本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
なお、以下の実施例において特に断りのない限り、上下左右及び前後(あるいは奥、手前)の方向は、遊技盤を正面から見た状態、すなわち遊技盤の正面視を基準にして説明する。
本発明は、パチンコ機等の遊技機に係り、特に、遊技球を保留する保留装置を備える遊技機に関する。
従来、この種の遊技機として、例えば、遊技領域を有する遊技盤に打ち出された遊技球を保留する保留装置を備えるパチンコ機等の遊技機がある。この種の遊技機は、保留装置に遊技球が保留された状態で、遊技者が解除操作ボタンを操作することによって、保留装置による保留が解除されて、保留装置から放出された遊技球が大当たり抽選に奇与しない一般入賞口に入球するように構成されるものがある(例えば、特開2006−95235号公報(第10頁、図2)参照)。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の遊技機は、保留装置に遊技球が保留された場合は、保留された遊技球を一般入賞口に入球させるために遊技者は保留解除ボタンを操作するが、それ以上に保留装置に遊技球を保留するメリットがない。却って、遊技者は、保留装置に遊技球が保留されなくても、始動入賞口などを狙って遊技領域に打ち出した遊技球が直接的に一般入賞口にも入球してくれればよいので、保留装置に遊技球が保留される度に保留解除ボタンを操作することに煩わしさを感じる場合もある、という問題がある。
これは、保留装置に保留された遊技球を始動入賞口や大入賞口に入球させるタイプの遊技機でも同様に生じる問題である。
下記の(0)(A1)(B1),(C0),(C1),(D1),(E1)に係る発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、保留装置に遊技球を保留することのメリットを高め、保留装置を用いた遊技の興趣性を向上させる遊技機を提供することを目的とする。
(A1) 遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
少なくとも右打ち遊技が行われる場合に前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な位置に設けられ、遊技球が入球し難い閉状態と、前記閉状態よりも遊技球が入球し易い開状態とに変化する可変入球手段と、
前記始動入球手段に入球した遊技球を検出する入球検出手段と、
前記入球検出手段による遊技球の検出に基づいて特別遊技状態を生じさせるか否かを決定可能な抽選を行う抽選手段と、を備え、
前記抽選の結果が特定結果となった場合に、前記特別遊技状態として、前記可変入球手段が前記開状態と前記閉状態とに変化する遊技を複数回実行する遊技機であって、
少なくとも前記可変入球手段に向けて発射される遊技球のうちの一部の遊技球を保留可能な保留状態と、遊技球の保留が解除される解除状態とに変化する保留装置と、
前記遊技領域のうち前記保留装置から保留が解除された遊技球でなければ入球させづらい位置に設けられ、遊技球の入球に基づいて所定の遊技価値が得られる入賞口と、
前記保留装置を前記保留状態から前記解除状態に変化させる操作を含む、遊技者の操作を受ける操作手段と、
保留が解除された遊技球を前記入賞口に入賞し難くする第1位置と、保留が解除された遊技球を前記入賞口に入賞し易くする第2位置とに変化する振分動作が行われる振分部材と、
前記振分部材の前記振分動作を制御する振分動作制御手段と、
前記操作手段の操作を要求する操作要求の表示を含む演出であって、前記操作要求が表示されるタイミングを、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせた操作演出を前記特別遊技状態中に表示手段に表示するよう制御する操作演出制御手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(A1)に記載の発明によれば、遊技者は、特別遊技状態中に表示手段に表示される操作演出において、操作要求が表示されるタイミングに合わせて操作手段を操作することによって、振分部材が第2位置にくるタイミングに合わせて、保留装置を保留状態から解除状態に変化させることができる。これにより、操作要求が表示されるタイミングで保留装置から排出される遊技球は、第2位置にくる振分部材を介して、入賞口に入賞し易くなる。他方、このタイミング以外で操作手段が遊技者の操作を受けても、保留装置が保留状態から解除状態に変化するタイミングは、振分部材が第2位置にくるタイミングに合わないので、このタイミングで保留装置から排出される遊技球は、入賞口に入賞し難くなる。したがって、遊技者は、特別遊技状態中に積極的に遊技球を発射し、特別遊技状態中に表示手段に表示される操作演出に積極的に参加し、操作演出中で操作要求が表示されるタイミングに合わせてうまく操作手段を操作することができれば、特別遊技状態中に可変入球手段への入球に基づき遊技者が享受できる遊技価値に加えて、保留装置に保留された遊技球の数だけ遊技球を入賞口に入球させて、その数に応じた所定の遊技価値を特別遊技状態中に得ることができる。その結果、保留装置に遊技球を保留することのメリットを高め、保留装置を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。
また、保留装置は、特別遊技状態において、可変入球手段に向けて発射される遊技球のうちの一部の遊技球を保留可能である。これにより、遊技者は、特別遊技状態中に可変入球手段に向けて遊技球を発射し続けることで、発射された遊技球のうち一部の遊技球を保留装置に保留させることができる。保留装置に保留された遊技球を可変入球手段以外の他の入賞口への入賞させるためには、操作演出中で操作要求が表示されるタイミングに合わせてうまく操作手段を操作する必要があるので、特別遊技状態中の可変入球手段以外の他の入賞口への入賞に技術介入性を持たせることができる。
なお、右打ち遊技とは、遊技領域のうち遊技機を正面から見て右側の領域を遊技球が流下するように遊技球を発射する操作を行うことである。
(A2) 前記(A1)に記載の遊技機において、
前記特別遊技状態中に前記表示手段に表示される複数パターンの表示演出の中から所定の表示演出を選択して、前記表示手段に表示する表示演出制御手段を備え、
前記操作演出は、前記所定の表示演出の一部として前記表示手段に表示される
ことを特徴とする遊技機。
前記(A2)に記載の発明によれば、操作演出は、特別遊技状態中に表示手段に表示される複数パターンの表示演出の中から選択された所定の表示演出の一部として表示手段に表示される。これにより、遊技者は、特別遊技状態中に表示手段に表示される表示演出中に、所定の遊技価値を得ることができるチャンスが(操作演出として)到来するので、特別遊技演出に対する興趣性を向上させることができる。
(A3) 前記(A1)または(A2)に記載の遊技機において、
前記操作演出制御手段は、前記特別遊技状態の開始から所定時間を経過したことに基づいて、前記操作演出を前記表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
前記(A3)に記載の発明によれば、例えば所定時間を保留装置に遊技球が上限数または上限数に近い数まで保留されるために最低限必要な時間とすれば、保留装置に遊技球が十分に保留されている状態で操作演出に遊技者を参加させることができるので、保留装置を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。
(A4) 前記(A1)から(A3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングは一回の前記操作演出中に複数回あり、
前記操作演出制御手段は、前記複数回ある前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせて前記操作要求を複数回表示する
ことを特徴とする遊技機。
前記(A4)に記載の発明によれば、振分部材が第2位置にくるタイミングは一回の操作演出中に複数回あり、複数回ある振分部材が第2位置にくるタイミングに合わせて操作要求が複数回表示される操作演出が表示手段に表示されるので、遊技者は操作要求が表示される複数回のタイミングに合わせて操作手段を複数回操作する必要がある。これにより、表示手段に表示される操作演出に遊技者を積極的に参加させることができる。
(A5) 前記(A1)から(A4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示演出と前記操作演出は、音楽の再生を伴う演出であって、
前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングの一部は、前記音楽の所定部分のリズムに合っており、
前記表示演出は、前記音楽の所定部分のリズムに合わせて前記操作要求を表示する
ことを特徴とする遊技機。
前記(A5)に記載の発明によれば、表示演出と操作演出は、音楽の再生を伴う演出であって、振分部材が第2位置にくるタイミングの一部は、音楽の所定部分のリズムに合っており、表示演出は、音楽のリズムに合わせて操作要求を表示する。これにより、音楽のリズムに合わせて表示される操作要求に合わせて操作手段を操作する行為を遊技者に楽しませながら、表示手段に表示される操作演出に遊技者を積極的に参加させることができる。
(A6) 前記(A1)から(A5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記振分動作制御手段は、一定の可動周期で前記振分動作を繰り返すように前記振分部材の前記振分動作を制御し、
前記操作演出制御手段は、前記操作要求が表示されるタイミングで前記操作手段が遊技者の操作を受ける場合に前記保留装置の保留が解除される遊技球が前記振分部材に到達するタイミングと、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングとが合うように、前記操作演出を前記表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
前記(A6)に記載の発明によれば、振分部材は、一定の可動周期で振分動作を繰り返しているが、操作要求が表示されるタイミングで操作手段が遊技者の操作を受ける場合に保留装置の保留が解除される遊技球が振分部材に到達するタイミングと、振分部材が第2位置にくるタイミングとが合うように、操作演出が表示手段に表示されるので、操作要求が表示されるタイミングで遊技者が操作手段を操作すれば、保留装置の保留が解除される遊技球が振分部材に到達するタイミングと、振分部材が第2位置にくるタイミングとが合うという操作演出を実現できる。
(A7) 前記(A6)に記載の遊技機において、
前記保留装置の保留が解除されるタイミングから当該保留の解除により前記保留装置から排出される遊技球が前記振分部材に到達するタイミングまで所定時間である場合に、
前記操作演出制御手段は、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングよりも、前記所定時間前に前記操作要求を表示する
ことを特徴とする遊技機。
前記(A7)に記載の発明によれば、振分部材が第2位置にくるタイミングよりも、所定時間(保留装置の保留が解除されるタイミングから当該保留の解除により保留装置から排出される遊技球が振分部材に到達するタイミングまでの時間)前に操作要求を表示するので、操作要求が表示されるタイミングで遊技者が操作手段が操作したにも関わらず、保留装置の保留が解除された遊技球が振分部材に到達するタイミングと振分部材が第2位置にくるタイミングとが合わなくなるという不都合を回避できる。
(A8) 前記(A6)または(A7)に記載の遊技機において、
前記操作演出制御手段は、前記特別遊技状態における前記表示演出の開始タイミングを調整する
ことを特徴とする遊技機。
前記(A8)に記載の発明によれば、操作演出制御手段は、特別遊技状態における表示演出の開始タイミングを調整する。つまり、表示演出の開始タイミングは、所定の入球手段での入球検出に基づく始動条件成立のタイミングに応じて決まるが、(変動表示の保留がある場合は、先に保留されている変動表示が終了するまでの時間も考慮して決まるが、)可動部材は、一定の可動周期で振分動作を繰り返しているので、単純に始動条件成立のタイミングに応じて表示演出が開始されると、操作要求が表示されるタイミングで操作手段が遊技者の操作を受ける場合に保留装置の保留が解除される遊技球が振分部材に到達するタイミングと、振分部材が第2位置にくるタイミングとが合わない場合がある。そこで、操作演出制御手段によって、両タイミングが合うように、特別遊技状態における表示演出の開始タイミングを調整することで、両タイミングが合わなくなるという不都合を回避できる。
(A9) 前記(A1)から(A8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記振分部材は、前記振分動作が遊技者にとって視認し難い態様で行われる
ことを特徴とする遊技機。
前記(A9)に記載の発明によれば、振分部材は、振分動作が遊技者にとって視認し難い態様で行われるので、振分部材を目視しながら操作手段を操作しても、振分部材が第1位置から第2位置に変化するタイミングで遊技球の保留を解除することが難しくなる。
(A10) 前記(A9)に記載の遊技機において、
前記振分動作が遊技者にとって視認し難い態様とは、前記振分部材が他の動作部材の動作よりも速く動作する態様である
ことを特徴とする遊技機。
前記(A10)に記載の発明によれば、振分動作が遊技者にとって視認し難い態様とは、振分部材が他の動作部材の動作よりも速く動作する態様であるので、他の動作部材の動作速度に慣れた遊技者であっても、振分部材が第1位置から第2位置に変化するタイミングで遊技球の保留を解除することが難しくなる。
(A11) 前記(A9)または(A10)に記載の遊技機において、
前記振分動作が遊技者にとって視認し難い態様とは、前記保留装置に対して遊技機正面視での前面側に、遊技機正面視での前面側からの前記振分部材の視認し易さを低下させる部材が配置される態様である
ことを特徴とする遊技機。
前記(A11)に記載の発明によれば、振分動作が遊技者にとって視認し難い態様とは、保留装置に対して遊技機正面視での前面側に、遊技機正面視での前面側からの振分部材の視認し易さを低下させる部材が配置される態様である。これにより、当該部材の背後に位置する振分部材が第1位置か第2位置かを視認し難くなるので、振分部材が第2位置にあるタイミングと、遊技球の保留を解除するタイミングとを合わせ難くなる。
(A12) 前記(A9)から(A11)のいずれかに記載の遊技機において、
前記振分動作が遊技者にとって視認し難い態様とは、前記視認し易さを低下させる部材が動作する態様である
ことを特徴とする遊技機。
前記(A12)に記載の発明によれば、振分動作が遊技者にとって視認し難い態様とは、視認し易さを低下させる部材が動作する態様であるので、当該動作する部材の背後に位置する振分部材が第1位置か第2位置かを視認し難くなるので、振分部材が第2位置にあるタイミングと、遊技球の保留を解除するタイミングとを合わせ難くなる。
(A13) 前記(A9)から(A12)のいずれかに記載の遊技機において、
前記振分動作が遊技者にとって視認し難い態様とは、前記保留装置の遊技機正面視での背面側に、前記振分部材の背面側から光を発する発光手段を備え、前記発光手段が発光する態様である
ことを特徴とする遊技機。
前記(A13)に記載の発明によれば、振分動作が遊技者にとって視認し難い態様とは、保留装置の遊技機正面視での背面側に、振分部材の背面側から光を発する発光手段を備え、発光手段が発光する態様である。これにより、振分部材の背面側から発せられる光によって、振分部材の位置が第1位置か第2位置かを視認し難くなるので、振分部材が第2位置にあるタイミングと、遊技球の保留を解除するタイミングとを合わせ難くなる。
(B1) 遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
少なくとも右打ち遊技が行われる場合に前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な位置に設けられ、遊技球が入球し難い閉状態と、前記閉状態よりも遊技球が入球し易い開状態とに変化する可変入球手段と、
前記始動入球手段に入球した遊技球を検出する入球検出手段と、
前記入球検出手段による遊技球の検出に基づいて有利遊技状態を生じさせるか否かを決定可能な抽選を行う抽選手段と、を備え、
前記抽選手段による抽選の結果に応じた態様で図柄の変動表示が行われ、
前記抽選の結果が特定結果となった場合に、前記有利遊技状態として、右打ち遊技を行うことで通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態が発生し、
前記有利遊技状態の終了後、左打ち遊技を行う遊技状態に切り替わる遊技機であって、
少なくとも前記右打ち遊技中に発射される遊技球を保留可能な保留状態と、遊技球の保留が解除される解除状態とに変化する保留装置と、
前記遊技領域のうち前記保留装置から保留が解除された遊技球でなければ入球させづらい位置に設けられ、遊技球の入球に基づいて所定の遊技価値が得られる入賞口と、
前記保留装置を前記保留状態から前記解除状態に変化させる操作を含む、遊技者の操作を受ける操作手段と、
保留が解除された遊技球を前記入賞口に入賞し難くする第1位置と、保留が解除された遊技球を前記入賞口に入賞し易くする第2位置とに変化する振分動作が行われる振分部材と、
前記振分部材の前記振分動作を制御する振分動作制御手段と、
前記操作手段の操作を要求する操作要求の表示を含む演出であって、前記操作要求が表示されるタイミングを、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせた操作演出を、前記有利遊技状態の終了後の前記左打ち遊技を行う遊技状態において所定条件が成立することに基づいて、表示手段に表示するよう制御する操作演出制御手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(B1)に記載の発明によれば、遊技者は、有利遊技状態中に右打ちで遊技球を発射すれば、発射された遊技球のうちの一部の遊技球が保留装置に保留されるので、有利遊技状態中に楽な操作で保留装置に遊技球を保留することができる。ここで、有利遊技状態後に左打ち遊技を行う遊技状態に切り替わった後にも保留装置に保留された遊技球が残る場合がある。このような場合にも、遊技者は、左打ち遊技を行う遊技状態において所定条件が成立することに基づいて表示手段に表示される操作演出において、操作要求が表示されるタイミングに合わせて操作手段を操作することによって、振分部材が第2位置にくるタイミングに合わせて、保留装置を保留状態から解除状態に変化させることができる。これにより、操作要求が表示されるタイミングで保留装置から排出される遊技球は、第2位置にくる振分部材を介して、入賞口に入賞し易くなる。他方、操作要求が表示されるタイミング以外のタイミングで操作手段が遊技者の操作を受けても、保留装置が保留状態から解除状態に変化するタイミングは振分部材が第2位置にくるタイミングに合わないので、入賞口に入賞し難くなる。したがって、遊技者は、有利遊技状態中に右打ち遊技を行えば、有利遊技状態から左打ち遊技を行う遊技状態に切り替わった後に保留装置に保留された遊技球が残っていても、左打ちを行う遊技状態において所定条件が成立することに基づいて表示手段に表示される操作演出に積極的に参加し、操作演出中で操作要求が表示されるタイミングに合わせてうまく操作手段を操作することができれば、有利遊技状態中に遊技者が享受できる利益に加えて、保留装置に残った遊技球の数に応じた所定の遊技価値を、切り替わり後の左打ち遊技を行う遊技状態において得ることができる。その結果、保留装置に遊技球を保留することのメリットを高め、保留装置を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。
また、遊技者は、有利遊技状態の終了後は、遊技を継続する意欲を失い易いが、有利遊技状態の終了後の左打ち遊技状態において所定条件が成立することに基づいて操作演出が表示されて、当該操作演出によって保留装置に保留された遊技球の数に応じた所定の遊技価値を獲得できるチャンスがあることを知っていれば、有利遊技状態の終了後の左打ち遊技状態においても所定条件が成立するまでは遊技を継続しようとする遊技継続意欲を起こさせ易くなる。
なお、右打ち遊技とは、遊技領域のうち遊技機を正面から見て右側の領域を遊技球が流下するように遊技球を発射する操作を行うことである。左打ち遊技とは、遊技領域のうち遊技機を正面から見て左側の領域を遊技球が流下するように遊技球を発射する操作を行うことである。
(B2) 前記(B1)に記載の遊技機において、
前記有利遊技状態は、前記可変入球手段が前記開状態と前記閉状態とに変化する特別遊技が複数回実行される特別遊技状態である
ことを特徴とする遊技機。
前記(B2)に記載の発明によれば、有利遊技状態は、可変入球手段が開状態と閉状態とに変化する特別遊技が複数回実行される特別遊技状態であるので、特別遊技状態中に保留装置に遊技球を保留することのメリットを高め、特別遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において保留装置を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。
(B3) 前記(B1)または(B2)に記載の遊技機において、
前記有利遊技状態は、前記特別遊技状態の終了後、前記抽選手段による抽選の結果が前記特定結果となる確率が高められる高確率遊技状態である
ことを特徴とする遊技機。
前記(B3)に記載の発明によれば、有利遊技状態は、上述の特別遊技状態の終了後、抽選手段による抽選の結果が特定結果となる確率が高められる高確率遊技状態であるので、高確率遊技状態中に保留装置に遊技球を保留することのメリットを高め、高確率遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において保留装置を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。
(B4) 前記(B1)から(B3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記有利遊技状態は、前記特別遊技状態の終了後、前記図柄の変動表示の時間が短縮される時短状態である
ことを特徴とする遊技機。
前記(B4)に記載の発明によれば、有利遊技状態は、上述の特別遊技状態の終了後、図柄の変動表示の時間が短縮される時短状態であるので、時短状態中に保留装置に遊技球を保留することのメリットを高め、時短状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において保留装置を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。
(B5) 前記(B1)から(B4)のいずれかに記載の遊技機において、
少なくとも右打ち遊技中に発射される遊技球が入球可能な位置に設けられ、遊技球が入球し難い閉状態と、前記閉状態よりも遊技球が入球し易い開状態とに変化する第2始動入球手段と、
前記第2始動入球手段に入球した遊技球を検出する第2入球検出手段と、
前記第2入球検出手段による遊技球の検出に基づいて前記有利遊技状態を生じさせるか否かを決定可能な抽選を行う第2抽選手段と、
少なくとも右打ち遊技中に発射される遊技球の通過を検出する遊技球通過検出手段と、
前記遊技球通過検出手段による遊技球の検出に基づいて、前記第2始動入球手段を前記開状態とするか否かの第3抽選を行う第3抽選手段と、
前記有利遊技状態は、前記特別遊技状態の終了後、前記第3抽選の結果が前記第2始動入球手段を前記開状態とする結果である場合に、他の遊技状態において前記第2始動入球手段が前記開状態となる時間よりも長い時間または他の遊技状態において前記第2始動入球手段が前記開状態となる回数よりも多い回数、前記第2始動入球手段が前記開状態となる遊技状態である
ことを特徴とする遊技機。
前記(B5)に記載の発明によれば、有利遊技状態は、上述の特別遊技状態の終了後、第3抽選の結果が第2始動入球手段を開状態とする結果である場合に、他の遊技状態において第2始動入球手段が開状態となる時間(回数)よりも長い時間(回数)、第2始動入球手段が開状態となる遊技状態であるので、当該有利遊技状態中に保留装置に遊技球を保留することのメリットを高め、当該有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において保留装置を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。
(B6) 前記(B1)から(B5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記抽選手段での抽選結果に基づき、図柄を変動する複数パターンの変動表示演出の中から、所定の前記変動表示演出を選択する変動表示演出選択手段を備え、
前記所定条件は、前記有利遊技状態の終了後の前記左打ち遊技を行う遊技状態において選択される前記変動表示演出が、前記抽選の結果として前記特定結果を表す特定の組み合わせの一部を構成する図柄を表示して行われる所定のリーチ演出を含み且つ当該所定のリーチ演出の表示時間が少なくとも前記操作演出の表示時間よりも長いことである
ことを特徴とする遊技機。
前記(B6)に記載の発明によれば、有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において変動表示演出が抽選の結果として特定結果を表す特定の組み合わせの一部を構成する図柄を表示して行われる所定のリーチ演出を含み且つ当該リーチ演出の表示時間が少なくとも操作演出の表示時間よりも長い場合に、操作演出が表示手段に表示されるので、有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態におけるリーチ演出の表示時間を遊技者に楽しませることができる。
(B7) 前記(B6)に記載の遊技機において、
前記リーチ演出は、前記有利遊技状態になることを示唆する期待度が所定の高さである期待演出を構成要素に含むパターンと、前記有利遊技状態になることを示唆する期待度が前記期待演出よりも高い特定期待演出を構成要素に含むパターンとを少なくとも含み、
前記所定条件は、前記有利遊技状態の終了後の前記左打ち遊技を行う遊技状態において選択される前記変動表示演出に含まれる前記所定のリーチ演出が、前記特定期待演出を構成要素に含むパターンであることである
ことを特徴とする遊技機。
前記(B7)に記載の発明によれば、有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において選択される変動表示演出に含まれる前記所定のリーチ演出が、有利遊技状態になることを示唆する期待度が所定の高さである期待演出よりも高い特定期待演出を構成要素に含むパターンである場合に、操作演出が表示手段に表示されるので、有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態における特定期待演出を含むリーチ演出の表示時間を遊技者に楽しませることができる。
(B8) 前記(B6)または(B7)に記載の遊技機において、
前記所定条件は、前記有利遊技状態の終了後の前記左打ち遊技を行う遊技状態において、前記抽選手段での抽選結果が前記有利遊技状態としない第2特定結果であり、且つ、当該第2特定結果より後に選択される前記変動表示演出が前記所定のリーチ演出を含むことである
ことを特徴とする遊技機。
前記(B8)に記載の発明によれば、有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において抽選手段での抽選結果が有利遊技状態としない第2特定結果であり且つ当該第2特定結果より後に選択される変動表示演出が上述の所定のリーチ演出を含む場合に、操作演出が表示手段に表示されるので、有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において行われる抽選手段での抽選結果が有利遊技状態としない特定結果である場合には、前の有利遊技状態中に保留された遊技球を入賞口に入賞させる機会を当該第2特定結果より後に行われる所定のリーチ演出中に与えることによって、有利遊技状態としない第2特定結果であることに対する失望感を軽減させることができる。
(B9) 前記(B6)から(B8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記リーチ演出は、前記有利遊技状態になることを示唆する期待度が所定の高さである期待演出を構成要素に含むパターンと、前記有利遊技状態になることを示唆する期待度が前記期待演出よりも高い特定期待演出を構成要素に含むパターンとを少なくとも含み、
前記所定条件は、前記有利遊技状態の終了後の前記左打ち遊技を行う遊技状態において、前記抽選手段での抽選結果が前記有利遊技状態としない第2特定結果であり、且つ、当該第2特定結果に至る前記所定のリーチ演出が前記特定期待演出を含むパターンであることである
ことを特徴とする遊技機。
前記(B9)に記載の発明によれば、リーチ演出は、有利遊技状態になることを示唆する期待度が所定の高さである期待演出を構成要素に含むパターンと、有利遊技状態になることを示唆する期待度が期待演出よりも高い特定期待演出を構成要素に含むパターンとを少なくとも含み、有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において、抽選手段での抽選結果が有利遊技状態としない第2特定結果であり、且つ、当該第2特定結果に至る所定のリーチ演出が特定期待演出を含むパターンである場合に、操作演出が表示手段に表示される。これにより、有利遊技状態の終了後に行われる抽選手段での抽選結果が、期待度の高い特定期待演出を含んでいたにも関わらず、有利遊技状態としない第2特定結果である場合には、前の有利遊技状態中に保留された遊技球を入賞口に入賞させる機会を所定のリーチ演出中に与えることによって、特定期待演出を含む変動表示演出が実行されたにも関わらず有利遊技状態としない特定結果であることに対する失望感を軽減させることができる。
(B10) 前記(B1)から(B9)のいずれかに記載の遊技機において、
前記保留装置に保留される遊技球を検出する保留球検出手段と、
前記操作演出制御手段は、前記所定条件が成立し、且つ、前記保留球検出手段によって前記保留装置に保留される遊技球が有ると判定されることに基づいて、前記操作演出を前記表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
前記(B10)に記載の発明によれば、保留装置に保留される遊技球の無いにも関わらず操作演出が実行されることによって遊技者に与える不快感を低減することができる。
(B11) 前記(B1)から(B10)のいずれかに記載の遊技機において、
前記(A2)から(A11)のいずれかに記載の構成を有する
こと特徴とする遊技機。
前記(B11)に記載の発明によれば、前記(A2)から(A11)のいずれかに記載の遊技機と同様の作用効果を奏する。
(C0) 遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
少なくとも右打ち遊技が行われる場合に前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な位置に設けられ、遊技球が入球し難い閉状態と、前記閉状態よりも遊技球が入球し易い開状態とに変化する可変入球手段と、
前記始動入球手段に入球した遊技球を検出する入球検出手段と、
前記入球検出手段による遊技球の検出に基づいて特別遊技状態を生じさせるか否かを決定可能な抽選を行う抽選手段と、を備え、
前記抽選の結果が所定の結果となることに基づいて所定の表示演出が表示手段に表示される遊技機であって、
前記遊技領域を流下する遊技球を保留可能な保留状態と、遊技球の保留が解除される解除状態とに変化する保留装置と、
前記遊技領域のうち前記保留装置から保留が解除された遊技球でなければ入球させづらい位置に設けられ、遊技球の入球に基づいて所定の遊技価値が得られる入賞口と、
前記保留装置を前記保留状態から前記解除状態に変化させる操作を含む、遊技者の操作を受ける操作手段と、
保留が解除された遊技球を前記入賞口に入賞し難くする第1位置と、保留が解除された遊技球を前記入賞口に入賞し易くする第2位置とに変化する振分動作が行われる振分部材と、
前記振分部材の前記振分動作を制御する振分動作制御手段と、
前記操作手段の操作を要求する操作要求の表示を含む演出であって、前記操作要求が表示されるタイミングを、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせた操作演出を、前記所定の表示演出の開始から予め決められた時間の経過後に、前記表示手段に表示するよう制御する操作演出制御手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(C0)に記載の発明によれば、遊技者は、表示手段に表示される操作演出において、操作要求が表示されるタイミングに合わせて操作手段を操作することによって、振分部材が第2位置にくるタイミングに合わせて、保留装置を保留状態から解除状態に変化させることができる。これにより、操作要求が表示されるタイミングで保留装置から排出される遊技球は、第2位置にくる振分部材を介して、入賞口に入賞し易くなる。他方、操作要求が表示されるタイミング以外のタイミングで操作手段が遊技者の操作を受けても、保留装置が保留状態から解除状態に変化するタイミングは振分部材が第2位置にくるタイミングに合わないので、入賞口に入賞し難くなる。したがって、遊技者は、操作演出中で操作要求が表示されるタイミングに合わせてうまく操作手段を操作することができれば、保留装置に保留される遊技球の数に応じた所定の遊技価値を、非特別遊技状態において得ることができる。また、操作演出は、抽選の結果が所定の結果となることに基づいて表示される所定の表示演出の開始から予め決められた時間の経過後に表示手段に表示されるので、操作演出の開始タイミングを決めるために複雑な制御をする必要もなく、操作演出を適切に実行するためのメモリ使用量を低減することができる。その結果、保留装置に遊技球を保留することのメリットを高め、保留装置を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。
上述した所定の表示演出としては、例えば、通常遊技状態における特定のリーチ演出(例えば、リーチ演出期間が他のリーチ演出よりも長いスーパーリーチ演出)や、大当たり状態における大当たりラウンド中の演出(以下、大当たり演出)や、右打ち有利遊技状態(確変状態や時短状態など)を示す表示演出(例えば画面の背景色を通常遊技状態や特別遊技状態とは別の色に変える演出や、右打ち有利遊技状態であることを知らせる「右打ちして下さい」のような表示演出)が挙げられる。このような例では、所定の表示演出の開始時点で、予め決められた時間の経過後に開始される操作演出において、操作要求が表示されるタイミングと、振分部材が第2位置にくるタイミングとが合うような調整が行われる。
(C1) 遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な位置に設けられ、遊技球が入球し難い閉状態と、前記閉状態よりも遊技球が入球し易い開状態とに変化する可変入球手段と、
前記始動入球手段に入球した遊技球を検出する入球検出手段と、
前記入球検出手段による遊技球の検出に基づいて特別遊技状態を生じさせるか否かを決定可能な抽選を行う抽選手段と、を備え、
前記抽選手段による抽選の結果に応じた態様で図柄の変動表示が行われ、
前記抽選の結果が特定結果となった場合に、前記特定遊技状態として、前記可変入球手段を前記開状態と前記閉状態とに繰り返し変化させる遊技機であって、
少なくとも前記特別遊技状態ではない非特別遊技状態において右打ち遊技で発射される遊技球を保留可能な保留状態と、遊技球の保留が解除される解除状態とに変化する保留装置と、
前記遊技領域のうち前記保留装置から保留が解除された遊技球でなければ入球させづらい位置に設けられ、遊技球の入球に基づいて所定の遊技価値が得られる入賞口と、
前記保留装置を前記保留状態から前記解除状態に変化させる操作を含む、遊技者の操作を受ける操作手段と、
保留が解除された遊技球を前記入賞口に入賞し難くする第1位置と、保留が解除された遊技球を前記入賞口に入賞し易くする第2位置とに変化する振分動作が行われる振分部材と、
前記振分部材の前記振分動作を制御する振分動作制御手段と、
前記操作手段の操作を要求する操作要求の表示を含む演出であって、前記操作要求が表示されるタイミングを、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせた操作演出を、前記非特別遊技状態中であって且つ前記抽選の結果に応じた特定の変動表示中に、表示手段に表示するよう制御する操作演出制御手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(C1)に記載の発明によれば、遊技者は、表示手段に表示される操作演出において、操作要求が表示されるタイミングに合わせて操作手段を操作することによって、振分部材が第2位置にくるタイミングに合わせて、保留装置を保留状態から解除状態に変化させることができる。これにより、操作要求が表示されるタイミングで保留装置から排出される遊技球は、第2位置にくる振分部材を介して、入賞口に入賞し易くなる。他方、操作要求が表示されるタイミング以外のタイミングで操作手段が遊技者の操作を受けても、保留装置が保留状態から解除状態に変化するタイミングは振分部材が第2位置にくるタイミングに合わないので、入賞口に入賞し難くなる。また、遊技者は、非特別遊技状態中に右打ち遊技を行い、非特別遊技状態中であって且つ抽選の結果に応じた特定の変動表示中に表示手段に表示される操作演出に積極的に参加し、操作演出中で操作要求が表示されるタイミングに合わせてうまく操作手段を操作することができれば、保留装置に保留される遊技球の数に応じた所定の遊技価値を、非特別遊技状態において得ることができるので、非特別遊技状態中の遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。その結果、保留装置に遊技球を保留することのメリットを高め、保留装置を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。
なお、非特別遊技状態には、抽選手段による抽選の結果が特定結果となる確率が通常の確率である通常遊技状態だけでなく、特別遊技状態の終了後、抽選手段による抽選の結果が特定結果となる確率が通常遊技状態よりも高められる高確率遊技状態や、変動表示の時間が短縮される時短状態も含まれる。
(C2) 前記(C1)に記載の遊技機において、
前記特定の変動表示は、前記抽選の結果として前記特定結果を表す特定の組み合わせの一部を構成する図柄を表示して行われる特定のリーチ演出であって且つ少なくとも前記操作演出の表示時間よりも長い時間、前記変動表示が行われる特定のリーチ演出である
ことを特徴とする遊技機。
前記(C2)に記載の発明によれば、特定の変動表示は、少なくとも操作演出の表示時間よりも長い時間、変動表示が行われる特定のリーチ演出である。これにより、特定のリーチ演出中に実施される保留装置を用いた遊技に遊技者を参加させることで、特定のリーチ演出のような変動時間の長いリーチ演出に遊技者が飽きることを低減できる。
(C3) 前記(C2)に記載の遊技機において、
前記操作演出制御手段は、前記特定の変動表示中に前記右打ち遊技を行うことを遊技者に報知する右打ち報知を行うとともに、当該右打ち報知後であって当該特定の変動表示中に、前記操作演出を前記表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
前記(C3)に記載の発明によれば、操作演出は、操作演出制御手段によって右打ち報知手段によって特定の変動表示中に右打ち報知が行われた後に、操作演出制御手段によって表示手段に表示されるので、遊技者が特定の変動表示中に保留装置に遊技球を保留する機会を逃すことを低減できる。
(C4) 前記(C1)から(C3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技盤は、前記特定遊技状態よりも前記非特別遊技状態の方が、前記右打ち遊技で発射された遊技球が前記保留装置に保留され易く構成されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(C4)に記載の発明によれば、右打ち遊技で発射された遊技球は、遊技盤の構成によって、特定遊技状態よりも非特別遊技状態の方が保留装置に保留され易いので、非特別遊技状態において特定の変動表示中に遊技者に積極的に右打ち遊技を行わせることができる。
(C5) 前記(C4)に記載の遊技機において、
前記遊技盤は、前記非特別遊技状態において、前記右打ち遊技で発射された遊技球を前記保留装置に誘導する誘導部材が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
前記(C5)に記載の発明によれば、非特別遊技状態において右打ち遊技で発射された遊技球は、遊技盤に設けられる誘導部材によって保留装置に誘導されるので、釘調整によって保留装置に誘導する場合よりも確実に、非特別遊技状態において右打ち遊技で発射された遊技球を保留装置に誘導することができる。
(C6) 前記(C1)から(C3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技盤は、前記特定の変動表示とは異なる変動表示中よりも、前記特定の変動表示中の方が、前記右打ち遊技で発射された遊技球が前記保留装置に保留され易く構成されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(C6)に記載の発明によれば、右打ち遊技で発射された遊技球は、遊技盤の構成によって、特定の変動表示とは異なる変動表示中よりも特定の変動表示中の方が保留装置に保留され易いので、遊技者が非特別遊技状態において特定の変動表示中に右打ち遊技を行うことが本来の遊技であるにも関わらず、遊技者が非特別遊技状態において他の変動表示中にも右打ち遊技を行うという本来の遊技から外れた遊技が行われることを低減できる。
(C7) 前記(C6)に記載の遊技機において、前記遊技盤は、前記特定の変動表示中において、前記右打ち遊技で発射された遊技球を前記保留装置に誘導する誘導部材が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
前記(C7)に記載の発明によれば、特定の変動表示中において右打ち遊技で発射された遊技球は、遊技盤に設けられる誘導部材によって、保留装置に誘導されるので、釘調整によって保留装置に誘導する場合よりも確実に、特定の変動表示中において右打ち遊技で発射された遊技球を保留装置に誘導することができる。したがって、特定の変動表示中において誘導部材を狙って右打ち遊技を行うという面白さを遊技者に提供できる。
(D1) 遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域を流下する遊技球を保留可能な保留状態と、遊技球の保留が解除される解除状態とに変化する保留装置と、
前記保留装置に保留される遊技球を検出する検出手段と、
前記遊技領域のうち前記保留装置から保留が解除された遊技球でなければ入球させづらい位置に設けられ、遊技球の入球に基づいて所定の遊技価値が得られる入賞口と、
前記保留装置を前記保留状態から前記解除状態に変化させる操作を含む、遊技者の操作を受ける操作手段と、
保留が解除された遊技球を前記入賞口に入賞し難くする第1位置と、保留が解除された遊技球を前記入賞口に入賞し易くする第2位置とに変化する振分動作が行われる振分部材と、
前記振分部材の前記振分動作を制御する振分動作制御手段と、
前記操作手段の操作を要求する操作要求画像が表示される操作演出を含む表示演出を制御する手段であって、前記検出手段によって前記保留装置に保留される遊技球が検出される場合に、前記操作要求画像が表示されるタイミングを、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせた前記操作演出を、表示手段に表示するよう制御する表示演出制御手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(D1)に記載の発明によれば、遊技者は、表示手段に表示される操作演出において、操作要求が表示されるタイミングに合わせて操作手段を操作することによって、振分部材が第2位置にくるタイミングに合わせて、保留装置を保留状態から解除状態に変化させることができる。これにより、操作要求が表示されるタイミングで保留装置から排出される遊技球は、第2位置にくる振分部材を介して、入賞口に入賞し易くなる。他方、操作要求が表示されるタイミング以外のタイミングで操作手段が遊技者の操作を受けても、保留装置が保留状態から解除状態に変化するタイミングは振分部材が第2位置にくるタイミングに合わないので、入賞口に入賞し難くなる。したがって、遊技者は、上述した操作演出を含む表示演出が表示されるためには、保留装置に遊技球が保留されて検出手段によって検出されるまで遊技球を発射し続ける必要があるので、遊技中に遊技球の発射を中断する止め打ちを低減できる。その結果、保留装置に遊技球を保留することのメリットを高め、保留装置を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。
(D2) 前記(D1)に記載の遊技機において、
前記検出手段による遊技球の検出に基づいて前記保留装置に保留上限数の遊技球が保留されているか否かを判定する上限数判定手段を備え、
前記演出制御手段は、前記保留上限数の遊技球が保留されていると判定される場合に、前記操作要求画像が表示されるタイミングを、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせた前記操作演出を、前記表示手段に表示するよう制御する
ことを特徴とする遊技機。
前記(D2)に記載の発明によれば、操作演出は、上限数判定手段によって保留上限数の遊技球が保留装置に保留されていると判定される場合に、演出制御手段によって、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせた操作演出が表示されるので、保留上限数に満たない遊技球しか保留されていない場合にまで操作演出が表示されることによる遊技者の煩雑さを低減することができる。
(D3) 前記(D2)に記載の遊技機において。
前記表示演出の実行時間が前記操作演出を開始するための下限タイミングに達したか否かを判定する下限タイミング判定手段を備え、
前記演出制御手段は、前記表示演出の実行時間が前記下限タイミングに達したと判定されるまでに、再び前記保留上限数の遊技球が保留されていると判定される場合に、前記操作要求画像が表示されるタイミングを、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせた新たな前記操作演出を、前記表示手段に表示するよう制御する
ことを特徴とする遊技機。
前記(D3)記載の発明によれば、表示演出の実行時間が下限タイミングに達したと判定されるまでに、再び保留上限数の遊技球が保留されていると判定される場合に、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせた新たな操作演出が表示手段に表示されるので、表示演出の実行期間中に保留上限数の遊技球が保留されて操作演出が表示された後も、表示演出の実行時間が下限タイミングに達するまでに再び保留上限数の遊技球が保留されて新たな操作演出が表示される(その結果、新たな遊技価値の付与を受け得る)ことを目指して、遊技者に積極的に遊技球を発射させることができる。
(D4) 前記(D1)から(D3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示演出の実行時間が前記操作演出を開始するための下限タイミングに達したか否かを判定する下限タイミング判定手段と、
前記検出手段による遊技球の検出に基づいて前記保留装置に少なくとも前記保留上限数よりも少ない保留下限数の遊技球が保留されているか否かを判定する第2判定手段と、
前記演出制御手段は、前記表示演出の実行時間が前記下限タイミングに達したと判定されるまでに、少なくとも前記保留下限数の遊技球が保留されていると判定される場合に、前記操作要求画像が表示されるタイミングを、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせた前記操作演出を、前記表示手段に表示するよう制御する
ことを特徴とする遊技機。
前記(D4)に記載の発明によれば、表示演出の実行時間が下限タイミングに達すると判定されるまでに、少なくとも保留下限数の遊技球が保留されていると判定される場合に、演出制御手段によって、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分部材が第2位置にくるタイミングに合わせた操作演出が表示手段に表示される。これにより、第1判定手段によって保留上限数の遊技球が保留装置に保留されていないと判定される場合であっても、表示演出の実行時間が下限タイミングに達するまでに、少なくとも保留下限数の遊技球が保留されていると判定される場合には、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせた操作演出が表示手段に表示されるので、保留装置に遊技球が保留されているにも関わらず、保留上限数に満たないことのみを理由に、操作演出が表示されないことによる遊技意欲の減衰を低減できる。
