図1は、本発明のパチンコ機1の正面図であり、図2は、パチンコ機1の裏面図であり、図3は、パチンコ機1が有する遊技盤20の概略構成図であり、図4は、パチンコ機1の電気的な構成を示すブロック図である。本実施例では、始動口に遊技球が入球したことを契機として特別図柄の変動表示を開始し、当該特別図柄が所定の大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技を開始する、いわゆるセブン機タイプ(第1種タイプ)の遊技機に本発明を適用した例について説明する。
[パチンコ機1の外観構成]
本実施例のパチンコ機1は、図1に示すように、前面枠(ガラス枠)3に嵌め込まれたガラス板(透明板)4を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤20と、遊技球を貯留する上受け皿11および下受け皿12と、上受け皿11に貯留されている遊技球を遊技盤20へ発射するための発射ハンドル13と、を備える。本実施例のパチンコ機1は、プリペイドカードに対応したCR機であり、当該パチンコ機1の左側には、プリペイドカードの読み書きを行なうためのCRユニット50が設けられている。
前面枠3は、内枠5に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として内枠5に対して開閉可能となっている。また、内枠5は、外枠2に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として外枠2に対して開閉可能となっている。前面枠3と内枠5は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。一方、外枠2は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、遊技ホールの島設備の島枠に固定される。
前面枠3の上部左右には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に対して注意喚起するための警告音を鳴らしたりするスピーカ14が設けられている。また、前面枠3には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ(ランプ)15が複数設けられている。
上受け皿11には賞球や貸球が払い出されるようになっている。上受け皿11の上面右部には、CRユニット50に挿入されたプリペイドカードの残高等を表示する精算表示装置52が配設され、当該精算表示装置52には、遊技球の貸し出しを指示する球貸ボタン53と、CRユニット50に挿入されているプリペイドカードの精算(返却)を指示する精算ボタン54と、が設けられている。また、上受け皿11の上面中央部には、遊技者の操作に応じて各種演出を行なうための演出ボタン16が配設されている。下受け皿12は上受け皿11から溢れた球を受けることができるようになっている。
パチンコ機1の裏側の内枠5には、図2に示すように、球タンク77とタンクレール78と払出装置72とが設けられている。払出装置72は、遊技盤20に設けられる各入賞口に遊技球が入球すると、予め定められた数の遊技球を、賞球として、球タンク77からタンクレール78を介して上受け皿11に払い出す。また、払出装置72は、球貸ボタン53が操作されると、貸球を上受け皿11に払い出す。
発射ハンドル13は、下受け皿12の右方に設けられており、遊技者により時計回りに回動操作されると、図示しない発射装置が有する発射モータ83(図4参照)が作動し、発射ハンドル13の回動操作量に応じた発射威力で遊技球を1球ずつ遊技盤20へ向けて打ち出す。
[遊技盤20の構成]
遊技盤20は、図3に示すように、外レール21aと内レール21bとによって囲まれる遊技領域21が形成されている。この遊技盤20は、遊技領域21の略中央部に設けられた演出表示装置37と、演出表示装置37の周囲に配置されたワープ入口やワープ樋,ステージ等を含むセンター役物38と、センター役物38の右方に配置された普通図柄作動ゲート22と、センター役物38の下方に配置された常時開放の第1始動口23と、普通図柄作動ゲート22の下方に配置された開閉式の第2始動口24と、遊技領域21の右下部に配置された大入賞口25と、遊技領域21の左下部に配置された常時開放の普通入賞口27と、何れの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口29と、を備える。また、遊技盤20には、遊技領域21を流下する遊技球をガイドしたり弾いたりする多数の釘21cが植設されている。
第2始動口24は、普通電動役物として構成される可変式の入球口であり、左右一対の開閉羽根(開閉部材)24bと、開閉羽根24bを作動させる第2始動口ソレノイド24c(図4参照)と、を備える。この第2始動口24は、通常は、開閉羽根24bが直立して遊技球の入球が困難な閉鎖状態とされており、普通図柄が当り図柄で停止表示されて当り遊技(普通図柄当り遊技)が実行されるときに、第2始動口ソレノイド24cによって開閉羽根24bが左右に開くことにより、遊技球の入球が容易な開放状態とされる。第2始動口24には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第2始動口スイッチ24aが取り付けられている。第2始動口24は、第2始動口スイッチ24aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。
大入賞口25は、特別電動役物として構成される可変式の入球口であり、開閉板(開閉部材)25bと、開閉板25bを作動させる大入賞口ソレノイド25c(図4参照)と、を備える。この大入賞口25は、通常は、開閉板25bによって塞がれて遊技球の入球が不能な閉鎖状態とされており、特別図柄が大当り図柄で停止表示されて大当り遊技が実行されるときに、大入賞口ソレノイド25cによって開閉板25bが手前に開くことにより、遊技球の入球が可能な開放状態とされる。大入賞口25には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための大入賞口スイッチ25aが取り付けられている。大入賞口25は、基本的には、大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を9個カウントするか、9個カウントする前に所定の開放時間(例えば、28.0秒)が経過すると閉鎖される(ラウンド遊技)。大当り遊技は、上記ラウンド遊技を予め定められた所定回数(例えば4回または10回)繰り返すことにより行なう。
第1始動口23は、遊技者が遊技球を遊技領域21の左側領域(第1遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる左打ち)することにより遊技球を入球させることができる。一方、第2始動口24および大入賞口25は、左打ちによって遊技球を入球させることは不可能であり、遊技球を遊技領域21の右側領域(第2遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる右打ち)することにより遊技球を入球させることができる。もっとも、第2始動口24および大入賞口25は、可変式の入賞口であるから、それぞれ、普通図柄が当選した場合,特別図柄が大当りで当選した場合に開放されてはじめて遊技球が入球可能となる。
遊技盤20の右下部には、第1特別図柄表示装置(第1特図表示装置)31と、第2特別図柄表示装置(第2特図表示装置)32と、第1特別図柄保留数表示装置(第1特図保留数表示装置)33と、第2特別図柄保留数表示装置(第2特図保留数表示装置)34と、普通図柄表示装置(普図表示装置)35と、普通図柄保留数表示装置(普図保留数表示装置)36と、が配置されている。
第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、本実施例では、7セグメント表示装置として構成されており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数種類の表示態様を表現する。第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、始動口への遊技球の入球に基づいて表示態様を順次切り替えることにより特別図柄の変動表示を開始し、所定の変動時間が経過したときに予め定められた複数の停止表示態様の何れかで停止表示することにより特別図柄を停止表示する。そして、特別図柄が所定の停止表示態様(大当り図柄)で停止表示されると、大当り遊技が実行される。第1特図表示装置31は、第1始動口23への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第1始動口入球用の表示装置であり、第2特図表示装置32は、第2始動口24への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第2始動口入球用の表示装置である。なお、第1特図表示装置31により表示される特別図柄を第1特別図柄(第1特図)とも呼び、第2特図表示装置32により表示される特別図柄を第2特別図柄(第2特図)とも呼ぶ。
なお、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中に第1始動口23に遊技球が入球した場合、第1特別図柄の変動表示を所定数(実施例では4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第1特別図柄の変動表示を順次開始する。第1特別図柄の保留数は、第1特図保留数表示装置33に表示される。また、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中に第2始動口24に遊技球が入球した場合も、第2特別図柄の変動表示を所定数(例えば、4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第2特別図柄の変動表示を順次開始する。第2特別図柄の保留数は、第2特図保留数表示装置34に表示される。
普図表示装置35は、本実施例では、複数の表示部を有するLED表示装置として構成されている。普図表示装置35は、普通図柄作動ゲート22に設けられたゲートスイッチ22aが遊技球を検知したことに基づいて、複数の表示部のそれぞれについて点灯と消灯とを繰り返すことにより普通図柄を変動表示し、所定の変動時間が経過すると、複数の表示部のそれぞれについて点灯あるいは消灯することにより普通図柄を停止表示する。そして、複数の表示部のうち特定の表示部が点灯している場合が当り図柄となり、それ以外の場合が外れ図柄となる。普通図柄が当り図柄で停止表示されると、第2始動口24が開放される。
なお、本実施例では、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート22を通過したときには、普通図柄の変動表示を所定数(例えば、4個)まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留している普通図柄の変動表示を順次開始する。普通図柄の保留数は、普図保留数表示装置36に表示される。
