JP2021086361A - 電力取引システム及び電力取引方法 - Google Patents

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良佑 仲野
石井 圭
Kei Ishii
圭 石井
聡 舟橋
Satoshi Funabashi
聡 舟橋
麗夏 牛嶋
Reika Ushijima
麗夏 牛嶋
安西 史圭
Fumiyoshi Anzai
史圭 安西
由起彦 井上
Yukihiko Inoue
由起彦 井上
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Abstract

【課題】電力のカテゴリを選択して買電することが可能な電力取引システムを提供する。【解決手段】電力取引システム1は、供給者の電力取引に係る情報が登録される第1ブロックチェーンBC1と、供給者が供給する電力のカテゴリそれぞれに対応して複数設けられ、アグリゲータのカテゴリ別の電力取引に係る情報が登録される第2ブロックチェーンBC2と、複数の第2ブロックチェーンBC2のうち、需要者により予め設定されたカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2に接続可能であり、需要者の電力取引に係る情報が登録される第3ブロックチェーンBC3と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、電力取引システム及び電力取引方法に関する。
電力取引システムでは、セキュリティの高い分散システムとしてブロックチェーンを用いた手法が検討されている。例えば、電力取引の一機能であるデマンドレスポンスにブロックチェーンを適用することが考えられている。
デマンドレスポンスとは、供給者(発電事業者等)の供給量に合わせて、需要者(企業、家庭等)の需要量を変化させる仕組みである。例えば、複数の需要者それぞれは、所定の条件下で節電に応じる契約をアグリゲータと事前に結んでおり、アグリゲータを介して供給者による電力需要低減の要請を受け取ると、電気機器の電源をオフにする等の節電を行う。アグリゲータは、需要者による節電量をまとめて供給者と取引を行うとともに、需要者に節電量に応じたインセンティブを支払う。
特許文献1には、このようなデマンドレスポンスに関するデータである、複数の電気機器それぞれの消費電力量、節電量、節電の対価(節電ポイント)等をブロックデータとして記録、蓄積するシステムが記載されている。
特開2018−166284号公報
しかしながら、従来のシステムでは、発電方法、供給地域、発電規模のような供給元の情報が需要者に提供されていない。このため、需要者は、特定のカテゴリの電力(例えば、自然エネルギー由来の電力)のみを使用したい場合であっても、希望する電力のカテゴリを選択して買電することが困難であった。
本開示は、このような課題に鑑みてなされたものであって、電力のカテゴリを選択して買電することが可能な電力取引システム及び電力取引方法を提供する。
本開示の一態様によれば、電力取引システムは、供給者の電力取引に係る情報が登録される第1ブロックチェーンと、前記供給者が供給する電力のカテゴリそれぞれに対応して複数設けられ、アグリゲータの前記カテゴリ別の電力取引に係る情報が登録される第2ブロックチェーンと、複数の前記第2ブロックチェーンのうち、需要者により予め設定されたカテゴリに対応する第2ブロックチェーンに接続可能であり、前記需要者の電力取引に係る情報が登録される第3ブロックチェーンと、を備える。
本開示の一態様によれば、電力取引方法は、第1ブロックチェーンに供給者の電力取引に係る情報を登録するステップと、前記供給者が供給する電力のカテゴリそれぞれに対応して複数設けられた第2ブロックチェーンそれぞれに、アグリゲータの前記カテゴリ別の電力取引に係る情報を登録するステップと、第3ブロックチェーンを複数の前記第2ブロックチェーンのうち、需要者により予め設定されたカテゴリに対応する第2ブロックチェーンに接続し、前記需要者の電力取引に係る情報を登録するステップと、を有する。
本開示に係る電力取引システム及び電力取引方法によれば、電力のカテゴリを選択して買電することが可能である。
本開示の第1の実施形態に係る電力取引システムの概略図である。 本開示の第1の実施形態に係る供給者システム及び第1ブロックチェーンの機能構成を示す図である。 本開示の第1の実施形態に係るアグリゲータシステム及び第2ブロックチェーンの機能構成を示す図である。 本開示の第1の実施形態に係る需要者システム及び第3ブロックチェーンの機能構成を示す図である。 本開示の第1の実施形態に係る電力取引システムの処理の一例を示すフローチャートである。 本開示の第2の実施形態に係る電力取引システムの概略図である。 本開示の第2の実施形態に係る蓄電池システム及び第4ブロックチェーンの機能構成を示す図である。 本開示の第2の実施形態に係る電力取引システムの処理の一例を示す第1のフローチャートである。 本開示の第2の実施形態に係る電力取引システムの処理の一例を示す第2のフローチャートである。 本開示の第3の実施形態に係る電力取引システムの概略図である。 本開示の第3の実施形態に係る電力取引システムの処理の一例を示すフローチャートである。 本開示の少なくとも一の実施形態に係る供給者システム、アグリゲータシステム、需要者システム、蓄電池システム、及びノードのハードウェア構成の一例を示す図である。
<第1の実施形態>
以下、本開示の第1の実施形態に係る電力取引システム1について、図を参照しながら説明する。
(全体構成)
図1は、本開示の第1の実施形態に係る電力取引システムの概略図である。
本実施形態に係る電力取引システム1において、供給者及び需要者は、アグリゲータを介して電力取引を行う。需要者は、企業、一般家庭等である。供給者は、発電事業者、送配電事業者等である。アグリゲータは、需要者が必要とする電力と、供給者より供給される電力との需給バランスを調整する事業者である。
図1に示すように、電力取引システム1は、供給者システム10、アグリゲータシステム20、需要者システム30、第1ブロックチェーンBC1、第2ブロックチェーンBC2、及び、第3ブロックチェーンBC3を備えている。
供給者システム10は、電力取引に係る供給者側の各種処理を行うシステムである。
また、供給者システム10は、第1ブロックチェーンBC1と接続されている。第1ブロックチェーンBC1は、供給者の電力取引に係る情報が登録される。例えば、図1に示すように、複数の供給者それぞれが供給者システム10a〜10c、及び第1ブロックチェーンBC1a〜BC1cを有していてもよい。
アグリゲータシステム20は、電力取引に係るアグリゲータ側の各種処理を行うシステムである。
また、アグリゲータシステム20は、第2ブロックチェーンBC2と接続されている。第2ブロックチェーンBC2は、供給者が供給する電力のカテゴリそれぞれに対応して複数設けられ、アグリゲータのカテゴリ別の電力取引に係る情報が登録される。電力のカテゴリとは、電力の発電方法、供給地域、発電規模等である。
例えば、図1に示すように、アグリゲータが太陽光発電、風力発電、火力発電により発電された電力の取引を仲介する場合、アグリゲータはこれらの発電方法(カテゴリ)それぞれに対応する第2ブロックチェーンBC2a、BC2b、BC2dを有している。第2ブロックチェーンBC2a〜BC2cそれぞれは、対応するカテゴリの電力を供給する供給者の第1ブロックチェーンBC1a〜BC1cと接続可能である。更に、アグリゲータは、カテゴリを問わず買電したい需要者向けに、全てのカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2dを有していてもよい。この第2ブロックチェーンBC2dは、供給者の全ての第1ブロックチェーンBC1a〜BC1cと接続可能である。また、アグリゲータは、所定の条件を満たす複数のカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2を有していてもよい。例えば、アグリゲータは、図1に示すように、自然エネルギー由来の電力を供給可能な太陽光発電、及び風力発電に対応する第2ブロックチェーンBC2eを有していてもよい。この第2ブロックチェーンBC2eは、供給者の第1ブロックチェーンBC1a、BC1bと接続可能である。これにより、例えば自然エネルギー由来の電力であれば何れでもよいと考える需要者は、複数のカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2eを通じて取引を簡易に行うことができる。
なお、本実施形態では、複数のアグリゲータそれぞれがアグリゲータシステム20a〜20d、及び第2ブロックチェーンBC2a〜BC2dを有している態様について説明するが、これに限られることはない。他の実施形態では、一つのアグリゲータが一つのアグリゲータシステム20、及び複数の第2ブロックチェーンBC2を有していてもよい。また、同一のカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2が複数あってもよい。
需要者システム30は、電力取引に係る需要者側の各種処理を行うシステムである。
また、需要者システム30は、第3ブロックチェーンBC3と接続されている。第3ブロックチェーンBC3は、複数の第2ブロックチェーンBC2のうち、需要者により予め設定されたカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2と接続可能であり、需要者の電力取引に係る情報が登録される。
なお、図1には、説明を簡略化するために需要者が一つのみ存在している例が示されているが、これに限られることはない。他の実施形態では、需要者は複数存在してもよい。この場合、各需要者は、それぞれ需要者システム30及び第3ブロックチェーンBC3を有している。
第1ブロックチェーンBC1、第2ブロックチェーンBC2、及び第3ブロックチェーンBC3それぞれに登録されるデータ(情報)のフォーマットは、これらのブロックチェーンを管理する供給者、アグリゲータ、需要者それぞれにより独自に設定される。また、このフォーマットは、供給者、アグリゲータ、需要者個々の事情に応じて変更されてもよい。
また、第1ブロックチェーンBC1及び第2ブロックチェーンBC2は、インターレジャーを利用して通信可能に接続されている。第2ブロックチェーンBC2及び第3ブロックチェーンBC3についても同様である。インターレジャーは、規格の異なる台帳(データ)間で価値を交換し、取引を行うための仕組みである。例えば、本実施形態に係る各ブロックチェーンは、他のブロックチェーンとのコネクタとなるノードを有しており、これらノード間で必要なデータの交換を行う。
(供給者システム及び第1ブロックチェーンの機能構成)
図2は、本開示の第1の実施形態に係る供給者システム及び第1ブロックチェーンの機能構成を示す図である。
図2に示すように、供給者システム10は、第1処理部100と、通知部101とを備えている。また、第1ブロックチェーンBC1を構成する複数の第1ノード11それぞれは、トランザクション生成部110と、ブロック生成部111と、データ登録部112と、契約処理部113と、記憶媒体114とを備えている。