(D5) 前記(D1)から(D4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記操作演出は、第1操作態様で前記操作要求画像が表示される第1操作演出と、第1操作態様よりも遊技者にとって操作し易い第2操作態様で前記操作要求画像が表示される第2操作演出とを、少なくとも含み、
少なくとも前記第1操作演出または前記第2操作演出のうちいずれの操作演出を表示するかを選択可能な選択画像を前記表示手段に表示する難易度選択表示手段を備え、
前記演出制御手段は、前記難易度選択表示手段による前記選択画像の表示中に選択された操作演出を前記表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
前記(D5)記載の発明によれば、操作演出は、第1操作態様で操作要求画像が表示される第1操作演出と、第1操作態様よりも遊技者にとって操作し易い第2操作態様で操作要求画像が表示される第2操作演出とが少なくとも含まれ、難易度選択表示手段によって、少なくとも第1操作演出または第2操作演出のうちいずれの操作演出を表示するかを選択可能な選択画像が表示手段に表示され、演出制御手段によって、選択画像の表示中に選択された操作演出が表示手段に表示されるので、難しい操作を好まない遊技者は、第2操作演出を選択することができるし、そうでない遊技者は、第1操作演出を選択できる。このように、遊技者の好みに応じた操作演出を提供できる。
(D6) 前記(D1)から(D5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記振分部材の前記振分動作は、周期が異なる第1可動周期と第2可動周期を含む複数種類の可動周期を有し、
前記振分動作制御手段は、前記第1可動周期から前記第2可動周期に可動周期を変更する可動周期変更手段を備え、
前記表示演出制御手段は、前記周期変更手段によって変更された前記可動周期の種類に応じて、前記操作要求画像が表示されるタイミングを、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせた前記操作演出を表示する
ことを特徴とする遊技機。
前記(D6)に記載の発明によれば、振分部材の前記振分動作は、周期が異なる第1可動周期と第2可動周期を含む複数種類の可動周期を有し、可動周期変更手段によって、第1可動周期から前記第2可動周期に可動周期が変更される場合でも、変更された可動周期の種類に応じて、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分部材が第2位置にくるタイミングに合わせた操作演出が表示演出制御手段によって表示される。これにより、同じ可動周期で振分動作が行われる場合よりも可動部材の動作タイミングを見抜きがたくすることができる。
(D7) 前記(D1)から(D6)のいずれかに記載の遊技機において、
前記振分部材の前記振分動作は、前記第1位置と前記第2位置とに変化するタイミングが異なる第1可動パターンと第2可動パターンとを含む複数種類の可動パターンを有し、
前記振分動作制御手段は、前記第1可動パターンから前記第2可動パターンに可動パターンを変更する可動パタン変更部を備え、
前記表示演出制御手段は、前記可動パターン変更部によって変更された前記可動パターンの種類に応じて、前記操作要求画像が表示されるタイミングを、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせた前記操作演出を表示する
ことを特徴とする遊技機。
前記(D7)に記載の発明によれば、振分部材の前記振分動作は、第1位置と第2位置とに変化するタイミングが異なる第1可動パターンと第2可動パターンとを含む複数種類の可動パターンを有し、可動パタン変更部によって、第1可動パターンから第2可動パターンに可動パターンが変更される場合でも、変更された可動パターンの種類に応じて、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分部材が第2位置にくるタイミングに合わせた操作演出が表示演出制御手段によって表示される。これにより、同じ可動パターンで振分動作が行われる場合よりもさらに可動部材の動作タイミングを見抜きがたくすることができる。
(D8) 前記(D1)から(D7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記振分動作制御手段は、少なくとも前記操作演出が開始される前から所定の可動周期で前記振分動作を繰り返しており、
前記表示演出制御手段は、前記検出手段によって前記保留装置に保留される遊技球が検出されてから前記操作演出が開始されるまでの間に、前記操作要求画像が表示されるタイミングを、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせるように調整する調整演出を実行するものであって、
前記表示演出制御手段は、前記調整演出として、当該調整演出が実行される時間の長さが異なる複数種類の調整演出を有し、前記所定の可動周期に対する前記検出手段によって前記保留装置に保留される遊技球が検出されるタイミングに応じて決まる前記異なる長さの前記調整演出を前記表示手段に表示するように制御する
ことを特徴とする遊技機。
前記(D8)に記載の発明によれば、振分動作制御手段は、少なくとも操作演出が開始される前から所定の可動周期で振分動作を繰り返しているので、所定の可動周期の途中で、保留装置に保留される遊技球が検出されるタイミング(すなわち、表示演出における操作演出が開始されるタイミング)が到来する場合には、表示演出制御手段は、検出手段によって保留装置に保留される遊技球が検出されてから操作演出が開始されるまでの間に、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせるように調整する調整演出を実行する。表示演出制御手段は、この調整演出として、調整演出が実行される時間の長さが異なる複数種類の調整演出を有し、所定の可動周期に対する検出手段によって前記保留装置に保留される遊技球が検出されるタイミングに応じて決まる異なる長さの調整演出を表示手段に表示する。これにより、所定の可動周期の途中で、保留装置に保留される遊技球が検出されるタイミング(すなわち、表示演出における操作演出が開始されるタイミング)が到来する場合であっても、操作要求画像が表示されるタイミングと振分部材が第2位置にくるタイミングとがズレないように調整することができる。
(D9) 前記(D8)に記載の遊技機において、
前記表示演出制御手段は、前記操作演出が実行される時間の長さよりも短い長さの前記調整演出を複数種類有する
ことを特徴とする遊技機。
前記(D9)に記載の発明によれば、表示演出制御手段は、操作演出が実行される時間の長さよりも短い長さの調整演出を複数種類有するので、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分部材が第2位置にくるタイミングに合わせるために、複数種類の長さの調整演出用の画像をメモリに記憶させる場合に、複数種類の長さの操作演出用の画像をメモリに記憶させる場合よりも、メモリの使用量を抑えることができる。
(D10) 前記(D8)に記載の遊技機において、
前記表示演出制御手段は、前記操作演出を表示するための画像よりも情報量の少ない画像を有する前記調整演出を複数種類有する
ことを特徴とする遊技機。
前記(D10)に記載の発明によれば、操作演出を表示するための画像よりも情報量の少ない画像を有する調整演出を複数種類有するので、仮に調整演出の長さと操作演出の長さが同じとなる場合でも、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分部材が第2位置にくるタイミングに合わせるために、複数種類の長さの調整演出用の画像(例えば静止画像)をメモリに記憶させる場合に、複数種類の長さの操作演出用の画像(例えば動画像)をメモリに記憶させる場合よりも、メモリの使用量を抑えることができる。
(D11) 前記(D1)から(D7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記振分動作制御手段は、少なくとも前記操作演出が開始される前から所定の可動周期で前記振分動作を繰り返しており、
前記表示演出制御手段は、前記操作演出が実行される時間の長さが異なる複数種類の操作演出を有し、前記所定の可動周期に対する前記検出手段によって前記保留装置に保留される遊技球が検出されるタイミングに応じて決まる前記異なる長さの前記操作演出を前記表示手段に表示するように制御する
ことを特徴とする遊技機。
前記(D11)に記載の発明によれば、振分動作制御手段は、少なくとも操作演出が開始される前から所定の可動周期で振分動作を繰り返しており、表示演出制御手段は、操作演出が実行される時間の長さが異なる複数種類の操作演出を有し、所定の可動周期に対する検出手段によって保留装置に保留される遊技球が検出されるタイミングに応じて決まる異なる長さの操作演出を表示手段に表示するので、所定の可動周期の途中で、保留装置に保留される遊技球が検出されるタイミング(すなわち、表示演出における操作演出が開始されるタイミング)が到来する場合であっても、操作要求画像が表示されるタイミングと振分部材が第2位置にくるタイミングとがズレないように調整することができる。
(D12) 前記(D8)から(D11)のいずれかに記載の遊技機において、
前記振分動作制御手段は、前記所定の可動周期での前記振分動作を遊技者にとって視認し難い態様で実行する
ことを特徴とする遊技機。
前記(D12)に記載の発明によれば、振分動作制御手段は、所定の可動周期での振分動作を遊技者にとって視認し難い態様で実行するので、操作演出が開始される前から所定の可動周期で振分動作が繰り返される場合でも、遊技者が振分動作の可動周期を解読して、解読して得られたタイミングに基づいて、振分部材が第2位置にくるタイミング合わせて操作手段が操作されて、所定の遊技価値が得られることを低減することができる。
(E1) 遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
少なくとも右打ち遊技が行われる場合に前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な位置に設けられ、遊技球が入球し難い閉状態と、前記閉状態よりも遊技球が入球し易い開状態とに変化する可変入球手段と、
前記始動入球手段に入球した遊技球を検出する入球検出手段と、
前記入球検出手段による遊技球の検出に基づいて特別遊技状態を生じさせるか否かを決定可能な抽選を行う抽選手段と、を備え、
前記抽選の結果が所定の結果となることに基づいて所定の表示演出が表示手段に表示される遊技機であって、
前記遊技領域を流下する遊技球を保留可能な保留状態と、遊技球の保留が解除される解除状態とに変化する保留装置と、
前記遊技領域のうち前記保留装置から保留が解除された遊技球でなければ入球させづらい位置に設けられ、遊技球の入球に基づいて所定の遊技価値が得られる入賞口と、
前記保留装置を前記保留状態から前記解除状態に変化させる操作を含む、遊技者の操作を受ける操作手段と、
保留が解除された遊技球を前記入賞口に入賞し難くする第1位置と、保留が解除された遊技球を前記入賞口に入賞し易くする第2位置とに変化する振分動作が行われる振分部材と、
前記操作手段の操作を要求する操作要求の表示を含む操作演出を、前記所定の表示演出の表示中に、前記表示手段に表示するよう制御する操作演出制御手段と、
前記所定の表示演出及び前記操作演出の開始タイミングとは同期しないタイミングで、前記振分部材の前記振分動作を制御する振分動作制御手段と、
前記操作演出制御手段は、前記操作要求が表示されるタイミングを、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせるように、前記所定の表示演出または前記操作演出の少なくともいずれか一方を調整する
ことを特徴とする遊技機。
前記(E1)に記載の発明によれば、保留装置は、遊技領域を流下する遊技球を保留可能な保留状態と、遊技球の保留が解除される解除状態とに変化する。遊技球の入球に基づいて所定の遊技価値が得られる入賞口は、遊技領域のうち保留装置から保留が解除された遊技球でなければ入球させづらい位置に設けられている。操作手段は、保留装置を保留状態から解除状態に変化させる操作を含む、遊技者の操作を受ける。振分部材は、保留が解除された遊技球を前記入賞口に入賞し難くする第1位置と、保留が解除された遊技球を前記入賞口に入賞し易くする第2位置とに変化する振分動作が行われる。操作演出制御手段は、操作手段の操作を要求する操作要求の表示を含む操作演出を、所定の表示演出の表示中に、表示手段に表示するよう制御する。振分動作制御手段は、所定の表示演出及び操作演出の開始タイミングとは同期しないタイミングで、振分部材の振分動作を制御する。ここで、何ら計らいをしなければ、操作要求が表示されるタイミングが、振分部材が第2位置にくるタイミングからずれることが懸念される。そのため、操作演出制御手段は、操作要求が表示されるタイミングを、振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせるように、所定の表示演出または前記操作演出の少なくともいずれか一方を調整する。
これにより、遊技者は、表示手段に表示される操作演出において、操作要求が表示されるタイミングに合わせて操作手段を操作することによって、振分部材が第2位置にくるタイミングに合わせて、保留装置を保留状態から解除状態に変化させることができる。また、操作要求が表示されるタイミングで保留装置から排出される遊技球は、第2位置にくる振分部材を介して、入賞口に入賞し易くなる。他方、操作要求が表示されるタイミング以外のタイミングで操作手段が遊技者の操作を受けても、保留装置が保留状態から解除状態に変化するタイミングは振分部材が第2位置にくるタイミングに合わないので、入賞口に入賞し難くなる。したがって、遊技者は、操作演出中で操作要求が表示されるタイミングに合わせてうまく操作手段を操作することができれば、保留装置に保留される遊技球の数に応じた所定の遊技価値を得ることができる。その結果、保留装置に遊技球を保留することのメリットを高め、保留装置を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。
(E2) 前記(E1)に記載の遊技機において、
前記操作演出制御手段は、前記操作要求が表示されるタイミングを、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせるように、前記操作演出の開始タイミングを調整する調整演出を前記表示手段に表示するよう制御する
ことを特徴とする遊技機。
前記(E2)に記載の発明によれば、操作要求が表示されるタイミングを、振分部材が第2位置にくるタイミングに合わせることができるとともに、操作演出に加えて調整演出によって所定の表示演出に対する興趣を向上させることができる。
(E3) 前記(E1)に記載の発明において、
前記操作演出制御手段は、前記操作要求が表示されるタイミングを、前記振分部材が前記第2位置にくるタイミングに合わせるように、前記操作演出の長さを調整する
ことを特徴とする遊技機。
前記(E3)に記載の発明によれば、操作要求が表示されるタイミングを、振分部材が第2位置にくるタイミングに合わせることができるとともに、操作演出の長さの長短に応じて、操作演出を含む所定の表示演出に対する興趣を向上させることができる。
(E4) 前記(E1)から(E3)のいずれかに記載の発明において、
前記(A1)から(D12)までの少なくともいずれかに記載の構成を備えることを特徴とする遊技機。
前記(E4)に係る発明によれば、(E1)から(E3)のいずれかに記載の発明においても、上述した(A1)から(D12)までの少なくともいずれかに記載の発明と同様の効果を奏することができる。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、内枠12に取り付けられた状態での遊技盤30の構成を示す正面図であり、図3は、保留装置400を説明するための図2に示す遊技盤30の右下遊技領域30a3の拡大図である。図4は、図3に示す保留装置400から装飾板413を取り外した状態を示す断面図である。図5は、図4に示す振分可動弁409周辺の拡大図である。図6は、振分可動弁409の変移を説明するためのタイミングチャートである。図7は、パチンコ機10の裏面図である。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図9は、第3図柄表示装置の表示内容を示す説明図であり、図9(a)は主装飾図柄が揃った状態を示し、図9(b)は副装飾図柄が揃った状態を示す。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
図1に示すように、内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、外形が矩形状の樹脂ベース(図示省略)に着脱自在に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。
図1に示すように、下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図8参照)などで構成されている。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
また、前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
図1に示すように、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。また、前面枠セット14には、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている略楕円形状で中央が空洞とした枠体であり、その枠体の空洞部分に略楕円形状のガラス板137が取り付けられたものである。このガラス板137は二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
また、前面枠セット14は、図1に示すように、上皿19の左下側の箇所に、遊技者による操作指示(例えば、押下指示)を受ける第1枠ボタン20と第2枠ボタン21とを備えている。図8に示すように、第1枠ボタン20はサブ制御装置262に接続されている。第2枠ボタン21は主制御装置261に接続されている。例えば、所定の操作有効条件成立時には、第1枠ボタン20の操作が有効となり、枠ボタン20を押下するなどにより、第3図柄表示装置42の画面表示が変化したり、出力音を変更したり、ランプ表示を変更したりするなど、遊技者が遊技に積極的に参加できるようになっている。第2枠ボタン21は、太鼓の打面を模した形をしており、後述するように保留装置400を保留状態から解除状態に変化させる操作に用いられる。
加えて、前面枠セット14は、その前面側で窓部101の周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、四角形状の合板よりなり、その周縁部が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、図2では、内枠12のうち遊技盤30の大きさに対応する箇所のみを示し、その他の領域の図示は省略している。
遊技盤30は、一般入賞口31a、一般入賞口31b、可変入賞装置32、第1の始動口33a(例えばヘソ)、第1の始動口33b(例えば電チュー,作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの部品は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31a,31b、可変入賞装置32および第1の始動口33a,33bに遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチで検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。第1の始動口33aには入球検出スイッチ31cが設けられている。第1の始動口33bには入球検出スイッチ31dが設けられている。第2の始動口33bには通過検出スイッチ34aが設けられている。なお、第1の始動口33a,33bへの入球は、第1図柄表示装置40及び第3図柄表示装置42が第1図柄及び第3図柄の変動表示を開始するための始動条件となっている。第2の始動口34への通過は、第2図柄表示装置41が第2図柄の変動表示を開始するための始動条件となっている。
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。第1図柄,第2図柄,第3図柄は、それぞれ、第1図柄,第2図柄,第3図柄の変動表示の結果が遊技者にとって有利な特別遊技状態への当否を遊技者に識別させる識別情報である。
第1図柄表示装置40は、例えば、複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cとを備えている。遊技球が第1の始動口33a,33bを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ40cは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。このLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させる。例えば、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、第1特別遊技状態(例えば通常大当り状態)に当選したことを示す。また、LED40aが青色発光状態で停止するとともにLED40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、第2特別遊技状態(例えば時短大当り状態)に当選したことを示す。また、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、第3特別遊技状態(例えば確変大当り状態)に当選したことを示す。また、LED40aが赤色発光状態で停止するとともにLED40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、外れ(特別遊技状態に落選したこと)を示す。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当りを示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当りを示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると時短大当たりを示し、LEDが第4の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第1の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示されるようになっている。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図9に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。また、第3図柄表示装置42には、開閉動作部材が開状態と閉状態とに変化する期間中に所定のキャラクター等の画像を動作させる特別遊技動画も表示可能となっている。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、9.3インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第3図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における画像表示装置に相当する。
図2に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当たりの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特別遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
より詳しくは、第1の始動口33a,33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特別遊技状態が発生する。
本実施例では、可変入賞装置32は、大入賞口32aを開閉する扉部材32bを有し、通常大当たり状態または確変大当たりのいずれかに当選した場合に、その扉部材32bが前側に倒れて所定の開状態となり、遊技球が入賞しやすい状態になるよう構成されている。具体的には、可変入賞装置32は、当該開状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(大当たりラウンド数に相当する回数)繰り返し開放される。例えば、1ラウンドは、扉部材32bの開放から30秒間を経過するか、又は、遊技球10球分の入賞検出があることに基づき、終了(扉部材32bが閉鎖)するように設定されている。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図7参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、正面視した状態で周囲外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域30aの拡張が図られるようになっている。
内レール51及び外レール52間の球案内通路49の入口には、当該球案内通路49の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域30aまで至らず球案内通路49内を逆流してくるファール球を内枠12に設けられたファール球通路(図示省略)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図2のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まない。遊技領域30aの向かって左側限界位置は、内レール51によって特定される。遊技領域30aの向かって右側限界位置は、外レール52と、外レール52に沿って配置される内枠12の構成部品によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域30aの幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域30aの高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
遊技領域30aには、中央部からやや上方の位置に第3図柄表示装置42が配設され、第3図柄表示装置42の左横側に複数本の釘が配設された左幅狭領域30a1が形成されている。また、遊技領域30aには、第3図柄表示装置42の右横側のうち上側から中央付近まで、左側幅狭領域30a1の横幅よりも狭く且つ遊技球1球がようやく通過できる程度の幅を有する右上幅狭領域30a2が形成されており、第3図柄表示装置42の右横側のうち中央付近から下側まで、右上幅狭領域30a2の下流側に連なって、右上幅狭領域30a2の横幅よりも広く、遊技球の流下経路を複数有する右下遊技領域30a3が形成されている。右下遊技領域30a3には、第2の始動口34,第1の始動口33b,可変入賞装置32が配設され、可変入賞装置32の左横に、複数個の遊技球を保留可能な保留装置400が設けられ、保留装置400の左下側に一般入賞口31bが設けられている。
通常遊技状態では、左幅狭領域30a1から第1の始動口33aを狙って遊技球を発射する操作(左打ち遊技)が行われる。大当たり状態中(大当たりラウンド遊技中)は、右幅狭領域30a2から可変入賞装置32を狙って遊技球を発射する操作(右打ち遊技)が行われる。確変大当たりや時短大当たりの場合は、大当たり状態中に右打ち遊技が行われ、大当たり状態終了後の確変状態中や時短状態中にも第1の始動口33bを狙う右打ち遊技が行われる。
右上幅狭領域30a2を狙って遊技球を発射する右打ちが行われた場合、右上幅狭領域30a2を出た遊技球は、第2の始動口34を通過する。第2の始動口34の通過検出に基づく抽選(第2図柄抽選)の結果が当たりである場合に、第1の始動口33bの開閉部材33c(図4参照)が開放されて、所定時間後に閉鎖される。開閉部材33cは、横長の略S字状に形成され、左側に向けて下り傾斜している。遊技球は、開放中の第1の始動口33bに入球する場合もあるし、閉鎖中の開閉部材33c上を転動して、さらに下流に流下する場合もある。第1の始動口33bに入球された遊技球は、入球検出スイッチ31dによって検出される。入球検出スイッチ31dによる入球検出は、図柄の変動表示を開始する始動条件となる。ただし、通常遊技状態中は、確変状態と比べて、第2図柄抽選の結果が当たりとなる確率が非常に低く設定されている。そのため、通常遊技状態中に右打ちを行ったとしても、第2図柄抽選への当選及び第1の始動口33bの開閉部材33cの開放を期待し難いため、通常遊技状態中は左打ちが行われる。
開閉部材33cの下流側には、V字状に3本の釘が配され、開閉部材33c上を転動して流下する遊技球の流路を可変入賞装置32側と保留装置400側との左右に分岐させる。右側に分流された遊技球は、大当たり状態中であれば開放中の大入賞口32aに入球する場合もあるし、閉鎖中の大入賞口32aの前を通過して右下遊技領域30a3から排出されてアウト口36に導かれる場合もある。左側に分流された遊技球は、保留装置400によって5球まで保留される。保留装置400によって保留された遊技球は、保留が解除されると、一般入賞口31bに向けて排出される。排出された遊技球は、後述する振分可動弁409にうまく乗せることができれば、一般入賞口31bに入球する。一般入賞口31bへの入賞が検出されると、15球の遊技球が賞球として払い出される。保留装置400は、大当たり状態において、大入賞口32aに向けて発射される遊技球のうちの一部の遊技球を保留可能となっている。例えば、3本の釘を通過する遊技球のうち15球に1球が保留装置400側に分流されるように、流路が形成されている。
保留装置400から排出された遊技球を一般入賞口31bに入球させるには、後述する第2枠ボタン21を押下する必要がある。しかし、後述するように振分可動弁409は遊技者が視認し難い態様で動作するので、遊技者が振分可動弁409を目視しながら第2枠ボタン21を押下しても、保留装置400から排出された遊技球を一般入賞口31bに入球させることは難しい。また、一般入賞口31bは、右下遊技領域30a3において、保留装置400から排出された遊技球でなければ入球し難い位置に配置されている。他方、一般入賞口31aは、左幅狭領域30a1において、一般入賞口31bに比べると入球し易い位置に配置されている。このように、通常遊技状態では右打ちを行っても一般入賞口31bや第1の始動口33bへの入球は期待し難いため、通常遊技状態では一般入賞口31aや第1の始動口33aへの入球を期待できる左打ちが行われる。
次に、保留装置400の構成について、図3,図4を参照して説明する。なお、図4の保留装置400から装飾板413を外した状態を示す断面は、遊技盤30を遊技領域に平行に切った断面として示している。
保留装置400は、右下遊技領域30a3を流下する遊技球を保留可能な保留状態と、遊技球の保留が解除される解除状態とに変化するように構成されている。保留装置400は、遊技者が第2枠ボタン21を押下するによって、保留状態から解除状態に変化するように構成されている。
具体的には、図4に示すように、保留装置400は、上辺が左斜め方向に下り傾斜している横長な長方形状の本体部品401と、本体部品401の上面を利用して複数の遊技球を保留する保留部403と、保留部403に貯留される遊技球をせき止める保留位置と、保留部403に保留される遊技球の下流側への排出を許容する排出位置とに駆動される保留状態切換部405とを備えている。
保留部403は、本体部品401の上面と、その右上方に配される杭状の遊技部品及び釘とに囲まれた領域に、最大5球の遊技球を保留することができる(後述する図44参照)。保留部403は、5球の遊技球を保留した後は、さらなる遊技球の保留を受け付けない。この場合、追加の遊技球は、5球目に保留された遊技球に衝突するなどして、大入賞口32aに向かうか、大入賞口32aの横を通りすぎてアウト口36(図2参照)に向かう。
保留状態切換部405は、保留部403の左上端部から少し上方に離れた位置に回転軸を有し、当該回転軸を中心に保留位置と排出位置とに駆動される排出阻止弁406を備えている。保留位置は、保留部403に保留される遊技球をせき止めるように排出阻止弁406が起立姿勢を取る位置である。排出位置は、保留部403に保留される遊技球を排出するように排出阻止弁406が傾倒姿勢を取る位置である。
排出阻止弁406の保留位置と排出位置との切り換えは、遊技者が第2枠ボタン21を押下することによって行われる。遊技者が第2枠ボタン21を押下すると、排出阻止弁406が保留位置から排出位置に傾倒するように駆動されて、保留部403に保留された遊技球が1球排出される。排出阻止弁406は、遊技球が1球排出されるタイミングで、排出位置から保留位置に復帰する。これにより、遊技者が第2枠ボタン21を押下する毎に、保留部403に貯留された遊技球を1球ずつ排出することができる。
排出阻止弁406を駆動する構成例は、遊技盤30の裏面にソレノイドと動力伝達機構が配され、第2枠ボタン21の押下が検出されると、ソレノイドが突出あるいは吸引され、その突出あるいは吸引に応じて動力伝達機構が排出阻止弁406を保留位置から排出位置に駆動する構成である。この構成は、遊技球が1球排出されるタイミングで、ソレノイドが逆の動作を行い、その動作に応じて動力伝達機構が排出阻止弁406を排出位置から保留位置に駆動する。
保留状態切換部405よりも下流側には、保留が解除された遊技球を一般入賞口31bに入賞し難くする待避位置と、保留が解除された遊技球を一般入賞口31bに入賞し易くする突出位置とに変化する振分動作が行われる振分可動弁409が設けられている。具体的には、振分可動弁409は、待避位置においては本体部品401の左側面には内側に向けて窪んだ凹部に没入しており、突出位置においては凹部から外側に露出するように駆動される。振分可動弁409は、遊技盤30の裏面に配されるソレノイドと動力伝達機構とによって、突出位置と退避位置とに切り換えられる。振分可動弁409を駆動するソレノイドと動力伝達機構は、上述した振分状態切換片405を駆動する構成と同様である。
遊技球が保留部403から排出された遊技球は、突出位置に出ている状態の振分可動弁409に乗れば、振分可動弁409から一般入賞口31bに案内されて、一般入賞口31bに入賞する。
振分可動弁409の振分動作は、遊技者にとって視認し難い態様で行われるものである。振分動作が遊技者にとって視認し難い態様は、複数の態様によって実現されている。具体的には、振分動作が遊技者にとって視認し難い態様の1つ目は、振分可動弁409が高速で動作する態様である。振分可動弁409は、例えば約0.9秒間で、退避位置から突出位置に変化して、退避位置に戻る。このような動作は、例えば、大入賞口32aを開閉する扉部材32bの開閉速度よりも、十分に速いため、遊技者にとっては視認し難い。したがって、通常では、振分可動弁409が突出位置にいる間に保留装置400から排出された遊技球を振分可動弁409に乗せて、一般入賞口31bに入賞させることは難しい。
振分可動弁409の動作について、図5,図6を用いて説明する。
図5において、振分可動弁409が待避位置に位置する状態での先端の位置をP1と呼び、振分可動弁409が全長の半分程度(最大突出量の半分よりもやや長い長さ)を突出させた状態での先端の位置をP2と呼び、振分可動弁409が突出位置に位置する状態での先端の位置をP3と呼ぶ。振分可動弁409は、ソレノイドに電流を流すことによって可動鉄芯が吸引され、この可動鉄芯の動きに合わせてP1からP2を経由してP3に変移される。また、振分可動弁409は、ソレノイドへの電流を遮断することによって可動鉄芯がバネなどの復元力によって引き戻され、この可動鉄芯の動きに合わせてP3からP2を経由してP1に変移される。
図6に示すように、振分可動弁409は、可動タイミングの開始0.0秒から可動タイミングの開始0.2秒後までの0.2秒間をかけてP1からP2に変移される(この期間を第1期間と呼ぶ)。第1期間に振分可動弁409の高さまで落下する遊技球は、振分可動弁409に当たらずに落下するか、振分可動弁409の先端によって横方向から(左方向へ)突かれて、一般入賞口31bに誘導されず、一般入賞口31bに入賞し難い。
可動タイミングの開始0.2秒後から可動タイミングの開始0.3秒後までの0.1秒間をかけてP2からP3に変移される(この期間を第2A期間と呼ぶ)。可動タイミングの開始0.6秒後から可動タイミングの開始0.7秒後までの0.1秒間をかけてP3からP2に変移され(この期間を第2B期間と呼ぶ)。第2A期間及び第2B期間に振分可動弁409の高さまで落下する遊技球は、振分可動弁409に乗り易く、一般入賞口31bに誘導されて、一般入賞口31bに入賞し易い。
振分可動弁409は、P3の位置で可動タイミングの開始0.3秒後から可動タイミングの開始0.6秒後までの0.3秒間停止する(この期間を第3期間と呼ぶ)。第3期間に振分可動弁409の高さまで落下する遊技球は、振分可動弁409の突出量が最も多いので、一般入賞口31bに確実に誘導されて、一般入賞口31bに最も入賞し易い。
可動タイミングの開始0.7秒後から可動タイミングの開始0.9秒後までの0.2秒間をかけてP2からP1に変移される(この期間を第4期間と呼ぶ)。第4期間に振分可動弁409の高さまで落下する遊技球は、振分可動弁409の先端にわずかにかする程度であるので、遊技球はそのまま本体部品401の側方を落下する場合が多い。そのため、第4期間では、一般入賞口31bに誘導されず、一般入賞口31bに入賞し難い。
このように、振分可動弁409は、振分可動弁409は、突出位置を維持する時間が短く、待避位置から突出位置までの変移(突出動作)も突出位置から待避位置までの変移(復帰動作)も高速である。そのため、遊技者は、たとえ振分可動弁409の動作が見えたとしても、保留装置400に保留された遊技球を一般入賞口31bに入賞させることは難しい。
振分可動弁409の振分動作には、動作の速さ以外にも、遊技者にとって視認し難い態様が採用されている。例えば、図3に示すように、保留装置400は、本体部品401の前面側に配置され、有色で透過性のある樹脂性の装飾板413と、装飾板413の前面側に配置され、「チャンス!」の文字が施された透過性のある樹脂性の可動装飾片415とを備えている。装飾板413は、振分可動弁409を覆う大きさに形成されている。可動装飾片415は、排出阻止弁406と振分可動弁409を背後に小刻みに上下に揺動する。
ここで仮に、振分可動弁409と可動装飾片415とが同じ契機で動き始めるとすれば、振分可動弁409が遊技者にとって視認し難い態様で動作しても、可動装飾片415の動作タイミングから振分可動弁409の動作タイミングが予測される恐れがある。しかし、本実施例では、可動装飾片415は、振分可動弁409の動作とは異なる契機で動き始める。例えば、振分可動弁409は遊技機の電源投入開始とともに動作するが、可動装飾片415は第1の始動口33aへの入球検出を契機に動作する。振分可動弁409と可動装飾片415とは同期しないで動作するので、遊技者は、可動装飾片415の動作タイミングから振分可動弁409の動作タイミングを予測することが困難となる。これにより、振分可動弁409が退避位置か突出位置かを視認し難くなるので、振分可動弁409が突出位置にあるタイミングと、遊技球の保留を解除するタイミングとを合わせ難くなる。
また、保留装置400は、排出阻止弁406と振分可動弁409とに隣接する箇所に、前面側に向けて光を発する保留領域発光部417を備えている。保留領域発光部417から発せられた光は、装飾板413や可動装飾片415によって拡散されて、その拡散された光によって振分可動弁409の動作を視認し難くしている。これにより、振分可動弁409の位置が退避位置か突出位置かを視認し難くなるので、振分可動弁409が突出位置にあるタイミングと、遊技球の保留を解除するタイミングとを合わせ難くなる。
このように、大当たり遊技中に大入賞口32aに向けて遊技球を発射すれば、同時に、保留装置400に遊技球を保留することは可能である。また、保留装置400に保留された遊技球は、遊技者が第2枠ボタン21を操作する任意のタイミングで保留装置400から排出させて、一般入賞口31bへの入賞を狙うことが可能である。ただし、振分可動弁409は、後述するようにパチンコ機10の電源投入時から一定周期で動作しており且つ前述の通り高速で動作するなど遊技者に視認し難い態様で動作するので、通常では、保留装置400に保留された遊技球を一般入賞口31bへ入賞させることは難しい。保留装置400に保留された遊技球を一般入賞口31bへ入賞させるためには、後述するように、振分可動弁409の可動周期の可動パターンを示唆する可動パターン示唆演出に遊技者が参加する必要がある。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図7に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、後述する図8に示した主制御装置261とサブ制御装置262とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、後述する図8に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構部352及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,33bに対応する位置には作動口スイッチがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチで検出される。第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第2の始動口34への遊技球の通過を当該作動口スイッチで検出される。
入賞口スイッチ及びゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図8参照)に接続されている。また、カウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための後述する大入賞口ソレノイド432が設けられている。また、第1の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に主制御装置261とサブ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、後述する主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印手段としての封印ユニットはボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、本実施例では、例えば5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニットによる封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット(図示省略)を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板261aの不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、サブ制御装置262は、後述するサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262および表示制御装置45に出力されるようになっている。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板(図示省略)が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図8参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板(図示省略)は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板(図示省略)は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が押下されると、払出モータ358a(図8参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図7に示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて前記上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
なお、図7に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図8を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、主たる制御を司る演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、遊技プログラムなどCPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータなどROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、割込回路やタイマ回路,データ送受信回路などの各種回路と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などが備えられている。なお、これらの電子部品や電子回路は、主制御基板261aに具備されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、後述する図12の通常処理を最後までを実行、つまり、ステップS216のRAMアクセス禁止が終了するまでを遂行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図17の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41が接続されている。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い変動表示演出や大当たり遊技演出における音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552と、ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM553と、バスライン554及び入出力ポート555などが備えられている。これらの電子部品は、サブ制御基板262aを具備されている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。払出制御装置311は、一般入賞口31aの入賞に対して5球の遊技球を払い出し、一般入賞口41bの入賞に対して15球の遊技球を払い出すようにプログラムされている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理(図17参照)と払出制御処理の後半部分のステップS1015,S1016(図19参照)とによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図8に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイドの制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レールに遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆部するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図8に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図17のNMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図9に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、第3図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、複数種類(例えば、●、▲、■など)の図柄の副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが例えば上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZまたは副装飾図柄FZが所定の組合せで揃うことが可能となっている。
