JP2021081284A - 分子センサ、及び分子センサシステム - Google Patents

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橋本 裕介
Yusuke Hashimoto
裕介 橋本
紘輝 重野
Hiroki Shigeno
紘輝 重野
剛士 植田
Takeshi Ueda
剛士 植田
久也 小林
Hisaya Kobayashi
久也 小林
康洋 森
Yasuhiro Mori
康洋 森
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Abstract

【課題】分子を検出する機能を劣化しにくくすること。【解決手段】分子センサ1は、酸化物半導体10と、フィルタ3と、を備える。酸化物半導体10は、外気に晒される検出面11を有する。フィルタ3は、樹脂材料により形成され、酸化物半導体10の検出面11と対向して配置され、検出面11の少なくとも一部を覆って酸化物半導体10にとっての被毒物質の検出面11への通過を規制する。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に分子センサ、及び分子センサシステムに関する。より詳細には、本開示は、外気に含まれる分子を検出する分子センサ、及び分子センサシステムに関する。
特許文献1には、ガス検知部を備えたガス警報器が開示されている。ガス検知部は、水素ガスと、可燃性ガスとを選択的に検知することができる、例えば金属酸化物半導体をガスセンサ素子とする半導体式ガスセンサを備えている。ガス検知部は、検出対象ガスである水素ガス、可燃性ガスのそれぞれのガス濃度を、ガスセンサ素子のセンサ抵抗、つまりガスセンサのセンサ抵抗値として検出し、CPU(Central Processing Unit)に通知する。
特開2007−3421号公報
本開示は、分子を検出する機能が劣化しにくい分子センサ、及び分子センサシステムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る分子センサは、酸化物半導体と、フィルタと、を備える。前記酸化物半導体は、外気に晒される検出面を有する。前記フィルタは、樹脂材料により形成され、前記酸化物半導体の前記検出面と対向して配置され、前記検出面の少なくとも一部を覆って前記酸化物半導体にとっての被毒物質の前記検出面への通過を規制する。
本開示の一態様に係る分子センサシステムは、施設に設置される上記の分子センサと、前記分子センサの検出結果を出力する出力部と、を備える。
本開示は、分子を検出する機能が劣化しにくい、という利点がある。
図1は、本開示の一実施形態に係る分子センサの構成を示す分解斜視図である。 図2は、同上の分子センサを備える分子センサシステムを示すブロック図である。 図3は、同上の分子センサシステムの適用例を示す概要図である。 図4は、同上の分子センサにおける酸化物半導体の構造を示す概要図である。 図5は、同上の分子センサにおける酸化物半導体の他の構造を示す概要図である。 図6は、同上の分子センサにおけるフィルタの要部の断面図である。 図7は、同上の分子センサシステムにおける酸化物半導体の温度と出力電流との相関図である。 図8は、同上の分子センサシステムにおける電流供給部が供給する電流の一例を示す波形図である。 図9は、同上の分子センサシステムの動作を示すフローチャートである。 図10は、同上の分子センサシステムにおける電流供給部が供給する電流の他の一例を示す波形図である。 図11は、同上の分子センサシステムの変形例を示すブロック図である。
(1)概要
本実施形態に係る分子センサシステム100(図2参照)は、図1に示すような分子センサ1により、外気中に浮遊する分子を検出するために用いられる。本実施形態では、分子センサ1は、例えば、戸建住宅若しくは集合住宅等の住宅の施設、又は、事務所、店舗若しくは介護施設等の非住宅の施設に導入される。そして、分子センサ1は、図3に示すように、施設(ここでは、住宅)C1の壁又は天井等の建材に設置され、施設C1の周囲(施設C1の内部又は外部)に浮遊する分子を検出するために用いられる。その他、分子センサ1は、施設C1の建材に設置されたコンセントに内蔵されていてもよい。また、分子センサ1は、シール状に構成されていれば、施設C1の建材に貼り付ける形で取り付けられてもよい。
ここで、分子センサシステム100は、図2に示すように、施設C1に設置される分子センサ1と、分子センサ1の検出結果を出力する出力部8と、を備えている。出力部8は、有線通信インタフェース又は無線通信インタフェースを有しており、分子センサ1に電気的に接続されている。出力部8は、分子センサ1から分子センサ1の検出結果を取得する。ここでいう「検出結果」は、一例として、分子センサ1の酸化物半導体10(後述する)を流れる電流の測定値、又は分析部5(後述する)による分子センサ1で検出された分子の分析結果等を含み得る。そして、出力部8は、分子センサ1から取得した検出結果を、通信インタフェースを介して外部装置に出力する。外部装置は、一例として、サーバ装置、分電盤、又はHEMS(Home Energy Management System)の管理装置等を含み得る。
したがって、本実施形態では、出力部8から出力された分子センサ1の検出結果を参照することにより、種々の用途に役立てることができる、という利点がある。例えば、分子センサシステム100を火災警報器に採用した場合、一酸化炭素、アルデヒド類、又はシアン化水素等の比較的火災の初期で発生し得る分子(ガス)を検出することで、火災の発生を速やかに検出することが可能になる。また、例えば、分子センサ1の検出結果を参照することにより、施設C1の建材から発生し得る臭い分子を検出することで、施設C1の劣化診断に役立てることが可能になる。また、分子センサシステム100を利用すれば、分子センサ1の検出結果(言い換えれば、施設C1の建材)についての膨大なデータ、すなわちビッグデータを取得することも可能になる。したがって、分子センサシステム100を利用することで、収集したビッグデータ、又はビッグデータに基づく解析データを提供するサービス事業を実現することも可能である。
本実施形態の分子センサ1は、図1に示すように、酸化物半導体10と、フィルタ3と、を備える。
酸化物半導体10は、外気に晒される検出面11を有する。したがって、分子センサ1を所定の環境に設置することにより、酸化物半導体10には、外気中を浮遊する分子が吸着する。詳しくは後述するが、本実施形態では、分子センサ1は半導体式の分子センサであって、酸化物半導体10の検出面11に吸着した分子、特には酸化物半導体10との間で化学反応を起こす分子(還元性ガス)を検出する。
