JP2021087212A - デジタル出力フォノピックアップカートリッジ - Google Patents

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正之 宮司
Masayuki Miyaji
正之 宮司
山崎 芳男
Yoshio Yamasaki
芳男 山崎
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Abstract

【課題】デジタル信号を出力をすることで更に音質の向上を図るデジタル出力フォノピックアップカートリッジを提供する。【解決手段】フォノピックアップカートリッジは、トーンアームに取り付けるカートリッジベース部材に、レコードから音信号を拾うピックアップ素子の振動を伝達する音導管を設け、ピックアップ素子の側にある開口部を塞ぎ、ピックアップ素子を支持し、ピックアップ素子が拾った振動を音導管に伝達する弾性部材と、音導管の反対側の開口部を塞ぐマイクとから成り、マイクの出力をパルス密度変調してデジタル出力として取り出す。【効果】このデジタル出力は、簡単な回路でアナログ信号に戻すことができ、デジタル信号のままデジタル機器と入出力できる便利さを持つ。メモリーICへの記録、再生も容易であって、カートリッジ出力をデジタル化したことにより外部雑音の影響が無く高音質を達成した。【選択図】図13

Description

本発明はフォノピックアップカートリッジに関し、例えば、アナログレコードから音声信号を読み取るフォノピックアップカートリッジに関するものである。
アナログレコードの再生では、ターンテーブルに乗せられたアナログレコードに刻まれた音声振動をフォノピックアップカートリッジを用いて拾う。このピックアップカートリッジは、トーンアームに取り付けられ、ピックアップカートリッジで拾われた音声振動はカンチレバーを介して伝達される。そして、カンチレバーに取り付けられた発電素子により音声振動が電気信号に変換され、オーディオ機器で音声が再生される。
ここで、ピックアップカートリッジの種類について説明する。ピックアップカートリッジには、速度比例型と振幅比例型がある。
速度比例型のピックアップカートリッジは、コイルに振動を伝え、コイルの速度変位を電気信号に変換するムービングコイル式と、磁石に振勧を伝え、磁石の速度変位を電気信号に変換するムービングマグネット式がある。この速度比例型のピックアップカートリッジでは、カンチレパーにコイル又はマグネットを取り付け、磁気回路のギャップ内に収める必要があり、形状に制約がある。
振幅比例型のピックアップカートリッジは、ロッシェル塩を使って振働を検出するクリスタルカートリッジである。この振幅比例型のピックアップカートリッジでは、ロッシェル塩に与える振動の大きさを電気信号に変換する。振幅比例型のピックアップカートリッジは、構造がシンプルであるため、量産に向いてはいるものの、周波数特性が不十分である問題がある。
上記説明より、高音質でアナログレコードの再生を行う場合、速度比例型のピックアップカートリッジが向いていることが分かる。しかしながら、速度比例型では、コイル又は磁石等の重い部材をカンチレバーに取り付ける必要があるため、カンチレバーの重量が増加し、カンチレバーの振動減衰率の制御が難しく、音質が劣化する問題がある。そこで、特許文献1にカンチレバーの振動を抑制する技術が開示されている。
特許文献1に記載の技術では、一端側にレコード盤Rの音溝をトレースする再生針を有し、他端側に音声信号出力用電気変換器に作用する振動子を一体に有するカンチレバーを含み、カンチレバーの他端側が振動子とともにダンパー材を介してカートリッジボディに振動可能に支持されているピックアップカートリッジにおいて、ダンパー材として、印加電圧によって粘度が変化する電気粘性流体〔ER流体〕を用いる。
特開2010−157299号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術を用いたとしても、従来のピックアップ方法を用いる基本的構造に変わりはなく、音質向上の度合いには限界が有り、更なる音質向上は難しいという問題がある。
上記のような事情の中で、アナログレコードの再生における更なる音質の向上を目的として、特願2018−006330(整理番号:MYJ17001)を、平成30年1月18日に特許出願した。本出願は、上記先願におけるレコード溝の振動をピックアップする部分の振動ピックアップメカニズム(スタイラス、カンチレバー、ダンパー、集音穴、音圧検出器などから構成される)は総じて同一の構造を使用するものである。そして発明は、検出器の後にデジタル変換部を加え、カートリッジの出力として、デジタル信号を出力することで更に音質の向上を図る技術であり、また、その応用に関するものである。
