JP2021080940A - 密封機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】密封機能の耐久寿命を延ばすことのできる密封機構を提供する。【解決手段】回転軸110と、回転軸110を回転させる駆動源120と、駆動源120を収容するケース130と、回転軸110とケース130との間の環状隙間を封止する密封装置200と、回転軸110と共に回転し、密封装置200と回転軸110及びケース130のうちの少なくともいずれか一方との摺動部付近の流体が該摺動部から遠ざかる方向に向かって流れる流れを生じさせるインペラ300と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、回転軸とケースとの間の環状隙間を封止する密封装置を備える密封機構に関する。
回転軸を回転させる駆動源(モータなど)が過酷な環境下で用いられる場合には、駆動源はケース内に収容されるのが一般的である。例えば、電動サーフィンや船舶など、水中に駆動源を配置させる装置においては、水や土砂が駆動源内部に侵入しないように、駆動源はケースに収容される。このような装置においては、ケースと回転軸との間の環状隙間に密封装置が設けられる。以下、図5を参照して、従来例に係る密封機構について説明する。図5は従来例に係る密封機構の模式的断面図である。
図示の密封機構600は、回転軸610と、回転軸610を回転させる駆動源(モータ)620と、駆動源620を収容するケース630とを備えている。そして、この密封機構600においては、回転軸610とケース630との間の環状隙間を封止する密封装置641,642,643が設けられている。電動サーフィン等においては、浅瀬に乗り上げられることで、土砂が巻き上げられる環境下にあり、過酷な使用条件で利用される。そのため、図示の例のように、回転軸610に沿って複数の密封装置641,642,643が設けられる。
このように、複数の密封装置641,642,643を並べて設けることで、外側の密封装置から順に劣化していくため、耐久寿命を延ばすことが可能となる。しかしながら、密封装置の個数を増やすほど、摩擦トルクが増加するため、消費電力も増加してしまう。特に、バッテリで駆動源を駆動する装置の場合には、装置の利用時間が短くなってしまう問題もある。このように、耐久寿命を延ばすために、密封装置の個数を増やすといった対策は、必ずしも最善の対策とは言えない。
特開2013−107596号公報
本発明の目的は、密封機能の耐久寿命を延ばすことのできる密封機構を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
本発明の密封機構は、
回転軸と、
前記回転軸を回転させる駆動源と、
前記駆動源を収容するケースと、
前記回転軸とケースとの間の環状隙間を封止する密封装置と、
前記回転軸と共に回転し、前記密封装置と前記回転軸及びケースのうちの少なくともいずれか一方との摺動部付近の流体が該摺動部から遠ざかる方向に向かって流れる流れを生じさせるインペラと、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、インペラにより生じる流体の流れによって、密封装置と回転軸及びケースのうちの少なくともいずれか一方との摺動部付近の異物を、当該摺動部付近から遠ざけることができる。これにより、当該摺動部に異物が侵入してしまうことを抑制することができる。
前記インペラは、径方向内側から径方向外側に向かって流体の流れを生じさせる遠心インペラであるとよい。また、前記インペラは、前記回転軸と平行な方向に向かって流体の流れを生じさせる軸流インペラであることも好適である。
以上説明したように、本発明によれば、密封機能の耐久寿命を延ばすことができる。
図1は本発明の実施例1に係る密封機構の模式的断面図である。 図2は本発明の実施例1に係るインペラの正面図である。 図3は本発明の実施例2に係る密封機構の模式的断面図である。 図4は本発明の実施例2に係るインペラの正面図である。 図5は従来例に係る密封機構の模式的断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1及び図2を参照して、本発明の実施例1に係る密封機構について説明する。図1は本発明の実施例1に係る密封機構の模式的断面図である。図1においては、回転軸の中心軸線を含む面で回転機構を切断した断面を模式的に示している。図2は本発明の実施例1に係るインペラの正面図である。なお、図2に示すインペラは、図1中のインペラを図中左側から見た図に相当する。
本実施例に係る密封機構10は、回転軸110と、回転軸110を回転させる駆動源120と、駆動源120を収容するケース130とを備えている。駆動源120は、例えば、モータやバッテリなどにより構成される。本実施例に係るケース130は、円筒形状の側面と、側面の一端側に設けられる底部とを有する有底筒状の部材により構成される。また、本実施例に係る密封機構10は、回転軸110とケース130との間の環状隙間を封止する密封装置200を備えている。このように、密封装置200が設けられることで、ケース130の内部は密閉空間となる。密封装置200については、ゴムなどのエラストマー材料により単体で構成される各種シールリングを採用することができる。また、密封装置200については、金属などにより構成される補強環と該補強環に一体的に設けられるエラストマー製のシールリップなど複数の部材により構成されるシールを採用することもできる。このように、密封装置200については、各種公知技術を採用することができる。
また、密封装置200は、ケース130の内周面に固定されて、密封装置200と回転軸110との間で摺動する構成を採用することもできるし、回転軸110の外周面に固定されて、密封装置200とケース130との間で摺動する構成を採用することもできる。
更に、密封装置200は、回転軸110とケース130の双方との間で摺動する構成を採用することもできる。
そして、本実施例に係る密封機構10は、回転軸110と共に回転するインペラ300が設けられている。インペラ300は、回転軸110に固定される円筒部310と、円筒部310から径方向外側に向かって伸びるように設けられる複数の羽根部320とを備えている。