フィルタ3は、樹脂材料により形成され、酸化物半導体10の検出面11と対向して配置される。フィルタ3は、検出面11の少なくとも一部を覆って酸化物半導体10にとっての被毒物質A1(図6参照)の検出面11への通過を規制する。
本開示でいう「被毒物質」は、酸化物半導体10の検出面11に吸着することにより、検出面11での被毒物質A1以外の分子の吸着を妨げる等して、分子センサ1の分子を検出する性能に悪影響を及ぼす物質をいう。酸化物半導体10の検出面11に被毒物質A1が吸着すると、場合によっては、分子センサ1の分子を検出する性能の劣化を招き、結果として分子センサ1の寿命が短くなる可能性がある。本実施形態では、被毒物質A1は、一例としてシロキサン(siloxane)である。その他、被毒物質A1は、二酸化硫黄、又は水蒸気(水クラスタ)等が挙げられる。
上述のように、本実施形態ではフィルタ3を備えているので、フィルタ3により被毒物質A1が酸化物半導体10の検出面11に吸着するのを防ぎやすく、結果として分子を検出する機能が劣化しにくい、という利点がある。
また、本実施形態の分子センサ1は、図1及び図2に示すように、酸化物半導体10と、駆動部4と、を備える。言い換えれば、本実施形態の分子センサ1は、上述の酸化物半導体10及びフィルタ3に加えて、駆動部4を更に備える。
駆動部4は、酸化物半導体10にとっての被毒物質A1が変質しない温度で酸化物半導体10を駆動させる。本開示でいう「酸化物半導体を駆動させる」とは、酸化物半導体10の状態を、酸化物半導体10の検出面11に吸着した分子(還元性ガス)が酸化物半導体10との間で化学反応(ここでは、酸素の脱離反応)を起こし得る状態にさせることをいう。一例として、駆動部4を備えていない場合、酸化物半導体10を高温(例えば、数百℃)になるまで加熱することにより、酸化物半導体10が駆動される。そして、駆動部4は、検出面11に吸着する分子と酸化物半導体10との化学反応を促進させる触媒13を酸化物半導体10に含有させることで構成されている。
上述のように、本実施形態では駆動部4を備えているので、被毒物質A1が変質しない温度で酸化物半導体10を駆動させることが可能である。このため、本実施形態では、被毒物質A1が変質した状態で酸化物半導体10の検出面11に吸着するのを防ぎやすく、結果として分子を検出する機能が劣化しにくい、という利点がある。
また、本実施形態の分子センサシステム100は、図2に示すように、上述の酸化物半導体10を備える分子センサ1と、分析部5と、を備える。
分析部5は、酸化物半導体10の検出面11に吸着した分子を分析する。つまり、分析部5は、酸化物半導体10の検出面11に吸着した分子、特には酸化物半導体10との間で化学反応を起こす分子が、どのような種類の分子であるかを特定する。
そして、本実施形態では、分析部5は、酸化物半導体10の温度を変化させ、酸化物半導体10の温度変化に伴って変化する酸化物半導体10を流れる電流に基づいて、分子を分析する。すなわち、検出面11に吸着した分子と酸化物半導体10との化学反応が活性化する温度は、基本的に分子の種類ごとに異なっている。このため、分析部5は、酸化物半導体10の温度を変化させ、酸化物半導体10の温度と、酸化物半導体10を流れる電流との相関に基づいて、検出面11に吸着した分子の種類を特定する。
上述のように、本実施形態では分析部5を備えているので、酸化物半導体10の検出面11に複数種類の分子が吸着した場合でも、複数種類の分子を区別して検出しやすい、という利点がある。
また、本実施形態の分子センサシステム100は、図2に示すように、分子センサ1と、電流供給部6と、を備える。言い換えれば、本実施形態の分子センサシステム100は、上述の分子センサ1及び分析部5に加えて、電流供給部6を更に備える。
電流供給部6は、酸化物半導体10を加熱する加熱機構7に電流を供給して酸化物半導体10の温度を変化させる。加熱機構7は、電流が流れることにより、電流の大きさに応じた大きさの熱を酸化物半導体10に与える。加熱機構7は、酸化物半導体10の近傍に設置されて酸化物半導体10に間接的に熱を与える態様であってもよいし、酸化物半導体10自身が発熱する(つまり、自己発熱する)ことにより、酸化物半導体10に直接的に熱を与える態様であってもよい。
そして、本実施形態では、電流供給部6は、加熱機構7にパルス電流を供給して酸化物半導体10の温度を変化させる。つまり、電流供給部6は、加熱機構7に対して途絶えることなく連続して電流を供給するのではなく、間欠的に電流を供給することで、酸化物半導体10の温度を変化させる。
上述のように、本実施形態では電流供給部6を備えているので、加熱機構7に対して途絶えることなく電流を連続して供給する場合と比較して、消費電力を低減することができる、という利点がある。
(2)詳細
以下、本実施形態の分子センサシステム100について、図面を参照して詳細に説明する。分子センサシステム100は、図2に示すように、分子センサ1と、分析部5と、電流供給部6と、出力部8と、を備えている。本実施形態では、分子センサ1、分析部5、電流供給部6、及び出力部8は、いずれも1つの耐熱性を有する筐体に収容されている、と仮定する。そして、分子センサ1は、図3に示すように、筐体を施設C1の建材等に取り付けることにより、施設C1に設置されている、と仮定する。
本実施形態では、分析部5及び電流供給部6は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにて実現されており、1以上のプロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが分析部5及び電流供給部6として機能する。プログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、コンピュータシステムは、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で構成されてもよい。
分子センサ1は、半導体式の分子センサであって、図1及び図2に示すように、酸化物半導体10と、基板2と、フィルタ3と、駆動部4と、加熱機構7と、を備えている。本実施形態では、後述するように、駆動部4及び加熱機構7は、いずれも酸化物半導体10に備わっている。
酸化物半導体10は、例えば酸化スズ(SnO)等の半導体材料により、全体として板状に形成されている。酸化物半導体10の厚さ方向の両面のうち、上面はフィルタ3を介して外気に晒される検出面11である。また、酸化物半導体10の厚さ方向の両面のうち、下面は基板2に実装される実装面である。
酸化物半導体10は、高温(例えば、数百℃)に晒された状態において、検出面11に分子が吸着すると、吸着した分子に応じて電気抵抗が変化する。すなわち、分子センサ1が検出対象とする分子(例えば、一酸化炭素(CO)等)が存在しない環境においては、空気中の酸素が酸化スズ分子の電子を補足し、分子表面に吸着する。これにより、酸化スズ分子の表面には空乏層が形成されるため、酸化物半導体10の電気抵抗が増大する、言い換えれば酸化物半導体10に電流が流れにくくなる。
