以下、図面を参照して、本実施形態に係る遊技機について説明する。なお、本実施形態では、遊技機としてパチスロ機を例に挙げて説明する。
[1.パチスロ機の構造]
まず、図1及び図2を参照して、パチスロ機1の構造について説明する。なお、図1は、パチスロ機1の外部構造を示す図であり、図2は、パチスロ機1の内部構造を示す図である。また、説明の便宜上、以下の外部構造の説明において、内部構造の一部を説明する場合があり、内部構造の説明において、外部構造の一部を説明する場合がある。
[1−1.外部構造]
[1−1−1.筐体]
パチスロ機1は、矩形箱状の筐体2により構成されている。また、筐体2は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
キャビネットGは、中間支持板G1と、左右一対の側面壁G2と、背面壁G3と、上面壁G4と、底面壁G5とを有している。なお、図1及び図2においては、背面壁G3及び底面壁G5の図示を省略している。また、キャビネットGの上面壁G4には、左右方向に所定の間隔を空けて、上下方向に貫通する2つの開口G4aが形成されている。そして、この2つの開口G4aそれぞれを塞ぐように木製の板部材G4bが上面壁G4に取付けられている。
なお、板部材G4bは、パチスロ機1を遊技店に設置する際に遊技島(不図示)に固定するために用いられるが、このような固定の方法が確保される限り、金属材や樹脂材で構成することもできるし、上面壁G4と一体に形成することもできる。また、キャビネットGについて一定の強度が確保される限り、各構成部材の一部又は全部を木材や樹脂材で構成することもできる。
また、キャビネットGは、その内部において、中間支持板G1を挟んで上側に、前方に開口する上側開口部G101が形成されており、中間支持板G1を挟んで下側に、前方に開口する下側開口部G102が形成されている。すなわち、キャビネットG内は、中間支持板G1を挟んで上部空間と下部空間とに仕切られており、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、後述のメイン表示装置210等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、後述のリールユニットRUや主制御基板71等が収容される。
なお、キャビネットGは、必ずしも中間支持板G1を含んで構成されていなくともよい。すなわち、キャビネットG内において各装置等が適切に収容される限り、上部空間と下部空間を仕切らない構成としてもよい。また、キャビネットGは、単に「箱体」や「本体」と称することもできるし、上ドア機構UD及び下ドア機構DDを支持、あるいは固定する枠体として機能するため、「本体枠」、「支持体」、「支持枠」、あるいは「固定枠」等と称することもできる。
[1−1−2.前面扉]
上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成され、キャビネットGにおける開口の上部空間及び下部空間を閉塞可能に設けられている。すなわち、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、パチスロ機1の前面側に設けられた前面扉(フロントドア)として機能している。
また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのそれぞれは、例えば、左側の側面壁G2に設けられたヒンジ等の開閉機構(不図示)によって、キャビネットGに対して開閉自在に取付けられている。なお、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのいずれか一方については上述の開閉機構によって開閉自在とし、他方については一方のドア機構が開放状態となったときにのみ着脱可能となるように構成することもできる。
上ドア機構UDは、その中央部に設けられた演出表示窓UD1と、演出表示窓UD1の上部に設けられた上部ランプ23とを有している。演出表示窓UD1は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、その背面側に設けられた後述のメイン表示装置210を構成するスクリーン装置Cに表示された演出画像を視認可能としている。なお、本実施形態では、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を、メイン演出表示部21として説明する場合がある。
下ドア機構DDは、その上部の略中央部に設けられたメイン表示窓4と、メイン表示窓4の背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたリールユニットRUとを有している。
リールユニットRUは、3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。各リール3L,3C,3Rは、例えば、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のリール帯から構成され、リール帯には、複数(例えば、20個)の図柄がリールの回転方向に沿って所定の間隔を空けて描かれている。また、各リール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。メイン表示窓4は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、各リール3L,3C,3Rの周面上の図柄について少なくとも一部(例えば、3個)を視認可能としている。また、各リール3L,3C,3Rの内部には、少なくともメイン表示窓4から図柄が視認される位置に光源(後述のランプ・LED類に含まれるリールランプ)が設けられ、少なくとも各リール3L,3C,3Rが回転中であるときにはこれらを内部から一定の輝度で照明することで、図柄の視認性を確保している。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の左側に設けられたサブ演出表示部22と、メイン表示窓4の右側に設けられた演出用ボタン10bとを有している。サブ演出表示部22は、後述のサブ表示装置220に表示された演出画像を表示する。なお、サブ演出表示部22をタッチパネルとして構成し、演出表示を行う機能のみならず、演出用ボタンの1つとして機能させることもできる。演出用ボタン10bは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の下方に形成された略水平面の台座部において、左側に設けられたMAXベットボタン6a,1ベットボタン6b,精算ボタン9と、略中央部に設けられた演出用ボタン10aと、右側に設けられたメダル投入口5とを有している。
MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bは、パチスロ機1の内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者の遊技操作(ベット操作。「投入操作」や「掛け操作」等と称することもできる)を受付ける操作部である。MAXベットボタン6aが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数(例えば、3枚)未満であり、クレジットされているメダルがその差分以上ある場合には、最大ベット数のメダルがベットされる。一方、クレジットされているメダルがその差分以上ない場合には、メダルはベットされない。また、1ベットボタン6bが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数未満であり、クレジットされているメダルが1枚以上ある場合には、1枚のメダルがベットされる。
精算ボタン9は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の遊技操作(精算操作)を受付ける操作部である。なお、クレジットされているメダルがない状態で精算ボタン9が操作された場合、投入され、あるいは払出されるメダルに関し、クレジット可能数(例えば、50枚)の範囲内において、当該メダルをクレジットするクレジットモード(Cモード)と、当該メダルをクレジットしないペイモード(Pモード)とのいずれかのモードを選択可能とするための遊技者の遊技操作(C/Pモード選択操作)を受付可能としてもよい。すなわち、精算ボタン9をいわゆるC/Pボタンとして機能させることもできる。演出用ボタン10aは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
メダル投入口5は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受入れる。受入れたメダルは、後述のセレクタ31によって検出されるとともに、適正なメダルであるか否かが判定される。受入れた1枚のメダルが適正なものでない場合、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。また、受入れた1枚のメダルが適正なものである場合、現在のベット数が最大ベット数未満である場合には、1枚のメダルがベットされる。現在のベット数が最大ベット数であり、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達していない場合には、1枚のメダルがクレジットされる。一方、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達している場合には、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4と上述の台座部との間に設けられた情報表示装置14を有している。情報表示装置14は、複数のランプ(LED)や7セグメントLEDを含んで構成され、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する。
また、下ドア機構DDは、上述の台座部の下方において、左側に設けられたスタートレバー7と、略中央部に設けられた3個のストップボタン8L,8C,8Rと、右側に設けられた施錠機構15とを有している。スタートレバー7は、所定の角度範囲で傾動自在に取付けられ、遊技を開始させるための遊技者の遊技操作(開始操作)を受付ける操作部である。各ストップボタン8L,8C,8Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の遊技操作(停止操作)を受付ける操作部である。
施錠機構15は、例えば、キーシリンダー錠から構成され、下ドア機構DDが閉鎖状態であるとき、遊技店側の管理者(例えば、遊技店の店員等。以下同じ)が鍵穴にドアキー(不図示)を挿入した状態で右に回すと解錠し、下ドア機構DDが開放状態となる。なお、施錠機構15には、ドア機構の開閉を管理する機能のみならず、リセットスイッチとしての機能をもたせてもよい。例えば、遊技店側の管理者が鍵穴にドアキーを挿入した状態で左に回した場合には、後述のリセットスイッチ53と同様のリセット操作を検出可能としてもよい。また、本実施形態では、下ドア機構DDが開放状態となったとき、これに連動して上ドア機構UDも開放状態となるように構成することもできるし、上ドア機構UDに対応する施錠機構を別途設けるようにし、それぞれ独立して開閉を管理可能とすることもできる。
また、下ドア機構DDは、その下部の中央部に設けられた腰部パネル13と、腰部パネル13の下方に設けられたメダル受皿12と、メダル受皿12の上方に設けられたメダル払出口11と、メダル払出口11の左右に設けられた透音孔24a,24bとを有している。
腰部パネル13は、例えば、機種の名称を表すロゴやモチーフを表すキャラクタ等の機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光源(後述のランプ・LED類に含まれる腰部ランプ)から構成される。メダル受皿12は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留する。メダル払出口11は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出する。なお、メダル払出口11から排出されるメダルは、後述のホッパー装置32から払出されたものと、後述のセレクタ31からキャンセルシュート(不図示)を通って返却されたものとがある。透音孔24a,24bは、それぞれの背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたスピーカ35a,35b(スピーカ35aは図2において符号省略)から出力される効果音やBGM等の音声をパチスロ機1の前面側に向かって透過する。
なお、本実施形態では、キャビネットG内が上部空間と下部空間とに仕切られていることに対応して上ドア機構UD及び下ドア機構DDを設けることとしているが、キャビネットGにおける開口を適切に開閉可能とする限り、単一のドア機構として構成することもできるし、3つ以上のドア機構として構成することもできる。また、前後方向に二重に構成されたドア機構(例えば、外扉と内扉等)として構成することもできる。また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、単に「扉」や「ドア」と称することもできるし、キャビネットGにおける開口を開閉可能とする部材として機能するため、「開閉部材」、「扉部材」、あるいは「ドア部材」等と称することもできる。
[1−1−3.変動表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4を備える。各リール3L,3C,3Rは、スタートレバー7が操作されると(遊技者によって開始操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることにより回転を開始する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が変動表示される。また、各リール3L,3C,3Rは、各ストップボタン8L,8C,8Rが操作されると(遊技者によって停止操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることによりそれぞれの回転を停止する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が停止表示される。
すなわち、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4は、複数の図柄を複数列に変動表示(及び停止表示)可能な変動表示部(手段)、あるいは複数の図柄を変動表示(及び停止表示)可能な複数の変動表示部(手段)を構成する。なお、変動表示部(手段)は、「図柄表示部(手段)」や「可変表示部(手段)」等と称することもできる。また、図柄は、「絵柄」や「柄」等と称することもできるし、遊技者が視認により識別可能な情報であればよいことから、その意味において「識別情報」等と称することもできる。
また、メイン表示窓4は、各リール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、それぞれについて連続して配置された3個の図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、メイン表示窓4は、各列において上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する(メイン表示窓4の枠内には、3行×3列の態様で図柄が表示される)。なお、メイン表示窓4は、「図柄表示領域」や「窓部」等と称されることがある。
また、メイン表示窓4には、有効ラインが定義される。有効ラインは、遊技者の停止操作に応じて全ての列の図柄が停止表示されたときに、規定された図柄の組合せが表示されたか否かを判定するためのラインである。その意味において、有効ラインは、「入賞ライン」や「判定ライン」等と称することもできる。また、有効ラインは、各列の各領域のいずれかを結ぶラインとして構成される。すなわち、メイン表示窓4が3行×3列の態様で図柄を表示するように構成される場合、最大27通りの有効ラインを定義することが可能である。もっとも、実際には、そのうちの一又は複数通りのラインを有効ラインとして定義し、他のラインは有効ラインではない無効ラインとして定義することができる。
なお、例えば、リール3Lの中段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの中段領域を結ぶラインは「センターライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの上段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「トップライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの下段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「ボトムライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「クロスアップライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「クロスダウンライン」等と称され、これらは各列の各領域を一直線で結ぶラインであることから、これらのうちの一又は複数通りのラインが有効ラインとして定義されることが多い。もっとも、上述のとおり、各列の各領域を折れ線で結ぶ、いわゆる変則ラインを有効ラインとして定義することもできる。
また、有効ラインが有効化されるためには、遊技者の開始操作に先立って、今回の遊技に必要な分の(遊技開始可能枚数分の)メダルがベットされている必要があるが、有効化される有効ライン数は、ベット数にかかわらず同じであってもよいし、ベット数に応じて変動してもよい。例えば、上述の「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」の3通りのラインが有効ラインとして定義されているとした場合、前者の場合には、ベット数が1〜3のいずれであっても「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。一方、後者の場合には、ベット数が1であれば「センターライン」のみが有効化され、ベット数が2であれば「センターライン」及び「トップライン」が有効化され、ベット数が3(最大ベット数)であれば「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。
なお、本実施形態では、変動表示部が、3個のリール3L,3C,3Rと、各列において3個ずつの図柄を表示可能とするメイン表示窓4とを有することで、3行×3列の態様で図柄を表示するものとしていたが、変動表示部における図柄表示態様はこれに限られない。例えば、リール数を1個、2個、あるいは4個以上とし、また、例えば、各列における図柄の表示数を1個、2個、あるいは4個以上とすることで上述の態様とは異なる態様で図柄を表示することもできる。また、この場合、定義可能な有効ライン数も適宜増減する。
また、本実施形態では、変動表示部が、各リール3L,3C,3Rを回転させることによって図柄を変動表示するものとしていたが、変動表示部の構成はこれに限られない。例えば、後述のメイン表示装置210やサブ表示装置220と同様の画像表示装置を用いた構成としてもよいし、その他の表示装置(例えば、有機ELや7セグメントLED等)を用いた構成としてもよい。また、例えば、その他の物理的装置(例えば、ベルト等)を用いた構成としてもよい。また、変動表示部の配置や大きさ等は適宜変更可能である。
また、本実施形態では、変動表示部が、後述の主制御回路100によって制御される、遊技に直接関連するメイン側表示部として機能とするものとしていたが、これとともに、後述の副制御回路200によって制御される、遊技に直接関連しない演出に関連するサブ側表示部としての変動表示部を設けるようにしてもよい。なお、サブ側表示部は、例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220を用いた構成とすることができる。すなわち、遊技者の開始操作(あるいは、その他開始条件の成立)に応じて図柄を変動表示させ、遊技者の停止操作(あるいは、その他停止条件の成立)に応じて図柄を停止表示させる変動表示部として、メイン側表示部のみならず、サブ側表示部を設けるようにしてもよい。なお、この場合、遊技者が変動表示部について遊技に直接関連するものであるか否かを識別可能とするため、メイン側表示部の近傍には、「回胴」ないし「メインリール」といった文字が表示された識別表示を付しておき、当該変動表示部がメイン側表示部であることを識別可能とすればよい。なお、このような識別表示は、メイン表示装置210やサブ表示装置220において表示されるようにしてもよい。
[1−1−4.メダル投入口]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受け入れるメダル投入口5を備える。なお、メダル投入口5及び後述のセレクタ31は、MAXベットボタン6aや1ベットボタン6bと同様に、1回の遊技に必要なメダル数をベットする機能を有することから、このような投入動作は、例えば、ベット操作と換言することもできる。したがって、メダル投入口5は、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)であるともいえる。なお、メダル投入口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
なお、本実施形態では、遊技に使用し、あるいは遊技結果に応じて付与される遊技価値として、遊技媒体としてのメダルを用いることを一例として説明しているが、このように用いられる遊技価値はこれに限られない。例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を用いることもできる。また、遊技価値は、単に「価値」、あるいは「遊技用価値」等と称することもできる。
[1−1−5.操作部]
パチスロ機1は、遊技者が操作可能な操作部として、例えば、以下に示す各操作部を備える。なお、以下に示す各操作部はあくまで一例であって、これらとは異なる操作部を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない操作部については、これを備えない構成としてもよい。
[1−1−5−1.ベットボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、その内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者のベット操作を受付けるMAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを備える。また、このようなベット操作は、後述のベットスイッチ6Sによって検出される。したがって、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6b、並びにベットスイッチ6Sは、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)を構成する。なお、ベットボタンは、あくまで遊技者のベット操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを設けているが、1ベットボタン6bを設けることなくMAXベットボタン6aのみを設けるようにしてもよい。また、2枚のメダルがベットされる2ベットボタンを別途設けるようにしてもよい。
[1−1−5−2.スタートレバー]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を開始させるための遊技者の開始操作を受付けるスタートレバー7を備える。また、このような開始操作は、後述のスタートスイッチ7Sによって検出される。したがって、スタートレバー7及びスタートスイッチ7Sは、遊技者の開始操作を検出可能な開始操作検出部(手段)を構成する。なお、スタートレバーは、あくまで遊技者の開始操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1−1−5−3.ストップボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の停止操作を受付ける各ストップボタン8L,8C,8Rを備える。また、このような開始操作は、後述のストップスイッチ8Sによって検出される。したがって、各ストップボタン8L,8C,8R及びストップスイッチ8Sは、遊技者の停止操作を検出可能な停止操作検出部(手段)を構成する。なお、ストップボタンは、あくまで遊技者の停止操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1−1−5−4.精算ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の精算操作(返却操作)を受付ける精算ボタン9を備える。また、このような精算操作は、後述の精算スイッチ9Sによって検出される。したがって、精算ボタン9及び精算スイッチ9Sは、遊技者の精算操作を検出可能な精算操作検出部(手段)を構成する。なお、精算ボタンは、あくまで遊技者の精算操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1−1−5−5.演出用ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者の演出操作を受付ける演出用ボタン10a,10bを備える。なお、このような演出操作は、それぞれの演出用ボタンに対応して設けられた検出スイッチ(不図示)によって検出される。したがって、演出用ボタン10a,10b及び当該検出スイッチは、遊技者の演出操作を検出可能な演出操作検出部(手段)を構成する。なお、演出用ボタンは、あくまで遊技者の演出操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、2個の演出用ボタン10a,10bを設けているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出用ボタンを設けるように構成することもできる。
なお、演出用ボタンの主な用途としては、特定の演出(例えば、後述の操作連動演出)実行時に演出態様を変化させること、後述のユーザーメニューにおいて選択・決定操作を行うこと等である。したがって、用途に応じた演出用ボタンを設けるように構成することもできる。例えば、前者の用途では演出用ボタン10a,10bが使用されるものとし、後者の用途では上述のタッチパネルを使用するように構成することもできる。なお、後者の用途で用いるために、別の演出用ボタンとして、選択・決定操作を受付可能なジョグダイヤルや十字キー等を設けるように構成することもできる。
[1−1−6.メダル払出口]
上述のとおり、パチスロ機1は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出するメダル払出口11を備える。なお、入賞が発生してメダルを払出す場合、メダル払出口11は、後述のホッパー装置32から払出されたメダルを遊技者に付与するものであることから、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、メダル払出口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1−1−7.メダル受皿]
上述のとおり、パチスロ機1は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留するメダル受皿12を備える。すなわち、メダル受皿12は、付与された遊技価値を貯留可能な貯留部(手段)を構成する。なお、メダル受皿の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1−1−8.腰部パネル]
上述のとおり、パチスロ機1は、例えば、機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための腰部ランプから構成される腰部パネル13を備える。なお、腰部パネル13は、基本的にはそのパチスロ機1がどういった機種であるかを遊技者にわかりやすく示すものであるが、例えば、腰部ランプの点灯態様により、あるいは、腰部パネル13そのものを画像表示装置等で構成することにより演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成することもできる。
[1−1−9.情報表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する情報表示装置14を備える。すなわち、情報表示装置14は、遊技に関する情報を表示可能な情報表示部(手段)を構成する。
情報表示装置14は、例えば、インサートランプと、スタートランプと、リプレイランプと、ベット数ランプと、クレジットランプと、払出数ランプと、指示モニタと、リミットランプ等を含んで構成される。
インサートランプは、点灯することでメダルの投入が可能であることを表示する。スタートランプは、点灯することでスタートレバー7の操作にともなって遊技の開始が可能であることを表示する。リプレイランプは、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを表示する。ベット数ランプは、点灯することでベットされたメダル数を表示する。クレジットランプは、その点灯態様によりクレジットされているメダル数を表示する。払出数ランプは、その点灯態様により遊技結果に応じて払出されたメダル数(払出数)を表示する。
また、指示モニタは、報知ランプ(停止操作表示部)と、区間ランプ(状態表示部)と、を含んで構成される。報知ランプは、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下(例えば、AT状態)において、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で点灯することで、停止操作の情報を表示する。なお、「報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様」とは、例えば、押し順(本実施形態では、これを「打順」として説明する場合がある)「1st(第1停止操作をリール3Lに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作をリール3Cに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作をリール3Rに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「3」を表示する等の態様のことである。なお、報知ランプは、クレジットランプや払出数ランプとは必ずしも別に設けられていなくともよい。例えば、クレジットランプ又は払出数ランプのいずれかを用いて、停止操作の情報を表示してもよい。
このように、本実施形態では、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下においては、後述の副制御回路200によって制御されるサブ側報知手段(例えば、メイン演出表示部21)のみならず、後述の主制御回路100によって制御されるメイン側報知手段としての指示モニタにおいても停止操作の情報が報知される。なお、メイン側報知手段における報知の態様と、サブ側報知手段における報知の態様とは、互いに異なる態様であってもよい。すなわち、メイン側報知手段では、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない。例えば、押し順「1st」を報知する場合、指示モニタにおいて数値「1」が表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もある。一方、サブ側報知手段では、停止操作の情報を直接的に報知すればよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合、メイン演出表示部21では、リール3Lに対して第1停止操作を行わせるための指示情報を直接的に報知すればよい。
また、区間ランプは、点灯することで現在の状態が後述の有利区間中であることを表示する。区間ランプは、例えば、後述の非有利区間から有利区間に移行するとき、当該有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯し、当該有利区間が終了して非有利区間に移行するとき、当該非有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで消灯する。なお、区間ランプの点灯タイミングはこれに限られない。例えば、非有利区間又は有利区間における後述の演出区間(通常有利区間)から最初に有利区間における後述の増加区間(AT状態)に移行するとき、当該増加区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯するものとしてもよい。すなわち、区間ランプは、演出区間であるか増加区間であるかを問わず有利区間中であることを報せるものであってもよいし、少なくとも最初の増加区間の開始からこれを含めた有利区間が終了するまでの期間を報せるものであってもよい。
また、リミットランプは、その点灯態様により後述のリミット処理が実行されたこと、あるいはその可能性を表示する。例えば、リミット処理が実行された場合に点灯することで遊技者に有利な状態(例えば、AT状態)がリミット処理の実行によって強制的に終了されたことを報せる。また、例えば、リミット処理の実行が近い場合に点滅することで当該有利な状態がリミット処理の実行によって強制的に終了される可能性が高いことを報せる。なお、これら以外にも点灯、点滅又は消灯の契機を設けることで、リミット処理に関するその他の情報を適宜報せることもできる。
[1−1−10.演出表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、演出画像を表示するメイン演出表示部21及びサブ演出表示部22を備える。メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22は、演出表示を行うことが可能な演出表示部(手段)を構成する。また、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。
メイン演出表示部21は、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を含んで構成される。また、メイン表示装置210は、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置された表示ユニットAと、画像表示用の照射光を出射する照射ユニットBと、照射ユニットBからの照射光が照射されることにより画像を出現させるスクリーン装置Cとを有するいわゆるプロジェクションマッピング装置として構成される。なお、本実施形態では、メイン表示装置210をこのように構成することで、高度で、かつ迫力のある演出表示を可能としているが、メイン表示装置210の構成はこれに限られない。すなわち、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能であればよく、液晶表示装置や有機EL等の画像表示装置や7セグメントLED等の表示装置として構成することもできるし、サブリール等の変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、例えば、いわゆる出目によって楽しませることを主体とする遊技性である等の場合には、メイン演出表示部21を設けないように構成することもできる(サブ演出表示部22も同様)。
サブ演出表示部22は、サブ表示装置220を含んで構成される。また、サブ表示装置220は、液晶表示装置として構成される。なお、サブ表示装置220もメイン表示装置210と同様に、他の画像表示装置や表示装置として構成することができるし、変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、メイン演出表示部21は、大画面で構成されていることから、押し順の報知や当り報知、あるいは連続演出等といった今回の遊技と密接に関連する演出を主として表示し、サブ演出表示部22は、小画面で構成されていることから、遊技履歴等といった今回の遊技とはそこまで密接に関連しない演出を主として表示するといったように、目的に応じて表示内容を分けて表示することが可能である。また、本実施形態では、メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22の2個の演出表示部を設けるように構成しているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出表示部を設けるように構成することもできる。
[1−1−11.ランプ]
上述のとおり、パチスロ機1は、一例として挙げた上部ランプ23のように、その発光態様(点灯、点滅、あるいは消灯のみならず、フルカラーLEDとして構成される場合にはその輝度や発光色を含む)によって演出を行うことが可能な一又は複数のランプ(発光手段)を備える。また、このような発光手段は、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
なお、後述のランプ・LED類に含まれるその他のランプとしては、例えば、上ドア機構UDの両側端面や下ドア機構DDの両側端面に設けられたサイドランプや各操作部内に設けられた操作部ランプ等を挙げることができる。なお、後者は、それぞれの操作部が操作可能であるか否かを遊技者に報せる機能を含むことから、このような機能を発揮させる場合には演出内容に応じて発光態様を変動させず、一義的な発光態様によって発光するように制御することができる。
[1−1−12.スピーカ]
上述のとおり、パチスロ機1は、効果音やBGM等の音声を出力するスピーカ35a,35bを備える。スピーカ35a,35bは、音声の出力によって演出を行うことが可能な音声出力手段を構成する。また、遊技者に対し聴覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
[1−1−13.その他演出装置]
なお、パチスロ機1では、上述の各種演出装置(演出実行手段)以外の演出装置を設けることもできる。例えば、いわゆる役物といった可動演出装置、振動により演出を行う振動演出装置、あるいは空気を噴射することで演出を行うエアー演出装置等の演出装置を設け、演出を実行することも可能である。すなわち、遊技者の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のいずれかに訴えかけることができる(遊技者に演出が実行されていることを認識可能とさせる)演出を実行可能な演出装置であれば、それらのうちいずれを用いることもできる。したがって、本実施形態において「演出を実行する」とは、特段の説明がない限り、上述の各種演出装置(演出実行手段)のうち、一又は複数の演出装置のいずれの演出装置を用いて演出を実行してもよいこと示している。
[1−2.内部構造]
[1−2−1.セレクタ]
セレクタ31(図2において符号省略)は、メダル投入口5から投入されたメダルの流下路であって、下ドア機構DDの背面側に設けられている。セレクタ31は、例えば、後述のメダルセンサ31Sと、振分装置とを有している。
メダルセンサ31Sは、メダル投入口5から投入されたメダルを検出するとともに、検出されたメダルが適切なメダルであるか否かを判定する。振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルであると判定された場合であって、メダルの受入れが可能な状態である場合、当該メダルが後述のホッパー装置32側に案内されるように駆動制御される。なお、この場合、ベット数あるいはクレジット数が1加算される。一方、振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルでないと判定された場合、及びメダルの受入れが可能な状態でない場合、当該メダルがキャンセルシュートを通ってメダル払出口11から返却されるように駆動制御される。メダルセンサ31Sによるメダルの検出に異常が発生した場合にはセレクタエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、セレクタ31は、投入された遊技媒体を検出可能な遊技媒体検出部(手段)を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正であるか否かを判定可能な判定手段を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正である場合には内部に貯留する一方、投入された遊技媒体が適正でない場合には外部に排出する振分手段を構成する。また、セレクタ31の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1−2−2.ホッパー装置]
ホッパー装置32は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。ホッパー装置32は、例えば、メダル投入口5から投入され、セレクタ31によって案内されたメダルを貯留するバケット部と、バケット部の底部に設けられ、バケット部に貯留されたメダルを撹拌するとともに、1枚ずつ排出部に案内するディスク部と、ディスク部によって案内されたメダルを1枚ずつ排出する排出部と、排出部から排出されたメダルをカウントするカウントセンサとを有している。
バケット部は、一定数のメダルを貯留可能に構成される。一定数を超えたメダルは、上面側に設けられた案内通路を通って後述のメダル補助収納庫33に案内される。なお、バケット部に貯留されたメダルが空となった場合にはホッパーエンプティエラーが発生する。なお、この場合、メダルを補充した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
ディスク部は、中心から放射状にメダル形状のくり抜き部が複数形成され、駆動信号にしたがって中心軸が回転駆動されることで、くり抜き部に嵌ったメダルを1枚ずつ排出部に案内する。なお、ディスク部が回転することでバケット部に貯留されたメダルが撹拌される。また、ディスク部の回転に異常が発生した場合にはホッパージャムエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
カウントセンサは、排出部から排出されたメダルを検出するとともに、その枚数をカウントする。例えば、1枚のメダルを払出す場合、ディスク部が回転を開始し、続いてカウントセンサが1枚のメダルの払出をカウントしたことに応じてディスク部の回転が停止する。このようにして、適正枚数のメダルが払出されるようにしている。
すなわち、ホッパー装置32は、遊技媒体を払出可能な遊技媒体払出部(手段)を構成する。また、上述のとおり、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、ホッパー装置32の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1−2−3.メダル補助収納庫]
メダル補助収納庫33は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。メダル補助収納庫33は、例えば、ホッパー装置32のバケット部から案内されたメダルを収納する収納部と、収納部の近傍に設けられ、収納部に収納されたメダルの容量を検出するメダル補助収納庫スイッチ33Sとを有している。
収納部は、一定数のメダルを収納可能に構成される。メダル補助収納庫スイッチ33Sにより、当該一定数以上のメダルが収納されたと判定された場合にはメダル補助収納庫エラーが発生する。なお、この場合、収納部に収納されたメダルを少なくとも一定数未満に減らした上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、メダル補助収納庫33は、余剰の遊技媒体を貯留可能な余剰遊技媒体貯留部(手段)を構成する。なお、メダル補助収納庫33の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1−2−4.電源装置]
電源装置34は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。電源装置34は、例えば、電源基板34aと、電源スイッチ34bとを有しており、電源スイッチ34bがオンされることに応じてパチスロ機1に電力を供給する。なお、電源装置34は、家庭用電気製品等と同じく電源ケーブル(不図示)から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。すなわち、電源装置34は、必要な電力を遊技機に供給可能な電源部(手段)を構成する。なお、電源装置34の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
なお、本実施形態では、後述の設定用鍵型スイッチ52やリセットスイッチ53が主制御基板71(より詳細には後述の主制御基板ケース上)に設けられるように構成しているが、これらのスイッチを電源装置34に設けるように構成することもできる。
[1−2−5.基板]
パチスロ機1は、各種制御に必要な基板として、例えば、以下に示す各基板を備える。なお、以下に示す各基板はあくまで一例であって、これらとは異なる基板を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない基板については、これを備えない構成としてもよい。
[1−2−5−1.主制御基板]
主制御基板71は、キャビネットG内において、リールユニットRUの背面側に取付けられている。なお、主制御基板71は、遊技に関する制御を行う遊技制御基板であり、その状態が視認可能となるように透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製の主制御基板ケース(不図示)内に収容されている。主制御基板71の電気的構成については後述する。
なお、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、基本的に各種電子部品がDIP実装されて構成されるものとなっているが、各種電子部品の一部又は全部についてSMT実装(表面実装)されて構成されるものとしてもよい。また、この場合、テスターやオシロスコープを用いて動作確認を行うためのテストポイントを設けるようにしてもよい。また、各種電子部品の一部又は全部について6平方mmを超えない小さい電子部品を使用してもよい。また、主制御基板71の基板面を多層化して構成してもよい。
[1−2−5−2.副制御基板]
副制御基板72は、キャビネットG内において、中間支持板G1の裏面側に取付けられている。なお、副制御基板72は、演出に関する制御を行う演出制御基板であり、樹脂製の副制御基板ケース(不図示)内に収容されている。なお、副制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成することもできるし、不透明(あるいは略不透明)に構成された他の材料を用いたケースとして構成することもできる。副制御基板72の電気的構成については後述する。
[1−2−5−3.その他基板]
(主中継基板)
主中継基板73(図2において符号省略)は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、主中継基板73に接続された各種デバイス等と主制御基板71との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、主中継基板73は、制御効率や配線効率の便宜から主制御基板71とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ主中継基板73の機能を全て主制御基板71にもたせ、主中継基板73を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、主中継基板73をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、主中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(副中継基板)
副中継基板74は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、副中継基板74に接続された各種デバイス等と副制御基板72との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、副中継基板74は、制御効率や配線効率の便宜から副制御基板72とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ副中継基板74の機能を全て副制御基板72にもたせ、副中継基板74を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、副中継基板74をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、副中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(外部集中端子板)
外部集中端子板55は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下部空間の奥側)に取付けられており、例えば、メダル投入信号、メダル払出信号、外部信号1〜4及びセキュリティ信号等の信号をパチスロ機1の外部へ出力する。なお、外部信号1〜4は、その出力開始条件及び出力終了条件を適宜設定可能であり、その遊技性に応じてパチスロ機1の内部状態(例えば、ボーナス状態やAT状態)の遷移を外部に報せることを可能としている。そして、外部集中端子板55は、通常、外部のデータ表示機やホールコンピュータに接続されることから、これらの機器においても、パチスロ機1におけるメダルの投入・払出状況やエラーの発生状況のみならず、そのような内部状態の遷移状況が認識可能となっている。
(試験機用インターフェースボード)
試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302は、ともにパチスロ機1の検定試験(試射試験)において、遊技に関する各種信号を試験機に出力する際に用いられる中継基板である(なお、販売用のリリース製品としてのパチスロ機1にはこれらの中継基板は搭載されていないので、販売用の主制御基板71には、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302に接続するために必要な各種電子部品もまた実装されていない)。例えば、遊技に係る主要な動作(例えば、内部抽籤、リール停止制御等)を制御するための試験信号は、試験機用第1インターフェースボード301を介して出力され、また、主制御基板71で決定された押し順ナビに係る試験信号等は、試験機用第2インターフェースボード302を介して出力される。
[2.パチスロ機の電気的構成]
続いて、図3を参照して、パチスロ機1の電気的構成について説明する。なお、図3は、パチスロ機1の電気的構成を示すブロック図である。
上述のとおり、パチスロ機1は、主制御基板71と、副制御基板72と、主中継基板73と、副中継基板74とを有している。主制御基板71と主中継基板73、主中継基板73と副中継基板74、及び副中継基板74と副制御基板72は、それぞれ電気的に接続されている。また、主制御基板71と副制御基板72は、主中継基板73及び副中継基板74を介して、主制御基板71から副制御基板72に対して一方向のシリアル通信が可能となるように電気的に接続されている。
主制御基板71には、遊技に関する制御を行う遊技制御部としての主制御回路100が実装されている。主制御回路100は、例えば、メインCPU101、メインROM102、メインRAM103、クロックパルス発生回路(不図示)、乱数回路(不図示)等を含んで構成される。メインROM102には、メインCPU101により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、副制御回路200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM103には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。クロックパルス発生回路は、メインCPU101作動用のクロックパルス信号を生成する。乱数回路は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535又は0〜255等)を発生させる。メインCPU101は、生成されたクロックパルス信号に基づいて各種制御プログラムを実行する。また、発生された乱数の中から必要に応じて一又は複数の値を乱数値として抽出する。このようにして、遊技動作全般に係る制御を行う。
副制御基板72には、演出に関する制御を行う演出制御部としての副制御回路200が実装されている。副制御回路200は、例えば、サブCPU201、サブRAM203等を含んで構成される。また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202が接続されている。ロムカートリッジ基板202には、サブCPU201により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、各種演出データ(例えば、メイン表示装置210に係る映像データや駆動データ、サブ表示装置220に係る映像データ、ランプ・LED群に係るランプデータ、スピーカ群に係るサウンドデータ等)等が記憶される。サブRAM203には、制御プログラムの実行により決定された演出内容や各種演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される各種制御指令(コマンド)に係るデータを格納する格納領域等が設けられる。なお、演出に係る演出用乱数値については、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜32767等)の中から、サブCPU201内で発生及び抽出が行われるようにしてもよいし、主制御回路100と同様に乱数回路を設けることでその発生及び抽出が行われるようにしてもよい。また、ロムカートリッジ基板202ではなく、副制御回路200内にサブROMが含まれるようにし、各種制御プログラム等はサブROMに記憶されるように構成してもよい。また、ロムカートリッジ基板202に各種演出データを記憶させ、副制御回路200内のサブROMに各種制御プログラム及び各種データテーブルを記憶させるように構成してもよい。また、副制御回路200には、GPU等の画像専用のマイクロプロセッサ(例えば、「VDP」とも称される)が含まれるようにし、これによってメイン表示装置210やサブ表示装置220で表示される映像を生成(編集)するように構成してもよい。
主制御基板71には、ステッピングモータ51L,51C,51R、設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、役比モニタ装置54、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34が電気的に接続されている。また、主制御基板71には、主中継基板73を介して、ドア開閉監視スイッチ56、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14が電気的に接続されている。なお、仮に試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302が搭載される場合には、例えば、主中継基板73を介して主制御基板71に電気的に接続される。
なお、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
各ステッピングモータ51L,51C,51Rは、それぞれ所定の減速比をもったギアを介して各リール3L,3C,3Rに接続され、その駆動により各リール3L,3C,3Rを回転及び停止させる。なお、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、各リール3L,3C,3Rが一定の角度で回転することから、メインCPU101は、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対してパルスを出力した回数をカウントし、このカウント結果に基づいて各リール3L,3C,3Rの図柄位置を管理する。また、各リール3L,3C,3Rには、このような管理を行うための初期位置を定めるリールインデックス(不図示)と、リールインデックスの位置を検出するためのインデックスセンサ(不図示)が設けられる。
設定用鍵型スイッチ52は、パチスロ機1の設定値(例えば、6段階の設定1〜設定6)を変更するとき(設定変更)、もしくは、パチスロ機1の設定を確認するとき(設定確認)に使用される。ここで、設定値は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示すものであり、通常は、設定値が低いほど(例えば、設定1に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に低くなり、設定値が高いほど(例えば、設定6に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に高くなる。設定用鍵型スイッチ52は、例えば、遊技店側の管理者が鍵穴に設定キー(不図示)を挿入して初期位置から左に回すとオン状態となり、左に回した状態から初期位置に戻すとオフ状態となる。なお、パチスロ機1の電源がオフ状態のとき、設定用鍵型スイッチ52をオン状態としてから電源をオン状態とすると設定変更が可能な状態となり、パチスロ機1の電源がオン状態のままで設定用鍵型スイッチ52をオン状態とすると設定確認が可能な状態となる。
リセットスイッチ53は、遊技店側の管理者によるリセット操作を検出可能としている。リセット操作は、各種のエラー状態を解除するための操作である。また、リセットスイッチ53は、設定変更が可能な状態において、遊技店側の管理者による設定値決定操作を検出可能としている。なお、設定変更が可能な状態においてリセットスイッチ53が操作されると、操作される度に設定値が順次1ずつ増加する(設定6まで到達すると次は設定1に戻る)。このようにして、設定値決定操作が行えるようになっている。また、このように決定された設定値は、その後スタートレバー7が1回操作されると確定する。すなわち、スタートスイッチ7Sは、遊技店側の管理者による設定値確定操作を検出可能としている。このように、設定変更を行う場合には、設定用鍵型スイッチ52をオン状態とし、リセットスイッチ53を操作して設定値を選択し、スタートレバー7を操作して選択した設定値を確定させた後、設定用鍵型スイッチ52をオフ状態とするといった設定変更操作が必要となっている。なお、これは、設定変更操作の一例であり、他の操作によって設定変更を行い得るように構成することもできる。また、設定変更や設定確認に際しては、例えば、上述のクレジットランプあるいは払出数ランプにおいて現在の設定値が表示されるものすればよい。
役比モニタ装置54は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、主制御基板ケースの内部に設けられる。役比モニタ装置54は、メインCPU101によって集計・算出された遊技に関する各種割合情報を順次表示する。これらの割合情報は、遊技店の管理者がパチスロ機1に不正改造がないかを確認する際等に使用される。なお、役比モニタ装置54は、主制御基板71上に実装されるようにしてもよいし、主制御基板71に接続された他の基板(例えば、割合表示基板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、主制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、役比モニタ装置54における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に上述の各種割合情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14を役比モニタ装置54と兼用して用いる構成としてもよい。また、電源投入直後又は電源投入から所定時間(例えば、10秒程度。主制御回路100及び副制御回路200の立ち上げに要する時間を考慮したバッファとなる時間)の経過後に、役比モニタ装置54の4桁の7セグメントLEDが正常に機能していることを確認可能とするため、例えば、「8.8.」といったようなテストパターン(全てのセグ及びデシマルのLEDが点灯するパターン)で所定期間点灯(ないし点滅)させる構成とすることが望ましい。
役比モニタ装置54では、例えば、上位2桁にはその割合情報の種類が表示され、下位2桁にはその割合情報を示す値(%)が表示される。ここで、役比モニタ装置54に表示される各種割合情報には、例えば、累計の特定区間割合情報、直近6000ゲーム間の連続役物割合情報及び役物割合情報、累計の連続役物割合情報及び役物割合情報等がある。
特定区間割合情報とは、対象の遊技数(例えば、「累計」であれば175000ゲーム。「直近6000ゲーム」であれば6000ゲーム。以下同じ)の遊技区間のうち、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)の遊技数(あるいは、単に有利区間中の遊技数であってもよい)の割合を示す情報である。また、連続役物割合情報とは、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)の作動中(第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む)に払出されたメダル数の割合を示す情報である。また、役物割合情報は、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)、第二種特別役物(CB)、及び普通役物(SB)の作動中に払出されたメダル数の割合を示す情報であり、ここでの第一種特別役物(RB)の作動中とは、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む概念であり、また、第二種特別役物(CB)の作動中とは、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)が作動している状態における第二種特別役物(CB)の作動中を含む概念である。
なお、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)を役物の作動中、あるいは役物連続作動装置の作動中としてとらえ、それぞれの割合情報において集計・算出の対象とすることもできる。すなわち、役比モニタ装置54は、必要な割合情報を適切に表示するものであればよく、表示可能な各種割合情報はこれらに限定されない。また、例えば、第一種特別役物(RB)が搭載されていない機種において連続役物割合情報を表示する場合、あるいは有利区間機能(AT機能)が搭載されていない機種において特定区間割合情報を表示する場合等、該当する数値情報(対応情報)が存在しない機種においては、当該項目の表示時に、4桁の7セグメントLEDのうちの数値情報(割合を示す%情報)を表示する下2桁の7セグメントLEDにおいて、例えば、「− −」といったように、中央の縦棒2本を点灯表示させる等の非対応情報用識別表示を行うことで、対応情報が存在しない機種である点を確認者が一目で認識可能とすることが望ましい。
ドア開閉監視スイッチ56は、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの背面側に設けられるように構成してもよいし、キャビネットG側に設けられるように構成してもよい。また、上ドア機構UDにも同様のドア開閉監視スイッチが設けられるように構成してもよい。ドア開閉監視スイッチ56は、下ドア機構DDが開放状態となったときにオン状態となり、閉鎖状態となったときにオフ状態となることで、下ドア機構DDの開閉を監視する。なお、ドア開閉監視スイッチ56がオン状態となるとドア開放エラーが発生する。この場合、下ドア機構DDを閉鎖状態とすると当該エラー状態が解除される。
副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220が電気的に接続されている。また、副制御基板72には、副中継基板74を介して、24hドア監視ユニット61、演出用ボタン10a,10b等の演出用ボタン群、上部ランプ23等のランプ・LED類、スピーカ35a,35b等のスピーカ群が電気的に接続されている。
なお、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220、演出用ボタン群、ランプ・LED類及びスピーカ群についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
24hドア監視ユニット61は、ドア開閉監視スイッチ56と同様に、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの開閉を監視するという機能を有する点においてはドア開閉監視スイッチ56と同じであるが、このような監視を副制御回路200側でも行い得るようにすることで、さらに下ドア機構DDの開閉履歴を一定期間保存することができるようにしている。なお、この開閉履歴は、後述のホールメニューから確認することができる。したがって、例えば、営業時間外であって、遊技店の管理者が退出した後に開放履歴があった場合や、営業時間内において長時間にわたって開放された開閉履歴があった場合には、これにより不正行為が行われた可能性が高いことを認識できるようになっている。
[3.パチスロ機の機能フロー]
続いて、図4を参照して、パチスロ機1の機能フローについて説明する。なお、図4は、パチスロ機1の機能フローを説明するための図である。
遊技者によりパチスロ機1にメダルが投入され(ベット操作が行われ)、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、予め定められた範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの乱数値(本実施形態では、これを「内部抽籤用乱数値」として説明する場合がある)が抽出される。
内部抽籤手段(後述の内部抽籤処理を行うメインCPU101)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、有効ライン上に表示されることが許可される図柄の組合せが事前に決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられる。なお、メダルの払い出しに係る役を「小役」と称し、再遊技(リプレイ)の作動に係る役を「リプレイ役」と称し、ボーナス(ボーナス状態)の作動に係る役を「ボーナス役」と称する。また、内部当籤し得る役(すなわち、成立が許可される図柄の組合せ)は、単に「役」と称されることがある。また、内部当籤役は、「当籤役」、「事前決定結果」、あるいは「導出許容条件」等と称されることがある。また、内部抽籤手段は、「役決定手段」、「当籤役決定手段」、「事前決定手段」、あるいは「導出許容条件決定手段」等と称されることがある。
また、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者によりリール(各リール3L,3C,3R)に対応するストップボタン(各ストップボタン8L,8C,8R)が操作される(停止操作が行われる)と、リール停止制御手段(後述のリール停止制御処理を行うメインCPU101)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミング(あるいはその押し順を含む)とに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。なお、開始操作を行うための操作手段は、スタートレバー7のようにレバー形状をしたものに限られず、遊技者が開始操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。また、停止操作を行うための操作手段は、各ストップボタン8L,8C,8Rのようにボタン形状をしたものに限られず、遊技者が停止操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。
パチスロ機1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転にともなって移動する図柄の数を「滑り駒数」という。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ライン上に極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ライン上に表示されないようにリールの回転を停止させる。なお、リールの回転が停止したときに表示された図柄は、「停止表示」、あるいは「表示結果」等と称されることがある。また、リールの回転が停止したときに図柄が表示されることは、「停止表示の導出」、あるいは「表示結果の導出」等と称されることがある。
また、リール停止制御手段は、リールが回転してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合には、遊技者が停止操作を行っていない場合でも、自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の停止操作を介さずにリールが停止することとなるため、いずれかの内部当籤役が決定されている場合であっても、いずれの入賞に係る図柄の組合せも有効ラインに沿って表示されていないようにリールの回転を停止させることが望ましい。
このようにして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述の入賞作動判定処理を行うメインCPU101)は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)であるか否かの判定を行う。すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立したか否かの判定を行う。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)である(すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立した)と判定されると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられ、あるいは、それを契機として各種の制御が行われる。パチスロ機1では、一例として、以上のような一連の流れで1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、入賞判定手段は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、単に予め定められた複数の図柄の組合せのうちのいずれかの図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよいし、内部抽籤手段によって決定された内部当籤役に係る図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよい。すなわち、前者では、内部当籤役と切り離して、入賞に係る図柄の組合せであるか否かを判定するものであってもよい。この場合、リール停止制御手段によって適切に停止制御が行われる限り、誤入賞の発生の防止は十分に担保され得ることから、誤入賞検知に係る制御負担を低減させることが可能となる。一方、後者では、入賞に係る図柄の組合せが、入賞が許可されていた図柄の組合せであるか否かも判定可能とすることで、リールの不具合等により誤入賞が発生した場合に、その誤入賞を検知することができるため、セキュリティ性を向上させることが可能となる。
また、パチスロでは、前述した一連の遊技動作の流れの中で、表示装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220等)による映像の表示、各種ランプ(例えば、上部ランプ23等)による光の出力、スピーカ(例えば、スピーカ35a,35b等)による音の出力、或いは、これらの組合せを利用して様々な演出が行われる。すなわち、これらは演出を実行する演出実行手段である。なお、演出実行手段により実行される演出の内容は、主制御回路100側(メイン側)で決定される場合もあれば、副制御回路200側(サブ側)で決定される場合もある。すなわち、これらはそのいずれもが演出内容決定手段となり得る。
例えば、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、内部抽籤用乱数値とは別に、演出用乱数値が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応付けられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤によって(あるいは予め定められた決定条件にしたがって)決定する。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、例えば、内部当籤役に対応付けられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(狙うべき図柄の組合せや操作すべき押し順等と換言することもできる)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[4.パチスロ機の遊技性に関する基本仕様]
続いて、パチスロ機1の遊技性に関する基本仕様について説明する。
[4−1.図柄配置]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数の図柄が変動表示及び停止表示されることで遊技が行われる仕様となっている。したがって、主制御回路100は、各リール3L,3C,3Rにおいて、どの図柄がどの位置に配置されているかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、少なくとも各リール3L,3C,3Rそれぞれの各図柄位置にある図柄の種類を識別するためのデータが記憶されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄配置テーブル(図9参照)を用いている。
図柄配置テーブルには、各リール3L,3C,3Rそれぞれの回転方向における各図柄位置を示す図柄位置データ(例えば、「0」〜「19」)が規定されている。また、各図柄位置データに対して図柄の種類を特定するためのデータ(例えば、図柄コード)が対応付けられている。また、図柄配置テーブルでは、リールインデックスが検出されたときにメイン表示窓4の枠内における各リールの中段領域に位置する図柄の位置を「0」と規定している。なお、各列の図柄数、図柄の種類数、あるいは最大滑り駒数等は適宜変更して規定可能である。
[4−2.図柄組合せ]
上述のとおり、パチスロ機1では、表示された図柄の組合せが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、表示された図柄の組合せに応じて、各種特典を付与したり、現在の状態から相対的に有利な状態に移行させたり、現在の状態から相対的に不利な状態に移行させたりすることを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような図柄の組合せについて把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような図柄の組合せを特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄組合せテーブル(図11〜図14参照)を用いている。
図柄組合せテーブルには、有効ライン上に表示され得る図柄の組合せのうちで予め定められた複数の図柄の組合せの種類を示すデータ(例えば、「表示役」あるいは「入賞作動フラグ」)が規定されている。なお、それぞれの図柄の組合せを構成する図柄は、例えば、上述の図柄コード等を用いて特定することができる。また、各図柄の組合せに対して特典等の種類を示すデータ(例えば、「払出等」)が対応付けられている。また、図柄組合せテーブルは、基本的に後述の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域(図17参照)と対応するデータ構成となっている。なお、図柄の組合せの種類数、あるいは特典の付与内容等は適宜変更して規定可能である。
[4−3.内部当籤役]
上述のとおり、パチスロ機1では、いずれの図柄の組合せが表示されることが許可されるか(事前に決定されるか)が遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、遊技者の停止操作に先立って(事前に)、内部当籤役(すなわち、表示され得る図柄の組合せの種類(あるいは、付与され得る特典の種類))を決定することを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような内部当籤役について把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような内部当籤役を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の内部抽籤テーブル(図10参照)を用いている。
内部抽籤テーブルには、予め定められた複数の内部当籤役の種類を示すデータ(例えば、「No.」あるいは「当籤番号」)と、各遊技状態において各内部当籤役が決定される抽籤値とが規定される。なお、抽籤値は、設定された設定値によっても変動する場合がある。また、各内部当籤役に対して表示が許可される(対応する)図柄の組合せの種類が対応付けられている。なお、パチスロ機1では、1つの内部当籤役に対して複数の図柄の組合せを対応付けることを可能としており、このような内部当籤役が決定された場合、いずれの図柄の組合せが表示されるかは停止制御によって決定されるものとなっている。
ここで、例えば、本実施形態の後述の内部抽籤処理(図26参照。より詳細には、S64の内部当籤役決定処理)では、まず、乱数回路によって予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)から抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次加算更新する。次いで、抽籤結果(抽籤値+乱数値)が65535を超えたか否か(抽籤結果がオーバーフローしたか否か)の判定を行う。そして、所定の内部当籤役において、当該判定の結果が65535を超えた場合、当該内部当籤役に当籤させる(当該内部当籤役を決定する)。もっとも、全ての内部当籤役について当該判定を行っても65535を超えるものがなかった場合、今回の遊技における内部当籤役は「はずれ」となる。なお、これはあくまで内部抽籤処理の一例であり、抽籤値(当籤確率)に応じて適切な抽籤が行われる限り、その抽籤処理の手法は種々の手法を採用することができる。例えば、抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次減算更新し、次いで、減算結果(抽籤結果)が0を下回ったか否か(抽籤結果がアンダーフローしたか否か)を判定して、内部当籤役を決定してもよい。
このように、内部抽籤テーブルにおいては、規定されている抽籤値の数値が大きい内部当籤役ほど決定される確率(当籤確率)が高くなる。なお、各内部当籤役の当籤確率は、「各当籤番号に規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:65536)」によって表すことができる。
[4−4.停止制御]
上述のとおり、パチスロ機1では、内部当籤役の決定によって表示されることが許可された図柄の組合せのうち、遊技者の停止操作によって最終的にいずれの図柄の組合せを表示させるかが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、決定された内部当籤役の種類のみならず、遊技者の停止操作タイミングや押し順(「停止操作態様」や「停止操作手順」とも称される)によって最終的に表示される図柄の組合せの種類を変動させる(決定する)制御(停止制御)を行うことを可能としている。したがって、主制御回路100は、各内部当籤役に対して、遊技者の停止操作態様に応じてどのような態様で停止制御を行うかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような停止制御の態様を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として停止テーブルや引込優先順位テーブル(不図示)等を用いている。
停止テーブルには、各リール3L,3C,3Rの各図柄位置データに対して、図柄の移動量を示すデータ(例えば、「滑り駒数」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の停止テーブルが選択されたとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置(停止操作が行われたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データ)が「0」であったとする。そして、所定の停止テーブルにおいて、図柄位置データ「0」に規定された滑り駒数が「4」であったとする。そうすると、主制御回路100は、4図柄分移動した図柄位置(図柄位置データ「4」の位置)でリール3Lを停止させる(停止予定位置が「4」となる)ように制御を行う。このように、停止テーブルには、停止させる位置を直接的に決定することを可能とするデータ(滑り駒数)が規定されている。なお、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような停止テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「テーブル制御」と称される。
引込優先順位テーブルには、表示されることが許可された図柄の組合せが複数ある場合に、いずれの図柄の組合せを優先的に表示させるか(引込むか)を示すデータ(例えば、「引込優先順位」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の引込優先順位テーブルが選択されたとする。ここで、所定の内部当籤役は、図柄組合せAと図柄組合せBの表示を許可するものとし、所定の引込優先順位テーブルは、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるように引込優先順位が規定されているものとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置が「0」であったとする。
そうすると、主制御回路100は、停止開始位置を含めた最大滑り駒数(例えば、「4」)の範囲内の各図柄位置について、図柄組合せAを構成する図柄と図柄組合せBを構成する図柄があるかどうかを検索する。双方の図柄がなければ、予め定められたルール(例えば、より近い位置で停止させる、より遠い位置で停止させる等)にしたがって停止させる位置を決定する。図柄組合せAを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。図柄組合せBを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。双方の図柄があれば、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるのであるから、図柄組合せBを構成する図柄に対応する位置で停止させることを決定する。なお、引込優先順位は、選択された引込優先順位テーブルにしたがって、対象となるリールの回転中に全図柄位置について格納されるようにしてもよいし、対象となるリールに対して停止操作が行われたときに、停止開始位置を含めた最大滑り駒数の範囲内の各図柄位置について格納されるようにしてもよい。また、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような引込優先順位テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「コントロール制御」と称される。
