JP2021081265A - 触覚センサー、センシング装置および状態再現装置 - Google Patents

触覚センサー、センシング装置および状態再現装置 Download PDF

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Abstract

【課題】断面形状が矩形でアスペクト比が高い電極からなる単位構造を備えた高感度な触覚センサーを提供する。【解決手段】基材401上に、導電性を備えた弾性体からなり、且つ平行に備えられた2本の線状電極402の間に、力が加わると電気抵抗が変化する感圧層201を挿入した単位構造404が、複数個、並列して備えられている触覚センサーにおいて、線状電極が延伸する方向に直交する平面における線状電極の断面において、断面の形状が矩形であって、線状電極が基材と接する部分の長さより、線状電極の高さの方が大きいことを特徴とする触覚センサー1。【選択図】図1

Description

本発明は、センサーおよびセンサーで読み取った信号を出力する方法に関し、特に、IoTなどの分野や、センサーなどでユーザーや空間を把握し、その情報をソフトウェアで処理して、アクチュエータやロボットなどでユーザーにフィードバックする分野に用いられるセンサーおよび表現技術に関する。
ヒトとロボット、空間をつなぐインターフェース技術の開発が盛んになってきている。
この様なインターフェース技術に使用される入力センサーとしては、光を用いたリモートセンシング技術であるLIDAR(Light Detection and Ranging)やカメラ、圧力センサー、変位センサーなどを挙げることができる。
一方、出力側であるアクチュエータとしては、液晶ディスプレーや照明、超音波、ピエゾ素子などを挙げる事ができる。
例えば、ロボットがセンサーを積んで動き回り、ユーザーを計測しても良いし、システムを使う人の手の大きさや目の能力など、ヒトを基準に新しい要素をはめ込んでいくようなアイデアも生まれてきている。
また、印刷エレクトロニクス(Printed electronics)分野でも、導電材料、絶縁材料、半導体をインク化、ペースト化し、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷などでセンサー用途の配線パターンを形成する試みがなされている。
しかし、これらの印刷法は、図13に示すように、印刷物101の断面形状が、半円形状でかつアスペクト比(印刷物の高さ÷印刷物の幅)が小さい印刷物となることが多い。断面形状が半円形状で、高い(または、大きい)アスペクト比が得られないと、平面的なセンサー構造しか形成できない。例えば圧力センサーの場合、図14に示すように、圧力を与えると導通する感圧層201と、その上下に電極202と電極203を配置するサンドイッチ構造が一般的な構造である。
アスペクト比が高い印刷物に関する先行技術としては、特許文献1に、印刷物の断面形状が矩形でアスペクト比が高い印刷が開示されている。この印刷技術を使うことによって、アスペクト比の低い(または、小さい)印刷物では作製できなかった触覚センサーの印刷が可能となった。
また、図15に示すように、感圧層201´の左右に電極202´、203´を配置する構造も考えられるが、電極の形状が半円形状の様な1未満の低いアスペクト比であるため、この構造に一定の圧力などの刺激を与えても感圧層201´への歪量が極めて小さくなり、センサーの感度が小さくなってしまう。
この様に、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷などの印刷方式は、印刷性を重視する為、印刷インキの粘度を下げて印刷する必要があり、電極を印刷しても高アスペクト比および矩形の電極を得ることができない。従って、基材に対し、平面的な構造のセンサー構造しか形成できず、高感度の触覚センサーができなかった。
その為、高感度の触覚センサーを製造可能な、断面形状が矩形でアスペクト比が高い電極からなる高感度の触覚センサーが望まれていた。
特開2018−70854号公報 特開2010−2407号公報 特開2013−232293号公報 特表2018−517458号公報
上記の事情に鑑み、本発明は、断面形状が矩形でアスペクト比が高い電極からなる単位構造を備えた高感度な触覚センサーを提供することを課題とする。
上記の課題を解決する手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、基材上に、導電性を備えた弾性体からなり、且つ平行に備えられた2本の線状電極の間に、力が加わると電気抵抗が変化する感圧層を挿入した単位構造が、複数個、並列して備えられている触覚センサーにおいて、
線状電極が延伸する方向に直交する平面における線状電極の断面において、
断面の形状が矩形であって、
線状電極が基材と接する部分の長さより、線状電極の高さの方が大きいことを特徴とする触覚センサーである。
また、請求項2に記載の発明は、前記弾性体がエラストマーであることを特徴とする請求項1に記載の触覚センサーである。
また、請求項3に記載の発明は、前記感圧層の高さが、前記線状電極の高さ以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の触覚センサーである。
また、請求項4に記載の発明は、前記基材上に複数個の前記単位構造が形成された触覚センサーにおいて、
複数個の前記単位構造は、互いに平行に配置されており、それぞれの前記単位構造の一対の線状電極を導電性材料により直列接続されており、且つ両端部に配置された単位構造の外側の線状電極の端部には、導電性材料により端子が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の触覚センサーである。
