JP2021076665A - ズーム制御装置、撮像装置およびズーム制御方法 - Google Patents

ズーム制御装置、撮像装置およびズーム制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】オートズーム制御によるズーム駆動中に制御パラメータが切り替わっても滑らかなズーム駆動を行う。【解決手段】ズーム制御装置124は、撮像画像データから検出された被写体のサイズに関する情報を用いて第1のズーム駆動情報を算出し、被写体までの距離に関する情報を用いて第2のズーム駆動情報を算出し、ズーム駆動情報の履歴を用いて第3のズーム駆動情報を算出する。第1、第2および第3のズーム駆動情報のうちいずれかを使用ズーム駆動情報として選択し、該使用ズーム駆動情報を用いてズーム駆動を制御する制御手段124を有する。使用ズーム駆動情報を第1または第2のズーム駆動情報から他のズーム駆動情報に切り替える際に、第1および第2のズーム駆動情報のそれぞれと第3のズーム駆動情報との関係に応じて上記他のズーム駆動情報を選択する。【選択図】図1

Description

本発明は、オートズーム機能を制御するズーム制御装置に関する。
デジタルビデオカメラ等の撮像装置には、撮像により生成された画像から被写体を検出し、特定の被写体を一定のサイズで撮像し続けることができるように自動でズーム倍率を変更するオートズーム機能を有するものがある。このようなオートズーム機能の制御(以下、オートズーム制御という)においては、目標焦点距離、ズーム駆動量およびズーム駆動速度等のズーム駆動情報を算出するために、画像中の被写体サイズや被写体距離の変化を検出する。
特許文献1には、被写体サイズと被写体距離のそれぞれの信頼度に応じて、オートズーム制御に用いる制御パラメータを被写体サイズと被写体距離との間で切り替える方法が開示されている。
特開2017‐167438号公報
しかしながら、被写体サイズの変化から算出されるズーム駆動情報(例えば目標焦点距離)と被写体距離の変化から算出されるズーム駆動情報との間には、被写体サイズの検出誤差や被写体距離の算出誤差によって差が生じる可能性がある。このため、特許文献1に開示されているようにオートズーム制御によるズーム駆動中に被写体サイズや被写体距離の信頼度が変動し、オートズーム制御に用いる制御パラメータが切り替わると、その切り替えの前後で算出されるズーム駆動情報の差が大きくなり、ズーム駆動速度に段差が発生して滑らかなズーム駆動が行えなくなる。
本発明は、オートズーム制御によるズーム駆動中に、使用される制御パラメータが切り替わっても滑らかなズーム駆動を行えるようにしたズーム制御装置を提供する。
本発明の一側面としてのズーム制御装置は、撮像光学系を通した撮像により生成された撮像画像データから被写体を検出する被写体検出手段と、被写体までの距離に関する情報を取得する距離取得手段と、被写体検出手段により検出された被写体のサイズに関する情報を用いて第1のズーム駆動情報を算出し、距離取得手段により取得された距離に関する情報を用いて第2のズーム駆動情報を算出し、過去に使用されたズーム駆動情報に関する情報を用いて第3のズーム駆動情報を算出する駆動情報算出手段と、第1、第2および第3のズーム駆動情報のうちいずれかを使用ズーム駆動情報として選択し、該使用ズーム駆動情報を用いてズーム駆動を制御する制御手段とを有する。制御手段は、使用ズーム駆動情報を第1または第2のズーム駆動情報から他のズーム駆動情報に切り替える際に、第1および第2のズーム駆動情報のそれぞれと第3のズーム駆動情報との関係に応じて上記他のズーム駆動情報を選択することを特徴とする。なお、上記ズーム制御装置を有する撮像装置も、本発明の他の一側面を構成する。
また本発明の他の一側面としてのズーム制御方法は、撮像光学系を通した撮像により生成された撮像画像データから被写体を検出するステップと、被写体までの距離に関する情報を取得するステップと、検出された被写体のサイズに関する情報を用いて第1のズーム駆動情報を算出し、距離に関する情報を用いて第2のズーム駆動情報を算出し、過去に使用されたズーム駆動情報に関する情報を用いて第3のズーム駆動情報を算出するステップと、第1、第2および第3のズーム駆動情報のうちいずれかを使用ズーム駆動情報として選択し、該使用ズーム駆動情報を用いてズーム駆動を制御するステップとを有する。ズーム駆動を制御するステップにおいて、使用ズーム駆動情報を第1または第2のズーム駆動情報から他のズーム駆動情報に切り替える際に、第1および第2のズーム駆動情報のそれぞれと第3のズーム駆動情報との関係に応じて上記他のズーム駆動情報を選択することを特徴とする。なお、撮像光学系のズーム駆動を制御するコンピュータに、上記ズーム制御方法に従う処理を実行させるコンピュータプログラムも、本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、オートズーム制御によるズーム駆動中に、使用される制御パラメータが切り替わっても滑らかなズーム駆動を行うことができる。
本発明の実施例であるビデオカメラの構成を示すブロック図。 焦点距離と被写体距離ごとのフォーカスレンズ位置を示す図。 実施例におけるオートズーム制御処理を示すフローチャート。 実施例における被写体指定処理を示すフローチャート。 実施例における信頼度判定処理を示すフローチャート。 実施例における現在距離算出処理を示すフローチャート。 実施例における基準距離・比率設定処理を示すフローチャート。 実施例におけるズーム駆動制御処理を示すフローチャート。 実施例におけるサイズ保持制御処理を示すフローチャート。 実施例におけるズーム駆動速度制御処理を示すフローチャート。 実施例における目標焦点距離算出処理を示すフローチャート。 実施例における目標焦点距離選択処理を示すフローチャート。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施例であるズーム制御装置を含むビデオカメラ(撮像装置)の構成を示す。本実施例のビデオカメラは、詳しくは後述するが、画素ごとに撮像光学系の射出瞳を分割する撮像素子を用いて撮像面位相差検出方式の焦点検出および焦点調節を行う。なお、本発明の実施例は、ビデオカメラに限らず、デジタルスチルカメラ等の他の撮像装置も含む。
図1において、第1群レンズ101、変倍レンズ102、絞り103、第2群レンズ104およびフォーカスコンペンセータレンズ105により、被写体からの光を結像させるための撮像光学系が構成されている。変倍レンズ102は光軸方向に移動して変倍動作を行い、フォーカスコンペンセータレンズ(以下、フォーカスレンズという)105は変倍に伴う焦点面の移動を補正する機能と焦点調節機能を兼ね備えている。