なお、本実施形態では、「テーブル制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできるし、「コントロール制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできる。あるいは、まず「テーブル制御」を行うことによって停止させる位置を仮決定し、次に「コントロール制御」を行うことによってより適切な停止位置があるかを検索し、検索結果によっては停止させる位置を変更することを可能とする停止制御を実行する構成とすることもできる。
このように、パチスロ機1では、最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せがどの図柄の組合せとなるかは、例えば、以下の3つの要素に基づいて決定される。
第1の要素は、決定された内部当籤役(内部抽籤処理の抽籤結果)である。例えば、内部抽籤処理の結果が「はずれ」であった場合、いずれかのリプレイ役に係る図柄の組合せ、小役に係る図柄の組合せ又はボーナス役に係る図柄の組合せが最終的に有効ライン上に表示されることはない。なお、「はずれ」は、内部当籤役の1つであると捉えることもできるし、内部当籤役が決定されなかった抽籤結果であると捉えることもできる。
第2の要素は、遊技者の停止操作タイミング(遊技者がいずれかのストップボタンを操作したときの図柄の位置(押下位置))である。例えば、本実施形態においては、最大滑り駒数として図柄4個分が定められているため、内部抽籤処理の結果、いずれかの内部当籤役に当籤していたとしても、表示が許可されている図柄の組合せを構成する図柄が有効ライン(複数ある場合には各有効ライン)に対して図柄4個分を超えて配置されていた場合には、遊技者の停止操作タイミングによっては当該図柄の組合せが表示されない場合がある。これをいわゆる「取りこぼし」という。
第3の要素は、遊技者の押し順(遊技者がストップボタンを操作した順番)である。例えば、本実施形態においては、複数の図柄の組合せが対応付けられた内部当籤役が決定される場合があり、この場合には、遊技者の押し順に応じて最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せが変動する場合がある。なお、このような内部当籤役を「押し順役」といい、それがリプレイ役の場合には「押し順リプレイ」と称されることがあり、小役の場合には「押し順小役」と称されることがある。
[4−5.遊技状態]
パチスロ機1では、遊技者の有利度合いを変動させるため、あるいは企図した遊技性とするために、遊技を行う状態として種々の遊技状態を設けることが可能となっている。以下、その遊技状態の一例について説明する。
[4−5−1.ボーナス状態]
パチスロ機1では、ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、ボーナス状態に移行させる(ボーナス状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなボーナス状態を設けないように構成することもできる。また、複数種類のボーナス役を設けることで、複数のボーナス状態を設けるように構成することもできる。ボーナス役に当籤すると、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまで複数回の遊技にわたって当該ボーナス役が内部当籤役として持越された状態(持越状態)が発生する。このようなボーナス役は「持越役」と称されることがある。また、このような持越状態は「(ボーナス)フラグ間」や「(ボーナス)内部中」等と称されることがある。
ボーナス状態は、ボーナス状態が作動していない状態(非ボーナス状態)に対して小役の抽籤態様(当籤確率やその内容、あるいは停止制御の態様等も含む。以下同じ)を変動させることが可能な状態となっている(リプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態ともなっているため、ボーナス状態を後述のRT状態の一態様として捉えることもできる)。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも不利な遊技状態となる。
ボーナス役としては、例えば、第一種特別役物(RB)、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)、第二種特別役物(CB)(ただし持越役ではない)、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)、及び普通役物(SB)(ただし持越役ではない)等を挙げることができる。また、例えば、各ボーナス役に対応するボーナス状態は以下のように構成される。RB状態は、予め定められた任意の入賞回数(例えば、上限は8回)又は予め定められた任意の遊技回数(例えば、上限は12回)の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。BB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は285枚)を超えるメダルの払出があった場合に終了する遊技状態として構成される。
CB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。MB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は153枚)を超えるメダルの払出があった場合、あるいはMB状態中にRBやSBに当籤した場合に終了する遊技状態として構成される。SB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。
なお、ボーナス状態の作動条件は、ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことのみに限られない。例えば、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動中においては、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動開始時、第一種特別役物の作動中ではない場合の遊技開始時、あるいは第一種特別役物の作動終了時等において自動的に第一種特別役物(RB)を作動させるように構成することもできる。すなわち、RBに係る図柄の組合せを規定することなく、BBの作動中は常にRBの作動中となるように制御することもできる。ここで、BB作動中のRBは「JAC」等と称されることがあり、このように自動的にBB作動中のRBが作動する仕様は「オートJAC」等と称されることがある。また、BBの作動中においては、規定されたRBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってRBの作動中となるように制御することもできる。このように対応する図柄の組合せの表示に基づいてRBが作動する仕様は「マニュアルJAC」等と称されることがある。また、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)と、第二種特別役物(CB)との関係も同様である。すなわち、CBに係る図柄の組合せを規定することなく、MBの作動中は常にCBの作動中となるように制御することもできるし、MBの作動中においては、規定されたCBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってCBの作動中となるように制御することもできる。
[4−5−2.RT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、RT状態に移行させる(RT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなRT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のRT状態を設けるように構成することもできる。RT状態は、RT状態が作動していない状態(非RT状態)に対してリプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態となっている。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも不利な遊技状態となる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。なお、この場合、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に有利なRT状態は「高RT状態」や「高確率再遊技状態」等と称され、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に不利なRT状態は「低RT状態」や「低確率再遊技状態」等と称されることがある。
RT状態は、例えば、以下のいずれの移行条件の成立によって移行させることができる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。
(1)RB、BB又はMBに当籤したとき
(2)RB、BB又はMBに係る図柄の組合せが表示されたとき
(3)RB状態、BB状態又はMB状態が終了したとき
(4)RB、BB又はMBに当籤しておらず(持越されておらず)、RB状態、BB状態又はMB状態中でもない場合において、特定の図柄の組合せが表示されたとき
(5)(3)又は(4)の移行条件成立後に予め定められた回数の遊技が行われたとき
[4−5−3.AT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、AT状態に移行させる(AT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなAT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のAT状態を設けるように構成することもできる。AT状態は、例えば、上述の押し順役に当籤したときに、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されることにより、AT状態が作動していない状態(非AT状態)よりも有利な状態として構成される遊技状態である。
なお、複数のAT状態を設ける場合、それぞれのAT状態の遊技期間(当該期間の延長(あるいは「上乗せ」ともいう。以下同じ)を可能とする場合には延長のされやすさ等を含む)、停止操作の情報が報知される報知対象役の種類、あるいは停止操作の情報の報知が発生する発生確率等をそれぞれ異なるものとすることで、遊技者の有利度合いを変動させることができる。また、AT状態の移行条件及び終了条件は、遊技性に応じて適宜設定可能である(ただし後述のリミット処理の実行による終了を除く)。また、AT状態は、あたかも上述のボーナス状態と同様に扱われる場合があり、この場合には「疑似ボーナス状態」等と称されることがある。
また、AT状態の遊技期間は、当該期間が適切に管理される限り、ゲーム数(遊技回数)によって管理されるようにしてもよく(ゲーム数管理)、所定ゲーム数を1セットとし、セット数によって管理されるようにしてもよい(セット数管理)。また、AT状態中の払出数や純増数(差枚数)によって管理されるようにしてもよい(払出数管理、差枚数管理)。また、AT状態においてメダルの払出に影響を与える報知(例えば、押し順小役当籤時の押し順ナビ)を行った回数(ナビ回数)によって管理されるようにしてもよい(ナビ回数管理)。また、AT状態が延長される場合も同様である。また、AT状態に移行したときに付与される遊技期間と、AT状態が延長されるときに付与される遊技期間とは異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。また、複数のAT状態を設ける場合、同じ管理手法によって管理されるようにしてもよく、異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。
[4−5−4.ART状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、上述の高RT状態とAT状態を組合せたART状態に移行させる(ART状態を作動させる)ことが可能となっている。すなわち、ART状態とは、高RT状態において行われるAT状態を意味するものであるから、RT状態として少なくとも低RT状態と高RT状態とを設け、高RT状態に移行させる(あるいは低RT状態に移行することが回避される)制御が行われる点でAT状態と相違するものの、基本的な制御はAT状態と同様である(遊技者に有利な停止操作の情報が報知される結果として高RT状態に移行する(あるいは低RT状態に移行することが回避される)ものであれば、AT状態と同義であるともいえる)。なお、ART状態の移行条件が成立した場合、まずAT状態に移行し、その後高RT状態に移行することでART状態に移行するものであってもよいし、高RT状態及びAT状態に同時(あるいは略同時)に移行することでART状態に移行するものであってもよい。
[4−5−5.その他遊技状態]
なお、パチスロ機1では、上述の各種遊技状態以外の遊技状態を設けることもできる。例えば、後述の有利区間中の各モード(図5及び図6参照)であるが、これらも遊技者が遊技を行う状態であって、疑似ボーナス状態としてのAT状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得るものであることから、これらを遊技状態として捉えることができる。また、同様の観点より、例えば、ボーナス状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得る遊技状態を設けることができる。例えば、ボーナス役に当籤している(持越されている)場合に、停止制御によってボーナス役に係る図柄の組合せが表示されやすい遊技状態と、これよりも当該ボーナス役に係る図柄の組合せが相対的に表示されにくい遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。また、例えば、ボーナス役が所定の確率で当籤する(当籤しやすい)遊技状態と、当該ボーナス役が当該所定の確率よりも低い確率で当籤する(相対的に当籤しにくい)遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。
また、AT状態に移行するか否か(AT状態において当該AT状態の遊技期間を延長するか否かも含み得る。以下同じ)の有利度合いを変動させ得る手法としては、以下のような手法を採用することもできる。例えば、内部当籤役として「特定役」が決定され得るようにする。当該特定役は、遊技者の停止操作態様(停止操作タイミングであってもよいし、押し順であってもよいし、これらの組合せであってもよい)に応じて付与されるメダル数が変動するものとする(例えば、停止操作態様が適切(正解)であれば8枚の払出、不適切(不正解)であれば1枚の払出又は払出なし)。
そして、特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技においてAT状態に移行するか否かの有利度合いを有利なものに変動させるか否かの決定(直接AT状態に移行させるか否か、あるいは直接当該AT状態の遊技期間を延長するか否かの決定も含み得る。以下「有利決定」として説明する)を行わない。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。あるいは、上述の特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行わない。
このように、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行った場合に、その遊技結果として今回の遊技において有利決定が行われる場合と、当該有利決定が行わない(有利決定が行われることが制限される)場合とがあるように構成することもできる。なお、今回の遊技と次回の遊技で遊技者が替わる場合もあり、このような制限が次回の遊技以降も継続する場合には、(次の)遊技者が著しい不利益を被るおそれがあることから、このような制限は今回の遊技限りとし、次回の遊技以降には継続しないものとすることが望ましい。また、このような制限は「ペナルティ」と称されることがある。
[4−6.遊技区間]
パチスロ機1では、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、上述の遊技状態とは異なる概念で遊技を行う状態として種々の遊技区間を設けることが可能となっている。以下、その遊技区間の一例について説明する。なお、遊技区間は、大別すると非有利区間と有利区間から構成される。
(非有利区間)
非有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能でない遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことはできない。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することはできない。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、初期状態として非有利区間が設定される。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合(すなわち、有利区間中の遊技の進行にともなって更新される所定値(例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタや有利区間払出数カウンタの値)が規定値(例えば、1500ゲームや2400枚)となった場合)、初期状態として非有利区間が設定される。なお、当該所定値を参照し、当該所定値が規定値となる前であっても特定の更新値となっている場合にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。また、有利区間中に所定終了条件が成立して終了決定された場合(例えば、有利区間終了抽籤が行われるように構成した場合であって、これに当籤した場合等)にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。
(4)非有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間に移行させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能であって、導出された結果表示(図柄の組合せ)や非有利区間(あるいは移行前の有利区間)中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことはできない。なお、いずれの内部当籤役が決定されたかは、当籤番号等の直接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできるし、内部当籤役のデータから生成あるいは変換されたサブフラグ(複数の役を1つの判定対象データとしたもの)等の間接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできる。
(5)非有利区間は基本的に1の状態であり、非有利区間内で複数の状態を設定することはできない。例えば、有利区間終了後の非有利区間を非有利区間A、設定変更後の非有利区間を非有利区間Bというように異なる状態として設定することはできない。
(有利区間)
有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能である遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことができる。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することができる。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、その初期状態として有利区間を設定することはできない。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合、当該有利区間を終了させる必要がある。
(4)有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間中に遊技状態(モード)を移行させるか否か、あるいは特定の遊技状態(モード)を延長させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみならず、導出された結果表示(図柄の組合せ)や有利区間中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことができる。なお、参照可能な各種パラメータの他の例としては、例えば、上述の各種パラメータに応じて付与可能なポイント等の特典情報、ボーナス状態の種類、RT状態の種類、いずれかのリールの停止操作タイミング、あるいは押し順等を挙げることができる。
(5)有利区間内で複数の状態を設定することができる。例えば、遊技者にとって不利な通常状態、AT状態へ移行しやすいCZ状態、あるいは報知にしたがって停止操作を行った場合にメダル増加の期待値がプラスとなるAT状態等の状態を設定可能である。また、例えば、通常状態においてCZ状態移行が決定されたことに応じ、実際にCZ状態に移行するまでの待機状態として設定され、CZ状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るCZ前兆状態、あるいは通常状態若しくはCZ状態においてAT状態移行が決定されたことに応じ、実際にAT状態に移行するまでの待機状態として設定され、AT状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るAT前兆状態等の状態も遊技性に応じて設定可能である。
(6)非有利区間及び有利区間のいずれの区間であるかを報知可能な区間ランプ(状態表示部)の点灯により、有利区間中であることを報知することができる(区間ランプが消灯していれば非有利区間中であることを報知することができる)。なお、区間ランプの点灯開始タイミングについては、上述のとおり、ある程度任意のタイミングに設定することが可能である。基本的に非有利区間から有利区間に移行したときに点灯を開始し、非有利区間に移行するまで点灯を継続するものとしてもよいし、非有利区間から有利区間に移行した(有利区間が開始された)が、移行した有利区間が通常状態であれば点灯を開始せず、最初にAT状態となったときから点灯を開始するものとしてもよい。なお、移行した有利区間がAT状態であれば、そのときから点灯を開始すればよい。
[4−7.リミッタ]
パチスロ機1では、有利区間が長く継続し過ぎることに起因して射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、有利区間が連続して継続する期間について上限(制限)を設けることが可能となっている。このような上限は「リミッタ」と称される。また、本実施形態では、このようなリミッタにより有利区間を終了することを、リミット処理の実行、あるいはリミッタの作動として説明している。以下、そのリミッタの一例について説明する。
(ゲーム数リミッタ)
ゲーム数リミッタは、有利区間中のゲーム数(遊技回数)が「1500」回となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、1回の遊技が消化される度に1ずつカウントを加算していく。そして、有利区間ゲーム数カウンタの値が規定値(例えば、「1500」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、ゲーム数リミッタが作動するゲーム数は、上限である「1500」回以下のゲーム数であれば任意のゲーム数を設定可能である。また、このようなゲーム数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のゲーム数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
(払出数リミッタ)
払出数リミッタは、有利区間中のメダルの払出数が「2400」枚となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、メダルの払出がある度に対応する枚数分(より詳細には、払出数からベット数を減じた純増数分)カウントを加算していく。そして、有利区間払出数カウンタの値が規定値(例えば、「2400」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、払出数リミッタが作動する払出数は、上限である「2400」枚以下の払出数であれば任意の払出数を設定可能である。また、このような払出数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のメダルの払出数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間の開始時から最もメダル数の絶対値が減った地点を最下点(起点)として、直近の最下点からのプラス分をカウントする(すなわち、払出がなかった場合にはカウントを減算していく等)ように構成してもよい。すなわち、払出数リミッタは、有利区間中においてメダルが増加することとなったとき(例えば、AT状態が開始されたとき)から最大「2400」枚のメダルの払出があったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成することもできる。また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、上述の純増数ではなく、単に実払出数(すなわち、払出数からベット数を減じないもの)をカウントするものであってもよい。
なお、パチスロ機1は、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、払出数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、ゲーム数リミッタと払出数リミッタの双方を用いて有利区間のリミット処理を実行してもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタの作動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。
また、リミッタの種類も、上述のゲーム数リミッタ及び払出数リミッタのみに限られない。例えば、AT状態中の押し順小役のナビ回数(すなわち、メダルの払出に係る役について遊技者に有利な停止操作の情報が報知された回数)が所定回数(例えば、「400」回)となったときにリミット処理が実行されるナビ回数リミッタを設けるようにしてもよい。すなわち、射幸性を適切に抑制することができる限り、遊技に関する各種の条件を用いてリミット処理を実行することが可能である。
[4−8.外部信号]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類の外部信号を外部に出力可能な仕様となっている。例えば、ボーナス状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、ボーナス状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したボーナス状態中演出を行うことができる。また、例えば、BB状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、BB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、MB状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、MB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のボーナス状態中演出を行うのみならず、ボーナス回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、AT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したAT状態中演出を行うことができる。また、例えば、所定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、所定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、特定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、特定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のAT状態中演出を行うのみならず、AT回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態をセット数管理のAT状態として構成し、最初の1セット目のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、2セット目以降は当該セットが開始される度に外部信号2をオン状態とすれば、外部のデータ表示機においてもAT状態の初当り回数と、AT状態の延長回数とをカウントすることができる。なお、各外部信号についてオン状態とするタイミングとオフ状態とするタイミングは適宜設定可能である。すなわち、外部のデータ表示機やホールコンピュータ等によって状況が適切に認識される限り、各外部信号の出力態様は適宜設定可能である。例えば、オフ状態からオン状態となって再度オフ状態なるまでの期間は、所定時間、1回の遊技の間、状態が変化するまで等の種々の条件を採用することができる。
[4−9.コマンド]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類のコマンドを主制御回路100から副制御回路200に送信可能な仕様となっている。なお、パチスロ機1では、主制御回路100と副制御回路200とが相互に通信を行うことはできず、主制御回路100から副制御回路200の一方向にのみ通信を行うことが要件となっている。したがって、主制御回路100は、パチスロ機1における状態の変化等を報せるための情報(コマンド)を適時副制御回路200に送信する必要がある。以下にこのようなコマンドの一例について説明する。
主制御回路100は、副制御回路200に対し、例えば、設定変更操作が行われたときには初期化コマンドを送信する。初期化コマンドは、設定値や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ベット操作が行われたときにはメダル投入コマンドを送信する。メダル投入コマンドは、ベット数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。また、例えば、開始操作が行われたときにはスタートコマンドを送信する。スタートコマンドは、内部当籤役や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ロック演出が行われるときにはロックコマンドを送信する。ロックコマンドは、ロック演出の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、各リール3L,3C,3Rの回転が開始するときにはリール回転開始コマンドを送信する。リール回転開始コマンドは、リールの回転が開始されたこと等を特定するパラメータを含んで構成される。
また、例えば、停止操作が行われたときにはリール停止コマンドを送信する。リール停止コマンドは、停止されるリールや当該リールが停止される位置等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、全てのリールが停止され、表示役(入賞作動フラグ)が確定したときには入賞作動コマンドを送信する。入賞作動コマンドは、表示役の種類や付与される特典の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を開始するときには有利区間開始コマンドを送信する。有利区間開始コマンドは、有利区間を開始することやモード(遊技状態)等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を終了するときには有利区間終了コマンドを送信する。有利区間終了コマンドは、有利区間を終了することやその終了要因等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、精算操作が行われたときには精算コマンドを送信する。精算コマンドは、返却数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。なお、これらはあくまで一例であり、これら以外のコマンドを必要に応じて送信することもできるし、これらのうち不要なコマンドについては送信しないようにすることもできる。
[4−10.演出]
上述のとおり、パチスロ機1では、遊技の興趣を高めるため、有益な情報を遊技者に報せるため、あるいは企図した遊技性とするために、種々の演出を種々の演出装置を用いて実行することが可能となっている。以下、そのような演出の一例について説明する。
[4−10−1.メイン側演出]
パチスロ機1では、主制御回路100側(メイン側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、指示モニタによって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(ロック演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技の進行を所定期間停止させる(遊技者の遊技操作を所定期間無効にする)演出を行い得る。このような演出は、「ロック演出(あるいは単に「ロック」)」と称される他、「フリーズ演出(あるいは単に「フリーズ」)」等とも称される。なお、このようなロック演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のロック演出を行い得るように構成することもできる。
また、無効とする対象の遊技操作は、例えば、開始操作であってもよいし、停止操作であってもよいし、他の操作であってもよい。例えば、開始操作が所定期間無効にされる場合には、全ての停止操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、例えば、停止操作が所定期間無効にされる場合には、開始操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、複数種類のロック演出を設ける場合には、ロック演出ごとに、遊技の進行が停止される期間(遊技者の遊技操作を無効にする期間)や無効とする遊技操作の種類等が設定されるようにすればよい。
(リール演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において各リール3L,3C,3Rの演出表示態様(変動表示態様のみならず、停止表示態様との組合せを含む)による演出を行い得る。このような演出は、「リール演出」と称される他、「図柄演出」等とも称される。なお、このようなリール演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のリール演出を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えてリール演出が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれるものとする。
リール演出は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作によらずして各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。したがって、回転速度や最大滑り駒数等を考慮することなく、このような演出動作を行わせる動作パターンを設定することができる。また、動作パターンを複数設定すれば、複数種類のリール演出を設けることができる。また、複数種類のリール演出と複数種類のロック演出との組合せによって、さらに多岐にわたる演出パターンを設定することができる。なお、リール演出に用いられるのは、各リール3L,3C,3Rのうちの任意の1個のみでもよいし、任意の2個であってもよいし、3個全てであってもよい。
(疑似遊技)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において疑似的な遊技を行わせる演出を行い得る。このような演出は、「疑似遊技」と称される。なお、このような疑似遊技が行われないように構成することもできるし、複数種類の疑似遊技を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えて疑似遊技が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれる。
疑似遊技は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作を疑似的に受付け、これによって各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。すなわち、上述のリール演出について、さらに遊技者の遊技操作を介在させて演出を行うものである。なお、例えば、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、スタートレバー7、各ストップボタン8L,8C,8R、及び精算ボタン9等は、基本的に遊技操作に使用されること目的として設けられるものであることから、これ以外の目的で使用されることは本来的には望ましくない。しかしながら、疑似遊技においては、実際の遊技中であると遊技者が誤認しないための措置がなされることを前提として、これらの操作を受付けることを可能としている。
ここで、疑似遊技の流れについて、一例を挙げて説明する。疑似遊技は、例えば、以下のような流れで行われる。
(1)遊技者の実際の開始操作(ここで実行条件が成立して疑似遊技開始)
(2)疑似的に各リールが回転(疑似遊技中)
(3)疑似的に停止操作を受付け、これによって各リールが仮停止(疑似遊技中)
(4)ランダム遅延処理を経てから実際に各リールが回転開始(疑似遊技が終了して実際の遊技開始)
なお、ランダム遅延処理とは、例えば、上述の(3)の状況で特定の図柄が並んで表示された状態となり、そのまま上述の(4)の状況で各リールが通常回転を開始すると、遊技者が特定の図柄を目印として停止操作しやすくなってしまう(いわゆる「目押し」の補助となってしまう)場合があることから、これを是正するために各リールそれぞれに対してランダムに遅延期間を発生させてから回転を開始させるための処理である(このような遅延期間は「再配置期間」とも称される)。また、上述の(3)及び(4)の状況で各リールが仮停止している場合には、完全に停止していると誤認されないように、各ステッピングモータの励磁制御における位相信号は必ず所定時間(例えば、500ms)未満としてリールを順方向と逆方向とに交互に変化させるようにすることが望ましい。
上述の措置の1つとしては、例えば、上述の(3)の状況で任意の図柄の組合せが仮停止した場合(3個目のリールが仮停止して全てのリールが仮停止した場合)、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、各リールを上下に微振動させる(揺動させる)ことが挙げられる。なお、位相信号が上述の所定時間未満で変化するものである限り、1個目のリールが仮停止したとき、2個目のリールが仮停止したときには、このような揺動は行われないようにしてもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技ランプを設け、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、当該疑似遊技ランプを点灯させることが挙げられる。なお、疑似遊技ランプは、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に設置されることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、他の用途に使用しない独立したランプであり、当該疑似遊技ランプの表示部全体は単色の縁で覆われていることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、当該疑似遊技ランプの説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超え、かつ表面積が642平方mmを超えること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技ランプの説明部分は、当該疑似遊技ランプが疑似遊技中であることを報せるためのランプであることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、このような記載部分は、表面積の1/3以上を占めることが望ましい。なお、疑似遊技ランプを制御するのは、主制御回路100であってもよいし、副制御回路200であってもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技中表示を、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、メイン表示装置210又はサブ表示装置220(あるいはその双方)で行うことが挙げられる。なお、疑似遊技中表示は、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に表示されることが望ましい(本実施形態では、メイン表示装置210及びサブ表示装置220のいずれもが操作部よりも上方となっているため、いずれを使用してもよい)。また、疑似遊技中表示は、その説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超えること、表示画面が7インチ未満である場合には表面積が642平方mmを超えること、表示画面が7インチ以上である場合には表面積が画面全体の8.2%以上となること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技中表示の説明部分は、当該疑似遊技中表示が疑似遊技中であることを報せるための表示であることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、隠蔽等されることなく遊技者が読み取れる大きさであることが望ましい。
また、例えば、疑似遊技中(例えば、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間)は、指示モニタにおいて停止操作の情報が報知されないように構成する(当該遊技で指示モニタに停止操作の情報を表示する必要がある場合には、ランダム遅延処理が開始されるタイミングで表示を開始する)ことが望ましい。このようにすれば、疑似遊技中において実際の遊技中であると遊技者が誤認してしまうことをさらに抑制することができる。なお、上述のいずれかの措置がなされていれば、疑似遊技中において、サブ側の演出装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220)では停止操作の情報が報知されるようにしてもよい。また、同様に、疑似遊技中において、サブ側の演出装置では疑似遊技の遊技結果にしたがった(疑似的な遊技操作に連動した)演出が行われるようにしてもよい。
また、実際の遊技では、試験機用第1インターフェースボード301を介して遊技者の遊技操作、あるいは当該遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号が出力されるが、疑似遊技中は、遊技者の疑似的な遊技操作あるいは当該疑似的な遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号は出力されない。したがって、疑似遊技中は、試験機側で疑似遊技中であることを認識可能とするための試験信号(疑似遊技信号)が出力されるようにしてもよい。なお、試験機用第1インターフェースボード301は、主制御基板71から疑似遊技信号を受信した場合、疑似遊技進行制御用の信号を主制御基板71に出力することで、主制御基板71側で疑似遊技が進行されるようにしてもよい(すなわち、試験機用第1インターフェースボード301に疑似遊技進行機能をもたせてもよい)。また、試験機用第1インターフェースボード301にこのような疑似遊技進行機能をもたせる場合、当該機能のオン・オフを切替え可能な切替スイッチを設けるようにしてもよい。これにより、パチスロ機1の検定試験(試射試験)において、疑似遊技の演出内容を確認するか否かを任意に設定することが可能となる。
[4−10−2.サブ側演出]
パチスロ機1では、副制御回路200側(サブ側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、メイン表示装置210等によって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(通常演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、今回の遊技において完結する(すなわち、1ゲームで終了する)演出を行い得る。このような演出は、「通常演出」と称される他、「単発演出」等とも称される。なお、このような通常演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の通常演出を行い得るように構成することもできる。
(連続演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、複数回の遊技にわたって連続する(すなわち、複数ゲームの間継続する)演出を行い得る。このような演出は、「連読演出」と称される他、「継続演出」等とも称される。なお、このような連続演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の連続演出を行い得るように構成することもできる。
(操作連動演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技者の演出操作に応じて演出内容を変化させることが可能な演出を行い得る。このような演出は、「操作連動演出」と称される他、「ボタン演出」等とも称される。なお、このような操作連動演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の操作連動演出を行い得るように構成することもできる。また、操作連動演出は、通常演出として構成することもできるし、連続演出として構成することもできる。また、演出操作は、演出用ボタン群に対する操作のみならず、各種遊技操作を含むものとすることができる。
なお、上述の各種演出は、種々の用途に用いることができる。例えば、設定値、内部当籤役、遊技状態、遊技区間、特典の付与内容、特典が付与されるまでの期間等の示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの有利度合いの示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの用途もあくまで一例である。
(その他演出)
パチスロ機1では、上述の各種演出以外の演出を行うこともできる。例えば、上述の用途以外に用いられるものとして、遊技者又は遊技店に対する各種の報知(例えば、のめり込み防止報知や忘れ物防止報知、エラー状態報知、デモ状態報知等)も広義の意味において演出に含まれる。なお、のめり込み防止報知は、例えば、有利区間が終了したときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、忘れ物防止報知は、例えば、有利区間が終了したときや精算操作が行われたときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、エラー状態報知は、エラーが発生してから解消されるまで、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、デモ状態報知は、遊技されていない期間が所定期間となったときや精算操作が行われたときに、空き台であること等が報知されるものとすることができる。
[5.第1の遊技機]
続いて、図5〜図22を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の一具体例について、これを「第1の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第1の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第1の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
まず、第1の遊技機では、有効ラインが、上述の「センターライン」の1ラインのみと定義される。また、第1の遊技機では、遊技状態として、非ボーナス状態と、ボーナス状態とが設けられる。また、非ボーナス状態は、後述の「F_2BB」(2枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「2BB」として説明する場合がある)が持越されている2BBフラグ間と、後述の「F_3BB」(3枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「3BB」として説明する場合がある)が持越されている3BBフラグ間と、いずれのボーナス役も当籤していない(持越されていない)非フラグ間とを含んで構成される。また、ボーナス状態は、2BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する2BB状態と、3BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する3BB状態とを含んで構成される。
また、第1の遊技機では、2枚のメダルをベットした状態(2枚ベット状態)と、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)とで遊技を行うことが可能となっている。なお、「ベット」とは、遊技に供するため、遊技者が2枚又は3枚のメダルをメダル投入口5に対して投入すること、遊技者がMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してクレジットから2枚又は3枚分のメダルを掛けること、及びリプレイ役の入賞によって自動的に2枚又は3枚分のメダルが掛けられることのいずれもが含まれる。
[5−1.第1の遊技機の遊技性]
続いて、図5〜図8を参照して、第1の遊技機における遊技の流れについて説明する。なお、図5は、第1の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図であり、図6は、第1の遊技機における各モードの一例を説明するための図であり、図7及び図8は、第1の遊技機における各種テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、第1の遊技機では、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間及び有利区間に大別され、有利区間には、さらに演出区間(有利区間・通常遊技)及び増加区間(有利区間・疑似ボーナス)が設けられる。非有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。演出区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である点は非有利区間と同様であるが、後述するように、モード移行が行われる点において非有利区間とは異なる。
すなわち、非有利区間は、有利区間での遊技が終了したとき、設定変更操作が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に制御される初期状態としての制御状態であり、演出区間は、モード移行等によって増加区間移行(付与)の期待度を変動可能とし、遊技者が通常遊技を行う通常状態としての制御状態である。
一方、増加区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。すなわち、増加区間は、遊技者がメダルを増加させることができる有利状態としての制御状態である。なお、演出区間と増加区間とはともに有利区間であり、これらの区間を相互に移行することで一連の有利区間として構成されるものである。
なお、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、非有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての非有利区間サブフラグが決定される。なお、サブフラグは、主制御回路100による遊技性に関する各種抽籤(有利区間に関連する各種処理)において、同様の役割(抽籤対象役であるか否かやその当籤確率等)を担う内部当籤役をグループ化して同じ情報を割り当てることで、そのグループを識別可能とするための情報である。これにより、内部当籤役ごとに各種データテーブルを設ける必要がなくなることから、データ量を圧縮することができ、メインROM102の容量の圧迫を回避することができる。非有利区間では、この非有利区間サブフラグを用いた抽籤が行われる。
非有利区間サブフラグ「リプベル」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)、「F_リプレイB」(No.「4」)、及び「F_ベル123A1」〜「F_ベル321B2」(No.「10」〜No.「33」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。なお、非有利区間においても、有利区間と同様に、当籤時サブフラグと入賞時サブフラグが決定され得るように構成することもできる。また、これらの対応関係も上述のものに限られない。
また、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間当籤時サブフラグが決定される。さらに、有利区間においては、表示された図柄の組合せに応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間入賞時サブフラグが決定される。有利区間では、これらの有利区間当籤時サブフラグ及び有利区間入賞時サブフラグを用いた抽籤が行われる。
有利区間当籤時サブフラグ「ベル」は、内部当籤役が「F_ベル123A1」〜「F_ベル321B2」(No.「10」〜No.「33」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。
有利区間入賞時サブフラグ「通リプ1」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「右上がりリプ」である場合)に決定される。有利区間入賞時サブフラグ「通リプ2」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「平行リプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「平行リプ」である場合)に決定される。
ここで、第1の遊技機では、後述するように、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示され、2BBフラグ間及び非フラグ間では、「平行リプ」の図柄の組合せが表示されるようになっている。
すなわち、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定され、2BBフラグ間及び非フラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定されるようになっている。そして、第1の遊技機では、このように有利区間入賞時サブフラグが異なる場合、後述する各種抽籤(例えば、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルを用いた疑似ボーナス移行抽籤や図8(f)に示すモード移行抽籤テーブルを用いたモード移行抽籤)における有利度合いを変動させるようにしている。
なお、第1の遊技機では、例えば、3BBフラグ間であるか、あるいは2BBフラグ間であるかに応じて、有利区間入賞時サブフラグが変動する役として「F_リプレイA」(No.「3」)を例に挙げて説明しているが、有利区間入賞時サブフラグが変動する態様はこれに限られない。例えば、後述するように、内部当籤役が「F_ベル123B1」(No.「12」)であるとき、3BBフラグ間である場合と、2BBフラグ間である場合とで停止制御を異ならせることにしているので、このような役に当籤した場合、メダルの払出数を変動させず(あるいは変動させるようにしてもよい)、表示される図柄の組合せが異なるようにし、これによって異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、後述するように、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるとき、いずれのフラグ間(非フラグ間)であるかにかかわらず、押下位置(停止操作タイミング)が適切であれば「スイカ」の図柄の組合せが表示され、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生して「スイカこぼし」の図柄の組合せが表示されるようにしているので、このような役に当籤した場合、取りこぼしが発生することなく入賞させることができた場合と、取りこぼしが発生した場合とで異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、停止操作が特定の態様(この特定の態様は、例えば、停止操作が予め定義された打順(正解押し順)で行われる態様、押下位置(停止操作のタイミング)が適切である態様、及びこれらの組合せの態様、いずれの態様であってもよい)で行われた場合には「平行リプ」の図柄の組合せが表示され、特定の態様で行われなかった場合には「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示されるようにし、これにより異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
すなわち、第1の遊技機では、特定役に関し、ベット数、遊技状態、停止操作の態様、あるいはこれらのうちいずれかの組合せによって、最終的な停止表示態様が異なる場合があることを可能とし、異なった停止表示態様に応じて異なる二次情報を決定可能とし、それによって有利度合いを変動可能とする態様全てを適用することができる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。非有利区間では、遊技毎に、有利区間移行抽籤が行われる。具体的には、図7の(b)に示す有利区間移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて非有利区間サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、非遊技区間サブフラグに応じて、移行先モード等が決定される。なお、この決定に際しては、有利区間に移行した際のモードの種別のみが決定される場合(図5中、「有利区間開始」)と、当該モードの種別のみならず疑似ボーナスに移行することも決定される場合(図5中、「有利区間開始+疑似ボーナス開始」)とがある。もっとも、非有利区間においては、疑似ボーナスに移行することが決定されない仕様とすることもできる。
ここで、図6を参照して、第1の遊技機における各モードについて説明する。第1の遊技機において、モードは、演出区間(通常遊技)における増加区間(疑似ボーナス)移行(付与)の期待度を変動させるための制御情報(遊技状態や制御状態と言い換えてもよい)であり、演出区間(通常遊技)においては、このモードにしたがって、疑似ボーナス移行の有無が決定されたり、有利区間を維持させたり、有利区間を終了させて非有利区間に移行させることが決定されたりするようになっている。
スタートモードは、非有利区間から有利区間(演出区間)に移行するときに滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、図示は省略しているが、スタートモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。天井ゲーム数は、疑似ボーナスに移行しない期間が一定期間となったとき、強制的に疑似ボーナスに移行させるために用いられる。それゆえ、天井ゲーム数が少ないほど遊技者に有利であり、天井ゲーム数が多いほど遊技者に不利となる。
通常Aモードは、遊技者が遊技を行う上で最も滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Aモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。また、図6中、「疑似ボーナス後約999G」とあるのは、疑似ボーナス終了後に、後述の終了Aモード又は終了Bモードに移行し、当該モードにて疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われ、一度非有利区間に移行した後、非有利区間から有利区間に移行する際にこの通常Aモードが選択された場合、見かけ上の天井ゲーム数は、「965ゲーム」+終了Aモード又は終了Bモードでの遊技期間「32ゲーム」+非有利区間から有利区間に移行するのに要したゲーム数となるため、これを表現したものである。以下、通常Bモード、天国準備モード、チャンスモードにおいても同様である。
通常Bモードは、遊技者が遊技を行う上で比較的滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、通常Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Bモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。
天国準備モードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低い(後述の図7の(c)参照)ものの、天井ゲーム数は「466ゲーム」に設定され、また、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後は天国モードに移行することが確定するため(後述の図8の(f)参照)、その意味において相対的に有利なモードとなっている。
チャンスモードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「222ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。
終了Aモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は最も低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Aモードでは、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。
終了Bモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、終了Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Bモードでは、終了Aモードと同様、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。なお、終了Aモード及び終了Bモードは、「終了モード」と総称することもできる。
保障モードは、天国Cモードが終了した場合に滞在するモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。すなわち、天国Cモードが終了したとき、それによる興趣の低下を防止するため、一定期間は相対的に有利な状態を維持(保障)しようするモードとして位置付けられる。
天国Aモードは、疑似ボーナスが連荘する(AT状態が、AT状態中に延長(上乗せ)の決定が行われることによって継続する仕様の場合には、当該延長(上乗せ)することも含み得る。以下同じ)ことが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が中程度に設定された相対的に有利なモードとなっている。なお、図6においては図示を省略しているが、例えば、この天井モードループ率には設定差を設けるようにすることもできる。例えば、設定値が奇数(1,3,5)であるとき、天井モードループ率が75%程度となり、設定値が偶数(2,4,6)であるとき、天井モードループ率が67%程度となるように抽籤値を設定することもできるし、単に設定値が高いほど天井モードループ率も高くなるように抽籤値を設定することもできる。後述の天国Bモード及び天国Cモードにおいても同様であり、天井モードループ率に設定差を設けることもできる。
天国Bモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモードよりもさらに有利なモードとなっている。
天国Cモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)がかなり高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモード及び天国Bモードよりもさらに有利なモードとなっている。なお、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードは、「天国モード」と総称することができる。
なお、上述の各モードは、あくまでも一例を示すものであり、モードの構成はこれに限られない。上述の各モード以外のモードを設定することもできるし、上述の各モードのうち一部のモードを設定しないようにすることもできる。
また、ここまで、非有利区間は有利区間に比べて相対的に有利度が低い状態として説明したが、非有利区間と有利区間との関係はこのような態様に限定されない。例えば、非有利区間である場合のほうが、有利区間において少なくとも1つ以上のモードが設定されている場合よりも増加区間への移行割合が高かったり、増加区間への移行に要する平均ゲーム数が短くしたりする等の仕様、あるいは非有利区間が最も増加区間にしやすい仕様とすることもできる。このようにすることで、設定変更後等の非有利区間であることが確定する状態においても遊技を行うインセンティブが生まれるため、開店時からでも遊技を開始する動機づけとなる。また、疑似ボーナス終了後32ゲームを経過したときに区間ランプの点灯が終了した場合であっても、最も不利な状態となることが確定しないため、このようなときでも遊技が継続される動機づけとなる。また、ここまで、演出区間は遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態であるとして説明したが、増加区間と比べて不利な態様(例えば、報知の頻度を下げたり、報知の対象となる役を変更したりする等)であれば、停止操作の情報が報知される遊技状態とすることもできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。演出区間(通常遊技)では、まず、遊技毎に、有利区間当籤時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて有利区間当籤時サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、有利区間当籤時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。なお、図7の(c)中、「非当籤」は、疑似ボーナスに移行させないことを意味し、「当籤(今回遊技)」は、今回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味し、「当籤(次回遊技)」は、次回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味する。
なお、第1の遊技機では、「当籤(今回遊技)」が決定された場合には今回遊技の開始時に、「当籤(次回遊技)」が決定された場合には次回遊技の開始時に、遊技操作(停止操作)が一定期間無効とされるとともに、当該無効期間において、メイン表示窓4に「赤7」図柄が揃って表示されるリール演出(「赤7揃い」演出)が行われた後、疑似ボーナスが開始され、「赤7揃い」演出が行われた遊技で、停止操作の情報を報知する必要がある場合には、少なくとも当該無効期間が終了して遊技操作(停止操作)が有効となるとき(それ以前でもよいが、上述のランダム遅延処理が開始されるよりも前のタイミングではないとき)に、停止操作の情報の報知が行われるようになっている。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(当籤時)が行われた場合、後述の疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)、モード移行抽籤(入賞時)、及びモード移行抽籤(天井時)は行われない。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、有利区間入賞時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、入賞役が決定され、当該入賞役に応じて有利区間入賞時サブフラグが決定された以降の当該遊技中(次回遊技開始前)の所定のタイミングで、有利区間入賞時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。
なお、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、疑似ボーナスに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で疑似ボーナスに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(入賞時)が行われた場合、後述のモード移行抽籤(天井時)は行われない。
なお、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、天井ゲーム数を更新し(加算方式でも減算方式でもよい)、天井ゲーム数が現在のモードに対応付けられた(あるいは、有利区間移行時等において予め決定された)天井ゲーム数に達した場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定される。この場合、必ず「当籤(今回遊技)」が決定されるようにすることもできるし、必ず「当籤(次回遊技)」が決定されるようにすることもできる。また、抽籤によりこれらのいずれが決定されるようにすることもできる。
演出区間(通常遊技)において、天井ゲーム数の到達により、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(天井時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。
なお、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)及び疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。また、モード移行抽籤(当籤時)及びモード移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。
また、仮に、疑似ボーナスの当籤の種類として「当籤(今回遊技)」を設けないのであれば、有利区間入賞時サブフラグが決定されるタイミングでは、有利区間当籤時サブフラグも決定済みであり、また、天井ゲーム数も更新済みとすることができるため、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)及び天井到達時の疑似ボーナス移行処理を1回の処理でまとめて行うこともできる。また、同様に、モード移行抽籤(当籤時)、モード移行抽籤(入賞時)及びモード移行抽籤(天井時)を1回の処理でまとめて行うこともできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナスに移行させることが決定され、疑似ボーナスが開始された場合(図5中、「疑似ボーナス開始」)、増加区間(疑似ボーナス)に移行する。また、上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、終了Aモード又は終了Bモードに制御され、疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が消化された場合(図5中、「有利区間終了(終了A・B経由)」)、非有利区間に移行する。また、後述の図16に示すリミット処理の条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「有利区間終了(リミット処理)」)、その結果、非有利区間に移行する。
増加区間(疑似ボーナス)では、当該疑似ボーナスが開始されるときに、天井短縮抽籤が行われる。具体的には、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、当該疑似ボーナス終了後の天井ゲーム数を短縮するか否かが決定される。なお、図8の(e)中、「非当籤」は、天井ゲーム数を短縮させないことを意味し、「当籤(天井ゲーム数=0更新)」は、当該疑似ボーナス終了後、モードにかかわらず、セットされる天井ゲーム数を「0」とする(短縮させる)ことを意味する。なお、天井短縮抽籤は、疑似ボーナスが開始されるときのみならず、疑似ボーナス中は毎遊技行われるようにすることもできる。
天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させないことが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、後述の1G連ストックも保有していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。一方、天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させることが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、天井ゲーム数として「0ゲーム」がセットされる。これにより、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、天井ゲーム数の到達により疑似ボーナスが開始されたことになるため、上述のモード移行抽籤(天井時)が行われる。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」又は「中チェ」が決定された遊技において)、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、上記以外の有利区間当籤時サブフラグが決定された場合にも、移行先モードが決定されるようにしてもよいが、この場合、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この場合、上記と同様、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに、1G連抽籤が行われる。具体的には、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグ又は有利区間入賞時サブフラグに応じて、1G連を発生させるか否かが決定される。なお、図7の(d)中、「非当籤」は、1G連を発生させないことを意味し、「当籤(1G連+1)」は、1G連を発生させる権利(1G連ストック)が1個付与される(1G連ストックカウンタが1加算される)ことを意味する。なお、1G連ストックは、1G連ストックカウンタによって複数個(最大255個)ストック(貯留)されることが可能となっている。したがって、1回の疑似ボーナス中に複数個の1G連ストックが付与される場合もある。また、1回の1G連抽籤で、複数個の1G連ストックが付与され得るように、1G連抽籤テーブルを構成することもできる。
疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上である場合(すなわち、1G連ストックを保有している場合)には、1G連ストックが1つ消化され(1G連ストックカウンタが1減算され)、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、1G連ストックという権利に応じた疑似ボーナスの開始となるため、上述のモード移行抽籤は行われない。一方、疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上でない場合(すなわち、1G連ストックを保有していない場合)、上述の天井短縮抽籤にも当籤していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。
なお、天井短縮抽籤に当籤し、1G連ストックも保有している場合、天井短縮抽籤の結果が優先され、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行された後、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよいし、1G連ストックが優先され、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行された後、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよい。後者の場合、天井短縮があることを持越せる情報を別途記憶しておけばよい。
第1の遊技機では、増加区間(疑似ボーナス)の構成として、「55ゲーム」間継続し、最大275枚獲得可能としたものを一例として挙げているが、疑似ボーナスの構成はこれに限られない。例えば、当該疑似ボーナスを「疑似BB(ビッグボーナス)」として構成し、他に「22ゲーム」間継続し、最大110枚獲得可能とした疑似ボーナスである「疑似RB(レギュラーボーナス)」を搭載するようにしてもよい。この場合、上述の疑似ボーナス移行抽籤、天井到達時、1G連抽籤において、疑似ボーナスに移行させること(権利を付与すること)が決定される際には、その種類(例えば、「疑似BB」とするのか、「疑似RB」とするのか)が所定確率(例えば、50%ずつ)で決定されるようにすればよい。なお、「疑似RB」は、「疑似BB」との間で価値が異なる(より詳細には、「疑似BB」よりも価値が低い)ものとすればよいため、例えば、継続ゲーム数は「疑似BB」と同じであるが、ベルナビ率(停止操作の情報が報知される報知確率)を低いものとすることで、最大獲得可能枚数に差をつけ、価値が異なるようにすることもできる。また、「疑似RB」を開始させる際には、メイン表示窓4に「BAR」図柄が揃って表示されるリール演出、あるいは「赤7−赤7−BAR」が表示されるリール演出が行われるようにすればよい。さらに、増加区間は疑似ボーナスとして構成されるものに限られない。例えば、継続する遊技数(遊技期間)を変化させることが可能なAT状態やART状態として構成することもできる。
また、疑似ボーナス中に、後述の図16に示すリミット処理の実行条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「リミット処理による有利区間終了」)、その結果、非有利区間に移行する。
なお、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に3枚ベット状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)〜(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合、2枚ベット状態ではメダルが増加しないように構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない。すなわち、第1の遊技機では、2枚ベット状態で遊技を行うと基本的に遊技者は不利となるように構成されている。
ここで、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、有利区間(AT)に関する抽籤(例えば、図7の(a)〜(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤)や処理(例えば、天井ゲーム数の更新等)は行われないものの、上述のゲーム数リミッタ用の有利区間ゲーム数カウンタや、上述の払出数リミッタ用の有利区間払出数カウンタの更新は行われるものとすることが望ましい。これらのリミッタは、有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を制限することで射幸性を適切に抑制する機能を有するものであることから、仮に、2枚ベット状態ではこれらのカウンタが更新されないものとすると、2枚ベット状態での遊技が介在することで設定された有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を超えてしまう場合が生じ、その結果適切に射幸性を抑制できない場合が生じ得るためである。それゆえ、リミッタ用のカウンタは、ベット数不問で毎ゲーム更新可能に構成されることが望ましい。
また、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に非ボーナス状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、ボーナス状態(2BB状態及び3BB状態)で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)〜(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中にボーナス状態となった場合、ボーナス状態は非ボーナス状態(より詳細には非ボーナス状態の3枚ベット状態)よりもメダルの増加期待値が低い状態として構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない場合もある。すなわち、第1の遊技機では、ボーナス状態で遊技を行うと遊技者は不利となる場合があるように構成されている。
それゆえ、第1の遊技機では、2BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行うことが推奨される構成となっている(本実施形態では、2BBフラグ間の3枚ベット状態を「推奨遊技状態」として説明し、その他の状態を「非推奨遊技状態」として説明する場合がある)。すなわち、第1の遊技機では、2BBは2枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、2BBフラグ間において2BBに係る図柄の組合せは2枚ベット状態でのみ入賞し、3枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、3BBは3枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、3BBフラグ間において3BBに係る図柄の組合せは3枚ベット状態でのみ入賞し、2枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、2BBフラグ間では3BBが当籤する場合はなく、3BBフラグ間では2BBが当籤する場合はない構成となっている。
そして、第1の遊技機では、これらの構成を用いて、例えば、非フラグ間の2枚ベット状態で2BBを当籤させて(2BBを入賞させず)2BBフラグ間とした後、3枚ベット状態で遊技を行えば、ボーナス役を入賞させるか否かを気にすることなく、上述の推奨遊技状態で遊技を行うことが可能となっている。
