JP2021083492A - 脳血液量(cbv)の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 非侵襲的なASL法により取得した脳灌流画像に基づき脳血液量(CBV)を評価することが可能な脳組織内の脳血液量(CBV)の評価方法を提供する。【解決手段】 本発明の脳血液量(CBV)の評価方法は、被検体の頭部における撮像領域の上流側で動脈血にRFパルスを印加することにより血液をラベリングして、ラベリングされた血液が脳組織の全体に広く到達する時間(PLD)で脳灌流を反映した信号(ASL信号)を収集し、このASL信号の強度に基づき脳灌流を画像化するASL法により取得した脳灌流画像に基づき脳血液量(CBV)を評価する。【選択図】図2
Description
本発明は、脳組織内の脳血液量(CBV:cerebral blood volume)の評価方法に関し、特に、MRI(磁気共鳴画像法)装置を使用してASL(arterial spin labeling)法により取得した脳灌流画像に基づき脳血液量(CBV)を評価する方法に関する。
なお、ASL法とは、MRI装置を使用した脳血流量(CBF:cerebral blood flow)の評価方法の一つである。ASL法によれば、造影剤のような外因性トレーサを使用せずに脳血流量(CBF)を評価することができる。
脳血管障害、脳腫瘍、認知症、てんかん等により脳灌流圧が低下すると、脳血流量(CBF)を一定に保つために、脳血管の自動調節能による代償性脳血管拡張が生じ、脳血液量(CBV)が上昇する事が知られている。
このように、脳血液量(CBV)は脳灌流圧が低下した際に初期に変化するパラメターであり、脳血液量(CBV)の上昇は脳血管の拡張予備能とされる脳循環予備能(CVRC:cerebrovascular reserve capacity)を反映する。そのために脳血液量(CBV)又は脳循環予備能(CVRC)を簡便に、かつ非侵襲的に評価する方法が求められている。
従来、脳血液量(CBV)又は脳循環予備能(CVRC)を評価する方法としては、ポジトロン断層撮影法(PET)が最も一般的である。PETによれば、脳循環と脳代謝の同時測定によって脳循環予備能(CVRC)の解析が可能であるが、使用する施設が限られており、普及率と経済的な面で臨床的汎用性が低い。
したがって、一般臨床では、単一光子放射断層法(SPECT)が広く普及している。SPECTによれば、脳血管拡張物質であるアセタゾラミドの投与による反応性の低下が脳血液量(CBV)の増加を反映するために、アセタゾラミド負荷SPECTによる脳血液量(CBV)の増加率から脳血管の拡張状態を推測し、間接的に脳循環予備能(CVRC)を捉えることができる。しかしながら、SPECTで使用されるアセタゾラミドは侵襲性を有するため、その投与に関しては慎重を要する。
また、PETやSPECTはいずれも、放射性核種でラベリングされた化合物を放射性トレーサとして利用するため、放射線被曝の問題がある。したがって、PETやSPECTに変わる脳血液量(CBV)又は脳循環予備能(CVRC)の評価方法の開発及び普及、そしてそのような評価方法を利用した汎用装置の開発が望まれている。
一方、脳血流量(CBF)を評価する方法としては、MRI(磁気共鳴画像法)が一般的である。近年では、MRIの技術的進歩に伴い、造影剤をトレーサとして利用して脳血流量(CBF)を評価する方法(DSC法:dynamic susceptibility contrast)に代わって、造影剤のような外因性トレーサを使用せずに脳血流量(CBF)を評価する方法(ASL法:arterial spin labeling)が普及している。
ASL法は、RFパルス(Pulsed Radio Frequency)を照射することにより血液内のスピン(プロトン)をラベリング(磁気的に標識)し、このラベリングした血液を内因性トレーサとして利用することによって、灌流画像(組織の毛細血管又はそれに準ずる機能血管系における血流の動態を画像化したもの)を取得するものであり、造影剤が不要で、放射線被爆の問題もなく、限りなく非侵襲的な方法である。しかしながら、上述のように、ASL法では脳血流量(CBF)を評価することはできても、脳血液量(CBV)を評価することができない。
Buxton RB, Frank LR, Wong EC, Siewert B, Warach S, Edelman RR. A general kinetic model for quantitative perfusion imaging with arterial spin labeling. Magn Reson Med. 1998; 40(3):383-96.