本発明のピックアップカートリッジの一態様は、トーンアームに取り付けられるカートリッジベース部材と、前記カートリッジベース部材が前記トーンアームに取り付けられた状態でアナログレコードに面する面に設けられ、前記アナログレコードから振動を拾うピックアップ素子と、を有し、前記カートリッジベース部材が、前記ピックアップ素子が拾った振動を伝達する音導管と、前記音壽管のうち前記ピックアップ素子が設けられる側に設けられる第1の開口部を塞ぎ、かつ、前記ピックアップ素子を支持して前記ピックアップ素子が拾った振動を前記音導管に伝達する弾性部材と、前記音導管のうち前記ピックアップ素子が設けられる側とは反対に設けられる第2の開口部を塞ぐように設けられるマイクと、を有する。
本発明にかかるピックアップカートリッジは、スタイラスで拾われた振動をマイクにより電気信号に変換するため、トーンアームの振動に関係なく振動を電気信号に変換できる。ここでスタイラスで拾われた振動を電気信号に変換するマイク(マイクロホン)であるが、ピックアップカートリッジに取付けることから、極小型(micro size)であることが必要であり、近年IC化技術の進歩でもたらされたMEMS技術により生産されるようになったMEMSマイクが適している。MEMSマイクには、マイク出力をアナログ信号で出力するものの他、アナログ信号を、PDM(Pulse Density Modulation)信号として出力するタイプやマルチビットAD変換してI2S信号出力するタイプの、デジタル信号出力のものが存在する。本出願の実験試作では、後段でのアナログ変換が容易で、音質も良く、且つ後段の付属回路とのやり取りが4本の配線で可能なPDM信号出力のMEMSマイクを使用した。(I2S信号出力のMEMSマイクの場合は5本の配線が必要となり、通常レコードプレーヤーで使用されるトーンアームの4本の配線に合わない)
(注)MEMS(Micro Electro Mechanical Systems):機械要素部品、センサ、アクチュエータ、電子回路を、1つのシリコン基板、ガラス基板、有機材料などの上に微細加工技術によって集積化したデバイスのこと。この技術で作られたコンデンサーマイクロホンをMEMSマイクと称する。
本発明にかかるピックアップカートリッジは、アナログレコードの再生における音質を向上させるに当たり、振動を電気信号に変換した後に、デジタル変換回路を加え、デジタル信号を出力する。カートリッジの出力信号をデジタル信号にすると、アナログ信号で出力する場合よりも、カートリッジの出力部から外部オーディオ再生機器の入力部に至までの信号回線での雑音の混入に対して、影響を受けにくくすることができる利点がある。また、コンピュータやデジタルオーディオ機器とデジタル信号で直接信号のやり取りができる利点がある。更に後述するように、高精度のデジタル信号処理を加えることにより、レコードを再生するときに生じる、埃などによる雑音を取り除いたり、弱めたりすることで、再生品質を高めることができる。また、デジタル化された信号をそのままメモリーデバイスに録音することにより、いつでもレコードをかけた時と全く同じ音を再生して聴くことができる利点がある。以上のように、本発明のフォノピックアップカートリッジは、アナログレコードの再生における音質を向上させることができるだけでなく、外部機器とのデジタル通信を、そのままもしくは簡単なインターフェースだけで可能とし、また録音再生機能を持った外部機器により何度でも同じ音の再生ができるなどの特長を持つ。
実施の形態1にかかるピックアップカートリッジの外観を説明する図である。 実施の形態1にかかるピックアップカートリッジのピックアップ素子の取り付け部分の構造を説明する図である。この図は、この出願の先願(特願2018−006330)に提示した〔図2〕と同様であるが、マイク14は、デジタル変換回路を搭載している場合を含むものとする。 実施の形態1にかかるピックアップカートリッジの断面図である。 実施の形態1にかかるピックアップカートリッジの音導管とマイクの関係を説明する図である。 実施の形態1にかかるピックアップカートリッジにおいてレコードから音振動をピックアップした際の音振動の伝達方向を説明する図である。 この出願の先願(特願2018−006330)にかかるアナログ出力を持つカートリッジの瑞子の割り当てを説明する図である。 この出願の先願(特願2018−006330)にかかるアナログ出力を持つピックアップカートリッジの後段回路を説明する図である。 2個の、アナログ出力を持つマイクロコンデンサーマイクロホン(MEMSマイク)をLch、Rchに使用した時のカートリッジ端子への接続を示す。 