具体的には、第3図柄表示装置42は、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球と、主制御装置261のCPU501での判定結果とに基づいて、通常大当たり状態や時短大当たり状態や確変大当たり状態などの当否を知らせるための所定の識別情報変動表示演出(第3図柄の変動表示演出)を行う。第3図柄表示装置42の表示画面に主装飾図柄SZ(第3図柄)が例えば偶数図柄で揃った状態の確定表示をすることで、通常大当たり状態の当選を遊技者に示す。また、第3図柄表示装置42の表示画面に主装飾図柄SZ(第3図柄)が例えば奇数図柄で揃った状態(図9(a)に示すラインL5で「1」の主装飾図柄SZが揃った状態)の確定表示をすることで、確変大当たり状態の当選を遊技者に示す。また、第3図柄表示装置42の表示画面に副装飾図柄FZが揃った状態(図9(b)に示すラインL2で「●」の副装飾図柄FZが揃った状態)の確定表示をすることで、時短大当たり状態の当選を遊技者に示す。そして、第3図柄表示装置42は、主装飾図柄SZや副装飾図柄FZが大当たり図柄の組合せで揃えば、大当たりとして特別遊技動画を表示する。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、役物作動に係る乱数と、遊技の用に供するその他の乱数とを用いて、第1図柄表示装置40の抽選(大当たり抽選:第1図柄の大当たり抽選)や図柄表示の設定や、第2図柄表示装置41の抽選(第2図柄の当たり抽選)や図柄表示の設定や、第3図柄表示装置42の装飾図柄(第3図柄)の変動表示に関する抽選やその設定を行うこととしている。
具体的には、本実施例のパチンコ機10では、役物作動に係る乱数として、図10に示すように、第1の始動口33aへの入球に基づく第1図柄表示装置40の大当たりの抽選に使用する第1大当たり乱数カウンタC1aと、第1の始動口33aへの入球に基づく第1図柄表示装置40の大当たり図柄の選択に使用する第1大当たり図柄カウンタC2aと、第1大当たり乱数カウンタC1aの初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1aと、第1の始動口33bへの入球に基づく第1図柄表示装置40の大当たりの抽選に使用する第2大当たり乱数カウンタC1bと、第1の始動口33bへの入球に基づく第1図柄表示装置40の大当たり図柄の選択に使用する第2大当たり図柄カウンタC2bと、第2大当たり乱数カウンタC1bの初期値設定に使用する第2初期値乱数カウンタCINI1bと、第1の始動口33aへの入賞で第1大当り乱数カウンタC1aが大当りとなった場合にて可変入賞装置32の大入賞口32aを開放するラウンド数(実施例では15ラウンドまたは2ラウンドのいずれか)を決定するためのラウンド数決定カウンタCRと、第2図柄表示装置41の当たりの抽選に使用する第2図柄乱数カウンタC4と、第2図柄乱数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値第2図柄乱数カウンタCINI2と、を用いている。
また、このパチンコ機10では、遊技の用に供するその他の乱数として、図10に示すように、第3図柄表示装置42の装飾図柄の変動パターン選択に際して大まかにその変動パターンの種類を特定するための停止パターンの選択に使用する第1,第2停止パターン選択カウンタC3a,C3bと、第3図柄表示装置42の装飾図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3と、第2図柄表示装置41の外れ図柄選択に使用する第2図柄外れ図柄カウンタC5と、を用いている。上述した各カウンタは、CPU501で実行されるプログラムにより構成されている。
例えば、「停止パターン0」は複数種類の完全外れ変動パターンからなる完全外れ変動パターン群を示すものであり、「停止パターン1」は複数種類の前後外れリーチ変動パターンからなる前後外れリーチ変動パターン群を示すものであり、「停止パターン2」は複数種類の前後外れ以外リーチ変動パターンからなる前後外れ以外リーチ変動パターン群を示すものであり、「停止パターン3」は複数種類の通常大当たり変動パターンからなる通常大当たり変動パターン群を示すものであり、「停止パターン4」は複数種類の時短大当たり変動パターンからなる時短大当たり変動パターン群を示すものであり、「停止パターン5」は複数種類の確変大当たり変動パターンからなる確変大当たり変動パターン群を示すものである。
これら全てのカウンタC1a〜C3a,C1b〜C3b,C4,C5,CINI1a,CIN1b,CINI2,CS1〜CS3は、その更新の都度、前回値に「1」が加算され(以下、「更新」という)、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値が図10に示すRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜それぞれ格納される。
また、RAM503には、第1の始動口33aの入球に関する、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1保留球格納エリアと、第1の始動口33bへの入球に関する、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第2保留球格納エリアと、が設けられている。例えば、第1保留球格納エリアの各エリアには、第1の始動口33aへの遊技球の入賞履歴に合わせて、第1大当たり乱数カウンタC1a、第1大当たり図柄カウンタC2a、第1停止パターン選択カウンタC3a及びラウンド数決定カウンタCRの各値が時系列的に格納されるようになっている。また、第2保留球格納エリアの各エリアには、第1の始動口33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、第2大当り乱数カウンタC1b、第2大当り図柄カウンタC2b及び第2停止パターン選択カウンタC3bの各値が時系列的に格納されるようになっている。
上述した各カウンタについて図10を用いて以下に詳細に説明する。第1大当たり乱数カウンタC1aは、例えば「0」〜「738」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「738」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に第1大当たり乱数カウンタC1aが1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1aの値が当該第1大当たり乱数カウンタC1aの初期値として読み込まれる。なお、第1初期値乱数カウンタCINI1aは、第1大当たり乱数カウンタC1aと同様のループカウンタであり(値=0〜738)、後述するタイマ割込み(図15参照)毎に1回更新されるとともに、後述する通常処理(図12参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1大当たり乱数カウンタC1aは定期的に(本実施の形態では後述するタイマ割込み(図15参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33aに入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
これと同様に、第2大当り乱数カウンタC1bも、例えば「0」〜「738」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「738」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に第2大当り乱数カウンタC1bが1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI1bの値が当該第2大当り乱数カウンタC1bの初期値として読み込まれる。なお、第2初期値乱数カウンタCINI1bは、第2大当り乱数カウンタC1bと同様のループカウンタであり(値=0〜738)、後述するタイマ割込み(図15参照)毎に1回更新されるとともに、後述する通常処理(図12参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第2大当り乱数カウンタC1bは定期的に(本実施の形態では後述するタイマ割込み(図15参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33bに入賞したタイミングでRAM503の第2保留球格納エリアに格納される。
第1大当たり乱数カウンタC1aおよび第2大当り乱数カウンタC1bの当り値、つまり、大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時(通常時)と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は2個で、その値は「350,700」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は14個で、その値は 「50,101,160,209,257,310,361,418,480,517,578,635,677,730」である。なお、高確率時とは、例えば予め定められた確率変動図柄によって大当たりになり、付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「確変」の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。また、通常遊技状態では、第1の始動口33bの開放時間が例えば1.0秒間となっているのに対して、確変状態および時短状態では、第2の始動口33bの開放時間が例えば3.0秒間となっているため、確変状態時および時短状態時では第1の始動口33aよりも第1の始動口33bの方が遊技球が入球し易くなっている。
第1大当たり図柄カウンタC2aは、大当たりの際における、第1図柄表示装置40(2個のLED40a,40bからなる)の変動停止時の図柄(本実施例では2個のLED40a,40bの変動表示後の最終発光状態)を決定するものである。本実施例では、大当たり図柄カウンタC2は、例えば「0」〜「4」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「4」)に達した後「0」に戻る構成となっている。第1大当たり図柄カウンタC2aは、前述の第1大当たり乱数カウンタC1aの場合と同様に、定期的に(後述するタイマ割込み(図15参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33aに入賞したタイミングでRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。例えば、第1大当たり乱数カウンタC1aが大当たりで、かつ、第1大当たり図柄カウンタC2aの値が「0」,「4」の場合には、第1図柄表示装置40の両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止し、通常大当たり状態への当選を示す。また、第1大当たり乱数カウンタC1aが大当たりで、かつ、第1大当たり図柄カウンタC2aの値が「1」,「3」の場合には、LED40aが青色発光状態で停止するとともにLED40bが赤色発光状態で停止し、時短大当たり状態への当選を示す。また、第1大当たり乱数カウンタC1aが大当たりで、かつ、第1大当たり図柄カウンタC2aの値が「2」の場合には、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止し、確変大当たり状態への当選を示す。つまり、第1の始動口33aへの入賞については確変確率が20%となっている。第1大当たり乱数カウンタC1aが外れの場合には、第1大当たり図柄カウンタC2aの値に関わらず、両方のLED40a,40bが消灯状態で停止し、外れを示す。
第2大当り図柄カウンタC2bは、大当りの際における、第1図柄表示装置40(2個のLED40d,40eからなる)の変動停止時の図柄(本実施例では2個のLED40d,40eの変動表示後の最終発光状態)を決定するものである。本実施例では、第2大当り図柄カウンタC2bは、例えば「0」〜「4」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「4」)に達した後「0」に戻る構成となっている。第2大当たり図柄カウンタC2bは、前述の第2大当たり乱数カウンタC1bの場合と同様に、定期的に(後述するタイマ割込み(図15参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33bに入賞したタイミングでRAM503の第2保留球格納エリアに格納される。例えば、第2大当たり乱数カウンタC1bが大当たりで、かつ、第2大当たり図柄カウンタC2bの値が「0」の場合には、第1図柄表示装置40の両方のLED40d,40eが青色発光状態で停止し、通常大当たり状態への当選を示す。また、第2大当たり乱数カウンタC1bが大当たりで、かつ、第2大当たり図柄カウンタC2bの値が「4」の場合には、LED40aが青色発光状態で停止するとともにLED40bが赤色発光状態で停止し、時短大当たり状態への当選を示す。また、第2大当たり乱数カウンタC1bが大当たりで、かつ、第2大当たり図柄カウンタC2bの値が「1」〜「3」の場合には、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止し、確変大当たり状態への当選を示す。つまり、第1の始動口33bへの入賞については確変確率が60%となっている。第2大当たり乱数カウンタC1bが外れの場合には、第2大当たり図柄カウンタC2bの値に関わらず、両方のLED40c,40dが消灯状態で停止し、外れを示す。
また、第1停止パターン選択カウンタC3aおよび第2停止パターン選択カウンタC3bは、例えば「0」〜「238」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後「0」に戻る構成となっている。本実施の形態では、第1の始動口33aへの入賞については、第1停止パターン選択カウンタC3aによって、第3図柄表示装置42での装飾図柄のリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。また、第1の始動口33bへの入賞については、第2停止パターン選択カウンタC3bによって、前記と同様に「前後外れリーチ」と「前後外れ以外リーチ」と「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、C3a,C3b=0〜201が完全外れに該当し、C3a,C3b=202〜208が前後外れリーチに該当し、C3a,C3b=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。なお、停止パターン選択カウンタC3の抽選(リーチの抽通)内容は、パチンコ機10が低確率時であるか高確率であるか、第1図柄表示装置40の変動時間短縮機能が未作動であるか作動であるか、第1図柄の変動開始時の作動保留球数が何個であるか等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。第1停止パターン選択カウンタC3aは、定期的に(後述するタイマ割込み(図15参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33aに入賞したタイミングでRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。これと同様に、第2停止パターン選択カウンタC3bも、定期的に(後述するタイマ割込み(図15参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33bに入賞したタイミングでRAM503の第2保留球格納エリアに格納される。
ラウンド数決定カウンタCRは、第1の始動口33aへの入賞で第1大当り乱数カウンタC1aが大当りとなった場合において、可変入賞装置32の大入賞口32aを開放するラウンド数(実施例では15ラウンドまたは2ラウンドのいずれか)を決定するためのものである。本実施例では、ラウンド数決定カウンタCRは、例えば「0」〜「4」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「4」)に達した後「0」に戻る構成となっている。ラウンド数決定カウンタCRは、前述の第1大当り乱数カウンタC1aの場合と同様に、定期的に(後述するタイマ割込み(図15参照)毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33aに入賞したタイミングでRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。なお、前述の第1大当り乱数カウンタC1aが大当りで、かつ、ラウンド数決定カウンタCRの値が「0」の場合には、可変入賞装置32の大入賞口32aを開放するラウンド数が例えば15ラウンド(以下、適宜に15Rを示す)となる15R当りが実行される。また、前述の第1大当り乱数カウンタC1aが大当りで、かつ、ラウンド数決定カウンタCRの値が「1」〜「4」の場合には、可変入賞装置32の大入賞口32aを開放するラウンド数が例えば2ラウンド(以下、適宜に2Rを示す)となる2R当りが実行される。つまり、第1の始動口33aへの入賞で大当り(第1大当り乱数カウンタC1aが大当り)になった場合には、15R当りが20%で2R当りが80%というように、複数のラウンド数を有する大当たり状態が設定されている。
なお、第1の始動口33bへの入賞で大当り(第2大当り乱数カウンタC1bが大当り)になった場合には、例えば、常に15R当りが実行される(15R当りが100%である)というように、第1の始動口33aへの入賞で大当たりとなる場合よりも、遊技者に与えられる遊技価値が大きい大当たり状態が設定されている。
また、3つの変動種別カウンタCS1〜CS3のうち、変動種別カウンタCS1は、例えば「0〜198」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「198」)に達した後「0」に戻る構成となっており、変動種別カウンタCS2は、例えば「0〜240」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「240」)に達した後「0」に戻る構成となっており、変動種別カウンタCS3は、例えば「0〜162」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「162」)に達した後「0」に戻る構成となっている。以下の説明では、変動種別カウンタCS1を「第1変動種別カウンタ」、変動種別カウンタCS2を「第2変動種別カウンタ」、変動種別カウンタCS3を「第3変動種別カウンタ」とも適宜に呼ぶこととする。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のように装飾図柄(第3図柄)のリーチ種別や、完全外れの種別など、大まかな装飾図柄の変動パターン群が決定される。ここでは、例えば、第1停止パターン選択カウンタC3aが「停止パターン1」を示す値(つまり、前後外れリーチ変動パターン群を示す値)のものであったとし、前後外れリーチ変動パターン群の中でも第1変動種別カウンタCS1によってノーマルリーチ群(種類の異なる複数個のノーマルリーチからなる)の変動パターンが決定されたとする。
続いて、このように第1変動種別カウンタCS1で決定された変動パターン群の中からさらに一の変動パターンが、第2変動種別カウンタCS2によって決定される。ここでは、例えばノーマルリーチ群の中から一の種類のノーマルリーチが第2変動種別カウンタCS2によって決定されたとする。なお、種類の異なる複数個のノーマルリーチとしては、リーチ発生後に最終停止装飾図柄(本実施の形態では例えば中装飾図柄)が停止するまでの経過時間が異なる等の違いを持たせることで実現することが挙げられる。
さらに続いて、このように第2変動種別カウンタCS2で決定された一の変動パターンにおいて変動時間加算を何れの時間とするかが、第3変動種別カウンタCS3によって決定される。例えば、この加算時間としては、第3図柄表示装置42での中装飾図柄列の装飾図柄(第3図柄)が滑り停止するなどの場合には、当該中装飾図柄列の装飾図柄が滑りその後に停止表示されるまでの時間である附加時間が挙げられる。このように、変動種別カウンタCS1〜CS3によって、より細かな装飾図柄変動態様を決定することができる。つまり、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。
なお、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と第2変動種別カウンタCS2だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1および第2変動種別カウンタCS2と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
変動種別カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。したがって、図10に示すように、変動種別カウンタCS1〜CS3は、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動開始時に取得することとしているので、第1保留球格納エリアまたは第2保留球格納エリアに保存しておく必要はなく、カウンタ用バッファに逐次更新記憶しておくだけでよい。
なお、上述した各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し第1大当たり乱数カウンタC1a、第2大当り乱数カウンタC1b、第1停止パターン選択カウンタC3a、第2停止パターン選択カウンタC3b、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。また、第1大当り乱数カウンタC1aと第2大当り乱数カウンタC1bとのカウンタ値を異なる値としてもよい。
また、図10に示すように、第2図柄表示装置41の第2図柄の抽選には、第2図柄乱数カウンタC4が用いられる。第2図柄乱数カウンタC4は、例えば「0」〜「250」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。第2図柄乱数カウンタC4は、定期的に(後述するタイマ割込み(図15参照)毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2の始動口34を通過した時に取得される。
第2図柄乱数カウンタC4の当り値、つまり、第2図柄当たりとなる乱数の値の数は、低確率時(通常時)と高確率時とで2種類設定されている。低確率時に第2図柄当たりとなる乱数の値の個数は5個で、その値は「50,101,150,201,250」である。高確率時に第2図柄当たりとなる乱数の値の個数は200個で、その値は「0」〜「199」である。
特に、第2図柄乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の値が当該第2図柄乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2は、第2図柄乱数カウンタC4と同様のループカウンタであり(値=0〜250)、後述するタイマ割込み(図15参照)毎に1回更新されるとともに、後述する通常処理(図12参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第2図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態では後述するタイマ割込み(図15参照)毎に1回)更新され、遊技球が第2の始動口34を通過したタイミングでRAM503の第2図柄保留格納エリアに格納される。
つまり、RAM503には、第1保留球格納エリアおよび第2保留球格納エリアとは別のエリアたる第2図柄保留格納エリアも有しており、1つの第2図柄用の実行エリアと4つの第2図柄用の保留エリア(第2図柄用保留第1〜第4エリア)とからなる第2図柄保留格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第2の始動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、第2図柄乱数カウンタC4の各値が時系列的に格納されるようになっている。
また、第2図柄外れ図柄カウンタC5は、後述する図12での通常処理の第2図柄制御処理が1回実行される毎に1回更新され、その値がカウンタ用バッファの第2図柄外れ図柄バッファに更新取得され、第2図柄乱数カウンタC4の第2図柄保留球格納エリアへの記憶の際に、この第2図柄外れ図柄バッファに更新取得された第2図柄外れ図柄カウンタC5も第2図柄保留球格納エリアに記憶される。したがって、図10に示すように、第2図柄乱数カウンタC4の値が落選の場合には、第2図柄保留球格納エリアの第2図柄外れ図柄カウンタC5の値に基づいて、「×」が描かれた表示部41bの点灯表示される。なお、第2図柄外れ図柄カウンタC5を備えず、第2図柄乱数カウンタC4のみに基づいて第2図柄変動表示結果を行うようにしてもよい。つまり、第2図柄乱数カウンタC4が当選なら「○」が描かれた表示部41aを点灯表示し、落選なら「×」が描かれた表示部41bの点灯表示するごとくである。
このように、確変状態や時短状態中は、第2図柄抽選が高確率となるので、第2図柄抽選に当選し易い。また、第2図柄抽選に当選した場合、第1の始動口33bの開放頻度が通常遊技状態中よりも高く、且つ、第1の始動口33bの開放時間も通常遊技状態中よりも長い。しかも、第1の始動口33bに遊技球が入球すれば、15R当りが100%である。そのため、遊技者は、確変状態や時短状態中は、第1の始動口33bを狙う右打ち遊技を行う。これに対して、確変状態や時短状態の終了後は、第2図柄抽選に当選し難く、仮に第2図柄抽選に当選しても第1の始動口33bの開放時間が確変状態中に比べて短いので、第1の始動口33bへの入球は極めて難しい。そのため、遊技者は、確変状態や時短状態の終了後は、第1の始動口33aを狙う左打ち遊技を行う。また、左打ち遊技を行えば一般入賞口31aへの入賞も期待できるので、遊技者は、確変状態の終了後、左打ち遊技を行う。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を図11〜図21のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図15は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図15において、先ずステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS602では、第1,第2初期値乱数カウンタCINI1a,CINI1bと初期値第2図柄乱数カウンタCINI2との更新を実行する。具体的には、第1,第2初期値乱数カウンタCINI1a,CINI1bを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「738」)に達した際「0」にクリアし、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「250」)に達した後の1インクリメントの際に「0」にクリアする。そして、第1,第2初期値乱数カウンタCINI1a,CINI1bの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する(図10参照)。
また、図15に示すように、続くステップS603では、第1,第2大当たり乱数カウンタC1a,C1b、第1,第2大当たり図柄カウンタC2a,C2b及び第1,第2停止パターン選択カウンタC3a,C3bの更新を実行する。具体的には、第1,第2大当たり乱数カウンタC1a,C1b、第1,第2大当たり図柄カウンタC2a,C2b及び第1,第2停止パターン選択カウンタC3a,C3bをそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、「738」,「4」,「250」)に達した後の1インクリメントの際にそれぞれ「0」にクリアする。そして、各カウンタC1a〜C3a,C1b〜C3bの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する(図10参照)。
その後、図15に示すように、ステップS604では、第1の始動口33a,33bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図16のフローチャートにより説明すると、ステップS701では、遊技球が第1の始動口33a,33bに入賞したか否かを作動口スイッチの検出情報により判別する。遊技球が第1の始動口33a,33bに入賞したと判別されると、続くステップS702では、第1の始動口33aへの入賞の場合には第1図柄表示装置40の第1の始動口33a用の作動保留球数N1が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。また、第1の始動口33bへの入賞の場合には第1図柄表示装置40の第1の始動口33b用の作動保留球数N2が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。第1の始動口33a,33bへの入賞があり、且つ、その入賞のあった第1の始動口33aの作動保留球数N1<4であるかまたはその入賞のあった第2の始動口33bの作動保留球数N2<4であることを条件にステップS703に進み、当該入賞のあった第1の始動口33aまたは第1の始動口33bの作動保留球数N1,N2を1インクリメントする。
また、続くステップS704では、第1図柄の当落に関わる乱数を取得する。具体的には、第1の始動口33aへの入賞の場合には前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1a、第1大当たり図柄カウンタC2a及び第1停止パターン選択カウンタC3の各値を、図10に示したRAM503の第1保留球格納エリアの空き記憶エリアのうちの最初のエリアに格納する。また、第1の始動口33bへの入賞の場合には前記ステップS603で更新した第2大当り乱数カウンタC1b、第2大当り図柄カウンタC2b及び第2停止パターン選択カウンタC3bの各値を、図10に示したRAM503の第2保留球格納エリアの空き記憶エリアのうちの最初のエリアに格納する。また、第2の始動口33bへの入賞の場合には前記ステップS603で更新した第2大当り乱数カウンタC1b、第2大当り図柄カウンタC2b及び第2停止パターン選択カウンタC3bの各値を、図6に示したRAM503の第2保留球格納エリアの空き記憶エリアのうちの最初のエリアに格納する。このように、主制御装置261のCPU501は、ステップS704で第1図柄の当落に関わる乱数を取得する機能によって、始動条件成立に基づき特別遊技状態を生じさせるか否かの抽選を行っている。つまり、主制御装置261のCPU501は、本発明の抽選手段に相当する抽選部を備えている。
また、図15に示すように、続くステップS605では、発射制御処理を実行する。具体的には、発射制御処理では、主制御装置261のCPU501は、図8に示すように、発射制御装置312からの発射許可信号S7がONである場合に、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力し、発射装置229による遊技球発射制御が行われる。このように発射制御処理をした後、CPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図17は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリアに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図17のNMI割込み処理を開始する。図17のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号S1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
図17のNMI割込み処理において、ステップS801では、電源断の発生情報をバックアップエリアに設定する。本実施例では、電源断の発生情報のフラグを立ててバックアップエリアに記憶させる。
次に、メイン処理について説明する。
図11は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、主制御装置261のCPU501は、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。また、ステップS102では、主制御装置261のCPU501は、サブ側の制御装置(サブ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。続くステップS103では、主制御装置261のCPU501は、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、主制御装置261のCPU501は、電源監視基板261bに設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、オフであればステップS105に進み、オンであればステップS114に進む。続くステップS105では、主制御装置261のCPU501は、RAM503のバックアップエリアに電源断の発生情報が設定されているか否か(電源断の発生情報のフラグが立っているか否か)を判別する。また、ステップS106では、主制御装置261のCPU501は、RAM判定値を算出し、続くステップS107では、主制御装置261のCPU501は、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、使用RAM領域をクリアおよびRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114では、主制御装置261のCPU501は、RAM503の使用領域を「0」にクリアし、RAM503の初期化処理を実行する。
続くステップS115では、主制御装置261のCPU501は、払出初期化コマンドを送信する。このように、払出初期化コマンドは、主制御装置261が初期化された時に払出制御装置311に出力される。
また、ステップS116では、主制御装置261のCPU501は、電源投入時のコマンドをサブ制御基板262aに送信する。この電源投入時のコマンドは、パチンコ機の機種を判別するためのコマンドを含むものであり、サブ制御基板262aや表示制御装置45などのサブ側で当該コマンド内容に基づいて機種を判別することができるようになっている。
また、ステップS117では、主制御装置261のCPU501は、CTC(Counter/Timer Circuit)の初期設定を実行する。
また、ステップS118では、主制御装置261のCPU501は、ROM502に記憶された可動パターンを読み出して、読み出された可動パターンに従って振分可動弁409が駆動するよう、振分可動弁409を駆動するソレノイドに指示を与える。振分可動弁409の可動パターンについては後述するが、振分可動弁409は一定周期で駆動するように設定されている。主制御装置261のCPU501は、可動パターンに従って振分可動弁409を駆動する機能を備えている。つまり、主制御装置261のCPU501は、本発明の振分動作制御手段に相当する振分動作制御部を備えている。
ステップS119では、主制御装置261のCPU501は、割込み許可を設定し、後述する通常処理(図12参照)に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS109では、主制御装置261のCPU501は、払出復帰コマンドを払出制御装置311に送信し、払出制御開始を払出制御装置311に指示する。詳細は後述するが、払出制御装置311は、主制御装置261から払出復帰コマンドを受信すると、復帰し、払出制御を開始する。
ステップS110では、主制御装置261のCPU501は、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に複帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、主制御装置261のCPU501は、CTC(Counter/Timer Circuit)の初期設定を実行する。ステップS112では、主制御装置261のCPU501は、上述した振分可動弁409を一定周期で駆動させる。さらに、ステップS113では、割込み許可を設定し、それから後述する通常処理(図12参照)に移行する。例えば、通常処理の途中で電源断が発生したとしても、当該通常処理の最後のステップ(図12に示す「RAMアクセス禁止」のステップ)まで実行してから電源断状態となるので、復電後は通常処理の最初のステップたるステップS201から実行されることになる。
次に、通常処理の流れを図12のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS210,S211のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
図12において、先ずステップS201では、主制御装置261のCPU501は、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信するという外部出力処理を行う。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第1図柄表示装置40の第1図柄変動表示(2個のLED40a,40bの変動表示)に連動して第3図柄表示装置42による装飾図柄(第3図柄)の変動表示も行われるのであるが、第1図柄表示装置40の第1図柄の変動表示に際して変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、全停止コマンド(確定コマンド)等を外部出力処理においてサブ制御装置262に送信する。
なお、このパチンコ機10では、第1図柄の変動開始時において、変動パターン指定コマンド→演出コマンド(変動時間の変更等を指定するためのコマンド)→装飾図柄指定コマンドの順で通常処理の外部出力処理の都度所定個数(例えば3つ)ずつ(すなわち、4msec毎に3つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで全停止コマンドが送出されるようになっている。また、第1図柄の変動開始後において、変動パターン指定コマンド→→演出コマンド→装飾図柄指定コマンドの順で通常処理の外部出力処理の都度所定個数(例えば3つ)ずつ(すなわち、4msec毎に3つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで全停止コマンドが送出されるようにしてもよい。
変動パターン指定コマンドは、第3図柄表示装置42で変動表示される装飾図柄(第3図柄)の変動パターンを指定するためのコマンドである。変動パターン指定コマンドは、主制御装置261からサブ制御装置262に送信され、サブ制御装置262から表示制御装置45に送信される。表示制御装置45は、送信されてきた変動パターン指定コマンドに基づいて、装飾図柄の変動パターンを表示実行するように第3図柄表示装置42を制御する。
装飾図柄指定コマンドは、第3図柄表示装置42での装飾図柄(第3図柄)の変動表示演出が、通常大当たり、時短大当たり、確変大当り、外れの何れとなるかを指定するためのコマンドである。装飾図柄指定コマンドは、主制御装置261からサブ制御装置262に送信され、サブ制御装置262から表示制御装置45に送信される。表示制御装置45は、装飾図柄の変動パターンの表示結果を、送信されてきた装飾図柄指定コマンドに応じた結果となるように第3図柄表示装置42を表示制御する。
全停止コマンドは、第3図柄表示装置42で変動表示される装飾図柄(第3図柄)の変動パターンの停止を指示するためのコマンドである。全停止コマンドは、主制御装置261からサブ制御装置262に送信され、サブ制御装置262から表示制御装置45に送信される。表示制御装置45は、送信されてきた全停止コマンドに基づいて、装飾図柄の変動パターンを停止表示するように第3図柄表示装置42を制御する。
また、主制御装置261のCPU501は、通常処理の外部出力処理(ステップS201)にて、変動パターン指定コマンドと演出コマンド(変動時間の変更等を指定するためのコマンド)とをサブ制御装置262に送信することがある。つまり、変動種別カウンタCS3の値に基づいて変動時間加算(前述した装飾図柄の滑り演出による附加時間)を何れの時間とするかが決定され、このような加算時間を適切にサブ制御装置262に指示するために、演出コマンドが用いられるのである。したがって、第1図柄の変動開始後において、変動パターン指定コマンド→演出コマンド→装飾図柄指定コマンドの順で通常処理の外部出力処理の都度所定個数(例えば3つ)ずつ(すなわち、4msec毎に3つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで全停止コマンドが送出されることがある。
次に、ステップS202では、主制御装置261のCPU501は、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した後の1インクリメントの際にそれぞれ「0」にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値を、RAM503の該当する図10に示すバッファ領域に格納する。
続く図12のステップS203では、主制御装置261のCPU501は、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号や下皿満タン信号を読み込む。その後、ステップS204では、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動表示を行うための第1図柄変動処理を実行する。この第1図柄変動処理により、大当たり判定や第1図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、第1図柄変動処理の詳細は後述する。
その後、ステップS205では、主制御装置261のCPU501は、大当たり状態である場合において可変入賞装置32の大入賞口32aを開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口32aを開放し、そのラウンド毎に、大入賞口32aの最大開放時間が経過したか、又は大入賞口32aに遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立するとそのラウンドにおける大入賞口32aの開放を止めて閉鎖し、残りのラウンドがある場合には、大入賞口32aの開放を残りラウンド数繰り返し実行する。
また、ステップS206では、主制御装置261のCPU501は、第2図柄表示装置41による第2図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第2の始動口34を通過したことを条件に、その都度の第2図柄乱数カウンタC4が取得されると共に第2図柄表示装置41の表示部41a,41bにて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2図柄乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、主制御装置261のCPU501は、ステップS207に示すように、下部側の第1の始動口33bを所定時間開放するという第1の始動口33bの開放処理を行う。通常遊技状態である場合には、第1の始動口33bが例えば1.0秒間開放する。確変状態や時短状態の場合には、第1の始動口33bが例えば3.0秒間開放するようになっている。なお説明は省略したが、第2図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3と同様に、図15に示すタイマ割込処理にて更新されるようになっている。
また、ステップS208では、主制御装置261のCPU501は、RAM503のバックアップエリアに電源断の発生情報が設定されているか否か(電源断の発生情報のフラグが立っているか否か)を判別する。電源断の発生情報が設定されていない場合には、ステップS209に進み、電源断の発生情報が設定されている場合には、ステップS212に進む。
その後、ステップS209では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1,第2初期値乱数カウンタCINI1a,CINI1b、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を繰り返し実行する(ステップS210,S211)。つまり、ステップS210では、第1,第2初期値乱数カウンタCINI1a,CINI1b及び初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の更新を実行する。具体的には、第1,第2初期値乱数カウンタCINI1a,CINI1bをそれぞれ1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「738」)に達した後の1インクリメントの際に「0」にクリアする。そして、第1,第2初期値乱数カウンタCINI1a,CINI1bの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。これと同様に、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2を1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「250」)に達した後の1インクリメントの際に「0」にクリアする。そして、初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、ステップS211では、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では「198」,「240」,「162」)に達した後の1インクリメントの際にそれぞれ「0」にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1,初期値第2図柄乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)及び初期値第2図柄乱数カウンタCINI2(すなわち、第2図柄乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができるようになる。
また、ステップS208において、電源断の発生情報が設定されていて、ステップS212に進んだ場合には、主制御装置261のCPU501は、割込み禁止を設定する。続いて、ステップS213では、主制御装置261のCPU501は、電源が速断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。続いて、ステップS214では、主制御装置261のCPU501は、制御信号の出力を停止する。続いて、ステップS215では、主制御装置261のCPU501は、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。続いて、ステップS216では、主制御装置261のCPU501は、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
次に、前記ステップS205の第1図柄変動処理を図13のフローチャートを参照して説明する。
図13において、ステップS401では、主制御装置261のCPU501は、今現在大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たりの際に第3図柄表示装置42で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。続くステップS402では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄表示装置40による第1図柄の変動表示中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに第1図柄の変動表示中でもない場合、ステップS403に進み、主制御装置261のCPU501は、第1図柄表示装置40の第1の始動口33b用の作動保留球数N2が「0」よりも大きいか否かを判別し、作動保留球数N2が「0」よりも大きい場合にはステップS404に進み、作動保留球数N2が「0」である場合にはステップS403aに進む。このとき、大当たり中であるか、又は作動保留球数N2が「0」で且つ作動保留球数N1も「0」である場合、そのまま本処理を終了する。
また、大当たり中、第1図柄の変動表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N2>0であれば、ステップS404に進む。ステップS404では、主制御装置261のCPU501は、作動保留球数N2を「1」減算する。ステップS405では、第2保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
