<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるスロットマシン10に本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図であり、図3は筐体11の正面図である。
図2及び図3に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前方に開放された箱状に形成されている。
筐体11の前面側には、図1及び図2に示すように前面扉12が取り付けられている。前面扉12は筐体11の左側部に設けられた軸部15を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14への所定のキーによる解錠操作により解除される。
前面扉12の中央部上寄りには図1に示すように、遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明の材質により形成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
図2及び図3に示すように、筐体11は仕切り板11aによりその内部が上下2分割されており、仕切り板11aの上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L、中リール32M及び右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リール32L,32M,32Rの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
遊技パネル20の下方左側には図1に示すように、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダル及び仮想メダルのいずれかである遊技媒体が所定数以上ベットされているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、遊技媒体の付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲーム(遊技回)に相当する。
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側にはメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、受付許可時であればホッパ装置53へ導かれ、受付禁止時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれる(図1参照)。
ホッパ装置53は、後述するメインラインML上に遊技媒体の付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。ホッパ装置53には、貯留タンクに貯留されたメダルをメダル排出口58に向けて払い出すための払出装置と、当該払出装置から払い出されるメダルを検出するための払出検出センサとが設けられている。メダルを払い出す必要が生じた場合には払出装置が駆動制御されることによりメダルが払い出され、その払い出されるメダルは払出検出センサにて検出される。そして、払出検出センサにて検出されたメダルの数が払い出すべきメダルの数となった場合に払出装置からのメダルの払い出しが停止される。メダル投入口45の下方には、図1に示すように、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。
表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するためのクレジット投入ボタン47が設けられている。本スロットマシン10では一度にベット(すなわち賭け設定)することが可能な遊技媒体(メダル又は仮想メダル)の規定数は「3」である。
現状のベット数が「0」であるとともに3枚以上の仮想メダルが貯留記憶されている状況においてクレジット投入ボタン47が操作された場合には仮想メダルが3枚減少する代わりにベット数が「3」となる。現状のベット数が「1」であるとともに2枚以上の仮想メダルが貯留記憶されている状況においてクレジット投入ボタン47が操作された場合には仮想メダルが2枚減少する代わりにベット数が「3」となる。現状のベット数が「2」であるとともに1枚以上の仮想メダルが貯留記憶されている状況においてクレジット投入ボタン47が操作された場合には仮想メダルが1枚減少する代わりにベット数が「3」となる。
なお、貯留記憶されている仮想メダルの枚数が、ベット可能な数(具体的には「3」)に対する現状のベット数の差よりも少ない状態においてクレジット投入ボタン47が操作された場合には、ベット数がその仮想メダルの枚数分増加するとともに、仮想メダルの枚数が0枚となる。
スタートレバー41の左側には、精算ボタン51が設けられている。本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有している。仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン51を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出されるようになっている。
筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、図2及び図3に示すように、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ55と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン56と、スロットマシン10の設定値を「1」から「6」の範囲で変更するために、遊技ホールの管理者が保有する設定キーが挿入されて操作される設定キー挿入孔57とが設けられている。
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
図4には、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応させて番号が「0」〜「20」まで付されているが、これら番号は後述する主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)の7種類がある。そして、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は異なっている。
図5は、表示窓部21L,21M,21Rの正面図である。各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリール32L,32M,32Rに付された21個の図柄のうち図柄全体が視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、1本のメインラインMLが設定されている。メインラインMLは、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの中段図柄を結んだラインである。規定数の遊技媒体がベットされた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該メインラインML上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、遊技媒体の付与という利益、再遊技という利益及び遊技状態の移行のいずれかが付与される。
つまり、本スロットマシン10では、入賞が成立し得るラインとして1本のメインラインMLのみが設定されている。そして、当該メインラインMLは一直線に延びるラインとして設定されている。したがって、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL1と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL2と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL3と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL4といった1直線に延びるライン上に、入賞対象となる図柄の組合せが成立したとしても、入賞は成立しない。
以下、図6を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。図6は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図である。
遊技媒体の付与が行われる小役入賞としては、第1補填入賞、第2補填入賞、第3補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞、第1スイカ入賞、第2スイカ入賞及びチェリー入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1補填入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第2補填入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第3補填入賞となる。第1〜第3補填入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「1」となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1ベル入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第2ベル入賞となる。第1〜第2ベル入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「11」となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第1スイカ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、第2スイカ入賞となる。第1〜第2スイカ入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「5」となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「チェリー」図柄となった場合、中リール32Mの停止図柄及び右リール32Rの停止図柄がいずれであったとしてもチェリー入賞となる。チェリー入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「2」となる。
遊技媒体をベットすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、通常リプレイ入賞、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、又はメインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、通常リプレイ入賞となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第1RTリプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第2RTリプレイ入賞となる。
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「リプレイ」図柄である場合、第1転落リプレイ入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「リプレイ」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第2転落リプレイ入賞となる。
上記いずれかのリプレイ入賞となった場合、遊技媒体のベットを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる再遊技の特典が付与される。具体的には、「3」の遊技媒体をベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、遊技媒体のベットを不要としながら、「3」の遊技媒体がベットされた状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞は、リプレイ入賞の特典の付与契機となるだけではなく抽選モードの移行契機となる。本スロットマシン10では役の抽選処理(図17)において抽選対象となる役の種類及び各役の当選確率が相違するように複数種類の抽選モードが設定されており、これら抽選モード間の移行は抽選モードの移行契機となるリプレイ入賞が成立した場合に発生する。各抽選モードの内容及び各抽選モードへの移行条件については後に詳細に説明する。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞として、第1BB入賞、第2BB入賞、第3BB入賞、第4BB入賞、第1RB入賞及び第2RB入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、第1BB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄である場合、第2BB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄である場合、第3BB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、第4BB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、第1RB入賞となる。メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄であり中リール32Mの停止図柄が「白7」図柄であり右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、第2RB入賞となる。
第1BB入賞、第2BB入賞、第3BB入賞又は第4BB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。また、第1RB入賞又は第2RB入賞が成立した場合には、遊技状態がRB状態に移行する。BB状態及びRB状態はいずれもボーナス状態に該当する。ボーナス状態は、ボーナス状態以外の遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待数が高くなる遊技状態である。具体的には、第1ベル入賞の成立を可能とさせる役に他の遊技状態の場合よりも高い確率(例えば約1/1.5)で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42〜44の停止操作タイミングとは無関係に第1ベル入賞が成立することとなる。一方、ボーナス状態において1ゲームを開始させるために必要な遊技媒体数は他の遊技状態と同一となっている。したがって、ボーナス状態においてはボーナス状態以外の遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の純増期待値が高くなる。なお、ボーナス状態において1ゲームを開始させるために必要な遊技媒体数が他の遊技状態よりも少ない構成としてもよく、ボーナス状態においてはボーナス状態以外の遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の純増期待値が高くなるのであればボーナス状態において1ゲームを開始させるために必要な遊技媒体数が他の遊技状態よりも多い構成としてもよい。
ボーナス状態のうちBB状態は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、本スロットマシン10ではBB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がBB終了基準数(具体的には「350」)以上となることが終了条件として設定されている。なお、BB状態において実行されたゲーム数がBB終了基準ゲーム数となった場合に当該終了条件が成立する構成としてもよい。
ボーナス状態のうちRB状態は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、本スロットマシン10ではRB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がRB終了基準数(具体的には「150」)以上となることが終了条件として設定されている。このRB終了基準数はBB終了基準数よりも少ない数となっている。したがって、BB状態の方がRB状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、RB状態において実行されたゲーム数がRB終了基準ゲーム数となった場合に当該終了条件が成立する構成としてもよい。この場合、RB終了基準ゲーム数をBB終了基準ゲーム数よりも少ない数とすることにより、BB状態の方がRB状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態とすることが可能となる。
次に、各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。
前面扉12の上部には、図1に示すように、上部ランプ61及びスピーカ62が設けられているとともに画像表示装置63が設けられている。上部ランプ61は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ61は、画像表示装置63における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ62は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ62は、画像表示装置63における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。
画像表示装置63は表示面を有しており、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されているが、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が当該表示面にて表示されるように表示制御される。また、画像表示装置63は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が表示面にて表示されるように表示制御される。つまり、画像表示装置63では表示演出が実行される。
前面扉12の遊技パネル20には、表示窓部21L,21M,21Rの下方の位置に、貯留記憶された仮想メダルの数の表示が行われるとともに、スロットマシン10の設定値の更新又は確認が行われる場合に当該設定値の表示が行われるクレジット表示部65と、小役入賞時に付与対象となった遊技媒体数を表示するとともに画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合にその報知される内容に対応した表示が行われる兼用表示部66と、遊技区間が有利区間であることに対応した表示が行われる有利区間表示部67とが設けられている。クレジット表示部65は、横方向に並設された左側セグメント表示器65a及び右側セグメント表示器65bを備えている。各セグメント表示器65a,65bは、7セグメント表示器であり、これらのセグメント表示器65a,65bの各セグメントには緑色などの単色発光タイプのLEDが用いられている。
図7(a)は兼用表示部66及び有利区間表示部67が設けられた共通表示領域68の正面図である。共通表示領域68には、図7(a)に示すように7セグメント表示器である左側セグメント表示器66a及び右側セグメント表示器66bが横方向に並設された兼用表示部66と、1個の発光部からなる有利区間表示部67とが集約されている。
遊技媒体の付与に対応するいずれかの小役入賞(第1〜第3補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞、第1スイカ入賞、第2スイカ入賞又はチェリー入賞)が成立した場合には、その小役入賞が成立したゲームの終了時にその小役入賞に対応する遊技媒体の付与数が兼用表示部66にて表示される。具体的には、第1〜第3補填入賞のいずれかが成立した場合には左側セグメント表示器66aは非表示となるとともに右側セグメント表示器66bに「1」が表示されることによって「1」の遊技媒体が付与されたことが報知される。第1ベル入賞及び第2ベル入賞のいずれかが成立した場合には左側セグメント表示器66a及び右側セグメント表示器66bのそれぞれに「1」が表示されることによって「11」の遊技媒体が付与されたことが報知される。また、第1スイカ入賞及び第2スイカ入賞のいずれかが成立した場合には左側セグメント表示器66aは非表示となるとともに右側セグメント表示器66bに「5」が表示されることによって「5」の遊技媒体が付与されたことが報知される。また、チェリー入賞が成立した場合には左側セグメント表示器66aは非表示となるとともに右側セグメント表示器66bに「2」が表示されることによって「2」の遊技媒体が付与されたことが報知される。
一方、いずれかのリプレイ入賞、いずれかのBB入賞及びいずれかのRB入賞といった遊技媒体が付与されない入賞が成立したとしても、その入賞に対応する表示が兼用表示部66にて行われることはなく、この場合には各セグメント表示器66a,66bは非表示の状態に維持される。兼用表示部66における遊技媒体の付与数の表示は、その表示が行われたゲームの次のゲームの開始に際して終了され、当該次のゲームの開始タイミングにおいて各セグメント表示器66a,66bは非表示の状態となる。
画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序を報知する停止順報知が行われる場合には、兼用表示部66にて停止順対応表示が行われる。停止順対応表示では、画像表示装置63において報知される停止順序に対応する情報が兼用表示部66にて表示される。図7(b)は兼用表示部66にて表示される停止順序に対応する情報の内容を説明するための説明図である。図7(b)に示すように、本スロットマシン10では画像表示装置63にて報知されるリール32L,32M,32Rの停止順序として、第1停止が左リール32Lであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が左リール32Lであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が左リール32Lである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が左リール32Lである停止順序と、第1停止が左リール32Lであり残りが任意である停止順序と、第1停止が中リール32Mであり残りが任意である停止順序と、第1停止が右リール32Rであり残りが任意である停止順序と、が存在している。
画像表示装置63における停止順報知は、役の抽選処理にて第1ベル当選データを含む役に当選した場合、第1RTリプレイ当選データを含む役に当選した場合、第2RTリプレイ当選データを含む役に当選した場合、第1転落リプレイ当選データを含む役に当選した場合又は第2転落リプレイ当選データを含む役に当選した場合に実行され得る。具体的には、第1ベル当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第1ベル入賞が成立する。そして、第1ベル入賞が成立した場合には既に説明したとおり「11」の遊技媒体が遊技者に付与される。
第1RTリプレイ当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第1RTリプレイ入賞が成立する。そして、第1RTリプレイ入賞が成立した場合には抽選モードが通常モードよりもいずれかのリプレイ当選データを含む役に当選し易い(すなわちいずれかのリプレイ入賞が成立し易い)第1RTモードに移行する。また、第2RTリプレイ当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第2RTリプレイ入賞が成立する。そして、第2RTリプレイ入賞が成立した場合には抽選モードが第1RTモードよりもいずれかのリプレイ当選データを含む役に当選し易い(すなわちいずれかのリプレイ入賞が成立し易い)第2RTモードに移行する。
第1転落リプレイ当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第1転落リプレイ入賞が回避される。第1転落リプレイ入賞が成立した場合には抽選モードが第1RTモードから通常モードに移行してしまうが第1転落リプレイ入賞の成立を回避することでこの通常モードへの移行を回避することができる。また、第2転落リプレイ当選データを含む役に当選した場合、上記各停止順序のうち今回の当選役に対応する停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に第2転落リプレイ入賞が回避される。第2転落リプレイ入賞が成立した場合には抽選モードが第2RTモードから第1RTモードに移行してしまうが第2転落リプレイ入賞の成立を回避することでこの第1RTモードへの移行を回避することができる。
上記停止順序のいずれかが画像表示装置63にて報知される場合には、兼用表示部66における左側セグメント表示器66aは非表示の状態が維持される一方、右側セグメント表示器66bにてその報知対象の停止順序に対応する停止順対応表示が行われる。この表示内容は図7(b)に示す通りであり、画像表示装置63における停止順序の報知内容に対して兼用表示部66の停止順序の表示内容が1対1で対応させて設定されている。但し、これに限定されることはなく、画像表示装置63における停止順序の報知内容の一部又は全部に対しては兼用表示部66の複数種類の表示内容が対応させて設定されている構成としてもよい。
兼用表示部66における停止順序の表示内容は、兼用表示部66にて遊技媒体の付与に対応する表示が行われる場合に表示対象となる表示内容と相違している。これにより、兼用表示部66にて表示されている内容が、遊技媒体の付与数に対応しているのか、それともリール32L,32M,32Rの停止順序に対応しているのかを区別し易くなる。
図8(a)及び図8(b)は画像表示装置63における停止順序の報知内容と兼用表示部66における停止順序の表示内容との関係を説明するための説明図である。
画像表示装置63において停止順報知が行われる場合、図8(a)に示すように、画像表示装置63にはゲームを終了させるために必要な停止操作の回数と同数の単位表示画像G1〜G3が表示され、各単位表示画像G1〜G3においてリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われる。具体的には左リール32Lに対応する左単位表示画像G1と、中リール32Mに対応する中単位表示画像G2と、右リール32Rに対応する右単位表示画像G3とが表示される。そして、図8(a)においては第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである場合の停止順序が報知される様子を示しているため、左単位表示画像G1には左リール32Lの停止順序に対応する「2」の画像が表示され、中単位表示画像G2には中リール32Mの停止順序に対応する「1」の画像が表示され、右単位表示画像G3には右リール32Rの停止順序に対応する「3」の画像が表示される。
画像表示装置63においては上記のようにリール32L,32M,32Rの停止順序そのものを報知する画像が表示されるのに対して、兼用表示部66では図8(b)に示すように、上記リール32L,32M,32Rの停止順序に対応する「L」の表示が行われる。つまり、画像表示装置63においてはリール32L,32M,32Rの数に対応する単位表示画像G1〜G3が表示されるとともに各単位表示画像G1〜G3において対応するリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われるのに対して、兼用表示部66ではリール32L,32M,32Rの数とは無関係な表示が行われる。これにより、兼用表示部66においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知内容に対応する表示が行われるとしても、画像表示装置63における表示内容に遊技者を注目させることが可能となる。
兼用表示部66の表示範囲は画像表示装置63の表示範囲よりも狭い範囲となっている。この点からも、画像表示装置63に比べて兼用表示部66に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。また、兼用表示部66は、リール32L,32M,32Rを視認可能とする表示窓部21L,21M,21Rを挟んで画像表示装置63側とは逆側に存在している。これにより、画像表示装置63に対して兼用表示部66が離間された位置に配置されることとなり、これによっても兼用表示部66に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
リール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、役の当否判定が行われた後に画像表示装置63にて停止順報知が開始される。その後、リール32L,32M,32Rの停止操作が有効化されるタイミングで兼用表示部66における停止順対応表示が開始される。これら画像表示装置63における停止順報知及び兼用表示部66における停止順対応表示は、停止順報知及び停止順対応表示の実行対象となったゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rに対して停止指令が発生した場合に終了される。なお、画像表示装置63における停止順報知及び兼用表示部66における停止順対応表示が同時又は略同時に開始される構成としてもよく、これら停止順報知及び停止順対応表示の開始順序が逆であってもよい。
兼用表示部66は共通表示領域68において中央側に配置されているのに対して、有利区間表示部67は共通表示領域68の隅角側に配置されている。有利区間表示部67は、遊技区間が通常区間及び有利区間のうち有利区間であることを報知するための表示部である。有利区間とは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に当選した場合に遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される区間、及び遊技者にとって有利な遊技状態であるART状態への移行確率が通常区間よりも高くなる区間のいずれかに該当する区間である。一方、通常区間とは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に当選した場合に遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない区間であって、遊技者にとって有利な遊技状態であるART状態への移行確率が有利区間よりも低くなる区間又はART状態への移行が発生しない区間である。
通常区間において有利区間への移行条件が成立して有利区間に移行した場合に、有利区間表示部67が点灯状態となることにより有利区間であることの報知が開始される。また、有利区間において通常区間への移行条件が成立して通常区間に移行した場合に、有利区間表示部67が消灯状態となることにより有利区間であることの報知が終了される。これにより、有利区間であることを遊技ホールの管理者等に報知することが可能となる。また、共通表示領域68に集約させて設けられる兼用表示部66は、遊技媒体の付与が発生した場合に点灯状態とされ次のゲームの開始に際して消灯状態とされるとともに、リール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置63にて表示される場合に点灯状態とされそのゲームにおいて全てのリール32L,32M,32Rに対して停止指令が発生したタイミングで消灯状態とされる。したがって、有利区間表示部67を共通表示領域68内に配置することで遊技者にとって目立ち過ぎるものとなってしまうことを抑えた構成において、有利区間である状況では共通表示領域68において有利区間表示部67のみが点灯状態となっている状況を積極的に生じさせることが可能となり、遊技ホールの管理者にとって有利区間表示部67の確認の容易化が図られる。
なお、有利区間においては有利区間表示部67の点灯状態が維持される構成に代えて有利区間においては有利区間表示部67にて所定の周期で点滅表示が行われる構成としてもよい。また、兼用表示部66及び有利区間表示部67として、液晶表示装置などの他の表示器を用いてもよい。
スロットマシン10には、各種制御装置が設けられている。具体的には、図3に示すように、リールユニット31の上方には、主制御装置70が設けられている。当該主制御装置70は、筐体11の背面部を生じさせる背板11bに取り付けられている。主制御装置70は、主制御基板71が基板ボックス81に収容されて構成されている。主制御基板71の一方の板面である素子搭載面には、MPU72と、遊技履歴の管理結果を報知するための表示が行われる比率表示器85と、が搭載されている。基板ボックス81は当該基板ボックス81の外部から当該基板ボックス81内に収容されたMPU72及び比率表示器85を目視することが可能となるように透明に形成されている。なお、基板ボックス81は無色透明に形成されているが、基板ボックス81の外部から当該基板ボックス81内に収容されたMPU72及び比率表示器85を目視することが可能であれば有色透明に形成されていてもよい。主制御装置70は基板ボックス81において主制御基板71の素子搭載面と対向する対向壁部82がスロットマシン10前方を向くようにして筐体11の背板11bに搭載されている。したがって、前面扉12を筐体11に対してスロットマシン10前方に開放させて筐体11の内部空間を露出させることにより、基板ボックス81の対向壁部82を目視することが可能となるとともに当該対向壁部82を通じてMPU72及び比率表示器85を目視することが可能となる。
図9は比率表示器85の正面図である。図9に示すように、比率表示器85の表示面には、識別子表示部86及び比率表示部87が横方向に並設されている。識別子表示部86は、7セグメント表示器である左側セグメント表示器86a及び右側セグメント表示器86bと、識別子用の補助表示部86cとを備えている。また、比率表示部87は、7セグメント表示器である左側セグメント表示器87a及び右側セグメント表示器87bと、比率用の補助表示部87cとを備えている。各セグメント表示器86a,86b,87a,87bにおいては「0」〜「9」の数字だけではなく、アルファベット文字を含めた各種文字が表示される。スロットマシン10では、比率表示器85を利用して遊技履歴の管理結果が報知されるが、この報知内容については後に詳細に説明する。比率表示器85の表示面で行われる遊技履歴の管理結果の表示は、基板ボックス81の対向壁部82を通じて視認可能となる。なお、比率表示器85は、液晶表示装置であってもよく、有機ELディスプレイであってもよい。
図3に示すように、基板ボックス81は複数のケース体を前後に組合せることにより形成されているが、これら複数のケース体には、これらケース体の分離を阻止するとともにこれらケース体の分離に際してその痕跡を残すための結合部83が設けられている。結合部83は、略直方体形状の基板ボックス81における一辺に複数並設されている。これにより、一部の結合部83を利用してケース体の分離を阻止している状態において当該一部の結合部83を破壊してケース体を分離したとしても、その後に別の結合部83を結合状態とすることでケース体の分離を再度阻止することが可能となる。また、ケース体の分離に際して結合部83が破壊されてその痕跡が残ることにより、結合部83を目視確認することでケース体の分離が不正に行われているか否かを把握することが可能となる。また、基板ボックス81において結合部83が並設された一辺とは別の一辺にはケース体間の境界を跨ぐようにして封印シール84が貼り付けられている。封印シール84はその引き剥がしに際して粘着層がケース体に残る。これにより、ケース体の分離に際して封印シール84が剥がされた場合にはその痕跡を残すことが可能となる。
スロットマシン10には図2に示すように、主制御装置70以外にも演出制御装置90が設けられている。演出制御装置90は、前面扉12において画像表示装置63の後方に重ねて配置されている。演出制御装置90は、主制御装置70から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63の制御を実行する。なお、演出制御装置90は、主制御装置70と同様に、基板ボックス内に制御基板が収容されてなる。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置70の主制御基板71には既に説明したとおりMPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、そのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、クロック回路から出力されるクロック信号に基づいて乱数を所定の数値範囲内において順次更新する乱数回路75と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路とが設けられている。また、それ以外にもMPU72には、割込回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、リールユニット31、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、クレジット投入ボタン47の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ47a、前面扉12の開放状態を検出する扉開放検出センサ48a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、ホッパ装置53の払出検出センサ、電源装置54に設けられたリセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ及び設定キー挿入孔57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。
MPU72の出力側には、リールユニット31、セレクタ52に設けられたセレクタ駆動部52a、ホッパ装置53の払出モータ、クレジット表示部65、兼用表示部66、有利区間表示部67及び演出制御装置90等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU72により行われる。セレクタ52は、メダル投入口45から投入されたメダルを、受付許可時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させた後にホッパ装置53へ導き、受付禁止時であれば投入メダル検出センサ45aにて検出させることなくメダル受け皿59へ排出する機能を有する。セレクタ駆動部52aはセレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換えるための機能を有しており、具体的にはセレクタ52に設けられた通路切換片を受付許可用の位置と受付禁止用の位置との間で動作させる。MPU72はセレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力状態及び停止状態を切り換えることにより、セレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換える。
MPU72は、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御を実行する。また、MPU72は、貯留記憶された仮想メダルの数の表示が行われるようにクレジット表示部65を表示制御する。また、MPU72は、スロットマシン10の設定値の更新又は確認が行われる状況においては当該設定値の表示が行われるようにクレジット表示部65を表示制御する。また、MPU72は、遊技媒体の付与が発生した場合にはその付与対象となった遊技媒体の数が表示されるように兼用表示部66を表示制御する。また、MPU72は、有利区間である場合において報知開始契機が発生した場合に有利区間であることの報知が行われるように有利区間表示部67を表示制御する。また、MPU72は、各ゲームの各タイミングで演出制御装置90にコマンドを送信するとともに、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序を報知させるためのコマンドを演出制御装置90に送信する場合にはその報知させる内容に対応した表示が行われるように兼用表示部66の表示制御を実行する。この場合、画像表示装置63の直接的な表示制御は演出制御装置90により行われるのに対して、兼用表示部66の直接的な表示制御はMPU72により行われる。つまり、相対的に複雑な表示制御の実行対象となる画像表示装置63については演出制御装置90において直接的な表示制御が実行され、相対的に簡素な表示制御の実行対象となる兼用表示部66についてはMPU72において直接的な表示制御が実行される。これにより、MPU72の処理負荷の軽減を図りながら、演出への注目度の向上を重視した表示と、信頼性を重視した表示との両方を行うことが可能となる。MPU72は、遊技の管理結果に対応する表示が行われるように比率表示器85を表示制御する。
MPU72の出力側には、MPU72から外部装置であるデータカウンタDCへの信号出力を中継する外部端子板95が接続されている。MPU72は外部端子板95を介して、遊技媒体の投入数、遊技媒体の付与数、遊技状態及び遊技区間に関する情報をデータカウンタDCに出力する。
MPU72の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU72に停電信号を出力する。MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM74に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM74においてデータが記憶保持される。
演出制御装置90は、各種報知や各種演出の実行を制御するための演出制御基板91を備えている。演出制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92には、当該MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM93、及びそのROM93内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM94が内蔵されているとともに、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路、割込回路、データ入出力回路及び乱数発回路などが内蔵されている。
なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM94には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給されないが、RAM94に対してバックアップ電力が供給される構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、既に説明したとおり主制御装置70のMPU72が接続されており、当該MPU72から各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63が接続されている。MPU92は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御、及び画像表示装置63の表示制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。
演出制御基板91には、図示は省略するが、MPU92の他に、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、キャラクタROM、及びビデオRAM等が搭載されている。VDPは、画像表示装置63に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDPは、ビデオRAMのデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAMに記憶させる画像データを、キャラクタROMから所定のタイミングで読み出して画像表示装置63に表示させる。キャラクタROMは、画像表示装置63に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROMには、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。ビデオRAMは、画像表示装置63に表示させる表示データを記憶するためのメモリである。MPU92は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき演出の実行内容を決定した場合、その決定した演出の実行内容に従って、各更新タイミングに対応する画像の内容を指示する描画リストをVDPに出力する。VDPは、当該描画リストに従ってキャラクタROMから画像データを読み出し、その読み出した画像データを利用してビデオRAMに表示データを作成する。そして、VDPは、その作成した表示データに対応する画像信号を画像表示装置63に出力することで、当該画像表示装置63にその表示データに対応する画像を表示させる。
なお、以下の説明では説明の便宜上、主制御装置70のMPU72、ROM73及びRAM74をそれぞれ主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、演出制御装置90のMPU92、ROM93及びRAM94をそれぞれ演出側MPU92、演出側ROM93及び演出側RAM94という。
次に、主側MPU72にて実行される処理についての説明に先立ち、主側MPU72にて実行される特定制御及び非特定制御について説明する。主側MPU72は特定制御と非特定制御とに区別して各種制御を実行する。具体的には、遊技履歴の管理に関する制御、電源投入後に主側RAM74に記憶されているデータの異常の有無を確認するための制御、及び主側RAM74において非特定制御を実行するためのデータが記憶されるエリアを初期化する制御が非特定制御とされ、遊技者による遊技操作に基づき遊技を進行させるための制御を含めて非特定制御以外の制御が特定制御とされている。
図11は主側ROM73におけるプログラム及びデータの設定態様を説明するための説明図である。主側MPU72にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、図11に示すように、主側ROM73においても特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとが記憶されているエリアのアドレスが明確に区別されている。
具体的には、アドレスX(1)〜X(k+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(1)〜X(k+2)に連続するアドレスX(k+3)〜X(k+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(k+6)〜X(m+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のデータが集約して記憶されている。また、アドレスX(k+6)〜X(m+2)に連続するアドレスX(m+3)〜X(m+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(m+6)〜X(n+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(m+6)〜X(n+2)に連続するアドレスX(n+3)〜X(n+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(n+6)〜X(p+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のデータが集約して記憶されている。なお、上記のようなプログラム及びデータとアドレスとの関係は、主側ROM73における物理アドレス及び主側MPU72において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。
上記のように特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとが、対応する制御を実行するための処理の実行順序とは関係なく、異なる範囲のアドレスのエリアに記憶されていることにより、例えば特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータのみをチェックする場合にはこれら特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータが記憶されたアドレス範囲のエリアのみをチェックすればよく、例えば非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータのみをチェックする場合にはこれら非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータが記憶されたアドレス範囲のエリアのみをチェックすればよい。よって、プログラム及びデータを特定制御と非特定制御とで区別してチェックする場合の作業を効率的に行うことが可能となる。また、それに伴ってプログラム及びデータを特定制御と非特定制御とで区別して修正する場合の作業を効率的に行うことが可能となる。
特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータが記憶されたエリアのアドレス範囲と、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータが記憶されたエリアのアドレス範囲との間に何らデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレス範囲が設定されていることにより、特定制御用のアドレス範囲と非特定制御用のアドレス範囲との境界をチェック作業に際して把握し易くなる。
特定制御用のアドレス範囲及び非特定制御用のアドレス範囲のそれぞれにおいて、プログラムとデータとが、対応する制御を実行するための処理の実行順序とは関係なく、異なる範囲のアドレスのエリアに記憶されていることにより、プログラムとデータとで区別してチェックする場合の作業を効率的に行うことが可能となる。また、プログラムが記憶されたエリアのアドレス範囲と、データが記憶されたエリアのアドレス範囲との間に何らデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレス範囲が設定されていることにより、プログラムのアドレス範囲とデータのアドレス範囲との境界をチェック作業に際して把握し易くなる。
図12は主側RAM74の構成を示す説明図である。図12に示すように、主側RAM74には、特定制御用のスタックエリア101、非特定制御用のワークエリア102、特定制御用のワークエリア103及び非特定制御用のスタックエリア104が設けられている。
図13は主側RAM74における各エリアの設定態様を説明するための説明図である。主側MPU72にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、図13に示すように、主側RAM74においても特定制御用のスタックエリア101のアドレス範囲、特定制御用のワークエリア103のアドレス範囲、非特定制御用のワークエリア102のアドレス範囲及び非特定制御用のスタックエリア104のアドレス範囲が明確に区別されている。
具体的には、アドレスY(1)〜Y(r+1)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のスタックエリア101として設定されている。また、アドレスY(1)〜Y(r+1)に連続するアドレスY(r+2)〜Y(r+4)は使用されない第1未使用エリア105のアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(r+5)〜Y(s+1)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のワークエリア102として設定されている。また、アドレスY(r+5)〜Y(s+1)に連続するアドレスY(s+2)〜Y(s+4)は使用されない第2未使用エリア106のアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(s+5)〜Y(t+3)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のワークエリア103として設定されている。また、アドレスY(s+5)〜Y(t+3)に連続するアドレスY(t+4)〜Y(t+6)は使用されない第3未使用エリア107のアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(t+7)〜Y(u+1)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のスタックエリア104として設定されている。Y(1)〜Y(u+1)の各アドレスに対応するエリアは1バイトからなる記憶エリアである。なお、上記のような各エリアとアドレスとの関係は、主側RAM74における物理アドレス及び主側MPU72において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。
上記のように特定制御用のワークエリア103と、非特定制御用のワークエリア102とが区別して設定されていることにより、主側MPU72において特定制御を実行する場合と非特定制御を実行する場合とで、各種演算などを実行する場合において主側RAM74の異なるエリアが使用されることとなる。これにより、特定制御及び非特定制御のうち一方を実行する場合に他方において必要な主側RAM74の情報が消去されてしまうといった事象を発生しづらくさせることが可能となる。ちなみに、各ワークエリア102,103への情報の書き込み及び各ワークエリア102,103からの情報の読み出しに際しては主側MPU72にてロード命令が行われる。
特定制御用のスタックエリア101と、非特定制御用のスタックエリア104とが区別して設定されていることにより、主側MPU72において特定制御を実行する場合と非特定制御を実行する場合とで、主側MPU72のレジスタに記憶された情報を退避する場合及びプログラム上の戻り番地の情報を記憶する場合において主側RAM74の異なるエリアが使用されることとなる。これにより、特定制御及び非特定制御のうち一方を実行している状況において主側MPU72のレジスタに記憶された情報を退避する場合及びプログラム上の戻り番地の情報を記憶する場合に、他方において使用される情報が消去されてしまうといった事象を発生しづらくさせることが可能となる。ちなみに、各スタックエリア101,104への情報の書き込みに際しては主側MPU72にてプッシュ命令が行われ、各スタックエリア101,104からの情報の読み出しに際しては主側MPU72にてポップ命令が行われる。また、各スタックエリア101,104からの情報の読み出しに際しては当該スタックエリア101,104への書き込み順序が後の情報から先に読み出し対象となる。
ここで、主側MPU72において特定制御に対応する処理を実行する場合には、主側MPU72は特定制御用のワークエリア103及び特定制御用のスタックエリア101への情報の書き込みが可能であるとともに、特定制御用のワークエリア103及び特定制御用のスタックエリア101からの情報の読み出しが可能である。一方、主側MPU72において特定制御に対応する処理を実行する場合には、主側MPU72は非特定制御用のワークエリア102及び非特定制御用のスタックエリア104からの情報の読み出しは可能であるものの、非特定制御用のワークエリア102及び非特定制御用のスタックエリア104への情報の書き込みは不可である。これにより、特定制御に対応する処理が実行されている状況において、非特定制御に対応する処理にて利用される情報を誤って消去してしまわないようにすることが可能となる。
また、主側MPU72において非特定制御に対応する処理を実行する場合には、主側MPU72は非特定制御用のワークエリア102及び非特定制御用のスタックエリア104への情報の書き込みが可能であるとともに、非特定制御用のワークエリア102及び非特定制御用のスタックエリア104からの情報の読み出しが可能である。一方、主側MPU72において非特定制御に対応する処理を実行する場合には、主側MPU72は特定制御用のワークエリア103及び特定制御用のスタックエリア101からの情報の読み出しは可能であるものの、特定制御用のワークエリア103及び特定制御用のスタックエリア101への情報の書き込みは不可である。これにより、非特定制御に対応する処理が実行されている状況において、特定制御に対応する処理にて利用される情報を誤って消去してしまわないようにすることが可能となる。
なお、主側RAM74にはスロットマシン10の電源遮断後においてもバックアップ電力が供給されることとなるが、当該バックアップ電力は特定制御用のワークエリア103、特定制御用のスタックエリア101、非特定制御用のワークエリア102及び非特定制御用のスタックエリア104の全てに供給される。これにより、これら特定制御用のワークエリア103、特定制御用のスタックエリア101、非特定制御用のワークエリア102及び非特定制御用のスタックエリア104に記憶された情報は、スロットマシン10の電源遮断後においてもバックアップ電力が供給されている間は記憶保持される。
図12に示すように、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア101には、電源遮断前及び電源復帰後に演算されるチェックサムの演算対象範囲から除外されている先頭エリア108と、当該チェックサムの演算対象範囲に含まれている第1演算対象エリア109とが設けられている。図13に示すように、先頭エリア108は、特定制御用のスタックエリア101における先頭アドレス(Y(1))から連続する3バイト(先頭3バイト)の記憶エリアである。また、図12に示すように、特定制御用のワークエリア103には、当該チェックサムの演算対象範囲に含まれている第2演算対象エリア111と、当該チェックサムの演算対象範囲から除外されている第2演算対象外エリア112とが設けられている。なお、これら先頭エリア108、第1演算対象エリア109、第2演算対象エリア111及び第2演算対象外エリア112の詳細については後述する。
次に、主側MPU72により実行される処理について説明する。まず、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に当該主側MPU72にて実行されるメイン処理について図14のフローチャートを参照しながら説明する。なお、メイン処理(図14)において、復電用処理(ステップS103)以外の処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される処理である。また、復電用処理(ステップS103)のうち後述するバックアップ異常確認処理(図41)以外の処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される処理である一方、バックアップ異常確認処理(図41)は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される処理である。
メイン処理ではまず初期化処理を実行する(ステップS101)。初期化処理では、主側MPU72内のレジスタ群及びI/O装置等に対する各種の初期設定を行う。その後、設定キーが設定キー挿入孔57に挿入されてON操作された状態で電源ONが行われているか否かを判定する(ステップS102)。設定キーのON操作が行われていない場合(ステップS102:NO)、停電前の処理状態への復帰を可能とする復電用処理を実行する(ステップS103)。なお、復電用処理の詳細については後述する。
メイン処理において設定キーによるON操作が行われた状態で電源ONが行われている場合には(ステップS102:YES)、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111に設けられたエラー状態フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS104)。エラー状態フラグは、電源投入後に主側RAM74における一部の記憶エリアを演算対象範囲として算出したチェックサムが電源遮断前に同一の演算対象範囲について算出されて記憶されたチェックサムと一致しないエラー状態、スロットマシン10の設定値が正常な設定値の範囲(「設定1」〜「設定6」)から外れているエラー状態、及び電源遮断前に後述する停電時処理(図39)が正常に行われなかったことに対応するエラー状態のうち1つ以上のエラー状態が発生したことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。詳細は後述するが、エラー状態フラグには、ステップS103における復電用処理(図40)にて上記3つのエラー状態のうちいずれかのエラー状態の発生が特定された場合に「1」がセットされる。
第2演算対象エリア111のエラー状態フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS104:NO)には、電源ONに際してリセットボタン56が押圧操作されているか否かを判定する(ステップS105)。ステップS105にて否定判定を行った場合には、主側RAM74における一部の記憶エリアを初期化する一部クリア処理(ステップS106)を実行する。一方、ステップS104にて肯定判定を行った場合、又はステップS105にて肯定判定を行った場合には、主側RAM74における全部の記憶エリアを初期化する全部クリア処理(ステップS107)を実行する。これら一部クリア処理(ステップS106)及び全部クリア処理(ステップS107)の詳細については後述する。
ステップS106にて一部クリア処理を実行した場合、又はステップS107にて全部クリア処理を実行した場合には、割込み許可処理を実行することによりタイマ割込み処理による割込みを許可する(ステップS108)。その後、スロットマシン10の設定値を更新するための設定値更新処理を実行する(ステップS109)。設定値更新処理の詳細については後述する。その後、通常処理に移行する(ステップS110)。通常処理については後に詳細に説明する。
次に、主側MPU72にて実行されるタイマ割込み処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。タイマ割込み処理は、タイマ割込み処理による割込みが許可されている場合に例えば1.49ミリ秒ごとに起動される。タイマ割込み処理の各種処理のうち管理用処理(ステップS214)以外の処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。また、管理用処理(ステップS214)のうち後述する管理実行処理(図38)以外の処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される一方、管理実行処理(図38)は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
タイマ割込み処理では、まずレジスタ退避処理を実行する(ステップS201)。レジスタ退避処理では、主側MPU72が備えている各種レジスタのうちプログラムカウンタ以外のレジスタの情報を主側RAM74の特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111に退避させる。プログラムカウンタは主側MPU72において実行すべき命令が格納されている主側ROM73のアドレス情報を記憶するためのレジスタである。プログラムカウンタには2バイトのアドレス情報が格納される。レジスタ退避処理では、主側MPU72が備えている各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタの情報を第2演算対象エリア111に退避させる。なお、レジスタ退避処理(ステップS201)の詳細については後述する。
その後、停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS202)。停電フラグは、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU72に入力された場合にセットされる。停電フラグに「1」がセットされている場合(ステップS202:YES)には、コマンドの送信が終了しているか否かを判定し(ステップS203)、コマンドの送信が終了していない場合(ステップS203:NO)にはステップS205以降の処理を実行することによりコマンドの送信を終了させる。一方、コマンドの送信が終了している場合(ステップS203:YES)には、後述する停電時処理を実行する(ステップS204)。
ステップS202にて停電フラグに「1」がセットされていないと判定した場合、又はステップS203にてコマンドの送信が終了していないと判定した場合には、ステップS205以降の各種処理を行う。ステップS205では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS206では、主側MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS207では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、これら各リール32L,32M,32Rに設けられたステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。なお、ステッピングモータ制御処理の詳細については後述する。
ステップS208では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS209では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ減算処理を行う。ステップS210では、クレジット表示部65及び兼用表示部66の表示制御を行う表示部制御処理を実行し、ステップS211では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するデータ出力処理を行う。なお、表示部制御処理(ステップS210)及びデータ出力処理(ステップS211)の詳細については後述する。ステップS212では、各種コマンドを演出側MPU92へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS213では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、遊技履歴を管理するとともにその管理結果に対応する内容を比率表示器85に表示させるための管理用処理を実行する。なお、管理用処理の詳細については後述する。
ステップS215では、先のステップS201にて特定制御用のワークエリア103の第2演算対象エリア111に退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU72内の対応するレジスタに復帰させる。これにより、主側MPU72内の全レジスタを、今回のタイマ割込み処理(図15)の処理回が開始される前の状態に戻して後述する通常処理に復帰させることができる。なお、レジスタ復帰処理(ステップS215)の詳細については後述する。その後、ステップS216にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される通常処理について図16のフローチャートに基づき説明する。なお、通常処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
通常処理では、まず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う(ステップS301)。その後、開始待ち処理を実行し(ステップS302)、設定確認用処理を実行する(ステップS303)。なお、開始待ち処理(ステップS302)及び設定確認用処理(ステップS303)の詳細については後述する。
その後、遊技媒体のベット数が規定数(具体的には「3」)に達しているか否かを判定し(ステップS304)、ベット数が規定数に達していない場合(ステップS304:NO)には開始待ち処理(ステップS302)に戻る。ベット数が規定数に達している場合(ステップS304:YES)には、スタートレバー41の操作が行われて開始指令が発生したか否かを判定し(ステップS305)、開始指令が発生していない場合(ステップS305:NO)には、開始待ち処理(ステップS302)に戻る。
一方、開始指令が発生した場合(ステップS305:YES)には、メインラインMLを有効化させた後に、受付禁止処理を実行する(ステップS306)。受付禁止処理が実行されることにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。
その後、ステップS307にてゲームが開始された場合の各種設定を行うための開始時の設定処理を実行する。詳細は後述するが、開始時の設定処理(ステップS307)では、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111に設けられたゲーム中フラグに「1」をセットする。ゲーム中フラグは、ゲームを実行している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。ゲーム中フラグは、後述するステップS313にて「0」クリアされる。なお、開始時の設定処理(ステップS307)の詳細については後述する。
その後、ステップS308にて今回のゲームにおける役の抽選を行うための役の抽選処理を実行する。その後、ステップS309にて各リール32L,32M,32Rを今回の役の抽選処理の結果に対応した態様で駆動制御するためのリール制御処理を実行し、ステップS310にて媒体付与処理を実行する。媒体付与処理では、今回のゲームにおいて小役入賞又はリプレイ入賞が成立している場合に、当該小役入賞又はリプレイ入賞の成立に対応する処理を実行する。なお、役の抽選処理(ステップS308)、リール制御処理(ステップS309)及び媒体付与処理(ステップS310)の詳細については後述する。
その後、今回のゲームの結果に対応する遊技状態及び遊技区間の設定を可能とするための遊技終了時の対応処理を実行する(ステップS311)。その後、外部出力設定処理を実行する(ステップS312)。外部出力設定処理では、遊技状態がボーナス状態であることを示す第1状態中信号、遊技区間が有利区間であることを示す第2状態中信号、及び遊技状態がART状態であることを示す第3状態中信号を外部装置であるデータカウンタDCに出力するための処理を実行する。また、外部出力設定処理では、スロットマシン10の状態に関する情報を外部装置である遊技ホールの管理コンピュータに出力するための処理を実行する。なお、遊技終了時の対応処理(ステップS311)及び外部出力設定処理(ステップS312)の詳細については後述する。
その後、第2演算対象エリア111におけるゲーム中フラグの値を「0」クリアする(ステップS313)。これにより、ゲームが終了したことを主側MPU72にて把握可能となる。その後、受付許可処理を実行する(ステップS314)。受付許可処理では、第2演算対象エリア111に設けられたクレジットカウンタの値に基づいて仮想メダルの貯留記憶数を把握し、当該把握した貯留記憶数が最大貯留記憶数(具体的には「50」)であるか否かを判定する。そして、仮想メダルの貯留記憶数が最大貯留記憶数未満である場合には、受付許可状態となるようにセレクタ52の切り換えを行う。クレジットカウンタは、仮想メダルの貯留記憶数を主側MPU72にて把握可能とするカウンタである。クレジットカウンタには、「0」〜「50」のいずれかの数値情報が設定される。セレクタ52が受付許可状態に切り換えられることにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45aにて検出された後にホッパ装置53にて回収されることとなる。ステップS314における受付許可処理では、仮想メダルの貯留記憶数が最大貯留記憶数(具体的には「50」)である場合、第2演算対象エリア111に設けられたリプレイ発生フラグに「1」がセットされているか否かを確認することにより今回終了したゲームにおいてリプレイ入賞が成立したか否かを判定する。そして、リプレイ入賞が成立していない場合には、受付許可状態となるようにセレクタ52の切り換えを行う。一方、仮想メダルの貯留記憶数が最大貯留記憶数であるとともに今回終了したゲームにおいてリプレイ入賞が成立している場合には、受付禁止状態が維持されるようにする。リプレイ発生フラグは、リプレイ入賞が発生してから最初に行われる開始待ち処理(ステップS302)にて遊技者の所有する遊技媒体の数を減らすことなく遊技媒体のベットが自動で行われるようにすべきことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。リプレイ発生フラグには、リプレイ入賞が発生した場合に、リール制御処理(ステップS309)にて「1」がセットされる。
次に、通常処理(図16)のステップS308にて実行される役の抽選処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。なお、役の抽選処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
ステップS401では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されるとその時点における乱数を主側MPU72における乱数回路75(図10)からラッチする構成となっている。乱数回路75は「0」〜「65535」の乱数を生成しており、主側MPU72は、スタートレバー41の操作を確認した場合に乱数回路75においてラッチした値を主側RAM74に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。乱数回路75は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、抽選テーブル選択処理を実行する(ステップS402)。抽選テーブル選択処理では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを主側ROM73から読み出す。本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔57に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて役の抽選処理を実行させるのかを設定することができる。「設定n」よりも「設定n+1」の方が遊技者にとって有利な当選確率となる。具体的には、「設定n」よりも「設定n+1」の方がBB状態への移行契機となる役の当選確率が高いことにより、「設定n」よりも「設定n+1」の方が遊技者にとって有利となる。また、同一の段階の設定値であっても主側MPU72において抽選テーブルが相違する抽選モードとして、通常モードと、第1RTモードと、第2RTモードとの3種類が存在している。また、遊技状態として、これら各抽選モードの状態とは別に後述する内部RT状態及びボーナス状態(BB状態及びRB状態)が存在している。ステップS402における抽選テーブル選択処理では、現状の設定値と、現状の抽選モードと、現状の遊技状態との組合せに対応する抽選テーブルを選択する。
「設定3」である場合を例に挙げて、非内部RT状態及び非ボーナス状態における通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれに対応する抽選テーブルについて説明する。まず通常モードである場合に選択される通常モード用抽選テーブルについて説明する。図18は通常モード用抽選テーブルを説明するための説明図である。なお、以下の説明では図19の説明図を適宜参照する。
通常モード用抽選テーブルには、図18に示すように、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。ポイント値PVは、対応する抽選役の当選確率をフリーランカウンタの最大値(「65535」)との関係で定めるものである。
具体的には、インデックス値IV=1には、第1ベル当選データと、第1補填当選データと、が設定されている。インデックス値IV=1で当選となった場合、図19に示すように、第1停止(最初に停止指令が発生したリール)が左リール32Lである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞が確実に発生する。
本スロットマシン10においてはストップボタン42〜44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。換言すれば、ストップボタン42〜44が操作されてから規定時間(190ミリ秒)が経過するまでに停止させるリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。このようなリール制御が行われることにより、当選している役に対応した入賞を成立させ易くすることが可能となるとともに、当選していない役に対応した入賞が成立してしまうことを回避することが可能となる。但し、滑らせることが可能なリール32L,32M,32Rの回転量が上記のように制限されているため、一のリール32L,32M,32Rにおいて、入賞を成立させるための図柄の組合せを構成する構成図柄間に5図柄以上が存在していると、対応するストップボタン42〜44の操作タイミングによっては当該構成図柄がメインラインML上に停止しないことが起こり得る(当該事象を所謂「取りこぼし」ともいう)。第1補填入賞〜第3補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞及び各種リプレイ入賞は対応する順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合には取りこぼしが発生しない入賞態様であり、第1スイカ入賞、第2スイカ入賞、チェリー入賞、第1BB入賞、第2BB入賞、第3BB入賞、第4BB入賞、第1RB入賞及び第2RB入賞はリール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42〜44の停止操作タイミングによっては取りこぼしが発生し得る入賞態様である。
インデックス値IV=2には、図18に示すように、第1ベル当選データと、第2補填当選データと、が設定されている。インデックス値IV=2で当選となった場合、図19に示すように、第1停止が中リール32Mである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第2補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=3には、図18に示すように、第1ベル当選データと、第3補填当選データと、が設定されている。インデックス値IV=3で当選となった場合、図19に示すように、第1停止が右リール32Rである場合に第2停止対象及び第3停止対象のリール32L,32M,32Rの種類及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立し、それ以外の場合には第3補填入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=4には、図18に示すように、第1ベル当選データのみが設定されている。インデックス値IV=4で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1ベル入賞が確実に成立する。インデックス値IV=16には、図18に示すように、第2ベル当選データのみが設定されている。インデックス値IV=16で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第2ベル入賞が確実に成立する。
インデックス値IV=5には、図18に示すように、第1スイカ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=5で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第1スイカ入賞が成立しない可能性がある。インデックス値IV=17には、図18に示すように、第2スイカ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=17で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第2スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第2スイカ入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=6には、図18に示すように、チェリー当選データのみが設定されている。インデックス値IV=6で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくチェリー入賞が成立し得る。但し、左リール32Lの回転位置に対する左ストップボタン42の操作タイミングによっては、チェリー入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=7には、図18に示すように、第3BB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=7で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第3BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングよっては、第3BB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=8には、図18に示すように、第4BB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=8で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第4BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングよっては、第4BB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=9には、図18に示すように、第1RB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=9で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1RB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングよっては、第1RB入賞が成立しない可能性がある。
インデックス値IV=18には、図18に示すように、第1BB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=18で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第1BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングよっては、第1BB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=19には、図18に示すように、第2BB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=19で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第2BB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングよっては、第2BB入賞が成立しない可能性がある。また、インデックス値IV=20には、図18に示すように、第2RB当選データのみが設定されている。インデックス値IV=20で当選となった場合、図19に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なく第2RB入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングよっては、第2RB入賞が成立しない可能性がある。
ここで、第1〜第4BB当選データと第1〜第2RB当選データとを含むボーナス当選データ以外の当選データは入賞が成立したか否かに関係なく当選となったゲームにて消去され、当選となったゲームの次以降のゲームには持ち越されない。これに対して、上記ボーナス当選データは、全部クリア処理(メイン処理(図14)のステップS107)が行われる場合を除き、当選となったゲームの次以降のゲームであっても対応するボーナス入賞が成立するまで記憶保持される。この場合に、ボーナス当選データが持ち越されている状態のゲームにおいては全てのボーナス当選データに対応するインデックス値IVは抽選対象から除外される。これにより、ボーナス当選データが既に記憶保持されているにも関わらずボーナス当選データが新たに記憶されてしまわないようにすることが可能となり、複数のボーナス当選データが累積して記憶されてしまわないようにすることが可能となる。
インデックス値IV=10〜15には、図18に示すように、通常リプレイ当選データと、第1RTリプレイ当選データとが設定されている。この場合、インデックス値IV=10で当選となった場合、図19に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止(2番目に停止指令が発生したリール)が中リール32Mであり、第3停止(最後に停止指令が発生したリール)が右リール32Rである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。
図18の通常モード用抽選テーブルが選択される場合、インデックス値IV=1の際に当選となる確率、インデックス値IV=2の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=3の際に当選となる確率は、それぞれ約1/6.6である。また、インデックス値IV=4の際に当選となる確率は、約1/13.1である。また、インデックス値IV=5の際に当選となる確率は、約1/164である。また、インデックス値IV=6の際に当選となる確率は、約1/423である。また、インデックス値IV=7の際に当選となる確率及びインデックス値IV=8の際に当選となる確率は、それぞれ約1/437である。また、インデックス値IV=9の際に当選となる確率は、約1/328である。また、インデックス値IV=10の際に当選となる確率、インデックス値IV=11の際に当選となる確率、インデックス値IV=12の際に当選となる確率、インデックス値IV=13の際に当選となる確率、インデックス値IV=14の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=15の際に当選となる確率は、それぞれ約1/41である。また、インデックス値IV=16の際に当選となる確率は、約1/16.4である。また、インデックス値IV=17の際に当選となる確率は、約1/146である。また、インデックス値IV=18の際に当選となる確率及びインデックス値IV=19の際に当選となる確率は、それぞれ約1/437である。また、インデックス値IV=20の際に当選となる確率は、約1/328である。
ここで、通常モード用抽選テーブルには、既に説明したとおり、インデックス値IV=10〜15の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第1RTリプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=10〜15のいずれかに当選する確率は約1/41である。そして、インデックス値IV=10〜15のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に第1RTリプレイ入賞が成立し、抽選モードが通常モードから第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、役の抽選処理(図17)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
次に、「設定3」であって第1RTモードである場合に選択される第1RTモード用抽選テーブルについて説明する。図20及び図21は第1RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図20に示すように、インデックス値IV=1〜9のそれぞれに設定されている当選データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図18)と同一となっている。また、第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=22〜26のそれぞれに設定されている当選データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=16〜20のそれぞれと同一となっている。
この場合、インデックス値IV=1〜6,22〜23には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1〜6,22〜23のそれぞれに設定されている当選データ及び各当選確率が通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=1〜6,16〜17のそれぞれと同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード及び第1RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。
また、第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7〜9,24〜26には通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7〜9,18〜20と同様にボーナス当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード及び第1RTモードにおいて各ボーナス役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=10〜21に設定されている当選役データは、通常モードと相違している。詳細には、第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図20に示すように、インデックス値IV=10〜15の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第2RTリプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=10〜15のいずれかに当選する確率は約1/6.8である。
インデックス値IV=10で当選となった場合、図21に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第2RTリプレイ入賞が確実に成立し、それ以外の場合には各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に成立する。
第1RTモードにおいてインデックス値IV=10〜15のいずれかで当選となりリール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第1RTモードから第2RTモードに移行する。第2RTモードに移行した場合、役の抽選処理(図17)において参照される抽選テーブルは第2RTモード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルには、図20に示すように、インデックス値IV=16〜21の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第1転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=16〜21のいずれかに当選する確率は約1/10.9である。
第1RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=16で当選となった場合、図21に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=17で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=18で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=19で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=20で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=21で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが通常モードに移行する。通常モードに移行した場合、役の抽選処理(図17)において参照される抽選テーブルは通常モード用抽選テーブルとなる。
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=10〜21にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第1RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は約1/4.2となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/6.8となっている。つまり、第1RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い抽選モードとなっている。
次に、「設定3」であって第2RTモードである場合に選択される第2RTモード用抽選テーブルについて説明する。図22及び図23は第2RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図22に示すように、インデックス値IV=1〜9のそれぞれに設定されている当選データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図18)及び第1RTモード用抽選テーブル(図20)と同一となっている。また、第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=17〜21のそれぞれに設定されている当選データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=16〜20及び第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=22〜26のそれぞれと同一となっている。
この場合、インデックス値IV=1〜6,17〜18には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1〜6,17〜18のそれぞれに設定されている当選データ及び各当選確率が、通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=1〜6,16〜17のそれぞれと同一となっているとともに、第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=1〜6,22〜23のそれぞれと同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。
また、第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7〜9,19〜21には通常モード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7〜9,18〜20及び第1RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=7〜9,24〜26と同様にボーナス当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードにおいて各ボーナス役に当選する確率は同一となっている。
インデックス値IV=10〜15に設定されている当選役データは、通常モード及び第1RTモードと相違している。詳細には、第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図22に示すように、インデックス値IV=10〜15の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第2転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=10〜15のいずれかに当選する確率は約1/6.8である。
第2RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=10で当選となった場合、図23に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=11で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=12で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第2転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、役の抽選処理(図17)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=16に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=16において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/5.5で当選となる。そして、このインデックス値IV=16で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
第2RTモード用抽選テーブルには、インデックス値IV=10〜16にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第2RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/3.0となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/6.8となっているとともに第1RTモードにおけるリプレイ確率は約1/4.2となっている。したがって、第2RTモードは通常モード及び第1RTモードよりもリプレイ確率が高い抽選モードとなっている。但し、これに限定されることはなく、第1RTモードと第2RTモードとでリプレイ確率が同一である構成としてもよく、第1RTモードと第2RTモードとでリプレイ確率が若干相違しているものの略同一である構成としてもよい。
主側ROM73には、通常モード用抽選テーブル(図18)、第1RTモード用抽選テーブル(図20)及び第2RTモード用抽選テーブル(図22)以外にもBB状態又はRB状態である場合に役の抽選処理(図17)にて参照されるボーナス用抽選テーブルが記憶されているとともに、ボーナス役に当選しているもののそれに対応するボーナス入賞が成立していない場合に役の抽選処理(図17)にて参照される内部RT状態用抽選テーブルが記憶されている。
ボーナス用抽選テーブルでは第1ベル入賞の成立を可能とさせる役に約1/1.5で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42〜44の停止操作タイミングとは無関係に第1ベル入賞が成立することとなる。また、ボーナス用抽選テーブルでは第1スイカ入賞の成立を可能とさせる役に約1/6.6で当選するとともにチェリー入賞の成立を可能とさせる役に約1/7.8で当選する。これら第1スイカ入賞及びチェリー入賞は各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42〜44の停止操作タイミングによっては成立しない。上記のようにボーナス用抽選テーブルが設定されていることにより、BB状態又はRB状態においては各ゲームにて基本的に第1ベル入賞が成立して「11」の遊技媒体が付与されることとなるが、第1スイカ入賞又はチェリー入賞が成立することもあり第1スイカ入賞が成立した場合には「5」の遊技媒体が付与されチェリー入賞が成立した場合には「2」の遊技媒体が付与される。これに対して、BB状態は当該BB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がBB終了基準数(例えば「350」)以上となることで終了し、RB状態は当該RB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がRB終了基準数(例えば「150」)以上となることで終了する。したがって、BB状態及びRB状態が終了するまでに要するゲーム数は役の抽選処理(図17)の結果、及び取りこぼしの発生の有無により変動することとなる。なお、ボーナス用抽選テーブルはスロットマシン10の有利度を変動させる「1」〜「6」の設定値の間において共通となっている。
次に、遊技状態が内部RT状態である場合に選択される内部RT状態用抽選テーブルについて説明する。図24及び図25は内部RT状態用抽選テーブルを説明するための説明図である。なお、詳細は後述するが、内部RT状態では抽選モードが通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのいずれであっても内部RT状態用抽選テーブルが選択される。
内部RT状態用抽選テーブルにおいては、図24に示すように、インデックス値IV=1〜6,8〜9のそれぞれに設定されている当選データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図18)におけるインデックス値IV=1〜6,16〜17、第1RTモード用抽選テーブル(図20)におけるインデックス値IV=1〜6,22〜23及び第2RTモード用抽選テーブル(図22)におけるインデックス値IV=1〜6,17〜18のそれぞれと同一となっている。
内部RT状態用抽選テーブルにはインデックス値IV=7に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=7において当選となる確率は第2RTモード用抽選テーブルにおけるインデックス値IV=10〜16の合計の当選確率となるようにして設定されており、具体的には約1/3.0で当選となる。そして、このインデックス値IV=7で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。したがって、内部RT状態となっている場合には、遊技媒体の付与を可能とする役及び当該役の当選確率が通常モード、第1RTモード及び第2RTモードと同一であるとともに、リプレイ確率が通常モード及び第1RTモードよりも高く第2RTモードと同一である。また、内部RT状態となっている場合には、ボーナス役に当選することはなくさらに通常モード、第1RTモード及び第2RTモードへの移行契機となる役に当選することもない。なお、抽選テーブル選択処理(ステップS402)の詳細については後述する。
役の抽選処理(図17)の説明に戻り、ステップS402にて抽選テーブル選択処理を実行した後、インデックス値IVとして「1」をセットし(ステップS403)、役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する(ステップS404)。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS401にて取得した乱数の値を現在の判定値DVとし、この乱数の値に現在のインデックス値IVであるインデックス値IV=1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、インデックス値IVと対応する役の当否判定を行う(ステップS405)。役の当否判定では判定値DVが「65535」を超えたか否かを判定する。「65535」を超えた場合には(ステップS405:YES)、そのときのインデックス値IVと対応する当選データを特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111に設定するための当選データの取得処理を実行する(ステップS406)。いずれかのボーナス当選が発生した場合、当選データの取得処理(ステップS406)では、第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定される。第2演算対象エリア111に設定されたボーナス当選データは、全部クリア処理(メイン処理(図14)のステップS107)が行われる場合を除き、当選となったゲームの次以降のゲームであっても対応するボーナス入賞が成立するまで記憶保持される。一方、第2演算対象エリア111に設定されたボーナス当選データ以外の当選データは、通常処理(図16)のステップS311における遊技終了時の対応処理(図28)にてクリアされる。
判定値DVが「65535」を超えなかった場合には(ステップS405:NO)、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはインデックス値IVを1加算した後に(ステップS407)、インデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する(ステップS408)。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS404に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS404では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS405では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ステップS406の処理を実行した場合、又はステップS408にて否定判定をした場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。この場合には、ステップS409にて、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111にリール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を行う。その後、ステップS410にて演出内容決定処理を実行する。演出内容決定処理では、今回のゲームにおいて上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63において実行する演出の大枠の内容を決定するための処理を実行する。
その後、ステップS411にて後述する遊技区間の第1制御処理を実行し、ステップS412にて上乗せ用処理を実行し、ステップS413にて報知制御処理を実行する。報知制御処理では、リール32L,32M,32Rの停止順序の報知を行う場合にその報知対象となる停止順序の報知が画像表示装置63にて実行されるようにするための処理を実行するとともに、兼用表示部66において停止順対応表示を実行可能とする情報を設定する処理を実行する。
その後、ゲーム開始コマンドの送信処理を実行して(ステップS414)、本役の抽選処理を終了する。ゲーム開始コマンドの送信処理では、現状の遊技状態に対応する情報と、ステップS410〜ステップS412の処理結果に対応する情報とをゲーム開始コマンドに設定し、そのゲーム開始コマンドを演出側MPU92に送信する。今回の役の抽選処理(図17)にていずれかの役に当選となっている場合、ゲーム開始コマンドには、これらの情報に加えて、その当選となった役に対応する情報も設定される。ゲーム開始コマンドとは、新たなゲームが開始されたことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドであって、主側MPU72にて決定された各種情報を演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。
演出側MPU92は、ゲーム開始コマンドを受信した場合、今回のゲームにおける各種情報を当該ゲーム開始コマンドから把握する。そして、演出側MPU92は、その把握した各種情報に応じた態様で演出の内容を決定する。そして、その決定した演出の内容に基づいて上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。
<遊技状態及び遊技区間について>
次に、遊技状態及び遊技区間について説明する。図26は本スロットマシン10に存在している遊技状態及び遊技区間を説明するための説明図である。
本スロットマシン10では遊技状態として、通常遊技状態ST1と、内部RT状態ST2と、BB状態ST3と、RB状態ST4と、準備状態ST5と、ART状態ST6と、が存在している。これら遊技状態ST1〜ST6は相互に重複して発生することはない。
通常遊技状態ST1は、メイン処理(図14)のステップS107にて全部クリア処理が実行されることにより滞在する遊技状態である。また、BB状態ST3が終了した場合において準備状態ST5への移行が発生しない場合、RB状態ST4が終了した場合において準備状態ST5への移行が発生しない場合、及びBB状態ST3やRB状態ST4への移行を契機とすることなくART状態ST6が終了した場合、遊技状態が通常遊技状態ST1となる。通常遊技状態ST1は1ゲームにおける遊技媒体の付与期待値という点では、内部RT状態ST2、BB状態ST3、RB状態ST4、準備状態ST5及びART状態ST6よりも有利度が低い遊技状態である。また、既に説明したとおり抽選モードとして通常モード、第1RTモード及び第2RTモードが存在しているが、通常遊技状態ST1においてはこれら抽選モードのいずれにも滞在し得る。なお、全部クリア処理(ステップS107)が実行された場合には通常遊技状態ST1であって通常モードとなる。
内部RT状態ST2は、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111にいずれかのボーナス当選データが設定されたゲームでそのボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立しなかった場合に滞在する遊技状態であり、そのボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立した場合に終了する遊技状態である。内部RT状態ST2では、既に説明したとおり、役の抽選処理(図17)にて内部RT状態用抽選テーブルが参照される。この場合、当該内部RT状態用抽選テーブルには抽選モードを移行させる役(すなわちインデックス値IV)が設定されていないため、内部RT状態ST2においては抽選モードの移行は発生しない。内部RT状態ST2におけるリプレイ確率は第2RTモード用抽選テーブル(図22)が参照される場合と同様である。なお、これに限定されることはなく、内部RT状態ST2におけるリプレイ確率が第2RTモードの場合よりも低い構成としてもよく、例えば第1RTモードのリプレイ確率と同一である構成としてもよく、通常モードと第1RTモードとの間のリプレイ確率である構成としてもよい。また、内部RT状態ST2におけるリプレイ確率が第2RTモードの場合よりも高い構成としてもよい。
BB状態ST3及びRB状態ST4の内容は既に説明したとおりである。BB状態ST3及びRB状態ST4においては抽選モードの移行は発生しない。
準備状態ST5はART状態ST6に移行する前段階として滞在する遊技状態であり、通常遊技状態ST1、BB状態ST3及びRB状態ST4から移行し得る。既に説明したとおり抽選モードとして通常モード、第1RTモード及び第2RTモードが存在しているが、準備状態ST5においてはこれら抽選モードのいずれにも滞在し得る。準備状態ST5では通常モード用抽選テーブル(図18)、第1RTモード用抽選テーブル(図20)及び第2RTモード用抽選テーブル(図22)におけるインデックス値IV=1〜3の当選データが設定されている場合、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。そして、第1ベル入賞が成立することで「11」の遊技媒体が付与される。これにより、準備状態ST5の1ゲームにおける遊技媒体の期待付与数を高めることが可能となる。また、準備状態ST5では通常モード用抽選テーブル(図18)におけるインデックス値IV=10〜15の当選データが設定されている場合、第1RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、第1RTモード用抽選テーブル(図20)におけるインデックス値IV=10〜15の当選データが設定されている場合、第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、第1RTモード用抽選テーブル(図20)におけるインデックス値IV=16〜21の当選データが設定されている場合、第1転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。準備状態ST5において第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第2RTモードに移行することにより遊技状態がART状態ST6に移行する。なお、抽選モードが第2RTモードである状況で準備状態ST5への移行が発生することがあるが、この場合には抽選モードが第1RTモードに移行し、その後に第2RTモードへの移行が発生した場合にART状態ST6に移行する。
ART状態ST6は上記のとおり準備状態ST5において第2RTリプレイ入賞が成立することで移行する遊技状態である。ART状態ST6は当該ART状態ST6の残りの継続ゲーム数が「0」となった場合に終了する。この場合には遊技状態は通常遊技状態ST1となる。また、ART状態ST6の途中でボーナス当選となった場合には内部RT状態ST2、BB状態ST3又はRB状態ST4に移行する。この場合にはBB状態ST3又はRB状態ST4が終了した後に準備状態ST5に移行し、最終的にART状態ST6に復帰することとなる。
既に説明したとおり抽選モードとして通常モード、第1RTモード及び第2RTモードが存在しているが、ART状態ST6においてはこれら抽選モードのいずれにも滞在し得る。ART状態ST6では通常モード用抽選テーブル(図18)、第1RTモード用抽選テーブル(図20)及び第2RTモード用抽選テーブル(図22)におけるインデックス値IV=1〜3の当選データが設定されている場合、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。そして、第1ベル入賞が成立することで「11」の遊技媒体が付与される。これにより、ART状態ST6の1ゲームにおける遊技媒体の期待付与数を高めることが可能となる。また、ART状態ST6では通常モード用抽選テーブル(図18)におけるインデックス値IV=10〜15の当選データが設定されている場合、第1RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、第1RTモード用抽選テーブル(図20)におけるインデックス値IV=10〜15の当選データが設定されている場合、第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、第1RTモード用抽選テーブル(図20)におけるインデックス値IV=16〜21の当選データが設定されている場合、第1転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知され、第2RTモード用抽選テーブル(図22)におけるインデックス値IV=10〜15の当選データが設定されている場合、第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。これにより、ART状態ST6においては基本的に抽選モードが第2RTモードに維持される。そして、第2RTモードはリプレイ確率が通常モード及び第1RTモードよりも高いモードである。つまり、ART状態ST6は第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される遊技状態であって基本的にリプレイ確率が高く維持される遊技状態である。よって、ART状態ST6における遊技媒体の期待純増数を高めることが可能となる。なお、ART状態ST6において抽選モードが第2RTモードから第1RTモードに移行したり第1RTモードから通常モードに移行したとしても、ART状態ST6が維持され第2RTモードではない状況であってもART状態ST6の残りの継続ゲーム数は減算される。
上記のように各種遊技状態ST1〜ST6が存在している構成において、これら遊技状態ST1〜ST6とは別に遊技区間が設定されている。遊技区間として通常区間SC1と有利区間SC2とが設定されている。つまり、本スロットマシン10では遊技状況を決定付ける要素として、「1」〜「6」の設定値と、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードの抽選モードと、各種遊技状態ST1〜ST6と、通常区間SC1及び有利区間SC2の遊技区間と、が存在している。
通常区間SC1とは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に当選した場合に遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない区間であって、遊技者にとって有利な遊技状態であるART状態ST6への移行条件が成立する確率が有利区間SC2よりも低くなる区間である。より詳細には通常区間SC1においてはART状態ST6への移行条件が成立しない。メイン処理(図14)において全部クリア処理(ステップS107)が実行された場合には通常遊技状態ST1及び通常モードであって通常区間SC1となる。また、有利区間SC2において有利区間SC2の初期化処理が実行された場合にも通常区間SC1となる。通常区間SC1は、有利区間SC2への移行契機が発生することで終了し、有利区間SC2へ移行する。
有利区間SC2とは、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて成立対象となる入賞が異なる役に当選した場合に遊技者にとって有利な入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される区間、及び遊技者にとって有利な遊技状態であるART状態ST6への移行確率が通常区間SC1よりも高くなる区間の少なくとも一方に該当する区間である。
有利区間SC2はART状態ST6が終了して通常遊技状態ST1に移行する場合には終了し得る。有利区間SC2が終了した場合には通常区間SC1へ移行する。また、有利区間SC2の終了条件として、通常区間SC1への移行が発生することなく有利区間SC2が継続されることで実行された合計ゲーム数が上限ゲーム数(具体的には1500ゲーム)に到達すること、及び通常区間SC1への移行が発生することなく有利区間SC2が継続されることで遊技媒体の制限付き合計純増枚数が上限純増数(具体的には2400枚)に到達することのいずれか一方の条件が成立することというエンディング条件が設定されている。遊技媒体の制限付き合計純増枚数とは、「有利区間SC2が継続している状況で実行されたゲームにより付与された遊技媒体の合計数(遊技媒体の付与が発生していない状況では「0」)」から「有利区間SC2が継続されている状況でゲームを実行するために消化された遊技媒体の合計数(ゲームが実行されていない状況では「0」)」を減算した値を所定差枚数とした場合において、当該所定差枚数の最小値を所定基準値として、当該所定基準値からの上記所定差枚数の増加分の枚数のことである。
つまり、有利区間SC2が継続されることで当該有利区間SC2の開始時からの遊技媒体の制限付き合計純増枚数が上限純増数に到達した場合には当該有利区間SC2が終了して通常区間SC1に移行する。また、有利区間SC2が継続されることで当該有利区間SC2の開始時からのゲームの実行回数が上限ゲーム数に到達した場合には当該有利区間SC2が終了して通常区間SC1に移行する。そして、これらエンディング条件のいずれか一方が成立した場合には、準備状態ST5又はART状態ST6の途中であってもそのエンディング条件が成立したゲームにて準備状態ST5又はART状態ST6が終了されるとともに有利区間SC2が終了されて通常区間SC1であって通常遊技状態ST1である状況に移行する。これにより、有利区間SC2が過剰に継続してしまわなようにすることが可能となる。
図26に示すように通常遊技状態ST1、内部RT状態ST2、BB状態ST3及びRB状態ST4には、通常区間SC1及び有利区間SC2のいずれにおいても滞在し得る。一方、準備状態ST5及びART状態ST6には、通常区間SC1において滞在することはなく、有利区間SC2においてのみ滞在する。
次に、上記のような遊技状態ST1〜ST6及び遊技区間SC1,SC2の設定を可能とする具体的な処理構成について説明する。図27は主側MPU72にて実行される遊技区間の第1制御処理を示すフローチャートである。遊技区間の第1制御処理は役の抽選処理(図17)におけるステップS411にて実行される。このステップS411の処理はゲームの開始時において役の当否判定が完了した後に実行される。なお、遊技区間の第1制御処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
遊技区間の第1制御処理では、まず現状の遊技状態が内部RT状態ST2、ボーナス状態(BB状態ST3、RB状態ST4)、準備状態ST5又はART状態ST6であるか否かを判定する(ステップS501)。ステップS501にて否定判定をした場合にステップS502以降の処理を実行する。
ステップS502では、特定制御用のワークエリア103の第2演算対象エリア111に設けられた有利区間フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。有利区間フラグは遊技区間が有利区間SC2であるか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、有利区間フラグに「1」がセットされている場合が有利区間SC2であり、有利区間フラグの値が「0」である場合が通常区間SC1である。
遊技区間が通常区間SC1である場合(ステップS502:NO)、今回の役の抽選処理(図17)にて有利移行抽選の対象となる当選データが設定されたか否かを判定する(ステップS503)。ステップS503では、第2演算対象エリア111に通常モード用抽選テーブル(図18)、第1RTモード用抽選テーブル(図20)又は第2RTモード用抽選テーブル(図22)におけるインデックス値IV=4〜6のいずれかの当選データが設定されている場合に肯定判定を行う。ステップS503にて肯定判定をした場合には有利区間SC2への移行が発生するか否かを決定する有利移行抽選処理を実行する(ステップS504)。
有利移行抽選処理(ステップS504)では、まず今回の役の抽選処理(図17)にて設定された当選データに対応する有利移行テーブルを主側ROM73から読み出す。この場合、当選確率が低い当選データの方が有利区間SC2への移行当選となる確率が高くなるように有利移行テーブルが設定されている。ちなみに当該有利移行テーブルは「1」〜「6」の設定値に関係なく共通となっている。このように設定値に関係なくテーブルが共通である点は、役の抽選処理(図17)以外の抽選処理の全てに該当する。その後、第2演算対象エリア111において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した有利移行テーブルに対して照合する。これにより、有利区間SC2への移行当選となったか否かを特定する。
有利区間SC2への移行当選となった場合(ステップS505:YES)、第2演算対象エリア111(図12)に設けられた有利移行当選フラグに「1」をセットして(ステップS506)、本遊技区間の第1制御処理を終了する。有利移行当選フラグは、有利移行抽選処理(ステップS504)にて有利区間SC2への移行当選となったことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。有利移行当選フラグに「1」がセットされることにより、後述する遊技区間の第2制御処理(図29)にて遊技区間を有利区間SC2に移行する処理が実行されることとなる。
ステップS502にて肯定判定を行った場合、今回の役の抽選処理(図17)にてART移行抽選の対象となる当選データが設定されたか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507では、第2演算対象エリア111に通常モード用抽選テーブル(図18)、第1RTモード用抽選テーブル(図20)又は第2RTモード用抽選テーブル(図22)におけるインデックス値IV=4〜6のいずれかの当選データが設定されている場合に肯定判定を行う。ステップS507にて肯定判定をした場合にはART状態ST6への移行が発生するか否かを決定するART移行抽選処理を実行する(ステップS508)。
ART移行抽選処理(ステップS508)では、まず今回の役の抽選処理(図17)にて設定された当選データに対応するART移行テーブルを主側ROM73から読み出す。この場合、当選確率が低い当選データの方がART状態ST6への移行当選となる確率が高くなるように有利移行テーブルが設定されている。また、当該ART移行テーブルは「1」〜「6」の設定値に関係なく共通となっている。その後、第2演算対象エリア111において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出したART移行テーブルに対して照合する。これにより、ART状態ST6への移行当選となったか否かを特定する。
ART状態ST6への移行当選となった場合(ステップS509:YES)、第2演算対象エリア111(図12)に設けられたART当選フラグに「1」をセットして(ステップS510)、本遊技区間の第1制御処理を終了する。ART当選フラグは、準備状態ST5に移行させる必要があることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。ART当選フラグに「1」がセットされることにより、後述する通常用処理(遊技終了時の対応処理(図28)におけるステップS605)にて遊技状態を準備状態ST5に移行する処理が実行されることとなる。
次に、主側MPU72にて実行される遊技終了時の対応処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。遊技終了時の対応処理は通常処理(図16)におけるステップS311にて実行される。このステップS311の処理はリール制御処理(ステップS309)よりも後に実行されるため、1ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの回転が全て停止された後に実行されることとなる。なお、遊技終了時の対応処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
遊技終了時の対応処理では、まずBB状態ST3又はRB状態ST4の移行制御や進行制御を行うためのボーナス用処理を実行する(ステップS601)。ボーナス用処理については後に詳細に説明する。その後、内部RT状態ST2、BB状態ST3及びRB状態ST4のいずれでもないことを条件として(ステップS602:NO)、抽選モード制御処理を実行する(ステップS603)。抽選モード制御処理では、いずれかのRTリプレイ入賞又はいずれかの転落リプレイ入賞が成立した場合に抽選モードを移行させる処理を行う。また、特定制御用のワークエリア103の第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されたゲームにおいて当該ボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立しなかった場合に遊技状態を内部RT状態ST2に移行させるための処理を行う。なお、抽選モード制御処理の詳細については後述する。
その後、現状の遊技状態に対応する処理にジャンプする(ステップS604)。ステップS604では、遊技状態が通常遊技状態ST1である場合、通常用処理を実行する(ステップS605)。通常用処理(ステップS605)では、有利区間SC2において通常遊技状態ST1で継続して実行されたゲーム数が通常遊技上限ゲーム数(具体的には「1000」)に達した場合、又はART移行抽選処理(遊技区間の第1制御処理(図27)のステップS508)においてART状態ST6への移行当選が発生した場合に、ART状態ST6に移行する前段階として準備状態ST5に移行させるための処理を実行する。ステップS604では、遊技状態が準備状態ST5である場合には準備状態処理を実行し(ステップS606)、遊技状態がART状態ST6である場合にはART状態処理を実行する(ステップS607)。なお、通常用処理(ステップS605)、準備状態処理(ステップS606)及びART状態処理(ステップS607)の詳細については後述する。
ステップS602にて肯定判定をした場合、又はステップS605〜ステップS607のいずれかの処理を実行した場合には、遊技区間の第2制御処理を実行する(ステップS608)。また、後述するボーナス状態用処理(図34)のステップS1210の処理を実行した後も遊技区間の第2制御処理を実行する(ステップS608)。遊技区間の第2制御処理では、遊技区間を移行するための処理を実行する。その後、当選データのクリア処理を実行して(ステップS609)、本遊技終了時の対応処理を終了する。当選データのクリア処理(ステップS609)では、第2演算対象エリア111に設定されている当選データのうちボーナス当選データ以外の当選データをクリアする。
図29は遊技区間の第2制御処理を示すフローチャートである。上記のとおり遊技終了時の対応処理は1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行されるため、遊技区間の第2制御処理も1ゲームにおけるリール32L,32M,32Rの回転が全て停止した後に実行される。なお、遊技区間の第2制御処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
遊技区間の第2制御処理では、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111の有利移行当選フラグに「1」がセットされている場合(ステップS701:YES)、第2演算対象エリア111の有利区間フラグに「1」をセットし、第2演算対象エリア111に設けられた有利継続カウンタ及び合計獲得数カウンタのそれぞれを「0」クリアする(ステップS702)。有利区間フラグに「1」がセットされることにより、遊技区間が有利区間SC2に移行する。このように、有利移行抽選処理において有利区間SC2への移行当選となった場合には、当該移行当選が発生したゲームの終了時に遊技区間が有利区間SC2に移行する。
有利継続カウンタは、通常区間SC1を間に挟むことなく有利区間SC2が継続された場合における当該有利区間SC2の開始時からのゲームの実行回数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。有利区間SC2において有利継続カウンタの値が上限ゲーム数(具体的には1500ゲーム)に対応する値に到達した場合には、準備状態ST5又はART状態ST6の途中であっても、当該到達したゲームにて有利区間SC2が終了されて、通常区間SC1であって通常遊技状態ST1となる状況に移行する。
合計獲得数カウンタは、通常区間SC1を間に挟むことなく有利区間SC2が継続された場合における当該有利区間SC2の開始時からの遊技媒体の制限付き合計純増枚数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。なお、遊技媒体の制限付き合計純増枚数とは、既に説明したとおり、「有利区間SC2が継続している状況で実行されたゲームにより付与された遊技媒体の合計数(遊技媒体の付与が発生していない状況では「0」)」から「有利区間SC2が継続されている状況でゲームを実行するために消化された遊技媒体の合計数(ゲームが実行されていない状況では「0」)」を減算した値を所定差枚数とした場合において、当該所定差枚数の最小値を所定基準値として、当該所定基準値からの上記所定差枚数の増加分の枚数のことである。有利区間SC2において合計獲得数カウンタの値が上限純増数(具体的には2400枚)に対応する値に到達した場合には、準備状態ST5又はART状態ST6の途中であっても、当該到達したゲームにて有利区間SC2が終了されて、通常区間SC1であって通常遊技状態ST1となる状況に移行する。
その後、第2演算対象エリア111に設けられた第2立ち上げ準備フラグに「1」をセットする(ステップS703)。第2立ち上げ準備フラグは、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第2状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。既に説明したとおり、第2状態中信号は、遊技区間が有利区間SC2であることを示す信号である。なお、第2状態中信号の詳細については後述する。その後、有利移行当選フラグを「0」クリアして(ステップS704)、本遊技区間の第2制御処理を終了する。
ステップS701にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111の有利区間フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、遊技区間が有利区間SC2であるか否かを判定する(ステップS705)。有利区間フラグに「1」がセットされている場合(ステップS705:YES)、第2演算対象エリア111の有利継続カウンタの値を1加算し(ステップS706)、その1加算後の有利継続カウンタの値が上限ゲーム数である「1500」以上となっているか否かを判定する(ステップS707)。
ステップS707にて否定判定を行った場合には、今回のゲームにおいて、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞のいずれかのリプレイ入賞が成立したか否かを判定する(ステップS708)。いずれのリプレイ入賞も成立していない場合(ステップS708:NO)には、第2演算対象エリア111における合計獲得数カウンタから今回のゲームのベット数(具体的には「3」)を減算する(ステップS709)。
その後、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生するいずれかの小役入賞(第1〜第3補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞、第1スイカ入賞、第2スイカ入賞及びチェリー入賞)が成立したか否かを判定する(ステップS710)。ステップS710にて肯定判定をした場合、第2演算対象エリア111の合計獲得数カウンタに今回のゲームにて付与された遊技媒体の数を加算する(ステップS711)。
ステップS710にて否定判定をした場合、又はステップS711の処理を実行した場合、第2演算対象エリア111の合計獲得数カウンタの値が0以上であるか否かを判定する(ステップS712)。合計獲得数カウンタの値が0未満である場合(ステップS712:NO)、合計獲得数カウンタを「0」クリアする(ステップS713)。
上記のとおりステップS709にて合計獲得数カウンタから今回のゲームのベット数が減算されるため、例えば有利区間SC2に移行した直後の通常遊技状態ST1におけるゲームにおいていずれの小役入賞も成立しなかった場合、合計獲得数カウンタの値は0未満となる。この場合、ステップS712にて否定判定をすることで、ステップS713にて合計獲得数カウンタが「0」クリアされる。これにより、「有利区間SC2が継続している状況で実行されたゲームにより付与された遊技媒体の合計数(遊技媒体の付与が発生していない状況では「0」)」から「有利区間SC2が継続されている状況でゲームを実行するために消化された遊技媒体の合計数(ゲームが実行されていない状況では「0」)」を減算した値を所定差枚数とした場合において、当該所定差枚数の最小値を所定基準値として、当該所定基準値からの上記所定差枚数の増加分の枚数である遊技媒体の制限付き合計純増枚数を、合計獲得数カウンタを利用して計測することが可能となる。
ステップS708にて肯定判定を行った場合、ステップS712にて肯定判定を行った場合、又はステップS713の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111における合計獲得数カウンタの値が上限純増数である「2400」以上であるか否かを判定する(ステップS714)。合計獲得数カウンタの値が「2400」以上である場合(ステップS714:YES)、有利区間SC2のエンディング条件が成立したことを意味する。また、ステップS707にて第2演算対象エリア111の有利継続カウンタの値が上限ゲーム数である「1500」以上であると判定した場合にも、有利区間SC2のエンディング条件が成立したことを意味する。ステップS707にて肯定判定を行った場合、又はステップS714にて肯定判定を行った場合には、有利区間SC2を終了させるための処理(ステップS715及びステップS716の処理)を実行する。具体的には、後述する有利終了用処理を実行し(ステップS715)、後述する有利区間SC2の初期化処理を実行して(ステップS716)、本遊技区間の第2制御処理を終了する。
ステップS714にて否定判定を行った場合には、エンディング対応処理を実行する(ステップS717)。図30はエンディング対応処理を示すフローチャートである。なお、エンディング対応処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
エンディング対応処理では、まず第2演算対象エリア111に設けられた第1エンディングフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS801)。第1エンディングフラグは、有利継続カウンタを利用して計測されている有利区間SC2におけるゲームの実行回数が上限ゲーム数に到達する可能性が高いことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
第1エンディングフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS801:NO)、第2演算対象エリア111の有利継続カウンタの値と、第2演算対象エリア111に設けられたARTゲーム数カウンタの値との和が有利区間SC2の上限ゲーム数以上となっているか否かを判定する(ステップS802)。ARTゲーム数カウンタはART状態ST6の残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。有利区間SC2の上限ゲーム数は既に説明したとおり1500ゲームに設定されている。なお、有利区間SC2の上限ゲーム数は1500ゲームに限定されることはなく、1500ゲームよりも少ないゲーム数であってもよく、1500ゲームよりも多いゲーム数であってもよい。
ステップS802にて肯定判定をした場合、第1エンディングフラグに「1」をセットする(ステップS803)。第1エンディングフラグに「1」がセットされた場合、詳細は後述するが準備状態ST5及びART状態ST6においてART状態ST6における残りの継続ゲーム数の上乗せが発生しない状態となるとともに、準備状態ST5又はART状態ST6が終了して通常遊技状態ST1に移行する場合には確実に有利区間SC2が終了して通常区間SC1に移行することとなる。これにより、有利区間SC2のエンディング条件が成立することとなる状況において、ART状態ST6の残りの継続ゲーム数の更なる上乗せが発生してしまわないようにすることが可能となる。
本実施形態におけるボーナス状態(BB状態ST3及びRB状態ST4)では、ART状態ST6における残りの継続ゲーム数を増加させるための上乗せ抽選等が行われることはなく、当該上乗せ抽選等を実行するか否かを判定するために第1エンディングフラグが参照されることもない。このため、第1エンディングフラグに「1」を設定するための条件には、ボーナス状態における残りの継続ゲーム数が含まれていない。ステップS802では、ボーナス状態における残りの継続ゲーム数を加えることなく、有利区間SC2において継続して実行されたゲーム数及びART状態ST6における残りの継続ゲーム数の和が有利区間SC2の上限ゲーム数以上となっているか否かを判定することにより、有利区間SC2におけるゲームの実行回数が上限ゲーム数に到達する可能性が高い状態であるか否かを判定する。有利区間SC2におけるボーナス状態では、ゲームが実行される度に有利継続カウンタの値が1加算され、当該1加算後の有利継続カウンタの値及びARTゲーム数カウンタの値の和が有利区間SC2の上限ゲーム数以上となった場合に、ステップS802にて肯定判定が行われるとともにステップS803にて第1エンディングフラグに「1」がセットされることとなる。
その後、第1エンディングコマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS804)。当該第1エンディングコマンドには有利区間SC2のエンディング条件が成立するまでに必要なゲーム数の情報、すなわち有利区間SC2の上限ゲーム数に対する有利継続カウンタの値の差に対応する情報が含まれる。
演出側MPU92は第1エンディングコマンドを受信することで主側MPU72において第1エンディングフラグに「1」がセットされている状況であることを把握することが可能となる。演出側MPU92は未だエンディング期間に対応する実行態様による演出を開始していない状況において第1エンディングコマンドを受信した場合、その時点の遊技状態がART状態ST6であれば、当該第1エンディングコマンドの受信を契機として、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63における演出の実行態様をエンディング期間に対応する実行態様となるようにする。一方、演出側MPU92は未だエンディング期間に対応する実行態様による演出を開始していない状況において第1エンディングコマンドを受信した場合であって遊技状態がART状態ST6ではない場合にはART状態ST6に移行した場合に、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63における演出の実行態様をエンディング期間に対応する実行態様となるようにする。なお、第1エンディングフラグに「1」がセットされる状況は、ARTゲーム数カウンタの値が1以上である状況であり、ART状態ST6、ART状態ST6の途中で発生したボーナス状態(BB状態ST3又はRB状態ST4)、及びART状態ST6の途中で発生したボーナス状態が終了した後の準備状態ST5のいずれかとなる。
ステップS801にて肯定判定をした場合、ステップS802にて否定判定をした場合、又はステップS804の処理を実行した場合、第2演算対象エリア111に設けられた第2エンディングフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS805)。第2エンディングフラグは、第2演算対象エリア111の合計獲得数カウンタを利用して計測されている遊技媒体の制限付きの合計純増枚数が上限純増数に到達する可能性が高いことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
第2エンディングフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS805:NO)、ARTゲーム数カウンタの値にART状態ST6における遊技媒体の獲得期待値を積算した結果の値を合計獲得数カウンタの値に加算した結果が有利区間SC2の上限純増数以上となっているか否かを判定する(ステップS806)。有利区間SC2の上限純増数は既に説明したとおり「2400」に設定されている。なお、有利区間SC2の上限純増数は「2400」に限定されることはなく、「2400」よりも少ない数であってもよく、「2400」よりも多い数であってもよい。
ステップS806にて肯定判定をした場合、第2エンディングフラグに「1」をセットする(ステップS807)。第2エンディングフラグに「1」がセットされた場合、詳細は後述するが準備状態ST5及びART状態ST6においてART状態ST6における残りの継続ゲーム数の上乗せが発生しない状態となるとともに、準備状態ST5又はART状態ST6が終了して通常遊技状態ST1に移行する場合には確実に有利区間SC2が終了して通常区間SC1に移行することとなる。これにより、有利区間SC2のエンディング条件が成立することとなる状況において、ART状態ST6の残りの継続ゲーム数の更なる上乗せが発生してしまわないようにすることが可能となる。
本実施形態におけるボーナス状態(BB状態ST3及びRB状態ST4)では、ART状態ST6における残りの継続ゲーム数を増加させるための上乗せ抽選等が行われることはなく当該上乗せ抽選等を実行するか否かを判定するために第2エンディングフラグが参照されることもない。このため、第2エンディングフラグに「1」を設定するための条件には、ボーナス状態における残りの継続ゲーム数が含まれていない。ステップS806では、ボーナス状態における残りのゲーム数を考慮することなく、ARTゲーム数カウンタの値にART状態ST6における遊技媒体の獲得期待値を積算した結果の値を合計獲得数カウンタの値に加算した結果が有利区間SC2の上限純増数以上となっているか否かを判定することにより、合計獲得数カウンタを利用して計測されている遊技媒体の制限付きの合計純増枚数が上限純増数に到達する可能性が高い状態であるか否かを判定する。有利区間SC2におけるボーナス状態では、小役入賞が成立する度に当該小役入賞に対応する遊技媒体の付与数が合計獲得数カウンタの値に加算され、ARTゲーム数カウンタの値にART状態ST6における遊技媒体の獲得期待値を積算した結果の値を当該加算後の合計獲得数カウンタの値に加算した結果が有利区間SC2の上限純増数以上となった場合に、ステップS806にて肯定判定が行われるとともにステップS807にて第2エンディングフラグに「1」がセットされることとなる。
その後、第2エンディングコマンドを演出側MPU92に送信して(ステップS808)、本エンディング対応処理を終了する。当該第2エンディングコマンドには有利区間SC2のエンディング条件が成立するまでに必要な遊技媒体の制限付きの合計純増枚数の情報、すなわち有利区間SC2の上限純増数に対する合計獲得数カウンタの値の差に対応する情報が含まれる。
演出側MPU92は第2エンディングコマンドを受信することで主側MPU72において第2エンディングフラグに「1」がセットされている状況であることを把握することが可能となる。演出側MPU92は未だエンディング期間に対応する実行態様による演出を開始していない状況において第2エンディングコマンドを受信した場合、その時点の遊技状態がART状態ST6であれば、当該第1エンディングコマンドの受信を契機として、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63における演出の実行態様をエンディング期間に対応する実行態様となるようにする。一方、演出側MPU92は未だエンディング期間に対応する実行態様による演出を開始していない状況において第2エンディングコマンドを受信した場合であって遊技状態がART状態ST6ではない場合にはART状態ST6に移行した場合に、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63における演出の実行態様をエンディング期間に対応する実行態様となるようにする。なお、第2エンディングフラグに「1」がセットされる状況は、ARTゲーム数カウンタの値が1以上である状況であり、ART状態ST6、ART状態ST6の途中で発生したボーナス状態(BB状態ST3又はRB状態ST4)、及びART状態ST6の途中で発生したボーナス状態が終了した後の準備状態ST5のいずれかとなる。
遊技区間の第2制御処理(図29)の説明に戻り、ステップS717にてエンディング対応処理を実行した後、遊技状態が通常遊技状態ST1であって第2演算対象エリア111に設けられた有利維持カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS718)。有利維持カウンタは、ART状態ST6が終了して通常遊技状態ST1に遊技状態が移行する場合において通常遊技状態ST1に移行した後においても有利維持ゲーム数に亘って有利区間SC2を維持させる場合に、当該有利維持ゲーム数の残りゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。有利維持カウンタには、ART状態ST6の終了時に行われる有利維持抽選において有利維持当選となった場合に「10」がセットされる。なお、有利維持抽選の詳細については後述する。
ステップS718にて否定判定を行った場合には、そのまま本遊技区間の第2制御処理を終了する。一方、ステップS718にて肯定判定を行った場合には、ステップS716と同様に、後述する有利区間の初期化処理を実行して(ステップS719)、本遊技区間の第2制御処理を終了する。
上記のとおり、いずれかのリプレイ入賞が成立した場合、ステップS708にて肯定判定をすることでステップS709〜ステップS713の処理を実行しない。リプレイ入賞が成立するゲームにおいてはその開始時に遊技者が所有する遊技媒体がベット設定に際して利用されるものの、リプレイ入賞が成立したことによる利益として、当該リプレイ入賞が成立したゲームにおけるベット数と同数のベット数にて新たなゲームの再遊技を行うことが可能となる。つまり、リプレイ入賞が成立したゲームにおいては遊技者が所有する遊技媒体の数が変動していない。この場合に、リプレイ入賞が成立したゲームにおいてはステップS708〜ステップS713の処理を実行しないようにすることで、遊技者が所有する遊技媒体の数が変動しないゲームにおいては合計獲得数カウンタの値を変化させるための処理の実行を省略することが可能となり、無駄な処理の実行を省くことが可能となる。
その一方、リプレイ入賞が成立したゲームであっても、ステップS714にて、合計獲得数カウンタの値が上限純増数である「2400」以上であるか否かを判定する。これにより、リプレイ入賞が成立したゲームよりも前のゲームにおいて実際には既に合計獲得数カウンタの値が上限純増数である「2400」に到達していたにも関わらずノイズなどの原因で有利区間SC2の初期化処理が実行されていなかった場合であっても、その後のリプレイ入賞が成立したゲームにおいて合計獲得数カウンタの値が上限純増数である「2400」に到達していることを特定することが可能となり、有利区間SC2の初期化処理が実行されるようにすることが可能となる。
次に、遊技終了時の対応処理(図28)のステップS605にて実行される通常用処理について説明する。なお、通常用処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
通常用処理では、現状の遊技区間が有利区間SC2である場合に、第2演算対象エリア111に設けられた通常遊技ゲーム数カウンタの値を1加算し、当該1加算後の通常遊技ゲーム数カウンタの値が通常遊技上限ゲーム数(具体的には「1000」)に達したか否かを判定する。通常遊技ゲーム数カウンタは、有利区間SC2において通常遊技状態ST1で継続して実行されたゲーム数を主側MPU72にて把握可能とするカウンタである。通常遊技ゲーム数カウンタには、「0」〜「1000」の数値範囲の数値情報が設定される。通常遊技上限ゲーム数は、「設定1」〜「設定6」の各設定値間において同一である。通常遊技ゲーム数カウンタの値が通常遊技上限ゲーム数(具体的には「1000」)に達している場合には、通常遊技ゲーム数カウンタの値を「0」クリアする。通常用処理では、通常遊技ゲーム数カウンタの値が通常遊技上限ゲーム数(具体的には「1000」)に達したと判定して通常遊技ゲーム数カウンタの値を「0」クリアした場合、又は第2演算対象エリア111におけるART当選フラグに「1」が設定されている場合、ART状態ST6における継続ゲーム数に「50」を設定するとともに、ART当選フラグを「0」クリアする。既に説明したとおり、ART当選フラグには、ART移行抽選処理(遊技区間の第1制御処理(図27)のステップS508)においてART状態ST6への移行当選が発生した場合に「1」がセットされる。その後、遊技状態を準備状態ST5に移行させるための第2演算対象エリア111における情報の設定を行い、遊技状態を準備状態ST5に移行させる。これにより、遊技終了時の対応処理(図28)における次回以降の処理回においてステップS606の準備状態処理が実行されることとなる。その後、演出側MPU92に対して準備開始コマンドを送信する。準備開始コマンドは、準備状態ST5が開始されることを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。演出側MPU92は、準備開始コマンドを受信した場合、準備状態ST5に対応する演出が開始されるようにする。また、通常用処理では、第2演算対象エリア111における有利維持カウンタの値が「1」以上である場合、有利維持カウンタの値を1減算する。
このように、ART移行抽選処理(遊技区間の第1制御処理(図27)のステップS508)においてART状態ST6への移行当選が発生した場合には、ART状態ST6に移行する前段階として準備状態ST5に移行する。また、有利区間SC2において通常遊技状態ST1で継続して実行されたゲーム数が通常遊技上限ゲーム数(具体的には「1000」)に達した場合にもART状態ST6に移行する前段階として準備状態ST5に移行する。これにより、有利区間SC2において通常遊技状態ST1が通常遊技上限ゲーム数に到達するまで継続したことに対する補填を行うことが可能となる。また、当該通常遊技上限ゲーム数を「設定1」〜「設定6」の各設定値間において同一とすることにより、当該通常遊技上限ゲーム数に関して設定値による有利又は不利が生じないようにすることが可能となる。
