JP2021076428A - 癌の罹患可能性の試験方法、癌の罹患可能性の判定装置、癌の罹患可能性の判定方法、癌の罹患可能性の判定に用いる学習済モデルの製造装置、癌の罹患可能性の判定に用いる学習済モデルの製造方法、および癌の罹患可能性の判定システム - Google Patents

癌の罹患可能性の試験方法、癌の罹患可能性の判定装置、癌の罹患可能性の判定方法、癌の罹患可能性の判定に用いる学習済モデルの製造装置、癌の罹患可能性の判定に用いる学習済モデルの製造方法、および癌の罹患可能性の判定システム Download PDF

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雅之 野口
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裕史 松井
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翔一 本田
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Abstract

【課題】 癌の罹患可能性を試験可能な新たな試験方法を提供する。【解決手段】 本発明の癌の罹患可能性の試験方法は、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて第三高調波(THG)を取得する取得工程と、前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を試験する試験工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、癌の罹患可能性の試験方法、癌の罹患可能性の判定装置、癌の罹患可能性の判定方法、癌の罹患可能性の判定に用いる学習済モデルの製造装置、癌の罹患可能性の判定に用いる学習済モデルの製造方法、および癌の罹患可能性の判定システムに関する。
癌に罹患しているかの検査方法においては、各種癌マーカーが用いられている。また、癌に罹患しているかの別の検査方法においては、被検者から生体試料を単離し、前記生体試料に対して病理学的に解析することにより、癌に罹患しているかを判定している。
本発明は、癌の罹患可能性を試験可能な新たな試験方法の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の癌の罹患可能性の試験方法(以下、「試験方法」ともいう)は、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて第三高調波(THG)を取得する取得工程と、
前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を試験する試験工程とを含む。
本発明の癌の罹患可能性の判定装置(以下、「判定装置」ともいう)は、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得部と、
前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する判定部とを含む。
本発明の癌の罹患可能性の判定方法(以下、「判定方法」ともいう)は、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得工程と、
前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する判定工程とを含む。
本発明の癌の罹患可能性の判定に用いる学習済モデルの製造装置(以下、「製造装置」ともいう)は、癌患者由来の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得部と、
前記THGと、癌の罹患可能性との組を教師データとして、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する学習済モデルを生成する学習部とを含む。
本発明の癌の罹患可能性の判定に用いる学習済モデルの製造方法(以下、「製造方法」ともいう)は、癌患者由来の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得工程と、
前記THGと、癌の罹患可能性との組を教師データとして、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する学習済モデルを生成する学習工程とを含む。
本発明の癌の罹患可能性の判定システム(以下、「判定システム」ともいう)は、端末とサーバとを備え、
前記端末と前記サーバとは、システム外の通信回線網を介して接続可能であり、
前記端末は、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を入力する入力部と、
前記THGに基づき判定された前記被検者の癌の罹患可能性の判定結果を出力する出力部とを備え、
前記端末および前記サーバの全体が、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得部と、
前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する判定部とを備える。
本発明によれば、癌の罹患可能性を試験できる。
図1は、実施形態1の判定装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、実施形態1の判定装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図3は、実施形態1の判定端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図4は、実施形態1の判定方法の一例を示すフローチャートである。 図5は、実施形態2の学習装置の構成の一例を示すブロック図である。 図6は、実施形態2の学習方法の一例を示すフローチャートである。 図7は、実施例1で用いたCARS顕微鏡の光学系の構成の概略図である。 図8は、実施例1における肝臓癌細胞を示す写真である。 図9は、実施例1における肝炎細胞を示す写真である。 図10は、実施例1における胃癌細胞および正常胃細胞を示す写真である。
本発明において、「細胞」は、例えば、単離された細胞、細胞から構成される細胞塊、組織、または臓器を意味する。前記細胞は、培養細胞でもよいし、生体から単離された細胞でもよいが、生体から単離された細胞が好ましい。また、前記細胞塊、組織または臓器は、例えば、前記細胞から作製した細胞塊、細胞シート、組織または臓器でもよいし、生体から単離した細胞塊、組織または臓器でもよい。
以下、本発明について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明に限定されない。なお、以下の図1〜図10において、同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す場合があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。また、各実施形態は、特に言及しない限り、互いにその説明を援用できる。
<試験方法>
本発明の癌の罹患可能性の試験方法は、前述のように、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて第三高調波(THG)を取得する取得工程と、前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を試験する試験工程とを含む。本発明の試験方法は、前記試験工程において、前記第三高調波に基づき、被検者の癌の罹患可能性を試験することが特徴であり、その他の工程および条件は、特に制限されない。本発明によれば、前記被検者の癌の罹患可能性を試験できる。また、本発明によれば、例えば、前記生体試料の観察に先立つ染色等が不要となるため、短期間で簡易に実施できる。さらに、本発明によれば、例えば、前記生体試料を構成する細胞内の状態を非破壊的に確認できるため、前記細胞が生きた状態で試験することが可能である。本発明の試験方法は、癌の罹患の可能性(危険度)を試験または推定できる。このため、本発明の試験方法は、例えば、癌の罹患危険度の試験方法または癌の罹患危険度もしくは罹患可能性の推定方法ということもできる。
本発明者らは鋭意研究の結果、第三高調波、特に、CARS顕微鏡を用いて取得された第三高調波が、癌細胞と正常細胞とで異なることを見出し、本発明を確立するに至った。このため、本発明によれば、被検者の生体試料について非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波に基づき、被検者の癌の罹患の可能性(「危険度」ともいう)を試験できる。
前記、「癌の罹患可能性」は、例えば、癌の発症の可能性、癌の発症の有無(癌化しているか否か)または癌の発症の有無の可能性、癌の進行度またはその進行度である可能性および予後の状態またはその状態に至る可能性等を意味し、いずれの意味で用いてもよい。
前記「癌」は、特に制限されず、例えば、胃癌、肝臓癌等の消化器癌;等があげられる。本発明の試験方法によれば、例えば、胃癌、肝臓癌等の消化器癌を特に好適に試験できる。前記「癌」は、例えば、原発巣の癌でもよいし、転移癌でもよい。
前記被検体は、例えば、ヒトまたは非ヒト動物があげられる。前記非ヒト動物は、例えば、サル、ゴリラ、チンパンジー、マーモセット等の霊長類、マウス、ラット、イヌ、ウサギ、ヒツジ、ウマ、モルモット等があげられる。