また、大当たり状態中、第1図柄の変動表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N2=0でれば、ステップS403aに進み、このステップS403aで作動保留球数N1>0と判定されると、ステップS404aに進む。ステップS404aでは、主制御装置261のCPU501は、作動保留球数N1を「1」減算する。ステップS405aでは、第1保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS406では、主制御装置261のCPU501は、変動開始処理を実行する。ここで、図14のフローチャートを用いて変動開始処理を詳細に説明すると、ステップS501では、主制御装置261のCPU501は、ステップS405を経た場合には第2保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第2大当たり乱数カウンタC1bの値に基づいて大当たりか否かを判別する。ステップS405aを経た場合には第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1大当り乱数カウンタC1aの値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは、第1保留球格納エリアの実行エリアについては第1大当たり乱数カウンタC1aの値とその時々のモード(確変状態であるのか通常状態であるのか)との関係に基づいて判別される。第2保留球格納エリアの実行エリアについては第2大当り乱数カウンタC1bの値とその時々のモード(確変状態であるのか通常状態であるのか)との関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には第1,第2大当り乱数カウンタC1a,C1bの数値「0」〜「738」のうち「350,700」が当り値(2個)であり、高確率時には「50,101,160,209,257,310,361,418,480,517,578,635,677,730」が当り値(14個)である。なお、主制御装置261のCPU501は、第1大当り乱数カウンタC1aと第2大当り乱数カウンタC1bの低確率時と高確率時の当たり値を、それぞれ判別用のテーブルに記憶しており、遊技状態が変わる毎に対応するテーブルを用いて判別を行っている。
主制御装置261のCPU501は、大当たりであると判別した場合、ステップS502では、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1大当たり図柄カウンタC2aの値に対応する大当たり図柄、すなわち、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bで表示される、通常大当たりを示す両LED40a,40bの青色点灯表示か、時短大当たりを示すLED40aの青色点灯とLED40bの赤色点灯との組合せ点灯表示か、確変大当たりを示す両LED40a,40bの赤色点灯表示か、または、通常大当たりを示すLED40の赤色点灯とLED40bの青色点灯との組合せ点灯表示の何れかとする停止図柄(停止表示)を求める。つまり、第1大当たり図柄カウンタC2aの値と図柄との対応関係を表すテーブル(図示省略)に基づいて、第1大当たり図柄カウンタC2aの値に対応する大当たり図柄を求める。
また、ステップS502では、第2保留球格納エリアの場合にはその実行エリアに格納されている第2大当り図柄カウンタC2bの値に対応する大当り図柄、すなわち、第1図柄表示装置40の2個のLED40d,40eで表示される、通常大当たりを示す両LED40d,40eを青色点灯表示か、時短大当たりを示すLED40cの青色点灯とLED40dの赤色点灯との組合せ点灯表示か、確変大当たりを示す両LED40d,40eの赤色点灯表示かの何れかとする停止図柄(停止表示)を求める。つまり、第2大当り図柄カウンタC2bの値と図柄との対応関係を表すテーブル(図示省略)に基づいて、第2大当たり図柄カウンタC2bの値に対応する大当たり図柄(「特定当り図柄」または「非特定当り図柄」)を求める。
次に、ステップS503では、主制御装置261のCPU501は、大当たり時における変動パターン(大当たり変動パターン)を決定する。具体的には、主制御装置261のCPU501は、第1,第2停止パターン選択カウンタC3a,C3bを用いることなく、第1保留球格納エリアの場合にはその実行エリアの第1大当たり図柄カウンタC2aの値及びRAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値をその順に確認し、変動パターンを決定する。第2保留球格納エリアの場合にはその実行エリアの第2大当り図柄カウンタC2bの値及びRAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値をその順に確認し、変動パターンを決定する。
つまり、第1,第2大当たり図柄カウンタC2a,C2bの値に基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄を通常大当たりの「停止パターン3」で表示するのか、第3図柄表示装置42での装飾図柄を時短大当たりの「停止パターン4」で表示するのか、または、第3図柄表示装置42での装飾図柄を確変大当たりの「停止パターン5」で表示するのか、を決定する。このように決定した「停止パターン3」から「停止パターン5」の種別をさらに第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて決定する。つまり、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のように装飾図柄(第3図柄)のリーチ種別など、大まかな装飾図柄の変動パターン群を決定する。続いて、このように決定した大まかな装飾図柄の変動パターン群の中から、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、一の変動パターンを決定する。例えば、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、リーチ発生後に最終停止装飾図柄(本実施の形態では中装飾図柄)が停止するまでの経過時間を所定時間にする等、より細かな装飾図柄変動態様を決定する。なお、大当たりの場合における次の各関係、つまり、第1,第2大当たり図柄カウンタC2a,C2bの数値と停止パターンとの関係、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動パターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれに大当たり用のテーブル等により予め規定されている。
なお、時短状態中は、その他の遊技状態中と比べて停止図柄時間が短いなど変動態様が異なる。そのため、時短状態とその他の遊技状態とは、停止図柄時間の長さなどに応じた異なるテーブルが用意される。そのため、時短状態から例えば通常遊技状態に切り替わった場合は、時短状態用停止図柄時間決定テーブルから非時短状態用停止図柄時間決定テーブルに切り替わる。
このように、主制御装置261のCPU501は、上述したステップS503によって、抽選部での抽選結果に基づき、図柄を変動する複数パターンの変動表示演出の中から、第3図柄表示装置42に表示する所定の変動表示演出を選択する機能を備えている。つまり、主制御装置261のCPU501は、本発明の変動表示演出選択手段に相当する変動表示演出選択部を備えている。
一方、ステップS501で大当たりではないと判別された場合には、ステップS504において、主制御装置261のCPU501は、外れ図柄、すなわち第1保留球格納エリアの場合には第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bにて色違いで停止表示させるという停止図柄に設定する。また、第2保留球格納エリアの場合には第1図柄表示装置40の2個のLED40d,40eにて色違いで停止表示させるという停止図柄に設定する。
次に、ステップS505では、主制御装置261のCPU501は、外れ時における変動パターン(外れ演出パターン)を決定し、当該外れ変動パターンを変動パターン指定コマンドに設定する。具体的には、主制御装置261のCPU501は、第1保留球格納エリアの場合には、RAM503の第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1停止パターン選択カウンタC3a及び変動種別カウンタCS1,CS2の値をその順に確認し、変動パターンを決定する。また、第2保留球格納エリアの場合には、RAM503の第2保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第2停止パターン選択カウンタC3b及び変動種別カウンタCS1,CS2の値をその順に確認し、変動パターンを決定する。
つまり、第1保留球格納エリアの場合には第1停止パターン選択カウンタC3aの値に基づいて、第2保留球格納エリアの場合には第2停止パターン選択カウンタC3bの値に基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄のリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」である「停止パターン1」と、同じくリーチ発生した後最終停止装飾図柄がリーチ装飾図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」である「停止パターン2」と、リーチ発生しない「完全外れ」である「停止パターン0」との何れの停止パターンにするかを決定する。例えば、この決定した停止パターンが例えば前後外れリーチとなる「停止パターン1」である場合には、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、前後外れリーチ変動パターン群の中からノーマルリーチ、スーパーリーチ等のような装飾図柄(第3図柄)のリーチ種別が特定された変動パターンが決定されるなど、大まかな装飾図柄の変動パターン群を決定する。なおここではノーマルリーチが決定されたとする。続いて、このように決定した大まかな装飾図柄のノーマルリーチ変動パターン群の中から、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、さらに一の変動パターンを決定する。例えば、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、リーチ発生後に最終停止装飾図柄(本実施の形態では中装飾図柄)が停止するまでの経過時間を所定時間にする等、より細かな装飾図柄変動態様を決定する。なお、外れの場合における次の各関係、つまり、第1,第2停止パターン選択カウンタC3a,C3bの数値と停止パターンとの関係、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動パターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれに外れ用のテーブル等により予め規定されている。
本実施の形態では、上述の外れ用のテーブルのうちの一つとしては、例えば、低確率時で、第1図柄表示装置40の変動時間短縮機能の状態で、第1図柄の変動開始時の当該第1図柄の作動保留数が「0」の場合に採用されるものがあり、第1,第2停止パターン選択カウンタC3a,C3bの値が「0〜201」の場合にはリーチなし(完全外れ)に該当し、「202〜208」が前後外れリーチに該当し、「209〜238」が前後外れ以外リーチに該当するものが挙げられる。
続いて、ステップS506では、主制御装置261のCPU501は、演出時間加算の決定、つまり、ステップS503で決定された大当たり変動パターンまたはステップS505で決定された外れ変動パターンの演出時間の加算の決定を行う。より具体的には、変動種別カウンタCS3の値に基づいて、第3図柄表示装置42での中装飾図柄列の装飾図柄(第3図柄)が滑り停止するなどによる演出時間の増加(当該中装飾図柄列の装飾図柄が滑りそれが停止表示されるまでの時間の増加)を含む変動パターンが決定される。
また、ステップS507では、主制御装置261のCPU501は、ステップS503で決定された大当たり変動パターンに対応する変動パターン指定コマンド、または、ステップS505で決定された外れ変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを設定する。
続いて、ステップS508では、主制御装置261のCPU501は、ステップS502,S503を経てきた場合には、ステップS502で決定された第1図柄表示装置40の大当たり図柄に対応する装飾図柄指定コマンドを設定し、ステップS504,S505を経てきた場合には、ステップS504で決定された第1図柄表示装置40の外れ図柄に対応する装飾図柄指定コマンドを設定する。
続いて、ステップS509では、主制御装置261のCPU501は、ステップS506で決定された演出時間加算に対応する演出時間加算指定コマンドを設定し、本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち第1図柄の変動表示中である場合には、ステップS407に進み、主制御装置261のCPU501は、第1図柄の変動時間が経過したか否かを判別する。この第1図柄の変動時間は、図14を用いて前述したように決定された変動パターン及び演出時間加算に基づいて決められており、つまり、第1図柄の変動パターンに応じて当該第1図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS407が肯定判別される。変動時間が経過していなければステップS408に進み、変動時間が経過していればステップS409に進む。
そして、ステップS408では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄表示装置40での第1図柄の変動表示を更新する。つまり、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bの変動表示を継続し、本処理を終了する。
一方、ステップS409では、主制御装置261のCPU501は、第1図柄の変動表示を停止し、第1図柄の停止図柄を表示図柄へ設定する。つまり、図14のステップS502で、通常大当たりに決定された場合には、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40b(あるいはLED40d,40e)の変動表示後に、この両LED40a,40b(あるいはLED40d,40e)を青色点灯表示し、通常大当たりを示す。時短大当たりに決定された場合には、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bの変動表示後に、LED40a(あるいはLED40d)を青色点灯表示するとともにLED40b(あるいはLED40e)の赤色点灯表示し、時短大当たりを示す。確変大当たりに決定された場合には、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40b(あるいはLED40d,40e)の変動表示後に、この両LED40a,40b(あるいはLED40d,40e)を赤色点灯表示し、確変大当りを示す。図14のステップS504で外れ図柄に決定された場合には、第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40b(あるいはLED40d,40e)の変動表示後に、LED40a(あるいはLED40d)を赤色点灯表示するとともにLED40b(あるいはLED40e)を青色点灯表示し、外れを示す。
続いて、ステップS410では、主制御装置261のCPU501は、第3図柄表示装置42で変動表示される装飾図柄(第3図柄)の変動パターンの停止を指示するための全停止コマンドを設定し、その後本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図18は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、払出制御装置311のCPU511は、スタックアドレスと割込みモードを設定する。また、ステップS902では、払出制御装置311のCPU511はRAMアクセスを許可し、ステップS903では、払出制御装置311のCPU511は外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS904では、払出制御装置311のCPU511は、RAM513のバックアップエリアに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS905では、払出制御装置311のCPU511は、RAM判定値を算出し、続くステップS906では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
続いて、ステップS907では、払出制御装置311のCPU511は、復電時のRAM513の初期設定を行う。具体的には、主制御装置261が初期化されるとこの主制御装置261から払出初期化コマンドが払出制御装置311に送信され、払出制御装置311のCPU511は、主制御装置261からの払出初期化コマンドを受けると、このステップS907で復電時のRAM513の初期設定を行う。つまり、RAM領域の初期化を行い、遊技球の払出しの制御を開始する。
したがって、電源投入時にRAM消去スイッチ323が押下(ON)されている場合には、主制御装置261が初期化されるとともに、この主制御装置261から払出制御装置311に払出初期化コマンドが送信されることになり、払出制御装置311のCPU511は、主制御装置261からの払出初期化コマンドに基づいて、RAM513の初期化処理が行われる。
続いて、ステップS908では、払出制御装置311のCPU511は、当該CPU511の周辺デバイスの初期設定を行う。具体的には、CPU周辺デバイスとは、CTC(Counter/Timer Circuit)と呼ばれるタイマ制御デバイスであり、このCTCを所定値に設定してタイマ割込みを2ミリ秒(ms)毎に発生させる。
続いて、ステップS909では、払出制御装置311のCPU511は、割込み許可設定し、後述する払出制御処理に移行する。
一方、ステップS904にて電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS906にてRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、払出制御装置311のCPU511はRAM513の全領域を「0」にクリア(ステップS910)し、初期化処理を行う(ステップS911)。
次に、払出制御処理の流れを図19のフローチャートを参照しながら説明する。
図19において、ステップS1001では、払出制御装置311のCPU511は、主制御装置261からのコマンドを取得し記憶する。ここで、この記憶するコマンドとしては、15種類の賞球コマンド(1個〜15個の払出しを指示するための15種類の賞球コマンド)や、払出制御装置311への払出制御開始を指示するための払出復帰コマンドや、払出制御装置311への払出初期化を指示するための払出初期化コマンドの合わせて17種類のコマンドが挙げられる。
ステップS1002では、払出制御装置311のCPU511は、払出許可を受信済みか否かを判別する。つまり、払出復帰コマンドや賞球コマンドを受けたか否かを判別する。また、ステップS1003では、払出制御装置311のCPU511は、状態復帰スイッチ(図示省略)をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
その後、ステップS1004では、払出制御装置311のCPU511は、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。
また、ステップS1005では、払出制御装置311のCPU511は、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS1006では、払出制御装置311のCPU511は、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が「0」でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球制御処理(後述する図20)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
その後、ステップS1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球制御処理(後述する図21)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続のバイブモータ制御(ステップS1013)を実行する。
ステップS1013では、払出制御装置311のCPU511は、バイブレータ360(図7参照)の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、ステップS1014では、払出制御装置311のCPU511は、停電発生か否かを判別する。停電発生であればステップS1015に進み、そうでなければステップS1001に戻る。ステップS1015では、払出制御装置311のCPU511は、電源断の発生情報を設定し、ステップS1016では、RAM判定値を作成する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
ここで、図20に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図19の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図19の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図19の払出制御処理に戻る。
また、図21に示す貸球制御処理において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図19の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図19の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図19の払出制御処理に戻る。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリアに記憶される。停電信号S1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図17のNMI割込み処理を開始する。その内容は図17で説明した通りである。
次に、サブ制御装置262のメイン処理と通常処理とについて図22及び図23を用いて説明する。図22は、サブ制御装置262のCPU551により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。図23は、サブ制御装置262のCPU551により実行される通常処理の一例を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1301では、サブ制御装置262のCPU551は、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、ポートの設定(ポートI/O切り替えおよび初期値出力)と、タイマの設定(1ミリ秒インターバルタイマ、液晶コマンドストローブ出力タイマ)と、割込み設定(サブコマンドストローブ割込み)とを行う。
また、ステップS1302では、サブ制御装置262のCPU551は、電源断処理が未完了か否かを判別する。具体的には、パチンコ機10の前面枠セット14の各種ランプ(環状電飾部102や中央電飾部103等)が全消灯しており、かつ、スピーカが消音状態となっているか否かを判別する。そして、電源断処理が未完了であればステップS1304に進み、そうでなければステップS1303に進む。
続いて、ステップS1303では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMが破壊されているか否かを判別し、破壊されていればステップS1304に進み、そうでなければステップS1307に進む。ステップS1304では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAM領域読み書きチェックを行う。そして、ステップS1305では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMは正常か否かを判別する。サブ制御装置262のRAMが正常であればステップS1306に進み、異常であればステップS1311に進む。ステップS1306では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM553のエリア毎にRAM破壊チェック用のデータを書き込み、その読み出し異常があれば破壊されていると判別するためのRAM破壊チェックデータの設定を行う。
そして、ステップS1307では、サブ制御装置262のCPU551は、電源断後の電源投入であるのか否かを判別する。電源断後の電源投入であればステップS1308に進み、そうでなければステップS1309に進む。
ステップS1308では、サブ制御装置262のCPU551は、未処理化RAM領域以外のRAM領域をクリアする。具体的には、未処理化RAM領域は、データをクリアするとシステム上問題となる情報を保存する領域であり、RAM領域破壊時以外は残したい情報のエリアのことである。例えば、サブコマンド受信バッファや電源投入情報などが挙げられる。主制御装置261が電源断して、サブ制御装置262がリセットした場合(主制御装置261から電源断通知コマンドを受信した場合)に、未処理化RAM領域以外のRAM領域をクリアする。
ステップS1309では、サブ制御装置262のCPU551は、割込み許可を設定する。ステップS1310では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMの初期値設定を行い、図23に示す通常処理に移行する。
なお、ステップS1311では、サブ制御装置262のCPU551は、RAM異常報知を行い、無限ループに入る。例えば、所定のランプを無条件で点灯させるなどの報知を行うことが挙げられる。
図23に示すように、ステップS1401では、サブ制御装置262のCPU551は、通常処理開始時から1ms以上経過したか否かを判別する。1ms以上経過していれば、ステップS1402に進み、経過していなければステップS1410に進む。
ステップS1402では、サブ制御装置262のCPU551は、ランプ出力処理を行う。具体的には、第3図柄表示装置42での装飾図柄(第3図柄)の変動パターン演出に合わせたランプ出力を行う。
ステップS1403では、サブ制御装置262のCPU551は、電源投入報知を行う。具体的には、電源投入コマンドによる30秒間の報知を行う。
ステップS1404では、サブ制御装置262のCPU551は、客待ち演出を行う。具体的には、タイトル/静止画の切り替えを行う。つまり、いわゆるデモ画面表示を行う。
ステップS1405では、サブ制御装置262のCPU551は、第1図柄変動の保留個数表示更新処理を行う。具体的には、この保留個数表示更新処理は、第1図柄表示装置40の保留ランプ40cに対応した表示を第3図柄表示装置42でも行うための処理であるため、第1図柄表示装置40の保留ランプ40cのみで表示するパチンコ機の場合には本処理は不要となる。
ステップS1406では、サブ制御装置262のCPU551は、枠ボタン入力監視・演出処理を行う。具体的には、この枠ボタン入力監視・演出処理は、遊技者が押下可能な枠ボタン20を備えたパチンコ機において、枠ボタン20の押下による機種別の演出を行うためのものである。したがって、このような枠ボタン20を備えないパチンコ機においては、本処理は不要である。
ステップS1407では、サブ制御装置262のCPU551は、ランプ編集処理を行う。具体的には、第3図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出に対応(同期)したランプ点灯パターンを編集するという処理を行う。
ステップS1408では、サブ制御装置262のCPU551は、音編集・出力処理を行う。具体的には、第3図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出に対応(同期)した音を鳴動させるという処理を行う。
ステップS1409では、サブ制御装置262のCPU551は、液晶演出実行管理処理を行う。具体的には、ランプと音声と液晶演出(第3図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出)とを同期させる時間管理等を行う。
ステップS1410では、サブ制御装置262のCPU551は、第3図柄表示装置42で行うべき装飾図柄の変動パターンおよび音声ランプの演出を決定するための乱数の値を更新する処理を行う。具体的には、この乱数は例えば「0」〜「32767」の値をとるものであって、上限値「37268」に達すると「0」に戻るものが挙げられる。
ステップS1411では、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からコマンドを受信した場合に、各コマンドに対応した処理を行う。
具体的には、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの変動パターン指定コマンドを受信した場合に、この変動パターン指定コマンドをコマンド変換して表示制御装置45に送信する。なお、変動パターン指定コマンドをそのままスルー出力するようにしてもよい。また、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの装飾特別図柄指定コマンドを受信した場合に、この装飾特別図柄指定コマンドと予告演出コマンドとを表示制御装置45に送信する。この予告コマンドとしては、予告としての例えば魚群の出現の有無が挙げられる。また、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの全停止コマンド(確定コマンド)を受信した場合に、この全停止コマンドをそのまま表示制御装置45に送信する。
ステップS1412では、サブ制御装置262のCPU551は、サブ制御装置262のRAMが破壊されているか否かを判別する。RAM破壊されていなければステップS1401に戻り、破壊されていれば無限ループに入る。
なお、表示制御装置45では、サブ制御装置262からの各コマンド(変動パターン指定コマンド、装飾特別図柄指定コマンド、予告演出コマンド、全停止コマンド)に基づいて、第3図柄表示装置42で行うべき装飾図柄の変動パターンの画像生成制御を行う。具体的には、表示制御装置45は、第3図柄表示装置42での装飾図柄変動パターンについての画像生成処理を実行し、例えばフレームレート30(1秒間に30枚の画像)で画像生成し、それらの生成画像をビデオRAM524(例えばフレームバッファ)に記憶し、それを適宜に第3図柄表示装置42に表示するようにすることで、第3図柄表示装置42での装飾図柄変動表示が実現されている。
次に、主制御装置261が行う大入賞口開閉処理について図24を用いて説明する。図24は、主制御装置261による大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。主制御装置261のCPU501による図12に示した通常処理には、前述したように大入賞口開閉処理(ステップS205)も設けられている。
ステップS1451では、主制御装置261のCPU501は、第1,第2大当たり乱数カウンタC1a,C1bが当りか否かを判定する。主制御装置261のCPU501は、当りであれば、ステップ1452に進み、外れであれば本処理を終了する。
ステップS1452では、主制御装置261のCPU501は、大当たりラウンド遊技の開始を知らせるオープニング演出を実行するためのオープニングコマンドをサブ制御装置262に送信し、ステップS1453に進む。
ステップS1453では、主制御装置261のCPU501は、可変入賞装置32の大入賞口32aの扉部材32bを開放状態にするために扉部材32bを開閉する大入賞口ソレノイドを制御するとともに、タイマ機能を用いて開放時間の計時を開始する。また、主制御装置261のCPU501は、これから開始される大当たりラウンドが何ラウンド目であるかを知らせるラウンド数指定コマンドをサブ制御装置262に送信する。
ステップS1454では、主制御装置261のCPU501は、可変入賞装置32の大入賞口に所定数(例えば10個)の遊技球の入賞があったか否かを検出するとともに、開放時間の計時が最大開放時間(例えば、30秒)を経過したかどうかを検出し、可変入賞装置32の大入賞口に所定数の遊技球の入賞があった場合や、開放時間の計時(カウントアップ)が最大開放時間を経過した場合には、ステップS1455に進む。可変入賞装置32の大入賞口に所定数(例えば10個)の遊技球の入賞が未だ無い場合や、開放時間の計時が最大開放時間を経過していない場合には、ステップS1454に戻る。
ステップS1455では、主制御装置261のCPU501は、可変入賞装置32の大入賞口の扉部材32bを閉鎖状態にするように大入賞口ソレノイドを制御するとともに、開放時間の計時を停止し、ステップS1456に進む。
ステップS1456では、主制御装置261のCPU501は、該当するラウンドの予め定められたインターバル時間の間、大入賞口の閉鎖状態を継続するように大入賞口ソレノイドを制御する。
その後、ステップS1457では、主制御装置261のCPU501は、次ラウンドがあるか否かと判定し、次ラウンドがあればステップS1453に戻り、次ラウンドが無ければ、ステップS1458に進む。
ステップS1458では、主制御装置261のCPU501は、大当たりラウンド遊技の終了を知らせるエンディング演出を実行するためのエンディングコマンドをサブ制御装置262に送信し、本処理を終了する。
次に、サブ制御装置262が行う可動パターン示唆演出について、図25〜図28を参照して説明する。図25は、サブ制御装置262による液晶演出実行管理処理を示すフローチャートである。図26は、サブ制御装置262による開閉モード(大当たり)表示設定処理を示すフローチャートである。図27は、サブ制御装置262による楽曲開始タイミング調整処理を示すフローチャートである。図28は、サブ制御装置262によるラウンド中遊技処理を示すフローチャートである。
(液晶演出実行管理処理)
ステップS1501では、図25に示すように、サブ制御装置262のCPU551は、開閉モード(大当たり)表示設定処理を行う。ステップS1502では、サブ制御装置262のCPU551は、変動表示態様設定処理を行う。
(開閉モード(大当たり)表示設定処理)
ステップS1601では、図26に示すように、サブ制御装置262のCPU551は、ステップS1452で主制御装置261のCPU501から送信されたオープニングコマンドを受信していればステップS1602に進み、そうでなければステップS1605に進む。
ステップS1602では、サブ制御装置262のCPU551は、表示用オープニングコマンドをセットし、ステップS1603に進む。ステップS1603では、サブ制御装置262のCPU551は、楽曲開始タイミング調整処理を行う。
ステップS1604では、サブ制御装置262のCPU551は、ステップS1603によって調整された楽曲の開始タイミングで表示用大当たり演出コマンドをセットする。表示用大当たり演出コマンドは、大当たり状態中に第3図柄表示装置42に表示される複数パターンの大当たり演出の中から、第3図柄表示装置42に表示される所定の大当たり演出を選択するためのコマンドである。つまり、サブ制御装置262のCPU551は、表示演出制御部(ステップS1604の処理を実行する機能)を備えている。
ステップS1605では、サブ制御装置262のCPU551は、ステップS1453で主制御装置261のCPU501から送信されたラウンド数指定コマンドに基づき、これから開始される大当たりラウンドが第1ラウンド目であることを指定する「1R」の画像を第3図柄表示装置42に表示させるためのラウンド数表示コマンドをセットする。
ステップS1606では、サブ制御装置262のCPU551は、ステップS1458の主制御装置261のCPU501から送信されたエンディングコマンドを受信していればステップS1607に進み、そうでなければステップS1608に進む。
ステップS1606では、サブ制御装置262のCPU551は、表示用エンディングコマンドをセットし、本処理を終了する。
ステップS1608では、サブ制御装置262のCPU551は、後述するラウンド中遊技処理を行う。
(楽曲開始タイミング調整処理)
サブ制御装置262のCPU551は、第2枠ボタン21の操作を要求する操作要求画像の表示を含む演出であって、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分可動弁409が突出位置にくるタイミングに合わせた可動パターン示唆演出を第3図柄表示装置42に表示するよう制御する。サブ制御装置262のCPU551は、可動パターン示唆演出を行う機能(後述するステップS1701〜ステップS1713の処理を実行する機能)を備えている。つまり、サブ制御装置262のCPU551は、操作演出制御部を備えている。
ステップS1701では、図27に示すように、サブ制御装置262のCPU551は、オープニングコマンドの内容を解析して、大当たり状態のラウンド数が16ラウンドあるか否かを判定する。ラウンド数が16ラウンドである場合は、可動パターン示唆演出を行うので、楽曲開始タイミング調整処理を行う必要がある場合がある。よって、ラウンド数が16ラウンドである場合は、ステップS1702に進む。一方、ラウンド数が16ラウンドでない場合は、以下に説明するように基本的には可動パターン示唆演出が行われないので、楽曲開始タイミング調整処理を行う必要がない。よって、ラウンド数が16ラウンドでない場合は、本処理を終了する。
16ラウンドでない場合に楽曲開始タイミング調整処理を行わない理由は、例えば、少ないラウンド数の大当たり状態では、保留装置400に遊技球が保留されない場合や、可動パターン示唆演出開始を実行するために十分な時間を確保できない場合があるからである。なお、少ないラウンド数の大当たり状態においても、保留装置400に遊技球が保留される場合がある。この場合、可動パターン示唆演出開始が行われなければ、遊技者は保留装置400に魅力を感じなくなる恐れがある。そこで、少ないラウンド数の大当たり状態の場合は、実施例2でも後述するように、リーチ演出などの変動表示演出中に可動パターン示唆演出開始を実行してもよい。
ステップS1702では、サブ制御装置262のCPU551は、振分可動弁409の可動周期の1周期の開始時刻からオープニングコマンドの受信時刻までにかかった時間(遅れ時間)を取得し、RAM553の記憶領域pに記憶させる。この遅れ時間を取得するために、サブ制御装置262のCPU551には、振分可動弁409の可動周期に同期してカウントを行うカウント機能が備えられている。
ステップS1703では、サブ制御装置262のCPU551は、受信したオープニングコマンドを解析して、オープニング演出に要する時間をRAM553の記憶領域qに記憶させる。ステップS1704では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域pに記憶された遅れ時間と記憶領域qに記憶されたオープニング演出に要する時間とを足した合計時間を、RAM553の記憶領域rに記憶させる。記憶領域rに記憶された合計時間は、振分可動弁409の可動周期の1周期の開始時刻からオープニング演出終了後に扉部材32bが最初に開放を開始するまでの時間に相当する。
ステップS1705では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域rに記憶された合計時間が振分可動弁409の可動周期の半周期に相当する15秒よりも大きいか否かを判定し、15秒よりも大きければステップS1706に進み、合計時間が15秒よりも小さければ、ステップS1714に進む。
ステップS1706では、記憶領域rに記憶された合計時間が振分可動弁409の可動周期の1周期に相当する30秒と一致するか否かを判定する。合計時間が30秒に等しければ、ステップS1707に進み、30秒に等しくなければステップS1711に進む。
ステップS1707では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域qに記憶されたオープニング演出に要する時間を経過後、楽曲Aの画像と音声を開始する。サブ制御装置262のCPU551は、楽曲Aの開始から所定時間経過後、楽曲Aを伴う可動パターン示唆演出を実行する。
ステップS1708では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域rに記憶された合計時間が15秒より大きく且つ30秒より小さければステップS1709に進み、それ以外の場合はステップS1711に進む。
ステップS1709では、振分可動弁409の可動周期の1周期に相当する30秒から、記憶領域rに記憶された合計時間を減らした時間を記憶領域sに記憶させる。ステップS1710では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域qに記憶された時間と、記憶領域sに記憶された時間の経過後、楽曲Aの画像と音声を開始する。なお、サブ制御装置262のCPU551は、楽曲Aの開始から所定時間経過後、楽曲Aを伴う可動パターン示唆演出を実行する。
ステップS1711では、記憶領域rに記憶された合計時間が30秒より大きければステップS1712に進む。ステップS1712では、以下の計算を行い、記憶領域sに記憶させる。
s=15秒−(記憶領域rに記憶された合計時間−30秒)
なお、15秒は、可動周期の半周期に相当する時間であり、30秒は可動周期の1周期に相当する時間である。
ステップS1713では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域qに記憶された時間と、記憶領域sに記憶された時間の経過後、楽曲Bの画像と音声を開始する。なお、サブ制御装置262のCPU551は、楽曲Bの開始から所定時間経過後、楽曲Bを伴う可動パターン示唆演出を実行する。
ステップS1714では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域rに記憶された合計時間が、振分可動弁409の可動周期の半周期に相当する15秒に等しいか否かを判定する。合計時間が15秒に等しければ、ステップS1715に進み、合計時間が15秒よりも短ければステップS1716に進む。
ステップS1715では、記憶領域qに記憶されたオープニング演出に要する時間を経過後、楽曲Bの画像と音声を開始させる。ステップS1716では、振分可動弁409の可動周期の半周期に相当する15秒から、記憶領域rに記憶された合計時間を減らした時間を記憶領域sに記憶させる。ステップS1717では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域qに記憶された時間と、記憶領域sに記憶された時間の経過後、楽曲Bの画像と音声を開始する。なお、サブ制御装置262のCPU551は、楽曲Bの開始から所定時間経過後、楽曲Aを伴う可動パターン示唆演出を実行する。
このように、楽曲Aまたは楽曲Bが可動周期の開始タイミング(r=30秒)や振分可動弁409の可動周期の半周期のタイミング(r=15秒)から開始できない場合は、オープニング演出の終了時点から記憶領域sに記憶された時間を経過後に、楽曲Aまたは楽曲Bを開始することで、楽曲Aまたは楽曲Bの開始タイミングと振分可動弁409の可動周期の開始タイミングまたは半周期のタイミングとを合わせることができる。これにより、楽曲Aまたは楽曲Bのリズムと、振分可動弁409の可動タイミングとを一致させた可動パターン示唆演出を実行することができる。
(ラウンド中遊技処理)
次に、ラウンド中遊技処理について説明する。
ステップS1751では、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261のCPU501から送られるラウンド数指定コマンドの内容を解析して、2ラウンド目以降のラウンド数指定コマンドを受信したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドが2ラウンド目以降のコマンドであれば、ステップS1752に進み、例えば第2ラウンド目を指定する「2R」の画像を第3図柄表示装置42に表示させるためのラウンド数表示コマンドをセットする。2ラウンド目以降のラウンド数指定コマンドを受信していなければ、本処理を終了する。
ステップS1753では、サブ制御装置262のCPU551は、可動パターン示唆演出中に実行される可動パターン示唆演出中処理を行う。可動パターン示唆演出中処理は、例えば、可動パターン示唆演出中において示唆タイミングに合わせて第2枠ボタン21が操作された場合に、タイミングが合っていれば、タイミングが合っていることを示す画像を表示したり正しい音を出力したりする。また、タイミングが合っていなければ、タイミングが合っていないことを示す画像を表示したり誤った音を出力したりする。
ステップS1754では、サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261のCPU501からラウンド終了コマンドを受信したか否かを判定する。ラウンド終了コマンドを受信していればステップS1755に進み、ラウンド数の表示を消去する。ラウンド終了コマンドを受信していなければ、本処理を終了する。
次に、振分可動弁409の可動タイミングと、可動パターン示唆演出の示唆タイミングとの関係について、図29〜図32を参照して説明する。図29は、大当たり状態中の振分可動弁409の可動タイミングと可動パターン示唆演出の示唆タイミングとの関係を示す可動パターン示唆演出例1のタイミングチャートである。図30は、大当たり状態中の可動パターン示唆演出例2のタイミングチャートである。図31は、大当たり状態中の可動パターン示唆演出例3のタイミングチャートである。図32は、大当たり状態中の可動パターン示唆演出例4のタイミングチャートである。
(大当たり状態中の可動パターン示唆演出例1)
振分可動弁409の可動パターンについて説明する。図29に示すように、振分可動弁409の可動パターンは、遊技機の電源投入時から開始され、15秒間で実行される可動パターンAと、その後の15秒間で実行される可動パターンBとが連続する1周期30秒のパターンである。なお、以下では、1周期を可動周期と呼ぶ。具体的には、可動パターンAは、各可動周期の開始から2秒後(t1),4秒後(t2),7秒後(t3),10秒後(t4),11秒後(t5),13秒後(t6)に、振分可動弁409が待避位置から突出位置に変移し、約0.3秒間突出位置を維持し、その後突出位置から待避位置に変移する。可動パターンBは、開始から16秒後(t7),20秒後(t8),21秒後(t9),22秒後(t10),26秒後(t11),29秒後(t12)に、振分可動弁409が待避位置から突出位置に変移し、約0.3秒間突出位置を維持し、その後突出位置から待避位置に変移する。なお、以下では、t1〜t12を可動タイミングt1〜t12と呼ぶ。
ここで、遊技状態のある時点において第1の始動口33a,33bへの入球検出が発生し、この入球検出に基づく抽選結果が16ラウンドの大当たり状態とする結果であり、変動表示時間は60秒間であり、変動終了後から大当たり状態開始までの大当たりオープニング時間は、5秒間であるとする。
本実施例では、抽選結果に基づく図柄の変動表示は、可動タイミングt6と同じタイミングで開始されて、その60秒後に、可動タイミングt6と同じタイミングで終了する。その後、大当たりオープニング演出が開始され、その5秒後に、可動タイミングt7から少し遅れて大当たりオープニング演出が終了する。大当たりオープニング演出の終了後、大入賞口32aが開放されて大当たり状態の1ラウンド目が開始される。
サブ制御装置262のCPU551は、大当たり状態中、楽曲の映像と、スピーカから出力される楽曲の音楽とで構成される大当たり演出画像を第3図柄表示装置42に表示する。大当たり演出画像は、16ラウンドの大当たり状態の場合、楽曲の開始から終了までが3分〜4分程度要する2種類の楽曲Aと楽曲Bが設定されている。
可動パターン示唆演出は、16ラウンドの大当たり演出画像(すなわち楽曲Aの映像と音楽)において、楽曲Aの開始から90秒後から可動パターン示唆演出を開始するように設定されている。その理由は、振分装置400に最大保留数(5球)の遊技球が保留された後に可動パターン示唆演出を開始するためである。具体的には、遊技球発射装置38が1秒に1球の遊技球を発射すると仮定すると、遊技者が大当たり状態の開始直後から遊技球を連続して発射したとすれば、最短で75秒後に保留装置400が最大保留数に達する。振分装置400は、上述のように、大入賞口32aに向けて発射された遊技球のうち15球に1球の遊技球が保留される。そこで、可動パターン示唆演出は、少なくとも大当たり状態の開始から75秒以上経過してから開始されるように設定されている。