2個の、デジタル出力を持つマイクロコンデンサーマイクロホン(PDM出力のMEMSマイク)をLch、Rchに使用した時のカートリッジ端子への接続を示す。 PDM(Pulse Density Modulation)デジタル出力するマイクロコンデンサーマイクロホンの構成を示す。 PDM出力フォーマットを、クロック波形と合わせて示す。 PDM出力データを受けてアナログ出力に変換するピックアップカートリッジの後段の回路の構成を示す。 2個の、アナログ出力とデジタル出力を切り替えて使用できるマイクロコンデンサーマイクロホンをLch、Rchに使用した時のカートリッジ端子への接続を示す 本出願のフォノピックアップカートリッジを利用するための外部コントロール回路と信号処理回路を含む機器の一例を示した図である。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及ぴ図面は、適宜、省略、及ぴ簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が忖されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
まず、図1に実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1の外観を説明する図を示す。図1に示すように、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1は、カートリッジベース部材10に、端子支持部材11、ピックアップ素子12、弾性部材13、マイク14、配線15、カートリッジ端子16が取り忖けられる。また、カートリッジベース部材10は、アナログレコードを回転させるターンテーブルに設けられるトーンアーム(不図示)に取り付けられる。図1では、ピックアップカートリッジ1を右側面方向から見たものであるため、マイク14を1つと、配線15とカートリッジ端子16をそれぞれ2つ示したが、マイク14、配線15、カートリッジ端子16は.左側面側にも設けられており、ピックアップカートリッジ1はマイク14を2つ、配線15を4つ、カートリッジ端子16を4つ有する。
端子支持部材11は、例えば、樹脂部材の絶縁性の部豺であり、カートリッジ端子16を支持するものである。また、カードリッジ端子16は、配線15に接続され、後段回路への信号伝達経路の一部を構成するものである。
実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1が取り付けられたターンテーブルでは、トーンアームはピックアップカートリッジ1を支える機能が主機能となる。一方、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1は、ピックアップ素子12によりアナログレコードから拾った音振動をマイク14により電気信号に変換して配録15、カートリッジ端子16を用いて後段に設けられる変換回路及ぴアンプ等の電気信号処理回路で再生する。ここで、マイク14としては、例えばコンデンサマイク等の受音面の微小な変位量を電気信号に変換するものが好ましい。また、ピックアップカートリッジ1の後段に設けられる電気信号処理回路には、マイク14からの音声信号を増幅するマイクアンプ等が含まれていても良い。
そこで、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1の詳細な構成について、以下で説明する。図1に示すように、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1では、ピックアップ素子12が、カートリッジベース部材10がカートリッジ部材に取り付けられた状態でアナログレコードに面する面に設けられる。そして、ピックアップ素子12が、アナログレコードから振動を拾う。
そこで、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1におけるピックアップ素子12の支持機構について図2を参照して説明する。図2は、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジのピックアップ素子12の取り付け部分の構造を説明する図である。
図2に示すように、ピックアップ素子12は、スタイラス21、カンチレバー22、接地端23を有する。スタイラス21は、ピックアップ素子12のうちアナログレコードに接する側の端部に設けられ、レコードの音溝に刻まれた凹凸に接する部分である。接地端23は、アナログレコードに接する側のスタイラス21とは反対側の端部である。そして、スタイラス21と接地端23と繋ぐ棒状の部材がカンチレバー22となる。また、ピックアップ素子12は、弾性部材13により支持されるピックアップ支持部材24に差し込まれるようにしてカートリッジベース部材10に取り付けられる。つまり、ピックアップ支持部材24は、筒状の樹脂で成形された部材であり、中心部の空胴にピックアップ素子12が差し込まれる。