一方、分子センサ1が検出対象とする分子が存在する環境においては、検出面11に吸着した分子(還元性ガス)が、酸化スズ分子の表面に吸着した酸素と反応することにより、酸素が酸化スズ分子の表面から取り除かれる。これにより、酸化スズ分子の表面に形成された空乏層が小さくなることで、酸化物半導体10の電気抵抗が減少する、言い換えれば酸化物半導体10に電流が流れやすくなる。
本実施形態では、酸化物半導体10は、複数のナノ構造体12の集合体である。つまり、酸化物半導体10は、全体としてナノメートルオーダーで構成されているのではなく、ナノメートルオーダーの複数のナノ構造体12の集合体として構成されている。ナノ構造体12は、例えば図4に示すように、ナノワイヤ121である。ナノワイヤ121は、酸化物半導体10の材料を液槽で自己成長させることで形成可能である。ナノワイヤ121の線径は、例えば数十nmである。また、ナノワイヤ121の長さは、マイクロメートルオーダーである。酸化物半導体10は、複数本のナノワイヤ121が、ナノワイヤ121間に隙間が空くように束ねられることで構成されている。したがって、ナノワイヤ121間の隙間に分子が入り込んでナノワイヤ121に吸着しやすくなっている。
また、ナノ構造体12は、例えば図5に示すように、インバース・オパール構造の架橋122である。架橋122は、樹脂の球を多数並べ、これらの球を酸化物半導体10の材料にて互いに結合させた状態で球を除去することで形成される。したがって、球が除去された部位が孔となるため、複数の架橋122の集合体である酸化物半導体10は、多孔質構造となる。
上述のように、本実施形態では、酸化物半導体10は、複数のナノ構造体12の集合体である。このため、本実施形態では、酸化物半導体10の検出面11の表面積を大きくすることができるので、検出面11に吸着する分子の量を大きくすることができ、結果として分子を検出する感度を向上しやすい、という利点がある。
本実施形態では、酸化物半導体10は、複数種類(ここでは、3種類)の触媒13を有している。特に、本実施形態では、複数種類の触媒13は、混合して酸化物半導体10に含有されている。複数種類の触媒13は、それぞれ検出面11に吸着する分子と酸化物半導体10との化学反応を促進させる物質である。触媒13は、例えば白金(Pt)、Pb(鉛)、又はAg(銀)等の金属を含み得る。複数種類の触媒13は、それぞれ検出面11に吸着する分子との間での化学反応が活性化する温度が互いに異なっている。図1及び図7に示すように、複数種類の触媒13のうちの第1触媒131は、酸化物半導体10の温度がt0〜t1[℃]の領域で最も活性化し、第2触媒132は、酸化物半導体10の温度がt1〜t2[℃]の領域で最も活性化する。また、複数種類の触媒13のうちの第3触媒133は、酸化物半導体10の温度がt2[℃]よりも大きい領域で最も活性化する。
基板2は、図1に示すように、平面視で(つまり、基板2の厚さ方向から見て)矩形状に形成されており、その面積は酸化物半導体10よりも大きく、フィルタ3と殆ど同等である。基板2の厚さ方向の一面(上面)には、外部電源B1から電圧が印加される(つまり、電流が供給される)一対の電極20が形成されている。
一対の電極20は、いずれも櫛形電極であり、第1電極片21と、複数(ここでは、2つ)の第2電極片22と、で構成されている。第1電極片21は、酸化物半導体10の長さ方向に長さを有しており、外部電源B1の一端に電気的に接続されている。第2電極片22は、酸化物半導体10の幅方向に長さを有しており、第1電極片21から延びている。一対の電極20のうち一方の電極20の複数の第2電極片22と、他方の電極20の複数の第2電極片22とは、酸化物半導体10の長さ方向において互い違いに並ぶように配置されている。そして、酸化物半導体10は、少なくとも各電極20の複数の第2電極片22の一部を覆うように、基板2に実装されている。つまり、酸化物半導体10は、一対の電極20に電気的に接続されるように、基板2の一面(上面)に実装されている。したがって、外部電源B1から一対の電極20に電流が供給されることにより、酸化物半導体10にも電流が流れるようになっている。
上述のように、本実施形態では、一対の電極20が形成された基板2に、一対の電極20に電気的に接続されるように酸化物半導体10が実装されている。このため、本実施形態では、分子を検出する機能を実現するにあたって、酸化物半導体10に電流を流しやすい、という利点がある。言い換えれば、本実施形態では、電極20が形成された基板2に酸化物半導体10を実装するという比較的簡易な設計により、分子を検出する機能を実現することができる。
フィルタ3は、樹脂材料により形成されており、酸化物半導体10の検出面11の上方にて検出面11と対向するように配置されている。そして、本実施形態では、フィルタ3は、検出面11の全体を覆うことで、被毒物質A1の検出面11への通過を規制している。フィルタ3は、図1に示すように平面視で矩形状に形成されている。つまり、本実施形態では、フィルタ3は、板状である。このため、本実施形態のように酸化物半導体10の検出面11が平面である場合に、フィルタ3により検出面11を覆いやすい、という利点がある。
本実施形態では、フィルタ3は、複数のナノ構造体12をそれぞれ被覆している。具体的には、本実施形態では、既に述べたように、酸化物半導体10は、複数のナノ構造体12として複数のナノワイヤ121(又は架橋122)を有している。そして、フィルタ3は、酸化物半導体10の表面を被覆するのではなく、複数のナノワイヤ121(又は架橋122)の各々の表面を被覆している。このようなフィルタ3は、例えばフィルタ3を構成する樹脂材料を複数のナノワイヤ121(又は架橋122)間の隙間に浸漬させた状態で、樹脂材料を固化させることで形成することが可能である。
本実施形態では、フィルタ3は、図6に示すように、多数の孔30を有する多孔質構造である。そして、孔30は、被毒物質A1が通過することができない程度の径寸法である。つまり、フィルタ3は、被毒物質A1の検出面11への通過を規制する寸法で形成された孔30を有している。したがって、分子センサ1の外部に浮遊する分子のうち、孔30を通過可能な径寸法の分子は、フィルタ3の1以上の孔30の底部31を通過することで、酸化物半導体10の検出面11に到達することが可能である。一方、分子センサ1の外部に浮遊する分子のうち、孔30の底部31よりも径寸法の大きな分子(ここでは、被毒物質A1)は、フィルタ3の孔30の底部31を通過できないことから、酸化物半導体10の検出面11に到達することができない。