上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、天井短縮抽籤が行われる。ここで、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルをみると、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるとき、1/8(32/256)の確率で天井短縮抽籤に当籤する一方、その他のモードであるときには天井短縮抽籤に当籤しないようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合には、その「32ゲーム」が「0ゲーム」に短縮される場合があり、天井ゲーム数がそれよりも多いモードの場合には、天井ゲーム数が短縮される場合がないようになっている。
なお、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードの場合であっても、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合よりも低い確率(例えば、1/64)で、天井ゲーム数が短縮されることが決定されるようにしてもよい。
また、天井ゲーム数を短縮する態様も上述のものに限られない。例えば、「32ゲーム」をそれより少ない所定ゲーム(0〜31ゲーム)に短縮すれば、同様の作用効果を発揮できることから、天井短縮抽籤に当籤したときに短縮するゲーム数がさらに決定されるようにしてもよいし、天井短縮抽籤において、何ゲーム分短縮するのかを予め決定するようにしてもよい。
また、天井短縮抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス中には、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。また、有利区間(通常遊技)において、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるときには、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。これらの場合には、有利区間当籤時サブフラグや有利区間入賞時サブフラグが参照されて、天井短縮抽籤に当籤するか否かが決定されるようにすればよい。
また、上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、1G連抽籤が行われる。ここで、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルをみると、現在のモードがいずれのモードであっても、1G連ストックが付与される場合があるようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるか否かにかかわらず、疑似ボーナスを継続させるための権利が付与可能となっている。
なお、当該権利を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるときには、天井短縮抽籤が行われることを考慮して1G連抽籤が行われないようにし、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードであるときに1G連抽籤が行われるようにすることで、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制してもよい。
また、1G連抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス以外の有利区間(演出区間)においても、1G連抽籤が行われるようにし、その結果ストックされた1G連ストックは、次の疑似ボーナスにおいて消化されるようにしてもよい。
なお、図5〜図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、疑似ボーナスの開始時、あるいは疑似ボーナス中において、現在のモードが天国モードであるとき、有利な状態であることを示唆するための特別ボーナス中演出が所定確率で実行されるようになっている。したがって、特別ボーナス中演出が実行された場合、天井短縮抽籤が実行されることを期待させることができる。また、この特別ボーナス中演出は、天井短縮抽籤に当籤したときには100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、疑似ボーナスの開始時に特別ボーナス中演出が実行された場合、少なくとも天国モードに滞在していることが示唆され、さらに天井短縮抽籤にも当籤したかもしれないとの期待感を抱かせることができる。また、この特別ボーナス中演出は、疑似ボーナス中に1G連抽籤に当籤したときにも、所定確率であるいは100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、(1)天国モードのみ、(2)天国モード+天井短縮当籤、(3)天国モード+1G連当籤、(4)天国モード+天井短縮当籤+1G連当籤、(5)1G連当籤のみ、等の様々な可能性を示唆することでき、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)が終了してから所定期間(例えば、32ゲーム)内に再度有利状態に制御されることが確定している場合(例えば、天国モードの場合)、その期間をさらに短縮できる場合があることから、一連の有利区間の遊技期間が制限される場合(例えば、リミット処理が実行される場合)であっても、遊技者がなるべく有利度合いの高い状態で遊技を行えるようにして遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態が終了してから所定期間内に再度有利状態に制御されることが確定していない場合(例えば、終了モードの場合)であっても、権利(例えば、1G連ストック)の付与によって再度有利状態が開始される場合があることから、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
また、図5〜図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合(すなわち、「F_確定チェリー」又は「F_リーチ目」が内部当籤役として決定された場合)であって、上述のモード移行抽籤の結果、天国Cモードに移行することが決定された場合には、1/2の確率(この確率は任意である)で特別ロック演出が実行可能となっている。なお、遊技者は、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合(すなわち、「F_中段チェリー」が内部当籤役として決定された場合)にも、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様の恩恵を受けることができることから、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様に、特別ロック演出を実行可能としてもよい。
ここで、「確定役」は、疑似ボーナス移行も確定する役であることから(図7の(c)参照)、遊技者は特別ロック演出が実行されると、疑似ボーナス移行及び天国Cモード移行があったことが認識できるようになっており、遊技者にとって非常に興趣が高まるようになっている。特別ロック演出は、例えば、遊技開始時に約20秒間にわたって遊技操作(停止操作)が無効とされる演出として構成される。なお、この間には、各リールが振動したり、逆回転したりする特別リール演出が行われるようにしてもよいし、メイン演出表示部21において、通常は表示されない特別映像等が表示されるようにしてもよい。また、通常は出力されない特別楽曲が出力されるようにしてもよい。むろん、これらの組合せによって演出を行うこともできる。また、遊技操作は無効とされないが、遊技者が次の遊技操作を行うまで、これらの演出が行われるようにすることもできる(すなわち、演出を最後まで実行させるか、あるいは中途でキャンセルして遊技を進行させるかの決定を遊技者に委ねることもできる)。
ただし、第1の遊技機では、後述の図16に示すように、例えば、天国Cモードに滞在していたとしても、リミット処理の実行によって有利区間が強制的に終了される場合があることから、上述の特別ロック演出を何度も実行することが望ましくない場合もある。
そこで、第1の遊技機では、同じ一連の有利区間内では、特別ロック演出は一度しか実行されないようになっている。具体的には、一連の有利区間内において、最初に特別ロック演出を実行することが決定された場合には特別ロック演出が実行されるが、それ以降同じ一連の有利区間内では、同じ条件が成立した場合であっても特別ロック演出が実行されないように制御する。なお、手法としては、一度特別ロック演出が実行された場合、その旨を示す情報を格納しておき、それ以降同じ一連の有利区間内において当該情報が格納されている場合には、そもそも特別ロック演出を実行するか否かの決定が行われないようにしてもよいし、当該決定は行われるが、当該情報が格納されている場合にはその決定結果が実行することを示すものであっても、実行しないことを示すものに書き換えるようにしてもよい。そして、格納された当該情報は、有利区間が終了するときにクリアされるようにすればよい。
なお、特別ロック演出の実行が制限される態様は上述のものに限られない。例えば、特別ロック演出の実行が制限される上限の回数を「1回」ではなく、「2回」や「3回」として定めてもよい。すなわち、特別ロック演出の実行は制限されるが、その上限は複数回として定めてもよい。これは、特別ロック演出1回あたりの出玉の期待値に応じて適宜設定することができる。
また、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件も上述のものに限られない。すなわち、上記では、「確定役」の当籤を契機として、モード移行が行われ、当該モードが天国Cモードであったことを条件として、特別ロック演出が実行されるか否かの決定を行うようにしているが、例えば、「確定役」の当籤以外の契機によっても天国Cモードに移行する場合があることから(図8の(f)参照)、これらの場合にも特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、所定確率(「確定役」の当籤を契機とする場合と同じ確率であってもよいし、異なる確率であってもよい)で特別ロック演出が実行されることが決定されるようにしてもよい。
また、例えば、「確定役」の当籤を契機として、まず、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、特別ロック演出が実行されることが決定された場合に、天国Cモードに移行させるようにしてもよい。すなわち、天国Cモードに移行することが決定されたことに応じて特別ロック演出が実行されるようにしてもよいし、特別ロック演出が実行されることが決定されたことに応じて天国Cモードに移行させるようにしてもよい。
また、例えば、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件として、有利区間中の遊技の進行度合いを採用してもよい。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」未満であるとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」未満であるときには、上記のように特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われ、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」以上となったとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」以上となったときには、以降同じ一連の有利区間においては、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われないようにすることもできる。
このように、第1の遊技機では、一連の有利区間の遊技期間が一定期間に制限される(後述の図16参照)。そして、同じ一連の有利区間内においては、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が複数回設定される場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、一連の有利区間内においては、特定役(例えば、「確定役」)の当籤を契機として、有利状態(例えば、疑似ボーナス)に制御されることが確定するとともに、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が設定される場合がある。そして、同じ一連の有利区間内においては、このような場合が複数回発生する場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に応じた二次情報(例えば、有利区間当籤時サブフラグ)を決定可能であるとともに、表示される図柄の組合せに応じた二次情報(例えば、有利区間入賞時サブフラグ)を決定可能とし、それぞれ決定された二次情報に応じて、遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、疑似ボーナス)を付与するか否かを決定可能としている。
このように、第1の遊技機では、内部当籤役が決定された際のみならず、図柄の組合せが表示された際にも有利状態の付与に関する期待感を与えることができるため、有利状態の付与に関する遊技性を多様化することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に対応する情報と、表示された図柄の組合せに対応する情報と、をともに共通の二次情報として管理しているため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制することができる。
また、第1の遊技機では、ベットされた遊技価値が第1の量(例えば、3枚)である場合、第1特別役(例えば3BB)を当籤可能とする一方、第2特別役(例えば、2BB)を当籤可能としない。また、ベットされた遊技価値が第2の量(例えば、2枚)である場合、第2特別役を当籤可能とする一方、第1特別役を当籤可能としない。また、特定役(例えば、「F_リプレイA」)に当籤した場合、第1特別許可状態(例えば3BBフラグ間)であれば所定図柄の組合せ(例えば、「右上がりリプ」)を表示させ、第2特別許可状態(例えば2BBフラグ間)であれば特定図柄の組合せ(例えば、「平行リプ」)を表示させることを可能としている(後述の図15参照)。
そして、第1の遊技機では、所定図柄の組合せが表示された場合と、特定図柄の組合せが表示された場合と、で異なる二次情報を決定可能としている。すなわち、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性をさらに多様化することができる。
また、第1の遊技機では、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能とする。
ここで、第1の遊技機では、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとは、ともに再遊技に係る図柄の組合せであることから、いずれが表示された場合であっても再遊技の作動という同じ特典が付与されることとなる。
なお、同じ特典を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、特定役を遊技価値の付与に係る特定小役として構成する。そして、特定小役に当籤した場合、例えば、第1特別許可状態であれば、1枚(この値は任意であり、ベットされた遊技価値以下の他の値であってもよいし、ベットされた遊技価値を超える値であってもよい)の遊技価値が付与される所定図柄の組合せ(「右上がりリプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させ、第2特別許可状態であれば、所定図柄の組合せが表示された場合と同数の遊技価値が付与される特定図柄の組合せ(「平行リプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させるようにしてもよい。
また、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとをともに「はずれ」の図柄の組合せ(もっとも、有利状態を付与するか否かを決定可能とするため、純粋な「はずれ」の場合とは異なる図柄の組合せであることは識別可能な図柄の組合せとする)として構成するようにしてもよい。この場合であっても、価値が同じである点にかわりはない。
このように、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性を多様化することができる。また、特定役が決定された遊技では、いずれの特別許可状態となっていても同じ特典が付与されることから、遊技性を変動させる場合であっても、遊技者が直接的な不利益を被ってしまうこと防止することができる。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させることを可能とし、特定の態様で停止操作が行われないときには特定図柄の組合せを表示させることを可能しないように構成してもよい。
そして、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能としてもよい。特定役が内部当籤役として決定された場合、特定図柄の組合せが表示されたときと、特定図柄の組合せが表示されなかったときとで有利状態の付与に関する有利度を異ならせることを可能としてもよい。
また、特定役に当籤した場合、第1特別許可状態である場合には、停止操作態様にかかわらず所定図柄の組合せを表示させ、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させ、特定の態様で停止操作が行われないときには所定図柄の組合せを表示させるようにしてもよい。
この場合、特定役は、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(本実施形態では、これを「押下位置○」や「押下位置正解」等として説明する場合がある)に特定図柄の組合せが表示され、停止操作のタイミングが適切でない場合(本実施形態では、これを「押下位置×」や「押下位置不正解」等として説明する場合がある)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述のとおり、特定役は特定小役として構成することも可能であり、この場合、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(押下位置○の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、停止操作のタイミングが適切でない場合(押下位置×の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、停止操作のタイミングが適切となるタイミングも限定されてしまうため、停止操作のタイミングが適切となるタイミングが異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが第1のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第1のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミングとは異なる第2のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第2のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミング及び第2のタイミングとは異なる第3のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第3のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役と、が設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
また、この場合、特定役は、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役は、上述のとおり特定小役として構成することも可能であり、この場合、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを、取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、適切となる打順も限定されてしまうため、適切となる打順が異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、左第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、中・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、中第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、右第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・中第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役とが設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
ここまで、特定役に当籤した単位遊技において、停止操作態様(停止操作のタイミングや打順のうち、少なくとも一方又は両方)に起因して、非有利区間における有利区間への移行判定処理や、有利区間における有利状態の付与に関する判定処理(疑似ボーナス移行抽籤やモード移行抽籤、その他有利区間における遊技状況の有利度を変化させるための処理を含む)を変化させることを述べたが、このような変化のうち、遊技者に相対的に不利となる(結果的に不利となる場合がある)変化は上述のペナルティと捉えることができる。したがって、そのような変化が発生した場合には、注意喚起をするための任意の演出(警告報知)を発生可能な構成としてもよい。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、所定図柄の組合せが表示された場合よりも、特定図柄の組合せが表示された場合のほうが、有利状態が付与される可能性が高くなっている。すなわち、3枚ベットすることを前提とすれば、第2特別許可状態(例えば、2BBフラグ間)は、第1特別許可状態(例えば、3BBフラグ間)よりも有利状態の付与が優遇される状態である。
また、第1の遊技機では、所定役(例えば、後述の「押し順ベルB」)に当籤した場合、第1特別許可状態であれば打順不問で付与図柄の組合せ(例えば、8枚の払出となる図柄の組合せ)が表示される一方、第2特別許可状態であれば、打順が予め定義された正解押し順であった場合には付与図柄の組合せが表示されるが、打順が予め定義された正解押し順でなかった場合には付与図柄の組合せは表示されず、遊技価値が付与されない取りこぼしとなるか、又は付与図柄の組合せが表示された場合よりも少ない量の遊技価値しか付与されない図柄の組合せ(例えば、1枚の払出となる図柄の組合せ)が表示されるように構成されている。すなわち、有利状態の作動を考慮しなければ、第1特別許可状態は、第2特別許可状態よりも遊技価値の付与が優遇される状態である。
すなわち、遊技者が、非推奨遊技状態であっても3BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されないものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されるため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に少ない状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は少なくなるものの、遊技者の遊技価値が減りにくいといった状態は、例えば、「安定状態」と定義することができる。
一方、遊技者が、推奨遊技状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されるものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されないため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に多い状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすいといった状態は、例えば、「荒波状態」と定義することができる。
ここで、安定状態と荒波状態の2つの状態を創出する手法は上述のものに限られない。例えば、「安定状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「荒波状態」よりも高める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「荒波状態」よりも低める。また、「荒波状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「安定状態」よりも低める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「安定状態」よりも高める。このようにすれば、「安定状態」では、疑似ボーナスに初当りしやすいが、連荘しにくいという状態を創出でき、「荒波状態」では、疑似ボーナスに初当りしにくいが、連荘しやすいという状態を創出できる。なお、所定役の停止制御については、上述のとおり、2BBフラグ間と3BBフラグ間とで変動するものとしてもよいし、これとは異なる(すなわち、3BBフラグ間で優遇しない)ものとしてもよい。
[5−2.第1の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図9を参照して、第1の遊技機の図柄配置構成について説明する。図9は、第1の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図9に示すように、第1の遊技機では、「赤7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「赤ブランク」、「黄ブランク」、「白ブランク1」及び「白ブランク2」の10種類の図柄が、各リール3L,3C,3Rそれぞれにおいて図9に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1〜10が割り当てられている。
[5−3.第1の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図10〜図15を参照して、第1の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図10は、第1の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図11〜図14は、第1の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図15は、第1の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。すなわち、以下では、第1の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
まず、第1の遊技機では、後述の内部抽籤処理(図26参照)において、図10に示す各内部当籤役が、図10に示す確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に表示が許可される図柄の組合せは、図10中、「対応する図柄組合せ」に示したとおりである。また、図11〜図14中、「BB」はボーナス役に係る図柄の組合せを示し、「REP」は、リプレイ役に係る図柄の組合せを示し、「FRU」は、小役に係る図柄の組合せを示している。
「F_2BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、2枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、3枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。2枚ベット状態で、「F_2BB」が当籤した遊技、あるいは2BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB01」が表示され、2BB状態(2BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、2BBフラグ間であっても3枚ベット状態では「BB01」が表示される場合はない。
「F_3BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、3枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、2枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。3枚ベット状態で、「F_3BB」が当籤した遊技、あるいは3BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB02」が表示され、3BB状態(3BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、3BBフラグ間であっても2枚ベット状態では「BB02」が表示される場合はない。
なお、2BB状態及び3BB状態では、図10中、「ボーナス状態」の列の抽籤値が参照され、内部当籤役が決定される(遊技開始可能枚数は3枚ベットのみ)。2BB状態及び3BB状態中は、常に第一種特別役物であるRBが作動している状態(RB状態)に制御される。なお、RB状態は、作動してから2回の入賞が発生又は2回の遊技が行われた場合に一旦終了して再び作動するといった制御が繰り返される。また、第1の遊技機において、2BB状態の終了条件は、2BB状態において1枚を超えるメダルが払出されたことと規定されており、3BB状態の終了条件は、3BB状態において176枚を超えるメダルが払出されたことと規定されている。
ここで、2BB状態又は3BB状態が終了したときには、特殊モード移行処理が行われる。例えば、ボーナス状態に移行したとき(ボーナス状態中は、モード移行が行われないため、ボーナス状態が終了したときと同義)のモード、すなわち、現在のモードが「スタートモード」であれば、移行先のモードは「スタートモード」となる。また、現在のモードが「通常Aモード」「通常Bモード」「天国準備モード」「チャンスモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「通常Aモード」となる。また、現在のモードが「終了Aモード」「終了Bモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「終了Aモード」となる。また、現在のモードが「保障モード」「天国Aモード」「天国Bモード」「天国Cモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「保障モード」となる。
「F_リプレイA」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、非フラグ間及び2BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP64」〜「REP72」のいずれか(これらは、「リプレイ」図柄を下段一直線、あるいは中段一直線に表示させるものであることから、これらを「平行リプ」と総称することができる。また、「REP64」〜「REP71」は、「下段リプ」と総称することができ、「REP72」は、「中段リプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、3BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP73」(これは、「リプレイ」図柄を右上がりに表示させるものであることから、これを「右上がりリプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。
「F_リプレイB」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、いずれの状態であっても停止操作態様にかかわらず「平行リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP28」、「REP60」〜「REP63」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであることから、これらを「チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP57」〜「REP59」)が表示され、再遊技が付与される。
「F_確定チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」〜「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP42」〜「REP56」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであって、例えば、「REP42」のように、他のリールにおいて遊技者が期待を高めることができる図柄も表示されることから、これらを「確定チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、上述の「チェリーリプ」や「REP29」〜「REP41」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_中段チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」〜「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP15」〜「REP19」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を中段に表示させるものであることから、これらを「中段チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP20」〜「REP27」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_リーチ目」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」〜「打順4」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「REP01」〜「REP14」のいずれか(これらは、慣習上、遊技者にとって有利な状態への移行を確定報知する(ないし示唆する)ことが可能な図柄の組合せとして構成されており、これらを「リーチ目リプ」を総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_スイカ」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、各リールについて押下位置○であれば、「FRU10」〜「FRU12」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示させるものであることから、これらを「スイカ」と総称することができる)が表示され、3枚ベット状態であれば3枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば、「FRU08」及び「FRU09」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示されるものでないため、これらを「スイカこぼし」と総称することができる)が表示され、1枚のメダルが払出される。なお、押下位置×の場合、取りこぼしを発生させてメダルの払出が0枚となるように構成することもできる。
「F_ベル123A1」、「F_ベル123A2」、「F_ベル132A1」、「F_ベル132A2」、「F_ベル213A1」、「F_ベル213A2」、「F_ベル231A1」、「F_ベル231A2」、「F_ベル312A1」、「F_ベル312A2」、「F_ベル321A1」、及び「F_ベル321A2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルA」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルA」は6択(「打順1」〜「打順6」のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、「右下がりベル」(「FRU03」)、「上段ベル」(「FRU01」及び「FRU02」)、「中段ベル」(「FRU04」)、「右上がりベル」(「FRU05」)、「小山ベル」(「FRU06」)、及び「下段ベル」(「FRU07」)のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」(「FRU13」〜「FRU116」)のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_ベル123B1」、「F_ベル123B2」、「F_ベル132B1」、「F_ベル132B2」、「F_ベル213B1」、「F_ベル213B2」、「F_ベル231B1」、「F_ベル231B2」、「F_ベル312B1」、「F_ベル312B2」、「F_ベル321B1」、及び「F_ベル321B2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルB」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルB」は、2枚ベット状態、及び3枚ベット状態の3BBフラグ間においては押し順小役となっていない。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。
また、図15に示すように、「押し順ベルB」は、3枚ベット状態の3BBフラグ間以外の状態(3枚ベット状態の非フラグ間、3枚ベット状態の2BBフラグ間)においては押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_RB役8枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。
「F_RB役1枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「1枚役」(より詳細には、「FRU117」〜「FRU120」が追加されている)が表示され、1枚のメダルが払出される。
なお、図10に示す内部抽籤テーブル、図11〜図14に示す図柄組合せテーブル、及び図15に示す内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係はあくまで一例であり、これらに示した態様に限定されるものではない。
例えば、第1の遊技機では、純粋な「はずれ」のとき、「BB01」が表示可能な2ベット状態において、「BB01」を取りこぼして「はずれ」となったとき、「BB02」が表示可能な3ベット状態において、「BB02」を取りこぼして「はずれ」となったとき、2BBフラグ間において3ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、3BBフラグ間において2ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、「押し順小役」を取りこぼして「はずれ」となったとき等、様々な状態で「はずれ」が発生することがある。そこで、これらのうち一部又は全部の場合にそれぞれ「はずれ」として表示される図柄の組合せを異ならせるため、これら異なる図柄の組合せを図柄組合せテーブルにおいて予め規定しておき、決定された内部当籤役に応じてこれらも「対応する図柄の組合せ」として表示が許可されるようにすることで、状態等に応じて表示される「はずれ」に係る図柄の組合せを異ならせるようにすることもできる。
[5−4.第1の遊技機のリミット処理構成]
続いて、図16を参照して、第1の遊技機のリミット処理構成について説明する。図16は、第1の遊技機における各リミット処理の一例を説明するための図である。図16に示すように、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)、通常リミット処理(払出数)、特殊リミット処理(ゲーム数)、特殊リミット処理(払出数)、準リミット処理(ゲーム数)、及び準リミット処理(払出数)の各リミット処理が実行されるようになっている。なお、これは、実行可能なリミット処理の一例であり、これらの各リミット処理以外のリミット処理が実行されるようにすることもできるし、これらの各リミット処理のうち一部のリミット処理は実行されないようにすることもできる。
通常リミット処理(ゲーム数)は、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1500回行われたとき)に実行される。なお、有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間ゲーム数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚のいずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間ゲーム数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。
通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、有利区間に関する情報(例えば、演出区間や増加区間に制御するための情報、現在のモードに係る情報、疑似ボーナスの遊技期間に係る情報、天井ゲーム数や天井短縮の有無に係る情報、1G連ストックカウンタの値等の当該有利区間中に得られた各種情報や当該有利区間を制御するために必要であった各種情報)も全てクリア(初期化)される。
通常リミット処理(払出数)は、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2400枚を超えたとき)に実行される。なお、有利区間払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間払出数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚いずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、例えば、有利区間中に「はずれ」や「取りこぼし」が発生した際、実払出数(例えば、「−2枚」又は「−3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。したがって、有利区間が開始してからメダルが増加せず減少していった等の場合には、負の値となることもある(あるいは、負の値となる場合には常に「0」が維持されるように構成することもできる)。すなわち、有利区間払出数カウンタは、有利区間中の払出されたメダル数の最下点から定義された最高点(差枚数:2400枚)までを計数することが可能となっている。
通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
特殊リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1445回行われたとき)に実行される。なお、制御用ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用ゲーム数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用ゲーム数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。もっとも、制御用ゲーム数カウンタを、有利区間ゲーム数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(ゲーム数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)有利区間ゲーム数カウンタの値は「1500」であるのに対し、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「1445」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大遊技数(継続可能期間)は「55ゲーム」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の遊技可能期間が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(ゲーム数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制期間分の遊技が行われた場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(ゲーム数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感等を抱き、遊技の興趣を低下させてしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間2回あたりの継続可能期間(55ゲーム×2セット=110ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+猶予期間(2ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、疑似ボーナスに移行する前に前兆状態を経由する等の仕様の場合であって、この前兆状態の最大遊技数が「4ゲーム」である場合、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+最大前兆期間(4ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(ゲーム数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
特殊リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2125枚を超えたとき)に実行される。なお、制御用払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用払出数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用払出数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。
また、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「はずれ」が発生した際、実払出数(例えば、「−3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。もっとも、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「取りこぼし」発生した際(少なくとも、メダルの払出数の最大値から差分が発生した際)には、「取りこぼし」(あるいは、差分)が生じなかったものとして、メダルの払出数を計数する。具体的には、例えば、3枚ベットで「押し順ベルA」に当籤した遊技において、打順が適切である場合にはメダルの払出数(最大値)は「8枚」(差枚数としては「+5枚」)となる一方、打順が適切でない場合、押下位置が適切であればメダルの払出数は「1枚」(差枚数としては「−2枚」)となり、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生してメダルの払出数は「0枚」(差枚数としては「−3枚」)となるが、制御用払出数カウンタは、当該遊技においていずれの場合であっても、差枚数「+5枚」を計数する。
また、例えば、2BB状態や3BB状態が作動する等して、有利区間払出数カウンタの値が制御用払出数カウンタの値よりも大きくなった場合には、制御用払出数カウンタの値は、有利区間払出数カウンタの値に補正される。なお、制御用払出数カウンタを、有利区間払出数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(払出数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)有利区間払出数カウンタの値は「2401」であるのに対し、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「2126」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大獲得枚数(付与可能遊技価値量)は「275枚」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の付与可能遊技価値量が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(払出数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制遊技価値量分の遊技価値が付与された場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(払出数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感を抱き、遊技の興趣が低下してしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間2回あたりの付与可能遊技価値量(275枚×2セット=550枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)+猶予期間に相当する遊技価値量(8枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(払出数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
準リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「55」(すなわち、疑似ボーナスの継続可能期間)を乗じた値を加算し、加算結果が「1390」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「55×2=110」となるから、制御用ゲーム数カウンタの値が「1280」となったときに準リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)こととなる。
準リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「275」(すなわち、疑似ボーナスの付与可能遊技価値量)を乗じた値を加算し、加算結果が「1851」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「275×2=550」となるから、制御用払出数カウンタの値が「1301」となったときに準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)こととなる。なお、準リミット処理(ゲーム数)と準リミット処理(払出数)とは、ともに同じ内容の規制を行うものであるから、一方の作動条件が成立して作動した後は、もう一方の作動条件が成立したとしても重複して作動する必要ないものとなっている。
準リミット処理(ゲーム数)、又は準備リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、疑似ボーナス中は、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤が実行されなくなる。すなわち、増加区間における遊技期間の延長が抑制される。なお、増加区間における遊技期間の延長が抑制される手法はこれに限られない。例えば、上述の1G連抽籤において、1G連の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよいし、上述の天井短縮抽籤において、天井短縮の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよい。すなわち、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤そのものは実行されるが、これらの抽籤に当籤しにくくなるようにしてもよい。また、例えば、準リミット処理(ゲーム数)の実行後の演出区間では、疑似ボーナス移行抽籤において当籤となる抽籤値を低くして、疑似ボーナスに移行しにくくしてもよい。あるいは、モード移行抽籤において遊技者に有利なモード移行が決定される抽籤値を低くして、疑似ボーナスが連荘しにくくしてもよい。
また、準リミット処理(ゲーム数)、又は準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、演出区間中は、「確定役」(図7の(a)参照)の当籤時に特殊処理が行われるようになっている。以下、この特殊処理について、「確定役」が「F_確定チェリー」(以下、単に「確定チェリー」として説明する場合がある)である場合を例に挙げて説明する。
準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において「当籤(次回遊技)」が決定される(図7の(c)参照)。また、第1の遊技機では、左リール3Lの「チェリー」図柄が遊技者にとって期待度の高い図柄となっているので、停止操作の情報が報知されない遊技にあっては、遊技者は左第1停止で、かつ「チェリー」図柄を狙って(目安として「BAR」図柄を狙って)して停止操作を行うことが一般的な手順となっている。したがって、一般的な手順で遊技が行われる場合、「確定チェリー」当籤時には、まず、左第1停止で左リール3Lの下段に「チェリー」図柄が停止される。なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」が当籤した場合には、左第1停止(「打順1」及び「打順2」)をすべき旨の報知が行われるようにしてもよい。また、「当籤(次回遊技)」は、次回遊技から疑似ボーナスが開始されるものに限られず、次回遊技以降の遊技から疑似ボーナスが開始されるものであってもよい。
ここで、技量のある遊技者は、さらに「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別するために、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいても「BAR」図柄を狙って停止操作を行う。その結果、各リールの中段に「BAR」図柄が揃い、「確定チェリー」に当籤したことが認識できる(例えば、図11中、「REP42」参照)。一方、技量のない遊技者は、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいて「BAR」図柄を狙って停止操作を行わない、あるいは行えないことにより、停止表示態様からは「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別できない場合がある(例えば、図11中、「REP28」参照)。
なお、第1の遊技機では、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合、特別入賞音が出力されるようになっている。また、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せは表示されなかったが、「チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合にも、特別入賞音が出力されるようになっている。なお、特別入賞音の出力は、100%の確率で行われるようにしてもよいし、所定確率(例えば、50%の確率)で行われるようにしてもよい。
いずれにしても、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合には、次回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
一方、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において一旦、「当籤(次回遊技)」は決定されるものの(図7の(c)参照)、特殊処理の実行により、この決定結果が「当籤(今回遊技)」に書き換えられる。そして、今回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
このとき、今回遊技においては、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せ(「チェリーリプ」の図柄の組合せを含む)を表示させず、「中段リプ」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報の報知(特殊報知)が行われる。例えば、第1の遊技機では、右第1停止(「打順5」及び「打順6」)をすべき旨の特殊報知が行われる(図15参照)。これにより、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないときには、「確定チェリーリプ」表示→次回遊技から疑似ボーナス開始といった遊技の流れであったものが、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかの作動後にあっては、今回遊技から疑似ボーナス開始→特殊報知にしたがって停止操作が行われることにより「中段リプ」表示という遊技の流れに変更される。なお、特殊報知は、メイン(主制御基板71)側の制御によって行われるようにしてもよいし、結果として疑似ボーナスに移行することにかわりなく遊技者が不利益を被らないという観点から、サブ(副制御基板72)側のみの制御によって行われるようにしてもよい。
なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、「確定チェリー」に当籤した場合であって、特殊報知が行われたにもかかわらず、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合には、特別入賞音は出力さない。
また、第1の遊技機では、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合、基本的には停止操作の手順が報知されない。このため、停止操作の手順が報知されて「中段リプ」が表示されるのが上述の特殊報知が行われた場合のみであるとすると、このような状態が発生した場合には、いずれかの準リミット処理が作動したことを遊技者に明確に認識されてしまい、その結果遊技の興趣を低下させてしまう可能性もある。したがって、有利区間中においては、いずれかの準リミット処理が作動しているか否かにかかわらず(あるいは、いずれかの準リミット処理の作動後からであってもよい)、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に、所定確率で特殊報知と同様の報知が行われるようにしてもよい。このようにすれば、特殊報知が行われることに対して遊技者が不自然に感じてしまうこと防止することができる。また、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に特殊報知と同様の報知が行われるのは、疑似ボーナス移行抽籤に当籤した場合としてもよい。また、この場合、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合の疑似ボーナス移行抽籤では、所定確率で「当籤(今回遊技)」が決定され得るようにしてもよい。
ここまで、通常リミット処理、特殊リミット処理、及び準リミット処理を作動させるため、「ゲーム数」及び「払出数」を用いて有利区間の遊技期間を監視することを例に挙げて説明したが、各リミット処理が実行される条件は上述のものに限られず、適宜変更可能であるものとする。例えば、各リミット処理が実行されるとした、有利区間ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値、並びに1G連カウンタの値及び天井短縮の有無(すなわち、準リミット処理を作動させるための変数)等は、遊技仕様や市場動向等に応じて適宜変更可能である。
また、有利区間の遊技期間を監視するための手法も上述のものに限られない。例えば、有利区間の遊技期間を監視するために「ナビ回数」を用いるとしたならば、上記と同様に、通常リミット処理(ナビ回数)や特殊リミット処理(ナビ回数)、あるいは準リミット処理(ナビ回数)が実行されるようにすることもできる。すなわち、有利区間の遊技期間を監視するために値を計数可能な要素(パラメータ)であればどのような要素も採用することができ、採用した要素に対して、通常リミット処理が実行される値と、特殊リミット処理が実行される値と、準リミット処理が実行される値と、を規定することで、上述のものと同様に、各リミット処理が実行されるものとすることができる。
上述のとおり、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態である場合には、特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態でない場合には有利状態に移行させ、移行させた有利状態が終了して特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。また、このようにして一連の有利区間を終了させる際には、有利状態でなければ有利状態に移行させた上で終了させるようにしている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、特定期間又は特定量は、有利状態の継続可能期間(例えば、「55ゲーム」)又は付与可能遊技価値量(例えば、「275枚」)を考慮して設定されているため、遊技者の感情に配慮しつつも、遊技者に付与される遊技価値量が極端に規制されることを防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態は付与された権利(例えば、「1G連ストック」及び「天井短縮」)によって延長される場合があるが、一連の有利区間における遊技期間が、特定期間よりも短く、付与された権利数に応じて設定された特別期間となったとき(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が準リミット処理(ゲーム数)が実行される値となったとき)、又は一連の有利区間において付与された遊技価値量が、特定量よりも少なく、付与された権利数に応じて設定された特別量となったとき(例えば、制御用払出数カウンタの値が準リミット処理(払出数)が実行される値となったとき)には、以後の一連の有利区間において権利の付与が抑制されるようになっている。これにより、例えば、遊技者が消費しきれないほどの権利が付与され、このような状態で一連の有利区間が強制的に終了される結果、遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止できるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、上述の「特定量」や「特別量」を計数する上では、例えば、遊技者の操作ミスや指示の無視等に起因して、本来付与されるはずであった遊技価値量と実際に付与された遊技価値量との間で差分が生じた場合であっても、この差分を考慮せず、本来付与されるはずであった遊技価値量を基準として計数が行われるようになっている。これにより、このような遊技者の行為によって一連の有利区間が必要以上に延長されてしまうことや、このような行為を行った遊技者と行っていない遊技者との間で不公平が生じてしまうことを防止することができるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されている状態(例えば、準リミット処理作動後の状態)において有利状態への移行が確定する確定役(例えば、「確定チェリー」)に当籤したときには、この確定役の当籤が明確に認識できる特別図柄の組合せ(例えば、「確定チェリーリプ」)を表示させないための特殊報知が行われるようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特殊報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、特殊報知が行われる場合、本来次回遊技から開始されるはずであった有利状態を、今回遊技から開始するようにしている。これにより、遊技者に自然な流れで特殊報知にしたがった停止操作を行わせることができるので、このような特殊報知を行う場合であっても、遊技者が違和感等を抱いてしまうことを防止できる。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されていない状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知(例えば、特別入賞音の出力)を行うことを可能とする一方、権利の付与が抑制されている状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知を行うことを可能としないようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特別報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、確定役に当籤したか否か、特別図柄の組合せが表示されたか否か、及び特殊報知が行われたか否かに応じて、特別報知を行うか否かを決定するようにしている。これにより、特別報知が行われる状況をより適切に管理することができる。
また、第1の遊技機では、有利区間ゲーム数カウンタ及び有利区間払出数カウンタは、ベットされた遊技価値量にかかわらず計数を行う結果、3枚ベット状態のみならず2枚ベット状態においても、通常リミット処理(ゲーム数)及び通常リミット処理(払出数)が実行されることを可能としている。
また、第1の遊技機では、制御用ゲーム数カウンタ及び制御用払出数カウンタは、3枚ベット状態では計数を行うが、2枚ベット状態では計数を行わない。したがって、3枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としているが、2枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としていない。したがって、2枚ベット状態では、通常リミット処理(ゲーム数)又は通常リミット処理(払出数)の実行によって、疑似ボーナス中であっても一連の有利区間が強制的に終了してしまう場合がある。
なお、第1の遊技機では、3枚ベット状態と2枚ベット状態とでは、例えば、小役の当籤確率、及びメダルの払出数が異なる結果(図10〜図15参照)、3枚ベット状態で遊技を行う場合よりも2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが、遊技者に不利となっている。もっとも、このように、2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが遊技者に不利となる手法はこれに限られない。例えば、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合には、停止操作の手順が報知されないようすることで、遊技者に不利となるように構成してもよい。
このように、第1の遊技機では、第1の量(例えば、「3枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。一方、第2の量(例えば、「2枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了される場合があることから、これによって遊技者に企図された遊技方法で遊技を行わなかったことを気付かせることができるので、遊技者に対して企図された遊技方法で遊技を行うことを促すことができる。
なお、一連の有利区間において、第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合よりも、第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合のほうが、遊技者にとって不利となっているので、このような注意喚起を可能にすることで、遊技者により有利な状態で遊技を行うべきであることも促すことができ、遊技者が企図しない遊技方法で遊技を行うことに起因して遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
[5−5.第1の遊技機の格納領域構成]
続いて、図17〜図22を参照して、第1の遊技機の格納領域構成について説明する。図17は、第1の遊技機の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域の一例を示す図である。また、図18は、第1の遊技機の持越役格納領域の一例を示す図である。また、図19は、第1の遊技機の遊技状態フラグ格納領域の一例を示す図である。また、図20は、第1の遊技機のモードフラグ格納領域の一例を示す図である。また、図21は、第1の遊技機の作動ストップボタン格納領域の一例を示す図である。また、図22は、第1の遊技機の押下順序格納領域の一例を示す図である。
(当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域)
まず、図17を参照して、当籤フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)、入賞作動フラグ格納領域(表示役格納領域)、及び図柄コード格納領域の構成について説明する。なお、第1の遊技機では、当籤フラグ格納領域と、入賞作動フラグ格納領域と、図柄コード格納領域とが同じデータ構成となっている。
上述の各格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1〜26で構成される。なお、各格納領域に格納されるデータは、図17中の「データ」欄の1バイトデータのみであるが、図17では、説明の便宜上、各格納領域のビットに対応付けられた図柄組合せを示す「コンビネーション」(図17中では、リール3Lの図柄、リール3Cの図柄及びリール3Rの図柄の順で記載)及びその内容(図11〜図14参照)も併せて記載する。
当籤フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、内部当籤役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において表示されることが許可された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに当籤した場合(持越されている場合)、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
入賞作動フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、表示役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において有効ライン上に表示された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
図柄コード格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、少なくともいずれかのリールの回転中において、今回の遊技において未だ有効ライン上に表示可能となっている図柄の組合せの種類を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において少なくともいずれかのリールが回転しているときに、2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示され得るものとなっている場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
(持越役格納領域)
続いて、図18を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。持越役格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。
内部抽籤処理の結果、「F_2BB」(2BB)又は「F_3BB」(3BB)のボーナス役が内部当籤役として決定されたときには、これらのボーナス役は、持越役として持越役格納領域に格納される(対応するビットに「1」が格納される)。持越役格納領域に格納された持越役は、対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまでクリアされずに保持される。また、持越役格納領域に持越役が格納されている間、内部抽籤処理によって決定された内部当籤役(小役・リプレイ役)に加えて、持越役(ボーナス役)が当籤フラグ格納領域に格納される。
(遊技状態フラグ格納領域)
続いて、図19を参照して、遊技状態フラグ格納領域の構成について説明する。遊技状態フラグ格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。例えば、現在の遊技状態が2BB状態である場合、格納領域のビット0に「1」が格納される。
なお、第1の遊技機では、RT状態が設けられていないので、図19に示す遊技状態フラグ格納領域にはRT状態の種類を示す領域は設けられていないが、例えば、RT状態が設けられている場合には、現在のRT状態に対応する格納領域のビットに「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、有利区間中の遊技状態(モード)の種類を示すデータを別途後述のモードフラグ格納領域に格納するものとしているが、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、非有利区間及び有利区間の遊技区間についても同様である。図示しない有利区間フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、AT状態やART状態等の遊技状態についても同様である。図示しないAT状態(ART状態)フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。
(モードフラグ格納領域)
続いて、図20を参照して、モードフラグ格納領域の構成について説明する。モードフラグ格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1及び格納領域2で構成される。例えば、現在のモードがスタートモードである場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。また、例えば、現在のモードが天国Aモードである場合、格納領域2のビット0に「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、疑似ボーナス状態もモードの1つとして管理している。
(作動ストップボタン格納領域)
次に、図21を参照して、作動ストップボタン格納領域の構成について説明する。作動ストップボタン格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、作動ストップボタン格納領域のビット0〜2は、すでに操作されたストップボタンの種類(停止したリールの種類)を示すデータを格納し、ビット4〜6は、未だ操作されていないストップボタンの種類(回転中のリールの種類)を示すデータを格納する。
例えば、ストップボタン8Lが今回押されたストップボタン、すなわち、作動ストップボタンである場合には、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納される。また、例えば、ストップボタン8Lが未だ押されていないストップボタン、すなわち、有効ストップボタンである場合には、ビット4に「1」が格納される。メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタンと未だ押されていないストップボタンとを識別する。
(押下順序格納領域)
次に、図22を参照して、押下順序格納領域の構成について説明する。押下順序格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、押下順序は、ストップボタンが押された順序、すなわち、押し順(打順)を示すものである。
例えば、全てのリールが回転中であるときには、押下順序格納領域のビット0〜5に「1」が格納される。次いで、ストップボタン8Lが押されたときには(「左」第1停止であるから)、ビット0及び1には「1」が格納されたままとなるが、ビット2〜5には「0」が格納されるようになる。次いで、ストップボタン8Cが押されたときには(「左」第1停止、「中」第2停止であることから)、ビット0には「1」が格納されたままとなるが、ビット1には「0」が格納されるようになる。メインCPU101は、押下順序格納領域に格納されているデータに基づいて、今回の遊技の押し順を識別する。
[6.主制御回路による処理]
続いて、図23〜図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101が各プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。なお、以下に示す各種処理の説明では、第1の遊技機の仕様を用いてその処理内容の一具体例を説明する場合があるが、以下に示す各種処理の処理内容はこれに限定されるものではない。
[6−1.メイン処理]
まず、図23を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行されるメイン処理(主要動作処理)について説明する。なお、図23は、メイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。また、図23においては、メイン処理の開始に先立って実行される電源投入時処理についても併せて示している。
まず、メインCPU101は、パチスロ機1に電力が供給されると(電源が投入されると)、電源投入時処理を行う(S1)。この処理では、電源投入時に必要な各種処理を行う。なお、電源投入時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、当籤フラグ格納領域や入賞作動フラグ格納領域等の1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、例えば、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、及びスタートスイッチ7S等の入力状態をチェックし、遊技開始時に必要な各種処理を行う。なお、メダル受付・スタートチェック処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、乱数値取得処理を行う(S4)。この処理では、内部抽籤用乱数値(例えば、0〜65535の範囲)や遊技性に関する各種抽籤で用いられる演出用乱数値(その他抽籤用乱数値)(例えば、0〜65535の範囲、あるいは0〜255の範囲)等を抽出し、抽出した各種乱数値をメインRAM103に設けられた乱数値格納領域(不図示)に格納する。なお、各種乱数値の取得態様は上述のものに限られない。それぞれ予め定められた数値範囲(例えば、0〜65535の範囲、0〜32767の範囲、0〜255の範囲、あるいは0〜127の範囲等)から必要な個数の乱数値を適宜取得することができる。
続いて、メインCPU101は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、現在の遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルや内部抽籤用乱数値に基づいて内部当籤役を決定するために必要な各種処理を行う。なお、内部抽籤処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時状態制御処理を行う(S6)。この処理では、各種遊技状態について、遊技を開始するときに、(例えば、決定された内部当籤役等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技開始時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、スタートコマンド生成格納処理を行う(S7)。この処理では、副制御回路200に送信するスタートコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域(不図示)に格納する。なお、通信データ格納領域に格納されたデータは、後述の通信データ送信処理(図32のS204参照)において主制御回路100から副制御回路200に送信される。また、その他のコマンドのデータの生成、格納、及び送信手法も基本的に同様である。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時メイン側演出制御処理を行う(S8)。この処理では、遊技を開始するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技開始時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、例えば、AT状態であって指示モニタによって停止操作の情報を報知する場合にはその報知態様を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理では、内部当籤役や遊技状態等に基づいて、今回の遊技で使用する停止テーブルの種類や引込優先順位テーブルの種類等の停止制御に必要な各種情報を設定する。
続いて、メインCPU101は、リール回転開始処理を行う(S10)。この処理では、全てのリールの回転開始を要求する。そして、全てのリールの回転開始が要求されると、後述のリール制御処理(図32のS203参照)により、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。回転を開始した各リールは、その回転速度が一定速度に達するまで加速制御され、その後、当該一定速度が維持される。また、詳細は省略するが、この処理においてはリール回転開始コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S11)。この処理では、回転中のリール(この場合は全てのリール)の各図柄(図柄位置)に対して、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域(不図示)に格納する。なお、図示は省略するが、この処理に先立って後述の図柄コード格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、決定された内部当籤役(あるいはこれに応じて設定された各種停止制御に係る情報)と各ストップボタン8L,8C,8Rの停止操作態様と基づいて該当するリールの回転を停止させるために必要な各種処理を行う。なお、リール停止制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、入賞作動判定処理を行う(S13)。この処理では、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されたいずれかの図柄の組合せであるか否かを判定する。例えば、入賞作動フラグ格納領域において「1」が格納されているビットがあるか否かを判定する。また、詳細は省略するが、この処理においては入賞作動コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、メダル払出・再遊技作動処理を行う(S14)。この処理では、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せが、小役に係る図柄の組合せであればこれに対応するメダル数を払出し、リプレイ役に係る図柄の組合せであれば次回の遊技において再遊技を作動させるために必要な各種処理を行う。なお、例えば、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せがリプレイ役に係る図柄の組合せである場合には、今回の遊技におけるベット数と同数の値を後述の自動投入メダルカウンタにセットする処理を行う。また、この処理では、払出すメダル数に応じたメダル払出信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時状態制御処理を行う(S15)。この処理では、各種遊技状態について、遊技が終了するときに、(例えば、表示された図柄の組合せ等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技終了時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時メイン側演出制御処理を行う(S16)。この処理では、遊技が終了するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技終了時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