演出表示装置37は、液晶ディスプレイ等により構成される画像表示装置であり、表示画面上で特別図柄に対応する演出図柄(疑似図柄)371L,371C,371Rの表示の他、リーチ演出や予告演出、示唆演出等の様々な演出表示を行なう。図5は、演出表示装置37の演出表示の一例を示す説明図である。図示するように、演出表示装置37の表示画面の中央部には、数字や英字、文字、記号、キャラクタ等(図の例では、数字)からなる左,中,右の3つの演出図柄371L,371C,371Rが表示される。3つの演出図柄371L,371C,371Rは、始動口(第1始動口23または第2始動口24)に遊技球が入球すると、上から下へスクロールするように変動表示され、所定の変動時間が経過すると、左,右,中の順に停止表示される。右の演出図柄371Rが停止表示されたときに当該右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致しなかったときには、外れ(通常外れ)となる。一方、右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致したときには、リーチとなり、リーチ演出に移行する。そして、当該リーチ演出を経て中の演出図柄371Cが停止表示されたときに当該中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致しなかったときには、外れとなり(リーチ外れ)、中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致したときには、大当りとなる。なお、演出表示装置37の表示画面には、演出内容に応じて表示態様(表情)が変化するキャラクタ図柄373が表示される。
また、演出表示装置37の表示画面の隅部(下部)には、図5に示すように、第1および第2保留図柄372a,372bも表示される。第1保留図柄372aは、第1特別図柄の保留記憶に対応する図柄である。第1保留図柄372aは、特別図柄の変動表示中等に第1始動口23に遊技球が入球する毎に右側から順に1つずつ追加表示され、第1特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から1つずつ消去される。また、第2保留図柄372bは、第2特別図柄の保留記憶に対応する図柄である。第2保留図柄372bは、特別図柄の変動表示中等に第2始動口24に遊技球が入球する毎に右側から順に1つずつ追加表示され、第2特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から1つずつ消去される。
[制御回路の構成]
また、パチンコ機1は、図4に示すように、その制御回路として、主制御装置60と、払出制御装置70と、発射制御装置80と、サブ統合制御装置90と、演出表示制御装置91と、電源基板95(図2参照)と、を備える。主制御装置60は、CPU60aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU60aの他に、処理プログラムやテーブルを記憶するROM60b,処理プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM60c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。なお、図示しないが、払出制御装置70や発射制御装置80も同様に、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPUの他に、ROM,RAM,入出力ポート,通信ポートなどを備える。また、パチンコ機1には外部接続端子板65が設けられており、外部接続端子板65により遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータ100(図4参照)へ送信される。
主制御装置60は、遊技の基本的な進行の制御を行なうものである。図4に示すように、主制御装置60には、前面枠3の開放を検知する前面枠開放スイッチ3aや、内枠5の開放を検知する内枠開放スイッチ5a等からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力される。また、主制御装置60には、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過を検知するゲートスイッチ22aや、第1始動口23への遊技球の入球を検知する第1始動口スイッチ23a、第2始動口24への遊技球の入球を検知する第2始動口スイッチ24a、大入賞口25への遊技球の入球を検知する大入賞口スイッチ25a、普通入賞口27への遊技球の入球を検知する普通入賞口スイッチ27a等からの検知信号が遊技盤中継端子板61を介して入力される。更に、主制御装置60には、確率設定スイッチ98やRAMクリアスイッチ99からの操作信号が直接に入力される。一方、主制御装置60からは、第2始動口ソレノイド24cや大入賞口ソレノイド25c等への駆動信号が遊技盤中継端子板61を介して出力される。また、主制御装置60からは、第1特図表示装置31や第2特図表示装置32、第1特図保留数表示装置33、第2特図保留数表示装置34、普図表示装置35、普図保留数表示装置36等への表示信号が図柄表示装置中継端子板62を介して出力される。更に、主制御装置60からは、ホールコンピュータ100への信号が裏配線中継端子板64および外部接続端子板65を介して出力される。
確率設定スイッチ98とRAMクリアスイッチ99は、図2に示すように、パチンコ機1の裏側の主制御装置60に設けられる。確率設定スイッチ98は特別図柄の大当り確率を設定するためのスイッチであり、RAMクリアスイッチ99はRAMクリアを実行するためのスイッチである。また、本実施例のRAMクリアスイッチ99は、特別図柄の大当り確率の設定値の選択にも用いられる。すなわち、確率設定スイッチ98およびRAMクリアスイッチ99は、特別図柄の大当り確率としてそれぞれ異なる大当り確率が割り当てられた6つの設定値(設定1〜6)の何れかを選択してセットするために用いられる。遊技ホールの管理者は、所定の鍵を確率設定スイッチ98に挿入して回転させると共にRAMクリアスイッチ99を押下した状態で電源を投入する。すると、パチンコ機1は、RAMクリアが行われて設定値の変更が可能な状態となる。パチンコ機1がこの状態になると、管理者は、RAMクリアスイッチ99を押下することにより、設定1〜6の中から所望の設定値を選択することができる。本実施例では、パチンコ機1は、RAMクリアスイッチ99が押下される度に、第1特図表示装置31に現在選択されている設定値に対応する「1」〜「6」の数字を順番に表示する。このため、管理者は、第1特図表示装置31に表示される数字が所望の設定値に対応する数字となるようにRAMクリアスイッチ99の押下を繰り返すことにより、所望の設定値を選択することができる。RAMクリアスイッチ99の操作によって選択された設定値は、管理者が確率設定スイッチ98に挿入した鍵を回転させて初期位置に戻すことにより確定され、特別図柄の大当り確率としてセットされる。管理者は、こうした操作を行なうことにより、パチンコ機1ごとに、設定1〜6の何れかをセットすることができる。なお、本実施例では、確率設定スイッチ98およびRAMクリアスイッチ99を用いて設定値の選択およびセットを行なう構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、回転つまみ等、外部から操作できるものであれば、他の如何なる操作手段を用いて設定値の選択やセットを行なう構成であってもよく、設定値を選択するための専用のスイッチを設ける構成であってもよい。また、パチンコ機1は、現在選択されている設定値に関する情報を第1特図表示装置31に表示するものとしたが、これに限定されるものではなく、他の表示装置に表示してもよいし、音声により報知してもよい。例えば、設定値を表示可能な表示装置をパチンコ機1の裏側の主制御装置60に設けてもよく、その表示装置を設定値の表示専用の装置としてもよい。また、設定値は設定1〜6の6つに限られず、複数の設定値のうちから選択可能なものであれば幾つであっても構わない。
払出制御装置70は、賞球や貸球の払い出しに関する制御を司るものである。この払出制御装置70には、上受け皿11に払い出す遊技球を貯留するための図示しない球タンクの球切れを検知する球切れスイッチ76からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力され、上受け皿11に払い出される遊技球を検知する払出スイッチ74からの検知信号が払出中継端子板71および裏配線中継端子板64を介して入力され、下受け皿12の満杯を検知する満杯スイッチ75からの検知信号が直接に入力される。一方、払出制御装置70からは、払出モータ73への駆動信号が裏配線中継端子板64および払出中継端子板71を介して出力される。払出制御装置70は、主制御装置60と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置60から送信されるコマンドに従って払出モータ73を駆動して賞球の払い出しを行なう。払出制御装置70は、球切れスイッチ76および満杯スイッチ75の何れかから検知信号を入力すると、その検知の状況が解消して検知信号を入力しなくなるまで、払出モータ73を駆動停止し、賞球の払出動作を中断する。
また、払出制御装置70は、CRユニット端子板51を介してCRユニット50と通信可能に構成されている。CRユニット端子板51は精算表示装置52と双方向通信が可能に構成されており、払出制御装置70には、精算表示装置52に設けられた球貸スイッチ53aや精算スイッチ54aからの検知信号がCRユニット端子板51を介して入力される。なお、球貸スイッチ53aは、球貸ボタン53の操作を検知して検知信号を出力するものであり、精算スイッチ54aは、精算ボタン54の操作を検知して検知信号を出力するものである。払出制御装置70は、球貸コマンドを入力すると、払出モータ73を駆動して貸球の払い出しを行なう。また、払出制御装置70は、発射制御装置80とも双方向通信が可能に構成され、満杯スイッチ75から検知信号を入力する等の所定の発射停止条件が成立したときに、発射制御装置80に対して発射停止コマンドを送信する。
発射制御装置80は、遊技領域21への遊技球の発射に関する制御を司るものである。この発射制御装置80には、発射ハンドル13の回動操作に応じて出力される回動量信号や、発射停止ボタンの操作を検知する発射停止スイッチ81からの発射停止信号、遊技者が発射ハンドル13に触れていることを検知するタッチスイッチ82からのタッチ信号等が入力される。一方、発射制御装置80からは、発射モータ83への駆動信号が出力される。発射制御装置80は、回動量信号に基づく発射強度で遊技球が遊技領域21へ発射されるよう発射モータ83を制御する。なお、発射制御装置80は、タッチ信号を入力していないときや発射停止コマンドを入力しているときには、発射ハンドル13の操作に拘わらず発射モータ83の駆動を停止し、遊技球を発射させない。
サブ統合制御装置90は、遊技の演出に関する制御を司るものである。サブ統合制御装置90は、CPU90aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU90aの他に、ROM90b,RAM90c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。このサブ統合制御装置90は、演出中継端子板63を介して主制御装置60から一方向通信により各種コマンドを受信可能となっており、受信したコマンドに応じた演出制御を行なう。サブ統合制御装置90には、演出ボタン16の操作(押下)を検知する演出ボタンスイッチ16aからの検知信号が入力される。一方、サブ統合制御装置90からは、スピーカ14への音声信号や各種LEDやランプ15への点灯信号が出力される。また、サブ統合制御装置90からは、演出表示制御装置91への演出表示制御用のコマンドが一方向通信により出力される。演出表示制御装置91は、サブ統合制御装置90からの演出表示制御用のコマンドを受信し、そのコマンドに応じた演出画像が演出表示装置37に表示されるよう当該演出表示装置37の表示制御を行なう。