光電変換素子としての撮像素子106は、CCDセンサやCMOSセンサとその周辺部を備えて構成される。撮像光学系を通過した光が結像することで形成された被写体像を光電変換して電気信号を出力する。
CDS/AGC回路107は、撮像素子106からの出力をサンプリングし、ゲインを調整する。カメラ信号処理回路108は、CDS/AGC回路107からの出力信号に対し、画像処理を施して撮像信号を生成する。モニタ装置109は、LCD等により構成され、カメラ信号処理回路108からの撮像信号に加え、ビデオカメラの撮像モードに関する情報や設定された焦点検出領域を示すAF枠等を表示する。被写体記録装置110は、カメラ信号処理回路108からの撮像信号を磁気テープ、光ディスクおよび半導体メモリ等の記憶媒体に記録する。
ズームアクチュエータ111とフォーカスアクチュエータ112はそれぞれ、変倍動作のために変倍レンズ102を、焦点調節のためにフォーカスレンズ105を光軸方向に駆動する。各駆動源は、ステッピングモータ、DCモータ、振動型モータおよびボイスコイルモータ等のアクチュエータにより構成される。
位相差AF枠設定部118は、撮像素子106の全画素領域のうち後述する位相差AF用ゲート113を通過させる信号を読み出す画素領域(AF枠)を設定する。位相差AF用ゲート113は、位相差AF枠設定部118で設定されたAF枠内の複数の画素からの対の焦点検出信号を通過させる。位相差AF信号処理部114は、位相差AF用ゲート113を通過した対の焦点検出信号に対して相関演算を行ってAF枠内の像ずれ量を算出し、該像ずれ量をカメラマイコン115に出力する。
カメラマイコン115は、合焦位置検出部119と合焦判定部120を有する。合焦位置検出部119は、位相差AF信号処理部114から入力された像ずれ量から被写体像(言い換えれば撮像光学系)のデフォーカス量を算出(検出)する。さらに合焦位置検出部119は、算出されたデフォーカス量をフォーカスレンズ105の駆動量に変換して合焦判定部120に送信する。合焦判定部120は、フォーカスレンズ105の駆動量をフォーカス制御部121に送信し、フォーカス制御部121は送信された駆動量に応じてフォーカスアクチュエータ112を制御し、フォーカスレンズ105を駆動させる。これにより、撮像面位相差検出方式によるAFが行われる。
TV−AF用ゲート116は、CDS/AGC回路107からの全画素の出力信号のうち、TV−AFによる焦点検出に用いられる領域(本実施例ではAF枠)の信号のみを後段のTV−AF信号処理部117に供給する。TV−AF信号処理部117は、TV−AF用ゲート116から供給された信号から特定周波数成分を抽出して画像の鮮鋭度(コントラスト)を示すTV−AF評価値を生成し、合焦判定部120に出力する。TV−AF評価値は、フォーカス制御部121にも送信される。フォーカス制御部121は、TV−AF評価値が最も高くなるフォーカスレンズ105の位置(合焦位置)を探索するようにフォーカスアクチュエータ112を制御してフォーカスレンズ105を駆動させる。これにより、TV−AF方式によるAFが行われる。
またカメラマイコン115は、ズーム制御部122、被写体検出手段としての被写体検出部123と制御手段としてのオートズーム(AZ)制御部124を有し、以下に説明するAZ制御を行う。被写体検出部123は、被写体検出処理と、被写体の尤度、すなわち確からしさの設定処理とを行う。
被写体検出部123は、カメラ信号処理回路108で生成された撮像信号(撮像画像データ)から特定の被写体(顔等)の領域を検出する。具体的には、予め登録された顔画像の特徴量と撮像画像データ上の部分領域とのパターンマッチングを実行して、顔を内包する矩形領域としての被写体領域(顔領域)を検出する。また、顔以外の物体としての被写体を内包する被写体領域を検出する際には、後述する被写体指定処理によって指定された被写体領域の色情報と撮像画像データ上の部分領域の色情報とを比較することにより被写体領域を検出する。検出された被写体領域の撮像画像データ上でのサイズと位置の情報が、AZ制御部124と位相差AF枠設定部118に送信される。
AZ制御部124は、後述するズーム駆動処理を実行するために被写体領域のサイズの情報を用いる。位相差AF枠設定部118は、被写体領域の位置とサイズに応じてAF枠の位置とサイズを設定する。
検出された被写体が顔である場合は、顔の構成要素からなる領域と相関値が高い領域が検出されることから、実際の顔の大きさに対して検出された顔領域の大きさの誤差は少ない。しかし、撮像画像データ上の顔領域のサイズが非常に小さい場合は、特徴量となる顔の構成要素を捉える画素数も少ないため、被写体としての尤度は小さく設定される。また、顔の構成要素が確認可能な角度であるが、顔が横を向いている等、顔が正面を向いていない場合も、顔の構成要素の撮像画像データ上での配置が顔が正面を向いた場合とは異なり、誤検出の可能性が高くなるため、被写体としての尤度は小さく設定される。
主被写体が顔以外の物体、すなわち被写体領域として同一色領域が検出される場合には、背景や主被写体以外の被写体で同系色の領域が存在する場合や光源の変化の影響等によって被写体領域の位置とサイズの誤差が大きくなる可能性がある。被写体の確からしさを妨げる要因としては、被写体の変化、類似被写体の存在、追尾誤差の蓄積が上げられる。これらの要因をマッチング処理や被写体領域の推定から取得される各種評価値を乗じることで尤度が算出される。
記憶した被写体の特徴色の輝度と色差と、撮像画像(動画)データにおけるフレーム画像ごとに検出される部分領域の輝度と色差の違いが大きいほど被写体の変化率は大きい。このため、被写体検出部123は、被写体の特徴色と被写体領域を構成する部分領域の輝度と色差の差分の絶対和を部分領域数で正規化した値を算出し、この値が大きいほど尤度が小さくなるように設定する。
また被写体領域とは別の領域に同一色領域を検出した場合は、類似の被写体領域が存在する可能性がある。この被写体領域と類似の被写体領域の位置が近い場合は、被写体領域は別の被写体に乗り移った可能性が生じるため、被写体領域間の距離が所定値よりも小さい場合は尤度が小さく設定される。
合焦判定部120は、TV−AF信号処理部117より送信されたTV−AF評価値と合焦位置検出部119から送信されたデフォーカス量とに基づいて被写体に対する合焦度を算出する。TV−AF評価値は画像の鮮鋭度が合焦位置で最も高くなるよう設定されるため、TV−AF評価値が高いほど合焦度が高いことを示す。また、デフォーカス量は、現在の焦点位置と合焦位置とのずれ量であることから、その値が0に近いほど合焦度が高いことを示す。合焦判定部120において算出された合焦度は、AZ制御部124に送信される。