このように、パチスロ機1では、上述のS2〜S16の処理が行われることで1回の単位遊技が制御され、また、これらの処理が繰り返されることで遊技の進行が制御される。なお、必要に応じてこれらの処理以外の処理が適宜行われるように構成することもできるし、これらの処理のうち一部の処理については行われないように構成することもできる。すなわち、上述の各種処理はあくまで一例である。
(電源投入時処理)
続いて、図24を参照して、上述のメイン処理のS1において行われる電源投入時処理について説明する。なお、図24は、電源投入時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、図示しない電源投入時の初期化処理を行った後、メインRAM103の書込みテストを行い、当該テストの結果、メインRAM103への書込みが正常に行われたか否かを判定する(S21)。すなわち、メインCPU101は、メインRAM103に異常が発生していないか否かを判定する。
メインCPU101は、メインRAM103への書込みが正常に行われたと判定した場合(S21がYES)、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であるか否かを判定する(S22)。すなわち、メインCPU101は、設定変更が可能な状態であるか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であると判定した場合(S22がYES)、設定変更時の初期化処理を行う(S23)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、持越役格納領域、遊技状態フラグ格納領域やモードフラグ格納領域等の設定変更時にデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、初期化コマンド生成格納処理を行う(S24)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が開始されたことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。
続いて、メインCPU101は、設定変更処理を行う(S25)。この処理では、上述の設定値決定操作や設定値確定操作を受付けることにより、メインRAM103が初期化された後、新たな設定値がメインRAM103の設定値格納領域(不図示)に設定(格納)される。続いて、メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったか否かを判定する(S26)。すなわち、メインCPU101は、新たに設定値が設定された後、設定変更が可能な状態が終了したか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となっていないと判定した場合(S26がNO)、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となるまで処理を待機する。一方、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったと判定した場合(S26がYES)、初期化コマンド生成格納処理を行う(S27)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S22において、設定用鍵型スイッチ52がオン状態でないと判定した場合(S22がNO)、バックアップデータが正常であるか否かを判定する(S28)。すなわち、メインCPU101は、パチスロ機1への電力の供給が断たれたとき(電断時)にバックアップされた各種情報が正常であるか否かを判定する。
メインCPU101は、バックアップデータが正常であると判定した場合(S28がYES)、遊技復帰処理を行う(S29)。この処理では、パチスロ機1を電断前の状態に復帰させる処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S21において、メインRAM103への書込みが正常に行わなかったと判定した場合(S21がNO)、及びS28において、バックアップデータが正常でないと判定した場合(S28がNO)、電源投入時エラー処理を行う(S30)。なお、この電源投入時エラー処理によって発生したエラーは、上述のリセット操作によっては解消されず、新たに設定値が設定されたことに応じて解消するものとなっている。したがって、メインCPU101は、電源投入時エラー処理の後、一度パチスロ機1の電源がオフとなり、その後、新たに設定値が設定されるまで(上述のS22〜S26の処理が行われるまで)通常の処理(図23のS2以降)に移行しない。
(メダル受付・スタートチェック処理)
続いて、図25を参照して、上述のメイン処理のS3において行われるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。なお、図25は、メダル受付・スタートチェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S41)。すなわち、メインCPU101は、前回の単位遊技でリプレイ役に入賞したか(再遊技が作動したか)否かを判定する。
メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S41がNO)、自動投入処理を行う(S42)。この処理では、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルが自動投入される。また、詳細は省略するが、自動投入が行われる場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
メインCPU101は、S41において、自動投入メダルカウンタの値が「0」であると判定した場合(S41がYES)、及びS42の処理の後、メダル補助収納庫スイッチチェック処理を行う(S43)。この処理では、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっているか(すなわち、メダル補助収納庫33に一定数以上のメダルが収納されているか)否かを判定し、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていると判定した場合にはメダル補助収納庫エラーを発生させる。この場合、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。また、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていないと判定した場合には、この処理を終了する。
続いて、メインCPU101は、メダル投入状態チェック処理を行う(S44)。この処理では、現在のベット数やクレジット数のチェックを行うとともに、メダルの受付が禁止されているか、あるいはセレクタエラーが発生しているか等も判定し、メダルの受付が可能であれば、メダルの受付が可能な状態(ベット操作を受付可能な状態)とする(メダルの受付を許可する)。なお、セレクタエラーが発生している場合には、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。
続いて、メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であるか否かを判定する(S45)。メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であると判定した場合(S45がYES)、メダル投入チェック処理を行う(S46)。この処理では、メダルセンサ31Sの検出結果やベットスイッチ6Sの検出結果に基づいてベット数やクレジット数を更新する。また、詳細は省略するが、ベット操作が行われた場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であるか否かを判定する(S47)。すなわち、メインCPU101は、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっていないか否かを判定する。メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態でない(すなわち、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっている)と判定した場合(S49がNO)、メダルの受付を禁止する(S48)。すなわち、メインCPU101は、メダルの受付が可能でない状態(ベット操作を受付可能としない状態)とする。
メインCPU101は、S45において、メダルの受付が可能な状態でないと判定した場合(S45がNO)、S47において、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であると判定した場合(S47がYES)、及びS48の処理の後、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判定する(S49)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、現在のベット数が「2」又は「3」枚であるか否かが判定される。
メインCPU101は、投入枚数が遊技開始可能枚数であると判定した場合(S49がYES)、スタートスイッチ7Sがオン状態となったか否かを判定する(S50)。すなわち、メインCPU101は、遊技者によって開始操作が行われたか否かを判定する。
メインCPU101は、スタートスイッチ7Sがオン状態となったと判定した場合(S50がYES)、メダルの受付を禁止する(S51)。そして、メインCPU101は、この処理の後、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
メインCPU101は、S49において、投入枚数が遊技開始可能枚数でないと判定した場合(S49がNO)、及びS50において、スタートスイッチ7Sがオン状態となっていないと判定した場合(S50がNO)、処理をS44に戻す。
(内部抽籤処理)
続いて、図26を参照して、上述のメイン処理のS5において行われる内部抽籤処理について説明する。なお、図26は、内部抽籤処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、設定値・メダル投入枚数チェック処理を行う(S61)。この処理では、今回の単位遊技における設定値及びベット数のチェックを行う。続いて、メインCPU101は、設定値、ベット数及び遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S62)。続いて、メインCPU101は、乱数値格納領域から内部抽籤用乱数値を取得する(S63)。すなわち、メインCPU101は、上述のメイン処理のS4で取得した内部抽籤用乱数値のデータを取得する。なお、この処理において、設定値が「1」〜「6」以外又はベット数が「1」〜「3」以外であると判定された場合には、メインCPU101は、重篤なエラーが発生したと判断し、上述の電源投入時エラー処理(図24のS30参照)を実行する。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役決定処理を行う(S64)。この処理では、取得した内部抽籤用乱数値を、セットされた内部抽籤テーブルに規定された各内部当籤役の抽籤値を用いて順次更新(例えば、加算更新)し、更新結果が所定結果となったか(例えば、オーバーフローしたか)否かを判定する。所定結果となった場合にはその内部当籤役を今回の単位遊技の内部当籤役として決定する。なお、全ての内部当籤役について判定しても所定結果とならなかった場合には、今回の単位遊技の結果は「はずれ」となる(内部当籤役として「はずれ」が決定される)。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役が決定されたか否かを判定する(S65)。メインCPU101は、内部当籤役が決定されなかったと判定した場合(S65がNO)、処理をS64に戻す。すなわち、メインCPU101は、判定対象となる内部当籤役を順次更新し(内部抽籤用乱数値も順次更新し)、全ての内部当籤役について判定が行われるまで(あるいは、その中途で内部当籤役が決定されるまで)S64の処理を繰り返す。
メインCPU101は、内部当籤役が決定されたと判定した場合(S65がYES)、決定された内部当籤役が持越非対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役でなく、小役又はリプレイ役であるか)否かを判定する(S66)。メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越非対象役であると判定した場合(S66がYES)、当籤フラグ格納領域を更新する(S67)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて当籤フラグ格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、当籤フラグ格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S66において、決定された内部当籤役が持越非対象役でないと判定した場合(S66がNO)、及びS67の処理の後、決定された内部当籤役が持越対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役であるか)否かを判定する(S68)。
メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越対象役であると判定した場合(S68がYES)、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S69)。すなわち、メインCPU101は、未だいずれのボーナス役も持越されていないか否かを判定する。メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S69がYES)、持越役格納領域を更新する(S70)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて持越役格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、持越役格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S68において、決定された内部当籤役が持越対象役でないと判定した場合(S68がNO)、S69において、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S69がNO)、及びS70の処理の後、再度、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S71)。
メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S71がNO)、当籤フラグ格納領域を更新する(S72)。この処理では、持越役格納領域に格納されているデータを当籤フラグ格納領域のデータに反映させる。すなわち、メインCPU101は、ボーナス役が持越されている(あるいは今回の単位遊技で当籤した)場合、当籤フラグ格納領域において、当該ボーナス役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S71において、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S71がYES)、及びS72の処理の後、サブフラグ等設定処理を行う(S73)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、内部当籤役に基づいて非有利区間サブフラグや有利区間当籤時サブフラグが設定される。なお、この処理では、例えば、AT状態であるとき、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報等が設定されるようにしてもよい。そして、メインCPU101は、この処理の後、内部抽籤処理を終了する。
(遊技開始時状態制御処理)
続いて、図27を参照して、上述のメイン処理のS6において行われる遊技開始時状態制御処理について説明する。なお、図27は、遊技開始時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S81)。この処理では、遊技を開始するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定のボーナス役に当籤したことに基づいて所定のRT状態としてのフラグ間に移行させる場合、この処理において所定のボーナス役に当籤したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、フラグ間はRT状態として(すなわち、遊技状態フラグ格納領域に格納される遊技状態として)構成されていないため、ここでのチェックは不要となる。また、例えば、特定の移行条件の成立から特定の遊技数の遊技を行ったことにより開始又は終了する特定のRT状態がある場合、この処理においてこの特定の遊技数を管理することもできる。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S82)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S82がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S83)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S84)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。
メインCPU101は、S82において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S82がNO)、及びS84の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S85)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S85がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S86)。この処理では、遊技を開始するときに、非有利区間から有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の開始条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤を行い、この抽籤結果が有利区間を開始させるものであるか否かがチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S87)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S87がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S87がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S88)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を開始させる(セットする)。この処理では、有利区間が開始したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)のカウントを開始する(すなわち、一連の有利区間の遊技期間の監視を開始する)等の設定処理を適宜行う。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S89)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S90)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、セットされた移行先モードにしたがい、疑似ボーナスに移行する場合にはその遊技期間として「55ゲーム」が設定され、終了モードに移行する場合にはその遊技期間として「32ゲーム」が設定され、それ以外のモードに移行する場合にはそれぞれに対応する天井ゲーム数が設定される。また、各種抽籤(図7及び図8等参照)における抽籤値(抽籤テーブル)が設定される。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。
メインCPU101は、S85において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S85がNO)、有利区間中遊技開始時処理を行う(S91)。なお、有利区間中遊技開始時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S92)。この処理では、遊技を開始するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S93)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S93がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S94)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S93がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技開始時処理)
続いて、図28を参照して、上述の遊技開始時状態制御処理のS91において行われる有利区間中遊技開始時処理について説明する。なお、図28は、有利区間中遊技開始時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技開始時)を行う(S101)。この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、1ゲームにつき1ずつ減算(加算)する等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S102)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S102がYES)、AT期間管理処理(遊技開始時)を行う(S103)。この処理では、例えば、遊技開始時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS101の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、ナビ設定処理を行う(S104)。この処理では、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報やスタートコマンドに含ませる停止操作の情報に対応する情報等を設定する。なお、この処理では、ナビを発生させるか否かを決定可能としてもよい。すなわち、AT状態において報知対象役が当籤した場合に、必ずしもナビが発生しない場合があってもよく、この処理においてナビ発生の可否を所定条件(例えば、報知対象役の種類や予め定められたナビ発生確率)にしたがって決定するようにしてもよい。
メインCPU101は、S102において、特定モード中でないと判定した場合(S102がNO)、及びS104の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S105)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S105がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S106)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S107)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS90の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技開始時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S105がNO)、有利区間中遊技開始時処理を終了する。
なお、図27に示す遊技開始時状態制御処理と図30に示す遊技終了時状態制御処理、及び図28に示す有利区間中遊技開始時処理と図31に示す有利区間中遊技終了時処理は、基本的にほとんど同様の処理構成となっている。これは、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで処理を行ってもよいもの(例えば、遊技状態やモードの移行等、決定された内部当籤役を参照する処理であるが、処理結果が今回の遊技が終了するまで(あるいは、次回の遊技が開始されるまで)に反映されればよい処理等)については、いずれか一方で行われればよいことを意味し、双方で同様の処理が重複して行われることを意味するものではない。したがって、このような処理については、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで行われるようにしてもよい。
これに対し、遊技を開始するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、上述のナビ設定処理等)については、遊技を開始するときに行われるものとし、また、遊技が終了するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、表示された図柄の組合せを参照する処理等)については、遊技が終了するときに行われるものとすればよい。また、例えば、遊技開始後であって遊技終了前の所定時期に処理が行われる必要があるもの、あるいは処理を行ったほうがよいもの(例えば、第1停止操作の停止操作態様を参照する処理等)については、そのときに行われるものとすればよい。
(リール停止制御処理)
続いて、図29を参照して、上述のメイン処理のS12において行われるリール停止制御処理について説明する。なお、図29は、リール停止制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、全てのリールの回転速度が所定の一定速度(例えば、80回転/1分)に到達したか(すなわち、定速回転しているか)否かを判定する(S111)。メインCPU101は、全てのリールが定速回転していないと判定した場合(S111がNO)、全てのリールが定速回転するまで処理を待機する。一方、全てのリールが定速回転していると判定した場合(S111がYES)、各リールの停止を許可する(S112)。すなわち、メインCPU101は、各ストップボタンを有効化する。また、これにともなって作動ストップボタン格納領域が更新される(第1の遊技機の場合、例えば、作動ストップボタン格納領域のビット4〜6に「1」が格納される)。
続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたか否かを判定する(S113)。メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されていないと判定した場合(S113がNO)、有効なストップボタンが操作されるまで処理を待機する。なお、自動停止制御を行う場合には、この待機時間を計測し、計測結果が所定時間となったときに自動停止制御を行うように構成することができる。
メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたと判定した場合(S113がYES)、作動ストップボタン格納領域及び押下順序格納領域を更新する(S114)。なお、第1の遊技機の場合、例えば、リール3Lに対して第1停止操作が行われた場合(ストップボタン8Lが押された場合)には、この処理では、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納され、ビット4が「0」に更新される。また、押下順序格納領域のビット2〜5が「0」に更新される。
続いて、メインCPU101は、作動ストップボタンから制御対象リールを決定する(S115)。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、リール3Lを制御対象リールとして決定する。
続いて、メインCPU101は、図柄カウンタから停止開始位置を格納する(S116)。図柄カウンタは、図柄位置データ(例えば、「0」〜「19」)を把握するためのカウンタとして構成される。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、ストップボタン8Lが押されたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データを停止開始位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、滑り駒数決定処理を行う(S117)。この処理では、例えば、上述の停止テーブルに規定された滑り駒数や上述の引込優先順位データ格納領域のデータ等を参照し、最も適切な滑り駒数(図柄の移動量)を決定する。
続いて、メインCPU101は、停止開始位置及び滑り駒数から停止予定位置を格納する(S118)。この処理では、上述のS116の処理で格納された停止開始位置と、上述のS117の処理で決定された滑り駒数から最終的に図柄が停止する位置の図柄位置データを停止予定位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、リール停止コマンド生成格納処理を行う(S119)。この処理では、副制御回路200に送信するリール停止コマンドコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に格納する。なお、リール停止コマンドは、停止予定位置のみならず、停止開始位置や滑り駒数が特定できるパラメータを含んで構成することができる。
続いて、メインCPU101は、図柄コード格納処理を行う(S120)。この処理では、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類(図柄コード)も参照しながら、図柄コード格納領域を更新する。続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンがあるか否かを判定する(S121)。すなわち、メインCPU101は、未だ回転中のリールがあるか(全てのリールに対して停止操作が行われていないか)否かを判定する。
メインCPU101は、有効なストップボタンがあると判定した場合(S121がYES)、制御変更処理を行う(S122)。この処理では、ここまでの遊技者の停止操作態様に応じて、例えば、上述のリール停止初期設定処理で設定された停止テーブルや引込優先順位テーブル等の変更が必要である場合に、このような停止制御に必要な各種情報を再設定する。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S123)。この処理では、回転中のリールの各図柄(図柄位置)に対して、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類も参照しながら、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、処理をS113に戻す。また、メインCPU101は、有効なストップボタンがないと判定した場合(S121がNO)、リール停止制御処理を終了する。
(遊技終了時状態制御処理)
続いて、図30を参照して、上述のメイン処理のS15において行われる遊技終了時状態制御処理について説明する。なお、図30は、遊技終了時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S131)。この処理では、遊技が終了するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定の図柄の組合せが表示されたことに基づいて所定のRT状態や所定のボーナス状態に移行させる場合、この処理において所定の図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、所定のRT状態や所定のボーナス状態である場合、この処理においてこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合、メダルの払出によってこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S132)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S132がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S133)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示された場合、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1に「1」を格納し、2BB状態又は3BB状態をセットする。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合に、これらの遊技状態の終了条件が成立した場合には、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1を「0」に更新する。
続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S134)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「1」を設定し、3BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「176」を設定する。
メインCPU101は、S132において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S132がNO)、及びS134の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S135)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S135がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S136)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS86の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S137)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S137がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S137がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S138)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS88の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S139)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS89の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S140)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS90の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
メインCPU101は、S135において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S135がNO)、有利区間中遊技終了時処理を行う(S141)。なお、有利区間中遊技終了時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S142)。この処理では、遊技が終了するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S143)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S143がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S144)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S143がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技終了時処理)
続いて、図31を参照して、上述の遊技終了時状態制御処理のS141において行われる有利区間中遊技終了時処理について説明する。なお、図31は、有利区間中遊技終了時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技終了時)を行う(S151)。この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、払出数、所定の図柄の組合せの表示回数や停止操作態様等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S152)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S152がYES)、AT期間管理処理(遊技終了時)を行う(S153)。この処理では、例えば、遊技終了時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS151の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
メインCPU101は、特定モード中でないと判定した場合(S152がNO)、及びS153の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S154)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S154がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S155)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S156)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS140の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技終了時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S154がNO)、有利区間中遊技終了時処理を終了する。
[6−2.定期割込処理]
まず、図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行される定期割込処理について説明する。なお、図32は、定期割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ここで、本実施形態では、定期割込処理の周期(1割込時間)を「1.1172ms」としている。もっとも、定期割込処理の周期はこれに限られない。例えば、これとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよいし、あるいは、これと同じ周期が設定されていても、一部又は全部の処理について実際に処理が行われる割込回数を「2」以上とすることにより、結果的にこれとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよい。
まず、メインCPU101は、レジスタの退避処理を行う(S201)。続いて、メインCPU101は、入力ポートチェック処理を行う(S202)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)各種センサやスイッチの入力状態(オン状態又はオフ状態)のチェックを行う。例えば、前回の割込時の入力状態と今回の割込時の入力状態とを比較し、入力状態に変化があったか否かのチェックを行い、入力状態に変化があった場合、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)にその変化を格納し、変化にかかわらない入力状態についてはそのままメインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)に格納する。
続いて、メインCPU101は、リール制御処理を行う(S203)。この処理では、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動を制御し、各リール3L,3C,3Rの回転及び停止を制御する。続いて、メインCPU101は、通信データ送信処理を行う(S204)。この処理では、通信データ格納領域に格納された各コマンドの各パラメータを副制御回路200に送信する。なお、この処理では、通信データ格納領域にコマンドデータが格納されていない場合、入力ポート格納領域0及び入力ポート格納領域1に格納されているデータを入力状態コマンドとして副制御回路200に送信する。
なお、本実施形態では、各種コマンドデータが一旦通信データ格納領域に格納された後、定期割込処理において副制御回路200に送信する構成としているが、例えば、各種コマンドデータを通信データ格納領域に格納することなく、主制御回路100内に設けられた通信回路(不図示)に直接格納して副制御回路200に送信する構成としてもよい。また、本実施形態では、詳細な説明は省略しているが、各種コマンドデータがシリアル通信によって副制御回路200に送信される構成としているが、例えば、各種コマンドデータがパラレル通信によって副制御回路200に送信される構成としてもよい。
続いて、メインCPU101は、7セグLED駆動処理を行う(S205)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)、例えば、情報表示装置14等の表示内容を制御する。続いて、メインCPU101は、タイマ更新処理を行う(S206)。この処理では、主制御回路100で管理される各種タイマを更新する。
続いて、メインCPU101は、エラー検知処理を行う(S207)。この処理では、上述のS202でチェックされた入力状態等に基づいて、各種エラー状態が発生しているか否かを検知する。続いて、メインCPU101は、ドア開閉チェック処理を行う(S208)。この処理では、例えば、ドア開閉監視スイッチ56の入力状態に基づいて、下ドア機構DD開閉状態のチェックを行う。なお、各種エラー状態が発生している場合、及びドア開閉監視スイッチ56の入力状態が開状態(オフ状態)の場合、外部集中端子板55からセキュリティ信号が出力される。
続いて、メインCPU101は、レジスタの復帰処理を行う(S209)。そして、メインCPU101は、この処理の後、定期割込処理を終了する。
[7.副制御回路による処理]
続いて、図33を参照して、副制御回路200のサブCPU201が各プログラムを用いて実行するサブ側制御処理の概要について説明する。図33は、サブ側制御処理の概要の一例を示すフローチャートである。
なお、パチスロ機1では、不正行為や不正改造防止の観点より、主制御回路100側(主制御基板71及び主制御基板ケースを含む)には種々の制約が設けられているが、副制御回路200側(副制御基板72及び副制御基板ケースを含む)にはそれほどの制約は設けられていない。したがって、副制御基板72(及び副制御回路200)は、接続される演出装置の種類、その数、あるいはその演出装置によって行われる演出の種類等と、製造コスト等との兼ね合いに応じて種々の構成を用いることが可能となっている。図33において「概要」としているのはそのためである。
まず、サブCPU201は、電源投入時にはメインCPU101と同様、電源投入時処理を行う(S301及びS302)。この処理では、電源投入時に異常が発生しているか否かを検知したり、サブRAM203に格納されているデータを初期化したり、また、後述の各種演出実行制御処理を行うために必要な各種タスクを起動させたりする等の処理が行われる。
また、サブCPU201は、主制御回路100から送信されたコマンドを受信した場合、コマンド受信時演出実行制御処理を行う(S303及びS304)。この処理では、例えば、初期化コマンドを受信した場合、受信した初期化コマンドのパラメータの情報を参照し、設定変更がされていればサブ側でも適宜初期化処理が実行され、設定変更されていなければサブ側でも電断前の状態に復帰させる処理が実行される。
また、例えば、スタートコマンドを受信した場合、受信したスタートコマンドのパラメータの情報を参照し、非AT状態であれば、内部当籤役や遊技状態等を示唆ないし報知する演出の内容を(必要に応じて抽籤により)決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、AT状態であれば、これに加え、有利な停止操作態様を報知する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、例えば、ロックコマンドを受信した場合、受信したロックコマンドのパラメータの情報を参照し、ロック演出の内容と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、リール停止コマンドを受信した場合、受信したリール停止コマンドのパラメータの情報を参照し、停止開始位置や停止予定位置(あるいは、単に何番目の停止操作が行われたか等)と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、入賞作動コマンドを受信した場合、受信した入賞作動コマンドのパラメータの情報を参照し、特典が付与される場合に、付与される特典と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、サブCPU201は、副制御基板72に接続された(副中継基板74を介して接続されたものを含む)、例えば、演出用ボタン10a,10bが操作された場合、演出ボタン操作時演出実行制御処理を行う(S305及びS306)。この処理では、例えば、操作連動演出の実行中に、当該演出に沿った演出用ボタンが操作された場合、操作連動演出の内容が変化するように各種演出装置を制御する。また、例えば、非遊技中に、後述のユーザーメニュー呼出のために演出用ボタンが操作された場合、ユーザーメニューを表示するための制御を行う。また、ユーザーメニューの表示中に、選択・決定操作のために演出用ボタンが操作された場合、これらの操作にしたがった制御を行う。
また、サブCPU201は、上述の契機以外の契機が成立した場合、その他演出実行制御処理を行う(S307)。この処理では、例えば、遊技に関する操作及びユーザーメニューに関する操作が行われていない非操作期間が所定期間(例えば、30秒程度)となった場合、デモ状態報知に係る演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
[8.パチスロ機のその他の機能]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を制御する各種機能及び演出を制御する各種機能、並びにこれらの機能を実現するための各種構成を備えるものであるが、例えば、以下に示すようなその他の機能を備えることもできる。なお、以下では、遊技者側のその他の機能の一例と、遊技店側のその他の機能の一例について説明する。
[8−1.遊技者側]
例えば、遊技者の演出操作によってユーザーメニューが表示され、当該ユーザーメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「配列・配当表」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における図柄配列と、規定された図柄組合せ及びその入賞時の配当(特典の内容)等を示す遊技情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「音量・光量調整」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種表示装置の輝度、スピーカ群から出力される音の音量、あるいはランプ・LED群の光量等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「カスタム」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における演出態様(例えば、演出に用いられるキャラクタの種類(当該キャラクタ(表示態様)自体の種類、当該キャラクタに対応する音声の種類、あるいは当該キャラクタに係る衣装やアイテム(個別表示態様)の種類等も含む)、演出発生確率(演出発生時の期待度の種類等も含む)、あるいは示唆ないし報知の態様(演出実行タイミング等も含む)等)が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「ユニメモ」が選択・決定された場合には、遊技者の携帯端末(例えば、携帯電話やスマートフォン等)を利用した情報提供サービスを受けること可能となっている。このような情報提供サービスでは、例えば、遊技者がログイン操作して遊技を開始し(ログイン操作なしに遊技を開始させた場合でもよい)、遊技終了時にログアウト操作することで、遊技履歴情報(例えば、累計何ゲーム遊技したか、有利な遊技状態を何回発生させたか、最高獲得枚数は何枚かなど種々の遊技の結果に応じた情報)を確認、あるいは取得できる。
また、例えば、遊技履歴情報には、遊技の結果(開放条件の成立)に応じて、遊技中に表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報、遊技者の携帯端末上で表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報など、付帯する特典に関する情報も含まれる。
なお、このような情報提供サービスにおけるログイン・ログアウトの手法は種々の手法を採用することができる。例えば、遊技者の端末を利用し、遊技者に演出表示部上に表示される二次元コードを読み取らせることでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよいし、また、遊技者にパスワードを入力させ、あるいはパスワードを記憶させる(具体的には、例えば、遊技終了時のログアウト時には、二次元コードにかえて、4ケタ〜10ケタ程度の文字列を次回入力用パスワードとして表示可能とし、それを遊技者が紙媒体でメモしたり、携帯端末で写真として撮影したり等によって取得可能とし、次回の遊技開始前のログイン時には、このようにして取得されたパスワードを入力可能とする)ことでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよい。また、これらの手法を適宜組み合わせてログイン・ログアウトが行われるようにすることもできる。
[8−2.遊技店側]
例えば、遊技店側の管理者の設定確認操作(設定変更操作、あるいは遊技店側の管理者によるその他の操作であってもよい)によってホールメニューが表示され、当該ホールメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技店側の管理者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「時刻設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における日時等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、日時は、例えば、上述のサブ側電源投入時処理(図33のS302参照)において自動的に更新されるように構成することもできる。
また、例えば、「トータルメダル情報」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の投入枚数及び払出枚数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。
また、例えば、「設定変更・確認履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の設定変更操作及び設定確認操作回数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「エラー情報履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のエラー発生日時やその内容等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「監視履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のドア開放日時やその期間等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「警告設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種警告報知の態様や頻度等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「省電力モード設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における省電力機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。また、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「打ち止め設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における打ち止め機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、打ち止め機能は、所定の作動条件が成立した場合に、遊技店の管理者の解除操作(例えば、リセット操作)がなされるまで遊技不能状態とする機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、打ち止め機能がオン状態に設定された場合、これに連動して後述の自動精算機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
また、例えば、「自動精算設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における自動精算機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、自動精算機能は、所定の作動条件が成立した場合に、自動的にクレジットが精算される(すなわち、クレジットされていた遊技価値全てが自動的に返却される)機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、自動精算機能がオン状態に設定された場合、これに連動して上述の打ち止め機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
なお、打ち止め機能や自動精算機能の設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。もっとも、この場合、いたずらに受付可能とする操作部を増加させることも望ましくないので、特定の操作部(例えば、ストップボタン)のみを当該設定に係る操作を受付ける操作部の一部として使用することができるものとしてもよい。
[9.拡張例]
ここまで、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機として、パチスロ機1を一例に挙げて説明したが、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機はこれに限定されない。例えば、いわゆる「パチンコ機」や「スロットマシン」等と称される遊技機にも適用可能であり、同様の作用効果が得られる。すなわち、本実施形態に係る発明は、遊技者の遊技動作(操作)に応じて遊技を行う(遊技制御を行う)ことが可能な遊技機であれば、その全てに適用することができる。また、パチスロ機1を含む遊技機について、その構成やその機能等も上述のものに限定されず、種々の変更・拡張が可能である。以下、あくまで一例であるが、このような拡張例について説明する。
(パチンコ機)
パチンコ機は、例えば、遊技球が転動流下可能な遊技領域を有する遊技盤、遊技領域を外部から視認可能としつつ保護する保護ガラスを含むガラスドア、遊技領域の所定領域に設けられる演出表示装置(遊技領域外に設けられるものであってもよい)、遊技球を払出す払出ユニット、及び、遊技や演出に関する各種制御を行う各種制御基板を含む基板ユニット等を有し、これらは枠体(単に「枠」等と称される場合もある)によって支持される。
また、パチンコ機の前面側には、例えば、遊技者の操作手段の一つとしての発射ハンドル、遊技に供する遊技球を貯留可能な上皿、及び、払出された遊技球を貯留可能な下皿等が設けられている。なお、上述した演出用ボタンや可動演出装置が設けられているものも多い。また、遊技領域には、例えば、遊技球が通過可能な始動領域(「始動口」等と称される場合もある)や特定領域(「V入賞口」等と称される場合もある)、遊技球が入賞しやすい状態と入賞しにくい状態との間で変移可能な可変入賞装置(「大入賞口」等と称される場合もある)、及び、識別情報(「図柄」等と称される場合があり、「特別図柄」と「普通図柄」を含む)を可変表示可能な可変表示装置等が設けられる。
そして、パチンコ機では、遊技者は発射ハンドルを操作し、遊技球を遊技領域に発射することで遊技を行う。例えば、発射された遊技球が始動領域を通過すると、可変表示が開始される。また、このとき、現在の状態(例えば、当り確率が相対的に高い確変遊技状態であるか等)や始動領域の種類等に応じた確率で、遊技状態を移行させるか否か(例えば、遊技者に有利な大当り遊技状態や小当り遊技状態に移行させるか否か)が決定される(すなわち、遊技状態を移行させるか否かが抽籤(あるいは、判定)される)。その後、可変表示の停止条件(例えば、設定された変動時間が終了したこと)が成立すると、上記決定結果に応じた停止態様で可変表示が停止する。このとき、上記決定結果が遊技状態を移行させるもの(当り)であれば、停止される停止態様も当該当りに対応する表示結果となり、当該表示結果が表示されたことに応じて当該当りに対応する遊技状態に移行する。一方、上記決定結果が遊技状態を移行させないもの(はずれ)であれば、停止される停止態様もはずれに対応する表示結果となり、遊技状態は移行しない。なお、例えば、発射された遊技球が特定領域を通過すると(特定領域は、通常は遊技球の通過が困難な状態におかれていることが多い)、可変表示装置によらず、遊技状態を移行させることが決定される。
すなわち、パチスロ機1は、必要なメダルをベットし、遊技者が開始操作することを開始契機として遊技が開始されるのに対し、パチンコ機は、遊技者が必要な遊技球を発射ハンドルの操作によって発射し、例えば、これによって始動領域を遊技球が通過したことを開始契機として遊技が開始される点においては異なるものの、ともに遊技者の遊技動作によって遊技が開始される点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、その開始契機が成立したときに、最終的に表示が許可される停止態様(換言すれば、付与される特典の内容)が決定される点において共通する。
また、パチスロ機1は、基本的には遊技者の停止操作によって可変表示が停止されるのに対し、パチンコ機は、停止条件が成立したことによって(遊技者の停止操作によらずして)可変表示が停止される点においては異なるものの、ともに事前の決定結果にしたがって可変表示を停止させ、停止した停止態様に応じた特典を付与する点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、遊技に関連する演出を実行可能な点において共通する。例えば、上記演出表示装置は、上述した演出表示部や情報表示部として機能する。また、パチンコ機においても、上述したランプ、スピーカ、あるいはその他演出装置等の演出実行手段を設け、これらによって演出を実行してもよいことはもちろんである。
なお、パチンコ機では、上記演出表示装置において、装飾図柄(これも「識別情報」等と称される場合がある)が変動表示されるものが多い。上述のとおり、本来の遊技結果は上記可変表示装置にて表示されるものであるが、上記可変表示装置は小型に構成され、また、その表示結果も複数個のLEDの点灯パターンで表示されるため、遊技者が遊技結果を認識し難くなっているものが多い。このため、パチンコ機では、上記可変表示装置の可変表示に連動するように、上記演出表示装置上で装飾図柄を変動表示(及び停止表示)させることで遊技を行うようにしたものが主流である。そして、このような装飾図柄の変動表示は、(演出上、開始契機が成立したときに一定期間遅延してから変動表示を開始したり、あるいは停止条件の成立前に仮停止したりする場合もあるが)基本的には上記可変表装置と同様、遊技の進行にしたがって識別情報を変動表示あるいは停止表示するものである(例えば、当りの場合には装飾図柄が特別停止態様(例えば、図柄揃い)で停止表示される一方、はずれの場合には装飾図柄が非特別停止態様(例えば、バラケ目)で停止表示される)ことから、これを上述した変動表示部の一態様であるとして、本実施形態に係る発明を適用することも可能である。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の外部構造あるいは内部構造の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、メダルを必須とし、遊技球には置き換えできないもの等)を除き、パチンコ機の外部構造あるいは内部構造の構成として適用することができる。
また、パチンコ機においても、遊技に関する各種制御は、主制御基板に実装された遊技制御部としての主制御回路によって行われ(一部、払出に関する制御は、主制御基板に電気的に接続された払出制御基板に実装された払出制御回路によって行われる場合があるが、これを含む)、演出に関する各種制御は、副制御基板に実装された演出制御部としての副制御回路によって行われることから、パチスロ機1の電気的構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、停止操作に関するもの等)を除き、パチンコ機の電気的構成として適用することができる。
また、パチスロ機1においては、上述のとおり、遊技者に相対的に有利な(あるいは、その構成内容によっては不利となる場合もあり得るが)遊技状態として、ボーナス状態、RT状態、AT状態、これらを組み合わせたART状態等を設けることが可能となっている。例えば、ボーナス状態では、小役の抽籤態様を非ボーナス状態よりも有利とすることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能とし、RT状態では、リプレイ役の抽籤態様を非RT状態よりも有利とすることで、はずれが発生しにくい(結果として、メダルが減少しにくい)状態を一定期間継続させることを可能とし、AT状態では、有利な停止操作態様が報知されることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。
これに対し、パチンコ機においても、これらと同様の性質を有する各種遊技状態を設けることが可能となっている。例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、上記可変入賞装置について通常とは異なる制御が行われることで、遊技球が入賞しやすい状態に変移することを可能とし、これによって遊技球が付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、時短遊技状態(「電サポ状態」等と称される場合がある)では、普通図柄について通常とは異なる制御が行われることで、始動領域を遊技球が通過しやすい状態とすることを可能とし、これによって上記可変表示装置による抽籤頻度を高めるとともに、遊技球が減少しにくい状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、確変遊技状態では、特別図柄について通常とは異なる制御が行われることで、上記可変表示装置による当籤確率が高まる(結果として、遊技球が増加しやすい)状態を一定期間継続させることを可能としている。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の遊技性として、遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、遊技区間の移行をともなうもの等)を除き、パチンコ機の遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として適用することができる。また、パチスロ機1の遊技性として他に説明する各種事項についても同様である。
なお、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中の遊技回数が規定回数となったことに応じて、時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、天井機能(有利状態(例えば、大当り遊技状態)に移行することなく不利状態(例えば、通常遊技状態)が所定期間(例えば、900ゲーム(回転))継続した場合に、ハマリ救済として有利状態(例えば、時短遊技状態)に移行させることができる機能)を搭載することができるため、パチスロ機1の天井機能に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の天井機能に関する構成として適用することができる。
また、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中において、上記可変表示装置の停止態様が特定のはずれに対応する表示結果となった場合には、これを契機として時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、特定の表示結果(特定の図柄の組合せ)の表示による(大当り遊技状態等への移行を契機としない)遊技状態の遷移(移行)が可能となっているため、例えば、パチスロ機1の特定の図柄の組合せの表示によるRT状態の遷移(移行)に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の特定の表示結果の表示による時短遊技状態の遷移(移行)に関する構成として適用することができる。
(メダルレス遊技機)
本実施形態のパチスロ機1では、遊技者のベット操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口5に対して投入してベットする操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してベットする操作)があることを開始条件の1つとして遊技を開始し、遊技が終了したときにメダルの払出がある場合には、ホッパー装置32を駆動させてメダル払出口11からメダルを払出し、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、パチスロ機1の構成はこれに限られない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技価値がベットされ、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、遊技価値が付与される)形態全てについて、本実施形態に係る発明を適用可能である。すなわち、遊技者の動作によって物理的にメダルが投入され(掛けられ)、メダルが払出される形態のみならず、パチスロ機1の内部で、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理し(あるいは、電磁的でなくとも、少なくとも遊技者が遊技価値に直接接触できない態様で管理し)、メダルレスで遊技を可能とするものにも適用可能である。ここでは、このようなパチスロ機1を「メダルレス遊技機」と称する。なお、メダルレス遊技機は、「管理遊技機」や「封入式遊技機」等と称されることがある。
なお、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理するのは、主制御回路100(主制御基板71)自体であってもよいし、主制御回路100(主制御基板71)に装着される(接続される)遊技価値管理装置(以下では、このような管理装置を「メダル数制御基板」として説明する場合がある)であってもよい。以下では、この遊技価値管理装置が設けられる一例を説明する。
遊技価値管理装置は、少なくともROM及びRWM(あるいは、RAM)を備え、パチスロ機1に設けられる装置であって、通信装置(以下では、このような通信装置を「接続端子板」として説明する場合がある)を介して外部の遊技価値提供装置(以下では、このような遊技価値提供装置を「通信専用ユニット」として説明する場合がある)と双方向通信可能に接続される。遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置との間で必要な通信を行うことにより、遊技価値の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技価値のベット操作を行う上で必要な遊技価値を提供する動作)、遊技価値の付与動作(すなわち、遊技価値の付与に係る役に入賞(当該役が成立)した等の場合に遊技者に対して付与に係る遊技価値を提供する動作)、及びこれらの動作によって提供された遊技価値を電磁的に記録する動作等を行い得るものとする。なお、遊技価値提供装置は、「遊技価値(遊技媒体)取扱装置」、「遊技価値(遊技媒体)貸出装置」あるいは「サンド」等と称されることがある
また、外部の遊技価値提供装置は、外部の出玉管理装置(出玉管理サーバ)に接続されており、遊技価値管理装置は、外部の出玉管理装置に対し、通信装置及び外部の遊技価値提供装置を介して出玉管理情報を送信可能に構成される。ここで、出玉管理情報は、外部の出玉管理装置が出玉の管理を可能とするために必要な各種の情報で構成される。なお、出玉管理情報の一例については後述する。また、外部の遊技価値提供装置と外部の出玉管理装置との間は、例えば、インターネット回線によって接続される。
ここで、「出玉」とは、直接的には払出された遊技媒体数を意味するものであるが、本実施形態では、例えば、払出数からベット数を減じた差枚数(純増数)等の遊技者に対する特典の付与度合い(例えば、遊技者がどの程度プラスとなったか(遊技店がどの程度マイナスとなったか))、あるいは遊技者がどの程度マイナスとなったか(遊技店がどの程度プラスとなったか等)や、有利状態(例えば、ボーナス状態、AT状態、あるいは一連の有利区間等)の継続度合い、あるいはこれらの組合せによって想定される射幸性の程度等も含む概念となっている。
また、例えば、パチスロ機1の前面側に、保有する遊技価値数を表示する保有遊技価値数表示装置(不図示)を設けることとし、遊技価値管理装置は、その遊技価値数の管理結果に基づいてこの保有遊技価値数表示装置に表示される遊技価値数を管理するようにしてもよい。すなわち、遊技価値管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技価値の総数を電磁的方法により記録するのみならず、当該記録結果の表示を制御可能なものとして構成してもよい。なお、この場合、遊技価値管理装置は、遊技者が、記録された遊技価値数を示す信号を外部の遊技価値提供装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合以外には記録された遊技価値数を減ずることができない性能を有し、また、記録された遊技価値数を示す信号は、通信装置を介してでなければ送信できない性能を有することが望ましい。
なお、遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置を用いて遊技者の遊技価値を電磁的に管理する機能のみならず、遊技者の物理的動作によってベットされる遊技価値数やパチスロ機1の物理的動作によって払出される遊技価値数を管理する機能を有していてもよい。すなわち、従来のパチスロ機1における実際のメダルの投入や払出の管理をも可能とするものであってもよい。このようにすれば、パチスロ機1を従来の手法によって制御することもできるし、上述のメダルレス遊技機のような手法によって制御することもできるため、パチスロ機1がいずれの仕様となった場合であっても共通の構成とすることができる。また、この場合、遊技価値管理装置が、上述のセレクタ31やホッパー装置32を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路100(主制御基板71)によって制御され、その制御結果が送信されることにより間接的に制御する方式を採用することもできる。
また、パチスロ機1には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却(精算)操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい。また、遊技価値提供装置には、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等の各種装置に加え、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい(いずれも不図示)。なお、挿入可能な記録媒体には、遊技店で当日発行される非会員記録媒体のみならず、遊技店の会員が保有する会員記録媒体も含まれる。非会員記録媒体に記録された遊技価値は当日限り有効となる(翌日以降は無効となる)が、会員記録媒体に記録された遊技価値は翌日以降も有効となる。
この場合の遊技の流れの一例を説明する。例えば、まず、遊技者は遊技価値提供装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金する。遊技価値提供装置は、遊技者のいずれかの貸出操作手段への操作に応じて、所定数の有価価値を減算し、減算した有価価値に対応する遊技価値をパチスロ機1に提供する。そして、遊技者は遊技を行い、さらに遊技価値が必要となった場合には上記操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果によって所定数の遊技価値を獲得してから遊技を終了する際には、遊技者はいずれかの返却操作手段を操作する。遊技価値管理装置は、遊技者のいずれかの返却操作手段への操作に応じて、遊技価値提供装置に対し遊技価値数を送信する。遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録した記録媒体を排出する。遊技価値管理装置は、遊技価値数を送信したときに自身が記憶する遊技価値数をクリアする。遊技者は、排出された記録媒体を景品に交換するために景品交換所等に持っていくこともできるし、また、排出された記録媒体を他のパチスロ機1に対応する遊技価値提供装置に挿入することで、台移動して遊技を続けることもできる。また、排出された記録媒体が会員記録媒体であれば、翌日以降も有効であるため、ここで遊技をやめることもできる。
なお、上記の一例では、遊技者の返却操作に応じて、遊技価値管理装置が遊技価値提供装置に対して全遊技価値数を送信するものとしていたが、遊技者の返却操作の態様により、遊技者が所望する遊技価値数のみを送信可能に構成してもよい。すなわち、遊技者が保有する遊技価値を分割できるようにしてもよい。また、遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録媒体に記録して排出するものとしていたが、上述の非接触通信アンテナ等を用いて遊技者の携帯端末にこれと同様の価値となる情報を送信してもよいし、また、同等の価値となるものを遊技者に提供するものである限り、例えば、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよい。
また、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、遊技者が操作可能なロック操作手段を設け、このロック操作手段への操作に応じて、遊技価値管理装置と遊技価値提供装置との間で通信できない状態(ロック状態)に制御可能としてもよい。なお、この場合、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、例えば、暗証番号の設定(及び設定した暗証番号の入力)、ワンタイムパスワードの発行(及び発行したワンタイムパスワードの入力)、あるいは生体認証等の認証処理が行い得るようにし、当該認証処理の結果が正常である場合に当該ロック状態が解除されるように構成すればよい。
ここまで説明したメダルレス遊技機によれば、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、例えば、メダル投入口5やメダル払出口11等の一部の外部構造、あるいはセレクタ31やホッパー装置32等の一部の内部構造についてはこれを設ける必要がなくなることから、遊技機の原価や製造コストを削減することができるのみならず、遊技機の消費電力を減らすことができる。また、遊技機の内部にアクセスすることがより困難となることから、遊技機に対する不正行為を防止することができる。さらに、遊技者が遊技媒体に直接的に接触しないことから、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
(メダルレス遊技機の構成例)
続いて、図34を参照して、パチスロ機1をメダルレス遊技機として構成した場合の構成例について説明する。図34は、メダルレス遊技機の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、メダル数制御基板(遊技価値管理装置)が設けられた場合の構成例について説明する。
上述のとおり、メダル数制御基板は、主制御基板71に接続され、遊技者が保有するメダル数(遊技価値数)を管理する。また、メダル数制御基板は、接続端子板(通信装置)を介して通信専用ユニット(遊技価値提供装置)に接続される。また、メダル数制御基板は、接続端子板及び通信専用ユニットを介し、出玉管理装置に対して出玉管理情報を送信する。また、メダル数制御基板には、メダル数制御回路(不図示)が搭載される。また、メダル数制御回路は、例えば、メダル数制御CPU(不図示)と、メダル数制御ROM(不図示)と、メダル数制御RWM(不図示)とを含んで構成される。
なお、出玉管理装置は、例えば、遊技機メーカが加入する組合(の情報センタ)が管理する出玉管理用のサーバであり、送信された出玉管理情報が出玉管理装置に蓄積されることで、各遊技機の射幸性が適切なものであるか否か(出玉性能)を監視可能にする目的で設けられるものである。
したがって、このような観点より、メダル数制御基板及び接続端子板は、主制御基板71と同様にパチスロ機1において重要な機能を担うものであることから、不正行為や不正改造を防止できる態様でパチスロ機1の内部に設けられている必要がある。図34に示す構成例1及び構成例2は、そのような態様の一例を示している。
<構成例1>
図34に示す構成例1は、メダル数制御基板及び接続端子板が、主制御基板71と同様に、主制御基板ケース内に収容されていることを示している。ここで、主制御基板ケースには、通常、その開放(あるいは取り外し)を困難とするため、あるいは開放された痕跡(あるいは開放された回数)を認識できるようにするための種々の封印処理が施されている(例えば、かしめによる封印や封印シールの貼付、あるいはかしめを切断した記録を記載するかしめシールの貼付等)。
したがって、メダル数制御基板及び接続端子板を主制御基板ケース内に収容すれば、主制御基板71と同様のセキュリティ効果を得ることができ、不正行為や不正改造を適切に防止できる。
<構成例2>
図34に示す構成例2は、メダル数制御基板及び接続端子板が、上述の構成例1とは異なり、主制御基板ケースとは別体に設けられたメダル数制御基板ケース内に収容されていることを示している。なお、メダル数制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成されるものとし、その内部に収容されたメダル数制御基板及び接続端子板が、容易に視認可能な状態で収容されるものとする。
ここで、構成例2のメダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様の封印処理が施される構成とすることもできるし、少なくともその一部の封印処理のみが施される構成とすることもできる。例えば、メダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様にかしめによる封印は行われるが、封印シールは貼付されないといった構成としてもよい。また、例えば、主制御基板ケースでは、予め定められたかしめシールを使用することが義務付けられるが、メダル数制御基板ケースでは、かしめシールとして任意のシールを使用することができるようにしてもよい。
<蓄積データ例>
図34に示す蓄積データ例は、出玉管理装置に蓄積される各種データの一例を示している。すなわち、メダル数制御基板が、接続端子板及び通信専用ユニットを介して出玉管理装置に送信する出玉管理情報の一例を示している。なお、これはあくまで一例であり、図34に示す各種の情報のうち、その一部を送信しない構成とすることもできるし、図34に示す各種の情報以外の情報を送信する構成とすることもできる。
また、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングも任意であるし、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングも任意である。出玉管理装置により、少なくとも一単位(例えば、遊技店の1営業日)ごとに各遊技機の出玉性能を監視可能とする態様であれば、いずれのタイミングで送信されるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングと、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングとは異なるタイミングであってもよい。また、例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングは、情報の種類に応じて異なるタイミングであってもよい。