また、請求項5に記載の発明は、前記基材上に複数個の前記単位構造が形成された触覚センサーにおいて、
複数個の前記単位構造は、互いに平行に配置されており、それぞれの前記単位構造の一対の線状電極の端部には、導電性材料により端子が形成されており、且つ隣接する前記単位構造の前記線状電極間は任意の位置で導電性材料により接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の触覚センサーである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の触覚センサーを使用したセンシング装置であって、
前記触覚センサーに任意の交流電圧または直流電圧を入力する手段と、
前記触覚センサーから出力される信号を出力データとして取得する手段と、を備えていることを特徴とするセンシング装置である。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のセンシング装置を使用した状態再現
装置であって、
前記センシング装置が取得した前記触覚センサーと任意の物体との接触状態に対応した前記出力データを記憶する手段または送信する手段のいずれかまたは両方と、
前記出力データに基づいて、前記触覚センサーと任意の物体との接触状態を再現する手段と、を備えていることを特徴とする状態再現装置である。
また、請求項8に記載の発明は、前記接触状態を再現する手段が、ピエゾ素子であることを特徴とする請求項7に記載の状態再現装置である。
本発明の触覚センサーによれば、基材上に、導電性を備えた弾性体からなり、且つ平行に備えられた2本の線状電極の間に、力が加わると電気抵抗が変化する感圧層を挿入した単位構造が、複数個、並列して備えられており、線状電極の断面形状が矩形で、アスペクト比が高い為、高感度な触覚センサーとなる。また、触覚センサーの単位構造は、電圧信号を出力するだけでなく、抵抗体としても機能しており、直流電圧につなげば、抵抗変動値を指標としたセンサーにもすることができる。
また、本発明のセンシング装置によれば、本発明の触覚センサーを使用しているため、高感度であり、起伏の細かい物体の表面をセンシングできるセンシング装置となる。
また、本発明の状態再現装置によれば、本発明のセンシング装置を使用しているため、起伏の細かい物体の表面を高感度にセンシング可能であり、その取得した情報に基づき、忠実にセンシング装置が捉えた状態を再現することができる。
本発明の触覚センサーの一例を示す俯瞰図である。 本発明の触覚センサーの一例を示す俯瞰図である。 本発明の触覚センサーの動作原理を説明する断面説明図である。 本発明の触覚センサーの動作原理を説明する断面説明図である。 (a)は実施例1で作製したストライプ線801の断面写真、(b)はストライプ線802の断面写真、である。 実施例1で作製した触覚センサーの上面写真である。 実施例1で作製した触覚センサーの計測装置を俯瞰した写真である。 実施例2で作製したストライプ線1101の断面写真である。 実施例2で作製した触覚センサーの一例を示す上面図である。 個々の単位構造を電気的に接続しない触覚センサーの一例を示す上面図である。また、実施例3で作製した触覚センサーの一例を示す上面図でもある。 図9と図10の触覚センサーを組み合わせた構成の触覚センサーの一例を示す上面図である。 本発明の触覚センサーを使用した入力出力システムの模式図である。 従来の印刷で形成された電極の断面形状の一例を示す断面写真である。 従来の印刷法で形成された平面的センサーの一例を示す断面図である。 従来の印刷法で形成された電極間に感圧層を挿入する事で作製した触覚センサーが、指で擦っても電極が歪まない状態を説明する断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下に説明する各図において相互に対応する部分には、同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適宜省略する。また、本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定
するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本発明者が鋭意検討を重ねた結果、高アスペクト比で、長手方向に直交する平面における断面形状が矩形の複数のストライプ電極(線状電極とも記す。)を形成し、隣接する一対のストライプ電極間に、ポリウレタン樹脂等のマトリックス材料、カーボンブラックなどの導電性材料で構成した感圧層形成用材料を充填した構造を実現可能にした。その様な基材に対してたて型の電極間に感圧層を挿入したサンドイッチ構造を複数個、一定間隔をもって形成することで、触覚センサーとしての感度向上に好適であることを見出した。
また、上記の複数個形成したサンドイッチ構造への配線の繋ぎこみを変えることで、触覚センサーの性能に多様性を与えることができることを発見した。この多様性を得たことによって、触覚センサーでセンシングした情報を加工し、出力側であるピエゾ素子などのアクチュエータへの情報伝達手段を得ることも可能となった。