次に、遊技終了時の対応処理(図28)のステップS606にて実行される準備状態処理(図31)の説明に先立ち、役の抽選処理(図17)におけるステップS412にて実行される上乗せ用処理について説明する。なお、上乗せ用処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
上乗せ用処理では、遊技状態が準備状態ST5又はART状態ST6であるとともに、今回の役の抽選処理(図17)にて上乗せ抽選処理の対象となる当選データが設定された場合、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグに「1」がセットされていないことを条件として、上乗せ抽選処理を実行する。上乗せ抽選処理の対象となる当選データは、通常モード用抽選テーブル(図18)におけるインデックス値IV=4〜6,16〜17の当選データ、第1RTモード用抽選テーブル(図20)におけるインデックス値IV=4〜6,22〜23の当選データ、及び第2RTモード用抽選テーブル(図22)におけるインデックス値IV=4〜6,17〜18の当選データである。
上乗せ抽選処理では、まず今回の役の抽選処理(図17)にて設定された当選データに対応する上乗せテーブルを主側ROM73から読み出す。その後、第2演算対象エリア111において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した上乗せテーブルに対して照合する。これにより、上乗せ当選となったか否かを特定する。上乗せ当選となった場合、遊技状態がART状態ST6であるか否かを判定する。遊技状態がART状態ST6である場合には、第2演算対象エリア111におけるARTゲーム数カウンタに「50」を加算する。既に説明したとおり、ARTゲーム数カウンタはART状態ST6の残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。その後、第2演算対象エリア111に設けられたART中上乗せフラグに「1」をセットして、本上乗せ用処理を終了する。ART中上乗せフラグは、ART状態ST6において上乗せ当選が発生したことを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。一方、遊技状態がART状態ST6ではないと判定した場合には、遊技状態が準備状態ST5であることを意味するため、第2演算対象エリア111におけるARTゲーム数カウンタに「50」を加算する。その後、第2演算対象エリア111に設けられた準備中上乗せフラグに「1」をセットして、本上乗せ用処理を終了する。準備中上乗せフラグは、準備状態ST5において上乗せ当選が発生したことを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。
上記のとおり、上乗せ抽選処理は、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグに「1」がセットされていないことを条件として実行される。このため、有利区間SC2のエンディング条件が成立することとなる状況において、ART状態ST6の残りの継続ゲーム数の更なる上乗せが発生してしまわないようにすることが可能となる。
次に、遊技終了時の対応処理(図28)におけるステップS606にて実行される準備状態処理について図31のフローチャートを参照しながら説明する。なお、準備状態処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
準備状態処理では、まず準備中上乗せ対応処理を実行する(ステップS901)。準備中上乗せ対応処理では、第2演算対象エリア111における準備中上乗せフラグに「1」がセットされている場合、演出側MPU92に対して準備中上乗せコマンドを送信するとともに、準備中上乗せフラグを「0」クリアする。準備中上乗せコマンドは、準備状態ST5においてART状態ST6の継続ゲーム数が上乗せされたことを示すコマンドである。演出側MPU92は準備中上乗せコマンドを受信した場合、当該準備中上乗せコマンドに設定されている今回の上乗せゲーム数が付与されたことを示す上乗せ演出が実行されるようにする。既に説明したとおり、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのうち少なくとも一方に「1」がセットされている場合には、ART状態ST6の継続ゲーム数を上乗せする上乗せ当選が発生しない。このため、有利区間SC2におけるゲームの実行回数が上限ゲーム数に到達する可能性が高い状況、又は遊技媒体の制限付きの合計純増枚数が上限純増数に到達する可能性が高い状況において、ART状態ST6の残りの継続ゲーム数は増加しない。
その後、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が成立している場合(ステップS902:YES)、準備状態ST5からART状態ST6への移行契機が発生したことを意味するため、ART開始用処理を実行する(ステップS903)。ART開始用処理では、遊技状態をART状態ST6に移行させるための第2演算対象エリア111における情報の設定を行い、遊技状態をART状態ST6に移行させる。これにより、遊技終了時の対応処理(図28)における次回以降の処理回においてステップS607のART状態処理が実行されることとなる。
また、ART開始用処理(ステップS903)では、準備状態ST5が開始される前における遊技状態がボーナス状態であって当該ボーナス状態の直前の遊技状態がART状態ST6である場合、ART状態ST6に復帰したことを意味するため、ボーナス状態に移行する直前のART状態ST6における遊技状況に復帰させるための設定を行う。また、準備状態ST5においてART状態ST6の残りの継続ゲーム数の上乗せ当選が発生している場合には、その上乗せ当選となったことにより付与された継続ゲーム数が加算された状態でART状態ST6が開始されることとなる。ART開始用処理(ステップS903)では、ART状態ST6への移行が発生したことを示すART開始コマンドを演出側MPU92に送信する。ART開始コマンドには今回のART状態ST6への移行がART状態ST6への復帰に該当するか否かを示す情報が設定されているとともに、ART状態ST6への復帰に該当しない場合にはART状態ST6の開始ゲーム数として50ゲームが付与されたことを示す情報が設定されている。
その後、第2演算対象エリア111に設けられた第3立ち上げ準備フラグに「1」をセットして(ステップS904)、本準備状態処理を終了する。第3立ち上げ準備フラグは、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第3状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。既に説明したとおり、第3状態中信号は、遊技状態がART状態ST6であることを示す信号である。なお、第3状態中信号の詳細については後述する。
次に、遊技終了時の対応処理(図28)におけるステップS607にて実行されるART状態処理について図32のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ART状態処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
ART状態処理では、まずART中上乗せ対応処理を実行する(ステップS1001)。ART中上乗せ対応処理では、第2演算対象エリア111のART中上乗せフラグに「1」がセットされている場合、演出側MPU92に対してART中上乗せコマンドを送信するとともに、ART中上乗せフラグを「0」クリアする。ART中上乗せコマンドは、ART状態ST6においてART状態ST6の継続ゲーム数が上乗せされたことを示すコマンドである。演出側MPU92はART中上乗せコマンドを受信した場合、当該ART中上乗せコマンドに設定されている今回の上乗せゲーム数が付与されたことを示す上乗せ用の演出が実行されるようにする。既に説明したとおり、第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのうち少なくとも一方に「1」がセットされている場合には、ART状態ST6の継続ゲーム数を上乗せする上乗せ当選が発生しない。このため、有利区間SC2におけるゲームの実行回数が上限ゲーム数に到達する可能性が高い状況、又は遊技媒体の制限付きの合計純増枚数が上限純増数に到達する可能性が高い状況において、ART状態ST6の残りの継続ゲーム数は増加しない。
その後、第2演算対象エリア111におけるARTゲーム数カウンタの値を1減算し(ステップS1002)、その1減算後におけるARTゲーム数カウンタの値が「0」である場合(ステップS1003:YES)には、ART状態ST6の終了処理を実行する(ステップS1004)。当該終了処理では、遊技状態をART状態ST6から通常遊技状態ST1に移行させるための第2演算対象エリア111における情報の設定を行い、遊技状態を通常遊技状態ST1に移行させる。これにより、例えば遊技終了時の対応処理(図28)における次回以降の処理回においてステップS605の通常用処理が実行されることとなる。
その後、第2演算対象エリア111に設けられた第3立ち下げ準備フラグに「1」をセットする(ステップS1005)。第3立ち下げ準備フラグは、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第3状態中信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。既に説明したとおり、第3状態中信号は、遊技状態がART状態ST6であることを示す信号である。なお、第3状態中信号の詳細については後述する。
その後、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれにも「1」がセットされていない場合(ステップS1006:NO)、有利維持抽選処理を実行する(ステップS1007)。有利維持抽選処理では、まず有利維持抽選テーブルを主側ROM73から読み出す。有利維持抽選テーブルには有利維持当選に該当する当選値が設定されている。その後、第2演算対象エリア111において定期的に更新される乱数カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を、読み出した有利維持抽選テーブルに対して照合することにより、有利維持当選となったか否かを判定する。
有利維持当選となった場合(ステップS1008:YES)、第2演算対象エリア111における有利維持カウンタに有利維持ゲーム数である「10」をセットする(ステップS1009)。これにより、ART状態ST6が終了した後であっても有利維持ゲーム数のゲームが消化されるまでは遊技区間が有利区間SC2に維持される。その後、演出側MPU92に対して有利維持コマンドを送信して(ステップS1010)、本ART状態処理を終了する。有利維持コマンドは、ART状態ST6が終了したこと、及び有利維持当選の発生によりART状態ST6の終了後も10ゲームに亘って有利維持区間が継続されることを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。演出側MPU92は有利維持コマンドを受信することによりART状態ST6が終了したことに対応する演出が実行されるようにするとともに、当該演出の終了後に通常遊技状態ST1及び有利区間SC2に対応する演出が実行されるようにする。
第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされている状態でART状態ST6が終了した場合(ステップS1006:YES)、又は有利維持抽選処理(ステップS1007)にて外れ結果となった場合(ステップS1008:NO)には、演出側MPU92に対してART終了コマンドを送信する(ステップS1011)。ART終了コマンドは、ART状態ST6が終了したことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。演出側MPU92はART終了コマンドを受信することによりART状態ST6が終了したことに対応する演出が実行されるようにするとともに、当該演出の終了後に通常遊技状態ST1及び通常区間SC1に対応する演出が実行されるようにする。その後、有利区間SC2を終了させるための有利区間SC2の初期化処理を実行して(ステップS1012)、本ART状態処理を終了する。このように、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされている状態でART状態ST6が終了した場合(ステップS1006:YES)には、有利維持抽選処理(ステップS1007)が実行されることなく有利区間SC2の初期化処理(ステップS1012)が実行される。なお、有利区間SC2の初期化処理の詳細については後述する。
次に、遊技終了時の対応処理(図28)のステップS601にて実行されるボーナス用処理について図33のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ボーナス用処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
ボーナス用処理では、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111(図12)に記憶されているBB当選データに対応するBB入賞が成立した場合(ステップS1101:YES)、第2演算対象エリア111に設けられたBBフラグに「1」をセットする(ステップS1102)。BBフラグはBB状態ST3であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
今回成立したBB入賞が第3BB入賞又は第4BB入賞である場合(ステップS1103:YES)、有利区間開始処理を実行する(ステップS1104)。有利区間開始処理では、第2演算対象エリア111の有利区間フラグに「1」をセットして遊技区間を有利区間SC2に移行させるとともに、演出側MPU92に対して有利区間開始コマンドを送信する。有利区間開始コマンドは、有利区間SC2への移行が発生したことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。また、有利区間開始処理(ステップS1104)では、有利区間表示部67の点灯処理を実行する。当該点灯処理では、有利区間表示部67を消灯状態から点灯状態に切り換える。
このように、第3BB入賞又は第4BB入賞が成立した場合には、BB状態ST3となる前の遊技区間が通常区間SC1であったとしても有利区間SC2に設定されることとなる。このため、第3BB役及び第4BB役に対応するBB状態ST3の方が、第1BB役及び第2BB役に対応するBB状態ST3よりも有利なBB状態ST3とすることが可能となる。
その後、第2演算対象エリア111の第2立ち上げ準備フラグに「1」をセットする(ステップS1105)。既に説明したとおり、第2状態中信号は、遊技区間が有利区間SC2であることを示す信号であるとともに、第2立ち上げ準備フラグは、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第2状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。なお、第2状態中信号の詳細については後述する。
一方、第2演算対象エリア111に記憶されているRB当選データに対応するRB入賞が成立した場合(ステップS1101:NO、ステップS1106:YES)、第2演算対象エリア111に設けられたRBフラグに「1」をセットする(ステップS1107)。RBフラグはRB状態ST4であることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
また、今回成立したRB入賞が第1RB入賞である場合(ステップS1108:YES)、ステップS1104と同様に、有利区間開始処理を実行する(ステップS1109)。既に説明したとおり、有利区間開始処理では、第2演算対象エリア111の有利区間フラグに「1」をセットして遊技区間を有利区間SC2に移行させるとともに、演出側MPU92に対して有利区間開始コマンドを送信する。有利区間開始コマンドは、有利区間SC2への移行が発生したことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。また、有利区間開始処理(ステップS1109)では、有利区間表示部67の点灯処理を実行する。当該点灯処理では、有利区間表示部67を消灯状態から点灯状態に切り換える。
このように、第1RB入賞が成立した場合には、RB状態ST4となる前の遊技区間が通常区間SC1であったとしても有利区間SC2に設定されることとなる。このため、第1RB役に対応するRB状態ST4の方が、第2RB役に対応するRB状態ST4よりも有利なRB状態ST4とすることが可能となる。その後、ステップS1105と同様に、第2演算対象エリア111の第2立ち上げ準備フラグに「1」をセットする(ステップS1110)。これにより、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第2状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能となる。既に説明したとおり、第2状態中信号は、遊技区間が有利区間SC2であることを示す信号である。なお、第2状態中信号の詳細については後述する。
ステップS1103にて否定判定を行った場合、ステップS1105の処理を行った場合、ステップS1108にて否定判定を行った場合、又はステップS1110の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111に設定されているボーナス当選データをクリアする(ステップS1111)。このように、第2演算対象エリア111に設定されたボーナス当選データは当該ボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立した場合にクリアされる。その後、第2演算対象エリア111に設けられた第1立ち上げ準備フラグに「1」をセットする(ステップS1112)。第1立ち上げ準備フラグは、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第1状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。既に説明したとおり、第1状態中信号は、遊技状態がボーナス状態であることを示す信号である。なお、第1状態中信号の詳細については後述する。
その後、第2演算対象エリア111に設けられた合計払出カウンタの値を「0」クリアする(ステップS1113)。合計払出カウンタは、ボーナス状態において付与された遊技媒体の合計数を主側MPU72にて把握可能とするカウンタである。その後、演出側MPU92に対してボーナス開始コマンドを送信して(ステップS1114)、本ボーナス用処理を終了する。ボーナス開始コマンドには今回開始されるボーナス状態(第1BB入賞、第2BB入賞、第3BB入賞、第4BB入賞、第1RB入賞又は第2RB入賞)の種類を示す情報が設定されている。演出側MPU92は、ボーナス開始コマンドを受信した場合、開始されるボーナス状態の種類に対応する演出が実行されるようにする。
ステップS1106にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111のBBフラグ又はRBフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1115)。ステップS1115にて肯定判定を行った場合には、BB状態ST3又はRB状態ST4の進行を制御するボーナス状態用処理を実行して(ステップS1116)、本ボーナス用処理を終了する。図34はボーナス状態用処理を示すフローチャートである。なお、ボーナス状態用処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
ボーナス状態用処理では、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生している場合(ステップS1201:YES)、合計払出カウンタの加算処理を実行する(ステップS1202)。合計払出カウンタの加算処理では、第2演算対象エリア111の合計払出カウンタに今回付与された遊技媒体の数に対応する値を加算する。その後、合計払出カウンタの加算処理(ステップS1202)にて加算した後の合計払出カウンタの値が現状のボーナス状態に対応する終了基準数以上となっているか否かを判定する(ステップS1203)。具体的には、現状のボーナス状態がBB状態ST3である場合にはBB終了基準数(例えば「350」)以上であるか否かを判定し、現状のボーナス状態がRB状態ST4である場合にはRB終了基準数(例えば「150」)以上であるか否かを判定する。
ステップS1203にて肯定判定をした場合には、今回のボーナス状態の契機となったボーナス役に当選したタイミングの遊技状態が準備状態ST5又はART状態ST6であったか否かを判定する(ステップS1204)。ステップS1204にて肯定判定を行った場合には、準備状態ST5の設定処理を実行する(ステップS1205)。当該設定処理では、遊技状態を準備状態ST5に移行させるための第2演算対象エリア111における情報の設定を行い、遊技状態を準備状態ST5に移行させる。これにより、遊技終了時の対応処理(図28)における次回以降の処理回においてステップS606の準備状態処理が実行されることとなる。
ステップS1204にて否定判定を行った場合には、通常遊技状態ST1の設定処理を実行する(ステップS1206)。当該設定処理では、遊技状態を通常遊技状態ST1に移行させるための第2演算対象エリア111における情報の設定を行い、遊技状態を通常遊技状態ST1に移行させる。これにより、遊技終了時の対応処理(図28)における次回以降の処理回においてステップS605の通常用処理が実行されることとなる。
ステップS1205の処理を実行した場合、又はステップS1206の処理を実行した場合には、ボーナス状態が終了することを示すボーナス終了コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS1207)。当該ボーナス終了コマンドにはボーナス状態の終了後における遊技状態が通常遊技状態ST1及び準備状態ST5のいずれであるのかを示す情報が設定されている。演出側MPU92はボーナス終了コマンドを受信することにより、ボーナス状態が終了することを示す演出が開始されるようにするとともに、当該演出の終了後にはボーナス状態の終了後の遊技状態に対応する演出が開始されるようにする。
その後、第2演算対象エリア111に設けられたボーナス終了時初期化フラグに「1」をセットし(ステップS1208)、後述する第1示唆動作用処理を実行する(ステップS1209)。ボーナス終了時初期化フラグは、ボーナス終了時に第1示唆動作用処理(ステップS1209)が実行されていることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。その後、第2演算対象エリア111に設けられた第1立ち下げ準備フラグに「1」をセットして(ステップS1210)、遊技終了時の設定処理(図28)のステップS608に進み、ステップS608〜ステップS609の処理を実行する。第1立ち下げ準備フラグは、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第1状態中信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。既に説明したとおり、第1状態中信号は、遊技状態がボーナス状態であることを示す信号である。なお、第1状態中信号の詳細については後述する。
次に、主側MPU72にて実行される有利終了用処理について図35のフローチャートを参照しながら説明する。有利終了用処理は遊技区間の第2制御処理(図29)においていずれかのエンディング条件が成立した場合(ステップS707にて肯定判定が行われた場合、又はステップS714にて肯定判定が行われた場合)にステップS715にて実行される。なお、有利終了用処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
有利終了用処理では、まず第2演算対象エリア111におけるBB状態フラグに「1」がセットされているか否かを判定することにより遊技状態がBB状態ST3であるか否かを判定する(ステップS1301)。
ステップS1301にて肯定判定を行った場合には、BB状態ST3における遊技媒体の合計付与数がBB状態ST3用の途中終了基準数未満であるか否かを判定する(ステップS1302)。ステップS1302では、第2演算対象エリア111の合計払出カウンタの値に基づいてBB状態ST3における遊技媒体の合計付与数を把握する。既に説明したとおり、BB終了基準数は「350」である。これに対して、BB状態ST3用の途中終了基準数は「200」に設定されている。ステップS1302にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111に設けられたボーナス継続フラグに「1」をセットして(ステップS1303)、本有利終了用処理を終了する。一方、ステップS1302にて否定判定を行った場合には、ボーナス継続フラグに「1」をセットすることなく、本有利終了用処理を終了する。ボーナス継続フラグは、ボーナス状態の途中で有利区間SC2のエンディング条件が成立した場合に、当該エンディング条件が成立したゲームにおいて有利区間SC2を終了させる一方、ボーナス状態は継続させることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。
BB状態ST3における遊技媒体の合計付与数がBB状態ST3用の途中終了基準数である「200」未満である状態において有利区間SC2のエンディング条件が成立した場合、有利区間SC2は当該エンディング条件が成立したゲームにて終了する一方、BB状態ST3は有利区間SC2が終了した後も当該合計付与数がBB終了基準数である「350」以上となるまで継続される。これにより、BB状態ST3において遊技者に付与された遊技媒体の合計数が途中終了基準数にも満たない状態でBB状態ST3が終了してしまうことを防止することができる。一方、BB状態ST3における遊技媒体の合計付与数がBB状態ST3用の途中終了基準数である「200」以上である状態において有利区間SC2のエンディング条件が成立した場合には、エンディング条件が成立したゲームにおいて有利区間SC2が終了するとともにBB状態ST3も終了する。
ステップS1301にて遊技状態がBB状態ST3ではないと判定した場合には、遊技状態がRB状態ST4であるか否かを判定する(ステップS1304)。遊技状態がRB状態ST4である場合(ステップS1304:YES)には、当該RB状態ST4における遊技媒体の合計付与数がRB状態ST4用の途中終了基準数未満であるか否かを判定する(ステップS1305)。ステップS1305では、第2演算対象エリア111の合計払出カウンタの値に基づいてRB状態ST4における遊技媒体の合計付与数を把握する。既に説明したとおり、RB終了基準数は「150」である。これに対して、RB状態ST4用の途中終了基準数は「100」に設定されている。ステップS1305にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111に設けられたボーナス継続フラグに「1」をセットして(ステップS1303)、本有利終了用処理を終了する。一方、ステップS1305にて否定判定を行った場合には、ボーナス継続フラグに「1」をセットすることなく、本有利終了用処理を終了する。
RB状態ST4における遊技媒体の合計付与数がRB状態ST4用の途中終了基準数である「100」未満である状態において有利区間SC2のエンディング条件が成立した場合、有利区間SC2は当該エンディング条件が成立したゲームにて終了する一方、RB状態ST4は有利区間SC2が終了した後も当該合計付与数がRB終了基準数である「150」以上となるまで継続される。これにより、RB状態ST4において遊技者に付与された遊技媒体の合計数が途中終了基準数にも満たない状態でRB状態ST4が終了してしまうことを防止することができる。一方、RB状態ST4における遊技媒体の合計付与数がRB状態ST4用の途中終了基準数である「100」以上である状態において有利区間SC2のエンディング条件が成立した場合には、エンディング条件が成立したゲームにおいて有利区間SC2が終了するとともにRB状態ST4も終了する。
次に、主側MPU72にて実行される有利区間SC2の初期化処理について図36のフローチャートを参照しながら説明する。有利区間SC2の初期化処理は遊技区間の第2制御処理(図29)においていずれかのエンディング条件が成立した場合にステップS716にて実行されるとともに、通常遊技状態ST1において有利維持カウンタの値が「0」となった場合にステップS719にて実行される。なお、有利区間SC2の初期化処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
有利区間SC2の初期化処理では、第2演算対象エリア111の有利区間フラグを「0」クリアする(ステップS1401)。これにより、遊技区間が有利区間SC2から通常区間SC1に移行する。その後、有利区間表示部67を点灯状態から消灯状態に切り換える(ステップS1402)。これにより、有利区間表示部67における有利区間SC2であることの報知が終了される。その後、演出側MPU92に対して有利区間終了コマンドを送信する(ステップS1403)。有利区間終了コマンドは、有利区間SC2が終了したことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。
その後、第2演算対象エリア111に設けられた第2立ち下げ準備フラグに「1」をセットする(ステップS1404)。第2立ち下げ準備フラグは、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第2状態中信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。既に説明したとおり、第2状態中信号は遊技区間が有利区間SC2であることを示す信号である。なお、第2状態中信号の詳細については後述する。
その後、第2演算対象エリア111に設けられた有利終了時初期化フラグに「1」をセットし(ステップS1405)、後述する第1示唆動作用処理を実行する(ステップS1406)。有利終了時初期化フラグは、有利区間SC2の終了時に第1示唆動作用処理(ステップS1406)が実行されていることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。
その後、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのうち少なくとも一方に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1407)。ステップS1407にて肯定判定を行った場合には、遊技状態がART状態ST6であるか否かを判定し(ステップS1408)、ART状態ST6である場合(ステップS1408:YES)には、第2演算対象エリア111における第3立ち下げ準備フラグに「1」をセットする(ステップS1409)。既に説明したとおり、第3状態中信号は遊技状態がART状態ST6であることを示す信号であるとともに、第3立ち下げ準備フラグは、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第3状態中信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。このように、有利区間SC2のエンディング条件が成立して当該有利区間SC2が終了する際にART状態ST6も終了する場合には、第3立ち下げ準備フラグに「1」がセットされる。なお、第3状態中信号の詳細については後述する。
ステップS1407にて否定判定を行った場合、ステップS1408にて否定判定を行った場合、又はステップS1409の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111におけるボーナス継続フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1410)。ボーナス継続フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1410:NO)には、遊技状態がボーナス状態であるか否かを判定し(ステップS1411)、ボーナス状態である場合(ステップS1411:YES)には、第2演算対象エリア111における第1立ち下げ準備フラグに「1」をセットする(ステップS1412)。既に説明したとおり、第1状態中信号は遊技状態がボーナス状態であることを示す信号であるとともに、第1立ち下げ準備フラグは、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第1状態中信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。このように、有利区間SC2のエンディング条件が成立して当該有利区間SC2が終了する際にボーナス状態も終了する場合には、第1立ち下げ準備フラグに「1」がセットされる。なお、第1状態中信号の詳細については後述する。
ステップS1411にて否定判定を行った場合、又はステップS1412の処理を行った場合には、ボーナス終了用のクリア処理を実行する(ステップS1413)。ボーナス終了用のクリア処理では、ボーナス状態に滞在していたとしても第2演算対象エリア111における合計払出カウンタを含めてボーナス状態であることを示す各種データをクリアする。また、準備状態ST5及びART状態ST6のいずれかに滞在していたとしても、それら遊技状態(準備状態ST5又はART状態ST6)の継続ゲーム数を記憶するためのカウンタを含めてそれら遊技状態(準備状態ST5又はART状態ST6)であることを示す各種データをクリアして、遊技状態を通常遊技状態ST1に移行させる。
一方、ボーナス継続フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1410:YES)には、ボーナス継続用のクリア処理を実行する(ステップS1414)。ボーナス継続用のクリア処理では、準備状態ST5及びART状態ST6のいずれかに滞在していたとしても、それら遊技状態(準備状態ST5又はART状態ST6)の継続ゲーム数を記憶するためのカウンタを含めてそれら遊技状態(準備状態ST5又はART状態ST6)であることを示す各種データをクリアする。ボーナス継続用のクリア処理(ステップS1414)では、第2演算対象エリア111における合計払出カウンタを含めてボーナス状態であることを示す各種データはクリアされない。このため、有利区間SC2が終了してもボーナス状態は継続され、当該ボーナス状態が終了した場合に遊技状態が通常遊技状態ST1に移行することとなる。
ステップS1413の処理を行った場合、又はステップS1414の処理を行った場合には、エンディングフラグのクリア処理を実行して(ステップS1415)、本有利区間SC2の初期化処理を終了する。エンディングフラグのクリア処理(ステップS1415)では、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグを「0」クリアする。
次に、主側MPU72にて実行される管理用処理について図37のフローチャートを参照しながら説明する。管理用処理はタイマ割込み処理(図15)のステップS214にて実行される。管理用処理のうち管理実行処理(ステップS1503)以外の処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される一方、管理実行処理(ステップS1503)は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
管理用処理では、まずタイマ割込み処理(図15)の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う(ステップS1501)。これにより、非特定制御に対応する処理である後述する管理実行処理の途中の状況において、特定制御に対応する処理であるタイマ割込み処理(図15)が割り込んで起動されてしまわないようにすることが可能となる。
その後、プッシュ命令により、主側MPU72のフラグレジスタの情報を特定制御用のスタックエリア101に退避させる(ステップS1502)。フラグレジスタにはキャリフラグ、ゼロフラグ、P/Vフラグ、サインフラグ及びハーフキャリフラグなどを含み、演算命令、ローテート命令及び入出力命令などの実行結果によってフラグレジスタの情報は変化することとなる。このようなフラグレジスタの情報を管理実行処理に対応するサブルーチンのプログラムが開始される前に退避させることにより、当該サブルーチンのコールや当該サブルーチンの開始後において変化する前の状態のフラグレジスタの情報を特定制御用のスタックエリア101に退避させておくことが可能となる。なお、フラグレジスタの情報量は1バイトとなっている。
その後、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されている管理実行処理に対応するサブルーチンのプログラムを読み出すことにより、当該管理実行処理を開始する(ステップS1503)。この場合、当該管理実行処理の実行後における管理用処理の戻り番地を特定するための情報がプッシュ命令により特定制御用のスタックエリア101に書き込まれる。特定制御用のスタックエリア101に書き込まれる当該戻り番地の情報は、コール命令により管理実行処理を読み出す直前に実行していた処理の次の処理(ステップS1504の処理)に対応するプログラムのアドレス情報である。管理実行処理が終了した場合にはポップ命令によりその戻り番地を特定するための情報が読み出され、当該戻り番地が示す管理用処理のプログラムに復帰する。
管理実行処理の実行後において管理用処理のプログラムに復帰した場合、ポップ命令により、ステップS1502にて特定制御用のスタックエリア101に退避させたフラグレジスタの情報を主側MPU72のフラグレジスタに復帰させる(ステップS1504)。これにより、主側MPU72のフラグレジスタの情報が、ステップS1502が実行された時点の情報に復帰することとなる。つまり、主側MPU72のフラグレジスタの情報が特定制御を実行するための情報に復帰することとなる。
その後、割込み許可処理を実行して(ステップS1505)、本管理用処理を終了する。割込み許可処理では、タイマ割込み処理(図15)の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える。これにより、タイマ割込み処理の新たな実行が可能となる。
次に、主側MPU72にて実行される管理実行処理について、図38のフローチャートを参照しながら説明する。管理実行処理は管理用処理(図37)におけるステップS1503にて実行される。なお、管理実行処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
管理実行処理では、まず主側MPU72が備えているスタックポインタのデータを、ロード命令により、非特定制御用のワークエリア102に設けられた非特定スタックポインタ退避エリアに退避させる(ステップS1601)。非特定スタックポインタ退避エリアは、非特定制御の開始時に主側MPU72のスタックポインタのデータを退避させるための記憶エリアであり、2バイトからなる。スタックポインタは、スタックエリア101,104においてプッシュ命令による情報の書き込み対象となる記憶エリアを主側MPU72にて特定するためのアドレスの情報が設定されるエリアである。主側MPU72では、プッシュ命令が行われる度にスタックポインタの情報が、次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新され、ポップ命令が行われる度にスタックポインタの情報が、前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新される。特定制御用のスタックエリア101を使用する場合、記憶対象となる情報は特定制御用のスタックエリア101における最後のアドレス(Y(r+1))の記憶エリアから記憶され、記憶対象となる情報が追加される度に特定制御用のスタックエリア101における最初のアドレス(Y(1))側に向けて記憶先の記憶エリアが変更される。また、非特定制御用のスタックエリア104を使用する場合も、特定制御用のスタックエリア101を使用する場合と同様に、記憶対象となる情報は非特定制御用のスタックエリア104における最後のアドレス(Y(u+1))の記憶エリアから記憶され、記憶対象となる情報が追加される度に非特定制御用のスタックエリア104における最初のアドレス(Y(t+7))側に向けて記憶先の記憶エリアが変更される。非特定制御の開始時におけるスタックポインタのデータを退避させておくことにより、ステップS1601〜ステップS1618の処理を実行した後に、当該データをスタックポインタに復帰させてスタックポインタのデータを非特定制御用の開始時におけるデータに戻すことが可能となる。
ちなみに、特定制御用のスタックエリア101及び非特定制御用のスタックエリア104のいずれについても、全ての記憶エリアに情報が設定されているにも関わらず追加でプッシュ命令が実行された場合には、記憶処理に関して異常が発生したものとして主側RAM74の全エリアが「0」クリアされる。これにより、記憶処理に関して異常が発生しているにも関わらずそのまま遊技が進行してしまわないようにすることが可能となる。
ステップS1601の処理を実行した後、ロード命令により、主側MPU72のスタックポインタに非特定制御の開始時における固定アドレスとして、非特定制御用のスタックエリア104における最後のアドレスであるY(u+1)を設定する(ステップS1602)。その後、主側MPU72が備えている各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタのうち一部のレジスタであるWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、非特定制御用のスタックエリア104に退避させる処理を実行する(ステップS1603)。これらWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの情報量はいずれも2バイトである。
ステップS1603では、まずプッシュ命令により、主側MPU72のWAレジスタの情報を非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対応する記憶エリアに退避させるとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。この場合、ステップS1602にて主側MPU72のスタックポインタに設定した固定アドレス(Y(u+1))及び当該固定アドレスの次のアドレス(Y(u))に対応する記憶エリアにWAレジスタの情報が書き込まれるとともに、スタックポインタに設定されているアドレスの情報がY(u−1)に更新される。その後、プッシュ命令により、主側MPU72のBCレジスタの情報を非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対応する記憶エリアに退避させるとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、プッシュ命令により、主側MPU72のDEレジスタの情報を非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対応する記憶エリアに退避させるとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、プッシュ命令により、主側MPU72のHLレジスタの情報を非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対応する記憶エリアに退避させるとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、プッシュ命令により、主側MPU72のIXレジスタの情報を非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対応する記憶エリアに退避させるとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、プッシュ命令により、主側MPU72のIYレジスタの情報を非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対応する記憶エリアに退避させるとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。
これらWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタはステップS1604〜ステップS1617の処理にて利用されるレジスタである。これらのレジスタに設定されている情報をステップS1604〜ステップS1617の処理の実行に先立ち非特定制御用のスタックエリア104に退避させることにより、特定制御に際して利用されていたこれらレジスタの情報を非特定制御が開始される前に退避させることが可能となる。よって、非特定制御に際してこれらレジスタが上書きされたとしても、非特定制御を終了する場合には非特定制御用のスタックエリア104に退避させた情報をこれらレジスタに復帰させることで、これらレジスタの状態を非特定制御が実行される前における特定制御に対応する状態に復帰させることが可能となる。
また、各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタの全ての情報を非特定制御用のスタックエリア104に退避させるのではなく、ステップS1604〜ステップS1617の処理にて利用対象となるWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの情報を選択的に非特定制御用のスタックエリア104に退避させることにより、非特定制御用のスタックエリア104においてレジスタの情報を退避させるために確保する容量を抑えることが可能となる。よって、ステップS1604〜ステップS1617の処理に際して利用可能となる非特定制御用のスタックエリア104の容量を大きく確保しながら、上記のようなレジスタの情報の退避を行うことが可能となる。なお、当然のことながら主側MPU72における各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタのうちWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタ以外のレジスタについては、非特定制御に対応する処理が開始される前に設定された情報が当該非特定制御に対応する処理が終了して特定制御に対応する処理が再開されるまで記憶保持される。
その後、非特定制御用のワークエリア102に設けられたゲーム実行把握フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1604)。ゲーム実行把握フラグは、主側MPU72が非特定制御用の処理において1ゲームが終了したことを把握可能とするフラグである。主側MPU72は後述するステップS1609にて特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111のゲーム中フラグの値と同一の値をゲーム実行把握フラグにセットする。既に説明したとおり、ゲーム中フラグの値は、ゲームが実行されている状況において「1」となっているとともに、ゲームが実行されていない状況において「0」となっている。管理実行処理(図38)の前回の処理回が終了してから今回の処理回が終了するまでに1ゲームが終了した場合、ゲーム実行把握フラグの値が「1」であるとともにゲーム実行フラグの値が「0」である状態となる。主側MPU72は、当該状態が生じた場合に、1ゲームが実行されたことを把握する。
ゲーム実行把握フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1604:YES)には、ゲーム中フラグの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS1605)。ステップS1605にて肯定判定を行った場合には、1ゲームが終了したことを意味する。この場合、非特定制御用のワークエリア102に設けられた合計ゲーム数カウンタの値を1加算する(ステップS1606)。合計ゲーム数カウンタは、遊技状態及び遊技区間に関係なく消化されたゲーム数を計測するためのカウンタである。合計ゲーム数カウンタは3バイトからなり256の3乗から1減算した値を上限としてゲーム数を計測することが可能である。また、合計ゲーム数カウンタの値はメイン処理(図14)においてステップS107の全部クリア処理が実行されない限り「0」クリアされない。したがって、遊技ホールにおける複数の営業日における累計のゲーム数を計測することが可能である。
その後、特定制御用のワークエリア103の第2演算対象エリア111における有利区間フラグの状態に基づいて遊技区間が有利区間SC2であるか否かを判定する(ステップS1607)。ステップS1607では、有利区間フラグに「1」がセットされている場合に有利区間SC2であることを把握する。有利区間SC2である場合(ステップS1607:YES)には、合計ゲーム数カウンタの値を1加算するだけではなく、非特定制御用のワークエリア102に設けられた有利ゲーム数カウンタの値を1加算する(ステップS1608)。有利ゲーム数カウンタは、有利区間SC2において実行された累計のゲーム数を主側MPU72にて把握可能とするカウンタである。有利ゲーム数カウンタは、主側RAM74において有利継続カウンタとは別に設けられており、有利区間SC2の初期化処理(図36)が実行されたとしても有利ゲーム数カウンタは「0」クリアされない。したがって、通常区間SC1を間に挟んで有利区間SC2が複数回発生する場合、それら複数回の有利区間SC2において消化されたゲーム数の合計を有利ゲーム数カウンタにて計測することが可能である。有利ゲーム数カウンタは3バイトからなり256の3乗から1減算した値を上限としてゲーム数を計測することが可能である。また、有利ゲーム数カウンタの値はメイン処理(図14)においてステップS107の全部クリア処理が実行されない限り「0」クリアされない。したがって、遊技ホールにおける複数の営業日において実行された有利区間SC2の累計のゲーム数を計測することが可能である。
ステップS1604にて否定判定を行った場合、ステップS1605にて否定判定を行った場合、ステップS1607にて否定判定を行った場合、又はステップS1608の処理を行った場合には、特定制御用のワークエリア103の第2演算対象エリア111におけるゲーム中フラグの値を把握し、当該把握した値を非特定制御用のワークエリア102におけるゲーム実行把握フラグにセットする(ステップS1609)。ステップS1609では、ゲーム中フラグの値が「1」である場合にはゲーム実行把握フラグに「1」をセットするとともに、ゲーム中フラグの値が「0」である場合にはゲーム実行把握フラグを「0」クリアする。これにより、ゲームが終了したことを非特定制御用の処理を実行している途中の主側MPU72にて把握可能とすることができる。
その後、非特定制御用のワークエリア102に設けられた管理表示フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1610)。管理表示フラグは、比率表示器85に遊技履歴の管理結果を表示させるための表示指示が発生している状況であることを主側MPU72にて把握可能とするためのフラグである。管理表示フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1610:NO)には、遊技履歴の管理結果の表示指示が発生しているか否かを判定する(ステップS1611)。具体的には、スロットマシン10の動作電力が供給されているとともにメイン処理(図14)のステップS109における設定値更新処理(図71)が実行されていない状況において、前面扉12が開放状態とされて電源装置54に設けられたリセットボタン56が3秒間以上に亘って継続して押圧操作されたか否かを判定する。既に説明したとおり、設定キー挿入孔57のON操作が行われているとともにリセットボタン56の押圧操作が行われている状態でスロットマシン10の動作電力の供給が開始された場合にはメイン処理(図14)においてステップS107の全部クリア処理が実行される。また、詳細は後述するが、メイン処理(図14)のステップS109における設定値更新処理(図71)ではスロットマシン10の設定値を更新するためにリセットボタン56の操作が行われる。さらにまた、後述する打止状態報知が行われている状態においては、当該状態の解除操作としてリセットボタン56の操作が行われる。本スロットマシン10では、スロットマシン10の動作電力が供給されているとともに設定値更新処理(図71)が実行されていない状況においてリセットボタン56が3秒間以上に亘って継続して押圧操作された場合には遊技履歴の管理結果の表示指示が発生したことになる。
遊技履歴の管理結果の表示指示が発生していると判定した場合(ステップS1611:YES)、合計ゲーム数カウンタの値に対する有利ゲーム数カウンタの値の割合を演算する(ステップS1612)。つまり、演算結果=「有利ゲーム数カウンタの値」/「合計ゲーム数カウンタの値」となるように演算を実行する。
その後、管理表示開始処理を実行する(ステップS1613)。管理表示開始処理ではステップS1612の演算結果の比率表示器85(図9)における表示を開始させる。この場合、比率表示部87に表示されている値が有利区間滞在比率であることを示す識別子「7U.」が識別子表示部86に表示されるようにする。具体的には、「7」が識別子表示部86における左側セグメント表示器86aに表示され、「U」が識別子表示部86における右側セグメント表示器86bに表示され、識別子用の補助表示部86cが点灯するように識別子表示部86を表示制御する。また、ステップS1612の演算結果を100倍した値のうち、10の位が比率表示部87における左側セグメント表示器87aに表示され、1の位が右側セグメント表示器87bに表示されるように比率表示部87を表示制御する。上記演算結果はパーセント表示として報知される。具体的には、上記演算結果を100倍した値が「35」であれば、比率表示部87における左側セグメント表示器87aでは「3」が表示され、右側セグメント表示器87bでは「5」が表示される。
但し、比率表示部87における2つのセグメント表示器87a,87bのみによる表示の場合、上記演算結果を100倍した値が「100」の場合と「0」の場合とで比率表示部87における表示内容が同一となってしまう。そこで、上記演算結果を100倍した値が「100」の場合には比率表示部87における左側セグメント表示器87a及び右側セグメント表示器87bのそれぞれに「0」が表示されるだけではなく補助表示部87cが点灯状態とされ、上記演算結果を100倍した値が「0」の場合には比率表示部87における左側セグメント表示器87a及び右側セグメント表示器87bのそれぞれに「0」が表示されるだけではなく補助表示部87cが消灯状態とされる。その後、非特定制御用のワークエリア102における管理表示フラグに「1」をセットする(ステップS1614)。
管理表示フラグに「1」がセットされていると判定した場合(ステップS1610:YES)には、ステップS1612の演算結果の比率表示器85(図9)における表示を継続させるための管理表示処理を実行する(ステップS1615)。その後、管理結果の表示を終了させるために終了操作が行われたか否かを判定する(ステップS1616)。具体的には、スタート検出センサ41a、ストップ検出センサ42a〜44a、投入メダル検出センサ45a、クレジット投入検出センサ47a及び精算検出センサ51aのいずれかからON信号を受信しているか否かを判定し、いずれかの検出センサ41a〜45a,47aからON信号を受信していると判定した場合に終了操作が行われたと判定する。スタートレバー41が押圧操作されていることを示すON信号をスタート検出センサ41aから受信している場合、いずれかのストップボタン42〜44が押圧操作されていることを示すON信号をいずれかのストップ検出センサ42a〜44aから受信している場合、メダルが投入されたことを示すON信号を投入メダル検出センサ45aから受信している場合、クレジット投入ボタン47が押圧操作されていることを示すON信号をクレジット投入検出センサ47aから受信している場合、又は精算ボタン51が押圧操作されたことを示すON信号を精算検出センサ51aから受信している場合、ステップS1616にて肯定判定をする。この場合、各ON信号が有効期間において発生したか否かに関係なくステップS1616にて肯定判定をする。
つまり、スタート検出センサ41aからのON信号の受信がリール32L,32M,32Rの回転開始契機となるか否かに関係なくステップS1616にて肯定判定をする。また、ストップ検出センサ42a〜44aからのON信号の受信がリール32L,32M,32Rの回転停止契機となるか否かに関係なくステップS1616にて肯定判定をする。また、投入メダル検出センサ45aからのON信号の受信がベット設定又はクレジット増加の対象となるか否かに関係なくステップS1616にて肯定判定をする。また、クレジット投入検出センサ47aからのON信号の受信がベット設定の対象となるか否かに関係なくステップS1616にて肯定判定をする。また、精算検出センサ51aからのON信号の受信がクレジットされた仮想メダルの精算契機となるか否かに関係なくステップS1616にて肯定判定をする。
ステップS1616にて肯定判定をした場合、管理表示フラグを「0」クリアする(ステップS1617)。管理表示フラグが「0」クリアされることにより、管理実行処理(図38)の次回以降の処理回においてステップS1610にて否定判定が行われるようになり、比率表示器85における有利区間滞在比率(上記演算結果)の表示が終了する。
ステップS1611にて否定判定を行った場合、ステップS1614の処理を行った場合、ステップS1616にて否定判定を行った場合、又はステップS1617の処理を行った場合には、ステップS1603にて非特定制御用のスタックエリア104に退避させたデータを、ステップS1603における順番(WAレジスタ→BCレジスタ→DEレジスタ→HLレジスタ→IXレジスタ→IYレジスタ)とは逆の順番(IYレジスタ→IXレジスタ→HLレジスタ→DEレジスタ→BCレジスタ→WAレジスタ)で、主側MPU72のWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタに復帰させる処理を実行する(ステップS1618)。
ステップS1618では、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して前の順番の情報に対応する記憶エリアに退避された情報を主側MPU72のIYレジスタに上書きするとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して前の順番の情報に対応する記憶エリアに退避された情報を主側MPU72のIXレジスタに上書きするとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して前の順番の情報に対応する記憶エリアに退避された情報を主側MPU72のHLレジスタに上書きするとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して前の順番の情報に対応する記憶エリアに退避された情報を主側MPU72のDEレジスタに上書きするとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して前の順番の情報に対応する記憶エリアに退避された情報を主側MPU72のBCレジスタに上書きするとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して前の順番の情報に対応する記憶エリアに退避された情報を主側MPU72のWAレジスタに上書きするとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。ステップS1618の処理が実行されることにより、主側MPU72のWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、非特定制御に対応する処理が開始される直前における特定制御に対応する情報に復帰させることが可能となる。
その後、ステップS1601にて非特定制御用のワークエリア102における非特定スタックポインタ退避エリアに退避させたデータを主側MPU72のスタックポインタに復帰させて(ステップS1619)、本管理実行処理を終了する。ステップS1601にて非特定スタックポインタ退避エリアに退避させたデータを主側MPU72のスタックポインタに復帰させることにより、主側MPU72のスタックポインタのデータを非特定制御の開始時のデータに戻すことができる。これにより、管理用処理(図37)のステップS1503にてプッシュ命令により特定制御用のスタックエリア101に書き込まれた戻り番地の情報(ステップS1504の処理に戻るためのアドレス情報)を、ポップ命令により読み出して、当該戻り番地が示す管理用処理(図37)のプログラムに復帰することができる。
<電源復帰後にデータの異常確認を行うための構成>
次に、電源復帰後に主側RAM74における一部の記憶エリアに記憶されているデータの異常確認を行うための構成について説明する。
主側MPU72は、停電の発生を特定した場合、タイマ割込み処理(図15)のステップS204にて停電時処理を実行する。停電時処理では、主側RAM74における一部の記憶エリアに記憶されているデータについてチェックサムを算出する。図13に示すように、チェックサムの演算対象範囲は、特定制御用のスタックエリア101における第1演算対象エリア109、非特定制御用のワークエリア102、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111、第1未使用エリア105及び第2未使用エリア106である。
第1演算対象エリア109は、主側MPU72のレジスタの情報を退避する場合及び特定制御に対応するプログラム上の戻り番地の情報を記憶させる場合に利用される。第1演算対象エリア109がチェックサムの演算対象範囲に含まれていることにより、当該第1演算対象エリア109に退避させている主側MPU72のレジスタの情報及び当該第1演算対象エリア109に記憶している特定制御に対応するプログラム上の戻り番地の情報に異常が発生している状態のまま遊技が進行してしまうことを防止することができる。既に説明したとおり、非特定制御用のワークエリア102には、合計ゲーム数カウンタ及び有利ゲーム数カウンタなどが設けられており、当該非特定制御用のワークエリア102には、遊技機の管理情報が記憶される。非特定制御用のワークエリア102がチェックサムの演算対象範囲に含まれていることにより、当該非特定制御用のワークエリア102に記憶されている遊技機の管理情報に異常が発生している状態のまま遊技が進行してしまうことを防止することができる。第2演算対象エリア111には、遊技を進行させるために必要な情報が記憶される。第2演算対象エリア111がチェックサムの演算対象範囲に含まれていることにより、当該第2演算対象エリア111に記憶されている遊技を進行させるために必要な情報に異常が発生している状態のまま遊技が進行してしまうことを防止することができる。
図13に示すように、主側RAM74においてチェックサムの演算対象となる記憶エリアのアドレス範囲は、連続するY(4)〜Y(t+1)のアドレス範囲となっている。これにより、チェックサムを算出するための処理構成においてチェックサムの演算対象となる記憶エリアのアドレス範囲を指定するための処理を簡素化することができる。既に説明したとおり、主側RAM74において、第1未使用エリア105のアドレス範囲(Y(r+2)〜Y(r+4))は、第1演算対象エリア109のアドレス範囲(Y(4)〜Y(r+1))と非特定制御用のワークエリア102のアドレス範囲(Y(r+5)〜Y(s+1))との間に存在しているとともに、第2未使用エリア106のアドレス範囲(Y(s+2)〜Y(s+4))は、非特定制御用のワークエリア102のアドレス範囲(Y(r+5)〜Y(s+1))と第2演算対象エリア111のアドレス範囲(Y(s+5)〜Y(t+1))との間に存在している。チェックサムの演算対象範囲にこれら第1未使用エリア105及び第2未使用エリア106を含めることにより、主側RAM74においてチェックサムの演算対象となる記憶エリアのアドレス範囲を連続するアドレス範囲とすることができる。一方、第3未使用エリア107のアドレス範囲(Y(t+4)〜Y(t+6))は、第1演算対象エリア109、非特定制御用のワークエリア102及び第2演算対象エリア111のいずれにも連続していない。このため、チェックサムの演算対象範囲から第3未使用エリア107を除外することにより、主側RAM74においてチェックサムの演算対象となる記憶エリアのアドレス範囲が分散してしまうことを防止することができる。既に説明したとおり、第3未使用エリア107は、特定制御及び非特定制御のいずれにおいても使用されないエリアであり、第3未使用エリア107についてチェックサムは算出されない。
設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく動作電力の供給が開始された場合、メイン処理(図14)では復電用処理(ステップS103)が実行される。詳細は後述するが、復電用処理(ステップS103)では、後述するステップS1804のバックアップ異常確認処理(図41)にて、電源遮断前に算出したチェックサムと同一の演算対象範囲についてチェックサムを算出する。主側MPU72は、主側RAM74における同一の演算対象範囲について、電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に算出したチェックサムと一致した場合に、当該演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していないことを確認する。
チェックサムの算出方法は任意であるが、例えばチェックサムの演算対象範囲に含まれる記憶エリアの全ての数値を加算する算出方法が挙げられる。具体的には、まず主側MPU72においてチェックサムの演算用のレジスタとしてBCレジスタを確保し、当該BCレジスタを「0」クリアする。既に説明したとおり、BCレジスタは2バイトからなる。図13に示すように、チェックサムの演算対象範囲にはY(4)〜Y(t+1)のアドレスに対応する記憶エリアが含まれている。既に説明したとおり、これらの記憶エリアは1バイトからなる。チェックサムの演算では、まず演算対象範囲の開始アドレスであるY(4)に対応する1バイトの記憶エリアを加算対象エリアに設定する。その後、当該加算対象エリアに記憶されているデータを1バイトの数値情報としてBCレジスタに加算するとともに、現状の加算対象エリアのアドレス(Y(4))に「1」を加算して加算対象エリアのアドレスをY(5)に更新する。これにより、加算対象エリアがY(5)のアドレスに対応する1バイトの記憶エリアに更新される。チェックサムの演算では、加算対象エリアのアドレスが当該演算の終了アドレスであるY(t+2)となるまで、加算対象エリアに記憶されている1バイトの数値情報をBCレジスタに加算するとともに加算対象エリアのアドレスを1加算して更新する処理を繰り返す。各加算処理では、当該加算の結果がBCレジスタの最上位ビットを超える繰り上がりが発生した場合、当該繰り上がりは無視する。これにより、BCレジスタには、チェックサムの演算結果として、チェックサムの演算対象範囲に含まれている全てのアドレス(Y(4)〜Y(t+1))に対応する記憶エリアに記憶されている1バイトの数値情報の合計値が算出されている状態となる。当該合計値は2バイトの数値情報である。本実施形態では、BCレジスタにて算出された当該合計値をチェックサムの値とし、電源復帰後に算出した当該チェックサムの値が電源遮断前に算出されて記憶されたチェックサムの値と一致するか否かを確認する。このチェックサムの算出方法は、電源遮断前に停電時処理(タイマ割込み処理(図15)のステップS204)にてチェックサムを算出する場合と、電源復帰後に後述するバックアップ異常確認処理(図41)にてチェックサムを算出する場合と、において同一の算出方法となっている。なお、主側MPU72においてチェックサムの演算用に確保するレジスタは、BCレジスタに限定されることはなく、DEレジスタであってもよく、HLレジスタであってもよい。
図12に示すように、特定制御用のワークエリア103において、第2演算対象エリア111とは別に設けられた第2演算対象外エリア112には、電源遮断前に算出した2バイトのチェックサムを記憶するためのチェックサム用エリア114が設けられている。チェックサム用エリア114は2バイトからなる。電源遮断前及び電源復帰後に主側RAM74における同一の演算対象範囲についてチェックサムを算出する構成において、電源遮断前に算出したチェックサムを主側RAM74において当該演算対象範囲から除外されている記憶エリアに記憶する構成とすることにより、当該演算対象範囲に記憶されているデータが変化してしまうことを防止しながら、電源遮断前に算出したチェックサムを特定制御用のワークエリア103に記憶させることができる。主側MPU72は、停電の発生を特定した場合、チェックサムを算出するとともに、当該算出したチェックサムをチェックサム用エリア114に記憶する。これにより、第1演算対象エリア109、非特定制御用のワークエリア102、第2演算対象エリア111、第1未使用エリア105及び第2未使用エリア106に記憶されているデータに対応するチェックサムがチェックサム用エリア114に記憶されている状態で電源が遮断されるようにすることができる。
特定制御用のスタックエリア101には、先頭エリア108が設けられている。図13に示すように、先頭エリア108は、特定制御用のスタックエリア101においてY(1)〜Y(3)のアドレスに対応する3バイトの記憶エリアである。先頭エリア108はチェックサムの演算対象範囲から除外されている。
既に説明したとおり、メイン処理(図14)において、復電用処理(ステップS103)以外の処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される処理である。また、復電用処理(ステップS103)のうち後述するバックアップ異常確認処理(図41)以外の処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される処理である一方、バックアップ異常確認処理(図41)は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される処理である。特定制御用のスタックエリア101における先頭エリア108は、特定制御用の処理を実行している状態において、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図41)を開始する際に、主側MPU72のフラグレジスタのデータ(1バイト)を退避させるために利用されるとともに、バックアップ異常確認処理(図41)の終了後に復電用処理(図40)に復帰するための戻り番地の情報(2バイト)を記憶するために利用される。
このため、チェックサムの演算対象範囲に先頭エリア108を含めてしまうと、電源復帰後においてバックアップ異常確認処理(図41)を実行する前に当該先頭エリア108に記憶されているデータが書き換えられて、常にチェックサムが一致しなくなってしまう。これに対して、チェックサムの演算対象範囲から先頭エリア108が除外されていることにより、バックアップ異常確認処理(図41)を実行するために先頭エリア108に記憶されているデータが書き換えられることによってチェックサムの値が電源遮断前の値と相違してしまうことが防止されている。
特定制御用の処理である復電用処理(図40)を実行している状態において、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図41)を開始する際に、戻り番地の情報を先頭エリア108に記憶しておくことにより、バックアップ異常確認処理(図41)の終了時に当該戻り番地の情報に基づいて復電用処理(図40)に復帰させることができる。特定制御用の処理である復電用処理(図40)を実行している状態において、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図41)を開始する際に、主側MPU72のフラグレジスタのデータ(1バイト)を先頭エリア108に退避させておくことにより、バックアップ異常確認処理(図41)の終了時に先頭エリア108に退避させておいたデータを主側MPU72のフラグレジスタに復帰させることができる。これにより、主側MPU72のフラグレジスタを非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図41)の開始時の状態に戻して特定制御用の処理である復電用処理(図40)に復帰させることができる。
詳細は後述するが、バックアップ異常確認処理(図41)の開始時に、主側MPU72における一部のレジスタのデータを非特定制御用のスタックエリア104に退避させる処理が実行される。図13に示すように、非特定制御用のスタックエリア104はチェックサムの演算対象範囲から除外されている。これにより、電源復帰が行われてから電源遮断前と同一の演算対象範囲についてチェックサムの演算が行われる前に、当該演算対象範囲に記憶されているデータが変化してしまうことを防止しながら、主側MPU72における一部のレジスタのデータを非特定制御用のスタックエリア104に退避させることが可能となっている。バックアップ異常確認処理(図41)の終了時に、非特定制御用のスタックエリア104に退避させていたデータを主側MPU72における当該一部のレジスタに復帰させる処理が実行される。これにより、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図41)にて主側MPU72における当該一部のレジスタを利用可能としながら、当該一部のレジスタのデータをバックアップ異常確認処理(図41)の開始時のデータに戻して、特定制御用の処理に復帰させることができる。また、非特定制御用のスタックエリア104がチェックサムの演算対象範囲から除外されていることにより、チェックサムの演算対象範囲が低減されている。このため、停電の発生を特定してから電源が遮断されて主側MPU72の動作が停止するまでに実行すべき処理を短縮することができる。
バックアップ異常確認処理を非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行する構成とすることにより、当該バックアップ異常確認処理を特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行する構成と比較して、主側ROM73において特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを記憶する記憶エリアの記憶容量に余裕を持たせることができる。
次に、タイマ割込み処理(図15)のステップS204にて実行される停電時処理(図39)の説明に先立ち、タイマ割込み処理(図15)の開始時、実行中及び終了時における主側MPU72が備えている各種レジスタの情報の移動について説明する。
まず、タイマ割込み処理(図15)の開始時について説明する。主側MPU72にて特定制御用の処理が実行されている状態においてタイマ割込み処理(図15)による割込みが発生するタイミングとなった場合、主側MPU72にて実行されていた処理の次の処理に対応するアドレスの情報が2バイトの戻り番地の情報として、プッシュ命令により、特定制御用のスタックエリア101に退避される。戻り番地の情報のうち上位1バイトは、特定制御用のスタックエリア101における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対応する記憶エリアに退避されるとともに、当該戻り番地の情報のうち下位1バイトは、特定制御用のスタックエリア101における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報の次の順番の情報に対応する記憶エリアに退避される。また、主側MPU72のスタックポインタの情報は、「2」減算されて更新される。これにより、タイマ割込み処理(図15)の終了時に、ポップ命令により、特定制御用のスタックエリア101に退避させた当該戻り番地の情報を読み出して当該タイマ割込み処理(図15)の開始直前に実行していた処理の次の処理に復帰することが可能となる。
次に、レジスタ退避処理(ステップS201)について説明する。レジスタ退避処理では、ロード命令により、主側MPU72のスタックポインタの情報を第2演算対象エリア111に設けられたスタックポインタ退避用エリア116に退避させる。これにより、タイマ割込み処理(図15)の開始時におけるスタックポインタの情報がスタックポインタ退避用エリア116に退避されている状態となる。スタックポインタ退避用エリア116は、第2演算対象エリア111において主側MPU72のスタックポインタのデータを退避させるために設けられた記憶エリアである。レジスタ退避処理では、主側MPU72のスタックポインタの情報を退避させた後、主側MPU72が備えている各種レジスタのうちプログラムカウンタ及びスタックポインタ以外のレジスタの情報を第2演算対象エリア111に設けられたレジスタ退避用エリア117に退避させる。レジスタ退避用エリア117は、主側MPU72が備えている各種レジスタのうちプログラムカウンタ及びスタックポインタ以外のレジスタの情報を退避させるための記憶エリアである。レジスタ退避用エリア117には、WAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタなどの各レジスタのそれぞれに1対1で対応させてWAレジスタ退避用バッファ、BCレジスタ退避用バッファ、DEレジスタ退避用バッファ、IXレジスタ退避用バッファ及びIYレジスタ退避用バッファなどのレジスタ退避用バッファが設けられており、これらWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタなどの各レジスタの情報は、ロード命令により、対応するレジスタ退避用バッファに退避される。これにより、タイマ割込み処理(図15)の開始時におけるこれらのレジスタの情報がレジスタ退避用エリア117に退避されている状態となる。
次に、レジスタ復帰処理(ステップS215)について説明する。レジスタ復帰処理では、レジスタ退避用エリア117の各レジスタ退避用バッファに記憶されている情報を、主側MPU72においてレジスタ退避用バッファに対応するレジスタに復帰させる。各レジスタ退避用バッファに記憶されている情報は、各レジスタ退避用バッファについてロード命令が実行されることにより、対応するレジスタに復帰する。レジスタ復帰処理では、レジスタ退避用エリア117の各レジスタ退避用バッファに記憶されている情報を主側MPU72の各レジスタに復帰させる処理を行った後、スタックポインタ退避用エリア116に記憶されている情報を、ロード命令により、主側MPU72のスタックポインタに復帰させる。これにより、主側MPU72における各種レジスタのうちプログラムカウンタを除くレジスタをタイマ割込み処理(図15)の開始時の状態に復帰させることができる。
次に、タイマ割込み処理(図15)の終了時について説明する。プログラムカウンタを除く主側MPU72の各種レジスタをタイマ割込み処理(図15)の開始時の状態に復帰させた後、タイマ割込み処理(図15)の終了時に、ポップ命令により、特定制御用のスタックエリア101に退避させていた情報を主側MPU72のプログラムカウンタに設定する。これにより、タイマ割込み処理(図15)を終了するとともに、当該タイマ割込み処理(図15)による割込みが発生する直前に実行していた処理の次の処理に復帰することができる。
このように、タイマ割込み処理(図15)の実行中に主側MPU72の各種レジスタを利用可能としながら、当該タイマ割込み処理(図15)の終了後には、プログラムカウンタを含む主側MPU72の全レジスタがタイマ割込み処理(図15)の開始時の状態に復帰している状態として、当該タイマ割込み処理(図15)による割込みが発生する直前に実行していた処理の次の処理を開始することができる。
次に、主側MPU72にて実行される停電時処理について、図39のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、停電時処理はタイマ割込み処理(図15)において停電フラグに「1」がセットされていると判定される(ステップS202:YES)とともに、コマンド送信が終了していると判定された場合(ステップS203:YES)に、ステップS204にて実行される。なお、停電時処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
停電時処理では、まず特定制御用のスタックエリア101における先頭エリア108に記憶されているデータを特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111に設けられた先頭退避用エリア115に記憶する(ステップS1701)。先頭退避用エリア115は、第2演算対象エリア111において先頭エリア108のデータを退避させるために設けられた記憶エリアである。ステップS1701にて先頭エリア108に記憶されているデータを先頭退避用エリア115に退避させることにより、電源復帰後に、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図41)を実行するために先頭エリア108を利用することを可能としながら、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していないことが確認された場合に、先頭退避用エリア115に記憶されているデータを先頭エリア108に復帰させることができる。これにより、先頭エリア108のデータを停電時処理(図39)の開始時に先頭エリア108に記憶されていたデータに戻して電源遮断前の処理状態に復帰させることができる。また、先頭エリア108のデータを先頭退避用エリア115に退避させている状態で電源遮断前のチェックサム及び電源復帰後のチェックサムが算出される構成とすることにより、電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に記憶したチェックサムと一致することを確認することによって先頭退避用エリア115に退避させたデータに異常が発生していないことを確認することが可能となる。
その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし(ステップS1702)、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする(ステップS1703)。そして、停電解消時に主側RAM74のデータが正常であるか否かを判定するためのチェックサムを算出して当該算出したチェックサムを第2演算対象エリア111のチェックサム用エリア114に記憶するチェックサム記憶処理(ステップS1704〜ステップS1711)を実行する。チェックサム記憶処理では、まず特定制御用のワークエリア103における第2演算対象外エリア112のチェックサム用エリア114を「0」クリアする(ステップS1704)。その後、主側MPU72のBCレジスタをチェックサムの演算用に確保し、当該BCレジスタを「0」クリアする(ステップS1705)。既に説明したとおり、BCレジスタは2バイトからなる記憶エリアである。
その後、チェックサムの加算対象エリアのアドレスとして演算対象範囲の開始アドレスである「Y(4)」をセットする(ステップS1706)。その後、主側RAM74において加算対象エリアのアドレスに対応する記憶エリアに記憶されているデータを読み出し(ステップS1707)、その読み出したデータを1バイトの数値情報として主側MPU72においてチェックサムの演算用に確保したBCレジスタに加算する(ステップS1708)。ステップS1708では、当該加算の結果がBCレジスタの最上位ビットを超える繰り上がりが発生した場合、当該繰り上がりは無視する。その後、加算対象エリアのアドレスに「1」を加算して加算対象エリアのアドレスを更新する(ステップS1709)。ステップS1709では、加算対象エリアのアドレスがY(4)→Y(5)→Y(6)→…→Y(t+1)→Y(t+2)の順番で更新される。
その後、加算対象エリアのアドレスがチェックサムの演算の終了アドレスであるY(t+2)であるか否かを判定する(ステップS1710)。ステップS1710にて否定判定を行った場合には、ステップS1707に戻り、ステップS1710にて肯定判定が行われるまでステップS1707〜ステップS1710の処理を繰り返し実行する。これにより、主側MPU72においてチェックサムの演算用に確保したBCレジスタに、チェックサムの演算結果として、主側RAM74におけるチェックサムの演算対象範囲(Y(4)〜Y(t+1))に対応する記憶エリアに記憶されている1バイトの数値情報の合計値が算出されている状態となる。既に説明したとおり、当該合計値は2バイトの数値情報である。その後、当該BCレジスタにて算出されたチェックサムを第2演算対象外エリア112のチェックサム用エリア114に記憶する(ステップS1711)。
ステップS1711にて電源遮断前に算出したチェックサムがチェックサム用エリア114に記憶されている状態とした後、主側RAM74へのアクセスを禁止する(ステップS1712)。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え無限ループに入る。
停電時処理(図39)は、タイマ割込み処理(図15)にてステップS201におけるレジスタ退避処理が実行された後に、ステップS204にて実行される。停電時処理(図39)が実行された場合には、ステップS215におけるレジスタ復帰処理が実行されることなく電源が遮断される。電源が遮断されて主側MPU72の動作が停止するタイミングにおいて、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始時に特定制御用のスタックエリア101に記憶されていたデータは、当該タイマ割込み処理(図15)による割込みが発生する直前に実行していた処理の次の処理に対応する戻り番地の情報を含めて、特定制御用のスタックエリア101の第1演算対象エリア109及び第2演算対象エリア111の先頭退避用エリア115に記憶されている。また、電源が遮断されて主側MPU72の動作が停止するタイミングにおいて、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始時に主側MPU72におけるプログラムカウンタ以外のレジスタに記憶されていたデータは、第2演算対象エリア111におけるスタックポインタ退避用エリア116及びレジスタ退避用エリア117に記憶されている。このように、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前における処理状態に復帰させるための情報が第1演算対象エリア109及び第2演算対象エリア111に記憶されている状態で電源が遮断されるため、電源復帰後にこれら第1演算対象エリア109及び第2演算対象エリア111に記憶されている情報を利用して、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前における処理状態に復帰させることができる。
電源が遮断されるタイミングにおいて、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前における処理状態に復帰させるための情報が記憶されている第1演算対象エリア109及び第2演算対象エリア111は、チェックサムの演算対象範囲に含まれている。このため、電源復帰が行われてから停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前の処理状態に復帰させる前に、電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に算出して記憶したチェックサムと一致することを確認することにより、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前における処理状態に復帰させるための情報に異常が発生していないことを確認可能とすることができる。これにより、異常が発生しているデータに基づいて処理状態の復帰が行われてしまうことを防止することができる。
次に、主側MPU72にて実行される復電用処理について図40のフローチャートを参照しながら説明する。復電用処理は、設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく動作電力の供給が開始された場合にメイン処理(図14)のステップS103にて実行される。なお、復電用処理におけるバックアップ異常確認処理(ステップS1804)以外の処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される一方、バックアップ異常確認処理(ステップS1804)は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
復電用処理では、まず第2演算対象エリア111におけるエラー状態フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1801)。既に説明したとおり、エラー状態フラグは、電源投入後に主側RAM74における一部の記憶エリアを演算対象範囲として算出したチェックサムが電源遮断前に同一の演算対象範囲について算出されて記憶されたチェックサムと一致しないエラー状態、スロットマシン10の設定値が正常な設定値の範囲(「設定1」〜「設定6」)から外れているエラー状態、及び電源遮断前に停電時処理(図39)が正常に行われなかったことに対応するエラー状態のうち1つ以上のエラー状態が発生したことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。エラー状態フラグには、後述するステップS1819にて「1」がセットされる。
ステップS1801にて否定判定を行った場合には、ロード命令により、主側MPU72のスタックポインタに復電用処理(図40)の開始時における固定アドレスとして、特定制御用のスタックエリア101における先頭エリア108の最後の記憶エリアに対応するアドレス情報である「Y(3)」を設定する(ステップS1802)。これにより、特定制御用のスタックエリア101においてプッシュ命令による情報の書き込み対象となる記憶エリアとして、先頭エリア108の最後の記憶エリアが設定されている状態となる。
その後、プッシュ命令により、主側MPU72のフラグレジスタの情報を特定制御用のスタックエリア101における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報(「Y(3)」)に対応する記憶エリアに退避させるとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報(「Y(2)」)に更新する(ステップS1803)。既に説明したとおり、フラグレジスタにはキャリフラグ、ゼロフラグ、P/Vフラグ、サインフラグ及びハーフキャリフラグなどを含み、演算命令、ローテート命令及び入出力命令などの実行結果によってフラグレジスタの情報は変化することとなる。このようなフラグレジスタの情報をバックアップ異常確認処理(ステップS1804)に対応するサブルーチンのプログラムが開始される前に退避させることにより、当該サブルーチンのコールや当該サブルーチンの開始後において変化する前の状態のフラグレジスタの情報を先頭エリア108に退避させておくことが可能となる。主側MPU72におけるフラグレジスタの情報量は1バイトである。既に説明したとおり、先頭エリア108は3バイトの情報を記憶可能な記憶エリアである。
その後、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されているバックアップ異常確認処理に対応するサブルーチンのプログラムを読み出すことにより、当該バックアップ異常確認処理を開始する(ステップS1804)。この場合、バックアップ異常確認処理の終了後にステップS1805の処理に復帰するための戻り番地を特定するための情報(2バイト)が戻り番地の情報として、プッシュ命令により、特定制御用のスタックエリア101に退避される。戻り番地の情報における上位1バイトは、特定制御用のスタックエリア101における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報(「Y(2)」)に対応する記憶エリアに記憶されるとともに、当該戻り番地の情報における下位1バイトは、その次のスタックポインタの情報(「Y(1)」)に対応する記憶エリアに記憶される。そして、主側MPU72のスタックポインタの情報が次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報(「Y(0)」)に更新される。先頭エリア108には主側MPU72のフラグレジスタの情報(1バイト)及び戻り番地の情報(2バイト)が記憶されている状態となる。
図41はバックアップ異常確認処理を示すフローチャートである。バックアップ異常確認処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。バックアップ異常確認処理は、主側MPU72への動作電力の供給が開始された後、タイマ割込み処(図15)による割込みの発生が許可される前に行われる。このため、非特定制御に対応する処理であるバックアップ異常確認処理の途中の状況において、特定制御に対応する処理であるタイマ割込み処理(図15)が割り込んで起動されてしまうことが防止されている。
バックアップ異常確認処理では、ステップS1901〜ステップS1902にて管理実行処理(図38)のステップS1602〜ステップS1603と同様の処理を実行する。具体的には、まずロード命令により、主側MPU72のスタックポインタにバックアップ異常確認処理(図41)の開始時の固定アドレスとして、非特定制御用のスタックエリア104における最後のアドレスである「Y(u+1)」を設定する(ステップS1901)。その後、主側MPU72が備えている各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタのうち一部のレジスタであるWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、非特定制御用のスタックエリア104に退避させる処理を実行する(ステップS1902)。既に説明したとおり、これらWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの情報量はいずれも2バイトである。
ステップS1902では、まずプッシュ命令により、主側MPU72のWAレジスタの情報を非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対応する記憶エリアに退避させるとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、プッシュ命令により、主側MPU72のBCレジスタの情報を非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対応する記憶エリアに退避させるとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、プッシュ命令により、主側MPU72のDEレジスタの情報を非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対応する記憶エリアに退避させるとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、プッシュ命令により、主側MPU72のHLレジスタの情報を非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対応する記憶エリアに退避させるとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、プッシュ命令により、主側MPU72のIXレジスタの情報を非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対応する記憶エリアに退避させるとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、プッシュ命令により、主側MPU72のIYレジスタの情報を非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対応する記憶エリアに退避させるとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。
これらWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタはステップS1903〜ステップS1910の処理にて利用されるレジスタである。これらのレジスタに設定されている情報をステップS1903〜ステップS1910の処理の実行に先立ち非特定制御用のスタックエリア104に退避させることにより、特定制御に際して利用されていたこれらレジスタの情報を非特定制御が開始される前に退避させることが可能となる。よって、非特定制御に際してこれらレジスタが上書きされたとしても、非特定制御を終了する場合には非特定制御用のスタックエリア104に退避させた情報をこれらレジスタに復帰させることで、これらレジスタの状態を非特定制御が実行される前における特定制御に対応する状態に復帰させることが可能となる。
既に説明したとおり、これらWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの情報を退避させる非特定制御用のスタックエリア104は、チェックサムの演算対象範囲から除外されている。このため、電源復帰後であってチェックサムを算出する前のタイミングにおいて、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータが変化してしまうことを防止しながら、これらのレジスタの情報を非特定制御用のスタックエリア104に退避させることができる。
各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタの全ての情報を非特定制御用のスタックエリア104に退避させるのではなく、ステップS1903〜ステップS1910の処理にて利用対象となるWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの情報を選択的に非特定制御用のスタックエリア104に退避させることにより、非特定制御用のスタックエリア104においてレジスタの情報を退避させるために確保する容量を抑えることが可能となる。よって、ステップS1903〜ステップS1910の処理に際して利用可能となる非特定制御用のスタックエリア104の容量を大きく確保しながら、上記のようなレジスタの情報の退避を行うことが可能となる。なお、当然のことながら主側MPU72における各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタのうちWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタ以外のレジスタについては、非特定制御に対応する処理が開始される前に設定された情報が当該非特定制御に対応する処理が終了して特定制御に対応する処理が再開されるまで記憶保持される。
ステップS1902の処理を行った後、主側MPU72においてチェックサムの演算用にBCレジスタを確保し、当該BCレジスタを「0」クリアする(ステップS1903)。その後、チェックサムの加算対象エリアのアドレスとして演算対象範囲の開始アドレスである「Y(4)」をセットする(ステップS1904)。その後、主側RAM74において加算対象エリアのアドレスに対応する記憶エリアに記憶されているデータを読み出し(ステップS1905)、その読み出したデータを1バイトの数値情報として主側MPU72においてチェックサムの演算用に確保したBCレジスタに加算する(ステップS1906)。ステップS1906では、当該加算の結果がBCレジスタの最上位ビットを超える繰り上がりが発生した場合、当該繰り上がりは無視する。その後、加算対象エリアのアドレスに「1」を加算して加算対象エリアのアドレスを更新する(ステップS1907)。ステップS1907では、加算対象エリアのアドレスがY(4)→Y(5)→Y(6)→…→Y(t+1)→Y(t+2)の順番で更新される。
その後、加算対象エリアのアドレスがチェックサムの演算の終了アドレスであるY(t+2)であるか否かを判定する(ステップS1908)。ステップS1908にて否定判定を行った場合には、ステップS1905に戻り、ステップS1908にて肯定判定が行われるまでステップS1905〜ステップS1908の処理を繰り返し実行する。これにより、主側MPU72においてチェックサムの演算用に確保したBCレジスタに、チェックサムの演算結果として、主側RAM74におけるチェックサムの演算対象範囲(Y(4)〜Y(t+1))に対応する記憶エリアに記憶されている1バイトの数値情報の合計値が算出されている状態となる。既に説明したとおり、当該合計値は2バイトの数値情報である。
ステップS1908にて肯定判定を行った場合には、主側MPU72においてチェックサムの演算用に確保したBCレジスタに記憶されているチェックサム、すなわち電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に算出されて第2演算対象外エリア112のチェックサム用エリア114に記憶されているチェックサムと一致するか否かを判定する(ステップS1909)。電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に記憶したチェックサムと一致しない場合(ステップS1909:NO)には、非特定制御用のワークエリア102に設けられたバックアップ異常フラグ113に「1」をセットする(ステップS1910)。バックアップ異常フラグ113は、特定制御用のスタックエリア101における第1演算対象エリア109、第1未使用エリア105、非特定制御用のワークエリア102、第2未使用エリア106、及び特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111を演算対象範囲として電源投入後に演算されたチェックサムが同一の演算対象範囲について電源遮断前に算出されたチェックサムと一致しない異常が発生していることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。バックアップ異常フラグ113に「1」をセットすることにより、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していることを主側MPU72にて把握可能とすることができる。
ステップS1909にて肯定判定を行った場合、又はステップS1910の処理を行った場合には、ステップS1911にて管理実行処理(図38)のステップS1618と同様の処理を実行する。具体的には、ステップS1902にて非特定制御用のスタックエリア104に退避させたデータを、ステップS1902における順番(WAレジスタ→BCレジスタ→DEレジスタ→HLレジスタ→IXレジスタ→IYレジスタ)とは逆の順番(IYレジスタ→IXレジスタ→HLレジスタ→DEレジスタ→BCレジスタ→WAレジスタ)で、主側MPU72のWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタに復帰させる処理を実行する(ステップS1911)。
ステップS1911では、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して前の順番の情報に対応する記憶エリアに退避された情報を主側MPU72のIYレジスタに上書きするとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して前の順番の情報に対応する記憶エリアに退避された情報を主側MPU72のIXレジスタに上書きするとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して前の順番の情報に対応する記憶エリアに退避された情報を主側MPU72のHLレジスタに上書きするとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して前の順番の情報に対応する記憶エリアに退避された情報を主側MPU72のDEレジスタに上書きするとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して前の順番の情報に対応する記憶エリアに退避された情報を主側MPU72のBCレジスタに上書きするとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。その後、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア104における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して前の順番の情報に対応する記憶エリアに退避された情報を主側MPU72のWAレジスタに上書きするとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。ステップS1911の処理が実行されることにより、主側MPU72のWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、非特定制御に対応する処理であるバックアップ異常確認処理(図41)の開始時における特定制御に対応する情報に復帰させることが可能となる。
その後、主側MPU72のスタックポインタに固定アドレスである「Y(0)」をセットして(ステップS1912)、本バックアップ異常確認処理を終了する。このように固定アドレスの情報をスタックポインタに設定することによって当該スタックポインタの情報をバックアップ異常確認処理(図41)が開始される直前の情報に復帰させる構成とすることで、バックアップ異常確認処理(図41)を開始する前に特定制御に対応する主側MPU72のスタックポインタの情報を非特定制御用のワークエリア102に退避させる必要がなくなる。これにより、非特定制御用のワークエリア102における全記憶エリアをチェックサムの演算対象範囲に含めることができるとともに、主側MPU72における処理負荷を軽減することができる。
バックアップ異常確認処理(図41)を終了する場合、ポップ命令により、特定制御用のスタックエリア101における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報(「Y(0)」)に対して1つ前の順番の情報(「Y(1)」)に対応する記憶エリア及び2つ前の順番の情報(「Y(2)」)に対応する記憶エリアに退避された情報、すなわち特定制御用のスタックエリア101における先頭エリア108に退避されている戻り番地の情報を読み出して主側MPU72のプログラムカウンタに設定するとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を当該2つ前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報(「Y(3)」)に更新する。これにより、復電用処理(図40)のステップS1805の処理に復帰することができる。
このように、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図41)の実行中に主側MPU72における一部のレジスタ(具体的には、WAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタ)を利用可能としながら、当該バックアップ異常確認処理(図41)の終了後には、当該一部のレジスタがバックアップ異常確認処理(図41)の開始時の状態に復帰している状態として、復電用処理(図40)においてステップS1804における当該バックアップ異常確認処理(図41)の次の処理を開始することができる。
復電用処理(図40)の説明に戻り、ステップS1804にてバックアップ異常確認処理を実行した後、ステップS1803にて先頭エリア108におけるY(3)のアドレス情報に対応する記憶エリアに退避させた情報を、ポップ命令により、主側MPU72のフラグレジスタに復帰させる(ステップS1805)。これにより、主側MPU72のフラグレジスタを、コール命令により非特定制御用のプログラムに設定されているバックアップ異常確認処理(図41)に対応するサブルーチンのプログラムを読み出す前の状態に戻すことができる。
その後、非特定制御用のワークエリア102におけるバックアップ異常フラグ113に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1806)。バックアップ異常フラグ113に「1」がセットされていない場合(ステップS1806:NO)には、スロットマシン10の設定値が正常か否かを判定する(ステップS1807)。ステップS1807では、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111に設けられた設定値カウンタの値が「1」〜「6」のいずれかである場合に正常であると判定し、「0」又は「7」以上である場合に異常であると判定する。設定値カウンタは、現状におけるスロットマシン10の設定値を主側MPU72にて把握可能とするカウンタである。
設定値が正常であると判定した場合(ステップS1807:YES)には、第2演算対象エリア111における停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1808)。停電フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1808:YES)には、主側MPU72への動作電力の供給が停止される場合において停電時処理(図39)が正常に実行されたことを意味するため、ステップS1809の処理に進む。ステップS1809では停電フラグをクリアする。その後、演出側MPU92に対して復電コマンドを送信する(ステップS1810)。復電コマンドは、復電用処理(図40)において電源遮断前の処理状態に復帰するための復帰用処理(ステップS1809〜ステップS1817の処理)の実行を演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。
その後、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111に設けられたいずれかの停止順フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1811)。ステップS1811では、後述する第1停止順フラグ、第2停止順フラグ及び第3停止順フラグのいずれかに「1」がセットされている場合に肯定判定を行う。第1停止順フラグは、第1ベル入賞の成立を可能とする停止順対応表示を兼用表示部66にて実行すべきことを主側MPU72にて把握可能とするフラグであり、第2停止順フラグは、第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とする停止順対応表示を兼用表示部66にて実行すべきことを主側MPU72にて把握可能とするフラグであり、第3停止順フラグは、第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とする停止順対応表示を兼用表示部66にて実行すべきことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。
ステップS1811にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111に設けられた表示再開フラグに「1」をセットする(ステップS1812)。表示再開フラグは、電源遮断前に兼用表示部66にて実行されていた停止順対応表示を再開すべきことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。
ステップS1811にて否定判定を行った場合、又はステップS1812の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111の先頭退避用エリア115に記憶されているデータを特定制御用のスタックエリア101における先頭エリア108に復帰させる(ステップS1813)。既に説明したとおり、停電の発生が特定された場合、先頭エリア108に記憶されていたデータは、停電時処理(図39)のステップS1701にて先頭退避用エリア115に退避される。このため、先頭退避用エリア115には、停電時処理(図39)の開始時に先頭エリア108に記憶されていたデータが記憶されている。ステップS1813にて先頭退避用エリア115に記憶されているデータを先頭エリア108に復帰させることにより、先頭エリア108に記憶されているデータを停電時処理(図39)の開始時に当該先頭エリア108に記憶されていたデータに戻すことができる。特定制御用のスタックエリア101に記憶されているデータは、タイマ割込み処理(図15)が開始されてからステップS204にて停電時処理(図39)が開始されるまでの間に変化することはない。このため、先頭エリア108に記憶されているデータを停電時処理(図39)の開始時に当該先頭エリア108に記憶されていたデータに戻すことにより、特定制御用のスタックエリア101を停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始時における状態に戻すことができる。
その後、第2演算対象エリア111におけるレジスタ退避用エリア117の各レジスタ退避用バッファに記憶されている情報を、主側MPU72においてレジスタ退避用バッファに対応するレジスタに復帰させるための処理(ステップS1814及びステップS1815の処理)を実行する。既に説明したとおり、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回において、ステップS204における停電時処理(図39)が実行される前に実行されるレジスタ退避処理(ステップS201)では、タイマ割込み処理(図15)の開始時における主側MPU72のスタックポインタの情報がスタックポインタ退避用エリア116に退避されるとともに、主側MPU72が備えている各種レジスタのうちプログラムカウンタ及びスタックポインタ以外のレジスタの情報が第2演算対象エリア111におけるレジスタ退避用エリア117の対応するレジスタ退避用バッファに退避される。ステップS1814では、第2演算対象エリア111のスタックポインタ退避用エリア116に記憶されているデータを、ロード命令により、主側MPU72のスタックポインタに復帰させる。これにより、主側MPU72のスタックポインタに記憶されているデータを停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始時に当該スタックポインタに記憶されていたデータに戻すことができる。
その後、ステップS1815では、第2演算対象エリア111におけるレジスタ退避用エリア117の各レジスタ退避用バッファに記憶されているデータを、ロード命令により、主側MPU72において当該各レジスタ退避用バッファに対応する各レジスタに復帰させる。ステップS1814及びステップS1815の処理を実行することにより、主側MPU72における各種レジスタのうちプログラムカウンタを除くレジスタを停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始時における状態に復帰させることができる。
その後、タイマ割込み処理(図15)による割込みを許可する割込み許可処理を実行する(ステップS1816)。これにより、1.49ミリ秒の周期でタイマ割込み処理(図15)による割込みが発生する状態とすることができる。
その後、ポップ命令により、特定制御用のスタックエリア101における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して前の順番の情報に対応する記憶エリアに退避された情報を主側MPU72のプログラムカウンタに上書きするとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する(ステップS1817)。これにより、主側MPU72のプログラムカウンタには、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回が開始される直前に実行していた処理の次の処理に対応するプログラムのアドレス情報が上書きされ、当該次の処理に復帰する。例えば、通常処理(図16)を実行している状態においてタイマ割込み処理(図15)による割込みが発生し、当該タイマ割込み処理(図15)の処理回において停電の発生が特定された場合には、電源復帰後に実行される復電用処理(図40)の終了時に、通常処理(図16)において、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回が開始される直前に実行していた処理の次の処理に復帰する。
このように、特定制御用のスタックエリア101を停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始時における状態に復帰させるとともに、主側MPU72においてプログラムカウンタ以外のレジスタを停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始時における状態に復帰させた状態で、ポップ命令を実行して主側MPU72のスタックポインタの情報に対して前の順番の情報に対応する記憶エリアに退避された情報を主側MPU72のプログラムカウンタに上書きすることにより、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前の処理状態に復帰させることができる。
上述したとおり、ステップS1816にて割込み許可処理が実行されることによりタイマ割込み処理(図15)による割込みが許可されているため、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前の処理状態に復帰した後、1.49ミリ秒周期で発生する割込みタイミングとなる度にタイマ割込み処理(図15)が実行される。上述したとおり、ステップS1809にて停電フラグが「0」クリアされているため、タイマ割込み処理(図15)のステップS202では、停電が発生するまで、否定判定が行われる。
ステップS1801にて肯定判定を行った場合、ステップS1806にて肯定判定を行った場合、ステップS1807にて否定判定を行った場合、又はステップS1808にて否定判定を行った場合には、動作禁止処理(ステップS1818〜ステップS1820の処理)を実行する。動作禁止処理では、まず主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とする(ステップS1818)。
その後、第2演算対象エリア111におけるエラー状態フラグに「1」をセットする(ステップS1819)。これにより、電源投入後に主側RAM74における一部の記憶エリアを演算対象範囲として算出したチェックサムが電源遮断前に同一の演算対象範囲について算出されて記憶されたチェックサムと一致しないエラー状態、スロットマシン10の設定値が正常な設定値の範囲(「1」〜「6」)から外れているエラー状態、及び電源遮断前に停電時処理(図39)が正常に行われなかったことに対応するエラー状態のうち1つ以上のエラー状態が発生したことを主側MPU72にて把握可能となる。
その後、遊技ホールの管理者等にエラー状態の発生を報知するエラー報知を行うためのエラー報知処理を実行する(ステップS1820)。そして、無限ループとなる。エラー報知処理(ステップS1820)では、演出側MPU92に対してエラー報知コマンドを送信する。演出側MPU92は、エラー報知コマンドを受信した場合、エラー状態の発生を報知する態様で上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。エラー報知では、設定キー挿入孔57のON操作を行いながらスロットマシン10の電源を投入するエラー解除操作を説明する内容が画像表示装置63に表示される。これにより、遊技ホールの管理者に対してエラー解除操作を行うように促すことができる。
主側MPU72への動作電力の供給が停止されることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されているエラー報知は終了する一方、第2演算対象エリア111のエラー状態フラグに「1」がセットされている状態、及び非特定制御用のワークエリア102におけるバックアップ異常フラグ113に「1」がセットされている状態は維持される。第2演算対象エリア111のエラー状態フラグに「1」がセットされている状態が解除されないまま、設定キー挿入孔57のON操作を行うことなく主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合には、復電用処理(図40)のステップS1801にて肯定判定が行われることにより再び上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてエラー報知が開始されることとなる。
第2演算対象エリア111のエラー状態フラグに「1」がセットされている状態は、メイン処理(図14)のステップS107にて全部クリア処理(図43)が実行されることにより解除される。エラー状態フラグに「1」がセットされた後、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態で主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合には、メイン処理(図14)のステップS102及びステップS104にて肯定判定が行われることによりステップS107にて後述する全部クリア処理(図43)が実行されることとなる。
詳細は後述するが、全部クリア処理(図43)では第2演算対象エリア111のエラー状態フラグが「0」クリアされる。これにより、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態で主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に、メイン処理(図14)のステップS104にて否定判定が行われることとなる。全部クリア処理(図43)では非特定制御用のワークエリア102におけるバックアップ異常フラグ113が「0」クリアされる。また、既に説明したとおり、メイン処理(図14)では、全部クリア処理(ステップS107)が実行された後にタイマ割込み処理(図15)による割込みが許可され、その後に行われる設定値更新処理(ステップS109)ではスロットマシン10の設定値が正常な範囲(「1」〜「6」)の設定値に更新される。タイマ割込み処理(図15)による割込みが許可されることにより、停電が発生した場合に停電フラグに「1」がセットされた状態で主側MPU72の動作を停止させることが可能となる。このため、エラー報知後に全部クリア処理(ステップS107)が実行され、その後に停電が発生し、設定キー挿入孔57のON操作が行われていない状態で主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合、新たにエラー状態が発生する場合を除いて、復電用処理(図40)のステップS1806にて否定判定が行われることになるとともに、ステップS1807及びステップS1808にて肯定判定が行われることとなる。
次に、図42のタイムチャートを参照しながら先頭エリア108のデータ及び主側MPU72におけるプログラムカウンタ以外のレジスタのデータが退避される様子、並びにこれらのデータが復帰する様子について説明する。図42(a)は特定制御用のスタックエリア101における先頭エリア108のデータが特定制御用のワークエリア103における先頭退避用エリア115に退避されている期間を示し、図42(b)は主側MPU72におけるプログラムカウンタ以外のレジスタのデータが第2演算対象エリア111におけるスタックポインタ退避用エリア116及びレジスタ退避用エリア117に退避されている期間を示し、図42(c)はチェックサムが第2演算対象外エリア112のチェックサム用エリア114に記憶されるタイミングを示し、図42(d)は電源復帰後に算出されたチェックサムが電源復帰前に記憶されたチェックサムと一致することを確認するタイミングを示し、図42(e)は主側MPU72が電源遮断前の処理状態に復帰するタイミングを示し、図42(f)はタイマ割込み処理(図15)による割込みが発生するタイミングを示し、図42(g)は停電の発生が特定されるタイミングを示し、図42(h)は主側MPU72への動作電力の供給状態を示す。
図42(f)に示すように、t1のタイミングでタイマ割込み処理(図15)による割込みが発生する。既に説明したとおり、タイマ割込み処理(図15)のステップS201ではレジスタ退避処理が実行される。このため、図42(b)に示すように、当該t1のタイミングで、主側MPU72におけるプログラムカウンタ以外のレジスタのデータが第2演算対象エリア111におけるスタックポインタ退避用エリア116及びレジスタ退避用エリア117に退避される。
その後、図42(g)に示すように、t2のタイミングで停電の発生が特定される。具体的には、タイマ割込み処理(図15)のステップS202にて肯定判定が行われる。その後、図42(a)に示すように、t3のタイミングで停電時処理(図39)が開始され、当該停電時処理(図39)のステップS1701にて特定制御用のスタックエリア101における先頭エリア108のデータが特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111に退避される。
その後、図42(c)に示すように、t4のタイミングで、第1演算対象エリア109、非特定制御用のワークエリア102、第2演算対象エリア111、第1未使用エリア105及び第2未使用エリア106を演算対象範囲として、チェックサムが算出されるとともに、当該算出されたチェックサムが第2演算対象外エリア112のチェックサム用エリア114に記憶される。その後、図42(h)に示すように、t5のタイミングで電源がOFF状態となり主側MPU72の動作が停止する。
その後、図42(h)に示すように、t6のタイミングで設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく動作電力の供給が開始される。その後、図42(d)に示すように、t7のタイミングでバックアップ異常確認処理(図41)が実行され、電源復帰後に算出されたチェックサムが電源復帰前に記憶されたチェックサムと一致することが確認される。
その後、t8のタイミングで、図42(a)に示すように第2演算対象エリア111の先頭退避用エリア115に退避されていたデータが先頭エリア108に復帰する。これにより、特定制御用のスタックエリア101を停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始時における状態に戻すことができる。当該t8のタイミングで、図42(b)に示すように第2演算対象エリア111におけるスタックポインタ退避用エリア116及びレジスタ退避用エリア117に退避されていたデータが主側MPU72におけるプログラムカウンタ以外の各レジスタに復帰する。これにより、主側MPU72におけるプログラムカウンタ以外のレジスタを停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始時における状態に戻すことができる。
その後、t9のタイミングで、図42(e)に示すように、ポップ命令により、特定制御用のスタックエリア101に退避されている戻り番地の情報が主側MPU72におけるプログラムカウンタに書き込まれることにより、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始時における処理状態に復帰させることができる。
上記のとおり、バックアップ異常確認処理(図41)は、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。このため、バックアップ異常確認処理が特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される構成と比較して、主側ROM73において特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを記憶しておくための記憶エリアの記憶容量に余裕を持たせることができる。
設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく動作電力の供給が開始された場合、電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に当該チェックサムと同一の演算対象範囲について算出して記憶したチェックサムと一致することを条件の1つとして、電源遮断前の処理状態に復帰する。チェックサムの演算対象範囲には、第1演算対象エリア109、非特定制御用のワークエリア102、第2演算対象エリア111、第1未使用エリア105及び第2未使用エリア106が含まれている。このため、電源復帰後に第1演算対象エリア109、非特定制御用のワークエリア102、第2演算対象エリア111、第1未使用エリア105及び第2未使用エリア106に記憶されているデータが電源遮断前に記憶されていたデータと相違する異常が発生した場合に、当該異常なデータに基づいて電源復帰後の遊技が進行されてしまうことを防止することができる。
復電用処理(図40)では、非特定制御に対応する処理としてバックアップ異常確認処理(ステップS1804)を実行する場合、バックアップ異常確認処理(ステップS1804)の終了後にバックアップ異常確認処理(ステップS1804)の次の処理に復帰するための戻り番地の情報を特定制御用のスタックエリア101における先頭エリア108に書き込む。バックアップ異常確認処理(図41)の開始時に当該戻り番地の情報が格納される先頭エリア108は、チェックサムの演算対象範囲から除外されている。このため、特定制御用のスタックエリア101においてチェックサムの演算対象範囲となっている第1演算対象エリア109に記憶されているデータが変化してしまうことを防止しながら、電源復帰後に非特定制御に対応する処理としてバックアップ異常確認処理(図41)を実行することができる。
特定制御用のワークエリア103において電源遮断前に算出されたチェックサムが記憶されるチェックサム用エリア114は、チェックサムの演算対象範囲から除外されている。このため、主側RAM74においてチェックサムの演算対象範囲に含まれる記憶エリアに記憶されているデータが変化してしまうことを防止しながら、電源遮断前に算出したチェックサムをチェックサム用エリア114に記憶することができる。
電源が遮断されて主側MPU72の動作が停止するタイミングにおいて、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始時に特定制御用のスタックエリア101に記憶されていたデータは、当該タイマ割込み処理(図15)による割込みが発生する直前に実行していた処理の次の処理に対応する戻り番地の情報を含めて、特定制御用のスタックエリア101の第1演算対象エリア109及び第2演算対象エリア111の先頭退避用エリア115に記憶されている。また、電源が遮断されて主側MPU72の動作が停止するタイミングにおいて、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始時に主側MPU72におけるプログラムカウンタ以外のレジスタに記憶されていたデータは、第2演算対象エリア111におけるスタックポインタ退避用エリア116及びレジスタ退避用エリア117に記憶されている。このように、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前における処理状態に復帰させるための情報が第1演算対象エリア109及び第2演算対象エリア111に記憶されている状態で電源が遮断されるため、電源復帰後にこれら第1演算対象エリア109及び第2演算対象エリア111に記憶されている情報を利用して、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前における処理状態に復帰させることができる。
電源が遮断されるタイミングにおいて、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前における処理状態に復帰させるための情報が記憶されている第1演算対象エリア109及び第2演算対象エリア111は、チェックサムの演算対象範囲に含まれている。このため、電源復帰が行われてから停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前の処理状態に復帰させる前に、電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に算出して記憶したチェックサムと一致することを確認することにより、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前における処理状態に復帰させるための情報に異常が発生していないことを確認可能とすることができる。これにより、異常が発生しているデータに基づいて処理状態の復帰が行われてしまうことを防止することができる。
停電の発生を特定するための処理(タイマ割込み処理(図15)におけるステップS202の処理)は特定制御に対応する処理であり、停電の発生が特定された場合に実行される停電時処理(図39)も特定制御に対応する処理である。停電の発生を特定してから停電時処理を実行して無限ループに入るまでに非特定制御に対応する処理が含まれている構成とすると、特定制御に対応する処理から非特定制御に対応する処理に移行する際に主側MPU72のレジスタの情報を退避させる処理が必要となるとともに、非特定制御に対応する処理から特定制御に対応する処理に復帰する場合に当該退避させていたレジスタの情報を主側MPU72のレジスタに復帰させる処理が必要となる。これに対して、停電の発生を特定してから停電時処理(図39)を実行して無限ループに入るまでの一連の処理を特定制御に対応する処理のみで実行する構成であることにより、停電の発生を特定してから主側MPU72の動作が停止するまでの期間に実行される処理を短縮することができる。
復電用処理(図40)では、バックアップ異常確認処理(ステップS1804)を実行した後にタイマ割込み処理(図15)による割込みを許可する。これにより、バックアップ異常確認処理の実行前にタイマ割込み処理による割込みが発生して主側MPU72のレジスタの情報が第2演算対象エリア111に書き込まれることにより第2演算対象エリア111に記憶されているデータが変化してしまうことを防止することができる。
チェックサムの演算対象範囲には非特定制御用のワークエリア102が含まれており、当該非特定制御用のワークエリア102には、スロットマシン10の管理情報(比率表示器85にて有利区間滞在比率の表示を行うための情報)が記憶されている。復電用処理(図40)では、電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に算出して記憶したチェックサムと一致することを条件の1つとして、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前における処理状態に復帰するための処理を実行する。このため、非特定制御用のワークエリア102に記憶されているスロットマシン10の管理情報に異常が発生している状態のまま遊技が進行されてしまうことを防止することができる。
非特定制御用のスタックエリア104は、チェックサムの演算対象範囲から除外されている。このため、電源復帰後に、特定制御用の処理である復電用処理(図40)が実行されている状態において非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図41)を開始する際に、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータを変化させることなく、主側MPU72における一部のレジスタのデータを非特定制御用のスタックエリア104に退避させるとともにバックアップ異常確認処理(図41)の終了時に非特定制御用のスタックエリア104に退避させていたデータを主側MPU72における当該一部のレジスタに復帰させることができる。これにより、バックアップ異常確認処理(図41)にて主側MPU72における当該一部のレジスタを利用可能としながら、当該一部のレジスタのデータをバックアップ異常確認処理(図41)の開始時のデータに戻して、特定制御用の処理である復電用処理(図40)に復帰させることができる。また、非特定制御用のスタックエリア104がチェックサムの演算対象範囲から除外されていることにより、チェックサムの演算対象範囲が低減されている。このため、停電の発生を特定してから電源が遮断されて主側MPU72の動作が停止するまでに実行すべき処理を短縮することができる。
次に、メイン処理(図14)のステップS107にて実行される全部クリア処理について説明する。
既に説明したとおり、非特定制御用のワークエリア102のバックアップ異常フラグ113に「1」がセットされている状態及び第2演算対象エリア111のエラー状態フラグに「1」がセットされている状態は、全部クリア処理(ステップS107)が実行されることによりクリアされる。
メイン処理では、図14を参照しながら既に説明したとおり、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態で電源が投入された場合(ステップS102:YES)において、第2演算対象エリア111のエラー状態フラグに「1」がセットされていること(ステップS104:YES)、又はリセットボタン56の押圧操作が行われていること(ステップS105:YES)を条件として、全部クリア処理が実行される(ステップS107)。また、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態で電源が投入された場合(ステップS102:YES)において、第2演算対象エリア111のエラー状態フラグに「1」がセットされていないこと(ステップS104:NO)、及びリセットボタン56の押圧操作が行われていないこと(ステップS105:NO)を条件として、一部クリア処理が実行される(ステップS106)。
全部クリア処理(ステップS107)では、特定制御用のスタックエリア101における全ての記憶エリアがクリアされるとともに、当該全ての記憶エリアについて初期設定が行われる。このため、特定制御用のスタックエリア101に記憶されているデータに異常が発生した場合には、全部クリア処理(ステップS107)を実行することにより当該データの異常を解消することができる。
全部クリア処理(ステップS107)では、特定制御用のワークエリア103における全ての記憶エリアがクリアされるとともに、当該クリアされた記憶エリアについて初期設定が行われる。このため、特定制御用のワークエリア103に記憶されているデータに異常が発生した場合には、全部クリア処理(ステップS107)を実行することにより当該データの異常を解消することができる。全部クリア処理(ステップS107)では、スロットマシン10における現状の設定値を把握するための情報、現状の遊技状態を把握するための情報、現状の遊技区間を把握するための情報、現状の抽選モードを把握するための情報及びボーナス当選が発生しているとともに当該ボーナス当選に対応するボーナス入賞が成立していない状態であることを示す情報(第2演算対象エリア111に設定されているボーナス当選データ)を含む特定制御用のワークエリア103に記憶されている全ての情報がクリアされる。全部クリア処理(ステップS107)が実行された場合には、スロットマシン10における現状の設定値として「1」が設定されるとともに、現状の遊技状態が通常遊技状態ST1となる。また、現状の遊技区間が通常区間SC1となるとともに、現状の抽選モードが通常モードとなる。さらにまた、第2演算対象エリア111にボーナス当選データを含む全ての役の当選データが設定されていない状態となる。
全部クリア処理では、非特定制御用のスタックエリア104における記憶エリアのうち特定制御に対応する処理にて利用される主側MPU72の各種レジスタの情報が退避された記憶エリア以外の記憶エリアがクリアされるとともに、当該クリアされた記憶エリアについて初期設定が行われる。特定制御に対応する処理にて利用される主側MPU72の各種レジスタの情報が退避された記憶エリアを消去しないようにすることにより、非特定制御に対応する処理が終了して特定制御に対応する処理に復帰する場合には主側MPU72の各種レジスタに特定制御に対応する処理にて利用される情報を復帰させることが可能となる。
全部クリア処理(ステップS107)では、非特定制御用のワークエリア102における記憶エリアのうち、非特定スタックポインタ退避エリア以外の記憶エリアがクリアされるとともに、当該クリアされた記憶エリアについて初期設定が行われる。非特定スタックポインタ退避エリアがクリアされないようにすることにより、非特定スタックポインタ退避エリアに退避されている主側MPU72のスタックポインタの情報が消去されてしまうことを防止することができる。全部クリア処理(ステップS107)が実行されることにより、非特定制御用のワークエリア102に記憶されているスロットマシン10の管理情報(比率表示器85にて有利区間滞在比率の表示を行うための情報)がクリアされる。非特定制御用のワークエリア102に記憶されているデータに異常が発生した場合には、全部クリア処理(ステップS107)を実行することにより当該データの異常を解消することができる。
既に説明したとおり、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態において主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合には、メイン処理(図14)にて全部クリア処理(ステップS107)及び一部クリア処理(ステップS106)のいずれかが実行される。既に説明したとおり、一部クリア処理(ステップS106)は、第2演算対象エリア111におけるエラー状態フラグに「1」がセットされていないこと(ステップS104:NO)、及びリセットボタン56の押圧操作が行われていないこと(ステップS105:NO)を条件として実行される。
詳細は後述するが、一部クリア処理(ステップS106)では、主側RAM74に記憶されている情報のうち、スロットマシン10における現状の設定値を把握するための情報、現状の遊技状態を把握するための情報、現状の遊技区間を把握するための情報、現状の抽選モードを把握するための情報、貯留記憶されている仮想メダルの数の情報、及びボーナス当選が発生しているとともに当該ボーナス当選に対応するボーナス入賞が成立していない状態であることを示す情報(第2演算対象エリア111に設定されているボーナス当選データ)を除く情報がクリアされる。一部クリア処理では、第2演算対象エリア111に記憶されている当選データのうちボーナス当選データ以外の当選データはクリアされる一方、ボーナス当選データはクリアされずに残る。また、一部クリア処理(ステップS106)では、全部クリア処理と同様に、特定制御用のスタックエリア101における全ての記憶エリアがクリアされるとともに、当該クリアされた記憶エリアについて初期設定が行われる。一部クリア処理(ステップS106)では、非特定制御用のワークエリア102及び非特定制御用のスタックエリア104における記憶エリアをクリアする処理は行われない。
一部クリア処理(ステップS106)は、電源遮断前の遊技状態、遊技区間及び抽選モードを維持した状態で遊技を開始可能とする処理である。1つ以上のリール32L,32M,32Rの回転制御が行われている状態において主側MPU72への動作電力の供給が停止された後、当該動作電力の供給が再開されて一部クリア処理が実行された場合、停電時に回転していたリール32L,32M,32Rの回転は再開されない。遊技者は、遊技媒体をベットしてスタートレバー41を操作することにより、電源遮断前の遊技状態、遊技区間及び抽選モードが維持された状態で、新たなゲームを開始させることができる。停電発生時に第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されていた場合には、当該ボーナス当選データが記憶保持された状態でゲームを開始可能な状態となる。一方、主側MPU72への動作電力の供給が再開された後に復電用処理(図40)が実行されて電源遮断前の処理状態に復帰した場合には、停電時に回転していたリール32L,32M,32Rの回転が再開されることにより、停電時に実行されていたゲームが再開される。
次に、主側MPU72にて実行される全部クリア処理について図43のフローチャートを参照しながら説明する。なお、全部クリア処理において非特定制御用のクリア処理(ステップS2006)以外の処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される一方、非特定制御用のクリア処理(ステップS2006)は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
全部クリア処理では、まず特定制御用のワークエリア103のクリア処理を実行する(ステップS2001)。当該クリア処理では、特定制御用のワークエリア103における全ての記憶エリアを「0」クリアする。これにより、第2演算対象エリア111のエラー状態フラグが「0」クリアされる。また、特定制御用のワークエリア103のクリア処理(ステップS2001)が実行されることにより、スロットマシン10における現状の設定値を把握するための情報、現状の遊技状態を把握するための情報、現状の遊技区間を把握するための情報、現状の抽選モードを把握するための情報、貯留記憶されている仮想メダルの数の情報、及びボーナス当選データを含む当選データの情報がクリアされる。さらにまた、兼用表示部66にて停止順対応表示を行うための情報もクリアされる。このため、電源遮断前に兼用表示部66にて停止順対応表示が行われている状態であったとしても、電源復帰後に全部クリア処理(図43)が実行された場合には、兼用表示部66にて停止順対応表示が再開されることはない。その後、特定制御用のワークエリア103の初期設定処理を実行する(ステップS2002)。当該初期設定処理では、ステップS2001にてクリアされた特定制御用のワークエリア103について初期設定を行う。
その後、特定制御用のスタックエリア101のクリア処理を実行する(ステップS2003)。当該クリア処理では、特定制御用のスタックエリア101を「0」クリアする。その後、特定制御用のスタックエリア101の初期設定処理を実行する(ステップS2004)。当該初期設定処理では、ステップS2003にてクリアされた特定制御用のスタックエリア101について初期設定を行うとともに、書き込み対象となる記憶エリアが当該特定制御用のスタックエリア101の最終アドレス(Y(r+1))に対応する記憶エリアとなるように主側MPU72のスタックポインタの情報を設定する。
その後、プッシュ命令により、主側MPU72のフラグレジスタの情報を特定制御用のスタックエリア101に退避させる(ステップS2005)。既に説明したとおり、フラグレジスタにはキャリフラグ、ゼロフラグ、P/Vフラグ、サインフラグ及びハーフキャリフラグなどを含み、演算命令、ローテート命令及び入出力命令などの実行結果によってフラグレジスタの情報は変化することとなる。このようなフラグレジスタの情報を非特定制御用のクリア処理(ステップS2006)に対応するサブルーチンのプログラムが開始される前に退避させることにより、当該サブルーチンのコールや当該サブルーチンの開始後において変化する前の状態のフラグレジスタの情報を特定制御用のスタックエリア101に退避させておくことが可能となる。なお、フラグレジスタの情報量は1バイトとなっている。
その後、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されている非特定制御用のクリア処理(図44)に対応するサブルーチンのプログラムを読み出すことにより、当該非特定制御用のクリア処理を開始する(ステップS2006)。この場合、当該非特定制御用のクリア処理の実行後における全部クリア処理(図43)の戻り番地を特定するための情報(ステップS2007に戻るためのアドレス情報)がプッシュ命令により特定制御用のスタックエリア101に書き込まれる。そして、非特定制御用のクリア処理(図44)が終了した場合にはポップ命令によりその戻り番地を特定するための情報が読み出され、当該戻り番地が示す全部クリア処理(図43)のプログラムに復帰する。
非特定制御用のクリア処理(図44)の実行後において全部クリア処理(図43)のプログラムに復帰した場合、ポップ命令により、ステップS2005にて特定制御用のスタックエリア101に退避させたフラグレジスタの情報を主側MPU72のフラグレジスタに復帰させる(ステップS2007)。これにより、主側MPU72のフラグレジスタの情報が、ステップS2005が実行された時点の情報に復帰することとなる。つまり、主側MPU72のフラグレジスタの情報が特定制御を実行するための情報に復帰することとなる。
その後、演出側MPU92に対して全部クリアコマンドを送信する(ステップS2008)。全部クリアコマンドは、全部クリア処理(図43)が実行されたことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。その後、外部装置であるデータカウンタDCに対して全部クリア処理(図43)が実行されたことを示す態様で信号の出力制御を行う全部クリア時の信号出力制御処理を実行して(ステップS2009)、本全部クリア処理を終了する。なお、全部クリア時の信号出力制御処理(ステップS2009)の詳細については後述する。
次に、主側MPU72にて実行される非特定制御用のクリア処理について図44のフローチャートを参照しながら説明する。非特定制御用のクリア処理は全部クリア処理(図43)のステップS2006にて実行される。非特定制御用のクリア処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。非特定制御用のクリア処理は、主側MPU72への動作電力の供給が開始された後、タイマ割込み処(図15)による割込みの発生が許可される前に行われる。このため、非特定制御に対応する処理である非特定制御用のクリア処理の途中の状況において、特定制御に対応する処理であるタイマ割込み処理(図15)が割り込んで起動されてしまうことが防止されている。
非特定制御用のクリア処理では、ステップS2101にて管理実行処理(図38)のステップS1601と同様の処理を実行する。具体的には、主側MPU72のスタックポインタのデータを、ロード命令により、非特定制御用のワークエリア102における非特定スタックポインタ退避エリアに退避させる(ステップS2101)。非特定制御用の処理である非特定制御用のクリア処理(図44)の開始時におけるスタックポインタのデータを非特定スタックポインタ退避エリアに退避させておくとともに、当該退避させたデータがステップS2101〜ステップS2107の処理において消去されないようにすることにより、ステップS2101〜ステップS2107の処理を実行した後に、当該データをスタックポインタに復帰させてスタックポインタのデータを当該非特定制御用のクリア処理(図44)の開始時におけるデータに戻すことが可能となる。
その後、ステップS2102〜ステップS2103にて管理実行処理(図38)のステップS1602〜ステップS1603及びバックアップ異常確認処理(図41)のステップS1901〜ステップS1902と同様の処理を実行する。具体的には、ロード命令により、主側MPU72のスタックポインタに非特定制御用のクリア処理(図44)の開始時における固定アドレスとして、非特定制御用のスタックエリア104における最後のアドレス情報である「Y(u+1)」を設定する(ステップS2102)。その後、主側MPU72が備えている各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタのうち一部のレジスタであるWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、WAレジスタ→BCレジスタ→DEレジスタ→HLレジスタ→IXレジスタ→IYレジスタの順番で、プッシュ命令により、非特定制御用のスタックエリア104に退避させる処理を実行する(ステップS2103)。既に説明したとおり、これらWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの情報量はいずれも2バイトである。ステップS2103における処理内容は、管理実行処理(図38)のステップS1603及びバックアップ異常確認処理(図41)のステップS1902と同一である。
これらWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタはステップS2104〜ステップS2107の処理にて利用されるレジスタである。そのようなレジスタに設定されている情報をステップS2104〜ステップS2107の処理の実行に先立ち非特定制御用のスタックエリア104に退避させることにより、特定制御に際して利用されていたこれらレジスタの情報をステップS2104〜ステップS2107の処理が開始される前に退避させることが可能となる。よって、非特定制御に際してこれらレジスタが上書きされたとしても、非特定制御を終了する場合には非特定制御用のワークエリア102に退避させた情報をこれらレジスタに復帰させることで、これらレジスタの状態を非特定制御が実行される前における特定制御に対応する状態に復帰させることが可能となる。
その後、非特定制御用のスタックエリア104のクリア処理を実行する(ステップS2104)。当該クリア処理では非特定制御用のスタックエリア104における記憶エリアのうち特定制御に対応する処理にて利用される主側MPU72の各種レジスタの情報が退避された記憶エリア以外の記憶エリアを「0」クリアする。特定制御に対応する処理にて利用される主側MPU72の各種レジスタの情報が退避された記憶エリアを「0」クリアしないようにすることにより、非特定制御に対応する処理が終了して特定制御に対応する処理に復帰する場合には主側MPU72の各種レジスタに特定制御に対応する処理にて利用される情報を復帰させることが可能となる。その後、非特定制御用のスタックエリア104の初期設定処理を実行する(ステップS2105)。当該初期設定処理では、ステップS2104にてクリアされた非特定制御用のスタックエリア104の記憶エリアについて初期設定を行う。