電源基板95は、外部のAC電源からの交流電圧を直流電圧に変換する直流電源であり、図示しない電源スイッチの操作によってパチンコ機1の各部に電力を供給する。電源基板95は、コンデンサ等により構成されるバックアップ電源を備え、AC電源から供給される電力をバックアップ電源に蓄電する。これにより、AC電源からの電力の供給が遮断される停電時に、バックアップ電源からの電力が主制御装置60のRAM60c等に供給され、主制御装置60のRAM60c内のデータ等が一定時間に亘って保持される。
[パチンコ機1の遊技の概要]
次に、こうして構成されたパチンコ機1における遊技の概要について説明する。図6は、パチンコ機1の仕様を説明する説明図である。本実施例のパチンコ機1では、特別図柄の大当り確率は、遊技状態と設定値とによって異なる。すなわち、遊技状態が通常遊技状態である場合、設定1の大当り確率は、1/209.38であり、設定2の大当り確率は、1/204.80であり、設定3の大当り確率は、1/199.80であり、設定4の大当り確率は、1/193.89であり、設定5の大当り確率は、1/187.25であり、設定6の大当り確率は、1/179.55である。一方、遊技状態が確変遊技状態である場合、設定1の大当り確率は、1/88.20であり、設定2の大当り確率は、1/86.23であり、設定3の大当り確率は、1/84.13であり、設定4の大当り確率は、1/81.72であり、設定5の大当り確率は、1/78.86であり、設定6の大当り確率は、1/75.68である。また、普通図柄の当り確率は、遊技状態によって異なる。すなわち、遊技状態が通常遊技状態である場合、普通図柄の当り確率は、1/250である。一方、遊技状態が確変遊技状態である場合、普通図柄の当り確率は、1/1(100%)である。大当りが発生すると、4ラウンドの大当り遊技(上記ラウンド遊技が4回繰り返される大当り遊技)または10ラウンドの大当り遊技(上記ラウンド遊技が4回繰り返される大当り遊技)が実行される。そして、大当り遊技終了後の遊技状態は、50%の確率で、確変遊技状態となる。確変遊技状態は、大当り遊技終了後、特別図柄が100回変動するまで継続する。また、確変遊技状態が発生すると、時短遊技状態も発生する。時短遊技状態は、特別図柄が100回変動するまで継続する。すなわち、本実施例では、時短遊技状態は、確変遊技状態の発生と共に発生し、確変遊技状態の終了と共に終了する。
こうした仕様のパチンコ機1において、左打ち(第1遊技領域への遊技球の発射)により第1始動口23に遊技球が入球すると、第1特別図柄の変動表示が開始される。そして、第1特別図柄が大当り図柄で停止表示されると、大当りとなり、大入賞口25が開放される大当り遊技が実行される。大入賞口25は、左打ちでは遊技球の入球が不可能であり、右打ち(第2遊技領域への遊技球の発射)することにより遊技球の入球が可能となる。したがって、大当り遊技が実行されると、遊技者は右打ちすることにより大当り遊技が消化されることになる。なお、特別図柄の当り図柄に、大入賞口25の開放時間が大当り遊技よりも短い小当り遊技が実行される小当り図柄を含めてもよい。
大当り図柄には、通常大当り図柄と確変大当り図柄とがあり、特別図柄が通常大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技の終了後の遊技状態は通常遊技状態となり、特別図柄が確変大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技の終了後の遊技状態は確変遊技状態となる。確変遊技状態では、特別図柄の変動表示が所定回数(100回)実行されるまで、特別図柄の当選確率(大当り確率)が通常遊技状態よりも高くなる。また、確変遊技状態が発生すると、時短遊技状態も発生し、普通図柄の変動時間が通常遊技状態よりも短縮される他、普通図柄の当選確率が通常遊技状態よりも高くなり、普通図柄が当選したときの第2始動口24の開放時間が通常遊技状態よりも延長される。したがって、確変遊技状態(時短遊技状態)では、遊技者は、右打ちすることにより、持ち球の減りを抑制しつつ大当りを有利に発生させることができ、短時間で多くの出玉を獲得できるチャンスとなる。
[主制御処理]
次に、パチンコ機1の動作、特に主制御装置60の動作について更に詳細に説明する。図7は、主制御装置60のCPU60aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機1の電源スイッチが操作されたときに実行される。主制御処理は、パチンコ機1の電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S10)、乱数更新処理(S20)と、入賞確認処理(S30)と、始動入賞処理(S40)と、普通図柄遊技処理(S50)と、普通図柄当り遊技処理(S60)と、特別図柄遊技処理(S70)と、大当り遊技処理(S80)と、を繰り返し実行することにより行なわれる。なお、本実施例では、S20〜S80の処理に要する時間は約2msecであり、これらの処理は、約2msecの間隔で繰り返し実行される。主制御装置60は、主制御処理の実行により、各種コマンドを担当する制御装置に送信してコマンドに応じた処理を実行させることで、パチンコ機1の全体の遊技を進行させている。
[電源投入処理]
図8は、電源投入処理の一例を示すフローチャートである。S10の電源投入処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、セキュリティチェックが完了し、RAM60cへのアクセスが許可されると(S100)、バックアップフラグがOFFであるか否か(S102)、RAMクリア信号がOFFであるか否か(S104)、をそれぞれ判定する。バックアップフラグがOFFであると判定するか、バックアップフラグはONであるがRAMクリア信号がONであると判定すると、初期状態から起動する。即ち、まず、スタックの設定処理を行なう(S106)。続いて、確率設定スイッチ98でセットされた設定値を読み出し(S108)、RAM60cの作業領域をクリアして初期化する初期化処理を行なう(S110)。上述したように、確率設定スイッチ98およびRAMクリアスイッチ99が操作されながら電源オンされていれば、RAMクリアした状態となり、設定1〜6の中からRAMクリアスイッチ99により選択されて確率設定スイッチ98によりセットされた一の設定値が有効化される。そして、払出制御装置70とサブ統合制御装置90とにそれぞれ対応する初期コマンドを送信して(S112)、電源投入処理を終了する。一方、S102,S104でバックアップフラグがONで且つRAMクリア信号がOFFであると判定すると、電源遮断直前の状態から起動する。即ち、RAM60cに記憶保持された遊技情報を読み出し、当該遊技情報に従って遊技を再開する電源復帰処理を行なって(S114)、電源投入処理を終了する。ここで、電源遮断直前の遊技情報は、電源遮断直前に進行していた遊技の状態を示す情報であり、当該遊技情報には、入球数や保留数、特別遊技に関する情報が含まれる。電源投入処理を終了すると、主制御処理に戻って次の乱数更新処理(S20)に進む。
[乱数更新処理]
S20の乱数更新処理は、各種判定用乱数を更新する処理である。判定用乱数としては、例えば、始動口(第1始動口23または第2始動口24)への遊技球の入球に基づいて行なわれる大当り判定(当否判定)に用いる大当り判定用乱数(特別図柄当否判定用乱数)や、大当り判定の結果が大当りであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる大当り図柄の決定に用いる大当り図柄決定用乱数、大当り判定の結果が外れであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる外れ図柄の決定に用いる外れ図柄決定用乱数、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過に基づいて行なわれる当否判定に用いる普通図柄当否判定用乱数などを挙げることができる。乱数更新処理を終了すると、主制御処理に戻って次の入賞確認処理(S30)に進む。
[入賞確認処理]
S30の入賞確認処理は、各種センサ(第1始動口スイッチ23aや第2始動口スイッチ24a、ゲートスイッチ22a、大入賞口スイッチ25a、普通入賞口スイッチ27aなど)の状態を検知してRAM60cの所定の状態記憶領域に保存する。また、賞球に関わるスイッチ(ゲートスイッチ22aを除く上記入賞口スイッチ)により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM60cの所定の賞球情報記憶領域に保存する。そして、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御装置70に送信して入賞確認処理を終了する。払出制御装置70は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ73を駆動して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出スイッチ74により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入球が検知されて主制御装置60から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返される。入賞確認処理を終了すると、主制御処理に戻って次の始動入賞処理(S40)に進む。
[始動入賞処理]
図9は、始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。S40の始動入賞処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、第1始動口スイッチ23aからの検知信号を入力して第1始動口23に遊技球が入球したか否かを判定する(S200)。第1始動口23に遊技球が入球したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新し(S204)、第1特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S206)。ここで、S206で取得される判定用乱数としては、上述した大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数など第1特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。そして、第1特別図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S208)、S210の処理に進む。第1特別図柄保留数指示コマンドには、演出表示装置37に第1保留図柄372aを表示させるための第1特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S200で第1始動口23に遊技球が入球していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限数に達していると判定したりすると、S204〜S208の処理をスキップして次のS210の処理に進む。