前記生体試料は、特に制限はされず、例えば、生体から分離した、体液、体液由来細胞、器官、組織または細胞もしくは細胞由来成分等があげられる。前記体液は、例えば、血液があげられ、具体例として、例えば、全血、血清、血漿等があげられる。前記体液由来細胞は、例えば、血液由来細胞があげられ、具体的には、血球、白血球、リンパ球等の血球細胞があげられる。前記細胞由来成分は、例えば、エクソソーム等の細胞から分泌された小胞、細胞断片等があげられる。前記生体試料は、例えば、試験対象の癌の種類に応じて、適宜決定できる。前記生体試料は、例えば、試験対象の癌が発生しうる器官または組織由来である。前記生体試料は、例えば、胃、肝臓等の消化器等の器官または組織である。具体例として、前記試験対象が胃癌の場合、前記生体試料は、例えば、胃;胃由来の組織または細胞;である。前記試験対象が肝臓癌の場合、前記生体試料は、例えば、肝臓;肝臓由来の組織または細胞;である。前記生体試料は、より精度よく癌の罹患可能性を試験できることから、細胞を含む生体試料であることが好ましい。前記細胞を含む生体試料は、例えば、体液由来細胞、器官、組織または細胞もしくは細胞由来成分があげられる。
前記非線形光学顕微鏡は、例えば、非線形光学現象を使った顕微鏡を意味する。具体例として、前記非線形光学顕微鏡は、コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)顕微鏡、第3高調波顕微鏡(Third Harmonic Generation (THG) Microscopy)、二光子励起顕微鏡等の多光子励起顕微鏡、第2高調波顕微鏡(Second Harmonic Generation (SHG) Microscopy)、誘導ラマン顕微鏡(Stimulated Raman Scattering (SRS Microscopy)等があげられる。前記CARS顕微鏡は、コヒーレント反ストークスラマン散乱を利用した顕微鏡であり、その構成は特に制限されず、例えば、後述の実施例の構成を参照できる。
前記第三高調波(THG)は、例えば、前記非線形光学顕微鏡において、試料に対して照射した光の周波数を基準として、3倍の周波数の光を意味する。前記THGは、例えば、前記非線形光学顕微鏡の種類に応じて適宜決定できる。
以下、本発明の一例として、前記非線形光学顕微鏡がCARS顕微鏡である場合を例にあげて説明するが、本発明はこれ限定されず、他の非線形光学顕微鏡を用いてもよい。
本発明の試験方法では、まず、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて第三高調波(THG)を取得する(取得工程)。具体的には、前記被検者の生体試料について、CARS顕微鏡で観察し、信号光を取得する。前記CARS顕微鏡による信号光の取得は、前記被検者の生体試料全体または一部に対して実施する。後者の場合、前記CARS顕微鏡による信号光の取得は、例えば、前記被検者の生体試料において、細胞が所在する位置の信号光を取得することが好ましい。前記観察に供する生体試料は、1つでもよいし、複数でもよい。後者の場合、前記CARS顕微鏡による信号光の取得は、その一部または全部の生体試料に対して実施する。前記CARS顕微鏡では、CARS分光用の光照射手段を含み、前記光照射手段により、超広帯域光および励起光の混合光が前記生体試料に照射される。そして、前記CARS顕微鏡では、前記生体試料から出射された出射光から、回折格子等によりCARS光(信号光)を分光する。そして、前記取得工程では、例えば、前記CARS光のシグナル強度、空間位置等の情報を、取得する。本発明において、前記信号光としては、第三高調波(THG)のみを取得してもよいし、第二高調波(SHG)、二光子励起蛍光等の他の信号光も取得してもよい。前記取得工程において、前記THG以外の信号光を取得することにより、例えば、前記生体試料における他の成分由来の情報も取得でき、後述の試験工程において、他の成分の結果とあわせて癌の罹患可能性を試験できる。前記超広帯域光の波長は、例えば、400〜2400nmである。また、前記励起光の波長は、例えば、750〜1100nm、750〜1064nmである。また、前記THGの信号光の波長は、前記励起光の波長の3倍の周波数(励起光の波長の1/3の波長)である。前記THGの信号光の波数は、励起光の波長をλとするとλ/3となる。
つぎに、前記試験工程では、前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を試験する。前記試験工程では、前記被検者は癌の罹患可能性がある、またはないとしてもよいし、前記被検者は癌の罹患可能性が高い、または低いとしてもよい。また、前記試験工程では、前記被検者の癌の罹患可能性は不明であるとしてもよい。
前記CARS顕微鏡で取得された信号光において、各波数(Raman shift/cm-1)は、その信号の由来となる生体試料の物質が異なる。また、生体試料(例えば、生体試料に含まれる細胞)の状態が異なる場合、状態の異なる生体試料ではその機能および代謝も異なるため、前記生体試料が含有する物質の種類、物質の含有率および物質の局在等も異なると推定される。そこで、本発明では、前記生体試料の状態の違いが、例えば、前記信号光の違い、具体的には、前記THGの信号光の違いとして生じることを利用し、前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を試験する。前記信号光の違いは、例えば、THGの信号光の位置の違いおよび/またはTHGの信号光の分散値の違いがあげられる。
まず、前記試験工程において、THGの信号光の位置、すなわち、THGの信号(シグナル)から再構築されるTHG像におけるTHGのシグナルの位置(分布)に基づき、試験する方法について説明する。前記癌細胞では、THGの信号から再構築されるTHG像において、THGの信号が細胞質領域および核領域の全体にわたって分布する。これに対して、前記正常細胞では、THGの信号から再構築されるTHG像において、THGの信号が細胞質領域に分布するが、核領域におけるTHGの信号が、観察されない、または正常細胞の細胞質領域におけるTHGの信号と比較して、弱い。具体的には、前記正常細胞の核領域のTHGの信号光のシグナル強度が、例えば、正常細胞の細胞質領域におけるTHGの信号光のシグナル強度と比較して、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、または1%以下である。このため、前記試験工程では、前記被検者の生体試料中の細胞について、THGの信号から再構築されるTHG像において、THGの信号が、前記細胞質領域および前記核領域に分布するか否かにより、前記被検者の癌の罹患可能性を試験できる。具体的には、前記試験工程では、前記生体試料の細胞において、前記細胞の核領域におけるTHGの信号が、観察される、または前記細胞の細胞質領域におけるTHGの信号と比較して、同程度である(有意差がない)場合、前記被検者は、癌の罹患可能性がある、または高いと評価できる。また、前記試験工程では、前記生体試料の細胞において、前記細胞の核領域および細胞質領域の全体にわたって、THGの信号が分布する場合、前記被検者は、癌の罹患可能性がある、または高いと評価できる。他方、前記生体試料の細胞において、前記細胞の核領域におけるTHGの信号が、観察されない、または前記細胞の細胞質領域におけるTHGの信号と比較して、弱い場合、前記被検者は、癌の罹患可能性がない、または低いと評価できる。また、前記試験工程では、前記生体試料の細胞において、前記細胞の核領域および細胞質領域の全体にわたって、THGの信号が分布しない場合、前記被検者は、癌の罹患可能性がない、または低いと評価できる。
前記試験工程において、前記細胞質領域および前記核領域は、例えば、前記CARS顕微鏡の信号光を用いて特定してもよい。この場合、本発明の試験方法は、前記CARS顕微鏡等の非線形光学顕微鏡の信号光を用いて、前記細胞質領域および前記核領域の少なくとも一方を特定する領域特定工程を含む。また、本発明の試験方法は、例えば、前記試験工程では、前記細胞質領域および前記核領域の少なくとも一方において、THGの信号から再構築されるTHG像におけるTHGのシグナルの位置(分布)に基づき、試験する。前記細胞質領域は、例えば、タンパク質由来の信号光を用いて特定できる。また、前記核領域は、例えば、核酸およびタンパク質由来の信号光を用いて特定できる。前記核領域は、核酸およびタンパク質由来の信号光の重複する領域とすることが好ましい。前記細胞質領域および前記核領域の特定に用いる信号光は、例えば、下記表1を参照して、検出対象の分子に応じて適宜設定できる。なお、下記表1に示すラマンシフトの値は、典型的な数値であり、CARS顕微鏡に応じてその前後の領域でも検出対象の分子を検出可能である。また、CARS顕微鏡以外の非線形光学顕微鏡を用いる場合も、検出対象の分子に応じて、前記細胞質領域および前記核領域の特定に用いる信号光は、適宜設定できる。
Figure 2021076428
Abbreviations: stretch.: stretching; deform.: deformation; rock.: rocking; twist.: twisting; scis.: scissors; bend.: bending; sym. or s- symmetric; anti. or a- antisymmetric; deg.: degenerate; breath.: breathing; bk.: DNA backbone; A: adenine; C: cytosine; G: guanine; T: thymine; U: uracil; Phe: phenylalanine; Trp: tryptophan; Tyr: tyrosine.