供給者システム10の第1処理部100は、供給者が供給可能な電力に関する供給者電力情報を生成し、第1ブロックチェーンBC1に登録する。供給者電力情報には、例えば、ある期間に供給可能な電力を示す供給可能電力、当該期間における単位電力あたりの売電価格(以下、「卸売価格」と記載する)、当該期間の開始時間及び終了時間(供給可能時間)、電力のカテゴリ等の情報が含まれる。電力のカテゴリは、電力の発電方法、供給地域、発電規模等を示す情報である。また、供給者電力情報には、供給者の識別情報(供給者名等)が含まれていてもよい。
供給者システム10の通知部101は、第1処理部100が生成した供給者電力情報を、カテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2に送信する。具体的には、通知部101は、供給者電力情報に含まれるカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2を接続先として指定し、インターレジャーを介して指定された第2ブロックチェーンBC2に当該供給者電力情報を送信するように、第1ブロックチェーンBC1に指示を行う。
第1ノード11のトランザクション生成部110は、第1ブロックチェーンBC1における電力取引に係るトランザクションを生成する。トランザクション生成部110は、生成したトランザクションを他の第1ノード11に送信することで、第1ブロックチェーンBC1のトランザクションプールに登録する。このトランザクションには、供給者システム10が生成した供給者電力情報も含まれる。トランザクション生成部110は、生成したトランザクションにスマートコントラクトを含めてもよい。スマートコントラクトは、例えば需要者による電力の購入契約に用いられる。
また、トランザクション生成部110は、供給者システム10から供給者電力情報の通知を指示されると、インターレジャーを介して指定された第2ブロックチェーンBC2に当該供給者電力情報を含むトランザクションを送信する。これにより、第2ブロックチェーンBC2のトランザクションプールには、供給者電力情報を含むトランザクションが登録される。
第1ノード11のブロック生成部111は、トランザクションプールに登録された所定数のトランザクションを含むブロックデータを生成する。例えば、各第1ノード11において、ブロック生成部111は、複数のトランザクションを含むブロックデータが所定のハッシュ値を持つように、ブロックデータに含めるナンス値を計算する。この場合、最も早く計算を終えた第1ノード11がブロックデータを生成する(Proof of Work)。なお、他の実施形態では、ブロック生成部111はProof of Stake方式等を用いてブロックデータを生成するようにしてもよい。
第1ノード11のデータ登録部112は、ブロック生成部111が生成したブロックデータを他の第1ノード11に送信することで、ブロックデータを第1ブロックチェーンBC1に登録する。また、データ登録部112は、他の第1ノード11から受信したブロックデータを検証し、記憶媒体114に記憶する。このとき、データ登録部112は、例えば、他の第1ノード11から受信したブロックデータのハッシュ値を計算し、当該ハッシュ値が所定の条件を満たしているか否かを判定することでブロックを検証する。
第1ノード11の契約処理部113は、トランザクションに含まれるスマートコントラクトを実行することにより、供給者と、需要者と、アグリゲータとの間の電力取引に係る処理を実行する。スマートコントラクトの内容によっては、トランザクション生成部110で新たなトランザクションが生成されてもよい。
第1ノード11の記憶媒体114には、各部で取得、生成されたデータが、供給者の電力取引に係る情報として記憶される。例えば、記憶媒体114には、トランザクション生成部110が生成したトランザクション、ブロック生成部111が生成したブロックデータ等が記憶される。
(アグリゲータシステム及び第2ブロックチェーンの機能構成)
図3は、本開示の第1の実施形態に係るアグリゲータシステム及び第2ブロックチェーンの機能構成を示す図である。
図3に示すように、アグリゲータシステム20は、第2処理部200と、通知部201とを備えている。また、第2ブロックチェーンBC2を構成する複数の第2ノード21それぞれは、トランザクション生成部210と、ブロック生成部211と、データ登録部212と、契約処理部213と、記憶媒体214とを備えている。
アグリゲータシステム20の第2処理部200は、第1ブロックチェーンBC1から取得した供給者電力情報に基づいて、アグリゲータを介して送電可能な電力に関するアグリゲータ電力情報を生成し、第2ブロックチェーンBC2に登録する。アグリゲータ電力情報には、例えば、ある期間におけるアグリゲータの送電可能電力、単位電力あたりの売電価格(以下、「小売価格」と記載する)、当該期間の開始時間及び終了時間(送電可能時間)、電力のカテゴリ等の情報が含まれる。また、アグリゲータ電力情報には、アグリゲータの識別情報(アグリゲータ名称等)が含まれていてもよい。
なお、本実施形態では、第1ブロックチェーンBC1は、供給者電力情報に含まれるカテゴリに対応した第2ブロックチェーンにのみ、当該供給者電力情報を送信する。例えば、図1に示すように、太陽光発電を行う供給者の第1ブロックチェーンBC1aは、太陽光発電に対応した第2ブロックチェーンBC2aにのみ、供給者電力情報を送信する。なお、第1ブロックチェーンBC1aは、複数のカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2dが存在する場合、この第2ブロックチェーンBC2dにも供給者電力情報を送信してもよい。このようにすることで、複数の第2ブロックチェーンBC2それぞれには、特定のカテゴリの供給者電力情報及びアグリゲータ電力情報のみが登録される。
また、第2処理部200は、需要者から購入を希望する期間、当該期間における希望買電量等の問い合わせを受け付けると、当該需要者に対する売電可否を示す情報を生成して、第2ブロックチェーンBC2に登録する。
アグリゲータシステム20の通知部201は、第2処理部200が生成したアグリゲータ電力情報、及び売電可否を示す情報を需要者に通知する。具体的には、通知部201は、第2ブロックチェーンBC2に登録されたアグリゲータ電力情報及び売電可否を示す情報を、インターレジャーを介して需要者の第3ブロックチェーンBC3に送信するように、第2ブロックチェーンBC2に指示を行う。
第2ノード21のトランザクション生成部210は、第2ブロックチェーンBC2における電力取引に係るトランザクションを生成する。トランザクション生成部210は、生成したトランザクションを他の第2ノード21に送信することで、第2ブロックチェーンBC2のトランザクションプールに登録する。このトランザクションには、アグリゲータシステム20が生成したアグリゲータ電力情報も含まれる。トランザクション生成部210は、生成したトランザクションにスマートコントラクトを含めてもよい。スマートコントラクトは、例えば需要者による電力の購入契約に用いられる。
また、トランザクション生成部210は、アグリゲータシステム20からアグリゲータ電力情報、及び売電可否を示す情報の通知を指示されると、インターレジャーを介して第3ブロックチェーンBC3に、これらの情報を含むトランザクションを送信する。これにより、第3ブロックチェーンBC3のトランザクションプールには、アグリゲータ電力情報を含むトランザクションが登録される。
第2ノード21のブロック生成部211は、トランザクションプールに登録された所定数のトランザクションを含むブロックデータを生成する。ブロック生成部211の処理は、上述の第1ノード11のブロック生成部111における処理と同様である。
第2ノード21のデータ登録部212は、ブロック生成部211が生成したブロックデータを他の第2ノード21に送信することで、ブロックデータを第2ブロックチェーンBC2に登録する。また、データ登録部212は、他の第2ノード21から受信したブロックデータを検証し、記憶媒体214に記憶する。データ登録部212の処理は、上述の第1ノード11のデータ登録部112における処理と同様である。
第2ノード21の契約処理部213は、トランザクションに含まれるスマートコントラクトを実行することにより、供給者と、需要者と、アグリゲータとの間の電力取引に係る処理を実行する。スマートコントラクトの内容によっては、トランザクション生成部210で新たなトランザクションが生成されてもよい。
第2ノード21の記憶媒体214には、各部で取得、生成されたデータが、アグリゲータの電力取引に係る情報として記憶される。例えば、記憶媒体214には、トランザクション生成部210が生成したトランザクション、ブロック生成部211が生成したブロックデータ等が記憶される。
(需要者システム及び第3ブロックチェーンの機能構成)
図4は、本開示の第1の実施形態に係る需要者システム及び第3ブロックチェーンの機能構成を示す図である。
図4に示すように、需要者システム30は、取得部300と、選択部301とを備えている。また、第3ブロックチェーンBC3を構成する複数の第3ノード31それぞれは、トランザクション生成部310と、ブロック生成部311と、データ登録部312と、契約処理部313と、記憶媒体314とを備えている。
需要者システム30の取得部300は、需要者により予め設定されたカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2からアグリゲータ電力情報を取得する。例えば、需要者が太陽光発電により発電された電力のみを購入することを設定しているとする。この場合、取得部300は、太陽光発電に対応する第2ブロックチェーンBC2aに対し、需要者の要求する電力に関する問い合わせを行う。この問い合わせには、例えば、需要者が希望する電力のカテゴリ、購入希望期間(開始時間及び終了時間)、当該購入希望期間における希望買電量、需要者(送電先)の位置情報等の情報が含まれる。
なお、取得部300は、需要者が複数のカテゴリを設定していた場合、各カテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2それぞれからアグリゲータ電力情報を取得する。
また、取得部300は、第2ブロックチェーンBC2からの応答である、売電可否を示す情報、及びアグリゲータ電力情報を、第3ブロックチェーンBC3を通じて取得する。
需要者システム30の選択部301は、需要者が複数のカテゴリを設定していた場合、各カテゴリに対応するアグリゲータ電力情報に基づいて、どのカテゴリの電力を購入するか選択する。例えば、選択部301は、需要者により予め設定された第1条件(希望買電量、希望買電価格、電力が供給開始されるまでの応答時間、及びカテゴリの優先順位のうち少なくとも一つ)を満たすカテゴリを一つ選択する。
また、選択部301は、選択したカテゴリの電力を提供するアグリゲータに対し電力購入の発注を行うように、第3ブロックチェーンBC3に指示を行う。