ここで、大当たりオープニング時間の終了のタイミングは、可動周期の途中、すなわち、可動パターンBの途中のタイミングである。この場合、楽曲Aまたは楽曲Bを大当たりオープニング時間の経過直後から開始すると、楽曲Aまたは楽曲Bに含まれる後述する可動パターン示唆演出における示唆タイミングと各可動パターンにおける可動タイミングと一致しなくなる。そこで、楽曲Aまたは楽曲Bの開始タイミングと可動パターンの開始タイミングとが一致するよう、楽曲Aまたは楽曲Bの開始タイミングを調整する。
楽曲Aまたは楽曲Bの開始タイミングの調整は、可動周期の時間30秒から、可動周期の1周期の開始時刻からオープニングコマンドの受信時刻までにかかった時間(以下、遅れ時間と呼ぶ)pと、オープニング演出時間qとの合計時間rを引いた時間s(以下、調整時間sと呼ぶ)、楽曲Aの開始タイミングを遅らせることである。具体的には、可動周期の時間30秒から18秒(合計時間r)を引いた12秒間(s時間)、楽曲Aの開始タイミングを遅らせる演出(以下、調整演出と呼ぶ)を行った後、可動パターンAの開始タイミングに合わせて楽曲Aを開始させる。
なお、この調整時間sのあいだ、遊技者を飽きさせないための表示演出が行われる。例えば、楽曲Aを歌う歌手を紹介する映像や、楽曲Aを短くまとめたダイジェスト映像などである。映像は、調整時間sの経過タイミングで終わる。調整時間sに合わせて複数種類の映像を用意してもよい。このような映像も、大当たり演出に含まれる。
このように、大当たり演出画像(すなわち楽曲Aの映像と音楽)の本来の表示開始タイミングが可動周期の途中のタイミング、すなわち、可動パターンBの途中のタイミングである場合は、楽曲Aの開始タイミングを調整時間s遅らせる演出を行うことで、実際に楽曲Aが開始されるタイミングは、可動パターンAの開始タイミングに一致する。これにより、楽曲Aによる大当たり演出の開始から90秒後に開始される可動パターン示唆演出において、可動パターンAを構成する可動タイミングと、可動タイミングを示唆する操作要求画像が表示される示唆タイミングとが一致する。
楽曲Aにおいて実行される可動パターン示唆演出は、楽曲Aの途中で、遊技者に楽曲Aのリズムに合わせて第2枠ボタン21を叩かせるリズムゲームである。そのため、振分可動弁409の可動パターンは、少なくとも一部が楽曲Aのいずれかのリズムの一部と一致するように設定されている。具体的には、可動パターンAのうちt2〜t6の5つの可動タイミングは、楽曲Aのリズムの一部と一致している。つまり、楽曲Aによる大当たり演出には、可動タイミングt2〜タイミングt6に対応付けられた示唆タイミングst1〜示唆タイミングst5が予め設定されている。
各示唆タイミングは、振分可動弁409の可動タイミングよりもわずかに早く設定されている。各示唆タイミングは、保留状態切換片405が排出位置に切り換えられた状態で、保留部403から排出された遊技球が振分可動弁409に達するまでの時間等に基づき設定されている。各示唆タイミング及びその設定方法は、後で詳細に説明する。
(大当たり状態中の可動パターン示唆演出例2)
次に、抽選結果に基づく図柄の変動表示は、図30に示すように、可動パターン示唆演出例1と同じく可動タイミングt6と同じタイミングで開始されるが、変動表示時間は、可動パターン示唆演出例1(60秒)よりも12秒長い72秒であるとする。すなわち、図柄の変動表示は、可動タイミングt10から3秒遅れたタイミングで終了する。大当たりオープニング演出は、可動パターン示唆演出例1と同じく5秒間であるとするので、大当たりオープニング演出の終了時間は、可動周期の終了タイミングと一致している。
この場合は、大当たり状態の開始に合わせて楽曲Aを開始させれば、楽曲Aの開始タイミングを遅らせる調整演出を行わずとも、可動パターン示唆演出が開始される楽曲Aの開始から90秒後において、可動パターンAを構成する可動タイミングt2〜t6と示唆タイミングst1〜st5とが一致する。
(大当たり状態中の可動パターン示唆演出例3)
次に、抽選結果に基づく図柄の変動表示は、図31に示すように、可動パターン示唆演出例1と同じく可動タイミングt6と同じタイミングで開始されるが、変動表示時間は、可動パターン示唆演出例1(60秒)よりも9秒短い51秒であるとする。すなわち、図柄の変動表示は、可動周期の開始から4秒後の可動タイミングt2と同じタイミングで終了する。大当たりオープニング演出は、可動パターン示唆演出例1と同じく5秒間であるとするので、大当たりオープニング演出は、可動周期の途中、すなわち、可動パターンAの途中のタイミングである。そのため、可動パターン示唆演出例3では、可動パターン示唆演出例1と同様に、楽曲の開始に先立って調整演出が表示される。
具体的には、可動周期の半周期に相当する時間15秒から、遅れ時間p(4秒)とオープニング演出時間q(5秒)との合計時間r(9秒)を引いた調整時間s(6秒間)、調整演出を行った後、可動パターンBの開始タイミングに合わせて楽曲Bを開始させる。
楽曲Bにおいて実行される可動パターン示唆演出は、楽曲Bの途中で、遊技者に楽曲Bのリズムに合わせて第2枠ボタン21を叩かせる操作演出である。そのため、振分可動弁409の可動パターンは、少なくとも一部が楽曲Bのいずれかのリズムの一部と一致するように設定されている。具体的には、可動パターンBのうちt8〜t12の5つの可動タイミングは、楽曲Bのリズムの一部に一致している。つまり、楽曲Bによる大当たり演出には、可動タイミングt8〜タイミングt12に対応付けられた示唆タイミングst6〜示唆タイミングst10が予め設定されている。
楽曲Bの開始から90秒後から可動パターン示唆演出を開始することによって、可動パターンBを構成する可動タイミングt7〜t11と示唆タイミングst6〜st10とが一致する。なお、示唆タイミングst6〜st10及びその設定方法は可動パターン示唆演出例1と同様である。
(大当たり状態中の可動パターン示唆演出例4)
次に、抽選結果に基づく図柄の変動表示は、図32に示すように、可動パターン示唆演出例1と同じく可動タイミングt6と同じタイミングで開始されるが、変動表示時間は、可動パターン示唆演出例1(60秒)よりも5秒短い55秒であるとする。すなわち、図柄の変動表示は、可動タイミングt4と同じタイミングで終了する。大当たりオープニング演出は、可動パターン示唆演出例1と同じく5秒間であるとするので、大当たりオープニング演出の終了時間は、可動パターンAの終了タイミングと一致している。
この場合は、大当たり状態の開始に合わせて楽曲Bを開始させれば、楽曲Bの開始タイミングを遅らせる調整演出を行わずとも、可動パターン示唆演出が開始される楽曲Bの開始から90秒後において、可動パターンBを構成する可動タイミングt7〜t11と示唆タイミングst6〜st10とが一致する。
次に、可動パターン示唆演出例における示唆タイミングst1〜st5について図33〜図35を用いて説明する。図33は、示唆タイミングst1〜st5と第2枠ボタン21の操作タイミングの一例とを示すタイミングチャートである。図34は、図33に続くタイミングチャートである。図35は、図34に続くタイミングチャートである。なお、図32(a)〜図35における示唆画像(a)〜(p)は、後述する図36〜図39における(a)〜(p)の可動パターン示唆演出中に表示される画像に対応している。
また、大当たり状態中に第3図柄表示装置42に表示される可動パターン示唆演出について、図36〜図39を用いて説明する。図36(a),(b)は、大当たり状態中に第3図柄表示装置42に表示される可動パターン示唆演出を示す図である。図37(c),(d)は、図36に続く可動パターン示唆演出を示す図である。図38(e)〜(j)は、図37に続く可動パターン示唆演出を示す図である。図39(k)〜(p)は、図38に続く可動パターン示唆演出を示す図である。
なお、可動パターン示唆演出例1,2での可動パターン示唆演出では、可動タイミングt1は示唆されず、可動タイミングt2〜t6が示唆される。これは、図33に示すように、可動タイミングt2に対応する示唆タイミングまでの期間に、可動パターン示唆演出におけるリズムゲームを説明するための画像を表示するためである。
図33に示すように、第3図柄表示装置42には、可動パターンAの開始0.0秒後から可動パターンAの開始2.0秒後までの2.0秒間に、その時点で表示されている楽曲Aまたは楽曲Bの映像に重なるようにして、リズムゲームを説明する画像(a)が表示される。具体的には、図36(a)に示すように、「リズムゲーム リズムに合わせて太鼓ボタンを叩いて下さい」という文字画像が表示される。また、第3図柄表示装置42には、大当たり状態中であることを示すラウンド数画像421が表示されている。ここでは、9ラウンド目を示す画像(9R)が表示されている。なお、以下の説明では、とくに記載しないが、可動パターン示唆演出を構成する各画像の背後には、その時点で表示されている楽曲Aまたは楽曲Bの映像が表示されているものとする。
次に、可動パターンAの開始2.0秒後から可動パターンAの開始3.0秒後までの1.0秒間に、リズムゲームの開始を知らせる画像(b)が表示される。具体的には、図36(b)に示すように、操作を説明する操作説明画像423と、操作タイミングを知らせる第2枠ボタン21の形(太鼓の形)を模した操作タイミング画像425が表示される。操作説明画像423は、「Hit!マークが太鼓に重なったら、太鼓ボタンを叩いて下さい。」という説明文が表示される。
可動パターン示唆演出例1でのリズムゲームは、可動パターンAの開始3.0秒後から可動パターンAの開始14.0秒後までの11.0秒間に実行される。可動パターンAの開始から3.00秒後から可動パターンAの開始3.85秒後までの0.85秒間は、「Hit!」の文字が表された第1操作要求画像431が操作タイミング画像425に近づく動画像(c)が表示される(図37(c)参照)。可動パターンAの開始3.85秒後から可動パターンAの開始4.35秒後までの0.50秒間は、第1操作要求画像431が操作タイミング画像425に完全に重なる画像(d)(以下、重なり画像と呼ぶ)が表示される(図37(d)参照)。その後、第1操作要求画像431が操作タイミング画像425から遠ざかり、表示画面から消える画像(e)が表示される(図38(e)参照)。この重なり画像が表示されている時間が、示唆タイミングst1に対応する。
図34に示すように、可動パターンAの開始から6.00秒後から可動パターンAの開始6.95秒後までの0.95秒間に、「Hit!」の文字が表された第2操作要求画像432が操作タイミング画像425に近づく動画像(f)が表示される(図38(f)参照)。可動パターンAの開始6.95秒後から可動パターンAの開始7.35秒後までの0.4秒間に、第2操作要求画像432が操作タイミング画像425に完全に重なる画像(g)が表示される(図38(g)参照)。その後、第2操作要求画像432は操作タイミング画像425から遠ざかり、表示画面から消える画像(h)が表示される(図38(h)参照)。この重なり画像が表示されている時間が、示唆タイミングst2に対応する。
可動パターンAの開始から9.00秒後から可動パターンAの開始9.95秒後までの0.95秒間に、「Hit!」の文字が表された第3操作要求画像433が操作タイミング画像425に近づく動画像(i)が表示される(図38(i)参照)。可動パターンAの開始9.95秒後から可動パターンAの開始10.35秒後までの0.4秒間に、第3操作要求画像433が操作タイミング画像425に完全に重なる画像と、「Hit!」の文字が表された第4操作要求画像434が操作タイミング画像425に近づく動画像(j)が表示される(図38(j)参照)。この重なり画像が表示されている時間が、示唆タイミングst3に対応する。
なお、図38(j)及び後述する図39(k)では、第9ラウンドが終了したので、第9ランドを示すラウンド数画像421を消去して、1.0秒間のインターバル時間を挟んでいる。後述する図39(l)以降では、第10ランドが開始されるので、ラウンド数画像421が「10R」に変更されている。
可動パターンAの開始から10.35秒後から可動パターンAの開始10.95秒後までの0.6秒間に、第3操作要求画像433は操作タイミング画像425から遠ざかり、表示画面から消えるが、第4操作要求画像434がさらに操作タイミング画像425に近づく動画像(k)が表示される(図39(k)参照)。図34及び図35に示すように、可動パターンAの開始10.95秒後から可動パターンAの開始11.35秒後までの0.4秒間に、第4操作要求画像434が操作タイミング画像425に完全に重なる画像(l)が表示される(図39(l)参照)。その後、第4操作要求画像434は操作タイミング画像425から遠ざかり、表示画面から消える画像(m)が表示される(図29(m)参照)。この重なり画像が表示されている時間が、示唆タイミングst4に対応する。
可動パターンAの開始から12.00秒後から可動パターンAの開始12.95秒後までの0.95秒間に、「Hit!」の文字が表された第5操作要求画像435が操作タイミング画像425に近づく動画像(n)が表示される(図39(n)参照)。可動パターンAの開始12.95秒後から可動パターンAの開始13.45秒後までの0.5秒間に、第5操作要求画像435が操作タイミング画像425に完全に重なる画像(o)が表示される(図39(o)参照)。その後、第5操作要求画像435は操作タイミング画像425から遠ざかり、表示画面から消える画像(p)が表示される(図39(p)参照)。この重なり画像が表示されている時間が、示唆タイミングst5に対応する。
可動パターンAの開始14.0秒後には、第5操作要求画像435も操作タイミング画像425も消えて、再び楽曲Aの画像が表示される。なお、上述したリズムゲームは、楽曲Aの画像に重ねて表示してもよいし、楽曲Aの画像を表示画面の隅に縮小表示するとともにリズムゲームの画像を表示画面の中央に表示してもよい。
なお、可動パターン示唆演出中に表示される画像は、上述した画像に限られない。例えば、保留装置400に保留されている遊技球の数を示す画像が表示されてもよい。その場合、遊技盤30または保留装置400の本体部品401には、保留装置400に保留されている遊技球の数を数えるセンサが取り付けられ、主制御装置261またはサブ制御装置262には、保留装置400に保留されている遊技球の数をカウントして表示する機能が備えられる。また、例えば、サブ制御装置262は、第2枠ボタン21の押下信号を受信できるように構成することで、重なり画像の表示時間中に第2枠ボタン21が操作された場合は、タイミングが合っていることを示す画像(例えば正しい音を示す音符の画像)を表示したり正しい音を出力したり、重なり画像の表示時間から外れたタイミングで第2枠ボタン21が操作された場合は、タイミングが合っていないことを示す画像(例えば誤った音を示す音符に×印を付けた画像)を表示したり誤った音を出力たりしてもよい。
次に、再び図33〜図35を参照して上述した示唆タイミングst1〜st5(すなわち、重なり画像の表示時間)の設定方法について説明する。
重なり画像の表示時間は、第2枠ボタン21の応答時間、排出阻止弁406の動作時間、遊技球の落下時間、振分可動弁409の位置などを考慮して設定されている。例えば、振分可動弁409は、各可動タイミングの開始0.0秒後から0.9秒後までの間に、上述した突出動作と待避動作を行う。各可動タイミングにおいて、振分可動弁409が落下した遊技球を乗せて一般入賞口31bに誘導可能な時間は、振分可動弁409の先端が位置P2に突出するタイミングから振分可動弁409の先端が位置P2に復帰するタイミングまでの時間、すなわち、各可動タイミングの開始0.20秒後から各可動タイミングの開始0.70秒後までの0.50秒間である。
遊技者が第2枠ボタン21を押下するタイミング(例えばtm1A)から排出阻止弁406が排出位置への駆動を開始するタイミング(例えばtm1B)までの時間を0.10秒とし、排出阻止弁406が動作を開始するタイミング(例えばtm1B)から保留部403から排出された遊技球が振分可動弁409に着地するタイミング(例えばtm1C)までの時間を0.25秒とすると、振分可動弁409が位置P2に突出するタイミングよりも少なくとも0.35秒前(すなわち、可動タイミングの開始0.15秒前)に重なり画像(d)の表示を開始すれば、遊技者が重なり画像(d)の表示開始タイミングtm1Aに合わせて第2枠ボタン21を押下しても、保留部403から排出された遊技球を振分可動弁409に乗せて、一般入賞口31bに誘導することができる。それゆえ、示唆タイミングst2〜st6における重なり画像の表示開始タイミングは、可動タイミングt2〜t6における振分可動弁409が位置P2に突出するタイミングよりも0.35秒前(すなわち、各可動タイミングの開始0.15秒前)に設定されている。
また、示唆タイミングst2〜st6における重なり画像の表示終了タイミングは、遊技者が第2枠ボタン21を押下してから排出阻止弁406が排出位置への駆動を開始するまでの時間(0.10秒)と、排出阻止弁406が動作を開始してから保留部403から排出された遊技球が振分可動弁409に着地するまでの時間(0.25秒)とを考慮して、振分可動弁409が位置P2に復帰するタイミングよりも0.35秒前(すなわち、可動タイミングt2〜t6における各可動タイミングの開始0.35秒後)に設定されている。すなわち、重なり画像の表示時間は、振分可動弁409が落下した遊技球を乗せて一般入賞口31bに誘導可能な時間に合わせて、0.50秒間に設定されている。
このように第2枠ボタン21の応答時間、排出阻止弁406の動作時間、遊技球の落下時間、振分可動弁409の位置などを考慮することによって、可動パターン示唆演出における示唆タイミングst1〜st5を、予め定められた時間に設定することができる。
次に、可動パターン示唆演出中の任意のタイミング(例えば図33〜図35に示されるtm1A〜tm5Aのタイミング)で第2枠ボタン21が操作された場合に、保留装置400から排出された遊技球が振分可動弁409に乗るか否か(すなわち、一般入賞口31bに誘導されるか否か)を説明する。
重なり画像の表示開始のタイミングtm1Aで第2枠ボタン21が押下された場合、保留装置400から排出された遊技球は、振分可動弁409が位置P2に突出したタイミングと同じタイミングtm1Cで振分可動弁409の表面に到達して、一般入賞口31bに誘導されて、一般入賞口31bに入賞する(後述する図42,図43も参照)。
重なり画像の表示開始から0.25秒後のタイミングtm2Aで第2枠ボタン21が押下された場合、保留装置400から排出された遊技球は、振分可動弁409が最大突出位置P3を維持している間のタイミングtm2Bで振分可動弁409の表面に到達して、一般入賞口31bに誘導されて、一般入賞口31bに入賞する。また、重なり画像の表示開始から0.35秒後のタイミングtm3Aで第2枠ボタン21が押下された場合も、保留装置400から排出された遊技球は、上述のタイミングtm2Bよりも遅いタイミングであるが、振分可動弁409が最大突出位置P3を維持している間のタイミングtm3Bで振分可動弁409の表面に到達して、一般入賞口31bに誘導されて、一般入賞口31bに入賞する。
また、重なり画像の表示終了のタイミングtm4Aで第2枠ボタン21が押下された場合、保留装置400から排出された遊技球は、振分可動弁409がP3から位置P2に復帰したタイミングと同じタイミングtm4Cで振分可動弁409の表面に到達して、一般入賞口31bに誘導されて、一般入賞口31bに入賞する。これに対して、重なり画像の表示開始から0.55秒後のタイミングtm5A(重なり画像の表示終了後のタイミング)で第2枠ボタン21が押下された場合、保留装置400から排出された遊技球は、振分可動弁409が位置P2から位置P1に変移しているタイミングで振分可動弁409の表面と同じ高さまで落下するので、振分可動弁409に乗らず、一般入賞口31bに誘導されずに排出される(後述する図46,図47も参照)。
なお、重なり画像が表示される時間を狙って遊技者が第2枠ボタン21を連打する場合も考えられる。この場合、重なり画像が表示されている時間内に第2枠ボタン21を連打できた場合に限って、保留部403から落下した遊技球を振分可動弁409に乗せて、一般入賞口31bに誘導することができるようにしてもよい。また、第2枠ボタン21の押下は、1回の重なり画像が表示されている時間内に1回目のみ有効としてもよい。
次に、大当り状態中の可動パターン示唆演出が実行されている最中の遊技盤の右下遊技領域30a3について、図40〜図47を参照して説明する。図40は、大当り状態中の可動パターン示唆演出が実行されている最中の遊技盤の右下遊技領域30a3を示す図である。図41は、図40に示す保留装置400から排出された遊技球が一般入賞口31bに入球する様子を示す図である。図42は、図40の保留装置400から装飾板413を外した状態を示す断面図である。図43は、図41の保留装置400から装飾板413を外した状態を示す断面図である。図44は、図40と同様の右下遊技領域30a2を示す図である。図45は、図44に示す保留装置400から排出された遊技球が一般入賞口31bに入球されない様子を示す図である。図46は、図44の保留装置400から装飾板413を外した状態を示す断面図である。図47は、図45の保留装置400から装飾板413を外した状態を示す断面図である。
遊技者は、示唆タイミングst1〜示唆タイミングst5に合わせて第2枠ボタン21をうまく叩くことができれば、図41及び図43に示すように、保留装置400から排出された遊技球を突出位置にある振分可動弁409に乗せて、振分可動弁409から一般入賞口30bに入賞させることができる。
これに対して、遊技者が示唆タイミングst1〜示唆タイミングst5から外れたタイミングで第2枠ボタン42を叩く場合は、振分可動弁409が突出位置にあるタイミングと、遊技球の保留が解除されるタイミングとが合わない。また、可動パターン示唆演出に関係なく振分可動弁409を目視しながら第2枠ボタン21を操作する場合も、振分可動弁409が高速で動作することや振分可動弁409の視認性が低いこと等から、振分可動弁409が退避位置から突出位置に変化するタイミングで遊技球の保留を解除することが難しい。したがって、振分装置400から排出された遊技球の多くは、図45及び図47に示すように、振分可動弁409に乗らないため、一般入賞口31bに入球せずに、アウト口36に向けて流下する。
このように、遊技者は、通常では保留装置400に遊技球が保留されても、保留装置400に保留されている遊技球を一般入賞口31bに入球させ難いが、大当たり状態中では保留装置400に遊技球が保留されれば、可動パターン示唆演出において示唆タイミングst1〜st5に合わせてうまく第2枠ボタン21を操作することによって、保留装置400に保留されている遊技球を一般入賞口31bに入球させることができる。
これにより、大当たり状態中に保留装置400に最大保留数の遊技球が保留されることにより、通常では入賞させることができない一般入賞口31bに保留数分の遊技球の入賞獲得機会が得られるので、遊技者は、保留装置400に最大保留数の遊技球が保留されることにメリットを感じる。また、保留装置400に遊技球が保留されても、通常では保留装置400から排出される遊技球が一般入賞口31bに入賞し難いが、可動パターン示唆演出に参加して第2枠ボタン21が適切なタイミングで操作されれば、保留装置400から排出される遊技球が一般入賞口31bに入賞し易くなるので、遊技者は、可動パターン示唆演出に参加することにもメリットを感じる。また、第2枠ボタン42の操作の上手下手によって一般入賞口31bからの獲得賞球に差が付くので、大当たり状態中の一般入賞口31bへの入賞に技術介入性を持たせることができる。その結果、興趣性に富む保留装置400を備えるパチンコ機10を提供できる。
なお、第1の始動口33a,33bは本発明の始動入球手段に相当し、可変入賞装置32は本発明の可変入球手段に相当し、入球検出スイッチ31c,31dは本発明の入球検出手段に相当する。上述した抽選部(主制御装置261のCPU501が有するステップS704を実行する機能)は、本発明の抽選手段に相当する。上述した保留装置400は本発明の保留装置に相当し、上述した一般入賞口31bは本発明の入賞口に相当し、上述した第2枠ボタン21は本発明の操作手段に相当する。上述した待避位置,突出位置は本発明の第1位置,第2位置に相当し、上述した振分可動弁409は本発明の振分部材に相当する。上述した振分動作制御部(主制御装置261のCPU501が有するステップS112,ステップS118を実行する機能)は本発明の振分動作制御手段に相当する。上述した第1〜第5操作要求画像431〜435は本発明の操作要求に相当し、上述した第3図柄表示装置42は本発明の表示手段に相当する。上述した可動パターン示唆演出は本発明の操作演出に相当し、上述した操作演出制御部(サブ制御装置262のCPU551が有するステップS1701〜ステップS1713を実行する機能)は本発明の操作演出制御手段に相当する。
また、上述した表示演出制御部(サブ制御装置262のCPU551が有するステップS1604の処理を実行する機能)は、本発明の表示演出制御手段に相当する。上述した装飾板413は、本発明の振分部材の視認し易さを低下させる部材に相当する。上述した可動装飾片415は、本発明の振分部材の視認し易さを低下させる部材が動作する部材に相当する。上述した保留用域発光部417は、本発明の発光手段に相当する。
上述したように、本実施例1のパチンコ機10によれば、遊技球が流下可能な遊技領域30aを有する遊技盤30と、遊技領域30aを流下する遊技球が入球可能な第1の始動口33a,33bと、右打ち遊技が行われる場合に遊技領域30aを流下する遊技球が入球可能な位置に設けられ、遊技球が入球し難い閉状態と、閉状態よりも遊技球が入球し易い開状態とに変化する可変入賞装置32と、第1の始動口33a,33bに入球した遊技球を検出する入球検出スイッチ31c,31dと、入球検出スイッチ31c,31dによる遊技球の検出に基づいて特別遊技状態を生じさせるか否かを決定可能な抽選を行う抽選部(主制御装置261のCPU501が有するステップS704を実行する機能)を備え、抽選の結果が大当たり結果となった場合に、大当たり状態として、可変入賞装置32が開状態と閉状態とに変化する大当たりラウンド遊技を複数回実行する。可変入賞装置32に向けて発射される遊技球のうちの一部の遊技球を保留可能な保留状態と、遊技球の保留が解除される解除状態とに変化する保留装置400と、遊技領域30aのうち保留装置400から保留が解除された遊技球でなければ入球させづらい位置に設けられ、遊技球の入球に基づいて所定の遊技価値が得られる一般入賞口31bと、保留装置400を保留状態から解除状態に変化させる操作を含む、遊技者の操作を受ける第2枠ボタン21と、保留が解除された遊技球を一般入賞口31bに入賞し難くする第1位置と、保留が解除された遊技球を一般入賞口31bに入賞し易くする第2位置とに変化する振分動作が行われる振分可動弁409と、振分可動弁409の振分動作を制御する振分動作制御部(主制御装置261のCPU501が有するステップS112,ステップS118を実行する機能)と、第2枠ボタン21の操作を要求する第1〜第5操作要求画像431〜435の表示を含む演出であって、第1〜第5操作要求画像431〜435が表示される示唆タイミングst1〜st5,stst6〜st10を、振分可動弁409が突出位置にくる可動タイミングt2〜t6,t8〜t12に合わせた可動パターン示唆演出を大当たり状態中に第3図柄表示装置42に表示するよう制御する操作演出制御部(サブ制御装置262のCPU551が有するステップS1701〜ステップS1713を実行する機能)と、を備える。
これにより、遊技者は、大当たり状態中に第3図柄表示装置42に表示される可動パターン示唆演出において、第1〜第5操作要求画像431〜435が表示されるタイミングst1〜st5,stst6〜st10に合わせて第2枠ボタン21を操作することによって、振分可動弁409が突出位置にくるタイミングt2〜t6,tst8〜t12に合わせて、保留装置400を保留状態から解除状態に変化させることができる。これにより、第1〜第5操作要求画像431〜435が表示されるタイミングで保留装置400から排出される遊技球は、突出位置にくる振分可動弁409を介して、一般入賞口31bに入賞し易くなる。他方、このタイミング以外で第2枠ボタン21が遊技者の操作を受けても、保留装置400が保留状態から解除状態に変化するタイミングは、振分可動弁409が突出位置にくるタイミングに合わないので、このタイミングで保留装置400から排出される遊技球は、一般入賞口31bに入賞し難くなる。したがって、遊技者は、大当たり状態中に積極的に遊技球を発射し、大当たり状態中に第3図柄表示装置42に表示される可動パターン示唆演出に積極的に参加し、可動パターン示唆演出中で操作要求画像が表示されるタイミングに合わせてうまく第2枠ボタン21を操作することができれば、大当たり状態中に可変入賞装置32への入球に基づき遊技者が享受できる遊技価値に加えて、保留装置400に保留された遊技球の数だけ遊技球を一般入賞口31bに入球させて、その数に応じた所定の遊技価値を大当たり状態中に得ることができる。その結果、保留装置400に遊技球を保留することのメリットを高め、保留装置400を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。
また、保留装置400は、大当たり状態において、可変入賞装置32に向けて発射される遊技球のうちの一部の遊技球を保留可能である。これにより、遊技者は、大当たり状態中に大入賞口32aに向けて遊技球を発射し続けることで、発射された遊技球のうち一部の遊技球を保留装置400に保留させることができる。保留装置400に保留された遊技球を大入賞口32a以外の他の入賞口への入賞させるためには、可動パターン示唆演出中で操作要求画像が表示されるタイミングに合わせてうまく第2枠ボタン21を操作する必要があるので、大当たり状態中の可変入賞装置32以外の他の一般入賞口31bへの入賞に技術介入性を持たせることができる。
なお、右打ち遊技とは、遊技領域30aのうち遊技機を正面から見て右側の右上幅狭領域30a2と右下遊技機領域302cを遊技球が流下するように遊技球を発射する操作を行うことである。
また、可動パターン示唆演出は、大当たり状態中に第3図柄表示装置42に表示される複数パターンの大当たり演出の中から選択された所定の大当たり演出の一部として第3図柄表示装置42に表示される。これにより、遊技者は、大当たり状態中に第3図柄表示装置42に表示される大当たり演出中に、所定の遊技価値を得ることができるチャンスが(可動パターン示唆演出として)到来するので、大当たり演出に対する興趣性を向上させることができる。
また、操作演出制御部は、大当たり状態の開始から90秒を経過したことに基づいて、可動パターン示唆演出を第3図柄表示装置42に表示するので、保留装置400に遊技球が十分に(5球)保留されている状態で可動パターン示唆演出に遊技者を参加させることができ、保留装置400を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。
また、振分可動弁409が突出位置にくるタイミングは一回の可動パターン示唆演出中に複数回あり、複数回ある振分可動弁409が突出位置にくるタイミングに合わせて第1〜第5操作要求画像431〜435が複数回表示される可動パターン示唆演出が第3図柄表示装置42に表示されるので、遊技者は第1〜第5操作要求画像431〜435が表示されるタイミングに合わせて第2枠ボタン21を操作する必要がある。これにより、第3図柄表示装置42に表示される操作演出に遊技者を積極的に参加させることができる。
また、大当たり演出と可動パターン示唆演出は、楽曲Aまたは楽曲Bの再生を伴う演出であって、振分可動弁409が突出位置にくるタイミングt1〜t12のうちの一部のタイミングt2〜t6,tst8〜t12は、楽曲Aまたは楽曲Bの所定部分(タイミングst1〜st5,stst6〜st10)のリズムに合っており、可動パターン示唆演出は、楽曲Aまたは楽曲Bのリズムに合わせて第1〜第5操作要求画像431〜435を表示する。これにより、楽曲Aまたは楽曲Bのリズムに合わせて表示される第1〜第5操作要求画像431〜435に合わせて第2枠ボタン21を操作する行為を遊技者に楽しませながら、第3図柄表示装置42に表示される可動パターン示唆演出に遊技者を積極的に参加させることができる。
また、振分可動弁409は、一定の可動周期で振分動作を繰り返しているが、第1〜第5操作要求画像431〜435が表示されるタイミングで第2枠ボタン21が遊技者の操作を受ける場合に保留装置400の保留が解除される遊技球が振分可動弁409に到達するタイミングと、振分可動弁409が突出位置にくるタイミングとが合うように、可動パターン示唆演出が第3図柄表示装置42に表示されるので、第1〜第5操作要求画像431〜435が表示されるタイミング(タイミングst1〜st5,stst6〜st10)で遊技者が第2枠ボタン21を操作すれば、保留装置400の保留が解除される遊技球が振分可動弁409に到達するタイミングと、振分可動弁409が突出位置にくるタイミングとが合うという可動パターン示唆演出を実現できる。
振分可動弁409が突出位置にくるタイミングよりも、所定時間(保留装置400の保留が解除されるタイミングから当該保留の解除により保留装置400から排出される遊技球が振分可動弁409に到達するタイミングまでの時間:例えば0.35秒)前に第1〜第5操作要求画像431〜435を表示するので、第1〜第5操作要求画像431〜435が表示されるタイミングで遊技者が第2枠ボタン21が操作したにも関わらず、保留装置400の保留が解除された遊技球が振分可動弁409に到達するタイミングと振分可動弁409が突出位置にくるタイミングとが合わなくなるという不都合を回避できる。
また、操作演出制御部は、大当たり状態における大当たり演出の開始タイミングを調整する。つまり、大当たり演出の開始タイミングは、第1の始動口33a,33bでの入球検出に基づく始動条件成立のタイミングに応じて決まるが、(変動表示の保留がある場合は、先に保留されている変動表示が終了するまでの時間も考慮して決まるが、)振分可動弁409は、一定の可動周期で振分動作を繰り返しているので、単純に始動条件成立のタイミングに応じて大当たり演出が開始されると、第1〜第5操作要求画像431〜435が表示されるタイミングで第2枠ボタン21が遊技者の操作を受ける場合に保留装置400の保留が解除される遊技球が振分可動弁409に到達するタイミングと、振分可動弁409が突出位置にくるタイミングとが合わない場合がある。そこで、両タイミングが合うように大当たり状態における大当たり演出の開始タイミングを調整することで、両タイミングが合わなくなるという不都合を回避できる。
また、振分可動弁409は、振分動作が遊技者にとって視認し難い態様で行われるので、振分可動弁409を目視しながら第2枠ボタン21を操作しても、振分可動弁409が待避位置から突出位置に変化するタイミングで遊技球の保留を解除することが難しくなる。
また、振分動作が遊技者にとって視認し難い態様とは、振分可動弁409が高速で(例えば、待避位置から突出位置を経て待避位置に戻るまでの時間が約0.5秒)動作する態様であるので、他の動作部材の動作速度に慣れた遊技者であっても、振分可動弁409が待避位置から突出位置に変化するタイミングで遊技球の保留を解除することが難しくなる。
また、振分動作が遊技者にとって視認し難い態様とは、保留装置400に対して遊技機正面視での前面側に、遊技機正面視での前面側からの振分可動弁409の視認し易さを低下させる装飾板413が配置される態様である。これにより、当該装飾板413の背後に位置する振分可動弁409が待避位置か突出位置かを視認し難くなるので、振分可動弁409が突出位置にあるタイミングと、遊技球の保留を解除するタイミングとを合わせ難くなる。
また、振分動作が遊技者にとって視認し難い態様とは、視認し易さを損なわせる可動装飾片415が動作する態様であるので、当該可動装飾片415の背後に位置する振分可動弁409が待避位置か突出位置かを視認し難くなるので、振分可動弁409が突出位置にあるタイミングと、遊技球の保留を解除するタイミングとを合わせ難くなる。
また、振分動作が遊技者にとって視認し難い態様とは、保留装置400の遊技機正面視での背面側に、振分可動弁409の背面側から光を発する保留領域発光部417を備え、保留領域発光部417が発光する態様である。これにより、振分可動弁409の背面側から保留領域発光部417が発する光によって、振分可動弁409の位置が待避位置か突出位置かを視認し難くなるので、振分可動弁409が突出位置にあるタイミングと、遊技球の保留を解除するタイミングとを合わせ難くなる。
実施例1では、振分可動弁409の可動タイミングを示唆する演出を大当たり状態中に行っていたが、本実施例2で説明するように、振分可動弁409の可動タイミングを示唆する演出は、大当たり状態中以外の遊技状態中に行っても構わない。
実施例1で説明した大当たり状態中の可動パターン示唆演出によって、保留装置400に保留された遊技球をすべて排出できるが、可動パターン示唆演出の終了後の大当たり状態中に再び、保留装置400に遊技球が保留されることがある。また、実施例1では、16ラウンド以外の大当たり状態では可動パターン示唆演出が実行されないが、可動パターン示唆演出が実行されないラウンド数の大当たり状態においても、保留装置400に遊技球が保留されることがある。また、時短大当たりや確変大当たりに当選した場合は、時短状態中や確変状態中においても、右打ち遊技が行われるので、保留装置400に保留される場合がある。
すなわち、保留装置400には、大当たり状態中だけでなく、可動パターン示唆演出の終了後の大当たり状態中や、16ラウンド以外の大当たり状態中や、確変状態中や、時短状態中など右打ち遊技が行われる状態(右打ち遊技状態)中に遊技球が保留される場合がある。そこで、本実施例では、右打ち遊技状態から通常遊技状態など左打ち遊技が行われる状態(左打ち遊技状態)に切り替わった場合に、所定条件の成立に基づき、可動パターン示唆演出を実行する。
本実施例の保留装置400と実施例1の保留装置400との異なる点を後述する図56,図57を用いて説明する。
本実施例の保留装置400には、図57に示すように、保留部403に遊技球が保留されているか否かを検出するマイクロスイッチ418が設けられている。具体的には、マイクロスイッチ418は、その本体が遊技盤30の裏面側であって保留部403の下流位置に配置されており、遊技球と接触する保留球接触部418aが遊技盤30の裏面側から前面側へ突出されている。保留球接触部418aは、遊技球が保留されていない状態の保留部403に最初に保留される遊技球と接触する位置に、その凸片が位置している。図56に示す状態では、最初に保留されている遊技球によって保留球接触部418aが押されて、保留部403への遊技球の保留が有ると検出される。図57に示す状態では、保留球接触部418aが遊技球によって押されていないので、保留部403への遊技球の保留が無いと検出される。このように構成することで、保留部403に遊技球が保留されていない状態で可動パターン示唆演出が表示されることによって遊技者に与える不快感を低減することができる。
なお、保留部403の遊技球が保留されているか否かを検出する手段は、マイクロスイッチ418に限らず、投光器と受光器を有する一対のフォトセンサで保留部403を挟む構成であっても構わない。
右打ち遊技状態から左打ち遊技状態に切り替わるタイミングについて説明する。なお、本実施例では、可動パターン示唆演出の実行条件が実施例1と異なるだけであり、遊技機の外部および内部の構成は、実施例1と同じである。そのため、以下の説明では適宜、上述した図56,図57を参照する。
(切り替わりタイミング例1)
切り替わりタイミングの一例は、通常大当たりに当選した場合であれば、大当たり状態の終了後に通常遊技状態が開始される時点である。すなわち、大当たり状態中は、可変入賞装置32を狙って右打ち遊技が行われるので、保留装置400に遊技球が保留される場合がある。そこで、大当たり状態の終了後、左打ち遊技が行われる通常遊技状態において、所定条件の成立に基づき、可動パターン示唆演出を表示する。これにより、遊技者は、大当たり状態中に保留された遊技球の数に応じた所定の遊技価値を、大当たり状態終了後の通常遊技状態中に得る可能性が出る。
また、遊技者は、大当たり状態の終了後、通常遊技状態が開始される場合は、大当たり状態中に獲得した遊技価値を確保するためや、再び大当たり状態に当選する可能性が高くないことから、遊技を継続する意欲を失い易い。しかし、大当たり状態の終了後の通常遊技状態において所定条件が成立することに基づいて可動パターン示唆演出が表示されて、当該可動パターン示唆演出によって保留装置400に保留された遊技球の数に応じた所定の遊技価値を獲得できるチャンスがあることを知っていれば、大当たり状態の終了後の通常遊技状態においても所定条件が成立するまでは遊技を継続しようとする遊技継続意欲を起こさせることができる。
(切り替わりタイミング例2)
切り替わりタイミングの他の例は、確変大当たりや時短大当たりに当選した場合であれば、大当たり状態の終了後の確変状態や時短状態が終了した後に、次の遊技状態(例えば、通常遊技状態)が開始される時点である。すなわち、大当たり状態中は右打ち遊技が行われるが、大当たり状態終了後の確変状態中や時短状態中も第1の始動口33bを狙って右打ち遊技が行われるので、保留装置400に遊技球が保留される場合がある。例えば、確変付き2R大当たりに当選した場合、2ラウンドの大当たり状態中には保留装置400に上限数まで遊技球を保留することは難しいが、その後の確変状態が例えば変動表示100回分あれば、確変状態中に保留装置400に上限数まで遊技球を保留することができる。そこで、確変状態や時短状態の終了後、左打ち遊技が行われる通常遊技状態において、所定条件の成立に基づき、可動パターン示唆演出を表示する。これにより、遊技者は、大当たり状態中だけでなく、確変状態中や時短状態中に保留された遊技球の数に応じた所定の遊技価値を、確変状態や時短状態の終了後の通常遊技状態中に得る可能性が出る。また、確変状態や時短状態の終了後の通常遊技状態においても所定条件が成立するまでは遊技を継続しようとする遊技継続意欲を起こさせることができる。
(切り替わりタイミング例3)
上述した例(例2)は、確変状態や時短状態から通常遊技状態に切り替わる時点に限らず、遊技者にとっての有利さの高い確変状態や時短状態から有利さが低い確変状態や時短状態に切り替わる時点であってもよい。例えば、確変状態中や時短状態中に、第1の始動口33bへの入球検出に基づく第2図柄抽選の当選確率を高確率とする(その結果として、第1の始動口33bの開放時間が長くなり開放頻度が高くなる)サポートが付く期間と付かない期間とがある場合は、サポートが付く期間の確変状態や時短状態からサポートが付かない期間の確変状態や時短状態に切り替わる時点である。サポートが付く期間の確変状態中や時短状態中は、右打ち遊技が行われる。サポートが付かない期間の確変状態や時短状態が開始されると、第1の始動口33bへの入球を期待し難いので、確変状態中の第1の始動口33aを狙って左打ち遊技が行われる。このように、サポートが付く期間の確変状態や時短状態の終了後、サポートが付かない期間の確変状態中や時短状態中において、所定条件の成立に基づき、可動パターン示唆演出を表示してもよい。また、サポートが付く期間の確変状態や時短状態の終了後、サポートが付かない期間となった場合でも、所定条件が成立するまでは遊技を継続しようとする遊技継続意欲を起こさせることができる。
次に、右打ち遊技状態から切り替わった左打ち遊技状態において可動パターン示唆演出が実行される所定条件について説明する。
サブ制御装置262のCPU551は、主制御装置261のCPU501での第1図柄の抽選結果に基づき、図柄を変動する複数パターンの変動表示演出の中から、所定の変動表示演出を選択する機能(変動表示演出選択部)を備える。変動表示演出選択部は、右打ち遊技状態の終了後の左打ち遊技状態において、変動表示演出中に関する所定条件の成立に基づいて、可動パターン示唆演出を変動表示演出中に実行する。
(可動パターン示唆演出が実行される条件例1)
可動パターン示唆演出が実行される所定のリーチ演出の一例は、変動表示演出が所定のリーチ演出を含み且つ当該リーチ演出の表示時間が少なくとも可動パターン示唆演出の表示時間よりも長いことである。これにより、可動パターン示唆演出を実行する時間を確保することができる。
(可動パターン示唆演出が実行される条件例2)
可動パターン示唆演出が実行される所定のリーチ演出の他の例は、ノーマルリーチ演出よりも大当たり状態になることを示唆する期待度が高いスーパーリーチ演出である。スーパーリーチ演出は、リーチ演出の表示時間が、可動パターン示唆演出が実行される時間(15秒間)よりも長い時間(60秒間)に設定されている。また、リーチ演出の表示時間が長い場合は、遊技者がリーチ演出の途中で退屈感を抱きやすいが、リーチ演出の途中で可動パターン示唆演出を実行することで、リーチ演出の表示時間を遊技者に楽しませることができる。
(可動パターン示唆演出が実行される条件例3)
可動パターン示唆演出が実行される所定のリーチ演出の他の例は、右打ち遊技状態の終了後の左打ち遊技状態において、主制御装置261のCPU501での第1図柄の抽選結果が右打ち遊技状態としない外れ結果であり、当該外れ結果より後に行われる第1図柄の抽選結果に基づき選択される変動表示演出が、スーパーリーチ演出を含む場合である。この場合には、前の右打ち遊技状態中に保留された遊技球を一般入賞口31bに入賞させる機会を当該外れ結果より後に行われるスーパーリーチ演出中に与えることによって、右打ち遊技状態としない外れ結果であることに対する失望感を軽減させることができる。
(可動パターン示唆演出が実行される条件例4)
上述した例4において、第1図柄の抽選結果(外れ結果)に基づく変動表示演出が、スーパーリーチ演出のような大当たり期待度がノーマルリーチよりも高いリーチ演出を含むことを条件としてもよい。これにより、スーパーリーチ演出を含む変動表示演出が実行されたにも関わらず右打ち遊技状態としない外れ結果であることに対する失望感を軽減させることができる。
次に、可動パターン示唆演出が変動表示演出の一部(例えばリーチ演出の一部)として表示される場合には、実施例1と同様に、可動パターン示唆演出における示唆タイミングと振分可動弁409の可動タイミングとが合わなくなる場合がある。そこで、以下では、本実施例での可動パターン示唆演出を含む変動表示演出の設定を行う手段を説明し、次に、本実施例での可動パターン示唆演出における示唆タイミングと振分可動弁409の可動タイミングとを合わせる手段を説明する。
サブ制御装置262が行うリーチ演出中に実行される可動パターン示唆演出について、図48,図49を参照して説明する。図48は、サブ制御装置262による変動表示態様設定処理を示すフローチャートである。図49は、サブ制御装置262によるリーチ演出中の楽曲開始タイミング調整処理を示すフローチャートである。図50は、サブ制御装置262によるリーチ演出中処理を示すフローチャートである。
(変動表示態様設定処理)
図48に示すように、ステップS1801では、サブ制御装置262のCPU551は、変動パターン指定コマンドを受信していればステップS1802に進み、受信していなければステップS1804に進む。
ステップS1802では、サブ制御装置262のCPU551は、楽曲開始タイミング調整処理を行い、ステップS1803に進む。ステップS1803では、ステップS1802によって調整された開始タイミングでリーチ演出画像を表示するための表示コマンドをセットし、本処理を終了する。なお、変動表示演出にリーチ演出を含まない場合や、ステップS1802による調整がない場合は、それぞれに対応する変動表示演出を実行するための表示コマンドをセットする。
ステップS1804では、サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄指定コマンドを受信していればステップS1805に進み、受信していなければ、ステップS1806に進む。ステップS1805では、停止図柄による停止表示コマンドをセットし、本処理を終了する。ステップS1806では、後述するリーチ演出中処理を行う。
(リーチ演出中の楽曲開始タイミング調整処理)
本実施例では、右打ち遊技状態から左打ち遊技状態に切り換え後1回目のスーパーリーチ演出中は、リーチ演出期間の前半に表示されるリーチ前半演出と、リーチ演出期間の中頃に表示される可動パターン示唆演出と、リーチ演出期間の後半に表示されるリーチ後半演出とが連続的に表示される。可動パターン示唆演出の示唆タイミングと振分可動弁409の可動タイミングとを合わせる必要がある場合は、リーチ前半演出を表示する前に以下に述べる調整演出が表示される。
図49に示すように、ステップS1900Aでは、サブ制御装置262のCPU551は、右打ち遊技状態から左打ち遊技状態に切り替わったか否かを判定する。具体的には、上述の切り替わりタイミング例1では、サブ制御装置262のCPU551が大当たり状態の終了を知らせるエンディングコマンドを受信した時点で、右打ち遊技状態から左打ち遊技状態に切り替わったと判定する。上述した切り替わりタイミング例2では、確変状態の終了後、大当たり判別用のテーブルが、確変状態用大当たり判別テーブルから通常状態用大当たり判定テーブルに戻った時点や、時短状態の終了後、停止図柄時間決定用のテーブルが、時短状態用停止図柄時間決定テーブルから非時短状態用停止図柄時間決定テーブルに戻った時点で、右打ち遊技状態から左打ち遊技状態に切り替わったと判定する。上述した切り替わりタイミング例3では、第2図柄抽選用の当たり判定テーブルが高確率状態用から通常確率用に戻った時点で、右打ち遊技状態から左打ち遊技状態に切り替わったと判定する。