Dai W, Robson PM, Shankaranarayanan A, Alsop DC. Magn Reson Med. Reduced resolution transit delay prescan for quantitative continuous arterial spin labeling perfusion imaging. 2012 May;67(5):1252-65.
本発明は上述のような事情に基づいてなされたものであり、非侵襲的なASL法により取得した脳灌流画像に基づき脳血液量(CBV)を評価することが可能な脳血液量(CBV)の評価方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第一に本発明は、被検体の頭部における撮像領域の上流側で動脈血にRFパルスを印加することにより血液をラベリングして、ラベリングされた血液が脳組織の全体に広く到達する時間(PLD)で脳灌流を反映した信号(ASL信号)を収集し、このASL信号の強度に基づき脳灌流を画像化するASL法により取得した脳灌流画像に基づき脳血液量(CBV)を評価する脳血液量(CBV)の評価方法を提供する(発明1)。
ASL法とは、MRI装置を用いて灌流画像を得るための撮像方法の一つである。ここで、MRI装置とは、MRI(磁気共鳴画像法)を用いた装置であって、原子核の核磁気共鳴現象を利用して、被検体の物理的性質を表す磁気共鳴画像を得る装置である。なお、「灌流」とは、組織の毛細血管又はそれに準ずる機能血管系における血流を意味する。ASL法とは、血液そのものをRFパルスを用いてラベリングし、このラベリングした血液を内因性トレーサとして利用することによって、灌流画像を取得する非侵襲的な方法である。ASL法では、まず、撮像領域における血流の上流側で動脈血にRFパルスが照射されることにより、血液のスピン(プロトン)の縦磁化が反転することで血液がラベリング(磁気的に標識)される。ラベリングされたスピンが血液によって移動し、組織内へ広く到達した時点で、高速に信号の収集を行うことにより組織の灌流を反映したASL信号を得ることができ、このASL信号の強度に基づき灌流が画像化される。
ASL法においては、ラベリングされた血液が組織の全体に広く到達する時間を待って信号の収集を行う必要があり、この待ち時間、すなわちRFパルスの印加が終了してから画像収集までの時間をPLD(post label delay)という。ASL法においては、単一のPLDで撮像を行う方法と、複数の異なるPLDで撮像を行う方法とがある。
かかる発明(発明1)によれば、非侵襲的なASL法により取得した脳灌流画像に基づき脳血液量(CBV)を評価することができる。
上記発明(発明1)においては、複数の異なるPLDにおいて、血管抑制を併用することにより主幹動脈の信号強度を排除した脳灌流画像を取得する第1工程と、前記第1工程で取得された複数の脳灌流画像を解析することによりパラメターを算出する第2工程と、前記第2工程で算出されたパラメターに基づき前記複数の脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出する第3工程と、前記第3工程で算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化に基づき脳組織内の脳血液量(CBV)を算出する第4工程とを備えることが好ましい(発明2)。
かかる発明(発明2)によれば、血管抑制を併用した複数の脳灌流画像を解析することにより算出されたパラメターに基づき、複数の脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出することができ、このASL信号強度(△M)の変化に基づき、脳血液量(CBV)を算出することができる。
上記発明(発明2)においては、前記第2工程において、前記第1工程で取得された複数の脳灌流画像を下記式(1)で解析することにより、脳組織内の脳血流量(CBF)、ラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)、ラベリングされた血液の脳組織への到達時定数(T1in)及びラベリングされた血液の脳組織からの流出時定数(T1out)をパラメターとして算出し、前記第3工程において、前記第2工程で算出されたパラメターと下記式(1)の既知値とを下記式(1)に当てはめることにより、前記複数の脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出し、前記第4工程において、前記脳組織内の脳血液量(CBV)を、前記ピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化の積分値と、前記ピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化のピーク値に当たる脳血流量(CBF)の積として算出することが好ましい(発明3)。
式(1)中、△MはASL信号強度、M0tは縦磁化が完全に回復した信号強度、T1aは血液の縦緩和時間、T1tは組織の縦緩和時間、λは組織血液間分配係数、αはラベル効率、βは静止組織信号強度補正係数、CBFは脳血流量、ATTはラベリングされた血液の組織への到達時間、LDはラベル印加時間、PLDはRFパルスの印加が終了してから画像収集までの時間、T1inはラベリングされた血液の組織への到達時定数、T1outはラベリングされた血液の組織からの流出時定数である。