本発明の一態様に係る触覚センサーは、PET、PEN、ポリイミド、伸縮性樹脂、セラミックなどの基材と、前記基材上に形成するストライプ状もしくは任意の間隔で高アスペクト比および矩形の断面形状を備えた複数本の線状電極と複数本の線状電極間に充填されたポリウレタン樹脂等を主材料とした歪を与えると導電性が向上する感圧層と、複数本の線状電極間を任意に接続する銀、銅、カーボン等の導電材料と、感圧層で発生した信号を取り出すため任意に複数本の線状電極に端子として形成した銀、銅、カーボンなどの導電材料で形成された構造物を有する。保護層として絶縁体で全体を保護しても良い。
また、本発明の一態様に係る触覚センサーの出力形態は、触覚センサーの端子に任意の交流電圧を任意の周波数にて付加して得られた、電圧変動、位相差変動を基準とし、本発明の触覚センサーに、任意の擦り圧力を加えた際に発生する電圧変動値および位相差変動値を出力信号として扱うことである。この出力信号は、触覚センサーに、任意の擦り圧力を加えたことによる抵抗値変動に伴う電流変動、静電容量変動も含まれる。抵抗値変動においては直流電圧によるものでもよい。
次に、図1〜図12を使用して、本発明の、触覚センサーと、その触覚センサーを使用したセンシング装置と、そのセンシング装置を使用した状態再現装置について説明する。<触覚センサー>
本発明の触覚センサー1は、図1に例示した様に、基材401上に、導電性を備えた弾性体からなり、且つ平行に備えられた2本の線状電極402の間に、力が加わると電気抵抗が変化する感圧層201を挿入した単位構造404が、複数個、並列して備えられている触覚センサーである。図1では、複数個の単位構造404が平行に備えらえた場合を示しているが、必ずしも平行でなくても構わない。
線状電極402が延伸する方向に直交する平面における線状電極402の断面において、線状電極402の断面の形状が矩形であって、線状電極402が基材401と接する部分の長さより、線状電極402の高さの方が大きいことが特徴である。例えば、断面の形状が台形である場合、下底の長さより、下底と上底との距離の方が大きい事が特徴である。アスペクト比が1より大きい事が特徴である。
上記の弾性体としてはエラストマーを好適に使用する事ができる。導電性を備えた線状電極402とするため、エラストマーに金属やカーボンなどの導電性材料の粉体を混合した複合材料(導電エラストマー)として使用する。
また、感圧層201の高さは、線状電極402の高さ以下である事が好ましい。感圧層
201の高さが線状電極402の高さを超える様に形成する事は不可能ではないが、製造工程が増えるデメリットや、物体が接触する際に、感圧層201が先に接触する為、好ましくない。
また、複数個の単位構造404は、互いに平行に配置されており、それぞれの単位構造404の一対の線状電極402を導電性材料により直列接続され、且つ両端部に配置された単位構造404の外側の線状電極402の端部には、導電性材料により端子1201が形成されていても良い(図9参照)。
また、複数個の単位構造404は、互いに平行に配置されており、それぞれの単位構造404の一対の線状電極402の端部には、導電性材料により端子1201が形成されており、且つ隣接する単位構造404の線状電極402間は任意の位置で導電性材料により接続されていても良い。
本実施形態の触覚センサー1は、図1に例示した様に、支持基材であるPET、PEN、ポリイミド、伸縮性樹脂、セラミックなどの基材401上に、導電性を有するエラストマー(導電エラストマーとも記す。)402を、複数本の線状電極402の間に挿入した構造を備えている。複数本の線状電極402は、例えば、互いに平行に形成された高アスペクト比で、断面形状が矩形の、ストライプ状の電極、もしくは、任意の間隔で形成した複数本の線状電極403である。
従来の方法、例えば、ディスペンサー、スクリーン印刷、3Dプリンター、フォトリソ法、を使って高アスペクト比の溝を複数本形成したシリコンウエハーをマスター版とし、そのマスター版にシリコーン樹脂を流し込む事により複数本の線状電極403とは逆の凹凸関係の版を模った後、その版に導電性を有するエラストマーを充填する事により複数本の線状電極403を形成する。
形成した複数本の線状電極403間に、ポリウレタン樹脂等を主材料とした、歪を与えると導電性が向上する感圧層201を挿入する。感圧層201を挿入する方法は、例えば1本の線状電極402と、感圧層201と、もう1本の線状電極402と、を一対とした単位構造404とし、その単位構造404に隣接する線状電極402との間には感圧層201を形成せず一つ飛ばしにして、再び一対の単位構造404を形成する、といった構造を連続的に並べた構造を形成する(図1参照)。感圧層201は、複数本の線状電極403の長さ方向の一部分もしくは全長さに亘って形成してもよい。
触覚センサー1の1つの単位構造404と、それに隣接する単位構造404と、の間の任意の場所に、銀、銅、カーボン等の導電材料を使用して接続部501(図2参照)を形成する。これによって、複数個の単位構造404が電気的に接続される。
また、単位構造404同士をつながなくても良い。この様にすることで、より微細なセンシング機能につながる。
次に、上記の様にして形成した1つの単位構造404または電気的に接続された複数の単位構造404の両端部の線状電極1101に、銀、銅、カーボン等の導電材料を形成し、端子(センサー端子とも記す。)1201とすることができる(図9参照)。ただし、端子1201の形成は単位構造404の両端部の線状電極1101に限定する必要は無く、一部の単位構造404に導電材料を形成することでもよい。この様にして、触覚センサーを得る事ができる。
(触覚センサーからの出力信号)
触覚センサーの端子に、任意の電圧を付加することで、電気的に繋がった触覚センサー