次に、AZ制御における被写体距離の算出(取得)について説明する。前述したように合焦位置検出部119は、位相差AF信号処理部114からの像ずれ量からデフォーカス量を算出してAZ制御部124に送信する。またフォーカス制御部121は、所定の制御周期ごとにフォーカスレンズ105の現在位置をAZ制御部124に送信する。ズーム制御部122は、所定の制御周期ごとに変倍レンズ102の現在位置を検出して、AZ制御部124に送信する。
距離取得手段としてのAZ制御部124は、合焦判定部120から送信された合焦度が低く、被写体に十分に合焦していないと判定される場合は、合焦位置検出部119から送信されたデフォーカス量とフォーカス制御部121から送信されたフォーカスレンズ105の現在位置とから、現在の被写体に対して合焦状態が得られるフォーカスレンズ105の位置(合焦位置)を算出する。またAZ制御部124は、合焦判定部120から送信された合焦度が高く、被写体に十分に合焦していると判定される場合には、フォーカス制御部121から送信されたフォーカスレンズ105の現在位置を現在の被写体に対する合焦位置として用いる。
図2は、撮像光学系の焦点距離に対する被写体距離ごとのフォーカスレンズ105の合焦位置との関係を示す。図1に示したメモリ125には、この関係を示すデータテーブルであるフォーカスカムテーブルが記憶されている。図2において、横軸は変倍レンズ102の位置(ズーム位置)に対応する撮像光学系の焦点距離を示し、縦軸はフォーカスレンズ105の合焦位置を示す。各グラフ線の横には、対応する被写体距離を示している。
AZ制御部124は、メモリ125に記憶されたフォーカスカムテーブルを参照して、ズーム制御部122から得られた現在のズーム位置に対応する焦点距離と現在のフォーカスレンズ105の合焦位置とに対応する現在の被写体距離を検索する。フォーカスカムテーブル上に現在の焦点距離と合焦位置に対応する被写体距離がない場合は、現在の焦点距離と合焦位置の近傍の複数の被写体距離を用いた補間計算を行うことで、現在の被写体距離を算出する。
AZ制御部124は、撮像画像データ(撮像画面)内での被写体のサイズを一定に保つように、それぞれ制御パラメータとしての被写体サイズと被写体距離を用いて変倍レンズ102の駆動を制御するAZ制御を行う。本実施例にいう「被写体サイズ」は、撮像画面内での被写体のサイズに関する情報であればよく、被写体を含む矩形領域の寸法や面積等、その表現形態はどのようなものであってもよい。また本実施例にいう「被写体距離」は、被写体までの距離に関する情報であればよく、実際の距離を表す情報や距離に変換できる情報等、その表現形態はどのようなものであってもよい。
被写体サイズと被写体距離との関係は反比例の関係にある。例えば、ビデオカメラから被写体までの被写体距離が、該被写体の接近移動によって接近前の1/2の距離まで減少した場合は、被写体サイズは約2倍に増加する。このため、被写体サイズの変化倍率の逆数、すなわち被写体距離の変化倍率だけズーム倍率を変更するように変倍レンズ102を移動させる(かつ変化後の被写体距離に対して合焦状態が得られるようにフォーカスレンズ105を移動させる)ことで、被写体が撮像画面内で占める割合を一定に保つことができる。なお、ここにいう「一定」とは、完全に一定である場合だけでなく、概ね一定とみなせる所定サイズ範囲内にある場合を含む。
また、被写体距離と焦点距離との比を一定に保つことによっても、被写体が撮像画面内で占める割合を一定に保つことができる。すなわち、被写体の移動後の被写体距離と焦点距離との比が後述する被写体指定処理により被写体が指定された時点における焦点距離と被写体距離の比と同一となるようにズーム倍率を変更することで、被写体が撮像画面内で占める割合を一定に保つことができる。
AZ制御部(被写体指定手段)124は、ビデオカメラに備えられた不図示のAZスイッチをユーザが操作してAZ機能がONとされた時点(AZ制御の開始時点)において被写体指定処理を通じてユーザにより指定された被写体のサイズを基準被写体サイズとし、さらにその時点の被写体距離と撮像光学系の焦点距離をそれぞれ基準被写体距離と基準焦点距離とする。また基準被写体距離と基準焦点距離との比を基準比率とする。AZ制御部124は、これらの基準値をメモリ125に記憶する。
被写体サイズに基づくAZ制御を行う場合に、AZ制御部124は、被写体検出部123により静止被写体のサイズの検出誤差に由来する被写体サイズの変動によって静止被写体に対して誤ズーム駆動を行わない範囲として、
基準被写体サイズ/1.4≦被写体サイズ≦基準被写体サイズ×1.4
という範囲を設定している。AZ制御部124は、この範囲から検出した被写体サイズが逸脱した場合にズーム駆動を開始する。
また被写体距離に基づくAZ制御を行う場合に、AZ制御部124は、静止被写体の被写体距離の算出誤差に由来する被写体距離の変動によって静止被写体に対する誤ズーム駆動を行わない範囲として、
基準被写体距離/1.2≦被写体距離≦基準被写体距離×1.2
という範囲を設定している。AZ制御部124は、この範囲から被写体距離が逸脱した場合にズーム駆動を開始する。AZ制御部124は、被写体サイズと被写体距離のうちどちらに基づくAZ制御を行うかを、後述する信頼度判定の結果により決定する。
なお、上述した誤ズーム駆動を行わない範囲における1.4や1.2という数値は例にすぎず、他の数値や上記と異なる大小関係の数値を用いてもよい。また、上記範囲について、他の設定方法を用いてもよい。
ズーム駆動を開始したAZ制御部124は、被写体サイズ、被写体距離およびズーム倍率の関係から、被写体が撮像画面内で占める割合を一定に保持するための目標焦点距離を算出し、これをメモリ125に記憶させる。その後、AZ制御部124は、変倍レンズ102が現在の位置から目標焦点距離に対応する位置まで所定の制御周期で到達するズーム駆動速度を算出し、これをズーム制御部122に送信する。ズーム制御部122は、受信したズーム駆動速度に応じてズームアクチュエータ111を制御する。これにより、被写体が撮像画面内で占める割合が一定に保たれる。