上述のように、本実施形態では、被毒物質A1が孔30を通過しにくいことから、酸化物半導体10の検出面11に被毒物質A1が吸着しにくくなる、という利点がある。つまり、本実施形態では、分子センサ1は、フィルタ3を用いることにより、分子センサ1の外部に浮遊する分子のうち、検出面11に吸着させたくない分子(ここでは、被毒物質A1)を選択的に除去することが可能である。
また、本実施形態では、孔30は、被毒物質A1の二次吸着が可能な寸法で形成されている。ここでいう「二次吸着」は、図6に示すように、孔30の内面32及び/又は孔30の周囲の表面に一次吸着した分子に対して、更に分子が吸着することをいう。ここでいう「一次吸着」は、孔30を通過することなく孔30の内面32及び/又は孔30の周囲の表面に分子が吸着されることをいう。図6に示す例では、白抜きの円で表される被毒物質A1は、フィルタ3に一次吸着した被毒物質A1を表しており、ドットを施した円で表される被毒物質A1は、フィルタ3に二次吸着した被毒物質A1を表している。
上述のように、本実施形態では、フィルタ3は、被毒物質A1の二次吸着が可能なように構成されている。このため、本実施形態では、被毒物質A1の一次吸着のみが可能なフィルタと比較して、フィルタ3で吸着可能な被毒物質A1の量が増える。したがって、本実施形態では、フィルタ3にて被毒物質A1が除去できなくなる、言い換えればフィルタ3が寿命を迎えるまでの時間を長くすることができ、フィルタ3の長寿命化を図りやすい、という利点がある。
駆動部4は、被毒物質A1が変質しない程度の温度で酸化物半導体10を駆動させるための構成である。本実施形態では、駆動部4は、既に述べたように、酸化物半導体10に触媒13を含有することで構成されている。つまり、駆動部4は、酸化物半導体10とは別体の構成ではなく、触媒13を含有する酸化物半導体10自体である。
既に述べたように、酸化物半導体10が駆動している状態とは、検出面11に吸着した分子が酸化物半導体10との間で化学反応(ここでは、酸素の脱離反応)を起こし得る状態である。そして、この状態は、駆動部4を備えていない場合、酸化物半導体10を高温(例えば、数百℃)まで加熱することで達成し得るが、被毒物質A1が変質する可能性がある。そこで、本実施形態では、触媒13を酸化物半導体10に含有させることにより、検出面11に吸着した分子と酸化物半導体10との間で化学反応が起こりやすくしている。したがって、本実施形態では、酸化物半導体10は、上記の高温よりも低い温度(言い換えれば、被毒物質A1が変質しない温度)でも駆動することが可能である。
分析部5は、酸化物半導体10の温度を変化させる第1機能と、酸化物半導体10の温度及び酸化物半導体10を流れる電流(以下、単に「出力電流」ともいう)に基づいて検出面11に吸着した分子の種類を特定する第2機能と、を有している。第1機能及び第2機能は、分析部5が検出面11に吸着した分子を分析する際に実行される。本実施形態では、第1機能及び第2機能は、分子センサ1の動作中において常時実行される。
第1機能において、分析部5は、酸化物半導体10を加熱する加熱機構7を制御することにより、酸化物半導体10の温度を変化させる。ここで、本実施形態では、酸化物半導体10は、複数のナノ構造体12の集合体で構成されており、複数のナノ構造体12の各々は、電流を供給されることで自己発熱する磁性ナノ粒子を含んでいる。このため、酸化物半導体10は、電流が流れることにより自己発熱するように構成されている。言い換えれば、加熱機構7は、酸化物半導体10である。したがって、分析部5は、酸化物半導体10に電流を供給して酸化物半導体10を自己発熱させることにより、酸化物半導体10の温度を変化させる。本実施形態では、分析部5は、電流供給部6を制御することにより、酸化物半導体10に電流を供給する。
第2機能において、分析部5は、酸化物半導体10の温度と、出力電流と、を取得し、取得した酸化物半導体10の温度及び出力電流に基づいて、検出面11に吸着した分子の種類を特定する。本実施形態では、酸化物半導体10の温度は、例えば酸化物半導体10の周囲に配置した温度センサにより測定することで取得する。なお、酸化物半導体10の温度は、酸化物半導体10に供給する電流の大小に基づいて推定してもよい。また、本実施形態では、出力電流は、例えば酸化物半導体10を含む電路に配置した電流センサにより測定することで取得する。
ここで、酸化物半導体10の検出面11に吸着した分子は、その種類ごとに異なる酸化物半導体10の温度で、酸化物半導体10との間で化学反応を起こす。このため、出力電流は、検出面11に吸着した分子の種類ごとに異なる酸化物半導体10の温度でピークを示す。したがって、分析部5は、酸化物半導体10の温度と出力電流との相関に基づいて、検出面11に吸着した分子の種類を特定することが可能である。特に、本実施形態では、分析部5は、酸化物半導体10の温度の区分と、区分にて酸化物半導体10を流れる電流と、の組み合わせを複数用いて分子を分析する。例えば、酸化物半導体10の変化可能な温度範囲が「範囲A」、「範囲B」、及び「範囲C」の3つの区分に分けられる、と仮定する。この場合、分析部5は、範囲A〜Cのうちの1つの範囲での出力電流のみに基づくのではなく、範囲A〜Cのうちの2以上の範囲の各々での出力電流の組み合わせに基づいて、検出面11に吸着した分子の種類を特定する。
さらに、本実施形態では、既に述べたように、酸化物半導体10は、検出面11に吸着する分子との間での化学反応が活性化する温度が互いに異なる複数種類(ここでは、3種類)の触媒13を有している。ここで、出力電流は、複数種類の触媒13のいずれかが活性化するか否かによっても増減する。このため、本実施形態では、酸化物半導体10の温度のみならず、活性化する触媒13の有無によっても出力電流が増減するので、出力電流は、検出面11に吸着した分子の種類に応じて多様な変化を示すことになる。したがって、本実施形態では、分析部5は、酸化物半導体10に複数種類の触媒13が含有されない場合と比較して、複数種類の分子を区別して検出する精度を向上しやすい、という利点がある。
酸化物半導体10の温度と、出力電流との相関の一例を図7に示す。図7に示す例では、縦軸が出力電流、横軸が酸化物半導体10の温度を表している。また、図7に示す例では、点線L1は、分子センサ1にて検出可能な複数種類の分子のうちの第1分子(例えば、アルデヒド類)についての酸化物半導体10の温度と出力電流との相関を表している。また、実線L2は、分子センサ1にて検出可能な複数種類の分子のうちの第2分子(例えば、一酸化炭素)についての酸化物半導体10の温度と出力電流との相関を表している。また、一点鎖線L3は、分子センサ1にて検出可能な複数種類の分子のうちの第3分子(例えば、ゲオスミン(geosmin))についての酸化物半導体10の温度と出力電流との相関を表している。