次に、第2始動口スイッチ24aからの検知信号を入力して第2始動口24に遊技球が入球したか否かを判定する(S210)。第2始動口24に遊技球が入球したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数(第2特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S212)。第2特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新し(S214)、第2特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S216)。ここで、S216で取得される判定用乱数としては、上述した大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数など第2特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。そして、第2特別図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S218)、S220の処理に進む。第2特別図柄保留数指示コマンドには、演出表示装置37に第2保留図柄372bを表示させるための第2特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S210で第2始動口24に遊技球が入球していないと判定したり、S212で第2特別図柄の保留数が上限数に達していると判定したりすると、S214〜S218の処理をスキップして次のS220の処理に進む。
次に、ゲートスイッチ22aからの検知信号を入力して普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したか否かを判定する(S220)。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したと判定すると、現在の普通図柄の保留数がその上限数(例えば、値4)よりも少ないか否かを判定する(S222)。普通図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、普通図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に普図保留数表示装置36の表示を更新する(S224)。次に、普通図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S226)。なお、普通図柄の判定用乱数としては、上述した普通図柄当否判定用乱数などの普通図柄の変動遊技の進行に関する情報を例示することができる。そして、普通図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S228)、始動入賞処理を終了する。S220で普通図柄作動ゲート22に遊技球が通過していないと判定したり、S222で普通図柄の保留数が上限値に達していると判定したりすると、S224〜S228の処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理を終了すると、主制御処理に戻って次の普通図柄遊技処理(S50)に進む。
[普通図柄遊技処理]
図10は、普通図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S50の普通図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、普通図柄当りフラグ(普図当りフラグ)が値1、すなわち普通図柄当り遊技中であるか否かを判定する(ステップS300)。普図当りフラグが値1であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。普通図柄遊技処理が終了すると、次のS60の普通図柄当り遊技処理に進む。一方、普図当りフラグが値1でないと判定すると、普通図柄が変動表示中であるか否か(S302)、普通図柄の確定図柄の表示時間中であるか否か(S304)、をそれぞれ判定する。普通図柄が変動表示中でなく、その確定図柄の表示時間中でもないと判定すると、普通図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S306)。普通図柄の保留数が値0よりも多くない、すなわち値0であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。一方、普通図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている普通図柄判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S308)、普通図柄の変動表示を行なうための普通図柄変動表示関連処理を実行して(S310)、普通図柄遊技処理を終了する。以下、S310の普通図柄変動表示関連処理の詳細について図11のフローチャートを用いて説明する。
普通図柄変動表示関連処理では、時短フラグが値0であるか否か、すなわち現在の遊技状態が時短遊技状態でないかを判定する(S350)。時短フラグは、現在の遊技状態が時短遊技状態であるかを示すフラグである。時短フラグが値0であると判定すると、現在の遊技状態が時短遊技状態でないと判断し、取得した普通図柄当否判定用乱数に基づいて低確率用普通図柄当り判定テーブルを用いて当否判定を行ない(S352)、時短フラグが値0でなく値1であると判定すると、現在の遊技状態が時短遊技状態であると判断し、取得した普通図柄当否判定用乱数に基づいて高確率用普通図柄当り判定テーブルを用いて当否判定を行なう(S354)。普通図柄の当否判定は、普通図柄当否判定用乱数と普通図柄当り判定テーブルに含まれる当り値とを比較することにより行い、普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致したときには当りと判定し、一致しなかったときには外れと判定する。高確率用普通図柄当り判定テーブルは、低確率用普通図柄当り判定テーブルに比して、多くの当り値が定められており、本実施例では、当り確率が100%となるように普通図柄当否判定用乱数と同じ数の当り値が定められている。したがって、本実施例では、時短遊技状態では、当否判定処理が実行されると必ず当りと判定される。当否判定の結果、当りと判定すると(S356の「YES」)、普通図柄の確定図柄に当り図柄を設定し(S358)、普通図柄の変動表示を開始してから当り図柄で確定表示するまでの普通図柄の変動時間(当り変動パターン)を決定する(S360)。また、当否判定の結果、外れと判定すると(S356の「NO」)、普通図柄の確定図柄に外れ図柄を設定し(S362)、普通図柄の変動表示を開始してから外れ図柄で確定表示するまでの普通図柄の変動時間(外れ変動パターン)を決定する(S364)。普通図柄の変動時間は、時短遊技状態の方が通常遊技状態よりも短い時間が設定される。こうして普通図柄の確定図柄と変動時間(変動パターン)とを決定すると、普通図柄の変動表示を開始し(S366)、普通図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に普図保留数表示装置36の表示を更新し(S368)、普通図柄の変動開始コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S370)、普通図柄遊技処理を終了する。
図10の普通図柄遊技処理に戻って、普通図柄の変動表示を開始すると、次に普通図柄遊技処理が実行されたときに、主制御装置60のCPU60aは、S302で普通図柄が変動表示中であると判定するため、次に、S360またはS364で決定した普通図柄の変動時間が経過(変動パターンが終了)したか否かを判定する(S312)。普通図柄の変動時間が経過していないと判定すると、普通図柄遊技処理を一旦終了し、普通図柄の変動時間が経過したと判定すると、変動表示中の普通図柄の確定図柄を表示する確定図柄表示処理を行なう(S314)。そして、確定図柄表示時間(例えば0.5秒)が経過したか否かを判定する(S316)。確定図柄表示時間が経過していないと判定すると、普通図柄遊技処理を一旦終了する。普通図柄の確定図柄が表示された後に、普通図柄遊技処理が実行されると、S304で確定図柄の表示時間中であると判定するため、再びS316で確定図柄表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄表示間が経過したと判定すると、確定図柄の表示を終了する(S318)。
そして、普通図柄の確定図柄が当り図柄であるか否かを判定する(S320)。普通図柄の確定図柄が当り図柄でなく外れ図柄であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。一方、普通図柄の確定図柄が当り図柄であると判定すると、普通図柄当りフラグ(普図当りフラグ)に値1を設定して(S322)、普通図柄遊技処理を終了する。普通図柄遊技処理を終了すると、次のS60の普通図柄当り遊技処理に進む。
[普通図柄当り遊技処理]
図12は、普通図柄当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S60の普通図柄当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、普図当りフラグが値1であるか否かを判定する(S400)。普図当りフラグが値1でなく値0であると判定すると、普通図柄当り遊技処理を終了する。一方、普図当りフラグが値1であると判定すると、第2始動口24が開放中であるか否かを判定する(S402)。第2始動口24が開放中でないと判定すると、開放待ち時間が経過したか否かを判定する(S404)。開放待ち時間が経過していないと判定すると、普通図柄当り遊技処理を終了する。一方、開放待ち時間が経過したと判定すると、第2始動口24の開放パターンを設定すると共に(S406)、設定した開放パターンで第2始動口24が開放するよう第2始動口ソレノイド24cを制御して(S408)、普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。第2始動口24の開放パターンは、遊技状態によって異なる。本実施例では、遊技状態が通常遊技状態である場合には、最大0.2秒間、1回開放される開放パターンが設定され、遊技状態が時短遊技状態である場合には、最大6.0秒間、1回開放される開放パターンが設定される。
第2始動口24を開放すると、次に普通図柄当り遊技処理を実行したときに、S402で第2始動口24が開放中であると判定するため、第2始動口スイッチ24aからの検知信号に基づいて第2始動口24に遊技球が規定数(例えば4個)入球したか否か(S410)、第2始動口24の開放を開始してからの経過時間がS406で設定した最大開放時間に達したか否か(S412)、をそれぞれ判定する。第2始動口24に遊技球が規定数入球しておらず、第2始動口24の開放を開始してからの経過時間が設定した最大開放時間に達してもいないと判定すると、第2始動口24の開放を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、第2始動口24に遊技球が規定数入球したと判定したり、第2始動口24の開放を開始してからの経過時間が設定した最大開放時間に達したと判定すると、第2始動口24を閉鎖する(S414)。そして、普通図柄当り遊技を終了させるために、普図当りフラグに値0を設定して(S416)、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、次に、S70の特別図柄遊技処理に進む。
