JP2021081253A - 磁気遮蔽構造、磁気検出素子用センサカバー、回転機およびエンコーダ - Google Patents

磁気遮蔽構造、磁気検出素子用センサカバー、回転機およびエンコーダ Download PDF

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洋佑 小松
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Abstract

【課題】特に小型エンコーダなど小型の磁気検出素子使用回転機において、磁気検出素子の動作に必要な内部磁界に対する影響を抑制しつつ外部磁界を遮蔽することのできる磁気遮蔽構造を提供する。【解決手段】磁気検出素子使用回転機の磁気遮蔽構造10は、軟磁性体材料製の内側シールド2、内側シールド2と離間して設けられる軟磁性体材料製の外側シールド6からなる二重構造であり、内側シールド2には内側シールド内における磁束を外に通すための間隙部3、4、5等が設けられており、外側シールド6は間隙部3、4、5等を被覆して外部磁束を遮蔽する被覆部7、8、9を備えている構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は磁気遮蔽構造、磁気検出素子用センサカバー、磁気検出素子使用回転機およびエンコーダに係り、特に、小型センサにおけるセンサカバーの改良技術に関するものである。
図3は、従来の磁気検出素子使用回転機の磁気遮蔽構造の構成を示す磁気検出素子設置箇所における断面図である。図示するように従来、磁気センサなど、磁気検出素子51を備えた回転機における磁気遮蔽には、軟磁性体製の磁気シールド52を使用している。これにより、磁気検出素子51の動作に影響を与える外部磁界を遮蔽している。
磁気センサ等における磁気遮蔽技術については従来、特許出願等も多くなされている。たとえば後掲特許文献1には、磁気検出素子の動作に要する内部磁界に影響を与えずに外部磁界を遮蔽できる磁気シールドカバーとして、磁気検出素子の動作磁界に影響を与えない部位に配置される軟磁性部と、磁気検出素子の動作に必要な磁界が形成される範囲に配置される非磁性部とを備えた構成が開示されている。
特開2015−169439号公報「磁気検出型エンコーダ用磁気シールドカバー、および磁気検出型エンコーダ」
さて、小型モータに搭載されるエンコーダは、サイズの小型化に伴う問題点がある。それは、磁気検出素子51における外部磁界遮蔽のための軟磁性体製磁気シールド52も小型化されることにより、軟磁性体にシールド内部の磁束が流れ込み、それによって磁気シールド52に覆われた内部の磁界が変化し、そのために磁気検出素子51における磁気検出回路の動作に影響が発生するということである。特に、エンコーダを□60(サイズ60mm×60mm)未満のモータに搭載する場合、センサカバーから磁気センサまでの距離が不十分となるため、かかる影響が無視できない。
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点をなくし、特に小型エンコーダなど小型の磁気検出素子使用回転機において、磁気検出素子の動作に必要な内部磁界に対する影響を抑制しつつ外部磁界を遮蔽することのできる磁気遮蔽構造を提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した。その結果、シールドを構成する軟磁性体部にスリット等の間隙部を設けることによって、シールド内部の磁束の軟磁性体への流れ込みに起因するシールド内部の磁界(内部磁界)に対する影響を抑制できることがわかった。しかし、この構造では外部磁界の遮蔽効果が減少してしまう。そこで、間隙部を設けても外部磁界遮蔽効果が減少しないようにするため、軟磁性体によるシールドを二重構造とすることに想到し、これによって課題解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
〔1〕 磁気検出素子使用回転機(以下、単に「回転機」という。)の磁気遮蔽構造であって、軟磁性体材料製の内側シールド、および該内側シールドと離間して設けられる軟磁性体材料製の外側シールドからなる二重構造であり、該内側シールドには該内側シールド内における磁束を外に通すための間隙部が設けられており、該外側シールドは該間隙部を被覆して外部磁束を遮蔽する被覆部を備えていることを特徴とする、磁気遮蔽構造。
〔2〕 前記内側シールドは一方の底が開放されている略筒状体(以下、単に「筒状体」という。)をなしていることを特徴とする、〔1〕に記載の磁気遮蔽構造。
〔3〕 前記間隙部は前記筒状体の底に一または複数、および側面に複数、それぞれ設けられていることを特徴とする、〔2〕に記載の磁気遮蔽構造。
〔4〕 前記筒状体の側面に設けられる間隙部は、磁気遮蔽対象の磁気検出素子の中心を通る直線(以下、単に「中心」という。)から20°以上25°以下の角度で設けられていることを特徴とする、〔3〕に記載の磁気遮蔽構造。
〔5〕 〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕のいずれかに記載の磁気遮蔽構造を備えた、磁気検出素子用センサカバー。
〔6〕 〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕のいずれかに記載の磁気遮蔽構造を備えた、回転機。
〔7〕 〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕のいずれかに記載の磁気遮蔽構造を備えた、エンコーダ。
〔8〕 □60(サイズ 60mm×60mm)未満のモータに搭載されるものであることを特徴とする、〔7〕に記載のエンコーダ。