の複数個の単位構造の抵抗に応じた電流が流れる。この状態での抵抗値を基準とし、例えば図3のように、人間の指先を触覚センサー1の表面に接した状態(図3(a))で横方向に移動させると、単位構造404の一方の線状電極402が横方向に押圧され、歪み601を生じる(図3(b))と、感圧層201の厚みが小さくなり、抵抗値の変動または静電容量の変化として反映される。高アスペクト比の線状電極402になればなるほど、線状電極402が傾斜し易くなり、この横方向への歪み量が大きくなる。すなわち、感圧層201が歪み易くなる。
抵抗値を出力信号とするやり方のほかに、ファンクションジェネレーターなどで、例えば任意の周波数の正弦波電圧を触覚センサーの端子に印加しておいて、指先で触覚センサーの表面を接した状態で横方向に移動させることにより、触覚センサーの歪みによって抵抗値が変動すると、出力側の電圧が変動する。この電圧変動と周波数を出力信号とすると、例えば、ピエゾ素子などのアクチュエータを、触覚センサーの出力信号に基づいて駆動させることができる。
また、触覚センサーの個々の単位構造を電気的に接続しない場合(図10参照)は、単位構造404が独立している状態である為、各単位構造404の両方の電極である両端子1301に、それぞれ独立した電圧、周波数を付加することができる。指先ではない起伏のある物体を接した状態で移動させることによって、移動させる物体の詳細な起伏を、表面粗さ計の様に信号として捉え、出力することができる。
図4で、その一連の動作を説明する。
図4(d)は、4つの単位構造404を備えた触覚センサー1´の右端の単位構造404−1に起伏のある物体701を接触させた状態である。既にわずかに接触している為、一番右側の単位構造404−1の下に、単位構造404−1から得られる信号の強弱を棒グラフの高さで示した様に、弱い信号が得られる。
次に、図4(c)は、図4(d)の状態から物体701が図の左側に進み、単位構造404−1を強く歪ませ、単位構造404−2を弱く歪ませた状態である。その為、その各単位構造の歪みの状態に対応した信号が、すなわち、単位構造404−1からは強い信号が、単位構造404−2からは弱い信号が、発せられる。
更に、図4(b)は、図4(c)の状態から物体702が図の左側に進み、単位構造404−2を強く歪ませ、単位構造404−3を弱く歪ませた状態である。それらに対応した信号が発せられる。
図4(d)は、同様に、図4(c)の状態から物体702が更に図の左側に進み、単位構造404−3を強く歪ませ、単位構造404−4を弱く歪ませた状態である。
この様に、物体701が触覚センサー1´の単位構造404−1、404−2、404−3、404−4から発せられる信号を捉える事により、物体701の触覚センサー1´への押圧の強度と、触覚センサー1´の中での動きを把握する事ができる。
(電極の材料)
本実施形態の電極は、フレキシブル性を有し、導電性を有していなければならない。例えば、カーボンを含む導電エラストマー、ポリウレタン系のストレッチャブルな銀ペーストなど可とう性を有した導電材料を使用し焼成して形成される。
(感圧層)
感圧層も、可とう性を有する歪を与えると導電性が上がる材料でなければならない。例えば、ポリウレタン樹脂にカーボンなどを分散したものなどがあり、所定の数の線状電極を形成した後に、線状電極間へディスペンサー、インクジェットなどを使って充填し、焼成する。ポリフッ化ビニリデン、シリコーン等の誘電エラストマーでも良い。
感圧層の材料としては、マトリックス材料として、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、アクリル系ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン、スチレン系エラストマー、ポリエステル系バインダー、アルキルセルロース、アルキルセルロースなどで、これらの複合材料もある。また、上記マトリックス材料へ添加して感圧抵抗体とする導電性材料は、ニッケル粒子、黒鉛粒子、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化アンチモン粒子、炭素粒子、チタン酸カリウム粒子、カーボンナノチューブ、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、グラフェン、などからなる粉体または微粒子で、これらの複合材料もある。
(接続部、端子部の材料)
単位構造404の間を接続する接続部902と端子1201(図9参照)を形成する導電性材料は、銀粉、銅粉、カーボン、グラファイトなどのフィラーを分散した導電性ペーストを使用し、端子1201、接続部902にディスペンサー、インクジェット、スクリーン印刷などを使用して形成する。
(基材)
本発明の触覚センサーの構成要素である単位構造を形成する基材としては、PET、PEN、ポリイミド、ストレッチャブル素材、セラミックなどのフィルム、プレートなどを挙げる事ができる。
(オーバーコート層)
本発明の触覚センサーは、上記構成でも機能するが、触覚センサーの上面を指先や任意の物体で擦るなどの接触による破損を防止する為、絶縁物で構成されたオーバーコート層を触覚センサーの上面に形成しても支障はない。
<触覚センサー>
本発明のセンシング装置は、本発明の触覚センサーを使用したセンシング装置である。
本発明のセンシング装置は、触覚センサーに任意の交流電圧または直流電圧を入力する手段と、触覚センサーから出力される信号を出力データとして取得する手段と、を備えている。
<状態再現装置>
本発明の状態再現装置は、本発明のセンシング装置を使用した装置である。