その後、非特定制御用のワークエリア102のクリア処理を実行する(ステップS2106)。当該クリア処理では非特定制御用のワークエリア102の各記憶エリアのうち、非特定スタックポインタ退避エリア以外の記憶エリアを「0」クリアする。非特定スタックポインタ退避エリアを「0」クリアしないようにすることにより、ステップS2101〜ステップS2108の処理を実行した後にステップS2101にて非特定スタックポインタ退避エリアに退避させた情報を主側MPU72のスタックポインタに復帰させることができる。
非特定制御用のワークエリア102のクリア処理(ステップS2106)が実行されることにより、バックアップ異常フラグ113が「0」クリアされる。また、非特定制御用のワークエリア102のクリア処理(ステップS2106)が実行されることにより、合計ゲーム数カウンタ、有利ゲーム数カウンタ、ゲーム実行把握フラグ及び管理表示フラグが「0」クリアされる。これにより、スロットマシン10の管理情報がクリアされる。非特定制御用のワークエリア102に記憶されている情報に異常が発生している状態となった場合には、非特定制御用のワークエリア102のクリア処理(ステップS2106)が実行されることにより、当該情報異常を解消することが可能となる。
その後、非特定制御用のワークエリア102の初期設定処理を実行する(ステップS2107)。当該初期設定処理では、非特定制御用のワークエリア102においてステップS2106にて「0」クリアの対象となった記憶エリアに対して初期設定を行う。
その後、ステップS2108〜ステップS2109にて、管理実行処理(図38)のステップS1618〜ステップS1619と同様の処理を実行する。具体的には、ステップS2103にて非特定制御用のスタックエリア104に退避させたデータを、ステップS2103における順番とは逆の順番(IYレジスタ→IXレジスタ→HLレジスタ→DEレジスタ→BCレジスタ→WAレジスタ)で、主側MPU72のWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタに復帰させる処理を実行する(ステップS2108)。ステップS2108の処理内容は、管理実行処理(図38)のステップS1618及びバックアップ異常確認処理(図41)のステップS1911と同一である。ステップS2108の処理が実行されることにより、主側MPU72のWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、非特定制御に対応する処理である非特定制御用のクリア処理(図44)の開始時における特定制御に対応する情報に復帰させることが可能となる。
その後、ステップS2101にて非特定制御用のワークエリア102における非特定スタックポインタ退避エリアに退避させたデータを主側MPU72のスタックポインタに復帰させて(ステップS2109)、本非特定制御用のクリア処理を終了する。ステップS2101にて非特定スタックポインタ退避エリアに退避させたデータを主側MPU72のスタックポインタに復帰させることにより、主側MPU72のスタックポインタのデータを非特定制御の開始時のデータに戻すことができる。これにより、全部クリア処理(図43)のステップS2006にてプッシュ命令により特定制御用のスタックエリア101に書き込まれた戻り番地の情報(ステップS2007の処理に戻るためのアドレス情報)を、ポップ命令により読み出して、当該戻り番地が示す全部クリア処理(図43)のプログラムに復帰することができる。
このように、非特定制御用の処理である非特定制御用のクリア処理(図44)の実行中に主側MPU72における一部のレジスタ(具体的には、WAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタ)を利用可能としながら、当該非特定制御用のクリア処理(図44)の終了後には、当該一部のレジスタが非特定制御用のクリア処理(図44)の開始時の状態に復帰している状態として、全部クリア処理(図43)においてステップS2006における当該非特定制御用のクリア処理(図44)の次の処理を開始することができる。
次に、図45のタイムチャートを参照しながらバックアップ異常フラグ113及びエラー状態フラグに「1」がセットされている状態が解除される様子について説明する。図45(a)は非特定制御用のワークエリア102におけるバックアップ異常フラグ113の状態を示し、図45(b)は第2演算対象エリア111におけるエラー状態フラグの状態を示し、図45(c)はエラー報知の実行期間を示し、図45(d)は全部クリア処理(図43)が実行されるタイミングを示し、図45(e)は停電時処理(図39)が実行されるタイミングを示し、図45(f)は主側MPU72への動作電力の供給状態を示す。
t1のタイミングで、停電の発生が特定されると、図45(e)に示すように停電時処理(図39)が実行される。停電時処理では、主側RAM74における一部の記憶エリアを演算対象範囲としてチェックサムが算出され、その算出されたチェックサムが第2演算対象外エリア112のチェックサム用エリア114に記憶されている状態となる。その後、図45(f)に示すように、t2のタイミングで主側MPU72への動作電力の供給が停止されて主側MPU72の動作が停止する。
その後、図45(f)に示すように、t3のタイミングで設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく電源復帰が行われ、メイン処理(図14)のステップS103にて復電用処理(図40)が実行される。その後、バックアップ異常確認
処理(図41)にて算出されたチェックサムが電源遮断前に記憶されたチェックサムと一致しなかった場合、t4のタイミングで、図45(a)に示すように非特定制御用のワークエリア102におけるバックアップ異常フラグ113に「1」がセットされるとともに、図45(b)に示すように第2演算対象エリア111のエラー状態フラグに「1」がセットされる。そして、図45(c)に示すように、当該t4のタイミングで、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてエラー報知が開始される。
その後、t5のタイミングで、図45(f)に示すように主側MPU72への動作電力の供給が停止されると、図45(c)に示すようにエラー報知は終了するものの、図45(a)に示すように非特定制御用のワークエリア102におけるバックアップ異常フラグ113に「1」がセットされている状態が維持されるとともに、図45(b)に示すように第2演算対象エリア111のエラー状態フラグに「1」がセットされている状態が維持される。
その後、図45(f)に示すように、t6のタイミングにおいて、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態で主側MPU72への動作電力の供給が開始される。図45(b)に示すように、当該t6のタイミングにおいて第2演算対象エリア111のエラー状態フラグに「1」がセットされている状態が継続されているため、図45(d)に示すようにt7のタイミングで全部クリア処理(図43)が実行される。これにより、当該t7のタイミングで、図45(a)に示すように非特定制御用のワークエリア102におけるバックアップ異常フラグ113が「0」クリアされるとともに、図45(b)に示すように第2演算対象エリア111のエラー状態フラグが「0」クリアされる。
上記のとおり、電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に記憶したチェックサムと一致しなかった場合、すなわちチェックサムの演算対象範囲に含まれる記憶エリアに記憶されているデータに異常が発生した場合には、非特定制御用のワークエリア102におけるバックアップ異常フラグ113に「1」がセットされるとともに、第2演算対象エリア111におけるエラー状態フラグに「1」がセットされる。そして、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63においてエラー報知が実行される。これにより、遊技ホールの管理者は、チェックサムの演算対象範囲に含まれる記憶エリアに記憶されているデータに異常が発生したことを把握することができる。
第2演算対象エリア111のエラー状態フラグに「1」がセットされた後、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態で動作電力の供給が開始された場合には、リセットボタン56の押圧操作の有無に関わらず、全部クリア処理(図43)が実行されることにより第2演算対象エリア111のエラー状態フラグが「0」クリアされるとともに、非特定制御用のワークエリア102におけるバックアップ異常フラグ113が「0」クリアされる。また、全部クリア処理(図43)が実行されることにより、記憶されているデータに異常が発生していた記憶エリアが「0」クリアされる。このため、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生した状態のまま、当該異常なデータに基づいて遊技が進行されてしまうことを防止することができる。
第2演算対象エリア111のエラー状態フラグに「1」がセットされた後、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態で動作電力の供給が開始された場合には、リセットボタン56の押圧操作を行わなくても全部クリア処理(図43)が実行される。このため、エラー状態フラグに「1」がセットされている状態の解除方法を遊技ホールの管理者にとって分かり易いものとすることができる。
<ベット報知音を出力するための構成>
次に、遊技媒体のベットが行われたことを報知するベット報知音をスピーカ62から出力するための構成について説明する。
既に説明したとおり、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するためのクレジット投入ボタン47が設けられている。図46は遊技媒体のベット数の増加により出力されるベット報知音の種類及び組合せを説明するための説明図である。
まず通常処理(図16)のステップS302における開始待ち処理(図49)の1処理回で増加する遊技媒体のベット数が「1」である場合について説明する。詳細は後述するが、通常処理(図16)のステップS303における設定確認用処理(図55(b))において設定値を確認可能な状態となる設定確認表示が行われる場合には、当該設定確認表示の開始時にセレクタ52が受付禁止状態に切り換えられるとともに、当該設定確認表示の終了時にセレクタ52が受付許可状態に切り換えられる。設定確認表示の実行中にはメダルの投入により遊技媒体のベット数が増加することはない。また、設定確認表示が行われない場合、開始待ち処理(ステップS302)が実行される間隔は、メダル投入口45から連続投入された複数枚のメダルが投入メダル検出センサ45aにて1枚ずつ検出される間隔よりも短い。このため、メダルの投入により遊技媒体のベット数が増加する場合、メダルが連続投入されたとしても開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で増加する遊技媒体のベット数は「1」である。
遊技媒体のベット数が「0」である状況においてメダル投入口45から投入された1枚のメダルが投入メダル検出センサ45aにて検出された場合、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「0」から「1」に増加する。また、遊技媒体のベット数が「0」であるとともに仮想メダルの貯留記憶数が「1」である状況においてクレジット投入ボタン47の操作が行われた場合にも、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「0」から「1」に増加する。図46に示すように、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「0」から「1」に増加した場合、スピーカ62から第1ベット報知音が出力される。第1ベット報知音は、遊技媒体のベット数が「0」から「1」に増加したことを報知するための報知音である。遊技者は第1ベット報知音を聞くことにより遊技媒体のベット数が「0」から「1」に増加したことを確認することができる。
遊技媒体のベット数が「1」である状況においてメダル投入口45から投入された1枚のメダルが投入メダル検出センサ45aにて検出された場合、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「1」から「2」に増加する。また、遊技媒体のベット数が「1」であるとともに仮想メダルの貯留記憶数が「1」である状況においてクレジット投入ボタン47の操作が行われた場合にも、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「1」から「2」に増加する。図46に示すように、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「1」から「2」に増加した場合、スピーカ62から第2ベット報知音が出力される。第2ベット報知音は、遊技媒体のベット数が「1」から「2」に増加したことを報知するための報知音である。遊技者は第2ベット報知音を聞くことにより遊技媒体のベット数が「1」から「2」に増加したことを確認することができる。
遊技媒体のベット数が「2」である状況においてメダル投入口45から投入された1枚のメダルが投入メダル検出センサ45aにて検出された場合、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「2」から「3」に増加する。また、遊技媒体のベット数が「2」であるとともに仮想メダルの貯留記憶数が「1」以上である状況においてクレジット投入ボタン47の操作が行われた場合にも、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「2」から「3」に増加する。図46に示すように、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「2」から「3」に増加した場合、スピーカ62から第3ベット報知音が出力される。第3ベット報知音は、遊技媒体のベット数が「2」から「3」に増加したことを報知するための報知音である。遊技者は第3ベット報知音を聞くことにより遊技媒体のベット数が「2」から「3」に増加したことを確認することができる。
次に、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で増加する遊技媒体のベット数が「2」である場合について説明する。
遊技媒体のベット数が「0」であるとともに仮想メダルの貯留記憶数が「2」である状況においてクレジット投入ボタン47の操作が行われた場合、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「0」から「2」に増加する。図46に示すように、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「0」から「2」に増加した場合、スピーカ62から第1ベット報知音→第2ベット報知音の順番で2つのベット報知音が連続して出力される。遊技者は連続して出力された第1ベット報知音及び第2ベット報知音を聞くことにより遊技媒体のベット数が「0」から「2」に増加したことを確認することができる。
遊技媒体のベット数が「1」であるとともに仮想メダルの貯留記憶数が「2」以上である状況においてクレジット投入ボタン47の操作が行われた場合、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「1」から「3」に増加する。図46に示すように、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「1」から「3」に増加した場合、スピーカ62から第2ベット報知音→第3ベット報知音の順番で2つのベット報知音が連続して出力される。遊技者は連続して出力された第2ベット報知音及び第3ベット報知音を聞くことにより遊技媒体のベット数が「1」から「3」に増加したことを確認することができる。
次に、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で増加する遊技媒体のベット数が「3」である場合について説明する。
遊技媒体のベット数が「0」であるとともに仮想メダルの貯留記憶数が「3」以上である状況においてクレジット投入ボタン47の操作が行われた場合、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「0」から「3」に増加する。また、リプレイ入賞が成立したゲームの終了後において最初に開始待ち処理(ステップS302)が実行される場合においても、当該開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「0」から「3」に増加する。図46に示すように、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で遊技媒体のベット数が「0」から「3」に増加した場合、スピーカ62から第1ベット報知音→第2ベット報知音→第3ベット報知音の順番で3つのベット報知音が連続して出力される。クレジット投入ボタン47の操作に基づいて連続して出力された第1ベット報知音、第2ベット報知音及び第3ベット報知音を聞くことにより、遊技者は遊技媒体のベット数が「0」から「3」に増加したことを確認することができる。また、リプレイ入賞が成立したゲームの終了後に第1ベット報知音、第2ベット報知音及び第3ベット報知音が連続して出力された場合、遊技者は遊技媒体をベットする操作を省略してゲームを開始できる状態となったことを確認することができる。
図47(a)はベット報知音の出力制御を行うための演出側ROM93の構成を説明するための説明図であり、図47(b)はベット報知音の出力制御を行うための演出側RAM94の構成を説明するための説明図である。
図47(a)に示すように、演出側ROM93には、スピーカ62から第1〜第3ベット報知音を出力するためのベット報知音テーブルが記憶されている音テーブル記憶エリア121が設けられている。音テーブル記憶エリア121には、第1ベット報知音を出力するための第1ベット報知音テーブル、第2ベット報知音を出力するための第2ベット報知音テーブル及び第3ベット報知音を出力するための第3ベット報知音テーブルが記憶されている。これらのベット報知音テーブルには、「0」〜「14」の数値情報がポインタ情報として連番となるように配列されており、その全てのポインタ情報に対して音データが設定されている。
図47(b)に示すように、演出側RAM94には、出力対象のベット報知音に対応するベット報知音テーブルを読み出すための出力対象エリア122が設けられている。演出側MPU92は、出力対象エリア122にベット報知音テーブルを読み出す。その後、当該ベット報知音テーブルのポインタ情報を40ミリ秒毎に1加算して更新し、その更新後のポインタ情報に設定されている音データをスピーカ62に対して出力する。第1ベット報知音テーブルに従ってスピーカ62の音出力制御が行われる場合には0.6秒間に亘って第1ベット報知音が出力されるとともに、第2ベット報知音テーブルに従ってスピーカ62の音出力制御が行われる場合には0.6秒間に亘って第2ベット報知音が出力さる。また、第3ベット報知音テーブルに従ってスピーカ62の音出力制御が行われる場合には0.6秒間に亘って第3ベット報知音が出力される。
演出側RAM94には、第2読み出し待機フラグ123及び第3読み出し待機フラグ124が設けられている。第2読み出し待機フラグ123は、第2ベット報知音テーブルの読み出しが待機されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグであるとともに、第3読み出し待機フラグ124は、第3ベット報知音テーブルの読み出しが待機されている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。
第1ベット報知音の出力制御中に演出側MPU92が主側MPU72から遊技媒体のベット数が「2」以上となったことを示すコマンド(後述する第2ベットコマンド及び第3ベットコマンド)を受信した場合、又は第1ベット報知音の出力が未だ行われていない状況において演出側MPU92が主側MPU72から遊技媒体のベット数が「2」以上となったことを示すコマンドを受信して第1ベット報知音の出力制御が開始された場合、第2ベット報知音テーブルの読み出しが待機されている状態となる。第1ベット報知音又は第2ベット報知音の出力制御中に演出側MPU92が主側MPU72から遊技媒体のベット数が「3」となったことを示すコマンド(後述する第3ベットコマンド)を受信した場合、第3ベット報知音テーブルの読み出しが待機されている状態となる。また、第2ベット報知音の出力が未だ行われていない状況において演出側MPU92が主側MPU72から遊技媒体のベット数が「3」となったことを示すコマンドを受信して第1ベット報知音又は第2ベット報知音の出力制御が開始された場合、第3ベット報知音テーブルの読み出しが待機されている状態となる。
演出側MPU92は、第2読み出し待機フラグ123に「1」がセットされている状態において第1ベット報知音の出力が終了した場合、出力対象エリア122に第2ベット報知音テーブルを読み出して第2ベット報知音の出力を開始する。また、第3読み出し待機フラグ124に「1」がセットされている状態において第2ベット報知音の出力が終了した場合、出力対象エリア122に第3ベット報知音テーブルを読み出して第3ベット報知音の出力を開始する。これにより、各ゲームの開始前に、第1ベット報知音テーブル→第2ベット報知音テーブル→第3ベット報知音テーブルの順番で出力対象エリア122に3種類のベット報知音テーブルが順次読み出され、第1ベット報知音→第2ベット報知音→第3ベット報知音の順番でスピーカ62から3種類のベット報知音が順次出力される。
演出側ROM93に第1ベット報知音テーブル、第2ベット報知音テーブル及び第3ベット報知音テーブルが記憶されており、出力対象エリア122に第1ベット報知音テーブル、第2ベット報知音テーブル及び第3ベット報知音テーブルを順番に読み出すことにより第1ベット報知音→第2ベット報知音→第3ベット報知音の順番で3種類のベット報知音を出力する構成である。このため、これら第1〜第3ベット報知音テーブルに加えて、2つ以上のベット報知音の組合せを出力するためのベット報知音テーブルを予め記憶しておく構成と比較して、演出側ROM93においてベット報知音テーブルを記憶しておくための容量を低減することができる。2つ以上のベット報知音の組合せを出力するためのベット報知音テーブルとは、第1ベット報知音→第2ベット報知音の順番で第1ベット報知音及び第2ベット報知音を連続的に出力するための1つのベット報知音テーブル、第2ベット報知音→第3ベット報知音の順番で第2ベット報知音及び第3ベット報知音を連続的に出力するための1つのベット報知音テーブル、並びに第1ベット報知音→第2ベット報知音→第3ベット報知音の順番で第1〜第3ベット報知音を連続的に出力するための1つのベット報知音テーブルのことである。
図48は各種処理を実行するための特定制御用のワークエリア103の構成を説明するための説明図である。既に説明したとおり、特定制御用のワークエリア103は主側RAM74に設けられている。図48に示すように、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111には、ベット数カウンタ125及びベット数加算フラグ126が設けられている。ベット数カウンタ125は、現在の遊技媒体のベット数を主側MPU72にて把握可能とするカウンタである。ベット数カウンタ125には、「0」〜「3」のいずれかの数値情報が設定される。ベット数カウンタ125の値は、ゲームの開始時に、通常処理(図16)のステップS307における開始時の設定処理(図81)にて「0」クリアされる。ベット数加算フラグ126は、ベット数カウンタ125の値に1以上の値が加算されて遊技媒体のベット数が増加しているとともに当該増加後のベット数に対応するベットコマンド(後述する第1〜第3ベットコマンド)の送信が行われていない状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。
主側MPU72は、開始待ち処理(ステップS302)の1処理回でベット数カウンタ125の値に1以上の値を加算して遊技媒体のベット数が増加した場合、当該増加後のベット数に対応する第1ベットコマンド、第2ベットコマンド及び第3ベットコマンドのいずれか1つを演出側MPU92に送信する。第1ベットコマンドは、増加後の遊技媒体のベット数が「1」であることを演出側MPU92に認識させるためのコマンドであり、第2ベットコマンドは、増加後の遊技媒体のベット数が「2」であることを演出側MPU92に認識させるためのコマンドであり、第3ベットコマンドは、増加後の遊技媒体のベット数が「3」であることを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。
図47(b)に示すように、演出側RAM94には、第1音設定済みフラグ127及び第2音設定済みフラグ128が設けられている。第1音設定済みフラグ127は、第1ベット報知音テーブルを出力対象エリア122に読み出したことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。演出側MPU92は、第1ベットコマンド又は第2ベットコマンドを受信したことに基づいて第1ベット報知音テーブルを出力対象エリア122に読み出した場合、第1音設定済みフラグ127に「1」をセットする。これにより、その後に第2ベットコマンド又は第3ベットコマンドを受信した場合に第1ベット報知音が重複して出力されてしまうことを防止することができる。
第3ベットコマンドを受信したことに基づいて第1ベット報知音テーブルを出力対象エリア122に読み出した場合には、精算ボタン51の操作が行われた後に遊技媒体が再度ベットされる場合を除いて、ゲームが開始されるまでに受信するベットコマンドが存在せず、第1ベット報知音が重複して出力されてしまう可能性がない。このため、第3ベットコマンドを受信したことに基づいて第1ベット報知音テーブルを出力対象エリア122に読み出した場合に、第1音設定済みフラグ127に「1」をセットする処理は省略されている。これにより、ベット報知音を出力するための処理構成が簡素化されている。
第2音設定済みフラグ128は、第2ベット報知音テーブルを出力対象エリア122に読み出したこと、又は第2読み出し待機フラグ123に「1」をセットしたことを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。演出側MPU92は、第2ベットコマンドを受信した場合、第1ベット報知音の出力中であれば第2読み出し待機フラグ123及び第2音設定済みフラグ128に「1」をセットするとともに、第1ベット報知音の出力が終了している状態であれば出力対象エリア122に第2ベット報知音テーブルを読み出して第2音設定済みフラグ128に「1」をセットする。これにより、その後に第3ベットコマンドを受信した場合に第2ベット報知音が重複して出力されてしまうことを防止することができる。
第3ベットコマンドを受信したことに基づいて第2ベット報知音テーブルを出力対象エリア122に読み出した場合、又は第2読み出し待機フラグ123に「1」をセットした場合には、精算ボタン51の操作が行われた後に遊技媒体が再度ベットされる場合を除いて、ゲームが開始されるまでに受信するベットコマンドが存在せず、第2ベット報知音が重複して出力されてしまう可能性がない。このため、第3ベットコマンドを受信したことに基づいて第2ベット報知音テーブルを出力対象エリア122に読み出した場合、又は第2読み出し待機フラグ123に「1」をセットした場合に、第2音設定済みフラグ128に「1」をセットする処理は省略されている。これにより、ベット報知音を出力するための処理構成が簡素化されている。
次に、主側MPU72にて実行される開始待ち処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。開始待ち処理は通常処理(図16)におけるステップS302にて実行される。なお、開始待ち処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
開始待ち処理では、まず特定制御用のワークエリア103の第2演算対象エリア111に設けられたリプレイ時のベット済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2201)。リプレイ時のベット済みフラグは、前回のゲームにおいていずれかのリプレイ入賞が成立している場合において、前回のベット数と同数のベット設定が既に完了しているか否かを主側MPU72にて特定するためのフラグである。
ステップS2201にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111のリプレイ発生フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2202)。既に説明したとおり、リプレイ発生フラグは、リプレイ入賞が発生してから最初に行われる開始待ち処理(図49)にて遊技者の所有する遊技媒体の数を減らすことなく遊技媒体のベットが自動で行われるようにすべきことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。リプレイ発生フラグには、いずれかのリプレイ入賞が発生した場合に、通常処理(図16)のステップS309におけるリール制御処理(図58)にて「1」がセットされる。また、リプレイ発生フラグは、リプレイ入賞が発生したゲームの次のゲームの開始時に、通常処理(図16)のステップS307における開始時の設定処理(図81)にて「0」クリアされる。ステップS2202にて肯定判定を行った場合には、前回のゲームにおいていずれかのリプレイ入賞が成立したことを意味する。この場合には、第2演算対象エリア111のリプレイ発生フラグを「0」クリアし(ステップS2203)、第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125に遊技媒体の規定数である「3」をセットする(ステップS2204)。
その後、第2演算対象エリア111におけるリプレイ時のベット済みフラグに「1」をセットする(ステップS2205)。これにより、開始待ち処理(図49)の次回以降の処理回ではステップS2201にて肯定判定が行われることとなる。その後、第2演算対象エリア111のベット数加算フラグ126に「1」をセットする(ステップS2206)。これにより、ベット数カウンタ125の値に1以上の値が加算されて遊技媒体のベット数が増加しているとともに当該増加後のベット数に対応するベットコマンド(第1〜第3ベットコマンドのいずれか)の送信が行われていない状態であることを主側MPU72にて把握可能となる。
ステップS2201にて肯定判定をした場合、ステップS2202にて否定判定をした場合、又はステップS2206の処理を実行した場合、ベット対応処理を実行する(ステップS2207)。図50はベット対応処理を示すフローチャートである。なお、ベット対応処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
ベット対応処理では、まず第2演算対象エリア111に設けられた設定確認表示フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2301)。設定確認表示フラグは、クレジット表示部65にてスロットマシン10の設定値を確認可能とするための設定確認表示が行われている状況であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。なお、設定確認表示の詳細については後述する。
ステップS2301にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111のベット数カウンタ125の値がベット上限数(具体的には規定数である「3」)以上であるか否かを判定し(ステップS2302)、ベット数カウンタ125の値がベット上限数以上ではない場合(ステップS2302:NO)には、第2演算対象エリア111のクレジットカウンタを参照することにより仮想メダルの貯留記憶数が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS2303)。仮想メダルの貯留記憶数が1以上である場合(ステップS2303:YES)には、クレジット投入ボタン47の操作が行われたか否かを判定し(ステップS2304)、クレジット投入ボタン47の操作が検出された場合(ステップS2304:YES)にはベット設定処理を実行する(ステップS2305)。このように、ベット設定処理は、仮想メダルの貯留記憶数が「1」以上であること(ステップS2303:YES)を条件として実行される。
ステップS2305におけるベット設定処理では、ベット数カウンタ125の値が「0」である状況においてクレジット投入ボタン47の操作が検出された場合、仮想メダルの貯留記憶数が「3」以上であればベット数カウンタ125の値に「3」を加算するとともにクレジットカウンタの値を「3」減算する。一方、当該場合において仮想メダルの貯留記憶数が「2」以下であればベット数カウンタ125の値に仮想メダルの数を加算するとともに、クレジットカウンタの値を「0」とする。また、ベット数カウンタ125の値が「1」である状況においてクレジット投入ボタン47の操作が検出された場合、仮想メダルの貯留記憶数が「2」以上であればベット数カウンタ125の値に「2」を加算するとともにクレジットカウンタの値を「2」減算する。一方、当該場合において仮想メダルの貯留記憶数が「1」であればベット数カウンタ125の値に「1」を加算するとともに、クレジットカウンタの値を「0」とする。さらにまた、ベット数カウンタ125の値が「2」である状況においてクレジット投入ボタン47の操作が検出された場合、ベット数カウンタ125の値に「1」を加算するとともにクレジットカウンタの値を「1」減算する。
ステップS2305にてベット設定処理を実行した場合には、第2演算対象エリア111のベット数加算フラグ126に「1」をセットする(ステップS2306)。これにより、ベット数カウンタ125の値に1以上の値が加算されて遊技媒体のベット数が増加しているとともに当該増加後のベット数に対応するベットコマンド(第1〜第3ベットコマンドのいずれか)の送信が行われていない状態であることを主側MPU72にて把握可能となる。
第2演算対象エリア111の設定確認表示フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2301:YES)には、ステップS2302〜ステップS2306の処理を実行することなくステップS2307に進む。このように、クレジット表示部65にて設定確認表示が行われている状況においては、クレジット投入ボタン47の操作が無効化されている状態となる。
ステップS2301にて肯定判定を行った場合、ステップS2302にて肯定判定を行った場合、ステップS2303にて否定判定を行った場合、ステップS2304にて否定判定を行った場合、又はステップS2306の処理を行った場合には、メダル投入口45にメダルが投入されていることにより投入メダル検出センサ45aにて1枚のメダルが検出されているか否かを判定する(ステップS2307)。
ステップS2307にて肯定判定をした場合、第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125の値がベット上限数である「3」未満であれば(ステップS2308:NO)、ベット数カウンタ125の値を1加算する(ステップS2309)。これにより、遊技媒体のベット数が1増加する。その後、第2演算対象エリア111のベット数加算フラグ126に「1」をセットする(ステップS2310)。これにより、ベット数カウンタ125の値に1以上の値が加算されて遊技媒体のベット数が増加しているとともに当該増加後のベット数に対応するベットコマンド(第1〜第3ベットコマンドのいずれか)の送信が行われていない状態であることを主側MPU72にて把握可能となる。
一方、ベット数カウンタ125の値がベット上限数以上である場合(ステップS2308:YES)には、第2演算対象エリア111におけるクレジットカウンタの値を1加算する(ステップS2311)。この場合、ベット数加算フラグ126に「1」をセットする処理は行われない。
ステップS2310の処理を実行した場合、又はステップS2311の処理を実行した場合には、ベット数カウンタ125の値がベット上限数である「3」以上であってクレジットカウンタの値が上限貯留記憶数である「50」以上であることを条件として(ステップS2312:YES)、セレクタ52を受付禁止状態とする受付禁止処理を実行する(ステップS2313)。これにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される状態となる。
ステップS2307にて否定判定を行った場合、ステップS2312にて否定判定を行った場合、又はステップS2313の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111のベット数加算フラグ126に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2314)。ベット数加算フラグ126に「1」がセットされていない場合(ステップS2314:NO)には、ベットコマンドを送信することなく、本ベット対応処理を終了する。一方、ベット数加算フラグ126に「1」がセットされている場合(ステップS2314:YES)には、ベットコマンド送信処理を実行して(ステップS2315)、本ベット対応処理を終了する。
図51はベットコマンド送信処理を示すフローチャートである。なお、ベットコマンド送信処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
ベットコマンド送信処理では、第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125の値が「1」であるか否かを判定し(ステップS2401)、ベット数カウンタ125の値が「1」である場合(ステップS2401:YES)には、演出側MPU92に対して第1ベットコマンドを送信する(ステップS2402)。
ステップS2401にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125の値が「2」であるか否かを判定し(ステップS2403)、ベット数カウンタ125の値が「2」である場合(ステップS2403:YES)には、演出側MPU92に対して第2ベットコマンドを送信する(ステップS2404)。
ステップS2401及びステップS2403にて否定判定を行った場合には、演出側MPU92に対して第3ベットコマンドを送信する(ステップS2405)。ベットコマンド送信処理(図51)は、第2演算対象エリア111のベット数加算フラグ126に「1」がセットされていることを条件として実行されるため、ステップS2401及びステップS2403にて否定判定が行われた場合には、ベット数カウンタ125の値が「3」であることを意味する。第3ベットコマンドは、ベット数カウンタ125の値が「3」である場合に演出側MPU92に送信される。
ステップS2402の処理を行った場合、ステップS2404の処理を行った場合、又はステップS2405の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111のベット数加算フラグ126を「0」クリアして(ステップS2406)、本ベットコマンド送信処理を終了する。ベット数加算フラグ126を「0」クリアすることにより、ベット数カウンタ125の値が変化していないにもかかわらず同一のベットコマンドが重複して送信されてしまうことを防止することができる。
既に説明したとおり、クレジット投入ボタン47の操作が行われた場合には開始待ち処理(ステップS302)の1処理回でベット数カウンタ125の値が「2」以上増加する場合があるが、当該1処理回でベット数カウンタ125の値が「2」以上増加した場合であっても第1〜第3ベットコマンドのいずれか1つのみが演出側MPU92に送信される。このため、ベット数カウンタ125の増加分に対応する数のベットコマンドを演出側MPU92に送信する構成と比較して、主側MPU72から演出側MPU92に開始待ち処理(ステップS302)の1処理回で送信されるベット数コマンドの数を低減することができる。これにより、主側MPU72及び演出側MPU92における処理負荷を軽減することができる。
ベット数カウンタ125の増加数に関係なく現状におけるベット数カウンタ125の値に対応するベットコマンドを演出側MPU92に送信する構成である。このため、ベット数カウンタ125の増加数を記憶しておくとともに当該増加数に対応する種類のベットコマンドを演出側MPU92に送信する構成と比較して、ベットコマンドを演出側MPU92に送信するための処理構成を簡素化することができる。
開始待ち処理(図49)の説明に戻り、ステップS2207にてベット対応処理を実行した後は、精算ボタン51が操作されたか否かを判定する(ステップS2208)。精算ボタン51が操作されている場合(ステップS2208:YES)には、精算処理(ステップS2209〜ステップS2215の処理)を実行する。具体的には、第2演算対象エリア111におけるリプレイ時のベット済みフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2209:NO)、第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125の値及びクレジットカウンタの値の合計値を第2演算対象エリア111に設けられた払出枚数カウンタにセットする(ステップS2210)。払出枚数カウンタは、ホッパ装置53を駆動してメダル受け皿59に払い出すメダルの数を主側MPU72にて把握可能とするフラグである。
その後、第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125及びクレジットカウンタの値を「0」クリアし(ステップS2211)、演出側MPU92に精算操作コマンドを送信する(ステップS2212)。精算操作コマンドは、精算ボタン51が操作されてベット数カウンタ125の値が「0」クリアされたことを演出側MPU92にて把握可能とするためのコマンドである。精算ボタン51が操作されてベット数カウンタ125の値が「0」クリアされたことを演出側MPU92にて把握可能とすることにより、精算ボタン51の操作が行われた後にメダルが投入された場合に、遊技媒体のベット数に対応するベット報知音をスピーカ62から出力するための処理を実行可能とすることができる。
一方、第2演算対象エリア111におけるリプレイ時のベット済みフラグに「1」がセットされている場合(ステップS2209:YES)には、第2演算対象エリア111のクレジットカウンタを参照することにより仮想メダルの貯留記憶数を把握するとともに、当該把握した仮想メダルの貯留記憶数を第2演算対象エリア111の払出枚数カウンタにセットする(ステップS2213)。その後、第2演算対象エリア111におけるクレジットカウンタの値を「0」クリアする(ステップS2214)。
ステップS2212の処理を行った場合、又はステップS2214の処理を行った場合には、ホッパ装置53の駆動制御処理を実行して(ステップS2215)、本開始待ち処理を終了する。ホッパ装置53の駆動制御処理(ステップS2215)では、第2演算対象エリア111における払出枚数カウンタの値に対応する枚数のメダルがメダル受け皿59に排出されるようにホッパ装置53を駆動制御するとともに、当該駆動制御の終了時に払出枚数カウンタの値が「0」となるようにする。
このように、いずれかのリプレイ入賞が成立した後に行われる開始待ち処理(図49)では遊技者が所有する遊技媒体を消費することなくベット数カウンタ125に規定数である「3」がセットされる。リプレイ入賞の成立によりベット数カウンタ125に「3」がセットされている場合には、精算操作が行われたことに基づいて、クレジットカウンタの値に対応する枚数のメダルが払い出されるとともに、ベット数カウンタ125の値が維持される。一方、メダルの投入又はクレジット投入ボタン47の操作によりベット数カウンタ125の値が1以上の値となっている場合には、精算操作が行われたことに基づいて、ベット数カウンタ125の値及びクレジットカウンタの値の合計値に対応する枚数のメダルが払い出される。
次に、演出側MPU92にて実行されるベット報知音設定処理について、図52のフローチャートを参照しながら説明する。ベット報知音設定処理は、演出側MPU92において比較的短い周期(例えば4ミリ秒)で繰り返し実行される。
ベット報知音設定処理では、まず主側MPU72から第1ベットコマンドを受信したか否かを判定し(ステップS2501)、第1ベットコマンドを受信している場合(ステップS2501:YES)には、演出側ROM93の音テーブル記憶エリア121から演出側RAM94の出力対象エリア122に第1ベット報知音テーブルを読み出す(ステップS2502)。その後、演出側RAM94に設けられた音出力中フラグに「1」をセットする(ステップS2503)。音出力中フラグは、いずれかのベット報知音を出力するためにスピーカ62の音出力制御が行われている状態であることを演出側MPU92にて把握可能とするフラグである。
その後、演出側RAM94の第1音設定済みフラグ127に「1」をセットする(ステップS2504)。これにより、第1ベット報知音テーブルを出力対象エリア122に読み出したことを演出側MPU92にて把握可能となるとともに、第2ベットコマンド又は第3ベットコマンドを受信した場合に第1ベット報知音が重複して出力されてしまうことを防止することができる。
ステップS2501にて否定判定を行った場合には、主側MPU72から第2ベットコマンドを受信したか否かを判定し(ステップS2505)、第2ベットコマンドを受信した場合(ステップS2505:YES)には、演出側RAM94の第1音設定済みフラグ127に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2506)。第1音設定済みフラグ127に「1」がセットされていない場合(ステップS2506:NO)には、ステップS2507〜ステップS2509にてステップS2502〜ステップS2504と同様の処理を実行する。具体的には、演出側ROM93の音テーブル記憶エリア121から演出側RAM94の出力対象エリア122に第1ベット報知音テーブルを読み出し(ステップS2507)、演出側RAM94の音出力中フラグに「1」をセットする(ステップS2508)。これにより、ベット報知音を出力するためにスピーカ62の音出力制御が行われている状態であることを演出側MPU92にて把握可能となる。その後、演出側RAM94の第1音設定済みフラグ127に「1」をセットする(ステップS2509)。これにより、第1ベット報知音テーブルを出力対象エリア122に読み出したことを演出側MPU92にて把握可能となるとともに、第3ベットコマンドを受信した場合に第1ベット報知音が重複して出力されてしまうことを防止することができる。
その後、演出側RAM94の第2読み出し待機フラグ123に「1」をセットする(ステップS2510)。これにより、第1ベット報知音の出力が終了した場合に第2ベット報知音の出力を開始することが可能となる。その後、演出側RAM94の第2音設定済みフラグ128に「1」をセットする(ステップS2511)。これにより、第2ベット報知音テーブルを出力対象エリア122に読み出したこと、又は第2読み出し待機フラグ123に「1」をセットしたことを演出側MPU92にて把握可能となる。ステップS2511にて第2音設定済みフラグ128に「1」をセットすることにより、第3ベットコマンドを受信した場合に第2ベット報知音が重複して出力されてしまうことを防止することができる。
第1音設定済みフラグ127に「1」がセットされている状態で第2ベットコマンドを受信した場合(ステップS2505:YES、ステップS2506:YES)には、演出側RAM94の音出力中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2512)。ステップS2512にて肯定判定を行った場合には、ステップS2510に進み、演出側RAM94の第2読み出し待機フラグ123に「1」をセットする(ステップS2510)。これにより、第1ベット報知音の出力が終了した場合に第2ベット報知音の出力を開始することが可能となる。その後、演出側RAM94の第2音設定済みフラグ128に「1」をセットする(ステップS2511)。これにより、第2ベット報知音テーブルを出力対象エリア122に読み出したこと、又は第2読み出し待機フラグ123に「1」をセットしたことを演出側MPU92にて把握可能となる。ステップS2511にて第2音設定済みフラグ128に「1」をセットすることにより、第3ベットコマンドを受信した場合に第2ベット報知音が重複して出力されてしまうことを防止することができる。このように、第1ベット報知音の出力中に第2ベットコマンドを受信した場合には、第2ベット報知音テーブルの読み出しが待機されている状態となる。
ステップS2512にて否定判定を行った場合には、演出側ROM93の音テーブル記憶エリア121から演出側RAM94の出力対象エリア122に第2ベット報知音テーブルを読み出す(ステップS2513)。これにより、第2ベット報知音を出力するためのスピーカ62の音出力制御を開始することができる。その後、演出側RAM94の音出力中フラグに「1」をセットする(ステップS2514)。これにより、ベット報知音を出力するためにスピーカ62の音出力制御が行われている状態であることを演出側MPU92にて把握可能となる。その後、演出側RAM94の第2音設定済みフラグ128に「1」をセットする(ステップS2515)。これにより、第2ベット報知音テーブルを出力対象エリア122に読み出したこと、又は第2読み出し待機フラグ123に「1」をセットしたことを演出側MPU92にて把握可能となる。ステップS2515にて第2音設定済みフラグ128に「1」をセットすることにより、第3ベットコマンドを受信した場合に第2ベット報知音が重複して出力されてしまうことを防止することができる。
ステップS2505にて否定判定を行った場合には、主側MPU72から第3ベットコマンドを受信したか否かを判定し(ステップS2516)、第3ベット報知コマンドを受信している場合(ステップS2516:YES)には、第3ベットコマンドの受信対応処理を実行する(ステップS2517)。図53は第3ベットコマンドの受信対応処理を示すフローチャートである。
第3ベットコマンドの受信対応処理では、まず演出側RAM94の第1音設定済みフラグ127に「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS2601)、第1音設定済みフラグ127に「1」がセットされていない場合(ステップS2601:NO)には、演出側ROM93の音テーブル記憶エリア121から演出側RAM94の出力対象エリア122に第1ベット報知音テーブルを読み出す(ステップS2602)。これにより、第1ベット報知音を出力するためのスピーカ62の音出力制御を開始することができる。その後、演出側RAM94の音出力中フラグに「1」をセットする(ステップS2603)。これにより、ベット報知音を出力するためにスピーカ62の音出力制御が行われている状態であることを演出側MPU92にて把握可能となる。
その後、演出側RAM94の第2読み出し待機フラグ123に「1」をセットし(ステップS2604)、演出側RAM94の第3読み出し待機フラグ124に「1」をセットして(ステップS2605)、本第3ベットコマンドの受信対応処理を終了する。第2読み出し待機フラグ123及び第3読み出し待機フラグ124に「1」をセットすることにより、第2ベット報知音テーブル及び第3ベット報知音テーブルの読み出しが待機されている状態とすることができる。
このように、第1ベットコマンド及び第2ベットコマンドを受信していない状態で第3ベットコマンドを受信した場合には、第1ベット報知音テーブルの読み出しが行われるとともに、第2ベット報知音テーブル及び第3ベット報知音テーブルの読み出しが待機されている状態となる。
ステップS2601にて肯定判定を行った場合には、演出側RAM94の第2音設定済みフラグ128に「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS2606)、第2音設定済みフラグ128に「1」がセットされていない場合(ステップS2606:NO)には、演出側RAM94の音出力中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2607)。ステップS2607にて否定判定を行った場合には、演出側ROM93の音テーブル記憶エリア121から演出側RAM94の出力対象エリア122に第2ベット報知音テーブルを読み出す(ステップS2608)。これにより、第2ベット報知音を出力するためのスピーカ62の音出力制御を開始することができる。その後、演出側RAM94の音出力中フラグに「1」をセットする(ステップS2609)。これにより、ベット報知音を出力するためにスピーカ62の音出力制御が行われている状態であることを演出側MPU92にて把握可能となる。
その後、演出側RAM94の第3読み出し待機フラグ124に「1」をセットして(ステップS2610)、本第3ベットコマンドの受信対応処理を終了する。第3読み出し待機フラグ124に「1」をセットすることにより、第3ベット報知音テーブルの読み出しが待機されている状態とすることができる。
このように、第1ベットコマンドを受信しているとともに第2ベットコマンドを受信していない状態で第3ベットコマンドを受信した場合、第1ベット報知音の出力が終了している状態であれば、第2ベット報知音テーブルの読み出しが行われるとともに、第3ベット報知音テーブルの読み出しが待機されている状態となる。
第2音設定済みフラグ128に「1」がセットされておらず音出力中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2606:NO、ステップS2607:YES)には、ステップS2611及びステップS2612にてステップS2604及びステップS2605と同様の処理を実行する。具体的には、演出側RAM94の第2読み出し待機フラグ123に「1」をセットし(ステップS2611)、演出側RAM94の第3読み出し待機フラグ124に「1」をセットして(ステップS2612)、本第3ベットコマンドの受信対応処理を終了する。第2読み出し待機フラグ123及び第3読み出し待機フラグ124に「1」をセットすることにより、第2ベット報知音テーブル及び第3ベット報知音テーブルの読み出しが待機されている状態とすることができる。
このように、第1ベットコマンドを受信しているとともに第2ベットコマンドを受信していない状態で第3ベットコマンドを受信した場合、第1ベット報知音の出力中であれば、第2ベット報知音テーブル及び第3ベット報知音テーブルの読み出しが待機されている状態となる。
ステップS2606にて肯定判定を行った場合には、演出側RAM94の音出力中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2613)。ステップS2613にて否定判定を行った場合には、演出側ROM93の音テーブル記憶エリア121から演出側RAM94の出力対象エリア122に第3ベット報知音テーブルを読み出す(ステップS2614)。これにより、第3ベット報知音を出力するためのスピーカ62の音出力制御を開始することができる。その後、演出側RAM94の音出力中フラグに「1」をセットする(ステップS2615)。これにより、ベット報知音を出力するためにスピーカ62の音出力制御が行われている状態であることを演出側MPU92にて把握可能となる。
このように、第2ベットコマンドを受信している状態で第3ベットコマンドを受信した場合、第2ベット報知音の出力が終了している状態であれば、第3ベット報知音テーブルの読み出しが行われる。
ステップS2613にて肯定判定を行った場合には、演出側RAM94の第3読み出し待機フラグ124に「1」をセットして(ステップS2616)、本第3ベットコマンドの受信対応処理を終了する。第3読み出し待機フラグ124に「1」をセットすることにより、第3ベット報知音テーブルの読み出しが待機されている状態とすることができる。
このように、第2ベットコマンドを受信している状態で第3ベットコマンドを受信した場合、第2ベット報知音の出力中であれば、第3ベット報知音テーブルの読み出しが待機されている状態となる。
既に説明したとおり、第3ベットコマンドを受信した場合には、精算ボタン51の操作が行われた後に遊技媒体が再度ベットされる場合を除いて、ゲームが開始されるまでに受信するベットコマンドが存在せず、第1ベット報知音及び第2ベット報知音が重複して出力されてしまう可能性がない。このため、第3ベットコマンドを受信した場合には、第1音設定済みフラグ127に「1」をセットする処理及び第2音設定済みフラグ128に「1」をセットする処理を省略することができる。これにより、スピーカ62からベット報知音を出力させるための処理構成の簡素化が図られている。
ベット報知音設定処理(図52)の説明に戻り、ステップS2504の処理を行った場合、ステップS2511の処理を行った場合、ステップS2515の処理を行った場合、ステップS2516にて否定判定を行った場合、又はステップS2517の処理を行った場合には、ベット報知音出力用処理を実行して(ステップS2518)、本ベット報知音設定処理を終了する。
次に、演出側MPU92にて実行されるベット報知音出力用処理について図54のフローチャートを参照しながら説明する。ベット報知音出力用処理はベット報知音設定処理(図52)のステップS2518にて実行される。
ベット報知音出力用処理では、まず演出側RAM94の音出力中フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS2701)、音出力中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2701:YES)には、音データの出力タイミングであるか否かを判定する(ステップS2702)。音データの出力タイミングは演出側RAM94の出力対象エリア122にベット報知音テーブルが読み出されている場合に40ミリ秒の周期で発生する。ステップS2702にて肯定判定を行った場合には、音データ出力処理を実行する(ステップS2703)。音データ出力処理では、出力対象エリア122に読み出されているベット報知音テーブルにおいて、現状のポインタ情報に対応させて設定されている音データをスピーカ62に対して出力する。
その後、出力対象エリア122に読み出されているベット報知音テーブルのポインタ情報を更新し(ステップS2704)、当該ベット報知音テーブルに基づく音出力が終了したか否かを判定する(ステップS2705)。ステップS2705では、ステップS2704にて更新した後のポインタ情報がベット報知音テーブルにおける最終ポインタに対応するポインタ情報となった場合に肯定判定を行う。
ステップS2705にて肯定判定を行った場合には、出力対象エリア122をクリアし(ステップS2706)、演出側RAM94の第2読み出し待機フラグ123に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2707)。ステップS2707にて肯定判定を行った場合には、演出側ROM93の音テーブル記憶エリア121から演出側RAM94の出力対象エリア122に第2ベット報知音テーブルを読み出す(ステップS2708)。これにより、第2ベット報知音を出力するためのスピーカ62の音出力制御を開始することができる。その後、第2読み出し待機フラグ123を「0」クリアする(ステップS2709)。これにより、第2ベット報知音テーブルの読み出しが終了したことを演出側MPU92にて把握可能となる。
ステップS2707にて否定判定を行った場合には、演出側RAM94の第3読み出し待機フラグ124に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2710)。ステップS2710にて肯定判定を行った場合には、演出側ROM93の音テーブル記憶エリア121から演出側RAM94の出力対象エリア122に第3ベット報知音テーブルを読み出す(ステップS2711)。これにより、第3ベット報知音を出力するためのスピーカ62の音出力制御を開始することができる。その後、第3読み出し待機フラグ124を「0」クリアする(ステップS2712)。これにより、第3ベット報知音テーブルの読み出しが終了したことを演出側MPU92にて把握可能となる。
ステップS2710にて否定判定を行った場合には、演出側RAM94の音出力中フラグを「0」クリアする(ステップS2713)。これにより、ベット報知音を出力するためにスピーカ62の音出力制御が行われている状態が終了したことを演出側MPU92にて把握可能となる。
このように、出力対象エリア122に読み出されたベット報知音テーブルに従って行われていたベット報知音の出力が終了した場合、第2読み出し待機フラグ123に「1」がセットされていれば第2ベット報知音テーブルの読み出しが行われて第2ベット報知音の出力が開始される。また、第2読み出し待機フラグ123に「1」がセットされていない状態であるとともに第3読み出し待機フラグ124に「1」がセットされている状態であれば、第3ベット報知音テーブルの読み出しが行われて第3ベット報知音の出力が開始される。さらにまた、第2読み出し待機フラグ123及び第3読み出し待機フラグ124に「1」がセットされていない状態であれば、ベット報知音の出力が終了する。
ステップS2701にて否定判定を行った場合、ステップS2702にて否定判定を行った場合、ステップS2705にて否定判定を行った場合、ステップS2709の処理を行った場合、ステップS2712の処理を行った場合、又はステップS2713の処理を行った場合には、主側MPU72から精算操作コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2714)。精算操作コマンドを受信している場合(ステップS2714:YES)には、演出側RAM94の音出力中フラグを「0」クリアするとともに、出力対象エリア122をクリアする(ステップS2715)。これにより、ベット報知音の出力中に精算操作コマンドを受信した場合にはベット報知音の出力を終了させることができる。
その後、読み出し待機フラグ123,124のクリア処理を実行する(ステップS2716)。当該クリア処理では、演出側RAM94の第2読み出し待機フラグ123及び第3読み出し待機フラグ124を「0」クリアする。これにより、精算操作コマンドの受信前に主側MPU72から受信したベットコマンドに基づいて、精算操作コマンドの受信後に第2ベット報知音テーブル及び第3ベット報知音テーブルの読み出しが行われてしまうことを防止することができる。
ステップS2714にて否定判定を行った場合には、主側MPU72からゲーム開始コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS2717)、ゲーム開始コマンドを受信していない場合(ステップS2717:NO)には、そのまま本ベット報知音出力用処理を終了する。
ステップS2716の処理を行った場合、又はステップS2717にて肯定判定を行った場合には、音設定済みフラグ127,128のクリア処理を実行して(ステップS2718)、本ベット報知音出力用処理を終了する。音設定済みフラグ127,128のクリア処理(ステップS2718)では、演出側RAM94の第1音設定済みフラグ127及び第2音設定済みフラグ128を「0」クリアする。精算操作コマンドを受信したことに基づいて第1音設定済みフラグ127及び第2音設定済みフラグ128を「0」クリアすることにより、当該精算操作コマンドの受信前に第1ベット報知音及び第2ベット報知音の出力が行われていた場合であっても、当該精算操作コマンドの受信後に主側MPU72からベットコマンドを受信したことに基づいて第1ベット報知音及び第2ベット報知音が出力されるようにすることができる。また、ゲーム開始コマンドを受信したことに基づいて第1音設定済みフラグ127及び第2音設定済みフラグ128を「0」クリアすることにより、今回のゲームの終了後に新たに遊技媒体のベット数が増加した場合に、遊技媒体のベット数に対応するベット報知音を出力可能とすることができる。
上記のとおり、主側MPU72は、ベット数カウンタ125の値を「1」以上加算した開始待ち処理(ステップS302)の処理回において、当該処理回における最終的なベット数カウンタ125の値に対応する1つのベットコマンドを演出側MPU92に対して送信する。クレジット投入ボタン47の操作が行われて1度に遊技媒体のベット数が「2」以上増加した場合であっても主側MPU72から演出側MPU92に送信するベットコマンドの数を1つに抑えることができる。このため、遊技媒体のベット数の増加数が「2」以上となった場合に当該増加数と同数の複数のベットコマンドを送信する構成と比較して、主側MPU72から演出側MPU92にベットコマンドを送信するための処理負荷を軽減することができる。
主側MPU72が開始待ち処理(ステップS302)の前回の処理回における遊技媒体のベット数及び今回の処理回における遊技媒体のベット数を把握可能とするコマンドを演出側MPU92に対して送信する構成とすると、「前回の処理回における遊技媒体のベット数」→「今回の処理回における遊技媒体のベット数」の組合せとして「0」→「1」、「0」→「2」、「0」→「3」、「1」→「2」、「1」→「3」及び「2」→「3」の6通りが存在するため、主側ROM73に6種類のベットコマンドを記憶しておく必要がある。また、第2演算対象エリア111に開始待ち処理(ステップS302)の前回の処理回における遊技媒体のベット数を記憶しておく記憶エリアを設ける必要がある。これに対して本実施形態では、開始待ち処理(ステップS302)の今回の処理回における増加後の遊技媒体のベット数(「1」〜「3」の3通り)の情報のみを示すベットコマンドを送信する構成であることにより、主側ROM73に記憶しておくベットコマンドの数を低減することができるとともに、主側RAM74の構成を簡素化することができる。
クレジット投入ボタン47が操作された場合、ベット数が「1」増加する場合、「2」増加する場合、及び「3」増加する場合がある。主側MPU72は、クレジット投入ボタン47の操作前における遊技媒体のベット数に関係なく、増加後のベット数に対応する1つのベットコマンドのみを演出側MPU92に対して送信する。これにより、クレジット投入ボタン47の操作が行われたことを演出側MPU92に認識させるための専用のベットコマンドを不要としながら、クレジット投入ボタン47の操作が行われてベット数が「2」以上増加した場合に、増加前後における遊技媒体のベット数の組合せに対応する複数のベット報知音を順番に連続して出力する構成を維持することができる。クレジット投入ボタン47の操作が行われたことを演出側MPU92に認識させるための専用のベットコマンドを主側ROM73に予め記憶しておく必要がないため、主側ROM73に記憶しておくベットコマンドの数を低減することができる。
リプレイ入賞が成立したゲームの終了後において最初に実行される開始待ち処理(ステップS302)の処理回で、主側MPU72はベット数カウンタ125に「3」をセットするとともに、演出側MPU92に対して第3ベットコマンドを送信する。これにより、リプレイ入賞が成立したことに基づいて遊技媒体のベット数が「3」となった場合にも第1〜第3ベット報知音をスピーカ62から出力させることができる。リプレイ入賞の成立に基づいて遊技媒体がベットされたことを示す専用のベットコマンドを主側ROM73に記憶しておく構成と比較し、主側ROM73に記憶しておくベットコマンドの種類を抑えることができるとともに、主側MPU72において演出側MPU92に送信するベットコマンドを選択するための処理が複雑化してしまうことを防止することができる。
演出側RAM94には、主側MPU72から既に受信したベットコマンドの種類を把握可能とする第1音設定済みフラグ127及び第2音設定済みフラグ128が設けられている。演出側MPU92は、これら第1音設定済みフラグ127及び第2音設定済みフラグ128の状態に基づいて増加前の遊技媒体のベット数を把握するとともに、主側MPU72から受信するベットコマンドに基づいて増加後の遊技媒体のベット数を把握する。このため、演出側MPU92は、主側MPU72から受信するベットコマンドに基づいて把握可能な情報が開始待ち処理(ステップS302)の今回の処理回における増加後の遊技媒体のベット数のみであっても、増加前後の遊技媒体のベット数の組合せに対応する態様でベット報知音をスピーカ62から出力させることができる。
演出側ROM93には、遊技媒体のベット数が1増加したことを報知するベット報知音を出力するためのベット報知音テーブルが、当該1増加後のベット数(具体的には「1」〜「3」)の種類に対応する数(具体的には「3」)だけ記憶されている。具体的には、ベット数が「0」から「1」に増加したことを報知する第1ベット報知音テーブル、ベット数が「1」から「2」に増加したことを報知する第2ベット報知音テーブル、及びベット数が「2」から「3」に増加したことを報知する第3ベット報知音テーブルが記憶されている。演出側MPU92は、主側MPU72から受信するベットコマンドに基づいて、第1ベット報知音テーブル→第2ベット報知音テーブル→第3ベット報知音テーブルの順番でベット報知音テーブルを出力対象エリア122に読み出し、第1ベット報知音→第2ベット報知音→第3ベット報知音の順番でスピーカ62からベット報知音が出力されるように、これらのベット報知音テーブルに基づくスピーカ62の音出力制御を行う。また、演出側MPU92は、主側MPU72から受信したベットコマンドに基づいて遊技媒体のベット数が「2」以上増加したことを把握した場合、増加前後における遊技媒体のベット数の組合せに対応する「2」以上のベット報知音が順番に連続して出力されるようにする。このため、第1〜第3ベット報知音テーブルに加えて2以上のベット報知音の組合せに対応するベット報知音テーブルを演出側ROM93に予め記憶しておく構成と比較して、演出側ROM93に記憶しておくベット報知音テーブルの容量を低減することができる。
1以上の遊技媒体がベットされている状況において精算ボタン51の操作が行われて遊技媒体のベット数が「0」となった場合、主側MPU72は演出側MPU92に対して精算操作コマンドを送信する。演出側MPU92は、精算操作コマンドを受信した場合、第1音設定済みフラグ127及び第2音設定済みフラグ128を「0」クリアする。これにより、当該精算ボタン51の操作が行われた場合であっても、その後における遊技媒体のベット数とスピーカ62から出力されるベット報知音との対応関係がずれてしまうことを防止することができる。
<設定確認表示を行うための構成>
次に、クレジット表示部65にスロットマシン10の現状の設定値を表示する設定確認表示を行うための構成について説明する。
設定確認表示は、ゲームが行われていない状態であり、「1」以上の遊技媒体がベットされていない状態であり、遊技状態がボーナス状態ではない状態であり、前面扉12が開放されている状態であり、且つ、設定キーを用いて設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態となることにより開始される。遊技ホールの管理者は、ゲームが行われていない状態であり、「1」以上の遊技媒体がベットされていない状態であり、且つ、遊技状態がボーナス状態ではない状態において、前面扉12を開放して設定キー挿入孔57のON操作を行うことにより設定確認表示を開始させることができる。設定確認表示を行うことにより、クレジット表示部65の表示に基づいてスロットマシン10の現状の設定値を把握可能とすることができる。
既に説明したとおり、リプレイ入賞が成立した場合には、当該リプレイ入賞が成立してから最初に行われる開始待ち処理(図49)にて第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125に遊技媒体の規定数である「3」がセットされ、「1」以上の遊技媒体がベットされている状態となる。また、既に説明したとおり、リプレイ入賞が成立したことに基づいてベット数カウンタ125に「3」がセットされた後、精算ボタン51の操作が行われた場合には、第2演算対象エリア111のクレジットカウンタに貯留記憶されている仮想メダルの数に対応するメダルの払い出しが行われる一方、遊技媒体のベット数に対応するメダルの払い出しは行われない。このため、リプレイ入賞が成立してから次のゲームが開始されるまでの期間中に設定確認表示が開始されることはない。
図1を参照しながら既に説明したとおり、クレジット表示部65は、横方向に並設された左側セグメント表示器65a及び右側セグメント表示器65bを備えている。図55(a)は設定確認表示における左側セグメント表示器65a及び右側セグメント表示器65bの表示態様を説明するための説明図である。
図55(a)に示すように、クレジット表示部65にて設定確認表示が行われる場合、設定確認表示が行われていることを示す識別文字として、左側セグメント表示器65aにアルファベットの「P」の文字が表示されるとともに、設定値を示す「1」〜「6」のいずれかの数字が右側セグメント表示器65bに表示される。クレジット表示部65では、設定確認表示の他に、仮想メダルの貯留記憶数を把握可能とするための貯留記憶数表示及びスロットマシン10の設定値の更新を行うための設定値更新用表示が行われるが、クレジット表示部65にて設定確認表示以外の表示が行われている状況において左側セグメント表示器65aに「P」の識別文字が表示されることはない。このため、遊技ホールの管理者は、左側セグメント表示器65aに「P」の識別文字が表示されていることを確認することにより、クレジット表示部65にて設定確認表示が行われていることを把握することができる。
図48に示すように、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111には、左側クレジット表示部用カウンタ129及び右側クレジット表示部用カウンタ131が設けられている。各クレジット表示部用カウンタ129,131は、1バイトからなり、左側クレジット表示部用カウンタ129には左側セグメント表示器65aに対応する1バイトの表示データがセットされるとともに、右側クレジット表示部用カウンタ131には右側セグメント表示器65bに対応する1バイトの表示データがセットされる。
設定確認表示では、左側クレジット表示部用カウンタ129に「P」の識別文字に対応する表示データである設定識別表示データがセットされるとともに、右側クレジット表示部用カウンタ131に第2演算対象エリア111における設定値カウンタの値に対応する表示データがセットされる。各クレジット表示部用カウンタ129,131にセットされた表示データは、タイマ割込み処理(図15)のステップS210における表示部制御処理(図56)にてクレジット表示部65に出力される。これにより、クレジット表示部65の左側セグメント表示器65aに「P」の識別文字が表示されるとともに、右側セグメント表示器65bに設定値を示す数字が表示される。
次に、主側MPU72にて実行される設定確認用処理について、図55(b)のフローチャートを参照しながら説明する。設定確認用処理は通常処理(図16)のステップS303にて実行される。設定確認用処理は、ゲームが行われていない状況で実行される処理である。なお、設定確認用処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
設定確認用処理では、まず第2演算対象エリア111における設定確認表示フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2801)。既に説明したとおり、設定確認表示フラグは、クレジット表示部65にて設定確認表示が行われている状況であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。設定確認表示フラグには、後述するステップS2810にて「1」がセットされる。
ステップS2801にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111におけるゲーム中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2802)。既に説明したとおり、ゲーム中フラグは、通常処理(図16)のステップS307における開始時の設定処理(図81)にて「1」がセットされるとともに、通常処理(図16)のステップS313にて「0」クリアされる。ステップS2802にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125の値が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS2803)。ステップS2803にて否定判定を行った場合には、ボーナス状態であるか否かを判定する(ステップS2804)。ステップS2804では、第2演算対象エリア111におけるBBフラグ及びRBフラグのいずれかに「1」がセットされている場合に肯定判定を行うとともに、BBフラグ及びRBフラグのいずれにも「1」がセットされていない場合に否定判定を行う。ゲームが実行されている状態である場合(ステップS2802:YES)、遊技媒体のベット数が「1」以上である場合(ステップS2803:YES)、又は遊技状態がボーナス状態である場合(ステップS2804:YES)には、設定確認表示を開始することなく、本設定確認用処理を終了する。
ステップS2804にて否定判定を行った場合には、前面扉12が開放状態であるか否かを判定する(ステップS2805)。ステップS2805では、主側MPU72が筐体11の前面部に設けられた扉開放検出センサ48aから開放検知信号を受信している場合に肯定判定を行うとともに、扉開放検出センサ48aから閉鎖検知信号を受信している場合に否定判定を行う。ステップS2805にて肯定判定を行った場合には、設定キーを用いて設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態であるか否かを判定する(ステップS2806)。前面扉12が閉鎖されている場合(ステップS2805:NO)又は設定キー挿入孔57のON操作が行われていない状態である場合(ステップS2806:NO)には、設定確認表示を開始することなく、そのまま本設定確認用処理を終了する。
ステップS2806にて肯定判定を行った場合には、クレジット表示部65にて設定確認表示を開始するために、設定確認表示の開始処理(ステップS2807〜ステップS2811の処理)を実行する。設定確認表示の開始処理は、クレジット表示部65にて設定確認表示が行われていない状況(ステップS2801:NO)において、ゲームが実行されていない状態であり(ステップS2802:NO)、遊技媒体のベット数が「1」以上ではない状態であり(ステップS2803:NO)、ボーナス状態ではない状態であり(ステップS2804:NO)、前面扉12が開放されている状態であり(ステップS2805:YES)、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態であること(ステップS2806:YES)を条件として実行される。
設定確認表示の開始処理(ステップS2807〜ステップS2811)では、まずセレクタ52を受付禁止状態とする受付禁止処理を実行する(ステップS2807)。これにより、メダル投入口45から投入されたメダルはメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれるようになる。その後、第2演算対象エリア111における左側クレジット表示部用カウンタ129に「P」の識別文字に対応する設定識別表示データをセットする(ステップS2808)。その後、第2演算対象エリア111における設定値カウンタを参照することにより現状におけるスロットマシン10の設定値を把握するとともに、当該設定値に対応する表示データを右側クレジット表示部用カウンタ131にセットする(ステップS2809)。左側クレジット表示部用カウンタ129に設定識別表示データがセットされることにより、クレジット表示部65の左側セグメント表示器65aに「P」の識別文字が表示されることとなり、設定確認表示が行われている状況であることを把握可能となる。右側クレジット表示部用カウンタ131に設定値に対応する表示データがセットされることにより、クレジット表示部65の右側セグメント表示器65bに現状におけるスロットマシン10の設定値を示す数字が表示されることとなる。これにより、クレジット表示部65の表示に基づいて現状におけるスロットマシン10の設定値を確認可能な状態となる。
その後、第2演算対象エリア111における設定確認表示フラグに「1」をセットする(ステップS2810)。これにより、タイマ割込み処理(図15)のステップS210における表示部制御処理(図56)にて設定確認表示を行うための表示データがクレジット表示部65に出力されるようにすることができる。その後、演出側MPU92に対して確認開始コマンドを送信して(ステップS2811)、本設定確認用処理を終了する。確認開始コマンドは、クレジット表示部65にて設定値の表示が開始されることを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。演出側MPU92は確認開始コマンドを受信した場合、クレジット表示部65にて設定確認表示の実行中であることを報知する表示が行われるように画像表示装置63の表示制御を行う。
設定確認表示フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2801:YES)には、設定キー挿入孔57がOFF状態となっているか否かを判定する(ステップS2812)。ステップS2812にて否定判定を行った場合には、前面扉12が閉鎖状態となっているか否かを判定する(ステップS2813)。設定確認表示の実行中に設定キー挿入孔57がOFF状態となった場合(ステップS2801:YES、ステップS2812:YES)、又は設定確認表示の実行中に前面扉12が閉鎖された場合(ステップS2801:YES、ステップS2813:YES)には、設定確認表示の終了処理(ステップS2814〜ステップS2817の処理)を実行する。
設定確認表示の終了処理では、まず第2演算対象エリア111における設定確認表示フラグを「0」クリアし(ステップS2814)、クレジット表示部用カウンタ129,131のクリア処理を実行する(ステップS2815)。当該クリア処理では、第2演算対象エリア111における左側クレジット表示部用カウンタ129及び右側クレジット表示部用カウンタ131を「0」クリアする。これにより、クレジット表示部65にて行われていた設定確認表示が終了する。クレジット表示部65では、後述する表示部制御処理(図56)が実行されることにより、遊技媒体の貯留記憶数の表示が行われる。
その後、演出側MPU92に対して確認終了コマンドを送信する(ステップS2816)。確認終了コマンドは、クレジット表示部65における設定値の表示が終了したことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。演出側MPU92は確認終了コマンドを受信した場合、クレジット表示部65にて設定確認表示の実行中であることを報知する表示が終了するように画像表示装置63の表示制御を行う。その後、セレクタ52を受付許可状態とする受付許可処理を実行して(ステップS2817)、本設定確認用処理を終了する。受付許可処理を実行することにより、メダル投入口45から投入されたメダルはホッパ装置53へ導かれるようになる。
このように、設定確認表示の開始処理(ステップS2807〜ステップS2811の処理)は、ゲームが実行されていない状態であること、及び遊技媒体のベット数が「1」以上ではない状態であることを条件の一部として実行される。また、設定確認表示の開始時にセレクタ52が受付禁止状態とされるとともに、既に説明したとおり、設定確認表示の実行中にはクレジット投入ボタン47の操作が無効化される。このため、設定確認表示の実行中に遊技媒体のベット数が増加することはなく、遊技媒体のベット数が規定数に到達しないことにより設定確認表示の実行中にゲームが開始されることもない。これにより、設定確認表示の実行中に設定キー挿入孔57がOFF状態となった場合、又は前面扉12が閉鎖状態となった場合には、ゲームの実行中ではないことを確認するための処理及びベット数カウンタ125の値が最大値(具体的には「3」)ではないことを確認するための処理を行うことなく、受付許可処理(ステップS2817)を実行することができる。設定確認表示の終了処理(ステップS2814〜ステップS2817の処理)の処理構成を簡素化することができる。
設定確認表示は、前面扉12が閉鎖状態となった場合に終了する。このため、設定確認表示が行われている状況において遊技ホールの管理者が設定キー挿入孔57をOFF状態に切り換えることを忘れたまま前面扉12を閉じてしまった場合に、クレジット表示部65にて設定確認表示が継続されてしまうことを防止することができる。
ゲームが実行されている状態、遊技媒体のベット数が「1」以上である状態、又は遊技状態がボーナス状態である状態では、前面扉12が開放状態であるとともに設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態となったとしても設定確認表示は開始されない。このため、遊技ホールの管理者が設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態のまま前面扉12を閉鎖してしまった場合に、スロットマシン10の設定値を不正に確認しようとする者がゲームが実行されている状態、遊技媒体のベット数が「1」以上である状態、又は遊技状態がボーナス状態である状態において前面扉12を開放してしまったとしても、当該前面扉12の開放によってクレジット表示部65にて設定確認表示が開始されてしまうことを防止することができる。
本実施形態において、主側MPU72は、設定キー挿入孔57の現状における状態を監視する一方、設定キー挿入孔57のOFF状態からON状態への切り換えが発生したか否か、及び設定キー挿入孔57のON状態からOFF状態への切り換えが発生したか否かを監視しない。設定キー挿入孔57における状態の切り換えを監視する構成とすると、設定確認用処理(図55(b))の前回の処理回における設定キー挿入孔57の状態を記憶するための処理を設ける必要が生じるとともに、主側RAM74に前回の処理回における設定キー挿入孔57の状態を記憶するための記憶エリアを設ける必要が生じる。これに対して、設定キー挿入孔57の現状における状態のみを監視する構成であることにより、主側MPU72の処理負荷が軽減されているとともに、主側RAM74の構成が簡素化されている。
次に、主側MPU72にて実行される表示部制御処理について図56のフローチャートを参照しながら説明する。表示部制御処理はタイマ割込み処理(図15)のステップS210にて実行される。なお、表示部制御処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
表示部制御処理では、まず第2演算対象エリア111に設けられた点滅表示フラグ137に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2901)。点滅表示フラグ137は、クレジット表示部65及び兼用表示部66にて点滅表示を行うべき状況であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。点滅表示フラグ137には、後述する点滅表示の開始設定処理(図72)のステップS4110にて「1」がセットされる。クレジット表示部65及び兼用表示部66における点滅表示では、クレジット表示部65及び兼用表示部66を0.5秒間に亘って点灯状態とする点灯期間と、クレジット表示部65及び兼用表示部66を0.5秒間に亘って消灯状態とする消灯期間とが繰り返される。
点滅表示フラグ137に「1」がセットされている場合(ステップS2901:YES)には、クレジット表示部65及び兼用表示部66への表示データの出力タイミングであるか否かを判定する(ステップS2902)。ステップS2902では、0.5秒間に亘る点灯期間である場合には肯定判定を行うとともに、0.5秒間に亘る消灯期間である場合には否定判定を行う。ステップS2902にて否定判定を行った場合には、クレジット表示部65及び兼用表示部66に表示データを出力することなく、本表示部制御処理を終了する。これにより、クレジット表示部65及び兼用表示部66は消灯状態となる。
ステップS2901にて否定判定を行った場合、又はステップS2902にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111における設定確認表示フラグ又は第2演算対象エリア111に設けられた設定値更新中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2903)。設定値更新中フラグは、クレジット表示部65にて設定値更新用表示が行われていることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。設定値更新中フラグには、後述する設定値更新処理(図71)のステップS4001にて「1」がセットされる。
ステップS2903にて否定判定を行った場合には、貯留記憶数表示用の表示データ設定処理を実行する(ステップS2904)。当該表示データ設定処理では、第2演算対象エリア111のクレジットカウンタを参照することにより仮想メダルの貯留記憶数(「0」〜「50」のいずれかの整数)を把握する。その後、当該把握した貯留記憶数が10進数表記で2桁(具体的には「11」)である場合、当該貯留記憶数の10進数表記における10の位の数字(具体的には「1」の数字)に対応する表示データを左側クレジット表示部用カウンタ129にセットするとともに、当該貯留記憶数の10進数表記における1の位の数字(具体的には「1」の数字)に対応する表示データを右側レジット表示部用カウンタにセットする。これにより、クレジット表示部65の左側セグメント表示器65aに貯留記憶数の10進数表記における10の位の数字が表示されるとともに、右側セグメント表示器65bに貯留記憶数の10進数表記における1の位の数字が表示されることとなる。また、把握した貯留記憶数が10進数表記で1桁(具体的には「1」、「2」又は「5」)である場合、オール「0」の表示データ(消灯状態とするための表示データ)を左側クレジット表示部用カウンタ129にセットするとともに、当該貯留記憶数の10進数表記における1の位の数字(具体的には「1」、「2」又は「5」の数字)に対応する表示データを右側レジット表示部用カウンタにセットする。これにより、クレジット表示部65の左側セグメント表示器65aが消灯状態となるとともに、右側セグメント表示器65bに貯留記憶数の10進数表記における1の位の数字が表示されることとなる。このように、設定確認表示及び設定値更新用表示が行われていない場合、クレジット表示部65では、仮想メダルの貯留記憶数を確認可能とする貯留記憶数表示が行われる。
ステップS2903にて肯定判定を行った場合、又はステップS2904の処理を行った場合には、各クレジット表示部用カウンタ129,131にセットされている表示データをクレジット表示部65に出力する(ステップS2905)。これにより、左側クレジット表示部用カウンタ129にセットされている表示データに対応する表示がクレジット表示部65の左側セグメント表示器65aにて行われるとともに、右側クレジット表示部用カウンタ131にセットされている表示データに対応する表示がクレジット表示部65の右側セグメント表示器65bにて行われることとなる。
クレジット表示部65では、設定確認表示及び設定値更新用表示が行われていない場合、仮想メダルの貯留記憶数を確認可能とする表示が行われる。また、設定値の確認が行われている状況においては設定確認表示が行われるとともに、設定値の更新が行われている状況においては設定値更新表示が行われる。
ステップS2905の処理を行った後は、第2演算対象エリア111に設けられた停止順対応表示中フラグ138に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2906)。停止順対応表示中フラグ138は、兼用表示部66にて停止順対応表示が行われていることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。停止順対応表示中フラグ138には、後述する停止順対応表示開始処理(図62)のステップS3417にて「1」がセットされる。また、停止順対応表示中フラグ138は、後述するリール制御処理(図58)のステップS3021にて「0」クリアされる。ステップS2906にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111における表示再開フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2907)。既に説明したとおり、表示再開フラグは、電源遮断前に兼用表示部66にて実行されていた停止順対応表示を再開すべきことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。表示再開フラグには、復電用処理(図40)のステップS1811にて第2演算対象エリア111の第1〜第3停止順フラグのいずれかに「1」がセットされていると判定された場合に、ステップS1812にて「1」がセットされる。
ステップS2906にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111における付与数表示中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2908)。付与数表示中フラグは、小役入賞が成立した場合に当該小役入賞に対応する遊技媒体の付与数を兼用表示部66に表示する付与数表示が実行されている状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。付与数表示中フラグには、後述する媒体付与処理(図83)のステップS4903にて「1」がセットされる。また、付与数表示中フラグは、後述する開始時の設定処理(図81)のステップS4702にて「0」クリアされる。
ステップS2908にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111における設定値更新中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2909)。詳細は後述するが、メイン処理(図14)のステップS109における設定値更新処理(図71)では、クレジット表示部65にて設定値更新用表示が行われている状況において、兼用表示部66にてスロットマシン10の設定値を示唆する示唆動作に関する情報を設定するための示唆動作設定用表示が行われる。ステップS2906、ステップS2908及びステップS2909にて否定判定を行った場合、すなわち兼用表示部66にて停止順対応表示、付与数表示及び示唆動作設定用表示のいずれもが行われない状況である場合には、兼用表示部66に表示データを出力することなく、本表示部制御処理を終了する。これにより、兼用表示部66は消灯状態となる。また、第2演算対象エリア111における停止順対応表示中フラグ138に「1」がセットされている場合(ステップS2906:YES)であっても、第2演算対象エリア111における表示再開フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2907:YES)には、電源復帰後に停止順対応表示を開始するための処理(後述する停止順対応表示開始処理(図62))が行われていないことを意味するため、兼用表示部66に表示データを出力することなく、本表示部制御処理を終了する。これにより、兼用表示部66は消灯状態となる。
ステップS2907にて否定判定を行った場合、ステップS2908にて肯定判定を行った場合、又はステップS2909にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111に設けられた左側兼用表示部用カウンタ135及び右側兼用表示部用カウンタ136にセットされている表示データを兼用表示部66に出力して(ステップS2910)、本表示部制御処理を終了する。各兼用表示部用カウンタ135,136は、1バイトからなり、左側兼用表示部用カウンタ135には兼用表示部66における左側セグメント表示器66aに対応する1バイトの表示データがセットされるとともに、右側兼用表示部用カウンタ136には兼用表示部66における右側セグメント表示器66bに対応する1バイトの表示データがセットされる。各兼用表示部用カウンタ135,136にセットされている表示データを兼用表示部66に出力することにより、当該表示データに対応する表示が兼用表示部66にて行われることとなる。
兼用表示部66では、小役入賞が成立した場合に遊技媒体の付与数を示す付与数表示が行われるとともに、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合にその報知される内容に対応した停止順対応表示が行われる。また、兼用表示部66では、メイン処理(図14)のステップS109にて実行される設定値更新処理(図71)の実行中にスロットマシン10の設定値を示唆する示唆動作の設定が行われる状況となった場合に、当該示唆動作の設定を行うための示唆動作設定用表示が行われる。なお、示唆動作の詳細については後述する。
次に、図57のタイムチャートを参照しながら設定確認表示が行われる様子について説明する。図57(a)はクレジット表示部65にて設定確認表示が行われる期間を示し、図57(b)は前面扉12の状態を示し、図57(c)は設定キーを利用して設定キー挿入孔57のON操作が行われている期間を示し、図57(d)はゲームの実行期間を示し、図57(e)はベット数カウンタ125の値が「1」以上である期間を示し、図57(f)はボーナス状態の継続期間を示す。
t1のタイミングにおいて、図57(d)に示すように、ゲームは実行されていない状態である。また、図57(e)に示すように、ベット数カウンタ125の値は「1」以上ではない状態である。さらにまた、図57(f)に示すように、遊技状態がボーナス状態ではない状態である。当該t1のタイミングで、図57(b)に示すように、前面扉12が開放状態となる。その後、t2のタイミングで、図57(c)に示すように設定キー挿入孔57のON操作が行われることにより、図57(a)に示すようにクレジット表示部65にて設定確認表示が開始される。これにより、クレジット表示部65の表示に基づいて現状におけるスロットマシン10の設定値を確認可能となる。その後、t3のタイミングで、図57(c)に示すように設定キー挿入孔57のOFF状態への切り換えが行われることにより、図57(a)に示すようにクレジット表示部65において設定確認表示が終了する。
また、図57(a)に示すように、クレジット表示部65にて設定確認表示が行われているt4のタイミングで図57(b)に示すように前面扉12が閉鎖された場合には、図57(c)に示すように設定キー挿入孔57のON操作が継続されている状態であっても、図57(a)に示すように設定確認表示が終了する。
図57(d)に示すようにゲームが実行されている状況であるt5のタイミングにおいて、図57(b)に示すように前面扉12が開放状態とされ、図57(c)に示すようにt6のタイミングで設定キー挿入孔57のON操作が行われたとしても、図57(a)に示すようにクレジット表示部65において設定確認表示は開始されない。このように、ゲームが実行されている状況において設定確認表示が開始されることはない。
図57(e)に示すように第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125の値が「1」以上であるt7のタイミングにおいて、図57(b)に示すように前面扉12が開放状態とされ、図57(c)に示すようにt8のタイミングで設定キー挿入孔57のON操作が行われたとしても、図57(a)に示すようにクレジット表示部65において設定確認表示は開始されない。このように、1以上の遊技媒体がベットされている状況において設定確認表示が開始されることはない。
図57(f)に示すように遊技状態がいずれかのボーナス状態であるt9のタイミングにおいて、図57(b)に示すように前面扉12が開放状態とされ、図57(c)に示すようにt10のタイミングで設定キー挿入孔57のON操作が行われたとしても、図57(a)に示すようにクレジット表示部65において設定確認表示は開始されない。このように、ボーナス状態において設定確認表示が開始されることはない。
上記のとおり、設定確認表示の開始処理(設定確認用処理(図55(b)におけるステップS2807〜ステップS2811の処理)は、ゲームが実行されていない状態であること、及び遊技媒体のベット数が「1」以上ではない状態であることを条件の一部として実行される。また、設定確認表示の開始時にセレクタ52が受付禁止状態とされるとともに、既に説明したとおり、設定確認表示の実行中にはクレジット投入ボタン47の操作が無効化される。このため、設定確認表示の実行中に遊技媒体のベット数が増加することはなく、遊技媒体のベット数が規定数に到達しないことにより設定確認表示の実行中にゲームが開始されることもない。これにより、設定確認表示の実行中に設定キー挿入孔57がOFF状態となった場合、又は前面扉12が閉鎖状態となった場合には、ゲームの実行中ではないことを確認するための処理及びベット数カウンタ125の値が最大値(具体的には「3」)ではないことを確認するための処理を行うことなく、受付許可処理(ステップS2817)を実行することができる。よって、設定確認表示の終了処理(設定確認用処理(図55(b))のステップS2814〜ステップS2817の処理)の処理構成を簡素化することができるとともに、当該設定確認表示の終了処理を実行するためのプログラムのデータ量を低減することができる。
設定確認表示の実行中にはゲームを開始できない構成であることにより、設定確認表示の実行中に遊技ホールの管理者が他の遊技機のトラブルに対応するためなどの理由により前面扉12をしっかりと閉鎖することなくスロットマシン10から離れた際に、遊技者が遊技を開始してしまうことを防止することができる。
設定確認表示は、前面扉12が閉鎖状態となった場合に終了する。このため、設定確認表示が行われている状況において遊技ホールの管理者が設定キー挿入孔57をOFF状態に切り換えることを忘れたまま前面扉12を閉じてしまった場合に、クレジット表示部65にて設定確認表示が継続されてしまうことを防止することができる。
ゲームが実行されている状態、遊技媒体のベット数が「1」以上である状態、又は遊技状態がボーナス状態である状態では、前面扉12が開放状態であるとともに設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態となったとしても設定確認表示は開始されない。このため、遊技ホールの管理者が設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態のまま前面扉12を閉鎖してしまった場合に、スロットマシン10の設定値を不正に確認しようとする者がゲームが実行されている状態、遊技媒体のベット数が「1」以上である状態、又は遊技状態がボーナス状態である状態において前面扉12を開放してしまったとしても、当該前面扉12の開放によってクレジット表示部65にて設定確認表示が開始されてしまうことを防止することができる。
設定確認表示の開始処理(ステップS2807〜ステップS2811の処理)は、ゲームが実行されていない状況においてのみ実行され、ゲームが実行されている状況においては実行されない。このため、ゲームが実行されている状況においても当該設定確認表示の開始処理が実行され得る構成と比較して、ゲームの実行中における主側MPU72の処理負荷を軽減することができる。
遊技状態がボーナス状態である場合には、ゲームが実行されていない状態であるとともに遊技媒体のベット数が「1」以上ではない状態において、前面扉12が開放されて設定キー挿入孔57のON操作が行われたとしても設定確認表示は開始されない。このため、ボーナス状態中に設定確認処理が実行されることにより遊技者にとって有利なボーナス状態が中断してしまうことを防止することができる。
主側MPU72は、設定キー挿入孔57の現状における状態のみを監視する。設定キー挿入孔57における状態の切り換えを監視する構成とすると、設定確認用処理(図55(b))の前回の処理回における設定キー挿入孔57の状態を記憶するための処理を設ける必要が生じるとともに、主側RAM74に前回の処理回における設定キー挿入孔57の状態を記憶するための記憶エリアを設ける必要が生じる。これに対して、設定キー挿入孔57の現状における状態のみを監視する構成であることにより、主側MPU72の処理負荷が軽減されているとともに、主側RAM74の構成が簡素化されている。
次に、画像表示装置63において停止順報知を行うための構成及び兼用表示部66において停止順対応表示を行うための構成の説明に先立ち、リール32L,32M,32Rの回転制御について説明する。
各ゲームでは、スタートレバー41の操作が行われてリール32L,32M,32Rの回転が開始された場合、リール32L,32M,32Rの回転速度が所定の回転速度となるまで加速する加速期間を経て、リール32L,32M,32Rが当該所定の回転速度で定速回転している定速回転期間に移行する。その後、ストップボタン42〜44の有効な操作が行われた場合、当該操作されたストップボタン42〜44に対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。
左リール32L,中リール32M及び右リール32Rには、これらのリール32L,32M,32Rを駆動するモータドライバ(図示略)が設けられている。モータドライバは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに1対1で対応させて設けられている。モータドライバは主側MPU72から受信した励磁データに基づいてリール32L,32M,32Rを駆動する。図48に示すように、第2演算対象エリア111には、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rに対応するモータドライバに対して出力する励磁データを設定するための左励磁データエリア132、中励磁データエリア133及び右励磁データエリア134が設けられている。
主側ROM73には、加速期間における励磁データの切り換えを行うための情報が設定されている加速制御テーブルと、定速回転期間における励磁データの切り換えを行うための情報が設定されている定速回転用テーブルと、リール32L,32M,32Rを停止させるために出力する励磁データの情報が設定されている停止用テーブルとが記憶されている。主側MPU72は、リール32L,32M,32R毎にこれらのテーブルを第2演算対象エリア111に読み出し、当該読み出したテーブルに従って各リール32L,32M,32Rのモータドライバに出力する励磁データの切り換えを行う。加速制御テーブルに従って励磁データの切り換えが行われることにより、リール32L,32M,32Rの加速期間となるとともに、定速回転用テーブルに従って励磁データの切り換えが行われることにより、リール32L,32M,32Rの定速回転期間となる。また、停止用テーブルに従って励磁データの切り換えが行われることにより、リール32L,32M,32Rの停止制御期間となる。
左リール32L,中リール32M及び右リール32Rには、これらのリール32L,32M,32Rが1周したことを検知するリールインデックスセンサ(図示略)が設けられている。リールインデックスセンサは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに1対1で対応させて設けられている。リールインデックスセンサは主側MPU72と電気的に接続されており、主側MPU72がリールインデックスセンサから受信する検知信号は、リール32L,32M,32Rが1周する度にLOW状態からHI状態に立ち上がる。主側MPU72は、リール32L,32M,32Rの回転制御が行われている場合、リールインデックスセンサから受信する検知信号の立ち上がりが確認される周期が正常な周期であるか否かを監視し、リールインデックスセンサから受信する検知信号の立ち上がりが確認される周期が正常な周期から外れた場合にリール32L,32M,32Rの脱調が発生したことを特定する。
次に、主側MPU72にて実行されるリール制御処理について図58のフローチャートを参照しながら説明する。リール制御処理は通常処理(図16)のステップS309にて実行される。なお、リール制御処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
リール制御処理では、まず各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を実行する(ステップS3001)。回転開始処理では、前回のゲームでリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回のゲームのためのウエイト時間を再設定する。その後、各リール32L,32M,32Rの加速制御を行うための加速制御テーブルを主側ROM73から特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111に読み出す。その後、第2演算対象エリア111に設けられた加速フラグに「1」をセットするとともに、第2演算対象エリア111に設けられた要制御フラグに「1」をセットする。加速フラグは、リール32L,32M,32Rの加速期間中であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。要制御フラグは、リール32L,32M,32Rの駆動制御を行う必要があることを主側MPU72にて特定するためのフラグである。要制御フラグは、全てのリール32L,32M,32Rについて停止用テーブルに基づく停止制御が完了した場合に、後述するステッピングモータ制御処理(図60)のステップS3214にて「0」クリアされる。
その後、リール32L,32M,32Rの加速期間が終了したか否かを判定する(ステップS3002)。ステップS3002では、第2演算対象エリア111の加速フラグの値が「0」である場合に肯定判定を行う。上述したとおり、加速フラグには、回転開始処理(ステップS3001)にて「1」がセットされる。また、加速フラグは加速期間が終了した場合に、後述するモータ制御処理(図61)のステップS3302における加速用設定処理にて「0」クリアされる。
加速期間が終了していない場合(ステップS3002:NO)には、加速期間が終了するまでステップS3002の判定処理を繰り返し、加速期間が終了した場合(ステップS3002:YES)に、第2演算対象エリア111に設けられた加速終了フラグに「1」をセットする(ステップS3003)。加速終了フラグは、リール32L,32M,32Rの加速が終了している状態であるとともに後述する停止順対応表示開始処理(ステップS3005)が実行されていない状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。加速終了フラグは、当該加速終了フラグに「1」がセットされている状態で停止順対応表示開始処理(ステップS3005)が実行された場合に「0」クリアされる。
その後、操作有効化報知処理を実行する(ステップS3004)。操作有効化報知処理では、各ストップボタン42〜44のそれぞれに1対1で対応させて設けられているランプ(図示略)を点灯することによりストップボタン42〜44の操作が有効化されたことを報知する。リール32L,32M,32Rの加速期間を含めて、ストップボタン42〜44の操作が無効化されている期間において、ストップボタン42〜44に対応するランプは消灯されている。ストップボタン42〜44の操作は、リール32L,32M,32Rの加速期間が終了してステップS3005以降の処理が実行される状態となることにより有効化される。操作有効化報知処理(ステップS3004)にて各ストップボタン42〜44に対応するランプが点灯されることにより、ストップボタン42〜44の操作が有効化されたことを遊技者に報知することができる。各ランプは、対応するストップボタン42〜44の操作が有効に行われた場合に消灯される。3つのランプのうち有効な停止操作が行われたストップボタン42〜44に対応するランプは消灯される一方、未だ有効な停止操作が行われていないストップボタン42〜44に対応するランプの点灯状態は維持される。このため、遊技者はランプの状態を確認することにより未だ有効な停止操作が行われていないストップボタン42〜44を把握することができる。
その後、兼用表示部66における停止順対応表示を開始させるための停止順対応表示開始処理を実行する(ステップS3005)。その後、リール32L,32M,32Rの脱調が発生した場合に加速を再開できる状況とするためにリール32L,32M,32Rを停止制御するための脱調対応処理を実行する(ステップS3006)。なお、停止順対応表示開始処理(ステップS3005)及び脱調対応処理(ステップS3006)の詳細については後述する。
その後、全リール32L,32M,32Rが停止しているか否かについて判定し(ステップS3007)、回転中のリール32L,32M,32Rが1個以上存在する場合(ステップS3007:NO)には、いずれかのストップボタン42〜44が操作されたか否かを判定する(ステップS3008)。リール32L,32M,32Rの加速期間が終了するまでステップS3008の判定処理は実行されないため、加速期間中にストップボタン42〜44の操作が行われたとしても当該操作に基づいて対応するリール32L,32M,32Rが停止することはない。上述したとおり、加速期間が終了することによりストップボタン42〜44の操作が有効となる。
いずれかのストップボタン42〜44が操作されている場合(ステップS3008:YES)には、当該ストップボタン42〜44の操作が有効な操作であるか否かを判定する(ステップS3009)。具体的には、ステップS3008にて検出されたストップボタン42〜44の操作が回転中のリール32L,32M,32Rに対して行われたものであり停止指令の発生契機となるものである場合に有効な操作であると判定する。
ステップS3009においてストップボタン42〜44の操作が有効であると判定した場合には、有効に操作されたストップボタン42〜44に対応するリール32L,32M,32RについてステップS3010〜ステップS3015の処理を行う。具体的には、まず操作無効化報知処理を実行する(ステップS3010)。操作無効化報知処理では、ストップボタン42〜44に対応する3つのランプ(図示略)のうちステップS3009にて有効な操作が行われたと判定されたストップボタン42〜44に対応するランプのみを消灯状態に切り換える。これにより、ステップS3009にて有効な操作が行われたと判定されたストップボタン42〜44の操作が無効化されたことを遊技者に報知することができる。操作無効化報知処理(ステップS3010)が実行されることにより、3つのランプのうち既に有効な停止操作が行われたストップボタン42〜44に対応するランプは消灯状態となる一方、未だ有効な停止操作が行われていないストップボタン42〜44に対応するランプの点灯状態は維持される。遊技者は、ランプの状態に基づいて未だ有効な停止操作が行われていないストップボタン42〜44を把握することができる。
その後、特定制御用のワークエリア103の第2演算対象エリア111に設けられた制動対象フラグに「1」をセットする(ステップS3011)。制動対象フラグは、回転中のリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42〜44の有効な操作が検出されていることを主側MPU72にて特定可能とするフラグであり、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに1対1で対応させて設けられている。その後、演出側MPU92への送信対象として停止指令コマンドをセットする(ステップS3012)。停止指令コマンドとは、有効な操作が検出されたストップボタン42〜44の種類を把握させるべく演出側MPU92に送信されるコマンドである。
その後、ストップボタン42〜44が操作されたタイミングで基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を把握し(ステップS3013)、第2演算対象エリア111に格納されている停止情報に基づいてスベリ数を把握するスベリ数把握処理を実行する(ステップS3014)。停止情報は、役の抽選処理(図17)における停止情報第1設定処理(ステップS409)において主側ROM73から第2演算対象エリア111に読み出され、後述する停止情報第2設定処理(ステップS3018)においてリール32L,32M,32Rの停止態様に応じて適宜変更される。スベリ数把握処理では、スベリ数として「0」〜「4」のいずれかの値を特定する。その後、スベリ数把握処理(ステップS3014)にて特定したスベリ数と到達図柄番号とに基づいて基点位置に実際に停止させる停止対象図柄の図柄番号を決定し、当該図柄番号データを第2演算対象エリア111に設定する(ステップS3015)。
ステップS3008にて否定判定を行った場合、ステップS3009にて否定判定を行った場合、又はステップS3015の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111に設けられた停止情報更新フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3016)。停止情報更新フラグは、今回のリール32L,32M,32Rの停止制御により基点位置に停止する図柄に応じて、停止情報第1設定処理(役の抽選処理(図17)のステップS409)又は前回の停止情報第2設定処理(ステップS3018)にて主側RAM74に格納されたスベリテーブルを更新すべきことを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。停止情報更新フラグには、後述するモータ制御処理(図61)のステップS3308にて「1」が設定される。
停止情報更新フラグに「1」が設定されていない場合(ステップS3016:NO)には、ステップS3005に戻る。一方、停止情報更新フラグに「1」が設定されている場合(ステップS3016:YES)には、当該停止情報更新フラグを「0」クリアし(ステップS3017)、停止情報第2設定処理を実行して(ステップS3018)、ステップS3005に戻る。停止情報第2設定処理では、今回のリール32L,32M,32Rの停止制御により基点位置に停止する図柄に応じて、停止情報第1設定処理(役の抽選処理(図17)のステップS409)又は前回の停止情報第2設定処理(ステップS3018)にて主側RAM74に格納されたスベリテーブルを更新する。これにより、次回のスベリ数把握処理(ステップS3014)では、セットされている当選データ、リール32L,32M,32Rの停止順序、及び各リール32L,32M,32Rの停止図柄に対応するスベリテーブルに基づいてスベリ数を算出することが可能となる。なお、スベリ数を算出する構成は、スベリテーブルを利用する構成に限られず、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応するスベリ数データを、リール32L,32M,32Rの回転中などに導出する構成としてもよい。
ステップS3007にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、入賞判定処理を実行する(ステップS3019)。入賞判定処理では、各リール32L,32M,32Rの基点位置に停止している図柄の種類を把握する。そして、各リール32L,32M,32RにおいてメインラインML上に停止表示されている図柄の組合せが今回の役の抽選処理において当選となった役に対応する図柄の組合せである場合には当選役の入賞の成立として入賞対応処理を実行する。入賞対応処理では、今回成立した入賞に対応する入賞フラグの設定を行う入賞フラグ設定処理を行う。特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111には、各入賞に1対1で対応させて、今回成立した入賞の種類を把握可能とする入賞フラグが設けられている。入賞フラグ設定処理では、今回成立した入賞に対応する入賞フラグに「1」をセットする。これにより、今回成立した入賞を主側MPU72にて把握可能となる。入賞対応処理では、今回成立した入賞が小役入賞である場合、付与対象となる遊技媒体の数を第2演算対象エリア111に設けられた付与数カウンタにセットする。付与数カウンタは、遊技者に付与すべき遊技媒体の数を主側MPU72にて把握可能とするカウンタである。入賞対応処理では、今回成立した入賞がいずれかのリプレイ入賞である場合、第2演算対象エリア111におけるリプレイ発生フラグに「1」をセットする。既に説明したとおり、リプレイ発生フラグは、次回の開始待ち処理(通常処理(図16)のステップS302)にて遊技者の所有する遊技媒体の数を減らすことなく遊技媒体のベットが自動で行われるようにすべきことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。リプレイ発生フラグは、次回の開始待ち処理(通常処理(図16)のステップS302)にて遊技媒体のベットが自動で行われた後に「0」クリアされる。
その後、演出側MPU92への送信対象として入賞結果コマンドをセットする(ステップS3020)。入賞結果コマンドには、今回の入賞成立の有無を示すデータが含まれているとともに、入賞が成立している場合にはその入賞の種類を示すデータが含まれている。その後、停止順対応表示の終了処理を実行して(ステップS3021)、本リール制御処理を終了する。停止順対応表示の終了処理では、第2演算対象エリア111における停止順対応表示中フラグ138、左側兼用表示部用カウンタ135及び右側兼用表示部用カウンタ136を「0」クリアすることにより、兼用表示部66における停止順対応表示を終了させる。なお、停止順対応表示の詳細については後述する。
<停止順報知及び停止順対応表示を行うための構成>
次に、画像表示装置63において停止順報知を行うための構成及び兼用表示部66において停止順対応表示を行うための構成について説明する。
まず、画像表示装置63において停止順報知を行うための構成について説明する。既に説明したとおり、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序を報知する停止順報知は、遊技区間が有利区間SC2である場合に実行され得る一方、遊技区間が通常区間SC1である場合には実行されない。既に説明したとおり、主側MPU72は、停止順報知を行うために、役の抽選処理(図17)のステップS413にて報知制御処理を実行する。
ここで、主側MPU72にて実行される報知制御処理について図59のフローチャートを参照しながら説明する。なお、報知制御処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
報知制御処理では、まず特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111の有利区間フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS3101)、有利区間フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3101:YES)には、役の抽選処理(図17)にて第1停止順報知に対応する当選データが第2演算対象エリア111に設定されたか否かを判定する(ステップS3102)。第1停止順報知に対応する当選データとは、通常モード用抽選テーブル(図18)、第1RTモード用抽選テーブル(図20)又は第2RTモード用抽選テーブル(図22)におけるインデックス値IV=1〜3のいずれかの当選データである。ステップS3102にて肯定判定を行った場合には、遊技状態が準備状態ST5又はART状態ST6であるか否かを判定する(ステップS3103)。
ステップS3103にて肯定判定を行った場合には、第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順報知及び停止順対応表示を行うための処理(ステップS3104〜ステップS3105の処理)を実行する。具体的には、まずベル入賞用コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS3104)。当該ベル入賞用コマンドには今回のゲームにおいて第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU92にて特定可能とするための情報が設定される。
その後、第2演算対象エリア111における第1停止順フラグに「1」をセットして(ステップS3105)、本報知制御処理を終了する。既に説明したとおり、第1停止順フラグは、第1ベル入賞の成立を可能とする停止順対応表示を兼用表示部66にて実行すべきことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。第1停止順フラグに「1」がセットされることにより、後述する停止順対応表示開始処理(図62)において、第1ベル入賞の成立を可能とする停止順対応表示を開始するための処理が実行されることとなる。
ステップS3102にて否定判定を行った場合には、役の抽選処理(図17)にて第2停止順報知に対応する当選データが設定されたか否かを判定する(ステップS3106)。第2停止順報知に対応する当選データとは、通常モード用抽選テーブル(図18)及び第1RTモード用抽選テーブル(図20)におけるインデックス値IV=10〜15のいずれかの当選データである。ステップS3106にて肯定判定を行った場合には、遊技状態が準備状態ST5又はART状態ST6であることを条件として(ステップS3107:YES)、第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順報知及び停止順対応表示を行うための処理(ステップS3108〜ステップS3109の処理)を実行する。具体的には、まず昇格リプレイ用コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS3108)。当該昇格リプレイ用コマンドには今回のゲームにおいて第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU92にて特定可能とするための情報が設定される。
その後、第2演算対象エリア111における第2停止順フラグに「1」をセットして(ステップS3109)、本報知制御処理を終了する。既に説明したとおり、第2停止順フラグは、第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とする停止順対応表示を兼用表示部66にて実行すべきことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。第2停止順フラグに「1」がセットされることにより、後述する停止順対応表示開始処理(図62)において、第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とする停止順対応表示を開始するための処理が実行されることとなる。
ステップS3106にて否定判定を行った場合には、役の抽選処理(図17)にて第3停止順報知に対応する当選データが設定されたか否かを判定する(ステップS3110)。第3停止順報知に対応する当選データとは、第1RTモード用抽選テーブル(図20)におけるインデックス値IV=16〜21及び第2RTモード用抽選テーブル(図22)におけるインデックス値IV=10〜15のいずれかの当選データである。ステップS3110にて肯定判定を行った場合には、遊技状態がART状態ST6であるか否かを判定する(ステップS3111)。ステップS3111にて否定判定を行った場合には、遊技状態が準備状態ST5であるか否かを判定し(ステップS3112)、準備状態ST5である場合(ステップS3112:YES)には第2演算対象エリア111に第1転落リプレイ役の当選データが設定されているか否かを判定する。
ステップS3111にて肯定判定を行った場合、又はステップS3113にて肯定判定を行った場合には、転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順報知及び停止順対応表示を行うための処理(ステップS3114〜ステップS3115の処理)を実行する。具体的には、まず転落リプレイ回避用コマンドを演出側MPU92に送信する(ステップS3114)。当該転落リプレイ回避用コマンドには今回のゲームにおいて第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU92にて特定可能とするための情報が設定される。
その後、第2演算対象エリア111における第3停止順フラグに「1」をセットして(ステップS3115)、本報知制御処理を終了する。既に説明したとおり、第3停止順フラグは、第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とする停止順対応表示を兼用表示部66にて実行すべきことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。第3停止順フラグに「1」がセットされることにより、後述する停止順対応表示開始処理(図62)において、第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とする停止順対応表示を開始するための処理が実行されることとなる。
このように、有利区間SC2であるとともにART状態ST6である状態において役の抽選処理(図17)にて第1RTモード用抽選テーブル(図20)におけるインデックス値IV=16〜21のいずれかの当選データが設定された場合、又は第2RTモード用抽選テーブル(図22)におけるインデックス値IV=10〜15のいずれかの当選データが設定された場合には、第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための処理が実行される。また、有利区間SC2であるとともに準備状態ST5である状態において役の抽選処理(図17)にて第1RTモード用抽選テーブル(図20)におけるインデックス値IV=16〜21のいずれかの当選データが設定された場合、第1転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための処理が実行される。その一方、有利区間SC2であるとともに準備状態ST5である状態において役の抽選処理(図17)にて第2RTモード用抽選テーブル(図22)におけるインデックス値IV=10〜15のいずれかの当選番号が設定されたとしても、第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。準備状態ST5からART状態ST6への移行条件が第2RTリプレイ入賞の成立であるため、第2RTモードにおいて準備状態ST5への移行が発生した場合には第2転落リプレイ入賞の成立を回避させないことにより、第1RTモードに一旦転落させて第2RTリプレイ入賞が成立する機会を与えることが可能となる。
演出側MPU92は、主側MPU72からベル入賞用コマンド、昇格リプレイ用コマンド又は転落リプレイ回避用コマンドを受信した場合、当該受信したコマンドに対応する停止順報知用の表示テーブルを演出側RAM94に読み出す。そして、当該読み出した停止順報知用の表示テーブルに基づいて、停止順報知が行われるように画像表示装置63の表示制御を行う。
次に、リール32L,32M,32Rの脱調に対応するための特定制御用のワークエリア103における構成について説明する。
本スロットマシン10では、回転中のリール32L,32M,32Rに脱調が発生した場合、当該脱調が発生したリール32L,32M,32Rを含む回転中の全てのリール32L,32M,32Rについて停止制御が行われる。いずれかのリール32L,32M,32Rについて停止指令が発生してから停止制御が開始されるまでの期間において、当該停止指令が発生したリール32L,32M,32Rを含めていずれかのリール32L,32M,32Rの脱調が発生した場合には、停止指令が発生しているとともに停止制御が開始されていない状態であるリール32L,32M,32Rを含めて回転中である全てのリール32L,32M,32Rについて停止制御が開始される。その後、脱調発生時に回転中であったリール32L,32M,32Rについて、加速制御が行われるとともに、当該加速制御の終了後に定速回転制御が行われる。
リール32L,32M,32Rの加速期間中に脱調が発生した場合、脱調発生後にリール32L,32M,32Rの加速期間が終了して定速回転期間に移行するタイミングでストップボタン42〜44の操作が有効化される。役の抽選処理(図17)にて停止順対応表示の対象となる当選データが第2演算対象エリア111に設定されたゲームにおいて、リール32L,32M,32Rの加速期間中に脱調が発生した場合には、当該脱調発生後にリール32L,32M,32Rの加速期間が終了して定速回転期間に移行するタイミングで兼用表示部66にて停止順対応表示が開始される。
リール32L,32M,32Rの定速回転期間中に脱調が発生した場合には、脱調発生後にリール32L,32M,32Rの加速期間が終了して定速回転期間に移行するまで、リール制御処理(図58)のステップS3008〜ステップS3018の処理が実行されない状態となることにより、ストップボタン42〜44の操作が無効化される。そして、脱調発生後に、脱調発生時に回転中であったリール32L,32M,32Rの加速期間が終了して定速回転期間に移行するタイミングで当該リール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42〜44の操作が有効化される。
全部又は一部のリール32L,32M,32Rが回転している状況において電源が遮断され、設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく電源復帰が行われて電源遮断前の処理状態に復帰した場合には、ゲームの開始操作(スタートレバー41の操作)を不要として電源遮断前に回転中であったリール32L,32M,32Rの回転制御が再開される。このため、リール32L,32M,32Rの回転再開に際して遊技媒体が余計に消費されてしまうことを防止することができる。当該回転制御が再開された後に1つ以上のリール32L,32M,32Rについて脱調が発生した場合には、脱調発生時に回転中であった全てのリール32L,32M,32Rについて、停止制御、加速制御及び定速回転制御が行われる。
一方、全部又は一部のリール32L,32M,32Rが回転している状況において電源が遮断され、電源復帰時に設定キー挿入孔57のON操作が行われてメイン処理(図14)にて一部クリア処理(ステップS106)又は全部クリア処理(ステップS107)が実行された場合には、第2演算対象エリア111に記憶されていたリー32L,32M,32Rの回転制御を行うための情報が消去されてしまう。このため、当該電源復帰後にスタートレバー41の有効な操作が行われるまでリール32L,32M,32Rの回転制御は行われない。遊技ホールの管理者は、電源復帰を行う場合に、電源遮断前に行われていたゲームを再開させる場合と、当該ゲームが終了した状態とする場合とを選択することができる。
図48に示すように、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111には、脱調対応中フラグ141及び脱調対応済みフラグ142が設けられている。脱調対応中フラグ141は、脱調発生時に回転していたリール32L,32M,32Rを再加速させるための停止制御が行われている状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。
脱調対応中フラグ141は、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに対して1対1で対応させて設けられている。脱調対応済みフラグ142は、脱調発生時に回転中だったリール32L,32M,32Rについて停止制御が終了して再加速可能な状態となったことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。脱調対応済みフラグ142は、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに対して1対1で対応させて設けられている。
次に、主側MPU72にて実行されるステッピングモータ制御処理について図60のフローチャートを参照しながら説明する。ステッピングモータ制御処理はタイマ割込み処理(図15)のステップS207にて実行される。なお、モータ制御処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
ステッピングモータ制御処理では、まず第2演算対象エリア111の要制御フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3201)。既に説明したとおり、要制御フラグは、リール32L,32M,32Rの駆動制御を行う必要があることを主側MPU72にて特定するためのフラグであり、リール制御処理(図58)の回転開始処理(ステップS3001)にて要制御フラグに「1」がセットされる。ステップS3201にて肯定判定を行った場合には、制御対象リールとして左リール32Lを選択し(ステップS3202)、当該制御対象リール(左リール32L)についてステップS3203〜ステップS3210の処理を行う。制御対象リールは後述するステップS3211にて更新され、ステップS3203〜ステップS3210の処理は中リール32M及び右リール32Rについても実行される。
ステップS3202の処理を行った後、制御対象リールの脱調の発生を監視する脱調監視処理を実行する(ステップS3203)。なお、脱調監視処理の詳細については後述する。その後、制御対象リールについて、リールインデックスセンサの検知結果と励磁データの出力回数とに基づき回転位置を把握する(ステップS3204)。その後、第2演算対象エリア111における制動対象フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS3205)。既に説明したとおり、制動対象フラグは、回転中のリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42〜44の有効な操作が検出されていることを主側MPU72にて特定可能とするフラグであり、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに1対1で対応させて設けられている。制動対象フラグには、リール制御処理(図58)のステップS3011にて「1」がセットされる。
制御対象リールに対応する制動対象フラグに「1」が設定されている場合(ステップS3205:YES)には、ステップS3204にて把握した制御対象リールの回転位置とリール制御処理(図58)のステップS3015にて決定された停止対象図柄とに基づき、制御対象リールについて、停止制御の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS3206)。そして、停止制御の開始タイミングである場合(ステップS3206:YES)には、制動対象フラグを「0」クリアし(ステップS3207)、第2演算対象エリア111に設けられた停止開始フラグに「1」をセットする(ステップS3208)。停止開始フラグは、停止制御を開始すべきリール32L,32M,32Rを主側MPU72にて特定可能とするフラグであり、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに1対1で対応させて設けられている。停止開始フラグに「1」がセットされることにより、後述するモータ制御処理(図61)のステップS3306にて停止制御設定処理が実行されて対応するリール32L,32M,32Rの停止制御が開始されることとなる。
ステップS3205にて否定判定を行った場合、ステップS3206にて否定判定を行った場合、又はステップS3208の処理を行った場合には、制御対象リールについてモータ制御処理を実行する(ステップS3209)。図61はモータ制御処理を示すフローチャートである。なお、モータ制御処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
モータ制御処理では、まず、制御対象リールの加速期間中であるか否かを判定する(ステップS3301)。ステップS3301では、第2演算対象エリア111の加速フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行う。ステップS3301にて肯定判定を行った場合、加速用設定処理を実行する(ステップS3302)。加速用設定処理では、第2演算対象エリア111に読み出されている加速制御テーブルに従って第2演算対象エリア111の励磁データエリア132〜134に設定される励磁データの更新タイミングとなる度に当該励磁データエリア132〜134に設定されている励磁データを更新する。また、加速用設定処理では、加速制御テーブルのポインタ情報が最終ポインタに対応するポインタ情報まで更新されて加速期間が終了した場合、加速制御テーブルをクリアするとともに、加速フラグを「0」クリアする。そして、第2演算対象エリア111に定速回転用テーブルを読み出し、第2演算対象エリア111に設けられた定速フラグに「1」をセットする。定速フラグは、リール32L,32M,32Rが定速回転している定速回転期間であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。定速回転フラグに「1」がセットされることにより、加速期間から定速回転期間に移行する。
ステップS3301にて否定判定を行った場合には、定速回転期間中であるか否かを判定する(ステップS3303)。具体的には、第2演算対象エリア111の定速フラグに「1」がセットされている場合に定速回転期間中であると判定する。定速回転期間中である場合(ステップS3303:YES)には、第2演算対象エリア111において制御対象リールに対応する停止開始フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS3304)。上述したとおり、停止開始フラグは、停止制御を開始すべきリール32L,32M,32Rを主側MPU72にて特定可能とするフラグであり、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに1対1で対応させて設けられている。停止開始フラグには、停止制御の開始タイミングであると判定された場合(ステップS3206:YES)に、ステッピングモータ制御処理(図60)のステップS3208にて「1」がセットされる。停止開始フラグに「1」が設定されている場合(ステップS3304:YES)には、制御対象リールの停止制御の開始タイミングであることを意味するため、停止開始フラグを「0」クリアし(ステップS3305)、停止制御設定処理を実行する(ステップS3306)。
停止制御設定処理(ステップS3306)では、第2演算対象エリア111の定速フラグを「0」クリアするとともに、第2演算対象エリア111に読み出されている定速回転用テーブルをクリアする。その後、第2演算対象エリア111において制御対象リールに対応させて設けられた停止制御フラグに「1」をセットするとともに、停止用テーブルを主側ROM73から第2演算対象エリア111に読み出す。停止制御フラグは、リール32L,32M,32Rの停止制御が行われている状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグであり、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに対して1対1で対応させて設けられている。停止制御フラグに「1」がセットされることにより、定速回転期間から停止制御期間に移行する。
その後、今回の停止制御が既に他の2つのリール32L,32M,32Rが停止している状況で行われる第3停止の停止制御であるか否かを判定する(ステップS3307)。今回の停止制御が開始されるリール32L,32M,32R以外に回転中のリール32L,32M,32Rが存在しており、今回の停止制御が第3停止の停止制御ではない場合(ステップS3307:NO)には、第2演算対象エリア111における停止情報更新フラグに「1」をセットして(ステップS3308)、本モータ制御処理を終了する。既に説明したとおり、停止情報更新フラグは、今回のリール32L,32M,32Rの停止制御により基点位置に停止する図柄に応じて、停止情報第1設定処理(役の抽選処理(図17)のステップS409)又は前回の停止情報第2設定処理(リール制御処理(図58)のステップS3018)にて主側RAM74に格納されたスベリテーブルを更新すべきことを主側MPU72にて特定可能とするフラグである。停止情報更新フラグに「1」がセットされることにより、リール制御処理(図58)のステップS2016にて肯定判定が行われて、ステップS3018にて停止情報第2設定処理が実行されることとなる。
ステップS3304にて否定判定を行った場合には、定速回転用設定処理を実行して(ステップS3309)、本モータ制御処理を終了する。定速回転用設定処理では、第2演算対象エリア111に読み出されている定速回転用テーブルに従って励磁データの切り換えタイミングとなる度に励磁データエリア132〜134に設定されている励磁データを更新する。これにより、制御対象リールを定速回転させることができる。
ステップS3303にて否定判定を行った場合には、制御対象リールについて停止制御中であるか否かを判定する(ステップS3310)。具体的には、第2演算対象エリア111において制御対象リールに対応する停止制御フラグに「1」がセットされている場合に停止制御中であると判定する。停止制御中である場合(ステップS3310:YES)には、停止制御中処理を実行する(ステップS3311)。停止制御中処理では、第2演算対象エリア111に読み出されている停止用テーブルに従って制御対象リールに対応する励磁データエリア132〜134に励磁データを設定する。また、停止制御中処理では、停止用テーブルのポインタ情報が最終ポインタに対応するポインタ情報まで更新されて制御対象リールの停止制御が終了した場合、第2演算対象エリア111において制御対象リールに対応する停止制御フラグを「0」クリアするとともに、第2演算対象エリア111に読み出されている停止用テーブルをクリアする。これにより、制御対象リールの駆動制御が終了する。
ステップS3310にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111において制御対象リールに対応する脱調対応中フラグ141に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3312)。ステップS3312にて肯定判定を行った場合には、再加速用停止制御処理を実行する(ステップS3313)。再加速用停止制御処理では、第2演算対象エリア111に読み出されている停止用テーブルに従って制御対象リールに対応する励磁データエリア132〜134に励磁データを設定する。
再加速用停止制御処理(ステップS3313)において停止用テーブルのポイインタ情報が最終ポインタに対応するポインタ情報となるまで更新されて再加速用停止制御が終了した場合(ステップS3314:YES)には、第2演算対象エリア111における脱調対応中フラグ141を「0」クリアし(ステップS3315)、第2演算対象エリア111において制御対象リールに対応する脱調対応済みフラグ142に「1」をセットして(ステップS3316)、本モータ制御処理を終了する。脱調対応済みフラグ142に「1」をセットすることにより、脱調発生時に回転中だった制御対象リールについて停止制御が終了して再加速可能な状態となったことを主側MPU72にて把握可能となる。
ステッピングモータ制御処理(図60)の説明に戻り、ステップS3209にてモータ制御処理を行った後、現状における制御対象リールが右リール32Rであるか否かを判定し(ステップS3210)、制御対象リールが右リール32Rではない場合(ステップS3210:NO)には、制御対象リールを更新する(ステップS3211)。ステップS3211では、制御対象リールとして左リール32Lが選択されている場合には制御対象リールを中リール32Mに更新するとともに、制御対象リールとして中リール32Mが選択されている場合には制御対象リールを右リール32Rに更新する。その後、ステップS3203に戻り、当該更新後の制御対象リールについて、ステップS3203〜ステップS3210の処理を実行する。
ステップS3210にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111の左励磁データエリア132、中励磁データエリア133及び右励磁データエリア134に設定されている励磁データを左リール32L、中リール32M及び右リール32Rのモータドライバ(図示略)に対して出力する(ステップS3212)。このように、励磁データの出力は、全てのリール32L,32M,32RについてステップS3203〜ステップS3210の処理が実行された後に行われる。
その後、全てのリール32L,32M,32Rの停止制御が終了したか否かを判定し(ステップS3213)、全てのリール32L,32M,32Rの停止制御が終了している場合(ステップS3213:YES)に第2演算対象エリア111の要制御フラグを「0」クリアして(ステップS3214)、本ステッピングモータ制御処理を終了する。
次に、兼用表示部66において停止順対応表示を行うための特定制御用のワークエリア103における構成について説明する。
既に説明したとおり、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111には、兼用表示部66にて停止順対応表示が行われていることを主側MPU72にて把握可能とする停止順対応表示中フラグ138(図48)が設けられている。兼用表示部66における停止順対応表示は、当該停止順対応表示中フラグ138に「1」がセットされている状態であり、第2演算対象エリア111の右側兼用表示部用カウンタ136に停止順対応表示用の表示データ(ベル入賞用の表示データ、昇格リプレイ用の表示データ、又は転落リプレイ回避用の表示データ)がセットされているとともに、左側兼用表示部用カウンタ135にオール「0」の表示データがセットされている状態において、タイマ割込み処理(図15)のステップS210にて表示部制御処理(図56)が実行されることにより行われる。オール「0」の表示データは、セグメント表示器66a,66bを非表示の状態とするための表示データである。
役の抽選処理(図17)にて第2演算対象エリア111に第1ベル役の当選データを含む当選データが設定され、停止順対応表示の対象となった場合、第2演算対象エリア111の右側兼用表示部用カウンタ136に当該当選データに対応する第1ベル入賞用の表示データがセットされる。既に説明したとおり、有利区間SC2であるとともに、準備状態ST5又はART状態ST6である状態において第2演算対象エリア111に第1ベル役の当選データを含む当選データが設定された場合に停止順対応表示の対象となる。右側兼用表示部用カウンタ136に第1ベル入賞用の表示データがセットされることにより、兼用表示部66の右側セグメント表示器66bにて当該第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が行われることとなる。
役の抽選処理(図17)にて第2演算対象エリア111に昇格リプレイ役(第1RTリプレイ役又は第2RTリプレイ役)の当選データを含む当選データが設定され、停止順対応表示の対象となった場合、第2演算対象エリア111の右側兼用表示部用カウンタ136に当該当選データに対応する昇格リプレイ用の表示データがセットされる。既に説明したとおり、有利区間SC2であるとともに、準備状態ST5又はART状態ST6である状態において第2演算対象エリア111に昇格リプレイ役の当選データを含む当選データが設定された場合に停止順対応表示の対象となる。右側兼用表示部用カウンタ136に昇格リプレイ用の表示データがセットされることにより、兼用表示部66の右側セグメント表示器66bにて当該昇格リプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が行われることとなる。
役の抽選処理(図17)にて第2演算対象エリア111に転落リプレイ役(第1転落リプレイ役又は第2転落リプレイ役)の当選データを含む当選データが設定され、停止順対応表示の対象となった場合、第2演算対象エリア111の右側兼用表示部用カウンタ136に当該当選データに対応する転落リプレイ回避用の表示データがセットされる。既に説明したとおり、有利区間SC2であるとともにART状態ST6である状態において第2演算対象エリア111に第1転落リプレイ役又は第2転落リプレイ役の当選データを含む当選データが設定された場合に停止順対応表示の対象となる。また、有利区間SC2であるとともに準備状態ST5である状態において第2演算対象エリア111に第1転落リプレイ役の当選データを含む当選データが設定された場合にも停止順対応表示の対象となる。一方、有利区間SC2であるとともに準備状態ST5である状態において第2演算対象エリア111に第2転落リプレイ役の当選データを含む当選データが設定された場合には停止順対応表示の対象とはならない。右側兼用表示部用カウンタ136に転落リプレイ回避用の表示データがセットされることにより、兼用表示部66の右側セグメント表示器66bにて当該転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が行われることとなる。
停止順対応表示では、兼用表示部66の右側セグメント表示器66bにて第1ベル入賞の成立を可能とする停止順序に対応する表示が行われる場合、昇格リプレイ入賞の成立を可能とする停止順序に対応する表示が行われる場合、及び転落リプレイ入賞の成立を回避可能とする停止順序に対応する表示が行われる場合のいずれにおいても、第2演算対象エリア111の左側兼用表示部用カウンタ135にオール「0」の表示データがセットされ、兼用表示部66の左側セグメント表示器66aが非表示の状態となる。
各兼用表示部用カウンタ135,136にセットされた表示データは、リール制御処理(図58)のステップS3021における停止順対応表示の終了処理が実行されることによりクリアされる。また、第2演算対象エリア111における第1停止順フラグ、第2停止順フラグ又は第3停止順フラグに「1」がセットされている状態も停止順対応表示の終了処理(ステップS3021)が実行されることにより解除される。このため、停止順対応表示の終了処理(ステップS3021)が実行されることにより、兼用表示部66における停止順対応表示が終了する。
次に、主側MPU72にて実行される停止順対応表示開始処理について図62に示すフローチャートを参照しながら説明する。停止順対応表示開始処理はリール制御処理(図58)のステップS3005にて実行される。なお、停止順対応表示開始処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