またAZ制御部124は、後述する信頼度判定の結果に基づいて、ズーム駆動中に被写体距離に基づくAZ制御と被写体サイズに基づくAZ制御との間での切り替えが生じた場合は、その切り替えタイミングから第1の所定時間が経過するまでは以下の処理を行う。AZ制御部124は、被写体サイズに基づいて算出した目標焦点距離と被写体距離に基づいて算出した目標焦点距離とを、現在のズーム駆動方向や、メモリ125に記憶された過去の目標焦点距離の履歴(過去のズーム駆動情報に関する情報)から算出される目標焦点距離からの乖離度から評価する。そして、被写体に追従するようにズーム駆動を行いながら、ズーム駆動の連続性をより滑らかにする、すなわちズーム駆動速度の変化を小さくするように目標焦点距離を選択する。これにより、ズーム駆動中に被写体距離に基づくAZ制御と被写体サイズに基づくAZ制御との間で切り替わりが生じても、ズーム駆動速度の変化(速度段差)の小さいズーム駆動を継続して行うことができる。
<AZ制御処理>
図3から図12までのフローチャートを用いて、コンピュータしてのカメラマイコン115(主としてAZ制御部124および被写体検出部123)がコンピュータプログラムに従って実行するAZ制御処理(ズーム制御方法)について説明する。
まず図3のフローチャートは、AZ制御処理の全体を示している。以下の説明において、Sはステップを意味する。S301において、AZ制御部124は、AZスイッチのユーザ操作によってAZ機能のONが指示されるのを待機する。AZ機能のONが指示されると、S302においてAZ制御部124が被写体検出部123を通じて被写体指定処理を実行し、AZ制御でサイズ保持を行う対象となる主被写体を指定する。
次にS303において、AZ制御部124は、被写体指定処理により指定された主被写体のサイズを基準被写体サイズとしてメモリ125に記憶させる。その後、AZ制御部124は、信頼度判定処理(S304)、現在距離算出処理(S305)、基準距離・比率設定処理(S306)およびズーム駆動処理(S307)を順次実行する。
S302からS307までの処理が終了すると、AZ制御部124は、S308に進おいて、追尾する主被写体が変更されたか否かを判定し、変更された場合にはS302に戻り、変更されていない場合はS309に進む。
S309では、AZ制御部124は、AZ機能がOFFされたか否かを判定し、OFFされた場合はAZ制御処理を終了し、ONである場合にはS307に戻ってズーム駆動処理を継続する。
<被写体指定処理>
図4のフローチャートは、S302で行われる被写体指定処理を示している。本処理では、ユーザがモニタ装置109が備えたタッチセンサに対する操作を通じて、モニタ装置109に表示された撮像画像内の所望の被写体(主被写体)を指定する。S401において、AZ制御部124は、モニタ装置(タッチセンサ)109が操作(タッチ)されたか否かを判定し、タッチされていない場合はS401の判定を繰り返し、タッチされた場合はS402に進む。
S402では、AZ制御部124は、ユーザがタッチした位置(以下、タッチ位置という)の情報を取得する。続いてS403では、AZ制御部124は、タッチ位置を被写体検出部123に送信する。被写体検出部123は、撮像画像データのうち受信したタッチ位置付近に対する被写体検出処理を行う。被写体検出部123がタッチ位置付近で顔を検出した場合は、AZ制御部124は主被写体が顔であると判定してS404に進み、タッチ位置付近で顔が検出されなかった場合は主被写体は顔以外の物体であると判定してS405に進む。
S404では、AZ制御部124は、追尾対象である顔の情報をメモリ125に記憶させる。顔の情報としては、被写体指定時の顔のサイズ、位置および向き等の情報がある。S405では、AZ制御部124は、追尾対象の物体の色情報として、タッチ位置付近の特徴色をメモリ125に記憶させる。色情報としては、被写体指定時の特徴色、輝度、色差、さらに同一色領域のサイズや重心位置等がある。
S404またはS405にて被写体情報としての顔情報や色情報がメモリ125に格納された後、AZ制御部124は、S406において、被写体を追尾していることを示す追尾枠をモニタ装置109に表示させる処理を行う。そして、被写体指定処理を終了する。
<信頼度判定処理>
図5のフローチャートは、S304で行われる信頼度判定処理を示している。信頼度判定処理は、合焦度を判定し、さらに焦点状態であるデフォーカス量の検出信頼度(以下、単にデフォーカス量の信頼度という)を判定してAZ制御に用いる制御パラメータである被写体サイズと被写体距離のうち一方を選択する処理である。S501においては、AZ制御部124は、主被写体への合焦度が十分に高いか否かを判定する。合焦判定部120にて得られた合焦度が十分に高い場合は、AZ制御部124はS503に進み、合焦度が十分に高くない場合はS502に進む。
S502では、AZ制御部124は、デフォーカス量の信頼度が十分に高いか否かを判定する。合焦位置検出部119で算定されるデフォーカス量の信頼度が高い場合は、AZ制御部124は、フォーカスレンズ105の現在位置と合焦位置とのずれ量が正しく取得できているものとしてS504に進む。またS502にてデフォーカス量の信頼度が低い場合は、AZ制御部124は、フォーカスレンズ105の現在位置と合焦位置とのずれ量が正しく取得できていないものとしてS505に進む。デフォーカス量の信頼度を算出する方法としては、予めデフォーカス量の取得精度が低下する撮像条件やカメラの設定を記憶しておき、撮像時のカメラの設定と記憶しているカメラの設定との類似度に応じて信頼度を算定する方法がある。またデフォーカス量の変動を所定時間の間、記録して、その変動幅の大きさに応じて信頼度を算定してもよい。
S503では、AZ制御部124は、合焦度が十分に高いので、AZ制御に用いる制御パラメータを、デフォーカス量を考慮せずに算出した被写体距離(以下、第1のパラメータともいう)と定めて本処理を終了する。
S504では、AZ制御部124は、デフォーカス量の信頼度が十分に高いので、AZ制御に用いる制御パラメータを、デフォーカス量を考慮して算出した被写体距離(以下、第2のパラメータともいう)と定めて本処理を終了する。
S505では、AZ制御部124は、デフォーカス量の信頼度が低いので、AZ制御に用いる制御パラメータを、被写体サイズ(以下、第3のパラメータともいう)と定めて本処理を終了する
<現在距離算出処理>
図6のフローチャートは、S305で行われる現在距離算出処理を示している。現在距離算出処理は、信頼度判定処理で定められたAZ制御に用いる制御パラメータが被写体距離である場合に現在の被写体距離を算出する処理である。S601では、AZ制御部124は、AZ制御に用いるパラメータが第1のパラメータである被写体距離か否かを判定し、第1のパラメータである場合にはS603に進み、そうでない場合はS602に進む。