[特別図柄遊技処理]
図13および図14は、特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S70の特別図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1であるか否か、即ち大当り遊技中であるか否かを判定する(S500)。大当りフラグが値1であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。なお、特別遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の大当り遊技処理(S80)に進む。一方、大当りフラグが値1でないと判定すると、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが、変動表示中であるか否か(S502)、確定図柄表示中であるか否か(S504)、をそれぞれ判定する。第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中ではなく確定図柄表示中でもないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S506)。第2特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第2特別図柄の判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S508)、第2特別図柄の変動表示を行なうための第2特別図柄変動表示関連処理を実行して(S510)、特別図柄遊技処理を終了する。
一方、第2特別図柄の保留数が値0であると判定すると、第1特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S512)。第1特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第1特別図柄の複数の判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S514)、第1特別図柄の変動表示を行なうための第1特別図柄変動表示関連処理を実行して(S516)、特別図柄遊技処理を終了する。S512で第1特別図柄の保留数が値0であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。S506〜S516では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数がいずれも値0よりも多いときには第2特別図柄の変動表示(保留の消化)が優先して実行される(特図2優先変動)。勿論、これに限定されるものではなく、第1特別図柄の変動表示(保留の消化)を優先して行なうものとしてもよいし(特図1優先変動)、特別図柄の変動表示を始動口(第1始動口23,第2始動口24)への遊技球の入球順に行なうものとしてもよいし(入球順変動)、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して行なうものとしてもよい(同時変動)。以下、S510の第1特別図柄変動表示関連処理およびS516の第2特別図柄変動表示関連処理の詳細について説明する。図15は、特別図柄変動表示関連処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下、重複を避けるため、第1特別図柄変動表示関連処理と第2特別図柄変動表示関連処理とを共通のフローチャートを用いて説明する。
特別図柄変動表示関連処理では、まず、確変フラグが値0であるか否か、即ち通常遊技状態中であるか否かを判定する(S570)。確変フラグが値0(通常遊技状態)であると判定すると、S508またはS514で取得した大当り判定用乱数と設定値に応じた低確率用の当り値とを読み出し(S572)、確変フラグが値0でなく値1(確変遊技状態)であると判定すると、S508またはS514で取得した大当り判定用乱数と設定値に応じた高確率用の当り値とを読み出して(S574)、大当り判定用乱数と当り値とを比較することで大当りか否かを判定する大当り判定を行なう(S576)。大当り判定は、大当り判定用乱数が読み出した当り値のいずれかと一致したときには大当りと判定し、大当り判定用乱数が読み出した当り値のいずれにも一致しなかったときには外れと判定する。ここで、当り値は、設定1〜6のうち現在セットされている設定値と現在の遊技状態(通常遊技状態か確変遊技状態)とに応じたものが読み出される。各設定1〜6には、異なる数の当り値が割り当てられており、設定値1で当り値の数が最も少なく、設定6で当り値の数が最も多くなっている。割り当てられた当り値の数が多いほど特別図柄の大当り確率が高くなるから、設定1は大当り確率が最も低く遊技者に最も不利な設定値となり、設定6は大当り確率が最も高く遊技者に最も有利な設定値となる。
そして、大当り判定処理の結果が大当りであるか否かを判定し(S578)、大当りである場合には、S508またはS514で取得した大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する(S580)。この処理は、大当り図柄決定用乱数を用いて大当り遊技の内容(ラウンド数)や大当り遊技終了後の遊技状態(通常遊技状態,確変遊技状態)が異なる複数の大当り図柄(例えば、4R通常大当り図柄(図柄A)や10R通常大当り図柄(図柄B)、10R確変大当り図柄(図柄C)など)の中から一の図柄を選択することにより行なう。なお、決定した大当り図柄は、大当り遊技終了時まで保存される。これは、大当り遊技中は、遊技状態を設定する確変フラグや時短フラグの値をクリアする必要があることによる措置である。そして、特別図柄の変動表示を開始してから決定した大当り図柄で停止表示するまでの特別図柄の変動時間(大当り変動パターン)を決定する(S582)。
一方、S578で、大当り判定処理の結果が外れであると判定すると、S508またはS514で取得した外れ図柄決定用乱数に基づいて外れ図柄を決定する(S584)。そして、特別図柄の変動表示を開始してから決定した外れ図柄で停止表示するまでの特別図柄の変動時間(外れ変動パターン)を決定する(S586)。なお、S582,S586の特別図柄の変動パターンは、例えば、通常遊技状態のときには、平均変動時間が10秒の第1変動テーブルを用いて決定され、確変遊技状態(時短遊技状態)のときには、平均変動時間が3秒の第2変動テーブルを用いて決定される。
変動パターンを決定すると、特別図柄の変動表示を開始し(S588)、特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に特図保留数表示装置の表示を更新する(S590)。なお、特別図柄の保留数の更新に伴って今回消化する保留に係る判定用乱数をクリアし、残存する保留に係る判定用乱数をシフトするシフト処理を行なう。そして、特別図柄変動開始コマンド(特図変動開始コマンド)をサブ統合制御装置90に送信して(S592)、特別図柄変動表示関連処理を終了する。これらの処理は、第1特別図柄の変動表示を開始する際には、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新した後、第1特別図柄変動開始コマンド(第1特図変動開始コマンド)をサブ統合制御装置90に送信する処理となり、第2特別図柄の変動表示を開始する際には、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新した後、第2特別図柄変動開始コマンド(第2特図変動開始コマンド)をサブ統合制御装置90に送信する処理となる。特図変動指示コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、演出表示装置37で図柄変動演出が開始されるように演出表示制御装置91に制御コマンドを送信する。なお、特図変動開始コマンドには、当否判定の結果や特別図柄の変動パターン(変動時間)、確定図柄(大当り図柄または外れ図柄)などが含まれる。
図13および図14の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後に特別図柄遊技処理が実行されると、S502で第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中と判定するため、主制御装置60のCPU60aは、変動時間が経過したか否かを判定する(S518)。変動時間はS572またはS576で決定した特別図柄の変動パターンに応じて設定されるから、変動時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と、変動パターンに対応する変動時間とを比較することにより行なうことができる。変動時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間が経過していると判定すると、図柄停止コマンドをサブ統合制御装置90に送信すると共に(S520)、変動表示中の特別図柄の確定図柄を表示する(S522)。図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、演出表示装置37で図柄変動演出を終了するように演出表示制御装置91に制御コマンドを送信する。そして、確定図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S524)。ここで、確定図柄表示時間は、本実施例では0.5秒に設定される。確定図柄表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。特別図柄の停止表示がなされた後に、特別図柄遊技処理が実行されると、S504で確定図柄表示中と判定するため、再びS524で確定図柄表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄表示時間が経過していると判定すると、確定図柄の表示を終了し(S526)、確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S528)。
S528で大当り図柄と判定すると、大当りを発生させるために、条件装置の作動を開始すると共に(S530)、役物連続作動装置の作動を開始し(S532)、大当りフラグに値1を設定する(S534)。大当り遊技中には確変機能や時短機能を停止させるために、確変フラグが値1のときには確変フラグを値0とし(S536,S538)、時短フラグが値1のときには時短フラグを値0とし(S540,S542)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S544)、特別図柄遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、大当りフラグの値や確変フラグの値、時短フラグの値が含まれる。特別図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS80の大当り遊技処理に進む。