蓄積データ「総投入枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積投入枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によってベットされたものを除き、遊技者のベット操作によってベットされた遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によって付与されたものを除き、遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「MY」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位中に発生した最大差枚数(要するに、一単位中において最も遊技価値が増加した期間で得られた差枚数。これを「MY」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、このような最大差枚数を算出し、算出した情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、各種役物の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、各種役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、各種役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「連続役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、連続役物(RB。BB作動中のRBを含む)の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、連続役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、連続役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
また、メダル数制御基板は、役比モニタ装置54に表示可能な各種の情報を所定のタイミング(例えば、役比モニタ装置54での算出時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、メダル数制御基板からの送信時点)で出玉管理装置に送信する。なお、蓄積データ「役物比率」は、例えば、上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「連続役物比率」は、例えば、上述の連続役物割合情報に相当し、蓄積データ「有利区間比率」は、例えば、上述の特定区間割合情報に相当し、蓄積データ「指示込役物比率」は、例えば、AT状態中も集計・算出の対象とした上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「役物等状態比率」は、例えば、各種役物の作動中も集計・算出の対象とした上述の特定区間割合情報に相当するものである。
蓄積データ「遊技回数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積遊技回数である。例えば、メダル数制御基板は、遊技が行われた遊技数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「主制御チップID番号」は、各遊技機の主制御回路100の個体識別番号(「CPUID」ともいう。これを「チップID番号」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップメーカコード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップ製品コード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。
蓄積データ「メダル数制御チップID番号」は、各遊技機のメダル数制御回路の個体識別番号である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップメーカコード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップ製品コード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
このように、出玉管理装置は、遊技機から送信された各種の情報(出玉管理情報)を蓄積可能としている。また、出玉管理情報には、遊技機の個体を識別可能な複数の個体識別情報(例えば、上述の「主制御チップID番号」〜「メダル数制御チップ製品コード」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの個体識別情報によって送信元の遊技機を特定することができるとともに、例えば、あるときから、「主制御チップID番号」と「メダル数制御チップID番号」との対応関係が異なるものとなった場合には、いずれかの制御基板が交換された可能性(すなわち、不正行為や不正改造が行われた可能性)を認識することができる。
また、出玉管理情報には、一単位あたりの出玉性能を識別可能な複数の出玉情報(例えば、上述の「総投入枚数」〜「遊技回数」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの出玉情報によって送信元の遊技機の射幸性が適切な範囲のものとなっているかを認識することができる。例えば、あるときから、「総払出枚数」や「指示込役物比率」が著しく高い値となった場合には、不正行為や不正改造が行われた可能性、あるいはそもそもの仕様設計に何らかの不備があった可能性等を認識することができる。
そして、出玉管理装置によって上述のような可能性が認識された場合には、遊技店あるいは遊技機メーカ等にその結果が知らされ、適切な対処が行われることが期待できる。すなわち、複数の管理遊技機と、管理遊技機から送信された出玉管理情報を出玉管理装置に送信する遊技価値提供装置(通信専用ユニット)と、送信された出玉管理情報に基づいて各管理遊技機の出玉性能を管理する出玉管理装置とを含む管理システムが構築されることで、管理下にある全ての管理遊技機を適切に管理することを可能としている。
<変形例1>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板によって、遊技者の保有する遊技価値数が管理されるように構成することができる。したがって、このような管理状況、あるいはその他の情報を遊技店の管理者が把握できるように、メダル数制御基板には、メダル数モニタ装置(不図示)が設けられるようにしてもよい。
メダル数モニタ装置は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、メダル数制御基板ケースの内部に設けられる。メダル数モニタ装置は、メダル数制御CPU(あるいは、メインCPU101であってもよい)によって集計・算出された遊技価値数に関する各種の情報(例えば、上述の出玉管理情報の一部又は全部)を順次表示する。なお、メダル数モニタ装置によって役比モニタ装置54の表示内容が全て表示されるのであれば、役比モニタ装置54を設けないようにしてもよい。あるいは、役比モニタ装置54をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
また、メダル数モニタ装置は、メダル数制御基板上に実装されるようにしてもよいし、メダル数制御基板に接続された他の基板(例えば、接続端子板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、メダル数モニタ装置における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に各種の情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
なお、メダル数モニタ装置は、自身に関連する各種エラー状態が発生したとき、発生したエラー状態の種類を表示するものとしてもよい。例えば、主制御基板71との通信エラーが発生した場合、接続端子板との通信エラーが発生した場合、遊技価値提供装置との通信エラーが発生した場合、あるいはメダル数制御RWMに異常が発生した場合等の場合には、これに対応する数値を表示するものとしてもよい。なお、この場合、表示された数値がいずれのエラー状態に対応するものであるかを遊技店の管理者が容易に認識可能とするため、メダル数制御基板ケース又はその近傍に、その対応関係を示す説明部(シールの貼付や印字等)を設けるようにすればよい。
<変形例2>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板は接続端子板を介して外部に出玉管理情報を送信するように構成することができる。ここで、本実施形態では、外部に情報を送信するものとして他に外部集中端子板55が設けられている。したがって、接続端子板と外部集中端子板55とを、例えば、以下のように構成することができる。
例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを共通の端子板として構成する。これにより、部品点数を削減することができるのみならず、外部に向けた配線も削減することができるため、セキュリティ効果を高めることができる。
また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを1つのユニットとして構成する。また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを少なくともキャビネットG内において近傍に配置する。これにより、接続時の作業効率を高めることができる。また、配線の長さを一定のものとすることができ、また、配線箇所を限定することもできるため、セキュリティ効果を高めることができる。
<変形例3>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、出玉管理装置に対して出玉管理情報が送信されるように構成することができる。また、出玉管理装置では、送信された出玉管理情報によって各メダルレス遊技機の出玉性能を適切に管理することができる。したがって、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
また、出玉性能を適切に管理する機能をメダル数制御基板にもたせるようにし、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
例えば、メダル数制御基板が、出玉監視用RWM(上述のメダル数制御RWMであってもよいし、別のRWMであってもよい)を含んで構成されるようにする。出玉監視用RWMは、例えば、設定変更時には初期化されるが、有利区間終了時には初期化されないようにして出玉を監視する。そして、監視した出玉が一定の閾値を超えた場合には、例えば、有利区間自体は強制的に終了させないが、ナビ発生確率を低下させたり、AT状態が延長される確率を低下させたり、あるいはAT状態自体は終了させたりして出玉性能を低下させる制御を行い得るものとする。このようにしても、出玉性能を適切に管理することが可能となる。なお、この場合、このような制御結果を出玉管理情報として出玉管理装置に送信可能としてもよい。すなわち、メダル数制御基板と出玉管理装置との双方において、各メダルレス遊技機の出玉性能を管理し得る構成としてもよい。
(パチスロ機の主制御基板の構成例)
続いて、図35を参照して、パチスロ機1の主制御基板71の構成例について説明する。図35は、主制御基板71の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、主制御基板71のリユース(再利用)の構成例について説明する。
上述のとおり、パチスロ機1では、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、その1つとして、主制御基板71上には、製造業者名及び基板管理番号を印字することが必要となっている。製造業者名は、パチスロ機1を製造する遊技機メーカ名であり、管理番号は、主制御基板71の型式を特定するための番号である。
<構成例1>
図35に示す構成例1は、主制御基板71において、製造業者名及び基板管理番号を従来のように文字にて印字していることを示している。ここで、図35に示す構成例1では、まず、株式会社BBによって当該主制御基板71が搭載されたパチスロ機1(以下、「機種A」として説明する)が製造されたものとする。このとき、当初は、下段の製造業者名「株式会社BB」及び基板管理番号「BB−00−11−22」しか印字されていない。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種B」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社AAは、印字されていた下段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号(例えば、図35に示す構成例1の上段の製造業者名「株式会社AA」及び基板管理番号「AA−00−11−22」)を新たに印字しなければならない。
そして、その後、機種Bが遊技店から撤去され、仮に、例えば、株式会社BBが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種C」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社BBは、印字されていた上段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号を新たに印字しなければならないわけであるが、図35に示す構成例1ではもう空きスペースがないため、ハードウェア的にはまだ十分にリユースが可能であるにもかかわらず、上述のような制約のために当該主制御基板71をリユースできない場合があるという問題があった。
なお、これは、当初から複数の製造業者名及び基板管理番号を印字していた場合であっても同様である。例えば、株式会社AAと株式会社BBの双方に係る製造番号及び基板管理番号が予め印字されていたとしても、機種Aを製造する時点で株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号はレーザー刻印で削除されてしまうからである。よって、株式会社BBではリユースできる可能性はあるものの、株式会社AAではリユースできなくなってしまう。これに対し、以下の構成例2及び構成例3では上述のような問題を解消することが期待できる。すなわち、主制御基板71のような遊技の制御に用いる基板について、そのリユース性を高めることができる。
<構成例2>
図35に示す構成例2は、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号の一例として、二次元コードであるQRコード(登録商標)を用いているが、JANコード(バーコード)や他のコードを用いることができる。すなわち、符号(コード)は、確認者が何らかの手段(例えば、携帯端末等)によって一義的に製造業者名及び基板管理番号を特定可能な情報を含むものであれば、どのようなものであってもよい。
図35に示す構成例2では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号が印刷される。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号が印刷され、右から1番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号が印刷され、右から2番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から3番目の符号をレーザー刻印で削除し、右から4番目の符号を印刷し、右から4番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれるようにすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
すなわち、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することで、主制御基板71の表面において、製造業者名及び基板管理番号の1個あたりの印字(印刷)スペースを節約することができるので、図35に示す構成例1と比べて、そのリユース性を高めることが可能となっている。
<構成例3>
図35に示す構成例3は、上述の構成例2と同様に、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例3では、当初から複数(例えば、4個)の符号が印刷されている。例えば、株式会社AA分及び株式会社BB分がそれぞれ2個ずつ印刷されているものとする。また、主制御基板71の表面(あるいは、これに対応する主制御基板ケース上であってもよい)において、各符号に対応する箇所を、例えば、帯状部材等によってかしめることにより、符号を読み取り不可能な状態に固定することを可能としている。また、例えば、帯状部材等を切断することにより、固定を解除して符号を読み取り可能な状態とすることを可能としている。
図35に示す構成例3では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から2番目〜4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、3番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、2番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から4番目の符号のみを読み取り可能な状態とし、右から1番目〜3番目の符号を読み取り不可能な状態とすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
また、図35に示す構成例3では、少なくとも1つの符号を読み取り可能な状態とし、それ以外の符号読み取り不可能な状態とすればよいのであるから、さらなるリユースも可能であり、また、より多くの遊技機メーカでリユースすることも可能である。なお、図35に示す構成例3においても、かしめ穴だけを設けておき、リユースの度にかしめ穴に対応する箇所に符号を印刷していくように構成することもできる。
[10.第2の遊技機]
続いて、図36〜図120を参照して、パチスロ機400の遊技性に関する仕様の他の一具体例について、これを「第2の遊技機」として説明する。なお、以下では、第2の遊技機は、3BET専用のパチスロ機であるとして説明する。すなわち、第2の遊技機においてスタートレバー7及びスタートスイッチ7Sは、3枚のメダルがベットされることで開始操作の検出が可能になる。
[パチスロ機の構造]
まず、図36を参照しながら、第2の遊技機であるパチスロ機400の構造について説明する。なお、図36は、パチスロ機400の外部構造を示す図である。
[筐体]
図36に示すパチスロ機400の筐体500は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DD2とを有している。キャビネットGと上ドア機構UDは、上述のパチスロ機1(図1参照)と同じであるため、説明を省略する。
下ドア機構DD2は、その上部の略中央部に設けられたメイン表示窓4と、メイン表示窓4の背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたリールユニットRU2とを有している。
リールユニットRU2は、4個のリール3A(第1リール),3B(第2リール),3C(第3リール),3D(第4リール)を主体に構成されている。各リール3A,3B,3C,3Dは、例えば、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のリール帯から構成され、リール帯には、複数(例えば、20個)の図柄がリールの回転方向に沿って所定の間隔を空けて描かれている。また、各リール3A,3B,3C,3Dは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。メイン表示窓4は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、各リール3A,3B,3C,3Dの周面上の図柄について少なくとも一部(例えば、3個)を視認可能としている。また、各リール3A,3B,3C,3Dの内部には、少なくともメイン表示窓4から図柄が視認される位置に光源(後述のランプ・LED類に含まれるリールランプ)が設けられ、少なくとも各リール3A,3B,3C,3Dが回転中であるときにはこれらを内部から一定の輝度で照明することで、図柄の視認性を確保している。
また、下ドア機構DDは、上述の台座部の下方において、略中央部に設けられた4個のストップボタン8A,8B,8C,8Dを有している。各ストップボタン8A,8B,8C,8Dは、各リール3A,3B,3C,3Dに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の遊技操作(停止操作)を受付ける操作部である。
サブ演出表示部22、演出用ボタン10b、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、精算ボタン9、演出用ボタン10a、メダル投入口5、情報表示装置14、スタートレバー7、施錠機構15、腰部パネル13、メダル受皿12、メダル払出口11、及び透音孔24a,24bは、上述のパチスロ機1(図1参照)と同じであるため、説明を省略する。
なお、本実施形態では、キャビネットG内が上部空間と下部空間とに仕切られていることに対応して上ドア機構UD及び下ドア機構DD2を設けることとしているが、キャビネットGにおける開口を適切に開閉可能とする限り、単一のドア機構として構成することもできるし、3つ以上のドア機構として構成することもできる。また、前後方向に二重に構成されたドア機構(例えば、外扉と内扉等)として構成することもできる。また、上ドア機構UD及び下ドア機構DD2は、単に「扉」や「ドア」と称することもできるし、キャビネットGにおける開口を開閉可能とする部材として機能するため、「開閉部材」、「扉部材」、あるいは「ドア部材」等と称することもできる。
[変動表示部]
各リール3A,3B,3C,3Dは、スタートレバー7が操作されると(遊技者によって開始操作が行われると)、後述のステッピングモータ51A,51B,51C,51Dが駆動制御されることにより回転を開始する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が変動表示される。また、各リール3A,3B,3C,3Dは、各ストップボタン8A,8B,8C,8Dが操作されると(遊技者によって停止操作が行われると)、後述のステッピングモータ51A,51B,51C,51Dが駆動制御されることによりそれぞれの回転を停止する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が停止表示される。
すなわち、各リール3A,3B,3C,3D及びメイン表示窓4は、複数の図柄を複数列に変動表示(及び停止表示)可能な変動表示部(手段)、あるいは複数の図柄を変動表示(及び停止表示)可能な複数の変動表示部(手段)を構成する。なお、変動表示部(手段)は、「図柄表示部(手段)」や「可変表示部(手段)」等と称することもできる。また、図柄は、「絵柄」や「柄」等と称することもできるし、遊技者が視認により識別可能な情報であればよいことから、その意味において「識別情報」等と称することもできる。
また、メイン表示窓4は、各リール3A,3B,3C,3Dの回転が停止されたとき、それぞれについて連続して配置された3個の図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、メイン表示窓4は、各列において上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する(メイン表示窓4の枠内には、3行×4列の態様で図柄が表示される)。なお、メイン表示窓4は、「図柄表示領域」や「窓部」等と称されることがある。
また、メイン表示窓4には、有効ラインが定義される。有効ラインは、遊技者の停止操作に応じて全ての列の図柄が停止表示されたときに、規定された図柄の組合せが表示されたか否かを判定するためのラインである。その意味において、有効ラインは、「入賞ライン」や「判定ライン」等と称することもできる。また、有効ラインは、各列の各領域のいずれかを結ぶラインとして構成される。すなわち、メイン表示窓4が3行×4列の態様で図柄を表示するように構成される場合、最大81通りの有効ラインを定義することが可能である。もっとも、実際には、そのうちの一又は複数通りのラインを有効ラインとして定義し、他のラインは有効ラインではない無効ラインとして定義することができる。第2の遊技機では、有効ラインが、第1リール3Aの中段領域、第2リール3Bの中段領域、第3リール3Cの中段領域、及び第4リール3Dの下段領域を結ぶライン(中−中−中−下)のみと定義される。
また、有効ラインが有効化されるためには、遊技者の開始操作に先立って、今回の遊技に必要な分の(遊技開始可能枚数分の)メダルがベットされている必要があるが、有効化される有効ライン数は、ベット数にかかわらず同じであってもよいし、ベット数に応じて変動してもよい。
なお、本実施形態では、変動表示部が、4個のリール3A,3B,3C,3Dと、各列において3個ずつの図柄を表示可能とするメイン表示窓4とを有することで、3行×4列の態様で図柄を表示するものとしていたが、変動表示部における図柄表示態様はこれに限られない。例えば、リール数を1個、2個、3個、あるいは5個以上とし、また、例えば、各列における図柄の表示数を1個、2個、あるいは4個以上とすることで上述の態様とは異なる態様で図柄を表示することもできる。また、この場合、定義可能な有効ライン数も適宜増減する。
また、本実施形態では、変動表示部が、各リール3A,3B,3C,3Dを回転させることによって図柄を変動表示するものとしていたが、変動表示部の構成はこれに限られない。例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220と同様の画像表示装置を用いた構成としてもよいし、その他の表示装置(例えば、有機ELや7セグメントLED等)を用いた構成としてもよい。また、例えば、その他の物理的装置(例えば、ベルト等)を用いた構成としてもよい。また、変動表示部の配置や大きさ等は適宜変更可能である。
また、本実施形態では、変動表示部が、後述の主制御回路100によって制御される、遊技に直接関連するメイン側表示部として機能とするものとしていたが、これとともに、後述の副制御回路200によって制御される、遊技に直接関連しない演出に関連するサブ側表示部としての変動表示部を設けるようにしてもよい。なお、サブ側表示部は、例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220を用いた構成とすることができる。すなわち、遊技者の開始操作(あるいは、その他開始条件の成立)に応じて図柄を変動表示させ、遊技者の停止操作(あるいは、その他停止条件の成立)に応じて図柄を停止表示させる変動表示部として、メイン側表示部のみならず、サブ側表示部を設けるようにしてもよい。なお、この場合、遊技者が変動表示部について遊技に直接関連するものであるか否かを識別可能とするため、メイン側表示部の近傍には、「回胴」ないし「メインリール」といった文字が表示された識別表示を付しておき、当該変動表示部がメイン側表示部であることを識別可能とすればよい。なお、このような識別表示は、メイン表示装置210やサブ表示装置220において表示されるようにしてもよい。
[ストップボタン]
上述のとおり、パチスロ機400は、各リール3A,3B,3C,3Dに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の停止操作を受付ける各ストップボタン8A,8B,8C,8Dを備える。また、このような開始操作は、後述のストップスイッチ8Sによって検出される。したがって、各ストップボタン8A,8B,8C,8D及びストップスイッチ8Sは、遊技者の停止操作を検出可能な停止操作検出部(手段)を構成する。なお、ストップボタンは、あくまで遊技者の停止操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[パチスロ機の電気的構成]
続いて、図37を参照して、パチスロ機400の電気的構成について説明する。なお、図37は、パチスロ機400の電気的構成を示すブロック図である。
上述のとおり、パチスロ機400は、主制御基板71と、副制御基板72と、主中継基板73と、副中継基板74とを有している。主制御基板71、副制御基板72、主中継基板73、及び副中継基板74は、上述のパチスロ機1(図1参照)と同じであるため、説明を省略する。
主制御基板71には、ステッピングモータ51A,51B,51C,51D、設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、役比モニタ装置54、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34が電気的に接続されている。また、主制御基板71には、主中継基板73を介して、ドア開閉監視スイッチ56、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14が電気的に接続されている。なお、仮に試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302が搭載される場合には、例えば、主中継基板73を介して主制御基板71に電気的に接続される。
ステッピングモータ51A,51B,51C,51Dは、それぞれ所定の減速比をもったギアを介して各リール3A,3B,3C,3Dに接続され、その駆動により各リール3A,3B,3C,3Dを回転及び停止させる。なお、各ステッピングモータ51A,51B,51C,51Dに対して1回のパルスが出力されるごとに、各リール3A,3B,3C,3Dが一定の角度で回転することから、メインCPU101は、各ステッピングモータ51A,51B,51C,51Dに対してパルスを出力した回数をカウントし、このカウント結果に基づいて各リール3A,3B,3C,3Dの図柄位置を管理する。また、各リール3A,3B,3C,3Dには、このような管理を行うための初期位置を定めるリールインデックス(不図示)と、リールインデックスの位置を検出するためのインデックスセンサ(不図示)が設けられる。
[第2の遊技機]
続いて、図38〜図120を参照して、パチスロ機400の遊技性に関する仕様の一具体例について、これを「第2の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第2の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第1の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
第2の遊技機では、遊技状態として、非ボーナス状態と、ボーナス状態とが設けられる。また、非ボーナス状態は、後述の「RB」(レギュラーボーナス)が持越されているRBフラグ間状態と、後述の「BB」(ビッグボーナス)が持越されているBBフラグ間状態と、いずれのボーナス役も当籤していない(持越されていない)非フラグ間とを含んで構成される。なお、非フラグ間は、一般状態とする。また、ボーナス状態は、「RB」に係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行するRB作動状態と、「BB」に係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行するBB作動状態とを含んで構成される。
また、第2の遊技機では、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)で遊技を行うことが可能となっている。なお、「ベット」とは、遊技に供するため、遊技者が3枚のメダルをメダル投入口5に対して投入すること、遊技者がMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してクレジットから3枚分のメダルを掛けること、及びリプレイ役の入賞によって自動的に3枚分のメダルが掛けられることのいずれもが含まれる。
[RT状態の遷移]
続いて、図38を参照して、第2の遊技機におけるRT状態の遷移を説明する。図38は、第2の遊技機におけるRT状態の遷移を説明するための図である。
図38に示すように、第2の遊技機では、RT状態として、リプレイの内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0状態〜RT3状態の4種類の状態を設ける。設定変更操作による初期化が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に、RT状態は、RT0状態にセットされる。
第2の遊技機では、ボーナス役として、第一種特別役物(RB)と、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)とを設けている。RB作動状態は、予め定められた任意の入賞回数(例えば、上限は8回)又は予め定められた任意の遊技回数(例えば、上限は12回)の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。BB作動状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は55枚)を超えるメダルの払出があった場合に終了する遊技状態として構成される。また、BB作動状態では、RBが自動的に作動するように構成され、BBの作動中は常にRBの作動中となるように制御される。なお、第2の遊技機では、BBとRBとを設けているが、RBのみを設けるようにしてもよい。
RT0状態において、「RB」に当籤してRBフラグ間状態になると、RT状態は、RT0状態からRT2状態に移行する。RT2状態であって、後述の有利区間である場合は、「RB」に係る図柄の組合せの表示を回避する停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)をメイン表示装置210及び指示モニタで行う。また、RT0状態において、「BB」に当籤してBBフラグ間状態になると、RT0状態からRT2状態に移行する。BBフラグ間状態は、出玉(第1の遊技機において説明された「出玉」と同じ)に係る抽籤を行わない。一般状態において、「BB」に当籤した場合は、BBの作動及び終了、RBフラグ間状態に移行するまで、メイン表示装置210で準備中又は待機中等の表示を行い、RBフラグ間状態に移行すると、準備中又は待機中の表示を終了させる。
「RB」に係る図柄の組合せが表示されてRB作動状態に移行すると、RT状態は、RT2状態からRT3状態に移行する。また、「BB」に係る図柄の組合せが表示されてBB作動状態に移行すると、RT状態は、RT2状態からRT3状態に移行する。
RB作動状態又はBB作動状態が終了すると、一般状態に移行し、RT状態は、RT2状態からRT1状態に移行する。その後、設定変更操作による初期化が行われる、又はその他の初期化条件が成立するまで、RT0状態に移行することは無い。すなわち、RT1状態において、「RB」に当籤してRBフラグ間状態になると、RT状態は、RT1状態からRT2状態に移行する。また、RT1状態において、「BB」に当籤してBBフラグ間状態になると、RT1状態からRT2状態に移行する。
なお、設定変更操作による初期化は、遊技状態、及び、リセットスイッチ53のオン・オフ状態に応じて、指定格納領域の全てのデータをクリアするか、一部の遊技状態をクリアするかを決定するようにしてもよい。また、設定用鍵型スイッチ52及びリセットスイッチ53がオン状態で電源が立ち上げられた場合は、遊技状態にかかわらず全てのデータをクリアするようにしてもよい。また、設定用鍵型スイッチ52がオン状態、かつ、リセットスイッチ53がオフ状態で電源が立ち上げられた場合に、RBフラグ間状態であるとRB持ち越しフラグを初期化しないようにしてもよく、また、BBフラグ間状態であるとBB持ち越しフラグも含めて全てのデータをクリアするようにしてもよい。
[第2の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図39を参照して、第2の遊技機の図柄配置構成について説明する。図39は、第2の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図40に示すように、第2の遊技機では、「赤7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「巻物」、「チェリー」、「ブランク1」、「ブランク2」、「上シンボル」及び「下シンボル」の10種類の図柄が、各リール3A,3B,3C,3Dそれぞれにおいて図39に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1〜10が割り当てられている。
[第2の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図40〜図49を参照して、第2の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図40及び図41は、第2の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図42及び図43は、第2の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図44〜図49は、第2の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。すなわち、以下では、第2の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
まず、第2の遊技機では、内部抽籤処理において、図40及び図41に示す各内部当籤役が、図40及び図41に示す確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に表示が許可される図柄の組合せは、図40及び図41中、「対応する図柄組合せ」に示したとおりである。また、図42及び図43中、「内容」に示す「RB」、「BB」はボーナス役に係る図柄の組合せを示し、「RP」は、リプレイ役に係る図柄の組合せを示し、「NM」は、小役に係る図柄の組合せを示している。
「F_通常リプ1」は、非ボーナス状態(RT0、RT1、RB内部中(RBフラグ間状態)、BB内部中(BBフラグ間状態))において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図44、図46、図48に示すように、「F_通常リプ1」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作が第1リール3A(リールA)であれば、「RP01」(CLリプ)又は「RP04」(XUリプ)が表示され、再遊技が付与される。また、第1停止操作が第2リール3B(リールB)、第3リール3C(リールC)、又は第4リール3D(リールD)であれば、「RP02」(TLリプ)、「RP03」(TLリプ)、[RP05](XDリプ)、「RP06」(XDリプ)のいずれかが表示され、再遊技が付与される。
「RP01」は、第1リール3A〜第3リール3Cにおいて「リプレイ」図柄を中段一直線に表示させるものであることから「中段リプ(CLリプ)」と称することができる。また、「RP04」は、第1リール3A〜第3リール3Cにおいて「リプレイ」図柄を右上がりに表示させるものであることから、これを「右上がりリプ(XUリプ)」と称することができる。「RP02」、「RP03」は、第1リール3A〜第3リール3Cにおいて「リプレイ」図柄を上段一直線に表示させるものであることから、これを「上段リプ(TLリプ)」と総称することができる。[RP05]、「RP06」は、第1リール3A〜第3リール3Cにおいて「リプレイ」図柄を右下がりに表示させるものであることから、これを「右下がりリプ(XDリプ)」と総称することができる。
「F_通常リプ2」は、非ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図44、図46、図48に示すように、「F_通常リプ2」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールAであれば、「RP01」(CLリプ)が表示され、再遊技が付与される。また、第1停止操作がリールB、リールC、又はリールDであれば、「RP02」(TLリプ)、「RP03」(TLリプ)、[RP05](XDリプ)、「RP06」(XDリプ)のいずれかが表示され、再遊技が付与される。
「F_通常リプ3」は、非ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図44、図46、図48に示すように、「F_通常リプ3」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールAであれば、「RP01」(CLリプ)が表示され、再遊技が付与される。また、第1停止操作がリールB、リールC、又はリールDであれば、「RP02」(TLリプ)、「RP03」(TLリプ)のいずれかが表示され、再遊技が付与される。
「F_RB中1枚」は、ボーナス状態(RB作動状態及びBB作動状態)において、内部当籤役として決定可能に構成されている。ボーナス状態である場合に、「F_RB中1枚」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず「NM30」〜「NM80」のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_RB中ベル」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。ボーナス状態である場合に、「F_RB中ベル」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず「NM01」〜「NM29」のいずれかが表示され、15枚のメダルが払出される。
「F_共通ベル」は、非ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図44、図46、図48に示すように、「F_共通ベル」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず「NM13」〜「NM15」のいずれかが表示され、15枚のメダルが払出される。
「F_打順ベル01」〜「F_打順ベル24」は、非ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図44、図46、図48に示すように、「F_打順ベル01」〜「F_打順ベル24」は、第1、第2、第3停止操作の選択で構成される24択(24個の打順のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、「NM01」〜「NM12」のいずれかが表示され、15枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、「NM30」〜「NM58」のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。例えば、「F_打順ベル01」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA、第2停止操作がリールB、第3停止操作がリールCであれば、正解押し順となり、「NM01」(C_12ベル)が表示され、15枚のメダルが払出される。一方、第1停止操作がリールA、第2停止操作がリールB、第3停止操作がリールCでなければ、「NM30」(S_打順ミス01)、「NM34」(S_打順ミス03)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_中段チェ1」は、非ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図44、図46、図48に示すように、「F_中段チェ1」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM17」(S_中段チェ1)、「NM18」(S_中段チェ2)のいずれかが表示され、15枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールBであれば、「NM04」(C_21ベル)が表示され、15枚のメダルが払出される。また、第1停止操作がリールCであれば、「NM09」(C_34ベル)が表示され、15枚のメダルが払出される。
「F_中段チェ2」は、非ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図44、図46、図48に示すように、「F_中段チェ2」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM16」(S_確定役)、「NM17」(S_中段チェ1)、「NM18」(S_中段チェ2)のいずれかが表示され、15枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールBであれば、「NM04」(C_21ベル)が表示され、15枚のメダルが払出される。また、第1停止操作がリールCであれば、「NM09」(C_34ベル)が表示され、15枚のメダルが払出される。
「F_弱チェ」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。「F_弱チェ」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず「NM19」(C_弱チェA)、「NM20」(S_弱チェB)、「NM22」(S_強チェ2)、「NM47」(S_打順ミス11)、「NM55」(S_打順ミス19A)のいずれかが表示される。図45、図47に示すように、ボーナス状態又はRB内部中である場合に、第1停止操作がリールA、リールB、又はリールCであれば、19/20の確率で「NM20」(S_弱チェB)、「NM22」(S_強チェ2)、「NM47」(S_打順ミス11)、「NM55」(S_打順ミス19A)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払い出され、1/20の確率で「NM19」(C_弱チェA)が表示されて2枚のメダルが払い出される。第1停止操作がリールDであれば、18/20の確率で「NM20」(S_弱チェB)、「NM22」(S_強チェ2)、「NM47」(S_打順ミス11)、「NM55」(S_打順ミス19A)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払い出され、2/20の確率で「NM19」(C_弱チェA)が表示されて2枚のメダルが払い出される。なお、本実施形態では、押し順が第4リールD、第3リールC、第2リールB、第1リールAの順序であり、第4リールDに対する停止操作が下段にチェリーが表示される押下タイミングであった場合は、「NM19」(C_弱チェA)が表示されて2枚のメダルが払い出される。図49に示すように、BB内部中である場合は、停止操作態様にかかわらず1/2の確率で「NM20」(S_弱チェB)、「NM22」(S_強チェ2)、「NM47」(S_打順ミス11)、「NM55」(S_打順ミス19A)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払い出され、1/2の確率で「NM19」(C_弱チェA)が表示されて2枚のメダルが払い出される。
「F_強チェ1」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_強チェ1」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM21」(S_強チェ1)、「NM22」(S_強チェ2)、「NM23」(S_強チェ3)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールB又はリールCであれば、「NM20」(S_弱チェB)、「NM30」(S_打順ミス01)、「NM47」(S_打順ミス11)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_強チェ2」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_強チェ2」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM22」(S_強チェ2)が表示され、1枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールB又はリールCであれば、「NM20」(S_弱チェB)、「NM30」(S_打順ミス01)、「NM47」(S_打順ミス11)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_弱スイカ1」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_弱スイカ1」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM26」(C_BLスイカ1)、「NM28」(C_CLスイカ1)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールB又はリールCであれば、「NM30」(S_打順ミス01)が表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_弱スイカ2」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_弱スイカ2」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM24」(C_XUスイカ1)、「NM28」(C_CLスイカ1)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールB又はリールCであれば、「NM30」(S_打順ミス01)が表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_強スイカ1」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_強スイカ1」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM26」(C_BLスイカ1)、「NM27」(C_BLスイカ2)、「NM28」(C_CLスイカ1)、「NM29」(C_CLスイカ2)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールB又はリールCであれば、「NM30」(S_打順ミス01)が表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_強スイカ2」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_強スイカ2」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM24」(C_XUスイカ1)、「NM25」(C_XUスイカ2)、「NM28」(C_CLスイカ1)、「NM29」(C_CLスイカ2)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールB又はリールCであれば、「NM30」(S_打順ミス01)が表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」は、RB内部中、又はBB内部中において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図47に示すように、RB内部中である場合に、「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」は、第1停止操作の選択で構成される4択(4個の打順のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、「NM30」〜「NM33」、「NM56」〜「NM61」のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった(不正解の押し順で停止操作が行われた)場合には、「RB」(C_RB)が表示される場合がある。例えば、「F_RB1枚01」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールAであれば、正解押し順となり、「NM30」(S_打順ミス01)、「NM56」(C_打順ミス19B)、「NM59」(C_打順ミス20B)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、第1停止操作がリールAでなければ、不正解の押し順となり、1/3の確率で「NM30」(S_打順ミス01)、「NM56」(C_打順ミス19B)、「NM59」(C_打順ミス20B)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。「NM30」、「NM56」、「NM59」のいずれも表示できなかった場合は、「RB」(C_RB)が表示される。
図49に示すように、BB内部中である場合に、「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」が内部当籤役として決定された場合は、停止操作態様にかかわらず「NM30」〜「NM33」、「NM56」〜「NM61」のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。例えば、「F_RB1枚01」が内部当籤役として決定された場合は、「NM30」(S_打順ミス01)、「NM56」(C_打順ミス19B)、「NM59」(C_打順ミス20B)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_排他1枚1」は、RB内部中、又はBB内部中において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図47、図49に示すように、「F_排他1枚1」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず、1/3の確率で「NM31」(C_打順ミス02A)、「NM37」(C_打順ミス06A)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払出される。また、2/3の確率でいずれの表示役も表示されない。
「F_排他1枚2」は、RB内部中、又はBB内部中において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図47、図49に示すように、「F_排他1枚2」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず、1/3の確率で「NM32」(C_打順ミス02B)、「NM38」(C_打順ミス06B)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払出される。また、2/3の確率でいずれの表示役も表示されない。
「F_排他1枚3」は、RB内部中、又はBB内部中において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図47、図49に示すように、「F_排他1枚3」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず、1/3の確率で「NM33」(C_打順ミス02C)、「NM39」(C_打順ミス06C)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払出される。また、2/3の確率でいずれの表示役も表示されない。
「F_共通1枚A」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_共通1枚A」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず、「NM31」(C_打順ミス02A)、「NM32」(C_打順ミス02B)、「NM33」(C_打順ミス02C)、「NM37」(C_打順ミス06A)、「NM38」(C_打順ミス06B)、「NM39」(C_打順ミス06C)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払出される。
「F_共通1枚B」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_共通1枚B」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず、「NM34」(S_打順ミス03)、「NM40」(C_打順ミス07A)、「NM41」(C_打順ミス07B)、「NM42」(C_打順ミス07C)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払出される。
「F_打順BB01」〜「F_打順BB10」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47に示すように、RB内部中又はボーナス状態である場合に、「F_打順BB01」〜「F_打順BB10」が内部当籤役として決定された場合は、停止操作態様にかかわらず「NM40」、「NM41」、「NM44」、「NM45」、「NM62」〜「NM80」のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。例えば、「F_打順BB01」が内部当籤役として決定された場合は、「NM44」(C_打順ミス08B)、「NM45」(S_打順ミス09)、「NM62」(C_BBFLW)、「NM63」(C_BBK1A)、「NM64」(C_BBK1B)、「NM65」(C_BBK1C)「NM76」(C_BBK共通2)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。
図49に示すように、BB内部中である場合に、「F_打順BB01」〜「F_打順BB09」が内部当籤役として決定された場合は、第1、第2停止操作の選択で構成される12択(12個の打順のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順BBとなっている。対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、3/4の確率で「BB」(C_BB)が表示され、1/4の確率で「NM41」、「NM44」、「NM45」、「NM63」〜「NM72」、「MN75」〜「MN80」のいずれかが表示される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、1/4の確率で「NM41」、「NM44」、「NM45」、「NM63」〜「NM72」、「MN75」〜「MN80」のいずれかが表示され、3/4の確率でいずれの表示役も表示されない。例えば、「F_打順BB01」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA、第2停止操作がリールBであれば、正解押し順となり、3/4の確率で「BB」(C_BB)が表示され、1/4の確率で「NM44」、「NM45」、「NM62」〜「NM65」、「MN76」のいずれかが表示される。一方、第1停止操作がリールA、第2停止操作がリールBでなければ、1/4の確率で「NM44」、「NM45」、「NM62」〜「NM65」、「MN76」のいずれかが表示され、3/4の確率でいずれの表示役も表示されない。
図49に示すように、BB内部中である場合に、「F_打順BB10」が内部当籤役として決定された場合は、第1停止操作の選択で構成される4択(4個の打順のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順BBとなっている。対応する正解押し順(第1停止操作がリールD)で停止操作が行われた場合には、9/16の確率で「BB」(C_BB)が表示され、7/16の確率で「NM40」、「NM62」、「NM73」、「MN74」のいずれかが表示される。一方、対応する正解押し順以外(第1停止操作がリールD以外)で停止操作が行われた場合には、1/4の確率で「NM44」、「NM45」、「NM62」〜「NM65」、「MN76」のいずれかが表示され、3/4の確率でいずれの表示役も表示されない。
「RB+F_弱チェ」、「RB+F_強チェ1」、「RB+F_強チェ2」、「RB+F_弱スイカ1」、「RB+F_弱スイカ2」、「RB+F_強スイカ1」、「RB+F_強スイカ2」、「BB+F_RB1枚01」〜「BB+F_RB1枚12」、「RB+F_排他1枚1」、「RB+F_排他1枚2」、「RB+F_排他1枚3」、「RB+F_共通1枚A」、「BB+F_共通1枚B」、「RB+F_打順BB01」〜「RB+F_打順BB10」は、RT0状態、又はRT1状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。すなわち、一般状態(RT0状態、RT1状態)である場合に、「RB」は、「F_弱チェ」、「F_強チェ1」、「F_強チェ2」、「F_弱スイカ1」、「F_弱スイカ2」、「F_強スイカ1」、「F_強スイカ2」、「F_排他1枚1」、「F_排他1枚2」、「F_排他1枚3」、「F_共通1枚A」、「F_打順BB01」〜「F_打順BB10」のいずれかと重複して当籤する。
図45に示すように、「RB+F_弱チェ」、「RB+F_強チェ1」、「RB+F_強チェ2」、「RB+F_弱スイカ1」、「RB+F_弱スイカ2」、「RB+F_強スイカ1」、「RB+F_強スイカ2」、「RB+F_排他1枚1」、「RB+F_排他1枚2」、「RB+F_排他1枚3」、「RB+F_共通1枚A」、「RB+F_打順BB01」〜「RB+F_打順BB10」の停止操作態様と表示役との対応関係は、図47に示す「F_弱チェ」、「F_強チェ1」、「F_強チェ2」、「F_弱スイカ1」、「F_弱スイカ2」、「F_強スイカ1」、「F_強スイカ2」、「F_排他1枚1」、「F_排他1枚2」、「F_排他1枚3」、「F_共通1枚A」、「F_打順BB01」〜「F_打順BB10」の停止操作態様と表示役との対応関係と同じである。すなわち、一般状態(RT0状態、RT1状態)において、「RB」が、「F_弱チェ」、「F_強チェ1」、「F_強チェ2」、「F_弱スイカ1」、「F_弱スイカ2」、「F_強スイカ1」、「F_強スイカ2」、「F_排他1枚1」、「F_排他1枚2」、「F_排他1枚3」、「F_共通1枚A」、「F_打順BB01」〜「F_打順BB10」のいずれかと重複して当籤した遊技では、停止操作態様にかかわらず、「RB」に係る図柄の組合せが表示されない(図45参照)。
一方、RB内部中(RBフラグ間状態)において、「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」のいずれかが当籤した遊技では、「RB」に係る図柄の組合せが表示される場合がある(図47参照)。すなわち、RB内部中(RBフラグ間状態)において、「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」のいずれかが当籤した遊技では、正解押し順で停止操作が行われると、「RB」に関わる図柄の組合せは表示されず、1枚のメダルが払出される図柄の組合せが表示される。そして、正解押し順で停止操作が行われない場合は、1枚のメダルが払出される図柄の組合せが表示されない場合に、「RB」に関わる図柄の組合せが表示される。
また、一般状態(RT0状態、RT1状態)である場合に、「BB」は、「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」、「F_共通1枚B」のいずれかと重複して当籤する。図45に示すように、「BB+F_RB1枚01」〜「BB+F_RB1枚12」、「BB+F_共通1枚B」の停止操作態様と表示役との対応関係は、図47に示す「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」、「F_共通1枚B」の停止操作態様と表示役との対応関係と同じである。すなわち、一般状態(RT0状態、RT1状態)において、「BB」が、「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」、「F_共通1枚B」のいずれかと重複して当籤した遊技では、停止操作態様にかかわらず、「BB」に係る図柄の組合せが表示されない(図45参照)。
一方、BB内部中(BBフラグ間状態)において、「F_打順BB01」〜「F_打順BB10」のいずれかが当籤した遊技では、「BB」に係る図柄の組合せが表示される場合がある(図49参照)。すなわち、BB内部中において、「F_打順BB01」〜「F_打順BB10」のいずれかが当籤した遊技では、正解押し順で停止操作が行われると、1枚のメダルが払出される図柄の組合せが表示されない場合に、「BB」に関わる図柄の組合せが表示される。そして、正解押し順で停止操作が行われない場合は、「BB」に関わる図柄の組合せは表示されず、1枚のメダルが払出される図柄の組合せが表示される場合がある。
[第2の遊技機の遊技性]
続いて、図50を参照して、第2の遊技機における遊技の流れについて説明する。図50は、第2の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図である。
[遊技状態の遷移]
図50に示すように、第2の遊技機では、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間及び有利区間に大別され、有利区間には、さらに通常区間、疑似ボーナス区間、及び連チャンゾーン区間が設けられる。非有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。非有利区間は、有利区間での遊技が終了したとき、設定変更操作が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に制御される初期状態としての制御状態である。
通常区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である点は非有利区間と同様であるが、後述するように、マップ種別の決定が行われる点において非有利区間とは異なる。通常区間は、マップ種別等によって疑似ボーナス区間移行(付与)の期待度を変動可能とし、遊技者が通常遊技を行う通常状態としての制御状態である。疑似ボーナス区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。すなわち、疑似ボーナス区間は、遊技者がメダルを増加させることができる有利状態としての制御状態である。
また、連チャンゾーン区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である点は非有利区間と同様であるが、後述するように、マップ移行が行われる点において非有利区間とは異なる。連チャンゾーン区間は、マップ種別等によって疑似ボーナス区間移行(付与)の期待度を変動可能とし、遊技者が通常遊技を行う通常状態としての制御状態である。また、連チャンゾーン区間では、通常区間とは異なるマップ種別を決定可能であり、通常区間よりも疑似ボーナス区間移行(付与)の期待度が高い。
非有利区間では、遊技毎に、有利区間移行条件が満たされたか否かが判断される。有利区間移行条件が満たされた場合は、非有利区間から有利区間に移行する。第2の遊技機において、有利区間移行条件は、所定の内部当籤役が決定されることである。そして、所定の内部当籤役は、「不当せん(RB・BB中のみ)」、「F_通常リプ2」、「F_通常リプ3」、「F_RB中1枚」、及び「F_RB中ベル」以外の役としている。なお、非有利区間から有利区間への移行は、RBフラグ間状態、BBフラグ間状態、RB作動状態、BB作動状態においても可能である。
また、非有利区間では、所定の内部当籤役が決定された場合に、疑似ボーナスの当籤・非当籤が決定される。この場合に決定可能な疑似ボーナスの種別は、「REGボーナス」、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」である。また、非有利区間において所定の内部当籤役が決定され、「REGボーナス」が決定された場合は、疑似ボーナスの種別を「BIGボーナス」に変更する。なお、非有利区間において所定の内部当籤役が決定され、「BIGボーナス」又は「超BIGボーナス」が決定された場合は、疑似ボーナスの種別を変更しない。しかし、非有利区間において所定の内部当籤役が決定され、「BIGボーナス」が決定された場合に、疑似ボーナスの種別を「超BIGボーナス」に変更したり、その他の特典を付与したりしてもよい。
有利区間に移行したゲームの次のゲーム(以下、「有利区間移行の次ゲーム」とする。)には、後述するテーブル種別抽籤が行われ、そのときのRT状態に応じてテーブル種別が決定される。決定されたテーブル種別は、疑似ボーナスが決定されるまで基本的に変更されない。また、有利区間の通常区間及び連チャンゾーン区間では、テーブル種別に応じてマップ種別が決定され、決定されたマップ種別に応じて疑似ボーナスの当籤・非当籤が決定される。疑似ボーナスの当籤が決定された場合は、疑似ボーナス区間への移行が決定される。
有利区間の1G目におけるRT状態がRT0状態である場合は、RT1〜RT3状態である場合よりも、遊技者にとって有利なテーブル種別が決定され易い。遊技者にとって有利なテーブル種別は、疑似ボーナスの当籤に有利なマップ種別が決定され易い。したがって、有利区間の1G目におけるRT状態がRT0状態である場合は、RT1、RT2状態である場合よりも、疑似ボーナスに当籤する確率が高くなる。
(通常区間)
非有利区間から直接疑似ボーナス区間に移行する場合を除き、有利区間移行時は、基本的に通常区間から開始される。通常区間には、高確率ゾーンと、BIG確ゾーンが設けられている。通常区間では、所定期間(約200G)毎に、マップ種別が決定される。また、通常区間では、マップ種別に応じて疑似ボーナスの当籤・非当籤が決定される。高確率ゾーンは、通常区間の1〜200Gまでに設定されている。高確率ゾーンにおいて決定可能な疑似ボーナスの種別は、「REGボーナス」、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」である。高確率ゾーンは、BIG確ゾーンよりも疑似ボーナスが決定される期待度が高い。高確率ゾーンにおいて、疑似ボーナスが決定される際に、「REGボーナス」が決定される確率と、「BIGボーナス」が決定される確率は、ほぼ同じに設定されている。なお、本発明の係る遊技機としては、疑似ボーナスに当籤する際に「REGボーナス」が決定される確率と、「BIGボーナス」が決定される確率を異ならせてもよい。例えば、高確率ゾーンにおいて疑似ボーナスが決定されることが特定回連続し、疑似ボーナスの種別が全て「REGボーナス」であった場合に、「REGボーナス」が決定される確率よりも、「BIGボーナス」が決定される確率を高くしてもよい。
高確率ゾーンにおいて疑似ボーナスの種別が決定されると、前兆G(ゲーム)数が決定され、その前兆G数の最終ゲームにおいて、決定(付与)された疑似ボーナスの種別が報知される。以下、疑似ボーナスが決定された際に決定される前兆G数を本前兆G数とし、本前兆G数に到達するまでの遊技を本前兆中とする。高確率ゾーン中に「REGボーナス」が決定し、本前兆中にBIG確ゾーンに移行した場合は、決定していた「REGボーナス」を「BIGボーナス」に変更する。一方、高確率ゾーン中に「BIGボーナス」又は「超BIGボーナス」が決定し、本前兆G数の遊技を消化中にBIG確ゾーンに移行した場合は、決定した疑似ボーナスの種別を変更しない。
BIG確ゾーンは、通常区間の201G〜天井まで設定されている。BIG確ゾーンの天井は、951G+前兆G数である。すなわち、有利区間の951Gにおいて「BIGボーナス」又は「超BIGボーナス」が決定し、そのときに決定された前兆G数の最終ゲームにおいて疑似ボーナスの決定(付与)、及び疑似ボーナスの種別が報知される。BIG確ゾーンにおいて決定可能な疑似ボーナスの種別は、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」である。すなわち、有利区間において200Gまでに疑似ボーナスに当籤しなかった場合は、その後に当籤する疑似ボーナスは、必ず「BIGボーナス」又は「超BIGボーナス」になる。
通常区間では、フェイク前兆を決定可能である。フェイク前兆が決定された場合は、フェイク前兆G数が決定され、そのフェイク前兆G数の最終ゲームにおいて、疑似ボーナスの決定(付与)が行われないことを報知する。以下、フェイク前兆G数に到達するまでの遊技をフェイク前兆中とする。通常区間では、フェイク前兆中に、疑似ボーナスを決定可能である。フェイク前兆中に疑似ボーナスが決定(付与)されたとき、残りのフェイク前兆G数が所定数以上である場合は、前兆G数を変えずに、フェイク前兆を本前兆に書き換える。この場合は、決定されていた前兆G数の最終ゲームにおいて、決定(付与)された疑似ボーナスの種別を報知する。また、フェイク前兆中に疑似ボーナスが決定(付与)されたとき、残りのフェイク前兆G数が所定数未満である場合は、前兆G数を延長して、フェイク前兆を本前兆に書き換える。この場合は、延長された前兆G数の最終ゲームにおいて、決定(付与)された疑似ボーナスの種別を報知する。
(疑似ボーナス区間)
疑似ボーナス区間には、「REGボーナス」、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」が設けられている。「REGボーナス」は、決定(付与)された疑似ボーナスの種別を報知した次の遊技から開始される。「REGボーナス」の終了条件は、押し順小役当籤時の押し順ナビが第1規定数に達することである。本実施形態に係る「REGボーナス」は、約75枚のメダルを獲得することができる。「REGボーナス」が終了すると、疑似ボーナス区間及び有利区間が終了し、非有利区間に移行する。
「BIGボーナス」は、決定(付与)された疑似ボーナスの種別を報知した次の遊技から開始される。「BIGボーナス」の終了条件は、押し順小役当籤時の押し順ナビが第2規定数に達することである。本実施形態に係る「BIGボーナス」は、約500枚のメダルを獲得することができる。「BIGボーナス」が終了すると、連チャンゾーン区間が開始される。また、「BIGボーナス」中は、「1G連」抽籤を行う。「1G連」抽籤に当籤した場合は、「BIGボーナス」がストックされる。「BIGボーナス」がストックされると、連チャンゾーン区間の1G目において、「BIGボーナス」の当選(付与)がメイン表示装置210等によって報知される。そして、次のゲームから「BIGボーナス」が開始される。「1G連」抽籤は、「強チェ」(「F_強チェ1」、「F_強チェ2」)当籤時に行われ、非当籤であったときは「打順ミス」に係る図柄の組合せが表示される押し順(打順ナビ)が表示され、「強チェ」に当籤したことが遊技者に分からないようする。一方、「強チェ」当籤時の「1G連」抽籤が当籤であったときは、押し順(打順ナビ)を表示しない。すなわち、「強チェ」当籤時の「1G連」抽籤に当籤した場合は、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「強チェ」に係る図柄の組合せ(NM21〜NM23)が表示される。これにより、「1G連」抽籤に当籤したことを遊技者に示唆することができる。また、「1G連」抽籤は、「RB1枚」(「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」)当籤時に行われ、この場合は、当籤、非当籤にかかわらず、正解押し順(打順ナビ)を表示する。なお、既に「1G連」抽籤に当籤していて「BIGボーナス」がストックされているときは、「強チェ」又は「RB1枚」に当籤しても「1G連」抽籤を行わない。
「超BIGボーナス」は、疑似ボーナスの決定(付与)、及び疑似ボーナスの種別を報知した次の遊技から開始される。「超BIGボーナス」は、「BIGボーナス」の当籤と、さらに「BIGボーナス」のストックが決定されることである。すなわち、「超BIGボーナス」の決定(付与)がメイン表示装置210等によって報知されると、次の遊技から「BIGボーナス」が開始され、その「BIGボーナス」が終了すると、連チャンゾーン区間に移行する。そして、連チャンゾーン区間の1G目において、「BIGボーナス」の決定(付与)がメイン表示装置210等によって報知され、その次の遊技から「BIGボーナス」が開始される。したがって、本実施形態に係る「超BIGボーナス」は、約1000枚のメダルを獲得することができる。
疑似ボーナス(AT)中に「RB」、「BB」が作動状態になった場合は、疑似ボーナスを一時中断して、特殊状態を開始する。特殊状態では、「RB」、「BB」の作動中において減ったメダルの枚数をカウントする。そして、「RB」、「BB」の作動の終了後に、ナビ(すなわち、メダルの払出に係る役について遊技者に有利な停止操作の情報を報知)を行うことにより、減った分のメダルを還元する。具体的には、「RB」、「BB」の作動中に減ったメダル枚数を12で割った値(余りは切り捨て)をナビ回数に設定する。また、特殊状態中は、メイン表示装置210等に「状態復帰中」を表示し、疑似ボーナスが一時中断されていることを遊技者に報知する。特殊状態は、設定したナビ回数のナビ(減った分のメダルの還元)が終了し、且つ、RB内部中(持越し中)である場合におけるゲームの停止操作が終了したときに終了し、これにより、疑似ボーナスに復帰する。
(連チャンゾーン区間)
連チャンゾーン区間は、「BIGボーナス」の終了後から最大100Gまでに設定されている。連チャンゾーン区間の1G目には、テーブル種別が決定され、テーブル種別に応じたマップ種別が決定される。連チャンゾーン区間のテーブル種別は、有利区間の残りの期間(遊技数)に応じて、或いは疑似ボーナスが決定されているか否かに応じて決定される。また、連チャンゾーン区間では、マップ種別に応じて疑似ボーナスの当籤・非当籤が決定される。
連チャンゾーン区間において決定可能な疑似ボーナスの種別は、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」である。すなわち、連チャンゾーンにおいて疑似ボーナスが決定された場合は、疑似ボーナス区間の終了後に連チャンゾーン区間に移行することが決定される。連チャンゾーン区間は、高確率ゾーン及びBIG確ゾーンよりも疑似ボーナスが決定される期待度が高い。なお、連チャンゾーン区間に移行する前に疑似ボーナスの当籤が決定されている場合は、連チャンゾーン区間において疑似ボーナスの当籤は決定されない。
連チャンゾーン区間では、フェイク前兆を決定可能である。フェイク前兆が決定された場合は、フェイク前兆G数が決定され、そのフェイク前兆G数に亘るフェイク前兆演出が行われる。フェイク前兆演出では、最終ゲームにおいて、疑似ボーナスの決定(付与)が行われないことを報知する。フェイク前兆が終了すると、連チャンゾーン区間が終了し、有利区間が終了する。その結果、有利区間から非有利区間へ移行する。また、連チャンゾーン区間としては、開始と同時にフェイク前兆演出が開始されるもの(即前兆)がある。この場合は、フェイク前兆演出が終了しても、連チャンゾーン区間が終了せず、有利区間も終了しない。なお、本実施形態では、連チャンゾーン区間の終了条件を、フェイク前兆の終了としたが、本発明に係る連チャンゾーン区間の終了条件は、適宜設定することができる。例えば、連チャンゾーン区間に移行した際に、連チャンゾーン区間のゲーム数を決定するようにしてもよい。また、連チャンゾーン区間のゲーム数を予め定められた固定値にしてもよい。
(有利区間上限処理)
第2の遊技機では、上述の第1の遊技機(図1参照)と同様に、リミット処理を実行する。リミット処理としては、上述のゲーム数リミッタ(1500ゲーム)及び払出数リミッタ(2400枚)を採用している。第2の遊技機では、通常区間において、有利区間中のメダルの払出数が第1特定数(例えば、「1400」)以上となったとき、或いは有利区間ゲーム数カウンタの値が第1特定値(例えば、「1350」)以上となった場合に、「超BIGボーナス」及び「1G連」の抽籤を行わない。すなわち、遊技者が「超BIGボーナス」や「1G連」の恩恵を十分に享受できずにないリミット処理が行われる可能性がある場合に、「超BIGボーナス」や「1G連」の当籤を決定しないようにすることができる。これにより、遊技者に不快感を抱かせないようにすることができる。また、通常区間において、有利区間ゲーム数カウンタの値が第2特定値(例えば、「1479」)以下、且つ有利区間中のメダルの払出数が第2特定数(例えば、「2200」)以上となった場合、又は有利区間ゲーム数カウンタの値が第2特定値になった場合に、「BIGボーナス」を決定(付与)し、「BIGボーナス」の決定(付与)をメイン表示装置210等によって報知する。
疑似ボーナス区間において、有利区間中のメダルの払出数が払出数リミッタ(2400枚)を超えた場合、又は有利区間ゲーム数カウンタの値がゲーム数リミッタ(1500ゲーム)となった場合は、疑似ボーナス(有利区間)を終了し、メイン表示装置210等によって疑似ボーナス(有利区間)の終了を報知する。また、疑似ボーナス区間において、有利区間ゲーム数カウンタの値が第2特定値(例えば、「1479」)以下、且つ有利区間中のメダルの払出数が第2特定数(例えば、「2200」)以上となった場合、又は有利区間ゲーム数カウンタの値が第2特定値になった場合に、メイン表示装置210等によってエンディングを告知するエンディング演出が実行される。エンディング演出が行われた疑似ボーナスが終了すると、連チャンゾーン区間には移行せず、有利区間を終了する。なお、エンディング演出が行われた疑似ボーナス中に、有利区間中のメダルの払出数が払出数リミッタ(2400枚)を超えた場合、又は有利区間ゲーム数カウンタの値がゲーム数リミッタ(1500ゲーム)となった場合は、疑似ボーナスの途中であっても、疑似ボーナスを終了し、有利区間を終了する。また、疑似ボーナス(AT)、且つ「RB」、「BB」の作動中に有利区間の上限に達した場合は、次のゲームの開始操作が行われたときに、有利区間の終了をメイン表示装置210等によって報知する。
なお、第2の遊技機としては、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、払出数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、ゲーム数リミッタと払出数リミッタの双方を用いて有利区間のリミット処理を実行してもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタの作動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。
また、リミッタの種類も、上述のゲーム数リミッタ及び払出数リミッタのみに限られない。例えば、AT状態中の押し順小役のナビ回数(すなわち、メダルの払出に係る役について遊技者に有利な停止操作の情報が報知された回数)が所定回数(例えば、「400」回)となったときにリミット処理が実行されるナビ回数リミッタを設けるようにしてもよい。すなわち、射幸性を適切に抑制することができる限り、遊技に関する各種の条件を用いてリミット処理を実行することが可能である。
[高確率ゾーン・BIG確ゾーンのテーブル]
次に、図51及び図52を参照して、高確率ゾーン、及びBIG確ゾーンのテーブルについて説明する。図51は、第2の遊技機に係る高確率ゾーン、BIG確ゾーンのテーブル一覧表である。図52は、第2の遊技機に係る高確率ゾーン、BIG確ゾーンのテーブルとゾーンの対応表である。
図51に示すように、高確率ゾーン、BIG確ゾーンのテーブル種別は、テーブルA〜テーブルEである。上述したように、高確率ゾーン、BIG確ゾーンのテーブル種別は、有利区間移行の次ゲームで行われるテーブル種別抽籤によって決定される。テーブル種別が決定されると、疑似ボーナス(REGボーナス、BIGボーナス、超BIGボーナス)に当籤するまで基本的に変更されない。そして、テーブル種別に応じてMAP種別が決定される。MAP種別は、疑似ボーナスに当籤する期待度を左右する。