第3ノード31のトランザクション生成部310は、第2ブロックチェーンBC2における電力取引に係るトランザクションを生成する。トランザクション生成部310は、生成したトランザクションを他の第3ノード31に送信することで、第3ブロックチェーンBC3のトランザクションプールに登録する。本実施形態では、トランザクション生成部310は、需要者システム30から電力購入の発注の指示を受け付けると、当該購入契約に係るスマートコントラクトを含むトランザクションを生成する。
第3ノード31のブロック生成部311は、トランザクションプールに登録された所定数のトランザクションを含むブロックデータを生成する。ブロック生成部311の処理は、上述の第1ノード11のブロック生成部111における処理と同様である。
第3ノード31のデータ登録部312は、ブロック生成部311が生成したブロックデータを他の第3ノード31に送信することで、ブロックデータを第3ブロックチェーンBC3に登録する。また、データ登録部312は、他の第3ノード31から受信したブロックデータを検証し、記憶媒体314に記憶する。データ登録部312の処理は、上述の第1ノード11のデータ登録部112における処理と同様である。
第3ノード31の契約処理部313は、トランザクションに含まれるスマートコントラクトを実行することにより、供給者と、需要者と、アグリゲータとの間の電力取引に係る処理を実行する。スマートコントラクトの内容によっては、トランザクション生成部310で新たなトランザクションが生成されてもよい。
第3ノード31の記憶媒体314には、各部で取得、生成されたデータが、需要者の電力取引に係る情報として記憶される。例えば、記憶媒体314には、トランザクション生成部310が生成したトランザクション、ブロック生成部311が生成したブロックデータ等が記憶される。
(電力取引システムの処理フロー)
図5は、本開示の第1の実施形態に係る電力取引システムの処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図5を参照しながら、本実施形態に係る電力取引システム1における処理の流れについて説明する。
供給者システム10の第1処理部100は、供給者電力情報を生成し、第1ブロックチェーンBC1に登録する。また、供給者システム10の通知部101は、この供給者電力情報を第1ブロックチェーンBC1及び第2ブロックチェーンBC2を通じてアグリゲータに通知する(ステップS100)。このとき、第1処理部100は、供給者電力情報に含まれるカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2に当該供給者電力情報を送信する。図1の例では、太陽光発電による電力を供給する供給者の供給者システム10において、第1処理部100は、太陽光発電のカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2a、BC2dに供給者電力情報を送信する。同様に、第1処理部100は、風力発電に関する供給者電力情報を第2ブロックチェーンBC2b、BC2dに送信し、火力発電に関する供給者電力情報を第2ブロックチェーンBC2c、BC2dに送信する。そうすると、アグリゲータの第2ブロックチェーンBC2a〜BC2dには、対応するカテゴリに関する供給者電力情報がそれぞれ登録される(ステップS101)。
需要者システム30の取得部300は、需要者により予め設定されたカテゴリの電力を提供するアグリゲータに対し、電力購入に関する問い合わせを行う(ステップS102)。この問い合わせは、第1ブロックチェーンBC1及び、設定されたカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2を通じてアグリゲータシステム20に送信される。例えば、需要者が太陽光発電による電力の購入を希望している場合、取得部300は、太陽光発電に対応する第2ブロックチェーンBC2aに問い合わせを送信する。
なお、需要者は、複数のカテゴリを設定してもよい。例えば、需要者は、自然エネルギー由来の電力の何れかの購入を希望している場合、太陽光発電及び風力発電の二つのカテゴリを設定してもよい。この場合、取得部300は、太陽光発電に対応する第2ブロックチェーンBC2aに問い合わせを送信するとともに、図5に破線で示すように、風力発電のカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2bにも問い合わせを送信する。また、需要者は、どのカテゴリの電力であってもよい場合は、全てのカテゴリを設定してもよい。この場合、取得部300は、各カテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2a〜BC2cそれぞれに問い合わせを送信してもよいし、全てのカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2dのみに問い合わせを送信してもよい。
アグリゲータシステム20の第2処理部200は、需要者からの問い合わせを受け付けると、アグリゲータ電力情報を生成するとともに、当該需要者への売電可否を判定する(ステップS103)。例えば、需要者が太陽光発電による電力の購入を希望している場合、第2処理部200は、第2ブロックチェーンBC2aに登録されている供給者電力情報に基づいて送電可能電力、及び小売価格を設定し、アグリゲータ電力情報を生成する。
具体的には、第2処理部200は、供給者電力情報に含まれる供給可能電力を上限として、需要者に売電可能な電力(売電契約が成立していない電力)である送電可能電力を設定する。また、第2処理部200は、アグリゲータが使用する送電網の最大送電容量を超えないように、送電可能電力を設定する。更に、第2処理部200は、供給者が供給可能な電力のうち所定の電力がアグリゲータに割り当てられている場合は、割り当てられた電力の範囲内で送電可能電力を設定してもよい。
また、第2処理部200は、需要者の位置情報から送電経路を特定し、当該送電経路の距離等に応じた送電コストを、供給者電力情報に含まれる卸売価格に加算して小売価格を設定する。第2処理部200は、アグリゲータの電力売買マージンを更に加算した小売価格を設定してもよい。
なお、第2処理部200は、送電経路の送電予定量又は使用率を考慮して、小売価格を設定してもよい。送電経路の送電予定量又は使用率は、既に売買契約が完了している電力から算出されてもよいし、需要予測に基づいて算出されてもよい。例えば、第2処理部200は、送電経路の使用率が上限値(最大送電容量)に近いほど、小売価格を高くしてもよい。これにより、電力需要が多い(限界に近い)ことが予測される場合は、小売価格を高くして更なる需要を抑制させるなど、電力取引量を調整することができる。更に、第2処理部200は、需要者への給電開始(需要者の購入希望期間の開始時間)までの時間に応じて小売価格を設定してもよい。例えば、第2処理部200は、給電開始までの時間が長いほど小売価格を低く設定する。これにより、需要者に早期の買電を促すことができるため、将来の電力取引量を早い段階から把握することが容易となる。
また、アグリゲータが複数の送電経路を有している場合(例えば、複数の供給者それぞれと電力取引が可能である場合)、第2処理部200は、送電経路毎の小売価格を設定してもよい。この場合、送電経路毎に複数のアグリゲータ電力情報を生成するようにしてもよい。例えば、第2処理部200は、一の送電経路における使用率が上限値に近い場合、当該一の送電経路の送電コストよりも、使用率の低い他の送電経路の送電コストを低く設定してもよい。これにより、アグリゲータは、需要者を空いている送電経路(供給者)へ誘導することができる。
また、第2処理部200は、需要者の希望買電量が送電可能電力以下である場合、当該需要者への売電が可能であると判定する。第2処理部200は、希望買電量が送電可能電力を超える場合、当該需要者への売電が不可であると判定する。なお、第2処理部200は、需要者への送電経路における送電容量が所定値を超えている場合、当該需要者への売電が不可であると判定してもよい。これにより、アグリゲータにおける電力取引量を調整することが可能である。
次に、アグリゲータシステム20の通知部201は、アグリゲータ電力情報及び受電可否を示す情報を、第2ブロックチェーンBC2及び第3ブロックチェーンBC3を通じて、需要者に通知する(ステップS104)。そうすると、需要者システム30の取得部300は、アグリゲータシステム20から通知されたアグリゲータ電力情報及び売電可否を示す情報を、第3ブロックチェーンBC3を通じて取得することができる。
需要者システム30の選択部301は、需要者が複数のカテゴリを設定している場合、アグリゲータ電力情報及び売電可否を示す情報に基づいて、需要者により設定された第1条件を満たす電力のカテゴリを一つ選択する(ステップS105)。
例えば、選択部301は、需要者により予め設定された希望買電量及び希望買電価格に基づいてカテゴリを選択する。この場合、選択部301は、複数のカテゴリのうち、需要者により予め設定された希望買電量以上の送電が可能(売電可能を示す情報が通知された)であり、且つ、小売価格が需要者の希望買電価格よりも低いカテゴリを選択する。複数のアグリゲータがこれらの第1条件を満たす場合、選択部301は、最も小売価格が低いカテゴリを選択する。
また、選択部301は、電力が供給開始されるまでの応答時間に基づいてカテゴリを選択してもよい。この場合、選択部301は、売電可能なカテゴリのうち供給開始時間(応答時間)が最も早いカテゴリを選択する。これにより、例えば需要者が緊急に電力を必要とする場合、最も早く電力を供給可能な供給者から電力を購入することができる。
更に、選択部301は、カテゴリの優先順位に基づいてカテゴリを選択してもよい。この場合、選択部301は、売電可能なカテゴリのうち最も優先順位の高いカテゴリを選択する。
上述の第1条件に含まれる各条件(希望買電量、希望買電価格、応答時間、カテゴリの優先順位)の有無は、需要者により任意に設定可能である。また、需要者は、これら複数の条件の優先順位を指定可能であってもよい。これにより、選択部301は、需要者の希望に応じて適切なカテゴリを選択することができる。
次に、需要者システム30の選択部301は、選択したカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2に対し電力購入の発注を行うように、第3ブロックチェーンBC3に指示を行う。需要者システム30からの指示を受け付けると、第3ブロックチェーンBC3のトランザクション生成部310は、選択されたカテゴリの電力の購入契約に係るスマートコントラクトを含むトランザクションを生成し、選択したアグリゲータの第2ブロックチェーンBC2(図5の例では、第2ブロックチェーンBC2a)に送信することで、アグリゲータへの発注を行う(ステップS106)。
また、アグリゲータの第2ブロックチェーンBC2aでは、契約処理部213が第3ブロックチェーンBC3から受信したトランザクションに含まれるスマートコントラクトを実行し、需要者からの受注(売電)が可能か判断する(ステップS107)。契約処理部213は、受注が不可である場合(ステップS107:NO)、需要者の第3ブロックチェーンBC3に不成立の通知を行う(ステップS108)。例えば、契約処理部213は、需要者からの発注前にアグリゲータの送電経路の使用率が所定の上限値に達した場合は、受注が不可であると判断する。一方、契約処理部213は、需要者の希望どおりに受注が可能である場合(ステップS107:YES)、需要者が購入を希望する電力について、第2ブロックチェーンBC2aを通じて供給者へ発注する(ステップS109)。
