以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、前扉106が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構Hによって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104にヒンジ機構Hによって開閉自在に取り付けられた前扉106と、を備えている。
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている(遊技盤108に形成された遊技領域の詳細は図2参照)。また、前扉106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、中枠104および外枠102に対して前扉106を閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
図2は遊技機100の正面図であり、図3は遊技機100の斜視図である。これらの図に示すように、前扉106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル(発射部)112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、発射機構(発射部)113(図1参照)によって遊技媒体としての遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
操作ハンドル112の上方には、鍵穴付きのシリンダ錠140が中枠104に対して設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キー(ドアキー)をその鍵穴に差し込んで、シリンダ錠140を時計回りに捻ると、中枠104とともに前扉106の開放が可能な状態となる。これら中枠104および前扉106を前面側に開放した状態(以下、「中枠開放状態」と言う。)にすると、前面側にて遊技機100の裏側が露出することになる。
図2に示す遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域116は、発射機構113(図1参照)の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする左打ち領域(第1遊技領域)116aおよび右打ち領域(第2遊技領域)116bを備えている。左打ち領域116aは遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、右打ち領域116bは遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構113によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は左打ち領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は右打ち領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116の左打ち領域116aには、一般入賞口118が設けられており、遊技領域116の略中央下方には、第1始動口120が設けられており、遊技領域116の右打ち領域116bには、第2始動口122が設けられている。これら一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、賞球数は1個以上であれば何個でもよく、また、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。このとき、第1始動口120に遊技球が入球して払い出す賞球数を、第2始動口122に遊技球が入球して払い出す賞球数よりも少なく設定することも可能である。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中から何れか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
また、第2始動口122には、可動片122bが開閉可能に設けられており、この可動片122bの開閉状態に応じて、第2始動口122への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、可動片122bが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、遊技領域116の右打ち領域116bに設けられたゲート124内の進入領域を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122bが開状態になると、当該可動片122bが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。
さらに、遊技領域116の右打ち領域116bには、大入賞口128が設けられている。この大入賞口128には、開閉扉128bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが大入賞口128を閉鎖して、大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、上述の大役遊技が実行されると、開閉扉128bが開放されて、大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、大入賞口128の何れにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口(アウト口)130(図2では点線で示している。)が設けられている。
このような遊技領域116を有する本実施形態の遊技機100においては、遊技状態が後述する通常遊技状態または潜確状態である場合に、遊技者は左打ち領域116aに向けて遊技球を発射させて遊技を進行させるようになっている。一方、遊技状態が通常遊技状態および潜確状態以外の状態(例えば確変状態)である場合に、遊技者は右打ち領域116bに向けて遊技球を発射させて遊技を進行させるようになっている。
また、遊技機100には、遊技の進行中等に様々な演出を行うために、液晶表示装置からなる演出表示装置(演出装置)200、および可動装置からなる演出役物装置202が設けられている。演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備え、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部200aには、図示のように演出図柄210が変動表示され、これら各演出図柄210の停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、上記の演出図柄210の変動表示中などに、演出表示部200aの前面まで可動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
また、遊技盤(演出装置)108の背面側における所定の位置には、遊技盤108に対して背面側から光を照射する複数のLED(以下、「遊技盤装飾用LED」と言う。)108aが設けられている(図5参照)。遊技盤装飾用LED108aは、遊技の進行に応じて点灯することにより、遊技盤108の演出効果を高めるようになっている。
遊技機100の前扉106には、透過板110の下方に遊技球を収容可能な上段受皿132および下段受皿134が設けられている。上段受皿132には、遊技機100の側方に設置された図示せぬ遊技球貸出装置により貸し出される遊技球や、遊技機100の賞球払出装置(図5参照)から払い出される賞球が導かれるようになっている。そして、この上段受皿132が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり払い出されたりする遊技球は下段受皿134に導かれるようになっている。なお、この下段受皿134の底面には、当該下段受皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ(不図示)を図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下段受皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技機100の前扉106には、透過板110の上方から左側方にかかる部位を囲むように装飾レンズ(演出装置)106aが設けられ、透過板110の右上方に回転灯ユニット106bが設けられ、回転灯ユニット106bの真下であって透過板110の右側方にサイドパネルユニット(演出装置)106cが設けられている。また、上段受皿132の前面中央に演出操作ボタンユニット106dが設けられ、透過板110の左右下方と左右上方に複数(本例では4つ)のスピーカ(演出装置)106eが設けられ、上段受皿132の右上面部に選択ボタン106f、音量調節ボタン106gおよび光量調節ボタン106hが設けられている。
装飾レンズユニット106aの内部には複数のLED(以下、「装飾レンズ用LED」と言う。)106a1(図5参照)が設けられており、これらLED106a1が遊技の進行に伴って種々の色や発光パターンで発光するという演出が行われるようになっている。また、装飾レンズユニット106aには、透過板110の上方を覆う部分と、透過板110の左側方を覆う部分とが重なる位置に、後述する扉開放エラー等を含む各種エラーが発生した旨の情報を報知するエラー報知部106iが形成されている。エラー報知部106iの内部には複数のLED(以下、「エラー報知用LED」と言う。)106i1(同図参照)が設けられており、これらLED106i1が各種エラーの発生時に所定の色で点灯するようになっている。回転灯ユニット106bには環状に配置した複数のLED(以下、「回転灯用LED」と言う。)106b1(同図参照)が設けられており、各LED106b1が配置順に点灯と消灯を繰り返すことにより、恰も回転灯が発光しているような演出を実行できるようになっている。サイドパネルユニット106cは前方に向けて突出するように形成された略長方形薄板状の装飾用装置であって、この装置に内装されたデザインシート(図示せず)の視認性を高めるためのものである。また、サイドパネルユニット106cの内部には複数のLED(以下、「サイドパネル用LED」と言う。)106c1(同図参照)が設けられており、これらLED106c1も装飾レンズ用LED106a1と同様な演出を実行可能になっている。
演出操作ボタンユニット106dは、円盤状の押下ボタン106d1と、押下ボタン106d1の左方に取り付けられた棒状のハンドル部106d2と、を有しており、遊技の進行に伴って実行される演出の切り替え等を行えるようになっている。また、遊技者が所定のタイミングで押下ボタン106d1を押下操作すると、遊技に関する演出態様を遊技者の好みの態様に設定する機種メニュー等に突入させるための画像(以下、「メニュー突入画像」と言う。)(所定情報)を演出表示装置200の演出表示部200aに表示可能になっている。スピーカ106eは、遊技の進行に応じて遊技に関する様々な音を出力するようになっている。選択ボタン106fは、十字状に配置された4つのボタンから構成されており、例えば機種メニューの表示中に、遊技者がこれらのボタンを押下することにより、機種メニューに表示されている複数の項目の中から何れかの項目を選択することができるようになっている。なお、機種メニューの項目としては、例えば大役遊技の演出において登場するキャラクタを遊技者の好みのキャラクタに設定する等の演出カスタマイズに関する表示や、インターネットを介した遊技システムを利用して遊技履歴や経験値を保存するモードに関する表示が挙げられる。
音量調節ボタン106gおよび光量調節ボタン106hはともに、縦長矩形状に形成されており、その上端部および下端部を押下可能に構成されている。音量調節ボタン106gの上端部を押下した場合には、音量を大きくすることができ、音量調節ボタン106gの下端部を押下した場合には、音量を小さくすることができるようになっている。また、同様に、光量調節ボタン106hの上端部を押下した場合には、光量を大きくすることができ、光量調節ボタン106hの下端部を押下した場合には、光量を小さくすることができるようになっている。
また、図示は省略しているが、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。なお、以下においては、上記の表示器160〜172をまとめて「メイン表示器」と適宜言うことにする。
また、遊技盤108の背面には、遊技の進行を制御する主制御基板300、演出を制御する副制御基板330、賞球の払出を制御する払出制御基板310等の種々の基板が設けられており、これらの種々の基板は、基板ケースに収容された状態で遊技盤108の背面に固定される。以下に、主制御基板300、および、主制御基板300を収容する主制御基板ケース400の構成について説明する。
図4(a)は、主制御基板300および主制御基板ケース400の分解斜視図であり、図4(b)は、主制御基板300および主制御基板ケース400の前面図である。
図4(a)および図4(b)に示すように、主制御基板300は、基板本体部302の前面に、不図示のメインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300c(図5参照)が配置されているとともに、性能表示モニタ304、コネクタ306、RAMクリアスイッチ307、設定キースイッチ308等が配置されている。
性能表示モニタ304は、基板本体部302の左上に、十進のアラビア数字を表すことができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメント(DP)とからなる4つの7セグメント304a〜304dが並ぶようにして設けられている。
コネクタ306は、基板本体部302の上方や下方に設けられ、各種ケーブルが接続される。
RAMクリアスイッチ307は、基板本体部302の右下方に設けられたコネクタ306の上方に設けられ、RAMクリア(メインRAM300cの初期化)、および設定の変更をするために用いられる。この遊技機100では、RAMクリアスイッチ307に対して、RAMクリア機能と設定変更機能という2つの機能を併せ持たせている。以下においては、RAMクリアスイッチ307を「設定変更スイッチ307」と適宜言うことにする。なお、RAMクリアスイッチ307とは別個に設定変更スイッチが設けられてもよい。
設定キースイッチ308は、RAMクリアスイッチ307の右方に設けられ、設定の変更および参照をするために用いられる。この設定キースイッチ308は、専用キー(設定キー)を差し込むための鍵穴と、この鍵穴の周囲を囲むように設けられたキーシリンダと、を有している。なお、RAMクリアを行うためのRAMクリア処理、設定変更を行うための設定変更処理、および設定参照を行うための設定参照処理の詳細については後述する。
主制御基板ケース400は、ベース部材410、カバー部材420、封印シール430、封印シールカバー部材440,450、開封管理シール460および銘版シール470を含んで構成される。
ベース部材410は、透明な樹脂製でなり、矩形状の平面部410aと、平面部410aから前方向に突設された隔壁部410bとが設けられている。隔壁部410bは、平面部410aの上下方向の側縁、および、平面部410aの左方向の側縁に亘って連続して形成されている。また、ベース部材410には、隔壁部410bの前方端から平面部410aに対向するように内側に突設された爪部410cが複数設けられている。また、ベース部材410には、平面部410aおよび隔壁部410bよりも左側に2つのネジ穴410dが設けられている。さらに、ベース部材410には、平面部410aおよび隔壁部410bよりも右側に、上下方向に分かれて2つのシール装着部410eが設けられている。
カバー部材420は、透明な樹脂製でなり、ベース部材410に対して開閉自在に設けられている。カバー部材420は、外形が矩形状の平面部420aと、平面部420aの側縁から後方向に突設された隔壁部420bと、隔壁部420bよりも後方側に突設された側縁部420cとが設けられている。平面部420aは、ベース部材410の平面部410aよりも僅かに面積が小さく形成されており、ベース部材410の隔壁部410bに囲繞された空間内に収容可能に形成されている。なお、カバー部材420の側縁部420cには、主制御基板300に設けられたコネクタ306に対して外部からアクセス可能なように開口が設けられている。
また、平面部420aには、基板本体部302に設けられたRAMクリアスイッチ307および設定キースイッチ308が外部から操作可能なように貫通孔420g,420hが設けられている。これにより、主制御基板300が主制御基板ケース400に収容された状態で、RAMクリアスイッチ307は貫通孔420gを貫通した状態で押下可能になる。また、同様に、設定キースイッチ308は、貫通孔420hを貫通した状態(平面部420aがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で鍵穴に設定キーを差し込んで回転可能になる。
平面部420aおよび隔壁部420bによって、カバー部材420には、内部に主制御基板300を収容可能な収容空間420dが形成されている。また、カバー部材420には、平面部420aおよび隔壁部420bよりも左側であって、ベース部材410にカバー部材420が取り付けられた際にベース部材410のネジ穴410dと対向する位置に、封止機構420eが設けられている。封止機構420eは、詳しい説明は省略するが、隔壁部420bに連続して設けられた延在壁部内に、いわゆるワンウェイタイプの封止ネジが予め収容されており、封止ネジがネジ穴410dに螺合することで、封止ネジをネジ穴410dから取り外すことができないようになっている。さらに、カバー部材420には、平面部420aおよび隔壁部420bよりも右側に、上下方向に分かれて2つのシール装着部420fが設けられている。
主制御基板ケース400に主制御基板300を収容する場合には、カバー部材420をベース部材410から取り外した状態で、収容空間420dに主制御基板300を収容してビス480で固定する。その後、カバー部材420の側縁部420cが、ベース部材410の平面部410aと爪部410cとの間に挟まれるように、カバー部材420をベース部材410の右方向から左方向にスライドさせる。これにより、ベース部材410の平面部410a、カバー部材420の平面部420a、隔壁部420bによって、収容空間420dが外部から閉鎖された閉鎖空間となり、収容空間420dに収容された主制御基板300へのアクセスが不可能となる。
また、カバー部材420がベース部材410に対して閉じられた状態において、シール装着部410eおよびシール装着部420fの表面には、封印シール430が貼り付けられる。その後、封印シール430が貼り付けられたシール装着部410eおよびシール装着部420fを覆うように、透明な樹脂製の封印シールカバー部材440、450が取り付けられる。封印シールカバー部材440には、前方向に突設された突起部440aが設けられており、突起部440aが、上下方向に分かれたシール装着部410eおよびシール装着部420fの間に位置する。これにより、封印シールカバー部材440、450が不正に取り外された際には、突起部440aが封印シール430を破損させるため、早期に不正行為を発見することができる。
また、カバー部材420の平面部420aの前面における所定の位置には、開封管理シール460および銘版シール470が貼付される。このとき、図4(b)に示すように、開封管理シール460および銘版シール470は、主制御基板300に設けられた性能表示モニタ304、RAMクリアスイッチ307および設定キースイッチ308を覆わない位置に貼付される。換言すると、性能表示モニタ304、RAMクリアスイッチ307および設定キースイッチ308は、開封管理シール460および銘版シール470が貼付される位置とは被らない位置に設けられている。したがって、中枠104および前扉106が外枠102に対して開けられると、カバー部材420の平面部420aを通して、性能表示モニタ304が視認可能となるとともに、RAMクリアスイッチ307および設定キースイッチ308が操作可能となる。
(制御手段の内部構成)
図5は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300c、性能表示モニタ304、RAMクリアスイッチ(設定変更スイッチ)307および設定キースイッチ308を備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各表示器等を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御基板300は、遊技機100への電源が遮断されてから電源の投入がされた(電力の供給が開始された)後、当該電源投入時(電力の供給後)の遊技機100の状態を指定するコマンド(以下、「電源投入時遊技機状態指定コマンド」と言う。)と、当該電源投入時の演出に必要な演出コマンド(以下、「電源投入時サブコマンド群」と言う。)と、を副制御基板330に対して送信可能に構成されている。なお、これら電源投入時遊技機状態指定コマンドおよび電源投入時サブコマンド群の詳細については後述する。
また、主制御基板300は、現在滞在している遊技状態の種別を判別するための遊技状態フラグの値をメインRAM300cに設定可能に構成されている。この遊技機100では、複数種類の遊技状態が設けられており、これら遊技状態には、後述するように、低確率遊技状態かつ非時短遊技状態に設定された「通常遊技状態」(所定遊技状態)と、低確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定された「時短遊技状態」と、高確率遊技状態かつ非時短遊技状態に設定された「潜確状態」(所定遊技状態)と、高確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定された「確変状態」と、が含まれている。主制御基板300のメインCPU300aは、現在滞在している遊技状態が通常遊技状態である場合には、遊技状態フラグの値を「1」に設定し、遊技状態が時短遊技状態である場合には、遊技状態フラグの値を「2」に設定し、遊技状態が潜確状態である場合には、遊技状態フラグの値を「3」に設定し、遊技状態が確変状態である場合には、遊技状態フラグの値を「4」に設定する。このようにメインRAM300cに設定されている遊技状態フラグの値を確認することにより、遊技状態が如何なる状態に滞在しているかを把握できるようになっている。
また、主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ128sが接続されている。各検出スイッチはそれぞれ近接センサを有しており、各近接センサが遊技球の通過を検出したことに基づいて、対応する検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。なお、図2においては、一般入賞口118は遊技領域116の左打ち領域116aに配設されていることから、一般入賞口検出スイッチ118sが本発明を構成する第1検出部に相当する。また、第2始動口122、ゲート124、および大入賞口128は遊技領域116の右打ち領域116bに配設されていることから、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124s、および大入賞口検出スイッチ128sが本発明を構成する第2検出部に相当する。
また、詳しい説明は省略するが、遊技盤108の背面には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、大入賞口128、排出口130を通過した遊技球を合流させる合流通路が形成されており、この合流通路に、遊技球を検出するアウト球検出スイッチ129sが設けられている。このアウト球検出スイッチ129sは、合流通路を通過する遊技球を検出するものであり、遊技球を検出するたびに検出信号が主制御基板300に入力される。主制御基板300においては、アウト球検出スイッチ129sから入力される検出信号に基づいて、遊技球数を計数する。ここで、遊技領域116に発射された遊技球は、必ず、合流通路を通過して遊技機100の外部に排出されることから、アウト球検出スイッチ129sは、遊技領域116に発射された発射球数、換言すれば、遊技領域116から排出される排出数(以下、「アウト球数」と言う。)を計数することとなる。
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する大入賞口ソレノイド128cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122および大入賞口128の開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、遊技機100には、磁気センサ(磁気検出部)174、電波センサ176、および振動センサ178が設けられており、これらセンサ174,176,178から主制御基板300に検出信号が入力されると、磁気エラー、電波エラー、振動エラーが発生した旨の情報を含むコマンドを副制御基板330に送信するように構成されている。
また、遊技機100には、当該遊技機100が中枠開放状態であることを検出する中枠開放スイッチ(扉開放検出部)180が設けられている。外枠102から中枠104が開放されると、中枠開放スイッチ180から中枠開放検出信号が主制御基板300に入力される。主制御基板300は、中枠開放検出信号が入力されたことに基づいて、遊技機100が中枠開放状態であることを確認することができる。
また、遊技機100には、当該遊技機100の前扉106が開放している状態(以下、「前扉開放状態」と言う。)であることを検出する前扉開放スイッチ(扉開放検出部)182が設けられている。外枠102および中枠104から前扉106が開放されると、前扉開放スイッチ182から前扉開放検出信号が主制御基板300に入力される。主制御基板300は、前扉開放検出信号が入力されたことに基づいて、遊技機100が前扉開放状態であることを確認することができる。この場合、主制御基板300は、遊技機100が前扉開放状態であることを各種エラーの一部として認識し、副制御基板330に扉開放状態となっている旨の情報を含むコマンドを送信するように構成されている。なお、主制御基板300は、上記した中枠開放スイッチ180から中枠開放検出信号が入力された場合でも、遊技機100が前扉開放状態であると認識するようになっている。
この遊技機100では、上記した各種エラーには、遊技機100が前扉開放状態であること(以下、「扉開放エラー」と言う。)、磁気エラー、振動エラー、電波エラーの他に、不正入賞エラー、入賞頻度異常エラー、大入賞口過剰入賞エラー、確変領域異常通過エラー、大入賞口入出球不一致エラー、大入賞口異常排出エラー、始動口異常入賞エラー、スイッチエラー、ベース異常エラー、および可動体エラー等が含まれている。主制御基板300は、これらの各種エラーが発生した場合には、各種エラーが発生した旨の情報を含むコマンドを副制御基板330に送信するように構成されている。
また、主制御基板300は、遊技機100に上記した各種エラーが発生したか否かを判定するためにエラーフラグを制御する。エラーフラグは、各種エラーにそれぞれ対応して設けられており、具体的には、扉開放エラーフラグ、磁気エラーフラグ、電波エラーフラグ、振動エラーフラグ、不正入賞エラーフラグ、入賞頻度異常エラーフラグ、大入賞口過剰入賞エラーフラグ、確変領域異常通過エラーフラグ、大入賞口入出球不一致エラーフラグ、大入賞口異常排出エラーフラグ、始動口異常入賞エラーフラグ、スイッチエラーフラグ、ベース異常エラーフラグ、および可動体エラーフラグが設けられている。詳細は後述するが、主制御基板300のメインCPU300aは、遊技の進行中において、各種エラーの何れかが発生した場合には、発生したエラーに対応するエラーフラグの値を「1」にセットする(エラーフラグをONする)。一方、各種エラーが発生していない場合には、エラーフラグの値を「0」にセットする(エラーフラグをOFFする)。なお、エラーフラグは、主制御基板300のメインRAM300cに記憶される。
また、主制御基板300は、本来想定されている遊技の仕方とは異なる方法で行われた不正遊技を検出可能に構成されている。この不正遊技とは、遊技状態が通常遊技状態または潜確状態に滞在しているときに、遊技球を遊技領域116の右打ち領域116bに発射して遊技を進行させる行為を言う。このような不正遊技を検出するために、この遊技機100では、通常遊技状態および潜確状態において、遊技球が第2始動口122に入球したか否かを判断するようになっている。通常遊技状態および潜確状態においては、遊技者は遊技領域116の左打ち領域116aに向けて遊技球を発射させて遊技を進行させるようになっているので、発射された遊技球が遊技領域116の右打ち領域116bを流下して第2始動口122に入球することは、本来想定されていな遊技の仕方で遊技が行われていることとなる。なお、遊技状態の種別は上記したメインRAM300cに設定されている遊技状態フラグの値により確認することができる。また、遊技球が第2始動口122に入球したことは、上記のように第2始動口検出スイッチ122sからメインCPU300aに入力される検出信号に基づいて確認することができる。この不正遊技を検出する処理(不正遊技検出処理)の詳細については、後述する。
なお、上記構成では、主制御基板300のメインCPU300aは、遊技状態が通常状態または潜確状態である場合に、遊技球が第2始動口122に入球したことに基づいて、不正遊技を検出可能に構成されていたが、この構成に限られない。例えば、通常遊技状態および潜確状態において、右打ち領域116bに配設されたゲート124を遊技球が通過したことに基づいて、不正遊技を検出可能に構成されてもよい。この場合、ゲート検出スイッチ124sからメインCPU300aに入力される検出信号を用いて不正遊技の検出を行えばよい。
また、本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
また、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。例えば、上記した遊技球を発射させるための制御について、遊技機100が後述する遊技可能状態である場合には、主制御基板300は、遊技球の発射を許可する旨の発射許可信号を払出制御基板310に送信する。そして、払出制御基板310は、受信した発射許可信号に基づいて遊技球の発射を可能とするように制御を行う。これに対して、遊技機100が後述する遊技停止状態である場合には、主制御基板300は発射許可信号を払出制御基板310に送信することなく、払出制御基板310は、遊技球を発射させないように制御を行う。
また、この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報(以下、「外部情報」と言う。)が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
また、払出制御基板310には、下段受皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下段受皿134に導く通路に設けられており、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
そして、下段受皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下段受皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下段受皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、遊技球の発射制御を行う発射制御回路320が設けられている。払出制御基板310には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御回路320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行制御する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
具体的には、副制御基板330は、上記演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行う。サブROM330bには、演出表示部200aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、サブCPU330aが、画像データをサブROM330bから不図示のVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。
