JP2021074238A - 測定装置及びプログラム - Google Patents

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崇宏 榎本
あゆみ 草間
Ayumi Kusama
あゆみ 草間
貴之 塩田
Takayuki Shioda
貴之 塩田
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Abstract

【課題】簡易な構成により腸内の状態を測定する。【解決手段】腸の状態を測定する測定装置100は、被測定者の腸蠕動音が含まれる音響データを取得する取得部20と、取得部20によって取得される音響データに基づいて被測定者の腸内ガス量を演算する演算部30と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、腸の状態を測定する測定装置及びプログラムに関する。
腸の状態を評価するうえで、腸内のガス量を把握することは重要である。腸内のガス量を把握する手段としては、肛門からサンプリングチューブを挿入して放屁をモニターするシステムが提案されている(非特許文献1)。
Takekazu TERAI. Flatus Monitor "flatus as index of bowel function" J. Japan Association on Odor Environment Vol. 36, No. 5 2005.
しかしながら、上述のシステムは侵襲的であるため、患者への心身面及び金銭面の負担が大きいうえ、大掛かりな検査機器が必要であり、繰り返しの観察には適していないという問題がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、簡易な構成により腸内の状態を測定する測定装置及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明のある態様によれば、腸の状態を測定する測定装置は、被測定者の腸蠕動音が含まれる音響データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得される音響データに基づいて前記被測定者の腸内ガス量を演算する演算手段と、を含む。
この態様によれば、被測定者の腸蠕動音が含まれる音響データを用いることによって被測定者の腸内ガス量が得られるので、簡易な構成により腸内の状態を測定することができる。
図1は、本発明の第1実施形態における測定装置の機能構成を示すブロック図である。 図2Aは、炭酸水を摂取する前における被験者の腸蠕動音の発生頻度の一例を示す図である。 図2Bは、炭酸水を摂取した後における被験者の腸蠕動音の発生頻度の一例を示す図である。 図3Aは、炭酸水を摂取する前における被験者の腸蠕動音の長さの一例を示す図である。 図3Bは、炭酸水を摂取した後における被験者の腸蠕動音の長さの一例を示す図である。 図4は、腸内ガス量に関する腸内情報の表示例を示す図である。 図5は、第1実施形態における測定方法の処理手順例を示すフローチャートである。 図6は、第2実施形態における測定装置の機能構成を示すブロック図である。 図7は、腸の不調度合いの判定手法の一例を説明するための図である。 図8は、他の判定手法の例を説明するための図である。 図9は、第3実施形態における腸音検出部の機能構成を示すブロック図である。 図10は、腸音検出部による検出結果の一例を示す図である。 図11は、第4実施形態における測定装置の機能構成を示すブロック図である。 図12は、測定装置に用いられる予測アルゴリズムを生成する機械学習装置の機能構成を示すブロック図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の各実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における測定装置の機能構成を示すブロック図である。
測定装置100は、被測定者の腸の状態を測定する装置である。本実施形態の測定装置100には、集音装置1、入力装置2及び表示装置3がそれぞれ接続されている。
集音装置1は、生体音を集音する装置であり、例えば電子聴診器、非接触マイクロフォン又はこれらの組合せによって構成される。集音装置1は、被測定者から集音した音を示す音響データを生成する。この集音装置1は、被測定者の腹部に当てられる。通常、集音装置1は、被測定者のお腹に当てられるが、お腹周りの背中の部分に当てられることもある。
被測定者の腹部に当てられた集音装置1は、被測定者の腸蠕動音(BS:Bowel sound)が含まれる音響データを生成し、その音響データを測定装置100に出力する。集音装置1によって生成される音響データは、有線又は無線を介して測定装置100に送信されてもよく、SDカードなどの記録媒体を介して測定装置100に入力されてもよい。
入力装置2は、利用者の入力操作を受け付ける受付手段である。入力装置2は、例えば、キーボード、タッチパネル及びマウスによって構成される。入力装置2は、例えば、腸の状態を測定するにあたり、被測定者の属性を示す属性情報又は体組成を示す体組成情報を受け付ける。属性情報としては、例えば性別、年齢、身長、体重及び腸の活動度合いなどが挙げられる。体組成情報としては、例えばBMI(Body Mass Index)、肥満度及び体脂肪率などが挙げられる。
本実施形態の入力装置2は、利用者の入力操作により、生体から生じる腸蠕動音の基準となる基準情報を受け付け、その基準情報を示す操作信号を生成する。入力装置2は、受け付けた入力操作によって生成された操作信号を測定装置100に出力する。
表示装置3は、入力装置2によって生成された操作信号、又は測定装置100によって測定された結果などの情報を表示する表示手段である。表示装置3は、例えば液晶ディスプレイなどによって構成される。
測定装置100は、例えば、汎用或いは専用のコンピュータ、又は携帯端末などによって構成される。測定装置100は、記憶部10と、取得部20と、演算部30と、腸内情報生成部40と、を備える。
記憶部10は、揮発性メモリ(RAM:Random Access Memory)及び不揮発性メモリ(ROM:Read Only Memory)によって構成される。記憶部10は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)などによって構成される。
記憶部10は、測定装置100の動作を制御するためのプログラムを記憶する記憶装置である。すなわち、記憶部10は、本実施形態における測定方法を実行するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。このプログラムは、あらかじめ記憶部10に記憶されてもよく、測定装置100の外部から通信回線を介して取得されてもよい。
記憶部10には、さらに、上述した基準情報が保持される。すなわち、本実施形態の記憶部10は、生体の腸蠕動音の基準となる基準情報を保持する保持手段を構成する。基準情報には、例えば、個人又は団体の被験者の腸蠕動音に関する実験又はシミュレーションなどの結果、又は腸蠕動音に関する統計データを用いて設定される閾値又は基準量が含まれる。以下、基準情報に示される閾値は「BS閾値」と称される。
また、この基準情報は、記憶部10に限らず、測定装置100の外部の装置などで保持されてもよい。この場合、測定装置100の取得部20は、基準情報を保持する外部の装置などから、通信回線を介して基準情報を取得してもよい。
本実施形態ではBS閾値として、音響データから腸蠕動音を検出するための複数の検出閾値と、腸蠕動音に基づいて腸内ガス量を判定するための判定閾値と、が記憶部10に保持されている。