なお、完成状態においては、ピックアップ素子12は、ピックアップ支持部材24に接着され、一体に成形される。また、詳しくは後述するが、ピックアップカートリッジ1はステレオ再生に対応したピックアップカートリッジであり、ピックアップ支持部材24を設けることで左右チャンネルの音振動の干渉を防止する。
また、図2に示すように、カートリッジベース部材10は.接地支持部31を有する。接地支持部31は、ピックアップ素子12の接地端23を支持する。そして、弾性部材13は、ピックアップ素子12のうちスタイラス21と接地端23との間の部分(例えばカンチレバー22)をピックアップ支持部材24を介して支持する。これにより、ピックアップ素子12は、接地支持部31に接する接地端23を中心点として振動する。
実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1では、ピックアップ素子12の振動を弾性部材13によりカートリッジベース部材10内に設けられる音導管に導き.音導管を介して伝達された振動をマイク14により電気信号に変換する。そこで、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1の音導管の構造を図3を参照して説明する。
図3は、図1に示したIII−III線に沿った実施の形態1にかかるピックアップカートリッジの断面図である。図3に示すように、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1では、カートリッジベース部材10をスタイラス12の突出方向から見たときにスタイラス12の支持点に対して左右対称となる位置に2つの音導管(図3の音導管41a、41b)と2つのマイク(図3のマイク14a、14b)が設けられる。そして、音導管41aの筒の延在方肉の中心線と、音導管41bの筒の延在方向の中心線とは、カンチレバー22の中心点で交わるように位置及ぴ角度が調節される。また、カンチレバー22の中心点を通る水平線と音導管41aの筒の中心線との角度θ及びカンチレバー22の中心点を通る水平線と音導管41bの簡の中心線との角度θは、共に45°に設定される。音導管の角度及ぴ位置は、レコードの音溝に刻まれた凹凸の振動をカンチレバー22の左右に設けられたマイク14a、14bに導くために必要な位置関係である。なお、図3に示す例では、音導管とマイクとの組を2組示したが、モノラル再生を行う椙合は、これは1組のみの構成であっても構わない。
音導管41a、41bは、ピックアップ素子12が拾った振動を伝達する筒状の構造である。また、図3に示すように、弾性部材13は、音導管41a、41bのうちピックアップ素子12が設けられる側に設けられる第1の開口部を塞ぎ、かつ、ピックアップ素子12を支持してスタイラスが拾った振動を音導管41a、41bに伝達する。
また、マイク14aは、音導管41aのうちスタイラス12が設けられる側とは反対に設けられる第2の闘口部を塞ぐように設けられる。マイク14bは、音導管41bのうちスタイラス12が設けられる側とは反対に設けられる第2の開口部を塞ぐように設けられる。
ここで、弾性部材13は、スタイラス12の振動を音導管41a、41bに導くために弾性を有している必要があるが、その堅さは所定の堅さを有している必要がある。弾性部材13としては、例えば、シリコンゴム等の所定の堅さを有する樹脂が好適である。
また、図3に示すように、ピックアップ支持部材24は、弾性部材13に支持されると共にピックアップ素子を支持する。また、ピックアップ支持部材24が、音導管41の筒の延在方向の中心線に対して垂直な面を有する。そして、音導管41及ぴマイク14は、カートリッジベース部材10をピックアップ素子の突出方向から見たときに音導管41の筒の延在方向の中心線がピックアップ素子の中心点で交わるように左右対称な位置に2つ設けられる。
また、音導管の第2の開口部の大きさとマイクの受音面との関係についても特徴の1つがあるため、図4を参照して、音導管の第2の開口部の面積と受音面の面積との関係について説明する。図4は、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジの音導管とマイクの関係を説明する図である。なお、音導管41a、41bは同じ構造であり、マイク14a、14bも同じ構造であるため、音導管に付す符号を41、マイクに付す符号を14として、2つの音導管とマイクとの組の一方の構造についてのみ示した。