また、副制御基板330は、遊技盤装飾用LED108a、装飾レンズ用LED106a1、エラー報知用LED106i1、回転灯用LED106b1、サイドパネル用LED106c1を所定の色やパターンで点灯させるように制御する。サブROM330bには、遊技盤装飾用LED108a、装飾レンズ用LED106a1、エラー報知用LED106i1、回転灯用LED106b1、サイドパネル用LED106c1を点灯させる色やパターンに関するデータが多数格納されている。サブCPU330aは、これらのデータを読み出して、遊技盤108、装飾レンズユニット106a、エラー報知部106i、回転灯ユニット106b、およびサイドパネルユニット106cの点灯表示を制御する。
また、副制御基板330は、遊技の進行に合わせてスピーカ106eに所定の音を出力させるように制御する。サブROM330bには、演出用の音に関するデータが多数格納されている。サブCPU330aは、これらのデータを読み出して、スピーカ106eに所定の音を出力させるように制御する。
また、副制御基板330は、遊技の進行に合わせて演出役物装置202を可動させるように制御する。サブROM330bには、演出役物装置202の可動に関するデータが格納されている。サブCPU330aは、このデータを読み出して、演出役物装置202を可動させるように制御する。
さらに、副制御基板330は、演出操作ボタンユニット106dの押下ボタン106d1が押下操作されたことを検出する検出信号が入力された場合、およびハンドル部106d2が回転操作されたことを検出する検出信号が入力された場合、演出表示装置200の演出表示部200aに所定の演出を実行させるように制御する。
また、副制御基板330は、所定のタイミングにて演出操作ボタンユニット106dの押下ボタン106d1が押下操作されたことを検出する検出信号が入力された場合に、演出表示装置200の演出表示部200aに上記したメニュー突入画像を表示させるように制御する。また、演出表示部200aに機種メニュー等を表示させているときに、選択ボタン106fが押下されたことを検出する検出信号が入力された場合に、機種メニューに表示されている複数の項目のうち何れかの項目を選択可能に制御する。
また、副制御基板330は、所定のタイミングにて音量調節ボタン106gが押下されたことを検出する検出信号が入力された場合に、スピーカ106eから出力される音量を調節可能に制御する。また、所定のタイミングで光量調節ボタン106hが押下されたことを検出する検出信号が入力された場合に、演出表示部200aの光量を調節可能に制御する。
さらに、副制御基板330は、通常遊技状態または潜確状態において、遊技者が右打ち領域116bに遊技球を発射して遊技を進行させる不正遊技を行った場合には、主制御基板300から不正遊技が行われた旨の情報を含むコマンドを受信するように構成されている。そして、受信したそのコマンドに基づいて、演出表示装置200等に不正遊技を行った遊技者に対して警告を促す情報(以下、「不正遊技警告」と言う。)を報知させるように制御する。この不正遊技警告を報知させる処理(不正遊技報知処理)の詳細については後述する。
また、副制御基板330は、遊技中等に上記した各種エラー(例えば扉開放エラーや磁気エラー)が発生した場合には、主制御基板300から各種エラーが発生した旨の情報を含むコマンドを受信するように構成されている。そして、受信したそのコマンドに基づいて、演出表示装置200等に各種エラーが発生した旨の情報を報知させるように制御する。ここで、上記した各種エラーは、通常遊技状態または潜確状態中に右打ち領域116bに遊技球を発射して遊技を進行させる行為に比べて、大量の遊技球が不正に払い出される可能が非常に大きい致命的なエラーである。そこで、この遊技機100では、不正遊技警告の報知中に各種エラーが発生した場合には、各種エラーが発生した旨の情報を優先して報知させるように構成されている。以下においては、上記した各種エラーを「優先報知エラー」と言い、優先報知エラーが発生した旨の情報を「優先報知エラー情報」と言うことにする。なお、副制御基板330のサブRAM330cにも、上記主制御基板300のサブRAM330cと同様に、各種エラーに対応したエラーフラグが記憶されている。そして、副制御基板330は、主制御基板300から優先報知エラー情報を含むコマンドを受信したか否かに応じて、対応する優先報知エラーフラグを制御する。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、遊技機100に電源が投入されている間は、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
次に、本実施形態におけるRAMクリア処理、設定変更処理および設定参照処理の実行手順について説明する。
RAMクリア処理を実行する場合には、まず、ドアキーを中枠104のシリンダ錠140の鍵穴に差し込み、時計回りに回転させて遊技機100を中枠開放状態とする。その後、遊技機100への電源を遮断する(電源をオフする)。この状態でRAMクリアスイッチ307をオンしながら電源を投入する(電源をオンする)。
設定変更処理または設定参照処理を実行する場合には、上記と同様にして遊技機100を中枠開放状態とした後、遊技機100への電源を遮断する。この状態で設定キースイッチ308の鍵穴に設定キーを挿入し、当該設定キーを時計回りに回転させた(設定キースイッチ308をオンした)後、電源を投入する。
これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号が、設定キースイッチ308により入力され、この入力信号に基づいて設定変更中の状態(以下、「設定変更可能状態」と言う。)または設定参照中の状態(以下、「設定参照状態」と言う。)となる。なお、このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられるので、設定キーは元の位置に戻されない限りは抜き取ることができなくなる。
ここで、設定キーを時計回りに回転した状態で、RAMクリアスイッチ307をオンしながら、電源をオンすると、設定変更可能状態となる。一方、設定キーを時計回りに回転した状態で、RAMクリアスイッチ307をオンすることなく、電源をオンすると、設定参照状態となる。
設定変更可能状態において、RAMクリアスイッチ307を任意の回数だけ押下(オン)することにより、例えば、6段階のうち何れかの段階に設定値を変更することができる。設定値が変更された場合には、メインCPU300aは、変更後の設定値をメインRAM300cの設定値バッファに記憶する。なお、設定値バッファは、バックアップ対象となるメモリ領域とすることができる。また、設定値は、主制御基板300の性能表示モニタ304に表示することができるが、この表示態様の詳細については後述する。
所望の設定値に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す(設定キースイッチ308をオフする)。これにより、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号が設定キースイッチ308により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。なお、その後、設定キーを設定キースイッチ308から抜き取ることができるようになり、性能表示モニタ304に表示されていた設定値の表示は消えることとなる。
設定参照状態においても、性能表示モニタ304に設定値が表示され、この設定値の参照を行ったら、上記設定変更処理と同様に、設定キースイッチ308をオフすることにより、設定の参照が終了する。
以下においては、遊技機100が中枠開放状態で設定キースイッチ308をオンした状態で、RAMクリアスイッチ307をオンしながら電源をオンすることを「設定変更条件が満たされた」と言う。また、遊技機100が中枠開放状態で設定キースイッチ308をオンした状態で、RAMクリアスイッチ307をオフしながら電源をオンすることを「設定参照条件が満たされた」と言う。また、以下においては、設定変更処理および設定参照処理をまとめて「設定関連処理」と言うことにする。
図6は、メインCPU300aが用いるメモリ領域のアドレスマップである。なお、図6において、アドレスは16進数で示しており、「H」は16進数であることを示している。図6に示すように、メインCPU300aが用いるメモリ領域は、メインROM300bに割り当てられたメモリ領域(0000H〜2FFFH)と、メインRAM300cに割り当てられたメモリ領域(F000H〜F3FFH)とを含んでいる。
メインROM300bのメモリ領域は、遊技の進行を制御するためのプログラムおよびデータを格納する使用領域(0000H〜1A7AH)と、使用領域以外の領域であって、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ304を表示するための処理(性能表示モニタ304に表示するベース比率を算出するための処理を含む)を実行するためのプログラムおよびデータを格納する使用外領域(2000H〜2BFFH)とが設けられている。
メインROM300bの使用領域には、遊技の進行を制御するためのプログラムが格納されるプログラム領域(0000H〜0A89H)、未使用領域(0A8AH〜0FFFH)、プログラム以外のデータが格納されるデータ領域(1000H〜1A7AH)が設けられている。なお、使用領域は、未使用領域(0A8AH〜0FFFH)を含めないようにしてもよい。
メインROM300bの使用外領域には、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ304を表示するための処理を実行するためのプログラムが格納されるプログラム領域(2000H〜27FFH)、これらのプログラム以外のデータが格納されるデータ領域(2800H〜2BFFH)が設けられている。
また、メインROM300bのメモリ領域には、使用領域および使用外領域以外にも、未使用領域(1A7BH〜1DFFH)、プログラムのタイトル、バージョン等の任意のデータが格納されるROMコメント領域(1E00H〜1EFFH)、未使用領域(1F00H〜1FFFH)、未使用領域(2C00H〜2FBFH)、メインCPU300aがプログラムを実行するために必要な情報が格納されるプログラム管理領域(2FC0H〜2FFFH)が設けられている。
メインRAM300cのメモリ領域は、遊技の進行を制御するためのプログラムが実行されている際に一時的に用いられる使用領域(F000H〜F1FFH)と、使用領域以外の領域であって、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ304を表示するための処理のプログラムが実行されている際に一時的に用いられる使用外領域(F210H〜F228H)とが設けられている。
メインRAM300cの使用領域には、遊技の進行を制御するためのプログラムが実行されている際に一時的に用いられるワーク領域(F000H〜F12AH)、未使用領域(F12BH〜F1D7H)、遊技の進行を制御するためのプログラムの実行中にデータを一時的に退避させるスタック領域(F1D8H〜F1FFH)が設けられている。なお、使用領域は、未使用領域(F12BH〜F1D7H)を含めないようにしてもよい。
メインRAM300cの使用外領域には、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ304を表示するための処理のプログラムが実行されている際に一時的に用いられるワーク領域(F210H〜F21FH)、これらのプログラムが実行されている際にデータを一時的に退避させるスタック領域(F220H〜F228H)が設けられている。
また、メインRAM300cのメモリ領域には、使用領域および使用外領域以外にも、未使用領域(F200H〜F20FH)、未使用領域(F229H〜F3FFH)が設けられている。
このように、メインROM300bおよびメインRAM300cでは、遊技の進行を制御するために用いられる使用領域と、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ304を表示するための処理を実行するために用いられる使用外領域とが分かれて設けられている。
そして、メインRAM300cでは、使用領域と使用外領域との間に、16バイトの未使用領域(F200H〜F20FH)が設けられている。この未使用領域(F200H〜F20FH)は、使用領域および使用外領域を分ける境界領域として設定されており、使用領域と使用外領域との境界が明確となり、遊技の進行を制御するためのプログラムが実行されている際に使用外領域が用いられること、および、遊技機規則で定める試験を行うための処理や、性能表示モニタ304を表示するための処理のプログラムが実行されている際に使用領域が用いられることを防止している。
なお、使用領域と使用外領域との間に設けられる未使用領域は、少なくとも1バイト以上であればよく、不正防止の観点から、4バイト以上であることが望ましく、16バイト以上に設定されることがより望ましい。また、未使用領域は、データの書き込みおよび読み出しが禁止されているが、不正防止の観点から、所定のタイミングでクリアするようにしてもよい。
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
上述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態の何れかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態の何れかの遊技状態と、が組み合わされた何れかの遊技状態にて遊技が進行する。この遊技機100では、低確率遊技状態と非時短遊技状態とが組み合わされた遊技状態が「通常遊技状態」であり、低確率遊技状態と時短遊技状態とが組み合わされた遊技状態が「時短遊技状態」である。また、高確率遊技状態と非時短遊技状態とが組み合わされた遊技状態が「潜確状態」であり、高確率遊技状態と時短遊技状態とが組み合わされた遊技状態が「確変状態」である。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口128が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。
また、非時短遊技状態というのは、可動片122bが開状態になりにくく、第2始動口122に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片122bが開状態になりやすく、第2始動口122に遊技球が入球しやすい遊技状態である。
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」と言う。)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口128が開放されるとともに当該大入賞口128への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記の何れかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して「特1保留」と言い、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して「特2保留」と言う。
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1〜第4記憶部の何れにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部〜第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
図7は、大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜65535の範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態、および、設定中の設定値に応じて大当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された大当たり決定乱数判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
低確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、低確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。ここで、本実施形態では、有利度合いを異にする6段階の設定値が設けられており、低確時大当たり決定乱数判定テーブルは、設定値ごとに設けられている。遊技中は、設定値が6段階のうちの何れかに設定されており、現在設定されている設定値に対応する低確時大当たり決定乱数判定テーブルを参照して大役抽選が行われる。
設定値=1に設定されている場合には、図7(a)に示す低確時大当たり決定乱数判定テーブルaを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルaによれば、大当たり決定乱数が10001〜10206であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/318.1となる。
設定値=2に設定されている場合には、図7(b)に示す低確時大当たり決定乱数判定テーブルbを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルbによれば、大当たり決定乱数が10001〜10216であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/303.4となる。
設定値=3に設定されている場合には、図7(c)に示す低確時大当たり決定乱数判定テーブルcを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルcによれば、大当たり決定乱数が10001〜10226であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/289.9となる。
設定値=4に設定されている場合には、図7(d)に示す低確時大当たり決定乱数判定テーブルdを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルdによれば、大当たり決定乱数が10001〜10236であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/277.6となる。
設定値=5に設定されている場合には、図7(e)に示す低確時大当たり決定乱数判定テーブルeを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルeによれば、大当たり決定乱数が10001〜10246であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/266.4となる。
設定値=6に設定されている場合には、図7(f)に示す低確時大当たり決定乱数判定テーブルfを参照して大役抽選が行われる。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルfによれば、大当たり決定乱数が10001〜10256であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/256.0となる。
一方、高確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、高確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。ここで、本実施形態では、高確時大当たり決定乱数判定テーブルもまた、上記低確時大当たり決定乱数判定テーブルと同様に、設定値ごとに設けられており、遊技中は、現在設定されている設定値に対応する高確時大当たり決定乱数判定テーブルを参照して大役抽選が行われる。
設定値=1に設定されている場合には、図7(g)に示す高確時大当たり決定乱数判定テーブルgを参照して大役抽選が行われる。この高確時大当たり決定乱数判定テーブルgによれば、大当たり決定乱数が10001〜12060であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/31.81となる。
設定値=2に設定されている場合には、図7(h)に示す高確時大当たり決定乱数判定テーブルhを参照して大役抽選が行われる。この高確時大当たり決定乱数判定テーブルhによれば、大当たり決定乱数が10001〜12160であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/30.34となる。
設定値=3に設定されている場合には、図7(i)に示す高確時大当たり決定乱数判定テーブルiを参照して大役抽選が行われる。この高確時大当たり決定乱数判定テーブルiによれば、大当たり決定乱数が10001〜12261であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/28.99となる。
設定値=4に設定されている場合には、図7(j)に示す高確時大当たり決定乱数判定テーブルjを参照して大役抽選が行われる。この高確時大当たり決定乱数判定テーブルjによれば、大当たり決定乱数が10001〜12361であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/27.76となる。
設定値=5に設定されている場合には、図7(k)に示す高確時大当たり決定乱数判定テーブルkを参照して大役抽選が行われる。この高確時大当たり決定乱数判定テーブルkによれば、大当たり決定乱数が10001〜12460であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/26.64となる。
設定値=6に設定されている場合には、図7(l)に示す高確時大当たり決定乱数判定テーブルlを参照して大役抽選が行われる。この高確時大当たり決定乱数判定テーブルlによれば、大当たり決定乱数が10001〜12560であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/25.60となる。
以上のように、低確率遊技状態または高確率遊技状態に設定されている場合には、設定中の設定値に応じて大役抽選が行われる。このとき、設定値に応じて、大当たりの当選確率が異なっており、設定値が高い場合の方が、低い場合に比べて、大当たりに当選しやすくなっている。また、高確率遊技状態である場合の方が、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たりの当選確率が高くなっており、大当たりに当選し易くなっている。
図8は、当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、図8(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルが選択され、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、図8(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルが選択される。以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄とよび、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄と言う。
図8(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブル、および、図8(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(大当たり図柄)が決定される。また、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定され、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に参照されることはない。
図9は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチグループ決定乱数判定テーブルは複数設けられており、保留種別や保留数、さらには遊技状態に対応付けて設定される変動状態等に応じて1のテーブルが選択される。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜10006の範囲内から1つのリーチグループ決定乱数が取得される。上記のように、大役抽選結果が導出されると、当該大役抽選結果を報知する変動演出パターンを決定する処理が行われる。本実施形態では、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、変動演出パターンを決定するにあたって、まず、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブルとによってグループ種別が決定される。
例えば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されており、変動状態が通常1変動状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの特1保留数(以下、「保留数」と言う。)が0個であれば、図9(a)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル1が選択される。同様に、保留数が1個であれば、図9(b)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル2が選択され、保留数が2、3個であれば、図9(c)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル3が選択される。なお、図9において、グループ種別の欄に記載しているグループxは、任意のグループ番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチグループ決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、グループ種別として種々のグループ番号が決定されることとなる。
このように、本実施形態では、変動演出パターンを決定するためのテーブルが、設定されている遊技状態に加えて、変動状態に基づいて決定される。つまり、変動状態とは、何れのテーブルを参照して変動演出パターンを決定するかが規定されたものであり、遊技状態とは別に設定される概念である。
なお、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、変動演出パターンを決定するにあたってグループ種別を決定することはない。つまり、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に参照されることはない。
図10は、リーチモード決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチモード決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に選択されるハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルと、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に選択される大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとに大別される。なお、ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルは、上記のように決定されたグループ種別ごとに設けられており、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルは、遊技状態や図柄種別ごとに設けられている。また、各リーチモード決定乱数判定テーブルは、保留種別ごとに設けてもよい。ここでは、所定の遊技状態および図柄種別において参照されるグループx用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図10(a)に示し、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図10(b)に示す。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜250の範囲内から1つのリーチモード決定乱数が取得される。そして、上記の大役抽選の結果が「ハズレ」であった場合には、図10(a)に示すように、上記のグループ種別の抽選により決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択されたハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。また、上記の大役抽選の結果が「大当たり」であった場合には、図10(b)に示すように、読み出された遊技状態や図柄の種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。
また、各リーチモード決定乱数判定テーブルにおいては、リーチモード決定乱数に、変動モード番号とともに、後述する変動パターン乱数判定テーブルが対応付けられており、変動モード番号が決定されるのと同時に、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。なお、図10において、変動パターン乱数判定テーブルの欄に記載しているテーブルxは、任意のテーブル番号を示している。したがって、取得したリーチモード決定乱数と、参照するリーチモード決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、変動モード番号と、変動パターン乱数判定テーブルのテーブル番号とが決定されることとなる。また、本実施形態において、変動モード番号および後述する変動パターン番号は、16進数で設定されている。以下において、16進数を示す場合には「H」を付するが、図10〜図12に○○Hと記載しているのは、16進数で示される任意の値を示すものである。
以上のように、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合には、まず、図9に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルとリーチグループ決定乱数とによってグループ種別が決定される。そして、決定されたグループ種別と遊技状態に応じ、図10に示すハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号および変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
一方、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、決定された大当たり図柄(特別図柄の種別)、大当たり当選時の遊技状態等に応じ、図10に示す大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号、変動パターン乱数判定テーブルが決定されることとなる。
図11は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図である。ここでは、所定のテーブル番号xの変動パターン乱数判定テーブルxを示すが、変動パターン乱数判定テーブルは、この他にも、テーブル番号ごとに多数設けられている。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜238の範囲内から1つの変動パターン乱数が取得される。そして、上記の変動モード番号と同時に決定された変動パターン乱数判定テーブルと、取得した変動パターン乱数とに基づいて、図示のように変動パターン番号が決定される。