本発明の磁気遮蔽構造、磁気検出素子用センサカバー、回転機およびエンコーダは上述のように構成されるため、これらによれば、特に小型エンコーダなど小型の磁気検出素子使用回転機において、磁気検出素子の動作に必要な内部磁界に対する影響を抑制しつつ外部磁界を遮蔽することができる。また、これによって、磁気シールドが必要な磁気検出素子使用製品を、磁気検出素子への悪影響を抑制しつつ小型化することができる。
□60以上のモータに搭載するエンコーダの場合は、センサカバーから磁気センサまでの距離が十分にあるため、内部の磁界への影響がまだ少ない。しかし、□60未満のモータに搭載するエンコーダの場合には、対策が必要である。本発明は、その有効な対策、解決手段となるものである。
なお上記文献開示技術は、軟磁性体を磁気検出素子の動作磁界に影響を与えない部位に配置される構成だが、本発明は、軟磁性体部を磁気検出素子の動作磁界に影響を与える部位に配置せざるを得ないような小型の回転機における課題解決手段である。すなわち本発明は、当該先行技術における問題点を解決し得るものであると言える。すなわち、磁気検出素子を外部磁界から守りつつ、かつその動作必要な磁界を漏らささずに保持する効果を、本発明磁気遮蔽構造は有するのである。
本発明の磁気検出素子使用回転機の磁気遮蔽構造の基本構成例を示す斜視説明図である。 図1に示した回転機の磁気遮蔽構造を用いたセンサカバーの磁気検出素子設置箇所における断面図である。 従来の磁気検出素子使用回転機の磁気遮蔽構造の構成を示す磁気検出素子設置箇所における断面図である。
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の磁気検出素子使用回転機の磁気遮蔽構造の基本構成例を示す斜視説明図である。また、図2は図1に示した回転機の磁気遮蔽構造を用いたセンサカバーの磁気検出素子設置箇所における断面図である。これらに図示するように本磁気検出素子使用回転機(以下、単に「回転機」)の磁気遮蔽構造10は、軟磁性体材料製の内側シールド2、および内側シールド2と離間して設けられる軟磁性体材料製の外側シールド6からなる二重シールド構造であり、内側シールド2には内側シールド内における磁束を外に通すための間隙部3、4、5等が設けられており、外側シールド6は間隙部3、4、5等を被覆して外部磁束を遮蔽する被覆部7、8、9を備えていることを主たる構成とする。
図示するように本磁気遮蔽構造10の内側シールド2は、一方の底に開放部Opを有する略筒状体(筒状体)2bをなしている。そして間隙部は、筒状体2bの底面に一または複数(図の例では間隙部5の1箇所)、および側面に複数(図の例では間隙部3、4の2箇所)、それぞれ設けられる。底面、側面それぞれに設けられる間隙部3等の数は図示する例には限定されない。これらを多く設けるほど、内部磁界に対する影響低減効果は概して大きくなるが、一方、外部磁界遮蔽効果は小さくなる。
したがって両効果の兼ね合いにより、設ける間隙部3等の数は適宜設計可能である。間隙部3等の数をできるだけ少なくする方針が推奨される。内側シールド2の底面には1箇所、側面には2箇所とする図示の例は、両効果を好適に得られる一例である。そして、外側シールド6の各被覆部7等は、これら間隙部3等の上に、間隙を被覆するように設けられることとする。したがって、設けられる被覆部7等の数も図示する例には限定されないが、図示する例は好適な一例である。
かかる構成により、本発明回転機の磁気遮蔽構造10によれば、内側シールド2に設けられた間隙部3等によって内側シールド2内における磁束(内部磁束)は、軟磁性体である内側シールド2内に流れ込むことなく外へ通される。これによって、内側シールド2内に内部磁界の磁束が回り込んで磁気検出素子1の動作に影響を及ぼすことが防止される。そして、間隙部3等を設けたことによる外部磁界遮蔽効果の減少は、外側シールド6の各被覆部7等が間隙部3等を被覆することによって抑制される。すなわち、二重シールド構造である本発明磁気遮蔽構造10では、内側シールド2の間隙部3等によって内部磁界への影響が抑制され、外側シールド6の各被覆部7等によって外部磁界遮蔽効果の減少が抑制される。
図2に示すように2b筒状体の側面に設けられる間隙部3、4等は、磁気遮蔽対象の磁気検出素子1の中心を通る直線(中心)から20°以上25°以下の角度で設けられている構成、すなわち磁気検出素子1の中心点からは40°以上50°以下の角度範囲である構成とすることができる。間隙部3等は、この程度の間隙を有することによって、特に良好な内部磁界に対する悪影響の抑制効果を発揮することができる。なお、内側シールド2の底面に設けられる間隙部5は、各図に示す程度の間隙でよい。
以上説明した磁気遮蔽構造10を備え、内側シールド2および外側シールド6が樹脂カバー15を介して一体に形成されている磁気検出素子用センサカバー20も、本発明の範囲内である。また、以上説明した磁気遮蔽構造10を備えたエンコーダ等の回転機もまた、本発明の範囲内である。□60(サイズ 60mm×60mm)未満のモータに搭載されるエンコーダにおいて、本発明は特に有用性が高い。
本発明の磁気遮蔽構造、磁気検出素子用センサカバー、回転機およびエンコーダによれば、特に小型エンコーダなど小型の磁気検出素子使用回転機において、磁気検出素子の動作に必要な内部磁界に対する影響を抑制しつつ外部磁界を遮蔽することができ、磁気シールドが必要な磁気検出素子使用製品を、磁気検出素子への悪影響を抑制しつつ小型化することができる。したがって、磁気検出素子使用回転機の製造、使用分野、および関連する全分野において、産業上利用性が高い発明である。
1…磁気検出素子
2…内側シールド
2b…筒状体
3、4、5…間隙部
6…外側シールド
7、8、9…被覆部
10…磁気検出素子使用回転機の磁気遮蔽構造
15…樹脂カバー
20…センサカバー
Op…開放部
51…磁気検出素子
52…磁気シールド
510…従来の回転機の磁気遮蔽構造