式(1)中、△MはASL信号強度、M0tは縦磁化が完全に回復した信号強度、T1aは血液の縦緩和時間、T1tは組織の縦緩和時間、λは組織血液間分配係数、αはラベル効率、βは静止組織信号強度補正係数、CBFは脳血流量、ATTはラベリングされた血液の組織への到達時間、LDはラベル印加時間、PLDはRFパルスの印加が終了してから画像収集までの時間、T1inはラベリングされた血液の組織への到達時定数、T1outはラベリングされた血液の組織からの流出時定数である。
非特許文献1に記載のコンパートメントモデルによると、ASL法において、透過性表面積(PS)と脳血液量(CBV)が不変で組織内と組織外へのラベルの移行時間が一定と仮定すると、ラベル印可時間(LD)のASL信号強度(△M)は、脳血流量(CBF)とラベリングされた血液の組織への到達時間(ATT)をパラメターに含んだ下記式(2)で表すことができる。また、非特許文献2によると、下記式(2)を用いることにより、PLDがATTより長い場合は、脳血流量(CBF)以外の値を既知値とすることで、脳血流量(CBF)の値を算出することができる。
式(2)中、△MはASL信号強度、M0tは縦磁化が完全に回復した信号強度、T1aは血液の縦緩和時間、T1tは組織の縦緩和時間、λは組織血液間分配係数、αはラベル効率、βは静止組織信号強度補正係数、CBFは脳血流量、ATTはラベリングされた血液の組織への到達時間、LDはラベル印加時間、PLDはRFパルスの印加が終了してから画像収集までの時間である。
式(2)中、△MはASL信号強度、M0tは縦磁化が完全に回復した信号強度、T1aは血液の縦緩和時間、T1tは組織の縦緩和時間、λは組織血液間分配係数、αはラベル効率、βは静止組織信号強度補正係数、CBFは脳血流量、ATTはラベリングされた血液の組織への到達時間、LDはラベル印加時間、PLDはRFパルスの印加が終了してから画像収集までの時間である。
なお、非特許文献2によると、複数の異なるPLDで脳灌流画像を取得した場合、上記式(2)において、PLDとATTは独立していないために、ピクセル毎のATTも算出することができる。
ここで、脳血液量(CBV)のみが変動した場合、上記式(2)では細胞内及び細胞外への移行時間が変数化されるために、上記式(2)から、ラベリングされた血液の到達時定数(T1in)及びラベリングされた血液の流出時定数(T1out)を導入した下記式(1)を導出することができる。
式(1)中、△MはASL信号強度、M0tは縦磁化が完全に回復した信号強度、T1aは血液の縦緩和時間、T1tは組織の縦緩和時間、λは組織血液間分配係数、αはラベル効率、βは静止組織信号強度補正係数、CBFは脳血流量、ATTはラベリングされた血液の組織への到達時間、LDはラベル印加時間、PLDはRFパルスの印加が終了してから画像収集までの時間、T1inはラベリングされた血液の組織への到達時定数、T1outはラベリングされた血液の組織からの流出時定数である。
式(1)中、△MはASL信号強度、M0tは縦磁化が完全に回復した信号強度、T1aは血液の縦緩和時間、T1tは組織の縦緩和時間、λは組織血液間分配係数、αはラベル効率、βは静止組織信号強度補正係数、CBFは脳血流量、ATTはラベリングされた血液の組織への到達時間、LDはラベル印加時間、PLDはRFパルスの印加が終了してから画像収集までの時間、T1inはラベリングされた血液の組織への到達時定数、T1outはラベリングされた血液の組織からの流出時定数である。
また、非特許文献2によると、ASL法においては、疾患等の原因により、ラベリングされた血液の組織への到達時間(ATT)が異常に長い場合には、血管内信号が観察されることから分かるように、ASLの信号には主幹動脈の信号強度が含まれるため、血管の表示を抑制する血管抑制を併用することで、図1に示されるような主幹動脈の信号強度を排除した脳灌流画像を取得することができる。
以上より、かかる発明(発明3)によれば、上記式(1)を用いて算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化は、図2に示されるように、脳血流量(CBF)をピーク値とする2つのカーブを有する関数を構成するため、ASL信号強度(△M)の積分値とピーク値に当たる脳血流量(CBF)の積として、すなわち、図2のグラフの下面積に単位となる脳血流量(CBF)を掛けることによって、非侵襲的なASL法により取得した脳灌流画像に基づき、脳組織内の脳血液量(CBV)を算出することができる。
上記発明(発明3)においては、前記第3工程において、前記第2工程で算出されたラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)の値を、ラベル印加時間(LD)の値として使用することにより、前記複数の脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出することが好ましい(発明4)。
第3工程において、第2工程で算出されたラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)の値を、ラベル印加時間(LD)の値として使用すると、ASL信号強度(△M)の変化は、図3に示されるように、0から立ち上がり、ラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)で最大信号強度である脳血流量(CBF)の値に到達する関数を構成する。したがって、かかる発明(発明4)によれば、ASL信号強度(△M)の積分値とピーク値に当たる脳血流量(CBF)の積として、すなわち、図3のグラフの下面積に単位となる脳血流量(CBF)を掛けることにより、より精度の高い脳血液量(CBV)を算出することができる。