このように、大役抽選が行われると、大役抽選結果、決定された図柄種別、遊技状態、保留数、保留種別等に応じて、変動モード番号、変動パターン番号が決定される。これら変動モード番号、変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するものであり、そのそれぞれに、変動演出の態様および時間が対応付けられている。なお、以下では、変動モード番号および変動パターン番号を総称して変動情報と言う場合がある。
図12は、変動時間決定テーブルを説明する図である。上記のように、変動モード番号が決定されると、図12(a)に示す変動時間1決定テーブルにしたがって変動時間1が決定される。この変動時間1決定テーブルによれば、変動モード番号ごとに変動時間1が対応付けられており、決定された変動モード番号に応じて、対応する変動時間1が決定される。
また、上記のように、変動パターン番号が決定されると、図12(b)に示す変動時間2決定テーブルにしたがって変動時間2が決定される。この変動時間2決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに変動時間2が対応付けられており、決定された変動パターン番号に応じて、対応する変動時間2が決定される。このようにして決定された変動時間1、2の合計時間が、大役抽選結果を報知する変動演出の時間、すなわち、変動時間となる。
以上のようにして変動モード番号が決定されると、当該決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが副制御基板330に送信され、変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、主に変動演出の前半の態様が決定され、受信した変動パターンコマンドに基づいて、主に変動演出の後半の態様が決定されることとなる。以下では、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドを総称して変動コマンドと言う場合があるが、その詳細については後述する。
図13は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。この特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中は、この特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大当たり図柄の種別ごとに複数設けられており、決定された大当たり図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに全ての大当たり図柄の制御データを示す。
大当たり図柄である特別図柄A〜Dが決定されると、図13に示すように、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技が実行される。大役遊技は、大入賞口128が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成されている。この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド中の大入賞口128の開放回数)、ソレノイド通電時間(大入賞口128の開放回数ごとの大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の大入賞口128の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における大入賞口128への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の大入賞口128の閉鎖時間、すなわち、インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技(後述する特別図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が、大役遊技の制御データとして、大当たり図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
図14は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。図13に示すとおり、特別図柄Aが決定された場合には、大役遊技の終了後に低確率遊技状態に設定され、特別図柄B〜Dが決定された場合には、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定されるとともに、高確率遊技状態の継続回数(以下、「高確回数」と言う。)は10000回に設定される。これは、大役抽選結果が10000回確定するまでの間、高確率遊技状態が継続することを意味している。ただし、上記した高確回数は1の高確率遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。したがって、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定された場合に、当該高確率遊技状態において大当たりの抽選結果が導出されることなく、ハズレの抽選結果が10000回導出されると、低確率遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。
また、特別図柄Aが決定された場合には、大役遊技の終了後に非時短遊技状態に設定され、特別図柄B〜Dが決定された場合には、大役遊技の終了後に時短遊技状態に設定されるとともに、時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」と言う。)は10000回に設定される。これは、大役抽選結果が10000回確定するまでの間、時短遊技状態が継続することを意味している。ただし、上記した時短回数は1の時短遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。
このように、特別図柄Aが決定された場合には、大役遊技終了後の遊技状態が低確率遊技状態と非時短遊技状態とが組み合わされた「通常遊技状態」に設定され、特別図柄B〜Dが決定された場合には、高確率遊技状態と時短遊技状態とが組み合わされた「確変状態」に設定されることとなる。なお、図示は省略しているが、これら特別図柄A〜Dとは異なる他の特別図柄が決定された場合には、大役遊技終了後の遊技状態が、低確率遊技状態と時短遊技状態とが組み合わされた「時短遊技状態」、または高確率遊技状態と非時短遊技状態とが組み合わされた「潜確状態」に設定可能となっている。
なお、ここでは、大当たり図柄の種別に応じて、遊技状態や高確回数、時短回数を設定することとしたが、大当たり図柄の種別と大当たり当選時の遊技状態との双方に応じて、大役遊技の終了後の遊技状態および高確回数、時短回数を設定してもよい。
図15は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過すると、第2始動口122の可動片122bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」と言う。)が行われる。
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過すると、0〜99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留と言う。
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図15(a)に示すように、非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が1〜99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は1/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動口122の可動片122bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第2始動口122の可動片122bが閉状態に維持される。
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図15(b)に示すように、時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0〜98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。
図16(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、図16(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、第2始動口122の可動片122bが、図16(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、遊技状態ごとに設けられており、普通図柄が決定されたときの遊技状態に応じて、対応するテーブルが普通電動役物ソレノイド122cの通電開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに各遊技状態に対応する制御データを示す。
当たり図柄が決定されると、図16(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して第2始動口122が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第2始動口122の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第2始動口122の開放回数)、ソレノイド通電時間(第2始動口122の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド122cの通電時間、すなわち、1回の第2始動口122の開放時間)、規定数(第2始動口122の全開放中における第2始動口122への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第2始動口122の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第2始動口122の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第2始動口122の制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
このように、非時短遊技状態および時短遊技状態には、それぞれ、第2始動口122を開閉するための開閉制御条件が、遊技進行条件として対応付けられており、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート124を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口122が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大役抽選を行うことが可能となる。
なお、第2始動口122の開閉条件は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第2始動口122の開放時間の3つの要素を規定するものである。そして、本実施形態では、この3つの要素のうち2つの要素において、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方を有利に設定することで、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも、第2始動口122に遊技球が入球しやすくなるように設定した。しかしながら、上記3つの要素のうち、1つまたは3つの要素について、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも有利に設定してもよい。何れにしても、時短遊技状態の方が非時短遊技状態に比べて、少なくとも1つの要素について有利となることで、総合的に時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が容易に入球するようにすればよい。つまり、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件にしたがって可動片122bが開閉制御され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件よりも開状態になりやすい第2の条件にしたがって可動片122bが開閉制御されればよい。
次に、性能表示モニタ304の表示態様について説明する。
図17は、性能表示モニタ304の表示態様を説明する図である。主制御基板300では、遊技状態が低確率遊技状態および非時短遊技状態であるときのベース比率(遊技媒体の払出に関する情報)を性能表示モニタ304に表示する。ここで、ベース比率は、詳しくは後述するように、予め設定された区間ごと(アウト球数が60000個ごと)に導出され、アウト球数に対する、一般入賞口118、第1始動口120および第2始動口122に遊技球が入球したことにより払い出される賞球数の合計値(払出数)を百分率(%)で示したものである。
図17に示すように、性能表示モニタ304には、現在の区間のベース比率と、前回の区間のベース比率とが、予め設定された間隔(例えば、5秒)ごとに切り替わって表示される。
性能表示モニタ304は、7セグメント304a、304bで、現在の区間のベース比率であるか、前回の区間のベース比率であるかを識別するための識別子「bc」または「bb」が表示される。また、性能表示モニタ304は、7セグメント304c、304dで、識別子「bc」または「bb」に対応するベース比率が2桁で表示される。
したがって、現在の区間のベース比率が30%であるとすると、現在の区間のベース比率を表示する際には、7セグメント304a、304bに「bc」が表示され、7セグメント304c、304dに「30」が表示される。また、前回の区間のベース比率が38%であるとすると、前回の区間のベース比率を表示する際には、7セグメント304a、304bに「bb」が表示され、7セグメント304c、304dに「38」が表示される。
図18は、性能表示モニタ304に表示されるベース比率の区間を説明する図である。ここで、遊技機100が製造されてからホールに設置されて遊技者による遊技が行われるまでの間には、製造時における検査や、ホールでの試運転(動作チェック)等が行われる。このような製造時における検査や、ホールでの試運転等でも遊技球が発射、排出されることになるが、この間のアウト球数および排出数をカウントしてしまうと、遊技者による遊技が行われている間のベース比率を正確に導出することができなくなってしまうおそれがある。
そこで、図18(a)に示すように、アウト球検出スイッチ129sによって検出されるアウト球数のトータルが0〜300の最初の区間(対象外区間)は、製造時における検査や、ホールでの試運転等、遊技者による遊技が行われる以前に検出されたアウト球としてベース比率を導出する対象から除外する。同様に、アウト球数が0〜300の区間で払い出された払出数もベース比率を導出する対象から除外する。この対象外区間中では、図18(b)に示すように、現在の区間のベース比率を表示する際には、識別子「bc」を点滅表示するとともに、ベース比率を「−−」と点灯表示する。また、前回の区間は存在しないことから、前回の区間のベース比率を表示する際には、識別子「bb」を点滅表示するとともに、ベース比率を「−−」と点灯表示する。
そして、アウト球数が301〜60300までを1回目の区間とし、1回目の区間では、ベース比率を随時(リアルタイムで)導出し、現在の区間のベース比率を表示する際には、識別子「bc」を表示するともに、導出したベース比率を点灯表示する。このとき、アウト球数が301〜6299までの間(当該区間におけるアウト球数が5999以下の間)は、識別子「bc」を点滅表示することで、現在の区間のベース比率を導出する際のサンプルが少なく、ベース比率が安定していないことを報知する。その後、アウト球数が6300以上になる(当該区間におけるアウト球数が6000以上になる)と、識別子「bc」を点灯表示することで、現在の区間のベース比率を導出する際のサンプルが多く、ベース比率が安定していることを報知する。
また、1回目の区間では、前回の区間は存在しないことから、前回の区間のベース比率を表示する際には、識別子「bb」を点滅表示するとともに、ベース比率を「−−」と点灯表示する。
また、アウト球数が60301〜120300までの2回目の区間では、1回目の区間と同様に、ベース比率を随時(リアルタイムで)導出し、現在の区間のベース比率を表示する際には、アウト球数に応じて識別子「bc」を点灯または点滅表示するとともに、導出したベース比率を表示する。また、2回目の区間では、前回の区間のベース比率を表示する際には、識別子「bb」を点灯表示するとともに、1回目の区間の最終的なベース比率を点灯表示する。
このように、アウト球数が最初の300個を除いた60000個ごと(n回目の区間ごと)に、リアルタイムで導出したベース比率を、現在の区間のベース比率として表示するとともに、n−1回目の区間の最終的なベース比率を、前回の区間のベース比率として表示する。
これにより、製造時における検査や、ホールでの試運転(動作チェック)等、遊技者による遊技が行われる前のアウト球数および排出数を、ベース比率を導出する対象から除外することができ、ベース比率を正確に導出することができる。
なお、ベース比率を導出する際に、ベース比率が一時的に100%を超える場合もある。例えば、区間の最初の1球が第1始動口120に入球した場合、アウト球数は1であるのに対して、払出数は第1始動口120に入球したことにより得られる賞球数(例えば3)となり、ベース比率は300%となる。このような場合、性能表示モニタ304では、ベース比率を2桁でしか表示できないことから、「99.」を点灯表示することで、ベース比率が100%を超えていることを報知する。
図19は、遊技停止中における性能表示モニタ304の表示態様を説明する図である。ところで、遊技機100では、一時的に、または電源遮断して再度電源投入した後に設定変更処理を終了させるまで、遊技の進行が停止することがある。具体的には、電源投入時に遊技機100の状態が設定変更可能状態(設定変更中の状態)または設定参照状態(設定参照中の状態)である場合には、一時的に遊技の進行が停止される。また、電源投入時または遊技の進行中に遊技機100の状態が遊技の進行を停止する必要がある警戒レベルの高いエラーが発生した異常状態である場合には、一旦電源をオフした後に設定変更条件が満たされるように再度電源をオンして設定変更可能状態とし、設定変更処理を終了させるまで遊技の進行が停止される。本実施形態では、このような警戒レベルの高い異常状態には、設定異常エラーが発生している状態(以下、「設定異常状態」と言う。)、RAM異常エラーが発生している状態(以下、「RAM異常状態」と言う。)、およびバックアップ異常エラーが発生している状態(以下、「バックアップ異常状態」と言う。)が含まれている。設定異常状態は、遊技の進行中に発生し得るものであり、RAM異常状態およびバックアップ異常状態は、電源投入時に発生し得るものである。なお、バックアップ異常エラーには、初回起動時にバックアップ異常エラーが発生する場合も含まれている。以下においては、設定異常状態、RAM異常状態、およびバックアップ異常状態をまとめて単に「異常状態」と言い、設定変更可能状態、設定参照状態、および異常状態をまとめて「遊技停止状態」と言う。これに対して、設定変更処理を終了させた後にRAMクリアスイッチ307をオンしながら電源投入した(つまり、単にRAMクリア処理を実行した)場合の遊技機100の状態、および設定変更処理を終了させた後にRAMクリアスイッチ307をオンすることなく電源投入した(つまり、単に電源復帰した)場合の遊技機100の状態を「遊技可能状態」と言う。
上記した遊技停止状態では、上記したベース比率の導出も中断されるので、仮に遊技球が発射されたとしても、その遊技球による払出数やアウト球数の変更がなされることはない。また、遊技停止状態では、性能表示モニタ304には、ベース比率に代えて、図19(a)〜(c)に示すように、遊技停止状態になった原因に基づいた表示がなされる。
図19(a)は、設定変更中における性能表示モニタ304の表示態様を示す。この図に示すように、性能表示モニタ304には、設定変更中であることを示す識別子「rn.−」が7セグメント304a、304b、304cに表示されるとともに、設定中の設定値(図中「6」)が7セグメント304dに表示される。そして、設定変更スイッチ(RAMクリアスイッチ)307がオンされると、変更された設定値が7セグメント304dに更新されて表示される。
また、図19(b)は、設定参照中における性能表示モニタ304の表示態様を示す。この図に示すように、性能表示モニタ304には、設定参照中であることを示す識別子「rn. 」が7セグメント304a、304b、304cに表示されるとともに、設定中の設定値(図中「6」)が7セグメント304dに表示される。
また、図19(c)は、異常状態中の性能表示モニタ304の表示態様を示す。この図に示すように、性能表示モニタ304には、当該エラーが発生中であることを示す識別子「Er.」が7セグメント304a、304bに表示されるとともに、発生したエラーの識別コードを示す値(図中「 1」)が7セグメント304c、304dに表示される。なお、エラーの識別コードを示す値としては、設定異常状態に「1」が対応付けられ、RAM異常状態に「2」が対応付けられ、バックアップ異常状態に「3」が対応付けられている。
このように、本実施形態では、遊技機100の状態が遊技停止状態(設定変更可能状態、設定参照状態、および異常状態)である場合には、遊技の進行が停止されるので、不正行為や不具合を防止することができる。また、遊技停止状態中はベース比率の導出も停止されるため、不正行為や不具合によるベース比率の誤導出を防止することができる。さらに、遊技停止状態になった原因に基づいた表示が性能表示モニタ304になされることで、設定値やエラーを参照させるための表示器を別途設ける必要がなく、構造を簡素化することができる。
本実施形態では、主制御基板300は、遊技機100の状態が遊技可能状態または遊技停止状態になったか否かを判断するために遊技機状態フラグを制御する。なお、この遊技機状態フラグは、主制御基板300のメインRAM300cに記憶される。
具体的には、主制御基板300のメインCPU300aは、後述するCPU初期化処理等において、電源投入時および遊技の進行中における遊技機100の状態に応じて、遊技機状態フラグに「0」〜「5」の何れかの値を設定(セット)する。図20は、遊技機状態フラグ、遊技機状態フラグの値に対応した遊技機100の状態およびその状態の内容を示した図である。なお、遊技機100の状態とその状態の内容については既に説明した通りであるので、その説明を省略する。
図20に示すように、遊技可能状態に遊技機状態フラグの値「0」が対応付けられ、設定変更可能状態に遊技機状態フラグの値「1」が対応付けられ、設定参照状態に遊技機状態フラグの値「2」が対応付けられ、設定異常状態に遊技機状態フラグの値「3」が対応付けられ、RAM異常状態に遊技機状態フラグの値「4」が対応付けられ、バックアップ異常状態に遊技機状態フラグの値「5」が対応付けられている。よって、メインCPU300aは、電源投入時において、遊技機100の状態が遊技可能状態である場合には、遊技機状態フラグの値に「0」を設定し、設定変更可能状態である場合には、遊技機状態フラグの値に「1」を設定し、設定参照状態である場合には、遊技機状態フラグの値に「2」を設定し、RAM異常状態である場合には、遊技機状態フラグの値に「4」を設定し、バックアップ異常状態である場合には、遊技機状態フラグの値に「5」を設定する。また、遊技の進行中において、遊技機100の状態が設定異常状態となった場合には、遊技機状態フラグの値に「3」を設定する。このようにして、メインCPU300aは、電源投入時および遊技の進行中の遊技機100の状態を把握して記憶する。そして、メインCPU300aは、電源投入時に遊技機状態フラグの値(遊技機100の状態)に応じて、電源投入時遊技機状態指定コマンドを送信する。
また、本実施形態では、主制御基板300は、主として遊技中の不正行為対策として、上記した各種エラー(例えば扉開放エラー等)が発生したことを判定可能に構成されており、各種エラーの何れかが発生した場合には、設定異常状態になった場合とは異なり、遊技の進行を停止させることなく、遊技を続行可能になっている。
図21は、電源投入時遊技機状態指定コマンドおよび電源投入時サブコマンド群とこれらの送信内容を示した図である。図21に示すように、電源投入時遊技機状態指定コマンドは、電源投入時の遊技機100の状態に応じた複数種類のコマンドを含んでいる。
具体的には、これら複数種類のコマンドには、RAMクリア処理を実行したことを指定するRAMクリア指定コマンド、設定変更中であることを指定する設定変更指定コマンド、電源復帰したことを指定する電源復帰指定コマンド、電源遮断時に設定変更中であった場合において再度電源投入して再び設定変更中であることを指定する設定変更復帰指定コマンド、設定参照中であることを指定する設定参照復帰指定コマンド、設定異常エラーが発生していることを示す設定異常エラー指定コマンド、RAM異常エラーが発生していることを示すRAM異常エラー指定コマンド、バックアップ異常エラーが発生していることを示すバックアップ異常エラー指定コマンド、が含まれている。
なお、図中において、「RAMクリアなら」と表記しているのは、RAMクリア指定コマンドおよび設定変更指定コマンドは、少なくともRAMクリアスイッチ307がオンされた状態で電源投入された場合に送信されるコマンドであることを示すためである。また、「電源復帰なら」と表記しているのは、電源復帰指定コマンド、設定変更復帰指定コマンド、設定参照復帰指定コマンドは、少なくともRAMクリアスイッチ307がオフされた状態で電源投入された場合に送信されるコマンドであることを示すためである。
このように、メインCPU300aが電源投入時における遊技機100の状態に応じて電源投入時遊技機状態指定コマンドを副制御基板330に送信することにより、副制御基板330は、当該電源投入時における遊技機100の状態を正確に把握することができる。
また、本実施形態では、メインCPU300aは、電源投入時に所定条件が成立した場合には、電源投入時サブコマンド群を副制御基板330に送信する。図21に示すように、電源投入時サブコマンド群は、上述したように電力の供給後の演出に必要なコマンドであり、複数種類のコマンドを含んでいる。
具体的には、これら複数種類のコマンドとして、遊技機100のスペックコードと遊技状態を指定するスペックコード指定コマンドと、打ち方(左打ちまたは右打ち)を指定する発射位置指定コマンドと、作動中の特図1に係る特別図柄の情報を指定する特図1図柄確認指定コマンドと、作動中の特図2に係る特別図柄の情報を指定する特図2図柄確認指定コマンドと、遊技機100に設定されている設定値を指定する設定値指定コマンドと、演出表示装置200に表示する特1保留数を指定する特図1保留指定コマンドと、演出表示装置200に表示する特2保留数を指定する特図2保留指定コマンドと、残り時短回数を指定する時短回数A指定コマンドと、残り特殊回数を指定する特殊回数A指定コマンドと、特別図柄の遊技フェーズを指定する電源投入時特フェーズ指定コマンドと、演出表示装置200でのデモ画面の表示を指定する客待ち指定コマンド等、が含まれている。なお、上記コマンドはあくまでも一例にすぎず、遊技機100のスペックに応じて適宜変更可能である。
なお、電力の供給後の演出とは、上記図21に示すような電源投入時サブコマンド群に基づいて演出表示部200aに表示される画面表示と、この画面表示に対応する音声出力およびLEDの発行態様のことである。例えば、上記画面表示には、特別図柄の状態(変動待ち、大当たり中等)に対応する表示、保留表示(コマンドが指定する保留数に応じた保留アイコンの表示)、時短遊技状態中の時短回数の表示、演出ステージに対応する表示(特定の背景表示やステージ表示を含む)、打ち方の指示表示等によって構成される画面表示が含まれる。
このように、主制御基板300が電源投入時に所定条件が成立した場合に、複数種類のコマンドを含んだ電源投入時サブコマンド群を一括で副制御基板330に送信することにより、副制御基板330は、電源投入時に実行すべき演出内容を一度に正確に把握することができる。
特に、本実施形態では、副制御基板330は、主制御基板300から送信された設定値指定コマンドに関する情報をサブRAM330cに記憶し、現在設定されている設定値を把握する。そして、副制御基板330は、このように記憶された設定値に関する情報に基づいて、この設定値を示唆する設定示唆演出を演出装置で実行するように構成されている。
例えば、特図(第1特図または第2特図)の変動中である場合に、副制御基板330は、設定値に応じた画像を演出表示部200aに表示するよう演出表示装置200を制御する。一例を挙げると、副制御基板330は、特図の変動中に設定値に応じて異なる色彩態様となった背景画像を演出表示部200aに表示するように演出表示装置200を制御する。これにより、遊技者に設定値を示唆することができる。
また、例えば、大当たり中である場合に、副制御基板330は、設定値に応じた画像を演出表示部200aに表示するよう演出表示装置200を制御する。一例を挙げると、副制御基板330は、大当たり中のエンディング演出で、設定値に応じて異なるキャラクタが含まれた画像を演出表示部200aに表示するように演出表示装置200を制御する。これによっても、遊技者に設定値を示唆することができる。なお、上記構成の他に、大当たり中のオープニング演出またはラウンド演出でこのような設定示唆演出を行うようにしてもよい。また、オープニング演出、ラウンド演出およびエンディング演出のうち複数の演出でも、このような設定示唆演出を行うようにしてもよい。
なお、電源投入時遊技機状態指定コマンドおよび電源投入時サブコマンド群の送信処理については後で詳しく説明するが、電源投入時において、メインCPU300aは、遊技機100の状態が遊技停止状態(設定変更可能状態、設定参照状態、および異常状態)である場合には、設定関連処理が終了するまで電源投入時サブコマンド群を副制御基板330に送信しない。すなわち、電源投入時において、メインCPU300aは、遊技機100の状態が遊技停止状態である場合には、設定関連処理が終了した後に電源投入時サブコマンド群を送信する。一方、電源投入時において、メインCPU300aは、遊技機100の状態が遊技停止状態である場合であっても、設定関連処理が終了する前に、電源投入時遊技機状態指定コマンドを副制御基板330に送信する。
次に、遊技機100における遊技の進行に伴う主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図22は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(S100)を説明するためのフローチャートである。遊技機100に電源の投入がされると、主制御基板300においては、メインCPU300aがCPU初期化処理を開始する。CPU初期化処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、遊技機100の初期状態を整えるための処理である。また、CPU初期化処理は、初期状態の調整後に遊技機100の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。なお、以下においては、後述するタイマ割込み処理の発生を待つメインループ処理に移行するまでについて説明する。
(ステップS100−1)
メインCPU300aは、内蔵レジスタの初期設定を行う。
(ステップS100−3)
メインCPU300aは、遊技機100に投入された電源の安定を待つとともに、副制御基板330の起動を待つ。この場合、メインCPU300aは、3.1秒間のウェイト処理を行う。このウェイト処理の間に、電源断予告信号がオンとなった場合には、メインCPU300aは、改めてこのウェイト処理を行う。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。
(ステップS100−5)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを許可するための処理を実行する。具体的には、メインCPU300aは、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はメインRAM300cのワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