一方、S528で大当り図柄でなく外れ図柄であると判定すると、確変フラグが値1(確変遊技状態)であるか否かを判定し(S546)、確変フラグが値1でなく値0であると判定すると、S554の処理に進む。確変フラグが値1であると判定すると、確変カウンタを値1だけデクリメントして(S548)、確変カウンタが値0であるか否かを判定する(S550)。ここで、確変カウンタは、確変遊技状態が終了するまでの特別図柄の残り変動回数を示すものであり、確変カウンタには、大当り遊技の終了に際して予め定められた値が設定される。本実施例では、確変大当り図柄での大当り(確変大当り)を契機に、当該大当りの終了後に値100が設定される。したがって、確変大当りを引くと、特別図柄の変動表示が100回実行されるまで確変遊技状態が維持される。確変カウンタが値0でないと判定すると、確変遊技状態を維持したままS554の処理に進み、確変カウンタが値0であると判定すると、確変遊技状態を終了させるために、確変フラグを値0とする(S552)。
次に、時短フラグが値1(時短遊技状態)であるか否かを判定し(S554)、時短フラグが値1でなく値0であると判定すると、S544の処理に進む。時短フラグが値1であると判定すると、時短カウンタを値1だけデクリメントして(S556)、時短カウンタが値0であるか否かを判定する(S558)。ここで、時短カウンタは、時短遊技状態が終了するまでの特別図柄の残り変動回数を示すものであり、時短カウンタには、大当り遊技の終了に際して予め定められた値が設定される。本実施例では、確変大当り図柄での大当り(確変大当り)を契機に、当該大当りの終了後に値100が設定される。したがって、確変大当りを引くと、特別図柄の変動表示が100回実行されるまで時短遊技状態が維持される。本実施例では、確変カウンタと時短カウンタとに同じ値が設定されるため、確変遊技状態と時短遊技状態とは、同時期に終了する。勿論、確変カウンタと時短カウンタとは、それぞれ異なる値が設定されてもよい。時短カウンタが値0でないと判定すると、時短遊技状態を維持したままS544の処理に進み、時短カウンタが値0であると判定すると、時短遊技状態を終了させるために、時短フラグを値0とする(S560)。そして、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S544)、特別図柄遊技処理を終了する。
[大当り遊技処理]
図16および図17は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S80の大当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1(大当り遊技中)であるか否かを判定する(S600)。大当りフラグが値1でなく値0であると判定すると、大当り遊技処理を終了する。一方、大当りフラグが値1であると判定すると、大入賞口25が開放中であるか否か(S602)、大当り遊技開始演出中であるか否か(S604)、大当り遊技終了演出中であるか否か(S606)、開放間インターバル中であるか否か(S608)、一時閉鎖中であるか否か(S610)、をそれぞれ判定する。S602〜S610のいずれも否定的な判定がなされると、大当り遊技開始演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S612)、大当り遊技処理を終了する。大当り遊技開始演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、大当り遊技開始演出を開始する。大当り遊技開始演出が開始されると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S604で大当り遊技開始演出中であると判定されるため、大当り遊技開始演出時間が経過したか否を判定する(S614)。大当り遊技開始演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、大当り遊技開始演出時間が経過したと判定すると、大当り図柄と図18に例示する開放パターンテーブルとに基づいて大入賞口25の開放パターンを設定する開放パターン設定処理を行ない(S616)、設定した開放パターンに従って大入賞口ソレノイド25cの駆動により大入賞口25を開放することによりラウンド遊技を開始して(S618)、大当り遊技処理を終了する。なお、図示しないが、CPU60aは、ラウンド遊技の開始に際して、ラウンド遊技演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信する。
ここで、開放パターンテーブルでは、図18に示すように、ラウンド遊技の実行回数(ラウンド数)と、各ラウンド遊技における大入賞口25の最大開放時間とが設定される。実施例では、大当り図柄が図柄A(4R通常大当り図柄)である場合には、ラウンド数に4回が設定され、大入賞口25の最大開放時間に28秒が設定される。一方、大当り図柄が図柄B(10R通常大当り図柄)である場合と図柄C(10R確変大当り図柄)である場合には、ラウンド数に10回が設定され、大入賞口25の最大開放時間に28秒が設定される。また、ラウンド遊技において、大入賞口25への遊技球の入球数が特定数に達すると、ラウンド遊技を継続させたまま大入賞口25を一時的に(特定時間が経過するまでの間)閉鎖する一時閉鎖処理も行なわれるが、その詳細については後述する。
大入賞口25を開放すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S602で大入賞口25が開放中であると判定されるため、大入賞口スイッチ25aからの検知信号に基づいて大入賞口25への遊技球の入球数が規定数(実施例では9個)に達したか否か(S620)、大入賞口25を開放してからの経過時間(開放時間)が最大開放時間(実施例では、28秒)に達したか否か(S622)、をそれぞれ判定する。大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達しておらず、大入賞口25の開放時間が最大開放時間にも達していないと判定すると、更に、大入賞口25への遊技球の入球数が規定数よりも少ない特定数に達したか否かを判定する(S624)。大入賞口25への遊技球の入球数が特定数に達していないと判定すると、大入賞口25の開放を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大入賞口25の入球数が特定数に達したと判定すると、大入賞口25を一時的に閉鎖する一時閉鎖処理を行なうと共に(S626)、大入賞口25の開放時間の計測を中断する(S628)。そして、大入賞口25の一時閉鎖中に演出表示装置37において所定の演出を行なうための一時閉鎖時演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信する(S630)。一時閉鎖時演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90により行なわれる演出については後述する。
ここで、特定数は、一時閉鎖処理の実行タイミングを規定するものであり、実施例では、大当り図柄と上述した図18の開放パターンテーブルとに基づいて定められる。図18に示すように、一時閉鎖処理は、大当り図柄が図柄B(10R通常大当り図柄)である場合には、ラウンド遊技が開始されてからの計測で大入賞口25に合計3個の遊技球が入球したタイミングで1回実行され、大当り図柄C(10R確変大当り図柄)である場合には、ラウンド遊技が開始されてからの計測で大入賞口25に合計3個の遊技球が入球したタイミングと合計5個の遊技球が入球したタイミングでそれぞれ実行(2回実行)される。一方、大当り図柄が図柄A(4R通常大当り図柄)である場合には、特定数が設定されていないため、一時閉鎖処理は実行されない。このように、実施例では、大当り遊技として、遊技球の入球数が特定数に達したときに一時閉鎖処理が行なわれるラウンド遊技を有する大当り遊技と、遊技球の入球数が特定数に達しても一時閉鎖処理が行なわれないラウンド遊技を有する大当り遊技とが設けられる。この場合、一の大当り遊技中の全てのラウンド遊技において遊技球の入球数が特定数に達したときに一時閉鎖処理が行なわれる大当り遊技を設けてもよいし、一の大当り遊技中の一部のラウンド遊技(特定のラウンド遊技)において遊技球の入球数が特定数に達したときに一時閉鎖処理が行なわれ残りのラウンド遊技において遊技球の入球数が特定数に達しても一時閉鎖処理が行なわれない大当り遊技を設けてもよいし、一の大当り遊技中の全てのラウンド遊技において遊技球の入球数が特定数に達しても一時閉鎖処理が行なわれない大当り遊技を設けてもよい。
また、大当り遊技として、ラウンド遊技の特定数がそれぞれ異なる複数の大当り遊技を設けてもよいし、一の大当り遊技中に特定数が異なる複数のラウンド遊技を設けてもよい。これらの場合、特定数は、大当り図柄の種類や大当り発生時の遊技状態、抽選などによって決定されてもよい。さらに、大当り遊技として、通常の打ち方により遊技球の入球数が特定数に達することが容易な最大開放時間(例えば、28秒)が設定されたラウンド遊技を有する大当り遊技と、通常の打ち方によっても遊技球の入球数が特定数に達することが困難な最大開放時間(例えば、0.2秒)が設定されたラウンド遊技を有する大当り遊技とを設けてもよい。後者の場合、実質的には一時閉鎖処理が行なわれない大当り遊技となる。
一時閉鎖処理が実行されると、次に、大当り遊技処理が実行されたときにS610で一時閉鎖中であると判定されるため、S626の一時閉鎖処理を開始してからの経過時間が特定時間に達したか否かを判定する(S632)。特定時間は、一時閉鎖処理の実行時間を規定するものであり、実施例では、大当り図柄と上述した図18の開放パターンテーブルとに基づいて設定される。すなわち、図18に示すように、大当り図柄が図柄B(10R通常大当り図柄)である場合には、1秒に設定され、大当り図柄C(10R確変大当り図柄)である場合には、1秒(3個入球時)と3秒(5個入球時)とに設定される。なお、大当り遊技として、ラウンド遊技の特定時間がそれぞれ異なる複数の大当り遊技を設けてもよいし、一の大当り遊技中に特定時間が異なる複数のラウンド遊技を設けてもよい。これらの場合、特定時間は、大当り図柄の種類や大当り発生時の遊技状態、抽選などによって決定されてもよい。一時閉鎖処理を開始してからの経過時間が特定時間に達していないと判定すると、大入賞口25の一時閉鎖状態を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、一時閉鎖処理を開始してからの経過時間が特定時間に達したと判定すると、大入賞口25の開放を再開する開放再開処理を実行すると共に(S634)、大入賞口25の開放時間の計測を再開して(S636)、大当り遊技処理を終了する。