停止順対応表示開始処理では、まず第2演算対象エリア111の加速終了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3401)。既に説明したとおり、加速終了フラグには、リール32L,32M,32Rの加速期間が終了した場合に、リール制御処理(図58)のステップS3003にて「1」がセットされる。ステップS3401にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111の表示再開フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3402)。既に説明したとおり、表示再開フラグは、電源遮断前に兼用表示部66にて実行されていた停止順対応表示を再開すべきことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。表示再開フラグには、復電用処理(図40)のステップS1811にて第2演算対象エリア111の第1〜第3停止順フラグのいずれかに「1」がセットされていると判定された場合に、ステップS1812にて「1」がセットされる。
表示再開フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3402:YES)には、停止順報知用コマンドの送信処理を実行する(ステップS3403)。停止順報知用コマンドの送信処理では、第2演算対象エリア111の第1停止順フラグに「1」がセットされている場合にはベル入賞用コマンドを演出側MPU92に送信し、第2演算対象エリア111の第2停止順フラグに「1」がセットされている場合には昇格リプレイ用コマンドを演出側MPU92に送信し、第2演算対象エリア111の第3停止順フラグに「1」がセットされている場合には転落リプレイ回避用コマンドを送信する。ベル入賞用コマンドには、第2演算対象エリア111に設定されている当選データに基づいて第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU92にて特定可能とするための情報が設定され、昇格リプレイ用コマンドには、第2演算対象エリア111に設定されている当選データに基づいて第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU92にて特定可能とするための情報が設定され、転落リプレイ回避用コマンドには、第2演算対象エリア111に設定されている当選データに基づいて第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU92にて特定可能とするための情報が設定される。
演出側MPU92は、主側MPU72から復電コマンドを受信した後にベル入賞用コマンド、昇格リプレイ用コマンド、又は転落リプレイ回避用コマンドを受信した場合、電源遮断前に画像表示装置63にて行われていた停止順報知の続きが行われるように画像表示装置63の表示制御を行う。これにより、画像表示装置63において停止順報知が行われている途中で停電の発生が特定され、設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく電源復帰が行われた場合、画像表示装置63にて停止順報知の続きを再開させることができる。
ステップS3403の処理を行った後は、第2演算対象エリア111の表示再開フラグを「0」クリアする(ステップS3404)。また、ステップS3401にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111における加速終了フラグを「0」クリアし(ステップS3405)、第2演算対象エリア111における停止順対応表示中フラグ138に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3406)。停止順対応表示が行われているとともに1以上のリール32L,32M,32Rが回転中である状況において停電が発生し、電源復帰が行われて停止順対応表示が再開された後に停電発生時に回転中であったリール32L,32M,32Rの再加速が終了した場合には、ステップS3406にて肯定判定が行われることとなる。ステップS3406にて肯定判定を行った場合には、既に停止順対応表示が行われている状態であるため、ステップS3407〜ステップS3417の処理を実行することなく、そのまま本停止順対応表示開始処理を終了する。
ステップS3404の処理を行った場合、又はステップS3406にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111の第1停止順フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3407)。第1停止順フラグには、既に説明した報知制御処理(図59)のステップS3105にて「1」がセットされる。
ステップS3407にて肯定判定を行った場合には、第1ベル入賞用の停止順把握処理を実行する(ステップS3408)。当該停止順把握処理では、まず第1ベル入賞用の停止順対応テーブルを主側ROM73から第2演算対象エリア111に読み出す。第1ベル入賞用の停止順対応テーブルには、各当選データに対応させて、当該当選データに対応する第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応するベル入賞用の表示データが記憶されている。その後、第2演算対象エリア111に読み出した第1ベル入賞用の停止順対応テーブルに基づいて、第2演算対象エリア111に設定されている今回の当選データに対応する第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応するベル入賞用の表示データを把握する。
その後、ステップS3408にて把握したベル入賞用の表示データを第2演算対象エリア111の右側兼用表示部用カウンタ136にセットする(ステップS3409)。これにより、既に説明した表示部制御処理(図56)にて右側兼用表示部用カウンタ136の表示データが兼用表示部66に出力されることによって、兼用表示部66における右側セグメント表示器66bにて今回の当選データに対応する第1ベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順対応表示を行うことができる。
ステップS3407にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111の第2停止順フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3410)。第2停止順フラグには、既に説明した報知制御処理(図59)のステップS3109にて「1」がセットされる。
ステップS3410にて肯定判定を行った場合には、昇格リプレイ用の停止順把握処理を実行する(ステップS3411)。当該停止順把握処理では、まず昇格リプレイ用の停止順対応テーブルを主側ROM73から第2演算対象エリア111に読み出す。昇格リプレイ用の停止順対応テーブルには、各当選データに対応させて、当該当選データに対応する第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する昇格リプレイ用の表示データが記憶されている。その後、第2演算対象エリア111に読み出した昇格リプレイ用の停止順対応テーブルに基づいて、第2演算対象エリア111に設定されている今回の当選データに対応する第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する昇格リプレイ用の表示データを把握する。
その後、ステップS3411にて把握した昇格リプレイ用の表示データを第2演算対象エリア111の右側兼用表示部用カウンタ136にセットする(ステップS3412)。これにより、既に説明した表示部制御処理(図56)にて右側兼用表示部用カウンタ136の表示データが兼用表示部66に出力されることによって、兼用表示部66における右側セグメント表示器66bにて今回の当選データに対応する第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順対応表示を行うことができる。
ステップS3410にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111の第3停止順フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3413)。第3停止順フラグには、既に説明した報知制御処理(図59)のステップS3115にて「1」がセットされる。
ステップS3413にて肯定判定を行った場合には、転落リプレイ回避用の停止順把握処理を実行する(ステップS3414)。当該停止順把握処理では、まず転落リプレイ回避用の停止順対応テーブルを主側ROM73から第2演算対象エリア111に読み出す。転落リプレイ回避用の停止順対応テーブルには、各当選データに対応させて、当該当選データに対応する第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する転落リプレイ回避用の表示データが記憶されている。その後、第2演算対象エリア111に読み出した転落リプレイ回避用の停止順対応テーブルに基づいて、第2演算対象エリア111に設定されている今回の当選データに対応する第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する転落リプレイ回避用の表示データを把握する。
その後、ステップS3414にて把握した転落リプレイ回避用の表示データを第2演算対象エリア111の右側兼用表示部用カウンタ136にセットする(ステップS3415)。これにより、既に説明した表示部制御処理(図56)にて右側兼用表示部用カウンタ136の表示データが兼用表示部66に出力されることによって、兼用表示部66における右側セグメント表示器66bにて今回の当選データに対応する第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順対応表示を行うことができる。
ステップS3409の処理を行った場合、ステップS3412の処理を行った場合、又はステップS3415の処理を行った場合には、オール「0」の表示データを第2演算対象エリア111の左側兼用表示部用カウンタ135にセットする(ステップS3416)。これにより、既に説明した表示部制御処理(図56)にて左側兼用表示部用カウンタ135の表示データが兼用表示部66に出力されることによって、左側セグメント表示器66aを非表示の状態とすることができる。
その後、第2演算対象エリア111における停止順対応表示中フラグ138に「1」をセットして(ステップS3417)、本停止順対応表示開始処理を終了する。停止順対応表示中フラグ138に「1」をセットすることにより、兼用表示部66にて停止順対応表示が行われていることを主側MPU72にて把握可能となる。
このように、停止順対応表示開始処理(図62)では、第2演算対象エリア111における加速終了フラグに「1」がセットされているとともに第2演算対象エリア111における停止順対応表示中フラグ138に「1」がセットされていない場合(ステップS3401:YES、ステップS3406:NO)に、兼用表示部66にて停止順対応表示を開始するための処理(ステップS3407〜ステップS3417の処理)が実行される。また、第2演算対象エリア111における表示再開フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3402:YES)にも、兼用表示部66にて停止順対応表示を開始するための処理(ステップS3407〜ステップS3417の処理)が実行される。
兼用表示部66にて停止順対応表示が行われている状態において電源が遮断され、設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく電源復帰が行われた場合、メイン処理(図14)のステップS103にて復帰用処理(図40)が実行される。この場合には、一部クリア処理(ステップS106)及び全部クリア処理(ステップS107)が行われないため、第2演算対象エリア111の第1停止順フラグ、第2停止順フラグ又は第3停止順フラグに「1」がセットされている状態が維持される。このため、エラー状態が発生しない場合(ステップS1801:NO、ステップS1806:NO、ステップS1807:YES、ステップS1808:YES)には、復電用処理(図40)のステップS1811にて肯定判定が行われて第2演算対象エリア111の表示再開フラグに「1」がセットされる(ステップS1812)。これにより、停止順対応表示開始処理(図62)のステップS3402にて肯定判定が行われてステップS3403以降の処理が行われることにより兼用表示部66にて停止順対応表示が再開される。
既に説明したとおり、設定キーを利用して設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態で電源復帰が行われた場合、メイン処理(図14)では一部クリア処理(ステップS106)及び全部クリア処理(ステップS107)のいずれか一方が行われる。これら一部クリア処理(ステップS106)及び全部クリア処理(ステップS107)では、第2演算対象エリア111の第1停止順フラグ、第2停止順フラグ、第3停止順フラグ及び各兼用表示部用カウンタ135,136が「0」クリアされる。また、一部クリア処理(ステップS106)では第2演算対象エリア111に設定されている当選データのうちボーナス当選データ以外の当選データがクリアされるとともに、全部クリア処理(ステップS107)ではボーナス当選データを含む第2演算対象エリア111に設定されている全ての当選データがクリアされる。このため、電源復帰後にメイン処理(図14)において一部クリア処理(ステップS106)及び全部クリア処理(ステップS107)のいずれかが実行された場合には、タイマ割込み処理(図15)にて表示部制御処理(ステップS210)が行われても兼用表示部66にて停止順対応表示が再開されることはない。
次に、主側MPU72にて実行される脱調監視処理について図63に示すフローチャートを参照しながら説明する。脱調監視処理はステッピングモータ制御処理(図60)のステップS3203にて実行される。既に説明したとおり、ステッピングモータ制御処理(図60)では、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rのいずれかが制御対象リールとして選択されている状態で脱調監視処理(ステップS3203)が実行される。なお、脱調監視処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
脱調監視処理では、まず制御対象リールについて脱調が発生したか否かを判定する(ステップS3501)。具体的には、リールインデックスセンサから受信する検知信号の立ち上がりが主側MPU72にて確認される周期が所定の周期範囲に収まっているか否かを判定し、当該検知信号の立ち上がりが確認される周期が所定の周期範囲から外れている場合に制御対象リールについて脱調が発生したと判定する。
ステップS3501にて肯定判定を行った場合には、回転制御情報のクリア処理を実行する(ステップS3502)。当該クリア処理では、制御対象リールを含めて現状において回転している全てのリール32L,32M,32Rについて、第2演算対象エリア111における加速フラグ及び定速フラグを「0」クリアするとともに、第2演算対象エリア111に読み出されている加速制御テーブル及び定速回転用テーブルをクリアする処理を行う。
その後、現状において回転している全てのリール32L,32M,32Rの停止制御を行うために停止用テーブルを第2演算対象エリア111に読み出し(ステップS3503)、現状において回転している全てのリール32L,32M,32Rに対応する第2演算対象エリア111の脱調対応中フラグ141に「1」をセットする(ステップS3504)。
その後、第2演算対象エリア111の制動対象フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3505)。ステップS3505では、制御対象リールを含めていずれかのリール32L,32M,32Rに対応する制動対象フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行う。ステップS3505にて肯定判定を行った場合には、演出側MPU92に対して停止指令取消コマンドをセットする(ステップS3506)。停止指令取消コマンドは、停止指令が発生している状態であるとともに停止制御が開始される前の状態であったリール32L,32M,32Rについて演出側MPU92に既に送信された停止指令コマンドを取り消すことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。停止指令が発生している状態であるとともに停止制御が開始される前の状態であったリール32L,32M,32Rは、脱調の発生により停止制御が行われた後、再加速のための加速制御が行われるとともに、当該加速制御の終了後に定速回転状態となる。そして、当該リール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42〜44の操作が有効化される。停止指令取消コマンドを送信することにより、演出側MPU92が脱調発生後に再加速するリール32L,32M,32Rを正確に把握可能とすることができる。
その後、第2演算対象エリア111における全ての制動対象フラグを「0」クリアし(ステップS3507)、第2演算対象エリア111に設定されている停止対象図柄の図柄番号データをクリアする(ステップS3508)。既に説明したとおり、停止対象図柄の図柄番号データは、リール制御処理(図58)のステップS3015にて第2演算対象エリア111に設定される。ステップS3505にて否定判定を行った場合、又はステップS3508の処理を行った場合には、リール制御処理(図58)におけるステップS3010と同様に、操作無効化報知処理を実行して(ステップS3509)、本脱調監視処理を終了する。操作無効化報知処理では、脱調発生時に回転中であったリール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42〜44のランプ(図示略)を消灯状態に切り換えることにより当該ストップボタン42〜44の操作が無効化されたことを報知する。
上記のとおり、いずれかのリール32L,32M,32Rについて停止指令が発生しているとともに未だ停止制御が開始されていない状況において、当該リール32L,32M,32Rを含めていずれかのリール32L,32M,32Rの脱調が発生した場合には、停止指令が発生しているとともに停止制御が開始されていない状態であったリール32L,32M,32Rを含めて回転中である全てのリール32L,32M,32Rについて停止制御が開始される。脱調発生時に回転中であったリール32L,32M,32Rは停止制御が行われた後、加速制御が行われることにより再加速するとともに、当該加速制御の終了後に定速回転状態となる。そして、当該リール32L,32M,32Rに対応するストップボタン42〜44の操作が有効化される。
次に、主側MPU72にて実行される脱調対応処理について図64に示すフローチャートを参照しながら説明する。脱調対応処理はリール制御処理(図58)のステップS3006にて実行される。なお、脱調対応処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
脱調対応処理では、まず第2演算対象エリア111の脱調対応中フラグ141に「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS3601)、脱調対応中フラグ141に「1」がセットされていない場合(ステップS3601:NO)には、そのまま本脱調対応処理を終了する。
脱調対応中フラグ141に「1」がセットされている場合(ステップS3601:YES)には、リール32L,32M,32Rの脱調が発生し、当該脱調発生時に回転していたリール32L,32M,32Rの停止制御が行われている状態であることを意味する。ステップS3601にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111の脱調対応済みフラグ142に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3602)。脱調対応済みフラグ142には、脱調発生時に回転中だったリール32L,32M,32Rについて停止制御が終了した場合に、既に説明したモータ制御処理(図61)のステップS3316にて「1」がセットされる。ステップS3602にて否定判定を行った場合には、脱調対応済みフラグ142に「1」がセットされるまでステップS3602の処理を繰り返し実行する。
ステップS3602にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111の脱調対応済みフラグ142を「0」クリアし(ステップS3603)、回転再開処理を実行する(ステップS3604)。回転再開処理では、脱調発生時に回転中であったリール32L,32M,32Rについて、リール制御処理(図58)のステップS3001における回転開始処理と同様に、加速制御テーブルを主側ROM73から第2演算対象エリア111に読み出す。
その後、第2演算対象エリア111の加速フラグに「1」をセットして(ステップS3605)、リール制御処理(図58)のステップS3002に進む。これにより、脱調発生時に回転中であったリール32L,32M,32Rの加速制御が行われ、当該加速制御の終了後に当該リール32L,32M,32Rの定速回転制御が行われることとなる。
このように、一部又は全部のリール32L,32M,32Rの回転中に1つ以上のリール32L,32M,32Rの脱調が発生した場合には、当該脱調発生時に回転中であったリール32L,32M,32Rについて停止制御、再加速のための加速制御、及び定速回転制御が行われる。一方、脱調発生時に既に停止していたリール32L,32M,32Rについてはこれらの制御は行われない。脱調発生時に既に停止していたリールについては、そのまま当該リール32L,32M,32Rが停止している状態が維持される。
兼用表示部66にて開始された停止順対応表示は、リール32L,32M,32Rの回転中にスロットマシン10への動作電力の供給が停止されない場合、全てのリール32L,32M,32Rが停止して、リール制御処理(図58)のステップS3021における停止順対応表示の終了処理が実行されるまで継続される。このため、スロットマシン10への動作電力の供給が継続されている状態においてリール32L,32M,32Rの脱調が発生した場合には、脱調発生時に回転中であったリール32L,32M,32Rの再加速用の停止制御、再加速、定速回転、及び停止制御が終了して停止順対応表示の終了処理(ステップS3021)が実行されるまで、停止順対応表示が継続される。これにより、スロットマシン10への動作電力の供給が継続されている状態においてリール32L,32M,32Rの脱調が発生した場合に、兼用表示部66にて開始されていた停止順対応表示が中断してしまうことが防止されている。
次に、兼用表示部66にて停止順対応表示が行われる様子について、図65のタイムチャートを参照しながら説明する。図65(a)は停止順対応表示の実行期間を示し、図65(b)は第2演算対象エリア111における表示再開フラグの状態を示し、図65(c)は第2演算対象エリア111における停止順フラグの状態を示し、図65(d)は全リール32L,32M,32Rの加速期間を示し、図65(e)はストップボタン42〜44の操作が有効となるタイミングを示し、図65(f)は1つ目のリール(左リール32L)の停止タイミングを示し、図65(g)は2つのリール32M,32Rにおいて脱調が発生するタイミングを示し、図65(h)は2つのリール32M,32Rの再加速期間を示し、図65(i)は2つのリール32M、32Rに対応する2つのストップボタン43,44の操作が有効となるタイミングを示し、図65(j)はスロットマシン10への動作電力の供給状態を示す。
役の抽選処理(図17)が終了するt1のタイミングにおいて、図65(c)に示すように第2演算対象エリア111の停止順フラグ(例えば、第1停止順フラグ)に「1」がセットされるとともに、図65(d)に示すように全リール32L,32M,32Rの加速が開始される。その後、図65(d)に示すようにt2のタイミングで全リール32L,32M,32Rの加速期間が終了すると、当該t2のタイミングで、図65(e)に示すようにストップボタン42〜44の操作が有効となる。当該t2のタイミングで、図65(a)に示すように兼用表示部66にて停止順対応表示が開始される。
その後、図65(f)に示すようにt3のタイミングで左リール32Lが停止する。その後、t4のタイミングで、図65(j)に示すように動作電力の供給が停止されることにより、図65(a)に示すように兼用表示部66における停止順対応表示が終了する。
その後、t5のタイミングで、図65(j)に示すように電源が復帰する。電源復帰は設定キー挿入孔57のON操作が行われない状態で行われ、メイン処理(図14)ではステップS103における復電処理(図40)が実行されて電源遮断前の処理状態に復帰する。図65(c)に示すように、当該t5のタイミングにおいて第2演算対象エリア111の停止順フラグに「1」がセットされている状態は維持されている。このため、図65(b)に示すように、当該t5のタイミングで第2演算対象エリア111の表示再開フラグに「1」がセットされる。その後、表示再開フラグに「1」がセットされている状態が維持されたまま、リール制御処理(図58)のステップS3005における停止順対応表示開始処理(図62)が実行される。停止順対応表示開始処理(図62)では、表示再開フラグに「1」がセットされていることに基づいて、ステップS3402にて肯定判定が行われて、ステップS3403以降の処理が実行される。これにより、t6のタイミングで、図65(a)に示すように兼用表示部66における停止順対応表示が再開されるとともに、図65(b)に示すように第2演算対象エリア111の表示再開フラグが「0」クリアされる。また、当該t6のタイミングで、電源遮断前に回転中であった2つのリール32M,32Rの回転制御が開始される。
その後、図65(g)に示すように、t7のタイミングで、電源遮断前に回転中であった2つのリール32M,32Rにおいて脱調が発生し、当該2つのリール32M,32Rについて再加速のための停止制御が行われる。その後、図65(h)に示すようにt8のタイミングで、脱調発生時に回転していた2つのリール32M,32Rの再加速が開始される。その後、t9のタイミングで図65(h)に示すように2つのリール32M,32Rの再加速が終了して定速回転が開始される。そして、当該t9のタイミングで図65(i)に示すように、定速回転が開始されたリール32M,32Rに対応するストップボタン43,44の操作が有効となる。
このように、電源遮断が発生しない場合、兼用表示部66における停止順対応表示は、全リール32L,32M,32Rの加速期間が終了するとともにストップボタン42〜44の操作が有効となるタイミングで開始される。一方、電源遮断が発生するとともに、電源復帰後にメイン処理(図14)のステップS103における復帰用処理(図40)が行われた場合、第2演算対象エリア111の停止順フラグに「1」がセットされている状態が維持されているため、第2演算対象エリア111の表示再開フラグに「1」がセットされる。そして、表示再開フラグに「1」がセットされていることに基づいて、停電発生時に回転中であったリール32M,32Rの回転制御が開始されるタイミングで、兼用表示部66にて停止順対応表示が再開される。当該停止順対応表示が再開されるタイミングは、脱調発生時に回転中であったリール32M,32Rの再加速期間が終了して当該リール32M,32Rに対応するストップボタン43,44の操作が有効となるタイミングよりも前のタイミングである。
電源復帰後に停止順対応表示を再開するタイミングを、電源遮断前に回転中であったリール32M,32Rの再加速が終了したタイミングとすると、全リール32L,32M,32Rの加速が終了したタイミングで兼用表示部66に1度表示された停止順対応表示が電源復帰後に一時的に確認できない状態となってしまう。これに対して、電源復帰時に停止順対応表示を開始させる構成であることにより、電源復帰後すぐに停止順対応表示を確認可能な状態に戻すことができる。
上記のとおり、役の抽選処理(図17)にて停止順報知の対象となる当選データが設定された場合、リール32L,32M,32Rの加速期間が終了してストップボタン42〜44の操作が有効となるタイミングで、第2演算対象エリア111の右側兼用表示部用カウンタ136に停止順対応表示用の表示データがセットされるとともに、左側兼用表示部用カウンタ135にオール「0」の表示データがセットされる。また、第2演算対象エリア111の停止順対応表示中フラグ138に「1」がセットされる。停止順対応表示中フラグ138に「1」がセットされている状態でタイマ割込み処理(図15)のステップS210にて表示制御処理(図56)が実行されることにより、各兼用表示部用カウンタ135,136にセットされている表示データが兼用表示部66に出力されて、兼用表示部66にて停止順対応表示が行われる。このため、リール32L,32M,32Rの加速期間が終了してストップボタン42〜44の操作が有効となるタイミングで、停止順対応表示を開始することができる。よって、遊技者によってストップボタン42〜44の有効な操作が行われるタイミングにおいて、兼用表示部66にて停止順対応表示が行われている状態とすることができる。
第2演算対象エリア111における第1〜第3停止順フラグのいずれかに「1」がセットされている状態は、電源が遮断されても電源復帰後にメイン処理(図14)のステップS103において復帰用処理(図40)が実行され、エラー状態が発生することなく電源遮断前の処理状態に復帰する場合には維持される。このため、リール32L,32M,32Rの回転中に電源が遮断され、設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく電源復帰が行われた場合、電源復帰のタイミングにおいて、停止順フラグに「1」がセットされていることに基づいて、兼用表示部66にて停止順対応表示を再開させるための処理を実行することができる。電源復帰後に、ストップボタン42〜44の操作が有効となるタイミングで停止順対応表示を開始する構成とすると、電源遮断前にリール32L,32M,32Rの加速期間が終了したタイミングで兼用表示部66に1度表示された停止順対応表示が電源復帰後に一時的に確認できない状態となってしまう。これに対して、電源復帰時に停止順対応表示を再開する構成であることにより、電源復帰後すぐに停止順対応表示を確認可能とすることができる。
主側MPU72は、リールインデックスセンサから受信する検知信号に基づいてリール32L,32M,32Rの脱調を把握する。脱調を把握した場合、脱調発生時に回転中であった全てのリール32L,32M,32Rを停止させるための処理を行った後、当該リール32L,32M,32Rを再加速させるための処理を行う。このため、リール32L,32M,32Rの脱調が発生した場合に、遊技ホールの管理者によるメンテナンスを不要としながら、リール32L,32M,32Rを再加速させることができる。これにより、遊技ホールの管理者によるメンテナンス負担を軽減することができる。
一部のリール32L,32M,32Rのみが回転している状況で電源が遮断され、設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく電源復帰が行われて電源遮断前の処理状態に復帰した場合、主側MPU72は電源遮断前に回転していたリール32L,32M,32Rのみを回転させるための制御を行う。このため、電源遮断前に停止させたリール32L,32M,32Rを再び停止させる操作を不要として、電源遮断の影響を抑えることができる。電源遮断前に停止されたリール32L,32M,32Rを再び停止させる必要がある構成とすると、電源遮断前にメインラインML上に所望の図柄が停止するタイミングで停止操作が行われていたにもかかわらず、電源復帰後に当該所望の図柄が停止しない事態が生じてしまう可能性がある。これに対して、電源遮断前に回転していたリール32L,32M,32Rのみの回転を再開させる構成であることにより、当該事態を回避することができる。
設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく電源復帰が行われて電源遮断前の処理状態に復帰した場合には、ゲームの開始操作(スタートレバー41の操作)を不要として電源遮断前に回転中であったリール32L,32M,32Rの回転が再開される。このため、リール32L,32M,32Rの回転再開に際して遊技媒体が余計に消費されてしまうことを防止することができる。これにより、電源遮断の発生によって遊技者が不当な不利益を被ってしまうことを防止することができる。
全部又は一部のリール32L,32M,32Rが回転している状況において電源が遮断され、電源復帰時に設定キー挿入孔57のON操作が行われてメイン処理(図14)にて一部クリア処理(ステップS106)又は全部クリア処理(ステップS107)が実行された場合、当該電源復帰後にスタートレバー41の有効な操作が行われるまでリール32L,32M,32Rの回転制御は行われない。遊技ホールの管理者は、電源復帰を行う場合に、電源遮断前に行われていたゲームを再開させる場合と、当該ゲームが終了した状態とする場合とを選択することができる。
<抽選テーブルを選択するための構成>
次に、役の抽選処理(図17)において設定値、遊技状態及び抽選モードの組合せに対応する抽選テーブルを選択するための構成について説明する。
図48に示すように、第2演算対象エリア111には、第1RTモードフラグ151、第2RTモードフラグ152及び内部RT状態フラグ153が設けられている。第1RTモードフラグ151は抽選モードが第1RTモードであることを主側MPU72にて把握可能とするフラグであり、第2RTモードフラグ152は抽選モードが第2RTモードであることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。第1RTモードフラグ151及び第2RTモードフラグ152の値が「0」である状態は、抽選モードが通常モードである状態に対応している。内部RT状態フラグ153は、遊技状態が内部RT状態ST2であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。
既に説明したとおり、第2演算対象エリア111には、第1〜第4BB状態ST3であることを主側MPU72にて把握可能とするBBフラグ、及び第1〜第2RB状態ST4であることを主側MPU72にて把握可能とするRBフラグが設けられている。役の抽選処理(図17)において抽選テーブルは、スロットマシン10の設定値に加えて、これら第1RTモードフラグ151、第2RTモードフラグ152、内部RT状態フラグ153、BBフラグ及びRBフラグの状態に基づいて選択される。
次に、主側MPU72にて実行される抽選テーブル選択処理について図66のフローチャートを参照しながら説明する。抽選テーブル選択処理は役の抽選処理(図17)のステップS402にて実行される。なお、抽選テーブル選択処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
抽選テーブル選択処理では、まず第2演算対象エリア111における設定値カウンタの値を参照することによりスロットマシン10における現状の設定値を把握する(ステップS3701)。その後、第2演算対象エリア111の内部RT状態フラグ153に「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS3702)、内部RT状態フラグ153に「1」がセットされている場合(ステップS3702:YES)には、ステップS3701にて把握した現状の設定値に対応する内部RT状態用抽選テーブル(図24)を選択する(ステップS3703)。ステップS3703では、第2演算対象エリア111の第1RTモードフラグ151及び第2RTモードフラグ152の状態にかかわらず、内部RT状態用抽選テーブル(図24)を選択する。これにより、内部RT状態ST2では抽選モードにかかわらず内部RT状態用抽選テーブルを選択することができる。
ステップS3702にて否定判定を行った場合、ボーナス状態であるか否かを判定する(ステップS3704)。ステップS3704では、第2演算対象エリア111におけるBBフラグ又はRBフラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行う。ステップS3704にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111の第1RTモードフラグ151及び第2RTモードフラグ152の状態にかかわらず、ボーナス用抽選テーブルを選択する(ステップS3705)。これにより、ボーナス状態では抽選モードにかかわらずボーナス用抽選テーブルを選択することができる。
ステップS3704にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111の第1RTモードフラグ151に「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS3706)、第1RTモードフラグ151に「1」がセットされている場合(ステップS3706:YES)には、ステップS3701にて把握した現状の設定値に対応する第1RTモード用抽選テーブル(図20)を選択する(ステップS3707)。
ステップS3706にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111の第2RTモードフラグ152に「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS3708)、第2RTモードフラグ152に「1」がセットされている場合(ステップS3708:YES)には、ステップS3701にて把握した現状の設定値に対応する第2RTモード用抽選テーブル(図22)を選択する(ステップS3709)。
ステップS3706及びステップS3708にて否定判定を行った場合、すなわち第1RTモードフラグ151及び第2RTモードフラグ152のいずれにも「1」がセットされていない場合には、第2演算対象エリア111における設定値カウンタを参照することにより現状の設定値を把握し、当該把握した設定値に対応する通常モード用抽選テーブル(図18)を選択して(ステップS3710)、本抽選テーブル選択処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される抽選モード制御処理について図67のフローチャートを参照しながら説明する。抽選モード制御処理は遊技終了時の対応処理(図28)のステップS603にて実行される。なお、抽選モード制御処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
抽選モード制御処理では、まずいずれかのRTリプレイ入賞又はいずれかの転落リプレイ入賞が成立したか否かを判定し(ステップS3801)、いずれかのRTリプレイ入賞又はいずれかの転落リプレイ入賞が成立した場合(ステップS3801:YES)には、RTモードフラグ151,152のクリア処理を実行する(ステップS3802)。当該クリア処理では、第2演算対象エリア111における第1RTモードフラグ151及び第2RTモードフラグ152を「0」クリアする。
その後、今回成立したリプレイ入賞が第1RTリプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞であるか否かを判定する(ステップS3803)。ステップS3803にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111の第1RTモードフラグ151に「1」をセットして(ステップS3804)、本抽選モード制御処理を終了する。第1RTモードフラグ151に「1」がセットされることにより、抽選モードが第1RTモードに変更される。
ステップS3803にて否定判定を行った場合には、今回成立したリプレイ入賞が第2RTリプレイ入賞であるか否かを判定する(ステップS3805)。ステップS3805にて否定判定を行った場合には、そのまま本抽選モード制御処理を終了する。このように、第1転落リプレイ入賞が成立した場合には、第2演算対象エリア111における第1RTモードフラグ151及び第2RTモードフラグ152のいずれにも「1」がセットされていない状態となり、抽選モードが通常モードに変更される。一方、ステップS3805にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111の第2RTモードフラグ152に「1」をセットして(ステップS3806)、本抽選モード制御処理を終了する。第2RTモードフラグ152に「1」がセットされることにより、抽選モードが第2RTモードに変更される。
ステップS3801にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されているか否かを判定し(ステップS3807)、ボーナス当選データが設定されている場合(ステップS3807:YES)には、第2演算対象エリア111の内部RT状態フラグ153に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3808)。ステップS3808に否定判定を行った場合には、内部RT状態フラグ153に「1」をセットして(ステップS3809)、本抽選モード制御処理を終了する。内部RT状態フラグ153に「1」がセットされることにより、遊技状態が内部RT状態ST2に移行する。
上記のとおり、抽選モード制御処理では、第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されているとともに内部RT状態フラグ153に「1」がセットされていない場合、内部RT状態フラグ153に「1」がセットされて遊技状態が内部RT状態ST2に移行する。既に説明したとおり、役の抽選処理(図17)においてボーナス当選データが設定された場合、当該ボーナス当選データが設定されたゲームにおいてボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立した場合にはボーナス状態に移行するとともにボーナス当選データがクリアされる。一方、ボーナス当選データが設定されたゲームにおいてボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立しなかった場合には、抽選モード制御処理(図67)にて内部RT状態フラグ153に「1」がセットされて内部RT状態ST2に移行するとともに第2演算対象エリア111に設定されているボーナス当選データが記憶保持される。ボーナス当選データは、全部クリア処理(メイン処理(図14)のステップS107)が行われる場合を除き、当選となったゲームの次以降のゲームであっても対応するボーナス入賞が成立するまで記憶保持される。
既に説明したとおり、抽選テーブル選択処理(図66)では、スロットマシン10の設定値に加えて、第2演算対象エリア111の第1RTモードフラグ151、第2RTモードフラグ152、内部RT状態フラグ153、BBフラグ及びRBフラグの状態に基づいて抽選テーブルが選択される。第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されたゲームでは、停止図柄の組合せに応じて当該ボーナス当選に対応するボーナス入賞が成立するか否かが決まる。また、役の抽選処理(図17)にて第2演算対象エリア111に第1RTリプレイ役、第2RTリプレイ役、第1転落リプレイ役、又は第2転落リプレイ役の当選データが設定された場合には、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて、当該当選データに対応する第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞が成立するか否かが決まる。全リール32L,32M,32Rの停止後に行われる抽選モード制御処理(図67)において、第1RTモードフラグ151、第2RTモードフラグ152及び内部RT状態フラグ153の状態を変更する処理を行う構成であることにより、抽選テーブルを選択する際に参照される設定値以外の情報を設定する処理を全リール32L,32M,32Rの回転停止後に行われる抽選モード制御処理(図67)に集約することができる。
次に、役の抽選処理(図17)においてボーナス当選データが設定されたゲームにおいてボーナス状態又は内部RT状態ST2への移行が行われる前に電源が遮断された場合について説明する。
設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく動作電力の供給が開始された場合、メイン処理(図14)のステップS103における復電用処理(図40)が実行される。図40を参照しながら既に説明したとおり、復電用処理では、ステップS1804にてバックアップ異常確認処理(図41)が実行された後、非特定制御用のワークエリア102におけるバックアップ異常フラグ113に「1」がセットされておらず(ステップS1806:NO)、第2演算対象エリア111における設定値カウンタの値が正常な設定値の範囲内(具体的には「1」〜「6」の範囲内)であり(ステップS1807:YES)、第2演算対象エリア111の停電フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1808:YES)、一部クリア処理(メイン処理(図14)のステップS106)及び全部クリア処理(メイン処理(図14)のステップS107)が実行されることなく電源遮断前の処理状態に復帰する。
第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されたゲームにおいてボーナス状態又は内部RT状態ST2への移行が行われる前に電源が遮断され、一部クリア処理(ステップS106)及び全部クリア処理(ステップS107)が実行されることなく電源遮断前の処理状態に復帰した場合には、第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されている状態で電源遮断前に途中まで実行されていたゲームが再開される。そして、当該ゲームにおいて第2演算対象エリア111に設定されているボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立した場合にはボーナス状態に移行するとともに、第2演算対象エリア111に設定されているボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立しなかった場合には第2演算対象エリア111の内部RT状態フラグ153に「1」がセットされて内部RT状態ST2に移行する。
既に説明したとおり、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態で電源復帰が行われた場合(ステップS102:YES)、メイン処理(図14)では、第2演算対象エリア111のエラー状態フラグに「1」がセットされていること(ステップS104:YES)、又はリセットボタン56の押圧操作が行われている状態であること(ステップS105:YES)を条件として、全部クリア処理(図43)が実行される。全部クリア処理(図43)では、第2演算対象エリア111に記憶されていた遊技状態に関する情報及び第2演算対象エリア111に設定されていたボーナス当選データが消去される。
既に説明したとおり、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態であるとともに、リセットボタン56の押圧操作が行われていない状態で動作電力の供給が開始された場合(ステップS102:YES、ステップS105:NO)、メイン処理(図14)では、第2演算対象エリア111のエラー状態フラグに「1」がセットされていないこと(ステップS104:NO)を条件として、一部クリア処理(ステップS106)が実行される。
ここで、主側MPU72にて実行される一部クリア処理について図68のフローチャートを参照しながら説明する。なお、一部クリア処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
一部クリア処理では、まず特定制御用のワークエリア103の一部クリア処理を実行する(ステップS3901)。当該一部クリア処理では、特定制御用のワークエリア103における記憶エリアのうち、スロットマシン10における現状の設定値を把握するための情報、現状の遊技状態を把握するための情報、現状の遊技区間を把握するための情報、現状の抽選モードを把握するための情報、貯留記憶されている仮想メダルの数の情報、及びボーナス当選データが記憶されている記憶エリアを除く記憶エリアを「0」クリアする。特定制御用のワークエリア103の一部クリア処理(ステップS3901)が実行されることにより、特定制御用のワークエリア103の第2演算対象エリア111に設定されていた当選データのうちボーナス当選データ以外の当選データが消去される。また、特定制御用のワークエリア103の一部クリア処理(ステップS3901)が実行されることにより、リール32L,32M,32Rの回転制御に関する情報が消去される。このため、電源遮断前に1つ以上のリール32L,32M,32Rが回転している状態であったとしても、電源復帰後に一部クリア処理(図68)が実行された場合には、新たに遊技媒体がベットされてスタートレバー41の操作が行われるまでリール32L,32M,32Rの回転は開始されない。さらにまた、特定制御用のワークエリア103の一部クリア処理(ステップS3901)が実行されることにより、兼用表示部66にて停止順対応表示を行うための情報も消去される。このため、電源遮断前に兼用表示部66にて停止順対応表示が行われている状態であったとしても、電源復帰後に一部クリア処理(図68)が実行された場合には、兼用表示部66にて停止順対応表示が再開されることはない。
その後、特定制御用のワークエリア103の一部初期化処理を実行する(ステップS3902)。当該一部初期化処理では、特定制御用のワークエリア103における記憶エリアのうちステップS3901にて「0」クリアされた記憶エリアについて初期設定を行う。
その後、ステップS3903及びステップS3904では、既に説明した全部クリア処理(図43)のステップS2003及びステップS2004と同様の処理を実行する。具体的には、まず特定制御用のスタックエリア101のクリア処理を実行する(ステップS3903)。当該クリア処理では、特定制御用のスタックエリア101を「0」クリアする。その後、特定制御用のスタックエリア101の初期設定処理を実行する(ステップS3904)。当該初期設定処理では、ステップS3903にてクリアされた特定制御用のスタックエリア101について初期設定を行うとともに、書き込み対象となる記憶エリアが当該特定制御用のスタックエリア101の最終アドレス(Y(r+1))に対応する記憶エリアとなるように主側MPU72のスタックポインタの情報を設定する。
その後、演出側MPU92に対して一部クリアコマンドを送信する(ステップS3905)。一部クリアコマンドは、一部クリア処理(図68)が実行されたことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。その後、一部クリア時の信号出力制御処理を実行する(ステップS3906)。当該信号出力制御処理では、外部装置であるデータカウンタDCに対して一部クリア処理(図68)が実行されたことを示す態様で信号の出力制御を行う。なお、一部クリア時の信号出力制御処理(ステップS3906)の詳細については後述する。
その後、ステップS3907〜ステップS3909では、抽選モード制御処理(図67)のステップS3807〜ステップS3809と同様の処理を実行する。具体的には、第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されているか否かを判定し(ステップS3907)、ボーナス当選データが設定されている場合(ステップS3907:YES)には、第2演算対象エリア111の内部RT状態フラグ153に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS3908)。ステップS3908に否定判定を行った場合には、内部RT状態フラグ153に「1」をセットして(ステップS3909)、本抽選モード制御処理を終了する。内部RT状態フラグ153に「1」がセットされることにより、遊技状態が内部RT状態ST2に移行する。
役の抽選処理(図17)においてボーナス当選データが設定されたゲームにおいてボーナス状態又は内部RT状態ST2への移行が行われる前に電源が遮断された場合、第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されているとともに、遊技状態が内部RT状態ST2ではない状態となる。一部クリア処理(図68)が実行されても第2演算対象エリア111に記憶されている遊技状態に関する情報及び第2演算対象エリア111に設定されたボーナス当選データは消去されない。第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されているとともに遊技状態が内部RT状態ST2ではない状態において、一部クリア処理(図68)が実行された場合には、第2演算対象エリア111の内部RT状態フラグ153に「1」がセットされることにより、遊技状態が内部RT状態ST2に移行する。このため、第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されたにも関わらず、ボーナス状態又は内部RT状態ST2への移行が行われる前に電源が遮断されてしまったことが原因となって、内部RT状態ST2に移行する機会が失われてしまうことを防止することができる。
一部クリア処理(図68)が実行されることにより、電源復帰後における最初のゲームが開始されるよりも前に、第2演算対象エリア111の内部RT状態フラグ153に「1」がセットされて遊技状態が内部RT状態ST2に移行する。このため、内部RT状態ST2に移行した状態で電源復帰後における最初のゲームを開始することができる。これにより、ボーナス当選データが設定されてからボーナス入賞が成立するまでの間に開始されるゲームにおいて、内部RT状態用抽選テーブル(図24)以外の抽選テーブルが選択されることを防止することができる。よって、第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されてからボーナス状態又は内部RT状態ST2への移行が行われる前に発生した電源遮断によって遊技者が不当な不利益を被ってしまうことを防止することができる。
次に、図69のタイムチャートを参照しながら内部RT状態ST2に移行する様子について説明する。図69(a)は第2演算対象エリア111における内部RT状態フラグ153の状態を示し、図69(b)は第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されている期間を示し、図69(c)は1つ以上のリール32L,32M,32Rが回転している期間を示し、図69(d)はスロットマシン10への動作電力の供給状態を示し、図69(e)はメイン処理(図14)のステップS106にて一部クリア処理(図68)が開始されるタイミングを示し、図69(f)はゲームが開始されるタイミングを示す。
図69(f)に示すように、t1のタイミングでゲームが開始された後、役の抽選処理(図17)においてボーナス役に当選すると、図69(b)に示すようにt2のタイミングで第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定される。その後、図69(c)に示すようにt3のタイミングで全リール32L,32M,32Rの加速制御が開始される。その後、1つ以上のリール32L,32M,32Rが回転しているt4のタイミングで図69(d)に示すように電源が遮断されると、図69(c)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が停止する。
その後、図69(d)に示すようにt5のタイミングで電源復帰が行われ、図69(e)に示すようにt6のタイミングでメイン処理(図14)にて一部クリア処理(ステップS106)が開始される。当該t6のタイミングにおいて、図69(b)に示すように第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されているとともに、図69(a)に示すように内部RT状態フラグ153に「1」はセットされていない。このため、図69(a)に示すようにt7のタイミングで、一部クリア処理(ステップS106)にて、内部RT状態フラグ153に「1」がセットされる。これにより、遊技状態が内部RT状態ST2に移行する。その後、遊技状態が内部RT状態ST2に移行した後のt8のタイミングで、図69(f)に示すようにゲームが開始される。
このように、役の抽選処理(図17)においてボーナス当選データが設定されたゲームにおいてボーナス状態又は内部RT状態ST2への移行が行われる前に電源が遮断された場合、電源復帰が行われてから最初のゲームが開始されるまでの間に行われる一部クリア処理(図68)にて遊技状態が内部RT状態ST2に移行する。これにより、遊技状態が内部RT状態ST2に移行した状態で、電源復帰後における最初のゲームを開始することができる。
上記のとおり、役の抽選処理(図17)においてボーナス当選が発生したことに基づいて第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定される。その後、ボーナス当選が発生したゲームにおいて当該ボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立した場合には、BBフラグ又はRBフラグに「1」がセットされて遊技状態がボーナス状態に移行する。一方、第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されている状態で当該ボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立しなかった場合には、内部RT状態フラグ153に「1」がセットされて遊技状態が内部RT状態ST2に移行する。役の抽選処理(図17)においてボーナス当選データが設定されるとともに、当該ボーナス当選データが設定されたゲームにおいてボーナス状態又は内部RT状態ST2への移行が行われる前に電源が遮断された場合、第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されているとともに、内部RT状態フラグ153に「1」がセットされていない状態となる。当該状態において電源復帰後にメイン処理(図14)にて一部クリア処理(ステップS106)が実行されると、電源復帰してから最初のゲームが開始される前に内部RT状態フラグ153に「1」がセットされる。このため、電源復帰してから最初に開始されるゲームにおいて選択される抽選テーブルを内部RT状態用抽選テーブル(図24)とすることができるとともに、ボーナス当選が発生してからボーナス入賞が成立するまでの間に開始されるゲームにおいて内部RT状態用抽選テーブル(図24)以外の抽選テーブルが選択されることを防止することができる。これにより、ボーナス当選の発生後に電源遮断が発生することにより遊技者が不当に不利益を被ることを防止することができる。
第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されているとともに、内部RT状態フラグ153に「1」がセットされていない状態において、電源復帰後にメイン処理(図14)のステップS103にて復電用処理(図40)が実行された場合、エラー状態が発生しないことを条件として、第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されている状態で電源遮断により中断したゲームの続きが開始される。このため、当該ゲームにおいて第2演算対象エリア111に設定されているボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立した場合にはBBフラグ又はRBフラグに「1」をセットして遊技状態をボーナス状態に移行させることができる。また、当該ゲームにおいてボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立しなかった場合には内部RT状態フラグ153に「1」をセットして遊技状態を内部RT状態ST2に移行させることができる。これにより、ボーナス当選の発生後に電源遮断が発生することによって遊技者が不当に不利益を被ってしまうことを防止することができる。
第2演算対象エリア111において遊技状態に関する情報が記憶される記憶エリア及びボーナス当選データが設定される記憶エリアは、一部クリア処理(ステップS106)にてクリアの対象となる範囲から除外されている。このため、電源復帰後にメイン処理(図14)にて一部クリア処理(ステップS106)が実行された場合に、電源遮断前に第2演算対象エリア111に記憶されていたボーナス当選データがクリアされてしまうことを防止することができる。これにより、電源復帰後に一部クリア処理(ステップS106)が実行されたとしても、電源遮断前に第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されていたことに基づいて内部RT状態フラグ153に「1」をセットして遊技状態を内部RT状態ST2に移行させることができる。
電源復帰後にメイン処理(図14)にて一部クリア処理(ステップS106)が実行された場合には電源遮断前に行われていたゲームが終了する一方、電源復帰後にメイン処理(図14)にて復帰用処理(ステップS103)が実行された場合には、エラー状態が発生しないことを条件として、電源遮断前に行われていたゲームの続きが実行される。このため、電源遮断が発生する前の状況に近い状況でゲームを再開させることができるとともに、電源遮断の影響を小さくすることができる。
抽選テーブル選択処理(図66)では、スロットマシン10の設定値に加えて、第2演算対象エリア111の第1RTモードフラグ151、第2RTモードフラグ152、内部RT状態フラグ153、BBフラグ及びRBフラグの状態に基づいて抽選テーブルが選択される。第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されたゲームでは、停止図柄の組合せに応じて当該ボーナス当選に対応するボーナス入賞が成立するか否かが決まる。また、役の抽選処理(図17)にて第2演算対象エリア111に第1RTリプレイ役、第2RTリプレイ役、第1転落リプレイ役、又は第2転落リプレイ役の当選データが設定された場合には、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞が成立するか否かが決まる。全リール32L,32M,32Rの停止後に行われる抽選モード制御処理(図67)において、第1RTモードフラグ151、第2RTモードフラグ152及び内部RT状態フラグ153の状態を変更する処理を行う構成であることにより、抽選テーブルを選択する際に参照される設定値以外の情報を設定する処理を全リール32L,32M,32Rの回転停止後に行われる抽選モード制御処理(図67)に集約することができる。
<示唆動作を行うための構成>
次に、スロットマシン10の設定値を示唆する示唆動作を行うための構成について説明する。
本実施形態では、スロットマシン10の設定値を示唆する示唆動作として、打止及び自動精算が行われる。示唆動作として打止が行われる場合には、打止解除操作としてリセットボタン56の操作が行われるまで上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて打止状態報知が行われる打止状態となる。打止では、打止解除操作が行われるまで新たなゲームを開始することができない。示唆動作として自動精算が行われる場合には、精算ボタン51の操作が行われていないにも関わらず、第2演算対象エリア111のクレジットカウンタに貯留記憶されている全ての仮想メダルの数に対応するメダルの払い出しが自動的に行われる。自動精算では、当該メダルの払い出しの終了後に新たなゲームを開始することが可能な状態となる。
示唆動作は、示唆動作の設定が行われている状態で当該示唆動作の開始契機が発生した場合に行われ得る。本スロットマシン10では、示唆動作の開始契機として、「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」及び「ボーナス状態の終了」の2種類が存在しており、遊技ホールの管理者はこれら2種類の開始契機のいずれかを選択することができる。本実施形態において、所定示唆基準数は「400」に設定されているが、所定示唆基準数が「400」よりも小さい値である構成としてもよく、所定示唆基準数が「400」よりも大きい値である構成としてもよい。
示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている状態で有利区間SC2が終了した場合、当該終了した有利区間SC2の開始時からの遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数(具体的には「400」)以上であることを条件として示唆動作の開始契機が発生したと判定される。一方、当該終了した有利区間SC2における遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数(具体的には「400」)未満である場合には、示唆動作の開始契機が発生したとは判定されない。既に説明したとおり、遊技媒体の制限付き合計純増枚数とは、「有利区間SC2が継続している状況で実行されたゲームにより付与された遊技媒体の合計数(遊技媒体の付与が発生していない状況では「0」)」から「有利区間SC2が継続されている状況でゲームを実行するために消化された遊技媒体の合計数(ゲームが実行されていない状況では「0」)」を減算した値を所定差枚数とした場合において、当該所定差枚数の最小値を所定基準値として、当該所定基準値からの上記所定差枚数の増加分の枚数のことである。主側MPU72は、第2演算対象エリア111における合計獲得数カウンタを参照することにより遊技媒体の制限付き合計純増枚数を把握する。
既に説明したとおり、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態で電源が投入された場合、メイン処理(図14)にて一部クリア処理(ステップS106)又は全部クリア処理(ステップS107)が実行された後に設定値更新処理(ステップS109)が実行される。設定値更新処理(ステップS109)では、更新後の設定値が確定されるまでの間に、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定を行うことが可能となる。
示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定の説明に先立ち、設定値更新処理(ステップS109)において設定値の更新が行われる様子について説明する。図70(a)は設定値の更新が行われている状態におけるクレジット表示部65の表示態様を説明するための説明図である。
図70(a)に示すように、設定値更新処理(ステップS109)が開始された場合、クレジット表示部65では更新後の設定値を選択可能とする設定値更新用表示が行われる。設定値更新用表示では、クレジット表示部65の左側セグメント表示器65aに設定値更新処理(ステップS109)の実行中であることを識別可能とする識別文字としてアルファベットの「E」の文字が点滅表示されるとともに、右側セグメント表示器65bに確定前の設定値(「1」〜「6」のいずれか)を示す数字が点滅表示される。例えば、確定前の設定値が「3」である場合には、図70(a)に示すようにクレジット表示部65の表示が「E3」となる。
当該点滅表示では、これら「E」の文字及び確定前の設定値を示す数字が0.5秒間に亘って表示される点灯状態と、0.5秒間に亘って非表示となる消灯状態とが繰り返される。点滅表示は、確定操作としてスタートレバー41の操作が行われるまで継続される。
遊技ホールの管理者は、クレジット表示部65にて当該点滅表示が行われている状態において、リセットボタン56を操作することにより右側セグメント表示器65bに表示されている確定前の設定値を、「1」→「2」→…→「6」→「1」の順番で更新することができるとともに、スタートレバー41を操作することにより当該更新後の設定値を確定させることができる。確定操作(スタートレバー41の操作)が行われた場合には、点滅表示が終了して、クレジット表示部65の左側セグメント表示器65aに「E」の文字が点灯表示されるとともに、右側セグメント表示器65bに確定した更新後の設定値(「1」〜「6」のいずれか)を示す数字が点灯表示される。
図48に示すように、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111には、示唆動作フラグ154及び契機種別フラグ155が設けられている。示唆動作フラグ154は、設定値更新処理(ステップS109)が実行された後において最初に示唆動作の開始契機が発生したことに基づいて示唆動作を実行するための処理を行う設定が行われていることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。示唆動作を実行するための処理とは、後述する第1示唆動作用処理(図75)のステップS4304〜ステップS4313及びステップS4317〜ステップS4318の処理である。
設定されている示唆動作の開始契機が発生した場合、示唆動作フラグ154に「1」がセットされている状態であれば示唆動作を実行するための処理が実行される一方、示唆動作フラグ154に「1」がセットされていない状態であれば示唆動作を実行するための処理は実行されない。なお、示唆動作を実行するための処理が実行されたとしても後述する第1〜第3示唆動作抽選において外れ結果となった場合、示唆動作は行われない。
契機種別フラグ155は、現状において選択されている示唆動作の開始契機の種類を主側MPU72にて把握可能とするフラグである。契機種別フラグ155に「0」がセットされている状態は、示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている状態であるとともに、契機種別フラグ155に「1」がセットされている状態は、示唆動作の開始契機として「ボーナス状態の終了」が選択されている状態である。
示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報は、兼用表示部66に表示され、遊技ホールの管理者は兼用表示部66に表示される当該情報を見ながら示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類を設定する。図7(a)を参照しながら既に説明したとおり、兼用表示部66は7セグメント表示器である左側セグメント表示器66a及び右側セグメント表示器66bを備えており、これら左側セグメント表示器66a及び右側セグメント表示器66bは共通表示領域68において横方向に並設されている。
設定値更新処理(ステップS109)では、クレジット表示部65にて点滅表示が行われている状況、すなわち確定操作(スタートレバー41の操作)が行われていない状況において、兼用表示部66にて示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を設定するための示唆動作設定用表示が行われる。図70(b)は示唆動作設定用表示が行われている状態における兼用表示部66の表示態様を説明するための説明図である。
図70(b)に示すように、示唆動作設定用表示では、兼用表示部66の左側セグメント表示器66aにて示唆動作フラグ154の値に対応する「0」又は「1」の数字の点滅表示が行われるとともに、右側セグメント表示器66bにて契機種別フラグ155の値に対応する「A」又は「C」のアルファベットの点滅表示が行われる。具体的には、示唆動作フラグ154の値が「0」である場合には左側セグメント表示器66aに「0」の数字が点滅表示されるとともに、示唆動作フラグ154の値が「1」である場合には左側セグメント表示器66aに「1」の数字が点滅表示される。このため、遊技ホールの管理者は、左側セグメント表示器66aに「0」の数字が点滅表示されている場合に示唆動作の設定が行われていない状態であることを把握することができるとともに、左側セグメント表示器66aに「1」の数字が点滅表示されている場合に示唆動作の設定が行われている状態であることを把握することができる。
契機種別フラグ155の値が「0」である場合には右側セグメント表示器66bにアルファベットの「A」の識別文字が点滅表示されるとともに、契機種別フラグ155の値が「1」である場合には右側セグメント表示器66bにアルファベットの「C」の識別文字が点滅表示される。このため、遊技ホールの管理者は、右側セグメント表示器66bに「A」の識別文字が点滅表示されている場合に示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている状態であることを把握することができるとともに、右側セグメント表示器66bに「C」の識別文字が点滅表示されている場合に示唆動作の開始契機として「ボーナス状態の終了」が選択されている状態であることを把握することができる。
例えば、示唆動作フラグ154の値が「1」であるとともに、契機種別フラグ155の値が「0」である場合には、図70(b)に示すように、兼用表示部66の表示が「1A」となる。兼用表示部66にて行われる点滅表示では、クレジット表示部65にて行われる点滅表示と同様に、0.5秒間に亘る点灯状態と、0.5秒間に亘る消灯状態とが繰り返される。遊技ホールの管理者は、クレジット表示部65及び兼用表示部66にて点滅表示が行われていることを確認することにより、更新後の設定値の設定と、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報の設定とが確定していない状態であることを把握することができる。
既に説明したとおり、兼用表示部66では小役入賞の成立に基づいて遊技媒体の付与数を確認可能とする付与数表示、停止順対応表示及び示唆動作設定用表示が行われるが、右側セグメント表示器66bにアルファベットの「A」又は「C」の識別文字が表示されるのは、兼用表示部66にて示唆動作設定用表示が行われている場合に限られている。このため、遊技ホールの管理者は、右側セグメント表示器66bに「A」又は「C」の識別文字が表示されていることを確認することにより、兼用表示部66にて示唆動作設定用表示が行われていることを把握することができる。
遊技ホールの管理者は、兼用表示部66にて点滅表示が行われている状態において、左ストップボタン42を操作することにより兼用表示部66の左側セグメント表示器66aに表示されている示唆動作フラグ154に対応する数字(「0」又は「1」の数字)を更新することができるとともに、右ストップボタン44を操作することにより兼用表示部66の右側セグメント表示器66bに表示されている契機種別フラグ155に対応するアルファベットの識別文字(「A」又は「C」の文字)を更新することができる。なお、左ストップボタン42、中ストップボタン43及び右ストップボタン44のうち示唆動作の有無に関する設定を行うために操作されるストップボタン及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定を行うために操作されるストップボタンの組合せは、左ストップボタン42及び右ストップボタン44の組合せに限定されることはなく任意である。
更新後の設定値の設定、並びに示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定は、クレジット表示部65及び兼用表示部66にて点滅表示が行われている状況において、確定操作(スタートレバー41の操作)が行われることにより確定される。確定操作が行われた場合には、クレジット表示部65及び兼用表示部66における表示が点滅表示から点灯表示に変化する。リセットボタン56、左ストップボタン42又は右ストップボタン44の操作が行われてクレジット表示部65又は兼用表示部66の表示が更新されても、確定操作が行われるまでは第2演算対象エリア111における設定値カウンタ、示唆動作フラグ154及び契機種別フラグ155の値は更新されず、確定操作が行われることにより、設定値カウンタ、示唆動作フラグ154及び契機種別フラグ155の値が書き換えられる。
遊技ホールの管理者は、クレジット表示部65及び兼用表示部66にて点滅表示が行われている場合に、第2演算対象エリア111における設定値カウンタ、示唆動作フラグ154及び契機種別フラグ155の値が更新されていない状態であり、確定操作を行うべきであることを把握することができる。そして、クレジット表示部65及び兼用表示部66における表示が点滅表示から点灯表示に変化したことを確認することにより、更新後の設定値の設定、並びに示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定が確定したことを把握することができる。
次に、主側MPU72にて実行される設定値更新処理について図71のフローチャートを参照しながら説明する。設定値更新処理はメイン処理(図14)のステップS109にて実行される。なお、設定値更新処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
設定値更新処理では、まず第2演算対象エリア111に設けられた設定値更新中フラグに「1」をセットする(ステップS4001)。既に説明したとおり、設定値更新中フラグは、クレジット表示部65にて設定値を更新するための表示が行われていることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。設定値更新中フラグに「1」がセットされることにより、タイマ割込み処理(図15)のステップS210における表示部制御処理(図56)にて各クレジット表示部用カウンタ129,131の表示データがクレジット表示部65に出力されるようになるとともに、各兼用表示部用カウンタ135,136の表示データが兼用表示部66に出力されるようになる。
その後、点滅表示の開始設定処理を実行する(ステップS4002)。図72は点滅表示の開始設定処理を示すフローチャートである。なお、点滅表示の開始設定処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
点滅表示の開始設定処理では、第2演算対象エリア111における設定値カウンタの値を第2演算対象エリア111に設けられた確定前設定値カウンタにセットする(ステップS4101)。確定前設定値カウンタは、クレジット表示部65にて更新される確定前の設定値(「1」〜「6」のいずれかの数値情報)がセットされるカウンタである。設定値カウンタの値が確定前設定値カウンタにセットされることにより、確定前設定値カウンタに現状におけるスロットマシン10の設定値がセットされている状態となる。その後、確定前設定値カウンタの値が正常な設定値(「1」〜「6」)の範囲内であるか否かを判定し(ステップS4102)、正常な設定値の範囲から外れている場合(ステップS4102:NO)には、確定前設定値カウンタに「1」をセットする(ステップS4103)。
ステップS4102にて肯定判定を行った場合、又はステップS4103の処理を行った場合には、設定値の更新を行っている状況であることを識別可能とするアルファベットの「E」の識別文字に対応する表示データを第2演算対象エリア111の左側クレジット表示部用カウンタ129にセットする(ステップS4104)。その後、第2演算対象エリア111における確定前設定値カウンタの値に対応する数字の表示データを第2演算対象エリア111の右側クレジット表示部用カウンタ131にセットする(ステップS4105)。
その後、第2演算対象エリア111における示唆動作フラグ154の値を第2演算対象エリア111に設けられた確定前示唆動作フラグにセットする(ステップS4106)。確定前示唆動作フラグは、兼用表示部66の左側セグメント表示器66aにて更新される確定前の示唆動作の有無に関する情報がセットされるフラグである。その後、確定前示唆動作フラグの値に対応する「0」又は「1」の数字の表示データを第2演算対象エリア111における左側兼用表示部用カウンタ135にセットする(ステップS4107)。
その後、第2演算対象エリア111における契機種別フラグ155の値を第2演算対象エリア111に設けられた確定前契機種別フラグにセットする(ステップS4108)。確定前契機種別フラグは、兼用表示部66の右側セグメント表示器66bにて更新される確定前における示唆動作の開始契機の種類に関する情報がセットされるフラグである。その後、確定前契機種別フラグの値に対応する「A」又は「C」の識別文字の表示データを第2演算対象エリア111における右側兼用表示部用カウンタ136にセットする(ステップS4109)。
その後、第2演算対象エリア111の点滅表示フラグ137に「1」をセットして(ステップS4110)、本点滅表示の開始設定処理を終了する。点滅表示フラグ137に「1」がセットされることにより、クレジット表示部65及び兼用表示部66にて点滅表示が開始されることとなる。これにより、遊技ホールの管理者は、更新後の設定値の設定、並びに示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報の設定が確定していない状態であることを把握可能となる。
設定値更新処理(図71)の説明に戻り、ステップS4002にて点滅表示の開始設定処理を実行した後は、更新中処理を実行する(ステップS4003)。図73は更新中処理を示すフローチャートである。なお、更新中処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
更新中処理では、まずリセットボタン56の押圧操作が行われたか否かを判定する(ステップS4201)。ステップS4201にて肯定判定を行った場合、第2演算対象エリア111における確定前設定値カウンタの値を1加算する(ステップS4202)。その後、確定前設定値カウンタの値が「7」以上であるか否かを判定し(ステップS4203)、確定前設定値カウンタの値が「7」以上である場合(ステップS4203:YES)には、確定前設定値カウンタに「1」をセットする(ステップS4204)。
その後、第2演算対象エリア111における確定前設定値カウンタの値に対応する「1」〜「6」のいずれかの数字の表示データを第2演算対象エリア111における右側クレジット表示部用カウンタ131にセットする(ステップS4205)。これにより、クレジット表示部65の右側セグメント表示器65bにおける確定前の設定値の表示が更新されることとなる。既に説明したとおり、確定前設定値カウンタの値が更新されても確定操作(スタートレバー41の操作)が行われるまでは第2演算対象エリア111における設定値カウンタの値は更新されない。
ステップS4201にて否定判定を行った場合、ステップS4203にて否定判定を行った場合、又はステップS4205の処理を行った場合には、左ストップボタン42の操作が行われたか否かを判定する(ステップS4206)。ステップS4206にて肯定判定を行った場合、第2演算対象エリア111における確定前示唆動作フラグの値を反転させる(ステップS4207)。具体的には、確定前示唆動作フラグの値が「0」である状態において左ストップボタン42の操作が行われた場合には確定前示唆動作フラグに「1」をセットするとともに、確定前示唆動作フラグの値が「1」である状態において左ストップボタン42の操作が行われた場合には確定前示唆動作フラグを「0」クリアする。
その後、第2演算対象エリア111における確定前示唆動作フラグの値に対応する「0」又は「1」の数字に対応する表示データを第2演算対象エリア111における左側兼用表示部用カウンタ135にセットする(ステップS4208)。これにより、兼用表示部66の左側セグメント表示器66aにおける確定前の示唆動作の有無に関する情報の表示が更新されることとなる。既に説明したとおり、確定前示唆動作フラグの値が更新されても確定操作(スタートレバー41の操作)が行われるまでは第2演算対象エリア111における示唆動作フラグ154の値は更新されない。
ステップS4206にて否定判定を行った場合、又はステップS4208の処理を行った場合には、右ストップボタン44の操作が行われたか否かを判定する(ステップS4209)。ステップS4209にて肯定判定を行った場合、第2演算対象エリア111における確定前契機種別フラグの値を反転させる(ステップS4210)。具体的には、確定前契機種別フラグの値が「0」である状態において右ストップボタン44の操作が行われた場合には確定前契機種別フラグに「1」をセットするとともに、確定前契機種別フラグの値が「1」である状態において右ストップボタン44の操作が行われた場合には確定前契機種別フラグを「0」クリアする。
その後、第2演算対象エリア111における確定前契機種別フラグの値に対応する「A」又は「C」の識別文字に対応する表示データを第2演算対象エリア111における右側兼用表示部用カウンタ136にセットして(ステップS4211)、本更新中処理を終了する。確定前契機種別フラグの値に対応する当該表示データが右側兼用表示部用カウンタ136にセットされることにより、兼用表示部66の右側セグメント表示器66bの確定前における示唆動作の開始契機の種類に関する情報についての表示が更新されることとなる。既に説明したとおり、確定前契機種別フラグの値が更新されても確定操作(スタートレバー41の操作)が行われるまでは第2演算対象エリア111における契機種別フラグ155の値は更新されない。
このように、遊技ホールの管理者は、クレジット表示部65及び兼用表示部66にて点滅表示が行われている状況において、リセットボタン56の押圧操作を行うことによりクレジット表示部65における確定前の設定値の表示を「1」〜「6」の範囲内で更新することができる。また、当該点滅表示が行われている状況において、左ストップボタン42の操作を行うことにより兼用表示部66の左側セグメント表示器66aにおける示唆動作の有無に関する情報の表示を「0」又は「1」に切り換えることができる。さらにまた、当該点滅表示が行われている状況において、右ストップボタン44の操作を行うことにより兼用表示部66の右側セグメント表示器66bにおける示唆動作の開始契機の種類に関する情報の表示を「A」又は「C」に切り換えることができる。
設定値更新処理(図71)の説明に戻り、ステップS4003にて更新中処理を実行した後は、設定キー挿入孔57がOFF状態に切り換えられているか否かを判定する(ステップS4004)。ステップS4004にて否定判定を行った場合には、確定操作(スタートレバー41の操作)が行われたか否かを判定する(ステップS4005)。ステップS4005にて否定判定を行った場合には、ステップS4003に戻り、ステップS4004又はステップS4005にて肯定判定が行われるまで、ステップS4003〜ステップS4005の処理を繰り返し実行する。
確定操作が行われた場合(ステップS4005:YES)には、スロットマシン10の設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定を確定するための処理(ステップS4006〜ステップS4009の処理)を実行する。具体的には、まず第2演算対象エリア111における確定前設定値カウンタの値を第2演算対象エリア111における設定値カウンタにセットする(ステップS4006)。これにより、スロットマシン10の設定値を、遊技ホールの管理者がリセットボタン56の押圧操作を行うことにより更新したクレジット表示部65の右側セグメント表示器65bに表示されている値に更新することができる。
その後、第2演算対象エリア111における確定前示唆動作フラグの値を第2演算対象エリア111における示唆動作フラグ154にセットする(ステップS4007)。これにより、示唆動作の有無に関する設定を、遊技ホールの管理者が左ストップボタン42の操作を行うことにより更新した兼用表示部66の左側セグメント表示器66aの表示に対応する設定に更新することができる。具体的には、左側セグメント表示器66aに「0」が表示されている場合には、示唆動作の開始契機が発生したとしても示唆動作を実行するための処理を実行しない設定が行われている状態となるとともに、左側セグメント表示器66aに「1」が表示されている場合には、示唆動作の開始契機が発生したことに基づいて示唆動作を実行するための処理を実行する設定が行われている状態となる。
その後、第2演算対象エリア111における確定前契機種別フラグの値を第2演算対象エリア111における契機種別フラグ155にセットする(ステップS4008)。これにより、示唆動作の開始契機の種類に関する設定を、遊技ホールの管理者が右ストップボタン44の操作を行うことにより更新した兼用表示部66の右側セグメント表示器66bの表示に対応する設定に更新することができる。具体的には、右側セグメント表示器66bに「A」の識別文字が表示されている場合には、示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている状態となるとともに、右側セグメント表示器66bに「C」の識別文字が表示されている場合には、示唆動作の開始契機として「ボーナス状態の終了」が選択されている状態となる。
その後、第2演算対象エリア111の点滅表示フラグ137を「0」クリアする(ステップS4009)。これにより、クレジット表示部65及び兼用表示部66にて行われていた点滅表示を点灯表示に切り換えることができる。遊技ホールの管理者は、クレジット表示部65及び兼用表示部66にて点灯表示が開始されたことを確認することにより、スロットマシン10の設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定が確定されたことを把握することができる。
その後、設定キー挿入孔57がOFF状態に切り換えられているか否かを判定する(ステップS4010)。ステップS4010にて否定判定を行った場合には、設定キー挿入孔57がOFF状態に切り換えられるまで、ステップS4010の判定処理を繰り返し実行する。
ステップS4004にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111の点滅表示フラグ137を「0」クリアする(ステップS4011)。確定操作が行われることなく設定キー挿入孔57のOFF状態への切り換えが行われた場合、すなわちクレジット表示部65及び兼用表示部66における点滅表示が終了しないまま設定キー挿入孔57のOFF状態への切り換えが行われた場合には、点滅表示フラグ137が「0」クリアされることにより、クレジット表示部65及び兼用表示部66にて点滅表示が行われない状態となる。
ステップS4010にて肯定判定を行った場合、又はステップS4011の処理を行った場合には、確定前情報のクリア処理を実行する(ステップS4012)。確定前情報のクリア処理では、第2演算対象エリア111における確定前設定値カウンタ、確定前示唆動作フラグ及び確定前契機種別フラグの値を「0」クリアする。その後、第2演算対象エリア111における各クレジット表示部用カウンタ129,131及び各兼用表示部用カウンタ135,136の値を「0」クリアし(ステップS4013)、第2演算対象エリア111における設定値更新中フラグを「0」クリアして(ステップS4014)、本設定値更新処理を終了する。
このように、クレジット表示部65及び兼用表示部66にて点滅表示が行われている状態において、確定操作(スタートレバー41の操作)が行われ、その後に設定キー挿入孔57のOFF状態への切り換えが行われた場合、スロットマシン10の設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定は、遊技ホールの管理者がクレジット表示部65及び兼用表示部66を見ながら選択した設定内容に更新される。一方、クレジット表示部65及び兼用表示部66にて点滅表示が行われている状態において、確定操作(スタートレバー41の操作)が行われることなく設定キー挿入孔57のOFF状態への切り換えが行われた場合、第2演算対象エリア111における確定前設定値カウンタ、確定前示唆動作フラグ及び確定前契機種別フラグの値が更新されているか否かに関わらず、スロットマシン10の設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定は更新されない。この場合には、設定値更新処理(図71)の開始時における第2演算対象エリア111の設定値カウンタ、示唆動作フラグ154及び契機種別フラグ155の値が維持されたまま通常処理(図16)が開始されることとなる。
設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定は、クレジット表示部65及び兼用表示部66にて点滅表示が行われている状態において、1回の確定操作(スタートレバー41の操作)により確定される。このため、設定値に関する設定を更新するための操作、示唆動作の有無に関する設定を更新するための操作及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定を更新するための操作を個別に合計3回行わなければならない構成と比較して、設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定を更新するための操作が簡単化されている。また、スロットマシン10の設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定のうちいずれかの設定を確定するための操作を忘れたまま残りの設定のみが確定された状態で設定値更新処理(図71)が終了されてしまうことを防止することができる。
次に、設定されている示唆動作の開始契機が発生した場合に行われる第1〜第3示唆動作抽選について説明する。
主側ROM73には、「設定1」〜「設定6」用の6つの第1示唆動作抽選テーブルと、「設定1」〜「設定6」用の6つの第2示唆動作抽選テーブルと、「設定1」〜「設定6」用の6つの第3示唆動作抽選テーブルとが記憶されている。図74(a)は第1示唆動作抽選テーブルにおける示唆動作の当選確率を説明するための説明図であり、図74(b)は第2示唆動作抽選テーブルにおける示唆動作の当選確率を説明するための説明図であり、図74(c)は第3示唆動作抽選テーブルにおける示唆動作の当選確率を説明するための説明図である。
示唆動作の開始契機として「ボーナス状態の終了」が選択されている状態でRB状態ST4が終了した場合には、第1示唆動作抽選テーブルが読み出されて第1示唆動作抽選が行われる。また、示唆動作の開始契機として「ボーナス状態の終了」が選択されている状態でBB状態ST3が終了した場合には、第2示唆動作抽選テーブルが読み出されて第2示唆動作抽選が行われる。
示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている状態において、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれにも「1」がセットされていない状態で当該開始契機が発生した場合には、第3示唆動作抽選テーブルが読み出されて第3示唆動作抽選が行われる。既に説明したとおり、第1エンディングフラグは、有利継続カウンタを利用して計測されている有利区間SC2におけるゲームの実行回数が上限ゲーム数に到達する可能性が高いことを主側MPU72にて特定するためのフラグであるとともに、第2エンディングフラグは、第2演算対象エリア111の合計獲得数カウンタを利用して計測されている遊技媒体の制限付きの合計純増枚数が上限純増数に到達する可能性が高いことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。第1エンディングフラグにはエンディング対応処理(図30)のステップS803にて「1」がセットされるとともに、第2エンディングフラグにはエンディング対応処理(図30)のステップS807にて「1」がセットされる。
示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている状態において、スロットマシン10の設定値が「設定4」以下である状態で当該開始契機が発生した場合には、第2演算対象エリア111の第2エンディングフラグに「1」がセットされていることを条件として、第2示唆動作抽選テーブルが読み出されて第2示唆動作抽選が行われるとともに、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのうち第1エンディングフラグのみに「1」がセットされていることを条件として、第1示唆動作抽選テーブルが読み出されて第1示唆動作抽選が行われる。
示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている状態において、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされているとともにスロットマシン10の設定値が「設定5」以上である状態において当該開始契機が発生した場合には、示唆動作抽選が行われることなく自動精算が行われるとともに、当該自動精算の終了後に打止が行われる。このため、有利区間SC2の終了時に自動精算及び打止が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10に「5」以上の設定値が設定されていることを遊技者に確信させることができる。
図74(a)に示すように、「設定1」用の第1示唆動作抽選テーブルでは1/64の確率で示唆動作に当選する。「設定1」用の第1示唆動作抽選テーブルにおける打止の当選確率は「0」であるとともに、自動精算の当選確率は1/64である。「設定2」用の第1示唆動作抽選テーブルでは1/32の確率で示唆動作に当選する。「設定2」用の第1示唆動作抽選テーブルにおける打止の当選確率は「0」であるとともに、自動精算の当選確率は1/32である。「設定3」用の第1示唆動作抽選テーブルでは1/16の確率で示唆動作に当選する。「設定3」用の第1示唆動作抽選テーブルにおける打止の当選確率は「0」であるとともに、自動精算の当選確率は1/16である。
「設定4」用の第1示唆動作抽選テーブルでは1/8の確率で示唆動作に当選する。「設定4」用の第1示唆動作抽選テーブルにおける打止の当選確率は1/32であるとともに、自動精算の当選確率は3/32である。「設定5」用の第1示唆動作抽選テーブルでは1/4の確率で示唆動作に当選する。「設定5」用の第1示唆動作抽選テーブルにおける打止の当選確率は1/8であるとともに、自動精算の当選確率は1/8である。「設定6」用の第1示唆動作抽選テーブルでは1/2の確率で示唆動作に当選する。「設定6」用の第1示唆動作抽選テーブルにおける打止の当選確率は3/8であるとともに、自動精算の当選確率は1/8である。
「設定1」〜「設定6」用の第1示唆動作抽選テーブルでは、遊技者にとって有利な設定値であるほど示唆動作の当選確率が高くなっている。このため、RB状態ST4の終了時に示唆動作が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10に高い設定値が設定されているのではないかと遊技者に期待させることができる。
「設定1」〜「設定3」用の第1示唆動作抽選テーブルでは自動精算のみに当選し得る一方、「設定4」〜「設定6」用の第1示唆動作抽選テーブルでは打止及び自動精算に当選し得る。このため、RB状態ST4の終了時に打止が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10の設定値が「設定4」以上であることを遊技者に確信させることができる。「設定4」〜「設定6」用の第1示唆動作抽選テーブルでは、遊技者にとって有利な設定値であるほど示唆動作に当選した場合における打止の当選確率が高くなっている。このため、RB状態ST4の終了時に打止が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10に「設定5」以上の高い設定値が設定されているのではないかと遊技者に期待させることができる。
図74(b)に示すように、「設定1」用の第2示唆動作抽選テーブルでは1/32の確率で示唆動作に当選する。「設定1」用の第2示唆動作抽選テーブルにおける打止の当選確率は「0」であるとともに、自動精算の当選確率は1/32である。「設定2」用の第2示唆動作抽選テーブルでは1/16の確率で示唆動作に当選する。「設定2」用の第2示唆動作抽選テーブルにおける打止の当選確率は「0」であるとともに、自動精算の当選確率は1/16である。「設定3」用の第2示唆動作抽選テーブルでは1/8の確率で示唆動作に当選する。「設定3」用の第2示唆動作抽選テーブルにおける打止の当選確率は「0」であるとともに、自動精算の当選確率は1/8である。
「設定4」用の第2示唆動作抽選テーブルでは1/4の確率で示唆動作に当選する。「設定4」用の第2示唆動作抽選テーブルにおける打止の当選確率は1/16であるとともに、自動精算の当選確率は3/16である。「設定5」用の第2示唆動作抽選テーブルでは1/2の確率で示唆動作に当選する。「設定5」用の第2示唆動作抽選テーブルにおける打止の当選確率は1/4であるとともに、自動精算の当選確率は1/4である。「設定6」用の第2示唆動作抽選テーブルでは確実に示唆動作に当選する。「設定6」用の第2示唆動作抽選テーブルにおける打止の当選確率は3/4であるとともに、自動精算の当選確率は1/4である。
「設定1」〜「設定6」用の第2示唆動作抽選テーブルでは、遊技者にとって有利な設定値であるほど示唆動作の当選確率が高くなっている。このため、BB状態ST3の終了時に示唆動作が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10に高い設定値が設定されているのではないかと遊技者に期待させることができる。
「設定1」〜「設定3」用の第2示唆動作抽選テーブルでは自動精算のみに当選し得る一方、「設定4」〜「設定6」用の第2示唆動作抽選テーブルでは打止及び自動精算に当選し得る。このため、BB状態ST3の終了時に打止が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10の設定値が「設定4」以上であることを遊技者に確信させることができる。「設定4」〜「設定6」用の第2示唆動作抽選テーブルでは、遊技者にとって有利な設定値であるほど示唆動作に当選した場合における打止の当選確率が高くなっている。このため、BB状態ST3の終了時に打止が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10に「設定5」以上の高い設定値が設定されているのではないかと遊技者に期待させることができる。
「設定1」〜「設定4」用の第1示唆動作抽選テーブル及び「設定1」〜「設定4」用の第2示唆動作抽選テーブルでは、遊技者にとって有利な設定値であるほど示唆動作の当選確率が高くなっている。このため、1つ以上のエンディングフラグに「1」がセットされている状態における有利区間SC2の終了時に示唆動作が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10に高い設定値が設定されているのではないかと遊技者に期待させることができる。既に説明したとおり、示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている状態において、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされているとともにスロットマシン10の設定値が「5」以上である状態において当該開始契機が発生した場合には、示唆動作抽選が行われることなく自動精算が行われるとともに、当該自動精算の終了後に打止が行われる。
図74(c)に示すように、「設定1」用の第3示唆動作抽選テーブルでは1/64の確率で自動精算に当選し、「設定2」用の第3示唆動作抽選テーブルでは1/32の確率で自動精算に当選し、「設定3」用の第3示唆動作抽選テーブルでは1/16の確率で自動精算に当選し、「設定4」用の第3示唆動作抽選テーブルでは1/8の確率で自動精算に当選し、「設定5」用の第3示唆動作抽選テーブルでは1/4の確率で自動精算に当選し、「設定6」用の第3示唆動作抽選テーブルでは1/2の確率で自動精算に当選する。
「設定1」〜「設定6」用の第3示唆動作抽選テーブルでは、遊技者にとって有利な設定値であるほど自動精算の当選確率が高くなっている。このため、いずれのエンディングフラグにも「1」がセットされていない状態における有利区間SC2の終了時に自動精算が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10に高い設定値が設定されているのではないかと遊技者に期待させることができる。
次に、主側MPU72にて実行される第1示唆動作用処理について図75のフローチャートを参照しながら説明する。第1示唆動作用処理は、ボーナス状態用処理(図34)のステップS1209及び有利区間SC2の初期化処理(図36)のステップS1406において実行される。なお、第1示唆動作用処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
第1示唆動作用処理では、第2演算対象エリア111における示唆動作フラグ154に「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS4301)、示唆動作フラグ154に「1」がセットされている場合(ステップS4301:YES)には、第2演算対象エリア111における契機種別フラグ155に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4302)。既に説明したとおり、契機種別フラグ155の値が「0」である状態は示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている状態であるとともに、契機種別フラグ155に「1」がセットされている状態は示唆動作の開始契機として「ボーナス状態の終了」が選択されている状態である。
ステップS4302にて肯定判定を行った場合には、ボーナス状態が終了した状態であるか否かを判定する(ステップS4303)。ステップS4303では、第2演算対象エリア111におけるボーナス終了時初期化フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行う。ボーナス状態が終了した状態ではない場合(ステップS4303:NO)には、そのまま本第1示唆動作用処理を終了する。このように、示唆動作の開始契機として「ボーナス状態の終了」が設定されている状態において、ボーナス状態が終了することなく有利区間SC2が終了した場合には、第2演算対象エリア111における示唆動作フラグ154に「1」がセットされている状態が維持される。
ステップS4303にて肯定判定を行った場合には、示唆動作の開始契機として「ボーナス状態の終了」が設定されている状態で当該開始契機が発生したことを意味する。この場合には、第2演算対象エリア111の示唆動作フラグ154を「0」クリアし(ステップS4304)、第2演算対象エリア111におけるボーナス終了時初期化フラグを「0」クリアする(ステップS4305)。その後、ボーナス終了時の示唆動作抽選処理(ステップS4306〜ステップS4311)を実行する。示唆動作フラグ154を「0」クリアすることにより、次回以降のボーナス状態の終了時に示唆動作が行われないようにすることができる。このように、示唆動作の開始契機として「ボーナス状態の終了」が選択されている場合、示唆動作は、設定値更新処理(図71)が実行されてから最初に当該開始契機が発生した場合にのみ実行され得る。示唆動作フラグ154は、遊技ホールの管理者による操作を不要として自動的に「0」クリアされる。これにより、遊技ホールの管理者における管理負担が軽減されている。
その後、今回終了したボーナス状態がRB状態ST4であるか否かを判定する(ステップS4306)。今回終了したボーナス状態がRB状態ST4であった場合(ステップS4306:YES)には、主側ROM73からスロットマシン10の設定値に対応する第1示唆動作抽選テーブルを第2演算対象エリア111に読み出す(ステップS4307)。一方、今回終了したボーナス状態がRB状態ST4ではなくBB状態ST3であった場合(ステップS4306:NO)には、主側ROM73からスロットマシン10の設定値に対応する第2示唆動作抽選テーブルを第2演算対象エリア111に読み出す(ステップS4308)。
ステップS4307の処理を行った場合、又はステップS4308の処理を行った場合には、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111にて更新されている乱数を取得し(ステップS4309)、当該取得した乱数をステップS4307又はステップS4308にて読み出した示唆動作抽選テーブルに照合することによりいずれかの示唆動作に当選したか否かを判定する(ステップS4310)。
いずれかの示唆動作に当選した場合(ステップS4310:YES)には、当選した示唆動作の種類が自動精算であるか否かを判定する(ステップS4311)。自動精算に当選した場合(ステップS4311:YES)には、後述する自動精算処理(図76(a))を実行して(ステップS4312)、本第1示唆動作用処理を終了する。一方、打止に当選した場合(ステップS4311:NO)には、後述する打止処理(図76(b))を実行して(ステップS4313)、本第1示唆動作用処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される自動精算処理について図76(a)のフローチャートを参照しながら説明する。自動精算処理は第1示唆動作用処理(図75のステップS4312、後述する第2示唆動作用処理(図77)のステップS4605及びステップS4608にて実行される。なお、自動精算処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
自動精算処理では、まず演出側MPU92に対して自動精算コマンドを送信する(ステップS4401)。自動精算コマンドは、自動精算が実行されることを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。その後、フリーズカウンタの設定処理を実行する(ステップS4402)。フリーズカウンタの設定処理では、第2演算対象エリア111に設けられたフリーズカウンタに最大貯留記憶数である50枚のメダルの払い出しに要する時間をセットする。フリーズカウンタの値は、タイマ割込み処理(図15)のステップS209にてタイマ減算処理が実行される度に1減算される。フリーズカウンタの設定処理(ステップS4402)を実行することにより、自動精算が終了するまで今回のゲームの終了を待機させることができる。このため、通常処理(図16)のステップS314における受付許可処理は、自動精算の終了後に行われることとなる。これにより、自動精算の実行中に遊技媒体のベットが行われることを防止することができるとともに、自動精算の実行中にスタートレバー41の操作が行われたとしてもゲームが開始されてしまうことを防止することができる。
その後、第2演算対象エリア111におけるクレジットカウンタを参照することにより仮想メダルの貯留記憶数を把握するとともに、当該把握した貯留記憶数を第2演算対象エリア111における払出枚数カウンタにセットする(ステップS4403)。その後、第2演算対象エリア111におけるクレジットカウンタの値を「0」クリアし(ステップS4404)、ホッパ装置53の駆動制御処理を実行する(ステップS4405)。ホッパ装置53の駆動制御処理では、第2演算対象エリア111における払出枚数カウンタの値に対応する枚数のメダルがメダル受け皿59に排出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。
その後、ステップS4402にて設定した第2演算対象エリア111におけるフリーズカウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS4406)、ステップS4406にて肯定判定が行われるまでステップS4406の判定処理を繰り返し実行する。そして、ステップS4402にてフリーズカウンタにセットされた時間が経過してステップS4406にて肯定判定が行われた場合に、本示唆動作用処理を終了する。
このように、示唆動作として自動精算が行われる場合には、精算ボタン51の操作が行われていないにも関わらず、第2演算対象エリア111のクレジットカウンタに貯留記憶されている全ての仮想メダルの数に対応するメダルの払い出しが自動的に行われる。自動精算の実行中は、通常処理(図16)のステップS312以降の処理が実行されない状態となり、遊技の進行が停止される。当該メダルの払い出しが終了することにより自動精算が終了して、遊技の進行が再開される。
次に、主側MPU72にて実行される打止処理について図76(b)のフローチャートを参照しながら説明する。打止処理は第1示唆動作用処理(図75)のステップS4313及び後述する第2示唆動作用処理(図77)のステップS4609にて実行される。なお、打止処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
打止処理では、まず演出側MPU92に対して打止状態報知コマンドを送信する(ステップS4501)。打止状態報知コマンドは、演出側MPU92に対して打止の発生を報知する打止状態報知を実行させるためのコマンドである。演出側MPU92は、打止状態報知コマンドを受信した場合、打止状態報知が行われるように上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。
その後、リセットボタン56を操作する打止状態報知の解除操作が行われたか否かを判定し(ステップS4502)、打止状態報知の解除操作が行われていない場合(ステップS4502:NO)には、当該解除操作が行われるまでステップS4502の判定処理を繰り返し実行する。そして、ステップS4502にて肯定判定が行われた場合には、演出側MPU92に対して打止解除コマンドを送信して(ステップS4503)、本示唆動作用処理を終了する。打止解除コマンドは、演出側MPU92に打止状態報知を終了させるためのコマンドである。演出側MPU92は、打止解除コマンドを受信した場合、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて行われている打止状態報知を終了させるための処理を実行する。
このように、示唆動作として打止が行われる場合には、打止解除操作が行われるまで上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて打止状態報知が行われる打止状態となる。打止状態では、通常処理(図16)のステップS312以降の処理が実行されないため、新たにゲームを開始することができない状態となる。
第1示唆動作用処理(図75)の説明に戻り、ステップS4302にて契機種別フラグ155に「1」がセットされていないと判定した場合、すなわち示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている状態である場合には、有利区間SC2が終了した状態であるか否かを判定する(ステップS4314)。ステップS4314では、第2演算対象エリア111における有利終了時初期化フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行う。ステップS4314にて否定判定を行った場合には、そのまま本第1示唆動作用処理を終了する。このように、示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が設定されている状態において、当該開始契機が発生することなくボーナス状態が終了した場合には、第2演算対象エリア111における示唆動作フラグ154に「1」がセットされている状態が維持される。
ステップS4314にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111における有利終了時初期化フラグを「0」クリアする(ステップS4315)。その後、第2演算対象エリア111における合計獲得数カウンタの値が所定示唆基準数以上(具体的には「400」以上)であるか否かを判定する(ステップS4316)。ステップS4316にて否定判定を行った場合には、そのまま本第1示唆動作用処理を終了する。このように、示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が設定されている状態において、今回終了した有利区間SC2における遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数未満(具体的には「400」未満)であった場合には、第2演算対象エリア111における示唆動作フラグ154に「1」がセットされている状態が維持される。このため、その後に有利区間SC2が終了し、当該終了した有利区間SC2における差枚数が所定示唆基準数(具体的には「400」)以上であった場合には、示唆動作が実行され得る。
ステップS4316にて肯定判定を行った場合には、示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている状態において当該開始契機が発生したことを意味する。この場合には、第2演算対象エリア111における示唆動作フラグ154を「0」クリアする(ステップS4317)。これにより、次回以降の有利区間SC2の終了時に示唆動作が行われないようにすることができる。このように、示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている場合、示唆動作は、設定値更新処理(図71)が実行されてから最初に当該開始契機が発生した場合にのみ実行され得る。示唆動作フラグ154は、遊技ホールの管理者による操作を不要として自動的に「0」クリアされる。これにより、遊技ホールの管理者における管理負担が軽減されている。
その後、第2示唆動作用処理(図77)を実行して(ステップS4318)、本第1示唆動作用処理を終了する。図77は第2示唆動作用処理を示すフローチャートである。なお、第2示唆動作用処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
第2示唆動作用処理では、まず第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4601)。いずれのエンディングフラグにも「1」がセットされていない場合(ステップS4601:NO)には、主側ROM73からスロットマシン10の設定値に対応する第3示唆動作抽選テーブルを第2演算対象エリア111に読み出す(ステップS4602)。その後、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111にて更新されている乱数を取得し(ステップS4603)、当該取得した乱数をステップS4602にて読み出した第3示唆動作抽選テーブルに照合することにより自動精算に当選したか否かを判定する(ステップS4604)。自動精算に当選した場合(ステップS4604:YES)には、自動精算処理(図76(a))を実行して(ステップS4605)、本第2示唆動作用処理を終了する。
一方、ステップS4601にて第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされていると判定した場合、現状におけるスロットマシン10の設定値が「設定5」以上であるか否かを判定する(ステップS4606)。ステップS4606では、第2演算対象エリア111における設定値カウンタの値が「5」以上である場合に肯定判定を行うとともに、当該設定値カウンタの値が「4」以下である場合に否定判定を行う。
現状におけるスロットマシン10の設定値が「設定4」以下である場合(ステップS4606:NO)には、第2演算対象エリア111の第2エンディングフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4607)。既に説明したとおり、第1エンディングフラグにはエンディング対応処理(図30)のステップS803にて「1」がセットされるとともに、第2エンディングフラグにはエンディング対応処理(図30)のステップS807にて「1」がセットされる。第2エンディングフラグに「1」がセットされている場合(ステップS4607:YES)には、第1示唆動作用処理(図75)のステップS4308に進み、ステップS4308〜ステップS4313の処理を実行する。これにより、第2示唆動作抽選テーブルに基づく示唆動作抽選が行われ、当該示唆動作抽選にて自動精算に当選した場合には自動精算が行われるとともに、打止に当選した場合には打止が行われる。
一方、ステップS4607にて否定判定を行った場合、すなわち第1エンディングフラグのみに「1」がセットされている場合には、第1示唆動作用処理(図75)のステップS4307に進み、ステップS4307及びステップS4309〜ステップS4313の処理を実行する。これにより、第1示唆動作抽選テーブルに基づく示唆動作抽選が行われ、当該示唆動作抽選にて自動精算に当選した場合には自動精算が行われるとともに、打止に当選した場合には打止が行われる。
第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのうち少なくとも一方に「1」がセットされているとともに、現状におけるスロットマシン10の設定値が「5」以上である場合(ステップS4601:YES、ステップS4606:YES)には、自動精算処理(図76(a))を実行する(ステップS4608)。そして、当該自動精算処理の終了後に打止処理(図76(b))を実行して(ステップS4609)、本第2示唆動作用処理を終了する。
このように、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのうち少なくとも一方に「1」がセットされているとともに、現状におけるスロットマシン10の設定値が「5」以上である場合には、示唆動作抽選が行われることなく、自動精算が行われるとともに、当該自動精算の終了後に打止が行われる。このため、遊技者は、自動精算の後に打止が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10に「5」以上の高い設定値が設定されていることを確信することができる。
次に、BB状態ST3の終了時に示唆動作として打止が行われる様子について、図78のタイムチャートを参照しながら説明する。図78(a)は上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて打止状態報知が実行される期間を示し、図78(b)は第2演算対象エリア111における示唆動作フラグ154の状態を示し、図78(c)は第2演算対象エリア111における契機種別フラグ155の状態を示し、図78(d)はメイン処理(図14)のステップS107にて実行される設定値更新処理(図71)の実行期間を示し、図78(e)はBB状態終了時の示唆動作抽選(第1示唆動作用処理(図75)のステップS4308〜ステップS4311の処理)が実行されるタイミングを示し、図78(f)はBB状態ST3の継続期間を示し、図78(g)は打止状態報知の解除操作が行われるタイミングを示す。
図78(d)に示すように、t1のタイミングで設定値更新処理(図71)が開始されることにより、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類を設定することが可能となる。その後、t2のタイミングで確定操作(スタートレバー41の操作)が行われることにより、図78(b)に示すように第2演算対象エリア111の示唆動作フラグ154に「1」がセットされるとともに、図78(c)に示すように、第2演算対象エリア111の契機種別フラグ155に「1」がセットされる。示唆動作フラグ154に「1」がセットされることにより、示唆動作の開始契機が発生したことに基づいて示唆動作を実行するための処理が行われるように設定されている状態となる。また、契機種別フラグ155に「1」がセットされることにより、示唆動作の開始契機として「ボーナス状態の終了」が選択されている状態となる。その後、図78(d)に示すように、t3のタイミングで設定キー挿入孔57のOFF状態への切り換えが行われることにより設定値更新処理が終了する。
その後、t4のタイミングで、図78(f)に示すようにBB状態ST3が終了する。当該t4のタイミングにおいて、図78(b)に示すように示唆動作フラグ154に「1」がセットされているとともに、図78(c)に示すように契機種別フラグ155に「1」がセットされている。このため、当該t4のタイミングで、図78(b)に示すように示唆動作フラグ154が「0」クリアされ、図78(e)に示すようにBB状態終了時の示唆動作抽選が実行される。当該示唆動作抽選において打止に当選した場合、t4のタイミングで、図78(a)に示すように上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて打止状態報知が開始され、打止状態となる。打止状態では、通常処理(図16)のステップS312以降の処理が実行されない状態となり、遊技の進行が停止される。その後、t5のタイミングで、図78(g)に示すように打止状態報知の解除操作が行われることにより、図78(a)に示すように打止状態報知が終了するとともに、遊技の進行が再開される。
このように、示唆動作フラグ154に「1」がセットされている状況において設定されている示唆動作の開始契機が発生した場合、示唆動作抽選が行われる。そして、示唆動作抽選にて打止に当選した場合には、打止状態報知の解除操作が行われるまで打止状態となる。打止状態では、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて打止状態報知が実行されるとともに、遊技の進行が停止される。また、図示は省略するが、示唆動作抽選にて自動精算に当選した場合には、精算ボタン51の操作が行われていないにも関わらず、第2演算対象エリア111のクレジットカウンタに貯留記憶されている全ての仮想メダルの数に対応するメダルの払い出しが自動的に行われる。自動精算の実行中は、通常処理(図16)のステップS312以降の処理が実行されない状態となり、遊技の進行が停止される。当該メダルの払い出しが終了することにより自動精算が終了して、遊技の進行が再開される。
次に、スロットマシン10の設定値が「設定5」以上であるとともに第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされている状況において、有利区間SC2の終了時に示唆動作が行われる様子について、図79のタイムチャートを参照しながら説明する。図79(a)は自動精算の実行期間を示し、図79(b)は上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて打止状態報知が実行される期間を示し、図79(c)は第2演算対象エリア111における第2エンディングフラグの状態を示し、図79(d)は第2演算対象エリア111における示唆動作フラグ154の状態を示し、図79(e)はBB状態ST3の継続期間を示し、図79(f)は有利区間SC2の継続期間を示し、図79(g)は第2演算対象エリア111におけるフリーズカウンタの値が「1」以上である期間を示し、図79(h)は打止状態報知の解除操作が行われるタイミングを示す。
図79(f)に示すように、t1のタイミングで有利区間SC2が終了する。当該t1のタイミングにおいて、図79(c)に示すように第2エンディングフラグに「1」がセットされているとともに、図79(e)に示すように遊技状態はBB状態ST3である。また、第2演算対象エリア111の契機種別フラグ155の値は「0」であり、示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている。このように、現状におけるスロットマシン10の設定値が「設定5」以上であり、示唆動作フラグ154に「1」がセットされており、契機種別フラグ155の値が「0」であり、第2エンディングフラグに「1」がセットされている状況において有利区間SC2が終了した場合には、示唆動作抽選が実行されることなく、t1のタイミングで、図79(g)に示すように第2演算対象エリア111のフリーズカウンタに上限貯留記憶数である50枚のメダルの払い出しに要する時間に対応する数値情報がセットされるとともに、図79(a)に示すように自動精算が開始される。
その後、図79(a)に示すように、t2のタイミングで自動精算が終了し、図79(g)に示すように、t3のタイミングでフリーズカウンタの値が「0」となる。フリーズカウンタの値が「0」となった当該t3のタイミングで、図79(b)に示すように上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて打止状態報知が開始される。その後、t4のタイミングで、図79(h)に示すように打止状態報知の解除操作が行われることにより、図79(b)に示すように打止状態報知が終了する。
このように、現状におけるスロットマシン10の設定値が「設定5」以上であり、示唆動作フラグ154に「1」がセットされており、契機種別フラグ155の値が「0」であり、1つ以上のエンディングフラグに「1」がセットされている状況において有利区間SC2が終了した場合には、示唆動作抽選が実行されることなく、自動精算が行われた後に、打止状態報知が行われる。遊技者は、自動精算の後に打止が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10に「設定5」以上の高い設定値が設定されていることを確信することができる。
BB状態ST3の途中で有利区間SC2が終了し、当該有利区間SC2の終了に基づいて示唆動作が行われたとしても、当該BB状態ST3における遊技媒体の付与数がBB状態ST3用の途中終了基準数である「200」未満である場合には、図79(e)に示すように、BB状態ST3は継続される。これにより、示唆動作の実行により遊技者にとって有利な遊技状態であるBB状態ST3が終了してしまうことが防止されている。
上記のとおり、示唆動作フラグ154に「1」がセットされているとともに、契機種別フラグ155の値が「0」である状態で、有利区間SC2が終了した場合において、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされており、スロットマシン10の設定値が「設定4」以下である場合には、第1示唆動作抽選(第1示唆動作用処理(図75)のステップS4307及びステップS4309〜ステップS4311)又は第2示唆動作抽選(第1示唆動作用処理(図75)のステップS4308〜ステップS4311)が行われる。そして、当該第1示唆動作抽選又は第2示唆動作抽選において自動精算に当選した場合には自動精算が行われるとともに、打止に当選した場合には打止が行われる。また、示唆動作フラグ154に「1」がセットされているとともに、契機種別フラグ155の値が「0」である状態で、有利区間SC2が終了した場合において、第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの値が「0」であり、有利区間SC2における遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数(具体的には「400」)以上である場合、第3示唆動作抽選(第2示唆動作用処理(図77)のステップS4602〜ステップS4604)が行われる。そして、当該第3示唆動作抽選において自動精算に当選した場合には自動精算が行われる。このため、有利区間SC2の終了時に示唆動作が行われるか否かに注目させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
示唆動作フラグ154に「1」がセットされているとともに、契機種別フラグ155の値が「0」である状態で、有利区間SC2が終了した場合において、第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされており、スロットマシン10の設定値が「設定5」以上である場合には、示唆動作抽選が行われることなく、自動精算が行われるとともに、当該自動精算の終了後に打止状態報知が行われる。遊技者は、自動精算の終了後に打止状態報知が行われたことを確認することにより、現在遊技を行っているスロットマシン10に「設定5」以上の高い設定値が設定されていることを確信することができる。このため、自動精算の後に打止状態報知が行われるか否かに注目させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
示唆動作フラグ154に「1」がセットされているとともに、契機種別フラグ155の値が「1」である状態で、ボーナス状態が終了した場合、第1示唆動作抽選又は第2示唆動作抽選が行われる。そして、当該第1示唆動作抽選又は第2示唆動作抽選において自動精算に当選した場合には自動精算が行われるとともに、打止に当選した場合には打止状態報知が行われる。このため、ボーナス状態の終了時に示唆動作が行われるか否かに注目させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
設定値更新処理(図71)の実行中に左ストップボタン42の操作が行われた場合に兼用表示部66の左側セグメント表示器66aに表示されている「0」又は「1」の数字が更新され、スタートレバー41の操作が行われた場合に当該更新された数字に対応する値が示唆動作フラグ154にセットされる。遊技ホールの管理者は、設定値更新処理(図71)の実行中に左ストップボタン42及びスタートレバー41の操作を行うことにより、示唆動作の開始契機が発生した場合に示唆動作を実行するための処理(第1示唆動作用処理(図75)のステップS4304〜ステップS4313及びステップS4317〜ステップS4318の処理)が実行される状態と、示唆動作の開始契機が発生しても当該示唆動作を実行するための処理が実行されない状態とを選択することができる。
設定されている示唆動作の開始契機が発生し、示唆動作を実行するための処理(第1示唆動作用処理(図75)のステップS4304〜ステップS4313及びステップS4317〜ステップS4318の処理)が実行された場合、主側MPU72は第2演算対象エリア111における示唆動作フラグ154を「0」クリアする。遊技ホールの管理者が示唆動作の実行に関する設定を解除する操作を不要としながら、設定値更新処理(図71)の終了後に示唆動作が実行される回数を1回以下とすることができる。
クレジット表示部65及び兼用表示部66において点滅表示が行われている状態において、確定操作(スタートレバー41の操作)が行われることにより、クレジット表示部65を見ながら更新されていた設定値の情報が第2演算対象エリア111の設定値カウンタにセットされ、兼用表示部66の左側セグメント表示器66aを見ながら更新されていた示唆動作の有無に関する情報が示唆動作フラグ154にセットされ、兼用表示部66の右側セグメント表示器66bを見ながら更新されていた示唆動作の開始契機の種類に関する情報が契機種別フラグ155にセットされる。ゲームを開始させるべく遊技者によって操作されるスタートレバー41の操作に基づいてスロットマシン10の設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を書き換える構成であることにより、これらの情報を書き換えるために操作される専用の操作手段が設けられている構成と比較して、スロットマシン10における操作手段の数を低減することができる。スタートレバー41の1度の操作によって設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を書き換える構成であることにより、設定値に関する情報を書き換えるための操作と、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を書き換えるための操作とが分かれている構成と比較して、これらの情報を書き換えるための操作を簡単なものとすることができる。また、設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報のうち一部の情報のみを書き換え、残りの情報を書き換えるための操作を忘れた状態で設定値更新処理が終了してしまうことを防止することができる。
設定値更新処理(図71)が実行されている状況において、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を更新するための表示が行われる兼用表示部66、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を更新するために操作される左ストップボタン42、右ストップボタン44及びスタートレバー41はスロットマシン10の前面側に設けられている。このため、兼用表示部66の表示を見ながら左ストップボタン42を操作して示唆動作の有無に関する情報を更新する操作、右ストップボタン44を操作して示唆動作の開始契機の種類に関する情報を更新する操作及びスタートレバー41を操作して更新後の示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を確定させる操作を簡単なものとすることができる。
示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機に関する情報の設定は、遊技ホールの管理者のみが実行可能な設定値更新処理(図71)が実行されている状況においてのみ実行可能となる。このため、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機に関する情報が不正に書き換えられてしまうことを防止することができる。また、これらの情報を設定するための処理を遊技者に見られない状況で行われるようにすることにより、これらの情報を更新するための表示を普段遊技者が目にするクレジット表示部65及び兼用表示部66にて行うことができる。
示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報の表示は、兼用表示部66にて行われる。このため、これらの情報を表示するための専用の表示部を設ける構成と比較して、スロットマシン10における表示部の数を低減することができる。
設定値を更新するための表示がクレジット表示部65にて行われている状況において、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を更新するための表示は兼用表示部66にて行われる。このため、設定値を更新するための操作と、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を更新するための操作とを同時並行で行うことができる。例えば、開店前に複数のスロットマシン10について、設定値の設定と、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報の設定とを行わなければならない場合に、これらの設定操作を簡単で時間のかからないものとすることができる。これにより、遊技ホールの管理者における利便性が高められている。
契機種別フラグ155の値が「0」であるとともに有利区間SC2における遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数(具体的には「400」)以上である状態において有利区間SC2が終了すると、当該有利区間SC2の終了と同時にボーナス状態が終了する場合及び当該有利区間SC2の終了後もボーナス状態が継続される場合の両方において、当該有利区間SC2の終了時に示唆動作を実行するための処理が実行される。このため、遊技ホールの管理者によって示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている状況において、有利区間SC2の終了時以外のタイミングで示唆動作が実行されてしまうことを防止することができる。
契機種別フラグ155の値が「1」である状態において、ボーナス状態の終了条件が満たされていないにもかかわらず有利区間SC2の終了条件が成立したことに基づいて当該ボーナス状態も終了する場合、当該ボーナス状態の終了時に示唆動作を実行するための処理が実行される。このため、遊技ホールの管理者によって示唆動作の開始契機として「ボーナス状態の終了」が選択されている状況において、ボーナス状態の終了時以外のタイミングで示唆動作が実行されてしまうことを防止することができる。
第1〜第3示唆動作抽選では、スロットマシン10の設定値が遊技者にとって有利な設定値であるほど示唆動作に当選し易い。このため、示唆動作が実行された場合に、現在遊技を行っているスロットマシン10に高い設定値が設定されているのではないかと遊技者に期待させることができる。これにより、遊技の興趣向上が図られている。
「設定1」〜「設定3」用の第1示唆動作抽選テーブルでは自動精算のみに当選し得る一方、「設定4」〜「設定6」用の第1示唆動作抽選テーブルでは打止及び自動精算に当選し得る。このため、RB状態ST4の終了時に打止が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10の設定値が「設定4」以上であることを遊技者に確信させることができる。「設定4」〜「設定6」用の第1示唆動作抽選テーブルでは、遊技者にとって有利な設定値であるほど打止の当選確率が高くなっている。このため、RB状態ST4の終了時に打止が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10に「設定5」以上の高い設定値が設定されているのではないかと遊技者に期待させることができる。
「設定1」〜「設定3」用の第2示唆動作抽選テーブルでは打止のみに当選し得る一方、「設定4」〜「設定6」用の第2示唆動作抽選テーブルでは打止及び自動精算に当選し得る。このため、BB状態ST3の終了時に自動精算が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10の設定値が「設定4」以上であることを遊技者に確信させることができる。「設定4」〜「設定6」用の第2示唆動作抽選テーブルでは、遊技者にとって有利な設定値であるほど自動精算の当選確率が高くなっている。このため、BB状態ST3の終了時に自動精算が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10に「設定5」以上の高い設定値が設定されているのではないかと遊技者に期待させることができる。
遊技ホールの管理者は、設定更新処理(図71)の実行中に示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種別に関する情報を設定することにより、スロットマシン10の設定値に対応する確率で示唆動作を実行させることができる。このため、遊技ホールの管理者が設定値に応じて示唆動作を実行させるか否かを自分で考えて設定を行う構成と比較して、遊技ホールの管理者における管理負担を軽減することができる。
示唆動作の開始契機として、「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」と、「ボーナス状態の終了」との2種類が存在している。このため、有利区間SC2がするタイミング及びボーナス状態が終了するタイミングの両方において、示唆動作が行われるのではないかと遊技者に期待させることができる。これにより、遊技の興趣向上が図られている。
遊技ホールの管理者は、設定値更新処理(図71)の実行中に示唆動作の開始契機として、「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」又は「ボーナス状態の終了」を選択することができる。このため、遊技ホールの管理者はスロットマシン10において示唆動作が実行され得るタイミングを予め把握しておくことができる。これにより、遊技ホールの管理者におけるスロットマシン10の監視負担を軽減することができる。
設定値更新処理(図71)において示唆動作フラグ154に「1」がセットされ、当該設定値更新処理(図71)の終了後において最初に有利区間SC2が終了する際、当該有利区間SC2における差枚数が所定示唆基準数(具体的には「400」)未満である場合には、示唆動作フラグ154に「1」がセットされている状態が維持される。このため、示唆動作を実行するための構成を備えているスロットマシン10において、遊技ホールの管理者が示唆動作を実行するための設定を行ったにもかかわらず、第1〜第3示唆動作抽選が実行されることもなく示唆動作フラグ154が「0」クリアされてしまう可能性を低減することができる。
<各種信号を外部出力するための構成>
次に、外部装置であるデータカウンタDCに対して各種信号を出力するための構成について説明する。
図80は主側MPU72からデータカウンタDCに対して各種信号を出力するための構成を示すブロック図である。既に説明したとおり、スロットマシン10は主側MPU72からデータカウンタDCへの信号出力を中継する外部端子板95を備えている。主側MPU72からデータカウンタDCに出力される信号として、スロットマシン10において投入された遊技媒体の数を示す投入信号、遊技者に付与された遊技媒体の数を示す払出信号、ボーナス状態中であることを示す第1状態中信号、有利区間SC2中であることを示す第2状態中信号、及びART状態ST6中であることを示す第3状態中信号が存在している。
図80に示すように、主側MPU72と外部端子板95とを電気的に接続する信号線として、投入信号を出力するための投入信号線157、払出信号を出力するための払出信号線158、第1状態中信号を出力するための第1状態中信号線159、第2状態中信号を出力するための第2状態中信号線161及び第3状態中信号を出力するための第3状態中信号線162が設けられている。
データカウンタDCは、主側MPU72から受信する投入信号がLOW状態からHI状態に立ち上がる回数に基づいてスロットマシン10における遊技媒体の投入数を把握するとともに、主側MPU72から受信する払出信号がLOW状態からHI状態に立ち上がる回数に基づいてスロットマシン10における遊技媒体の付与数を把握する。また、データカウンタDCは、主側MPU72から受信する第1状態中信号がHI状態であることに基づいてボーナス状態中であることを把握し、主側MPU72から受信する第2状態中信号がHI状態であることに基づいて有利区間SC2中であることを把握し、主側MPU72から受信する第3状態中信号がHI状態であることに基づいてART状態ST6中であることを把握する。
データカウンタDCでは、主側MPU72から受信する各種信号に基づいてボーナス状態における遊技媒体の純増数、有利区間SC2における遊技媒体の純増数及びART状態ST6における遊技媒体の純増数が算出されるとともに、これらの純増数を示す情報の表示が行われる。遊技者及び遊技ホールの管理者は、データカウンタDCの表示に基づいて、ボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6における遊技媒体の純増数を確認することができる。
全部クリア処理(図43)のステップS2009にて実行される全部クリア時の信号出力制御処理では、投入信号及び払出信号の両方を0.5秒間に亘ってHI状態とする。また、一部クリア処理(図68)のステップS3906にて実行される一部クリア時の信号出力制御処理では、投入信号及び払出信号の両方を0.5秒間に亘ってHI状態とした後、投入信号及び払出信号の両方を0.5秒間に亘ってLOW状態に立ち下げ、再び投入信号及び払出信号の両方を0.5秒間に亘ってHI状態とする。データカウンタDCは、投入信号及び払出信号が0.5秒間に亘ってHI状態となる回数が1回であった場合にスロットマシン10にて全部クリア処理(図43)が実行されたことを把握することができるとともに、投入信号及び払出信号が0.5秒間に亘ってHI状態となる回数が2回であった場合にスロットマシン10にて一部クリア処理(図68)が実行されたことを把握することができる。
主側MPU72は、投入信号を出力するための投入信号線157及び払出信号を出力するための払出信号線158を利用して、一部クリア処理(図68)及び全部クリア処理(図43)が行われたことをデータカウンタDCに認識させるための信号の出力制御を行う。このため、これら一部クリア処理及び全部クリア処理が行われたことをデータカウンタDCに認識させるための信号を出力する専用の信号線を不要として、信号線を低減することができる。
第1〜第3状態中信号の立ち上げは、第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている状態においてゲームが開始されるタイミングで行われる。既に説明したとおり、第1立ち上げ準備フラグは、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第1状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。第1立ち上げ準備フラグには、ボーナス入賞が成立した場合に、ボーナス用処理(図33)のステップS1112にて「1」がセットされる。既に説明したとおり、第2立ち上げ準備フラグは、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第2状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。第2立ち上げ準備フラグには、有利区間SC2への移行が発生した場合に「1」がセットされる。第2立ち上げ準備フラグに「1」をセットする処理は、遊技区間の第2制御処理(図29)におけるステップS703、ボーナス用処理(図33)におけるステップS1105及びステップS1110において実行される。既に説明したとおり、第3立ち上げ準備フラグは、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第3状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。第3立ち上げ準備フラグには、ART状態ST6への移行が発生した場合に、準備状態処理(図31)のステップS904にて「1」がセットされる。
第1〜第3状態中信号のうち1つ以上の状態中信号の立ち上げが行われた場合、当該立ち上げから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過した後に投入信号の出力制御が開始される。これにより、データカウンタDCにおいて状態中信号の立ち上がりが把握される前に主側MPU72において投入信号の出力制御が開始されてしまうことを防止することができる。よって、データカウンタDCにおいてボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6における遊技媒体の投入数を正確に把握可能とすることができる。
一方、第1〜第3状態中信号の立ち上げが行われない場合には、所定時間(具体的には500ミリ秒)を計測することなくゲーム開始時に投入信号の出力制御が開始される。このため、第1〜第3状態中信号の立ち上げを行わない場合には、ゲームが開始されてからデータカウンタDCにおいて遊技媒体の投入数が把握可能となるまでの期間を短縮することができる。また、ゲーム開始時に所定時間(具体的には500ミリ秒)を計測するための処理を省略することができる。
第1〜第3状態中信号の立ち下げは、全リール32L,32M,32Rの停止後に、第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち下げ準備フラグに「1」がセットされていることを条件の1つとして行われる。既に説明したとおり、第1立ち下げ準備フラグは、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第1状態中信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。第1立ち下げ準備フラグには、ボーナス状態が終了する場合に、ボーナス状態用処理(図34)のステップS1210及び有利区間SC2の初期化処理(図36)のステップS1412にて「1」がセットされる。既に説明したとおり、第2立ち下げ準備フラグは、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第2状態中信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。第2立ち下げ準備フラグには、有利区間SC2が終了する場合に、有利区間SC2の初期化処理(図36)のステップS1404にて「1」がセットされる。既に説明したとおり、第3立ち下げ準備フラグは、外部装置であるデータカウンタDCに出力している第3状態中信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる処理を待機している状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。第3立ち下げ準備フラグには、ART状態ST6が終了する場合に、ART状態処理(図32)のステップS1005及び有利区間SC2の初期化処理(図36)のステップS1409にて「1」がセットされる。
小役入賞又はリプレイ入賞が成立した場合には、払出信号の出力制御が開始される。第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち上げ準備フラグ及び第1〜第3立ち下げ準備フラグのいずれにも「1」がセットされないゲームでは、当該ゲームの終了タイミングが払出信号の出力制御の影響を受けることはなく、払出信号の出力制御が実行されている途中であってもゲームが終了する。このため、払出信号の出力制御の途中であっても次のゲームを開始可能な状態とすることができる。これにより、払出信号の出力制御が原因となってゲームを開始可能な状態となるタイミングが遅延してしまうことを防止することができる。
第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち下げ準備フラグの少なくとも1つに「1」がセットされるゲーム、すなわち第1〜第3状態中信号のうち少なくとも1つの状態中信号の立ち下げが行われるゲームでは、払出信号の出力制御が行われる場合、当該払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過するまで状態中信号の立ち下げが延期され、状態中信号の立ち下げが行われた後にゲームが終了する。このため、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数を把握するための処理が終わらないうちに主側MPU72において状態中信号の立ち下げが行われてしまうことを防止することができる。これにより、ボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6における遊技媒体の付与数をデータカウンタDCにて正確に把握可能とすることができる。