(ステップS100−7)
メインCPU300aは、DレジスタにメインRAM300cに記憶されている遊技機状態フラグをロードする。これにより、前回の電源遮断時における遊技機100の状態に相当する遊技機状態フラグが読み込まれて、当該遊技機100の状態を確認することができる。なお、遊技機100は、電源が遮断された場合であっても、電源遮断時の遊技機状態フラグに関する情報の記憶がメインRAM300cに保持されるように構成されている。
(ステップS100−9)
メインCPU300aは、バックアップが有効であることを示すバックアップフラグと、データの信頼性を検査するためのチェックサムとが正常か否かを確認する。その結果、バックアップフラグとチェックサムが正常であることを確認した場合には、ステップS100−11に処理を移す。一方、バックアップフラグとチェックサムが正常であることを確認できない場合には、ステップS100−21に処理を移す。
(ステップS100−11)
メインCPU300aは、メインRAM300cのクリア対象の先頭アドレスとして、設定値および遊技機状態フラグを含まない番地をセットする。
(ステップS100−13)
メインCPU300aは、電源投入時においてRAMクリアスイッチ307がオンされていたか否かを確認する。その結果、RAMクリアスイッチ307がオンされていたことを確認した場合には、ステップS100−27に処理を移す(ページ内結合子1→1)。一方、RAMクリアスイッチ307がオンされていたことを確認できない場合には、ステップS100−15に処理を移す。
(ステップS100−15)
メインCPU300aは、Dレジスタに遊技可能状態がセットされ、設定キースイッチ308がオンされ、かつ、遊技機100が中枠開放状態であるか否かを確認する。ここで、Dレジスタに遊技可能状態がセットされている場合とは、ステップS100−7でロードした遊技機状態フラグの値が「0」である場合であり、つまりは、前回の電源遮断時に遊技機100の状態が遊技可能状態であった場合に相当する。
その結果、Dレジスタに遊技可能状態がセットされ、設定キースイッチ308がオンされ、かつ、遊技機100が中枠開放状態であることを確認した場合には、ステップS100−17に処理を移す。このように、前回の電源遮断時に遊技機100の状態が遊技可能状態であり、かつ設定参照条件を満たすように電源をオンした場合には、ステップS100−17に移行することができる。一方、Dレジスタに遊技可能状態がセットされ、設定キースイッチ308がオンされ、かつ、中枠開放状態であることを確認できない場合には、ステップS100−19に処理を移す。
ここで、前回の電源遮断時に遊技機100の状態が異常状態(遊技機状態フラグの値が「3」〜「5」の何れかの値)であった場合には、ステップS100−15でNoとなる。そのため、ステップS100−17の処理を行うことなく、ステップS100−19に処理を移す。すなわち、後述するステップS100−17で遊技機状態フラグの値が「2」に更新されることなく、遊技機状態フラグが「3」〜「5」の何れかの値に維持されたままステップS100−19に処理を移すこととなる。
(ステップS100−17)
メインCPU300aは、メインRAM300cの遊技機状態フラグに設定参照状態(遊技機状態フラグの値に「2」)をセットする。このように、メインCPU300aは、RAMクリアスイッチ307がオンされず(S100−13でNo)、かつ、前回の電源遮断時の遊技機100の状態が遊技可能状態であり、設定キースイッチ308がオンされ、中枠開放状態であれば(S100−15でYes)、遊技機100の状態が設定参照状態であることを把握する。
(ステップS100−19)
メインCPU300aは、電源復帰時の初期化処理を実行する。具体的には、メインCPU300aは、電源復帰指定コマンドをセットするとともに、メインRAM300cの一部領域の記憶内容をクリアし、ステップS100−45に処理を移す(ページ内結合子2→2)。なお、メインRAM300cの一部領域とは、電源復帰時にクリア対象とするメモリ領域である。
(ステップS100−21)
メインCPU300aは、Dレジスタにバックアップ異常状態(遊技機状態フラグの値に「5」)をセットする。すなわち、メインCPU300aは、遊技機100の状態がバックアップ異常状態であることを把握する。
(ステップS100−23)
メインCPU300aは、使用外領域のメインRAM300cのリードライトチェックを行いつつ、クリアを実行する。
(ステップS100−25)
メインCPU300aは、メインRAM300cのクリア先頭アドレスとして、設定値および遊技機状態フラグを含む番地をセットし、ステップS100−27に処理を移す(ページ内結合子1→1)。
(ステップS100−27)
メインCPU300aは、使用領域のメインRAM300cのリードライトチェックを行いつつ、クリアを実行する。ここで、ステップS100−13でYesの場合(RAMクリアスイッチ307がオンされていた場合)に、当該ステップS100−27に処理を移した場合には、設定値と遊技機状態フラグに関する情報を含まない使用領域に対してリードライトチェックおよびクリアを行うことになる。一方、ステップS100−25の処理の後に、当該ステップS100−27に処理を移した場合には、設定値と遊技機状態フラグに関する情報を含む使用領域に対してもリードライトチェックおよびクリアを行うことになる。
(ステップS100−29)
メインCPU300aは、リードライトチェックの結果が正常か否かを確認する。その結果、リードライトチェックの結果が正常であることを確認した場合には、ステップS100−33に処理を移す。一方、リードライトチェックの結果が正常であることを確認できない場合には、ステップS100−31に処理を移す。
(ステップS100−31)
メインCPU300aは、DレジスタにRAM異常状態(遊技機状態フラグの値に「4」)をセットする。すなわち、メインCPU300aは、遊技機100の状態がRAM異常状態であることを把握する。
(ステップS100−33)
メインCPU300aは、Dレジスタに設定参照状態(遊技機状態フラグの値に「2」)をセットしているか否かを確認する。その結果、Dレジスタに設定参照状態をセットしていることを確認した場合には、ステップS100−35に処理を移す。ここで、Dレジスタに設定参照状態をセットしている場合とは、ステップS100−7でロードした遊技機状態フラグの値が「2」である場合であり、つまりは、前回の電源遮断時に遊技機100の状態が設定参照状態であった場合に相当する。
一方、Dレジスタに設定参照状態をセットしていることを確認できない場合には、ステップS100−37に処理を移す。ここで、Dレジスタに設定参照状態をセットしていることを確認できない場合とは、前回の電源遮断時に遊技機100の状態が遊技可能状態、設定変更可能状態もしくは異常状態であった場合、またはステップS100−21でDレジスタにバックアップ異常状態がセットされた場合に相当する。
(ステップS100−35)
メインCPU300aは、Dレジスタに遊技可能状態(遊技機状態フラグの値に「0」)をセットする。すなわち、メインCPU300aは、前回の電源遮断時に遊技機100の状態が設定参照状態であった場合には、当該ステップS100−35で一旦、遊技機状態フラグの値を「0」に更新する。
(ステップS100−37)
メインCPU300aは、設定変更条件を満たしているか否か(遊技機100が中枠開放状態で設定キースイッチ308をオンした状態で、RAMクリアスイッチ307をオンしながら電源をオンしたか否か)を確認する。その結果、設定変更条件を満たしていることを確認した場合には、ステップS100−39に処理を移す。一方、設定変更条件を満たしていることを確認できない場合には、ステップS100―41に処理を移す。
(ステップS100−39)
メインCPU300aは、Dレジスタに設定変更可能状態(遊技機状態フラグの値に「1」)をセットする。このように、設定変更条件を満たすように電源投入された場合(S100−37でYes)には、当該ステップS100−39の処理で、メインCPU300aは、遊技機状態フラグの値を必ず「1」に設定して設定変更可能状態であることを把握する。
(ステップS100−41)
メインCPU300aは、メインRAM300cの遊技機状態フラグにDレジスタの値をセーブする。ここで、設定変更条件を満たしていない場合(S100−37でNo)には、ステップS100−37に処理を移す直前(S100−33またはS100−35)でセットされていた遊技機状態フラグの値がそのままメインRAM300cに記憶されることになる。例えば、ステップS100−37に処理を移す直前(S100−33の処理後)で遊技機状態フラグの値が「3」〜「5」の何れかの値(異常状態)であった場合には、遊技機状態フラグはそのままの値で維持されて記憶されることになる。一方、設定変更条件を満たしている場合(S100−37でYes)には、必ず設定変更可能状態になるようにして(S100−39)、遊技機状態フラグの値(「1」)が記憶されることになる。
また、本実施形態では、CPU初期化処理内において、このようにメインRAM300cにDレジスタが記憶する遊技機状態フラグの値をセーブして記憶する処理が、当該ステップS100−41の処理のみでたった1回だけ実行されるようになっており、Dレジスタにセットされた遊技機状態フラグの値が変わる度に当該遊技機状態フラグを毎回メインRAM300cに記憶しないようにしている。
(ステップS100−43)
メインCPU300aは、RAMクリア時の初期化処理を実行する。本実施形態では、メインCPU300aは、この処理において、RAMクリア時(RAMクリア処理の実行時)に出力するセキュリティ信号用タイマのタイマ値に初期値である「32」をセットする。これにより、RAMクリア時に出力するセキュリティ信号を128msの間だけ出力可能になる(詳細は後述)。また、この初期化処理において、例えば、RAMクリア指定コマンドをセットしたり、特別図柄および普通図柄のハズレ表示等を含むRAMクリア時の表示設定を行う。
(ステップS100―45)
メインCPU300aは、RAMクリア時、電源復帰時の共通処理を実行する。具体的には、ポート入力処理を呼び出し、入力ポート状態フラグの初期値を設定する。
(ステップS100−47)
メインCPU300aは、初期表示時間設定処理を実行する。具体的には、性能表示モニタ304の初期表示タイマを設定する。
(ステップS100−49)
メインCPU300aは、当該ステップS100−49の処理時における遊技機状態フラグの値に応じて、電源投入時遊技機状態指定コマンドを送信バッファにセットする。このように、電源投入時遊技機状態指定コマンドは、電源投入時における遊技機100の状態に応じて当該ステップS100−49で必ずセットされるようになっている。
(ステップS100−51)
メインCPU300aは、メインRAM300cの遊技機状態フラグが遊技可能状態であるか否かを確認する。その結果、遊技機状態フラグが遊技可能状態であることを確認した場合には、ステップS100−53に処理を移す。一方、遊技機状態フラグが遊技可能状態であることを確認できない場合には、ステップS100−55に処理を移す。
(ステップS100−53)
メインCPU300aは、電源投入時サブコマンド群を送信バッファにセットする。このように、メインCPU300aは、遊技機状態フラグが遊技可能状態(遊技機状態フラグの値が「0」)である場合に限って、CPU初期化処理の後に実行するメインループ処理移行前に電源投入時サブコマンド群をセットする。すなわち、メインCPU300aは、遊技機状態フラグが設定変更可能状態(遊技機状態フラグの値が「1」)、遊技機状態フラグが設定参照状態(遊技機状態フラグの値が「2」)および遊技機状態フラグが異常状態(遊技機状態フラグの値が「3」〜「5」の何れかの値)である場合(遊技停止状態である場合)には、CPU初期化処理の後に実行するメインループ処理移行前に電源投入時サブコマンド群をセットしない。そして、後述するように、このように電源投入時サブコマンド群がセットされなかった場合(S100−51でNo)には、メインループ処理移行後に所定の条件を満たした場合に、当該電源投入時サブコマンド群がセットされるようになっている。
(ステップS100−55)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期(本実施形態では、4ms)を設定する。
CPU初期化処理において以上の処理が実行されると、メインCPU300aはメインループ処理(S110)を実行する。このメインループ処理では、遊技機100への電力の供給が保たれている限り、予め定められた複数の処理が終始繰り返して実行される。
なお、CPU初期化処理において、ステップS100−15の処理で遊技機状態フラグの値が「3」〜「5」の何れかの値である場合(S100−15でNo)には、このときの遊技機状態フラグの値が維持されたまま、ステップS100―19の処理に移行し、さらにステップS100−45〜ステップS100−55の処理が順次実行される。
また、ステップS100−33の処理で遊技機状態フラグの値が「3」〜「5」の何れかの値である場合(S100−33でNo)において、S100−37の処理で設定変更条件を満たしていなければ(S100−37でNo)、このときの遊技機状態フラグの値が維持されたまま、ステップS100−41〜S100−55の処理が順次実行される。
このように、前回の電源遮断時に遊技機100の状態が異常状態であった場合には、設定変更条件を満たすように電源投入しなければ、遊技機状態フラグの値が「3」〜「5」の何れかの値(異常状態)で維持されたままメインループ処理に移行することになる。そのため、後述するように、この場合には、メインループ処理におけるタイマ割込み処理内で設定関連処理に移行することができなくなる。
一方、ステップS100−33の処理で遊技機状態フラグの値が「3」〜「5」の何れかの値である場合(S100−33でNo)において、S100−37の処理で設定変更条件を満たしていれば(S100−37でYes)、遊技機状態フラグの値が「1」に更新されてメインRAM300cに記憶され(S100−39およびS100−41)、ステップS100−43〜ステップS100−55の処理が順次実行される。このように、前回の電源遮断時に遊技機100の状態が異常状態であった場合には、設定変更条件を満たすように電源投入していれば、遊技機状態フラグの値が「1」(設定変更可能状態)に必ず更新されてメインループ処理に移行することになる。そのため、後述するように、この場合には、メインループ処理におけるタイマ割込み処理内で設定関連処理に移行することができるようになる。
図23は、メインループ処理(S110)を説明するためのフローチャートである。
(ステップS110−1)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS110−3)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理(図25のS200−19)によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数−1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップS110−5)
メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
(ステップS110−7)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。例えば、CPU初期化処理(S100)のステップS100−49(図22参照)でセットされた電源投入時遊技機状態指定コマンド、CPU初期化処理のステップS100−53(同図参照)、設定関連処理(図25参照)内でセットされた電源投入時サブコマンド群、後述する優先報知エラーコマンドおよび不正遊技検出コマンド(図57参照)等が送信されることになる。
(ステップS110−9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS110−11)
メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS110−1から処理を繰り返す。なお、この処理で更新される乱数は、当選種類(当り種別)に関わらない乱数である。そして、メインループ処理でのこれらの一連の処理(S110−1〜S110−11)は、メインループ処理の実行中に発生する割込み処理を実行した場合の残り時間で行われることになる。以下では、変動演出パターンを決定するためのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を総称して「変動演出用乱数」と言う。
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。以下においては、まずタイマ割込み処理について説明し、その後に電源断時退避処理(XINT割込み処理)について説明する。
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図24は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では、4ms)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、メインループ処理(S110)内の割込み許可期間中(図23のS110−11)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理(S200)が実行される。
(ステップS200−1)
メインCPU300aは、レジスタを退避させるレジスタ退避処理を実行する。
(ステップS200−3)
メインCPU300aは、割込みフラグ初期化処理を実行する。この処理では、タイマ割込みフラグをクリア(=0)する処理を実行する。タイマ割込みフラグをクリアする理由は、タイマ割込みは、所定のタイマ割込み周期で発生するが、所定のタイマ割込み周期でタイマ割込みフラグがセット(=1)されるからである。なお、タイマ割込みフラグがセットされている状態は、タイマ割込みの発生を許可しない状態となる。
(ステップS200−5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、メイン表示器(各表示器160〜172)および性能表示モニタ304を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。このコモンデータは、後述するステップS200−31のLED表示設定処理およびステップS200−41の性能表示モニタ制御処理でセットされる。
具体的には、メインCPU300aは、メイン表示器に表示するデータ、および性能表示モニタ304に表示するベース比率に関する表示データ(ベース比率表示用データ)がセットされていた場合(遊技可能状態である場合)には、遊技状況に応じてメイン表示器の表示を行うとともに、性能表示モニタ304にベースを表示する。また、設定変更可能状態において変更された設定値に関する表示データ(設定値表示用データ)がセットされていた場合(設定変更可能状態である場合)には、性能表示モニタ304に変更された設定値を表示する。また、設定参照状態において参照される設定値に関する表示データ(設定値表示用データ)がセットされていた場合(設定参照状態である場合)には、参照中の設定値を表示する。さらに、各種異常状態に応じたエラーコードに関するデータがセットされていた場合(異常状態である場合)には、性能表示モニタ304に異常状態(設定異常状態、RAM異常状態、バックアップ異常状態)に応じたエラーコードを表示する。なお、遊技停止状態(設定変更可能状態、設定参照状態、異常状態)である場合には、メインCPU300aは、メイン表示器を全消灯させる。
(ステップS200−7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS200−9)
メインCPU300aは、メインRAM300cの遊技機状態フラグをロードする。
(ステップS200−11)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグが遊技可能状態(遊技機状態フラグの値が「0」)か否かを確認する。その結果、遊技機状態フラグが遊技可能状態であることを確認した場合には、ステップS200−15に処理を移す。この場合、電源投入時における遊技機100の状態が遊技可能状態となっており、メインCPU300aは、大役抽選、普図抽選およびこれらの抽選で当選した場合における各種処理等(S200−15〜S200−27)(以下、「遊技進行に係る各種処理」と言う。)を順次実行することになるので、遊技の進行を停止させることはなく、通常遊技を進行させることができる。一方、遊技機状態フラグが遊技可能状態であることを確認できない場合には、ステップS200−13に処理を移す。なお、上記の「通常遊技」とは、遊技機100が遊技可能状態中である場合における動作を意味する。
(ステップS200−13)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグが異常状態(遊技機状態フラグの値が「3」〜「5」の何れかの値)であるか否かを確認する。その結果、遊技機状態フラグが異常状態であることを確認した場合には、ステップS200−29に処理を移す(ページ内結合子3→3)。この場合、電源投入時における遊技機100の状態が異常状態になっていることから、メインCPU300aは、遊技進行に係る各種処理(S200−15〜S200−27)を実行しなくなり、遊技の進行を強制的に停止させ、通常遊技を進行させない。一方、遊技機状態フラグが異常状態であることを確認できない場合には、ステップS300に処理を移す。この場合、遊技機状態フラグが「1」(設定変更可能状態)および「2」(設定参照状態)の何れかの値である場合に限って、ステップS300に処理を移すことができることを示している。
なお、上述したように、前回の電源遮断時に遊技機100の状態が異常状態であった場合には、設定変更条件を満たすように電源投入すると、CPU初期化処理内で遊技機状態フラグの値が「1」(設定変更可能状態)に設定されてメインループ処理に移行するので、タイマ割込み処理(S200)内の当該ステップS200−13の処理により、ステップS300に処理を移すことができる。これに対して、前回の電源遮断時に遊技機100の状態が異常状態であった場合には、設定変更条件を満たさないで電源投入すると、CPU初期化処理内で遊技機状態フラグの値が「3」〜「5」の何れかの値(異常状態)で維持されたままメインループ処理に移行するので、当該ステップS200−13の処理により、ステップS300に処理を移すことができなくなる。
(ステップS300)
メインCPU300aは、設定関連処理を実行する。ここでは、メインCPU300aは、遊技機状態フラグの値に応じて、設定変更処理または設定参照処理のうち何れか一方を実行する。なお、この設定関連処理の詳細は後述する。メインCPU300aは、この設定関連処理が終了すると、外部情報を管理する外部情報管理処理(S200−29)に移る(ページ内結合子3→3)。この場合、遊技機100の状態が異常状態となった場合(S200−13でYes)と同様に、メインCPU300aは、遊技進行に係る各種処理(S200−15〜S200−27)を実行しなくなり、遊技を強制的に停止させ、通常遊技を進行させない。
(ステップS200−15)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に、外部情報用の各種タイマ(例えば、セキュリティ信号用タイマ)、および遊技を進行させるために用いる各種タイマ(図柄の変動時間・停止時間や電動役物の開放時間・閉鎖時間等を管理するタイマ)等を減算するようになっており、これらタイマのタイマ値が「0」になると減算を停止する。
(ステップS200−17)
メインCPU300aは、メインループ処理の上記ステップS110−3(図23参照)と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。なお、このように、上記ステップS110−3と同様の処理を実行するのは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を掻き混ぜることにより、ランダム性を向上させるためである。
(ステップS200−19)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、何れも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。そして、メインCPU300aは、この判定結果に応じて、遊技中に発生した事象に従った処理を実行する。例えば、第1始動口検出スイッチ120sまたは第2始動口検出スイッチ122sから信号の入力があった場合には、大役抽選の実行契機となる事象が発生したと判定し、ゲート検出スイッチ124sから信号の入力があった場合には、普図抽選の実行契機となる事象が発生したと判定する。
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。特別遊技管理処理では、メインCPU300aは、大役抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて開閉扉128bの作動を制御したりする。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。普通遊技管理処理では、メインCPU300aは、普図抽選の実行を制御したり、普通図柄表示器168による変動表示や停止表示を決定したり、その表示結果に応じて可動片122bの作動を制御したりする。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS200−21)
メインCPU300aは、磁気エラー等が発生したか否かの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うための状態管理処理を実行する。また、メインCPU300aは、現在滞在している遊技状態に応じて、メインRAM300cに遊技状態フラグの値を設定する。
(ステップS200−23)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。また、詳細は後述するが、メインCPU300aは、不正遊技が行われていることを検出するための不正遊技検出処理を実行する。なお、この不正遊技検出処理の結果に応じて、副制御基板330では、不正遊技報知処理が行われるようになっている(詳細は後述する)。
(ステップS200−25)
メインCPU300aは、上記ステップS200−23でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出個数指定コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
(ステップS200−27)
メインCPU300aは、発射位置の指定を管理するための発射位置指定管理処理を実行する。具体的には、メインCPU300aは、現在滞在している遊技状態が通常遊技状態または潜確状態である場合には、左打ちの指示をしたり、大役遊技が開始した場合等に左打ちの指示を解除して右打ちの指示をしたり、時短遊技状態が終了した場合等に右打ちの指示を解除して左打ちの指示をしたりする。
このように、本実施形態では、メインCPU300aは、タイマ割込み処理において、遊技機状態フラグが遊技可能状態であるか否かを判断し(ステップS200−11)、遊技進行に係る各種処理(S200−15〜S200−27)を実行するか否か分岐させる処理を行っている。具体的には、メインCPU300aは、遊技機状態フラグが遊技可能状態である場合(S200−11でYes)には、遊技進行に係る各種処理を実行するように処理を分岐させ、遊技を進行させる(通常遊技を進行させる)。一方、遊技機状態フラグが遊技可能状態でない(設定変更可能状態、設定参照状態、および異常状態である)場合(S200−11でNo)には、遊技進行に係る各種処理を実行しないように処理を分岐させ、遊技の進行を停止させる(通常遊技を進行させない)。特に、遊技機状態フラグが異常状態である場合(S200−11でNo、かつS200−13でYes)には、ステップS200−13の処理の後、直ぐに外部情報管理処理(S200−29)に移行させ(ページ内結合子3→3)、遊技機状態フラグが設定変更可能状態または設定参照状態である場合(S200−11でNo、かつS200−13でNo)には、設定関連処理(S300)を実行した後に外部情報管理処理に移行させている(ページ内結合子3→3)。こうして、遊技機100の状態が遊技停止状態である場合には、遊技進行に係る各種処理の実行を制限して、遊技停止状態を実現しているのである。
(ステップS200−29)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力する外部情報出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。
(ステップS200−31)
メインCPU300aは、メイン表示器(各表示器160〜172)、および性能表示モニタ304の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
このとき、メインCPU300aは、遊技機状態フラグを確認し、遊技機100の状態に応じて各種表示データをコモン出力バッファにセットする。具体的には、メインCPU300aは、遊技機状態フラグの値が「0」であった場合には、遊技状況に応じてメイン表示器に表示するデータをセットする。また、遊技機状態フラグの値が「1」であった場合には、設定値バッファを確認し、設定変更可能状態において変更された設定値に関する表示データ(設定値表示用データ)をセットする。また、遊技機状態フラグの値が「2」であった場合には、設定値バッファを確認し、設定参照状態において参照される設定値に関する表示データ(設定値表示用データ)をセットする。また、遊技機状態フラグの値が「3」〜「5」の何れかの値であった場合には、性能表示モニタ304に表示する各種異常状態に応じたエラーコードに関するデータをセットする。なお、上記ステップS200−3のダイナミックポート出力処理において、性能表示モニタ304およびメイン表示器での表示が、当該ステップS200−31でセットされた各種表示データに基づいて行われることになる。
(ステップS200−33)
メインCPU300aは、遊技機100の状態に応じて、普通電動役物ソレノイド122cおよび大入賞口ソレノイド128cの出力に関するデータを設定するためのソレノイドデータ設定処理を実行する。具体的には、遊技機100の状態が遊技停止状態(設定変更可能状態、設定参照状態、および異常状態)である場合には、普通電動役物ソレノイド122cおよび大入賞口ソレノイド128cの出力をオフするようにデータを設定する。これにより、第2始動口122の可動片122bが閉状態に制御されて第2始動口122への遊技球の入賞が不可能になるとともに、大入賞口128の開閉扉128bが閉鎖するように制御されて大入賞口128への遊技球の入賞が不可能になる。そのため、遊技停止状態中に第2始動口122および大入賞口128に不正部材が入れ込まれる等の不正行為がなされ難い態様を実現することができる。一方、遊技機100の状態が遊技可能状態である場合には、遊技状況に応じて普通電動役物ソレノイド122cおよび大入賞口ソレノイド128cの出力をオンまたはオフするようにデータを設定する。これにより、遊技状況に応じて、第2始動口122および大入賞口128への遊技球の入賞が可能または不可能になる。
(ステップS200−35)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納された値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。具体的には、メインCPU300aは、外部情報管理処理(S200−29)において出力ポートバッファにセーブされた外部情報出力データを参照し、参照した外部情報出力データを出力する。また、メインCPU300aは、ポート出力処理においては、上記ステップS200−33のソレノイドデータ設定処理で設定したデータについても出力ポートを通じて主制御基板300の外部に出力する。
(ステップS200−37)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS200−39)