これらのBS閾値は、例えば、炭酸水などの腸内ガス量が増加しやすい特定の飲料を被験者が摂取した後の腸蠕動音を含む音響データに基づいてあらかじめ定められる。あるいは、主観評価において腹部の膨満感が強いと回答した人の腸蠕動音、又は、腸に不調がある人の腸蠕動音を基準にBS閾値を定めてもよい。または、人の属性、又は体組成に基づいてBS閾値を定めてもよい。
取得部20は、測定装置100の外部に配置された集音装置1及び入力装置2から出力される信号を取得する。本実施形態の取得部20は、操作信号取得部21と音響データ取得部22とを備える。
操作信号取得部21は、入力装置2から出力された操作信号を取得する。操作信号取得部21は、入力装置2から上述のBS閾値を示す操作信号を取得した場合には、その操作信号に示されたBS閾値を記憶部10に記録する。
音響データ取得部22は、集音装置1から被測定者の腸蠕動音が含まれる音響データを取得する取得手段を構成する。音響データ取得部22は、集音装置1から取得した音響データを演算部30に出力する。
演算部30は、取得部20によって取得された音響データに基づいて被測定者の腸内ガス量を演算する演算手段を構成する。ここにいう腸内ガス量は、腹部の膨満感又は腸の不調度合いを評価するための指標であり、例えば、腸内に存在するガスの体積を示す指標、又は腸の容積に対するガスの体積の比率を示す指標が腸内ガス量として用いられる。
演算部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)又はDSP(digital signal processor)などのプロセッサによって構成される。あるいは、演算部30は、ASICなどの専用のハードウェアによって構成されてもよく、プロセッサと専用のハードウェアとを組み合わせて構成されてもよい。
本実施形態において、演算部30は、記憶部10又は取得部20から基準情報を取得するとともに音響データ取得部22から音響データを取得し、その基準情報と音響データとを用いて、被測定者の腸内ガス量を演算する。演算部30は、腸音検出部31と腸内ガス量演算部32とを備える。
腸音検出部31は、集音装置1によって生成される音響データに基づいてその音響データに示される腸蠕動音を検出する。例えば、腸音検出部31は、音響データ取得部22から音響データを取得すると、その音響データの中から、腸蠕動音の長さ及び発生頻度を検出する。以下、腸蠕動音の長さは「BS長」と称され、腸蠕動音の発生頻度は「BS頻度」と称される。
腸音検出部31は、音響データ取得部22から取得した音響データに基づいてBS長を検出する検出手段を構成する。
例えば、腸音検出部31は、音響データの信号レベルが連続して所定値を超える期間を計測し、計測した期間をBS長として腸内ガス量演算部32に出力する。音響データの信号レベルとしては、例えば音の強さ、音圧又はSNR(Signal to Noise Ratio)などを用いることができる。
本実施形態における腸音検出部31は、上述の所定値として記憶部10からBS閾値である第1検出閾値を読み出し、STE(Short term energy)法を用いて音響データのSNRが第1検出閾値以上となる期間を計測する。
具体的には、腸音検出部31は、所定の時間単位ごとに音響データを複数のセグメントに分割し、分割したセグメントごとに、式(1)に示すようにSNRを算出する。所定の時間は、例えば数十ms(ミリセカンド)であり、本実施形態では36msに設定される。
Figure 2021074238
なお、PSは音響データに示される信号のパワーであり、PNは雑音のパワーである。PNは、視聴試験を行った際にサイレンスであると判断された1秒の区間内のエネルギーから算出される。
算出されたSNRが第1検出閾値以上である場合には、腸音検出部31は、そのセグメントに対し、腸蠕動音が含まれている可能性があるので「1」を付与する。一方、SNRが第1検出閾値を下回る場合には、そのセグメントは腸蠕動音が含まれていないとみなされ、腸音検出部31は、SNRが第1検出閾値を下回るセグメントに対して「0」を付与する。
腸音検出部31は、「1」を示すセグメントが連続する複数の有効セグメントを特定し、特定した有効セグメントの数をカウントする。腸音検出部31は、カウントした数が第2検出閾値を上回る場合には、連続する有効セグメントの音響データに示される音が有効なBSであると判定し、有効なBSに対しては、カウントした数に所定の時間を乗じてBS長を算出する。
第2検出閾値は、記憶部10から読み出されるBS閾値の一つであり、腸蠕動音のSNRの基準となる基準情報である。第2検出閾値は、炭酸水などの特定の飲料を被験者が摂取した後のBS長に基づいてあらかじめ定められる。本実施形態の第2検出閾値は「7」に設定される。
腸音検出部31は、音響データから複数の有効なBSを検出した場合は、検出した複数の有効なBSについてのBS長の平均値、中央値又は最頻値などの統計値をBS長として算出してもよい。腸音検出部31は、算出したBS長を腸内ガス量演算部32に出力する。また、腸音検出部31は、音響データから複数の有効なBSを検出した場合は、有効なBSの発生頻度をBS頻度として算出してもよい。
腸内ガス量演算部32は、腸音検出部31によって検出されるBS長を用いて被測定者の腸内ガス量を演算するガス量演算手段を構成する。
腸内ガス量演算部32は、腸音検出部31から出力されるBS長を取得し、そのBS長に基づいて被測定者の腸内ガス量を算出する。
例えば、腸内ガス量演算部32は、記憶部10からBS閾値の一つである判定閾値を読み出し、BS長が判定閾値以上である場合には、腸内ガス量が多いと判定し、BS長が判定閾値を下回る場合には、腸内ガス量が少ないと判定する。判定閾値は、腸内ガス量を判定するための腸蠕動音の基準となる基準情報であり、例えば、特定の飲料を摂取した後の被験者のBS長に基づいてあらかじめ定められる。あるいは、判定閾値は、下痢又は便秘気味などの腸が不腸である人のBS長を基準に定められてもよい。
本実施形態では、被測定者のBS長と腸内ガス量との関係を示す変換テーブルが記憶部10にあらかじめ記憶されている。そして腸内ガス量演算部32は、腸音検出部31からBS長を取得すると、記憶部10の変換テーブルを参照し、取得したBS長の値に関係付けられた腸内ガス量の値を算出する。
記憶部10に記憶された変換テーブルは、実験又はシミュレーションなどの結果を用いてあらかじめ定められる。腸内ガス量演算部32は、腸音検出部31から出力されたBS長が長くなるほど、腸内ガス量として大きな値を設定する。
このように、腸内ガス量演算部32は、音響データとBS閾値とを用いて被測定者の腸内ガス量を判定する。そして腸内ガス量演算部32は、判定した腸内ガス量を腸内情報生成部40に出力する。
腸内情報生成部40は、演算部30によって演算された腸内ガス量に基づいて腸内ガス量に関する腸内情報を生成する生成手段を構成する。腸内情報としては、例えば、BS長、BS頻度、腸内ガス量、及び腹部における膨満感の程度などが含まれる。腸内情報生成部40は、例えば画像処理装置によって構成される。
本実施形態の腸内情報生成部40は、腸内ガス量演算部32から出力される腸内ガス量の値に基づき所定の形式により腸内ガス量を示した表示画像を、上述の腸内情報として生成する。表示画像の態様については図面を参照して後述する。
腸内情報生成部40は、生成した表示画像を表示装置3に出力する。これにより、表示装置3は、測定装置100によって測定された腸内ガス量を利用者又は被測定者に表示することができる。
以上のように、測定装置100は、集音装置1によって生成される音響データに基づいて被測定者の腸内ガス量を測定し、測定した結果を表示装置3に出力する。