S602では、AZ制御部124は、AZ制御に用いる制御パラメータが第2のパラメータである被写体距離か否かを判定し、第2のパラメータである場合にはS604に進み、そうでない場合は現在の被写体距離を算出せずに本処理を終了する。
S603では、AZ制御部124は、メモリ125に記憶されたフォーカスカムテーブルを参照して、現在の焦点距離と合焦位置とに対応する被写体距離を算出し、これを現在被写体距離として設定して本処理を終了する。
S604では、AZ制御部124は、メモリ125に記憶されたフォーカスカムテーブルを参照して、現在の焦点距離とフォーカスレンズ105の現在位置からデフォーカス量に相当する移動量だけ移動させた位置とに対応する被写体距離を算出し、これを現在被写体距離として設定して本処理を終了する。なお、本ステップにおいて、S603で算出した被写体距離に、デフォーカス量を被写体距離に換算した値を加えることで現在被写体距離を求めてもよい。
<基準距離・比率設定処理>
図7のフローチャートは、S305で行われる基準距離・比率設定処理を示している。S701では、AZ制御部124は、現在距離算出処理において現在被写体距離が算出されたか否かを判定し、現在被写体距離が算出されていればS702に進み、現在被写体距離が算出されていなければ本処理を終了する。
S702では、AZ制御部124は、基準被写体距離が設定されているか否かを判定し、基準被写体距離が設定されている場合はS703に進み、基準被写体距離が設定されていなければS704に進む。
S703では、AZ制御部124は、前述したS308において、主被写体が変更された直後であるか否かを判定し、主被写体が変更された直後である場合はS704に進み、そうでない場合は本処理を終了する。
S704では、AZ制御部124は、基準被写体距離として現在被写体距離を設定し、S705に進む。
S705では、AZ制御部124は、現在被写体距離を現在の焦点距離で除算した値を基準比率に設定し、本処理を終了する。
<ズーム駆動処理>
図8のフローチャートは、S307において行われるズーム駆動処理を示している。S801では、AZ制御部124は、被写体検出部123で被写体が検出されたか否かを判定し、被写体が検出されなかった場合は本処理を終了し、被写体が検出された場合にはS802に進む。
S802では、AZ制御部124は、上述したS304で第3のパラメータとしての被写体サイズを用いると決定されたか否かを判定し、第3のパラメータを用いると決定された場合はS803に進み、そうでない場合はS804に進んで後述するサイズ保持制御処理を行う。
S803では、AZ制御部124は、被写体検出部123での検出された被写体の尤度を算出し、該尤度が所定値以上か否かを判定する。具体的には、被写体が顔以外の物体である場合は、AZ制御部124は、被写体の尤度を、S405でメモリ125に記憶された、主被写体の特徴色と検出した特徴色との差分、撮像画像データ内での類似の特徴色の存在や色の分布等に基づいて算出する。被写体が顔である場合は、AZ制御部124は、被写体の尤度を、被写体が顔以外の物体である場合の尤度の算出方法に加えて、被写体サイズや顔の向き等に基づいて算出する。他の被写体の尤度の算出方法としては、前回の被写体の検出位置と今回の検出位置との距離の差を用いる方法や、前回検出した被写体距離と今回検出した被写体距離との差を用いる方法等がある。
被写体の尤度が所定値未満である場合は、AZ制御部124は、検出した被写体の信頼度が低いことによる誤ズーム駆動を防止するため、本処理を終了する。このとき、モニタ装置109にAZ制御が困難であることを示す表示を行ってもよい。一方、被写体の尤度が所定値以上である場合は、AZ制御部124はS804に進む。
<サイズ保持制御処理>
図9のフローチャートは、S804で行われるサイズ保持制御処理を示している。サイズ保持制御処理では、撮像画像内の被写体サイズを一定に保つようにズーム駆動を制御する。S901では、AZ制御部124は、基準距離・比率設定処理において基準被写体距離が設定されたか否かを判定し、基準被写体距離が設定されなかった場合はS906に進み、基準被写体距離が設定された場合はS902に進む。
S902およびS903では、AZ制御部124は、前述した信頼度判定処理と現在距離算出処理を行い、S904では第3のパラメータを使用するか否かを判定する。第3のパラメータを使用する場合はS906に進み、第3のパラメータを使用しない場合はS905に進む。
S905からS910までの処理では、AZ制御部124は、被写体サイズまたは被写体距離の変化率によって被写体の動き出しを判定し、被写体サイズを保持する方向にズーム駆動を行う。S901で基準被写体距離が設定されていない又はS904で第3のパラメータを使用すると判定された場合はAZ制御部124はS906に進み、被写体サイズを制御パラメータとして用いてAZ制御を行う。
S905では、AZ制御部124は、算出された現在被写体距離が基準被写体距離に1.2を乗算した値より大きいか否か、すなわち被写体が所定距離より遠ざかったか否かを判定する。AZ制御部124は、現在被写体距離が基準被写体距離に対して1.2倍より長い場合はS909に進み、ズームイン方向にズーム駆動を行って被写体サイズを保持する。一方、現在被写体距離が基準被写体距離に対して1.2倍以下である場合はS907に進む。
S907では、AZ制御部124は、現在被写体距離が基準被写体距離を1.2で除算した値より小さいか否か、すなわち被写体が所定距離よりも近づいたか否かを判定する。AZ制御部124は、現在被写体距離が基準被写体距離に対して1/1.2倍より短い場合はS909に進み、ズームアウト方向にズーム駆動を行って被写体サイズを保持する。一方、現在被写体距離が基準被写体距離に対して1/1.2倍以上である場合は本処理を終了する。
S901において基準被写体距離が設定されたと判定し、かつS904で第3のパラメータを使用しないと判定した場合は、AZ制御部124は、被写体距離またはデフォーカス量の信頼度が所定値以上であるため、S905に進み、被写体距離を制御パラメータとして用いてAZ制御を行う。