第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち上げ準備フラグの少なくとも1つに「1」がセットされるゲーム、すなわちボーナス状態への移行、有利区間SC2への移行及びART状態ST6への移行の少なくとも1つが発生したゲームでは、払出信号の出力制御が行われる場合、当該払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過するまでゲームの終了が延期され、当該ゲームの終了後に次のゲームを開始可能な状態となる。そして、当該次のゲームの開始時に状態中信号の立ち上げが行われる。このため、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数を把握するための処理が終わらないうちに主側MPU72において状態中信号の立ち上げが行われてしまうことを防止することができる。これにより、ボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6における遊技媒体の付与数をデータカウンタDCにて正確に把握可能とすることができる。
図80に示すように、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111には、投入信号出力カウンタ163、間隔調整タイマカウンタ164、払出信号出力カウンタ165、投入切換タイマカウンタ166及び払出切換タイマカウンタ167が設けられている。投入信号出力カウンタ163は、データカウンタDCに対して出力している投入信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる回数を主側MPU72にて把握可能とするカウンタである。投入信号出力カウンタ163には、ゲームの開始時に遊技媒体の規定数である「3」がセットされる。
間隔調整タイマカウンタ164は、状態中信号の立ち上げが行われてから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過したこと、及び払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過したことを主側MPU72にて把握可能とするカウンタである。間隔調整タイマカウンタ164には、状態中信号の立ち上げが行われた場合、及び払出信号の出力制御が終了した場合に、所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットされる。間隔調整タイマカウンタ164の値は、タイマ割込み処理(図15)においてタイマ減算処理(ステップS209)が実行される度に1減算され、開始時の設定処理(図81)が実行されてから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過した場合に「0」となる。
払出信号出力カウンタ165は、払出信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる回数を主側MPU72にて把握可能とするカウンタである。小役入賞が成立した場合、払出信号出力カウンタ165には当該小役入賞に対応する遊技媒体の付与数がセットされる。既に説明したとおり、本実施形態において小役入賞の成立により付与される遊技媒体の数は、「1」、「2」、「5」及び「11」のいずれかである。リプレイ入賞が成立した場合、払出信号出力カウンタ165には遊技媒体の規定数である「3」がセットされる。
投入切換タイマカウンタ166は、投入信号の出力制御中に投入信号をLOW状態からHI状態へ立ち上げるタイミング及びHI状態からLOW状態へ立ち下げるタイミングを主側MPU72にて把握可能とするタイマカウンタである。投入切換タイマカウンタ166には、投入信号の出力制御の開始時に「5」がセットされる。主側MPU72は、投入信号の出力制御中である場合、タイマ割込み処理(図15)の割込みが発生する度に投入切換タイマカウンタ166の値を1減算し、その減算後の値が「0」となるタイミングで投入信号の切り換えを行うとともに、投入切換タイマカウンタ166に新たに「5」をセットする。このため、投入信号のLOW状態及びHI状態の切り換えは、当該投入信号の出力制御中に7.45ミリ秒周期で行われる。
払出切換タイマカウンタ167は、払出信号の出力制御中に払出信号をLOW状態からHI状態へ立ち上げるタイミング及びHI状態からLOW状態へ立ち下げるタイミングを主側MPU72にて把握可能とするタイマカウンタである。払出切換タイマカウンタ167には、払出信号の出力制御の開始時に「5」がセットされる。主側MPU72は、払出信号の出力制御中である場合、タイマ割込み処理(図15)の割込みが発生する度に払出切換タイマカウンタ167の値を1減算し、その減算後の値が「0」となるタイミングで払出信号の切り換えを行うとともに、払出切換タイマカウンタ167に新たに「5」をセットする。このため、払出信号のLOW状態及びHI状態の切り換えは、当該払出信号の出力制御中に7.45ミリ秒周期で行われる。
次に、主側MPU72にて実行される開始時の設定処理について図81のフローチャートを参照しながら説明する。開始時の設定処理は通常処理(図16)のステップS307にて実行される。なお、開始時の設定処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
開始時の設定処理では、まず第2演算対象エリア111におけるゲーム中フラグに「1」をセットする(ステップS4701)。これにより、ゲームを実行している状態であることを主側MPU72にて把握可能となる。その後、付与数表示の終了処理を実行する(ステップS4702)。付与数表示の終了処理では、第2演算対象エリア111における付与数表示中フラグ、左側兼用表示部用カウンタ135及び右側兼用表示部用カウンタ136を「0」クリアする。このように、小役入賞が成立して兼用表示部66にて付与数表示が開始された場合、当該付与数表示は当該小役入賞が成立したゲームの次のゲームの開始時に終了する。その後、第2演算対象エリア111におけるリプレイ時のベット済みフラグ及びベット数カウンタ125を「0」クリアする(ステップS4703)。その後、第2演算対象エリア111に設けられた投入信号出力カウンタ163に遊技媒体のベット数の規定数である「3」をセットする(ステップS4704)。
その後、第2演算対象エリア111における第1立ち上げ準備フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS4705)、第1立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4705:YES)には、第1状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる(ステップS4706)。このように、第1立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている状態においてゲームが開始される場合には、当該ゲーム開始時に第1状態中信号のLOW状態からHI状態への立ち上げが行われる。
ステップS4705にて否定判定を行った場合、又はステップS4706の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111における第2立ち上げ準備フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS4707)、第2立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4707:YES)には、第2状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる(ステップS4708)。このように、第2立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている状態においてゲームが開始される場合には、当該ゲーム開始時に第2状態中信号のLOW状態からHI状態への立ち上げが行われる。
ステップS4707にて否定判定を行った場合、又はステップS4708の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111における第3立ち上げ準備フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS4709)、第3立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4709:YES)には、第3状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる(ステップS4710)。このように、第3立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている状態においてゲームが開始される場合には、当該ゲーム開始時に第3状態中信号のLOW状態からHI状態への立ち上げが行われる。
ステップS4709にて否定判定を行った場合、又はステップS4710の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111における第1立ち上げ準備フラグ、第2立ち上げ準備フラグ及び第3立ち上げ準備フラグのうち1つ以上の立ち上げ準備フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4711)。ステップS4711にて肯定判定を行った場合には、全ての立ち上げ準備フラグを「0」クリアし(ステップS4712)、間隔調整タイマカウンタ164の設定処理を実行して(ステップS4713)、本開始時の設定処理を終了する。間隔調整タイマカウンタ164の設定処理では、第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報をセットする。上述したとおり、間隔調整タイマカウンタ164の値は、タイマ割込み処理(図15)においてタイマ減算処理(ステップS209)が実行される度に1減算され、第1〜第3状態中信号の立ち上げが行われてから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過した場合に「0」となる。
ステップS4711にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111に設けられた投入信号出力開始フラグに「1」をセットして(ステップS4714)、本開始時の設定処理を終了する。投入信号出力開始フラグは、タイマ割込み処理(図15)のステップS211におけるデータ出力処理(図82)にて投入信号の出力制御を開始すべきことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。投入信号出力制御中フラグに「1」がセットされることにより、当該データ出力処理(図82)にて投入信号の出力制御が実行されることとなる。
次に、主側MPU72にて実行されるデータ出力処理について図82のフローチャートを参照しながら説明する。データ出力処理はタイマ割込み処理(図15)のステップS211にて実行される。なお、データ出力処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
データ出力処理では、第2演算対象エリア111の投入信号出力開始フラグに「1」がセットされている場合(ステップS4801)、投入信号出力開始フラグを「0」クリアし(ステップS4802)、投入信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる(ステップS4803)。その後、第2演算対象エリア111における投入切換タイマカウンタ166に「5」をセットし(ステップS4804)、第2演算対象エリア111に設けられた投入信号出力制御中フラグに「1」をセットする(ステップS4805)。投入信号出力制御中フラグは、投入信号の出力制御中であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。
ステップS4801にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111における投入信号出力制御中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS4806)。投入信号の出力制御中である場合(ステップS4806:YES)には、投入切換タイマカウンタ166の値を1減算し(ステップS4807)、その1減算後の値が「0」となったか否かを判定する(ステップS4808)。ステップS4808にて肯定判定を行った場合、投入信号がLOW状態であるか否かを判定し(ステップS4809)、投入信号がLOW状態である場合(ステップS4809:YES)には、投入信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる(ステップS4810)。その後、第2演算対象エリア111における投入切換タイマカウンタ166に「5」をセットする(ステップS4811)。
ステップS4809にて否定判定を行った場合には、投入信号をHI状態からLOW状態に立ち下げ(ステップS4812)、第2演算対象エリア111における投入信号出力カウンタ163の値を1減算する(ステップS4813)。その後、当該1減算後の投入信号出力カウンタ163の値が「0」であるか否かを判定し(ステップS4814)、投入信号出力カウンタ163の値が「0」ではない場合(ステップS4814:NO)には、投入信号の出力制御が終了していないことを意味するため、第2演算対象エリア111における投入切換タイマカウンタ166に「5」をセットする(ステップS4815)。これにより、投入信号の出力制御が継続される。
ステップS4813にて1減算した後の投入信号出力カウンタ163の値が「0」である場合(ステップS4814:YES)には、投入信号の立ち上げが3回行われたことを意味するため、第2演算対象エリア111の投入信号出力制御中フラグを「0」クリアする(ステップS4816)。これにより、投入信号の出力制御が終了する。
ステップS4806にて否定判定を行った場合、すなわち投入信号の出力制御中ではないと判定した場合には、第2演算対象エリア111における投入信号出力カウンタ163の値が「0」であるか否かを判定する(ステップS4817)。投入信号出力カウンタ163の値は、投入信号の出力制御の開始が待機されている場合には「3」となっているとともに、投入信号の出力制御の開始が待機されていない場合には「0」となっている。
ステップS4817にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」であるか否かを判定する(ステップS4818)。間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」である場合(ステップS4818:YES)には、ステップS4803に進み、投入信号の出力制御を開始するための処理(ステップS4803〜ステップS4805の処理)を実行する。具体的には、投入信号をLOW状態からHI状態に立ち上げ(ステップS4803)、投入切換タイマカウンタ166に「5」をセットし(ステップS4804)、投入信号出力制御中フラグに「1」をセットする(ステップS4805)。
このように、投入信号の出力制御の開始が待機されている状態において、状態中信号の立ち上げが行われてから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過して間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」となることにより、投入信号の出力制御が開始される。間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」となるまで投入信号の出力制御の開始を遅延させることにより、データカウンタDCにおいて状態中信号の立ち上がりが把握された後に主側MPU72における投入信号の出力制御が開始されるようにすることができる。これにより、データカウンタDCにおいてボーナス状態中、有利区間SC2中及びART状態ST6中における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。
ステップS4805の処理を行った場合、ステップS4808にて否定判定を行った場合、ステップS4811の処理を行った場合、ステップS4815の処理を行った場合、ステップS4816の処理を行った場合、ステップS4817にて肯定判定を行った場合又はステップS4818にて否定判定を行った場合には、払出信号制御処理を実行して(ステップS4819)、本データ出力処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される媒体付与処理について図83のフローチャートを参照しながら説明する。媒体付与処理は通常処理(図16)のステップS310において実行される。なお、媒体付与処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
媒体付与処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立したか否かを判定し(ステップS4901)、小役入賞が成立している場合(ステップS4901:YES)には、兼用表示部用カウンタ135,136の設定処理を実行する(ステップS4902)。兼用表示部用カウンタ135,136の設定処理では、まず第2演算対象エリア111における付与数カウンタを参照することにより、今回成立した小役入賞に対応する遊技媒体の付与数を把握する。既に説明したとおり、付与数カウンタには、リール制御処理(図58)のステップS3019における入賞判定処理において、今回成立した小役入賞に対応する遊技媒体の付与数がセットされる。その後、当該遊技媒体の付与数が「1」、「2」及び「5」のいずれかである場合、すなわち遊技媒体の付与数が10進数表記で1桁の場合、第2演算対象エリア111における左側兼用表示部用カウンタ135にオール「0」の表示データをセットするとともに、右側兼用表示部用カウンタ136に当該付与数に対応する数字を表示するための表示データをセットする。また、今回成立した小役入賞に対応する遊技媒体の付与数が「11」である場合、すなわち遊技媒体の付与数が10進数表記で2桁の場合、第2演算対象エリア111における左側兼用表示部用カウンタ135に当該付与数の10進数表記における10の位の数字を表示するための表示データをセットするとともに、右側兼用表示部用カウンタ136に当該付与数の10進数表記における1の位の数字を表示するための表示データをセットする。
その後、第2演算対象エリア111における付与数表示中フラグに「1」をセットする(ステップS4903)。これにより、タイマ割込み処理(図15)のステップS210にて実行される表示部制御処理(図56)において、各兼用表示部用カウンタ135,136に設定されている表示データの兼用表示部66への出力が行われて、兼用表示部66にて付与数表示が行われることとなる。既に説明したとおり、兼用表示部66では、小役入賞が発生したゲームの次のゲームの開始時まで、当該付与数表示が行われる。
その後、第2演算対象エリア111における払出信号出力カウンタ165に今回成立した小役入賞に対応する遊技媒体の付与数をセットし(ステップS4904)、第2演算対象エリア111に設けられた払出信号出力開始フラグに「1」をセットする(ステップS4905)。払出信号出力開始フラグは、後述する払出信号制御処理(図84)において払出信号の出力制御を開始すべきことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。払出信号出力開始フラグに「1」がセットされることにより、払出信号制御処理(図84)にて払出信号の出力制御が開始されることとなる。
その後、第2演算対象エリア111のクレジットカウンタに記憶されている仮想メダルの貯留記憶数が上限貯留記憶数である「50」以上であるか否かを判定する(ステップS4906)。ステップS4906にて否定判定を行った場合には、当該仮想メダルの貯留記憶数(クレジットカウンタの値)及び成立した小役入賞に対応する遊技媒体の付与数の合計値が上限貯留記憶数である「50」を超えるか否かを判定する(ステップS4907)。
ステップS4907にて肯定判定を行った場合には、クレジットカウンタの加算処理を実行する(ステップS4908)。クレジットカウンタの加算処理では、上限貯留記憶数(具体的には「50」)となるまでクレジットカウンタの値に1を加算するとともに第2演算対象エリア111における付与数カウンタの値を1減算する処理を繰り返す。
ステップS4906にて肯定判定を行った場合、又はステップS4908の処理を行った場合には、ホッパ装置53の駆動制御処理を実行する(ステップS4909)。ホッパ装置53の駆動制御処理では、第2演算対象エリア111における付与数カウンタの値に対応する数の遊技媒体がメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。
ステップS4907にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111のクレジットカウンタに第2演算対象エリア111における付与数カウンタの値を加算する(ステップS4910)。ステップS4909の処理を行った場合、又はステップS4910の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111における付与数カウンタの値を「0」クリアして(ステップS4911)、本媒体付与処理を終了する。
ステップS4901にて否定判定を行った場合には、今回のゲームにおいてリプレイ入賞が成立したか否かを判定する(ステップS4912)。ステップS4912では、第2演算対象エリア111におけるリプレイ発生フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行う。既に説明したとおり、リプレイ発生フラグには、リプレイ入賞が成立した場合に、リール制御処理(図58)のステップS3019における入賞判定処理にて「1」がセットされる。
ステップS4912にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111の払出信号出力カウンタ165に遊技媒体の規定数である「3」をセットし(ステップS4913)、第2演算対象エリア111の払出信号出力開始フラグに「1」をセットして(ステップS4914)、本媒体付与処理を終了する。払出信号出力開始フラグに「1」がセットされることにより、払出信号制御処理(図84)にて払出信号の出力制御が開始されることとなる。
次に、主側MPU72にて実行される払出信号制御処理について図84のフローチャートを参照しながら説明する。払出信号制御処理はデータ出力処理(図82)のステップS4819にて実行される。なお、払出信号制御処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
払出信号制御処理では、まず第2演算対象エリア111の払出信号出力開始フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5001)。払出信号出力開始フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5001:YES)には、払出信号出力開始フラグを「0」クリアし(ステップS5002)、払出信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる(ステップS5003)。その後、第2演算対象エリア111の払出切換タイマカウンタ167に「5」をセットする(ステップS5004)。既に説明したとおり、主側MPU72は、払出信号の出力制御中である場合、払出信号制御処理(図84)を実行する度に払出切換タイマカウンタ167の値を1減算し、その減算後の値が「0」となるタイミングで払出信号の切り換えを行う。
その後、第2演算対象エリア111に設けられた払出信号出力制御中フラグに「1」をセットする(ステップS5005)。払出信号出力制御中フラグは、払出信号の出力制御中であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。その後、第2演算対象エリア111に設けられた払出信号出力実行フラグに「1」をセットして(ステップS5006)、本払出信号制御処理を終了する。払出信号出力実行フラグは、払出信号の出力制御が行われたゲームであることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。
払出信号出力制御中フラグは、払出信号の出力制御が終了することにより「0」クリアされる。一方、払出信号出力実行フラグに「1」がセットされている状態は、通常処理(図16)のステップS312における外部出力設定処理(図85)が実行されるまで継続される。払出信号出力制御中フラグとは別に、払出信号出力実行フラグが設けられていることにより、外部出力設定処理(図85)が実行されるまでに払出信号の出力制御が終了して払出信号出力制御中フラグが「0」クリアされた場合であっても、払出信号出力実行フラグの状態に基づいて払出信号の出力制御が行われたゲームであることを主側MPU72にて把握可能とすることができる。
ステップS5001にて否定判定を行った場合には、払出信号出力制御中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5007)。払出信号出力制御中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5007:YES)には、払出切換タイマカウンタ167の値を1減算し(ステップS5008)、その1減算後の値が「0」であるか否かを判定する(ステップS5009)。ステップS5009にて肯定判定を行った場合には、払出信号がLOW状態であるか否かを判定し(ステップS5010)、払出信号がLOW状態である場合(ステップS5010:YES)には、払出信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる(ステップS5011)。その後、第2演算対象エリア111における払出切換タイマカウンタ167に「5」をセットして(ステップS5012)、本払出信号制御処理を終了する。
ステップS5010にて否定判定を行った場合には、払出信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる(ステップS5013)。その後、第2演算対象エリア111における払出信号出力カウンタ165の値を1減算し(ステップS5014)、その1減算後の払出信号出力カウンタ165の値が「0」であるか否かを判定する(ステップS5015)。払出信号出力カウンタ165の値が「0」ではない場合(ステップS5015:NO)には、払出信号の出力制御が終了していないことを意味するため、第2演算対象エリア111における払出切換タイマカウンタ167に「5」をセットして(ステップS5016)、本払出信号制御処理を終了する。
ステップS5014にて1減算した後の払出信号出力カウンタ165の値が「0」である場合(ステップS5015:YES)には、第2演算対象エリア111の払出信号出力制御中フラグを「0」クリアして(ステップS5017)、本払出信号制御処理を終了する。このように、小役入賞又はリプレイ入賞の成立に基づいて払出信号出力カウンタ165に設定された回数の払出信号の立ち上げが終了した場合、払出信号制御中フラグが「0」クリアされて、払出信号の出力制御が終了する。
次に、外部出力設定処理について図85のフローチャートを参照しながら説明する。外部出力設定処理は通常処理(図16)のステップS312にて実行される。なお、外部出力設定処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
外部出力設定処理では、まず管理出力設定処理を実行する(ステップS5101)。管理出力設定処理では、外部端子板95を介して、スロットマシン10の状態に関する情報を外部装置である遊技ホールの管理コンピュータに出力する。
その後、第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち下げ準備フラグの少なくとも1つに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS5102)、第1〜第3立ち下げ準備フラグのいずれにも「1」がセットされていない場合(ステップS5102:NO)には、第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち上げ準備フラグの少なくとも1つに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5103)。第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち下げ準備フラグ及び第1〜第3立ち上げ準備フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5102:NO、ステップS5103:NO)には、そのまま本外部出力設定処理を終了する。この場合には、ゲームの終了タイミングに遅延を生じさせることなく、早期にゲームを終了して次のゲームを開始可能な状態とすることができる。
一方、第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち下げ準備フラグ及び第1〜第3立ち上げ準備フラグの少なくとも1つに「1」がセットされている場合(ステップS5102:YES又はステップS5103:YES)には、第2演算対象エリア111の払出信号出力実行フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5104)。払出信号出力実行フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5104:YES)には、払出信号の出力制御が行われたゲームであることを意味する。この場合には、第2演算対象エリア111における払出信号出力制御中フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS5105)、払出信号出力制御中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5105:YES)には、ステップS5105にて否定判定が行われるまでステップS5105の判定処理を繰り返す。払出信号出力制御中フラグは、払出信号の出力制御が終了した場合に、払出信号制御処理(図84)のステップS5017にて「0」クリアされる。
ステップS5105にて否定判定を行った場合には、間隔調整タイマカウンタ164の設定処理を実行する(ステップS5106)。当該設定処理では、第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報をセットする。間隔調整タイマカウンタ164の値は、タイマ割込み処理(図15)においてタイマ減算処理(ステップS209)が実行される度に1減算され、所定時間(具体的には500ミリ秒)の経過後に「0」となる。
その後、第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」であるか否かを判定し(ステップS5107)、間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」ではない場合(ステップS5107:NO)には、ステップS5107にて肯定判定が行われるまでステップS5107の判定処理を繰り返す。そして、ステップS5107にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111における払出信号出力実行フラグを「0」クリアする(ステップS5108)。
ステップS5104にて否定判定を行った場合、又はステップS5108の処理を行った場合には、第1〜第3状態中信号のうち対象の状態中信号として第1状態中信号を選択し(ステップS5109)、第1状態中信号についてステップS5110〜ステップS5113の処理を実行する。対象の状態中信号は、後述するステップS5114にて更新されるため、ステップS5110〜ステップS5113の処理は第2状態中信号及び第3状態中信号についても実行される。
ステップS5109の処理を行った後、第2演算対象エリア111において対象の状態中信号に対応する立ち下げ準備フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5110)。ステップS5110では、対象の状態中信号が第1状態中信号である場合には第1立ち下げ準備フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行い、対象の状態中信号が第2状態中信号である場合には第2立ち下げ準備フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行い、対象の状態中信号が第3状態中信号である場合には第3立ち下げ準備フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行う。
ステップS5110にて肯定判定を行った場合には、対象の状態中信号をHI状態からLOW状態に立ち下げ(ステップS5111)、第2演算対象エリア111において対象の状態中信号に対応する立ち下げ準備フラグを「0」クリアする(ステップS5112)。
ステップS5110にて否定判定を行った場合、又はステップS5112の処理を行った場合には、対象の状態中信号が第3状態中信号であるか否かを判定し(ステップS5113)、対象の状態中信号が第3状態中フラグではない場合(ステップS5113:NO)には対象の状態中信号を更新する(ステップS5114)。ステップS5114では、現状における対象の状態中信号が第1状態中信号である場合には、対象の状態中信号を第2状態中信号に更新するとともに、現状における対象の状態中信号が第2状態中信号である場合には、対象の状態中信号を第3状態中信号に更新する。その後、ステップS5110に戻り、当該更新後の状態中信号についてステップS5110〜ステップS5113の処理を実行する。そして、ステップS5113にて肯定判定を行った場合に、本外部出力設定処理を終了する。
このように、1以上の状態中信号に対応する立ち下げ準備フラグに「1」がセットされた場合、払出信号の出力制御が実行されないゲームでは、遅延期間が設定されることなく当該状態中信号の立ち下げが行われる。一方、払出信号の出力制御が実行されるゲームでは、払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)の遅延期間が設定され、当該遅延期間の経過後に状態中信号の立ち下げが行われる。このように、払出信号の出力制御が終了してから状態中信号の立ち下げが行われるまでの間には、所定時間(具体的には500ミリ秒)が確保されている。このため、払出信号の出力制御の実行中に状態中信号が立ち下げられてしまうことを防止することができるとともに、払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過する前に状態中信号が立ち下げられてしまうことを防止することができる。
払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過する前に状態中信号の立ち上げが行われてしまうことを防止することにより、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数の把握が行われている途中で主側MPU72にて状態中信号を立ち上げる処理が行われてしまうことを防止することができる。これにより、データカウンタDCにおいてボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6における遊技媒体の投入数を正確に把握可能とすることができる。
1以上の状態中信号に対応する立ち上げ準備フラグに「1」がセットされた場合、払出信号の出力制御が実行されないゲームでは、遅延期間が設定されることなく当該ゲームが終了する。このため、早期に次のゲームを開始可能な状態とすることができる。一方、払出信号の出力制御が実行されるゲームでは、払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)の遅延期間が設定され、当該遅延期間の経過後にゲームが終了する。このため、払出信号の出力制御が終了してから次のゲームの開始時に状態中信号の立ち上げが行われるまでの間に、所定時間(具体的には500ミリ秒)を確保することができる。これにより、払出信号の出力制御の実行中に状態中信号が立ち上げられてしまうことを防止することができるとともに、払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過する前に状態中信号が立ち上げられてしまうことを防止することができる。
状態中信号の立ち下げが行われるゲームにおいて払出信号の出力制御が行われる場合には、当該払出信号の出力制御の終了後に間隔調整タイマカウンタ164を用いて所定時間(500ミリ秒)の計測が開始され、当該所定時間の計測が終了するまでゲームの終了が延期される。また、状態中信号の立ち下げが行われないゲームでは、間隔調整タイマカウンタ164を用いる時間の計測が行われない。このため、間隔調整タイマカウンタ164は、ゲーム終了時に常に「0」となっている。既に説明したとおり、ゲームの開始時に状態中信号の立ち上げが行われる場合には、当該ゲームの開始時に間隔調整タイマカウンタ164を用いて所定時間(500ミリ秒)の計測が開始される。ゲームの開始時に開始される所定時間の計測期間と、払出信号の出力制御の終了後に開始される所定時間の計測期間とが重複しない構成であるため、1つの間隔調整タイマカウンタ164を利用して、状態中信号の立ち上げタイミングからの所定時間(500ミリ秒)の計測、及び払出信号の出力制御の終了後における所定時間(500ミリ秒)の計測を行うことができる。これにより、所定時間を計測するための主側RAM74における構成を簡素化することができる。
次に、状態中信号の立ち上げ及び立ち下げが行われる様子について、第3状態中信号の立ち上げ及び立ち下げが行われる場合を例に挙げて、図86のタイムチャートを参照しながら説明する。図86(a)は第3状態中信号の状態を示し、図86(b)は第2演算対象エリア111における投入信号出力制御中フラグの状態を示し、図86(c)は第2演算対象エリア111における払出信号出力制御中フラグの状態を示し、図86(d)は第2演算対象エリア111における第3立ち上げ準備フラグの状態を示し、図86(e)は第2演算対象エリア111における第3立ち下げ準備フラグの状態を示し、図86(f)は第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164の値が1以上である期間を示し、図86(g)はゲームの実行期間を示す。
まず第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち上げ準備フラグ及び第1〜第3立ち下げ準備フラグに「1」がセットされていない状態でゲームが終了する場合について説明する。
図86(c)に示すように、t1のタイミングで第2演算対象エリア111における払出信号出力制御中フラグに「1」がセットされるとともに、払出信号の出力制御が開始される。その後、払出信号の出力制御の実行中であるt2のタイミングで、図86(g)に示すようにゲームが終了する。これにより、次のゲームを開始可能な状態となる。
その後、払出信号の出力制御の実行中であるt3のタイミングで、図86(g)に示すようにゲームが開始されると、図86(b)に示すように第2演算対象エリア111における投入信号出力制御中フラグに「1」がセットされるとともに、投入信号の出力制御が開始される。その後、図86(c)に示すように、t4のタイミングで払出信号の出力制御が終了するとともに、第2演算対象エリア111における払出信号出力制御中フラグが「0」クリアされる。その後、図86(b)に示すように、t5のタイミングで投入信号の出力制御が終了するとともに、第2演算対象エリア111における投入信号出力制御中フラグが「0」クリアされる。
このように、第1〜第3立ち上げ準備フラグ及び第1〜第3立ち下げ準備フラグに「1」がセットされていない場合には、払出信号の出力制御が実行されている途中であってもゲームが終了するとともに、次のゲームを開始可能な状態となる。早期に次のゲームを開始可能な状態とすることにより、ゲームを開始できない待機時間が頻繁に発生することを防止することができる。
次に、ゲームの終了時に第3状態中信号の立ち下げが行われる場合について説明する。
図86(c)に示すように、t6のタイミングで第2演算対象エリア111における払出信号出力制御中フラグに「1」がセットされるとともに、払出信号の出力制御が開始される。その後、図86(e)に示すように、t7のタイミングで第2演算対象エリア111における第3立ち上げ準備フラグに「1」がセットされる。その後、t8のタイミングで払出信号の出力制御が終了するとともに、払出信号出力制御中フラグが「0」クリアされる。図86(e)に示すように、t8のタイミングにおいて第3立ち下げ準備フラグには「1」がセットされている。このため、払出信号の出力制御が終了した当該t8のタイミングにおいて、図86(f)に示すように第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットされて当該所定時間の計測が開始される。
その後、払出信号の出力制御が終了したt8のタイミングから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過したt9のタイミングで、図86(f)に示すように間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」となる。当該t9のタイミングで、図86(a)に示すように第3状態中信号がHI状態からLOW状態に立ち下げられるとともに、図86(e)に示すように第3立ち下げ準備フラグが「0」クリアされる。その後、図86(g)に示すように、t10のタイミングでゲームが終了する。
このように、状態中信号の立ち下げが行われるゲームにおいて払出信号の出力制御が行われる場合には、払出信号の出力制御が終了してから状態中信号の立ち下げが行われるまでに所定時間(具体的には500ミリ秒)が確保されている。このため、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数を把握するための処理が行われている途中で、主側MPU72にて状態中信号の立ち下げが行われてしまうことを防止することができる。
次に、第3状態中信号の立ち上げが行われる場合について説明する。
図86(c)に示すように、t11のタイミングで第2演算対象エリア111における払出信号出力制御中フラグに「1」がセットされるとともに、払出信号の出力制御が開始される。その後、図86(d)に示すように、t12のタイミングで第2演算対象エリア111における第3立ち上げ準備フラグに「1」がセットされる。その後、t13のタイミングで払出信号の出力制御が終了するとともに、払出信号出力制御中フラグが「0」クリアされる。図86(d)に示すように、t13のタイミングにおいて第3立ち上げ準備フラグには「1」がセットされている。このため、払出信号の出力制御が終了した当該t13のタイミングにおいて、図86(f)に示すように第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットされて当該所定時間の計測が開始される。
その後、払出信号の出力制御が終了したt13のタイミングから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過したt14のタイミングで、図86(f)に示すように間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」となる。その後、図86(g)に示すように、t15のタイミングでゲームが終了するとともに、次のゲームを開始可能な状態となる。
その後、図86(g)に示すように、t16のタイミングでゲームが開始される。図86(d)に示すように、当該t16のタイミングにおいて第3立ち上げ準備フラグには「1」がセットされている。このため、ゲームが開始された当該t16のタイミングで、図86(a)に示すように第3状態中信号が立ち上げられるとともに、図86(d)に示すように第3立ち上げ準備フラグが「0」クリアされる。また、第3状態中信号の立ち上げが行われた当該t16のタイミングで、図86(f)に示すように第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットされて当該所定時間の計測が開始される。
その後、第3状態中信号の立ち上げが行われたt16のタイミングから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過したt17のタイミングで、図86(f)に示すように間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」となるとともに、図86(b)に示すように第2演算対象エリア111における投入信号出力制御中フラグに「1」がセットされて、投入信号の出力制御が開始される。
このように、立ち上げ準備フラグに「1」がセットされるゲームにおいて払出信号の出力制御が行われる場合には、当該払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)の経過後にゲームが終了して次のゲームを開始可能な状態となる。そして、当該次のゲームの開始時に状態中信号の立ち上げが行われる。払出信号の出力制御が終了してから状態中信号の立ち上げが行われるまでに所定時間(具体的には500ミリ秒)が確保されているため、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数を把握するための処理が行われている途中で、主側MPU72にて状態中信号の立ち上げが行われてしまうことを防止することができる。
ゲーム開始時に状態中信号(具体的には第3状態中信号)の立ち上げが行われた場合には、当該状態中信号の立ち上げが行われてから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過するまで投入信号の出力制御の開始が延期される。これにより、データカウンタDCにおいて状態中信号の立ち上げが把握される前に主側MPU72にて投入信号の出力制御が開始されてしまうことを防止することができる。よって、データカウンタDCにおいてボーナス状態における遊技媒体の投入数、有利区間SC2における遊技媒体の投入数、及びART状態ST6における遊技媒体の投入数を正確に把握可能とすることができる。
上記のとおり、第1〜第3状態中信号のうち1つ以上の状態中信号の立ち上げが行われた場合、当該立ち上げから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過した後に投入信号の出力制御が開始される。これにより、データカウンタDCにおいて状態中信号の立ち上がりが把握される前に主側MPU72において投入信号の出力制御が開始されてしまうことを防止することができる。よって、データカウンタDCにおいてボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6における遊技媒体の投入数を正確に把握可能とすることができる。
ボーナス状態、有利区間SC2又はART状態ST6の開始時にフリーズ期間を設定することなく、データカウンタDCにおいて状態中信号の立ち上がりを把握するための処理が終了した後に主側MPU72において投入信号の出力制御が開始されるようにすることができる。フリーズ期間の設定が不要であるため、遊技者にストレスを感じさせることなく、スムーズにボーナス状態、有利区間SC2又はART状態ST6を開始させることができる。
第1〜第3状態中信号の立ち上げが行われない場合には、所定時間(具体的には500ミリ秒)を計測することなくゲーム開始時に投入信号の出力制御が開始される。このため、第1〜第3状態中信号の立ち上げを行わない場合には、ゲームが開始されてからデータカウンタDCにおいて遊技媒体の投入数が把握可能となるまでの期間を短縮することができる。また、ゲーム開始時に所定時間(具体的には500ミリ秒)を計測するための処理を省略することができる。
第1〜第3状態中信号のうち少なくとも1つの状態中信号の立ち下げが行われるゲームでは、払出信号の出力制御が行われる場合、当該払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過するまで状態中信号の立ち下げが延期され、状態中信号の立ち下げが行われた後にゲームが終了する。このため、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数を把握するための処理が終わらないうちに主側MPU72において状態中信号の立ち下げが行われてしまうことを防止することができる。これにより、ボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6における遊技媒体の付与数をデータカウンタDCにて正確に把握可能とすることができる。
小役入賞又はリプレイ入賞が成立したことに基づいて払出信号の出力制御が行われるゲームでは、払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過するまで状態中信号の立ち下げを延期し、当該状態中信号の立ち下げを行った後にゲームを終了する。状態中信号の立ち下げを行った後にゲームを終了することにより、状態中信号の立ち下げが行われる前に次のゲームが開始されて投入信号の出力制御が開始されてしまうことを防止することができる。
ボーナス状態への移行、有利区間SC2への移行及びART状態ST6への移行の少なくとも1つが発生したゲームでは、払出信号の出力制御が行われる場合、当該払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過するまでゲームの終了が延期され、当該ゲームの終了後に次のゲームを開始可能な状態となる。そして、当該次のゲームの開始時に状態中信号の立ち上げが行われる。このため、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数を把握するための処理が終わらないうちに主側MPU72において状態中信号の立ち上げが行われてしまうことを防止することができる。これにより、ボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6における遊技媒体の付与数をデータカウンタDCにて正確に把握可能とすることができる。
第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち上げ準備フラグ及び第1〜第3立ち下げ準備フラグのいずれにも「1」がセットされないゲームでは、当該ゲームの終了タイミングが払出信号の出力制御の影響を受けることはなく、払出信号の出力制御が実行されている途中であってもゲームが終了する。このため、払出信号の出力制御の途中であっても次のゲームを開始可能な状態とすることができる。これにより、払出信号の出力制御が原因となってゲームを開始可能な状態となるタイミングが遅延してしまうことを防止することができる。
リプレイ入賞が成立した場合には遊技媒体の規定数(具体的には「3」)分の払出信号を出力するための出力制御が行われるとともに、当該リプレイ入賞が成立した次のゲームでは、当該規定数分の投入信号を出力するための出力制御が行われる。このため、主側MPU72とデータカウンタDCとを接続する信号線としてリプレイ入賞が成立したことを示す信号を送信するための専用の信号線を不要としながら、データカウンタDCにおいてリプレイ入賞が成立した場合も含む遊技媒体の純増数を把握可能とすることができる。
主側MPU72は遊技媒体のベット数に対応する回数だけ投入信号の立ち上げを行うことによりデータカウンタDCに遊技媒体のベット数を認識させるとともに、遊技媒体の付与数又は遊技媒体の規定数に対応する回数だけ払出信号の立ち上げを行うことによりデータカウンタDCに小役入賞の成立に基づく遊技媒体の付与数又はリプレイ入賞の成立を認識させる。このため、主側MPU72とデータカウンタDCとを電気的に接続する信号線の数が増加してしまうことを防止しながら、データカウンタDCにおいて遊技媒体のベット数、小役入賞の成立に基づく遊技媒体の付与数及びリプレイ入賞の成立を把握可能とすることができる。
主側MPU72は、投入信号を出力するための投入信号線157及び払出信号を出力するための払出信号線158を利用して、メイン処理(図14)のステップS106における一部クリア処理(図68)及びステップS107における全部クリア処理(図43)が行われたことをデータカウンタDCに認識させるための信号の出力制御を行う。このため、これら一部クリア処理及び全部クリア処理が行われたことをデータカウンタDCに認識させるための信号を出力する専用の信号線を不要として、信号線を低減することができる。
主側MPU72は、1つの間隔調整タイマカウンタ164を用いて、状態中信号の立ち上げが行われてから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過したか否かを把握するとともに、払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過したか否かを把握する。このため、間隔調整タイマカウンタ164が2つ設けられている構成と比較して、主側RAM74の構成を簡素化することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
バックアップ異常確認処理(図41)は、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。このため、バックアップ異常確認処理が特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される構成と比較して、主側ROM73において特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを記憶しておくための記憶エリアの記憶容量に余裕を持たせることができる。
設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく動作電力の供給が開始された場合、電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に当該チェックサムと同一の演算対象範囲について算出して記憶したチェックサムと一致することを条件の1つとして、電源遮断前の処理状態に復帰する。チェックサムの演算対象範囲には、第1演算対象エリア109、非特定制御用のワークエリア102、第2演算対象エリア111、第1未使用エリア105及び第2未使用エリア106が含まれている。このため、電源復帰後に第1演算対象エリア109、非特定制御用のワークエリア102、第2演算対象エリア111、第1未使用エリア105及び第2未使用エリア106に記憶されているデータが電源遮断前に記憶されていたデータと相違する異常が発生した場合に、当該異常なデータに基づいて電源復帰後の遊技が進行されてしまうことを防止することができる。
復電用処理(図40)では、非特定制御に対応する処理としてバックアップ異常確認処理(ステップS1804)を実行する場合、バックアップ異常確認処理(ステップS1804)の終了後にバックアップ異常確認処理(ステップS1804)の次の処理に復帰するための戻り番地の情報を特定制御用のスタックエリア101における先頭エリア108に書き込む。バックアップ異常確認処理(図41)の開始時に当該戻り番地の情報が格納される先頭エリア108は、チェックサムの演算対象範囲から除外されている。このため、特定制御用のスタックエリア101においてチェックサムの演算対象範囲となっている第1演算対象エリア109に記憶されているデータが変化してしまうことを防止しながら、電源復帰後に非特定制御に対応する処理としてバックアップ異常確認処理(図41)を実行することができる。
特定制御用のワークエリア103において電源遮断前に算出されたチェックサムが記憶されるチェックサム用エリア114は、チェックサムの演算対象範囲から除外されている。このため、主側RAM74においてチェックサムの演算対象範囲に含まれる記憶エリアに記憶されているデータが変化してしまうことを防止しながら、電源遮断前に算出したチェックサムをチェックサム用エリア114に記憶することができる。
電源が遮断されて主側MPU72の動作が停止するタイミングにおいて、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始時に特定制御用のスタックエリア101に記憶されていたデータは、当該タイマ割込み処理(図15)による割込みが発生する直前に実行していた処理の次の処理に対応する戻り番地の情報を含めて、特定制御用のスタックエリア101の第1演算対象エリア109及び第2演算対象エリア111の先頭退避用エリア115に記憶されている。また、電源が遮断されて主側MPU72の動作が停止するタイミングにおいて、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始時に主側MPU72におけるプログラムカウンタ以外のレジスタに記憶されていたデータは、第2演算対象エリア111におけるスタックポインタ退避用エリア116及びレジスタ退避用エリア117に記憶されている。このように、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前における処理状態に復帰させるための情報が第1演算対象エリア109及び第2演算対象エリア111に記憶されている状態で電源が遮断されるため、電源復帰後にこれら第1演算対象エリア109及び第2演算対象エリア111に記憶されている情報を利用して、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前における処理状態に復帰させることができる。
電源が遮断されるタイミングにおいて、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前における処理状態に復帰させるための情報が記憶されている第1演算対象エリア109及び第2演算対象エリア111は、チェックサムの演算対象範囲に含まれている。このため、電源復帰が行われてから停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前の処理状態に復帰させる前に、電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に算出して記憶したチェックサムと一致することを確認することにより、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前における処理状態に復帰させるための情報に異常が発生していないことを確認可能とすることができる。これにより、異常が発生しているデータに基づいて処理状態の復帰が行われてしまうことを防止することができる。
停電の発生を特定するための処理(タイマ割込み処理(図15)におけるステップS202の処理)は特定制御に対応する処理であり、停電の発生が特定された場合に実行される停電時処理(図39)も特定制御に対応する処理である。停電の発生を特定してから停電時処理を実行して無限ループに入るまでに非特定制御に対応する処理が含まれている構成とすると、特定制御に対応する処理から非特定制御に対応する処理に移行する際に主側MPU72のレジスタの情報を退避させる処理が必要となるとともに、非特定制御に対応する処理から特定制御に対応する処理に復帰する場合に当該退避させていたレジスタの情報を主側MPU72のレジスタに復帰させる処理が必要となる。これに対して、停電の発生を特定してから停電時処理を実行して無限ループに入るまでの一連の処理を特定制御に対応する処理のみで実行する構成であることにより、停電の発生を特定してから主側MPU72の動作が停止するまでの期間に実行する処理を短縮することができる。
復電用処理(図40)では、バックアップ異常確認処理(ステップS1804)を実行した後にタイマ割込み処理(図15)による割込みを許可する。これにより、バックアップ異常確認処理の実行前にタイマ割込み処理による割込みが発生して主側MPU72のレジスタの情報が第2演算対象エリア111に書き込まれることにより第2演算対象エリア111に記憶されているデータが変化してしまうことを防止することができる。
タイマ割込み処理(図15)では、最初に主側MPU72の全レジスタの情報が特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111に退避されている状態とする。停電の発生を特定した場合には、当該状態で停電時処理(ステップS204)を実行して、無限ループに入る。電源復帰後にタイマ割込み処理(図15)に復帰した場合、ステップS205〜ステップS214の処理を実行した後にステップS215にて電源遮断前に第2演算対象エリア111に退避させていた全レジスタの情報を主側MPU72の全レジスタに復帰させる。これにより、電源遮断前の状態で通常処理などの主側MPU72における各種処理の続きを実行することができる。
チェックサムの演算対象範囲には非特定制御用のワークエリア102が含まれており、当該非特定制御用のワークエリア102には、スロットマシン10の管理情報(比率表示器85にて有利区間滞在比率の表示を行うための情報)が記憶されている。復電用処理(図40)では、電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に算出して記憶したチェックサムと一致することを条件の1つとして、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回の開始直前における処理状態に復帰するための処理を実行する。このため、非特定制御用のワークエリア102に記憶されているスロットマシン10の管理情報に異常が発生している状態のまま遊技が進行されてしまうことを防止することができる。
非特定制御用のスタックエリア104は、チェックサムの演算対象範囲から除外されている。このため、電源復帰後に、特定制御用の処理である復電用処理(図40)が実行されている状態において非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図41)を開始する際に、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータを変化させることなく、主側MPU72における一部のレジスタのデータを非特定制御用のスタックエリア104に退避させるとともにバックアップ異常確認処理(図41)の終了時に非特定制御用のスタックエリア104に退避させていたデータを主側MPU72における当該一部のレジスタに復帰させることができる。これにより、バックアップ異常確認処理(図41)にて主側MPU72における当該一部のレジスタを利用可能としながら、当該一部のレジスタのデータをバックアップ異常確認処理(図41)の開始時のデータに戻して、特定制御用の処理である復電用処理(図40)に復帰させることができる。また、非特定制御用のスタックエリア104がチェックサムの演算対象範囲から除外されていることにより、チェックサムの演算対象範囲が低減されている。このため、停電の発生を特定してから電源が遮断されて主側MPU72の動作が停止するまでに実行すべき処理を短縮することができる。
電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に記憶したチェックサムと一致しなかった場合、すなわちチェックサムの演算対象範囲に含まれる記憶エリアに記憶されているデータに異常が発生した場合には、バックアップ異常フラグ113に「1」がセットされるとともに、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63においてバックアップ異常報知が実行される。これにより、遊技ホールの管理者は、チェックサムの演算対象範囲に含まれる記憶エリアに記憶されているデータに異常が発生したことを把握することができる。
バックアップ異常フラグ113に「1」がセットされた後、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態で動作電力の供給が開始された場合には、リセットボタン56の押圧操作の有無に関わらず、全部クリア処理(図43)が実行されることによりバックアップ異常フラグ113を含む主側RAM74における全ての記憶エリアが初期化される。これにより、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生した状態のまま、当該異常なデータに基づいて遊技が進行されてしまうことを防止することができる。
バックアップ異常フラグ113に「1」がセットされた後、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態で動作電力の供給が開始された場合には、リセットボタン56の押圧操作を行わなくても全部クリア処理(図43)が実行される。このため、バックアップ異常フラグ113に「1」がセットされている状態の解除方法を遊技ホールの管理者にとって分かり易いものとすることができる。
主側MPU72は、ベット数カウンタ125の値を「1」以上加算した開始待ち処理(ステップS302)の処理回において、当該処理回における最終的なベット数カウンタ125の値に対応する1つのベットコマンドを演出側MPU92に対して送信する。クレジット投入ボタン47の操作が行われて1度に遊技媒体のベット数が「2」以上増加した場合であっても主側MPU72から演出側MPU92に送信するベットコマンドの数を1つに抑えることができる。このため、遊技媒体のベット数の増加数が「2」以上となった場合に当該増加数と同数の複数のベットコマンドを送信する構成と比較して、主側MPU72から演出側MPU92にベットコマンドを送信するための処理負荷を軽減することができる。
主側MPU72が開始待ち処理(ステップS302)の前回の処理回における遊技媒体のベット数及び今回の処理回における遊技媒体のベット数を把握可能とするコマンドを演出側MPU92に対して送信する構成とすると、「前回の処理回における遊技媒体のベット数」→「今回の処理回における遊技媒体のベット数」の組合せとして「0」→「1」、「0」→「2」、「0」→「3」、「1」→「2」、「1」→「3」及び「2」→「3」の6通りが存在するため、主側ROM73に6種類のベットコマンドを記憶しておく必要がある。また、第2演算対象エリア111に開始待ち処理(ステップS302)の前回の処理回における遊技媒体のベット数を記憶しておく記憶エリアを設ける必要がある。これに対して本実施形態では、開始待ち処理(ステップS302)の今回の処理回における増加後の遊技媒体のベット数(「1」〜「3」の3通り)の情報のみを示すベットコマンドを送信する構成であることにより、主側ROM73に記憶しておくベットコマンドの数を低減することができるとともに、主側RAM74の構成を簡素化することができる。
クレジット投入ボタン47が操作された場合、ベット数が「1」増加する場合、「2」増加する場合、及び「3」増加する場合がある。主側MPU72は、クレジット投入ボタン47の操作前における遊技媒体のベット数に関係なく、増加後のベット数に対応する1つのベットコマンドのみを演出側MPU92に対して送信する。これにより、クレジット投入ボタン47の操作が行われたことを演出側MPU92に認識させるための専用のベットコマンドを不要としながら、クレジット投入ボタン47の操作が行われてベット数が「2」以上増加した場合に、増加前後における遊技媒体のベット数の組合せに対応する複数のベット報知音を順番に連続して出力する構成を維持することができる。クレジット投入ボタン47の操作が行われたことを演出側MPU92に認識させるための専用のベットコマンドを主側ROM73に予め記憶しておく必要がないため、主側ROM73に記憶しておくベットコマンドの数を低減することができる。
リプレイ入賞が成立したゲームの終了後において最初に実行される開始待ち処理(ステップS302)の処理回で、主側MPU72はベット数カウンタ125に「3」をセットするとともに、演出側MPU92に対して第3ベットコマンドを送信する。これにより、リプレイ入賞が成立したことに基づいて遊技媒体のベット数が「3」となった場合にも第1〜第3ベット報知音をスピーカ62から出力させることができる。リプレイ入賞の成立に基づいて遊技媒体がベットされたことを示す専用のベットコマンドを主側ROM73に記憶しておく構成と比較し、主側ROM73に記憶しておくベットコマンドの種類を抑えることができるとともに、主側MPU72において演出側MPU92に送信するベットコマンドを選択するための処理が複雑化してしまうことを防止することができる。
演出側RAM94には、主側MPU72から既に受信したベットコマンドの種類を把握可能とする第1音設定済みフラグ127及び第2音設定済みフラグ128が設けられている。演出側MPU92は、これら第1音設定済みフラグ127及び第2音設定済みフラグ128の状態に基づいて増加前の遊技媒体のベット数を把握するとともに、主側MPU72から受信するベットコマンドに基づいて増加後の遊技媒体のベット数を把握する。このため、演出側MPU92は、主側MPU72から受信するベットコマンドに基づいて把握可能な情報が開始待ち処理(ステップS302)の今回の処理回における増加後の遊技媒体のベット数のみであっても、増加前後の遊技媒体のベット数の組合せに対応する態様でベット報知音をスピーカ62から出力させることができる。
演出側ROM93には、遊技媒体のベット数が1増加したことを報知するベット報知音を出力するためのベット報知音テーブルが、当該1増加後のベット数(具体的には「1」〜「3」)の種類に対応する数(具体的には「3」)だけ記憶されている。具体的には、ベット数が「0」から「1」に増加したことを報知する第1ベット報知音テーブル、ベット数が「1」から「2」に増加したことを報知する第2ベット報知音テーブル、及びベット数が「2」から「3」に増加したことを報知する第3ベット報知音テーブルが記憶されている。演出側MPU92は、主側MPU72から受信するベットコマンドに基づいて、第1ベット報知音テーブル→第2ベット報知音テーブル→第3ベット報知音テーブルの順番でベット報知音テーブルを出力対象エリア122に読み出し、第1ベット報知音→第2ベット報知音→第3ベット報知音の順番でスピーカ62からベット報知音が出力されるように、これらのベット報知音テーブルに基づくスピーカ62の音出力制御を行う。また、演出側MPU92は、主側MPU72から受信したベットコマンドに基づいて遊技媒体のベット数が「2」以上増加したことを把握した場合、増加前後における遊技媒体のベット数の組合せに対応する「2」以上のベット報知音が順番に連続して出力されるようにする。このため、第1〜第3ベット報知音テーブルに加えて2以上のベット報知音の組合せに対応するベット報知音テーブルを演出側ROM93に予め記憶しておく構成と比較して、演出側ROM93に記憶しておくベット報知音テーブルの容量を低減することができる。
1以上の遊技媒体がベットされている状況において精算ボタン51の操作が行われて遊技媒体のベット数が「0」となった場合、主側MPU72は演出側MPU92に対して精算操作コマンドを送信する。演出側MPU92は、精算操作コマンドを受信した場合、第1音設定済みフラグ127及び第2音設定済みフラグ128を「0」クリアする。これにより、当該精算ボタン51の操作が行われた場合であっても、その後における遊技媒体のベット数とスピーカ62から出力されるベット報知音との対応関係がずれてしまうことを防止することができる。
設定確認表示の開始処理(設定確認用処理(図55(b)におけるステップS2807〜ステップS2811の処理)は、ゲームが実行されていない状態であること、及び遊技媒体のベット数が「1」以上ではない状態であることを条件の一部として実行される。また、設定確認表示の開始時にセレクタ52が受付禁止状態とされるとともに、既に説明したとおり、設定確認表示の実行中にはクレジット投入ボタン47の操作が無効化される。このため、設定確認表示の実行中に遊技媒体のベット数が増加することはなく、遊技媒体のベット数が規定数に到達しないことにより設定確認表示の実行中にゲームが開始されることもない。これにより、設定確認表示の実行中に設定キー挿入孔57がOFF状態となった場合、又は前面扉12が閉鎖状態となった場合には、ゲームの実行中ではないことを確認するための処理及びベット数カウンタ125の値が最大値(具体的には「3」)ではないことを確認するための処理を行うことなく、受付許可処理(ステップS2817)を実行することができる。よって、設定確認表示の終了処理(設定確認用処理(図55(b))のステップS2814〜ステップS2817の処理)の処理構成を簡素化することができるとともに、当該設定確認表示の終了処理を実行するためのプログラムのデータ量を低減することができる。
設定確認表示の実行中にはゲームを開始できない構成であることにより、設定確認表示の実行中に遊技ホールの管理者が他の遊技機のトラブルに対応するためなどの理由により前面扉12をしっかりと閉鎖することなくスロットマシン10から離れた際に、遊技者が遊技を開始してしまうことを防止することができる。
設定確認表示は、前面扉12が閉鎖状態となった場合に終了する。このため、設定確認表示が行われている状況において遊技ホールの管理者が設定キー挿入孔57をOFF状態に切り換えることを忘れたまま前面扉12を閉じてしまった場合に、クレジット表示部65にて設定確認表示が継続されてしまうことを防止することができる。
ゲームが実行されている状態、遊技媒体のベット数が「1」以上である状態、又は遊技状態がボーナス状態である状態では、前面扉12が開放状態であるとともに設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態となったとしても設定確認表示は開始されない。このため、遊技ホールの管理者が設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態のまま前面扉12を閉鎖してしまった場合に、スロットマシン10の設定値を不正に確認しようとする者がゲームが実行されている状態、遊技媒体のベット数が「1」以上である状態、又は遊技状態がボーナス状態である状態において前面扉12を開放してしまったとしても、当該前面扉12の開放によってクレジット表示部65にて設定確認表示が開始されてしまうことを防止することができる。
設定確認表示の開始処理(ステップS2807〜ステップS2811の処理)は、ゲームが実行されていない状況においてのみ実行され、ゲームが実行されている状況においては実行されない。このため、ゲームが実行されている状況においても当該設定確認表示の開始処理が実行され得る構成と比較して、ゲームの実行中における主側MPU72の処理負荷を軽減することができる。
遊技状態がボーナス状態である場合には、ゲームが実行されていない状態であるとともに遊技媒体のベット数が「1」以上ではない状態において、前面扉12が開放されて設定キー挿入孔57のON操作が行われたとしても設定確認表示は開始されない。このため、ボーナス状態中に設定確認処理が実行されることにより遊技者にとって有利なボーナス状態が中断してしまうことを防止することができる。
主側MPU72は、設定キー挿入孔57の現状における状態のみを監視する。設定キー挿入孔57における状態の切り換えを監視する構成とすると、設定確認用処理(図55(b))の前回の処理回における設定キー挿入孔57の状態を記憶するための処理を設ける必要が生じるとともに、主側RAM74に前回の処理回における設定キー挿入孔57の状態を記憶するための記憶エリアを設ける必要が生じる。これに対して、設定キー挿入孔57の現状における状態のみを監視する構成であることにより、主側MPU72の処理負荷が軽減されているとともに、主側RAM74の構成が簡素化されている。
役の抽選処理(図17)にて停止順報知の対象となる当選データが設定された場合、リール32L,32M,32Rの加速期間が終了してストップボタン42〜44の操作が有効となるタイミングで、第2演算対象エリア111の右側兼用表示部用カウンタ136に停止順対応表示用の表示データがセットされるとともに、左側兼用表示部用カウンタ135にオール「0」の表示データがセットされる。また、第2演算対象エリア111の停止順対応表示中フラグ138に「1」がセットされる。停止順対応表示中フラグ138に「1」がセットされている状態でタイマ割込み処理(図15)のステップS210にて表示制御処理(図56)が実行されることにより、各兼用表示部用カウンタ135,136にセットされている表示データが兼用表示部66に出力されて、兼用表示部66にて停止順対応表示が行われる。このため、リール32L,32M,32Rの加速期間が終了してストップボタン42〜44の操作が有効となるタイミングで、停止順対応表示を開始することができる。よって、遊技者によってストップボタン42〜44の有効な操作が行われるタイミングにおいて、兼用表示部66にて停止順対応表示が行われている状態とすることができる。
第2演算対象エリア111における第1〜第3停止順フラグのいずれかに「1」がセットされている状態は、電源が遮断されても電源復帰後にメイン処理(図14)のステップS103において復帰用処理(図40)が実行され、エラー状態が発生することなく電源遮断前の処理状態に復帰する場合には維持される。このため、リール32L,32M,32Rの回転中に電源が遮断され、設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく電源復帰が行われた場合、電源復帰のタイミングにおいて、停止順フラグに「1」がセットされていることに基づいて、兼用表示部66にて停止順対応表示を再開させるための処理を実行することができる。電源復帰後に、ストップボタン42〜44の操作が有効となるタイミングで停止順対応表示を開始する構成とすると、電源遮断前にリール32L,32M,32Rの加速期間が終了したタイミングで兼用表示部66に1度表示された停止順対応表示が電源復帰後に一時的に確認できない状態となってしまう。これに対して、電源復帰時に停止順対応表示を再開する構成であることにより、電源復帰後すぐに停止順対応表示を確認可能とすることができる。
主側MPU72は、リールインデックスセンサから受信する検知信号に基づいてリール32L,32M,32Rの脱調を把握する。脱調を把握した場合、脱調発生時に回転中であった全てのリール32L,32M,32Rを停止させるための処理を行った後、当該リール32L,32M,32Rを再加速させるための処理を行う。このため、リール32L,32M,32Rの脱調が発生した場合に、遊技ホールの管理者によるメンテナンスを不要としながら、リール32L,32M,32Rを再加速させることができる。これにより、遊技ホールの管理者によるメンテナンス負担を軽減することができる。
一部のリール32L,32M,32Rのみが回転している状況で電源が遮断され、設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく電源復帰が行われて電源遮断前の処理状態に復帰した場合、主側MPU72は電源遮断前に回転していたリール32L,32M,32Rのみを回転させるための制御を行う。このため、電源遮断前に停止させたリール32L,32M,32Rを再び停止させる操作を不要として、電源遮断の影響を抑えることができる。電源遮断前に停止されたリール32L,32M,32Rを再び停止させる必要がある構成とすると、電源遮断前にメインラインML上に所望の図柄が停止するタイミングで停止操作が行われていたにもかかわらず、電源復帰後に当該所望の図柄が停止しない事態が生じてしまう可能性がある。これに対して、電源遮断前に回転していたリール32L,32M,32Rのみの回転を再開させる構成であることにより、当該事態を回避することができる。
設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく電源復帰が行われて電源遮断前の処理状態に復帰した場合には、ゲームの開始操作(スタートレバー41の操作)を不要として電源遮断前に回転中であったリール32L,32M,32Rの回転が再開される。このため、リール32L,32M,32Rの回転再開に際して遊技媒体が余計に消費されてしまうことを防止することができる。これにより、電源遮断の発生によって遊技者が不当な不利益を被ってしまうことを防止することができる。
全部又は一部のリール32L,32M,32Rが回転している状況において電源が遮断され、電源復帰時に設定キー挿入孔57のON操作が行われてメイン処理(図14)にて一部クリア処理(ステップS106)又は全部クリア処理(ステップS107)が実行された場合、当該電源復帰後にスタートレバー41の有効な操作が行われるまでリール32L,32M,32Rの回転制御は行われない。遊技ホールの管理者は、電源復帰を行う場合に、電源遮断前に行われていたゲームを再開させる場合と、当該ゲームが終了した状態とする場合とを選択することができる。
役の抽選処理(図17)においてボーナス当選が発生したことに基づいて第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定される。その後、ボーナス当選が発生したゲームにおいて当該ボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立した場合には、BBフラグ又はRBフラグに「1」がセットされて遊技状態がボーナス状態に移行する。一方、第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されている状態で当該ボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立しなかった場合には、内部RT状態フラグ153に「1」がセットされて遊技状態が内部RT状態ST2に移行する。役の抽選処理(図17)においてボーナス当選データが設定されるとともに、当該ボーナス当選データが設定されたゲームにおいてボーナス状態又は内部RT状態ST2への移行が行われる前に電源が遮断された場合、第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されているとともに、内部RT状態フラグ153に「1」がセットされていない状態となる。当該状態において電源復帰後にメイン処理(図14)にて一部クリア処理(ステップS106)が実行されると、電源復帰してから最初のゲームが開始される前に内部RT状態フラグ153に「1」がセットされる。このため、電源復帰してから最初に開始されるゲームにおいて選択される抽選テーブルを内部RT状態用抽選テーブル(図24)とすることができるとともに、ボーナス当選が発生してからボーナス入賞が成立するまでの間に開始されるゲームにおいて内部RT状態用抽選テーブル(図24)以外の抽選テーブルが選択されることを防止することができる。これにより、ボーナス当選の発生後に電源遮断が発生することにより遊技者が不当に不利益を被ることを防止することができる。
第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されているとともに、内部RT状態フラグ153に「1」がセットされていない状態において、電源復帰後にメイン処理(図14)のステップS103にて復電用処理(図40)が実行された場合、エラー状態が発生しないことを条件として、第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されている状態で電源遮断により中断したゲームの続きが開始される。このため、当該ゲームにおいて第2演算対象エリア111に設定されているボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立した場合にはBBフラグ又はRBフラグに「1」をセットして遊技状態をボーナス状態に移行させることができる。また、当該ゲームにおいてボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立しなかった場合には内部RT状態フラグ153に「1」をセットして遊技状態を内部RT状態ST2に移行させることができる。これにより、ボーナス当選の発生後に電源遮断が発生することによって遊技者が不当に不利益を被ってしまうことを防止することができる。
第2演算対象エリア111において遊技状態に関する情報が記憶される記憶エリア及びボーナス当選データが設定される記憶エリアは、一部クリア処理(ステップS106)にてクリアの対象となる範囲から除外されている。このため、電源復帰後にメイン処理(図14)にて一部クリア処理(ステップS106)が実行された場合に、電源遮断前に第2演算対象エリア111に記憶されていたボーナス当選データがクリアされてしまうことを防止することができる。これにより、電源復帰後に一部クリア処理(ステップS106)が実行されたとしても、電源遮断前に第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されていたことに基づいて内部RT状態フラグ153に「1」をセットして遊技状態を内部RT状態ST2に移行させることができる。
電源復帰後にメイン処理(図14)にて一部クリア処理(ステップS106)が実行された場合には電源遮断前に行われていたゲームが終了する一方、電源復帰後にメイン処理(図14)にて復帰用処理(ステップS103)が実行された場合には、エラー状態が発生しないことを条件として、電源遮断前に行われていたゲームの続きが実行される。このため、電源遮断が発生する前の状況に近い状況でゲームを再開させることができるとともに、電源遮断の影響を小さくすることができる。
抽選テーブル選択処理(図66)では、スロットマシン10の設定値に加えて、第2演算対象エリア111の第1RTモードフラグ151、第2RTモードフラグ152、内部RT状態フラグ153、BBフラグ及びRBフラグの状態に基づいて抽選テーブルが選択される。第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されたゲームでは、停止図柄の組合せに応じて当該ボーナス当選に対応するボーナス入賞が成立するか否かが決まる。また、役の抽選処理(図17)にて第2演算対象エリア111に第1RTリプレイ役、第2RTリプレイ役、第1転落リプレイ役、又は第2転落リプレイ役の当選データが設定された場合には、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞が成立するか否かが決まる。全リール32L,32M,32Rの停止後に行われる抽選モード制御処理(図67)において、第1RTモードフラグ151、第2RTモードフラグ152及び内部RT状態フラグ153の状態を変更する処理を行う構成であることにより、抽選テーブルを選択する際に参照される設定値以外の情報を設定する処理を全リール32L,32M,32Rの回転停止後に行われる抽選モード制御処理(図67)に集約することができる。
示唆動作フラグ154に「1」がセットされているとともに、契機種別フラグ155の値が「0」である状態で、有利区間SC2が終了した場合において、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされており、スロットマシン10の設定値が「設定4」以下である場合には、第1示唆動作抽選(第1示唆動作用処理(図75)のステップS4307及びステップS4309〜ステップS4311)又は第2示唆動作抽選(第1示唆動作用処理(図75)のステップS4308〜ステップS4311)が行われる。そして、当該第1示唆動作抽選又は第2示唆動作抽選において自動精算に当選した場合には自動精算が行われるとともに、打止に当選した場合には打止が行われる。また、示唆動作フラグ154に「1」がセットされているとともに、契機種別フラグ155の値が「0」である状態で、有利区間SC2が終了した場合において、第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの値が「0」であり、有利区間SC2における遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数(具体的には「400」)以上である場合、第3示唆動作抽選(第2示唆動作用処理(図77)のステップS4602〜ステップS4604)が行われる。そして、当該第3示唆動作抽選において自動精算に当選した場合には自動精算が行われる。このため、有利区間SC2の終了時に示唆動作が行われるか否かに注目させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
示唆動作フラグ154に「1」がセットされているとともに、契機種別フラグ155の値が「0」である状態で、有利区間SC2が終了した場合において、第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされており、スロットマシン10の設定値が「設定5」以上である場合には、示唆動作抽選が行われることなく、自動精算が行われるとともに、当該自動精算の終了後に打止状態報知が行われる。遊技者は、自動精算の終了後に打止状態報知が行われたことを確認することにより、現在遊技を行っているスロットマシン10に「設定5」以上の高い設定値が設定されていることを確信することができる。このため、自動精算の後に打止状態報知が行われるか否かに注目させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
示唆動作フラグ154に「1」がセットされているとともに、契機種別フラグ155の値が「1」である状態で、ボーナス状態が終了した場合、第1示唆動作抽選又は第2示唆動作抽選が行われる。そして、当該第1示唆動作抽選又は第2示唆動作抽選において自動精算に当選した場合には自動精算が行われるとともに、打止に当選した場合には打止状態報知が行われる。このため、ボーナス状態の終了時に示唆動作が行われるか否かに注目させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
設定値更新処理(図71)の実行中に左ストップボタン42の操作が行われた場合に兼用表示部66の左側セグメント表示器66aに表示されている「0」又は「1」の数字が更新され、スタートレバー41の操作が行われた場合に当該更新された数字に対応する値が示唆動作フラグ154にセットされる。遊技ホールの管理者は、設定値更新処理(図71)の実行中に左ストップボタン42及びスタートレバー41の操作を行うことにより、示唆動作の開始契機が発生した場合に示唆動作を実行するための処理(第1示唆動作用処理(図75)のステップS4304〜ステップS4313及びステップS4317〜ステップS4318の処理)が実行される状態と、示唆動作の開始契機が発生しても当該示唆動作を実行するための処理が実行されない状態とを選択することができる。
設定されている示唆動作の開始契機が発生し、示唆動作を実行するための処理(第1示唆動作用処理(図75)のステップS4304〜ステップS4313及びステップS4317〜ステップS4318の処理)が実行された場合、主側MPU72は第2演算対象エリア111における示唆動作フラグ154を「0」クリアする。遊技ホールの管理者が示唆動作の実行に関する設定を解除する操作を不要としながら、設定値更新処理(図71)の終了後に示唆動作が実行される回数を1回以下とすることができる。
クレジット表示部65及び兼用表示部66において点滅表示が行われている状態において、確定操作(スタートレバー41の操作)が行われることにより、クレジット表示部65を見ながら更新されていた設定値の情報が第2演算対象エリア111の設定値カウンタにセットされ、兼用表示部66の左側セグメント表示器66aを見ながら更新されていた示唆動作の有無に関する情報が示唆動作フラグ154にセットされ、兼用表示部66の右側セグメント表示器66bを見ながら更新されていた示唆動作の開始契機の種類に関する情報が契機種別フラグ155にセットされる。ゲームを開始させるべく遊技者によって操作されるスタートレバー41の操作に基づいてスロットマシン10の設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を書き換える構成であることにより、これらの情報を書き換えるために操作される専用の操作手段が設けられている構成と比較して、スロットマシン10における操作手段の数を低減することができる。スタートレバー41の1度の操作によって設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を書き換える構成であることにより、設定値に関する情報を書き換えるための操作と、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を書き換えるための操作とが分かれている構成と比較して、これらの情報を書き換えるための操作を簡単なものとすることができる。また、設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報のうち一部の情報のみを書き換え、残りの情報を書き換えるための操作を忘れた状態で設定値更新処理が終了してしまうことを防止することができる。
設定値更新処理(図71)が実行されている状況において、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を更新するための表示が行われる兼用表示部66、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を更新するために操作される左ストップボタン42、右ストップボタン44及びスタートレバー41はスロットマシン10の前面側に設けられている。このため、兼用表示部66の表示を見ながら左ストップボタン42を操作して示唆動作の有無に関する情報を更新する操作、右ストップボタン44を操作して示唆動作の開始契機の種類に関する情報を更新する操作及びスタートレバー41を操作して更新後の示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を確定させる操作を簡単なものとすることができる。
示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機に関する情報の設定は、遊技ホールの管理者のみが実行可能な設定値更新処理(図71)が実行されている状況においてのみ実行可能となる。このため、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機に関する情報が不正に書き換えられてしまうことを防止することができる。また、これらの情報を設定するための処理を遊技者に見られない状況で行われるようにすることにより、これらの情報を更新するための表示を普段遊技者が目にするクレジット表示部65及び兼用表示部66にて行うことができる。
示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報の表示は、兼用表示部66にて行われる。このため、これらの情報を表示するための専用の表示部を設ける構成と比較して、スロットマシン10における表示部の数を低減することができる。
設定値を更新するための表示がクレジット表示部65にて行われている状況において、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を更新するための表示は兼用表示部66にて行われる。このため、設定値を更新するための操作と、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を更新するための操作とを同時並行で行うことができる。例えば、開店前に複数のスロットマシン10について、設定値の設定と、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報の設定とを行わなければならない場合に、これらの設定操作を簡単で時間のかからないものとすることができる。これにより、遊技ホールの管理者における利便性が高められている。
契機種別フラグ155の値が「0」であるとともに有利区間SC2における遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数(具体的には「400」)以上である状態において有利区間SC2が終了すると、当該有利区間SC2の終了と同時にボーナス状態が終了する場合及び当該有利区間SC2の終了後もボーナス状態が継続される場合の両方において、当該有利区間SC2の終了時に示唆動作を実行するための処理が実行される。このため、遊技ホールの管理者によって示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている状況において、有利区間SC2の終了時以外のタイミングで示唆動作が実行されてしまうことを防止することができる。
契機種別フラグ155の値が「1」である状態において、ボーナス状態の終了条件が満たされていないにもかかわらず有利区間SC2の終了条件が成立したことに基づいて当該ボーナス状態も終了する場合、当該ボーナス状態の終了時に示唆動作を実行するための処理が実行される。このため、遊技ホールの管理者によって示唆動作の開始契機として「ボーナス状態の終了」が選択されている状況において、ボーナス状態の終了時以外のタイミングで示唆動作が実行されてしまうことを防止することができる。
第1〜第3示唆動作抽選では、スロットマシン10の設定値が遊技者にとって有利な設定値であるほど示唆動作に当選し易い。このため、示唆動作が実行された場合に、現在遊技を行っているスロットマシン10に高い設定値が設定されているのではないかと遊技者に期待させることができる。これにより、遊技の興趣向上が図られている。
「設定1」〜「設定3」用の第1示唆動作抽選テーブルでは自動精算のみに当選し得る一方、「設定4」〜「設定6」用の第1示唆動作抽選テーブルでは打止及び自動精算に当選し得る。このため、RB状態ST4の終了時に打止が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10の設定値が「設定4」以上であることを遊技者に確信させることができる。「設定4」〜「設定6」用の第1示唆動作抽選テーブルでは、遊技者にとって有利な設定値であるほど打止の当選確率が高くなっている。このため、RB状態ST4の終了時に打止が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10に「設定5」以上の高い設定値が設定されているのではないかと遊技者に期待させることができる。
「設定1」〜「設定3」用の第2示唆動作抽選テーブルでは打止のみに当選し得る一方、「設定4」〜「設定6」用の第2示唆動作抽選テーブルでは打止及び自動精算に当選し得る。このため、BB状態ST3の終了時に自動精算が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10の設定値が「設定4」以上であることを遊技者に確信させることができる。「設定4」〜「設定6」用の第2示唆動作抽選テーブルでは、遊技者にとって有利な設定値であるほど自動精算の当選確率が高くなっている。このため、BB状態ST3の終了時に自動精算が行われた場合、現在遊技を行っているスロットマシン10に「設定5」以上の高い設定値が設定されているのではないかと遊技者に期待させることができる。
遊技ホールの管理者は、設定更新処理(図71)の実行中に示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種別に関する情報を設定することにより、スロットマシン10の設定値に対応する確率で示唆動作を実行させることができる。このため、遊技ホールの管理者が設定値に応じて示唆動作を実行させるか否かを自分で考えて設定を行う構成と比較して、遊技ホールの管理者における管理負担を軽減することができる。
示唆動作の開始契機として、「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」と、「ボーナス状態の終了」との2種類が存在している。このため、有利区間SC2がするタイミング及びボーナス状態が終了するタイミングの両方において、示唆動作が行われるのではないかと遊技者に期待させることができる。これにより、遊技の興趣向上が図られている。
遊技ホールの管理者は、設定値更新処理(図71)の実行中に示唆動作の開始契機として、「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」又は「ボーナス状態の終了」を選択することができる。このため、遊技ホールの管理者はスロットマシン10において示唆動作が実行され得るタイミングを予め把握しておくことができる。これにより、遊技ホールの管理者におけるスロットマシン10の監視負担を軽減することができる。
設定値更新処理(図71)において示唆動作フラグ154に「1」がセットされ、当該設定値更新処理(図71)の終了後において最初に有利区間SC2が終了する際、当該有利区間SC2における差枚数が所定示唆基準数(具体的には「400」)未満である場合には、示唆動作フラグ154に「1」がセットされている状態が維持される。このため、示唆動作を実行するための構成を備えているスロットマシン10において、遊技ホールの管理者が示唆動作を実行するための設定を行ったにもかかわらず、第1〜第3示唆動作抽選が実行されることもなく示唆動作フラグ154が「0」クリアされてしまう可能性を低減することができる。
第1〜第3状態中信号のうち1つ以上の状態中信号の立ち上げが行われた場合、当該立ち上げから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過した後に投入信号の出力制御が開始される。これにより、データカウンタDCにおいて状態中信号の立ち上がりが把握される前に主側MPU72において投入信号の出力制御が開始されてしまうことを防止することができる。よって、データカウンタDCにおいてボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6における遊技媒体の投入数を正確に把握可能とすることができる。
ボーナス状態、有利区間SC2又はART状態ST6の開始時にフリーズ期間を設定することなく、データカウンタDCにおいて状態中信号の立ち上がりを把握するための処理が終了した後に主側MPU72において投入信号の出力制御が開始されるようにすることができる。フリーズ期間の設定が不要であるため、遊技者にストレスを感じさせることなく、スムーズにボーナス状態、有利区間SC2又はART状態ST6を開始させることができる。
第1〜第3状態中信号の立ち上げが行われない場合には、所定時間(具体的には500ミリ秒)を計測することなくゲーム開始時に投入信号の出力制御が開始される。このため、第1〜第3状態中信号の立ち上げを行わない場合には、ゲームが開始されてからデータカウンタDCにおいて遊技媒体の投入数が把握可能となるまでの期間を短縮することができる。また、ゲーム開始時に所定時間(具体的には500ミリ秒)を計測するための処理を省略することができる。
第1〜第3状態中信号のうち少なくとも1つの状態中信号の立ち下げが行われるゲームでは、払出信号の出力制御が行われる場合、当該払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過するまで状態中信号の立ち下げが延期され、状態中信号の立ち下げが行われた後にゲームが終了する。このため、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数を把握するための処理が終わらないうちに主側MPU72において状態中信号の立ち下げが行われてしまうことを防止することができる。これにより、ボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6における遊技媒体の付与数をデータカウンタDCにて正確に把握可能とすることができる。
小役入賞又はリプレイ入賞が成立したことに基づいて払出信号の出力制御が行われるゲームでは、払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過するまで状態中信号の立ち下げを延期し、当該状態中信号の立ち下げを行った後にゲームを終了する。状態中信号の立ち下げを行った後にゲームを終了することにより、状態中信号の立ち下げが行われる前に次のゲームが開始されて投入信号の出力制御が開始されてしまうことを防止することができる。
ボーナス状態への移行、有利区間SC2への移行及びART状態ST6への移行の少なくとも1つが発生したゲームでは、払出信号の出力制御が行われる場合、当該払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過するまでゲームの終了が延期され、当該ゲームの終了後に次のゲームを開始可能な状態となる。そして、当該次のゲームの開始時に状態中信号の立ち上げが行われる。このため、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数を把握するための処理が終わらないうちに主側MPU72において状態中信号の立ち上げが行われてしまうことを防止することができる。これにより、ボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6における遊技媒体の付与数をデータカウンタDCにて正確に把握可能とすることができる。
第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち上げ準備フラグ及び第1〜第3立ち下げ準備フラグのいずれにも「1」がセットされないゲームでは、当該ゲームの終了タイミングが払出信号の出力制御の影響を受けることはなく、払出信号の出力制御が実行されている途中であってもゲームが終了する。このため、払出信号の出力制御の途中であっても次のゲームを開始可能な状態とすることができる。これにより、払出信号の出力制御が原因となってゲームを開始可能な状態となるタイミングが遅延してしまうことを防止することができる。
リプレイ入賞が成立した場合には遊技媒体の規定数(具体的には「3」)分の払出信号を出力するための出力制御が行われるとともに、当該リプレイ入賞が成立した次のゲームでは、当該規定数分の投入信号を出力するための出力制御が行われる。このため、主側MPU72とデータカウンタDCとを接続する信号線としてリプレイ入賞が成立したことを示す信号を送信するための専用の信号線を不要としながら、データカウンタDCにおいてリプレイ入賞が成立した場合も含む遊技媒体の純増数を把握可能とすることができる。
主側MPU72は遊技媒体のベット数に対応する回数だけ投入信号の立ち上げを行うことによりデータカウンタDCに遊技媒体のベット数を認識させるとともに、遊技媒体の付与数又は遊技媒体の規定数に対応する回数だけ払出信号の立ち上げを行うことによりデータカウンタDCに小役入賞の成立に基づく遊技媒体の付与数又はリプレイ入賞の成立を認識させる。このため、主側MPU72とデータカウンタDCとを電気的に接続する信号線の数が増加してしまうことを防止しながら、データカウンタDCにおいて遊技媒体のベット数、小役入賞の成立に基づく遊技媒体の付与数及びリプレイ入賞の成立を把握可能とすることができる。
主側MPU72は、投入信号を出力するための投入信号線157及び払出信号を出力するための払出信号線158を利用して、メイン処理(図14)のステップS106における一部クリア処理(図68)及びステップS107における全部クリア処理(図43)が行われたことをデータカウンタDCに認識させるための信号の出力制御を行う。このため、これら一部クリア処理及び全部クリア処理が行われたことをデータカウンタDCに認識させるための信号を出力する専用の信号線を不要として、信号線を低減することができる。
主側MPU72は、1つの間隔調整タイマカウンタ164を用いて、状態中信号の立ち上げが行われてから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過したか否かを把握するとともに、払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過したか否かを把握する。このため、間隔調整タイマカウンタ164が2つ設けられている構成と比較して、主側RAM74の構成を簡素化することができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、チェックサムの算出方法が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的に説明を省略する。
図87は本実施形態における主側RAM74における各エリアの設定態様を説明するための説明図である。
上記第1の実施形態と同様に、主側RAM74には、特定制御用のスタックエリア101、非特定制御用のワークエリア102、特定制御用のワークエリア103、非特定制御用のスタックエリア104、及び第1〜第3未使用エリア105〜107が設けられている。本実施形態では、特定制御用のスタックエリア101における第1演算対象エリア109と、非特定制御用のワークエリア102と、特定制御用のワークエリア103と、第1未使用エリア105と、第2未使用エリア106とを演算対象範囲として、電源遮断の前後にチェックサムの演算が行われる。チェックサムの演算対象範囲には特定制御用のワークエリア103の全体が含まれている。
図87に示すように、特定制御用のワークエリア103にはチェックサム用エリア171が設けられている。チェックサム用エリア171は、電源遮断前に算出されたチェックサムの2の補数が記憶される記憶エリアである。チェックサム用エリア171は、特定制御用のワークエリア103における最後から2番目のアドレスであるY(t+2)及び最後のアドレスであるY(t+3)に対応する合計2バイトの記憶エリアに設定されている。チェックサムの2の補数は、電源遮断前に算出されたチェックサムに加算することにより演算結果が「0」となる2バイトの数値情報である。なお、チェックサムの2の補数の算出方法については後述する。
停電の発生が特定された場合に実行される停電時処理(図88)では、チェックサム用エリア171が「0」クリアされた状態でチェックサムの演算を行う。停電時処理(図88)では、主側MPU72においてチェックサムの演算用のレジスタとしてBCレジスタを確保し、当該BCレジスタを「0」クリアする。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、BCレジスタは2バイトからなる。チェックサムの演算では、まず演算対象範囲の開始アドレスであるY(4)に対応する1バイトの記憶エリアを加算対象エリアに設定する。その後、当該加算対象エリアに記憶されているデータを1バイトの数値情報としてBCレジスタに加算するとともに、現状の加算対象エリアのアドレス(Y(4))に「1」を加算して加算対象エリアのアドレスをY(5)に更新する。これにより、加算対象エリアがY(5)のアドレスに対応する1バイトの記憶エリアに更新される。チェックサムの演算では、加算対象エリアのアドレスが当該演算の終了アドレスであるY(t+4)となるまで、加算対象エリアに記憶されている1バイトの数値情報をBCレジスタに加算するとともに加算対象エリアのアドレスを1加算して更新する処理を繰り返す。各加算処理では、当該加算の結果がBCレジスタの最上位ビットを超える繰り上がりが発生した場合、当該繰り上がりは無視する。これにより、BCレジスタには、チェックサムの演算結果として、チェックサムの演算対象範囲に含まれている全てのアドレス(Y(4)〜Y(t+3))に対応する記憶エリアに記憶されている1バイトの数値情報の合計値が算出されている状態となる。当該合計値は2バイトの数値情報である。本実施形態では、BCレジスタにて算出された当該合計値をチェックサムとする。なお、主側MPU72においてチェックサムの演算用に確保するレジスタは、BCレジスタに限定されることはなく、DEレジスタであってもよく、HLレジスタであってもよい。
本実施形態では、当該チェックサムについて2の補数を算出し、当該算出した2の補数をチェックサム用エリア171に記憶する。チェックサムの2の補数は、16ビットのチェックサムの各ビットを反転(「0」を「1」に反転、又は「1」を「0」に反転)させて得られる2バイトの数値情報に対して、「1」を加算することにより算出される。
チェックサム用エリア171はチェックサムの演算対象範囲に含まれている。このため、電源遮断前にチェックサム用エリア171が「0」クリアされている状態で算出したチェックサムの2の補数をチェックサム用エリア171に記憶し、電源復帰後にチェックサム用エリア171を「0」クリアすることなく電源遮断前と同一の方法でチェックサムを算出すると、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータが電源遮断前のデータと同一である場合、チェックサムの演算結果が「0」となる。電源復帰後に実行されるバックアップ異常確認処理(図89)では、チェックサムの演算結果が「0」となった場合にチェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していないと判定するとともに、チェックサムの演算結果が「0」にならなかった場合に当該演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生したと判定する。
このように、電源復帰後に算出したチェックサムが「0」であるか否かを判定することによりチェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生しているか否かを判定することができる。これにより、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生しているか否かの判定を容易なものとすることができる。
次に、主側MPU72にて実行される停電時処理について、図88のフローチャートを参照しながら説明する。停電時処理はタイマ割込み処理(図15)のステップS204にて実行される。なお、停電時処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
停電時処理では、ステップS5201〜ステップS5203にて上記第1の実施形態における停電時処理(図39)のステップS1701〜ステップS1703と同様の処理を実行する。具体的には、まず特定制御用のスタックエリア101における先頭エリア108に記憶されているデータを特定制御用のワークエリア103における先頭退避用エリア115に記憶する(ステップS5201)。ステップS5201にて先頭エリア108に記憶されているデータを先頭退避用エリア115に退避させることにより、電源復帰後に、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図89)を実行するために先頭エリア108を利用することを可能としながら、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していないことが確認された場合に、先頭退避用エリア115に記憶されているデータを先頭エリア108に復帰させることができる。これにより、先頭エリア108のデータを停電時処理(図88)の開始時に先頭エリア108に記憶されていたデータに戻して電源遮断前の処理状態に復帰させることができる。また、先頭エリア108のデータを先頭退避用エリア115に退避させている状態で電源遮断前のチェックサム及び電源復帰後のチェックサムが算出される構成とすることにより、電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に記憶したチェックサムと一致することを確認することによって先頭退避用エリア115に退避させたデータに異常が発生していないことを確認することが可能となる。その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし(ステップS5202)、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする(ステップS5203)。
その後、特定制御用のワークエリア103におけるチェックサム用エリア171を「0」クリアする(ステップS5204)。その後、主側MPU72のBCレジスタをチェックサムの演算用に確保し、当該BCレジスタを「0」クリアする(ステップS5205)。その後、チェックサムの加算対象エリアのアドレスとして演算対象範囲の開始アドレスである「Y(4)」をセットする(ステップS5206)。その後、主側RAM74において加算対象エリアのアドレスに対応する記憶エリアに記憶されている1バイトデータを読み出し(ステップS5207)、その読み出した1バイトデータを1バイトの数値情報として主側MPU72においてチェックサムの演算用に確保したBCレジスタに加算する(ステップS5208)。ステップS5208では、当該加算の結果がBCレジスタの最上位ビットを超える繰り上がりが発生した場合、当該繰り上がりは無視する。その後、加算対象エリアのアドレスに「1」を加算して加算対象エリアのアドレスを更新する(ステップS5209)。ステップS5209では、加算対象エリアのアドレスがY(4)→Y(5)→Y(6)→…→Y(t+3)→Y(t+4)の順番で更新される。
その後、加算対象エリアのアドレスがチェックサムの演算の終了アドレスである「Y(t+4)」であるか否かを判定する(ステップS5210)。ステップS5210にて否定判定を行った場合には、ステップS5207に戻り、ステップS5210にて肯定判定が行われるまでステップS5207〜ステップS5210の処理を繰り返し実行する。これにより、主側MPU72においてチェックサムの演算用に確保したBCレジスタに、チェックサムの演算結果として、主側RAM74におけるチェックサムの演算対象範囲(Y(4)〜Y(t+3))に記憶されている1バイトの数値情報の合計値が算出されている状態となる。既に説明したとおり、当該合計値は2バイトの数値情報である。
その後、当該BCレジスタにて算出されたチェックサムの2の補数を算出する(ステップS5211)。ステップS5211では、16ビットのチェックサムの各ビットを反転(「0」を「1」に反転、又は「1」を「0」に反転)させて得られる2バイトの数値情報に対して、「1」を加算することによりチェックサムの2の補数を算出する。その後、当該算出したチェックサムの2の補数を特定制御用のワークエリア103におけるチェックサム用エリア171に記憶する(ステップS5212)。その後、主側RAM74へのアクセスを禁止する(ステップS1713)。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え無限ループに入る。
次に、主側MPU72に実行されるバックアップ異常確認処理について図89のフローチャートを参照しながら説明する。バックアップ異常確認処理は復電用処理(図40)のステップS1804にて実行される。なお、バックアップ異常確認処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
バックアップ異常確認処理では、ステップS5301〜ステップS5304にて上記第1の実施形態におけるバックアップ異常確認処理(図41)のステップS1901〜ステップS1904と同様の処理を実行する。具体的には、まずロード命令により、主側MPU72のスタックポインタにバックアップ異常確認処理(図89)の開始時の固定アドレスとして、非特定制御用のスタックエリア104における最後のアドレスである「Y(u+1)」を設定する(ステップS5301)。その後、主側MPU72が備えている各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタのうち一部のレジスタであるWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、WAレジスタ→BCレジスタ→DEレジスタ→HLレジスタ→IXレジスタ→IYレジスタの順番で、非特定制御用のスタックエリア104に退避させる処理を実行する(ステップS5302)。ステップS5302における処理内容は、上記第1の実施形態におけるバックアップ異常確認処理(図41)のステップS1902における処理内容と同一である。
これらWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタはステップS5303〜ステップS5310の処理にて利用されるレジスタである。これらのレジスタに設定されている情報をステップS5303〜ステップS5310の処理の実行に先立ち非特定制御用のスタックエリア104に退避させることにより、特定制御に際して利用されていたこれらレジスタの情報を非特定制御が開始される前に退避させることが可能となる。よって、非特定制御に際してこれらレジスタが上書きされたとしても、非特定制御を終了する場合には非特定制御用のスタックエリア104に退避させた情報をこれらレジスタに復帰させることで、これらレジスタの状態を非特定制御が実行される前における特定制御に対応する状態に復帰させることが可能となる。
ステップS5302の処理を行った後、主側MPU72においてチェックサムの演算用にBCレジスタを確保し、当該BCレジスタを「0」クリアする(ステップS5303)。その後、チェックサムの加算対象エリアのアドレスとして演算対象範囲の開始アドレスである「Y(4)」をセットする(ステップS5304)。その後、主側RAM74において加算対象エリアのアドレスに対応する記憶エリアに記憶されている1バイトデータを読み出し(ステップS5305)、その読み出した1バイトデータを1バイトの数値情報として主側MPU72においてチェックサムの演算用に確保したBCレジスタに加算する(ステップS5306)。ステップS5306では、当該加算の結果がBCレジスタの最上位ビットを超える繰り上がりが発生した場合、当該繰り上がりは無視する。その後、加算対象エリアのアドレスに「1」を加算して加算対象エリアのアドレスを更新する(ステップS5307)。ステップS5307では、加算対象エリアのアドレスがY(4)→Y(5)→Y(6)→…→Y(t+3)→Y(t+4)の順番で更新される。
その後、加算対象エリアのアドレスがチェックサムの演算の終了アドレスであるY(t+4)であるか否かを判定する(ステップS5308)。ステップS5308にて否定判定を行った場合には、ステップS5305に戻り、ステップS5308にて肯定判定が行われるまでステップS5305〜ステップS5308の処理を繰り返し実行する。これにより、主側MPU72においてチェックサムの演算用に確保したBCレジスタに、チェックサムの演算結果として、主側RAM74におけるチェックサムの演算対象範囲(Y(4)〜Y(t+3))に記憶されている1バイトの数値情報の合計値が算出されている状態となる。既に説明したとおり、当該合計値は2バイトの数値情報である。
ステップS5308にて肯定判定を行った場合には、主側MPU72においてチェックサムの演算用に確保したBCレジスタに記憶されているチェックサム、すなわち電源復帰後に算出したチェックサムが「0」であるか否かを判定する(ステップS5309)。電源復帰後に算出したチェックサムが「0」ではない場合(ステップS5309:NO)には、非特定制御用のワークエリア102に設けられたバックアップ異常フラグ113に「1」をセットする(ステップS5310)。これにより、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していることを主側MPU72にて把握可能とすることができる。
ステップS5309にて肯定判定を行った場合、又はステップS5310の処理を行った場合には、ステップS5311及びステップS5312にて上記第1の実施形態におけるバックアップ異常確認処理(図41)のステップS1911及びステップS1912と同様の処理を実行する。具体的には、ステップS5302にて非特定制御用のスタックエリア104に退避させたデータを、ステップS5302における順番(WAレジスタ→BCレジスタ→DEレジスタ→HLレジスタ→IXレジスタ→IYレジスタ)とは逆の順番(IYレジスタ→IXレジスタ→HLレジスタ→DEレジスタ→BCレジスタ→WAレジスタ)で、主側MPU72のWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタに復帰させる処理を実行する(ステップS5311)。ステップS5311における処理内容は、上記第1の実施形態におけるバックアップ異常確認処理(図41)のステップS1911における処理内容と同一である。ステップS5311の処理が実行されることにより、主側MPU72のWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、非特定制御に対応する処理であるバックアップ異常確認処理(図89)の開始時における特定制御に対応する情報に復帰させることが可能となる。
その後、主側MPU72のスタックポインタに固定アドレスである「Y(0)」をセットして(ステップS5312)、本バックアップ異常確認処理を終了する。このように固定アドレスの情報をスタックポインタに設定することによって当該スタックポインタの情報をバックアップ異常確認処理(図89)が開始される直前の情報に復帰させる構成とすることで、バックアップ異常確認処理(図89)を開始する前に特定制御に対応する主側MPU72のスタックポインタの情報を非特定制御用のワークエリア102に退避させる必要がなくなる。これにより、非特定制御用のワークエリア102における全記憶エリアをチェックサムの演算対象範囲に含めることができるとともに、主側MPU72における処理負荷を軽減することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
電源復帰後に算出したチェックサムが「0」であるか否かを判定することによりチェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生しているか否かを判定することができる。これにより、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生しているか否かの判定を容易なものとすることができる。
特定制御用のワークエリア103の全体を電源遮断の前後におけるチェックサムの演算対象範囲に含めることができる。これにより、電源遮断の前後におけるチェックサムの演算対象範囲の指定を容易なものとすることができる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、復電用処理においてエラー状態が発生していないことが確認された場合にタイマ割込み処理に復帰することが上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的に説明を省略する。
本実施形態では、復電用処理(図90)においてエラー状態が発生していないことが確認された場合、電源遮断の直前に実行されていたタイマ割込み処理(図15)による割込みが発生する直前に実行されていた処理に関わらず、チェックサム用エリア114及び表示再開フラグを除く主側RAM74の状態を電源遮断の直前に実行されていたタイマ割込み処理(図15)のステップS201におけるレジスタ退避処理の終了時の状態に戻して、タイマ割込み処理(図15)のステップS202に復帰させる。これにより、ステップS202からタイマ割込み処理(図15)を再開させることが可能となる。
図90は本実施形態における主側MPU72にて実行される復電用処理を示すフローチャートである。復電用処理はメイン処理(図14)のステップS103にて実行される。なお、復電用処理におけるバックアップ異常確認処理(ステップS5404)以外の処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される一方、バックアップ異常確認処理(ステップS5404)は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
復電用処理では、ステップS5401〜ステップS5414にて上記第1の実施形態における復電用処理(図40)のステップS1801〜ステップS1814と同様の処理を実行する。具体的には、まず第2演算対象エリア111におけるエラー状態フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS5401)、エラー状態フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS5401:NO)には、ロード命令により、主側MPU72のスタックポインタに復電用処理(図90)の開始時における固定アドレスとして、特定制御用のスタックエリア101における先頭エリア108の最後の記憶エリアに対応するアドレス情報である「Y(3)」を設定する(ステップS5402)。これにより、特定制御用のスタックエリア101においてプッシュ命令による情報の書き込み対象となる記憶エリアとして、先頭エリア108の最後の記憶エリアが設定されている状態となる。
その後、プッシュ命令により、主側MPU72のフラグレジスタの情報を特定制御用のスタックエリア101における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報(「Y(3)」)に対応する記憶エリアに退避させるとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報(「Y(2)」)に更新する(ステップS5403)。フラグレジスタの情報をバックアップ異常確認処理(ステップS5404)に対応するサブルーチンのプログラムが開始される前に退避させることにより、当該サブルーチンのコールや当該サブルーチンの開始後において変化する前の状態のフラグレジスタの情報を先頭エリア108に退避させておくことが可能となる。
その後、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されているバックアップ異常確認処理に対応するサブルーチンのプログラムを読み出すことにより、当該バックアップ異常確認処理を開始する(ステップS5404)。この場合、バックアップ異常確認処理の終了後にステップS5405の処理に復帰するための戻り番地を特定するための情報(2バイト)が戻り番地の情報として、プッシュ命令により、特定制御用のスタックエリア101に退避される。戻り番地の情報における上位1バイトは、特定制御用のスタックエリア101における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報(「Y(2)」)に対応する記憶エリアに記憶されるとともに、当該戻り番地の情報における下位1バイトは、その次のスタックポインタの情報(「Y(1)」)に対応する記憶エリアに記憶される。そして、主側MPU72のスタックポインタの情報が次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報(「Y(0)」)に更新される。先頭エリア108には主側MPU72のフラグレジスタの情報(1バイト)及び戻り番地の情報(2バイト)が記憶されている状態となる。
バックアップ異常確認処理(図41)を終了する場合、ポップ命令により、特定制御用のスタックエリア101における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報(「Y(0)」)に対して1つ前の順番の情報(「Y(1)」)に対応する記憶エリア及び2つ前の順番の情報(「Y(2)」)に対応する記憶エリアに退避された情報、すなわち特定制御用のスタックエリア101における先頭エリア108に退避されている戻り番地の情報を読み出して主側MPU72のプログラムカウンタに設定するとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を当該2つ前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報(「Y(3)」)に更新する。これにより、復電用処理(図90)のステップS5405の処理に復帰することができる。
ステップS5404にてバックアップ異常確認処理を実行した後、ステップS5403にて先頭エリア108における「Y(3)」のアドレス情報に対応する記憶エリアに退避させた情報を、ポップ命令により、主側MPU72のフラグレジスタに復帰させる(ステップS5405)。これにより、主側MPU72のフラグレジスタを、コール命令により非特定制御用のプログラムに設定されているバックアップ異常確認処理(図41)に対応するサブルーチンのプログラムを読み出す前の状態に戻すことができる。
その後、非特定制御用のワークエリア102におけるバックアップ異常フラグ113に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5406)。バックアップ異常フラグ113に「1」がセットされていない場合(ステップS5406:NO)には、スロットマシン10の設定値が正常な値(「1」〜「6」のいずれかの値)であるか否かを判定する(ステップS5407)。設定値が正常であると判定した場合(ステップS5407:YES)には、第2演算対象エリア111における停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS5408)。停電フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5408:YES)には、主側MPU72への動作電力の供給が停止される場合において停電時処理(図39)が正常に実行されたことを意味するため、ステップS5409の処理に進む。
ステップS5409では停電フラグをクリアする。その後、演出側MPU92に対して復電コマンドを送信する(ステップS5410)。その後、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111に設けられたいずれかの停止順フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS5411)、いずれかの停止順フラグに「1」がセットされている場合(ステップS5411:YES)には、第2演算対象エリア111の表示再開フラグに「1」をセットする(ステップS5412)。
ステップS5411にて否定判定を行った場合、又はステップS5412の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111の先頭退避用エリア115に記憶されているデータを特定制御用のスタックエリア101における先頭エリア108に復帰させる(ステップS5413)。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、停電の発生が特定された場合、先頭エリア108に記憶されていたデータは、停電時処理(図39)のステップS1701にて先頭退避用エリア115に退避される。このため、先頭退避用エリア115には、停電時処理(図39)の開始時に先頭エリア108に記憶されていたデータが記憶されている。ステップS5413にて先頭退避用エリア115に記憶されているデータを先頭エリア108に復帰させることにより、先頭エリア108に記憶されているデータを停電時処理(図39)の開始時に当該先頭エリア108に記憶されていたデータに戻すことができる。特定制御用のスタックエリア101に記憶されているデータは、タイマ割込み処理(図15)が開始されてからステップS204にて停電時処理(図39)が開始されるまでの間に変化することはない。このため、先頭エリア108に記憶されているデータを停電時処理(図39)の開始時に当該先頭エリア108に記憶されていたデータに戻すことにより、特定制御用のスタックエリア101を電源遮断の直前に実行されていたタイマ割込み処理(図15)の開始時における状態に戻すことができる。
その後、第2演算対象エリア111のスタックポインタ退避用エリア116に記憶されているデータを、ロード命令により、主側MPU72のスタックポインタに復帰させる(ステップS5414)。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、停電の発生が特定されたタイマ割込み処理(図15)の処理回において、ステップS204における停電時処理(図39)が実行される前に実行されるレジスタ退避処理(ステップS201)では、タイマ割込み処理(図15)の開始時における主側MPU72のスタックポインタの情報がスタックポインタ退避用エリア116に退避されるとともに、主側MPU72が備えている各種レジスタのうちプログラムカウンタ及びスタックポインタ以外のレジスタの情報が第2演算対象エリア111におけるレジスタ退避用エリア117の対応するレジスタ退避用バッファに退避される。ステップS5414の処理を実行することにより、主側MPU72のスタックポインタに記憶されているデータを電源遮断の直前に実行されていたタイマ割込み処理(図15)の開始時に当該スタックポインタに記憶されていたデータに戻すことができる。
その後、タイマ割込み処理(図15)のステップS202に復帰するための主側ROM73におけるプログラムのアドレスの情報を主側MPU72のプログラムカウンタに設定する(ステップS5415)。既に説明したとおり、本実施形態では電源遮断の直前に実行されていたタイマ割込み処理(図15)による割込みが発生する直前に実行されていた処理に関わらず、タイマ割込み処理(図15)のステップS202に復帰させる。このため、ステップS5415にてプログラムカウンタにセットされるアドレスは固定アドレスである。ステップS5415の処理が実行されることにより、タイマ割込み処理(図15)のステップS202に復帰する。
既に説明したとおり、特定制御用のスタックエリア101は、ステップS5413にて、電源遮断の直前に実行されていたタイマ割込み処理(図15)の開始時における状態に戻っているとともに、主側MPU72のスタックポインタは、ステップS5414にて、電源遮断の直前に実行されていたタイマ割込み処理(図15)の開始時の状態に戻っている。また、電源遮断の直前に実行されていたタイマ割込み処理(図15)の開始時における主側MPU72のスタックポインタの情報は第2演算対象エリア111のスタックポインタ退避用エリア116に退避されている状態であるとともに、電源遮断の直前に実行されていたタイマ割込み処理(図15)の開始時における主側MPU72のプログラムカウンタ及びスタックポインタ以外のレジスタの情報は第2演算対象エリア111のレジスタ退避用エリア117に退避されている状態である。このため、チェックサム用エリア114及び表示再開フラグを除く主側RAM74の状態を電源遮断の直前に実行されていたタイマ割込み処理(図15)のステップS201におけるレジスタ退避処理の終了時の状態に戻して、電源復帰後にタイマ割込み処理(図15)のステップS202に復帰させることができる。
ステップS5409にて第2演算対象エリア111の停電フラグが「0」クリアされているため、復帰後のタイマ割込み処理(図15)のステップS202では否定判定が行われる。復帰後のタイマ割込み処理(図15)におけるレジスタ復帰処理(ステップS215)では、レジスタ退避用エリア117の各レジスタ退避用バッファに記憶されている情報を主側MPU72の各レジスタに復帰させるとともに、スタックポインタ退避用エリア116に記憶されている情報を主側MPU72のスタックポインタに復帰させる。これにより、主側MPU72における各種レジスタのうちプログラムカウンタを除くレジスタを電源遮断の直前に実行されていたタイマ割込み処理(図15)の開始時の状態に復帰させることができる。その後、タイマ割込み処理(図15)の終了時に、ポップ命令により、特定制御用のスタックエリア101に退避させていた情報を主側MPU72のプログラムカウンタに設定する。これにより、タイマ割込み処理(図15)を終了するとともに、電源遮断の直前に実行していたタイマ割込み処理(図15)による割込みが発生する直前に実行していた処理の次の処理に復帰することができる。
ステップS5401にて肯定判定を行った場合、ステップS5406にて肯定判定を行った場合、ステップS5407にて否定判定を行った場合、又はステップS5408にて否定判定を行った場合には、ステップS5416〜ステップS5418にて上記第1の実施形態における復電用処理(図40)のステップS1818〜ステップS1820と同一の処理を実行する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
復電用処理(図90)においてエラー状態が発生していないことが確認された場合、チェックサム用エリア114及び表示再開フラグを除く主側RAM74の状態を電源遮断の直前に実行されていたタイマ割込み処理(図15)のステップS201におけるレジスタ退避処理の終了時の状態に戻して、タイマ割込み処理(図15)のステップS202に復帰させる。これにより、ステップS202からタイマ割込み処理(図15)を再開させることができるとともに、当該タイマ割込み処理(図15)の終了時に電源遮断の直前に実行していたタイマ割込み処理(図15)による割込みが発生する直前に実行していた処理の次の処理に復帰させることができる。よって、電源遮断の影響を最小限に抑えながら、電源遮断の直前の処理状態に復帰させることができる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、停電の発生が特定された場合にチェックサムを算出する処理、及び電源復帰後にチェックサムを算出する処理が非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行されることが上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的に説明を省略する。
図91は本実施形態における主側RAM74の構成を説明するための説明図であり、図92は主側RAM74における各エリアの設定態様を説明するための説明図である。
図91に示すように、主側RAM74には、特定制御用のスタックエリア181、非特定制御用のワークエリア182、特定制御用のワークエリア183及び非特定制御用のスタックエリア184が設けられている。主側MPU72にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、図92に示すように、主側RAM74においても特定制御用のスタックエリア181のアドレス範囲、特定制御用のワークエリア183のアドレス範囲、非特定制御用のワークエリア182のアドレス範囲及び非特定制御用のスタックエリア184のアドレス範囲が明確に区別されている。
具体的には、アドレスY(1)〜Y(r+1)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のスタックエリア181として設定されている。また、アドレスY(1)〜Y(r+1)に連続するアドレスY(r+2)〜Y(r+4)は使用されない第1未使用エリア185のアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(r+5)〜Y(s+1)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のワークエリア183として設定されている。また、アドレスY(r+5)〜Y(s+1)に連続するアドレスY(s+2)〜Y(s+4)は使用されない第2未使用エリア186のアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(s+5)〜Y(t+3)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のワークエリア182として設定されている。また、アドレスY(s+5)〜Y(t+3)に連続するアドレスY(t+4)〜Y(t+6)は使用されない第3未使用エリア187のアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(t+7)〜Y(u+1)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のスタックエリア184として設定されている。なお、上記のような各エリアとアドレスとの関係は、主側RAM74における物理アドレス及び主側MPU72において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。
主側MPU72において特定制御に対応する処理を実行する場合には、主側MPU72は特定制御用のワークエリア183及び特定制御用のスタックエリア181への情報の書き込みが可能であるとともに、特定制御用のワークエリア183及び特定制御用のスタックエリア181からの情報の読み出しが可能である。一方、主側MPU72において特定制御に対応する処理を実行する場合には、主側MPU72は非特定制御用のワークエリア182及び非特定制御用のスタックエリア184からの情報の読み出しは可能であるものの、非特定制御用のワークエリア182及び非特定制御用のスタックエリア184への情報の書き込みは不可である。これにより、特定制御に対応する処理が実行されている状況において、非特定制御に対応する処理にて利用される情報を誤って消去してしまわないようにすることが可能となる。
また、主側MPU72において非特定制御に対応する処理を実行する場合には、主側MPU72は非特定制御用のワークエリア182及び非特定制御用のスタックエリア184への情報の書き込みが可能であるとともに、非特定制御用のワークエリア182及び非特定制御用のスタックエリア184からの情報の読み出しが可能である。一方、主側MPU72において非特定制御に対応する処理を実行する場合には、主側MPU72は特定制御用のワークエリア183及び特定制御用のスタックエリア181からの情報の読み出しは可能であるものの、特定制御用のワークエリア183及び特定制御用のスタックエリア181への情報の書き込みは不可である。これにより、非特定制御に対応する処理が実行されている状況において、特定制御に対応する処理にて利用される情報を誤って消去してしまわないようにすることが可能となる。
図91に示すように、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア181には、電源遮断前及び電源復帰後に演算されるチェックサムの演算対象範囲から除外されている先頭エリア188と、当該チェックサムの演算対象範囲に含まれている第1演算対象エリア189とが設けられている。先頭エリア188は、特定制御用のスタックエリア181における先頭3バイトの記憶エリアである。また、非特定制御用のワークエリア182には、当該チェックサムの演算対象範囲に含まれている第3演算対象エリア191と、当該チェックサムの演算対象範囲から除外されている第3演算対象外エリア192とが設けられている。
本実施形態において、有利区間滞在比率を把握可能とする表示を比率表示器85にて行うために利用される記憶エリアは、非特定チェックサムの演算対象範囲における第3演算対象エリア191に設けられている。有利区間滞在比率の表示を行うために利用される記憶エリアには、上記第1の実施形態において既に説明したゲーム実行把握フラグ、合計ゲーム数カウンタ、有利ゲーム数カウンタ及び管理表示フラグが含まれている。有利区間滞在比率の表示を行うために利用される記憶エリアが第3演算対象エリア191に設けられていることにより、有利区間滞在比率の表示を行うために利用されるデータに異常が発生した場合に、当該データに異常が発生している状態のまま遊技の進行が行われてしまうことを防止することができる。
上記第1の実施形態と同様に、主側MPU72は、停電の発生を特定した場合、タイマ割込み処理(図15)のステップS204にて停電時処理(図93(a))を実行する。停電時処理(図93(a))では、主側RAM74における一部の記憶エリアに記憶されているデータについてチェックサムを算出する。図92に示すように、チェックサムの演算対象範囲は、特定制御用のスタックエリア181における第1演算対象エリア189、特定制御用のワークエリア183、非特定制御用のワークエリア182における第3演算対象エリア191、第1未使用エリア185及び第2未使用エリア186である。
図92に示すように、主側RAM74においてチェックサムの演算対象となる記憶エリアのアドレス範囲は、連続するY(4)〜Y(t+1)のアドレス範囲となっている。これにより、チェックサムを算出するための処理構成においてチェックサムの演算対象となる記憶エリアのアドレス範囲を指定するための処理を簡素化することができる。既に説明したとおり、主側RAM74において、第1未使用エリア185のアドレス範囲(Y(r+2)〜Y(r+4))は、第1演算対象エリア189のアドレス範囲(Y(4)〜Y(r+1))と特定制御用のワークエリア183のアドレス範囲(Y(r+5)〜Y(s+1))との間に存在しているとともに、第2未使用エリア186のアドレス範囲(Y(s+2)〜Y(s+4))は、特定制御用のワークエリア183のアドレス範囲(Y(r+5)〜Y(s+1))と第3演算対象エリア191のアドレス範囲(Y(s+5)〜Y(t+1))との間に存在している。チェックサムの演算対象範囲にこれら第1未使用エリア185及び第2未使用エリア186を含めることにより、主側RAM74においてチェックサムの演算対象となる記憶エリアのアドレス範囲を連続するアドレス範囲とすることができる。一方、第3未使用エリア187のアドレス範囲(Y(t+4)〜Y(t+6))は、第1演算対象エリア189、特定制御用のワークエリア183及び第3演算対象エリア191のいずれにも連続していない。このため、チェックサムの演算対象範囲から第3未使用エリア187を除外することにより、主側RAM74においてチェックサムの演算対象となる記憶エリアのアドレス範囲が分散してしまうことを防止することができる。第3未使用エリア187は、特定制御及び非特定制御のいずれにおいても使用されないエリアであり、第3未使用エリア187についてチェックサムは算出されない。
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、設定キー挿入孔57のON操作が行われることなく動作電力の供給が開始された場合、メイン処理(図14)のステップS103にて復電用処理(図40)が実行される。復電用処理(図40)では、ステップS1804のバックアップ異常確認処理(図95)にて、電源遮断前に算出したチェックサムと同一の演算対象範囲についてチェックサムを算出する。主側MPU72は、主側RAM74における同一の演算対象範囲について、電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に算出したチェックサムと一致した場合に、当該演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していないことを確認する。
チェックサムの算出方法は、上記第1の実施形態において説明したとおりであり、停電の発生が特定されたことに基づいてチェックサムを算出する場合と、電源復帰後にチェックサムを算出する場合と、において同一の算出方法となっている。
図91に示すように、非特定制御用のワークエリア182において、第3演算対象エリア191とは別に設けられた第3演算対象外エリア192には、電源遮断前に算出されたチェックサムが記憶されるチェックサム用エリア193が設けられている。チェックサムの演算対象範囲から除外されている第3演算対象外エリア192にチェックサム用エリア193が設けられていることにより、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータを変化させることなくチェックサムをチェックサム用エリア193に記憶することが可能となっている。
本実施形態では、電源遮断前にチェックサムを算出する処理及び電源復帰後にチェックサムを算出する処理が非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。このため、電源遮断前及び電源復帰後において主側ROM73における共通のプログラムを利用してチェックサムを算出することができる。これにより、電源遮断前にチェックサムを算出するためのプログラム及び電源復帰後にチェックサムを算出するためのプログラムが異なるプログラムとして主側ROM73に記憶されている構成と比較して、主側ROM73においてプログラムを記憶するエリアの容量に余裕を持たせることができる。また、電源遮断前及び電源復帰後においてチェックサムを算出する処理が特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される構成と比較して、主側ROM73において特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを記憶するエリアの容量に余裕を持たせることができる。
詳細は後述するが、バックアップ異常確認処理(図95)の開始時に、主側MPU72における一部のレジスタのデータを非特定制御用のスタックエリア184に退避させる処理が実行される。図92に示すように、非特定制御用のスタックエリア184はチェックサムの演算対象範囲から除外されている。これにより、電源復帰が行われてから電源遮断前と同一の演算対象範囲についてチェックサムの演算が行われる前に、当該演算対象範囲に記憶されているデータが変化してしまうことを防止しながら、主側MPU72における一部のレジスタのデータを非特定制御用のスタックエリア184に退避させることが可能となっている。バックアップ異常確認処理(図95)の終了時に、非特定制御用のスタックエリア184に退避させていたデータを主側MPU72における当該一部のレジスタに復帰させる処理が実行される。これにより、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図95)にて主側MPU72における当該一部のレジスタを利用可能としながら、当該一部のレジスタのデータをバックアップ異常確認処理(図95)の開始時のデータに戻して、特定制御用の処理に復帰させることができる。また、非特定制御用のスタックエリア184がチェックサムの演算対象範囲から除外されていることにより、チェックサムの演算対象範囲が低減されている。このため、停電の発生を特定してから電源が遮断されて主側MPU72の動作が停止するまでに実行すべき処理を短縮することができる。
次に、主側MPU72にて実行される停電時処理について、図93(a)のフローチャートを参照しながら説明する。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、停電時処理はタイマ割込み処理(図15)において停電フラグに「1」がセットされていると判定される(ステップS202:YES)とともに、コマンド送信が終了していると判定された場合(ステップS203:YES)に、ステップS204にて実行される。なお、停電時処理においてチェックサム用処理(ステップS5504)以外の処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される一方、チェックサム用処理(ステップS5504)は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
停電時処理では、ステップS5501〜ステップS5503にて、上記第1の実施形態における停電時処理(図39)のステップS1701〜ステップS1703と同様の処理を実行する。具体的には、まず特定制御用のスタックエリア181における先頭エリア188に記憶されているデータを特定制御用のワークエリア183に設けられた先頭退避用エリア195に記憶する(ステップS5501)。先頭退避用エリア195は、特定制御用のワークエリア183において先頭エリア188のデータを退避させるために設けられた記憶エリアである。