図51に示すように、テーブルAは、基本テーブルであり、テーブルB〜テーブルEよりも決定され易いテーブル種別である。テーブルAが決定される場合は、疑似ボーナスが必ず決定されるまでの遊技数(天井)が最も多い。図52に示すように、テーブルAが決定された場合は、有利区間の51〜100Gにおいて、疑似ボーナスが決定される期待度(以下、「AT当籤期待度」とする。)が「低」となる。AT当籤期待度は、「空白」、「低」、「中」、「高」、「確定」があり、AT当籤期待度「空白」が最も期待度が低く、「空白」、「低」、「中」、「高」、「確定」の順で期待度が高くなる。なお、AT当籤期待度「確定」の期間(ゾーン)は、疑似ボーナスが必ず決定される。テーブルAが決定された場合は、有利区間の951〜1000Gにおいて、AT当籤期待度「確定」となり、必ず疑似ボーナスが決定される。また、テーブルAが決定された場合は、有利区間の151〜200Gにおいて、AT当籤期待度「高」となり、有利区間の951〜1000Gを除くその他の期間よりも、疑似ボーナスが決定される確率が高くなる。
図51に示すように、テーブルBは、テーブルAよりも疑似ボーナスが決定される期待度が高いチャンステーブルAとされている。テーブルBが決定される場合は、テーブルAが決定される場合よりも、疑似ボーナスが必ず決定されるまでの遊技数(天井)が少ない。図52に示すように、テーブルBが決定された場合は、有利区間の751〜800Gにおいて、AT当籤期待度「確定」となり、疑似ボーナスが必ず決定される。また、テーブルBが決定された場合は、有利区間の151〜200Gにおいて、AT当籤期待度「高」となり、有利区間の751〜800Gを除くその他の期間よりも、疑似ボーナスが決定される確率が高くなる。
図51に示すように、テーブルCは、テーブルAよりも疑似ボーナスが決定される期待度が高いチャンステーブルBとされている。テーブルCが決定される場合は、テーブルBが決定される場合よりも、疑似ボーナスが必ず決定されるまでの遊技数(天井)が少ない。図52に示すように、テーブルCが決定された場合は、有利区間の551〜600Gにおいて、AT当籤期待度「確定」となり、疑似ボーナスが必ず決定される。また、テーブルCが決定された場合は、有利区間の151〜200Gにおいて、AT当籤期待度「高」となり、有利区間の551〜600Gを除くその他の期間よりも、疑似ボーナスが決定される確率が高くなる。
図51に示すように、テーブルDは、テーブルAよりも疑似ボーナスが決定される期待度が高いチャンステーブルCとされている。テーブルDが決定される場合は、テーブルCが決定される場合よりも、疑似ボーナスが必ず決定されるまでの遊技数(天井)が少ない。図52に示すように、テーブルDが決定された場合は、有利区間の351〜400Gにおいて、AT当籤期待度「確定」となり、疑似ボーナスが必ず決定される。また、テーブルDが決定された場合は、有利区間の151〜200Gにおいて、AT当籤期待度「高」となり、有利区間の351〜400Gを除くその他の期間よりも、疑似ボーナスが決定される確率が高くなる。
図51に示すように、テーブルEは、200ゲーム以内に疑似ボーナスが決定されるテーブルである。図52に示すように、テーブルEが決定された場合は、有利区間の151〜200Gにおいて、AT当籤期待度「確定」となり、疑似ボーナスが必ず決定される。また、テーブルEが決定された場合は、有利区間の51〜100Gにおいて、AT当籤期待度「低」となり、有利区間の151〜200Gを除くその他の期間よりも、疑似ボーナスが決定される確率が高くなる。
有利区間移行の次ゲームにおいて、RT状態がRT0状態である場合は、テーブルAが決定されず、テーブルB〜テーブルEが決定される。なお、決定されるテーブルはテーブルD又はテーブルEが決定されるようにしてもよく、また、テーブルEのみが決定されるようにしてもよい。一方、RT状態がRT1、RT2状態である場合は、テーブルAが決定され易い。したがって、RT状態がRT0状態である場合は、RT1、RT2状態である場合よりも、疑似ボーナスが決定される期待度が高い。
例えば、設定変更操作による初期化後の非有利区間において、「RB」に当籤し、且つ、当該ゲームで「RB」に係る図柄組合せが表示されなかった場合は、当該ゲームにおいてRB内部中(RBフラグ間状態)に移行するため、RT状態は、RT0状態からRT2状態に移行し、且つ、当該ゲームにおいて有利区間に移行する。したがって、有利区間移行の次ゲームにおいて、RT状態はRT2状態となるため、RT0状態に応じたテーブル種別抽籤は行われない。
一方、設定変更操作による初期化後の非有利区間において、「RB」や「BB」と重複当籤せず、且つ、有利区間に移行することが可能な内部当籤役に当籤した場合は、RT状態はRT0状態から変化せず、且つ、当該ゲームにおいて有利区間に移行する。その後、有利区間移行の次ゲームで、「RB」や「BB」に当籤した場合は、RT状態がRT0状態からRT2状態に移行するため、本来であればRT2状態に応じたテーブル種別抽籤が行われるところであるが、本実施形態では、有利区間に移行したゲームにおけるRT状態がRT0状態であったことを考慮して、RT0状態に応じたテーブル種別抽籤を行うようにしている。
また、設定変更操作による初期化後の非有利区間において、「BB」に当籤し、且つ、当該ゲームで「BB」に係る図柄組合せが表示されなかった場合は、当該ゲームにおいてBB内部中(BBフラグ間状態)に移行し、且つ、当該ゲームにおいて有利区間に移行する。上述したように、BBフラグ間状態は、出玉に係る抽籤(例えば、AT抽籤(疑似ボーナス抽籤))を行わない。そのため、遊技者に不手際が無いにもかかわらず、遊技者にとって不利な状態になる。しかも、BBフラグ間状態(RT2状態)であるため、本来ならばRT0状態に応じたテーブル種別抽籤も受けられない。そこで、本実施形態では、BBフラグ間状態は、テーブル種別抽籤を行わず、BB作動状態に移行してからBB作動中に応じたテーブル種別抽籤を行う。BB作動中に応じたテーブル種別抽籤は、RT0状態に応じたテーブル種別抽籤と同じように、テーブルB〜テーブルEが決定されるようにする。
[連チャンゾーンのテーブル]
次に、図53を参照して、連チャンゾーンのテーブルについて説明する。図53は、第2の遊技機に係る連チャンゾーンのテーブル一覧表である。
図53に示すように、連チャンゾーンのテーブル種別は、テーブルF〜テーブルIである。連チャンゾーンのテーブル種別は、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」、又は後述する「フリーズ」が決定された場合に、疑似ボーナスの種別、有利区間の残りの期間(遊技数)に応じて決定される。テーブルFは、疑似ボーナスの種別が「BIGボーナス」であり、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間(例えば、500G)以上である場合に決定される。テーブルGは、疑似ボーナスの種別が「BIGボーナス」であり、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間未満である場合に決定される。テーブルGが決定される場合は、連チャンゾーン区間において、「BIGボーナス」が決定されるまでの遊技数が最大100Gとなるマップ種別が決定されない。一方、テーブルFが決定される場合は、連チャンゾーン区間において、「BIGボーナス」が決定されるまでの遊技数が最大100Gとなるマップ種別が決定される。したがって、テーブルGが決定される場合は、テーブルFが決定される場合よりも、連チャンゾーン区間において、「BIGボーナス」が決定されるまでの遊技数が少なくなる(メダルが減少する期間が短くなる)。
テーブルHは、疑似ボーナスの種別が「フリーズ」である場合に決定される。「フリーズ」は、「超BIGボーナス」を決定すると共に、1G連に当籤する確率を高くする疑似ボーナスである。「フリーズ」は、確定役である「中段チェリー」(F_中段チェ1、F_中段チェ2)に当籤した場合、或いは、後述のAT種別抽籤で「フリーズ」に当籤した場合に決定される。「フリーズ」が決定された場合は、次のゲームにおいてロック演出が行われ、「超BIGボーナス」が決定(付与)されたことが報知される。テーブルIは、後述する特殊モードである場合に決定される。
[テーブル種別抽籤テーブル]
次に、図54〜図59を参照して、テーブル種別抽籤テーブルについて説明する。テーブル種別抽籤テーブルは、有利区間移行の次ゲームで行われるテーブル種別抽籤のために参照され、設定値ごとにテーブル種別の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図54〜図59に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図54は、有利区間移行の次ゲームにおいてRT状態がRT0状態である場合に参照されるテーブル種別抽籤テーブルである。図54に示すように、RT状態がRT0状態である場合は、テーブルAが当籤せず、テーブルBが当籤し易い。すなわち、有利区間移行の次ゲームにおいてRT状態がRT0状態である場合は、少なくとも有利区間の751〜800Gで疑似ボーナス(AT)が決定されるテーブルに当籤し易い。なお、有利区間移行の次ゲームにおいてRT状態がRT0である場合に、テーブルEを決定するようにしてもよい。この場合、有利区間の151〜200Gで疑似ボーナスが決定されるため、設定変更後の状態が、遊技者にとってより有利となる。
図55は、有利区間移行の次ゲームにおいてRT状態がRT0状態以外である場合に参照されるテーブル種別抽籤テーブルである。本実施形態では、RB作動状態(RT3状態)と、BB作動状態(RT3状態)に参照されるテーブル種別抽籤テーブルを設けている。そのため、RT状態がRT0状態以外である場合とは、実質的にRT1状態と、RT2状態のことである。図55に示すように、RT状態がRT0状態以外である場合は、テーブルAが当籤し易く、テーブルB〜テーブルEは相対的に当籤し難い。すなわち、有利区間移行の次ゲームにおいてRT状態がRT0状態以外である場合は、少なくとも有利区間の951〜1000Gで疑似ボーナス(AT)が決定されるテーブルに当籤し易い。
図56は、有利区間移行の次ゲームにおいてRB作動状態(RT3状態)である場合に参照されるテーブル種別抽籤テーブルである。RB作動状態(RT3状態)である場合は、設定値が高くなるにつれてテーブルCに当籤し易くなる。すなわち、有利区間移行の次ゲームにおいてRB作動状態(RT3状態)である場合は、設定値が高くなるにつれて、少なくとも有利区間の551〜600Gで疑似ボーナス(AT)が決定されるテーブルに当籤し易くなる。
図57は、有利区間移行の次ゲームにおいてBB作動状態(RT3状態)である場合に参照されるテーブル種別抽籤テーブルである。BB作動状態(RT3状態)である場合は、テーブルAが当籤せず、比較的テーブルBが当籤し易い。また、設定値が高くなるにつれてテーブルCに当籤し易くなる。すなわち、有利区間移行の次ゲームにおいてRB作動状態(RT3状態)である場合は、少なくとも有利区間の751〜800Gで疑似ボーナス(AT)が決定されるテーブルに比較的当籤し易く、設定値が高くなるにつれて、少なくとも有利区間の551〜600Gで疑似ボーナス(AT)が決定されるテーブルに当籤し易くなる。
[各ゾーンとMAP種別]
次に、図58及び図59を参照して、高確率ゾーン、BIG確ゾーン、及び連チャンゾーン区間のMAP種別について説明する。図58は、第2の遊技機に係るゾーンとMAPレベルの対応表である。図59は、第2の遊技機に係るMAPレベルと疑似ボーナスの当籤率の対応表である。
図58に示すように、高確率ゾーンのマップ種別は、高確_通常A、高確_通常B、高確_通常C、高確_天国である。高確率ゾーンのマップ種別は、有利区間移行の次ゲームで行われる通常マップ抽籤によって決定される。また、高確率ゾーンは、有利区間の1〜200Gであり、4つのブロックに分けられている。高確率ゾーンの第1ブロックは1〜50Gであり、第2ブロックは51〜100Gであり、第3ブロックは101〜150Gであり、第4ブロックは151G〜200Gである。高確率ゾーンの各マップ種別は、ブロック毎にMAPレベルを規定している。例えば、高確率ゾーンのマップ種別として、高確_通常Aが決定される場合は、第1ブロックがMAPレベル0、第2ブロックがMAPレベル1、第3ブロックがMAPレベル0、第4ブロックがMAPレベル2となる。
BIG確ゾーンのマップ種別は、BIG_通常A、BIG_通常B、BIG_通常C、BIG_天国である。BIG確ゾーンのマップ種別は、BIG確ゾーンにおいて200G毎に行われる通常マップ抽籤によって決定される。BIG確ゾーンは、有利区間の201〜1000Gであり、200G毎に4つのブロックに分けられている。例えば、BIG確ゾーンの第1ブロックは、201〜250G、401〜450G、601〜650G、801〜850Gである。BIG確ゾーンのマップ種別は、第1ブロック(4つ)の1G目で行われる通常マップ抽籤によって決定される。BIG確ゾーンの各マップ種別は、ブロック毎にMAPレベルを規定している。例えば、BIG確ゾーンのマップ種別として、BIG_通常Aが決定される場合は、第1ブロックがMAPレベル0、第2ブロックがMAPレベル0、第3ブロックがMAPレベル0、第4ブロックがMAPレベル1となる。
連チャンゾーン区間のマップ種別は、連_通常A、連_通常B、連_通常C、連_通常D、連_通常E、連_通常F、連_即弱前兆A、連_即弱前兆B、連_即弱前兆C、連_即強前兆A、連_強前兆B、連_強前兆C、連_特殊である。連チャンゾーン区間は、疑似ボーナス終了後から最大100Gであり、2つのブロックに分けられている。連チャンゾーン区間の第1ブロックは疑似ボーナス終了後の1〜50Gであり、第2ブロックは疑似ボーナス終了後の51〜100Gである。
連チャンゾーン区間のマップ種別は、第1ブロックの1G目で行われる連チャンゾーンマップ抽籤によって決定される。なお、連チャンゾーンマップ抽籤において参照されるテーブル種別は、連チャンゾーン区間に移行する前に行われていた「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」、又は「フリーズ」が決定された場合に決定されている。連チャンゾーン区間の各マップ種別は、ブロック毎にMAPレベルを規定している。例えば、連チャンゾーン区間のマップ種別として、連_通常Aが決定される場合は、第1ブロックがMAPレベル0、第2ブロックがMAPレベル1となる。なお、連_特殊は、後述する特殊モードである場合に決定可能なマップ種別である。
図59に示すように、第2の遊技に係るMAPレベルとしては、MAPレベル0〜MAPレベル6が設けられている。MAPレベル0のブロックは、疑似ボーナス当籤率「低」となる。疑似ボーナス当籤率「低」は、疑似ボーナスが決定される期待値が最も低い。MAPレベル0のブロックでは、抽籤によって前兆(前兆は、本前兆、及びフェイク前兆を含む)を行うか否かが決定される。また、MAPレベル0のブロックでは、抽籤によって強制前兆G数抽籤を行うか否かが決定される。強制前兆G数抽籤が行われた場合は、強制前兆G数が決定され、決定された強制前兆G数のゲームが行われると、MAPレベルに応じたAT抽籤が行われる。
MAPレベル1のブロックは、疑似ボーナス当籤率「通常」となる。疑似ボーナス当籤率「通常」は、疑似ボーナス当籤率「低」よりも疑似ボーナスが決定される期待値が高い。MAPレベル1のブロックでは、強制前兆G数抽籤が行われるため、必ず前兆が行われる。例えば、マップ種別がBIG_通常Aである場合は、第1〜第3ブロックがMAPレベル0であり、第4ブロックがMAPレベル1である。そのため、マップ種別がBIG_通常Aである場合は、第4ブロックにおいて必ず前兆が行われる。
MAPレベル2のブロックは、疑似ボーナス当籤率「高」となる。疑似ボーナス当籤率「高」は、疑似ボーナス当籤率「通常」よりも疑似ボーナスが決定される期待値が高い。MAPレベル2のブロックでは、強制前兆G数抽籤が行われるため、必ず前兆が行われる。例えば、マップ種別が高確_通常A、高確_通常B、高確_通常Cである場合は、第4ブロックがMAPレベル2である。そのため、マップ種別が高確_通常A、高確_通常B、高確_通常Cである場合は、第4ブロックにおいて、疑似ボーナスが決定される期待値が高くなる。
MAPレベル3のブロックは、疑似ボーナス当籤率「確定」となる。疑似ボーナス当籤率「確定」は、疑似ボーナスの当籤が確定する。MAPレベル3のブロックでは、強制前兆G数抽籤が行われるため、必ず前兆が行われる。例えば、マップ種別が高確_天国、BIG_天国A、BIG_天国Bである場合は、第4ブロックがMAPレベル3である。そのため、マップ種別が高確_天国、BIG_天国A、BIG_天国Bである場合は、第4ブロックにおいて、疑似ボーナスの当籤が確定する。
MAPレベル4のブロックは、疑似ボーナス当籤率「高」となる。MAPレベル4のブロックでは、開始時に前兆が開始される。また、MAPレベル4のブロックでは、強制前兆G数抽籤が行われない。例えば、マップ種別が連_即弱前兆A、連_即弱前兆B、連_即強前兆A連_即強前兆Bである場合は、第1ブロックがMAPレベル4である。そのため、マップ種別が連_即弱前兆A、連_即弱前兆B、連_即強前兆A連_即強前兆Bである場合は、第1ブロックの開始時(「BIGボーナス」終了後)に前兆が開始され、疑似ボーナスが決定される期待値が高くなる。
MAPレベル5のブロックは、疑似ボーナス当籤率「確定」となる。MAPレベル5のブロックでは、開始時に疑似ボーナスに当籤し、本前兆が開始される。また、MAPレベル5のブロックでは、強制前兆G数抽籤が行われる。例えば、マップ種別が連_即弱前兆C、連_即強前兆Cである場合は、第1ブロックがMAPレベル5である。そのため、マップ種別が連_即弱前兆C、連_即強前兆Cである場合は、第1ブロックの開始時(「BIGボーナス」終了後)に本前兆が開始される。
MAPレベル6のブロックは、疑似ボーナス当籤率「激低」となる。疑似ボーナス当籤率「激低」は、疑似ボーナス当籤率「低」よりも疑似ボーナスが決定される期待値が低い。MAPレベル6のブロックでは、強制前兆G数抽籤が行われるため、必ず前兆が行われる。MAPレベル6は、マップ種別が連_特殊である場合の第2ブロックのみに規定されている。
[通常マップ抽籤テーブル]
次に、図60〜図84を参照して、通常マップ抽籤テーブルについて説明する。本実施形態では、有利区間の1〜200Gをゾーン0と称し、201〜400Gをゾーン1と称する。また、有利区間の401〜600Gをゾーン2と称し、601〜800Gをゾーン3と称し、801〜1000Gをゾーン4と称する。通常マップ抽籤テーブルは、有利区間におけるゾーン0〜ゾーン4の1G目(200G毎)に行われる通常マップ抽籤のために参照され、設定値ごとにマップ種別の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図60〜図84に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図60は、ゾーン0においてテーブル種別がテーブルAである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図61は、ゾーン0においてテーブル種別がテーブルBである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図62は、ゾーン0においてテーブル種別がテーブルCである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図63は、ゾーン0においてテーブル種別がテーブルDである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図64は、ゾーン0においてテーブル種別がテーブルEである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図60〜図64に示すように、有利区間の1〜200Gであるゾーン0では、テーブル種別がテーブルA、テーブルBである場合に、マップ種別として高確_通常Aが当籤する。また、テーブル種別がテーブルDである場合は、マップ種別として高確_通常Cが当籤可能であり、テーブルEである場合は、マップ種別として高確_天国が当籤する。
図65は、ゾーン1においてテーブル種別がテーブルAである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図66は、ゾーン1においてテーブル種別がテーブルBである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図67は、ゾーン1においてテーブル種別がテーブルCである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図68は、ゾーン1においてテーブル種別がテーブルDである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図69は、ゾーン1においてテーブル種別がテーブルEである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図65〜図69に示すように、有利区間の201〜400Gであるゾーン1では、テーブル種別がテーブルA、テーブルEである場合に、マップ種別としてBIG_通常Aが当籤する。また、テーブルB、テーブルCである場合は、マップ種別としてBIG_通常A、BIG_通常Bが当籤可能であり、テーブルDである場合は、マップ種別としてBIG_天国A、BIG_天国Bが当籤可能である。
図70は、ゾーン2においてテーブル種別がテーブルAである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図71は、ゾーン2においてテーブル種別がテーブルBである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図72は、ゾーン2においてテーブル種別がテーブルCである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図73は、ゾーン2においてテーブル種別がテーブルDである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図74は、ゾーン2においてテーブル種別がテーブルEである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図70〜図74に示すように、有利区間の401〜600Gであるゾーン2では、テーブル種別がテーブルB、テーブルD、テーブルEである場合に、マップ種別としてBIG_通常Aが当籤する。また、テーブルAである場合は、マップ種別としてBIG_通常A、BIG_通常Bが当籤可能であり、テーブルCである場合は、マップ種別としてBIG_天国A、BIG_天国Bが当籤可能である。
図75は、ゾーン3においてテーブル種別がテーブルAである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図76は、ゾーン3においてテーブル種別がテーブルBである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図77は、ゾーン3においてテーブル種別がテーブルCである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図78は、ゾーン3においてテーブル種別がテーブルDである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図79は、ゾーン3においてテーブル種別がテーブルEである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図75〜図79に示すように、有利区間の601〜800Gであるゾーン3では、テーブル種別がテーブルA、テーブルC〜テーブルEである場合に、マップ種別としてBIG_通常Aが当籤する。また、テーブルBである場合は、マップ種別としてBIG_天国A、BIG_天国Bが当籤可能である。
図80は、ゾーン4においてテーブル種別がテーブルAである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図81は、ゾーン4においてテーブル種別がテーブルBである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図82は、ゾーン4においてテーブル種別がテーブルCである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図83は、ゾーン4においてテーブル種別がテーブルDである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図84は、ゾーン4においてテーブル種別がテーブルEである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図80〜図84に示すように、有利区間の801〜1000Gであるゾーン4では、テーブル種別がテーブルAである場合に、マップ種別としてBIG_天国Aが当籤する。また、テーブルB〜テーブルEである場合は、マップ種別としてマップ種別としてBIG_通常Aが当籤する。
[連チャンゾーンマップ抽籤テーブル]
次に、図85〜図88を参照して、連チャンゾーンマップ抽籤テーブルについて説明する。連チャンゾーンマップ抽籤テーブルは、有利区間における連チャンゾーンの1G目に行われる連チャンゾーンマップ抽籤のために参照され、設定値ごとにマップ種別の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図85〜図88に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図85は、連チャンゾーンにおいてテーブル種別がテーブルFである場合に参照される連チャンゾーンマップ抽籤テーブルである。図86は、連チャンゾーンにおいてテーブル種別がテーブルGである場合に参照される連チャンゾーンマップ抽籤テーブルである。図87は、連チャンゾーンにおいてテーブル種別がテーブルHである場合に参照される連チャンゾーンマップ抽籤テーブルである。図88は、連チャンゾーンにおいてテーブル種別がテーブルIである場合に参照される連チャンゾーンマップ抽籤テーブルである。
上述したように、テーブルFは、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間以上である場合に決定される。そして、図85に示すように、連チャンゾーンにおいてテーブルFである場合は、マップ種別として、連_通常A、連_通常B、連_通常Cが当籤し易い。連_通常A、連_通常B、連_通常Cは、連チャンゾーン区間の第1ブロックより第2ブロックの方が疑似ボーナスに当籤する期待値が高い(図58参照)。一方、テーブルGは、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間未満である場合に決定される。そして、図86に示すように、連チャンゾーンにおいてテーブルGである場合は、マップ種別として、連_通常D、連_通常E、連_通常Fが当籤し易い。連_通常D、連_通常E、連_通常Fは、連チャンゾーン区間の第2ブロックより第1ブロックの方が疑似ボーナスに当籤する期待値が高い(図58参照)。このように、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間未満である場合は、テーブルGを決定することにより、テーブルFを決定する場合よりも比較的早く疑似ボーナスに当籤するようにしている。その結果、メダルが増加する疑似ボーナス区間と疑似ボーナス区間の間の連チャンゾーン区間(メダルが減少する区間)を短くすることができ、遊技者が抱く不満を解消することができる。
上述したように、テーブルHは、疑似ボーナスの種別が「フリーズ」である場合に決定される。図87に示すように、連チャンゾーンにおいてテーブルHである場合は、マップ種別として、連_即強前兆B、連_即強前兆Cが当籤する。したがって、疑似ボーナスの種別が「フリーズ」である場合は、その後の連チャンゾーン区間のマップ種別として、連_即強前兆B、又は連_即強前兆Cが当籤する。また、テーブルIは、後述する特殊モードである場合に決定される。図88に示すように、連チャンゾーンにおいてテーブルIである場合は、マップ種別として、連_特殊が当籤する。したがって、特殊モードである場合は、連_特殊が当籤する。
[AT抽籤(疑似ボーナス抽籤)]
続いて、第2の遊技機に係るAT抽籤について説明する。第2の遊技機では、強制前兆G数到達時AT抽籤と、通常AT抽籤と、ATポイント到達時AT抽籤の3つのAT抽籤が設けられている。また、第2の遊技機では、当籤役が「中段チェリー」である場合に、AT抽籤を行わずに疑似ボーナス(AT)の当籤を決定する。上述したように、「中段チェリー」は、確定役であり、上述の「F_中段チェ1」、「F_中段チェ2」に対応する。
(強制前兆G数到達時AT抽籤)
強制前兆G数到達時AT抽籤は、有利区間の高確率ゾーン、BIG確ゾーン、連チャンゾーン区間において実行可能である。第2の遊技機では、高確率ゾーン、BIG確ゾーン、連チャンゾーン区間における各ブロック(50G刻み)の1G目に強制前兆G数抽籤を行うか否かが決定される。MAPレベル0のブロックでは、MAPレベル0時強制前兆突入抽籤によって強制前兆G数抽籤を行うか否かが決定される。また、MAPレベル1〜3、MAPレベル5、MAPレベル6のブロックでは、強制前兆G数抽籤を行うことが決定される。そして、MAPレベル4のブロックでは、強制前兆G数抽籤を行わないことが決定される。
強制前兆G数抽籤によって決定された強制前兆G数は、強制前兆ゲーム数カウンタにセットされる。強制前兆ゲーム数カウンタは、1ゲーム毎に1減算され、強制前兆ゲーム数カウンタの値が「0」になったゲームにおいて、強制前兆G数到達時AT抽籤が行われる。強制前兆G数到達時AT抽籤では、非当籤、フェイク当籤、本前兆当籤のいずれかが決定される。非当籤が決定された場合は、前兆は行われない。
フェイク当籤が決定された場合は、フェイク前兆ゲーム数が決定され、決定されたフェイク前兆ゲーム数に亘ってフェイク前兆演出が行われる。フェイク前兆演出の最終ゲームでは、疑似ボーナス(AT)に当籤していないことがメイン表示装置210等によって報知される。また、フェイク前兆演出が行われるゲームでは、フェイク前兆中AT抽籤が行われる。フェイク前兆中AT抽籤では、フェイク当籤を本前兆当籤に変更するか否かが決定される。なお、フェイク当籤を本前兆当籤に変更する場合は、疑似ボーナス(AT)の種別として「BIGボーナス」が決定される。また、フェイク当籤を本前兆当籤に変更する場合は、残りのフェイク前兆ゲーム数を本前兆ゲーム数にするか、残りのフェイク前兆ゲーム数に適当なゲーム数を加算して本前兆ゲーム数にするか否かが決定される。そして、本前兆ゲーム数に亘って本前兆演出が行われる。
本前兆当籤が決定された場合は、AT種別抽籤が行われる。AT種別抽籤では、「REGボーナス」、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」、「フリーズ」のいずれかが決定される。AT種別抽籤によって「REGボーナス」、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」が決定された場合は、本前兆ゲーム数が決定され、決定された本前兆ゲーム数に亘って本前兆演出が行われる。一方、AT種別抽籤によって「フリーズ」が決定された場合は、本前兆演出が行われず、次ゲームにおいて、「超BIGボーナス」に当籤したことがメイン表示装置210等により報知される。
本前兆演出が行われるゲームでは、本前兆中AT種別昇格抽籤が行われる。本前兆中AT種別昇格抽籤では、「REGボーナス」を「BIGボーナス」に昇格するか否か、又は「BIGボーナス」を「超BIGボーナス」に昇格するか否かが決定される。AT種別抽籤において「超BIGボーナス」が決定されている場合は、本前兆中AT種別昇格抽籤を行わない。本前兆演出の最終ゲームでは、当籤した(最終的に決定された)疑似ボーナス(AT)の種別が、メイン表示装置210等により報知される。
(通常AT抽籤)
通常AT抽籤は、非有利区間と有利区間において行われる。非有利区間では、有利区間に移行可能な当籤役(「不当せん(RB・BB中のみ)」、「F_通常リプ2」、「F_通常リプ3」、「F_RB中1枚」、及び「F_RB中ベル」以外の役)が決定された場合に通常AT抽籤を行う。一方、有利区間では、非前兆中に通常AT抽籤を行う。通常AT抽籤では、非当籤、当籤のいずれかが決定される。通常AT抽籤により当籤が決定された場合の遊技の流れは、上述した本前兆当籤が決定された場合と同じである。一方、通常AT抽籤により非当籤が決定された場合は、疑似ボーナスに当籤せず、フェイク前兆突入抽籤が行われる。フェイク前兆突入抽籤では、非当籤、当籤のいずれかが決定される。フェイク前兆突入抽籤により非当籤が決定された場合は、フェイク前兆演出は行われない。フェイク前兆突入抽籤により当籤が決定された場合の遊技の流れは、上述したフェイク当籤が決定された場合と同じである。
(ATポイント到達時AT抽籤)
第2の遊技機では、有利区間、且つRB内部中において、「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」のいずれかが当籤した遊技では、「RB」に係る図柄の組合せの表示を回避する停止操作態様(正解押し順)が報知される。そして、回避する停止操作態様で停止操作が行われると、「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」に係る図柄の組合せが表示される。また、「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」のいずれかが当籤した場合は、ATポイントとして1ポイントが付与される。付与されたATポイントカウンタに加算される。そして、ATポイントカウンタの値が所定値(本実施形態では12ポイント)に達した場合に、ATポイント到達時AT抽籤を行う。詳しく説明すると、ATポイントカウンタの値が所定値に到達した次のゲーム以降において、連チャンゾーン区間ではなく、非前兆中であって、且つ「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」以外の内部当籤役が当籤した場合に、ATポイント到達時AT抽籤を行う。このとき、ATポイントカウンタの値が所定値より大きければ、ATポイントカウンタの値から所定値を減算し、残ったポイントは、持ち越される。ATポイント到達時AT抽籤では、非当籤、当籤のいずれかが決定される。ATポイント到達時AT抽籤により当籤が決定された場合の遊技の流れは、上述した本前兆当籤が決定された場合と同じである。一方、通常AT抽籤により非当籤が決定された場合は、疑似ボーナスに当籤せず、フェイク前兆ゲーム数が決定され、決定されたフェイク前兆ゲーム数に亘ってフェイク前兆演出が行われる。また、ATポイントカウンタは、非有利区間移行時にリセットされる。なお、「BIGボーナス」及び「超BIGボーナス」の当籤時又は終了時においてATポイントカウンタをリセットするようにしてもよい。
[MAPレベル0時強制前兆突入抽籤テーブル]
次に、図89を参照して、MAPレベル0時強制前兆突入抽籤テーブルについて説明する。MAPレベル0時強制前兆突入抽籤テーブルは、高確率ゾーン、BIG確ゾーン、連チャンゾーン区間における各ブロック(50G刻み)の1G目がMAPレベル0である場合に行われるMAPレベル0時強制前兆突入抽籤のために参照され、設定値ごとに当籤・非当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図89に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
[強制前兆ゲーム数抽籤テーブル]
次に、図90を参照して、強制前兆ゲーム数抽籤テーブルについて説明する。強制前兆ゲーム数抽籤テーブルは、高確率ゾーン、BIG確ゾーン、連チャンゾーン区間における各ブロック(50G刻み)の1G目で行う強制前兆ゲーム数抽籤のために参照され、設定値ごとに強制前兆ゲーム数の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図90に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
[強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブル]
次に、図91〜図97を参照して、強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルについて説明する。強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルは、強制前兆ゲーム数カウンタの値が「0」になったゲームで行う強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤のために参照され、設定値ごとに非当籤、フェイク当籤、本前兆当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図91〜図97に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図91は、MAPレベル0である場合に参照される強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルである。図91に示すように、MAPレベル0である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、本前兆当籤が決定され易い。すなわち、MAPレベル0である場合にMAPレベル0時強制前兆突入抽籤により強制前兆ゲーム数抽籤が行われることが決定されると、本前兆当籤が決定され易い。図92は、MAPレベル1である場合に参照される強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルである。MAPレベル1である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、フェイク当籤が決定され易い。図93は、MAPレベル2である場合に参照される強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルである。MAPレベル2である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、MAPレベル1である場合よりも本前兆当籤が決定され易い。
図94は、MAPレベル3である場合に参照される強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルである。MAPレベル3である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、本前兆当籤が決定される。したがって、図58に示すように、MAPレベル3が規定されているマップ種別が決定されると、必ず疑似ボーナス(AT)が当籤(確定)する。図95は、MAPレベル4である場合に参照される強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルである。MAPレベル4である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、非当籤が決定される。なお、MAPレベル4である場合は、強制前兆ゲーム数抽籤が行われないため、基本的に強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤は行われない。
図96は、MAPレベル5である場合に参照される強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルである。MAPレベル5である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、非当籤が決定される。図58に示すように、MAPレベル5が規定されているマップ種別が決定されると、必ず疑似ボーナス(AT)が当籤(確定)する。本実施形態では、MAPレベル5である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、疑似ボーナスに当籤せず、通常AT抽籤において、疑似ボーナス(AT)に必ず当籤するように設定されている。図97は、MAPレベル6である場合に参照される強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルである。MAPレベル6である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、フェイク当籤が決定される。
[通常AT抽籤テーブル]
次に、図98〜図105を参照して、通常AT抽籤テーブルについて説明する。通常AT抽籤テーブルは、非前兆中のゲームで行う通常AT抽籤のために参照され、当籤役と、設定値ごとに当籤・非当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図98〜図105に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。また、図98以降に示す当籤役の「リプレイ」は、「F_通常リプ1」〜「F_通常リプ3」に対応し、「RB1枚」は、「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」に対応する。「弱チェ」は、「F_弱チェ」に対応し、「弱スイカ」は、「F_弱スイカ1」、「F_弱スイカ2」に対応する。「強チェ」は、「F_強チェ1」、「F_強チェ2」に対応し、「強スイカ」は、「F_強スイカ1」、「F_強スイカ2」に対応する。
図98は、テーブル種別無し(非有利区間)である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。テーブル種別無しである場合の通常AT抽籤では、例えば、当籤役が「強チェ」、であるとき、疑似ボーナス(AT)が決定される。図99は、MAPレベル0である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。MAPレベル0である場合の通常AT抽籤では、例えば、当籤役が「強チェ」であるとき、約1/10の確率で疑似ボーナス(AT)が決定される。図100は、MAPレベル1である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。MAPレベル1である場合の通常AT抽籤では、例えば、当籤役が「強チェ」であるとき、約1/3の確率で疑似ボーナス(AT)が決定される。図101は、MAPレベル2である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。MAPレベル2である場合の通常AT抽籤では、例えば、当籤役が「強チェ」であるとき、約3/4の確率で疑似ボーナス(AT)が決定される。
図102は、MAPレベル3である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。MAPレベル3である場合の通常AT抽籤では、例えば、当籤役が「強チェ」であるとき、255/256の確率で疑似ボーナス(AT)が決定される。図103は、MAPレベル4である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。MAPレベル4である場合の通常AT抽籤では、例えば、当籤役が「弱チェ」、「弱スイカ」、「強チェ」、「強スイカ」のいずれであっても、疑似ボーナス(AT)が決定される。図104は、MAPレベル5である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。MAPレベル5である場合の通常AT抽籤では、いずれの当籤役であっても、疑似ボーナス(AT)が決定される。図105は、MAPレベル6である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。MAPレベル6である場合の通常AT抽籤では、例えば、当籤役が「強チェ」であるとき、2/256の確率で疑似ボーナス(AT)が決定される。
[ATポイント到達時AT抽籤テーブル]
次に、図106を参照して、ATポイント到達時AT抽籤テーブルについて説明する。ATポイント到達時AT抽籤テーブルは、ATポイントカウンタの値が所定値(本実施形態では12ポイント)に達した際に行うATポイント到達時AT抽籤のために参照され、当籤役と、設定値ごとに当籤・非当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図106に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
[フェイク前兆中AT抽籤テーブル]
次に、図107を参照して、フェイク前兆中AT抽籤テーブルについて説明する。フェイク前兆中AT抽籤テーブルは、フェイク前兆中(フェイク前兆演出中)のゲームで行うフェイク前兆中AT抽籤のために参照され、当籤役と、設定値ごとに当籤・非当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図107に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。フェイク前兆中AT抽籤により疑似ボーナスの当籤が決定された場合は、AT種別抽籤を行わずに、疑似ボーナスの種別として「BIGボーナス」が決定される。
[本前兆中AT種別昇格抽籤テーブル]
次に、図108及び図109を参照して、本前兆中AT種別昇格抽籤テーブルについて説明する。本前兆中AT種別昇格抽籤テーブルは、本前兆中(本前兆演出中)のゲームで行う本前兆中AT種別昇格抽籤のために参照され、当籤役と、設定値ごとに当籤・非当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図108及び図109に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図108は、決定されている疑似ボーナスの種別が「REGボーナス」である場合に参照される本前兆中AT種別昇格抽籤テーブルである。図109は、決定されている疑似ボーナスの種別が「BIGボーナス」である場合に参照される本前兆中AT種別昇格抽籤テーブルである。図108及び図109に示すように、「BIGボーナス」から「超BIGボーナス」の昇格よりも、「REGボーナス」から「BIGボーナス」の昇格の方が決定され易い。
[AT種別抽籤テーブル]
次に、図110〜図114を参照して、AT種別抽籤テーブルについて説明する。AT種別抽籤テーブルは、各種AT抽籤により疑似ボーナス(AT)の当籤が決定された場合に行うAT種別抽籤のために参照され、設定値ごとに疑似ボーナスの種別の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図110〜図114に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図110は、連チャンゾーン区間である場合に参照されるAT種別抽籤テーブルである。図110に示すように、連チャンゾーン区間である場合は、疑似ボーナスの種別として「REGボーナス」は決定されず、「BIGボーナス」又は「超BIGボーナス」が決定される。図111は、有利区間の201G以降である場合に参照されるAT種別抽籤テーブルである。図111に示すように、連チャンゾーン区間である場合は、疑似ボーナスの種別として「REGボーナス」は決定されない。図112は、特殊ON時(特殊モード)である場合に参照されるAT種別抽籤テーブルである。図112に示すように、特殊ON時(特殊モード)である場合は、「超BIGボーナス」は決定されない。図113は、有利区間の1〜100Gである場合に参照されるAT種別抽籤テーブルである。図114は、有利区間の101〜200Gである場合に参照されるAT種別抽籤テーブルである。図113及び図114に示すように、有利区間の1〜100Gである場合は、「REGボーナス」と「BIGボーナス」がほぼ同じ確率で決定される。
[中段チェリー時AT種別抽籤テーブル]
次に、図115〜図116を参照して、中段チェリー時AT種別抽籤テーブルについて説明する。中段チェリー時AT種別抽籤テーブルは、「中段チェリー」当籤により疑似ボーナス(AT)の当籤が決定された場合に行う中段チェリー時AT種別抽籤のために参照され、設定値ごとに疑似ボーナスの種別の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図115〜図116に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図115は、連チャンゾーン区間以外(通常)で「中段チェリー」に当籤した場合に参照される中段チェリー時AT種別抽籤テーブルである。図116は、連チャンゾーン区間で「中段チェリー」に当籤した場合に参照される中段チェリー時AT種別抽籤テーブルである。図115及び図116に示すように、中段チェリー時AT種別抽籤では、「REGボーナス」は当籤しない。また、連チャンゾーン区間以外(通常)で「中段チェリー」に当籤した場合は、「フリーズ」に当籤する可能性があるが、連チャンゾーン区間で「中段チェリー」に当籤した場合は、「フリーズ」には当籤しない。
[安定状態(特殊モード)・荒波状態(非特殊モード)]
第2の遊技機では、有利区間の制御状態(遊技状態やモードや内部状態と言い換えてもよい)として、「安定状態」と「荒波状態」を設ける。「安定状態」は、上述した「特殊モードON」であり、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は少なくなるものの、遊技者の遊技価値が減りにくい。また、「荒波状態」は、「特殊モードOFF」であり、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすい。なお、第2の遊技機では、内部状態として「安定状態」と「荒波状態」を設けたが、内部状態の数は、2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。本発明に係る内部状態としては、例えば、「第1安定状態」、「第2安定状態」、「第1荒波状態」、及び「第2荒波状態」を設けてもよい。
第2の遊技機では、第4ブロック(151G〜200G)のフェイク前兆(演出)が開始されるゲームにおいて、特殊書き換え抽籤を行う。特殊書き換え抽籤では、特殊モードのON・OFFに応じてフェイク前兆を本前兆に書き換えるか否かを決定する。特殊書き換え抽籤時に「安定状態」(特殊モードON)である場合は、「荒波状態」(特殊モードOFF)である場合よりも、本前兆に書き換えられやすい。また、「安定状態」(特殊モードON)で通常AT抽籤を行う場合は、そのときのMAPレベルが「MAPレベル1」又は「MAPレベル2」であると、「MAPレベル6」の通常AT抽籤テーブルを参照する。また、「安定状態」(特殊モードON)である場合は、フェイク前兆中AT抽籤を行わない。また、「安定状態」(特殊モードON)である場合は、AT種別抽籤において「超BIGボーナス」及び「フリーズ」が当籤しない(図112参照)。また、「安定状態」(特殊モードON)である場合に疑似ボーナスの種別として「BIGボーナス」が決定された場合は、連チャンゾーン区間のテーブル種別として、「テーブルI」を決定する。また、「安定状態」(特殊モードON)である場合は、MAPレベル0において強制前兆G数抽籤を行わない。すなわち、MAPレベル0においてMAPレベル0時強制前兆突入抽籤(図89参照)を行わずに、強制前兆G数抽籤を行わないことを決定する。
第2の遊技機では、有利区間への移行時に「安定状態」(特殊モードON)にする。そして、第2の遊技機では、有利区間の通常区間であり、且つ遊技状態がBB内部中以外であり、且つ非前兆中であり、且つ「F_弱チェ」に当籤した場合にチェリーナビ抽籤を行う。チェリーナビ抽籤では、特殊モードのON・OFFに応じてチェリーナビの当籤・非当籤を決定する。チェリーナビ抽籤時に「安定状態」(特殊モードON)である場合は、「荒波状態」(特殊モードOFF)である場合よりも、チェリーナビの当籤が決定されやすい。チェリーナビ抽籤によりチェリーナビの当籤が決定された場合は、指示モニタに停止操作の情報(例えば、「27」)を表示すると共に、通常とは異なる演出パターンを実行する。このとき、指示モニタに表示された停止操作の情報に対応する特定の停止操作態様(例えば、第4リールD、第3リールC、第2リールB、第1リールAの順序であり、第4リールDの下段にチェリーが表示される押下タイミング)であった場合に、「NM19」(C_弱チェA)が表示され、2枚のメダルが払い出される。一方、特定の停止操作態様が行われなかった場合は、「NM19」(C_弱チェA)が表示されず、1枚のメダルが払い出される図柄の組合せ(「NM20」(S_弱チェB))、又は取りこぼしの表示態様が表示される。第2の遊技機では、「NM19」(C_弱チェA)が表示され、2枚のメダルが払い出された場合に、「安定状態」(特殊モードON)を維持し、「NM19」(C_弱チェA)が表示されず、1枚のメダルが払い出される、又は、メダルが払い出されなかった場合は、「荒波状態」(特殊モードOFF)に切り替える。なお、第2の遊技機では、2枚のメダルが払い出されるか否かで、状態(モード)の遷移を決定しているが、枚数に限らず「NM19」(C_弱チェA)が表示されるか否かで、状態(モード)の遷移を決定するようにしてもよい。
このように、「安定状態」(特殊モードON)では、「超BIGボーナス」や「フリーズ」に当籤不可能であるが、チェリーナビの当籤が決定されやすいことにより、「F_弱チェ」に当籤した場合に2枚のメダルを獲得することが可能になる。そのため、「安定状態」(特殊モードON)では、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は少なくなるものの、遊技者の遊技価値が減りにくい。一方、「荒波状態」(特殊モードOFF)では、「超BIGボーナス」や「フリーズ」に当籤可能であるが、チェリーナビの当籤が決定されにくいことにより、「F_弱チェ」に当籤した場合に2枚のメダルを獲得することが難しい。そのため、「荒波状態」(特殊モードOFF)では、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすい。
図117は、通常(チェリーナビ抽籤で非当籤時)の巻物演出の演出パターンを説明する図である。また、図118は、チェリーナビ抽籤に当籤した場合の巻物演出の演出パターンを説明する図である。図117に示すように、通常(チェリーナビ抽籤で非当籤時)の巻物演出の演出パターンが実行された場合は、メイン表示装置210の表示画面における左端に巻物が表示され、その後右端に向かって巻物を開くことにより、当籤役を示唆する表示が行われる。一方、図117に示すように、チェリーナビ抽籤に当籤時の巻物演出の演出パターンが実行された場合は、メイン表示装置210の表示画面における右端に巻物が表示され、その後左端に向かって巻物を開くことにより、当籤役を示唆する表示が行われる。これにより、メイン表示装置210を用いた演出によって特定の停止操作態様を示唆する。この示唆或いは指示モニタの表示に気が付いた遊技者が、「安定状態」(特殊モードON)を維持したければ、特定の停止操作態様を行って「NM19」(C_弱チェA)を表示させる。また、この示唆或いは指示モニタの表示に気が付いた遊技者が、「荒波状態」(特殊モードOFF)に切り替えたければ、特定の停止操作態様を行わずに「NM19」(C_弱チェA)を表示させない。また、特定の停止操作態様は、遊技者が通常行う停止操作態様とは異なることが好ましい。これにより、遊技者がメイン表示装置210の演出による示唆或いは指示モニタの表示に気が付かない場合は、「荒波状態」(特殊モードOFF)に切り替わるようにすることができる。
なお、第2の遊技機としては、「F_弱チェ」に当籤した場合に、「NM19」(C_弱チェA)を表示させて2枚のメダルが払い出されると、次の遊技において「安定状態」(特殊モードON)に遷移する処理が行われるようにした。しかし、本発明の遊技機としては、さらにチェリーナビ抽籤で当籤することを、「安定状態」(特殊モードON)に遷移する処理を行う条件に加えてもよい。すなわち、チェリーナビ抽籤において当籤が決定された場合に、内部状態を移行可能にしてもよい。これにより、通常(チェリーナビ抽籤で非当籤時)の巻物演出の演出パターンが実行された場合に、特定の停止操作態様を行って「NM19」(C_弱チェA)を表示させても、「安定状態」(特殊モードON)に移行しないようにすることができる。その結果、「安定状態」(特殊モードON)へ移行させることが難しくなり、「安定状態」(特殊モードON)を希少なものにすることができる。
図119は、従来の状態(モード)遷移処理のタイミングと、第2の遊技機(本発明)の状態(モード)遷移処理のタイミングを説明するための簡略図である。例えば、図119に示す1G目のレバー時の処理において、「F_弱チェ」に当籤したとする。従来の1G目のリール全停止時の処理では、払出し枚数を検出し、「NM19」(C_弱チェA)が表示されて2枚のメダルが払い出されていれば、特殊モードに係るフラグをONにする。一方、「NM19」(C_弱チェA)が表示されず、2枚のメダルが払い出されていなければ、特殊モードに係るフラグをOFFにする(特殊モードOFF)。そして、2G目のレバー時処理では、特殊モードに係るフラグがONであるか否かを判別し、特殊モードに係るフラグがONである場合に「安定状態」(特殊モードON)への遷移処理が行われる。一方、特殊モードに係るフラグがOFFである場合は、「荒波状態」(特殊モードOFF)への遷移処理が行われる。
第2の遊技機における1G目のリール全停止時の処理では、特殊モードに係るフラグのON・OFFは行わない。そして、2G目のレバー時処理では、1G目(前回)の当籤役が「F_弱チェ」である場合に、払出し枚数を検出し、2枚のメダルが払い出されていれば、特殊モードに係るフラグをONにすると共に、「安定状態」(特殊モードON)への遷移処理を行う。一方、2枚のメダルが払い出されていなければ、特殊モードに係るフラグをOFFにすると共に、「荒波状態」(特殊モードOFF)への遷移処理を行う。これにより、判別処理を削減して、状態(モード)遷移処理の効率化を図ることができる。
また、第2の遊技機では、状態(モード)遷移処理の後に疑似ボーナス(AT)の抽籤を行うようにしている。例えば、「荒波状態」(特殊モードOFF)、かつ、「MAPレベル1」の場合に、チェリーナビ抽籤に当籤し、「NM19」(C_弱チェA)が表示され、2枚のメダルが払い出されたとする。次ゲームのレバー時の処理で「安定状態」(特殊モードON)への遷移が行われた後、疑似ボーナス(AT)の抽籤が行われる。上述したように、「安定状態」(特殊モードON)で通常AT抽籤を行う場合は、そのときのMAPレベルが「MAPレベル1」又は「MAPレベル2」であると、「MAPレベル6」の通常AT抽籤テーブルが参照される。したがって、現在のMAPレベルが「MAPレベル1」であるため、通常AT抽籤を行う場合は、「MAPレベル6」の通常AT抽籤テーブルを参照して疑似ボーナス(AT)の抽籤が行われる。なお、状態(モード)遷移処理の前に疑似ボーナス(AT)の抽籤を行うようにしてもよい。例えば、「荒波状態」(特殊モードOFF)、かつ、「MAPレベル1」の場合に、チェリーナビ抽籤に当籤し、「NM19」(C_弱チェA)が表示され、2枚のメダルが払い出されたとする。次ゲームのレバー時の処理で、通常AT抽籤を行う場合は、「MAPレベル1」の通常AT抽籤テーブルを参照して疑似ボーナス(AT)の抽籤が行われた後、「安定状態」(特殊モードON)への遷移が行われる。
なお、リール全停止時のメダルの払出し枚数を判別する処理を削減し、次レバー時の処理で払出し枚数を検出して処理を実行することは、状態遷移処理に限らず以下の変形例のような場合においても用いることが可能である。
(変形例1)
通常区間の非前兆中では、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されたか否かを検出し、通常AT抽籤テーブルを変更させる。「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、MAPレベルが「MAPレベル5」以外である場合は、「MAPレベル5」の通常AT抽籤テーブルを参照して通常AT抽籤が行われ、また、MAPレベルが「MAPレベル5」である場合は、変更されずに「MAPレベル5」の通常AT抽籤テーブルを参照して通常AT抽籤が行われる。なお、「MAPレベル5」に限らず、「MAPレベル3」や「MAPレベル4」の通常AT抽籤テーブルを参照して通常AT抽籤が行われるようにしてもよい。また、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されていなかったことを検出した場合、「MAPレベル6」の通常AT抽籤テーブルを参照して通常AT抽籤が行われる。
なお、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚又は1枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、「MAPレベル5」の通常AT抽籤テーブルを参照して通常AT抽籤が行われ、「F_弱チェ」に当籤したゲームでメダルの払い出しが無かった(取りこぼした)ことを検出した場合、「MAPレベル6」の通常AT抽籤テーブルを参照して通常AT抽籤が行われるようにしてもよい。
(変形例2)
「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されたか否かを検出し、疑似ボーナス(AT)に当籤しているかを煽る煽り演出を実行するか否かを決定する。「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、メイン表示装置210で煽り演出を実行する。また、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されていなかったことを検出した場合、メイン表示装置210で煽り演出を実行しない。
なお、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚又は1枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、メイン表示装置210で煽り演出を実行し、「F_弱チェ」に当籤したゲームでメダルの払い出しが無かった(取りこぼした)ことを検出した場合、メイン表示装置210で煽り演出を実行しないようにしてもよい。
また、煽り演出は、メイン表示装置210による演出に限らず、スピーカ35a,35bや上部ランプ23等による演出であってもよい。例えば、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、通常スタート音とは異なる特殊スタート音を実行し、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されていなかったことを検出した場合、通常スタート音を実行するようにしてもよい。
なお、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚又は1枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、特殊スタート音を実行し、「F_弱チェ」に当籤したゲームでメダルの払い出しが無かった(取りこぼした)ことを検出した場合、通常スタート音を実行するようにしてもよい。
(変形例3)
「BIGボーナス」中において、1G連に当籤する確率は内部当籤役に応じて異なり、「強チェ」(「F_強チェ1」又は「F_強チェ2」)に当籤した場合は64/256、「RB1枚」(「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」)に当籤した場合は1/256、その他の内部当籤役に当籤した場合は0/256の確率で1G連に当籤する。
「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されたか否かを検出し、1G連に当籤する確率を変更する。「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、内部当籤役に関わらず1G連に当籤する確率を128/256に変更する。なお、内部当籤役に関わらず1G連に当籤する確率を256/256に変更するようにしてもよい。また、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されていなかったことを検出した場合、内部当籤役に関わらず1G連に当籤する確率を0/256に変更する。なお、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されていなかったことを検出した場合、1G連に当籤する確率を変更しないようにしてもよい。
なお、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚又は1枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、内部当籤役に関わらず1G連に当籤する確率を128/256に変更し、「F_弱チェ」に当籤したゲームでメダルの払い出しが無かった(取りこぼした)ことを検出した場合、内部当籤役に関わらず1G連に当籤する確率を0/256に変更するようにしてもよい。なお、「F_弱チェ」に当籤したゲームでメダルの払い出しが無かった(取りこぼした)ことを検出した場合、1G連に当籤する確率を変更しないようにしてもよい。
[特殊書き換え抽籤テーブル]
次に、図120〜図121を参照して、特殊書き換え抽籤テーブルについて説明する。特殊書き換え抽籤テーブルは、第4ブロック(151G〜200G)のフェイク前兆(演出)が開始されるゲームにおいて行う特殊書き換え抽籤のために参照され、設定値ごとに当籤・非当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図120〜図121に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図120は、特殊モードOFFである場合に参照される特殊書き換え抽籤テーブルである。図120に示すように、特殊モードOFFである場合は、特殊書き換え抽籤の当籤がほぼ決定されない。したがって、特殊モードOFFである場合は、第4ブロックにおいてフェイク前兆(演出)が行われても、特殊書き換え抽籤による本前兆への書き換えが行われにくい。なお、特殊モードOFFである場合は、フェイク前兆中AT抽籤が行われる。なお、特殊モードOFFである場合、特殊書き換え抽籤に当籤する確率は設定値に関わらず1/256となっているが、設定値に関わらず0/256となるようにしてもよい。また、設定値に応じて特殊書き換え抽籤に当籤する確率を変更するようにしてもよい。図121は、特殊モードONである場合に参照される特殊書き換え抽籤テーブルである。図121に示すように、特殊モードONである場合は、特殊書き換え抽籤の当籤がほぼ決定される。したがって、特殊モードONである場合は、第4ブロックにおいてフェイク前兆(演出)が行われると、特殊書き換え抽籤による本前兆への書き換えが行われやすい。なお、特殊モードOFFである場合は、フェイク前兆中AT抽籤は行われない。なお、特殊モードONである場合、特殊書き換え抽籤に非当籤となる確率は設定値に関わらず1/256となっているが、設定値に関わらず0/256となるようにしてもよい。また、設定値に応じて特殊書き換え抽籤に当籤する(非当籤となる)確率を変更するようにしてもよい。
[チェリーナビ抽籤テーブル]
次に、図122〜図123を参照して、チェリーナビ抽籤テーブルについて説明する。チェリーナビ抽籤テーブルは、有利区間の通常区間であり、且つ遊技状態がBB内部中以外であり、且つ非前兆中であり、且つ「F_弱チェ」に当籤した場合に行うチェリーナビ抽籤のために参照され、設定値ごとに当籤・非当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図122〜図123に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図122は、特殊モードOFFである場合に参照されるチェリーナビ抽籤テーブルである。図122に示すように、特殊モードOFFである場合は、チェリーナビ抽籤の当籤がほぼ決定されない。したがって、特殊モードOFFである場合は、指示モニタに停止操作の情報が表示されにくく、また、特定の停止操作態様を示唆する演出(図118参照)が行われにくい。なお、特殊モードOFFである場合、チェリーナビ抽籤に当籤する確率は設定値に関わらず1/256となっているが、設定値に関わらず0/256となるようにしてもよい。また、設定値に応じてチェリーナビ抽籤に当籤する確率を変更するようにしてもよい。図123は、特殊モードONである場合に参照されるチェリーナビ抽籤テーブルである。図123に示すように、特殊モードONである場合は、チェリーナビ抽籤の当籤がほぼ決定される。したがって、特殊モードONである場合は、指示モニタに停止操作の情報が表示されやすく、また、特定の停止操作態様を示唆する演出(図118参照)が行われやすい。なお、特殊モードONである場合、チェリーナビ抽籤に非当籤となる確率は設定値に関わらず1/256となっているが、設定値に関わらず0/256となるようにしてもよい。また、設定値に応じてチェリーナビ抽籤に当籤する(非当籤となる)確率を変更するようにしてもよい。
[有利区間移行時のテーブル決定]
上述したように、第2の遊技機では、有利区間移行の次ゲームにおいて、通常区間に用いるテーブル種別を決定する。そして、テーブル種別に応じてマップ種別を決定する。また、マップ種別は各ブロックにおけるMAPレベルを規定しており、通常区間におけるAT(疑似ボーナス)抽籤では、MAPレベルと当籤役に応じて当籤・非当籤が決定される。したがって、有利区間移行の次ゲームにおいてテーブル種別を決定することは、その後のAT(疑似ボーナス)抽籤に影響する。
有利区間移行の次ゲームにおいて、通常区間に用いるテーブル種別を決定する際は、そのときのRT状態の種別が参照される。RT状態としては、RT0状態〜RT3状態の4種類が設けられている(図38)。RT0状態は、設定変更操作による初期化が行われたときにセットされ、RT1状態は、ボーナス(RB、BB)の作動が終了した際に移行する。RT2状態は、ボーナス(RB、BB)内部中となった場合に移行し、RT3状態は、ボーナス(RB、BB)作動中となった場合に移行する。有利区間移行の次ゲームにおいて、RT状態がRT0状態である場合は、テーブルAが決定されず、テーブルB〜テーブルEが決定される。テーブルAが決定されている場合の通常区間は、テーブルB〜テーブルEが決定されている場合の通常区間よりも、疑似ボーナスが決定される期待度が低い。したがって、テーブルAが決定されないこと(テーブルB〜テーブルEが決定されること)は、遊技者にとっての特典となる。なお、RB1状態やRB2状態では、テーブルAが決定される可能性があり、かつ、テーブルAが決定される確率が、テーブルB〜テーブルEが決定される確率よりも高い。
このように、第2の遊技機では、ボーナス(RB、BB)に当籤する前に(RT0状態で)非有利区間から有利区間へ移行させることができると、テーブルAよりも有利な抽籤が受けられるテーブルB〜テーブルEが決定される。一方、ボーナス(RB、BB)の作動が終了した場合は、RT1状態へ移行される。したがって、有利区間の終了直前に意図的にボーナス(RB、BB)を入賞及び作動させても、RT状態をRT0状態に移行させることはできない。その結果、意図的に遊技状態を遷移させることにより特典(有利な抽籤)が受けられるようにすることを防ぐことができる。なお、本発明に係る特典は、有利な抽籤を受けることに限定されず、例えば、所定の状態(例えば、AT当籤の期待値が高くなるCZ(チャンスゾーン))へ移行すること、AT(疑似ボーナス)のゲーム数の増加すること等、適宜設定することができる。
第2の遊技機では、「RB」は、「F_弱チェ」、「F_強チェ1」、「F_強チェ2」、「F_弱スイカ1」、「F_弱スイカ2」、「F_強スイカ1」、「F_強スイカ2」、「F_打順BB01」〜「F_打順BB10」のいずれかと重複して当籤する。この場合は、停止操作態様にかかわらず、「F_弱チェ」、「F_強チェ1」、「F_強チェ2」、「F_弱スイカ1」、「F_弱スイカ2」、「F_強スイカ1」、「F_強スイカ2」、「F_打順BB01」〜「F_打順BB10」に係る図柄組合せが表示され、「RB」に係る図柄の組合せが表示されない(図45参照)。これにより、「RB」の入賞を容易に回避させることができる。
第2の遊技機では、RB内部中に、「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」が当籤した場合は、正解押し順で停止操作が行われると、「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」に係る図柄組合せが表示される(図47参照)。一方、正解押し順で停止操作が行われない場合は、停止操作のタイミングによって「RB」に係る図柄組合せが表示される場合がある。そこで、第2の遊技機では、RB内部中、且つ有利区間中に「F_RB1枚01」〜「F_RB1枚12」が当籤した場合に、正解押し順をメイン表示装置210等によって報知する。これにより、RB内部中(持越し中)を維持することができる。
第2の遊技機では、有利区間移行の次ゲームにおけるRT状態がRT0状態である場合に、設定値に関わらずにテーブル種別を決定する(図54参照)。これにより、RT0状態である場合は、設定値に左右されずに、テーブルB〜テーブルEを決定することができ、特典の付与が被平等にならないようにすることができる。また、第2の遊技機では、有利区間移行の次ゲームにおけるRT状態がRT0状態以外(RT1状態、RT2状態)である場合は、設定値に応じてテーブル種別を決定する(図55参照)。これにより、RT0状態以外(RT1状態、RT2状態)である場合は、テーブルA〜テーブルEが決定される確率を設定値に応じて異ならせることができ、決定されたテーブル種別を遊技状態から予想しにくくすることができる。
[払出枚数を参照する処理]
第2の遊技では、「F_弱チェ」に当籤したゲームにおいて、リール3A〜3Dが全て停止したとき、特殊モードに係るフラグのON・OFFは行わない。そして、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次のゲームにおいて、前のゲームで2枚のメダルが払い出されているか否かを判別し、2枚のメダルが払い出されていれば、特殊モードに係るフラグをONにすると共に、「安定状態」(特殊モードON)への遷移処理を行う。一方、2枚のメダルが払い出されていなければ、特殊モードに係るフラグをOFFにすると共に、「荒波状態」(特殊モードOFF)への遷移処理を行う。これにより、従来は行われる特殊モードに係るフラグがONであるか否かの判断処理を削減し、「F_弱チェ」に当籤したゲームにおける判断処理を削減することができる。その結果、状態(モード)遷移処理の効率化を図ることができる。
「F_弱チェ」に当籤した場合は、特定の停止操作態様(例えば、第4リールD、第3リールC、第2リールB、第1リールAの順序であり、第4リールDの下段にチェリーが表示される押下タイミング)であった場合に、「NM19」(C_弱チェA)が表示され、2枚のメダルが払い出される。また、特定の停止操作態様が行われなかった場合は、「NM20」(S_弱チェB)が表示されて1枚のメダルが払い出される、又は取りこぼしの表示態様が表示される。これにより、停止操作態様によって遷移する状態(モード)を選択することができる。また、停止操作態様に応じてメダルの減りやすさを異ならせることができる。また、第2の遊技機では、特定の停止操作態様が行われなかった場合に、「NM20」(S_弱チェB)を表示可能である。そのため、表示態様が「NM19」(C_弱チェA)であるか、「NM20」(S_弱チェB)であるかを確認することにより、状態(モード)遷移先を遊技者に認識させることができる。
第2の遊技機では、「安定状態」(特殊モードON)への遷移処理を行った場合は、MAPレベル6の通常AT抽籤テーブルを参照し、疑似ボーナス当籤率「激低」となる。したがって、「安定状態」(特殊モードON)、「荒波状態」(特殊モードOFF)への遷移処理を行うことにより、AT(疑似ボーナス)への移行抽籤の確率を異ならせることができ、AT(疑似ボーナス)への移行抽籤を多様なものにすることができる。また、第2の遊技機では、チェリーナビ抽籤によりチェリーナビの当籤が決定された場合は、指示モニタに停止操作の情報(例えば、「27」)を表示する。これにより、「F_弱チェ」に当籤したことを指示モニタの表示を用いて示唆することができる。また、第2の遊技機では、チェリーナビ抽籤によりチェリーナビの当籤が決定された場合は、巻物演出の演出態様(演出パターン)を通常とは異なる演出態様にする。これにより、「F_弱チェ」に当籤したことを、巻物演出の通常とは異なる演出態様で示唆することができる。
第2の遊技機では、「安定状態」(特殊モードON)においてチェリーナビ抽籤によりチェリーナビの当籤が決定される確率は、「荒波状態」(特殊モードOFF)においてチェリーナビ抽籤によりチェリーナビの当籤が決定される確率よりも高い(図122、図123参照)。これにより、「安定状態」(特殊モードON)である場合には、「F_弱チェ」が決定されたことの示唆が行われやすくなり、「安定状態」(特殊モードON)を維持することが容易になる。一方、「荒波状態」(特殊モードOFF)である場合には、「F_弱チェ」が決定されたことの示唆が行われにくくなり、「荒波状態」(特殊モードOFF)から「安定状態」(特殊モードON)への移行が難しくなる。また、第2の遊技機では、「荒波状態」(特殊モードOFF)が「安定状態」(特殊モードON)よりも、疑似ボーナス(AT)への移行抽籤が優遇される。これにより、「荒波状態」(特殊モードOFF)を、メダルを増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者のメダルが減りやすい状態にすることができる。
第2の遊技機における「安定状態」(特殊モードON)への遷移処理は、本発明に係る第1処理に対応し、「荒波状態」(特殊モードOFF)への遷移処理は、本発明に係る第2処理に対応する。しかし、本発明に係る第1処理及び第2処理は、「安定状態」及び「荒波状態」への遷移処理に限定されない。本発明に係る第1処理及び第2処理は、遊技に関する制御を行うメイン処理であれば、適宜設定することができ、例えば、内部状態を移行させるための抽籤処理、出玉に係る抽籤処理(AT抽籤等)、遊技に関するポイントを付与する処理、管理情報(例えば、テーブルA〜テーブルE)や有利度情報(例えば、マップ種別)を変更する処理であってもよい。また、第2の遊技機では、「F_弱チェ」に当籤したゲームにおいて2枚のメダルが払い出された場合と2枚のメダルが払い出されなかった場合の両方において、それぞれ処理を行うようにした。しかし、本発明の遊技機としては、一方の判断結果の場合に遊技に関する制御を行うメイン処理を行い、他方の判断結果の場合に遊技に関する制御を行うメイン処理を行わないようにしてもよい。
[有利区間の残りゲーム数とテーブル決定]
第2の遊技機では、連チャンゾーン区間で用いるテーブルFは、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間以上である場合に決定される。一方、テーブルGは、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間未満である場合に決定される。図85及び図86に示すように、連チャンゾーンマップ抽籤では、例えば、「連_通常D」と、「連_通常D」よりも疑似ボーナス(AT)への移行期待度が高い「連_通常F」とが当籤可能である。そして、連チャンゾーン区間においてテーブルGが決定されている場合は、テーブルFが決定されている場合よりも、「連_通常F」が決定されやすい。したがって、テーブルGが決定されている場合は、テーブルFが決定されている場合よりも早く疑似ボーナスに当籤(移行)しやすい。そして、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間未満である場合は、テーブルGを決定することにより、テーブルFを決定する場合よりも比較的早く疑似ボーナスに当籤するようにしている。その結果、メダルが増加する疑似ボーナス区間と疑似ボーナス区間の間の連チャンゾーン区間(メダルが減少する区間)を短くすることができ、遊技者が抱く不満を解消することができる。
第2の遊技機では、疑似ボーナスの種別として「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」、「フリーズ」が決定された場合に、疑似ボーナス区間の終了後に開始される連チャンゾーン区間において用いるテーブルの種別を決定する。これにより、連チャンゾーン区間が開始される前に連チャンゾーン区間で用いるテーブルの種別が決定される。その結果、連チャンゾーン区間の最初のゲームから管理情報を用いることができる。また、第2の遊技機では、連チャンソーン区間において、テーブル種別に応じてマップ種別を決定する。マップ種別は、各ブロックにおけるMAPレベルを規定している。そして、連チャンソーン区間におけるAT(疑似ボーナス)抽籤では、MAPレベルと当籤役に応じて当籤・非当籤が決定される。これにより、連チャンソーン区間における疑似ボーナス(AT)への移行抽籤を多様なものにすることができる。また、第2の遊技機では、マップ種別に応じて疑似ボーナス(AT)への移行期待度が異なるため、移行期待度を多様にして遊技の興趣を向上させることができる。
第2の遊技機では、疑似ボーナス(AT)への移行期待度が高いマップ種別(例えば、「連_通常F」)が決定される確率が、設定値に応じて異なる。これにより、設定値に応じて疑似ボーナス(AT)への移行期待度を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記1]
従来の遊技機において、非有利区間と有利区間とを設定し、有利区間においてAT状態に設定可能であり、所定の終了条件が満たされることで、有利区間から非有利区間へと移行させる遊技機が知られている(例えば、特開2017−185099号公報参照)。
このような遊技機には、非有利区間から有利区間へと移行する際に、遊技状態がボーナス内部中か一般中かで有利な抽籤が受けられるか否かが決定されるようなものがある。例えば、設定変更時にボーナスフラグを初期化し、ボーナスに当籤する前に非有利区間から有利区間へ移行させることができると有利な抽籤が受けられるようにする。しかしながら、有利区間の終了直前に意図的にボーナスを入賞させ、ボーナスを消化して遊技状態を一般中にしてから、有利区間へ移行させることで、設定変更時以外においても有利な抽籤が受けられてしまうという問題が生じる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、有利区間終了直前に意図的にボーナスを入賞させて有利な抽籤(特典)が受けられるようにすることを防ぐ遊技機を提供することを目的とする。
予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、
複数の表示列によって構成され、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段(例えば、リール8A〜8D)と、
遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ8S)と、
前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、
遊技者に有利な停止操作態様を報知可能な報知手段(例えば、メイン表示装置210)と、
前記報知手段による停止操作態様の報知が可能でない非有利区間と、前記報知手段による停止操作態様の報知が可能な有利区間との区間の遷移を制御する区間制御手段(例えば、遊技状態の遷移を行うメインCPU101)と、を備え、
前記内部当籤役決定手段は、持ち越し可能な特別役(例えば、RB)を決定可能であり、