S906おいて、AZ制御部124は、S801にて検出された被写体サイズが基準被写体サイズを1.4で除算した値より小さいか否か、すなわち被写体が撮像画面内で占める比率が所定値を下回るか否かを判定する。AZ制御部124は、被写体サイズが基準被写体サイズの1/1.4倍より小さい場合はS909へ進み、ズームイン方向にズーム駆動を行って被写体サイズを保持する。一方、検出された被写体サイズが基準被写体サイズに対して1.4倍以上である場合は、S908に進む。S908では、AZ制御部124は、S801にて検出された被写体サイズが基準被写体サイズに1.4を乗算した値より大きいか否かを判定する。AZ制御部124は、被写体サイズが基準被写体サイズの1.4倍より大きい場合はS909に進み、ズームアウト方向にズーム駆動を行って被写体サイズを保持する。一方、検出された被写体サイズが基準被写体サイズの1.4倍以下である場合は、AZ制御部124は本処理を終了する。
S909の処理を実行した後、AZ制御部124はS910に進む。S910では、基準距離・比率設定処理を行い、その後、サイズ保持制御処理を終了する。
<ズーム方向・速度制御処理>
図10のフローチャートは、S909において行われるズーム駆動方向とズーム駆動速度を制御するズーム方向・速度制御処理を示している。まずS1001において、AZ制御部124は、信頼度判定処理を行う。その後、AZ制御部124は、S1002で現在距離算出処理を行い、S1003で後述する目標焦点距離算出処理を行い、さらにS1004で後述する目標焦点距離選択処理を行う。
続いてS1005では、AZ制御部124は、S1004で選択された目標焦点距離まで所定の目標時間内で到達するためのズーム駆動速度を算出する。
次にS1006では、AZ制御部124は、S1001での信頼度の判定結果を参照して、AZ制御に第3のパラメータである被写体サイズを使用するか否かを判定する。AZ制御部124は、第3のパラメータを使用する場合はS1007に進み、第3のパラメータを使用しない場合はS1008に進む。
S1007では、AZ制御部124は、被写体サイズが所定サイズ範囲内であるか否かを判定する。所定サイズ範囲は、基準被写体サイズに基づいて設定される。AZ制御部124は、被写体サイズが所定サイズ範囲内であれば、該被写体サイズが基準被写体サイズ付近で維持されているものとしてS1010に進み、ズーム駆動を停止して本処理を終了する。一方、被写体サイズが所定サイズ範囲より大きい場合は、被写体サイズを保持するためのズーム駆動が必要であるとしてS1009に進む。
またS1008では、AZ制御部124は、現在被写体距離を現在の焦点距離で除算した値(比率)が、基準比率に基づいて設定された所定比率範囲内であるか否かを判定する。AZ制御部124は、所定比率範囲内であれば被写体サイズが保持されているものとしてS1010に進み、ズーム駆動を停止して本処理を終了する。一方、上記比率が所定比率範囲より大きい場合は、AZ制御部124は、サイズ保持のためのズーム駆動が必要であるとしてS1009に進む。
S1009では、AZ制御部124は、S1006で更新したズーム駆動速度でのズーム駆動を行ってS1001に戻る。
<目標焦点距離算出処理および目標焦点距離選択処理>
図11は、S1003において行われる目標焦点距離算出処理を示している。まずS1101において、駆動情報算出手段としてのAZ制御部124は、基準被写体サイズと現在の被写体サイズの比を現在焦点距離に乗ずることで、被写体サイズに基づく第1の目標焦点距離(第1のズーム駆動情報)を算出する。
次にS1102では、AZ制御部124は、基準距離・比率設定処理において基準被写体距離が設定されたか否かを判定する。基準被写体距離が設定されている場合は、被写体距離に基づく目標焦点距離の算出を行えるが、AZ制御部124はさらに判定を行うためにS1103に進む。一方、基準被写体距離が設定されていない場合は、AZ制御部124は、被写体距離に基づく目標焦点距離の算出を行わずにS1105に進む。
S1103では、AZ制御部124は、図10のS1002において現在被写体距離が設定されたか否かを判定する。AZ制御部124は、現在被写体距離が設定されている場合はS1104に進み、図3のS305において設定された基準比率で現在被写体距離を除算することで、被写体距離に基づく第2の目標焦点距離(第2のズーム駆動情報)を算出する。
次にS1105では、AZ制御部124は、現在までの目標焦点距離の履歴から目標焦点距離を推定することで第3の目標焦点距離(第3のズーム駆動情報)を算出し、本処理を終了する。
図12は、S1004において行われる目標焦点距離選択処理を示している。目標焦点距離選択処理は、目標焦点距離算出処理で算出された第1〜第3の目標焦点距離のうちS1005におけるズーム駆動速度の算出に用いる目標焦点距離(使用ズーム駆動情報)を選択ないし算出する処理である。まずS1201において、AZ制御部124は、今回のAZ制御の開始後に一度も被写体サイズと被写体距離との間で制御パラメータの切り替えが行われていない、すなわち第1および第3のパラメータ間または第2および第3のパラメータ間で制御パラメータが切り替えられていないかを判定する。AZ制御部124は一度も切り替えが行われていない場合はS1212に進み、一度でも切り替えが行われていた場合はS1202に進む。
S1202では、AZ制御部124は、S1001〜S1009〜S1001のループ処理において、S1001での信頼性の判定結果に応じて制御パラメータが被写体サイズと被写体距離との間で切り替えられたタイミングから第1の所定時間が経過したか否かを判定する。AZ制御部124は、第1の所定時間が経過していればS1212に進み、経過していなければS1203に進む。
S1212では、AZ制御部124は、S1001における信頼性の判定結果に応じて制御パラメータとして第3のパラメータを使用すると判定されたか否かを判定する。AZ制御部124は、第3のパラメータを使用すると判定された場合はS1214に進み、第1の目標焦点距離を選択して本処理を終了する。またAZ制御部124は、第3のパラメータを使用すると判定されていない場合は、S1215に進んで第2の目標焦点距離を選択し、本処理を終了する。
S1203からS1205までにおいて、AZ制御部124は、第1の目標焦点距離と第2の目標焦点距離がそれぞれ現在のズーム駆動方向に存在しているか否かを判定する。AZ制御部124は、S1203とS1205において第1の目標焦点距離と第2の目標焦点距離が現在のズーム駆動方向に存在していると判定した場合はS1206に進む。一方、AZ制御部124は、第1の目標焦点距離が現在のズーム駆動方向に存在するが、第2の目標焦点距離が現在のズーム駆動方向に存在しない場合はS1210に進む。
またAZ制御部124は、S1203とS1204において第1の目標焦点距離が現在のズーム駆動方向に存在するが、第2の目標焦点距離が現在のズーム駆動方向に存在すると判定した場合はS1208に進み、第1の目標焦点距離と第2の目標焦点距離が共に現在のズーム駆動方向に存在しない場合はS1207に進む。