本発明の脳血液量(CBV)の評価方法によれば、非侵襲的なASL法により取得した脳灌流画像に基づき脳血液量(CBV)を評価することができる。
以下、本発明の脳血液量(CBV)の評価方法の実施の形態について、適宜図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであって、何ら本発明を限定するものではない。
本発明の脳血液量(CBV)の評価方法は、被検体の頭部における撮像領域の上流側で動脈血にRFパルスを印加することにより血液をラベリングして、ラベリングされた血液が脳組織の全体に広く到達する時間(PLD)で脳灌流を反映した信号(ASL信号)を収集し、このASL信号の強度に基づき脳灌流を画像化するASL法により取得した脳灌流画像に基づき脳血液量(CBV)を評価する方法であって、複数の異なるPLDにおいて、血管抑制を併用することにより主幹動脈の信号強度を排除した脳灌流画像を取得する第1工程と、第1工程で取得された複数の脳灌流画像を下記式(1)で解析することにより、脳組織内の脳血流量(CBF)、ラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)、ラベリングされた血液の脳組織への到達時定数(T1in)及びラベリングされた血液の脳組織からの流出時定数(T1out)をパラメターとして算出する第2工程と、第2工程で算出されたパラメターと下記式(1)の既知値とを下記式(1)に当てはめることにより、複数の脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出する第3工程と、第3工程で算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化に基づき脳組織内の脳血液量(CBV)を算出する第4工程とを主に備える。
式(1)中、△MはASL信号強度、M0tは縦磁化が完全に回復した信号強度、T1aは血液の縦緩和時間、T1tは組織の縦緩和時間、λは組織血液間分配係数、αはラベル効率、βは静止組織信号強度補正係数、CBFは脳血流量、ATTはラベリングされた血液の組織への到達時間、LDはラベル印加時間、PLDはRFパルスの印加が終了してから画像収集までの時間、T1inはラベリングされた血液の組織への到達時定数、T1outはラベリングされた血液の組織からの流出時定数である。
式(1)中、△MはASL信号強度、M0tは縦磁化が完全に回復した信号強度、T1aは血液の縦緩和時間、T1tは組織の縦緩和時間、λは組織血液間分配係数、αはラベル効率、βは静止組織信号強度補正係数、CBFは脳血流量、ATTはラベリングされた血液の組織への到達時間、LDはラベル印加時間、PLDはRFパルスの印加が終了してから画像収集までの時間、T1inはラベリングされた血液の組織への到達時定数、T1outはラベリングされた血液の組織からの流出時定数である。
〔第一実施形態〕
まず、本発明の第一実施形態に係る脳血液量(CBV)の評価方法について、図1及び図2を参照して詳説する。
まず、本発明の第一実施形態に係る脳血液量(CBV)の評価方法について、図1及び図2を参照して詳説する。
〈第1工程〉
第1工程では、まず、ASL法に従って、被検体の頭部における撮像領域の上流側で動脈血にRFパルスを印加することによって、血液をラベリングする。ラベリングされたが血液脳組織内へ広く到達する時間を待って、複数の異なるPLDにおいて高速に信号の収集を行うことによって、脳組織の灌流を反映したASL信号を収集する。この収集したASL信号の強度(△M)に基づき脳灌流を画像化することによって、複数のPLDにおける脳灌流画像を取得することができる。
第1工程では、まず、ASL法に従って、被検体の頭部における撮像領域の上流側で動脈血にRFパルスを印加することによって、血液をラベリングする。ラベリングされたが血液脳組織内へ広く到達する時間を待って、複数の異なるPLDにおいて高速に信号の収集を行うことによって、脳組織の灌流を反映したASL信号を収集する。この収集したASL信号の強度(△M)に基づき脳灌流を画像化することによって、複数のPLDにおける脳灌流画像を取得することができる。
第1工程においては、血管の表示を抑制する血管抑制が併用される。血管抑制を併用することにより、主幹動脈の信号強度を排除した脳灌流画像を取得する。図1は、ASL法により取得した複数の異なるPLDにおける血管抑制された脳灌流画像の一例である。
〈第2工程〉
第1工程で取得された複数の脳灌流画像は、主幹動脈の信号強度を排除した脳灌流画像である。したがって、第2工程においては、第1工程で取得された複数の脳灌流画像を上記式(1)で解析することにより、脳組織内の脳血流量(CBF)、ラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)、ラベリングされた血液の脳組織への到達時定数(T1in)及びラベリングされた血液の脳組織からの流出時定数(T1out)をパラメターとして算出する。