図7に示すように、酸化物半導体10の温度と出力電流との相関(例えば、出力電流のピークと、その時の酸化物半導体10の温度)は、検出面11に吸着した分子の種類ごとに互いに異なっている。特に、図7に示す例では、酸化物半導体10に複数種類の触媒13(ここでは、第1触媒131、第2触媒132、及び第3触媒133)が含有されていることから、酸化物半導体10の変化可能な温度範囲にわたって出力電流が複数のピークを有している。このため、分析部5は、酸化物半導体10の温度に応じて複数のピークを有する出力電流に基づいて、検出面11に吸着した分子の種類を特定することが可能である。
電流供給部6は、分析部5による制御に応じて、外部電源B1から基板2の一対の電極20に対して電圧を印加する。これにより、電流供給部6は、外部電源B1から一対の電極20を介して酸化物半導体10に電流を供給する。本実施形態では、電流供給部6は、一定のパルス幅を有するパルス電流I1を間欠的に酸化物半導体10に供給する。
一例として、電流供給部6は、図8に示すように、互いに波高値の異なる複数のパルス電流I1を加熱機構7に供給することで、酸化物半導体10の温度を変化させる。本実施形態では、既に述べたように、加熱機構7は、電流が流れることで自己発熱する酸化物半導体10自体である。したがって、電流供給部6は、酸化物半導体10にパルス電流I1を供給して酸化物半導体10を自己発熱させることにより、酸化物半導体10の温度を変化させる。
図8に示す例では、縦軸が加熱機構7(つまり、酸化物半導体10)に供給される供給電流、横軸が時間を表している。また、図8に示す例では、時間経過に伴って波高値が大きくなる3つのパルス電流I1が表されている。電流供給部6は、これら複数のパルス電流I1を酸化物半導体10に供給する期間を1周期として、周期的に酸化物半導体10にパルス電流I1を供給する。
本実施形態では、分析部5は、電流供給部6がパルス電流I1を供給している間に分子を分析する。言い換えれば、分析部5は、酸化物半導体10に電流が流れている期間において分子を分析する。図8に示す例では、分析部5は、電流供給部6が1つ目のパルス電流I1を供給している期間、2つ目のパルス電流I1を供給している期間、及び3つ目のパルス電流I1を供給している期間の各々で、検出面11に吸着した分子を分析する。
(3)動作
以下、本実施形態の分子センサシステム100の動作の一例について、図9を用いて説明する。まず、分析部5は、第1機能を実行する。つまり、分析部5は、電流供給部6を制御することにより、酸化物半導体10にパルス電流I1を供給する(S1)。処理S1は、後述する分子分析方法における分析ステップST1の第1ステップST11に相当する。また、処理S1は、後述する分子センサ1の加熱方法における電流供給ステップST2に相当する。酸化物半導体10にパルス電流が供給されることにより、酸化物半導体10が自己発熱し、酸化物半導体10の温度が変化する。
次に、分析部5は、第2機能を実行する。つまり、分析部5は、酸化物半導体10の温度と、出力電流と、を取得し、取得した酸化物半導体10の温度及び出力電流に基づいて、検出面11に吸着した分子を分析する(S2)。処理S2は、後述する分子分析方法における分析ステップST1の第2ステップST12に相当する。処理S2により、分析部5は、検出面11に吸着した分子の種類を特定する。分析部5の分析結果は、分子センサ1が備えるメモリに記憶されてもよいし、次の処理S3にて記憶することなく出力してもよい。
そして、出力部8は、分析部5の分析結果(言い換えれば、分子センサ1の検出結果)を、有線通信又は無線通信により外部装置に出力する(S3)。これにより、外部装置では、出力部8から出力された分子センサ1の検出結果を参照することにより、種々の用途に役立てることができる。
(4)利点
上述のように、本実施形態では、分子センサ1は、酸化物半導体10にとっての被毒物質A1(ここでは、シロキサン)の検出面11への通過を規制するフィルタ3を備えている。このため、本実施形態では、フィルタ3により被毒物質A1が酸化物半導体10の検出面11に吸着するのを防ぎやすく、結果として分子を検出する機能が劣化しにくい、という利点がある。
以下、この利点について、第1比較例の分子センサとの比較を交えて詳細に説明する。第1比較例の分子センサは、フィルタ3を備えていない点で、本実施形態の分子センサ1と相違する。比較例の分子センサでは、フィルタ3を備えていないことから、検出面に被毒物質(ここでは、シロキサン)が吸着し得る。ここで、検出面にシロキサンが吸着した状態で酸化物半導体を高温(例えば、300℃)になるまで加熱すると、シロキサンがシリカ(silica)に変質する。そして、シリカが検出面を覆うことにより、検出面に検出対象の分子が吸着しにくくなり、結果として分子を検出する機能が失われてしまう。
一方、本実施形態では、分子センサ1がフィルタ3を備えているので、被毒物質A1がフィルタ3に吸着することから、被毒物質A1が検出面11まで到達しにくくなる。このため、酸化物半導体10を高温になるまで加熱しても、検出面11がシリカで覆われる可能性が低くなり、結果として分子を検出する機能が劣化しにくくなる。
また、上述のように、本実施形態では、分子センサ1は、酸化物半導体10にとっての被毒物質A1(ここでは、シロキサン)が変質しない温度で酸化物半導体10を駆動させる駆動部4を備えている。そして、駆動部4は、触媒13を酸化物半導体10に含有させることで構成されている。このため、本実施形態では、被毒物質A1が変質した状態で酸化物半導体10の検出面11に吸着するのを防ぎやすく、結果として分子を検出する機能が劣化しにくい、という利点がある。
以下、この利点について、第2比較例の分子センサとの比較を交えて詳細に説明する。第2比較例の分子センサは、駆動部4を備えていない点で、本実施形態の分子センサ1と相違する。既に述べたように、検出面にシロキサンが吸着した状態で酸化物半導体を高温になるまで加熱すると、シロキサンがシリカに変質して検出面を覆ってしまい、結果として分子を検出する機能が失われてしまう。一方、シロキサンがシリカに変質しない程度の温度で酸化物半導体を加熱した場合、シロキサンがシリカに変質することは防げるが、検出面に吸着した分子と酸化物半導体との間で化学反応が起こりにくい、つまり酸化物半導体が駆動しにくい。この場合、分子センサの分子を検出する機能が十分に発揮されない、という問題が生じる。
一方、本実施形態では、分子センサ1が駆動部4を備えているので、シロキサンがシリカに変質しない温度で酸化物半導体10を駆動させることが可能である。具体的には、本実施形態では、酸化物半導体10は、駆動部4を備えることにより、シロキサンがシリカに変質する高温よりも低い温度(例えば、200℃)で加熱されても、高温まで加熱された場合と同様に駆動することが可能である。そして、本実施形態では、検出面11にシロキサンが吸着しても、シロキサンがシリカに変質しにくいことから、検出面11がシリカで覆われる可能性が低くなり、結果として分子を検出する機能が劣化しにくくなる。