遊技状態の種別として、前記特別役を持ち越していない第1状態(例えば、RT0状態)と、前記特別役を持ち越している第2状態(例えば、RT2状態)と、前記特別役に係る図柄組合せの導出により開始される特別遊技後に移行される第3状態(例えば、RT1状態)とを有し、
前記非有利区間から前記有利区間への移行が決定された場合に、前記遊技状態の種別に応じて特典(例えば、テーブルAを決定しないこと)を付与するか否かを決定する特典決定手段(例えば、テーブル種別抽籤テーブル(RT0中)を参照してテーブル種別抽籤を行うメインCPU101)をさらに備える
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、有利区間の終了直前に意図的に特別役(「RB」)を入賞させて遊技状態を遷移させることにより特典(有利な抽籤)が受けられるようにすることを防ぐことができる。また、特定の遊技状態で非有利区間から有利区間への移行が決定された場合に、遊技者に対して特典が付与される状態にすることができる。
前記非有利区間から前記有利区間への移行が決定された場合に、前記遊技状態が前記第1状態である場合は、前記遊技状態が前記第3状態である場合よりも、前記特典を付与される割合が高い
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、有利区間の終了直前に意図的に特別役(「RB」)を入賞させて遊技状態を第3状態に遷移させても、第1状態よりも特典(有利な抽籤)が受けられる割合が低くなる。したがって、有利区間の終了直前に意図的に遊技状態を遷移させることにより特典(有利な抽籤)が受けられる割合を第1状態である場合よりも高くすることができない。また、第1状態で非有利区間から有利区間への移行が決定された場合に、遊技者に対して特典が付与される割合を第3状態よりも高くすることができる。
前記特別役は、特定役(例えば、「F_打順BB01」〜「F_打順BB10」)と重複して当籤可能である
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、特別役が当籤した遊技において、特定役に係る図柄組合せを表示させることが可能になり、容易に特別役を持ち越している第2状態にすることができる。
所定の遊技情報(例えば、指定格納領域のデータ)を初期化可能な初期化手段(例えば、設定用鍵型スイッチ52及びリセットスイッチ53)を備え、
前記遊技状態は、前記初期化手段により前記所定の遊技情報が初期化されるまで前記第1状態に移行されない
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定の遊技情報が初期化された場合に、遊技者に対して特典が付与される状態にすることを可能にすることができる。そのため、特典の付与が頻繁に行われないようにすることができ、特典の価値を高めることができる。
遊技者にとって有利な有利状態(例えば、疑似ボーナス(AT))に移行させるか否かの決定を管理する複数の管理情報(例えば、テーブルA〜テーブルE)を有する
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、有利状態へ移行する難易度を多様なものにすることができる。
前記複数の管理情報から1つの管理情報を決定する管理情報決定手段(例えば、テーブル種別抽籤を行うメインCPU101)を備え、
前記管理情報決定手段は、前記非有利区間から前記有利区間へ移行した次の遊技の開始操作が行われた場合に、前記遊技状態の種別を参照して前記管理情報の種別を決定する
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、管理情報の種別を決定することを、特典を付与するか否かを決定することに対応させることができる。
前記特典は、前記有利状態への移行期待度が低い所定管理情報(例えば、テーブルA)が選択されないことである
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、非有利区間から有利区間への移行が決定された場合の遊技状態の種別に応じて、有利状態への移行期待度を異ならせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記管理情報の種別が決定された場合に、前記有利状態に移行させるか否かの決定に関わる有利度情報(例えば、マップ種別)を決定する有利度情報決定手段(例えば、通常マップ抽籤を行うメインCPU101)を備える
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、有利状態への移行期待度を多様にすることができる。
前記管理情報決定手段は、前記第1状態において、前記有利区間への移行が決定された場合は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示す設定値に関わらず前記管理情報の種別を決定する
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、第1状態である場合には、設定値に左右されずに、特典の付与に対応する管理情報の種別を決定することができる。
前記管理情報決定手段は、前記第2状態又は前記第3状態において、前記有利区間への移行が決定された場合は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示す設定値に応じて前記管理情報の種別を決定する
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、第2状態又は第3状態である場合には、各管理情報が決定される確率を設定値に応じて異ならせることができ、決定された管理情報の種別を遊技状態から予想することを難しくすることができる。
[付記2]
従来の遊技機において、内部当籤役として決定された役に係る図柄組合せを表示させるように、或いは決定された役に係る図柄組合せの表示を取りこぼすことが無いように、遊技者にとって有利な情報を報知するAT機能を備えたものが知られている(例えば、特開2016−104425号公報参照)。
このような遊技機では、遊技の興趣を高めるため、例えば、有利状態(AT(assist time)状態)の付与や遷移などに関する遊技性をより多様化しようとする工夫がなされている。しかし、遊技性を多様化することにより、遊技性が複雑化することがある。その結果、遊技に関する制御を行うメイン処理に負担がかかるといった問題が生じる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技に関する制御を行うメイン処理を効率化することを目的とする。
予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、
複数の表示列によって構成され、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段(例えば、リール8A〜8D)と、
遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ8S)と、
前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、を備え、
前記内部当籤役決定手段は、特定の停止操作態様(例えば、第4リールD、第3リールC、第2リールB、第1リールAの順序であり、第4リールDの下段にチェリーが表示される押下タイミング)で停止操作が行われると、特定の表示態様(例えば、「NM19」(C_弱チェA))を導出可能な特定役(例えば、「F_弱チェ」)を決定可能であり、
前記特定の表示態様が導出された場合は、特定量(例えば、2枚)の遊技価値(例えば、メダル)が付与され、
前記特定役が決定された遊技の次の遊技の開始操作が行われた場合に、前記特定役が決定された遊技において前記特定量の遊技価値が付与されたか否かに応じて異なる処理(例えば、「安定状態」(特殊モードON)への遷移処理と、「荒波状態」(特殊モードOFF)への遷移処理)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、特定役が決定された遊技の次の遊技において、特定役が決定された遊技において付与された遊技価値の量に基づく判断処理を行うため、特定役が決定された遊技における判断処理を削減することができる。その結果、遊技に関する制御を行うメイン処理を効率化することができる。
前記特定役が決定された遊技において前記特定の停止操作態様で停止操作が行われなかった場合は、前記特定量以上の遊技価値は付与されない
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、特定の停止操作態様で停止操作が行われる場合と、特定の停止操作態様で停止操作が行われない場合とで遊技価値の減りやすさを異ならせることができる。
前記特定役が決定された遊技の次の遊技の開始操作が行われたときに、前記特定役が決定された遊技において前記特定量の遊技価値が付与されている場合は第1処理(例えば、「安定状態」(特殊モードON)への遷移処理)を実行し、前記特定役が決定された遊技において前記特定量の遊技価値が付与されていない場合は第2処理(例えば、「荒波状態」(特殊モードOFF)への遷移処理)を実行する
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、特定役が決定された遊技において付与された遊技価値が特定量であるか否かに基づいて、第1処理と第2処理のいずれを行うかを決定することができる。
第1状態(例えば、「安定状態」)及び第2状態(例えば、「荒波状態」)を含む複数の内部状態を有し、
前記第1処理は、前記第1状態への移行処理、及び有利状態への移行が決定される割合を変化させる処理であり、
前記第2処理は、前記第2状態への移行処理である
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、特定役が決定された遊技において特定量の遊技価値が付与されている場合に、有利状態への移行が決定される割合を変化させることができ、有利状態への移行決定を多様なものにすることができる。また、特定の停止操作態様を行うか否かを選択することにより、内部状態の移行先を選択することができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記特定の停止操作態様が行われなかった場合は、所定の表示態様(例えば、「NM20」(S_弱チェB))を導出可能である
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、特定の停止操作態様であるか、所定の表示態様であるかを確認することにより、その後に行われる処理がいずれであるかを遊技者に認識させることができる。
停止操作態様の情報を表示可能な表示手段(例えば、指示モニタ)と、
前記特定役が決定された場合に、所定の決定(例えば、チェリーナビ抽籤に当籤)を行う所定決定手段(例えば、チェリーナビ抽籤を行うメインCPU101)と、を備え、
前記表示手段は、前記所定の決定が行われた場合に、停止操作態様の情報を表示可能である
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定の情報を表示することにより、特定役が決定されたことを示唆することができる。
演出を実行可能な演出実行手段(例えば、メイン表示装置210)を備え、
前記演出実行手段は、
前記特定役が決定された場合に、所定の演出(例えば、巻物演出)を実行可能であり、
前記所定の決定が行われたか否かに応じて前記所定の演出の態様を異ならせる
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定の演出の態様により、特定役が決定されたことを示唆することができる。
前記所定の決定が行われた場合に、前記内部状態を移行可能である
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、内部状態の移行を難しくすることができ、内部状態の移行を希少なものにすることができる。
前記所定の決定が行われる割合は、前記内部状態に応じて異なる
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、内部状態に応じて内部状態を移行しやすくしたり、内部状態を移行しにくくしたりすることができる。
前記第1状態において前記所定の決定が行われる割合は、前記第2状態において前記所定の決定が行われる割合よりも高い
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、第1状態である場合には、特定役が決定されたことの示唆が行われやすくなる。したがって、特定役が決定された遊技において特定量の遊技価値が付与されている場合に第1状態への移行処理を行う場合は、第1状態を維持することを容易にすることができる。また、第2状態である場合には、特定役が決定されたことの示唆が行われにくくなる。したがって、特定量の遊技価値が付与されていない場合に第2状態への移行処理を行う場合は、第2状態から第1状態への移行を難しくすることができる。
前記第2状態は、前記第1状態よりも有利状態(例えば、疑似ボーナス(AT))への移行が決定されやすい
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、第2状態を、遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすい状態にすることができる。
[付記3]
従来の遊技機において、非有利区間と有利区間とを設定し、有利区間においてAT状態に設定可能であり、所定の終了条件が満たされることで、有利区間から非有利区間へと移行させるものが知られている(例えば、特開2017−185099号公報参照)。
このような遊技の有利区間において、停止操作の押し順を報知(ナビ)することにより遊技価値の増加が期待できる増加区間(疑似ボーナス)と、停止操作の押し順を報知(ナビ)しないことにより遊技価値が減少する減少区間とを繰り返すゲーム性が知られている。また、有利区間の終了条件の1つとしては、例えば、1500G(ゲーム)のリミッタがある。上記のようなゲーム性である場合、有利区間の消化G数が1500Gに近づくにつれて、減少区間を消化することが遊技者にとって不満となり、遊技の興趣の低下につながるおそれがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、有利区間に関して遊技者が抱く不満を解消することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、
複数の表示列によって構成され、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段(例えば、リール8A〜8D)と、
遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ8S)と、
前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、
遊技者に有利な停止操作態様を報知可能な報知手段(例えば、メイン表示装置210)と、
前記報知手段による停止操作態様の報知が可能でない非有利区間と、前記報知手段による停止操作態様の報知が可能な有利区間との区間の遷移を制御する区間制御手段(例えば、遊技状態の遷移を行うメインCPU101)と、を備え、
前記有利区間において、前記停止操作態様の報知により遊技価値を増加させることが可能な有利状態(例えば、疑似ボーナスの「BIGボーナス」)と、前記有利状態の終了後に移行し、前記停止操作態様の報知により遊技価値を増加させることが可能でない所定状態(例えば、連チャンソーン区間)と、を有し、
所定管理情報(例えば、テーブルF)と、前記所定管理情報よりも有利な特定管理情報(例えば、テーブルG)と、を少なくとも含む複数の管理情報(例えば、テーブルF〜テーブルI)から前記所定状態で用いる1つの前記管理情報を決定する管理情報決定手段(例えば、テーブル種別抽籤を行うメインCPU101)をさらに備え、
前記特定管理情報が決定されている場合に前記有利状態へ移行するまでに要する遊技回数は、前記所定管理情報が決定されている場合に前記有利状態へ移行するまでに要する遊技回数よりも短くなり、
前記管理情報決定手段は、所定の条件(例えば、有利区間中の残りゲーム数が所定期間未満)を満たす場合に前記特定管理情報を決定する
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、所定の条件を満たした場合に、遊技価値を増加させることが可能でない所定状態を短くすることができる。その結果、所定の条件を満たすか否かにより、所定状態が行われる期間を異ならせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記有利区間は、当該有利区間中のゲーム数が規定数(例えば、1500)となった場合に終了し、
前記所定の条件は、前記有利区間中の残りゲーム数が閾値未満(例えば、500G未満)のときに前記有利状態への移行が決定されることである
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、有利区間が残り少なくなった場合に、遊技価値を増加させることが可能でない所定状態を短くすることができる。その結果、有利状態を享受できる期間が短くならないようにすることができ、遊技者が抱く不満を解消することができる。
前記有利状態は、少なくとも第1有利状態(例えば、「BIGボーナス」)と第2有利状態(例えば、「REGボーナス」)とを有し、
前記所定状態は、少なくとも第1所定状態(例えば、高確率ゾーン)と第2所定状態(例えば、連チャンソーン区間)とを有し、
前記区間制御手段は、前記第1所定状態において前記第2有利状態に移行した場合、または、特定期間(例えば、100G)に達するまでに前記第2所定状態において前記第1有利状態への移行が決定されなかった場合に前記有利区間から前記非有利区間へ移行させる
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定の条件を満たした場合に、特定期間に達するまでに第1有利状態への移行が決定されやすくすることができる。
前記所定管理情報と前記特定管理情報は、前記第2所定状態において用いられる
ことを特徴とする上記に記載の遊技機。
このような遊技機によれば、所定の条件を満たした場合に、第2所定状態から第1有利状態へ移行するまでに要する遊技回数を短くすることができる。これにより、有利区間の残りのゲーム数が少なくても、有利状態を享受する期間を確保することができる。
前記第1所定状態は、前記非有利区間から前記有利区間に移行した場合に開始され、
前記第2所定状態は、前記第1有利状態の終了後に開始される
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定の条件を満たした場合に、遊技価値が増加する第1有利状態間に行われる第2所定状態を短くすることができ、遊技者が抱く不満を解消することができる。
前記管理情報決定手段は、前記第1有利状態への移行が決定された場合に、当該第1有利状態の終了後の前記第2所定状態における前記管理情報の種別を決定する
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、第2所定状態が開始される前に、管理情報の種別が決定されているため、第2所定状態の最初の遊技から管理情報を用いることができる。
前記所定状態において、前記有利状態に移行させるか否かの決定に関わる複数の有利度情報(例えば、マップ種別)を有し、
前記管理情報に応じて複数の有利度情報から1つの有利度情報を決定する有利度情報決定手段(例えば、連チャンゾーンマップ抽籤を行うメインCPU101)を備える
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定状態における有利状態への移行抽籤を多様なものにすることができる。
前記有利度情報の種別に応じて前記有利状態への移行期待度が異なる
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定状態における有利状態への移行期待度を多様にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
前記複数の有利度情報は、所定有利度情報(例えば、連_通常D)と、前記所定有利度情報よりも前記有利状態への移行期待度が高い特定有利度情報(例えば、連_通常F)とを有し、
前記特定管理情報が決定されている場合は、前記所定管理情報が決定されている場合よりも前記特定有利度情報が決定されやすい
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定の条件を満たした場合に、特定有利度情報が決定されやすくすることができ、所定の条件を満たしていない場合よりも有利状態への移行期待度を高めることができる。
前記有利状態への移行期待度が高い有利度情報が決定される確率は、設定値に応じて異なる
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、設定値に応じて有利状態への移行期待度を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[11.メイン表示装置]
続いて、図124〜図135を参照して、上述の実施形態に係るパチスロ機のメイン表示装置の構成について説明する。
図124は、本実施形態に係る遊技機の分解斜視図である。図125は、表示ユニットを左右方向に直交する方向で切断した縦断面図である。
メイン表示装置は、いわゆるプロジェクションマッピング装置として構成されており、表示ユニットAと、照射ユニットBと、スクリーン装置Cとを有する。
(表示ユニットA)
図124に示すように、表示ユニットAは、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置される。表示ユニットAは、画像を表示用の照射光を出射する照射ユニットBと、照射ユニットBからの照射光が照射されることにより画像を出現させるスクリーン装置Cとを有したいわゆるプロジェクションマッピング装置である。
ここで、プロジェクションマッピング装置は、構造物や自然物等の立体物の表面に画像を投影するためのものであって、例えば、スクリーンである役物に対して、その位置(投影距離や角度等)や形状に基づいて生成される、演出情報に応じた画像を投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を可能とする。
図124に示すように、表示ユニットAは、前方に開口が形成された筐体A1を有する。この筐体A1は、照射ユニットBの上部を形成するプロジェクタカバーB1、及び、ミラー機構B3を備えたプロジェクタ筐体C10とで構成されている。プロジェクタ筐体C10は、底板C1、右側板C2、左側板C3、及び背板C4を有した箱方形状をなしている。プロジェクタカバーB1は、プロジェクタ筐体C10の上面に交換可能に取付けられる。
(表示ユニットA:照射ユニットB)
図125に示すように、照射ユニットBは、照射光を下方に向かって出射するプロジェクタ装置B2を有する。本実施の形態のプロジェクタ装置B2は、本発明のプロジェクタ及び電子機器を構成する。プロジェクタ装置B2からは静止画と動画とを含む画像や映像を含んだ光が投射されるので、説明の便宜上、プロジェクタ装置B2から投射される像を「画像」に統一して説明を行う。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2)
図125に示すように、プロジェクタ装置B2は、プロジェクタカバーB1に取付けられ、キャビネットG内の後部に配置されている(図2参照)。プロジェクタカバーB1は、プロジェクタ筐体C10の右側板C2及び左側板C3に取付けられており、上側カバー171及び下側カバー172を有する。
プロジェクタカバーB1の内部には図示しないレンズユニットや光学機構B24(図135参照)が設けられている。
レンズユニットは、光学機構B24の複数のLED光源から出射してDMD(Digital Micromirror Device)で反射した照射光を、レンズ等を介して下方のミラー機構B3に向けて出射するように配置されている。
図126は、キャビネット、フロントパネル及びバックパネルの分解斜視図である。図127は、フロントパネル及びバックパネルの分解斜視図である。図128は、プロジェクタから投射された光の照射範囲とメインスクリーンとの関係を示す図である。図129は、導光パネルが非点灯状態にあるときの上ドア機構の正面図である。図130は、スクリーン装置の正面斜視図である。
(上ドア機構UD及びスクリーン装置C)
図126、図127に示すように、上ドア機構UDは、フロントパネル180とバックパネル181とを有する。フロントパネル180の前面にはスクリーン装置Cが取付けられている。スクリーン装置Cは、遊技者に対向しており、スクリーン装置Cの後方に光学ミラー174及びプロジェクタ装置B2(図128参照)が設置されている。
スクリーン装置Cは、メインスクリーン182と、メインスクリーン182の背面に密着して取付けられた投影用シート183とを備えている(図130参照)。メインスクリーン182は、透光性を有するアクリル板等の樹脂又はガラス板等を主たる素材とし、全面に亘って均等な厚みを有するように形成されている。本実施の形態のメインスクリーン182は、本発明のスクリーンを構成し、投影用シート183は、本発明の被投影部材を構成する。メインスクリーン182及び投影用シート183は、本発明の表示部材を構成する。
図130に示すように、メインスクリーン182は、左右方向の中央に位置し、平面形状の平面部182aと、平面部182aの左右両側の側縁から後方に向けて湾曲して延びる湾曲部182bとを有する。
投影用シート183は、後方から画像が投影されることで表示される透過式のスクリーンであり、プロジェクタ装置B2から投射された光が入射する背面側の入射面と、入射面に入射した光が透過することで画像が投影される前面側の表示面と、を有する。
投影用シート183は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として、全面に亘って均等な厚みを有するように形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。
投影用シート183は、左右方向の中央に位置する平面部183aと、平面部183aの左右両側の側縁から後方に向けて湾曲する湾曲部183bと、を備えている。
投影用シート183の入射面(背面側の表面)に対して、プロジェクタ装置B2から投射された光が入射することによって、投影用シート183の表示面(前面側の表面)に、遊技に関する画像(静止画像や動画像を含む画像)が表示される。
メインスクリーン182は、透明に形成されており、メインスクリーン182の前方には遊技者の視界を遮る構造が存在しないため、投影用シート183に画像が表示された場合、当該画像は、遊技者から視認可能となる。また、メインスクリーン182は、所定の色として黒色を有し、投影用シート183に投影される光の明度を低下可能となっている。実際には、メインスクリーン182は、投影用シート183に投影される明るい光のチラつきが抑えられる程度の所定の透過率となるような黒色を有している。これにより、投影用シート183に投影される明るい光のチラつきが抑えられ、投影用シート183に投影される画像が明瞭に視認される。
また、本実施の形態では、メインスクリーン182を、異なる透過率となる黒色を有するスクリーンに交換するだけで、共通の投影用シート183を用いつつ、投影用シート183に投影される画像の色味調整を行うことができる。
また、投影用シート183は、平面部183aと湾曲部183bとを有しており、平面部183aと湾曲部183bとでは奥行き方向の位置が異なるため、平面部183aと湾曲部183bの双方に画像を表示することによって、投影用シート183に表示された画像全体に立体感を付与することができる。
また、メインスクリーン182及び投影用シート183は、それぞれ、湾曲部182b及び湾曲部183bがフォーミング(開放空間内成形)により形成されており、これにより、例えば、真空加工等により湾曲部を形成した場合と比較して、画像の変形を抑えることができる。
図127に示すように、フロントパネル180は、上側フレーム部185と下側フレーム部186とを備えている。下側フレーム部186は、底板187と、側板188、189とを備えている。底板187は、左右方向に延びており、側板188、189は、底板187の左右方向の両端から上方に延びている。
図130に示すように、メインスクリーン182及び投影用シート183は、メインスクリーン182が底板187及び側板188、189に当接した状態で底板187に載置されている。
メインスクリーン182及び投影用シート183の内周面には側板188、189に沿って上下方向に延びるシートサポート190A、190Bが設けられており(図130参照)、シートサポート190A、190Bは、図示しないネジによってメインスクリーン182及び投影用シート183を側板188、189に固定している。
図128は、プロジェクタ装置B2から投射された光の照射範囲と上ドア機構UD側のスクリーン装置Cとの関係を示す図である。図128では、上ドア機構UD側のスクリーン装置Cの表示面を網掛けで示している。プロジェクタ装置B2から投射された光の照射範囲は、スクリーン装置Cよりも広くなっている。
具体的には、プロジェクタ装置B2から投射された光は、スクリーン装置Cの全面(網掛けで示す領域)に入射するとともに、上ドア機構UD側のスクリーン装置Cの周縁領域を通過する。図128では、プロジェクタ装置B2から投射された光の照射範囲のうち、スクリーン装置Cの周縁領域を斜線で示している。
図129に示すように、上側フレーム部185は、前壁185Aと、前壁185Aの左右方向の両側に形成された側壁185B、185Cと、前壁185Aの上端から後方に延びる上壁185Dと、後壁を構成するバックパネル181の上フレーム181U(図127参照)とを有する。
図127に示すように、前壁185Aの裏面にはスピーカ191A、191Bが設けられている。スピーカ191A、191Bは、左右方向に離隔して上側フレーム部185の収容空間に設置されており、ネジによって前壁185A(図129参照)に固定されている。
図126に示すように、バックパネル181は、フロントパネル180の後方に設置されている。バックパネル181の上フレーム181Uには左右方向に離隔するスピーカ収容部181A、181Bが設けられており、スピーカ収容部181A、181Bにはスピーカ191A、191B(図127参照)が収容される。すなわち、スピーカ191A、191Bは、前後方向において前壁185Aとスピーカ収容部181A、181Bとに挟まれるようにして上側フレーム部185に収容されている。
図129に示すように、上側フレーム部185には一対のサブスクリーンシート196A、196Bが設けられている。一対のサブスクリーンシート196A、196Bは、前壁185Aの背面に取付けられている。
サブスクリーンシート196A、196Bは、後方から画像が投影されることにより、表示される透過式のスクリーンであり、投影用シート183と同様に、プロジェクタ装置B2から投射された光が入射する背面側の入射面と、入射面に入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面とを有する。
図129に示すように、上側フレーム部185の前壁185Aには装飾部材197が設けられている。装飾部材197には、開口部197Aが形成されている。開口部197Aに対向するセンタスクリーンシート(不図示)に投影される画像は、開口部197Aを通して遊技者に視認可能となる。
装飾部材197には、開口部197Aを塞ぐようにしてイルミネーションパネル(以下、単に導光パネルという)198が取付けられており、導光パネル198は、被投影部材としてのセンタスクリーンシートと前後方向に重畳する位置、すなわち、センタスクリーンシートに対して前方に設けられている。
図130に示すように、側板188の後方には導光部材202及びLED基板203が設置されている。LED基板203には上下方向に並んで複数のトップビュータイプのLEDが設けられている。LEDは、導光部材202に向けて光を照射するようになっている。導光部材202は、LEDから入射された光を前方に導くようになっている。なお、導光部材202の前方端面側には、メインスクリーン182の右端部が重なるようにして配置されているが、メインスクリーン182が透光性を有するため、導光部材202の前方端面から前方に出射する光がメインスクリーン182の右端部によって遮られることはない。
(プロジェクタユニットの通気構造と液体収容構造)
図126、図127に示すように、上側フレーム部185の上壁185Dには吸気口204aと排気口204bとが形成されており、吸気口204aと排気口204bとは、複数の貫通孔が集合したものから構成されている。本実施の形態の吸気口204a及び排気口204bは、本発明の通気孔を構成する。
バックパネル181の上部には、吸気ダクト206及び排気ダクト207が設けられている。図127に示すように、吸気ダクト206は、上流側吸気口206aと下流側吸気口206bとを有し、上流側吸気口206aは、吸気口204aの真下に位置している。
排気ダクト207は、上流側排気口207aと下流側排気口207bとを有し、下流側排気口207bは、排気口204bの真下に位置している。ここで、上流、下流とは空気が流れる方向に対して上流、下流を示している。本実施の形態の吸気ダクト206及び排気ダクト207は、本発明の開閉部材側通気部を構成する。
図131は、プロジェクタユニットの斜視図である。図132は、プロジェクタユニットの分解斜視図である。図133は、上ドア機構とプロジェクタユニットを左右方向に直交する方向で、かつ吸気孔と吸気ダクトを通る平面で切断した断面図である。図134は、上ドア機構とプロジェクタユニットを左右方向に直交する方向で、かつ排気孔と排気ダクトを通る平面で切断した断面図である。
図131、図132に示すように、キャビネットG(図124参照)に収容されるプロジェクタカバーB1にはプロジェクタ装置B2を冷却する本体側通気部209が形成されている。
本体側通気部209は、プロジェクタカバーB1の上側カバー171に形成された吸気口225aと、下側カバー172に形成された凹部225bと凹部225bを閉止するダクトカバー225cとによって吸気口225aから取り入れられた空気をプロジェクタ装置B2に流す吸気ダクト225を有する。
遊技機1の外部の空気は、吸気口204aから吸気ダクト206を通して吸気ダクト225に導入される。
本体側通気部209は、プロジェクタカバーB1の上側カバー171に形成された排気口226aと、下側カバー172に形成された凹部226bと凹部226bを閉止するダクトカバー226cとによってプロジェクタ装置B2を冷却した後の高温の空気を排気ダクト207に向かって流す排気ダクト226を有する。
吸気ダクト225と排気ダクト226とはプロジェクタ装置B2の後面に形成された連通路171a(図125、図132参照)と、プロジェクタ装置B2に形成された複数の開口部211(図125、図132参照)を通して連通しており、吸気ダクト225から連通路171a及び開口部211を通して流れる空気によってプロジェクタ装置B2が冷却される。
プロジェクタ装置B2と熱交換された高温の空気は、排気ダクト226から排気ダクト207に排出された後、排気ダクト207から排気口204bを通して遊技機1の外部に排出される。
本実施の形態の吸気口225a及び排気口226aは、本発明の通気口を構成する。吸気口225aは、本発明の吸気部を構成し、排気口226aは、本発明の排気部を構成する。
図132に示すように、排気ダクト226には排気ファン208が設けられており、排気ファン208は、吸気口225aからプロジェクタカバーB1の内部に外気を吸引可能である。なお、排気ファン208に代えて吸気ダクト225に吸気ファンを設けてもよく、吸気ダクト225及び排気ダクト226のそれぞれに吸気ファン及び排気ファンを設けてもよい。
図133に示すように、上ドア機構UDがキャビネットGの上側開口部G101(図2参照)を閉鎖した状態において、上ドア機構UD側の吸気ダクト206は、下流側吸気口206bがプロジェクタカバーB1側の吸気口225aに連通している。
図134に示すように、上ドア機構UDがキャビネットGの上側開口部G101(図2参照)を閉鎖した状態において、上ドア機構UD側の排気ダクト207は、上流側排気口207aがプロジェクタカバーB1側の排気口226aに連通している。
このように、吸気ダクト225及び排気ダクト226は、それぞれ遊技機1の外部と連通して、プロジェクタカバーB1の内部を通気する。本実施の形態の吸気ダクト225及び排気ダクト226は、本発明の通気部及び通気ダクトを構成する。
また、本実施の形態の上側カバー171と下側カバー172とからなるプロジェクタカバーB1とプロジェクタ装置B2とは、本発明のプロジェクタユニットを構成する。
図127、図133に示すように、上ドア機構UD側の吸気ダクト206の上流側吸気口206aには、ゴムパッキン212が設けられている。ゴムパッキン212は、バックパネル181に設けられた吸気ダクト206と上側フレーム部185の上壁185Dに設けられた吸気口204aとの間の間隙が小さくなるよう、吸気ダクト206と吸気口204aとが連通する領域の近傍に設けられている。具体的には、ゴムパッキン212は、吸気ダクト206の上端と上壁185Dの下面との間に圧縮された状態で設置されており、ゴムパッキン212の内方に吸気口204aが設けられている。
図127、図134に示すように、上ドア機構UD側の排気ダクト207の下流側排気口207bには、ゴムパッキン213が設けられている。ゴムパッキン213は、バックパネル181に設けられた排気ダクト207と上側フレーム部185の上壁185Dに設けられた排気口204bとの間の間隙が小さくなるよう、排気ダクト207と排気口204bとが連通する領域の近傍に設けられている。具体的には、ゴムパッキン213は、排気ダクト207の上端と上壁185Dの下面との間に圧縮された状態で設置されており、ゴムパッキン213の内方に排気口204bが設けられている。
本実施の形態のゴムパッキン212、213は、本発明の緩衝部材を構成する。なお、吸気ダクト206と吸気口204aとの間の間隙、及び排気ダクト207と排気口204bとの間の間隙が小さくなるものであれば、ゴムパッキン212、213に限らず、他のシール部材を用いてもよい。
図131、図132に示すように、下側カバー172の下部には、吸気側液体収容部214と排気側液体収容部215とがそれぞれ別体で設けられている。
吸気側液体収容部214は、吸気ダクト225の下部に位置するように下側カバー172に取付けられており、下側カバー172に対して着脱可能となっている。
排気側液体収容部215は、排気ダクト226の下部に位置するように下側カバー172に取付けられており、下側カバー172に対して着脱可能となっている。
吸気側液体収容部214は、前側から後側に向かって下方に傾斜する傾斜部214Aと、傾斜部214Aの傾斜方向下端部に設けられた箱状の収容部214Bと、収容部214Bの背面側である後壁214bから後方に突出する樋部214Cとを有する。
排気側液体収容部215は、前側から後側に向かって下方に傾斜する傾斜部215Aと、傾斜部215Aの傾斜方向下端部に設けられた箱状の収容部215Bと、収容部215Bの背面側である後壁215bから後方に突出する樋部215Cとを有する。なお、後壁214b、215bは、本発明の所定の壁部を構成する。
図133に示すように、上ドア機構UDがキャビネットGの上側開口部G101(図4参照)を閉鎖した状態において、吸気側液体収容部214は、傾斜部214Aの上端が吸気ダクト206の下流側吸気口206bの下方で、かつ、下流側吸気口206bと上下方向で重なるように下側カバー172に取付けられている。
また、吸気側液体収容部214の傾斜部214Aの上端は、プロジェクタカバーB1の上側カバー171に形成された凹部225bの上流端よりも前方に位置している。これにより、吸気口204aから吸気ダクト206に導入された空気は吸気ダクト225に導かれる一方で、吸気口204aから吸気ダクト206に侵入したジュース等の液体は、吸気ダクト225に侵入せずに、吸気ダクト206の下流側吸気口206bから流下、あるいは滴下して吸気側液体収容部214の傾斜部214Aに流入するようになっている。
これにより、吸気側液体収容部214には、吸気口204aから吸気ダクト206を通してプロジェクタカバーB1に侵入したジュース等の液体が収容される。すなわち、吸気ダクト206を通してプロジェクタカバーB1に液体が侵入すると、液体は、傾斜部214Aに沿って下方に移動した後、収容部214Bに収容されて貯留される。収容部214Bに収容される液体が満杯になると、液体は、樋部214Cから後方に排出される。
図134に示すように、上ドア機構UDがキャビネットGの上側開口部G101(図4参照)を閉鎖した状態において、排気側液体収容部215は、傾斜部215Aの上端が排気ダクト207の上流側排気口207aの下方で、かつ、上流側排気口207aと上下方向で重なるように下側カバー172に取付けられている。
また、排気側液体収容部215の傾斜部215Aの上端は、プロジェクタカバーB1の上側カバー171に形成された凹部226bの下流端よりも前方に位置している。これにより、排気口204bから排気ダクト207に侵入したジュース等の液体は、排気ダクト226に侵入せずに、排気ダクト207の上流側排気口207aから流下、あるいは滴下して排気側液体収容部215の傾斜部215Aに流入するようになっている。
これにより、排気側液体収容部215には、排気口204bから排気ダクト207を通してプロジェクタカバーB1に侵入したジュース等の液体が収容される。すなわち、排気ダクト207を通してプロジェクタカバーB1に液体が侵入すると、液体は、傾斜部215Aに沿って下方に移動した後、収容部215Bに収容されて貯留される。収容部215Bに収容される液体が満杯になると、液体は、樋部215Cから後方に排出される。
本実施の形態の吸気側液体収容部214及び排気側液体収容部215は、本発明の液体収容部を構成する。吸気側液体収容部214は、本発明の吸気側液体収容部を構成し、排気側液体収容部215は、本発明の排気側液体収容部を構成する。樋部214C、215Cは、本発明の樋部を構成する。樋部214Cは、本発明の吸気側樋部を構成し、樋部215Cは、本発明の排気側樋部を構成する。
図135は、プロジェクタ装置の回路構成を示すブロック図である。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2の電気的及び光学的構成)
図135に示すように、プロジェクタ装置B2は、電気的な構成要素として、プロジェクタ制御基板B23、光学機構B24、及び中継基板CKを備えている。プロジェクタ装置B2には、中継基板CKを介して後述するサブ制御装置SSが接続される。サブ制御装置SSは、スクリーンや役物の演出動作に応じて、プロジェクタ制御基板B23を制御し、光学機構B24を介して、スクリーンや役物に照射光を投影することにより、視覚的な演出として映像を表示する。また、表示ユニットAの組み立て工程等においては、プロジェクタ装置B2の中継基板CKに調整用PC(パーソナルコンピュータ)1000が接続される。この調整用PC(パーソナルコンピュータ)1000は、プロジェクタ装置B2により投影される照射光の位置調整やピント初期設定を行うために用いられる。
なお、本実施の形態においては、プロジェクタ装置B2の調整機器として調整用PC1000を採用しているが、プロジェクタ装置B2の調整機器としては、調整用プログラム(アプリケーションソフト)がインストールされたタブレットPCやいわゆるスマートフォン、あるいは専用の端末装置であってもよい。
プロジェクタ制御基板B23は、制御LSI881、EEPROM(登録商標)882、DLP(登録商標)制御回路883及びLEDドライバ884を備える。光学機構B24は、レンズユニットの周辺に配置される構成要素として、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を発するLED光源、DMD、レンズユニットの投射についてフォーカス調整を行うためのフォーカス機構等を備える。
制御LSI881は、サブ制御装置SSの指令に基づいて、照射光を投影するようにDLP制御回路883を制御する。制御LSI881は、サブ制御装置SSの指令に基づいて、フォーカス機構を制御して投射レンズを光軸方向に移動させることにより、照射光の投影に際してフォーカス調整を行う。EEPROM882には、制御LSI881による制御プログラムやプロジェクタ装置B2の設定・調整に関わるデータが記憶されている。
プロジェクタ装置B2のDLPシステムは、主として、DLP制御回路883、LEDドライバ884、並びに光学機構B24のLED光源及びDMDにより構成される。
DMDは、半導体チップの主面上に、表示解像度に応じたピクセル相当のミラーを集積したものである。DMDは、各ミラーの直下にあるメモリー素子の静電界作用により、主面に対して各ミラーが対角線に沿う軸周りに+10°又は−10°傾くように構成されたものである。このような構成により、DMDの各ミラーは、ON状態(所定方向に光を反射する状態)とOFF状態(所定方向外に光を反射する状態)とに切り換えられる。すなわち、DMDの各ミラーは、ON状態のとき、LED光源から図示しないダイクロイックミラー等を介して入射した光を、再びダイクロイックミラー等を介してレンズユニットへと導く一方、OFF状態のとき、LED光源からダイクロイックミラー等を介して入射した光をレンズユニット以外の方向に向けて反射する。
DLP制御回路883は、LED光源を駆動するLEDドライバ884を制御し、LED光源からのRGB各色の光を図示しないダイクロイックミラー等を介して時分割方式でDMDに入射させる。このとき、DLP制御回路883は、投影する映像に応じて、どのタイミングでどのピクセルに対応したミラーをON状態又はOFF状態とするか、すなわち、RGB各色の光のうちどの色の光をどのタイミングで所定方向に反射させるかを判定し、DMDの各ミラーのON・OFF状態を制御する。
このようなDLP制御回路883の制御により、DMDで所定方向に反射した光は、レンズユニットへと進み、投射レンズを透過することでミラー機構B3に入射し、最終的にミラー機構B3(図5参照)で反射することによって投影対象へと導かれる。これにより、投影対象となるスクリーンや役物に対して照射光が投影され、演出に応じた映像が形成される。
本実施の形態において、プロジェクタ装置B2は、いわゆるDLPプロジェクタとして構成される。また、プロジェクタ装置B2は、ミラー機構B3によって照射光を折り返すことにより投影対象までの投影距離を稼ぐとともに、例えばコントラスト比を1000:1とすることによって、照射光の投影距離をできるだけ短くするようにしている。これにより、プロジェクタ装置B2を備えた表示ユニットAは、より安価かつ小型に構成されるとともに、遊技機1のキャビネットGにおける限られたスペースに対して容易に搭載される。
[12.第3の遊技機]
続いて、図136〜図156を参照して、パチスロ機の他の一具体例について、これを「第3の遊技機」として説明する。
第3の遊技機は、上述の第1の遊技機(パチスロ機1)の構造と同様の構造を有している。第3の遊技機が第1の遊技機と異なる点は、上ドア機構である。そのため、ここでは、第3の遊技機における上ドア機構UD3について説明し、第1の遊技機と同じその他の構成についての説明を省略する。
(上ドア機構UD3の構成)
まず、上ドア機構UD3の構成について、図136〜図139を参照して説明する。
図136は、上ドア機構UD3の正面斜視図である。図137は、上ドア機構UD3の分解斜視図である。
図136及び図137に示すように、上ドア機構UD3は、上ドア本体601と、上ドア本体601に着脱可能な上ドア装飾部材602とを備えている。上ドア本体601は、キャビネットG(遊技機本体)に回動可能に支持されている。上ドア本体601は、キャビネットGにおける開口の上部空間を閉塞可能に設けられている。
上ドア本体601は、本発明に係る「第2部材」の一具体例を示し、上ドア装飾部材602は、本発明に係る「第1部材」の一具体例を示す。また、上ドア本体601は、上ドア装飾部材602にとっては遊技機本体側の部材であり、本発明に係る「遊技機本体」に対応する部材でもある。上ドア装飾部材602は、上ドア本体601(遊技機本体)から上方向に突出した位置に配置される。
〈上ドア本体601の構成〉
上ドア本体601は、略四角形の枠状に形成されたフロントパネル610と、フロントパネル610の開口に配置された演出表示窓UD1を有する。演出表示窓UD1は、第1の遊技機の演出表示窓UD1と同じであり、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成されている。演出表示窓UD1は、その背面側に設けられたメイン表示装置210を構成するスクリーン装置C(図127参照)に表示された演出画像を視認可能としている。
フロントパネル610は、上フレーム部611と、下フレーム部612と、左フレーム部613と、右フレーム部614とを有している。下フレーム部612は、演出表示窓UD1を支持する。左フレーム部613は、演出表示窓UD1における左側の湾曲部182bの表面に接触する装飾突起部613aを有している。また、右フレーム部614は、演出表示窓UD1における右側の湾曲部182bの表面に接触する装飾突起部614aを有している。
図137に示すように、上フレーム部611は、前後方向に適当な厚みを有する直方体状に形成されている。上フレーム部611の上面は、フロントパネル610の上部体裁面を形成する。上フレーム部611の上面には、装飾性を有する装飾貫通孔611aが形成されている。装飾貫通孔611aには、不図示の吸気ダクト及び排気ダクトが対向する。
また、上フレーム部611の上面には、光照射部605を露出させるための貫通孔611bが形成されている。光照射部605は、光の点灯、消灯、色によって表した遊技状態等の情報を、遊技機外に配置された受信部(例えば、デジタルサイネージの受信部)に送信する。上フレーム部611の側面は、右フレーム部614及び左フレーム部613の表面に対して段差が無い同一平面を形成している。
上フレーム部611の正面には、横長のロック部材用凹部611cが形成されている。ロック部材用凹部611cには、ロック部材630が配置されている。ロック部材630は、後述する固定位置に配置された上ドア装飾部材602を固定する。また、ロック部材用凹部611cには、ロック部材630の後述する操作片657が貫通する貫通孔611d(図138、図139参照)が設けられている。
図138は、上ドア本体601の正面図である。
図138に示すように、上ドア本体601における上フレーム部611の正面には、スピーカ用凹部611eと、ハーネス用開口611fと、複数の支持凸部611gが形成されている。
スピーカ用凹部611eは、上述したロック部材用凹部611cの両側に設けられている。スピーカ用凹部611eには、上ドア装飾部材602の後述する2つの凸部671が配置される。2つの凸部671は、後述する2つのスピーカ731L,731R(図144参照)を収容する凹部の反対側に形成されている。
スピーカ用凹部611eの深さは、ロック部材用凹部611cの深さよりも浅く設定されている。そのため、ロック部材用凹部611cとスピーカ用凹部611eとの間には、段部が形成されている。そして、ロック部材630の左右方向の両端部は、スピーカ用凹部611eよりも前後方向の前側に突出しない(図137参照)。これにより、ロック部材用凹部611cに配置されたロック部材630の左右方向の両端部と、スピーカ用凹部611eに配置された2つの凸部671が接触することを抑制している。
スピーカ用凹部611eには、2つのロック突起挿入孔611hが形成されている。2つのロック突起挿入孔611hは、上フレーム部611を前後方向に貫通している。ロック突起挿入孔611hには、上ドア装飾部材602の後述するロック突起672(図143参照)が挿入される。
ハーネス用開口611fは、ロック部材用凹部611cの上側に設けられている。ハーネス用開口611fは、上フレーム部611を前後方向に貫通している。ハーネス用開口611fは、上フレーム部611の背面に取り付けられた基板620によって閉じられている。基板620には、上ドア装飾部材602(図137参照)の上ドア本体接続用ハーネス908(図156参照)が接続されるコネクタ621が実装されている。
複数の支持凸部611gは、上フレーム部611の正面下部に設けられている。複数の支持凸部611gは、左右方向に所定の間隔を空けて並んでいる。複数の支持凸部611gは、上ドア装飾部材602(図137参照)の後述する複数の係合切欠き部673に挿入され、上ドア装飾部材602を支持する。
また、複数の支持凸部611gは、2つのロック突起挿入孔611hよりも中央側に位置している。つまり、2つのロック突起挿入孔611hの下方には、支持凸部611gが形成されていない。これにより、上ドア装飾部材602をフロントパネル610に固定する際に、上方からロック突起672(図143参照)を見ても、支持凸部611gがロック突起672によって隠れてしまうことがない。したがって、複数の支持凸部611gを複数の係合切欠き部673に容易に挿入することができる。
図139は、上ドア本体601の背面図である。なお、図139に示す上ドア本体601は、吸気ダクト及び排気ダクトを取り外した状態を示している。
図139に示すように、上フレーム部611の背面には、2つのロックレバー618と、2つのレバーカバー619と、上述した基板620が取り付けられている。
2つのロックレバー618は、上フレーム部611の背面に、左右方向に移動可能に支持されている。各ロックレバー618には、後方に向かって突出する操作凸部618aが形成されている。2つのロックレバー618は、ロック突起挿入孔611h(図138参照)に挿入されたロック突起672に係合するロック位置と、ロック突起挿入孔611hに挿入されたロック突起672から離れるロック解除位置に移動可能である。
2つのレバーカバー619は、略四角形の板状に形成されており、ロック突起挿入孔611h(図138参照)を覆っている。各レバーカバー619には、ロック突起672とロックレバー618の係合を視認可能な窓部619aが形成されている。
図139に示すように、ロック部材630の後述する操作片657と、2つのロックレバー618は、上ドア本体601の背面側(前後方向の後ろ側)から操作可能である。後述するが、ロック部材630の操作片657は、ロック部材630による上ドア装飾部材602の固定を解除する際に用いる。したがって、ロック部材630及び2つのロックレバー618の解除は、上ドア本体601の背面側から行う。言い換えれば、上ドア本体601がキャビネットGの上部空間を閉塞している状態では、ロック部材630及び2つのロックレバー618の解除を行うことができない。
〈ロック部材630の構成〉
次に、ロック部材630の構成について、図140〜図142を参照して説明する。
図140は、ロック部材630の斜視図である。図141は、ロック部材630のスライダの斜視図である。図142は、ロック部材630の水平方向に平行な平面で切断した断面図である。
図140に示すように、ロック部材630は、左右方向に延びる略直方体状に形成されている。ロック部材630は、ベース部631と、スライダ632と、スライダカバー633と、ガイドピン挿入ブロック634,635を有している。
ベース部631は、板金を折り曲げ加工することにより形成されている。ベース部631は、左右方向に長い長方形のベース板631aと、ベース板631aの前後方向の前側の長辺から立ち上がる前側板631bと、ベース板631aの前後方向の後ろ側の長辺から立ち上がる後側板631cとを有する。
ベース板631aは、上下方向に略垂直な平面を有する板体からなり、上面及び下面を有している。ベース板631aの上面における左右方向の両端部には、ガイドピン挿入ブロック634,635が固定されている。
ガイドピン挿入ブロック634は、左右方向の左側に配置されており、ガイドピン挿入ブロック635は、左右方向の右側に配置されている。ガイドピン挿入ブロック634,635は、略直方体状に形成されている。ガイドピン挿入ブロック634,635の前後方向の前側を向く面には、ガイドピン挿入孔634a,635aが形成されている。ガイドピン挿入孔634a,635aには、上ドア装飾部材602の後述する2つのガイドピン705(図143参照)が挿入される。
ガイドピン挿入ブロック634,635の間には、スライダ632が配置されている。ベース板631aの上面は、スライダ632を左右方向に移動可能に支持している。また、ベース板631aの前側の長辺には、2つのロックピン用切欠き636が形成されている。2つのピン用切欠き636には、上ドア装飾部材602の後述する2つのロックピン707(図143参照)が挿入される。さらに、ベース板631aの上面には、ばね接続突起637(図142参照)が設けられている。ばね接続突起637には、後述する引っ張りコイルばね660の一端が接続される。
前側板631bは、前後方向に対して略垂直な平面を有する板体からなる。前側板631bには、2つのガイドピン用貫通孔641と、2つのロックピン用切欠き642が形成されている。
2つのガイドピン用貫通孔641は、ガイドピン挿入ブロック634,635のガイドピン挿入孔634a,635aに対向する。2つのガイドピン用貫通孔641には、上ドア装飾部材602の後述する2つのガイドピン705(図143参照)が貫通する。そして、2つのガイドピン用貫通孔641を貫通した2つのガイドピン705は、ガイドピン挿入孔634a,635aに挿入される。
2つのロックピン用切欠き642は、2つのガイドピン用貫通孔641の間に配置されており、前側板631bの上端から下端までを上下方向に切り欠いている。これにより、前側板631bは、左側部分、中央部分、右側部分の3つに分割されている。2つのロックピン用切欠き642は、前後方向において2つのロックピン用切欠き636と重なる位置に形成されており、2つのロックピン用切欠き636と同じ幅(左右方向の長さ)に形成されている。
後側板631cは、前後方向に対して略垂直な平面を有する板体からなる。ベース板631aの後ろ側の長辺は、ベース板631aの前側の長辺よりも長い。これにより、後側板631cは、前側板631bよりも左右方向に長い。そして、後側板631cは、上フレーム部611のロック部材用凹部611c内に配置され(図138参照)、ねじを用いて上フレーム部611に固定されている。後側板631cは、ロック部材630における左右方向の両端部を形成している。
後側板631cには、開口部643が形成されている。開口部643は、上フレーム部611の貫通孔611d(図139参照)に対向する。開口部643及び貫通孔611dには、スライダ632の後述する操作片657が貫通する。また、ベース板631aの後ろ側の長辺には、開口部643から前後方向の後ろ側へ突出するストッパー638(図142参照)が設けられている。ストッパー638は、スライダ632の後述する操作片657と共に、上フレーム部611の貫通孔611dを貫通する(図139参照)。ストッパー638は、スライダ632の後述する操作片657の左方向への移動を規制する。
スライダカバー633は、略長方形の板体からなり、スライダ632の上面を覆っている。スライダカバー633は、ねじを用いてガイドピン挿入ブロック634,635に固定されている。スライダカバー633には、2つのロックピン用切欠き644が形成されている。2つのロックピン用切欠き644は、上下方向において2つのロックピン用切欠き636と対向しており、2つのロックピン用切欠き636と同じ幅(左右方向の長さ)に形成されている。
図140に示すように、2つのロックピン用切欠き636と、2つのロックピン用切欠き642と、2つのロックピン用切欠き644は、前後方向の前側に開口する2つのピン挿入開口部645を形成している。2つのピン挿入開口部645には、上ドア装飾部材602の後述する2つのロックピン707(図143参照)が挿入される。2つのロックピン707は、2つのピン挿入開口部645内において、スライダ632と係合する。
図141に示すように、スライダ632は、上下方向に対して略垂直な平面を有する板体からなる。スライダ632は、左右方向に長い長方形に形成されており、2つの短辺である左端面632a及び右端面632bと、2つの長辺である前端面632c及び後端面632dを有している。
スライダ632には、2つのガイド溝651が形成されている。2つのガイド溝651は、それぞれ左右方向に延びている。2つのガイド溝651には、ベース板631aに固定された2つの係合ピン646(図142参照)がそれぞれ係合する。係合ピン646は、スライダ632の前後方向及び上下方向への移動を規制する。その結果、スライダ632は、左右方向に移動可能となる。
また、スライダ632の上面には、ばね接続突部652が設けられている。図142に示すように、ばね接続突部652には、引っ張りコイルばね660の他端が接続される。上述したように、引っ張りコイルばね660の一端は、ベース板631aのばね接続突起637に接続される。
引っ張りコイルばね660は、スライダ632を左右方向の右側へ付勢する。これにより、スライダ632は、右端面632bがガイドピン挿入ブロック635に当接するロック位置に配置された状態を維持する。一方、引っ張りコイルばね660の付勢に抗してスライダ632を左右方向の左側へ移動させると、スライダ632は、左端面632aがガイドピン挿入ブロック634に当接するロック解除位置(非ロック位置)に移動する。なお、スライダ632を付勢する部材(付勢手段)としては、引っ張りコイルばねに限定されず、圧縮コイルばねやその他のばね部材、ゴム部材等を適用することができる。
図141及び図142に示すように、スライダ632の前端面632cには、2つのロック爪654と、2つのロック用切欠き655が設けられている。ロック爪654は、前後方向の前側に突出している。ロック爪654の前側の端面には、傾斜面654aが形成されている。傾斜面654aは、左右方向の右側へ向かうにつれて徐々に前後方向の後ろ側に向かうように傾いている。
ロック用切欠き655は、前後方向においてロック爪654に対向する位置に形成されている。図142に示すように、ロック用切欠き655及びロック爪654は、ロック位置に配置されたスライダ632のロックピン用切欠き636と上下方向において重なる。
スライダ632の後端面632dには、操作片657が設けられている。操作片657は、前後方向の後ろ側に突出している。操作片657は、スライダ632をロック解除位置へ移動させる場合に把持する(指を掛ける)突起である。操作片657は、左右方向において上述したストッパー638と対向する。したがって、操作片657とストッパー638をつまむように把持することにより、スライダ632を容易に左側(ロック解除位置)へ移動させることができる。
〈上ドア装飾部材602の構成〉
次に、上ドア装飾部材602の構成について、図143〜図145を参照して説明する。
図143は、上ドア装飾部材602の背面斜視図である。図144は、上ドア装飾部材602の分解斜視図である。図145は、上ドア装飾部材602における装飾ベースの背面図である。
図143及び図144に示すように、上ドア装飾部材602は、装飾ベース661と、装飾ベース661の背面側(前後方向の後ろ側)に取り付けられるロック受け662と、装飾ベース661の正面側(前後方向の前側)に取り付けられる装飾パネル663とを備えている。
図144及び図145に示すように、装飾ベース661は、前後方向に厚みを有する板体からなり、左右方向に長い略長方形に形成されている。装飾ベース661の上端には、装飾カバーの形状に合わせた3つの凸部が形成されている。また、装飾ベース661の正面(前後方向の前面)には、装飾パネル663に取り付けられる2つのスピーカ731L,731Rの背面側が収容される2つのスピーカ用凹部(不図示)が形成されている。これにより、装飾ベース661の背面(前後方向の後面)には、2つのスピーカ用凹部を形成するための2つの凸部671が形成されている。
装飾ベース661の背面には、2つのロック突起672と、複数の係合切欠き部673が形成されている。2つのロック突起672は、2つの凸部671の斜め下方に配置されており、装飾ベース661の背面から略垂直に突出している。ロック突起672は、左右方向に適当な厚みを有する板状に形成されている。ロック突起672には、左右方向に貫通する貫通孔が形成されている。ロック突起672の貫通孔には、上述した上ドア本体601のロックレバー618(図139参照)の一端部が挿入される。
複数の係合切欠き部673は、装飾ベース661の下部(下辺)に設けられている。複数の係合切欠き部673は、左右方向に所定の間隔を空けて並んでいる。複数の係合切欠き部673には、上述した上ドア本体601の複数の支持凸部611g(図138参照)が挿入される。そして、複数の支持凸部611gは、複数の係合切欠き部673の壁面上部に当接し、装飾ベース661(上ドア装飾部材602)を支持する。
装飾ベース661の背面における中央部には、ロック受け収容凹部675が設けられている。ロック受け収容凹部675は、左右方向に長い長方形に形成されている。このロック受け収容凹部675には、ロック受け662が配置される。ロック受け662は、ねじを用いて装飾ベース661に固定される。ロック受け収容凹部675の前後方向に直交する面には、2つの位置決め突起675aが設けられている。2つの位置決め突起675aは、ロック受け662の後述する2つの位置決め孔701a(図149参照)それぞれ嵌合する。
ロック受け収容凹部675の上部には、ハーネス引き出し用開口部676が形成されている。ハーネス引き出し用開口部676は、ロック受け収容凹部675を前後方向に貫通する。ハーネス引き出し用開口部676は、装飾パネル663の後述する中央基板732の一部と対向する。
中央基板732のコネクタには、上ドア本体接続用ハーネス608(図156参照)の一端が接続される。上ドア本体接続用ハーネス608の他端は、ハーネス引き出し用開口部676から装飾ベース661の背面側へ引き出され、上述した上ドア本体601のコネクタ621(図138参照)に接続される。上ドア本体接続用ハーネス608の他端は、ハーネス引き出し用開口部676から視認可能である。なお、上ドア本体接続用ハーネス608の一端及びその一端が接続されるコネクタ(中央基板732に実装されている)においても、ハーネス引き出し用開口部676から視認可能であってもよい。
ハーネス引き出し用開口部676とロック受け収容凹部675との間には、仕切り板677が設けられている。そして、図145に示すように、仕切り板677とロック受け収容凹部675の上壁面との間には、係合軸678と、係合雄部679が設けられている。係合軸678と係合雄部679は、前後方向においてハーネス引き出し用開口部676と対向している。
係合軸678及び係合雄部679は、上下方向に延びる棒状に形成されている、係合軸678及び係合雄部679の一端部(下端部)は仕切り板677と一体に形成されており、係合軸678及び係合雄部679の他端部(上端部)はロック受け収容凹部675の上壁面と一体に形成されている。
係合軸678と係合雄部679は、左右方向において適当の距離を空けて対向している。図143及び図144に示すように、係合軸678には、ハーネス保持部材680が回動可能に軸支される。したがって、ハーネス保持部材680は、ハーネス引き出し用開口部676から視認可能である(図144参照)。
ハーネス保持部材680は、係合軸678を中心に水平方向に回転可能である。係合雄部679は、ハーネス保持部材680の回転軌道上に配置されており、ハーネス保持部材680の回動を係止する。これにより、ハーネス保持部材680は、ハーネス引き出し用開口部676を通って装飾ベース661の正面側へ突出することはない。
〈ハーネス保持部材680の構成〉
次に、ハーネス保持部材680の構成について、図146〜図148を参照して説明する。
図146は、ハーネス保持部材680の上面図である。図147は、ハーネス保持部材680の背面斜視図である。図148は、ハーネス保持部材680の正面斜視図である。
図146〜図148に示すように、ハーネス保持部材680は、弾性変形可能な樹脂材により形成されており、軸部681と、軸部681に連続するアーム部682とを有する。軸部681は、円筒状に形成されている。軸部681には、軸方向に沿って一端から他端まで延びる切欠き681aが形成されている。軸部681は、切欠き部681aを広げるように弾性変形させることで、上述した装飾ベース661の係合軸678(図145参照)に嵌合可能となる。軸部681は、係合軸678を中心に水平方向へ回動する。
アーム部682は、軸部681の周面から軸部681の径方向に突出する棒状に形成されている。アーム部682は、ベース片684と、リブ685とを有している。
ハーネス保持部材680が係合軸678に軸支された状態(図143参照)において、軸部681の軸方向は、上下方向と平行となる。以下、軸部681の軸方向を上下方向として説明する。
ベース片684は、長細い板状に形成されており、長手方向の一端が軸部681の外周面に連続している。ベース片684は、上下方向に直交する平面である上面及び下面を有する。また、ベース片684は、ベース片684の一方の長辺を形成する端面684aと、他方の長辺を形成する端面684bを有する。ハーネス保持部材680が係合軸678(図145参照)に軸支された状態において、端面684aは、端面684bよりも前後方向の前側に位置する。
ベース片684の端面684aには、2つの切欠き691と、係合雌部692が形成されている。係合雌部692は、軸部681側と反対側の先端部に設けられている。係合雌部692が上述した装飾ベース661の係合雄部679(図145参照)に接触すると、ハーネス保持部材680の前後方向の前側への回動が係止される。
なお、係合雌部692には、係合雄部679に嵌合可能な凹部が形成されている。そのため、係合雌部692は、係合雄部679に押し付けられることにより、係合雄部679に嵌合する。その結果、ハーネス保持部材680は、係合軸678を中心とする前後方向への回動が規制(係止)される。
2つの切欠き691は、係合雌部692よりも軸部681側に設けられている。2つの切欠き691は、ベース片684の長手方向に適当な距離を空けて配置されている。2つの切欠き691は、上下方向から見た形状が四角形であり、ベース片684の上面から下面に達するまで形成されている。
リブ685は、ベース片684の上面から略垂直に突出する長細い板状に形成されている。リブ685の長手方向の長さは、ベース片684の長手方向の長さと同じに設定されている。リブ685は、長手方向の一端が軸部681の外周面に連続している。
図148に示すように、リブ685の平面685a,685bは、ベース片684の端面684a,684bと平行である。リブ685の平面685aとベース片684の端面684aとの間には、ベース片684の上面がある。
ハーネス保持部材680におけるリブ685の平面685a(壁面とも言える)とベース片684の上面には、上ドア本体接続用ハーネス608(図156参照)を沿わせる。これにより、ハーネス保持部材680は、上ドア本体接続用ハーネス608を上述した上ドア本体601(図138参照)のハーネス用開口611f側へ案内する。
また、リブ685の平面685bは、ベース片684の端面684bに連続しており、両者は同一平面を形成する。リブ685の平面685bには、突条部693が形成されている。突条部693は、リブ685の長手方向に沿って連続しており、リブ685の長手方向の一端から他端まで形成されている。
図146及び図147に示すように、突条部693には、2つの切欠き695が形成されている。2つの切欠き695は、リブ685を挟んで2つの切欠き691と対向する位置に設けられている。2つの切欠き695は、上下方向から見た形状が四角形であり、突条部693の上面から下面に達するまで形成されている。
リブ685を挟んで互いに対向する切欠き691,695には、上ドア本体接続用ハーネス608とハーネス保持部材680(アーム部682)を束ねる不図示の結束部材(例えば、樹脂性の結束バンド)を引っかけることが可能である。これにより、結束部材がアーム部682の長手方向にずれないようにすることができ、上ドア本体接続用ハーネス608とハーネス保持部材680の結束が緩まないようにすることができる。
〈ロック受け662の構成〉
次に、ロック受け662の構成について、図144及び図149を参照して説明する。
図149は、ロック受け662の斜視図である。
図144及び図149に示すように、ロック受け662は、左右方向から見た側面形状が略コ字状に形成されている。ロック受け662は、前後方向に直交する平面を有する固定板部701と、固定板部701に連続する上板部702及び下板部703とを有する。
固定板部701は、左右方向に長い長方形の板体からなる。固定板部701は、上述した装飾ベース661におけるロック受け収容凹部675(図144参照)にねじを用いて固定される。図149に示すように、固定板部701には、2つの位置決め孔701aが設けられている。2つの位置決め孔701aには、装飾ベース661の2つの位置決め突起675aが嵌合する。これにより、ロック受け662の位置決めを容易に行うことができる。
固定板部701の前後方向の前側を向く面は、装飾ベース661におけるロック受け収容凹部675(図144参照)の底面(後方を向く面)に当接する。固定板部701の前後方向の後ろ側を向く面には、2つのガイドピン705が立設されている。2つのガイドピン705は、固定板部701の前後方向の前側を向く面から貫通するねじによって固定板部701に固定されている。
2つのガイドピン705は、固定板部701に固定される基端部と、基端部と反対側の先端部を有している。2つのガイドピン705の先端部は、先端に向かうにつれて細くなるテーパー状に形成されている。2つのガイドピン705は、上述した上ドア本体601のガイドピン挿入孔634a,635a(図138参照)に挿入される。2つのガイドピン705の先端部がテーパー状に形成されているため、ガイドピン挿入孔634a,635aに容易に挿入することができる。
上板部702及び下板部703は、固定基板の2つの長辺(上端及び下端)にそれぞれ連続しており、前後方向の後ろ側に突出している。上板部702及び下板部703は、上下方向に略垂直な平面を有する板体からなる。
図144に示すように、上板部702及び下板部703には、2つのロックピン707が固定されている。2つのロックピン707は、上下方向に延びる円柱状に形成されている。ロックピン707の軸方向の一端(上端)は、上板部702に固定されており、ロックピン707の軸方向の他端(下端)は、下板部703に固定されている。これにより、2つのロックピン707を強固に固定することができる。2つのロックピン707は、上述した上ドア本体601の2つのピン挿入開口部645(図140参照)に挿入される。
〈装飾パネル663の構成〉
次に、装飾パネル663の構成について、図144、図150、及び図151を参照して説明する。
図150は、装飾パネル663の分解斜視図である。図151は、装飾パネル663のスピーカカバーの斜視図である。
図150に示すように、装飾パネル663は、パネルベース721と、装飾カバー722と、2つのスピーカカバー723L,723Rとを有している。
パネルベース721は、左右方向に長い板状の部材からなり、上述した装飾ベース661の前後方向の前側を覆う。図144に示すように、パネルベース721は、底板部721aを有している。底板部721aは、上述した装飾ベース661の複数の係合切欠き部673に対向し、上ドア装飾部材602の底面を形成する(図143参照)。底板部721aの表面(下方を向く面)には、滑り止め用のシボ加工が施されている。これにより、上ドア装飾部材602を把持し易くすることができる。
なお、本発明の係る滑り止め加工は、シボ加工に限定されず、例えば、ローレット加工等のその他の加工であってもよい。また、滑り止め加工としては、底板部721aに直接加工するものに限定されず、例えば、滑り止め用シートを貼り付ける加工であってもよい。また、本発明に係る滑り止め加工としては、底板部721a(上ドア装飾部材602の底面)に施すことに限定されず、上ドア装飾部材602のその他の部位に施してもよい。なお、滑り止め加工を施す部位は、上ドア装飾部材602を把持する際に手で触れる部位であればよい。
図144に示すように、パネルベース721の前後方向の後ろ側には、2つのスピーカ731L,731Rと、中央基板732が配置されている。
2つのスピーカ731L,731Rは、パネルベース721に設けられたスピーカ用開口部を貫通する。そのため、スピーカ731L,731Rの正面側は、パネルベース721の前後方向の前側に露出されている。また、スピーカ731L,731Rの背面側は、上述した装飾ベース661の2つのスピーカ用凹部(2つの凸部671の反対側)に収容される。
中央基板732は、複数のLED(光源)735が実装された第1実装面732aと、複数のコネクタが実装された第2実装面732bとを有している。図150に示すように、中央基板732の第1実装面732aは、パネルベース721に設けられた中央基板用開口部721bに対向している。複数のLED735は、中央基板用開口部721bを介して装飾カバー722の後述する透光部754に対向する。複数のLED735から出射した光は、透光部754を通過する。
中央基板732の第2実装面732bに実装された複数のコネクタ(図145参照)のうちの1つには、上ドア本体接続用ハーネス608の一端が接続されている。上述したように、上ドア本体接続用ハーネス608は、装飾ベース661のハーネス引き出し用開口部676(図144参照)から引き出され、上述した上ドア本体601の基板620に実装されたコネクタ621(図138参照)に接続される。
パネルベース721の前後方向の前側には、複数の基板736〜739が取り付けられている。複数の基板736〜739は、装飾カバー722の後述する複数の装飾レンズ部755に対向している。複数の基板736〜739の前後方向の前側を向く面には、複数のLED(光源)740が実装されている。複数のLED740から出射した光は、複数の装飾レンズ部755を通過する。
複数の基板736〜739の前後方向の後ろ側を向く面の一部は、装飾カバー722に設けられた貫通孔に対向している。複数の基板736〜739の前後方向の後ろ側を向く面の一部には、コネクタが実装されている。複数の基板736〜739に実装されたコネクタには、中央基板732にのコネクタに接続されるハーネスが接続されている。これにより、複数の基板736〜739は、中央基板732と電気的に接続されている。
パネルベース721の前後方向の前側には、2つのレンズ部742L,742Rが取り付けられている。2つのレンズ部742L,742Rの後ろ側には、不図示のLEDが実装された基板がそれぞれ配置されている。不図示のLEDから出射された光は、2つのレンズ部742L,742Rにそれぞれ入射する。2つのレンズ部742L,742Rは、入射された光を出射する光出射面を有する。
装飾カバー722は、中央基板732及び複数の基板736〜739を覆う大きさに設定されている。装飾カバー722は、2つの角を模したような角装飾部751や、爪を模したような爪装飾部752を有している。装飾カバー722の中央部には、透光部754が設けられている。また、角装飾部751には、複数の装飾レンズ部755が設けられている。
透光部754は、パネルベース721の中央基板用開口部721bに対向している。透光部754は、透光性を有する材料から形成されている。透光部754の裏面には、不図示の導光パネルが重ね合わされている。導光パネルには、文字や図柄等の模様を描くように凹凸が形成されている。複数のLED735から出射された光が導光パネルに照射されると、その光が凹凸に反射して模様が浮かび上がるようになっている。
複数の装飾レンズ部755は、透光性を有している。複数の装飾レンズ部755は、複数の基板736〜739に実装された複数のLED740に対向している。そのため、複数の装飾レンズ部755の全部に光を透過させたり、複数の装飾レンズ部755の各基板に対向する部分に個別に光を透過せたりすることができる。
なお、複数のLED735及び複数のLED740の点灯及び消灯は、副制御基板72(図3参照)により制御される。副制御基板72は、上ドア本体接続用ハーネス608及び上述の基板620を介して中央基板732と電気的に接続されている。すなわち、中央基板732及び複数の基板736〜739は、副制御基板72から送られるコマンドに基づいて、複数のLED735及び複数のLED740の点灯及び消灯を行う。
スピーカカバー723Lは、スピーカ731Lとレンズ部742Lを覆う大きさに設定されている。スピーカカバー723Rは、スピーカ731Rとレンズ部742Rを覆う大きさに設定されている。2つのスピーカカバー723L,723Rは、透光性を有する材料から形成されている。
2つのスピーカカバー723L,723Rは、左右対称に形成されている。そのため、これ以降は、スピーカカバー723Rを例に挙げて、スピーカカバーの構造を説明する。図150に示すように、スピーカカバー723Rの体裁面723aには、凹凸により装飾が施されている。
図151に示すように、スピーカカバー723Rは、スピーカ731Rに対向するスピーカ対向部761と、レンズ部742Rに対向するレンズ対向部762を有している。なお、スピーカ対向部761及びレンズ対向部762のいずれの体裁面723aにおいても、上述した凹凸による装飾が施されている。
スピーカ対向部761には、複数のスピーカ用貫通孔761aが形成されている。複数のスピーカ用貫通孔761aは、体裁面723aに形成された装飾の凹部に応じた個所に設けられている。そのため、装飾性を損なわずに、スピーカ731R用のスピーカ用貫通孔761aを設けることができる。
一方、レンズ対向部762には、貫通孔が形成されていない。レンズ部742Rから光が出射していない場合に、レンズ部742Rを遊技者が視認できてしまうと、見栄えが悪くなる。そこで、レンズ対向部762に貫通孔を設けないことで、レンズ部742Rが遊技者から直接視認できないようになっている。上述したように、スピーカカバー723Rは、透光性を有している。そのため、レンズ部742Rから光が出射すると、レンズ対向部762の光を視認することができ、光による演出効果を高めることができる。
なお、レンズ対向部762を介してレンズ部742Rを視認されないように、スピーカカバー723Rを暗い色(例えば、透過性を有する黒や灰色)にするとよい。なお、上ドア装飾部材602が備える演出実行手段は、本実施形態のようなLEDからなる発光手段やスピーカ以外のものとしてもよい。演出実行手段としては、例えば、液晶画面やプロジェクタからの投影光を受けるスクリーンなどの画像表示手段や、モータやソレノイド等で動作する可動装飾部などのいずれか1つ又は複数を適用してもよい。上述したように、上ドア本体接続用ハーネス608が接続される基板である中央基板732は、LED735を備える発光基板である。しかし、上ドア本体接続用ハーネス608が接続される基板としては、中継基板(演出実行手段などを備えない中継用の基板)としてもよい。この場合は、中継基板を介してLED基板や他の演出制御用基板へ遊技機本体側からの信号を送るようにする。このような中継基板は小型化しやすいため、ハーネスを接続しやすい位置に配置することができ、構造設計が比較的容易となるメリットがある。一方、本実施形態のように、上ドア装飾部材602に中継基板を設けない場合は、部品点数を削減してコストダウンを図ることができる。また、特に演出実行手段を備えず、単なる装飾部としてもよく、その場合は中央基板732や上ドア本体接続用ハーネス608などが不要となり、本実施形態と比べて構造が簡素化でき、このような装飾部において本実施形態のロック機構を採用してもよい。なお、上ドア装飾部材602は、遊技機本体上部という遊技者(店内で遊技する台を選んでいるものも含む)から目立つ位置にあるため、遊技が行われていない客待ち状態において、発光演出など遊技者が認識可能な所定の客待ち演出を実行して、稼働の促進を図ってもよい。
〈上ドア装飾部材602の取付作業〉
次に、上ドア装飾部材602の取付作業について、図152〜図156を参照して説明する。
図152は、上ドア本体601に上ドア装飾部材602を取り付ける前の状態を示す説明図である。図153及び図154は、上ドア本体601に上ドア装飾部材602を取り付けている途中の状態を示す説明図である。図155は、上ドア本体601に上ドア装飾部材602を取り付けた状態を示す説明図である。図156は、上ドア機構UD3の水平方向に平行な平面で切断した断面図である。