第1工程で取得された複数の脳灌流画像は、主幹動脈の信号強度を排除した脳灌流画像である。したがって、第2工程においては、第1工程で取得された複数の脳灌流画像を上記式(1)で解析することにより、脳組織内の脳血流量(CBF)、ラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)、ラベリングされた血液の脳組織への到達時定数(T1in)及びラベリングされた血液の脳組織からの流出時定数(T1out)をパラメターとして算出する。
〈第3工程〉
第3工程においては、第2工程で算出された4つのパラメターと上記式(1)におけるPLD等の既知値とを上記式(1)に当てはめることにより、複数の脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出する。上記式(1)を用いて算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化は、図2に示されるように、脳血流量(CBF)をピーク値とする2つのカーブを有する関数を構成する。
第3工程においては、第2工程で算出された4つのパラメターと上記式(1)におけるPLD等の既知値とを上記式(1)に当てはめることにより、複数の脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出する。上記式(1)を用いて算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化は、図2に示されるように、脳血流量(CBF)をピーク値とする2つのカーブを有する関数を構成する。
なお、上記式(1)式は、「T1t + T1in」と「T1t + T1out」という時定数で変化する。よって、図2は、複数の異なるPLDにおけるASL信号強度(△M)を縦軸にとり、CBFの値も縦軸にとるグラフとなる。
〈第4工程〉
第4工程においては、第3工程で算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化に基づき脳組織内の脳血液量(CBV)を算出する。上述のように、上記式(1)を用いて算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化は、図2に示されるように、脳血流量(CBF)をピーク値とする2つのカーブを有する関数を構成するため、ASL信号強度(△M)の積分値とピーク値に当たる脳血流量(CBF)の積として、すなわち、図2のグラフの下面積に単位となる脳血流量(CBF)を掛けることによって脳血液量(CBV)を算出することができる。
第4工程においては、第3工程で算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化に基づき脳組織内の脳血液量(CBV)を算出する。上述のように、上記式(1)を用いて算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化は、図2に示されるように、脳血流量(CBF)をピーク値とする2つのカーブを有する関数を構成するため、ASL信号強度(△M)の積分値とピーク値に当たる脳血流量(CBF)の積として、すなわち、図2のグラフの下面積に単位となる脳血流量(CBF)を掛けることによって脳血液量(CBV)を算出することができる。
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態に係る脳血液量(CBV)の評価方法について、図1及び図3を参照して詳説する。なお、第二実施形態に係る脳血液量(CBV)の評価方法は、上述の第一実施形態に係る脳血液量(CBV)の評価方法と第3工程及び第4工程の内容に異なる点がある以外は同様であるため、第1工程及び第2工程については説明を省略する。
次に、本発明の第二実施形態に係る脳血液量(CBV)の評価方法について、図1及び図3を参照して詳説する。なお、第二実施形態に係る脳血液量(CBV)の評価方法は、上述の第一実施形態に係る脳血液量(CBV)の評価方法と第3工程及び第4工程の内容に異なる点がある以外は同様であるため、第1工程及び第2工程については説明を省略する。
〈第3工程〉
第3工程においては、第2工程で算出された4つのパラメターと上記式(1)におけるPLD等の既知値とを上記式(1)に当てはめることにより、複数の脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出する。このとき、本実施形態においては、第2工程で算出されたラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)の値を、ラベル印加時間(LD)の値として使用することにより、複数の脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出する。
第3工程においては、第2工程で算出された4つのパラメターと上記式(1)におけるPLD等の既知値とを上記式(1)に当てはめることにより、複数の脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出する。このとき、本実施形態においては、第2工程で算出されたラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)の値を、ラベル印加時間(LD)の値として使用することにより、複数の脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出する。