メインCPU300aは、遊技機100の試験時において、試験に必要とされる試験信号を出力する試験信号出力処理を行う。
(ステップS200−41)
メインCPU300aは、性能表示モニタ304に表示させるベース比率を導出するためのベース算出処理を行うとともに、当該処理によって導出されたベース比率に関する表示データ(ベース比率表示用データ)をセットする性能表示モニタ制御処理を実行する。なお、上記ステップS200−5のダイナミックポート出力処理において、性能表示モニタ304でのベースの表示が、当該ステップS200−41でセットされたベース比率表示用データに基づいて行われることになる。また、当該ステップS200−41の処理の最後に、メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS200−43)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
次に、上述したタイマ割込み処理のうち、ステップS300の設定関連処理、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理ついて詳細に説明する。
図25は、主制御基板300における設定関連処理(S300)について説明するフローチャートである。なお、上述したように、この設定関連処理に移行する場合は、遊技機状態フラグの値が「1」(設定変更可能状態)または「2」(設定参照状態)である場合に限られる。
(ステップS300−1)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグが設定参照状態(遊技機状態フラグ「2」)であるか否かを確認する。その結果、遊技機状態フラグが設定参照状態であることを確認した場合には、ステップS300−15に処理を移す。一方、遊技機状態フラグが設定参照状態であることを確認できない場合には、ステップS300−3に処理を移す。この場合、メインCPU300aは、性能表示モニタ304に設定中の設定値を表示させ、この設定値を参照させる設定参照処理を実行することになる。
(ステップS300−3)
メインCPU300aは、設定値バッファをロードする。
(ステップS300−5)
メインCPU300aは、設定変更スイッチ(RAMクリアスイッチ)307がオンされたか否かを確認する。その結果、設定変更スイッチ307がオンされたことを確認した場合には、ステップS300−7に処理を移す。一方、設定変更スイッチ307がオンされたことを確認できない場合には、ステップS300−9に処理を移す。
(ステップS300−7)
メインCPU300aは、設定変更処理を実行する。この場合、性能表示モニタ304に設定中の設定値を表示するとともに、設定変更スイッチ307がオンされる度に設定中の設定値に「1」が加算されて更新される。なお、上記ステップS300−5で設定変更スイッチ307がオンされたことを確認できない場合には、当該ステップS300−7の処理に移ることはないので、設定中の設定値が表示された状態が維持される。
(ステップS300−9)
メインCPU300aは、上記ステップS300−7で変更された設定値が上限値を超えるか否かを確認する。すなわち、本実施形態では、設定値の上限値は「6」であるので、上記ステップS300−7で変更された設定値が「6」を超えるか否かを確認する。その結果、変更された設定値が上限値を超えることを確認した場合には、ステップS300−11に処理を移す。一方、変更された設定値が上限値を超えることを確認できない場合には、ステップS300−13に処理を移す。
(ステップS300−11)
メインCPU300aは、設定値を「1」に戻す。このように、設定変更処理が実行される場合には、設定変更スイッチ307がオンされる毎に、設定値が1→2→3→4→5→6→1→・・・の順序で変更されることになる。なお、上記ステップS300−9でNoの場合には、変更された設定値が上限値を超えないことから、当該変更された設定値がそのまま採用されることになる。
(ステップS300−13)
メインCPU300aは、設定値バッファに設定値をセーブする。
(ステップS300−15)
メインCPU300aは、設定キースイッチ308がオンされたか否かを確認する。その結果、設定キースイッチ308がオンされたことを確認した場合には、当該設定関連処理を終了する。この場合、メインCPU300aは、タイマ割込み処理(図24参照)内のステップS200−29(外部情報管理処理)に処理を移すことになり、このときに、上述したように、タイマ割込み処理内の遊技進行に係る各種処理(S200−15〜S200−27)の実行が制限されることになる。そして、メインCPU300aは、ステップS200−29以降の処理を順次実行して今回のタイマ割込み処理を終了する。その後、4ms後に行われる次回のタイマ割込み処理においても、遊技機状態フラグは前回の値と変わっていないので、再び設定関連処理に移行し、依然として設定関連処理が継続することになる。一方、設定キースイッチ308がオンであることを確認できない場合には、ステップS300−17に処理を移す。この場合、設定キースイッチ308がオフになったことを意味しており、設定変更処理または設定参照処理が終了したことを示している。
(ステップS300−17)
メインCPU300aは、設定関連終了指定コマンドをセットする。具体的には、設定変更処理が終了した場合には、設定変更可能状態終了指定コマンドをセットする。一方、設定参照処理が終了した場合には、設定参照終了指定コマンドをセットする。
(ステップS300−19)
メインCPU300aは、遊技機状態フラグに遊技可能状態をセットする。このように、設定変更処理または設定参照処理が終了した場合には、遊技機100の状態が遊技可能状態となり、設定関連処理の終了後に図24のタイマ割込み処理内のステップS200−29以降の処理を順次実行して当該タイマ割込み処理を一旦終了する。そして、遊技機100の状態が遊技可能状態となっているため、次回のタイマ割込み処理内のステップS200−11でYesとなり、ステップS200−15〜ステップS200-27の遊技進行に係る各種処理が順次実行されるので、通常遊技を進行させることができることになる。
(ステップS300−21)
メインCPU300aは、設定変更処理の終了時または設定参照処理の終了時のセキュリティ信号用タイマのタイマ値に初期値(「32」)をセットする。これにより、設定変更中または設定参照中だけでなく、これらの処理が終了した後にもセキュリティ信号が出力可能になり、設定関連処理に基づくセキュリティ信号の出力時間を十分に確保することができる。
(ステップS300−23)
メインCPU300aは、電源投入時サブコマンド群をセットする。このように、メインCPU300aは、設定キースイッチ308がオフされたこと確認すると(S300−15でNo)、設定変更処理または設定参照処理が終了し、電源投入時サブコマンド群をセットし、図23に示したメインループ処理内のステップS110−7の処理(サブコマンド送信処理)で当該電源投入時サブコマンド群を副制御基板330に送信することになる。すなわち、本実施形態では、メインCPU300aは、電源投入時において、設定関連処理が実行されると、当該設定関連処理が終了した後に、電源投入時サブコマンド群を副制御基板330に送信するようになっており、当該設定関連処理が終了する前においては、電源投入時サブコマンド群を副制御基板330に送信しないようになっている。
図26は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
(ステップS500−1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−3に処理を移す。
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−3)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1始動口120に遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−5に処理を移す。
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−7に処理を移す。
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−7)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、大入賞口128に遊技球が入球して大入賞口検出スイッチ128sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS500−9に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
(ステップS500−9)
メインCPU300aは、現在、大役遊技中であるか否かを判定し、大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定する。ここでは、特電不正入賞エラー、大入賞口過剰入賞エラー、または大入賞口入出不一致エラーが発生したか否かを判定する。そして、これらの判定処理の後に、大入賞口入賞球数カウンタを「1」加算して、当該スイッチ管理処理(ステップS500)を終了する。
図27は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
(ステップS510−1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
(ステップS510−3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510−5に処理を移す。
(ステップS510−5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS510−7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS510−9)
メインCPU300aは、上記ステップS510−1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510−7で算定した対象記憶部にセーブする。
(ステップS510−11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
図28は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
(ステップS520−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留の何れであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
(ステップS520−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
図29は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
(ステップS530−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
(ステップS530−3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行する。
(ステップS530−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、普通遊技管理フェーズは、普通遊技の実行処理の段階、すなわち、普通遊技の進行状況を示すものであり、普通遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
(ステップS530−7)
メインCPU300aは、上記ステップS530−5でロードした普通遊技管理フェーズが「04H」ではないかを判定する。なお、普通遊技管理フェーズの「04H」は、普通電動役物入賞口開放制御処理中であることを示すものである。この普通電動役物入賞口開放制御処理においては、普通電動役物ソレノイド122cが通電されて第2始動口122の可動片122bが開状態に制御されることから、ここでは、第2始動口122が適正に開放され得る状態にあるかを判定することとなる。その結果、普通遊技管理フェーズが「04H」ではないと判定した場合には当該第2始動口通過処理を終了し、普通遊技管理フェーズが「04H」であると判定した場合にはステップS530−9に処理を移す。
(ステップS530−9)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新、当該第2始動口通過処理を終了する。
図30は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
(ステップS535−1)
メインCPU300aは、上記ステップS520−1またはステップS530−1でセットした特別図柄識別値をロードする。
(ステップS535−3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
(ステップS535−5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
(ステップS535−7)
メインCPU300aは、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球したことを示す始動入賞指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS535−9)
メインCPU300aは、上記ステップS535−3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、ステップS535−21に処理を移し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535−11に処理を移す。
(ステップS535−11)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS535−13)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS535−15)
メインCPU300aは、上記ステップS535−5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400−13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS110−11で更新されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535−13で算定した対象記憶部に格納する。
(ステップS535−17)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域に記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を更新して記憶する特別図柄保留球入賞順序設定処理を行う。
(ステップS536)
メインCPU300aは、上記ステップS535−15で対象記憶部に格納した各種の乱数に基づいて、取得時演出判定処理を実行する。この取得時演出判定処理の詳細は後述する。
(ステップS535−19)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS535−21)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS535−23)
メインCPU300aは、上記ステップS535−21でロードした普通遊技管理フェーズを確認し、後述する普通電動役物入賞口開放制御状態未満(普通遊技管理フェーズ<04H)であるかを判定する。その結果、普通電動役物入賞口開放制御状態未満であると判定した場合にはステップS535−25に処理を移し、普通電動役物入賞口開放制御状態未満ではないと判定した場合には当該特別図柄乱数取得処理を終了する。
(ステップS535−25)
メインCPU300aは、普電不正入賞エラーが発生したか否かを判定する普電不正入賞エラー処理を実行し、当該特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を終了する。
図31は、主制御基板300における取得時演出判定処理(ステップS536)を説明するフローチャートである。
(ステップS536−1)
メインCPU300aは、低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを識別する確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)をリセット(0に)する。なお、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)=0は低確率遊技状態を示し、カウンタ値(j)=1は高確率遊技状態を示す。
(ステップS536−3)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)に基づいて、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択する。具体的には、カウンタ値(j)が「0」であれば、設定中の設定値に対応する大当たり決定乱数判定テーブル(図7(a)〜(l)参照)の何れかを選択し、カウンタ値(j)が「1」であれば、高確時大当たり決定乱数判定テーブル(図7(g)〜(l)参照)を選択する。そして、選択したテーブルと、上記ステップS535−15で対象記憶部に記憶した大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりまたはハズレの何れかを仮判定する特別図柄当たり仮判定処理を行う。
(ステップS536−5)
メインCPU300aは、特別図柄を仮決定するための特別図柄図柄仮判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS536−3の仮大役抽選の結果(特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果)が大当たりであった場合には、上記ステップS535−15で対象記憶部に記憶した当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブル(図8参照)を選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS536−3の仮大役抽選の結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。
(ステップS536−7)
メインCPU300aは、ステップS536−5でセーブした特別図柄判定データに対応する先読み図柄種別指定コマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
(ステップS536−9)
メインCPU300aは、上記ステップS536−3の特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果が、大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS536−11に処理を移し、大当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS536−13に処理を移す。
(ステップS536−11)
メインCPU300aは、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブル(図10(b)参照)をセットし、ステップS536−21に処理を移す。
(ステップS536−13)
メインCPU300aは、上記ステップS535−15で対象記憶部に記憶したリーチグループ決定乱数をロードする。
(ステップS536−15)
メインCPU300aは、上記ステップS536−13でロードしたリーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)であるかを判定する。ここで、グループ種別は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを参照して決定されるが、このリーチグループ決定乱数判定テーブルは、記憶されている保留数に応じて選択される。このとき、リーチグループ決定乱数は、0〜10006の範囲から取得され、リーチグループ決定乱数の値が8500以上であれば、保留数に拘わらず、同一のリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択され、リーチグループ決定乱数の値が8500未満であれば、保留数に応じて異なるリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択される。以下では、リーチグループ決定乱数のうち、保留数に応じて異なるリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択される0〜8499の範囲の値を不定値とし、保留数に拘わらず同一のリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択される8500〜10006の範囲の値を固定値と言う。上記ステップS536−13でロードしたリーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)であると判定した場合にはステップS536−17に処理を移し、上記ステップS536−13でロードしたリーチグループ決定乱数が固定値(8500以上)ではないと判定した場合にはステップS536−29に処理を移す。
(ステップS536−17)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値および保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル(図9参照)をセットする。なお、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、保留数に応じて複数種類設けられているが、ここでは、保留数が0のときに用いられるテーブルが選択される。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS535−15で対象記憶部に記憶したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を仮決定する。
(ステップS536−19)
メインCPU300aは、上記ステップS536−17で仮決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブル(図10(a)参照)をセットし、ステップS536−21に処理を移す。
(ステップS536−21)
メインCPU300aは、上記ステップS536−11または上記ステップS536−19でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS535−15で対象記憶部に記憶したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を仮決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが仮決定される。
(ステップS536−23)
メインCPU300aは、上記ステップS536−21で仮決定した変動モード番号に対応する先読み指定変動モードコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
(ステップS536−25)
メインCPU300aは、上記ステップS536−21で仮決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS535−15で対象記憶部に記憶した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を仮決定する。
(ステップS536−27)
メインCPU300aは、上記ステップS536−25で仮決定した変動パターン番号に対応する先読み指定変動パターンコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットし、ステップS536−31に処理を移す。
(ステップS536−29)
メインCPU300aは、対象記憶部に新たに記憶された保留について、当該保留が読み出されたときの保留数に応じて、グループ種別、すなわち、変動演出パターンが変化することを示す不定値コマンド(先読み指定変動モードコマンドおよび先読み指定変動パターンコマンド=7FH)を送信バッファにセットする。
(ステップS536−31)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)が最大(1)であるかを判定し、最大であると判定した場合には当該取得時演出判定処理を終了し、最大ではないと判定した場合には、ステップS536−33に処理を移す。
(ステップS536−33)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)を、現在のカウンタ値(j)に「1」を加算した値に更新し、上記ステップS536−3から処理を繰り返す。これにより、新たに記憶された保留が、低確率遊技状態であるときに読み出された場合に決定される変動モード番号および変動パターン番号と、高確率遊技状態であるときに読み出された場合に決定される変動モード番号および変動パターン番号とが、当該保留の記憶時に導出されることとなる。
以上のように、上記の取得時演出判定処理によれば、記憶された保留が大当たりに当選する保留であった場合、および、記憶された保留がハズレとなる保留であり、かつ、リーチグループ決定乱数が固定値であった場合には、先読み指定コマンドとして、先読み指定変動モードコマンドおよび先読み指定変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。一方、記憶された保留がハズレとなる保留であり、かつ、リーチグループ決定乱数が不定値であった場合には、先読み指定コマンドとして不定値コマンドが副制御基板330に送信されることとなる。なお、上記の各先読み指定コマンドは、低確率遊技状態用のコマンドと、高確率遊技状態用のコマンドとを互いに識別可能に構成されている。
図32は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
図32に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「特別図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「特別図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図33は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
(ステップS600−1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS600−3)
メインCPU300aは、上記ステップS600−1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS600−5)
メインCPU300aは、上記ステップS600−3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS600−7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
なお、上記構成の他に、ステップS600−1の処理の前に、メインCPU300aは、遊技機100の状態が設定異常状態となっているか否かの確認を行ってもよい。この場合、メインCPU300aは、遊技機状態フラグが「3」であるか否かを確認する。その結果、遊技機状態フラグが「3」であることを確認した場合には、図24のタイマ割込み処理においてステップS200−11でNoとなった後にステップS200−13でYesとなり、遊技進行に係る各種処理(S200−15〜S200−27)を実行することなく、ステップS200−29に処理を移し、遊技機状態フラグが「3」であることを確認できない場合には、上記ステップS600−1に処理を移すようにすればよい。
図34は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動待ち処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS610−1)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数(X2)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特2保留数(X2)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特2保留数(X2)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−3に処理を移す。
(ステップS610−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数(X1)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特1保留数(X1)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特1保留数(X1)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−5に処理を移す。
(ステップS610−5)
メインCPU300aは、客待ちコマンドを送信バッファにセットするとともに、客待ち状態に設定するための客待ち設定処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
(ステップS610−7)
メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留、または、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、上記ステップS610−1において、特別図柄2保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第2特図保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。また、上記ステップS610−3において、特別図柄1保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第1特図保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送するとともに、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、第0記憶部に転送された保留種別に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留または特2保留が「1」減算したことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−9)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードするとともに、遊技状態および設定中の設定値に応じた大当たり決定乱数判定テーブル(図7参照)を選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
ここで、本実施形態では、メインCPU300aは、上記のように大役抽選を行う場合に遊技機100の状態が設定異常状態となっているか否かを確認し、その結果、設定異常状態となっていることを確認した場合には、遊技機状態フラグに設定異常状態をセットする。
具体的には、まず、メインCPU300aは、大役抽選を行う前に、メインRAM300cの設定値バッファに記憶されている設定値に関するデータを参照することにより、現在設定されている設定値を確認し、確認した設定値が異常であるか否かを判断する。例えば、この判断は、確認した設定値が「1」〜「6」の範囲内に設定されているか否かを確認することにより行われる。