また、前記癌細胞では、THGの信号から再構築されるTHG像において、前記細胞質領域内にTHGの信号光のシグナル強度が高い点状の領域(輝点)が存在する。これは、前記癌細胞では、脂肪滴を多数有するためと推定される。これに対して、前記正常細胞では、前記細胞質領域内にTHGの信号光のシグナルが高い点状の領域が存在しない。具体的には、前記輝点におけるTHGの信号光のシグナル強度は、例えば、前記正常細胞の細胞質領域におけるTHGの信号光のシグナル強度(例えば、細胞質領域全体の平均値)と比較して、1.5倍以上、1.7倍以上、1.8倍以上、1.85倍以上である。前記輝点におけるTHGの信号光のシグナル強度は、例えば、前記癌細胞の細胞質領域におけるTHGの信号光のシグナル強度(例えば、細胞質領域全体の平均値)と比較して、10倍以上、12.5倍以上、15倍以上、16倍以上、16.5倍以上である。このため、前記試験工程では、前記被検者の生体試料中の細胞について、THGの信号から再構築されるTHG像において、前記細胞質領域内にTHGの信号光のシグナルが高い点状の領域が存在するか否かにより、前記被検者の癌の罹患可能性を試験できる。具体的には、前記試験工程では、前記生体試料の細胞において、前記細胞の細胞質領域内にTHGの信号光のシグナルが高い点状の領域が存在する場合、前記被検者は、癌の罹患可能性がある、または高いと評価できる。他方、前記生体試料の細胞において、前記細胞の細胞の細胞質領域内にTHGの信号光のシグナルが高い点状の領域が存在しない場合、前記被検者は、癌の罹患可能性がない、または低いと評価できる。
前記試験工程において、前記輝点の存在の確認は、例えば、画像処理を用いて実施してもよい。前記画像処理は、例えば、二次元フーリエ変換があげられる。前記THG像において、輝点が存在すると、輝点が存在しないTHG像と比較して、二次元フーリエ変換により得られる周波数分布において、相対的に高い周波数成分が多く含まれる。そこで、前記試験工程では、例えば、前記THG像をフーリエ変換し、得られた周波数成分に基づき、より具体的には、得られた周波数分布と基準の周波数分布と比較して、被検者の癌の罹患可能性を試験してもよい。前記基準の周波数分布は、例えば、健常者または癌患者由来の生体試料から同様にして取得した周波数分布があげられる。
つぎに、前記試験工程において、THGの信号光の分散値、すなわち、THGの信号から再構築されるTHG像におけるTHGのシグナル(強度)の分散値に基づき、判定する方法について説明する。前記正常細胞では、前記細胞質領域全体に、一定度のシグナル強度を示すTHGの信号光が存在する、すなわち、前記THGの信号光のシグナル強度の分散値が小さい。他方、前記癌細胞では、前記細胞質領域において、前記THGの信号光が強い領域と、弱い領域とが存在する、すなわち、前記THGの信号光のシグナル強度の分散値が大きい。このため、前記試験工程では、前記被検者の生体試料中の細胞において、前記細胞の細胞質領域のTHGの信号光の分散値と基準値とに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を試験できる。前記基準値は、例えば、正常細胞の細胞質領域のTHGの信号光の分散値、癌細胞の細胞質領域のTHGの信号光の分散値等があげられる。前記試験工程に先立ち、本発明の試験工程は、前述のように、前記CARS顕微鏡等の非線形光学顕微鏡の信号光を用いて、前記細胞質領域および前記核領域の少なくとも一方を特定する領域特定工程を含んでもよい。この場合、本発明の試験方法において、例えば、前記試験工程では、前記被検者の生体試料中の細胞において、前記細胞の細胞質領域のTHGの信号光の分散値に基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を試験してもよい。
そして、前記試験工程では、前記被検者の生体試料中の細胞において、前記細胞の細胞質領域のTHGの信号光の分散値が、前記癌細胞の細胞質領域のTHGの信号光の分散値より有意に低い場合、および/または正常細胞の細胞質領域のTHGの信号光の分散値と同じ場合(有意差がない場合)、前記被検者は、癌の罹患可能性がない、または低いと評価できる。他方、前記試験工程では、前記被検者の生体試料中の細胞において、前記細胞の細胞質領域のTHGの信号光の分散値が、前記癌細胞の細胞質領域のTHGの信号光の分散値より有意に同じ場合(有意差がない場合)、および/または正常細胞の細胞質領域のTHGの信号光の分散値より有意に高い場合、前記被検者は、癌の罹患可能性がある、または高いと評価できる。
また、前記試験工程において、前記THGの信号光の位置および/またはTHGの信号光の分散値を、前記進行ステージごとの癌患者の生体試料における前記THGの信号光の位置および/またはTHGの信号光の分散値と比較することで、癌の進行度を評価できる。具体的には、前記被検者の生体試料におけるTHGの信号光の位置および/THGの信号光の分散値が、例えば、いずれかの進行ステージの癌患者の生体試料におけるTHGの信号光の位置および/またはTHGの信号光の分散値と同じまたは類似する場合(有意差がない場合)、前記被検者は、前記進行ステージの可能性があると評価できる。
前記試験工程において、予後の状態を評価する場合、例えば、癌患者または健常者の生体試料と比較して評価してもよいし、基準値として、同じ被検者の治療後の生体試料におけるTHGの信号光の位置および/またはTHGの信号光の分散値を使用して評価してもよい。具体例として、前記被検者の生体試料におけるTHGの信号光の位置および/またはTHGの信号光の分散値が、前記癌患者の生体試料における前記THGの信号光の位置および/またはTHGの信号光の分散値と同じまたは類似する場合、および/または前記健常者の生体試料における前記THGの信号光の位置と相違する場合、前記被検者は、前記治療後、再発または悪化の可能性があると評価できる。また、前記被検者の生体試料におけるTHGの信号光の位置および/またはTHGの信号光の分散値が、前記健常者の生体試料における前記THGの信号光の位置および/THGの信号光の分散値と同じまたは類似する場合、および/または、前記癌患者の生体試料における前記THGの信号光の位置と相違する場合、前記被検者は、前記治療後、再発の可能性がないもしくは可能性が低いと評価できる。
このようにして前記試験工程では、前記被検者の癌の罹患可能性を試験できる。なお、前記試験工程では、1つの試験方法を用いる例をあげて説明したが、複数の試験方法を組み合わせてもよい。この場合、前記試験工程では、いずれか1つの試験方法により癌の罹患可能性がある、または高いと判定された場合に、前記被検者は、癌の罹患可能性がある、または高いと評価してもよいし、複数の試験方法により癌の罹患可能性がある、または高い場合に、前記被検者は、癌の罹患可能性がある、または高いと評価してもよい。また、前記試験工程では、いずれか1つの試験方法により癌の罹患可能性がない、または低いと判定された場合に、前記被検者は、癌の罹患可能性がない、または低いと評価してもよいし、複数の試験方法により癌の罹患可能性がない、または低い場合に、前記被検者は、癌の罹患可能性がない、または低いと評価してもよい。
<判定装置、判定方法、判定端末および判定システム>
本発明の癌の罹患可能性の判定装置は、前述のように、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得部と、前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する判定部とを含む。また、本発明の癌の罹患可能性の判定方法は、前述のように、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得工程と、前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する判定工程とを含む。
本発明の癌の罹患可能性の判定システムは、前述のように、端末とサーバとを備え、前記端末と前記サーバとは、システム外の通信回線網を介して接続可能であり、前記端末は、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を入力する入力部と、前記THGに基づき判定された前記被検者の癌の罹患可能性の判定結果を出力する出力部とを備え、前記端末および前記サーバの全体が、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得部と、前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する判定部とを備える。
本発明の判定装置、判定方法、判定端末および判定システムは、前記第三高調波に基づき、被検者の癌の罹患可能性を試験することが特徴であり、その他の工程および条件は、特に制限されない。本発明の判定装置、判定方法、判定端末および判定システムは、前記本発明の試験方法の説明を援用できる。
(実施形態1)
図1に、本実施形態における判定システムのブロック図を示す。図1に示すように、本実施形態の判定システム100は、判定装置1および判定端末2とを備える。また、判定装置1は、取得部11および判定部12を備える。判定端末2は、入力部21、通信部22および出力部23を備える。図1に示すように、判定装置1は、通信回線網3を介して、判定端末2と接続可能である。本実施形態の判定装置1は、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本実施形態の判定装置1は、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC)であってもよい。また、図示していないが、判定装置1は、通信回線網3を介して、システム管理者の外部端末とも接続可能であり、システム管理者は、外部端末から判定装置1の管理を実施してもよい。
通信回線網3は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でもよいし、無線でもよい。通信回線網3は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)等があげられる。
判定端末2は、例えば、PC;携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末;スマートウォッチ、スマートグラス、ウェアラブル端末等があげられる。判定端末2は、例えば、カメラ、スキャナ等の撮像手段、IC(integrated circuit)カードリーダ、マイク等の音声入力手段等を備えてもよい。