なお、本実施形態では記憶部10及び腸内情報生成部40が測定装置100に備えられているが、記憶部10及び腸内情報生成部40を省略して測定装置100に接続される別体の記憶装置及び画像処理装置に置き換えてもよい。また、測定装置100は、集音装置1、入力装置2及び表示装置3の少なくとも一つの機能を実装してもよい。
また、本実施形態では記憶部10に保持されたBS閾値はあらかじめ定められたものであったが、BS閾値は、被測定者の属性情報及び体組成情報の少なくとも一方の情報に基づいて変更されてもよい。
例えば、演算部30は、被測定者の腸の活動度合いを示す属性情報に基づいて、腸の活動が活発になるほどBS閾値を高めてもよく、腸の活動が不活発になるほどBS閾値を低くしてもよい。あるいは、高齢者のBS閾値は、若年者のBS閾値よりも低く設定されてもよい。この理由は、高齢者は腸の活動が弱まることが知られているからである。これにより、被測定者の腸の活動の活発度合いを考慮して、腸内ガス量を精度よく測定することができる。
または、演算部30は、被測定者の体組成情報に基づいて、肥満型の人の方が痩せ型の人よりもBS閾値を低くしてもよい。この理由として、高度な肥満型の人は、活動状態が不活発になる傾向にあり膨満感が強くなることが多いのに対し、痩せ型の人は、活動状態が活発になる傾向にあるからである。
その他に、BS閾値は、同一の被測定者について時系列に取得された複数のBS長を示す蓄積データに基づいて調整されてもよい。これにより、被測定者個人の腸の状態がBS閾値に反映されることになるので、被測定者における腸の状態の変化を把握することが容易になる。
次に、音響データに含まれる腸蠕動音と腸内ガス量との相関関係を、図2A、図2B、図3A及び図3Bを参照して説明する。音響データに含まれる腸蠕動音と腸内ガス量との相関関係については、公知の検定手法の一つであるWilcolxonのT検定による評価結果を用いて説明する。このWilcolxonのT検定は、ノンパラメトリック検定による順序尺度の差を検定する手法である。
まず、BS頻度と腸内ガス量との相関関係について図2A及び図2Bを参照して説明する。図2Aは、被験者が炭酸水及びコーヒーの各飲料を摂取する前のBS頻度の一例を示す図である。図2Bは、被験者が各飲料を摂取した後のBS頻度の一例を示す図である。
図2Bに示すように、炭酸水摂取後のBS頻度は、コーヒー摂取後のBS頻度に比べて若干増加していることが確認されたが、有意な差は認められなかった。
続いて、BS長と腸内ガス量との相関関係について図3A及び図3Bを参照して説明する。図3Aは、被験者が各飲料を摂取する前のBS長の一例を示す図である。図3Bは、被験者が各飲料を摂取した後のBS長の一例を示す図である。
図3Bに示すように、炭酸水摂取後のBS長は、コーヒー摂取後のBS長に比べて、明らかに増加していることが確認されており、有意な差も認められた(P<0.05)。すなわち、BS長については、BS頻度に比べて腸内ガス量との相関関係が強いという結果が得られた。
以上の実験結果から、被験者の炭酸水摂取により腸内ガス量が増加したことによって、コーヒー摂取の場合に比べて被験者の腸蠕動音の発生状態が変化することを確認することができた。特にBS長と腸内ガス量との間の相関性が高いことを発明者らは知見した。
それゆえ、本実施形態の測定装置100は、BS長と腸内ガス量との相関関係を利用することにより腸内ガス量を推定している。より詳細には、測定装置100は、集音装置1によって被測定者の腹部から得られる音響データを用いてBS長を検出し、そのBS長の長さに応じて被測定者の腸内ガス量を算出する構成を備えている。
次に、測定装置100による測定結果の表示例について図4を参照して簡単に説明する。
図4は、本実施形態における腸内ガス量の測定結果を表示するための表示画像の一例を示す図である。図4には、被測定者の腸内ガス量の程度が棒グラフによってBS長とともに示されている。
この例では、BS長が長く腸内ガス量が多目であるという結果が示されているので、被測定者が腹部に張りを感じているような状況においては、その張りは、胃の運動機能の低下によるものというよりは、腸の運動機能の低下によるものであることがわかる。
このように、集音装置1によって取得された被測定者の音響データに対し、BS長と腸内ガス量との相関性を利用した簡易な演算処理を実行することによって、被測定者の腸の状態を把握することができる。
次に、測定装置100の動作について図5を参照して説明する。
図5は、本実施形態における腸内ガスを測定する測定方法を示すフローチャートである。
ステップS1において測定装置100は、被測定者の腹部に当てられた集音装置1から、被測定者の腸蠕動音が含まれる音響データを取得する。
ステップS2において測定装置100は、取得した音響データに基づいて被測定者の腸内ガス量を演算する。
本実施形態の測定装置100は、取得した音響データのSNRが、記憶部10から読み出したBS閾値以上となる期間をBS長として検出する。そして測定装置100は、記憶部10からBS長と腸内ガス量との関係を示す変換テーブルを読み出し、その変換テーブルにおいてBS長の検出値に関係付けられた腸内ガス量を算出する。
ステップS3において測定装置100は、算出した被測定者の腸内ガス量を用いて腸内情報を生成する。
本実施形態の測定装置100は、図4に示したように、算出した腸内ガス量及びBS長の検出値を表示するための表示画像を生成して表示装置3に出力する。これにより、表示装置3には、測定結果として被測定者の腸内ガス量の程度が表示される。
ステップS3の処理が完了すると、測定装置100における測定方法についての一連の処理手順が終了する。
次に、第1実施形態による作用効果について説明する。
第1実施形態における測定装置100は、腸の状態を測定する装置である。この測定装置100は、生体音を集音する集音装置1から被測定者の腸蠕動音が含まれる音響データを取得する取得部20と、取得部20によって取得される音響データに基づいて被測定者の腸内ガス量を演算する演算部30と、を含む。
また、本実施形態における腸の状態を測定する測定方法は、集音装置1から音響データを取得するステップS1と、ステップS1によって取得される音響データに基づいて被測定者の腸内ガス量を演算するステップS2と、を含む。
さらに、本実施形態において腸の状態を測定するコンピュータに実行させるためのプログラムには、集音装置1から音響データを取得するステップS1と、音響データに基づいて被測定者の腸内ガス量を演算するステップS2と、が含まれる。
従来、腸内ガス量を測定するには、被測定者の肛門からサンプリングチューブを挿入して放屁をモニターするシステム、又は経口摂取型のカプセルセンサーなどが使用されている。このような測定手法に比べて、上述した構成によれば、集音装置1によって被測定者の腸蠕動音が集音された音響データに所定の演算処理を施すことで、非侵襲的、かつ、簡易に被測定者の腸内ガス量を推定することができる。
これに加え、腸内の水素及び二酸化炭素は、微量であるうえ空気で希釈されるので、これらの濃度は極めて低いことから、経口摂取型のカプセルセンサー又は放屁モニターでは、腸内ガス量を精度よく測定することは困難である。これに対し、本実施形態では、腸内ガス量に相関性を有する腸蠕動音が含まれる音響データを用いることにより、腸内ガス量の測定精度を確保することができる。