ステップS5501にて先頭エリア188に記憶されているデータを先頭退避用エリア195に退避させることにより、電源復帰後に、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図95)を実行するために先頭エリア188を利用することを可能としながら、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していないことが確認された場合に、先頭退避用エリア195に記憶されているデータを先頭エリア188に復帰させることができる。これにより、先頭エリア188のデータを停電時処理(図93(a))の開始時に先頭エリア188に記憶されていたデータに戻して電源遮断前の処理状態に復帰させることができる。また、先頭エリア188のデータを先頭退避用エリア195に退避させている状態で電源遮断前のチェックサム及び電源復帰後のチェックサムが算出される構成とすることにより、電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に記憶したチェックサムと一致することを確認することによって先頭退避用エリア195に退避させたデータに異常が発生していないことを確認することが可能となる。
その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし(ステップS5502)、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする(ステップS5503)。その後、ジャンプ命令により、非特定制御用のプログラムに設定されている停電時処理に対応するサブルーチンのプログラムにジャンプすることにより、当該停電時処理を開始する(ステップS5504)。
次に、主側MPU72にて実行されるチェックサム用処理について図93(b)のフローチャートを参照しながら説明する。チェックサム用処理は停電時処理(図93(a))のステップS5504にて実行される。なお、チェックサム用処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
チェックサム用処理では、まずロード命令により、主側MPU72のスタックポインタに非特定制御の開始時における固定アドレスとして、非特定制御用のスタックエリア184における最後のアドレスである「Y(u+1)」を設定する(ステップS5601)。その後、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されているチェックサム演算用処理に対応するサブルーチンのプログラムを読み出すことにより、当該チェックサム演算用処理を開始する(ステップS5602)。この場合、チェックサム演算用処理の終了後にステップS5603の処理に復帰するための戻り番地を特定するための情報(2バイト)が戻り番地の情報として、プッシュ命令により、非特定制御用のスタックエリア184に退避される。戻り番地の情報における上位1バイトは、非特定制御用のスタックエリア184における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報(「Y(u+1)」)に対応する記憶エリアに記憶されるとともに、当該戻り番地の情報における下位1バイトは、その次のスタックポインタの情報(「Y(u)」)に対応する記憶エリアに記憶される。そして、主側MPU72のスタックポインタの情報が次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新される。
図94は主側MPU72にて実行されるチェックサム演算用処理を示すフローチャートである。なお、チェックサム演算用処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
チェックサム演算用処理では、まず非特定制御用のワークエリア182におけるチェックサム用エリア193を「0」クリアする(ステップS5701)。その後、主側MPU72のBCレジスタをチェックサムの演算用に確保し、当該BCレジスタを「0」クリアする(ステップS5702)。既に説明したとおり、BCレジスタは2バイトからなる記憶エリアである。
その後、チェックサムの加算対象エリアのアドレスとして演算対象範囲の開始アドレスである「Y(4)」をセットする(ステップS5703)。その後、主側RAM74において加算対象エリアのアドレスに対応する記憶エリアに記憶されているデータを読み出し(ステップS5704)、その読み出したデータを1バイトの数値情報として主側MPU72においてチェックサムの演算用に確保したBCレジスタに加算する(ステップS5705)。ステップS5705では、当該加算の結果がBCレジスタの最上位ビットを超える繰り上がりが発生した場合、当該繰り上がりは無視する。その後、加算対象エリアのアドレスに「1」を加算して加算対象エリアのアドレスを更新する(ステップS5706)。ステップS5706では、加算対象エリアのアドレスがY(4)→Y(5)→Y(6)→…→Y(t+1)→Y(t+2)の順番で更新される。
その後、加算対象エリアのアドレスがチェックサムの演算の終了アドレスであるY(t+2)であるか否かを判定する(ステップS5707)。ステップS5707にて否定判定を行った場合には、ステップS5704に戻り、ステップS5707にて肯定判定が行われるまでステップS5704〜ステップS5707の処理を繰り返し実行する。これにより、主側MPU72においてチェックサムの演算用に確保したBCレジスタに、チェックサムの演算結果として、主側RAM74におけるチェックサムの演算対象範囲(Y(4)〜Y(t+1))に記憶されているデータの合計値が算出されている状態となる。既に説明したとおり、当該合計値は2バイトの数値情報である。ステップS5707にて肯定判定を行った場合には、本チェックサム演算用処理を終了する。
チェックサム演算用処理(図94)を終了する場合、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア184における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して1つ前の順番の情報(「Y(u)」)に対応する記憶エリア及び2つ前の順番の情報(「Y(u+1)」)に対応する記憶エリアに退避された情報を読み出して主側MPU72のプログラムカウンタに設定するとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を当該2つ前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。これにより、チェックサム用処理(図93(b))のステップS5603の処理に復帰することができる。
チェックサム用処理(図93(b))の説明に戻り、ステップS5602にてチェックサム演算用処理を実行した後、主側MPU72のBCレジスタに記憶されているチェックサムを非特定制御用のワークエリア182における第3演算対象外エリア192のチェックサム用エリア193に記憶する(ステップS5603)。これにより、電源遮断前に算出したチェックサムがチェックサム用エリア193に記憶されている状態となる。その後、主側RAM74へのアクセスを禁止する(ステップS5604)。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え無限ループに入る。
次に、主側MPU72にて実行されるバックアップ異常確認処理について図95のフローチャートを参照しながら説明する。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、バックアップ異常確認処理は復電用処理(図40)のステップS1804にて実行される。なお、バックアップ異常確認処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
バックアップ異常確認処理では、ステップS5801〜ステップS5802にて、上記第1の実施形態におけるバックアップ異常確認処理(図41)のステップS1901〜ステップS1902と同様の処理を実行する。具体的には、まずロード命令により、主側MPU72のスタックポインタにバックアップ異常確認処理(図95)の開始時の固定アドレスとして、非特定制御用のスタックエリア184における最後のアドレスである「Y(u+1)」を設定する(ステップS5801)。その後、主側MPU72が備えている各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタのうち一部のレジスタであるWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、WAレジスタ→BCレジスタ→DEレジスタ→HLレジスタ→IXレジスタ→IYレジスタの順番で、非特定制御用のスタックエリア184に退避させる処理を実行する(ステップS5802)。ステップS5802における処理内容は、上記第1の実施形態におけるバックアップ異常確認処理(図41)のステップS1902における処理内容と同一である。
これらWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタはステップS5803〜ステップS5805の処理にて利用されるレジスタである。これらのレジスタに設定されている情報をステップS5803〜ステップS5805の処理の実行に先立ち非特定制御用のスタックエリア184に退避させることにより、特定制御に際して利用されていたこれらレジスタの情報を非特定制御が開始される前に退避させることが可能となる。よって、非特定制御に際してこれらレジスタが上書きされたとしても、非特定制御を終了する場合には非特定制御用のスタックエリア184に退避させた情報をこれらレジスタに復帰させることで、これらレジスタの状態を非特定制御が実行される前における特定制御に対応する状態に復帰させることが可能となる。
その後、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されているチェックサム演算用処理(図94)に対応するサブルーチンのプログラムを読み出すことにより、当該チェックサム演算用処理を開始する(ステップS5803)。この場合、チェックサム演算用処理の終了後にステップS5804の処理に復帰するための戻り番地を特定するための情報(2バイト)が戻り番地の情報として、プッシュ命令により、非特定制御用のスタックエリア184に退避される。戻り番地の情報における上位1バイトは、非特定制御用のスタックエリア184における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報(「Y(u+1)」)に対応する記憶エリアに記憶されるとともに、当該戻り番地の情報における下位1バイトは、その次のスタックポインタの情報(「Y(u)」)に対応する記憶エリアに記憶される。そして、主側MPU72のスタックポインタの情報が次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新される。
ステップS5803では、チェックサム用処理(図93(b))のステップS5603にて読み出すプログラムと同一のプログラムを読み出す。電源遮断前及び電源復帰後において主側ROM73における共通のプログラムを利用してチェックサムを算出する構成であることにより、電源遮断前にチェックサムを算出するためのプログラム及び電源復帰後にチェックサムを算出するためのプログラムが異なるプログラムとして主側ROM73に記憶されている構成と比較して、主側ROM73においてプログラムを記憶するエリアの容量に余裕を持たせることができる。
チェックサム演算用処理(ステップS5803)の処理内容は、図94を参照しながら既に説明したとおりである。チェックサム演算用処理(図94)が実行されることにより、主側MPU72のBCレジスタにチェックサムが記憶されている状態となる。
チェックサム演算用処理(図94)を終了する場合、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア184における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して1つ前の順番の情報(「Y(u)」)に対応する記憶エリア及び2つ前の順番の情報(「Y(u+1)」)に対応する記憶エリアに退避された情報を読み出して主側MPU72のプログラムカウンタに設定するとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を当該2つ前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。これにより、バックアップ異常確認処理(図95)のステップS5804の処理に復帰することができる。
ステップS5803にてチェックサム演算用処理(図94)を実行した後、主側MPU72のBCレジスタに記憶されているチェックサムが非特定制御用のワークエリア182における第3演算対象外エリア192のチェックサム用エリア193に記憶されているチェックサムと一致するか否かを判定する(ステップS5804)。電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に記憶したチェックサムと一致しない場合(ステップS5804:NO)には、非特定制御用のワークエリア182に設けられたバックアップ異常フラグ194に「1」をセットする(ステップS5805)。バックアップ異常フラグ194は、特定制御用のスタックエリア181における第1演算対象エリア189、特定制御用のワークエリア183、非特定制御用のワークエリア182における第3演算対象エリア191、第1未使用エリア185、及び第2未使用エリア186を演算対象範囲として電源投入後に演算されたチェックサムが同一の演算対象範囲について電源遮断前に算出されたチェックサムと一致しない異常が発生していることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。バックアップ異常フラグ194に「1」をセットすることにより、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していることを主側MPU72にて把握可能とすることができる。
ステップS5804にて肯定判定を行った場合、又はステップS5805の処理を行った場合には、ステップS5806及びステップS5807にて、上記第1の実施形態におけるバックアップ異常確認処理(図41)のステップS1911及びステップS1912と同様の処理を実行する。具体的には、ステップS5802にて非特定制御用のスタックエリア184に退避させたデータを、ステップS5802における順番(WAレジスタ→BCレジスタ→DEレジスタ→HLレジスタ→IXレジスタ→IYレジスタ)とは逆の順番(IYレジスタ→IXレジスタ→HLレジスタ→DEレジスタ→BCレジスタ→WAレジスタ)で、主側MPU72のWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタに復帰させる処理を実行する(ステップS5806)。ステップS5806における処理内容は、上記第1の実施形態におけるバックアップ異常確認処理(図41)のステップS1911における処理内容と同一である。ステップS5806の処理が実行されることにより、主側MPU72のWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、非特定制御に対応する処理であるバックアップ異常確認処理(図95)の開始時における特定制御に対応する情報に復帰させることが可能となる。
その後、主側MPU72のスタックポインタに固定アドレスである「Y(0)」をセットして(ステップS5807)、本バックアップ異常確認処理を終了する。このように固定アドレスの情報をスタックポインタに設定することによって当該スタックポインタの情報をバックアップ異常確認処理(図95)が開始される直前の情報に復帰させる構成とすることで、バックアップ異常確認処理(図95)を開始する前に特定制御に対応する主側MPU72のスタックポインタの情報を非特定制御用のワークエリア182に退避させる必要がなくなる。これにより、非特定制御用のワークエリア182に含まれている記憶エリアのうちチェックサム用エリア193を除く記憶エリアをチェックサムの演算対象範囲に含めることができるとともに、主側MPU72における処理負荷を軽減することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
電源遮断前にチェックサムを算出する処理及び電源復帰後にチェックサムを算出する処理が非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。このため、電源遮断前及び電源復帰後において主側ROM73における共通のプログラムを利用してチェックサムを算出することができる。これにより、電源遮断前にチェックサムを算出するためのプログラム及び電源復帰後にチェックサムを算出するためのプログラムが異なるプログラムとして主側ROM73に記憶されている構成と比較して、主側ROM73においてプログラムを記憶するエリアの容量に余裕を持たせることができる。また、電源遮断前及び電源復帰後においてチェックサムを算出する処理が特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される構成と比較して、主側ROM73において特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを記憶するエリアの容量に余裕を持たせることができる。
<第5の実施形態>
本実施形態では、電源復帰後に特定チェックサムの一致確認及び非特定チェックサムの一致確認が行われることが上記第4の実施形態と相違している。以下、上記第4の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第4の実施形態と同一の構成については基本的に説明を省略する。
本実施形態では、主側RAM74に特定チェックサムの演算対象範囲と、非特定チェックサムの演算対象範囲とが設定されている。主側MPU72は、電源遮断前に特定チェックサムを算出して記憶するとともに、電源復帰後に電源遮断前と同一の演算対象範囲について特定チェックサムを算出する。また、電源遮断前に非特定チェックサムを算出して記憶するとともに、電源復帰後に電源遮断前と同一の演算対象範囲について非特定チェックサムを算出する。このため、電源復帰後に算出した特定チェックサムが電源遮断前に記憶した特定チェックサムと一致しない場合には特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していることを特定することができるとともに、電源復帰後に算出した非特定チェックサムが電源遮断前に記憶した非特定チェックサムと一致しない場合には非特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していることを特定することができる。
このように、主側RAM74に複数のチェックサムの演算対象範囲を設定するとともに、演算対象範囲毎にチェックサムを算出する構成とすることにより、主側RAM74においてデータの異常が発生している範囲を特定し易くすることができるとともに、データの異常が発生している範囲のみを初期化することにより他の演算対象範囲に記憶されているデータを保持したまま、データの異常が発生している状態を解消することができる。
図96は本実施形態における主側RAM74の構成を説明するための説明図であり、図97は主側RAM74における各エリアの設定態様を説明するための説明図である。
図96に示すように、主側RAM74には、特定制御用のスタックエリア201、非特定制御用のワークエリア202、特定制御用のワークエリア203及び非特定制御用のスタックエリア204が設けられている。主側MPU72にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、図97に示すように、主側RAM74においても特定制御用のスタックエリア201のアドレス範囲、特定制御用のワークエリア203のアドレス範囲、非特定制御用のワークエリア202のアドレス範囲及び非特定制御用のスタックエリア204のアドレス範囲が明確に区別されている。
具体的には、アドレスY(1)〜Y(r+1)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のスタックエリア201として設定されている。また、アドレスY(1)〜Y(r+1)に連続するアドレスY(r+2)〜Y(r+4)は使用されない第1未使用エリア205のアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(r+5)〜Y(s+1)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のワークエリア203として設定されている。また、アドレスY(r+5)〜Y(s+1)に連続するアドレスY(s+2)〜Y(s+4)は使用されない第2未使用エリア206のアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(s+5)〜Y(t+5)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のワークエリア202として設定されている。また、アドレスY(s+5)〜Y(t+5)に連続するアドレスY(t+6)〜Y(t+8)は使用されない第3未使用エリア207のアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(t+9)〜Y(u+1)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のスタックエリア204として設定されている。なお、上記のような各エリアとアドレスとの関係は、主側RAM74における物理アドレス及び主側MPU72において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。
主側MPU72において特定制御に対応する処理を実行する場合には、主側MPU72は特定制御用のワークエリア203及び特定制御用のスタックエリア201への情報の書き込みが可能であるとともに、特定制御用のワークエリア203及び特定制御用のスタックエリア201からの情報の読み出しが可能である。一方、主側MPU72において特定制御に対応する処理を実行する場合には、主側MPU72は非特定制御用のワークエリア202及び非特定制御用のスタックエリア204からの情報の読み出しは可能であるものの、非特定制御用のワークエリア202及び非特定制御用のスタックエリア204への情報の書き込みは不可である。これにより、特定制御に対応する処理が実行されている状況において、非特定制御に対応する処理にて利用される情報を誤って消去してしまわないようにすることが可能となる。
また、主側MPU72において非特定制御に対応する処理を実行する場合には、主側MPU72は非特定制御用のワークエリア202及び非特定制御用のスタックエリア204への情報の書き込みが可能であるとともに、非特定制御用のワークエリア202及び非特定制御用のスタックエリア204からの情報の読み出しが可能である。一方、主側MPU72において非特定制御に対応する処理を実行する場合には、主側MPU72は特定制御用のワークエリア203及び特定制御用のスタックエリア201からの情報の読み出しは可能であるものの、特定制御用のワークエリア203及び特定制御用のスタックエリア201への情報の書き込みは不可である。これにより、非特定制御に対応する処理が実行されている状況において、特定制御に対応する処理にて利用される情報を誤って消去してしまわないようにすることが可能となる。
図96に示すように、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア201には、電源遮断前及び電源復帰後に演算される特定チェックサムの演算対象範囲から除外されている先頭エリア208と、当該特定チェックサムの演算対象範囲に含まれている第1演算対象エリア209とが設けられている。先頭エリア208は、特定制御用のスタックエリア201における先頭3バイトの記憶エリアである。また、非特定制御用のワークエリア202には、遮断前及び電源復帰後に演算される非特定チェックサムの演算対象範囲に含まれている第3演算対象エリア211と、当該非特定チェックサムの演算対象範囲から除外されている第3演算対象外エリア212とが設けられている。
本実施形態において、有利区間滞在比率を把握可能とする表示を比率表示器85にて行うために利用される記憶エリアは、非特定チェックサムの演算対象範囲に含まれている第3演算対象エリア211に設けられている。有利区間滞在比率の表示を行うために利用される記憶エリアには、上記第1の実施形態において既に説明したゲーム実行把握フラグ、合計ゲーム数カウンタ、有利ゲーム数カウンタ及び管理表示フラグが含まれている。有利区間滞在比率の表示を行うために利用される記憶エリアが第3演算対象エリア211に設けられていることにより、有利区間滞在比率の表示を行うために利用されるデータに異常が発生した場合に、当該データに異常が発生している状態のまま遊技の進行が行われてしまうことを防止することができる。
上記第4の実施形態において既に説明したとおり、主側MPU72は、停電の発生を特定した場合、タイマ割込み処理(図15)のステップS204にて停電時処理(図93(a))を実行する。停電時処理(図93(a))では、主側RAM74における一部の記憶エリアに記憶されているデータについて特定チェックサム及び非特定チェックサムを算出する。図97に示すように、特定チェックサムの演算対象範囲は、特定制御用のスタックエリア201における第1演算対象エリア209、特定制御用のワークエリア203、及び第1未使用エリア205である。また、非特定チェックサムの演算対象範囲は、非特定制御用のワークエリア202における第3演算対象エリア211である。
特定チェックサムの演算対象となる記憶エリアのアドレス範囲は、連続するY(4)〜Y(s+1)のアドレス範囲となっている。これにより、特定チェックサムを算出するための処理構成において特定チェックサムの演算対象となる記憶エリアのアドレス範囲を指定するための処理を簡素化することができる。既に説明したとおり、主側RAM74において、第1未使用エリア205のアドレス範囲(Y(r+2)〜Y(r+4))は、第1演算対象エリア209のアドレス範囲(Y(4)〜Y(r+1))と特定制御用のワークエリア203のアドレス範囲(Y(r+5)〜Y(s+1))との間に存在している。特定チェックサムの演算対象範囲に当該第1未使用エリア205を含めることにより、主側RAM74においてチェックサムの演算対象となる記憶エリアのアドレス範囲を連続するアドレス範囲とすることができる。
非特定チェックサムの演算対象となる記憶エリアのアドレス範囲は、連続するY(s+5)〜Y(t+1)のアドレス範囲となっている。これにより、非特定チェックサムを算出するための処理構成において非特定チェックサムの演算対象となる記憶エリアのアドレス範囲を指定するための処理を簡素化することができる。
第2未使用エリア206及び第3未使用エリア207は、特定制御及び非特定制御のいずれにおいても使用されないエリアであり、これら第2未使用エリア206及び第3未使用エリア207についてチェックサムは算出されない。
本実施形態では、電源復帰後に実行されるバックアップ異常確認処理(図101)において、電源遮断前に算出した特定チェックサムと同一の演算対象範囲について特定チェックサムを算出するとともに、電源遮断前に算出した非特定チェックサムと同一の演算対象範囲について非特定チェックサムを算出する。主側MPU72は、主側RAM74における同一の演算対象範囲について、電源復帰後に算出した特定チェックサムが電源遮断前に算出した特定チェックサムと一致した場合に、当該演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していないことを確認するとともに、主側RAM74における同一の演算対象範囲について、電源復帰後に算出した非特定チェックサムが電源遮断前に算出した非特定チェックサムと一致した場合に、当該演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していないことを確認する。
特定チェックサムの算出方法及び非特定チェックサムの算出方法は、上記第4の実施形態におけるチェックサムの算出方法と同様であり、演算対象範囲のみが異なっている。特定チェックサムの算出方法は、停電の発生が特定されたことに基づいて特定チェックサムを算出する場合と、電源復帰後に特定チェックサムを算出する場合と、において同一の算出方法となっているとともに、非特定チェックサムの算出方法は、停電の発生が特定されたことに基づいて非特定チェックサムを算出する場合と、電源復帰後に非特定チェックサムを算出する場合と、において同一の算出方法となっている。
図96に示すように、非特定制御用のワークエリア202において、第3演算対象エリア211とは別に設けられた第3演算対象外エリア212には、特定チェックサム用エリア213及び非特定チェックサム用エリア214が設けられている。特定チェックサム用エリア213は、停電の発生が特定されたことに基づいて算出された2バイトの特定チェックサムを記憶するための記憶エリアであるとともに、非特定チェックサム用エリア214は、停電の発生が特定されたことに基づいて算出された2バイトの非特定チェックサムを記憶するための記憶エリアである。これら特定チェックサム用エリア213及び非特定チェックサム用エリア214は、2バイトからなる記憶エリアである。
特定チェックサム及び非特定チェックサムの演算対象範囲から除外されている第3演算対象外エリア212に特定チェックサム用エリア213及び非特定チェックサム用エリア214が設けられていることにより、特定チェックサム及び非特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータを変化させることなく特定チェックサム及び非特定チェックサムを特定チェックサム用エリア213及び非特定チェックサム用エリア214に記憶することが可能となっている。
上述したとおり、特定制御用の処理では、特定制御用のワークエリア203への書き込みが可能である一方、非特定制御用のワークエリア202への書き込みは不可である。また、非特定制御用の処理では、非特定制御用のワークエリア202への書き込みが可能である一方、特定制御用のワークエリア203への書き込みは不可である。このため、特定チェックサム用エリア213及び非特定チェックサム用エリア214が異なるワークエリア202,203に分散させて設けられている構成とすると、電源遮断前に算出した特定チェックサムを特定チェックサム用エリア213に記憶する処理及び電源遮断前に算出した非特定チェックサムを非特定チェックサム用エリア214に記憶する処理が特定制御用の処理及び非特定制御用の処理に分散してしまう。これに対して、本実施形態における特定チェックサム用エリア213及び非特定チェックサム用エリア214は、非特定制御用のワークエリア202における第3演算対象外エリア212に設けられている。これにより、特定チェックサムを特定チェックサム用エリア213に記憶する処理及び非特定チェックサムを非特定チェックサム用エリア214に記憶する処理を非特定制御用の処理に集約させることができる。よって、特定チェックサムを特定チェックサム用エリア213に記憶する処理及び非特定チェックサムを非特定チェックサム用エリア214に記憶する処理の処理構成を簡素化することができる。
本実施形態では、電源遮断前に特定チェックサム及び非特定チェックサムを算出する処理、並びに電源復帰後に特定チェックサム及び非特定チェックサムを算出する処理が非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。このため、電源遮断前及び電源復帰後において主側ROM73における共通のプログラムを利用して特定チェックサムを算出することができる。これにより、電源遮断前に特定チェックサムを算出するためのプログラムと、電源復帰後に特定チェックサムを算出するためのプログラムとが異なるプログラムとして主側ROM73に記憶されている構成と比較して、主側ROM73においてプログラムを記憶するエリアの容量に余裕を持たせることができる。また、電源遮断前及び電源復帰後において主側ROM73における共通のプログラムを利用して非特定チェックサムを算出することができる。これにより、電源遮断前に非特定チェックサムを算出するためのプログラムと、電源復帰後に非特定チェックサムを算出するためのプログラムとが異なるプログラムとして主側ROM73に記憶されている構成と比較して、主側ROM73においてプログラムを記憶するエリアの容量に余裕を持たせることができる。さらにまた、電源遮断前及び電源復帰後において特定チェックサム及び非特定チェックサムを算出する処理が特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される構成と比較して、主側ROM73において特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを記憶するエリアの容量に余裕を持たせることができる。
詳細は後述するが、バックアップ異常確認処理(図101)の開始時に、主側MPU72における一部のレジスタのデータを非特定制御用のスタックエリア204に退避させる処理が実行される。図96に示すように、非特定制御用のスタックエリア204は特定チェックサムの演算対象範囲及び非特定チェックサムの演算対象範囲から除外されている。これにより、電源復帰が行われてから特定チェックサム及び非特定チェックサムの演算が行われる前に、当該特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータ及び当該非特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータが変化してしまうことを防止しながら、主側MPU72における一部のレジスタのデータを非特定制御用のスタックエリア204に退避させることが可能となっている。バックアップ異常確認処理(図101)の終了時に、非特定制御用のスタックエリア204に退避させていたデータを主側MPU72における当該一部のレジスタに復帰させる処理が実行される。これにより、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図101)にて主側MPU72における当該一部のレジスタを利用可能としながら、当該一部のレジスタのデータをバックアップ異常確認処理(図101)の開始時のデータに戻して、特定制御用の処理に復帰させることができる。また、非特定制御用のスタックエリア204が特定チェックサムの演算対象範囲及び非特定チェックサムの演算対象範囲から除外されていることにより、これらのチェックサムの演算対象範囲が低減されている。このため、停電の発生を特定してから電源が遮断されて主側MPU72の動作が停止するまでに実行すべき処理を短縮することができる。
次に、主側MPU72にて実行されるチェックサム用処理について図98のフローチャートを参照しながら説明する。上記第4の実施形態において既に説明したとおり、チェックサム用処理は停電時処理(図93(a))のステップS5504にて実行される。なお、チェックサム用処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
チェックサム用処理では、まずロード命令により、主側MPU72のスタックポインタに非特定制御の開始時における固定アドレスとして、非特定制御用のスタックエリア204における最後のアドレスである「Y(u+1)」を設定する(ステップS5901)。その後、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されている特定チェックサム演算用処理に対応するサブルーチンのプログラムを読み出すことにより、当該特定チェックサム演算用処理を開始する(ステップS5902)。この場合、特定チェックサム演算用処理の終了後にステップS5903の処理に復帰するための戻り番地を特定するための情報(2バイト)が戻り番地の情報として、プッシュ命令により、非特定制御用のスタックエリア204に退避される。戻り番地の情報における上位1バイトは、非特定制御用のスタックエリア204における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報(「Y(u+1)」)に対応する記憶エリアに記憶されるとともに、当該戻り番地の情報における下位1バイトは、その次のスタックポインタの情報(「Y(u)」)に対応する記憶エリアに記憶される。そして、主側MPU72のスタックポインタの情報が次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新される。
図99は主側MPU72にて実行される特定チェックサム演算用処理を示すフローチャートである。なお、特定チェックサム演算用処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
特定チェックサム演算用処理では、まず非特定制御用のワークエリア202における特定チェックサム用エリア213を「0」クリアする(ステップS6001)。その後、ステップS6002〜ステップS6006にて、上記第4の実施形態におけるチェックサム演算用処理(図94)のステップS5702〜ステップS5706と同様の処理を実行する。具体的には、まず主側MPU72のBCレジスタをチェックサムの演算用に確保し、当該BCレジスタを「0」クリアする(ステップS6002)。既に説明したとおり、BCレジスタは2バイトからなる記憶エリアである。
その後、特定チェックサムの加算対象エリアのアドレスとして演算対象範囲の開始アドレスである「Y(4)」をセットする(ステップS6003)。その後、主側RAM74において加算対象エリアのアドレスに対応する記憶エリアに記憶されているデータを読み出し(ステップS6004)、その読み出したデータを1バイトの数値情報として主側MPU72において特定チェックサムの演算用に確保したBCレジスタに加算する(ステップS6005)。ステップS6005では、当該加算の結果がBCレジスタの最上位ビットを超える繰り上がりが発生した場合、当該繰り上がりは無視する。その後、加算対象エリアのアドレスに「1」を加算して加算対象エリアのアドレスを更新する(ステップS6006)。ステップS6006では、加算対象エリアのアドレスがY(4)→Y(5)→Y(6)→…→Y(s+1)→Y(s+2)の順番で更新される。
その後、加算対象エリアのアドレスが特定チェックサムの演算の終了アドレスであるY(s+2)であるか否かを判定する(ステップS6007)。ステップS6007にて否定判定を行った場合には、ステップS6004に戻り、ステップS6007にて肯定判定が行われるまでステップS6004〜ステップS6007の処理を繰り返し実行する。これにより、主側MPU72において特定チェックサムの演算用に確保したBCレジスタに、特定チェックサムの演算結果として、主側RAM74におけるチェックサムの演算対象範囲(Y(4)〜Y(s+1))に記憶されているデータの合計値の下位2バイトが算出されている状態となる。ステップS6007にて肯定判定を行った場合には、本特定チェックサム演算用処理を終了する。
特定チェックサム演算用処理(図99)を終了する場合、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア204における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して1つ前の順番の情報(「Y(u)」)に対応する記憶エリア及び2つ前の順番の情報(「Y(u+1)」)に対応する記憶エリアに退避された情報を読み出して主側MPU72のプログラムカウンタに設定するとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を当該2つ前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。これにより、チェックサム用処理(図98)のステップS5903の処理に復帰することができる。
チェックサム用処理(図98)の説明に戻り、ステップS5902にて特定チェックサム演算用処理を実行した後、主側MPU72のBCレジスタに記憶されている特定チェックサムを非特定制御用のワークエリア202における第3演算対象外エリア212の特定チェックサム用エリア213に記憶する(ステップS5903)。これにより、電源遮断前に算出した特定チェックサムが特定チェックサム用エリア213に記憶されている状態となる。
その後、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されている非特定チェックサム演算用処理に対応するサブルーチンのプログラムを読み出すことにより、当該非特定チェックサム演算用処理を開始する(ステップS5904)。この場合、非特定チェックサム演算用処理の終了後にステップS5905の処理に復帰するための戻り番地を非特定するための情報(2バイト)が戻り番地の情報として、プッシュ命令により、非特定制御用のスタックエリア204に退避される。戻り番地の情報における上位1バイトは、非特定制御用のスタックエリア204における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報(「Y(u+1)」)に対応する記憶エリアに記憶されるとともに、当該戻り番地の情報における下位1バイトは、その次のスタックポインタの情報(「Y(u)」)に対応する記憶エリアに記憶される。そして、主側MPU72のスタックポインタの情報が次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新される。
図100は主側MPU72にて実行される非特定チェックサム演算用処理を示すフローチャートである。なお、非特定チェックサム演算用処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
非特定チェックサム演算用処理では、まず非特定制御用のワークエリア202における非特定チェックサム用エリア214を「0」クリアする(ステップS6101)。その後、主側MPU72のBCレジスタをチェックサムの演算用に確保し、当該BCレジスタを「0」クリアする(ステップS6102)。既に説明したとおり、BCレジスタは2バイトからなる記憶エリアである。
その後、非特定チェックサムの加算対象エリアのアドレスとして演算対象範囲の開始アドレスである「Y(s+5)」をセットする(ステップS6103)。その後、主側RAM74において加算対象エリアのアドレスに対応する記憶エリアに記憶されているデータを読み出し(ステップS6104)、その読み出したデータを1バイトの数値情報として主側MPU72において非特定チェックサムの演算用に確保したBCレジスタに加算する(ステップS6105)。ステップS6105では、当該加算の結果がBCレジスタの最上位ビットを超える繰り上がりが発生した場合、当該繰り上がりは無視する。その後、加算対象エリアのアドレスに「1」を加算して加算対象エリアのアドレスを更新する(ステップS6106)。ステップS6106では、加算対象エリアのアドレスがY(s+5)→Y(s+6)→Y(s+7)→…→Y(t+1)→Y(t+2)の順番で更新される。
その後、加算対象エリアのアドレスが非特定チェックサムの演算の終了アドレスであるY(t+2)であるか否かを判定する(ステップS6107)。ステップS6107にて否定判定を行った場合には、ステップS6104に戻り、ステップS6107にて肯定判定が行われるまでステップS6104〜ステップS6107の処理を繰り返し実行する。これにより、主側MPU72において非特定チェックサムの演算用に確保したBCレジスタに、非特定チェックサムの演算結果として、主側RAM74におけるチェックサムの演算対象範囲(Y(s+5)〜Y(t+1))に記憶されているデータの合計値の下位2バイトが算出されている状態となる。ステップS6107にて肯定判定を行った場合には、本非特定チェックサム演算用処理を終了する。
非特定チェックサム演算用処理(図100)を終了する場合、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア204における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して1つ前の順番の情報(「Y(u)」)に対応する記憶エリア及び2つ前の順番の情報(「Y(u+1)」)に対応する記憶エリアに退避された情報を読み出して主側MPU72のプログラムカウンタに設定するとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を当該2つ前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。これにより、チェックサム用処理(図98)のステップS5905の処理に復帰することができる。
チェックサム用処理(図98)の説明に戻り、ステップS5904にて非特定チェックサム演算用処理を実行した後、主側MPU72のBCレジスタに記憶されている非特定チェックサムを非特定制御用のワークエリア202における第3演算対象外エリア212の非特定チェックサム用エリア214に記憶する(ステップS5905)。これにより、電源遮断前に算出した非特定チェックサムが非特定チェックサム用エリア214に記憶されている状態となる。その後、主側RAM74へのアクセスを禁止する(ステップS5906)。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え無限ループに入る。
次に、主側MPU72にて実行されるバックアップ異常確認処理について図101のフローチャートを参照しながら説明する。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、バックアップ異常確認処理は復電用処理(図40)のステップS1804にて実行される。なお、バックアップ異常確認処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
バックアップ異常確認処理では、ステップS6201〜ステップS6202にて、上記第4の実施形態におけるバックアップ異常確認処理(図95)のステップS5801〜ステップS5802と同様の処理を実行する。具体的には、まずロード命令により、主側MPU72のスタックポインタにバックアップ異常確認処理(図101)の開始時の固定アドレスとして、非特定制御用のスタックエリア204における最後のアドレスである「Y(u+1)」を設定する(ステップS6201)。その後、主側MPU72が備えている各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタのうち一部のレジスタであるWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、WAレジスタ→BCレジスタ→DEレジスタ→HLレジスタ→IXレジスタ→IYレジスタの順番で、非特定制御用のスタックエリア204に退避させる処理を実行する(ステップS6202)。ステップS6202における処理内容は、上記第1の実施形態におけるバックアップ異常確認処理(図41)のステップS1902における処理内容と同一である。
これらWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタはステップS6203〜ステップS6209の処理にて利用されるレジスタである。これらのレジスタに設定されている情報をステップS6203〜ステップS6209の処理の実行に先立ち非特定制御用のスタックエリア204に退避させることにより、特定制御に際して利用されていたこれらレジスタの情報を非特定制御が開始される前に退避させることが可能となる。よって、非特定制御に際してこれらレジスタが上書きされたとしても、非特定制御を終了する場合には非特定制御用のスタックエリア204に退避させた情報をこれらレジスタに復帰させることで、これらレジスタの状態を非特定制御が実行される前における特定制御に対応する状態に復帰させることが可能となる。
その後、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されている特定チェックサム演算用処理(図99)に対応するサブルーチンのプログラムを読み出すことにより、当該特定チェックサム演算用処理を開始する(ステップS6203)。この場合、特定チェックサム演算用処理の終了後にステップS6204の処理に復帰するための戻り番地を特定するための情報(2バイト)が戻り番地の情報として、プッシュ命令により、非特定制御用のスタックエリア204に退避される。戻り番地の情報における上位1バイトは、非特定制御用のスタックエリア204における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報(「Y(u+1)」)に対応する記憶エリアに記憶されるとともに、当該戻り番地の情報における下位1バイトは、その次のスタックポインタの情報(「Y(u)」)に対応する記憶エリアに記憶される。そして、主側MPU72のスタックポインタの情報が次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新される。
ステップS6203では、チェックサム用処理(図98)のステップS5902にて読み出すプログラムと同一のプログラムを読み出す。電源遮断前及び電源復帰後において主側ROM73における共通のプログラムを利用して特定チェックサムを算出する構成であることにより、電源遮断前に特定チェックサムを算出するためのプログラム及び電源復帰後に特定チェックサムを算出するためのプログラムが異なるプログラムとして主側ROM73に記憶されている構成と比較して、主側ROM73においてプログラムを記憶するエリアの容量に余裕を持たせることができる。
特定チェックサム演算用処理(ステップS6203)の処理内容は、図99を参照しながら既に説明したとおりである。特定チェックサム演算用処理(図99)が実行されることにより、主側MPU72のBCレジスタに特定チェックサムが記憶されている状態となる。
特定チェックサム演算用処理(図99)を終了する場合、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア204における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して1つ前の順番の情報(「Y(u)」)に対応する記憶エリア及び2つ前の順番の情報(「Y(u+1)」)に対応する記憶エリアに退避された情報を読み出して主側MPU72のプログラムカウンタに設定するとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を当該2つ前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。これにより、バックアップ異常確認処理(図101)のステップS6204の処理に復帰することができる。
ステップS6203にて特定チェックサム演算用処理(図99)を実行した後、主側MPU72のBCレジスタに記憶されている特定チェックサムが非特定制御用のワークエリア202における第3演算対象外エリア212の特定チェックサム用エリア213に記憶されているチェックサムと一致するか否かを判定する(ステップS6204)。電源復帰後に算出した特定チェックサムが電源遮断前に記憶した特定チェックサムと一致しない場合(ステップS6204:NO)には、非特定制御用のワークエリア202に設けられたバックアップ異常フラグ215に「1」をセットする(ステップS6205)。バックアップ異常フラグ215は、特定制御用のスタックエリア201における第1演算対象エリア209、特定制御用のワークエリア203、及び第1未使用エリア205を演算対象範囲として電源投入後に演算された特定チェックサムが同一の演算対象範囲について電源遮断前に算出された特定チェックサムと一致しない異常が発生していることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。バックアップ異常フラグ215に「1」をセットすることにより、特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していることを主側MPU72にて把握可能とすることができる。
バックアップ異常フラグ215に「1」がセットされた場合には、上記第1の実施形態と同様に、復電用処理(図40)のステップS1806にて肯定判定が行われることにより、動作禁止処理(ステップS1818〜ステップS1820の処理)が実行される。
上記第1の実施形態と同様に、動作禁止処理では、まず主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とする(ステップS1818)。その後、特定制御用のワークエリア203におけるエラー状態フラグに「1」をセットする(ステップS1819)。これにより、電源投入後に主側RAM74における一部の記憶エリアを演算対象範囲として算出した特定チェックサムが電源遮断前に同一の演算対象範囲について算出されて記憶された特定チェックサムと一致しないエラー状態、スロットマシン10の設定値が正常な設定値の範囲(「1」〜「6」)から外れているエラー状態、及び電源遮断前に停電時処理(図39)が正常に行われなかったことに対応するエラー状態のうち1つ以上のエラー状態が発生したことを主側MPU72にて把握可能となる。
その後、遊技ホールの管理者等にエラー状態の発生を報知するエラー報知を行うためのエラー報知処理を実行する(ステップS1820)。そして、無限ループとなる。エラー報知処理(ステップS1820)では、演出側MPU92に対してエラー報知コマンドを送信する。演出側MPU92は、エラー報知コマンドを受信した場合、エラー状態の発生を報知する態様で上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。エラー報知では、設定キー挿入孔57のON操作を行いながらスロットマシン10の電源を投入するエラー解除操作を説明する内容が画像表示装置63に表示される。これにより、遊技ホールの管理者に対してエラー解除操作を行うように促すことができる。
主側MPU72への動作電力の供給が停止されることにより、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行されているエラー報知は終了する一方、特定制御用のワークエリア203のエラー状態フラグに「1」がセットされている状態、及び非特定制御用のワークエリア202におけるバックアップ異常フラグ215に「1」がセットされている状態は維持される。特定制御用のワークエリア203のエラー状態フラグに「1」がセットされている状態が解除されないまま、設定キー挿入孔57のON操作を行うことなく主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合には、復電用処理(図40)のステップS1801にて肯定判定が行われることにより再び上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にてエラー報知が開始されることとなる。
特定制御用のワークエリア203のエラー状態フラグに「1」がセットされている状態は、メイン処理(図14)のステップS107にて全部クリア処理(図43)が実行されることにより解除される。エラー状態フラグに「1」がセットされた後、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態で主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合には、メイン処理(図14)のステップS102及びステップS104にて肯定判定が行われることによりステップS107にて全部クリア処理(図43)が実行されることとなる。
全部クリア処理(図43)では特定制御用のワークエリア203のエラー状態フラグが「0」クリアされる。これにより、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態で主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に、メイン処理(図14)のステップS104にて否定判定が行われることとなる。全部クリア処理(図43)では非特定制御用のワークエリア202におけるバックアップ異常フラグ215が「0」クリアされる。また、既に説明したとおり、メイン処理(図14)では、全部クリア処理(ステップS107)が実行された後にタイマ割込み処理(図15)による割込みが許可され、その後に行われる設定値更新処理(ステップS109)ではスロットマシン10の設定値が正常な範囲(「1」〜「6」)の設定値に更新される。タイマ割込み処理(図15)による割込みが許可されることにより、停電が発生した場合に停電フラグに「1」がセットされた状態で主側MPU72の動作を停止させることが可能となる。このため、エラー報知後に全部クリア処理(ステップS107)が実行され、その後に停電が発生し、設定キー挿入孔57のON操作が行われていない状態で主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合、新たにエラー状態が発生する場合を除いて、復電用処理(図40)のステップS1806にて否定判定が行われることになるとともに、ステップS1807及びステップS1808にて肯定判定が行われることとなる。
バックアップ異常確認処理(図101)の説明に戻り、ステップS6204にて肯定判定を行った場合、又はステップS6205の処理を行った場合には、コール命令により、非特定制御用のプログラムに設定されている非特定チェックサム演算用処理(図100)に対応するサブルーチンのプログラムを読み出すことにより、当該非特定チェックサム演算用処理を開始する(ステップS6206)。この場合、特定チェックサム演算用処理の終了後にステップS6207の処理に復帰するための戻り番地を特定するための情報(2バイト)が戻り番地の情報として、プッシュ命令により、非特定制御用のスタックエリア204に退避される。戻り番地の情報における上位1バイトは、非特定制御用のスタックエリア204における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報(「Y(u+1)」)に対応する記憶エリアに記憶されるとともに、当該戻り番地の情報における下位1バイトは、その次のスタックポインタの情報(「Y(u)」)に対応する記憶エリアに記憶される。そして、主側MPU72のスタックポインタの情報が次の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新される。
ステップS6206では、チェックサム用処理(図98)のステップS5904にて読み出すプログラムと同一のプログラムを読み出す。電源遮断前及び電源復帰後において主側ROM73における共通のプログラムを利用して非特定チェックサムを算出する構成であることにより、電源遮断前に非特定チェックサムを算出するためのプログラム及び電源復帰後に非特定チェックサムを算出するためのプログラムが異なるプログラムとして主側ROM73に記憶されている構成と比較して、主側ROM73においてプログラムを記憶するエリアの容量に余裕を持たせることができる。
非特定チェックサム演算用処理(ステップS6206)の処理内容は、図100を参照しながら既に説明したとおりである。特定チェックサム演算用処理(図100)が実行されることにより、主側MPU72のBCレジスタに非特定チェックサムが記憶されている状態となる。
非特定チェックサム演算用処理(図100)を終了する場合、ポップ命令により、非特定制御用のスタックエリア204における主側MPU72の現状のスタックポインタの情報に対して1つ前の順番の情報(「Y(u)」)に対応する記憶エリア及び2つ前の順番の情報(「Y(u+1)」)に対応する記憶エリアに退避された情報を読み出して主側MPU72のプログラムカウンタに設定するとともに、主側MPU72のスタックポインタの情報を当該2つ前の順番の書き込み対象となる記憶エリアのアドレスの情報に更新する。これにより、バックアップ異常確認処理(図101)のステップS6207の処理に復帰することができる。
ステップS6206にて非特定チェックサム演算用処理(図100)を実行した後、主側MPU72のBCレジスタに記憶されている非特定チェックサムが非特定制御用のワークエリア202における第3演算対象外エリア212の非特定チェックサム用エリア214に記憶されているチェックサムと一致するか否かを判定する(ステップS6207)。電源復帰後に算出した非特定チェックサムが電源遮断前に記憶した非特定チェックサムと一致しない場合(ステップS6207:NO)には、演出側MPU92に対して非特定異常報知コマンドを送信する(ステップS6208)。非特定異常報知コマンドは、非特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生して非特定制御用のワークエリア202の初期化処理(ステップS6209)が実行されることを報知する非特定異常報知を演出側MPU92に実行させるためのコマンドである。演出側MPU92は、非特定異常報知コマンドを受信した場合、5秒間に亘って非特定異常報知が行われるように上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。これにより、非特定制御用のワークエリア202の初期化処理(ステップS6209)が実行されることを遊技ホールの管理者に報知することができる。
その後、非特定制御用のワークエリア202の初期化処理を実行する(ステップS6209)。当該初期化処理では、非特定制御用のワークエリア202における記憶エリアを「0」クリアするとともに、当該「0」クリアした記憶エリアについて初期設定を行う。非特定制御用のワークエリア202の初期化処理が実行されることにより、非特定制御用のワークエリア202に記憶されているデータに異常が発生している状態が解消される。非特定制御用のワークエリア202の初期化処理は、遊技ホールの管理者による操作を不要として実行される。非特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生している状態となった場合に、遊技ホールの管理者による操作を不要として、当該状態が解消される構成であることにより、遊技ホールの管理者における管理負担を軽減することができる。
ステップS6207にて肯定判定を行った場合、又はステップS6209の処理を行った場合には、ステップS6210及びステップS6211にて、上記第4の実施形態におけるバックアップ異常確認処理(図95)のステップS5806及びステップS5807と同様の処理を実行する。具体的には、ステップS6202にて非特定制御用のスタックエリア204に退避させたデータを、ステップS6202における順番(WAレジスタ→BCレジスタ→DEレジスタ→HLレジスタ→IXレジスタ→IYレジスタ)とは逆の順番(IYレジスタ→IXレジスタ→HLレジスタ→DEレジスタ→BCレジスタ→WAレジスタ)で、主側MPU72のWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタに復帰させる処理を実行する(ステップS6210)。ステップS6210における処理内容は、上記第1の実施形態におけるバックアップ異常確認処理(図41)のステップS1911における処理内容と同一である。ステップS6210の処理が実行されることにより、主側MPU72のWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、非特定制御に対応する処理であるバックアップ異常確認処理(図101)の開始時における特定制御に対応する情報に復帰させることが可能となる。
その後、主側MPU72のスタックポインタに固定アドレスである「Y(0)」をセットして(ステップS6211)、本バックアップ異常確認処理を終了する。このように固定アドレスの情報をスタックポインタに設定することによって当該スタックポインタの情報をバックアップ異常確認処理(図101)が開始される直前の情報に復帰させる構成とすることで、バックアップ異常確認処理(図101)を開始する前に特定制御に対応する主側MPU72のスタックポインタの情報を非特定制御用のワークエリア202に退避させる必要がなくなる。これにより、非特定制御用のワークエリア202に含まれている記憶エリアのうち特定チェックサム用エリア213及び非特定チェックサム用エリア214を除く記憶エリアを非特定チェックサムの演算対象範囲に含めることができるとともに、主側MPU72における処理負荷を軽減することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主側RAM74では、特定チェックサムの演算対象範囲として特定制御用のスタックエリア201における第1演算対象エリア209、特定制御用のワークエリア203及び第1未使用エリア205が設定されているとともに、非特定チェックサムの演算対象範囲として非特定制御用のワークエリア202における第3演算対象エリア211が設定されている。電源遮断前に特定チェックサムを算出して記憶するとともに、電源復帰後に電源遮断前と同一の演算対象範囲について特定チェックサムを算出する。また、電源遮断前に非特定チェックサムを算出して記憶するとともに、電源復帰後に電源遮断前と同一の演算対象範囲について非特定チェックサムを算出する。このため、電源復帰後に算出した特定チェックサムが電源遮断前に記憶した特定チェックサムと一致しない場合には特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していることを特定することができるとともに、電源復帰後に算出した非特定チェックサムが電源遮断前に記憶した非特定チェックサムと一致しない場合には非特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していることを特定することができる。
特定チェックサム用エリア213及び非特定チェックサム用エリア214は、非特定制御用のワークエリア202における第3演算対象外エリア212に設けられている。これにより、特定チェックサムを特定チェックサム用エリア213に記憶する処理及び非特定チェックサムを非特定チェックサム用エリア214に記憶する処理を非特定制御用の処理に集約させることができる。よって、特定チェックサムを特定チェックサム用エリア213に記憶する処理及び非特定チェックサムを非特定チェックサム用エリア214に記憶する処理が特定制御用の処理及び非特定制御用の処理に分散している構成と比較して、これらの処理の処理構成を簡素化することができる。
電源復帰後に算出した非特定チェックサムが電源遮断前に記憶した非特定チェックサムと一致しない場合には、非特定異常報知が行われるとともに、非特定制御用のワークエリア202の初期化処理が実行される。遊技ホールの管理者は、非特定異常報知を確認することにより、非特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生したことを把握することができる。
非特定制御用のワークエリア202の初期化処理では、非特定制御用のワークエリア202における全ての記憶エリアが「0」クリアされるとともに、当該「0」クリアされた記憶エリアについて初期設定が行われる。非特定制御用のワークエリア202の初期化処理が実行されることにより、非特定制御用のワークエリア202に記憶されているデータに異常が発生している状態が解消される。非特定制御用のワークエリア202の初期化処理は、遊技ホールの管理者による操作を不要として実行される。非特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生している状態となった場合に、遊技ホールの管理者による操作を不要として、当該状態が解消される構成であることにより、遊技ホールの管理者における管理負担を軽減することができる。
電源復帰後に算出した特定チェックサムが電源遮断前に記憶した特定チェックサムと一致しない場合には、エラー状態となり、エラー報知が行われる。これにより、エラー状態が発生したことを遊技ホールの管理者に報知することができる。
エラー状態フラグに「1」がセットされている状態は、全部クリア処理が実行されるまで解消されない。全部クリア処理が実行されることにより、エラー状態フラグに「1」がセットされている状態が解消されるとともに、特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生している状態も解消される。このため、特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生している状態が解消されない状態でゲームが実行されてしまうことを防止することができる。
特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータのみに異常が発生している状態、及び非特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータのみに異常が発生している状態を特定可能である。このため、特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生した場合には遊技ホールの管理者がエラー状態を解除する操作を行う必要がある構成において、非特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生した場合には遊技ホールの管理者による解除操作を不要とすることができる。これにより、遊技ホールの管理者による管理負担を軽減することができる。
非特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生した場合には、特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータを保持しながら、非特定チェックサムの演算対象範囲のみを初期化することができる。これにより、データの異常が発生していない特定チェックサムの演算対象範囲まで初期化されてしまうことを防止することができる。
電源遮断前に特定チェックサム及び非特定チェックサムを算出する処理、並びに電源復帰後に特定チェックサム及び非特定チェックサムを算出する処理が非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。このため、電源遮断前及び電源復帰後において主側ROM73における共通のプログラムを利用して特定チェックサムを算出することができる。これにより、電源遮断前に特定チェックサムを算出するためのプログラムと、電源復帰後に特定チェックサムを算出するためのプログラムとが異なるプログラムとして主側ROM73に記憶されている構成と比較して、主側ROM73においてプログラムを記憶するエリアの容量に余裕を持たせることができる。また、電源遮断前及び電源復帰後において主側ROM73における共通のプログラムを利用して非特定チェックサムを算出することができる。これにより、電源遮断前に非特定チェックサムを算出するためのプログラムと、電源復帰後に非特定チェックサムを算出するためのプログラムとが異なるプログラムとして主側ROM73に記憶されている構成と比較して、主側ROM73においてプログラムを記憶するエリアの容量に余裕を持たせることができる。さらにまた、電源遮断前及び電源復帰後において特定チェックサム及び非特定チェックサムを算出する処理が特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される構成と比較して、主側ROM73において特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを記憶するエリアの容量に余裕を持たせることができる。
<第6の実施形態>
本実施形態では、クレジット表示部65にて設定確認表示が開始される条件が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的に説明を省略する。
本実施形態において、設定確認表示は、ゲームが行われていない状態であり、遊技媒体のベット数及び仮想メダルの貯留記憶数の少なくとも一方に空きがある状態であり、遊技状態がボーナス状態ではない状態であり、前面扉12が開放されている状態であり、且つ、設定キーを用いて設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態であることを条件として開始される。遊技ホールの管理者は、ゲームが行われていない状態であり、遊技媒体のベット数及び仮想メダルの貯留記憶数の少なくとも一方に空きがある状態であり、且つ、遊技状態がボーナス状態ではない状態において、前面扉12を開放して設定キー挿入孔57のON操作を行うことにより設定確認表示を開始させることができる。設定確認表示を行うことにより、クレジット表示部65の表示に基づいてスロットマシン10の現状の設定値を把握可能とすることができる。
設定確認表示は、ゲームが実行されていない状態であること、並びに遊技媒体のベット数及び仮想メダルの貯留記憶数の少なくとも一方に空きがあることを条件の一部として開始される。また、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、設定確認表示の開始時にセレクタ52が受付禁止状態とされる。このため、設定確認表示の実行中に遊技媒体のベット数及び仮想メダルの貯留記憶数が増加することはなく、遊技媒体のベット数が規定数に到達しないことにより設定確認表示の実行中にゲームが開始されることもない。設定確認表示の終了時にも遊技媒体のベット数及び仮想メダルの貯留記憶数の少なくとも一方に空きがある状態が維持されている。これにより、設定確認表示の終了時に、ゲームの実行中ではないことを確認するための処理、第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125の値が最大値(具体的には「3」)未満であることを確認するための処理、及び第2演算対象エリア111におけるクレジットカウンタの値が最大貯留記憶数(具体的には「50」)未満であることを確認するための処理を実行することなく、受付許可処理を実行してセレクタ52を受付許可状態に切り換えることができる。
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、リプレイ入賞が成立した場合には、当該リプレイ入賞が成立してから最初に行われる開始待ち処理(図49)にて第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125に遊技媒体の規定数である「3」がセットされ、遊技媒体のベット数に空きがない状態となる。また、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、リプレイ入賞が成立したゲームの終了時に仮想メダルの貯留記憶数が上限貯留記憶数(具体的には「50」)未満である場合、通常処理(図16)のステップS314にて受付許可処理が実行されることによりセレクタ52が受付許可状態となる。受付許可状態では、メダル投入口45に投入されたメダルが投入メダル検出センサ45aにて検出されることにより仮想メダルの貯留記憶数が1増加する。本実施形態では、リプレイ入賞が成立したゲームの終了後は、仮想メダルの貯留記憶数が最大貯留記憶数(具体的には「50」)未満である場合には設定確認表示が開始され得る状態となるとともに、仮想メダルの貯留記憶数が最大貯留記憶数(具体的には「50」)以上である場合には設定確認表示が開始されない状態となる。リプレイ入賞が成立したゲームの終了後に仮想メダルの貯留記憶数が最大貯留記憶数(具体的には「50」)以上である場合、遊技ホールの管理者は精算ボタン51を操作して仮想メダルの貯留記憶数に空きがある状態とすることにより、設定確認表示が開始され得る状態とすることができる。
次に、本実施形態における主側MPU72にて実行される設定確認用処理について、図102のフローチャートを参照しながら説明する。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、設定確認用処理は通常処理(図16)におけるステップS303にて実行される。設定確認用処理は、ゲームが行われていない状況で実行される処理である。なお、設定確認用処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
設定確認用処理(図102)におけるステップS6301〜ステップS6302では、上記第1の実施形態における設定確認用処理(図55(b))のステップS2801〜ステップS2802と同様の処理を実行する。具体的には、まず第2演算対象エリア111における設定確認表示フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS6301)、設定確認表示フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS6301:NO)には、第2演算対象エリア111におけるゲーム中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS6302)。
ステップS6302にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125の値が最大ベット数である「3」未満であるか否かを判定する(ステップS6303)。ベット数カウンタ125の値が「3」未満である場合(ステップS6303:YES)、すなわち遊技媒体のベット数が最大ベット数未満である場合には、第2演算対象エリア111におけるクレジットカウンタの値が最大貯留記憶数である「50」未満であるか否かを判定する(ステップS6304)。
遊技媒体のベット数が最大ベット数以上であるとともに仮想メダルの貯留記憶数が最大貯留記憶数以上である場合(ステップS6303:NO、ステップS6304:NO)には、ステップS6305以降の処理を実行することなく、本設定確認用処理を終了する。このため、遊技媒体のベット数が最大ベット数以上であるとともに仮想メダルの貯留記憶数が最大貯留記憶数以上である場合、すなわち遊技媒体のベット数及び仮想メダルの貯留記憶数のいずれにも空きが存在しない場合には、兼用表示部66にて設定確認表示は開始されない。一方、遊技媒体のベット数が最大ベット数未満である場合(ステップS6303:YES)、又は仮想メダルの貯留記憶数が最大貯留記憶数未満である場合(ステップS6304:YES)には、ステップS6305に進む。ステップS6305以降の処理は、遊技媒体のベット数及び仮想メダルの貯留記憶数の少なくとも一方に空きが存在している場合に実行される。
ステップS6305〜ステップS6312では、上記第1の実施形態における設定確認用処理(図55(b))のステップS2804〜ステップS2811と同様の処理を実行する。具体的には、まずボーナス状態であるか否かを判定する(ステップS6305)。ステップS6305では、第2演算対象エリア111におけるBBフラグ及びRBフラグのいずれかに「1」がセットされている場合に肯定判定を行うとともに、BBフラグ及びRBフラグのいずれにも「1」がセットされていない場合に否定判定を行う。ステップS6305にて否定判定を行った場合には、前面扉12が開放状態であるか否かを判定する(ステップS6306)。ステップS6306では、主側MPU72が筐体11の前面部に設けられた扉開放検出センサ48aから開放検知信号を受信している場合に肯定判定を行うとともに、扉開放検出センサ48aから閉鎖検知信号を受信している場合に否定判定を行う。ステップS6306にて肯定判定を行った場合には、設定キーを用いて設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態であるか否かを判定する(ステップS6307)。
遊技状態がボーナス状態である場合(ステップS6305:YES)、前面扉12が閉鎖されている場合(ステップS6306:NO)、又は設定キー挿入孔57のON操作が行われていない状態である場合(ステップS6307:NO)には、設定確認表示を開始することなく、そのまま本設定確認用処理を終了する。
ステップS6307にて肯定判定を行った場合には、クレジット表示部65にて設定確認表示を開始するために、設定確認表示の開始処理(ステップS6308〜ステップS6312の処理)を実行する。設定確認表示の開始処理は、クレジット表示部65にて設定確認表示が行われていない状況(ステップS2801:NO)において、ゲームが実行されていない状態であり(ステップS2802:NO)、遊技媒体のベット数及び仮想メダルの貯留記憶数の少なくとも一方に空きがある状態であり(ステップS6303:YES又はステップS6304:YES)、ボーナス状態ではない状態であり(ステップS6305:NO)、前面扉12が開放されている状態であり(ステップS6306:YES)、且つ、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態であること(ステップS6307:YES)を条件として実行される。
設定確認表示の開始処理(ステップS6308〜ステップS6312)では、まずセレクタ52を受付禁止状態とする受付禁止処理を実行する(ステップS6308)。これにより、メダル投入口45から投入されたメダルはメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれるようになる。その後、第2演算対象エリア111における左側クレジット表示部用カウンタ129に「P」の識別文字に対応する設定識別表示データをセットする(ステップS6309)。その後、第2演算対象エリア111における設定値カウンタを参照することにより現状におけるスロットマシン10の設定値を把握するとともに、当該設定値に対応する表示データを右側クレジット表示部用カウンタ131にセットする(ステップS6310)。左側クレジット表示部用カウンタ129に設定識別表示データがセットされることにより、クレジット表示部65の左側セグメント表示器65aに「P」の識別文字が表示されることとなり、設定確認表示が行われている状況であることを把握可能となる。右側クレジット表示部用カウンタ131に設定値に対応する表示データがセットされることにより、クレジット表示部65の右側セグメント表示器65bに現状におけるスロットマシン10の設定値を示す数字が表示されることとなる。これにより、クレジット表示部65の表示に基づいて現状におけるスロットマシン10の設定値を確認可能な状態となる。
その後、第2演算対象エリア111における設定確認表示フラグに「1」をセットする(ステップS6311)。これにより、タイマ割込み処理(図15)のステップS210における表示部制御処理(図56)にて設定確認表示を行うための表示データがクレジット表示部65に出力されるようにすることができる。その後、演出側MPU92に対して確認開始コマンドを送信して(ステップS6312)、本設定確認用処理を終了する。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、演出側MPU92は確認開始コマンドを受信した場合、クレジット表示部65にて設定確認表示の実行中であることを報知する表示が行われるように画像表示装置63の表示制御を行う。
ステップS6301にて肯定判定を行った場合には、ステップS6313〜ステップS6318にて、上記第1の実施形態における設定確認用処理(図55(b))のステップS2812〜ステップS2817と同様の処理を実行する。具体的には、設定キー挿入孔57がOFF状態となっているか否かを判定する(ステップS6313)。ステップS6313にて否定判定を行った場合には、前面扉12が閉鎖状態となっているか否かを判定する(ステップS6314)。設定確認表示の実行中に設定キー挿入孔57がOFF状態となった場合(ステップS6313:YES)、又は設定確認表示の実行中に前面扉12が閉鎖された場合(ステップS6314:YES)には、設定確認表示の終了処理(ステップS6315〜ステップS6318の処理)を実行する。
設定確認表示の終了処理では、まず第2演算対象エリア111における設定確認表示フラグを「0」クリアし(ステップS6315)、クレジット表示部用カウンタ129,131のクリア処理を実行する(ステップS6316)。当該クリア処理では、第2演算対象エリア111における左側クレジット表示部用カウンタ129及び右側クレジット表示部用カウンタ131を「0」クリアする。これにより、クレジット表示部65にて行われていた設定確認表示が終了する。クレジット表示部65では、表示部制御処理(図56)が実行されることにより、遊技媒体の貯留記憶数の表示が行われる。
その後、演出側MPU92に対して確認終了コマンドを送信する(ステップS6317)。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、演出側MPU92は確認終了コマンドを受信した場合、クレジット表示部65にて設定確認表示の実行中であることを報知する表示が終了するように画像表示装置63の表示制御を行う。その後、セレクタ52を受付許可状態とする受付許可処理を実行して(ステップS6318)、本設定確認用処理を終了する。受付許可処理を実行することにより、メダル投入口45から投入されたメダルはホッパ装置53へ導かれるようになる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
設定確認表示は、ゲームが実行されていない状態であること、並びに遊技媒体のベット数及び仮想メダルの貯留記憶数の少なくとも一方に空きがあることを条件の一部として開始される。また、設定確認表示の開始時にセレクタ52が受付禁止状態とされる。このため、設定確認表示の実行中に遊技媒体のベット数及び仮想メダルの貯留記憶数が増加することはなく、遊技媒体のベット数が規定数に到達しないことにより設定確認表示の実行中にゲームが開始されることもない。設定確認表示の終了時にも遊技媒体のベット数及び仮想メダルの貯留記憶数の少なくとも一方に空きがある状態が維持されている。これにより、設定確認表示の終了時に、ゲームの実行中ではないことを確認するための処理、第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125の値が最大値(具体的には「3」)未満であることを確認するための処理、及び第2演算対象エリア111におけるクレジットカウンタの値が最大貯留記憶数(具体的には「50」)未満であることを確認するための処理を実行することなく、受付許可処理を実行してセレクタ52を受付許可状態に切り換えることができる。よって、設定確認表示の終了処理(ステップS6315〜ステップS6318の処理)の処理構成を簡素化することができる。
遊技媒体のベット数が最大ベット数(具体的には「3」)であっても、仮想メダルの貯留記憶数が最大貯留記憶数(具体的には「50」)未満である場合には、ゲームが行われていない状態であるとともに、遊技状態がボーナス状態ではない状態であることを条件として、前面扉12を開放して設定キー挿入孔57のON操作を行うことにより設定確認表示を開始させることができる。このように、遊技媒体のベット数が最大ベット数である状態においても設定確認表示を開始可能とすることができる。これにより、遊技ホールの管理者がスロットマシン10の設定値を確認できる状況を作り出し易くすることができる。
仮想メダルの貯留記憶数が最大貯留記憶数(具体的には「50」)であっても、遊技媒体のベット数が最大ベット数(具体的には「3」)未満である場合には、ゲームが行われていない状態であるとともに、遊技状態がボーナス状態ではない状態であることを条件として、前面扉12を開放して設定キー挿入孔57のON操作を行うことにより設定確認表示を開始させることができる。このように、仮想メダルの貯留記憶数が最大貯留記憶数である状態においても設定確認表示を開始可能とすることができる。これにより、遊技ホールの管理者がスロットマシン10の設定値を確認できる状況を作り出し易くすることができる。
<第7の実施形態>
本実施形態では、前面扉12が開放されている状態において設定キー挿入孔57のOFF状態からON状態への切り換えが行われることを条件の一部としてクレジット表示部65にて設定確認表示が行われることが上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的に説明を省略する。
本実施形態において、設定確認表示は、ゲームが行われていない状態であり、遊技媒体のベット数が「1」以上ではない状態であり、遊技状態がボーナス状態ではない状態であり、且つ、前面扉12が開放されている状態において、設定キーを用いて設定キー挿入孔57のOFF状態からON状態への切り換えが行われることを条件として開始される。遊技ホールの管理者は、ゲームが行われていない状態であり、遊技媒体のベット数が「1」以上ではない状態であり、且つ、遊技状態がボーナス状態ではない状態において、前面扉12を開放して設定キー挿入孔57のON操作を行うことにより設定確認表示を開始させることができる。設定確認表示を行うことにより、クレジット表示部65の表示に基づいてスロットマシン10の現状の設定値を把握可能とすることができる。
設定確認表示は、前面扉12が開放されている状態において設定キー挿入孔57のOFF状態からON状態への切り換えが行われることを条件の一部として開始される。このため、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態のまま遊技ホールの管理者が前面扉12を閉鎖してしまった場合に、その後に遊技者が前面扉12を開放することにより前面扉12が開放された瞬間からクレジット表示部65にて設定確認表示が開始されてしまうことを防止することができる。これにより、スロットマシン10の設定値が遊技者によって不正に確認されてしまうことを防止することができる。
次に、本実施形態における主側MPU72にて実行される設定確認用処理について、図103のフローチャートを参照しながら説明する。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、設定確認用処理は通常処理(図16)におけるステップS303にて実行される。設定確認用処理は、ゲームが行われていない状況で実行される処理である。なお、設定確認用処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
設定確認用処理では、ステップS6401〜ステップS6405にて上記第1の実施形態における設定確認用処理(図55(b))のステップS2801〜ステップS2805と同様の処理を実行する。具体的には、まず第2演算対象エリア111における設定確認表示フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS6401)、設定確認表示フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS6401:NO)には、第2演算対象エリア111におけるゲーム中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS6402)。
ステップS6402にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125の値が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS6403)。ステップS6403にて否定判定を行った場合には、ボーナス状態であるか否かを判定する(ステップS6404)。ステップS6404では、第2演算対象エリア111におけるBBフラグ及びRBフラグのいずれかに「1」がセットされている場合に肯定判定を行うとともに、BBフラグ及びRBフラグのいずれにも「1」がセットされていない場合に否定判定を行う。ゲームが実行されている状態である場合(ステップS6402:YES)、遊技媒体のベット数が「1」以上である場合(ステップS6403:YES)、又は遊技状態がボーナス状態である場合(ステップS6404:YES)には、設定確認表示を開始することなく、本設定確認用処理を終了する。
ステップS6404にて否定判定を行った場合には、前面扉12が開放状態であるか否かを判定する(ステップS6405)。ステップS6405では、主側MPU72が筐体11の前面部に設けられた扉開放検出センサ48aから開放検知信号を受信している場合に肯定判定を行うとともに、扉開放検出センサ48aから閉鎖検知信号を受信している場合に否定判定を行う。
ステップS6405にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111に設けられた設定キーフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS6406)。設定キーフラグは、設定確認用処理(図103)の前回の処理回において設定キー挿入孔57がOFF状態であったことを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。設定キーフラグに「1」がセットされている状態は設定確認用処理(図103)の前回の処理回において設定キー挿入孔57がOFF状態であったことに対応しているとともに、設定キーフラグの値が「0」である状態は設定確認用処理(図103)の前回の処理回において設定キー挿入孔57がON状態であったことに対応している。設定キーフラグには、後述するステップS6414にて「1」がセットされる。また、設定キーフラグは、後述するステップS6415にて「0」クリアされる。
ステップS6406にて否定判定を行った場合には、設定確認表示を開始することなく、ステップS6419に進む。このように、設定確認用処理(図103)の前回の処理回にて設定キー挿入孔57がON状態であった場合には、設定確認表示は開始されない。
ステップS6406にて肯定判定を行った場合には、設定キーを用いて設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態であるか否かを判定する(ステップS6407)。ステップS6407にて肯定判定を行った場合には、設定確認用処理(図103)の前回の処理回において設定キー挿入孔57がOFF状態であったとともに今回の処理回において設定キー挿入孔57がOFF状態からON状態へ切り換わったことを意味する。この場合には、設定確認表示の開始処理(ステップS6408〜ステップS6412の処理)を実行する。
設定確認表示の開始処理は、クレジット表示部65にて設定確認表示が行われていない状況(ステップS6401:NO)において、ゲームが実行されていない状態であり(ステップS6402:NO)、遊技媒体のベット数が「1」以上ではない状態であり(ステップS6403:NO)、ボーナス状態ではない状態であり(ステップS6404:NO)、且つ、前面扉12が開放されている状態において(ステップS6405:YES)、設定キー挿入孔57のOFF状態からON状態への切り換えが行われたこと(ステップS6406:YES、ステップS6407:YES)を条件として実行される。ステップS6408〜ステップS6412では、上記第1の実施形態における設定確認用処理(図55(b))のステップS2807〜ステップS2811と同様の処理を実行する。
設定確認表示の開始処理(ステップS6408〜ステップS6412)では、まずセレクタ52を受付禁止状態とする受付禁止処理を実行する(ステップS6408)。これにより、メダル投入口45から投入されたメダルはメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれるようになる。その後、第2演算対象エリア111における左側クレジット表示部用カウンタ129に「P」の識別文字に対応する設定識別表示データをセットする(ステップS6409)。その後、第2演算対象エリア111における設定値カウンタを参照することにより現状におけるスロットマシン10の設定値を把握するとともに、当該設定値に対応する表示データを右側クレジット表示部用カウンタ131にセットする(ステップS6410)。左側クレジット表示部用カウンタ129に設定識別表示データがセットされることにより、クレジット表示部65の左側セグメント表示器65aに「P」の識別文字が表示されることとなり、設定確認表示が行われている状況であることを把握可能となる。右側クレジット表示部用カウンタ131に設定値に対応する表示データがセットされることにより、クレジット表示部65の右側セグメント表示器65bに現状におけるスロットマシン10の設定値を示す数字が表示されることとなる。これにより、クレジット表示部65の表示に基づいて現状におけるスロットマシン10の設定値を確認可能な状態となる。
その後、第2演算対象エリア111における設定確認表示フラグに「1」をセットする(ステップS6411)。これにより、タイマ割込み処理(図15)のステップS210における表示部制御処理(図56)にて設定確認表示を行うための表示データがクレジット表示部65に出力されるようにすることができる。その後、演出側MPU92に対して確認開始コマンドを送信して(ステップS6412)、本設定確認用処理を終了する。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、演出側MPU92は確認開始コマンドを受信した場合、クレジット表示部65にて設定確認表示の実行中であることを報知する表示が行われるように画像表示装置63の表示制御を行う。
ステップS6402にて肯定判定を行った場合、ステップS6403にて肯定判定を行った場合、ステップS6404にて肯定判定を行った場合、ステップS6405にて否定判定を行った場合、ステップS6406にて否定判定を行った場合、ステップS6407にて否定判定を行った場合、又はステップS6412の処理を行った場合には、設定キー挿入孔57がOFF状態であるか否かを判定する(ステップS6413)。ステップS6413にて肯定判定を行った場合には第2演算対象エリア111の設定キーフラグに「1」をセットする(ステップS6414)。一方、ステップS6413にて否定判定を行った場合には第2演算対象エリア111の設定キーフラグを「0」クリアする。ステップS6413〜ステップS6415の処理を実行することにより、設定確認用処理(図103)の次回の処理回において、今回の処理回における設定キー挿入孔57の状態を把握可能となる。
既に説明したとおり、設定確認表示は、設定キー挿入孔57のOFF状態からON状態への切り換えが行われることを条件の一部として開始されるため、設定確認表示が開始される設定確認用処理(図103)の処理回においては、ステップS6413にて否定判定が行われてステップS6415にて設定キーフラグが「0」クリアされる。このため、当該開始された設定確認表示が設定キー挿入孔57のOFF状態への切り換えが行われることなく前面扉12の閉鎖によって終了した場合に、その後に前面扉12が開放されたとしても前面扉12が開放された瞬間からクレジット表示部65にて設定確認表示が開始されてしまうことを防止することができる。遊技ホールの管理者は、もう一度設定確認表示を開始させる場合、設定キー挿入孔57をOFF状態に戻した後にON状態に切り換える必要がある。
ステップS6401にて肯定判定を行った場合には、ステップS6416〜ステップS6421にて、上記第1の実施形態における設定確認用処理(図55(b))のステップS2812〜ステップS2817と同様の処理を実行する。具体的には、設定キー挿入孔57がOFF状態となっているか否かを判定する(ステップS6416)。ステップS6416にて否定判定を行った場合には、前面扉12が閉鎖状態となっているか否かを判定する(ステップS6417)。設定確認表示の実行中に設定キー挿入孔57がOFF状態となった場合(ステップS6416:YES)、又は設定確認表示の実行中に前面扉12が閉鎖された場合(ステップS6417:YES)には、設定確認表示の終了処理(ステップS6418〜ステップS6421の処理)を実行する。
設定確認表示の終了処理では、まず第2演算対象エリア111における設定確認表示フラグを「0」クリアし(ステップS6418)、クレジット表示部用カウンタ129,131のクリア処理を実行する(ステップS6419)。当該クリア処理では、第2演算対象エリア111における左側クレジット表示部用カウンタ129及び右側クレジット表示部用カウンタ131を「0」クリアする。これにより、クレジット表示部65にて行われていた設定確認表示が終了する。クレジット表示部65では、表示部制御処理(図56)が実行されることにより、遊技媒体の貯留記憶数の表示が行われる。
その後、演出側MPU92に対して確認終了コマンドを送信する(ステップS6420)。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、演出側MPU92は確認終了コマンドを受信した場合、クレジット表示部65にて設定確認表示の実行中であることを報知する表示が終了するように画像表示装置63の表示制御を行う。その後、セレクタ52を受付許可状態とする受付許可処理を実行して(ステップS6421)、本設定確認用処理を終了する。受付許可処理を実行することにより、メダル投入口45から投入されたメダルはホッパ装置53へ導かれるようになる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
設定確認表示は、前面扉12が開放されている状態において設定キー挿入孔57のOFF状態からON状態への切り換えが行われることを条件の一部として開始される。このため、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態のまま遊技ホールの管理者が前面扉12を閉鎖してしまった場合に、その後に遊技者が前面扉12を開放することにより前面扉12が開放された瞬間からクレジット表示部65にて設定確認表示が開始されてしまうことを防止することができる。これにより、スロットマシン10の設定値が遊技者によって不正に確認されてしまうことを防止することができる。
<第8の実施形態>
本実施形態では、メイン処理(図14)における一部クリア処理(ステップS106)の処理内容が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的に説明を省略する。
本実施形態では、第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されたゲームにおいてボーナス状態又は内部RT状態ST2への移行が発生する前に電源が遮断され、電源復帰後にメイン処理(図14)のステップS106にて一部クリア処理(図104)が実行された場合、当該一部クリア処理において第2演算対象エリア111の内部RT状態フラグ153に「1」をセットする処理は行われない。電源復帰が行われてから最初に実行されたゲームにおいて、第2演算対象エリア111に設定されているボーナス当選データに対応するボーナス入賞が発生した場合にはボーナス状態に移行するとともに、ボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立しなかった場合には内部RT状態フラグ153に「1」がセットされて内部RT状態ST2に移行する。
図104は本実施形態における主側MPU72にて実行される一部クリア処理を示すフローチャートである。一部クリア処理は、メイン処理(図14)において、設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態において動作電力の供給が開始され(ステップS102:YES)、第2演算対象エリア111におけるエラー状態フラグに「1」がセットされておらず(ステップS104:NO)、リセットボタン56の押圧操作が行われていない場合(ステップS105:NO)に、ステップS106にて実行される。なお、一部クリア処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
一部クリア処理では、ステップS6501〜ステップS6506にて、上記第1の実施形態における一部クリア処理(図68)のステップS3901〜ステップS3906と同様の処理を実行する。まず特定制御用のワークエリア103の一部クリア処理を実行する(ステップS6501)。当該一部クリア処理では、特定制御用のワークエリア103における記憶エリアのうち、スロットマシン10における現状の設定値を把握するための情報、現状の遊技状態を把握するための情報、現状の遊技区間を把握するための情報、現状の抽選モードを把握するための情報、貯留記憶されている仮想メダルの数の情報、及びボーナス当選データが記憶されている記憶エリアを除く記憶エリアを「0」クリアする。特定制御用のワークエリア103の一部クリア処理(ステップS6501)が実行されることにより、特定制御用のワークエリア103の第2演算対象エリア111に設定されていた当選データのうちボーナス当選データ以外の当選データが消去される。また、特定制御用のワークエリア103の一部クリア処理(ステップS6501)が実行されることにより、リール32L,32M,32Rの回転制御に関する情報が消去される。このため、電源遮断前に1つ以上のリール32L,32M,32Rが回転している状態であったとしても、電源復帰後に一部クリア処理(図68)が実行された場合には、新たに遊技媒体がベットされてスタートレバー41の操作が行われるまでリール32L,32M,32Rの回転は開始されない。さらにまた、特定制御用のワークエリア103の一部クリア処理(ステップS6501)が実行されることにより、兼用表示部66にて停止順対応表示を行うための情報も消去される。このため、電源遮断前に兼用表示部66にて停止順対応表示が行われている状態であったとしても、電源復帰後に一部クリア処理(図68)が実行された場合には、兼用表示部66にて停止順対応表示が再開されることはない。
その後、特定制御用のワークエリア103の一部初期化処理を実行する(ステップS6502)。当該一部初期化処理では、特定制御用のワークエリア103における記憶エリアのうちステップS6501にて「0」クリアされた記憶エリアについて初期設定を行う。その後、特定制御用のスタックエリア101のクリア処理を実行する(ステップS6503)。当該クリア処理では、特定制御用のスタックエリア101を「0」クリアする。その後、特定制御用のスタックエリア101の初期設定処理を実行する(ステップS6504)。当該初期設定処理では、ステップS6503にてクリアされた特定制御用のスタックエリア101について初期設定を行う。
その後、演出側MPU92に対して、一部クリアコマンドを送信する(ステップS6505)。第1の実施形態において既に説明したとおり、一部クリアコマンドは、一部クリア処理(図68)が実行されたことを演出側MPU92に認識させるためのコマンドである。その後、一部クリア時の信号出力制御処理を実行して(ステップS6506)、本一部クリア処理を終了する。
次に、図105のタイムチャートを参照しながら内部RT状態ST2に移行する様子について説明する。図105(a)は内部RT状態フラグ153に「1」がセットされている期間を示し、図105(b)は第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されている期間を示し、図105(c)は1つ以上のリール32L,32M,32Rが回転している期間を示し、図105(d)はスロットマシン10への動作電力の供給状態を示し、図105(e)はメイン処理(図14)のステップS106にて一部クリア処理(図104)が開始されるタイミングを示し、図105(f)はゲームが開始されるタイミングを示す。
図105(f)に示すように、t1のタイミングでゲームが開始される。役の抽選処理(図17)においてボーナス役に当選すると、図105(b)に示すようにt2のタイミングで第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定される。その後、図105(c)に示すようにt3のタイミングで全リール32L,32M,32Rの回転が開始される。その後、1つ以上のリール32L,32M,32Rが回転しているt4のタイミングで、図105(d)に示すように電源が遮断されると、図105(c)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が停止する。
その後、図105(d)に示すようにt5のタイミングで電源復帰が行われ、図105(e)に示すようにt6のタイミングで、メイン処理(図14)のステップS106にて一部クリア処理(図104)が開始される。既に説明したとおり、一部クリア処理(図104)が実行されても第2演算対象エリア111に設定されているボーナス当選データは消去されない。このため、当該t6のタイミングにおいて、図105(b)に示すように第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されている。また、図105(a)に示すように当該t6のタイミングにおいて、内部RT状態フラグ153に「1」はセットされていない。
その後、遊技媒体がベットされた状態でスタートレバー41の操作が行われると、図105(f)に示すようにt7のタイミングでゲームが開始され、図105(c)に示すようにt8のタイミングで全リール32L,32M,32Rの回転が開始される。その後、各リール32L,32M,32Rについて停止指令が発生することにより、t9のタイミングで全リール32L,32M,32Rの回転が停止される。今回のゲームにおいて第2演算対象エリア111に設定されているボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立しなかった場合、図105(a)に示すように、t10のタイミングで第2演算対象エリア111にける内部RT状態フラグ153に「1」がセットされる。これにより、遊技状態が内部RT状態ST2に移行し、その後に開始されるゲームにおいて抽選テーブルとして内部RT状態用抽選テーブル(図24)が選択されるようになる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ボーナス当選データが設定されたゲームにおいてボーナス状態又は内部RT状態ST2への移行が発生する前に電源が遮断され、電源復帰後にメイン処理(図14)のステップS106にて一部クリア処理(図104)が実行された場合、電源復帰が行われてから最初に実行されたゲームにおいて、第2演算対象エリア111に設定されているボーナス当選データに対応するボーナス入賞が成立しなかった場合には内部RT状態フラグ153に「1」がセットされて内部RT状態ST2に移行する。このため、一部クリア処理(図104)において内部RT状態ST2に移行させるための処理を不要としながら、電源復帰が行われてから最初に実行されたゲームにおいて、電源遮断前に設定されたボーナス当選データに基づいて内部RT状態ST2への移行を発生させることができる。
<第9の実施形態>
本実施形態では、第2示唆動作用処理の処理内容が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的に説明を省略する。
図106は本実施形態における第2示唆動作用処理を示すフローチャートである。第2示唆動作用処理は第1示唆動作用処理(図75)のステップS4318にて実行される。なお、第2示唆動作用処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
第2示唆動作用処理では、ステップS6601〜ステップS6605にて、上記第1の実施形態における第2示唆動作用処理(図77)のステップS4601〜ステップS4605と同様の処理を実行する。具体的には、まず第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS6601)。いずれのエンディングフラグにも「1」がセットされていない場合(ステップS6601:NO)には、主側ROM73からスロットマシン10の設定値に対応する第3示唆動作抽選テーブルを第2演算対象エリア111に読み出す(ステップS6602)。その後、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111にて更新されている乱数を取得し(ステップS6603)、当該取得した乱数をステップS6602にて読み出した第3示唆動作抽選テーブルに照合することにより自動精算に当選したか否かを判定する(ステップS6604)。自動精算に当選した場合(ステップS6604:YES)には、自動精算処理(図76(a))を実行して(ステップS6605)、本第2示唆動作用処理を終了する。
このように、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれにも「1」がセットされていない場合には、第3示唆動作抽選テーブルが読み出されて第3示唆動作抽選が行われ、当該第3示唆動作抽選にて自動精算に当選した場合には自動精算が行われるとともに、当該第3示唆動作抽選にて自動精算に当選しなかった場合には示唆動作が行われない。
ステップS6601にて第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされていると判定した場合には、現状におけるスロットマシン10の設定値が「設定4」又は「設定5」であるか否かを判定し(ステップS6606)、ステップS6606にて肯定判定を行った場合には、示唆動作抽選を行うことなく打止処理(図76(b))を実行して(ステップS6607)、本第2示唆動作用処理を終了する。
本実施形態において、有利区間SC2の終了時に自動精算が行われることなく打止処理(図76(b))が実行されるのは、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされているとともにスロットマシン10の設定値が「設定4」又は「設定5」である場合だけである。このため、有利区間SC2の終了時に打止が行われた場合に、スロットマシン10の設定値が「設定4」又は「設定5」であることを遊技者に確信させることができる。
現状におけるスロットマシン10の設定値が「設定4」又は「設定5」ではない場合(ステップS6606:NO)には、現状におけるスロットマシン10の設定値が「設定6」であるか否かを判定する(ステップS6608)。ステップS6608にて肯定判定を行った場合には、ステップS6609及びステップS6610にて、上記第1の実施形態における第2示唆動作用処理(図77)のステップS4608及びステップS4609と同様の処理を実行する。具体的には、まず自動精算処理(図76(a))を実行する(ステップS6609)。そして、当該自動精算処理の終了後に打止処理(図76(b))を実行して(ステップS6610)、本第2示唆動作用処理を終了する。
本実施形態において、有利区間SC2の終了時に自動精算及び打止が行われるのは、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされているとともにスロットマシン10の設定値が「設定6」である場合だけである。このため、有利区間SC2の終了時に自動精算及び打止が行われた場合に、スロットマシン10の設定値が「設定6」であることを遊技者に確信させることができる。
現状におけるスロットマシン10の設定値が「設定4」〜「設定6」ではない場合(ステップS6606:NO、ステップS6608:NO)には、ステップS6602に進み、ステップS6602〜ステップS6605の処理を実行する。このように、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグの少なくとも一方に「1」がセットされているとともに、スロットマシン10の設定値が「設定1」〜「設定3」のいずれかである場合には、第3示唆動作抽選テーブルが読み出されて第3示唆動作抽選が行われ、当該第3示唆動作抽選にて自動精算に当選した場合には自動精算が行われるとともに、当該第3示唆動作抽選にて自動精算に当選しなかった場合には示唆動作が行われない。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されているとともに、第2演算対象エリア111における1つ以上のエンディングフラグに「1」がセットされている状態で有利区間SC2が終了した場合、スロットマシン10の設定値が「設定4」又は「設定5」であれば、示唆動作抽選が行われることなく、打止処理が実行される。一方、当該条件以外の条件で、有利区間SC2の終了時に自動精算が行われることなく打止処理が単独で実行されることはない。このため、遊技者は、有利区間SC2の終了時に打止処理が単独で実行された場合、スロットマシン10の設定値が「設定4」又は「設定5」であることを把握することができる。有利区間SC2の終了時に打止状態報知が実行されるか否かに注目させることにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されているとともに、第2演算対象エリア111における1つ以上のエンディングフラグに「1」がセットされている状態で有利区間SC2が終了した場合、スロットマシン10の設定値が「設定6」であれば、示唆動作抽選が行われることなく、自動精算処理が実行されるとともに、当該自動精算処理の終了後に打止処理が実行される。一方、当該条件以外の条件で、有利区間SC2の終了時に自動精算処理及び打止処理の組合せが実行されることはない。このため、遊技者は、有利区間SC2の終了時に自動精算及び打止が実行された場合、スロットマシン10の設定値が「設定6」であることを確信することができる。有利区間SC2の終了時に自動精算及び打止状態報知が実行されるか否かに注目させることにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
<第10の実施形態>
本実施形態では、設定値の表示が比率表示器85にて行われること、及び設定値を表示するための処理が非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行されることが上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的に説明を省略する。
本実施形態では、スロットマシン10の設定値を確認可能とするための設定確認表示、及び設定値を更新するための設定値更新用表示が比率表示器85にて行われる。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、比率表示器85は、主制御基板71の素子搭載面に搭載されている。前面扉12を筐体11に対してスロットマシン10前方に開放させて筐体11の内部空間を露出させることにより、基板ボックス81の対向壁部82を通じて比率表示器85を目視することが可能となる。このため、設定値の表示を比率表示器85にて行う構成とすることにより、遊技者からは設定値の表示が目視され難い態様で、遊技ホールの管理者が設定値の表示を目視できるようにすることができる。
上記第1の実施形態の同様に、設定値更新処理(図110)では、設定値の更新は筐体11の内部に設けられた電源装置54のリセットボタン56を操作することにより確定前の設定値が更新される。比率表示器85に確定前の設定値を表示することにより、リセットボタン56を操作する際に確定前の設定値の表示を確認し易くすることができる。
設定値を表示するための処理を非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行する構成とすることにより、主側ROM73において特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを記憶するエリアの容量に余裕を持たせることができる。
図107(a)は本実施形態における設定値の表示を行うための非特定制御用のワークエリア102の構成を説明するための説明図であり、図107(b)は設定確認表示の実行中における比率表示器85の表示態様を説明するための説明図であり、図107(c)は設定値更新用表示の実行中における比率表示器85の表示態様を説明するための説明図である。
上記第1の実施形態と同様に、比率表示器85の表示面には、識別子表示部86及び比率表示部87が横方向に並設されている。識別子表示部86は、7セグメント表示器である左側セグメント表示器86a及び右側セグメント表示器86bと、識別子用の補助表示部86cとを備えている。また、比率表示部87は、7セグメント表示器である左側セグメント表示器87a及び右側セグメント表示器87bと、比率用の補助表示部87cとを備えている。
図107(a)に示すように、非特定制御用のワークエリア102には、第1〜第4表示器用カウンタ221〜224が設けられている。第1表示器用カウンタ221は、識別子表示部86の左側セグメント表示器86aに対応する1バイトの表示データがセットされるカウンタであるとともに、第2表示器用カウンタ222は、識別子表示部86の右側セグメント表示器86b及び識別子用の補助表示部86cに対応する1バイトの表示データがセットされるカウンタである。また、第3表示器用カウンタ223は、比率表示部87の左側セグメント表示器87aに対応する1バイトの表示データがセットされるカウンタであるとともに、第4表示器用カウンタ224は、比率表示部87の右側セグメント表示器87b及び比率用の補助表示部87cに対応する1バイトの表示データがセットされるカウンタである。これら第1〜第4表示器用カウンタ221〜224は、1バイトからなるカウンタである。
比率表示器85にて設定確認表示が行われる場合には、図107(b)に示すように、識別子表示部86の右側セグメント表示器86bに「P」の識別文字が表示されるとともに、識別子用の補助表示部86cが点灯状態となる。また、左側セグメント表示器86aに「−」(ハイフン)の記号が表示される。遊技ホールの管理者は、識別子表示部86の表示が「−P.」である場合に比率表示器85にて設定確認表示が行われている状態であることを把握することができる。比率表示器85にて設定確認表示が行われる場合には、比率表示部87の右側セグメント表示器87bにスロットマシン10の設定値を示す数字(「1」〜「6」のいずれかの数字)が表示されるとともに、比率用の補助表示部87cが消灯状態となる。また、左側セグメント表示器87aに「−」(ハイフン)の記号が表示される。遊技ホールの管理者は、比率表示器85にて設定確認表示が行われている状況において、比率表示部87の表示を確認することにより現状におけるスロットマシン10の設定値を確認することができる。例えば、スロットマシン10の設定値が「設定3」である場合には、図107(b)に示すように、比率表示器85における表示が「−P.−3」となる。
比率表示器85にて設定値更新表示が行われる場合には、図107(c)に示すように、識別子表示部86の右側セグメント表示器86bに「E」の識別文字が点滅表示されるとともに、識別子用の補助表示部86cが点灯状態と消灯状態とを繰り返す点滅状態となる。また、左側セグメント表示器86aに「−」(ハイフン)の記号が点滅表示される。遊技ホールの管理者は、識別子表示部86の表示が「−E.」である場合に比率表示器85にて設定値更新用表示が行われている状態であることを把握することができる。比率表示器85にて設定値更新票表示が行われる場合には、比率表示部87の右側セグメント表示器87bにスロットマシン10の確定前の設定値を示す数字(「1」〜「6」のいずれかの数字)が点滅表示されるとともに、比率用の補助表示部87cが消灯状態となる。また、左側セグメント表示器87aに「−」(ハイフン)の記号が点滅表示される。遊技ホールの管理者は、比率表示器85にて設定値更新用表示が行われている状況において、比率表示部87の表示を確認することにより確定前の設定値を確認することができる。例えば、確定前の設定値が「設定3」である場合には、図107(c)に示すように、比率表示器85にて「−E.−3」が点滅表示される。
比率表示器85における点滅表示は、スタートレバー41を操作する確定操作が行われた場合に点灯表示に変化する。遊技ホールの管理者は、設定値更新処理(図110)が実行されている状況において、比率表示器85の表示が点滅表示から点灯表示に変化したことを確認することにより、スロットマシン10の設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定が確定したことを確認することができる。上記第1の実施形態と同様に、設定値更新表示が行われている状況において、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類を選択するための表示は、兼用表示部66にて行われる。
次に、主側MPU72にて実行される設定確認用処理について、図108のフローチャートを参照しながら説明する。設定確認用処理は通常処理(図16)のステップS303にて実行される。設定確認用処理は、ゲームが行われていない状況で実行される処理である。なお、設定確認用処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
設定確認用処理では、ステップS6701〜ステップS6707にて上記第1の実施形態における設定確認用処理(図55(b))のステップS2801〜ステップS2807と同様の処理を実行する。具体的には、まず第2演算対象エリア111における設定確認表示フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS6701)、設定確認表示フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS6701:NO)には、第2演算対象エリア111におけるゲーム中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS6702)。ステップS6702にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125の値が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS6703)、ベット数カウンタ125の値が「1」以上ではない場合(ステップS6703:NO)には、ボーナス状態であるか否かを判定する(ステップS6704)。
ステップS6704にて否定判定を行った場合には、前面扉12が開放状態であるか否かを判定し(ステップS6705)、前面扉12が開放状態である場合(ステップS6705:YES)には、設定キーを用いて設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態であるか否かを判定する(ステップS6706)。設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態である場合(ステップS6706:YES)には、セレクタ52を受付禁止状態とする受付禁止処理を実行する(ステップS6707)。これにより、メダル投入口45から投入されたメダルはメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれるようになる。
その後、ステップS6708〜ステップS6709では、上記第1の実施形態における設定確認用処理(図55(b))のステップS2810〜ステップS2811と同様の処理を実行する。具体的には、第2演算対象エリア111における設定確認表示フラグに「1」をセットする(ステップS6708)。これにより、後述する設定値表示用処理(図112)にて設定確認表示を行うための処理が実行されるようにすることができる。その後、演出側MPU92に対して確認開始コマンドを送信して(ステップS6709)、本設定確認用処理を終了する。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、演出側MPU92は確認開始コマンドを受信した場合、クレジット表示部65にて設定確認表示の実行中であることを報知する表示が行われるように画像表示装置63の表示制御を行う。
設定確認表示フラグに「1」がセットされている場合(ステップS6701:YES)には、ステップS6710〜ステップS6712にて上記第1の実施形態における設定確認用処理(図55(b))のステップS2812〜ステップS2814と同様の処理を実行する。具体的には、設定キー挿入孔57がOFF状態となっているか否かを判定し(ステップS6710)、設定キー挿入孔57がOFF状態となっていない場合(ステップS6710:NO)には、前面扉12が閉鎖状態となっているか否かを判定する(ステップS6711)。
ステップS6710にて肯定判定を行った場合、又はステップS6711にて肯定判定を行った場合には、設定確認表示の終了処理(ステップS6712〜ステップS6714の処理)を実行する。設定確認表示の終了処理では、まず第2演算対象エリア111における設定確認表示フラグを「0」クリアする(ステップS6712)。
その後、ステップS6713及びステップS6714にて、上記第1の実施形態における設定確認用処理(図55(b))のステップS2816及びステップS2817と同様の処理を実行する。具体的には、まず演出側MPU92に対して確認終了コマンドを送信する(ステップS6713)。演出側MPU92は確認終了コマンドを受信した場合、クレジット表示部65にて設定確認表示の実行中であることを報知する表示が終了するように画像表示装置63の表示制御を行う。その後、セレクタ52を受付許可状態とする受付許可処理を実行して(ステップS6714)、本設定確認用処理を終了する。受付許可処理を実行することにより、メダル投入口45から投入されたメダルはホッパ装置53へ導かれるようになる。
このように、ゲームが実行されていない状態であること、及び遊技媒体のベット数が「1」以上ではない状態であることを条件の一部として第2演算対象エリア111の設定確認表示フラグに「1」がセットされて、比率表示器85にて設定確認表示が開始されることとなる。設定確認表示の開始時にセレクタ52が受付禁止状態とされるとともに、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、設定確認表示の実行中にはクレジット投入ボタン47の操作が無効化される。このため、設定確認表示の実行中に遊技媒体のベット数が増加することはなく、遊技媒体のベット数が規定数に到達しないことにより設定確認表示の実行中にゲームが開始されることもない。これにより、設定確認表示の終了時に、ゲームの実行中ではないことを確認するための処理及びベット数カウンタ125の値が最大値(具体的には「3」)ではないことを確認するための処理を行うことなく、受付許可処理(ステップS6714)を実行することができる。よって、設定確認表示の終了処理(ステップS6712〜ステップS6714の処理)の処理構成を簡素化することができる。
設定確認表示は、前面扉12が閉鎖状態となった場合に終了する。このため、設定確認表示が行われている状況において遊技ホールの管理者が設定キー挿入孔57をOFF状態に切り換えることを忘れたまま前面扉12を閉じてしまった場合に、比率表示器85にて設定確認表示が継続されてしまうことを防止することができる。これにより、設定確認表示が継続されていることが原因となって比率表示器85にて他の表示(例えばスロットマシン10の管理情報の表示)を開始できない事態を防止することができる。
次に、主側MPU72にて実行される点滅表示の開始設定処理について図109のフローチャートを参照しながら説明する。点滅表示の開始設定処理は設定値更新処理(図71)のステップS4002にて実行される。なお、点滅表示の開始設定処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
点滅表示の開始設定処理では、ステップS6801〜ステップS6803にて上記第1の実施形態における点滅表示の開始設定処理(図72)のステップS4101〜ステップS4103と同様の処理を実行する。具体的には、まず第2演算対象エリア111における設定値カウンタの値を第2演算対象エリア111における確定前設定値カウンタにセットする(ステップS6801)。これにより、確定前設定値カウンタに現状におけるスロットマシン10の設定値がセットされている状態となる。その後、確定前設定値カウンタの値が正常な設定値(「1」〜「6」)の範囲内であるか否かを判定し(ステップS6802)、正常な設定値の範囲から外れている場合(ステップS6802:NO)には、確定前設定値カウンタに「1」をセットする(ステップS6803)。
ステップS6802にて肯定判定を行った場合、又はステップS6803の処理を行った場合には、ステップS6804〜ステップS6808にて、上記第1の実施形態における点滅表示の開始設定処理(図72)のステップS4106〜ステップS4110と同様の処理を実行する。具体的には、第2演算対象エリア111における示唆動作フラグ154の値を第2演算対象エリア111における確定前示唆動作フラグにセットし(ステップS6804)、確定前示唆動作フラグの値に対応する「0」又は「1」の数字の表示データを第2演算対象エリア111における左側兼用表示部用カウンタ135にセットする(ステップS6805)。
その後、第2演算対象エリア111における契機種別フラグ155の値を第2演算対象エリア111における確定前契機種別フラグにセットし(ステップS6806)、確定前契機種別フラグの値に対応する「A」又は「C」の識別文字の表示データを第2演算対象エリア111における右側兼用表示部用カウンタ136にセットする(ステップS6807)。その後、第2演算対象エリア111の点滅表示フラグ137に「1」をセットして(ステップS6808)、本点滅表示の開始設定処理を終了する。点滅表示フラグ137に「1」がセットされることにより、兼用表示部66及び比率表示器85にて点滅表示が開始されることとなる。これにより、遊技ホールの管理者は、更新後の設定値の設定、並びに示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報の設定が確定していない状態であることを把握可能となる。
このように、特定制御用の処理である点滅表示の開始設定処理(図109)では、兼用表示部66にて示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類を選択するための表示を開始するための処理が実行される一方、比率表示器85にて設定値更新用表示を行うための処理は実行されない。比率表示器85にて設定値更新用表示を行うための処理は、非特定制御用の処理である設定値表示用処理(図112)にて実行される。なお、設定値表示用処理(図112)については後述する。
次に、主側MPU72にて実行される更新中処理について図110のフローチャートを参照しながら説明する。更新中処理は設定値更新処理(図71)のステップS4003にて実行される。なお、更新中処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
更新中処理では、ステップS6901〜ステップS6904にて、上記第1の実施形態における更新中処理(図73)のステップS4201〜ステップS4204と同様の処理を実行する。具体的には、まずリセットボタン56の押圧操作が行われたか否かを判定する(ステップS6901)。ステップS6901にて肯定判定を行った場合、第2演算対象エリア111における確定前設定値カウンタの値を1加算する(ステップS6902)。その後、確定前設定値カウンタの値が「7」以上であるか否かを判定し(ステップS6903)、確定前設定値カウンタの値が「7」以上である場合(ステップS6903:YES)には、確定前設定値カウンタに「1」をセットする(ステップS6904)。
ステップS6901にて否定判定を行った場合、ステップS6903にて否定判定を行った場合、又はステップS6904の処理を行った場合には、ステップS6905〜ステップS6910にて、上記第1の実施形態における更新中処理(図73)のステップS4206〜ステップS4211と同様の処理を実行する。具体的には、左ストップボタン42の操作が行われたか否かを判定し(ステップS6905)、左ストップボタン42の操作が行われた場合(ステップS6905:YES)には、第2演算対象エリア111における確定前示唆動作フラグの値を反転させる(ステップS6906)。
その後、第2演算対象エリア111における確定前示唆動作フラグの値に対応する「0」又は「1」の数字に対応する表示データを第2演算対象エリア111における左側兼用表示部用カウンタ135にセットする(ステップS6907)。これにより、兼用表示部66の左側セグメント表示器66aにおける確定前の示唆動作の有無に関する情報の表示が更新されることとなる。
ステップS6905にて否定判定を行った場合、又はステップS6907の処理を行った場合には、右ストップボタン44の操作が行われたか否かを判定し(ステップS6908)、右ストップボタン44の操作が行われた場合(ステップS6908:YES)には、第2演算対象エリア111における確定前契機種別フラグの値を反転させる(ステップS6909)。その後、第2演算対象エリア111における確定前契機種別フラグの値に対応する「A」又は「C」の識別文字に対応する表示データを第2演算対象エリア111における右側兼用表示部用カウンタ136にセットして(ステップS6910)、本更新中処理を終了する。確定前契機種別フラグの値に対応する当該表示データが右側兼用表示部用カウンタ136にセットされることにより、兼用表示部66の右側セグメント表示器66bの確定前における示唆動作の開始契機の種類に関する情報についての表示が更新されることとなる。
このように、特定制御用の処理である更新中処理(図110)では、リセットボタン56の操作に基づいて第2演算対象エリア111における確定前設定値カウンタの値を更新する処理が行われる一方、比率表示器85における設定値更新用表示の内容を確定前設定値カウンタの値に対応させるための処理は実行されない。設定値更新用表示の内容を確定前設定値カウンタの値に対応させるための処理は、非特定制御用の処理である設定値表示用処理(図112)にて実行される。なお、設定値表示用処理(図112)については後述する。
次に、主側MPU72にて実行される管理実行処理について図111のフローチャートを参照しながら説明する。管理実行処理は管理用処理(図37)のステップS1503にて実行される。なお、管理実行処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
管理実行処理では、ステップS7001〜ステップS7003にて、上記第1の実施形態における管理実行処理(図38)のステップS1601〜ステップS1603と同様の処理を実行する。具体的には、まず主側MPU72が備えているスタックポインタのデータを、ロード命令により、非特定制御用のワークエリア102における非特定スタックポインタ退避エリアに退避させる(ステップS7001)。非特定制御の開始時におけるスタックポインタのデータを退避させておくことにより、ステップS7001〜ステップS7011の処理を実行した後に、当該データをスタックポインタに復帰させてスタックポインタのデータを非特定制御用の開始時におけるデータに戻すことが可能となる。
ステップS7001の処理を実行した後、ロード命令により、主側MPU72のスタックポインタに非特定制御の開始時における固定アドレスとして、非特定制御用のスタックエリア104における最後のアドレスである「Y(u+1)」を設定する(ステップS7002)。その後、主側MPU72が備えている各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタのうち一部のレジスタであるWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、WAレジスタ→BCレジスタ→DEレジスタ→HLレジスタ→IXレジスタ→IYレジスタの順番で、非特定制御用のスタックエリア104に退避させる処理を実行する(ステップS7003)。ステップS7003における処理内容は、上記第1の実施形態における管理実行処理(図38)のステップS1603における処理内容と同一である。
これらWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタはステップS7004〜ステップS7010の処理にて利用されるレジスタである。これらのレジスタに設定されている情報をステップS7004〜ステップS7010の処理の実行に先立ち非特定制御用のスタックエリア104に退避させることにより、特定制御に際して利用されていたこれらレジスタの情報を非特定制御が開始される前に退避させることが可能となる。よって、非特定制御に際してこれらレジスタが上書きされたとしても、非特定制御を終了する場合には非特定制御用のスタックエリア104に退避させた情報をこれらレジスタに復帰させることで、これらレジスタの状態を非特定制御が実行される前における特定制御に対応する状態に復帰させることが可能となる。
その後、第2演算対象エリア111における設定確認表示フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS7004)。既に説明したとおり、設定確認表示フラグには、設定確認表示の開始条件が満たされた場合に、特定制御用の処理である設定確認用処理(図108)のステップS6708にて「1」がセットされる。また、設定確認表示フラグは、設定確認表示の終了条件が満たされた場合に、特定制御用の処理である設定確認用処理(図108)のステップS6712にて「0」クリアされる。
ステップS7004にて否定判定を行った場合には、非特定制御用のワークエリア102に設けられた確認表示実行中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS7005)。確認表示実行中フラグは、比率表示器85にて設定確認表示が実行されている状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。確認表示実行中フラグには、非特定制御用の処理である設定値表示用処理(ステップS7008)にて「1」がセットされる。
ステップS7005にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111における設定値更新中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS7006)。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、設定値更新中フラグには、特定制御用の処理である設定値更新処理(図71)のステップS4001にて「1」がセットされる。また、設定値更新中フラグは、特定制御用の処理である設定値更新処理(図71)のステップS4014にて「0」クリアされる。
ステップS7006にて否定判定を行った場合には、非特定制御用のワークエリア102に設けられた更新表示実行中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS7007)。更新表示実行中フラグは、比率表示器85にて設定値更新用表示が実行されている状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。更新表示実行中フラグには、非特定制御用の処理である設定値表示用処理(ステップS7008)にて「1」がセットされる。
ステップS7004にて肯定判定を行った場合、ステップS7005にて肯定判定を行った場合、ステップS7006にて肯定判定を行った場合、又はステップS7007にて肯定判定を行った場合には、後述する設定値表示用処理(図112)を実行する(ステップS7008)。一方、ステップS7007にて否定判定を行った場合には、後述する比率表示用処理(図113)を実行する(ステップS7009)。
このように、設定確認表示フラグ、確認表示実行中フラグ、設定値更新中フラグ及び更新表示実行中フラグのいずれかに「1」がセットされている場合にはステップS7008にて設定値表示用処理(図112)が実行される一方、これらのフラグのいずれにも「1」がセットされていない場合にはステップS7009にて比率表示用処理(図113)が実行される。比率表示器85では、設定値の確認又は更新が行われる状況においてはスロットマシン10の管理情報の表示よりも設定確認表示又は設定値更新用表示が優先される。スロットマシン10の管理情報の表示は、設定値の確認又は更新が行われていない状況において行われる。
ステップS7008の処理を行った場合、又はステップS7009の処理を行った場合には、後述する比率用データ出力処理(図114)を実行する(ステップS7010)。その後、ステップS7011及びステップS7012にて、上記第1の実施形態における管理実行処理(図38)のステップS1618及びステップS1619と同様の処理を実行する。具体的には、ステップS7003にて非特定制御用のスタックエリア104に退避させたデータを、ステップS7003における順番(WAレジスタ→BCレジスタ→DEレジスタ→HLレジスタ→IXレジスタ→IYレジスタ)とは逆の順番(IYレジスタ→IXレジスタ→HLレジスタ→DEレジスタ→BCレジスタ→WAレジスタ)で、主側MPU72のWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタに復帰させる処理を実行する(ステップS7011)。ステップS7011における処理内容は、上記第1の実施形態における管理実行処理(図38)のステップS1618における処理内容と同一である。ステップS7011の処理が実行されることにより、主側MPU72のWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、非特定制御に対応する処理である管理実行処理(図111)の開始時における特定制御に対応する情報に復帰させることが可能となる。
その後、ステップS7001にて非特定制御用のワークエリア102における非特定スタックポインタ退避エリアに退避させたデータを、ロード命令により、主側MPU72のスタックポインタに復帰させて(ステップS7012)、本管理実行処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される設定値表示用処理について図112のフローチャートを参照しながら説明する。上述したとおり、設定値表示用処理は、設定確認表示フラグ、確認表示実行中フラグ、設定値更新中フラグ及び更新表示実行中フラグのいずれかに「1」がセットされている場合(ステップS7004:YES、ステップS7005:YES、ステップS7006:YES、又はステップS7007:YES)に、管理実行処理(図111)のステップS7008にて実行される。なお、設定値表示用処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
設定値表示用処理では、まず第2演算対象エリア111における設定確認表示フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS7101)、設定確認表示フラグに「1」がセットされている場合(ステップS7101:YES)には、非特定制御用のワークエリア102における確認表示実行中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS7102)。
設定確認表示フラグに「1」がセットされているとともに確認表示実行中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS7101:YES、ステップS7102:NO)には、特定制御用の処理である設定確認用処理(図108)のステップS6708にて設定確認表示フラグに「1」がセットされた後、非特定制御用の処理である設定値表示用処理(図112)にて設定確認表示を開始するための処理(ステップS7102〜ステップS7106)が実行されていないことを意味する。この場合には、当該設定確認表示を開始するための処理(ステップS7102〜ステップS7106)を実行する。
具体的には、まず設定確認表示の識別表示データとして、比率表示器85における識別子表示部86の右側セグメント表示器86bに「P」の識別文字を表示させるとともに、識別子用の補助表示部86cを点灯状態とするための表示データを非特定制御用のワークエリア102における第2表示器用カウンタ222にセットする(ステップS7103)。その後、第2演算対象エリア111における設定値カウンタの値に対応する数字(「1」〜「6」のいずれかの数字)を表示するための表示データを非特定制御用のワークエリア102における第4表示器用カウンタ224にセットする(ステップS7104)。その後、「−」(ハイフン)の記号を表示するための表示データを非特定制御用のワークエリア102における第1表示器用カウンタ221及び第3表示器用カウンタ223にセットする(ステップS7105)。
その後、非特定制御用のワークエリア102における確認表示実行中フラグに「1」をセットして(ステップS7106)、本設定値表示用処理を終了する。確認表示実行中フラグに「1」がセットされることにより、比率表示器85にて設定確認表示が行われている状態であることを主側MPU72にて把握可能となる。
ステップS7101にて否定判定を行った場合には、非特定制御用のワークエリア102における確認表示実行中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS7107)。設定確認表示フラグに「1」がセットされていないとともに確認表示実行中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS7101:NO、ステップS7107:YES)には、比率表示器85にて設定確認表示が行われている状況において、設定確認表示の終了条件が成立したことに基づいて特定制御用の処理である設定確認用処理(図108)のステップS6712にて設定確認表示フラグが「0」クリアされた後、非特定制御用の処理である設定値表示用処理(図112)にて設定確認表示を終了するための処理(ステップS7108及びステップS7109の処理)が実行されていない状態であることを意味する。この場合には、当該設定確認表示を終了するための処理(ステップS7108及びステップS7109の処理)を実行する。
具体的には、まず表示器用カウンタ221〜224のクリア処理を実行する(ステップS7108)。当該クリア処理では、非特定制御用のワークエリア102における第1〜第4表示器用カウンタ221〜224を「0」クリアする。その後、非特定制御用のワークエリア102における確認表示実行中フラグを「0」クリアして(ステップS7109)、本設定値表示用処理を終了する。
ステップS7107にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111における設定値更新中フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS7110)、設定値更新中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS7110:NO)には、非特定制御用のワークエリア102における更新表示実行中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS7111)。
設定値更新中フラグに「1」がセットされているとともに更新表示実行中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS7110:YES、ステップS7111:NO)には、特定制御用の処理である設定値更新処理(図71)のステップS4001にて設定値更新中フラグに「1」がセットされた後、非特定制御用の処理である設定値表示用処理(図112)にて設定値更新用表示を開始するための処理(ステップS7112〜ステップS7114)が実行されていないことを意味する。この場合には、当該設定値更新用表示を開始するための処理(ステップS7112〜ステップS7114)を実行する。
具体的には、まず設定値更新用表示の識別表示データとして、比率表示器85における識別子表示部86の右側セグメント表示器86bに「E」の識別文字を表示させるとともに、識別子用の補助表示部86cを点灯状態とするための表示データを非特定制御用のワークエリア102における第2表示器用カウンタ222にセットする(ステップS7112)。その後、「−」(ハイフン)の記号を表示するための表示データを非特定制御用のワークエリア102における第1表示器用カウンタ221及び第3表示器用カウンタ223にセットする(ステップS7113)。その後、非特定制御用のワークエリア102における更新表示実行中フラグに「1」をセットする(ステップS7114)。これにより、比率表示器85にて設定値更新用表示が行われている状態であることを主側MPU72にて把握可能となる。
ステップS7111にて肯定判定を行った場合、又はステップS7114の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111における確定前設定値カウンタの値に対応する数字(「1」〜「6」のいずれかの数字)を表示するための表示データを非特定制御用のワークエリア102における第4表示器用カウンタ224にセットして(ステップS7115)、本設定値表示用処理を終了する。
上述したとおり、設定値表示用処理は、設定確認表示フラグ、確認表示実行中フラグ、設定値更新中フラグ及び更新表示実行中フラグのいずれかに「1」がセットされている場合に実行される。このため、ステップS7101、ステップS7107及びステップS7110にて否定判定を行った場合には、非特定制御用のワークエリア102における更新表示実行中フラグに「1」がセットされている状態であることを意味する。
設定値更新中フラグに「1」がセットされていないとともに更新表示実行中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS7110:NO)には、比率表示器85にて設定値更新用表示が行われている状況において、設定値更新用表示の終了条件が成立したことに基づいて特定制御用の処理である設定値更新処理(図71)のステップS4014にて設定値更新中フラグが「0」クリアされた後、非特定制御用の処理である設定値表示用処理(図112)にて設定値更新用表示を終了するための処理(ステップS7116及びステップS7117の処理)が実行されていない状態であることを意味する。この場合には、当該設定値更新用表示を終了するための処理(ステップS7116及びステップS7117の処理)を実行する。
具体的には、まずステップS7108と同様に、表示器用カウンタ221〜224のクリア処理を実行する(ステップS7116)。当該クリア処理では、非特定制御用のワークエリア102における第1〜第4表示器用カウンタ221〜224を「0」クリアする。その後、非特定制御用のワークエリア102における更新表示実行中フラグを「0」クリアして(ステップS7117)、本設定値表示用処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される比率表示用処理について図113のフローチャートを参照しながら説明する。比率表示用処理は管理実行処理(図111)のステップS7009にて実行される。なお、比率表示用処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
比率表示用処理では、ステップS7201〜ステップS7209にて、上記第1の実施形態における管理実行処理(図38)のステップS1604〜ステップS1612と同様の処理を実行する。具体的には、まず非特定制御用のワークエリア102におけるゲーム実行把握フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS7201)、ゲーム実行把握フラグに「1」がセットされている場合(ステップS7201:YES)には、第2演算対象エリア111におけるゲーム中フラグの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS7202)。ゲーム実行把握フラグに「1」がセットされているとともにゲーム中フラグの値が「0」である場合(ステップS7201:YES、ステップS7202:YES)には、1ゲームが終了したことを意味する。この場合、非特定制御用のワークエリア102における合計ゲーム数カウンタの値を1加算する(ステップS7203)。