つぎに、図2に、判定装置1のハードウェア構成のブロック図を例示する。判定装置1は、例えば、CPU(中央処理装置)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置106、ディスプレイ107、通信デバイス108等を有する。判定装置1の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して接続されている。判定装置1のハードウェア構成は、例えば、後述の学習装置におけるハードウェア構成としても採用できる。
CPU101は、例えば、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、判定装置1の全体の制御を担う。判定装置1において、CPU101により、例えば、本発明のプログラム105やその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、CPU101が、取得部11および判定部12として機能する。判定装置1は、演算装置として、CPUを備えるが、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、CPUとこれらとの組合せを備えてもよい。なお、CPU101は、例えば、後述する実施形態2における記憶手段以外の各部として機能する。
メモリ102は、例えば、メインメモリを含む。前記メインメモリは、主記憶装置ともいう。CPU101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104(補助記憶装置)に記憶されている本発明のプログラム105等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込む。そして、CPU101は、メモリ102からデータを読み出し、解読し、前記プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。メモリ102は、例えば、さらに、ROM(読み出し専用メモリ)を含む。
バス103は、例えば、外部機器とも接続できる。前記外部機器は、例えば、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンター等があげられる。判定装置1は、例えば、バス103に接続された通信デバイス108により、通信回線網に接続でき、通信回線網を介して、前記外部機器と接続することもできる。また、判定装置1は、通信デバイス108および通信回線網を介して、端末等にも接続できる。
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラム105を含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記憶媒体と、前記記憶媒体に読み書きするドライブとを含む。前記記憶媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、CD−ROM、CD−R、CD−RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等があげられ、前記ドライブは、特に制限されない。記憶装置104は、例えば、前記記憶媒体と前記ドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)であってもよい。
判定装置1は、例えば、さらに、入力装置106、ディスプレイ107を有する。入力装置106は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。ディスプレイ107は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置があげられる。本実施形態1において、入力装置106とディスプレイ107とは、別個に構成されているが、入力装置106とディスプレイ107とは、タッチパネルディスプレイのように、一体として構成されてもよい。
判定装置1において、メモリ102および記憶装置104は、ユーザからのアクセス情報およびログ情報、ならびに、外部データベース(図示せず)から取得した情報を記憶することも可能である。
図3に、判定端末2のハードウェア構成のブロック図を例示する。判定端末2は、例えば、CPU201、メモリ202、バス203、記憶装置204、入力装置(入力部)21、通信デバイス(通信部)22、ディスプレイ(表示部)23等を有する。判定端末2の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス203を介して接続されている。判定端末2の各構成の説明は、判定装置1の各構成の説明を援用できる。
つぎに、本実施形態の判定装置1の処理の一例について、被検者の生体試料についてCARS顕微鏡を用いて信号光を取得した場合を例に取り、図4のフローチャートに基づき、説明する。
判定装置1の処理に先立ち、まず、ユーザが、ユーザの判定端末2の入力部21により、CARS顕微鏡を用いて取得された信号光(例えば、第三高調波)の情報を入力する。前記信号光の情報は、1つでもよいし、複数でもよい。また、前記ユーザは、例えば、本実施形態の判定システム100のように一人でもよいし、複数人でもよい。前記CARS顕微鏡による信号光の取得は、ユーザが行なってもよいし、ユーザ以外が行なってもよい。前記CARS顕微鏡による信号光の取得は、前記本発明の試験方法における取得工程の説明を援用できる。
つぎに、CARS顕微鏡を用いて取得されたTHGの情報は、判定端末2の通信部22により、通信回線網3を介して、判定装置1に出力される。THGの情報が複数ある場合、各THGの情報は、同時に出力されてもよいし、別々に出力されてもよい。
つぎに、判定装置1による処理を開始する。まず、判定装置1の取得部11が、判定端末2から出力された前記CARS顕微鏡で取得された信号光、より具体的には、信号光の情報を取得する(S1、取得工程)。取得部11は、信号光の情報を受信することから、受信部ということもできる。また、この場合、S1工程は、受信工程ということもできる。前記取得工程において取得する信号光は、後述の判定工程で使用される信号光を含み、具体例として、THGの信号光を含むことが好ましい。前記THGの信号光の波数は、入射レーザの波数をλとするとλ/3となる。
つぎに、判定部12が、前記信号光、具体的には、THGの信号光に基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する(S2、判定工程)。S2工程では、前記被検者は癌の罹患の可能性がある、または高いと判定してもよいし、前記被検者は癌の罹患の可能性がないまたは低いとしてもよい。また、前記S2工程では、前記被検者の癌の罹患可能性が不明であると判定してもよい。
前記S2工程は、前記本発明の試験方法の試験工程と同様に実施でき、前記試験工程の説明において、「試験方法」を「判定方法」に、「試験工程」を「判定工程」に、「試験」を「判定」に読み替えてその説明を援用できる。
S2工程では、例えば、機械学習により生成された学習済モデルを用いて実施してもよい。前記学習済モデルは、例えば、後述する、前記THGと、前記癌の罹患可能性との組を教師データとして、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する学習済モデルがあげられる。
前記学習済モデルは、予め生成された学習済モデルでもよい。また、前記学習済モデルは、前記THGおよび前記癌の罹患可能性を組とした教師データと、既に生成された学習済モデルとを用いて、再学習させた学習済モデル(派生モデル)でもよい。さらに、前記学習済モデルは、前記THGと、前記癌の罹患可能性との組を教師データとして生成した学習済モデルを用いて転移学習することにより得られた学習済モデルでもよいし、前記THGと、前記癌の罹患可能性との組を教師データとして生成した学習済モデルをモデル圧縮することにより生成した学習済モデルでもよい。
実施形態1の判定システム100では、判定装置1で判定された前記被検者の癌の罹患可能性の判定結果を、判定端末2に出力してもよい。この場合、判定装置1は、前記被検者の癌の罹患可能性の判定結果を出力する判定結果出力部を備える。そして、判定装置1は、前記判定結果出力部により、前記被検者の癌の罹患可能性の判定結果を出力する(判定結果出力工程)。つぎに、出力された前記被検者の癌の罹患可能性の判定結果は、判定装置1の通信デバイス108により、通信回線網3を介して、判定端末2に出力される。そして、前記被検者の癌の罹患可能性の判定結果は、判定端末2の出力部23に表示される。
実施形態1において、信号光として、THGを用いる場合を例にあげて説明したが、他の信号光を用いてもよいし、他の信号光と併用してもよい。
実施形態1では、ハードウェア資源を用いて判定する場合を例にあげて説明したが、本発明はこれに限定されず、ハードウェア資源を用いなくてもよい。
<学習済モデルの製造方法および製造装置>
本発明の癌の罹患可能性の判定に用いる学習済モデルの製造装置は、前述のように、癌患者由来の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得部と、前記THGと、癌の罹患可能性との組を教師データとして、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する学習済モデルを生成する学習部とを含む。また、本発明の癌の罹患可能性の判定に用いる学習済モデルの製造方法は、前述のように癌患者由来の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得工程と、前記THGと、癌の罹患可能性との組を教師データとして、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する学習済モデルを生成する学習工程とを含む。本発明の学習装置および学習方法は、非線形光学顕微鏡により取得されたTHGと、前記癌の罹患可能性との組を教師データとして、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する学習済モデルを生成することが特徴であり、その他の構成および条件は、特に制限されない。本発明の学習装置および学習方法によれば、前記本発明の判定装置および判定方法に使用可能な学習済モデルを製造できる。本発明の製造装置および製造方法は、前記本発明の試験方法、判定装置、判定方法、判定端末、および判定システムの説明を援用できる。