測定した腸内ガス量は、腸の状態を把握するうえで重要である。特に、高齢者、小児又は意識レベルの低下した患者に対する腸管運動機能の評価又は治療効果の判定において、腸内ガス量は有用である。例えば、演算した被測定者の腸内ガス量が多い場合は、その対処策の一つとして、腸内ガス量に応じて腸内ガス量を適正な量に抑えるための運動の種類又はその運動の程度を報知してもよい。また、腸内ガス量から診断可能な腹部不快症状と肥満との関係性から、肥満型の被測定者又は痩せ型の被測定者に対して、BMIが18.5以上25未満の標準範囲を目標とするような生活改善を提示してもよい。
以上のように、上述した構成によれば、簡易な構成により腸の状態を測定することができる。
また、本実施形態における演算部30は、被測定者の腸蠕動音の基準となるBS閾値などの基準情報を取得し、その基準情報と音響データとを用いて腸内ガス量を演算する。
この構成によれば、音響データと基準情報とを比較することにより被測定者の腸蠕動音を抽出することが可能となり、抽出した腸蠕動音の長さ、発生数及びスペクトルの形状などを検出することによって腸内ガス量を推定することができる。
また、本実施形態における取得部20は、利用者の入力操作を受け付ける入力装置2から基準情報を取得する。この構成によれば、入力装置2を用いて基準情報に含まれるBS閾値などを任意の値に変更することが可能となる。それゆえ、測定環境又は被測定者の病状などに合わせてBS閾値が変えられるので、BS閾値が固定される場合に比べて測定精度が低下するのを抑制することができる。
このBS閾値を示す基準情報は、炭酸水などの特定の飲料物を摂取した後の腸蠕動音に基づいて設定される。例えば、炭酸水を摂取した個人又は団体の被験者から得られた腸蠕動音に基づいて基準情報をあらかじめ定めることにより、被測定者の腸内ガス量を精度よく測定することができる。
また、基準情報は、被測定者の性別又は年齢などを示す属性情報と、被測定者の体組成を示す体組成情報と、のうち少なくとも一方の情報に基づいて設定されてもよい。腸蠕動音は、被測定者の性別、年齢及び体組成の違いによって変化することから、被測定者の属性情報と体組成情報とを用いて基準情報を変更することにより、被測定者の特性に合わせて精度よく腸内ガス量を測定することができる。
また、本実施形態における演算部30は、音響データに示される腸蠕動音の長さを示すBS長を用いて被測定者の腸内ガス量を演算する。図2A及び図2Bに示したように、音響データから抽出可能なパラメータのうち、特にBS長が腸内ガス量に対する相関性が高いことから、被測定者の腸内ガス量を測定する際にBS長を用いることによって、精度よく腸内ガス量を推定することができる。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態における測定装置101の機能構成を示すブロック図である。
第2実施形態では、被測定者の腸内ガス量を用いて腸の状態を判定する点が第1実施形態と異なる。測定装置101は、図1に示した演算部30に代えて、当該演算部30に対応する演算部30Aを備えている。演算部30Aは、図1に示した演算部30の構成に加えて腸状態判定部33をさらに有する。
本実施形態における腸音検出部31は、音響データを用いてBS長を検出するとともに、音響データに含まれる腸蠕動音の発生頻度を示すBS頻度を検出する。BS頻度は、単位時間あたりの腸蠕動音の発生数である。
腸音検出部31は、図1で述べたように音響データからBS長を検出し、検出したBS長を腸内ガス量演算部32に出力する。これに加え、本実施形態の腸音検出部31は、1分間あたりの腸蠕動音の発生数をカウントし、カウントした発生数をBS頻度として腸状態判定部33に出力する。
腸内ガス量演算部32は、腸音検出部31によって検出されたBS長を取得すると、そのBS長を被測定者の腸内ガス量とみなして、BS長をそのまま腸状態判定部33に出力する。なお、腸内ガス量演算部32は、BS長を腸内ガス量に変換し、変換した腸内ガス量をBS頻度に応じて補正してもよい。
腸状態判定部33は、腸内ガス量演算部32から出力されるBS長とBS頻度とに基づいて被測定者における腸の状態を判定する。本実施形態における腸状態判定部33は、BS長を用いて腹部における膨満感の程度を判定し、BS頻度を用いて腸の活動状態を判定する。
例えば、腸状態判定部33は、BS長が長くなるほど、腹部の膨満感が強いと判定し、BS長が短くなるほど、腹部の膨満感が少ないと判定する。さらに腸状態判定部33は、BS頻度が低くなるほど、腸が不活動的であると判定し、BS頻度が高くなるほど、腸が過活動気味であると判定する。
腸状態判定部33は、腹部の膨満感及び腸の活動状態の判定結果を腸内情報生成部40Aに出力する。腸内情報生成部40Aは、判定結果に基づいて判定結果に関する腸内情報又は、判定結果とともにBS長及びBS頻度の検出結果を示す腸内情報を生成し、その腸内情報を表示装置3に出力する。
次に、腸状態判定部33による腸の判定手法について図7を参照して説明する。
図7は、被測定者のBS長とBS頻度とを用いて腸の不調度合いを判定する例を説明するための図である。
この例では、図7に示すように、BS長とBS頻度と腸の不調度合いとの関係を示す判定テーブルが記憶部10に記憶される。そして腸状態判定部33は、腸音検出部31からBS長及びBS頻度を取得すると、判定テーブルを参照して被測定者における腸の不調度合いを判定する。
具体的には、腸状態判定部33は、BS長が判定閾値T1を下回り、かつ、BS頻度が判定閾値T2を下回る場合に、腸が不活動的で膨満感が少ない状態であると判定する。この判定結果から、被測定者は、例えば便秘であるが腹部の膨満感は少ない状態であることが推察される。
また、BS長が判定閾値T1を下回り、かつ、BS頻度が判定閾値T2以上である場合には、腸状態判定部33は、腸が活動的で膨満感が少ない状態であると判定する。この判定結果から、被測定者は、例えば便秘気味でもなく、下痢気味でもなく、かつ、膨満感も少ない状態であることが推察される。
一方、腸状態判定部33は、BS長が判定閾値T1以上であり、かつ、BS頻度が判定閾値T2を下回る場合に、腸が不活動的で膨満感が強い状態であると判定する。この判定結果から、被測定者は、例えば便秘気味で腹部の膨満感も強い状態あることが推察される。
また、BS長が判定閾値T1以上であり、かつ、BS頻度が判定閾値T2以上である場合には、腸状態判定部33は、腸が過活動気味で膨満感が強い状態であると判定する。この判定結果から、被測定者は、例えば下痢気味で腹部の膨満感も強い状態であることが推察される。
さらに、腸状態判定部33は、BS頻度が判定閾値T3以上であれば、BS長に関係なく、被測定者の腸が過活動状態であり被測定者は違和感を持っている状態であると判定してもよい。
このように、腸の状態を判定するに際にBS長に加えてBS頻度を用いることによって、腸の不調度合いをきめ細かく判定することができる。
なお、本実施形態では腸状態判定部33が、腹部の膨満感の程度及び腸の活動状態をそれぞれ判定する例について説明したが、これらの判定結果を元に腸状態判定部33が被測定者の腸の状態として、上述のように下痢気味又は便秘気味といった総合的な評価を行うようにしてもよい。
また、腸の不調度合いの判定手法としては図7に示した判定手法に限られるものではない。そこで、他の判定手法について図8を参照して説明する。
図8は、腸の不調度合いの判定手法についての他の例を説明するための図である。図8には、腸状態判定部33による判定結果を座標の中心から放射状に示すレーダーチャート形式で表した表示画像が示されている。具体的には、表示画像には、三軸が互いに直交する直交座標系において、BS長、BS頻度及びSNRを各軸に設定したレーダーチャートが示されている。
この例では、図6に示した腸音検出部31が、BS長とBS頻度とに加え、音響データに示される腸蠕動音のSNRを検出する。腸音検出部31は、一分間に複数の腸蠕動音を検出した場合には、検出した腸蠕動音のSNRについて平均値、中央値又は最頻値などの統計値を算出し、そのSNRの統計値を、BS長及びBS頻度とともに腸状態判定部33に出力する。