また、上述のように、本実施形態では、分析部5は、酸化物半導体10の温度を変化させ、酸化物半導体10の温度変化に伴って変化する酸化物半導体10を流れる電流に基づいて、検出面11に吸着した分子を分析している。このため、本実施形態では、酸化物半導体10の検出面11に複数種類の分子が吸着した場合でも、複数種類の分子を区別して検出しやすい、という利点がある。
以下、この利点について、第3比較例の分子センサシステムとの比較を交えて詳細に説明する。第3比較例の分子センサシステムでは、分析部が、酸化物半導体を所定温度まで加熱した状態での出力電流に基づいて検出面に吸着した分子を分析する点で、本実施形態の分子センサシステム100と相違する。第3比較例の分子センサシステムでは、分析部は、酸化物半導体が所定温度である場合の出力電流の大小に応じて、検出面に吸着した分子の種類を特定する。しかしながら、第3比較例の分子センサシステムでは、複数種類の分子が検出面に吸着した場合に、取得可能な出力電流の値は1値であるため、複数種類の分子を区別して特定することが難しい。
一方、本実施形態では、分析部5は、酸化物半導体10の温度と出力電流との相関に基づいて、検出面11に吸着した1種類以上の分子を区別して特定することが可能である。例えば、分析部5は、出力電流の温度変化に伴う変化パターンと、あらかじめ記憶装置に記憶してある複数のテンプレートとを比較する。そして、分析部5は、出力電流の変化パターンがいずれかのテンプレートと一致すれば、このテンプレートに対応した1種類以上の分子が検出面11に吸着している、と判定することが可能である。
また、上述のように、本実施形態では、電流供給部6は、酸化物半導体10を加熱する加熱機構7(ここでは、酸化物半導体10自体)にパルス電流I1を供給して酸化物半導体10の温度を変化させている。このため、本実施形態では、加熱機構7に対して途絶えることなく電流を連続して供給する場合と比較して、消費電力を低減することができる、という利点がある。
以下、この利点について、第4比較例の分子センサシステムとの比較を交えて詳細に説明する。第4比較例の分子センサシステムでは、電流供給部が加熱機構に対して途絶えることなく電流を連続して供給する点で、本実施形態の分子センサシステム100と相違する。第4比較例の分子センサシステムでは、酸化物半導体が所定の温度に達するまで、電流供給部が加熱機構に途絶えることなく電流を供給するので、消費電力が増大しがちである。
一方、本実施形態では、酸化物半導体10が所定の温度に達するまで、電流供給部6が加熱機構7に対してパルス電流I1を供給する、つまり加熱機構7に対して間欠的に電流を供給する。このため、本実施形態では、酸化物半導体10が所定の温度に達するまでの時間を殆ど長引かせることなく、加熱機構7に電流を供給している期間を短くすることで、消費電力を低減することができる。なお、分析部5は、酸化物半導体10の温度を途絶えることなく連続して取得せずとも、間欠的に複数取得できればよい。このため、仮にパルス電流I1により酸化物半導体10の温度が断続的に変化したとしても、分析部5による検出面11に吸着した分子の分析に影響はない。
(5)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上述の実施形態に係る分子センサシステム100における分析部5と同様の機能は、分子分析方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
本開示の一態様に係る分子分析方法は、分析ステップST1を有する。分析ステップST1は、酸化物半導体10を備える分子センサ1において外気に晒される検出面11に吸着した分子を分析するステップである。分析ステップST1は、第1ステップST11と、第2ステップST12と、を有する。第1ステップST11は、酸化物半導体10の温度を変化させるステップである。第2ステップST12は、第1ステップST11による酸化物半導体10の温度変化に伴って変化する酸化物半導体10を流れる電流に基づいて、分子を分析するステップである。
また、上述の実施形態に係る分子センサシステム100における電流供給部6と同様の機能は、分子センサ1の加熱方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
本開示の一態様に係る分子センサの加熱方法は、電流供給ステップST2を有する。電流供給ステップST2は、外気に晒される検出面11を有する酸化物半導体10を備える分子センサ1において、酸化物半導体10を加熱する加熱機構7にパルス電流を供給して酸化物半導体10の温度を変化させるステップである。
以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における分子センサシステム100は、例えば、分析部5及び電流供給部6等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における分析部5及び電流供給部6としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、分子センサシステム100における複数の機能(ここでは、分析部5及び電流供給部6等)が、1つの筐体内に集約されていることは分子センサシステム100に必須の構成ではなく、分子センサシステム100の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、分子センサシステム100の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
上述の実施形態において、分子センサ1の駆動部4は、触媒13を酸化物半導体10に含有させることで構成されているが、これに限らない。例えば、分子センサ1は、以下のように構成されていてもよい。すなわち、分子センサ1は、酸化物半導体10と、駆動部4と、を備える。酸化物半導体10は、外気に晒される検出面11を有する。駆動部4は、酸化物半導体10にとっての被毒物質A1が変質しない温度で酸化物半導体10を駆動させる。そして、駆動部4は、酸化物半導体10が複数のナノ構造体12の集合体であることで構成されている。つまり、酸化物半導体10を複数のナノ構造体12の集合体とするだけでも、酸化物半導体10の検出面11に分子が吸着しやすくなって酸化物半導体10と化学反応を起こしやすくなる。結果として、この態様でも、酸化物半導体10を高温になるまで加熱せずとも駆動させることが可能である。この態様では、酸化物半導体10に触媒13を含有していなくてもよい。