本発明の状態再現装置は、本発明のセンシング装置が取得した触覚センサーと任意の物体との接触状態に対応した出力データを記憶する手段または送信する手段のいずれかまたは両方と、その出力データに基づいて、触覚センサーと任意の物体との接触状態を再現する手段と、を備えている装置である。接触状態を再現する手段がピエゾ素子であっても良い。
次に、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
<実施例1>
2液混合タイプの熱硬化型カーボンエラストマー「ERASTOSILLR3162A(旭化成ワッカー社製)」及び「ERASTOSILLR3162B(旭化成ワッカー社製)」を1対1で混合した導電性塗布剤を用意した。
次に図5(a)に示すように、上記導電性塗布剤を、幅100μm、高さ100μm、間隙0.9cmの複数本のストライプ線801をポリイミドフィルム上に印刷した。
また、図5(b)に示すように、幅100μm、高さ600μm、間隙0.9cmの複数本のストライプ線802も同様にポリイミドフィルム上に印刷した。この2種類の印刷物を100℃30分間焼成した。
次に、ポリウレタンおよびカーボンと架橋剤を主成分とする感圧層用のペーストを、上
記2種類の印刷物に形成された複数のストライプ線1101(図6参照)の間の間隙に1つ飛ばしでストライプ線1101の端から1cmの長さで注入し、120℃30分間焼成する事で、1cmの長さの感圧部903を形成した。
次に、図6に示した写真の様に、複数本形成された隣接する単位構造404のストライプ線1101(線状電極と同じ)のうち、感圧層901を注入していない部分の任意の部位に銀ペーストからなる接続部902を形成する事により、各単位構造404を直列に接続した。
次に、各線状電極であるストライプ線1101の末端(または端部)に銀ペーストを塗布し、120℃30分間焼成する事により、端子1201を形成した(図9参照)。
この状態でセンサーとして使用できるが、擦り実験中に電極および感圧層901が損傷することを防ぐ為、センサー上部にポリウレタンからなる絶縁層(図示省略)を保護層として形成した。以上の様にして、触覚センサーを作製した。
次に、図7に示した様に、ファンクションジェネレーター(AWG1005(アズワン社製))1001と、ピエゾ式アクチュエータとして圧電スピーカー1002、上記で制作した2種類の印刷物1004と、オシロスコープ1003を用意した。ファンクションジェネレーター1001の正極側と圧電スピーカー1002の正極をつなぎ、圧電スピーカーの負極側と印刷物1004の端子1201、さらに印刷物1004のもう一方の端子1201とファンクションジェネレーター1001の負極側を、ワニ口クリップ線を使って接続し、回路を形成した。なお、印刷物1004は触覚センサーである。
次に、ファンクションジェネレーター1001の設定値を、最大電圧20V、周波数3kHzの正弦波に設定し、印刷物1004の入力側と出力側の信号をオシロスコープ1003で計測した。
まず、幅100μm、高さ100μmの複数本のストライプ線を使った印刷物1004の入力信号が最大電圧20V、周波数3kHzの正弦波であることを確認し、出力側の信号が最大電圧50mV、周波数3kHzであることを確認した。
次に、先端が半径4mmの球状に加工された絶縁体からなる棒1005を使って、幅100μm、高さ100μmの複数本のストライプ線1101に直交する様に0.1Nの力をかけながらストライプ線1101と直交する方向に表面を滑らせた。その際にオシロスコープ1003(図7)の出力側の信号を確認した結果、最大電圧50mV、周波数3kHzであった。スピーカー1002の音の変動は確認できなかった。
次に、幅100μm、高さ600μmの複数本のストライプ線1101を使った印刷物1004も同様にファンクションジェネレーター1001の設定値を、最大電圧20V、周波数3kHzの正弦波に設定し、印刷物1004の入力側と出力側の信号をオシロスコープ1003で計測した。まず、印刷物1004の入力信号が最大電圧20V、周波数3kHzの正弦波であることを確認し、出力側の信号が最大電圧50mV、周波数3kHzであることを確認した。
次に、先端が半径4mmの球状に加工された絶縁体からなる棒を使って、幅100μm、高さ600μmの複数本のストライプ線1101に直交する様に0.1Nの力をかけながら表面を滑らせた。その際にオシロスコープ1003の出力側の信号を確認した結果、最大電圧300mV、周波数3kHzであった。スピーカー1002の音の変動を確認した。
従って、2種類の印刷物1004で唯一違う電極(ストライプ線1101)の高さが6倍程度の違いで出力側の信号の大きさが6倍程度変化する事が判った。これは、電極の高
さが高いほど出力信号の感度が上がり、センサーとしての感度が上がることを意味する。
<実施例2>
2液混合タイプの熱硬化型カーボンエラストマー「ERASTOSILLR3162A(旭化成ワッカー社製)」及び「ERASTOSILLR3162B(旭化成ワッカー社製)」を1対1で混合した導電性塗布剤を用意した。
次に、上記導電性塗布剤を、幅100μm、高さ200μm、間隙0.3cmの複数本のストライプ線1101をポリイミドフィルム上に印刷し、100℃30分間焼成する事により電極(ストライプ線)を作製した(図8参照)。
次に、ポリウレタンおよびカーボンと架橋剤を主成分とする感圧層用のペーストを、上記の複数本のストライプ線の間隙に1つ飛ばしでストライプ線1101の端から1cmの長さで注入した(図9参照)後、120℃30分間焼成する事により感圧層901を形成した。