このように、腸音検出部31を含む演算部30Aは、集音装置1によって生成された音響データに基づいてBS長を検出するとともに、腸蠕動音の信号レベル及び発生数のうち少なくとも一方のパラメータを検出する。
図8に示されたBS長は、上述のとおり、腹部の膨満感に相関性を有している。一方、BS頻度及びSNRは、腸の活動状態に相関性を有しており、例えば、感染性胃腸炎などの炎症、又は下痢などの症状によって腸の活動状態が活発になるほど、BS頻度及びSNRの双方が高くなりやすい。反対に、手術による腹膜の炎症又は便秘などの症状によって腸の活動状態が鈍化するほど、BS頻度及びSNRの双方が低くなりやすい。
このような傾向を利用することによって被測定者における腸の状態を推定することができる。すなわち、BS長、BS頻度及びSNRの各指標を用いることにより、被測定者の腸の不調度合いを精度よく判定することが可能となる。
例えば、被測定者が便秘気味であるときは、BS頻度及びSNRが比較的低く、かつ、BS長が比較的短くなりやすく、被測定者が下痢気味であるときは、BS頻度及びSNRが比較的高く、かつ、BS長が比較的長くなりやすい。
このため、腸の状態が悪くなるほど、BS頻度及びSNRの数値とBS長の数値との差分が大きくなりやすい。すなわち、腸の不調度合いが高くなるほど、図8に示したレーダーチャートの面積Sが大きくなりやすい。それゆえ、本例における腸状態判定部33は、レーダーチャートの面積Sを求め、その面積Sが大きくなるほど、腸の不調度合いが高いと判定する。
なお、被測定者がイレウスを引き起こしているときは、腸蠕動音が発生し難くなるので、BS長、BS頻度及びSNRが全て低下する。このような場合には、腸状態判定部33は、腸の不調度合いが高いと判定してもよい。
腸状態判定部33は、腸の不調度合いの判定結果と、BS長、BS頻度及びSNRの検出結果と、を腸内情報生成部40Aに出力する。そして腸内情報生成部40Aは、図8に示したようなレーダーチャートとともに不調度合いの判定結果を示す表示画像を生成して表示装置3に出力する。これにより、表示装置3は、腸内情報生成部40Aによって生成された腸内情報をレーダーチャートの形式により表示する。
このように、判定結果に加えてBS長、BS頻度及びSNRをレーダーチャート形式で表示することにより、被測定者における腸の状態を、総合的かつ容易に把握することが可能となる。
なお、この例では腸の状態を判定する際にBS長に加えてBS頻度及びSNRの双方を用いたが、BS頻度及びSNRのうち一方のみを用いて腸の状態を判定してもよい。また、腸蠕動音の信号レベルとしてSNRを用いたが、これに代えて又は加えて、腸蠕動音の強さ又は音圧などを用いてもよい。このような場合でも被測定者における腸の不調度合いを判定することが可能である。
また、図8に示した例では、BS長、BS頻度及びSNRの三軸が互いに直交する三次元の座標系を用いて腸の状態を表示したが、これに代えて、二次元の座標系を用いてBS長、BS頻度及びSNRを表示してもよい。この場合でも、被測定者の腸の状態を容易に把握することができる。
次に、第2実施形態による作用効果について説明する。
第2実施形態において、腸音検出部31を含む演算部30Aは、集音装置1によって生成された音響データに基づいてBS長を腸内ガス量として検出するとともに腸蠕動音の信号レベル及び発生数のうち少なくとも一方のパラメータを検出する。そして腸内情報生成部40Aは、演算部30Aによって検出されるパラメータとBS長とに基づいて被測定者における腸の不調度合いを示す腸内情報を生成する。
この構成によれば、BS長に加えて腸蠕動音に関する他のパラメータを用いることによって、被測定者における腸の不調度合いを判定することが可能となる。したがって、本実施形態の測定装置101は、簡易な構成により腸の状態を測定することができる。
また、本実施形態における表示装置3は、腸内情報生成部40Aによって生成された腸内情報をレーダーチャートによって表示する。これにより、被測定者は、自身の腸の不調度合いを容易に把握することができる。
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態における測定装置102の機能構成を示すブロック図である。
第3実施形態では、被測定者の腸内ガス量を演算するにあたり、音響データにおける腸蠕動音の特徴を示す特徴量を用いる点が第1実施形態と異なる。そのため、記憶部10には、第1実施形態のBS閾値に代えて、腸蠕動音の基準となる基準情報として音響データの特徴量に関する基準量が保持されている。
本実施形態の測定装置102は、図1に示した測定装置100の腸音検出部31に代えて、腸音検出部31に対応する腸音検出部31aを備えている。他の構成については測定装置100の構成と同一である。
腸音検出部31aは、腸蠕動音が含まれている音響データにおける特徴量に基づいてBS長を検出する。本実施形態における腸音検出部31aは、音響データにおける特徴量が連続して記憶部10の基準量を超える期間を計測し、計測した期間をBS長として腸内ガス量演算部32に出力する。
本実施形態の腸音検出部31aは、セグメント検出部311と、特徴量抽出部312と、BS長検出部313と、を備える。
セグメント検出部311は、音響データ取得部22から音響データを受け付けると、第1実施形態と同じように,所定の時間単位により音響データを複数のセグメントに分割する。セグメント検出部311は、分割した各セグメントのSNRが所定値以上である有効セグメントを検出する。
特徴量抽出部312は、音響データから腸蠕動音の特徴を示す特徴量を抽出する抽出手段を構成する。
具体的には、特徴量抽出部312は、セグメント検出部311によって検出された有効セグメントごとに音響データの特徴量を抽出する。音響データの特徴量としては、例えばPNCC(Power Normalized Cepstral Coefficients)又はMFCC(Mel-Frequency Cepstral Coefficients)などを用いることができる。
MFCCは、特に音声認識の分野において、声道特性を表す特徴量とも言われ、一般的に使用されてきた。このMFCCは、声道特性を連想するような生体音の検出に対しても適用されてきた。MFCCは、ヒトの聴覚系を簡易的に模擬したメルスケールと呼ばれる対数軸上に等間隔に配置された三角フィルタバンクの出力に対し離散コサイン変換を行うことによって算出される。
PNCCは、雑音環境下での音声認識システムの頑健性を改善するために開発された特徴量である。しかしながら、PNCCは、録音データのサンプリングレートが低い場合(例えば、聴診器の録音データのような場合)、検出対象とするサウンドデータの音響やスペクトルの特性によっては、MFCCより検出性能が劣化する場合があるとの報告がある。PNCCは、ヒトの生理的な側面により近くなるようにMFCCを算出する過程を改善したものである。PNCCは、MFCCに比べて、主に、以下の三つの点が異なっている。
一つ目は、MFCCで使用される三角フィルタバンクの代わりに蝸牛の働きを模擬するために等価長方形帯域幅に基づくガンマトーンフィルタバンクを使用している点である。二つ目は、MFCCの算出過程には使用されていない、中時間処理された音声の算術平均及び幾何平均の比(AM-to-GM ratio)に基づいたバイアスサブトラクションを使用している点である。三つ目は、MFCCで使用される対数非線形性をべき乗非線形性に置き換える点である。これらの点により、雑音に頑健な音声処理が可能となると言われている。