上述の実施形態では、分子センサ1は、1つ(1種類)の酸化物半導体10を備えているが、複数種類の酸化物半導体10を備えていてもよい。言い換えれば、酸化物半導体10は、複数種類であってもよい。この態様では、酸化物半導体10の種類が増えることで、検出対象の分子の種類を増やすことができる、という利点がある。
ここで、上述の実施形態では、分子センサシステム100は、1つの酸化物半導体10により複数種類の分子を区別して特定することが可能である。しかしながら、互いに異なるカテゴリの分子(例えば、カビと一酸化炭素等)を1つの酸化物半導体10で区別して特定することは難しいと考えられる。この態様では、分子センサ1が複数種類の酸化物半導体10を備えているので、互いに異なるカテゴリの分子も区別して特定することが可能となる。
上述の実施形態では、分析部5は、酸化物半導体10の変化可能な温度範囲の全体にわたって酸化物半導体10の温度を変化させることで分子を分析しているが、これに限らない。例えば、分析部5は、酸化物半導体10の変化可能な温度範囲のうち所定の範囲にて酸化物半導体10の温度を変化させる機能を有していてもよい。この機能は、例えばユーザが分子センサシステム100を直接的又は間接的に操作することにより実行させることが可能である。この機能を実行する場合、分析部5は、所定の範囲のみで酸化物半導体10の温度を変化させることで、検出面11に吸着した分子を分析する。一例として、酸化物半導体10が100℃〜400℃の範囲で温度を変化させることが可能である場合、分析部5は、所定の範囲(例えば、100℃〜200℃)で酸化物半導体10の温度を変化させる。この態様では、酸化物半導体10の変化可能な温度範囲の全体にわたって分析する場合と比較して、検出面11に吸着した分子を分析するのに要する時間を短縮することが可能である。この態様は、例えば検出対象の分子が所定の温度範囲のみで検出可能である場合に有用である。
上述の実施形態において、電流供給部6は、1つのパルスに互いに異なる複数の波高値を有するパルス電流I1を加熱機構7に供給することで、酸化物半導体10の温度を変化させてもよい。一例として、電流供給部6は、図10に示すように、互いに異なる複数(ここでは、2つ)の波高値を有するパルス電流I1を加熱機構7に供給してもよい。図10に示す例では、パルス電流I1は、第1波高値から第2波高値(<第1波高値)へと波高値が変化する。
図10に示す例では、第1波高値のパルス電流I1を加熱機構7に供給することにより、酸化物半導体10を加熱して酸化物半導体10の検出面11の初期化を図ることができる。ここでいう「検出面の初期化」とは、分子センサ1の検出対象の分子を含めて、検出面11に吸着した分子を除去することをいう。そして、第2波高値のパルス電流I1を加熱機構7に供給している期間において、分析部5は、初期化された検出面11に吸着した分子について分析することが可能である。つまり、この態様では、分析部5は、分析の際にノイズとなり得る分子が検出面11に吸着していない状態で、検出面11に吸着した分子の分析を行うことが可能であるので、分子を検出しやすくなる、という利点がある。
上記のように、電流供給部6が互いに異なる複数の波高値を有するパルス電流I1を加熱機構7に供給する場合、分析部5は、パルス電流I1の互いに異なる波高値の差分に基づいて、分子を分析してもよい。図10に示す例では、分析部5は、パルス電流I1における第1波高値と第2波高値との差分を参照して、検出面11に吸着した分子を分析する。図10に示す双方向の矢印は、上記の波高値の差分を表している。この態様では、分子を分析する精度を向上しやすい、という利点がある。
上述の実施形態において、分析部5は、電流供給部6がパルス電流I1を供給している間ではなく、パルス電流I1を供給した後に分子を分析してもよい。つまり、分析部5は、酸化物半導体10に電流を供給した後の過渡応答に基づいて、検出面11に吸着した分子を分析してもよい。
上述の実施形態において、分子センサ1は、分子センサシステム100に用いられる部材として、単独で市場に流通し得る。
上述の実施形態において、分子センサシステム100(分子センサ1)は、図11に示すように、加熱部9(加熱機構7)を更に備えていてもよい。図11に示す例では、加熱部9は、分子センサ1に接続される形で表されているが、分子センサ1に内蔵されている。加熱部9は、例えばヒータであって、基板2の厚さ方向の両面のうち酸化物半導体10の実装面とは異なる面(下面)に配置される。そして、加熱部9は、電流を供給されることにより、酸化物半導体10を加熱する。この態様では、酸化物半導体10は、上述の実施形態のように、電流が流れることで自己発熱するように構成されていなくてもよい。また、この態様では、分析部5は、加熱部9が酸化物半導体10に与える熱量に基づいて、酸化物半導体10の温度を推定してもよい。この場合、温度センサは不要である。
上述の実施形態では、複数の触媒13は、酸化物半導体10に混合して含有されているが、これに限らない。例えば、酸化物半導体10を複数の領域に区分けし、複数の領域の各々に対応する触媒13を含有させてもよい。つまり、酸化物半導体10は、複数の領域と複数の触媒とが1対1に対応するように構成されていてもよい。一例として、酸化物半導体10における「α」という領域には、対応する「A」という触媒13のみが含有され、他の触媒13が含有されないことになる。この態様では、分析部5は、複数の領域ごとに、酸化物半導体10の温度と出力電流(ここでは、各領域での出力電流)との相関に基づいて、検出面11に吸着した分子を分析すればよい。
上述の実施形態において、分子センサ1は、駆動部4を備えていなくてもよい。例えば、分子センサシステム100を利用する環境にシロキサン等の分子センサ1にとっての被毒物質A1が存在しない場合、又は被毒物質A1が存在しても分子センサ1に与える影響を無視できる程度に少ない場合等であれば、分子センサ1を高温で駆動してもよい。この場合、駆動部4を備えていなくても、分子センサ1の分子を検出する機能が劣化しにくい。
上述の実施形態において、分析部5は、酸化物半導体10の温度を変化させ、酸化物半導体10の温度変化に伴って変化する出力電流に基づいて、分子を分析しなくてもよい。例えば、分析部5は、出力電流が閾値を上回るか否かのみに基づいて、特定の分子が検出面11に吸着したか否かを判定してもよい。この場合、複数種類の分子を検出したければ、検出対象の分子が互いに異なる複数の分子センサ1を用いればよい。
上述の実施形態において、電流供給部6は、加熱機構7に対してパルス電流I1を供給することで、酸化物半導体10の温度を変化させなくてもよい。例えば、電流供給部6は、加熱機構7に対して途絶えることなく連続して電流を供給することにより、酸化物半導体10の温度を変化させてもよい。
(まとめ)