その後、第2演算対象エリア111における有利区間フラグの状態に基づいて遊技区間が有利区間SC2であるか否かを判定し(ステップS7204)、有利区間SC2である場合(ステップS7204:YES)には、合計ゲーム数カウンタの値を1加算するだけではなく、非特定制御用のワークエリア102における有利ゲーム数カウンタの値を1加算する(ステップS7205)。
ステップS7201にて否定判定を行った場合、ステップS7202にて否定判定を行った場合、ステップS7204にて否定判定を行った場合、又はステップS7205の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111におけるゲーム中フラグの値を把握し、当該把握した値を非特定制御用のワークエリア102におけるゲーム実行把握フラグにセットする(ステップS7206)。ステップS7206では、ゲーム中フラグの値が「1」である場合にはゲーム実行把握フラグに「1」をセットするとともに、ゲーム中フラグの値が「0」である場合にはゲーム実行把握フラグを「0」クリアする。これにより、ゲームが終了したことを非特定制御用の処理を実行中の主側MPU72にて把握可能とすることができる。
その後、非特定制御用のワークエリア102における管理表示フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS7207)、管理表示フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS7207:NO)には、遊技履歴の管理結果の表示指示が発生しているか否かを判定する(ステップS7208)。具体的には、スロットマシン10の動作電力が供給されている状況において前面扉12が開放状態とされて電源装置54に設けられたリセットボタン56が3秒間以上に亘って継続して押圧操作されたか否かを判定する。
遊技履歴の管理結果の表示指示が発生していると判定した場合(ステップS7208:YES)、合計ゲーム数カウンタの値に対する有利ゲーム数カウンタの値の割合を演算する(ステップS7209)。つまり、演算結果=「有利ゲーム数カウンタの値」/「合計ゲーム数カウンタの値」となるように演算を実行する。
その後、識別表示データの設定処理を実行する(ステップS7210)。当該設定処理では、識別子表示部86の左側セグメント表示器86aに「7」を表示するための表示データを非特定制御用のワークエリア102における第1表示器用カウンタ221にセットするとともに、右側セグメント表示器86bに「U」を表示するとともに識別子用の補助表示部86cを点灯状態とするための表示データを非特定制御用のワークエリア102における第2表示器用カウンタ222にセットする。これにより、識別子表示部86に有利区間滞在比率を示す識別子「7U.」が表示されることとなる。
その後、比率表示データの設定処理を実行する(ステップS7211)。当該設定処理では、ステップS7209の演算結果を100倍した値のうち、10の位の数字を表示するための表示データを第3表示器用カウンタ223にセットするとともに、当該演算結果を100倍した値のうち、1の位の数字を表示するための表示データを第4表示器用カウンタ224にセットする。これにより、ステップS7209の演算結果を100倍した値のうち、10の位の数字が比率表示部87における左側セグメント表示器87aに表示されるとともに、1の位の数字が右側セグメント表示器87bに表示されることとなる。上記演算結果はパーセント表示として報知される。具体的には、上記演算結果を100倍した値が「35」であれば、比率表示部87における左側セグメント表示器87aでは「3」が表示され、右側セグメント表示器87bでは「5」が表示される。
但し、比率表示部87における2つのセグメント表示器87a,87bのみによる表示の場合、上記演算結果を100倍した値が「100」の場合と「0」の場合とで比率表示部87における表示内容が同一となってしまう。そこで、上記演算結果を100倍した値が「100」の場合には、「0」を表示するための表示データを第3表示器用カウンタ223にセットするとともに、補助表示部87cを点灯状態として「0.」を表示するための表示データを第4表示器用カウンタ224にセットする。一方、上記演算結果を100倍した値が「0」の場合には、「0」を表示するための表示データを第3表示器用カウンタ223にセットするとともに、補助表示部87cを消灯状態として「0」を表示するための表示データを第4表示器用カウンタ224にセットする。
その後、非特定制御用のワークエリア102における管理表示フラグに「1」をセットして(ステップS7212)、本比率表示用処理を終了する。管理表示フラグに「1」がセットされることにより、比率表示器85にて管理表示の実行中であることを主側MPU72にて把握可能となる。
ステップS7207にて肯定判定を行った場合には、上記第1の実施形態における管理実行処理(図38)のステップS1616と同様に、管理結果の表示を終了させるために終了操作が行われたか否かを判定する(ステップS7213)。具体的には、スタート検出センサ41a、ストップ検出センサ42a〜44a、投入メダル検出センサ45a、クレジット投入検出センサ47a及び精算検出センサ51aのいずれかからON信号を受信しているか否かを判定し、いずれかの検出センサ41a〜45a,47aからON信号を受信していると判定した場合に終了操作が行われたと判定する。
ステップS7213にて肯定判定をした場合には、設定値表示用処理(図112)のステップS7108及びステップS7116と同様に、表示器用カウンタ221〜224のクリア処理を実行する(ステップS7214)。当該クリア処理では、非特定制御用のワークエリア102における第1〜第4表示器用カウンタ221〜224を「0」クリアする。その後、非特定制御用のワークエリア102における管理表示フラグを「0」クリアして(ステップS7215)、本比率表示用処理を終了する。管理表示フラグを「0」クリアすることにより、比率表示器85における上記演算結果の表示が終了したことを主側MPU72にて把握可能となる。
次に、主側MPU72にて実行される比率用データ出力処理について図114のフローチャートを参照しながら説明する。比率用データ出力処理は管理実行処理(図111)のステップS7010にて実行される。なお、比率用データ出力処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
比率用データ出力処理では、まず非特定制御用のワークエリア102における確認表示実行中フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS7301)、確認表示実行中フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS7301:NO)には、非特定制御用のワークエリア102における管理表示フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS7302)。ステップS7302にて否定判定を行った場合には、非特定制御用のワークエリア102における更新表示実行中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS7303)。
更新表示実行中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS7303:YES)には、第2演算対象エリア111における点滅表示フラグ137に「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS7304)、点滅表示フラグ137に「1」がセットされている場合(ステップS7304:YES)には、表示データの出力タイミングであるか否かを判定する(ステップS7305)。ステップS7305では、0.5秒間に亘る点灯期間である場合には肯定判定を行うとともに、0.5秒間に亘る消灯期間である場合には否定判定を行う。
ステップS7301にて肯定判定を行った場合、ステップS7302にて肯定判定を行った場合、ステップS7304にて否定判定を行った場合、又はステップS7305にて肯定判定を行った場合には、非特定制御用のワークエリア102における第1〜第4表示器用カウンタ221〜224に設定されている表示データを比率表示器85に出力して(ステップS7306)、本比率用データ出力処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
設定値を表示するための処理を非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行する構成とすることにより、主側ROM73において特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを記憶するエリアの容量に余裕を持たせることができる。
前面扉12を筐体11に対してスロットマシン10前方に開放させて筐体11の内部空間を露出させることにより基板ボックス81の対向壁部82を通じて目視可能となる比率表示器85にて、設定確認表示及び設定値更新用表示が行われる。これにより、遊技者からは設定値の表示が目視され難い態様で、遊技ホールの管理者が設定値の表示を目視できるようにすることができる。
設定値更新処理(図110)では、筐体11の内部に設けられた電源装置54のリセットボタン56が操作されることにより確定前の設定値が更新される。比率表示器85に確定前の設定値を表示することにより、リセットボタン56を操作する際に確定前の設定値の表示を確認し易くすることができる。
<第11の実施形態>
本実施形態では、状態中信号の立ち上げの有無に関わらず、スタートレバー41の操作に基づいてゲームが開始されるタイミングから所定時間の経過後に投入信号の出力制御が開始されることが上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的に説明を省略する。
図115は本実施形態における開始時の設定処理を示すフローチャートである。開始時の設定処理は通常処理(図16)のステップS307にて実行される。なお、開始時の設定処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
開始時の設定処理では、ステップS7401〜ステップS7410にて、上記第1の実施形態における開始時の設定処理(図81)のステップS4701〜ステップS4710と同様の処理を実行する。具体的には、まず第2演算対象エリア111におけるゲーム中フラグに「1」をセットする(ステップS7401)。これにより、ゲームを実行している状態であることを主側MPU72にて把握可能となる。その後、付与数表示の終了処理を実行する(ステップS7402)。付与数表示の終了処理では、第2演算対象エリア111における付与数表示中フラグ、左側兼用表示部用カウンタ135及び右側兼用表示部用カウンタ136を「0」クリアする。このように、小役入賞が成立して兼用表示部66にて付与数表示が開始された場合、当該付与数表示は当該小役入賞が成立したゲームの次のゲームの開始時に終了する。その後、第2演算対象エリア111におけるリプレイ時のベット済みフラグ及びベット数カウンタ125を「0」クリアする(ステップS7403)。その後、第2演算対象エリア111に設けられた投入信号出力カウンタ163に遊技媒体のベット数の規定数である「3」をセットする(ステップS7404)。
その後、第2演算対象エリア111における第1立ち上げ準備フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS7405)、第1立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている場合(ステップS7405:YES)には、第1状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる(ステップS7406)。このように、第1立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている状態においてゲームが開始される場合には、当該ゲーム開始時に第1状態中信号のLOW状態からHI状態への立ち上げが行われる。
ステップS7405にて否定判定を行った場合、又はステップS7406の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111における第2立ち上げ準備フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS7407)、第2立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている場合(ステップS7407:YES)には、第2状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる(ステップS7408)。このように、第2立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている状態においてゲームが開始される場合には、当該ゲーム開始時に第2状態中信号のLOW状態からHI状態への立ち上げが行われる。
ステップS7407にて否定判定を行った場合、又はステップS7408の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111における第3立ち上げ準備フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS7409)、第3立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている場合(ステップS7409:YES)には、第3状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる(ステップS7410)。このように、第3立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている状態においてゲームが開始される場合には、当該ゲーム開始時に第3状態中信号のLOW状態からHI状態への立ち上げが行われる。
ステップS7409にて否定判定を行った場合、又はステップS7410の処理を行った場合には、第2演算対象エリア111における第1立ち上げ準備フラグ、第2立ち上げ準備フラグ及び第3立ち上げ準備フラグを「0」クリアし(ステップS7411)、間隔調整タイマカウンタ164の設定処理を実行して(ステップS7412)、本開始時の設定処理を終了する。間隔調整タイマカウンタ164の設定処理では、第2演算対象エリア111の間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報をセットする。間隔調整タイマカウンタ164の値は、タイマ割込み処理(図15)においてタイマ減算処理(ステップS209)が実行される度に1減算され、開始時の設定処理(図115)が実行されてから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過した場合に「0」となる。
このように、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいてゲーム開始時に実行されるゲーム開始時の設定処理(図115)では、投入信号出力カウンタ163に規定数である「3」をセットした後、状態中信号の立ち上げの有無に関わらず、間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットされる。投入信号の出力制御は、状態中信号の立ち上げの有無に関わらず、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいてゲームが開始されるタイミングから所定時間(具体的には500ミリ秒)後に開始される。
ゲームが開始される場合には、当該ゲームの開始時に状態中信号の立ち上げが行われるか否かに関わらず、間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットされる。このため、開始時の設定処理(図115)において間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットする処理を実行する前に、第2演算対象エリア111における第1立ち上げ準備フラグ、第2立ち上げ準備フラグ及び第3立ち上げ準備フラグの状態を確認するための処理を省略することができる。これにより、ゲームの開始時に間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットするための処理構成を簡素化することができる。
次に、状態中信号及び投入信号の出力制御が行われる様子について、図116のタイムチャートを参照しながら説明する。図116(a)は第1状態中信号の状態を示し、図116(b)は第2演算対象エリア111における第1立ち上げ準備フラグの状態を示し、図116(c)は第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164の値が1以上である期間を示し、図116(d)は第2演算対象エリア111における投入信号出力制御中フラグの状態を示し、図116(e)は第2演算対象エリア111における払出信号出力制御中フラグの状態を示し、図116(f)はスタートレバー41の操作が行われるタイミングを示し、図116(g)はゲームの実行期間を示す。
まずゲーム開始時に第1状態中信号の立ち上げが行われる場合について説明する。
図116(b)に示すように、t1のタイミングにおいて第2演算対象エリア111における第1立ち上げ準備フラグには「1」がセットされている。当該t1のタイミングで、図116(f)に示すようにスタートレバー41の操作が行われると、図116(g)に示すようにゲームが開始される。また、ゲームが開始された当該t1のタイミングで、図116(a)に示すように第1状態中信号がLOW状態からHI状態に立ち上げられるとともに、図116(c)に示すように間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットされる。
その後、ゲームが開始されたt1のタイミングから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過したt2のタイミングで、図116(c)に示すように間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」になると、図116(d)に示すように投入信号の出力制御が開始される。その後、t3のタイミングで当該投入信号の出力制御が終了する。
このように、ゲーム開始から所定時間(具体的には500ミリ秒)の経過後に投入信号の出力制御が開始される構成であるため、ゲーム開始時に状態中信号の立ち上げが行われた場合、当該立ち上げから所定時間(具体的には500ミリ秒)の経過後に投入信号の出力制御を開始することができる。これにより、データカウンタDCにて状態中信号の立ち上がりが把握された後に主側MPU72にて投入信号の出力制御が開始されるようにすることができる。よって、データカウンタDCにおいてボーナス状態中、有利区間SC2中及びART状態ST6中における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。
次に、ゲーム開始時に状態中信号の立ち上げが行われない場合について説明する。
図116(b)に示すように、t4のタイミングにおいて第2演算対象エリア111における第1立ち上げ準備フラグには「1」がセットされていない。また、第2立ち上げ準備フラグ及び第3立ち上げ準備フラグにも「1」はセットされていない。当該t4のタイミングで、図116(f)に示すようにスタートレバー41の操作が行われると、図116(g)に示すようにゲームが開始される。また、ゲームが開始された当該t4のタイミングで、図116(c)に示すように間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットされる。第1立ち上げ準備フラグに「1」がセットされていないため、当該t4のタイミングにおいて、図116(a)に示すように第1状態中信号の立ち上げは行われない。また、第2立ち上げ準備フラグ及び第3立ち上げ準備フラグにも「1」はセットされていないため、第2状態中信号及び第3状態中信号の立ち上げも行われない。
その後、ゲームが開始されたt4のタイミングから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過したt5のタイミングで、図116(c)に示すように間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」になると、図116(d)に示すように投入信号の出力制御が開始される。その後、t6のタイミングで当該投入信号の出力制御が終了する。
このように、ゲームの開始時に状態中信号の立ち上げが行われるか否かに関わらず、間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットされ、ゲーム開始時から所定時間(具体的には500ミリ秒)の経過後に投入信号の出力制御が開始される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ゲーム開始から所定時間(具体的には500ミリ秒)の経過後に投入信号の出力制御が開始される構成であるため、ゲーム開始時に状態中信号の立ち上げが行われた場合、当該立ち上げから所定時間(具体的には500ミリ秒)の経過後に投入信号の出力制御を開始することができる。これにより、データカウンタDCにて状態中信号の立ち上がりが把握された後に主側MPU72にて投入信号の出力制御が開始されるようにすることができる。よって、データカウンタDCにおいてボーナス状態中、有利区間SC2中及びART状態ST6中における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。
ゲームが開始される場合には、当該ゲームの開始時に状態中信号の立ち上げが行われるか否かに関わらず、間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットされる。このため、開始時の設定処理(図115)において間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットする処理を実行する前に、第2演算対象エリア111における第1立ち上げ準備フラグ、第2立ち上げ準備フラグ及び第3立ち上げ準備フラグの状態を確認するための処理を省略することができる。これにより、ゲームの開始時に間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットするための処理構成を簡素化することができる。
<第12の実施形態>
本実施形態では、払出信号の出力制御が行われるゲームにおいて、状態中信号の立ち下げの有無に関わらず、払出信号の出力制御が終了するまでゲームの終了が延期されることが上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的に説明を省略する。
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、小役入賞又はリプレイ入賞が発生した場合、払出信号の出力制御が行われる。本実施形態では、払出信号の出力制御の終了時に、第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち下げ準備フラグの状態に関わらず、第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットされ、当該所定時間の測定が開始される。そして、払出信号の出力制御が終了してから当該所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過するまでゲームの終了が延期される。
状態中信号の立ち下げが行われるゲームにおいて払出信号の出力制御が行われる場合には、払出信号の出力制御が終了してから所定時間の経過後に状態中信号の立ち下げが行われるとともに、当該状態中信号の立ち下げが行われた後にゲームが終了する。払出信号の出力制御が終了してから状態中信号の立ち下げが行われるまでに所定時間(具体的には500ミリ秒)が確保されているため、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数を把握する処理が実行されている途中で主側MPU72にて状態中信号の立ち下げが行われてしまうことを防止することができる。
第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち上げ準備フラグの少なくとも1つに「1」がセットされるゲームにおいて払出信号の出力制御が行われる場合には、払出信号の出力制御が終了してから所定時間の経過後にゲームが終了して次のゲームを開始可能な状態となる。そして、次のゲームの開始時に状態中信号の立ち上げが行われる。払出信号の出力制御が終了してから状態中信号の立ち上げが行われるまでに所定時間(具体的には500ミリ秒)が確保されているため、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数を把握する処理が実行されている途中で主側MPU72にて状態中信号の立ち上げが行われてしまうことを防止することができる。
払出信号の出力制御が行われるゲームでは、第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち下げ準備フラグ及び第1〜第3立ち上げ準備フラグの状態を確認する処理を省略して、間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報をセットする処理を実行する。これにより、払出信号の出力制御が終了してから状態中信号の立ち下げが行われるまでに所定時間を確保するとともに、払出信号の出力制御が終了してから状態中信号の立ち上げが行われるまでに所定時間を確保するための処理構成を簡素化することができる。
主側MPU72にて実行される払出信号制御処理(図117)の説明に先立ち、第2演算対象エリア111に設けられている切換タイマカウンタについて説明する。切換タイマカウンタは、投入信号の出力制御中に投入信号をLOW状態からHI状態へ立ち上げるタイミング及びHI状態からLOW状態へ立ち下げるタイミングを主側MPU72にて把握可能とするタイマカウンタであるとともに、払出信号の出力制御中に払出信号をLOW状態からHI状態へ立ち上げるタイミング及びHI状態からLOW状態へ立ち下げるタイミングを主側MPU72にて把握可能とするタイマカウンタである。
切換タイマカウンタには、投入信号の出力制御の開始時及び払出信号の出力制御の開始時に「5」がセットされる。主側MPU72は、投入信号の出力制御中である場合、タイマ割込み処理(図15)の割込みが発生する度に切換タイマカウンタの値を1減算し、その減算後の値が「0」となるタイミングで投入信号の切り換えを行うとともに、切換タイマカウンタに新たに「5」をセットする。このため、投入信号のLOW状態及びHI状態の切り換えは、当該投入信号の出力制御中に7.45ミリ秒周期で行われる。
主側MPU72は、払出信号の出力制御中である場合、タイマ割込み処理(図15)の割込みが発生する度に切換タイマカウンタの値を1減算し、その減算後の値が「0」となるタイミングで払出信号の切り換えを行うとともに、切換タイマカウンタに新たに「5」をセットする。このため、払出信号のLOW状態及びHI状態の切り換えは、当該払出信号の出力制御中に7.45ミリ秒周期で行われる。
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、投入信号の出力制御はゲームが開始されるまで開始されない。また、本実施形態では、払出信号の出力制御が終了した後にゲームが終了する。このため、払出信号の出力制御が行われる期間と、当該払出信号の出力制御が行われたゲームの次のゲームにおいて投入信号の出力制御が行われる期間とは重複しない。
投入信号の出力制御では投入信号の立ち上げ及び立ち下げの組合せが3回行われる。投入信号の出力制御が開始されてから当該出力制御が終了するまでに要する時間は約40ミリ秒である。また、ゲームの開始時に状態中信号の立ち上げが行われる場合には、投入信号の出力制御が開始されるタイミングがゲーム開始時から500ミリ秒遅延する。このため、状態中信号の立ち上げが行われるゲームでは、ゲームが開始されてから約540ミリ秒後に投入信号の出力制御が終了する。
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、ゲームが開始された場合には、役の抽選処理(図17)、リール32L,32M,32Rの加速制御、リール32L,32M,32Rの定速回転制御、及びストップボタン42〜44の有効な操作が行われることに基づくリール32L,32M,32Rの停止制御が行われて、全リール32L,32M,32Rが停止している状態となる。本実施形態では、3つのストップボタン42〜44を操作するのに要する時間を考慮しない場合でも、ゲームが開始されてから全リール32L,32M,32Rが停止している状態となるまでに要する時間は、状態中信号の立ち上げが行われるゲームが開始されてから投入信号の出力制御が終了するまでに要する時間(約540ミリ秒)よりも長い。各ゲームにおいて投入信号の出力制御が行われる期間と払出信号の出力制御が行われる期間とが重複することはない。これにより、データカウンタDCにおける遊技媒体の投入数の把握及び遊技媒体の付与数の把握を容易なものとすることができる。
投入信号の出力制御が実行される期間及び払出信号の出力制御が実行される期間は重複しておらず、第2演算対象エリア111における共通の切換タイマカウンタを利用して投入信号の切り換えタイミング及び払出信号の切り換えタイミングを把握することができる。これにより、払出信号の切り換えタイミングを把握するためのタイマカウンタが投入信号の切り換えタイミングを把握するためのタイマカウンタとは別に第2演算対象エリア111に設けられている構成と比較して、投入信号及び払出信号の切り換えタイミングを把握するための第2演算対象エリア111における構成が簡素化されている。
次に、主側MPU72にて実行される払出信号制御処理について図117のフローチャートを参照しながら説明する。払出信号制御処理はデータ出力処理(図82)のステップS4819にて実行される。なお、払出信号制御処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
払出信号制御処理では、ステップS7501〜ステップS7505にて、上記第1の実施形態における払出信号制御処理(図84)のステップS5001〜ステップS5005と同様の処理を実行する。具体的には、まず第2演算対象エリア111の払出信号出力開始フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS7501)、払出信号出力開始フラグに「1」がセットされている場合(ステップS7501:YES)には、払出信号出力開始フラグを「0」クリアする(ステップS7502)。その後、払出信号をLOW状態からHI状態に立ち上げ(ステップS7503)、第2演算対象エリア111における切換タイマカウンタに「5」をセットする(ステップS7504)。
その後、第2演算対象エリア111における払出信号出力制御中フラグに「1」をセットして(ステップS7505)、本払出信号制御処理を終了する。払出信号出力制御中フラグに「1」をセットすることにより、払出信号の出力制御中であることを主側MPU72にて把握可能となる。
ステップS7501にて否定判定を行った場合には、ステップS7506〜ステップS7511にて、上記第1の実施形態における払出信号制御処理(図84)のステップS5007〜ステップS5012と同様の処理を実行する。具体的には、第2演算対象エリア111における払出信号出力制御中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS7506)。払出信号出力制御中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS7506:YES)には、切換タイマカウンタの値を1減算し(ステップS7507)、その1減算後の値が「0」であるか否かを判定する(ステップS7508)。ステップS7508にて肯定判定を行った場合には、払出信号がLOW状態であるか否かを判定し(ステップS7509)、払出信号がLOW状態である場合(ステップS7509:YES)には、払出信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる(ステップS7510)。その後、第2演算対象エリア111における切換タイマカウンタに「5」をセットして(ステップS7511)、本払出信号制御処理を終了する。
ステップS7509にて否定判定を行った場合には、ステップS7512〜ステップS7515にて、上記第1の実施形態における払出信号制御処理(図84)のステップS5013〜ステップS5016と同様の処理を実行する。具体的には、払出信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる(ステップS7512)。その後、第2演算対象エリア111における払出信号出力カウンタ165の値を1減算し(ステップS7513)、その1減算後の払出信号出力カウンタ165の値が「0」であるか否かを判定する(ステップS7514)。払出信号出力カウンタ165の値が「0」ではない場合(ステップS7514:NO)には、払出信号の出力制御が終了していないことを意味するため、第2演算対象エリア111における切換タイマカウンタに「5」をセットして(ステップS7515)、本払出信号制御処理を終了する。
ステップS7513にて1減算した後の払出信号出力カウンタ165の値が「0」である場合(ステップS7514:YES)には、小役入賞又はリプレイ入賞の成立に基づいて払出信号出力カウンタ165にセットされた回数の払出信号の立ち上げが行われたことを意味するため、第2演算対象エリア111の払出信号出力制御中フラグを「0」クリアする(ステップS7516)。これにより、払出信号の出力制御が終了する。
その後、間隔調整タイマカウンタ164の設定処理を実行して(ステップS7517)、本払出信号制御処理を終了する。間隔調整タイマカウンタ164の設定処理(ステップS7517)では、第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報をセットする。
このように、払出信号の出力制御が終了した場合には、第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち上げ準備フラグ及び第1〜第3立ち下げ準備フラグの状態を確認することなく、間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報をセットする。間隔調整タイマカウンタ164の値は、払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過した後に「0」となる。第1〜第3立ち上げ準備フラグ及び第1〜第3立ち下げ準備フラグの状態を確認するための処理を省略することにより、払出信号の出力制御が終了してから状態中信号の立ち下げが行われるまでに所定時間を確保するとともに、払出信号の出力制御が終了してから状態中信号の立ち上げが行われるまでに所定時間を確保するための処理構成を簡素化することができる。
次に、外部出力設定処理について図118のフローチャートを参照しながら説明する。外部出力設定処理は通常処理(図16)のステップS312にて実行される。なお、外部出力設定処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
外部出力設定処理では、上記第1の実施形態における外部出力設定処理(図85)のステップS5101と同様に、管理出力設定処理を実行する(ステップS7601)。管理出力設定処理では、外部端子板95を介して、スロットマシン10の状態に関する情報を外部装置である遊技ホールの管理コンピュータに出力する。
その後、第2演算対象エリア111の払出信号出力制御中フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS7602)、払出信号出力制御中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS7602:YES)には、ステップS7602にて否定判定が行われるまでステップS7602の判定処理を繰り返す。払出信号出力制御中フラグは、払出信号の出力制御が終了した場合に、払出信号制御処理(図117)のステップS7516にて「0」クリアされる。
ステップS7602にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」であるか否かを判定し(ステップS7603)、間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」ではない場合(ステップS7603:NO)には、ステップS7603にて肯定判定が行われるまでステップS7603の判定処理を繰り返す。
ステップS7603にて肯定判定を行った場合には、ステップS7604〜ステップS7609にて、上記第1の実施形態における外部出力設定処理(図85)のステップS5109〜ステップS5114と同様の処理を実行する。具体的には、第1〜第3状態中信号のうち対象の状態中信号として第1状態中信号を選択し(ステップS7604)、第1状態中信号についてステップS7605〜ステップS7608の処理を実行する。対象の状態中信号は、後述するステップS7609にて更新されるため、ステップS7605〜ステップS7608の処理は第2状態中信号及び第3状態中信号についても実行される。
ステップS7604の処理を行った後、第2演算対象エリア111において対象の状態中信号に対応する立ち下げ準備フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS7605)。ステップS7605では、対象の状態中信号が第1状態中信号である場合には第1立ち下げ準備フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行い、対象の状態中信号が第2状態中信号である場合には第2立ち下げ準備フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行い、対象の状態中信号が第3状態中信号である場合には第3立ち下げ準備フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行う。
ステップS7605にて肯定判定を行った場合には、対象の状態中信号をHI状態からLOW状態に立ち下げ(ステップS7606)、対象の状態中信号に対応する立ち下げ準備フラグを「0」クリアする(ステップS7607)。
その後、対象の状態中信号が第3状態中フラグであるか否かを判定し(ステップS7608)、対象の状態中信号が第3状態中フラグではない場合(ステップS7608:NO)には対象の状態中信号を更新する(ステップS7609)。ステップS7609では、現状における対象の状態中信号が第1状態中信号である場合には、対象の状態中信号を第2状態中信号に更新するとともに、現状における対象の状態中信号が第2状態中信号である場合には、対象の状態中信号を第3状態中信号に更新する。その後、ステップS7605に戻り、当該更新後の状態中信号についてステップS7605〜ステップS7608の処理を実行する。そして、ステップS7608にて肯定判定を行った場合に、本外部出力設定処理を終了する。
このように、払出信号の出力制御が行われる場合、すなわち小役入賞又はリプレイ入賞が成立した場合には、第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち下げ準備フラグ及び第1〜第3立ち上げ準備フラグの状態に関わらず、払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過するまでステップS7604以降の処理の実行が延期される。これにより、払出信号の出力制御が終了してから状態中信号の立ち下げが行われるまでに所定時間(具体的には500ミリ秒)を確保することができるとともに、払出信号の出力制御が終了してから次のゲームの開始時に状態中信号の立ち上げが行われるまでに所定時間(具体的には500ミリ秒)を確保することができる。
一方、払出信号の出力制御が行われない場合には、遅延を生じさせることなくステップS7602及びステップS7603にて肯定判定が行われて、ステップS7604以降の処理が実行される。
次に、払出信号の出力制御が行われるゲームの終了タイミングが遅延する様子について、図119のタイムチャートを参照しながら説明する。図119(a)は第1状態中信号の状態を示し、図119(b)は第2演算対象エリア111における第1立ち上げ準備フラグの状態を示し、図119(c)は第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164の値が1以上である期間を示し、図119(d)は第2演算対象エリア111における投入信号出力制御中フラグの状態を示し、図119(e)は第2演算対象エリア111における払出信号出力制御中フラグの状態を示し、図119(f)はゲームの実行期間を示す。
まずゲーム開始時に第1〜第3状態中信号の立ち上げが行われない場合について説明する。
小役入賞又はリプレイ入賞が成立することにより、図119(e)に示すように、t1のタイミングで第2演算対象エリア111における払出信号出力制御中フラグに「1」がセットされるとともに、払出信号の出力制御が開始される。その後、t2のタイミングで、払出信号の出力制御が終了するとともに、払出信号出力制御中フラグが「0」クリアされる。払出信号の出力制御が終了するt2のタイミングで、図119(c)に示すように、第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットされて、当該所定時間の計測が開始される。
その後、払出信号の出力制御が終了したt2のタイミングから所定時間が経過したt3のタイミングで間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」となる。その後、図119(f)に示すように、t4のタイミングでゲームが終了する。
このように、状態中信号の立ち下げ及び立ち上げが行われない場合であっても、払出信号の出力制御が行われた場合には当該払出信号の出力制御が終了してから所定時間が経過するまでゲームの終了が延期される。
次に、状態中信号の立ち上げが行われる場合について、第1状態中信号の立ち上げが行われる場合を例に挙げて説明する。
小役入賞又はリプレイ入賞が成立することにより、図119(e)に示すように、t5のタイミングで第2演算対象エリア111における払出信号出力制御中フラグに「1」がセットされるとともに、払出信号の出力制御が開始される。その後、払出信号の出力制御の実行中であるt6のタイミングで、図119(b)に示すように第2演算対象エリア111における第1立ち上げ準備フラグに「1」がセットされる。
その後、t7のタイミングで、図119(e)に示すように払出信号の出力制御が終了するとともに、払出信号出力制御中フラグが「0」クリアされる。払出信号の出力制御が終了する当該t7のタイミングで、図119(c)に示すように、第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットされて、当該所定時間の計測が開始される。その後、払出信号の出力制御が終了したt7のタイミングから所定時間が経過したt8のタイミングで間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」となる。その後、図119(f)に示すように、t9のタイミングでゲームが終了する。
その後、第2演算対象エリア111における第1立ち上げ準備フラグに「1」がセットされているt10のタイミングで、図119(f)に示すようにゲームが開始されると、図119(a)に示すように第1状態中信号のLOW状態からHI状態への立ち上げが行われるとともに、図119(b)に示すように第1立ち上げ準備フラグが「0」クリアされる。また、第1状態中信号の立ち上げが行われた当該t10のタイミングで、図119(c)に示すように第2演算対象エリア111における間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報がセットされる。
その後、第1状態中信号の立ち上げから所定時間が経過したt11のタイミングで、図119(c)に示すように間隔調整タイマカウンタ164の値が「0」となると、図119(d)に示すように第2演算対象エリア111における投入信号出力制御中フラグに「1」がセットされて、投入信号の出力制御が開始される。
このように、払出信号の出力制御が終了してから次のゲームの開始時に状態中信号の立ち上げが行われるまでに所定時間が確保されている。これにより、データカウンタDCにて遊技媒体の付与数を把握するための処理が完了する前に、主側MPU72にて状態中信号の立ち上げが行われてしまうことを防止することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
払出信号の出力制御が行われるゲームでは、第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち下げ準備フラグ及び第1〜第3立ち上げ準備フラグの状態を確認する処理を省略して、間隔調整タイマカウンタ164に所定時間(具体的には500ミリ秒)に対応する数値情報をセットする処理を実行する。これにより、払出信号の出力制御が終了してから状態中信号の立ち下げが行われるまでに所定時間を確保するとともに、払出信号の出力制御が終了してから状態中信号の立ち上げが行われるまでに所定時間を確保するための処理構成を簡素化することができる。
払出信号の出力制御が行われる期間と、当該払出信号の出力制御が行われたゲームの次のゲームにおいて投入信号の出力制御が行われる期間とが重複しない構成である。このため、データカウンタDCにおいて、各ゲームにおける遊技媒体の投入数及び遊技媒体の付与数を把握可能とすることができる。
投入信号の出力制御は、ゲーム開始時に状態中信号の立ち上げが行われることにより投入信号の出力制御の開始タイミングに遅延が生じる場合であっても、全リール32L,32M,32Rが停止している状態となるタイミングよりも前のタイミングにおいて終了する。各ゲームにおいて投入信号の出力制御が行われる期間と払出信号の出力制御が行われる期間とが重複しない構成である。これにより、データカウンタDCにおける遊技媒体の投入数の把握及び遊技媒体の付与数の把握を容易なものとすることができる。
投入信号の出力制御が実行される期間及び払出信号の出力制御が実行される期間は重複しておらず、第2演算対象エリア111における共通の切換タイマカウンタを利用して投入信号の切り換えタイミング及び払出信号の切り換えタイミングが把握される。このため、払出信号の切り換えタイミングを把握するためのタイマカウンタが投入信号の切り換えタイミングを把握するためのタイマカウンタとは別に第2演算対象エリア111に設けられている構成と比較して、投入信号及び払出信号の切り換えタイミングを把握するための第2演算対象エリア111における構成を簡素化することができる。
状態中信号の立ち下げが行われるゲームにおいて払出信号の出力制御が行われる場合には、払出信号の出力制御が終了してから所定時間の経過後に状態中信号の立ち下げが行われるとともに、当該状態中信号の立ち下げが行われた後にゲームが終了する。払出信号の出力制御が終了してから状態中信号の立ち下げが行われるまでに所定時間(具体的には500ミリ秒)が確保されているため、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数を把握する処理が実行されている途中で主側MPU72にて状態中信号の立ち下げが行われてしまうことを防止することができる。
第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち上げ準備フラグの少なくとも1つに「1」がセットされるゲームにおいて払出信号の出力制御が行われる場合には、払出信号の出力制御が終了してから所定時間の経過後にゲームが終了して次のゲームを開始可能な状態となる。そして、次のゲームの開始時に状態中信号の立ち上げが行われる。払出信号の出力制御が終了してから状態中信号の立ち上げが行われるまでに所定時間(具体的には500ミリ秒)が確保されているため、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数を把握する処理が実行されている途中で主側MPU72にて状態中信号の立ち上げが行われてしまうことを防止することができる。
<第13の実施形態>
本実施形態では、第1〜第3状態中信号の立ち上げタイミング及び立ち下げタイミングが上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的に説明を省略する。
本実施形態では、ボーナス状態の開始タイミングにおいて所定時間(具体的には4秒間)に亘るボーナス開始演出が実行されるとともに、ボーナス状態の終了タイミングにおいて所定時間(具体的には4秒間)に亘るボーナス終了演出が実行される。演出側MPU92は、ボーナス状態の開始に対応するコマンドを受信することによりボーナス開始演出を実行するための処理を実行するとともに、ボーナス状態の終了に対応するコマンドを受信することによりボーナス終了演出を実行するための処理を実行する。これらボーナス状態の開始に対応するコマンド及びボーナス状態の終了に対応するコマンドは、遊技終了時の対応処理(後述する通常処理(図125)のステップS8111)において、主側MPU72から演出側MPU92に対して送信される。ボーナス開始演出及びボーナス終了演出は、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて行われる。
ボーナス開始演出では、当該ボーナス開始演出の前半に行われる第1演出期間(前半の2秒間)においてボーナス状態への移行を期待させる演出が行われるとともに、当該ボーナス開始演出の後半に行われる第2演出期間(後半の2秒間)においてボーナス状態への移行が発生したことを報知する演出が行われる。ボーナス終了演出では、当該ボーナス終了演出の前半に行われる第1演出期間(前半の2秒間)においてボーナス状態の終了を報知する演出が行われるとともに、当該ボーナス終了演出の後半に行われる第2演出期間(後半の2秒間)において当該ボーナス状態中に遊技者に付与された遊技媒体の数を報知する演出が行われる。ボーナス状態中であることを示す第1状態中信号は、ボーナス開始演出における第1演出期間(前半の2秒間)の終了時に立ち上げられるとともに、ボーナス終了演出における第1演出期間(前半の2秒間)の終了時に立ち下げられる。
本実施形態では、有利移行当選に基づいて有利区間SC2への移行が行われる場合、有利区間SC2の開始タイミングにおいて所定時間(具体的には4秒間)に亘る有利開始演出が実行されるとともに、有利区間SC2の終了タイミングにおいて所定時間(具体的には4秒間)に亘る有利終了演出が実行される。演出側MPU92は、有利区間SC2の開始に対応するコマンドを受信することにより有利開始演出を実行するための処理を実行するとともに、有利区間SC2の終了に対応するコマンドを受信することにより有利終了演出を実行するための処理を実行する。これら有利区間SC2の開始に対応するコマンド及び有利区間SC2の終了に対応するコマンドは、遊技終了時の対応処理(後述する通常処理(図125)のステップS8111)において、主側MPU72から演出側MPU92に対して送信される。有利開始演出及び有利終了演出は、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて行われる。
有利開始演出では、当該有利開始演出の前半に行われる第1演出期間(前半の2秒間)において有利区間SC2への移行を期待させる演出が行われるとともに、当該有利開始演出の後半に行われる第2演出期間(後半の2秒間)において有利区間SC2への移行が発生したことを報知する演出が行われる。有利終了演出では、当該有利終了演出の前半に行われる第1演出期間(前半の2秒間)において有利区間SC2の終了を報知する演出が行われるとともに、当該有利終了演出の後半に行われる第2演出期間(後半の2秒間)において当該有利区間SC2の開始時からの遊技媒体の制限付き合計純増枚数を報知する演出が行われる。有利区間SC2中であることを示す第2状態中信号は、有利開始演出における第1演出期間(前半の2秒間)の終了時に立ち上げられるとともに、有利終了演出における第1演出期間(前半の2秒間)の終了時に立ち下げられる。
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、第3BB状態ST3、第4BB状態ST3又は第1RB状態ST4への移行が発生した場合には、ボーナス状態への移行に際して有利区間SC2への移行も行われる。このように、ボーナス状態への移行に際して有利区間SC2への移行が行われる場合には、所定時間(具体的には4秒間)に亘るボーナス開始演出が実行され、当該ボーナス開始演出において画像表示装置63にて有利区間SC2に移行したことを報知する表示が行われる。ボーナス状態への移行に際して有利区間SC2への移行が行われる場合には、有利開始演出は実行されない。第1状態中信号及び第2状態中信号は、当該ボーナス開始演出の前半に行われる第1演出期間(前半2秒間)の終了時に立ち上げられる。
本実施形態では、ART状態ST6の開始タイミングにおいて所定時間(具体的には4秒間)に亘るART開始演出が実行されるとともに、ART状態ST6の終了タイミングにおいて所定時間(具体的には4秒間)に亘るART終了演出が実行される。演出側MPU92は、ART状態ST6の開始に対応するコマンドを受信することによりART開始演出を実行するための処理を実行するとともに、ART状態ST6の終了に対応するコマンドを受信することによりART終了演出を実行するための処理を実行する。これらART状態ST6の開始に対応するコマンド及びART状態ST6の終了に対応するコマンドは、遊技終了時の対応処理(後述する通常処理(図125)のステップS8111)において、主側MPU72から演出側MPU92に対して送信される。ART開始演出及びART終了演出は、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて行われる。
ART開始演出では、当該ART開始演出の前半に行われる第1演出期間(前半の2秒間)においてART状態ST6への移行を期待させる演出が行われるとともに、当該ART開始演出の後半に行われる第2演出期間(後半の2秒間)においてART状態ST6に移行したことを報知する演出が行われる。ART終了演出では、当該ART終了演出の前半に行われる第1演出期間(前半の2秒間)においてART状態ST6の終了を報知する演出が行われるとともに、当該ART終了演出の後半に行われる第2演出期間(後半の2秒間)において当該ART状態ST6における遊技媒体の純増数を報知する演出が行われる。ART状態ST6中であることを示す第3状態中信号は、ART開始演出における第1演出期間(前半の2秒間)の終了時に立ち上げられるとともに、ART終了演出における第1演出期間(前半の2秒間)の終了時に立ち下げられる。
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、ART状態ST6の終了時にART状態処理(図32)のステップS1007にて実行される有利維持抽選処理において有利維持当選とならなかった場合(ステップS1008:NO)には、当該ART状態ST6の終了時に有利区間SC2も終了する。この場合には、有利終了演出が実行されることはなく、所定時間(具体的には4秒間)に亘るART終了演出が実行され、当該ART終了演出において画像表示装置63にて有利区間SC2が終了したことを報知する表示が行われる。第2状態中信号及び第3状態中信号は、当該ART終了演出の前半に行われる第1演出期間(前半2秒間)の終了時に立ち下げられる。
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、ART状態ST6において有利区間SC2のエンディング条件が成立して有利区間SC2が終了する場合には、当該有利区間SC2の終了時にART状態ST6も終了する。この場合には、ART終了演出が実行されることはなく、所定時間(具体的には4秒間)に亘る有利終了演出が実行され、当該有利終了演出において画像表示装置63にてART状態ST6が終了したことを報知する表示が行われる。第2状態中信号及び第3状態中信号は、当該有利終了演出の前半に行われる第1演出期間(前半2秒間)の終了時に立ち下げられる。
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、ART状態ST6から移行したBB状態ST3において有利区間SC2のエンディング条件が成立して有利区間SC2が終了する場合、当該BB状態ST3における遊技媒体の合計付与数がBB状態ST3用の途中終了基準数以上(具体的には「200」以上)であれば、当該有利区間SC2の終了時にBB状態ST3及びART状態ST6も終了する。また、ART状態ST6から移行したRB状態ST4において有利区間SC2のエンディング条件が成立して有利区間SC2が終了する場合、当該RB状態ST4における遊技媒体の合計付与数がRB状態ST4用の途中終了基準数以上(具体的には「100」以上)であれば、当該有利区間SC2の終了時にRB状態ST4及びART状態ST6も終了する。これらの場合には、ボーナス終了演出及びART終了演出が実行されることはなく、所定時間(具体的には4秒間)に亘る有利終了演出が実行され、当該有利終了演出において画像表示装置63にてボーナス状態及びART状態ST6が終了したことを報知する表示が行われる。第1〜第3状態中信号は、当該有利終了演出の前半に行われる第1演出期間(前半2秒間)の終了時に立ち下げられる。
このように、1つのゲームにおいてボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出及びART終了演出のうち2以上の演出が実行されることはない。
図120は本実施形態における第2演算対象エリア111の構成を説明するための説明図である。図120に示すように、第2演算対象エリア111には、上記第1の実施形態において既に説明したベット数カウンタ125、左側兼用表示部用カウンタ135、右側兼用表示部用カウンタ136、投入信号出力カウンタ163及び払出信号出力カウンタ165に加えて、待機カウンタ231が設けられている。待機カウンタ231は、ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出及びART終了演出における前半の第1演出期間の終了時及び後半の第2演出期間(後半の2秒間)の終了時を主側MPU72にて把握可能とするタイマカウンタである。
ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出又はART終了演出の実行中は、遊技者がスタートレバー41及びストップボタン42〜44の操作を行っても遊技を進行させることができない待機期間となる。ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出又はART終了演出が実行されるゲームの終了は、当該待機期間が終了するまで、すなわち当該演出が終了するまで延期される。待機カウンタ231には、これらの演出の開始時に第1演出期間(2秒間)及び第2演出期間(2秒間)の合計演出期間である4秒間に対応する「2684」の数値情報がセットされる。待機カウンタ231の値は、待機期間の設定が行われている状況において、タイマ割込み処理(図15)による割込みが発生する度に後述する待機設定処理(図123)にて1減算されて更新される。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、タイマ割込み処理(図15)は、当該タイマ割込み処理による割込みが許可されている場合に1.49ミリ秒ごとに起動される。主側MPU72は、待機カウンタ231の値が「1342」以下になったことに基づいて第1演出期間が終了したことを把握するとともに、待機カウンタ231の値が「0」となったことに基づいて第2演出期間が終了したことを把握する。
上記第1の実施形態と同様に、払出信号の出力制御は、第2演算対象エリア111における払出信号出力開始フラグに「1」がセットされた状態で払出信号制御処理(図84)が実行されることにより開始される。払出信号出力開始フラグには、通常処理(図125)のステップS8110にて実行される媒体付与処理(図83)のステップS4914にて「1」がセットされる。払出信号の出力制御は全リール32L,32M,32Rが停止して小役入賞又はリプレイ入賞が成立したことに基づいて開始される。本実施形態において、ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出及びART終了演出は、通常処理(図16)のステップS311における遊技終了時の対応処理の実行中に開始される。このため、これらの演出は払出信号の出力制御の開始後に開始される。
上述したとおり、第1〜第3状態中信号の立ち上げ又は立ち下げは、これらの演出における第1演出期間の終了時に行われる。このため、払出信号の出力制御が開始されてから第1〜第3状態中信号の立ち上げ又は立ち下げが行われるまでに、これらの演出における第1演出期間分(具体的には2秒間分)の時間を確保することができる。払出信号の出力制御が開始されてから当該出力制御が終了するまでに要する時間は、遊技媒体の付与数が最大(具体的には「11」)である場合に約156ミリ秒であり、第1演出期間よりも短い。このため、外部装置であるデータカウンタDCにおいて払出信号の受信が終了した後に主側MPU72にて第1〜第3状態中信号の立ち上げ又は立ち下げが行われるようにすることができる。これにより、データカウンタDCにおいてボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。
上述したとおり、第1〜第3状態中信号の立ち上げ又は立ち下げはボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出又はART終了演出における第1演出期間の終了時に行われる。また、上述したとおり、これらの演出が実行されるゲームでは、これらの演出における第2演出期間が終了するまで当該ゲームの終了が延期される。このため、これらの演出の終了後に当該ゲームの次のゲームを開始することが可能な開始待ち状態となる。本実施形態では、スタートレバー41の操作が行われて当該次のゲームが開始された場合、遅延を生じさせることなく当該次のゲームの開始時に投入信号の出力制御が開始される。このため、第1〜第3状態中信号の立ち上げ又は立ち下げが行われてから投入信号の出力制御が開始されるまでに、これらの演出における第2演出期間分(具体的には2秒間分)の時間を確保することができる。これにより、外部装置であるデータカウンタDCにおいて第1〜第3状態中信号の立ち上げ又は立ち下げが把握された後に主側MPU72にて投入信号の出力制御が開始されるようにすることができる。よって、データカウンタDCにおいてボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。
次に、主側MPU72にて実行される開始時の設定処理について図121のフローチャートを参照しながら説明する。開始時の設定処理は通常処理(図16)のステップS307にて実行される。なお、開始時の設定処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
開始時の設定処理では、ステップS7701〜ステップS7704にて、上記第1の実施形態における開始時の設定処理(図81)のステップS4701〜ステップS4704と同様の処理を実行する。具体的には、まず第2演算対象エリア111におけるゲーム中フラグに「1」をセットする(ステップS7701)。これにより、ゲームを実行している状態であることを主側MPU72にて把握可能となる。その後、付与数表示の終了処理を実行する(ステップS7702)。付与数表示の終了処理では、第2演算対象エリア111における付与数表示中フラグ、左側兼用表示部用カウンタ135及び右側兼用表示部用カウンタ136を「0」クリアする。第1の実施形態と同様に、小役入賞が成立して兼用表示部66にて付与数表示が開始された場合、当該付与数表示は当該小役入賞が成立したゲームの次のゲームの開始時に終了する。その後、第2演算対象エリア111におけるリプレイ時のベット済みフラグ及びベット数カウンタ125を「0」クリアする(ステップS7703)。その後、第2演算対象エリア111に設けられた投入信号出力カウンタ163に遊技媒体のベット数の規定数である「3」をセットする(ステップS7704)。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、投入信号出力カウンタ163は、データカウンタDCに対して出力している投入信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる回数を主側MPU72にて把握可能とするカウンタである。
その後、第2演算対象エリア111に設けられた投入開始フラグに「1」をセットして(ステップS7705)、本開始時の設定処理を終了する。投入開始フラグは、投入信号の出力制御を開始するタイミングであることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。投入開始フラグに「1」がセットされた状態で後述するデータ出力処理(図122)が実行されることにより、投入信号の出力制御が開始される。このように、本実施形態では、ゲーム開始時に遅延を生じさせることなく投入信号の出力制御が開始される。
次に、主側MPU72にて実行されるデータ出力処理について図122のフローチャートを参照しながら説明する。データ出力処理はタイマ割込み処理(図15)のステップS211にて実行される。なお、データ出力処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
データ出力処理では、まず後述する待機設定処理を実行する(ステップS7801)。その後、第2演算対象エリア111における投入開始フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS7802)、投入開始フラグに「1」がセットされている場合(ステップS7802:YES)には、当該投入開始フラグを「0」クリアする(ステップS7803)。その後、ステップS7804〜ステップS7806では、上記第1の実施形態におけるデータ出力処理(図82)のステップS4803〜ステップS4805と同様の処理を実行する。具体的には、まず投入信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる(ステップS7804)。その後、第2演算対象エリア111における投入切換タイマカウンタ166に「5」をセットし(ステップS7805)、第2演算対象エリア111に設けられた投入信号出力制御中フラグに「1」をセットする(ステップS7806)。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、投入信号出力制御中フラグは、投入信号の出力制御中であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。
ステップS7802にて否定判定を行った場合には、ステップS7807〜ステップS7817において、上記第1の実施形態におけるデータ出力処理(図82)のステップS4806〜ステップS4816と同様の処理を実行する。具体的には、まず第2演算対象エリア111における投入信号出力制御中フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS7807)。投入信号出力制御中フラグに「1」がセットされている場合(ステップS7807:YES)、すなわち投入信号の出力制御中である場合には、投入切換タイマカウンタ166の値を1減算し(ステップS7808)、その1減算後の値が「0」となったか否かを判定する(ステップS7809)。ステップS7809にて肯定判定を行った場合、投入信号がLOW状態であるか否かを判定し(ステップS7810)、投入信号がLOW状態である場合(ステップS7810:YES)には、投入信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる(ステップS7811)。その後、第2演算対象エリア111における投入切換タイマカウンタ166に「5」をセットする(ステップS7812)。
ステップS7810にて否定判定を行った場合には、投入信号をHI状態からLOW状態に立ち下げ(ステップS7813)、第2演算対象エリア111における投入信号出力カウンタ163の値を1減算する(ステップS7814)。その後、当該1減算後の投入信号出力カウンタ163の値が「0」であるか否かを判定し(ステップS7815)、投入信号出力カウンタ163の値が「0」ではない場合(ステップS7815:NO)には、投入信号の出力制御が終了していないことを意味するため、第2演算対象エリア111における投入切換タイマカウンタ166に「5」をセットする(ステップS7816)。これにより、投入信号の出力制御が継続される。
ステップS7814にて1減算した後の投入信号出力カウンタ163の値が「0」である場合(ステップS7815:YES)には、投入信号の立ち上げが3回行われたことを意味するため、第2演算対象エリア111の投入信号出力制御中フラグを「0」クリアする(ステップS7817)。これにより、投入信号の出力制御が終了する。
ステップS7806の処理を行った場合、ステップS7807にて否定判定を行った場合、ステップS7809にて否定判定を行った場合、ステップS7812の処理を行った場合、ステップS7816の処理を行った場合、又はステップS7817の処理を行った場合には、上記第1の実施形態におけるデータ出力処理(図82)のステップS4819と同様に、払出信号制御処理を実行して(ステップS7818)、本データ出力処理を終了する。払出信号制御処理の内容は、上記第1の実施形態において図84のフローチャートを参照しながら既に説明したとおりである。上述したとおり、第2演算対象エリア111における払出信号出力開始フラグに「1」がセットされている状態で払出信号制御処理(ステップS7818)が実行されることにより払出信号の出力制御が開始される。払出信号の出力制御では、第2演算対象エリア111における払出信号出力カウンタ165にセットされた遊技媒体の付与数に対応する数だけ払出信号のLOW状態からHI状態への立ち上げが行われる。払出信号の出力制御では、払出信号の立ち上げが行われてから7.45ミリ秒後に当該払出信号の立ち下げが行われるとともに、払出信号の立ち下げが行われてから7.45ミリ秒後に当該払出信号の立ち上げが行われる。
次に、主側MPU72にて実行される待機設定処理について図123のフローチャートを参照しながら説明する。待機設定処理はデータ出力処理(図122)のステップS7801にて実行される。なお、待機設定処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
待機設定処理では、まず第2演算対象エリア111に設けられた待機設定済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS7901)。待機設定済みフラグは、遊技者がスタートレバー41及びストップボタン42〜44の操作を行っても遊技を進行させることができない待機期間が設定されている状態であることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。待機設定済みフラグには、後述するステップS7904にて「1」がセットされる。主側MPU72は、待機設定済みフラグに「1」がセットされている場合に待機期間が設定されている状態であることを把握する。
ステップS7901にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち上げ準備フラグ及び第1〜第3立ち下げ準備フラグの少なくとも1つに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS7902)。ステップS7902にて肯定判定を行った場合には、待機設定処理を実行する(ステップS7903)。待機設定処理では、第2演算対象エリア111における待機カウンタ231にボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出又はART終了演出における第1演出期間(2秒間)及び第2演出期間の合計演出期間である4秒間に対応する数値情報として「2684」をセットする。その後、第2演算対象エリア111における待機設定済みフラグに「1」をセットして(ステップS7904)、本待機設定処理を終了する。これにより、遊技者がスタートレバー41及びストップボタン42〜44の操作を行っても遊技を進行させることができない待機期間が設定されている状態となる。
ステップS7901にて肯定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111における待機カウンタ231の値を「1」減算し(ステップS7905)、その1減算後の値が「0」であるか否かを判定する(ステップS7906)。ステップS7906にて肯定判定を行った場合には、ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出又はART終了演出における第2演出期間が終了したことを意味する。この場合には、第2演算対象エリア111における待機設定済みフラグを「0」クリアする(ステップS7907)。これにより、ゲームの終了が延期されている状態が終了する。
その後、第2演算対象エリア111に設けられた前半終了フラグを「0」クリアして(ステップS7908)、本待機設定処理を終了する。前半終了フラグは、ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出又はART終了演出の第1演出期間が終了していることを主側MPU72にて把握可能とするフラグである。前半終了フラグには、後述するステップS7911にて「1」がセットされる。
ステップS7906にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111における前半終了フラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS7909)、前半終了フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS7909:NO)には、第1演出期間が終了したか否かを判定する(ステップS7910)。ステップS7910では、第2演算対象エリア111における待機カウンタ231の値が「1342」以下である場合に第1演出期間が終了したと判定する。
ステップS7910にて肯定判定を行った場合には、ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出及びART終了演出のうち実行中である演出における第1演出期間(前半2秒間)が終了したことを意味するため、第2演算対象エリア111における前半終了フラグに「1」をセットし(ステップS7911)、状態中信号用処理を実行して(ステップS7912)、本待機設定処理を終了する。
図124は主側MPU72にて実行される状態中信号用処理を示すフローチャートである。なお、状態中信号用処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
状態中信号用処理では、第1〜第3状態中信号のうち対象の状態中信号として第1状態中信号を選択し(ステップS8001)、当該第1状態中信号についてステップS8002〜ステップS8008の処理を実行する。対象の状態中信号は、後述するステップS8009にて更新され、ステップS8002〜ステップS8008の処理は第2状態中信号及び第3状態中信号についても実行される。
ステップS8001の処理を行った後、第2演算対象エリア111において対象の状態中信号に対応する立ち上げ準備フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS8002)。ステップS8002では、対象の状態中信号が第1状態中信号である場合には第1立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行い、対象の状態中信号が第2状態中信号である場合には第2立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行い、対象の状態中信号が第3状態中信号である場合には第3立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行う。
ステップS8002にて肯定判定を行った場合には、対象の状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げ(ステップS8003)、第2演算対象エリア111において対象の状態中信号に対応する立ち上げ準備フラグを「0」クリアする(ステップS8004)。
ステップS8002にて否定判定を行った場合には、第2演算対象エリア111において対象の状態中信号に対応する立ち下げ準備フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS8005)。ステップS8005では、対象の状態中信号が第1状態中信号である場合には第1立ち下げ準備フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行い、対象の状態中信号が第2状態中信号である場合には第2立ち下げ準備フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行い、対象の状態中信号が第3状態中信号である場合には第3立ち下げ準備フラグに「1」がセットされている場合に肯定判定を行う。
ステップS8005にて肯定判定を行った場合には、対象の状態中信号をHI状態からLOW状態に立ち下げ(ステップS8006)、第2演算対象エリア111において対象の状態中信号に対応する立ち下げ準備フラグを「0」クリアする(ステップS8007)。
ステップS8004の処理を行った場合、ステップS8005にて否定判定を行った場合、又はステップS8007の処理を行った場合には、対象の状態中信号が第3状態中信号であるか否かを判定し(ステップS8008)、対象の状態中信号が第3状態中フラグではない場合(ステップS8008:NO)には対象の状態中信号を更新する(ステップS8009)。ステップS8009では、現状における対象の状態中信号が第1状態中信号である場合には対象の状態中信号を第2状態中信号に更新するとともに、現状における対象の状態中信号が第2状態中信号である場合には対象の状態中信号を第3状態中信号に更新する。その後、ステップS8002に戻り、当該更新後の状態中信号についてステップS8002〜ステップS8008の処理を実行する。これにより、第1〜第3状態中信号を対象の状態中信号としてステップS8002〜ステップS8008の処理が実行される。第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち上げ準備フラグのうち複数の立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている状態で状態中信号用処理(図124)が実行された場合には当該複数の状態中信号の立ち上げが行われる。また、第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち下げ準備フラグのうち複数の立ち下げ準備フラグに「1」がセットされている状態で状態中信号用処理(図124)が実行された場合には当該複数の状態中信号の立ち下げが行われる。ステップS8008にて肯定判定を行った場合には、本状態中信号用処理を終了する。
次に、主側MPU72にて実行される通常処理について図125のフローチャートを参照しながら説明する。なお、通常処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
通常処理では、ステップS8101〜ステップS8112にて上記第1の実施形態における通常処理(図16)のステップS301〜ステップS312と同様の処理を実行する。具体的には、まず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う(ステップS8101)。その後、開始待ち処理を実行し(ステップS8102)、設定確認用処理を実行する(ステップS8103)。その後、遊技媒体のベット数が規定数(具体的には「3」)に達しているか否かを判定し(ステップS8104)、ベット数が規定数に達していない場合(ステップS8104:NO)には開始待ち処理(ステップS8102)に戻る。ベット数が規定数に達している場合(ステップS8104:YES)には、スタートレバー41の操作が行われて開始指令が発生したか否かを判定し(ステップS8105)、開始指令が発生していない場合(ステップS8105:NO)には、開始待ち処理(ステップS8102)に戻る。
一方、開始指令が発生した場合(ステップS8105:YES)には、メインラインMLを有効化させた後に、受付禁止処理を実行する(ステップS8106)。受付禁止処理が実行されることにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45aにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。その後、ゲームが開始された場合の各種設定を行うための開始時の設定処理(図121)を実行する(ステップS8107)。その後、ステップS8108にて今回のゲームにおける役の抽選を行うための役の抽選処理を実行する。
その後、ステップS8109にて各リール32L,32M,32Rを今回の役の抽選処理の結果に対応した態様で駆動制御するためのリール制御処理を実行し、ステップS8110にて媒体付与処理を実行する。媒体付与処理では、今回のゲームにおいて小役入賞又はリプレイ入賞が成立している場合に、当該小役入賞又はリプレイ入賞の成立に対応する処理を実行する。
その後、今回のゲームの結果に対応する遊技状態及び遊技区間の設定を可能とするための遊技終了時の対応処理を実行する(ステップS8111)。遊技終了時の対応処理(ステップS8111)では、ボーナス状態が開始される場合にボーナス状態の開始に対応するコマンドを演出側MPU92に対して送信するとともに、ボーナス状態が終了する場合にボーナス状態の終了に対応するコマンドを演出側MPU92に対して送信する。演出側MPU92は、ボーナス状態の開始に対応するコマンドを受信した場合にボーナス開始演出が実行されるように上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を行うとともに、ボーナス状態の終了に対応するコマンドを受信した場合にボーナス終了演出が実行されるように上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を行う。但し、既に説明したとおり、ART状態ST6から移行したボーナス状態において有利区間SC2のエンディング条件が成立して有利区間SC2が終了する際にボーナス状態が終了する場合、ボーナス終了演出及びART終了演出を実行することなく、有利終了演出を実行し、当該有利終了演出において画像表示装置63にてボーナス状態及びART状態ST6が終了したことを報知する表示が行われるようにする。
遊技終了時の対応処理(ステップS8111)では、有利区間SC2が開始される場合に有利区間SC2の開始に対応するコマンドを演出側MPU92に対して送信するとともに、有利区間SC2が終了する場合に有利区間SC2の終了に対応するコマンドを演出側MPU92に対して送信する。演出側MPU92は、有利区間SC2の開始に対応するコマンドを受信した場合に有利開始演出が実行されるように上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を行うとともに、有利区間SC2の終了に対応するコマンドを受信した場合に有利終了演出が実行されるように上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を行う。但し、既に説明したとおり、第3BB状態ST3、第4BB状態ST3又は第2RB状態ST4に移行するとともに有利区間SC2に移行する場合には、有利開始演出を実行することなく、ボーナス開始演出を実行し、当該ボーナス開始演出において画像表示装置63にて有利区間SC2に移行したことを報知する表示が行われるようにする。また、ART状態ST6の終了に際して有利維持当選とならずに有利区間SC2が終了する場合には、有利終了演出を実行することなく、ART終了演出を実行し、当該ART終了演出において画像表示装置63にて有利区間SC2が終了したことを報知する表示が行われるようにする。
遊技終了時の対応処理(ステップS8111)では、ART状態ST6が開始される場合にART状態ST6の開始に対応するコマンドを演出側MPU92に対して送信するとともに、ART状態ST6が終了する場合にART状態ST6の終了に対応するコマンドを演出側MPU92に対して送信する。演出側MPU92は、ART状態ST6の開始に対応するコマンドを受信した場合にART開始演出が実行されるように上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を行うとともに、ART状態ST6の終了に対応するコマンドを受信した場合にART終了演出が実行されるように上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を行う。但し、既に説明したとおり、ART状態ST6又はART状態ST6から移行したボーナス状態において有利区間SC2のエンディング条件が成立して有利区間SC2が終了する際にART状態ST6が終了する場合には、ART終了演出を実行することなく、有利終了演出を実行し、当該有利終了演出において画像表示装置63にてART状態ST6が終了したことを報知する表示が行われるようにする。
ステップS8111にて遊技終了時の対応処理を実行した後は、外部出力設定処理を実行する(ステップS8112)。その後、第2演算対象エリア111における待機設定済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS8113)、待機設定済みフラグに「1」がセットされている場合(ステップS8113:YES)には、ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出又はART終了演出における第2演出期間が終了して、待機設定済みフラグが「0」クリアされるまで、ステップS8113の判定処理を繰り返し実行する。
ステップS8113にて否定判定を行った場合には、ステップS8114及びステップS8115にて、上記第1の実施形態における通常処理(図16)のステップS313及びステップS314と同様の処理を実行する。具体的には、第2演算対象エリア111におけるゲーム中フラグを「0」クリアし(ステップS8114)、受付許可処理を実行して(ステップS8115)、ステップS8101に戻る。
このように、ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出又はART終了演出が実行される場合には、当該演出における第2演出期間が終了するまでステップS8113にて肯定判定が行われることによりゲームの終了が延期される。一方、ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出及びART終了演出が行われないゲームでは、遅延が発生することはなくステップS8113にて肯定判定が行われてゲームが終了する。
次に、図126のタイムチャートを参照しながらボーナス状態が終了する状況において払出信号、投入信号及び第1状態中信号の出力制御が行われる様子について説明する。図126(a)は払出信号の出力制御が実行される期間を示し、図126(b)は投入信号の出力制御が実行される期間を示し、図126(c)は第1状態中信号の状態を示し、図126(d)はボーナス終了演出における第1演出期間(前半2秒間)を示し、図126(e)はボーナス終了演出における第2演出期間(後半2秒間)を示し、図126(f)はボーナス状態における最終ゲームが開始されるタイミングを示し、図126(g)はリール32L,32M,32Rの回転期間を示し、図126(h)はボーナス状態の終了後における最初のゲームが開始されるタイミングを示し、図126(i)は遊技媒体がベットされた状態でスタートレバー41の操作を行うことによりゲームを開始可能な期間を示す。
図126(i)に示すように、ゲームを開始可能なt1のタイミングにおいて、遊技媒体がベットされた状態でスタートレバー41の操作が行われることにより、図126(f)に示すようにボーナス状態における最終ゲームが開始される。当該t1のタイミングで、図126(i)に示すようにゲームを開始可能な状態が終了するとともに、図126(g)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が開始される。
その後、t2のタイミングで、図126(g)に示すように第3停止の停止指令が発生して全リール32L,32M,32Rが停止している状態となると、図126(a)に示すように払出信号の出力制御が開始される。その後、図126(d)に示すように、t3のタイミングでボーナス状態の終了を契機としてボーナス終了演出における第1演出期間(前半の2秒間)が開始される。その後、当該第1演出期間の途中であるt4のタイミングで、図126(a)に示すように払出信号の出力制御が終了する。
このように、払出信号の出力制御は、ボーナス終了演出の第1演出期間よりも先に開始される。また、遊技媒体の付与数が最大(具体的には「11」)である場合であっても、払出信号の出力制御の実行期間(最大で約156ミリ秒)は、ボーナス終了演出の第1演出期間(具体的には2秒間)よりも短い。このため、払出信号の出力制御はボーナス終了演出における第1演出期間の途中で終了する。また、図示は省略するが、既に説明したとおり、有利終了演出及びART終了演出における第1演出期間もボーナス終了演出における第1演出期間と同一の2秒間であるとともに、払出信号の出力制御は、これらの演出の第1演出期間よりも先に開始される。このため、有利終了演出が実行されるゲームにおいて払出信号の出力制御は有利終了演出における第1演出期間の途中で終了するとともに、ART終了演出が実行されるゲームにおいて払出信号の出力制御はART終了演出における第1演出期間の途中で終了する。
その後、t5のタイミングで、図126(d)に示すようにボーナス終了演出における第1演出期間(前半の2秒間)が終了すると、図126(e)に示すように当該ボーナス終了演出における第2演出期間(後半2秒間)が開始される。また、第1演出期間が終了する当該t5のタイミングで、図126(c)に示すように、第1状態中信号のHI状態からLOW状態への立ち下げが行われる。
上述したとおり、ボーナス終了演出の第1演出期間が終了するタイミングは払出信号の出力制御が終了するタイミングよりも後のタイミングであり、当該第1演出期間が終了するタイミングで第1状態中信号の立ち下げが行われる。このため、データカウンタDCにおいて払出信号に基づいて遊技媒体の付与数が把握された後に、主側MPU72にて第1状態中信号の立ち下げが行われるようにすることができる。これにより、データカウンタDCにおいてボーナス状態中における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。また、図示は省略するが、有利終了演出の第1演出期間が終了するタイミングは払出信号の出力制御が終了するタイミングよりも後のタイミングであり、当該第1演出期間が終了するタイミングで第2状態中信号の立ち下げが行われる。このため、データカウンタDCにおいて払出信号に基づいて遊技媒体の付与数が把握された後に、主側MPU72にて第2状態中信号の立ち下げが行われるようにすることができる。これにより、データカウンタDCにおいて有利区間SC2における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。さらにまた、ART終了演出の第1演出期間が終了するタイミングは払出信号の出力制御が終了するタイミングよりも後のタイミングであり、当該第1演出期間が終了するタイミングで第3状態中信号の立ち下げが行われる。このため、データカウンタDCにおいて払出信号に基づいて遊技媒体の付与数が把握された後に、主側MPU72にて第3状態中信号の立ち下げが行われるようにすることができる。これにより、データカウンタDCにおいてART状態ST6における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。
その後、t6のタイミングで、図126(e)に示すようにボーナス終了演出における第2演出期間が終了すると、図126(i)に示すように遊技媒体をベットした状態でスタートレバー41を操作することによりゲームを開始可能な状態となる。その後、図126(h)に示すように、t7のタイミングにおいて遊技媒体をベットした状態でスタートレバー41の操作が行われることにより、ボーナス状態の終了後における最初のゲームが開始される。当該t7のタイミングで、図126(g)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が開始されるとともに、図126(i)に示すようにゲームを開始可能な状態が終了する。また、当該t7のタイミングで、図126(b)に示すように、投入信号の出力制御が開始される。
このように、ボーナス状態が終了する場合、ボーナス終了演出における第1演出期間(前半の2秒間)の終了時に第1状態中信号の立ち下げが行われた後、当該ボーナス終了演出における第2演出期間(後半の2秒間)が終了するまでゲームを開始可能な状態とならない。このため、ボーナス終了演出における第2演出期間(後半の2秒間)が終了するまで新たなゲームが開始されることが防止されているとともに、投入信号の出力制御が開始されることが防止されている。これにより、第1状態中信号の立ち下げが行われてから投入信号の出力制御が開始されるまでに第2演出期間分(具体的には2秒間分)の間隔を確保することができる。このため、データカウンタDCにおいて第1状態中信号の立ち下がりを把握するための処理が行われた後に主側MPU72にて投入信号の出力制御が開始されるようにすることができる。これにより、データカウンタDCにおいてボーナス状態中における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。
図示は省略するが、有利区間SC2が終了する場合、有利終了演出における第1演出期間(前半の2秒間)の終了時に第2状態中信号の立ち下げが行われた後、当該有利終了演出における第2演出期間(後半の2秒間)が終了するまでゲームを開始可能な状態とならない。このため、有利終了演出における第2演出期間(後半の2秒間)が終了するまで新たなゲームが開始されることが防止されているとともに、投入信号の出力制御が開始されることが防止されている。これにより、第2状態中信号の立ち下げが行われてから投入信号の出力制御が開始されるまでに第2演出期間分(具体的には2秒間分)の間隔を確保することができる。このため、データカウンタDCにおいて第2状態中信号の立ち下がりを把握するための処理が行われた後に主側MPU72にて投入信号の出力制御が開始されるようにすることができる。これにより、データカウンタDCにおいて有利区間SC2における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。また、ART状態ST6が終了する場合、ART終了演出における第1演出期間(前半の2秒間)の終了時に第3状態中信号の立ち下げが行われた後、当該ART終了演出における第2演出期間(後半の2秒間)が終了するまでゲームを開始可能な状態とならない。このため、ART終了演出における第2演出期間(後半の2秒間)が終了するまで新たなゲームが開始されることが防止されているとともに、投入信号の出力制御が開始されることが防止されている。これにより、第3状態中信号の立ち下げが行われてから投入信号の出力制御が開始されるまでに第2演出期間分(具体的には2秒間分)の間隔を確保することができる。このため、データカウンタDCにおいて第3状態中信号の立ち下がりを把握するための処理が行われた後に主側MPU72にて投入信号の出力制御が開始されるようにすることができる。これにより、データカウンタDCにおいてART状態ST6における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。
次に、図127のタイムチャートを参照しながらボーナス状態が開始される状況において払出信号、投入信号及び第1状態中信号の出力制御が行われる様子について説明する。図127(a)は払出信号の出力制御が実行される期間を示し、図127(b)は投入信号の出力制御が実行される期間を示し、図127(c)は第1状態中信号の状態を示し、図127(d)はボーナス開始演出における第1演出期間(前半2秒間)を示し、図127(e)はボーナス開始演出における第2演出期間(後半2秒間)を示し、図127(f)はボーナス入賞が成立するゲームが開始されるタイミングを示し、図127(g)はリール32L,32M,32Rの回転期間を示し、図127(h)はボーナス状態への移行後における最初のゲームが開始されるタイミングを示し、図127(i)は遊技媒体がベットされた状態でスタートレバー41の操作を行うことによりゲームを開始可能な期間を示す。
図127(i)に示すように、ゲームを開始可能なt1のタイミングにおいて、遊技媒体がベットされた状態でスタートレバー41の操作が行われることにより、図127(f)に示すようにボーナス入賞が成立するゲームが開始される。当該t1のタイミングで、図127(i)に示すようにゲームを開始可能な状態が終了するとともに、図127(g)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が開始される。
その後、t2のタイミングで、図127(g)に示すように第3停止の停止指令が発生して全リール32L,32M,32Rが停止している状態となると、図127(a)に示すように払出信号の出力制御が開始される。その後、図127(d)に示すように、t3のタイミングでボーナス入賞の成立を契機としてボーナス開始演出における第1演出期間(前半の2秒間)が開始される。その後、当該第1演出期間の途中であるt4のタイミングで、図127(a)に示すように払出信号の出力制御が終了する。
このように、払出信号の出力制御は、ボーナス開始演出の第1演出期間よりも先に開始される。また、遊技媒体の付与数が最大(具体的には「11」)である場合であっても、払出信号の出力制御の実行期間(最大で約156ミリ秒)は、ボーナス開始演出の第1演出期間(具体的には2秒間)よりも短い。このため、払出信号の出力制御はボーナス開始演出における第1演出期間の途中で終了する。また、図示は省略するが、既に説明したとおり、有利開始演出及びART開始演出における第1演出期間もボーナス開始演出における第1演出期間と同一の2秒間であるとともに、払出信号の出力制御は、これらの演出の第1演出期間よりも先に開始される。このため、有利開始演出が実行されるゲームにおいて払出信号の出力制御は有利開始演出における第1演出期間の途中で終了するとともに、ART開始演出が実行されるゲームにおいて払出信号の出力制御はART開始演出における第1演出期間の途中で終了する。
その後、t5のタイミングで、図127(d)に示すようにボーナス開始演出における第1演出期間(前半の2秒間)が終了すると、図127(e)に示すように当該ボーナス開始演出における第2演出期間(後半2秒間)が開始される。また、第1演出期間が終了する当該t5のタイミングで、図127(c)に示すように、第1状態中信号のLOW状態からHI状態への立ち上げが行われる。
上述したとおり、ボーナス開始演出の第1演出期間が終了するタイミングは払出信号の出力制御が終了するタイミングよりも後のタイミングであり、当該第1演出期間が終了するタイミングで第1状態中信号の立ち上げが行われる。このため、データカウンタDCにおいて払出信号に基づいて遊技媒体の付与数が把握された後に、主側MPU72にて第1状態中信号の立ち上げが行われるようにすることができる。これにより、データカウンタDCにおいてボーナス状態中における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。また、図示は省略するが、有利開始演出の第1演出期間が終了するタイミングは払出信号の出力制御が終了するタイミングよりも後のタイミングであり、当該第1演出期間が終了するタイミングで第2状態中信号の立ち上げが行われる。このため、データカウンタDCにおいて払出信号に基づいて遊技媒体の付与数が把握された後に、主側MPU72にて第2状態中信号の立ち上げが行われるようにすることができる。これにより、データカウンタDCにおいて有利区間SC2における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。さらにまた、ART開始演出の第1演出期間が終了するタイミングは払出信号の出力制御が終了するタイミングよりも後のタイミングであり、当該第1演出期間が終了するタイミングで第3状態中信号の立ち上げが行われる。このため、データカウンタDCにおいて払出信号に基づいて遊技媒体の付与数が把握された後に、主側MPU72にて第3状態中信号の立ち上げが行われるようにすることができる。これにより、データカウンタDCにおいてART状態ST6における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。
その後、t6のタイミングで、図127(e)に示すようにボーナス開始演出における第2演出期間が終了すると、図127(i)に示すように遊技媒体をベットした状態でスタートレバー41を操作することによりゲームを開始可能な状態となる。その後、図127(h)に示すように、t7のタイミングにおいて遊技媒体をベットした状態でスタートレバー41の操作が行われることにより、ボーナス状態への移行後における最初のゲームが開始される。当該t7のタイミングで、図127(g)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が開始されるとともに、図127(i)に示すようにゲームを開始可能な状態が終了する。また、当該t7のタイミングで、図127(b)に示すように、投入信号の出力制御が開始される。
このように、ボーナス入賞が成立した場合、ボーナス開始演出における第1演出期間(前半の2秒間)の終了時に第1状態中信号の立ち上げが行われた後、当該ボーナス開始演出における第2演出期間(後半の2秒間)が終了するまでゲームを開始可能な状態とならない。このため、ボーナス開始演出における第2演出期間(後半の2秒間)が終了するまで新たなゲームが開始されることが防止されているとともに、投入信号の出力制御が開始されることが防止されている。これにより、第1状態中信号の立ち上げが行われてから投入信号の出力制御が開始されるまでに第2演出期間分(具体的には2秒間分)の間隔を確保することができる。このため、データカウンタDCにおいて第1状態中信号の立ち上がりを把握するための処理が実行された後に主側MPU72にて投入信号の出力制御が開始されるようにすることができる。これにより、データカウンタDCにおいてボーナス状態中における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。
図示は省略するが、有利区間SC2に移行する場合、有利開始演出における第1演出期間(前半の2秒間)の終了時に第2状態中信号の立ち上げが行われた後、当該有利開始演出における第2演出期間(後半の2秒間)が終了するまでゲームを開始可能な状態とならない。このため、有利開始演出における第2演出期間(後半の2秒間)が終了するまで新たなゲームが開始されることが防止されているとともに、投入信号の出力制御が開始されることが防止されている。これにより、第2状態中信号の立ち上げが行われてから投入信号の出力制御が開始されるまでに第2演出期間分(具体的には2秒間分)の間隔を確保することができる。このため、データカウンタDCにおいて第2状態中信号の立ち上がりを把握するための処理が実行された後に主側MPU72にて投入信号の出力制御が開始されるようにすることができる。これにより、データカウンタDCにおいて有利区間SC2における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。また、ART状態ST6に移行する場合、ART開始演出における第1演出期間(前半の2秒間)の終了時に第3状態中信号の立ち上げが行われた後、当該ART開始演出における第2演出期間(後半の2秒間)が終了するまでゲームを開始可能な状態とならない。このため、ART開始演出における第2演出期間(後半の2秒間)が終了するまで新たなゲームが開始されることが防止されているとともに、投入信号の出力制御が開始されることが防止されている。これにより、第3状態中信号の立ち上げが行われてから投入信号の出力制御が開始されるまでに第2演出期間分(具体的には2秒間分)の間隔を確保することができる。このため、データカウンタDCにおいて第3状態中信号の立ち上がりを把握するための処理が実行された後に主側MPU72にて投入信号の出力制御が開始されるようにすることができる。これにより、データカウンタDCにおいてART状態ST6における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
払出信号の出力制御は全リール32L,32M,32Rが停止して小役入賞又はリプレイ入賞が成立したことに基づいて開始される。ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出及びART終了演出は、払出信号の出力制御の開始後に開始される。第1〜第3状態中信号の立ち上げ又は立ち下げは、これらの演出における第1演出期間の終了時に行われる。このため、払出信号の出力制御が開始されてから第1〜第3状態中信号の立ち上げ又は立ち下げが行われるまでに、これらの演出における第1演出期間(具体的には2秒間)分の時間を確保することができる。払出信号の出力制御は、遊技媒体の付与数が最大(具体的には「11」)である場合においても、これらの演出における第1演出期間の途中で終了する。このため、外部装置であるデータカウンタDCにおいて払出信号の受信が終了した後に主側MPU72にて第1〜第3状態中信号の立ち上げ又は立ち下げが行われるようにすることができる。これにより、データカウンタDCにおいてボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。
ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出又はART終了演出が実行されるゲームでは、当該演出の開始時に当該演出における第1演出期間及び第2演出期間の合計演出期間に対応する待機期間が設定され、当該待機期間が経過するまで遊技者がスタートレバー41及びストップボタン42〜44の操作を行っても遊技を進行させることができない状態となるとともに、当該待機期間が経過するまで当該ゲームの終了が延期される。そして、当該待機期間の終了後に次のゲームを開始することが可能な開始待ち状態となる。投入信号の出力制御はスタートレバー41の操作が行われてゲームが開始されたことに基づいて開始される。第1〜第3状態中信号の立ち上げ又は立ち下げは当該演出における第1演出期間の終了時に行われる。このため、第1〜第3状態中信号の立ち上げ又は立ち下げが行われてから投入信号の出力制御が開始されるまでに、当該演出における第2演出期間(具体的には2秒間)分の時間を確保することができる。これにより、外部装置であるデータカウンタDCにおいて第1〜第3状態中信号の立ち上げ又は立ち下げが把握された後に主側MPU72にて投入信号の出力制御が開始されるようにすることができる。よって、データカウンタDCにおいてボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施形態の構成に対して個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。また、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせて適用してもよく、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせた構成に対して以下の別形態の構成を個別に又は組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施形態において、電源遮断前に算出されるチェックサム及び電源復帰後に算出されるチェックサムは2バイトの数値情報に限定されることはなく、1バイトの数値情報であってもよく、3バイト以上の数値情報であってもよい。電源復帰後に電源遮断前と同一の演算対象範囲について同一の演算方法でチェックサムを算出する構成とすることにより、当該チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生しているか否かを確認することができる。
(2)上記各実施形態において、特定制御用のスタックエリア101,181,201における先頭3バイトの記憶エリアに先頭エリア108,188,208が設定されている構成に代えて、特定制御用のスタックエリア101,181,201における先頭1バイトの記憶エリアに先頭エリアが設定されている構成としてもよい。具体的には、上記第1の実施形態と同様に、主側RAM74において特定制御用のスタックエリア101(第4の実施形態では特定制御用のスタックエリア181、第5の実施形態では特定制御用のスタックエリア201)にはY(1)〜Y(r+1)の各アドレスに対応する1バイトの記憶エリアが含まれている(図13参照)。本構成では、特定制御用のスタックエリア101の先頭アドレスであるY(1)に対応する1バイトの記憶エリアが先頭エリアに設定されている。先頭エリアはチェックサムの演算対象範囲から除外されている一方、特定制御用のスタックエリア101において当該先頭エリアを除くY(2)〜Y(r+1)の各アドレスに対応する1バイトの記憶エリアはチェックサムの演算対象範囲に含まれている。先頭エリアは、特定制御用の処理である復電用処理(図40)を実行している状態において、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図41)を開始する際に、主側MPU72のフラグレジスタのデータ(1バイト)を退避させるために利用される。バックアップ異常確認処理が終了する場合には、当該先頭エリアに退避した情報を主側MPU72のフラグレジスタに復帰させる。これにより、バックアップ異常確認処理において主側MPU72のフラグレジスタを利用可能としながら、バックアップ異常確認処理の終了時に主側MPU72のフラグレジスタの状態をバックアップ異常確認処理の開始時の状態に戻すことができる。
本構成では、バックアップ異常確認処理を実行するためのプログラムに、当該バックアップ異常確認処理を終了する場合に復電用処理(図40)におけるステップS1805の処理に復帰するための戻り番地の情報(2バイト)を主側MPU72のプログラムカウンタに設定するための処理が含まれている。バックアップ異常確認処理が終了する場合には当該処理が実行されることにより、復電用処理(図40)におけるステップS1805の処理に復帰する。このように、バックアップ異常確認処理が終了する場合における戻り番地の情報をプログラムにより主側MPU72のプログラムカウンタに設定する構成とすることにより、バックアップ異常確認処理の開始時に戻り番地の情報(2バイト)を特定制御用のスタックエリア101に書き込む処理を不要とすることができるとともに、先頭エリアを特定制御用のスタックエリア101における先頭1バイトの記憶エリアとすることができる。チェックサムの演算対象範囲から除外されている先頭エリアを1バイトの記憶エリアとすることにより、特定制御用のスタックエリア101においてチェックサムの演算対象範囲から除外されている記憶エリアを低減することができる。
上記第1の実施形態と同様に、停電時処理では、特定制御用のスタックエリア101における先頭エリアに記憶されているデータを特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111(第4の実施形態では特定制御用のワークエリア183、第5の実施形態では特定制御用のワークエリア203)に設けられた先頭退避用エリアに記憶する。先頭退避用エリアは、第2演算対象エリア111において先頭エリアのデータを退避させるために設けられた1バイトの記憶エリアである。停電時処理にて先頭エリアに記憶されているデータを先頭退避用エリアに退避させることにより、電源復帰後に、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図41)を実行するために先頭エリアを利用することを可能としながら、チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していないことが確認された場合に、先頭退避用エリアに記憶されているデータを先頭エリアに復帰させることができる。これにより、先頭エリアのデータを停電時処理の開始時に先頭エリアに記憶されていたデータに戻して電源遮断前の処理状態に復帰させることができる。また、先頭エリアのデータを先頭退避用エリアに退避させている状態で電源遮断前のチェックサム及び電源復帰後のチェックサムが算出される構成とすることにより、電源復帰後に算出したチェックサムが電源遮断前に記憶したチェックサムと一致することを確認することによって先頭退避用エリアに退避させたデータに異常が発生していないことを確認することが可能となる。
(3)上記第2の実施形態において、チェックサムの演算対象範囲から除外されている記憶エリアが主側RAM74の先頭アドレス側に集約されているとともにチェックサムの演算対象範囲に含まれている記憶エリアが主側RAM74の最終アドレス側に集約されている構成としてもよい。具体的には、主側RAM74は、Y(1)〜Y(u+3)の連続するアドレスに対応するエリアを備えている。アドレスY(1)〜Y(r+1)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のスタックエリアとして設定されている。また、アドレスY(1)〜Y(r+1)に連続するアドレスY(r+2)〜Y(r+4)は使用されない第1未使用エリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(r+5)〜Y(s+1)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のスタックエリアとして設定されている。また、アドレスY(r+5)〜Y(s+1)に連続するアドレスY(s+2)〜Y(s+4)は使用されない第2未使用エリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(s+5)〜Y(t+1)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のワークエリアとして設定されている。また、アドレスY(s+5)〜Y(t+1)に連続するアドレスY(t+2)〜Y(t+4)は使用されない第3未使用エリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(t+5)〜Y(u+3)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のワークエリアとして設定されている。
本構成では、非特定制御用のスタックエリア及び第1未使用エリアは、チェックサムの演算対象範囲から除外されている。特定制御用のスタックエリアにおける先頭3バイトのエリアには、先頭エリアが設けられている。先頭エリアは、上記第1の実施形態における先頭エリア108と同様に、特定制御用の処理である復電用処理(図40)を実行している状態において、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図41)を開始する際に、主側MPU72のフラグレジスタのデータ(1バイト)を退避させるために利用されるとともに、バックアップ異常確認処理(図41)の終了後に復電用処理(図40)に復帰するための戻り番地の情報(2バイト)を記憶するために利用される。先頭エリアはチェックサムの演算対象範囲から除外されている。これにより、バックアップ異常確認処理(図41)を開始する際に当該先頭エリアへの書き込みが行われることによってチェックサムの値が電源遮断前の値と相違してしまうことが防止されている。一方、特定制御用のスタックエリアにおいて当該先頭エリア以外のエリアはチェックサムの演算対象範囲に含まれている。また、第2未使用エリア、非特定制御用のワークエリア、第3未使用エリア及び特定制御用のワークエリアもチェックサムの演算対象範囲に含まれている。
主側RAM74において、チェックサムの演算対象範囲に含まれているエリアは、Y(r+8)〜Y(u+3)の連続するアドレスに対応するエリアであり、当該エリアは主側RAM74の最終アドレス側(Y(u+3)側)に集約されている。一方、チェックサムの演算対象範囲から除外されているエリアは、Y(1)〜Y(r+7)の連続するアドレスに対応するエリアであり、当該エリアは主側RAM74の先頭アドレス側(Y(1)側)に集約されている。チェックサムの演算対象範囲の最終アドレスはY(u+3)であり、当該最終アドレスは主側RAM74における最終アドレスでもある。このため、電源遮断前及び電源復帰後におけるチェックサムの演算において、当該演算の終了アドレスとして主側RAM74における最終アドレス以外のアドレスを指定する処理を省略することができる。チェックサムの演算は、更新後の加算対象エリアのアドレスが主側RAM74における最終アドレスを超えた場合に終了する。これにより、チェックサムの演算を行うための処理構成を簡素化することができる。
(4)上記第2の実施形態において、特定制御用のスタックエリア101及び特定制御用のワークエリア103における全記憶エリアがチェックサムの演算対象範囲に含まれている構成としてもよい。具体的には、特定制御用のスタックエリア101、非特定制御用のワークエリア102、特定制御用のワークエリア103、第1未使用エリア105及び第2未使用エリア106における全記憶エリアがチェックサムの演算対象範囲に含まれている一方、非特定制御用のスタックエリア104及び第3未使用エリア107はチェックサムの演算対象範囲から除外されている。このため、主側RAM74において、Y(1)〜Y(t+3)の連続するアドレスに対応する記憶エリアがチェックサムの演算対象範囲に含まれているとともに、Y(t+4)〜Y(u+1)の連続するアドレスに対応する記憶エリアがチェックサムの演算対象範囲から除外されている構成となっている。
本構成では、特定制御用の処理である復電用処理(図40)を実行している状態において、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図89)を開始する際に、主側MPU72のフラグレジスタのデータ(1バイト)及びバックアップ異常確認処理(図89)の終了後に復電用処理(図40)のステップS1805に戻るための戻り番地の情報(2バイト)を特定制御用のスタックエリア101に退避させる処理を実行しない。このため、電源復帰後に特定制御用のスタックエリア101に記憶されているデータを変化させることなくバックアップ異常確認処理(図89)を開始することができる。これにより、特定制御用のスタックエリア101における全記憶エリアがチェックサムの演算対象範囲に含まれている構成とすることができる。
本構成において、バックアップ異常確認処理(図89)を実行するためのプログラムには、当該バックアップ異常確認処理を終了する場合に、主側MPU72のプログラムカウンタに対して復電用処理(図40)のステップS1805に戻るためのアドレス情報を設定する処理が含まれている。これにより、バックアップ異常確認処理を開始する際に戻り番地の情報を特定制御用のスタックエリア101に退避させることなく当該バックアップ異常確認処理を終了する場合に復電用処理(図40)のステップS1805に復帰することができる。
本構成において、復電用処理(図40)を実行するためのプログラムには、バックアップ異常確認処理(図89)を終了して当該復電用処理に復帰した後に主側MPU72のフラグレジスタに特定制御用の処理を実行するためのデータを設定する処理が含まれている。これにより、バックアップ異常確認処理を開始する際に主側MPU72のフラグレジスタのデータを特定制御用のスタックエリア101に退避させることなく当該バックアップ異常確認処理を終了して復電用処理(図40)に復帰した後に主側MPU72のフラグレジスタのデータを特定制御用の処理を実行するためのデータに戻すことができる。
(5)上記第2の実施形態において、非特定制御用のスタックエリア104及び非特定制御用のワークエリア102における全記憶エリアがチェックサムの演算対象範囲に含まれている構成としてもよい。具体的には、先頭エリア108を除く特定制御用のスタックエリア101、非特定制御用のワークエリア102、特定制御用のワークエリア103、非特定制御用のスタックエリア104、第1未使用エリア105、第2未使用エリア106及び第3未使用エリア107における全記憶エリアがチェックサムの演算対象範囲に含まれている一方、特定制御用のスタックエリア101における先頭エリア108はチェックサムの演算対象範囲から除外されている。このため、主側RAM74において、Y(4)〜Y(u+1)の連続するアドレスに対応する記憶エリアがチェックサムの演算対象範囲に含まれているとともに、Y(1)〜Y(3)の連続するアドレスに対応する記憶エリアがチェックサムの演算対象範囲から除外されている構成となっている。
本構成では、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図89)の開始時に、主側MPU72が備えている各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタのうち一部のレジスタであるWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、非特定制御用のスタックエリア104に退避させる処理(ステップS5302の処理)を実行しない。このため、電源復帰後に非特定制御用のスタックエリア104に記憶されているデータを変化させることなくバックアップ異常確認処理(図89)におけるチェックサムの演算を行うことができる。これにより、非特定制御用のスタックエリア104における全記憶エリアがチェックサムの演算対象範囲に含まれている構成とすることができる。
本構成において、バックアップ異常確認処理(図89)を実行するためのプログラムには、当該バックアップ異常確認処理を終了する場合に、主側MPU72が備えている各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタのうち一部のレジスタであるWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタに対して、特定制御用の処理を実行するためのデータを設定する処理が含まれている。上記第2の実施形態において既に説明したとおり、当該一部のレジスタは、バックアップ異常確認処理(図89)におけるステップS5303〜ステップS5310の処理を実行するために使用されるレジスタである。バックアップ異常確認処理を終了する場合にプログラムにより当該一部のレジスタに対して特定制御用の処理を実行するためのデータを設定する構成とすることにより、ステップS5303〜ステップS5310の処理において当該一部のレジスタを利用可能としながら、当該一部のレジスタに特定制御用の処理を実行するためのデータが設定されている状態で、復電用処理(図40)のステップS1805に復帰することができる。
本構成におけるチェックサムの演算対象範囲の最終アドレスはY(u+1)であり、当該最終アドレスは主側RAM74における最終アドレスでもある。このため、電源遮断前及び電源復帰後におけるチェックサムの演算において、当該演算の終了アドレスとして主側RAM74における最終アドレス以外のアドレスを指定する処理を省略することができる。チェックサムの演算は、更新後の加算対象エリアのアドレスが主側RAM74における最終アドレスを超えた場合に終了する。これにより、チェックサムの演算を行うための処理構成を簡素化することができる。
(6)上記第2の実施形態において、主側RAM74における全記憶エリアがチェックサムの演算対象範囲に含まれている構成としてもよい。具体的には、特定制御用のスタックエリア101、非特定制御用のワークエリア102、特定制御用のワークエリア103、非特定制御用のスタックエリア104、第1未使用エリア105、第2未使用エリア106及び第3未使用エリア107における全記憶エリアがチェックサムの演算対象範囲に含まれている。このため、主側RAM74において、Y(1)〜Y(u+1)の連続するアドレスに対応する記憶エリアがチェックサムの演算対象範囲に含まれている。
本構成では、特定制御用の処理である復電用処理(図40)を実行している状態において、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図89)を開始する際に、主側MPU72のフラグレジスタのデータ(1バイト)及びバックアップ異常確認処理(図89)の終了後に復電用処理(図40)のステップS1805に戻るための戻り番地の情報(2バイト)を特定制御用のスタックエリア101に退避させる処理を実行しない。このため、電源復帰後に特定制御用のスタックエリア101に記憶されているデータを変化させることなくバックアップ異常確認処理(図89)を開始することができる。これにより、特定制御用のスタックエリア101における全記憶エリアがチェックサムの演算対象範囲に含まれている構成とすることができる。
本構成において、バックアップ異常確認処理(図89)を実行するためのプログラムには、当該バックアップ異常確認処理を終了する場合に、主側MPU72のプログラムカウンタに対して復電用処理(図40)のステップS1805に戻るためのアドレス情報を設定する処理が含まれている。これにより、バックアップ異常確認処理を開始する際に戻り番地の情報を特定制御用のスタックエリア101に退避させることなく当該バックアップ異常確認処理を終了する場合に復電用処理(図40)のステップS1805に復帰することができる。
本構成において、復電用処理(図40)を実行するためのプログラムには、バックアップ異常確認処理(図89)を終了して当該復電用処理に復帰した後に主側MPU72のフラグレジスタに特定制御用の処理を実行するためのデータを設定する処理が含まれている。これにより、バックアップ異常確認処理を開始する際に主側MPU72のフラグレジスタのデータを特定制御用のスタックエリア101に退避させることなく当該バックアップ異常確認処理を終了して復電用処理(図40)に復帰した後に主側MPU72のフラグレジスタのデータを特定制御用の処理を実行するためのデータに戻すことができる。
本構成では、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図89)の開始時に、主側MPU72が備えている各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタのうち一部のレジスタであるWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタの各情報を、非特定制御用のスタックエリア104に退避させる処理(ステップS5302の処理)を実行しない。このため、電源復帰後に非特定制御用のスタックエリア104に記憶されているデータを変化させることなくバックアップ異常確認処理(図89)におけるチェックサムの演算を行うことができる。これにより、非特定制御用のスタックエリア104における全記憶エリアがチェックサムの演算対象範囲に含まれている構成とすることができる。
本構成において、バックアップ異常確認処理(図89)を実行するためのプログラムには、当該バックアップ異常確認処理を終了する場合に、主側MPU72が備えている各種の汎用レジスタ、補助レジスタ及びインデックスレジスタのうち一部のレジスタであるWAレジスタ、BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタ及びIYレジスタに対して、特定制御用の処理を実行するためのデータを設定する処理が含まれている。上記第2の実施形態において既に説明したとおり、当該一部のレジスタは、バックアップ異常確認処理(図89)におけるステップS5303〜ステップS5310の処理を実行するために使用されるレジスタである。バックアップ異常確認処理を終了する場合にプログラムにより当該一部のレジスタに対して特定制御用の処理を実行するためのデータを設定する構成とすることにより、ステップS5303〜ステップS5310の処理において当該一部のレジスタを利用可能としながら、当該一部のレジスタに特定制御用の処理を実行するためのデータが設定されている状態で、復電用処理(図40)のステップS1805に復帰することができる。
本構成におけるチェックサムの演算対象範囲の最終アドレスはY(u+1)であり、当該最終アドレスは主側RAM74における最終アドレスでもある。このため、電源遮断前及び電源復帰後におけるチェックサムの演算において、当該演算の終了アドレスとして主側RAM74における最終アドレス以外のアドレスを指定する処理を省略することができる。チェックサムの演算は、更新後の加算対象エリアのアドレスが主側RAM74における最終アドレスを超えた場合に終了する。これにより、チェックサムの演算を行うための処理構成を簡素化することができる。
(7)上記第5の実施形態において、特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していることが特定された場合には遊技ホールの管理者による操作を不要として特定制御用のスタックエリア201及び特定制御用のワークエリア203の初期化処理が実行されるとともに、非特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生していることが特定された場合には遊技ホールの管理者による操作を不要として非特定制御用のスタックエリア204及び非特定制御用のワークエリア202の初期化処理が実行される構成としてもよい。これにより、特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生している一方、非特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータには異常が発生していない状態となった場合に、異常が発生していない非特定制御用のスタックエリア204及び非特定制御用のワークエリア202のデータを保持しながら、異常が発生している特定制御用のスタックエリア201及び特定制御用のワークエリア203を初期化して、当該異常が発生している状態を解消することができる。また、非特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータに異常が発生している一方、特定チェックサムの演算対象範囲に記憶されているデータには異常が発生していない状態となった場合に、異常が発生していない特定制御用のスタックエリア201及び特定制御用のワークエリア203のデータを保持しながら、異常が発生している非特定制御用のスタックエリア204及び非特定制御用のワークエリア202を初期化して、当該異常が発生している状態を解消することができる。
(8)上記各実施形態において、特定制御用の処理を実行している状態において非特定制御用の処理を開始する場合に、主側MPU72における一部のレジスタのデータを補助レジスタに退避させるとともに、当該非特定制御用の処理を終了して特定制御用の処理に復帰する場合に当該補助レジスタに退避させていたデータを主側MPU72における一部のレジスタに復帰させる構成としてもよい。具体的には、主側MPU72は、特定制御用の処理である復電用処理(図40)を実行している状態において、非特定制御用の処理であるバックアップ異常確認処理(図41)を開始する場合、交換命令により、主側MPU72における一部のレジスタのデータを当該一部のレジスタに対応させて設けられている補助レジスタに退避させる。これにより、主側RAM74に記憶されているデータを変化させることなく当該一部のレジスタのデータを退避させてバックアップ異常確認処理において当該一部のレジスタを利用可能とすることができる。復電用処理を実行している状態においてバックアップ異常確認処理を開始する際に主側RAM74の各記憶エリアに記憶されているデータを変化させずに主側MPU72における一部のレジスタのデータを退避させることができるため、チェックサムの演算対象範囲に非特定制御用のスタックエリア104が含まれている構成とすることができる。これにより、非特定制御用のスタックエリア104に記憶されているデータに異常が発生した場合に当該データの異常を把握可能とすることができる。その後、当該バックアップ異常確認処理を終了して復電用処理に復帰する場合、主側MPU72は、交換命令により、補助レジスタに退避させていたデータを主側MPU72における当該一部のレジスタに復帰させる。これにより、特定制御用の処理である復電用処理に復帰する場合に当該主側MPU72のレジスタのデータを特定制御用のデータに戻すことができる。
(9)上記各実施形態では遊技媒体のベット数を報知する演出としてベット報知音を出力する演出が行われる構成としたが、これに限定されることはなく、例えば遊技媒体のベット数を報知する演出が画像表示装置63にて行われる構成としてもよい。具体的には、演出側MPU92は、ゲームが開始されるまで待機している状態(通常処理(図16)のステップS301〜ステップS305の処理が繰り返し実行されている状態)において、遊技媒体のベット数が画像表示装置63の右側下部に表示されるように画像表示装置63の表示制御を行う。演出側MPU92は、主側MPU72から受信する第1〜第3ベットコマンドに基づいて画像表示装置63に表示されている遊技媒体のベット数の表示を更新する。遊技媒体の増加数が「2」以上である場合、画像表示装置63に表示されている遊技媒体のベット数が「1」ずつ増加するように画像表示装置63の表示制御を行う。このように、遊技媒体のベット数を報知する演出が画像表示装置63にて行われる構成としても、演出側MPU92が主側MPU72から受信する第1〜第3ベットコマンドに基づいて、遊技媒体のベット数を分かりやすく報知することができる。
(10)上記各実施形態では遊技媒体のベット数が「1」増加する度に異なるベット報知音が出力される構成としたが、これに限定されることはなく、例えば、増加後のベット数が「1」又は「2」である場合にスピーカ62から出力されるベット報知音が共通のベット報知音である構成としてもよい。増加後のベット数が最大ベット数である「3」である場合には、スピーカ62から当該共通のベット報知音とは異なるベット報知音が出力される。これにより、演出側ROM93に記憶するベット報知音データの数を低減しつつ、遊技媒体のベット数が最大ベット数となってゲーム開始可能な状態となったことを分かり易く報知することができる。
(11)上記各実施形態において、メダル投入口45に投入されたメダルが検出された場合には投入ベット報知音がスピーカ62から出力され、クレジット投入ボタン47の操作が行われた場合又はリプレイ入賞が成立して再遊技可能な状態となった場合には遊技媒体のベット数の増加数に対応する増加数対応ベット報知音がスピーカ62から出力される構成としてもよい。具体的には、メダル投入口45に投入されたメダルが投入メダル検出センサ45aにて検出されたことに基づいて遊技媒体のベット数が増加した場合にスピーカ62から出力されるベット報知音として、ベット数が「0」から「1」に増加したことを報知する第1投入ベット報知音、ベット数が「1」から「2」に増加したことを報知する第2投入ベット報知音、及びベット数が「2」から「3」に増加したことを報知する第3投入ベット報知音が存在している。また、クレジット投入ボタン47の操作が行われたことに基づいて遊技媒体のベット数が増加した場合にスピーカ62から出力されるベット報知音として、ベット数が「0」から「1」に増加したことを報知する第1増加数対応ベット報知音、ベット数が「1」から「2」に増加したことを報知する第2増加数対応ベット報知音、及びベット数が「2」から「3」に増加したことを報知する第3増加数対応ベット報知音が存在している。これら第1〜第3増加数対応ベット報知音は、リプレイ入賞が成立したゲームが終了してから最初に行われる開始待ち処理(図49)にてベット数カウンタ125に遊技媒体の規定数である「3」がセットされて再遊技可能な状態となった場合にも出力される。演出側ROM93には、第1投入ベット報知音、第2投入ベット報知音、第3投入ベット報知音、第1増加数対応ベット報知音、第2増加数対応ベット報知音及び第3増加数対応ベット報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御を行うための第1投入ベット報知音テーブル、第2投入ベット報知音テーブル、第3投入ベット報知音テーブル、第1増加数対応ベット報知音テーブル、第2増加数対応ベット報知音テーブル及び第3増加数対応ベット報知音テーブルが記憶されている。
主側MPU72は、投入メダル検出センサ45aにてメダルが検出されて遊技媒体のベット数が1増加した場合、演出側MPU92に対して投入対応コマンドを送信する。演出側MPU92は、投入対応コマンドを受信した場合、演出側RAM94における第1音設定済みフラグ127及び第2音設定済みフラグ128を参照することにより増加後の遊技媒体のベット数を把握するとともに、当該増加後のベット数に対応する投入ベット報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御を行う。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、第1音設定済みフラグ127に「1」がセットされていない場合には増加前の遊技媒体のベット数が「0」であることを意味する。第1音設定済みフラグ127に「1」がセットされているとともに第2音設定済みフラグ128に「1」がセットされていない場合には増加前の遊技媒体のベット数が「1」であることを意味する。第2音設定済みフラグ128に「1」がセットされている場合には増加前の遊技媒体のベット数が「2」であることを意味する。投入対応コマンドを受信した場合、増加前のベット数が「0」であれば第1投入ベット報知音が出力され、増加前のベット数が「1」であれば第2投入ベット報知音が出力され、増加前のベット数が「2」であれば第3投入ベット報知音が出力される。
主側MPU72は、クレジット投入ボタン47の操作が行われて遊技媒体のベット数が増加した場合、演出側MPU92に対してベット数の増加数に対応する増加対応コマンドを送信する。具体的には、ベット数の増加数が「1」である場合には第1増加対応コマンドを送信し、ベット数の増加数が「2」である場合には第2増加対応コマンドを送信し、ベット数の増加数が「3」である場合には第3増加対応コマンドを送信する。また、主側MPU72は、リプレイ入賞が成立したことに基づいてベット数カウンタ125に遊技媒体の規定数である「3」をセットした場合、演出側MPU92に対して第3増加対応コマンドを送信する。演出側MPU92は、受信した増加対応コマンドに基づいて出力すべき増加数対応ベット報知音の数を把握するとともに、演出側RAM94における第1音設定済みフラグ127及び第2音設定済みフラグ128を参照することにより出力すべき増加数対応ベット報知音の種類を把握する。第1増加対応コマンドを受信した場合、増加前のベット数が「0」であれば第1増加数対応ベット報知音が出力され、増加前のベット数が「1」であれば第2増加数対応ベット報知音が出力され、増加前のベット数が「2」であれば第3増加数対応ベット報知音が出力される。第2増加対応コマンドを受信した場合、増加前のベット数が「0」であれば第1増加数対応ベット報知音→第2増加数対応ベット報知音の順番で2つのベット報知音が連続的に出力されるとともに、増加前のベット数が「2」であれば第2増加数対応ベット報知音→第3増加数対応ベット報知音の順番で2つのベット報知音が連続的に出力される。第3増加対応コマンドを受信した場合、第1増加数対応ベット報知音→第2増加数対応ベット報知音→第3増加数対応ベット報知音の順番で3つのベット報知音が連続的に出力される。
このように、第1〜第3投入ベット報知音が出力される構成とすることにより、投入されたメダルが検出されたことに基づいて遊技媒体のベット数が増加したこと、及び当該増加後の遊技媒体のベット数を遊技者に報知することができる。また、第1〜第3増加数対応ベット報知音が出力される構成とすることにより、クレジット投入ボタン47の操作が行われたこと、又はリプレイ入賞が成立したことに基づいて遊技媒体のベット数が増加したこと、及び当該増加後の遊技媒体のベット数を遊技者に報知することができる。
上記(11)の構成において、演出側MPU92が投入対応コマンドを受信した場合には、増加後における遊技媒体のベット数とは無関係に単一の投入ベット報知音が出力される構成としてもよい。増加後のベット数が「1」である場合、増加後のベット数が「2」である場合及び増加後のベット数が「3」である場合のいずれにおいても、演出側ROM93から演出側RAM94に同一のベット報知音テーブルが読み出されるとともに、同一の投入ベット報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われる構成とすることにより、演出側ROM93に予め記憶しておくベット報知音テーブルのデータ容量を低減することができる。
(12)上記各実施形態において、リプレイ入賞が成立したことに基づいて第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125の設定が行われた場合には、第1〜第3ベット報知音とは異なるリプレイ対応ベット報知音が出力される構成としてもよい。これにより、リプレイ入賞が成立したことに基づいてベット数カウンタ125に遊技媒体の規定数である「3」がセットされて再遊技可能な状態となったことを遊技者に対して明確に報知することができる。
(13)上記各実施形態において、仮想メダルの貯留記憶数が1増加したことを報知する貯留増加報知音がスピーカ62から出力される構成としてもよい。具体的には、貯留増加報知音は、遊技媒体のベット数がベット上限数(具体的には「3」)に達している状態において、メダル投入口45に投入されたメダルが投入メダル検出センサ45aにて検出されて仮想メダルの貯留記憶数が1増加する場合に出力される。主側MPU72は、第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125の値がベット上限数に達している状態において、投入メダル検出センサ45aにてメダルを検出した場合、第2演算対象エリア111におけるクレジットカウンタの値を1加算するとともに、演出側MPU92に対して貯留増加コマンドを送信する。演出側MPU92は、貯留増加コマンドを受信した場合、貯留増加報知音が出力されるようにスピーカ62の音出力制御を行う。これにより、仮想メダルの貯留記憶数が1増加したことを遊技者に報知することができる。
(14)上記第1〜第5及び第7〜第13の実施形態において、リプレイ入賞が成立してから新たなゲームが開始されるまでの期間にも設定確認表示が開始され得る状態となる構成としてもよい。具体的には、設定確認表示は、ゲームが行われていない状態であり、遊技状態がボーナス状態ではない状態であり、前面扉12が開放されている状態であり、且つ、設定キーを用いて設定キー挿入孔57のON操作が行われている状態において、「1」以上の遊技媒体がベットされていない状態であること、又はリプレイ入賞が成立したことに基づいて第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125に「3」がセットされているとともに仮想メダルの貯留記憶数に空きがある状態であることを条件として開始される。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、リプレイ入賞が成立した場合には、当該リプレイ入賞が成立してから最初に行われる開始待ち処理(図49)にてベット数カウンタ125に遊技媒体の規定数である「3」がセットされるとともに、第2演算対象エリア111におけるリプレイ時のベット済みフラグに「1」がセットされる。リプレイ時のベット済みフラグは、ゲームが開始されるまで「0」クリアされない。このため、主側MPU72は、リプレイ時のベット済みフラグを参照することにより、リプレイ入賞が成立したことに基づいてベット数カウンタ125に「3」がセットされている状態であるか否かを判定することができる。また、主側MPU72は、第2演算対象エリア111におけるクレジットカウンタの値が最大貯留記憶数(具体的には「50」)未満であることを確認することにより、仮想メダルの貯留記憶数に空きがあることを把握することができる。
このように、リプレイ入賞が成立したことに基づいてベット数カウンタ125に「3」がセットされている状態であっても仮想メダルの貯留記憶数に空きがある状態である場合には設定確認表示が開始され得る状態となる構成とすることにより、リプレイ入賞が成立してから新たなゲームが開始されるまでの期間にも設定確認表示が開始され得る状態とすることができる。これにより、遊技ホールの管理者が現状におけるスロットマシン10の設定値を確認できる機会を増やし、設定値の確認を行い易い構成とすることができる。
(15)上記第1の実施形態において、遊技媒体のベット数が「1」以上でないことを条件の一部として設定確認表示を開始させる構成に代えて、遊技媒体のベット数がベット上限数未満であることを条件の一部として設定確認表示を開始させる構成としてもよい。具体的には、設定確認用処理(図55(b))のステップS2803において、第2演算対象エリア111におけるベット数カウンタ125の値がベット上限数以上(具体的には規定数である「3」以上)であるか否かを判定する。ベット数カウンタ125の値がベット上限数未満である場合には、ステップS2804以降の処理を実行し、ボーナス状態でないこと(ステップS2804:NO)、前面扉12が開放状態であること(ステップS2805:YES)及び設定キー挿入孔57のON操作が行われていること(ステップS2806:YES)を条件として、設定確認表示を開始させる。一方、ベット数カウンタ125の値がベット上限数以上である場合には、設定確認表示を開始させることなく本設定確認用処理(図55(b))を終了する。遊技媒体のベット数がベット上限数未満であることを条件の一部として設定確認表示を開始させる構成とすることにより、当該設定確認表示の終了時に遊技媒体のベット数がベット上限数以上である状態となることを防止することができる。これにより、設定確認表示の終了時に、遊技媒体のベット数に空きがある状態(遊技媒体のベット数がベット上限数未満である状態)であるか否かを確認するための処理を省略して、セレクタ52を受付許可状態とすることができる。よって、設定確認表示を終了するための処理構成を簡素化することができる。
(16)上記各実施形態において、設定キー挿入孔57がOFF状態となるという条件及び前面扉12が閉鎖されている状態となるという条件のいずれか一方が満たされた場合に設定確認表示が終了する構成に代えて、設定キー挿入孔57がOFF状態となるという条件が満たされた場合にのみ設定確認表示が終了する構成としてもよい。本構成では、クレジット表示部65(第10の実施形態では比率表示器85)にて設定確認表示が行われている状態において、設定キー挿入孔57のOFF操作が行われることなく前面扉12が閉鎖された場合、設定確認表示が行われている状態が維持される。主側MPU72は、設定確認表示が行われている状況において設定キー挿入孔57のOFF操作が行われることなく前面扉12が閉鎖された場合、演出側MPU92に対して設定キー確認報知コマンドを送信する。演出側MPU92は、設定キー確認報知コマンドを受信した場合、設定キー確認報知を行う。設定キー確認報知では、設定キー挿入孔57のOFF操作が忘れられていることを遊技ホールの管理者に報知して設定キー挿入孔57の状態を確認するように促す音声が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われる。これにより、遊技ホールの管理者が設定キー挿入孔57のOFF操作を忘れたまま前面扉12を閉鎖して設定確認表示が遊技者に見られてしまうことを防止することができる。また、設定確認表示がクレジット表示部65にて行われる第1〜第9及び第11〜第13の実施形態では、遊技ホールの管理者は、前面扉12の閉鎖後にクレジット表示部65の表示を確認することにより、設定キー挿入孔57のOFF操作が行われているか否かを確認することができる。
(17)上記各実施形態において、スタートレバー41の操作に基づいてゲームが開始される場合にはストップボタン42〜44の操作が有効化されるタイミングで兼用表示部66における停止順対応表示及び画像表示装置63における停止順報知が開始される構成とするとともに、動作電力の供給が再開されることによりゲームが再開される場合には停電発生時に回転中であったリール32L,32M,32Rの回転開始時に停止順対応表示が開始される構成としてもよい。具体的には、停止順対応表示及び停止順報知の実行対象のゲームにおいて、主側MPU72は、リール32L,32M,32Rの加速期間の終了時に兼用表示部66にて停止順対応表示を開始するための処理を実行する。また、当該加速期間の終了時に演出側MPU92に対してベル入賞用コマンド、昇格リプレイ用コマンド又は転落リプレイ回避用コマンドを送信する。これにより、画像表示装置63にて停止順報知が開始される。
リール32L,32M,32Rの一部又は全部が回転している状況において停電が発生するとともに電源復帰後に復電用処理(図40)が実行されて電源遮断前の処理状態に復帰した場合、脱調対応処理(図64)のステップS3604における回転再開処理にて停止順対応表示を開始するための処理を実行する。これにより、電源復帰後にリール32L,32M,32Rの回転が再開される場合には、ストップボタン42〜44の操作が有効化されるタイミングよりも早いタイミングで、兼用表示部66における停止順対応表示を再開させることができる。また、主側MPU72は、停電発生時に回転中であったリール32L,32M,32Rの加速期間の終了時に演出側MPU92に対してベル入賞用コマンド、昇格リプレイ用コマンド又は転落リプレイ回避用コマンドを送信する。これにより、画像表示装置63にて停止順報知が開始される。
このように、ストップボタン42〜44の操作が有効化されるタイミングよりも早いタイミングで停止順対応表示が開始される場合においても、ストップボタン42〜44の操作が有効化されるタイミングで停止順対応表示よりも遊技者の目に留まりやすい停止順報知が再開される構成とすることにより、遊技者が停止順報知を確認した後にストップボタン42〜44を操作したにも関わらず当該操作タイミングの後にストップボタン42〜44の操作が有効化される事態が発生することを防止することができる。
上記(17)の構成において、リール32L,32M,32Rの一部又は全部が回転している状況において停電が発生するとともに電源復帰後に復電用処理(図40)が実行されて電源遮断前の処理状態に復帰する場合には、当該復電用処理にて停止順対応表示を開始するための処理を実行する構成としてもよい。これにより、電源復帰後に早期に兼用表示部66における停止順対応表示を再開させることができる。
(18)上記各実施形態において、リール32L,32M,32Rの停止順序を報知する停止順報知に代えて、リール32L,32M,32Rの停止操作を行うタイミングの目安となる目安図柄を報知する目安図柄報知が行われる構成としてもよい。具体的には、遊技媒体の付与が行われる小役入賞として、第1特殊ベル入賞、第2特殊ベル入賞及び第3特殊ベル入賞が存在している。メインラインML上において、左リール32Lの停止図柄、中リール32Mの停止図柄及び右リール32Rの停止図柄の組合せが「赤7」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄の組合せとなった場合に第1特殊ベル入賞となる。また、当該停止図柄の組合せが「白7」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄の組合せとなった場合に第2特殊ベル入賞となるとともに、当該停止図柄の組合せが「BAR」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄の組合せとなった場合に第3特殊ベル入賞となる。第1〜第3特殊ベル入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「10」となる。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、ストップボタン42〜44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。このため、「赤7」図柄、「白7」図柄及び「BAR」図柄については、左ストップボタン42の操作タイミングによってメインラインML上に当該図柄が停止する場合と、メインラインML上に当該図柄が停止する場合とが発生する。一方、「ベル」図柄は、中ストップボタン43及び右ストップボタン44の操作タイミングによらずメインラインML上に確実に停止する。このため、第1〜第3特殊ベル入賞を成立させるためには左ストップボタン42の操作タイミングを計る必要がある。有利区間SC2であるとともに準備状態ST5又はART状態ST6である状態において役の抽選処理(図17)にて第1〜第3特殊ベル役のいずれかに当選した場合、画像表示装置63にて目安図柄報知が行われるとともに、兼用表示部66にて停止順対応表示が行われる。目安図柄報知では、第1特殊ベル役に当選している場合に左リール32Lについて「赤7を狙え」という文字が表示され、第2特殊ベル役に当選している場合に左リール32Lについて「白7を狙え」という文字が表示され、第3特殊ベル役に当選している場合に左リール32Lについて「BARを狙え」という文字が表示される。遊技者は目安図柄報知に基づいて「赤7」図柄、「白7」図柄又は「BAR」図柄がメインラインML上に停止するタイミングを計って左ストップボタン42を操作することにより第1〜第3特殊ベル入賞が成立する可能性を高めることができる。