(実施形態2)
図5に、本実施形態における学習装置のブロック図を示す。図5に示すように、本実施形態の学習装置4は、取得部41および学習部42を備える。本実施形態の学習装置4は、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本実施形態の学習装置4は、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC)であってもよい。取得部41は、実施形態1の判定装置1における取得部11と同様であり、その説明を援用できる。
実施形態2の学習装置4のハードウェア構成は、実施形態1の判定装置1において、CPUが、取得部11および判定部12に代えて、取得部41および学習部42を備え、本発明のプログラム105に代えて、本発明の学習方法をコンピュータ上で実行可能なプログラム205を備える以外は、実施形態1の判定装置1と同様であり、その説明を援用できる。
つぎに、図5の学習装置における処理の一例を、図6のフローチャートに基づいて説明する。
まず、実施形態1の判定方法のS1と同様に、取得部41により、癌患者由来の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する(S1、取得工程)。前記癌患者由来の生体試料は、特に制限されず、任意の数とできる。前記癌患者由来の生体試料が複数の場合、各癌患者由来の生体試料の由来は、同じでもよいし、異なってもよい。後者の場合、一部の癌患者由来の生体試料は、由来が同じであることが好ましい。具体例として、胃癌および肝臓癌かを判定可能な学習済モデルを生成する場合、前記癌患者由来の生体試料としては、胃癌および肝臓癌患者由来の生体試料を用いることが好ましい。また、各癌患者由来の生体試料は、複数用いることが好ましい。また、S1工程では、前記癌患者由来の生体試料に加えて、健常者の生体試料について非線形光学顕微鏡を用いて取得されたTHGを取得してもよい。前記非線形光学顕微鏡は、前述のように、CARS顕微鏡が好ましい。
つぎに、学習部42は、前記信号光(例えば、THG)と、前記癌の罹患可能性との組を教師データとして、前記信号光から癌の罹患可能性の判定結果を出力する学習済モデルを生成する(S3、学習工程)。具体的には、各癌患者および/または健常者由来の生体試料について、S1工程で得られた信号光と、前記癌の罹患可能性の有無とを関連付ける。関連付ける信号光は、S1工程で得られた信号光のスペクトル全体でもよいし、特定の信号光でもよいし、特定の信号光から得られる算出値でもよい。前記特定の信号光と関連づける場合、特定の信号光は、例えば、THGの信号光があげられる。前記特定の信号光を関連付ける場合、本実施形態の学習方法は、例えば、S1工程後、検出部により、得られた信号において、特定の信号光を検出する。前記検出部は、例えば、特定の信号光のシグナル強度を検出してもよいし、特定の信号光のシグナル強度の分散値を検出(算出)してもよいし、特定の信号光を再構築して得られた信号像における信号光の位置(局在)を検出してもよい。前記位置は、例えば、前記癌患者の生体試料中の細胞における細胞質領域および核領域のTHGの信号光の位置である。また、前記特定の信号光から得られる算出値と関連付ける場合、本実施形態の学習方法は、例えば、算出部により、特定の信号光の分散値、すなわち、特定の信号光のシグナル強度の分散値を算出してもよい。
学習済モデルの生成に用いる機械学習の方法は、特に制限されず、例えば、分類に用いる学習技法を用いることができる。具体例として、前記機械学習の方法としては、サポートベクターマシン、エクストリーム・ラーニング・マシン、表現学習(Feature learning)等があげられる。本実施形態において、前記機械学習は、教師あり学習を用いているが、半教師あり学習を用いてもよい。前記教師データの数は、複数であり、その上限は特に制限されない。
このようにして、S3工程では、学習済モデルを生成できる。
<プログラム>
本発明のプログラムは、前記本発明の判定方法または製造方法を、コンピュータ上で実行可能なプログラムである。または、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。
次に、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記実施例により制限されない。市販の試薬は、特に示さない限り、それらのプロトコルに基づいて使用した。
[実施例1]
CARS顕微鏡により取得した信号光に基づき、癌細胞を判別できることを確認した。
(1)CARS顕微鏡
実施例1で用いるCARS顕微鏡は、マルチプレックスCARS顕微分光装置を用いた。実施例1で用いたCARS顕微鏡の光学系の構成の概略図を図7に示す。
光源は、発振波長1064nm、パルス幅800ps、繰り返し周波数33 kHzのcw QスイッチマイクロチップNd:YAGレーザー(A)を用いた。パルス幅がサブナノ秒であり、1cm−1以下程度の線幅を持つ。この出力を二つに分け、一方はω光として基本波である中心波長1064nmのパルスレーザーを、他方はPCFに導入し、ω光としてスーパーコンティニュウム光を発生させた。ω光は、光源本体から出射されるレーザ光をf=400.0 mm(AC254-400-C f=400.0 mm, φ1" Achromatic Doublet, ARC: 1050-1700 nm; Thorlabs)の平凸レンズ(B)でコリメートし、ω光はPCFから出射された広帯域な波長成分を有するスーパーコンティニュウム光を非軸放物面鏡(Protected Silver Reflective Collimator, 450 nm-20 um, φ4 mm, FC/APC; Thorlabs)(C)に導入することでコリメートし伝搬させた。
また、ω光は伝搬の途中でVariable Neutral Density Filter(VND Filter)(D)と1064nm半波長板(S333-1064-2; 駿河精機社製)(E)を挟んだ。VND Filterは、試料に入射するω光の光量調整を、1064nm半波長板は後述するTHGアクティブな分子の偏光依存性を確認するために用いた。
さらに、ω光は中心波長1064nm以外にもその短波長側に微弱な成分を含んでおり、検出するCARS光の以外のω光に含まれる余分なスペクトル成分を効率的にカットするために1064nm narrow Band Pass Filter(1064.1-1 OD7 Ultra Narrow Bandpass; Alluxa)(F)を用いた。前記バンドパスフィルターは、中心波長1064.1nm、半値幅1nmのスペクトル成分のみを透過させる超狭帯域バンドパスフィルターを用いた。
ω光はPCFによって可視域から近赤外域まで緩やかに伸びるブロードなバンドを持っている。ω光の中心波長1064 nmに対してCARS光の測定に必要なω光の波長域は1064〜1650nm程度までである。そこで、ω光のコリメート直後に可視光の成分をカットする二つのフィルター1050 nm long Pass Filter(G)、赤外透過フィルター(IR80N; ケンコー光学社製)(H)によってω光の近赤外域に広がるスペクトル成分のみを十分に透過させた。そして、ω光とω光の合波後、二つの光を顕微鏡へと伝搬させた。
顕微鏡としては、倒立顕微鏡(eclipse Ti-U、株式会社Nikon社製)をカスタムメイドした正倒立顕微鏡を使用した。顕微鏡の倒立側から対物レンズ(Water immersion, Plan, ×60, 1.27NA; Nikon社製)(J)に入射し、試料に集光されたω光とω光によりCARSやTHGといった非線形光学現象が発生する。対物レンズで絞られているため、これらの非線形光学現象は位相整合条件から前方方向に効率よく発生する。焦点で発生した信号光は顕微鏡正立側の対物レンズ(Dry, S Plan Fluor, ×40, 0.60NA; Nikon社製)(K)によって集光、コリメートされた。
倒立側対物レンズにより試料面で集光された位置でパワーメーターを用いて測定した平均パワーはそれぞれω光が最大55 mW、ω光が最大20 mWであった。実際の測定ではこのうちパワーの高いω光に前述のVND Filterを用いることでサンプル信号強度の調節を行った。
顕微鏡にはハロゲンランプが備え付けられており、試料の光学像をCCDカメラで撮影可能である。顕微鏡内ではω光とω光がハロゲンランプの光と同軸に存在するため、倒立側対物レンズ直前のダイクロイックビームスプリッター(FF825-SDi01-25×36×2.0シングルエッジショートパスDichroicビームスプリッター; オプトライン社製)(L)と、正立側対物レンズの直後のダイクロイックミラー(TFMS-30C05-3/20超広帯域誘多膜平面ミラー; シグマ光機社製)(M)とを使用した。
顕微鏡に設置したステージは二軸の微小位置決め装置によって制御されるステップモータ式MicroStage(Micro-Stage(2 axis); Mad City Labs)(N)を利用した。さらに前記MicroStageの上に動作範囲75 μm×75 μm×50 μmのピエゾステージ(Nano-LPQ; Mad City Labs社製)(O)を設置し、ミリ単位での面内幅広いストロークに加え、さらに細かいストロークの面内ステージ制御と光軸Z方向、すなわち試料に対しての奥行方向のスキャンを可能とした。MicroStageは非常に高精度の駆動装置により最小ステップサイズ95 nm、最大速度2 mm/secの制御が可能である。
つぎに、検出器側の光学系は、以下の通りとした。顕微鏡の正立側対物レンズで集光された信号光は、直後のダイクロイックミラーによって反射され、その後ダイクロイックビームスプリッター(FF685-Di02-25×36 685 nm シングルエッジDichroicビームスプリッター; Semrock社製)(P)によって、近赤外域のCARS光を透過させ、可視域の光は反射させた。