図4に示すように、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1では、マイク14の受音面の面積をS1、音導管41の第2の開口部の面積をS2とした場合、S1>S2となるように音導管41の第2の開口部の面積が決定される。
また、図4に示すように、音導管41は、第2の開口部の面積と、第1の開口部の面積とがほぽ同じになるように設定される。つまり、音導管41は、太さが同じ管形状を有する。なお、第2の開口部の面積は、音導管41が最も細くなる部分として考える事もできる。例えば、音導管41が中間的な部分の直径が細くなるような形状を有する場合は第2の開口部の面積はその細くなった部分の管の断面積として考える事ができる。
また、図3、図4に示すように、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1では、マイク14と弾性部材13により、音導管41が密閉される構造となる。
ここで、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1を用いてレコード再生を行う際の音振動の伝達の仕方、及ぴ、音振動から生成された電気信号の伝達方法について説明する。そこで、図5に実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1においてレコードから音振動をピックアップした際の音振動の伝達方向を説明する図を示す。
図5に示すように、ステレオ対応のレコードでは、音溝の右壁と左壁が45°の角度を持って設けられる。そして、音溝には、右壁に右チャンネルに対応する凹凸が刻まれ、左壁に左チャンネルに対応する凹凸が刻まれる。スタイラス21は、音講をなぞる際に音溝に刻まれた凹凸に応じた振動をカンチレバー22に伝達する。そして、カンチレバー22に伝達された音は、カンチレバー22の中心点を通るカンチレバー22の中心線から45°の角度を有し、かつ、カンチレバー22の中心点で交わる直線に沿った方向で左右に分配される。具体的には、右チャンネルの音はカンチレバー22の左斜め上方向に伝達され、図3で示した音導管41aを介してマイク14aに伝えられる。また、左チャンネルの音はカンチレバー22の右斜め上方向に伝達され、図3で示した音導管41bを介してマイク14bに伝えられる。
ここで、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1から出力される電気信号では、左右チャンネルの音のうち一方が逆相信号となる。そこで、逆相となってしまう信号を変換回略を用いて反転させた後にマイクアンプに入力する。そこで、まずピックアップカートリッジ1に設けられるカートリッジ端子16について説明する。図6に、この出願の先願(特願2018−006330)にかかるアナログ出力を持つカートリッジの端子16の割り当てを説明する図を示す。
図6に示すように、ピックアップカートリッジ1は、カートリッジ端子16として、左チャンネル正極端子T1、右チャンネル正極端子T2、負極端子T3、マイク電源端子T4を有する。左チャンネル正極端子T1は、マイク14bら出力される左チャンネル音信号の取り出し端子である。右チャンネル正極端子T2は、マイク14aから出力される右チャンネル音信号の取り出し端子である。負極端子T3は、マイク14a、14bに共通に与えられるグランド電位の供給端子である。マイク電源端子T4は、マイク14a、14bに共通に与えられるマイク電源の供給端子である。
これら端子にケーブルを接続して、後段の回路とピックアップカートリッジ1との間の信号或いは電源の授受を行う。図7にこの出願の先願(特願2018−006330)にかかるアナログ出力を持つカートリッジの後段回略を説明する図を示す。なお、後段回路は、マイク14a、14bから出力される音信号の信号処理をすると共にマイク14a.14bに電源を供給する回路でもある。
図7に示すように、ピックアップカートリッジ1の後段には、後段回路として変換回路とマイクアンプが接続される。なお、図示は省略しているが、マイクアンプの更に後段には、パワーアンプ、スピーカー等が接続される。なお、詳しくは後述するが、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1では、流体による音振動の伝達を行うために。イコライザを用いなくても問題ない音質となるが、イコライザをパワーアンプの前段に配置してもよい。