Claims (8)

  1. 磁気検出素子使用回転機(以下、単に「回転機」という。)の磁気遮蔽構造であって、
    軟磁性体材料製の内側シールド、および該内側シールドと離間して設けられる軟磁性体材料製の外側シールドからなる二重構造であり、
    該内側シールドには該内側シールド内における磁束を外に通すための間隙部が設けられており、
    該外側シールドは該間隙部を被覆して外部磁束を遮蔽する被覆部を備えている
    ことを特徴とする、磁気遮蔽構造。
  2. 前記内側シールドは一方の底が開放されている略筒状体(以下、単に「筒状体」という。)をなしていることを特徴とする、請求項1に記載の磁気遮蔽構造。
  3. 前記間隙部は前記筒状体の底に一または複数、および側面に複数、それぞれ設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の磁気遮蔽構造。
  4. 前記筒状体の側面に設けられる間隙部は、磁気遮蔽対象の磁気検出素子の中心を通る直線(以下、単に「中心」という。)から20°以上25°以下の角度で設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の磁気遮蔽構造。
  5. 請求項1、2、3、4のいずれかに記載の磁気遮蔽構造を備えた、磁気検出素子用センサカバー。
  6. 請求項1、2、3、4のいずれかに記載の磁気遮蔽構造を備えた、回転機。
  7. 請求項1、2、3、4のいずれかに記載の磁気遮蔽構造を備えた、エンコーダ。
  8. □60(サイズ 60mm×60mm)未満のモータに搭載されるものであることを特徴とする、請求項7に記載のエンコーダ。







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