また、アグリゲータから供給者への発注が行われると、このスマートコントラクトが含まれるトランザクションは、供給者の第1ブロックチェーンBC1に送信され、契約処理部113においてスマートコントラクトが更に実行される。具体的には、契約処理部113は、需要者への売電が可能であるかを判断し、売電可能である場合は(ステップS110:YES)、アグリゲータの第2ブロックチェーンBC2aへ約定を通知し(ステップS112)、売電が不可である場合は(ステップS110:NO)、アグリゲータの第2ブロックチェーンBC2aへ不成立の通知を行う(ステップS111)。例えば、契約処理部113は、需要者からの発注前に供給可能電力が変化し、需要者の希望買電量を供給できない場合は、売電が不可であると判断する。
また、需要者の第3ブロックチェーンBC3は、不成立の通知(ステップS113)、又は約定の通知(ステップS114)を、第2ブロックチェーンBC2aを通じて受領する。
なお、ステップS106からS111までの処理は、トランザクションに含まれるスマートコントラクトで予め規定されている。このため、供給者、アグリゲータ、需要者それぞれが確認、承認等の処理を行うことなく、第1ブロックチェーンBC1、第2ブロックチェーンBC2、及び第3ブロックチェーンBC3で自動的に処理される。
また、需要者は、不成立の結果を受領した場合(ステップS113)、ステップS105に戻り、他のカテゴリを選択して発注を行うようにしてもよい。
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係る電力取引システム1は、電力のカテゴリそれぞれに対応する複数の第2ブロックチェーンBC2を備えている。これにより、電力取引システム1は、電力のカテゴリ毎に電力市場を分割して、需要者が希望するカテゴリの電力のみを選択的に売買することが可能となる。また、電力取引システム1の参加者である供給者、アグリゲータ、需要者それぞれは、各ブロックチェーンに登録された情報に基づいて、各参加者がどのカテゴリの電力をどのくらい売買したかを追跡することができる。
また、参加者はそれぞれ既存のシステムとのインタフェースをブロックチェーンに対して持てばよいため、参加者が電力取引システム1に参加する際のコストを低減させることができる。また、各ブロックチェーンは、参加者それぞれの管理下にあるため、参加者個々の事情に応じて改修することが容易である。
また、電力取引システム1において、第3ブロックチェーンBC3の選択部301は、第2ブロックチェーンBC2から取得したアグリゲータ電力情報に基づいて、需要者により設定された第1条件を満たすアグリゲータ及び供給者から買電するためのスマートコントラクトを含むトランザクションを生成する。これにより、第3ブロックチェーンBC3は、需要者から買電の指示を受け付けることなく、迅速に電力取引の手続きを進めることができる。更に、スマートコントラクトにより、第1ブロックチェーンBC1及び第2ブロックチェーンBC2においても電力取引の手続きを自動化することができるので、短時間での契約成立を実現することができる。これにより、電力取引システム1は、リアルタイムで変動する需給状況への追従を行うことが可能となる。
また、需要者により設定された第1条件は、希望買電量、希望買電価格、及び電力が供給開始されるまでの応答時間、カテゴリの優先順位のうち、少なくとも一つを含む。また、需要者は、これらの第1条件に含まれる各条件の優先順位を指定可能であってもよい。これにより、第3ブロックチェーンBC3の選択部301は、需要者の希望に応じて適切なカテゴリを選択することができる。
<第2の実施形態>
次に、本開示の第2の実施形態に係る電力取引システム1について説明する。
第1の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
(全体構成)
図6は、本開示の第2の実施形態に係る電力取引システムの概略図である。
図6に示すように、本実施形態に係る電力取引システム1は、蓄電池所有者が有する蓄電池システム40及び第4ブロックチェーンBC4を更に備えている。蓄電池所有者は、蓄電池への充電(買電)及び放電(売電)をコントロールすることにより、電力需給の調整を行う事業者である。即ち、蓄電池所有者は、電力市場の需給状況に応じて、供給者又は需要者として電力取引に参加する。なお、蓄電池は、電気自動車の蓄電池であってもよい。
蓄電池システム40は、蓄電池からの放電(売電)、及び蓄電池への充電(買電)に係る各種処理を行うシステムである。
また、蓄電池システム40は、第4ブロックチェーンBC4と接続されている。第4ブロックチェーンBC4は、蓄電池所有者により予め設定されたカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2に接続可能である。第4ブロックチェーンBC4は、所有者の電力取引に係る情報が登録される。
なお、図6には、説明を簡略化するために蓄電池所有者が一つのみ存在している例が示されているが、これに限られることはない。他の実施形態では、蓄電池所有者は複数存在してもよい。この場合、各蓄電池所有者は、それぞれ蓄電池システム40及び第4ブロックチェーンBC4を有している。
(蓄電池システム及び第4ブロックチェーンの機能構成)
図7は、本開示の第2の実施形態に係る蓄電池システム及び第4ブロックチェーンの機能構成を示す図である。
図7に示すように、蓄電池システム40は、第3処理部400と、通知部401と、取得部402と、選択部403とを備えている。また、第4ブロックチェーンBC34を構成する複数の第4ノード41それぞれは、トランザクション生成部410と、ブロック生成部411と、データ登録部412と、契約処理部413と、記憶媒体414とを備えている。
蓄電池システム40の第3処理部400は、蓄電池から供給可能な電力に関する蓄電池電力情報を生成し、第4ブロックチェーンBC4に登録する。蓄電池電力情報には、例えば、ある期間に蓄電池から供給可能な電力を示す供給可能電力、当該期間における単位電力あたりの売電価格(以下、「卸売価格」と記載する)、当該期間の開始時間及び終了時間(供給可能時間)、電力のカテゴリ等の情報が含まれる。電力のカテゴリは、蓄電池に充電された電力の発電方法、供給地域、発電規模等を示す情報である。また、蓄電池電力情報には、蓄電池所有者の識別情報(所有者名等)が含まれていてもよい。
蓄電池システム40の通知部101は、第3処理部400が生成した蓄電池電力情報を、カテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2に送信する。具体的には、通知部401は、蓄電池電力情報に含まれるカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2を接続先として指定し、インターレジャーを介して指定された第2ブロックチェーンBC2に当該蓄電池電力情報を送信するように、第4ブロックチェーンBC4に指示を行う。
蓄電池システム40の取得部402は、蓄電池所有者により予め設定されたカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2からアグリゲータ電力情報を取得する。例えば、蓄電池所有者が太陽光発電により発電された電力のみを蓄電池に充電することを設定しているとする。この場合、取得部402は、太陽光発電に対応する第2ブロックチェーンBC2aに対し、蓄電池所有者の要求する電力に関する問い合わせを行う。この問い合わせには、例えば、蓄電池所有者が希望する電力のカテゴリ、購入希望期間(開始時間及び終了時間)、当該購入希望期間における希望買電量、蓄電池(送電先)の位置情報等の情報が含まれる。
なお、取得部402は、蓄電池所有者が複数のカテゴリを設定していた場合、各カテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2それぞれからアグリゲータ電力情報を取得する。
また、取得部402は、第2ブロックチェーンBC2からの応答である、売電可否を示す情報、及びアグリゲータ電力情報を、第4ブロックチェーンBC4を通じて取得する。
蓄電池システム40の選択部403は、蓄電池所有者が複数のカテゴリを設定していた場合、各カテゴリに対応するアグリゲータ電力情報に基づいて、どのカテゴリの電力を購入するか選択する。例えば、選択部403は、蓄電池所有者により予め設定された第2条件(希望買電量、希望買電価格、及びカテゴリの優先順位)を満たすカテゴリを一つ選択する。
また、選択部403は、選択したカテゴリの電力を提供するアグリゲータに対し電力購入の発注を行うように、第4ブロックチェーンBC4に指示を行う。
第4ノード41のトランザクション生成部410は、第4ブロックチェーンBC4における電力取引に係るトランザクションを生成する。トランザクション生成部410は、生成したトランザクションを他の第4ノード41に送信することで、第4ブロックチェーンBC4のトランザクションプールに登録する。このトランザクションには、蓄電池システム40が生成した蓄電池電力情報も含まれる。また、本実施形態では、トランザクション生成部410は、蓄電池システム40から電力購入の発注の指示を受け付けると、当該購入契約に係るスマートコントラクトを含むトランザクションを生成する。
第4ノード41のブロック生成部411は、トランザクションプールに登録された所定数のトランザクションを含むブロックデータを生成する。ブロック生成部411の処理は、上述の第1ノード11のブロック生成部111における処理と同様である。
第4ノード41のデータ登録部412は、ブロック生成部411が生成したブロックデータを他の第4ノード41に送信することで、ブロックデータを第4ブロックチェーンBC4に登録する。また、データ登録部412は、他の第4ノード41から受信したブロックデータを検証し、記憶媒体414に記憶する。データ登録部412の処理は、上述の第1ノード11のデータ登録部112における処理と同様である。
第4ノード41の契約処理部413は、トランザクションに含まれるスマートコントラクトを実行することにより、供給者、需要者、及びアグリゲータとの間の電力取引に係る処理を実行する。スマートコントラクトの内容によっては、トランザクション生成部410で新たなトランザクションが生成されてもよい。
第4ノード41の記憶媒体414には、各部で取得、生成されたデータが記憶される。例えば、記憶媒体414には、トランザクション生成部410が生成したトランザクション、ブロック生成部411が生成したブロックデータ等が記憶される。
(電力取引システムの処理フロー)
図8は、本開示の第2の実施形態に係る電力取引システムの処理の一例を示す第1のフローチャートである。
以下、図8を参照しながら、本実施形態に係る電力取引システム1において、蓄電池所有者が蓄電池に充電するための電力を供給者から購入する際の処理の流れについて説明する。