その結果、確認した設定値が異常であると判断しなかった場合には、当該設定値に応じた大当たり決定乱数テーブルをセットし、当該セットしたテーブルに基づいて、通常通り、大役抽選が行われることになる。一方、メインCPU300aは、確認した設定値が異常であると判断した場合には、メインRAM300cの遊技機状態フラグに設定異常状態をセットするとともに、大役抽選の結果を強制的にハズレに設定して上記ステップS610−9の処理を終了する。その後、大役抽選の結果をハズレに設定した状態で、特別図柄変動待ち処理内のステップS610−9以降の処理が一旦実行される。そして、遊技機状態フラグに設定異常状態(異常状態)がセットされているため、次回のタイマ割込み処理において、図24に示すステップS200−11でNoとなった後に、ステップS200−13でYesとなるので、ステップS200−15〜ステップS200−27の遊技進行に係る各種処理が行われることなく、遊技が停止した状態となる。
(ステップS610−11)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−9の大役抽選の結果が大当たりであった場合には、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−9の大役抽選の結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。このようにして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−13)
メインCPU300aは、上記ステップS610−11で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
(ステップS612)
メインCPU300aは、変動モード番号および変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−15)
メインCPU300aは、上記ステップS612で決定された変動モード番号および変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して、変動時間1および変動時間2を決定する。そして、決定した変動時間1、2の合計時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610−17)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610−11でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルを参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および高確回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグおよび高確回数切り予備カウンタにセーブする。また、ここでは、大当たり当選時に設定されている遊技状態が記憶される。
(ステップS610−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、保留種別に対応するカウンタにカウンタ値が設定される。
(ステップS610−21)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。また、ここでは、上記ステップS610−7で記憶した特1保留および特2保留の入賞順序に対応する特別図柄入賞順序コマンドを送信バッファにセットする。これにより、特1保留または特2保留が消化されるたびに、特1保留数および特2保留数、ならびに、これら各保留の入賞順序が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS610−23)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
図35は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理を説明するフローチャートである。
(ステップS612−1)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS612−3に処理を移し、大当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS612−5に処理を移す。
(ステップS612−3)
メインCPU300aは、現在の変動状態、大当たり図柄の種別、保留種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS612−5)
メインCPU300aは、読み出した保留の保留種別が特2保留である場合には、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値を確認し、読み出した保留の保留種別が特1保留である場合には、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値を確認する。
(ステップS612−7)
メインCPU300aは、現在の変動状態、上記ステップS612−5で確認した保留数、保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブルをセットする。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を決定する。
(ステップS612−9)
メインCPU300aは、上記ステップS612−7で決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS612−11)
メインCPU300aは、上記ステップS612−3または上記ステップS612−9でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
(ステップS612−13)
メインCPU300aは、上記ステップS612−11で決定した変動モード番号に対応する変動モードコマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS612−15)
メインCPU300aは、上記ステップS612−11で決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
(ステップS612−17)
メインCPU300aは、上記ステップS612−15で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットして、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
図36は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動中処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS620−1)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
(ステップS620−3)
メインCPU300aは、上記ステップS620−1で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620−5に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
(ステップS620−5)
メインCPU300aは、上記ステップS610−15で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
(ステップS620−7)
メインCPU300aは、上記ステップS620−5で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620−15に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
(ステップS620−9)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS620−11)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620−13に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了する。
(ステップS620−13)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
(ステップS620−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「02H」に更新する。
(ステップS620−17)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610−13で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
(ステップS620−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS620−21)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットし、当該特別図柄変動中処理を終了する。
図37は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この特別図柄停止図柄表示処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS630−1)
メインCPU300aは、上記ステップS620−21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630−3に処理を移す。
(ステップS630−3)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
(ステップS630−5)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS630−17に処理を移し、大当たりではないと判定した場合にはステップS630−7に処理を移す。
(ステップS630−7)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、特別図柄確率状態フラグをロードして、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が高確率遊技状態であった場合には、高確回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、高確回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、低確率遊技状態に対応する特別図柄確率状態フラグをセットする。これにより、高確率遊技状態において、大当たりに当選することなく、特別図柄が所定回数確定したところで、遊技状態が低確率遊技状態に移行することとなる。
また、ここでは、遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを識別するための普通図柄時短状態フラグをロードして、現在の遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が時短遊技状態であった場合には、時短回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、時短回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、非時短遊技状態に対応する普通図柄時短状態フラグをセットする。これにより、時短遊技状態において、大当たりに当選することなく、特別図柄が所定回数確定したところで、遊技状態が非時短遊技状態に移行することとなる。
(ステップS630−9)
メインCPU300aは、変動状態更新処理を実行する。ここでは、現在、変動状態が特殊変動状態であるかを判定する。そして、特殊変動状態であると判定した場合には、特殊変動回数カウンタのカウンタ値を確認し、特殊変動状態から通常変動状態に切り替えるか否かを判定する。その結果、通常変動状態に切り替えると判定した場合、すなわち、特殊変動状態における最後の特別図柄の変動表示が終了したと判定した場合には、変動状態識別フラグを通常変動状態用のフラグに更新する。
(ステップS630−11)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−13)
メインCPU300aは、上記ステップS630−7で更新した高確回数および時短回数を副制御基板330に伝達するための回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の保留に基づく特別遊技管理処理が終了し、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS630−17)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
(ステップS630−19)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630−17でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
(ステップS630−21)
メインCPU300aは、上記ステップS630−17でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
(ステップS630−23)
メインCPU300aは、大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−25)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技が開始されることとなる。
図38は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS640−1)
メインCPU300aは、上記ステップS630−21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640−3に処理を移す。
(ステップS640−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS640−5)
メインCPU300aは、大入賞口128の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS640−7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該大入賞口放前処理を終了する。
図39は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャート
である。
(ステップS641−1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における大入賞口128の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641−3に処理を移す。
(ステップS641−3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データ、および、大入賞口ソレノイド128cの通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
(ステップS641−5)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、もしくは、大入賞口ソレノイド128cの通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS641−7)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、大入賞口128の1回の最大開放時間となる。
(ステップS641−9)
メインCPU300aは、大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641−5において、大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS641−11)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
図40は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS650−1)
メインCPU300aは、上記ステップS641−7でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではいと判定した場合にはステップS650−5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650−3に処理を移す。
(ステップS650−3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
(ステップS641)
上記ステップS650−3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
(ステップS650−5)
メインCPU300aは、上記ステップS500−9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、大入賞口128に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650−7に処理を移す。
(ステップS650−7)
メインCPU300aは、大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して大入賞口128を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、大入賞口128が閉鎖状態となる。
(ステップS650−9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
(ステップS650−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「05H」に更新する。
(ステップS650−13)
メインCPU300aは、大入賞口128が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
図41は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS660−1)
メインCPU300aは、上記ステップS650−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660−3に処理を移す。
(ステップS660−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660−9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660−5に処理を移す。
(ステップS660−5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新する。
(ステップS660−7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
(ステップS660−9)
メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
(ステップS660−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「06H」に更新する。
(ステップS660−13)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図42は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS670−1)
メインCPU300aは、上記ステップS660−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670−3に処理を移す。
(ステップS670−3)
メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−17でセーブした特別図柄確率状態予備フラグおよび高確回数切り予備カウンタをロードして、状態データをセーブする。また、ここでは、特別図柄(大当たり図柄)の種別に応じて、普通図柄時短状態フラグおよび時短回数切りカウンタに所定の状態データをセーブする。さらに、ここでは、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄と、大役遊技の実行前の遊技状態(大当たり当選時の遊技状態)とに基づいて、大役遊技の終了後の変動状態を設定する。また、変動状態が特殊変動状態に設定された場合には、以後、特殊変動状態がどのように切り替わるのかにかかる情報が同時に記憶され、以後、ここで記憶された情報に基づいて、変動状態の切り替え処理がなされることとなる。
(ステップS670−5)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−7)
メインCPU300aは、上記ステップS670−3でセーブした高確回数および時短回数に対応する回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−9)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
図43は、普通遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
図43に示すように、メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図44は、主制御基板300における普通遊技管理処理(ステップS700)を説明す
るフローチャートである。
(ステップS700−1)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS700−3)
メインCPU300aは、上記ステップS700−1でロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS700−5)
メインCPU300aは、上記ステップS700−3で選択した普通遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS700−7)
メインCPU300aは、普通遊技の制御時間を管理する普通遊技タイマをロードし、当該普通遊技管理処理を終了する。
なお、上記構成の他に、ステップS700−1の処理の前に、メインCPU300aは、遊技機100の状態が設定異常状態となっているか否かの確認を行ってもよい。この場合、メインCPU300aは、遊技機状態フラグが「3」であるか否かを確認する。その結果、遊技機状態フラグが「3」であることを確認した場合には、図24のタイマ割込み処理においてステップS200−11でNoとなった後にステップS200−13でYesとなり、遊技進行に係る各種処理(S200−15〜S200−27)を実行することなく、ステップS200−29に処理を移し、遊技機状態フラグが「3」であることを確認できない場合には、上記ステップS700−1に処理を移すようにすればよい。
図45は、主制御基板300における普通図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動待ち処理は、普通遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS710−1)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、普図保留が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合には当該普通図柄変動待ち処理を終了し、カウンタ値は「0」ではないと判定した場合にはステップS710−3に処理を移す。
(ステップS710−3)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留(当たり決定乱数)を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている普図保留を、第0記憶部に転送する。なお、この普通図柄記憶エリアシフト処理においては、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、普図保留が「1」減算したことを示す、普図保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−5)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり決定乱数をロードし、現在の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブルを選択して普図抽選を行い、その抽選結果を記憶する普通図柄当たり判定処理を実行する。
ここで、本実施形態では、メインCPU300aは、上記のように普図抽選を行う場合に遊技機100の状態が設定異常状態となっているか否かを確認し、その結果、設定異常状態となっていることを確認した場合には、遊技機状態フラグに設定異常状態をセットする。
具体的には、まず、メインCPU300aは、普図抽選を行う前に、メインRAM300cの設定値バッファに記憶されている設定値に関するデータを参照することにより、現在設定されている設定値を確認し、確認した設定値が異常であるか否かを判断する。
その結果、確認した設定値が異常であると判断しなかった場合には、当該設定値が1〜6の何れの値であっても、時短遊技状態であるか否かに応じて図15(a)(非時短遊技状態用)または(b)(時短遊技状態用)に示す当たり決定乱数テーブルをセットし、当該セットしたテーブルに基づいて、通常通り、普図抽選が行われることになる。一方、メインCPU300aは、確認した設定値が異常であると判断した場合には、メインRAM300cの遊技機状態フラグに設定異常状態をセットするとともに、普図抽選の結果を強制的にハズレに設定して上記ステップS710−5の処理を終了する。その後、普図抽選の結果をハズレに設定した状態で、普通図柄変動待ち処理内のステップS710−5以降の処理が一旦実行される。そして、遊技機状態フラグに設定異常状態(異常状態)がセットされているため、次回のタイマ割込み処理において、図24に示すステップS200−11でNoとなった後にステップS200−13でYesとなるので、ステップS200−15〜ステップS200−27の遊技進行に係る各種処理が行われることなく、遊技が停止した状態となる。
(ステップS710−7)
メインCPU300aは、上記ステップS710−5の普図抽選の結果に対応する普通図柄停止図柄番号をセーブする。なお、本実施形態では、普通図柄表示器168は1つのLEDランプで構成されており、当たりの場合には普通図柄表示器168を点灯させ、ハズレの場合には普通図柄表示器168を消灯させる。ここで決定する普通図柄停止図柄番号は、最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示すものであり、例えば、当たりに当選した場合には、普通図柄停止図柄番号として「0」が決定され、ハズレの場合には、普通図柄停止図柄番号として「1」が決定される。
(ステップS710−9)
メインCPU300aは、現在の遊技状態を確認し、対応する普通図柄変動時間データテーブルを選択してセットする。
(ステップS710−11)
メインCPU300aは、上記ステップS710−3で第0記憶部に転送した当たり決定乱数と、上記ステップS710−9でセットした普通図柄変動時間データテーブルとに基づいて、普通図柄変動時間を決定する。
(ステップS710−13)
メインCPU300aは、上記ステップS710−11で決定した普通図柄変動時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS710−15)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168において、普通図柄の変動表示を開始するために、普通図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。この普通図柄表示図柄カウンタに、カウンタ値として例えば「0」が設定されている場合には普通図柄表示器168が点灯制御され、カウンタ値として「1」が設定されている場合には普通図柄表示器168が消灯制御される。ここでは、普通図柄の変動表示の開始時に所定のカウンタ値が普通図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。
(ステップS710−17)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−19)
メインCPU300aは、上記ステップS710−7で決定された普通図柄停止図柄番号、すなわち、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づいて、普通図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−21)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
図46は、主制御基板300における普通図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動中処理は、普通遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS720−1)
メインCPU300aは、上記ステップS710−13でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS720−9に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS720−3に処理を移す。
(ステップS720−3)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168の点灯時間および消灯時間を計時する普通図柄表示タイマを更新する。具体的には、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS720−5)
メインCPU300aは、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS720−7に処理を移し、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通図柄変動中処理を終了する。
(ステップS720−7)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。ここでは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値が、普通図柄表示器168の消灯を示すカウンタ値であった場合には点灯を示すカウンタ値に更新し、普通図柄表示器168の点灯を示すカウンタ値であった場合には消灯を示すカウンタ値に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。これにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間にわたって、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
(ステップS720−9)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS710−7で決定した普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普通図柄表示器168が最終的に点灯もしくは消灯制御され、普図抽選の結果が報知されることとなる。
(ステップS720−11)
メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間を普通遊技タイマにセットする。
(ステップS720−13)