第3工程において、第2工程で算出されたラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)の値を、ラベル印加時間(LD)の値として使用することにより、上記式(1)を用いて算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化は、図3に示されるように、0から立ち上がり、ラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)で最大信号強度である脳血流量(CBF)の値に到達する関数を構成する。
上述のように、上記式(1)式は、「T1t + T1in」と「T1t + T1out」という時定数で変化するため、図2と同様に、図3は、複数の異なるPLDにおけるASL信号強度(△M)を縦軸にとり、CBFの値も縦軸にとるグラフとなる。
〈第4工程〉
第4工程においては、第3工程で算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化に基づき脳組織内の脳血液量(CBV)を算出する。上述のように、本実施形態において、上記式(1)を用いて算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化は、図3に示されるように、0から立ち上がり、ラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)で最大信号強度である脳血流量(CBF)の値に到達する関数を構成するため、ASL信号強度(△M)の積分値とピーク値に当たる脳血流量(CBF)の積として、すなわち、図3のグラフの下面積に単位となる脳血流量(CBF)を掛けることによって、より精度の高い脳血液量(CBV)を算出することができる。
第4工程においては、第3工程で算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化に基づき脳組織内の脳血液量(CBV)を算出する。上述のように、本実施形態において、上記式(1)を用いて算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化は、図3に示されるように、0から立ち上がり、ラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)で最大信号強度である脳血流量(CBF)の値に到達する関数を構成するため、ASL信号強度(△M)の積分値とピーク値に当たる脳血流量(CBF)の積として、すなわち、図3のグラフの下面積に単位となる脳血流量(CBF)を掛けることによって、より精度の高い脳血液量(CBV)を算出することができる。
より具体的には、上記式(1)を用いて算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を表す関数において、2つのカーブの下の1秒当たりの1分間の面積が脳血液量(CBV)に相当する値となるため、第4工程において、脳血液量(CBV)は、上記式(1)を用いて算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を60秒で積分した値と単位となる脳血流量(CBF)の積として算出することができる。
なお、本発明においては、上述の脳血液量(CBV)の評価方法における算出工程(第2工程から第4工程)を、例えばプログラムとして用いてコンピュータ(例えば汎用のパーソナルコンピュータ等)に実行させることができる。このプログラムは、第2工程から第4工程を用いていれば特に限定されず、公知の手段を用いて作成されてもよい。
以下、上記プログラムをコンピュータに実行させる態様につき、図5及び図6に基づき説明するが、本発明はこれら図面に記載の内容に限定されるものではない。
図5は、本発明の脳血液量(CBV)の評価方法における算出工程(第2工程から第4工程)を実行する算出装置の構成を示すブロック図である。演算部100はCPUを備え、入力部101、記憶部102、プログラムメモリ103及び表示部104と接続されている。入力部101は、例えば、キーボードやタッチパネル等からなり、文字や数値等を入力可能に構成されている。また、入力部101は、MRI装置と直接または間接的に接続されていて、MRI装置から発信された複数の異なるPLDにおける血管抑制された脳灌流画像データ及び既知値を入力部101が受信するように構成されていてもよい。記憶部102は、プログラムを使用するに際して、所定の情報を記憶する。プログラムメモリ103には、上記式(1)、(2)等の数式データを含む動作プログラムが格納されている。演算部100では、入力部101で入力された複数の脳灌流画像データ及び既知値を、プログラムメモリ103に格納されている数式にあてはめ、脳血液量(CBV)を算出する。
図6は、上記のプログラムの実行手順を示すフローチャートである。まずMRI装置の複数の脳灌流画像データ及び既知値を入力する(201)。入力された複数の脳灌流画像データ及び既知値が不適合である場合には、エラーとなり、入力をし直す。次に、入力された複数の脳灌流画像データに基づき、脳組織内の脳血液量(CBV)を算出する(202)。具体的には、上記式(1)で解析することによりパラメターを算出し(第2工程)、算出されたパラメターと入力された既知値とを上記式(1)に当てはめることにより複数の脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出し(第3工程)、最後に算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化に基づき脳組織内の脳血液量(CBV)を算出する(第4工程)。このとき、算出結果が、例えば負の値等の場合にはエラーとなり、再度、入力からやり直す。算出結果が正常である場合には、算出結果を表示する(203)。