なお、PNCCの詳細については、Kim, Chanwoo, and Richard M. Stern. "Power-normalized cepstral coefficients (PNCC) for robust speech recognition." Acoustics, Speech and Signal Processing (ICASSP), 2012 IEEE International Conference on. IEEE, 2012.を参照されたい。
特徴量抽出部312は、有効セグメントごとに抽出した音響データの特徴量をBS長検出部313に出力する。
BS長検出部313は、特徴量抽出部312によって抽出された特徴量が、基準情報に示される基準量を超えて抽出される期間をBS長として検出する検出手段を構成する。
本実施形態におけるBS長検出部313は、連続する複数の有効セグメントのうち特徴量が基準量を超える有効セグメントの数をカウントし、カウントした数を有効セグメントの単位時間に乗じてBS長を算出する。
そしてBS長検出部313は、算出したBS長を腸内ガス量演算部32に出力する。腸内ガス量演算部32では、第1実施形態と同様、BS長検出部313から出力されるBS長に基づいて被測定者の腸内ガス量が演算される。
なお、本実施形態では腸音検出部31aが各セグメントのSNRに基づき有効セグメントを検出して有効セグメントの特徴量を抽出したが、これに限られるものではない。例えば、腸音検出部31aは、有効セグメントを検出することなく各セグメントの特徴量を抽出し、これらの特徴量が連続して基準量を超えるセグメントの期間をBS長として算出してもよい。
次に、腸音検出部31aによる音響データの検出結果について図10を参照して説明する。
図10は、音響データに含まれる腸蠕動音の長さ及び発生数の関係を例示する図である。
ここでは、炭酸水を摂取した被験者の腸蠕動音についての検出結果が実線により示されており、コーヒーを摂取した被験者の腸蠕動音についての検出結果が破線により示されている。なお、連続する有効セグメントの数、すなわちBS長が横軸であり、縦軸が腸蠕動音の発生数、すなわちBS頻度が縦軸である。
図10に示すように、炭酸水摂取後の腸蠕動音については、コーヒー摂取後の腸蠕動音に比べて右側にシフトしているため、BS長が長くなっていることがわかる。すなわち、腸内ガス量が多い人ほど、BS長が長くなるといえる。
本実施形態における腸音検出部31aは、音響データからBS長を検出し、検出したBS長ごとに発生頻度を求め、BS長の平均値又は最頻値などの統計値を、新たなBS長として腸内ガス量演算部32に出力する。
あるいは、図10に示したように、腸内ガス量が増加するにつれて、検出結果の線と縦軸と横軸とで囲まれる領域の面積は広くなるため、腸音検出部31aは、当該領域の面積としてBS長の各値の発生頻度を積算し、その積算値をBS長として用いてもよい。または、腸音検出部31aは、例えば「10」から「20」までの所定範囲の発生数のBS長を抽出し、そのBS長の平均値をBS長として用いてもよい。これにより、腸内ガス量の測定精度を高めることができる。
次に、第3実施形態による作用効果について説明する。
第3実施形態における演算部30は、音響データにおける特徴量を抽出する特徴量抽出部312と、特徴量抽出部312によって抽出される特徴量が基準量を超えて抽出される期間をBS長として検出するBS長検出部313と、を含む。ここにいう基準量は、腸蠕動音の特徴量の基準となる基準情報に含まれる。
この構成によれば、音響データから抽出した腸蠕動音の特徴量を用いることにより、音響データに混入する雑音が比較的多い条件下であってもBS長を精度よく検出することがでる。それゆえ、音響データのSNRが低くなる環境下であっても腸内ガス量を測定する精度が低下するのを抑制することができる。
(第4実施形態)
図11は、第4実施形態における測定装置103の一部の機能構成を示すブロック図である。
第4実施形態では、被測定者の腸内ガス量を演算するにあたり、音響データにおける特徴量から分類される腸蠕動音のパターンを用いる点が第1乃至第3実施形態と異なる。
本実施形態の測定装置103は、図1に示した測定装置100の構成に加え、音響データに含まれた腸蠕動音を分類するための予測アルゴリズムD1を記憶する補助記憶部11を備えている。
予測アルゴリズムD1は、機械学習によって生成されたものである。予測アルゴリズムD1の学習については、入力層、中間層及び出力層のユニット数がそれぞれ13、25及び1の人工ニューラルネットワーク(ANN)が本実施形態で用いられている。学習手法の詳細については図12を参照して後述する。
また、測定装置103は、図1に示した測定装置100の演算部30に代えて、演算部30に対応する演算部30Bを備えている。他の構成については測定装置100の構成と同一であるため、ここでの説明を省略する。
演算部30Bは、音響データに示される腸蠕動音の種類に基づいて被測定者の腸内ガス量を演算する演算手段を構成する。本実施形態の演算部30Bは、セグメント検出部311と、特徴量抽出部312と、BS予測部313aと、BS分類予測部313bと、腸内ガス量演算部32aと、を備える。
セグメント検出部311及び特徴量抽出部312は、図9に示した腸音検出部31aの構成と同じであるため、同一符号を付してここでの説明を省略する。
BS予測部313aは、予測アルゴリズムD1に従って、音響データに腸蠕動音が含まれているかを予測する。
本実施形態におけるBS予測部313aは、セグメント検出部311によって検出された有効セグメントの各々について、特徴量抽出部312によって抽出された特徴量に基づき、音響データに腸蠕動音が含まれているかを予測する。
具体的には、BS予測部313aは、有効セグメントごとに、腸蠕動音が含まれている蓋然性を表わす予測スコアを予測結果として算出する。本実施形態の予測スコアは、「0」から「1」までの範囲内の数値で定量化され、予測スコアが「1」に近づくほど、腸蠕動音が含まれている蓋然性が高いことを意味する。
BS予測部313aは、算出した予測スコアに基づいて音響データの中から腸蠕動音が含まれている有効セグメントを抽出する。BS予測部313aは、セグメント検出部311によって検出された有効セグメントの中から、予測スコアが最適閾値Thを上回るセグメントを、腸蠕動音が含まれているBSセグメントとして抽出する。
上述の最適閾値Thは、腸蠕動音を検出するための検出閾値であり、記憶部10にあらかじめ保持される基準情報として用いられる。この最適閾値Thを設定する手法について以下に説明する。
まず、BS予測部313aによって算出された予測スコアを基に、受信者動作特性(ROC:Receiver Operating Characteristic)解析が行われる。この解析により、カットオフポイントにおける感度(Sensitivity)、特異度(Specificity)、精度(Accuracy)を次式(2)のように求めることができる。
Figure 2021074238
なお、TP、TN、FP及びFNの定義は以下のとおりである。
TP(True Positive):BSセグメントを自動抽出した数
TN(True Negative):non−BSセグメントを自動抽出しなかった数
FN(False Negative):BSセグメントを自動抽出しなかった数
FP(False Positive):non−BSセグメントを自動抽出した数
ROC曲線において、感度:1、特異度:1の位置からのユーグリッド距離が最短となる点を基に、最適閾値Thが決定される。本実施形態では、例えばTh=0.55に設定することができる。