ステップS1900Bでは、サブ制御装置262のCPU551は、保留装置400の保留部403に遊技球が保留されているか否かを判定する。具体的には、マイクロスイッチ418によって遊技球の保留が有ると検出されれば、ステップS1901に進み、マイクロスイッチ418によって遊技球の保留が無いと検出されれば、本処理を終了する。こ
ステップS1901では、サブ制御装置262のCPU551は、変動パターン指定コマンドの内容を解析して、変動表示演出にリーチ演出が含まれる場合に、当該リーチ演出がスーパーリーチ演出であるか否かを判定する。リーチ演出がスーパーリーチである場合は、ステップS1902に進み、リーチ演出がスーパーリーチでない場合は、楽曲開始タイミング調整処理を行わないで、本処理を終了する。
スーパーリーチでない場合に楽曲開始タイミング調整処理を行わない理由は、ノーマルリーチである場合は、可動パターン示唆演出開始を実行するために十分な時間を確保できない場合があるからである。なお、スーパーリーチ以外のリーチ演出であっても、可動パターン示唆演出開始を実行するために十分な時間を確保できるリーチ演出であれば、そのようなリーチ演出であってもよい。
ステップS1902では、サブ制御装置262のCPU551は、振分可動弁409の可動周期の1周期の開始時刻から変動パターン指定コマンドの受信時刻までにかかった時間(遅れ時間)を取得し、RAM553の記憶領域vに記憶させる。サブ制御装置262が変動パターン指定コマンドを受信した時刻は、変動表示演出が開始される時刻とみなせるからである。ステップS1903では、サブ制御装置262のCPU551は、受信した変動パターン指定コマンドを解析して、変動開始からリーチ演出開始までの時間をRAM553の記憶領域wに記憶させる。
ステップS1904では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域vに記憶された遅れ時間と、記憶領域wに記憶された変動開始からリーチ演出開始までの時間とを足した合計時間を、RAM553の記憶領域xに記憶させる。記憶領域xに記憶された合計時間は、振分可動弁409の可動周期の1周期の開始時刻からリーチ演出開始までの時間に相当する。
ステップS1905では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域xに記憶された合計時間が振分可動弁409の可動周期の半周期に相当する15秒よりも大きいか否かを判定し、15秒よりも大きければステップS1906に進み、合計時間が15秒よりも小さければ、ステップS1914に進む。
ステップS1906では、記憶領域xに記憶された合計時間が振分可動弁409の可動周期の1周期に相当する30秒と一致するか否かを判定する。合計時間が30秒に等しければ、ステップS1907に進み、30秒に等しくなければステップS1908に進む。
ステップS1907では、調整演出を行わないで、当初から予定されているリーチ前半演出を表示する。そして、当初の予定通り、リーチ演出の開始から30秒を経過後、楽曲Aのサビ部分を開始する。楽曲Aのサビ部分の開始と同時に、可動パターン示唆演出が開始される。リーチ演出中に行われる可動パターン示唆演出では、実施例1で用いた楽曲Aまたは楽曲Bのうち可動パターンに対応する示唆タイミングを含む部分のみが流れるようになっている。例えば、楽曲Aまたは楽曲Bのうち示唆タイミングを含む部分を楽曲Aのサビ部分または楽曲Bのサビ部分に当てている。
ステップS1908では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域xに記憶された合計時間が15秒より大きく且つ30秒より小さければステップS1909に進み、それ以外の場合はステップS1911に進む。
ステップS1909では、振分可動弁409の可動周期の1周期に相当する30秒から、記憶領域xに記憶された合計時間を減らした時間を記憶領域yに記憶させる。ステップS1910では、リーチ演出の開始から記憶領域yに記憶された時間、調整演出を行なった後に、リーチ前半演出を表示する。そして、リーチ演出の開始から記憶領域yに記憶された時間と、リーチ前半演出の開始から30秒との合計時間の経過後、楽曲Aのサビ部分を開始させる。楽曲Aのサビ部分の開始と同時に、可動パターン示唆演出が開始される。
ステップS1911では、記憶領域xに記憶された合計時間が振分可動弁409の可動周期の1周期に相当する30秒より大きければステップS1912に進む。ステップS1912では、以下の計算を行い、記憶領域yに記憶させる。
y=15秒−(記憶領域xに記憶された合計時間−30秒)
なお、15秒は、可動周期の半周期に相当する時間であり、30秒は可動周期の1周期に相当する時間である。
ステップS1913では、リーチ演出の開始から記憶領域yに記憶された時間、調整演出を行なった後に、リーチ前半演出を表示する。そして、サブ制御装置262のCPU551は、リーチ演出の開始から記憶領域yに記憶された時間と、リーチ前半演出の開始から30秒を経過後、楽曲Bのサビ部分の画像と音声を開始する。楽曲Bのサビ部分の開始と同時に、可動パターン示唆演出が開始される。
ステップS1914では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域xに記憶された合計時間が、振分可動弁409の可動周期の半周期に相当する15秒に等しいか否かを判定する。合計時間が15秒に等しければ、ステップS1915に進み、合計時間が15秒よりも短ければステップS1916に進む。
ステップS1915では、調整演出を行わないで、当初から予定されているリーチ演出画像を表示する。つまり、当初の予定通り、リーチ演出の開始から30秒を経過後、楽曲Bのサビ部分を開始させる。ステップS1916では、振分可動弁409の可動周期の半周期に相当する15秒から、記憶領域xに記憶された合計時間を減らした時間を記憶領域yに記憶させる。ステップS1917では、リーチ演出の開始から記憶領域yに記憶された時間、調整演出を行なった後に、リーチ前半演出を表示する。そして、リーチ演出の開始から記憶領域yに記憶された時間と、リーチ前半演出の開始から30秒の経過後、楽曲Bのサビ部分を開始させる。楽曲Bのサビ部分の開始と同時に、可動パターン示唆演出が開始される。
サブ制御装置262のCPU551は、調整演出に必要な時間が決まると、可動パターン示唆演出の終了後に実行されるリーチ後半演出を選択して、第3図柄表示装置42に表示するように設定する。調整演出の時間が長いほど、短い時間のリーチ後半演出が選択されるよう設定されている。
(リーチ演出中処理)
次に、リーチ演出中処理について説明する。サブ制御装置262のCPU551は、図50に示すリーチ演出中処理において本発明に係る可動パターン示唆演出を実行する。
ステップS1951では、サブ制御装置262のCPU551は、第3図柄表示装置42にリーチ図柄を表示する。調整演出が行われない場合は、リーチ前半演出からリーチ図柄を表示する。調整演出が行われる場合は、調整演出からリーチ図柄を表示する。
ステップS1952では、サブ制御装置262のCPU551は、可動パターン示唆演出中に実行される可動パターン示唆演出中処理を行う。可動パターン示唆演出中処理は、例えば、可動パターン示唆演出中において示唆タイミングに合わせて第2枠ボタン21が操作された場合に、タイミングが合っていれば、タイミングが合っていることを示す画像を表示したり正しい音を出力したりする。また、タイミングが合っていなければ、タイミングが合っていないことを示す画像を表示したり誤った音を出力したりする。
このように、変動表示演出が可動周期の開始タイミング(r=30秒)や振分可動弁409の可動周期の半周期のタイミング(r=15秒)から開始できない場合は、当初の楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分の開始時間から記憶領域yに記憶された時間を経過後に、楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分を開始することで、楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分の開始タイミングと振分可動弁409の可動周期の開始タイミングまたは半周期のタイミングとを合わせることができる。これにより、楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分のリズムと、振分可動弁409の可動タイミングとを一致させた可動パターン示唆演出を実行することができる。以下では、この可動パターン示唆演出について4つの例を挙げて説明する。
次に、リーチ演出中の振分可動弁409の可動タイミングと、可動パターン示唆演出の示唆タイミングとの関係について、図51〜図54を参照して説明する。図51は、リーチ演出中の振分可動弁409の可動タイミングと可動パターン示唆演出の示唆タイミングとの関係を示す可動パターン示唆演出例1のタイミングチャートである。図52は、リーチ演出中の可動パターン示唆演出例2のタイミングチャートである。図53は、リーチ演出中の可動パターン示唆演出例3のタイミングチャートである。図54は、リーチ演出中の可動パターン示唆演出例4のタイミングチャートである。
(リーチ演出中に行われる可動パターン示唆演出例1)
図51に示すように、振分可動弁409は、実施例1と同じ一定の可動パターンで構成された一定の周期で駆動される。ここで、保留装置400に3球の遊技球を残したまま大当たり状態が終了し、その後、通常遊技状態が再開されたとする。大当たり状態中は、第1の始動口33bに遊技球が入球し易いため、変動表示の保留数は、大当たり終了時点で4つであったとする。大当たり終了後、次の変動表示が開始され、その抽選の結果がスーパーリーチ外れとする結果であったとする。
当該結果の表示後、次の保留に基づく変動表示が開始され、この変動パターンコマンドがスーパーリーチ演出(抽選結果は当たりでも外れでもよい)であり、変動開始から終了までの変動時間が65秒間であり、変動開始から5秒後にリーチ演出が開始され、リーチ演出開始から60秒後にリーチ演出が終了(変動表示が終了)する。
このとき、上記の次の保留に基づく変動表示は、可動タイミングt10と同じタイミングで開始されて、その5秒後に、可動タイミングt11より少し遅れてリーチ演出が開始される。可動パターン示唆演出は、リーチ演出開始から30秒後に開始されることが予定されているが、リーチ演出開始から30秒後のタイミングは、可動タイミングt11より少し遅れたタイミングであり、可動パターンBの途中のタイミングである。この場合、楽曲Bのサビ部分を可動タイミングt10と同じタイミングから開始すると、楽曲Bのサビ部分に含まれる示唆タイミングと各可動パターンにおける可動タイミングと一致しなくなるので、実施例1と同様に、楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分の開始タイミングと可動パターンの開始タイミングとが一致するよう、楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分の開始タイミングを遅らせる調整演出を表示する。
楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分の開始タイミングの調整は、可動周期の時間30秒から、可動周期の1周期の開始時刻から変動パターン指定コマンドの受信時刻までにかかった時間(以下、遅れ時間と呼ぶ)vと、変動開始からリーチ演出開始までに要する時間(以下、リーチ前時間と呼ぶ)wとの合計時間xを引いた時間y(以下、調整時間yと呼ぶ)、楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分の開始タイミングを遅らせることである。具体的には、可動周期の時間30秒から27秒(合計時間x)を引いた3秒間(y時間)、調整演出を行った後、可動パターンAの開始タイミングに合わせて楽曲Aのサビ部分を開始させる。
なお、調整演出は、リーチ演出の一部として、調整時間y後のリーチ演出と一連のリーチ演出としてもよい。
このように、リーチ演出が可動周期の途中のタイミング、すなわち、可動パターンBの途中のタイミングである場合は、楽曲Aのサビ部分の開始タイミングを調整時間y遅らせる調整演出を行うことで、実際に楽曲Aのサビ部分が開始されるタイミングは、可動パターンAの開始タイミングに一致する。これにより、可動パターン示唆演出において、可動パターンAを構成する可動タイミングと、可動タイミングを示唆する操作要求画像が表示される示唆タイミングとが一致する。
楽曲Aのサビ部分の開始とともに可動パターン示唆演出が開始される。保留装置400に3球の遊技球が保留された状態である。可動パターンAを構成する可動タイミングt2〜t6と、操作要求画像が表示される示唆タイミングst1〜st5とが一致している。これにより、遊技者は、示唆タイミングst1〜st5のうち少なくとも3回、示唆タイミングに合わせてうまく第2枠ボタン21を操作することによって、保留装置400に残された3球の遊技球を一般入賞口31bに入球させることができる。その結果、最大で45球の賞球を大当たり状態終了後のリーチ演出中に得ることができる。
可動パターン示唆演出例1の終了タイミングからリーチ演出(変動表示演出)の終了タイミングまで12秒残っている。リーチ後半演出は、12秒用の画像が選択されて、当該画像が第2図柄表示装置42に表示される。
(リーチ演出中に行われる可動パターン示唆演出例2)
次に、図52に示すように、変動表示の開始がタイミングt10から3秒後すなわち可動周期の開始から25秒後であり、変動表示の開始から5秒後にリーチ演出が開始されるとする。すると、この場合は、リーチ演出の開始から30秒後に楽曲Aのサビ部分(可動パターン示唆演出)を開始すれば、楽曲Aのサビ部分の開始タイミングを遅らせる調整演出を行わずとも、可動パターンAを構成するt2〜t6の可動タイミングとst2〜st6の示唆タイミングとが一致する。
可動パターン示唆演出例2の終了タイミングからリーチ演出(変動表示演出)の終了タイミングまで15秒残っている。リーチ後半演出は、15秒用の画像が選択されて、当該画像が第2図柄表示装置42に表示される。
(リーチ演出中に行われる可動パターン示唆演出例3)
次に、図53に示すように、変動表示の開始が可動タイミングt2すなわち可動周期の開始から4秒後であり、変動表示の開始から5秒後にリーチ演出が開始されるとする。すると、リーチ演出の開始から30秒後に楽曲Aのサビ部分(可動パターン示唆演出)を開始させるとすれば、可動パターンAを構成するt2〜t6の可動タイミングとst2〜st6の示唆タイミングとが一致しない。
そこで、可動周期の半周期に相当する時間15秒から、遅れ時間v(4秒)とリーチ前時間w(5秒)との合計時間x(9秒)を引いた調整時間y(6秒間)、楽曲Bのサビ部分の開始タイミングを遅らせる調整演出を表示する。このように、調整演出を6秒間行うことで、実際に楽曲Bのサビ部分が開始されるタイミングは、リーチ演出の開示から36秒後において、可動周期の半周期すなわち可動パターンBの開始タイミングに一致する。これにより、可動パターン示唆演出の開始時点において、可動パターンBを構成する可動タイミングt8〜t12と示唆タイミングst6〜st10とが一致する。
可動パターン示唆演出例3の終了タイミングからリーチ演出(変動表示演出)の終了タイミングまで9秒残っている。リーチ後半演出は、9秒用の画像が選択されて、当該画像が第2図柄表示装置42に表示される。
(リーチ演出中に行われる可動パターン示唆演出例4)
次に、図54に示すように、図変動表示の開始が可動タイミングt4すなわち可動周期の開始から10秒後であり、変動表示の開始から5秒後にリーチ演出が開始されると仮定する。すると、この場合は、リーチ演出の開始から30秒後に楽曲Bのサビ部分(可動パターン示唆演出)を開始すれば、楽曲Bのサビ部分の開始タイミングを遅らせる調整演出を行わずとも、可動パターンBを構成する可動タイミングt8〜t12と示唆タイミングst6〜st10とが一致する。
可動パターン示唆演出例4の終了タイミングからリーチ演出(変動表示演出)の終了タイミングまで15秒残っている。リーチ後半演出は、15秒用の画像が選択されて、当該画像が第2図柄表示装置42に表示される。
次に、リーチ演出中に第3図柄表示装置42に表示される可動パターン示唆演出について、図55を参照して説明する。図55(a)(b)は、リーチ演出中に第3図柄表示装置42に表示される可動パターン示唆演出を示す図である。なお、図55(a)(b)は、実施例1の可動パターン示唆演出の図37(c)(d)に対応している。
第3図柄表示装置42には、リーチ演出中であることを示すリーチ図柄画像427が表示されている点をのぞき、実施例1の可動パターン示唆演出と同様である(図36(a)〜図39(p)参照)。リーチ図柄画像427は、例えば「7」と「7」の2つの図柄が揃うリーチを示す画像である。また、第3図柄表示装置42には、実施例1と同じく、操作説明画像423と、操作タイミング画像425と、第1操作要求画像431とが表示される。遊技者は、実施例1と同じく、操作タイミング画像425と第1操作要求画像431とが完全に重なるタイミングで遊技者が第2枠ボタン42を押下すると、第2枠ボタン42の押下タイミングと、振分可動弁409の可動タイミングとが一致する。第2操作要求画像432から第5操作要求画像(図示なし)までも同様に、操作タイミング画像425と操作要求画像とが完全に重なるタイミングで第2枠ボタン42を操作する。
次に、リーチ演出中の可動パターン示唆演出が実行されている最中の遊技盤30の右下遊技領域302cについて、図56,図57を参照して説明する。図56は、遊技球が保留されている状態の遊技盤30の右下遊技領域302cを示す図である。図57は、遊技球が保留されていない状態の遊技盤30の右下遊技領域302cを示す図である。
右打ち遊技状態終了後の保留装置400には、図57に示すように、複数球の遊技球が残っている場合がある。右打ち遊技状態終了後の左打ち遊技状態でのリーチ演出中に行われる可動パターン示唆演出において、楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分と共に表示される示唆タイミングに合わせて遊技者が第2枠ボタン21をうまく叩くことができれば、実施例1で参照した図40〜図43に示すように、保留装置400から排出された遊技球を振分可動弁409に乗せて、一般入賞口30bに入賞させることができる。すなわち、遊技者は、右打ち遊技状態終了後に保留装置400に遊技球が残っていれば、右打ち遊技状態終了後の左打ち遊技状態で所定のリーチ演出において、可動パターン示唆演出に積極的に参加することによって、保留装置400に残された遊技球の数に応じた賞球獲得機会を得ることができる。
したがって、右打ち遊技状態中に保留された遊技球の数に応じた所定の遊技価値を、右打ち遊技状態終了後の左打ち遊技状態中に得る可能性が出る。その結果、右打ち遊技状態中に保留装置400に遊技球を保留することのメリットを高め、保留装置400を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。また、右打ち遊技状態終了後の左打ち遊技状態において所定のリーチ演出が表示される場合に可動パターン示唆演出が実行されて、当該可動パターン示唆演出によって保留装置400に保留された遊技球の数に応じた所定の遊技価値を獲得できるチャンスがあることを知っている遊技者に対しては、右打ち遊技状態終了後の左打ち遊技状態において所定のリーチ演出が成立するまで遊技を継続しようとする遊技継続意欲を起こさせることができる。
また、図57に示すように、右打ち遊技状態終了後の保留装置400に遊技球が保留されていない場合には、右打ち遊技状態終了後の左打ち遊技状態において所定のリーチ演出が表示される場合にも可動パターン示唆演出が実行されない。これにより、保留部403に遊技球が保留されていない状態で可動パターン示唆演出が表示されることによって遊技者に与える不快感を低減することができる。
なお、マイクロスイッチ418によって保留装置400への遊技球の保留が有ると検出される場合は、第3図柄表示装置42に、可動パターン示唆演出が実行される可能性があることを示唆する表示を行い、遊技者に所定のリーチ演出が成立するまでの遊技継続意欲を起こさせるようにしてもよい。
なお、上述した変動表示演出選択部(主制御装置261のCPU501有するステップS503の処理を実行する機能)は、本発明の変動表示演出選択手段に相当する。第1の始動口33bは、本発明の第2始動入球手段に相当し、入球検出スイッチ31dは、第2入球検出手段に相当する。第1の始動口33bへの入球検出に基づき大当たり状態を発生させるか否かの抽選を行う主制御装置261のCPU501の機能は、本発明の第2抽選手段に相当する。通過検出スイッチ34aは、本発明の遊技球通過検出手段に相当する。第2の始動口34への通過検出に基づき第2図柄当たりの抽選を行う主制御装置261のCPU501の機能は、本発明の第3抽選手段に相当する。マイクロスイッチ418は、本発明の保留球検出手段に相当する。
上述したように、本実施例2のパチンコ機10によれば、入球検出部31a,31bによる遊技球の検出に基づいて右打ち有利遊技状態を生じさせるか否かを決定可能な抽選を行う抽選部を備え、抽選部による抽選の結果に応じた態様で図柄の変動表示が行われ、抽選の結果が特定結果となった場合に、右打ち有利遊技状態として、右打ち遊技を行うことで通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態が発生し、右打ち有利遊技状態の終了後、左打ち遊技を行う遊技状態に切り替わる。操作演出制御部は、可動パターン示唆演出を、右打ち有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において所定条件が成立することに基づいて、第3図柄表示装置42に表示するよう制御する。したがって、遊技者は、右打ち有利遊技状態中に右打ち遊技を行えば、右打ち有利遊技状態から左打ち遊技を行う遊技状態に切り替わった後に保留装置400に保留された遊技球が残っていても、左打ちを行う遊技状態において所定条件が成立することに基づいて第3図柄表示装置42に表示される可動パターン示唆演出に積極的に参加し、可動パターン示唆演出中で第1〜第5操作要求画像431〜435が表示されるタイミングに合わせてうまく第2枠ボタン21を操作することができれば、右打ち有利遊技状態中に遊技者が享受できる利益に加えて、保留装置400に残った遊技球の数に応じた所定の遊技価値を、切り替わり後の左打ち遊技を行う遊技状態において得ることができる。その結果、保留装置400に遊技球を保留することのメリットを高め、保留装置400を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。
また、可変入賞装置32が開状態と閉状態とに変化する大当たり遊技が複数回実行される大当たり遊技は、右打ちで発射された遊技球が可変入賞装置32に入球する右打ち有利状態である。可変入賞装置32を狙って右打ち遊技が行われると、保留装置400に遊技球が保留される場合がある。大当たり遊技の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態におい可動パターン示唆演出が表示されれば、遊技者は保留される遊技球の数に応じた所定の遊技価値を得る可能性がある。したがって、大当たり状態中に保留装置400に遊技球が保留されることにも遊技者のメリットを高めることができる。
また、可変入賞装置32が開状態と閉状態とに変化する大当たり遊技の終了後、抽選部による抽選の結果が大当たり結果となる確率が高められる高確率遊技状態は、右打ちで発射された遊技球が第1の始動口33bに入球することによって、高確率で入球検出部31bでの入球検出に基づく抽選が行われる右打ち有利状態である。第1の始動口31bを狙って右打ち遊技が行われると、保留装置400に遊技球が保留される場合がある、高確率遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において可動パターン示唆演出が表示されれば、遊技者は保留される遊技球の数に応じた所定の遊技価値を得る可能性がある。したがって、高確率遊技状態中に保留装置400に遊技球が保留されることにも遊技者のメリットを高めることができる。
可変入賞装置32が開状態と閉状態とに変化する大当たり遊技の終了後、図柄の変動表示の時間が短縮される時短状態は、右打ちで発射された遊技球が第1の始動口33bに入球することによって、短縮された時間で入球検出部31bでの入球検出に基づく抽選の結果に応じた図柄の変動表示が行われる右打ち有利状態である。第1の始動口31bを狙って右打ち遊技が行われると、保留装置400に遊技球が保留される場合がある、時短状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において可動パターン示唆演出が表示されれば、遊技者は保留される遊技球の数に応じた所定の遊技価値を得る可能性がある。したがって、時短状態中に保留装置400に遊技球が保留されることにも遊技者のメリットを高めることができる。
また、右打ち遊技中に発射される遊技球が入球可能な位置に設けられ、遊技球が入球し難い閉状態と、前記閉状態よりも遊技球が入球し易い開状態とに変化する第1の始動口33bと、第1の始動口33bに入球した遊技球を検出する入球検出スイッチ31bと、入球検出スイッチ31bによる遊技球の検出に基づいて上述した右打ち有利遊技状態を生じさせるか否かを決定可能な第2抽選を行う第2抽選部と、右打ち遊技中に発射される遊技球の通過を検出する通過検出スイッチ34aと、通過検出スイッチ34aによる遊技球の検出に基づいて、第1の始動口33bを開状態とするか否かの第3抽選を行う第3抽選部と、を備える。大当たり遊技の終了後、第3抽選の結果が第1の始動口33bを開状態とする結果である場合に、他の遊技状態において第1の始動口33bが開状態となる時間よりも長い時間、第1の始動口33bが開状態となるサポート遊技状態は、左打ちではその有利さを得られない遊技状態であるので、右打ち有利遊技状態である。通過検出スイッチ34aを狙って右打ち遊技が行われると、保留装置400に遊技球が保留される場合がある。サポート遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において可動パターン示唆演出が表示されれば、遊技者は保留される遊技球の数に応じた所定の遊技価値を得る可能性がある。したがって、サポート遊技状態中に保留装置400に遊技球が保留されることにも遊技者のメリットを高めることができる。
抽選部での抽選結果に基づき、図柄を変動する複数パターンの変動表示演出の中から、所定の変動表示演出を選択する変動表示演出選択部を備え、右打ち有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において変動表示演出が抽選の結果として特定結果を表す特定の組み合わせの一部を構成する図柄を表示して行われる所定のリーチ演出を含み且つ当該リーチ演出の表示時間が少なくとも操作演出の表示時間よりも長い場合に、可動パターン示唆演出が実行が第3図柄表示装置42に表示されるので、右打ち有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態におけるリーチ演出の表示時間を遊技者に楽しませることができる。
また、右打ち有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において選択される変動表示演出に含まれる所定のリーチ演出が、右打ち有利遊技状態になることを示唆する期待度が所定の高さであるノーマルリーチ演出よりも高スーパーリーチ演出を構成要素に含むパターンである場合に、可動パターン示唆演出が第3図柄表示装置42に表示されるので、右打ち有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態における特定期待演出を含むリーチ演出の表示時間を遊技者に楽しませることができる。
また、右打ち有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において抽選部での抽選結果が右打ち有利遊技状態としない外れ結果であり且つ当該第2特定結果より後に選択される変動表示演出が上述の所定のリーチ演出を含む場合に、可動パターン示唆演出が第3図柄表示装置42に表示されるので、右打ち有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において行われる抽選部での抽選結果が右打ち有利遊技状態としない外れ結果である場合には、前の有利遊技状態中に保留された遊技球を入賞口に入賞させる機会を当該外れ結果より後に行われる所定のリーチ演出中に与えることによって、有利遊技状態としない外れ結果であることに対する失望感を軽減させることができる。
前記リーチ演出は、前記有利遊技状態になることを示唆する期待度が所定の高さである期待演出を構成要素に含むパターンと、前記有利遊技状態になることを示唆する期待度が前記期待演出よりも高い特定期待演出を構成要素に含むパターンとを少なくとも含み、
前記所定条件は、前記有利遊技状態の終了後の前記左打ち遊技を行う遊技状態において、前記抽選手段での抽選結果が前記有利遊技状態としない第2特定結果であり、且つ、当該第2特定結果に至る前記所定のリーチ演出が前記特定期待演出を含むパターンであることである
ことを特徴とする遊技機。
リーチ演出は、右打ち有利遊技状態になることを示唆する期待度が所定の高さであるリーチ演出を構成要素に含むパターンと、右打ち有利遊技状態になることを示唆する期待度が上述のリーチ演出よりも高いスーパーリーチ演出を構成要素に含むパターンとを少なくとも含み、右打ち有利遊技状態の終了後の左打ち遊技を行う遊技状態において、抽選部での抽選結果が右打ち有利遊技状態としない外れ結果であり、且つ、当該外れ結果に至る所定のリーチ演出がスーパーリーチ演出を含むパターンである場合に、可動パターン示唆演出が第3図柄表示装置42に表示される。これにより、右打ち有利遊技状態の終了後に行われる抽選部での抽選結果が、期待度の高いスーパーリーチ演出を含んでいたにも関わらず、右打ち有利遊技状態としない外れ結果である場合には、右打ち有利遊技状態中に保留された遊技球を一般入賞口31bに入賞させる機会を所定のリーチ演出中に与えることによって、スーパーリーチ演出を含む変動表示演出が実行されたにも関わらず有利遊技状態としない特定結果であることに対する失望感を軽減させることができる。
また、変動表示演出は、特別遊技状態になることを示唆する期待度が所定の高さであるノーマルリーチ演出を構成要素に含むパターンと、特別遊技状態になることを示唆する期待度が期待演出よりも高いスーパーリーチ演出を構成要素に含むパターンとを少なくとも含み、可動パターン示唆演出は、抽選部での抽選結果がスーパーリーチ外れの表示結果であり、且つ、当該表示結果に至る変動表示演出がスーパーリーチ演出を含むパターンである場合に、当該表示結果より後に行われるスーパーリーチ演出中に実行される。これにより、大当たり状態の終了後に行われる抽選部での抽選結果が、期待度の高いスーパーリーチ演出を含んでいたにも関わらず、大当たり状態としないスーパーリーチ外れの表示結果である場合には、前の大当たり状態中に保留された遊技球を一般入賞口31bに入賞させる機会を変動表示演出中に与えることによって、スーパーリーチ演出が実行されたにも関わらず特別遊技状態としないスーパーリーチ外れの表示結果であることに対する失望感を軽減させることができる。
また、保留装置400に保留される遊技球を検出する保留球検出部418を備え、操作演出制御部は、所定条件が成立し、且つ、保留球検出部418によって保留装置400に保留される遊技球が有ると判定されることに基づいて、可動パターン示唆演出を第3図柄表示装置42に表示する。これにより、保留装置400に保留される遊技球の無いにも関わらず、可動パターン示唆演出が実行されることによって遊技者に与える不快感を低減することができる。
実施例1,2では、大当たり状態中や大当たり状態終了後の確変状態中などの右打ち遊技状態中に保留装置400に遊技球が保留されて、右打ち遊技状態中に可動パターン示唆演出が実行されていたが、本実施例では、通常遊技状態中に保留装置400に遊技球が保留されて、通常遊技状態の特定の変動表示中に可動パターン示唆演出が実行されても構わない。通常遊技状態中に保留装置400に遊技球が保留され易くする構成について、図58を用いて説明する。なお、図58は、実施例3での内枠に取り付けられた状態での遊技盤の構成を示す正面図である。
本実施例では、図58に示すように、遊技盤30は、右下遊技領域30a3を流下する遊技球が保留装置400に保留され易いように構成されている。具体的には、遊技盤30の正面視で第1の始動口33bの左側方を流下する遊技球を保留装置400の保留部403に向けて誘導し易くするように複数本の誘導用釘39が配設されている。そのため、実施例1,2では右打ち遊技で75秒間遊技球を発射し続けた場合に5球の遊技球が保留されていたが、本実施例では右打ち遊技で60秒間遊技球を発射し続けた場合に5球の遊技球が保留される。
振分可動弁409は、実施例1,2と同様に、可動パターンAと可動パターンBとを用いて振分動作が行われる。また、可動パターン示唆演出は、実施例1,2と同様に、楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分を用いて実行される。ただし、本実施例では、リーチ演出の開始から楽曲Aまたは楽曲Bが開始される。また、楽曲Aまたは楽曲Bは、楽曲開始60秒後、すなわちリーチ演出開始60秒後(このタイミングは、上述した5球の遊技球が保留されると見込まれるタイミングでもある)に、サビ部分に達するものとする。そのため、本実施例では、楽曲Aまたは楽曲Bの開始タイミングを可動パターンAまたは可動パターンBの開始タイミングと合わせることで、可動パターン示唆演出における示唆タイミングを、可動パターンAまたは可動パターンBの可動タイミングに合わせることができる。
本実施例のサブ制御装置262のCPU551の操作演出制御部が通常遊技状態における特定の変動表示中に実行する可動パターン示唆演出について、図59,図60を参照して説明する。図59は、サブ制御装置262による通常遊技状態におけるリーチ演出中の楽曲開始タイミング調整処理を示すフローチャートである。図60は、リーチ演出に使用される楽曲の開始タイミングとリーチ演出に使用される楽曲とを決定するためのテーブルである。なお、サブ制御装置262によるその他の処理は実施例2と同じである。
(通常遊技状態におけるリーチ演出中の楽曲開始タイミング調整処理)
図59に示すように、ステップS2001では、サブ制御装置262のCPU551は、保留装置400の保留部403に遊技球が保留されているか否かを判定する。具体的には、マイクロスイッチ418(図57参照)によって遊技球の保留が有ると検出されれば、ステップS2002に進み、マイクロスイッチ418によって遊技球の保留が無いと検出されれば、本処理を終了する。
ステップS2002では、サブ制御装置262のCPU551は、変動パターン指定コマンドの内容を解析して、変動表示演出にリーチ演出が含まれる場合に、当該リーチ演出がスーパーリーチ演出であるか否かを判定する。リーチ演出がスーパーリーチである場合は、ステップS2003に進み、リーチ演出がスーパーリーチでない場合は、楽曲開始タイミング調整処理を行わないで、本処理を終了する。なお、スーパーリーチ以外のリーチ演出であっても、可動パターン示唆演出開始を実行するために十分な時間を確保できるリーチ演出であればよいことは、実施例2と同じである。
ステップS2003では、サブ制御装置262のCPU551は、振分可動弁409の可動周期の1周期の開始時刻から変動パターン指定コマンドの受信時刻までにかかった時間(遅れ時間)を取得し、RAM553の記憶領域vに記憶させる。サブ制御装置262が変動パターン指定コマンドを受信した時刻は、変動表示演出が開始される時刻とみなせるからである。ステップS2004では、サブ制御装置262のCPU551は、受信した変動パターン指定コマンドを解析して、変動開始からリーチ演出開始までの時間をRAM553の記憶領域wに記憶させる。
ステップS2005では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域vに記憶された遅れ時間と、記憶領域wに記憶された変動開始からリーチ演出開始までの時間とを足した合計時間を、RAM553の記憶領域xに記憶させる。記憶領域xに記憶された合計時間は、振分可動弁409の可動周期の1周期の開始時刻からリーチ演出開始までの時間に相当する。
ステップS2006では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域xに記憶された合計時間が振分可動弁409の可動周期の半周期に相当する15秒よりも大きいか否かを判定し、15秒よりも大きければステップS2007に進み、合計時間が15秒よりも小さければ、ステップS2016に進む。
ステップS2007では、記憶領域xに記憶された合計時間が振分可動弁409の可動周期の1周期に相当する30秒と一致するか否かを判定する。合計時間が30秒に等しければ、ステップS2008に進み、30秒に等しくなければステップS2010に進む。
ステップS2008では、リーチ演出における楽曲の開始タイミングを調整するための調整演出を行うための調整時間として、振分可動弁409の可動周期の半周期に相当する15秒を記憶領域yに記憶させる。ステップS2009では、リーチ演出の開始から記憶領域yに記憶された15秒間、調整演出を行った後に、当該スーパーリーチ演出における楽曲Bを開始する。調整演出は、当該リーチ演出中に右打ち遊技を行うことを遊技者に報知する右打ち報知演出である。右打ち報知演出は、例えば、第3図柄表示装置42の表示画面に「右を狙って下さい」などの画像を表示する演出である。なお、楽曲Bの開始から60秒後に、可動パターン示唆演出が開始される。
ステップS2010では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域xに記憶された合計時間が15秒より大きく且つ30秒より小さければステップS2011に進み、それ以外の場合はステップS2013に進む。
ステップS2011では、振分可動弁409の可動周期の1周期に相当する30秒から、記憶領域xに記憶された合計時間を減らした時間を記憶領域yに記憶させる。ステップS2012では、リーチ演出の開始から記憶領域yに記憶された時間、調整演出としての右打ち報知演出を行なった後に、当該スーパーリーチ演出における楽曲Aを開始する。なお、楽曲Aの開始から60秒後に、可動パターン示唆演出が開始される。
ステップS2013では、記憶領域xに記憶された合計時間が振分可動弁409の可動周期の1周期に相当する30秒より大きければステップS2014に進む。ステップS2014では、以下の計算を行い、記憶領域yに記憶させる。
y=15秒−(記憶領域xに記憶された合計時間−30秒)
なお、15秒は、可動周期の半周期に相当する時間であり、30秒は可動周期の1周期に相当する時間である。
ステップS2015では、リーチ演出の開始から記憶領域yに記憶された時間、調整演出としての右打ち報知演出を行なった後に、当該スーパーリーチ演出における楽曲Bを開始する。なお、楽曲Bの開始から60秒後に、可動パターン示唆演出が開始される。
ステップS2016では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域xに記憶された合計時間が、振分可動弁409の可動周期の半周期に相当する15秒に等しいか否かを判定する。合計時間が15秒に等しければ、ステップS2017に進み、合計時間が15秒よりも短ければステップS2019に進む。
ステップS2017では、調整演出としての右打ち報知演出を行うための調整時間として、振分可動弁409の可動周期の半周期に相当する15秒を記憶領域yに記憶させる。ステップS2018では、リーチ演出の開始から記憶領域yに記憶された15秒間、調整演出を行った後に、当該スーパーリーチ演出における楽曲Aを開始する。
ステップS2019では、振分可動弁409の可動周期の半周期に相当する15秒から、記憶領域xに記憶された合計時間を減らした時間を記憶領域yに記憶させる。ステップS2020では、リーチ演出の開始から記憶領域yに記憶された時間、調整演出としての右打ち報知演出を行なった後に、当該スーパーリーチ演出における楽曲Bを開始する。なお、楽曲B開始から60秒後に、可動パターン示唆演出が開始される。
以上のようなリーチ演出に用いられる楽曲Aまたは楽曲Bの開始タイミングを調整する処理は、図60に示すような、サブ制御装置262のCPU551のROM551に記憶されたテーブルを用いて行ってもよい。
このように、リーチ演出が可動パターンA,Bの開始タイミングに合わせて開始できない場合であっても、楽曲Aまたは楽曲Bの開始タイミングを所定の調整時間、遅らせることで、楽曲Aまたは楽曲Bの開始タイミングと可動パターンAまたは可動パターンBの開始タイミングとを合わせることができるとともに、可動パターン示唆演出における示唆タイミングと可動パターンAまたは可動パターンBの可動タイミングとを合わせることができる。これにより、楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分のリズムと、振分可動弁409の可動タイミングとを一致させた可動パターン示唆演出を実行することができる。以下では、この可動パターン示唆演出について一例を挙げて説明する。
次に、通常遊技状態におけるリーチ演出中の振分可動弁409の可動タイミングと、可動パターン示唆演出の示唆タイミングとの関係について、図61を参照して説明する。図61は、通常遊技状態におけるリーチ演出中の振分可動弁409の可動タイミングと可動パターン示唆演出の示唆タイミングとの関係を示す可動パターン示唆演出例のタイミングチャートである。
(通常遊技状態におけるリーチ演出中に行われる可動パターン示唆演出例)
図61に示すように、振分可動弁409は、実施例1,2と同じ一定の可動パターンで構成された一定の周期で駆動される。ここで、通常遊技状態において、変動表示が開始され、この変動パターンコマンドがスーパーリーチ演出(抽選結果は当たりでも外れでもよい)であり、そのリーチ演出時間が120秒とする。
このとき、上記の変動表示は、可動タイミングt10と同じタイミング(可動周期の開始22秒後)で開始されて、変動開始からリーチ演出開始まで5秒間変動表示を行った後に、可動タイミングt11より少し遅れたタイミング(可動周期の開始27秒後)でリーチ演出が開始される。すなわち、変動開始の遅れ時間vは22秒であり、変動開始からリーチ演出開始までの時間wは5秒であり、時間vと時間wとを足した時間xは27秒であるので、調整演出を行う時間yは3秒であり、リーチ演出および可動パターン示唆演出における楽曲は楽曲Aである(図60も参照)。
そこで、リーチ演出の開始から3秒間、調整演出としての右打ち報知演出が行われる。右打ち報知演出は、静止画像または動画像で表示されるが、調整演出におけるメモリの使用量を減らすために、可動パターン示唆演出よりも情報量が少ない画像で表示される。リーチ演出における楽曲Aは、右打ち報知演出の終了タイミングと同時に開始される。右打ち報知演出の終了タイミングは、可動パターンAの開始タイミングと一致しているので、リーチ演出における楽曲Aは、可動パターンAの開始と同時に開始される。これにより、楽曲Aの開始から60秒後における楽曲Aのサビ部分のリズムと、可動パターンAの可動タイミングt2〜t6とを合わせることができる。その結果、可動パターン示唆演出において、可動パターンAを構成する可動タイミングt2〜6と、楽曲Aのサビ部分のリズムに合わせて操作要求画像を表示するタイミング、すなわち示唆タイミングst1〜st5とを合わせることができる。
これにより、遊技者は、示唆タイミングst1〜st5に合わせてうまく第2枠ボタン21を操作することによって、保留装置400に保留された5球の遊技球を振分可動弁409に乗せることができ、一般入賞口31bに入球させることが容易になる。その結果、最大で75球の賞球をリーチ演出中に得ることができる。
上述したように、本実施例3のパチンコ機10によれば、保留装置400は、少なくとも特別遊技状態ではない非特別遊技状態(通常遊技状態)において、右打ち遊技で発射される遊技球を保留可能な保留状態と、遊技球の保留が解除される解除状態とに変化する。サブ制御装置262のCPU551の操作演出制御部は、可動パターン示唆演出を、通常遊技状態中であって且つ抽選の結果に応じた特定の変動表示(例えばスーパーリーチ演出)中に、第3図柄表示装置42に表示するよう制御する。したがって、遊技者は、通常遊技状態におけるスーパーリーチ演出中に、右打ちで遊技球を発射すれば、発射された遊技球のうちの一部の遊技球が保留装置400に保留されるので、スーパーリーチ演出中に保留装置400に遊技球を保留する機会を確保することができる。遊技者は、スーパーリーチ演出中に第3図柄表示装置42に表示される可動パターン示唆演出において、操作要求が表示されるタイミングに合わせて第2枠ボタン21を操作することによって、振分可動弁409が第2位置(突出位置)にくるタイミングに合わせて、保留装置400を保留状態から解除状態に変化させることができる。これにより、操作要求が表示されるタイミングで保留装置400から排出される遊技球は、第2位置にくる振分可動弁409を介して、一般入賞口31bに入賞し易くなる。他方、操作要求が表示されるタイミング以外のタイミングで第2枠ボタン21が遊技者の操作を受けても、保留装置400が保留状態から解除状態に変化するタイミングは振分可動弁409が第2位置にくるタイミングに合わないので、一般入賞口31bに入賞し難くなる。したがって、遊技者は、スーパーリーチ演出中に右打ち遊技を行えば、スーパーリーチ演出中に第3図柄表示装置42に表示される可動パターン示唆演出に積極的に参加し、可動パターン示唆演出中で操作要求が表示されるタイミングに合わせてうまく第2枠ボタン21を操作することができれば、保留装置400に保留される遊技球の数に応じた所定の遊技価値を、通常遊技状態中において得ることができる。その結果、保留装置400に遊技球を保留することのメリットを高め、保留装置400を用いた遊技の興趣性を向上させることができる。
また、スーパーリーチ演出中に実施される保留装置400を用いた遊技に遊技者を参加させることで、スーパーリーチ演出のような変動時間の長いリーチ演出に遊技者が飽きることを低減できる。
また、サブ制御装置262のCPU551の操作演出制御部は、スーパーリーチ演出中に右打ち遊技を行うことを遊技者に報知するとともに、右打ち報知後であって当該スーパーリーチ演出中に可動パターン示唆演出を第3図柄表示装置42に表示する。これにより、可動パターン示唆演出は、操作演出制御部によって、スーパーリーチ演出中に右打ち報知が行われた後に第3図柄表示装置42に表示されるので、遊技者がスーパーリーチ演出中に保留装置400に遊技球を保留する機会を逃すことを低減できる。
本実施例では、実施例1〜3において可変入賞装置32として用いていた開閉扉32bを有する遊技部品や第2の始動口34として用いていた遊技部品を無くす代わりに、実施例1〜3において第1の始動口33bとして用いていた遊技部品を可変入賞装置32として用いている。本実施例の構成について、図62を参照して説明する。図62は、内枠12に取り付けられた状態での実施例4の遊技盤30の構成を示す正面図である。
本実施例では、大当たり状態を発生させるか否かの抽選は第1の始動口33aでの入球検出に基づいて行われる。第1の始動口33aでの入球検出に基づく抽選の結果が大当たり状態を発生させる結果である場合は、実施例1〜3において第1の始動口33bを開閉していた開閉部材33cが、実施例1〜3において可変入賞装置32の大入賞口32aを開閉していた扉部材32b(本実施例では開閉部材33dと呼ぶ)として機能する。
通常遊技状態中は、可変入賞装置32の開閉部材33dが閉じているので、右打ち遊技で発射された遊技球は、開閉部材33dの上を転動して、開閉部材33dの下流側(遊技盤30の正面視での左端部)から排出される。排出された遊技球は、可変入賞装置32と保留装置400との間に配設された釘等によって転動されながら、保留装置400側に誘導される場合もあるし、保留装置400側に誘導されない場合もある。なお、釘等によって転動される遊技球が保留装置400に誘導される割合は実施例1〜3と同程度とする。
大当たり状態中は、可変入賞装置32の開閉部材33dが開放状態と閉鎖状態とに変化するので、開閉部材33dの開放中は、右打ち遊技で発射された遊技球であっても保留装置400に誘導されないが、開閉部材33dの閉鎖中は、右打ち遊技で発射された遊技球は、開閉部材33dの上を転動して、保留装置400に誘導される場合もある。ただし、大当たり状態中の閉鎖状態にある時間は開放状態にある時間よりも十分に短いので、大当たり状態中は通常遊技状態中に比べて、右打ち遊技で発射された遊技球は、保留装置400に誘導されにくくなっている。
このようにして、遊技盤30は、大当たり状態よりも通常遊技状態の方が、右打ち遊技で発射された遊技球が保留装置400に保留され易く構成されている。これにより、通常遊技状態において特定の変動表示としてのスーパーリーチ演出中に、実施例3で述べたような右打ち報知演出が実行される場合に、遊技者は、大当たり状態よりも右打ち遊技で発射された遊技球が保留され易くなっている保留装置400を狙って、積極的に右打ち遊技を行うようになる。その結果、保留装置400を用いた遊技に参加しようという遊技者の意思を高めることができる。