供給者システム10の第1処理部100は、供給者電力情報を生成し、第1ブロックチェーンBC1に登録する。また、供給者システム10の通知部101は、この供給者電力情報を第1ブロックチェーンBC1及び第2ブロックチェーンBC2を通じてアグリゲータに通知する(ステップS200)。そうすると、アグリゲータの第2ブロックチェーンBC2には、対応するカテゴリに関する供給者電力情報が登録される(ステップS201)。
蓄電池システム40の取得部402は、蓄電池所有者により予め設定されたカテゴリの電力を提供するアグリゲータに対し、電力購入に関する問い合わせを行う(ステップS202)。この問い合わせは、第4ブロックチェーンBC4及び、設定されたカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2(例えば、太陽光発電に対応する第2ブロックチェーンBC2a)を通じてアグリゲータシステム20に送信される。なお、蓄電池所有者は複数のカテゴリを設定してもよい。この場合の処理は、第1の実施形態のステップS102(図5)と同様である。
アグリゲータシステム20の第2処理部200は、蓄電池所有者からの問い合わせを受け付けると、アグリゲータ電力情報を生成するとともに、当該蓄電池所有者への売電可否を判定する(ステップS203)。また、アグリゲータシステム20の通知部201は、アグリゲータ電力情報及び受電可否を示す情報を、第2ブロックチェーンBC2及び第4ブロックチェーンBC4を通じて、蓄電池所有者に通知する(ステップS204)。これらステップS203〜S204の処理は、第1の実施形態のステップS103〜104(図5)と同様である。
蓄電池システム40の選択部403は、蓄電池所有者が複数のカテゴリを設定している場合、アグリゲータ電力情報及び売電可否を示す情報に基づいて、蓄電池所有者により設定された第2条件を満たす電力のカテゴリを一つ選択する(ステップS205)。当該処理は、第1の実施形態のステップS105(図5)と同様である。
次に、蓄電池システム40の選択部403は、選択したカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2に対し電力購入の発注を行うように、第4ブロックチェーンBC4に指示を行う。蓄電池システム40からの指示を受け付けると、第4ブロックチェーンBC4のトランザクション生成部410は、選択されたカテゴリの電力の購入契約に係るスマートコントラクトを含むトランザクションを生成し、選択したアグリゲータの第2ブロックチェーンBC2(図8の例では、第2ブロックチェーンBC2a)に送信することで、アグリゲータへの発注を行う(ステップS206)。
供給者及びアグリゲータにおけるステップS207〜S212の処理の流れは、第1の実施形態のステップS107〜S112(図5)と同様である。
第4ブロックチェーンBC4は、第2ブロックチェーンBC2aから不成立の結果(ステップS213)、又は約定の結果(ステップS214)を受領する。蓄電池所有者は、不成立の結果を受領した場合(ステップS213)、ステップS205に戻り、他のカテゴリを選択して発注を行うようにしてもよい。
図9は、本開示の第2の実施形態に係る電力取引システムの処理の一例を示す第2のフローチャートである。
以下、図9を参照しながら、本実施形態に係る電力取引システム1において、需要者が蓄電池に充電された電力を購入する際の処理の流れについて説明する。
まず、蓄電池システム40の第3処理部400は、蓄電池へ充電した電力の購入価格(買電価格)に基づいて、蓄電池に充電されている電力の売電価格(卸売価格)を設定する。また、第3処理部400は、蓄電池へ充電した電力のカテゴリと、設定した卸売価格とを含む蓄電池電力情報を生成し、第4ブロックチェーンBC4に登録する。蓄電池システム40の通知部401は、この蓄電池電力情報を第4ブロックチェーンBC4及び第2ブロックチェーンBC2を通じてアグリゲータに通知する(ステップS220)。このとき、第3処理部400は、蓄電池電力情報に含まれるカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2に当該蓄電池電力情報を送信する。そうすると、アグリゲータの第2ブロックチェーンBC2には、対応するカテゴリに関する蓄電池電力情報が登録される(ステップS221)。
需要者システム30の取得部300は、需要者により予め設定されたカテゴリの電力を提供するアグリゲータに対し、電力購入に関する問い合わせを行う(ステップS222)。当該処理は、第1の実施形態のステップS102(図5)と同様である。
アグリゲータシステム20の第2処理部200は、需要者からの問い合わせを受け付けると、アグリゲータ電力情報を生成するとともに、当該需要者への売電可否を判定する(ステップS223)。また、アグリゲータシステム20の通知部201は、アグリゲータ電力情報及び受電可否を示す情報を、第2ブロックチェーンBC2及び第3ブロックチェーンBC3を通じて、需要者に通知する(ステップS224)。これらの処理は、第1の実施形態のステップS103〜S104(図5)と同様である。
需要者システム30の選択部301は、需要者が複数のカテゴリを設定している場合、アグリゲータ電力情報及び売電可否を示す情報に基づいて、需要者により設定された第1条件を満たす電力のカテゴリを一つ選択する(ステップS225)。当該処理は、第1の実施形態のステップS105(図5)と同様である。
次に、需要者システム30の選択部301は、選択したカテゴリに対応する第2ブロックチェーンBC2に対し電力購入の発注を行うように、第3ブロックチェーンBC3に指示を行う(ステップS226)。当該処理は、第1の実施形態のステップS106(図5)と同様である。
また、アグリゲータの第2ブロックチェーンBC2aでは、契約処理部213が第3ブロックチェーンBC3から受信したトランザクションに含まれるスマートコントラクトを実行し、需要者からの受注(売電)が可能か判断する(ステップS227)。契約処理部213は、受注が不可である場合(ステップS227:NO)、需要者の第3ブロックチェーンBC3に不成立の通知を行う(ステップS228)。一方、契約処理部213は、需要者の希望どおりに受注が可能である場合(ステップS227:YES)、需要者が購入を希望する電力について、第2ブロックチェーンBC2aを通じて蓄電池所有者へ発注する(ステップS229)。
また、アグリゲータから蓄電池所有者への発注が行われると、このスマートコントラクトが含まれるトランザクションは、蓄電池所有者の第4ブロックチェーンBC4に送信され、契約処理部413においてスマートコントラクトが更に実行される。具体的には、契約処理部413は、需要者への売電が可能であるかを判断し、売電可能である場合は(ステップS230:YES)、アグリゲータの第2ブロックチェーンBC2aへ約定を通知し(ステップS232)、売電が不可である場合は(ステップS230:NO)、アグリゲータの第2ブロックチェーンBC2aへ不成立の通知を行う(ステップS231)。
また、需要者の第1ブロックチェーンBC1は、不成立の通知(ステップS233)、又は約定の通知(ステップS234)を、第2ブロックチェーンBC2aを通じて受領する。需要者は、不成立の結果を受領した場合(ステップS233)、ステップS225に戻り、他のカテゴリを選択して発注を行うようにしてもよい。
なお、図8〜図9では、蓄電池所有者が特定のカテゴリに対応する一つの第2ブロックチェーンBC2(例えば、太陽光発電に対応する第2ブロックチェーンBC2a)を通じて電力の売買を行う例について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、蓄電池所有者は、買電及び売電を、それぞれ異なる第2ブロックチェーンBC2を通じて行うようにしてもよい。例えば、蓄電池所有者は、太陽光発電に対応する第2ブロックチェーンBC2aから買電し、自然エネルギー由来の複数のカテゴリ(太陽光発電、及び風力発電)に対応する第2ブロックチェーンBC2eを通じて売電するようにしてもよい。これにより、蓄電池所有者は、太陽光発電による電力のみを所望する需要者だけでなく、自然エネルギー由来の電力であれば何れでもよいと考える需要者に対しても、売電することができる。即ち、蓄電池所有者は、異なる希望を有する複数の需要者に売電可能となる。
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係る電力取引システム1は、蓄電池所有者の電力取引に係る情報が登録される第4ブロックチェーンBC4を更に備える。これにより、蓄電池所有者は、所有する蓄電池の電力の出自を明らかにして売買電を行うことが可能となる。また、蓄電池を介した電力取引についても、各ブロックチェーンに登録された情報に基づいて、各参加者がどのカテゴリの電力をどのくらい売買したかを追跡することが可能となる。
また、第4ブロックチェーンBC4は、第2ブロックチェーンBC2を通じて供給者から蓄電池に充電するための電力を購入すること、及び、需要者へ蓄電池に充電された電力を販売することが可能である。これにより、蓄電池所有者は、希望するカテゴリに応じた電力を供給者から買電して、蓄電池に蓄電することができる。また、需要者は、例えば供給者から供給される電力が不足している場合であっても、蓄電池所有者から希望するカテゴリの電力を購入可能となる。
更に、蓄電池所有者は、例えば電力供給までの応答時間が長い供給者から買電して蓄電池に蓄電しておくことにより、即応が必要な需要者へ迅速に売電を行うことが可能となる。この場合、蓄電池システム40の第3処理部400は、応答時間が早いほど卸売価格を高く設定するようにしてもよい。
<第3の実施形態>
次に、本開示の第3の実施形態に係る電力取引システム1について説明する。
第1、第2の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
(全体構成)
図10は、本開示の第3の実施形態に係る電力取引システムの概略図である。
図10に示すように、本実施形態に係る電力取引システム1において、一つのアグリゲータが複数の第2ブロックチェーンBC2a〜BC2dを有している。アグリゲータは、自身のサービス提供範囲を複数の地域(第1地域A〜D)に分割し、当該第1地域を電力のカテゴリとして設定する。即ち、第2ブロックチェーンBC2a〜BC2dは、第1地域A〜Dにそれぞれ対応している。アグリゲータは、例えば行政区画(都道府県、市町村等)、地理的条件(山岳、平野、盆地等)などに応じて各第1地域の範囲を予め設定する。
また、アグリゲータシステム20は、隣接する複数の第1地域を統合した第2地域R1、R2を更に設定する。例えば、本実施形態に係るアグリゲータシステム20は、図10に示すように、二つの第1地域A、Bを統合した第2地域R1と、二つの第1地域C、Dを統合した第2地域R2とを設定する。アグリゲータシステム20は、所定の第3条件を満たしたときに電力取引の仲介範囲を第2地域に設定し、それ以外は仲介範囲を第1地域に設定する。従って、アグリゲータシステム20は、通常は第1地域Aの供給者及び需要者の電力取引を仲介するが、所定の第3条件を満たした場合、第2地域R1に含まれる第1地域A、B双方の供給者及び需要者の電力取引を仲介する。