BS分類予測部313bは、特徴量抽出部312によって抽出される特徴量に基づいて所定のBSパターンの中から、音響データに含まれる腸蠕動音のパターンを選択する選択手段を構成する。所定のBSパターンは、腸蠕動音の種類ごとにあらかじめ定められる。
本実施形態におけるBS分類予測部313bは、BS予測部313aによって腸蠕動音が予測された場合には、その腸蠕動音について、予測アルゴリズムD1に従い腸蠕動音の種類を予測する。
具体的には、BS分類予測部313bは、BS予測部313aによって抽出されたBSセグメント区間内の腸蠕動音の種類を、特徴量抽出部312で抽出されたPNCCなどの特徴量に基づいて予測する。これにより、腸蠕動音の種類を自動判別することが可能となる。
腸蠕動音の種類としては、例えば「グー」、「キュルキュル」、「ポコ」などの擬音に応じて分類することができ、腸蠕動音を分類するカテゴリー又は数は、特に限定されない。本実施形態では、腸蠕動音(BS)は、次の表1に示すように五つのパターンに分類される。
Figure 2021074238
この五つのパターンは、腸蠕動音の種類ごとに定められた所定のBSパターンであり、腸蠕動音の基準となる基準情報として用いられる。なお、具体的な分類方法については、Dimoulas, C., Kalliris, G., Papanikolaou, G., Petridis, V., & Kalampakas, A. (2008). Bowel-sound pattern analysis using wavelets and neural networks with application to long-term, unsupervised, gastrointestinal motility monitoring. Expert Systems with Applications, 34(1), 26-41.を参照されたい。
例えば、被験者がコーヒーを摂取した後においては、炭酸水摂取後に比べて、腸蠕動音のパターンP1が明らかに多く見られることが確認されている。逆に、被験者が炭酸水を摂取した後においては、特に、腸蠕動音のパターンP2、P4の発生頻度が増加していることが確認されている。これらの結果は、明らかに、飲料の成分の違いによる腸管内の状態の違いが現れていると考えられ、腸蠕動音の種類を用いることにより、腸内ガス量の判定が可能であることが示唆されているといえる。
このため、本実施形態におけるBS分類予測部313bは、五つのパターンP1乃至P5の中から、BSセグメントから抽出された特徴量に基づき、BSセグメントにおける腸蠕動音のパターンを選択する。そしてBS分類予測部313bは、選択した腸蠕動音のパターンを腸内ガス量演算部32aに出力する。
腸内ガス量演算部32aは、BS分類予測部313bによって予測された腸蠕動音の種類に基づいて被測定者の腸内ガス量を演算する演算手段を構成する。本実施形態における腸内ガス量演算部32aは、BS分類予測部313bから出力される腸蠕動音のパターンの発生頻度に基づいて被測定者の腸内ガス量を判定する。
例えば、腸内ガス量演算部32aは、表1のパターンP2及びP4の一方又は両方の発生頻度が所定の正常範囲の上限値を上回る場合には、被測定者の腸内ガス量が多いと判定する。腸蠕動音のパターンP2及びP4の一方又は両方の発生頻度が正常範囲の下限値を下回る場合には、腸内ガス量演算部32aは、被測定者の腸内ガス量が少ないと判定する。
このように、本実施形態では、腸蠕動音を上記の表1に示したパターンP1乃至P5に分類することができる。また、ANNの出力層のユニットが一つの場合、腸蠕動音を二つのクラスに分類できるが、出力層のユニットを複数設けることにより、腸蠕動音を多クラスに分類できる。
次に、予測アルゴリズムD1の生成手法について図12を参照して簡単に説明する。
図12は、本実施形態における予測アルゴリズムD1を生成する機械学習装置200の機能構成を示すブロック図である。機械学習装置200は、教師データ作成部50と、記憶部60と、学習部70と、を備える。
教師データ作成部50は、集音装置1からの音響データに基づいて教師データD1’を作成する。教師データ作成部50は、音響データ取得部51と、セグメント検出部52と、特徴量抽出部53と、BS判定部54と、BS分類判定部55と、を備える。
音響データ取得部51、セグメント検出部52、及び特徴量抽出部53は、それぞれ、図1に示した音響データ取得部22、図11に示したセグメント検出部311及び特徴量抽出部312と同じ構成である。
BS判定部54は、音響データに腸蠕動音が含まれるか否かを利用者の入力操作に応じて判定する。本実施形態では、利用者が音響データにおける各セグメントの再生音を聴き、各セグメントに腸蠕動音が含まれているかを判定し、判定した結果を利用者が入力装置2を介してBS判定部54に入力する。このような利用者の入力操作に応じて、BS判定部54は、各セグメントに腸蠕動音が含まれるか否かを判定する。
具体的には、BS判定部54は、利用者によって音響データに腸蠕動音が含まれていると判定された区間をBSエピソードと定義し、各セグメントの区間内にBSエピソードが存在していれば、当該セグメントをBSセグメントとし、存在していなければnon−BSセグメントとする。
BS分類判定部55は、音響データに腸蠕動音が含まれる場合に、当該腸蠕動音の種類を利用者の入力操作に応じて判定する。本実施形態におけるBS分類判定部55は、BS判定部54によって腸蠕動音が含まれていると判定されたBSセグメントについて、入力装置2による利用者の入力操作に応じて腸蠕動音の種類を判定する。
腸蠕動音の種類は、本実施形態では、表1に示した五つのパターンP1乃至P5に分類される。フィジカルアセスメントの技術では、一般の聴診で(正常な)腸蠕動音として聴取される「グルグル・ゴロゴロという音」、短いポコ音、持続するギュー音や、腸音の亢進時に聴取される「グルグルと突進するような音」に分類することができる。
また、腸蠕動音は、正常、亢進、減弱、消失に分類することもでき、腸蠕動音の亢進は、感染性胃腸炎などの炎症、下痢、又はイレウスの沈静化時に聴取される。腸蠕動音の減弱は、手術による腹膜の炎症又は便秘時に聴取される。腸蠕動音の消失は、イレウス時に聴取されると言われている。そのほかに、腹部の血管雑音の聴取は腹部動脈の狭窄病変が疑われると言われている。
教師データ作成部50は、セグメントごとに、BS判定部54の判定結果と、BS分類判定部55の分類と、特徴量抽出部53によって抽出された特徴量と、を互いに対応付けることによって教師データD1’を作成する。教師データ作成部50は、作成した教師データD1’を記憶部60に記録する。
学習部70は、記憶部60に記憶された教師データD1’に基づいて、予測アルゴリズムD1を学習する。本実施形態における学習部70は、人工ニューラルネットワーク(ANN)によって構成される。ANNの構造は、入力層、中間層、出力層の少なくとも三層からなる階層型ニューラルネットワークである。学習部70は、学習した予測アルゴリズムD1を記憶部60に記録する。この学習済みの予測アルゴリズムD1は、例えば図11に示した補助記憶部11に記録される。
なお、学習部70はANNに限定されず、線形識別関数、Gaussian Mixture Model (GMM)、Support Vector Machine(SVM)、Probabilistic neural network(PNN)、Radial bias function network(RBFN)、Convolutional neural network(CNN)、DeepNN、DeepSVMなどの学習機械を用いて構築することも可能である。
次に、第4実施形態による作用効果について説明する。