また、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1では、マイク14としてコンデンサマイクを用いる。このようにコンデンサマイクを用いることで、ピックアップカートリッジ1から出力される音信号は振幅比例型の特性となる。ここで、振幅比例型のピックアップカートリッジでは、後段回路において±20dB程度、速度比例型のピックアップカートリッジでは±39dB程度のイコライジング処理を行うことが一般的である。しかしながら、先願及び本出願にかかるピックアップカートリッジ1では、ピックアップカートリッジ内で涜体によるイコライジング効果を得ることができる。そのため、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1を用いた場合、ピックアフプカートリッジ1から出力される音信号に対してイコライジング処理を行うことなくパワーアンプに入力しても問題がないことが検証により確かめられている。このように、イコライジング処理を省略することで、更なる高音質を実現することができる。
また、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1では、音導管41を密閉構造とした。これにより、マイク14への振動の伝達が空気(つまり、流体)を使った伝達形態となる。このような流体を使った振動を行うことでインピーダンス整合の効率を向上させることができ、出力電圧の振幅を他の振幅比例型のピックアップカートリッジから出力される出力電圧振幅に比べて30%程度高くすることができる。このような大きな出力電圧振幅を得ることで、後段に設けられるアンプへの依存を小さくすることができ、自然な再生音を実現することができる。なお、振動の伝達に空気等の流体を用いた場合であっても、周波数特性にピークが表れるが、音導管41の長さを調節することで人間の可聴音域からピークを外すことができる。
また、音導管41のマイク側に設けられる第2の開口部の面積を、マイク14の受音面の面積より小さく設定している。これにより、ピックアップカートリッジ1では、マイク14に伝達される振動を擬似的に増幅し、マイク14における振動検出精度を向上させ、出力信号振幅を大きくすることができる。
また、音導管とマイクの組をピックアップ素子12の支持点に対して左右対称となるように2組設ける。これにより、実施の形態1にかかるピックアップカートリッジ1では、ステレオ再生が可能になる。
図8は、ステレオ再生用の場合であって、2個の、アナログ出力を持つマイクロコンデンサーマイクロホン(MEMSマイク)をLch、Rchに使用した時のカートリッジ端子への接続を示す。
図9は、ステレオ再生用の場合であって、2個の、デジタル出力を持つマイクロコンデンサーマイクロホン(PDM出力のMEMSマイク)をLch、Rchに使用した時のカートリッジ端子への接続を示す。図9に示されるPDM(Pulse Density Modulation)出力を持つマイクロコンデンサーマイクの内部構成を図10に示す。ここでは、マイクロコンデンサーマイクロホン部のインピーダンス変換を主とするアンプに続いて、ΔΣ変調1ビットAD(Analog to Digital)変換器が用いられ、S/Nの改善が図られ、その後PDM信号としている。
PDM出力のカートリッジにおける、4本の配線の内容は、電源(VDD)、グランド(Gnd)データ(DATA)、CLOCKであって、ステレオ再生の場合は、DATAラインにLchデータとRchデータとを交互に半サイクルごとに送信するので、2chを1本の配線で扱うことができる。この様子を図11に示す。図11において、上がステレオ信号、下がモノラル信号のフォーマットとなる。
図9に示すデジタル出力の接続用の4端子は、図12に示す後段の回路に接続される。電源(VDD)とクロック(CLK)はこの後段の回路からカートリッジに供給される。DATAは1本のラインに2ch分送信され、この後段の回路のDフリップフロップ回路とフィルターによって、2chのアナログ信号に変換される。
図13には、マイクロコンデンサーマイクロホン部として、アナログ出力とデジタル出力を切り替えて出力できるMEMSマイクを使用して、外からの切り替え指示により、アナログカートリッジとしても、デジタルカートリッジとしても使うことができるカートリッジのブロック図を示す。ここでは外部の切り替え指示により、CLK信号の有る無しをLow Pass Filter等を通すことで判定して、SW1、SW2を切り替えることにより、目的を達成している。
図14は、1:PDM出力のデジタルカートリッジ、2:コデンサーマイクによるアナログカートリッジ、3:MM型、MC型のような従来型アナログカートリッジの各場合によって、4本の接続配線の内容がどうなるかを示した。前面の切り替えスイッチで選ぶことにより、入出力の内容が図に示すごとくに変化し、データは適宜処理されてモニターアンプ、スピーカーに送られる。