メインCPU300aは、普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS720−15)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
図47は、主制御基板300における普通図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この普通図柄停止図柄表示処理は、普通遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS730−1)
メインCPU300aは、上記ステップS720−11でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通図柄停止図柄表示処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS730−3に処理を移す。
(ステップS730−3)
メインCPU300aは、普図抽選の結果を確認する。
(ステップS730−5)
メインCPU300aは、普図抽選の結果が当たりであるかを判定する。その結果、当たりであると判定した場合にはステップS730−9に処理を移し、当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS730−7に処理を移す。
(ステップS730−7)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の普図保留に基づく普通遊技管理処理が終了し、普図保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく普通図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS730−9)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通遊技タイマに、タイマ値として普電開放前時間をセーブする。
(ステップS730−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第2始動口122の開閉制御が開始されることとなる。
図48は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放前処理は、普通遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS740−1)
メインCPU300aは、上記ステップS730−9でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。この普通電動役物入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS740−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
図49は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS741−1)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における第2始動口122の可動片122bの開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741−3に処理を移す。
(ステップS741−3)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、普通電動役物ソレノイド122cを通電制御するためのソレノイド制御データ(通電制御データまたは通電停止制御データ)、および、普通電動役物ソレノイド122cの通電時間(ソレノイド通電時間)もしくは通電停止時間(普電閉鎖有効時間=休止時間)であるタイマデータを抽出する。
(ステップS741−5)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始するか、もしくは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS741−7)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、普通遊技タイマにセーブする。なお、ここで普通遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第2始動口122の1回の最大開放時間となる。
(ステップS741−9)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS741−5において、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS741−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS741−11)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
図50は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放制御処理は、普通遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS750−1)
メインCPU300aは、上記ステップS741−7でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS750−5に処理を移し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS750−3に処理を移す。
(ステップS750−3)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS750−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
上記ステップS750−3において、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS741の処理を実行する。
(ステップS750−5)
メインCPU300aは、上記ステップS530−9で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第2始動口122に、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS750−7に処理を移す。
(ステップS750−7)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止して第2始動口122を閉鎖するために必要な普通電動役物閉鎖処理を実行する。これにより、第2始動口122が閉鎖状態となる。
(ステップS750−9)
メインCPU300aは、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS750−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
図51は、主制御基板300における普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口閉鎖有効処理は、普通遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS760−1)
メインCPU300aは、上記ステップS750−9でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS760−3に処理を移す。
(ステップS760−3)
メインCPU300aは、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS760−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新し、当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図52は、主制御基板300における普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口終了ウェイト処理は、普通遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS770−1)
メインCPU300aは、上記ステップS760−3でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS770−3に処理を移す。
(ステップS770−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
以上のように、主制御基板300において各種の処理が実行されることにより、特別遊技および普通遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板330において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図53は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、メインループ処理(図23のS110)内の割込み許可期間中(図23のS110−11)に割り込んで電源断時退避処理(S800)を実行する。
(ステップS800−1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS800−3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS800−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS800−11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS800−7に処理を移す。
(ステップS800−7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させる。
(ステップS800−9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS800−11)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS800−13)
メインCPU300aは、メインRAM300cの使用領域(F000H〜F1FFH)のチェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
(ステップS800−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cの使用外領域(F210H〜F228H)のチェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
(ステップS800−17)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS800−19)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS800−21)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS800−23)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS800−19に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS800−25に処理を移す。
(ステップS800−25)
メインCPU300aは、上記ステップS800−19でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS800−27)
メインCPU300aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS800−21に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS800−19〜ステップS800−27をループしている間に遊技機100の稼働が停止する。
次に、本実施形態における電源投入時のRAMクリアスイッチ307および設定キースイッチ308の操作に応じた、メインRAM300cのクリア内容、遊技機100の状態、性能表示モニタ304の表示内容について説明する。
図54は、前回の電源遮断時に遊技機100の状態が設定変更中であり、かつ、電源復帰時にメインRAM300cが正常(バックアップフラグが正常)である場合の第1の例を示している。
図54に示すように、設定キースイッチ308がONであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がONである場合、(1)メモリ(メインRAM300c)の内容は、設定関連処理および性能表示モニタ304での表示に関するデータ以外をクリアし、(2)電源投入後は設定変更可能状態に移行し、(3)性能表示モニタ304は、設定値を表示する。
また、設定キースイッチ308がONであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がOFFである場合、(4)メモリの内容は、設定関連処理および性能表示モニタ304での表示に関するデータ以外をクリアし、(5)電源投入後は設定変更可能状態に移行し、(6)性能表示モニタ304は、設定値を表示する。なお、(4)において、前回の設定変更可能状態に移行した際にRAMクリア処理を正常に実行できていれば、電断復帰時のクリア範囲のみをクリアするようにしてもよい。
上記構成の他に、設定キースイッチ308がONであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がOFFである場合、メモリの内容は変更せず、電源投入後は異常状態に移行し、性能表示モニタ304は、エラーコード(「Er.」)を表示するようにしてもよい。
さらに、設定キースイッチ308がOFFであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がONである場合、(7)メモリの内容は、設定関連処理および性能表示モニタ304での表示に関するデータ以外をクリアし、(8)電源投入後は設定変更可能状態に移行し、(9)性能表示モニタ304は、設定値を表示する。なお、(7)において、前回の設定変更可能状態に移行した際にRAMクリア処理を正常に実行できていれば、電断復帰時のクリア範囲のみをクリアするようにしてもよい。
上記構成の他に、設定キースイッチ308がOFFであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がONである場合、メモリの内容は変更せず、電源投入後は異常状態に移行し、性能表示モニタ304は、エラーコードを表示するようにしてもよい。
さらにまた、設定キーがOFFであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がOFFである場合、(10)メモリの内容は、設定関連処理および性能表示モニタ304での表示に関するデータ以外をクリアし、(11)電源投入後は設定変更可能状態に移行し、(12)性能表示モニタ304は、設定値を表示する。なお、(10)において、前回の設定変更可能状態に移行した際にRAMクリア処理を正常に実行できていれば、電断復帰時のクリア範囲のみをクリアするようにしてもよい。
上記構成の他に、設定キーがOFFであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がOFFである場合、メモリの内容は変更せず、電源投入後は異常状態に移行し、性能表示モニタ304は、エラーコードを表示するようにしてもよい。
図55は、前回の電源遮断時に遊技機100の状態が設定参照中であり、かつ、電源復帰時にメインRAM300cが正常である場合の第2の例を示している。
図55に示すように、設定キースイッチ308がONであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がONである場合、(1)メモリの内容は、設定関連処理および性能表示モニタ304での表示に関するデータ以外をクリアし、(2)電源投入後は設定変更可能状態に移行し、(3)性能表示モニタ304は、設定値を表示する。
また、設定キースイッチ308がONであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がOFFである場合、(4)メモリの内容は変更せず、(5)電源投入後は設定参照状態に移行し、(6)性能表示モニタ304は、設定値を表示する。
さらに、設定キースイッチ308がOFFであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がONである場合、(7)メモリの内容は、設定関連処理および性能表示モニタ304での表示に関するデータ以外をクリアし、(8)電源投入後は遊技可能状態に移行し、(9)性能表示モニタ304は、ベースを表示する。
さらにまた、設定キースイッチ308がOFFであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がOFFである場合、(10)メモリの内容は変更せず、(11)電源投入後は設定参照状態に移行し、(12)性能表示モニタ304は、設定値を表示する。
上記構成の他に、設定キースイッチ308がOFFであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がOFFである場合、メモリの内容は変更せず、電源投入後は遊技可能状態に移行し、性能表示モニタ304は、ベースを表示するようにしてもよい。
図56は、前回の電源遮断時の遊技機100の状況に関わらずに、電源復帰時にRAMが異常(バックアップフラグが異常)である場合の第3の例を示している。
図56に示すように、設定キースイッチ308がONであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がONである場合、(1)メモリの内容は、性能表示モニタ304での表示に関するデータ以外をクリアし、(2)電源投入後は設定変更可能状態に移行し、(3)性能表示モニタ304は、設定値を表示する。なお、(1)において、メインRAM300cが異常である場合、性能表示モニタ304での表示に関するデータをクリアしてもよい。
また、設定キースイッチ308がONであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がOFFである場合、(4)メモリの内容は変更せず、(5)電源投入後は異常状態(RAM異常状態)に移行し、(6)性能表示モニタ304は、エラーコードを表示する。
さらに、設定キースイッチ308がOFFであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がONである場合、(7)メモリの内容は変更せず、(8)電源投入後は異常状態(RAM異常状態)に移行し、(9)性能表示モニタ304は、エラーコードを表示する。
さらにまた、設定キースイッチ308がOFFであり、かつ、RAMクリアスイッチ307がOFFである場合、(10)メモリの内容は変更せず、(11)電源投入後は異常状態(RAM異常状態)に移行し、(12)性能表示モニタ304は、エラーコードを表示する。
次に、図57を参照して、本実施形態のタイマ割込み処理(図24参照)の入賞口スイッチ管理処理(S200−23)で行われる不正遊技検出処理について説明する。なお、以下においては、説明の便宜上、優先報知エラーとして、扉開放エラーおよび磁気エラーを挙げて説明する。
(ステップS100−1a)
主制御基板300のメインCPU300aは、扉開放エラーや磁気エラー等を含む優先報知エラーが発生しているか否かを判断する。例えば、中枠開放スイッチ180(図5参照)から中枠開放検出信号が入力された場合、または前扉開放スイッチ182(同図参照)から前扉開放検出信号が入力された場合、扉開放エラーが発生していると判断する。また、磁気センサ174(同図参照)から磁気検出信号が入力された場合、磁気エラーが発生していると判断する。メインCPU300aは、これらの優先報知エラーが発生していると判断した場合(S100−1aでYes)、ステップS100−3aに移行する。一方、これらの優先報知エラーが発生していると判断しなかった場合(S100−1aでNo)、ステップS100−5aに移行する。
(ステップS100−3a)
メインCPU300aは、対応する優先報知エラーコマンドをセットする。例えば、上記ステップS100−1aで扉開放エラーが発生していると判断した場合、扉開放エラーコマンドをセットする。また、上記ステップS100−1aで磁気エラーが発生していると判断した場合、磁気エラーコマンドをセットする。なお、このステップS100−3aでセットしたエラーコマンドは、メインループ処理(図23参照)のサブコマンド送信処理(ステップS110−7)において、メインCPU300aから副制御基板330に送信される(以下に説明する「不正遊技検出コマンド」についても同様である。)。
(ステップS100−5a)
メインCPU300aは、遊技状態が通常遊技状態または潜確状態であるか否かを判断する。具体的には、メインRAM300cに設定されている遊技状態フラグの値を確認し、遊技状態フラグの値が「1」である場合に遊技状態が通常遊技状態であると判断し、また、遊技状態フラグの値が「3」である場合に遊技状態が潜確状態であると判断する。一方、遊技状態フラグの値が「1」および「3」以外の値である場合、遊技状態が通常遊技状態および潜確状態でないと判断する。遊技状態が通常遊技状態または潜確状態であると判断した場合(S100−5aでYes)、ステップS100−7aに移行する一方、遊技状態が通常遊技状態および潜確状態でないと判断した場合(S100−5aでNo)、不正遊技検出処理を終了する。
(ステップS100−7a)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチ122s(図5参照)から検出信号が入力されたか否かを判断する。第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたと判断した場合(S100−7aでYes)、ステップS100−9aに移行する。この場合、遊技状態が通常遊技状態または潜確状態であるにも関わらず、遊技球が第2始動口122に入球したことになる。つまり、本来、遊技者は、遊技領域116の左打ち領域116aに遊技球を発射させて遊技を進行させるべき通常遊技状態または潜確状態であるはずだが、右打ち領域116bに遊技球を発射させて遊技を進行させたことになり、想定されている遊技の仕方とは異なる方法で行われた不正遊技を実行したと判断するようになっている。一方、第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたと判断しなかった場合(S100−7aでNo)、不正遊技が行われたと判断することなく、不正遊技検出処理を終了する。
(ステップS100−9a)
メインCPU300aは、不正遊技検出コマンドをセットし、不正遊技検出処理を終了する。
このように、タイマ割込み処理(図24参照)の入賞口スイッチ管理処理(S200−23)で行われる不正遊技検出処理では、優先報知エラーが発生したか否かに応じて優先報知エラーコマンド(扉開放エラーコマンド、磁気エラーコマンド等)がセットされるとともに、遊技者により不正遊技が行われたか否かに応じて不正遊技検出コマンドがセットされるようになっている。そして、このようにセットされたコマンドが、主制御基板300のメインCPU300aから副制御基板330のサブCPU330aに送信され、送信されたコマンドに基づいて、サブCPU330aは演出表示装置200等に優先報知エラー情報(優先報知エラーが発生した旨の情報)、または不正遊技警告(不正遊技を行った遊技者に対して警告を促す情報)を報知させるようになっている。
次に、図58〜図67を参照して、本実施形態の不正遊技報知処理について説明する。この不正遊技報知処理は、主制御基板300のメインCPU300aによって行われた上記不正遊技検出処理に基づいて、副制御基板330のサブCPU330aによって行われる処理である。
(ステップS200−1a)
副制御基板330のサブCPU330aは、優先報知エラーコマンド(扉開放エラーコマンド、磁気エラーコマンド等)を受信したか否かを判断する。優先報知エラーコマンドを受信したと判断した場合(S200−1aでYes)、ステップS200−3aに移行する一方、優先報知エラーコマンドを受信したと判断しなかった場合(S200−1aでNo)、ステップS200−5aに移行する。
(ステップS200−3a)
サブCPU330aは、対応する優先報知エラーフラグをONに設定する。例えば、上記ステップS200−1aにおいて、扉開放エラーコマンドを受信したと判断した場合、扉開放エラーフラグをONに設定する。また、磁気エラーコマンドを受信したと判断した場合、磁気エラーフラグをONに設定する。そして、サブCPU330aは、このように優先報知エラーフラグをONに設定した後、ステップS200−7aに移行する。なお、既に優先報知エラーフラグがONに設定されている場合には、当該ONに設定されている優先報知エラーフラグの状態を維持する。
(ステップS200−5a)
サブCPU330aは、対応する優先報知エラーフラグをOFFに設定する。例えば、上記ステップS200−1aにおいて、扉開放エラーコマンドを受信したと判断しなかった場合、扉開放エラーフラグをOFFに設定する。また、上記ステップS200−1aにおいて、磁気エラーコマンドを受信しなかったと判断した場合、磁気エラーフラグをOFFに設定する。そして、サブCPU330aは、このように優先報知エラーフラグをOFFに設定した後、ステップS200−7aに移行する。なお、既に優先報知エラーフラグがOFFに設定されている場合には、当該OFFに設定されている優先報知エラーフラグの状態を維持する。
(ステップS200−7a)
サブCPU330aは、不正遊技検出コマンドを受信したか否かを判断する。不正遊技検出コマンドを受信したと判断した場合(S200−7aでYes)、ステップ200−9aに移行する一方、不正遊技検出コマンドを受信したと判断しなかった場合(S200−7aでNo)、ステップS200−11aに移行する。
(ステップS200−9a)
サブCPU330aは、不正遊技検出コマンドの受信回数Nに値「1」を加算して更新する。この遊技機100では、後述するように、優先報知エラーコマンドを受信した場合、優先報知エラー情報を演出表示装置200等に報知させるようになっているが、優先報知エラー情報を報知させない場合には、不正遊技検出コマンドを受信したことに基づいて不正遊技警告を報知可能になっている。さらに、不正遊技検出コマンドの受信回数Nの値に応じて、互いに報知態様が異なる不正遊技弱警告または不正遊技強警告を報知可能になっており、受信回数Nの値が「2,4,6,8」の何れかであるときに不正遊技弱警告を報知させ、受信回数Nの値が「10」のときに不正遊技強警告を報知させるようになっている。
(ステップS200−11a)
サブCPU330aは、不正遊技検出コマンドの受信回数Nの値が「2,4,6,8」の何れかであるか否かを判断する。不正遊技検出コマンドの受信回数Nの値が「2,4,6,8」の何れかであると判断した場合(S200−11aでYes)、ステップS200−13aに移行する一方、不正遊技検出コマンドの受信回数Nの値が「2,4,6,8」の何れかであると判断しなかった場合(S200−11aでNo)、ステップS200−19aに移行する。
(ステップS200−13a〜ステップS200−17a)
サブCPU330aは、優先報知エラーフラグ(扉開放エラーフラグ、磁気エラーフラグ等)がONに設定されているか否か判断する(ステップS200−13a)。
サブCPU330aは、優先報知エラーフラグがONに設定されていると判断した場合(S200−13aでYes)、不正遊技警告よりも優先報知エラー情報(優先報知エラーが発生している旨の情報)の方を優先して演出表示装置200等に報知させる(ステップS200−15a)。この場合、ステップS200−13aにおける判断をする前提として、ステップS200−11aでYesとなっていることから、本来であれば、不正遊技弱警告を報知させるはずである。しかしながら、このステップS200−15aでは、優先報知エラーフラグがONに設定されていることから、不正遊技弱警告ではなく、優先報知エラー情報を報知させるようになっている。
図60は、扉開放エラーフラグがONに設定されており、扉開放エラーが発生している旨の情報(以下、「扉開放エラー情報」という。)を演出表示装置200等に報知させているときの様子を示している。なお、以下に示す図60〜67においては、説明の便宜上、遊技機100の上半分のみを図示し、遊技領域116においては演出表示装置200のみを図示することにする。図60に示すように、演出表示装置200の演出表示部200aに「扉が開放しています」というメッセージを含む画像M1を表示させ、スピーカ106eに「ビープ」という警告音と、「扉が開放しています」という音と、を出力させる。また、装飾レンズ用LED106a1およびサイドパネル用LED106c1を赤色に点灯させ、エラー報知用LED106i1を青色に点灯させ、遊技盤装飾用LED108aを消灯させる。なお、扉開放エラー情報の報知の解除条件について、副制御基板330は主制御基板300から扉開放エラーが解除された旨の情報を含むコマンド(以下、「扉開放状態解除コマンド」という。)を受信したときに、演出表示装置200にて画像M1の表示を終了させる。また、副制御基板330は主制御基板300から扉開放状態解除コマンドを受信したときから15秒経過後にスピーカ106eに警告音等の出力を終了させる。また、副制御基板330は主制御基板300から扉開放状態解除コマンドを受信したときに遊技盤装飾用LED108aのみを扉開放エラーが発生する前の状態に復帰させ、装飾レンズ用LED106a1、サイドパネル用LED106c1およびエラー報知用LED106i1を遊技盤装飾用LED108aが復帰してから30秒経過後に扉開放エラーが発生する前の状態に復帰させる。
図61は、磁気エラーフラグがONに設定されており、磁気エラーが発生している旨の情報(以下、「磁気エラー情報」という。)を演出表示装置200等に報知させているときの様子を示している。図61に示すように、演出表示装置200の演出表示部200aに「磁石を検出しました」というメッセージを含む画像M2aと、「係員を呼んでください」というメッセージを含む画像M2bと、を表示させ、スピーカ106eに「ビープ」という警告音と、「磁石を検出しました 係員を呼んでください」という音と、を出力させる。なお、装飾レンズ用LED106a1、サイドパネル用LED106c1、エラー報知用LED106i1、および遊技盤装飾用LED108aによる報知態様は、扉開放エラーが発生している場合(図60参照)と同様である。なお、磁気エラー情報の報知の発生条件について、副制御基板330は主制御基板300から磁気エラーが発生している旨の情報を含むコマンド(以下、「磁気エラー発生指定コマンド」と言う。)を受信したときに演出表示装置200にて画像M2a,M2bの表示を開始させ、スピーカ106eに警告音等の出力を開始させ、装飾レンズ用LED106a1、サイドパネル用LED106c1、エラー報知用LED106i1、および遊技盤装飾用LED108aに上記した態様での点灯を開始させる。また、磁気エラー情報の報知の解除条件について、副制御基板330は、電断するまで演出表示装置200での画像M2a,M2bの表示を継続させ、スピーカ106eに警告音等の出力を継続させ、装飾レンズ用LED106a1、サイドパネル用LED106c1、エラー報知用LED106i1、および遊技盤装飾用LED108aでの上記した態様での点灯を継続させる。