所定の第3条件を満たした場合、同一の第2地域に属する第2ブロックチェーンBD2同士は、それぞれに登録された各種情報を、インターレジャーを介して交換可能に接続される。図10の例では、第2地域R1に含まれる第1地域A、Bに対応する第2ブロックチェーンBC2a、BC2bは、インターレジャーを介して接続可能である。同様に、第2地域R2に含まれる第1地域C、Dに対応する第2ブロックチェーンBC2c、BC2dは、インターレジャーを介して接続可能である。このため、アグリゲータシステム20は、第1地域Aに存在する需要者に対し、第2ブロックチェーンBC2a、BC2bを通じて、第1地域Bに存在する供給者との電力取引を仲介することができる。
図11は、本開示の第3の実施形態に係る電力取引システムの処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図11を参照しながら、本実施形態に係るアグリゲータシステム20の処理の流れについて説明する。
図11に示すように、本実施形態に係るアグリゲータシステム20の第2処理部200は、所定の第3条件を満たしたか否かを地域別に判断する(ステップS300)。所定の第3条件は、例えば、第1地域内に存在する供給者の発電方法、発電規模、供給者数、需要者数、季節、過去の取引履歴等に応じて予め設定される。例えば、第1地域Aでは太陽光発電による電力が供給される場合、第2処理部200は、時間、天気情報等を第3条件として設定してもよい。この場合、例えば第2処理部200は、取引対象の時間が夜間に対応する時間帯に含まれる場合(ステップS300:YES)、第1地域Aでは供給量よりも需要量が大きくなると考えられるため、電力取引の仲介範囲を第2地域R1に設定する(ステップS301)。
一方、第2処理部200は、取引対象の時間が昼間に対応する時間帯に含まれ、且つ天気の状態が良いと予測される場合(ステップS300:NO)、第1地域A内で需要量に見合う供給量を確保できると考えられるため、電力取引の仲介範囲を第1地域Aに設定する。
第2処理部200は、他の地域(第1地域B、C、D)についても同様にステップS300〜S302の処理を行う。また、第2処理部200は、所定間隔毎、又は、天気情報等が更新される毎に、各地域についてステップS300〜S302の処理を実行する。
また、第2処理部200が仲介範囲を第2地域R1に設定した場合の処理について、図5を例に説明する。第1地域A内の需要者から、第3ブロックチェーンBC3及び第2ブロックチェーンBC2aを通じて問い合わせを受け付けた場合(ステップS102)、第2処理部200は、第2ブロックチェーンBC2aから第1地域Aの供給者電力情報を取得するとともに、インターレジャーを通じて第2ブロックチェーンBC2bから第1地域Bの供給者電力情報を取得する。そして、第2処理部200は、第1地域A、Bの供給者電力情報に基づいてアグリゲータ電力情報を生成するとともに、売電可否を需要者に通知する(ステップS104)。また、需要者から発注を受け付けた場合(ステップS106)、第2ブロックチェーンBC2aのトランザクション生成部210は、インターレジャーを介して第1ブロックチェーンBC1aに電力の購入契約に係るスマートコントラクトを含むトランザクションを送信するともに、第2ブロックチェーンBC2bを通じて第1ブロックチェーンBC1bに電力の購入契約に係るスマートコントラクトを含むトランザクションを送信して、各供給者に発注を行う(ステップS106)。
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係る電力取引システム1において、第2ブロックチェーンBC2は、所定の第3条件を満たす場合、登録された情報を他の第2ブロックチェーンBC2と交換可能に接続される。これにより、複数の地域を統合して電力取引を行った方が有利である(例えば、需要量に応じた供給量を確保できる等)場合は、複数の地域それぞれに対応する第2ブロックチェーンBC2同士で情報(トランザクション)を交換して、電力を融通しあうことができる。
また、図10の例では一つのアグリゲータが有する複数の第2ブロックチェーンBC2同士を接続可能としたが、これに限られることはない。他の実施形態では、異なるアグリゲータが自身のサービス提供範囲毎の第2ブロックチェーンBC2を有していてもよい。この場合、各アグリゲータのサービス提供範囲が第1地域として設定される。このように、第2ブロックチェーンBC2同士を接続して情報の交換を行うことにより、各アグリゲータのアグリゲータシステム20同士で問い合わせ、受発注の確認等を行う必要がなく、電力取引に係る処理を迅速に完了させることが可能となる。
(ハードウェア構成)
図12は、本開示の少なくとも一の実施形態に係る供給者システム、アグリゲータシステム、需要者システム、蓄電池システム、及びノードのハードウェア構成の一例を示す図である。
以下、図12を参照しながら、本実施形態に係る電力取引システム1の各部のハードウェア構成について説明する。
コンピュータ900は、プロセッサ901、主記憶装置902、補助記憶装置903、インタフェース904を備える。
上述の供給者システム10、アグリゲータシステム20、需要者システム30、蓄電池システム40、第1〜第4ノード11、21、31、41は、それぞれ一つ又は複数のコンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。プロセッサ901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ901は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902に確保する。プロセッサ901の例としては、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、マイクロプロセッサなどが挙げられる。
プログラムは、コンピュータ900に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータ900は、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサ901によって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。このような集積回路も、プロセッサの一例に含まれる。
補助記憶装置903の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。補助記憶装置903は、コンピュータ900のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース904または通信回線を介してコンピュータ900に接続される外部記憶装置910であってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置903は、一時的でない有形の記憶媒体である。
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、発明の範囲を限定しない。これらの実施形態は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、省略、置き換え、変更を行ってよい。
例えば、上述の実施形態において、需要者システム30の選択部301は、複数のカテゴリを選択していた場合、第1条件を満たす一つのカテゴリを選択する(図5のステップS105)態様について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、選択部301は、第1条件を満たす複数のカテゴリを選択するようにしてもよい。これにより、一つの供給者から買電可能な電力が希望買電量に満たない場合であっても、複数の供給者それぞれから買電を行い、希望買電量を確保することが可能となる。
また、上述の実施形態において、アグリゲータシステム20の第2処理部200が送電経路の送電予定量又は使用率、需要者への給電開始までの時間等の各種状態に応じて小売価格を調整する例を説明した。他の実施形態では、供給者システム10の第1処理部100も同様に、各種状態に応じて卸売価格を調整するようにしてもよい。例えば、第1処理部100は、電力需要、又は送電経路の使用率が高いほど、卸売価格を高く設定する。また、第1処理部100は、給電開始までの時間が長いほど卸売価格を低く設定する。
<付記>
上述の実施形態に記載の電力取引システム1及び電力取引方法は、例えば以下のように把握される。
本開示の第1の態様によれば、電力取引システムは、供給者の電力取引に係る情報が登録される第1ブロックチェーンと、前記供給者が供給する電力のカテゴリそれぞれに対応して複数設けられ、アグリゲータの前記カテゴリ別の電力取引に係る情報が登録される第2ブロックチェーンと、複数の前記第2ブロックチェーンのうち、需要者により予め設定されたカテゴリに対応する第2ブロックチェーンに接続可能であり、前記需要者の電力取引に係る情報が登録される第3ブロックチェーンと、を備える。
これにより、電力取引システムは、電力のカテゴリ毎に電力市場を分割して、需要者が希望するカテゴリの電力のみを選択的に売買することが可能となる。また、電力取引システムの参加者である供給者、アグリゲータ、需要者それぞれは、各ブロックチェーンに登録された情報に基づいて、各参加者がどのカテゴリの電力をどのくらい売買したかを追跡することができる。
本開示の第2の態様によれば、第1の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第2ブロックチェーンに登録される前記情報には、特定の期間における前記アグリゲータの送電可能電力、単位電力あたりの小売価格、送電可能時間、カテゴリ、及び前記アグリゲータの識別情報のうち、少なくとも一つが含まれる。
これにより、需要者は、ブロックチェーンを通じてアグリゲータが提供可能な電力に関する各種情報を取得することができる。
本開示の第3の態様によれば、第2の態様に係る電力取引システムにおいて、前記小売価格は、前記供給者と前記需要者との間の送電経路に応じた送電コストを、前記供給者の単位電力あたりの卸売価格に加算されて設定される。
アグリゲータの送電コストは使用する送電経路に応じて変化するため、あるカテゴリの卸売価格が他のカテゴリよりも安価であったとしても、実際に支払う金額が他のカテゴリから購入するよりも高くなってしまう可能性がある。しかしながら、上述の態様に係る電力取引システムでは、需要者には送電コストを含む小売価格が提示されるため、需要者はより安価なカテゴリを選択することができる。
本開示の第4の態様によれば、第2又は第3の態様に係る電力取引システムにおいて、前記小売価格は、前記供給者と前記需要者との間の送電経路の送電予定量又は使用率に基づいて設定される。
このようにすることで、アグリゲータは、電力需要が多い(送電経路の送電予定量又は使用率が上限に近い)ことが予測される場合は、小売価格を高くして更なる需要を抑制させるなど、電力取引量を調整することができる。
