al. Giant enhancement of magnetostriction in Pt doped FeGa ribbons
JP2019029502A (ja) 振動発電用磁歪材料
JP2022159777A (ja) 磁歪部材及び磁歪部材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20221116

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20221128