可視域の光について、633nm short Pass Filter(Q)により可視域外の励起光由来のバックグラウンドを遮断し、その後f=65 mmの平凸レンズ(R)により分光器(Z-300 Series; LUCIR社製)(S)に集光させた。前記分光器を接続したPC上でソフトウェア(Ementool; Zolix社製)によって制御を行った。本実施例では、Grating Groove 300本/mm、Grating Blaze 500 nm、分光器の中心波長410 nmに設定した。THGの検出には電子冷却CCDカメラ(iVac300; Andor社製)(T)を用いた。
近赤外域の光はダイクロイックビームスプリッターを透過し、1064nm notch Filter(1064 Narrow ノッチフィルター; Iridian社製)(U)と1050nm short Pass Filter(3RD1050SP; Omega)(V)によってω光とω光を遮断し、CARS光のみを分光器へと導光した。
1064nm notch Filterと1050nm short Pass Filterとを透過後、CARS光はf=25 mmの平凸レンズで分光器(Acton Series LS785; Princeton Instruments社製)(X)によって波長ごとに分光され、電子冷却CCDカメラ(PIXIS 100BR; Princeton Instruments社製)(Y)で検出した。PIXIS 100BR、iVac 316、およびiVac300は、それぞれPC上のソフトウェア(LightField; Princeton Instruments社製、Andor SOLIS; Andor社製)によって制御されている。
(2)癌細胞
癌細胞としては、胃癌細胞および肝臓癌細胞を使用した。前記胃癌細胞は、ラット正常胃粘膜由来細胞(RGM−1)を親株とし、継代中に癌化した細胞に対して、蛍光タンパク質(Kusabira-Orange)を導入した細胞を用いた。肝臓癌細胞は、慢性肝臓炎の患者の肝臓において、癌組織部分から分離した細胞(tPH5CT)を用いた。また、胃癌細胞のコントロールは、前記正常胃粘膜由来細胞に、GFP(Green Fluorescent Protein)を導入した細胞(正常胃細胞)を使用した。前記肝臓癌細胞のコントロールは、前記肝臓癌細胞と同一の患者の肝臓において、非癌組織部分から分離した肝炎組織由来の細胞(上皮系細胞、tPH5CH)を使用した。
胃癌細胞および正常胃細胞は、35mm(直径)のガラスベースディッシュ(MatTek社製、Cat.No.: P35GC-0-14-C)に、カルチャーインサート(ibidi社製、Culture-Insert 2well)を配置し、インサートの一方のウェルに胃癌細胞を、他方のウェルに正常胃細胞を、5×10 cell/wellとなるように播種し、一晩37℃、5%COで培養した。前記培養後、前記ディッシュからカルチャーインサートを除去し、さらに一晩培養した。前記胃癌細胞の培養液は、グルタミン酸不含のDMEM F/12培地(Sigma-Aldrich 社製、Cat.No.: D6421)に、10%ウシ胎仔血清(FBS)、ペニシリン/ストレプトマイシン(Wako社製、Cat.No.:168-23191)、および0.75mg/mL G418(Millipore社製、Cat.No.:345812-10MLCN))となるように、各添加物を添加したものを用いた。前記正常胃細胞の培養液は、DMEM F/12培地(Gibco社製、Cat.No.: 11330-032)に、10%ウシ胎仔血清(FBS)、ペニシリン/ストレプトマイシン(Wako社製、Cat.No.:168-23191)、および0.75mg/mL G418(Millipore社製、Cat.No.:345812-10MLCN))となるように、各添加物を添加したものを用いた。
また、肝臓癌細胞および肝炎細胞は、I型コラーゲンがコートされたカバースリップ上に播種し、37℃、5%COで培養した。前記肝臓癌細胞および肝炎細胞の培養液は、Dulbecco’s modified Eagle(DMEM)培地(Wako社製)と、Ham’s F12培地(Wako社製)とを体積比が1:1となるように混合し、さらに、得られた混合培地に、2% ウシ胎仔血清(FBS、Wako社製)、120ng/mL ヒドロコルチゾン(Wako社製)、25ng/mL 上皮成長因子(EGF、TOYOBO社製)、100μg/mL トランスフェリン(Sigma-Aldrich 社製)、20ng/mL グルカゴン(PEPTIDE INSTITUTE社製)、10μg/mL インスリン(Wako社製)、10ng/mL セレニウム(Sigma-Aldrich 社製)、および500ng/mL リノール酸(Sigma-Aldrich 社製)となるように、各添加物を添加したものを用いた。
(3)測定
培養後の各癌細胞または正常細胞を含むプレパラートをスライドグラスにマウントし、前記実施例1(1)のCARS顕微鏡で、信号光を取得した。また、胃癌細胞および正常胃細胞については、蛍光像をあわせて取得した。そして、得られたTHGと、波数が2850(脂質)、2930(タンパク質)、または2970(核酸) Raman shift/cm-1との信号光を再構築し、THG像、脂質の像、タンパク質の像および核酸の像を作製した。また、前記蛍光像から、肝臓癌細胞と、肝炎細胞との領域を区別した。さらに、前記胃癌細胞および正常胃細胞について、細胞質領域および核領域におけるシグナル強度を測定後、測定値から、バックグラウンド(ディッシュまたはスリップのみのシグナル強度)のシグナル強度を引くことにより、各シグナル強度を算出した。これらの結果を図8〜10に示す。
図8は、肝臓癌細胞の信号光から再構築した像を示す写真である。図8において、(A)は、THG像を示し、(B)は、脂質の像を示し、(C)は、タンパク質の像を示し、(D)は、核酸の像を示す。図8において、横軸および縦軸は、各写真の左下を中心(0,0)とした際の座標(μm)を示す。図9は、肝炎細胞の信号光から再構築した像を示す写真である。図9において、(A)は、THG像を示し、(B)は、脂質の像を示し、(C)は、タンパク質の像を示し、(D)は、核酸の像を示す。図9において、横軸および縦軸は、座標を示す。図9(A)に示すように、肝炎細胞では、各細胞における細胞核核膜および核小体にTHGの信号光のシグナルが観察されたものの、肝臓癌細胞で観察されるスポット状のシグナルは細胞質にてほとんど観察されず、各領域におけるシグナルがほとんど観察されなかった。これに対して、図8(A)に示すように、肝臓癌細胞では、各細胞の細胞質領域において、THGの明るいスポット状のシグナルが多数観察された。また、各細胞の細胞質領域におけるシグナル分布に着目すると、肝炎細胞において、各細胞の細胞質領域では、THGの信号光のシグナル強度が比較的均一であった。これに対して、肝臓癌細胞では、各細胞の細胞質領域では、THGの信号光のシグナル強度が強い領域と弱い領域とがあり、シグナル強度は均一ではなかった。さらに、肝臓癌細胞では、THGの信号のシグナル強度が強い輝点が観察されるのに対して、正常な肝臓細胞および肝炎細胞では、このような輝点は観察されなかった。
つぎに、図10は、胃癌細胞および正常胃細胞の信号光から再構築した像を示す写真である。図10において、矢印Xで示す破線で囲った領域が、正常胃細胞の領域であり、矢印Yで示す破線で囲った領域が、胃癌細胞の領域である。図10に示すように、正常胃細胞では、各細胞における細胞質領域にTHGの信号光のシグナルが観察されたものの、核領域にはTHGのシグナルがほとんど観察されなかった。これに対して、胃癌細胞では、各細胞の細胞質領域および核領域において、THGの信号光のシグナルが観察された。また、各細胞の細胞質領域におけるシグナルに着目すると、正常胃細胞において、各細胞の細胞質領域では、THGの信号光のシグナル強度が比較的均一であった。これに対して、胃癌細胞では、各細胞の細胞質領域では、THGの信号光のシグナル強度が強い領域と弱い領域とがあり、シグナル強度は均一ではなかった。さらに、胃癌細胞では、THGの信号のシグナル強度が強い輝点(領域左下)が観察されるのに対して、正常胃細胞では、このような輝点は観察されなかった。そして、前記正常胃細胞において、細胞質領域のシグナル強度は、112.1であり、核領域のシグナル強度は、30.9であった。さらに、前記胃癌細胞において、細胞質領域のシグナル強度は、12.6であり、細胞質領域の輝点のシグナル強度は、210.1であった。このため、前記正常細胞において、核領域のシグナル強度は、細胞質領域のシグナル強度を基準として、27.5%に低減していた。また、前記輝点のシグナル強度は、前記正常細胞の細胞質領域のシグナル強度を基準として、1.87倍に増加していた。さらに、前記輝点のシグナル強度は前記癌細胞の細胞質領域のシグナル強度を基準として、16.7倍に増加していた。
以上のことから、CARS顕微鏡により取得したTHGに基づき、癌細胞とそれ以外の細胞、例えば、正常細胞および炎症下の細胞を判別できることが分かった。また、前記癌細胞は、THGの信号光の位置(分布)およびTHG信号光の分散値に基づき判別できることが分かった。
以上、実施形態および実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
<付記>
上記の実施形態および実施例の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて第三高調波(THG)を取得する取得工程と、
前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を試験する試験工程とを含む、癌の罹患可能性の試験方法。
(付記2)
前記試験工程において、前記THGの信号光の位置に基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を試験する、付記1記載の試験方法。
(付記3)
前記試験工程において、前記THGの信号光の分散値に基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を試験する、付記1または2記載の試験方法。
(付記4)
前記試験工程において、前記THGの信号光の分散値を基準値と比較し、前記THGの信号光の分散値が、前記基準値より大きい場合、前記被検者は、癌に罹患している可能性があるとする、付記3記載の試験方法。
(付記5)