本開示の第5の態様によれば、第3又は第4の態様に係る電力取引システムにおいて、前記小売価格は、前記送電経路が複数ある場合、送電経路毎に設定される。
このようにすることで、アグリゲータは、小売価格を調整して特定の送電経路(例えば、空いている送電経路)へ需要者を誘導することができる。
本開示の第6の態様によれば、第2から第5の何れか一の態様に係る電力取引システムにおいて、前記小売価格は、前記需要者への給電開始までの時間に応じて設定される。
このようにすることで、アグリゲータは、例えば給電開始までの時間が長いほど小売価格を設定して、需要者に早期の買電を促すことができる。この結果、アグリゲータは、将来の電力取引量を早い段階から把握することが容易となる。
本開示の第7の態様によれば、第2から第6の何れか一の態様に係る電力取引システムにおいて、前記送電可能電力は、前記供給者の供給可能電力を上限として、前記需要者に売電可能な電力が設定される。
このようにすることで、アグリゲータは、送電可能な電力量をより正確に需要者に提供することができる。
本開示の第8の態様によれば、第1から第7の何れか一の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第2ブロックチェーンは、前記需要者への送電経路における送電予定容量又は使用率が所定値を超えている場合、当該需要者への売電が不可であると判定し、前記第1ブロックチェーンに対し売電不可を示す情報を通知する。
このようにすることで、アグリゲータは、需要者への電力取引量を調整することが可能である。
本開示の第9の態様によれば、第1から第8の何れか一の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第3ブロックチェーンは、前記需要者が希望する電力のカテゴリ、購入希望期間、希望買電量、及び前記需要者の位置情報を含む問い合わせ情報を前記第2ブロックチェーンに送信し、前記第2ブロックチェーンは、前記問い合わせ情報と、前記第2ブロックチェーンに登録されている情報とに基づいて、前記需要者への売電可否を含む応答を第3ブロックチェーンに送信する。
このようにすることで、需要者は、発注を行う前に、希望するカテゴリの電力を買電可能であるかを知ることができる。
本開示の第10の態様によれば、第1から第9の何れか一の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第3ブロックチェーンは、接続された前記第2ブロックチェーンから取得した情報に基づいて、前記需要者により設定された第1条件を満たすカテゴリを選択し、当該カテゴリの電力を提供するアグリゲータを介して前記供給者から買電するためのスマートコントラクトを含むトランザクションを生成する。
これにより、第3ブロックチェーンは、需要者から買電の指示を受け付けることなく、迅速に電力取引の手続きを進めることができる。更に、スマートコントラクトにより、第1ブロックチェーン及び第2ブロックチェーンにおいても電力取引の手続きを自動化することができるので、短時間での契約成立を実現することができる。これにより、電力取引システムは、リアルタイムで変動する需給状況への追従を行うことが可能となる。
本開示の第11の態様によれば、第10の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第1条件は、前記需要者の希望買電量、希望買電価格、電力が供給開始されるまでの応答時間、及び前記カテゴリの優先順位のうち、少なくとも一つを含む。
これにより、電力取引システムは、需要者の希望に応じて適切なカテゴリを選択して電力の取引を行うことができる。
本開示の第12の態様によれば、第11の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第3ブロックチェーンは、前記第1条件を満たすカテゴリが複数ある場合、最も低い小売価格が設定されたカテゴリを選択して前記トランザクションを生成する。
このようにすることで、需要者は、自身が定めた電力購入に関する方針(例えば、自然エネルギー由来の電力のみを使用する、特定の地域(例えば需要者の所在地)で発電される電力のみ使用する、等)に従いつつ、より安価な電力を購入することができる。
本開示の第13の態様によれば、第11の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第3ブロックチェーンは、前記第1条件を満たすカテゴリが複数ある場合、最も早い応答時間が設定されたカテゴリを選択して前記トランザクションを生成する。
このようにすることで、需要者は、緊急に電力を要する場合であっても、自身が定めた電力購入方針に従いつつ、必要な電力を購入することができる。
本開示の第14の態様によれば、第11の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第3ブロックチェーンは、前記第1条件を満たすカテゴリが複数ある場合、最も優先順位の高いカテゴリを選択して前記トランザクションを生成する。
このようにすることで、需要者は、自身が定めた電力購入方針に従いつつ、必要な電力を購入できる可能性を高めることができる。
本開示の第15の態様によれば、第11の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第3ブロックチェーンは、前記第1条件を満たすカテゴリのうち、複数のカテゴリを選択して前記トランザクションを生成する。
このようにすることで、需要者、一つの供給者から買電可能な電力が希望買電量に満たない場合であっても、複数の供給者それぞれから買電を行い、希望買電量を確保することが可能となる。
本開示の第16の態様によれば、第10から第15の何れか一の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第1ブロックチェーン及び前記第2ブロックチェーンは、前記トランザクションに基づいて、前記供給者及び前記アグリゲータにおいて前記需要者が希望する電力の受注可否を判断し、前記第1ブロックチェーン及び前記第2ブロックチェーンを通じて前記第3ブロックチェーンへ判断結果を通知し、前記第3ブロックチェーンは、受注不可を示す判断結果が通知された場合、前回選択したカテゴリとは異なるカテゴリを選択して新たなトランザクションを生成する。
例えば、需要者がアグリゲータから情報を取得してから発注を行うまでに、他の需要者による契約が結ばれてアグリゲータの送電可能電力が変化し、受注不可となる場合がある。このような場合であっても、需要者は、他のカテゴリを再選択して発注を行うことにより、希望する電力を購入する可能性を高くすることができる。
本開示の第17の態様によれば、第1から第16の何れか一の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第1ブロックチェーンとの前記第2ブロックチェーンとの間、及び、前記第2ブロックチェーンと前記第3ブロックチェーンとの間は、それぞれインターレジャーを用いて通信可能に接続される。
このようにすることで、供給者、アグリゲータ、及び需要者は、インターレジャーを利用して、供給者の第1ブロックチェーン、アグリゲータの第2ブロックチェーン、及び需要者の第3ブロックチェーンそれぞれに登録された電力取引に係る各種データの受け渡しを行うことができる。また、各ブロックチェーンに登録されたデータの仕様が異なっていたとしても、インターレジャーの仕組みにより交換可能となる。これにより、供給者、アグリゲータ、及び需要者は、それぞれが有するブロックチェーンを自由に設計、改修することが容易となる。
本開示の第18の態様によれば、第1から第17の何れか一の態様に係る電力取引システムは、蓄電池所有者により予め設定されたカテゴリに対応する第2ブロックチェーンに接続可能であり、当該蓄電池所有者による電力の取引に係る情報が登録される第4ブロックチェーンを更に備える。
これにより、蓄電池所有者は、所有する蓄電池の電力の出自を明らかにして売買電を行うことが可能となる。また、蓄電池を介した電力取引についても、各ブロックチェーンに登録された情報に基づいて、各参加者がどのカテゴリの電力をどのくらい売買したかを追跡することが可能となる。
本開示の第19の態様によれば、第18の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第4ブロックチェーンは、接続された前記第2ブロックチェーンから取得した情報に基づいて、前記蓄電池所有者により設定された第2条件を満たすカテゴリを選択し、当該カテゴリの電力を提供するアグリゲータを介して前記供給者から買電するためのスマートコントラクトを含むトランザクションを生成する。
これにより、蓄電池所有者は、希望するカテゴリに応じた電力を供給者から買電して、蓄電池に蓄電することができる。
本開示の第20の態様によれば、第18又は第19の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第3ブロックチェーンは、接続された前記第2ブロックチェーンから取得した情報に基づいて、前記需要者により設定された第1条件を満たすカテゴリを選択し、当該カテゴリの電力を提供するアグリゲータを介して前記蓄電池所有者から買電するためのスマートコントラクトを含むトランザクションを生成する。
これにより、需要者は、例えば供給者から供給される電力が不足している場合であっても、蓄電池所有者から希望するカテゴリの電力を購入可能となる。
本開示の第21の態様によれば、第18から第20の何れか一の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第2ブロックチェーンと前記第4ブロックチェーンとの間は、インターレジャーを用いて通信可能に接続される。
このようにすることで、アグリゲータ及び蓄電池所有者は、インターレジャーを利用して、アグリゲータの第2ブロックチェーン、及び蓄電池所有者の第4ブロックチェーンそれぞれに登録された電力取引に係る各種データの受け渡しを行うことができる。また、各ブロックチェーンに登録されたデータの仕様が異なっていたとしても、インターレジャーの仕組みにより交換可能となる。これにより、蓄電池所有者は、自身が有するブロックチェーンを自由に設計、改修することが容易となる。
本開示の第22の態様によれば、第1から第21の何れか一の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第2ブロックチェーンは、前記アグリゲータにより設定された第3条件を満たす場合、登録された情報を他の第2ブロックチェーンと交換可能に接続される。
これにより、複数のカテゴリ(例えば、地域)を統合して電力取引を行った方が有利である場合は、複数のカテゴリそれぞれに対応する第2ブロックチェーンBC2同士で情報(トランザクション)を交換して、電力を融通しあうことができる。
本開示の第23の態様によれば、第22の態様に係る電力取引システムにおいて、前記第3条件は、地域内に存在する前記供給者の発電方法、供給者数、需要者数、季節、及び過去の取引履歴のうち少なくとも一つに応じて設定される。