また、通常遊技状態において右打ち遊技で発射された遊技球は、通常遊技状態において常時閉鎖している開閉部材33dの上を転動して保留装置400側に確実に誘導されるので、釘調整のみによって保留装置400側に誘導する場合よりも確実に、通常遊技状態において右打ち遊技で発射された遊技球を保留装置400側に誘導することができる。
なお、上述の開閉部材33dは、本発明の誘導部材に相当する。
上述したように、本実施例4のパチンコ機10によれば、遊技盤30は、大当たり状態よりも通常遊技状態の方が、右打ち遊技で発射された遊技球が保留装置400に保留され易く構成されている。これにより、右打ち遊技で発射された遊技球は、遊技盤30の構成によって、大当たり状態よりも通常遊技状態の方が保留装置400に保留され易いので、通常遊技状態において特定の変動表示としてのスーパーリーチ演出中に遊技者に積極的に右打ち遊技を行わせることができる。
また、遊技盤30は、通常遊技状態において、右打ち遊技で発射された遊技球を保留装置400に誘導する誘導部材として例えば可変入賞装置32の開閉部材33dが設けられている。これにより、通常遊技状態において右打ち遊技で発射された遊技球は、遊技盤30に設けられる可変入賞装置32の開閉部材33dによって保留装置400側に誘導されるので、釘調整のみによって保留装置400側に誘導する場合よりも確実に、通常遊技状態において右打ち遊技で発射された遊技球を保留装置400側に誘導することができる。
本実施例では、実施例1〜3において第1の始動口33bとして用いていた遊技部品や第2の始動口34として用いていた遊技部品を無くす代わりに、実施例1〜3において第1の始動口33bを開閉する開閉部材33cとして用いていた遊技部品(本実施例では開閉部材33eと呼ぶ)のみを残している。本実施例の構成について、図63を参照して説明する。図63は、内枠12に取り付けられた状態での実施例5の遊技盤30の構成を示す正面図である。
本実施例では、大当たり状態を発生させるか否かの抽選は第1の始動口33aでの入球検出に基づいて行われる。開閉部材33eは、第1の始動口33aでの入球検出に基づく抽選の結果に基づく変動表示が特定の変動表示を含む場合に、当該特定の変動表示中に右下遊技領域30a3の前面側に突出する動作と、右下遊技領域30a3の裏面側に待避する動作とを繰り返すように構成されている。特定の変動表示は、例えば実施例3で述べたようなスーパーリーチ演出である。また、開閉部材33eは、第1の始動口33aでの入球検出に基づく抽選の結果に基づく変動表示が特定の変動表示を含まない場合には、突出及び待避動作を行わないように構成されている。なお、開閉部材33eは、特定の変動表示が表示される期間、突出し続けるように構成されていてもよい。
特定の変動表示としてのスーパーリーチ演出中は、開閉部材33eが突出及び待避動作を繰り返しているので、右打ち遊技で発射された遊技球は、右下遊技領域30a3の前面側に突出した開閉部材33eの上を転動して、開閉部材33eの下流側から排出される。排出された遊技球は、開閉部材33eと保留装置400との間に配設された釘等によって転動されながら、保留装置400側に誘導される場合もあるし、保留装置400側に誘導されない場合もある。なお、釘等によって転動される遊技球が保留装置400に誘導される割合は、実施例1〜3と同程度とする。
スーパーリーチ演出とは異なるリーチ演出中や非リーチの変動表示中は、開閉部材33eが突出動作を行わないで右下遊技領域30a3の裏面側に待避されているままであるので、右打ち遊技で発射された遊技球であっても保留装置400に誘導されない。
このようにして、遊技盤30は、スーパーリーチ演出とは異なるリーチ演出中や非リーチの変動表示中よりも、スーパーリーチ演出中の方が、右打ち遊技で発射された遊技球が保留装置400側に保留され易く構成されている。これにより、スーパーリーチ演出中に、実施例3で述べたような右打ち報知演出が実行される場合に、遊技者は、スーパーリーチ演出とは異なるリーチ演出中や非リーチの変動表示よりも右打ち遊技で発射された遊技球が保留され易くなっている保留装置400を狙って、積極的に右打ち遊技を行うようになる。その結果、スーパーリーチ演出中に保留装置400を用いた遊技に参加しようという遊技者の意思を高めることができる。
また、スーパーリーチ演出中において右打ち遊技で発射された遊技球は、開閉部材33eが右下遊技領域30a3の前面側に突出している間、この開閉部材33eの上を転動して保留装置400側に確実に誘導されるので、釘調整のみによって保留装置400側に誘導する場合よりも確実に、スーパーリーチ演出中において右打ち遊技で発射された遊技球を保留装置400側に誘導することができる。
なお、上述の開閉部材33eは本発明の誘導部材に相当する。
上述したように、本実施例5のパチンコ機10によれば、遊技盤30は、スーパーリーチ演出とは異なるリーチ演出中や非リーチの変動表示中よりも、スーパーリーチ演出中の方が、右打ち遊技で発射された遊技球が保留装置400側に保留され易く構成されている。これにより、右打ち遊技で発射された遊技球は、遊技盤30の構成によって、スーパーリーチ演出とは異なるリーチ演出中よりもスーパーリーチ演出中の方が保留装置400側に保留され易いので、遊技者が通常遊技状態においてスーパーリーチ演出中に右打ち遊技を行うことが本来の遊技であるにも関わらず、遊技者が通常遊技状態において他のリーチ演出中にも右打ち遊技を行うという本来の遊技から外れた遊技が行われることを低減できる。
また、遊技盤30は、スーパーリーチ演出中において、右打ち遊技で発射された遊技球を保留装置に誘導する誘導部材としての開閉部材33eが設けられている。これにより、スーパーリーチ演出中において右打ち遊技で発射された遊技球は、遊技盤30に設けられる開閉部材33eによって、保留装置400側に誘導されるので、釘調整によって保留装置400側に誘導する場合よりも確実に、スーパーリーチ演出中において右打ち遊技で発射された遊技球を保留装置400側に誘導することができる。
上述した実施例1〜5では、可動パターン示唆演出の表示が開始されるタイミングは、あるタイミングから予め決まった時間の経過後であったが、可動パターン示唆演出は、あるタイミングから任意の時間の経過後であっても構わない。例えば、保留装置400に保留される遊技球が所定数となったことに基づいて、可動パターン示唆演出を実行しても構わない。
以下では、保留装置400に保留される遊技球の満タンを検出したことに基づいて可動パターン示唆演出を実行する遊技機に必要な構成について、図64,図65を参照して説明する。図64は、内枠12に取り付けられた状態での実施例6の遊技盤30の構成を示す正面図である。図65は、実施例6の遊技盤30における右下遊技領域30a3の拡大図である。なお、図65では、実施例1の図4と同様に、保留装置400から装飾板413を取り外した状態を示している。
図64,図65に示すように、保留装置400には、その保留部403の上流側に遊技球検出手段としての保留球検出スイッチ437が設けられており、下流側に遊技球検出手段としての保留球検出スイッチ438が設けられている。これにより、保留装置400に誘導される遊技球は、保留球検出スイッチ437の貫通孔から保留装置400内に入球して、保留部403にて最大5球まで貯留され、第2枠ボタン21の押下による排出阻止弁405の駆動により、保留部403から排出されて、保留球検出スイッチ437の貫通孔から保留装置400外に排出される。保留装置400外に排出された遊技球は、保留装置400の下部から突出する振分可動弁409に乗った場合、一般入賞口31bに誘導されて、一般入賞口31bに入球する。
保留装置400の前面を覆う装飾板413には、2つの可動装飾片415が配設されている。一方の可動装飾片415は、排出阻止弁405の前面に配置され、他方の可動装飾片415は、振分可動弁409の前面に配置される。2つの可動装飾片415は、それぞれ、可動装飾片415,振分可動弁409の振分動作に動機しないタイミングで動作している。これにより、振分可動弁409の振分動作のタイミングに合わせた第2枠ボタン21の押下を難しくしている。
サブ制御装置262のCPU551は、保留球検出スイッチ437での遊技球通過の検出に基づいてRAM553の記憶領域に記憶される遊技球の数を1加算し、保留球検出スイッチ438での遊技球通過の検出に基づいてRAM553の記憶領域に記憶される遊技球の数を1減算する。このように、サブ制御装置262のCPU551は、保留装置400に保留される遊技球の数をカウントするカウント機能を備えている。
サブ制御装置262のCPU551は、RAM553の記憶領域に記憶される遊技球の数と、予めROM552の記憶領域に記憶された遊技球の数(例えば満タンの場合は5球)とを比較して、保留装置400に保留された遊技球の数が所定数(例えば満タンの場合は5球)に達したか否かを判定する機能も備えている。すなわち、サブ制御装置262のCPU551は、保留装置400に保留された遊技球の数が満タンに達したか否かを判定する満タン判定部を備えている。
本実施例では、通常遊技状態における特定の変動表示中(例えばスーパーリーチ演出中)において、保留装置400に保留される遊技球が満タン(5球保留)となったことに基づいて、可動パターン示唆演出を実行する。
保留装置400に保留される遊技球が満タンとなるタイミングは様々である。そのため、本実施例では、サブ制御装置262のCPU551は、保留装置400に保留される遊技球が満タンとなるまでは、楽曲Aまたは楽曲Bとは別の楽曲(以下、楽曲C)の映像及び音楽を流し、保留装置400に保留される遊技球が満タンとなるタイミングに合わせて、可動パターン示唆演出を構成する楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分の映像及び音楽に切り換える。
サブ制御装置262が行う通常遊技状態におけるリーチ演出中に実行される可動パターン示唆演出について、図66〜図73を参照して説明する。図66は、サブ制御装置262による変動表示態様設定処理を示すフローチャートである。図67は、サブ制御装置262によるリーチ演出中の下限開始時間設定処理を示すフローチャートである。図68は、サブ制御装置262が行う満タン検出による可動パターン示唆演出処理を示すフローチャートである。図69は、サブ制御装置262が行う下限開始時間による可動パターン示唆演出処理を示すフローチャートである。図70は、サブ制御装置262が行う満タン検出による楽曲切換タイミング調整処理を示すフローチャートである。図71は、サブ制御装置262が行う下限開始時間による楽曲切換タイミング調整処理を示すフローチャートである。図72は、調整演出の時間と可動パターン示唆演出処理中の楽曲とを決定するためのテーブルである。図73は、下限開始時間と可動パターン示唆演出処理中の楽曲とを決定するためのテーブルである。
(変動表示態様設定処理)
本実施例の変動表示態様設定処理は、実施例2で図48を参照して説明した変動表示態様設定処理とは、可動パターン示唆演出を実行するための処理が異なるので、この点を中心に説明する。
図66に示すように、ステップS2102では、サブ制御装置262のCPU551は、リーチ演出において最初に流す楽曲を決定するための開始楽曲決定処理を行い、ステップS2103に進む。変動パターン指定コマンドがスーパーリーチ演出を示す場合、スーパーリーチ演出の開始時の楽曲は、楽曲Cに決定される。その他のリーチ演出は、リーチ演出の種類に合わせて楽曲が決定される。
ステップS2103では、リーチ演出における可動パターン示唆演出の下限開始時間を設定するための下限開始時間設定処理を行う。リーチ演出中の下限開始時間設定処理について以下に説明する。
(リーチ演出中の下限開始時間設定処理)
図67に示すように、ステップS2301では、サブ制御装置262のCPU551は、振分可動弁409の可動周期の1周期の開始時刻から変動パターン指定コマンドの受信時刻までにかかった時間(遅れ時間)を取得し、RAM553の記憶領域vに記憶させる。ステップS2302では、サブ制御装置262のCPU551は、受信した変動パターン指定コマンドを解析して、変動開始からリーチ演出開始までの時間をRAM553の記憶領域wに記憶させる。
ステップS2302Aでは、受信した変動パターン指定コマンドを解析して、リーチ演出の開始から終了までのリーチ演出時間をRAM553の記憶領域zに記憶させる。ステップS2303では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域vに記憶された遅れ時間と、記憶領域wに記憶された変動開始からリーチ演出開始までの時間とを足した合計時間を、RAM553の記憶領域xに記憶させる。
ステップS2304では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域xに記憶された合計時間が振分可動弁409の可動周期の半周期に相当する15秒よりも大きいか否かを判定する。合計時間が15秒よりも大きければステップS2305に進み、合計時間が15秒よりも小さければ、ステップS2314に進む。
ステップS2305では、記憶領域xに記憶された合計時間が振分可動弁409の可動周期の1周期に相当する30秒と一致するか否かを判定する。合計時間が30秒に等しければ、ステップS2306に進み、30秒に等しくなければステップS2308に進む。
ステップS2306では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域zに記憶されたリーチ演出時間から可動パターン示唆演出を実行するための15秒を引いた時間を、可動パターン示唆演出が開始される最も遅い時間(下限開始時間)として、RAM553の記憶領域yに記憶させる。ステップS2307では、サブ制御装置262のCPU551は、この下限開始時間を示す下限開始時間フラグ1をセットする。
ステップS2308では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域xに記憶された時間が15秒より大きく且つ30秒より小さい範囲内であるか否かを判定する。判定の結果が当該範囲内であるであれば、ステップS2309に進み、判定の結果が当該範囲内でないならば、ステップS2311に進む。
ステップS2309では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域zに記憶されたリーチ演出時間から記憶領域xに記憶された時間を引いた時間を、可動パターン示唆演出の下限開始時間としてRAM5543の記憶領域yに記憶させる。ステップS2310では、サブ制御装置262のCPU551は、この下限開始時間を示す下限開始時間フラグ2をセットする。
ステップS2311では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域xに記憶された時間が30秒よりも大きいか否かを判定する。判定の結果が30秒よりも大きければ、ステップS2312に進む。
ステップS2312では、記憶領域zに記憶されたリーチ演出時間から、記憶領域xに記憶された時間のうち30秒を超える時間(x−30)と、可動パターン示唆演出を実行するための15秒間とを引いた時間を、可動パターン示唆演出の下限開始時間としてRAM553の記憶領域yに記憶させる。ステップS2313では、サブ制御装置262のCPU551は、この下限開始時間を示す下限開始時間フラグ3をセットする。
ステップS2314では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域xに記憶された時間が15秒に等しいか否かを判定する。判定の結果が15秒に等しければ、ステップS2315に進み、判定の結果が15秒に等しくなければステップS2317に進む。
ステップS2315では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域zに記憶されたリーチ演出時間から、可動パターン示唆演出を実行するための15秒を引いた時間を、可動パターン示唆演出の下限開始時間としてRAM553の記憶領域yに記憶させる。ステップS2316では、この下限開始時間を示す下限開始時間フラグ4をセットする。
ステップS2317では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域zに記憶されたリーチ演出時間から、記憶領域xに記憶された時と、15秒とを引いた時間を、可動パターン示唆演出の下限開始時間としてRAM553の記憶領域yに記憶させる。ステップS2318では、サブ制御装置262のCPU551は、この下限開始時間を示す下限開始時間フラグ5をセットする。
図66の説明に戻る。ステップS2103における下限開始時間設定処理の終了後、ステップS2104では、ステップS2102において決定された楽曲を伴うリーチ演出画像を表示するための表示コマンドをセットし、本処理を終了する。
ステップS2105では、サブ制御装置262のCPU551は、保留装置400に保留される遊技球が満タンとなったか否かの判定(満タン検出)を行う。判定の結果が満タンであれば、ステップS2106に進み、判定の結果が満タンでなければステップS2108に進む。ステップS2106では、サブ制御装置262のCPU551は、満タン検出による可動パターン示唆演出処理を行う。
(満タン検出による可動パターン示唆演出処理)
ここで、満タン検出による可動パターン示唆演出処理について図68を参照して説明する。ステップS2107Aでは、サブ制御装置262のCPU551は、後述する満タン検出による楽曲切換タイミング調整処理を行い、ステップS2107Bに進む。ステップS2107Bでは、ステップS2107Aにおいて切り換えられた楽曲を伴う可動パターン示唆演出を表示するための表示コマンドをセットしてステップS2107Cに進む。
ステップS2107Cでは、サブ制御装置262のCPU551は、可動パターン示唆演出が終了したか否かを判定する。このような判定は、サブ制御装置262のCPU551によって、可動パターン示唆演出の開始に合わせて可動パターン示唆演出実行中フラグがONにされて、可動パターン示唆演出の終了に合わせて当該フラグがOFFにされることによって実現される。可動パターン示唆演出が終了すれば、ステップS2107Dに進み、可動パターン示唆演出が終了していなければ、本処理を終了する。ステップS2107Dでは、サブ制御装置262のCPU551は、可動パターン示唆演出において使用された楽曲をスーパーリーチ演出開始時の楽曲Cに戻して、本処理を終了する。
説明を図66に戻す。ステップS2108では、サブ制御装置262のCPU551は、リーチ演出の経過時間が下限開始時間に達したか否かを判定する。判定の結果が下限開始時間であればステップS2109に進み、判定の結果が下限開始時間でなければステップS2111に進む。すなわち、サブ制御装置262のCPU551は、リーチ演出の経過時間が下限開始時間に達したか否かを判定する機能としての下限開始時間判定部を備える。
ステップS2109では、サブ制御装置262のCPU551は、下限開始時間に達した時点で可動パターン示唆演出を行うための下限開始時間による可動パターン示唆演出処理を行う。
(下限開始時間による可動パターン示唆演出処理)
ここで、下限開始時間による可動パターン示唆演出処理について、図69を参照して説明する。ステップS2110Aでは、後述する下限開始時間による楽曲切換処理を行い、ステップS2110Bに進む。ステップS2110Bでは、ステップS2110Aにおいて切り換えられた楽曲を伴う可動パターン示唆演出を表示するための表示コマンドをセットして、ステップS2110Cに進む。
ステップS2110Cでは、サブ制御装置262のCPU551は、可動パターン示唆演出が終了したか否かを判定する。このような判定は、図68に示すステップS2107Cを参照しながら上述した通りである。可動パターン示唆演出が終了すれば、ステップS2110Dに進み、可動パターン示唆演出が終了していなければ、本処理を終了する。ステップS2110Dでは、サブ制御装置262のCPU551は、下限開始時間による可動パターン示唆演出において使用された楽曲をスーパーリーチ演出開始時の楽曲Cに戻して、本処理を終了する。
(満タン検出による楽曲切換タイミング調整処理)
ステップS2107Aの満タン検出による楽曲切換タイミング調整処理を説明する。
図70に示すように、ステップS2401では、サブ制御装置262のCPU551は、振分可動弁409の可動周期の1周期の開始時刻から保留装置400に保留された遊技球の数が満タンに達したと検出された時間(遅れ時間)を取得し、RAM553の記憶領域aに記憶させる。ステップS2402では、サブ制御装置262のCPU551は、可動周期の1周期の時間(秒数)をRAM553の記憶領域bに記憶させる。ステップS2403では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域bに記憶された可動周期の時間から記憶領域aに記憶された遅れ時間を引いた時間を、RAM553の記憶領域cに記憶させる。
ステップS2404では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域cに記憶された時間が0秒であるか否かを判定する。判定の結果が0秒であればステップS2405に進み、判定の結果が0でなければステップS2407に進む。ここで、第3図柄表示装置42には、満タン検出時点から可動パターン示唆演出の開始時点までの間には、保留装置400を満タンにしたことを祝福する調整演出(以下、満タンおめでとう演出)が表示される。満タンおめでとう演出は、1秒から15秒まで15種類あり、満タン検出のタイミングに応じた長さの演出が決定される。満タンおめでとう演出は、静止画像または動画像で表示されるが、調整演出におけるメモリの使用量を減らすために、可動パターン示唆演出よりも情報量の少ない画像で表示される。
ステップS2405では、15秒間の満タンおめでとう演出を実行するための調整時間として15秒間をRAM553の記憶領域dに記憶させる。ステップS2406では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域dに記憶された調整時間(15秒間)、満タンおめでとう演出を実行した後、楽曲Cを楽曲Bのサビ部分に切り換えて、可動パターン示唆演出を開始する。
ステップS2407では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域cに記憶された時間が15秒よりも小さいか否かを判定する。判定の結果が15秒よりも小さければ、ステップS2408に進み、判定の結果が15秒よりも大きければステップS2410に進む。ステップS2408では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域cに記憶された時間を満タンおめでとう演出を実行するための調整時間としてRAM553の記憶領域dに記憶させる。ステップS2409では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域dに記憶された時間、満タンおめでとう演出を実行した後、楽曲Cを楽曲Aのサビ部分に切り換えて、可動パターン示唆演出を開始する。
ステップS2410では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域cに記憶された時間が15秒に等しいか否かを判定する。判定の結果が15秒に等しければステップS2411に進み、判定の結果が15秒に等しくなければステップS2413に進む。ステップS2411では、サブ制御装置262のCPU551は、満タンおめでとう演出を実行するための調整時間として15秒間をRAM553の記憶領域dに記憶させる。ステップS2412では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域dに記憶された15秒間、満タンおめでとう演出を実行した後、楽曲Cを楽曲Aのサビ部分に切り換えて、可動パターン示唆演出を開始する。
ステップS2413では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域cに記憶された時間が15秒よりも大きいか否かを判定する。判定の結果が15秒よりも大きければ、ステップS2414に進む。ステップS2414では、記憶領域cに記憶された時間から15秒を引いた時間を、満タンおめでとう演出を実行するための調整時間としてRAM553の記憶領域dに記憶させる。ステップS2415では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域dに記憶された時間、満タンおめでとう演出を実行した後、楽曲Cを楽曲Bのサビ部分に切り換えて、可動パターン示唆演出を開始する。
以上のような満タンおめでとう演出を実行するための調整時間と、可動パターン示唆演出処理中に流す楽曲を決定する処理は、図72に示すような、サブ制御装置262のCPU551のROM552に記憶されたテーブルを用いて行ってもよい。このようなテーブルには、記憶領域aに記憶される時間に対応する満タン検出の遅れ時間aと、記憶領域bに記憶される時間に対応する可動周期の時間bと、記憶領域cに記憶される時間に対応する(b−a)の時間cと、記憶領域dに記憶される時間に対応する満タンおめでとう演出の時間dと、それぞれの時間に応じて決まる可動パターン示唆演出処理中の楽曲とが予め記憶される。これにより上述したステップの処理速度を向上させることができる。
このように、楽曲Cが楽曲Aまたは楽曲Bに切り換えられた時点で、切り換え後の楽曲Aまたは楽曲Bのリズムは、可動パターン示唆演出の示唆タイミングと合っている。これにより、楽曲Aまたは楽曲Bのリズムと可動パターン示唆演出の示唆タイミングとを合わせることができる。
(下限開始時間による楽曲切換処理)
次に、図69に示すステップS2110Aを参照しながら上述した下限開始時間による楽曲切換処理について、図71を参照して説明する。
図71に示すように、ステップS2501では、サブ制御装置262のCPU551は、保留装置400の保留部403に少なくとも1球、遊技球が保留されているか否かを判定する。具体的には、保留球検出スイッチ437による入球検出と保留球検出スイッチ438による排出検出とに基づいて判断する。少なくとも1球、遊技球が保留されているという判定結果であれば、ステップS2502に進み、遊技球が保留されていないという判定結果であれば、本処理を終了する。すなわち、サブ制御装置262のCPU551は、保留装置400の保留部403に少なくとも1球、遊技球が保留されているか否かを判定する機能としての下限数判定部を備えている。
ステップS2502では、サブ制御装置262のCPU551は、上述した下限開始時間設定処理でセットされた下限開始時間フラグの種類が1であるか否かを判定する。判定の結果が下限開始時間フラグ1であれば、ステップS2503に進み、それまで流れていた楽曲を楽曲Bのサビ部分に切り換えて、可動パターン示唆演出を開始する。判定の結果が下限開始時間フラグ1でなければ、ステップS2504に進む。
ステップS2504では、サブ制御装置262のCPU551は、上述した下限開始時間設定処理でセットされた下限開始時間フラグの種類が2であるか否かを判定する。判定の結果が下限開始時間フラグ2であれば、ステップS2505に進み、それまで流れていた楽曲を楽曲Aのサビ部分に切り換えて、可動パターン示唆演出を開始する。判定の結果が下限開始時間フラグ2でなければ、ステップS2506に進む。
ステップS2506では、サブ制御装置262のCPU551は、上述した下限開始時間設定処理でセットされた下限開始時間フラグの種類が3であるか否かを判定する。判定の結果が下限開始時間フラグ3であれば、ステップS2507に進み、それまで流れていた楽曲から楽曲Bのサビ部分に切り換えて、可動パターン示唆演出を開始する。判定の結果が下限開始時間フラグ3でなければ、ステップS2508に進む。
ステップS2508では、サブ制御装置262のCPU551は、上述した下限開始時間設定処理でセットされた下限開始時間フラグの種類が4であるか否かを判定する。判定の結果が下限開始時間フラグ4であれば、ステップS2509に進み、それまで流れていた楽曲を楽曲Aのサビ部分に切り換えて、可動パターン示唆演出を開始する。判定の結果が下限開始時間フラグ4でなければ、ステップS2510に進む。
ステップS2510では、サブ制御装置262のCPU551は、上述した下限開始時間設定処理でセットされた下限開始時間フラグの種類が5であるか否かを判定する。判定の結果が下限開始時間フラグ5であれば、ステップS2511に進み、それまで流れていた楽曲を楽曲Bのサビ部分に切り換えて、可動パターン示唆演出を開始する。
上述した下限開始時間を決定する処理と、下限開始時間による可動パターン示唆演出処理中に流す楽曲を決定する処理は、図73に示すような、サブ制御装置262のCPU551のROM552に記憶されたテーブルを用いて行ってもよい。このようなテーブルには、記憶領域vに記憶される時間に対応する変動開始の遅れ時間vと、記憶領域wに記憶される時間に対応するリーチ演出開始前の変動時間wと、記憶領域xに記憶される時間に対応する(v+w)の時間xと、リーチ演出の時間zと、記憶領域yに記憶される時間に対応する下限開始時間yと、下限開始時間フラグの種類と、下限開始時間による可動パターン示唆演出処理中の楽曲とが予め記憶される。これにより上述したステップの処理速度を向上させることができる。
このように、リーチ演出時間が下限開始時間になったタイミングで、少なくとも1球の遊技球が保留されている場合は、楽曲Cを楽曲Bに切り換えて、可動パターン示唆演出を開始する。楽曲Cが楽曲Aまたは楽曲Bに切り換えられた時点で、切り換え後の楽曲Aまたは楽曲Bのリズムは、可動パターン示唆演出の示唆タイミングと合っている。これにより、楽曲Aまたは楽曲Bのリズムと可動パターン示唆演出の示唆タイミングとを合わせることができる。以下、この可動パターン示唆演出について一例を挙げて説明する。
次に、通常遊技状態におけるリーチ演出中の振分可動弁409の可動タイミングと、可動パターン示唆演出の示唆タイミングとの関係について、図74,図75を参照して説明する。図74は、通常遊技状態におけるリーチ演出中の満タン検出による可動パターン示唆演出例のタイミングチャートである。図75は、通常遊技状態におけるリーチ演出中の下限開始時間による可動パターン示唆演出例のタイミングチャートである。
(通常遊技状態におけるリーチ演出中に行われる可動パターン示唆演出例1)
図74に示すように、振分可動弁409は、実施例1〜3と同じ一定の可動パターンで構成された一定の周期で駆動される。ここで、通常遊技状態において、変動表示が開始され、この変動パターンコマンドがスーパーリーチ演出(抽選結果は当たりでも外れでもよい)であり、そのリーチ演出時間が120秒とする。
このとき、上記の変動表示は、可動タイミングt10と同じタイミング(可動周期の開始22秒後)で開始されて、変動開始からリーチ演出開始まで5秒間変動表示を行った後に、可動タイミングt11より少し遅れたタイミング(可動周期の開始27秒後)でリーチ演出が開始される。リーチ演出の開始から例えば15秒間、遊技者に右打ち遊技を行わせるための右打ち報知演出が行われる。リーチ演出の開始タイミングと同時に楽曲Cが開始される。
遊技者がリーチ演出の開始直後から右打ち遊技で遊技球を発射すれば、楽曲Cの開始から60秒後に、保留装置400の満タンが検出される。保留装置400の満タンが検出されるタイミングは、可動パターンAの開始タイミングよりわずかに遅れたタイミング(可動周期の開始27秒後)である。
すなわち、満タン検出の遅れ時間aは27秒であり、可動周期の時間bは30秒であり、時間bから時間aを引いた時間cは3秒であるので、満タンおめでとう演出の時間は3秒であり、可動パターン示唆演出中の楽曲は楽曲Aである(図72も参照)。
そこで、保留装置400の満タン検出のタイミングから可動パターンAの開始タイミングまでの3秒間、満タンおめでとう演出を行った後に、楽曲Cを楽曲Aのサビ部分に切り換えて、可動パターン示唆演出を開始する。可動パターン示唆演出の終了に合わせて、楽曲Aから楽曲Cに戻される。その後、リーチ演出の終了により、楽曲Cも終了する。
このように、可動パターン示唆演出において、可動パターンAを構成する可動タイミングt2〜t6と、楽曲Aのサビ部分のリズムに合わせて操作要求画像を表示するタイミング、すなわち示唆タイミングst1〜st5とを合わせることができる。これにより、遊技者は、示唆タイミングst1〜st5に合わせてうまく第2枠ボタン21を操作することによって、保留装置400に保留された満タン分(5球)の遊技球を振分可動弁409に乗せることができ、一般入賞口31bに入球させることが容易になる。その結果、最大で75球の賞球をリーチ演出中に得ることができる。
(通常遊技状態におけるリーチ演出中に行われる可動パターン示唆演出例2)
図75に示すように、可動パターン示唆演出例2は、上述の可動パターン示唆演出例1と同じ変動表示において、保留装置400が満タンにならなかった場合である。
この例では、遊技者は、リーチ演出開始から40秒間ほど右打ち遊技で遊技球を発射して、保留装置400に3球の遊技球が保留されたが、その後、遊技球の発射を止めたとする。この場合、保留装置400の満タンは検出されない。そこで、少なくとも1球の遊技球が保留されているので、リーチ演出時間が下限開始時間になったタイミングで可動パターン示唆演出を行ってから、リーチ演出を終了する。
すなわち、変動開始の遅れ時間vは22秒であり、変動開始からリーチ演出開始までの時間wは5秒であり、時間vと時間wとを足した時間xは27秒であり、リーチ演出の時間zは120秒であるので、下限開始時間yは93秒であり、下限開始時間フラグの種類は2であり、可動パターン示唆演出中の楽曲は楽曲Aである(図73も参照)。
そこで、リーチ演出の開始から93秒経過するタイミングで、楽曲Cが楽曲Aのサビ部分に切り換えて、可動パターン示唆演出を開始する。可動パターン示唆演出の終了に合わせて楽曲Aを楽曲Cに戻す。その後、リーチ演出の終了により、楽曲Cも終了する。
このように、可動パターン示唆演出において、可動パターンAを構成する可動タイミングt2〜t6と、楽曲Aのサビ部分のリズムに合わせて操作要求画像を表示するタイミング、すなわち示唆タイミングst1〜st5とを合わせることができる。これにより、下限開始時間に到達した時点で少なくとも1球の遊技球が保留されている場合に、その保留された遊技球が無駄になってしまうことを低減できる。
なお、上述のサブ制御装置262のCPU551の満タン判定部は、本発明の上限数判定手段に相当する。上述のサブ制御装置262のCPU551の下限開始時間判定部は、本発明の下限タイミング判定手段に相当する。上述のサブ制御装置262のCPU551の下限数判定部は、本発明の下限数判定手段に相当する。
上述したように、本実施例6のパチンコ機10によれば、可動パターン示唆演出は、サブ制御装置262のCPU551の満タン判定部によって、保留上限数の遊技球が保留装置400に保留されていると判定される場合に、サブ制御装置262のCPU551の操作演出制御部によって、操作要求画像が表示される示唆タイミングを、振分可動弁409が突出位置にくるタイミングに合わせた演出として表示されるので、保留上限数に満たない遊技球しか保留されていない場合にまで操作演出が表示されることによる遊技者の煩雑さを低減することができる。
また、サブ制御装置262のCPU551の下限開始時間判定部によって表示演出の実行時間が下限開始時間に達すると判定されるまでに、サブ制御装置262のCPU551の下限数判定部によって少なくとも保留下限数(1球)の遊技球が保留されていると判定される場合に、サブ制御装置262のCPU551の演出制御部によって、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分可動弁409が突出位置にくるタイミングに合わせた操作演出が第3図柄表示装置42に表示される。これにより、満タン判定部によって保留上限数の遊技球が保留装置400に保留されていないと判定される場合であっても、リーチ演出の実行時間が下限開始時間に達するまでに、少なくとも1球の遊技球が保留されていると判定される場合には、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分可動弁409が突出位置にくるタイミングに合わせた可動パターン示唆演出が第3図柄表示装置42に表示されるので、保留装置400に遊技球が保留されているにも関わらず、保留上限数に満たないことのみを理由に、可動パターン示唆演出が表示されないことによる遊技意欲の減衰を低減できる。
上述した実施例6では、通常遊技状態におけるリーチ演出中に保留装置400に保留される遊技球が満タンになったこと、または、リーチ演出時間が下限開始時間に達した場合に少なくとも1球の遊技球が保留されることに基づいて可動パターン示唆演出が実行されたが、通常遊技状態におけるリーチ演出中に限らず、大当たり状態中において、保留装置400に保留される遊技球が満タンになったことや、可動パターン示唆演出を実行するための最も遅いラウンド(下限開始ラウンド)になったことに基づいて可動パターン示唆演出が実行されても構わない。なお、保留装置400での満タン検出に基づく可動パターン示唆演出は、実施例6で説明した内容と同じであるので、その詳細は実施例6を参照するものとする。
サブ制御装置262が大当たり状態中に行う下限開始ラウンドに基づく可動パターン示唆演出とについて、図76〜図79を参照して説明する。なお、図76は、サブ制御装置262による開閉モード(大当たり)表示設定処理を示すフローチャートである。図77は、サブ制御装置262が行う下限開始ラウンドによる可動パターン示唆演出処理を示すフローチャートである。図78は、サブ制御装置262による下限開始ラウンドでの楽曲切換タイミング調整処理を示すフローチャートである。図79は、調整演出の時間と可動パターン示唆演出処理中の楽曲とを決定するためのテーブルである。
(開閉モード(大当たり)表示設定処理)
本実施例の開閉モード(大当たり)表示設定処理は、実施例1で図26を参照して説明した開閉モード(大当たり)表示設定処理とは、可動パターン示唆演出処理を実行するための処理が異なるので、この点を中心に説明する。
図76に示すように、ステップS2603では、サブ制御装置262のCPU551は、大当たり演出において最初に流す楽曲を決定するための開始楽曲決定処理を行う。最大ラウンド数が16ラウンドの大当たり演出の場合、楽曲Dを開始時の楽曲とすることが決定される。他の最大ラウンド数の大当たり演出の場合は、他の楽曲を開始時の楽曲とすることが決定される。
ステップS2606では、サブ制御装置262のCPU551は、保留装置400に保留される遊技球が満タンとなったか否かの判定(満タン検出)を行う。判定の結果が満タンであれば、ステップS2607に進み、判定の結果が満タンでなければステップS2609に進む。ステップS2607では、サブ制御装置262のCPU551は、満タン検出による可動パターン示唆演出処理を行う。
本実施例の可動パターン示唆演出処理は、実施例6で図68を参照して説明した満タン検出による可動パターン示唆演出処理と同じである。そのため、本実施例も、同じようにして、満タン検出に基づき可動パターン示唆演出を実行する。また、本実施例の可動パターン示唆演出処理において実行される楽曲切換タイミング調整処理は、実施例6で図70を参照して説明した満タン検出による楽曲切換タイミング調整処理と同じである。そのため、本実施例も、同じようにして、満タン検出に基づき大当たり演出中の楽曲Dから可動パターン示唆演出処理中の楽曲に切り換えるタイミングを調整する。
ステップS2609では、サブ制御装置262のCPU551は、大当たりラウンドが、下限開始ラウンドに達したか否かを判定する。判定の結果が下限開始ラウンドであれば、ステップS2610に進み、判定の結果が下限開始ラウンドでなければステップS2112に進む。すなわち、サブ制御装置262のCPU551は、大当たりラウンドが下限開始ラウンドに達したか否かを判定する機能としての下限開始ラウンド判定部を備える。
ステップS2610では、サブ制御装置262のCPU551は、下限開始ラウンドに達した時点で可動パターン示唆演出を行うための下限開始ラウンドによる可動パターン示唆演出処理を行う。
(下限開始ラウンドによる可動パターン示唆演出処理)
ここで、下限開始ラウンドによる可動パターン示唆演出処理について、図77を参照して説明する。ステップS2610Aでは、後述する下限開始ラウンドによる楽曲切換タイミング調整処理を行い、ステップS2610Bに進む。ステップS2610Bでは、ステップS2610Aにおいて切り換えられた楽曲を伴う可動パターン示唆演出を表示するための表示コマンドをセットして、ステップS2610Cに進む。
ステップS2610Cでは、サブ制御装置262のCPU551は、可動パターン示唆演出が終了したか否かを判定する。判定の結果、可動パターン示唆演出が終了している場合は、ステップS26110Dに進み、終了していなければ、本処理を終了する。ステップS2610Dでは、サブ制御装置262のCPU551は、可動パターン示唆演出で使用していた楽曲を大当たり演出開始時の楽曲Dに戻す。
(下限開始ラウンドでの楽曲切換タイミング調整処理)
ステップS2610Aで上述した下限開始ラウンドでの楽曲切り換え処理を説明する。
図78に示すように、ステップS2901では、サブ制御装置262のCPU551は、保留装置400の保留部403に少なくとも1球、遊技球が保留されているか否かを判定する。少なくとも1球、遊技球が保留されているという判定結果であれば、ステップS2902に進み、遊技球が保留されていないという判定結果であれば本処理を終了する。
ステップS2902では、サブ制御装置262のCPU551は、振分可動弁409の可動周期の1周期の開始時刻から、下限ラウンドである第14ラウンドの開始を示す第14ラウンド指定コマンドの受信時刻までにかかった時間(遅れ時間)を取得し、RAM553の記憶領域eに記憶させる。ステップS2903では、サブ制御装置262のCPU551は、可動周期の時間(15秒)をRAM553の記憶領域fに記憶させる。
ステップS2904では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域fに記憶された可動周期の時間から記憶領域eに記憶された遅れ時間を引いた時間を、RAM553の記憶領域gに記憶させる。
ステップS2905では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域gに記憶された時間が0秒であるか否かを判定する。記憶領域gに記憶された時間が0秒であればステップS2906に進み、0秒でなければ、ステップS2908に進む。ステップS2906では、調整演出を実行するための調整時間として15秒を、RAM553の記憶領域hに記憶させる。ステップS2907に進む。ステップS2907では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域hに記憶された15秒間の調整演出を行った後、楽曲Bのサビ部分による可動パターン示唆演出を開始する。
ステップS2908では、記憶領域gに記憶された時間が15秒よりも小さいか否かを判定する。記憶領域gに記憶された時間が15秒よりも小さければ、ステップS2909に進み、15秒よりも小さくなければステップS2911に進む。ステップS2909では、調整演出を実行するための調整時間として記憶領域gに記憶された時間を、RAM553の記憶領域hに記憶させる。ステップS2910では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域hに記憶された時間、調整演出を行った後、楽曲Aのサビ部分による可動パターン示唆演出を開始する。
ステップS2911では、記憶領域gに記憶された時間が15秒に等しいかを判定する。記憶領域gに記憶された時間が15秒に等しければ、ステップS2912に進み、15秒よりも小さくなければステップS2914に進む。ステップS2912では、調整演出を実行するための調整時間として15秒を、RAM553の記憶領域hに記憶させる。ステップS2913では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域hに記憶された15秒間、調整演出を行った後、楽曲Aのサビ部分による可動パターン示唆演出を開始する。
ステップS2914では、記憶領域gに記憶された時間が15秒よりも大きいか否かを判定する。記憶領域gに記憶された時間が15秒よりも小さければ、ステップS2915に進む。ステップS2915では、調整演出を実行するための調整時間として、記憶領域gに記憶された時間から15秒を引いた時間を、RAM553の記憶領域hに記憶させる。ステップS2916では、サブ制御装置262のCPU551は、記憶領域hに記憶された時間、調整演出を行った後、楽曲Bのサビ部分による可動パターン示唆演出を開始する。
以上のような調整演出を実行するための調整時間と、可動パターン示唆演出処理中に流す楽曲を決定する処理は、図79に示すような、サブ制御装置262のCPU551のROM552に記憶されたテーブルを用いて行ってもよい。このようなテーブルには、記憶領域eに記憶される時間に対応する下限開始ラウンド(14R)指定コマンドの遅れ時間eと、記憶領域fに記憶される時間に対応する可動周期の時間fと、記憶領域gに記憶される時間に対応する(f−e)の時間gと、記憶領域hに記憶される時間に対応する調整演出の時間hと、それぞれの時間に応じて決まる可動パターン示唆演出処理中の楽曲とが予め記憶される。これにより上述したステップの処理速度を向上させることができる。
このように、大当たり状態中に満タン検出に基づく可動パターン示唆演出が実行された後、下限開始ラウンド(14ラウンド)になったタイミングで、少なくとも1球の遊技球が保留されている場合は、所定時間の調整演出を行った後に、楽曲Dを楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分に切り換えて、可動パターン示唆演出を開始する。楽曲Dが楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分に切り換えられた時点で、切り換え後の楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分のリズムは、可動パターン示唆演出の示唆タイミングと合っている。これにより、楽曲Aまたは楽曲Bのサビ部分のリズムと可動パターン示唆演出の示唆タイミングとを合わせることができる。以下では、この可動パターン示唆演出について一例を挙げて説明する。
次に、大当たり演出中の満タン検出に基づく振分可動弁409の可動タイミングと、可動パターン示唆演出の示唆タイミングとの関係について、図80,図81を参照して説明する。図80は、大当たり演出中の満タン検出に基づく振分可動弁409の可動タイミングと可動パターン示唆演出の示唆タイミングとの関係を示す可動パターン示唆演出例のタイミングチャートである。図81は、図80に続くタイミングチャートである。
(大当たり演出中の満タン検出に基づいて行われる可動パターン示唆演出例)
図80,図81に示すように、振分可動弁409は、実施例1〜5と同じ一定の可動パターンで構成された一定の周期で駆動される。ここで、大当たり状態は最大ラウンド数16ラウンドであり、下限ラウンド数は14ラウンドであるとする。大当たり状態は、可動周期の開始20秒後に開始される。このタイミングで、楽曲Dを伴う大当たり演出が開始される。
遊技者が大当たり演出の開始直後から右打ち遊技で遊技球を発射すれば、大当たり演出の開始から約75秒後に、保留装置400の満タンが検出される。この保留装置400の満タンが検出されるタイミングは、可動パターンAの開始タイミングよりわずかに遅れたタイミング(可動周期の開始5秒後)である。
すなわち、満タン検出の遅れ時間aは5秒であり、可動周期の時間bは30秒であり、時間bから時間aを引いた時間cは25秒であるので、満タンおめでとう演出の時間は、10秒であり、可動パターン示唆演出中の楽曲は楽曲Bである(図72も参照)。
そこで、保留装置400の満タン検出のタイミングから可動パターンBの開始タイミングまでの10秒間、満タンおめでとう演出を行った後に、楽曲Dを楽曲Bのサビ部分に切り換えて、楽曲Bを伴う可動パターン示唆演出を開始する。
これにより、可動パターン示唆演出において、可動パターンBを構成する可動タイミングt8〜t12と、楽曲Bのサビ部分のリズムに合わせて操作要求画像を表示するタイミング、すなわち示唆タイミングst6〜st10とを合わせることができる。その結果、遊技者は、示唆タイミングst6〜st10に合わせてうまく第2枠ボタン21を操作することによって、保留装置400に保留された満タン分(5球)の遊技球を振分可動弁409に乗せることができ、一般入賞口31bに入球させることが容易になる。なお、可動パターン示唆演出の終了後は、楽曲Bが楽曲Dに切り替えられ、再び楽曲Dよる大当たり演出が続けられる。
満タン検出後も遊技球が発射され続けられ、14ラウンド到達時点で保留装置400に3球の遊技球が保留されているとする。このとき、14ラウンド開始時点で、少なくとも1球以上の遊技球が保留されているとの条件が満たされることに基づいて、可動パターン示唆演出が実行される。なお、14ラウンド開始時点は、可動パターンAの開始タイミングと一致している。
すなわち、14R指定コマンドの遅れ時間eは0秒であり、可動周期の時間fは30秒であり、時間fから時間eを引いた時間gは30秒であるので、調整演出の時間hは15秒であり、可動パターン示唆演出中の楽曲は楽曲Bである(図79も参照)。