前記基準値は、正常細胞におけるTHGの信号光の分散値である、付記4記載の試験方法。
(付記6)
前記癌は、消化器癌である、付記1から5のいずれかに記載の試験方法。
(付記7)
前記癌は、胃癌または肝臓癌である、付記1から6のいずれかに記載の試験方法。
(付記8)
前記非線形光学顕微鏡は、コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)顕微鏡である、付記1から7のいずれかに記載の試験方法。
(付記9)
前記生体試料は、細胞を含む、付記1から8のいずれかに記載の試験方法。
(付記10)
被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得部と、
前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する判定部とを含む、癌の罹患可能性の判定装置。
(付記11)
前記判定部において、前記THGの信号光の位置に基づき、前記被検者の癌の罹患可能性が判定される、付記10記載の判定装置。
(付記12)
前記判定部において、前記THGの信号光の分散値に基づき、前記被検者の癌の罹患可能性が判定される、付記10または11記載の試験方法。
(付記13)
前記判定部において、前記THGの信号光の分散値を基準値と比較し、前記THGの信号光の分散値が、前記基準値より大きい場合、前記被検者が、癌に罹患している可能性があると判定される、付記12記載の判定装置。
(付記14)
前記基準値は、正常細胞におけるTHGの信号光の分散値である、付記13記載の判定装置。
(付記15)
前記判定部において、前記THGに基づき、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する機械学習により生成された学習済みモデルを用いて、前記被検者の癌の罹患可能性が判定される、付記10から14のいずれかに記載の判定装置。
(付記16)
前記癌は、消化器癌である、付記10から15のいずれかに記載の判定装置。
(付記17)
前記癌は、胃癌または肝臓癌である、付記10から16のいずれかに記載の判定装置。
(付記18)
前記非線形光学顕微鏡は、コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)顕微鏡である、付記10から17のいずれかに記載の判定装置。
(付記19)
前記生体試料は、細胞を含む、付記10から18のいずれかに記載の判定装置。
(付記20)
被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得工程と、
前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する判定工程とを含む、癌の罹患可能性の判定方法。
(付記21)
前記判定工程において、前記THGの信号光の位置に基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する、付記20記載の判定方法。
(付記22)
前記判定工程において、前記THGの信号光の分散値に基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する、付記20または21記載の試験方法。
(付記23)
前記判定工程において、前記THGの信号光の分散値を基準値と比較し、前記THGの信号光の分散値が、前記基準値より大きい場合、前記被検者が、癌に罹患している可能性があると判定する、付記22記載の判定方法。
(付記24)
前記基準値は、正常細胞におけるTHGの信号光の分散値である、付記23記載の判定方法。
(付記25)
前記判定工程において、前記THGに基づき、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する機械学習により生成された学習済みモデルを用いて、前記被検者の癌の罹患可能性が判定される、付記20から24のいずれかに記載の判定方法。
(付記26)
前記癌は、消化器癌である、付記20から25のいずれかに記載の判定方法。
(付記27)
前記癌は、胃癌または肝臓癌である、付記20から26のいずれかに記載の判定方法。
(付記28)
前記非線形光学顕微鏡は、コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)顕微鏡である、付記20から27のいずれかに記載の判定方法。
(付記29)
前記生体試料は、細胞を含む、付記20から28のいずれかに記載の判定方法。
(付記30)
癌患者由来の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得部と、
前記THGと、癌の罹患可能性との組を教師データとして、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する学習済モデルを生成する学習部とを含む、癌の罹患可能性の判定に用いる学習済モデルの製造装置。
(付記31)
前記THGから、前記THGの信号光の位置を検出する位置検出部を含み、
前記学習部において、前記THGの信号光の位置と、前記癌の罹患可能性との組を教師データとする、付記30記載の製造装置。
(付記32)
前記THGから、前記THGの信号光の分散値を算出する算出部を含み、
前記学習部において、前記THGの信号光の分散値と、前記癌の罹患可能性との組を教師データとする、付記30または31記載の製造装置。
(付記33)
前記癌は、消化器癌である、付記30から32のいずれかに記載の製造装置。
(付記34)
前記癌は、胃癌または肝臓癌である、付記30から33のいずれかに記載の製造装置。
(付記35)
前記非線形光学顕微鏡は、コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)顕微鏡である、付記30から34のいずれかに記載の製造装置。
(付記36)
前記生体試料は、細胞を含む、付記30から35のいずれかに記載の製造装置。
(付記37)
癌患者由来の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得工程と、
前記THGと、癌の罹患可能性との組を教師データとして、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する学習済モデルを生成する学習工程とを含む、癌の罹患可能性の判定に用いる学習済モデルの製造方法。
(付記38)
前記THGから、前記THGの信号光の位置を検出する位置検出工程を含み、
前記学習工程において、前記THGの信号光の位置と、前記癌の罹患可能性との組を教師データとする、付記37記載の製造方法。
(付記39)
前記THGから、前記THGの信号光の分散値を算出する算出工程を含み、
前記学習工程において、前記THGの信号光の分散値と、前記癌の罹患可能性との組を教師データとする、付記37または38記載の製造方法。
(付記40)
前記癌は、消化器癌である、付記37から39のいずれかに記載の製造方法。
(付記41)
前記癌は、胃癌または肝臓癌である、付記37から40のいずれかに記載の製造方法。
(付記42)
前記非線形光学顕微鏡は、コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)顕微鏡である、付記37から41のいずれかに記載の製造方法。
(付記43)
前記生体試料は、細胞を含む、付記37から42のいずれかに記載の製造方法。
(付記44)
被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得処理と、
前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する判定処理とを、コンピュータ上で実行可能であるプログラム。
(付記45)
癌患者由来の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得処理と、
前記THGと、癌の罹患可能性との組を教師データとして、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する学習済モデルを生成する学習処理とを、コンピュータ上で実行可能であるプログラム。
(付記46)
被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を入力する入力部と、
前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する、付記10から19いずれかに記載の癌の罹患可能性の判定装置と通信可能な通信部と、
前記被検者の癌の罹患可能性の判定結果を出力する出力部とを含む、癌の罹患可能性の判定端末。
(付記47)
端末とサーバとを備え、
前記端末と前記サーバとは、システム外の通信回線網を介して接続可能であり、
前記端末は、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を入力する入力部と、
前記THGに基づき判定された前記被検者の癌の罹患可能性の判定結果を出力する出力部とを備え、
前記端末および前記サーバの全体が、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得部と、
前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する判定部とを備える、癌の罹患可能性の判定システム。
(付記48)
付記44または45記載のプログラムを記録している、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
以上のように、本発明によれば、癌の罹患可能性を試験できる。このため、本発明は、医療分野等において、極めて有用である。
1 判定装置
11 取得部
12 判定部
2 判定端末
3 通信回線網
4 学習装置
41 取得部
42 学習部

Claims (47)

  1. 被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて第三高調波(THG)を取得する取得工程と、
    前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を試験する試験工程とを含む、癌の罹患可能性の試験方法。