この機器の前面右側には、プッシュタイプのスイッチが配置されている。これは出力信号を選択したり、入力のデジタル信号を録音したりするための操作ボタンであって、これによれば、デジタル出力の場合にはメモリーデバイスに録音して再生しても音が変化しないので、録音データをアーカイブとして保存する特別な意味があると言える。
レコード盤の再生に当たっては、埃などにより生じるスクラッチノイズがリスニングの邪魔になる。アナログカートリッジの場合はそれを取り除く手段は埃の清掃ぐらいしか手段は無いが、デジタルカートリッジの場合は、条件を変えて再生したものを、加算平均することで、かなりのS/Nの向上が期待できる。ここで条件を変えて再生するとは、再生の都度埃を拭う操作を行ったり、トーンアームを調整してレコード針(スタイラス)の針圧を少しづつ変えて再生したり、レコード盤に付着する静電気を取り除いたりする操作を行うことである。また、加算平均するとは、条件を変えてメモリーデバイスに録音した多数回の同じ曲のデータを、コンピュータ(PC)もしくは内部演算装置による専用プログラムによってタイミングを一致させて加算平均をとることである。
なお,本発明は上記実施の形態に限られたものではなく,趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1 ピックアップカートリッジ
10 カートリッジベース部材
11 端子支持部材
12 ピックアップ素子
13 弾性部材
14 マイク
15 配線
16 カートリッジ端子
21 スタイラヌ
22 カンチレバー
23 接地端
24 ピックアップ支持部材
31 接地支持部
41 音導管
T1 左チャンネル正極端子
T2 右チャンネル正極端子
T3 負極端子
T4 マイク電源端子

Claims (7)

  1. トーンアームに取り付けられるカートリッジベース部材と、前記カートリッジベース部材が前記トーンアームに取り付けられた状態でアナログレコードに面する面に設けられ、前記アナログレコードから振動を拾うピックアップ素子と、を有し、前記カートリッジペース部材が、前記ピックアップ素子が拾った振動を伝達する音導管と、前記音導管のうち前記ピックアップ素子が設けられる側に設けられる第1の開口部を塞ぎ、かつ、前記ピックアップ素子を支持して前記ピックアップ素子が拾った振動を前記音導管に伝達する弾性部材と、前記音導管のうち前記ピックアップ秉子が設けられる側とは反対に設けられる第2の開口部を塞ぐように設けられるマイクと、を有するピックアップカードリッジであって、マイクの出力を更にデジタル信号に変換して出力するデジタル出力フォノピックアップカートリッジ。
  2. 前記音導管の前記第2の間口部の面積は、前記マイクの受音面の面積よりも小さい訥求項1に記載のピックアップカートリッジ。
  3. 前記マイクは、コンデンサマイクである調求項1又は2に記載のピックアップカートリッジ。
  4. 前記弾性部材に支持されると共に前記ピックアップ素子を支丼L,前記音導管の筒の延在方向の中心線に対して垂直な面を有するピックアップ支持部材をさらに有し、前記音導管及ぴ前記マイクは、前記カートリッジベース部材を前記ピックアップ素子の突出方向から見たときに前記音導管の延在力向の中心線が前記ピックアップ素子の中心点で交わるように左右対称な位置に2つ設けられる請求項1乃至3のいずれか1項に記載のピックアップカートリッジ。
  5. 前記カートリッジベース部材は、前記ピックアップ素子のうち、前記アナログレコードに接する側のスタイラスとは反対側の端部に設けられる接地端を支件する接地端支持部を有し、前記弾性部材は、前配ピックアップ素子のうち前記スタイラスと前記接地端との間の部分を支持し、前記ピックアップ素子は、前記接地端支持部に接する前記接地端を中心点として振動する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のピックアップカートリッジ。
  6. フォノピックアップカートリッジに使用するMEMSマイク(コンデンサー形)は、アナログ信号出力とデジタル信号出力を備えると共に、更に外部からの切り替え信号を検出して、アナログ信号を出力するか、デジタル信号を出力するか選択する切り替えスイッチを備えており、トーンアームの外に用意したプリアンプ部の切り替え指令により、それを切り替えて使用できるようにしたフォノピックアップカートリッジと再生システム。
  7. 前記特許請求項1のデジタルカートリッジの出力をデジタル信号のまま録音、再生する機能を付加し、レコード盤をそのカートリッジで再生した時と全く同一の音を再現できるレコード盤の再生システム、及び、レコード盤の録音再生システム。
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