第4実施形態における演算部30Bは、取得部20からの音響データに示される腸蠕動音の種類に基づいて被測定者の腸内ガス量を演算する。
この構成によれば、腸内ガス量を演算する際に腸蠕動音の種類を用いることによって、第1乃至第3実施形態に比べて精度よく腸内ガス量を推定することができる。例えば、被測定者の腸が飢餓収縮している場合はBS長が長くなるものの、腸蠕動音のパターンP1乃至P5を用いることにより、飢餓収縮の症状と、感染性胃腸炎及び下痢の症状と、を切り分けることが可能となる。
また、本実施形態における演算部30Bは、音響データにおける特徴量を抽出する特徴量抽出部312と、特徴量抽出部312で抽出される特徴量に基づいて腸蠕動音のパターンを選択するBS分類予測部313bと、を含む。さらに演算部30Bは、BS分類予測部313bによって選択されるパターンに基づいて被測定者の腸内ガス量を演算する腸内ガス量演算部32aを含む。BS分類予測部313bは、腸蠕動音の基準となる基準情報に含まれる所定のパターンの中から、特徴量抽出部312で抽出される特徴量に基づいて音響データに示される腸蠕動音のパターンを選択する。
この構成によれば、腸蠕動音のパターンを選択する際に音響データから抽出される腸蠕動音の特徴量を用いることによって、雑音環境下であっても精度よく腸蠕動音のパターンを分類することができる。したがって、腸内ガス量を精度よく推定することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上述の実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、音響データの特徴量としては、本実施形態で例示したPNCC及びMFCCに代えて、△PNCC、△△PNCC、△MFCC、△△MFCC、BSF、フォルマントに関連する特徴、ピッチに関連する特徴、LPC係数、スペクトルフラットネス、対数エネルギー、有音区間の持続時間、ZCR、及び近似エントロピーなどのエントロピーに基づく指標、並びに、これらの統計量(平均、標準偏差など)を用いることができる。
また、上記実施形態では人間の腸蠕動音が含まれる音響データが用いられたが、人間に限らず、犬又は猫などの動物の腸蠕動音が含まれる音響データを用いてもよい。この場合には、動物の腸蠕動音と腸内ガス量との相関関係を測定装置100乃至103に適用することによって、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
100、101、102、103 測定装置
2 入力装置(受付手段)
20 取得部(取得手段)
21 操作信号取得部
22 音響データ取得部
30、30A、30B 演算部(演算手段)
32、32a 腸内ガス量演算部(腸内ガス量演算手段)
40、40A 腸内情報生成部(生成手段)
312 特徴量抽出部(抽出手段)
313 BS長検出部(検出手段)
313b BS分類予測部(選択手段)
S1、S2(取得ステップ、演算ステップ)

Claims (14)

  1. 腸の状態を測定する測定装置であって、
    被測定者の腸蠕動音が含まれる音響データを取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得される音響データに基づいて前記被測定者の腸内ガス量を演算する演算手段と、
    を含む測定装置。
  2. 請求項1に記載の測定装置であって、
    前記演算手段は、前記腸蠕動音の基準となる基準情報を取得し、前記基準情報と前記音響データとを用いて前記腸内ガス量を演算する、
    測定装置。
  3. 請求項2に記載の測定装置であって、
    前記取得手段は、利用者の入力操作を受け付ける受付手段から前記基準情報を取得する、
    測定装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の測定装置であって、
    前記基準情報は、被験者が特定の飲料を摂取した後の腸蠕動音に基づいて設定される、
    測定装置。
  5. 請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の測定装置であって、
    前記基準情報は、被測定者の属性情報及び体組成情報の少なくとも一つに応じて設定される、
    測定装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の測定装置であって、
    前記演算手段は、前記音響データに示される腸蠕動音の長さを用いて前記腸内ガス量を演算する、
    測定装置。
  7. 請求項6に記載の測定装置であって、
    前記演算手段は、
    前記音響データにおける特徴量を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段によって抽出される特徴量が基準量を超えて抽出される期間を前記腸蠕動音の長さとして検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出される腸蠕動音の長さを用いて前記腸内ガス量を演算するガス量演算手段と、を含む、
    測定装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の測定装置であって、
    前記演算手段は、前記音響データに示される腸蠕動音の種類に基づいて前記腸内ガス量を演算する、
    測定装置。
  9. 請求項8に記載の測定装置であって、
    前記演算手段は、
    前記音響データにおける特徴量を抽出する抽出手段と、
    前記腸蠕動音の種類ごとに定められた所定のパターンの中から、前記抽出手段によって抽出される特徴量に基づいて前記音響データに示される腸蠕動音のパターンを選択する選択手段と、
    前記選択手段によって選択されるパターンに基づいて前記腸内ガス量を演算するガス量演算手段と、を含む、
    測定装置。
  10. 請求項7又は請求項9に記載の測定装置であって、
    前記特徴量は、PNCCを含む、
    測定装置。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の測定装置であって、
    前記演算手段によって演算される腸内ガス量に関する腸内情報を生成する生成手段をさらに含む測定装置。
  12. 請求項11に記載の測定装置であって、
    前記演算手段は、前記音響データに基づいて、前記腸蠕動音の長さを前記腸内ガス量として検出するとともに前記腸蠕動音の信号レベル及び発生数のうち少なくとも一方のパラメータを検出し、
    前記生成手段は、前記演算手段によって検出されるパラメータと前記腸蠕動音の長さとに基づいて前記被測定者における腸の不調度合いを示す前記腸内情報を生成する、
    測定装置。
  13. 請求項12に記載の測定装置であって、
    前記生成手段によって生成される腸内情報をレーダーチャートにより表示する表示手段をさらに含む、
    測定装置。
  14. 腸の状態を測定するコンピュータに、
    被測定者の腸蠕動音が含まれる音響データを取得する取得ステップと、
    前記取得ステップによって取得される音響データに基づいて前記被測定者の腸内ガス量を演算する演算ステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024128038A1 (ja) * 2022-12-12 2024-06-20 積水化学工業株式会社 情報処理システム、情報処理装置、制御方法、およびプログラム

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