  2. 前記試験工程において、前記THGの信号光の位置に基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を試験する、請求項1記載の試験方法。
  3. 前記試験工程において、前記THGの信号光の分散値に基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を試験する、請求項1または2記載の試験方法。
  4. 前記試験工程において、前記THGの信号光の分散値を基準値と比較し、前記THGの信号光の分散値が、前記基準値より大きい場合、前記被検者は、癌に罹患している可能性があるとする、請求項3記載の試験方法。
  5. 前記基準値は、正常細胞におけるTHGの信号光の分散値である、請求項4記載の試験方法。
  6. 前記癌は、消化器癌である、請求項1から5のいずれか一項に記載の試験方法。
  7. 前記癌は、胃癌または肝臓癌である、請求項1から6のいずれか一項に記載の試験方法。
  8. 前記非線形光学顕微鏡は、コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)顕微鏡である、請求項1から7のいずれか一項に記載の試験方法。
  9. 前記生体試料は、細胞を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の試験方法。
  10. 被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得部と、
    前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する判定部とを含む、癌の罹患可能性の判定装置。
  11. 前記判定部において、前記THGの信号光の位置に基づき、前記被検者の癌の罹患可能性が判定される、請求項10記載の判定装置。
  12. 前記判定部において、前記THGの信号光の分散値に基づき、前記被検者の癌の罹患可能性が判定される、請求項10または11記載の試験方法。
  13. 前記判定部において、前記THGの信号光の分散値を基準値と比較し、前記THGの信号光の分散値が、前記基準値より大きい場合、前記被検者が、癌に罹患している可能性があると判定される、請求項12記載の判定装置。
  14. 前記基準値は、正常細胞におけるTHGの信号光の分散値である、請求項13記載の判定装置。
  15. 前記判定部において、前記THGに基づき、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する機械学習により生成された学習済みモデルを用いて、前記被検者の癌の罹患可能性が判定される、請求項10から14のいずれか一項に記載の判定装置。
  16. 前記癌は、消化器癌である、請求項10から15のいずれか一項に記載の判定装置。
  17. 前記癌は、胃癌または肝臓癌である、請求項10から16のいずれか一項に記載の判定装置。
  18. 前記非線形光学顕微鏡は、コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)顕微鏡である、請求項10から17のいずれか一項に記載の判定装置。
  19. 前記生体試料は、細胞を含む、請求項10から18のいずれか一項に記載の判定装置。
  20. 被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得工程と、
    前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する判定工程とを含む、癌の罹患可能性の判定方法。
  21. 前記判定工程において、前記THGの信号光の位置に基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する、請求項20記載の判定方法。
  22. 前記判定工程において、前記THGの信号光の分散値に基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する、請求項20または21記載の試験方法。
  23. 前記判定工程において、前記THGの信号光の分散値を基準値と比較し、前記THGの信号光の分散値が、前記基準値より大きい場合、前記被検者が、癌に罹患している可能性があると判定する、請求項22記載の判定方法。
  24. 前記基準値は、正常細胞におけるTHGの信号光の分散値である、請求項23記載の判定方法。
  25. 前記判定工程において、前記THGに基づき、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する機械学習により生成された学習済みモデルを用いて、前記被検者の癌の罹患可能性が判定される、請求項20から24のいずれか一項に記載の判定方法。
  26. 前記癌は、消化器癌である、請求項20から25のいずれか一項に記載の判定方法。
  27. 前記癌は、胃癌または肝臓癌である、請求項20から26のいずれか一項に記載の判定方法。
  28. 前記非線形光学顕微鏡は、コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)顕微鏡である、請求項20から27のいずれか一項に記載の判定方法。
  29. 前記生体試料は、細胞を含む、請求項20から28のいずれか一項に記載の判定方法。
  30. 癌患者由来の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得部と、
    前記THGと、癌の罹患可能性との組を教師データとして、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する学習済モデルを生成する学習部とを含む、癌の罹患可能性の判定に用いる学習済モデルの製造装置。
  31. 前記THGから、前記THGの信号光の位置を検出する位置検出部を含み、
    前記学習部において、前記THGの信号光の位置と、前記癌の罹患可能性との組を教師データとする、請求項30記載の製造装置。
  32. 前記THGから、前記THGの信号光の分散値を算出する算出部を含み、
    前記学習部において、前記THGの信号光の分散値と、前記癌の罹患可能性との組を教師データとする、請求項30または31記載の製造装置。
  33. 前記癌は、消化器癌である、請求項30から32のいずれか一項に記載の製造装置。
  34. 前記癌は、胃癌または肝臓癌である、請求項30から33のいずれか一項に記載の製造装置。
  35. 前記非線形光学顕微鏡は、コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)顕微鏡である、請求項30から34のいずれか一項に記載の製造装置。
  36. 前記生体試料は、細胞を含む、請求項30から35のいずれか一項に記載の製造装置。
  37. 癌患者由来の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得工程と、
    前記THGと、癌の罹患可能性との組を教師データとして、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する学習済モデルを生成する学習工程とを含む、癌の罹患可能性の判定に用いる学習済モデルの製造方法。
  38. 前記THGから、前記THGの信号光の位置を検出する位置検出工程を含み、
    前記学習工程において、前記THGの信号光の位置と、前記癌の罹患可能性との組を教師データとする、請求項37記載の製造方法。
  39. 前記THGから、前記THGの信号光の分散値を算出する算出工程を含み、
    前記学習工程において、前記THGの信号光の分散値と、前記癌の罹患可能性との組を教師データとする、請求項37または38記載の製造方法。
  40. 前記癌は、消化器癌である、請求項37から39のいずれか一項に記載の製造方法。
  41. 前記癌は、胃癌または肝臓癌である、請求項37から40のいずれか一項に記載の製造方法。
  42. 前記非線形光学顕微鏡は、コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)顕微鏡である、請求項37から41のいずれか一項に記載の製造方法。
  43. 前記生体試料は、細胞を含む、請求項37から42のいずれか一項に記載の製造方法。
  44. 被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得処理と、
    前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する判定処理とを、コンピュータ上で実行可能であるプログラム。
  45. 癌患者由来の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得処理と、
    前記THGと、癌の罹患可能性との組を教師データとして、前記THGから癌の罹患可能性の判定結果を出力する学習済モデルを生成する学習処理とを、コンピュータ上で実行可能であるプログラム。
  46. 被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を入力する入力部と、
    前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する、請求項10から19いずれか一項に記載の癌の罹患可能性の判定装置と通信可能な通信部と、
    前記被検者の癌の罹患可能性の判定結果を出力する出力部とを含む、癌の罹患可能性の判定端末。
  47. 端末とサーバとを備え、
    前記端末と前記サーバとは、システム外の通信回線網を介して接続可能であり、
    前記端末は、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を入力する入力部と、
    前記THGに基づき判定された前記被検者の癌の罹患可能性の判定結果を出力する出力部とを備え、
    前記端末および前記サーバの全体が、被検者の生体試料について、非線形光学顕微鏡を用いて取得された第三高調波(THG)を取得する取得部と、
    前記THGに基づき、前記被検者の癌の罹患可能性を判定する判定部とを備える、癌の罹患可能性の判定システム。
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