なお、上述の実施形態では、図5に記載の機能ブロックが、CPUのプログラムにより主としてソフトウェア的に実現される例について述べたが、電子部品により主としてハードウェア的に実現されるものであってもよい。
以上、本発明について図面を参照にして説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更実施が可能である。例えば、上記実施形態においては、ASL法により取得した複数の異なるPLDにおける血管抑制された脳灌流画像の例として、図1に示す7つの異なるPLDにおける脳灌流画像を用いているが、PLDの数はこれに限られるものではない。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳説するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
上記第一実施形態及び上記第二実施形態に係る脳血液量(CBV)の評価方法を用いて、脳組織内の脳血液量(CBV)を算出した。なお、本実施例においては、以下に示す7つの異なるPLDにおいて脳灌流画像を取得した。PLD:0.7s、0.99s、1.3s、1.65s、2.07s、2.58s、3.3s。
まず、第1工程として、ASL法に従って、上記7つの異なるPLDにおいて高速に信号の収集を行うことによって、脳組織の灌流を反映したASL信号を収集した。なお、第1工程においては、血管の表示を抑制する血管抑制を併用した。収集したASL信号の強度(△M)に基づき脳灌流を画像化することによって、各PLDにおける脳灌流画像を取得した。図1は、取得した上記7つのPLDにおける脳灌流画像を示している。
第2工程として、図1に示す7つの異なるPLDにおける脳灌流画像を、下記式(1)で解析することにより、脳組織内の脳血流量(CBF)、ラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)、ラベリングされた血液の脳組織への到達時定数(T1in)及びラベリングされた血液の脳組織からの流出時定数(T1out)をパラメターとして算出した。
式(1)中、△MはASL信号強度、M0tは縦磁化が完全に回復した信号強度、T1aは血液の縦緩和時間、T1tは組織の縦緩和時間、λは組織血液間分配係数、αはラベル効率、βは静止組織信号強度補正係数、CBFは脳血流量、ATTはラベリングされた血液の組織への到達時間、LDはラベル印加時間、PLDはRFパルスの印加が終了してから画像収集までの時間、T1inはラベリングされた血液の組織への到達時定数、T1outはラベリングされた血液の組織からの流出時定数である。
式(1)中、△MはASL信号強度、M0tは縦磁化が完全に回復した信号強度、T1aは血液の縦緩和時間、T1tは組織の縦緩和時間、λは組織血液間分配係数、αはラベル効率、βは静止組織信号強度補正係数、CBFは脳血流量、ATTはラベリングされた血液の組織への到達時間、LDはラベル印加時間、PLDはRFパルスの印加が終了してから画像収集までの時間、T1inはラベリングされた血液の組織への到達時定数、T1outはラベリングされた血液の組織からの流出時定数である。
第3工程として、算出された4つのパラメターと上記式(1)におけるPLD等の既知値とを上記式(1)に当てはめることにより、図1に示す7つの異なるPLDにおける脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出した。算出結果を表1及び図4に示す。図4は、表1のASL信号強度(△M)の変化を示すグラフである。
図4において、破線で示される実施例1は上記第一実施形態に係る脳血液量(CBV)の評価方法を用いた値であって、実線で示される実施例2は上記第二実施形態に係る脳血液量(CBV)の評価方法を用いた値である。すなわち、実施例2では、第2工程で算出されたラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)の値を、ラベル印加時間(LD)の値として使用することにより、複数の異なるPLDにおける脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出した。
ここで、上記式(1)式は、「T1t + T1in」と「T1t + T1out」という時定数で変化する。よって、図4は、上記7つの異なるPLDにおけるASL信号強度(△M)を縦軸にとり、CBFの値も縦軸にとるグラフとなる。
第4工程として、実施例1及び実施例2のそれぞれについて、図4に示すグラフの下面積に単位となる脳血流量(CBF)を掛けることによって脳血液量(CBV)を算出した。算出した実施例1の脳血液量(CBV)の値は、約3.89(mL/100g)であり、実施例2の脳血液量(CBV)の値は、3.802(mL/100g)であった。