S1206では、AZ制御部124は、第1の目標焦点距離と第3の目標焦点距離の差の絶対値と、第2の目標焦点距離と第3の目標焦点距離の差の絶対値とを比較する。AZ制御部124は、第1の目標焦点距離と第2の目標焦点距離の差の絶対値の方が第2の目標焦点距離と第3の目標焦点距離の差の絶対値よりも大きい場合はS1208に進み、そうでない場合はS1210に進む。S1207においてもAZ制御部124はS1206と同一の比較を行って、第1の目標焦点距離と第2の目標焦点距離の差の絶対値の方が第2の目標焦点距離と第3の目標焦点距離の差の絶対値よりも大きい場合はS1211に進み、そうでない場合はS1209に進む。
次にS1209およびS1210ではそれぞれ、AZ制御部124は、現在のズーム駆動方向に対して設定された閾値Mおよび現在のズーム駆動方向とは反対方向に対して設定された閾値Nと、第1の目標焦点距離と第3の目標焦点距離の差の絶対値とを比較する。閾値Mおよび閾値Nは、像倍率を考慮して現在焦点距離に応じて変更してもよいし、固定値を用いてもよい。また、一般に同一方向へのズーム駆動が継続する場合よりも、ズーム駆動方向が反転する場合の方がより小さい速度変化で速度段差が生じるため、M>Nの大小関係を維持するように設定することが望ましい。なお本実施例では、閾値Mとして、第3の目標焦点距離と前回処理で選択された目標焦点距離の差に基づいて、1.5倍のズーム駆動量まで許容するような値を設定する。同様に閾値Nとして1.2倍のズーム駆動量まで許容するような値を設定する。ただし、閾値Mと閾値Nは他の値でもよいし、設定方法も他の方法であってもよい。
AZ制御部124は、第1の目標焦点距離と第3の目標焦点距離の差の絶対値が閾値NまたはM以下である場合は、第1の目標焦点距離と前回処理で選択された目標焦点距離の差は速度段差を生じない範囲内であるものとしてS1214に進み、第1の目標焦点距離を選択して本処理を終了する。一方、第1の目標焦点距離と第3の目標焦点距離の差の絶対値が閾値Nまたは閾値Mより大きい場合は、第1の目標焦点距離と前回処理で選択された目標焦点距離の差は速度段差を生じる大きさであるものとしてS1213に進む。
同様に、AZ制御部124は、S1208およびS1211でそれぞれ、閾値Mおよび閾値Nと、第2の目標焦点距離と第3の目標焦点距離の差の絶対値とを比較する。AZ制御部124は、第2の目標焦点距離と第3の目標焦点距離の差の絶対値が閾値Mまたは閾値N以下の場合は、第2の目標焦点距離と前回処理で選択された目標焦点距離の差は速度段差を生じない範囲であるものとしてS1215に進み、第2の目標焦点距離を選択して本処理を終了する。一方、第2の目標焦点距離と第3の目標焦点距離の差の絶対値が閾値Mまたは閾値Nより大きい場合は、第2の目標焦点距離と前回処理で選択された目標焦点距離の差は速度段差を生じる大きさであるものとしてS1213に進む。
S1213では、AZ制御部124は、前回処理で第3の目標焦点距離を選択したか否かを判定し、前回処理で第3の目標焦点距離を選択していない場合はS1216に進み、第3の目標焦点距離を選択して本処理を終了する。一方、第3の目標焦点距離を前回処理で選択していた場合は、AZ制御部124は、目標焦点距離の履歴から推定された目標焦点距離を連続して選択することによる被写体に対する追従性の低下を避けるため、S1217に進む。
S1217では、AZ制御部124は、S1208からS1211において第3の目標焦点距離との差の絶対値を算出した目標焦点距離が第1の目標焦点距離であった場合は、第1の目標焦点距離と第3の目標焦点距離の平均値を選択して処理を終了する。また第3の目標焦点距離との差の絶対値を算出した目標焦点距離が第2の目標焦点距離であった場合は、第2の目標焦点距離と第3の目標焦点距離の平均値を選択して本処理を終了する。
なお、S1213における、前回処理で第3の目標焦点距離を選択したか否かの判定を、第3の目標焦点距離を第2の所定時間より長く連続して使用したか否かの判定としてもよい。そして、連続して使用していた場合にはS1217に進み、S1217で第3の目標焦点距離との差の絶対値を算出した第1または第2の目標焦点距離を選択してもよい。この際、第2の所定時間は、第1の所定時間よりも短く設定することが好ましい。
また本実施例では、AZ制御部124は、第1の目標焦点距離に向かうズーム駆動方向および第2の目標焦点距離に向かうズーム駆動方向のうち少なくとも一方が現在のズーム駆動方向と同じである場合に、現在のズーム駆動方向に存在する第1または第2の目標焦点距離を、ズーム駆動速度の算出に使用する焦点距離として選択するか否かを判定する。しかし、この判定方法に限らず、第1の目標焦点距離に向かうズーム駆動方向および第2の目標焦点距離に向かうズーム駆動方向のうち少なくとも一方が現在のズーム駆動方向と同じであるか否かの判定と、第1および第2の目標焦点距離と第3の目標焦点距離との乖離度の大きさの判定の2つを任意に組み合わせて用いてよい。例えば、第1および第2の目標焦点距離に向かうズーム駆動方向が現在の駆動方向と同じであるか否かと第1および第2の目標焦点距離と第3の目標焦点距離との乖離度の2つについてそれぞれ別個に評価値を求め、これらの評価値を任意の重みを付けて加算し、より評価値の高い目標焦点距離を選択するような判定を行ってもよい。
以上説明したように、本実施例では、制御パラメータとしての被写体サイズや被写体距離に基づくAZ制御によるズーム駆動中に制御パラメータが切り替えられた場合でも、その切り替え前後におけるズーム駆動速度段差の発生を抑制することができる。具体的には、被写体サイズと被写体距離の変化に応じてそれぞれ算出される第1の目標焦点距離と第2の目標焦点距離を、現在のズーム駆動方向と、第1および第2の目標焦点距離と過去の目標焦点距離の履歴から推定される第3の目標焦点距離との関係、すなわち乖離度とを用いて評価し、該評価結果に応じてAZ制御にて使用する目標焦点距離(使用ズーム駆動情報)を選択することでズーム駆動における速度段差を低減することができる。
このように本実施例によれば、AZ制御によるズーム駆動中にズーム駆動情報の算出に用いられる制御パラメータが切り替えられても、滑らかなズーム駆動を行うことができる。(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
102 変倍レンズ
105 フォーカスレンズ
111 ズームアクチュエータ
119 合焦位置検出部
120 合焦判定部
121 フォーカス制御部
122 ズーム制御部
123 被写体検出部