本実施例に係るインペラ300は、回転軸110の回転に伴って、例えば、図2中矢印R1方向に回転すると、複数の羽根部320により、図中矢印F1方向に向かう流体の流れが生じる。このように、本実施例に係るインペラ300は、径方向内側から径方向外側に向かって流体の流れを生じさせる遠心インペラである。なお、本発明に係る遠心インペラに関しては、図示のような構成に限定されることはなく、各種公知技術を採用することができる。
これにより、密封装置200と回転軸110との間で摺動する構成が採用される場合、及び、密封装置200とケース130との間で摺動する構成が採用される場合のいずれにおいても、インペラ300によって、摺動部付近の流体が該摺動部から遠ざかる方向に向かって流れる流れを生じさせることが可能となる。
<本実施例に係る密封機構の優れた点>
本実施例に係る密封機構10によれば、インペラ300により生じる流体の流れによって、密封装置200と回転軸110及びケース130のうちの少なくともいずれか一方との摺動部付近の異物を、当該摺動部付近から遠ざけることができる。これにより、当該摺動部に異物が侵入してしまうことを抑制することができる。従って、密封装置200の経時的な劣化を抑制することができ、密封機能の耐久寿命を延ばすことができる。例えば、電動サーフィンに本実施例に係る密封機構10を採用した場合には、土砂などが密封装置200の摺動部に噛み込まれてしまうことを抑制することができる。なお、本発明に係る密封機構は、水中などで用いられる装置に好適に適用することができる。ただし、本発明に係る密封機構は、大気中など各種の環境下で用いられる装置にも適用可能である。
なお、本実施例においては、密封装置200は一つのみ設けられている。しかしながら、本発明においては、密封装置の個数は限定されるものではなく、複数設けることも可能である。ただし、密封装置の個数を増やすと、摩擦トルクが増加してしまう。本発明においては、インペラを設けたことにより、密封装置の摺動部に異物が侵入してしまうことを抑制することができるため、密封装置の個数を増やさなくても耐久寿命を延ばすことが可能となる。従って、密封装置の個数を増やさないようにすることで、摩擦トルクの増加を抑制することができ、消費電力を抑制することが可能となる。これにより、バッテリで駆動源を駆動する装置においては、装置の利用時間を長くする効果も得られる。
(実施例2)
図3及び図4には、本発明の実施例2が示されている。上記実施例1においては、インペラが遠心インペラの場合の構成を示したが、本実施例においては、インペラが軸流インペラの場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
図3及び図4を参照して、本発明の実施例2に係る密封機構について説明する。図3は本発明の実施例2に係る密封機構の模式的断面図である。図3においては、回転軸の中心軸線を含む面で回転機構を切断した断面を模式的に示している。図4は本発明の実施例2に係るインペラの正面図である。なお、図4に示すインペラは、図3中のインペラを図中
右側から見た図に相当する。
本実施例に係る密封機構10aは、回転軸110と、回転軸110を回転させる駆動源120と、駆動源120を収容するケース130とを備えている。また、本実施例に係る密封機構10aは、回転軸110とケース130との間の環状隙間を封止する密封装置200を備えている。駆動源120,ケース130及び密封装置200については、上記実施例1で説明した通りである。
そして、本実施例に係る密封機構10aは、回転軸110と共に回転するインペラ400が設けられている。インペラ400は、回転軸110に固定される円筒部410と、円筒部410から径方向外側に向かって伸びるように設けられる複数の羽根部420とを備えている。また、本実施例に係る密封機構10aは、インペラ400により生じさせる流体の流れを効率的にするために、インペラ400と同心的に設けられる円筒状部材510、及び円筒状部材510をケース130に固定するための複数の支持部材520が設けられている。
本実施例に係るインペラ400は、回転軸110の回転に伴って、複数の羽根部420により、図3中矢印F2方向に向かう流体の流れが生じる。このように、本実施例に係るインペラ400は、回転軸110と平行な方向に向かって流体の流れを生じさせる軸流インペラである。なお、本発明に係る軸流インペラに関しては、図示のような構成に限定されることはなく、各種公知技術を採用することができる。
これにより、密封装置200と回転軸110との間で摺動する構成が採用される場合、及び、密封装置200とケース130との間で摺動する構成が採用される場合のいずれにおいても、インペラ400によって、上記の摺動部付近の流体が該摺動部から遠ざかる方向に向かって流れる流れを生じさせることが可能となる。
以上のように構成される本実施例に係る密封機構10aにおいても、上記実施例1の場合と同様の効果を得ることができる。
10,10a 密封機構
110 回転軸
120 駆動源
130 ケース
200 密封装置
300,400 インペラ
310,410 円筒部
320,420 羽根部
510 円筒状部材
520 支持部材

Claims (3)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸を回転させる駆動源と、
    前記駆動源を収容するケースと、
    前記回転軸とケースとの間の環状隙間を封止する密封装置と、
    前記回転軸と共に回転し、前記密封装置と前記回転軸及びケースのうちの少なくともいずれか一方との摺動部付近の流体が該摺動部から遠ざかる方向に向かって流れる流れを生じさせるインペラと、
    を備えることを特徴とする密封機構。
  2. 前記インペラは、径方向内側から径方向外側に向かって流体の流れを生じさせる遠心インペラであることを特徴とする請求項1に記載の密封機構。
  3. 前記インペラは、前記回転軸と平行な方向に向かって流体の流れを生じさせる軸流インペラであることを特徴とする請求項1に記載の密封機構。
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