以上述べたように、第1の態様に係る分子センサ(1)は、酸化物半導体(10)と、フィルタ(3)と、を備える。酸化物半導体(10)は、外気に晒される検出面(11)を有する。フィルタ(3)は、樹脂材料により形成され、酸化物半導体(10)の検出面(11)と対向して配置され、検出面(11)の少なくとも一部を覆って酸化物半導体(10)にとっての被毒物質(A1)の検出面(11)への通過を規制する。
この態様によれば、分子を検出する機能が劣化しにくい、という利点がある。
第2の態様に係る分子センサ(1)では、第1の態様において、フィルタ(3)は、板状である。
この態様によれば、酸化物半導体(10)の検出面(11)が平面である場合に、検出面(11)を覆いやすい、という利点がある。
第3の態様に係る分子センサ(1)では、第1又は第2の態様において、被毒物質(A1)は、シロキサンである。
この態様によれば、変質することにより検出面(11)を覆う可能性のあるシロキサンがフィルタ(3)により除去されるので、分子を検出する機能が劣化しにくい、という利点がある。
第4の態様に係る分子センサ(1)では、第1〜第3のいずれかの態様において、酸化物半導体(10)は、複数のナノ構造体(12)の集合体である。
この態様によれば、酸化物半導体(10)の検出面(11)の表面積を大きくすることができるので、検出面(11)に吸着する分子の量を大きくすることができ、結果として分子を検出する感度を向上しやすい、という利点がある。
第5の態様に係る分子センサ(1)では、第4の態様において、フィルタ(3)は、複数のナノ構造体(12)をそれぞれ被覆する。
この態様によれば、フィルタ(3)が酸化物半導体(10)の検出面(11)の表面を被覆する場合と比較して、酸化物半導体(10)の検出面(11)に被毒物質(A1)が更に吸着しにくくなる、という利点がある。
第6の態様に係る分子センサ(1)では、第1〜第5のいずれかの態様において、酸化物半導体(10)は、電流が流れることにより自己発熱するように構成されている。
この態様によれば、酸化物半導体(10)を加熱するための外部装置が不要になる、という利点がある。
第7の態様に係る分子センサ(1)は、第1〜第5のいずれかの態様において、酸化物半導体(10)を加熱する加熱部(9)を更に備える。
この態様によれば、酸化物半導体(10)が自己発熱する機能を有しない場合でも、酸化物半導体(10)を加熱することができる、という利点がある。
第8の態様に係る分子センサ(1)では、第1〜第7のいずれかの態様において、酸化物半導体(10)は、外部電源(B1)から電圧が印加される電極()を有する基板(2)に、電極()に電気的に接続されるように実装されている。
この態様によれば、分子を検出する機能を実現するにあたって、酸化物半導体(10)に電流を流しやすい、という利点がある。
第9の態様に係る分子センサ(1)では、第1〜第8のいずれかの態様において、フィルタ(3)は、被毒物質(A1)の検出面(11)への通過を規制する寸法で形成された孔(30)を有する。
この態様によれば、被毒物質(A1)が孔(30)を通過しにくいことから、酸化物半導体(10)の検出面(11)に被毒物質(A1)が吸着しにくくなる、という利点がある。
第10の態様に係る分子センサ(1)では、第9の態様において、孔(30)は、被毒物質(A1)の二次吸着が可能な寸法で形成されている。
この態様によれば、フィルタ(3)で吸着可能な被毒物質(A1)の量が増えるので、フィルタ(3)の長寿命化を図りやすい、という利点がある。
第11の態様に係る分子センサシステム(100)は、施設(C1)に設置される第1〜第10のいずれかの態様の分子センサ(1)と、分子センサ(1)の検出結果を出力する出力部(8)と、を備える。
この態様によれば、出力部(8)から出力された分子センサ(1)の検出結果を参照することにより、種々の用途に役立てることができる、という利点がある。
第2〜第10の態様に係る構成については、分子センサ(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
100 分子センサシステム
1 分子センサ
10 酸化物半導体
11 検出面
12 ナノ構造体
2 基板
20 電極
3 フィルタ
30 孔
8 出力部
9 加熱部
A1 被毒物質
B1 外部電源

Claims (11)

  1. 外気に晒される検出面を有する酸化物半導体と、
    樹脂材料により形成され、前記酸化物半導体の前記検出面と対向して配置され、前記検出面の少なくとも一部を覆って前記酸化物半導体にとっての被毒物質の前記検出面への通過を規制するフィルタと、を備える、
    分子センサ。
  2. 前記フィルタは、板状である、
    請求項1記載の分子センサ。
  3. 前記被毒物質は、シロキサンである、
    請求項1又は2に記載の分子センサ。
  4. 前記酸化物半導体は、複数のナノ構造体の集合体である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の分子センサ。
  5. 前記フィルタは、前記複数のナノ構造体をそれぞれ被覆する、
    請求項4記載の分子センサ。
  6. 前記酸化物半導体は、電流が流れることにより自己発熱するように構成されている、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の分子センサ。
  7. 前記酸化物半導体を加熱する加熱部を更に備える、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の分子センサ。
  8. 前記酸化物半導体は、外部電源から電圧が印加される電極を有する基板に、前記電極に電気的に接続されるように実装されている、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の分子センサ。
  9. 前記フィルタは、前記被毒物質の前記検出面への通過を規制する寸法で形成された孔を有する、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の分子センサ。
  10. 前記孔は、前記被毒物質の二次吸着が可能な寸法で形成されている、
    請求項9記載の分子センサ。
  11. 施設に設置される請求項1〜10のいずれか1項に記載の分子センサと、
    前記分子センサの検出結果を出力する出力部と、を備える、
    分子センサシステム。
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JP7343730B1 (ja) 2023-06-27 2023-09-12 新コスモス電機株式会社 Mems型半導体式ガスセンサ

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