ステップS620,S622において、大入賞口25の開放中に大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達したと判定したり、当該入球数が規定数に達していなくても大入賞口25の開放時間が最大開放時間に達したと判定したりすると、大入賞口25を閉鎖して今回のラウンド遊技を終了させ(S638)、今回のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かを判定する(S640)。大当り遊技のラウンド数は、大当り図柄(図柄A(4R通常大当り図柄)や図柄B(10R通常大当り図柄)、図柄C(10R確変大当り図柄))によって設定されるため、今回のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かの判定は、ラウンド遊技の繰り返し回数が大当り図柄に応じて定まる回数に達しているか否かを判定することにより行なわれる。今回のラウンド遊技が最終ラウンドでないと判定すると、開放間インターバルを発生させて(S642)、大当り遊技処理を終了する。なお、CPU60aは、図示しないが、開放間インターバルを発生させるに際して、開放間インターバル発生コマンドをサブ統合制御装置90に送信する。開放間インターバルが発生すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S608で開放間インターバル中であると判定されるため、開放間インターバル時間が経過したか否かを判定する(S644)。開放間インターバル時間が経過していないと判定すると、大入賞口25を閉鎖したまま大当り遊技処理を一旦終了し、開放間インターバル時間が経過したと判定すると、大入賞口25を開放して次のラウンド遊技を開始し(S618)、大当り遊技処理を終了する。
こうして開放間インターバルを挟んで大入賞口25を開閉するラウンド遊技を繰り返した後、S640で今回のラウンド遊技が最終ラウンドであると判定すると、大当り遊技終了演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S646)、大当り遊技処理を終了する。大当り遊技終了演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は大当り遊技終了演出を開始する。大当り遊技終了演出が開始されると、次に大当り遊技処理が開始されたときに、S606で大当り遊技終了演出中であると判定されるため、大当り遊技終了演出時間が経過したか否かを判定する(S648)。大当り遊技終了演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、大当り遊技終了演出時間が経過したと判定すると、役物連続作動装置の作動を停止すると共に(S650)、条件装置の作動を停止する(S652)。続いて、確変フラグ設定処理(S654)と確変カウンタ設定処理(S656)とを行なうと共に時短フラグ設定処理(S658)と時短カウンタ設定処理(S660)とを行なう。確変フラグ設定処理は、大当り図柄が通常大当り図柄のときには確変フラグに値0を設定し、大当り図柄が確変大当り図柄のときには確変フラグに値1を設定することにより行なう。確変カウンタ設定処理は、本実施例では、値100を設定することにより行なう。また、時短フラグ設定処理は、大当り図柄が通常大当り図柄のときには時短フラグに値0を設定し、大当り図柄が確変大当り図柄のときには時短フラグに値1を設定することにより行なう。時短カウンタ設定処理は、本実施例では、値100を設定することにより行なう。そして、大当りフラグに値0を設定し(S662)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S664)、大当り遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、確変フラグの値や時短フラグの値、大当りフラグの値が含まれる。
次に、主制御装置60から各種コマンドを受信したサブ統合制御装置90の処理、特に、大当り遊技中に行なわれる大当り遊技演出処理について説明する。サブ統合制御装置90が主制御装置60から受信するコマンドとしては、上述したように、特図変動開始コマンド、図柄停止コマンド、遊技状態指定コマンド、大当り遊技開始演出コマンド、ラウンド遊技演出コマンド、開放間インターバル発生コマンド、一時閉鎖時演出コマンド、大当り遊技終了演出コマンドなどがある。図19は、サブ統合制御装置90により実行される大当り遊技演出処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
[大当り遊技演出処理]
図柄変動演出処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、図16の大当り遊技処理のS612で主制御装置60により送信される大当り遊技開始演出コマンドを受信したか否かを判定する(S700)。大当り遊技開始演出コマンドを受信したと判定すると、大当り遊技開始演出(オープニング演出)を実行し(S702)、大当り遊技開始演出コマンドを受信していないと判定すると、S702をスキップする。大当り遊技開始演出(オープニング演出)は、所定時間(大当り遊技開始演出時間)が経過するまでの間、演出表示装置37に所定のオープニング演出画像やオープニング演出動画が表示されるよう表示制御コマンドを演出表示制御装置91に送信することにより行なわれる。
次に、大当り遊技処理のS618の後に主制御装置60により送信されるラウンド遊技演出コマンドを受信したか否かを判定する(S704)。ラウンド遊技演出コマンドを受信したと判定すると、ラウンド遊技演出を実行し(S706)、ラウンド遊技演出コマンドを受信していないと判定すると、S706をスキップする。ラウンド遊技演出は、開放間インターバル発生コマンドを受信するまでの間、演出表示装置37に所定のラウンド遊技演出画像やラウンド遊技演出動画が表示されるよう表示制御コマンドを演出表示制御装置91に送信することにより行なわれる。
そして、ラウンド遊技演出が実行中であるか否かを判定する(S708)。ラウンド遊技演出が実行中であると判定すると、大当り遊技処理のS630で主制御装置60により送信される一時閉鎖時演出コマンドを受信した否かを判定する(S710)。一時閉鎖時演出コマンドを受信したと判定すると、演出パターンを決定し(S712)、決定した演出パターンに従って一時閉鎖時演出を実行する(S714)。一時閉鎖時演出は、上述した特定時間が経過するまでの間、演出表示装置37に所定の一時閉鎖時演出画像や一時閉鎖時演出動画が表示されるよう制御コマンドを演出表示制御装置91に送信することにより行なわれる。ここで、一時閉鎖時演出は、実施例では、遊技中のパチンコ機1に設定されている設定値(大当り確率)を示唆する設定示唆演出であり、演出パターンは、設定値に基づいて決定される。図20は、一時閉鎖時演出の一例を示す説明図である。一時閉鎖時演出は、例えば、設定値が所定値(例えば設定4)以上である場合に設定値が所定値以上である旨を報知する演出(図20(a)参照)や、設定値が所定値(例えば設定3)以下である場合に設定値が所定値以下である旨を報知する演出を挙げることができる。また、一時閉鎖時演出は、設定値を示唆するか否かを抽選により決定し、抽選結果が当りであった場合には設定値を示唆し、抽選結果が外れであった場合には設定値を示唆しないようにしてもよい(図20(b)参照)。S708でラウンド遊技演出が実行中でないと判定したり、S710で一時閉鎖時演出コマンドを受信していないと判定すると、S712,S714をスキップする。
次に、大当り遊技処理のS646で主制御装置60により送信される大当り遊技終了コマンドを受信したか否かを判定する(S716)。大当り遊技終了演出コマンドを受信したと判定すると、大当り遊技終了演出(エンディング演出)を実行して(S718)、大当り遊技演出処理を終了し、大当り遊技終了演出コマンドを受信していないと判定すると、S716をスキップして大当り遊技演出処理を終了する。大当り遊技終了演出(エンディング演出)は、所定時間(大当り遊技終了演出時間)が経過するまでの間、演出表示装置37に所定のエンディング演出画像やエンディング演出動画が表示されるよう表示制御コマンドをサブ統合制御装置90に送信することにより行なわれる。
図21および図22は、ラウンド遊技における大入賞口25の開閉状態と大入賞口25への遊技球の入球数と一時閉鎖時演出の実行状態の時間変化の様子を示す説明図である。なお、図21は、図柄B(10R通常大当り図柄)で大当りが発生した際のラウンド遊技の実行の様子を示し、図22は、図柄C(10R確変大当り図柄)で大当りが発生した際のラウンド遊技の実行の様子を示す。図柄Bで大当りが発生すると、図21に示すように、大入賞口25が開放されてラウンド遊技が開始され(時刻t11)、開放中の大入賞口25への遊技球の入球数が特定数に達すると(時刻t12)、ラウンド遊技が継続したまま大入賞口25が一時閉鎖される。大入賞口25の一時閉鎖は特定時間が経過すると(時刻t13)、解除され、大入賞口25の開放が再開される。そして、大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達するか、大入賞口25の開放時間が通じて最大開放時間(一時閉鎖前の大入賞口25の開放時間が時間Tであった場合には、一時閉鎖後の大入賞口25の開放時間が最大開放時間−T)に達すると(時刻t14)、閉鎖されてラウンド遊技が終了する。一時閉鎖中は、一時閉鎖時演出として、設定示唆演出が行なわれる。このため、遊技者は、ラウンド遊技中に設定値の推定に役に立つ情報を得ることができる。なお、この演出(設定示唆演出)は、大入賞口25が一時閉鎖されるタイミングで実行されるものとしたが、一時閉鎖が解除されて大入賞口25の開放が再開されるタイミングで実行されてもよい。一方、図柄Cで大当りが発生すると、図22に示すように、1回のラウンド遊技において、大入賞口25への遊技球の入球数が複数の特定数のそれぞれに達する度に、大入賞口25が一時閉鎖される(時刻t22〜t23、t24〜t25)。この場合、大入賞口25の一時閉鎖が解除されると、大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達するか、大入賞口25の開放時間が通じて最大開放時間(各一時閉鎖前の大入賞口25の開放時間がそれぞれ時間T1,T2であった場合には、一時閉鎖後の大入賞口25の開放時間が最大開放時間−(T1+T2))に達すると(時刻t26)、閉鎖されてラウンド遊技が終了する。
以上説明した実施例のパチンコ機1では、大入賞口25を開放した後、大入賞口スイッチ25aにより規定数よりも少ない特定数の遊技球が検知されることを条件として、大入賞口25を特定時間だけ一旦、閉鎖し、特定時間が経過した後に大入賞口25の開放を再開するラウンド遊技を含む。このように、ラウンド遊技は、特定数の遊技球の入球を条件として特定時間だけ一旦、閉鎖する一時閉鎖期間が設けられたラウンド遊技を含むため、単に規定個数と規定開放時間に従って大入賞口の開放と閉鎖とを繰り返すものに比して、大入賞口25の開閉が単調とならないようにして遊技者の遊技興趣の向上を図ることができる。また、一時閉鎖中に行なう一時閉鎖時演出として、現在の設定値を示唆する設定示唆演出を実行するため、大当りが発生したことで喜ぶ遊技者に設定値の推定に役に立つ情報を付与して、遊技者の喜びを増大させることが可能となり、遊技興趣を更に向上させることができる。また、大当り遊技が終了した際や確変遊技状態(時短遊技状態)が終了した際に、良い設定値であると推測した場合は、獲得した多量の出玉を用いて遊技を継続することができるし、悪い設定値と推測された場合は大当り遊技や確変遊技状態(時短遊技状態)の終了を機に遊技を止める機会を与えることができる。
実施例では、ラウンド遊技において、大入賞口25の開放時間が最大開放時間に達する前に大入賞口25への遊技球の入球数が規定数よりも少ない特定数に達すると、大入賞口25を一時閉鎖するものとしたが、大入賞口25の開放時間が最大開放時間に達する前に大入賞口25への遊技球の入球数が特定数に達しても、最大開放時間までの残り時間が所定時間(例えば3秒)未満であれば、大入賞口25を一時閉鎖しないようにしてもよい。