次に、電極(ストライプ線1101)と感圧層901と電極(ストライプ線1101)を一対とした単位構造404と、その単位構造404に隣接した単位構造404との間の任意の部位を、銀ペーストを使用して接続した。同様にして、図9に示した様に、4つの単位構造404を銀ペーストからなる接続部902によって直列接続した。図9において、両端部のストライプ線1101の感圧層901が注入された側とは反対側の端部に端子1201を形成した。
この状態で触覚センサーとして使用できるが、擦り実験中に電極(ストライプ線1101)および感圧層901が損傷することを防ぐ為、絶縁層を、触覚センサーである単位構造404の上に保護層として被覆した。
次に、ファンクションジェネレーター(AWG1005(アズワン社製))と、ピエゾ式アクチュエータとして圧電スピーカーと、上記で作製した2種類の印刷物(触覚センサー)と、オシロスコープを用意した。ファンクションジェネレーターの正極側と圧電スピーカーの正極、圧電スピーカーの負極側と印刷物の端子、さらに印刷物のもう一方の端子とファンクションジェネレーターの負極側を、それぞれワニ口クリップ線を使って接続し回路を形成した。
次に、ファンクションジェネレーターの設定値を、最高電圧20V、周波数3kHzの正弦波に設定し、印刷物の入力側と出力側の信号をオシロスコープで計測した。
まず、幅100μm、高さ200μmの複数本のストライプ線を使った印刷物の入力信号が最高電圧20V、周波数3kHzの正弦波であることを確認し、出力側の信号が最高電圧20V、周波数20mVであることを確認した。次に、先端が半径4mmの球状に加工された絶縁体からなる棒を使って、幅100μm、高さ200μmの複数本のストライプ線に直交する様に0.1Nの力で表面を滑らせた。その際にオシロスコープの出力側の信号を確認した結果、最高電圧120mV、周波数3kHzであった。スピーカーの音の変動も確認できた。従って、電極(ストライプ線)の高さが高く、電極(ストライプ線)間の距離が狭いと、出力側の信号の大きさが増大する事が判った。
この結果は、実施例1の場合と比べ、電極(ストライプ線)高さが2倍、電極(ストライプ線)間の距離が3分の1となっており、2÷(1/3)=6(倍)となっていた。
実施例1および2の結果から、本発明の触覚センサーの感度は、電極(ストライプ線)間の長さに反比例し、電極(ストライプ線)の高さに比例することが判った。
つまり、本発明の触覚センサーの特徴である垂直方向に立ち上がる断面形状が矩形状の電極(ストライプ線)の高さを高くする事、即ちアスペクト比を高くする事が、触覚セン
サーの感度向上に直結し、かつ、電極(ストライプ線)間を狭くすることによって、さらに感度の向上が図れることが分かった。
<実施例3>
2液混合タイプの熱硬化型カーボンエラストマー「ERASTOSILLR3162A(旭化成ワッカー社製)」及び「ERASTOSILLR3162B(旭化成ワッカー社製)」を1対1で混合した導電性塗布剤を用意した。
次に、上記導電性塗布剤を、幅100μm、高さ200μm、間隙0.3cmの複数本のストライプ線をポリイミドフィルム上に印刷し、100℃30分間焼成する事により、電極(ストライプ線)を作製した。
次に、ポリウレタンおよびカーボンと架橋剤を主成分とする感圧層用のペーストを、上記の印刷物に形成された複数本のストライプ線の間隙に1つ飛ばしで、ストライプ線の端から1cmの長さで注入し、120℃30分間焼成する事により、感圧層を形成した。
次に、電極(ストライプ線1101)と感圧層901と電極(ストライプ線1101)を一対とした単位構造404とし、それぞれの電極(ストライプ線1101)の感圧層901が形成されている側とは反対側の端部に、銀ペーストを塗布し、120℃30分間焼成する事により、端子1301を形成した(図10参照)。これによって、独立した電極(ストライプ線1101)と感圧層901と電極(ストライプ線1101)からなる複数の単位構造404からなる触覚センサーが形成された。
この状態でセンサーとして使用できるが、擦り実験中に電極および感圧層が損傷することを防ぐ為、ポリウレタンからなる絶縁層を単位構造404の上に保護層として被覆した。
次に、図10に示す様に、ファンクションジェネレーターの複数のチャンネルを使って、電極と感圧層と電極を一対とした1つの単位構造404に対して、1つ目のチャンネル1302を割り当て、電極と感圧層と電極を一対とした単位構造404に形成された2本の電極(ストライプ線1101)の内、一方を正極に繋ぎ、もう一方を負極に繋いだ。さらに隣接する単位構造404に対して、2つ目のチャンネル1303を割り当て、その単位構造404の2本の電極(ストライプ線1101)に、1つ目のチャンネル1302と同様にしてファンクションジェネレーターをつないで、入力信号を最高電圧20V、周波数3kHzとし、それに対する出力信号をそれぞれ別にオシロスコープで測定した。
次に、先端が半径0.5mmの球状に加工された絶縁体からなる棒を使って、電極と感圧層と電極を一対とした単位構造404のストライプ線に直交する様に0.1Nの力で表面を滑らせた。その際にオシロスコープの出力側の信号を確認した結果、電極と感圧層と電極を一対とした単位構造404への入力信号が最高電圧20V、周波数3kHzの正弦波であることを確認した。
その結果、1つ目のチャンネル1302の電極と感圧層と電極を一対とした単位構造404を、先端が半径0.5mmの球状に加工された絶縁体からなる棒をストライプ線に直交する方向に0.1Nの力をかけながら滑らせている時に、出力信号の最高電圧が20mVから100mVと変動し、次に2つ目のチャンネル1303の電極(ストライプ線1101)と感圧層901と電極(ストライプ線1101)を一対とした単位構造404に先端が半径0.5mmの球状に加工された絶縁体からなる棒をストライプ線1101に直交する方向に0.1Nの力をかけながら滑らせている時に、1つ目のチャンネル1302の最高電圧が20mVに戻り、2つ目のチャンネル1303の最高電圧が100mVに変動した。