第3の遊技機は、上ドア装飾部材602を上ドア本体601から外した状態で出荷される。上ドア装飾部材602は、出荷先で第3の遊技機を設置する際に、上ドア本体601に取り付けられる。上ドア装飾部材602を上ドア本体601に取り付ける場合は、上ドア本体601を筐体2(図2参照)から外す。そして、上ドア本体601に上ドア装飾部材602を取り付けて、上ドア機構UD3を組み立てる。その後、上ドア機構UD3を筐体2に取り付ける(回動可能に嵌め込む)。
上ドア本体601に上ドア装飾部材602を取り付ける場合は、まず、上ドア装飾部材602の上ドア本体接続用ハーネス608をハーネス引き出し用開口部676(図144参照)から引き出して、ハーネス保持部材680のリブ685(図148参照)に沿わせる。このとき、上ドア本体接続用ハーネス608がリブ685から離れないように、両者を結束部材(不図示)によって結束するとよい。
次に、上ドア装飾部材602を把持して、図152に示すように、上ドア本体601に近接する位置(所定位置)に配置する。この所定位置は、上ドア装飾部材602が上ドア本体601の上フレーム部611に対向する位置である。所定位置に配置された上ドア装飾部材602のハーネス保持部材680は、上ドア本体601のハーネス用開口611fに近接して対向する。したがって、所定位置は、ハーネス保持部材680のリブ685に沿わせた上ドア本体接続用ハーネス608を、上ドア本体601の基板620に実装されたコネクタ621に接続可能な位置である。
所定位置において、ハーネス保持部材680を回動させることにより、ハーネス保持部材680におけるアーム部682の先端部を、ハーネス用開口611f内に挿入できる。その結果、アーム部682の先端部をコネクタ621に接近させて、リブ685に沿わせた上ドア本体接続用ハーネス608をコネクタ621に容易に接続することができる。
また、上ドア本体接続用ハーネス608をリブ685(ベース片684)に沿わせているため、上ドア本体接続用ハーネス608が上下方向にずれることがない。したがって、その後、上ドア装飾部材602を上ドア本体601に取り付ける際に、上ドア装飾部材602と上ドア本体601と間に上ドア本体接続用ハーネス608が挟まらないようにすることができる。その結果、上ドア本体接続用ハーネス608の断線を防止することができる。
上ドア本体接続用ハーネス608をコネクタ621に接続後、図153に示すように、上ドア装飾部材602を前後方向の後ろ側へ移動させて、上ドア装飾部材602の2つのガイドピン705を、上ドア本体601のガイドピン挿入孔634a,635aに挿入する。このとき、上ドア装飾部材602の2つのロック突起672は、上ドア本体601の2つのロック突起挿入孔611h(図138参照)に対向している。
また、ロック受け662の2つのロックピン707は、ロック部材630における2つのロック爪654の傾斜面654aを押圧する。これにより、スライダ632が引っ張りコイルばね660の付勢に抗して左右方向の左側へ移動する。
図154に示すように、上ドア装飾部材602の2つのガイドピン705を、さらに上ドア本体601のガイドピン挿入孔634a,635aに挿入すると、2つのロック突起672は、2つのロック突起挿入孔611h(図138参照)に挿入される。そして、ロック受け662の2つのロックピン707は、ロック部材630における2つのロック爪654の先端を押圧する。これにより、スライダ632は、引っ張りコイルばね660の付勢に抗してさらに左右方向の左側へ移動する。
図155に示すように、2つのガイドピン705を、さらにガイドピン挿入孔634a,635aに挿入すると、2つのロック突起672は、2つのロック突起挿入孔611h(図138参照)を貫通する。これにより、2つのロック突起672の貫通孔は、2つのロックレバー618(図139参照)と左右方向において対向する。すなわち、2つのロックレバー618は、2つのロック突起672の貫通孔に挿入可能になる。
一方、ロック受け662の2つのロックピン707は、ロック部材630における2つのロック爪654を乗り越えて、2つのロック爪654の前後方向の後ろ側に移動する。これにより、ロックピン707は、前後方向において、ロック爪654とロック用切欠き655との間に配置される。その結果、ロック爪654とロック用切欠き655が、ロックピン707の前後方向への移動を係止する。
また、ロックピン707は、左右方向いおいて、ロック用切欠き655とロックピン用切欠き636との間に配置される。その結果、ロック用切欠き655とロックピン用切欠き636が、ロックピン707の左右方向への移動を係止する。したがって、ロックピン707の前後左右への移動が規制され、上ドア装飾部材602が上ドア本体601に固定される。これにより、上ドア装飾部材602は、上ドア本体601に固定される固定位置に配置される。
このとき、上ドア本体601の複数の支持凸部611g(図138参照)が、上ドア装飾部材602の複数の係合切欠き部673(図143)の壁面上部に当接する。したがって、上ドア装飾部材602は、複数の係合切欠き部673、2つのガイドピン705、及び2つのロック突起672において、上ドア本体601に支持される。
次に、上ドア本体601の2つのロックレバー618(図139参照)を、上ドア装飾部材602における2つのロック突起672の貫通孔に貫通させる。2つのロックレバー618には、それぞれ操作凸部618aが形成されているため、2つのロックレバー618を容易に操作することができる。2つのロックレバー618を2つのロック突起672の貫通孔に貫通させると、上ドア本体601に対する上ドア装飾部材602の取り付けが完了する。
2つのロック突起672の貫通孔に2つのロックレバー618が貫通することにより、上ドア装飾部材602の上下方向への移動が係止される。なお、2つのガイドピン705がガイドピン挿入孔634a,635a挿入されることによっても、上ドア装飾部材602の上下方向への移動が係止されている。
上ドア本体601から上ドア装飾部材602を取り外す場合は、まず、2つのロックレバー618を2つのロック突起672の貫通孔から外す。これにより、2つのロック突起672を、上ドア本体601の2つのロック突起挿入孔611hから引き抜くことが可能になる。
次に、ロック部材630の操作片657を押圧して、引っ張りコイルばね660の付勢に抗してスライダ632を左右方向の左側へ移動させる。これにより、スライダ632がロック解除位置(非ロック位置)に移動し、ロックピン707とロック爪654の係合が外れる。その結果、上ドア装飾部材602を前後方向の前側へ移動させることが可能になる。そして、上ドア装飾部材602を前後方向の前側へ移動させると、上ドア本体601から上ドア装飾部材602が外れる。
次に、上ドア装飾部材602を所定位置に配置し、上ドア本体接続用ハーネス608の他端を、上ドア本体601のコネクタ621から外す。これにより、上ドア本体601に対する上ドア装飾部材602の取り外しが完了する。
例えば、製造時に、上ドア装飾部材602の複数のLED735,740が正常に点灯するか否かの動作確認を行う場合は、上ドア装飾部材602を上ドア本体601に仮固定する。上ドア装飾部材602を上ドア本体601に仮固定する場合は、2つのロック突起672の貫通孔に2つのロックレバー618を貫通させない。これにより、仮固定の場合の上ドア装飾部材602の取付作業及び取り外し作業を容易にすることができる。また、ロックレバー618を操作する必要が無いため、上ドア本体601を筐体2から取り外さなくても、上ドア装飾部材602を上ドア本体601に仮固定することができる。その結果、製造効率を向上させることができる。
図156に示すように、上ドア本体601に上ドア装飾部材602を取り付けた状態において、ハーネス保持部材680におけるアーム部682の先端部は、上ドア本体601の基板620に実装されたコネクタ621に対向している。これにより、ドア本体接続用ハーネスにおけるアーム部682の先端部から突出する長さを短くすることができる。その結果、上ドア装飾部材602と上ドア本体601と間に上ドア本体接続用ハーネス608が挟まることを防ぐことができる。
また、ハーネス保持部材680におけるアーム部682の中間部は、ハーネス用開口611fの輪郭部分(周縁部端面)に対向している。例えば、ハーネス保持部材680の係合雌部692を係合雄部679に係合させないことで、ハーネス保持部材680が係合軸678を中心に回動自在な状態であったとする。このような場合であっても、上ドア本体601に上ドア装飾部材602を取り付けると、アーム部682がハーネス用開口611fの輪郭部分に接触する。これにより、アーム部682を左右方向に略平行な姿勢にすることができる。その結果、アーム部682の先端部がコネクタ621から離れないようにすることができ、ドア本体接続用ハーネスがコネクタ621から外れないようにすることができる。また、アーム部682を左右方向に略平行な姿勢にすることができるため、ハーネス保持部材680が上ドア本体601の意図しない箇所に接触して破損してしまうことを防止することができる。
なお、上ドア本体接続用ハーネス608をコネクタ621に接続後、ハーネス保持部材680の係合雌部692を係合雄部679に係合させてもよい(図156参照)。これにより、ハーネス保持部材680の回動を係止することができ、ハーネス保持部材680が上ドア本体601に接触しないようにすることができる。
本実施形態では、ハーネス用開口611fによって露出される位置に基板620が配置されており、上ドア本体601の前後方向の前側から上ドア本体接続用ハーネス608をコネクタ621に接続可能とした。しかし、本発明に係る上ドア本体601(第2部材)の基板は、上ドア本体601の前後方向の後ろ側に露出される位置に配置されていてもよい。この場合は、ハーネス保持部材680(アーム部682)の先端部から突出するドア本体接続用ハーネスがハーネス用開口611fを貫通して、上ドア本体601の前後方向の後ろ側においてコネクタに接続される。この場合においても、ハーネス保持部材680におけるアーム部682の先端部を、ハーネス用開口611f内に挿入できるため、ドア本体接続用ハーネスを容易にハーネス用開口611fに貫通させることができる。その結果、コネクタに対するドア本体接続用ハーネスの接続作業を簡単に行うことができる。
また、本実施形態では、上ドア本体接続用ハーネス608とハーネス保持部材680のリブ685を結束可能な構成にした。しかし、本発明に係るハーネス保持部材(特定部材)としては、上ドア本体接続用ハーネス608を沿わせるガイド溝を有するものや、上ドア本体接続用ハーネス608を引っ掛けるフック部、上ドア本体接続用ハーネス608を保持するクリップ部を有するものであってもよい。この場合は、結束部材を用いなくても、ハーネス保持部材から上ドア本体接続用ハーネス608が離れないよにすることができる。
なお、上ドア本体接続用ハーネス608は、他のハーネスと色を異ならせるようにしてもよい。これにより、上ドア本体接続用ハーネス608をハーネス引き出し用開口部676(図144参照)から引き出す際に、誤って他のハーネスを引っ張ってしまうことを防止することができる。その結果、上ドア装飾部材602の取付作業を円滑に行うことができる。
[付記4]
従来、パチンコ遊技機の遊技盤と遊技枠など、遊技機を構成する複数のユニットを通信可能に接続する方法として、コネクタ同士を直接接続できるドロワコネクタを用いて接続する方法が知られている(例えば、特開2014−128391号公報参照)。ドロワコネクタを用いた場合は、接続作業が行いやすいというメリットがある。
しかし、ドロワコネクタを用いる場合は、ドロワコネクタ自体の値段が高いため、遊技機の製造コストが高くなってしまう。したがって、ドロワコネクタを用いずにハーネスを介してユニット同士の接続作業を行いやすくする工夫が求められていた。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、ハーネスを介してユニットを接続する際に、接続作業を行いやすくすることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
第1部材(例えば、上ドア装飾部材602)と、前記第1部材を固定する第2部材(例えば、上ドア本体601)と、を少なくとも備える遊技機であって、
前記第1部材を前記第2部材に固定する場合に、少なくとも所定位置にある前記第1部材は、前記第2部材と近接し、
前記第2部材は、前記所定位置にある前記第1部材の近傍にハーネス用開口(例えば、ハーネス用開口611f)を備え、
前記第1部材は、前記ハーネス用開口から前記第2部材の内部に挿入可能なハーネス(例えば、上ドア本体接続用ハーネス)を備え、
さらに、前記ハーネスを沿わせることが可能な特定部材(例えば、ハーネス保持部材680)を前記ハーネス用開口に対応する位置に備える
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、ハーネスの位置を安定させることができ、第1部材を第2部材に固定する(取り付ける)際に、両者によってハーネスを挟まないようにすることができる。また、ハーネスをハーネス用開口へ容易に導くことができ、ハーネスの接続作業を簡単に行うことができる。
前記特定部材は、前記ハーネスを沿わせることが可能な壁部(例えば、リブ685)を備える
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、ハーネスを特定部材に簡単に沿わせることができる。その結果、第1部材を第2部材に固定する(取り付ける)際のハーネスの取り回しを容易にすることができ、取付作業の作業効率を向上させることができる。
前記特定部材は、回動可能に構成されている
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、ハーネスを沿わせた状態で特定部材を回動させることができるため、ハーネスを適切な方向に導くことができる。
前記特定部材は、前記第1部材に配置されている
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、第1部材を所定位置に配置する前に、特定部材にハーネスを沿わせることができる。これにより、第1部材を把持した状態で行う作業を減らすことができ、第2部材に対する第1部材の取付作業を効率よく行うことができる。
前記第1部材は、前記ハーネス用開口に対応する位置に第1部材側開口部(例えば、ハーネス引き出し用開口部676)を備え、
前記第1部材と前記第2部材とを固定していない状態においては、前記ハーネスの少なくとも一端は前記第1部材側開口部から視認可能であり、かつ、前記特定部材は前記第1部材側開口部から視認可能である
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、第1部材側開口部からハーネスの位置を視認できるため、第1部材の内部から外へ引き出されるハーネスであっても、ハーネスの取り回しや特定部材へ沿わせる作業を容易に行うことができる。
前記第2部材は、前記第1部材を固定するロック部材(例えば、ロック部材630)を備え、
前記ロック部材は、非ロック位置とロック位置とに移動可能なロックスライダ(例えば、スライダ632)を有し、
前記第1部材を固定位置に配置し、前記ロックスライダを前記非ロック位置から前記ロック位置に移動させることで、前記第1部材を固定する
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、ドライバー(screwdriver)などの工具を用いることなく、第1部材を固定することができ、作業効率を向上させることができる。
前記第1部材は、前記ロックスライダと係合可能な被係合部(例えば、ロック受け662)を備える
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、ドライバー(screwdriver)などの工具を用いることなく、第1部材を固定することができ、作業効率を向上させることができる。
前記第2部材は、遊技機本体であり、
前記第1部材は、前記遊技機本体に対して所定方向に突出した位置にまで及ぶ大きさの装飾部材である
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、第1部材による演出効果を高めることができ、遊技者に対して遊技機を目立たせることができるアイキャッチとすることができる。
前記遊技機本体は、演出制御手段(例えば、副制御基板72)を備え、
前記第1部材は、前記演出制御手段から送られるコマンドに基づいて演出を実行可能な演出実行手段(例えば、複数のLED735及び複数のLED740)を備え、
前記コマンドは前記ハーネスを介して前記演出制御手段から前記演出実行手段に送信可能である
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、第1部材による演出効果を高めることができ、遊技者に対して遊技機を目立たせることができるアイキャッチとすることができる。
前記第1部材の少なくとも一部に、滑り止め加工(例えば、シボ加工)が施されている
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、把持した第1部材を落としてしまうことを抑制することができる。また、第1部材を把持しやすくなり、第2部材に対する第1部材の取付作業の作業効率を向上させることができる。
[13.第4の遊技機]
続いて、図157〜図178を参照して、パチスロ機の他の一具体例について、これを「第4の遊技機」として説明する。
第4の遊技機は、上述の第1の遊技機(パチスロ機1)の構造と同様の構造を有している。第4の遊技機が第1の遊技機と異なる点は、上ドア機構である。そのため、ここでは、第4の遊技機における上ドア機構UD4について説明し、第1の遊技機と同じその他の構成についての説明を省略する。
(上ドア機構UD4の構成)
まず、上ドア機構UD4の構成について、図157から図159を参照して説明する。
図157は、上ドア機構UD4の正面斜視図である。図158は、上ドア機構UD3の背面図である。
図157及び図158に示すように、上ドア機構UD3は、上ドア本体901と、上ドア本体901に着脱可能な上ドア装飾部材902とを備えている。
上ドア本体901は、本発明に係る「遊技機本体」に対応する。上ドア装飾部材902は、上ドア本体901(遊技機本体)から上方向に突出した位置に配置される。
〈上ドア本体901の構成〉
図158に示すように、上ドア本体901は、略四角形の枠状に形成されたフロントパネル910と、フロントパネル910に取り付けられたスクリーンユニット911、ダクトユニット912、及びリールシャッターユニット913とを有する。
図157に示すように、フロントパネル910は、上フレーム部921と、下フレーム部922と、左フレーム部923と、右フレーム部924と、仕切りフレーム部925とを有している。
仕切りフレーム部925は、左フレーム部923と右フレーム部924に接続されており、フロントパネル910の開口を2つに分けている。これにより、フロントパネル910には、上下方向に隣り合う上開口部910a及び下開口部910bが形成されている。左フレーム部923、右フレーム部924、及び仕切りフレーム部925の体裁面には、それぞれ装飾部が形成されている。
上フレーム部921は、前後方向に適当な厚みを有する直方体状に形成されている。上フレーム部921の上面(天面)は、フロントパネル910の体裁面を形成する。上フレーム部921の上面には、格子状の吸気口921aが形成されている。吸気口921aには、ダクトユニット912の後述する吸気用開口部1113(図175参照)が対向する。
また、上フレーム部921の上面には、光照射部915を露出させるための貫通孔921bが形成されている。光照射部605は、光の点灯、消灯、色によって表した遊技状態等の情報を、遊技機外に配置された受信部(例えば、デジタルサイネージの受信部)に送信する。
図158に示すように、スクリーンユニット911、ダクトユニット912、及びリールシャッターユニット913は、フロントパネル910の背面側(前後方向の後ろ側)に配置されている。
スクリーンユニット911は、フロントパネル910の上開口部910aに対向する位置に取り付けられている。スクリーンユニット911には、上述のプロジェクタ装置B2(図126参照)による照射光が投影される。スクリーンユニット911の構成については、後で図170〜図174を参照して説明する。
ダクトユニット912は、フロントパネル910の上フレーム部921に取り付けられている。ダクトユニット912は、吸気口921aから取り込んだ空気を、上ドア本体901の前後方向の後ろ側に配置された筐体側ダクトに導く。筐体側ダクトに導かれた空気は、プロジェクタ装置B2等を冷却する。ダクトユニット912の構成については、後で図175〜図178を参照して説明する。
リールシャッターユニット913は、フロントパネル910の下開口部910bに対向する位置に取り付けられている。下開口部910bには、演出表示窓917(図157参照)が配置されている。演出表示窓917は、樹脂製の透明パネルとして構成されている。演出表示窓917は、その背面側に設けられたリールシャッターユニット913、及びリールシャッターユニット913の背面側に設けられたリール(不図示)を視認可能としている。
リールシャッターユニット913は、4つのシャッター部材931と、4つのシャッター駆動機構932を有している。4つのシャッター部材931は、その背面側(前後方向の後ろ側)に配置された4つのリール(不図示)にそれぞれ対向している。シャッター部材931は、上シャッター931aと、下シャッター931bとを有している。
上シャッター931aと下シャッター931bは、互いに近接して配置される半閉鎖位置と、半閉鎖位置よりも互いに離れて配置される開放位置に移動可能に構成されている。上シャッター931aと下シャッター931bが半閉鎖位置に配置されると、リールの中段のみが演出表示窓917(図157参照)を介して露出される。一方、上シャッター931aと下シャッター931bが開放位置に配置されると、リールの上段、中段、及び下段が演出表示窓917を介して露出される。
シャッター駆動機構932は、シャッター部材931を動作させるための駆動力を発生するモータと、モータが発生した駆動力をシャッター部材931に伝える伝達部とを有している。本実施形態では、伝達部として、リンク機構を採用している。これにより、上シャッター931aと下シャッター931bは、連動する。なお、シャッター駆動機構932の伝達部としては、ラック・アンド・ピニオン、プーリとベルトなど適宜採用することができる。
例えば、リールの中段のみを露出させる(遊技者から視認可能な状態とする)中段露出演出を行う場合は、シャッター部材931が半閉鎖状態となる。また、リールの上段、中段、及び下段を露出させる通常露出演出を行う場合は、シャッター部材931が開放状態となる。なお、中段露出演出は、4つのリールの少なくとも1つのリールの中段のみを露出させ、その他のリールの上段、中段、及び下段を露出させる演出であってもい。
また、本発明に係る上シャッター931aと下シャッター931bは、連動するものに限定されない。すなわち、上シャッター931aと下シャッター931bは、個別に動作する構成であってもよい。この場合は、リールの中段と上段を露出させたり、リールの中段と下段を露出させたりすることができる。なお、リールは4つに限定されず、3つ以下または5つ以上であってもよい。また、リールシャッターユニット913は、複数のリールのうちの1つに対して設けてもよく、任意の複数のリールに対して設けてもよい。例えば、全部で3つのリールがある場合に、2つのリールに対してシャッター部材を設けるようにしてもよい。或いは、リールのうちの一部の視認性を低下させる方法としては、リールが回転中にバックライトの少なくとも一部(例えば、非有効ラインに対応する上段部分や下段部分)を消灯したり、リール前に導光板を設けて、リールの回転中に導光板の一部で絵が見えるように光を入射させたりして、リールの図柄を見えにくくしてもよい。なお、採用するゲーム性によっては、リールシャッターユニット等のリールの視認性を低下させる機構を備えないものとしてもよい。
〈上フレーム部921の正面の構成〉
次に、上フレーム部921の正面の構成について、図159及び図160を参照して説明する。
図159は、上ドア機構UD4の分解斜視図である。図160は、上フレーム部921の正面を拡大して示す説明図である。
図159に示すように、上フレーム部921の正面における左端には、ハーネス用開口921cが形成されている。ハーネス用開口921cは、上フレーム部921を前後方向に貫通している。ハーネス用開口921cには、上ドア装飾部材902の上ドア本体接続用ハーネス908(図160参照)が貫通する。ハーネス用開口921cを貫通した上ドア本体接続用ハーネス908は、フロントパネル910の背面側(前後方向の後ろ側)に配置された基板(不図示)のコネクタに接続される。
また、上フレーム部921の正面には、ロック部材940が取り付けられている。ロック部材940は、後述する固定位置に配置された上ドア装飾部材902を固定する。図160に示すように、上フレーム部921の正面には、横長のロック部材用凹部921dが形成されている。ロック部材用凹部921dは、上フレーム部921の正面において上下方向の中間部に設けられている。
ロック部材用凹部921dには、ロック部材940の後述するスライダ941(図161参照)が左右方向に移動可能に配置される。ロック部材用凹部921dの下部壁面921eは、複数の接触凸部921fが形成されている。複数の接触凸部921fは、前後方向に延びる突条に形成されている。複数の接触凸部921fを前後方向に垂直な平面で切断した断面は、略半円状になっている。複数の接触凸部921fには、ロック部材940のスライダ941が左右方向に摺動可能に接触する。
ロック部材用凹部921dの上部には、左右方向に延びるガイド溝921gが形成されている。ガイド溝921gは、ロック部材940におけるスライダ941の左右方向への移動を案内する。
また、上フレーム部921の正面には、操作用開口921hが形成されている。操作用開口921hは、左右方向に長い長方形に形成されている。操作用開口921hの上下方向の大きさは、上フレーム部921の正面上部からロック部材用凹部921dの下部壁面921eまでの長さに設定されている。これにより、操作用開口921hは、ロック部材用凹部921d及びガイド溝921gを、左右方向において2つに分断する。
操作用開口921hは、上フレーム部921を前後方向に貫通している。操作用開口921hには、ロック部材940の後述するロックレバー942が貫通している。ロックレバー942は、ロック部材940のスライダ941に固定される。これにより、ロック部材940のスライダ941は、ロックレバー942を用いて左右方向へ移動させることができる。
操作用開口921hの下壁面には、ロックレバー942が係合する係合部921iが設けられている。係合部921iは、スライダ941が後述するロック位置とロック解除位置に配置された場合にロックレバー942に係合し、スライダ941の移動に抵抗感(クリック感)を生じさせる。これにより、スライダ941がロック位置或いはロック解除位置に配置されたことを操作者に認識させることができる。
上フレーム部921の正面上部には、3つの上爪用凹部921jが形成されている。3つの上爪用凹部921jは、左右方向に所定の間隔を空けて並んでいる。3つの上爪用凹部921jは、上フレーム部921の上面に開口している。3つの上爪用凹部921jには、上ドア装飾部材902の後述する3つの上爪987(図165参照)が挿入される。
上フレーム部921の正面下部には、3つの下爪用凹部921kが形成されている。3つの下爪用凹部921kは、左右方向に所定の間隔を空けて並んでおり、上下方向において、3つの上爪用凹部921jと重なる位置に配置されている。3つの下爪用凹部921kの上部は、ロック部材用凹部921dに位置している。3つの下爪用凹部921kには、上ドア装飾部材902の後述する3つの下爪988(図165参照)が挿入される。
また、上フレーム部921の正面下部には、上壁カバー部材936が固定されている。上壁カバー部材936は、上開口部910aの上壁面を覆うカバー部936aと、カバー部936aから略垂直に突出する取り付け片936bを有している。
カバー部936aは、上下方向に略垂直な平面を有する板体からなる。カバー部936aの下方を向く面(仕切りフレーム部925に対向する面)には、滑り止め加工が施されている。滑り止め加工は、例えば、左右方向に延び、前後方向に隣り合う複数の溝を挙げることができる。これにより、前後方向に摺動するものに対して摩擦抵抗が生じやすくなり、上ドア装飾部材902の取付作業時に、カバー部936aの下方を向く面に指を掛けることができる。
また、カバー部936aは、上フレーム部921の正面よりも前後方向の前側に突出している。この突出している部分には、ロック部材940の後述するスライダカバー943(図161参照)が係合する。
取り付け片936bは、カバー部936aの上方を向く面から立ち上がり、前後方向に略垂直な平面を有する板体からなる。取り付け片936bは、上フレーム部921の正面下部にねじを用いて固定されている。また、取り付け片936bには、3つの下爪用凹部921kに対向する切欠きが形成されている。
〈ロック部材940の構成〉
次に、ロック部材940の構成について、図161〜図164を参照して説明する。
図161は、ロック部材940の分解斜視図である。図162は、ロック部材940におけるスライダの正面斜視図である。図163は、ロック部材940におけるスライダの背面斜視図である。図164は、ロック部材940におけるロックレバーの斜視図である。
図161に示すように、ロック部材940は、スライダ941と、ロックレバー942と、スライダカバー943とを有している。スライダ941及びスライダカバー943は、上フレーム部921の正面に配置される。ロックレバー942は、上フレーム部921の操作用開口921hを貫通し、スライダ941に固定される。
図162及び図163に示すように、スライダ941は、ベース片951と、係合片952と、2つの摺動片953とを有している。ベース片951は、左右方向に長い長方形の板体からなり、前後方向に直交する平面を有する。ベース片951の下辺には、2つの切欠き951aが形成されている。
係合片952は、ベース片951の上辺から前後方向の後ろ側に突出している。係合片952の左右方向の長さは、ベース片951の上辺の長さと同じである。係合片952は、上述した上フレーム部921のガイド溝921g(図160参照)に摺動可能に係合する。
係合片952には、レバー固定部954が設けられている。レバー固定部954は、上述した上フレーム部921の操作用開口921h(図160参照)内に挿入される。レバー固定部954は、係合片952から前後方向の後ろ側に突出する突出片954aと、突出片954aに連続して上方に突出する固定片954bとを有する。
固定片954bには、ロックレバー942(図164参照)がねじを用いて固定される。また、固定片954bには、2つの位置決め孔955が設けられている。2つの位置決め孔955には、ロックレバー942の後述する2つの位置決め突起964が嵌合する。
図163に示すように、2つの摺動片953は、ベース片951の下辺から前後方向の後ろ側に突出している。2つの摺動片953は、上述した上フレーム部921におけるロック部材用凹部921dの下部壁面921e上(詳しくは複数の接触凸部921f上)を摺動する。
2つの摺動片953は、それぞれ所定の長さに設定されている。これにより、ベース片951の下辺は、2つの摺動片953が連続しない3つの端面957a,957b,957cを有している。端面957aは、ベース片951の下辺における左端部を形成する。端面957cは、ベース片951の下辺における右端部を形成する。また、端面957b,957cは、2つの切欠き951aの右側に形成されている。
スライダ941は、ロック位置と、ロック解除位置に移動可能である。スライダ941がロック位置に配置されると、つの端面957a〜957cが上述した上フレーム部921の3つの下爪用凹部921k(図160参照)に対向する。スライダ941がロック解除位置に配置されると、2つの切欠き951aが中央及び右側の下爪用凹部921kに対向する。スライダ941がロック位置に配置される場合は、3つの端面957a〜957cが、3つの下爪用凹部921kに挿入された上ドア装飾部材902の後述する3つの下爪988に係合する。
図164に示すように、ロックレバー942は、スライダ941のレバー固定部954(図162参照)に接続される接続部961と、接続部961に連続する操作部962とを有する。接続部961は、横長の直方体状に形成されている。接続部961の前後方向の前側である正面は、開口されている。
接続部961の開口に臨む背面部961aには、スライダ941のレバー固定部954がねじを用いて固定される。背面部961aには、2つの位置決め突起964が設けられている。2つの位置決め突起964は、上述したスライダ941のレバー固定部954に設けた2つの位置決め孔955にそれぞれ嵌合する。これにより、スライダ941に対するロックレバー942の位置決めを容易に行うことができる。
接続部961の上面には、2つの上接触凸部965が設けられている。2つの上接触凸部965は、前後方向に延びる突条に形成されている。2つの上接触凸部965を前後方向に垂直な平面で切断した断面は、略半円状になっている。2つの上接触凸部965は、上フレーム部921における操作用開口921h(図160参照)の上壁面に摺動可能に接触する。
接続部961の下面には、下接触凸部966が設けられている。下接触凸部966は、前後方向に延びる突条に形成されている。下接触凸部966を前後方向に垂直な平面で切断した断面は、略半円状になっている。下接触凸部966は、上フレーム部921における操作用開口921hの下壁面に設けた係合部921i(図160参照)に係合する。上述したように、スライダ941がロック位置とロック解除位置に配置された場合に、下接触凸部966が係合部921iに係合し、スライダ941の移動に抵抗感(クリック感)を生じさせる。
接続部961の左側面には、左接触凸部967が設けられており、接続部961の右側面には、右接触凸部968が設けられている。左接触凸部967及び右接触凸部968は、前後方向に延びる突条に形成されている。左接触凸部967及び右接触凸部968を前後方向に垂直な平面で切断した断面は、略半円状になっている。
左接触凸部967は、スライダ941がロック位置に配置された場合に、上フレーム部921における操作用開口921h(図160参照)の左壁面に当接する。なお、左接触凸部967は、スライダ941がロック位置に配置された場合に、操作用開口921hの左壁面との間に僅かな間隙が生じるようにしてもよい。この場合は、下接触凸部966が係合部921iに係合して抵抗感が生じてもさらにスライダ941を左右方向の左側に移動させようとすると、左接触凸部967が操作用開口921hの左壁面に当接し、スライダ941の移動が係止される。これにより、スライダ941がロック位置に配置されたときに生じる抵抗感(クリック感)を強調することができる。
また、右接触凸部968は、スライダ941がロック解除位置に配置された場合に、上フレーム部921における操作用開口921h(図160参照)の右壁面に当接する。なお、右接触凸部968は、スライダ941がロック位置解除に配置された場合に、操作用開口921hの右壁面との間に僅かな間隙が生じるようにしてもよい。この場合は、下接触凸部966が係合部921iに係合して抵抗感が生じてもさらにスライダ941を左右方向の右側に移動させようとすると、右接触凸部968が操作用開口921hの右壁面に当接し、スライダ941の移動が係止される。これにより、スライダ941がロック解除位置に配置されたときに生じる抵抗感(クリック感)を強調することができる。
操作部962は、接続部961の背面部961aから前後方向の後ろ側に突出している。操作部962は、前後方向に長い直方体状に形成されている。操作部962は、上フレーム部921における操作用開口921hを貫通する。これにより、上フレーム部921の背面側からロックレバー942を把持することにより、スライダ941を操作することができる(図158参照)。
図161に示すように、スライダカバー943は、左右方向に長い長方形の板状に形成されたカバー部971と、カバー部971の上辺に連続する当接片972と、カバー部971の下辺に連続する支持片973とを有する。
カバー部971は、前後方向に直交する平面を有する。カバー部971は、ねじを用いて上フレーム部921の正面に固定される。当接片972は、前後方向の後ろ側に突出している。当接片972の左右方向の長さは、カバー部971の左右方向の長さと同じに設定されている。当接片972は、上フレーム部921の上面に当接する。
支持片973は、前後方向の前側に突出している。支持片973の左右方向の長さは、カバー部971の左右方向の長さと同じに設定されている。支持片973は、上フレーム部921の上壁カバー部材936に係合する。支持片973には、3つのピン嵌合孔973aが形成されている。3つのピン嵌合孔973aには、上ドア装飾部材902の後述する3つの嵌合ピン989(図165参照)が嵌合する。
カバー部971は、スライダ941の前後方向の前側、上フレーム部921の3つの上爪用凹部921j、及び3つの下爪用凹部921kを覆う。カバー部971には、3つの切欠き971aと、3つの貫通孔971bが形成されている。3つの切欠き971aは、カバー部971の上辺から当接片972まで連続している。3つの切欠き971aは、上フレーム部921の3つの上爪用凹部921jに対向する。3つの貫通孔971bは、上フレーム部921の3つの下爪用凹部921kに対向する。
〈上ドア装飾部材902の構成〉
次に、上ドア装飾部材902の構成について、図159及び図165を参照して説明する。
図165は、上ドア装飾部材の背面斜視図である。
図159に示すように、上ドア装飾部材902は、横長の略直方体状に形成されている。上ドア装飾部材902の正面(前後方向の前側)には、装飾レンズ部981が設けられている。装飾レンズ部981は、透光性を有している。装飾レンズ部981には、例えば、第4の遊技機に関連するロゴが凹凸により形成されている。
上ドア装飾部材902の内部には、装飾レンズ部981に光を照射する複数のLED(不図示)が配置されている。複数のLEDが実装された基板は、上ドア本体接続用ハーネス908(図160参照)を介して副制御基板72(図3参照)と電気的に接続されている。複数のLEDが実装された基板は、副制御基板72から送られるコマンドに基づいて、複数のLEDの点灯及び消灯を行う。
図165に示すように、上ドア装飾部材902の背面(前後方向の後ろ側)下部には、開口部902aが形成されている。開口部902aは、左右方向に長い長方形であり、上ドア装飾部材902の背面における下半分を占有している。
開口部902aの上辺には、庇部982が設けられている。この庇部982は、上述したスライダカバー943の当接片972(図161参照)の上に載置される。すなわち、庇部982は、ロック部材940を上方から覆うと共に、上ドア機構UD4の上面(体裁面)の一部となる。また、庇部982は、上フレーム部921に支持されるため、上ドア装飾部材902の被支持部としての役割を兼ねる。
上ドア装飾部材902は、開口部902aにより露出される内壁部983を有している。そして、内壁部983には、3つのフック部材984がねじを用いて固定されている。3つのフック部材984は、左右方向に所定の間隔を空けて並んでいる。フック部材984は、ベース部985と、ピン保持片986と、上爪987と、下爪988とを有している。
ベース部985は、略コ字状に折り曲げ加工された板体からなり、左右方向において互いに対向する2つの板片と、2つの板片を接続する固定片を有している。ベース部985の固定片は、ねじを用いて内壁部983に固定されている。
ピン保持片986は、ベース部985の2つの板片のうちの一方(左右方向の右側)から略垂直に突出している。このピン保持片は、嵌合ピン989を保持している。嵌合ピン989は、上述した上フレーム部921の3つのピン嵌合孔973aに嵌合する。そして、ピン保持片986は、上フレーム部921の支持片973に支持される。
上爪987及び下爪988は、ベース部985の2つの板片のうちの一方(左右方向の右側)の後方を向く端面から突出している。上爪987及び下爪988は、左右方向に垂直な平面を有する板体であり、下方に向かって突出する略L字状に形成されている。
3つのフック部材984の上爪987は、上述したロック部材940の3つの切欠き971a及び上フレーム部921の3つの上爪用凹部921jに挿入される。また、3つのフック部材984の下爪988は、ロック部材940の3つの貫通孔971bを貫通し、上フレーム部921の3つの下爪用凹部921kに挿入される。
〈上ドア装飾部材902の取付作業〉
次に、上ドア装飾部材902の取付作業について、図166〜図169を参照して説明する。
図166は、上ドア本体901に上ドア装飾部材902を取り付ける前の状態を示す説明図である。図167及び図168は、上ドア本体901に上ドア装飾部材902を取り付けている途中の状態を示す説明図である。図169は、上ドア本体901に上ドア装飾部材902を取り付けた状態を示す説明図である。
第4の遊技機は、上ドア装飾部材902を上ドア本体901から外した状態で出荷される。上ドア装飾部材902は、出荷先で第4の遊技機を設置する際に、上ドア本体901に取り付けられる。上ドア装飾部材902を上ドア本体901に取り付ける場合は、上ドア本体901を筐体2(図2参照)から外す。そして、上ドア本体901に上ドア装飾部材902を取り付けて、上ドア機構UD4を組み立てる。その後、上ドア機構UD4を、筐体2に取り付ける(回動可能に嵌め込む)。なお、上ドア本体901を筐体2から取り外さずに、上ドア装飾部材902を上ドア本体901に取り付けることもできる。
上ドア本体901に上ドア装飾部材902を取り付ける場合は、まず、上ドア装飾部材902の上ドア本体接続用ハーネス908を、ハーネス用開口921c(図160参照)に貫通させる。ハーネス用開口921cを貫通した上ドア本体接続用ハーネス908は、上ドア機構UD4を筐体2に取り付けた後、副中継基板74或いは副制御基板72に実装されたコネクタに接続する。
図166に示すように、上ドア本体901に上ドア装飾部材902を取り付ける前は、ロック部材940のスライダ941をロック解除位置に配置する。スライダ941の移動は、上ドア本体901の背面側(前後方向の後ろ側)からロックレバー942を把持して行う。
以下、前方から見て右側のフック部材984の下爪988を、下爪988aとする。また、中央のフック部材984の下爪988を、下爪988bとする。そして、前方から見て左側のフック部材984の下爪988を、下爪988cとする。
スライダ941をロック解除位置に配置すると、スライダ941の2つの切欠き951aは、前後方向において、スライダカバー943の2つの貫通孔971b(中央と右側)に対向する。また、スライダ941の左端部は、前後方向において、スライダカバー943の左側の貫通孔971bに対向しない位置に配置される。したがって、上ドア装飾部材902の3つの下爪988a〜988cは、スライダカバー943の3つの貫通孔971bを貫通可能になる。
また、スライダ941は、前後方向において、スライダカバー943の3つの切欠き971aに対向しない。したがって、上ドア装飾部材902の3つの上爪987は、スライダカバー943の3つの貫通孔971bを貫通可能である。
次に、図167に示すように、上ドア装飾部材902を前後方向の後ろ側へ移動させて、3つの上爪987をスライダカバー943の3つの切欠き971aに挿入し、3つの下爪988a〜988cをスライダカバー943の3つの貫通孔971bに挿入する。
これにより、3つの上爪987は、3つの切欠き971aを貫通する。なお、上ドア本体901の上フレーム部921には、3つの切欠き971aに対向する3つの上爪用凹部921j(図161参照)が形成されている。そのため、3つの切欠き971aを貫通した3つの上爪987は、3つの上爪用凹部921jに挿入される。
一方、3つの下爪988a〜988cは、3つの貫通孔971bを貫通する。また、下爪988a,988bは、スライダ941の2つの切欠き951aを貫通する。なお、上ドア本体901の上フレーム部921には、スライダカバー943の3つの貫通孔971bに対向する3つの下爪用凹部921k(図161参照)が形成されている。そのため、3つの貫通孔971bを貫通した3つの下爪988は、3つの下爪用凹部921kに挿入される。
また、3つの上爪987と3つの下爪988a〜988cを、3つの切欠き971aと3つの貫通孔971bに挿入した状態では、上ドア装飾部材902の3つの嵌合ピン989が、スライダカバー943の3つのピン嵌合孔973a(図161参照)に対向する。
次に、上ドア装飾部材902の把持を止める。これにより、上ドア装飾部材902は、自重により下方に移動する。その結果、図168に示すように、3つの上爪987は、3つの切欠き971a上に載置されると共に、スライダカバー943の背面(前後方向の後ろ側の面)に係合する。また、3つの下爪988a〜988cは、3つの貫通孔971bの下辺に載置されると共に、スライダカバー943の背面に係合する。これにより、上ドア装飾部材902の前後方向における前側への移動が係止される。
また、上ドア装飾部材902が下方に移動することにより、庇部982は、スライダカバー943の係合片952上に載置される。さらに、上ドア装飾部材902の3つの嵌合ピン989が、スライダカバー943の3つのピン嵌合孔973a(図161参照)に嵌合する。これにより、上ドア装飾部材902の水平方向への移動が係止される。したがって、上ドア装飾部材902は、上方への移動のみが可能な状態になる。この状態において、上ドア装飾部材902は、上ドア本体901に固定される固定位置に配置される。
次に、図169に示すように、スライダ941をロック位置に移動させる。すなわち、ロックレバー942を把持して、スライダ941を左右方向の左側(前方から見て左側)に移動させる。これにより、スライダ941の端面957aは、下爪988aの上端に係合する。また、スライダ941の端面957bは、下爪988bの上端に係合し、スライダ941の端面957cは、下爪988bの上端に係合する。その結果、上ドア装飾部材902の上方への移動が係止され、上ドア本体901に上ドア装飾部材902が固定される。これにより、上ドア本体901に対する上ドア装飾部材902の取り付けが完了する。
上ドア装飾部材902は、3つの上爪987及び3つの下爪988a〜988cと、ピン保持片986と、庇部982によって、上ドア本体901に支持される。したがって、3つの上爪987及び3つの下爪988a〜988cに上ドア装飾部材902の荷重が集中して加わることを避けることができ、3つの上爪987及び3つの下爪988a〜988cの耐久性を向上させることができる。なお、本実施形態では、上爪を3つ及び下爪を3つ有する構成にした。しかし、本発明に係る装飾部材としては、3つの上爪及び3つの下爪を有するものに限定されない。すなわち、装飾部材の大きさや重量などに応じて、上爪及び下爪等の係止部材の個数を任意に設定することができる。また、上爪のみを設け(下爪を設けず)、爪を一段のみ(上下方向に並ばない)の構成にしたり、3段以上(上下方向に3つ以上並ぶ)にして上爪、中爪、下爪等を設ける構成にしたりしてもよい。
上ドア本体901から上ドア装飾部材902を取り外す場合は、まず、上ドア本体接続用ハーネス908を、副中継基板74或いは副制御基板72に実装されたコネクタから取り外す。次に、スライダ941をロック解除位置に移動させる。これにより、上ドア装飾部材902は、上方への移動のみが可能な状態になる(図168参照)。
次に、上ドア装飾部材902を把持して上方へ持ち上げる。これにより、3つの上爪987及び3つの下爪988a〜988cは、スライダカバー943との係合が外れる。また、上ドア装飾部材902の3つの嵌合ピン989が、スライダカバー943の3つのピン嵌合孔973a(図161参照)から外れる。その結果、上ドア装飾部材902は、前方への移動が可能になる。
次に、上ドア装飾部材902を前方に移動させる。これにより、3つの上爪987及び3つの下爪988a〜988cは、スライダカバー943の3つの切欠き971a及び3つの貫通孔971bから引き抜かれ、上ドア装飾部材902が上ドア本体901から離脱する。その後、上ドア本体接続用ハーネス908を、上ドア本体901のハーネス用開口921c(図159参照)から引き抜く。これにより、上ドア本体901に対する上ドア装飾部材902の取り外しが完了する。
例えば、製造時に、上ドア装飾部材902の複数のLED(不図示)が正常に点灯するか否かの動作確認を行う場合は、上ドア装飾部材902を上ドア本体901に仮固定する。上ドア装飾部材902を上ドア本体901に仮固定する場合は、スライダ941をロック位置に移動させない。すなわち、スライダ941をロック解除位置に配置した状態を維持する。これにより、仮固定の場合の上ドア装飾部材902の取付作業及び取り外し作業を容易にすることができる。
〈スクリーンユニット911の構成〉
次に、スクリーンユニット911の構成について、図170〜図174を参照して説明する。
図170は、スクリーンユニット911の斜視図である。図171は、スクリーンユニット911の正面分解斜視図である。図172は、スクリーンユニット911の背面分解斜視図である。図173は、バックパネルにスクリーンを係合させた状態を示す正面図である。図174は、スクリーンユニット911の水平方向及び上下方向に垂直な平面で切断した断面図である。
図170〜図172に示すように、スクリーンユニット911は、スクリーン1001と、スクリーンカバー1002と、バックパネル1003とを有する。
スクリーン1001は、撓み変形可能なシート状の部材であり、左右方向に長い長方形に形成されている。スクリーン1001は、上辺及び下辺が前後方向の後ろ側に膨らむように湾曲した状態でスクリーンカバー1002及びバックパネル1003に挟持される。スクリーン1001には、プロジェクタ装置B2(図126参照)か出射される光が投射され、これにより画像が投影される。
スクリーンカバー1002は、透光性を有する材料(例えば、透明な樹脂)により、左右方向に長い長方形の板状に形成されている。スクリーンカバー1002は、上辺及び下辺が前後方向の後ろ側に膨らむように湾曲している。スクリーンカバー1002は、周縁部1011と、周縁部1011よりも内側の表示面1012とを有している。
周縁部1011は、前後方向において、バックパネル1003の後述する枠体1031に対向する。周縁部1011とバックパネル1003の枠体1031は、スクリーン1001の周縁部を挟持する。周縁部1011は、上辺部1014と、下辺部1015と、左辺部1016と、右辺部1017とを有する。上述したように、上辺部1014及び下辺部1015は、後ろ側に膨らむように湾曲している。
上辺部1014の上面には、2つの接続片1021と、2つの嵌合片1022が設けられている。2つの接続片1021は、上辺部1014から前後方向の後ろ側へ突出しており、上下方向に直交する平面を有する板状に形成されている。2つの接続片1021は、バックパネル1003の後述する2の係合突部1051が係合する係合孔を有している。
2つの嵌合片1022は、上辺部1014から前後方向の後ろ側へ突出しており、上下方向に直交する平面を有する略四角形の板状に形成されている。2つの嵌合片1022は、バックパネル1003の後述する2つの嵌合凹部1052に嵌合される。2つの嵌合片1022は、2つの嵌合凹部1052に嵌合した際に、バックパネル1003の上面と同一平面を形成する。
下辺部1015の下面には、2つの接続片1023が設けられている。2つの接続片1023は、下辺部1015から前後方向の後ろ側へ突出しており、上下方向に直交する平面を有する板状に形成されている。2つの接続片1023は、バックパネル1003の後述する2つの係合突部1053(図173参照)が係合する係合孔を有している。
上辺部1014には、2つの嵌合片1022が設けられているが、下辺部1015には、これと同様の係合片は設けられていない。これにより、スクリーンカバー1002の上辺部1014と下辺部1015の見た目に明らかな違いを生じさせている。その結果、スクリーンユニット911を組み立てる際に、スクリーンカバー1002を上下逆さまにしてしまうことを抑制することができ、組み立て作業を円滑に行うことができる。
バックパネル1003は、枠体1031と、枠体1031に連続する下壁1032、左壁1033、及び右壁1034とを有する。枠体1031は、左右方向に長い長方形の枠状い形成されており、上枠部1041と、下枠部1042と、左枠部1043と、右枠部1044と有する。上枠部1041及び下枠部1042は、後ろ側に膨らむように湾曲している。
上枠部1041の上面には、2つの係合突部1051と、2つの嵌合凹部1052が設けられている。2つの嵌合凹部1052は、上枠部1041における左右方向の両端部に配置されている。2つの係合突部1051は、2つの嵌合凹部1052間に配置されており、左右方向に適当な距離を空けて並んでいる。
2つの係合突部1051は、上枠部1041の上面から略垂直に突出している。2つの係合突部1051は、スクリーンカバー1002の2つの嵌合片1022に係合する。2つの嵌合凹部1052は、スクリーンカバー1002の2つの嵌合片1022に応じた略四角形に形成されており、2つの嵌合片1022の厚みに応じた深さに設定されている。2つの嵌合凹部1052には、スクリーンカバー1002の2つの嵌合片1022が嵌合する。
下枠部1042の下面には、2つの係合突部1053(図173参照)が設けられている。下枠部1042の2つの係合突部1053は、スクリーンカバー1002の2つの接続片1023に係合する。図174に示すように、下枠部1042は、スクリーン1001の下辺を支持する。
図173に示すように、左枠部1043の正面(前後方向の前側の面)には、2つの押さえ片1055,1056が設けられている。2つの押さえ片1055,1056は、左枠部1043における上下方向の両端部に設けられており、前後方向に略垂直な平面を有する板状に形成されている。2つの押さえ片1055,1056と左枠部1043の正面との間には、間隙が形成されている。この間隙には、スクリーン1001における左辺のが挿入される。
右枠部1044の正面(前後方向の前側の面)には、2つの押さえ片1057,1058が設けられている。2つの押さえ片1057,1058は、右枠部1044における上下方向の両端部に設けられており、前後方向に略垂直な平面を有する板状に形成されている。2つの押さえ片1057,1058と右枠部1044の正面との間には、間隙が形成されている。この間隙には、スクリーン1001における右辺が挿入される。
スクリーン1001の右辺及び左辺は、押さえ片1055,1056,1057,1058によって前後方向の前方への移動が係止される。また、スクリーン1001の右辺及び左辺は、左枠部1043及び右枠部1044の正面によって前後方向の後方への移動が係止される。これにより、スクリーン1001を湾曲させた状態でバックパネル1003に仮固定することができる。その結果、スクリーンカバー1002とバックパネル1003によりスクリーン1001を容易に挟むことができる。
また、押さえ片1055,1056,1057,1058は、左枠部1043及び右枠部1044に設けられている。これにより、押さえ片1055,1056,1057,1058は、スクリーン1001における湾曲しない部分(右辺と左辺)と係合する。したがって、スクリーン1001を、押さえ片1055,1056,1057,1058に容易に係合させることができる。
図171に示すように、下壁1032は、下枠部1042に連続しており、前後方向の後方に向かうにつれて高くなるように傾斜している。左壁1033は、左枠部1043に連続しており、前後方向の後方に向かうにつれて左右方向の右側へ向かうように傾斜している。また、右壁1034は、右枠部1044に連続しており、前後方向の後方に向かうにつれて左右方向の左側へ向かうように傾斜している。
下壁1032、左壁1033、及び右枠部1044は、プロジェクタ装置B2(図126参照)から出た投射光が投影領域外に出ていかないようにする。また、下壁1032、左壁1033、及び右枠部1044は、筐体2内で乱反射した光が投影領域に入りこまないようにする。
図174に示すように、スクリーンカバー1002の周縁部1011と、バックパネル1003の枠体1031は、スクリーン1001の周縁部を挟み込む。そして、周縁部1011の上辺部1014及び下辺部1015と、枠体1031の上枠部1041及び下枠部1042は、後ろ側に膨らむように湾曲している。これにより、スクリーン1001を湾曲させた状態で保持することができる。
また、スクリーン1001の上辺(上端)と枠体1031の上枠部1041との間には、間隙が形成される。さらに、スクリーン1001の左辺(左端)と枠体1031の左枠部1043との間には、間隙が形成される(図173参照)。また、スクリーン1001の右辺(右端)と枠体1031の右枠部1044との間には、間隙が形成される(図173参照)。これにより、湿度変化や温度変化によりスクリーン1001が変形したときに、その変形を許容することができ、スクリーン1001が枠体1031に干渉して破損することを防ぐことができる。また、スクリーン1001を接着剤等で固定(貼り付け)しないため、変形したスクリーン1001に亀裂や破損が生じないようにすることができる。
〈ダクトユニット912の構成〉
次に、ダクトユニット912の構成について、図175〜図179を参照して説明する。
図175は、ダクトユニット912の斜視図である。図176は、ダクトユニット912の背面図である。図177は、ダクトユニット912の分解斜視図である。図178は、上ドア本体901の水平方向及び上下方向に垂直な平面で切断した断面図である。図179は、ダクトユニット912内の液体の流れを説明する説明図である。
図175及び図176に示すように、ダクトユニット912は、通路部1101と、通路部1101に連通する貯水部1102とを有する。ダクトユニット912は、上ドア本体901の内部に配置され、上ドア本体901にねじを用いて取り付けられている。ダクトユニット912は、吸気口921a(図157参照)から上ドア本体901の内部に入り込む空気を、プロジェクタ装置B2の吸気ダクト225(図133参照)へ導く。
通路部1101は、左右方向に長い扁平の直方体状に形成されている。通路部1101は、吸気口921aに対向する接続ブロック1111と、接続ブロック1111に連続する排水ブロック1112とを有する。
接続ブロック1111は、通路部1101における左右方向の右側を形成する。接続ブロック1111は、中空の箱状に形成されており、吸気用開口部1113と、ダクト接続口1114を有している。吸気用開口部1113は、上方を向いた開口部であり、上ドア本体901の吸気口921a(図157参照)に対向する。ダクト接続口1114は、前後方向の後方を向いた開口部であり、吸気ダクト225(図133参照)に対向する。
吸気用開口部1113は、吸気口921a(図157参照)よりも大きい四角形に設定されている。吸気用開口部1113には、ゴムパッキン1115が取り付けられている。ゴムパッキン1115は、吸気用開口部1113の周囲に沿う四角形の枠状に形成されている。
ゴムパッキン1115は、吸気用開口部1113の周囲と吸気口921aの周囲(上フレーム部921の内面)との間に圧縮された状態で介在される。これにより、吸気口921aから浸入した液体が、ダクトユニット912の外側に漏れないようにすることができる。すなわち、吸気口921aから浸入した液体は、吸気用開口部1113から接続ブロック1111内に入り込む。また、吸気口921aを通る空気は、吸気用開口部1113から接続ブロック1111内に入り込む。
ダクト接続口1114は、吸気ダクト225の開口部に見合った四角形に設定されている。ダクト接続口1114には、ゴムパッキン1116(図176参照)が取り付けられている。ゴムパッキン1116は、ダクト接続口1114の周囲に沿う四角形の枠状に形成されている。
ゴムパッキン1116は、ダクト接続口1114の周囲と吸気ダクト225の開口の周囲との間に圧縮された状態で介在される。これにより、ダクト接続口1114を通る空気が吸気ダクト225の外側に漏れないようにすることができ、ダクトユニット912内の空気を効率よく吸気ダクト225へ送ることができる。すなわち、ダクト接続口1114を通る空気は、吸気ダクト225内に入り込む。
本実施の形態のゴムパッキン1115,1116は、本発明の緩衝部材を構成する。なお、吸気用開口部1113と吸気口921aとの間の間隙、及びダクト接続口1114と吸気ダクト225との間の間隙が小さくなるものであれば、ゴムパッキン1115,1116に限らず、他のシール部材を用いてもよい。
排水ブロック1112は、接続ブロック1111に連通する中空の箱状に形成されている。排水ブロック1112は、左右方向に長い直方体であり、左端部が接続ブロック1111に連通している。排水ブロック1112の右端部は、貯水部1102に連通している。図176に示すように、接続ブロック1111の下面は、貯水部1102の上面よりも上方に位置する。排水ブロック1112は、貯水部に向かうにつれて低くなるように傾斜している。そのため、接続ブロック1111内に入り込んだ液体は、排水ブロック1112を流れて貯水部1102へ導かれる。
貯水部1102は、上方が開口された中空の箱状に形成されており、排水ブロック1112から流れてきた液体を収容する。図175に示すように、貯水部1102の開口は、排水ブロック1112の右端部に設けられた蓋部1126によって塞がれている。貯水部1102は、透光性を有する樹脂により形成されている。これにより、貯水部1102に収容された液体を貯水部1102の外部から確認することができる。
貯水部1102は、排水ブロック1112に着脱自在に接続されている。また、貯水部1102は、上ドア本体901の右フレーム部924(図158参照)に、ねじを用いて着脱自在に固定されている。これにより、貯水部1102を上ドア本体901及び排水ブロック1112から取り外して、貯水部1102に収容された液体を廃棄することができる。
図177に示すように、接続ブロック1111及び排水ブロック1112は、下ケース部材1121と、上ケース部材1122と、ダクト接続口部材1123から組み立てられる。下ケース部材1121と上ケース部材1122は、上下方向において対向する。下ケース部材1121は、本発明に係る「第1部材」の一具体例を示す。上ケース部材1122は、本発明に係る「第2部材」の一具体例を示す。
下ケース部材1121は、接続ブロック1111及び排水ブロック1112の底面1124を形成している。また、下ケース部材1121は、接続ブロック1111及び排水ブロック1112の周壁を形成する側壁部1125と、上述した蓋部1126を有している。側壁部1125には、ダクト接続口1114を形成するための切欠き1125aが設けられている。蓋部1126には、貯水部1102の開口と上下方向で対向する連通口1126aが形成されている。
上ケース部材1122は、接続ブロック1111及び排水ブロック1112の天面(上面)を形成している。したがって、上ケース部材1122は、上述した吸気用開口部1113を有している。また、上ケース部材1122は、接続ブロック1111及び排水ブロック1112の周壁を形成する側壁部1127を有している。側壁部1127には、複数の係合片1127aと、ダクト接続口1114を形成するための切欠き(不図示)が設けられている。
上ケース部材1122の側壁部1127は、下ケース部材1121の側壁部1125の内側に配置され、側壁部1125に嵌合する。その際、複数の係合片1127aは、側壁部1125の外面に係合する(図175参照)。すなわち、複数の係合片1127aと側壁部1127は、側壁部1125を挟む。その結果、側壁部1125と側壁部1127が接合される。
ダクト接続口部材1123は、四角形の枠状部材であり、ダクト接続口1114(図176参照)を形成している。ダクト接続口部材1123における下ケース部材1121及び上ケース部材1122に対向する面には、嵌合凸部1123aが形成されている。嵌合凸部1123aは、枠状に形成されており、下ケース部材1121の切欠き1125a及び上ケース部材1122の切欠き(不図示)によって形成される四角形のの開口に嵌合する。ダクト接続口部材1123における下ケース部材1121及び上ケース部材1122と反対側の面には、上述したゴムパッキン1116(図176参照)が取り付けられている。
図177に示すように、通路部1101には、エントランス1131と、第1通路1132と、第2通路1133が形成されている。エントランス1131は、上下方向において吸気用開口部1113に対向する。第1通路1132は、エントランス1131からダクト接続口1114までの領域である。また、第2通路1133は、エントランス1131から連通口1126aまでの領域である。
エントランス1131及び第1通路1132の底面は、第2通路1133に向かうにつれて低くなるように傾斜する傾斜部を有している。なお、エントランス1131及び第1通路1132の底面は、全体が傾斜していてもよいが、液体が浸入しないような箇所がある場合は、平坦な面を含んでいてもよい、また、液体が最終的に第2通路1133へ向かうようにすれば、傾斜部の傾く方向は適宜設定することができる。
エントランス1131及び第1通路1132の底面には、複数のリブ1141が設けられている。複数のリブ1141は、前後方向に適当な間隔を空けて並んでいる。前後方向は、第1通路1132が延びる方向であり、本発明に係る「所定方向」に対応する。また、複数のリブ1141は、左右方向に延びている。左右方向は、第2通路1133が延びる方向であり、本発明に係る「特定方向」に対応する。
複数のリブ1141は、下ケース部材1121と一体成型されている。したがって、複数のリブ1141に打ち当たった液体が複数のリブ1141の下をすり抜けることは無い。複数のリブ1141は、吸気用開口部1113から入り込んだ液体を第2通路1133へ導く。
図178に示すように、複数のリブ1141の高さhaは、複数のリブ1141が形成されたエントランス1131の高さh2の半分以下に設定されている(ha≦hb/2)。これにより、複数のリブ1141は、吸気用開口部1113から入り込んだ空気の第1通路1132への進行を妨げないようにする。そして、複数のリブ1141は、吸気用開口部1113から入り込んだ液体の第1通路1132への進行を妨げる。
図179に示すように、本実施形態では、複数のリブ1141を設けたため、徐々に液体の勢いを衰えさせることができる。すなわち、液体が1つ目のリブ1141を乗り越える際に液体の勢いが弱まる。これにより、1つ目のリブ1141を乗り越えた液体は、2つ目のリブ1141を乗り越えることが難しくなる。そして、乗り越えるリブ1141が増えるほど、液体の勢いが衰えていく。そのため、複数のリブ1141の高さh1がエントランス1131の高さh2の半分以下であっても、液体の第1通路1132への進行を妨げることができる。
第1通路1132を通る空気は、吸気ダクト225(図133参照)を通過して、冷却対象であるプロジェクタ装置B2に達する。この空気の流れは、上述の排気ファン208(図132参照)によって生じさせる。排気ファン208は、吸気口921a(図157参照)からダクトユニット912内部に外気を吸引可能な風量を発生させる。なお、排気ファン208に代えて吸気ダクト225に吸気ファンを設けてもよく、吸気ダクト225及び排気ダクト226のそれぞれに吸気ファン及び排気ファンを設けてもよい。また、冷却対象は、プロジェクタ装置に限定されず、発熱するその他の電気部品、電子部品であってもよい。
図157に示すように、吸気口921aよりも前後方向の前方には、上ドア装飾部材902が設けられている。この上ドア装飾部材902は、本発明に係る「壁部」の一具体例を示す。このように、吸気口921aよりも前方に上ドア装飾部材902が設けられているため、液体を入れた容器などが吸気口921a付近に載置されないようにすることができる。その結果、吸気口921aからの液体の浸入を未然に抑制することができる。なお、本発明に係る壁部としては、着脱可能な装飾部材に限定されず、例えば、上フレーム部921に一体成型により設けた壁であってもよい。
上述した実施形態では、複数のリブ1141の前後方向(所定方向)の間隔を略一定にした。しかし、本発明に係る複数のリブとしては、所定方向の間隔を略一定にすることに限定されず、隣り合うリブの間隔を適宜設定することができる。また、上述した実施形態では、複数のリブ1141を突条(略直線状)に形成した。しかし、本発明に係るリブは、液体を第2通路1133に導くものであれば、適宜形状を設定することができる。例えば、上方から見た形状が円弧状に湾曲するリブや、途中で延びる方向が変えるリブであってもよい。
〈上ドア装飾部材の変形例〉
次に、第3の遊技機及び第4の遊技機が備える上ドア装飾部材の変形例について説明する。
(上ドア装飾部材を収容する構成)
上述した上ドア装飾部材602及び上ドア装飾部材902は、上ドア本体601及び上ドア本体901とは別に梱包されて輸送される。しかし、本発明に係る遊技機としては、遊技機本体(例えば、筐体内)に、上ドア装飾部材を収容する輸送用収容部を備えていてもよい。
また、本発明に係る遊技機としては、輸送用収容部を備えることに限定されず、遊技機本体の外部に上ドア装飾部材を接続した状態で輸送してもよい。この場合は、例えば、上ドア装飾部材に係合部を設け、遊技機本体の外部に輸送用被係合部を設ける。そして、輸送先(出荷先)において、上ドア装飾部材の係合部を遊技機本体の輸送用被係合部から外して、上ドア装飾部材を上述したロック位置に取り付ける。
なお、上ドア装飾部材の係合部を遊技機本体の輸送用被係合部に係合させた状態において、振動により上ドア装飾部材と遊技機本体(係合箇所以外)が接触する虞があれば、上ドア装飾部材と遊技機本体(係合箇所以外)との間に緩衝材を介在させてもよい。また、上ドア装飾部材の突起部分を緩衝材で覆ってもよい。
このように、輸送用収容部や輸送用係合部を設けることにより、輸送対象物が2つに別れないため、梱包作業が煩雑にならないようにすることができる。また、輸送費の削減を図ることができる。
(上ドア装飾部材を輸送用位置に移動する構成)
上述した上ドア装飾部材602及び上ドア装飾部材902は、上ドア本体601及び上ドア本体901に対して固定するロック位置に配置される。しかし、本発明に係る遊技機としては、上ドア装飾部材を輸送用位置とロック位置(設置用位置)に移動可能にしてもよい。輸送用位置に配置された上ドア装飾部材は、遊技機本体から突出しない、或いは突出部分が少ないことが好ましい。
例えば、ロック位置(設置用位置)に配置された上ドア装飾部材は、遊技機本体の上方に突出し、上ドア装飾部材をロック位置(設置用位置)から下方に移動させると、輸送用位置に配置され、この状態で固定されるようにしてもよい。この場合においても、輸送用位置に配置された上ドア装飾部材と遊技機本体との間に緩衝材を介在させてもよい。また、上ドア装飾部材の突起部分を緩衝材で覆ってもよい。
また、本発明に係る遊技機としては、上ドア装飾部材を回動させることにより、輸送用位置とロック位置(設置用位置)に配置可能な構成にしてもよい。また、所定の回動範囲内でロック位置を調整できるようにしてもよい。上ドア装飾部材は、左右方向に延びる回動軸を用いて上下方向に回動するものだけでなく、上下方向に延びる回動軸を用いて左右方向に回動させるものであってもよい。
このように、上ドア装飾部材を輸送用位置に移動可能にした場合は、輸送対象物が2つに別れないため、梱包作業が煩雑にならないようにすることができる。また、輸送費の削減を図ることができる。さらに、設置場所において、上ドア装飾部材の設置作業を簡単にすることができる。
また、本発明に係る遊技機としては、上ドア装飾部材が邪魔になり上ドア機構を開けない場合は、上ドア装飾部材を退避位置(扉開閉可能位置)に配置する構成にしてもよい。また、退避位置(扉開閉可能位置)は、輸送用位置と同じ位置であてもよく、輸送用位置とは異なる位置に設定してもよい。
また、本発明に係る遊技機としては、上ドア装飾部材がロック位置(設置用位置)に配置されたことを確認する設置確認手段を備えるようにしてもよい。設置確認手段としては、例えば、上ドア装飾部材の特定の位置に確認用マークを設け、ロック位置(設置用位置)に配置された上ドア装飾部材の確認用マークを露出させる確認用窓を上ドア本体に設けてもよい。なお、本発明に係る遊技機としては、上ドア装飾部材が退避位置(扉開閉可能位置)に配置されたことを確認する退避確認手段を備えるようにしてもよい。
(上ドア装飾部材と上ドア本体の位置関係)
上述した上ドア本体601及び上ドア本体901の上面(天面)は、前方に延びる平面を有している。上ドア装飾部材602及び上ドア装飾部材902は、上記前方に延びる平面の端部(前端部)に対向する。これにより、上ドア本体601及び上ドア本体901の背面よりも後方には、所定のスペースが形成されている。これにより、ホール(出荷先)において、遊技機本体の上方に設置されるデジタルサイネージ(データ表示器)と上ドア本体601及び上ドア本体901が干渉しないようにすることができる。
デジタルサイネージ(データ表示器)には、店員を呼び出すための呼び出しボタンが設けられているものが多い。上述した上ドア装飾部材602又は上ドア装飾部材902を、上ドア本体601又は上ドア本体901に取り付けた場合に、呼び出しボタンが押し難くなる場合が考えられる。そこで、遊技機本体に呼び出しボタンを設けてもよい。遊技機の呼び出しボタンが押されたことを示す情報は、光照射部605或いは光照射部905を用いて送信する。なお、遊技機とサイネージを電気ケーブルや光ファイバーケーブル等で電気的に或いは光学的に通信可能に接続して、呼び出しボタンが押されたことを示す情報を、信号として遊技機側から出力するものとしてもよい。また、物理的なメダルや遊技球を遊技機外から投入することができず、電子データのみで遊技価値を管理する管理遊技機において、呼び出しボタンが押されたことを示す情報は、遊技価値の管理に係るサンドに対して出力可能としてもよい。
なお、呼び出しボタンは、上ドア装飾部材に設けてもよい。遊技機の上方に設置されたデジタルサイネージに呼び出しボタンが設けられていることを認識している遊技者は、呼び出しボタンを押そうとする場合に上方に目を向けやすい。そのため、上ドア装飾部材に呼び出しボタンを設けることで、遊技者が呼び出しボタンを見つけやすくすることができる。
また、本発明に係る上ドア装飾部材としては、特定の遊技状態に移行した場合(移行が決定した場合も含む)や、特定の条件を満たした場合に、可動する装飾可動部を有していてもよい。装飾可動部は、遊技機の上方に設置されたデジタルサイネージに干渉しなければ、その動作方向を適宜設定することができる。例えば、左右方向に動作する場合の可動幅を小、中、大などから選べるようにしてもよい。このような仕様では、店舗の島設備の構造や遊技機同士の間隔の広さなどを考慮すべき場合もあるので、遊技場の店員のみが操作することができるホールメニューにおいての遊技機設定情報として設定可能にしてもよい。なお、出荷時の初期設定としては、遊技機の演出性能を好適に発揮するために最も可動範囲の広い設定としてもよく、遊技機同士の間隔が狭い店舗を考慮して最も可動範囲の狭い設定、或いは可動演出を行わない設定としてもよい。また、装飾可動部を動作させたくない遊技者のために、装飾可動部を動作させないようにする動作禁止設定を遊技者向けメニューから設定可能な項目として設けてもよく、また、店員向けにホールメニューとして設けてもよい。また、待機位置から演出位置(待機位置と比べて遊技機の外方に移動した位置、或いは、待機位置よりも他の遊技者から視認しやすい位置)に移動した可動装飾部を、待機位置に戻すための解除操作を可能な構成としてもよい。
また、本発明に係る上ドア装飾部材としては、遊技者が操作可能な操作部を有していてもよい。例えば、上ドア装飾部材に可動部を設け、可動部が操作部を有するようにしてもよい。この場合は、所定の条件を満たして操作部を使用可能な状態になると、可動部が動作して遊技者が操作可能な位置に操作部を配置させるようにしてもよい。
(上ドア装飾部材の増設部材)
上述した上ドア装飾部材602及び上ドア装飾部材902は、それぞれ一体的に形成され、上ドア本体601及び上ドア本体901とは別に梱包される。しかし、本発明に係る上ドア装飾部材としては、2つ以上に分割された状態で梱包され、設置する際に組み立てられてもよい。例えば、上ドア装飾部材を、メイン部材と、メイン部材に着脱可能な増設部材から構成してもよい。この場合は、まず、上ドア本体にメイン部材を取り付ける。次に、メイン部材に増設部材を組み立てる。
なお、メイン部材に増設部材を組み立てて上ドア装飾部材を完成させた後に、上ドア装飾部材を上ドア本体に取り付けてもよい。しかし、増設部材が大型或いは重量物等である場合は、上ドア本体にメイン部材を取り付けた後に、メイン部材に増設部材を組み立てた方が、取付作業の作業性が向上する。そのため、増設部材は、上ドア本体にメイン部材を取り付けた後に、メイン部材に組み立て可能な構成にすることが好ましい。
また、上述の増設部材は、1つに限定されず、2つ以上であってもよい。また、増設部材は、複数種類であってもよい。例えば、設置時期、設置地域、設置店舗(ホール)毎に、増設部材の種類を異ならせてもよい。また、設置後から所定期間が経過したときに、増設部材を交換してもよい。このようにすることで、設置期間の途中で遊技機の見栄えを変化させることができ、遊技者の興味を引くことができる。
(上ドア装飾部材のロック機構)
上述した上ドア装飾部材602及び上ドア装飾部材902のロック機構は、スライダ632及びスライダ941を用いる構成にした。しかし、本発明に係る上ドア装飾部材のロック機構としては、スライダを用いるものに限定されず、その他のロック機構を採用することができる。例えば、可撓性を有するフック部と、そのフック部が係合する被係合部を用いるロック機構を採用してもよい。この場合は、フック部を撓ませることにより、被係合部にフック部を係合させて、フック部の撓み変形を係止する係止部材を取り付ける。上ドア装飾部材を取り外す場合は、係止部材を外してフック部の撓み変形を可能にして、被係合部からフック部を取り外す。
また、本発明に係る上ドア装飾部材のロック機構としては、フック部及び被係合部と、スライダの両方を用いたものであってもよい。すなわち、フック部の撓み変形をスライダによって係止し、スライダがロック解除位置に移動すると、フック部の撓み変形が可能になるようにしてもよい。
[付記5]
従来、遊技機内に浸入した液体を、浸入箇所から下方にある遊技媒体受皿、及び下方の桶状部材に誘導し、遊技機外へ排出する遊技機が知られている(例えば、特開2005−192607号公報参照)。このような遊技機によれば、液体の浸入による遊技機の故障等を防止することができる。
しかし、特開2005−192607号公報に記載された遊技機では、液体を遊技機外に排出できるが、水の浸入箇所から排出口に至るまでの広範なスペースを液体の浸入対策として用いる必要がある。そのため、演出用機器の大型化などにより、遊技機内のスペースに余裕がない遊技機では、特許文献1に記載されたような液体の浸入対策を用いることは困難であった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、液体の浸入による故障の発生を抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
外部と連通した開口部(例えば、吸気口921a)を有する筐体(例えば、フロントパネル910)と、
前記開口部に連通し、所定方向(例えば、前後方向)へ向かう通路部と、を備え、
前記通路部の底面(例えば、底面1124)には、前記所定方向と異なる特定方向(例えば、左右方向)に延びる複数のリブ(例えば、複数のリブ1141)が設けられており、
前記複数のリブは、前記所定方向に適当な間隔を空けて並んでいる
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、浸入した液体が所定方向へ向かうことを効果的に阻止することができる。また、リブを複数設けるため、針金などを挿入し難くすることができ、針金など用いた遊技機に対する不正行為を抑制することができる。
前記通路部は、少なくとも第1通路(例えば、第1通路1132)と第2通路(例えば、第2通路1133)とを備え、
前記複数のリブは、前記開口部から浸入した液体を前記第2通路へ導く
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、複数のリブにより液体を第2通路へ導くことにより、液体を排水する方向に集めることができる。その結果、遊技機本体に設けられた電子部品等に液体が接触しないようにすることができ、遊技機の故障を抑制することができる。
前記通路部の底面は、傾斜部を有し、
前記傾斜部は、前記開口部から浸入した液体が前記第2通路部へ流れるように傾斜している
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、より液体を第2通路部へ流すことさできる。また、開口部に対向する底面(例えば、エントランス1131の底面)に液体が滞留しないようにすることができる。これにより、開口部から液体が溢れ出るという事象が起きないようにすることができる。
前記複数のリブの高さ(例えば、ha)は、各リブが配置された位置における前記通路部の高さ(例えば、hb)の半分以下である
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、開口部から入り込んだ空気の所定方向への進行を複数のリブが妨げないようにすることができる。そして、複数のリブによって開口部から入り込んだ液体の所定方向への進行を妨げることができる。したがって、所定方向へ空気を効率よく通しつつ、所定方向への水の進行を阻むことができる。
前記第1通路に連通する通気部(例えば、吸気ダクト225)を備え、
前記開口部から前記筐体内に入った空気は、前記第1通路及び前記通気部を通って冷却対象(例えば、プロジェクタ装置B2)に達する
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、電子部品等の冷却対象の適切な空冷を図ることができ、遊技機内の温度上昇を抑制することができる。また、空冷用の空気を取り込みつつ、遊技機内への液体の浸入を適切に阻むことができる。
前記開口部は、前記筐体の天面(例えば、上フレーム部921の上面)に設けられている
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、遊技者から見えにくい天面に開口部(吸気口)を設けるため、開口部によって美観を損なわないようにすることができる。
前記通路部は、底面を含む第1部材(例えば、下ケース部材1121)と、前記第1部材に接続される第2部材(例えば、上ケース部材1122)とを含み、
前記複数のリブは、前記第1部材と一体成型されている
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、複数のリブを通路部に取り付ける工数を削減することができる。また、複数のリブと第1部材の底面との間に隙間が生じ難いため、所定方向へ向かう液体を堰き止める効果を高めることができる。また、第1部材と第2部材を組み合わせて通路部を形成するため、成型用の金型の大型化を抑制し、製造コストの削減を図ることができる。
液体を収容可能な貯水部(例えば、貯水部1102)を備え、
前記第2通路は、前記貯水部に連通している
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、開口部から浸入した液体が遊技機内の電子部品に到達することを防止することができ、電子部品等の故障を抑制することができる。
前記貯水部は、前記筐体に着脱可能に取り付けられている
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、開口部から侵入した液体が貯水部に溜まった場合に、貯水部のみを取り外して中の液体を捨てることができる。したがって、貯水部に液体が溜まっても、水抜き作業のために遊技機全体を作業工場などに輸送する必要がなくなり、店舗での運用が便利となる。
前記開口部よりも前後方向の前方に壁部(例えば、上ドア装飾部材902)を備える
ことを特徴とする請求項9に記載の遊技機。
このような遊技機によれば、例えば、遊技者が缶ジュースや飲料入り紙コップなどを筐体の天面に置いた場合に、意図せず倒して中身の液体をこぼしてしまうことが想定される。しかし、筐体上部に壁部が設けられていると、設置場所の壁部(例えば、ホールの島設備の壁部)と筐体上部の壁部(上ドア装飾部材902)との間が狭くなる。その結果、開口部付近に物を置き難くすることができ、開口部への液体の浸入を抑制することができる。