このようにすることで、アグリゲータは、例えばある季節、時間帯、地域等における電力の供給量又は需要量の多寡に応じて、複数のカテゴリそれぞれに対応する第2ブロックチェーン同士で情報を交換して、電力を融通しあうことができる。
本開示の第24の態様によれば、第1から第21の何れか一の態様に係る電力取引システムにおいて、前記カテゴリは、前記供給者が供給する電力の発電方法、供給地域、及び発電規模のうち少なくとも一つに基づいて設定される。
このようにすることで、アグリゲータは、需要者の電力購入方針に応じた様々なカテゴリに対応することができる。
本開示の第25の態様によれば、第22又は第23の態様に係る電力取引システムにおいて、前記カテゴリは、前記アグリゲータのサービス提供範囲を複数の地域に分割し、当該地域それぞれに対応して設定される。
このようにすることで、アグリゲータは、例えば電力の供給量又は需要量の多寡に応じて、各地域に対応する第2ブロックチェーン同士で情報を交換して、これら地域間で電力を融通しあうことができる。
本開示の第26の態様によれば、第22又は第23の態様に係る電力取引システムにおいて、前記カテゴリは、複数の前記アグリゲータのサービス提供範囲それぞれに対応して設定される。
このようにすることで、複数のアグリゲータは、例えば電力の供給量又は需要量の多寡に応じて、各アグリゲータに対応する第2ブロックチェーン同士で情報を交換して、これらアグリゲータ間で電力を融通しあうことができる。また、このように、第2ブロックチェーン同士を接続して情報の交換を行うことにより、各アグリゲータのアグリゲータシステム同士で問い合わせ、受発注の確認等を行う必要がなく、電力取引に係る処理を迅速に完了させることが可能となる。
本開示の第27の態様によれば、電力取引方法は、第1ブロックチェーンに供給者の電力取引に係る情報を登録するステップと、前記供給者が供給する電力のカテゴリそれぞれに対応して複数設けられた第2ブロックチェーンそれぞれに、アグリゲータの前記カテゴリ別の電力取引に係る情報を登録するステップと、第3ブロックチェーンを複数の前記第2ブロックチェーンのうち、需要者により予め設定されたカテゴリに対応する第2ブロックチェーンに接続し、前記需要者の電力取引に係る情報を登録するステップと、を有する。
1 電力取引システム
10 供給者システム
100 第1処理部
101 通知部
11 第1ノード
110 トランザクション生成部
111 ブロック生成部
112 データ登録部
113 契約処理部
114 記憶媒体
20、20a、20b、20c アグリゲータシステム
200 第2処理部
201 通知部
21 第2ノード
210 トランザクション生成部
211 ブロック生成部
212 データ登録部
213 契約処理部
214 記憶媒体
30 需要者システム
300 取得部
301 選択部
31 第3ノード
310 トランザクション生成部
311 ブロック生成部
312 データ登録部
313 契約処理部
314 記憶媒体
40 蓄電池システム
400 第3処理部
401 通知部
402 取得部
403 選択部
41 第4ノード
410 トランザクション生成部
411 ブロック生成部
412 データ登録部
413 契約処理部
414 記憶媒体

Claims (27)

  1. 供給者の電力取引に係る情報が登録される第1ブロックチェーンと、
    前記供給者が供給する電力のカテゴリそれぞれに対応して複数設けられ、アグリゲータの前記カテゴリ別の電力取引に係る情報が登録される第2ブロックチェーンと、
    複数の前記第2ブロックチェーンのうち、需要者により予め設定されたカテゴリに対応する第2ブロックチェーンに接続可能であり、前記需要者の電力取引に係る情報が登録される第3ブロックチェーンと、
    を備える電力取引システム。
  2. 前記第2ブロックチェーンに登録される前記情報には、特定の期間における前記アグリゲータの送電可能電力、単位電力あたりの小売価格、送電可能時間、カテゴリ、及び前記アグリゲータの識別情報のうち、少なくとも一つが含まれる、
    請求項1に記載の電力取引システム。
  3. 前記小売価格は、前記供給者と前記需要者との間の送電経路に応じた送電コストを、前記供給者の単位電力あたりの卸売価格に加算されて設定される、
    請求項2に記載の電力取引システム。
  4. 前記小売価格は、前記供給者と前記需要者との間の送電経路の送電予定量又は使用率に基づいて設定される、
    請求項2又は3に記載の電力取引システム。
  5. 前記小売価格は、前記送電経路が複数ある場合、送電経路毎に設定される、
    請求項3又は4に記載の電力取引システム。
  6. 前記小売価格は、前記需要者への給電開始までの時間に応じて設定される、
    請求項2から5の何れか一項に記載の電力取引システム。
  7. 前記送電可能電力は、前記供給者の供給可能電力を上限として、前記需要者に売電可能な電力が設定される、
    請求項2から6の何れか一項に記載の電力取引システム。
  8. 前記第2ブロックチェーンは、前記需要者への送電経路における送電予定容量又は使用率が所定値を超えている場合、当該需要者への売電が不可であると判定し、前記第1ブロックチェーンに対し売電不可を示す情報を通知する、
    請求項1から7の何れか一項に記載の電力取引システム。
  9. 前記第3ブロックチェーンは、前記需要者が希望する電力のカテゴリ、購入希望期間、希望買電量、及び前記需要者の位置情報を含む問い合わせ情報を前記第2ブロックチェーンに送信し、
    前記第2ブロックチェーンは、前記問い合わせ情報と、前記第2ブロックチェーンに登録されている情報とに基づいて、前記需要者への売電可否を含む応答を第3ブロックチェーンに送信する、
    請求項1から8の何れか一項に記載の電力取引システム。
  10. 前記第3ブロックチェーンは、接続された前記第2ブロックチェーンから取得した情報に基づいて、前記需要者により設定された第1条件を満たすカテゴリを選択し、当該カテゴリの電力を提供するアグリゲータを介して前記供給者から買電するためのスマートコントラクトを含むトランザクションを生成する、
    請求項1から9の何れか一項に記載の電力取引システム。
  11. 前記第1条件は、前記需要者の希望買電量、希望買電価格、電力が供給開始されるまでの応答時間、及び前記カテゴリの優先順位のうち、少なくとも一つを含む、
    請求項10に記載の電力取引システム。
  12. 前記第3ブロックチェーンは、前記第1条件を満たすカテゴリが複数ある場合、最も低い小売価格が設定されたカテゴリを選択して前記トランザクションを生成する、
    請求項11に記載の電力取引システム。
  13. 前記第3ブロックチェーンは、前記第1条件を満たすカテゴリが複数ある場合、最も早い応答時間が設定されたカテゴリを選択して前記トランザクションを生成する、
    請求項11に記載の電力取引システム。
  14. 前記第3ブロックチェーンは、前記第1条件を満たすカテゴリが複数ある場合、最も優先順位の高いカテゴリを選択して前記トランザクションを生成する、
    請求項11に記載の電力取引システム。
  15. 前記第3ブロックチェーンは、前記第1条件を満たすカテゴリのうち、複数のカテゴリを選択して前記トランザクションを生成する、
    請求項11に記載の電力取引システム。
  16. 前記第1ブロックチェーン及び前記第2ブロックチェーンは、前記トランザクションに基づいて、前記供給者及び前記アグリゲータにおいて前記需要者が希望する電力の受注可否を判断し、前記第1ブロックチェーン及び前記第2ブロックチェーンを通じて前記第3ブロックチェーンへ判断結果を通知し、
    前記第3ブロックチェーンは、受注不可を示す判断結果が通知された場合、前回選択したカテゴリとは異なるカテゴリを選択して新たなトランザクションを生成する、
    請求項10から15の何れか一項に記載の電力取引システム。
  17. 前記第1ブロックチェーンとの前記第2ブロックチェーンとの間、及び、前記第2ブロックチェーンと前記第3ブロックチェーンとの間は、それぞれインターレジャーを用いて通信可能に接続される、
    請求項1から16の何れか一項に記載の電力取引システム。
  18. 蓄電池所有者により予め設定されたカテゴリに対応する第2ブロックチェーンに接続可能であり、当該蓄電池所有者による電力の取引に係る情報が登録される第4ブロックチェーンを更に備える、
    請求項1から17の何れか一項に記載の電力取引システム。
  19. 前記第4ブロックチェーンは、接続された前記第2ブロックチェーンから取得した情報に基づいて、前記蓄電池所有者により設定された第2条件を満たすカテゴリを選択し、当該カテゴリの電力を提供するアグリゲータを介して前記供給者から買電するためのスマートコントラクトを含むトランザクションを生成する、
    請求項18に記載の電力取引システム。
  20. 前記第3ブロックチェーンは、接続された前記第2ブロックチェーンから取得した情報に基づいて、前記需要者により設定された第1条件を満たすカテゴリを選択し、当該カテゴリの電力を提供するアグリゲータを介して前記蓄電池所有者から買電するためのスマートコントラクトを含むトランザクションを生成する、
    請求項18又は19に記載の電力取引システム。
  21. 前記第2ブロックチェーンと前記第4ブロックチェーンとの間は、インターレジャーを用いて通信可能に接続される、
    請求項18から20の何れか一項に記載の電力取引システム。
  22. 前記第2ブロックチェーンは、前記アグリゲータにより設定された第3条件を満たす場合、登録された情報を他の第2ブロックチェーンと交換可能に接続される、
    請求項1から21の何れか一項に記載の電力取引システム。
  23. 前記第3条件は、地域内に存在する前記供給者の発電方法、供給者数、需要者数、季節、及び過去の取引履歴のうち少なくとも一つに応じて設定される、
    請求項22に記載の電力取引システム。
  24. 前記カテゴリは、前記供給者が供給する電力の発電方法、供給地域、及び発電規模のうち少なくとも一つに基づいて設定される、
    請求項1から21の何れか一項に記載の電力取引システム。
  25. 前記カテゴリは、前記アグリゲータのサービス提供範囲を複数の地域に分割し、当該地域それぞれに対応して設定される、
    請求項22又は23に記載の電力取引システム。
  26. 前記カテゴリは、複数の前記アグリゲータのサービス提供範囲それぞれに対応して設定される、
    請求項22又は23に記載の何れか一項に記載の電力取引システム。
  27. 第1ブロックチェーンに供給者の電力取引に係る情報を登録するステップと、
    前記供給者が供給する電力のカテゴリそれぞれに対応して複数設けられた第2ブロックチェーンそれぞれに、アグリゲータの前記カテゴリ別の電力取引に係る情報を登録するステップと、
    第3ブロックチェーンを複数の前記第2ブロックチェーンのうち、需要者により予め設定されたカテゴリに対応する第2ブロックチェーンに接続し、前記需要者の電力取引に係る情報を登録するステップと、
    を有する電力取引方法。
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