つまり、個々の単位構造404に対して、1つ目のチャンネルや2つ目のチャンネルの様に、入力を割り振ることで、単位構造404の幅分の歪を感知する事ができる。それは、単位構造404と単位構造404の間隔を狭くすることで、触覚センサーとしての解像度が向上することを意味する。
また、実施例1、実施例2、実施例3の結果から、図9と図10の仕組みを組み合わせた触覚センサーも作る事ができる。例えば、図11に示す様な構成が可能である。この触覚センサーは、図10に示した触覚センサーの各チャンネル間を、銀ペーストからなる接続部902により直列接続した構成を備えている。その為、図9に示した構成の触覚センサーとして機能する事も可能であり、また図10に示した触覚センサーとしても機能する事ができる。即ち、単チャンネルと多チャンネルのハイブリット方式の触覚センサーであり、単チャンネルの抵抗値変動、電圧変動の検知と各チャンネル間の抵抗値変動、電圧変動の検知を行うことで、全体のセンシング結果と各チャンネルセンシング結果の両方が把握できる。
<実施例4>
2液混合タイプの熱硬化型カーボンエラストマー「ERASTOSILLR3162A(旭化成ワッカー社製)」及び「ERASTOSILLR3162B(旭化成ワッカー社製)」を1対1で混合した導電性塗布剤を用意した。
次に、上記導電性塗布剤を、幅100μm、高さ200μm、間隙0.3cmの複数本のストライプ線をポリイミドフィルム上に印刷し、100℃30分間焼成した。
次に、ポリウレタンおよびカーボンと架橋剤を主成分とする感圧層用のペーストを上記の印刷物に形成されたストライプ線の間隙に1つ飛ばしでストライプ線の端から1cmの長さで注入し、120℃30分間焼成した。
次に、電極と感圧層と電極を一対とした単位構造と、それに隣接した同じ構造の単位構造との間の任意の場所に、銀ペーストを使用して接続した。これによって、複数個の単位構造が電気的に接続された。
次に、各電極(ストライプ線)の感圧層が形成されていない側の端部に銀ペーストを塗布し、120℃30分間焼成する事によって端子を形成した。この状態でセンサーとして使用できるが、擦り実験中に電極および感圧層が損傷することを防ぐ為、ポリウレタンからなる絶縁層を単位構造からなる触覚センサーの上に保護層として被覆した。
次に、ファンクションジェネレーターAWG1005(アズワン社製)と、ピエゾ式アクチュエータとして圧電スピーカーと、上記で作製した2種類の印刷物と、オシロスコープを用意した。ファンクションジェネレーターの正極側と圧電スピーカーの正極をつなぎ、圧電スピーカーの負極側と印刷物の端子、さらに印刷物のもう一方の端子とファンクションジェネレーター負極側とを、ワニ口クリップ線を使って接続し、回路を形成した。
次に、ファンクションジェネレーターの設定値を、最高電圧20V、周波数3kHzの正弦波に設定し、印刷物の入力側と出力側の信号をオシロスコープで計測した。
まず、幅100μm、高さ200μmの複数本のストライプ線を使った触覚センサーの入力信号が、最高電圧20V、周波数3kHzの正弦波であることを確認し、出力側の信号が最高電圧20V、周波数20mVであることを確認した。次に、先端が半径4mmの球状に加工された絶縁体からなる棒を使って、幅100μm、高さ200μmの複数本のストライプ線に直交する様に0.1Nの力で表面を滑らせた。その際にオシロスコープの
出力側の信号を確認した結果、最高電圧20V、周波数120mVであった。スピーカーの音の変動も確認できた。
そこで、オシロスコープ(TDS1000C−EDU(テクトロニクス社製))でリアルタイムにサンプリングする機能を実行し、信号をUSBデバイス・ポートからPCに接続し、付属のPC接続ソフトウェアを使用し、測定結果を取得、保存した。波形データは、Microsoft Word、Exel、テキスト形式で保存した。保存した時系列の電圧、周波数の数値を別のスタンドアローンPCにダウンロードし、別のファンクションジェネレーターで、本発明の触覚センサーを介さず、直接ピエゾスピーカーにつなげたところ、本発明の触覚センサーを介して出力された圧電スピーカーから同じ音色の音が確認された。つまり、リアルタイムでサンプリングする機能を使うことによって、直接圧電スピーカーなどのピエゾ素子で出力する以外に、データを電波遠隔地に送信するかもしくは記憶媒体に記憶し、任意の場所で再現することができることが判った。このシステムの模式図を図12に示す。
以上説明したように、本発明の一態様によれば、以下の効果を奏する。
(a)導電エラストマーによる高アスペクト比の、断面形状が矩形の電極を狭いピッチで形成し、それらの電極間に感圧層を充填した構造物を造る事によって、人の指紋の様なセンサーが形成できる為、上からの圧力かつ横への物体の移動時の歪を感度良くとらえる事ができる。
(b)電極と感圧層と電極を一対とした単位構造を構成要素とする触覚センサーとして、並列に並べる事により、個々の単位構造への信号の入力が可能となり、センシングする対象物の細かな起伏による歪、移動距離を個々の単位構造のセンサー毎に電圧および周波数、位相変化、抵抗値として測定する事ができる。
(c)ファンクションジェネレーターによる交流の入力信号を本発明の触覚センサーに入力し、出力された信号をリアルタイムにサンプリング可能な機能付きのオシロスコープで記録した波形をPCに取り込む事で、出力側である遠隔地に同様のPC、ファンクションジェネレーターがあれば、出力側のアクチュエータに合った信号に変調するなどを行い、適宜、ピエゾ素子などに出力する事ができる。