そこで、下限開始ラウンドの開始から15秒間の調整演出が行われた後に、可動パターンBの開始タイミングに合わせて、楽曲Dが楽曲Bのサビ部分に切り替えられるとともに、楽曲Bを伴う可動パターン示唆演出が開始される。これにより、可動パターン示唆演出において、可動パターンBを構成する可動タイミングt8〜t12と、楽曲Bのリズムに合わせて操作要求画像を表示する示唆タイミングst5〜st10とを合わせることができる。その結果、示唆タイミングst5〜st10に合わせてうまく第2枠ボタン21が操作されれば、保留装置400に残された3球の遊技球を振分可動弁409に乗せることができ、一般入賞口31bに入球させることが容易になる。なお、可動パターン示唆演出の終了タイミングが大当たり状態の終了タイミングと重なるので、楽曲Bのまま大当たり状態が終了する。
なお、上述したサブ制御装置262のCPU551の下限開始ラウンド判定部は、本発明の下限タイミング判定部に相当する。
上述したように、本実施例7のパチンコ機10によれば、操作演出は、満タン判定部によって保留上限数の遊技球が保留装置に保留されていると判定される場合に、演出制御部によって、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分可動弁409が突出位置にくるタイミングに合わせた可動パターン示唆演出が表示されるので、保留上限数に満たない遊技球しか保留されていない場合にまで操作演出が表示されることによる遊技者の煩雑さを低減することができる。
また、下限開始ラウンド判定部によって大当たりラウンドが下限開始ラウンドに達すると判定されるまでに、下限数判定部によって少なくとも保留下限数(例えば1球)の遊技球が保留されていると判定される場合に、演出制御部によって、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分可動弁409が突出位置にくるタイミングに合わせた可動パターン示唆演出が第3図柄表示装置42に表示される。これにより、満タン判定部によって満タンの遊技球が保留装置400に保留されていないと判定される場合であっても、表示演出の実行時間が下限タイミングに達するまでに、少なくとも保留下限数の遊技球が保留されていると判定される場合には、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分可動弁409が第2位置にくるタイミングに合わせた操作演出が第3図柄表示装置42に表示されるので、保留装置400に遊技球が保留されているにも関わらず、保留上限数に満たないことのみを理由に、可動パターン示唆演出が表示されないことによる遊技意欲の減衰を低減できる。
上述した実施例1〜7では、可動パターン示唆演出には、楽曲Aを伴うものと楽曲Bを伴うものとがあったが、それぞれの演出は、遊技者が意図的に選択できるものではなく、可動パターン示唆演出の操作の難しさや易しさ(以下、難易度と呼ぶ)において明確に差が付いているものでもなかった。そこで、本実施例の可動パターン示唆演出は、遊技者が難易度を選択でき、且つ、難易度に明確な差が付られているものとする。
サブ制御装置262が行う遊技者によって難易度が選択可能な可動パターン示唆演出について、図82,図83を参照して説明する。図82は、サブ制御装置262による開閉モード(大当たり)表示設定処理を示すフローチャートである。図83は、サブ制御装置262による可動パターン示唆演出の難易度選択処理を示すフローチャートである。
(開閉モード(大当たり)表示設定処理)
図82に示すように、本実施例の開閉モード(大当たり)表示設定処理は、可動パターン示唆演出の難易度選択処理を除いて、実施例7で図76を参照して説明した開閉モード(大当たり)表示設定処理と同じである。そこで、以下では可動パターン示唆演出の難易度選択処理を説明し、他の処理は実施例7の説明を参照する。
ステップS2603Aでは、サブ制御装置262のCPU551は、可動パターン示唆演出における第2枠ボタン21の操作の難易度を遊技者が選択可能とするための可動パターン示唆演出の難易度選択処理を行う。すなわち、サブ制御装置262のCPU551は、可動パターン示唆演出における第2枠ボタン21の操作の難易度を選択可能とするための選択画像を表示する機能としての難易度選択表示部を備える。
(可動パターン示唆演出の難易度選択処理)
図83に示すように、ステップS3001では、サブ制御装置262のCPU551は、オープニングコマンドの内容を解析して、大当たり状態の最大ラウンド数が16ラウンドあるか否かを判定する。大当たり状態の最大ラウンド数が16ラウンドである場合は、可動パターン示唆演出が実行されるので、難易度選択処理を行うためにステップS3002に進む。大当たり状態のラウンド数が16ラウンドでない場合は、本処理を終了する。
ステップS3002では、サブ制御装置262のCPU551は、可動パターン示唆演出の操作の難易度を「通常」または「易しい」のいずれにするかを遊技者に選択させるための難易度選択画像を第3図柄表示装置42に表示させる。難易度選択画像は、オープニング演出期間中において表示される。
ステップS3003では、サブ制御装置262のCPU551は、可動パターン示唆演出の操作の難易度として「通常」または「易しい」のいずれを遊技者が選択したか判定する。遊技者が「通常」を選択した(ステップS3003:YES)と判定された場合は、ステップS3004に進み、遊技者が「易しい」を選択した(ステップS3003:NO)と判定された場合は、ステップS3005に進む。
ステップS3004では、サブ制御装置262のCPU551は、可動パターン示唆演出が実行される場合に、その表示コマンドを通常モードの表示コマンドとすることを決定する。ステップS3005では、サブ制御装置262のCPU551は、可動パターン示唆演出が実行される場合に、その表示コマンドを易しいモードの表示コマンドとすることを決定する。
ステップS3004において、可動パターン示唆演出コマンドの表示コマンドを通常モードとすることが決定された場合、通常モードで可動パターン示唆演出が実行される。ステップS3005において、可動パターン示唆演出コマンドの表示コマンドを易しいモードとすることが決定された場合、易しいモードで可動パターン示唆演出が実行される。
易しいモードでの可動パターン示唆演出例における振分可動弁409の可動パターンA及び可動パターンBと示唆画像表示とのタイミングについて図84〜図87を用いて説明する。図84(a)〜(c)は、振分可動弁409の可動パターンAと示唆画像表示とのタイミングを示す一連のタイミングチャートである。図85(a)〜(c)は、振分可動弁409の図84とは別の可動パターンBと示唆画像表示とのタイミングを示す一連のタイミングチャートである。図86(a),(b)は、大当たり状態中に第3図柄表示装置42に表示される可動パターン示唆演出を示す図である。図87(a),(b)は、図86に続く可動パターン示唆演出を示す図である。
易しいモードでの可動パターン示唆演出例における振分可動弁409の可動パターンAと示唆画像表示とのタイミングについて図84を参照して説明する。第3図柄表示装置42には、可動周期の開始0.0秒後から可動周期の開始1.0秒後までの1.0秒間に、リズムゲームを説明する画像(ア)が表示される。画像(ア)は、図86(a)に示すように、可動パターン示唆演出が遊技者によって選択された易しいモードであること示す「リズムゲーム 易しいモード」と表示される。
可動周期の開始1.0秒後から可動周期の開始9.0秒後まで、リズムゲームの開始を知らせる画像(イ)が表示される。画像(イ)は、図86(b)に示すように、易しいモードでの可動パターン示唆演出における第2枠ボタン21の操作方法を説明する「連打!マークが太鼓に重なったら、太鼓ボタンを連打して下さい。」との操作説明画像423が表示される。なお、この期間に、可動パターンAの可動タイミングt1〜可動タイミングt3が到来するが、示唆タイミングを示す操作要求画像は表示されない。
可動周期の開始9.00秒後から可動周期の開始9.85秒後までの0.85秒間に、第2枠ボタン21の操作タイミングが近づいていることを知らせる画像(ウ)が表示される。画像(ウ)は、図87(a)に示すように、「連打!」の文字が表された連打要求画像436が操作タイミング画像425に近づく画像として表示される。
可動周期の開始9.85秒後から可動周期の開始11.35秒後までの1.5秒間に、第2枠ボタン21の操作タイミングであることを知らせる画像(エ)が表示される。画像(エ)は、図87(b)に示すように、連打要求画像436が操作タイミング画像425に完全に重なる画像(エ)として表示される。重なり画像(エ)が表示されている1.5秒間に、可動タイミングt4,可動タイミングt5が到来する。重なり画像(エ)が表示される1.5秒間を示唆タイミングst11と呼ぶ。
重なり画像(エ)が表示されている期間のうち、図84(b),(c)において斜線を付けて示す、可動周期の開始9.85秒後(すなわち、図中「エ1」の符号を付したタイミング「エ1」。以下、同様に呼ぶ。)から可動周期の開始10.35秒後(タイミング「エ2」)までの0.5秒間と、可動周期の開始10.85秒後(タイミング「エ3」)から可動周期の開始11.35秒後(タイミング「エ4」)までの0.5秒間とのいずれかに、遊技者が第2枠ボタン21を連打するタイミングのいずれかが重なれば、保留装置400から排出された遊技球が可動タイミングt4,可動タイミングt5のいずれかに示す振分可動弁409に乗り、一般入賞口31bに誘導され、一般入賞口31bに入賞する。また、このような結果となるように、第2枠ボタン21の押下から排出阻止弁406の駆動開始までの時間や、排出阻止弁406が保留位置と排出位置とに変位する時間を適宜調整する。
可動周期の開始11.35秒以降は、第2枠ボタン21の操作タイミングが終わったことを知らせる画像(オ)が表示される。画像(オ)は、連打要求画像439が操作タイミング画像425から遠ざかるか、あるいは、表示画面から消える画像として表示される。可動周期の開始15.0秒後に、楽曲Aを伴う可動パターン示唆演出が終了する。
易しいモードでの可動パターン示唆演出例における振分可動弁409の可動パターンBと示唆画像表示とのタイミングについて図85を参照して説明する。なお、以下では、上述した重なり画像(エ)が表示される期間を中心に説明する。
可動周期の開始19.85秒後から可動周期の開始22.35秒後までの2.5秒間に、上述した重なり画像(エ)が表示される。重なり画像(エ)が表示されている2.5秒間に、可動タイミングt8〜可動タイミングt10が到来する。重なり画像(エ)が表示される2.5秒間を示唆タイミングst12と呼ぶ。
重なり画像(エ)が表示されている期間のうち、図85(a),(b)において斜線を付けて示す、可動周期の開始19.85秒後(タイミング「エ5」)から可動周期の開始20.35秒後(タイミング「エ6」)までの0.5秒間と、可動周期の開始20.85秒後(タイミング「エ7」)から可動周期の開始21.35秒後(タイミング「エ8」)までの0.5秒間と、可動周期の開始21.85秒後(タイミング「エ9」)から可動周期の開始22.35秒後(タイミングエ10)までの0.5秒間とのいずれかに、遊技者が第2枠ボタン21を連打するタイミングのいずれかが重なれば、保留装置400から排出された遊技球が可動タイミングt8〜可動タイミングt10のいずれかに示す振分可動弁409に乗り、一般入賞口31bに誘導され、一般入賞口31bに入賞する。
したがって、通常モードでの可動パターン示唆演出における操作のような楽曲Aまたは楽曲Bのリズムに合わせて第2枠ボタン21を押下する操作が不慣れな遊技者であっても、易しいモードでの可動パターン示唆演出では、重なり画像(エ)が表示されている期間、第2枠ボタン21を連打すれば、保留装置400に保留されている満タンの遊技球のうち少なくとも1球は確実に、振分可動弁409に乗せて、一般入賞口31bに誘導して、一般入賞口31bに入賞させることが容易になる。
なお、上述した通常モードでの可動パターン示唆演出における第2枠ボタン21の操作態様は本発明の第1操作態様に相当し、通常モードでの可動パターン示唆演出は本発明の第1操作演出に相当する。上述した易しいモードでの可動パターン示唆演出における第2枠ボタン21の操作態様は本発明の第2操作態様に相当し、易しいモードでの可動パターン示唆演出は本発明の第2操作演出に相当する。上述したサブ制御装置262のCPU551の難易度選択表示部は本発明の難易度選択表示手段に相当する。
上述したように、本実施例8のパチンコ機10によれば、可動パターン示唆演出は、通常モードでの可動パターン示唆演出と、易しいモードでの可動パターン示唆演出とを、少なくとも含む。サブ制御装置262のCPU551の難易度選択表示部は、少なくとも通常モードでの可動パターン示唆演出または易しいモードでの可動パターン示唆演出のうちいずれの可動パターン示唆演出を表示するかを選択可能な選択画像を第3図柄表示装置42に表示する。サブ制御装置262のCPU551の操作演出制御部は、選択画像の表示中に選択された可動パターン示唆演出を第3図柄表示装置42に表示する。これにより、難しい操作を好まない遊技者は、易しいモードでの可動パターン示唆演出を選択することができるし、そうでない遊技者は、通常モードでの可動パターン示唆演出を選択できる。このように、遊技者の好みに応じた可動パターン示唆演出を提供できる。
上述した実施例1〜8では、可動パターン示唆演出は、可動パターンAが開始してから可動パターンBが終了するまでを一周期(以下では可動周期とも呼ぶ)として、一周期の長さを30秒間とする振分動作を周期的に繰り返すものであったが、長さの異なる複数種類の可動周期に応じて、複数種類の可動パターン示唆演出が実行されるものでも構わない。本実施例では、長さの異なる複数種類の可動周期を有し、遊技機本体への電源投入後の所定のタイミングで可動周期を変えて、可動パターン示唆演出を実行する遊技機について説明する。
本実施例では、遊技機本体への電源投入後に可動周期を変える所定のタイミングとして、例えば最大ラウンド数が8ラウンドの大当たり状態の開始を例に挙げて説明する。
実施例1,6では、大当たり状態の最大ラウンド数が16ラウンドである場合に可動パターン示唆演出が実行されていたので、右打ち遊技において15球に1球の割合で保留装置400に遊技球が保留され、満タン(5球)の遊技球が保留されるまでに75秒かかり、振分可動弁409が1周期30秒の可動周期で可動パターン示唆演出を実行しても、可動パターン示唆演出を十分に実行可能であった。しかし、大当たり状態の最大ラウンド数が16ラウンドよりも少なくなるに従って、上述した可動周期では可動パターン示唆演出を実行できないことが予想される。
そこで、本実施例では、可動周期と可動パターン示唆演出を複数種類用意し、最大ラウンド数が16ラウンドよりも少ない大当たり状態でも、それに応じた可動周期での振分動作と可動パターン示唆演出を実行可能にする。
具体的には、本実施例は、大当たり状態の最大ラウンド数として、2ラウンドと16ラウンドの他に8ラウンドを有する。最大ラウンド数が8ラウンドの大当たり状態が発生する場合は、保留装置400に3球の遊技球が保留されたと検出されることに基づいて、10秒間の可動パターン示唆演出を実行する。10秒間の可動パターン示唆演出に対応して、振分可動弁409が1周期20秒の可動周期で、10秒間の可動パターンCと10秒間の可動パターンDとを繰り返す。このような遊技機に必要な構成を図88〜図92を用いて以下に説明する。
なお、図88は、実施例9の主制御装置261による通常処理を示すフローチャートである。図89は、図88の通常処理における振分可動弁409の可動周期変更処理を示すフローチャートである。図90は、実施例9のサブ制御装置262による開閉モード(大当たり)表示設定処理を示すフローチャートである。図91は、調整時間と可動パターン示唆演出処理中の楽曲とを決定するためのテーブルである。図92は、8ラウンド大当たり状態における振分可動弁409の可動タイミングと可動パターン示唆演出の示唆タイミングとの関係を示す可動パターン示唆演出例のタイミングチャートである。
以下の説明では、大当たり状態中、右打ち遊技を続ける場合に、1ラウンドの開始から終了までに要する時間を10秒として、8ラウンドの大当たり状態に要する時間は、80秒とする。また、右打ち遊技において60秒間に60球の遊技球が発射されるとする。
実施例1〜8では、振分可動弁409は、図11のステップS112に示すように、電源投入と同時に上述した1周期30秒の可動周期で繰り返し駆動されていたが、本実施例では、これに加えて、最大ラウンド数が8ラウンドの大当たり状態が発生する場合に、振分可動弁409の可動周期が変更される。すなわち、主制御装置261のCPU501は、図88のステップS207Aに示すように、通常処理において、振分可動弁409の可動周期を変更する機能としての可動周期変更部を備える。この振分可動弁409の可動周期を変更する可動周期変更処理について、以下に説明する。
(振分可動弁の可動周期変更処理)
図89に示すように、ステップS3101では、主制御装置261のCPU501は、最大ラウンド数が8ラウンドの大当たり状態に当選したか否かを判定する。最大ラウンド数が8ラウンドであれば、ステップS3102に進み、最大ラウンド数が8でなければ、本処理を終了する。ステップS3102では、主制御装置261のCPU501は、オープニング演出の終了タイミングであるか否かを判定する。オープニング演出の終了タイミングであればステップS3103に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS3103では、主制御装置261のCPU501は、1周期30秒の可動周期の終了タイミングであるか否かを判定する。1周期30秒の可動周期の終了タイミングであればステップS3104に進み、そうでなければ本処理終了する。ステップS3104では、主制御装置261のCPU501は、振分可動弁409の可動周期を1周期30秒の可動周期から1周期20秒の可動周期に変更する。これにより、振分可動弁409の可動周期は、1周期30秒の可動周期から1周期20秒の可動周期へ連続的に変更されるので、可動周期が変更されることを遊技者に気付かせ難くすることができる。
ステップS3105では、主制御装置261のCPU501は、大当たり状態の終了を知らせるエンディング演出の終了タイミングであるか否かを判定する。エンディング演出の終了タイミングであればステップS3106に進み、そうでなければ、本処理を終了する。ステップS3106では、主制御装置261のCPU501は、1周期20秒の可動周期の終了タイミングであるか否かを判定する。1周期20秒の可動周期の終了タイミングであればステップS3107に進み、そうでなければ本処理を終了する。
ステップS3107では、主制御装置261のCPU501は、振分可動弁409の可動周期を1周期20秒の可動周期から1周期30秒の可動周期に変更する。これにより、振分可動弁409の可動周期は、1周期20秒の可動周期から1周期30秒の可動周期へ連続的に戻されるので、可動周期の変更があったことを遊技者に気付かせ難くすることができる。
(開閉モード(大当たり)表示設定処理)
本実施例の開閉モード(大当たり)表示設定処理のうち、オープニングコマンドを受信した場合の処理や満タン検出された場合の処理は、実施例6で図66等を参照して説明した処理と同じであるので、以下では実施例6の処理と異なる処理について説明する。
図90に示すように、ステップS2606Aでは、サブ制御装置262のCPU551は、オープニングコマンド以外の信号を受信した場合(ステップS2601:NO)、大当たり状態の最大ラウンド数を判別する。16ラウンドの大当たり状態でない場合は、ステップS2620に進む。
ステップS2620では、サブ制御装置262のCPU551は、大当たり状態の種別が8ラウンドの大当たり状態であるか否かを判別する。8ラウンドの大当たり状態であれば、ステップS2621に進む。ステップS2621では、サブ制御装置262のCPU551は、保留装置400への遊技球の保留が3球に達したか否かを判定する。大当たり状態の開始から右打ち遊技で遊技球が発射され続ける場合、大当たり状態開始45秒後に保留装置400への遊技球の保留が3球に達する。判定結果が3球到達であれば、ステップS2622に進む。
ステップS2622では、サブ制御装置262のCPU551は、3球検出による可動パターン示唆演出処理を行う。なお、3球検出による可動パターン示唆演出処理には、3球検出による楽曲切換タイミング調整処理が含まれるが、可動周期の時間が20秒になっている点を除き、実施例6で図70を参照して説明した満タン検出による楽曲切換タイミング調整処理と同様であるので、適宜、実施例6の説明および図70を参照する。
調整演出を実行するための調整時間と、可動パターン示唆演出処理中に流す楽曲を決定する処理は、図91に示すような、サブ制御装置262のCPU551のROM552に記憶されたテーブルを用いて行ってもよい。このようなテーブルには、3球検出の遅れ時間aと、可動周期の時間bと、(b−a)の時間cと、記憶領域dに記憶される時間に対応する調整演出の時間dと、それぞれの時間に応じて決まる可動パターン示唆演出中の楽曲とが予め記憶される。可動周期の時間が30秒から20秒に短縮されたので、可動パターン示唆演出中の楽曲は、15秒の楽曲Aのサビ部分をさらに短くした10秒の楽曲Aのサビ分(以下、楽曲A1と呼ぶ)、または、15秒の楽曲Bのサビ部分をさらに短くした10秒の楽曲Bのサビ部分(以下、楽曲B1)となっている。
(8ラウンド大当たり演出中の3球検出に基づく可動パターン示唆演出例)
図92に示すように、1周期30秒の可動周期は、オープニング演出の終了タイミングを過ぎた後であって、且つ、可動周期の変更タイミングで、1周期20秒の可動周期に変更される。可動周期の変更タイミングは、電源投入に伴う振分動作の開始から数えて、1周期30秒の可動周期の偶数回目の周期の終了タイミングである。1周期30秒の可動周期の偶数回目の周期の終了タイミングに合わせて1周期20秒の可動周期が開始される。そのため、遊技者には振分可動弁409の振分動作が連続して続いているように見えるが、可動周期の変更タイミングを見抜き難くすることができる。
1周期20秒の振分可動弁409の可動パターンについて説明する。図92に示すように、1周期20秒の振分可動弁409の可動パターンは、大当たり状態の開始時から開始され、10秒間で実行される後述する可動パターンA1と、その後の10秒間で実行される後述する可動パターンB1とが連続するパターンである。具体的には、可動パターンA1は、可動周期の開始から2秒後(t1),4秒後(t2),7秒後(t3),10秒後(t4)を可動タイミングとするパターンであり、可動パターンAを短くした(後半を省いた)パターンである。可動パターンB1は、可動周期の開始から11秒後(t7),15秒後(t8),16秒後(t9),17秒後(t10)を可動タイミングとするパターンであり、可動パターンBを短くした(後半を省いた)パターンである。
遊技者が大当たり演出の開始直後から右打ち遊技で遊技球を発射すれば、楽曲Dを伴う大当たり演出の開始から約45秒後に、保留装置400の3球保留が検出される。この保留装置400の3球保留が検出されるタイミングは、可動パターンA1の開始タイミングよりわずかに遅れたタイミング(1周期20秒の可動周期の開始15秒後)である。
すなわち、3球検出の遅れ時間aは15秒であり、可動周期の時間bは20秒であり、時間bから時間aを引いた時間cは5秒であるので、調整演出の時間は5秒であり、可動パターン示唆演出中の楽曲は楽曲A1である(図91も参照)。
そこで、保留装置400の3球検出のタイミングから可動パターンA1の開始タイミングまでの5秒間、調整演出を行った後に、楽曲Dを楽曲A1に切り換えて、楽曲A1を伴う可動パターン示唆演出を開始する。
これにより、可動パターン示唆演出において、可動パターンA1を構成する可動タイミングt2〜t4と、楽曲A1のリズムに合わせて操作要求画像を表示するタイミング、すなわち示唆タイミングst1〜st3とを合わせることができる。なお、可動パターン示唆演出の終了後は、楽曲A1が楽曲Dに切り替えられ、再び楽曲Dよる大当たり演出が続けられる。
なお、上述した主制御装置261のCPU501の可動周期変更部は、本発明の可動周期変更手段に相当する。
上述したように、本実施例9のパチンコ機10によれば、振分可動弁409の振分動作は、周期が異なる第1可動周期(例えば1周期30秒の可動周期)と第2可動周期(例えば1周期20秒の可動周期)を含む複数種類の可動周期を有し、主制御装置261のCPU501の可動周期変更部によって、第1可動周期から第2可動周期に、または、第2可動周期から第1可動周期に、可動周期が変更される場合でも、変更された可動周期の種類に応じて、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分可動弁409の可動タイミングに合わせた可動パターン示唆演出がサブ制御装置262のCPU551の操作演出制御部によって表示される。これにより、同じ可動周期で振分動作が行われる場合よりも振分可動弁409の動作タイミングを見抜きがたくすることができる。
実施例1〜8では、振分可動弁409の可動パターンは、15秒の可動パターンAと15秒の可動パターンBとを1周期30秒で繰り返す可動パターンであったが、可動パターンの時間や可動周期の時間は同じであっても、可動タイミングが異なる複数種類の可動パターンであっても構わない。本実施例では、可動タイミングが異なる複数種類の可動パターンを有し、遊技機本体への電源投入後の所定のタイミングで可動パターンを変えて、可動パターン示唆演出を実行する。
本実施例では、遊技機本体への電源投入後に可動パターンを変える所定のタイミングとして、確変状態中の大当たり状態の開始を例に挙げて説明する。
通常遊技状態における大当たり演出中の可動パターン示唆演出に用いられる楽曲と、確変状態における大当たり演出中の可動パターン示唆演出に用いられる楽曲とを分ければ、可動パターン示唆演出のバリエーションが増える。しかし、通常遊技状態と確変状態とで大当たり演出中の可動パターン示唆演出に用いられる楽曲が異なる場合に、振分可動弁409の可動パターンが単一であるとすると、それぞれの可動パターン示唆演出において、振分可動弁409の可動タイミングと操作要求画像を表示する示唆タイミングとが合わなくなる場合がある。
そこで、上述のように通常遊技状態における大当たり状態中の振分可動弁409の可動パターンと確変状態における大当たり状態中の可動パターンと異ならせれば、通常遊技状態と確変状態とで大当たり演出中の可動パターン示唆演出に用いる楽曲を分けても、可動パターン示唆演出における振分可動弁409の可動タイミングと操作要求画像を表示する示唆タイミングとを合わせることができる。以下では、このような遊技機に必要な構成について図93〜図96を用いて説明する。
なお、図93は、実施例10の主制御装置261による通常処理を示すフローチャートである。図94は、図93の通常処理における振分可動弁409の可動パターン変更処理を示すフローチャートである。図95は、確変状態中の大当たり状態における振分可動弁409の可動タイミングと可動パターン示唆演出の示唆タイミングとの関係を示す可動パターン示唆演出例のタイミングチャートである。図96は、図95に続く可動パターン示唆演出例のタイミングチャートである。図97は、調整演出の時間と可動パターン示唆演出中の楽曲とを決定するためのテーブルである。図98は、図97に続くテーブルである。
以下の説明では、可動パターン示唆演出は、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たり演出中に、保留装置400に保留される遊技球の満タンが検出されることに基づいて実行される。
(通常処理)
主制御装置261のCPU501は、図93のステップS207Bに示すように、通常処理において、振分可動弁409の可動パターン変更処理を行う。この振分可動弁409の可動パターン変更処理について、以下に説明する。
(振分可動弁の可動パターン変更処理)
図94に示すように、ステップS3201では、主制御装置261のCPU501は、現在の大当たり抽選への当選確率が高確率時であるか否かを判定する。高確率時でなければ(すなわち、低確率時であれば)可動パターンを変更する必要がないので、本処理を終了する。高確率時(すなわち、確変状態中)であればステップS3203に進む。
本実施例の可動パターン変更処理では、確変状態において大当たり抽選に当選したときの第1大当たり乱数カウンタC1aおよび第2大当たり乱数カウンタC1bの値に応じて、振分可動弁409の当初の可動パターンを、異なる可動パターンに変更する。ステップS3203では、主制御装置261のCPU501は、第1大当たり乱数カウンタC1aおよび第2大当たり乱数カウンタC1bの値が高確率時における値のうち「50,101,160,209,257」(以下、グループ1の乱数と呼ぶ)のいずれかであれば、ステップS3204に進み、そうでなければステップS3210に進む。
ステップS3204では、主制御装置261のCPU501は、オープニング演出の終了タイミングであるか否かを判定する。オープニング演出の終了タイミングであればステップS3205に進み、そうでなければ本処理を終了する。ステップS3205では、主制御装置261のCPU501は、可動パターンA,Bによる可動周期の変更タイミングか否かを判定する。可動パターンの変更タイミングであればステップS3206に進み、現在の可動パターンA,Bを後述する可動パターンA2,B2に変更する。そうでなければ本処理を終了する。可動パターンの変更タイミングは、後述するように、電源投入に伴う可動周期の開始から数えて偶数回目の可動周期の終了タイミングに設定されている。
ステップS3207では、主制御装置261のCPU501は、大当たり状態の終了を知らせるエンディング演出の終了タイミングであるか否かを判定する。エンディング演出の終了タイミングであればステップS3208に進み、そうでなければ、本処理を終了する。ステップS3208では、主制御装置261のCPU501は、可動パターンの変更タイミングであるか否かを判定する。可動パターンの変更タイミングであればステップS3209に進み、可動パターンA2,B2を可動パターンA,Bに戻す。そうでなければ本処理を終了する。
ステップS3210では、主制御装置261のCPU501は、第1大当たり乱数カウンタC1aおよび第2大当たり乱数カウンタC1bの値が高確率時における値のうち「310,361,418,480,517」(以下、グループ2の乱数と呼ぶ)のいずれかであれるか否かを判定する。第1大当たり乱数カウンタC1aおよび第2大当たり乱数カウンタC1bの値がこれらの値に該当すればステップS3211に進み、そうでなければステップS3217に進む。
ステップS3211〜S3213では、主制御装置261のCPU501は、上述したステップS3204〜S3206と同様に、オープニング演出の終了タイミングが到来しており、且つ、可動パターンの変更タイミングが到来していれば、可動パターンA,Bを後述する可動パターンA3,B3に変更する。また、ステップS3214〜S3216では、主制御装置261のCPU501は、上述したステップS3207〜S3209と同様に、エンディング演出の終了タイミングが到来しており、且つ、可動パターンの返納タイミングが到来していれば、可動パターンA3,B3を可動パターンA,Bに戻す。
ステップS3217では、主制御装置261のCPU501は、第1大当たり乱数カウンタC1aおよび第2大当たり乱数カウンタC1bの値が高確率時における値のうち残りの「578,635,677,730」(以下、グループ3の乱数)のいずれかであれるか否かを判定する。第1大当たり乱数カウンタC1aおよび第2大当たり乱数カウンタC1bの値がこれらの値に該当すればステップS3218に進み。
ステップS3218〜S3220では、主制御装置261のCPU501は、上述したステップS3204〜S3206と同様に、オープニング演出の終了タイミングが到来しており、且つ、可動パターンの変更タイミングが到来していれば、可動パターンA,Bを後述する可動パターンA4,B4に変更する。また、ステップS3221〜S3223では、主制御装置261のCPU501は、上述したステップS3207〜S3209と同様に、エンディング演出の終了タイミングが到来しており、且つ、可動パターンの変更タイミングが到来していれば、可動パターンA4,B4を可動パターンA,Bに戻す。
(可動パターンが変わる場合の大当たり演出中の可動パターン示唆演出例)
ここで、上述したステップS3106において、高確率時におけるグループ1の乱数のいずれかで当選した場合に可動パターンA,Bから可動パターンA2,B2に変更される例と、その場合の可動パターン示唆演出例について説明する。
図95,図96に示すように、オープニング演出の終了タイミング(可動周期の開始20秒後)から10秒経過後、電源投入に伴う可動周期の開始から数えて偶数回目の可動周期の終了タイミング(可動パターンの変更タイミング)が到来するものとする。元の可動パターンA,Bは、この偶数回目の可動周期の終了タイミングで、異なる可動パターンA2,B2に変更される。遊技者には振分可動弁409が同じ可動パターンで連続して動いているように見えるので、可動パターンA,Bが可動パターンA2,B2に変更されたことを遊技者に気付かれ難くなる。これにより、振分可動弁409の可動パターンを解読し難くすることができる。
具体的には、可動パターンA2は、可動周期の開始から2秒間隔、すなわち、2秒後(t1),4秒後(t2),6秒後(t3),8秒後(t4),10秒後(t5),12秒後(t6)に可動タイミングを有する。可動パターンB2は、可動周期の開始1秒後から2秒間隔、すなわち、16秒後(t7),18秒後(t8),20秒後(t9),22秒後(t10),24秒後(t11),26秒後(t12)に可動タイミングを有する。可動パターンA1,B1の各可動タイミングは、後述する楽曲R1,S1のリズムに合わせて設計されている。このように、可動パターンA2,B2は、可動パターンA,Bのようなランダムに振分可動弁409が突出位置に変位する可動パターンに比べて、リズムが単調であり、遊技者にとって楽曲R1,S1に合わせて第2枠ボタン21を操作し易いという特徴がある。
なお、可動パターンA3,B3や可動パターンA4,B4は、可動パターンA2,B2よりも楽曲のリズムに合わせて第2枠ボタン21を操作し易い(または操作し難い)可動タイミングにしてもよい。可動パターンA3,B3の可動タイミングは、後述する楽曲R2,S2のリズムに合わせて設計される。可動パターンA4,B4の可動タイミングは、後述する楽曲R3,S3のリズムに合わせて設計される。
遊技者が大当たり演出の開始直後から右打ち遊技で遊技球を発射すれば、楽曲Dの開始から約75秒後に、保留装置400の満タンが検出される。この保留装置400の満タンが検出されるタイミングは、可動パターンB2の開始タイミングよりわずかに遅れたタイミング(可動周期の開始5秒後)である。
すなわち、満タン検出の遅れ時間aは5秒であり、可動周期の時間bは30秒であり、時間bから時間aを引いた時間cは25秒であるので、満タンおめでとう演出の時間は10秒である。また、高確率時の大当たり乱数はグループ1であるので、可動パターン示唆演出中の楽曲は楽曲S1である(図97,図98も参照)。
そこで、保留装置400の満タン検出のタイミングから可動パターンB2の開始タイミングまでの10秒間、満タンおめでとう演出を行った後に、楽曲Dが楽曲S1に切り換えられて、楽曲S1を伴う可動パターン示唆演出が開始される。その結果、可動パターン示唆演出において、可動パターンB2を構成する可動タイミングt8〜t12と、楽曲S1のリズムに合わせて操作要求画像を表示するタイミング、すなわち示唆タイミングst6〜st10とを合わせることができる。
可動パターン示唆演出の終了後は、楽曲S1が楽曲Dに切り換えられ、再び楽曲Dによる大当たり演出が続けられるが、可動パターンは変更タイミングが到来するまでは可動パターンA2,B2のままである。可動パターンは、エンディング演出の終了後、電源投入に伴う可動周期の開始から数えて偶数回目の可動周期の終了タイミング(可動パターンの変更タイミング)で可動パターンA2,B2から可動パターンA,Bに切り換えられ、再び可動パターンA,Bが再開される。可動パターンA2,B2が可動パターンA,Bに戻されるタイミングは、可動パターンA,Bから可動パターンA2,B2に変更されるタイミングと同様に、遊技者に気付かれ難くなっている。
このように、可動パターンの種類を増やすことで、可動パターン示唆演出の楽曲のバリエーションが増える。また、可動パターンの可動タイミングを均等にしたりランダムにしたりすることで、可動パターン示唆演出における遊技者の操作のし易さを変えることができる。
上述したように、本実施例10のパチンコ機10によれば、振分可動弁409の振分動作は、可動タイミングが異なる第1可動パターン(例えば可動パターンA,B)と第2可動パターン(例えば可動パターンA2,B2)とを含む複数種類の可動パターンを有し、主制御装置261のCPU501の可動パタン変更部によって、第1可動パターンから第2可動パターンに可動パターンが変更される場合でも、変更された可動パターンの種類に応じて、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分可動弁409の可動タイミングに合わせた可動パターン示唆演出がサブ制御装置262のCPU551の操作演出制御部によって表示される。これにより、同じ可動パターンで振分動作が行われる場合よりもさらに振分可動弁409の動作タイミングを見抜きがたくすることができる。
本発明は、上記実施形態に限らず、下記のように変形実施することもできる。
[1]実施例1,2では、主制御装置261が振分可動弁409の駆動を制御していたが、サブ制御装置262が実施例1,2と同じタイミングで振分可動弁409の駆動を制御してもよい。
[2]実施例1,2では、主制御装置261は、図11に示すメイン処理において、電源投入と同時に振分可動弁409の駆動を開始していたが、大当たり状態の開始、すなわち、1ラウンド目の大入賞口32aの開閉扉32bの開放と同時に、振分可動弁409の一定周期の駆動を開始してもよい。振分可動弁409の可動タイミングと、楽曲Aまたは楽曲Bの開始タイミングとが予め一致しているので、実施例1,2に示した開始タイミング調整処理を行わなくても済む。この場合でも、振分可動弁409の駆動が遊技者にとって視認し難い態様であるので、遊技者は、目視によって振分可動弁409の可動パターンに合わせて、第2枠ボタン42を操作することは容易でない。なお、[2]は、上述した(1)記載の発明の実施例1,2とは別の実施形態に相当する。
[3]実施例1,2では、保留装置400に遊技球を最大で5球まで保留可能であったが、保留できる遊技球の数はこれより少なくても多くても構わない。保留できる遊技球の数が1球であっても構わない。また、実施例1,2では、保留装置400は、1つであったが、複数個設けられていても構わない。
[4]実施例1,2では、操作演出は、音楽の再生を伴う表示演出であったが、操作演出は、音楽の再生を伴う表示演出以外であっても構わない。例えば、操作演出の別例は、音楽の再生のみの演出であって、音楽のリズムのみに合わせて第2枠ボタン21を操作するものでも構わない。また、操作演出の別例は、発光のみの演出であって、発光のタイミングのみに合わせて第2枠ボタン21を操作するものでも構わない。いずれも、予め遊技者に音楽のリズムや発光のタイミングを教示しておき、次に、その音楽のリズムや発光のタイミングに合わせて第2枠ボタン21を操作する、というようにしてもよい。
[5]実施例1,2では、操作演出は、音楽のリズムに合わせて操作要求画像を表示していたが、その他のタイミングに合わせて操作要求画像を表示しても構わない。例えば、操作演出の別例は、モグラ叩きゲームである。このゲームでは、モグラが穴から出てくる画像(操作要求画像)が表示されるタイミングにあわせて第2枠ボタン21を操作し、うまくモグラの頭を叩くことができれば、保留装置400から遊技球が排出されるタイミングが振分可動弁409が突出位置にくるタイミングに合う、ように設計されている。
[6]実施例2では、操作演出は、大当たり状態終了後で且つスーパーリーチ外れ後のスーパーリーチ演出中に表示されるものであったが、操作演出は、大当たり状態終了後で且つスーパーリーチ外れ後のリーチ演出以外の期間に表示されてもよい。この期間は、図柄の変動中であっても、非変動中であってもよい。
[7]実施例1,2の遊技盤30は、大当たり状態中、遊技者は右下遊技領域30a3に配置された大入賞口32aを狙ういわゆる右打ちを行う構成であったが、大入賞口32aが遊技領域30aの中央下方(第1の始動口33aの下方)に配置されて、その左右いずれかに保留装置400が配置される構成(大当たり状態中、右打ちを行わなくてよい構成)であっても構わない。
[8]実施例1,2では、振分可動弁409は、高速で動作していたが、装飾板413や可動装飾片415によって振分可動弁409の動きを視認し難くなっているのであれば、振分可動弁409は、低速で動作しても構わない。このような構成でも、遊技者は、操作演出に参加しなければ、保留装置400から遊技球が排出されるタイミングと、振分可動弁409が突出位置にくるタイミングとを合わせ難くすることができる。
[9]実施例1,2では、保留状態切換部405は、排出阻止弁406を1つ備える構成であったが、これに限らず、排出阻止弁406を2つ備える構成でもよい。例えば、保留状態切換部405は、保留部403のやや下流側に設けられる第1の排出阻止弁と、第1排出阻止弁よりもさらに下流側に設けられる第2の排出阻止弁とを備える。第1の排出阻止弁と第2の排出阻止弁とは、交互に保留位置と排出位置とに駆動される。すなわち、第1の排出阻止弁が排出位置に駆動されると、第2の排出阻止弁は第1の排出阻止弁の動きに合わせて保留位置に駆動されて、保留部403から遊技球は排出されない。
第1の排出阻止弁が保留位置に駆動されると、第2の排出阻止弁は第1の排出阻止弁の動きに合わせて排出位置に駆動されて、保留部403に保留される遊技球のうち最も下流に保留される1球の遊技球のみが保留部403から排出される。第1の排出阻止弁が再び排出位置に駆動されると、第2の排出阻止弁は第1の排出阻止弁の動きに合わせて保留位置に駆動されて、保留部403に保留されている遊技球があれば、排出された1球分だけ遊技球が下流側に移動するが、保留部403から遊技球は排出されない。これにより、遊技者が第2枠ボタン21を押下すると、保留部403から遊技球を確実に1球ずつ排出することができる。
第1の排出阻止弁と第2の排出阻止弁とを交互に保留位置と排出位置とに駆動する構成例は、例えば、第1の排出阻止弁と第2の排出阻止弁それぞれにソレノイドを接続して、2個のソレノイドを交互に突出あるいは吸引させる構成である。また、例えば、第1の排出阻止弁406または第2の排出阻止弁のいずれか一方のみにソレノイドを接続して、一方の排出阻止弁はソレノイドの突出あるいは吸引に合わせて駆動させ、他方の排出阻止弁はリンク機構を用いて一方の排出阻止弁とは反対に駆動させる構成である。
[10]実施例1では、示唆タイミングst1〜示唆タイミングst6を有する可動パターン示唆演出例1も、示唆タイミングst6〜示唆タイミングst10を有する可動パターン示唆演出例3,4も、可動パターン示唆演出の難易度はそれほど変わらなかったが、難易度に差を付けた複数の可動パターン示唆演出を用意してもよい。その場合、難易度に差を付けた複数の可動パターン示唆演出を遊技者が選択できるようにしてもよい。例えば、16ラウンドの大当たり状態の開始前に当該大当たり状態中に何らかのゲームが行われることを遊技者に知らせて、当該ゲームの難易度を遊技者に選択させるようなことが考えられる。
この場合、例えば、遊技者がゲームの難易度として「難しい」を選択した場合は、本実施例1と同様に、可動パターンAでの可動パターン示唆演出例1,2のいずれかが実行されるが、遊技者がゲームの難易度として「易しい」を選択した場合は、可動パターンBでの可動パターン示唆演出例3,4を改変した可動パターン示唆演出例3A,4Aのいずれかが実行される。例えば、可動パターン示唆演出例3A,4Aは、可動パターン示唆演出例3,4における示唆タイミングst6,st10を無くして、示唆タイミングst7〜st9をひとつの示唆タイミングにまとめる。つまり、新たな示唆タイミングでは、示唆タイミングst6の開始時間に対応する可動パターンBの可動周期の開始19.95秒後から、示唆タイミングst9の終了時間に対応する22.75秒後までの間(2.80秒間)、第1操作要求画像431と操作タイミング画像425との重なり画像が表示される。重なり画像が表示されるタイミングに合わせて第2枠ボタン21の連打を指示する画像を表示する。
これにより、遊技者は、重なり画像が表示される2.80秒間に第2枠ボタン21を数回押すことができれば、可動パターンBの可動タイミングt8〜t10において3回、振分可動弁409の先端が位置P2に突出してから位置P2に復帰するまでの間に、保留装置400から排出させた遊技球を振分可動弁409に乗せて、一般入賞口31bに誘導させ易くなる。その結果、ゲームの難易度として「易しい」が選択されて、保留装置400に5球の遊技球が保留されれば、遊技に不慣れな遊技者に対しても、一般入賞口31bへの入賞による賞球獲得の利益を受け易くすることができる。なお、実施例2の可動パターン示唆演出でも同様に難易度を付けて、遊技者が遊技中に難易度を選択できるようにしてもよい。
[11]実施例2では、保留部403の遊技球が保留されているか否かを検出するマイクロスイッチ418を設けたが、保留部403に保留される遊技球の数を検出する手段を設けてもよい。例えば、保留部403への入り口部に保留部403に入る遊技球を検出する通過検出センサを1つ設け、排出阻止弁406の下方に保留部403から排出される遊技球を検出する通過検出センサを1つ設ける。サブ制御装置262のCPU551は、保留部403に入る遊技球のカウント数と、保留部403から排出される遊技球のカウント数とから、保留部403に保留されている遊技球の数を計数する機能を備える。このように、保留装置400に保留される数に応じて可動パターン示唆演出を表示するか否かを決定してもよい。
[12]実施例1,2では、可変入賞装置32は、右打ち遊技によって遊技球が発射された場合に遊技球が入球可能となる位置に配置されていたが、左打ち遊技および右打ち遊技いずれによって遊技球が発射された場合にも遊技球が入球可能となる位置に配置されてもよい。
[13]実施例1,2では、振分可動弁409の可動パターンは、1種類の可動周期の繰り返しであったが、複数種類の可動周期を設けても構わない。例えば、遊技者が遊技を終了するごとに、可動周期の種類が変わるような設定でも構わない。この場合、可動周期の種類が変わるごとに、可動タイミングと楽曲のリズムとを合わせる必要があるので、可動パターン示唆演出において使用される楽曲を異ならせてもよいが、同じ楽曲において異なる部分を使用してもよい。このように可動周期の種類が増えることによって、可動周期の可動タイミングを遊技者に予測し難くすることができる。
[14]実施例1,2では、可動パターン示唆演出は、装飾図柄の変動表示が行われる第3図柄表示装置42に表示していたが、第3図柄表示装置42とは別個の表示装置において可動パターン示唆演出を実行しても構わない。また、可動パターン示唆演出は、液晶表示装置による画像表示演出に限らず、ある役物の動作タイミングを示唆タイミングに対応させるなどしても構わない。
[15]実施例6,7,9,10では、図74,図80,図92,図95に示すように、調整演出が実行される時間の長さが異なる複数種類(1秒〜15秒までの15種類)の調整演出が容易されていたが、調整演出が実行される時間の長さを固定とする替わりに、可動パターン示唆演出が実行される時間の長さが異なる複数種類の可動パターン示唆演出を用意しても構わない。複数種類の可動パターン示唆演出は、例えば、16秒〜30秒までの15種類の可動パターン示唆演出を有し、示唆タイミングを含まない開始1秒〜15秒後の期間、示唆タイミングを含む開始16秒〜30秒間の期間とで構成され、開始1秒〜15秒後の期間では第2枠ボタン21を押下しても排出阻止弁405の駆動を伴わないリズムゲームが行われるようにしてもよい。このように時間の長さが異なる複数種類の可動パターン示唆演出を用意しても、操作要求画像が表示されるタイミングを、振分可動弁409が突出位置にくるタイミングに合わせた操作演出を第3図柄表示装置42に表示することができる。
[16]実施例6,7,9,10では、図74,図80,図92,図95に示すように、調整演出は、可動パターン示唆演出が実行される時間の長さと同じ長さ(15秒間)の調整演出を含んでいたが、調整演出は、15秒間の調整演出を含まなくてもよい。この場合、実施例6,7,9,10において15秒間の調整演出が実行されていた条件下では、調整演出を実行しないで可動パターン示唆演出を開始する。すなわち、この変形例では、可動パターン示唆演出の時間の長さ(15秒)よりも短い時間の長さの可動パターン示唆演出が複数種類(1秒〜14秒の14種類)用意されている。これにより、この変形例では、実施例6,7,9,10のように、1秒〜15秒の15種類の調整演出を用意していた場合よりも、メモリの使用量を低減できる。
[17]本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球など遊技球を使用する各種遊技機として実施するようにしてもよい。
[18]発明を実施すための形態、各実施例1〜10、及び、上述の変形実施例に記載された発明は、各々相反するものでない限り、適宜変更や置換や削除や組み合わせなどした構成とすることも可能である。