(19)上記各実施形態において、遊技状態が準備状態ST5である状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合と、遊技状態がART状態ST6である状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合とにおいて、停止順対応表示の開始タイミングが異なるタイミングとなる構成としてもよい。具体的には、遊技状態が準備状態ST5である状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合には、当該ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの加速期間が終了するタイミングで兼用表示部66にて停止順対応表示が実行される。一方、遊技状態がART状態ST6である状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合には、当該ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの加速期間が開始されるタイミングで兼用表示部66にて停止順対応表示が実行される。これにより、遊技状態がART状態ST6であることの特別感を高め、遊技の興趣向上を図ることができる。
(20)上記各実施形態において、有利区間SC2の開始時からの遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数(具体的には「400」)未満である状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合と、有利区間SC2の開始時からの遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数(具体的には「400」)以上である状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合とにおいて、停止順対応表示の開始タイミングが異なるタイミングとなる構成としてもよい。具体的には、有利区間SC2の開始時からの遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数未満である状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合には、当該ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの加速期間が終了するタイミングで兼用表示部66にて停止順対応表示が実行される。一方、有利区間SC2の開始時からの遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上である状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合には、当該ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの加速期間が開始されるタイミングで兼用表示部66にて停止順対応表示が実行される。これにより、兼用表示部66にて停止順対応表示が開始されるタイミングに基づいて、有利区間SC2の開始時からの遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上である状況であるか否かを把握可能とすることができる。そして、有利区間SC2の開始時からの遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上である場合には、当該有利区間SC2の終了時に打止及び自動精算の少なくとも一方の示唆動作が実行されるかもしれないと期待させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
(21)上記各実施形態において、有利区間SC2における継続ゲーム数が所定報知基準数(例えば「100」)未満である状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合と、有利区間SC2における継続ゲーム数が所定報知基準数(例えば「100」)以上である状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合とにおいて、停止順対応表示の開始タイミングが異なるタイミングとなる構成としてもよい。具体的には、有利区間SC2における継続ゲーム数が所定報知基準数未満である状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合には、当該ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの加速期間が終了するタイミングで兼用表示部66にて停止順対応表示が実行される。一方、有利区間SC2における継続ゲーム数が所定報知基準数以上である状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合には、当該ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの加速期間が開始されるタイミングで兼用表示部66にて停止順対応表示が実行される。これにより、兼用表示部66にて停止順対応表示が開始されるタイミングに基づいて、有利区間SC2における継続ゲーム数が所定報知基準数(例えば「100」)以上である状況であるか否かを把握可能とすることができる。
(22)上記各実施形態において、第2演算対象エリア111におけるいずれのエンディングフラグにも「1」がセットされていない状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合と、第2演算対象エリア111における1以上のエンディングフラグに「1」がセットされている状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合とにおいて、停止順対応表示の開始タイミングが異なるタイミングとなる構成としてもよい。具体的には、第2演算対象エリア111におけるいずれのエンディングフラグにも「1」がセットされていない状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合には、当該ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの加速期間が終了するタイミングで兼用表示部66にて停止順対応表示が実行される。一方、第2演算対象エリア111における1以上のエンディングフラグに「1」がセットされている状況において停止順対応表示の対象となるゲームが実行された場合には、当該ゲームにおいてリール32L,32M,32Rの加速期間が開始されるタイミングで兼用表示部66にて停止順対応表示が実行される。これにより、兼用表示部66にて停止順対応表示が開始されるタイミングに基づいて、第2演算対象エリア111における1以上のエンディングフラグに「1」がセットされている状況であるか否かを把握可能とすることができる。そして、第2演算対象エリア111における1以上のエンディングフラグに「1」がセットされている状況である場合には、当該有利区間SC2の終了時に打止及び自動精算の少なくとも一方の示唆動作が実行されるかもしれないと期待させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
(23)上記各実施形態において、リール32L,32M,32Rの一部が回転している状況において停電が発生するとともに電源復帰後に復電用処理(図40)が実行されて電源遮断前の処理状態に復帰した場合、画像表示装置63において、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいてゲームが開始された場合に行われる停止順報知とは異なる態様の停止順報知が行われる構成としてもよい。具体的には、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、リール32L,32M,32Rの一部が回転している状況において停電が発生するとともに電源復帰後に復電用処理(図40)が実行されて電源遮断前の処理状態に復帰した場合、停電発生時に回転中であったリール32L,32M,32Rの回転が再開される一方、停電発生時に既に停止している状態であったリール32L,32M,32Rについては当該停止している状態が維持される。停電発生時に回転中であったリール32L,32M,32Rについて行われる停止順報知では、停電発生時に既に停止している状態であったリール32L,32M,32Rについて、当該リール32L,32M,32Rが既に停止していることを示す「停止済み」という文字が画像表示装置63に表示される。これにより、停止操作を行うべきリール32L,32M,32Rと既に停止しているリール32L,32M,32Rとを遊技者に分かり易い態様で報知することができる。
(24)上記各実施形態において、スタートレバー41を操作する確定操作が行われることなく設定キー挿入孔57がOFF状態に切り換えられた場合には、設定値更新処理(図71)が終了しない構成としてもよい。具体的には、設定値更新処理では、確定操作(スタートレバー41の操作)が行われていない場合、設定キー挿入孔57のOFF操作が行われたとしても設定値を更新可能な状態を終了させるための処理が実行されることはなく、当該設定値を更新可能な状態が維持される。確定操作が行われることなく設定キー挿入孔57のOFF操作が行われた場合、主側MPU72は、演出側MPU92に対して未確定報知コマンドを送信する。演出側MPU92は、未確定報知コマンドを受信した場合、未確定報知を行う。未確定報知では、確定操作が行われていないことを報知するとともに確定操作を行うように促す音声が出力されるようにスピーカ62の音出力制御が行われる。未確定報知が行われた場合、遊技ホールの管理者は、設定キー挿入孔57をON状態に戻し、確定操作を行うことによりスロットマシン10の設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報を変更後の情報に更新することができる。その後、設定キー挿入孔57のOFF操作を行うことにより設定値更新処理を終了させることができる。
このように、確定操作が行われることなく設定キー挿入孔57がOFF状態に切り換えられた場合には、設定値更新処理が終了しない構成とすることにより、スロットマシン10の設定値、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する情報の一部又は全部を変更したにも関わらず、確定操作を忘れたためにこれらの情報が当該変更後の情報に更新されないまま設定値更新処理が終了してしまうことを防止することができる。
(25)上記各実施形態では第2演算対象エリア111の契機種別フラグ155に「1」がセットされている状態でボーナス状態が終了した場合には当該終了したボーナス状態の種類に関係なく示唆動作の抽選が行われる構成としたが、これに限定されることはなく、例えば契機種別フラグ155に「1」がセットされている状態で第3BB状態ST3、第4BB状態ST3又は第1RB状態ST4が終了した場合には示唆動作の抽選が行われる一方、第1BB状態ST3、第2BB状態ST3又は第2RB状態ST4が終了した場合には示唆動作の抽選が行われない構成としてもよい。
(26)上記各実施形態では設定値更新処理(図71)が実行されている状況において左ストップボタン42の操作に基づいて示唆動作の有無に関する設定が行われる構成としたが、これに限定されることはなく、例えば設定値更新処理(図71)が実行された場合には無条件で示唆動作フラグ154に「1」がセットされて示唆動作の抽選が行われる構成としてもよい。これにより、遊技ホールの管理者が示唆動作の有無に関する設定を行うことを不要としながら、設定値更新処理の実行後に1度だけ示唆動作の抽選が行われるようにすることができる。
(27)上記各実施形態において、スロットマシン10の設定値が「設定2」以下である場合には、示唆動作フラグ154に「1」がセットされている状態で示唆動作の開始契機が発生したとしても常に示唆動作が実行されない構成としてもよい。これにより、示唆動作が実行された場合に、現状におけるスロットマシン10の設定値が「設定3」以上であることを遊技者に確信させることができる。
(28)上記各実施形態では示唆動作の抽選結果に基づいて打止が行われる場合と、自動精算が行われる場合とが存在する構成としたが、これに限定されることはなく、例えば設定値更新処理(図71)の実行中に遊技ホールの管理者が中ストップボタン43を操作することにより示唆動作の種類を選択できる構成としてもよい。設定値更新処理の実行中に選択された示唆動作の種類が打止である場合には当該設定値更新処理の終了後に実行され得る示唆動作が打止のみとなるとともに、設定値更新処理の実行中に選択された示唆動作の種類が自動精算である場合には当該設定値更新処理の終了後に実行され得る示唆動作が自動精算のみとなる。これにより、遊技ホールの管理者は、本スロットマシン10において実行され得る示唆動作の種類を予め把握しておくことができる。
(29)上記各実施形態において契機種別フラグ155の値が「0」であるとともに有利区間SC2における遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数(具体的には「400」)未満である状態で有利区間SC2が終了した場合には示唆動作の抽選が行われることなく示唆動作フラグ154が「0」クリアされる構成としてもよい。本構成では、示唆動作の開始契機の種類として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が選択されている状態において有利区間SC2における遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数(具体的には「400」)未満である状態で有利区間SC2が終了した場合には、その後に有利区間SC2における遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数(具体的には「400」)以上である状態で有利区間SC2が終了したとしても示唆動作の抽選が行われない。これにより、スロットマシン10への動作電力の供給が開始された後における最初の有利区間SC2の終了時に示唆動作が行われるか否かに注目させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
(30)上記各実施形態において、設定値更新処理の実行中に示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定を行うことができる状態となる構成に加えて又は代えて、設定確認用処理の実行中に当該設定を行うことができる状態となる構成としてもよい。具体的には、設定確認用処理が開始された場合には、上記第1の実施形態において設定値更新処理(図71)が開始された場合と同様に、兼用表示部66にて示唆動作設定用表示が開始される。示唆動作設定用表示では、兼用表示部66の左側セグメント表示器66aにて示唆動作フラグ154の値に対応する「0」又は「1」の数字の点滅表示が行われるとともに、右側セグメント表示器66bにて契機種別フラグ155の値に対応する「A」又は「C」のアルファベットの点滅表示が行われる。遊技ホールの管理者は、左ストップボタン42を操作することにより兼用表示部66の左側セグメント表示器66aに表示されている示唆動作フラグ154に対応する数字(「0」又は「1」の数字)を更新することができるとともに、右ストップボタン44を操作することにより兼用表示部66の右側セグメント表示器66bに表示されている契機種別フラグ155に対応するアルファベットの識別文字(「A」又は「C」の文字)を更新することができる。そして、確定操作(スタートレバー41の操作)を行うことにより、更新後の示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定を確定させることができる。当該確定操作により示唆動作フラグ154に「1」がセットされた場合には、今回設定された種類の示唆動作の開始契機が発生した場合に示唆動作を実行するための処理が実行されることとなる。
このように、設定確認用処理の実行中に示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定を行うことができる構成とすることにより、設定確認用処理が行われた後において最初に示唆動作の開始契機が発生した場合に示唆動作を実行するための処理が行われるように設定することを可能とすることができる。また、遊技ホールの管理者が現状におけるスロットマシン10の設定値を確認するタイミングにおいて、示唆動作の有無及び示唆動作の開始契機の種類に関する設定を行うことを可能として、利便性を高めることができる。
(31)上記各実施形態において、示唆動作の開始契機として「遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上の状態における有利区間SC2の終了」が存在している構成に代えて又は加えて、示唆動作の開始契機として「有利区間SC2における継続ゲーム数が示唆基準ゲーム数以上である状態における有利区間SC2の終了」が存在している構成としてもよい。本構成において、示唆基準ゲーム数は100ゲームに設定されているが、示唆基準ゲーム数を100ゲームよりも少ないゲーム数としてもよく、示唆基準ゲーム数を100ゲームよりも多いゲーム数としてもよい。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、特定制御用のワークエリア103における第2演算対象エリア111には、通常区間SC1を間に挟むことなく有利区間SC2が継続された場合における当該有利区間SC2の開始時からのゲームの実行回数を主側MPU72にて特定するための有利継続カウンタが設けられている。示唆動作の開始契機として「有利区間SC2における継続ゲーム数が示唆基準ゲーム数以上である状態における有利区間SC2の終了」が選択されている状態で有利区間SC2が終了した場合、主側MPU72は当該有利継続カウンタの値に基づいて当該終了した有利区間SC2の開始時からの継続ゲーム数が示唆基準ゲーム数(具体的には「100」)以上であるか否かを判定する。有利区間SC2の開始時からの継続ゲーム数が示唆基準ゲーム数以上である場合には示唆動作の開始契機が発生したと判定し、第2演算対象エリア111における示唆動作フラグ154を「0」クリアした後に、第2示唆動作用処理(図77)を実行する。一方、有利区間SC2における継続ゲーム数が示唆基準ゲーム数未満である場合には示唆動作の開始契機が発生したとは判定しない。このように、示唆動作の開始契機として「有利区間SC2における継続ゲーム数が示唆基準ゲーム数以上である状態における有利区間SC2の終了」が存在している構成とすることにより、継続ゲーム数が示唆基準ゲーム数以上である状態で終了した有利区間SC2の終了時には示唆動作を実行するための処理が実行されるようにする一方、継続ゲーム数が示唆基準ゲーム数に満たない状態で終了した有利区間SC2の終了時に示唆動作を実行するための処理が実行されてしまうことを防止することができる。
(32)上記各実施形態において、示唆動作の開始契機が有利区間SC2における遊技媒体の制限付き合計純増枚数で設定されている構成に代えて、示唆動作の開始契機が有利区間SC2における所定差枚数で設定されている構成としてもよい。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、有利区間SC2における所定差枚数は、有利区間SC2が継続している状況で実行されたゲームにより付与された遊技媒体の合計数(遊技媒体の付与が発生していない状況では「0」)」から「有利区間SC2が継続されている状況でゲームを実行するために消化された遊技媒体の合計数(ゲームが実行されていない状況では「0」)」を減算した値である。本構成では、第2演算対象エリア111に有利区間SC2における遊技媒体の付与数を主側MPU72にて把握可能とする有利付与数カウンタと、有利区間SC2が継続されている状況でゲームを実行するために消化された遊技媒体の合計数を主側MPU72にて把握可能とする有利消化数カウンタとが設けられている。これら有利付与数カウンタ及び有利消化数カウンタの値は、有利区間SC2の終了時に「0」クリアされる。有利区間SC2における所定差枚数は、「(有利付与数カウンタの値)−(有利消化数カウンタの値)」で算出される。示唆動作の開始契機が有利区間SC2における遊技媒体の所定差枚数で設定されている構成とするこによっても、示唆動作の開始契機が有利区間SC2における遊技媒体の制限付き合計純増枚数で設定されている構成である場合と同様に、有利区間SC2が極端に少ないゲーム数で終了した場合には示唆動作を実行するための処理が実行されないようにすることができる。
(33)上記第13の実施形態において、第1〜第3状態中信号の立ち上げが行われるタイミングは、ボーナス状態、有利区間SC2又はART状態ST6の開始演出における第1演出期間の終了時に限定されることはないとともに、これらの開始演出における演出期間の半分が終了したタイミングに限定されることもない。例えば、各開始演出として第1演出期間及び第2演出期間に分かれていない一連の演出が行われる構成にするとともに、当該開始演出における演出期間の約5/8が終了したタイミングで状態中信号の立ち上げが行われる構成としてもよい。具体的には、ボーナス開始演出、有利開始演出及びART開始演出では、所定時間(具体的には4秒間)に亘る一連の演出が行われる。主側MPU72は、第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち上げ準備フラグのうち1以上の立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている状態で待機設定処理(図123)が実行された場合に、第2演算対象エリア111における待機カウンタ231に開始演出の演出期間である4秒間に対応する「2684」の数値情報をセットする。上記第13の実施形態において既に説明したとおり、待機カウンタ231の値は、待機期間の設定が行われている状況において、タイマ割込み処理(図15)による割込みが発生する度に待機設定処理(図123)にて1減算されて更新される。主側MPU72は、待機カウンタ231の値が「1006」以下となった場合に開始演出における演出期間の約5/8が終了したことを把握するとともに、第2演算対象エリア111において「1」がセットされている立ち上げ準備フラグに対応する状態中信号のLOW状態からHI状態への立ち上げを行う。状態中信号は、開始演出が開始されてから2.5秒後に立ち上げられる。このため、1以上の立ち上げ準備フラグに「1」がセットされたゲームにおいて全リール32L,32M,32Rが停止している状態となってから状態中信号の立ち上げが行われるまでに2.5秒の期間を確保することができる。これにより、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数を把握するための処理が終了した後に主側MPU72にて状態中信号の立ち上げが行われるようにすることができる。また、当該状態中信号の立ち上げが行われてから当該ゲームの次のゲームを開始可能な状態となるまでに1.5秒の期間を確保することができる。これにより、データカウンタDCにおいて状態中信号の立ち上げが把握された後に主側MPU72にて投入信号の出力制御が開始されるようにすることができる。よって、データカウンタDCにおいてボーナス状態における遊技媒体の純増数、有利区間SC2における遊技媒体の純増数及びART状態ST6における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。
(34)上記第13の実施形態において、第1〜第3状態中信号の立ち下げが行われるタイミングは、ボーナス状態、有利区間SC2又はART状態ST6の終了演出における第1演出期間の終了時に限定されることはないとともに、これらの終了演出における演出期間の半分が終了したタイミングに限定されることもない。例えば、各終了演出として第1演出期間及び第2演出期間に分かれていない一連の演出が行われる構成にするとともに、当該終了演出における演出期間の約5/8が終了したタイミングで状態中信号の立ち下げが行われる構成としてもよい。具体的には、ボーナス終了演出、有利終了演出及びART終了演出では、所定時間(具体的には4秒間)に亘る一連の演出が行われる。主側MPU72は、第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち下げ準備フラグのうち1以上の立ち下げ準備フラグに「1」がセットされている状態で待機設定処理(図123)が実行された場合に、第2演算対象エリア111における待機カウンタ231に終了演出の演出期間である4秒間に対応する「2684」の数値情報をセットする。上記第13の実施形態において既に説明したとおり、待機カウンタ231の値は、待機期間の設定が行われている状況において、タイマ割込み処理(図15)による割込みが発生する度に待機設定処理(図123)にて1減算されて更新される。主側MPU72は、待機カウンタ231の値が「1006」以下となった場合に終了演出における演出期間の約5/8が終了したことを把握するとともに、第2演算対象エリア111において「1」がセットされている立ち下げ準備フラグに対応する状態中信号のHI状態からLOW状態への立ち下げを行う。状態中信号は、終了演出が開始されてから2.5秒後に立ち下げられる。このため、1以上の立ち下げ準備フラグに「1」がセットされたゲームにおいて全リール32L,32M,32Rが停止している状態となってから状態中信号の立ち下げが行われるまでに2.5秒の期間を確保することができる。これにより、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数を把握するための処理が終了した後に主側MPU72にて状態中信号の立ち下げが行われるようにすることができる。また、当該状態中信号の立ち下げが行われてから当該ゲームの次のゲームを開始可能な状態となるまでに1.5秒の期間を確保することができる。これにより、データカウンタDCにおいて状態中信号の立ち下げが把握された後に主側MPU72にて投入信号の出力制御が開始されるようにすることができる。よって、データカウンタDCにおいてボーナス状態における遊技媒体の純増数、有利区間SC2における遊技媒体の純増数及びART状態ST6における遊技媒体の純増数を正確に把握可能とすることができる。
(35)上記第13の実施形態では、主側MPU72から演出側MPU92に対して送信されるコマンドに基づいて演出側MPU92にて、ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出又はART終了演出の演出内容を切り換えるための処理が実行される構成としてもよい。具体的には、ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出又はART終了演出が実行されている状態において、主側MPU72は、第2演算対象エリア111における待機カウンタ231の値が「1342」以下となった場合に当該開始演出又は当該終了演出における第1演出期間が終了したことを把握する。その後、第2演算対象エリア111において1以上の立ち上げ準備フラグに「1」がセットされている場合には当該立ち上げ準備フラグに対応する状態中信号のLOW状態からHI状態への立ち上げを行うとともに、第2演算対象エリア111において1以上の立ち下げ準備フラグに「1」がセットされている場合には当該立ち下げ準備フラグに対応する状態中信号のHI状態からLOW状態への立ち下げを行う。その後、演出側MPU92に対して演出切換コマンドを送信する。演出側MPU92は当該演出切換コマンドを受信した場合、実行中である開始演出又は終了演出の演出内容を第1演出期間における演出内容から第2演出期間における演出内容に切り換えるための処理を実行する。このように、主側MPU72から演出側MPU92に対して送信される演出切換コマンドに基づいて演出側MPU92にて、ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出又はART終了演出の演出内容を切り換えるための処理が実行される構成とすることにより、演出側MPU92にて第1演出期間の終了タイミングを把握するための処理を省略可能とすることができる。これにより、演出側MPU92における処理負荷を軽減することができる。
(36)上記各実施形態において、ボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6の開始をデータカウンタDCにて把握可能とする第1状態開始信号、第2状態開始信号及び第3状態開始信号の外部出力が行われるとともに、ボーナス状態、有利区間SC2及びART状態ST6の終了をデータカウンタDCにて把握可能とする第1状態終了信号、第2状態終了信号及び第3状態終了信号の外部出力が行われる構成としてもよい。上記第1の実施形態において図80を参照しながら既に説明したとおり、主側MPU72と外部端子板95とを電気的に接続する信号線として、第1状態中信号線159、第2状態中信号線161及び第3状態中信号線162が設けられている。第1状態開始信号の外部出力は上記各実施形態における第1状態中信号の立ち上げに代えて行われるとともに、第1状態終了信号の外部出力は上記各実施形態における第1状態中信号の立ち下げに代えて行われる。第1状態開始信号の外部出力では第1状態中信号線159に1パルスの信号出力が行われるとともに、第1状態終了信号の外部出力では第1状態中信号線159に2パルスの信号出力が行われる。1パルスの信号出力では、第1状態中信号線159より伝送される第1状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げ、当該HI状態を7.45ミリ秒に亘って維持した後にLOW状態に立ち下げる。2パルスの信号出力では、当該第1状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げ、当該HI状態を7.45ミリ秒に亘って維持した後にLOW状態に立ち下げる。そして、当該立ち下げから7.45ミリ秒後に、第1状態中信号をLOW状態からHI状態に立ち上げ、当該HI状態を7.45ミリ秒に亘って維持した後にLOW状態に立ち下げる。データカウンタDCでは、所定時間以内(例えば25ミリ秒以内)に第1状態中信号の立ち上がりを1回検出した場合にボーナス状態が開始されたことを把握するとともに、所定時間以内(例えば25ミリ秒以内)に第1状態中信号の立ち上がりを2回検出した場合にボーナス状態が終了したことを把握する。
第2状態開始信号の外部出力は上記各実施形態における第2状態中信号の立ち上げに代えて行われるとともに、第2状態終了信号の外部出力は上記各実施形態における第2状態中信号の立ち下げに代えて行われる。第2状態開始信号の外部出力では第2状態中信号線161に1パルスの信号出力が行われるとともに、第2状態終了信号の外部出力では第2状態中信号線161に2パルスの信号出力が行われる。データカウンタDCでは、所定時間以内(例えば25ミリ秒以内)に第2状態中信号の立ち上がりを1回検出した場合に有利区間SC2が開始されたことを把握するとともに、所定時間以内(例えば25ミリ秒以内)に第2状態中信号の立ち上がりを2回検出した場合に有利区間SC2が終了したことを把握する。第3状態開始信号の外部出力は上記各実施形態における第3状態中信号の立ち上げに代えて行われるとともに、第3状態終了信号の外部出力は上記各実施形態における第3状態中信号の立ち下げに代えて行われる。第3状態開始信号の外部出力では第3状態中信号線162に1パルスの信号出力が行われるとともに、第3状態終了信号の外部出力では第3状態中信号線162に2パルスの信号出力が行われる。データカウンタDCでは、所定時間以内(例えば25ミリ秒以内)に第3状態中信号の立ち上がりを1回検出した場合にART状態ST6が開始されたことを把握するとともに、所定時間以内(例えば25ミリ秒以内)に第3状態中信号の立ち上がりを2回検出した場合にART状態ST6が終了したことを把握する。
(37)上記第1〜第12の実施形態において状態中信号の立ち下げが状態中信号の立ち上げと同様にゲーム開始時に行われる構成としてもよい。具体的には、第2演算対象エリア111における第1〜第3立ち下げ準備フラグの少なくとも1つに「1」がセットされた場合、当該立ち下げ準備フラグに「1」がセットされたゲームが終了して次のゲームが開始されるタイミングにおいて当該立ち下げ準備フラグに対応する状態中信号の立ち下げが行われる。立ち下げ準備フラグに「1」がセットされたゲームにおいて払出信号の出力制御が行われる場合には、当該払出信号の出力制御が終了してから所定時間(具体的には500ミリ秒)が経過するまでゲームの終了が延期される。払出信号の出力制御が終了してから状態中信号の立ち下げが行われるまでに所定時間(具体的には500ミリ秒)を確保することにより、データカウンタDCにおいて遊技媒体の付与数を把握する処理が終了する前に主側MPU72にて状態中信号を立ち下げる処理が行われてしまうことを防止することができる。これにより、データカウンタDCにおいてボーナス状態における遊技媒体の付与数、有利区間SC2における遊技媒体の付与数、及びART状態ST6における遊技媒体の付与数を正確に把握可能とすることができる。
ゲームの開始時に1以上の状態中信号の立ち下げ又は立ち上げが行われた場合には、当該状態中信号の立ち下げ又は立ち上げが行われてから所定時間(具体的には500ミリ秒)の経過後に投入信号の出力制御が開始される。状態中信号の立ち下げ又は立ち上げが行われてから投入信号の出力制御が開始されるまでに所定時間(具体的には500ミリ秒)を確保することにより、データカウンタDCにおいて状態中信号の立ち下げ又は立ち上げを把握する処理が終了する前に主側MPU72にて投入信号の出力制御が開始されてしまうことを防止することができる。これにより、データカウンタDCにおいてボーナス状態における遊技媒体の投入数、有利区間SC2における遊技媒体の投入数、及びART状態ST6における遊技媒体の投入数を正確に把握可能とすることができる。
(38)上記各実施形態において、ゲームを開始するために必要な遊技媒体のベット数が「3」である状態の他に、ゲームを開始するために必要な遊技媒体のベット数が「2」又は「1」である状態が存在する構成としてもよく、ゲームを開始するために必要な遊技媒体のベット数が「4」以上である状態が存在する構成としてもよい。主側MPU72は、ゲームが開始される場合に当該ゲームにおける遊技媒体のベット数に対応する回数だけ投入信号をLOW状態からHI状態に立ち上げる。このため、ゲームを開始するために必要な遊技媒体のベット数が状態に応じて複数存在している構成においてもデータカウンタDCにて遊技媒体のベット数を把握可能とすることができる。
(39)ART状態ST6が終了した場合には、有利維持抽選処理(ART状態処理(図32)のステップS1007)が実行されることなく、常に有利区間SC2が終了する構成としてもよい。ART状態ST6が終了するタイミングと有利区間SC2が終了するタイミングとを揃えることにより、有利区間SC2が終了するタイミングを分かり易いタイミングとすることができる。これにより、有利区間SC2の終了時に示唆動作が行われるか否かに注目させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
(40)上記各実施形態において、有利維持当選となった場合には遊技区間が有利区間SC2である状態が維持されるとともに有利維持用の上限ゲーム数(例えば100ゲーム)が設定され、通常遊技状態ST1において当該有利維持用の上限ゲーム数が消化された場合にはART状態ST6への移行条件が満たされる構成としてもよい。具体的には、上記第1の実施形態において図32を参照しながら既に説明したとおり、ART状態ST6においてゲームが実行されて第2演算対象エリア111におけるARTゲーム数カウンタの値が1減算され(ステップS1002)、当該1減算後のARTゲーム数カウンタの値が「0」となった場合(ステップS1003:YES)、第2演算対象エリア111における第1エンディングフラグ及び第2エンディングフラグのいずれにも「1」がセットされていないこと(ステップS1006:NO)を条件として、有利維持抽選処理(ステップS1007)が実行される。本構成では、有利維持抽選処理(ステップS1007)にて有利維持当選となった場合、遊技状態は通常遊技状態ST1に移行する一方、遊技区間が有利区間SC2である状態が維持される。そして、第2演算対象エリア111に設けられた有利維持継続ゲーム数カウンタに有利維持用の上限ゲーム数である「100」がセットされる。有利維持継続ゲーム数カウンタの値は、通常遊技状態ST1においてゲームが実行される度に1減算され、当該1減算後の有利維持継続ゲーム数カウンタの値が「0」となった場合、すなわち通常遊技状態ST1においてART状態ST6への移行が発生することなく有利維持用の上限ゲーム数が消化された場合には、ART状態ST6への移行条件が成立して、ART状態ST6の前段階である準備状態ST5に移行する。このように、有利維持当選となった後、通常遊技状態ST1において当該有利維持用の上限ゲーム数が消化された場合にART状態ST6への移行条件が満たされる構成とすることにより、有利維持抽選に対する注目度を高め、遊技の興趣向上を図ることができる。
(41)上記各実施形態において、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rのうち1つのリールにおいて脱調が発生した場合に回転中の全てのリールについて停止制御及び再加速用の加速制御を行う構成に代えて、脱調が発生したリールのみについて停止制御及び再加速用の加速制御を行う構成としてもよい。本構成では、脱調発生時に回転中であったリールのうち脱調が発生していないリールの回転は継続されるが、脱調が発生したリールの停止制御及び再加速用の加速制御が終了して定速回転制御が開始されるまでは、全リール32L,32M,32Rについての停止操作が無効化される。これにより、脱調が発生したリールの停止制御が行われた場合に、当該停止制御が停止操作を契機として行われたものではないことを遊技者が把握し易いようにすることができる。
(42)上記各実施形態において、ボーナス状態の途中で有利区間SC2のエンディング条件が成立した場合に、ボーナス状態における遊技媒体の合計付与数に関わらずボーナス状態の終了条件が成立するまでボーナス状態が継続される構成としてもよい。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、BB状態ST3の終了条件はBB状態ST3が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がBB終了基準数(具体的には「350」)以上となることであるとともに、RB状態ST4の終了条件はRB状態ST4が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がRB終了基準数(具体的には「150」)以上となることである。ボーナス状態の途中で有利区間SC2のエンディング条件が満たされた場合、有利区間SC2は終了する。そして、当該有利区間SC2が終了したことに基づいて第1示唆動作用処理(図75)が実行される。これにより、ボーナス状態の途中で有利区間SC2が終了した場合にも当該有利区間SC2が終了したことに基づいて示唆操作が実行され得る状態とすることができる。
BB状態ST3の途中で有利区間SC2が終了した場合に当該有利区間SC2の終了後もBB状態ST3が継続される構成とすることにより、BB状態ST3が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がBB終了基準数(具体的には「350」)に満たない状態でBB状態ST3が終了してしまうことを防止することができる。また、RB状態ST4の途中で有利区間SC2が終了した場合に当該有利区間SC2の終了後もRB状態ST4が継続される構成とすることにより、RB状態ST4が開始されてから付与された遊技媒体の合計数がRB終了基準数(具体的には「150」)に満たない状態でRB状態ST4が終了してしまうことを防止することができる。
このように、ボーナス状態の途中で有利区間SC2のエンディング条件が成立した場合に、有利区間SC2のみを終了させてボーナス状態を継続させる構成とすることにより、有利区間SC2の終了時に示唆動作が実行され得る状態とすることができるとともに、ボーナス状態の終了条件が成立する前にボーナス状態が終了してしまうことを防止して、遊技者に付与される遊技媒体の数が減少してしまうことを防止することができる。
(43)上記各実施形態において、スロットマシン10が製造された後に実行されたゲーム数が初期基準ゲーム数(例えば「3000」)に満たない状態、及び非特定制御用のワークエリア102(第4の実施形態では非特定制御用のワークエリア182、第5の実施形態では非特定制御用のワークエリア202)が初期化された後に実行されたゲーム数が当該初期基準ゲーム数に満たない状態においては、比率表示器85における有利区間滞在比率の表示が初期表示の態様で行われる構成としてもよい。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、有利区間滞在比率の表示では、比率表示部87に表示されている値が有利区間滞在比率であることを示す識別子「7U.」が識別子表示部86に表示される。初期表示では、識別子表示部86にて当該識別子「7U.」の点滅表示が行われる。点滅表示では、識別子表示部86に識別子「7U.」が0.5秒間に亘って表示される点灯期間と、識別子表示部86が0.5秒間に亘って消灯状態となる消灯期間とが繰り返される。
出荷段階で行われるスロットマシン10の動作チェックでは、比率表示器85にて初期表示が行われるか否かを確認することにより、スロットマシン10が製造された後に実行されたゲーム数が初期基準ゲーム数(例えば「3000」)に満たない状態であるか否かを把握することができる。これにより、当該動作チェックにおいて比率表示器85に表示されている有利区間滞在比率を算出するために実行されたゲーム数が十分なゲーム数であるか否かを把握可能とすることができる。また、スロットマシン10が遊技ホールに設置された後は、比率表示器85にて初期表示が行われるか否かを確認することにより、非特定制御用のワークエリア102の初期化後に実行されたゲーム数が初期基準ゲーム数(例えば「3000」)に満たない状態であるか否かを把握することができる。これにより、遊技ホールの管理者は、比率表示器85に表示されている有利区間滞在比率を算出するために実行されたゲーム数が十分なゲーム数であるか否かを把握することができるとともに、有利区間滞在比率が設計段階で想定されている正常範囲から外れる異常が発生しているか否かを判断する際の参考にすることができる。
(44)上記各実施形態において、比率表示器85にてBB状態ST3の発生比率、RB状態ST4の発生比率、ART状態ST6の発生比率、及びこれら3つの発生比率の合計の表示が行われる構成としてもよい。具体的には、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア102には、BB移行回数カウンタ、RB移行回数カウンタ及びART移行回数カウンタが設けられている。BB移行回数カウンタは、BB状態ST3への移行が発生した回数を主側MPU72にて把握可能とするカウンタであり、RB移行回数カウンタは、RB状態ST4への移行が発生した回数を主側MPU72にて把握可能とするカウンタであり、ART移行回数カウンタはART状態ST6への移行が発生した回数を主側MPU72にて把握可能とするカウンタである。これらの移行回数カウンタは、1バイトからなり「255」を上限としてBB状態ST3、RB状態ST4及びART状態ST6の発生回数を計測することが可能である。また、非特定制御用のワークエリア102には、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、遊技状態及び遊技区間に関係なく消化されたゲーム数を計測するための合計ゲーム数カウンタと、有利区間SC2において実行された累計のゲーム数を主側MPU72にて把握可能とする有利ゲーム数カウンタとが設けられている。
主側MPU72は、BB状態ST3の発生比率を算出するための演算では、合計ゲーム数カウンタの値に対するBB移行回数カウンタの値の割合が算出される。当該演算では、演算結果=「BB移行回数カウンタの値」/「合計ゲーム数カウンタの値」となるように演算が実行される。RB状態ST4の発生比率を算出するための演算では、合計ゲーム数カウンタの値に対するRB移行回数カウンタの値の割合が算出される。当該演算では、演算結果=「RB移行回数カウンタの値」/「合計ゲーム数カウンタの値」となるように演算が実行される。ART状態ST6の発生比率を算出するための演算では、合計ゲーム数カウンタの値に対するART移行回数カウンタの値の割合が算出される。当該演算では、演算結果=「ART移行回数カウンタの値」/「合計ゲーム数カウンタの値」となるように演算が実行される。BB状態ST3、RB状態ST4及びART状態ST6の発生比率の合計値を算出するための演算では、合計ゲーム数カウンタの値に対する3つの移行回数カウンタの合計値の割合が算出される。当該演算では、演算結果=「BB移行回数カウンタの値+RB移行回数カウンタの値+ART移行回数カウンタの値」/「合計ゲーム数カウンタの値」となるように演算が実行される。
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、遊技履歴の管理結果の表示指示は、スロットマシン10の動作電力が供給されている状況において前面扉12が開放状態とされて電源装置54に設けられたリセットボタン56が3秒間以上に亘って継続して押圧操作された場合に発生する。遊技履歴の管理結果の表示指示が発生した場合、主側MPU72は、非特定制御用のワークエリア102における管理表示フラグに「1」をセットし、有利区間滞在比率の表示が行われるように比率表示器85の表示制御を実行する。比率表示器85の表示内容は、管理表示フラグに「1」がセットされている状態において左ストップボタン42の操作が検出された場合に切り換えられる。比率表示器85の表示内容は、有利区間滞在比率→BB状態ST3の発生比率→RB状態ST4の発生比率→ART状態ST6の発生比率→BB状態ST3、RB状態ST4及びART状態ST6の発生比率の順番で切り換えられ、比率表示器85にBB状態ST3、RB状態ST4及びART状態ST6の発生比率が表示されている状態において左ストップボタン42の操作が検出された場合に有利区間滞在比率に戻る。比率表示器85における滞在比率及び発生比率の表示は、スタートレバー41の操作が検出された場合に終了する。
有利区間滞在比率、BB状態ST3の発生比率、RB状態ST4の発生比率、ART状態ST6の発生比率、及びこれら3つの発生比率の合計値を演算するための処理及び当該演算結果の表示が行われるように比率表示器85の表示制御を実行するための処理は、管理実行処理(管理用処理(図37)のステップS1503)にて実行される。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、管理実行処理は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
このように、比率表示器85にて、有利区間滞在比率に加えて、BB状態ST3の発生比率、RB状態ST4の発生比率、ART状態ST6の発生比率、及びこれら3つの発生比率の合計値を確認可能とすることにより、比率表示器85の表示に基づいて、遊技ホールの管理者がスロットマシン10の詳細な遊技履歴を確認可能とすることができる。有利区間滞在比率、BB状態ST3の発生比率、RB状態ST4の発生比率、ART状態ST6の発生比率、及びこれら3つの発生比率の合計値を示す情報を非特定制御用のワークエリア102に記憶する構成であることにより、これらの情報を特定制御用のワークエリア103に記憶する構成と比較して、特定制御用のワークエリア103のデータ容量に余裕を持たせることができる。また、主側ROM73において管理実行処理を実行するためのプログラムが非特定制御用のプログラムに設定されている構成であることにより、管理実行処理を実行するためのプログラムが特定制御用のプログラムに設定されている構成と比較して、主側ROM73において特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを記憶しておくための記憶エリアのデータ容量に余裕を持たせることができる。
なお、比率表示器85において有利区間滞在比率、BB状態ST3の発生比率、RB状態ST4の発生比率、ART状態ST6の発生比率、及びこれら3つの発生比率のうち、一部の比率のみが視認可能となる構成としてもよい。
(45)有効ラインがメインラインMLの1本のみである構成に限定されることはなく、有効ラインが2本、3本又は4本以上である構成としてもよい。この場合、ベットされた遊技媒体の数が多いほど有効ラインの数が多くなる構成としてもよく、ベットされた遊技媒体の数とは無関係に最大数の有効ラインが設定される構成としてもよい。
(46)上記各実施形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(47)本発明を所謂Bタイプのスロットマシンに適用してもよく、またCタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲーム、CTゲーム又はATゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよい。また、遊技者に有利なボーナス状態が存在している構成としてもよい。
(48)各リール32L,32M,32Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報としての機能を有するものであればよい。
(49)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、遊技媒体として遊技球を利用して遊技が行われるパチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては理解の容易のため上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.各種処理を実行する制御手段(主制御装置70)と、
当該制御手段にて前記各種処理が実行される場合に情報が一時的に記憶される所定記憶手段(主側RAM74)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記各種処理のうち第1所定処理(特定制御用の処理)を実行する第1所定処理実行手段(第1〜第3,第6〜第13の実施形態では主側MPU72にて管理実行処理、バックアップ異常確認処理及び非特定制御用のクリア処理以外の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72にて管理実行処理、バックアップ異常確認処理、非特定制御用のクリア処理、チェックサム用処理及びチェックサム演算用処理以外の処理を実行する機能、第5の実施形態では主側MPU72にて管理実行処理、バックアップ異常確認処理、非特定制御用のクリア処理、チェックサム用処理、特定チェックサム演算用処理及び非特定チェックサム演算用処理以外の処理を実行する機能)と、
前記各種処理のうち第2所定処理(非特定制御用の処理)を実行する第2所定処理実行手段(第1〜第3,第6〜第13の実施形態では主側MPU72にて管理実行処理、バックアップ異常確認処理及び非特定制御用のクリア処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72にて管理実行処理、バックアップ異常確認処理、非特定制御用のクリア処理、チェックサム用処理及びチェックサム演算用処理を実行する機能、第5の実施形態では主側MPU72にて管理実行処理、バックアップ異常確認処理、非特定制御用のクリア処理、チェックサム用処理、特定チェックサム演算用処理及び非特定チェックサム演算用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定記憶手段は、
前記第1所定処理が実行されている状況において情報の書き込みが行われる一方、前記第2所定処理が実行されている状況において情報の書き込みが行われない第1対応記憶領域(特定制御用のスタックエリア101,181,201及び特定制御用のワークエリア103,183,203)と、
前記第2所定処理が実行されている状況において情報の書き込みが行われる一方、前記第1所定処理が実行されている状況において情報の書き込みが行われない第2対応記憶領域(非特定制御用のスタックエリア104,184,204及び非特定制御用のワークエリア102,182,202)と、
を備え、
動作電力の供給が開始された場合に実行される供給開始時の処理(メイン処理)が開始された場合には前記第1所定処理が実行される構成であり、
前記第2所定処理実行手段は、前記供給開始時の処理において前記第2所定処理として、前記所定記憶手段に情報異常が発生しているか否かを特定するための異常特定処理(バックアップ異常確認処理)を実行する異常特定実行手段(第1の実施形態における主側MPU72のステップS1901〜ステップS1912の処理を実行する機能、第2の実施形態における主側MPU72のステップS5301〜ステップS5312の処理を実行する機能、第4の実施形態における主側MPU72のステップS5801〜ステップS5807の処理を実行する機能、第5の実施形態における主側MPU72のステップS6201〜ステップS6211の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第1対応記憶領域には、第1所定処理が実行されている状況において情報の書き込みが行われる一方、第2所定処理が実行されている状況において情報の書き込みが行われない。このため、第2処理が実行されている状況において第1対応記憶領域に記憶されている情報が誤って消去されてしまわないようにすることができる。また、第2対応記憶領域には、第2所定処理が実行されている状況において情報の書き込みが行われる一方、第1所定処理が実行されている状況において情報の書き込みが行われない。このため、第1処理が実行されている状況において第2対応記憶領域に記憶されている情報が誤って消去されてしまわないようにすることができる。
動作電力の供給が開始された場合に実行される供給開始時の処理において異常特定処理が実行される構成であることにより、動作電力の供給開始時に所定記憶手段に情報異常が発生しているか否かを把握可能とすることができる。このため、所定記憶手段に情報異常が発生している状態であることが特定された場合に、当該状態のまま遊技が進行されてしまうことを防止するための処理を実行可能とすることができる。
供給開始時の処理が開始された場合には第1所定処理が実行される構成において、当該供給開始時の処理において実行される異常特定処理は第2所定処理として実行される。このため、異常特定処理が第1所定処理として実行される構成と比較して、第1所定処理を実行するためのプログラム及び第1所定処理を実行するためのデータを低減することができる。
特徴A2.前記所定記憶手段は、前記第1所定処理を実行している状況から前記第2所定処理を実行する状況となる場合に前記第1所定処理を実行するために利用される所定退避対応情報(主側MPU72のフラグレジスタの情報及び復電用処理に復帰するための戻り番地の情報)が退避される所定退避領域(第1〜第3の実施形態における先頭エリア108、第4の実施形態における先頭エリア188、第5の実施形態における先頭エリア208)を備え、
前記異常特定実行手段は、前記異常特定処理として、前記所定記憶手段において前記所定退避領域を含まない特定対象領域(第1〜第4の実施形態ではチェックサムの演算対象範囲、第5の実施形態では特定チェックサムの演算対象範囲及び非特定チェックサムの演算対象範囲)の情報の内容が前回の動作電力の供給停止時における内容から変化しているか否かを特定し、当該内容が変化している場合に前記情報異常が発生していると特定することを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、異常特定処理では特定対象領域の情報の内容が前回の動作電力の供給停止時における内容から変化しているか否かを特定し、当該内容が変化している場合に情報異常が発生していると特定する。このため、特定対象領域の情報の内容が前回の動作電力の供給停止時における内容から変化している状態となった場合に、当該状態のまま遊技が進行されてしまうことを防止可能とすることができる。
所定退避対応情報が退避される所定退避領域は、所定記憶手段において当該特定対象領域から除外されている。また、上記特徴A1の構成を備え、動作電力の供給が開始された場合に実行される供給開始時の処理が開始された場合には第1所定処理が実行される。このため、第1所定処理を実行している状況にて、特定対象領域の情報の内容が変化してしまうことを防止しながら、所定退避対応情報を所定退避領域に退避させることができる。
特徴A3.前記所定退避領域は、前記所定記憶手段における先頭アドレス(主側RAM74におけるY(1)のアドレス)の記憶領域として設定されている、又は当該先頭アドレスを含むように当該先頭アドレスから連続する所定範囲のアドレス(主側RAM74におけるY(1)〜Y(3)のアドレス)の記憶領域として設定されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、所定記憶手段において所定退避対応情報を退避させる領域として所定退避領域を指定する場合におけるアドレス指定を容易なものとすることができる。また、所定記憶手段において、特定対象領域が当該所定退避領域よりも所定記憶手段の先頭アドレス側と当該所定記憶手段の最終アドレス側とに分散してしまうことを防止することができる。これにより、特定対象領域のアドレス範囲を指定するための処理構成を簡素化することができる。
特徴A4.前記特定対象領域は、前記所定記憶手段において前記所定退避領域の最終アドレスに対して次のアドレスから連続する特定範囲のアドレス(第1及び第4の実施形態ではY(4)〜Y(t+1)のアドレス、第2の実施形態ではY(4)〜Y(t+3)のアドレス、第5の実施形態ではY(4)〜Y(s+1)のアドレス)の記憶領域として設定されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、所定記憶手段において、特定対象領域が連続する特定範囲のアドレスの記憶領域として設定されていることにより、特定対象領域のアドレス範囲を指定するための処理構成を簡素化することができる。また、特定対象領域の開始アドレスが所定退避領域の最終アドレスに対して次のアドレスに設定されている。このため、所定記憶手段において、異常特定処理にて情報異常が発生しているか否かが特定される対象となる特定対象領域を広く確保することができる。これにより、所定記憶手段に記憶されている情報に異常が発生した場合に当該異常が特定可能となる可能性を高めることができる。
特徴A5.前記所定記憶手段は、前記異常特定処理が実行される場合に情報が記憶される特定記憶領域(非特定制御用のスタックエリア104,184,204、第1の実施形態におけるチェックサム用エリア114、第4の実施形態におけるチェックサム用エリア193、第5の実施形態における特定チェックサム用エリア213及び非特定チェックサム用エリア214)を備え、
前記特定対象領域には、前記特定記憶領域が含まれていないことを特徴とする特徴A2乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、異常特定処理にて情報異常が発生しているか否かが特定される対象となる特定対象領域の情報の内容が変更されてしまうことを防止しながら、異常特定処理を実行する場合に情報を特定記憶領域に記憶させることができる。
特徴A6.前記異常特定実行手段は、前記異常特定処理として、前記所定記憶手段における特定対象領域(第1〜第4の実施形態ではチェックサムの演算対象範囲、第5の実施形態では特定チェックサムの演算対象範囲及び非特定チェックサムの演算対象範囲)の情報の内容が前回の動作電力の供給停止時における内容から変化しているか否かを特定し、当該内容が変化している場合に前記情報異常が発生していると特定するものであり、
前記特定対象領域には、前記第1対応記憶領域の少なくとも一部が含まれており、前記第2対応記憶領域の少なくとも一部が含まれていることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、第1対応記憶領域の少なくとも一部が特定対象領域に含まれている構成であることにより、第1対応記憶領域において特定対象領域に含まれている領域の情報の内容が前回の動作電力の供給停止時における内容から変化している場合に情報異常が発生していると特定することができる。また、第2対応記憶領域の少なくとも一部が特定対象領域に含まれている構成であることにより、第2対応記憶領域において特定対象領域に含まれている領域の情報の内容が前回の動作電力の供給停止時における内容から変化している場合に情報異常が発生していると特定することができる。
特徴A7.前記異常特定実行手段は、前記特定対象領域のうち前記第1対応記憶領域に対応する領域の前記情報異常と前記特定対象領域のうち前記第2対応記憶領域に対応する領域の前記情報異常とを区別することなく、前記特定対象領域に前記情報異常が発生しているか否かを特定することを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、特定対象領域に情報異常が発生しているか否かを特定する処理を実行することにより、第1対応記憶領域に対応する領域の情報異常が発生した場合及び第2対応記憶領域に対応する領域の情報異常が発生した場合のいずれにおいても、情報異常の発生を特定することができる。このため、第1対応記憶領域に対応する領域の情報異常が発生したか否か及び第2対応記憶領域に対応する領域の情報異常が発生したか否かを特定するための処理構成を簡素化することができる。
特徴A8.前記第1所定処理実行手段は、前記異常特定実行手段により前記情報異常が発生していることが特定されたことに基づいて、前記第1対応記憶領域に対して情報の初期化処理を実行する手段(第1〜第4の実施形態における主側MPU72のステップS2001〜ステップS2004の処理を実行する機能)を備え、
前記第2所定処理実行手段は、前記異常特定実行手段により前記情報異常が発生していることが特定されたことに基づいて、前記第2対応記憶領域に対して情報の初期化処理を実行する手段(第1〜第4の実施形態における主側MPU72のステップS2101〜ステップS2109の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、異常特定実行手段により情報異常が発生していることが特定された場合に、第1対応記憶領域に対して情報の初期化処理を実行することができる。このため、当該第1対応記憶領域の情報異常が発生していた場合には、当該初期化処理により当該情報異常が発生している状態を解消することができる。また、異常特定実行手段により情報異常が発生していることが特定された場合に、第2対応記憶領域に対して情報の初期化処理を実行することができる。このため、当該第2対応記憶領域の情報異常が発生していた場合には、当該初期化処理により当該情報異常が発生している状態を解消することができる。
特徴A9.前記異常特定実行手段は、前記特定対象領域のうち前記第1対応記憶領域に対応する領域の前記情報異常と前記特定対象領域のうち前記第2対応記憶領域に対応する領域の前記情報異常とを区別して、前記特定対象領域に前記情報異常が発生しているか否かを特定することを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A9によれば、特定対象領域のうち第1対応記憶領域に対応する領域の情報異常が発生しているとともに第2対応記憶領域に対応する領域の情報異常が発生していない状態となった場合に、第1対応記憶領域に対応する領域のみの情報異常が発生していることを特定可能とすることができる。また、特定対象領域のうち第2対応記憶領域に対応する領域の情報異常が発生しているとともに第1対応記憶領域に対応する領域の情報異常が発生していない状態となった場合に、第2対応記憶領域に対応する領域のみの情報異常が発生していることを特定可能とすることができる。特定対象領域のうち情報異常が発生している領域と情報異常が発生していない領域とを区別して把握可能であることにより、各領域の状態に合わせた対応を可能とすることができる。
特徴A10.前記第1所定処理実行手段は、前記異常特定実行手段により前記特定対象領域のうち前記第1対応記憶領域に対応する領域に前記情報異常が発生していることが特定されたことに基づいて、前記第1対応記憶領域に対して情報の初期化処理を実行する手段(第5の実施形態における主側MPU72のステップS2001〜ステップS2004の処理を実行する機能)を備え、
前記第2所定処理実行手段は、前記異常特定実行手段により前記特定対象領域のうち前記第2対応記憶領域に対応する領域に前記情報異常が発生していることが特定されたことに基づいて、前記第2対応記憶領域に対して情報の初期化処理を実行する手段(第5の実施形態における主側MPU72のステップS6209の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、特定対象領域のうち第1対応記憶領域に対応する領域に情報異常が発生しているとともに第2対応記憶領域に対応する領域には情報異常が発生していない状態となった場合、第1対応記憶領域に対して情報の初期化処理を実行することにより当該情報異常が発生している状態を解消することができる。当該場合において、情報異常が発生していない第2対応記憶領域に対応する領域に対しては情報の初期化処理を実行しない構成とすることにより、第2対応記憶領域に記憶されている情報を保持しながら、第1対応記憶領域に情報異常が発生している状態を解消可能とすることができる。
特定対象領域のうち第2対応記憶領域に対応する領域に情報異常が発生しているとともに第1対応記憶領域に対応する領域には情報異常が発生していない状態となった場合、第2対応記憶領域に対して情報の初期化処理を実行することにより当該情報異常が発生している状態を解消することができる。当該場合において、情報異常が発生していない第1対応記憶領域に対応する領域に対しては情報の初期化処理を実行しない構成とすることにより、第1対応記憶領域に記憶されている情報を保持しながら、第2対応記憶領域に情報異常が発生している状態を解消可能とすることができる。
特徴A11.動作電力の供給が停止される場合に前記所定記憶手段における特定対象領域(第1〜第3の実施形態におけるチェックサムの演算対象範囲)の情報に対応する参照用情報(第1及び第3の実施形態ではチェックサム、第2の実施形態ではチェックサムの2の補数)を算出し、その算出した参照用情報を前記所定記憶手段に記憶させる参照用処理(主側MPU72のステップS1704〜ステップS1711の処理、主側MPU72のステップS5204〜ステップS5212の処理)を実行する参照記憶実行手段(第1及び第3の実施形態における主側MPU72のステップS1704〜ステップS1711の処理を実行する機能、第2の実施形態における主側MPU72のステップS5204〜ステップS5212の処理を実行する機能)を備え、
前記異常特定実行手段は、前記異常特定処理として、前記参照用情報を利用することにより、前記特定対象領域の情報の内容が前回の動作電力の供給停止時における内容から変化しているか否かを特定し、当該内容が変化している場合に前記情報異常が発生していると特定するものであり、
前記第1所定処理実行手段は、動作電力の供給が停止されることを特定した場合に停電時用処理(停電時処理)を実行する手段(第1及び第3の実施形態における主側MPU72のステップS1701〜ステップS1712の処理を実行する機能、第2の実施形態における主側MPU72のステップS5201〜ステップS5213の処理を実行する機能)を備え、
前記参照用処理は、前記停電時用処理において前記第1所定処理として実行されることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、動作電力の供給が停止される場合に特定対象領域の情報に対応する参照用情報が算出され、その算出された参照用情報が所定記憶手段に記憶される。このため、供給開始時の処理において実行される異常特定処理において当該参照用情報を利用可能とすることができる。これにより、異常特定処理において所定記憶手段に情報異常が発生しているか否かを特定するための処理を容易なものとすることができる。
異常特定処理では特定対象領域の情報の内容が前回の動作電力の供給停止時における内容から変化しているか否かを特定し、当該内容が変化している場合に情報異常が発生していると特定する。このため、特定対象領域の情報の内容が前回の動作電力の供給停止時における内容から変化している状態となった場合に、当該状態のまま遊技が進行されてしまうことを防止可能とすることができる。
第1所定処理を実行する第1所定処理実行手段は、動作電力の供給が停止されることを特定した場合に停電時用処理を実行する。また、停電時用処理では、第1所定処理として参照用処理が実行される。このため、動作電力の供給が停止されることを特定するための処理、停電時用処理及び当該停電時用処理における参照用処理を第1所定処理に集約させることができる。これにより、動作電力の供給が停止されることを特定してから参照用処理を実行するまでの処理が第1所定処理及び第2所定処理に分散している構成と比較して、動作電力の供給が停止されることを特定してから参照用処理を実行するまでの処理構成を簡素化することができるとともに、動作電力の供給が停止されることを特定してから参照用処理を実行するまでの処理を迅速に実行可能とすることができる。
特徴A12.動作電力の供給が停止される場合に前記所定記憶手段における特定対象領域(第4の実施形態ではチェックサムの演算対象範囲、第5の実施形態では特定チェックサムの演算対象範囲及び非特定チェックサムの演算対象範囲)の情報に対応する参照用情報(第4の実施形態ではチェックサム、第5の実施形態では特定チェックサム及び非特定チェックサム)を算出し、その算出した参照用情報を前記所定記憶手段に記憶させる参照用処理(主側MPU72のステップS5504の処理、主側MPU72のステップS5601〜ステップS5603の処理、主側MPU72のステップS5701〜ステップS5707の処理、主側MPU72のステップS5901〜ステップS5905の処理、主側MPU72のステップS6001〜ステップS6007の処理、主側MPU72のステップS6101〜ステップS6107の処理)を実行する参照記憶実行手段(第4の実施形態における主側MPU72のステップS5504の処理を実行する機能、主側MPU72のステップS5601〜ステップS5603の処理を実行する機能、主側MPU72のステップS5701〜ステップS5707の処理を実行する機能、第5の実施形態における主側MPU72のステップS5901〜ステップS5905の処理を実行する機能、主側MPU72のステップS6001〜ステップS6007の処理を実行する機能、主側MPU72のステップS6101〜ステップS6107の処理を実行する機能)を備え、
前記異常特定実行手段は、前記異常特定処理として、前記参照用情報を利用することにより、前記特定対象領域の情報の内容が前回の動作電力の供給停止時における内容から変化しているか否かを特定し、当該内容が変化している場合に前記情報異常が発生していると特定するものであり、
前記参照用処理は、前記第2所定処理として実行されることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、動作電力の供給が停止される場合に特定対象領域の情報に対応する参照用情報が算出され、その算出された参照用情報が所定記憶手段に記憶される。このため、供給開始時の処理において実行される異常特定処理において当該参照用情報を利用可能とすることができる。これにより、異常特定処理において所定記憶手段に情報異常が発生しているか否かを特定するための処理を容易なものとすることができる。
異常特定処理では特定対象領域の情報の内容が前回の動作電力の供給停止時における内容から変化しているか否かを特定し、当該内容が変化している場合に情報異常が発生していると特定する。このため、特定対象領域の情報の内容が前回の動作電力の供給停止時における内容から変化している状態となった場合に、当該状態のまま遊技が進行されてしまうことを防止可能とすることができる。
参照用処理は第2所定処理として実行される。このため、参照用処理が第1所定処理として実行される場合と比較して、第1所定処理を実行するためのプログラム及び第1所定処理を実行するためのデータを低減することができる。上記特徴A1の構成を備え、供給開始時の処理において異常特定処理が第2所定処理として実行される構成において、参照用処理も第2所定処理として実行される。このため、異常特定処理を実行するためのプログラム及びデータの一部を利用して参照用処理の一部を実行可能とすることができる。これにより、異常特定処理及び参照用処理を実行するためのプログラム及びデータを低減することができる。
なお、特徴A1〜A12の構成に対して、特徴A1〜A12、特徴B1〜B6、特徴C1〜C6、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、処理が好適に行われる必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段(主側MPU72における設定値更新処理を実行する機能)と、
前記使用対象となる設定値を報知するための設定値報知(第1〜第9及び第11〜第13の実施形態のクレジット表示部65における設定確認表示、第10の実施形態の比率表示器85における設定確認表示)が実行されるようにする設定値報知手段(主側MPU72における設定確認用処理を実行する機能)と、
ベットされた遊技価値(メダル及び仮想メダル)の数の情報を記憶するベット情報記憶手段(ベット数カウンタ125、主側MPU72におけるステップS2201〜ステップS2204及びステップS2207〜ステップS2211の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2301〜ステップS2305及びステップS2307〜ステップS2313の処理を実行する機能)と、
貯留記憶された前記遊技価値の数の情報を記憶する貯留記憶手段(第2演算対象エリア111におけるクレジットカウンタ、主側MPU72におけるステップS2311の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS4906〜ステップS4908及びステップS4910の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記設定値報知手段は、前記ベット情報記憶手段に記憶されている情報が規制対象情報(第1〜第5及び第7〜第13の実施形態では1以上の数値情報)である場合には前記設定値報知が実行されないようにする、又は前記ベット情報記憶手段に記憶されている情報が第1規制対象情報(第6の実施形態ではベット上限数である「3」以上の数値情報)であって前記貯留記憶手段に記憶されている情報が第2規制対象情報(第6の実施形態では上限貯留記憶数である「50」以上の数値情報)である場合には前記設定値報知が実行されないようにする規制手段を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、設定値報知を実行させることにより遊技ホールの管理者が現状における遊技機の設定値を確認可能とすることができる。ベット情報記憶手段に記憶されている情報が規制対象情報である場合には設定値報知が実行されないようにすることにより、設定値報知の終了時にベット情報記憶手段に記憶されている情報が規制対象情報である状態となることを防止することができる。また、ベット情報記憶手段に記憶されている情報が第1規制対象情報であって貯留記憶手段に記憶されている情報が第2規制対象情報である場合には設定値報知が実行されないようにすることにより、設定値報知の終了時にベット情報記憶手段に記憶されている情報が第1規制対象情報であって貯留記憶手段に記憶されている情報が第2規制対象情報である状態となることを防止することができる。
特徴B2.前記規制手段は、前記ベット情報記憶手段に記憶されている情報が、前記規制対象情報である1以上のベット数の情報である場合、前記設定値報知が実行されないようにすることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、ベットされた遊技価値の数が1以上である状態において設定値報知が終了することを防止することができる。また、ベットされた遊技価値の数が1以上である状態において、遊技ホールの管理者以外の者によって設定値報知が実行されて設定値が不正に確認されてしまうことを防止することができる。
特徴B3.前記規制手段は、前記ベット情報記憶手段に記憶されている情報が、前記規制対象情報である最大ベット数の情報(ベット上限数である「3」の数値情報)である場合、前記設定値報知が実行されないようにすることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B3によれば、ベットされた遊技価値の数が最大ベット数である状態において設定値報知が終了することを防止することができる。また、ベットされた遊技価値の数が最大ベット数である状態において、遊技ホールの管理者以外の者によって設定値報知が実行されて設定値が不正に確認されてしまうことを防止することができる。
特徴B4.前記規制手段は、前記ベット情報記憶手段に記憶されている情報が、前記第1規制対象情報である最大ベット数の情報(ベット上限数である「3」の数値情報)であって、前記貯留記憶手段に記憶されている情報が、前記第2規制対象情報である上限貯留数の情報(上限貯留記憶数である「50」の数値情報)である場合、前記設定値報知が実行されないようにすることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、ベットされた遊技価値の数が最大ベット数であって、貯留記憶された遊技価値の数が上限貯留数である状態において設定値報知が終了することを防止することができる。また、ベットされた遊技価値の数が最大ベット数であって、貯留記憶された遊技価値の数が上限貯留数である状態において、遊技ホールの管理者以外の者によって設定値報知が実行されて設定値が不正に確認されてしまうことを防止することができる。
特徴B5.前記設定値報知が開始される場合に前記遊技価値の受け入れを不可とする手段(第1〜第5,第8,第9及び第11〜第13の実施形態における主側MPU72のステップS2807の処理を実行する機能、第6の実施形態における主側MPU72のステップS6308の処理を実行する機能、第7の実施形態における主側MPU72のステップS6408の処理を実行する機能、第10の実施形態における主側MPU72のステップS6707の処理を実行する機能)と、
前記設定値報知が終了された場合に前記遊技価値の受け入れを許可する手段(第1〜第5,第8,第9及び第11〜第13の実施形態における主側MPU72のステップS2817の処理を実行する機能、第6の実施形態における主側MPU72のステップS6318の処理を実行する機能、第7の実施形態における主側MPU72のステップS6421の処理を実行する機能、第10の実施形態における主側MPU72のステップS6714の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、設定値報知が開始される場合に遊技価値の受け入れを不可とすることにより、当該設定値報知の実行中にベット情報記憶手段に記憶されている情報が規制対象情報である状態になってしまうこと、又はベット情報記憶手段に記憶されている情報が第1規制対象情報であって貯留記憶手段に記憶されている情報が第2規制対象情報である状態になってしまうことを防止することができる。このため、設定値報知を終了する場合に遊技価値の受け入れを許可できる状態であるか否かを判定する処理を省略して、遊技価値の受け入れを許可することができる。これにより、設定値報知の終了時に遊技価値の受け入れを許可するための処理構成を簡素化することができる。
特徴B6.前記規制手段は、ゲームが実行されている場合には前記設定値報知が実行されないようにすることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、ゲームが実行されている場合に設定値報知が実行されることを防止することにより、設定値報知が実行されている状態においてゲームが終了することを防止することができる。設定値報知が実行されている状態においてゲームが終了すると、当該ゲームの終了時にベット情報記憶手段の情報及び貯留記憶手段の一方又は両方に記憶されている遊技価値の数の情報が増加してしまう可能性がある。これに対して、設定値報知が実行されている状態においてゲームが終了することを防止することにより、設定値報知が実行されている状態においてベット情報記憶手段の情報及び貯留記憶手段に記憶されている遊技価値の数の情報が増加してしまうことを防止することができる。また、ゲームが実行されている状態において、遊技ホールの管理者以外の者によって設定値報知が実行されて設定値が不正に確認されてしまうことを防止することができる。
なお、特徴B1〜B6の構成に対して、特徴A1〜A12、特徴B1〜B6、特徴C1〜C6、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴B群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技機の有利度を決定付ける設定値を報知するための処理が好適に実行される必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴C群>
特徴C1.各種処理を実行する制御手段(主制御装置70)と、
当該制御手段から受信する情報に基づいて報知が実行されるようにする報知制御手段(演出側MPU92)と、
遊技価値(メダル及び仮想メダル)をベットするために操作されるベット操作手段(クレジット投入ボタン47)と、
を備え、
前記制御手段は、
ベットされている前記遊技価値の数であるベット数の情報を記憶するベット数記憶手段(ベット数カウンタ125、主側MPU72におけるステップS2201〜ステップS2204及びステップS2207〜ステップS2211の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2307〜ステップS2313の処理を実行する機能)と、
前記ベット操作手段の操作が行われたことに基づいて、前記ベット数が増加するように前記ベット数記憶手段の情報を更新するベット数更新手段(主側MPU72におけるステップS2301〜ステップS2305の処理を実行する機能)と、
前記ベット数が増加するように前記ベット数更新手段により前記ベット数記憶手段の情報が更新された場合に、それに対応する送信情報(第1〜第3ベットコマンド)を送信するベット数情報送信手段(主側MPU72におけるステップS2401〜ステップS2405の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記報知制御手段は、前記送信情報に対応するベット数報知(スピーカ62における第1〜第3ベット報知音の出力)が実行されるようにするベット数報知実行手段(演出側MPU92におけるステップS2501〜ステップS2518の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS2601〜ステップS2616の処理を実行する機能、演出側MPU92におけるステップS2701〜ステップS2718の処理を実行する機能)を備え、
前記ベット数情報送信手段は、前記ベット操作手段が操作されたことに基づき前記ベット数が複数分増加するように前記ベット数更新手段により前記ベット数記憶手段の情報が更新された場合、それに対応する情報が設定された前記送信情報を送信することを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、ベット操作手段が操作されたことに基づきベット数が複数分増加するようにベット数記憶手段の情報が更新された場合には、それに対応する情報が設定された送信情報が送信され、当該送信情報に対応するベット数報知が実行される。これにより、ベット操作手段が操作されたことに基づいてベット数が複数分増加したことを遊技者に報知することができる。また、ベット数が複数分増加するようにベット数記憶手段の情報が更新された場合に複数個の送信情報が送信される構成と比較して、送信情報を送信するための構成を簡素化することができるとともに、受信した送信情報に対応するベット数報知を実行するための構成を簡素化することができる。
特徴C2.前記ベット数情報送信手段は、前記ベット操作手段が操作されたことに基づき前記ベット数が増加するように前記ベット数更新手段により前記ベット数記憶手段の情報が更新された場合、当該更新後における前記ベット数の情報が設定された前記送信情報を送信することを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、更新前におけるベット数の情報及び更新後におけるベット数の情報が設定された送信情報を送信する構成と比較して、送信情報を送信するための処理構成を簡素化することができる。
特徴C3.前記ベット数報知実行手段は、前記送信情報を受信したことに基づいて、前記ベット数の増加分に対応する前記ベット数報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、ベット数の増加分の数を遊技者に報知することができる。上記特徴C1の構成を備え、ベット操作手段が操作されたことに基づきベット数が複数分増加するようにベット数記憶手段の情報が更新された場合には、それに対応する情報が設定された送信情報が送信される構成であるため、ベット操作手段が操作されたことに基づきベット数が複数分増加するようにベット数記憶手段の情報が更新された場合においても送信される送信情報の数が増加することを防止しながら、ベット数の増加分の数を遊技者に報知することができる。
特徴C4.前記報知制御手段は、前記ベット数報知実行手段による前記ベット数報知の実行が完了した前記ベット数の情報を記憶する報知済み記憶手段(第1音設定済みフラグ127及び第2音設定済みフラグ128)を備え、
前記ベット数報知実行手段は、前記送信情報を受信した場合に、その受信した送信情報に設定されている情報及び前記報知済み記憶手段に記憶されている情報に基づき、前記ベット数の増加分に対応する前記ベット数報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、報知済み記憶手段に記憶されている情報に基づいてベット数報知の実行が完了したベット数の情報を報知制御手段にて把握可能とすることができる。このため、ベット操作手段が操作されたことに基づきベット数が増加するようにベット数記憶手段の情報が更新された場合に、当該更新後におけるベット数の情報が設定された送信情報を送信する構成としながら、更新前におけるベット数及び更新後におけるベット数に対応する態様で、ベット数の増加分に対応するベット数報知が実行されるようにすることができる。これにより、更新前におけるベット数及び更新後におけるベット数を遊技者に報知することができる。
特徴C5.前記制御手段は、
精算操作(精算ボタン51の操作)が実行されたことに基づいて、前記ベット数が「0」となるように前記ベット数記憶手段の情報を更新する手段(主側MPU72におけるステップS2208〜ステップS2211及びステップS2215の処理を実行する機能)と、
前記精算操作が実行されたことに基づいて、精算対応送信情報を送信する手段(主側MPU72におけるステップS2212の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記報知制御手段は、前記精算対応送信情報を受信したことに基づいて、前記ベット数報知の実行が完了した前記ベット数が存在していないことに対応する情報となるように前記報知済み記憶手段の情報を更新する手段(演出側MPU92におけるステップS2714及びステップS2718の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、ベット数が「1」以上である状態において精算操作が実行されるとともに当該精算操作の実行後にベット数が増加するようにベット数記憶手段の情報が更新された場合に、それに対応するベット数報知が実行されるようにすることができる。これにより、精算操作の実行後にベット数記憶手段の情報とベット数報知との対応関係がずれてしまうことを防止することができる。
特徴C6.前記報知制御手段は、前記ベット数の増加分の数と同数の報知音の出力を可能とする報知音情報(第1〜第3ベット報知音テーブル)を記憶する報知音情報記憶手段(音テーブル記憶エリア121)を備え、
前記ベット数報知実行手段は、前記送信情報を受信した場合、当該送信情報に設定されている情報に対応する前記ベット数の増加分の数と同数の前記報知音情報を前記報知音情報記憶手段から読み出し、前記ベット数報知として、その読み出した報知音情報に基づき前記ベット数の増加分に対応する数の報知音が出力されるようにすることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C6によれば、ベット数の増加分に対応する数の報知音が出力されるようにすることにより、ベット数の増加分を遊技者に分かり易く報知することができる。また、ベット数報知実行手段は、ベット数の増加分の数と同数の報知音情報を報知音情報記憶手段から読み出し、その読み出した報知音情報に基づきベット数の増加分に対応する数の報知音が出力されるようにするため、ベット数の増加分の数と同数の報知音が出力されるようにするための情報が1つの報知音情報にまとめられているとともに当該報知音情報がベット数の増加分の種類の数だけ予め記憶されている構成と比較して、報知音を出力するために予め記憶しておく報知音情報のデータ容量を低減することができる。
なお、特徴C1〜C6の構成に対して、特徴A1〜A12、特徴B1〜B6、特徴C1〜C6、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴C群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、ベット数を報知するための処理が好適に実行される必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴D群>
特徴D1.各ゲームにおいて絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リール32L,32M,32R)と、
前記絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42〜44)と、
当該停止操作手段の操作態様が報知される操作態様報知(兼用表示部66における停止順対応表示)が実行されるようにする操作態様報知制御手段(主側MPU72におけるステップS2901〜ステップS2910の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3401〜ステップS3417の処理を実行する機能)と、
を備え、
当該操作態様報知制御手段は、
第1状況(第1の実施形態ではスタートレバー41を操作することによりゲームを開始可能な状況)において前記操作態様報知の実行対象となる前記ゲームが実行された場合に、当該ゲームの第1タイミング(第1の実施形態ではストップボタン42〜44の操作が有効となるタイミング)で前記操作態様報知が実行されるようにする第1操作態様報知制御手段(主側MPU72におけるステップS3401及びステップS3405〜ステップS3417の処理を実行する機能)と、
第2状況(第1の実施形態ではリール32L,32M,32Rの回転中に停電が発生した後に電源復帰が行われた状況)において前記操作態様報知の実行対象となる前記ゲームが実行された場合に、当該ゲームの第2タイミング(停電発生時に回転中であったリール32L,32M,32Rの回転が再開されるタイミング)で前記操作態様報知が実行されるようにする第2操作態様報知制御手段(主側MPU72におけるステップS1811及びステップS1812の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3401〜ステップS3404及びステップS3407〜ステップS3417の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、操作態様報知を実行することにより遊技者に停止操作手段の操作態様を報知することができる。第1状況において操作態様報知の実行対象となるゲームが実行された場合には当該ゲームの第1タイミングで操作態様報知が実行される構成において、第2状況において操作態様報知の実行対象となるゲームが実行された場合には当該ゲームの第2タイミングで操作態様報知が実行される。これにより、操作態様報知の実行対象となるゲームが実行される状況に対応させて、適切なタイミングで操作態様報知を実行することができる。
特徴D2.前記第1タイミング及び前記第2タイミングのうち一方は、前記ゲームが開始された後のタイミングから前記停止操作手段の操作が有効化されたタイミングまでの所定のタイミングであり、
前記第1タイミング及び前記第2タイミングのうち他方は、前記所定のタイミングよりも前のタイミングであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、ゲームが開始された後のタイミングから停止操作手段の操作が有効化されたタイミングまでの所定のタイミングで操作態様報知を実行することにより、遊技者が停止操作手段を操作した後に操作態様報知が実行されてしまうことを防止することができるとともに、停止操作手段の操作態様が報知された状態で遊技者による停止操作手段の操作が行われるようにすることができる。また、所定のタイミングよりも前のタイミングで操作態様報知を実行することにより、操作態様報知の実行対象となるゲームが実行される状況に対応させて、遊技者が停止操作手段の操作態様を確認可能な状態を早期に作り出すことができる。
特徴D3.前記第1タイミング及び前記第2タイミングのうち一方は、前記ゲームが開始された後において前記停止操作手段の操作が有効化されたタイミング(第2演算対象エリア111における加速終了フラグに「1」がセットされてから最初に主側MPU72において停止順対応表示開始処理が実行されるタイミング)であり、
前記第1タイミング及び前記第2タイミングのうち他方は、前記ゲームが開始されたタイミング(第2演算対象エリア111における表示再開フラグに「1」がセットされてから最初に主側MPU72において停止順対応表示開始処理が実行されるタイミング)であることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、ゲームが開始された後において停止操作手段の操作が有効化されるまでは停止操作態様報知が実行されない構成とすることにより、操作態様報知を確認した遊技者が操作手段の操作が有効化される前に停止操作手段を操作してしまうことを防止することができる。停止操作手段の操作が有効化されたタイミングで操作態様報知を実行することにより、停止操作手段の操作態様が報知された状態で遊技者による停止操作手段の操作が行われるようにすることができる。また、操作態様報知の実行対象となるゲームが実行される状況に対応させて、ゲームが開始されたタイミングで操作態様報知が実行されるようにすることにより、遊技者が停止操作手段の操作態様を確認可能な状態を早期に作り出すことができる。
特徴D4.前記第1状況は、前記絵柄の変動表示が実行されている途中で動作電力の供給が停止されたことに対応する情報(表示再開フラグにおける「1」の情報)が記憶手段(第2演算対象エリア111)に記憶されていない状況であり、
前記第2状況は、前記絵柄の変動表示が実行されている途中で動作電力の供給が停止されたことに対応する情報(表示再開フラグにおける「1」の情報)が前記記憶手段に記憶されている状況であることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、絵柄の変動表示が実行されている途中で動作電力の供給が停止されたことに対応する情報が記憶手段に記憶されている状況において操作態様報知の実行対象となるゲームが実行された場合には、絵柄の変動表示が実行されている途中で動作電力の供給が停止されたことに対応する情報が記憶手段に記憶されていない状況において操作態様報知の実行対象となるゲームが実行された場合とは異なるタイミングで操作態様報知を実行することができる。これにより、操作態様報知の実行対象となるゲームが実行される状況に対応させて、適切なタイミングで操作態様報知を実行することができる。
特徴D5.前記第1タイミングは、前記ゲームが開始された後のタイミングから前記停止操作手段の操作が有効化されたタイミングまでの所定のタイミングであり、
前記第2タイミングは、前記所定のタイミングよりも前のタイミングであることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、絵柄の変動表示が実行されている途中で動作電力の供給が停止されたことに対応する情報が記憶手段に記憶されていない状況において操作態様報知の実行対象となるゲームが実行された場合には、当該ゲームが開始された後のタイミングから停止操作手段の操作が有効化されたタイミングまでの所定のタイミングで操作態様報知が実行される。このため、遊技者が停止操作手段を操作した後に操作態様報知が実行されてしまうことを防止することができるとともに、停止操作手段の操作態様が報知された状態で遊技者による停止操作手段の操作が行われるようにすることができる。
絵柄の変動表示が実行されている途中で動作電力の供給が停止されたことに対応する情報が記憶手段に記憶されている状況において操作態様報知の実行対象となるゲームが実行された場合には、所定のタイミングよりも前のタイミングで操作態様報知を実行することにより、遊技者が停止操作手段の操作態様を確認可能な状態を早期に作り出すことができる。これにより、動作電力の供給が停止されたことが原因となって遊技者が停止操作手段の操作態様を確認できない状態が発生した後、動作電力の供給が再開された場合に当該状態を早期に解消することができる。
特徴D6.前記第1タイミングは、前記ゲームが開始された後において前記停止操作手段の操作が有効化されたタイミング(第2演算対象エリア111における加速終了フラグに「1」がセットされてから最初に主側MPU72において停止順対応表示開始処理が実行されるタイミング)であり、
前記第2タイミングは、前記ゲームが開始されたタイミング(第2演算対象エリア111における表示再開フラグに「1」がセットされてから最初に主側MPU72において停止順対応表示開始処理が実行されるタイミング)であることを特徴とする特徴D4又はD5に記載の遊技機。
特徴D6によれば、絵柄の変動表示が実行されている途中で動作電力の供給が停止されたことに対応する情報が記憶手段に記憶されていない状況において操作態様報知の実行対象となるゲームが実行された場合に、当該ゲームが開始された後において停止操作手段の操作が有効化されるまでは停止操作態様報知が実行されない構成とすることにより、操作態様報知を確認した遊技者が操作手段の操作が有効化される前に停止操作手段を操作してしまうことを防止することができる。そして、停止操作手段の操作が有効化されたタイミングで操作態様報知を実行することにより、停止操作手段の操作態様が報知された状態で遊技者による停止操作手段の操作が行われるようにすることができる。
絵柄の変動表示が実行されている途中で動作電力の供給が停止されたことに対応する情報が記憶手段に記憶されている状況において操作態様報知の実行対象となるゲームが実行された場合には、ゲームが開始されたタイミングで操作態様報知が実行されるようにすることにより、遊技者が停止操作手段の操作態様を確認可能な状態を早期に作り出すことができる。これにより、動作電力の供給が停止されたことが原因となって遊技者が停止操作手段の操作態様を確認できない状態が発生した後、動作電力の供給が再開された場合に当該状態を早期に解消することができる。
特徴D7.前記絵柄表示手段は、前記絵柄を変動表示する変動表示領域(表示窓部21L,21M,21R)を複数備え、
前記停止操作手段は、それら複数の変動表示領域に対応させて複数設けられており、
所定のゲームにおいて前記複数の変動表示領域のうち一部の変動表示領域にて前記絵柄の変動表示が行われている状況で動作電力の供給が停止された場合であって、動作電力の供給の再開後に当該所定のゲームが再開される場合、前記一部の変動表示領域における前記絵柄の変動表示が開始されることを特徴とする特徴D5又はD6に記載の遊技機。
特徴D7によれば、一部の変動表示領域が停止したまま一部の変動表示領域における絵柄の変動表示が開始された場合にそれに関係なく同一の態様で操作態様報知が実行されたとしても、電源復帰時においては停止操作手段が有効化されるよりも前の早期に操作態様報知が開始されるため、混乱したまま遊技者が停止操作手段を開始してしまう可能性を低減することができる。
なお、特徴D1〜D7の構成に対して、特徴A1〜A12、特徴B1〜B6、特徴C1〜C6、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴D群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、停電の発生に対して適切に対処する必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴E群>
特徴E1.役抽選処理(役の抽選処理)を実行する役抽選実行手段(主側MPU72におけるステップS401〜ステップS410の処理を実行する機能)と、
前記役抽選処理における当選役に対応した入賞が発生した場合に当選対応特典(遊技媒体の付与、再遊技、抽選モードの移行、遊技状態の移行)を付与する当選対応付与手段(主側MPU72におけるステップS1101、ステップS1102、ステップS1106及びステップS1107の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS2201〜ステップS2205の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS3801〜ステップS3809の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS4901及びステップS4906〜ステップS4911の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記役抽選処理により選択される役として、当選となった場合に対応する入賞が発生するまでその当選状態(第2演算対象エリア111にボーナス当選データが設定されている状態)が維持される当選維持役(ボーナス役)が存在しており、
前記当選対応付与手段は、前記当選維持役に当選している状況においてそれに対応する所定入賞(ボーナス入賞)が発生した場合に第1遊技状態(ボーナス状態)に遊技状態を移行させる第1移行手段(主側MPU72におけるステップS1101、ステップS1102、ステップS1106及びステップS1107の処理を実行する機能)を備え、
本遊技機は、
前記役抽選処理にて前記当選維持役に当選した場合であって当該役抽選処理が実行されたゲームにおいて前記所定入賞が発生しなかった場合、第2遊技状態(内部RT状態ST2)に遊技状態を移行させる第2移行手段(主側MPU72におけるステップS3807〜ステップS3809の処理を実行する機能)と、
動作電力の供給が開始された場合において前記当選維持役の当選状態であって前記第2遊技状態ではないことに基づいて、前記第2遊技状態に遊技状態を移行させる特定移行手段(主側MPU72におけるステップS3907〜ステップS3909の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、当選維持役に当選している状況においてそれに対応する所定入賞が発生した場合には第1遊技状態に移行する構成において、役抽選処理にて当選維持役に当選した場合であって当該役抽選処理が実行されたゲームにおいて所定入賞が発生しなかった場合には第2遊技状態に移行する。このため、当選維持役に当選した場合には、それに対応する所定入賞が発生するまで第2遊技状態でゲームが実行されるようにすることができる。
特定移行手段は、動作電力の供給が開始された場合において当選維持役の当選状態であって第2遊技状態ではないことに基づいて、第2遊技状態に遊技状態を移行させる。このため、役抽選処理にて当選維持役に当選したゲームにおいて第1遊技状態又は第2遊技状態への移行が発生する前に動作電力の供給が停止された後、当該動作電力の供給が再開された場合に第2遊技状態に遊技状態を移行させることができる。これにより、動作電力の供給が停止されたことが原因となって遊技者が不利益を被ってしまうことを防止することができる。
特徴E2.前記特定移行手段は、動作電力の供給が開始された後において最初の前記役抽選処理が実行される前に、前記第2遊技状態に遊技状態を移行させることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、役抽選処理にて当選維持役に当選したゲームにおいて第1遊技状態又は第2遊技状態への移行が発生する前に動作電力の供給が停止された後、当該動作電力の供給が再開された場合に、第2遊技状態に移行している状態で当該動作電力の供給が再開されてから最初のゲームが実行されるようにすることができる。これにより、動作電力の供給が停止されたことが原因となって遊技者が不利益を被ってしまうことを防止することができる。
特徴E3.動作電力の供給が開始された場合に供給開始時の処理(メイン処理)を開始する手段(主側MPU72におけるステップS101〜ステップS110の処理を実行する機能)を備え、
前記特定移行手段は、前記供給開始時の処理が実行されている状況において前記第2遊技状態に遊技状態を移行させるための処理(主側MPU72におけるステップS3907〜ステップS3909の処理)を実行することを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、役抽選処理にて当選維持役に当選したゲームにおいて第1遊技状態又は第2遊技状態への移行が発生する前に動作電力の供給が停止された後、当該動作電力の供給が再開された場合に、第2遊技状態に遊技状態を移行させるための処理を早期に実行することができる。
特徴E4.前記第2遊技状態は通常遊技状態(通常遊技状態ST1)よりも遊技者に有利な遊技状態であることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E4によれば、役抽選処理にて当選維持役に当選したゲームにおいて第1遊技状態又は第2遊技状態への移行が発生する前に動作電力の供給が停止された後、当該動作電力の供給が再開された場合に、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態に遊技状態を移行させることができる。これにより、動作電力の供給が停止されたことが原因となって、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態でゲームを実行する権利を獲得した遊技者が第2遊技状態でゲームを実行できないという不利益を被ってしまうことを防止することができる。
特徴E5.前記役抽選処理により選択される役として、対応する入賞が発生することで再遊技の特典が付与される再遊技役(通常リプレイ役、第1〜第2RTリプレイ役、第1〜第2転落リプレイ役)が存在しており、
前記第2遊技状態は通常遊技状態よりも前記再遊技役の当選確率が高くなる遊技状態であることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E5によれば、役抽選処理にて当選維持役に当選したゲームにおいて第1遊技状態又は第2遊技状態への移行が発生する前に動作電力の供給が停止された後、当該動作電力の供給が再開された場合に、通常遊技状態よりも再遊技役の当選確率が高くなる第2遊技状態に遊技状態を移行させることができる。これにより、動作電力の供給が停止されたことが原因となって、通常遊技状態よりも再遊技役の当選確率が高くなる第2遊技状態でゲームを実行する権利を獲得した遊技者が第2遊技状態でゲームを実行できないという不利益を被ってしまうことを防止することができる。
特徴E6.絵柄(図柄)を変動表示する絵柄表示手段(リール32L,32M,32R)を備え、
前記役抽選実行手段は、前記絵柄の変動表示が開始される前に前記役抽選処理を実行し、
本遊技機は、前記役抽選処理にて前記当選維持役に当選した場合、前記絵柄の変動表示が開始される前に前記当選維持役に対応する情報を記憶手段(第2演算対象エリア111)に記憶させる手段(主側MPU72におけるステップS406の処理を実行する機能)を備え、
前記第1移行手段は、前記記憶手段に前記当選維持役に対応する情報が記憶されている状況において前記絵柄の変動表示が終了した場合に当選維持対応の停止結果が表示されたことに基づいて、前記所定入賞の発生として、前記第1遊技状態に遊技状態を移行させるものであり、
前記第2移行手段は、前記記憶手段に前記当選維持役に対応する情報が記憶されている状況において前記絵柄の変動表示が終了した場合に前記当選維持対応の停止結果が表示されなかったことに基づいて、前記第2遊技状態であることに対応する情報(内部RT状態フラグ153における「1」の情報)を前記記憶手段に記憶させることで、前記第2遊技状態に遊技状態を移行させることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E6によれば、当選維持役に当選した場合に第2遊技状態であることに対応する情報を記憶させるのではなく、絵柄の変動表示後に当選維持対応の停止結果が表示されなかったことを確認した場合に第2遊技状態であることに対応する情報が記憶されるため、第2遊技状態であることに対応する情報が無駄に記憶されてしまわないようにすることが可能となる。この場合に、特徴E1の構成を備えていることにより、動作電力の供給が開始された場合において当選維持役の当選状態であって第2遊技状態ではないことに基づいて第2遊技状態に遊技状態を移行させることができる。このため、役抽選処理にて当選維持役に当選したゲームにおいて第1遊技状態又は第2遊技状態への移行が発生する前に動作電力の供給が停止された後、当該動作電力の供給が再開された場合に第2遊技状態に遊技状態を移行させることができる。これにより、動作電力の供給が停止されたことが原因となって遊技者が不利益を被ってしまうことを防止することができる。
なお、特徴E1〜E6の構成に対して、特徴A1〜A12、特徴B1〜B6、特徴C1〜C6、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴E群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、停電の発生に対して適切に対処する必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴F群>
特徴F1.動作電力の供給が開始された場合に実行される供給開始時の処理(メイン処理、設定値更新処理)において所定設定操作(設定値更新処理が実行されている状況における左ストップボタン42及びスタートレバー41の操作)が行われたことに基づいて所定設定情報(示唆動作フラグ154における「1」の情報)を所定記憶手段(第2演算対象エリア111)に記憶させる所定記憶実行手段(主側MPU72におけるステップS4003〜ステップS4005及びステップS4007の処理を実行する機能)と、
前記供給開始時の処理が終了して遊技を進行させるための処理(通常処理)が開始された後において、前記所定記憶手段に前記所定設定情報が記憶されている状況で所定開始契機(遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上である状態で有利区間SC2が終了すること又はボーナス状態が終了すること)が発生したことに基づいて、所定動作(打止及び自動精算の少なくとも一方)が実行されるようにする所定動作実行手段(主側MPU72のステップS4301〜ステップS4318の処理を実行する機能、第1〜第8及び第10〜第13の実施形態における主側MPU72のステップS4601〜ステップS4609の処理を実行する機能、第9の実施形態における主側MPU72のステップS6601〜ステップS6610の処理を実行する機能)と、
前記所定記憶手段に前記所定設定情報が記憶されている状況において前記所定動作が実行された場合に、前記所定記憶手段に記憶されている前記所定設定情報を消去する情報消去手段(主側MPU72におけるステップS4304及びステップS4317の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、所定設定操作を行うことにより所定開始契機が発生した場合に所定動作が実行されるように設定することができる。このため、所定開始契機が発生した場合に、所定動作が行われるか否かに注目させて、遊技の興趣向上を図ることができる。また、所定記憶手段に所定設定情報が記憶されている状況において所定動作が実行された場合には所定記憶手段に記憶されている所定設定情報が消去される。このため、次に所定開始契機が発生しても所定動作が実行されない状態とすることができる。これにより、遊技ホールの管理者が所定設定情報を消去するための操作を行うことを不要として、所定動作の実行後に所定開始契機が発生しても所定動作が実行されない状態に切り換えることができる。よって、遊技ホールの管理者による管理負担を軽減することができる。
特徴F2.前記所定動作実行手段は、
前記所定記憶手段に前記所定設定情報が記憶されている状況で前記所定開始契機が発生した場合に実行抽選処理(第1〜第3示唆動作抽選)を実行する手段(主側MPU72におけるステップS4306〜ステップS4310の処理を実行する機能、第1〜第8及び第10〜第13の実施形態における主側MPU72のステップS4601〜ステップS4604の処理を実行する機能、第9の実施形態における主側MPU72のステップS6601〜ステップS6604の処理を実行する機能)と、
前記実行抽選処理にて実行当選となった場合に前記所定動作が実行されるようにする手段(主側MPU72におけるステップS4401〜ステップS4406の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS4501〜ステップS4503の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記情報消去手段は、前記実行抽選処理にて実行当選とならなかった場合に、前記所定記憶手段に記憶されている前記所定設定情報を消去する手段(主側MPU72におけるステップS4304及びステップS4317の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、所定記憶手段に記憶されている所定設定情報は、所定記憶手段に所定設定情報が記憶されている状況で所定開始契機が発生した場合に実行される実行抽選処理にて実行当選とならなかった場合に消去される。また、上記特徴F1の構成を備え、所定記憶手段に記憶されている所定設定情報は、所定記憶手段に所定設定情報が記憶されている状況において所定動作が実行された場合にも消去される。このため、所定動作が実行され得るタイミングを所定記憶手段に所定設定情報が記憶されている状態となってから最初に所定開始契機が発生するタイミングとすることができる。これにより、所定記憶手段に所定設定情報が記憶されている状態となってから最初に所定開始契機が発生するタイミングにおいて所定動作が実行されるか否かに注目を集めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴F3.遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値(「設定1」〜「設定6」)の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段(主側MPU72におけるステップS4001〜ステップS4006の処理を実行する機能)を備え、
前記所定記憶手段に前記所定設定情報が記憶されている状況で前記所定開始契機が発生した場合に、前記所定動作が実行される確率及び当該所定動作の実行の有無のうち少なくとも一方を利用して、前記使用対象として設定されている設定値の情報が示唆されることを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、使用対象として設定されている設定値に応じて遊技者の有利度が変化するため、設定値の情報は遊技者の関心が高い情報である。所定動作が実行される確率及び当該所定動作の実行の有無のうち少なくとも一方を利用して、当該使用対象として設定されている設定値の情報が示唆される構成であることにより、所定動作が実行されるか否かへの注目度を高めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴F4.前記所定開始契機として複数種類の事象(遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上である状態で有利区間SC2が終了する事象、ボーナス状態が終了する事象)が存在しており、
本遊技機は、特定設定操作(設定値更新処理が実行されている状態における右ストップボタン44及びスタートレバー41の操作)に基づいて前記所定開始契機の種類を変更する契機変更手段(主側MPU72におけるステップS4003〜ステップS4005及びステップS4008の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F4によれば、特定設定操作を行うことにより遊技ホールの管理者が所定開始契機の種類を選択可能とすることができる。遊技ホールの管理者は、本遊技機において所定動作が実行される契機となる事象の種類を事前に把握しておくことができる。
特徴F5.遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値(「設定1」〜「設定6」)の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段(主側MPU72におけるステップS4001〜ステップS4006の処理を実行する機能)と、
動作電力の供給が開始された場合に前記設定値に関連する所定の設定関連処理(設定値更新処理)を実行する手段(主側MPU72における設定値更新処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定記憶実行手段は、前記所定の設定関連処理が実行されている状況において前記所定設定操作が行われたことに基づいて前記所定設定情報を前記所定記憶手段に記憶させることを特徴とする特徴F1乃至F4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F5によれば、遊技ホールの管理者は、設定値に関連する所定設定関連処理が実行されている状況において所定設定操作を行うことにより所定設定情報を所定記憶手段に記憶させることができる。このため、所定設定関連処理が実行される期間と所定設定操作を行うことにより所定設定情報を所定記憶手段に記憶させることができる期間とが重複しない構成と比較して、遊技ホールの管理者による管理負担を軽減することができる。
特徴F6.前記所定開始契機は、通常状況(通常区間SC1)よりも遊技者に有利な有利状況(有利区間SC2)が終了することに基づき発生することを特徴とする特徴F1乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F6によれば、通常状況よりも遊技者に有利な有利状況が終了するタイミングは遊技者の関心が低下してしまう可能性があるタイミングであるが、当該タイミングにおいて所定開始契機が発生する構成とすることにより、有利状況の終了時に所定動作が実行されるか否かに注目させて、遊技者の関心を高めることができる。
特徴F7.前記所定開始契機は、所定量以上の利益(有利区間SC2における遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上である利益)が遊技者に付与されて前記有利状況が終了することに基づき発生することを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
特徴F7によれば、所定量以上の利益が遊技者に付与されて有利状況が終了する場合には所定開始契機が発生する一方、所定量未満の利益しか遊技者に付与されていない状態において有利状況が終了する場合には所定開始契機が発生しない構成とすることができる。これにより、有利状況が短期間で終了してしまい、所定量未満の利益しか遊技者に付与されなかった場合には、当該有利状況の終了時に所定動作が実行されないようにすることができる。所定量以上の利益が遊技者に付与された状態において有利状況が終了する場合に、所定動作が実行されるか否かに注目させることができる。
特徴F8.前記所定量以上の利益が遊技者に付与されていない状況で前記有利状況が終了する場合、前記所定記憶手段に前記所定設定情報が記憶された状態が維持されることを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
特徴F8によれば、有利状況において遊技者に付与された利益が所定量未満である状態で当該有利状況が終了する場合には所定記憶手段に所定設定情報が記憶された状態が維持されるため、その後に有利状況において遊技者に付与された利益が所定量以上である状態で当該有利状況が終了した場合に所定動作が実行され得る構成とすることができる。これにより、遊技ホールの管理者が所定設定操作を行ったにもかかわらず所定動作が実行されることなく所定設定情報が消去されてしまう可能性を低減することができる。
特徴F9.遊技価値(メダル)を仮想遊技価値(仮想メダル)として貯留記憶する貯留記憶手段(第2演算対象エリア111におけるクレジットカウンタ、主側MPU72におけるステップS2311の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS4906〜ステップS4908及びステップS4910の処理を実行する機能)を備え、
前記所定動作は、前記貯留記憶手段に貯留記憶されている前記仮想遊技価値の数と同数の前記遊技価値を遊技者に付与する動作(自動精算)であることを特徴とする特徴F1乃至F8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F9によれば、所定開始契機が発生した場合に貯留記憶されている遊技価値の数と同数の遊技価値を遊技者に付与する動作が実行されるか否かに遊技者の注目を集めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴F10.前記所定動作が実行されることにより所定解除操作(リセットボタン56の操作)が行われるまで遊技を開始することができない状態となることを特徴とする特徴F1乃至F9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F10によれば、所定開始契機が発生するタイミングで遊技を開始することができない状態となるか否かに遊技者の注目を集めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、特徴F1〜F10の構成に対して、特徴A1〜A12、特徴B1〜B6、特徴C1〜C6、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴G群>
特徴G1.通常状況(通常区間SC1)よりも遊技者に有利な有利状況(有利区間SC2)を発生させる手段(主側MPU72におけるステップS501〜ステップS506の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS701〜ステップS704の処理を実行する機能)と、
所定量以上の利益(有利区間SC2における遊技媒体の制限付き合計純増枚数が所定示唆基準数以上である利益)が遊技者に付与されて前記有利状況が終了することに基づき、所定動作(打止及び自動精算の少なくとも一方)が実行されるようにする所定動作実行手段(主側MPU72におけるステップS4301〜ステップS4318の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS4601〜ステップS4609の処理を実行する機能、第1〜第8及び第10〜第13の実施形態における主側MPU72のステップS4601〜ステップS4609の処理を実行する機能、第9の実施形態における主側MPU72のステップS6601〜ステップS6610の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、通常状況よりも遊技者に有利な有利状況が終了するタイミングは遊技者の関心が低下してしまう可能性があるタイミングであるが、所定量以上の利益が遊技者に付与されて有利状況が終了することに基づき、所定動作が実行されるようにする所定動作実行手段を備えている構成であることにより、所定量以上の利益が遊技者に付与された状態において有利状況が終了する場合に所定動作が実行されるか否かに注目させて、遊技者の関心を高めることができる。
所定量以上の利益が遊技者に付与されて有利状況が終了する場合には所定動作が実行され得る一方、所定量未満の利益しか遊技者に付与されていない状態において有利状況が終了する場合には所定動作が実行されない構成とすることができる。これにより、有利状況が短期間で終了してしまい、所定量未満の利益しか遊技者に付与されなかった場合には、当該有利状況の終了時に所定動作が実行されないようにすることができる。
特徴G2.前記有利状況において移行契機(準備状態ST5において第2RTリプレイ入賞が成立すること)が発生したことに基づいて遊技者に有利な有利遊技状態(ART状態ST6)に遊技状態を移行させる手段(主側MPU72におけるステップS902〜ステップS905の処理を実行する機能)と、
前記有利遊技状態において有利終了契機(ART状態ST6における残りの継続ゲーム数が「0」となること)が発生したことに基づいて当該有利遊技状態を終了させる手段(主側MPU72におけるステップS1002〜ステップS1004の処理を実行する機能)と、
を備え、
本遊技機は、前記有利状況の有利終了条件(有利区間SC2におけるゲームの実行回数が上限ゲーム数に到達すること、又は有利区間SC2における遊技媒体の制限付きの合計純増枚数が上限純増数に到達すること)が成立した場合、前記有利終了契機が発生していなくても前記有利遊技状態を終了させる手段(主側MPU72におけるステップS1413及びステップS1414の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、有利状況の有利終了条件が成立した場合には、有利終了契機が発生していなくても有利遊技状態を終了させることができる。有利状況の有利終了条件が成立しても遊技終了契機が発生するまで有利遊技状態を継続させる構成とすると、有利終了条件が成立した後も有利終了契機が発生するまで有利状況の終了を延期する必要が生じてしまう。これに対して、有利状況の有利終了条件が成立した場合には有利終了契機が発生していなくても有利遊技状態を終了させることにより、通常状況よりも遊技者に有利な有利状況が長く継続し過ぎてしまうことを防止することができる。
特徴G3.前記所定動作実行手段は、前記有利状況の有利終了条件(有利区間SC2におけるゲームの実行回数が上限ゲーム数に到達すること、又は有利区間SC2における遊技媒体の制限付きの合計純増枚数が上限純増数に到達すること)が成立して前記有利状況が終了する場合には、前記所定量以上の利益が遊技者に付与されたものの前記有利終了条件が成立することなく前記有利状況が終了する場合とは前記所定動作の実行態様又は前記所定動作の実行確率を相違させることを特徴とする特徴G1又はG2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、有利終了条件が成立するまで有利状況が継続された場合には、当該有利状況が終了する場合に、所定量以上の利益が遊技者に付与されたものの有利終了条件が成立することなく有利状況が終了する場合とは所定動作の実行態様又は所定動作の実行確率を相違させることにより、有利終了条件が成立するまで有利状況が継続されたことに対する特別感を高め、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴G4.前記所定動作実行手段は、
前記所定量以上の利益が遊技者に付与されて前記有利状況が終了することに基づき、実行抽選処理(第1〜第3示唆動作抽選)を実行する手段(主側MPU72におけるステップS4306〜ステップS4310の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS4601〜ステップS4604の処理を実行する機能)と、
前記実行抽選処理にて実行当選となった場合に前記所定動作が実行されるようにする手段(主側MPU72におけるステップS4401〜ステップS4406の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS4501〜ステップS4503の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G4によれば、実行抽選処理にて実行当選となった場合に所定動作が実行される構成とすることにより、所定量以上の利益が遊技者に付与された状態で有利状況が終了する場合に、所定動作が実行されるか否かに注目させて、遊技の興趣向上を図ることができる。また、所定量以上の利益が遊技者に付与された状態で有利状況が終了する場合には実行抽選処理が実行される一方、所定量未満の利益しか遊技者に付与されていない状態において有利状況が終了する場合には実行抽選処理が実行されない構成とすることができる。これにより、有利状況が短期間で終了してしまい、所定量未満の利益しか遊技者に付与されなかった場合には、当該有利状況の終了時に所定動作が実行されないようにすることができる。
特徴G5.遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値(「設定1」〜「設定6」)の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段(主側MPU72におけるステップS4001〜ステップS4006の処理を実行する機能)を備え、
前記所定量以上の利益が遊技者に付与されて前記有利状況が終了した場合に、前記所定動作が実行される確率及び当該所定動作の実行の有無のうち少なくとも一方を利用して、前記使用対象として設定されている設定値の情報が示唆されることを特徴とする特徴G1乃至G4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G5によれば、使用対象として設定されている設定値に応じて遊技者の有利度が変化するため、設定値の情報は遊技者の関心が高い情報である。所定動作が実行される確率及び当該所定動作の実行の有無のうち少なくとも一方を利用して、当該使用対象として設定されている設定値の情報が示唆される構成であることにより、所定動作が実行されるか否かへの注目度を高めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴G6.遊技価値(メダル)を仮想遊技価値(仮想メダル)として貯留記憶する貯留記憶手段(第2演算対象エリア111におけるクレジットカウンタ、主側MPU72におけるステップS2311の処理を実行する機能、主側MPU72におけるステップS4906〜ステップS4908及びステップS4910の処理を実行する機能)を備え、
前記所定動作は、前記貯留記憶手段に貯留記憶されている前記仮想遊技価値の数と同数の前記遊技価値を遊技者に付与する動作(自動精算)であることを特徴とする特徴G1乃至G5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G6によれば、所定開始契機が発生した場合に貯留記憶されている遊技価値の数と同数の遊技価値を遊技者に付与する動作が実行されるか否かに遊技者の注目を集めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴G7.前記所定動作が実行されることにより所定解除操作(リセットボタン56の操作)が行われるまで遊技を開始することができない状態となることを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G7によれば、所定開始契機が発生するタイミングで遊技を開始することができない状態となるか否かに遊技者の注目を集めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、特徴G1〜G7の構成に対して、特徴A1〜A12、特徴B1〜B6、特徴C1〜C6、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴F群及び上記特徴G群の各特徴群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴H群>
特徴H1.所定遊技状態(ボーナス状態、有利区間SC2、ART状態ST6)であることを遊技機外部の装置(データカウンタDC)に認識可能とさせるための所定状態信号(第1〜第3状態中信号)を外部出力する第1出力手段(第1〜第10の実施形態における主側MPU72のステップS4705〜ステップS4710の処理を実行する機能、主側MPU72のステップS5101〜ステップS5114の処理を実行する機能、第11の実施形態における主側MPU72のステップS7405〜ステップS7410の処理を実行する機能、第12の実施形態における主側MPU72のステップS7601〜ステップS7609の処理を実行する機能、第13の実施形態における主側MPU72のステップS8001〜ステップS8009の処理を実行する機能)と、
遊技者が所有する遊技価値(メダル及び仮想メダル)の利用及び遊技者への前記遊技価値の付与のうち一方である対象事象(遊技媒体の消費及び遊技媒体の付与のうち一方)が発生したことに基づいて事象対応信号(投入信号、払出信号)を外部出力する第2出力手段(第1〜第11の実施形態における主側MPU72のステップS4801〜ステップS4819の処理を実行する機能、主側MPU72のステップS5001〜ステップS5017の処理を実行する機能、第12の実施形態における主側MPU72のステップS7501〜ステップS7517の処理を実行する機能、第13の実施形態における主側MPU72のステップS7802〜ステップS7818の処理を実行する機能)と、
前記所定状態信号の外部出力の状態が変化するタイミング(状態中信号の立ち上げが行われるタイミング、状態中信号の立ち下げが行われるタイミング)に対して前記事象対応信号の出力期間が所定期間以上(第1〜第12の実施形態では500ミリ秒以上、第13の実施形態では2秒以上)ずれるようにする期間調整手段(第1〜第12の実施形態における間隔調整タイマカウンタ164、第13の実施形態における待機カウンタ231、第1〜第10の実施形態における主側MPU72のステップS4713の処理を実行する機能、主側MPU72のステップS4806、ステップS4817及びステップS4818の処理を実行する機能、主側MPU72のステップS5101〜ステップS5114の処理を実行する機能、第11の実施形態における主側MPU72のステップS7412の処理を実行する機能、第12の実施形態における主側MPU72のステップS7505及びステップS7517の処理を実行する機能、主側MPU72のステップS7602及びステップS7603の処理を実行する機能、第13の実施形態における主側MPU72のステップS7901〜ステップS7912の処理を実行する機能、主側MPU72のステップS8113の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、事象対応信号を外部出力することにより、遊技機外部の装置において対象事象が発生したことを把握可能とすることができる。所定状態信号の外部出力の状態が変化するタイミングに対して事象対応信号の出力期間が所定期間以上ずれるようにすることにより、遊技機外部の装置において所定遊技状態における遊技価値の利用及び遊技者への遊技価値の付与のうち一方を正確に把握可能とすることができる。
特徴H2.前記第2出力手段は、ゲームを開始させるために遊技者が所有する前記遊技価値が利用されたことに基づいて前記事象対応信号を外部出力するものであり、
前記期間調整手段は、前記所定状態信号の外部出力の状態が前記所定遊技状態の開始に対応する状態に切り換わったタイミングに対して、前記事象対応信号の出力期間が前記所定期間以上遅れるようにするための所定遅延処理(第1〜第10及び第12の実施形態における主側MPU72のステップS4713の処理、主側MPU72のステップS4801〜ステップS4806、ステップS4817及びステップS4818の処理、第11の実施形態における主側MPU72のステップS7412の処理、第13の実施形態における主側MPU72のステップS7901〜ステップS7904の処理、主側MPU72のステップS8113の処理)を実行することを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
特徴H2によれば、事象対応信号を外部出力することにより、遊技機外部の装置において遊技価値が利用されたことを把握可能とすることができる。所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の開始に対応する状態に切り換えられてから事象対応信号の出力期間が開始されるまでに所定期間を確保することにより、遊技機外部の装置において所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の開始に対応する状態に切り換えられたことを把握する処理が終了した後に事象対応信号の出力期間が開始されるようにすることができる。これにより、遊技機外部の装置において所定遊技状態における遊技価値の利用を正確に把握可能とすることができる。
特徴H3.前記期間調整手段は、前記所定状態信号の外部出力の状態が前記所定遊技状態の開始に対応する状態に切り換わらない状況においては前記所定遅延処理を実行しないことを特徴とする特徴H2に記載の遊技機。
特徴H3によれば、所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の開始に対応する状態に切り換わらない状況においては、事象対応信号の出力期間を早期に開始させることができる。これにより、遊技機外部の装置において遊技者が所有する遊技価値の利用及び遊技者への遊技価値の付与のうち一方である対象事象が発生したことを早期に把握可能とすることができる。
特徴H4.各ゲームにおいて絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リール32L,32M,32R)と、
前記事象対応信号の出力期間が終了していない状況であっても前記絵柄の変動表示が開始されるようにする手段(主側MPU72におけるステップS3001の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴H2又はH3に記載の遊技機。
特徴H4によれば、事象対応信号の出力期間が終了しているか否かに関係することなく、絵柄の変動表示を開始させることができる。このため、事象対応信号の出力期間が終了するまで絵柄の変動表示の開始を延期する構成と比較して、早期に絵柄の変動表示を開始させることができる。
特徴H5.前記第2出力手段は、ゲームの結果として遊技者に前記遊技価値が付与されたことに基づいて前記事象対応信号を外部出力するものであり、
前記期間調整手段は、前記事象対応信号の出力期間に対して、前記所定状態信号の外部出力の状態が前記所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換わるタイミングが前記所定期間以上遅れるようにするための特定遅延処理(第1〜第11の実施形態における主側MPU72のステップS5017の処理、主側MPU72のステップS5102〜ステップS5108の処理、第12の実施形態における主側MPU72のステップS7505及びステップS7517の処理、主側MPU72のステップS7602及びステップS7603の処理、第13の実施形態における主側MPU72のステップS7905〜ステップS7907の処理、主側MPU72のステップS8113の処理)を実行することを特徴とする特徴H1乃至H4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H5によれば、事象対応信号を外部出力することにより、ゲームの結果として遊技者に遊技価値が付与されたことを把握可能とすることができる。事象対応信号の出力期間が終了してから所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換えられるまでに所定期間が確保されている構成とすることにより、遊技機外部の装置において事象対応信号の出力が行われたことを把握する処理が終了した後に所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換えられるようにすることができる。これにより、遊技機外部の装置において所定遊技状態における遊技価値の付与を正確に把握可能とすることができる。
特徴H6.前記期間調整手段は、前記所定状態信号の外部出力の状態が前記所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換わらない状況においては前記特定遅延処理を実行しないことを特徴とする特徴H5に記載の遊技機。
特徴H6によれば、所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換わらない状況においては、事象対応信号の出力期間に対して、所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換わるタイミングが所定期間以上遅れるようにするための処理を省略することができる。
特徴H7.前記所定状態信号の外部出力の状態が前記所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換わる状況においては、前記所定状態信号の外部出力の状態が前記所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換わった後にゲームが終了することを特徴とする特徴H5又はH6に記載の遊技機。
特徴H7によれば、所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換わる状況においては、所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換わるまで、ゲームの終了を延期することができるとともに、当該ゲームの終了後における新たなゲームの開始を延期することができる。これにより、所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換わる前に新たなゲームが開始されてしまうことを防止することができる。よって、遊技機外部の装置において所定遊技状態における遊技価値の付与を正確に把握可能とすることができる。
特徴H8.前記所定状態信号の外部出力の状態が前記所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換わらない状況においては、前記事象対応信号の出力期間が終了していない状況であっても新たなゲームを開始することが可能となることを特徴とする特徴H7に記載の遊技機。
特徴H8によれば、上記特徴H7の構成を備え、所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換わる状況においては、所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換わった後にゲームが終了する構成において、所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換わらない状況においては、事象対応信号の出力期間が終了していない状況であっても新たなゲームを開始可能とすることができる。これにより、所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換わらない状況においては、新たなゲームを早期に開始可能とすることができる。よって、遊技者に待ち時間が発生してしまうことを防止することができる。
なお、特徴H1〜H8の構成に対して、特徴A1〜A12、特徴B1〜B6、特徴C1〜C6、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴I群>
特徴I1.所定遊技状態(ボーナス状態、有利区間SC2、ART状態ST6)が開始する場合及び終了する場合のうち一方である所定契機(ボーナス状態の開始、有利区間SC2の開始、ART状態ST6の開始、ボーナス状態の終了、有利区間SC2の終了、又はART状態ST6の終了)が発生したことに基づいて、所定待機期間(ボーナス開始演出、ボーナス終了演出、有利開始演出、有利終了演出、ART開始演出又はART終了演出における演出期間)に亘って遊技者の操作に基づく遊技の進行を待機させる待機手段(第13の実施形態における主側MPU72のステップS7901〜ステップS7912の処理を実行する機能、主側MPU72のステップS8113の処理を実行する機能)と、
前記所定待機期間の途中のタイミングで、前記所定遊技状態であることを遊技機外部の装置(データカウンタDC)に認識可能とさせるために利用される所定状態信号(第1〜第3状態中信号)の外部出力の状態を切り換える状態切換手段(待機カウンタ231、第13の実施形態における主側MPU72のステップS7909〜ステップS7912の処理を実行する機能、主側MPU72のステップS8001〜ステップS8009の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、所定契機が発生したことに基づいて、所定待機期間に亘って遊技者の操作に基づく遊技の進行が待機される構成において、当該所定待機期間の途中のタイミングで、所定状態信号の外部出力の状態が切り換えられる。このため、所定契機が発生してから所定状態信号の外部出力の状態が切り換えられる当該途中のタイミングとなるまでに時間を確保することができるとともに、所定状態信号の外部出力の状態が切り換えられる当該途中のタイミングから所定待機期間が終了して遊技の進行が待機されている状態が終了するまでに時間を確保することができる。
特徴I2.ゲームを開始させるために遊技者が所有する遊技価値(メダル及び仮想メダル)が利用されたことに基づいて第1事象対応信号(投入信号)を外部出力する第1信号出力手段(第13の実施形態における主側MPU72のステップS7802〜ステップS7817の処理を実行する機能)と、
ゲームの結果として遊技者に前記遊技価値が付与されたことに基づいて第2事象対応信号(払出信号)を外部出力する第2信号出力手段(第13の実施形態における主側MPU72のステップS7818の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記所定待機期間が設定されることにより、前記状態切換手段により前記所定状態信号の外部出力の状態が切り換えられるタイミングは前記第2事象対応信号の出力期間よりも後であって前記第1事象対応信号の出力期間よりも前になることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
特徴I2によれば、第1事象対応信号を外部出力することによりゲームを開始させるために遊技者が所有する遊技価値が利用されたことを遊技機外部の装置において把握可能とすることができるとともに、第2事象対応信号を外部出力することによりゲームの結果として遊技者に遊技価値が付与されたことを把握可能とすることができる。所定状態信号の外部出力の状態が切り換えられるタイミングが第2事象対応信号の出力期間よりも後のタイミングであることにより、第2事象対応信号の出力期間が終了した後に所定状態信号の外部出力の状態が切り換えられる構成とすることができる。これにより、遊技機外部の装置においてゲームの結果として遊技者に遊技価値が付与されたこと把握する処理が終了した後に所定状態信号の外部出力の状態が切り換えられるようにすることができる。よって、遊技機外部の装置において所定遊技状態において付与された遊技価値を正確に把握可能とすることができる。
所定状態信号の外部出力の状態が切り換えられるタイミングが第1事象対応信号の出力期間よりも前のタイミングであることにより、所定状態信号の外部出力の状態が切り換えられた後に第1事象対応信号の出力期間が開始されるようにすることができる。これにより、所定状態信号の外部出力の状態が切り換えられたことを把握するための処理が遊技機外部の装置において終了した後に第1事象対応信号の出力期間が開始されるようにすることができる。よって、遊技機外部の装置において所定遊技状態において利用された遊技価値を正確に把握可能とすることができる。
特徴I3.前記待機手段は、前記所定遊技状態が開始する場合に前記所定待機期間に亘って遊技者の操作に基づく遊技の進行を待機させるものであり、
前記状態切換手段は、前記所定待機期間の途中のタイミングで、前記所定状態信号の外部出力の状態を前記所定遊技状態の開始に対応する状態に切り換えることを特徴とする特徴I1又はI2に記載の遊技機。
特徴I3によれば、所定待機期間において所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の開始に対応する状態に切り換えられた後も、当該所定待機期間が終了するまで遊技の進行が待機されている状態を継続することができるとともに、当該所定待機期間が終了するまで新たなゲームの開始を延期することができる。所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の開始に対応する状態に切り換えられてから新たなゲームを開始可能となるまでに時間が確保されていることにより、遊技機外部の装置において、所定遊技状態における遊技価値の利用を正確に把握可能とすることができる。
特徴I4.ゲームの結果として遊技者に遊技価値(メダル及び仮想メダル)が付与されたことに基づいて第2事象対応信号(払出信号)を外部出力する第2信号出力手段(第13の実施形態における主側MPU72のステップS7818の処理を実行する機能)を備え、
前記第2事象対応信号の出力期間は、前記所定待機期間が開始されてから前記状態切換手段により前記所定状態信号の外部出力の状態が前記所定遊技状態の開始に対応する状態に切り換えられるタイミングまでの期間よりも短いことを特徴とする特徴I3に記載の遊技機。
特徴I4によれば、第2事象対応信号を外部出力することによりゲームの結果として遊技者に遊技価値が付与されたことを把握可能とすることができる。第2事象対応信号の出力期間は、所定待機期間が開始されてから状態切換手段により所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の開始に対応する状態に切り換えられるタイミングまでの期間よりも短い。このため、所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の開始に対応する状態に切り換えられるよりも先に、第2事象対応信号の出力期間を終了させることができる。これにより、遊技機外部の装置において所定遊技状態において遊技者に付与された遊技価値を正確に把握可能とすることができる。
特徴I5.前記待機手段は、前記所定遊技状態が終了する場合に前記所定待機期間に亘って遊技者の操作に基づく遊技の進行を待機させるものであり、
前記状態切換手段は、前記所定待機期間の途中のタイミングで、前記所定状態信号の外部出力の状態を前記所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換えることを特徴とする特徴I1乃至I4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I5によれば、所定待機期間において所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の開始に対応する状態に切り換えられた後も、当該所定待機期間が終了するまで遊技の進行が待機されている状態を継続することができるとともに、当該所定待機期間が終了するまで新たなゲームの開始を延期することができる。所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の開始に対応する状態に切り換えられてから新たなゲームを開始可能となるまでに時間が確保されていることにより、遊技機外部の装置において、所定遊技状態における遊技価値の利用を正確に把握可能とすることができる。
特徴I6.ゲームの結果として遊技者に遊技価値(メダル及び仮想メダル)が付与されたことに基づいて第2事象対応信号(払出信号)を外部出力する第2信号出力手段(第13の実施形態における主側MPU72のステップS7818の処理を実行する機能)を備え、
前記第2事象対応信号の出力期間は、前記所定待機期間が開始されてから前記状態切換手段により前記所定状態信号の外部出力の状態が前記所定遊技状態の終了に対応する状態に切り換えられるタイミングまでの期間よりも短いことを特徴とする特徴I5に記載の遊技機。
特徴I6によれば、第2事象対応信号を外部出力することによりゲームの結果として遊技者に遊技価値が付与されたことを把握可能とすることができる。第2事象対応信号の出力期間は、所定待機期間が開始されてから状態切換手段により所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の開始に対応する状態に切り換えられるタイミングまでの期間よりも短い。このため、所定状態信号の外部出力の状態が所定遊技状態の開始に対応する状態に切り換えられるよりも先に、第2事象対応信号の出力期間を終了させることができる。これにより、遊技機外部の装置において所定遊技状態において遊技者に付与された遊技価値を正確に把握可能とすることができる。
なお、特徴I1〜I6の構成に対して、特徴A1〜A12、特徴B1〜B6、特徴C1〜C6、特徴D1〜D7、特徴E1〜E6、特徴F1〜F10、特徴G1〜G7、特徴H1〜H8、特徴I1〜I6のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴H群及び上記特徴I群の各特徴群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば抽選処理が実行されたり、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
また、スロットマシンでは、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技の結果に関する信号の出力が好適に行われる必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。