すなわち、ヒトとロボット、空間をつなぐインターフェースの開発に応用する手段として有効となる発明である。
本発明は、これまで平面的な電極でしか形成出来なかった、エレクトロニクス分野、特に印刷センサー分野、ストレッチャブルセンサー分野における発明である。これまで上下の電極間に感圧層を挟む構造であった為、感圧層の変位を電気的に取り込める方向は主に上下方向(垂直方向)の変位しかとる事が出来なかった。電極に水平方向にも若干感圧層が歪む為、感圧層の変位を電気的に取り込む事は可能であるが、既存の方法では膜厚を厚くする事に限界があった。しかし、本発明においては、電極を、高さ方向に高くした、断面形状が矩形の複数本のストライプ線を形成し、そのストライプ線の間隙に感圧層となる材料を挿入することによって、狭ピッチにすればするほど、毛細管現象により高さ方向に感圧層が形成され、垂直方向にこれまで上下にしかできなかった電極と感圧層と電極のサンドイッチ構造を形成する事で、3次元的なセンサー構造を実現できる。これにより、これまで、細かい波形のテクスチャを形成した板状のシートを平面センサー上に貼りつけて、物体が擦った波形を平面センサーが拾い、その波形をザラツキ波形として捉えていた。
本発明のセンサー構造は、電極と感圧層と電極のサンドイッチ構造が、縦になっている為、並列に細かくセンサーが並ぶことで、細かい波形のテクスチャを細かく細分化したセンサーとなっている。例えば、表面粗さ計で言えば、これまで一本の針の付いたプローブを測定する物体の表面をなぞる事で表面の凹凸や粗さを計測していたが、本発明のセンサーは、このプローブが狭いピッチで並列に並んでいる為、物体の表面をなぞらなくても押し当てるだけで凹凸や粗さを計測できる可能性がある。人の指紋は約0.35mmピッチと言われている。本発明のセンサーは、このピッチを実現できるため、ロボティクスなどの分野でも利用の可能性がある。
1、1´、1−1…触覚センサー
101…印刷物
201…感圧層
202…電極
203…電極
401…基材
402…線状電極(またはストライプ線)
403…複数本の電極
404、404−1、404−2、404−3、404−4…(電極と感圧層と電極を一対とした)単位構造
501…接続部
601…歪み
701…(起伏のある)物体
702…信号
801…ストライプ線
802…ストライプ線
901…感圧層
902…(銀ペーストからなる)接続部
903…1cmの長さの感圧部
1001…ファンクションジェネレーター
1002…圧電スピーカー
1003…オシロスコープ
1004…印刷物
1005…(先端が球状に加工された)棒
1101…ストライプ線
1201…端子
1301…端子
1302…1つ目のチャンネル
1303…2つ目のチャンネル

Claims (8)

  1. 基材上に、導電性を備えた弾性体からなり、且つ平行に備えられた2本の線状電極の間に、力が加わると電気抵抗が変化する感圧層を挿入した単位構造が、複数個、並列して備えられている触覚センサーにおいて、
    線状電極が延伸する方向に直交する平面における線状電極の断面において、
    断面の形状が矩形であって、
    線状電極が基材と接する部分の長さより、線状電極の高さの方が大きいことを特徴とする触覚センサー。
  2. 前記弾性体がエラストマーであることを特徴とする請求項1に記載の触覚センサー。
  3. 前記感圧層の高さが、前記線状電極の高さ以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の触覚センサー。
  4. 前記基材上に複数個の前記単位構造が形成された触覚センサーにおいて、
    複数個の前記単位構造は、互いに平行に配置されており、それぞれの前記単位構造の一対の線状電極を導電性材料により直列接続されており、且つ両端部に配置された単位構造の外側の線状電極の端部には、導電性材料により端子が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の触覚センサー。
  5. 前記基材上に複数個の前記単位構造が形成された触覚センサーにおいて、
    複数個の前記単位構造は、互いに平行に配置されており、それぞれの前記単位構造の一対の線状電極の端部には、導電性材料により端子が形成されており、且つ隣接する前記単位構造の前記線状電極間は任意の位置で導電性材料により接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の触覚センサー。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の触覚センサーを使用したセンシング装置であって、
    前記触覚センサーに任意の交流電圧または直流電圧を入力する手段と、
    前記触覚センサーから出力される信号を出力データとして取得する手段と、を備えていることを特徴とするセンシング装置。
  7. 請求項6に記載のセンシング装置を使用した状態再現装置であって、
    前記センシング装置が取得した前記触覚センサーと任意の物体との接触状態に対応した前記出力データを記憶する手段または送信する手段のいずれかまたは両方と、
    前記出力データに基づいて、前記触覚センサーと任意の物体との接触状態を再現する手段と、を備えていることを特徴とする状態再現装置。
  8. 前記接触状態を再現する手段が、ピエゾ素子であることを特徴とする請求項7に記載の状態再現装置。
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