124 オートズーム制御部

Claims (16)

  1. 撮像光学系のズーム駆動を制御するズーム制御装置であって、
    前記撮像光学系を通した撮像により生成された撮像画像データから被写体を検出する被写体検出手段と、
    前記被写体までの距離に関する情報を取得する距離取得手段と、
    前記被写体検出手段により検出された前記被写体のサイズに関する情報を用いて第1のズーム駆動情報を算出し、前記距離に関する情報を用いて第2のズーム駆動情報を算出し、過去に使用されたズーム駆動情報に関する情報を用いて第3のズーム駆動情報を算出する駆動情報算出手段と、
    前記第1、第2および第3のズーム駆動情報のうちいずれかを使用ズーム駆動情報として選択し、該使用ズーム駆動情報を用いて前記ズーム駆動を制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記使用ズーム駆動情報を前記第1または第2のズーム駆動情報から他のズーム駆動情報に切り替える際に、前記第1および第2のズーム駆動情報のそれぞれと前記第3のズーム駆動情報との関係に応じて前記他のズーム駆動情報を選択することを特徴とするズーム制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記第1および第2のズーム駆動情報のうち前記第3のズーム駆動情報との差が所定値より小さい一方を前記他のズーム駆動情報として選択することを特徴とする請求項1に記載のズーム制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記第1および第2のズーム駆動情報のそれぞれと前記第3のズーム駆動情報との差が所定値より大きい場合に前記他のズーム駆動情報として前記第3のズーム駆動情報を選択することを特徴とする請求項1または2に記載のズーム制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記所定値として、前記使用ズーム駆動情報の切り替え前のズーム駆動方向と同じ方向に第1の所定値を設定し、該切り替え前の前記ズーム駆動方向とは反対方向に前記第1の所定値と異なる第2の所定値を設定することを特徴とする請求項2または3に記載のズーム制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記他のズーム駆動情報として、前記第3のズーム駆動情報に対応するズーム駆動方向と同じズーム駆動方向に対応するズーム駆動情報を選択することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のズーム制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記使用ズーム駆動情報を前記第1または第2のズーム駆動情報から前記他のズーム駆動情報に切り替える時点から第1の所定時間が経過するまで、前記関係に応じて前記他のズーム駆動情報を選択することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のズーム制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記第3のズーム駆動情報を前記使用ズーム駆動情報として第2の所定時間より長く連続して使用した場合は、その後の前記使用ズーム駆動情報として前記第1または第2のズーム駆動情報を選択することを特徴とする請求項6に記載のズーム制御装置。
  8. 前記第2の所定時間は、前記第1の所定時間よりも短いことを特徴とする請求項7に記載のズーム制御装置。
  9. 前記第1のズーム駆動情報は、基準被写体サイズと前記被写体のサイズとの比率とを用いて算出されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のズーム制御装置。
  10. 前記撮像画像内の被写体を指定する被写体指定手段を有し、
    前記基準被写体サイズは、前記ズーム駆動の制御の開始時点において前記被写体指定手段により指定された被写体のサイズに基づいて設定されることを特徴とする請求項9に記載のズーム制御装置。
  11. 前記第2のズーム駆動情報は、基準被写体距離と前記距離との比率とを用いて算出されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のズーム制御装置。
  12. 前記撮像画像内の被写体を指定する被写体指定手段を有し、
    前記基準被写体距離は、前記ズーム駆動の制御の開始時点において前記被写体指定手段により指定された被写体までの距離に基づいて設定されることを特徴とする請求項11に記載のズーム制御装置。
  13. 前記制御手段は、被写体像の焦点状態の検出信頼度を算出し、該検出信頼度に応じて前記使用ズーム駆動情報を前記第1のズーム駆動情報と前記第2のズーム駆動情報との間で切り替えることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のズーム制御装置。
  14. 前記ズーム制御装置を有することを特徴する撮像装置。
  15. 撮像光学系のズーム駆動を制御するズーム制御方法であって、
    前記撮像光学系を通した撮像により生成された撮像画像データから被写体を検出するステップと、
    前記被写体までの距離に関する情報を取得するステップと、
    検出された前記被写体のサイズに関する情報を用いて第1のズーム駆動情報を算出し、前記距離に関する情報を用いて第2のズーム駆動情報を算出し、過去に使用されたズーム駆動情報に関する情報を用いて第3のズーム駆動情報を算出するステップと、
    前記第1、第2および第3のズーム駆動情報のうちいずれかを使用ズーム駆動情報として選択し、該使用ズーム駆動情報を用いて前記ズーム駆動を制御するステップとを有し、
    前記ズーム駆動を制御するステップにおいて、前記使用ズーム駆動情報を前記第1または第2のズーム駆動情報から他のズーム駆動情報に切り替える際に、前記第1および第2のズーム駆動情報のそれぞれと前記第3のズーム駆動情報との関係に応じて前記他のズーム駆動情報を選択することを特徴とするズーム制御方法。
  16. 撮像光学系のズーム駆動を制御するコンピュータに、請求項15に記載のズーム制御方法に従う処理を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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