本実施形態例では、磁気センサ174は遊技機100において異なる複数の個所に配設されており、これら配置箇所の異なる複数の磁気センサ174から主制御基板300は磁気の発生を検出可能になっている。そして、これら複数の磁気センサのうちの何れかによって磁気が検出された場合、主制御基板300は検出箇所に対応した磁気エラー発生指定コマンドを副制御基板330に送信するようになっており、副制御基板330は受信した磁気エラー発生指定コマンドに応じて演出表示装置200等にて磁気エラーの発生を報知させる。例えば、排出口130付近に配設されている磁気センサ174が磁気を検出した場合には、主制御基板300は副制御基板330に第1磁気エラー発生指定コマンドを送信し、副制御基板330は受信した第1磁気エラー発生指定コマンドに基づいて、演出表示装置200等にて排出口130付近における磁気エラーの発生を報知させる。また、大入賞口128付近に配設されている磁気センサ174が磁気を検出した場合には、主制御基板300は副制御基板330に第2磁気エラー発生指定コマンドを送信し、副制御基板330は受信した第2磁気エラー発生指定コマンドに基づいて、演出表示装置200等にて大入賞口128付近における磁気エラーの発生を報知させる。このように、本実施形態例では、遊技機100における異なる複数の個所のうち何れの箇所で磁気を検出した場合でも、磁気の発生を正確に検出し、当該磁気の発生の検出をその発生個所も含めて正確に報知することができるようになっている。
サブCPU330aは、優先報知エラーフラグがONに設定されていると判断しなかった場合(S200−13aでNo)、不正遊技弱警告を演出表示装置200に報知させる。この場合、ステップS200−13aにおける判断をする前提として、ステップS200−11aでYesとなっていることから、本来通り、不正遊技弱警告を報知させる。図62は、不正遊技弱警告を演出表示装置200等に報知させているときの様子を示している。図62に示すように、演出表示装置200の演出表示部200aに「左打ちに戻してください」というメッセージを含む画像M3を表示させ、スピーカ106eに「左打ちに戻してください」という音を出力させる。また、装飾レンズ用LED106a1、サイドパネル用LED106c1、エラー報知用LED106i1、および遊技盤装飾用LED108aの点灯態様は変化させない(それまでの点灯態様を維持させる。)。なお、詳細な説明は省略するが、この不正遊技弱警告の報知は、「左打ちに戻してください」という音を3回繰り返し出力させた後に、所定時間(例えば3秒)が経過すると終了し、また、主制御基板300のメインCPU300aから副制御基板330のサブCPU330aに右打ち状態指定コマンドが送信された場合にも終了するようになっている。
(ステップS200−19a)
サブCPU330aは、不正遊技検出コマンドの受信回数Nの値が「10」であるか否かを判断する。不正遊技検出コマンドの受信回数Nの値が「10」であると判断した場合(S200−19aでYes)、ステップS200−21aに移行する一方、不正遊技検出コマンドの受信回数Nの値が「10」であると判断しなかった場合(S200−19aでNo)、ステップS200−29aに移行する。
(ステップS200−21a〜ステップS200−27a)
サブCPU330aは、優先報知エラーフラグ(扉開放エラーフラグ、磁気エラーフラグ等)がONに設定されているか否か判断する(ステップS200−21a)。優先報知エラーフラグがONに設定されていると判断した場合(S200−21aでYes)、不正遊技警告よりも優先報知エラー情報の方を優先して演出表示装置200等に報知させる(ステップS200−23a)。この場合、ステップS200−21aにおける判断をする前提として、ステップS200−19aでYesとなっていることから、本来であれば、不正遊技強警告を報知させるはずである。しかしながら、このステップS200−23aでは、優先報知エラーフラグがONに設定されていることから、不正遊技弱警告ではなく、優先報知エラー情報を報知させるようになっている。なお、このときの演出表示装置200等における優先報知エラー情報の報知態様は、上記ステップS200−15a(図60,61参照)と同様である。
一方、サブCPU330aは、優先報知エラーフラグがONに設定されていると判断しなかった場合(S200−21aでNo)、不正遊技強警告を演出表示装置200等に報知させる(ステップS200−25a)。この場合、ステップS200−21aにおける判断をする前提として、ステップS200−19aでYesとなっていることから、本来通り、不正遊技強警告を報知させる。図63は、不正遊技強警告を演出表示装置200等に報知させているときの様子を示している。図63に示すように、演出表示装置200の演出表示部200aに「特図2変動注意」というメッセージを含む画像M4aと、「左打ちに戻してください」というメッセージを含む画像M4bと、を表示させ、スピーカ106eに「ビープ」という警告音と、「左打ちに戻してください」という音と、を出力させる。また、装飾レンズ用LED106a1およびサイドパネル用LED106c1を赤色に点灯させ、エラー報知用LED106a2を青色に点灯させ、遊技盤装飾用LED108aを消灯させる。なお、詳細な説明は省略するが、この不正遊技強警告の報知は、「ビープ」という警告音と、「左打ちに戻してください」という音と、の双方を3回繰り返し出力させた後に、所定時間(例えば3秒)が経過すると終了し、また、主制御基板300のメインCPU300aから副制御基板330のサブCPU330aに右打ち状態指定コマンドが送信された場合にも終了するようになっている。
サブCPU330aは、不正遊技検出コマンドの受信回数Nの値に「0」を設定する(ステップS200−27a)。これにより、次に不正遊技検出コマンドを受信した場合は、再度、受信回数Nの値が「1」に設定されることとなる。すなわち、いったん不正遊技回数検出コマンドの受信回数Nの値が「10」に達した場合には、次回からは再び受信回数Nの値を「1」から順次加算して更新するようになっている。
(ステップS200−29a〜ステップS200−31a)
サブCPU330aは、優先報知エラーフラグ(扉開放エラーフラグ、磁気エラーフラグ等)がONに設定されているか否か判断する(ステップS200−29a)。優先報知エラーフラグがONに設定されていると判断した場合(S200−29aでYes)、優先報知エラー情報を演出表示装置200等に報知させる(S200−31a)。なお、このときの演出表示装置200等における優先報知エラー情報の報知態様は、上記ステップS200−15a(図60,61参照)と同様である。
このように、サブCPU330aは、優先報知エラーコマンドと不正遊技検出コマンドとの双方のコマンドを受信している場合、不正遊技警告(不正遊技弱警告、不正遊技強警告)よりも優先報知エラー情報を優先して演出表示装置200等に報知させるようになっている。また、優先報知エラーコマンドを受信することなく、不正遊技検出コマンドを受信した場合、不正遊技検出コマンドの受信回数Nの値に応じて、不正遊技弱警告(N=2,4,6,8のとき)(図61参照)または不正遊技強警告(N=10のとき)(図62参照)を演出表示装置200等に報知させるようになっている。なお、これらの処理が終了すると、ステップS200−33aに移行する(ページ内結合子A→A)。また、上記では、不正遊技検出コマンドの受信回数Nの値が2,4,6,8のときに不正遊技弱警告を報知させ、受信回数Nの値が10のときに不正遊技強警告を報知させる構成であったが、この構成に限られることなく、適宜変更可能である。例えば、不正遊技検出コマンドの受信回数Nの値が1,3,5,7のときに不正遊技弱警告を報知させ、受信回数Nの値が9のときに不正遊技強警告を報知させるようにしてもよい。
(ステップS200−33a)
サブCPU330aは、演出操作ボタンユニット106dの押下ボタン106d1(図5参照)から検出信号を受信したか否かを判断する。検出信号を受信したと判断した場合(S200−33aでYes)、ステップS200−35aに処理を移す一方、検出信号を受信したと判断しなかった場合(S200−33aでNo)、不正遊技報知処理を終了する。
(ステップS200−35a)
サブCPU330aは、演出表示装置200にて優先報知エラー情報(扉開放エラー情報、磁気エラー情報等)の報知中であるか否かを判断する。
(ステップS200−37a)
サブCPU330aは、演出表示装置200等に優先報知エラー情報を継続して報知させながら、メニュー突入画像を表示させる。図64は、扉開放エラー情報の報知中に演出表示装置200にメニュー突入画像を表示させたときの様子を示している。図64に示すように、メニュー突入画像Gには、押下ボタン106d1を模した画像であって、遊技者に押下ボタン106d1を押下操作することにより、機種メニューに突入させることを促す押下ボタン画像G1と、現在設定されている音量を表示した音量表示画像G2と、現在設定されている光量を表示した光量表示画像G3と、「十字キーでオートボタン設定 ON」というメッセージを含む画像G4と、から構成されている。なお、オートボタン設定とは、実際には遊技者によって押下ボタン106d1が押下操作されていないにも関わらず、押下ボタン106d1が押下操作されたものとして、処理を実行させる機能である。なお、上記では、演出表示装置200等に優先報知エラー情報を継続して報知させながら、メニュー突入画像Gを表示させる構成であったが、この構成に限られず、メニュー突入画像Gが表示されているときに遊技者によって押下ボタン106d1の操作が行われた場合には、優先報知エラー情報を継続して報知させながら、カスタマイズ画像を表示させるようにしてもよい。
図64に示すように、メニュー突入画像Gに重畳して「扉が開放しています」というメッセージを含む画像M1が表示されている。具体的には、音量表示画像G2および光量表示画像G3の上部と、画像M1の右側部と、が重なって表示されている。また、画像M1の方が、メニュー突入画像Gよりも演出表示部200aの画面において前面側に表示されている。なお、このときの演出表示装置200等における優先報知エラー情報の報知態様は、上記ステップS200−15a(図60参照)と同様である。
図65は、磁気エラー情報の報知中に演出表示装置200にメニュー突入画像を表示させたときの様子を示している。図65に示すように、メニュー突入画像Gに重畳して「磁石を検出しました」というメッセージを含む画像M2aと、「係員を呼んでください」というメッセージを含む画像M2bと、が表示されている。具体的には、画像M2aの右側部と、押下ボタン画像G1の下部ならびに音量表示画像G2および光量表示画像G3の上部と、が重なって表示されているとともに、画像M2bの右側部と、音量表示画像G2および光量表示画像G3の略中央部と、が重なって表示されている。また、画像M1および画像M2bの方が、メニュー突入画像Gよりも演出表示部200aの画面において前面側に表示されている。なお、このときの演出表示装置200等における優先報知エラー情報の報知態様は、上記ステップS200−15a(図61参照)と同様である。
このように、扉開放エラー情報または磁気エラー情報の報知中に押下ボタン106d1(図4参照)から検出信号を受信した場合でも、既に報知している扉開放エラー情報または磁気エラー情報の表示をなくすことなく、メニュー突入画像Gとともに継続して表示させるようになっている。なお、上記では、扉開放エラー情報の一部(図64における画像M1のうちの「います」の部分)または磁気エラー情報の一部(図65における画像M2aのうちの「しました」および画像M2bのうちの「ください」の部分)と、メニュー突入画像Gと、が重畳しており、この重畳したメニュー突入画像Gの部分が遊技者からは見なくなっているが、例えば画像M2a,M2bに透過性を持たせて表示させることにより、重畳したメニュー突入画像Gの部分が遊技者から見えるようにしもよい。
(ステップS200−39a〜ステップS200−43a)
サブCPU330aは、不正遊技警告(不正遊技弱警告、不正遊技強警告)の報知中であるか否かを判断する(ステップS200−39a)。不正遊技警告の報知中である場合(ステップS200−39aでYes)、演出表示装置200等に不正遊技警告を継続して報知させながら、メニュー突入画像を表示させ、不正遊技報知処理を終了する。一方、不正遊技警告の報知中であると判断しなかった場合、演出表示装置200に機種メニューだけを表示させ(ステップS200−43a)、不正遊技報知処理を終了する。
図66は不正遊技弱警告の報知中に演出表示装置200等にメニュー突入画像を表示させたときの様子を示している。図66に示すように、メニュー突入画像Gに重畳して「左打ちに戻してください」というメッセージを含む画像M3が表示されている。具体的には、音量表示画像G2および光量表示画像G3の略中央部と、画像M3の右側部と、が重なって表示されている。また、画像M3の方が、メニュー突入画像Gよりも演出表示部200aの画面において前面側に表示されている。
図67は不正遊技強警告の報知中に演出表示装置200等に機種メニューを表示させたときの様子を示している。図67に示すように、機種メニューの表示に重畳して「特図2変動注意」というメッセージを含む画像M4aと、「左打ちに戻してください」というメッセージを含む画像M4bと、が表示されている。具体的には、画像M4aの右側部と、押下ボタン画像G1の下部ならびに音量表示画像G2および光量表示画像G3の上部と、が重なって表示されているとともに、画像M4bの右側部と、音量表示画像G2および光量表示画像G3の略中央部と、が重なって表示されている。また、画像M4aおよび画像M4bの方が、メニュー突入画像Gよりも演出表示部200aの画面において前面側に表示されている。
このように、優先報知エラー情報または不正遊技警告の報知中に、押下ボタン106d1からの検出信号を受信した場合、優先報知エラー情報または不正遊技警告を継続して報知させながら、メニュー突入画像を報知するようになっている。すなわち、既に優先報知エラー情報または不正遊技警告が報知されているときに、遊技者が押下ボタン106d1を操作しても、優先報知エラー情報または不正遊技警告の報知は解除されることなく、そのまま演出表示装置200の画面上に残存し、メニュー突入画像とともに報知されるようになっている。
なお、副制御基板330には、図示せぬタイマカウンタが設けられており、このタイマカウンタによって不正遊技警告および優先報知エラー情報の報知時間を管理している。そのため、上記のように不正遊技警告の報知と、メニュー突入画像の表示と、が重なった場合において、タイマカウンタにより所定時間(例えば3秒)が計時されると、演出表示装置200の演出表示部200aには、メニュー突入画像Gのみが表示され、装飾レンズ用LED106a1、エラー報知用LED106i1、サイドパネル用LED106c1および遊技盤装飾用LED108aの点灯態様は、不正遊技警告が報知される前の態様に復帰するようになっている。
また、不正遊技警告よりも優先報知エラー情報を優先して演出表示装置200等に報知させる場合において、優先報知エラー情報を予め定められた時間(例えば15秒)だけ報知すると、優先報知エラー情報の報知を終了させて、不正遊技警告を報知可能となっている。この場合、例えば、図59のステップS200−15aで優先報知エラー情報(扉開放エラー等)を報知させ、その後に実行されるメインループ処理(図24参照)のステップS200−23の入賞口スイッチ処理の不正遊技報知処理において、ステップS200−13aでNo(優先報知エラーフラグがOFF)となると、優先報知エラー情報の報知を終了させ、その後のステップS200−17aで不正遊技警告(不正遊技弱警告)を報知させるようになっている。
また、不正遊技強警告の報知中に、不正遊技弱警告の発生条件が満たされた場合(例えば受信回数N=2となった場合)、既に報知していた不正遊技強警告の報知が終了したら、その後に不正遊技弱警告を報知可能となっている。この場合、図59のS200−25aで不正遊技強警告を報知させ、その後に実行されるメインループ処理(図24参照)のステップS200−23の入賞口スイッチ処理の不正遊技報知処理において、ステップS200−11aでYes(受信回数N=2)→ステップS200−13でNo(優先報知エラーフラグがOFF)→ステップS200−17aで不正遊技弱警告を報知させることになる。なお、このとき、既に報知されていた不正遊技強警告の報知時間と、後から報知された不正遊技弱警告の報知時間と、が一部重複するため、不正遊技弱警告の報知時間は、本来の不正遊技弱警告の報知時間から不正遊技強警告の報知時間と重複した時間が差し引かれた正味の時間となる。
以上、本実施形態の遊技機100によれば、遊技領域116の左打ち領域(第1遊技領域)116aに遊技球を発射して遊技を進行させる通常遊技状態または潜確状態(所定遊技状態)において、第2始動口検出スイッチ(第2検出部)122sからの検出信号が主制御基板300に入力されたことに基づいて、不正遊技検出コマンドを副制御基板330に送信するように構成されている。そして、副制御基板330は、送信された不正遊技検出コマンドに基づいて、演出表示装置200等に「左打ちに戻してください」というメッセージを含む画像M3(図66参照)を表示させる等により不正遊技警告(発射操作情報)を報知するように構成されている。さらに、不正遊技警告の報知中に、遊技者が押下ボタン106d1を操作したことに基づいて(所定条件が満たされると)、メニュー突入画像(所定情報)を演出表示装置200等に表示させることとなった場合でも、不正遊技警告を継続して報知させるようになっている。このように構成された遊技機100によれば、不正遊技警告の報知中に、遊技者が誤って押下ボタン106d1を押下した場合でも、不正遊技警告に関する情報(「左打ちに戻してください」というメッセージを含む画像M3等)の表示を演出表示装置200の画面上から消去させることなく、引き続き表示させるようにしているので、使い勝手のよい遊技機を提供することができる。
また、本実施形態の遊技機100によれば、演出表示装置200等に「左打ちに戻してください」というメッセージを含む画像M3等を表示させて不正遊技警告を報知しているときに、中枠開放スイッチ180から中枠開放検出信号が主制御基板300に入力された場合、または前扉開放スイッチ182から前扉検出信号が主制御基板300に入力された場合、副制御基板330は、扉開放エラー情報の方を不正遊技警告よりも優先して演出表示装置200等に報知させるように構成されている。つまり、この遊技機100は、前記遊技盤を保持する中枠と、前記中枠に対して開放自在に取り付けられる前扉と、前記前扉が前記中枠に対して開放している開放状態を検出する扉開放検出部(中枠開放スイッチ180、前扉開放スイッチ182)と、をさらに備え、前記演出制御手段(主制御基板300、副制御基板330)は、前記発射操作情報(画像M3等)を前記演出装置(演出表示装置200等)に報知させているときに、前記扉開放検出部が前記開放状態を検出した場合には、前記開放状態が発生した旨の情報を前記発射操作情報よりも優先して前記演出装置に報知させるように構成されている。このように構成された遊技機100によれば、不正遊技警告の報知中であっても、前扉開放エラーが発生した場合には、扉開放エラーの報知を重視して正確に行うことにより、前扉106を開放させて遊技球を大量に獲得するという悪質性の高い不正行為に適切に対応することができる。
また、本実施形態の遊技機100によれば、演出表示装置200等に「左打ちに戻してください」というメッセージを含む画像M3等を表示させて不正遊技警告を報知しているときに、磁気センサ174から検出信号が主制御基板300に入力された場合、副制御基板330は、磁気エラー情報の方を不正遊技警告よりも優先して演出表示装置等に報知させるように構成されている。つまり、この遊技機100は、磁気を検出する磁気検出部(磁気センサ174)をさらに備え、前記演出制御手段(主制御基板300、副制御基板330)は、前記発射操作情報(画像M3等)を前記演出装置(演出表示装置200等)に報知させているときに、前記磁気検出部が磁気を検出した場合には、磁気が発生した旨の情報を前記発射操作情報よりも優先して前記演出装置に報知させるように構成されている。このように構成された遊技機100によれば、不正遊技警告の報知中であっても、磁気エラーが発生した場合には、磁気エラー情報の報知を重視して正確に行うことにより、磁石を利用して遊技球を大量に獲得するという悪質性の高い不正行為に適切に対応することができる。
また、本実施形態の遊技機100によれば、不正遊技警告には、不正遊技弱警告と、不正遊技強警告と、が設けられている。そして、サブCPU330aが受信した不正遊技検出コマンドの受信回数Nの値が「2,4,6,8」の何れかである場合には、不正遊技弱警告を報知し、不正遊技検出コマンドの受信回数Nの値が「10」である場合には、不正遊技強警告を報知するように構成されている。このように構成された遊技機100によれば、例えば時短遊技状態が終了したにも関わらず、遊技者が誤って所定の期間だけ遊技領域116の右打ち領域116bに遊技球を発射させたとしても、即時に不正遊技強警告を報知することなく、しばらくの間は不正遊技弱警告を報知することができる。これにより、時短遊技状態の終了後に頻繁に不正遊技強警告を報知することによって遊技者に対して不快な感情を持たせることを防止することができる。これに対して、通常遊技状態または潜確状態において、遊技領域116の右打ち領域116bに向けて遊技球を連続して故意に発射させる遊技者に対しては、不正遊技弱警告よりも警告度合いを強めた不正遊技強警告を報知できるようになっている。これにより、遊技者がこのような不正遊技を行うことを効果的に抑制することができる。
なお、上記実施形態では、遊技状態が通常遊技状態または潜確状態である場合に、遊技球が遊技領域116の右打ち領域116bに設けられた第2始動口122に入球したことに基づいて、不正遊技警告を演出表示装置200等に報知させる例について説明したが、これに限られない。遊技状態が通常遊技状態または潜確状態である場合に、遊技球がゲート124に入球したことに基づいて、不正遊技警告(「左打ちに戻してください」というメッセージを含む画像)を演出表示装置200等に報知させるようにしてもよい。また、遊技状態が時短遊技状態または大役遊技中である場合に、遊技球が遊技領域116の左打ち領域116aに設けられた一般入賞口118に入球したことに基づいて、右打ちを推奨する情報として、「右打ちしてください」というメッセージを含む画像を演出表示装置200等に報知させるようにしてもよい。この場合、時短遊技状態、大役遊技中、または確変状態が本発明を構成する所定遊技状態に相当し、左打ち遊技領域116aが本発明を構成する第2遊技領域に相当し、一般入賞口検出スイッチ118sが本発明を構成する第2検出部に相当する。
また、上記実施形態では、通常遊技状態または潜確状態において、第2始動口122に遊技球が入球したことに基づいて、本発明を構成する発射操作情報として不正遊技警告を演出表示装置200等に報知させる構成であったが、この構成に限られない。例えば遊技盤108の右打ち領域116bに遊技球が入球可能な特定領域が形成されており、通常遊技状態または潜確状態において第1始動口120に遊技球が入球したことに基づいて大役抽選が実行されたことに基づいて、この大役抽選に当選した後に、特定領域に遊技球を入球させることにより初めて大役遊技を実行できるような遊技機においては、大役抽選の当選に基づいて、右打ちを推奨する情報として「右打ちしてください」というメッセージを含む画像を演出表示装置200等に表示させるようにしてもよい。この場合、通常遊技状態または潜確状態において右打ちを推奨する情報としての「右打ちしてください」というメッセージを含む画像が、本発明を構成する発射操作情報に相当する。
また、上記実施形態では、一般入賞口118は遊技領域116の左打ち領域116aにのみ設けられている構成であったが、この構成に限られない。一般入賞口は遊技領域116の右打ち領域116bに設けられてもよい。この場合、この右打ち領域116bに設けられた一般入賞口に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチは、本発明を構成する第2検出部に相当する。
また、上記実施形態例では、既に優先報知エラー情報(扉開放エラー情報、磁気エラー情報)または不正遊技警告が報知されているときに、遊技者が押下ボタン106d1を操作した場合でも、優先報知エラー情報または不正遊技警告の報知を解除させることなく、メニュー突入画像Gを演出表示装置200の演出表示部200aに表示させていたが、この構成に限られない。例えば、既に優先報知エラー情報または不正遊技警告が報知されているときに、電源断が発生して電源復帰する際に、バックアップ異常エラーやRAM異常エラーが発生した場合には、優先報知エラー情報または不正遊技警告は報知されないようにしてもよく、さらにこの場合、遊技者が押下ボタン106d1を操作しても、メニュー突入画像Gも表示されないようにしてもよい。
また、上記実施形態例では、本発明の「操作関連条件の成立」の例として、押下ボタン106d1が操作されたことを挙げて説明したが、これに限られない。この「操作関連条件の成立」には、例えば第1始動口120への遊技球の入球に基づいて大役抽選が実行され、当該大役抽選の結果に基づいて決定された変動パターンにより、演出表示装置200にて押下ボタン106d1を用いたボタン演出が開始されたこと、または、このボタン演出中に「ボタンを押せ!」等のメッセージを含む画像を表示させたこと等が含まれており、押下ボタン106d1が操作されたことだけに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、設定関連処理が行われるようになっていたが(図24,25参照)、当該設定関連処理が行われなければ、遊技機100の状態が遊技可能状態となって図24のステップS200−15〜ステップS200−27の処理が行われないので、そもそも優先報知エラー情報や不正遊技警告が報知されることはない。
また、上記実施形態例では、遊技機100においては、設定異常状態、RAM異常状態、およびバックアップ異常状態を含む異常状態を報知する異常報知情報が最優先して報知されるエラー情報であり、扉開放エラー情報はその次に優先して報知されるエラー情報である。
また、上記実施形態例では、押下ボタン106d1の操作に基づいてメニュー突入画像(所定情報)Gを演出表示装置200等に表示させる構成であったが、この構成に限られない。例えば、ハンドル部106d2を操作したことに基づいて、メニュー突入画像Gを演出表示装置200等に表示させる構成であってもよい。また、選択ボタン106f、音量調節ボタン106g、または光量調節ボタン106hを操作したことに基づいて、メニュー突入画像Gを表示させる構成であってもよい。
また、上記実施形態では、優先報知エラーとして、扉開放エラーおよび磁気エラーを挙げて説明をしたが、その他のエラーの内容について、簡単に説明しておく。電波エラーは、電波を検出した場合に発生するエラーであり、振動エラーは振動を検出した場合に発生すするエラーである。不正入賞エラーには、特電不正入賞エラーや普電不正入賞エラーが含まれており、特電不正入賞エラーは、大入賞口128の開閉扉128bが開放制御されていないにも拘らず、開閉扉128bが開放して大入賞口128に遊技球が入球した場合に発生するエラーであり、普電不正入賞エラーは、第2始動口122の可動片122bが開放制御されていないにも拘らず、可動片122bが開放して第2始動口122に遊技球が入球した場合に発生するエラーである。また、入賞頻度異常エラーは、1分間に第1始動口120および一般入賞口118に遊技球が所定個数(例えば、40個)以上入賞した場合に発生するエラーである。
大入賞口過剰入賞エラーは、大役遊技における各ラウンド遊技の実行期間中に大入賞口128に遊技球が過剰に入球した場合に発生するエラーであり、確変領域異常通過エラーは、大役遊技中に確変領域への遊技球の入賞を実現不可能とする所定ラウンドにおいて、確変領域への遊技球の入賞があった場合に発生するエラーである。また、大入賞口入出球不一致エラーは、大入賞口128に入球した遊技球の数と、大入賞口128から排出された遊技球の数とが一致しない場合に発生するエラーであり、大入賞口異常排出エラーは、大入賞口128内で確変領域等に遊技球が入球不可能であるにも関わらず、確変領域等に遊技球が入球した場合に発生するエラーである。さらに、始動口異常入賞エラーは、振分装置を搭載した遊技機において、当該振分装置内の第1始動口120および第1の第2始動口の何れか一方に遊技球が連続して入賞した場合に発生するエラーである。
スイッチエラーは、各検出スイッチ(一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124s、大入賞口検出スイッチ128s)の近接センサが断線または短絡した場合に発生するエラーである。ベース異常エラーは、大役遊技および時短遊技が行われていない通常時において、遊技球の払出数と遊技球のアウト球数との和が所定値を超えた場合に発生するエラーである。可動体エラーは、演出役物装置202がメインCPU300aからの指示に従うことができない場合に発生するエラーである。上記のような各種エラーが発生した場合でも、上記実施形態で説明した扉開放エラーまたは磁気エラーが発生したときと同様に、エラーが発生した旨の情報を演出表示装置200等に報知させるようになっている。
また、上記実施形態では、タイマ割込み処理内において、遊技進行に係る各種処理および設定関連処理が実行されるようになっており、メインCPU300aは、設定関連処理の実行中においては、遊技進行に係る各種処理を実行しないように構成されていたが、これに限られない。例えば、メインループ処理(図24)内において、遊技進行に係る各種処理および設定関連処理を実行するように構成し、メインCPU300aは、当該メインループ処理内において、設定関連処理の実行中においては、遊技進行に係る各種処理を実行しないようにしてもよい。この場合においても、上記実施形態と同様に、メインCPU300aは、設定関連処理の実行中においては、遊技進行に係る各種処理を実行しないので、メインCPU300aにかかる処理負担を軽減することができる。また、設定関連処理の実行中においては、遊技の進行を確実に停止させることができるとともに、遊技停止状態において遊技が進行することにより生じる虞のある不具合の発生を未然に防ぐことができる。
また、本実施形態では、メインCPU300aは、電源投入時において、設定関連処理が実行されると、当該設定関連処理を終了させてから、電源投入時サブコマンド群(演出に必要なコマンド)を副制御基板330に送信するように構成されていたが、これに限られない。例えば、メインCPU300aは、変動開始時および変動終了時、大当たり中ならびに客待ち中等の種々のタイミングで電源投入時サブコマンド群を副制御基板330に送信するようにしてもよい。こうすれば、上記種々のタイミング毎に必要となる演出に関する情報を送信することができるので、電源投入時に送信する電源投入時サブコマンド群の情報量を少なくでき、電源投入時においてメインCPU300aにかかる処理負担を軽減することができる。
また、上記実施形態では、遊技盤108の背面に、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、大入賞口128、排出口130を通過した遊技球を合流させる合流通路が形成されており、この合流通路に、遊技球を検出するアウト球検出スイッチ129sが設けられるようにした。しかしながら、遊技領域116に発射された遊技球の数、もしくは、遊技領域116から排出された遊技球の数である排出数をアウト球数として計数できるのであればこれに限らない。例えば、アウト球検出スイッチ129sは、排出口130を通過した遊技球のみを検出することとし、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、大入賞口検出スイッチ128sおよびアウト球検出スイッチ129sでそれぞれ検出した遊技球数を合計してアウト球数としてもよい。また、遊技領域116に発射された遊技球を検出するゲートやセンサを、遊技盤108上(例えばレール114a、114b間)に設け、このゲートやセンサによって検出された遊技球数をアウト球数(発射球数)としてもよい。また、遊技領域116を流下する遊技球の全てを検出できるように遊技盤108上に複数のゲートやセンサを設け、これらのゲートやセンサによって検出された遊技球数を合計してアウト球数(発射球数)としてもよい。
また、上記実施形態では、一般入賞口118、第1始動口120および第2始動口122に遊技球が入球したことにより払い出される賞球数の合計値を払出数とした。しかしながら、所謂小当たりが搭載されている遊技機100において、小当たり時に開放される大入賞口128に遊技球が入球したことにより払い出される賞球数も払出数に含めるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、性能表示モニタ304に、アウト球数に対する払出数を表示するようにしたが、例えば、アウト球数に対する大役遊技中に獲得した賞球数を表示するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、遊技機規則で定める試験を行うための処理が実行される際に一時的に用いられるワーク領域およびスタック領域がメインRAM300cの使用外領域に設けられていたが、使用領域に設けられていてもよい。