実施例では、1回のラウンド遊技において、図22に示すように、大入賞口25の一時閉鎖を複数回実行する場合、ラウンド遊技が開始されてからの合計で大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球をそれぞれの特定数までカウントしたときに、大入賞口25の一時閉鎖を行なうものとした。しかし、図23に示すように、1回目の一時閉鎖は、大入賞口25が開放されてからの計測で大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を特定数までカウントしたとき(時刻t31〜t32)に行なわれ、2回目以降の一時閉鎖は、1つ前に実行された一時閉鎖が終了し、大入賞口25の開放が再開されてからの計測で大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を特定数までカウントしたとき(時刻t33〜t34)に行なわれるようにしてもよい。
実施例では、大入賞口25の一時閉鎖処理を、1回のラウンド遊技において大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を規定数カウントしたか最大開放時間が経過するまでの間、大入賞口25を開放するものに適用した。しかし、一時閉鎖処理を、1回のラウンド遊技において大入賞口25の開放時間が通じて最大開放時間を超えない範囲内で大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を規定数カウントするまで予め定められた時間(タイミング)で大入賞口25を複数回開閉するものに適用するものとしてもよい。この場合、大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球をラウンド遊技が開始されてからの合計で特定数カウントしたときに、大入賞口25の一時閉鎖を行なうものとしてもよい。例えば、図24に示すように、大入賞口25が2回開放される場合、1回目が開放されてからその開放が終了するまでに大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を特定数カウントしなくても(時刻t41〜t42)、2回目の開放中に大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を1回目の開放からの合計で特定数カウントすると(時刻t43〜t44)、大入賞口25が一時閉鎖されるようにしてもよい。また、各開放回において大入賞口25が開放してからの計測で大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を特定数カウントしたときに、大入賞口25の一時閉鎖を行なうものとしてもよい。例えば、図25に示すように、大入賞口25が2回開放される場合、1回目が開放されてからの計測で大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を特定数カウントしなければ(時刻t51〜t52)、大入賞口25は一時閉鎖されず、2回目が開放されてからの計測で大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を特定数カウントすると(時刻t53〜t54)、大入賞口25が一時閉鎖されるようにしてもよい。
実施例では、一時閉鎖時演出として、現在の設定値を示唆する設定示唆演出を行なうものとしたが、これに限定されるものではなく、大当り遊技終了後の遊技状態を示唆する遊技状態示唆演出を行なうものとしてもよい。遊技状態示唆演出は、例えば、特別図柄が大当り図柄で確定表示された際に演出図柄371L,371C,371Rを通常大当りか確変大当りかを判別できない態様で停止表示させておき、大当り遊技中のラウンド遊技において、一時閉鎖時演出として、特別図柄が通常大当り図柄で当選していた場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が通常遊技状態となることを示唆する演出を実行し、特別図柄の大当り図柄が確変大当り図柄で当選していた場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が確変遊技状態となることを示唆する演出を実行することにより行なうことができる。
実施例では、本発明を、特別図柄が大当り図柄で確定表示されると大入賞口25を開放する大当り遊技を実行し、大当り図柄が確変大当り図柄であれば当該大当り遊技終了後に確変遊技状態に移行するパチンコ機1に適用するものとした。しかし、内部に特定領域(確変口)を有する第2大入賞口を備え、大当り遊技において開放した第2大入賞口に遊技球が入球し、当該入球した遊技球が特定領域を通過すると、大当り遊技終了後に確変遊技状態に移行するパチンコ機に適用してもよい。このパチンコ機では、大当り図柄が確変大当り図柄である場合には確変口に遊技球が入球容易な態様で大当り遊技が実行され、大当り図柄が通常大当り図柄である場合には確変口に遊技球が入球困難な態様で大当り遊技が実行される。図26は、変形例のパチンコ機が備える遊技盤20Bの概略構成図であり、図27は、振分装置40の概略構成図である。遊技盤20Bは、図26に示すように、大入賞口として、大入賞口25と、大入賞口25への遊技球の入球を検知する大入賞口スイッチ25aと、第2大入賞口26と、第2大入賞口26への遊技球の入球を検知する第2大入賞口スイッチ(図示せず)とを備え、第2大入賞口26の内部には、振分装置40が設けられている。振分装置40は、第2大入賞口26に入球した遊技球を特定領域(V領域)43か非特定領域(外れ領域)44かのいずれかに振り分けるものであり、図27に示すように、第2大入賞口26に入球した遊技球が流出するワープ出口41と、ワープ出口41の真下に設けられた特定領域43と、特定領域43の両サイドに設けられた非特定領域44と、特定領域43の入口付近に配置され図示しないソレノイドにより作動する特定領域シャッタ42とを備える。振分装置40は、特定領域シャッタ42が閉鎖しているときには、特定領域43を塞ぐことでワープ出口41から流出した遊技球を非特定領域44へと誘導し、特定領域シャッタ42が開放しているときには、ワープ出口41から流出した遊技球を特定領域43へと誘導する。この変形例のパチンコ機においては、大当り遊技が実行されると、特定ラウンド以外のラウンド遊技(非特定ラウンド遊技)は大入賞口25が開放され、特定ラウンドのラウンド遊技(特定ラウンド遊技)は第2大入賞口26が開放される。そして、特定ラウンド遊技において、第2大入賞口26に遊技球が入球し、当該入球した遊技球が特定領域43を通過すると、大当り遊技終了後の遊技状態が確変遊技状態とされる。特定ラウンド遊技では、第2大入賞口26への遊技球の入球数を条件に、第2大入賞口26が一時閉鎖したり、特定領域シャッタ42が一時開放したりするようになっており、第2大入賞口26が一時閉鎖する入球数と特定領域シャッタ42が一時開放する入球数とは、大当り図柄が通常大当り図柄である場合には、同じ数に設定され、大当り図柄が確変大当り図柄である場合には、異なる数に設定される。図28は、特定ラウンド時開放パターンテーブルの一例を示す説明図である。図示するように、大当り図柄が通常大当り図柄(図柄B)である場合には、特定ラウンド(例えば2R目)において、第2大入賞口26は、第2大入賞口26に遊技球が3個入球した後、1秒間、閉鎖され、特定領域シャッタ42は、第2大入賞口26に遊技球が3個入球した後、1秒間、開放される。すなわち、特定領域シャッタ42は、第2大入賞口26が一時閉鎖している間に開放されるため、その間に遊技球が第2大入賞口26に入球することがなく、遊技球を特定領域43に通過させるのは困難である。なお、第2大入賞口26の一時閉鎖は、第2大入賞口スイッチが遊技球の入球を特定数カウントしたときに直ちに行なわれ、特定領域シャッタ42の一時開放は、第2大入賞口スイッチが遊技球の入球を特定数カウントしてから所定時間(例えば、1秒)経過した後に行なわれるようにしてもよい。こうすれば、第2大入賞口26が一時閉鎖する直前に入球した遊技球を特定領域43に通過させないようにすることができる。一方、大当り図柄が確変大当り図柄(図柄C)である場合には、第2大入賞口26は、第2大入賞口26に遊技球が5個入球した後、1秒間、閉鎖され、特定領域シャッタ42は、第2大入賞口26に遊技球が1個入球した後、5秒間、開放される。すなわち、特定領域シャッタ42は、第2大入賞口26が開放している間に開放されるため、第2大入賞口26に遊技球を入球させ、特定領域43を通過させるが容易となる。なお、この変形例のパチンコ機では、大入賞口25が開放される非特定ラウンドにおいては、大入賞口25の一時閉鎖は行なわれない。すなわち、変形例のパチンコ機は、2つの大入賞口のうち一方の大入賞口(第2大入賞口26)のみ一時閉鎖が行なわれるように構成される。
上述した変形例では、特定領域シャッタ42は、遊技球の入球数を条件に一時開放されるものとしたが、第2大入賞口26が開放してからの経過時間によって一時開放されてもよい。
また、上述した変形例では、第2大入賞口26が開放されるラウンド遊技が実行される特定ラウンドにおいて、大当り図柄によって(図柄Bと図柄Cとで)、第2大入賞口26が一時閉鎖する遊技球の入球数(特定数)と一時閉鎖の実行時間(特定時間)と特定領域シャッタ42が一時開放する遊技球の入球数と一時開放の実行時間とが同じであるが、第2大入賞口26の予め定められる開放パターン(例えば、特定ラウンドにおいて第2大入賞口26が複数回開放と閉鎖とを繰り返す場合の予め定められた閉鎖タイミングやそのときの閉鎖時間など)のみが異なる構成を採用することもできる。なお、第2大入賞口26が一時閉鎖する遊技球の入球数(特定数)と特定領域シャッタ42が一時開放する遊技球の入球数については、大当り図柄によって(図柄Bと図柄Cとで)、異ならせてもよい。
さらに、上述した変形例では、大入賞口を2つ備えるものとしたが、大入賞口を1つのみ備え、特定ラウンド遊技において、当該大入賞口に設けられた確変口を有効とするものであってもよい。
実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を賞球や貸球として上受け皿11に払い出す構成としたが、いわゆる封入式のパチンコ機であってもよい。封入式のパチンコ機は、内部に封入した遊技球を循環させることにより遊技を行なうものである。また、実施例や変形例のパチンコ機は、いわゆる管理遊技機に適用されてもよい。管理遊技機は、主制御装置への外部からのアクセスを制限するものであり、枠制御装置(実施例の払出制御装置に相当)から主制御装置へは特定情報(遊技の性能に影響を与える情報や、遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報)以外を送信可能とし、枠制御装置はCRユニットと接続され、枠制御装置を介してのみ外部と通信可能に構成されたものである。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、大入賞口25が「大入賞口」に相当し、大入賞口スイッチ25aが「入球検知手段」に相当し、図16および図17の大当り遊技処理を実行する主制御装置60のCPU60aが「大当り遊技実行手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。