実施例2では、上記式(1)を用いて算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化は、図4に示されるように、0から立ち上がり、ラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)で最大信号強度である脳血流量(CBF)の値に到達する関数を構成するため、実施例2で算出された脳血液量(CBV)の値が、実施例1で算出された脳血液量(CBV)の値よりも精度が高いことが分かる。
以上説明したように、本発明の脳血液量(CBV)の評価方法によれば、上記式(1)を用いて算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化は、図2に示されるように、脳血流量(CBF)をピーク値とする2つのカーブを有する関数を構成するため、ASL信号強度(△M)の積分値とピーク値に当たる脳血流量(CBF)の積として、すなわち、図2のグラフの下面積に単位となる脳血流量(CBF)を掛けることによって、非侵襲的なASL法により取得した脳灌流画像に基づき脳組織内の脳血液量(CBV)を算出することができる。
また、本発明の脳血液量(CBV)の評価方法によれば、第3工程において、第2工程で算出されたラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)の値を、ラベル印加時間(LD)の値として使用することにより、上記式(1)を用いて算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化は、図3に示されるように、0から立ち上がり、ラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)で最大信号強度である脳血流量(CBF)の値に到達する関数を構成するため、ASL信号強度(△M)の積分値とピーク値に当たる脳血流量(CBF)の積として、すなわち、図3のグラフの下面積に単位となる脳血流量(CBF)を掛けることによって、より精度の高い脳血液量(CBV)を算出することができる。
本発明は、MRI装置を使用して簡便かつ非侵襲的に脳血液量(CBV)を算出することができるため有用である。
Claims (4)
- 被検体の頭部における撮像領域の上流側で動脈血にRFパルスを印加することにより血液をラベリングして、ラベリングされた血液が脳組織の全体に広く到達する時間(PLD)で脳灌流を反映した信号(ASL信号)を収集し、このASL信号の強度に基づき脳灌流を画像化するASL法により取得した脳灌流画像に基づき脳血液量(CBV)を評価する脳血液量(CBV)の評価方法。
- 複数の異なるPLDにおいて、血管抑制を併用することにより主幹動脈の信号強度を排除した脳灌流画像を取得する第1工程と、
前記第1工程で取得された複数の脳灌流画像を解析することによりパラメターを算出する第2工程と、
前記第2工程で算出されたパラメターに基づき前記複数の脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出する第3工程と、
前記第3工程で算出されたピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化に基づき脳組織内の脳血液量(CBV)を算出する第4工程とを備える請求項1に記載の脳血液量(CBV)の評価方法。 - 前記第2工程において、前記第1工程で取得された複数の脳灌流画像を下記式(1)で解析することにより、脳組織内の脳血流量(CBF)、ラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)、ラベリングされた血液の脳組織への到達時定数(T1in)及びラベリングされた血液の脳組織からの流出時定数(T1out)をパラメターとして算出し、
前記第3工程において、前記第2工程で算出されたパラメターと下記式(1)の既知値とを下記式(1)に当てはめることにより、前記複数の脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出し、
前記第4工程において、前記脳組織内の脳血液量(CBV)を、前記ピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化の積分値と、前記ピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化のピーク値に当たる脳血流量(CBF)の積として算出する請求項2に記載の脳血液量(CBV)の評価方法。
式(1)中、△MはASL信号強度、M0tは縦磁化が完全に回復した信号強度、T1aは血液の縦緩和時間、T1tは組織の縦緩和時間、λは組織血液間分配係数、αはラベル効率、βは静止組織信号強度補正係数、CBFは脳血流量、ATTはラベリングされた血液の組織への到達時間、LDはラベル印加時間、PLDはRFパルスの印加が終了してから画像収集までの時間、T1inはラベリングされた血液の組織への到達時定数、T1outはラベリングされた血液の組織からの流出時定数である。 - 前記第3工程において、前記第2工程で算出されたラベリングされた血液の脳組織への到達時間(ATT)の値を、ラベル印加時間(LD)の値として使用することにより、前記複数の脳灌流画像のピクセル毎のASL信号強度(△M)の変化を算出する請求項3に記載の脳血液量(CBV)の評価方法。
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